『偽物』の世界で『本物』を求める。 (yunami)
しおりを挟む

第1話

初の八アス作品です。
これからは、これを第一優先で投稿したいと思っています。
気が向いたら、他作品も、という具合ですかね。

では、本編へどうぞ。


無限の蒼穹に浮かぶ巨大な石と鉄の城。

 

それがこの世界の全てだ。

 

職人クラスの酔狂な一団がひと月がかりで測量したところ、基部フロアの直径はおよそ10km、

世田谷区がすっぽり入ってしまうほどもあったという。その上に無慮百に及ぶ階層が

積み重なっているというのだから、茫漠とした広大さは想像を絶する。総データ量など

とても推し量ることができない。

 

内部にはいくつかの都市と多くの小規模な街や村、森と草原、湖までが存在する。

上下のフロアを繋ぐ階段は各層にひとつのみ、その全てが怪物のうろつく危険な迷宮区画に存在するため

発見も踏破も困難だが、一度誰かが突破して上層の都市に辿り着けばそこと下層の各都市の

≪転移門≫が連結されるため誰もが自由に移動できるようになる。

 

城の名は≪アインクラッド≫。仮想世界に浮かびつづける剣と戦闘の世界。

またの名をー

 

≪ソードアート・オンライン≫

 

 

「せあっ」

掛け声と共に、男3人組の1人が剣を振るう。

その少年は青いイノシシ、正式名≪フレンジーボア≫に、的確に攻撃を加えて徐々に、そして確実にHPを削っていく。

それを見ているのはもう1人の少年、否、青年である。

赤みがかった髪を額のバンダナで逆立てている。そしてー

 

「流石だなー、キリト」

「そんな事ないさ、クライン」

 

そう呼び合う。それはこの世界における≪プレイヤーネーム≫だ。

そして、最後の1人はと言うとー

 

「おいエイト…そろそろ戦ってくれよ」

「断る。何故俺が働かなきゃいけないんだ…」

 

彼の≪プレイヤーネーム≫はエイト。

キリトと同じく、全身を黒の装備で揃えている。

趣味など、キリトと共通している部分が多いがこれだけは違った。

極度の≪面倒くさがり≫だった。

確かに、キリトも面倒くさがりの分野に含まれるだろう。

しかし、彼はレベルが違った。

 

『全力で、最大限に努力する』

 

これだけを聞けば、文字通り聞こえはいい。だが、

それはたった一言で打ち破られる。

 

『俺が1番楽が出来る方法を見つける、な』

 

だが、今回に関しては違ったらしい。

このゲームの正式サービス開始前、彼はやはり考えていた。

自分自身が、最大限楽が出来る方法を。

そして、それは彼にとって、最大最悪の結論に至る。

それがー

 

「いやいや、正式サービス開始直後に超働いてたのは誰だよ…」

「キリト、あれは不可抗力だ。俺の思考が最悪の結論を出しただけだ」

「なんだ?エイトはレベル高いのか?」

「ああ。言葉通り()()()()()()し、()()()()

 

まだ、正式サービス開始から5時間程しか経っていないが、

彼は、あり得ないほどのレベルだった。

 

「たしか、クラインが3で俺が8、それでエイトは」

「18、だな」

「じゅ、18!?おいおい、どうしたらそこまで上がるんだ?」

「見つけちまったんだよ、エイトは」

「何をだ?」

 

クラインが、素直に思った事疑問を口にする。

そして、エイトはニヤッと笑い、解を出す。

 

「最高の狩場をよぉ、見つけちゃったんだよぉ」

 

その言葉を、顔を見て、クラインは思う。

悪役が似合う人物NO.1で、『ゲス』という言葉が彼の為にあるのだと。

そんなゲス顔で「ヒッヒッヒ」と笑うエイトを見て、思わずクラインの口から溢れる。

 

「こいつ、やべぇな」

 

 

 

 




沢山の『批評』コメント、お待ちしております。

次回、第2話。(当たり前)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話


たちゃ様、velonica様。

高評価、有難う御座います。

とても励みになります!!


 

「それでもよお、こんな短時間でレベルってそこまで上がるもんなのか?」

「ああ、確かに。エイト、どうなんだ?」

「どうって言われてもなあ…」

 

現在、俺たちは相も変わらずレベリングをしている。

まあ、俺はやっていないんだけれども。

既に上がるところまで上げたレベルを、わざわざまた上げようとは思わない。

 

「説明ご苦労様。で、どうなんだ?」

「さらっと心読むなよ、キリト…」

 

心を読まれた事にツッコミを入れつつ、

俺は考えている。

これはバレたく無いんだけれども、こいつらならば…

俺も変わったな、と言いつつ立ち上がる。

その行動に対して2人は「おぉ?」なんて、変な声を出す。

 

「んー、説明するの面倒臭いな…」

「そこはちゃんとしてくれよ!!」

「実演、って形でもいいか?」

「おお!!それでもいいから早く!!」

「へいへい」

 

クラインからも許可を貰ったので、敵を探す。

まあ、青いイノシシしかいないんだけれども。

青いタヌキとか出てこないかな?

 

「んーっと、ほい」

 

なんて、下らないことを考えながらただ斬る。

そう、()()()()()

第1層と言えど、相手はモンスターだ。

ただ剣を振り下ろしただけにも関わらず、相手は

 

「ボアァァァァ」

 

幾つかのライトエフェクトを出しながら消える。

その事に2人は…

 

「は?」

「まさか、ここまでとは…」

 

クラインはアホっぽい声を出し、アホっぽい顔をしている。

いや、実際にアホなんだけれども。

そして、キリトは何だか難しい顔をしながら考えて込んでいる。

成る程、こいつは気付いたのか。

この世界の()()()に。

 

「成る程。キリトは気付いたみたいだな」

「ああ、だがこれは…」

「そうだな。余り言うべきでは無いだろう」

「何を言ってるんだ?2人とも」

 

さて、問題は山積みなのだが…

1つずつ説明していくのだろうか?

面倒臭いな…そうだ!!

 

「キリト、後は頼んだ」

「何で俺!?エイトがしてくれよ!!」

「嫌。無理。面倒臭い。だから寝る。いや、逆だな。寝るから無理。嫌。面倒臭い」

「何だそりゃ!?」

「わかったよ、やればいいんだろ…」

「おう、俺にもわかるように説明してくれよ!!」

「何で上から目線なんだ…」

 

んー、と考える。

何から話すべきかな…

そうだな、

 

「クライン、レベルって何だ?」

「ん?そのプレイヤーの強さを表す数字、って感じか?」

「そうだ。ただの数字だよな?」

「おう。まあな」

「でも、俺たちが一匹≪フレンジーボア≫を倒すのに、エイトは恐らく、1人で数匹狩れるだろう」

「お?おう」

「それも≪ソードスキル≫無しでだ」

「ふん」

 

あ、分かってないな。

でも、説明するの難しいんだよな(by作者)

何だ今の?ま、いっか。

うーん、あ!!

 

「例えば、今から俺たちが全力でエイトを攻撃するとするだろ?」

「おう」

「すると、どうなる?」

「そりゃ、死ぬんじゃねえのか?」

「いや、正解は()()()()()()()

「見てろよ?」

「お、おい!!」

 

そう言いつつ、俺は気持ちよさそうに寝転がるエイトを斬る。

こいつ、こうなる事を予想してやがったな…

 

「よく見ろよクライン」

「何を…え!?どうなってんだ!?なんでエイトのHPが減ってないんだ!!」

「所謂≪バトルヒーリングスキル≫だな。俺達がどれだけ攻撃しても、エイトには勝てない」

「そんなの、理不尽じゃねえか!!」

「それがレベル制VRMMORPGの理不尽だ」

「なるほどなあ…」

 

どうやら、クラインも理解してくれたらしい。

こんなのが知れ渡ったら、どんな事が起こるか予想できない。

でも、ここで1つの疑問が浮かぶ。

 

「でも、これだとレベルが高い理由にはならないんじゃ…」

「」

「確かになあ…どうしたんだキリト?エイトを見て」

 

俺は見逃さなかったぞ?

さっきの言葉に反応したのを。

さて、どうしたものかな。そうだ!!

 

「でも、幾らスキルが高くても首を斬れば死ぬんじゃないかなあ…」

「分かった、分かったから剣をしまえ!!キリト」

「のわ!!起きてたのかエイト」

「じゃ、説明して貰おうか」

 

クッソ、嵌められた…

こいつ、俺が話をワザと逸らしたのも気付いてるんじゃ、

 

「おう、知ってるぞ」

「察しの良い子は嫌いだよ。てか、また心読みやがったな」

「エイトはわかり易いんだよ」

「そんな事よりも教えてくれよ!!」

「はいはい、分かったから」

「おお!!」

「ただし、他言無用で頼むぞ?」

「お、おう…」

 

「ユニークスキル≪獲得数10倍≫だ」

 

 

 

 

 





少し、最後の方焦りましたかね?
一度、消えてるんでなんとも言い難く…

次回、第3話(当たり前)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話


とっちきボンバー様、jdufjf様、cesta様
高評価有難う御座います。

今回でアスナ出したかったんですが、
間に合いませんでした。

少し強引ですが、我慢して下さい。

早くアスナ出したいんすもん。


 

「何だそりゃ!!ユニークスキルぅ!?」

「それに、獲得数10倍!?チートじゃないのか!?」

「うるせえなあ、2人とも」

 

本当に五月蝿い。

確かに、ユニークスキルなんて聞いた事も無いし、ましてやそんなチート能力じゃあ…

俺も、見たときは大声で叫んだ訳なんだけれども。

 

「でも、いつからなんだ?」

「それを説明したい所何だが、そろそろ時間だな」

「ん?なんだ、もうそんな時間なのか」

 

そんな会話を聞きつつ、俺はログアウトボタンを探す。

だが、それは見つからなかった。

 

「ん?なぁおい」

「ああ、こっちにも無い」

「取り敢えずGMコールしてみるわ」

 

そう言いつつ、このバグであろう原因を探す。

まあ、初日だし仕方ないか。

 

そう判断した時だった。

 

リンゴーン、リンゴーン

恐らく、このアインクラッド全体に響き渡っているであろう、

大きな音が鳴り響いた。

 

それが、地獄の日々の始まりにもなるとは知る由もなかった。

 

 

3人組が、今の状況を理解する前に、鮮やかな青い光の柱に包まれた。

そして、眩しさに目を閉じていたエイトが目を開けると、そこは

 

「…1層の転移門前か?」

 

その声につられるように、2人も目を開ける。

だが、この状況に混乱している様だった。

ここに転移されたプレイヤーも、状況を把握しきれていない様だ。

 

そして、1人の男が声を上げる。

 

「お、おい!!上を見ろ!!」

 

3人組も顔を上げる。

そこには、推定20mあるだろうか。

真紅のフード付きローブをまとった巨人がいた。

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

その時、俺は疑問を持った。

『私の世界』と、確かにそいつは言った。

だとすれば…

 

『私の名は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 

「やっぱり…」

俺は、思わずそう口に出した。

横にいるキリトとクラインも驚愕の表情を見せていた。

 

それから、茅場が言った事は、信じられない内容だった。

ログアウトが出来ず、外部からの干渉はできない。そして、

『この世界での死は、現実世界での死を意味する』

 

最初に聞いた時は、耳を疑った。

だがこいつは、既に数百人が死んだと告げた。

そこで漸く、俺の思考も纏まってきた。

 

現実世界に帰れない?

『死』の危険がある?

家族に、小町に会えない?

 

そう考えた時、俺の体は自然に動いていた。

このゲームを終わらせるために、

いち早く帰るために。

元βテスターである事を利用して。

 

どうやらキリトは、クラインと別れ俺と来ることにしたらしい。

俺的にも、その方が助かる。

 

「なあ、キリトよ」

「なんだ、エイトよ」

「こんな所に、こんなダンジョンあったか?」

「俺の記憶が正しければ、無いな」

「だよなあ」

 

俺達2人は、巨大な白い神殿の様なダンジョンの入り口に立っていた。

 

 





次回、第4話(当たり前)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話

すいません!!

また、アスナの出番まで遠退いてしまいました!!
でも、どうしても書きたかったんです!!

これは、未来への布石です。

本当ですよ?


現在、俺はキリトと謎のダンジョンに挑んでいる。

こんなダンジョン、βテストの時は無かったんだがなあ…

なんて、考えながら進む。

 

「それにしても、大丈夫かな?」

「ああ≪アニールブレード≫だろ?」

「あれより強かったらいいんだけどなぁ」

「そうである様に祈っておけ」

 

そう。ここに来たのは、元々≪アニールブレード≫を手に入れるためである。

しかし、その剣を手に入れるためのクエストは無く、代わりにこのダンジョンがあったのだ。

これで弱かったら、結構ヤバいんだよな。

俺は、俺たちはこの世界の理不尽さを知っている。

たかが数字で、全てが決まる。強者も、弱者も。

 

「ん?おい、あれ見ろキリト」

「あれは…人か?」

 

そこには、仮面であろうか?

何かを被り、顔を隠している人が2人いた。

この世界の住人である≪NPC≫だろうか?

 

「話しかけてみるか」

「ああ、行くぞエイト」

 

そう確認し、人に近づく。

すると、「ピコン」という音と共に、何やらメッセージが表示された。

そこには、

 

『剣を生成し次第、試練が行われます。宜しいですか?』

 

「おい、どうする…って、聞くまでもなさそうだな」

「ああ、多分特殊なクエストだろう」

「危険は?」

「ああ、わかっている。だが」

「背に腹は変えられない、ハイリスクハイリターンって、ところか」

 

どうやら俺は、俺たちは戦闘狂らしい。

俺は、表には出さないが正直ワクワクしている。

こんな状況にも関わらず、だ。

キリトは無意識なのだろうが、

さっきからずっと、顔に薄く笑みを浮かべている。

俺よりよっぽどタチが悪そうだ。

 

そして、俺たちは同時に≪YES≫を押す。

すると、俺たちの目の前の人が光に包まれ、剣が2本でる。

 

『夜桜』

 

この剣の名前は夜桜と言うらしい。

見た目は、黒い太刀だろう。この世界には存在しないはずなんだがなあ。

あったとしても、曲刀ってところだ。

そんな剣を取ると、新たにスキルを獲得した通知がでる。

…成る程、そのための≪ユニークスキル≫って訳か。

 

それで、キリトの方は…

白の刀で、刀と思えない程デカイ。だが、両手剣では無いらいしい。

そして、キリトにも幾つかスキルが追加されたらしい。

 

キリトはじっくりとスキルを確認している。

俺も、その間に新しく手に入ったスキルを試す。

本当に、俺のユニークスキルがなければ意味が無いな。

 

そんなときだった。

俺たちのいた部屋に轟音とも呼べる警告音が鳴り響いた。

そして、恐らく試練の相手であろう敵が姿を表すー

 

「「は?」」

 

思わず口に出てしまった。

それが、余りにも強かったらから。

それも、一匹では無かったから。

 

『煌黒龍アルバトリオン』

『祖龍ミラボレアス』

「熾凍龍ディスフィロア』

 

暫く呆然としていると、アナウンスが流れる。

どうやら、一頭ずつ戦闘するらしい。

流石に、そこまで鬼畜では無いようだ。

 

さて、最初の相手はー

 

『煌黒龍アルバトリオン』

 

 




今回はモンハンのコラボでしたね。
モンハン歴は割と長めです。
ああ、PS4が欲しい…

それで、モンハンシリーズ全部プレイしたことになるのに…
ま、やった事はあるんだけれども。
羨ましいぜ!!

次回、第5話


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話


小説詳細を見て気付きました。
これを投稿する頃には見れませんが、
第1話から第4話までの合計が5555文字だった様です。
そんな偶然からの第5話。

「5」ばっかですね。



 

『煌黒龍アルバトリオン』

 

第1戦目の相手はHPゲージが無く、

どうやら専用のステージがあるらしい。そのため、

 

「あ、暑い…」

「これ…どんな気象設定なんだ…」

 

火山と見て取れる場所に転移された。

それにしても暑い、暑すぎる。

これは短期決着が望ましい。絶対そうは出来ないけど。

 

そろそろ始めようかと武器を構え、アルバトリオンの正面に来る。

すると

 

『ぐおぉぉぉぉぉおおおお』

 

吹っ飛ばされた。うん。

まさか咆哮だけで吹っ飛ばされるとは。これは予想外。

そして、現在降下中…

 

「ぐあっ」

「うっ」

 

落下した。大地と正面衝突である。

どうやらキリトも吹っ飛ばされたらしい。

さて、早速だが俺の新しいスキルを使おう。

出し惜しみは無しだ。じゃないと命が危うい。

 

「キリト」

「ああ、先ずは相手の行動を探ろう」

 

どうやら、意図を察してくれたらしい。

そして、俺はスキルを使う。

 

「スキル≪観察眼≫」

 

これは、相手の行動パターンや弱点が分かると優れもの。

あと1つ効果があるのだが、今は使えない。

正直、人間観察が趣味の俺にとっては最高の相性だろう。

 

キリトも、何やらスキルを使った様だ。

刀身が黒くなり、日本刀の様になっている。

力を増大、圧縮する事によってスピードも上がっている。

あれは、俺も持っているスキル。

≪卍解≫と≪瞬歩≫だ。

 

ふむ、何となくわかった。

どうやら、弱点は頭の様だ。

そして、特殊演出≪部位破壊≫があり、

角、爪、翼膜、尻尾を破壊できるらしい。

尻尾は切断か。

 

その事を伝えるためにキリトを呼ぶ。

 

「どうしたエイト。何かわかったのか?」

「ああ、奴の弱点は頭だ。そして≪部位破壊≫ができるらしい」

「わかった。場所は?」

「角、爪、翼膜、尻尾だ」

「了解。行くぞ!!」

 

そして、そこから反撃を始める。

攻撃しては避け、また攻撃。

アルバトリオンの攻撃は、基本炎と爆炎によるものだ。

 

『グルガァァァァァァァァアアア』

 

HPゲージが無いため、相手の体力がわからないが、どうやら半分に達したらしい。

アルバトリオンに変化が訪れる。

身体中に雷を纏っている。

 

そこからは、雷の攻撃が増えた。

キリトも≪瞬歩≫を使いつつ、上手く対応している。

だが、徐々に崩されていく。

 

「ぐあっ」

「ちっ」

 

それぞれ、空中にいたアルバトリオンから落とされた雷に当たる。

掠っただけで、かなり持って行かれた。

 

「キリト」

「ああ、このままじゃまずい」

「俺があいつを引きつける。お前はその間に頭にスキルを打て」

「ああ、死ぬなよ」

 

分かっている、と呟く。

こんな所で死ぬ訳には行かねえよな。

≪瞬歩≫をフル活用し、気をひく。

キリトは……よし、準備が出来たらしい。

 

「おらっ!!」

 

あの膝裏に攻撃をいれる。

所謂膝カックンだ。

これだけの巨体だ、勿論崩れる。そしてー

 

「うおぉぉぉおお!!≪月牙天衝≫!!」

 

キリトがスキルの名前を叫び、剣を降り下ろす。

すると、剣からは巨大な赤黒い斬撃が飛ぶ。

 

『グアアアァァァァァァァアアアア』

 

それは、見事にアルバトリオンを切り裂く。

弱点である頭部にもヒットしている筈だ。

しかし、アルバトリオンは倒れていなかった。

そして、更に強くなっていた。

 

『グオォォォォォオオ』

 

雷が消え、冷気を纏っている。

気象は一転、明らかな極寒である。

 

「おいおい、こりゃヤバイな」

「おう…寒すぎる…ヘックシュ」

 

強くはなったが、多分最後の強化だろう。

恐らく、HPがレッドゾーンになったための強化だと予測する。

 

「さあ、ラストスパート行ってみよう!!」

 

アルバトリオンは、攻撃が氷に増えた。

特に、氷塊は危険だ。

攻撃場所にパターンが無い。

避けるのが一苦労であり、躱しても衝撃波で吹っ飛ばされる。

あたったら…考えないでおこう。

 

地道に攻撃を繰り返し、そしてー

 

『グオォォォォオオ』

 

恐らく、47分程だろうか。遂に倒した。

倒したとは、元の場所に強制転移だ。

幾つかアイテムを獲得し、ステータスを確認する。

そして、俺は絶句する。

 

「レベル…127だと……」

 

いくら10倍でも、上がり過ぎである。

こんなのチート以外何でも無い。

キリトは…

 

「レベルが……52?」

 

キリトもだった。

だが、俺はこれで無いと困るのだ。

それは、俺の剣である『夜桜』の能力だ。

 

『使用者のレベルを喰い、ステータスを向上させる』

 

レベルを生贄とし、ステータスを上げる。

それは、俺のユニークスキルがなければ成り立たない。

 

だが、俺は気付いてしまった。

俺のユニークスキルが≪経験値10倍≫では無く≪獲得数10倍≫であることに。

つまり…

 

「うわあ、ステータスとアイテムがありえない事になってる…」

 

そう、獲得するモノは全て10倍。アイテムも、ポイントも。

どうやら『夜桜』も10本あるっぽい。

世界で1本じゃ無いのかよ…

 

「おいキリト」

「な、なんだ?おれはこの世界に関しての疑いで一杯なんだが」

「いや、次が始まるから」

「嘘だろ?」

「いや、ほんとだって」

 

さて、次の相手は、

 

『祖龍ミラボレアス』

 

 

 





少し最後雑でしたかね?
戦闘中の会話は苦手なので、端折りました。

そして、相変わらずのチートである。

次回、第6話(毎度、当たり前)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話

オリジナル設定あり。
こんなクエストもあってもいいんじゃ…
実際に似た様なのあるし。

やっぱ、黒が1番カッコいい。




『祖龍ミラボレアス』

 

恐らく塔の天辺、もしくは古城と思わしき場所に転移した。

アルバトリオンのステージと違い、気象設定は安定しているようだ。

雷が鳴っていなければ。

何かと天気悪いんだが、なに?晴れが嫌いなの?

 

「キリト、来るぞ」

「ああ、エイト。行くぞ」

 

そして、敵が姿を現す。

その姿は、『祖龍』の名に恥じない神々さで、

圧倒的な威圧感を持っていた。

今回はHPゲージがあるが、一本長いのが頭の上に。

これ、絶対特殊演出あるやつじゃ(フラグ)。

 

『ガァァァァァァアアア』

 

俺の思考を遮断するように、ミラボレアスは叫ぶ。

アルバトリオンほど近くなかったため、吹っ飛ばされる事はなかったが、

耳が痛い。勿論物理的に。

 

今回は俺がメインでの戦闘だ。

キリトにはサポートに回ってもらう。

試したいスキルもいろいろあるんだ。実験台になってもらおう。

 

「始解『深淵に咲き誇りし夜桜』」

 

俺が剣の名を呼ぶと、剣に変化が現れる。

赤黒いオーラを剣が纏い、重さが増す。

これ、俺かキリトじゃなきゃ扱えないな。重くて振れない、持てないまである。

このスキルは『卍解』の下位互換だが、十分強い。

 

キリトがミラボレアスのヘイトを引いている。

その隙に、俺は1つの≪ソードスキル≫を使用する。

 

『エンチャント・ヘルブレイズ』

 

そう言うと、夜桜が黒い炎に包まれる。

うわあ、厨二臭え…とか思ってた自分を殴りたい。

これ、ムッチャカッコいい。キリトがこっちをチラチラ見てる。

戦闘中だぞ…

 

「うらぁっ!!」

 

取り敢えず攻撃してみる。

うわ、こんだけしか減らないのかよ…

兎に角きりが無いと思ったから、俺は『エンチャント・ヘルブレイズ』の

の使用中専用≪ソードスキル≫を使う。

 

「キリト!!一旦引け!!」

「了解、スイッチ!!」

「おお!!『神千斬り』」

 

全120連撃にも渡るソードスキル。

その威力は…

 

「嘘だろ?」

 

ありえなかった。

確かに、強力だって事は理解していた。

いや、理解したつもりでいた。

あんな、硬かったのに…

 

「HPの1/3を削ったのか?たった一撃で?」

 

ミラボレアスの白い身体には、あちこち黒い傷ができている。

それが、俺のソードスキルによるものであることを理解する。

これは、暫く封印だな。

さて、もう一度(既に封印する気は無い)行こう。

と、した時だった。

 

『グルアァァァァァアアア』

 

もう一体、黒いミラボレアスがアラワレタ。

 

「は?」

「いやいや、嘘だろ?」

 

2対2なのか?流石に厳しいんだが。

どうするか、と考えていたら、白が黒を食べた。

「食べた」のか?

 

「え、どうゆう事だ?」

「わからん。だが、確実に強化演出だ」

「警戒、って事だな」

 

捕食が終わったのだろうか、戻って来る。

正直、戻ってきて欲しくなかった。

そのままどっか行きゃいいのに…

 

そして、ミラボレアスが攻撃予備動作に入る。

が、俺の記憶にそんな動作は無かった。

≪観察眼≫を使い、必死に思考を働かせる。

すると、ミラボレアスの口元から漏れる、炎を見つけた。

 

「まさか…」

「ヤバイな、全力回避!!」

 

俺は≪瞬歩≫を使い、できるだけ離れる。

そして、ミラボレアスは炎弾を放つ。

それが地面に接触すると…

 

どんっ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

ありえない程の大爆発と衝撃波。

これ、何処にいても衝撃波でダメージが入る。

うわあ、帰りてえ。

 

「どうする、エイト。このままじゃ」

「わかってる。少しずつ削られていくだけだ…」

 

やっぱり、出し惜しみは無しだな。

あれ、使ってみるか。

 

「うし」

「なんか思いついたか?」

「俺『卍解』使うわ」

「了解」

 

そう言い残し、キリトは突っ込んでいく。

やっぱり戦闘狂だった。

 

「俺もやるか…」

 

『終焉に咲き乱れし千本桜』

 

今度は、桜色を纏う。

この状態でも、専用ソードスキルがある。

それは、今の状態だと最高の相性だった。

 

もう一度、ミラボレアスが炎弾を放つ。

俺は、それを正面から受け、

吸収した。

 

あれ?てっきり炎だけの吸収だと思ってたんだが…

全吸収なのか?まあいいや。

 

そして、ミラボレアスに向けて、

それを放出する。

 

そう。この状態での専用ソードスキルは、

≪蓄積&放出≫だ。

相手の攻撃を蓄積、チャージし、それを条件によって変わる倍率を加算して放出する。

その倍率は、時間によって決まる。

それは、24時間表示の時計がわかりやすい。

例えば、2時なら2倍、18時ならば18倍…という風に。

しかし、デメリットもある。

30分のクールタイムと、24時以降、0時扱いのため、威力が0になる。

 

それを踏まえても、十分強いだろう。

そして、今の時間は23時。つまり、

 

『神器解放・23times』

 

そう、俺が言う。

すると、俺の夜桜から黒い炎が出る。

それに加え、

 

『エンチャント・ヘルブレイズ』

 

これは保険だ。

あ、でも、

 

「キリト」

「お前!!これどうすんだよ!?」

「自爆しそう…」

「おい!?」

 

そう叫んだキリトは、全力で撤退する。

俺は、出来るだけ遠くに打つ。

これ、直接当てたら、俺も巻き込まれそう。

そう考えて、空中に放る。

 

が、

 

「ちょ、うわあああぁぁぁぁぁぁ」

「や、やばっ…うおおおぉぉぉ」

 

結果、吹き飛ばされる。

結構削られた。これ、相当ヤバイな。

24倍なんて使ったら、アインクラッド崩壊するんじゃないのか?

多分、上空200mぐらいまで飛ばした筈なんだがな…

劇場版第10体目の神の使いもびっくりの威力である。

(このネタわかるかな?)

 

ミラボレアスのゲージは、3/2を削った。

あと少し。そう思い、思い出す。

あ、これまたあいつ来るんじゃ…

 

『グルアァァァァァァアア』

 

はい、来ましたー。

今度は赤黒いミラボレアス。

強そうなのに、白のミラボレアスに瞬殺される。

ま、演出だしな。

 

そんな呑気な事を考えていると、

何時までたっても降りてこないミラボレアス。

その背後に、オーラが見えた。

 

「「は?」」

 

それは、赤く、黒く、白かった。

恐らく、これまでの中で最高威力の攻撃だろう。

これ、蓄積できんのか?

少し怖いな。幾ら予備があるとはいえ、失いたくない。

そうだ、

 

「おい、キリト」

「どうした?」

「一撃で終わらせる。俺の後ろにこい」

「大丈夫なのか?さっきのやつみたいなことしないよな」

「大丈夫………多分」

「不安だ!!」

 

と、言いつつも後ろに避難する。

さて、ミラボレアスは白い塊を生成していた。

凄いエネルギーである事が伝わって来る。

それは、まるで隕石の様だった。

 

それが放たれ、俺に落ちてくる。

大気が震えている。

それに対し、俺は攻撃力0のソードスキルを使う。

 

『フルカウンター』

 

世界が崩壊する様な爆音を最後に、俺は意識を失った。

 

 

 

「…あぁ?」

 

目を覚ますと、元の部屋にいた。

どうやら、無事勝てたらしい。

 

「よう、目が覚めたか?エイト」

「ああ、無事だったか。キリト」

 

キリトは、既にステータスを確認した様で、

少し顔色が悪い。

 

「それより、最後のは何だったんだ?」

「ああ、ソードスキル『フルカウンター』だ」

「フルカウンター?」

「そう。相手の攻撃を放出と同じ倍率で跳ね返す、

攻撃力0のソードスキルだ。今回は23倍の、超高威力の攻撃だったな」

「お前、とことんチートだな」

「お前に言われたかねえよ。レベルいくつだったんだ?」

「うっ…137だったよ」

「うわあ、俺はまだまだレベル1ですよ?」

 

ま、多分レベル400は超えたんだろうけど。

全部『夜桜」に注ぎ込んでるからなあ。

ステータスは見てない、見たくない。

 

「お、そろそろか」

「ああ、最後の試練だな」

 

そして、最後の試練に挑む。

 

『熾凍龍ディスフィロア』

 

 

 




今回は七つの大罪とクロスでしたね。
エスカノールの神器の能力の名前、忘れました。
確かこんな感じだった様な…

次回、第7話(ここは辞めない)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話


今回は、何というか、無茶苦茶です。
どうしても、終わらせたかったんだ。
どうしても。




 

『熾凍龍ディスフィロア』

 

これが最後の試練だろう。

俺とキリトは身構えている。

が、何時まで経っても始まらない。

 

「おい、キリト」

「どうしたんだエイト」

「腹減った。なんかない?」

「ああ、確かにな…うわ、何もない」

 

あれから小一時間ほど経った。

なのに何も起こらないって…

なんて考えていたら、俺はある事に気が付いた。

 

「おいキリト」

「何だよエイト。飯はないぞ?」

「違えよ。ほらあそこ」

「どこだよ……うわ」

 

俺が指を指した方向を、キリトが見る。

そこには…

 

『グルルルルルルルルルルル…』

 

寝ている龍がいた。

いやあね?オカシクナイデスカ?

なんかこう…怒りが込み上げてくるよね?

 

「おいキリト」

「ああわかった。俺もイライラしてきた」

 

『卍解・天鎖斬月』

『卍解・終焉に咲き乱れし千本桜』

 

「キリト、一撃で決める。お前の最高威力を俺にぶつけろ」

「わかった、少し時間かかるけどいいか?」

「あと15分だな。そしたら24時だ。その1分で決める」

「了解」

 

『真天鎖斬月』

 

キリトぉ…そこまでイラついてんのか?

これ、結構なエネルギー感じるんですけど…

跳ね返せるよね?大丈夫だよね?

まあ、念には念をと。

 

「スキル『実像分身』」

 

そう言うと、俺は10人に分身する。

この分身は、俺の1/2が繰り返されたもの。

だから、今は1/10の力なのだが、『フルカウンター』には意味がない。

何故なら、攻撃力が無いからだ。

そして、キリトのソードスキルを10人で跳ね返す。

これ即ち、最強。

この部屋、もつかな。

 

「キリト、準備できたか?」

「ああ、何時でもって、キモイな」

『キモイって言うな』

「うわあ」

「兎に角時間だ。始めるぞ」

「ああ」

 

そう言い、キリトが構える。

さあ、行ってみようか。

 

『無月』

 

恐らく、今のがキリトのソードスキルだろう。

新しい姿になった斬月から、黒い、漆黒の、闇の斬撃が飛ばされる。

今更ながら、不安だ。何がって…

 

「この部屋、大丈夫か?もしかしたら、アインクラッド吹っ飛ぶんじゃ」

 

そして、俺は結論にたどり着く。

 

「ま、いっか」

 

『フルカウンター』

 

俺は、俺たちは斬撃を跳ね返す。

そして、俺たちのイライラの根源であるモンスターに向かう。

こんな状況で、思ってしまう。

 

御愁傷様です…

 

 

「なあ、こんな終わり方で良かったのか?」

「いいんじゃねえのか?これで、やっと出せるって言ってたし」

「誰が?」

「さあ?」

 

あれは、本当に見るに堪えなかった。

部屋は持ったものの、壁には大きな傷ができていた。

そして床は、完全に貫いていた。

そこから、雲海が見えた。

覗き込んだキリトの背中を、ちょんと押してみたら、

案の定、大慌てだった。

 

やっぱ、やっちゃうよね?

 

「それにしても…このアイテムたちどうする?」

「あ?それなら、≪アイテムポーチ≫みたいなのあっただろ。その中なら、無限に物入るぞ?」

「重さ関係なしに?」

「ああ」

 

キリトが、アイテムを整理している間に少し探索する。

ここで、ディスフィロアが死んだのか…

あ?なんだこれ。

 

≪モンスターの卵×2≫

 

これ、なんだ?

取り敢えず持って帰るか。

 

「キリト、整理終わったか?」

「…」

「キリト?」

「なあ、このスキルってなんだ?」

 

そう言われ、キリトのステータスを覗き込む。

そこには、

 

≪二刀流≫

 

「ああ、こりゃユニークスキルだな」

「これが……はあ。まあ、かっこいいから許すけど」

「嫌なのか?」

「そう言うわけじゃないんだけど」

「ど?」

「絶対面倒臭いって思って…」

「なるほどな…そりゃそうか」

「そうだろ?」

「ところでキリト」

「ん?なんだよ」

 

「卵、いるか?」

 





どう?めちゃくちゃだったでしょ?
はやく出したいんですもん。

ああ、どんどん内容が薄くなっていく…
絶対にアスナ、次だします。

次回、第8話


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話


ついにアスナ登場!!
な、長かった…メインヒロイン出るのに8話って。

今回も結構なご都合主義が含まれています。
まあ、ほぼモンハンネタなんですけれども。

タグにモンハンいれとこー。

あ、今回は長いです。


 

「卵?」

「そう、卵」

 

たぶんこれは、さっきの試練のクリア報酬なんだろう。

2個あったし。

その考えをキリトに伝えると、受ける事にしたらしい。

そして、キリトに卵を渡すためにアイテムを見ると…

 

≪モンスターの卵×20≫

 

え?いやいや、なんで?

俺が取ったのは2個だった筈…あ!!

そうか、俺のユニークスキルか!!

恐るべし、俺のユニークスキル(今更すぎる)

 

「…取り敢えず1個やるよ」

「取り敢えず?まだあるのか?」

「俺のユニークスキルだよ。20個になってた」

「ああ…相変わらずのチートだな」

 

ほっとけ、と俺は伝える。

まあ、今に始まった話では無いしな。

しかし、どうやって孵化させるのだろうか?

俺は、取り敢えず1個をオブジェクト化してみた。

だが、何も起こらなかった。

 

「どうだキリト。分かったか?」

「ああ。どうやら、一度アイテムストレージに戻す必要があるらしい」

「わざわざ戻さなきゃいかんのか」

「それで、もう一度オブジェクト化させる」

「うわ、もう面倒臭い」

「それから卵をクリックすると、孵化するらしい」

 

うわあ、面倒臭いな…

だが、孵化さえすれば、俺の代わりに戦ってくれる筈!!

仕方ないか。

 

「取り敢えず、やってみろよ」

「そのつもりだよ」

 

キリトは、手に持っている卵をクリックし、

『孵化させますか?』の『YES』をクリックする。

そして、卵にヒビが入った。

そこから産まれてきたのは、

 

『…ガウ?』

 

とても可愛い犬だった。

いや、確かに変な色をしていて、

尻尾も長いし角もあるから、犬じゃ無いんだろうけど、可愛い。

 

「キリト、名前は?」

「えっと『雷狼竜ジンオウガ』だって」

「は?狼?どっからどう見ても犬だろう」

「いや、これは非戦闘状態らしい」

「あ、じゃあ戦闘状態があるのか?」

「そうみたいだな」

「やってみてくれ」

「了解」

 

キリトは、肩に乗ったジンオウガに何か話していた。

てか、言葉通じるん?

そんな心配を他所に、どうやら戦闘状態になるようだ。

地面に降りたジンオウガを見ていると、なにやら蛍みたいなのが集まってきた。

 

それは、ジンオウガに集まって行った。

偶に、「パチっ」と音がなり、閃光が走る。

雷なのだろうか?

かなりの量が集まり、ジンオウガを光が包む。

そして、小さいながらも立派な遠吠えをする。

その瞬間、ジンオウガに雷が落ちた。

 

余りにも急だったので、思わず顔を背ける。

そして、再び目を開けると…

 

『グオォォォォォォォオ』

 

立派な狼がいましたとさ。

いや、デカイっての。小さい時の見る影も無い…

しかしジンオウガは、まだやめていなかった。

蛍を集め続け、また遠吠えをする。

 

「パリッ、パリパリパリ」

 

次は、雷を纏っていた。

いやいやいや、カッコよすぎでしょ!?

何これ?くっそ、キリトめ…羨ましい。

キリトも興奮気味に話している。

ジンオウガと。

 

「名前とかって決めたのか?」

「ああ、どうしようかな」

 

あれからジンオウガには、元の姿に戻っていただき、

犬とか可愛いとか言ったことを謝罪した。

あれはもうジンオウガ先輩っすね。尊敬します。

 

「そうだな…お」

「お?」

「最初をとって『ジン』ってのは?」

「おう、いいんじゃないか?よかったな、キリト」

「おう!!」

 

キリトは肯定の返事をし、こう続けた。

 

「エイトはどうなんだ?」

 

おっと、忘れてたぜ。

俺にも卵はあったんだよな。

俺も孵化させるべく、アイテムストレージを見る。

が、そこでもう一度、俺は驚愕した。

 

≪モンスターの卵×29≫

 

は?どうしてこうなった?

キリトに1個渡したから残りは19の筈なんだが…あ。

いや、まさかそんな事は、ありえない、よな?

そんな事が起こっているんだとしたら…

 

俺は、辿り着いた仮説を検証すべく、もう一度卵をオブジェクト化させる。

キリトはどうやら、俺が孵化させると思っているらしい。

残念!!もう一度アイテムストレージに入れます!!

いつから孵化させると錯覚していた?

 

そんな事はどうでもよく、もう一度アイテムストレージを見る。

そこには、

 

≪モンスターの卵×39≫

 

はい、立証。

俺の仮説は正しかった!!

こんなに証明の問題を、外れて欲しいと思った事はなかった。

いや、もういいや。

 

俺はキリトにこのことを説明し、卵を9個あげた。

だって、半端だったから。

恐らく、半永久的に卵は増え続けるだろうし。

取り敢えず、俺もやってみるか。

 

俺も、キリトと同じ手順で始める。

卵を孵化させる。

ヒビが入り、卵が割れ、産まれてくる。

 

『ガウ』

 

か、可愛い。

何?生まれてくる奴皆んな可愛いの?

黒と緑の龍だろうか?

 

名前は『雷龍ライゼクス』

 

おお、かっこいい名前だ。

だが、それには似つかない容姿をしている。

キリトもジンを置いて見ている。

 

「なあ、ライゼクス?」

『ガウ?』

「お前、戦闘状態になれるか?」

『ガウガウ』

「んじゃ、頼む」

 

これはいいな。

言葉は通じないが、意思疎通は出来るらしい。

いいもんだな。

 

その間にも、ライゼクスは準備をしている。

ジンの時と同じように、蛍を集め始める。

だが色は、黒みがかっている。

 

そしてー

 

『グルガアァァァァァア』

 

黒く光り輝く雷を纏い、咆哮を上げる。

うん。カッコいいね。もう最高だわ。

移動も楽そうだ。

 

「ありがと、もういいぞ」

『グアァァ』

 

縮んでいくのも面白いな。

やっぱ、これ可愛いな。

でも、さっきのイメージの方が合ってるからな…

 

「よし。今からお前は『ゼクス』だ。よろしくな、ゼクス」

『ガウ!!』

 

どうやら、クエストは終わっていたらしく、俺たちは一旦別行動をとる事にした。

キリトはクラインの元へ行くらしい。

フレンド登録をして、キリトはジンに乗って行った。

後日、森の中を駆ける狼使いがいたと、噂されるとも知らずに。

 

俺はと言うと、未だにあのダンジョンにいる。

どうやらクリア後は、特殊空間になるらしく、

転移門から、自由に俺とキリトだけ行き来できるらしい。

そこで、俺はここをホームにした。

しかも、試練も受け放題らしい。

こんな優良物件他にあるか?

 

でも、流石に腹が減ったので街に向かう。

デスゲームが始まって、まだ1日も経っていない。

辺りはまだ薄暗かった。

 

森の中を歩いていると、フードを被ったプレイヤーを見つけた。

はっきり言って、危な過ぎる。

オーバーキルは当たり前。

周りを見ず、ただ正面の敵を倒していくだけ。

はあ、せめて俺のいない所でやってくれよ…

 

「ゼクス、いけるか?」

『ガウ』

「んじゃ、行ってこい」

 

そういい、ゼクスは俺の肩から飛ぶ。

しかし、その姿を捉える事はできなかった。

幾ら小さいとはいえ、ステータスは共通だ。

つまり、小さい俺が、全力で動いているのと同じ。

しかも、暗い中を黒いゼクスが飛ぶのだ。

黄緑色の線しか見えない。

某白い空想上の動物の名を持つ機械が、リミッターを解除し飛んでいるようだった。

……これでわかるのか?

 

結局直ぐに終わった。

いつの間にか帰ってきたゼクスを撫で、

フードを被っているプレイヤーの元へ行く。

 

「お前、オーバーキルもいいとこだぞ?」

「……」

「おーい、聞いてっか?」

「…なんで私を助けたの?どうせ皆んな死ぬのよ」

「あ、お前女だったのか。すまん、気付かんかったわ」

「そうじゃない。私の質問に答えて」

「じゃあ聞くが、お前、死にたかったのに何故戦っていた?」

「……」

「あんあ必死に戦っていたのに、死にたいってか?」

「……」

「矛盾してんだろ?そう言うのを逃げ…って聞いてんのか?」

「……」

「おいおい、人の話は聞け………よ?」

 

余りにも無視を続けるもんだから、

俺はデコピンをしてみた。

そしたら、あら不思議。

 

そいつは麻痺毒を受けたかのように、仰向けに倒れていった。

 

その時、フードが外れ、顔が見える。

そして、俺は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまでの…まさか独り言?うわ、黒歴史じゃん」





はい、アスナさん初登場。
次回はもっと踏み込んでみましょうか。

やっぱ、ジンオウガ先輩はかっこいいっすね。
でも、同じくらいライゼクス好きなんすよ。
皆さんはどっち派ですかね?

次回、第9話(当たり前っすねー)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話


今回も、少し乱れました。
でも、これくらいのフラグならいいよね?

皆さんの評価が優しすぎて泣きそう…



 

あの女を見つけてから数時間が経った。

急に気絶するもんだから、焦っていたのだろうか?

改めて見ると、整った顔立ちをしていて、美人の類に入るだろう。

 

くそ、俺も寝たいんだけどなぁ…

こいつ、気持ちよさそうにスースー寝やがって。

俺も睡魔と戦ってんだが。

 

「ん、んぅ?」

「お、起きたか」

「んー?……」

 

あ、ヤバい。

今は寝ぼけてるが、これ意識ハッキリしたら殺されるんじゃ…

ちょ、一応夜桜出しとこ。

 

「……」

「あ、あれ?反応ないな」

「どうして?」

「ああ?」

「どうして私を助けたのよ!?」

「いや、俺は助けてないんだが」

「え!?いやでも!!」

 

んー、事実俺助けて無いしな。

全部やったのゼクスだしなー。うん。

ゼクス呼んで紹介しとくか、面倒臭いし。

 

「貴方じゃないの?」

「こいつ。おいゼクス」

『ガウ』

「………」

「おい、感謝ぐらいしろよ」

「……か」

「か?」

『ガウ?』

「可愛い〜!!」

「は?」

 

あ、やっべ。ゼクスが襲われてる。

ゼクス、すまん。そんな顔をされてもなあ…

あ、ゼクス泣きそう。可哀想になってきたな。

 

「ちょい、お前そこまで」

「なによ〜。うふふふ」

「ゼクス泣きそう」

「ん〜?ああ!!ごめんごめん」

『ガウゥ…』

 

あ、やっべ。本当に危なかったな。

ゼクスのこんな弱った姿、初めて見た。

うーん、可愛い。

 

「よしよし、怖かったよなあ」

『ガウ』

「そうだな。こんな見ず知らずの女に触られたらなぁ」

『ガウゥ』

「ちょっと!!酷いわね!!」

「え?違う?香水臭かった?」

『ガウガウ』

「え!?うそ!!」

 

それから数分、俺はゼクスを撫でていた。

そしたら、いつの間にか寝ていた。

ベットで寝かせ、話を始める。

 

「んで?お前はあそこでなにをやってたんだ?」

「アスナ」

「は?」

「私の名前。お前じゃ無くて、アスナ」

「ったよ。それで?アスナはあそこで何をしていたんだ?」

「戦っていたのよ」

「俺には死にたがっている様にしか見えなかったが?」

「そうじゃ無い!!私は負けたくなかったの!!」

 

負けたくない…か。

それは恐らく自分にも、この世界にもだろう。

俺も経験済みだ。

……嫌と言う程にな。

 

「負けたくなかった、ねえ」

「そうよ」

「なら、明日付き合え」

「は?」

「第一層ボス攻略だ」

 

 

どうやら、昨日のうちに攻略会議があったらしい。

俺はアスナの件で忙しかったからな。

と言うわけで、俺はアスナと迷宮区を歩いてボス部屋に向かってるんだが、

 

「お前、何でフード被ってんだ?」

「だ、だって、じゃないと何でか囲まれるんだもん!!」

「か、囲まれるぅ?」

「男の人達がね、寄ってくるのよ」

 

ああ、成る程ね。

そう言う事か。確かに、こういうゲームに女性は珍しいし、

しかもこんな美人で、時々抜けてて可愛かったらなあ」

 

「え!?可愛い!?///」

「あ?何言ってんだ?」

「でもさっき…美人で可愛いって…」

「あ…声に出てたか?」

『ガウ』

「そっか、うん。すまんかった」

「い、いや!!うん、大丈夫だから…」

「ほ、ほら!!着いたぞ」

 

き、気まずい…

さっきの声出てたって、これ黒歴史確定じゃん。

いや、うん。今はボス攻略が優先だな。

 

「よう、キリト。久し振り?だな」

「そうだな。あれ?ゼクスは?」

「流石に目立つ。今回は余程のことがない限り、夜桜も使わん」

「…とか言いつつ、ゼクスをあの人にくっ付けてんじゃん」

「ばっ!!んな訳無いだろ!!勝手にくっ付いてんだよ!!」

「どうかな〜」

 

くっそ、こいつニヤニヤしやがって。

ん?ほほう。

 

「キリトはどうなんだ?」

「な、なにがだゃ?」

「思いっきり噛んでんじゃん。ジンはどこ行ったんだ?」

「そ、それは……」

「あれ〜?あそこにいる女の人の下に狼っぽいのいるな〜」

「エイト!!お前わかってて聞いたな!?」

「お返しだよ」

 

ふんっ。俺をからかうからそうなるんだよ。

ざまあ、キリト。

 

「っと。始まるみたいだな」

「ああ」

 

「みんな!!俺から言う事はただ一つ。勝とうぜ!!」

『うおぉぉぉぉおおお』

 

第一層ボス攻略、開始。

 





うーん。少し悩む。
こんな感じでいいのかな?

次回、第10話



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話


今回、ついに第一層攻略です。
やっぱり、戦闘シーンは難しいですね。

今回は、あの2匹が大活躍です。



キリトの話によると、俺たちは取り巻きである

≪ルインコボルド・センチネル≫を倒せばいいらしい。

やったね、サボれるぜ!!

 

「おいキリト」

「ん?なんだエイト?行くぞ?」

「え、お前戦うの?」

「え、だって俺らやらないと…」

「ほら、よく見ろよ。ほれ」

「ん?はあ、お前って奴は」

 

キリトが見たのは、取り巻きを次々倒していくゼクスだった。

相変わらず小さいままだが、それでも充分強い。

故に、俺が働く必要はない。

キリトも呆れてはいるが、ちゃっかりジンにやらせている。

それを見ていた残りの2人は呆然としている。

 

「これでいいのかしら?」

「さ、さあ。私もわからないわ」

「これでいいんだよ、アスナ。と…」

「サチだよ。俺もこれでいいと思う」

「えっと、サチです」

 

こんな雰囲気なのだが、今は攻略中だ。

ボス本体の方は、少しずつだが、削れている様だ。

さて、俺たちも参戦しますか。

 

「さて、キリトよ」

「おお!!やっとか」

「参戦だ」

「よっしゃあ!!」

「それじゃあ、私達も」

「ええ」

「行ってこい、ゼクス」

『ガウ!!』

「「「え?」」」

 

え、なにその意外そうな反応は。

え、だって俺がやる必要なくない?

キリトいれば十分だし。

てか、ジンとゼクスだけでいいまである。

 

「エイト、行かないのか?」

「え、だってもうレッド近くまで行ったぞ?あいつだけで」

「うそ、ゼーちゃんあんなに強かったの?」

「アスナ、ゼーちゃん言うな。てか、あれでも全力じゃないぞ?」

「うそ、でしょ?」

「本当だ。それよりも、ジンだって同じだぜ?」

「ジンちゃん、そんなに強いの?」

「そうだな、サチ。多分、ジンとゼクスだけで勝てるんじゃないのか?」

「その通りだ、キリト…ん?」

「どうし…おいあれ!!」

「ああ」

 

そろそろレッドゾーンまで来ているだろうと思い、

ボスを見る。

予想通りレッドゾーンなのだが、1人が突っ込んでいる。

あれは、確かナイト気取りのやつだったか。

 

問題はそこじゃない。

ボスの持っている武器が違う。

これは…

 

「「まずいっ!!全力で後ろに飛べ!!」」

 

俺とキリトの忠告がハモる。

キリトも、どうやら俺と同じ事を考えている様だ。

あいつは恐らくβテスターだ。

狙いは≪ラストアタックボーナス≫だろう。

 

ボスが剣を抜き、そいつを斬る。

キリトが向かうが、間に合わないだろう。

斬られた奴の元に、仲間らしきやつが向かう。

が、奴はそのまま死んだ。

 

だが、そんな事を気にしている暇は無いんだ。

多分、後ろの2人も攻撃したがるが、我慢してもらおう。

 

「おい、キリト!!」

「わかってる」

「頼んだぞ、俺は先にいく」

「了解!!こい、ジン!!」

 

俺はキリトにある事を任せ、先にボスに向かう。

ゼクスには、カバーをしてもらおう。

今はまだ、真の姿になるには早い。

 

『エンチャント・ヘルブレイズ』

 

これで良し。あとは、

流石に『神千斬り』は使えない。

キリトにも協力してもらわな困る。

普通に斬るか。

 

「おらぁ!!」

『グガアアァァッァァァァ』

 

よし、このぐらい残しておけば、

任せた事をし終えたキリトがトドメを刺すだろう。

 

「はあっ!!『月牙天衝』」

 

『グルガアアァァァァァ……』

 

パリン

 

その音と共に、ボスは撃破された。

第一層ボス攻略、クリア。

そして、ここからが俺たちの戦いだ。

 

クリアから少したち、

徐々に騒めきが少なくなってきた時、

1人の男が声を上げた。

さあ、始めようか!!

 

「なんでや、なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!!」

 

その一言に、騒めきが広がる。

「見殺し?」とか「なんの事?」といった、

疑問が多く聞こえる。さあ、もう一押しだ。

 

「お前達2人は!!知ってたんちゃうか?ボスの動きを!!」

 

うっそ、こんなに想定通りに行くかね?

俺の中で考えうる最高の言葉だった。

キリトも必死で、笑いを堪えている。

アスナとサチは……よし、大丈夫だな。

 

キリトは、まだ喋れそうにないし。

俺から言うか。

 

「そうだ、俺たちは知っていた」

「な、なんで言わんかったんや!!」

 

俺の言葉に反論し、

返した言葉に賛成する。

はあ、自分の意見を言えよ。他人に任せるな。

集団心理ってやつか?

あれ、違ったかな。あ、違うわ。

集団心理は、皆んなでやったら怖く無いwだった。

 

「何故わざわざ伝えなきゃならない。俺たちが持っている情報を」

「そ、そうしたら、ディアベルはんが死ぬ事はなかったんや!!」

「じゃあ聞くが、自分の目的を果たすために、その障害になる様な情報を

わざわざライバルに教えてやる馬鹿が、どこにいるって言うんだ?いないだろ」

「目的…ってなんや」

「ラストアタックボーナス」

 

キリト参上!!って感じだな。

周りの騒めきが、より一層大きくなる。

 

「ら、ラストアタックボーナス?」

「そうだ。ラストアタックのプレイヤーに与えられるボーナスの事」

「因みに、今回はコートだった」

 

そういい、キリトはコートを羽織る。

お、あれ結構カッコいいじゃん。

いいな、俺も欲しい。

そういえば『始解』に、衣服変化の作用があった様な…

普段めんどくて切ってるけど。

 

「や、やっぱりベータテスターやったんか!!」

「ベータテスター?はっ、笑わせんなよ」

「俺たちはベータテスト期間中、誰も到達できなかった層までいった」

「そこらの軟弱者と一緒にすんなっての」

「そんなん、チーターやチーター」

「そ、そうだ!!こいつらチーターだ!!」

「ベーターでチーター…ビーターだ!!」

「ビーター、か。ふんいいじゃねえか」

「俺たちにぴったりだな」

 

ま、強ち間違ってないし。

自分でもチーターっていう自覚はあるんで。

さて、そろそろ行こうか。

呆然として固まっちゃってるし。

それじゃ、

 

「最後に」

「な、なんや!!」

「始解『深淵に咲き誇りし夜桜』」

『グラアァァァァァァァア』

「卍解『天鎖斬月』」

『グルガアアァァァァァ』

「俺たちに殺されない様に、精々足掻くんだな」

「門は俺たちでアクティベートしといてやる。感謝しろ」

 

さて、今起きた事を説明すると、

俺が始解して、本当の姿になったゼクスに乗り、

キリトが卍解して、後から聞いたが『セル』に乗って、

門の扉を破壊して、去っていった。

 

「おいキリト」

「なんだ?」

「そいつ、なんなんだ?」

「ああこいつは『セル』。『セルレギオス』っていうらしい」

「お前のか」

「そ」

 

第二層の転移門付近で話す。

いつの間に2頭目を…

俺も、今度やっとくか。

 

「ねえ、何であんな事したの?」

「……は?」

 

キリトと別れ、歩き始めようとしたとき、

急に後ろから話しかけられた。

振り返ると、アスナだった。

 

「なに、とは?」

「とぼけないで!!なんで麻痺状態にしたかって聞いてるの!!」

「やったのは俺じゃねえっての」

「……まあいいわ」

「いいなら聞くなよ…」

「ならさ」

「なんだよ、面倒臭いことは嫌だぞ?」

「私と付き合ってよ」

「…………………………は?」

 





ついに、第10話突破!!
ああ、結構続いてますね。

ALOとGGOでやりたい事があるから、
絶対に続ける!!

次回、第11話。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話


ほいほい。
今回は少し長めです。
因みに、シリカやリズに関しては、
キリトサイドで進行中です。
が、書くことはないでしょう。

では、第11話どうぞー。



「うらあぁっ!!」

『グガアァァァァ』

 

全150連撃のもなる、

俺専用ソードスキル≪神千斬り≫。

鮮やかなライトエフェクトが、火山地帯を照らす。

同時に、先程まで戦っていた『アルバトリオン』が消滅する。

 

ここは、初日に俺とキリトが挑んだ試練の部屋。

あの後も、1日1回は来ている。てか、住んでる。

やっぱり、ここは最高だった。

 

さて、読者の皆さんは、前回のアスナの発言、

 

「私と付き合ってよ」

 

が、気になってはいると思うが、

別に、浮ついた話ではなかった…

べ、別に悲しくはない。うん。

俺は…

 

俺は……何だ?

 

まあいい。

兎に角、アスナはどうやら俺とパーティを組んで欲しかったらしい。

勿論断った。が、

涙目+上目遣いで…

 

「……ダメ?」

 

はい、無理でしたぁぁぁぁぁぁ!!

これを無意識でやてるから怖い。

俺はそれで断るほど、強い心は持ち合わせていない。

てか、世の男子全員無理なんじゃ…

 

現在、攻略は74層まで進んでいる。

この層が終われば、所謂クオーターポイントだ。

最初のクオーターポイントである25層では、多大な犠牲が出た。

 

だがその攻略で、俺は大きなヒントを得た。

まあ、この話は後々って事で。

まとめると、俺はアスナのレベリングに付き合ってるって訳だ。

 

だが、ここは使わせなない。

それは、まだまだレベルが足りないからだ。

どうやら、挑戦すればする程レベルが上がっていくようだ。

今は、2年通い詰めた俺が、1人でやっと倒せるぐらい。

余裕はない。

 

そんなこんなで、気づいたら2年も経っていた。

俺も、ちょくちょく攻略に参加しているが、俺にも二つ名が付いているらしい。

俺はいつからか『死神』と呼ばれる様になった。

まあ、原因はなんとなくわかってるんだけどね?

 

1度、モンスタードロップの鎌を使って、

ゼクスの背中に乗って迷宮攻略をしていたところ、

攻略組のメンバーから、

「し、死神がいる…」

と言われた。それが広まったのだろうか?

そりゃ、黒のフード付きコートのフードを被り、

ゼクスの背中に乗って、黒の大鎌をブンブン振り回して、

モンスターを一撃で倒してたら、そうも呼ばれるか。

 

因みに、キリトは『黒の竜騎士』らしい。

全身黒装備で、新しい仲間『ゴア』を乗り回している。

正式名『渾沌に呻くゴアマガラ』。

こっちの方が死神っぽくないか?

 

現在、俺は50層の森にいる。

それは、アスナに頼まれたからである。

それは、数日前…

 

「ラグーラビット?」

「そ。S級食材なんだけどね」

 

ある程度のレベリングを終え、

街を歩きながら話している。

それにしても、S級食材ねぇ…

 

「ま、暇なときにでも探しておくわ」

「うん!!ありがと、エイト君」

 

その笑顔、反則じゃないですかね?

夕日のせいか、彼女の頬は赤くなっていた。

 

それで、目撃情報のあった森に来てるんだが、

なかなか見つからないものである。

いつの間にかゼクスもいなくなってるし…

 

諦めて、帰ろうとした時だった。

ゼクスが帰ってきて、そちらを振り向くと…

 

「……は?」

『ガウ?』

 

大量のラグーラビットを加えたゼクスがいた。

 

 

 

 

 

 

「うっす。相変わらずだな、エギル」

「褒め言葉として受け取っておきぞ、エイト」

「今日は用事があってここに来た」

「用事?今や攻略組のトップに君臨し、密かに慕われているお前がか?」

「言うなよ…ちょっと気にしてんだよ」

 

そう。エギルが言う様に、何故か、慕われている。

第一層の事を考えると、嫌われていて当然、必然なのだが、

どういう訳か、慕われる様になった。

聞いても、「こちらの一方的な感謝ですので」としか言われない。

上手く、はぐらかされている様な…

 

「それで、用事って?」

「ああ、これを見て欲しいんだが」

「こ、こりゃあラグーラビットじゃねえか!?」

「幾らになる?」

「……自分で食おうとは思わなかったのか?」

「いや、俺料理スキル上げてないし…」

「でもよぅ…あ、でも何でラグーラビットを捕らえようと?食うためじゃないのか?」

「あれ、何でだっけ?忘れた」

「はあ、大丈夫かよ」

 

あれ、何でだっけ?

んー、結構最近に回想したような気が…

なんて考えていると、後ろから肩を叩かれる。

あれ、アスナ…アスナ?あ!!

 

「アスナだ!!」

「わっ!!びっくりするじゃない、エイト君」

「わ、悪い。で、急で悪いんだが…」

「こ、これって」

「ああ、見つけた。そこで頼み何だが」

「ん?」

「これ、食わせてくんね?」

「うん!!じゃ、私の家行こ!!」

「おう……………は?」

 

いやいやいや、今、こいつなんて言った?

私の家?ありえないでしょ…

ほら、変なおっさんが俺を睨んでるし。

 

「今日はもういいわ、クラディール。お疲れ様でした」

「し、しかしアスナ様!!こんな男に護衛が務まるなど…」

「あら、エイト君は貴方よりずっと強いわよ?」

「ば、馬鹿な!!ありえません」

 

あ、あれぇ?俺に拒否権はないの?

てか、俺の事知らないのかよ…

最近、血盟騎士団に入ったばっかだな?

因みに、アスナは副団長。俺は諜報団団長。

ステルスヒッキーが火を噴くぜ!!

 

「なあ、本当に良かったのか?」

「ああ、護衛の事ね。変わっちゃったな、このギルド」

「……そうだな」

「どんどんおかしな方向に行っちゃってるし」

「いつからだろうな」

「さて、この話は終わり!!今はラグーラビットでしょ?」

「ああ、そうだな」

 

アスナのホームは61層の城塞都市だ。

現在は夕方。綺麗な夕日に照らせれている。

 

「お、お邪魔します…」

「もう、なんでそんなに恐る恐るなのよ…」

 

いや、だってねぇ?

いくらゲームの中とはいえ、こんな美少女の家に、

俺が来ることなんて……

 

「じゃ、着替えてくるから、エイト君も早くね」

「り、了解しました」

 

俺は装備を外し、イスに座る。

ああ、フカフカだあ…

着替え終わったのだろうか?アスナが入ってくる。

簡素な白い短衣と膝上丈のスカートに着替えたアスナは、

見惚れてしまう程、綺麗だった。

 

アスナに料理を任せ、俺は少し睡眠をとった。

以外と捜索がきているのだろうか?

やがて、いい匂いがし、目が醒める。

どうやら、丁度出来た様だ。

 

「これは、シチューか?」

「うん。ラグー、って言うぐらいだしね。紅茶、いる?」

「ああ、貰おう」

 

 

「ご馳走様でした」

「ふふ、お粗末様でした」

 

いや、もう美味いってもんじゃなかった。

ほんと、ゼクスがいてくれて良かった。

あ、エギルに悪いことしたな…ま、いっか。

 

「ところでエイトくん」

「なんだ?」

「明日、74層でレベリングしたいんだけど」

「いいのか?あの……く、くり、クロロホルムだっけ?」

「クラディールね。うん。置いてくから」

「護衛なんだろ?」

「いいの。エイト君もいるし」

「そんなもんか?」

「そんなもんよ」

「わかった。じゃあ、7時頃に待ち合わせで」

「うん、また明日ね」

 

俺は外に出て、星空を眺める。

アスナがお見送りをすると言ってきたため、断ったのだが、

聞かなかった。変なところで強情なんだよなあ…

 

俺が見上げる星空は、

決して『本物』ではなく『偽物」なのだろう。

これが、茅場晶彦の作りたかった世界なのか?

アスナが、それを感じとったのか無言で傍に一歩近づいた。

腕に、ほのかな暖かさを感じる。

それは『本物』なのだろうか『偽物』なのだろうか。

 

だが、俺は願っている。

これがー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本物』でありますように、と。

 





さて、少しずつフラグ立てていきますよ?
エイトの心にも変化が?
すっ飛ばした感満載ですが、
キリトサイドがないので、こんなもんじゃないですか?

では。

次回、第12話(←いつまで当たり前の事を…)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話


さて、今回は少し短めです。
べ、別に面倒臭い訳じゃないっすよ!?

ま、ほんとに違うんですけどね?
そうやった方が、書きやすいんです。

あと、後書き見て下さい。




 

「……こない」

「……おそいな」

 

現在、俺はキリトと74層転移門前にいる。

どうやら、アスナがサチも誘ったようで、キリトが既にいた。

それにしても、遅いなぁ…

 

ふと転移門を見ると、何度目かの青いテレポートの光が発生していた。

特に期待せずに見ていると…

 

「「きゃああああああああ!!避けてーー!!」」

「「は?」」

 

通常、歩いて転移してくるはずの門から、

人が2人、地上1m程から落ちてきた。

俺は咄嗟に、それがアスナとサチである事を確認する。で、

 

「よっと。何でアスナが落ちてくるんだ?」

「あ!!エイト君、ごめんね?」

「まあいい。怪我、ないか?」

「うん。エイト君が受け止め…て……っ!!」

 

ん?あれ、アスナが固まった。

と思ったら、小刻みに震え始めた。何してんだ?

 

「きゃああああああああ!!」

「ぐはっ!!」

 

水切りをする石の如く、

何度も跳ねながら吹き飛ばされる。

 

「ぐっ、あっ、がっ、ぐへ」

 

や、やっと止まった。

くっそ、何が起こったんだ?

えっと、たしk「ぐはっ!!」うわっ!!キリトが吹っ飛んできた!!

 

「いちち、一体何が……あ」

 

俺は思い出した。

アスナが転移門から落ちてきた際、

俺はアスナを受け止めたのだ。うん、お姫様抱っこで。

 

じゃあ、キリトも何かしたんか…

と思い、サチを見ると、

自分を両腕で体を隠すようにだき、顔を真っ赤にして震えていた。

キリトはと言うと、何度も右手を閉じたり開いたりしていた。

こ、こいつっ!!やりやがったな…

 

と、考えていたらアスナが俺の後ろに、

サチがキリトの後ろに隠れた。

なんだ?と、理解する前に、転移門から人がでてくる。

あ、えっと、あいつの名前は…く、くら…クラリネット!!

 

「クラディール!!何をしているの!!」

「あ、そうだ。クラディールだクラディール。覚えにくいな」

「どういうことだ?サチ」

「サチ様、アスナ様。困ります、勝手なことをされては」

 

サチは最近、血盟騎士団に入り、アスナの補佐をしているらしいが、

なんだ?トラブルでもあったのか?

 

「お二人とも、ギルド本部まで帰りますよ?」

「い、いやよ!!今日は休暇日じゃない!!そもそも、なんで朝から私たちの家の前にいるのよ!!」

「「は?」」

「それも、1ヶ月も前からですよね?」

「「は?」」

「当然です。それが任務ですから」

「「違うわよ!!」」

 

この時、俺は、俺たちは話についていけなかった。

は?1ヶ月も前から家の前にいる?ずっとか?

それって、ストーカーなんじゃ…

パッと2人を見ると、アスナが俺の服を、サチがキリトの服を摘んでいた。

何これ可愛い。

っと、そうじゃなくて。

 

それに気づいたのか、く、くら…クランクイン!!そうクランクインだ。

そいつの顔が歪み、言葉を発する。

それが俺の、俺たちの新しい黒歴史の始まりだった。

 

「私のサチ様とアスナ様に触るなっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「………は?」」

 

 

 





さて、キリトとエイトはどうするんでしょうか?
なんか、ドキドキしますね!!………俺だけ?
ま、知ってるんですけどね〜。

はい。そんな事は置いといて。
明日は(忌々しき)バレンタインデーですね。
学校でも最近(クソリア充どもが)「えっと、どんなチョコが好き?」
みたいなのを(聞きたくないのに)聞きますね。

周りの男子は(絶対に貰えないのに)ソワソワしていたり、
女子の方を(無意味なのに)見ていたりと、
全く違う雰囲気でした。

早くバレンタインデーにならない(で欲しい。てかなくならない)かな?

次回、第13話。


え、俺ですか?予定?
ネトゲのイベントでオール予定ですが何か?
は?チョコ?栄養ドリンクくれない?
あ、サプリ入ってたり?しないよなあ…



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話


どうもお久しぶりです。
いや〜インフルエンザって怖いっすね。
2/14のオンラインイベント片っ端から潰してたら、
まさかの38.9°Cもでてしまうとは…

まあ、受験勉強もしなくて良くなりましたし、
調子上げていきたいですね。

前期選抜最高!!なに?勉強しなくても内定?最高じゃねえか!?
みたいなモチベーションで内定貰えましたとさ。

受験生のみんな…頑張れ。





 

「おいおい、聞いたかキリト」

「ああ。聞いたさエイト」

「ど、どうしたの2人とも?なんだか変だよ」

「そ、そうよ…どうしたのキリト?」

 

お、おっす!!

久し振りだな、クラインだぜ!!

いやぁ、なんだか面白いモンが見れると思って来てみれば、

エイトはアスナをお姫様抱っこしてたし、

キリトなんて…くぅ〜羨ましいぜ!!

で、後から出てきた血盟騎士団の奴は死にたいのかしらねえが、

あの2人の前で、アスナとサチが自分のものと言いやがった。

さてさて、お次は?

 

「いやいや、まさか()()アスナをねぇ」

「ああ。()()サチの事をねぇ…」

「え?///」

「ちょ///」

 

おぉ〜と、周りからどよめきにも似た歓声があがる。

まさか、こんな公衆の面前で「俺のモノ」発言するとは。

ま、みんな公認のカップルでからな。

あれで付き合ってないって…どうかしてるぜ。

あ、勿論録画してるぜ!!

 

おっと、そろそろ俺の出番は終わりっぽいから、エイトに返すぜ。

以上、現場周辺より、クラインがお送りしました。

では、現場にお返ししまーす。

 

 

はっ!!い、今何が…

ま、いっか。今はそれよりも、だ。

 

「よしキリト。俺が行く」

「おいおい、冗談はそいつだけにしてくれよ?俺に決まってんんだろ」

「残念だが、ここは譲れないんだな」

「それはこっちもだぜ?エイト」

「たぶん理由は同じなんだろうが、俺のアスナの方が可愛い。よって俺だ」

「は?聞き捨てならないな。俺のサチの方が可愛いだろ?可愛い=サチ。これは全世界共通の公式だ」

「いやいや、俺が行く。なぁアスナ、そのほうがい……い?」

「どうしたんだ?エイ………ト?」

 

俺は、アスナにも許可を求めようとアスナの方を見た。

そこには、アスナとサチに触ろうとしているクラなんとかがいた。

おっと、こりゃやばい。

キレそうだ。あ、キレるわ、これ。

横をちらっと見ると、キリトも同じ様だ。

もう、いいよな?

 

俺は素早く夜桜を卍解させ、突っ込む。

キリトも、真天鎖斬月にして、突っ込む。そしてー

 

「俺のアスナに触るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

「俺のサチに触るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

 

「ぐ、ぐああああああああ!!」

 

そして、クラなんとかさんは吹っ飛んだ。

もう、それは本当に吹っ飛んだ。

ここは圏内だからダメージはないが、確実に圏外までは飛んでいる。

あ、天井当たった。特大場外ホームランだな。

 

あら、気づけば結構な人数集まってんな。

取り敢えず移動するか。

 

「おいアスナ……アスナ?」

「ひ、ひゃい!!な、なんでひょうか?」

「いや、移動。場所移すぞ?」

「は、はい///」

 

なんか顔赤いんだけど大丈夫なのか?

まあいっか。取り敢えずは移動だ。

っと、

 

「おいキリト……キリト?」

「ど、どうしたんだエイト?な、なにかあったのか?///」

「お前、顔赤いけど、どうしたんだ?」

「お前……はあ、まあいいや。サチ、行けるか?」

「う、うん///」

 

なんだこれ?なんでみんな顔赤いんだ?

取り敢えず、移動してから聞くか。

 

 

 

「ふぅ」

「落ち着いたか?」

「うん。ありがと、エイトくん」

「で、なんであんな顔赤かったんだ?俺、心当たりないんだけど」

「エイト、それガチで言ってんのか?」

「どういう事だ?」

「はあ、まあいい。思い出してみろ。俺とお前の言動を」

「えーっと、んー。はー…あ」

 

あれ、そう言えば俺…

 

『俺のアスナに触るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!』

 

「あ、あれか……」

「そうだ。思い出したか?今すぐベッドに飛び込みたいよな?」

「す、すまんアスナ……あ、あの時はえっと」

「だ、大丈夫だよ…嬉しかったし」

「う、嬉しかった?」

「う、うん。えっとね、気付いてるかもしれないけど、私はー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エイトくんの事、好きだよ?」

「……………え?」

「だから、俺のアスナって言われたとき、嬉しかった」

 

お、俺は…

どうなんだ?確かにアスナの好意には気づいていた。

だが、確信が持てなかった。

結果、それは男として最悪な事をしている。

彼女から告白させてしまった。

本当は…

本当は、なんだ?

その後に続く言葉は…

 

「…本当は、」

「…」

「本当、は、俺から言うべきだったんだろう」

「え、エイトくん?」

「俺はアスナが好きだ」

「!?」

「ずっと、俺の横にいたのはアスナだ。これからも、ずっとそうでありたい」

「なんか、プロポーズみたいだよ?エイトくん」

「……それもありか」

「え?」

「なあ、アスナ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺と結婚してくれないか?」

「!!……はい。不束者ですが、宜しくお願いします」

 

そう言い、結婚の申し込みをし、承諾される。

すると、指輪がオブジェクト化され、互いに嵌める。

これで、俺は本物を手に入れられたのだろうか。

ただ、これは偽物ではないと感じる。

 

 

 

 

「えっと、お前らも?」

「「はい…」」

「おめでと!!サチ」

「うん。ありがと、アスナ。そして、おめでと」

「うん、ありがと」

「キリト」

「ああ、わかってる。俺たちはこの2人をー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んでも守るー

 

 

 





超!!急展開!!
いやあ、急ぎすぎましたね。
ALO編の構想ができ、早く描きたいのです。
ま、もう少し続きますが。

次回、第14話



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話


書く予定がなかったリズ回です。
ま、クエストには行かないんですけど。
久しぶりのゼクス登場です。




 

「新しい剣?」

「ああ、あいつらの為にも、な」

「成る程」

 

そろそろ二刀流ってのもいい頃合いだろう。

あいつらを守る為にも。

さて、

 

「そうと決まれば鍜治屋だな」

「エイトはどこか知ってるか?」

「知らん。いままで必要なかったからな」

「そりゃそうか…サチにでも聞いてみるか」

 

さて、キリトがサチに聞いている間、

俺は別の事をしようか。

それは…

 

「さて、どんな子が生まれるかな?」

 

久しぶりの登場、モンスターの卵。

何が出るかな♫何が出るかな 

タタタタンタン♪タタタタンタン♬

 

『ギャウ…』

 

萌エツキタ。

いやいやいやいやいや、可愛い過ぎるって!!

何この綺麗な黒の子は!?

ちょっと大きいけど、ま、問題ないな。

可愛いは正義だ。

4番目に可愛い。

え?1番はアスナだし、その次は小町だ。

勿論ゼクスは3番目だ。

 

「えっと?クシャルダオラ王道でクシャか?」

『ギャウ?』

「そうだな。クシャだな。宜しく、クシャ」

『ギャウ』

 

はぁ〜、俺の癒しが増えた。

あ、一応デカイ時のも見とくか。

 

「クシャ、頼めるか?」

 

そう言うと、デカくなる。

が、デカすぎる。

えっと、これはセルよりもデカイし、ゼクスよりもデカイな。

でも、かっこいいよりは、綺麗だな。

うん。もういいかな。

 

「ありがとう。クシャ」

『ギャウ』

 

さて、どうやらキリトが聞き出せたらしい。

行くか。

 

 

 

「リズベット武具店へようこそー!!」

「えっと、武器をオーダーメイドで頼む」

「ええっと、今金属の値段が上がってまして…」

「大丈夫。素材はあるから」

 

そう言って、キリトは合成インゴットを2つ渡す。

それは、俺が2年間狩りまくったモンスターの素材を圧縮してインゴットにしたものだ。

てか、どんな錬金術だよ…

あれか?やっぱ鉄分だけ絞り出してんのか?

 

「これ、見たことないけど…」

「あ、ああ。気にしないでくれ」

「うん。任されました」

「片手直剣を二本頼む」

「えっと、具体的には?」

「俺はこれ、エイトはこれで」

「こ、これ!!こんなの作れないわよ!!」

 

そりゃそうだろう。

斬月と夜桜レベルの剣なんて、つくれない。

特に、ボーナスが大量に付いている俺の夜桜なんて。

だが、

 

「大丈夫だ。そのインゴットならな」

「んー、後で文句言わないでよね」

「りょーかい」

 

それからなんだかんだで、

 

「で、出来たー!!」

「おお、お疲れさん」

「さて、どうなったかな?」

 

ピコン

 

『流刃若火』

 

「ほう、リュウジンヒャッカか」

「どう?」

「悪くない。ボーナス抜きの夜桜以上だ。ありがたく使わせてもらう」

「やったー!!で、キリトは?」

「うん。ヒョウリンマルか。斬月ともいい勝負だな。ありがとう」

「これで依頼は達成ね。お題はいいわ。いい仕事させてもらったし」

「すまんな。また来る」

 

さて、店を出て少し試す。

夜桜と同じ分類の刀か。今はただの日本刀だがー

 

 

 

「ふぅ。一通りやったが、緊急時以外やらないほうがいいな、これ」

「そうだな、人前では使いたくないな」

 

ある程度性能、能力を確認した俺達は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広大な荒野に立っていた。

 

「怒られないよな?」

「……多分」

 

 





ザ・ご都合主義!!
クシャは見る分にはいいんですけど、
毒ない時の怒り状態がどうも…

少し設定いじってます。
ま、それでも荒野作っちゃいましたけど。

次回、第15話(当たり前)


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。