Go!プリンセスプリキュア~世界とプリンセスと夢を守る光の騎士~ (ルオン)
しおりを挟む

プロローグ:光の騎士の夢

俺はいつも、同じ夢を見ていた。

 

そこは、どこか草原だった。

その草原には、1人の男が立っていた。

その男は腰に剣を差しており、青空を見上げていた。

 

その時、突然空が黒く染まり、雷があちこちに落ちる。

そして雷が落ちた場所から、黒く染まった怪物が現れる。

男はそれを見て、剣を引き抜き空に向けて掲げ何かを叫ぶ。

すると、空から一筋の光が降り注ぎ男を包み込んだ。

光はやがて弾けとび、そこには白い鎧に身を包んだ男がいた。

 

男は鍵のような物を取り出し、剣に差し込む。

すると、男の周りに神話上に出てくる生き物などが現れる。

男はその生き物たちと共に、怪物へと向かっていく。

剣で怪物を斬る時もあれば、剣とは違う武器や拳で攻撃したり、鎧の色を変えて攻撃したり、生き物たちを身に宿して攻撃したりとしていた。

 

だが怪物は増え続け、男を追い詰めていく。

ボロボロになりながらも、剣を構えて引き下がろうとしない男。

その男を目掛けて、数体の怪物が飛びかかる。

だがその時、男の背後から3つの光の砲弾が飛んできて、怪物を破壊した。

男はすぐに後ろを振り返り、後ろにいた人物たちを見て目を見開いた。

その人物たちとは、3人のプリンセスであった。

3人のプリンセスたちの顔を見た男は、笑みを浮かべ金色に輝く鍵のような物を剣に差し込む。

すると、黄金に輝くドラゴンが現れ、男の鎧も金色に輝く。

 

それを見ていた怪物たちは、1つに集まり、1体の巨大な怪物へと姿を変える。

男は黄金に輝くドラゴンの背に乗り、その怪物へと向かっていく。

反撃してくる怪物の攻撃を交わし続け、男は剣を突き立てる。

突き立てられた怪物は光の粒子となって消えていき、黒く染まった空は、青空へと戻る。

 

男は剣を再び腰に差し込み、青空を見上げる。

その男の隣へ、3人のプリンセスが移動し、男と共に青空を見上げた。

そして男たちは光に包まれ、その場からいなくなった。

 

コレが、俺がいつも見る夢だ。

だけど今回だけは違った。

誰もいなくなった所に、白い鎧に身を包んだ男が、地面に剣を突き立てて立っていた。

そして俺へ言葉をかけてくる。

 

「我が力を引き継ぎし者よ、戦いの時が迫っている。剣を目覚めさせ、鍵とクリスタルを見つけ出し、守護聖獣たちを目覚めさせるのだ。そして、伝説のプリンセスたちの力を継ぐ者たちと共に、究極の力を目覚めさせ、世界とプリンセスたちを守るのだ。頼んだぞ次世代の戦士、光の騎士(ホーリーナイト)よ」

 

そう、俺に向けて言った男は、光の粒子となって消えた。

そして

 

―ジリリリリリリリリ―

 

俺の意識は、俺がセットした目覚ましの音で覚醒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ジリリリリリリリリ―

―カチ―

 

「ふわぁ~……もう6時かよ」

 

俺――如月 勇助(きさらぎ ゆうすけ)は目覚ましを止め、ベッドから起き上がり、風呂場に行きシャワーを浴びる。

シャワーを浴び終えた俺は、部屋から持ってきた私服に着替え、リビングに向かう。

リビングに行くと、父である如月 国宏(くにひろ)が新聞を読み、母である如月 広子(ひろこ)が料理をしていた。

 

「おはよう、父さん、母さん」

 

「おはよう、勇助♪」

 

「おはようユウちゃん♪もうすぐで朝食できるから、待っててね♪」

 

「うん」

 

母にそう言われた俺は、イスに座り、朝食が来るのを待つ。

ここで、家の家族について説明しておく。

父さんは、如月財閥という世界トップクラスの財閥の会長を務めている。

父さんは色んな人と交流し、事業を拡大している、四葉財閥と一二を争う会社だ。

まぁ今は、父さんの学生時代から親友と呼べる四葉財閥の社長と、共同開発などをしている。

次に母さんだが、元モデルで現在はパティシエをしている。

パティシエとして成績は世界一位で、俺は一応弟子扱いされている。

あと、財閥なら執事がいるのでは?と思うと思うが、家にはいない。

如月家の家訓?と言えるか分からんが、ひぃひぃじいちゃんが『如月家の人間は、最低限のことは自分でできるようにしろ』と、言っていたからである。

と、説明してる間に、母さんが料理を持ってきた。

 

「それじゃあ、いただきましょうか♪」

 

「「いただきます」」

 

俺と父さんはそう言って、母さんが作った食事を食べ始める。

数分後、食事を食べ終えた俺は歯を磨き、今日から行くことになった【ノーブル学園】の制服を着て、その上にジャケットを羽織る。

 

「よし、準備完了」

 

俺はそう言って部屋を後にしようと、ドアノブに手をかける。

その時、大事な物を忘れていることに気づき、机の引き出しを開け、剣のチョーカーを取り出す。

 

「ひぃひぃじいちゃんから貰った大切なお守りだからな、着けていかないと」

 

俺はそう言ってチョーカーを着け、玄関に向かう。

玄関に着くと、父さんと母さんがいた。

 

「準備ができたみたいだな♪中学2年生♪」

 

「うん」

 

「似合ってるわよ勇助♪頑張ってね♪」

 

「ありがとう、母さん。それじゃあ行ってくるよ」

 

俺はそう言い、駐車場に置いてあるバイクに乗る。

えっ?なんで中学2年生がバイクに乗ってるかって?

特別免許を持ってるから、バイクに乗れるんだ。

因みに、バイクだけじゃなく車やヘリなども操縦できる。

ひぃひぃじいちゃんの提案で開かれた試験に合格したら、免許を貰えた。

 

「さて、新しい学舎に行くとするか」

 

俺はノーブル学園へ向けて、バイクを走らせる。

そしてこの後、俺が騎士として戦うことになるとは、まだ知るよしもなかった。




と、言うことでオリジナル騎士が出るプリキュアの小説です!!

次回は勇助が覚醒します!!

次回も是非読んでください!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話:覚醒する花のプリンセスと光の騎士

お待たせしました!!

短めに作るつもりが、結構長めになってしまった。

とりあえず、第1話です!!
どうぞ!!


ノーブル学園

 

そこは、「生徒の自主性」を強く重んじる校風で、伝統と風紀を守るための厳格なルールがある一方、そのルールを破らない限りはどんなことでも、生徒たちがやりたいことを学校側は否定しない。

 

そんな学園の校門に俺、如月 勇助はバイクでやって来た。

 

「いや~、ガキの頃と変わらず、広いなこの学園」

 

俺は昔、子供の頃にノーブル学園に来たことがある。

父と母が元ノーブル学園の生徒で、同窓会の際に俺を連れてきたのだ。

そんな感じで、ノーブル学園を見上げていると、校舎の方から1人の老婆がやって来た。

 

「寮母の白金です。大きくなりましたね、勇助くん」

 

「お久しぶりです、白金さん」

 

やって来たのは、ノーブル学園女子寮の寮母を勤める白金さんだった。

白金さんとは、両親が同窓会で俺を連れてきた時に知り合った。

その時の俺は、両親とはぐれてしまい俗に言う迷子になっていた。そんな時に白金さんと出会い、俺を両親の元へ連れていってくれたのだ。

今思うと、どうやって両親の居場所を知っていたのか疑問に思う。

と、俺が昔のことを思い返していると、白金さんが

 

「さて、勇助くん、まずはバイクを駐車場停めて、寮に行って荷物の整理を行っていただき、本日入学する1年生たちとオリエンテーリングに参加してもらいます。オリエンテーリング終了後、貴方のクラスメイトとなる方に、迎えに行ってもらいます。何かご質問は?」

 

「えっと、バイクを停める駐車場と、寮の場所が分からないのですが」

 

「今から案内します。着いてきてください」

 

そう言って歩き出す白金さんの後ろを、俺はバイクを押しながら追いかける。

数分後、バイクを駐車場に停めた俺は、今度は寮へと案内される。道中、建てられている建物の歴史などを、白金さんから教わった。

そして寮に着き、俺の部屋となる部屋のドアを開けると、結構広い部屋にダンボール箱が3つあった。

 

「ここが勇助くんの部屋となります。人数の問題上、1人部屋となりますので、寝坊などには気をつけてください」

 

「分かりました」

 

「食堂で食べる時間、入浴時間などについては、オリエンテーリングで説明があります。では、オリエンテーリングの開始時間までに、体育館へ集まってください。それまでに荷物の整理が終わりましたら、校舎を見て回って構いません」

 

「分かりました。ありがとうございます白金さん」

 

俺は部屋を後にする白金さんにお礼を言い、荷物の整理を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数十分後―

 

「ふぅ……終わった~」

 

数十分後、俺は荷物の整理を終え、ベッドに座っていた。

そして時計に目を向けると、オリエンテーリングまで時間が結構あった。

 

「時間もあるし、少し見て回るか」

 

俺は部屋を後にし、外へ出て、辺りに咲いている花を見ながら歩き回る。

すると、1人の少女が辺りを見渡しあたふたしていた。

こういう人を見ると、ほっとけない俺は、少女へ声をかける。

 

「君、何か困ってるのか?」

 

「えっ?あの実は――――って、ゆ、勇助お兄ちゃん!?」

 

「ん?……もしかして、はるかか?」

 

「そうだよ!!良く勇助お兄ちゃんに遊んでもらった春野はるかだよ!!」

 

困ってあたふたしていたのは、俺がガキの頃、良く遊んでいた妹分の春野はるかだった。

コイツとは俺が小学4年から6年まで一緒だったんだが、父さんが正式に如月財閥の会長になったことで、本社の方へ引っ越さなくてはならなくなり、それ以来会っていない。

 

「久しぶりだな~!!お前も、ノーブル学園に入学するのか?」

 

「も、ってことは、お兄ちゃんも?」

 

「ああ。俺は2年生として転入してきたんだ」

 

「そうなんだ!!私も1年生としてノーブル学園に入学したの♪私の夢を叶えるためにね♪」

 

「夢…………あのプリンセスになるって夢か?」

 

「うん!!……まぁ、小学6年の時の将来の夢で言ったら、男子たちに笑われたけどね」

 

そう言って苦笑いするはるか。

そんなはるかを見ていられず、俺ははるかの頭に手をのせ、撫で始めた。

 

「お、お兄ちゃん?」

 

「お前の夢は、立派な夢だ。お前なら、絶対にプリンセスになれる」

 

「そう……かな?」

 

「ああ!!何てたって、この俺が言うんだぞ?絶対になれるさ」

 

「…………うん!!ありがとうお兄ちゃん♪」

 

俺の言葉を聞いたはるかは笑顔になった。

 

「そういえば、お前なにあたふたしてたんだ?」

 

「そうだった!?お兄ちゃん!!寮の場所知ってる!?」

 

「あ、ああ。この道を真っ直ぐ行って、突き当たりを右に」

 

「ありがとう!!じゃあまた後で!!」

 

お礼を言ったはるかは、走って行った。

 

「相変わらず慌ただしい奴だな♪さて、まだ時間があるし何処に行くかn「ねぇ、ちょっといい?」ん?」

 

俺が何処に行くか考えていると、後ろから声をかけられた。

振り返ると、ノーブル学園の制服を着て黄色いリボンを着けた少女がいた。

 

「あのさ、寮の場所を聞きたいんだけど知ってる?」

 

「ああ。寮ならこの道を真っ直ぐ行って、突き当たりを右に行けば着く」

 

「そっか、ありがとう。えっと……」

 

「如月……如月 勇助だ」

 

「え?…………勇助……なの?」

 

「ん?俺を知ってるのか?」

 

「あたしだよ、き・ら・ら♪天ノ川きらら♪」

 

「きらら…………あのきららか!?」

 

「そうだよ♪久しぶりだね勇助♪」

 

声をかけてきた少女は、昔母さんのモデルの仕事場で会って仲良くなった少女、天ノ川きららだった。

 

「久しぶりだなきらら♪まさかノーブル学園に入学してくるとは」

 

「ママの母校だからね♪ここでいろいろ学ぼうと思ってさ。それより、私のこと知らなかったの?私これでもモデルやってて、雑誌に出てるんだけど?」

 

きららはそう言いながら、ジト目で睨み付けてくる。

 

「わ、悪い。あまり雑誌は買わなくてな」

 

「ふ~ん……まぁいいや。放課後雑誌渡すから、見てね♪」

 

そう言ったきららは、寮に向かって歩いていった。

 

「久しぶりに会ったが、美人になったよなきらら。さて、そろそろ移動するか」

 

俺はそう言い、別な場所へと移動する。

 

「しっかし、知り合いにこうも立て続けに会うと、また誰か知ってる奴に会うんじゃないか?…………ん?」

 

そんな事を言いながら中庭にやって来ると、エメラルド色の髪をした少女が、ベンチに座って本を読んでいた。

俺はその少女の姿が、昔離れ離れになってしまった幼なじみの女の子と重なってしまい、つい女の子の名前を口ずさんでしまう。

 

「みなみ……」

 

「えっ?」

 

俺の声が聞こえたらしく、少女は俺の方へ顔を向ける。

すると、少女は俺の顔を見た瞬間、口元に手を当て驚いていた。

 

「ゆう……すけ……」

 

「まさか……みなみ…………みなみなのか!?」

 

「勇助!!」

 

俺の顔を見て驚いていた少女―――海藤みなみは、ベンチから立ちあがり、俺がいる方へ走ってくると、俺へ抱きついてきた。

 

「み、みなみ!?////」

 

「勇助……!!……勇助なのね!!私の知ってる勇助なのね?」

 

「……ああ。正真正銘、お前の幼馴染みの如月 勇助だよ」

 

「あぁ……勇助…………会いたかった……会いたかったわ……!!」

 

そう涙声で言ってくるみなみの頭を、俺は優しく撫でる。

そして落ち着いたのか、みなみは俺から離れた。

 

「ご、ごめんなさい////恥ずかしいとこ見せてしまって//」

 

「気にすんなよ。おかげで、お前の意外な一面を見れたからな♪」

 

「もう…………バカ////」

 

そう言いながら、笑みを浮かべるみなみ。

コイツとは幼稚園からの付き合いだ。俺が転校するまでずっと一緒だった。

転校すら際、みなみは俺を行かせまいと、腕を組んでいたが、大人の力には敵わずはがされてしまった。

そして俺たちは、必ずまた会おうと約束をして離れ離れとなった。

 

「最初、転入してくる人の名前を聞いた時は驚いたわ。でも同姓同名の可能性もあったから、あまり期待しないでいたのだけど…………来たのが勇助で、嬉しいわ♪」

 

「何で、転入するのが俺だと知ってたんだ?」

 

「私、ノーブル学園の生徒会長を務めているから、それで知ったの」

 

「なるほど。俺も、みなみと再会できて嬉しいよ」

 

「ふふ♪ありがとう♪」

 

俺の言葉を聞いたみなみは笑みを浮かべる。

 

「そういえば、勇助は何を?」

 

「ああ。実は、荷物の整理を終えて散歩をしていたんだ」

 

「そうだったの…………なら私が「みなみー!!」せいら」

 

「えっ?せいら?」

 

みなみが何かを言うおうとした時、俺とみなみの幼馴染みである東せいらがやって来た。

 

「あれ?もしかして勇助?久しぶり!!」

 

「久しぶりだなせいら!!何かみなみに用があったのか?」

 

「うん。ちょっと、オリエンテーリングについて確認したいことがあってね。悪いけど、今すぐ生徒会室に来てくれない?」

 

「分かったわ。ごめんなさい、勇助」

 

「気にしなくていいよ。また後でな」

 

「うん。また後で」

 

そう言ってみなみは、せいらと共に生徒会室に向かった。

 

「変わりないようで良かった。さて、次は何処に行くかな~?…………ん?」

 

また何処に行くか考えていると、風が吹いていないのに、ひぃひぃじいちゃんから貰ったお守りのチョーカーが揺れた。

気のせいかと思ったが、今度はチョーカーが少しだけ光だし、浮かびあがった。

 

「な、なんだなんだ!?なんでチョーカーが浮かんでんだ!?」

 

チョーカーが浮かび上がり、慌てふためく俺。

するとチョーカーが俺の首から離れて、何処かへ飛んでいった。

 

「チョーカーが飛んだ!?てか、何処に行くんだ~!?」

 

俺は急いで、チョーカーが飛んで行った方へ走る。

走っていくと、チョーカーは森の中へと入っていく。

 

「たく、いったい何処に飛んでくんだよ!?てか、なんでチョーカーが飛んでるんだよ!?あれか!?ひぃひぃじいちゃんの霊がイタズラでもしてんのか!?」

 

そんな事を言いながら、俺は必死にチョーカーを追いかける。

そしてチョーカーの真下まで追いつき、ジャンプしてチョーカーを捕まえた。

 

「よし捕まえた!!たく、なんで飛んだんだよコレ?」

 

『プリキュア!!プリンセスエンゲージ!!』

 

「え?」

 

チョーカーを見ていると、近くからはるかの声が聞こえてきた。

その声のする方へ顔を向けると、はるかが香水瓶みたいな物に、鍵?みたいな物を差し込んだ。

すると、はるかの髪がのびるのと同時にピンクのメッシュみたいなのがはいった金髪へ変わり、服装がピンク色のドレスへと変わった。

 

「咲き誇る花のプリンセス!!キュアフローラ!!」

 

「……………………」

 

俺は唖然とした。

だってそうだろう?大事な妹分が、変身したんだよ?

唖然する以外の選択肢はないよ。

 

「行け!!ゼツボーグ!!」

 

『ゼツボーグ!!』

 

「はい?ゼツボーグ?」

 

唖然としていた俺の耳に聞こえてきたのは、乱暴そうな男の声と変な鳴き声?みたいなのが聞こえた。

そちらに顔を向けると、ヤンキーみたいな格好をした男と、南京錠?みたいなのがついた怪物、姿を変えたはるかに襲いかかった。

 

「うわっ!?」

 

だけど変身したはるかは、当たる寸前でその場から高く跳んで交わした。

そして見事に着地したはるかは、自身の手をみる。

 

「凄い…………これなら!!」

 

自信を持った表情になったはるかは、怪物に向かって走っていき、怪物を殴り飛ばした。

 

『ゼツ、ボーグ!?』

 

「やった!!」

 

「ゼツボーグ!?よくも!!」

 

怪物を殴り飛ばした事に若干喜んでいるはるかへ、ヤンキーな男が襲いかかろうと拳を構えていた。

それを見た俺は

 

「オラァアアアアアア!!」

 

「げほぉおおおお!?」

 

「えっ?」

 

無意識に駆け出し、ヤンキーな男の顔へ飛び蹴りをおみまいした。

着地した俺は、はるかへ顔を向ける。

 

「大丈夫か?はるか」

 

「お兄ちゃん!?え?なんで私だって知ってるの!?」

 

「いや、お前が変身するの見てたから」

 

「あ、なるほど」

 

俺の説明を聞いて納得するはるか。

すると、蹴り飛ばした男が、頬を擦りながら立ち上がった。

 

「て~!!テメェ!!いったいなにもんだ!?」

 

「コイツの兄貴分だ。テメェこそ何者だ?」

 

「はっ!!誰が教えるか!!ゼツボーグ!!その人間を潰せ!!」

 

『ゼツボーグ!!』

 

男に言われた怪物は、俺に近づき拳を振り下ろす。

だけど

 

「よっと」

 

「なっ!?」

 

『ゼツ!?』

 

「そ~~ら!!」

 

『ボ~~グ!?』

 

「えぇええええええええ!?」

 

俺は拳を受け止め、怪物を投げ飛ばした。

それを見ていたはるかと男は、驚きを隠せないでいた。

すると、俺の元へはるかと、インコと犬が近づいてきた。

 

「お兄ちゃん凄いよ!!怪物を投げ飛ばすなんて!!」

 

「まぁな。これでも鍛えてるからな♪」

 

「そっか♪でもお兄ちゃん、危ないから下がってて」

 

真剣な顔で言ってくるはるか。

おそらく、俺に怪我をしてほしくなくて言ってるんだろう。

………………でも、それは俺も同じだ。

 

「悪いなはるか。大事な妹置いて逃げる程、腐ってないよ俺」

 

「お兄ちゃん…………」

 

「はるか……俺は、たとえ相手が怪物だろうと、大切な人たちを見捨てたくないんだ。だから相手が怪物でも俺は逃げない!!立ち向かって、アイツを倒す!!」

 

俺がそう言うと、不思議なことが起きた。

右手に持っていたチョーカーが再び光だした。

しかも、先程よりも眩い光を放つ。チョーカーは俺の手から離れて浮かび上がり、光に包まれる。

そして光が弾け飛ぶように消えると、そこにあったのは剣のチョーカーではなく、白く黒いラインが入った宝石みたいなのがついた剣だった。

剣は、まるで当然かのように、俺の前へ降りてきて、俺は剣を握りしめた。

 

「ひぃひぃじいちゃんのお守りが…………剣に変わった?」

 

「それは伝説の剣【ホーリーソード】ロマ!?」

 

「え?」

 

突然聞こえた声に驚いた俺は、声が聞こえた方に顔を向ける。

そこには、はるかと一緒にいたインコと犬がいた。

そして次の瞬間、俺は驚いた。

 

「まさか、伝説の剣が見つかるなんて、驚きパフ!!」

 

「でも確か、ホーリーソードは大昔前に失われたと聞いてるロマ!!」

 

「い、インコと犬が喋った!?」

 

「インコじゃないロマ!!アロマだロマ!!」

 

「パフは犬じゃないパフ!!」

 

「インコでも犬でもないって、いったいどういう」

 

「おいテメェ!!」

 

「なんだよ?今忙しいんだが?」

 

「ふざけんな!!こうなったら、俺様が本気で潰しに行ってやる!!」

 

そう言ったヤンキーは、俺に向かって駆け出す。

その時、謎の声が聞こえてきた。

 

『剣を空へ掲げろ』

 

「え?」

 

『剣を空へ掲げ、騎士の名を叫べ。聖なる鎧を纏え』

 

「剣を空へ掲げ、騎士の名を叫べ?」

 

俺は、謎の声に言われた通り剣を空へ掲げる。

その時、叫べと言われた騎士の名が頭の中に思い浮かぶ。

 

「ホーリーナイト!!ウェイクアップ!!」

 

「なにっ!?」

 

「えぇええええええええ!?」

 

俺がそう叫ぶと、空から一筋の光が降り注ぎ、俺を包み込む。

すると、俺の服が黒いライダースーツのような物へと変わり、白い鎧が装着していく。そして俺の後ろ髪が肩くらいまで伸び、白い宝石がついた騎士の兜のような物が頭に被さる。

そして俺を包んでいた光は弾け飛び、俺の姿を見たはるかたちが目を見開いた。

 

「お、お兄ちゃん…………なの?」

 

「あ、あれは伝説の!?」

 

「テメェ!!なにもんだ!?」

 

「闇を斬り裂く光の騎士!!ホーリーナイト!!」

 

「ホーリー……ナイト」

 

「未来に繋がる希望の夢、返してもらうぞ。さぁ、覚悟を決めろ!!」

 

俺は剣を構えながらそう名乗り、ヤンキーに向かってそう言う。

 

「って、なんじゃこりゃぁあああああ!?服は変わるは、鎧は着くは、どうなってんだ!?」

 

「お、落ち着いてお兄ちゃん!!」

 

「で、伝説の光の騎士、ホーリーナイト!!」

 

「バカな!!プリキュアに続いて、伝説の騎士まで蘇っただと!?」

 

「で、伝説の騎士?」

 

「とにかく、あのゼツボーグを倒してパフ!!じゃないと、あの子が檻に閉じ込められたままになっちゃうパフ!!」

 

「あの子?」

 

パフと言った犬?が向く方へ顔を向けると、1人の少女が檻に閉じ込められていた。

 

「ゼツボーグを倒さないと、あの子はあのままパフ!!プリキュアと一緒に倒してほしいパフ!!」

 

「…………分かった」

 

俺は頷き、剣―――ホーリーソードを構える。

 

「お、お兄ちゃん?」

 

「構えろはるか…………いや、キュアフローラ。あの子の夢を取り戻すぞ」

 

「お兄ちゃん…………うん!!」

 

俺の言葉を聞いたはるかことキュアフローラは、俺の隣に立ち拳を構える。

 

「テメェ!!事情もろくに分かってねぇのに、なんでそいつを助ける!!」

 

「理由なんて簡単だ。あの子が苦しそうな顔をして檻に閉じ込められてる。俺は苦しんでる奴を見るとほっとけない性格なんだ。だから助ける!!理由はそれだけで十分だ!!」

 

「クソが~!!ゼツボーグ!!プリキュアごとそいつも倒せ!!」

 

『ゼツボーグ!!』

 

「行くぞフローラ!!」

 

「うん!!」

 

俺とフローラは、向かってくる怪物―――ゼツボーグに向かって駆け出す。

近づいたことにより、ゼツボーグは俺たち目掛けて拳を振り下ろした。

俺とフローラは、ゼツボーグの攻撃を余裕で交わす。

 

「フローラ、攻撃を叩き込め!!合わせる!!」

 

「うん!!やぁっ!!」

 

「ハァッ!!!」

 

『ゼツ!?』

 

「(いける!!)フローラ!!蹴りだ!!」

 

「ハァッ!!」

 

『ボー!!!?』

 

「セイヤッ!!」

 

『グー!!!?』

 

「ぜ、ゼツボーグ!?」

 

俺とフローラは同時にゼツボーグを殴り、フローラに蹴りあげられたゼツボーグを、俺がホーリーソードで叩き落とした。

 

「す、凄いパフ!!」

 

「フローラ、今だロマ!!パフュームに鍵を差し込むロマ!!」

 

アロマと名乗るインコ?がフローラにそう言った瞬間、俺の左腰が光だした。

見てみると、何かが差し込まれている5角形の箱のような物があり、差し込まれている1つが光っていた。

抜いてみると、それは鍵だった。そして鍵を引き抜いたことでか、宝石みたいな物が上へスライドし、鍵を差し込めるようになっていた。

 

「そういうことか。行くぞフローラ!!」

 

「うん!!」

 

俺はフローラの返事を聞き、剣に鍵を差し込む。

 

「スラッシュキー!!装填!!」

 

「エクスチェンジ、モードエレガント!!」

 

「聖なる光よ、剣に集え!!ホーリーナイト、ホーリー・エンド・スラッシュ!!」

 

「舞え、花よ!!プリキュア・フローラル・トルビヨン!!」

 

『ドリ~ミ~♪』

 

俺は鍵―――【スラッシュキー】を装填し、ホーリーソードに力を蓄積し、技名を言いながらゼツボーグを斬り、その後にロングドレスとなったフローラが必殺技を放ち、ゼツボーグは消え、代わりに花が舞った。

 

「光に包まれ、眠れ」

 

「ごきげんよう」

 

「クソっ!?覚えてやがれプリキュア!!ホーリーナイト!!」

 

俺たちの決め台詞?みたいなのを聞いたヤンキーは、鍵穴のような物に入って逃げていった。

そしてフローラのドレスは、ロングドレスから最初の状態へと戻った。

 

「やったパフ!!凄いパフ!!」

 

「さぁ、あの鍵穴にキーさして、彼女を解放するロマ!!」

 

「うん!!」

 

アロマに言われたフローラは、降りてきた檻に近づく。

 

「開け!!夢への扉!!」

 

そう言ってフローラが鍵を差し込むと、檻は光になって弾け飛び、解放された少女をフローラが抱き止めた。

 

「大丈夫そうか?」

 

「うん!!怪我はないみたい♪」

 

「良かったな。お前は大丈夫か?」

 

「うん!!心配してくれてありがとう、お兄ちゃん♪」

 

笑顔で言うフローラを見て、俺は安心して笑みを浮かべる。

そして自然に俺たちの変身が解除され、俺たちは少女が目を覚ますのを待った。

 

 

to be continue




今回はここまでです!!

勇助の詳細は後日投稿します。
そして次回は、アロマたちの説明とあのプリンセスの覚醒です!!

次回も是非読んでください!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話:説明と海のプリンセスと守護聖獣の覚醒

お待たせしました!!

今回の話では、勇助があの子とイチャイチャするシーンがあります!!

それでは第2話をどうぞ!!


―ノーブル学園―

 

「以上で、ノーブル学園のオリエンテーリングを終了します。質問のある方は、後で職員室に来てください」

 

如月 勇助だ。

あの後、少女―――七瀬ゆいは無事に目を覚ました。

目覚めた彼女は、あのヤンキーがはるかに襲いかかったところを目撃したらしく、そのまま気絶したとのことだ。

どうやら、檻に閉じ込められていた間の記憶はないらしい。

それで俺たちは現在、オリエンテーリングを受け終わったところだ。なんとか遅刻ギリギリで間に合って、教師に怒られずにすんだ。

オリエンテーリングを終えた俺は、同じクラスになるクラスメイトが来るのを待つ。

しばらくすると、先程再会したみなみがやって来た。

 

「遅くなってごめんなさい、勇助」

 

「気にしないでくれみなみ。それより、みなみが来たってことは……」

 

「ええ。私があなたと同じクラスになる1人よ。またよろしくね♪」

 

「ああ、よろしく!!ところで、なんだそのバッグ?」

 

「ふふ♪秘密よ♪教室へ案内するから、着いてきて」

 

「分かった」

 

俺はみなみそう言って、みなみの後ろをついていく。

しばらくして、1つの教室の前で止まった。

 

「ここが、私たちの教室よ。明日は、入学式後、職員室に行ってからこの教室に来ることになってるわ」

 

「分かった。ありがとう、みなみ」

 

「気にしないで♪…………あの、勇助」

 

「なんだ?」

 

「その……一緒にお昼を食べないかしら?」

 

「別にいいよ。それじゃあ食堂に」

 

「あの……実はお弁当作ったの////」

 

そう言ったみなみは顔を赤くして、バッグからお弁当を取り出した。

 

「さ、さっき、寮に戻ることがあって、時間があったから作ってみたの////////」

 

「えっ?わざわざ俺のために?」

 

「ええ////…………た、食べてくれる?//////」

 

「ッ!?////」

 

上目遣いでかわいく聞いてくるみなみに、俺はドキッとしてしまった。

 

「ゆ、勇助?////」

 

「あ、ご、ごめん。いただくよ」

 

「そう良かったわ♪////それじゃあ中庭に行きましょうか♪////」

 

そう言ったみなみは、俺の手をとって中庭へと向かって歩いていく。

そして中庭にあるベンチへ座り、みなみが作ってきたお弁当を開けた。

 

「おっ?美味しそうだ。しかも、大好きな玉子焼きまである」

 

「昔、大好きと言っていたのを思い出したのよ。それで作ってみたの♪」

 

「そうなんだ?ありがとうみなみ♪」

 

「ふふ♪気にしないで♪それじゃあ……」

 

そう言ったみなみは俺へ弁当を渡す…………ことはなく、箸を取り出し玉子焼きをとり、俺に向けてきた。

 

「あ、あ~ん////」

 

「へ?////み、みなみ?////」

 

「は、早くして?////恥ずかしいから////」

 

「は、はい////」

 

俺はみなみに言われるまま、玉子焼きを口に入れて食べる。

 

「ど、どうかしら?////」

 

「……んく……凄く美味しいよ」

 

「ホント!?////」

 

「ああ。凄く美味しいよ(色んな意味で)」

 

「そう……良かったわ♪それじゃあ次は……はい、あ~ん♪」

 

「えっ?ま、まだやるのk「あ~ん♪」あ~ん」

 

俺はされるがまま、みなみから渡されるお弁当を食べた。

 

「ごちそうさまでした」

 

「お粗末様でした♪勇助、この後の予定は?」

 

「ん?この後は「いたいた。勇助!!」きらら?」

 

みなみの質問に答えようとしたら、きららがやって来た。

 

「どうしたんだきらら?」

 

「コレ、さっき言ってた私が乗ってる雑誌。ちゃんと見てね」

 

「あ、ああ」

 

「後でちゃんと見てね♪じゃあまたね♪」

 

そう言ったきららは、中庭から去っていく。

受け取った雑誌を見ようと思ったが、隣にいるみなみから殺気を感じた。

 

「勇助……今の誰かしら♪」

 

「えっと……友達です」

 

「そう…………それ見るの?」

 

「いえ、みなみと一緒なので、後で見ます」

 

「そう♪」

 

俺はみなみの黒い笑みに負け、雑誌を読むのをやめた。

そしてこの後、俺はみなみと世間話をして寮へ戻った。

 

勇助sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

我は目を覚ました。

何百年ぶりにと、目を覚ました。

いや、何年ぶりにか。

 

『光の騎士が…………目覚めたか』

 

我は体を起こす。

奴と共に戦ってから数百年の年月が流れた。

戦いから解放された我は、奴が建てた神殿にて眠っていた。そして数百年の年月が経ったある日、奴は年老いた姿で小さい子供を連れてやって来た。

目覚めた我を見た子供は、我を怖がることなく触れてきた。我は嫌な気がせず、子供を背に乗せそこらを走り回った。

我が戻り子を下ろすと、奴は子へ剣が眠りし姿となった首飾りを渡した。

その時我はさとった。この子が、次世代の騎士だと。

我はこの子ならと思った我は、再び眠りについた。

 

『奴等が動き出したか…………奴に力を貸す時か』

 

我はそう言い、我の体から鍵を生み出した。

 

『我から生み出されし鍵よ、次世代の騎士の元に向かえ』

 

我がそう言うと、鍵は光輝き、次世代の騎士の元に向かった。

我はそれを見届け、呼び出されるのを待つことにした(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

???sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇助side

 

 

「では、私が呼んだら入ってきてください」

 

「はい」

 

あの怪物と戦った翌日、俺は入学式を終えて職員室に行き、教室へ来ていた。

 

『皆さん、今日は転入生が来ています』

 

『先生、男子ですか?女子ですか?』

 

『男子です。今、廊下で待ってもらってます。如月くん、入ってきてください』

 

「はい」

 

言われた俺は教室へ入り、教壇の方へ行き生徒たちの方へ体を向ける。

 

「では如月くん、自己紹介をお願いします」

 

「分かりました。如月 勇助です、本日からノーブル学園でお世話になります。趣味は読書に料理、空を眺めることとドライブです。特技は……まぁ、裁縫機械いじりです。何かとご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」

 

―パチパチパチパチパチパチ―

 

俺が自己紹介を終えると、皆が拍手をしてくれた。

 

「では如月くんの席は……海藤さんの隣で」

 

「分かりました」

 

俺は先生に言われた通り、みなみの隣の席へ移動し座る。

 

「よろしくな、みなみ?」

 

「ええ♪」

 

「では、授業をはじめます」

 

先生の言葉を合図に、俺たちは授業を受けた。

数十分後、俺たちは授業を終えた。

すると、周りのクラスメイトたちが俺の方へ集まってきた。

 

「ねぇねぇ、如月くんってどんな部活に入ってたの?」

 

「運動部?それとも文化部?」

 

「彼女はいますか?」

 

と、いった感じに、次々と質問してくるクラスメイトたち。

すると、隣の席にいたみなみが立ち上がった。

また、少し離れた席にいたせいらと、見覚えがある少女が立ちあがり、此方へ来た。

 

「皆、そんな一度に聞かれたら、勇助も答えられないわ」

 

「1人ずつ質問しな。そしたら勇助も答えやすいよ」

 

「あれ?会長たち、如月くんのことを知ってるの?」

 

「ええ。私とせいら、あやかの3人は、彼の幼馴染みなの」

 

「そうなんだ!!」

 

「ええ♪ということで、久しぶりね勇助くん♪」

 

「見覚えがあると思ったら、あやかだったのか。久しぶりだな♪さて、質問の答えだな。部活は入ってなかったよ。助っ人を頼まれて、あちこちの部活動に参加してた。それと彼女の件だけど、それはシークレットで♪」

 

「え~!!教えてよ~」

 

「ダメダメ♪教えられないよ♪」

 

「あら?知られたら困るのかしら?」

 

「え?」

 

女子生徒に、彼女がいるかいないかの質問の回答をうやむやにしていたら、みなみがそう聞いてきた。

なんとなくだが、みなみから黒いオーラが見える気がする。

どう答えようか考えたその時

 

「あ、あのすみません!!如月 勇助さんいらっしゃいますか!?」

 

「え?はるか?」

 

1年生であるはるかが、教室へやって来た。

俺はクラスメイトたちに謝りながら、はるかの元へ近づく。

 

「どうしたはるか?」

 

「ちょっと話が…………さっきのゼツボーグとかについて、アロマたちから説明があるみたい

 

「分かった」

 

「じゃあついてきて」

 

俺は頷き、はるかの後をついていく。

はるかの後をついてきて、やって来たのは屋上だった。

そして屋上には、先程会ったアロマとパフがいた。

 

「来てくれてありがとうパフ」

 

「気にするな。じゃあ説明してくれ。お前たちの存在と、先程の怪物、何が起きようとしてるのか」

 

「分かったロマ。今から説明するロマ」

 

そう言ったアロマは、自分たちの存在、怪物たちのこと、何が起きようとしてるのか説明してくれた。

 

「なるほど、要するにお前たちは、異世界から来たロイヤルフェアリーと呼ばれる妖精で、先程の怪物たちはディスピアと呼ばれる悪の親玉が組織したディスダークの幹部の1人で、人の夢を利用してゼツボーグと呼んでる怪物を生み出し、世界を絶望のふちに叩き落とそうしている。お前たちは、ディスピアの野望を防ぐため、伝説の戦士でありプリンセスであるプリキュアを探しにこの世界に来た……という訳だな?」

 

「そうロマ!!理解が早くて助かるロマ!!」

 

「どうか、はるかと一緒に戦ってほしいパフ!!」

 

「お兄ちゃん、お願い!!一緒に戦って!!」

 

そう言い、頭を下げてくるはるかたち。

 

「まぁ、はるかにだけ任せてられないしな。俺も協力しよう」

 

「本当!?お兄ちゃん!?」

 

「ああ。妹が頑張ってるのに、兄貴が頑張らなかったら、情けないからな」

 

「ありがとう、お兄ちゃん!!」

 

「気にすんな♪」

 

俺はそう言って、はるかの頭を撫でる。

すると、アロマが聞いてきた。

 

「そういえば、お前に聞きたいことがあるロマ!!」

 

「いきなりお前とか失礼だな。俺は如月 勇助だ。勇助と呼んでくれて構わない」

 

「じゃあ勇助、どこでホーリーソードを手に入れたロマ?」

 

「ホーリーソード…………コレのことか」

 

そう言って、俺は首にかけていたチョーカーを見る。

 

「コレは、昔ひぃひぃじいちゃんから、お守りとして貰った物なんだ」

 

「ひぃひぃおじいちゃんからパフ?」

 

「ああ」

 

「じゃあ、そのひぃひぃおじいちゃんに、どこで貰ったか聞いてほしいロマ!!」

 

「……悪いが、それはできない」

 

「なんでロマ!?もしかしたら、ディスピアへの対抗策が分かるかも知れないロマ!!」

 

「…………ひぃひぃじいちゃんは、もうこの世にいない………………死んじまったんだ」

 

「「「ッ!?」」」

 

俺の言葉を聞いたアロマはもちろん、はるかとパフが目を見開いた。

 

「ご、ごめんロマ。まさか、そんなこととは」

 

「気にするな。それより、聞きたいことがある。ホーリーナイトとはいったいなんなんだ?」

 

「ホーリーナイトは、ホープキングダムで語り継がれている、伝説の光の騎士パフ」

 

「そうか……教えてくれてありがとう。そろそろ時間だ。戻るぞはるか」

 

「う、うん」

 

はるかは返事をし、俺と一緒に屋上を後にし、各自の教室へ戻り授業を受けた。

そしてその日の放課後、みなみが話しかけてきた。

 

「勇助、ちょっといいかしら?」

 

「どうかしたか?」

 

「少し聞きたいことがあるのだけれど、この後空いてるかしら?」

 

「大丈夫だ」

 

「良かった。なら、着いてきて」

 

俺は鞄を持って、みなみの後ろをついていき、屋上へやって来た。

 

「今日は聞きたいことがあるの」

 

「なんだ?」

 

「春野さんとあなた、親しいの?」

 

「まぁ、親しいと言えば親しいが……はるかが何かしたか?」

 

「彼女、私にバレエの指導を頼んできたのよ」

 

「へ~」

 

「ただその時、この子はいじめられてるんじゃないかって思ったのよ」

 

「はっ?なんで?」

 

「私、下級生から怖がられているみたいで、それで誰かに言われて頼んできたんじゃないかって」

 

「なるほどね~」

 

俺はみなみが、はるかがいじめられているてあ思った理由を聞いて納得した。

 

「多分だが、お前に憧れて頼んだんだと思うぞ」

 

「憧れ?」

 

「ああ。アイツ、プリンセスに憧れていてな、【学園のプリンセス】と呼ばれてるお前に憧れて、頼んだんだと思うぞ」

 

「ちょっと!!どうしてその渾名を貴方が知ってるの!?」

 

「せいらがこっそりとな♪俺がいない間のお前のことが知りたくてな♪」

 

「えっ?」

 

「とにかく、はるかはいじめられて頼むことはないし、アイツはお前に憧れて頼んだ。それで問題なし!!」

 

「ふふ♪なにそれ♪でも……ありがとう♪」

 

そう笑顔で言ってくるみなみ。

やっぱりコイツには、笑顔が一番だな♪

 

「そういえば、春野さんと随分仲良いみたいだけど……付き合ってるのかしら?」

 

「いいや、付き合ってねぇよ?アイツは妹だ」

 

「妹さん?でも、名字が」

 

「正確には、妹分だ。アイツは転校先でできた妹分なんだ」

 

「そうだったの…………良かった

 

「ん?何か言ったか?」

 

「い、いえ!!////何でもないわ!!////」

 

「?」

 

何か知らないが、顔を赤くして慌てて否定するみなみ。

とりあえず話を終えた俺たちは、途中まで一緒に帰ることにした。

帰るなか、バレエの練習をする部屋の前を通ると、はるかが練習をしていた。

 

「あの子」

 

「練習熱心だな~アイツ」

 

窓越しから、はるかの練習を見る俺たち。

上手く回れていたはるかだったが、何かの大技をしようとした瞬間、足を捻って倒れた。

 

「いたっ!!」

 

「ッ!?春野さん!!」

 

「はるか!?」

 

「えっ?か、海藤さん!?それにお兄ちゃん!?」

 

俺たちは駆け寄り、はるかの手当てを始める。

その際、はるかが何故無茶をしたのか、みなみをどう思ってるのか、みなみに話した。

話を聞いていたみなみは、どこか嬉しそうであった。

手当てを終えた俺たちは、はるかが着替え終えるのを待ち、一緒に帰ることにした。

その時だった。

 

―ドゴォオオオオオン―

 

「ッ!?」

 

「なに!?」

 

「アレは!?」

 

遠くの方から、物凄い音が聞こえてきた。

何事だと思い、音が聞こえた方へ顔を向けると、サッカーのトロフィーのようなゼツボーグが暴れていた。

 

「ゼツボーグ!?」

 

「また来やがったか!!」

 

俺とはるかは顔を見合せ、裏庭に向かう。

裏庭に来ると、アロマとパフが出てきた。

 

「はるか、怪我は大丈夫パフ?」

 

「うん!!手当てしてもらったから大丈夫!!」

 

「だけど無理はするなよ?」

 

「うん!!大丈夫!!行こうお兄ちゃん!!」

 

「ああ!!目覚めろ!!ホーリーソード!!」

 

俺は返事をし、チョーカーに手を触れてホーリーソードの名を叫ぶ。

するとチョーカーは光、再びホーリーソードとなった。

それを見たはるかは続くように、はるかの持つ鍵―――【ドレスアップキー】と香水瓶―――【ココロパフューム】を取り出した。

 

「ホーリーナイト!!ウェイクアップ!!」

 

「プリキュア!!プリンセスエンゲージ!!」

 

俺は再びホーリーソードを掲げながら叫び、ホーリーナイトへと、はるかはキュアプリンセスとなる。

 

「闇を斬り裂く光の騎士!!ホーリーナイト!!」

 

「咲き誇る花のプリンセス!!キュアフローラ!!」

 

俺たちはそれぞれ名のり、ゼツボーグのもとに向かって跳ぶ。

すると、ゼツボーグが巨大なサッカーボールで校舎を破壊しようとしてるのを見て、俺とフローラは飛んできたボールを蹴り、ゼツボーグに当てて吹っ飛ばした。

 

「冷たい檻に閉ざされた夢、返してもらいますわ!!お覚悟は、よろしくて?」

 

「来たなプリキュア!!ホーリーナイト!!やれゼツボーグ!!」

 

『ゼツ……ボーグ!!』

 

ヤンキーに言われたゼツボーグは、トロフィーの耳部分で攻撃してきた。

 

「ハァッ!!」

 

「ヤァッ!!」

 

『ゼツボーグ!?』

 

俺たちは攻撃をかわし、ゼツボーグを俺がホーリーソードで斬り上げ、フローラが蹴り落とした。

だが、倒れたゼツボーグの足の裏から、ミサイルが放たれた。

 

「えぇえええええ!?」

 

「サッカーが夢じゃないのか!?」

 

フローラは慌てながらかわし、俺はホーリーソードで斬り落とした。

だがフローラは爆風によって、浜辺の方へ飛ばされ、ゼツボーグも向かっていった。

俺は飛んでいた残りのミサイルを全て破壊し、浜辺の方へ向かう。

浜辺につくと、フローラを守るようにみなみが立っていた。

 

「みなみ!?」

 

みなみがいることに驚いた俺だが、ゼツボーグがみなみに向かってボールを蹴り飛ばした。

俺はすぐにみなみの前へ移動し、ボールをホーリーソードで弾き飛ばした。

 

「ッ!?ホーリーナイト!!!?」

 

「悪いが、彼女はやらせん!!」

 

「勇助……なのよね?」

 

「ッ!?なんで!?」

 

「さっき、変身しているのを見てしまったの」

 

「なるほど……ここは危険だ。みなみは逃げろ!!」

 

「……それはできないわ!!学園の皆を守るのが生徒会長の役目!!ここで逃げる訳にはいかないわ!!」

 

みなみがそう言うと、みなみのポケットが光った。

みなみは気になったようで、ポケットからある物を取り出した。

 

「これは……何なの?」

 

「ソレはーーー!?」

 

「ドレスアップキーパフ!!」

 

「えっ?なんで海藤さんが!?」

 

「君は選ばれたんだロマ!!」

 

アロマは持ち上げていた宝箱を開き、2つあったココロパフュームの内1つを、みなみに渡した。

 

「ここにドレスアップキーを刺すロマ!!」

 

「コレが、皆を守る方法なのね!!」

 

みなみは意を決したような顔になり、俺の隣に立った。

そして

 

「プリキュア!!プリンセスエンゲージ!!」

 

みなみはココロパフュームにドレスアップキーをさし込む。

それにより、みなみの服や髪が変わり、まるで人魚姫を思わせるような姿へとなった。

 

「澄み渡る海のプリンセス!!キュアマーメイド!!」

 

「キュアマーメイド……海藤さんが……」

 

「2人目のプリンセスプリキュアだとーーー!?」

 

「冷たい檻に閉ざされた夢、返してもらいますわ。お覚悟はよろしくて?」

 

「クソ~!!ゼツボーグ!!」

 

『ゼツボーグ!!』

 

ヤンキーに言われたゼツボーグは、ミサイルを撃ってきた。

俺はみなみを守ろうと、みなみの前に出てホーリーソードを構える。

その時

 

―ドゴォオオオオオン―

 

「ッ!?なんだ!?」

 

「何なの!?」

 

「アレは……」

 

何処からか飛んできた光がミサイルから俺たちを守った。

何が起きたのか分からず驚く俺たち。

煙が晴れるとそこには、1本のキーが浮いていた。

そしてキーはひとりでに動きだし、俺の手の中におさまった。

 

「コレは……鍵?」

 

「なんだか分からないが、使ってみる価値はある!!」

 

俺はそう言って、キーを強く握りしめる。

すると俺の脳内に、キーの名前が流れた。

 

「なるほどな……いくぞ!レオンキー!!装填!!!」

 

俺がキーを装填すると、ホーリーソードが光だした。

 

「来たれ!!聖なる守護聖獣!!ホーリーレオン!!」

 

俺がそう言ってホーリーソードを掲げると、ホーリーソードから光が放たれる。

空高く放たれた光は空高く舞い上がり一度消え、巨大な光となって目の前に落ちる。

砂煙が晴れると、そこには白い毛に所々が青い毛になっている獅子がいた。

その獅子に俺は見覚えがあり、頭の中に浮かんだ名を言う。

 

「……レオ?」

 

『我を覚えてるのか……勇助よ』

 

「忘れねぇよ……あの時一緒に草原を走った事は、俺の大事な思い出だ」

 

『そうか……だが今は、ゼツボーグが優先だ!!勇助、いやホーリーナイトよ!!我に乗れ!!』

 

「おう!!」

 

俺は返事をしレオの背中に乗る。

ゼツボーグは俺たちを倒そうと、耳で攻撃してくる。

レオは普通にかわし、みなみことキュアマーメイドは交わした後、耳を叩き落とす。

それにより、ゼツボーグは倒れこんだ。

 

「レオ!!近づいて蹴り上げろ!!!」

 

『承知!!』

 

俺の指示を聞いたレオはゼツボーグに近づき、ゼツボーグを蹴り上げた。

俺はレオの背中から跳び、ゼツボーグを叩き落とし、レオの背中に着地する。

ゼツボーグは立ちあがり、一度海に逃げてサッカーの試合に使われるイエローカードを巨大化したカードを投げてきた。

俺はレオの背中から再び跳んで、カードを斬り、マーメイドはかわしていく。

負けじと、今度はレッドカードを投げるゼツボーグだが、俺とマーメイドはカードを掴み、サーフボードのように乗って近づきゼツボーグを蹴る。

蹴られ海に落ちたゼツボーグを、マーメイドが海にもぐって蹴り上げ、俺が浜辺に蹴り落とした。

 

「今こそマーメイドの力を解放するロマ!!パフュームにドレスアップキーを!!」

 

『ホーリーナイトよ!!我らもやるぞ!!背中に乗れ!!』

 

「分かった!!」

 

マーメイドはフローラ同様、パフュームとキーを用意し、俺はレオの背中に乗る。

 

「『聖なる光よ!!我らに夢を解放する力を!!』」

 

「エクスチェンジ!!モードエレガント!!」

 

「『騎獣合技!!獅子豪光弾!!』」

 

「高鳴れ、海よ!!プリキュア・マーメイド・リップル!!」

 

『ドリ~ミ~』

 

俺はレオと共に光の力を身に宿し、新たな必殺技―――【獅子豪光弾】を発動させ、光の獅子のような弾丸となってゼツボーグを打ち上げ、ロングドレスとなったマーメイドが、頭上に水の輪を作り、そこから放出された渦巻き状の水流でゼツボーグを包み浄化した。

 

「光に包まれ、眠れ」

 

「ごきげんよう」

 

「またかよー!!まずいぜこりゃー!!」

 

決め台詞みたいなのを凛々しく言った俺たち。

ヤンキーは悔しがりながら、再び消えた。

 

「やったパフ!!」

 

「あとは、絶望の檻に閉じ込められた夢を解放してあげるロマ!!」

 

「コレを使うのね?」

 

そう言ったマーメイドは、ドレスアップキーを持って檻に近づく。

 

「開け!!夢への扉!!」

 

そう言ったマーメイドは、かぎあなにドレスアップキーをさし込み、檻から囚われた生徒を助け出した。

砂場に寝かせたマーメイドは、自然と変身が解除された。

俺も変身を解除して、みなみに近づいていく。

すると、いつのまにか変身を解除したはるかが、走ってみなみに近づき抱きついた。

 

「海藤さ~ん!!」

 

「もう、無理しちゃダメよ?」

 

「ごめんなさ~い♪」

 

「反省してねぇな。これは」

 

「えへへ♪」

 

「もう♪」

 

「まったく♪」

 

舌を出して誤魔化すはるかに、呆れながらもしょうがない子と思う俺とみなみ。

 

「そういえば、お兄ちゃん、海藤さんと親しそうだったけど……知り合いだったの?」

 

「私と勇助は幼馴染みなのよ」

 

「そうだったんですね!!」

 

「ええ♪」

 

「まぁ、そういうことだ。とりあえず、寮へ戻r「「あーーーー!?」」ッ!?ど、どうした!?」

 

寮へ戻ろうと、言おうとした瞬間、アロマとパフが大きな声をあげた。

慌てて顔を向けると、2人は宝箱を見ていた。

 

「さ、最後のココロパフュームが」

 

「無くなったパフーーー!!」

 

「えぇえええええええええ!?」

 

to be continue




今回はここまでです!!

次回はレオに勇助が色々聞いたり、パフたちがピンチになる事態が!!

次回も是非読んでください!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話:レオの説明とお別れのパフたち!?ホーリーナイトの新たな力!!

ルオン「ヴェハハハハ!!ヴェハハハハハハ!!」

はるか「ど、どうしたの作者さん?」

勇助「予定では火曜か水曜、今日の午前中に更新する予定だったのに、時間がかかってしまったため、自分がなさけなくて頭がおかしくなかったらしい」

みなみ「どうしたものかしら?」

勇助「とりあえず、始めるしかないだろう」

みなみ「そうね。それでは本編をどうぞ!!」


勇助side

 

―ノーブル学園・男子寮―

 

『そう……男子寮にはなかったのね』

 

「ああ。一応クラスメイトとかに聞いてみたが、それらしい物は見てないらしい。とりあえず明日、もう一度探してみる」

 

『分かったわ。こちらももう少し探してみるわ。お願いね勇助?』

 

「任せとけ。それじゃあみなみ、おやすみ」

 

『おやすみなさい♪』

 

俺はみなみの返事を聞いてから、通話をきった。

あの後、全員で砂浜や近くの森を探したが、パフュームは見つからなかった。

もしかしたら、戦いの際の衝撃か何かで、遠くまで飛んだのではと、考えた俺たちは一度解散して寮の中を探したり、聞き回ったりしたが収穫は0だった。

 

『どうやら、パフュームは見つからなかったようだな』

 

「ああ……ってレオ!?」

 

電話を終えた俺に、先程共に戦ったホーリーレオンことレオが、共に戦った時の巨体ではなく、どこぞの死ぬ気マフィアの飼ってるライオンと同じくらいのサイズで、当たり前のように部屋にいた。

 

『む?どうかしたか?』

 

「どうかしたか?じゃないよ!!なんでいんの!?」

 

『何故と言われても困るが、お主に渡す物があったから来た。それと、お主が知りたい事を教えるためだ』

 

「渡す物?」

 

レオの言ったことに首を傾げる俺。

レオはその間に、近くに置いていたフロシキ袋を器用に物を出した。

そして出てきたのは、赤、青、黄のクリスタルだった。

 

「コレは?」

 

「コレは【エレメントクリスタル】。その色ごとに、炎を出すこともできれば、水を出すことも可能だ。赤いクリスタルが【ファイヤークリスタル】、火を自在に操れる。青いクリスタルが【アクアクリスタル】、水を自在に操れる。黄色いクリスタルが【サンダークリスタル】、雷を自在に操れる。また、ホーリーナイトの鎧に力を与えることが可能だ」

 

「へ~……あれ?でも夢の中じゃ、他にも姿があったと思うけど?」

 

「夢?……もしやホーリーナイトの夢か?」

 

「ああ。鎧の色が変わったり、様々な武器を使ったりして戦っていた夢だ。その時、他にも色んな姿があったはずだ」

 

「いつ頃から見ていた?」

 

「えっと……3つの時からだな」

 

「そうか……(その頃からもう、騎士になる運命だったか)」

 

俺から話を聞いたレオは、どこか悲しそうな感じで、天井を見上げていた。

 

「レオ……大丈夫か?」

 

『あ、ああ、すまない。他の姿についてだったな?お主の言う通り、ホーリーナイトには他にも姿がある。また武器も他にある。だが、それは他の守護聖獣たちが守っている。奴等が目覚めれば、ホーリーナイトの力も完全覚醒を果たせる』

 

「そうか…………なぁレオ、ホーリーナイトってなんなんだ?」

 

『それは、ホーリーナイトが生まれた理由を知りたいという意味か?』

 

「ああ」

 

『……良かろう。お主には知る権利がある』

 

そう言ったレオは、真剣な眼差しで俺を見る。

 

『ホーリーナイトとは、1人の男が3人のプリンセスを守るために生まれた存在だ』

 

「3人のプリンセス?」

 

『そうだ。お主が共に戦った花のプリンセスと海のプリンセスの先代にあたる者たちのことだ。男は3人のプリンセスと仲が良くてな、特に花のプリンセスとはまるで兄妹のようであった』

 

「へ~(先代も、俺やはるかみたいだったのか)」

 

『当時、ディスピアと戦えたのは、3人のプリンセスのみだった。3人のプリンセスが住む国に兵士はいたが、ディスピアたちの攻撃を防ぐだけで精一杯だった。そんな中、プリンセスたちと仲が良かった男は、自身もディスピアたちを倒す力が、プリンセスたちと国を守れる力を求め、聖なる森【聖光獣の森】へ足を運んだ』

 

「聖光獣の森?」

 

『我ら守護聖獣が生まれし聖なる森だ。そこにいる我ら守護聖獣の長に、男は国を守るために力が欲しいと言ってきた。我らの長は、男の思いが真のものだと分かり、聖光獣の森に伝わる伝説の剣、ホーリーソードを引き抜けたなら、我らも力を貸すと言った。そして男はホーリーソードを引き抜いた。引き抜いた男に長は聖なる光で作った鎧を授け、ホーリーナイトとなった』

 

「そして先代のホーリーナイトは、プリンセスたちと共に、プリンセスたちと国を守りながら、ディスピアたちを倒したと」

 

『そうだ。だが再び、ディスピアは目覚め、世界を絶望させようと動き出した』

 

「それを、俺とみなみ、はるかともう1人のプリキュアで阻止すればいいんだな?」

 

『そうだ』

 

そう言って頷くレオ。

すると、レオは何かを思い出したのか、フロシキ袋に顔を突っ込み、1つの鍵を加えてフロシキ袋から顔を出した。

 

「その鍵は?」

 

『コレは【メタルキー】。我ら守護聖獣を一時的に【機獣】へと進化させる鍵だ』

 

「進化?どんなふうにだ?」

 

『お主らでいう、ロボット化のようなものだ』

 

「へ~」

 

『……さて、そろそろ寝るか』

 

「えっ?ここで寝るのか?」

 

『何か問題があるか?確か男子寮は、しっかり育てるなら動物を飼っても良いと、生徒手帳に書いてあったはずだが?』

 

「いつの間に読んだんだよ!?」

 

『お主が海のプリンセスと話してる間にだ。では我は寝るぞ』

 

そう言ったレオは、俺のベッドに掛けてある毛布の上で丸くなり寝た。

起こそうと思ったが、愛らしく見えたのでやめ、俺もベッドで寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―翌日―

 

「すみません勇助くん。わざわざ手伝っていただいて」

 

「いえいえ、気にしないでください白金さん。いつもお世話になってるお礼です」

 

翌日の朝、早く起きた俺はランニング中、ダンボールを重たそうに運んでいた白金さんを見つけ、ダンボールをは女子寮へ運ぶのを手伝っていた。

そして女子寮へ荷物を運び終えた俺は、白金さんと一緒に廊下を歩いていた。

すると、みなみとはるかが広間で話してるのを見つけた。

白金さんから許可をもらい、2人に話しかける。

 

「よぉ2人とも」

 

「勇助!?」

 

「お兄ちゃん!?どうして女子寮に!?」

 

「白金さんの手伝いで、荷物を運びに来たんだよ」

 

「そうだったの。お疲れ様♪」

 

「いやいや、このくらい問題ないよ♪それより、アレは見つかったか?」

 

「ううん。まだ見つかってないの」

 

「そうか。じゃあ引き続きこっちで「あ、あの!!」ん?」

 

俺たちが話していると、1人の女子生徒が近づき声をかけてきた。

そして良く見ると、周りの女子生徒たちが俺たちへ視線を向けていた。

 

「どうかしたか?」

 

「あの、あなたとみなみ様は、いったいどのようなご関係で?」

 

「みなみとの関係か?みなみとは幼馴染みだよ♪」

 

「お、幼馴染み!?」

 

「ああ。……と、自己紹介がまだだったな?俺は如月勇助、よろしくな」

 

「如月……も、もしかして如月財閥の関係者ですか!?」

 

「ああ。俺の父親が会長をつとめてる」

 

「そうなのですか!?」

 

「そんな方とみなみ様が知り合いだなんて、みなみ様素敵です!!」

 

そう言った女子生徒と、周りの女子生徒たちは感動したかのように涙を流し始めた。

 

「し、慕われてるなみなみ?」

 

「あ、あはははは…………」

 

「そんじゃ俺は行くわ。みつけたら知らせるよ」

 

「分かったわ」

 

俺はそう言って、女子寮を後にした。

女子寮を後にした俺は、パフュームを探すが見つからなかった。

そんな時、アロマが慌てた様子でやって来た。

 

「ゆ、勇助~!!」

 

「どうしたアロマ?そんな慌てて?」

 

「た、大変ロマ!!パフが女子寮ではるか以外の生徒に見つかって、追い出されそうになってるロマ!?」

 

「マジで?」

 

「マジマジ、大マジロマ!!どうしたらいいロマ~!?」

 

と、慌てふためくアロマ。

とりあえずアロマを落ち着かせ、俺はどうするか考える。

すると、みなみが走ってきた。

 

「ここにいたのね、勇助、アロマ」

 

「みなみ、アロマから事情を聞いたが、大丈夫なのか?」

 

「ええ、とりあえずはね。今日から1週間の間に、女子寮の皆から、賛成の票をもらえればパフというか、動物を飼うことができるわ。春野さんが率先して動いてるわ」

 

「そうか…………なら、あとははるか任せに運任せか」

 

「ええ」

 

「……よし!!じゃあみなみははるかをサポートしてやってくれ!!パフュームは俺が探しておく!!」

 

「え?で、でも…………」

 

「任せとけって。みなみは、はるかがドジしないように見ててやってくれ」

 

「……分かったわ。お願いね?」

 

「おう!!」

 

俺はそう言い、みなみと別れて授業が始まるまでの間、パフュームを探し続けた。

だが、パフュームはなかなか見つからず、6日が経過した。

俺は中庭に来て、経過報告のためにみなみたちと集まっていた。

 

「パフュームはどう?見つかった?」

 

「ダメだ。同じとこを1日ごとに探してるが見つからない。そっちはどうだ?パフたちは女子寮で飼えそうか?」

 

「あと少しなのだけど……」

 

「如月さんっていう、同じ女子寮に住む子が、犬が苦手みたいで」

 

「なるほど……難関だな」

 

「納得するなロマ!!そもそもパフは犬じゃないロマ!!あんな寮、こっちから願い下げロマ!!」

 

「まぁまぁ、落ち着けアロマ。俺の勘だが、大丈夫だと思うぞ?」

 

「そんなのアテにできないロマ~!!」

 

「いて!?いてて!?突っつくな!?」

 

俺の言葉に怒りを感じたのか、アロマが俺の頭を突っついてくる。

その時だった。

 

『ゼツボーグ!!』

 

「ッ!?」

 

「この声!?」

 

「ゼツボーグ!?」

 

ゼツボーグの雄叫びが聞こえて来た。

雄叫びが聞こえた方に顔を向けると、柔道着を着たゼツボーグが暴れまわっていた。

 

「今度は柔道関連の夢か!!行くぞ2人とも!!目覚めろ!!ホーリーソード!!ホーリーナイト!!ウェイクアップ!!」

 

「「うん(ええ)!!プリキュア!!プリンセスエンゲージ!!」」

 

「闇を斬り裂く光の騎士!!ホーリーナイト!!」

 

「咲き誇る花のプリンセス!!キュアフローラ!!」

 

「澄み渡る海のプリンセス!!キュアマーメイド!!」

 

俺たちは変身し名乗りを終えて、その場からおもいっきりジャンプする。

そして俺たちは、ゼツボーグに向かって飛び蹴りを叩き込んだ。

 

「冷たい檻に閉ざされた夢、返してもらいますわ。お覚悟は、よろしくて?」

 

「未来に繋がる希望の夢、返してもらうぞ。さぁ!!覚悟を決めろ!!」

 

「ほぅ、あなた方がプリンセスプリキュアにホーリーナイトですか」

 

俺たちのお決まりの台詞を言うと、いつものヤンキーではなく、帽子をかぶった紳士のような化粧をした男が現れた。

 

「誰?」

 

「私の名はシャット。ディスダーク三銃士の1人。…………なるほど、確かに名に相応しい美しさに勇ましさを持っていらっしゃる」

 

「どうやらお前は、アイツより話が分かるようだな。頼むから、ゼツボーグを引いてくれないだろうか?」

 

「申し訳ないが、そうはいかない!!私のやることは変わらない!!やれ!!ゼツボーグ!!」

 

『ゼツボーグ!!』

 

「やはり来るか。構えr「あ、あなた方は?」えっ?」

 

構えようとしたら、後ろから声が聞こえてきた。

振り返ると、パフの後ろにへたり込む女子生徒がいた。

 

「君は!?早く逃げろ!!」

 

「で、でも」

 

「いいから!!その子についていって!!」

 

「は、はい!!」

 

フローラに言われた少女は、パフの後を追って逃げていく。

その間にゼツボーグは、俺たちを掴もうと手を伸ばしてきた。

俺たちはかわし、フローラがゼツボーグの足を殴って体勢を崩し、マーメイドが蹴り上げ俺が叩きおとした。

 

「ほぅ、見事な連携。奴が手こずるのも分かる」

 

「そう思うなら、引いてくれないだろうか?」

 

「笑止!!我らは絶望させるのみ!!」

 

シャットがそう言うと、ゼツボーグは拳を振り下ろしてきた。

俺はかわし、ゼツボーグを蹴り飛ばす。

 

「凄いわホーリーナイト!!」

 

「そろそろ決めn『ゼツボーグ!!』ッ!?なにっ!?」

 

決めに入ろうとキーに手を伸ばした直後、目の前にいるゼツボーグとは違うゼツボーグの雄叫びが聞こえた。

 

「ゼツボーグの声!?」

 

「まさか、他にもゼツボーグが!?」

 

「ここは俺に任せ、2人はもう1体の方へ!!聞こえてきた方向には、パフたちがいる!!」

 

「分かったわ!!」

 

「気をつけてね!!ホーリーナイト!!」

 

そう言った2人は、パフたちが行った方向へ向かう。

俺は2人が行くのを見届け、ゼツボーグに向けてホーリーソードを構える。

 

「1人でゼツボーグを倒せるかな?」

 

「大丈夫、俺には仲間がいる!!レオンキー!!装填!!来たれ!!聖なる守護聖獣!!ホーリーレオン!!」

 

ホーリーソードを空へ向けて掲げ、光を放つ。

そして空から光が地面へ落ち、レオが現れる。

 

『出番かホーリーナイト?』

 

「ああ、お前と俺でゼツボーグを倒す!!力を貸してくれ!!」

 

『任せろ!!メタルキーを使え!!』

 

「了解だ!!」

 

レオに言われた俺は、渡されたメタルキーを取り出す。

 

「メタルキー装填!!」

「聖なる守護聖獣よ!!今、新たな姿へと進化せよ!!ホーリーレオン!!メタルライド!!」

 

『メタルライド!!』

 

レオが叫ぶと、レオの体が光に包まれ、体のいたるところが機械化していく。

そして

 

『守護聖機獣メタルレオン!!ビーストモード!!』

 

レオは、【守護聖機獣メタルレオン】へと進化した。

 

「な、なんだと!?守護聖獣が進化しただと!?」

 

『ホーリーナイト!!一緒に決めるぞ!!』

 

「ああ!!スラッシュキー!!装填!!」

「聖なる光よ剣に集え!!ホーリーナイト、ホーリー・エンド・スラッシュ!!」

 

『聖なる光よ我に力を!!ホーリー・クロー!!』

 

『ドリ~ミ~』

 

俺とレオはタイミングを合わせ、ゼツボーグを斬り消した。

 

「光に包まれ、眠れ」

 

「まさかここまでとは!?」

 

そう言ったシャットは逃げていった。

 

「逃げたか……だが先ずは、檻から解放しなくては」

 

『白いキーを使え。そうすれば解放できる』

 

「分かった」

 

俺は左腰にあるホルダーから、白いキーを取り出して檻に近づく。

 

「開け、夢への扉」

 

俺はそう言って鍵穴にキーをさし込み、檻に囚われていた生徒を助け出した。

 

「これで大丈夫だ。さぁ、早くマーメイドたちの元に向かおう」

 

『よし、ならば我の力を見せよう!!ビークルモード!!』

 

そう言ったレオの体が変形していき、レオは3輪タイプのバギーのような姿へと変形した。

 

「これは驚いた!?まさかバギーになるとは」

 

『さぁ急ぐぞ!!乗れ!!』

 

「ああ!!」

 

俺はレオに乗り、マーメイドたちの元に向かう。

少しして、フローラとマーメイドが先程のゼツボーグより細いゼツボーグと戦っていた。

俺はアクセルを全開でゼツボーグに突っ込み、ゼツボーグの足にレオの後輪をドリフトしてぶつけ倒れさせた。

 

「ホーリーナイト!?」

 

「待たせたな2人とも!!」

 

「ホーリーナイト、その乗り物はもしかして…………」

 

『察しがいいな海のプリンセス。ホーリーナイト!!聖獣武装と叫べ!!新たな力を身に宿せる!!』

 

「了解だ!!聖獣武装!!」

 

レオに言われそう叫んだ俺の体に、メタルレオンと化したレオの体が分解し、俺の体へ鎧のように装着し、レオの顔も体に装着する。

 

「コレは……?」

 

『我がお前と1つになった姿だ。言うなれば、【ホーリーナイト レオンアーマー】だ』

 

「レオンアーマー……それじゃあ、試し乗りと行くか!!」

 

俺は一瞬でゼツボーグへ近づき、殴り飛ばし、背後に回って叩き落とした。

 

「凄いなコレ!?」

 

『当然だ。我の力の一部が貴様に宿っているのだからな!!決めにかかれ!!』

 

「ああ!!マーメイド!!合わせてくれ!!」

 

「分かったわ!!モードエレガント!!」

 

「聖なる光よ集え!!ホーリーナイト、ホーリー・ザ・レオンバスター!!」

 

「高鳴れ、海よ!!プリキュア・マーメイド・リップル!!」

 

『ドリ~ミ~』

 

俺は体に光を溜め込み、レオの口から強力なエネルギー砲を放ち、マーメイドの必殺技に包まれて消えた。

それにより、檻がフローラの目の前におりてきた。

 

「開け!!夢への扉!!」

 

「くそ~!!今日は出番が少ねぇじゃねぇか!!」

 

フローラが檻から囚われていた人を助け出すと、いつからいたのか分からんが、ヤンキーは悔しがりながら逃げていった。

俺たちは、人が集まる前にその場を後にした。

そして翌日、みなみからパフたちを寮で飼うことができると報告された。一安心した俺たちは、森を歩いていた。

 

「パフたち、寮に住めて良かったな」

 

「ええ♪アロマも住めるようになって良かったわ」

 

「そうだな」

 

そんな話をしながら歩く俺たち。

すると突然みなみが止まった。

 

「どうしたみなみ?」

 

「あの……勇助///実は今度の休日に私と「勇助ー!!」え?」

 

「きらら?」

 

みなみが何かを言うおうとした時、きららが走ってやって来た。

 

「どうしたきらら?」

 

「あのさ、ちょっとお願いがあるんだけど」

 

「お願い?」

 

「あのさ勇助…………私と付き合って」

 

「「…………え?」」

 

to be continue




みなみ「ちょっとどういうことなの作者!?」

ルオン「ヴェハハハハハハ!!ヴェハハハハハハ!!」

はるか「だ、ダメみたいですね」

勇助「次回は俺がきららと付き合い、火の力をつかうぞ。新キャラも登場だ」

きらら「次回もお楽しみに♪」

ルオン「次回も是非読んでください!!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。