陽だまりと歌姫の恋 (穂乃果ちゃん推し)
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第1章:新たな花、芽吹く時
BEGINS《ハジマリ》


何だか時期は早くなっちゃいましたが……新小説、立ち上げます!5作目、『陽だまりと歌姫の恋』です!何だろう……この先、少し不安が蠢く作者ですが、友希那ちゃんとリサちゃんを少しでも可愛く書けるように、努力をしたいと思います!

それでは『BEGINS《ハジマリ》』スタートですよ!

この小説のテーマ曲は……、
Roselia[BLACK SHOUT]


〔※回想※〕[8年前]

 

?「何で!?どうして!?」

 

 

日もそろそろ傾き始めた、夕暮れのこの頃……1人の女の子が涙を流しながら声を上げていた。

 

 

?「すまない、友希那……」

 

?「落ち着きなよ、友希那……」

 

友希那「これが落ち着いてられる!?冬也が……私たちの前から居なくなるんだよ!?落ち着ける訳ない!」

 

?「気持ちは判るよ……でも、友希那……そろそろ……」

 

友希那「分かってる!……けど……」

 

冬也「それじゃぁ……はい、これ」

 

 

冬也はそう言うと、ダンボールの中から2つの買い物袋を取り出して、大きい方を友希那に、小さい方をリサにあげた。

 

 

友希那/リサ「こ、これは?」

 

冬也「俺からのプレゼントだ。こっちはリサに、こっちの大きいのが友希那のだ。」

 

リサ「これは……ピアス?」

 

友希那「……にゃ、ニャンちゃん///」

 

 

冬也が友希那とリサに渡したのは、猫の形をした筆箱と星型のピアスだった。冬也は、2人を見つめてこういう。

 

 

冬也「必ず、絶対に帰ってくる……それを俺と思ってくれ、そうしたら少しは気が紛れるだろ?」

 

リサ「冬也……」

 

友希那「冬也……」

 

冬也の母「冬也、そろそろ……行くわよ」

 

 

冬也が2人と話しているタイミングで、冬也の母の呼ぶ声がした。冬也はそれに反応して返答を返す。

 

 

冬也「分かった……あ、リサ」

 

リサ「どうしたの?」

 

冬也「リサ……友希那の事を、頼むぞ」

 

リサ「うん!」

 

 

リサにそう告げた冬也は、両親と一緒に車に乗り、その場を去って行った……。

ーー[回想 了]ーーーーーーーーーーーーーー

[そして……今]

 

冬也「……うん、ここだな」

 

 

8年の時を得て、大空冬也は、生まれ故郷へと帰って来た。表札には『大空』と書かれており、本人の家である事が分かる。冬也は中へと入り、荷解きをする事にした。

 

 

冬也「あの頃のまんまだ……変わらないな、俺も……この街も」

 

 

冬也は荷解きを順調に進めていた。その時、家のインターフォンが鳴る!

 

 

冬也「あっ、はーい!(どうしたんだろう……宅配便なんて頼んでないんだが……)」

 

 

少々不安な気持ちでドアノブを回した。すると、その目に飛び込んで来たのは……!

 

 

?「やっほー☆おかえり、冬也!」

 

冬也「リ、リサ!?……た、ただいま」

 

リサ「もぉ〜……元気ないぞ〜?まっ、いいか!早速だけど、上がってイイ?」

 

冬也「悪いが荷解きがまだ終わってないんだよ……」

 

リサ「だったら、あたしも手伝う!それに……冬也と少しでも一緒に居たいからね」

 

冬也「分かった、上がれよ」

 

 

冬也はそう言ってリサを自宅に招き入れる。しばらく作業を進めた時、リサの身なりを見て、気になった事があったので、冬也は聞く事にした。

 

 

冬也「それ……付けて、くれてたんだな」

 

リサ「あ……うん。やっぱり、冬也の事が忘れられなくてさ……」

 

冬也「そうだよな……あ、友希那は元気か?」

 

 

友希那の事について気になったので、話をリサに聞こうとした冬也だったが……その途端にリサの目が濁り、ゾッと寒気がするかのような感覚を覚えた。……だが、それはすぐに収まり、リサは答えた。

 

 

リサ「うん、元気だよ。……前みたいに、笑わなくなっちゃったけど」

 

冬也「どういう事だ?」

 

リサ「実はね……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔10分後〕

 

冬也「成程、そんな事が……」

 

リサ「うん……退屈だった?」

 

冬也「いいや、そんなことは無い」

 

 

少しして2人が時計を見ると、そろそろお昼時に差し掛かろうとしていた。

 

 

リサ「お昼はどうするか……決めてるの?」

 

冬也「決めてないが……何か考えてるのか?」

 

リサ「私の……手料理、食べてみる?」

 

冬也「……リサの、手料理?」

 

 

帰って来たばかりの冬也を待ち受ける変化は、まだ始まったばかりだ……。




今回はここまでです!如何ですか?最初は短めにしましたが……次からはバッチシ書いて行きますよ〜!最初はリサちゃんを登場させました〜!友希那ちゃんの方は何処かで出番を作りたいと思います!それではまた次回!最後にオリキャラの紹介を載せておきます。


大空冬也《おおぞらとうや》
性別:男/年齢:16
誕生日:8月10日
所属高校:羽丘学園高等部
好きな食べ物:リサの手料理,辛い物
嫌いな食べ物:無し
趣味:音楽鑑賞,ベース
CV:柿原徹也


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リサの手料理

今回はリサちゃんがメインのお話です!何処かで友希那ちゃんもチョットだけ出るかも?です。


ちょっとこれは、余談なんですけどね?話の流れ的に、リサ回にしようとは思ったのですが……このお話の執筆開始日が、どうやらリサちゃんの初代声優である……ゆりしぃこと遠藤ゆりかさんのお誕生日みたいですね。ゆりかさん、お誕生日おめでとうございます。この事をキッカケに、『BanG Dream!』の事についてもっともっと知って行きたいと思いますので、よろしくお願いします。


それでは『リサの手料理』スタートですよ!


リサ「お昼はどうするか……決めてるの?」

 

冬也「決めてないが……何か考えてるのか?」

 

 

質問を投げ掛けたリサに、冬也は質問で返す。すると、リサはこんな事を言い出す。

 

 

リサ「私の……手料理、食べてみる?」

 

冬也「……リサの、手料理?」

 

リサ「うん、どうかな?」

 

冬也「是非、食べたい!」

 

リサ「じゃあ……わかった!冬也のために、この今井リサ、腕を奮っちゃうよ〜!」

 

冬也「ああ、頼む」

 

 

そう言ってリサは台所に立つ。リサはテーブルの上に置いてあったエプロンを身に付け、冷蔵庫を見る。……見たは良いのだが……。

 

 

リサ「………」

 

冬也「……どうした、リサ?」

 

リサ「食材が……1つもない」

 

冬也「……ま、まあ……引っ越して来たばかりだからな、それくらいは仕方ねぇだろ」

 

リサ「だったら……買いに行こっ!」

 

 

突然何を思い立ったのか、リサはエプロンをスグに脱ぐと、バッグを肩から提げて、冬也の腕を取って進み始めた!

 

 

冬也「え?ちょっ……リサ?」

 

リサ「良いから……行くよ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔街中〕

 

冬也「うわぁ〜……懐かしいな〜」

 

リサ「でしょ?引っ越した所よりも、生まれ故郷の方がいいでしょ?」

 

冬也「ああ……何だか、とても落ち着く」

 

 

リサと冬也は街中を歩いて、思い出話に耽っていた。すると、2人の繋ぎ目が目に入ったのか、冬也が声をかける。

 

 

冬也「ん?どうしたんだ……これ?」

 

リサ「あたしから離れられないようにする為だよ」

 

冬也「だからって……恋人繋ぎをする必要無いじゃん」

 

リサ「ううん……冬也はあたしの彼氏だからさ。大好きなんだ……冬也の事。……ダレニモワタシタクナイクライ///……タトエ、ユキナデサエモ……」

 

 

冬也の質問に答えたリサは、途中からボソボソと声を発していた。……その中には、とんでもない様な事が発言されていた気がしないでもないが。

 

 

冬也「なあ、リサ……さっきは何て言ったんだ?」

 

リサ「な、何でもないよ!///」

 

冬也「?」

 

 

冬也は首を傾げながら、この事についての言及を辞めた。それを見たリサは内心ホッとしていた。そうこうしている間に、スーパーへと辿り着いた。入るなり、リサはカゴを取って冬也に押し付けた!

 

 

冬也「ちょっ!リサ!?」

 

リサ「天然ジゴロな冬也には分かんないよ!あたしからのお返し!この買い物中、冬也は荷物持ちね!……それをしないと、あたしの手料理、食べさせてあげないから///」

 

冬也「わ、分かった……」

 

 

リサの無茶な要求を呑んだ冬也は、買い物の際の荷物持ちを行なった。リサが買った量は、2ヶ月は優に持ちそうな量で、道具も多めだった為……冬也も微力ながら財布から英世さんを1枚出した。2000幾らで済んだ為、出費はそこまでは無かったものの、冬也の財布から殆ど出された為、ギリギリになってしまった。

 

 

リサ「よし!これだけ買えば大丈夫でしょ!」

 

冬也「お、お前……流石にこれは大丈夫だと思うがよ〜……何で俺の財布から、殆どの額を抜いたよええ!?」

 

リサ「言ったじゃん、『仕返し』って///」

 

冬也「クソっ……(この消費は痛いぞ……バイトをしてお金を稼ぐか〜?)」

 

 

謎の後悔と共に、リサと冬也は家へと帰る。そして暫くした後……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔大空家:リビングキッチン〕

 

リサ「それじゃぁ〜……作るからね〜!」

 

冬也「よろしく頼む」

 

 

その言葉を聞き、リサは調理へと取り掛かった。リサの目の前には、彩り豊かな野菜や麺の袋が置かれていた。それから数分後……。

 

 

リサ「出来たよ〜!焼きそば!」

 

冬也「おおっ!」

 

リサ「それじゃぁ……食べよっか!」

 

 

その言葉を皮切りに、リサと冬也は食べ始める。

 

 

冬也「マジか!冗談抜きでうめぇ!」

 

リサ「良かった〜!何か困ったら、何でも言ってね!あたし、冬也のためなら何でもするから!」

 

冬也「ありがとう、リサ!」

 

 

そんな会話を交わしながら、2人は食べ進めて行く。そして食べ終わり、少し落ち着いて来た頃……。

 

 

冬也「ふぅ〜……美味かった!」

 

リサ「あたしも〜……自分で作ったのを、自分で食べるって、何だか新鮮……」

 

冬也「時間は大丈夫なのか?」

 

リサ「あ……そろそろ、あたしはお暇しようかな〜。あっ、連絡用アプリって持ってる?」

 

冬也「持ってるが……」

 

リサ「交換……しない?」

 

 

リサの言葉を皮切りに、2人は連絡先を交換し合った。リサの携帯には冬也の連絡先が、冬也の携帯にはリサの連絡先が登録された。

 

 

リサ「それじゃぁ、何かあったら連絡するね!」

 

冬也「ああ、分かった」

 

 

そうしてリサは自宅に帰って行った。その時のリサの顔が紅潮していたのには、冬也はこの時は気付く由もないのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔今井家:リサの部屋〕

 

その日の夜遅く……リサは誰かと、連絡用アプリで連絡を取り合っていた。

 

 

リサ「冬也……帰って来たよ」

 

?『随分と長かったわね』

 

リサ「ごめん……でも、これからはずっと一緒だよ」

 

?『そうね。ゼッタイニドコニモイカセタリナンテシナイ……』

 

リサ「ホカノケガラワシイオンナノニオイガツクノハソシシナキャネ……ユキナ」

 

友希那『ええ……』

 

 

1人の少年を愛する者が、リサの他にももう1人……その人物が、着々と動き出そうとしていた……。




今回はここまでです!如何ですか?

評価とお気に入り登録が増えていて……本当に感無量です!評価者は2人、お気に入り登録者は38名です!本当にありがとうございます!
高評価 ☆9 櫛菜さん

本当にありがとうございました!これからもゆる〜く自分のペースで頑張りますので、よろしくお願いします!


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歌姫の襲来

今回は友希那ちゃんが登場します!まぁ……長ったらしい話は無しにして、本編を見て頂きましょうか!視点は冬也視点です!




それでは『歌姫の襲来』スタートですよ!


〔大空家:冬也の部屋〕

 

冬也「………」

 

 

俺は自分の部屋のベッドで就寝していた。流石にこの時間は誰にも邪魔はされたくない。……さて、俺の事はこれくらいにして、本筋に入るとしようか……。

 

 

冬也のスマホ♪♪♪

(BGM:高橋洋子[残酷な天使のテーゼ])

 

 

冬也「誰だよ……」

 

 

俺は少々ムカつきながらも、枕元に置いてあったスマホを手に取る。そして見てみると、着信が届いていた。送信相手は、………彼奴からだ。

 

 

冬也「何だ」

 

?『何だとは随分なご挨拶ね、冬也』

 

冬也「ああ……悪い、友希那」

 

友希那『それはイイわ。だって、寝起きの貴方はとてつもなく機嫌が悪くなるでしょう?』

 

冬也「……っ。知ってたんなら、何故こんな朝早くに掛けてきた」

 

 

俺がいきなり起こされた不満を込めて友希那に聞くと、ある答えが返ってきた。

 

 

友希那『久しぶりに貴方の声が聞きたくなったのよ……ダメかしら?』

 

冬也「そ、そんな事は無い……」

 

友希那『ふふっ。そう言えば……昨日はリサとお楽しみだったみたいね?』

 

冬也「ああ。でも、何故こんな事を?」

 

友希那『このパターンから分からない?……今日は私に付き合ってもらうわよ』

 

冬也「分かった、後でな」

 

友希那『ええ』

 

 

その言葉を最後に俺と友希那は電話を切った。色々引き伸ばしちまったが……友希那は俺のもう1人の幼馴染だ。小さい頃から音楽が好きで、いつか友希那の父を超えたいとも言っていた。……そして、8年前俺が引っ越す時に、1番泣いていたのが、意外な事に……友希那だ。

 

 

冬也「……アイツには、悪い事したかな」

 

 

そう呟きながら俺は部屋の隅に立て掛けてある、黒いギターを手に取る。この黒いギターは引っ越した先で購入した物であり、ここに戻ってくる前まで結成していたバンドで弾いていた物である。俺はギターを見ると、誰にも聞こえないように声を発した。

 

 

冬也「お前の出番……作ってやれなくてゴメンな?でも何時か、必ず作ってやるからな」

 

 

そう声を掛けて1階へと降りた。材料については、昨日リサと買い物に出掛けた時に、充分すぎる程買ったので暫くは困ることは無いだろう。今回は簡単な料理にしよう……そう決めた俺は準備に取り掛かる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして……しばらくした後。

 

( ´-ω-)σ ピンポーン♪

 

 

冬也「はーい!」

 

 

ドアを開けると、そこには予想通りの人物が立っていた。銀色の艶やかな髪に、明るい琥珀色の目をした少女……湊友希那である。

 

 

友希那「お邪魔するわ」

 

冬也「どうぞ」

 

 

俺はそう言って友希那を自宅に入れる。その時の友希那の顔が少しだけ暗く見えたのは、気のせいであってほしいが。

 

 

冬也「はい、紅茶で良かったよな?」

 

友希那「ええ、ありがとう」

 

 

友希那は俺が出した紅茶に口を付ける。8年も見ない間に、こんなにクールになっていたのかと驚く自分がいた。紅茶を飲み干した友希那は、俺を見ながら聞く。

 

 

友希那「何時帰ってきたの?何も連絡が無かったみたいだけど」

 

冬也「昨日だよ……帰って来てすぐにリサが来たもんだからビックリしたよ」

 

友希那「そう……」

 

冬也「友希那こそ、元気にしてたか?」

 

友希那「ええ」

 

冬也「今でも、親父さんの音楽が好きだったりするのか?」

 

友希那「……!」バンッ!!

 

 

俺が友希那の親父さんの事について聞くと、何かの琴線に触れたかのようにテーブルを強く叩いた。紅茶の入っていたグラスがカタンと音を鳴らした。

 

 

冬也「ど、どうしたんだ……友希那」

 

友希那「私は……父を超えるわ。フェスに出て、頂点に立ち……私の音楽を認めさせるわ」

 

冬也「お、おおう……」

 

友希那「……貴方、ギターがあるでしょ?」

 

 

何を思ったのか、友希那から鋭い事を聞かれた!……1度も俺のギターの話はしてないぞ!?……どうしてわかった!?

 

 

冬也「……どうしてわかった?」

 

友希那「貴方の爪……綺麗に整えられてるわ。ギターを弾く為には爪の手入れも必要……だからよ」

 

冬也「へ、へぇ〜……」

 

友希那「貴方のギター……聞かせてくれないかしら?」

 

冬也「分かった……部屋に行こうか」

 

 

そう言って俺は友希那を2階の俺の部屋に招く。ギターを弾く時は、2階の部屋の方が落ち着くから、2階の部屋で弾く事にしている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔大空家:冬也の部屋〕

 

ギターのアンプを使って、音のチューニングを済ませた俺は友希那を部屋に上げる。今まで見たことのない眼光を走らせている友希那を前に、俺は声を発する。

 

 

冬也「それじゃぁ……弾くぞ?」

 

友希那「ええ、始めて頂戴」

 

冬也「では、聞いてくれ。『ETERNAL BLAZE』」

 

 

その合図と共に、ギターだけでのソロを弾き始める。途中に歌も交えながら、友希那へと披露する。そしてざっと5分が過ぎた頃……。

 

 

冬也「ど、どうだ……?」

 

友希那「……単刀直入に言うわ。貴方、『Roselia』のマネージャーになってみない?」

 

冬也「ま、マネージャー……?俺が?」

 

友希那「貴方となら、頂点を目指せるわ。その為にも、私は貴方が欲しいの。どうかしら?」

 

冬也「……分かった。よろしく頼む、友希那」

 

 

俺はこの日この時を境に、友希那の率いるバンド……『Roselia』のマネージャーとなった。聞けば、音楽以外に時間はあまり割けられないらしい。……それでもいいと思えた、彼女の瞳を見ていると……何かを見させてくれるかのような気がしたから……。




今回はここまでです!如何ですか?冬也くんの持っているギターはアコースティックの方ではありませんので、お間違いなく。次回辺りにでも『Roselia』のメンバー全員を出したいと思います。それではまた次回!


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少女たちと少年の邂逅

友希那にギターの演奏を聞かせた冬也は、友希那からRoseliaのマネージャーにならないかと誘いを受けた。それを、冬也は快くとは言えないものの承諾。それを受けて友希那は冬也をあるライブハウスへと案内する。

 

 

友希那「……」

 

冬也「……な、なぁ……」

 

友希那「何かしら?」

 

冬也「何処に向かってるんだ?そろそろ、場所を教えてくれないか?」

 

 

そろそろ痺れを切らした冬也が、未だに前をひたすら歩いている友希那に問う。すると友希那は、何を思い立ったのか……少し止まり振り向いてから言う。

 

 

友希那「……これからは、何があっても、他のメスに振り向いちゃいけないわよ?これから貴方が会う人達は例外だけどね?……イイわね?」

 

冬也「お、おう……出来れば、その濁った目をやめてくれ……」

 

友希那「ええ」

 

 

冬也がそう言うと、友希那の濁った目が元に戻った。『例外ってどういう事だ』なんて思った奴が居るかもしれないが……察して欲しい。ヤンデレが他のメスを視界に入れてしまうとどうなるか……お分かりであろう。

 

 

友希那「これから行くのは『CiRCLE』っていうライブハウスよ。そこに他のメンバー全員を待たせてあるの。普段はガールズバンドのライブで有名よ?」

 

冬也「そ、そうか……」

 

友希那「……」

 

 

その言葉を最後に、冬也と友希那はライブハウスへの道を歩く。途中から友希那が手を恋人繋ぎにして来て、視線で人を殺せそうな程の殺気を身体中に受けてたのは、また別の話である。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔ライブハウス『CiRCLE』〕

 

?「こんにちは〜!……あら?友希那ちゃん!こんにちは!今日も練習?」

 

友希那「ええ」

 

?「あら?この人は?初めて見る顔だね〜」

 

冬也「大空冬也です。よろしくお願いします」

 

 

冬也が挨拶をすると、それを見た女性は改めて自己紹介をする。

 

 

?「私は月島まりなと言います。よろしくね、冬也くん」

 

冬也「よろしくお願いします。ええっと……」

 

まりな「気軽にまりなで良いわよ」

 

 

サラッと心を読まれた冬也は、改めて声をかける。それにまりなは快く応じる。そのタイミングを見計らって、友希那が声を掛ける。

 

 

友希那「Roseliaで予約しているのですが……」

 

まりな「分かったわ。Roseliaの娘たちは3番スタジオね。今日も頑張ってね。」

 

友希那「ありがとうございます、行くわよ……冬也」

 

 

友希那に連れられ、冬也はライブハウスの中へと入っていく。これから会う者達に期待を込めて……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔3番スタジオ内〕

 

友希那「お待たせ」

 

?「あ、友希那さん……こんにちは。」

 

リサ「早速始めよ!友希那!」

 

?「友希那さん、あこ……ちょっと気になる事があるんですけど……」

 

 

友希那が入った直後に冬也が入ると、後ろの方にいる紫の髪をツインテールにした少女から疑問をかけられる。

 

 

友希那「ああ、彼の事ね?……紹介するわ、私とリサの幼馴染で、Roseliaのマネージャーをする事になった……」

 

冬也「大空冬也だ。よろしく頼む」

 

?「……でも、どうして……そ、その人が……ここに?」

 

?「そうですよ、理由はあるんですか?」

 

友希那「ええ。彼はギターをやっていてね、私がその演奏を聞いた時、とてつもない可能性を彼から感じたわ。だから連れて来たの、共に頂点を目指す仲間として。」

 

 

友希那が冬也の事を説明し終えると、リサ以外の3人は驚いた表情を見せながらも、自己紹介をし始めた。

 

 

?「では、先ずは私から……私は氷川紗夜です。高校一年生で、担当楽器はギターをしています」

 

あこ「じゃあ次は……宇田川あこです!カッコイイ物が大好きです!中学二年生でドラムをしています!」

 

?「し、白金……燐子、です……高校一年生で、キーボードをしてます……」

 

冬也「悪いな……氷川と白金は俺と同い歳だ。敬語は無しでいい」

 

 

冬也がそう言うと、紗夜と燐子はまだまだ不安はあるものの、何かを決意したかのように声を発した。

 

 

紗夜「こちらこそ普段通りで構わないわ、冬也」

 

燐子「こ、これから……よろしくね?冬也くん」

 

あこ「何だか1人だけ苗字ってのも、不満だから……あこの事も!」

 

冬也「よろしく、あこ」

 

あこ「はい!」

 

 

3人が冬也に自己紹介を終えた所で、友希那が手を叩いて指示をする。

 

 

友希那「練習するわよ!今回は『ONENESS』を中心に3曲を通すわよ」

 

4人『はい!』

 

友希那「冬也、貴方には私たちの演奏を見てもらうわ。貴方からの意見が欲しいの」

 

冬也「1観客としての意見、という事か?」

 

友希那「ええ。お願いするわ」

 

冬也「分かった」

 

 

友希那はそう言うと、自身のポジションにつき、冬也は近くにあった椅子にドアに背を向けて腰を下ろした。それを見た友希那は声を掛ける。

 

 

友希那「聞いて……これが、私たちの頂点を目指す音楽よ」

 

 

その掛け声と共に、演奏が始まった。3番スタジオからはまさに『演奏中』を思わせるような威圧感と臨場感に包まれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[13分後]

 

友希那「……どうかしら?」

 

冬也「何でも……良いんだな?」

 

 

冬也は静かにそう言うと、左から順番に意見を列挙して行く。その意見に驚いた者が殆どだったと言っておこう。その後……。

 

 

紗夜「貴方って……何か楽器をやってたのよね?」

 

冬也「『やってた』とは失敬な……俺は今でもギターをやってる。だからギターの微妙なズレは分かるんだ。」

 

紗夜「そう……決めたわ」

 

 

紗夜は何かを思いついたかのように、冬也を見詰める。そして少ししてから発せられたのは、衝撃的な一言だった!

 

 

紗夜「私に……ギターを、教えてくれないかしら?」




今回はここまでです!如何ですか?今回はRoseliaメンバー全員を出しましたが、このメンバーの中で幼馴染以外に関わりを持つのは……紗夜ちゃんです!それではまた次回!


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弟子志願

紗夜「私に……ギターを、教えてくれないかしら?」

 

 

5人「え!?」

 

 

紗夜の突然放った一言に、紗夜を除いた全員が驚愕する。友希那とリサに関しては別の意味で捉えていたらしいが……燐子とあこは状況が整理出来ていたみたいだ。

 

 

冬也「どうして……そう思った?」

 

リサ「き、きっと……紗夜は何か勘違いをしてるんだよ〜……きっとそう、きっとそう」

 

友希那「確かに彼のギターの技術はピカイチよ。でも、誰かに教えられる程の技量は無いはず……!」

 

紗夜「私が指摘されたポイント……自分でも分からなかったポイントなの。白金さんの言葉を借りるなら、『自信が無い』所なのよ。」

 

 

その言葉に今度は冬也以外の全員が驚愕する。何とかフォローに入ろうとあこと燐子は声を掛ける。

 

 

あこ「し、仕方ありませんよ!自信が無いポイントなんて、誰にでもわかる物じゃないんですから!」

 

燐子「そ、それに……弾いている時は、『間違った』と思っても、修正できませんし……」

 

紗夜「そこを的確に突いてきたのよ、彼の指摘は。」

 

友希那「そんな事……」

 

 

紗夜が簡潔に纏めると、友希那は声が詰まったかの様に覇気が無くなっていく。それにはリサも同じみたいだ。冬也はしばらく考えてから、こう答える。

 

 

冬也「……分かった」

 

友希那/リサ『冬也!?』

 

紗夜「それじゃぁ……!」

 

 

一瞬紗夜の顔が明るくなりかけた所を見計らって、冬也は待ったをかける。

 

 

冬也「待った」

 

紗夜「!?……どうして?」

 

冬也「見るのはいい、それは誰にだってできる。だが、Roseliaは頂点を目指すんだろ?……そうだよな、友希那?」

 

友希那「え、ええ……そうよ」

 

 

冬也から発せられた問いに、少したじろぎながらも同意の答えを返す友希那。それを聞いた冬也は改めて紗夜へと向き直る。

 

 

冬也「やると決めたからには、俺の全てをお前に教える。もちろん……手は絶対に抜かない。俺が『ここまでだ』と思ったら、今後一切お前の練習には付き合わない。……それが俺を師匠として迎え入れる為の最低条件だ、呑めるか?」

 

紗夜「分かったわ。私は絶対に手を抜いたりなんてしない。Roseliaが頂点に立つ為にも、私にギターを教えてくれないかしら?」

 

冬也「……分かった」

 

 

そう言うと、冬也は右手を差し出し、視線で合図を送る。そしてこう言う。

 

 

冬也「今日からお前を弟子として迎え入れる。俺の言葉は友希那の言葉と取ってもらって構わない。……良いよな、友希那」

 

友希那「……貴方には後でお灸を据える必要がありそうね」

 

冬也「……」

 

友希那「でも……分かったわ。Roseliaのギターを任せるわ、徹底的にシゴいてちょうだい」

 

 

最初に友希那が言っていた事が聞き取れなかったものの、友希那はそれを渋々ながらも承諾した。それを受けてリサが紗夜へと声を掛ける。

 

 

リサ「もし、冬也をあたしと友希那から奪うような事をしたら……許さないよ♪」

 

紗夜「……さて、どうでしょうか」

 

 

影でこんなやりとりがあったことを、ほかの4人は知る由もなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔大空家:リビング〕[5時間後]

 

Roseliaの練習を終わらせた冬也は、リビングのソファーに座り込んでテレビを見ていた。時刻は午後8時を指そうとしている。

 

 

冬也のスマホ♪♪♪

(BGM:Roselia[Re:birthday])

 

 

その時冬也のスマホが鳴り響いた。1件は先程交換した紗夜からで、もう1件が母からのメッセージだ。確認の意味合いを込めて冬也はメッセージアプリを開く。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔氷川紗夜:トーク〕

 

紗夜『先程の練習はありがとうございました』

 

冬也『別に構わない。さて、ギターを教える為に、日程を合わせて置きたい。何分こちらは引っ越して来て間もないからな、学校への転入手続きもあるから早めに決めて置きたい……どうだ?』

 

紗夜『分かったわ、少し予定を確認してみるわね。……あと、師匠を引き受けてくれてありがとう』

 

冬也『そうか。紗夜を徹底的にシゴいてやるからな……覚悟はしておけよ?』

 

紗夜『分かったわ、それじゃぁお休み』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔母:トーク〕

 

母『冬也〜、転入先の高校について提案があるのだけれど……いいかしら?』

 

冬也『何だよ』

 

母『もぅ……冷たいわね。まあ、いいわ。貴方……花咲川学園って知ってる?』

 

冬也『花咲川学園?何だそりゃ』

 

母『今年度まで女子校だったんだけどね〜、来年度からは共学の学校にするという事になってるらしいのよ』

 

冬也『………』

 

母『そこには、私の従姉……つまり、あかり姉さんが居るの。何と……花咲川学園の理事長をしてるのよ!私から話したら、喜んで引き受けるという返事を貰ったわ〜!』

 

冬也『……わかった、そこに行けばいいんだな?』

 

母『さっすが!私の愛する息子!分かってるわ〜!……それじゃぁ転入にあたっての説明をしたいらしいから、明日10時までに花咲川学園の理事長室へと行きなさいね〜?……あ、そっちに行く際は私服でも構わないって事らしいから〜それじゃね!始業式の日は伝えて?お母さん、そっちに行くから!』

 

冬也『分かった』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

冬也は母と紗夜からのメッセージの返信を終える。だが、この選択が後に大きな出来事を引き起こしてしまう事をまだ冬也は知らない。




今回はここまでです!如何ですか?最初にも載せたプロフィールの中身とは違いますが……次回は学校への編入のお話です!それではまた次回!



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いざ、花咲川学園へ

[花咲川学園:正門前]〔翌日AM9:55〕

 

冬也「……お、大きいな〜」

 

 

母からの編入を薦められた冬也は、時間になる前に花咲川学園へと辿り着いていた。その大きさを見て、冬也は驚いていた。

 

 

冬也「すっげー綺麗な建物だな……」

 

警備員「ここに何の用ですか?」

 

冬也「あっ、すみません……ここの理事長に呼ばれている者ですが」

 

警備員「……分かりました。少しお待ちください?」

 

 

そう言って女性警備員は校内へと消えて行く。少ししてから、その警備員が何かを持ってから戻って来た。

 

 

警備員「お待たせしました。確認が取れましたので、理事長室へと向かわれて下さい。」

 

冬也「ありがとうございます」

 

警備員「それと念の為に、これを」

 

 

冬也は女性警備員から全面に『入校証』と書かれたネームプレートを受け取る。受け取った冬也は早速首にかける。それを見た警備員は冬也を中へと通す。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:理事長室前]

 

冬也「……ここだな」

 

 

少し校内に迷いながらも、冬也は目的地である理事長室へと辿り着いた。意を決した冬也は理事長室の扉をノックしようとする……すると!

 

 

?「あら?君はもしかして……?」

 

冬也「……ま、まさか……!あかり姉さん!?」

 

あかり「久しぶり〜!ここでの話も何だし、中に入っちゃって!」

 

 

廊下の途中で、何と叔母である花咲あかりと再会!再会を終えた2人は理事長室へと入って行く。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[友希那side]

 

翌日になり、私は冬也にLINEのメッセージを送ったわ。送った目的はと言うと、練習がある事とそれの前に会えないかという事だったわ。……でも、肝心の彼はと言うと……。

 

 

友希那「既読が付かない……どうしてるのかしら、冬也」

 

 

トークルームにあるトークには『既読』が付いておらず、窓の外を見ても変化が無かったので、少し私は心配になってきていたわ。

 

 

友希那「……まさか、他のオンナ……?いえ、それは考え過ぎね。だって、冬也は何れ私の所に来るのだから……それにあの時のオシオキがまだだったわね……フフッ、Roseliaの練習の時まで無事に過ごせると、軽く思われては困るわね」

 

[友希那side out]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:理事長室]

 

あかり「どうぞそこに掛けて?あっ、紅茶とコーヒーだったら……どっち派?」

 

冬也「コーヒーをお願いします」

 

あかり「わかった、コーヒーね。……って、そんなに硬くならなくていいわよ?いつも通りにしてて?」

 

 

そう言われて冬也は体制を楽にした。それを見たあかりは冬也の対面に座る。

 

 

あかり「それにしても久しぶりね、冬也」

 

冬也「あかり姉さんこそ、元気そうで……」

 

あかり「ありがとう。さてと……貴方をここに呼んだ理由を説明しないとね」

 

冬也「それは分かってるよ、あかり姉さん。態々の説明は大丈夫だよ」

 

 

話始めようとしたあかりを冬也が止める。それを見たあかりは1つ咳払いをしてから、話し始める。

 

 

あかり「貴方には、残りの2年間をこの花咲川学園で生活して貰うわ。此方としては男子の貴方を、優遇措置みたいにはできないのだけれど……貴方はここでの生活を通して、生徒たちとの絆を深めて貰います。」

 

冬也「わかった……でも、それなら俺では無く他の男子でも良かったのでは?」

 

あかり「いいえ?貴方は前の学校では、すっごく活躍してたらしいじゃない。何でもバンドを結成していたのだとかね?」

 

冬也「ああ」

 

 

冬也がそう答えると、あかりはさらに続ける。

 

 

あかり「この学校には、学業と芸能活動を並行している人物が居るの。……貴方がもし、もしよ?芸能活動をしようとしているのなら、それなりの覚悟を持って欲しいの」

 

冬也「……分かった」

 

あかり「その反面……バンドの方は大丈夫よ!大きな大会とかは、必ず応援に行かせるようにするわ」

 

冬也「はい」

 

あかり「随分話が逸れたけど……貴方には4月9日、始業式の日に集会で挨拶をしてもらうわ。それに伴って、テーマ『これからの抱負』に沿って作文を描いてもらうわ。」

 

冬也「わかった、それって長さとかは?」

 

あかり「貴方に任せるわ、良いものを期待してるわね!」

 

 

あかりはそう言うとひとつ息を吐く。そして少ししてから続ける。

 

 

あかり「それから……冬也、ここでの生活には馴染んだ?」

 

冬也「ああ、大分間隔が取り戻せそうだ」

 

あかり「良かったわ〜……でも定期的には、そっちに行くわね?貴方がどんな生活をしてるのか、私としては凄く気になるし」

 

冬也「分かった」

 

あかり「それじゃぁ……話はこれでおしまい!ありがとね、ここに来てくれて」

 

 

冬也は出されたコーヒーを飲み干して、理事長室を後にする。その時にスマホを確認したのだが、メッセージの量が半端なかったのだ!それは殆ど全部友希那からの物だったのだ!

 

 

冬也「……ま、マジか」

 

 

そして追い打ちを掛けるように、LINEに着信が届く!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:正門前]

 

連絡を貰った冬也は正門へと急いでいた。そこには涼しい顔をしてご立腹の様子の可憐なる少女の姿があった!

 

 

冬也「……ゆ、友希那……」

 

友希那「さて冬也、今まで何をしてたのか……シッカリキカセテモラウワヨ?」

 

 

そしてその時の友希那の瞳から光が消えていたのは、冬也には知る由もなかった事なのである。




今回はここまでです!如何ですか?次回は友希那ちゃんがメインのお話になるかと思います。ここで1つ質問なのですが……友希那ちゃんが冬也くんにお説教をする場所は何処がいいか、少し教えて欲しいのです。つぐみちゃんの居る『羽沢珈琲店』かRoseliaの皆がいつも打ち上げで使っているファミレスのどちらかを考えています。提案はメッセージの方にてお願いします。


そして……突発性難聴を患ってしまった明坂聡美さんの完全回復をお祈りしています。どうか、元気になって『BanG Dream!』の燐子ちゃんの声優を続けて下さい!心からお祈り申し上げます!


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友希那のお説教

[ファミレス]

 

冬也「先ず……言い訳をさせてくれ、な?」

 

友希那「ええ……貴方の処分はどうとでもできるもの」

 

 

本当にご立腹の様子の彼女……湊友希那に、為す術もなくただただ焦りまくっている青年、大空冬也。冬也は今まであった事を経緯を含めて列挙して行く。

 

 

友希那「……」

 

冬也「ゆ、友希那……」

 

友希那「先ず1つ言わせて頂戴」

 

冬也「……な、何だ?」

 

 

いつものクールな声がさらに冷えたような声を出した友希那は、確認を取るために声を発する。それを冬也は身構えながらも了承する。

 

 

友希那「転入先の高校に行くまでには、スマホを見る暇があったはずでしょ?」

 

冬也「……は、はい」

 

友希那「貴方はそれを見もせずに、花咲川学園へと行っていたの?」

 

冬也「……か、返す言葉も無いです」

 

 

冬也は友希那の問いに関して、観念したかの様に返答を返す。すると友希那は何を思い立ったのか、レストランの店員を呼ぶ。

 

 

店員「はい、ご注文をお伺いします」

 

友希那「大盛り激辛カレーを1つ、アイスコーヒーを1つ」

 

店員「……わ、分かりました。それでは少しお待ち下さい」

 

 

そう言うと店員は店の奥の厨房へと引っ込んで行く。それを見た友希那は冬也へと向き直る。

 

 

友希那「……まあ、貴方にもやるべき事があったという事よね。……そうよね、冬也」

 

冬也「……ごめん」

 

友希那「まあ……少し落ち着きましょうか。これでも食べて、ね!」

 

 

友希那が強い声でそう言うと、まさにタイミングを見計らったかのように店員が料理を持って来る。

 

 

店員「お、お待たせしました……こちらがアイスコーヒー、そしてこちらが大盛り激辛カレーになります……」

 

冬也「……マジか」

 

店員「ご注文の品は以上で構いませんでしょうか?」

 

友希那「ええ」

 

店員「それではごゆっくり……」

 

 

それだけ告げると伝票を刺して、店員は店の奥の厨房へと引っ込んで行く。それを見た友希那は、冬也に向かってこう言い放つ。

 

 

友希那「貴方……悪いと思ってるのよね?」

 

冬也「あ、ああ……」

 

友希那「言葉は上辺だけなら何だって言えるわ。ただ……責任は取ってもらわないとね」

 

冬也「……」ゴクッ

 

友希那「マネージャーなら、それらしい誠意を見せなさい。途中での再起不能は絶対に許さないわ、もしそれが発覚した時点で……紗夜との師弟関係も打ち切り、Roseliaのマネージャーも解雇処分とするわ。それが嫌なら、米一粒残さず食べ切りなさい」

 

冬也「は、はい……」

 

 

その言葉を承諾と見た友希那は開始の合図を出し、冬也はその言葉を聞き、食べ始めた。普段は辛い物が大好きな冬也でさえも苦戦する様な量であったとだけ言っておこう。……それから15分後。

 

 

冬也「……た、食べ切ったぞ」

 

友希那「お疲れ様」

 

 

そう言って友希那は伝票を冬也へと手渡す。まるで『今回の会計は全部冬也の奢りよ』と言わんばかりの空気を醸し出していた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[ライブスタジオ CiRCLE]

 

冬也「……ううっ」

 

リサ「……ど、どうしたの?」

 

友希那「自業自得よ」

 

 

こんな会話が幼馴染3人の間で繰り広げられていた事を、紗夜とあこに燐子は知る由もなかった。そして……4曲を通し終わり、帰路につこうとした頃……。

 

 

友希那「今日は私と一緒に帰ってもらうわ」

 

冬也「……ど、どうしてだ?」

 

友希那「あら?今日の貴方には拒否権なんて無いわよ、もしかして……私から逃げたいなんて思わなかった?」

 

 

すんなりと心の内を当てられた冬也は、すごすごと友希那に引っ張られていった。それを見た4人はポカーンと口を開けたまま立ち尽くしていた……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[大空家:冬也の部屋]

 

冬也「くっ……クソ〜、友希那め〜……後で覚えてろよ……」

 

 

冬也は未だに昼頃に食べた大盛り激辛カレーの余韻が残っており、紗夜から送られてきたLINEに気付くことも出来ずにいた。




今回はここまでです!如何ですか?こういう話をすると短くなりがちですね……。それではまた次回!次はいよいよ始業式の話に移ろうかなと思います!内容に提案がありましたら、活動報告若しくはメッセージにてお願いします!


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転入初日

今回はいよいよ始業式へと突入しますよ〜!あっ、モチのロンですが……友希那ちゃんとリサちゃんも登場しますよ!そして中盤辺りに、あの娘も……?なんてね!



それでは『転入初日』始まりますよ!


一晩立っても、友希那に食べさせられた激辛カレーの味がまだ口の中に残っている冬也。今日は始業式という事もあり、早起きをして準備をしている。

 

 

冬也「花咲川の制服は……これか。ここでもネクタイ式は変わらないんだな……なんてな。前通ってた所がブレザーだったから、少し新鮮かもしれないな」

 

 

そう言って冬也は準備を進める。するとLINEにメッセージが届く!送信相手は友希那とリサだ。

 

 

友希那『冬也、おはよう。今日は始業式でしょう?途中まで一緒に行きましょう』

 

リサ『ごめんねー。友希那が『どうしても一緒に行く』って聞かなくてさ〜、途中までは同じ道だし、一緒に行ってあげて?』

 

冬也『わかった、準備が出来たら俺の家の前で待っててくれ。』

 

 

そう送って冬也はスマホを閉じる。そしてしばらくした頃、家のインターホンが来客を告げた。

 

 

冬也「おはよう」

 

リサ「おはよう!」

 

友希那「おはよう、冬也」

 

冬也「それじゃぁ……行こっか!」

 

 

その掛け声と共に、3人は学校への通学路を歩き始める。

 

 

リサ「へぇ〜、それが花咲川の男子の制服?」

 

冬也「まあな」

 

友希那「イイじゃない、似合ってるわ」

 

冬也「ありがとな。そういう2人こそ、似合ってる」

 

リサ「……もぅ、ズルいよ///」

 

友希那「……///」

 

 

冬也が2人の制服について褒めると、リサは小声で何かを呟きながら顔を赤らめていた。友希那は声も出ない程に顔を紅潮させていた。そんなやり取りを続けていると、羽丘女子学園と花咲川学園の道の分岐点に差し掛かった。

 

 

リサ「それじゃぁ……またバンドでね!」

 

友希那「頑張りなさいよ」

 

冬也「ああ」

 

 

そう言って冬也は友希那とリサと別れる。別れてから少しした時……。

 

 

冬也「しかし……やはり元女子校だからか、女の子が多いな……」

 

?「す、すみません!道を空けてくださ〜い!」

 

冬也「え?……うわっ!」

 

?「きゃっ!」

 

 

冬也は一人の女の子とぶつかってしまう!その少女は後ろに倒れてしまった為、冬也はその少女に手を差し伸べる。

 

 

冬也「ごめんな、大丈夫か?」

 

?「あっ、はい、大丈夫です。ごめんなさい」

 

冬也「別に気にしてないよ、大した怪我にはなってないし」

 

?「こら、香澄〜!だから走るなって言っただろ〜!」

 

 

香澄と呼ばれた少女を、追いかけて来たもう1人の少女は短く窘める。香澄はその少女の名前を呼び、軽く謝罪をする。

 

 

香澄「ごめんごめん、それより早く行こう有咲〜!」

 

有咲「だから走るなっての〜!……すみませんでした、失礼します」

 

 

有咲と呼ばれた少女は冬也に軽く謝罪をすると、香澄を追いかけて行った。それを見て冬也は呟いた。

 

 

冬也「元気な子たちだな……あの娘たちも花咲川の生徒かな?」

 

 

そう呟いて冬也は花咲川学園へと通じる通学路を歩いて行った。始業時刻である8時30分に間に合って校舎に着くことが出来た。

 

 

冬也「……え、ええっと……俺のクラスは……」

 

?「あら?冬也じゃない」

 

冬也「おっ……紗夜か。おはよう、お前もここの生徒だったんだな」

 

紗夜「ええ。……そういう冬也こそ、どうして?」

 

冬也「実は昨日、理事長に会って来たんだよ。そして……まあ、ここへの編入を認められたって所かな」

 

 

冬也は紗夜に軽く事情を説明する。まだあの事は話せないと踏んだ冬也は、その事を隠しながら紗夜に説明する。

 

 

紗夜「成程……これからよろしく」

 

冬也「ああ」

 

 

そう言って2人はクラスを確認する。クラスは二人とも2年B組だった。確認した2人は靴を靴箱に入れ、教室へと上履きを履いて向かう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:2年B組教室]

 

中に入ると、一部の生徒が自分の席を見つけて座っていた。2人もそれに倣って席に座る。

 

 

紗夜「まさか……貴方の後ろとはね」

 

冬也「俺は一番前だ……しかも真ん中」

 

紗夜「よろしくね」

 

冬也「ああ」

 

 

紗夜と冬也は軽く挨拶を交わす。そして教卓から見て冬也の右隣に座っていた女の子が声を掛ける。

 

 

?「あ、あれ?……冬也……くん?」

 

冬也「もしかして……燐子?」

 

燐子「そうだよ……よろしくね、冬也くん」

 

冬也「よろしくな」

 

 

燐子とも軽く挨拶を交わす。そしてその後に担任の先生が入って来た。

 

 

?「え〜……皆さん、おはようございます」

 

生徒全員『おはようございます』

 

?「私は今年度2年B組の担任となりました……宮野華音(みやのかな)と言います、1年間どうぞよろしくお願いします」

 

 

その声を皮切りに、生徒全員から拍手が巻き起こる。それを見た華音先生は手を叩いて指示を出す。

 

 

華音「はい!……私としては、皆さんの名前を早く覚えるために自己紹介をしてもらいたいのですが、先ずは始業式に出て貰います。それでは廊下に並んでください!……あっ、私の目の前にいる君は教室に残っててね?」

 

冬也「分かりました。」

 

 

冬也を除く生徒全員は廊下に並び、列を乱すこと無く体育館へと向かって行く。それを見届けた華音先生は冬也に目を向ける。

 

 

華音「君には私と一緒に来て貰います、始業式で皆の前で挨拶をして貰うわ」

 

冬也「分かりました。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:体育館]

 

始業式は滞り無くプログラム通り進み、理事長であるあかりの声で幕が下ろされようとしている。

 

 

あかり「ではこれにて始業式を閉式致します……と言いたい所ですが、重要なお知らせを致します。……入場して頂きましょう、大空冬也くん」

 

冬也「はい」

 

 

舞台袖でスタンバイをしていた冬也が花咲川学園全校生徒の前に出る。少し緊張しながらも、冬也は言葉を発し始める。

 

 

冬也「皆さん、おはようございます。私はこの度、花咲川学園の共学化への第一歩……即ち、男子生徒第一号に任命されました、大空冬也です。2年間という短い期間ですが、仲良くして頂けると嬉しいです。どうかよろしくお願いします」

 

 

そう言った途端、周りから黄色い歓声が上がった。紗夜と燐子に関しては、ただただ微笑んでいたのだと言う。その微笑みには何か裏がありそうだと、気付くのはまた別の話である。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

教室に戻った冬也たちは、クラスで自己紹介を行なっていた。そしてしばらくした頃……とんでもない生徒の名前を聞くことに!

 

 

華音「次の人……どうぞ」

 

?「はい!私は、花咲晴海と言います!皆さん、よろしくお願いします!」

 

 

明るく微笑むこの少女が、冬也の生活に波乱を巻き起こすことになる事をまだ誰も知らない。




今回はここまでです!如何ですか?最後にオリキャラの紹介をして置きます。今回は冬也くんのイメージ容姿と花咲晴海ちゃんについてです!


大空冬也《おおぞらとうや》
容姿イメージ:『IS〈インフィニット・ストラトス〉』の織斑一夏

ーーーーーー

花咲晴海《はなさきはるみ》
性別:女の子/年齢:16
誕生日:4月20日
設定:理事長である花咲あかりを母に持つ。冬也のもう1人の幼馴染。料理は得意だが、裁縫や洗濯などが苦手で、よくドジを踏んでしまう。だがその分だけ、とても面倒見が良くて天真爛漫。
好きな食べ物:ゴーヤチャンプルー
苦手な食べ物:渋い物
趣味:歌う事,ピアノ
容姿イメージ:『アイドルマスターシンデレラガールズ』の本田未央
イメージCV:平野綾


如何ですか?それではまた次回です!
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再会……そして

今回は花咲川学園での様子をお届けします!転入初日に紗夜や燐子と同じ高校という事を知り、自己紹介を終えた冬也は……意外な人物がこのクラスに居る事を知る!
……粗筋はこんな感じでいいですかね。今回は冬也くん視点で全てお届けします!


それでは『再会……そして』始まりますよ!


[前回のBanG Dream!]〔ver.冬也〕

始業式での挨拶を終えた俺は、他の生徒と共に教室へと戻って簡単なLHRを受けている。先ず最初に行なわれたのは、担任の華音先生の強い要望から自己紹介を行なう事となった。……そしてしばらくした頃、俺はとんでもない生徒の名前を聞くことに!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

華音「では、次の人どうぞ!」

 

?「はい!私は、花咲晴海(はなさきはるみ)と言います!好きな食べ物はゴーヤチャンプルーで、趣味は歌う事とピアノです!よろしくお願いします!」

 

 

元気よく自己紹介を終えた晴海は、作法良く席に着く。……そして後から気づいた事なのだが、なんと晴海は教卓から見て俺の左隣の人物だったのだ!俺の内心に驚きを隠せないまま、自己紹介が終わり……華音先生から簡単な連絡事項を伝えられたあと、俺たちは解散となった。

 

 

晴海「あっ、遅くなっちゃったけど……久しぶり!冬くん!」

 

冬也「お、おう……相変わらず元気だな、晴海は」

 

晴海「元気が無いよ〜?……まあいいや、これからは一緒だね!よろしくね!」

 

冬也「おう……」

 

 

俺が返答に困っていると、背後から突き刺さる様な眼差しが2つ入って来た。……小説を読んでくれている人は分かるだろうが、この視線は紗夜と燐子だ。

 

 

紗夜「冬也?」

 

燐子「こ、この人は……?」

 

冬也「紹介するな。俺のもう1人の幼馴染で……理事長であるあかり姉さんの娘の花咲晴海だ。」

 

紗夜/燐子『り、理事長の……娘!?』

 

 

俺が晴海の簡単な自己紹介をした時、紗夜と燐子の驚いた声が校舎中に木霊した。……二人ともバンドで鍛えてるからか、とてもうるさい……!

 

 

晴海「お、大袈裟だよ〜……でも、よろしくね?」

 

紗夜「ええ、こちらこそ」

 

燐子「よ、よろしくお願いします……」

 

 

晴海は紗夜と燐子と手を取り、固い握手を交わす。……そして何を思ったのか、晴海が俺に聞いてくる。

 

 

晴海「そう言えば……冬くん、今でもバンドはやってるの?」

 

冬也「ああ……その事か。いや、やってないが」

 

晴海「そうなんだ……」

 

冬也「あのバンドは俺が引っ越す際に、メンバー同士で考えて解散したんだ。……今でもギターは続けてるが、バンドはやってないな」

 

晴海「……好きだったんだけどな、冬くんのギター」

 

 

晴海が突然そのような言葉を発したので、紗夜と燐子がそれに食いつくかの様に晴海に詰め寄った!

 

 

紗夜「どういう事!?」

 

燐子「……ど、どういう事ですか?」

 

晴海「冬くんはね、一時期……あるバンドを組んでいたの。そのバンドを組んでいたメンバーは、当時の同級生達だった。……その名は『Symphony』」

 

紗夜/燐子「!?」

 

 

晴海から俺が以前組んでいたバンドの名前が挙げられた時、紗夜と燐子は驚いてお互いに顔を見合わせていた。少し落ち着いた頃に、俺の方へと目を向けた!紗夜に関しては羨望の眼差しで……燐子に関しては驚愕の眼差しが突き刺さった。

 

 

紗夜「……私、知ってるわ。『Symphony』……それは同学校のメンバー、しかも同級生で組まれた5人組のロックバンド。彼らはその圧倒的なパフォーマンスで、世間を魅了していた……でもある日を境に解散したという噂が立つようになった……」

 

燐子「さ、紗夜……さん?」

 

紗夜「やはり……そういう事だったのね。これで全て合点が言ったわ。」

 

晴海「うん……紗夜っちの憧れたギタリストが、そこにいる……冬くんって事」

 

 

晴海が説明を終えると、紗夜は納得した様な顔で俺を見る。……もうその瞳には羨望の眼差しでは無く、真剣そのものの眼差しが俺に向けられた。

 

 

紗夜「この事を踏まえた上でお願いするわ……私に、ギターを教えてくれないかしら」

 

冬也「す、既にお前は俺の弟子だろう?……な、何故今更?」

 

紗夜「……私には、双子の妹がいるの。」

 

晴海「それって……日菜ちゃんの事?」

 

紗夜「ええ」

 

 

俺は紗夜から伝えられた言葉を一つ一つ聞き逃さない様にする。……簡単に纏めると、紗夜はずっと前からギターを始めたにも関わらず、妹の日菜は天賦の才能を活かして、姉である紗夜を軽々と越えてしまった……という事らしい。

 

 

紗夜「……だから、日菜には負けたくないの。勿論、他のバンドに負けるつもりは毛頭ないわ……でも日菜にはそれ以上に負けたくないの!」

 

冬也「お、お前……そんな事が……」

 

紗夜「引き受けてくれないかしら……」

 

冬也「……わ、わかった。もう一度言うけど、俺が過去に積み上げて来たもの全てをお前に叩き込む!やるからには全力だ!いいな!」

 

紗夜「ええ!」

 

 

俺がそう言うと紗夜は元気よく返事を返した。それを見ていた晴海は声を発する。

 

 

晴海「ちょーっといい?」

 

冬也「何だ?」

 

晴海「……わ、私とバンドを組まない?」




今回はここまでです!如何ですか?最後は謎展開になりましたが、次はこの理由も一緒に明かして行きますよ!それではまた次回です!


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バンドへのお誘い

今回は前回の引き続きとなります!前回は、自己紹介を終えて解散になった後……晴海ちゃんから冬也くんが生まれ故郷に帰って来るまでに何をしていたのかが少しだけ明らかになりました。その事を受けて紗夜ちゃんは、憧れたギタリスト……冬也くんに教鞭を揮ってもらおうとお願いし、冬也くんはそれを快く承諾。それをした直後に晴海ちゃんがとんでもない事を言い出して……?


こんな感じですね!前回と同じ様に冬也くん視点で全てお届けします!本日2連続投稿です!
それでは『バンドへのお誘い』始まりますよ!


晴海「……わ、私とバンドを組まない?」

 

冬也「バンド?」

 

 

俺は一瞬晴海から言われた事が理解出来ずにいた。……無理も無い、バンドを解散したのはついこの前だったのだから!それを関係無しに晴海は勧誘を続ける。

 

 

晴海「だーかーらー!お願い!私と一緒にバンドを組んで!」

 

紗夜「あ、ああ……貴女!一体どう言うつもりですか!///」

 

燐子「そ、そうだよ!晴海ちゃん、どう言うつもりなの!?///」

 

 

晴海の必死なお願いに顔を紅くしながら反抗する紗夜と燐子。……ま、まあ……気持ちは分からなくもないぞ?そんな俺の気持ちを他所に話を進める。

 

 

晴海「……私、何時かあんなバンドをしたいって思ってたんだ……ずっとずっと」

 

冬也「お、おう……」

 

晴海「元々はゆっきーのお父さんがやってた様なバンドがやりたかったんだけど、……私は冬くんのバンドに惹かれたんだ」

 

冬也「そ、そうなのか……」

 

 

静かに自分の想いを話し出す晴海。それを俺と紗夜に燐子の3人は静かに唯耳を傾けている。……さらに晴海は続ける。

 

 

晴海「……あっ、もちろん!誰の目に触れても恥ずかしく無い物にしようと考えたよ!?小さい頃からピアノを磨いて……歌の質も向上させて、何時かバンドを組みたいって思いはあったんだよ!ずっとずっと!」

 

冬也「……」

 

晴海「でも……やってくれる人は、皆無だった。私が誘っても『難しい』、『キツい』の一点張り……仮にやってくれたとしても、結局はサポート止まり……私は、バンドを組んで大会に出たい!あわよくば優勝したい!」

 

紗夜「晴海さん……」

 

燐子「晴海ちゃん……」

 

 

晴海は思いの丈を全部俺たちにぶつける。……俺たち3人の返答を待たずして、晴海は想いを告げる。

 

 

晴海「無茶なお願いだって言うのは分かってるよ……でも、でもね!私はバンドがやりたい!……冬くん、私と一緒に、バンド……やろ?」ウルウル

 

冬也「……は、晴海……」

 

紗夜「どうするんですか?」

 

 

晴海が涙目になって懇願して来る。弟子である紗夜からは俺の決断を促している。……紗夜のギター指導もあるが……ええい!仕方ない!

 

 

晴海「ううっ……ヒクッ」ウルウル

 

冬也「……ったく、わかったよ」

 

晴海「……ほぇ?」

 

冬也「やろうぜ、バンド。……でも、やるからには手は抜かないからな?」

 

晴海「ああ……っ!……うん!」ニコッ

 

 

俺がバンドへの参加を示すと、晴海の顔から一気に曇りが晴れて明るくなったかの様に笑顔になった。……全く、調子の良い奴め。俺は2人に向き直る。

 

 

冬也「……聞いての通りだ。……俺はお前たちの前に立ちはだかる。Roseliaが勝つには、俺たちを超えるしかない。覚悟は出来てるな?」

 

紗夜「ええ、もちろん!」

 

燐子「……絶対、負けません!」

 

冬也「その意気だ!……さてと、ギターのティーチングの事だけど、どうするんだ?」

 

紗夜「それは変わりなく、教鞭を揮ってもらおうと思うわ」

 

冬也「わかった。」

 

 

俺はそう言うと再び晴海に向き直る。……その後に俺は右手を差し出した。それはこれからの活動の手助けとなる事の意味を込めて。

 

 

冬也「よろしく頼むよ……リーダー」

 

晴海「……うん!任せといて!」

 

 

そう言って晴海は俺の手を取った。ここに俺の新しいバンド活動が始まりを告げた!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔少しした後……〕

 

それから少しした後、俺たち4人は音楽室へと来ていた。……事前に許可は取ってあるため、音楽室の鍵を開けて中に入る。目的はもちろん紗夜へのギター指導のためだ。

 

 

紗夜「……」

 

冬也「……」

 

 

俺と紗夜は黙々とギターの調節(チューニング)を行なっていく。時折、アンプや摘みも使いながら音の調節をして行く。丁度いい頃でタイミング良く調節が終わる。

 

 

紗夜「それじゃぁ……頼むわ」

 

冬也「ああ。……先ずは」

 

 

俺はそう言うと紗夜へのギター指導を行なっていく。時折、紗夜からの質問が出て来たが、それにはしっかりと対応して行く。その後には2曲ほど合わせてタイミングを確かめた。途中に晴海や燐子も入って貰い、ボーカルとキーボードと合わせるトレーニングも行なった。……そして辺りが夕焼けに染まってきた頃……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:音楽室]〔4時間後〕

 

冬也「……今日の練習は終了」

 

紗夜「ありがとう。これからも頼むわね」

 

冬也「おうよ」

 

 

俺たちはそんな会話を交わす。……もちろん師弟関係は考えるつもりではあるが、同い年という事でそれを抜きにしている。……それを見ていた晴海と燐子は。

 

 

晴海「何だかあの二人……」

 

燐子「良いコンビですね」

 

 

そう言い合って2人で笑い合っていた。……とその時、紗夜のスマホに1本の連絡が入る!

 

 

紗夜のスマホ♪♪♪

 

 

紗夜「何方でしょうか?」

 

 

紗夜は気になってスマホを確認する。するとそこには、友希那からのメッセージが届いていた!

 

 

友希那『紗夜、練習の方は上手くいってるかしら?……そろそろ全員で合わせたいのだけれど、今からCiRCLEに来れるかしら。待ってるわ』

 

紗夜『分かりました。今日は彼の他にももう1人お客さんを連れて来ます。調節をして待っていて下さい。』

 

 

そう送って紗夜はLINEを閉じる。確認して見ると、時間は4時を差しており、普段ならRoseliaの練習に参加している頃合だった。

 

 

紗夜「そろそろ行きましょうか」

 

冬也「ああ」

 

燐子「そうですね」

 

晴海「え、ええ?……どこ行くの?」

 

 

晴海が困った様に3人に問うと、燐子がその質問に答える。

 

 

燐子「ライブハウスです」

 

紗夜「貴女の事は念の為に伏せています。バンドを組むのであれば、参考にして見てはいかがですか?……ですよね、マネージャー?」

 

冬也「ああ、そうだな」

 

晴海「え、ええ?」

 

 

そしてそんな晴海の胸中も知らずに俺たちは『CiRCLE』へと向かう。それに慌てて晴海は追いかけて行く。……この後にRoseliaの演奏を聞いて、晴海は衝撃を受けてしまうのはまた別の話である。




今回はここまでです!如何ですか?今回は晴海ちゃんのバンド結成に至るまでの経緯をお届けしました〜!晴海ちゃんは作中で『ゆっきー』と言っていましたが、友希那ちゃんの事です。……もし別の意味で捉えたのなら、『未来日記』にハマってますね……。まあ、それでも構わないのですがね?


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恐怖

今回は友希那ちゃんとリサちゃんがメインとなる回でございます!……実に2話ぶりの出番となるので、友希那ちゃん推しとリサちゃん推しの人はとうとうお待たせしました〜!今回も冬也くん視点で全てお届けします!


それでは『恐怖』始まりますよ!


[前回のBanG Dream!]〔ver.晴海〕

ついに迎えた花咲川学園の始業式!私も新しく2年生へと進級を迎えたその日、なんとなんと唯一の男子生徒である冬くんが編入して来た!聞けばどうやら、冬くんはRoseliaのマネージャーと紗夜ちゃんのギター指導をしているらしく、私のお願いを聞き入れてくれるかどうか不安でした!……でも、私は諦めずに冬くんをバンドへと誘いました!その結果はなんと大成功!……負けないよ、Roselia!そう言えば……ゆっきーとリサちーはどうしてるんだろ?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[大空家:冬也の部屋]

 

冬也「……え、ええと……これは、どういう?」

 

 

俺は朝目が覚めると、見覚えの無い体勢になっていた。それを問おうとすると、俺の部屋のドアがゆっくり開かれる。そこに立っていたのは、軽くウェーブがかかった茶髪のポニーテールをしており、耳には星型のピアスをしているギャルっぽい幼馴染……リサが立っていた。

 

 

リサ「おはよー☆……どう?感想は」

 

冬也「一つ言わせろ……最悪の目覚めだ」

 

リサ「友希那ーどう?冬也の温もりは」

 

冬也「ゆ、友希那?」

 

 

俺はそう言って友希那を探そうとする。……だが、手を自由に動かす事が出来なかった。この事が関連してるのは、多分……ここだろう。そう思って俺はアソコに声を掛けた。

 

 

冬也「……リサと組んで、何を企んでやがる。そろそろ拘束を解いてもらいたいんだがな……友希那」

 

 

俺がそう言うと布団の中からもぞもぞと動き出す音がした。……そこに隠れていたのは、俺のもう1人の幼馴染である友希那だった。友希那は顔を紅潮させながら答えた。

 

 

友希那「無理な相談ね。こうでもしないと、貴方は私たちから離れて行くもの///」

 

冬也「じゃあどうすれば良いんだよ、この状況」

 

リサ「簡単だよー?……冬也は『あたしたちが居ないと、何も出来ない』って言ってくれるだけで♪」

 

 

その言葉を聞いたからか、無性に腹が立って来た。……何がとは流石に言わないが、言及すべき点があった為、言わせてもらおう!

 

 

冬也「おいそれはどういう事だ」

 

友希那「簡単な事よ。貴方の上着ポケットに少し細工をしたのよ」

 

冬也「さ、細工!?」

 

 

その言葉を聞いて俺は花咲川学園の制服の上着ポケットを調べた。……するとその中からは、正方形型の機械が出てきた。そんな俺の心情を読みとったかのように、リサが説明する。

 

 

リサ「あちゃー……まっ、そろそろかな☆……それはね、盗聴器だよ?それで冬也の様子をチェックさせて貰ったよ?」

 

冬也「おいおい……」

 

友希那「あの日、羽丘と花咲川の分岐点の所で、こっそり忍ばせたの。気づかなかったのね、それも分かってたわ」

 

冬也「じゃ、じゃあ……」

 

 

リサと友希那から発せられる言葉に、顔を青ざめていく俺。全てを頃合と見たリサが全ての種明かしをする。

 

 

リサ「全部……丸聞こえ♪あの『香澄』や『有咲』、『晴海』っていう女の子が……冬也に何をしたのか、冬也がどんな行動をとったのかも♪」

 

友希那「まあ……全ての解析は、リサの家にお邪魔して行なったのだけれど」

 

リサ「……これを踏まえた上で、聞くね?」

 

 

リサは意を決すると、俺の下に詰め寄った。それを見た友希那も同じ行動を取る。……そして、息を合わせてこう言った。

 

 

友希那/リサ『私(あたし)たちを、ウラギルノ?……トウヤ……デキレバ、ウソッテイッテホシイナ……?』

 

冬也「……!」

 

 

今まで経験した中で、この瞬間は『あっ、これ詰んだ』と思った瞬間だった。




今回はここまでです!如何ですか?友希那ちゃんとリサちゃんを久々に出しました〜!


私事では有りますが、この小説に関する活動報告を出しました〜!御協力をよろしくお願いします!感想と高評価、お気に入り登録ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!


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説得

友希那/リサ『私(あたし)たちをウラギルノ……トウヤ……デキレバ、ウソッテイッテホシイナ……?』

 

冬也「……!」

 

 

片言になりながら濁った生気のない瞳で、詰め寄りながら言葉を出させようとする友希那とリサ。その様子に冬也は今まで経験した中で、感じた事の無いような悪寒を感じた!

 

 

冬也「わ、わわっ……わかった!全部話す!」

 

友希那「ええ、わかったわ」

 

 

そう言うと友希那は未だに詰め寄ろうとしているリサを引き離し、適当な所に座らせる。そして冬也は口を開く。

 

 

冬也「……すまない。俺の行動が、2人を困惑させてしまったんだな。それは申し訳ないと思う」

 

リサ「……」ニコニコ

 

冬也「だがな、俺が編入した学校は俺以外は全員女子……こんな状況で、『他の女子と関わるな』ってのは流石に無理だろ」

 

友希那「そうね」

 

 

冬也の必死な説得に眉一つピクリと動かさずに聞いている友希那と、常に笑顔ではいるがその内には黒い物を纏っているリサ。冬也は続ける。

 

 

冬也「でもな?……友希那とリサの事が大切なんだよ、俺は」

 

友希那/リサ『………!////』

 

冬也「今更になって言う事かもしれないけどさ、お前らは俺にとって最高の幼馴染だよ。それはどうやっても変えられないと思う」

 

友希那「そ、そう……///」

 

リサ「と、冬也……」

 

 

冬也の言葉が言い終わらないうちに、2人は冬也へと抱き着いた!

 

 

冬也「おおっ!ちょ、ちょっ!」

 

リサ「ありがとう……!」

 

友希那「私たちも貴方だけが、1番大切……私にとっては音楽と同じ位大切なの……!」

 

 

気付かないうちに、2人の目からは涙が溢れ出ていた。それを塞き止めるかのように、冬也は言葉を発する。

 

 

冬也「ありがとう……こんな俺を想ってくれて。まだまだ鈍いかもしれないが、俺の事……好きでいてくれるか?……そうでないと、上着ポケットに盗聴器なんて仕掛けないからな」

 

友希那「何を……今更、言わせてるのよ……」

 

リサ「アタシたちは冬也が好き……大好き!冬也の望む女の子になってみせる!」

 

友希那「わ、私だって……それは、変わらないわよ……!リサにも絶対に負けたりしないわ」

 

リサ「それを言うならアタシだって同じだよー?負けないからね、友希那!」

 

友希那「ええ」

 

 

冬也の事で一悶着あった後、友希那とリサは固く握手を取った。お互いに好きな相手は譲らないという意志の現れか、互いの手に力が入って行くのが伺えた。

 

 

冬也「あ、あの……メラメラと情熱的展開になっているところ悪いんだが、俺……報告しなけりゃいけない事があったんだわ」

 

友希那「?何かしら?」

 

リサ「……ま、まさか!」

 

 

冬也の突然の報告宣言に、疑問を抱える友希那。その時、リサは別の意味で捉えていたらしいが。

 

〔※ここからはリサの妄想が入ります。話の展開がとても急になっていますので、追いつける方のみここからはどうぞ。妄想シーンにお付き合い下さい※〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔リサの妄想〕

 

冬也「ただいま」

 

リサ「お帰りー冬也♪ご飯にする?お風呂にする?それとも……ア・タ・シ?」

 

冬也「それじゃぁ……ご飯で」

 

 

冬也がそう答えると、少々不満げな顔を浮かべながらもリサは冬也をリビングへと誘った。

 

 

リサ「それじゃぁ、食べよっか♪」

 

冬也「ああ!」

 

リサ/冬也『いただきます』

 

 

お決まりの挨拶を口にして、並べられている色とりどりの料理に手を伸ばす。その中にはリサの得意な筑前煮もあり、顔を綻ばせながら食べていた。

 

 

リサ「どう?美味しい?」

 

冬也「美味い!この味付け……俺好みだ!」

 

リサ「ホント!?良かったー☆まだまだあるから、どんどん食べてね♪」

 

 

そう言って2人は食べ進める。暫くして食べ終わり、お風呂も済ませてあとは寝るだけとなった頃……。

 

 

リサ「ねぇ……覚えてる?」

 

冬也「ん?」

 

リサ「アタシが冬也と付き合う事になった切っ掛け♪」

 

冬也「ああ!……あの頃は、抱き着かれた後の告白だったからな〜。ムードなんて考えられた物じゃなかったな」

 

リサ「うぅ……それを言われると、弱るなぁー」

 

 

突然の冬也からのカミングアウトに、バツが悪そうな顔をするリサ。でも、それをフォローするかの様に冬也は続ける。

 

 

冬也「でもあの出来事があったから、俺はリサに告白できたんだ。それには変わりない」

 

リサ「……大好きだよ、冬也♪」

 

冬也「俺もだ……リサ」

 

 

そう言って2人はキスをする。最初はソフトだったものの、リサの舌が冬也の口内を犯し始める。それに負けじと冬也もヤリ返す。そして互いの吐息が熱を帯び始めてきた頃……。

 

 

リサ「冬也……アタシと、シたい?」

 

冬也「ああ、ヤラせてくれ……リサ。」

 

リサ「うん……シよ?」

 

 

その言葉を皮切りに、2人は布団へ移動する。そして冬也は耳に口を近づけて囁く。

 

 

冬也「好きだ……リサ。他の男なんかに、お前は絶対に渡さない。」

 

リサ「うん……アタシもだよ、冬也。他の女なんかに、冬也は絶対に渡さないから♪」

 

 

その言葉が引き金になり、2人は身体を交わらせあい……身も心も1つとなった……。

 

〔リサの妄想 END〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

リサ「……///」ボンッ!

 

冬也「あ、ありゃ?」

 

友希那「ちょっと〜?リサ〜?……ダメね、完全にトリップしているわ」

 

 

友希那がリサの様子をチェックするが、リサは妄想世界にトリップしていたのか、元の世界に帰ってくるまで30分近くかかった。その後友希那がリサを連れて自宅へと送り届けたのは、また別の話である。

 

 

冬也「念の為に2人には、聞いて貰いたかったんだが……仕方ない。後日にするかな」




今回はここまでです!如何ですか?今回は前書きを無しにしました!そして天の声視点でお届けしました〜。結局、冬也くんは言うべき事を言えませんでしたね……。それではまた次回です!


活動報告にて冬也くんのバンドメンバーを募集しております!提案する際はメッセージや活動報告の方へとお願いします。尚、その際は第1話と第8話の後書きにオリキャラのプロフィールを載せていますので、提案をする際にはそれに気を付けてお願いします!


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変化

友希那とリサの突然の襲来から数日経ち、普通の人なら誰もが嫌う月曜日がやって来た。……そんな中、この人物はと言うと……。

 

〔大空家:冬也の部屋〕

 

冬也「……んんっ」

 

 

何とも呑気な事にまだ就寝していた。……しかし、彼の平穏はある一つの音とともに崩れ去ってしまったのだ!

 

 

冬也のスマホ♪♪♪

(BGM:DAIGO『無限∞REBIRTH』)

 

 

冬也「……ったく、何だ?」

 

リサ『おはよー冬也☆一緒に学校行こ?』

 

冬也「良いけど……朝早くに電話して来んなよ、迷惑だろ」

 

 

冬也が辛辣な言葉をリサに掛けると、言葉に詰まったかの様にリサが収まる。すると何かが途切れ途切れに聞こえ始めた。

 

 

リサ『冬也は、アタシと話すの……イヤ?』ウルウル

 

冬也「うっ……ズルいぞ、そういうの」

 

リサ『えへへっ、ついね☆……でも、同じ様な手段で他の女にもやられて、篭絡された冬也に言われたくないな〜』

 

冬也「ぐうっ!……何故知ってる」

 

 

思わず突かれた急所に呻き声をあげる冬也。そんな心中を他所にリサは続ける。

 

 

リサ『アタシ、知ってるよ〜?……冬也、アタシたちに立ちふさがるんでしょ?バンドを組んで』

 

冬也「おいおい……それも、盗聴器から聞こえて来たって言うのかよ」

 

リサ『うん☆……言ったじゃん、筒抜けだって』

 

冬也「頼むから!……友希那には!……友希那には、黙っててくれないか?……アイツ、怒ったら何しでかすか分かんないから!」

 

リサ『うーん、どうしよっかな〜?……友希那に伝えよっかな〜♪』

 

冬也「勘弁してくれ!」

 

 

冬也はリサに掛かりっきりで、この家にお客さんが来ていたのをすっかり忘れていたのだった!そして、その人物は非情にも……冬也の目の前で立ち止まった!

 

 

?「へぇ、そうなの……」

 

冬也「友希那にバレたら、何されるか分かんないんだよ!だから……黙っててくれないか!」

 

リサ『分かった、分かったから……アタシからは言わないよ?』

 

冬也「ありがとな……ん?『アタシからは』って、どういう意味だ?」

 

友希那「……冬也」

 

 

いきなり友希那に名前を呼ばれた冬也。身体を震わせながら首を後ろへと回す。……そこには、修羅が立っていた。

 

 

冬也「友希那……」

 

友希那「話は全て聞かせてもらったわ……どうして、その決断になったのか、確りと聞かせてもらうわよ?」

 

リサ『それじゃ、また後でね〜♪』プツッ!

 

冬也「あっ!おい、ちょっ!」

 

 

電話の向こうのリサは冬也の状況を気にせず、電話を切る。それを確認した友希那は再開する。

 

 

友希那「……キカセテモラウワヨ、イイワネ?」

 

冬也「…はい」

 

 

凄い威圧感を放ちながら片言で迫った友希那に、冬也は成す術もなく、事情を説明する事にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔30分後〕

 

友希那「成程……言い分はわかったわ」

 

冬也「すまない……」

 

友希那「その役目を背負ったのなら、私は何も咎めないわ。……その役目を十二分に全うしなさい。あこには私から伝えておくわ。」

 

 

思ったよりも平和的な解決に、ホッと安堵の吐息を吐いた冬也。友希那はさらに続ける。

 

 

友希那「この事は、紗夜と燐子は先に知ってるのよね?」

 

冬也「ああ」

 

友希那「……だったら、止める理由は無いわ。頑張りなさい」

 

冬也「ありがとう」

 

 

すんなり矛を収めてくれた友希那に御礼を言う冬也。時間を見て、友希那は言う。

 

 

友希那「……そろそろ、行かなければ間に合わなくなるわね」

 

冬也「……!マジだ!」

 

 

時間は8時を示しており、30分後には始業のベルが鳴る頃まで来ていたのだった!それに気付いた冬也は、手早く準備を始めた。外にはリサも来ており、この数分の間にとんでもない程の体力を使う羽目になった冬也であった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔花咲川学園:2-B教室〕〔AM11:46〕

 

冬也「ど、どうなるかと思った〜……」

 

晴海「あはは……だって、来た時間が時間だもんね〜」

 

紗夜「全く、何の理由があって始業時刻ギリギリに来るのです!」

 

燐子「まあまあ……冬也くんも、悪気があった訳じゃないみたいですし……あっ、タオル使う?」

 

冬也「ありがと」

 

燐子(ああ……冬也くんが私のタオルを使ってくれてる……///)

 

 

冬也は燐子からタオルを受け取り、未だに出続ける汗を拭き始めた。その後も紗夜の細かなお説教は続き……、4校時も終わって一息ついた頃。

 

 

冬也「やべっ……今日は弁当を作ってなかったんだ。仕方ない、購買に行くか」

 

紗夜「どうかしたの?」

 

冬也「朝があんなバタバタだったからな……弁当を作り損ねたんだよ」

 

紗夜「分かりました。では私はちょっと片付けないと行けない事がありますので、それを済ませてから屋上に向かいます。」

 

 

そんな会話を交わした2人は、別々になる事にした。……一方、冬也にタオルを返してもらった燐子は、タオルに顔を埋めて顔を紅潮させていた……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔花咲川学園:購買〕

 

あの後紗夜と別れた冬也は、購買へと足を伸ばしていた。金額は1000円で収まる物が多かったのだが、冬也は4つのパンを持ちながら、屋上へと向かっていた。すると……。

 

 

?「ええ!?……たまごサンド、売り切れたんですか!?」

 

冬也「ん?」

 

購買担当「すまないねぇ、さっきの男子生徒に売った物で最後なのよ〜」

 

?「そ、そうですか……」

 

 

その女子生徒はとぼとぼと帰って行く。それを見兼ねた冬也はその女子生徒に声を掛ける。

 

 

冬也「ちょっと、いいか?」

 

?「はい!……何ですか?」

 

 

その少女は身長はリサと同じ位で、髪を赤紫色のポニーテールにしている女の子だった。冬也はその女子生徒に購入したパンのうちの一つを手渡す。

 

 

冬也「良ければ……やるよ」

 

?「え?……い、いいんですか?」

 

冬也「ああ。どうやらそれを欲しかったみたいだしな」

 

?「あ、ありがとうございます!え、えっと……お名前は……」

 

冬也「俺は大空冬也、高等部の2年生だ。」

 

 

冬也が自己紹介を終えると、少女は息を落ち着けてから自らも自己紹介をする。

 

 

?「私は皆峰ルカと言います!高等部の1年生です!パンを譲ってもらってありがとうございます、冬也先輩!」

 

冬也「ああ、それじゃあな」

 

ルカ「ま、待って下さい!」

 

冬也「どうした?」

 

ルカ「良ければで良いんですが……お昼を一緒に食べませんか?」




今回はここまでです!如何ですか?それではまた次回です!最後にオリキャラの紹介をします!(現時点ではバンドの話題はあまり出て来ませんが、次回の次辺りから出す予定なので……一応担当楽器も載せておきます)


皆峰ルカ《みなみねるか》
性別:女の子/年齢:15/学年:高校1年生
誕生日:10月20日
担当楽器:ショルダーキーボード
性格:穏やかで少しおっとりしている。何事も素直で真っ直ぐ。
設定:購買部で狙っていたパンが売り切れた時、冬也に譲ってもらった事を切っ掛けに知り合い懐く。パンを譲ってもらった御礼にバンドに加入する。小・中学の頃から父親が趣味でキーボードをやっていた影響から興味を持ち、今では父親以上にキーボードを扱える様になった。
好きな物:惣菜パン,冬也の弾くギターの音色
苦手な物:和菓子,生魚
趣味:とにかくキーボードを弾く
容姿:赤紫のポニーテール、ツインテール、サイドテールと1週間毎に髪型を変える。身長はリサと同じ位。毎週髪型を使い分けて来るので、クラスメイトからは、或る意味『週間カレンダー』として使われる。
イメージCV:小倉唯


キャラのご提案ありがとうございます!募集したキャラの採用は後書きにての紹介に代えさせていただきます。高評価や感想、お気に入り登録ありがとうございます!まだされていない人は、是非お願いします!小説執筆のやる気に繋がります!また、キャラや内容に提案がある方は、活動報告かメッセージまでお願いします!


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課題?

冬也「悪い……遅くなった」

 

 

俺が屋上へと到着した頃には、燐子や紗夜に晴海が既に到着していた。……三人とも今から食べる所だったのか、お弁当の風呂敷が見える。

 

 

紗夜「いいえ、大丈夫よ」

 

燐子「それじゃあ……食べよ?」

 

晴海「あれ?そっちの娘は?」

 

 

晴海は俺の後ろにいる女の子に目を向けた。その女子生徒は、少し怯えながらも自己紹介をする。

 

 

ルカ「み、皆峰……ルカと言います!よ、よろしくお願いします!」

 

紗夜「皆峰……さんですね、よろしくお願いします。私は氷川紗夜です」

 

燐子「白金…燐子、です。よろしくお願いします」

 

晴海「私は花咲晴海、よろしく!」

 

ルカ「氷川先輩、白金先輩、花咲先輩……よろしくお願いします!」

 

冬也「それじゃあ……遅くなっても行けないし、食べるか」

 

 

俺の言葉を皮切りに、5人での昼食を取り始めた。

 

 

冬也「そう言えば、バンドの件はどうするんだ?」

 

晴海「あっ、うーんとね……」

 

紗夜「冬也、晴海さんは貴方に言われるまで何も考えてませんでした」

 

晴海「さ、紗夜っち!……そ、それは!」

 

 

俺が晴海にバンドの事について聞いた時、晴海は少し考える素振りを見せた。すると、紗夜から衝撃的な発言が聞こえた為、少し確認を取る。

 

 

冬也「……おい、晴海」

 

晴海「な、何……?冬くん……」

 

冬也「何も考えてないとはどういう事だ?」

 

晴海「い、いや〜……思い付かなかったんだよぉ〜」

 

 

晴海は涙ながらに俺に説明する。……全く、仕方ないな。

 

 

冬也「取り敢えず、先ずはメンバー集めだ。基本的にはバンドは2人以上いる事が最低条件、次に……バンド名。これは著作権に掛からないようにしなければならない。……これは分かるな?」

 

晴海「う、うん……」

 

冬也「取り敢えず今はこんな所か……こんなんじゃ、先が思いやられる」

 

 

俺がそうボヤいた時、今まで喋っていなかったルカが声を発する。

 

 

ルカ「あ、あの〜……少し、良いですか?」

 

冬也「どうかしたか?ルカ」

 

燐子(冬也くん……ナンデ、アノオンナノナマエヲ……?……ワタシダケジャ……ナイノ?)

 

 

俺がルカに聞くと、ルカは答え始める。……途中、燐子の様子がとんでもない事になっていたのだが、それに気づくことは出来なかった。

 

 

ルカ「私……冬也先輩の、お手伝いします!」

 

3人『ええ!?』

 

冬也「と言うと?」

 

ルカ「私を、バンドのメンバーに加えて下さい!冬也先輩や花咲先輩と一緒にバンドがしたいんです!」

 

 

ルカはそう言いながら、俺たちにお願いをする。その目はまっすぐと俺たちに向けられており、決意の表情が見て取れる。……それを見た俺たちはルカに問う。

 

 

晴海「どうして……私たちのバンドのメンバーに、なろうと思ったの?」

 

ルカ「それは……先程、冬也先輩にパンを譲ってもらったんです。『その御礼に何かしたい』と思い、バンドのメンバーになろうと思いました!」

 

晴海「うん!いいね、それ!」

 

ルカ「ありがとうございます!」

 

冬也「じゃあ……俺からは2つ聞かせてくれ」

 

 

俺の言葉にルカは身構える。俺が少しジェスチャーをすると、体制を楽にしてくれた。それを見た俺は続ける。

 

 

冬也「まず一つ目……楽器は弾けるか?」

 

ルカ「はい!私は小さい頃から、キーボードを弾くのが趣味なんです!父親が趣味でキーボードをしていた影響から興味を持ちまして、今では父親以上にキーボードを弾く事ができます!」

 

冬也「そうか……じゃあ、最後にひとつ。……お前は、俺たちのバンドに全てを賭ける覚悟はあるか?」

 

 

俺は心の中で友希那に謝罪しながら、この言葉をルカに伝えた。するとルカが顔を下に向けたので、機嫌を伺おうとした所、途端に元気になり、俺に言ってきた。

 

 

ルカ「か、カッコイイです!私、感動しました!こんな私で良ければ、バンドに加入させて下さい!」

 

冬也「よろしく頼む……ルカ」

 

晴海「よろしく、ルカちゃん!」

 

ルカ「は、はい!」

 

 

これでバンドのメンバーは3人となった!晴海も嬉しそうだし、これで良かったかな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔羽丘女子学園:教室〕

 

友希那「は……ハックション!」

 

リサ「友希那〜、どうしたの〜?」

 

友希那「今、私の噂をされてたような気がするわ……」

 

 

友希那は謎の気配に身震いを感じていた。それを見たリサはこう返す。

 

 

リサ「んー……大丈夫じゃない?それに、噂をしてるのは冬也かもよ?」

 

友希那「と、冬也が……?……成程、それも有り得るわね」

 

リサ「ねっ、朝の奴って……演技?」

 

 

リサが友希那に今朝の事を聞くと、友希那は満足そうに答え始める。

 

 

友希那「ええ……でも、一部は本心よ?あまり冬也を惑わせてもいけないし」

 

リサ「友希那、さっすが!分かってる〜♪」

 

友希那「ありがとう。……何れ、どうなろうと冬也は私たちのモノになるわ、だったら泳がせてみてもイイじゃない?」

 

リサ「そうだね、紗夜や燐子たちには悪いけど……」

 

友希那/リサ「トウヤハゼッタイニワタサナイ……マッテテネ、トウヤ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔花咲川学園:屋上〕

 

冬也「……!」ブルッ!

 

晴海「?どうかした?」

 

冬也「い、いや……何でもない」

 

 

ついさっきまで考えていた幼馴染に、そのような感情を向けられているとは露ほども思わない冬也であった。……一方、こっちの方では……。

 

 

紗夜(……これからの対応、もう少し考えましょうか……)

 

燐子(冬也くんは……私の、下に来るんだから……。ゆ、友希那さんや、リサさんには……負けません……)

 

 

近くにいる者たちからも、そんな愛情を向けられているとはこの時の冬也には知る由もなかった。徐々に徐々にではあるものの……1人の男の子を巡って、青薔薇の女神たちの仁義なき戦いが始まろうとしていた……。




今回はここまでです!如何ですか?今回は全編冬也くん視点でお届けしました!そして、前書きは無しです!冬也くんはここから、無事に生活をする事ができるのか注目ですね!


感想と高評価、お気に入り登録ありがとうございます!まだされていない人は、是非お願いします!小説執筆のやる気に繋がります!


次回……第15話の内容に提案がある人は、活動報告かメッセージまでお願いします!


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バンド名を決めろ!

お昼を済ませた冬也たち5人は、午後の授業に臨んでいた。……そして暫くした後……。

 

[花咲川学園:2年B組 教室]

 

華音「今後の日程は、前に掲示している通りです。このクラスとしての最初の行事は《文化祭》になります!皆さん、楽しい文化祭になる様に精一杯頑張りましょう!それでは……学級委員長、号令をお願いします」

 

紗夜「起立」

 

 

学級委員長である紗夜の号令を受けて、挨拶を済ませる。そして放課後になった途端、晴海が声を掛ける。

 

 

晴海「活動を始めるよ!冬くん!」

 

冬也「わかった。……すまないな、紗夜。先に《Circle》へと行っててくれるか?多分友希那たちが来てると思うから」

 

紗夜「……分かりました、ではまた後で。私は先ず弓道部の方に顔を出して来ます」

 

 

そう言って紗夜は教室から出て行く。それを見た燐子は、紗夜の後に続いて行く。

 

 

冬也「さてと……場所を少し移そうか」

 

晴海「うん!……その前にルカちゃんを呼んでくるね〜!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:音楽室]

 

晴海「連れて来たよ〜!」

 

ルカ「よろしくお願いします!」

 

冬也「おう。待ってたぞ?」

 

 

3人は空いてる椅子に腰を掛ける。それを見計らって、晴海が話し始める。

 

 

晴海「では改めて!これより……バンド活動を始めます!」

 

ルカ「わーい!」パチパチパチ

 

冬也「単刀直入に聞くが……バンド活動をするに中って、目標はどうする?」

 

ルカ「それは勿論……全てのバンドの、頂点に立つ事ですよね!」

 

冬也「そうだな。次にバンド名だが……考えてあるのか、晴海?」

 

 

バンド名を考えてあるのかという問いを晴海に投げ掛ける冬也。……すると、少しの感覚を空けて、晴海が明後日の方向を向きだした。

 

 

冬也「お、おいおい……まさか……」

 

晴海「……てへっ」コツン

 

冬也/ルカ『はぁーーーーーーーー……』

 

 

晴海が『ごめんね?』と言わんばかりの顔をして、拳を頭に軽く当てたので、それを見た冬也とルカは盛大に溜息を吐いたのだった。

 

 

冬也「仕方ない……今日はバンド名を決めるぞ」

 

晴海/ルカ『賛成!』

 

冬也「先ずは……『これっ!』って言うキーワードは無いか?」

 

 

少しのキーワードを探す為に、頭を抱えてしまう3人であった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔暫くして……〕

 

晴海「うわぁーん……何も思いつかないよぉー!どうしてこういう時に、何にも思いつかないのぉー!」

 

ルカ「……はっ!私、寝落ちしそうでした!」

 

冬也「まあ……簡単には思いつかないわな」

 

 

3人揃いも揃って、思い付いていないのであった。

 

 

?「すみません……そろそろ最終下校時刻ですよ」

 

冬也「あっ……すみません。ほら、行くぞ」

 

晴海「わかった〜……すみません」

 

?「こんなに一生懸命……何かするんですか?」

 

 

不意に現れた女性に質問された冬也は、順序を立てて1から説明する。

 

 

?「へぇ〜……バンドを結成するんですね。頑張ってくださいね。……自己紹介がまだでしたね、私は鰐部七菜(わにべななな)と言います。よろしくお願いします」

 

冬也「ご丁寧にどうも……俺は大空冬也です」

 

七菜「よろしくお願いします。それじゃあ……鍵を閉めちゃいますね」

 

冬也「ほら!早く出るぞ!」

 

2人「すみませんでした〜!」

 

 

七菜が音楽室の鍵を閉めようとしたら、冬也は2人に声を掛けて外へと向かって行った。その様子を茫然とした様子で見ていた七菜はと言うと。

 

 

七菜「(大空冬也……あの『Symphony(シンフォニー)』のギタリスト……まさか、こんな所で会えるなんて……)」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:校庭]

 

ルカ「それじゃあ……私はこっちなので!」

 

晴海「またね〜!」

 

冬也「気を付けて帰れよ〜?」

 

 

ルカは冬也たちとは反対方向へと走って行った。それを見届けた冬也と晴海は歩き出す。

 

 

晴海「今日中には決まらなかったね……」

 

冬也「仕方ないさ、また日を改めて考えよう」

 

 

そう言い合いながら通学路を歩いて行く2人。少しした後、ライブハウスから出てくる人と鉢合わせする事に!

 

 

?「あら?冬也じゃない」

 

冬也「友希那……まだ練習してたのか?」

 

友希那「いいえ、今終わった所よ」

 

 

友希那は視線を背後に促す。すると、そこにはギターやベースをケースに戻してアンプなどの機材を返却しようとしているRoseliaのメンバーがいた。

 

 

リサ「おっ、冬也ー!」

 

冬也「よう、リサ」

 

紗夜「遅かったですね……何かあったのですか?」

 

 

紗夜から遅れた理由を聞かれた冬也は、先程まで七菜にしていた説明を紗夜にも行なった。……すると、紗夜はこう答えた。

 

 

紗夜「でしたら……私もお手伝いします。勿論、バンドが本格的に動き出すまでですが」

 

冬也「ありがとな、紗夜」

 

紗夜「い、いえ……これくらいはお安い御用です」

 

 

冬也が紗夜にお礼を言うと、少し口篭りながらも紗夜は答える。その顔は少し紅くなっていたが……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[大空家:冬也の部屋]

 

冬也「どうするかな……」

 

 

冬也は自室で1人、バンド名を何にするのか深刻に考えていた。結局その日は何も思いつかず、布団へと意識を預けた。

 

ーーーーーーー

[花咲家:リビング]

 

晴海「ねぇねぇお母さ〜ん」

 

あかり「どうしたの?」

 

晴海「バンド名……どうしたらいいかな〜?」

 

あかり「うーん……そうね〜……『花』をモチーフにしてみるのはどうかしら?」

 

晴海「『花』……かぁ〜」

 

 

冬也とルカの知らないところで、晴海が凄く考え込んでいたのはまた別の話……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:正面玄関]〔翌日〕

 

冬也/ルカ『おぉー』

 

晴海「ねっ!良いでしょ?」

 

 

晴海が自信満々に掲げている紙には『Flowlight』と描かれていた。それを見せた晴海は由来を語り出す。

 

 

晴海「このバンド名には……『花』と『喜び』という意味があって〜、冬くんが再びバンドを始める事の喜びと私の名前にある『花』から取ったんだけど……どう?」

 

冬也「それで文句は無い……ルカはどうだ?」

 

ルカ「問題ありません!」

 

晴海「よし!じゃあ……これから私たちは、『Flowlight(フロウライト)』だ!活動開始だよ!」




今回はここまでです!如何でしたか?短めになってすみません……しかも前書き無しです。まだまだオリキャラは募集してるので、よろしくお願いします!


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新たな仲間

晴海「ふぇ〜……疲れたよ〜」

 

冬也「そう言うなよ」

 

 

晴海からバンド名が『Flowlight』と知らされてから暫くした後、報せてきた張本人である晴海はと言えば……お察しの通りである。それを見た俺は、現在少し呆れてすらいる。

 

 

華音「それでは……来る文化祭に向けて、先ずは実行委員を決めたいと思います。では……『我こそは!』という人は居ますか?」

 

 

晴海が退屈そうにしているそんな中、華音先生は文化祭の実行委員を選出する為に動き出した。華音先生が投げ掛けた途端、周りのメンバーは少し考え始めた。

 

 

晴海「どうする?やる?」

 

冬也「お前がやりたいなら、それで良いが……大丈夫か?」

 

晴海「ううっ……まだ自信ないかなぁ〜」

 

 

そう言って晴海は正面を向いて顔を俯いた。……すると、ある1人の生徒が提案をする!その人物はピンク色の髪をセミロングにした女の子だった!

 

 

生徒「はい!提案があります!」

 

華音「はい……丸山さん、どうかしましたか?」

 

丸山「私……実行委員は大空くんが良いと思います!」

 

 

何と『丸山』と呼ばれた女子生徒は、俺を推薦してきた!……大丈夫なのか、俺で?視線を周りに向けると、クラスメイト全員の眼差しが期待を孕みながら、俺に向けられていた。……はぁ、仕方ない。

 

 

冬也「華音先生、俺……実行委員をやります」

 

華音「分かりました!皆さんもそれで良いですか?」

 

冬也を除く全員『はい!』

 

 

満場一致の雰囲気となり、俺は文化祭の実行委員を務める事になった。その後に華音先生から声が掛かる。

 

 

華音「では……後の事は、実行委員長である大空くんにお任せします。よろしくね!」

 

冬也「分かりました」

 

 

そう言って俺は教卓に立つ。一方で華音先生はと言うと、椅子を持ってドアの前まで行き、パイプ椅子を拡げて腰掛けた。それを見た俺は話し始める。

 

 

冬也「文化祭の実行委員となった、大空冬也だ。よろしく頼む」

 

晴海「よっ!カッコイイよ、冬くん!」

 

冬也「晴海のご冗談はさて置き、手元にある資料に拠れば、実行委員はあと一人決める事ができるみたいだ……もう1人やると言う人は?」

 

生徒A「私がやる!大空くんのサポートをやりたい!」

 

生徒B「私も!」

 

 

ある1人の生徒が提案をする!それに続いて他の生徒も挙手をし出したので、クラス全体に険悪なムードが漂い始めた!

 

 

丸山「ちょ、ちょっと……みんな!?」

 

晴海「……だったら私もやる!冬くんのサポートなら、私に任せて!」

 

紗夜「私もやります。彼は私たちのバンドの仲間ですので」

 

燐子「……わ、私も……やります……!」

 

華音「大空くん、人気だね〜!」

 

 

次々に立候補が上がる中、見守っていた華音先生はと言うと、ヤケにニヤついた顔でこの状況を見守っていた……。助けて下さいよ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[ライブハウス『Circle』]

 

まりな「あっはは!大変だったね〜」

 

冬也「そう言わないで下さいよ、中々に骨が折れるんすから……」

 

 

あの状況を鎮めた俺は、晴海とルカを連れてライブハウスへと来ていた。帰る際にクラス全体から黄色い歓声が上がっていたが、そんなのを気にせずに走って来たために、顔中からは汗が吹き出ている。

 

 

まりな「それより……あの二人は大丈夫なの?」

 

冬也「はい。2人には少し待っておくように言ってるので」

 

まりな「そうなんだ」

 

冬也「はい」

 

まりな「あっ……ねぇ、ここでバイトしてみる気は無い?」

 

冬也「え?」

 

 

突然まりなさんから言われたのは、バイトの話題だった。

 

 

冬也「どうしたんですか、いきなり」

 

まりな「いやぁ〜実はね、この前のやり取りを聞いてさ、楽器経験がある冬也くんをここで雇いたいって思ってたのよ」

 

冬也「それって……どこまで聴きました?」

 

まりな「うーん……かつてバンドを組んでたって所だったかな〜」

 

冬也「……それって誰から?」

 

まりな「うーんとね〜晴海ちゃんから?」

 

 

おいおい……晴海にはまた後日に『ダイスキなモノ』を与えるとしようか。本人も『ダイスキなモノ』をね?

 

 

冬也「分かりました。やります」

 

まりな「ありがと〜!それじゃあ……取り敢えずシフトを組んでおくね!先ずはやり方の説明から!」

 

 

俺はまりなさんからバイトのやり方を、みっちり教えて貰った。後に友希那たちが来て、黒いオーラが漂っているのを感じ取り、少し蒸し暑くなった受付がみるみる冷えていくのが分かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔友希那side〕

 

友希那「………」

 

リサ「………」

 

紗夜「………」

 

燐子「………」

 

 

私たちはスタジオに入ると、直ぐに準備を始めたわ。全く……冬也ハ私ノモノナノニ……アンナニ密着シチャッテ、あのメス……ドウシテクレヨウカシラ……?なんて思っていると、あこが声を掛けて来た。

 

 

あこ「友希那さん、リサ姉、紗夜さん、りんりん……顔が怖いですよ?」

 

友希那「あら、ごめんなさい……少し考え事をしていたの」

 

リサ「大丈夫だよー♪」

 

紗夜「心配してくれてありがとうございます」

 

燐子「ありがとね、あこちゃん……」

 

あこ「大丈夫!」

 

友希那「それじゃあ……始めるわよ」

 

 

私たちは演奏を始めたわ。……もう少し接し方を考え直す必要性があるわね。ミテナサイヨ……ワタシノトウヤヲウバウヤツハゼッタイニユルサナイワ……タトエ、ソレガリサデアッタトシテモ……。

 

〔友希那side out〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:玄関]〔翌日〕

 

冬也「ふぅ〜……大変だった」

 

晴海「今日も頑張ろ?」

 

 

翌日、俺と晴海はいつも通り登校していた。……すると、掲示板の前に誰かが立っていた!

 

 

?「もしかして……バンドメンバーを募集してるのって……君たち?」

 

冬也「あ、ああ……そうだけど」

 

晴海「あなたは?」

 

?「私は白木すずって言うんだ〜……よろしくね!君たちの名前はなんて言うの?」

 

 

出会った途端に馴れ馴れしい口調で、白木は自己紹介を終えた。白木は長い白髪をハーフアップにしており、毛先がくるんくるんになっている。体型は標準型で胸は晴海よりも大きい。……いきなりの馴れ馴れしい口調での対応に圧倒された俺たちは自己紹介をする。終わった後に、白木はこう頼み込んできた!

 

 

白木「私を……バンドのメンバーに……してくれない?」




今回はここまでです!如何でしたか?今回は少しだけ波乱が起きましたね。そして友希那ちゃん達Roseliaがとうとう……(その後はお察し願います)


今回は提案されたオリキャラのプロフィールを載せたいと思います!提案のある人はメッセージにでも構いませんし、活動報告でも構いませんよ!採用に関しては此方で検討させてください。


白木 すず《しらき すず》
性別:女の子/年齢:15/学年:高校1年生
誕生日:3月10日/担当楽器:ベース
性格:人懐っこい性格で、主人公に初対面から馴れ馴れしい。人を好きになる事はあるものの、本当に自分で良いのかと深く考え込んでしまい、結局他のオンナに取られてしまう事が多い。
設定:男女関係に躊躇いは無いタイプ。抱きつく程度なら遠慮は無いが、それ以上は照れる。男にボディタッチされるのは構わないタイプで、触られたら触るタイプ。交友関係は無いので、実質大人のモノマネ。強気になっているだけで、本心は噴火するくらい照れている。ベースは小さい頃からやっていて、腕は相当なもの。音楽的な才能に恵まれている故に初心者に教えるという事は出来ないタイプ。所謂なんでも出来る人。初見譜読みは朝飯前、やろうと思えばオリジナルアレンジすらもやってのける。甘いものが大好きで、お菓子が不足すると、人として機能が八割低下する(会話が限界なレベル)。
容姿:長い白髪をハーフアップで結んでいる。まっすぐ伸びてはおらず、毛先はくるんくるん。ふわふわした髪の毛で、実際とても柔らかい。痩せ型でもなく普通体型。ごく一般的な体格。強いて言うなら太ってないのに凄く体が柔らかい(触感的な意味で。特に頬と腕と脚)。胸は普通より大きい。腕を組めば挟まる程の大きさ。
イメージCV:尾崎由香


こんな感じですね!このキャラは『ゆふぃん』さんからのご提案です!ゆふぃんさん、ありがとうございます!このキャラクターを確りと活躍させて行きますよ!それではまた次回です!次回の内容に提案がある人は、メッセージまたは活動報告にお願いします!

高評価、お気に入り登録に感想……ありがとうございます!小説執筆のやる気に繋がります!これからもよろしくお願いします!


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新参者の奏でる音色

早朝の白木すずによる突然の事態から、数時間後が経過した頃……冬也たちは何時もの様に学業へと取り組んでいた。……そして時は流れて。

 

[放課後]

 

冬也「うわっ……これはすげぇ量の書類だな」

 

?「仕方ないよ……この量を私たちで処理しないといけないんだから」

 

冬也「ありがとな、ええと……」

 

 

途端に名前が思い出せず、何とか思い出そうと頭を捻る冬也。それを見た少女は自身の名を語る。

 

 

?「私は水瀬愛姫だよ……改めまして、よろしく♪」

 

冬也「水瀬か……よろしくな」

 

愛姫「じゃあ教室に戻ろっか」

 

 

そう言って2人は会議室を後にする。その手には文化祭に関する書類が積まれていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[花咲川学園:2年B組 教室]

 

冬也「それじゃあ俺は行くよ。バンドメンバーの手解きをしないといけないからな」

 

愛姫「そう言えば……大空君って、バンドを組んでるんだっけ?」

 

冬也「お前も来るか?」

 

愛姫「うん!」

 

 

冬也はバンド活動に興味津々な様子の愛姫を、音楽室へと連れて行くことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[音楽室]

 

冬也「すまない……遅くなった」

 

ルカ「もぅ!遅いですよ!」

 

晴海「始めよっ!冬くん!……えっと、その娘は?」

 

 

冬也と共に入って来た少女に疑問を抱いた晴海。冬也はそれを見ると、みんなに紹介をした。

 

 

冬也「紹介するな。俺と一緒に文化祭の実行委員をしている……水瀬愛姫だ」

 

愛姫「水瀬愛姫です!よろしくお願いします♪」

 

 

愛姫が自己紹介を終えた後、晴海たちも続いて自己紹介をする。

 

 

冬也「それじゃあ……すずは居るか?」

 

すず「ん?呼んだ?」

 

冬也「取り敢えず……先ずはお前の実力を見せてくれ。出来るか?」

 

すず「うん!何時でもOK!」

 

 

そう言うとすずはベースを担いで、準備を整え始めた。それを見た愛姫は驚いており、冬也がそれに一言説明を加える。

 

 

愛姫「あ、あれは?」

 

冬也「言ってなかったな……今日は新メンバーの実力を見る予定だ。お前もやるか?」

 

愛姫「うん!やりたい!私……昔っからドラムは結構できるんだよね〜!」

 

冬也「なるほどなぁ……ドラムを〜……って」

 

3人『ええええええええええええ!?』

 

 

夕暮れに差しかかった音楽室から、3人の驚きの悲鳴が学校中に木霊した。

 

 

愛姫「どうかした?」

 

冬也「あ、ああ……悪い。それじゃあ、ドラムもあるから、ポジションに着いてくれ」

 

愛姫「わかった!」

 

 

そう言って愛姫は準備を整え始めた。それを見た3人は各々のポジションへと着く。そして晴海が声を掛ける。

 

 

晴海「それじゃあ……行くよ!」

 

4人『了解!』

 

晴海「初めての曲……締まって行くよ!《FEED THE FIRE》!!!」

 

 

晴海が曲名を宣言した瞬間、冬也のギターから低く鋭い音が鳴りだした!それに続いてベースにドラムと動き出し、キーボードが音を鳴らした頃に、晴海が歌い始めた!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[それから5分後]

 

晴海「それじゃあ……少し休憩を挟んで、結果を発表するよ!」

 

4人『はい!』

 

 

そう言って5人は休憩を取り出す。晴海は先ず愛姫の所に行き、講評を述べる。

 

 

晴海「愛姫ちゃん」

 

愛姫「何?」

 

晴海「全体的にはとても良かったよ!ボーカルとベースの良い促進剤になってた!」

 

愛姫「ありがとう」

 

晴海「部分的なところを言えば……2番のBメロ、少し遅れたよね」

 

愛姫「……よく分かったね」

 

晴海「それ以外は良かったから……これからは気を付けてね!」

 

 

そして晴海は同じような講評をすずにも述べる。……そして数分後。

 

 

晴海「ちょっと聞いて〜」

 

冬也「ん?」

 

晴海「さっきの結果を発表するよ!」

 

 

2人は互いを見合わせたかと思うと、ゴクリと唾を飲み込む。そして晴海は結果を述べる。

 

 

晴海「結果は……二人とも合格!これからもよろしくね!」

 

2人『ありがとうございます!』

 

晴海「そろそろ時間だし……帰ろっか!」

 

 

その言葉を皮切りに、5人は荷物を纏めて音楽室の施錠をしてその場を後にする。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[ライブハウス《Circle》]

 

友希那/リサ/燐子/紗夜『!!!!!!』

 

あこ「え?ええ?どうしたんですか?」

 

4人『また冬也(君)の周囲にメスが増えた……駆除を急がなきゃ……』

 

 

冬也の気配を感じ取って、友希那たち4名の背後から黒き禍々しい憎悪のオーラがこれでもかと噴き出していた。一方でそれを見たあこは肩を震わせて怯えていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[氷川家:紗夜の部屋]

 

紗夜「ドウヤッテ冬也ノ周囲ニ居ル雌ヲ、一匹残ラズ駆除シヨウカシラ……?」

 

?「おねーちゃん!」ダッ!

 

紗夜「もぅ、日菜!部屋に入る時はノックをする様にとあれ程!」

 

 

そう言う紗夜の注意も聞かずに、紗夜へと抱き着いている人物こそ……彼女の妹である《氷川 日菜》である。日菜は紗夜を見据えると、ある疑問をぶつけた。

 

 

日菜「さっきからブツブツ言ってたけど〜……どうしたの?」

 

紗夜「な、なんでもないわよ」

 

日菜「嘘だ〜……だって目が泳いでるもん!普段のおねーちゃんはそんな事しないもん!」

 

紗夜「……仕方ないわね、実は」

 

 

妹の発言にうっと詰まらせた紗夜はこの事を日菜に全て伝えた。すると、日菜は衝撃的な言葉を口にする!

 

 

日菜「はっはーん……おねーちゃん、その冬也って言う人に《恋》をしてるんだ〜」

 

紗夜「んなっ!私は《恋》など……!////」

 

日菜「じゃあその照れてる顔は、どう説明するの〜?おねーちゃーん?」ニヤニヤ

 

紗夜「ううっ…………」

 

 

妹である日菜に玩ばれたのが余程癪に触ったのか、言葉を詰まらせて下を向く紗夜。少し落ち着いてから話し始める。

 

 

日菜「なら……その人をデートに誘っちゃえばいいじゃん!」

 

紗夜「なっ……!」

 

日菜「おねーちゃん、その人の事好きなんでしょー?だったら、迷う事ないよ!ほらよく言うじゃん!《当たって砕けろ》とか《ファイトだよ! (و'ω')و》とか!」

 

紗夜「(何なのこれ……何処ぞのスクールアイドルがそれをやると可愛く見えるけど、今の日菜からは嫌味として感じられるわね)」

 

 

妹が姉を励ましている最中に、失礼にも姉の方は憤怒のオーラが漂っていた。それを見た日菜は冷や汗をかいていた……。

 

 

日菜「おねーちゃん?なんか怒ってる?」

 

紗夜「怒るわけないじゃないですか……だって、貴女は私の可愛い妹なんですから……フフフフ」

 

日菜「ひいっ!」

 

 

そしてその後日菜は激怒状態の紗夜に、長時間正座の状態でこっ酷く叱られたのだった。日菜を叱った後の紗夜の顔は、それとは別に赤面していたが。




今回はここまでです!如何でしたか?最後に氷川姉妹のやり取りを入れてみました〜!途中まではオリキャラ中心でお届けしました!最後にオリキャラのプロフィールを載せたいと思います!


水瀬 愛姫《みなせ あいこ》
性別:女の子/年齢:17/学年:高校2年生
性格:少し人見知りがあるが、慣れたら気さく
担当楽器:ドラム
設定:冬也や晴海たちと同じクラス。冬也とは文化祭の実行委員を通じて仲良くなる。少し人見知りが激しく、話しかけられると誰かの後ろに引っ込んでしまうが、慣れてしまうと自分から話しかけて行く。色白美肌からは想像もつかない程に運動神経がよく、不良が束になっても叶わない強さ。
趣味:コスプレ,ネットゲーム
好きな食べ物:みかん,ラーメン
嫌いな食べ物:パサパサした物,天かす
イメージ容姿:『王様ゲーム the animation』の本多智恵美
イメージCV:堀江由衣


こんな感じです!それではまた次回です!次は紗夜の個人回か『Flowlight』が『Roselia』と出会うお話を描きたいと思う次第でございます。提案がある人はメッセージまたは活動報告へとお願いします!


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セットリストを考えろ!

【ライブハウス『Circle』】

 

冬也「OK!今日はここまでだ!」

 

晴海「水分補給しっかり!」

 

 

冬也たちは来る文化祭の為に、ライブハウスを使って練習をしていた。メンバーの瞳には確固たる信念があるが、その裏には拭いたくなる程の汗が滲んでいた。

 

 

すず「ふぅー……私はまだまだ出来るよ!」

 

ルカ「すずちゃん?やる気があるのは良いけど、オーバーワークはダメだよ?」

 

愛姫「文化祭への出場エントリーは済ませたから……あとはセトリと練習だけだよ」

 

 

実はこの数日間で、冬也と愛姫は『Flowlight』のメンバーとしての、ステージへの参加の手続きを済ませていたのだ。

 

 

晴海「ありがとね!……あとはクラスの方だけど。」

 

冬也「……いくら俺が料理ができるからって、アレは少し考え物だったぞ」

 

愛姫「でも、決まってしまったのは……仕方ないからね」

 

 

結論から行けば、晴海たち3人のクラスは『メイド&執事喫茶』をする事になった。……ここまでは良いのだ。しかし、起こってしまった問題というのは、『裏方の仕事をコナせるのが冬也と燐子と愛姫の3人だけ』という物だったのだ。

 

 

ルカ「大丈夫です!お客様が少なくったって、私は遊びに来ますから!」

 

晴海「少ないの確定!?」

 

すず「晴海ちゃんなら、ちゃんと出来るよ!私は信じてる!」

 

晴海「それ、どう意味!?……冬くーん!」

 

 

後輩2人に弄られた晴海が、勢い良く冬也へ抱き付こうとしたが、それを難なく冬也はヒョイとかわす。なので、あえなく失敗してしまったのだ。

 

 

冬也「そんな事よりも……決めなきゃ行けない事があるだろ」

 

晴海「わ、分かったよぉ……まずは文化祭で披露する為のセットリストを考えようか!」

 

5人『うーん……』

 

 

晴海が内容を提示した瞬間、5人は真剣に悩み始めた。……するとスタジオ内の扉が開いた!外から一人の少女が入って来る。

 

 

?「何かお困りかしら?」

 

冬也/晴海『友希那(ゆっきー)!』

 

友希那「久しぶりね、晴海。……話は聞かせてもらったわ。私で良ければ協力するわ」

 

晴海「ありがとう、ゆっきー!」

 

友希那「礼はいらないわ。私が望むのは、他を圧倒する完璧なライブ……その為には、必要な事は全てするわ」

 

 

なんとスタジオ内に入って来たのは、友希那だった!練習した後なのか、額には少し汗が滲んでいた。そしてその近くにはリサも一緒に立っていた。

 

 

友希那「なるほどね……これはどうかしら?」

 

冬也「それを出すか。……これはどうだ?」

 

晴海「ス、スゴい……」

 

愛姫「友希那さんが来るだけで、雰囲気がガラリと変わった……」

 

 

冬也と友希那がセットリストを組んでいる最中、蚊帳の外に追いやられた4人は、唯々ポカーンと口を開けて立ち尽くしていた……。暫くして、セットリストはこの様になった。

 

<セットリスト>(()は歌い手)

①《魂のルフラン》(高橋洋子)

②《空想メソロギヰ》(妖精帝國)

③《宙船》(TOKIO)

④《紅蓮の弓矢》(Linked Horizon)

⑤《Rising Hope》(LiSA)

⑥《Believe in Myself》(EDGE of LIFE)

 

 

冬也「よし……これで行くか」

 

友希那「そうね。このセトリで行けば、間違い無く良いライブが出来るわ」

 

?「どれどれ〜?」

 

晴海「リ、リサちー!」

 

リサ「やっほー☆晴海、久しぶりー」

 

 

セットリストが書かれた紙を、マジマジと覗き込むリサ。すると、何を思い立ったのか、少し手直しをし始めた!

 

 

友希那「リ、リサ!?」

 

冬也「な、何してんだよ!」

 

リサ「んー?何だかこのセトリだと、少し暗いんだよね〜……だから、こんな感じに!」

 

 

<セットリスト【修正案】>

①《FEED THE FIRE》(coldrain)

②《エガオノマホウ》(MAGIC PARTY)

③《空想メソロギヰ》(妖精帝國)

④《Rising Hope》(LiSA)

⑤《世界は恋に落ちている》(CHICO with HoneyWorks)

⑥《Believe in Myself》(EDGE of LIFE)

 

 

リサ「こんな感じで……どう?ダークな曲も良いけど、ポップで明るい曲も取り入れて!」

 

友希那「……確かにそれは一理あるわね」

 

冬也「……あまり考えつかなかった」

 

リサ「でっしょー?ライブって言うのは、人を感動させるのが目的ではあるけど、楽しませる一面も持つからね〜」

 

 

そう言ってリサは2人を諭す。互いに納得したのか、2人は終始無言で立ち尽くしていたのだった……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【街中】〔午後7:00〕

 

冬也「しかし、意外だったな…リサにあんな才能があったなんて」

 

リサ「嬉しいなー……でもアタシは、唯々自然にしてただけだよ」

 

友希那「いいえ、謙遜する事でもないわ。実際にリサが手を加えてくれたお陰で、雰囲気も変わったわ」

 

リサ「改めて言われると……何だか照れるなー」

 

 

ライブハウスからの帰り道、冬也たち3人は家までの道のりを歩いていた。少しした後、リサのスマホが音を立てて鳴り始める!

 

 

リサ「あっ……ちょっと外すね?」

 

冬也「おう」

 

友希那「ええ、構わないわ」

 

 

そう言ってリサは2人から離れる。……すると、リサの下に重要な報せが届く!

 

 

リサ「……うっそ」

 

美咲『ヤッホー、リサ♪もしかして……今は愛しの彼と帰ってる頃かしら?お母さんたちね、仕事の関係で今日は一晩丸々帰れそうに無いのよ〜。なので、今日は冬也君のお家にお世話になっちゃって!

 

P.S.冬也君、リサの事をよろしくね?あと、……結婚する事になったら、早目に伝えてね?』

 

リサ「な、何言ってんの……お母さん!」

 

 

しばらく経って戻って来たリサの顔は、冬也の顔をマトモに見られない程紅潮していた。それを見て友希那は軽く嫉妬しており、冬也は何とも言えないような苦笑いを浮かべていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【大空家:冬也の部屋】

 

リサ「なんかゴメンねー勢いで泊まっちゃって」

 

冬也「大丈夫だ。一人で居るよりも、誰かと一緒に居る方が良い」

 

リサ「良かったー」

 

 

そう言ってリサは冬也へと抱き着く。冬也はそれを受け止めきれず、布団へと倒れ込んでしまう!冬也の布団から音がしないでもなかったが、今の冬也にそれを気にする余裕はなかったのだ。

 

 

冬也「……リサ」

 

リサ「今日、バンドメンバーと話してたでしょ?しかも女の子」

 

冬也「おお」

 

リサ「アレを見てさー……少しなんだけど、胸の中に黒いモヤモヤした気持ちがあるんだ〜今回の場合は特に」

 

 

この小説を読んでくれている人は察せるだろうが、リサは冬也の事が好きなのである。だから、同じバンドメンバーの女の子と話していても、リサは少し嫉妬しやすいのだ。

 

 

リサ「……不足した、冬也成分……補給させて」

 

冬也「……分かった」

 

 

リサが抱き着いたまま、そう要求してきたので、冬也は頭を撫でながら、リサを抱き締めていた。……すると、次の瞬間……リサはとんでもない行動に出た!

 

 

リサ「……冬也」

 

冬也「何だ……リサ」チュッ

 

 

冬也がそう言った瞬間、リサは冬也の唇へとキスを落とした。最初は優しい物だったが、時間が経つにつれて、それは激しい物となって行った!

 

 

リサ「冬也……冬也……ダイスキ……」

 

冬也「どうしたんだよ、リサ……」

 

リサ「アタシのモノにしなきゃ……冬也が誰かに取られる前に……」

 

 

そう言ってリサは行為を激化して行った。……そして、翌日を迎えた頃、冬也は昨晩あった事を思い出すのに、小一時間を必要としてしまうのだった。

 

 

リサ「冬也ハ誰ニモ渡さない……覚悟シテナヨ?冬也ノ隣ニ適シテルノハ、アタシだって、教えてアゲルカラネ?///」

 

 

その一方では、瞳を暗く濁らせたリサが、頬を紅潮させながら、そんな事を言っていたのだった……。




今回はここまでです!如何でしたか?今回は久々の本編でしたが、如何でしたか?誕生日回の方を短めにしてしまったので、本編を長く取りました。

と言うのも……私はリサ推しなので、それが如実に表れ出てると言う感じです。


これはちょっとした事なんですが……昨日のデイリーランキングを確認していると、本小説が『73位』にランクインしておりました!これも一重に、本小説を読んでくれている多くの人々のお陰だと思っています。本当にありがとうございます!

燐子ちゃんの声優である、明坂聡美さんはとうとう引退を発表しましたね……明坂聡美さん、今までお疲れ様でした!これからも私は『Roselia』を応援して行きたいと思います!


長くなりましたが、今回はここまで!それではまた次回!


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番外編《Side Story》
【誕生日回】陽だまりの少女の生まれた日


今回はリサちゃん生誕祭記念回を描こうと思います!


実は先日……友達に『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のゲーム画面を少し見せてもらったのですが……とてもやる気のでる様子でした!そしてやり方も少し教わりました。……このスマホでは出来ないので、新しいのを買ったら即刻入れたいと思います!その後はLINEかな?後はSKYphoneですよね。ってな感じで。

初見で『これ気になったな』って言うのは……☆4のおたえですかね。推しキャラでは無いのですが『あっ、これ可愛い』と思えました。皆さんの推しキャラって……誰ですか?また好きな曲って何ですか?(BanG Dream!の中で)後で感想やメッセージで教えてくれると嬉しいです。

ー[閑話休題]ーーーーーーーーーーーーーー

さてさて……今回は先程も言いました様に、リサちゃん生誕祭記念回を描こうと思います!リサちゃんを初めて知ったのは、何とも遅れ馳せではあるのですが……リサちゃんの初代声優であるゆりしぃの引退が発表された時です。……何か本当に申し訳ないです。

最初にWikipediaで情報を見た時は、ギャルっぽい感じの女の子なんだ〜と思ってましたが……少しずつ学んで行くうちに『何この娘!めちゃめちゃ乙女じゃん!』と思う様になりました。だって……『面倒見が良い』に『料理が得意』、『恋愛小説が好きでホラーが苦手』、『筑前煮が好き』……まあ、最後のは『渋いな』と思わざるを得ませんが、殆ど乙女じゃん!……失礼!


兎も角!本当に『BanG Dream!』にハマって良かった!と思う次第です。それでは……話はリサちゃんの誕生日の日に日付を合わせたいと思います!


それでは『陽だまりの少女の生まれた日』始まりますよ!


[大空家:冬也の部屋]〔8月25日 AM6:30〕

 

新たに『Flowlight』というバンドを結成してから、3ヵ月が過ぎたこの頃……この人物はと言うと。

 

 

冬也「……」

 

 

規則正しい寝息を立てて寝ていた。……と、そこに一通の着信が届く!

 

 

冬也のスマホ♪♪♪♪

(BGM:DAIGO『無限∞REBIRTH』)

 

 

冬也「誰だよ……はい」

 

リサ『おっはよー冬也☆今日はアタシとデートしよ?』

 

冬也「何だよ、藪から棒に……どうしてだ?」

 

リサ『良いでしょ?今日はバンドの練習、無いんでしょ?』

 

 

リサから今日のバンドの練習について聞かれると、冬也は言葉を詰まらせたように唸る。少しの間を空けてから冬也は答える。

 

 

冬也「無いけど…………」

 

リサ『でしょ?今日はRoseliaの練習も、バイトも無いからさ……デートしよ?』

 

冬也「デートって、ただ出掛けるだけだろ…………まぁやる事も無いし、良いよ。付き合ってやる」

 

リサ『ホント?やったーーーーー!』

 

冬也(今日は妙にテンションが高いなー、何かいい事でもあったか?)

 

 

そう思いながら、冬也は出掛ける準備を整える。そして朝食も済ませて家へと向かう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[今井家:リサの部屋]〔リサside〕

 

リサ「こっちで行こうかな〜?いや、こっちかな?……ううっ、決まらないな〜」

 

 

冬也をデートに誘ったアタシは、鏡を見ながら出掛ける為の服を決めていた。冬也が戻って来て初めての誕生日だからね……楽しむぞー!

 

 

リサ「こっちがいいかな!」( ´-ω-)σ ピンポーン♪

 

リサ母『リサー、お客さんよ〜?』

 

リサ「分かったー!」

 

 

アタシは準備を少しストップさせて、来客の対応へと出る事にした。…………そして、そこに居たのは!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[リビング]

 

冬也「よう、リサ」

 

リサ「冬也……おはよ♪」

 

 

アタシの家にやって来た人物は、なんと冬也だった!電話をして……準備してから、1時間しか経ってないよ!?と思ったら、お母さんが説明してくれた。

 

 

リサ母「貴女の事を想って、早めに来てくれたのよ?……ごめんね?うちの娘の為に……」

 

冬也「いえいえ……これくらいはどうって事無いですよ、美咲さん」

 

美咲「本当に律儀ね〜……いっその事、リサを娶ってくれないかしら」

 

 

冬也が……アタシの事を想って?……何だか、それって照れるなぁ♪……と思ったら、お母さんが何やらブツブツ言ってるんだけど?

 

 

美咲「リサ、朝ご飯食べてないでしょ?顔と手を洗って来なさい。……冬也君も如何かしら?」

 

冬也「美咲さんの料理は美味しいですけど……俺は家で済ませて来ましたので」

 

美咲「あらあら…褒めるのが上手いわね」

 

 

そんなやり取りを背に受けながら、アタシは洗面台へと向かって行った。……そして朝食を終えて、暫くした頃……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[街中]

 

冬也「そう言えば……出かける、とは言ったものの……具体的にはどうするんだ?」

 

リサ「え?……あっ、うん!先ずは……ショッピングモールに行こっ!服も丁度買いたかったし」

 

冬也「わかった」

 

ーーーーーーーーーーー

[ショッピングモール]

 

そんなこんなでアタシたちはショッピングモールの中にある、某有名な洋服屋さんに来ていた。ここはメンズやレディースも揃っているので、洋服を探すにはうってつけ場所なんだよね〜。

 

 

リサ「うーん……こっちがいいかな?」

 

冬也「……」

 

 

アタシは服を選んでいるけど、冬也はと言うと……外でベンチに座っていた。それを見兼ねたアタシは、冬也を無理矢理にでもお店の中に入れた!

 

 

冬也「何だよ……いきなり引っ張って」

 

リサ「えっと…冬也に服を選んで欲しいなって思って。あっ、もちろん…冬也なりに考えた物でいいよ?」

 

冬也「わかった、決まっても文句言うなよ?」

 

 

そう言って冬也は服を選びに行った。アタシはちょっと他のも見て来ようかな〜。

 

〔リサside out〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして少しした後……。

 

 

冬也「こんな感じはどうだ?……って、あれ?おい、リサは何処行った?」

 

 

手に持っていた服を元の場所に戻した冬也は、リサを探してお店の外へと出た。……すると見知った顔が声をかけて来た。

 

 

?「あら?冬也じゃない」

 

冬也「友希那?どうしたんだ、こんな所まで」

 

友希那「失礼ね、私だってここに来るわよ。そういう貴方は?」

 

冬也「俺はリサとデートを……」

 

 

友希那から問われた事に答えようとする冬也だったが……次の瞬間!

 

 

?「離して!離してください!」

 

友希那/冬也「!?」

 

冬也「今の声って……」

 

友希那「リサよ!……どうすれば!?」

 

冬也「取り敢えず、お前は警備員を呼んで来い!俺はリサに絡んでる野郎を、捻り潰す!」

 

 

そう言って友希那と冬也は行動に移す。その時の2人は自然と駆け足になっていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔リサside〕

 

不良A「ねぇ、君一人?可愛いね〜」

 

リサ「何ですか?」

 

不良B「この後暇?良かったら……俺たちとアソバナイ?」

 

リサ「連れが居るので」

 

 

そう言ってアタシはガラの悪い人たちから離れようとする。するとその内の1人がアタシの手を掴んだ!

 

 

リサ「離してください!」

 

不良B「離すわけないだろう?」

 

不良A「じゃあ……こうしよう!そのオトモダチと一緒にってのはどうだ?それならいいんだろ?」

 

リサ「いや!離してください!」

 

不良B「言う事を聞かねぇ悪いお姫様は、ちょっとキツい躾をしなきゃなぁ?」

 

 

そう言ってもう1人がアタシに近づいて来る。……冬也、助けて!と思った……その時!

 

 

?「おうこら……人の彼女に手ぇ出そうだなんて、良い根性してんじゃねぇか」

 

不良A「ああ?なんだコイツ」

 

リサ「冬也!」

 

冬也「リサ、お前今まで何処居たんだよ!」

 

 

そう言って冬也はアタシを叱る。叱ると言うよりもお説教されてる?と言った方が正しいかも。アタシは正直に冬也に弁明をする。

 

 

リサ「服を選ぶのがしばらく掛かりそうだったから、アクセの方を見に行こうと……」

 

冬也「何だそんな事か……」

 

リサ「そ、そんな事って!」

 

冬也「勘違いすんなよ?」

 

 

そう言った後に冬也はアタシの目を見詰める。……ああ〜カッコイイ!そんな思いを他所に冬也は言葉を続ける。

 

 

冬也「さっき言った『そんな事』って言うのは、『俺も一緒に行ってやるから』って意味だ。お前は可愛いから、他のオトコがリサを唆さないか心配だったんだよ」

 

リサ「と、冬也……///」

 

不良A「ははっ、何言ってんの此奴」

 

不良B「締め上げる!」

 

不良『死ねぇ!』

 

 

そう言い出すと共に、ガラの悪い人たちが冬也に向かって走り出した!……避けて、冬也!……と思うアタシの心配は杞憂に終わり……、

 

 

冬也「おいおい……人に『死ねぇ!』だの吐かしてた割には、手応え無いな」

 

不良A「クソっ……ナメるなァ!」

 

 

もう一度ガラの悪い人が冬也に向かって行った。……けど、もう遅いよ♪なんたって……あれは。

 

 

冬也「チェックメイト」

 

不良B「つ、強え……」

 

不良A「何もんだよ、此奴……」

 

冬也「お前らに名乗る名は無い。……来たな。そして、消え失せろ」

 

 

冬也がそう言った先には、友希那と警備員が立っていた。先程のガラの悪い人たちは警備員に引き渡され、アタシは冬也と再び動く事にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

リサ「それよりも、さっきはありがと♪」

 

冬也「お安い御用だ。それに……大切な幼馴染であり、彼女なんだからな」

 

リサ「///」

 

 

アタシは冬也の言った事に顔を紅くしていた。それにしてもあの時はカッコよかったな〜。そう思っていると、最初に分かれた服屋さんに戻って来た。

 

 

冬也「ほら、服を選ぶから……待ってろ」

 

リサ「うん」

 

 

そう言われてアタシは冬也をずっと見ていた。少しした頃、冬也がアタシの所に来て、服を見せて来た。

 

 

冬也「これなんてどうだ?」

 

 

そう言って冬也が持って来たのは、オレンジ色のTシャツに薄水色のショートパンツと黒の長袖のジャケットだった!

 

 

リサ「ちょっと試着して来るね〜!……あっ、アタシが着替えてる間に覗かないでよ?」

 

冬也「分かったから着替えて来い」

 

 

その言葉を聞いたアタシは、選んでくれた服を持って試着室へと入った。その後の反応で、買う事に決めたけど……冬也が奢ってくれた!この分じゃ期待できるかもね?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[街中]

 

リサ「〜♪」

 

冬也「そんなので良かったのか?」

 

 

ショッピングモールで一日を過したアタシたちは、家への帰り道を歩いていた。……だって、今日だけで良い事がいっぱいあったんだもん!それは気分ものって来るよ!

 

 

リサ「……あ、あのね?冬也」

 

冬也「どうした?」

 

リサ「今日は何の日か……覚えてる?」

 

 

アタシが冬也に今日の事について聞くと、冬也は少し首を傾げた!……覚えてるよね?……なんてアタシの想いが真っ向から崩れ去るような答えが!

 

 

冬也「……すまん、覚えてない」

 

リサ「そ、そうなんだ……」

 

 

なんか、アレだけ気分がとても良かったのに……一気に下げられた気分……。そうだよね、8年も離れてたんだもん。忘れてて当然だよね……。

 

〔リサside out〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔冬也side〕

 

俺がリサからの質問に答えた時、リサの様子が目に見えて落ち込んでいた。……不味いことしたか?

 

 

冬也「(こんな時に頼りになれる奴は……アイツしかいない!)」

 

 

プルルルルル!!!

 

 

友希那『何かしら、冬也』

 

冬也「友希那か?ちょうど良かった、少し話を聞いてくれ」

 

友希那『良いわよ。けど、手短に』

 

冬也「わかった。リサが落ち込んでしまった……今日が関係あるみたいなんだが、俺はすっかりそれを忘れてしまってな……」

 

友希那『アナタ、今まで忘れてたの!?今日はリサの誕生日よ!?誰だって、誕生日を忘れられたら落ち込むに決まってるじゃない!』

 

冬也「すまん……」

 

友希那『謝る矛先が違うわよ!……今日はリサと一緒に居てあげて!あなたが思い付く限りの事をしてあげなさい!』

 

冬也「わかった」

 

友希那『全く……。あら?という事は、私の誕生日も覚えてない?』

 

 

突然出された友希那からの質問に、言葉を詰まらせたように唸る。すると一拍あけて友希那が言う。

 

 

友希那『私の誕生日は10月26日よ。……それじゃぁ今日はリサを慰めてあげなさい。それじゃ』

 

 

その言葉と共に友希那との電話が切れた。……どう慰めりゃいいんだ?

 

〔冬也side out〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[大空家:リビング]

 

ショッピングモールの帰り道の途中、リサを復活させるために悩んだ末、冬也は家にリサを泊めることにした。

 

 

冬也「リサは少し待ってろ……ご飯を作ってくる」

 

リサ「…うん」

 

 

冬也はそう言ってリビングへと料理を作りに行った。そして少しした後、リサが動き出した。

 

 

冬也「リサ、今はご飯を作ってる所……え?」ギュ

 

リサ「……このままで居させて」

 

冬也「飯が終わったら、甘えさせてやるから……我慢しろ」

 

リサ「ヤダ、コノママガイイ」

 

 

いきなり抱きついてきたリサを引き剥がそうとする冬也だったが、リサが生気のない瞳で冬也を見つめた為、仕方無しにさせる事にした。……そして食事を終えた後。

 

 

リサ「……」グスッ

 

冬也「ごめんな?何とか機嫌を直してくれないか?」

 

リサ「……」

 

冬也「あっ、今日はお前の誕生日だったよな?ほら、ショッピングモールで買った服は、お前の為に選んだ奴だ……これで収まってくれないか?」

 

 

何とか機嫌を取るために持ち掛けては見たものの……リサは相当拗ねているらしい。そしてリサはこう発言する。

 

 

リサ「ずっとアタシと一緒に居て」

 

冬也「え?」

 

リサ「この先、何があっても……アタシから離れないで」

 

冬也「ゴメンなリサ……」

 

 

そしてしばらくの間、冬也は拗ねているらしいリサを唯々頭を撫でて慰めていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[大空家:冬也の部屋]

 

リサ「ねぇ……冬也」

 

冬也「何だ?」

 

 

寝る為に訪れた冬也の部屋で、リサが冬也に声を掛ける。すると……リサはこう言う。

 

 

リサ「アタシの好きな曲……歌ってくれる?」

 

冬也「分かった」

 

 

そうして冬也とリサは眠りについた。その時のリサの顔は、少し微笑んでいるように見えた。




今回はここまでです!如何でしたか?


最後に冬也くんが歌った曲というのは『陽だまりロードナイト』です。曲の歌詞からも……正にリサちゃんを彷彿とさせるかのようなイメージを思わせます。私自身はあれは……Roseliaでは珍しい『ラブソング』だと思います。勇気が貰えるというのもありますけど、それ以上に僕は先述の様なイメージを抱きます。

次は白金燐子ちゃんの誕生日である……10月17日に誕生日回を投稿したいと思います。本編はまた別に投稿しますので、よろしくお願いします。


それではまた次回です!


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【誕生日回】銀色歌姫の生まれた日

今回は友希那ちゃん生誕祭記念回を描きたいと思います!……まずは活動報告でも言いましたが、10月17日は本当に申し訳ありませんでした!この遅れは何処かで必ずや挽回致します!

それでは気を取り直して……それでは、今回は友希那ちゃん生誕祭記念回です!それではスタートです!


〔10月26日 金曜日〕

 

冬也「よし!今日はここまでだ!」

 

友希那「ありがとう、冬也。どうだったかしら、久しぶりに聞いてみて」

 

冬也「ああ。全員レベルアップしてる、この調子を維持すれば大丈夫だ」

 

友希那「そう……」

 

 

冬也は久しぶりにRoseliaの練習に顔を出していた。今日もRoseliaのマネージャーとして、良いアドバイスが出来たと自分を誇っている。

 

そしてRoseliaの練習後、冬也が帰り支度をしていると……友希那が声を掛けて来た。

 

 

友希那「冬也」

 

冬也「友希那、どうした?」

 

友希那「今日の事……お、覚えてるわよね?」

 

冬也「今日?」

 

 

助けを求めるように、冬也は近くに居たリサに目を向ける。すると、リサは既に『友希那の誕生日』と書かれた紙をチラッと見せていた。

 

 

冬也「友希那の誕生日だろ?」

 

友希那「ええ、そうよ」

 

冬也「あ、でもごめん……プレゼントは今は無いんだ」

 

友希那「そんな事、分かっているわ。だから……その……あ、明日、一緒に……出掛けましょ」

 

冬也「え?でも、明日はもう……」

 

 

冬也は翌日になると、友希那の誕生日が終わる事を言おうとしたのだが……友希那がそれを遮る。

 

 

友希那「良いのよ。今日は平日で、バンド練習もあったし……仕方無かったもの。だから今日の代わりに明日、一緒に祝って欲しいの」

 

冬也「ああ、分かった」

 

 

そう交わしてライブハウスを後にする。そして今日はリサが冬也と一緒に帰っていた。そして、翌日を迎えた……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【翌日】

 

友希那「おはよう、冬也」

 

冬也「お、おはよう……友希那」

 

友希那「さ、行くわよ」

 

 

そう言って友希那と冬也が訪れたのは、2人で過去に行った事のある『猫カフェ』だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【猫カフェ:店内】

 

友希那「ふふっ、可愛い……にゃん♪」

 

冬也「(友希那のこんなに笑ってる顔を見るのは……久しぶりだな)」

 

 

結論から行けば……猫カフェの中に入るなり、猫をこれでもかと友希那は撫で回していた。それを見た冬也は、軽く口許に笑みを浮かべていた。

 

 

友希那「?どうかしたかしら?」

 

冬也「……!な、何でもない……」

 

友希那「そう。……にゃん♪」

 

 

暫く友希那は猫の傍から離れる事は無く、冬也が頼んだ2人分の紅茶は冬也の分を除いて、すっかり冷めきっていた。

 

 

友希那「ふふっ……今日は連れて来てくれてありがと、お陰でとても楽しいわ」

 

冬也「お、お安い御用さ……」

 

友希那「……この後、私たちで何処かに、行ってみない?」

 

冬也「どうした?急に」

 

友希那「彼処に行きたいの……お願い」

 

 

意を決した冬也は、お会計を済ませて猫カフェを後にした。そして……2人の思い出の地へと足を運んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【河川敷】

 

友希那「……懐かしいわね、ここ」

 

冬也「そうだな」

 

友希那「覚えてるかしら、私と冬也がここに来る様になった切っ掛け」

 

冬也「ああ……あの頃は、確か……」

 

 

実は冬也と友希那は、二人揃って家出をしていた時期があり、その時ふと通り掛かった河川敷に、仲良く腰を下ろしていたのだった。(これは後に2人の親から、愚痴られた事であったのだが)

 

 

冬也「……そんな事もあったな」

 

友希那「あの頃がきっかけで、私たちは仲良くなれた……それは変えようの無い真実よ」

 

冬也「……行くか」

 

友希那「ええ……、待って!冬也、彼処!」

 

 

突然友希那が立ち止まり、ある方向へと指を指した。するとそこには……橙色に輝く、綺麗な夕陽が上がっていたのだ!

 

 

友希那「……キレイね……」

 

冬也「ああ……」

 

友希那「冬也」

 

冬也「なんだ?」

 

友希那「……1度しか言わないから、よく聞いてなさい」

 

冬也「お、おう」

 

 

少し紅潮した顔を俯かせて、そう宣言する友希那。互いの心臓の鼓動だけが、この空間を支配していた。……そして意を決した友希那が、言葉を紡ぐ。

 

 

友希那「わ、私と……つ、付き合って……」

 

冬也「……」

 

友希那「この言葉、凄く恥ずかしいの……何か言って欲しいわね」

 

 

友希那が紅潮した頬を隠さずに言う。冬也は後頭部を少し掻くと、こう答えた。

 

 

冬也「ま、まさか……気持ちが通じ合うなんてな」

 

友希那「そ、それって……!」

 

冬也「俺の方こそ、お願いするよ……友希那じゃなきゃ、ダメなんだ」

 

友希那「ありがとう……これからは、二人の時間を大切にして行きましょ。勿論、バンド活動に支障のない範囲で」

 

冬也「そうだな」

 

 

そう言って2人はその場を後にする。その時、2人の門出を祝福するかの様に……夕陽がさらに輝いた様な気がするのだった。




今回はここまでです!如何でしたか?今回は全体的に短めとなってしまいました……ですが、友希那ちゃんへのお祝いの気持ちは、この中に確りと込めましたので、後悔はありません!


改めて……友希那ちゃん、お誕生日おめでとう!『Roselia』の頼れるリーダーとして、これからも頑張ってね!応援してます!


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