にゃる・しゅたん!にゃる・ふれんず! (スコープ)
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第一狂 バイバイ人生、ハロー混沌生

はい、どうもみなさん。クトゥルフ神話×けものフレンズ3作品目です。え?他のが完結してない?安心して私の正気は既に0だから


ああ、俺は夢でも見ているのだろうか?いや、そもそも俺は正気なのだろうか?

今、そう自分に問わずには居られない。

……突然だけど、君達は本当の意味で狂った事はあるかな?俺は今現在進行形で狂っていると思う。もしかしたら気が狂って幻覚を見ているのかもしれないし、事故に遭って生死の境を彷徨って居るのかもしれない。是非そうであって欲しい。……何故かって?

 

『新たなる混沌を』『新たなる化身を』『混沌を』『化身を』『生み出せ』『作り出せ』『変化させろ』『昇華させろ』

 

俺は(・・)宇宙にいる(・・・・・)。更にその上で周りを化け物が囲んでいる(・・・・・・・・・)何を言っているか分からないだろうが、これが事実だ。中には人型の奴も居るが決して人間では無い

 

『『『『その魂が最適だ』』』』

 

先程からその様な事ばかりを言っている。全く持って意図が分からない。ああ、俺はこの様な状態になる前は突然11%に上がった消費税にうんざりしながらも適当な飯買って帰ろうとしていただけなのに……!気付いたら異空間……と言うより宇宙空間とか誰得だ!?

……それにしても、時折『奴が目覚める』『夢が終わる』『別の夢へ』などと聞こえる。それがもうどれだけ続いたのか分からない……一日?十日?一年?十年?どれくらいの時間この状態になっていたのかも既に分からない。体内時計も腕時計も完全に狂っていた……そろそろ変化が欲しい……そしてそう思った俺に答えるかの様に、変化が訪れる。それも最悪の形で

 

『『『『融合を果たそう、精神はそのままに、混沌へと変貌を遂げよ』』』』

 

いくつかの触手のある化け物が、俺の手足を縛り付け、何かに例えると鹿の様な化け物が人型……いや、頭は円錐形で、顔は空洞。そしてだらりと赤い舌が垂れて、三本の円柱状の冒涜的な足を持つ魂無き黒き塊を持って来た……そして、鋭い鉤爪の様な器官を持つ化け物がその黒き形の腹に当たる部分を裂き開く

 

……そして俺の体は、徐々にその開いた悍ましき腹の中へと押し込まれ様としているっ!

……俺は、先程までの化け物達の言葉から、一つの結論へと至った

 

「い、やだ……!やめろ!近付けるな!やめろ!やめろやめろやめろやめろやめろやめろ……やめてくれ!

 

俺はソイツになんてなりたく無い(・・・・・・・・・・・・・・・)!!」

 

俺は、新たな化け物……混沌の一体として取り込まれようとしているのだ……恐らく、俺はあの裂けた腹に入ったが最後。最終的にはあの化け物へと変わってしまうのだろう。嫌だ、死にたく無い。いや、俺はせめて人間として死にたい……!

そう思いながら、無駄と分かって居ても纏わりつく触手を振り解こうと足掻く……が

 

『……無駄なり』『無意味なり』『大人しくしろ』『悪くは扱わない』『受け入れろ』『選ばれたのだ』『新たにゃ……新たな混沌に』

 

そんな抵抗に苛立ったのか、一瞬にして裂けた腹部に押し込められる……

グチュリと不快な音を立てて、俺の体を化け物の死体が取り込み始める……不思議と、痛みや苦痛は無いが……ただただ怖いまるで『自分』と言う水に薬品を混ぜられる様な感覚……

 

そして、裂かれた腹部が閉じ、俺の視界は完全な黒、闇に包まれたーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーで、

 

「……説明はして貰えるんだよな?『混沌』?」

「無論だ、新たなる同胞よ」「それは義務である」「快く引き受けよう」

 

俺は宇宙にて三本の(・・・)足で胡座をかきながら、目の前の化け物(同族)に話しかける……不思議と新たな体に違和感は無く、それどころかまるで増えた足や長く赤い舌さえも自由自在だ……案外この舌は便利そうだ。更に言えば先程まで化け物だと忌避感を抱いていた感覚は全く無い。寧ろ家族の様にも思える……それはそれとして

 

「……じゃあ先ずは質問その一、何で俺はこうなった?……そこのー、えっと、なんか円錐形の肉塊でどっかのラーメンみたいな奴頼む」

「任された。何故貴様をこの様に拉致して混沌へと変貌させたか……それは宇宙の消失に巻き込まれるのを避ける為だ」

 

……いきなりスケールのデカい話が来たな

そう思って溜息を吐きながらも(この溜息には遠くで自由気ままに動き回る他の混沌に対する物でもある)

 

「……それはどう言う事だ?」

「それに関しては思い出そうとした方が早いだろう。魔王や盲目白痴に関する事を思い出せ」

「……」

 

そう言われて俺は腕を組んでジッと考え込む……

 

 

…………っ!

な、成る程な……俺は思い出したと言うより引き出した情報に思わず苦笑い(顔は無いが)する

 

「……アザトース、か……反則と言うか、まるでゲームのリセットボタンみたいな奴だな……」

「リセットボタン……言い得て妙だな。我らをゲーム内に存在するキャラクターやデータだとすればそれを消し去るリセットボタンと言っても良いだろう」

 

……まさか、こんな奴が居たとはな。全てを創り出し、夢として宇宙全てを見る神。盲目にして白痴、されどその力は文字通りの最強そのもの……アザトースが目覚める時、夢である宇宙は消え去る

 

「……その夢の終わりから逃げる事と俺を混沌に変えた関係性は?」

「簡単な事だ。どんなに強大な力を持つ混沌である我らであっても、夢から逃げる為の逃げ道……穴としよう。穴は全混沌の力を集約しても一つ、一柱の化身が通るのが限界の穴しか開けられなかった。故に、一つの個体となって穴を抜けようとしたが……失敗した」

「失敗……?」

 

俺は首を傾げながら話の続きを聞く

 

「そう、失敗だ……自我が強過ぎたのだ。我々混沌全てを受け入れるにはあと少し自我が弱ければ良かった、しかし強過ぎた故に入り切らず元々の精神は消失した。しかし、受け入れる肉体に精神が備わって居なければ意味が無い。故に、混沌よりも自我が薄く、尚且つ肉体との適合性の高い人間であった貴様を選んだのだ……既に我らの居るこの宇宙は完全な別の次元であり時空、交わることのなき、本来なら副王ですら到達出来ぬ領域だ。元の宇宙は既に消えて居るだろう」

 

なるほどな……つまり

 

「俺は形はどうであれ助けられた、と?」

「……ふむ、結果的にはそうではある」

「……なら、ありがとうとだけは伝えておく」

 

……で、ここはどんな宇宙なんだよ

と、呟こうとした瞬間に最も人間に近い赤いドレスを身に付けた混沌が前に出て

 

「早速だけど、もう移動するわよ」

 

そう言った。

いや待て待て……

 

「……何処に?」

「地球に決まってるでしょう?」

 

……はい?

いや待て待て待て待て……俺の得た情報だと混沌って愉悦部最高顧問みたいな外道ばっかりなんだが……?

 

「……行って何するんだ?」

「遊ぶに決まってるでしょう?」「我らを使役する者は居ないのだ」「自由だ」「自由だ」「自由だ」

 

俺は再び溜息を(それも先程よりも強く)吐きながら、胡座をやめ、全員に背を向ける……

 

「……あら?どうかしたの?」

「帰る。もしくは何処か別の場所で引き篭もる!」

 

そう言って三本の足をジタバタと動かして何処かへと行こうとするが……

 

「動き方がなって居ない。やはり身体は動かせても飛行など本来人が出来なかった行動はまだ不可能か……」

「逃走など無意味」

「汝も地球へと赴き、破滅と混沌を齎すのだ」

「貴様は箱舟でもある。故に勝手な行動は困るのだ」

「うっせぇ!俺は愉悦外道神父みたいな腐った性格はしてねぇ!って、触手で掴むな!やめろ!離せ!HA☆NA☆SE!」

 

ジタバタと、手足を動かすも1ミリも移動する事は叶わず、あっさりと混沌に捕まり、そのまま体内へと混沌が侵入して行く……あー、この宇宙に来る時もこんな感じだったのかなー?と、半ば……いや殆ど諦めた様にそう考える……あ、そう言えば混沌について復習しておこう。なんか全員(鹿の様な奴を除いて)俺の身体に入ったら身動きが取れなくなって勝手に何処かに進み始めたんだもの……鹿の様な奴……あ、今思い出しらイホウンデーとか言うらしい。あ、星が線に見えるー、速いなぁ……ははは

 

 

……さて、流石に思考放棄は此処までにしておこうか……

そもそも混沌とは何なのか?その答えは強いて言えば外なる神々のメッセンジャーだ。外なる神々はゲームで言うバグや裏ボスだと思ってくれ。そんな奴らにこき使われるのが俺達混沌だと言うらしい……時には核推進派の科学者だったり、神父だったり、織田信長だったり、時には大木だったりする存在だ。複数の……千の貌を持つが故に無貌……いや、無貌故に千の貌を持つ神だ……

まあ、つまり

『俺がお前でお前が俺であいつがあんたであんたは俺とお前』

みたいな無茶苦茶な神だ。因みに化身()毎に意識は独立しているとかなんとか

 

(あら?随分と余裕ね。大抵の人間なら既に壊れているのだけれど)

「のわぁぁぁぁぁぁっ!!??」

 

俺は動かぬ身体を余所に心の中で全力で飛んで驚く……あ、声は普通に身体が動かなくても出せるのか

 

(……はぁ、まあ混沌になった影響かもしれないわね。それはそうと自己紹介がまだだったわね?私は這い寄る混沌の化身の一つ、赤の女王(Queen in Red)よ。因みに消費税を11%に上げたのは私よ)

「ふざけんな全国の主婦に土下座して謝れ」

 

この前まで8%だったのが急になんの前触れも無しに11%とかふざけてるだろ絶対……あ、俺は血塗られた舌(Bloody tongue)と言う化身らしい

 

(次は私ですね……私はーーー)

 

……この後俺はただひたすらに千なんて恐らく超えるであろう化身達一柱一柱の自己紹介を聞いて行ったのだった……

 

 

 

まあ、覚えれるわけ無いけどな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、自己紹介が終わった後同じ自己紹介を恐らく数千回繰り返せるくらいの時間が経った時、目の前に懐かしい星が見えてきた……太陽と地球etc...だ

 

一応、ここまで来る間に様々な事を話し合い、何とか退屈はせずに居た。最初は開き直って宇宙満喫しようと思ったけども、幾ら何でも闇の中に光が浮かんでるだけのもので長い時を過ごせとか無理だ

だから自然と他の化身と仲は良くなれたのは、これから長い付き合いになる奴らと仲良くなれたと喜ぶべきか、人間離れが加速したと嘆くべきか……

 

ああ、そう言えば鹿の様な奴こと、イホウンデーなんだが……どうやら今俺が使ってる身体の元持ち主の妻……つまり、俺の借りている(?)身体の妻なのだ。これ知った時色々と複雑な気持ちになったよ……一応補足すると、イホウンデーの方から

 

『貴方が我が身を預けるに値するか、見定めさせて頂きます』とか何とか……要は『お友達から始めましょう』と言う意味らしい。意訳が出来る俺は恐らくもう色々とダメだ

 

 

 

っと、そろそろ地球に降り立つ頃かな……取り敢えず当面の目標は……

 

(俺の同類事、這い寄る混沌が暴走しない様に見張る事か)

 

最近良く吐く様になった溜息を吐きながらそう思う。そして大気圏に突入して、徐々に地表へと近づくーーー

 

近づく途中で、なんか見覚えのある虹色の結晶とかが見えたが気のせいだろう

 

ーーーそして、スドゴンとヤバそうな音を立ててボロボロの……遊園地らしき場所に降り立った……いや、ここどこさ

 

 

今日、穢れなき純粋なる者達が集まるこの平和なる楽園に……

外なる神々のメッセンジャー

Nyarlathotepが、君臨した

 

ーーーーーーーー

 

少し時を巻き戻し……

 

空よりメッセンジャーが落ちる少し前、様々な者達が各々の場所にて空を見上げていた……理由は簡単。空に見える赤く煌煌と輝く物を眺めていたからだ。赤く煌煌と輝いて見える理由は大気圏に突入した際の物なのだが、それを知る者はこの地には居ない。

しかし、何名かはそれに対して様々な予感を感じていた……

 

「……アレは、なんなのでしょうか〜?気になる〜!」

 

 

「おおー!すっごく真っ赤で綺麗だねー!ジャガー!」

「ええっと……そうだけどアレってほっといて大丈夫なのかな〜?」

 

 

「ったく、面倒な事になりそうだな」

「ま、まあまあ……アレが危険ならセルリアンと同様にどうにかするのが私達ハンターの役目ですから……」

 

 

「……ふむ、博士。あれは所謂隕石と言う奴では?」

「……ええ、助手。恐らくそうなのです……アレがあのまま落ちればパークは壊滅……皆、助からないのです」

「……そうですね。ですが、それは他のフレンズに伝えるのは賢く無いですね」

「当たり前なのです……あのサイズ。恐らくどんな方法を取っても対処は不可能……ならば、下手に不安や絶望を与えるより、知らないまま……せめて最期の瞬間まで幸せに過ごすのです」

「……別れを告げられないのは、皆辛いでしょうね……なので、私は博士に別れは伝えません。我々だけが別れを告げるなど、島の長失格なので」

「賢い我々ならそんな事は当たり前なのです。そんなのは、島の長失格なので」

 

 

「うわぁ、オオカミさん。アレなんでしょうね……」

「これはもしや……事件!?」

「……!そうだ、二人ともこんな話を知っているかい?どうやら大昔にもこのパークに丁度あんな感じで赤い星が見えた事があったんだ……そしてその赤い星が現れた後に、見るのも悍ましく、醜悪なセルリアンが大量に現れて……!」

「も、もうオオカミさん!やめて下さいよ!」

「う、うううううううう」

「あっはっはっ……ごめんごめん、冗談だよ。……ん?あの星、なんか大きくなっている様だね……もしかして本当に……?」

 

 

「みゃ〜……お水おーいしー!」

「ふふふ、水を飲まないのは勿論、飲み過ぎもダメよ?飲み過ぎてお腹の調子を崩したら元も子も「分かってるって!それにしてもカバ、アレなんだろ〜?」……分かっているのなら良いのよって……あら?私もアレは初めて見るわねぇ〜……」

 

 

「ううう、アレ絶対隕石だよ……もうダメだよぉ……」

「全く、何言ってるの?確かにあの赤いのが不安なのは分かるけど、さっきから言ってる『いんせき』って何よ?ゲームのやり過ぎじゃないの?」

「ううう……ギンギツネ〜、何か今からでも手伝うよ〜……」

「え、ええ!?キ、キタキツネ貴女本当に大丈夫!?突然そんな事「良いから〜!」……まあ、取り敢えず雪掻きを手伝って欲しいわ」

(ううう、こんな事ならもっとゲーム……いや、ギンギツネの手伝いとかして楽させてあげたら良かった……)

 

 

「アレは……もしかして、良くない事でも起きるのかなぁ〜?ま、パークのみんなに怪我なんてさせないけどね〜」

「むむ?あの赤い星……もしや、次の戦では勝てると言う前兆か!?」

「ジー……」

 

 

砂漠でジャングルで図書館でロッジでサバンナで雪山で平原で……ありとあらゆる場所で様々な"フレンズが空を見上げ、落ちてくる赤い星を何の危機感も持たず(一部を除き)見ていた……

 

 

 

そして、赤い星が落ちてからサンドスター火山が噴火の兆しを見せたのは偶然か必然か、ごく僅かの差であった




さて、此処で皆様にお願いがあります。タグにもある通りこの作品では混沌が文字通り千の化身を得る事を目標に、オリジナル化身を作者自身と、読者の皆様で生み出していきたいのです。
タグの『みんなでかんがえるにゃるさま』は、文字通りの意味です。
「こんな化身面白そう」的なノリで考えた没案でも良いので是非貴方のにゃる様をお貸しください……


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第二狂 フレンズ化(大勢)

早速、活動報告で募集していた化身を使わせて頂きます。
…今回使わせて頂く化身フレンズ…
『さすらいのエージェント』様
陽気なる南瓜(ニックネーム ジャック・オー・ランタン。主にジャック)
『提騎』様
願い堕ちた者(ニックネーム ハシラ)
『ゆきぽん』様
外法の薬神(ニックネーム ユズリハ)

オリジナル化身は随時募集中です!ネタ化身?メアリー・スー?大丈夫です。だってニャル様だから

あれ?なんかお気に入りが15件…成る程、つまりこの駄作をお気に入りにする程熱心な混沌信者が15人も居るのですね…!(意訳:こんな作品を楽しんで貰えてとても嬉しいです。具体的にはニャル様からトラペゾヘドロンをプレゼントされるくらい)


(……ココドコ?)

 

そう思いながら周りを見渡す。顔の無い顔で周りを見渡すと……うん。なーんか見覚えのある風景だ。具体的にどう見覚えがあるかって言うと超えられない壁越しに見た感じがする。それも俺等(混沌)には似合わない様な世界観の所

 

さて、自分の状況整理の為にも何と無く独り言を言おう、周りにあるのは一言で言えば……

そうだな『廃墟と化した遊園地』だな。

メリーゴーランドの馬には苔か何かがこびり付き、遊園地名物のティーカップは割れ、ジェットコースターらしきアトラクションのレールは所々朽ちて途切れており、そのまま乗れば絶叫(断末魔)が沢山聞こえそうだし、お化け屋敷らしき建物は最早本家。観覧車は回っておらず、まわらねぇ観覧車はただのポン○リングだとでも言いたげな雰囲気だ。うん、俺何言ってんだか

 

『……失礼、ここは人間が自らの娯楽の為に作る施設か何か……と言う認識で合って居るのですよね?』

「え?そうですけど……イホウンデーさん?それがどうにかなさいましたか?」

 

え、なんで敬語か?そら、歳上(それも恐らく数百万とか億単位で)だし、雰囲気は人に分かりやすく言うなら『お姉さん』なんだよ。エルク(ヘラジカとかの事)の神様らしいけど、見た目は…うん。でかいだけの普通の鹿だしね。ただ、目が合計4つある事以外は

 

(……人の気配が全く無いですね。この様な廃墟なら愚k……オホン。勇敢な人間や、此処で暮らす野生的な人間が何人か居ても良いんですがねぇ……)

 

頭の中に、誰かの声……多分、暗黒の男とか言う真っ黒人間の化身の声が聞こえてくる。と言うかコイツ今絶対愚かなって言おうとしたよな?まあ、確かに誰も居なさ過ぎ……と、言う訳でも無いな。だってここ、俺の記憶が正しければ『ゆうえんち』だもの

 

そう、『ゆうえんち』だ。

先程の見覚えとは、殆どあのポン○リング(観覧車)からで……ぶっちゃけここアニメの世界じゃね?と、思ってる。何でか?だってさ……見えるもん。不思議物質垂れ流しの山が

 

(…それで、あの山から出ている物体は何ですか?その様子だと何か知っている様ですし、明らかに前の世界では無かったのですが)

「……うん。まあ、そのね……サンドスターって言う物質。前の世界では架空の存在だった超不思議物質」

(……架空の?つまりそれは理論上、机上の物ですか?それとも創作物の?)

「創作物の物。けものフレンズって言う漫画、ゲーム、アニメに出て来るある意味ご都合主義的な物質だよ。何と言うか……うん。やっぱりこれは日本人が考えた創作物だなって言う様な」

 

知ってるか?日本人は妖怪とかエイリアンとか、遂には機械まで萌え萌えにしたり、美少女にしたり、刀は美男子にしたりと、擬人化文化の真髄とでも言うべきヤベー奴等の集まりなんだぜ……?趣味でも様々なゲテモノを日本人は擬人化させて可愛く、かっこ良くするんだ……」

『声に出てますよ』

(……やはり日本の場合はそうなりますか。まあ、色々と他にも可能性はありますが、つまり私達(混沌)は、サブカルチャーの世界にでも飛んで来たのですね?)(ふむ、それはつまり……)(成る程、副王はサブカルチャーの世界を認識して居たけれども、干渉は出来ないと言う事ね)(……いや、しかし何故魔王程の力がありながらたかが創作物の世界が残る?)(いや、そもそも一種のパラレルワールドとして創作物の世界が存在している可能性も)(いや、それこそ副王の力で干渉出来る範囲になるのだ。魔王の目覚めと共にそれこそ引っ張られる様にして消える)(いや、寧ろ存在が創作物であるが故に曖昧で、副王からは『無い世界』として認識されて居たのでは?)(そもそも人間の思考回路のみではパラレルワールドを形成する程の分岐や、IFは生まれん。つまり……)(いや、IFなどとは根本的に違うのでは?恐らくだが、前の世界とこの世界は親と子の関係にあり、親となる世界が消えた事で子であるこの世界が孤立、それ故に干渉出来る様になったが、干渉出来る存在……副王は孤立する時には宇宙諸共消滅、故に消滅せず、存続したのでは?)

「テメェらうっるせぇ!一斉に喋んな!兎に角、この世界は前の世界ではけものフレンズって言う作品として認識されていた世界で、多分時系列とか諸々はアニメ作品としてのけものフレンズ。そしてさっき言ってたサンドスターって言うのはだなぁ……」

 

俺の精神の中……と言うか、混沌の肉体と言う器の中で謎の考察と議論を交わす混沌どもに怒鳴り、そのままこの世界に関する事を伝え様とするが……(因みに怒鳴った時にイホウンデーがビクッと反応していた。なんか可愛く思えて来たし、そろそろ俺は人としてダメだと思う)

 

『……待ってください。山の様子が何か……それに何かが近付いて来ています』

「へ?」

(((〜(((何事だ)))〜)))

「うお、ハモんな気持ち悪い」

 

イホウンデーが辺りを睨む様にしながら、山に意識を向けている様だ。まあ、山に関しては……噴火だろうな。それと、何かが近付いて来ている……と、言うのは恐らく……あの2つの内どちらかだな

 

「……イホウンデーさん、その何かって多いですか?少ないですか?そして、大きさとかそう言うのって分かります?」

『数は多いですね。しかし足音……いえ、移動音からして明らかに小さいのが集まっているだけですね。正直に言えば敵対しても私が少し暴れれば倒せますし、そもそも感じる気配からして、弱い。もはや居ないも同然の存在ですね』

「辛辣……」

 

まあ、イホウンデーの言う事から推測するにセルリアンだろうな……

ーーセルリアン、それは先程からちょくちょく話題に出て来る山から出ている不思議物質。サンドスターと無機物が触れ合う事で(恐らく)生まれる謎の生命体(仮)で、通称『石』と言うコアを持ち、それを砕かれれば絶命するが、それ以外に特筆する様な弱点を持たない存在。ぶっちゃけ良く居る敵役ーー

突然だが、アニメ、けものフレンズに登場する『ゆうえんち』にはある特徴がある。それは……セルリアンが良く出ると言うことだ

 

そして、イホウンデーの感じた山の変化は恐らく噴火……え?噴火とかヤバく無いかって?大丈夫だ。噴き出すのはサンドスター。セルリアンも生まれるが、基本的に身体に害は無いし、流石日本人とでも言うべき特徴も有して居るだけだしな

 

そして……

 

ドォォォンッと、山からサンドスターが噴き出し、同時にアトラクションの影からセルリアンが顔を出す。うん。この身体の大きさだと、セルリアンの大きさは感覚的に猫ぐらいだな。因みに目測になるがこのセルリアン(小)は、アニメの初登場セルリアンと同サイズ、色と形状は夕日の様な橙色で、虫の様な脚が6本生えたクラッカーの様な胴体に、紐に当たる部分から針の様な触手が生えていて、セルリアン名物の無機質な目はクラッカーの正面……クラッカーの発射口(あそこって何て言うんだろうな?)に当たる部分にズッシリと構えてある石は見当たらない……あれ?

 

ま、良いか

 

『……噴火ですか。話を聞いた限りではサンドスターなる物は特に害はなさそうなので良いですが……どうしますか?この……落とし子の様な物は』

「放置で良いでしょう。このサイズでイホウンデーさんや混沌の肉体に害を与える事など無理でしょうし」

 

セルリアンはそんな風に呑気な俺たちを無視してドンドン近付いて来る……そして、一番最初に俺の近くに来たセルリアンの胴体を掴み、尻尾を持つ。え?何してるのか?ほら、さっき形状説明の時に言ったみたいにさ……クラッカーぽいからさ

 

引き抜きたく……なるじゃん?

 

グイッブチ……ぱっかーん

 

俺が尻尾をクラッカーの如く引き抜くと、尻尾の付け根辺り……そこに石が有った。そして、石が本体から引き剥がされた事で実質石が破壊されたクラッカーセルリアンは目のある顔の部分が特に大きく破裂した……マジでクラッカーだな。ゲーム……アプリの世界観のサーバルキャットもといサーバルならクラカリアンとか命名しそうだ

 

(……ふむ、生物として未完成とでも言うべき脆さだな)

「まあ、石さえ砕かれなければ比較的丈夫なんだけどな」

 

グイッブチ、ぱっかーん

グイッブチ、ぱっかーん

 

『完全に楽しんでますね。所でサンドスターと言う物体は気にしなくて良いのですか?』

「ええ、実際楽しいです……っと、そろそろ空からサンドスターが落ちて来ますね。まあ、面白い事が起こるとだけ言っておきます」

『……?』

 

さあてと、セルリアンさんはそこそこ減ってますし、別にそこまで気にする必要は無いだろうし。うん、いくつかのサンドスターがしっかり俺への直撃コース、無論イホウンデーも直撃コース

 

いざ……

 

 

 

フレンズ化の時!

 

ゴツンッ、ペカー

 

後頭部と左肩辺りにサンドスターの塊がぶつかり、肉体に変化が生じる……正確には、作り変えられていくと言うのが正しいだろう。隣ではイホウンデーも同じ様に変化していっている。因みに角にサンドスターが当たった様だ

 

シュゴォォッ!

 

その途中で、周りの残党セルリアンとセルリアンの残骸であるサンドスターに、クラカリアンの破裂音に引き寄せられた他のセルリアンもが吸い寄せられる様にして俺とイホウンデーの身体に吸収される……大半は俺の方に吸い込まれ、吸い込み終わると同時に変化も終わる

 

俺自身の顔は鏡が無いので見れないが、フード付きの黒い長袖パーカー、パーカーの下には黒シャツで、ズボンも黒く、ジーンズと思われる。そして腰には何故か鞭があるが、何よりもフードは後頭部辺りが細長く伸びており、触手の様に見えなくも無い。フードの裏地は赤く、チラチラと目に入る髪は黒。そして少したわわなお胸がある……お胸があるッ!まあ、胸はどうでも良い。

そして、横を見れば少々困惑した様子のイホウンデーが居る。見た目は……いやまて、見た目の前に手に持っている武器に突っ込みたいが、それは後にしよう。

 

それで、イホウンデーの見た目は……先ずは高身長なのは言うまでも無い。一応言っておくと先程までは立っていて普通に顔が横にあったんだ……な?デカイだろ?それで見た目は……全体的に緑色だな。髪は腰辺りまで伸び、少しウェーブのかかっており、側頭部からはエルクの大きな角があり、色は緑。そして瞳は金色だ。

服に関しては一言で言えばウェディングドレス。しかしよく見ればウェディングドレスとは言い難いドレスだ。先ずドレスの色は透き通る様な緑。そして袖は無くスラリと伸びたスカートは足を完全に隠すかと思いきや、スリットから肌色を覗かせている。靴はハイヒールだ。

 

……ここまではまあ、普通?だろうが、彼女が持っている物が凄い。

 

ここで余談だが、皆さんは鹿やサイ、猪がフレンズ化した際に、あの牙や角はどの様になるか知っているだろうか?

 

答えは武器と髪型として角や牙が現れる。そして、イホウンデーの角と体格は非常に大きいから、普通の大きさの武器にはならないのは分かっていたが……

 

……イホウンデーの持つ武器。それは、薙刀に似た武器だった。それを二つ、両手に持っている。はっきり言ってゲームの強キャラが着せ替えとかそう言う機能でウェディングドレス着せられた様にしか見えない

 

「面白い事……とは、これの事ですか」

「ええ、フレンズ化……主に生物を人の女性に、元の姿の特徴やイメージから得られる物を備えた姿に変化する現象と捉えてくれれば」

(まて、そのフレンズ化という現象の詳細を頼む。今、此方にも変化があったがそれは触れた物限定では無く、その物の内部にある意識にも影響があるのか?)

 

イホウンデーの声は一言で言えばクール。それでいて大自然の偉大さを感じさせるものだ

俺の声も高くなり、女性の物となっている……漏れ無く、俺の中から出てこない混沌の声もだ

っと、フレンズ化に関する条件の一つは……確か

 

「ああ、物に宿る意識とか思念とかでもフレンズ化は起こる……ていうかお前ら外に出ないのか?」

(……先程から人の気配が無さすぎる。出る気にもなれん)

「……萎えたのか」

 

声が変わって分かりにくいが恐らく暗黒の男……だよな?そいつがしょげた声を出した後黙り込むってかフレンズ化=女だけど、それなのに暗黒の男っておかしいよな……まあ、しばらくは暗黒の男で良いか

っと、一応周りにセルリアンが居ないか警戒しとくか

 

(あ、オイラは外に出させて貰うぜ?)

 

頭の中に響く、陽気で明るい口調の声……え、混沌の中でこんな感じの奴居たっけ?……あ、いや居たわ。すっごい印象的なのが数人(数柱?)

で、一人称がオイラなのは……誰だ?いや、混沌って一人称変わる奴も居るしで特定出来ない

そうこうして居ると、俺の身体の中から滲み出る様に虹色の粒子(サンドスター)が出て来る。それは意思を持つ様にして1メートルほど漂い、空中で人型を形成する

 

現れたのはボロボロになっている派手な柄のシルクハットとチャラチャラしたカラフルな服装をした腐って骸骨の面が剥き出しになっている南瓜頭。そして腰には拳銃二丁と、サバイバルナイフ……あ、これだけで元の姿の化身が絞れた

 

「えーっと、お前は陽気なる南瓜の方のジャック・オー・ランタンで合ってるかな?」

 

俺は目の前で物珍しそうに周りを見渡す混沌の化身に話し掛ける。こいつの自己紹介は覚えてない……え、何故覚えてないか?お前クラスメイトの自己紹介全部覚えられるの?

まあ、だから姿形とかも口伝が基本だから、ぶっちゃけはじめましてなんだよ

 

「おう、オイラは間違いなくジャックだぜ?てか、あいつ(・・・)はオイラとは口調が元々チゲーだろ?」

「おや、陽気な方のジャックですか?お久しぶりですね」

「おう、久しぶり」

 

どうやらイホウンデーとジャックは面識があるらしい。意外だ

そう思いながら近くにあったベンチ(案外綺麗)に腰掛けると、二人(一応今フレンズだし、二人って数え方で良いよね?)も吊られる様に腰掛ける。イホウンデーの持つ薙刀はどうやら念じればあっさり消える様だ……ふむ、そこはやはりサンドスターか

 

「他に出る奴居るか?」

(私も外に出る。混沌の身体を満足に動かさなかった事に気付いてすら居なかった貴公に任せたら此方にも被害が来る)

「それってつまり俺が満足に戦えるとは思えないから自分の身は自分で守る……と」

(そう言う事だ。第一、お前は混沌としての力を振った事すら無いだろ。混沌の身でありながらただの暴力に頼られたら私等にとっても恥ずかしい)

(ほなワシも外に出るわ。あんさんだけで楽しむ何てズルいわ)

 

今度は皮肉な口調と柔らかな関西弁が頭の中に聞こえてくる……いつも思ってる事だけど突然頭の中に声が聞こえてくるのって心臓に悪い……来るって分かってれば兎も角、俺を驚かす為だけに唐突に話しかけて来る奴も居るしな……

だが、俺の基準ではジャックと……今、俺の目の前に出て来た外法の薬神、そして見た限りの特徴から恐らく願い堕ちた者の二人は『比較的』まだ驚かせて来ない

 

願い堕ちた者……俺的に名前と言うか、名称がカッコよく感じた(厨二心が何故か刺激された)化身TOP10の一柱だ。見た目は本人から伝えられた話では黒い体毛で、赤い棘の様な物体が飛び出た狼の様な姿。棘を飛ばしたり、地面から巨大な柱の様な棘を出現させたりと、トリッキーな攻撃を行う。ただ文献では……ティ……ティン何ちゃらの猟犬とか言う謎生物と混合されたりする事があり、個人的に不憫だと感じた。そう言ったら皮肉られた。解せぬ

 

外法の薬神に関しては、伝え聞いた話では……確か、黒鳥の翼と、首を中心に蔦植物が絡みつく様に生えたペスト医師の姿だった筈だ。因みに本体はペストマスク。なんとペスト医師(人型)としての身体は信者の成れの果てらしい……尚、医学の神なので蔦植物になる色とりどりの花や実から様々な薬を作れるらしい……多分ヤバイ薬とか大量に人間の暮らしにばら撒いてる。と言うか薬の範囲に火薬なども入るとの事……何故だ?

 

そしてその二人がなんと言う事でしょう……

願い堕ちた者は黒いフード付きパーカーにダメージジーンズ。そこに目玉のネックレスを付けている。そして狼耳付き……何この胸の付いたイケメン

外法の薬神は至る所に蔦植物の刺繍のされた白衣、ペストマスクを被り、緑髪ショートヘア。ペストマスクの無機質な瞳の奥に金色の目が見える……そして服はダボダボで萌え袖である

 

「ふむ、この身体でも問題は無し……と」

「いやぁ、人の身体を操った事はあるんやけど、人の身体になるのは初めてやなぁ」

「そーいや外法の薬神は本体がマスクだったもんな!……どうよ、地に足を付けた状態……人間と同じ地に立つってのもたまにはいいんじゃねぇーのぉ?」

「俺元人間だからジャックの言った事の意味は理解したくないけど、俺的にはこの感覚が懐かしいな……」

 

改めて自分の身体を見て感傷に浸る……新しく外に出てきた二人もベンチに座り、左から順に外法の薬神、イホウンデー、俺、ジャック、願い堕ちた者の順になっている。今更ながら、話の通じるメンバーで良かった

 

「なあ、外法の薬神」

 

俺は何となく空を見上げながら外法の薬神に話を振る

 

「なんや?今のワシはすこーし機嫌が良いんや、ちょっとぐらい都合の良い薬なら作ってやらんことも無いで」

「いや、別にお前に頼る程切羽詰まって無いし……じゃなくて、外法の薬神と願い堕ちた者って呼ぶ時言いにくくないか……?」

 

ちょっとぐらい都合の良い薬とは何なのか気になるが、絶対(混沌にとって)都合の良い薬とかそんなのだから断る。と言うか混沌を信頼なんて出来ないだろ。いや、負の信頼ならぶっちぎりであるけどさ

で、外法の薬神は俺の言葉に首を傾げながら……あ、他の奴も同時に首を傾げながら俺の言葉に耳を貸す

 

「そうかね?別に気にしてないけど、それがどないしたん?」

「いや、言いにくいと思うんだけどな……いやさ、名前としては不自然な物が多いだろ?混沌の化身って」

 

俺は常々、化身の名前が言いにくいと思っている……

俺の記憶違いで無ければ混沌の化身の名称に口にするのも憚られる大司祭とか、無駄に名称が長い奴が居るんだよ

 

「……まあ、個体毎に名前を付けて重要視するのは宇宙全体で見ても人間とその他に少し居るくらい……まあ、戦闘や緊急事態などに長い名前より短い名前の方が良いのも事実。ここは敢えて何か名前を付けておくのも良いか」

 

やはり混沌は名前を重要視する奴が少ない……いやまぁ、あの長ったらしい名称が名前みたいなもんだしな……殆どの混沌。でも、フレンズの姿になったんだし、今の内にややこしくない名前を用意しないと、色々な事に(主にコミュニケーションで)支障がでる

 

「あ、ならワシはユズリハにするわぁ」

「軽いな……」

 

俺があまりにも軽く名前を決めた外法の薬神……ユズリハに対して若干呆れる。そんな俺を見て願い堕ちた者は

 

「そもそも個体名称なんかを気にしたところで私等混沌にとっては大した意味は無いのだけど」

「まあ、それが普通でしょうね」

 

溜息を吐きながら自らの槍の棘を撫でる……てか危ないな、地味にジャックに他の棘が当たりそうだぞってか当たりそうなのをジャックがナイフで捌いてるぞ

それを無視しながら俺の左隣のイホウンデーが同意する

 

「……ハシラ。私はそう名乗る事にする」

「ほー、案外マトモな名前考えるんだな」

 

ハシラ……そう願い堕ちた者が名乗り、槍をグルリと回す。ジャックは自分に当たりそうだったそれを捌きながら、感心した様に声をあげる

 

「おや、ジャック。それは私がマトモな名前が付けられないとでも言いたいのか?」

「ハッハッハッ、いんや?なんか『私に名前など必要無い』とか言ってもっと素っ気無い態度取ると思ってたんだよ」

 

それを馬鹿にされたととったのか、ハシラはジャックの顔を(骸骨面だけど)見つめる。ジャックはそれを意に介さず、ケラケラ笑いながら弁明をする。ハシラはそれに一応納得したのかいつのまにか構えられていた槍を下ろす……怖い

 

「それで、この後の予定は?」

 

突然、イホウンデーがそう言い放つ……その一言は、地味に俺の動きを止めた

 

「……」

 

唐突に拳銃の手入れを始めるジャック。地味に汗をかいている

 

「……」

 

ベンチから少し離れた所で槍の素振りを始めるハシラ。しかし狼耳がピコピコと上下に動き、落ち着きが無い

 

「……」

 

そこら辺の廃材と雑草を何やらを瓶の中に入れ混ぜ合わせ、調合を始めたユズリハ……素人目に見ても何も作れないのが丸わかりだ。あ、いやなんか雑草の色が変わってきた

 

「……」

 

そして、俺は静かにイホウンデーから目を逸らす……この一連の行動で、イホウンデーは呆れながらも察してくれた様だ。俺たちの目下の課題……それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この後どうするか、決めて無いんですね……」

 

文字通り何も予定がない事である




く、口調大丈夫かな!?間違えてないかな!?
と言うかイメージにあってるかな!?あぁぁぁ!!
って言うかハシラに関しては狼耳付けてるけど、実際には付けるべきだったのか!?わ、わからん!全然わからん!

あ、ジャック、ハシラ、ユズリハの三化身を考案して下さったさすらいのエージェント様。提騎様。ゆきぽん様。ありがとうございます御三方の化身の情報は活動報告〜みんなで考えた化身をフレンズ化させよう〜をご確認下さい(そして出来れば新しい化身を下さいお願いします)


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第三狂 セルリアン?ああ、練習台ね

さあさあ、季節は秋、10月……ハロウィーンの季節でございますなぁ

今回使わせて頂く化身(新顔)
『void0@只の灰』様
観測する者 あるいは傍観者(ニックネーム 夜目)
『堤騎』様
解析不能(ニックネーム ナナシまたはナナ)


「ア"ア"ア"ア"!どうすんだよ!俺けもフレ好きだけど、百パー地形把握してる訳じゃねぇし!」

「落ち着いて。鞭を振り回されると避けるのが面倒なので落ち着いて……」

 

発狂した様に鞭を振り回す俺を背後からイホウンデーが羽交締めにして、そのまま首に手を掛け、グイッと締める……ウグッ!?

 

「落ち着いた……落ち着いだがら"……ぐび、い"ぎでぎな"い"」

 

俺の首を絞める腕を叩きながら訴え、離して貰うが結構ヤバイ……呼吸の他にも男の精神(下)的な意味で

 

「フンッ」

「ゴファッ!?ちょ、何するんですか!?」

「何か邪な気配がしたので」

「いやぁ、夫婦漫才みたいで面白いなぁ〜。でも、先ずはあの二人探す事から始めよか?」

「「……二人?」」

 

ユズリハが苦笑いをしながら俺を腹に膝蹴りを決めたイホウンデーを止める。俺とイホウンデーが周りを見渡すと、ジャックとハシラが居ない……え、何で?

 

「ジャックは『ちょっと試し打ちしてくる〜♪』。ハシラは『念の為にセル……何ちゃらを蹴散らしておく』って言ってたよ。ま、面白そうだし行かせて置いたんやけど……不味かったかね?」

不味いっつーより面倒だよ

「……先ずは探しに行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

「……死ぬかと思った」

「はっはっは!すまん」

「……まあ、謝罪はしましょう」

 

俺の目の前で申し訳ないなんて微塵も思って無さそうに笑いながら謝るジャックと一応は謝ってくれるハシラの二名。謝っている理由は勝手に何処かに行った事よりも、セルリアン(クラカリアン)で的当てしたり、みたらし団子の如く串刺しにした状態で槍を振って遠心力で投げ飛ばし、潰していた二人の流れ弾が俺の顔面と肩に当たったことだ……

まあ、不幸な事故だった。けど、せめて何処か行くなら一言何か言ってからにしてくれ……何処に行くかとか、何をするかとか分からないと不安でしかない。主にフレンズに何かしないかと言う点で

 

そして、新たに二名の混沌がこの場に居る

 

「……次、何処、行くの?」

「まずは拠点、もしくは住居となる場所を見つけましょう」

 

ジーンズに無地のワイシャツ、円盤状の金属の様な質感を持つ麦わら帽子……の、様な物を被った銀髪美少女。『観測するもの あるいは傍観者』と呼ばれる混沌の化身。

通称『夜目』と、

ハシラの首に手を回し、背後から抱き着くカチューシャを付けたプラチナブランドのツインテールと碧眼の背中から白と黒の翼が生えた属性てんこ盛りの少女……『解析不能(Unknown)』とされる混沌の中でも異質な化身。

『ナナシ』だ

 

ナナシはハシラを探しに行くと言った際に出て来て率先して探していた。はっきり言って目が怖かったし、出て来た瞬間に見た目をウゾウゾと効果音が付きそうな感じで変え、「私も……遂に視認可能の姿が……!」と、感動していたりと良く分からないが……まあ、効率主義で嫌いな物は優柔不断な奴と生意気な奴と最初の自己紹介の時に言われた。俺の事が嫌いとも言われた。グスン

 

「ほら、そこの無能。突っ立ってるだけじゃなくて少しは考えたら如何ですか?」

「はい!誠心誠意考えます!」

 

考え事をしている最中に話しかけられて、つい姿勢を正しながら敬語を使ってしまう……ちくしょう。俺はイホウンデー以外に敬語を使わないと決めているのに!理由?認めたくないけど、俺は今混沌だし、アイツらも中々フレンドリーな奴も居るのよ……だからこっちも少しだけフレンドリーにしてるんだよ。まあ、敬語使いたくなる様な奴自体は結構いるけど

 

 

さて、取り敢えず真剣に行き先を考えよう。まず混沌sにはけもフレの知識がない……と言うか必要無かったから見向きもしなかったと思われる。

だから、ある意味俺が一番地形を把握してはいるんだよな……取り敢えず、ここ『ゆうえんち』と呼ばれる場所は、敷地外は基本的に森となっていて、『港』と『ロッジ』のある森、『さばんなちほー』……これは何処のちほーも共通だと思うが、『サンドスター火山』が隣り合わせになっている……筈!

 

この中で宿泊及び休息が確実に取れるのはロッジだろうか?拠点としてはロッジは向かない。と言うか物騒な案件(俺達)を平和なロッジに留めたく無い

 

「ふぅ……」

 

でも、取り敢えず行き先は決まったな。

俺は息を吐いて話す内容をまとめ、ジッと此方を見ている化身達に……って地味に怖い!

……いや、落ち着け俺。怖くない怖くない……よし

 

「取り敢えず、森の中にあるロッジって場所を目指したいと思う。詳しい方角は分からないから、適当なフレンズに聞いてみようと思ってるが……どうだ?」

 

フッ、母さん父さん、俺、成し遂げたよ……ボッチ生活が長かったのに数名相手とは言え自分の意見をしっかり言えたよ……!

因みに化身達の反応は

 

「……ま、良いんじゃねーの?」

 

と、ジャックが言って他の化身も「別に私は何処でも暮らせますが」とか、「ロッジ……山小屋?」とかそんな感じの反応だった。俺の中に留まっている化身数名も反応している

 

「と、言うわけで第一村人探しにしゅっぱーつ」

 

……

 

「……おー」

「……ありがとう、夜目」

 

 

 

第一捜索場所 お化け屋敷(恐怖感増量)

 

さて、と言うわけでやって来ました無人化が進んでガチのお化け屋敷化したお化け屋敷!ちくしょう!お化け屋敷が苦手だなんてアイツらに言うんじゃ無かった!

いやまあ、俺自身がお化けより化け物してる存在になってるんだけども……いや、それは置いといてこのお化け屋敷。看板や壁やらの風化が進んで廃墟感がプラスどころか掛け算されて恐怖倍増してるんですよ奥さん……何より少し中覗いて見たけど所謂ろくろ首的なマネキンがあったんだけど、こう……首の中頃でゴキリって感じで折れてたり、仕掛けか何かで使われていたであろうワイヤーが丁度首を釣りかねない位置に垂れてて、それを引っ張ったら上からコンクリートの塊(直径45cm程)が落ちて来たり……とてもフレンズが居るとは思えなかった。

多分フレンズは最初の首折れろくろ首でビビって帰ると思う

 

結論 お化け屋敷にフレンズ無し

 

「はい、次行こう次」

「おいおい、別にまだ留まってても良いだろー?」

「私ももう少し此処でゆっくりしていっても良いと思うぞ」

「I☆YA☆DA!HA☆NA☆SE」

 

俺がお化け屋敷から回れ右をするとジャックとハシラが俺の腕を掴む。それをその他混沌とイホウンデーが見て……

 

「夜目、これと同じロープを見つけたら教えてくれ。それとユズリハは気配察知能力を高める薬の材料を揃える事は出来るか?」

「ん……分かった」

「出来るけどね〜。そなら少し時間かかるけどええ?」

「大丈夫です」

 

すら居ねぇ!

ナナシが指揮をしながらお化け屋敷を漁ってやがった!あ、イホウンデーはこっち見てたよ……

 

「イホウンデーさん助けて」

「……すみません。少し部が悪いです」

「oh……」

 

第二捜索場所 メリーゴーランド

省略

結論 誰も居ないし何も無かった

 

第三捜索場所 ジェットコースター(ry

 

第四捜索場所 観覧車

 

結局今のところフレンズのフの字も見えてこない、一応最後の捜索場所ではあるが、此処に誰も居ない。何も無いならば次は森に出て彷徨いながら歩く事になる

そんなの絶対碌な事にならない。故に何としてでも手掛かりを手に入れる必要がある

と、言うわけでフレンズの痕跡を探し始める

 

つもり……だったんだけどなぁ

 

 

 

「ーーーー!」

「何でこんなにセルリアンが居るのでしょうか!?」

「シラネ」

 

クラカリアンやその他のセルリアン……それも一際大きい個体が一体居る群れに囲まれて、現在のんびり交戦中です。因みに最初のはセルリアンの断末魔な。その次は俺の疑問(シャウト)に対するジャックの返事はこの際無視だ無視

一際大きい個体は目測で体高は十メートルはある。形状は柱の様な足を持ったドーム状。特徴的なあの目は下腹部あたりにある。石は未確認、予測では最も地上から遠い場所……ドーム状の身体の頂点にあると思われる

まあ、その個体……ドムリアンはガン無視されて、攻撃も足による踏み付けのみ……つまり、あっさり避けられ、ただちょっと邪魔なだけである

 

「弱いですね。円錐形の音を発する個体は殺されてもその音で戦力を補充すると言った所ですか」

 

と、イホウンデーは薙刀で串刺しにしたり、縦に裂いたりと蹂躙していく

 

「そうだな。ハシラ、パス」

「ジャック、セルリアンを蹴飛ばしてこっちに寄越すのはやめてくれ」

 

悪い、と言ってそのまま他のセルリアンをサバイバルナイフで捌いて行く。拳銃は取り敢えず使わないで貰っているが、はっきり言って拳銃を使う必要が無い程の戦闘力だ

んで、俺はと言うと……

 

「ほら、もっと力を抜いて、自らの手足として扱え」

「了解」

 

ナナシ、夜目、ユズリハに戦闘指導をされています。ナナシに関してはハシラから頼まれたから教えてくれている

セルリアン?ああ、練習台になって貰っているよ。にしても流石混沌ボディ……全力で振った鞭に掠ったセルリアンがグチョって感じで歪んで弾けてやがる

それにしても……ナナシは本当にハシラの事好きなんだな。ハシラの事ハニーって呼んでるし、今も隙を見つけては近寄って雑談してるし

 

因みに指導結果としては可もなく不可もなくの状態らしいです。はい

 

「ほな、そろそろ誰か近付いてくるし、切り上げよか?」

「そうですね」

 

へ?と、ユズリハとイホウンデーの言葉に腑抜けた声を出すと同時に、掛け声と共に熊の手を模したハンマーを持った白シャツに黒いミニスカートを履いた丸い動物の耳を持つ薄茶色のショートヘアの少女が群れ(セルリアン)の中でも一際大きい個体を叩き潰し、それに続く様に黄色と白のハイレグを着ており、頭に金輪……西遊記に登場する緊箍児(きんこじ)に似た物を付けている。金色の美しいポニーテールを靡かせながら、手にもつ如意棒は的確にセルリアンの石を捉え、砕いていく

 

俺はこの二人を知っている

ハンター ヒグマ

ハンター キンシコウ

セルリアンを狩る手練れのフレンズだ。元々数が減らされて居た事もあるが、この二人が来て僅か数十秒でセルリアンは殲滅された。

そして金髪ポニテ少女のキンシコウがこちらに近付いてくる

ヒグマは近くのベンチにドカっと座り、腕を組みながら目を閉じている。柄が悪く見える

 

「大丈夫ですか?私はキンシコウ。セルリアンハンターをしています」

「あ、これはどうもご丁寧に……自分はえーっと……」

 

あ、しまった……反射的に挨拶して流れで自己紹介しようとしたけど、俺なんて名乗れば良いんだ?

くそぅくそぅ、先ずは自己紹介、もとい名乗る名前を考えるべきだったわ!這い寄る混沌とかNyarlathotepとか言っても分かりにくいだけだし……

 

「?……あ、もしかして貴方達は先程の噴火で生まれたのでしょうか?」

「え、あ……」

 

っ!ここしか無い!と、考えて全員とアイコンタクト。意味と言うか込めた感情と言うか意思は『口裏合わせて!お願い!』……溜息を吐いたりしてる奴(ハシラとかナナシとかイホウンデー)とか居たけど、小さく頷いたので一応了承を貰えた様だ

 

「えっと、ああ。多分その……噴火?って言うので生まれたんじゃ無いかな?この姿になったのも大きな音の後だったし……」

「そうでしたか、貴女はフードを被っている事から蛇のフレンズでしょうか?あ、フレンズと言うのはですねーー」

 

少し省略。そして要約

フレンズはサンドスターの噴火で生まれます(ごめんなさい既に知ってます)

先程の物はセルリアンと言ってフレンズにとって天敵ですので気を付けて(それもごめんなさい遊び半分で嬲ってました)

食べ物は青くて小さなボスと言う子が配っているのでその子から(そう言えば何も食べてなかったなぁ)

と、ご丁寧に教えてくれました……くっ、騙してる感が凄くて罪悪感が凄い……!

 

「あ、自分の種族が知りたければ図書館に行くと良いですよ」

「あ、一応名前は何となく分かる。なんかそんな風に呼ばれてた記憶がうっすら」

 

キンシコウが人差し指を立て、口に当てながら和かに教えてくれる。

取り敢えず、種族名は言う事にした。理由はフレンズ化前の記憶がある感じで知ってる体にした。

 

「あら、そうなんですか?」

 

少し驚いた様に、こちらを見るキンシコウ。未だ無言のヒグマもチラリとこちらを見た。怖い

 

「ああ、確か……這い寄る混沌とか、Nyarlathotepって……長いからナイアって呼んでくれれば」

 

ナイア……前世?人間時代?の名前とNyarlathotepの読み方の一つにナイアーラトテップなどがある。これは良いと『俺は』ナイアと名乗る事にした。なんだろうか?ナイアって名前がすっごく胡散臭く感じる

 

「ナイアちゃん(・・・)ですね。それじゃあ、他の方は……」

「「「「ブフッ」」」」

「……ちゃん……だと?」

 

キンシコウが言った名前の呼び方に俺は硬直する。

何せ俺は外見と肉体は兎も角、中身は男。しっかりと御立派な物が付いていた男なのだ。それが、ちゃん付け……ヤバイ何かに目覚め……ねぇよ!?と言うかそこで吹き出してる四名!そうハシラとジャックとユズリハとナナシな!お前ら普通に可笑しくて笑ってるのと嗤ってるのかどっちだ!

そんな俺達の様子を見たキンシコウはと言うと……

 

「えっと、何かダメでしたか?」

 

申し訳無さそうに上目遣いでこちらに尋ねる……嗚呼、フレンズの純粋パワーで心がサンドスターに……おっと危ない危ない……もう少しで惚れる所だった

 

「……いや、ダメじゃ……無いんだけど……出来れば呼び捨てで」

「あ、はい……それで、他の方のお名前は……」

 

「ユズリハや」

「ハシラだ」

「ナナシ」

「……夜目」

「ジャックだぜ!」

「イホウンデーと言います」

 

キンシコウが俺以外に名前を聞いた瞬間、打ち合わせをしたかの様な速さで自己紹介……と言うのも烏滸がましい程の簡潔な名乗りがされる。と言うか夜目とユズリハ。お前らさっきまでどこに居たんだ?え、薬の材料調達?せめて何処か行くなら何か言ってからにしてよ本当にもう

 

「……話は終わったか?そろそろ行くぞ」

うわ、喋った

 

今まで黙りながら座っていたヒグマが動き出す。それに対してユズリハが小声で驚いていたが、ヒグマは聞こえて無いのか無視しているのかそのまま歩き出す……それを見たキンシコウが「では、皆さんも行きましょう」と俺達一行(混沌とイホウンデー)を先導してゆうえんちの外へ向かう……

 

 

 

「あれ、またジャックが何処か……あ、イホウンデーさんありがとうございます。でもその捕まえ方だと首が絞……え、平気?アッハイ」




みじけぇ……くおりてぃひけぇ……

お気に入り24件……おのれNyarlathotepめ。プレッシャーを掛ける気だな?

誤字探しは任せた!(人任せ)


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第四狂 不幸の獣(アンラッキーさん)

遅れてすまない……すまない……
怪獣娘にハマってしまっていたのだ……すまない……


いや、マジでサーセン、だから設定だけ書いたけど出番まだな混沌様(マレモン系列)お願いだからその物騒な(


グチュリと、セルリアンが無惨に引き千切られる。形容不可の悲鳴は空気を震わせるが、それを煩わしく思ったのか力強く踏み付けて黙らせる。近くには敢えてコアと僅かな身体を残してただ生存しているだけの状態で放置されている元の大きさなど分からないセルリアン達……何故、こうなったのかは少し時を遡る

 

 

 

 

 

 

軽く自己紹介を終え、ノンビリとロッジに向かって森の中を歩み始めた混沌一同事俺たち。内心、コイツらがヒグマやキンシコウに何か仕出かさないか不安で一杯だった。まあ、ナナシはハシラとくっ付いてて満足そうだし、このままなら特に害は……うん、無い。だからヒグマとキンシコウに「あの二人、今の状態を邪魔されると多分すっごく(控え目な表現)怒る(オブラート)から……話し掛ける時は気を付けて(命の保証出来ないから)」と言っておいた。二人は余り理解していないようだったが特に問題無く、会話をしていた。話題は主にフレンズ化前の話。と言っても俺が話せる事は殆ど無い様な物で混沌の事なんて喋れないしその上俺はこの混沌本人……本神?では無いから実感無しなので、基本的にイホウンデーが話していた

 

「それで、そこのジャックと出会った時の話ですが……まあ、貴方達に分かりやすく、尚且つ簡単に言えば縄張り争いですね」

「へぇ〜、もしかして仲が悪いのか?」

「いいえ?正確には信仰者達(群れの仲間)が始めた事でしたね」

 

そう言う会話をしながら歩いてたんだ……道中で野性解放(・・・・)の話題が出てきそうになった時は全力で話を逸らした。混沌どもに新しい玩具(野性解放)を軽々渡してはいけない(戒め)

 

 

そんで……暫くして森の中の道なき道……獣道みたいな?そう言う場所を歩いていたら頭上からセルリアンが落ちて来たんだ。形状は蜘蛛の様な身体で脚が全て触手になっている物が小型十三、中型五、大型二体と大判振る舞いである。待ち伏せをする比較的賢いタイプなのだろう

そしてそのセルリアンが待ち伏せしている事は混沌どもは気付いていて尚且つ無視していた様だが、その後が問題だった。

 

セルリアンども、真っ先にナナシとハシラに触手を伸ばしたのである……まあ、後は現状に至るまで一方的な蹂躙劇。ハシラが槍を投げナナシが触手を捥ぎ取ったりとセルリアンで無ければスプラッター間違い無しどころかスプラッターと言う概念が逃げ出しかねない残虐ファイトが行われた

 

 

 

……で、今に至る

 

簡単に言おう。ヒグマとキンシコウ、ドン引きである。

 

「……あー、その……なんだ、日が暮れない内にロッジに行きたいんだろ?そろそろ動いた方が……」

 

後頭部を掻き、尚且つ殺セル現場から目を逸らしながら止めに入るヒグマ。あんな視線だけで人を殺せそうな二人を前に止めに入るなんて……やだ、カッコイイ……

 

「……まあ、気は晴れたので良しとしよう。これ以上コイツらに時間を割くのは勿体ない」

「……そうだね、ハニー。あの生命体を嬲るより君と話す方が有意義だろう」

 

大事に至らなかった事に安堵しながら再び歩き出すーーセルリアン全てにトドメは刺した、慈悲は……死だろうね。うんーー木々の緑の間から覗く陽の光はオレンジ色になっており、今が夕方だと伝えている……うん。どんだけ嬲ってたんだって話だよな。でも移動にかかってる時間も踏まえると……嬲ってる時間は30分以内だとは思うんだけどなぁ……

 

「あの、そう言えば皆さんは以前……動物の頃はどんな暮らしをしていたんですか?」

 

前を歩くキンシコウが此方を振り返りそんな事を尋ねてくる……え、待ってその質問は不味くな「そうてすね……私は森の中の洞窟の奥で眠っていたり洞窟から出て色々したりはしていましたね」

 

「ん?そうゆう流れかいな?ワシは……まあ、ちょっと他の生き物の顔にへばり付いたりしてたわなぁ」

「……色々見てた」

「「何故言う必要が?」」

「ハッハッハ!お前ら二人はそう言うと思ってたぜ!っと、オイラは信者(仲間)達と騒ぎ回ってたなぁ……懐かしい」

 

何か有れば嬉々として爆弾を投下したり場を引っ掻き回すのが混沌。その認識が更に強固になったのは置いといてハシラとナナシの無答以外は全員解釈次第ではどうとでもなる様な言い方をしている。うむ、多少は気を使ってくれている……んだよな?

 

「……俺は、まあ……その、周りの群れから少し孤立気味だったけど、楽しく過ごしてたよ。うん」

「……大変だったんだな」

「やめてくれ……その慰め方は心に刺さる……!」

 

ジャパリパーク上陸一日足らずで俺の精神のライフはゼロである。いや、嘘。まだ少し余裕はある……が、少しでも隙を見せれば混沌どもが色々抉ってくるし……ん?

 

「お、道に出たな。こういう道は色んな場所に繋がってるから迷ったらまずはこう言う道に出る事を優先しろよ」

「あ、ありがとう。まぁ、コイツらが居れば多分迷っても……大丈夫だろうけど」

 

ある程度開いた道に出た俺たちに対してヒグマがアドバイスをくれる。それを聞いて俺は内心、俺は兎も角、他の混沌なら道に迷う程度、 気合いや何やらで乗り越えそうだと思い、大丈夫だと返しておく

 

「それでは、この道を右に進み続ければロッジに着きます。私たちはパトロールを続けなきゃいけないので反対側に進みますが……」

「大丈夫だ、コイツは真っ直ぐ進む事だけは出来る」

 

キンシコウが身体を道の左側に向け、此方に振り返りながら確認する。それに対してハシラが俺の頭をフード越しに押さえながら言う。待ってそれって好意的に取れば真っ直ぐな奴だけどコイツの事だし横に曲がれない馬鹿呼ばわりしてるよね!?

 

「じゃあな」

「じゃな〜」

 

振り向かずに背中だけを見せ、片手を上げて別れの挨拶をするヒグマに対してジャックが混沌代表として手を振る。

そして道を数百メートル進んで、尚且つある程度木々が密集している場所。そこで一旦足を止めて

 

「で、これからはどうする?」

「何が?」

「いやさ、自己紹介の時、俺たちが複数のフレンズが一つの身体に入ってる事を説明するのかって話」

「あー」

 

ジャックが納得した様に頷きながら続けて

 

「確かにオイラ達が別々の個体って認識は合ってるけど、その場合フレンズの前でお前の中に帰ったり逆に出たり出来ないよな」

「そやなぁ、フレンズの目を気にしない時ならええんけど、フレンズの前で変わるのは事前に説明が必要やろしなぁ」

 

ユズリハも同意する。他の面々も納得した様で、取り敢えず歩きながら相談を始める事にする

まず、俺達の特性と言おうか。複数個体が一個体に集合している件だが

 

「別に説明しても良いと思う」

 

俺がそう言えば頷きながら「まあ、それは同意だな」と、ジャックが言い、「同意」と短く意思を示す夜目

やはりこの件に関しては説明すると言った意見が多いらしい。俺の中の混沌共の意思も大体が説明する事に好意的だ

 

「せやなぁ、見た感じあの二人のフレンズも説明すればアッサリ受け入れそうやし……」

「まあ、何でそう言う事を気にするんだ?って思うは思うけど、ハニーと自由に会えるのは良いよね。説明する時は面倒だから他の奴に任せるけど、好きなタイミングで実体化してハニーと会えるなら反対はしない」

「ナナシがそう言うなら反対する理由も無いな」

 

ユズリハ、ナナシ、ハシラも反対せず、細かく言えば違うが実体化している混沌は説明する方向で意見がまとまっている

なら後は……

 

「それじゃ、なんて説明する?」

 

 

 

 

「我は這い寄る混沌Nyarlathotep!千の貌を持つ無貌の神なり!崇めよ、讃えよ!我は一の個にして千の群なれば!」

「……いや、それは無い」

「馬鹿か?」

「ダサい」

「無いわー」

「無いですね」

 

ガクリと俯き、だよな。と付け足して再び思案する。ちょっとばかり厨二心を出してみたがまあ、やはり混沌からは不評(イホウンデー含む)で、真面目に考えろと目で言われる。と言うか結構歩いてるけどそろそろロッジが見えて来そうなんだよなぁ……

 

「……おや、アレが?」

 

イホウンデーが森の木々の間を見つめる。他の混沌と共に俺も其方を見てみると、幹の色と同化して分かりにくいが木造の人工物が見える

 

「よし、取り敢えずそれっぽく説明するで良いかなもう」

「オイオイ適当だな」

「適当ですが?」

「……」

 

破れかぶれ、ナンクルナイサー。

まあ、定型文で説明とか考えれば無理だよな。だって相手は個性の塊とでも言うべきフレンズだぜ?そう混沌達に言ったら顔の横を槍が通り過ぎた。怖いですみませんでした

 

「ん?あー……」

「およ、ナナシどうした?」

「……いや、何でもないぞジャック。ハニー、私達は無能の中で高みの見物とでもいこうか」

「……分かった。ではな」

 

槍を俺の頬にグイグイ押し付けていたハシラがナナシに促されて()ける様に虹色の粒子(サンドスター)へと変化し、俺の中に入ってくる。うわこの現象普通に怖いんだけど

 

「なんやなんや、あのナナシが面倒くさそうに消えてまうなんて……なんか嫌な奴でも居たんかな〜?」

(面倒くさそうで……嫌な奴……?)

 

ユズリハの言葉に頭を少し使う……うーん、そんな奴居たっけ……な……あ

あぁ、ロッジトリオのあの二人か……なら仕方ないな。確かに片方は質問責めしてきてもう片方もしつこそうだし

 

「目的地までは目測ですが約五分から十分でしょう。日も間も無く落ちます。さっさと行きますよ」

「「「「はーい(へーい)」」」」

 

イホウンデーがなんか引率の先生か何かに見えてきた。ハシラとナナシが居なくなって計四名となった俺含む混沌系フレンズの返事が重なる。……ん?

 

「あ、夜目。さっきまで黙ってたけどどうしたんだ?てっきりまた居なくなったかと……」

「……これ」

 

先程の会話に全然入って来なかった夜目がヌッと背後から出てくる。地味に怖い、美少女じゃなければ悲鳴上げてた所だ

そして夜目が手に持っていた物を渡してくる。んー?その青くてお耳と尻尾のキュートなナマモノは……

 

「……!……!」

「……ラッキーさんェ……」

 

ラッキービーストじゃないか……アレか?夜目に見つかって回収されたのか?足と尻尾を振り回して降りようとしているがガッチリ掴まれていて逃れられない

 

「あ、この子さっきからずっと付いてきてた子やな」

「え、マジで?」

「え、お前気付いて無かったのか?」

「……鍛える内容が増えましたね」

 

俺以外は全員気付いていたらしいが、このラッキーさん……結局混沌に捕まってるじゃんかよ

 

やはり無能じゃないか……(それに気付けなかった俺が言えた事では無いけどな!)

 

「……あー、その青い奴、ラッキーさんって言うんだけど、取り敢えず離してやって……混沌に掴まれてるとか普通に恐ろしい」

「……」

 

うわ投げたよポイッて若者が空き缶をポイ捨てするが如く投げたよ!?

あ、綺麗に着地した。訂正、結構有能だわこのラッキーさん

 

「…………」

 

ジッと無機質な瞳で此方を見つめるラッキーさん。暫く見つめ合った後……

突如ガタガタと震えだす。それも恐怖とは違った……ってコレショートしてる!?やば、ちょ……!

 

 

数分後

 

 

 

「誰でも分かる簡単なラッキーさんの説明!

その一、パークの備品や設備のメンテを担当!

その二、フレンズ達にジャパリまんと言う食料を配っている!

その三、無能な所有り!

その四、可愛い!

その五、人の遺産!(コレすっごい重要)

以上!」

 

ラッキーさんが落ち着いた辺りでババっとラッキーさんの説明を終える。体内の化身も勇気凛々元気溌剌、興味津々意気揚々……まあ、人の遺産だもんね、人が大好き(虐める的な意味で)な混沌からしたら気になるよね。ラッキーさん達逃げて宇宙(そら)の彼方まで超逃げてっ!

因みに既に捕まった憐れなラッキーさんはと言うと……

 

「……」

「……!?……♪」

 

まあ、夜目に抱えられて何か……モフモフ?モチモチ?まあ、揉まれている。夜目が感情が芽生えたばかりなのと以前から比較的人間()遊ぶ事が無かったお陰か、その感触だけを気に入られて捕縛されいる

 

「この坂を登ったら到着ですね」

 

っと、もうロッジの近くに来てたのか……目の前には緩やかな坂があり、片側が崖の様に急である事以外は普通の道だが、遠くを見れば柵などが設置されているのが分かる。柵の無い部分もあるが、地面の付近に穴や折れた柵がある事から経年劣化による損傷だろう

頰を撫でる冷たい風を感じ、また一つある事に気付いた

 

「寒……くは無いか……」

「個体差有る……けど、基本平気」

 

流石と言うしか無いな、この人外ボディ……あー、でも嫌だな……寒いの感じない=暑さも基本耐性有り=サウナが楽しめない

人の楽しみが少し失われた感じが凄いな……ぐすん

 

俺は心の涙を流しながらも、混沌に置いて行かれない様に脚を進め、十数分歩いた。そして今目の前には地面から離れ、大木の幹に直接建てられた形で存在する木造の建物。それらが複数有り、それらをいくつかの吊り橋が支えている。

そして一本だけ今自分達がいる崖に繋がっていた……

 

続く




今回は(も)内容が薄い気がしてならない……まあ、今回の主な目的はラッキーゲット(ラッキーさんからしたらアンラッキー)とロッジの前菜ですし……

次回は既存のニャル様、神父服が似合いそうな奴らがのんびり()するよー!


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