オーバーロード〜モブたちの日常〜 (くぬぎのき)
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がしょがしょ餓食狐蟲王

この話わ(恐らく)外見最悪のあの領域守護者が出ます。苦手な方わブラウザバック!
*この話わ、原作7巻までの情報が含まれています。


「これはマーレ様お久しぶりです。本日はどのようなご用件で?」

ナザリック地下大墳墓第六階層。その一角にある『蠱毒の大穴』と呼ばれる領域の領域守護者餓食狐蟲王は、『王』の名に恥じない優雅さと堂々さを持って己の住居に訪れた自身の上司に向かって、まるでミミズのような体を折り曲げお辞儀をする。その体は一面純白の肌をしており、30cmほどの体全体はヌルヌルとした粘液に覆われ、清純さと淫靡さを同居させていた。

「は、はい。今日はアインズ様からこれを渡すようにって」

そう言ってマーレが差し出したのは一部に赤が混じった金髪の男と、紫の髪をした細い体の女性だった。

「おお!」

餓食狐蟲王は歓喜の声をあげ、彼の後ろに控える大量の蟲たちがーー彼らは言葉を話せないためーー喜びに身を震わせた。

餓食狐蟲王の配下たる蟲たちは様々な種類がいる。

蚯蚓(ミミズ)、百足、(サソリ)、毒蜘蛛、蚰蜒(ゲジ)、蛙、蝿、蛆、ノミ、ダニ、エキノコックス・・・などなど。まともな感性を持つ人であれば、触れるどころかこの世に存在することすら忌避するおぞましい蟲々が見渡す限り一面を埋め尽くしている。

中でも、最も目立つのは白い絹糸のような細い体を持つ蟲だ。

それこそ餓食狐蟲王と同じ種族である芽殖孤虫たちだ。

「アインズ様が、この人間たちを餓食狐蟲王さんたちに新しい巣にしてくださいとのことです」

「おお!我々のような末端の者の願いすら聞き入れていただける慈悲深きアインズ様。しもべ共々、心より感謝申し上げます。我々はこの大穴から出られない身でございますので残念ながら直接アインズ様に感謝を告げることができません。どうかお伝えください」

「は、はい。わかりました。じゃあ僕はもう行きます」

マーレは最後にぺこりと頭を下げると、転移の指輪で大穴から去って言った。

姿が消えても暫くの間餓食狐蟲王は頭を下げていたが、やがてそれを上げ、後ろを振り返り配下たちに告げた。

「さてお前たち、久々の人間だ!アインズ様からの慈悲に感謝して食べるように!」

その言葉とともに膨大な蟲たちはわっと人間たちに飛びかかり、二人の体は一瞬で蟲たちで埋め尽くされ見えなくなった。

蟲たちは人間の口から、鼻から、耳から目から。果ては肛門や性器、体の小さい者に至っては毛穴からも体内に入り込み、内臓や肉を食べ、血をすすり、骨をしゃぶって、そして卵を植え付けていった。卵でなく無性生殖で増える者たちは二つ四つと体を分裂させその数を増やしていった。

生きながらおぞましい蟲たちに食べられ寄生され卵を植え付けられた人間たちの声なき絶叫は、久々のご馳走を前に当然のごとく無視された。

 

その後彼らがどうなったのかはわからない。ただ、大穴の底には現在、醜悪に凸凹に膨らみ、ところどころ皮下で何かが蠢くような様が見受けられる肉塊には、人間のような顔が見受けられるが・・・。

それがあの男女の末路でないのを願うばかりである。

 




初っ端からヘビーな内容を書いてしまった・・・。
安心してください。こんな閲覧注意な話ばかりを書くつもりわありません。例えば一般メイドやあの将軍閣下のお話も書いたりします。なのでこれからも読んでいただけると嬉しいです。
コメント貰えると狂嬉します。


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