バンドリの世界に転生したって? (0おK)
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原作前 転生したって?

キラキラドキドキしたいです!っていう娘の兄がいないので...


平々凡々と生きること19年。

テンプレの如く、俺はトラックに轢かれた。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

あれ?これはだれのきおく?

脳に誰かの記憶が入ってくる。

 

「ウァァァァァァァッ!?」

「大丈夫か!?光夜!?」

 

少し渋い声が頭上から聞こえる。その声を最後に視界が暗くなった。

 

ハッとなって起き上がり、目を開ける。

 

「ここは...ベッド?」

「よかった、目が覚めてッ!?」

 

誰かが強く抱きしめて来た。ええ、匂いや...

 

「そうだぞ、光夜。いきなり、叫び出して倒れたんだから凄く心配したぞ」

 

ベットの横にいるのはママとパパか...

ん?なんでこの人たちをパパとママって・・・いや、いいんだ。

記憶が戻ったばっかで頭がこんがらがってるだけだ。

とりあえず、整理しよう。

 

俺はトラックに轢かれ、転生したらしい。

んで、今しがた記憶もとい前世を思い出したというわけだ。

俺の今の名前は戸山光夜。

うん、大丈夫だ。思った以上にこんがらがらなかった。

しかし転生するとは思わなかったな...

神には会わなかったし、ただの転生。

 

「光夜、大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」

 

とりあえず、ニコッと笑っておいた。

精神的にキツいけど

 

 

 

前世を思い出してから1年。

最初こそ戸惑ったものの、今ではこの現実を受け入れている。

子どもとして振る舞うのがくっそ大変だけどな。

 

前世を思い出したのが4歳だというのはいろいろと嬉しい。

本音を言えばチートは欲しかったけど過ぎた力は身を滅ぼすと言うから転生して前世の記憶があるってだけで儲け物だろう。

何よりいろいろやり直しきくから。

でも、幼稚園はマジ卍とだけ言っておく。なぜかみんな俺によってくる。来るなァァァ

やる事が幼稚園行く、幼児番組・アニメをみる、ママンと話す出掛ける、絵を描くしか選択肢がない。

転生チートとかないし、無理ゲー。ラノベのようには上手く行かないのが現実らしい。

 

あのさパパン、ママン。

俺が眠ったと思った瞬間にヤり出すのやめてくれない?

眠れないんだけど

19時じゃなくてもっと深夜にヤッてくれませんかねぇ...

明日にでも「どうしてパパとママ昨日、ベッドで喧嘩してたの?」って聞いてみよ。

 

 

数ヶ月後

 

「光夜、お前に妹ができるぞ!名前はもう母さんが決めてある。香澄だ!戸山香澄。」

 

香澄か...................ん?

 

戸山香澄?

 

ファッ!?

 

ってことは俺、戸山香澄の兄?

え?あのへんt...じゃなかったキラキラドキドキの兄?

 

どうやら俺は

『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!』の世界に転生したらしい。



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戸山香澄の兄

設定としては
主人公が夏、ミクコラボ後に転生という形です。
前世がアレコレだとかどしたとかはナシでお願いします。


BanG Dream!、通称バンドリ。

それがこの世界だ。

しかし、Roselia、Pastel*Palettes、Afterglow、ハロー、ハッピーワールドのバンドグループがあると考えると

 

『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!』通称ガルパの世界であろう。

 

ガルパアプリのリリース、アニメ化がされたことで世間から認知されたものの爆発的な人気にはならなかった。

人気が爆発したのはリリースされた年の7、8月の夏休みと記憶している。

まあ、個人的にはそう思ってるがな。

知っている曲で遊べるカバー曲が人気になった1つの理由として挙げられる。

特に2年目に追加されたシャルルだろう。

それは違うとか他にあるだろと言われても切りが無いので割愛させていただく。

 

話は戻るが戸山香澄についてだ。

 

戸山香澄。

猫耳のような髪型をしており、明るくポジティブな性格をしている。

''思い立ったが吉日''と言わんばかりに行動し、周りを巻き込む。

何よりおたえに「変態だ」と言われるのだ。

そう、HENTAIと言われるのだ!

 

H・E・N・T・A・I

 

俺もいつか、香澄に言ってやりたい。フヘヘ

奇想天外で後に「花咲川の異空間」と呼ばれるお嬢様と意気投合した時点で察してしまう。

 

しかし、ここで忘れてはいけない人がもう一人。

戸山明日香だ。

香澄の1つ下の妹で香澄からは「あっちゃん」と呼ばれている。

姉が反面教師となったせいかしっかり者で落ち着いている。

姉離れできないシスコンでもある???

 

 

そんなこんなで過ごしている内に香澄が産まれた。

退院した母さんから香澄を抱っこしてあげてと言われ、恐る恐る抱く。

 

(か、かわぇぇぇもう、シスコンになってしまうわ。うん、もうシスコンでいいや)

 

ちなみに俺は現在5歳である。

だから、香澄と5歳差 明日香とは6歳差となる。

 

しかし、この子が将来残念系美少女になるのか....

残念系か?むしろ、放っては置けないような気も...

 

 

気づかぬうちに俺は慈愛に満ちているような目をしていたらしく、両親を驚かせたというのを数年後に聞いた。

自分のためはもちろんのこと、妹のためにも全力で頑張ろうと決意を固めていた戸山光夜であった(シスコン)

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

Side 戸山香織

 

私、戸山香織は驚いていた。

 

「ねぇ、あなた」

「ああ」

 

これだけで私の言いたいことをわかってくれる。

 

「5歳児があんな目をするものなのか?」

 

5歳児は言葉を3.4歳より上手く話せるようになり

己の主張を言わんばかりに純粋な年頃だ。

それがまるで愛おしそうに慈愛に満ちた目で妹を見るだろか?

いや、見ない。

5歳児なら''これが僕の妹!キャキャキャ''と騒ぐかと思っていた。

 

「うーん、光夜のやつ。将来、大物になるかもな」

 

あなたがそんなこと言うなんて...

彼は冗談や皮肉を嫌う。

そんな彼がそう言ったのだ。大物になると...

彼が言ったのであれば間違いなくこの子は大成する。

この子の母親として心配な反面、嬉しいような...

 

「まあ、光夜と香澄の成長を二人で見守っていこう」

「ええ」

 

子どもの成長は親の宝物。

彼と一緒に見守っていけるなら幸せというものだ。

 

「ところで、悠夜」

「ん?どした久しぶりに名前で呼んで」

「もう一人、家族欲しくないかしら?」

「・・・・え」

 

 

そんな最中、香澄にメロメロな光夜であった。




オリキャラ:戸山悠夜


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戸山明日香 誕生

あっちゃんはkawaii


香澄が産まれてから1年が過ぎ、我が家に新しい家族が増えた。

 

戸山明日香だ。

 

明日香の誕生に香澄は大はしゃぎだ。1歳児に妹が出来たとわかるのだろうか?

とりあえず、香澄よ。離れようか?

そう、今現在俺は香澄に引っつかれている。

 

頭に..というか顔に...

 

しかも真正面からで目の前が香澄で見えない。真正面と言っても横のときだ。

あ、でも、乗っかってくるのではないからな。

上からと言いたいところだが起き上がっても引っついてるし、離れない。

 

もう真正面でいいだろ?

 

引き剥がそうにも強くて離せないし、力を強くして引き剝がしたいところだが相手は1歳児。

泣かせてはいかん。その力はどこから...

 

結局、俺は香澄が満足するまで頭に引っつかれたままだった。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

さらに1年後、俺は小学生になった。

香澄は2歳で舌足らずなしゃべり方で「にぃにぃ」と俺の後を付いてくるのだ。

 

香澄カワユス

 

明日香も負けじと付いてこようとするのだがハイハイは遅い。少し俺が離れると泣きそうになる。

カワイイ

その前に抱っこしてあげるというのが最近のお決まりだ。

 

明日香もカワユス

 

「パーパ」「マーマ」とは言えるのに「にぃにぃ」はまだ言えないらしい

なぜか俺のことを「にぃーい」と呼ぶ。

にぃーいって何や?にーにーと呼ぼうとしてるのだろうか?

まあ、可愛いからいいや(シスコン)

半年後には「にぃにぃ」と話せるようになった時は軽く死ねたわ。

そんな香澄と明日香が互いに「キャッキャッ」としているのを眺めるだけで満足や。

 

 

尊い

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

未だに香澄が俺の頭というか顔に引っつこうとしてくる。

肩に乗るとかならわかるんだけど、なぜか顔にだ。

母さんがその光景を見て、爆笑していた。

 

(そんな笑える光景なの...)

 

母さんは香澄を引き剝がそうと近寄って来たが俺は香澄が引っ付いたまま起きあがって拳を握り、母さんに向けてサムズアップした。

 

"母さん、大丈夫だ。問題ない。''と意を込めてね。

 

香澄を見て、明日香まで俺の顔に引っついた時は''ブルータス、お前もか''って思ったね。

姉妹揃って俺が横になる度にしてくる。

 

もしかして、これが噂のだいしゅきホールド!?

ああ、アレはもっと下の方だったな...

 

2人には相通じるものがあるな。

まあ、何にせよ似た者姉妹で何よりだ。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

Side 戸山香織

 

その日の夜

 

「あなた、また光夜が慈愛に満ちたような目をしていたの」

「誰にだい?」

「香澄と明日香よ。二人が遊んでるところを」

「ほぅ、ますます大物に近づいているな」

 

なんの大物よ。

 

「香澄はもちろん、明日香も兄ちゃんにベトベトよ」

「うん、良いことだ。光夜はちゃんとお兄ちゃんやれているのかい?僕が休みの時以外は見れないからね」

「ええ、お兄ちゃんしてるわ。香澄は光夜の頭がお気に入りなのよ」

「え?頭かい?肩とか肩車じゃないのかい?」

「えぇ、頭よ。真正面からのね」

「え?真正面!?」

 

驚くのも無理はない。私も最初、光夜が香澄に頭に引っつかれているのを見て腰を抜かしてしまったもの。

光夜から引き剝がそうとしたら、光夜が体を起き上がらせて、香澄をくっつけたままサムズアップしてきたもの。

それを悠夜に言うと...

 

「サムズアップしたのかい!?」

「ええ、思わずその光景を写真に撮ってしまったわ」

「ナイスだ。で?見してくれるかい?」

「うん、これよ」

 

携帯で撮った写真を見せたら悠夜は急に笑い出した。

 

「ハハハハハッ、これはいい。傑作だ」

「それだけじゃないの、明日香のもあるのよ」

「え?」

 

素っ頓狂な声を出す悠夜

 

「これよ」

「ウワハッハハハハハハっ、もうだめお腹痛い」

「静かに笑ってよ、3人とも起きちゃうでしょ」

「ごめん、ごめん。これで笑うなって方が無理でしょ」

 

それには激しく同意だ。私も見た時は爆笑してしまったもの。

 

「香澄がしていたことを真似して明日香もやったのよ」

「似た者姉妹でなりよりだ」

「それに光夜、学校でも人気者だって先生言ってたわ」

「やはり、只者じゃないな光夜」

 

そんな会話を就寝するまで続けるのであった。

 



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戸山光夜という存在

主人公が知ってるストーリーは『新しい季節その前に』まで知ってる(ミクコラボ後)


今更ながら自己紹介をしようと思う。

 

戸山光夜<トヤマコウヤ>

 

それが俺の今の名前だ。

前世は菜畑洸夜。まあ、前世の話はしなくていいだろう。

特にあれやこれやと言って語ることはない。

強いて言うなら、アニメや漫画、ラノベの主人公のように普通だった。

ああ、でもあいつらは普通だ普通だと言ってるが全然普通じゃなかったな...

最近のモノだと絶対にラブコメしてるよな。

 

話がズレたな...

俺こと戸山光夜の名前の由来は、月なんだと。

名前の漢字のとおり、光る夜。つまりは月だ。

暗い夜の中でも月の如く爛々と輝く人になって欲しいからこの名前にした。と俺の7歳の誕生日に父さんは意気揚々に語っていた。

私的には前世と名前が変わらなくて助かった。

名前が変わると慣れるまで大変だからな。

 

さて、ここからが本題だ。

 

それは俺、戸山光夜の存在だ。

前世では『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!』に戸山光夜という人物は存在しない。

これが憑依ではなく、転生なのは確かだ。

あまり覚えていないが記憶が1歳半からあるし、4歳に前世である菜畑洸夜の記憶が蘇った。

戸山家の家族構成は母・父・香澄・明日香だ。

アプリのプロフィールには4人家族と書かれていたから間違いない。

 

記憶が確かであればPoppin' Party、Afterglow、Pastel*Palettes、Roselia、ハロー、ハッピーワールドの5バンドの中で兄がいる人は1人だ。

(以降ポピパ、アフロ、パスパレ、ロゼリア、ハロハピとする)

北沢はぐみに兄がいるということだけだ。

上原ひまりも上に姉か兄がいるそうだが明確にされていないため、今のところは北沢はぐみの1人と考えていいだろう。

しかし、甘えんぼと言っていたから兄だろうか?

弟がいるのはポピパの山吹沙綾、ハロハピの奥沢美咲の2人だけだ。

重要なのは俺が異端(イレギュラー)な存在であるかどうか。

俺という存在が彼女たちにどう影響するのか?

彼女たちと関わらず、何もしなければいいとは思うがそれは無理な話だ。こうして戸山香澄、明日香の兄として産まれてしまった以上関わらないというのは不可能。

だって、絶対に香澄やらかすでしょ...

 

今はいくら悩んでも途方に暮れるだけ。八方塞りってやつだ。

ま、香澄がやらかす前に俺が先に関わる可能性が高いのだけどね。

 

仮定というか不躾な話になるんだが

元々、俺....じゃなかった戸山光夜という存在はいたのかもしれない。

ただ、不幸な出来事があって戸山光夜は産まれなかった。

言い方が悪くなるから詳しく言わないでおく。

 

だとしたら、ここは戸山香澄、明日香の兄、戸山光夜が存在する並行世界(パラレルワールド)なのかもしれない。

パラレルワールドについて言われても知識としてしか知らないからわからないがな。

とりあえず、他に異端(イレギュラー)がいなければ特に問題はないし、深く考えすぎるのはやめておこう。

 

架空の人物であった彼女たちは生きているのだから。

俺はこの世界(バンドリ)を生きていこう。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

あっ、ちょ!?香澄、顔にくっつくのやめて!

ん?明日香どした?明日香はお姉ちゃんみたいにくっつかないよね?

え?抱っこしろ?やっぱりおんぶしろって?よしよし香澄で前が見えないけど可愛いぞ。

 

 

 

現在

戸山光夜 9歳

戸山香澄 4歳

戸山明日香 3歳



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かすみちゃんとはーちゃん

はぐみって絶対ロングヘアにしたらめちゃかわいいよな


明日香が幼稚園に入園して、2ヶ月経った。

月は春の麗らかなる4月から初夏を感じさせる5月へ

 

毎週、日曜日になると母さんは香澄を連れて出かける。

香澄が幼稚園に入園してから、家族全員で出掛ける時を除くと毎週である。香澄が毎週出掛ける理由は、容易に想像できよう。

 

それは香澄がはっちゃけるのだ。

 

俺の頭に引っついたり、足に引っついたり、抱っこしてもらおうと突進してきたり......っておい!

俺ばっかじゃねぇか!?

「おにぃちゃん!おにぃちゃん!」と何回も呼んでくる妹を拒めるか?俺は拒めないね。

 

でもさ、腑に落ちないことが1つあるんだ。

 

何回か近くの公園や少し離れた公園に一緒に行ったんだが、香澄が毎回木登りしているんだぜ?

最初、木に登ってるのを見て驚いたわ。流石に俺でも登らないわ。

母さんに止めなくていいのか?と聞いた時は

 

「なんで止める必要があるの?大丈夫よ」

 

とまるで俺がおかしな質問をしたかのような顔をされた。

 

え?俺がおかしいの?

 

そう思わずにはいられなかった。

 

転生前である前世の現代2010年代後半においては木登りなど言語道断!

登ったらが最後、それが学校だったら怒られる又は注意されるのが一般的、木には登るものでないという事が現代社会で常識となった。

昭和の時代なら登っても怒られないし男なら登るもんだと前世の父親から聞いた。こうやって時代は変わって行くんですね、分かります。

 

最初こそ驚いたが2回目からは当たり前の光景になっていた。

慣れって怖いね。

最近になって思うんだ。香澄が木登りしてるのは俺に引っ付くためなんじゃないのかって。うん、嘘と思いたいよ。

だけどさ、帰って風呂と夜ご飯を済ますと突っ込んでくるんだ。俺の足からよじ登って、「おにぃちゃん」と言いながらね。

あ、もちろん、最後は頭だよ?当たり前だよなぁ。昔より頻度は減ったけど嬉しいような悲しいような....

香澄も7月で5歳になるし、女の子とはいえ体重が増える。

このまま頭に引っ付かれたら俺の首が死ぬ。

だから、誘導して肩車してる。幸い、肩車が気に入ったのか肩車をせがまれることが多い。

頭の引っ付きとグッバイする日もそう遠くないだろう。

 

ここ数週間の日曜日は、家で明日香の面倒を見ている。

香澄とは違い、大人しい。賢妹のオーラを感じるぜ。

明日香はたまに頭に引っ付くけど、1カ月に何回かあるぐらいだ。

頭に引っ付くより、明日香は抱っことナデナデの方が好きらしい。

可愛すぎて鼻血が出たのはここだけの話な。

俺たちの見守り役である父さんは、書類とにらめっこしてた。

 

今週は俺も付いて来いとのことだ。

おねむな明日香は父さんに任せて、付いて行くことにした。

昼下がりには家より少し離れた公園に着いた。

公園に入ると、だいだい色の髪をした活発そうな子がこちらに駆け寄って来た。

 

「あっ!かすみちゃん」

「はーちゃん!」

 

え?はぐみ?

今現在、目の前にいる幼いはぐみに驚きを隠せないでいた。

確かに原作というかアプリのストーリーで会うのは知ってたけど今かよ!?

 

「あれ?かすみちゃん、そっちのにぃちゃんだれ?」

「うん、わたしのおにぃちゃん!」

「へぇ、はぐみもね、にぃちゃんがいるよ」

 

 

北沢はぐみ。

ハロハピのベース担当だ。

実家は精肉屋を営んでおり、自分の店のコロッケが大好物ないつも明るい子だと記憶している。

 

「ねぇ、かすみちゃんのにぃちゃんもあそんでくれる?」

 

そんな潤んだ目で見つめないで!

 

「うん、いいよ」

 

即答した。

だって、断れないだろ?断ってはぐみを泣かせてみろ、後ろにいるはぐみのマッマに睨まれること間違いなしだ。

そもそも断る理由ないよね?

呼び方ははぐみちゃんで大丈夫かな。

 

「やったぁ、ありがとうかすみちゃんのにぃちゃん!」

 

と抱きついてくるはぐみちゃん。

 

「わたしもだきつくぅ」

 

と香澄。お前は毎日やってるでしょ。

まあ、可愛いから許す。

 

その後、帰るまで一緒に遊ぶのだった。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

本音を言えば、おままごとはマジできつかった。

夫役は俺なんだが、お嫁さん役はわたしがやると香澄、はぐみがやるんだとはぐみちゃん。

二人が俺を取り合ってると、はぐみちゃんが「なんか、これテレビでみたことある!」と言いだした。

俺がテレビで?と聞くと「うん、ひるドラ!」と得意げに言うはぐみちゃん。

俺がはぐみちゃんの母の方を向くと、その会話を聞いてたらしいはぐみちゃんの母は目を逸らした。

 

子どもになんちゃうもんを見せてんだよ。

それよりはぐみちゃん、意味わかってるんだろうか?

そんな中、我が妹である香澄が「ひるどら?」とキョトンとしていた。

 

カワユス

 

香澄はそのままでいてくれ、お兄ちゃんからのお願いだ。

 

おままごとはそこで終わりを告げたのだった。

 



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お別れ、そしていつか...

桜の木のネタ
分かる人には分かる...はず


6月が過ぎて7月に入った。昼夜を問わず蝉が鳴いてる。

夜、蝉鳴くなよ。求愛だと思うと...うん。マジ卍

マジ卍ってマジ便利!

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

毎週ではないが2週間に1回は母さんと香澄について行く。そして今、毎週ついて行かなかったことを激しく後悔した。

 

香澄が自転車に乗れるようになっていた。

補助輪なしで。

 

嘘でしょ!?俺とあんなに練習しても乗れなかったのに...

はぐみちゃんと一緒だと乗れたのか!?許すまじ!

だって、香澄が自転車に乗れる歴史的瞬間だぞ?

可愛い可愛い妹が自転車に乗って、''ばびゅーん''する瞬間に立ち会えなかったなんて...

 

 

香澄の兄失格だ。

 

 

え?それは親の役目だって?知らんがなそんなこと。

明日香の時は絶対に立ち会うんだ。

フラグではないと思いたい。

 

※もちろん、立ち会えませんでした。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

6月の第4週の日曜日に、はぐみちゃんと香澄はベンチで七夕の短冊に願い事を書いていた。

 

短冊を持っていたはぐみちゃんが

 

「たなばたのねがいごとをかくかみなんだー!ここにねがいごとをかくと、かなっちゃうんだって!」

 

と言ったからだ。

それを聞いて香澄は俺に

 

「ほんとにかなうの?」

 

と無邪気な声で聞いてきたから、俺が今できるとびっきりの笑顔で

 

「そうだね、香澄が願えばね」

 

と答えておいた。

断じてマジキチスマイルではない。

 

子どもの夢を壊してはならん。

それが大人ってもんだろ?あ、自分も子どもやったわ笑

残酷なことを言ってしまえば、

 

『願えば叶う、祈れば通じる』

 

そんな夢物語など、どこにもありはしない。

どこぞの桜の木だよって話だ。それが許されるのは物語だけだ。

しかし、ここは現実。

転生前となんら変わりのない世界だ。

いつかきっと事実を知る日が来るのだ。そう遠くない未来に。世界はそんな綺麗事だけでは済まされないということを。

それでもさ、夢が叶わなくても夢を見続けることは素敵だと思わんかね?んでもって、夢があるやつは強い。

 

タイトルがDream!ってあるからね

 

ま、現実を知るまでは、そっと見守って行こう。そっとね。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

ついに来てしまった。

はぐみちゃんと香澄が一緒に遊べる時間に終わりを告げる時が。

端的に言うと公園が工事の為、閉鎖したのだ。

俺は数週間前、公園の入り口付近に看板が立っているのを知っていたから驚きはしない。それはこの公園をなくして、新しく建物を建てるという旨の看板だった。

母さんとはぐみの母もこの事を知ってはいたのだが、はぐみちゃんと香澄が仲良く遊んでいるのを見て、言おうにも言えなかったのだろう。伝えられなかったのだろう。

母親たちがどうにかしようとあたふたしていると、とうとうはぐみちゃんと香澄が泣き出した。ヤダヤダと駄々をこね、泣き止まない。どうにかならないかと母親たちを見る。

 

え、何その目?俺にどうにかしろと?

ハイハイ、お兄ちゃんがどうにかしますよ。

 

「なぁ、はぐみちゃん、香澄。」

 

彼女たちの目線に合わせるようにしゃがみ込む。

 

「う''う''、グズン、お兄ちゃん」

「ゔ''ん''、かすみちゃんのにいぢゃん」

 

二人からダラダラと垂れ流している鼻水をかませ、ゆっくりと語りかける。

 

「二人は、お別れだから泣いてるの?」

「「うん」」

 

なるほど、じゃあ...

 

「もう一生、もうこれから会えないってわけじゃないんだよ?」

「え?そうなの?」

「ふぇえ?」

 

これで納得してもらうしかないよなぁ...

てか、ふぇぇって既視感を覚えるぞ。

 

「ああ、しばらく会えないし、遊べない。でもね、はぐみちゃんと香澄が大きくなったらまた遊べるんだよ?」

 

会える保証なんてどこにもないのに、口から出まかせを言う。

まあ、高校で再会するはずだ。香澄が違う高校行ったら詰みだけどな。

 

「だから、泣くことはないんだよ。また、会えるのだから」

 

もう、何言ってんだコイツレベルである。

 

「うん、わかった!おにぃちゃんがそぉいうんだもん!」

「はぐみもわかったよ!」

 

ウッ、ま、眩しすぎる。

ごめんよ、香澄。こんなお兄ちゃんで。

ごめんよ、はぐみちゃん。こんなのが香澄の兄ちゃんで。

改めて、子どもの純粋さを思い知るのであった。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

余談だがその後、はぐみちゃんと香澄はゆびきりげんまんをした。

なぜか、俺もゆびきりげんまんをさせられた。

ゆびきりした後、はぐみちゃんが

 

「やくそくやぶったら、はりせんぼんね」

 

と言ってきたときは背筋が寒くなったね。

はぐみちゃんの言う約束とは香澄とだけ再会するのではなく、俺とも再会するという事だ。

ところで、はぐみちゃんとゆびきりしている間、香澄の目が据わっていたのはき、気のせいだよな?

うん、きっと気のせいだ。

 

最後、「またね」と言い合ってバイバイした。

俺、本当に再会しなかったらどうなるんやろ....



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始まりのキラキラドキドキ

キラキラドキドキしたいです(ヤベェやつ)


時が経つのは早いもので、俺は最高学年である小学6年生になっていた。そんな最高学年も後2、3学期の半年で終わりである。

 

小学5年生あたりから女子が男子を意識し始めたのか、男子とあまり話さなくなった。

視線がよく俺に向けられていたのは、気のせいではないと思いたい。

香澄の兄なだけあって、眉目秀麗だ。

しかし、モテない。なんでだ?

小学生最高学年とはいえ、まだまだ男子はお子ちゃまな年頃だ。中学生あたりで落ち着くだろう。 俺もそうだったしな。

女子は精神面が男子より成熟が早いというだけあって、男子よりは落ち着いている。俺の体は子どもだが、精神年齢はもう30歳だから1年生から3年生までは本当に辛かった。無邪気な子どものふりをしないといけないのだから。

流石に純粋な子どものふりは精神的に無理があったため、他人より少し大人びた子どもとして振る舞った。 5年生になれば、心身共に急成長したから少し助かった。小学の勉強は授業を聞いてるだけで十分だったので絵心をつけたり、ピアノを弾いたりして小学校5年間を過ごした。

 

やはりピアノは弾けた方が後々ためになると思い、両親に習えるように頼み込んだ。コンクールには出ない方向性で週1でピアノ教室に通っている。実力はまあ、隠している。前世ではそこそこ弾けるレベルだったが基礎の基礎からやり直しってわけだ。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

俺の学校生活なんてどうでもいいだろ。

 

それより、香澄だ。今年、小学校に入学し、ピッカピッカの1年生だ。ランドセルを背負って、登校班の班長である俺の後ろをついてくるのが超絶可愛い。

明日香は来年で入学だ。そう、来年!俺は卒業してしまう。一緒に通えないのは非常に残念。こればかりは仕方ない。

 

香澄が入学してあれやこれやとしてたら、気づけば夏休み。

現在、家族でキャンプに来ている。山中にあるため、夜になると辺りは真っ暗になる。既に日は落ちて、辺りは真っ暗闇に包まれている。

 

夜ご飯を食べ、ウトウトしていつの間にか寝ていたらしい俺は香澄と明日香を探すが見つからない。

 

え?外行ったのか?あっ、でも懐中電灯がない。

 

懐中電灯は2つ持ってきており、1つは夜ご飯を済ませた後、散歩に出掛けた両親が持って行った。

だとすると、香澄たちも懐中電灯を持って外へ行ったのが妥当と考えるべきだ。

 

 

くっそ、やらかした。気持ちよくて寝ちまった。

 

・・・・・・・ん?キャンプ?

 

 

そうだ!キラキラドキドキだ!

 

 

香澄と明日香が小さい頃にキャンプに行って、両親に内緒で外へ行く。そこで満点の星空もとい星の鼓動を聞いたことが、後に香澄がキラキラドキドキしたいと言い始めた原点である。

 

そうか、今日この日が香澄の原点だったのか!?

なら、周りに木々がなくて草原が広がってる場所を探せば...

 

俺は走った。あるはずの草原に向かってひた走る。周りに木々がなくなっていき、ついに草原に出た。

走るのを止めて、辺りを見回すと...数メートル先に懐中電灯を持った香澄と怯えている明日香を見つけた。

駆け寄ろうとしたがふと、足を止めて頭上を見上げた。

 

 

絶景とは、まさにこの事をいうのだろうか。

 

 

夜空を見上げると、そこは数千数万の星たちで埋め尽くされていた。天の川の星たちだけではない。一つ一つの星がざわめいているのだ。

どのくらい見とれていたのだろう?我を忘れていた俺はハッとなり、慌てて香澄たちに駆け寄る。

 

「香澄!明日香!」

「おにいちゃん!?」

 

明日香は涙目になって抱きついてくる。カワイイ。

 

「ダメじゃないか、黙って行くなんて。夜は危険でいっぱいなんだぞ?」

「ごめんなさい」

「うん、ごめんなさいできて偉いね」

 

落ち着かせるように頭を撫でる。

 

「香澄?香澄?」

「・・・・」

 

香澄から返事がない。星空を見上げたままだ。

 

「香澄っ!?」

「あ、お兄ちゃん。」

 

怒鳴ってようやく俺に気づいた香澄。

 

「どうして、黙って行ったんだ?」

「ごめんなさい。探検したかったの」

「なら、お兄ちゃんに一言かけてから...」

「だって、お兄ちゃん気持ちよさそうに寝てたから」

 

ぐっ、そう言われては....

 

「でもね、夜は危険でいっぱいなんだぞ?」

「ごめんなさい」

「分かってくれたならいいよ、だけど本当に夜は危ないってことは忘れちゃダメだぞ?」

「うん」

 

左手に香澄、右手に明日香。二人の手を繋ぎ、キャンプ場まで戻った。

キャンプ場に着いたら、先に戻ってきていた両親にこっ酷く叱られた、主に俺が。

俺が香澄たちを連れ出したと思われているらしい。

 

 

解せぬ。

 

 

その後の数日間、香澄は心ここにあらずという有り様だった。

香澄は星の鼓動を聞いた!と言っていたが、香澄の言う星の鼓動とは?それを聞いて何を感じ何を思ったのだろうか?

きっと、それは香澄にしか分からない。

 

いつか香澄がキラキラドキドキに出会うまでは、陰ながら見守って行こう。

 



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戸山家の海水浴 前編

水着ガチャいつも爆死よ


夏と言えば?

 

 

海だ!!

 

 

ということで今、俺は砂浜に立っている。

え?意味がわからない?

 

キャンプ行ったから次は海に行くぞと父さんの提案により、戸山家は海水浴に来ている。

人があまり多くない海へ行くため、朝早く出なければならない。

その為、朝5時起きで6時には家から出発した。

 

用意は前日に終わらせていたから着替えだけ済ませて、車に乗り込んだ。

朝5時起きは香澄と明日香にはキツかったらしく、起こそうとしてもなかなか起きてはくれなかった。そのうち「お兄ちゃん抱っこ!」と香澄にせがまれた。

そろそろ駄々を捏ねそうだったので「顔洗って、着替えたらな」と告げると香澄はパッと大きく眼を見開き、ベッドから飛び起き満面の笑みで洗面所へと走り去っていった。

 

ええ...どうしてさ

 

その後、着替え終えた香澄が俺に突撃してきた。

香澄を難なく受け止め、抱き上げそのまま車へ移動する。

 

 

おい、俺の胸板にスリスリすんな。マーキングかよ!?

 

 

香澄はこの頃、抱っこがお気に入りだ。やっと顔に引っつかなくなったと思ったら、肩車と抱っこのダブルコンボである。

 

明日香はどうしたと思うだろう?

 

明日香はおんぶだ。抱っこもせがまれるがおんぶが圧倒的に多い。明日香も明日香で俺の背中でスーハーと匂いを嗅いでくる。スーハーと終わったと思ったらクンカクンカである。

嗅いだ後はムフゥというなぞの満足感を得ている。

 

ヤダァ、この姉妹コワイ。

 

しかし、俺の匂いはそんなにいい匂いなのか?

最近、頭に引っつかなくなった香澄と明日香がよく俺の匂いを嗅ぐ。この前、母さんに聞いてみたら「あんたの匂いはフルーティーよ」と言われた。

 

フ、フルーティー!?そこまでか!?俺、いいボディーソープなんて使ってないぞ。

 

自分では匂いなんて分らないからこの件に関しては諦めた。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

車の後部座席に乗り込むと母さんが明日香を連れてきた。

 

「じゃ、よろしくね」と一言いってから助手席へ座り、さっさと眠りにつく。気づけばもう寝息をたてている。

あなたはの○太くんですか?

 

おい、寝るなよ!父さんがかわいそうだろ!?

 

家に鍵をかけて出発の準備を終えた父さんが車に乗り込んできた。爆睡してる母さんを一目すると苦笑いしてた。カワイソウニ。

 

香澄と明日香は俺の肩に寄りかかって寝ている。香澄は右、明日香は左だ。これが10年すれば両手に花になるのかぁ....

 

海辺に着くまでこの状態が続いたのであった。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

現在、砂浜にいる俺は逆ナンされていた。

 

どうしてこうなった!?

 

時は数分巻き戻る。

海に着いた戸山家は家族全員水着に着替えて、海へ向かっていたところ、女性陣がお手洗いに行きたいというので海の家の前の砂浜に集合することになったのだ。

父さんが俺もちょっとお花摘みに行くと言い、トイレに一目散に走っていった。

 

我慢してたのか...

てか、いい歳した男がお花摘みって言うなよ!気持ち悪い。

 

 

ポツンと一人残された俺は海を前にして待つことが出来ず、海の家近くの砂浜に移動することにした。

 

現在、時刻は11時半。お昼時のせいか海の家付近は人でごった返している。

 

「ねぇ、きみ?ねぇ、きみったら!」

 

俺を呼んでたらしく、後ろを振り返るとそこにはギャルかと思いきや清楚系お姉さんがいた。

 

「はい?俺ですか?」

「そう!きみよ」

 

よく見るとその清楚系お姉さんの後ろには同じく清楚系のお姉さんが5人いた。

 

「ねぇ、きみ。見るからに暇でしょ?地元の人だよね?お姉さんたちといい事して遊ばない?」

「いい事ですか?」

 

いい事とはなんだろうか?実は分かってはいるもののとぼけてみる。

 

「うん、いい事よ。きみ、お姉さんの好みなのよね」

 

え?この人、ショタコンなの?あかんやろ。とりあえず、助けてと叫べばいいのか?

 

どうするべきかと思いめぐらせていると

 

「お兄ちゃん!」

 

香澄が後ろから抱きついてきた。そんな香澄を見て、お姉さんたちはオドオドしている。

スク水だと!?学校の水着を着るなんて.....ナイスだ!

 

「ねぇ、お兄ちゃん。うしろのおばちゃんたちはダレなの?」

「ブッ....」

 

危ない、危なかった。脳内がスク水で埋め尽くされていたから香澄の不意打ちの発言に笑ってしまうところだった。

 

「お、おばちゃ......」

「誰がおばちゃんよっ!?」

「これでも26よ」

「そっかぁ、私もうおばちゃんかぁ」

「この子、将来やらかすわぁ(ブツブツ」

「・・・・・・え?」

 

後半の3人大丈夫か?

なんか納得してる人が1人。

なぜか香澄の将来を予言してるが1人。

最後の人はありえないって顔してる。

特に納得してる人。認めちゃいけないだろ!諦めんなよ!

 

「ねぇ、お兄ちゃん?」

 

ヒッ!?この()怖いよぉ〜

その時、

 

「お兄ちゃん!」

 

もう一人の我が妹、明日香が香澄と同様に抱きついてきた。

水着カワイイ、ピンク色の子ども用の水着だ。

 

「アレ?うしろのおばちゃんたちはダレ?」

 

ブルータス、お前もか。

やはりこの姉妹、相通ずるものがある。

 

「ッ!?もう、いい。もう私かえるぅぅぅうう!」

 

おばちゃん....じゃなかった、俺に話しかけてきたお姉さんが走り去るとそれを追うように他のお姉さんたちも走り去って行く。

 

「ハァ」

 

俺が安心してため息を吐くと

 

「ねぇ、お兄ちゃん?さっきのおばちゃんたちはダレなの?」

 

香澄が再び問いかけてくる。

 

な、7歳児だよな?なのになんでこんなに目が据わっているの?ふぇぇえ、怖いよぉ。

 

 

ちなみに明日香はこの光景をホェ?と首をかしげて俺と香澄を見ている。

 

あぁ、明日香カワイイよ

 

 

「お兄ちゃん?」

 

 

やべぇ、詰んだかもしれん。



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戸山家の海水浴 後編

「お兄ちゃん?」

 

ヤバいぞ、ヤバい。ってアレ?俺、なんで正座しているんだ?

 

どうやら香澄の剣幕に気圧されて、俺は無意識のうちに砂浜の上に正座していたようだ。

しかし、ここは海の家の近く。当然、他の人から注目を浴びないはずがない。

 

「ねぇ、ママ。あのお兄ちゃんなんでせいざしてるの?ぼくと同じくらいの女の子のまえに?」

「見ちゃいけません!」

 

「パパ!あれ、わたし知ってるよ!あれってOHANASHIってやつでしょ?」

「おお、よく知ってるな。偉いぞ」

 

「ねぇ、あなた。あの子たち何してるのかしら?」

「さあ?何してるかわからないがあの光景を見て言えるのは将来、絶対に光夜は尻に敷かれる。」

「あなたみたいに?」

「そうそう。....って何言わせんだ!?」

 

特に親子から注目を浴びている俺たち。

 

OHANASHIって言った子、よく知ってるな。最近だと肉体言語の方での意味だとか?うん、意味はよく分からんけどその子のお父さん?偉い偉いじゃないよ。

最後のうちの両親だよな?声がそうだし。どこにいるんだとキョロキョロ辺りを見回すと......いた!

視線が合うと両親はこちらに近づいて来た。

 

「香澄と光夜は何してたんだ?」

「お兄ちゃんがおばちゃんたちを引っ掛けていたの」

 

父の質問に対してそう答える香澄。

引っ掛けていたとは人聞きが悪い。しかも、おばちゃん。これでは俺が熟女好きに聞こえるじゃないか。

 

「え?おばちゃん?光夜が正座する少し前からみてたけどお姉さんたちだろ?」

「ううん、おばちゃん。匂いがくさいの」

 

ああ、なるほど。香澄と明日香がおばちゃんと言ったのは彼女たちの匂いもとい香水の匂いがキツかったからか。

そこに悪気はなく、ただ単純にキツイにおいだったから。

香澄と明日香の中でお姉さん・お兄さん、おばさん・おじさんの基準は何なんだろうか?匂い?外見?

 

「え、でも、おばちゃんっていうのは香織みたいな...」

「あ・な・た?」

「ヒッ!?ち、違うんだ!べ、別に母さんのことじゃ...」

「今、私の名前を言ったわよね?確かにそう言っていたの聞いたわよ」

「はい....言いました」

 

あ、父さん死んだ。諦めて認めてるし。

 

「じゃ、光夜、香澄、明日香。私はこれからOHANASHIしてくるから海の家付近にいてね。泳いでもいいけど、香澄と明日香は光夜から離れないでね」

 

顔は笑っているのに目が笑っていない母さんは、父さんの頭を掴むとそのままどこかへ行ってしまった。

どこ行くのさ....

きっと父さんの心の中はドナドナだろう。

 

「じゃあ、香澄!明日香!海に入ろうか?」

「・・・うん」

 

どうやら香澄は見逃してくれるらしい。

はぁ、助かった。でもさ俺、何もやましいことしてないのになんで安心してんだろ?

 

え?明日香はどうしたって?

明日香ならずっと俺たちの様子を不思議そうに見てたぞ。何回も首を左右に傾げてな!明日香カワイイ!君はそのまま育っておくれ。

 

 

連行された父さんがいつ戻ってくるか分からないから海に入ることにした。このままじゃ待ちぼうけだしな。

海に入る前に準備運動をする。準備運動が終わった瞬間、香澄は海へ一直線に走って行った。

 

おいおいおいおい、マジか。見失ったら大変じゃねぇか。

 

視線を香澄から離さず、はぐれないように明日香と手を繋ぐ。

明日香確保!

いきなり手を握っても驚いた様子を見せない明日香は俺を上目遣いで見てくる。

 

カワエエ〜。最近、明日香が可愛いすぎる件について。あ、もちろん、香澄も可愛いよ?でもね、最近の香澄はなんか怖いんだ。目とか目とか目とか?・・・・・・・あれ?

 

明日香と手を繋いだまま香澄の方へ行く。香澄は膝くらいまでの浅瀬にいて、波とたわむれている。

 

絵になるなぁ。何よりカワイイ(語彙力)

クッ、これが俗に言う筆舌に尽くし難いか...

 

香澄に近寄ろうとしたその刹那、俺の顔に海水がかかった。

 

 

ア''ア''ッ〜〜!?イイッ↑タイッ↓メガァァァァァァア↑

 

 

思わず明日香と繋いでいた手を離して、両手で目を押さえる。

 

 

イッタイ!?メガァァァメガァァァ↑

 

 

そんな俺の様子を見て、明日香は「だいじょーぶ?」と心配してくれた。

 

ああ、お前だけだよ明日香。俺を労ってくれるのは。

香澄はもうご覧の通りだろ?両親は・・・まあ、うん。

 

とりあえず、大丈夫と言っておいた。全然これぽっちも大丈夫じゃないけど。

そんな最中、香澄は

 

「お兄ちゃん?どう?きもちいいでしょ?」

 

と満面の笑みで言うのだ。

 

 

お前は鬼か!?

 

 

しかし、本人に悪気は一切なく、ニカッと笑いかけてくる。

 

ずるいわぁ、その笑顔。お兄ちゃん何でも許せちゃう!

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

浅瀬で十数分、波とたわむれていたら香澄が深いところにいくと言い出した。お兄ちゃん、まだ目が痛いよ。

 

まあ、ここは浅瀬だし、人が周りにたくさんいるから大丈夫だろうと高を括って水深の深いところへ移動する。

 

香澄大丈夫か?と思っていたら案の定、香澄は溺れた。

 

騒ぎになる前に助けにいかないと。俺が近寄ると香澄は右腕にガシッとしがみついた。

俺と香澄がいる水深は目測で1.3mだ。158cmである俺は問題ないが香澄は112cm。体全部が沈んでしまう。海水を飲み込んでしまったのか香澄がケホッゲホッと咳をする。その咳が俺の顔へと向けられる。

 

・・・・・ハッ!ありがとうございます!我々の業界ではご褒美です!

 

ハッ!イカンイカン、新たな世界を開くところだった。

って、明日香は!?

 

 

香澄にばかり気を取られて明日香を忘れていた俺は浅瀬の方に目をやると・・・・なんと!こちらに向かって明日香が泳いでくるではないか!?

 

犬かきして。

 

やるわね(キリッ

 

疲れてしまったのか溺れそうになる明日香。今のところから少し深水が浅いところで明日香を小脇に抱き抱える。

抱き抱えた明日香がさっきから右腕にくっついてる香澄を見て、同じように俺の左腕にガシッとくっつく。

 

なんだこれ?これが本当の両手に花?ん〜まだ花って年ごろじゃないから両手に妹と言っておこう。

 

少し疲れたから海から出ようとすると、姉妹揃って''イヤッ''と駄々を捏ねるように腕の力を強くする。

仕方ないので海から出るのを諦め、両腕にくっついたまま歩く。

これでは腕が振れないから歩きづらいったらありゃしない。それでも動けと言わんばかりに腕の力を込めるウチのワガママなお姫様が二人。

 

 

結局、30分間、両腕にくっついた状態で歩かされるのだった。

 

二人ともご満悦そうで何よりだ。

 

その後、戻ってきた両親と昼を取ってから一緒に海に入った。

帰るまでの間に父さんの目が死んでいたり、香澄が明日香を泣かせたり、それで明日香が俺にずっとくっついていたりしたのだが、これはまた別の機会に語るとしよう。



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迷子の迷子のちーちゃん

季節はもうすっかり秋となり、そのうち冬服の出番になりそうな10月上旬。

 

 

俺は来週にある修学旅行で必要なものを買いに来ている。とは言え、ただ持って行くおやつを買うだけだ。おやつなんて近場の店で買えば済む話ではあるが、地理を把握したい俺は隣町へ電車に乗って行った。

 

一人で?そう、一人でだ。母さんに隣町へ行きたいと言うと財布から千円札を2枚渡され

 

「んじゃ、これで。修学旅行のおやつもそこで買うんでしょ?残りはあげるから行ってらっしゃい」

 

と送り出された。

 

え?そこは一緒について行ってくれるんじゃないの?12歳とはいえ、いいのか?と思ったが違うらしい。

母さんはただ単純に出かけたくないそうだ。

車ならまだしも、態々歩いて駅まで行って電車に乗り、そこからショピングモールまで行くのがだるいんだとか....

 

おい!母親!

 

その後、「まあ、あんたなら大丈夫でしょ」と謎の信頼を寄せられた。

 

その信頼はどこから・・・

 

朝ご飯を食べた後、香澄と明日香が寝てしまったのでその間に家を出た。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

そんでもって俺は''ショッピングモールなう''である。

ショッピングモールに入り、2階へと移動する。1階は飲食店とスーパーなので帰りに行く。

 

2階へ上がるとプラチナブロンドの少女が目に入った。その少女は辺りをキョロキョロと何回も見回している。

ふと、足を止めて見覚えあるなぁと思っていると

 

あっ!はぐれ剣客人情伝の!?ってそうじゃないそうじゃない。

2年前にそれを見たからそっちのイメージが強いんだよ。

 

白鷺千聖だ!?え''ぇ''、チサトサン!?なんで!

 

はぐみちゃんの次はあなたですか・・・

 

そのうち、沙綾やこころとかにも会いそうだな。沙綾はやまぶきベーカリー行けば会うな、うん。フラグ立てるのはやめとこ。回収しちゃうから。

 

 

白鷺千聖。

幼い頃から子役として活躍していた若手女優。

また、Pastel*Palettesのベース担当でもある。

芸能界に昔からいたせいか合理主義なリアリストで初期の彼女の態度は冷たかったと俺は記憶している。

ストーリーが進んで行き、他のパスパレメンバーと打ち解けていくところはホッコリしたものだ。

特に彼女の名言

「お説教が必要かしら?」はゾクゾク来きたよ。

いつか言われてみたいものだ。ドMじゃないよ。

 

しかし、今俺の目の前にいる白鷺千聖は汚い世界を知らない、純真無垢な少女だろう。そんな彼女はこれから芸能界で生きていかねばならない。時には謂れもないことを言われ、時には陰口の対象され、時には理不尽な扱いを受ける。いや、もしかしたら既にされているのかもしれない。

 

これから自分の才能の限界と個性に卑下しなければいいんだが...

未来において彼女はそれを乗り越えた。乗り越えたと言うよりは吹っ切れた?

そこまで行くのがどんなに辛いことか、俺には想像できない。

それは芸能界に生きて行く以上仕方がないのかもしれない...

 

(これから頑張れよ)

 

そう心の中で思い彼女の横を通り過ぎようとしたが俺は足を止めてしまった。周りを見渡すと千聖の近くを通りかかった人たちはみな、気にせずに通り過ぎて行く。

 

チッ

 

俺自身、このまま放っておくのも後味が悪いので千聖に話しかける。

 

 

「ねぇ、キミ。どうしたの?」

「ぅん?お兄さんはだれ?」

 

さすが、未来の若手女優。めちゃくちゃカワイイ

ハッ!?俺には香澄と明日香がいるんだからだめだめ。

 

「俺のことかい?」

「うん、お兄さん」

 

お兄さん。うん、いい響きだ。

 

「俺は戸山光夜だ」

「うん、わかったお兄さん」

 

わかってないじゃん。お兄さん、自己紹介した意味あった?

 

「キミは?」

「お母さんからなまえ言っちゃダメっていわれてるの」

 

子役だから顔知られてる時点でアウトだと思うんだが....

今、一瞬「知らない人、あやしい人について行っちゃダメよ」的な事を言われるかと思ったわ(汗)

 

「じゃ、キミのことは何て呼べばいい?」

「ちーちゃん!」

 

ちーちゃんのかげおk....おっと、これ以上はいかんな。小さい頃は自分でちーちゃんって言ってたのか?気になる。

 

「じゃあ、ちーちゃん。ちーちゃんはここで何をしてたんだい?」

「お母さんとみーちゃんがいないの」

 

みーちゃん?誰だろう?千聖は妹がいるって言ってたから妹か?

 

「はぐれちゃったの」

「じゃあ、お兄さんと一緒に探そうか?」

「うん!」

 

香澄の1つ上だから小2か。香澄より少し小さいな。ナニがとは決して言わない。うん、俺知らない。

 

「迷子センターや店員さんのところには行かなかったのかい?」

「うん、お母さんが騒ぎになるから行かないでねって」

 

確かにな。

迷子センターに行って、白鷺千聖ちゃんのお母さんはいませんか?なんて放送されたら騒ぎになるよな。

店員さんに言っても迷子センター直行コースだろうし。

 

お母さんナイスです!

 

今こうして、迷子になってるわけだが、ちーちゃんが迷子になったらどうするつもりだったんだろう?

 

「んじゃ、行こっか?」

「うん」

 

はぐれないように手を差し出すとちーちゃんは手を握ってくれた。

 

癒されるぅう

おまわりさんオレですって自分で言いそうになる。

 

「それでちーちゃん。どこではぐれたのかな?」

「した!」

 

え????

 

「下ってスーパーだよね?」

「そうだよ。気づいたらお母さんとみーちゃんがいなくなっちゃった。」

 

 

あ、それ、ただ単にちーちゃんがフラフラしていなくなったパターンじゃん。

ちーちゃんがいなくなった事に気づいたちーちゃんのお母さんは探そうとスーパーの中を必死に探すがちーちゃんも当然、動いてるから行き違いになる。

んで、お母さんがスーパーから出たんだなと思ったちーちゃんは2階へと上がってきたわけだ。

うん、これ絶対にちーちゃんのお母さんが下のスーパーで必死こいて探してるわ。

 

 

俺も経験したことあるわ。もちろん、香澄がいなくなったよ。

ここではないショピングモールで買い物に来た母さんと俺、香澄と明日香の4人。母さんから主婦の在り方の話を延々とされていたら、香澄がいなくなった。明日香は俺の後ろをトコトコついて来ていたから大丈夫。カワイイ。

 

それより母さん、あなたは息子に何を語ってるんですか...

 

 

自由奔放な香澄は我慢できずにどこかへ行った。香澄の性格からして、ここの店にいないと分かっていた俺は母さんにこの売り場にいてと言い残し、探しに行った。

それはもう探した探した。4階全部探した。

灯台下暗しとはよく言ったもので、香澄は1階のお店にいた。星がたくさんガラスについてるお店のね。ずっと眺めていたらしい。

見つけた香澄を連れ帰ったら、時間は30分も経っていたらしく母さんに酷く心配をされたものだ。

帰り、香澄は怒られてもニヘヘと笑ったままで全然反省してなかった。

 

俺の苦労はいったい・・・

 

 

というわけでちーちゃんを下のスーパーへ連れて行く。

 

やはりと言うべきかスーパーの近くでちーちゃんのお母さんと思わしきプラチナブロンドの髪の女性がワタワタと辺りを見回していた。その側には同じくプラチナブロンドの髪のちーちゃんより幼い女の子がいた。

 

この子がみーちゃんでちーちゃんの妹か...

ちーちゃんと似ているがこの子の方がおっとりとした目をしている。

歳は明日香ぐらいか?

 

「あっ!千聖!どこ行ってたの!?お母さん、探したんだよ」

 

ちーちゃんのお母さんがこちらに気づき、みーちゃんを連れてやってくる。

 

「ごめんなさい」

 

「あら?そちらの人は?」

 

俺に気づいたらしいちーちゃんのお母さん。

 

「うん、お兄さん!」

 

「お兄さん?あっ!ありがとうございます。ウチの千聖がご迷惑をおかけしました」

「いえいえ」

 

「ほら、千聖もお礼を言いなさい」

 

「ありがとう!お兄さん!」

 

「どういたしまして」

 

と、そろそろお別れかなと思っていたら

 

「お兄さん?」

 

ちーちゃんの妹であるみーちゃんが俺をキラキラした目で見つめてくる。

 

「お、おう!お兄さんだぞ?」

「お兄さん!」

 

全く意味がわからないがみーちゃんは満足そうだ。

 

誰カ説明求ム

 

「こら、みさと。お兄さんに挨拶しなさい」

「白さぎみさと6さい」

 

6歳?もう誕生日を迎えているなら明日香と同年代だな。

 

「俺は戸山光夜12歳だ」

「うん、お兄さん!」

 

ダメだこりゃ、ウチの姉妹同様に相通ずるものがあるらしい。

 

「では、そろそろ」

「ええ」

「ほら、お兄さんにバイバイしなさい」

「お兄さん、バイバイ」

「バイバイ」

 

母、姉、妹の順で言う。

 

 

俺は手を振り返して白鷺親子とバイバイするのだった。

 

しかし、ちーちゃんの妹みさとちゃんの''お兄さん?''の意味はなんだったんだ?

不思議な子やなぁ...

 

一言だけ言わせてくれ

 

 

ワケワカメ



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気になるパン屋さんのあの娘

たまに沙綾のお父さんとかお母さん
名前違うの出している人いるよね
特に沙綾のお父さんの名前知られてないから笑
ということで後書きに乗せとくよぉ〜


白鷺親子と別れて、おやつを800円分買った。飴、ガムは駄目らしいからチョコ、クッキーとかだ。

でも、持ってくるの禁止と言うと誰かしら持って来るんだよな。飴。ダメって言われるとやりたくなるよね。

他の階へ行こうとしたがお腹がギュルル〜と鳴った。

 

もう、昼か。

ここのレストランで食事してもいいけど一人はなんか寂しいし、待つのも嫌だな。

他の階を見るのはまた別の機会にしよう。

今の俺の口の中はパンの味だ。焼きたて食いてぇ。

せっかくここまで来たんだ、パン屋に行こう。

でも、場所を知らない。スマホがあれば、GPSで一発なのに・・

父さんにスマホ欲しいと言ったら、ウチはスマホは中2からと言われた。なんで中2?厨二病になっちゃうよ?

それにしてもあと2年か。

 

駅に着いてから駅員さんに近くに商店街ありませんか?って質問したところ、ここから1駅先にあるよと親切に教えてくれた。

 

ええ、人や。

 

その後、電車に乗って1駅先、商店街のある駅に着いた。改札口を出て、駅の入り口付近にある地図の看板を見る。

結構遠いな・・・まあ、10分ってとこか?

10分ぐらい歩くと商店街が見えてきた。

思っていたのより大きいな。まあ、ガルパのマップでは一部分だけだったからな。ここに『羽沢珈琲店』、『北沢精肉店』、『やまぶきベーカリー』があるのか・・・

 

気づけば羽沢珈琲店の前だ。

 

ほぉ、ここが羽沢珈琲店ですか...

いつか入ってみよう。

今、入らないのかって?入ってもバイトの子と彼女の父親しかいないのに入ってどうする。まだ幼い彼女を見に来たのだとしたら、俺はロリコンだぞ?え?もうロリコン?違う、シスコンだ!

 

でも、珈琲の味がすごく気になる。ゴクリ。やっぱやめとこう。近くにやまぶきベーカリーがあるはずなんだが・・・

ん?あった!

 

向い側にあると思いきや、少し離れた数メートル先にやまぶきベーカリーはあった。

 

ガルパのマップだと3人の家は近いはずなんだが、ここではそれぞれ少し離れているらしい。

ゲームで沙綾とはぐみとつぐみは近所であるはずなのに絡みが全くない。沙綾とはぐみはあるのに、沙綾とつぐみ、はぐみとつぐみのエリア会話がないのだ。

 

正直言って、闇を感じる。

 

今後のイベントストーリーで何かあるのかもな。俺にはもう関係......はあるな。

とりあえず、『羽沢珈琲店』、『北沢精肉店』、『やまぶきベーカリー』の場所は把握した。うん、問題なし。

北沢精肉店には原作が始まるまでは行くことはないだろう。香澄より先に再会しても意味ないしな。

 

ではでは、やまぶきベーカリーへレッツゴー!

 

扉を開くとパンの甘い甘〜い香りが俺の鼻孔をくすぐる。

やべぇぇ、ええ匂い。唾が止まらへん。

おお、これが伝説のチョココロネか!?

何にしようか...

 

何しようかパンをじっと眺めて悩んでいると、後ろから視線を感じた。

レジの方からか?

視線が気になった俺はバッと素早く後ろを振り返る。

しかし、レジの方には誰もいない。気のせいか?と思い、またパン選びに戻る。

 

 

ジーーー

 

 

やはり気のせいではないようだ。

 

 

もう一度、バッと素早く後ろに振り返るが誰もいない。

そして、また視線をパンに戻す。

 

 

ジーーー

 

 

三度目の正直。今度こそと思い、素早く後ろを振り返る。

だが、いない。

 

 

もうなんやねん!?

 

 

視線が気になる俺はトングとトレイを持ったままレジに近づく。

 

すると

 

「あっ!?」

 

ひょこりとレジの下から少女が出てきた。

シャンパンピンクもとい薄柿色のポニーテールをした娘だ。

 

うん。まあ、来れば会うとは思ってたよ。自らフラグ回収しに行ったようなもんだし。彼女はもうこの歳からお手伝いしてたのか?

 

山吹沙綾。

Poppin'Partyのドラム担当だ。

ポピパのまとめ役でもある。

面倒見が良く、皆から頼りにされている。オカンレベルで。

後に香澄のよき相談相手となる。

ある事情によりバンドを止めてしまったが、香澄により自ら蓋をしていた''バンドの情熱''、本当に自分がやりたいことを思い出す。

 

 

ところで、なんでこの娘。俺をこんなキラキラした目で見つめてくるんだ?

 

えぇ??

 

俺なんかした?いや、待て。落ち着くんだ!よし!

 

ジーーー

 

 

俺は負けじと彼女、山吹沙綾をジーーと見つめ返す。

 

 

ジーーー

 

ジーーー

 

 

山吹沙綾VS戸山光夜

 

ここに開幕!

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

見つめ合うこと数分。ついに彼女は視線を横にずらした。

 

 

俺の勝ちや!

 

ん?なんで顔赤くなってんの?

 

 

その時、奥から焼きたてのパンを持った男の人が来た。

 

「ん?どうした?沙綾?さっきからそこにいて何を・・・ほぉ」

 

彼女の父親と言えば山吹亘史だ。

やまぶきベーカリーの店主であり、沙綾の母親山吹千紘の夫だ。

そんな彼、亘史さんは焼きたてのパンをさっさと陳列させて、レジに戻ってきた。

 

「べ、別になんでもないよ」

「隠さなくてもいいっていいって、さっきからレジの方で何をじっと見つめているのかと思ったが...」

 

亘史さんは俺を一瞥すると納得したかのようにウンウンと頷いている。

 

「このイケメンのお兄さんを見てたんだな。お父さん、納得納得。沙綾はおませさんだなぁ」

「お、おませさん?」

「あ、わからないよな。気にしないでくれ」

「う〜、お父さんのバカ!?」

 

彼女は俺を最後にチラッと見てから店の奥へと走り去って行った。

 

 

 

俺、完全に空気じゃん...

 

「あー、すまんな。あそこまで沙綾が男の人を見るなんて初めてでな。凄い事なんだぞ?ところで君は?あ、でも君がもし嫌なら言わなくても...」

「え?その、大丈夫です。戸山光夜です」

「おお、ありがとう。戸山光夜くんね。君はうちの店に来たの初めてかい?」

「ええ、そうです」

「そうかそうか、うちのパンは美味しいから是非これからも買いに来てくれ」

 

 

話が終わり、俺はパン6つを買ってやまぶきベーカリーを出た。

 

メロンパンとあの伝説のチョココロネを5つ。メロンパンとチョココロネ1つは美味しくいただいた。残りは家族の分だ。

 

 

なんであんなに好感を持たれてんだ?初対面なのにな。

特に沙綾のお父さんはホント分からん




山吹家

山吹亘史:父
山吹千紘:母
山吹沙綾:長女
山吹純:長男
山吹紗南:次女


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猫な戸山姉妹

そろそろ帰ろうと思い、最寄りの駅へと向かう。

 

時刻は午後3時。朝9時に家を出たとはいえ、流石に6時間近く歩くのは疲れた。12歳の体力的にも限界だ。

用も済んだことだし。それに香澄と明日香が母さんを困らせてないか心配だ。

 

 

家に着き、空を見ると夕焼けが暗闇に包まれるところだった。

 

行く前、母さんが鍵持って行かなくていいわよと言っていたからそのままガチャッと玄関を開けると・・・・ガチャン

 

 

即行で玄関を閉めた。

 

 

え?見間違いかな?玄関で香澄と明日香が正座していたんだけど...

見間違いだろうと信じて、もう一度玄関を開ける。

 

開けたら

 

「あっ!お兄ちゃん!お帰り!」

「お帰り」

 

正座している香澄、明日香がお帰りと飼い主を待っていたかのように擦り寄ってくる。

 

「あ、ああ。ただいま」

 

忠犬かよ!?あっ、でも香澄は猫だよな。自由奔放だし、いずれ猫耳つけるし。

明日香は、うーん...明日香も猫だな。猫耳カチューシャ絶対似合う(確信)

きっと、尻尾があったらブンブンと左右に揺らしていただろう。

そんな事を考えていると

 

「お兄ちゃん早く!早く!」

 

香澄が俺の腕をリビングへと引っ張って行く。

リビングに入ると床で母さんが倒れていた。

 

「キャハハ、お母さん死んでる」

「お母さん、大丈夫?」

 

 

へんじがない、ただのしかばねのようだ。

 

 

「勝手に殺すんじゃないわよ。誰のせいで・・・」

 

あ、動いた。

 

言いかけた言葉から察するにこの二人がやらかしたのだろう。

香澄は言わずもがな。

しかし、明日香この()。普段は賢妹オーラがすごい出てるのに偶に香澄と一緒にやらかすのだ。

当の本人は自覚がない様子でホェ?としているが、カワイイ。

今回は明日香もやらかしたんだろ。

 

「とりあえず、光夜お帰り」

「ただいま母さん。なんか二人がやらかした?」

「カレーを一緒に作っただけよ。詳しくは聞かないでちょうだい」

 

本当に何があったんだ・・・

 

「それはいいとして、あと1時間くらいしたらお夕飯にするわよ」

「わかった」

 

俺はやまぶきベーカリーと書かれた紙袋を母さんに渡すと俺以外の家族分と言う。

紙袋を渡した瞬間に母さんは中身が気になるのか確認するとチョココロネを1つ取り出し、パクッと食べた。

そして、「おいひぃ」とどこぞのチョココロネ大好き少女を彷彿させるような事を言う。

 

おいおい、もう食うんかい!?

 

 

俺が自分の部屋に行こうとすると当然の如く、その後を香澄と明日香がついてくる。

戸山家に鍵付きのドアはトイレしかないため、俺のプライベートなんてお構いなしに香澄と明日香が部屋に毎日やってくるのだ。

 

本当に猫みたいだなぁ...

 

今はまだ俺が朝、起こしているが近いうちに彼女たちが俺を起こしてくれるのだろうか?

 

妹といえば、理想のシチュエーション一つに妹が「お兄ちゃん、朝だよ?起きて」というものがある。

その中で特にしてもらいたいのは、妹が上に跨ってユサユサと揺らして起こしてもらうというものだ。

 

ん?でも、これって最初はエ○ゲのテンプレシチュエーションじゃなかったっけ?それがいつのまにかアニメや漫画、ラノベのテンプレになってたけど...

ま、こんなことどうでもいいわ。

 

 

夕飯のカレーはとても美味しかったです。

香澄と明日香は何手伝ったの?と聞けば、''皮切った!''というではないか。

 

え''と吃りそうになった。よくよく考えてみれば小学1年生と幼稚園年長の少女に包丁なんて持たせられない。せいぜいピーラーを使わせられるぐらいではないか?ピーラーも十分危ないけどね。

 

まあ、何にせよ怪我がなくてよかったわ。

 



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バレンタインと病み

月日が経つのは早いもので(ry

 

俺は中学へと進学した。

何より去年、明日香が小学校に入学したのだ。

ランドセルを背負った明日香を見て、狂喜乱舞していたら

 

「お兄ちゃん大丈夫?」

 

と明日香に頭の心配をされてしまった。

 

くっ、なぜスマホがないんだ!?あったらメモリ全部を香澄と明日香で埋めてやるというのに...

あと、1年だ。それまで耐えろ俺!

 

そんな俺と明日香を見た香澄は

 

「ねぇ!わたしは?わたしは?」

 

とグイグイ聞いてくるから、ナデナデしといた。

 

「ふにゃあぁ〜」

 

やはり香澄、お前は猫だ!

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

季節は冬。

まだまだ寒い2月、マフラーと手袋が必需品です。

 

2月14日

この日にちを見ただけでお分かりいただけただろうか?

 

そう、バレンタインデーだ。

 

貰えない人に取っては残酷デーだ。

最近では、女性が女性にあげる友チョコ、男性が男性にあげるホモチョコ。

 

ホモチョコ....

 

とりあえず、こう言っておこう。

 

 

 

ああ、なんて儚いんだ!

 

 

 

そんな2月14日

 

教室に入るとクラスメイトの女子が俺に近づいて来て開口一番、

 

「と、戸山くん!これ、受け取って下さい!」

 

ほえ?俺にチョコだと!?

 

家族以外貰った事がない俺にとって、女性から貰うのは初めてだ。

小学校では貰えなかったでござる。

 

「ありがとう、お返しはちゃんとするね」

 

と受け取ったのを頻りに他のクラスメイト女子がチョコを渡して来る。

 

とりあえず、箱とか袋に名前を書いてもらってお返しはできるようにした。

チョコはエナメルバッグに教科書など全部どかして入れた。

 

男子からは嫉妬の視線を感じる。ひと昔前の俺じゃん。

 

 

放課後、部活に出るとそこでもチョコをもらった。

ちなみに部活は美術部だ。男子部員は俺を含め2人しかいない。

 

それよりAくん、同じ男部員なのに俺と明らかにチョコの値段が違うよね?それでいいのか...

いつか気づくであろう。

俺はついでにすぎなかったと.....

わかるよその気持ち、前世でそうだったから。

 

俺は気分が最高なまま帰宅した。

 

 

数十分後

 

 

リビングにて正座中である。

 

「あの〜、カスミサン?アスカサン?正座くずしていいですか?」

「「ダメ!」」

「あっ、ハイ」

 

ここまでの経緯を簡潔にまとめると

 

玄関を開ける→リビングに入ったらニコニコ顔の香澄と真顔の明日香がいた→そのエナメルバッグパンパンだね?見して?→香澄が開ける→あ、オワタ

 

というわけだ。

 

 

その間に父さんが帰ってきて・・・

 

「ハハハ、大人の嫉妬は見苦しいが、子どもの嫉妬はカワイイな。にしても光夜モテモテだな。父さんもたくさんもらったがロッカーに置いてきたぞ」

 

 

あ、あんた最低だ!?

 

 

多くて持ち帰れないならわかるが、バレンタインチョコをもらったその日に置いてくるとは最低な野郎である。

 

「へぇ、その話詳しく聞きたいわね」

「へ?」

 

気づけば父さんの後ろには母さんがいた。

どうやらこちらも詰んだようだ。ヘッ、ザマァ

ガシッと襟元を掴むと隣の部屋に連れて行こうとする。

 

「ま、待て!香織!最後に一言、言わせてくれ」

「遺言かしら?」

「違うわ!それより光夜、明日香を見てみろ」

 

言い終えると母さんに連れて行かれた。

そんな捨てられた子猫みたいな目すんな、同情しちゃうだろ。

父さんに言われたとおり明日香に目を向ける。

あっーれ〜?なんでこの娘も目に光がないんだ?

完全にではなく多少、目に光はある。ちょっと濁ってるレベルだ。

 

「明日香ちゃん?ど、どしたの?」

「知らない」

 

瞳に光が戻るとプイッと外方を向かれてしまった。

 

「お兄ちゃん!」

「は、はい!」

 

もうすぐ小学校3年生になる妹に気圧される俺こと戸山光夜13歳、実に情けない。

 

「わたしとあっちゃんがいるのにどうしてこんなにもらうの?」

 

何気に香澄が嫉妬したのこれが初めてじゃね?やべ、超嬉しい!

後はこれで「私とあっちゃんというものがありながら(ry」なんて言ったら最高だね!

でも、貰わないとかそれなんて無理ゲー?告白なんてされてないし、されたことないから全部義理チョコでいいよね?

 

「みんな、友達から貰ったやつからだから」

「ふぅ〜ん」

 

え?ウチの妹、本当に8歳の小2ですか?こ、怖いんですけど...

許しを得たらしく、香澄と明日香がチョコを持ってきた。

 

「はいっ!お兄ちゃんにチョコあげる」

「あ、あすかも〜!」

「ありがとな、二人とも」

 

頭をわしゃわしゃと撫でる。二人は気持ちよさそうに目を細める。

 

というかウチの妹たち、ブラコンすぎない?まだ小さいから普通なのか違うのか分からない。中学のダチに聞いたところ、そんなに仲良くないと聞いた。え?マ?小学5、6年になれば臭い、キモい、死ねって言われる?じゃあ、ウチは反抗期になるまで全力で可愛がるわ(シスコン)

母さんに聞いたら、「アンタも十分にシスコンよ」って言われた。

知ってたけど言わせてくれ。

 

 

 

なんでやっ!?



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泣くのはおよし、こころ

バレンタイン以来、特に何もないまま時は過ぎること3ヶ月。

え?ホワイトデーはどうしたって?お返しはちょっと高そうな飴にしたよ。家族にはホワイトチョコで作ったケーキにした。香澄が舞い踊るように食べてたわ。カワユス

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

進級して中2の休みの日の事だった。

中2になってもスマホを買って貰えない俺は休みになると外へ出掛ける。2週間に1回、やまぶきベーカリーのパンを買いに行くのが俺の密かなブームだ。俺が店内と入るとよく亘史さんが笑顔で歓迎してくれる。その後、沙綾ちゃんを呼ぶのがお決まりである。最初こそ恥ずかしがっていたものの今では「お兄さん」と呼んでくれるようにはなった。呼ばれたその日の帰りに嬉しすぎて転びそうになったのは内緒な?

 

そして、スマホは母さん達が2年契約らしくて、あと1年待って欲しいとの事だ。最近流行りの家族割にしたいらしい。ザケンナ

その間に香澄と明日香に何かあったらどうしてくれる?脳内フォルダにも限界があるんだぞ!

そんなくだらなそうで大事な事を考えながら駅に向かう。

その途中にある公園近くを歩いていると泣き声が聞こえてきた。

 

「えぐっ、ひぐっ、ぐずっ」

 

小さな女の子の泣き声だ。

俺は公園に入り、泣いている娘を探す。その娘はブランコにいた。

ん?金髪にあの顔。こころじゃん!もう、そんな驚かないわ。いつ、出会ってもおかしくはないし。

 

弦巻こころ。

超が何個もつくほどの金持ちの家の一人娘。

天真爛漫で香澄以上にポジティブな少女だ。

花咲川女子学園『異空間』と名高い。

笑顔が何より大好きで好奇心旺盛な性格。

ゲームのプロフィールに裕福な家庭の一人娘とあるがどこが裕福な家庭だよ。そんなレベルぶっ飛んでんじゃねーかと思う程である。

はぐみの誕生日プレゼントにソフトボール専用バッティングセンターをあげているのだ。これでぶっ飛んでいないなんて言えまい。

ゲームのストーリーを読めば分かると思うが彼女はハロハピの苦労人奥沢美咲にバカと称される程、超超超ポジティブだ。

世界を笑顔にするため、こころは強引に周りを巻き込む。それでいて、周りを笑顔にしてしまうのだから恐ろしい。

そんな彼女がどうして泣いているのか?理由が気になるところだが、今は目の前の彼女を放ってはおけない。俺は彼女のいるブランコに行き、彼女の目の前で屈む。

 

「えぐっ、ひぐっ、あなた...は?」

「どうして君は泣いているんだい?」

「わたしは...」

 

わたし?こころの一人称はあたしだったはずだ。この時の彼女はまだわたしが一人称だったらしい。

香澄と同じ小学3年生の彼女がここまで泣くか?こころが泣く姿なんて想像できないが今こうして俺の前にいる彼女が泣いている。

小学3年のこの歳だとこころが泣いているのはいじめられたからではないか?まぁ、家に両親がいなくて泣いているって可能性もある。

仮にこころをいじめていたとして、いじめられたことを弦巻家が知ったらただ済むはずがない。

しかし、悪口ならどうだ?録音でもしない限り口では幾らでも嘘を言える。こころが泣く理由はそれしか思い当たらない。

いじめの方だと仮定して聞いてみよう。

 

「誰かに殴られたり、物を隠されたりした?」

 

首を横に振るこころ。

 

「誰かに何か言われたのか?」

 

先程から辺りを確認しているがいるはずの黒服が・・・・いた!?

俺から見て正面、こころから見て後ろの草むらに1人潜んでいた。

1人?ゲームのストーリーではたくさんいたはずだが?

まあ、今は黒服を気にしても仕方ない。

 

「・・・・うん」

「・・・・・・」

「わたしね、自分がしたい事してるだけなのにみんな、うざいとかちょうし乗ってるって言うの」

「・・・・・・」

 

俺は黙って聞くことにした。

家に帰っても使用人、周りには黒服、両親は仕事で会えない。彼女からしたら知らない人がたくさん家にいる。

よく彼女は狂わなかったと思うよ。え?未来で狂ってる?気にしたら負けだ。

未来での彼女は自由奔放。先生ですら手が出せない始末だ。ゲームではちょっとヤバイやつ扱いだが裏ではこころへの悪口のオンパレードだろう。しかし、未来でのこころはそんな集団を気にしない程超超超ポジティブ(バカ)で真夏の太陽が照り付けるみたいに眩しい。

だからこそ、彼女には明るくなってもらわないと。

彼女はもうこの時からいろいろやっていたらしい。と先ほどの調子乗ってると言われたことから推測できる。

たぶん、金持ちへの嫉妬や憎悪だろう。けれど、他人にどうこう言われたぐらいで自分の在り方変える必要がどこにある?ないだろ?

 

「だからどうした?」

「えっ」

 

こころは驚愕した顔をして俺を見つめる。

 

「君がやりたい事をしているのに他人に言われる筋合いはない。」

「こころ!」

「え?」

 

気づけば彼女は泣き止んでおり、目元が赤くなっていた。

 

「こころって呼んで!わたっ....あたしのこと!」

「わ、分かった、こころ。他人から悪口を言われるのなら、こころ。それを笑顔に変えてしまうくらい、巻き込んでしまえ」

 

こう言っちゃったけど未来の彼女は何もかも巻き込んでたし、大丈夫だよな?大丈夫だ・・・よね?

 

「巻き.......込む?」

「そうだ、こころがやりたい事の中にそいつらを何もかも巻き込んでしまえ」

「素敵ね、それ!」

「・・・・・」

 

ナワケナイダロ!巻き込まれる側からしたらたまったもんじゃない。

でも、こう言わないとなんか終わる気がする。

 

「ありがとう!悩みがさっぱりなくなったわ」

 

ポジティブなるの早すぎます。本当にあなた、悩んでたの?

 

「ねぇ、あなたの名前はなんで言うの?」

「光夜だ」

 

苗字は言わない。バレて家から拉致られたくないしな。偽名言うと後々バレた時、黒服にOHANASHIされちゃう...

 

「光夜ね、ありがとう。また会いましょう」

 

と言って公園を去って行き、その後を黒服が追って行った。

 

 

ええ...(困惑)

 

 

えっ、マジか。未来の皆さんごめんなさい。

俺はとんでもない人物を生み出してしまったようです。まぁ、でも俺が焚きつけなくても遅かれ早かれそうなってたよな?美咲がストッパー役になる前からいろいろやらかしてたみたいだし。

先に言っておく、美咲すまん!!!

 

ハハハ、俺は知らんぞ。




超超超ポジティブ(バカ)


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反抗妹 かすみちゃん

こころとの邂逅から早1年。

これといった出来事はなく、気づけば最高学年である中学3年生の秋。中学卒業まで半年もないといったところだ。

いや、出来事がないと言ったが本当はある。

 

それはスマホだ

 

やっと両親の携帯電話''2年縛り''が終わったのだ。

最初はこの世界(バンドリ )にも''2年縛り''があったと知ったときは驚いたがまあ、記憶を掘り返してみるとアニメで駅名が現実世界(リアル)と同じだったから納得。他にも聖地とされた場所がアニメで所々あったはずだ。詳細までは覚えてない。

 

話を戻すが俺はついにスマホを手に入れたわけだ。

スマホを手に入れた俺が何をするのか?言わずもがな、妹たちを撮りまくるに決まってる。

しかし、そう簡単にはいかなかった。

 

『反抗期』の存在である

 

香澄は小4、明日香は小3だ。女子は男子よりも精神的成熟もとい精神年齢の成長が早いと言われている。反抗期の定義はあるが全員が全員、同じ年齢・時期に反抗期になるわけがなく、一人一人違うのである。

まあ、何が言いたいのがというと・・・・

 

 

嫌がられた

 

 

スマホを手にした日、俺は香澄と明日香を撮りまくろうとしたが

 

「イヤッ!」

 

顔をプイッと横に向ける香澄。明日香はお姉ちゃんの真似をするかのように同じく顔をプイッと横に向ける。Kawaii

それでもスマホを香澄に向けると

 

「イヤッッッッ!!」

 

 

ん?

 

 

ここで初めて俺は気づく。

 

 

「は、反抗期きたああああああああ!!!」

 

 

叫んでいる間に香澄と明日香はどこかへ行ってしまったらしく、リビングには最初からこちらの様子を伺っていた父さんと拒否られた俺の男二人だけだ。父さんのあのとびっきりの顔は今でも脳裏に焼き付いている。その顔は絶対に『ザマァ』って思っているだろ!

香澄と明日香に「パパ、臭い」って言われれるよりは数百倍マシだよ。そのうち、思春期の女子によくある「お父さんと一緒に洗濯しないで」とでも言われるだろうよ。

 

にしても、俺の匂いは大丈夫だろうか?香澄と明日香に臭いと言われたら.....うん、考えたくないわ。

後に母さんに聞いたら

 

「うん、いい匂い」

 

ちょっ、ママン。止め....

 

満足するまでめちゃくちゃ抱きつかれた。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

さっき、母さんから日記を渡された。理由は分からないけどせっかくなので書いてみる。あとで見返したら面白いかもしれない。

三日坊主にはならないようにする。

 

 

Diary

 

○月?日

 

香澄の反抗期がよく分からない。

写真を撮られるの嫌がるのはまあ、分かる。俺が撫でようとしたり、構おうとすると嫌がるのに香澄からこちらに構ってと言わんばかりに来るのだ。

 

気まぐれ・・・・・猫かな?

 

風呂に突撃してきたり、一緒に寝よってベッドに入ってくる。勿論、明日香も一緒だ。最近の明日香は香澄にべったりとしており、着々とシスコンになってる。いいぞ、もっとやれ!

 

でも、香澄ちゃん?そろそろお兄ちゃんとお風呂はマズいよ・・ ・

今日も説得しようとしたら

 

「イヤッッッ!」

 

ハハ、ワロエナイ

 

前世でも妹いたけど小学校高学年から「○ね、クソ○郎」の罵詈雑言だったわ。優しくしてあげたり、構ってあげなかったせいだと思いたいです。

とりあえず、今はもうちょっとだけこのまま様子見かな?

これ以上酷くなったらアカン。小5になる前に、一緒にお風呂はなんとしてでもやめさせないと。

普通ならやめさせろっていうのが当たり前だろ?

でもさ、断ると目が虚ろになるんだぜ?

虚ろな瞳で

 

「お兄ちゃん?なんで?」

 

って言うんだ。

アレはヤバイ、とにかくヤバイ(語彙力)

こんなふうになるなんて俺、聞いてないぞ!

明日香はまだ言うことを聞いてくれるからいいがこれから反抗期来ると思うとなぁ。

俺が中学校に上がるまで妹たちに構いすぎたせいで逆に今構ってと甘えに来てるらしい。

少しずつ説得というか兄離れさせないと。あわよくば、ちょっとブラコンぐらいにしたいなあなんて。

 

あれ?

これ反抗期っていうより超ブラコンなだけじゃね?



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幼き魔王少女と・・・

高校どこ行こう・・・

 

ここ1週間そればかり考えている。月は10月、受験に向けて勉強しなくてマズイ時期だ。

まあ、勉強面は問題ない。

中学レベルなら復習程度に勉強すれば、難関校レベルでなければ余裕で合格できる。

 

問題は志望校である。

 

行きたい高校がないのだ。難関校は論外!そこそこの進学校がいい。

本音を言えば、

 

第1志望 花咲川女子学園 第2志望 羽丘女子学園

 

にしたいところだ。

バンドリの創作みたいに共学化ではないらしい。まあ、そんな簡単に共学化したら廃校を阻止した某スクールアイドルも真っ青だわな。共学化しなかったのは理事会やOG総会とかでで歴史を重んじるOGが猛反対したからですね、分かります。OGつおい。

 

 

最終的に俺は近くの進学校を志望校にした。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

ある休日

 

電車に乗り、行きつけのパン屋である山吹ベーカリーへ行く。

しかし、商店街に入ったところで涙目で辺りをキョロキョロとしている少女が視界に入る。 ツインテールで髪色は紫色。

 

 

ん?紫色?

この世界で初めて紫色の髪を見たな。顔を見るとどこからどう見てもあこちゃんですね、はい。魔王エンカウント?

ちーちゃんといい、こころといい何かと遭遇率が高い。そのうち、こころが俺に会いたいって言い出したら・・・って考えるだけでヒヤヒヤするわ。

 

 

宇田川あこ。

Afterglow、宇田川巴の妹で、

原作において5バンド25人の中で最年少である中学3年生だ。

本格派バンドRoseliaのドラム担当。

姉の巴が大好きで自分もカッコよくなりたいと思いドラムを始める。

それ故にカッコよさを日々、研究しており中二病染みた発言が多いが上手く表現できるほどに語彙力がないため「バーン!」といった擬音で誤魔化す。

元気で明るくフレンドリーな性格だ。

 

 

「えーと、どうしたの?」

 

話しかけないという選択肢はありえないので話しかける。

 

「えっと・・・その....」

 

ビクビクとした様子でこちらを伺っている。

その様子は怯えている猫みたいだ。

知らない人に話しかけられたらこれが普通の反応だ。又は逃げるのが当たり前。ちーちゃんとこころが特殊なだけである。

ちーちゃんは芸能界で仕事上、知らない人と話すことが多いから話しかけても大丈夫。こころは・・・うん、言うまでもないだろう。

 

とりあえず、警戒心を解かせないと。

 

「闇に飲まれよ!」

 

あ、間違えた。これ違うやつや。意味がなんかあった気がするけど覚えてないなぁ...

 

 

「カ、カッコいいっ!」

「お、おう」

「ねぇ、ねえっ!他には!?」

 

 

今ので警戒心が解けた・・・だと!?

 

 

「そ、それより、さっきから何をキョロキョロしてたんだ?」

「うーんとね、お姉ちゃんたちがいないの」

「お姉ちゃん・・・・たち?」

「うん」

 

中二病染みた言葉はよく分からないから話を逸らす。

姉の巴と一緒にとなると・・・Afterglowの幼馴染たちか

 

「じゃあ、探しに行こうか?」

「いいの!ありがとう、闇のお兄ちゃん」

 

闇のお兄ちゃん!?

 

探し回っている間に''闇の''を取ってもらおうと奮闘したが無理やった。これじゃ痛いヤツだよ。

探すこと約30分。

 

「あ、お姉ちゃん!」

 

あこの視線を辿ると公園内に4人の少女がおり、そのうちの1人、赤髪のボーイッシュな女の子がこちらに気づく。

 

「あこ!?」

「みんな、行くよ」

 

黒髪の無愛想な顔をした()の合図とともにこちらへ駆け寄って・・・否、突撃して来た。

 

え、ちょっ、まッ!?




久しぶりに見たらバンドリ転生モノが増えてるじゃないか!?
やるわね...

公園内に5人の少女から4人に変更しました


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アフロな幼馴染ーズ

アニメ2nd Season始まる前に原作に入れなかったぜorz

感想評価全くないから自分で書いてて面白いかどうか分からない件
まあ、とりあえず書きたいものを書いていく(キリッ


黒髪のムスッとした()を含む女子小学生(JS)4人に囲まれるもうすぐ男子高校生の自分。

 

 

うん、ヤベェ

 

 

「ま、待ってよぉ〜」

「遅いぞ、ひまり!」

 

どうすべきかと考えているとピンク色の髪の少女がこちらへ駆け寄ってくる。

 

まあ、誰かなんて一目でわかるんだけどね

 

上原ひまり。

幼馴染で結成された幼馴染バンドAfterglowのリーダー、担当はベース。

明るく気立てが良い性格であり、Afterglowの調整役。

よく蘭がリーダーだと勘違いされがちだが彼女がリーダーである。

リーダーらしくないもののここぞという大事なところではしっかりとした発言をする。

空気が読めなくて空回ってしまうこともしばしば。

彼女のライブ前などに言う掛け声「えい、えい、おー!」はメンバーから不評である。

 

先程、ひまりを叱った赤髪の少女はあこちゃんの姉だ。

 

宇田川巴。

宇田川あこの姉でAfterglowのドラマ担当。

他人を悪くいったり恨んだりしないさっぱりした性格でAfterglowのまとめ役。端的に言うと姉御肌である。

特に彼女について語るとするならコレであろう。

 

 

 

『ソイヤ』

 

 

 

そう、『ソイヤ』である。

 

巴はバンドリにて数少ないまともなキャラ()だったのにその『ソイヤ』のイベントにてまともではなくなってしまった。

 

巴の

「ソイソイソイソイソイ!ソイヤっ!」

 

 

我が妹、香澄とこころの

「ハッピー!ラッキー!ポピパパ!ソイヤー!」

 

 

うん、まともじゃないわ。

 

 

当時、このストーリーを見て爆笑した人も多いのではないか?もちろん、ボイスつきで。少なくとも自分は爆笑した。

終いにはペル○ナコラボのペル○ナ巴エピソードでは

 

「こうなったら、いつか絶対2人に、『ソイヤ』を認めさせてやるからな!」

 

である。

 

巴は小さい頃からなのか詳しくは知らないが商店街の大人達と仲が良くて、地元のお祭りがあると和太鼓を叩きに出るのだという。

きっと、彼女は既に『ソイヤ』への道へと歩んでいるのだ。

誰にも彼女の『ソイヤ』は止められない。

香澄を通じていつか来るであろう『ソイヤ』待ってるぞ。

 

って違う違う!ひまりの次に巴を見てたら『ソイヤ』が・・・

イカンイカン、『ソイヤ』に毒されてしまうとこやったわ。

 

意識を目の前の少女たちに戻す。

 

「ち、違うのっ!!おねーちゃん!」

「あこっ!?大丈夫か!?」

「うん、一緒に闇のお兄ちゃんとおねーちゃんたちを探してたの」

「や、闇の?」

 

ほら、出たよ。このままだと完全に痛いやつやんけ。うしっ、ここから方向転換させるか。

 

「そっちの方は特に気にしないでくれ」

「う、うん。わかったよ。えっと、ごめんなさい!」

 

赤髪の少女、巴が頭を下げる。

俺自身、どう接すべきかと試行錯誤を重ねていると

 

「ほら、お前らも謝れよ」

「う、うん、そ、その!ご、ごめんなさい!」

 

すごい勢いで何回も頭を下げる少女、羽沢つぐみ。

 

羽沢つぐみ。

Afterglowのキーボード担当。

Afterglowの中で自分が最も普通と思っており、コンプレックスを抱いている。

努力家で前向き、少しのことではめげない性格。

メンバーの支えもとい癒しである。

 

 

癒しである

 

 

大事なことなので2回言いました。

 

そして『羽沢珈琲店』の看板娘だ。

そう遠くないうちに羽沢珈琲店で珈琲を飲んでみたいものだ

 

頭を下げるの止めさせないと・・・

 

「わ、分かったから。落ち着いて?」

「は、はいっ!」

 

あー、俺が年上で知らない男の人だから余計に緊張というか怖がっている?うん、ショック。

 

「次はモカもだぞ?」

「え〜〜、ごめんなさ〜い」

 

独特なのんびり口調で軽くお辞儀する少女は青葉モカ。

謝る気などさらさらないのかもしれない。

 

青葉モカ。

Afterglowのギター担当。

のんびりとした口調でマイペースな性格。

興味のあることはとことんやる、興味の無いことにはとことん興味がない。

よく蘭やひまりをからかっているものの仲間思いである。

何よりパンが大好き。

カロリーはひまりに送っているらしい。

 

「後は蘭だけだぞ」

 

にしてもこの()、マジオカン!小4だから姉御か?

なのに、将来『ソイヤ』だもんなぁ・・・

人生何があるかわからんな。

 

「え....と、その....」

「大丈夫だから、ゆっくり落ち着い・・・ね?」

「・・っ!?」

 

やっべ、つい香澄と明日香みたいに頭撫でちゃった。

 

「あ・・その、ごめんなさい」

「よく言えました」

「・・ッ!?!?」

 

うん、もうね。ナデナデは癖だわ。なんかこの()の前だとお兄ちゃんスキルが反射的に発動しちゃうわ。

 

頭を撫でられたのが恥ずかしいのか顔を真っ赤にして俯いてる。

 

美竹蘭。

Afterglowのボカール&ギター。

100年以上の歴史がある華道の家元の一人娘。

クールでぶっきら棒な話し方をする。

気が強く負けず嫌いなところがあるものの寂しがりや。また素直ではない。

幼馴染や身内を何よりも大切にしている。

口癖は「いつも通りだね」

 

ツンデレやな、素直ではないけど寂しがりやって...

 

 

「闇のお兄ちゃん、ありがとう!」

 

 

グハッ

 

 

「お、おう」

 

闇のお兄ちゃんやめて?ってお願いできる?この純真無垢な笑顔に?

できませんよ。ハハハ、オワタ。

 

「あんたは、いや、あなたは・・・」

 

敬語を使おうとしたのだろう。途中で言葉が止まる。

無理もないだろう。

小学3〜4年生で敬語を使っているのを俺はあまり見たことがない。先生を敬うのはもちろんだがそれ以上に小学校は他学年の生徒との距離が近い。タメ口で話す人もいるし、敬語で話す人もいる。

それは先生に対しても含まれる。小学3年生が4年生に敬語を使って話すとか聞いたこともないし見たこともない。別にそれは学年を限定しなくても同じだ。

まあ、外になるとまた別ではあるがな。

中学校に入り、1学年、2学年上の人に対して初めて敬語を使う。

先生は言わずもがな。

少なくとも自分はそうだった。

 

「敬語じゃなくて大丈夫だぞ」

「ああ、あんたは?」

「そういや、名前言ってなかったな」

 

これで闇のお兄ちゃんじゃなくなるぞぉ!

 

「戸山光夜だ」

「えっと、戸山さん?」

「下の名前で呼んでもらいたい所なんだが...まあ、初対面だしな」

「うん、まあ」

 

まぁ、現実はこんなもんだろ。

こころやあこちゃんが特殊なだけで・・・・香澄も特殊なうちに入りそうだな。さて、なんか気まずくなってきたし引き上げますか。

 

「ところでそろそろ16時になるが時間は大丈夫か?」

 

「「「「「「あっ!?」」」」」」

 

俺以外6人全員の声がハモる

 

「ヤバイよ、母さん16時半に帰って来なさいって...」

「おねーちゃん、大変だよ」

「わ、私も帰ってお手伝いしなきゃ」

 

他のみんなも同じような約束をしていたらしい。

 

「その、戸山さん。あこの事、本当にありがとうございました」

 

「「「「「ありがとうございました」」」」」

 

巴が頭を下げると他のみんなも頭を下げる。

幼馴染の連携すげーな。

 

「ああ、気をつけてな」

 

そう言って商店街へ歩き出す彼女たち。

俺も帰ろうとすると

 

 

「じゃあねー!闇のお兄ちゃん!」

 

 

グハッ

 

 

不意打ちがお上手ですねあこちゃん...




イベントストーリー
「Beatin' in the Rain」
ソイヤーだけどそれらをまとめて『ソイヤ』で
みんな大好きソイヤー!

蘭は既に反抗期?




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その後の小話 1

ちょっとした話


『戸山光夜という存在』より

 

 

「なぁ、香澄」

「ぅん?」

 

頭上から香澄の声がする。

それもそのはず、香澄は俺の頭にくっついているのだから。

後ろには明日香をおんぶしている。

 

「頭から離れないか?」

「やっ」

 

即答だった。デスヨネ

 

「今、明日香をおんぶしてて両手が埋まっててな。明日香、寝ちゃったから下ろしたいだけど・・・」

「やっ」

「お兄ちゃん、困るんだけど...」

「やっ」

「後で抱っこしてあげるから」

「やっ」

「じゃあ、おんぶは?」

「やっ」

 

母さんが帰って来るまでこのやり取りが延々と続いた。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

『始まりのキラキラドキドキ』より

 

 

それは突然のことだった。

キャンプに行ってから、心ここにあらずという状態だった香澄がついにあの言葉を口にしたのだ。

 

「キラキラドキドキしたい!」と

 

何も知らない人が聞けば、ヤベェやつだが理由(原作)を知る俺からすれば微笑ましい。これで後はランダムスターがあればHENTAIの完成だ!

 

香澄が変態と呼ばれる日はそう遠くない。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

『戸山家の海水浴 後編』より

 

 

「ほら、あっちゃん!あっちゃん!カニさんだよカニさん!」

「い、いやっ!やめてよ、おねぇちゃん!」

 

香澄が取っ捕まえて来た小さなカニを明日香に近づける。スナガニかよ!?よく捕まえられたな香澄。スナガニってすぐ逃げるから捕まえるの難しいんだぜ?それに対し明日香は虫とか触るのダメだもんな...

 

「お兄ちゃん、カニさん」

「ああ、カニさんだな。カニさんも必死で生きているんだから離してあげて」

「うん!」

 

数分後

 

「あっちゃん!」

 

香澄がどこからか海藻を持ってきた。

ンンッ!?それワカメじゃねーか、やっぱり砂浜に漂流してるのね。

ワカメを明日香の背中にピチャリとつくっつけた。

 

「い、イヤァァァァァァッ!?」

 

ものすごい勢いで俺の胸に飛び込んで来る明日香。

って俺かよ!?てっきり海の方かどこかへ走り去るのかと思っていたわ。

よほど生ワカメのヌメッとした感触が恐ろしくて嫌だったのだろう。泣いてはいないが涙目である。ヨシヨシ、大丈夫だぞ。

 

「こら!香澄!」

「ご、ごめんなさい」

「俺じゃなくて明日香にだよ」

 

このやり取りも何回目ぐらいだろうか?これが初めてというわけではない。

香澄が明日香にちょっかいかけたり、ちょっとしたイタズラをしたりするのだ。

本人に悪気はなく、ただ構って欲しかっただけなのだ。まあ、香澄も明日香大好きだし、明日香も香澄が大好きだ。

だからすぐには姉妹喧嘩にならない。

 

「あっちゃん、ごめんなさい」

「おねーちゃんなんて大っきらいっ!!」

 

香澄と明日香に大っ嫌いなんて言われたら、想像するだけで・・・

 

「ところで明日香、そろそろ離れないか?」

「やっ」

 

なんか似たようなやり取りを昔に香澄としたような気が.....

 

「もう海はいいのか?」

「うん」

「じゃあ、まず俺から離れようか?」

「やっ」

「・・・」

 

ちなみに先ほどまで俺の胸の中にいた。

今はって?右腕にひしっとくっついているよ。

このままじゃ動けないな。

 

「そろそろ、父さんたちのとこ戻るから腕から離れてくれ」

「じゃあ、おんぶ」

 

腕を離し、両手を広げておんぶをねだる明日香。

今日は珍しく明日香が甘えん坊だ。

 

「はいよっと」

 

明日香をおんぶすると

 

「あっー!あっちゃん、ずるい!お兄ちゃん、かすみも!」

「香澄は我慢。あっちゃんのお姉ちゃんだろ?」

「うん、かすみ。あっちゃんのお姉ちゃんだもん」

 

最近、聞き分けがよくて助かる。今までだと駄々をこねていたはずだから。まあ、駄々をこねてもかわいいんだけどね。

 

結局、明日香は帰っても俺にべっとりとくっついたままで香澄は通常運転だった。

 

父さん、目が死んでたけど大丈夫か?



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その後の小話 2

感想と評価ありがとうございます!
面白い、更新待ってますと言ってくれるだけでモチベがあがります。


『迷子の迷子のちーちゃん』より

 

 

「またお兄さんと会いたいな.....」

 

ぼそりと白鷺千聖は呟く。

 

「あら?千聖がそんなこと言うなんて珍しいわね?」

 

その呟きを聞いていたらしい彼女の母、白鷺美優。

芸能界で子役として活躍する千聖は仕事上、様々な人と関わる。人気俳優や女優はもちろん、同年代の子もだ。

そんな中、千聖は''また会いたい''と一度たりとも言ったことがなかった。

しかし、だ。

そんな千聖がまた会いたい(・・・・・・)と言ったのだ。初めて口にした''また会いたい''に親として気にならないはずがなかろう。

 

「確か・・・戸山こうや君だったかしら?」

「うん、お兄さん!」

「フフッ、いつかまたお兄さんと会えるといいわね」

「うんっ!」

「そのためにはお仕事、頑張らなくっちゃね?お兄さんにカッコいいところ....千聖の場合はカワイイところかしら?」

「うん!がんばる!」

 

そんな最中、千聖の妹、白鷺美聖(みさと)はグースカ寝ていた。きっと彼女が起きていたら「お兄さん!お兄さん!お兄さん!」と連呼すること間違いなしである。何処と無く香澄と同類の匂いがするのは気のせいだろうか?

 

 

 

光夜が出掛けた戸山家では

 

「お兄ちゃんは?」

「出掛けたわよ、お昼すぎには帰ってくるでしょ」

 

まだ(・・)平穏であった。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

『気になるパン屋さんのあの娘』より

 

 

その日の夜

 

「そういや今日、沙綾が男の子をじーと見つめていてなぁ...」

 

山吹ベーカリーの店主、山吹亘史が口を開く。

 

「お、お父さん〜!?」

 

それに顔を真っ赤にして声を上げる少女、山吹沙綾。

 

「あらあら、沙綾が?」

 

頰に手を当て、おっとりした口調で話す沙綾の母、山吹千紘。

 

「ああ、最初はレジの方で何やってんだろうと思ったら...」

「思ったら?」

「男の子を見ていてなぁ...」

 

恥ずかしいのか沙綾の真っ赤な顔から湯気が出ている。

 

「それでどんな男の子だったの?」

「ああ、カッコいい男の子でな、軽く言葉を交わしたが礼儀正しい子だったぞ」

「まあ、沙綾ったらおませさんなのね」

「また会えるといいな沙綾」

「う、うん」

 

恥ずかしながらも返事をする沙綾。

 

「中学1年生ぐらいか?んー、今度来たときに聞いてみるわ」

「えっ!また来るの!いつ?ねえ、お父さん!いつ来るの!」

「おー、すごい食いつきようだな」

「なら、沙綾。お手伝いしてみたら?」

「お手伝い?」

「ええ、お父さんのお手伝いも出来て、沙綾の会いたい人.....年上のカッコイイ男の子だからお兄さん?に会える。一石二鳥よ」

「いっせきにちょう?」

「1つで2回お得ってことよ」

「じゃあ、沙綾。いっせきにちょうするー!」

「おう、頼むぞ沙綾」

 

その後、また来た光夜とまともに話せず。

恥ずかしくて逃げたり隠れたりしたせいで話せるまで時間がかかったそうな。

 

 

 

光夜が帰宅前の戸山家では・・・

昼を過ぎても帰ってこない光夜。

昼を食べた後、香澄と明日香がお兄ちゃん、お兄ちゃんと暴れ出しそうだったのでカレーを一緒に作ることで時間を稼ごうとするもそれでも帰って来ず。

香澄と明日香と一緒に初めて料理したが料理するだけでこんなに疲れるとは思わなかった香織は改めて光夜の存在の大きさを知った。

 

「お兄ちゃんまだー?」

「おにいちゃん...」

「もうすぐ帰ってくると思うから玄関にいたら?」

 

そこで香織は倒れた。精神的ダウンである。




オリキャラ2:白鷺美優
オリキャラ3:白鷺美聖


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