とある師弟の成層圏 (カツヲ武士)
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とある師弟の成層圏

ハイスクールモノ DDと思った?残念!

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「アイツは馬鹿か」

 

いや、馬鹿だな。

 

「おや、師よ何か有りましたか?」

 

「あぁ、日本で阿呆が馬鹿やらかしやがった」

 

もう何ていうか・・・本人も周りも

馬鹿過ぎるだろ。

 

「阿呆ですか?・・・あぁ確かに馬鹿してますね」

 

御歳6歳の我が弟子も納得の馬鹿さだよ。

 

「とりあえずこの論文丸々特許申請だ。

今すぐ、この会見が終わる前に。 

中国だけじゃなく国際機関にもきっちり

申請するように」

 

これはヤバイだろ。何考えて・・・何も

考えてねーな。コレだから技術に溺れた

技術者は駄目なんだよ。

 

「かしこまりました・・・大丈夫ですね。

我々が一番乗りのようです」

 

よし、やはりリアルタイムだと時差の関係も

あるからな。あとはあの馬鹿が気付いた時の

カウンターだ。

さて、もともとのコンセプトは・・・宇宙服?

いや、宇宙服より先に作るモンが色々あるだろ。

 

あ、資料を見る前にすることが有った。

 

「良くやった。さすが我が弟子」

 

やったら褒める。コレは教育の基本だな。

 

「ふ、この程度造作もありません」

 

6歳のお子様が胸を張っても威厳どころか

微笑ましさしかないぞ。

 

まぁとりあえず頭を撫でてやろう。

 

「ふむぅ。この調子で阿呆が阿呆してくれ

たら師には利益が出ますし、私も師に

褒められてWIN―WINなんですけどねぇ」

 

「いや、阿呆が負けてるから」

 

微妙に使い方が違うぞ。

 

「良いのですよ。この情報社会であんな

馬鹿をやらかした阿呆は全てを奪われて

終わるだけです」

 

「ま、そりゃ否定はしないがね」

 

さてさて、今までそれなりの発明で知る人ぞ

知る天才と言われてたアイツだが、今回の

コレで知る人ぞ知る武器職人になるぞ。

 

まったく、結構な勢いで発明品を作っては

売ってを繰り返して金を稼いでるから、

何か金が必要な環境だったかと思えば

コレ作ってたのかよ。

 

しかし今の段階じゃコレを正しく理解

できるヤツは周囲に居ないだろうな。

 

理解できても無駄なプライドが邪魔して

認めるようなことはしないはずだ。

 

はぁ。初っぱなから周囲に自分を認めさせた

弟子や、家の力と金の力で法をねじ曲げた

俺とは違い、中途半端な常識を持つ大人たち

に囲まれてソレを脱却できなかったアイツは

・・・やっぱり壊れたか。

 

織斑千冬のような中途半端な理解者が

居なければアイツも自力で檻を破壊

出来たんだろうが・・・

 

いやはや、普通に考えて画一的な人材を

作る日本の義務教育なんざアイツにとって

地獄でしか無かっただろうよ。

 

せめて親に海外留学や自宅学習を選ぶ

ことが出来るような開明的な視野が

有ればここまで歪むことは無かった。

 

周りの連中はソレに気付くことも止める

ことも出来なかったか。

 

はっきり言って環境が産んだ化物だよ。

 

周りは自分についてこれない連中ばかり

なんだ。ずっと空を見てたんだろうな。

 

そんなアイツが宇宙に恋い焦がれるのも

理解は出来る。

 

だが人生経験が足りなすぎた。

 

「阿呆の暴走に備えよう。起業するぞ」

 

アレは絶対にやらかす。この技術は確実に

軍事に舵を切るだろう。

 

国が手を付ける前に色々稼がせてもらおうか。

 

「はっ!内容は宇宙開発事業で?」

 

流石に話が早い。

 

「そうだ。社名は・・・冬林技研だ」

 

うむ、即興にしては中々

 

「そんな!弟子が師を差し置いて先に

名乗るなど!」

 

別に良いだろうに。まぁ前は断捨離とか

出来なかったから、こうして俺を立てるのは

仕方ないと言えば仕方ないんだかな。

 

「林冬だと良くわからんだろ?それに俺は

冬景色が好きだから冬が前で良いんだよ」

 

「むぅ・・・いや、しかし・・・」

 

まだ納得しないか。

 

「それに俺は黒幕だ、前に出るのはお前の

仕事だろう?」

 

「・・・まぁ、それはそうですが」 

 

目立ちたくないとかじゃないな。

そもそも冬と林で俺達を識別出来るヤツ

なんて居ないだろうから、どうしても

俺の前に立ちたくないだけか。

 

コイツの意識は少しずつ変えていこう。

いつまで経っても俺を追いかけるとか、

ある意味永劫の呪いじゃないか。

 

俺もな。2度や3度くらいなら良いが

あんまり繰り返してると魂が磨耗しそう

だし、もし転生の中でコイツを忘れたら

きっと忘れられたコイツは自我崩壊を

起こすくらいの衝撃を受けるだろう。

 

少し寂しくは有るが、コイツにはコイツの

生き方がある。

 

せめて楽しく生きて欲しいんだがな。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

むぅ。また師が考え込んでますね。

 

アレは私が師を追いかけることに対する

罪悪感みたいなモノでしょう。

 

私は好きで師を追いかけてるんだから

気にする事は無いんですけどね。

 

師は自分が居なければ、私は私の人生を

歩めるとか言ってましたが、ソレは

大きな間違いです。

 

師が居ない人生に意味など有りません。

 

いや、コレが師に依存していると言われたら

そうなのでしょうけど・・・実際問題、師は

私の理解者であることを忘れてませんかね?

 

私たちが当たり前に出来る事でも、周りには

不可能なんですよ?

 

誰にも理解されない孤独は地獄と同じです。

 

その結果が日本の馬鹿じゃないですか。

親も友人も周囲の誰にも理解されず環境に

壊された子供です。

 

アレはこれから周囲に破壊と混乱をもたらし

世界に失望して「でも、いつか、きっと」と

淡い希望を抱くが故に自決も出来ず、ただ

壊れたまま踊り続けるのでしょう。

 

・・・本来なら。

 

完全に壊れる前に師が見つけましたからね。

 

師はヤツすら理解して許容するでしょう。

その証拠にクソみたいな連中に知識や

技術を盗まれる前に保護して、

ヤツの夢を守る為に起業するのですから。

 

まぁ当然ソレだけではありませんが。

 

私も政治やら経済やらに関してなら経験や

才覚も有りますが、技術的な才覚はアレには

勝てませんからね。

 

有用な人材を獲得したと考えたら良いの

でしょうか。

 

まぁアレが自分が理解者を得たことに

気付くのはまだ先でしょうけど。

 

しかし冬林技研ですか・・・。師と私の

合作ですよね。

しかも私たちにしかわからない真名で

確かに繋がってます。

 

ふふふ。今はまだ6歳ですから嫁ぐことは

出来ませんが、あと10年もすれば正式に

結婚出来ます!

 

側室をどうするかは有りますが、まずは

正室の座を確保しますよ。

 

前とは違い、師も無理はしてません。

託されたモノが有ったからアノ後も生きて

行けましたが、本来なら私くらいは殉死する

べきだったと今でも悔やむ気持ちはあります。

 

もしかしたら同い年で転生出来たかも

知れません。

 

もし、万が一、師が早世するなら、今度こそ

私も着いていきましょう。

 

師にも理解者は必要ですし・・・師に邪魔と

言われるまでは、ずっと一緒に生きるんだと

決めてますからね。

 

私は師の理解者足り得ませんが、ソレでも

共に歩める随行者です。

 

大体、師だって私が貴方を探し歩くことは

わかってたでしょうに。

 

今生でご挨拶したときの、あの呆れたような、

納得したような、悪いことをしたかのような。

ソレでも、少し嬉しそうな笑顔を見たらね。

 

私から師を孤独に落とすようなことは絶対に

しませんよ。

 

コレは依存ではありません。惚れた弱味と

言うのです。

 

もし私が共に歩むのが嫌だと言うなら、

私に失望されるような男になってください。

 

千年。いえ、ソレ以上の時を越えての恋

だから、そう簡単には行きませんけどね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ふん。コレで私とこの子たちを馬鹿にした

奴らを見返してやれるんだよ!

 

「・・・今回はもうやってしまった

ことだからしょうがないが、今後は

必ず事前に連絡を入れるようにしろよ!」

 

ふふ。ちーちゃんはなんだかんだ言って

手伝ってくれるから良いけどさ!

 

もう少し世の中の馬鹿どもは現実を

見るべきだね!

 

「ん?なんかメールが来てる・・・冬林技研?」

 

この大惨事の直後に束さんに直接メールを

送ってくるとは・・・馬鹿にしては中々

見る目があるね!

 

まぁ普通なら見ないで放置なんだけど

今回はお披露目後の第一号だからね!

 

話くらいは聞いてやるよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『特許使用料支払いのお知らせ』

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

「どーゆーことだよ?!」

 

いや、ほんと、どーゆーことだよ!

なんで束さんが造ったISを束さんが使って

特許使用料とか払わなきゃいけないんだよ!!

 

「束?何があった?」

 

「あ、ちーちゃん!コレ見てよ!」

 

ありえないんだよ!!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

なるほど、これは・・・アレだな。

 

「・・・お前、以前記者会見したとき、

いや、記者会見する前に技術や論文に

対する特許とか申請したか?」

 

「え?そんなのしてないよ?だって

束さんの技術じゃん」

 

やっぱりか。発明を前に出して申請を

忘れたパターンだ。

日本人にわかりやすく言えばパチンコな。

 

技術しか追求しないからこうなる・・・

 

「あのな束、法律上は向こうが正しい」

 

「えぇ?!ありえないでしょ?!」

 

それが有り得るから問題なんだろうが

何のための特許制度だと思ってる。

 

それに産業スパイが何のために居ると

思ってるんだ。

 

いや、私もソコまで知ってるわけじゃ

無いが・・・まぁコレはアチラが上手だ。

 

しっかり国際機関にまで申請を

終わらせているとは・・・

 

この様子だと最初から束の論文に

価値があると見出してたな。

 

その上で束が暴走するのを読んでいたか?

 

純粋な技術や戦闘なら私たちに勝てるヤツ

はそうは居ないが、こういった法律や

政治的な手段を取られるとな・・・

 

「ふ、ふふふ!この束さんの発明を

掠め取ろうだなんて許せないんだよ!」

 

まぁ技術者としてはそうだろうが、

企業家とか経営者としてはアッチが正しい

からなぁ。コレは止めたほうが良いのか?

 

「とりあえずこの冬林技研って会社を

をめちゃくちゃにして、特許権を

束さんに譲渡するようにしてやる!」

 

お、サイバーテロだのウィルスを送って

めちゃくちゃにして終わりかと思ったら、

ちゃんと特許を取り戻そうとしてるあたり

意外と冷静だな。

 

いやコレは・・・特許権の怖さを調べた?

なんたって世界を跨ぐ一撃だからな。

あのネズミが世界最強と言われるのは

伊達ではない。

 

「まぁ実際その会社がどうなろうが

特許権を持たれたままだと、何を

するにしても金を取られるからな。

回収はしたほうが良いだろう」

 

法律上は相手が正しいかもしれんが

こんな姑息なことをしてくる相手を

庇う気にもならん。

 

なんだかんだでコイツの夢の結晶を

横から掻っ攫った連中だし、まぁ

コイツを敵に回したことを後悔する

ことになるだろうな。

 

「ふふん。中国の田舎企業が生意気に

束さんに楯突くから・・・・・・」

 

「ん?どうした?」

 

冬林技研とやらを調べてた束の手が

止まった?「中国の田舎企業」と言って

いたから、場所や会社の概要は掴んだ

のだろうが・・・なんだ?

 

「ふ、ふん。潰す前に話くらいは

聞いてやっても良いんだよ!」

 

「はぁ?!」

 

何だと?この束が妥協した?!

自分の夢を穢した相手から話を聞く?!

ありえんだろう!一体何があった?!

 

「ん?求人情報?」

 

なんでこんなページを?・・・あぁ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

募集人数 若干名。

 

募集資格。

 

年齢性別学歴国籍問わず宇宙に興味のある方。

 

中国語または日本語または英語での

意思疎通が可能な方。

 

職務内容

 

観測員・作業員・技術者・企画運営など

※営業ノルマは一切ありません

 

試験内容

 

書類審査の上、面接と簡単な試験有り。

 

 

 

初任給(日本向け法人)

 

 基 本 給  193,000円(税込)/月

 特別技術手当 有 

 残 業 手当 有 

 各種資格手当 有

  昇  給  有 (5000/年~)

 交通費 最大 12000/月 

 各 種 保険 別紙参照 

 週 休 二日 有

    

 年末年始、GW、夏季長期休暇 有

    

 賞  与  年 2 回 (6ヶ月分)

 

 

就労場所・就労時間については応相談。

(中国国内と日本国内を予定してます)

夜勤・日勤(早番遅番)有り

 

観測員だけでなく人工衛星の作成や

デブリ除去などの作業も予定しています。

(各種危険手当有り)

 

 

宇宙開発事業に興味のある方は募集要項を

クリックし専用の履歴書とPR用紙を

ダウンロードし、必要事項を記載の上。

下記アドレスにメール送信願います。

 

その際の表題は必ず「求人について」と

記載願います。

 

資料請求については専用ページから

資料請求用の用紙をダウンロードし

各項目を記載の上、下記アドレスに

メール送信願います。

 

その際の表題は必ず「資料請求」と

記載願います。

 

その他質問などありましたら

下記メールフォームから・・・・・・

 

定員になり次第、募集は締め切らせて

頂きます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

・・・なるほど、自分の技術を宇宙開発に

使われてたら束が文句を言えるはずもない。

 

そもそもがそのための記者会見だったし

理解者とパトロンを見つけたと思えば

・・・な。

 

しかしコレは・・・もしかして私も

応募できるんじゃないか?日本国内の

観測員とは具体的に何をするんだ?

募集人数は若干名?

えぇい具体的には何人だ?

資料請求するか?いや、そんな悠長な

ことをしていたら募集が締め切られないか?

 

とりあえず履歴書を書いて送るか?

 

「むぅ初任給193,000円(税込)か」

 

年齢学歴性別問わずでコレなら普通に

魅力的だ。しかも休みも多いし賞与も有る。

それに私にはIS操縦の経験者としての

アドバンテージもあるし・・・

 

しかしこの給料は本当か?高すぎないか?

いや宇宙開発と考えれば安いのか?

 

そ、相場がわからん。

 

しかしコレなら他の職に移る際にも

経験としては十分だし、職業柄各種

資格も取れるだろう。

 

一夏のことを考えれば不安定なバイト

三昧よりは定職に就いた方が良いよな。

学校も今は通信教育とかあるし、

高卒資格も取れる。

就労場所と福利厚生次第では・・・

 

「あ、もしもし、冬林技研さんですか?」

 

あ、あの束が電話連絡?!しかも丁寧語だと?!

 

それだけの案件と判断したか!

コレは・・・コイツの暴走を抑える

為にも私も動く必要が有るな!

 

とりあえず書式をダウンロードして・・・

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「師よ、宇宙開発にしては給料安すぎ

ませんかね?」

 

デブリ除去とか国家予算使ってますから

かなりの利鞘が予想されますが・・・

 

「ん?まぁまだ実績が無い会社だからな。

このくらいが現実的だろうさ」

 

いや、まぁ確かにそうですが・・・

有用性は白騎士が実証しちゃいましたよ?

 

軍事にも手を出すつもりでしょうか?

 

あっちは軍閥が絡むから面倒って

言って避けてたんですけどね。

 

「とりあえず兎から電話が来るだろう

から来たら俺が相手をしよう」

 

「メールではなく電話ですか・・・

あぁ、アレはそういう性格でしたね」

 

ウチの連中が何度か発明品購入して

ますから、なんとなく分かりますよ。

 

メールしろって言うのに電話してくる

んですよね。

電話しろって言ったらメールして来るし。

 

意図的に反対のことをしてるん

じゃなく、ただ話を聞かないだけ

だから何とも言えませんが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ、もしもし、冬林技研さんですか?』

 

・・・はぁ。天才の行動を読み取る師が凄い

のか兎が単純なのか・・・まぁ両方ですね。

 

精々師を楽しませて下さいよ?

 




思いついたから書いた。後悔はちょっとしている。

原作見て設定練りこもうと思いましたが
原作見てるだけで作者の常識スカウターが
破壊されました。

と、とんでもねぇ戦闘力(非常識)だ!ってお話

カーレ○ジャーもびっくりの待遇です。


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2話

原作前のお話。

いや、続かないよ?・・・多分


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『こちら冬林技研副所長李文優です』

 

ふ、普通に副所長が出ただと?しかも

流暢な日本語まで!

 

「あ、こちら日本の篠ノ之束と申します」

 

『ご丁寧にどうも。ですが普段通りで

構いませんよ?』

 

た、束が普通に会話しているだと?!

いや、私や一夏とは普通に会話

出来るし、箒ともコミュニケーションは

とれるから興味を抱いた相手には

それなりに出来るのは知っていたが!

 

しかも相手も束の性格を知ってる?

ま、まぁ記者会見の際に提示した

資料を特許申請するくらいだから

そのくらいは調べるか。

 

「ソレは助かるよ。それで、今回の

特許の件についてなんだけどさ?」

 

お前もお前で遠慮しないのな。

 

『あぁ、自分でも良い仕事をしたと

思ってますよ』

 

おい、受話器がミシミシ言ってるぞ

大丈夫かソレ?

 

「・・・まぁ、一応言い訳を聞いて

あげるよ」

 

が、我慢してる?あの束が?

 

『言い訳も何も、貴女のことを散々

馬鹿にした連中に権益を取られるよりも、

宇宙開発という目的の為に技術を

使ったほうが貴女の気分も良いだろうと

思ってのことですが?』

 

ソレはその通りだろうな。実際コイツが

やらなくても他の連中が勝手に特許の

申請をして金儲けをしていたはずだ。

そうなれば本当の意味で束の夢は穢されていた。

 

「なるほどなー。まぁ束さんとしても

アイツ等に使われるくらいなら、こうして

君に使われた方が良いと思うんだよ?」

 

おい、あんまり無礼な口の利き方を

するな。私の就職だってあるんだぞ!

 

『でしょう?それに記者会見を拝見

しましたけど、貴女は天才科学者では

ありますが経営者としては無能です』

 

おい、またミシミシ言ってるぞ。

 

諦めろ事実だろうが。

 

「たたた、確かに束さんは経営なんて

考えたことなかったからね!」

 

正面から無能と言われてめちゃくちゃ

動揺してるな。

 

『あの会見を見て貴女の技術者としての

レベルの高さと貴女の周囲に居る人間の

レベルの低さに愕然としたものです。

「子供の願い事は未来の現実。それを

夢と笑う大人はもはや人間ではない」

と言うのは日本の諺でしたか?』

 

聞いたことがあるような無いような・・・

 

「・・・あいつらは人間じゃないと?」

 

『えぇ、少なくとも大人でもなければ

企業経営が出来るような人間では

ありません。知ってますか?貴女の

会見の後、その日のうちに特許申請を

したのは全て日本国外の企業や研究者ですよ』

 

つまりあの場に居なかった連中の方が

束の価値を正しく理解できていた?

 

「その言い方だと君は会見中に特許

申請したのかな?」

 

『Exactly』

 

そのとおりでございますって

なんでココで英語?日本語か

中国語じゃないのか?

 

『以前日本の動画でネズミさんが

「夢が見たいなら金払え」と言ってる

動画を見ましたが、まさしくそれですよね』

 

そんなニッチな動画まで網羅してる?

コイツ、もしかして暇なのか?

 

「・・・つまり束さんの夢もお金が

必要だってことだよね?」

 

『そうですね。けど貴女はお金を

設備投資や資材購入と言う意味でしか

捉えていない』

 

ここはExactlyじゃないんだな。

 

「他にお金なんて何に使うんだよ?」

 

『生活ですね』

 

なるほど。ストレートに来たな。

 

「生活ぅ?」

 

『普段ご飯を食べるには食材を買うお金が

必要ですし、家賃や光熱費もかかります。

子供を学校に行かせるにも、学費だとか、

あぁ日本だと給食代とかもあるんでしたっけ?

それに恥ずかしい格好で虐められない

ように服や靴もそれなりに必要です』

 

「ちーちゃん・・・?」

 

「その通りだ」

 

簡単に学校に通わせるとは言うが、

今副所長が言ったように費用はかかる。

それに普通に生活するだけでも金は必要だ。

 

『そこに織斑さんも居るようですね?

まぁ聞かれて困る話をする気はありません

から別に良いのですけど』

 

束が呟いた「ちーちゃん」の一言で

私のことを見抜いた?

・・・まぁ束を調べれば交友関係

なんざ一発か。

 

『夢を見る為にはまず現実を生きねば

なりません。宇宙に恋焦がれるのは

貴女だけではありませんが、今の

生活を投げ出してまで夢に向かうこと

が出来るのは、ほんの少数です』

 

「・・・」

 

そうだろうな。私だって束に協力したい

とは思っても、ソレだって生活に

支障がでない範囲での話だ。

 

『つまり彼らが夢に向かうことの

出来る環境を作ってからでないと、

いくら貴女が画期的な宇宙服を

作っても意味がないのですよ』

 

ふむ。順序立てての説明が上手い。

研究所の副所長だもんな、その辺の

教師とは違って当然か?

しかし束にソレが伝わるとは思えんが・・・

 

「なるほど。夢を実現させる為には

同じ夢を持つ人たちを従業員として雇って、

その従業員が生活できるだけのお金を用意

しないと駄目なんだね?」

 

ま、まさか!束が社会性に理解を示しただと?!

 

『その通り。正確には給料と社会的

地位と言ったところでしょうかね?

まったく、言われればこうして理解

出来るのにねぇ。きっと貴女の周囲には

マトモな大人が居なかったのでしょう』

 

なっ!柳韻先生を冒涜する気かっ!

 

「うん。それはそうだね」

 

「束?!」

 

いや、確かに仲が悪いのは知っていたが

見ず知らずの他人に言われて肯定する程に

見切りをつけていたのか?!

 

『織斑さん。周囲が彼女を理解出来て

いたなら普通にアメリカだのドイツ

だのに海外留学させますよ。

もしくは私たちのように起業して彼女

の為に技術局のような部署を作ります』

 

それは・・・そうだな。

 

『勘違いしてる人が多いんですがね?

重要なのは理解しようと努力すること

ではありません』

 

「どういうことだ・・・ですか?」

 

私まで理解する努力を諦めたら、コイツは

一人で壊れてるだろうがっ!

 

『あぁ、織斑さんもいつもどおりの口調で

構いませんよ?調べればわかりますが、

私も貴女方と同年代ですからね』

 

「な、なんだと?!」

 

明らかに年上だろう?!

 

「ちーちゃん、ほんとだよ」

 

た、束が言うならそうなんだろうが・・・

 

『理解できないモノはどうやったって

理解出来ないんです。雀と鷹は違う。

無理やり自分たちの常識で推し量ろうと

すると、束さんのように壊れることになる』

 

「・・・」

「なんだとっ!」

 

コイツが壊れたのは私たちのせい

だとでも言う気か!

 

『いや、どう考えても束さんを

義務教育の小学校や中学校に

入れるのはおかしいでしょ?

海外なら最低でも飛び級で大学

入って研究室貰ってますよ?』

 

「「・・・」」

 

『大学生が小学校に居て、周りに

合わせなさい!なんて言われたら

そりゃ壊れますよ』

 

「「・・・」」

 

それはそうだろうな。正確には

大学生以上の頭脳を持った束だ。

相当辛かったのかもしれん。

 

『つまりは無理やり常識の檻に閉じ込める

のではなく、いっそ放逐・・・とは少し

違いますが、まぁ解き放つことが必要

だったんですよ』

 

常識の檻から解き放つ、か。

 

確かに束にとって周囲の環境は、自らを

閉じ込める檻でしかなかったと

言われれば、納得出来るところもある。

私のおせっかいは本当にタダの・・・

 

『今までは織斑さんが居たから致命的な

問題は起こりませんでしたけどね。

それだって・・・まぁ別にお説教される

為にこちらに電話をかけたわけじゃないで

しょうから、この話題はもう良いですね』

 

ん?何を言いかけた?私は束に何か

してやれていたのか?

 

「それはそうだね。束さんとしては

束さん個人の理解云々より、宇宙開発

事業に本気で取り組む気が有るのか

無いのかの確認がしたかっただけだし」

 

あ、あぁ、そうだったな。本題はソレだ。

もしも本気で宇宙開発に取り組むなら、

コイツらは束が初めて見つけた本当の同士。

 

あわよくば就職して一緒に夢を叶えたいと

思ったからこそ、こうして電話をしてる

んだろうしな。

 

『本気の度合いの確認ですか?ふむ。

当社には30年後を目指した計画が

ありますが、流石に社外秘ですので

見せるわけには行きませんねぇ。

しかしそうなると我々の本気を

どうやって証明したモノか・・・』

 

30年?!それが本当なら宇宙開発は

間違いなく本気だな。

 

「こっちがいくらハッキングしても

そんな計画は出てこなかったんだよ。

重要情報はスタンドアローンで

管理してるのかな?」

 

ハッキングってそんな正直に・・・

いや、ここは正直に言う方が

信頼関係を築けるか?

 

『当然ですよね?エシュロンだの

なんだのとハッキングシステムは

いくらでもあります。

自作のファイヤウォールを作っても

いずれは突破されますからね。

ならば初めからどこからも接触

出来ないようにしたら良いだけです』

 

むぅ・・・よくわからんが鉄の金庫を

作るのではなく別の場所に置いてると

言う事なんだろうな。

 

「情報管理も出来てるし、未来の

構想もある・・・少なくとも今の束さん

よりは10歩進んでることは認めるよ」

 

「そうだな、技術力では負けない

だろうがその運用能力が違いすぎる」

 

間違いない。コイツは束とは別種の天才だ。

 

『いや、貴女の10歩前とか、それじゃ

後ろに進んでますよね?それも全力で』

 

「え?」

 

「ん?」

 

どういうことだ?

 

『いや、さっき自分で起こした事件

忘れてません?』

 

「「あっ!」」

 

まずい!ミサイルの撃墜とか航空機

との戦闘だとかは明らかに戦闘行為!

 

このままだと、この技術が軍事力として

利用される!そうなれば宇宙開発など!

 

「どどど、どうしよう!リー君!」

 

おぉとうとう束がコイツを認めたか!

い、いや、そんなことを言ってる

場合じゃないな!

 

『リー君って。まぁ間違いでは

ありませんけど』

 

「落ち着き過ぎじゃないかな?!」

 

『結局は他人事ですからね』

 

まぁ確かにそうだが!

 

『とりあえずこのまま日本に居たら

妹さんとか周囲を人質に取られて

アレを量産するよう圧力が掛りますよね』

 

そ、そうだな。アレだけの性能を

持つ兵器だ。国家としては当然

量産させようとするだろう!

 

「誰だろうが箒ちゃんにナニカシタラ

絶対にゆ” る” さ” ん” !」

 

「そ、それはどうやって

発音してるんだ?!」

 

気持ちはわかるが落ち着け!

 

『んー?人質は無事だから意味が有る

んですよ?織斑さんの弟さんとかもね』

 

な、なんだと?!

 

「誰だろうと一夏にナニカシタラ

絶対に ゆ” る” さ” ん” !!」

 

『あんたも出来るじゃねーか』

 

落ち着く?出来るわけないだろ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

まったく性格が悪い。流石我が師。

 

『そ、それで、どうすれば良いのかな?!』

 

死ねば良いんですよ。

 

このクソ兎。さっきドサクサに紛れて

師をリー君とか呼びましたよね?

それだけで万死に値します。

 

「まぁ、暫くは政府の言いなりに

なって量産するしかないでしょうね」

 

まぁ実際周囲の人間のことを考えれば

亡命とか国外逃亡とかは出来ませんか

 

『そんな?!』

 

「落ち着いて考えましょう。貴女が

量産してくれればコッチに特許使用料が

入って、私はウハウハです」

 

『『お前最悪だな!』』

 

何を今更・・・師が善人なわけ無いでしょう

 

「不労所得って・・・素敵やん?」

 

『君、束さんより日本の文化詳しくない?!』

 

まぁ師は日本のネタ好きですからねぇ。

 

いや、確かにHENTAI国家と言われる

だけのことはありますよ。

 

野菜の品種改良一つ取っても、我が国

とは深さが違いますから。

 

「冗談はさておき、特許使用料が入れば、

それだけコッチは社員の福利厚生に回せます」

 

優秀な人材を囲うならそれなりの

出費が必要ですからねぇ。

 

『あぁ!つまり間接的にリー君のお仕事の

役に立つ。束さんも宇宙開発に関係出来る

ってことだね!』

 

この兎、またリー君って言いやがった!

 

「まぁそうですね。なんなら日本支部で

織斑さんを雇いましょうか?」

 

『なんだと?!』

 

あぁ、いきなり自分の話題になってビックリ

してますね。自分だって重要人物なのにねぇ。

 

確か幼い弟を抱えての二人暮らし。

基本は生活費を稼ぐアルバイト三昧でしたか。

 

「ウチが篠ノ之さんの技術に対する特許を

持ってることは調べればわかります。

それに日本政府としても織斑さんと

篠ノ之さんの繋がりはすぐに把握

するでしょう。

そうなると織斑さんも無関係とは行きません」

 

そんな状況なら織斑千冬を抱え込もうとする

行為に違和感は無い。むしろ当たり前です。

 

『・・・そうだね』

『・・・確かに』

 

「ご家族の関係上、逃げることが出来ない

なら、より良い環境を目指すべきです」

 

より良い環境ですか。

まぁ嘘ではありませんね

 

『その「より良い環境」が冬林技研だと?』

 

「日本政府の奴隷よりは良くないですか?

少なくともウチは「お国の為に」とか

言って人質取ったりしませんよ?」

 

流石我が師、上手いこと言いますね。

 

まだ確定ではありませんが、そのような

行動を取ってくる可能性は非常に高い。

 

それにここで織斑千冬を押さえれば

いずれは篠ノ之束も手に入ります。

 

「住む場所も、冬林技研の社員寮を

用意しましょう。敷地内なら日本の

役人も不法侵入で追い出せますしね。

貴女が留守の時も弟さんを守れますよ」

 

『・・・なるほど、一夏に対する不当な

接触も抑えることもできるわけか』

 

「もし貴女が普通に学校に通いながら

アルバイトとかしてたら、貴女の不在時に

どうなるかわかりませんからね」

 

こちらが中国の企業だからこそ出来る

ことですよね。

政府には「篠ノ之束の関係者を抑えてる」

と言っておけば補助金すら出そうです。

 

『む、むぅ・・・』

 

考えてますねぇ。引越しとか弟君の

転校とか安全を考えてます?

と言うか現状認識するの遅すぎませんか?

 

「そしておそらくですが篠ノ之さんの

ご家族は政府の保護プログラムで

離散することになるでしょう」

 

まぁ保護兼人質ですよね。

 

『え?箒ちゃんとお別れ?!』

 

「・・・この場合は他国に拐われる

よりマシと考えるべきでしょうね」

 

少なくとも我が国に拐われた場合

マトモな人権は無いでしょうねぇ。

 

ソレこそ「生きてさえいれば良い」

を地で行く連中ですから。

 

『あーうー!!』

 

自業自得でしょう。妹には罪はありませんが

兎は悩んで胃に穴を開けてしまえ。

 

「一応ウチで雇うというのも

考えてたんですけどね?」

 

『あ!じゃあソレで!』

 

この反応の早さ。こいつ、

この言葉を待ってたな?

 

「いやぁ流石にあんなデモンストレーション

したら問答無用でテロリストじゃないですか。

そんなの雇い入れたらウチが全世界に

潰されちゃいますよ」

 

全世界のミサイルハッキングって

やり過ぎでしょう。程度ってものを

知らないんですかね?

 

『あうちっ!』

『ま、待て!アレが束の仕業だとバレ

てるのか?!』

 

この阿呆は何を言ってるんですかねぇ?

 

「あんなタイミングで白騎士(笑)さんが

現れて、その後で堂々と天才発言したらね」

 

『『ぐはっ!!』』

 

まぁ完璧にバレバレです

 

「そんなわけで篠ノ之さんはどうしても

政府預かりになってしまいます」

 

不発弾の管理みたいな感じですよね

 

『じゃ、じゃあこの際日本のお金で資材集めて

沢山造ったほうが良いのかな?そしたら

そっちにもお金入るんだよね!』

 

ここが微妙なところですよねぇ

 

「うーん。あんまり量産はしない

方が良いと思いますよ?」

 

『なんで?』

 

「希少価値という意味も有りますが、

現状だと対抗出来る兵器が少ない

ですからね」

 

まったく無いわけではありませんが

コストを考えれば【現状】では少ないですねぇ。

 

『それだと駄目なの?』

 

これだから技術者は・・・

 

「下手に量産すると戦争が起きますから」

 

『あぁーそっかー』

『せ、戦争?!』

 

少し考えればわかるでしょうに。

いや、それがわからないのが技術者

と言う名の変態なんですけどね。

 

織斑に至っては完全にそこまで考えて

ませんでしたね?

まぁいくら素質があっても14か15の

元服前の子供ですからねぇ。

 

「まぁ国連辺りが干渉して来るでしょうが

何だかんだ理由をつけて一ヶ月に1個の

生産くらいで良いと思いますよ?」

 

実際一人で戦闘機を造れって言われてる

ようなモノですからね。

コイツが馬鹿やらない限りはその程度の

ペースでも文句は出ないでしょう。

 

『なるほど。ソレで時間を稼いで箒ちゃんや

いっくんを守れるような何かを造れば・・・』

 

そういう事ですね。人質の意味が無く

なればあとは自由にやれば良いのです。

 

「まぁ人質が居なくなって自由になっても

テロリストとしての評価はどうしよう

もないんで、表だって雇うことは出来ないん

ですけどね」

 

司法取引は国とやる事案ですからね。

更に軍閥が関わると私達も無理を通す

のは難しいんですよねぇ。

 

『あうちっ!?』

 

『わ、私はどうなる?!』

 

『ち、ちーちゃん?!』

 

あ、兎を切り捨てましたね。

いやはや女の友情とは儚いモノですねぇ。

 

「白騎士さん(笑)は美少女戦士並に正体不明

ですからね。知らぬ存ぜぬで良いでしょう」

 

『ぐはっ!』

 

『ぷっ美少女戦士()』

 

『も、もとはと言えば貴様がっ!』

 

おーおー戦ってる戦ってる。まぁ織斑千冬は

確実にバレてるけど証拠はありませんからね。

暫くはテストパイロットとして何食わぬ

顔して働けば良いですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いずれ帰属は日本になるでしょうけど、

ソレまではウチで馬車馬のように働いて

貰うとしましょうか。

 




いや、ポンコツ乙女さんが白騎士って
誰だってわかりますよね。

ソレが普通に高校行ってバイト三昧?
無理でしょ?諜報機関舐めすぎじゃない?

白騎士事件が起きた後なので兎は
当然就職出来ません。

普通に考えたらISよりミサイルハッキング
された方が大問題ですからね?
弾頭替えれば撃ち落としても意味無いし。

しかも全世界って。

中国に5発。アメリカに5発って感じで
拡散してやられたら地球さんが死んでますよ?

その辺の扱いが軽すぎませんかねぇってお話


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3話

原作前に色々すると思ったか?
残念だったな!

さくしゃのそうぞうりょくがたりない!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「は?いや、ソレってウチら関係無いです

よね?そもそも関わるなって言われてますし、

えぇそうです国軍の技術厰に言って下さい」

 

ふむ、また軍部か政府からの無茶振りです

かね?何だかんだで師も楽しんでますから

邪魔はしませんが、相手の担当者は

もう少し師に対する敬意が必要ですよね。

 

・・・さて、履歴を調べて担当者を確認

しますか。

 

「あぁ、アレですか。けどアレって

特に拘る必要有りますか?それに確か

繋がりがある代表候補生が居るのでは?」

 

む、代表候補生が絡む事案だと?

 

「はぁ、いや、確かにウチも繋がりは

有りますが、あくまで姉です。アレに

関してはノータッチですよ?」

 

我々と繋がりがある姉とアレですか。

つまり話題は男性操縦者の一人、織斑一夏。

 

何やら面倒事の臭いがしますね。

とりあえずこの担当者は尋問確定です。

 

「はぁ?本気ですか?」

 

師が本気で呆れてる?コレはまた珍しい。

 

「まぁ確かに技術大佐って階級はありますが

軍関係に関わるなって言ってきたのはソチラ

ですよね?」

 

そうですね。ISが兵器である以上、民間人

に運用を任せるわけにはいかないと言う事で、

我々にも技術大佐だの技術少佐だのと言った

役職はつけられました。

 

私たちが所持してるコアは元々国から与えられた

モノでも有りませんし、政府も流石に私たちから

強奪は出来ませんからね。

 

そう言った形で我々を取り込んだだけの筈が、

今さら役職を押してきた?

 

「はぁ、まぁアレは使い手と作り手が

未熟だったと言うだけの話ですよね」

 

役職をどうこう言うと言うことは、ソレに

伴う責任と権利が発生します。

軍はそう言うのには煩いですからね。

責任だけ押し付けるような行為は自らの

首を締める行為となりますから中々

出来ません。それに相手は師ですからね。

敵に回すような事はしないでしょう。

 

「いや、今さらですか?別にアレで勝った

からって何も得にはなりませんよね?

むしろ最新技術は隠すべきでは?」

 

つまり師に何らかの仕事をさせる為に、

技術大佐としての権利を与える?

 

さらにそれは代表候補生絡み?

ついでに織斑一夏が関わる?

 

それにアレとか勝つとか・・・

 

さ、私はご飯の仕度でもしましょうかね。

今日のご飯は師が好きな八宝菜ですよー。

 

「はい、まぁ本人には伝えておきますけど

技術少佐とか辞めると言うと思いますよ?」

 

やっぱり私かっ!腐れ担当者め、私に

言えば絶対問題になると思って師に

泣きつきやがった!

 

師は気難しいように見えて【面白い】

と思えば何でも有りだから、ある意味

説得しやすいからなっ!

 

技術厰の連中、一体私に何をさせる気だ?!

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「ま、そんなワケで日本に出張だとよ」

 

「もう決定事項ですか」

 

伝えてみるとは一体何だったのか・・・

 

「出張と言っても日本支部での生活だから

大してやることは変わらんよ・・・俺は」

 

「俺はって。私は何をするんです?」

 

まぁこの時期にわざわざ日本に行くんですから

やることはわかってますけどね。

 

「既にお察しの通り、IS学園だ」

 

「そうですかそうですか」

 

やっぱりそうですか。まぁ師も日本に行くなら

別に良いんですけどね。ただ担当者と担当部署

には地獄を見てもらいましょう。

具体的には予算の削減。異動も退職も許さん。

私たちに仕事をさせるくらいなら連中に

やる給料など無い。

全部コッチで使ってやりますよ。

 

「軍としては織斑一夏の情報が欲しいとの

ことだが、ソレに関しては既に有るから

特に何もしなくて良いぞ」

 

そうですよねぇ。日本支部で姉と二人暮らし

させてましたから、普通に髪とか有るし姉が

モンドグロッソで優勝した後は、自家発電

したときの残骸からDNAの塊を回収してますし。

 

黒髪の姉と巨乳モノが趣味でしたっけ?

 

兎も一緒になってやってましたよね。

黒髪巨乳は良いけど幼馴染みを忘れるな。

とか言って近所の住人に幼馴染みモノを

渡すように指示してましたっけ。

 

まぁ兎はアレを悪用させないために管理する

と言う大義名分も有ったようですけど。

 

「それじゃ何しに行くんです?」

 

軍の命令は完璧な形でクリアしてるなら

連中の予算を奪うだけでしょ?私がIS学園

に入る必要無くないですか?

 

「仕事としては内部監査と人材の確保だな」

 

「内部監査はまだしも、人材の確保ですか?」

 

正直な話、私と師と・・・兎が居れば

宇宙開発も特に問題無いですし、先進国に

蔓延する女尊男卑の風潮のお陰で優秀な

人材はいくらでも拾い放題なんですけど。

 

「いくらか目を付けてるのが居る。それに

暫くは彼処が物語の中心になりそうだからな。

介入する為の伝手はあって困るもんじゃ

ないだろ?」

 

「物語の中心ですか?」

 

まぁ女しか使えない筈のISをいきなり

男が使えるようになりましたからね。

そりゃ世間の注目も集めますか。

 

「別に男が使えようが使えまいが、

絶対数が決まってるから乗り手が

増えるだけの話なんだがな」

 

「そうですね。乗り手が女だろうが男だろ

うが、整備や開発に男女は関係有りません」

 

むしろ女だけに拘ってるから連中の開発は

恐ろしく遅いんですよね。

 

いきなり理系だとか兵器開発・兵器運用が

出来る筈もなく、しかも乗り手が年頃の

小娘だから、気分で調整が変わります。

 

ウチなんかだとトップダウンで一言「やれ」

で済む話ですら、わざわざ時間かけて

機嫌取ってからじゃないと出来ないって。

 

更に良い結果が出なければ臍を曲げて、

似たような実験には散々文句を垂れて、

最終的には技術者を脅すか殺すまでが

一連の流れ。

 

トライ&エラーのトライも出来ないし

エラーで殺される環境はねぇ。

そりゃ人材も流出しますよ。

 

「しかしIS学園に居る人材だと引き抜きも

難しいんじゃないですか?」

 

基本は各勢力に所属してますしね。

候補生じゃない小娘どもだって一応

日本所属ですし。

 

「建前上あの学園は国や勢力の干渉を受け

ない事になってるだろ」

 

「あぁ、確かに」

 

所属は日本ですが応用は利きますもんね。

実際生徒会長はロシアの国家代表です。

 

建前や法は有効に使うために有りますから

普通に技術者の引き抜きは可能ですか。

 

「理解したところで、コレがリストだ。

最優先がコイツ。コイツを引き抜ければ

後は遊んでて良いな」

 

「なるほど・・・コレなら難しくは

ありませんね。問題は既に他の連中が

関わってる場合ですか」

 

コレだけの好条件なら誰だって目を

付けますからね。

 

「その時はその時で構わんさ。内部監査

だけしてれば良い」

 

「対象は【天才】ですか」

 

わずか一年足らずで代表候補生の地位を

勝ち取ったと言いますが・・・明らかに

織斑姉弟との繋がりが評価を底上げして

ますよね。

 

「【鬼才】には足りんが、まぁ軍としては

どっちかが上手く行けば良いし、お前を

俺から引き離す為の策でもある」

 

あぁ。軍にも女尊男卑の勢力が居ますからね。

連中は師が連中の言うことを聞かないのは

私が居るからだと勘違いしてますし。

 

「幼い頃から洗脳教育してた」と言いますが

元々教育なんて多かれ少なかれ洗脳行為

ではありませんか。

 

連中の腐りきった思想なんか要りません。

そーゆーのは織斑千冬にくれてやれば

良いのです。

 

「引き離したところで連中の手駒に

なると思ってるんですかね?」

 

開放したとか言って恩を着せる気

でしょうか?

 

「思ってるんだろ。そんな連中が幅を

利かせつつあるのが今の軍部だ」

 

「つまり、師は連中の標的であり

男性の守護者ですか?」

 

黒幕のはずが妙に目立ってますよ。

 

まぁ表立っては裏表のない良いヒトで、

「実は影の総裁だった!」なんてのは

良くあるお話です。

 

しっかり良い人っぽい悪役をして

もらいましょう。

 

「連中が騒げば騒ぐほど俺の元に

人材が集まるという謎仕様ってな。

まぁ予算もあるから抱え込む分には

問題ない」

 

元々潤沢な予算でしたが、それに加えて

上層部の連中も知り合いの保護を求め

たりして来ますからね。

 

予算と権力の両立が出来てますが、

師を排除したらヒステリックな女共が

騒いで自分の首を絞めるという

どっちに転んでも地獄状態。

 

普通に会話できて、権力欲が薄くて

利益も配分してくれる師の方がマシ

だって感じなんですよねぇ。

 

良識の有る女性や結婚を控えてる

女性も旦那や彼氏を守るために

コッチに来ますし。

 

人材と予算が集まるから更に陣営が

強化されると言う雪だるま方式。

 

やっぱり阿呆が馬鹿やってくれると

師にはプラスに働きますね。

最終的にはそういう風になるよう

段取りを組んだ師が凄いのですが。

 

「あとは国外の技術水準も見てみたい。

全体的にはアレだが、部分的なモノに

関しては見るべきモノがあるかも

知れんしな」

 

「有りますかね?まぁ無いとは

言い切れませんけど・・・」

 

「実際の成果は微妙でも、

発想だけでも十分な収穫になる。

無駄を知り見識を広めることにも

なるから損だけではないさ」

 

最終的には私の見識を広める為ですか

・・・まったく、この人は。

もう少し自分を大事にしてくれても

良いと思うんですけどねぇ。

 

「それに目標はクリアしてるんだ。気楽に

婚前旅行に行くにはちょうど良いだろ」

 

「こっ・・・そ、そうですね!」

 

い、今、婚前旅行と言いましたか!

確かに言いましたね!

えぇ絶対言いましたよ!

そう言われて見れば日本は先進国の

中でも清潔ですし、食べ物も

美味しいですからね!

 

我が国では立場や柵も有りますから、

なかなか自由には行きませんが

たまには羽目を外すのも良いでしょう!

 

ふふふ、担当者連中の予算は

9割カットの予定でしたが、8割で

勘弁してやりますよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「久しぶりですね中将」

 

まぁ8割カットで許すのは予算だけ。

 

他に関してはきっちりと精算させて

頂きましょう。

 

私と師に手を出せばどうなるか、連中が

忘れたというなら思い出させてやります

 

『はっ!お久しぶりです!』

 

「ここは「少佐の態度では無いぞ!」

と叱りつけるところでは?」

 

と言うか少佐に敬礼する中将という

のも微妙ですよね。

 

『ご冗談を。陛・・・閣下に対して

そのような言動をする者はこの国

には教頭殿を除いておりません!』

 

「ふむ。貴女は私の母なのですから、

そのくらいは教育の一環と思うのですが」

 

実際普通の子供なら歪みますよ?

 

『閣下の母となれたことは司馬家当主

として最高の名誉であると自認して

おります!

ですが閣下の教育に関しては教頭殿に

一任しておりますので、私如きが母親面

して口を挟むつもりはございません!』

 

まぁそれもそうですね。そのおかげで

やりたい放題出来てますし。

 

この辺は姉上や子供達がきちんと

師や私のことを言い残していたから

こそなんでしょうけどね。

 

コイツの態度は変わらないか。

ならやはりアノ命令はおかしい。

 

「それは重畳、では今回の私に

対する命令はどういう事だ?」

 

師から見れば人材の発掘や他国の

情報を国の予算で確認できる上に

こ、婚前旅行も出来るから良い

ということですが、それはあくまで

私を納得させる後付けの理由です。

 

そもそものきっかけであるIS学園

への出向はどういうつもりなのか。

出立の前に確認せねばなりません。

 

『え?め、命令ですか?』

 

「貴女が私に対する命令を知らない?

どういうことです?怠慢だと言うなら

永遠に休ませてあげますが?」

 

どういうことだ?一応技研の所長は

コイツなのにコレが知らない?

となれば、一体どう言った経緯で

私に命令が出た?

 

『も、申し訳ございません!至急

確認させていただきます!』

 

「えぇ、裏取りは任せます。ちなみに

任務の内容はIS学園への出向です」

 

『はぁ?!閣下が国外に出向?!』

 

「声が大きい」

 

『し、失礼しました!直ちに

担当者を尋問します!』

 

「ですねコレが師との会話履歴です。

内容を纏めて明日の16:00まで

に報告なさい」

 

『はっ!』

 

・・・普通はこうなりますよねぇ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「先輩、今回はお疲れ様でした」

 

「あぁ、山田君にも苦労をかけたな」

 

まったく、タダでさえ世界初の男性操縦者が

見つかって現場は混乱しているというのに、

よりにもよってソレがウチの一夏だとは。

 

正直言って、IS学園などより冬林技研で

保護してもらった方がアイツの為では

有ったんだが・・・今回は日本政府の

動きが早かったな。

 

「セシリアさんも角が取れたように

大人しくなりましたしね。

これでクラス対抗戦までには弟さんも

しっかり訓練できます」

 

「そうだな。ISを理論的に教えるなら

代表候補生にまでなったオルコットが

居れば問題ない。

アイツもソコソコの腕にはなるだろう」

 

教科書を捨てた等と言った時は

危うく教頭の命奪崩壊拳(劣化)を放つ

ところだったが・・・

 

まぁ最低限のことは中学時代に技研の

バイトで学んでたから大丈夫だろうが、

実際に使うとなると色々と勝手が

違うからなぁ。

 

「代表候補生と言えば、これからも

大変そうですよね・・・」

 

「あぁ、中国とドイツとフランスが

何か画策してるようだったな」

 

特にフランスはなぁ・・・奴ら

一体何を考えてるんだ?

 

「直近は中国からの候補生ですね」

 

「凰鈴音だったな。アレならまだマシだ」

 

「お知り合いですか?」

 

「昔、数年間近所に住んでてな」

 

技研の社員寮に移った後も学区は

同じだったから転校も無かったし。

 

あいつも友人と離れずに済んで

良かったと思ったものだ。

 

実際はその辺をあの人たちが調整

してくれてたんだろうがな。

 

しかしアレも一夏に惚れてたから、

箒やオルコットとひと悶着あるだろうなぁ。

 

また寮の壁とかドアを壊さないように

最初にしっかり言い聞かせよう。

 

「へぇ。じゃあもう1人の人も

お知り合いですかね?」

 

「もう1人?代表候補生が2人も

来るのか?」

 

さすがに聞いてないぞ。連絡ミスか?

 

「もう1人は代表候補生ではく

技術士官だそうですよ?

年齢は同い年ですけど、多分

凰さんの機体の調整とかをする

んじゃないですかね」

 

「なるほど」

 

技術士官か。確かに最新型を候補生に

持たせても、メンテナンスや各種情報の

フィードバックには専門家が必要だしな。

 

更に中国のような国では喩え中立を謳って

いるとはいえ、日本にあるIS学園の

関係者に自国の最新鋭機を弄らせたくは

ないだろう。

 

若手の経験にもなるから、そういう

機会を逃したくないのも分かる。

 

だが知り合いというのはなんだ?

 

「なんでもその人って冬林技研所属の

人らしいですよ?」

 

「ほう」

 

そういうことか。確かに政府からの要請で

倉持に招聘されるまでは冬林技研の日本支部

所属だったが・・・

 

「多分知り合いではないな。基本的に

日本支部の職員は中国本部の連中とは

絡むことがなかったんだ」

 

「へぇーそうなんですか?」

 

言葉や意識の壁もあったが、本部では

武装やら何やらの研究もしてたからな。

国外の従業員は基本的に日本支部で

宇宙開発関連の仕事に専念してたんだよ。

 

デブリ除去や燃料切れの人工衛星の

分解にISも使ってたが、それよりも

人工衛星の打ち上げに成功したり、

探査機のアマツバメが小惑星に到達

したときは思わず涙したものだ。

 

アレに間接的にとはいえ、少しでも

関われたことは私に取っても宝だよ。

 

束も泣いて喜んでたしなぁ。

 

「私も名前を聞いただけですから

中国本部の人か日本支部所属の人か

までは聞いてませんでした」

 

あぁ、今は技術士官の話だったな。

 

「ま、それが普通だよ」

 

自分の受け持つ生徒ならまだしも

他のクラスの生徒のだし、しかも

他所の国の組織の内情なんて

普通はわからないからな。

 

「ですよねー。司馬さんなんて日本

にもいますしねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

( ˙-˙ )

 

 

 

 

 

 

 

「せ、先輩。近年稀に見る真顔?

(っていうか阿呆面?)ですね」

 

い、いまコイツ何て言った?

 

「と、冬林技研の技術士官で、

高校1年の司馬だと?!」

 

別人だよな?いや、あり得んだろ?

 

「え、えぇ、司馬さんです。漢字も

アノ晋の司馬懿と一緒らしいですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

( ˙-˙ )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せ、せんぱーい?!」

 

 




つ、続かない・・・よね?


弟子、なんか偉いらしい

男性操縦者は複数人いる?

副所長、日本で遊ぶ気満々の三本ってお話



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4話

弟子の年齢とか男性操縦者の数とか
色々修正!
風呂敷を畳んだとも言う!

評価が赤くなったって続かない!・・・ぞ?

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


ゴクリと生唾を飲み込む音が静寂の

中で響き渡る。

いや、実際には響いたりはしていない

・・・はずだ。

 

普段は緊張とは無縁と言われてるし

代表候補生を決める試合でも緊張

なんてしたことはない。

 

だけど今は別。

 

・・・冬林技研

 

司馬家が起業した、ISやISに使われている

技術を利用して宇宙開発事業を行う

会社であり、幼馴染であり想い人でも

ある織斑一夏の姉である織斑千冬が、

あの世界最強のブリュンヒルデが、

遅刻した際普通に頭を下げて出勤し

上司に説教喰らうような会社である。

 

コレだけでも胃が痛いのに、問題は

今回の呼び出しの内容だ。

 

代表候補生として日本に行くことに

なった自分の機体調整役兼お目付け役が

まさかの司馬家の鬼才、司馬仲達

その人だと言うではないか。

 

中国人なら誰もがその名を知る。いや

世界でも知らないモノはまともな教育

を受けていないか、そもそも教育前の

子供くらいだろう。

 

もちろんソレは歴史上の人物の話で

あって、自分のお目付け役がその

ご本人様というわけではない。

 

ただ、漢の時代から続く名門中の名門

司馬家の総本家の人間全員が、彼女に

その伝説とも言える名の継承を認めた

と言う事実が恐ろしい。

 

「司馬家の歴史は中華の歴史である」と

さえ言われる名門。その権益を巡る

争いは「骨肉の争い」では済まない

程だろうし、その澱みもまた自分が

想像も出来ないようなモノなのだ。

 

そんな家であるにも関わらず、

現当主を差し置いて満場一致で

伝説の始祖の名を継ぐと言う事が

どれだけのことか。

 

ただでさえ司馬家の総本家のお姫様。

日本人にすれば天皇陛下のご息女に

呼ばれたようなものだ。

しかも司馬家には2000年の間

蓄積された財力も権力も武力もある。

 

当然ISもある。なんといっても世界最強

がテストパイロットをしていた企業だ。

 

それが何でしがない中華料理屋の娘の

お目付け役になるのか・・・

 

普段は強気な母親もオロオロして

「失礼がないように!」を繰り返す

機械のようになっていたが、その

気持ちは凄く良くわかる。

 

生粋の中国人である母にしてみれば

司馬家の総本家のお姫様など現人神

そのもの。

 

無礼があったらそのまま殺される。

 

いや、殺されるだけならマシと

言われるような目に遭うだろう。

 

それも家族親族遡って、一族全員。

 

彼らにはソレをやるだけの力

があるのだから。

 

・・・あぁ、自分はただ日本に

居る想い人に会いたかっただけ

なんだけどなぁ。

 

何でこんなことになったのか・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「つまりは兎ですか・・・」

 

『はっ!裏で糸を引いていました。

担当者たちは兎の関与も知らずに

踊っていただけのようです!』

 

あのクソ兎。私と師を引き離して

既成事実を作り、自分が正妻の座に

納まる気でしたね?

 

で、師は兎の関与を読み取り

逆に連中から予算や権限を搾り取る

策とし、ついでに私との婚前旅行

にまで利用したと・・・。

 

流石我が師ですね!

 

「とりあえず無能な担当部署に回す

予算はありません。技研に回す必要も

ありませんから・・・今回は諜報部の

福利厚生に充てなさい」

 

『はっ!』

 

日本の歴史とか見れば分かりますが

ニンジャに対しての報酬をケチった

組織は情報弱者となります。

 

人である以上、仕事をこなしたら

褒めて報酬もきちんと支払うべき

でしょうに。

 

職に貴賎はありません。

 

彼らは職務上、表立って名誉が

得られないのですから、せめて

報酬で支払うべきです。

 

私たちが諜報を重宝していると

・・・なかなかの弟子冗談ですね。

 

今度師に教えてあげましょう。

 

『閣下?』

 

お、行けませんね。今は電話中でした。

 

「いえ、少し我が国の諜報について

考えておりまして・・・」

 

『あぁ、なるほど。閣下が使っていた

張燕様のような達人ともなると中々数を

揃えることができませんから・・・』

 

張燕様ねぇ・・・まぁ役には立ってました

けど、アレって達人ですかね?唯の賊面

だったような気がしますけど。

 

まぁいいや()

 

「この情報化社会では、諜報はどうしても

兎のような技術力重視となってしまいます。

ですが所詮その技術を使うのも人だと

言うことを忘れないように」

 

『はっ!』

 

IS搭乗者とて起動前ならば銃弾一発で

殺せますからね。

油断慢心ダメ絶対の理を忘れては

行けません。

 

「今回に関しては師が既に対処済み

ですから、貴女方を罰するつもりは

ありません」

 

『ありがとうございます!』

 

「こんなつまらないところで死んでは

私や師の創る世界が見れませんからね。

ただ今後は、師の手を煩わせることが

無いようしっかり手綱を握るように」

 

『はっ!かしこまりました!』

 

まったくあの兎め。

 

確かに織斑千冬のように万年乙女

では哀れと思い、師の寵愛を受ける

ことを認めましたが・・・所詮は兎。

性欲と独占欲が強くて困る。

 

師は独り占めできるような方では

無いと何故わからんのか・・・

 

「少佐!凰准尉が到着しました!」

 

あぁ、そう言えば呼んでましたね。

ふむ、まだ時間には余裕がありますが、

流石は日本で教育を受けただけの

ことはあります。

 

時間を無駄にしないのは良い事です。

 

―――――――――――――――――

 

 

「良く来ました凰准尉。自己紹介は

必要ですか?」

 

「け、結構です!司馬様のご高名は

存じ上げておりますので!」

 

う、うわぁ。ホンモノだよ!オーラが違う!

てゆーか、今のしゃべり方で大丈夫?!

教官役の人が遺書とか書いてましたけど、

問答無用で無礼討ちとかしませんよね?!

 

「ふむ、まぁ貴女の立場を考えれば慣れない

話し方なのは仕方ありませんね。

最低限の礼儀を守れば不敬扱いでの

断罪は行わないと約束しますので、気を

楽にしてくれても良いですよ?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

いや、貴女の最低限と私の最低限って

絶対に違いますよね?!

 

しかも断罪って・・・いや、そもそも

不敬以外はあるんですよね?!

 

「まぁお互い軍人としての立場が有りますが

IS学園が国家権力による干渉を受けないと

言うお題目を掲げている以上、学園内部

での不敬や上官命令に対する不服従は罪には

問われません」

 

「学園内部では・・・ですよね?」

 

「当然です。貴女に貸し出されるISは国家の

所有物。代表候補生としてソレを使う以上、

貴女の言動には国家としての意思が反映

されていると見なされます。

故に貴女の言動はチェックされますし、

その内容によって卒業後の貴女の待遇も

変わります。コレはわかりますね?」

 

「はい!」

 

ま、まぁ当たり前の話よね。部品交換やら

弾薬の補充やらは国家の予算で行われるモノ

だし、ISコアも装備も全部国の財産だもんね。

 

それなのに国なんか関係無い!なんて言ったら

コアを没収されて、身柄は拘束されるわよね!

 

「ちなみに先日IS学園において、イギリス

の代表候補生と日本の男性操縦者が

このような口論をし、決闘騒ぎにまで

発展したそうです。コレがその映像資料です」

 

 

 

 

 

 

 

「「・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

いやいやいや、何してんの一夏!アイツ馬鹿

じゃない?!しかもイギリスの候補生は

何を考えてるの?普通に国際問題よね?!

 

「ツッコミどころは多々有りますが、まず

イギリスの螺旋頭です」

 

「ら、螺旋頭ですか」

 

この人って意外と冗談とかわかる人

なのかしら?

 

「えぇ、そもそもの癇癪の原因である推薦

ですが、自薦他薦問わずと言ってる

のですから、さっさと自薦すれば良いのに

ソレをしませんでした」

 

「確かにそうですね」

 

「他の連中が自分を推薦すると言う確信が

有ったのでしょうが、普通に考えれば

イギリスの代表候補生よりも世界に一人

しかいない男性操縦者の方が希少です。

学園としても、少しでもデータを録るため

にも男性操縦者にクラス代表をさせようと

するのが当然でしょう」

 

「そうですね。学園だけでなくIS委員会でも

そう考えているのでは無いでしょうか?」

 

つまり完全にピエロよね。

 

「その通り。しかもこの螺旋頭、織斑千冬の

目の前で日本を文化後進国扱いで、日本人を

東洋の猿扱いです」

 

「織斑千冬も篠ノ之束も日本人ですし、更に

モンドグロッソで優勝してます。ISに関しては

名実共に間違いなく先進国ですよね?」

 

ほんと、馬鹿じゃない?千冬さん個人に挑戦

するために喧嘩を売るって言うならまだしも、

いや、ソレもアレだけど、まぁ気概としては

わからないでもない。

だけど、この言い方だと日本に対してイギリス

が国として挑発してるじゃない。

コイツはISを学ぶためにIS学園に行ったんじゃ

無かったの?最新技術と理論が有る日本は

技術先進国でしょ?

文化についても、ウチやらインドやらエジプト

に比べたら後進かも知れないけど、イギリスに

どうこう言われるレベルでは無いわよね?

 

それに、東洋の猿に負けた他のIS乗りやそんな

ISしか造れなかった関係者は何だって言うのよ?

 

IS関係者全員に喧嘩を売ってるじゃない。

 

「その通り。あまりにも現実が見えていません。

更に決闘とか言い出してます」

 

「はい。ISは彼女個人のモノではありません

から、もし決闘をするとなれば生身での

決闘をしなくてはいけませんよね?」

 

コイツの気分で弾薬やら部品やら浪費

することになるわ。

 

「そうですね。まぁ今回に関しては男性

操縦者が扱うISとの戦闘データを間近で

録れましたから、イギリス本国としても

丸損では有りませんでした」

 

「あぁ、確かに。双方で貴重なデータが

録れたと言うことですよね」

 

ソレなら一概に税金の無駄遣いとは

言い切れないか。

 

「ソレはそうですがあくまで結果論。

ついでに言えば、我々は一元も使うこと

なく情報を獲得していますよ?」

 

「あっ!そうですね!」

 

そう言えばそうだわ!つまりアイツらは

税金を使って私たちに軍事機密を公開

したってこと?!

 

「わかりますか?つまりは、こう言った無駄な

行為を控えるようにしてくださいと言いたい

のですよ。コレはお願いではなく命令であり

警告です」

 

「は、はい!」

 

周囲に悪影響を与えて、更に税金まで使って

他所が得するような事をしてたら・・・

そりゃ無能の烙印を押されるわよね。

 

「更に法律上の問題も有ります」

 

「ほ、法律上ですか?」

 

なんかややこしい話があるのね。

 

「知っての通り、IS学園に置ける基本的な

法は国際法と日本の法律です。所属する

国が違う場合は互いの国の法律を踏まえた上で、

国際法による判断が行われます」

 

「は、はい。そうですね」

 

日本の領土だし、国際法でカバー出来ない

ような細かいところは日本の法律よね。

後は文化や宗教の違いによる擦り合わせも

有るから、問題が起こると外務省と法務省が

凄く忙しくなるのよね。

 

「それでいくと日本の法律上では、

決闘は違法行為です」

 

「えっ?!犯罪なんですか?!」

 

知らなかった!犯罪は知らなかったじゃ

済まないから、コレは気を付けないと!

 

「えぇ。決闘を申し込んだ者。

決闘を受けた者。立会人を務めた者。

場所を提供した者。観客となった者。

決闘を知りながら黙認した者。

それぞれが罪人となります」

 

つまり関わった人全員じゃない!

 

「分かりやすく言えば殺人か殺人未遂。

殺人教唆。傷害と傷害未遂。脅迫と恐喝。

それぞれの共犯です。使うモノによっては

銃刀法違反も付きますね」

 

「い、言われて見れば決闘ってそう言う

行為ですよね!」

 

負けた方が奴隷とか言ってるし、しかも

使うのがISと言う兵器なら尚更・・・

 

「イギリスの法律でも決闘は違法行為ですね。

あの国の関係者の中では彼女の個人的な評価は

地に落ちてるでしょう。何せ国の威信を背負い

税金を使ってまで犯罪を犯したのです。

しかも個人の感情で兵器を振り回すと言う

最悪の犯罪行為です」

 

ありえないわ。私たちなら軍法会議?

いえ、司馬様に後ろから撃たれてるわね。

 

「コレ、普通なら強制送還の上で軍法会議を

すっ飛ばして実刑判決ですよね?」

 

だって現行犯だもの。別に代表候補生がコイツ

しか居ないわけでも無いだろうし、むしろ

コイツを引き摺り降ろしたい連中からすれば

格好の餌よね?

 

「普通ならそうです。コレがいまだに本国に

召還されてないのは、コレが実質負けて決闘

云々があやふやになったところを、

織斑千冬が決闘ではなく試合として

処理をしたからです。

それと、このお遊戯の結果偶然男性操縦者と

仲良くなったからですね」

 

「コイツが一夏と・・・」

 

戦ってお互いを認めたって感じ?

いや、だけどコレは無いでしょう。

それとも男性操縦者にはそれだけの

価値が有ると見なされてる?

 

「学園を卒業後、螺旋頭がどのような扱い

を受けるかは・・・まぁコレからの成長や

男性操縦者との関係次第では有るでしょうが、

このお遊戯は確実に彼女の評価と未来に影を

落とすでしょう」

 

それはそうよね。

 

ISを使い始めたばかりの素人相手に油断慢心

で接近を許し、さらにこの近接戦闘の拙さ。

 

未来どころか今の評価は確実にマイナス。

しかも個人の感情で兵器を私物化したって

評価はずっと付いて回るわよね。

軍事も政治も「謝罪しました。はい終わり」

なんて甘い世界じゃ無い。弱味を見せたら

徹底的に喰われることになるんだから。

 

「ちなみに貴女には織斑一夏への接触の任務も

下されてますが、ソレは上手く行こうが失敗

しようが貴女の立場には関係しません」

 

「え?」

 

いや失敗はともかく、上手く行けばそれは

良い事じゃないの?!

 

「貴女に命令を伝えた派閥の者は男性操縦者に

一定の価値を認めてましたが、我々は特に

価値を認めてませんからね」

 

「ど、どういうことですか?!」

 

ISが男性にも使えたら今の女尊男卑の

社会が覆るから、女権団体も男の政治家も

アイツらを重視してるんじゃないの?!

 

「まず、普通に考えたらわかることだと

思いますが、私が軍部の命令でIS学園に

出向するなど、本来は有り得ません」

 

「そ、それはそうですよね!」

 

普通にお姫様だからってのも有るけど、

そもそも司馬様は大学を卒業してるし

冬林技研はISを研究するなら世界最高の

環境だもん。

IS学園の学生みたいに一般の高等学校の

授業を受けながらISを弄るような中途半端な

事をする必要が無いわ。

 

「命令系統に不備が有りましてね。担当者

と担当部署は物理的に地獄を見ています」

 

「・・・」

 

えっと、ソレは何と言いますか・・・

 

「つまり貴女に命令を出した、男性操縦者に

特別な価値を認めている連中は今はもう

居ないと思って下さい」

 

「は、はい!」

 

思うって言うか、もう居ませんよね?!

 

「別に我々が女尊男卑に染まっているわけでは

ありませんよ?実際、男が使えようが女が

使えようが、ISの数は決まってますよね?」

 

「そ、そうですね!」

 

下手な意見は要らないわ!まずお話を理解

しないと・・・今、私はヤバイところに居る!

 

「今でさえ乗り手の数が過剰なのに、

ここから増えても争いが激化するだけです」

 

「そうですね」

 

今でさえ派閥だ女権だの色々あるのに、

男まで絡んできたら・・・

 

「つまりは下手にアレに関わって、権益だの

利害調整だのに時間と労力と予算を使う

くらいなら、いっそ他に使うべきだと

言うのが我々の意見なんです」

 

「な、なるほど!」

 

予算を使っても手に入らない可能性もあるし、

手に入れても厄介事が確定してるもんね。

 

それならいっそ相手に渡してかき混ぜた

方が良いって判断してるのか。

 

「それに冬林技研では男性が使える簡易的なIS、

ACを開発し宇宙開発事業で使用しています」

 

「えっ?アレってISだったんですか?!」

 

普通に宇宙服としてデブリ除去とか、

人工衛星の修理とか廃棄作業してましたよね!

 

「えぇ。何をもってISとするかの判断は微妙

では有りますがね。

まぁ簡易的とは言えISと名乗れば騒ぐ連中が

居ますので名乗ってないだけですよ。

そして、知っての通りACは男性も普通に

使えるモノです」

 

「な、なるほど!」

 

ソレなら一夏に特別な価値を認めないって

言うのもわかるわ!

 

だって他にいくらでも居るってことだもの!

 

「つまり、イギリスのように男性操縦者と

仲良くなったからと言って、罪が許される

ことはありません」

 

「は、はい」

 

むしろ仲良くなって結婚とかすることに

なったら・・・面倒事として処分される?!

 

「まぁ普通に仲良くなって婚姻だの妊娠

だのをした場合は、我々が保護することに

なるでしょうね」

 

「わ、我々と言うと冬林技研ですか?」

 

保護して貰えるの?!

 

「そもそもが正式な命令でも有りますから。

やっぱり邪魔だとか、騙して悪いが・・・

などと言った真似はさせませんよ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

司馬様が言うならきっと大丈夫よね!

 

「いや、お礼を言われましてもね。まだ

何も確定してませんよ?」

 

「ソレでも問答無用で政府によって取り上げ

られて実験に使われるとか無いだけマシです!」

 

可能性はいくらでも有ったからね!

コレで遠慮無く一夏を落とせる!

 

「我々も多少のデータは録らせてもらいますが、

普通の医療機関で録るようなデータ位ですね。

こちらとしても、姉も弟も無関係では

有りませんから多少の融通は利かせます。

上には人材確保の一貫として計画書を

あげますが、すでに担当者は居ませんので

無理をする必要はありません。故に織斑一夏

に関しては自由恋愛と言う形となります」

 

「ほ、本当ですか?!」

 

やっぱり任務ってのがあると、どうしても

一歩引いちゃうし、一夏や千冬さんだって

面白くは無いだろうとは思ってたけど!

 

「余計な下心は相手に不快感を与えます。

私たちは織斑姉弟に特別な価値を認めては

居ませんが、だからと言って敵対したい

わけでは有りませんのでね」

 

「あ、な、なるほど!」

 

何て言うか、当たり前の話だけど、中国的な

発想じゃ無いわよね。いや、私にとっては

凄く良いことだから良いんだけど!

 

「とりあえず話を纏めましょう。

まず、IS学園では私が貴女の上官となります。

任務の内容は織斑姉弟との接触と甲龍の

実地試験、他国の技術調査が主な任務です。

機体や武装の調整は冬林技研で行います。

生活に関するバックアップもこちらですね。

軍属となるので当然給料も発生します。

給料の振込先の確認や各種保険の資料、

就労規約をきちんと読み込むこと。

何か質問は有りますか?」

 

「あ、い、いえ、今はありません!」

 

てっきりお国の為に機械みたいに働けって

言われるかと思ったら、予想以上に自由度が

高いし、バックアップ体制もアフターフォロー

も完璧な状態じゃない!

 

司馬様が担当者を潰してくれて良かった!

 

「それでは資料を読み込んだあとで何か

疑問があれば、私か冬林技研の人間に

問い合わせるように。

貴女のバックアップを行う人員の代表の

連絡先は資料に書いてますから、きちんと

自分の端末に保存しなさい」

 

「はい!」

 

助かった!司馬様に直接連絡とか絶対無理!

 

「よろしい。それでは今、この時より

准尉は私の指揮下に入る。

私の事は学園外部では少佐。

学園内では・・・主任と呼ぶように」

 

「はっ!了解致しました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助かった!司馬さんとか絶対無理だから!

 

 




弟子、スゴク・偉い

兎は人生楽しんでるらしい。

説明するのも、手綱を握るのも上司の努め。

2番目が暴走したら自分が怒られますから
説明はきちんとしてるもよう。

いや。原作連中は当人もそうだけど、
各国の背後に居る連中も責任とか軽く
見すぎじゃない?ってお話

普通に各国の担当者は首切り案件でしょ?


冬林技研。当たり前に変態企業である。


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5話

ながーーーい!

続けない詐欺?残念!本当に
続ける気は無かったんだ!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!




本当のお金持ちは空港に行かないって

本当だったんだね。

 

行きますよって言われてから2時間で

日本に着いちゃった。

荷物は纏めておけって言われてたから

後で送ってもらえば問題は無いけど。

 

「まずこのままIS学園に行き着任の

挨拶と生活拠点となる部屋の整理整頓。

特に発信機や盗聴器の類は見つけ次第

私に報告をするように」

 

「は、はい!」

 

普通に湖から飛空挺が出て、IS学園近くの

海に着水。そこには既に冬林技研から

迎えが来てて学園まで一直線って。

 

もう一切の無駄がない。まぁ軍関係の

人たちは時間を無駄にするようなことは

しないんだけどね。

 

もしもコレで「うわー懐かしい」とか

「昔住んでたところを回って良いですか?」

なんて言おうモノなら『職務中に何を?』

とか『回りたいなら回してあげましょう

首だけで』とか普通に言われるわよね。

 

「凰准尉は1年2組です。あえて対象と

クラスを分けた理由は分かりますね」

 

「はい!我が国にとって織斑一夏は

最優先事項では無い為、適度な距離を

置くようにとのことでした!」

 

私にとっては最優先事項でも国に

とっては違うからね。

説明受けたように、厄介事は他に

任せるつもりなんだって言われたし。

 

けど、アレよね。ああやってハッキリ

言って貰った方が覚悟決まるわよね。

 

「その通りです。かと言って全く

興味が無い素振りを見せては、

他国の連中に無駄な警戒をされてしまい

ますからね。我々にとっては適度な

距離が重要なのです」

 

「はいっ!」

 

ACが有れば一夏は必要ないと言う

事実が露呈するのは不味いのよね。

 

だけど、いえ、だからこそ一夏に

とっては冬林技研が唯一の安息の地

となることが出来るのよ。

 

他の国だとどう転んでも本人も子供も

実験動物になるしかないんだから!

 

「また、あのクラスにはフランスの阿呆や

ドイツの人形の編入が決まってますからね

国際的な面倒事を避けるという意味も

あります」

 

「フランス・・・あぁ、アレですか。

奴ら何を考えてるんでしょう?」

 

いや、ドイツのデザインベビーは

まぁわからないでもないわよ?

昔っからそういう遺伝子組み換え?

的なことはヤってたみたいだし。

 

だけどフランスのアレって何が

したいの?

 

「落ち目の企業を使った国ぐるみの

自爆特攻ですからねぇ。

織斑一夏の遺伝子情報と各国の

最新技術を獲得することが出来れば、

企業の一つくらい潰しても別の形で

再生出来ると踏んでるのでは?」

 

「なるほど」

 

完全にトチ狂ってるわね。

まぁ自爆特攻なんてトチ狂った

連中がするモノだけど。

 

それに企業再生か・・・確かにISに

関わる企業は国の税金が入ってるから

半ば国営と言っても過言ではない。

 

フランスにしてもデュノア社一つの

犠牲で済むなら十分な見返りが

あると判断した?

それとも一夏の遺伝子情報を担保に

いくつかの国と取引済みなのかしら?

 

社長は捕まるだろうけど、ソレだって

罪としては経歴詐称と産業スパイ容疑?

国としてはいくらでも司法取引とかで

便宜を測れるわよね。

企業再生も、会社の名前を変えたり

本人も整形したりすれば問題ないし。

 

「それにIS学園が受け入れを決定

した時点で、連中にはフランスに

対して抗議は出来ませんからね」

 

「え?そうなんですか?」

 

いくらでも出来そうだけど・・・

 

「学園は何と言って抗議する気です?

男性だと思ってたら女性でした?

そんなことしたらこの程度の偽装に

気付かない無能であると全世界に

公表することになりますよ?」

 

「あぁ、そういう事ですか」

 

自爆特攻もそれなりに根拠があるのね。

 

それはそうよね。普通に考えたら

その程度何故気付かない?ってなるし。

 

世界に二人目の男性操縦者として

編入させるなら当然その周囲は

情報を集めるわよね。

ウチだって情報を集めて、最終的に

社長の愛人の娘って身元まで

しっかり把握してるんだもの。

 

編入を受け入れたIS学園がそれに

気付かない?ありえないだろうって

言われて、逆にフランスとの談合を

疑われることになるのか。

 

「つまり強制的にIS学園が共犯者にされて

しまいましたね。まぁ学園が受け入れた

理由は申請を受けた際の身元調査で

愛人の子に対するデュノア家の扱いを知った

轡木十蔵あたりが手を出したのでしょう」

 

「えっと轡木十蔵ですか?」

 

誰だろう?それに手を出してきたのは

向こうじゃないの?

この場合学園は救済するつもりなのよね?

 

「IS学園の学園長の旦那で理事長です。

かなりのタヌキですよ。この件も同情1割

引き抜き9割の腹積もりですからね。救済?

そんな甘い相手ではありません」

 

あぁ、やっぱり政治が絡むのか。

 

「コレのIS適合値はAで世界トップクラス。

現在の待遇も悪い。さらにフランスの弱み

すら握れますからね。

日本に帰化させることを条件にすれば

日本を説得するのも簡単です」

 

「学園としては、優秀な人材をアッチから

差し出してきたから引き抜く為に乗ったと?」

 

さっきは少しは意味があるかと思ったけど、

やっぱり自爆特攻なんて避けられたら

それまでよね。弾丸に使った兵器ごと

回収されて敵に利用されると。

 

「フランスの弱み付きでね。

『IS学園は虐待を受けた子供を助ける

為にあえてフランスの策を受け入れた』

と言った美談とすれば周囲からの無能の

謗りも免れます。

おそらく他所の国に突っ込まれたら

そのような方向で話をもって行く

つもりですね」

 

「なるほど・・・」

 

確かにそれならIS学園から抗議は

できないけど、周囲を説得できるという

一見矛盾した話が実現するわね。

 

「IS学園としては織斑一夏とソコソコ

親密な関係を築かせ、日本から離れられ

ないようにする腹積もりですね。

もしかしたら地元の縛りがないことを

利用してIS学園だけの戦力として使う

つもりなのかもしれません」

 

「それはありそうですね」

 

実際千冬さんだって日本と言う国家に

所属してるし、他の先生方も基本的には

各国からの出向扱いだもの。

今回のコイツがフランスから亡命

すれば完全な根無し草。

IS学園に根を張らせることが出来れば

国の意思に関係ない戦力を得ることに

なるわね。

 

「そのくらいの策を練る相手で

無ければ受け入れの許可など

出しません。

今の准尉からすれば私の考えすぎと

思うかもしれませんが、政治とは

准尉が思う以上に澱んでいます。

国連を・・・世界を相手に立ち回る

轡木十蔵を過小評価しては行けません」

 

「はっ!」

 

ソレを読み切る司馬様が凄いって話よ!

いやほんと味方で良かった!

 

「とは言え政治についてはこちらがヤり

ますから、特別命令がない限り貴女は

搭乗者として、学生として普通に過ごし

てください」

 

「はっ!」

 

コレもね。最初から学生に政治は

無理だから、中途半端なことしないで

ダメなことはするなって命令なのよね。

 

中途半端に外交官の真似事したら

イギリスの螺旋頭みたいに足元を

掬われる・・・まぁアレは勝手に

滑って転んで頭打っただけだけど。

 

あんな風になったら普通に殺される

より悲惨な目に合わされるからね!

 

器物破損と傷害はダメ。

 

許可なくISの展開もダメ。

教員から命じられてもダメ!

専用機は司馬様が管理する。

 

授業は専用機ではなくIS学園の

訓練機で受けること!

 

決闘もダメ!

もしも挑まれたら司馬様に報告!

 

まぁ、当たり前の話よね。

大量殺人が出来る危険な兵器を学生に、

それも何のロックも無しで持たせる

バカがどこに居るって話よ。

 

緊急事態なんてそうそう起こらないし

起こったとしても学生の私が

対処するようなこともない。

 

特に専用機については軍事機密の

塊だからね。

一夏と訓練したいってのはあるけど

今の私じゃ差がありすぎて訓練に

ならないし。

 

私も咄嗟の感情で動く時が

あるから、初めから司馬様が

手綱を握ってくれる方が良い。

 

さからうなんてとんでもない

 

「あぁそうそう。学園に着いたら准尉にも

政治と言うものを教えてあげます。阿呆に

権限を持たせると言うことがどういう事か

見ておくと良いでしょう」

 

「よ、宜しくお願いします!」

 

・・・コレは確実にIS学園が負けるわ。

 

私も馬鹿やらかして勝ち馬から降ろされたら

どうなるかをしっかり確認しておかないと、

本当に洒落じゃ済まないからね!

 

 

―――――――――――――――

 

「更識、盗聴器とカメラを全て外せ」

 

「えー?全部ですか?」

 

心配しすぎじゃない?

 

「馬鹿が。あの人にそんなことしてみろ

外交問題になる前にIS学園が消えて

無くなるぞ!

政治的にじゃなく、物理的にな!」

 

「いや、いくらなんでもソコまで・・・

するんですか?」

 

どんだけお姫様が大事なのよ。そんなに

大事なら国内から出すなって話よね!

 

「あぁ。間違いなく殺る。

更識、中国における司馬家をなめるな。

貴族じゃないんだ。武力と財力と

権力を保有する王家なんだ。

そこの姫様を盗撮盗聴?そんなの

戦争だろうが!」

 

いや、それはそうかも知れないけど。

だからって普通はいきなり戦争なんか

しないわよね?

 

「私たちもソレなりに長い期間色々

殺って来ましたけど、司馬家は基本的に

政治的な力を使ってくる家ですよね?」

 

そこから自分達の要求を出してくる連中よね?

 

どうせ配慮しなきゃいけないんだから。

あえて弱味を作って相手から提案させて、

こちらも譲りやすいようにするための

小細工なんだけどなー。

 

「基本的にはな。武力行使は李家の

仕事と言われてるが・・・まぁコレに

関してはお前たちの方が詳しいだろう」

 

「えぇ。何代か前の当主はあの李書文

の教えを受けてますから」

 

絶対に敵対するな。むしろ関わるなって

遺言がそのまま更識の家訓になってる

くらい怖い連中らしいわね。

 

「冬林の副所長はその李家の当代当主で

あの人の婚約者だぞ」

 

「はぁ?!」

 

つまりお姫様に何か有ったら、司馬家と

李家が敵に回るの?中国の表と裏の

全部が一斉に潰しに来るってこと?!

 

駄目じゃん!物理的に消されるじゃん!

何でそんなのを国外に出すのよ!

 

「事態の深刻さに気付くのが遅い!

まぁお前もまだ学生だから仕方ないが、

学生だからと言って無礼が許される

わけではないんだぞ!」

 

た、確かにそうよね。更識なんて李家に

してみたら路傍の石。しかも冬林の

副所長って言ったら織斑先生の師匠の

師匠でISを素手で破壊した化け物じゃない!

 

そんな化け物が周りに居たら情報なんて

手に入らなくて当たり前よね。

お姫様の周囲の防諜が完璧すぎて、事前に

動きも情報も何も獲られなかったのも

単純に相手が悪かっただけか。

 

暗部としては戦う前から負けてる。

 

あ~そりゃ盗聴盗撮なんか論外よね。

せめて何か交渉材料を見つけてから

出ないと同じテーブルにも座れない。

 

最初っから全面降伏するしかないのか。

 

下手な小細工は政治的な失点を重ねる

だけで、十蔵さんの足を引っ張ることに

なるのね。

 

「あと、個室を二つ用意するように」

 

「個室ですか?」

 

いやいや、特別待遇は不味いでしょ?

同じ中国の生徒なんだから、同じ

部屋で良いじゃない。

 

「冬林技研からの情報でな。今回十蔵

さんは確実に負けるそうだ。

無駄な抵抗をして時間と労力を使う

くらいなら、初めから用意しておけば

要求もソレだけで済ませるとさ」

 

「負けるって。ウチに彼女たちの

特別扱いを受け入れなきゃいけない

理由があるんですか?」

 

あの政治の化け物が負ける?

想像もつかないんですけど。

 

「らしいな」

 

らしい?つまり織斑先生も細かい

内容は知らないってこと?

それにしては冬林技研の情報に確信

があるみたいだし。

 

「そもそも何故冬林技研がそんな情報

を織斑先生に流して来たんですか?」

 

昔の伝手があるのはわかるけど、

普通に考えて勝ちが決まってるなら

搾り取れるだけ搾り取るのが政治でしょ?

ソレをわざわざ情報漏洩までして

抑えるってどういう事?

まさか織斑先生がスパイをしてるとは

思えないんだけど・・・

コッチに恩を着せての得点稼ぎ?

 

「お前の懸念はわからんでもないが

今回は杞憂だ」

 

「そうなんですか?」

 

杞憂だと言われてソレを信じてたら

世の中に諜報員なんて必要ないわよね。

 

「冬林、と言うか司馬家としてはだな。

彼女に無駄な時間を過ごして欲しくないんだ」

 

「はぁ」

 

どういうことだってばよ

 

「つまり『部屋が用意出来てません

ので少々お待ちください』

なんてのは論外と言う事だな」

 

「はぁ?」

 

その程度の事なの?いや、司馬家を

天皇家と考えれば、皇太子殿下に対する

無礼は許さないって感じなんだろうけど。

 

だけど普通私たちの弱みをその程度の

要求を叶える為に使う?

 

「何にせよ準備とは言えベットを一つ

運び出してアメニティも減らすだけだ。

もし十蔵さんが勝ったら元に戻せば

良いだけの話だろ?」

 

「まぁ、ソレはそうですけど」

 

今回はどっちに転んでも酷いことには

ならないけど、負けたときに少しでも

相手の印象を良くしておくのは

基本でもあるか・・・

 

しかし「我侭言うなら来るな」って

言うのが基本スタンスのIS学園で

ここまで我侭を押し通すだけの根拠と

力があるのか・・・一体どんな

弱みを握っていると言うの?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「そういうわけで、生徒兼技術士官兼

監査員として赴任することになりました。

司馬仲達です。階級は少佐ですね。

コチラは我が国の国家代表候補生

凰鈴音です。凰准尉、挨拶を」

 

「ご紹介に預かりました、凰准尉です!

よろしくお願いします!」

 

「えぇ、よろしくお願いします」

 

やられた!織斑君に連絡があったから

万が一に備えて個室の準備はさせていた。

 

だが私とて、そう簡単に特別扱いなど

許す気は無かったが・・・

 

ただの生徒ではなく監査員ときたか!

 

事前情報が無いのも当然だ。

何と言っても今その話がIS委員会で

提案され可決されたんだからな!

 

リアルタイムで会議と決定を見せつけ

られては文句も言えん。

常任理事国のイギリスとアメリカと中国が

賛成でフランスが反対、ロシアが保留。

フランスにはあの件で発言権など無い

ことを考えれば、反対意見すら奴らの餌。

 

何せそもそもの議題である

「IS学園における中立性に関する疑問」

という議題は反対するような内容でも無い。

 

在校生による生徒目線での監査と言うのも

現在代表候補生や留学生を送り込んでる

国にしてみれば反対する理由にはならん。

 

さらに最初の監査員が五大国の一員で

ある中国の人間で、さらに大学を卒業して

いくつかの新技術と知識で世界に確固たる

実績を証明している冬林技研が抱える

鬼才、司馬仲達。

 

監査員と一般生徒が同室などありえない

と言われれば反対する理由が無い。

 

そこを切り口として監査員から幾つか

指摘を受けた以上、その改善は義務だ。

 

今後は代表候補生が個室を望むなら

与えねばならん。

 

現時点で持っているカードに差が

ありすぎて勝負にならんぞ!

 

「既に冬林の代理人よりコチラの

要望は伝えています。

委細問題ありませんね?」

 

「・・・えぇ、とは言え要望は個室の

用意だけですからね。

代理人の方からは特別な部屋を作る

必要は無い。元々の2人部屋を1人

部屋にするだけで良いと伺っております。

司馬殿はソレで良いのですか?」

 

普通なら屋敷を建てろと言ってくる

レベルの相手だからな。

部屋が貧相だからと言って文句を

付けられてもたまらんぞ。

 

「えぇ、盗撮盗聴の心配がなく、私の

職務に影響を与える環境で無ければ

ソレで構いません」

 

「・・・そうですか」

 

これは更識に関してだけじゃないな。

他の生徒にもおかしなことをさせるな

と言うメッセージか。

 

しかしコレには何と返せば良い?

何を言っても墓穴。

かと言って何も言わなければ、

彼女の職務に問題のある環境だと

自分で認めることになる。

 

・・・王手飛車取りか。なら飛車を

切るしかない

 

「それなら問題ありませんよ。

当方は防諜にはそれなりの自信が

ありますからな」

 

さぁこい。ただでは殺られん。

貴様らも巻き込んでやる!

 

「そうですか。ではソレに期待

しましょう」

 

何?取りに来なかった?考えすぎたか?

・・・違うな。読まれたんだ。更に

言えばいつでも取れるから見逃したか。

 

それにコレで私がどういう行動を

取るのかを確認しようとしている?

 

くそっ2000年の歴史とは言え

ソレはあくまで家のこと。

彼女個人はまだなんとかなると思って

いた自分の迂闊さに腹が立つ!

 

確かに彼女に関する情報は全く入手

できなかったし、手探りとなるのは

覚悟していた。

だが、まさかここまで手も足も

出ないとは・・・

 

どうやればこの歳でこれほどの

人物が出来ると言うんだ!

 

「まぁわざわざ言う必要は無いと

思いますが、今回の件に関しては

そちらの自爆です。

我々を警戒するのは構いませんが

まずは足元を固めた方が良いですね」

 

「・・・ご指導感謝します」

 

それ以外何を言えと?。

 

「いえいえ監査員として、防諜に問題が

あるならテコ入れが必要と判断しただけ。

これも職務ですので感謝は不要ですよ。

まぁ指摘されて不貞腐れる小娘共

よりは好感が持てるのは事実ですが」

 

それはIS乗りの教育が出来ていない

と言う皮肉か?

だがIS乗りの協調性の無さは各国から

問題点として指摘されているのも事実。

 

それにこの状況で下手に何か言えば

正面から叩き潰される未来しかない。

 

・・・この化物が。

 

「では部屋に案内してもらいましょう。

凰准尉。荷物を持ちなさい」

 

「はっ!」

 

普通なら生徒同士に序列は無いと嗜める

ところだが監査員と生徒だからなぁ。

 

「あぁそれと理事長」

 

「・・・何でしょう?」

 

まだ何かあるのか?今は準備が

足りな過ぎて抵抗すら出来んから

正直時間を稼ぎたいのだが・・・

 

「私程度を化物などと思っていては

いずれ本物に足元を掬われますよ?」

 

「・・・御冗談を」

 

声に出してた?・・・いや

凰鈴音は首を傾げている。

つまり読まれたと言う事か!

 

圧倒的優位にありながら油断も

慢心も無い。

個人としても組織としても隙が

無いとか、一体どうしろと言うのだ!

 

「別に何もする必要はありません。

ただ邪魔をしないことですね」

 

・・・また読まれた。もうやだコイツ。

学生とかしなくて良いから普通に

監査してさっさと帰ってくれよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

いやー良く分からなかったけど

理事長の背中が煤けてたから

完全勝利したみたいね。

 

流石司馬様!

 

全寮制で二人部屋が基本なはずが

普通に個室貰えたし!

 

普通なら二人部屋とかでも良いけど

司馬様と二人部屋とか、絶対心労で

死ぬからね!

 

冬林技研もその辺ちゃんと考慮して

くれたってことかな。

 

「今回貴女にも個室を用意したのは

機密の関係もありますが、織斑一夏を

部屋に連れ込みやすくするためでも

あります」

 

「そ、そうなんですか!」

 

そこまで気を使ってたんですね!

ありがとうございます!

 

「篭絡に失敗した場合も一人で

寂しく泣くこともできますしね」

 

「そ、そうなんですか・・・」

 

そこに気を使って貰えるのは

ありがたいと言うか、なんと言うか。

 

「そもそも専用機持ちを一般の生徒と

一緒にすること自体が間違いなのです」

 

「それはそうですよね」

 

コレ最新の軍事機密だからね。実際に

相部屋になった人が何も知らなくても

ナニカを知る可能性があるだけでダメじゃん。

 

本人に知識が無くても、話を聞いたりする

周りの人間が分かる事だってあるんだし。

 

知らず知らずのうちに他の国の

機密に係ってるなんて怖すぎるでしょ。

 

関わらないようにしてあげるのが

優しさよね。

 

「さらにイギリスの代表候補生の部屋を

見れば、いっそ1人部屋にしろと言う

のが当たり前だと思うんですがね?」

 

「確かに。アレはひどいですよ」

 

2人部屋だって言うのに、片方だけ

めちゃくちゃスペース取ってんじゃん。

 

アレで平等?頭おかしいんじゃない?

アレは確かに学園による虐めの黙認よ。

 

「さらに我々にココまで情報を

握られる防諜の甘さも問題です」

 

「そうですね。これで防諜にそれなり

に自信があるんだから驚きです」

 

女子寮の各部屋の情報なんて普通は

手に入らないのに、世界一を自認する

IS学園の女子寮の情報が抜かれるって

もう駄目じゃん。

結局は司馬家とか冬林技研が凄いって

事なんだろうけどさ。

 

「いえ、アレは私からの指摘を誘った

理事長が仕掛けた罠ですよ」

 

「罠ですか?」

 

一体あの会話にどんな意味が

込められていたのか・・・

政治はホント難しいわ!

 

「えぇ、アレで私が防諜に関して

指摘したら、フランスの阿呆の件を

我々に協力させる気でしたね」

 

「え?!」

 

そんな離れ業が?!

 

「あの場で何か指摘したら、実は・・・

とか言ってあの件を防諜のミスとして

打ち明けてくるつもりだったのでしょう」

 

なるほど!引き抜きと言う自分の狙いを

防諜のミスとして誤魔化した上で

「協力してくれ」とか「何か意見をくれ」

とか言って巻き込むつもりだったのね!

 

ソレを読んだ司馬様は何の指摘も

せずにスルーしたのか。

 

来るときにも話したけど、学園は

あの件を指摘されるのを待ってる。

まさか自分から打ち明けるわけには

行かないからね。

 

それに理事長の言葉をスルーしたことで、

コッチがもつ情報量も隠した。

 

相手は私たちがこの情報を知ってるか

知らないか分からないし、司馬様相手に

下手な行動を取れば自分の策が根こそぎ

破壊されることになると警戒したから

あそこでは何も言ってこなかったのね。

 

これだけの思考をあの一呼吸で

やってるの?なんて面倒な世界!

 

そりゃ負けた理事長も司馬様を化物

扱いするわよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやー司馬様が味方でよかったわ!

 




一巡目から国士無双十三面待ちを
オープンリーチされてる状態である


他にもいろいろ情報握ってるけど
小出しにしていくスタイル。

つーか一般人と専用機持ちは
一緒にしちゃいけませんよね?

最新技術もそうですが、そもそも
横に気分で大量破壊兵器
振り回すヤツ居たらダメでしょ?

あとチョロコットの部屋。
アレは虐めですってお話


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6話

時系列は原作に入ってるのに
コレだけ文字数が有っても話が
全然進まないのは何故か?!

設定に関するツッコミが多すぎるからだ!

コレは話しが続いてるんじゃない!
ツッコミが続いているのだ!(開き直り)

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「「監査員?」」

 

そう来たか。確かにそれなら個室

になるのも当然よねぇ。

しかしそんな動きがどこにあったの?

それだけ大きな動きの予兆が有れば

この人が気付かないなんて

ありえないわよね?

 

「えぇ、自らを駒として私を拘束し、

その間に国連の常任理事国を集めて

問題提起と監査員の派遣をリアルタイムで

決定させるという離れ業ですよ」

 

「「うわぁ」」

 

今の今で仕掛けてきたの?根回しも

最低限よね?

一体それでどうやって国連の連中を

説得したのよ!

 

「根回しは恐らくしてません。その場での

利益配分と弁舌で場の流れを操ってます」

 

な、なんて無謀な!だけどソレを海千山千の

外交官相手にやって、成果を挙げてみせた。

とりあえず私たち更識には出来ない荒技!

 

流石は政治の澱みの中に住む司馬家の人間。

政治的な手腕じゃ絶対に勝てないわね。

 

「カメラ越しでも圧力がわかりましたよ。

流石は李家の教頭」

 

「李家の教頭?」

 

李とか多いから姓だけじゃわからない

のよね。しかも教頭ってまた微妙な。

 

「更識・・・さっき話した李家の当主で

冬林の副所長のことだ」

 

「はぁ?!」

 

武門の李家の当代当主が政治の場で連中を

手玉に取る?!

 

「更識さんが驚くのも無理はありませんが

彼はそもそも司馬監査員の師であり、

冬林技研のIS操縦者たちの武術指導役で

あり、司馬家の政治的な相談役です」

 

教師の頭って意味?!有り得ないわよ!

 

「つ、つまり司馬家のお姫様に対して指導と

意見を言えるだけの能力が有ると司馬家が

認めていると言うことですか?外戚としての

権力や立場を利用したモノではなく?!」

 

「それなら司馬家の相談役にはなれんし、

こうして中国を代表して国連大使との

話し合いでヤツらを転がすことなど出来ん」

 

「た、確かにそうですけど!」

 

何?私たちはこんなのと知恵比べをしなきゃ

ダメなの?

 

「利害調整と感情の折り合いを見事に

調節されました。コレは私の不徳と

言っても過言では無いですね」

 

「理事長・・・」

「十蔵さん・・・」

 

もともと連中は十蔵さんに手玉に

取られて来た経緯もあるから感情的には

納得させやすかったのかもね。

 

非常任理事国のドイツやインドも反対する

理由は無いし、日本は当然賛成しなきゃ駄目。

 

なんたって監査の理由が「中立性の確認」

これは受け入れないなんて選択肢はない。

 

普段の十蔵さんならそれでものらりくらり

躱して時間を稼いで対抗策を練るんだけど

目の前に司馬のお姫様が居て、銃口を押し

付けられてたらのらりもくらりも不可能。

 

それに・・・実際コレは無いわ。

 

「セシリア・オルコットの部屋ですか」

 

織斑先生も驚いてるけど・・・

確かにコレは無い。何よこのベッド。

二人部屋の意味理解してる?

 

こんなの学園による虐めの黙認と言われても

否定が出来ないわ!

 

「こんなの許すくらいなら最初から

1人部屋にしろ」

 

って言われたら誰だって「あ、はい」

としか言えないじゃない!

 

「コレが盗撮とかなら逆に文句も

言えたんですけどね」

 

もう珍しく本気で疲れ切ってるわねぇ。

まぁそれはそうよね誰がどう見ても

盗撮じゃないわ、だってこの子ってば

 

「セシリアさんめっちゃカメラ目線

ですから、盗撮で押し通すのは・・・」

 

カメラ慣れしてる事の弊害よね。

 

写真撮った子も自分が機密情報を

扱ってるなんて思ってないし。

 

こんな子たちから情報収集するのは

少しでも諜報の心得があれば朝飯前よねぇ。

今までは更識が止めてきたけど、李家が

相手だと何時接触されたのかすら

分からないんですもの。

 

「それではイギリスが賛成に回ったのは・・・」

 

それでも現実を確認に行く織斑先生が

凄いわよね。

 

「先日の騒ぎに関してもしっかり映像資料

として残されてましたし今回のコレです。

反対出来るわけがありませんよ」

 

映像資料まで取られてるか。

そりゃ反対できないわよね。

 

「ではアメリカは?」

 

「今期は司馬殿ですが次の監査員は

アメリカから出すそうです」

 

なるほど、今まで手も足も出なかった

所にいきなり食い込める余地が出来た

もんだから飛びついた?

 

だけど轡木十蔵は甘くないわよ?

今回は奇襲と速攻、最初から落とし

どころを告知して来たから負けを

認めたけど、次回からは同じ手は

通じないでしょう。

中国・・・いえ、司馬家にしたら

お姫様在学中の待遇さえ良くなれば

ソレでいいのよね。

 

ソレを読み切ったからこその譲歩。

しかし第一手でIS学園の不文律を

変えてくるとは。

 

「そして委員会では織斑先生と

山田先生への不信任案も出されました」

 

「「えぇ?!」」

 

お、織斑先生に不信任?!

 

世界一ISを教えるのに相応しい

ヒトでしょ?

 

どういうことだってばよ?!

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「いや、普通に考えて授業中に生徒が口論

してたら止めなさいって話です」

 

「ごもっともですよね」

 

いやほんと。しかも口論の原因を

作ったのも千冬さんだし。

 

最低限ホームルームの時間にヤれって言うね。

 

「副担任もオロオロするだけですし。

学生じゃないんですよ?」

 

「ですよね。コレ完全に舐められますって」

 

仲良くなるには良いかもしれないけど

お友達じゃないんだから。

上下関係ははっきりさせないと事故の

元になるでしょうに。

 

まぁ千冬さんも目の前で代表候補生が

自分を東洋の猿とか言ってきてフリーズ

したかもしれないけどさ。

 

「ISを教える以前の問題です。

そもそも織斑千冬は正式な教員過程を

経てIS学園の教員になったわけでは

ありませんからね」

 

「え?そうだったんですか?!」

 

まぁ言われてみれば経歴おかしいわよね?

 

「そうだったんです。兎と同い年なので

今は24です。ですので3年前のモンド

グロッソで優勝したとき21歳。

1年ドイツで教官して21~22歳

1年置いてからIS学園に所属したので

23歳。ですが教員歴は2年以上ある」

 

「・・・あれ?なんか1年おかしい?」

 

それに21歳なら大学も途中だし・・・

けど3年前は普通に仕事してたよね?

 

「15~18は冬林技研で仕事をしながら

通信教育と高卒資格でしたか?ソレを

取ってましたね」

 

飛び級で大学には行ってないわけね。

 

「なるほど17の時に冬林技研の企業代表

として日本選手権で優勝して日本の国家代表

そのまま第一回のモンドグロッソですか?」

 

「まぁ実際あの当時はISが世界に認知されて

僅か3年しか経ってませんでした。

当然コアの数も少なく、さらに戦闘行為が

出来る程度の完成度がある機体は冬林技研

でしか作れませんでしたから、日本選手権と

言うよりは品評会でしたがね」

 

あぁ、それもそうよね。コアの絶対数が

足りなかったから、そういうこともあるわ。

 

まぁソレは今は良いとして、それから

コアの数が増えてようやく出来たまともな

世界大会が四年後の第二回モンドグロッソ。

 

なら千冬さんが教員免許を取ったのは

18歳~21歳の間?けど21歳の時は

途中でドイツの教官してるから大学に

行ってたとしても中退してる?

18~20歳の間に短大や専門学校を出たと

しても、講師には成れても教師には成れない。

 

しかもIS学園なんて国際的な教育機関だと

尚更よね。

ISだけを教える体育教師的な存在?

それなら担任って言うのはおかしいわ。

 

つまり教師として不適切って言うのは

間違いじゃない。

実際イギリスの螺旋頭が騒いだときは

授業がヒトコマ潰れてるし、学級崩壊に

近い状態を作り出してる。

 

「更に肉親の担任なんて何処の国の法律

でも禁止されてます。つまりあり得ません」

 

「それもそうですね」

 

教育に関する法律はわからないけど、

肉親が担任なんかしたら公平な査定が

出来てるかどうか疑われるもんね。

 

実際今回の螺旋頭の問題に関しては

明らかに一夏に経験を積ませようと

してたし。

アレがIS学園や委員会の指示でも、千冬

さんが関わったら依怙贔屓になる。

 

「とりあえず織斑千冬が教師として不適切な

経歴と実績の持ち主なのはわかりましたが、

このような指摘をしてもよろしいのですか?」

 

千冬さんが逆恨みして司馬様を敵視

しちゃうんじゃない?いや千冬さんは

そんなことしないか。

けど千冬さんを崇拝する連中は司馬様に

ちょっかいかけてくるんじゃないですかね?

 

「事実ですからね。ちょっかいをかけて来る

連中には地獄を見せれば良いだけですし、

アレがIS学園を退職したらウチで雇うだけです」

 

地獄ですか。そうですか。比喩とかじゃ

無いですよね?ツッコミませんよ!

 

「しかし、織斑千冬がIS学園を辞める理由を

作ったのに引き抜きなんか出来るんですか?」

 

普通は馬鹿にするな!ってなりませんか?

 

「アレは元々冬林技研所属でしたし、

知り合いも多数居ます。それにアレの目的は

IS学園でなければ果たせないと言うモノでも

有りませんからね」

 

「目的・・・ですか?」

 

やっぱり情報量が違うってのは大きいわ。

どこまで行っても掌の上なのね。

 

「そう、目的です。それに准尉も理解

しているように、織斑一夏が安全に過ごせる

のは今のところ世界でも冬林技研だけです」

 

「た、確かに!」

 

つまりコレはさっさとIS学園辞めて冬林技研

に来なさいって言うメッセージなのか。

 

恐らく千冬さんもソレを理解出来るから

感謝・・・は微妙だけど恨むってことは

無いわね。

 

 

―――――――――――――――――――

 

け、経歴の不備と学級崩壊の現行犯って

 

「ISを教えるだけならまだしも、教師として

学生を導けるとは思えない・・・ですか」

 

お、織斑先生も密かに気にしてるところを

ピンポイントで抉ってきたわ!

 

「ちなみにコレが、そのときの映像です」

 

『第一のツッコミが、授業中にやるな。

ホームルームでやれ。

第二のツッコミが、イギリスの代表候補生が

暴走してるのはわかるだろ教師なら止めろ。

第三のツッコミが、そもそも織斑一夏が

代表と決まってるんだからその旨を告知

して、生徒に現実を教えるべきだ。

第四のツッコミが、副担任は何してる。

第五のツッコミは、ISを使った試合なら

イギリスの許可を取らせるようにしろ。

第六のツッコミは、織斑一夏のISが無い状態で

倉持の許可もなく勝手に試合を決めるな。

第七のツッコミは、素人に一週間しか時間を

与えないと言うのはどういうことだ。

兵器運用を何だと思っている。

第八のツッコミは、練習機もアリーナも

使わせないとは何を考えている。

兵器運用を何だと思っている。

第九のツッコミは、ファーストシフトも

していない専用機を試合で使うな。

兵器運用を何だと思っている。

第十のツッコミは、何故織斑一夏の担任を

肉親の彼女が行っている?有り得んだろ。

学校教育を何だと思っている』

 

「「・・・」」

 

う、うわぁ。全部正論過ぎて何も言い

返せないしフォローも出来ないわ。

 

『他にも細かいツッコミが多々有るが

とりあえずこのくらいにしよう。いまの

私の指摘を聞いた上で織斑千冬が教師

として相応しいと思う方が居るなら反論

してもらおう。

あぁ、発言は挙手と国名、及び発言者の名を

名乗ってからだ。

この場は各国の政府が管理する議会ではない。

それぞれが国家を背負い、意見することを

許された大使が集まる国際会議の場だからな』

 

 

「「「・・・・・・・・」」」

 

 

こ れ は ひ ど い 

 

感情論での反論をばっさり切り捨ててる。

少なくとも肉親が担任って言うのは

先進国なら有り得ない。

コレはIS学園の方針。つまりは学園長と

理事長に対する皮肉でもあるのね。

 

もう織斑先生もヨツンヴァイになって

るじゃない。

 

「私はこの映像をリアルタイムで見せられ、

『何か反論は有りますか?』と言われました」

 

う、うわぁ。監査員による学園の責任者に

対する追求も有ったのか。

しかも時間稼ぎが出来ない状況で?

事前情報も何もなく?

そりゃ乾いた笑いしか出ないわよね。

 

もしも十蔵さんが勝ったら部屋を戻す?

寝ぼけるなって話よね。

万に一つどころじゃないわ。勝負の土俵

にすら立ってない。

 

準備万端整えた料理人が待ち構えてる

まな板の上に載せられた食材に勝ち目

なんか有るわけないじゃない。

 

せめて痛くないようにって身を差し出す

しかなかったのね。

 

私、こんなのと知恵比べをしなきゃ駄目なの?

 

「あぁ更識くんにも言及されてね」

 

「はいぃ?!」

 

何?私も目を付けられてたの?!

 

「えぇ『何でも最強こそが生徒会長の条件

であり、何時でも何処でもどんな方法でも

挑んで良いと聞きましたが本当ですか?』

って聞かれましたね」

 

「う"っ・・・」

 

そっちか!いや、確かに言ってるけども。

組織運営力や政治力が力じゃないとは

口が裂けても言えないけど!

 

コレの弟子に挑まれる?何時でも何処でも?

どんな方法でも?戦わずして織斑先生の心を

叩き折った悪魔の弟子に?!

 

それに、もしも勝ったら師匠が更識ごと

潰しに来るんじゃないの?!

『ふふふ、よくも我が弟子を!』とか

言って、マントを脱ぎながら階段降りて

来るんじゃないの?!

 

歴代の楯無から『関わるなって言ったろ』

って慰められるまで頭に浮かんだわ!

 

「ち、ちなみに司馬さんには専用機とかは

有るのでしょうか?」

 

せめてこっちなら意地を見せれるかも!

 

「資料には有りませんが。冬林技研の

秘蔵っ子に専用機が無いと考えるのは

楽観的過ぎますよね。織斑先生は何か

ご存知ですか?」

 

ヨツンヴァイからは立ち直ったみたい

だけど、目元が・・・

いえ、ココは見なかったことにしましょう。

 

「はい、もちろん専用機は有ります」

 

やっぱり有るのか・・・当然よね。

白騎士事件が起こる前から天災が公表した

技術の特許を申請して、事件のあとで天災

に特許使用料の支払いを請求して支払わせる

ような連中だもの。

お姫様に自衛手段を仕込まないなんて

有り得ないわよね。

 

「とは言え私が知るのは冬林を辞める前

ですので、ようやく第二世代が出来るか

どうかの時代でした。現在の機体性能や

コンセプトなどはわかりません」

 

「「なるほど」」

 

それもそうよね。いくら伝手が有っても

お姫様関連の最新情報なんて極秘案件。

 

内部の人間にだって教えないわよね。

 

「ちなみに当時の彼女は生身の戦闘において

私と戦闘ができる実力がありました」

 

「「はぁ?!」」

 

いや、織斑先生って生身でもヤヴァいくらい

強いわよね?!

 

しかも冬林に居た頃って10~7年前でしょ?

司馬さんは何歳よ!

 

「あの当時より私も成長したと言う自負は

ありますが、教頭に鍛えられ続けた彼女の

実力はもはや次元が違うでしょうね」

 

「なるほど」

 

え?ここで十蔵さんが何に納得したの?

 

「私は目の前に居ても彼女の力を推し量る

事が出来ませんでしたが、アレは擬態

ではなく、規格が違うからですか」

 

十蔵さんが目の前に居る相手の力量を

量りきれなかった?!

 

「恐らくはそうですね。グラムを量る計量機で

トン単位の重さは量れませんから」

 

最低単位がキロですらない?!

 

え、何?私はそんなのと力比べしなきゃ

駄目なの?

 

「ふ、不戦敗はダメ・・・ですよねぇ」

 

二人がスゴく生暖かい目で見てくる

けど、コレはシカタナイわよね?!

 

「さすがに最強を謳って生徒会長になって、

現在実務もこなしている更識君が不戦敗は

不味いですよね」

 

「ですね。更識が彼女の地位に負けたなんて

噂が立てば、無駄に彼女に挑む阿呆が

出てくるでしょう」

 

あ、そうか。彼女の事を知らなければ

そう言う噂が立つ可能性もあるのか。

 

更にわざとそう言う噂を流して自分を

襲わせれば正当防衛を主張して、

監査員としてIS学園に介入してくるわよね。

 

「ち、ちなみに十蔵さんは司馬さんの質問に

対して何て答えたんでしょう?」

 

あっちは全部知った上での確認だから

惚けるのも無理よね。

 

だけど十蔵さんなら!十蔵さんなら何とか

してくれる!

 

「『本人はそう言ってますが、ただの

腕自慢に生徒会と言う組織は運営できません。

学園としては学生同士の話し合いの結果だと

認識しております』と言っておきましたよ」

 

「ありがとうございますっ!」

 

実際には話し合い(物理)だったけど、この際

関係ないわ!そう、話し合いましょうよ!

私たちは蛮賊じゃないんだから!

 

流石は十蔵さん!コレならいきなり殺される

ようなことは無い!

 

「流石理事長。そのまま認めていたら

学園ごと更識が殺されてましたね」

 

「マジですか?!」

 

組織力が違いすぎるでしょ?!サツバツ!

 

「でしょうね。これは更識くん一人が

公開処刑されるか、学園全てが公開処刑

されるかの選択でした。

あの一瞬で第三の道を見付けることが

出来た自分を褒めてやりたいですよ」

 

公開処刑って・・・まぁそうよね。私が

手も足も出ずに完膚無きまで叩き潰されたら

彼女に挑むなんてヤツは居なくなるし。

逆にそうしないと他の生徒が彼女に挑んで

闇から闇に葬られる。そしてその責任を

IS学園に押し付けてくるんだもんね。

 

何せ彼女にしたら明確な正当防衛だし。

 

ふざけたルールを認めたIS学園が悪いなんて

言われたらまさに公開処刑。

 

うん。私一人が切り捨てられなくて良かった!

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「そう言えば凰准尉、IS学園における生徒会長

になる条件を知ってますか?」

 

うぇ?!生徒会長?!軍人を育成する学校に

そんなの居るの?

兵器運用に生徒の意思なんて関係無くない?

け、けど士官学校とかにも生徒代表みたい

なのって居るんだっけ? 

 

「す、すみません!わからないです!」

 

不味い。調査不足として矯正される?

 

居るとしたら普通に選挙とかじゃないの?

いや、わざわざ聞いてくるって事は

違うわよね。下手な憶測は死を招く。

知らないなら知らないと正直に話すわ!

 

「まぁ編入のための準備で忙しかったで

しょうし、いきなり目指すモノでも

有りませんからね。事前調査から漏れる

のも仕方ありません」

 

「すみません!」

 

いや、許して貰えそうではあるけど、

ここで「ですよねー」なんて軽く言ったら

間違いなく矯正される!

 

私は詳しいのよっ!

 

「いえ。普通の学生として過ごすようにと

言ったのは私です。不勉強ではありますが

学生とは未熟だからこそ学舎で学ぶのです。

自らが無知で有ることを知りなさい」

 

「はっ!ご指導ありがとうございます!」

 

絶対同い年じゃないですよね?!

いや、言わないけどさ!

 

「では質問の答えですが」

 

「質問・・・あぁ!生徒会長の条件ですね!」

 

危なっ!普通に忘れるところだったわ!

 

「・・・まぁ良いでしょう。その条件とは

『最強であること』だそうです」

 

「・・・『最強』ですか?」

 

「えぇ、何時でも何処でもどんな方法でも

良いので、彼女に挑んで勝てば良いとか」

 

「・・・」

 

おいおい、死んだな。

 

冬林技研の本部には数日しか居なかったけど

どう考えても司馬様に勝てる人間なんて

この世に居ないわよ?

 

副所長?アレが人間なワケないでしょ。

 

司馬様は第二世代の訓練機で私の甲龍を

完封出来るし、副所長に至っては生身で

完封出来るのよ?

 

もう、あの人、ヒト?を見たらISが最強の

兵器なんて言えないわよ!

 

そんな副所長に司馬様は専用機なら勝てる

んだもの。あのエグい機体にロシア代表の

専用機ごときが勝てるわけ無いわ。

 

しかも、そんな司馬様相手に先手を譲る?

奇襲でも正面からでも良いから来いって?

馬鹿じゃない?

 

普通に衛星軌道上からの神の杖による

超々遠距離狙撃で死ぬわよね。建物ごと。

 

オーバードウエポンだってISの武装だし。

狙撃がダメなんて言わないでしょう?

 

頼むから発射前に一声かけて下さいよ?

巻き添えで死ぬなんて嫌ですからね?

 

いや、もしかしたらISは国家の財だから

生身の体術限定とかの縛りがあるかも

しれないけど、それなら司馬様の

命奪崩壊拳を生身で受けることになるわね。

 

おとぎ話だと思ったら実在したらしい

のよねぇ。

 

伝説に残る最強の将軍公孫賛ですら恐れた、

李家の直系にのみ伝わる幻の奥義。

 

司馬家の中でさえ司馬様が再現するまで

幻と言われてた、防御不能・回避不能・

命を奪わず尊厳を崩壊させる殺人拳。

 

この目で見て、体で喰らって理解する

絶望の一撃らしいけど・・・

 

生徒会長がどれ程の実力者か知らない

けど、司馬様の前で最強を名乗るなんて

自殺を越えたナニカよ。

 

死ぬなら私を巻き込まないところで、

死んで欲しいわね。

 

「私もね、さすがに強いだけで組織の長に

なるのは異常だと思い確認を取ったのです」

 

「それはそうですよね。そもそも力と言っても

たくさんありますし、組織運営に必要な

力って言うのは有りますよね」

 

実際どれだけの権限が有るかは知らない

けど、国連直属の学園だもの。

必要なのは人を動かす指揮能力と状況把握

能力、更に政治力とか各種の人の上に立つ

資質が優先されるべきよね。

 

腕力も必要ないとは言わないけどさ、

古代国家じゃあるまいし、腕力だけで

組織の長になられてもねぇ。

 

それを考えたらやっぱり司馬様が

最強なんじゃない?

 

「何でも『生徒会長はそう謳ってますが

学園としては生徒同士の話し合いの

結果だと認識しております』だそうです」

 

「日和ましたか」

 

実際は話し合い(物理)だったんでしょうけど

司馬様には勝てないと踏んだわね。

 

まぁ賢い判断ではあるけど。

 

「そうですね。まぁ今の生徒会長の更識は、

日本の暗部の中の暗部と呼ばれる家の

人間ですから、それなりの人員や組織力

も有るのでしょうが」

 

「暗部の中の暗部ですか?」

 

普通に暗部で良くない?まぁ暗部を監査

する連中みたいなモノかしらね。

 

「副所長に言わせれば子供のゴッコ遊び

ですね。瞬きする間に組織ごと滅ぼせる

案山子だそうです」

 

まぁあのヒトならそうでしょうね。

 

「つまり現在のIS学園は轡木十蔵と更識が

手を結び、日本が私物化しつつある組織と

言うことですね」

 

「なるほど。設立の経緯から維持まで、

日本にしてみたら面白いはずが無い

ですからね」

 

たまに日本政府に逆らってるように

見せてるのもポーズか。

 

まぁソレがポーズじゃなければ、

轡木十蔵が私物化しようとしてるって

ことになるからね。

そりゃ監査も承認されるわよ。

 

「後ろ暗い連中の目には我々はさぞや脅威に

映るでしょう。故に直接的な闇討ちは勿論

ハニートラップや友人を利用した策への

警戒を怠らないように」

 

「はっ!」

 

ハニトラはともかく、一夏を餌にして

周りを巻き込むってのは有り得なくも

無いからね。

闇討ちは・・・司馬様の為に狙撃ポイントは

全部潰してるはずだから、有るとすれば

普通の喧嘩や事故を装った攻撃よね。

 

つまり常時自分の意思で展開できる

専用機持ちとの接触には注意が必要か。

 

 

 

はぁ・・・ここも立派に政治の伏魔殿。

 

専用機持ちとして、何も知らないままじゃ

居られないのはわかるけど、普通に学生

してる連中が羨ましいわね。

 

あの螺旋頭みたいには成りたくないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園の裏も知らず、政治も理解できず現実を

見ていない馬鹿たちに一夏は守れない。

 

 

一夏は絶対に私が守るんだから!

 




黒髪巨乳ツンデレブラコンおねえさんの
年齢と経歴がオカシイですよねぇ?

それに普通に高校生してたらしいよね?

そもそもバイト三昧の高校生が何をやったら
日本代表として世界大会に出れるのかなぁ?

政府とか兎がナニカシタならバイト三昧が
おかしいし?

そもそも10年で第二世代から第三世代に
移る程度の進捗でしょ?第一回の世界大会
なんか相当アレですよねぇ。

最強が生徒会長の条件?
国際組織舐めてません?

フィルター四枚交換しても足りんわ!ってお話



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7話

話が進んだぞ!
更なる原作キャラ登場だッッ!

知力99(司馬懿)を舐めるなよ?

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「え”クラス代表?」

 

なんで編入初日にそんな話題が?

 

「うんうん、凰さんって中国の

代表候補生で専用機持ちでしょ?」

 

フランクにとは言ったけど、馴れ馴れし

過ぎない?これが日本の女子高生?!

 

「いや確かにそうだけど、私が

来る前にクラス代表は決まってるよね?」

 

あの螺旋頭と一夏みたいな面倒事が

無ければ、その日の内に決まるよね?

 

「そーだけどさ!やっぱり優勝したい

じゃん!」

 

優勝って・・・あぁクラス対抗戦?

私に見世物になれって?殺す気か?!

 

それにクラス代表は色んな雑務が

あるんでしょ?絶対に嫌よ!

 

「ええっと、でも専用機持ちがIS素人の

織斑一夏で他二人が訓練機でしょ?

今から私にしたら流石に不平等じゃない?」

 

そもそもの話、レベルが違いすぎるわよ。

いくらなんでもタダのイジメよね?

 

むしろ普通に訓練機の方が全員のレベルも

揃ってて良いんじゃないの?

 

それに私がクラス代表になったからって

4組の司馬様が出てきたら、訓練機相手

でも優勝なんて不可能よ?

 

「おぉ、あのイギリスの代表候補生に

良い勝負をした織斑君を素人扱い!

コレは行けるんじゃない?!」

 

良い勝負って・・・アレが?

 

いやいや、どう見ても素人に対して油断

慢心した螺旋頭が馬鹿なだけだったよね?

 

まぁ代表候補生でもなければ、みんな

素人だからその辺はわからないかも

しれないけど。

そのレベルの相手に対しても私が専用機

で戦うの?ソレじゃただの公開処刑よ?

 

「「「よし!コレで勝つる!」」」

 

なんで周りも乗ってんのよ!

普通は転校生が生意気な!とか

なるんじゃないの?!

 

「いや、だから、元々の代表の人

にもシツレイだし・・・」

 

だからこの話題はやめようよ!

 

「それは大丈夫!」

 

何が?っていうか人の話聞いてっ!

 

「だって私が代表だから!」

 

「お前かよ!!!」

 

なんで折角なった代表譲ろうとしてんのよ!

 

いい経験になるじゃない!頑張って

ぶつかってこいよ!

 

「いやー実際プレッシャーもあるしさー

優勝したら半年間デザート無料だしさー」

 

「で、デザート?」

 

普通に買おうよ!それにそんなことの

ために最新技術を公開しろと?殺す気か!

 

「あ!凰さん。さてはデザート無料を

甘く見てるわね?!」

 

「「「なんだと?!」」」

 

「あ、あはははは」

 

知らないわよ!そもそもデザートは

甘いモンでしょ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「司馬様ー!司馬様ー!」

 

騒がしい。それに学園内では主任と

呼べと言ったでしょうに。

 

「何ですか?貴女には2組の

クラスメイトと親睦を深めるよう

指示を出したはずですが?」

 

昼休みは仲良くご飯を食べるもの

だと聞いてますよ?

私は職務がありますから馴れ合う

気が無いし、人気のないところで

師と連絡取りたいから邪魔しないで

欲しいんですけど。

 

「き、緊急事態なんです!」

 

「・・・緊急事態を大声で告知して

どうするのですか」

 

「あうっ?!」

 

本来なら矯正ですが、普通の女子高生が

騒がしいのは当たり前らしいですから、

師の許可なく矯正や教育的指導(物理)

は出来ないのですよねぇ。

 

「はぁ。それで、何ですか?」

 

話を聞いてさっさとコイツを

2組に返しましょう。

 

「し、親睦を深めた結果、クラス代表に

されちゃいました!」

 

「「「えぇ?!」」」

 

「・・・はぁ?」

 

何がどうなればそんなことに?無理やり

代表の座を奪ったと言うなら謝罪させて

返上で済む話ですが、見た感じ焦ってますし

「されちゃいました」ですから不本意な筈。

・・・不本意ですよね?

 

「とりあえず場所を移しますか。

そこで状況を説明しなさい」

 

「は、はい」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

カクカクシカジカシカクイムートンイトウ

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「いや、何ですかソレは」

 

専用機持ち⇒強い⇒優勝出来る⇒

デザート無料?

 

「十代女子は理解から最も遠い存在だ」

と師が言っていましたが、まさか

コレほどまでのモノでしたか。

 

当時の兎が世間から理解されなかった

のも頷けます。

 

「何がなんだかわからないまま、

なし崩しに決められまして・・・」

 

ふむ、どうやら嘘では有りませんね。

日本の学校に有りがちな「多数決」に

よる数の暴力に流されましたか。

 

そもそも自分たちが何をしにこの

IS学園に通うことになったのか

理解していないんですかねぇ?

 

クラス代表なら優先的にISに乗れる

でしょう?専用機が無い生徒にとっては

喉から手が出るほど欲しい経験じゃない

んですか?

 

その機会を投げ捨ててデザートを取る?

 

わ け が わ か ら な い よ

 

「ちなみに担任教師は何と?」

 

普通は止めますよね?生徒の意欲というか

秩序的に。クラス代表はクラス対抗戦

だけが仕事ではありませんが、それでも

コレは後出しジャンケンになりますし。

 

「織斑ごときにデカイ顔させるなって・・・」

 

「あぁ女尊男卑思想ですか」

 

先進国ほど染まってるとは聞いて

ましたが、公私混同も甚だしい。

 

ソレが教師のすることですか。

これは監査員として・・・

 

「いえ、それが千冬さん。織斑千冬

の方みたいでして・・・」

 

「・・・そうですか」

 

コレはどう判断したものでしょう。

 

いや、公私混同なのは間違い

ありませんが、私たちが仕掛けた

離間計が成功したとも言えます。

 

そうなると教師を叩くのは逆効果で、

むしろもっとヤレと言うべきなの

でしょうけど・・・なんだかなー。

 

「まぁソレはいいです。しかし主席

入学の国家代表候補生があの

程度なら訓練機でも勝てますよね?

織斑一夏なんて尚更でしょうし、

訓練機で出れば良いのでは?」

 

それならまぁ誰も損しませんし。

IS素人の織斑一夏が専用機で他が

訓練機なら・・・それでも凰准尉が

有利ですが、丁度いいハンデには

なりますよね?我が国としても代表候補生

の実力の違いを見せつけることになります。

 

「それが、現在学園の訓練機は各クラス

代表が使ってるから、専用機持ちは

訓練機を使った訓練が出来ないんです」

 

・・・あぁ、まぁ納得はできますが。

 

「そうなるとぶっつけ本番で使ったことも

ない機体を操縦することになるんですね?」

 

「そうなんです。流石に兵器運用の

観点からソレは有り得ませんし、だからと

言ってこんなことで専用機を使って技術を

公開するのも有り得ませんよね?」

 

「当たり前です」

 

どこの世界にデザートの為に軍事機密を

公開する阿呆が居るんですか。

別にこんな試合でなくとも機体調整は

できますし、そもそも我々の任務は

素人の教導でもなければ、弱いもの

イジメをすることではありません。

 

国家の威信?こんなお遊戯で本気を

出すほうが問題でしょう。

 

「とりあえず分かりました。クラス

代表にされてしまったのは事実ですし、

これからどうするかは今日の夜に

本国と連絡を取ってみましょうか」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

凰准尉の学校生活としては緊急事態

でしょうが、我々としては別に棄権しても

いいですしね。

試合前に整備不良が見つかったとか

言っておけば問題ありません。

 

さてさて、この動きに対して師はどう

判断しますかね?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

凰准尉の問題は【面白い】話題の

一つとしてストックしておくとして

私は私でお仕事しないといけません。

 

整備室は・・・ここですか。

しかし、何というか、何ですかね?

この徒労感。これが学園生活という

モノなのでしょうか。

 

「機密情報が集まるISの整備室前に

不審者が一名・・・IS学園の警備は

一体どうなってるのですかね?」

 

コレも改善案件です。

 

「い、いきなり後ろに立って不審者

扱いするのやめてくれませんか?!」

 

この水色は何を言ってるんです?

 

「中途半端に気配を消した上で、

物陰に隠れて「簪ちゃんハァハァ」とか

言いながら中の様子を伺う水色が不審者

じゃなくて何だと言うのですか?」

 

どれか一つでもダメでしょうに。

 

「ぐぬぬ!」

 

何がぐぬぬだ。

 

「自覚症状なし、反省の色なし、

職権濫用とストーカー行為の現行犯です」

 

生徒会長だからって何をしても

良いと言う訳ではありません。

 

法の裁きを受けなさい。

 

「ちょ、違う!私は姉として!!」

 

「姉妹だろうがなんだろうが一人の人間。

当然プライバシーはあります。

むしろ家族だからこそ、その距離感は

大事だと言えますね」

 

「ぐはっ!」

 

暗部の長女と次女が仲違いって。

暗部云々よりまず家庭を何とかしろ。

家庭を纏められないモノが組織を

纏められると思うな。

 

なんて態々教導する気はありませんがね

 

「とりあえず理事長、コイツです」

 

「・・・はい」

 

「十蔵さん?!」

 

「理事長。私はこれから一週間ほど学園内を

監査してから、私の視点で見つけた問題点を

報告させて頂きます。

ちなみに問題点は既に二桁を超えてますので

覚悟しておくように」

 

「・・・はい。行きますよ更識君」

 

「え、ちょ、ちょっと!ちょっと

待ってぇぇぇぇぇ!」

 

聞く耳もたん。さっさと連れてけ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

なんかお姉ちゃんの声が聞こえた

気がするけど・・・

ダメダメ!気にしすぎ!私は私なの!

 

「ふむ、コレが噂の天才、更識簪ですか」

 

「あひゃあ?!」

 

あ、あひゃあって何!自分で言って

すっごく恥ずかしいんだけど!

 

って言うか誰?気配とか全く

なかったよね!

 

「あぁ、驚かせましたか。中国から来た

司馬仲達です。本日付で1年4組に編入

しました。まぁ貴女は授業を休んだので

知らないでしょうが、クラスメイトですね」

 

「あ、さ、更識簪です・・・」

 

し、司馬仲達さんってアノ司馬仲達さん?!

 

「アノが何か知りませんが。まぁこんな

時期に編入して来たのですから噂くらいは

されてますよね」

 

「えぇ?!」

 

こ、声に出してた!?

 

「声には出してませんが・・・貴女は少し

思ったことが表情に出やすいみたいですね?

ソレでは相手に読まれますし利用されて

しまいますよ?」

 

「いや、そんなの普通出来ないですって!」

 

表情から読むって言ってもアノとか

細かいところは無理ですよね!

 

「いや、貴女の相手は普通では無いと言う

ことですね。いくら自身で生まれや家庭環境

を否定してもソレはずっと付いてくる

モノです。受け入れるにしても反発するに

しても個人の自由ですが、本人が忘れたから

といって周りも忘れるわけではありません。

何が言いたいかといえば・・・

現実を見なさいと言うことです」

 

「あう・・・」

 

い、言い返せない。

初対面の癖に私の何がわかる!とか

言うのが普通なんだろうけど、

この人達は私以上に私を知ってるはず

なんだよね・・・

 

「すでに更識の監視は排除しました。

その上で貴女にこうして接触したのは

当然理由があります」

 

「さ、更識の監視?!」

 

わ、私は監視されてたの?!

 

「何を驚いてるんですか?貴女の情報を

調べましたが、普通に実家は更識の屋敷で

帰省先も更識の屋敷。

家族も親族も更識の娘として扱ってるじゃ

ないですか。そりゃ監視されますって。

まぁアチラは監視じゃなくて護衛だと

言い張るかもしれませんが、本人が

知らなければ監視ですよね」

 

「・・・そうですね」

 

当たり前に個人情報調べられてるけど

司馬家のお姫様が国外に出るなら

周囲の人間を調査するのは当然だよね。

さらにウチは更識だし、警戒されて当然。

 

「納得して頂けたところで、こちらの

用件を言ってもよろしいですか?」

 

「あ、はい!」

 

接触したのには理由があるって言ってた

もんね!なんだろう?

「こんにちは死ね」とかじゃないよね!

 

「天才更識簪。貴女、冬林技研に来て

その才能を使いませんか?」

 

「はい?」

 

天才?誰が?え?何?スカウト??

お姉ちゃんじゃなく、ワタシを?!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

このリアクションは全く想定して

いなかったと言ったところでしょうか?

 

いやいや、亀もそうでしたがね。

周りの評価も自己評価も低すぎませんか?

 

ISの操縦、企画、開発、製作、更に行動力。

コレは普通に天才と呼ばれる存在でしょう?

 

「あ、あの、私をスカウトしても

更識は・・・」

 

ん?あぁ、そう言う心配が先に来ますか。

 

「私は別に更識の家なんかに興味は

ありませんよ。・・・あぁ、流石に

『なんか』はシツレイですね」

 

シツレイシツレイ、弟子シツレイ。

 

「い、いえ!司馬さんの家に比べたら

比べることすら烏滸がましいと

言いますかなんと言いますか!」

 

コレは日本人の謙遜ではなく事実を正しく

認識してると見るべきなのでしょうね。

 

「まぁ知っての通り、ウチは諜報組織も

資金も人材もありますから。

取り込むなら正面から飲み込みます。

貴女を使って取り込むような真似はしませんよ」

 

こういう時は事実をそのまま伝える

のが良いんです。

 

「そ、そうですよね!それで、その、

本当に私をスカウトしてるんですか?」

 

ふむ、感触は悪くはなさそうですね。

 

「そうですね。それ以外に聞こえたなら

私の日本語がおかしいか、貴女の耳が

おかしいかという話になります」

 

「な、なるほど!そうですね!」

 

ここでそうですねって・・・あぁ

なんか目がぐるぐるしてます。

コレは余裕が無いんですね?

 

常に姉と比較されて褒められ慣れて

ないんでしょう。

本当に最初の頃の亀に似てますねぇ。

 

「ついでに言えば、別に冬林技研に所属

したからといってそれが日本を敵に回すこと

にはなりませんし、更識の家も敵に回すこと

にはなりませんよ」

 

「え?そうなんですか?」

 

まぁ勘違いするのはわかりますがね。

世の中敵と味方だけではありませんから。

 

「それはそうです。別に戦争状態じゃ

ありませんし。

実際に冬林技研の日本支部には沢山の

日本人の方が居ますが、彼らを売国奴と

呼んで敵として扱う人が居ますか?」

 

「い、居ないですね」

 

まぁ実際は居ますけど。女権団体とか。

ですが普通に考えて、多国籍企業なんて

いくらでもありますからね。

 

「それに織斑千冬も冬林技研に所属

していたときに日本代表として

モンドグロッソに出場して優勝してます」

 

「た、確かに!」

 

その後倉持に移りましたが。コレはまぁ

兎と日本政府のやり取りの結果です。

 

「さらに更識としては我々との繋がりが

手に入りますからね。面白くは無いかも

しれませんが反対や敵視はされないでしょう」

 

「面白くはない・・・ですか」

 

ここで喜ぶとか言えば反発しそうですし。

あえて実家が嫌がるようなニュアンスで

行けば悪い気はしないでしょうね。

 

「それに何より、貴女が今作成している

ISに関して、ウチの副所長が強い興味と

感心を示してるんですよ」

 

いや、なんでか知りませんけど

妙にテンション高かったですよね

 

「え?ふ、副所長さんが」

 

「えぇ、ナッ○ーミサイルだとか

板○サーカスだとか・・・

何でもロマン兵器と言いましたか?

貴女にはそれを開発する才能があるそうです」

 

正直その話を聞かされたときは嫉妬も

しましたが、変態技術者共が賛同して

騒いでましたからね。

アレを見ると・・・この娘の才能は

HENTAIの才能。兎の才に近いモノ

があるのでしょう。

師が私に求めている才能とはまた別モノ

ですからね。・・・住み分け住み分け。

 

「ロマン兵器って、それは本当ですか?!」

 

おぉ?なんか妙に食いつきが良いですね?

やはりコイツもHENTAIでしたか・・・

 

「えぇ、貴女が倉持に出した企画書を

入手しましてね。その内容を見た副所長が

『コイツは天才だ!』と評価を下しました」

 

アリサワとかキラサギもベタ褒めでしたが

奴らに褒められるって本物のアレですよ?

 

「な、なるほど!」

 

ふむ、やはり技術者は自分の技術や発想を

褒められると喜びますね。

 

とりあえず初日の掴みは良好です。

このタイプは押せば押すほど良いのですが

あまり押しすぎてもしり込みしますからね。

 

今日のところはこの辺で引きましょう。

 

「まぁ初対面でいきなりこんなことを

言われても困ると言うのはわかります。

コチラが私の名刺で、コチラが冬林技研の

研究室への連絡先となります」

 

「え、えぇ?!」

 

驚くのも無理はありませんよね。

 

「ふむ。いきなり研究室への直通はハードル

が高いでしょうから、同じクラスの私に

言って貰えれば取り次ぎはしますよ?」

 

「い、いや、そっちもかなりハードル

高いですよね?!」

 

うん?休み時間に私に接触するのが

ハードル高いんですか?

 

立場云々も有るでしょうが、凰准尉は

普通に駆け込んできましたし。

 

あぁ、虐めでしょうかね?なにやら

代表候補生の座も姉や家の力で手に入れた

と言う陰口も叩かれてたようですし。

 

倉持もISの製作を投げ出しましたからね。

このような才を持つ者がここまでぞんざいな

扱いを受けては自信もなくしますよ。

 

つまり今の彼女は授業に出るのが辛いと

言うことですか。

ソレで授業も受けずに専用機を自作して

いると・・・

 

本来第三世代型の専用機を造るなら専用の

人員を集め専用の研究室で専用の機材を使い、

専用の計測器を持って作業を行うものです。

 

武装、関節、装甲、火気管制、機動部、

ハイパーセンサー、慣性制御、空気抵抗

空中機動用バーニアや各種バランサーに

重力計算。更には量子変換機能です。

簡単に言ってコレだけの知識と技術が

必要でさらに資材だって必要なんですよ?

 

全てを備えたデュノア社ですら第2世代

からの脱却が出来ていないと言うのに、

コイツは一人で凡そ4割~5割を造り

あげていますからね。

 

この、学生なら誰でも使える整備室で。

学生なら誰でも使える設備だけで。

それも半年も掛からずに、です!

 

まぁ一人で行う弊害として多少視野が狭く

なっていますが、ソレでも倉持に織斑一夏

の専用機を優先すると告知されてから、

ここまで自作した期間を考えれば・・・

この進捗は異常の一言。

 

まったく日本の選考者や教育者は何を

見てるんですかね?

兎と言いコイツと言い、どれだけの才能を

腐らせる気ですか。

 

アリサワなんか戦う技術者として、勝手に

後継者にしようとしてますよ?

 

ソレがコイツにとって幸せかどうかは

わかりませんが、少なくともこの整備室で

誰にも見向きもされないまま一人殻に

とじ込もって腐るよりはマシですよね。

 

「更識簪。貴女は自己評価が低すぎるし、

周囲の評価も何故か低すぎます。まずは

ソレを自覚なさい」

 

「え、えっと、その、私なんかじゃ

お姉ちゃんには・・・」

 

お姉ちゃん?あの変態が何かしたので

しょうか?それとも派閥的なモノ?

しかしそれなら納得もできますね

 

「なるほど、更識が手を回していましたか。

それならこの不当に低い評価もわかります」

 

まぁ違っても構いません。猜疑心とは

可能性があるなら勝手に大きくなる

モノですからね

 

「え?更識が?!」

 

「憶測ですがね。普通なら名家の娘が不当に

評価を落とされていたなら、何かしらの

行動を取るものです」

 

「何かしらの行動を・・・」

 

「えぇ。噂の払拭や、新しい噂を流すなど

はわかりやすいですが、不当な評価を

している連中を野放しにすることは

有りません。

喩え一時期嫌がらせはあったとしても、

今も嫌がらせが継続しているなどあり得ない

ことなんです」

 

惑え・迷え・疑え。

 

「あり得ない・・・?」

 

「更に研究開発を途中放棄?ISをコアごと

民間人に貸し渡す?あり得ませんよね?」

 

普通に考えて理解不能です。

 

「確かに。研究開発を途中放棄するのは

・・・まぁ織斑が貴重な存在だからって

言われたらそうかもしれないけど、一介の

代表候補生にコアを貸し渡すなんてことは

絶対に無いですよね」

 

最新型のエンジンを学生に渡す車メーカーは

ありませんし、航空機のジェットエンジンを

学生に貸す企業もありませんよ。

 

それがISコア?量産できる兎ならともかく

日本の一企業が?

 

「そうですね。ですが裏に日本政府と繋がり

をもつ更識の手が入ってるなら・・・」

 

「可能性は有ります・・・目的は何でしょう?」

 

ふむ。初日だから無理はするつもりは

ありませんでしたが、コレはいけますか?

 

「予想でしかありませんよ?」

 

実際理解出来てませんからね。

 

「構いません!教えてください!」

 

答えを欲するなら対象が理解出来る

答えを垂れ流せば良い。まぁ今回は

ソレほど難しいモノではありませんが。

 

「・・・嫌がらせでしょう。夢を見るな。

現実を見ろ。貴女には何も出来ない。

だから何もするなと言う無言の圧力です」

 

「何も・・・やっぱりっ!」

 

まぁ私にはソレ以外想像出来ないって言う

のも事実なんですよね。

姉を当主にすることにしたから、妹は

何も考えずに黙って従ってろ的な。

 

「ISコアを貸し渡したのは、機体を完成

させることが出来ない事を理解した上で

貴女から泣きつかせようとしたのでは?」

 

心を折るのは基本ですからね。

 

「完成・・・出来ないんですか?」

 

「えぇ。不可能です。あぁ勘違いがないように

言っておきますが、完成出来ないのは貴女の

能力の問題ではなく、単純に資材や設備の

問題ですよ。冷静に考えなさい。第三世代型

が学園の整備室で出来るなら、各国の企業の

研究室は何のために有るんですか?」

 

「・・・設備。そうか。そうですよね」

 

「学園にあるのはあくまで整備室。しかも

基本は第二世代型用です。

最新型である第三世代型の武装や装甲を

開発するための設備ではありません」

 

「・・・」

 

「正直このような環境でココまで機体を

造り上げた貴女の才能は異常と言っても

良いでしょう」

 

「私が・・・異常?」

 

何で自覚しないんですかね?

まぁHENTAIは自分をHENTAIと認識しない

からこそ自由な発想が出来るのでしょうが。

 

「えぇ、少なくともロシアと言う国の

バックアップを受けた更識楯無とは

比べ物にならないと断言しましょう」

 

「え?私は、お姉ちゃん以上なんですか?!」

 

「無論です。私たちが欲したのは貴女の

姉ではなく、更識簪。貴女です」

 

あんな普通の変態は要りません。

 

「うっ・・・ぐっ・・・うぇっ」

 

いや、泣かれても困りますが。

・・・そういえば亀も泣いてましたね。

 

私には師と言う理解者が居ましたが

彼女たちには居なかった。

やはり師は凡百の連中とは違いますね。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初日にしては慌ただしかったですが、

とりあえずこんなところですか。

 

更識簪は落ち着かせて、今日は休むように

言って部屋に帰しましたし。

なんか憑き物が取れたような顔してました

から、明日以降の接触が楽しみです。

 

凰准尉の面白い話題と併せて師には良い

報告が出来ますね!

 

では資料を纏めて師に報告と行きましょう!

 

 

「司馬様ぁ!司馬様ぁ!一夏が!

一夏が酷いんですよぉ!」

 

・・・

 

初日に事件起きすぎじゃないですかねぇ?!

 

 

 

 




いや、凰さんは原作では転入初日の
ホームルーム前にクラス代表に
なってましたが・・・どういうこと?

あと、かんちゃん。コイツはヤヴァい
くらいの天才だよね?学校の設備で一人で
最新型の機体を作成って有る意味兎より
ヤヴァいんじゃない?知識と技術はともかく
予算と武器弾薬はどうしたの?ってお話

ペンギンの帽子被って語尾にッスを
つけるッスとか言ってる場合じゃ無いッスよ?

あくまで事実(原作準拠)に基づく弟子の
予想です。確定したオリ設定とかではなく、
弟子の予想を語ってるだけです。


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8話

織斑さんちの家庭の事情

かんちゃんは出ないぞ!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「司馬様ぁ聞いて下さいよー!」

 

まぁ上司への報告・連絡・相談は基本です。

 

態度に関しても「不敬は許す」と言ってますし

コレを矯正したら今後の報告などに差し障り

が出ますか。

 

コレが十代女子・・・しかしココは軍人や

兵器運用をする人間を育てる環境では

ありませんね。

 

意識が軽くて規則が温くて、規律が緩い。

 

その上教師は中途半端な教官役で万事に

対しても無責任。

つまりこんな学園なんかに入れるから

操縦者に学生気分が移り、我儘で阿呆な

特権意識をもった無能になるようです。

 

今後IS搭乗者は我が国の軍機関で育成

することを義務付けるよう提言ですね。

 

IS学園に対しては・・・どうしますかね。

阿呆を育ててくれると考えればこのまま

野放しでも構いませんが、監査員として

考えれば職務怠慢です。

 

コレも師とお話してさじ加減を決めますか。

 

今回は織斑一夏に対しての接触任務

がありましたから、相手のレベルに

合わせる形で染まってしまったのは

仕方ないのですが、休日になったら

冬林の日本支部で矯正して学生気分を

抜きましょう。コレは危うい。

 

「それはそれとして、とりあえずは

准尉からの報告を聞きましょうか」

 

何を殺るにしてもまずはソレから

ですよね。

 

「は、はい!アイツ酷いんですよ!」

 

 

――――――――――――――

 

 

 

カクカクシカジカマールイムートンイトウ

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

「なんですかソレは?」

 

「ですよね!司馬様もそう思いますよね!」

 

いや、コレって織斑一夏が悪いのですか?

 

毎日酢豚?拷問でしょ?師だって毎日

八宝菜とか言ったらキレますよ?

 

それを受け入れる人間って居るんですか?

 

いや、しかしコレが日本における10代

女子のプロポーズの常識なら織斑一夏に

非があることに・・・なるんですか?

 

あまりに理不尽・あまりに不可解。

だが凰准尉は特に疑問に思っていない。

 

私の常識がおかしくなったのですか?

 

「・・・男性の意見を聞いてみましょうか」

 

もしかしたらコレが常識なのかも

知れません。

もしそうだとしたら私はどうしたら

良いのでしょうねぇ?

 

――――――――――――――――――

 

「凰准尉が悪い」

 

『そんな?!』

 

いや、嘘だと言ってよバーニィみたいな

顔されてもな。

 

弟子を見ろ。「ですよねー」って顔してるぞ。

 

しかし弟子にも友達が出来たようで何よりだ。

 

俺は情緒や政治を教えてやれる楊修や武を指導

する李厳の代わりは出来ても、対等の目線で

普通に張り合える香っ子や後輩として接する

亀っ子や白っ子の代わりは出来んからな。

 

まぁ年上の同僚の狐っ子は束が居るが

アレだけだと教育に良くないし。

 

この調子で無駄を取り込み、人として成長

してくれれば言うことはない。

 

まぁ本来兵器運用者が人として成長したら

ダメなんだけど、弟子なら全部飲み込める。

 

なんなら反抗期とか来ても良いんだぞ?

 

『私の何が悪かったんですか?!』

 

強いて言うなら全部だな。

 

『まずは態度だな。准尉、貴様は誰を

前にして意見しているつもりだ?』

 

『ひ、ひぃ?!』

 

あぁ待て待て。普通ならソレが正しいが

今回は問題ない。

 

「少佐、確かに准尉が大佐に取る態度では

無いが、学園内部では学生として暮らすよう

命じたのはコッチだ。だから矯正はいらんぞ」

 

言ってしまえば知り合いの大人に恋愛相談

してるだけだからな。ある意味任務を忠実に

遂行してるとも言える。

 

『まぁ、大佐がそう言うなら良いのですが』

 

『アリガトウゴザイマス!』

 

スゴク・不満そうなのと、スゴク・助かった!

って言う対比が面白いな。

まぁ問題点を一つずつ分かりやすく教えて

やろうじゃないか

 

「まず第一に毎日酢豚は健康に悪い。

冗談にしか聞こえんぞ」

 

なんでよりにもよって酢豚にしたんだよ。

炒飯とかスープとか色々有るだろ。

 

弟子もですよねーって(ry

 

『それは・・・そうですけど!』

 

自分でもチョイスがおかしかったかな

って思い始めてるじゃねぇか。

 

「第二に織斑家の家庭の事情だ」

 

『か、家庭の事情?!』

 

相手の事を考えたらわかるだろうに。

 

これは思春期に少年から大人に変わる男と、

幸せは誰かがきっと運んでくれると信じてる

階段を登る前のシンデレラの違いか?

 

「両親がいなくて姉が高校にも行かずに

働いてるのを見て育って来たんだぞ?

弟が恋愛なんか出来るわけねーだろ?」

 

『あっ!』

 

おいおい、まさか本当に気付いて無かった?

弟子を見ろ、コイツマジか?!って珍しく

普通に驚いてるぞ?

 

「さらに准尉もヤツが家計に不安を持ってた

ことは知ってたんんだろ?」

 

学校終わった後、ウチでバイトしてたし

 

『は、はい・・・』

 

「それなら『毎日酢豚食べてくれる?』なんて

自分を励ます冗談、もしくは飯くらいなら

何時でも食わせてやるよって言う男前発言だ』

 

まぁシチュエーションやニュアンスも有るが

この場合はなぁ。家庭事情を知らないとか、

せめて酢豚じゃなくて別のにしておけば

冗談以外の選択肢も出たかもしれんが。

 

『そ、そうなっちゃいます・・・か?』

 

認めたくないもんだよな。若さ故の過ちは。

 

「そうなっちゃうな。つまりお前の酢豚発言は

プロポーズの言葉として成立していない。

これは受けた織斑の問題ではなく、お前の

言葉のチョイスが悪い」

 

『あうっ!』

 

なんだ酢豚って。俺だって「は?」

ってなるわ。

 

「だいたい結婚を前提としたプロポーズ

なら「結婚しよう」とハッキリ言え。

最低でも「ただの友達としてじゃなく、

一人の女と見て欲しい」と伝えるべきだろ。

それが覚悟と言うものだ。

中途半端に日和って伝えて、相手の答えが

自分の想定と違うからって被害者面して

騒ぐのはルール違反だ」

 

何のルールかは知らんが。

 

『た、確かにそうですね。一夏の家庭の

事情も踏まえて考えたら・・・』

 

まぁコイツも両親の離婚とかでテンパ

ってたんだろうけどな。そういうのは

相手に関係ないんだよ。

 

「准尉も現実を理解出来たようで何より。

もうわかったと思うが、織斑一夏と言う

男は単純に鈍感なんじゃない。

最初から恋愛に関しての事柄は無意識に

全てをシャットアウトしてるんだろう」

 

これを恋愛に鈍感と言うのは酷だろうよ。

 

『シャットアウト?!』

 

ただの鈍感としか考えてなければ

怒ったり非難されたりするのだろうが、

背景を知れば誰だって織斑一夏と言う

男に理解を示すさ。

 

この姉魂ってな。

 

「そうだ。元々の家庭の事情だけでなく、

今の状況のせいで尚更防壁が強化されて

しまった形だな」

 

『い、今の状況ですか?!』

 

コレもな。女子にはわかるまい。

 

「まず女子高に男一人で入学して、

右も左も女子に囲まれた状況では

恋愛なんか出来ん」

 

色々怖すぎるわ。

 

『で、出来ないんですか?』

 

出来るわけねーだろ。

 

「准尉、男子校にいきなり一人で入学

させられて『よーし、恋愛するぞ』

なんて出来るか?

自分の意思で入学したんじゃないぞ?

なんかいきなり入学させられたんだぞ?」

 

『・・・なるほど』

 

ここでいきなり『ひゃっほーい逆ハーだ!』

とか言えるのはゲームの主人公だけだ。

 

「わかったようで何より。それにヤツの

場合はハニトラへの警戒は当然として、

特定の相手と親密になれば敵味方を

明確にすることになる。

周囲の人間の背後関係がわからない以上、

今は八方美人を維持して状況把握に

専念する時期だろう。

おそらく織斑千冬からもそういった

指示が出ているはずだ」

 

問答無用の時限爆弾である束の妹や

イギリスの紐つきセシリア・オルコット。

安牌と見せかけて更識の布仏が良い例だ。

 

『た、確かに。私だって何も知らなければ

中国の紐つきです!』

 

「だな。まずは正しい状況把握をさせるよう

しっかり誘導しろ。具体的には名刺を渡せ」

 

コレだけで凰准尉に対する心理的な壁は

かなり低くなるはず。

 

『名刺ですか?あぁっ!私、冬林技研所属

になってる!』

 

おいおい。コレが十代女子か。

 

『准尉・・・後で話があります』

 

『ひ、ひぃ?!』

 

「まぁ、その辺の教育は任せる」

 

『はっ!お任せ下さい!』

 

流石にはっちゃけ過ぎだ。故に矯正。

 

「第三に単純に学力と実力の問題だな」

 

コレはもう恋愛以前の問題だろう?

 

『な、なるほど!なんの事前知識もなく、

いきなり専門知識と兵器の操作技術を学ぶ

学園なんかに入れられたら、恋愛なんか

してられませんよね?!』

 

おーおー。必死だな。まぁ人間追い詰め

られた方が走る速度も上がるからな。

 

その調子で追い詰めるように。

 

「そう言うことだ。だから今は話を恋愛に

もって行くのは不可能。そもそもいきなり

目標を落とすなど無理なんだ。まずは

外堀を埋める作業を行うのが妥当だろう」

 

この外堀が埋まらない限り、夜這いして

既成事実を作る以外に織斑一夏を攻略

することはできんよ。

 

『はっ!ありがとうございます!・・・

それで、この場合の外堀ってなんですか?』

 

おいおいマジかコイツ。

弟子の顔を見ろ。弟子もマジかコイツって

顔をしてるぞ?コレが十代女子の平均って

言うなら、いくらなんでも織斑一夏の胃が

もたんぞ?・・・マジでヤバくないか?

 

「・・・大前提として織斑一夏に恋愛を

させるためには、織斑千冬に彼氏を見つ

けさせる必要がある」

 

『ち、千冬さんに彼氏ですか?!』

 

驚いてる驚いてる。まぁ俺もアレに

彼氏が出来て幸せそうにしてる絵面が

想像できんがな

 

「自分を苦労して育ててくれた姉が

ずっと独り身で、夜中に一人寂しく

ビール飲んでるんだぞ?そんなところに

彼女連れて『俺幸せです✩』って出来る

ような性格してるのか?」

 

まぁ弟魂の織斑千冬としてはそれで

本望かもしれんが、姉魂の弟としては

そんなん出来んだろう。

 

『さ、流石に無理だと思います』

 

「だろ?つまり織斑千冬をなんとか

しないと、織斑一夏は恋愛出来ん」

 

いっそ姉弟で結婚すればいいのに。

遺伝子情報的にはアレだから問題は

・・・あるのか?どうなんだ?

 

『あ、あぁ。なるほど』

 

「逆に言えば織斑千冬が彼氏を作って

織斑一夏に対し『お前に学園を卒業

出来る見通しがたって、就職先も決まり

その上で彼女を紹介してくれたら、

私も自分の幸せを探すことが出来る』

と言わせれば良いわけだ」

 

そしたら織斑一夏は全力で勉強して

彼女を探そうとするだろう。

もしくは彼氏を倒す為に鍛えるか?

 

『は、ハードル高すぎませんか?!』

 

それが織斑の姉魂だからな。

 

「いや、IS学園を卒業したら就職先に

困ることはないし、お前を選んだら

例え中退しても冬林技研が待ってる。

お前だけはハードルが低いんだよ」

 

『はっ!そうでした!』

 

しかもその場合大好きな姉も同じ

職場に転勤だ。もうみんな大喜びじゃないか。

 

「現状は把握したな?」

 

『はい!まずは名刺を渡して私は

敵じゃないとアピールしつつ

千冬さんに男を作るよう誘導します!』

 

ジ○リ映画か何かか?

 

『准尉・・・』

 

『え?ち、違うんですか?!』

 

うん。まぁその辺の調整は任せた。

 

「まぁ、間違ってはいない。注意点

としては奴の周りにはハニトラ要員が

多数いるから、女をアピールしすぎると

引かれるだろう。今は友情優先で奴の

近くに居ることを優先するんだな」

 

『だ、大丈夫ですかね?』

 

「引かれたり嫌われたりしたら意味が

ない。周りが織斑一夏を狙っている間

にお前は姉を味方につけろ」

 

そうすりゃ最終的にお前の勝ちだ。

 

『なるほど!』

 

「味方に付ける方法は多々あるが

コレも急ぎすぎるな。織斑千冬も

『弟が幸せになってないのに恋愛

なんか出来ん』と考えてる生粋の弟魂だ」

 

『めんどくさっ!』

 

本心が出てるぞー。横で弟子が無表情に

なってるぞー。

 

「標的も姉魂拗らせて変な方向に行く

可能性もあるから、そのへんの

見極めは現地でするように。この件に

関しては以上だ」

 

もう十分だろ。あとはソッチでヤレ。

 

『はい!ありがとうございます!』

 

「で、次の案件についてだが」

 

『え?次ですか??』

 

『准尉・・・』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

この阿呆は・・・

 

「准尉、貴女のクラス代表の件です」

 

「あ、あぁ!そうですね!」

 

コイツ、本気で忘れてたな?!

 

初日でコレって学生気分に浸りすぎ

だろう?洗脳でもされたのか?

 

一度地獄で血の池に浸らせるべき

じゃないかな?かな?

 

『少佐、十代女子とはそういうものだ。

それに織斑一夏の攻略は凰准尉に

与えられた正式な任務でもある。

クラス代表などと言った案件に割く

労力や余裕が有ればソッチに向けると

言うのは職務上間違いではない』

 

まぁ、確かにそうですけど。

確かにそうなんですけどね?

 

「あ、あはは・・・すみません」

 

『とはいえ准尉、少佐の我慢にも

限界はある。あまりにもハメを外して

いると判断した場合は少佐の判断で

貴官に対する殺傷の許可も出している。

つい殺っちゃうことも有るだろうから

己の言動には注意を払うように』

 

「は、はい!」

 

うむ、流石我が師。引き締めをキチン

としてくれましたし、さらりと殺って

良いと言う許可もくれました。

 

殺れないと殺らないでは精神的な

負担が違いますからね。

 

『それでクラス代表だが、なった

モノは仕方がない。

現地での任務と思いこなすように』

 

「は、はい!」

 

なるほど、そう判断なさりましたか。

 

「クラス代表戦はどうしましょう?

准尉の場合専用機を使うことに

なりますが?」

 

棄権か出場か・・・まぁ今回はクラス

代表を任務と認識したのですから、

コレも出場とは思いますが。

 

『所詮甲龍は国軍が開発した第三世代。

冬林技研で開発した少佐の水銀の蛇や

俺のACである月狼と違い、所謂見せ

武器でもある。故に見せても構わんよ』

 

「はいっ!わかりました!」

 

『ただ、無駄に全性能を見せる必要も

無い。相手は・・・更識簪が出ないなら

接近戦しかない織斑一夏と凡百の生徒が

使う訓練機だろう?』

 

「サラシキカンザシ・・・?」

 

コイツは本当に織斑しか見ていな

かったか・・・コレを指導

するのが私の仕事なんですよねぇ。

 

「そうですね。では近接武器のみの

使用を許可します」

 

「え?えぇ?!」

 

いや、それで十分でしょう?

 

『そうだな、まさか完全な素人の

学生や稼働時間が100時間にも

満たない織斑に近接戦闘で負ける

ようなことはあるまい』

 

・・・コレは負けたら私まで

矯正されますね。

 

「ですね。こちらでも調整と訓練は

行いますが、休日には冬林技研にて

錆を落とす必要がありそうです」

 

「えっ・・・」

 

不服そうですが・・・まさか見世物

とはいえ兵器を使った作戦行動が

控えているというのに、兵装の調整を

行わないつもりだったんですかね?

 

「准尉。あまり不抜けていると消すぞ」

 

別にお前が居なくとも最大目的である

更識簪に対する接触任務は出来たのだ。

極端な話、もうこの学園に来る必要

すらないということを教えてやるか?

 

「も、申し訳ありませんでしたっ!」

 

『准尉。さっき言ったばかりだろうが。

IS学園の生徒に毒されたのか洗脳され

たかは知らんが准尉は兵器を運用して

いるという自覚が足りん。

学生生活を満喫するのは構わんが、

それはやるべきことを全てこなして

いることが最低条件だ。

中途半端な意識で兵器運用をする奴が

大事故を起こす前に消す。少佐の判断は

大げさでも無ければ間違いでもない』

 

そうでしょうそうでしょう。

十代女子だからと寛容に接して

ますが無制限に甘やかせという

意味ではないのですよ。

 

「はっ!申し訳ございません!」

 

そうですよ。師が許してるとは言え

上官であり上司です。最低限の

礼と言うモノがありますよね。

 

『では准尉は部屋に戻って休むように

少佐は別件の報告を聞こう』

 

「はっ!それでは失礼します!

お疲れ様でした!」

 

『「ご苦労」』

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

お疲れ様でしたか・・・本当に

疲れましたよ。

 

『弟子よ、アレが10代女子と言う

生き物だ』

 

「想像を絶するナマモノですね」

 

いや、あんなの無理ですって。

さっさと殺しましょうよ。

 

『我知無知の精神からいけば

アレを理解できればまた成長に

繋がるのかもしれんが、その前に

お前が倒れそうで怖いな』

 

「えぇ、まだ初日でコレですから、

コレが毎日だと間違いなく倒れるか

その前にその原因を倒すでしょうね」

 

まぁ初日だからこそって言うのも

あるかもしれませんが・・・

いや、コレはむしろそうあって欲しい

という願望です。

 

『学校を爆撃する場合は事前連絡を

忘れるなよ?』

 

「えぇ、無論です。少なくとも

更識簪は回収しますよ」

 

アレは確かにHENTAIで天才。

金で買える人材ではありませんしね。

 

『よろしい。明日以降の接触に

期待出来るという事だったが、

本当にアレに対して誰も接触して

いなかったのか?アレだけの才能だぞ?

国が放棄するなどにわかには信じ難い』

 

「そうですよね。普通は罠を疑い

ますが現地に来てわかりました。

更識が裏で手を回していて、更に

学園内では轡木十蔵も動いていた

ようですね」

 

泣きながら姉に言われたとか

言ってましたからね。

姉としての不器用な優しさと言う

より現実を理解していない小娘の

戯言です。相手に伝わらなければ

イジメでしかありません。

 

『ほう?轡木ねぇ・・・なんだコレ

当代の更識楯無は馬鹿なのか?』

 

「少なくとも阿呆で変態ですよ」

 

何もしないで居なさいって・・・

何もしなかったらタダの穀潰しで

政略結婚の道具じゃないですか。

 

しかも暗部の宗家のお嬢様です。

興味がないような素振りをしても

身柄を狙われますよね?

 

遺伝子情報だって普通に希少です。

 

それにアレだけの才能があって飼い殺し

って耐えられるわけ無いでしょう。

 

『組織ぐるみでシカト?というか

そこまではしてないな冷遇?でもない。

噂を否定しないし、イジメも黙認。

付き人である布仏は普通に友人だし、

家族や先代も死んだわけでもない。

何でこんなアホな決定を認めたんだ?

更識簪の持つ才と力は暗部・・・

というか諜報向きだし、実行者を

婿として迎え入れれば姉よりよっぽど

家の役に立つじゃないか』

 

本当に何故でしょうね?家督争いでも

無いみたいですし、本人も姉を支える

気でしたし。

埋伏計として利用するための餌かと

思えば、接触すらさせないように

監視と護衛がいるし。

 

心を折らせて自分の良いように使う

のかと思えば、話を聞けば最初から

反発はしてないし、あの性格なら

普通に従いますよね。

 

家族が弱点と思われるって・・・

そうやって突き放す時点で弱み

だってバレますよね?

そもそも突き放すなら家系図から

いじらなきゃ意味ないでしょ?

本当に中途半端ですよ。

 

「そうですね。全てにおいて中途

半端な姉に比べて、数多くの分野

で特出した能力の持ち主ですから

サポート役としては最適です」

 

気質が暗部の当主に向いていない

だけで、他の全てを任せることが

出来る逸材です。

 

なんなら兎の代わりに師の側室

として認めても良いくらいですよ。

 

・・・あれ?中々いい案ですね。

 

味方に引き入れて更識簪に技術的な

補佐をしてもらえば、テロリストの

兎がいなくても師の構想を活かす

には十分なのではないでしょうか?

 

『そんな人材とコンタクトが取れて

初日で連絡先まで交換できたなら、

引き抜き工作としては最良の結果だ。

よくやった。流石我が弟子』

 

ふふふ!そうでしょうそうでしょう!

 

私は素直で最高の良い弟子ですから

ねって・・・交換?

 

「・・・連絡先って交換するものなの

ですか?コッチは知ってますよね?」

 

住所氏名電話番号メールアドレス

その他諸々全部調べてますよね?

 

『・・・そうか。うん。そうだったな』

 

「え、えぇ」

 

あれ?何かしくじりました?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

まぁ、そりゃそうだよな。

弟子にしてみれば相手の情報は

全部知ってるのが当たり前だし、

用があったら呼びつけるんだもんな

 

『えっと、アレですかね?今から

名刺とかもらって来ましょうか?』

 

「やめてさしあげろ」

 

夜中は迷惑だし、色々葛藤とかも

あるだろうし、そもそも相手は

名刺持ってないと思うぞ。

 

『は、はぁ』

 

「まぁお前にはそう言う学生としての

人付き合いを学ぶ為に学園に行かせた

というのもあるからな。

徐々に見識を広げていくように」

 

『はい。わかりました?』

 

うむ、良くわかってないな

 

「とりあえず明日だな、

更識簪が授業に出てきたら

「連絡先の交換をしましょう」

と言って連絡先を交換しとけ」

 

『はっ!』

 

モンペじゃねぇんだから、ここ

まで指図するのは本来ダメなんだ

けどなぁ。

 

かといって常識の教育っていうのも

難しいもんだし。

 

この辺は准尉と・・・あぁ、更識簪も

お嬢様だから色々話も合うだろう。

 

うん、仲良くしてくれることを祈ろうか。

 

「あと、連休中に行く旅行先の

リストを送るから行きたいところを

チェックしておけよ」

 

IS学園って土日休みで夏休みもGWも

あるんだよなぁ。

 

真面目に兵器運用する気無いだろ?

 

普通の学校が休みのときに授業を

進めないと一般科目と専門科目の

両立って不可能だと思うんだが?

 

『は、はい!チェックします!』

 

うむ、コイツはコイツで働き過ぎ

だからな。

休ませてやろうじゃないか。

 

「そこには日本国内しかないが、

要望があれば他の国でも大丈夫だ。

ゆっくり考えてくれ」

 

『はい!ゆっくり考えます!

ありがとうございます!』

 

うむうむ、考える時間が一番

楽しいって言うしな。

 

夜くらいゆっくりすると良いさ

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぇ?ゴールデンウィークに旅行とな?

束さんだってリー君とそんなことした

思い出がないのに?

 

ふふふ、この束さんを差し置いて

しーちゃんだけ良い思いはさせないんだよ!

 

日本が誰の地元か思い出させてあげよう!




毎日酢豚は拷問か冗談にしか聞こえません

ふつーの感性が有れば姉魂は自分の
幸せより先に姉の幸せを願うよね?
年齢的にもアレだし。

姉は姉で弟の幸せを願うけど。
コイツは事情が事情だしねぇ?

この辺は誰かが調節しないとお互い
永遠に恋愛とか無理だよね。ってお話

弟子と師はなんだかんだで普通?に
恋愛してるもよう

兎はどこかで何かをしているようだ。


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9話

かんちゃんと言われて脳裏に猪木が
浮かぶ諸君、君たちはこのSSを
見るべきではない。

オリ設定!
オリ展開!

知力92(李儒)を舐めるなよ!

嫌いな人は読み飛ばし


「かんちゃーん。まだ寝ないのー?」

 

「・・・うん、今日はちょっとお昼寝

したからまだ眠くないんだ。

本音は先に寝てて良いよ」

 

司馬さんに今日は戻って休めって

言われてから、部屋に帰ってきたけど、

ここ最近じゃ考えられないくらい

スゴク・ゆっくり休めたんだよね。

 

「・・・いっつもみたいに

無理して作業しちゃだめだよー。

それじゃーおやすみぃ」

 

「うん。おやすみなさい」

 

・・・更識の監視か。実際本音も虚に

積極的には報告とかしてないみたい

だけど、ソレはあくまで織斑が同じ

クラスに居るから。

単純に私への優先順位が下がった

だけなんだよね。

 

おそらくこの部屋にだって監視

カメラや盗聴器も沢山あるだろうし。

 

それも本音に場所を教え無いようにして

るよね?本音に確認しても私に知られない

ようにそれらを設置してるはず。

 

・・・冬林技研への接触はどうしよう。

まさかトイレとかに仕掛けては

ないと思うけど、暗部だしなぁ。

 

正直言って倉持は信用出来ないし

その後ろにいる更識も政府も信用

できないし、したくない。

 

他の人ならともかく、司馬さんから

見て更識に興味が無いって言うのは

本当だよね。

 

つ、つまり、あのスカウトも本当で。

冬林技研は本当に私の才能が

欲しいってことなんだよね?

 

そうじゃなかったらこの研究室への

直通の番号とか、ましてや司馬さん

直通の番号なんか絶対にもらえない!

 

・・・つい端末に打ち込んだ番号を

凝視しちゃったけど、どうしよう。

 

こんな時間に司馬さんに

直接連絡はシツレイだよね?

 

コッチの研究室の番号は・・・

『連中は24時間365日誰かが

作業しています。何時でも連絡をして

構いません』って言われたんだよね。

 

流石世界に名立たる冬林技研の

根幹を支える天才たちの巣窟!

 

ふ、ふふふ。私もその一員に名を

連ねるのにふさわしいって思われ

たんだね。

 

こんなの言われたの初めてだけど、

嘘とかお世辞なんかじゃないのは

わかった。

 

あの人はそんなことをするような

人じゃない。

 

それに本音や虚みたいな同情混じりの

慰めでも無かった。

 

事実をありのまま。思ったことを

そのまま真っ直ぐに伝えてくれた。

 

それに自分に都合が良いようなこと

でさえ「あくまで予測」とか言って、

私に日本や更識に対する悪意を植え

付けようともして無かった。

 

アレは自分で考えて決断しろって

言う意味なんだよね?

 

私は自分で選んで動いても良いんだよね。

 

司馬さんから見て、私にはそれだけの

価値があるんだから!

 

それにロマン兵器の才能・・・

 

まさか○野サーカスやナ○トー

ミサイルに興味を示す人が他にも

居たなんて!それも副所長さんとか!

 

確かに私は視野が狭くなってたね。

 

私もお姉ちゃんみたいに一人でISを

作ってやるって思ってたけど、実際

設備や資材は一人ではどうにもならない。

 

つまりお姉ちゃんが一人でISを完成

させたっていうのは嘘!

 

最低でも日本かロシアの設備と

資材の提供を受けてるじゃん!

 

なんで気付かなかったんだろ。

 

まぁ私はソレを真に受けた馬鹿だけど、

その結果一人で、しかも学校の設備で

第3世代機をあそこまで完成させた。

 

自信を持て更識簪。司馬さんも言ってた。

私は自己評価が低すぎるって。

周囲の評価は更識や政府が手を加えた

からだけど、自己評価は自分の出した

結果から生まれるモノ。

 

そして私は司馬さんに選ばれた!

 

その結果を誇れ。そして評価しろ。

殻を破れ、螺旋の力で壁を貫け!

小宇宙を燃やすんだ!!」

 

『螺旋の力は本来天井を壊すモノだし、

小宇宙も・・・そこで燃やす分には

良いですが、原子を砕くような一撃

は控えたほうが良いでしょうね』

 

「あひゃい?!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あひゃいって・・・

 

なんかいきなり俺の研究室直通の

電話が鳴ったと思ったら、更識簪が

一人で燃えてた件について

 

『あ、あの、どちら様でしょうか?』

 

ふむ、そっちから電話をかけてきて

このリアクション・・・新しいな。

 

「こちら冬林技研副所長の李文優です。

そちらは更識簪さんかと推測しますが?」

 

推測もなにも、わかってるがな。

 

『は、はい!こちら更識簪です!』

 

無線か。

 

「ご丁寧にどうも。今回はウチの司馬

から聞いた連絡先へそちらがご連絡を

入れて下さったと思っているのですが?」

 

『わ、私が冬林技研に連絡?!

あっ!通話になってる!!』

 

あぁ、なるほど。電話番号を端末に

入れてニヤニヤしてたら、いつの間

にか自分の世界に入ってて、気付かぬ

内に通話ボタン押してたか。

 

・・・コイツ、持ってるなぁ。

 

「まぁ経緯はわかりませんが、早速

ご連絡を頂けたことは歓迎しますよ」

 

いや、さっきの様子は見てたが

まさか初日の接触でここまで影響

を与えるとは。

 

今までどんだけ冷や飯食ってきたんだ?

 

『あ、えっと、その、や、夜分

遅くに申し訳・・・』

 

「あぁ、気になさらず。時差の

関係でこちらはまだ夕方ですから」

 

実際は夜だが、まぁこのくらいはな

 

『そ、そうなんですね!えっと

あのですね!』

 

コレはあれか。緊張と恥ずかしさで

ダメになってるパターンか。

 

それに男にも慣れてないな。

 

押すだけ押して、ちょっと引くのが

効果的と見た。

 

「まぁ落ち着いてください。別に

壁を壊そうが小宇宙を燃やそうが

構いませんから」

 

『あうっ!』

 

これ以上の恥はないから安心

しろってな。

 

「それに実際我々は貴女を認めてます。

問題があるとすれば・・・」

 

『あ、あるとすれば・・・?』

 

「どこの研究室に所属させるか

なんですよね」

 

これが悩みどころなんだよな。

各種才能があるからどうしても

適性で振り分けるって言うわけ

にもいかんし。

 

『え?あの、やっぱり私は冬林技研

に・・・所属出来ないんですか?』

 

あぁ勘違いさせるような言い方は

いかんな。ヘタに引っ張ると

勘違いして、説明を聞く前に電話を

切って一晩泣くパターンか?

 

「いえ、皆が更識簪という逸材を

欲してましてね。

争奪戦が行われそうなんですよ」

 

特にアリサワとキサラギがな。

 

『そ、争奪戦?!』

 

「えぇ、貴女を巡っての争奪戦ですね。

なんと言えば良いですかねぇ?

日本のお嬢さんだと、ドラフト会議で

複数の球団に一位指名された選手を

争ってる状況を想像してもらえれば

わかりやすいですか?」

 

この辺どうだろう?野球に興味が

なくても、なんとなく分かって

もらえると思うが。

なにせ相手は10代女子。予測

なんか出来んナマモノだからな。

 

『な、なんとなくわかりました!』

 

ふむ、それは重畳。

 

「あぁそれと、この電話は盗聴とかは

されませんのでご安心ください」

 

これ言うの忘れてた。先に言って

おいたほうが忌憚のない意見を

聞かせてもらえるだろうし。

 

『そ、そうなんですね!』

 

「それと、今更ですがこちらから

かけ直しましょうか?

国際電話ですから電話料金も

かかりますし」

 

誰が払うか知らんが、こういう

心理的負担は減らしてやらんとな

 

『あ、はい!すみませんがよろしく

お願いします!』

 

「えぇ、では一度切りますね」

 

ま、少しずつ話をしていこう

じゃないか。

流石に初日に全部終わるなんて

ことはないんだからな。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ま、まさか端末を通話状態に

しちゃうなんて!

しかも螺旋の力とか小宇宙とか

聞かれたし!

 

あれ?でもこの人、別に笑ったり、

下に見たり、何言ってんだコイツ?

みたいなこと言わなかったよね?

むしろ原子を砕くとか細かい設定

まで理解してなかった?

 

「あ、あの、それで副所長さんは

どこから聞いてました?」

 

て言うかどこから口に出してたの?

 

『流石は・・・天才たちの巣窟!

からですね』

 

連絡先見てからほぼ全部だ?!

 

『まぁ考えを口に出すのは技術者

にはありがちなことですよ。

さらにお若いですからね。評価

されれば嬉しいのも当たり前。

特に恥ずかしがることはありませんよ』

 

「あ、はい・・・どうもありがとう

ございます」

 

な、慰められた?それとも普通に

よくあることだから流した?

ま、まぁ盗聴されてないから

大丈夫だね!

 

あ、でもあくまで電話での会話で

あって、集音されたらバレるよね。

それに本音も寝てるとは限らないし。

 

あ、けどあんまり待たせちゃ

シツレイだよね!

 

『ん?別に急いでませんから、

落ち着いてゆっくり考えて下さって

かまいませんよ?』

 

読まれた?!電話口だよ!?

 

『あぁ、この辺は経験ですよ。

ウチの司馬もできるでしょ?』

 

「あ、はい」

 

そ、そうなのか。経験なんだ。

 

『電話口だけで大きな商談が

決まる場合もありますからね。

立場上必須なんですよ。実際

私以外にも、大体のお偉いさんは

電話口の相手の思考を予想したり

してますよ?』

 

なるほど。そう言われればそうだよね。

世界を相手にしてるヒトが私の

思考を読めないわけがないか。

 

『とりあえず今日の連絡は、移籍した

場合の上司がどんなニンゲンなのか?

どんな条件での移籍になるのか?

メリット・デメリットの確認と

いった感じで目的を定めて見るのを

おすすめします』

 

「あ、はい」

 

なんか「あ、はい」しか言って無い

気がするけど、実際それしか言えない

よね?!

 

『それと目上で年上の異性が相手の

電話ですから緊張するのは当然です。

むしろ緊張を隠して虚勢を張るより

そうして貰った方がこちらもやりやすい。

あぁこの場合のやりやすいと言うのは

こちらから話題を提供した方が話をし

易いだろうなと判断が出来ると言う

意味ですよ?』

 

「あ、はい」

 

き、気遣ってもらってるよ。

メッチャ気遣ってもらってるよぉ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あ、はい」しか言えない状況か。

まぁそうだろうな。

とはいえ、ずっとこのやりとりを

するわけにも行かん。

対象の緊張を和らげるためと思えばソレも

有りだが、さすがにそこまで暇じゃない

 

とりあえず話を進めよう。

 

「先程も言いましたが、移籍した場合の

上司については、それぞれの研究室の

争奪戦が終わった後になるので、暫くは

少佐・・・司馬が貴女の上司になります」

 

いきなり訳のわからんHENTAIの巣窟に

投げ込まれるよりはこの方が良いだろ。

それに弟子の近くにいればヤツらも

暴走しないし

 

『し、司馬さんですか!それは助かります!』

 

ま、そりゃそうだよなぁ。

 

「司馬の上司が私なので、人間関係

としては司馬とコミュニケーション

を取れてれば組織上問題はありません」

 

貴重な友人として頑張って欲しい

 

『な、なるほど!』

 

コイツも「コミュ障」とまでは言わんが

随分周りにヤられて来たからなぁ。

最初は出来るだけ接触は少なくて

良いだろうよ。

 

まぁウチのHENTAI共が色々ぶち壊す

可能性が高いが、今はダメだ。

折角の才能に逃げられたら困るし。

なんたって弟子の成果だからな。

それが連中のせいで逃げたら切れるだろ。

 

「それで、次は就労条件ですね。

この辺は通常の新入社員扱いか、

IS操縦者扱いかによって変わるのですが

一般の場合は基本給193,000円

(税込)からです。

各種保険や手当については名刺に書い

てるホームページに飛んで貰って確認

お願いします」

 

カーレ○ジャーのレッドもびっくりの

高待遇だぞ!

 

『は、はい!』

 

「IS搭乗者の場合は、また色々と

ありまして、コレは電話口でささっと

説明出来るモノではありません」

 

『で、ですよね』

 

だがしかし

 

「本来なら資料請求が必要になるの

ですが、更識さんは運がいい!」

 

気分はチャイ○ネット!

 

『え?運ですか?』

 

コイツ、今までは相当運とか巡り

合わせが悪かったからなぁ。

 

「今回はわかりやすい例がいるんです」

 

まさかこんな形で役に立つとは

アイツは弟子に胃痛を与える

だけの存在じゃなかったな。

 

『えと、いるんですか?あるんじゃなく?』

 

ほほう、緊張していながらもしっかり

相手の話を聞いて問題点を理解してるか。

いいねぇ。優秀だねぇ。

 

「えぇ、いるんです。具体的には

貴女が所属するIS学園の1年2組に

いる凰鈴音准尉と同じ待遇になります」

 

『凰鈴音・・・中国の代表候補生?!』

 

しかも情報も集めてる。本当に逸材だ。

 

日本はなんでこの才能を野放しに出来た?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

中国の国家代表候補生と同じ待遇?

ど、どういうことだってばよ?

 

『給料は技術士官としての給料です。

あと専用機も当然用意することに

なりますが・・・』

 

専用機?!でもなりますが・・・

ってことは、やっぱり難しいよね。

 

『貴女が今製作中の機体はコアごと

倉持に返却してもらいます

当然初期化もしてもらいますよ』

 

え?倉持に?なんで?じゃあ

専用機はどうなるの?

 

『そもそも貴女がいじってるコアは

現在貴女に貸し出されてますが、

所有権はあくまで倉持にあります』

 

あ、司馬さんもそう言ってたね。

 

『連中は貴女が完成させることはないと

判断してましたが、ソレでも途中まで

作ったモノをそのまま自分たちのモノ

にするつもりでしたね』

 

「・・・なんっ!」

 

そうかソウカそうか!そう言うことか!

 

ソレはそうだ!司馬さんは言わなかった

けど、あのままどこかの研究所を借りて

完成させても、その所有権は連中のモノ!

 

自分たちは織斑に専念して、どうでも

いい私に「勝手に作れ」って言ってコアを

貸して!もし誰かの助力で完成出来たり、

連中が思った以上の性能があったら

奴らが持っていくつもりだったんだ!

 

コアもどうせ研究しないで放置するコア

だから、私にやらせれば損はしない!

 

これは倉持の提案を日本政府が飲んだ?

もしくは日本政府が倉持に持ちかけた?

どっちにしろ更識が動いたのは

間違いない!・・・本音や虚が手伝うと

言ったのはコレもあったからか!

 

『卑怯で汚いのが大人と言うモノです。

アナタも感情に走って行動を起こして

は行けませんよ?大人はそういう行動

すら予測して策を練るのですから』

 

「・・・はい」

 

それを言ったらコノ人も?

 

『もちろんです。我々も得があるから

こそ、こうして貴女と交渉してます』

 

あぅ・・・読まれるんだった。

 

『それでも少なくともこうして交渉

しているだけ、日本政府や倉持より

マシだと自負してますよ?』

 

それはそうだ。質問にも答えて

もらえるし考える時間もちゃんとくれるし。

 

「ちなみに私をスカウトしてそっち

にはどんな得があるんですか?」

 

交渉相手に聞くことじゃないけど。

私には一切の知識がない。

本当か嘘かを見抜く以前の問題。

 

だからこそコノ人が教えてくれる

内容を聞きたい。

それから判断したいんだよね。

 

『交渉相手に聞くことではありませんが

それを理解した上でなら・・・まぁ

口説いてるのはこちらですからね

誠意を見せるべきでしょう』

 

「くどっ・・・そ、そうですね!」

 

あくまで技術者として!IS操縦者と

してなんだから!

 

『得としては簡単です。天才を

腐らせることなく抱え込めます』

 

・・・そうだった。そもそも

この人たちは私の身柄が目的

なんだよね。隠してないじゃない。

 

『まぁ我々が接触したことで貴女の

才能に気付いた日本政府や倉持に

持って行かれるのも癪だというのも

有りますね』

 

「・・・なるほど」

 

このままじゃ私が他に行っちゃうもんね。

飼い殺しにしようとした更識にとっては痛手。

 

連中から指摘を受けた倉持がこれから

支援してくるかもしれないし・・・

 

『今日司馬が貴女に接触したことで

焦った学園長あたりが公衆の面前で

「今までごめんなさい」とか言って

周りを使い、貴女に反論出来ないような

空気を作ってくることも予想されます』

 

「そうですか。そう来ますか」

 

学園の教師共も動くかも知れないか。

 

教師と縁のある企業の設備や資材を

使わせてやるって感じで恩を着せて

くる可能性だってある。

 

それで出来上がった機体を感動の

物語で彩って、私から奪う気か!

 

『まぁあくまで予想です。当然

今までどおり監視だけに留める

可能性もあります』

 

「それは私が倉持のISコアを持ってる

限り、連中の掌の上に居るからですか?」

 

あのコアに拘る限り私はずっと

連中の作った檻の中に居るんだ。

 

『その通りです』

 

なら、それなら捨ててやる!

 

「じゃあコアを返却した場合、私の

専用機はどうなりますか?」

 

中国の代表候補生と同じ扱いで

専用機をくれるって言ったのは

嘘じゃないはず。だってそんな嘘

ついてもこの人たちには得がない。

 

『無論コアはこちらで用意します。

中国ではなく冬林のコアですから、

貴女が従うのは司馬だけになりますね』

 

それは・・・別に悪くないよね?

 

『いや、貴女が頑張って手に入れた

日本の代表候補生という立場も

辞めてもらうことになるんですよ?』

 

「え?別に良いですよ?」

 

代表候補生になったからって何か

支援してもらったわけじゃ無いし。

むしろ虐められたし。専用機はコレだし。

 

『あぁ、その歳で苦労してますね』

 

「・・・どうも」

 

スゴク同情されてるけど不快じゃない。

 

これは今までの連中みたいに、他人事

としての上から目線の同情じゃないから?

 

少なくともこの人たちは同じ目線。

いや、上からだけど手を差し伸べて

くれてるもん。

現状を認識させてくれて、その解決策を

提示してくれて・・・その上で無理やり

歩かせんるんじゃなく自分の意思で選べ

って言ってるんだよね。

 

うん、大人は汚くて卑怯って言うけど、

この人たちは汚さの種類が違うんだ。

卑怯のスケールも違うんだ。

自分達だけじゃなく、私にもしっかり

利益を用意した上での引き抜き工作。

 

うん冬林技研に所属させてもらおう!

もともと悩むことでもなかったけど、

コノ人たちになら利用されても笑って

許せる気がする!

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

『いや、いきなりよろしくと言われても

リアクションに困るんですが』

 

「あぅ・・・」

 

読まれること前提にしてたけど

・・・そりゃそうだよねぇ。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

『あぅ・・・』

 

いやなんとなくわかるぞ?

しかし話の流れをぶった斬るとか

じゃなく、頭の中を読まれてることを

前提にして会話を飛ばすとは・・・

コイツ、やるな。

 

「まぁ決断してくれたのは我々に

とっても嬉しいことです。ですが勢い

と気の迷いと言うこともあります」

 

『そんなことないです!』

 

おーおー。まぁ今の冷遇された

状態から抜け出れるならなぁ。

 

だが古巣の連中ってのは意外と

面倒なもんだ。それも同室の布仏は

そういう情緒に訴えかける専門家。

 

「私も貴女を疑ってるわけではありませんよ。

本気なら本気で用意しなくてはいけないモノ

が多々あります。

とりあえず今日は休んで明日にでも司馬に

貴女の連絡先を教えてやってもらえませんか?」

 

とりあえず一日ゆっくり考えろ。

 

実際用意するものといえば・・・

何だ?個室?それとも鳳准尉と

同じ部屋に移すか?

 

『あ、そうでした!私、司馬さん

から連絡先をもらったのにコッチ

は何も渡してない・・・』

 

さすがボッチ。所属云々より

そっちを気にするか。

 

「まぁ司馬も初対面ですからね。

無理に交換するようなモノでも

無いですし」

 

『無理なんかじゃ無いです!

是非交換させてください!!』

 

さすがぼっち(ry

 

「それは良かった。司馬も編入した

ばかりで友人が少ないですからね。

是非とも仲良くしてやってください」

 

『はい!よろしくお願いします!』

 

いや、だから、俺に言ってもなぁ・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「で、束。お前は更識簪をどう思う?」

 

『あれ?束さんが聞いてたのバレた?』

 

当たり前だ。態々特殊な波長出して

向こうの機器を全損させただろうに。

 

「アレは耳に響くんだよ」

 

『え~あの周波って普通の人間には

聞こえない音域なんだけどなぁ~?』

 

何が普通の人間だ。

 

「俺もお前も普通じゃないだろうが」

 

人間であることは否定せんが、自覚

しないとHENTAI連中の仲間入りだ。

 

『ま~否定はしないけどさ~』

 

「で、質問の答えは?」

 

コイツから見て更識簪という

才能はどう見えるんだろうな。

 

『う~ん、あの学園の設備でコレかぁ。

中々良いんじゃないかな?

方向性を決めれば火星の計画にも使え

るし小惑星探査機の方に回してもいい

と思うけどさぁ~』

 

あまり好意的ではないか

・・・まぁそうだろうな。

 

「現時点で宇宙に興味を抱いて

無いのが問題か」

 

『そうなんだよねぇ~』

 

まぁアレは今まで目の前しか見て

こなかったし、周囲の意識も

宇宙を見るような連中じゃない。

 

凰准尉に関しては織斑姉弟の知り合い

だし、恋愛は妹を応援してるが

その後の生活やら何やらを考えれば

冬林技研とも伝手が有ったほうが良い

って理解してるからこその黙認。

 

「内部に抱えるにはまだ早いって

のはわかる。だがアレが宇宙に

目を向けた場合、お前の補佐が

出来る程度の力はあると思わんか?」

 

『ん~ソレは否定はしないよ~?

クーちゃんもお休み欲しいだろうし

束さんも【連休】とか欲しいし!』

 

連休を強調してきたか。まぁ束は

学校があるわけでもないからな。

GWが終わったら連休をやれば

良いだけの話なんだが・・・

問題は俺の休みか。いや、別に

休んでも良いんだが。

むしろ休まなきゃダメなんだが。

 

俺が居ないと暴走する連中がなぁ。

 

「連休についてはわかった。

後で日程を合わせるから行きたい

ところがあったら決めとけ」

 

『ひゃっほーい!流石リー君!

愛してる~!』

 

素直でわかりやすいんだが、

その分コイツは壊れやすい。

 

周りが捻じ曲がった連中しか

居なかったから捻じ曲がったまま

形が決まってしまった。

 

早熟なのも災いしたな。

 

まぁ、別に俺は正義の味方じゃ

ないから、好きにヤらせるけど。

弟子にも程よい刺激になるしな。

 

「ま、更識簪についてはようやく

日本と更識の檻から開放されたんだ、

これからの教育次第だと思って

長い目で見てやれ」

 

『う~ん。まぁ周りが馬鹿しか

居なかったんならシカタナイネ!

束さんが直々に宇宙の良さを、骨の

髄まで教えてあげようじゃないか!』

 

昔はともかく、今のコイツは宇宙に

目を向ければ同士。それ以外は敵か

ゴミか予備軍だ。これほど

わかりやすい価値基準は無い。

 

つまり同士予備軍だと思えば壊さない。

 

実際いきなり教育させるようなことは

しないが、いずれ教育はおこなうぞ。

 

「それに安心しろ束」

 

『ほぇ?何が?』

 

「技術者で宇宙に興味が無いヤツ

なんかこの世に存在しない」

 

つーか存在する意味がない!

 

『あ、あはははははは!そーだよね!

ソレが当たり前だよね!流石リー君!』

 

当たり前じゃないか。簪だって

宇宙戦艦に興味があるはずだ!

 

あとは所属組織の都合だが・・・

ガキじゃねーんだ。そんな組織に

所属した自分を呪え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うんうん、リー君が言ったと~り!

宇宙に興味を持たない技術者に存在

する価値なんかないんだよ!』




汚い、流石副所長、汚い。

別に正義の味方じゃないし?
悪の敵でも無いし?ってお話

兎は火星でコケと恐怖公で
ナニカスル計画を立ててる?


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10話

ながーーーい。説明不要!

本編の話は進まないっ!

オリ展開!
オリ設定!

嫌いな人は読み飛ばし!


師に旅行先のリストを渡されましたが

アレは私を気遣い日本の観光地の中でも

メジャーな、言ってしまえば外れがない

場所をピックアップしてましたね。

 

いや気遣いは嬉しいのですが、基本的に

私は師が居れば何処だって良いのです。

 

ならば師が喜びそうなところを選ぶのが

良い弟子と言うモノでしょう。

 

師の趣味は多数ありますが、この日本に

有るモノの中では農林水産業の存在こそ

師にとっての最大の魅力があるコンテンツ!

 

実際リストの中にも試される大地がありました!

 

しかし師の嗜好を考えると、メジャーどころ

よりもマイナーな観光地を喜びます。

 

日本の観光地は他の国とは違い、マイナー

どころでも施設はしっかりしてるんですよね。

 

普通は予算削減で手抜きするのにねぇ。

 

マイナーなところや険しい立地にある温泉を

秘湯と表現して客を呼び込むと言う発想は

日本人にしかありませんよ。

 

秘湯の凄いところは、険しい道に対して

施設やサービスが充実してるところです。

 

中○や韓○なんか疲れて辿り着いたところが

寂れた民宿モドキで、食事も地元の旬の

野菜どころか、産地や賞味期限すら怪しい

モノを「熱すれば良いだろ」と言わんばかりの

調理をして出してきますからね。

 

辛味と苦味で誤魔化しますが、素材の味

なんか確かめようモノなら普通に吐きます。

 

最高で、その日に山で採れた野菜ですからね。

 

日本の場合素材の時点で品種改良に品種改良を

重ねたモノですから、野菜すら甘い。

しかも○国や○国と違い、空気が澄んでます

から、余計なモノが溶け込まないんでしょう。

土や水も綺麗です。

 

土と水と空気が綺麗で、病的な拘りをもって

品種改良までしてる農作物が不味いわけが

ないんですよねぇ。米や小麦の味すら違うし。

 

大体米の銘柄多すぎです。都道府県ごとに

自慢の銘柄があるって何ですか?

全部ササニシキじゃ無いんですね。

しかも同じササニシキでも地域によって

味が違うとか、炊くときの水の量が違う?

しかも日本人の大半は銘柄による味の

違いに気付くって。もうソムリエですか?

 

さらに炊飯器に至っては・・・何考えてる

んですかね?釜と同じ?釜を買いなさい。

パンが出来る?炊飯しなさいって話です。

 

ま、まぁそんなHENTAI 技術に支えられた

日本のマイナーな観光地ですが、流石に

ただの田舎を回っても意味が無い。

 

あくまで観光なんです。故に目指すは

マイナーながらメジャーでニッチな観光地。

 

日本人ですら「え、そこ?」と言うような

場所こそ、師に取っての正解っ!

 

いやはや、長い戦いでした。日本に来ると

決まってから一月足らずでしたが、日本

支部の連中にも情報を募り、師が喜びそう

な場所を見つけましたよ。

 

東日本に候補は三つ!

 

ひとつ、伝説の秘境グンマー!

ふたつ、黄金の離島サド!

みっつ、陸の孤島アキタ!

 

ふふふ、私が特にオススメするのは

陸の孤島アキタです。

このマイナーさ加減はかなりのモノですよ?

 

有名なのは、トーホクなのにカントー祭り!

そしてアキタの山に住むアカカブトを主食に

すると言うナマハゲ!

 

ふ、ふ、ふ。コレで一体何を観光すれば

良いのでしょうね?見当もつきません!

 

あとは食糧自給率を高める為に態々日本で

二位の面積を誇った湖を埋め立てて

造ったにも関わらず、政府の減反政策に

よって存在意義と都市構想が根こそぎ

破壊されたオオガタムラ!

 

それでもあえて稲作を辞めない

農家諸君の背中には意地と誇り

だけじゃないナニかを感じること

が出来るでしょう!

 

それに何気に農業に関して、日本で一番な

モノは無くともそれなりの成果はあるし、

何故か上層部に中○や韓○に対する

理解が深いんですよねぇ。

 

いや、まぁ海を越えたら隣国ですから、

そりゃ気を使うのもわかりますが、

まずは国内に目を向けるべきだと思いますよ?

 

さて、ではアキタについての情報を・・・

 

ほほう、オーガ半島にはUFOの発着場が・・・

 

「し、司馬さん!おはようございます!」

 

ん?この浦安で大騒ぎしてそうな声は

更識簪?

 

おはようって・・・06:30ですか。

なかなか規則正しい生活をしている

ようで何より。

 

朝の調練の誘いですかね?

学生のコミュニケーションは難しい

ですが、コレもまた我知無知の哲学で

迎え撃とうではありませんか。

 

師からも連絡先の交換をするよう

言われてますしね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「少々お待ちください」

 

「は、はいっ!」

 

つ、つい来ちゃったけど、まだ

06:30だよ!どうしよう! 

こんな朝早くに来て連絡先交換して

ください!って絶対おかしいよね?

 

あーうー!

 

「おはようございます。昨日は初対面で

慌ただしくてすみませんでしたね」

 

うわ!先にアイサツされちゃった!

 

「オハヨウゴザイマス!あの!

コッチこそいきなり泣き出して

スミマセンデシタ!」

 

司馬さんもどうしていいか分から

ないって感じだったもんね!

 

「あぁまぁ、貴女の境遇を考えれば

無理はありません。まぁ立ち話も

なんですから、とりあえず中へどうぞ」

 

そ、そうだよね!朝から騒がしく

してたら周りに迷惑だよね!

 

「お、お邪魔します・・・」

 

お邪魔しますなんて言ったの

何年ぶりだろ?本音は同じ家だし、

友達なんて居なかったからなぁ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

なんか後ろに影が見えますが、

いきなり過去を思い出して一人で

暗くなられましてもねぇ。

 

「それで、今日は貴女から訪問

していただいたわけですが、

ご用向きは何でしょう?朝の調練

へのお誘いでしょうか?」

 

日本の暗部である更識が行う調練。

興味が無いといえば嘘になります。

 

「あ、調練とかじゃなくてですね」

 

ん?それ以外だと何があるのでしょう?

 

「えっと、昨日副所長さんと連絡を

取らせてもらいまして・・・」

 

「ほう」

 

まさか初日で動くとは、この私の

予測を越えてきましたね。

流石はHENTAIに認められし天才。

 

「それで、冬林技研に所属したいなって」

 

ほうほう。まぁ師に説得されて首を

横に振るようなら、私がそのまま

捩じ切ってますからね。

 

「なるほど。手前味噌ではありますが

ソレは良い決断だと思いますよ?

我々にしても貴女にしても」

 

実際これだけの天才を抱え込めるほど

更識や倉持の器は大きくありません。

 

器が壊れるか、中身が腐るかなら

もっと大きな器に移すのは当然です。

 

「はい、私もそう思いました!

ソレで、私の上司は司馬さんに

なるって言われたのでご挨拶をと

思って来たんです!」

 

おおぅ。喋ってるうちにテンション

上がってきましたね。

コレも技術者の癖ですよねぇ。

 

「ふむ、そういえばまだ所属する

研究室が決まってませんでしたね」

 

初日で引き抜きできるなんて誰も

考えてませんでしたからねぇ。

 

しかし流石我が師。私の工作を

完全に引き継いで篭絡してますよ。

 

「はい!なんでも私を巡って研究室

の方々が争奪戦みたいなことをしてる

って言ってました!」

 

うむ、しっかり自分の評価を受け入れ

てますね。昨日の「私なんて・・・」とか

無意味な遠慮が無くなってます。

 

アレは見ててイラっとするから、正直

非常に助かりますよ。

 

「ですね。才能と適正がありすぎる

のも困ったものです」

 

コレが凰准尉のように搭乗者としての

才能しか無いのなら話は簡単だった

んですけどね。

 

「え、えっと。今までそういう評価を

してもらったことが無いので、私も

何と言って良いのか・・・」

 

コレが遠慮じゃなく事実ですからねぇ。

 

「今までは師に恵まれませんでしたね。

安心なさい。副所長は凡百の師など

1000人集まってもまだ足りぬ方。

今後は貴女も正しく導いてくれること

でしょう」

 

本当にこの国の連中は・・・更識簪の

周囲に居た人間の目は節穴揃いでした

からね。全員の目をくり抜いて焼却

して、義眼にしてやった方が良いと

思うんですけど。

 

「あ、た、確かに副所長さんって言う

よりは先生って感じの人ですよね!」

 

ほう、短時間の接触で師の教育者たる

本質に気が付くとは。

 

コイツ、兎より絶対側室に向いてますよ。

 

「えぇ、あの方は自らを教育者と定め

てますからね。才を見定めたモノを

弟子として育てることが趣味なのです。」

 

農業もそうなんでしょうね。「育てる」

そして「育つ」ということに喜びを

感じるのでしょう。

 

「な、なるほど!」

 

「とりあえず貴女のISコアについて

の話は聞きましたか?」

 

まぁ師は交渉の最初にデメリットを

きちんと提示する方ですから、

本来その辺の心配は要りませんが・・・

10代女子というのがね。

自分に都合の良いように記憶を改竄

されても困ります。

 

「はい!倉持や日本に私の手が入った

ISコアを渡す気はありません!」

 

・・・素晴らしい。倉持に対する

憎しみは勿論、日本政府に対する

疑惑が憎しみの域にまで届いてます。

 

「それで結構。では今日は授業を

休んで、各種手続きと行きましょう」

 

本来ならゆっくり追い込むつもり

でしたが、今回はさっさと逃げ道を

塞ぐべきです。

鉄は熱いうちに打つのですよ。

 

「え?良いんですか?!」

 

うむ、コレは自分が授業を休むこと

ではなく、私が授業を休むことに

対する遠慮ですか。

気遣いは必要ですが、今回は不要です。

 

「これでも大学を出てますからね。

それに技術者としてもIS学園で学ぶ

ことなどありません」

 

なにが悲しくて初心者用の参考書を

本気で素人と一緒に読まなきゃいけ

ないんですか。

 

「えっと、それじゃ司馬さんは一体

何をしに来たんです?織斑ですか?」

 

まぁそうなりますよね。

 

「織斑になど興味はありません。

私の仕事は貴女のスカウトと

凰准尉の機体調整です。あぁ一応

学園の監査と言うのもありますか」

 

実際は織斑一夏に対する接触任務

だったらしいですが、そのような

命令を発行した馬鹿はすでに居ません。

 

直接の上司である技術大佐と言う役職を

もつ師からも、更識簪の勧誘以外は好きに

しろと言われてますからね。

 

二日目でミッションコンプリートです。

 

「な、なるほど!」

 

「比重としては貴女が9割ですよ」

 

「そ、そうなんですね!」

 

そうなんです。実際甲龍とか言う

木偶に関しては調整と言うか、

全部弄る必要がありますからね。

 

凰准尉もヘタに今の機体に慣れて

しまうと、色々劣化してしまいます。

 

軍部はなんであんな欠陥機を出して

きたのか・・・もう一歩踏み込めば

対IS用の兵器の開発も出来たでしょうに。

 

ま、ソレが秀才の限界なんですがね。

 

「そんな9割の比重を持つ貴女に

関する手続きをするのです。

授業など出ていられませんよ」

 

更識や理事長が動く前に全てを

終わらせる。

 

ふふふ。誰が相手でも戦わずに、いえ

戦わせずに勝つのは相変わらずです。

 

ですが師にとっては当たり前のことを

当たり前にしているだけに過ぎません。

 

轡木十蔵が真の意味で師の怖さを

知るのは何時でしょうかねぇ?

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

おっと、まずはコッチを確実に

終わらせましょう。

段取り八分とは言いますが、

言い換えれば二分をしくじれば

失敗すると言うことですからね。

 

日本の役所が業務を開始するのは

09:00から。

それまでに全部書類を書かせて提出

させましょうか。

 

「まずは代表候補生を辞退する為の

書類と倉持への・・・」

 

「はい!書式はコレですよね?」

 

ふふふ。これで完璧。あとは旅行先を

考えれば・・・そういえばコイツは

生粋の日本人でHENTAIです。

 

師が喜びそうな場所も知ってるのでは?

 

次回以降の旅行先も考えねばなりません

からね。大事に使いましょう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

またやられた・・・

 

「か、簪ちゃんが代表候補生を辞退?!」

 

二人で授業を休んだのは知っていたが、

まさか早朝の一発目からコレか。

 

「その上、ISコアを倉持に返却?!」

 

コレは完全に日本と倉持に対する決別。

しかもその後の所属先まで用意して、

止めがコレ。

 

「それで冬林技研の日本支部へ就職?!

しかもIS学園への退学届け?!」

 

いやはや徹底している。コレは金輪際

お前らとは関わらんと言う意思表示。

 

実際冬林技研への所属以外は想定

していなければ行けない事柄だった。

 

しかし、接触したのは昨日だぞ?

初日に代表候補生の引き抜きが

終わるって、一体連中は何をした?!

 

「十蔵さん!抗議を!抗議をしないと!」

 

「・・・何と言って?」

 

実際考えましたけどね。全部ダメです。

 

「代表候補生の引き抜きなんてダメでしょ!」

 

「そんな法律はありませんし、所属を

冬林にしたのは代表候補生の辞退が

認められてから1分後です」

 

つまり彼女はフリーの状態だった。

ならばどこに所属しようが彼女の自由。

 

「文句を言っても「候補生の辞退を

認めた方が悪い」そう言われますね」

 

「いや、そもそも誰が、何でこんなの

を認めたんですか?!」

 

そんなの決まってますよ。

 

「誰がと言えば彼女の扱いを見た役人が、

何でと言えば政治を忖度した結果ですね」

 

外からみたら政府も倉持も彼女の

存在を認めてないようにしか見え

ませんからね。

 

「そ、そんな・・・」

 

「さらに言えば、簪さんは彼女に否定的

な噂を流していた一派の人間に書類を

提出しています」

 

連中にしてみたら彼女が抜けた穴を

自分の派閥の人間で埋める好機。

 

それを逃がすはずが無い。

 

「じゃあ今まで簪ちゃんが製作

してたISコアは・・・」

 

「初期化の上で返却です。コレにも

IS委員会の日本支部は了承してます」

 

あそこまで執着していた彼女に

ISコアを放棄させるとは。

代わりのコアを用意するだけでは

不可能なはず。司馬監査員との

会話は聞き取れなかったし、

昨夜にどこかに連絡を取っていた

のは知っているが、会話の内容は

全て抹消されている。

 

同室の布仏本音は彼女を警戒させ

ないように「室内では諜報員ではなく

ルームメイトとして接するように」と指示

が出ているから普通に就寝してしまった。

 

諜報を機械に頼った結果がコレだ!

 

「IS委員会にしてみれば、無駄に学生に

預けて遊ばせていたコアが返還される

なら喜んで提案を受け入れるでしょう」

 

「む、無駄って・・・」

 

実際第三世代機の開発が学園の

整備室で、しかも入学したばかりの

学生の手で出来るなら世界中の

企業に務める人間は用無しです。

 

彼女の癇癪を抑えるためだけに成功

する可能性のない作業をさせる?

 

そんなのはまさしく無駄でしょう。

 

私も技術者ではありませんからね。

正直更識簪の技術者としての実力は

わかりません。今回はそこを突かれた。

 

完全に情報量とソレを扱う人間の

能力が違う。

それに立場上コチラは常に受け手。

 

アレだけの組織力と政治手腕と

実績を持つ相手に何の情報も

持たず正面から立ち向かう?

 

しかも常に先手は向こうだと?

勝てるかっ!

 

「じゃ、じゃあ冬林技研への所属も?」

 

「個人の就職に関して学園が何を言えと?」

 

学園が口を出せるのはあくまで学業と

学園内での行動です。就職先の斡旋は

あっても、その反対は無い。

 

所属云々は一切関与しないし出来ません。

 

「か、監査員が自分が所属する組織に

引き抜くって職権乱用では?!」

 

「ソレを言ってみますか?」

 

明らかに誘いですよ?

 

「・・・ダメなんですか?」

 

「ダメでしょう。そもそも監査員で

あり技術者であり生徒ですからね」

 

こうなれば連中は、最初から彼女を

狙っていたと考えるのが妥当か。

 

「え、えっと?」

 

わからないか・・・コレが楯無とは。

ISと言う機械に頼りすぎだ。

 

「技術者が青田買いするのは当然。

生徒が自分の所属する組織に友人を

勧誘するのも当然。

そして監査員が虐められている

生徒を保護するのも当然です」

 

保護した先が自分の所属する

組織なのもね。

中国と言う国家ではなく、あくまで

多国籍企業と言うのがまた厭らしい。

 

「イ、イジメって!」

 

「簪さんへの扱いを聞かされて、

アレが組織ぐるみのイジメじゃない

と言える人間はいませんよ」

 

誰がどう見てもイジメです。私だって、

何でそこまで?と思いましたし。

 

思うだけだったのがダメだったか。

私だけでも手を差し伸べていれば

ここまで果断な行動は取らなかった

だろうに。

 

「・・・そんな・・・私は・・・」

 

小娘が。暗部の当主が妹を蔑ろにした

ところを付け込まれただけの話だろうが。

 

「どんなつもりだろうと相手がイジメ

だと思えばソレはイジメです。

そしてイジメが原因で学園を退学

したいと言われてしまえば、我々に

取れる手段はありません」

 

日本政府、倉持技研、IS学園、そして

更識。全てに見切りをつけたなら学園

に残る理由もなし。

 

「けど退学なんてしたら!」

 

視野が狭い学生にしてみればショック

かもしれんがな。

 

「彼女にとってはプラスになっても

マイナスにはなりませんよ」

 

「え?!」

 

そりゃそうだろ。

 

「実際高等教育に関してはココで

無ければダメと言う法も無いし、

ISの技術を学ぶなら最初から

企業に所属したほうが良いでしょう。

それに彼らには織斑千冬と言う

世界最強を育て上げた実績があります」

 

この実績が厄介だ。我々が教育した

生徒が織斑千冬を越えたか?と

言われたら答えはNOだからな。

 

そもそも、専門の企業に就職する

技術と知識を学ぶ為のIS学園。

 

世界中の人材を集めるとは言っても、

実際世界中の人間の教育など不可能。

 

各国の国内でもIS関連の知識や

技術を教えているだろう。

 

どうしてもIS関係の学校を出たいなら

ソコでもいいんだ。

 

さらに最初から企業に就職している

ならIS学園に入る必要などない。

 

「高校は卒業しておくモノ」と言う

日本人特有の常識の差異も突かれた。

 

故に反撃は不可能。精々が退学を

思いとどまるよう説得するくらいだが、

イジメの加害者が言う事ではない。

 

そもそも連中は更識簪に何を見た?

連中にとって今更更識の家の力など

要らんだろうし、疎遠にされていた

から情報を抜くにしても無意味だ。

 

代表候補生を搭乗者としてキープ?

そもそも司馬仲達と言う人外が

居るし凰鈴音も居るだろう?

 

技術者としても態々学生を引き抜く

ほど人材が居ないわけでもない。

 

連中、何が目的だ?ソレがわからん

ことには簡単に更識簪の退学を

認めるわけには行かん。

 

・・・さて、探り合いだ。

 

李家の教頭は確かに尋常では無い相手。

しかし現地に居る分、私に多少の

アドバンテージがある。

 

つまり問題は司馬家の鬼才。

当代の楯無では相手にならん。

 

アレを抑えながらの仕事かよ・・・

ふっ、やりがいが有りすぎるな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「退学かぁ。まぁ別に良いですよ」

 

最初は驚いたけど、よくよく

考えたら司馬さんと一緒で、私も

この学校に居る意味ないですよね?

 

「何というか、思ったより軽いですね?」

 

「え?だってISをちゃんと学ぶなら

学校の一般授業とか居らないし、

専門知識なら教員にも負けませんし」

 

つまり今考えれば私がここにいるのは

整備室を使うためだったってことに

なるのかな?それならコアを返還したら

ココに居ても時間の無駄ですよね?

 

ISだって私より詳しいのって

織斑先生くらいでしょ?あの人に

ナニカ聞こうとは思わないし。

 

「まぁそうですね。貴女の知識は

すでに一流の技術者に匹敵します。

少なくともこの学園で基礎知識を

学ぶような段階ではありません」

 

ですよねー。

 

「選民思考って言うわけじゃない

ですけど、少なくとも代表候補生に

なるまでに最低限の基礎を学んでます。

シミュレーターや実際のIS稼働時間を

考えても、彼女たちと私が同じ授業を

受けること自体がおかしいって言う

のに気付いたんですよ」

 

私って彼女たちと同じなの年齢だけ

ですよね?そりゃイギリスの

代表候補生が主席で入学しますよ。

 

「その通りです。日本は義務教育を

重視するあまり、幼少期の飛び級

とかが無いですからね。

協調性や均一化を育むには役立ち

ますが、最初から尖った才能を持つ

人材は排斥される傾向にあります」

 

ですよねー

 

「今までは排斥されても行く場所が

なかったからココに居ましたけど、

行く場所が出来たならソッチに

移るのが普通ですよね?」

 

「まぁそうですね」

 

なんで態々イジメられてるところに

残んなきゃダメなの?って話だよね。

ソレにココに居たら本音とかを使って

説得とか脅しをしてくるはずだから、

私はココから離れた方が良い。

 

「今の私は一般の生徒ですから

退学届けを受理しないってことは

出来ないと思うんです」

 

政府とか更識の狙いはともかく、

ルール上は受理するしかない。

 

「まぁそうですね」

 

受理されたらそのまま・・・あっ!

 

「司馬さん?私って学校辞めたら

すぐに社員寮とかに移れますか?」

 

住む場所考えてなかったよ。

 

「あぁ・・・貴女は本当に技術者ですねぇ」

 

ほ、褒められてるのかな?

うん、そう思うことにしよう!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ふむ、退学な」

 

『はい、最初は本人の覚悟の確認と

学園に対する揺さぶりのつもり

でしたが本人が予想以上に乗り気でして』

 

またもや弟子の想定を超えてきたか。

流石10代女子のHENTAI。

 

こんなことが出来るのは同じHENTAIか

酔っ払って泣きながら俺に愚痴たれた

どこぞの州牧くらいのもんだ。

 

「お前が見たところ、IS学園は真面目に

兵器運用を教える気も無ければ

一般教養も不足気味なんだろ?」

 

日程とか時間割見ればなぁ。

臨海学校なんかやってる場合じゃ

ねーだろ。移動時間も勉強に

当てないと、どう考えてもコマが足りんぞ?

 

基礎訓練の時間も無いし、整備も

開発も片手間で出来るモノではない。

 

そんな環境に居るくらいなら、好きな

作業に専念したいって言うのはわかる。

 

スゴク良くわかる。

 

『はい、生徒には兵器を扱う覚悟は

無いですし、ISと言うものを何に

使いたいのかと言うビジョンが全く

見えませんね』

 

ふむ、弟子の言うことも最もだが

さすがに二日か三日で全部を

決め付けるのは早計か?

 

「まぁまだ一年の最初だからな。

三年にもなれば兵士の卵くらい

にはなるかもしれんぞ?」

 

せめてそのくらいはなるだろ。

 

これが宇宙開発用のモノとして

扱うなら束もIS学園に協力する

かもしれんが・・・一応国連所属

だしなぁ。宇宙開発は利権やら

軍事バランスやらで色々あるから、

学園で認めることはないだろう。

 

『三年で兵士の卵の育成ですか。

・・・無駄ですよね?』

 

だな。一般教養と専門技術は分ける

べきだ。

もしくは高専みたいに5年にして、

授業もびっしり組み込む感じに

しないと・・・いや、それでも

兵器運用には足りんか。

 

「こうなるとソコはISを扱う人間の

教育や育成ではなく、横の繋がりを

作る為の学校と考えるべきかもな」

 

国とかの垣根を越えた仲って言う

のは確かにある。そのための組織と

して考えるなら間違っちゃ居ない。

 

・・・日本人が多過ぎるがな。

 

『あぁ、そういうのもありますか

なら改革案は出さない方向で?』

 

「そうだな。わざわざ阿呆を量産

して輩出してくれるんだ。止める

必要は無い。

後任やIS委員会にナニカ言われたら

『今までコレでやってきたんだから

きっと無意味ではないと考えた。

コレ以外に意図が思い浮かばなかった』

と説明するとしよう」

 

実際それ以外で意味を見出すのは

不可能だし。

 

『かしこまりました。ではそのように』

 

「社員寮についてはすぐにでも

用意できるが、おそらく連中は

引き伸ばし工作をしてくるだろう」

 

俺達の意図を理解出来てないからな。

手駒になるかもしれないモノを安易に

手放すようなことはしないだろうさ。

 

『・・・引き伸ばしですか』

 

「説得は無意味、と言うか逆効果

だからな。時間を稼ぎに来るぞ」

 

『ここから時間稼ぎですか?一体

どんな手を使ってきますかね?』

 

ん?弟子にはわからんか?

まぁコレもシカタナイといえば

シカタナイんだが、さすがに教育する

必要が・・・いや一人で全部やるよう

になっても困るか。

 

今回は知らない事を知ってもらおう。

 

ソレに俺の予想外の行動を取って

くる可能性もあるからな。

 

「予想はできるが確定ではない。

轡木十蔵が俺の想定を越えるか

どうか見定めようじゃないか」

 

『なるほど・・・かしこまりました』

 

お前も頑張って考えろよー。

 

あとは・・・一応更識簪に個室を

用意させるか。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『長引くようなら更識簪に個室を

用意するように』ですか。

・・・コレは完全に読まれてますね」

 

「えぇ?!」

 

 




いや、別に雪で腰をヤった恨みなんか
ありませんよ?

え?出身地?ハハッってお話



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11話

口は災いの元とは良く言ったモノだ

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「まさかあんな手段で来るとは・・・

汚い、流石大人、汚いっ!」

 

まぁ天才とは言え科学者であり

技術者ですからねぇ。

政治の世界に生きてきた連中が

なりふり構わず来たらこうなります。

 

とは言え私も完全に思考の隙を

突かれましたけど。

今まではこういった隙を師が

埋めてくれていたのでしょう。

 

また一つ師の偉大さを知りましたよ。

 

「まさか退学には保護者の許可が

いるなんてっ!」

 

うん。当たり前の話ですよね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「で、退学はできなかったけど個室は

手に入れたわけですか」

 

コレを予想して「時間がかかるよう

なら更識簪に個室を用意するように」

と学園側に要望を出していたとは

 

流石我が師。

 

「そうですねー」

 

コレは燃え尽きてますね。

 

まぁアレだけ決意して、学園としては

拒否できない!とか社員寮に移ったら

どんな生活しようかな?とか色々

考えてたのが見事に空振った形です。

 

退学は保留されましたが、部屋は

速攻で用意されましたね。

イジメの被害者の保護と言う観点

から見れば隔離するのが当然。

布仏本音もイジメに加担していた更識

の人間ですからね。

 

監査員である私や専用機持ちの凰准尉

は、あくまで機密を扱うからこその個室

ですから一緒にすると言う選択肢も無い。

 

部屋を用意しなければソレが退学の

口実になると判断したのでしょうね。

 

この時点でどれだけ理事長のワンマン

経営なのかがわかりますよ。

 

あとの問題は更識簪に授業へ参加する気が

無いことですが・・・

まぁ退学待ちの人間ですからね。

 

学園が出来る罰則は停学くらいです。

 

その場合更識簪は部屋に籠るか、

もしくは実家ではなく冬林技研が

所持するアパートに帰ります。

 

すでに正式な契約は結んでますし、

契約金を使って彼女が自分で契約

したアパートですから、未成年略取

にもなりません。

 

社会的にはイジメを受けた少女による

高度な家出と言ったところでしょうか?

 

裏で動く連中はウチが消しますし、

表から堂々と来る連中は本人が

接触を拒否してますからね。

 

あまりしつこいようなら、法的措置と

更識の情報を公表してあげましょう。

 

当代の楯無が恐れたと言う更識の

家への報復を受けるがいい。

 

「それで、暫くは私の直属の技術者と

して働くわけですが、その前に貴女の

構想している専用機に搭載する武装に

ついて早速駄目出しが入ってます」

 

「ぶ、武装に駄目出しですか?!」

 

技術者にとっては最悪の言葉ですよねぇ。

 

「えぇ、今回は山嵐です」

 

「そんな!?コレが無ければナット〇

ミサイルがっ!」

 

ソレ重要だったんですね?

 

「理由は簡単。コストと実用性ですよ」

 

「こ、コストに実用性!?」

 

技術者にとって最強最悪の敵の一つですね。

ちなみにもう一つは時間(締め切り)

 

それ故、冬林技研のキャッチコピーである

『夢を現実にする企業』には

【技術者に愛の手を】と書いて

【HENTAIに時間と金を】という

副音声が付いているのです。

 

「大体ですね、ISに通用する弾頭が付いた

実弾が一発いくらするか分かりますか?」

 

「・・・あぅ」

 

言われて計算しましたね?

 

「普通の弾頭ですら一千万超えるんです。

ソレがISに通用して、更に量子変換

機能付き。それにマルチロック?24発か

48発か知りませんが、ソレを三連斉射?

普通のIS戦は1対1ですよ?

貴女は一体何と戦うつもりですか?」

 

一体の敵に使うには無駄が多すぎます。

 

「え、えっと・・・」

 

「そういうのをすっ飛ばすのがロマン兵器

らしいですが、流石に普通の軍事目的

以外に使えない機能はISに乗せるわけ

には行きません」

 

兎が破壊しにきますよ?

 

それに条約を何だと思ってるのですか。

 

「・・・ですよねー」

 

「それに副所長からもツッコミです。

拝聴なさい」

 

「ふ、副所長さんからも?!」

 

これほど早く直々に教えを受ける機会を

賜るとは流石HENTAI。

全く羨ましくないのがまた凄い。

 

「ナットーミ〇イルはロマンではあるが、

相手の回避が無ければタダの実弾兵器。

言い換えれば外すのが前提と言う事。

そんな後ろ向きなロマンは無い!だそうです」

 

「( ゚д゚)ハッ!」

 

・・・貴女もソレ出来るんですね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そ、そりゃそうだよ!1対1で

実弾のナットーミサ〇ルって、つまり

それだけ外してるってことだもん。

 

アレはあくまで相手の回避によって

生まれる奇跡の螺旋!

 

回避されることを前提とした兵器は

兵器じゃないよね?

 

ドリルは一発勝負だからこそ力が

籠るし、「躱されても敢えて突く」って

言う矛盾した一発勝負が成り立つんだ!

 

さ、流石副所長さん。深い!

 

「私にはそりゃそうだとしか

言えませんが、貴女には何か響く

モノがあったようですね」

 

「はいっ!すぐに設計図が書きたいです!」

 

疼く!私の右手が!メガネがっ!

 

「・・・そうですか、とりあえず

設計図や武装の案があったらラフ絵

でも良いので送るよう言われてます。

あぁ、書いたものはボツ案でも

捨ててはいけませんよ?」

 

「え?そうなんですか?」

 

ボツ案を含めたら物凄い数になりますよ?

 

「貴女にとってはボツ案でも、他の

技術者にはそうじゃないかもしれません。

何かしらのインスピレーションが沸く

場合もあるそうですからね」

 

「( ゚д゚)ハッ!」

 

た、確かにそうだ!他の人の趣味・・・

ロマンが詰まった資料は宝物だ!

 

「・・・生粋の技術者ではない私には

分かりませんが、貴女の部屋から出た

ソレを清掃員を装った更識に持ち去られ

たり、倉持の連中のインスピレーション

の切っ掛けになったら嫌でしょう?」

 

「絶対嫌です!」

 

やっぱりプロの技術者の人たちは

発想が違う!あぁ今まで捨ててきた

聖衣風のラフ画とかどうなったかな?

 

・・・ギリシャとかに行ってないよね?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

さて、更識が納得したところで

今後の予定について・・・

 

「司馬様ー司馬様ー居ますかー?」

 

あぁもうそんな時間ですか。

 

「え、えっと?」

 

「あぁ、中国の国家代表候補生の

凰鈴音です。とりあえず転入から

一週間は一日の出来事を報告する

ように命じてましてね」

 

更識簪には人見知りの気がありますが、

凰准尉なら問題ないでしょう。

 

「今開けますので待ちなさい」

 

「はーい。わっかりましたぁ!」

 

ふむ、昨日と比べれば随分明るい

声ですね。

アチラもいい結果が出たのでしょう。

 

普通は一日二日で状況が変わるモノ

ではありませんが、ここに引き抜きに

成功した更識簪が居ますからねぇ。

 

今日の報告はどうなることやら。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お邪魔しまーす!」

 

「・・・もう少し声を抑えなさい」

 

「す、すみません」

 

普通に怒られたわ。まぁそうよね。

私は一歩前進して気分上々でも司馬様

は関係無いし、なんか今日は休んだ

みたいだし。

 

転入二日目で休むって何かあったのよね?

学園には環境の変化による体調不良とか

言ってるけど、そんな温いことを言う

ような方じゃないわ。

 

「あ、あの、こんにちわ」

 

「(ΦωΦ)」

 

「え、えっと?」

 

司馬様の部屋に今日の報告に来たら

見たことも無い水色の眼鏡が居る件

について。

 

どういうこと?服を見ると学生よね?

 

司馬様は副所長と婚約してるから

同性愛者じゃないし・・・

現地協力者的な何かかしら?

 

「凰准尉、アイサツにはアイサツを

返すのが礼儀です」

 

あ、そうよね!とりあえずアイサツ

しないとシツレイよね!

 

「こんにちわ。1年2組に転入してきた

凰鈴音です。中国の代表候補生してますけど、

基本的には一般の学生と同じように

フランクに接して貰えると嬉しいです」

 

ふっ、自己紹介は昨日したばかり

だから抜かりは無いわ!

 

「フランクに接した結果がクラス代表

でしょうが。反省と言う言葉を知らない

のですか?」

 

「あうっ!」

 

そ、そう言えばそうだった!日本の

10代女子のフランクさは常識を

遥かに超えるんだった!

 

「あ、1年4組の更識簪・・・です」

 

た、助かった!見た目通り弱気で

内向的みたい。

 

ん?さらしきかんざし?

 

「昨日少し話に出てきましたね。元日本の

代表候補生で、今は貴女の同僚になった、

日本が誇るHEN・・・天才ですよ」

 

今HENTAIって言い掛けません

でした?いや、口に出したら矯正される

から絶対に言いませんけど。

 

けど短い文章にかなりのツッコミ

どころがあったわよね?

 

「【元】代表候補生ですか?」

 

この歳で元ってどういう事?

 

「あ、それはですね!今日返上したんです!」

 

「返上?それに今日?」

 

なんか自信満々に言ってるけど、それって

良い事なの?いや、日本の国家代表候補生の

扱いはわかんないけどさ。結構な競争を勝ち

抜いて得た立場なんじゃないの?

 

ソレに専用機持ちは一夏しか居ない

んじゃなかったっけ?

 

ツッコミが追い付かないわ!

 

「その辺の経緯は私が説明しましょう」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

カクカクシカジカアリジェネムートンイトウ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「何ですかソレ?」

 

いや、関係者全員馬鹿じゃない?

 

「改めて聞くとスゴイですよね?」

 

凄いとしか感想が出て来ないわ。

 

「って言うか自分のことよね?」

 

しかも昨日までの。いや、正確には今日の

日中までの自分のことよね?

なんて言うか、達観しすぎじゃない?

 

「あぁ、まぁそうなんですけど、今と

なったらどうでも良いかなって」

 

か、家族や政府に対して完全に見切り

つけてるのか。

実際そこまで追い詰められてたって

ことよね。つーかそんな扱いするなら

初めから代表候補生になんかすんなって

話じゃないの?

 

立場を与えたならサポートしなさいよ。

まさか日本って国に一夏以外の候補生を

支えるだけのリソースが無いってわけじゃ

ないんだからさ。

 

「まぁアイツらが阿呆のおかげで

この才能を手に入れることが出来た

と考えれば、有り難い話ではあります」

 

うん。まぁそうですよね。実家の狙い

とか関係なく、普通にイジメですから

引き抜きには困りませんよね。

 

「わ、私としても結果的にですけど

理解のある上司と、やりがいのある

仕事が出来そうですから・・・」

 

あぁほんとそうよねぇ。なんたって

直属の上司が司馬様だし?中国人なら

誰もが羨む地位だし、どれだけ望んでも

馬鹿には得られない待遇よ?

 

それもこれも偏にこの才能、いえ才能って

だけじゃないわよね。

 

「操縦技術で代表候補生になれる実力が

あるだけじゃなく、学校の設備で

第三世代機のひな型を造り上げた?

さらに一人で?期間は数か月?こんなの

才能の一言で片付けて良いモンじゃ無い

ですよね?」

 

才能だけじゃなく実績まで残してる

天才じゃない!更に日本の暗部の家?

つまり副所長や司馬様みたいに

幼少時から鍛えて来たんでしょ?

その技術と積み重ねを考えたら、武術

を嗜んだばかりの今の私じゃ操縦技術

だけでも勝てないと考えるのが妥当。

 

いや、本当に万能の天才じゃない!

 

コレは司馬様もHENTAI扱いするわ。

 

「その通りです。更識簪は今の准尉では

届かない高みに居ると思ってください」

 

そうよね。私だって天才だなんだの言われて

たけど、積み重ねが無いからどうしても脆い。

司馬様みたいなホンモノの天才が積み重ね

た相手には絶対に届かないわ。

 

つまりはこの水色は司馬様の下位互換?

いや、機械技術的な面を見たらそうとも

言い切れないわよね。

 

「あう・・・」

 

「なるほど」

 

褒められ馴れて無いからこそこういう

一見弱気のリアクションだけど、

根元には自信がある。つまり一度

スイッチが入ったらヤバいタイプ。

コレは最高の拾い物、いや最初から

狙ってたんだろうから最高の収穫よね。

 

「・・・さっきも言ったけど、凰鈴音よ。

先輩でも准尉でもリンでも好きに

呼んで。ただしリンインは止めて」

 

同い年で代表候補生になるだけの実力者。

 

さらに実績もあるし、勘だけじゃなくて

しっかりと積み重ねた基礎がある強さの

持ち主なんてもぉ最高じゃない!

 

司馬様は背中を追うには遠すぎるからね。

良い目標が出来たわ!

 

「更識簪です・・・階級はわからない

ですけど、更識って言われるのが

嫌いなので、簪って呼んで欲しいです」

 

あぁ、まぁさっきの話を聞いたらねぇ。

 

「わかった。じゃ簪って呼ぶわ。

よろしくね!」

 

「ハイ!リンちゃん!」

 

まずは簪を越える!最低でも並ぶ!

コレが国家代表候補生としての私の

IS学園での私の目標ね!

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ふむ、これぞ青春ですねぇ。

 

それに更識簪の階級ですか。

中国に所属してるわけでは無い

ですから軍属ではありませんよね。

 

立場は冬林技研のテストパイロット兼技術者。

 

そうなると階級というよりは役職

が自然です。

 

私が主任ですから・・・主任の部下って

平ですよね?ですが専用機持ちになり

ますから名目上でも何か必要ですか。

 

コレは今日の報告で師に確認しておきましょう。

 

「それで、凰准尉。本日の動きは?」

 

コッチの本題も済ませましょうか。

 

「あ、はい、まず名刺を渡しました!」

 

「・・・名刺って?」

 

あぁ、更識簪には訳が分かりませんよね。

今後も日本の10代女子の常識を確認したり、

我々が思いつかない意見を出してくれる

かもしれません。

 

「准尉、更識簪に経緯を説明しますが

宜しいですね?」

 

任務とは言え個人の恋愛に関する

恥ずかしい内容ですからね。

一応確認しておきましょう。

嫌だと言われたら・・・まぁ任務優先

ですから無視ですけど。

 

「だ、大丈夫です!簪の意見もあれば

猶更成功率が上がるかもしれません!」

 

「成功率??」

 

「では私が説明をしましょう」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

カクカクシカジカトナリノムートンイトウ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「す、酢豚って・・・正気?」

 

何がどうなれば告白で酢豚?しかも

ソレを副所長さんに相談?有り得るの?

 

「・・・アンタ、良い性格してるわ」

 

「いえ、このリアクションで正解ですよ」

 

ですよねー

 

「ソレに織斑の家庭の事情ですか。確かに

そういう事情があるなら、まずは安定した

就職先があるのは強いですよね」

 

正直織斑にはいい感情無いけど、

逆恨みだってのは分かってるし。

 

いや、専用機の重みを理解してないのとか

織斑千冬の特別扱いは正直今でも納得でき

ないし、機会があれば説教したいくらいだけど。

 

説教って事は織斑の為になっちゃうからね。

勝手に自爆して死ねって言うのが素直な

気持ちだけど、リンちゃんのことを考えた

らなぁ。

 

「でしょ?!一夏も私が冬林技研に所属

してるってわかったら、何か親しみって

言うのかな?そう言うのが見えたし!」

 

ただでさえ有名企業なのに、自分も姉の

織斑千冬もお世話になった組織だもんね。

 

そりゃ親しみも沸くよ。

 

「とりあえず周りで騒ぐだけの兎の妹や、

イギリスの螺旋頭よりは好評価を得られ

ましたね」

 

「ハイッ!流石は副所長です!」

 

はぁ?コイツ馬鹿?

 

「「【さん】を付けろ!」」

 

「ひ、ひぃ~」

 

このデコスケ野郎!・・・実際【様】とまでは

言わなくても【さん】は付けるべきでしょ?

 

司馬さんなんか滅茶苦茶尊敬してるじゃん。

言葉の節々でわかるよね?

司馬さんに様を付けるなら、その上司にだって

敬称を付けるべき・・・あれ?役職に敬称って

どうだっけ?

 

内部の部下が課長さんとか部長さんって逆に

シツレイなような気がするけど。

 

い、いや、ここは司馬さんの気分を優先

するべきだよね!うん。そうしよう!

 

「そ、それで、来月のクラス対抗リーグ戦

で専用機を使うのはわかりましたけど、

織斑一夏程度だと戦いになりませんよね?」

 

リンちゃんがどれくらい強いかは知らない

けど、代表候補生クラスの実力があるなら、

あの程度の雑魚なんか普通に最初の一太刀で

終わりでしょ?

 

「程度って・・・まぁそうだけどさ」

 

「そうですね。実際問題、あれに苦戦する

程度なら鳳准尉からコアを没収しますからね」

 

「えぇぇぇ没収ですか?!」

 

いや、実際国を代表する立場としてはアレに

苦戦って相当ヤバイよね?イギリスのアレは

あくまでBT兵器に対する適性が高いから、

その実験用としての代表候補生でしょ?

 

アレも欠陥だらけの出来損ないだけどね。

 

そもそも第三世代型は試験運用中だから

欠陥があるのが当然なんだけどさ。

 

「ちなみに准尉がコアを没収されるような

試合をした場合。

本国にいる准尉を代表候補生に推薦した人間

や賛成した人間。代表候補生を選考する連中。

そして決定を下した担当の目も没収されます」

 

「「怖っ!」」

 

節穴だから要らないって?怖いよ!

 

「何を温いことを言って居るのですか?

そもそも国家の威信を背負うと言うのは

こう言うことですし、己の仕事に責任を

持つと言うのもこう言うことですよ」

 

首が飛ぶんですね。わかります。

 

でもそうだよね。国家の代表を選ぶん

だから、感情とか賄賂とかで選ぶような

ヤツラは駆逐するべきだし、自分達の

決定に責任を負わないような連中も排除

しなきゃマトモな組織とは言えないよね。

 

税金だってかなり使ってるんだから、

関係者一人一人の意識が高くないと不正と

腐敗の温床になっちゃうんだ。

 

実際権力を握っても、その使い方を正しく

理解出来てない女権団体のせいで、政治や

経済はかなり歪んできてる。

 

私の専用機だって、男が自分の立場を

巻き返す為にリソースを奪った結果

とも言えるだろうし。

 

それに別に司馬さんは無理なことは

言ってないよね?

 

「リンちゃん、勝てば良かろうなのだ!」

 

素人に対して、勝つべくして勝てって

言ってるだけだよ!

 

「いや、ソレはそうなんだけどさ・・・」

 

 

―――――――――――――――――

 

 

実際素人に苦戦するようなヤツを国を

代表するような立場にしたら、そりゃ担当者

には見る目が無いって言われても否定は

出来ないだろうし、そんな未熟者をずっと

代表にしてコアを預けるほど甘い組織

じゃないのはわかるわよ。

 

・・・私の評価に関しても、一夏や千冬さん

との縁があって下駄を履かせて貰ってること

もわかってる。

 

だからこそ司馬様は『実力を見せろ』って

発破を掛けてるのよね。

 

一夏が可哀想とか、一夏と少しでも長く戦い

たいとか、そんな感情を見せたら即座に矯正

いえ、粛清されるわね。

 

司馬様が言ったように私は国家の威信を

背負って甲龍に搭乗してるのよ。

 

使うのは兵器。スポーツ競技とは言われてる

けど決して遊びじゃないんだから。

 

苦戦は許されない。イギリスの馬鹿みたいに

無駄口叩いたり挑発したりも不要。

 

駆け引きって考えれば無くは無いけど、

私が感情的になる場合だってあるからね。

 

そうなったら、コアの没収も担当者の目も

ヤるでしょう・・・明言されてはいない

けど、多分私自身にだって事故死が待ってる。

 

昨日も言われたわよね?消すって言うのは

警告であって警告はただの脅しじゃない。

 

学生気分は持ってても良いが、軍人として

の立場が優先されるのよ。

 

「司馬様、休みの日や放課後の鍛練に簪を

借りてもよろしいでしょうか?」

 

当人の許可はもちろん。直属の上司である

司馬様の許可は絶対に必要よね。

 

「ふむ、そうですね。更識簪については

所属や就労条件の見定めも有りますが、

とりあえずは許可を出しましょう。

ただし休日の鍛練については個人の問題に

なるので、本人の許可を取るように」

 

そっか、簪は軍属じゃないから休日は

そう言う扱いになるのね。

 

「簪?」

 

まさか嫌とは言わないわよね?

 

「もちろん構わないよ!ただ、休日と

放課後だけじゃなく、朝の鍛練もちゃんと

やらなきゃダメだと思うよ?」

 

あぁ、覚悟を決めたつもりでも本物から

見たら所詮はつもりでしか無いのね。

 

「望むところよ!」

 

国中に恥を晒したあげくに失望されて

死ぬくらいなら、休日だろうが朝だろうが

鍛練するに決まってるわ!

 

「ISを使っての鍛練は休日に冬林技研で

行いますので、まずは更識簪が行う

基礎鍛練を行いなさい。我々とは違う

形ではありますが歴史と経験に基づく

鍛練をしているはずですからね」

 

「はいっ!」

 

近接戦闘は生身の延長だからね!司馬様の

トレーニングに着いていけない以上、他の

遣り方を捜す必要があるとは思ってたし。

ソレが歴史ある暗部の鍛練方法なら

文句なんかあるはずが無い!

 

「更識簪。貴女に与える最初の任務です。

クラス対抗戦までの期間は短いですが

そもそも基礎鍛練は恒久的に行うものでも

有ります。

私の言わんとするところはわかりますね?」

 

「はい!リンちゃんには焦らずにきちんと

武術の基礎を学んで貰います!」

 

よしっ!これで私に足りなかった基礎が身に

付けられる!

それも付け焼き刃じゃない。対抗戦が

終わった後もちゃんと役に立つモノよ!

 

まともな師匠が居ない私には今まで得られ

なかったモノがここで得られるなんてね!

 

ぬるま湯の中は居心地は良いけど、ずっと

居たら確実に自分が錆び付いていく。

ISなんか無くても一夏の側に居られるなら

ソレでも良いけど、実際私がココに居られる

のはISが有ることが大前提!

 

だからこそ、今も本国で血と汗と涙を流して

トレーニングしているヤツラに追い越される

わけにはいかないんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏。現実を見ることなく周りに甘やか

されて、半ば遊びながらISを纏う貴方には

勝ち目も見せ場も与えない。

 

それどころか戦いにすらならないってことを

対抗戦で教えてあげるわ!

 

 




兵器で遊ぶなってお話。


次回、ようやくクラス対抗戦か?

・・・予告したら書かなきゃダメじゃん!


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12話

違う。作者はこんなの望んで無い!

でも嬉しいのほぉぉ!(痙攣)

オリ設定!
オリ展開!

原作ネタバレ有り!

嫌いな人は読み飛ばし!


ふむ、IS初心者が訓練とは言えコレ

ですか・・・流石は超人と言いたい

ところですが、遺伝子だけで勝てるなら

世の中に技術と言う概念は存在しないと

言う現実を知るべきでしょうね。

 

それにコンセプトがねぇ。キサラギが見た

ところ、あくまで兵士としての存在強化。

 

ソレも視野の狭い科学者と一部の人間が

望むような、さいきょーの兵士。

 

視野狭窄や感情の揺れ幅。正義感?のような

思い込みの強さを見るに依存体質もある。

 

反逆防止ですかねぇ?見た感じ依存先

である姉に逆らう気は無いですし。

 

ついでに各種フェロモンを出して周囲に

適合させると言う特徴から潜入工作

にも使えますか。

 

「コレ、ISと言う兵器に適合出来なかったら

かなり厄介な工作員でしたね」

 

ですがここまで注目を集めてしまえば

工作員としては使えません。

 

肉体的な強化も調整前のようですし

全体的に中途半端なままですね。

 

『そうだな。やってることはドイツの人形と

一緒だが、ドイツが確かなコンセプトをもって

やってるのに対し、こっちはHENTAIが理想を

詰め込んだ結果だ』

 

「なるほど、超人と言う割りには織斑千冬の

能力が歪なのはそう言うことでしたか」

 

超人と言うより超兵ですね。ヒトとして

不完全過ぎます。これは製作者が自分の

地位を脅かすようなモノを望まなかった

と言うことでもあるか。

 

『ISなんてのが出来て、織斑千冬が世界大会で

優勝し、世間の評価を集めたのは・・・連中に

してみたら誤算だろうな』

 

「裏の存在が表に出ちゃいましたからね」

 

しかも世界的に堂々と。実験成功では

有りますが、代わりに織斑千冬に対する

各種疑惑が世界的に浸透しましたからね。

蒸発したと言う両親の情報も一切無いし。

 

まぁ兎の影響と判断したようですが

実際はコレですからねぇ。

 

何で政府は織斑千冬をそのまま

放し飼いにしたのか。

 

この国の暗部って頭悪すぎませんか?

 

さらに世界大会でしょ?なんでアレを日本

代表にしたんです?

裏の世界の関係者連中にしてみたら、

どうなんでしょうね?・・・政治も何も

考えないHENTAIならば成果の確認を

優先したのかもしれませんが、アレは

表に出すような存在じゃないでしょう?

 

結果を出したことで、連中の頭の中は

嬉しさ八割で注目を集めたことに対する

困惑二割と言ったところだったでしょうが

 

今は後悔10割・・・いや、ソレすら

ありませんか?

 

すでに研究施設はブチキレた兎により壊滅。

研究員とスポンサーは師と兎による 

実験材料として家族親族もろとも散々地獄を

見せた後、遺伝子レベルで分解して火星に

撒く苔と改造恐怖公にブレンドして発射済み。

 

施設にあった紙媒体の資料は全て兎により

分子分解処理済みで、データベースに

残されていた資料は内容を改竄さた上で

トラップをしかけて放置。

 

印刷された資料を読み込むと発狂。

映像で見ても発狂。

トラップを解除出来ても、その資料の根幹が

間違ってるから出来上がるのは成長率など

存在しない普通のお人形。

 

それに気付くのは最低でも五年はかかる。

 

生き残りがいて同じ計画を実行しようにも

予算や資材の関係上必ず動きが有りますから、

その間に師や兎には絶対にバレますからね。

 

あとは普通のお人形を保護して普通に

生活させれば良い。

 

全部潰したり隠すから駄目なんですよね。

こうして程よく出しておけば、あぁ言う

連中は必ず釣れます。

 

必要な素材はこちらで押さえてますし。

 

所詮は日本の闇ですね。浅い。温い。

この程度では我々には関係有りません

から、正面から叩き潰します。

 

もしも更識簪が実家と疎遠でなく、

普通に楯無の補佐をしてたら兎に

分解されてましたかね?

 

いや、先代楯無が知らない筈は有りません

が、まだ生きてると言うことは関係者と

言えるようなモノではないと判断したので

しょう。

 

それとも更識簪の才能を知った師が止めた?

 

うーむ。兎がこの件で止まるとは思えま

せんから、やはり関係者とまでは言え

ないと判断したのでしょうね。

 

所詮は日本の暗部の暗部(笑)

 

「しかし相手が超人の切れ端なら、鳳准尉の

近接戦闘縛りは厳しいですかね?」

 

身体能力に特化した兵士ですからね。

調整前で今はただの野性児でも学生と

言う括りで見ればソレなりに強い筈です。

 

『いや、選択肢を増やせば増やすほど

相手に付け入る隙を与えることになる。

何せ甲龍の衝撃砲は便利だが予備動作が

でかいからな』

 

「あぁ確かに。それに便利ですが威力が

小さいですから経験されたらただの

餌ですね。それならはじめから近接戦闘

のみであたった方が良いですね」

 

いくら超人でも基礎技術と言うのは

積み重ねです。

お遊びで温い剣術しかしてこなかった

織斑一夏では短いながらも軍の教育を受け、

今も血を吐いて修練している凰准尉に同じ

土俵の上で戦えば勝てる道理も無し。

 

今度の連休では師との旅行前に命奪崩壊拳

を受ける栄誉を与えましょうか。

簪にも使ってやっても良いかも知れません。

 

・・・いや、まだ早いですか。

師の許可を頂いてからにしましょう。

 

『そう言うことだ。そして更識簪の立場に

ついてだが』

 

「はい、どうなるのでしょう?」

 

そうそう、毎回フルネームと言うのもね。

水色だと姉と被るし、水色眼鏡だと本名

の方が短いし。

かといって本人は更識と呼ばれるのを

嫌がってますから、何かしらの呼び名

を考えねばなりません。

 

凰准尉もそうですが、本名とは言え嫌だと

言ってる名前で呼び続けるのはパワハラ

です。せっかく手に入れた人材の信頼を

無駄な行為で無くすこともありません。

 

『とりあえず第一研究室所属研究員だな』

 

まぁ私の部下ならそうですよね。

 

『テストパイロットとしての手当てと

技術者としての手当ては出るが、流石に

お前より下がるよ』

 

私にとっては待遇より呼び名が

大事なのですが・・・まぁ待遇を

キチンとしないと組織としては

駄目だっていうのは当然ですね。

 

「テストパイロットとしてはともかく、

技術的なモノは私以上だと思いますが?」

 

実績も有りますし。あんまり給料が安いと

他所に行っちゃいませんか?

 

『実績はコアを初期化したことでリセット

されたからな。成果を出したらすぐに

給料に反映させるが、初任給から主任を

越える給料をやるわけにもいかんよ』

 

「あぁ、確かに」

 

他の研究員の立場も有りますからね。

現在の更識簪一人ですら技術者十人分を

越える実力が有ることを知ってるのは幹部

だけですから、結果を出して不満を抑える

まではこう言う扱いになりますか。

 

『恐らく更識簪の性格上、不満や不服は

無いだろうが、最初に説明だけはして

やるように』

 

「かしこまりました」

 

今までは評価すらされてませんでした

からねぇ。評価されるだけでもマシか。

 

それに報酬は小出しにするものです。

この辺のコントロールは上司であり

現地にいる私の仕事ですよね。

 

『ついでに階級は特尉だ』

 

「え?軍に所属してませんが宜しいので?」

 

流石に難しいのでは?

 

『そこは現地協力者に対する野戦任官

みたいなモノだと思え』

 

なるほど。師は現場指揮官で大佐です

もんね。

それくらいの権限は当然ありますか。

 

『ISを扱うのに軍属じゃないのは問題に

なるし、特尉なら正式ではないが立派な

軍属扱いが出来る』

 

「そうですね。職務は私のアドバイザーです

から、権限は私のモノに準ずる形ですか?」

 

現地登用した副官みたいな感じですかね?

 

『そうだ。護衛と副官を兼ねたモノだな』

 

あぁ、そう言えば私の護衛に関してはかなり

揉めてましたよ。

 

ですがISの専用機持ちであり、師と私が直接

見いだした存在であり、師と私が直接勧誘した

現地の暗部の宗家の娘ならばギリギリ及第

と言えるでしょう。

 

・・・対抗意識を燃やして無理や無茶を

言わないように私から釘を刺しますか。

 

『で、旅行先は秋田で問題ないが、お前は

大丈夫か?資料を見るかぎり山と川と

海と盆地と平野、開拓地に国有林に

鉱山と油田っていや、何でこんなに資源が

あってここまで開発されてないんだ?

資源が無い日本にしてみたら最優先で

開発すべき土地だろ?』

 

いや、ホント不思議ですよねぇ?

 

そういった不思議ポイントが師の

センサーに直撃すると判断しました!

 

「ココまで来るとトワダコやタザワコ

の湖底に秘密基地があると言う都市

伝説すら信憑性が出てきませんか?」

 

オーガ半島のUFOとか。

 

『何か隠されてるんじゃ無いかって

言う浪漫はわかる。特に十和田湖の

二段底と生態は面白い』

 

ですよねー。不自然ですよねー。

 

ふふふ、この分では師には十分喜んで

貰えそうですね!

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「と、特尉ですか?!」

 

か、かっこいい!しかも副官?!

一年と22日振りですねって

エレガントな感じで言わなきゃ!

 

「護衛も兼ねますので、専用機の

用意も急がねばなりませんね」

 

「そ、そうですね!」

 

護衛だもんね!不殺に拘る気は無いけど!

 

「パーソナルカラーは未定ですがアリサワが

『オジョーなら真鍮か鈍銀色だ!』と

騒いでまして・・・まぁ銀は私の色である

黒と銀に被るので真鍮っぽい色。

流石に真鍮はアレなので、おそらく金に

近い色になるでしょうね」

 

「真鍮か金ですか!」

 

凄い!紫と真鍮を合わせたらメタ〇マンだよ!

これで私もメ〇ルマンの人だっ!

赤に金ならアイア〇マン!

スーパーヒーロー着地だって出来る!

 

司馬さんの黒と銀に合わせて、黒に金なら

銀河の英雄の帝国っぽいし、私も遂に

就職した!夢が広がりんぐ!!

 

「う、嬉しそうですね?」

 

「はいっ!」

 

司馬さんと会えてからの3日間は

毎日がずっと最高です!

 

「・・・いや、貴女が良いなら

良いんですけどね?」

 

「はい!最高ですよ!」

 

「・・・そうですか」

 

なんで微妙なリアクションなんだろう?

 

あ、あんまり一人でテンション高い

から引いちゃったかな?

 

で、でも司馬さんってそんなタイプじゃ

無いよね?知らないモノを排斥する

んじゃなく、とりあえず理解しようと

する感じの人だよね?

 

アレ?これはもしかしたら布教出来る?

司馬さんが好きなら他の人たちも・・・

 

「とりあえず機体については連休前に

構想を冬林技研に送って下さい。

ソレをもとに基本部分の組み立てを

行わせます。完成までは第2世代型の

テンペストか、鳳准尉の甲龍と同系統の

第三世代型の機体を準備する予定です」

 

「テンペストか第三世代型ですか!」

 

代替にしてもスゴク贅沢!コレが許される

のが私に対する冬林技研の評価なんだね!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

思考が読めませんが、とにかく

何か怪しげなことをしようとして

ませんかね?

なんでパーソナルカラーの話をした

とたんに妙な歓喜に包まれるのか。

 

真鍮とか金って悪趣味じゃないですか?

いや、ソコに反応するからこそ彼女は

HENTAIなのでしょうけど。

 

まぁ敵意とかは無いので特に害の

あるようなことはしないでしょうが、

HENTAIの常識は非常識です。

更に10代女子ですからね。

暴走に巻き込まれたら確実に良くない

方向に流されますし、この場合は

師も笑って許すでしょう。

 

故に流れを断ち切ります!

 

「私としては変な癖をつけない

ようにするために、第三世代機では

なく第二世代のテンペストの改修機

が良いと思うんですけどね」

 

「テンペスト改!セカンド!mark2!

流石司馬さん良いですね!」

 

いや、ソコで私の名前を出すんですか?

ちょっと勘弁してくれませんかねぇ。

 

それに命名に関してはナベシマに

聞いて下さい。

 

「・・・機体の名前はともかく、

第二世代であっても貴女の身体操作能力

があれば中途半端なイメージインター

フェースを装備した機体よりはよほど

動きやすいでしょう」

 

アレは要するに肉体の能力が劣る

人間でもイメージ。つまり思考で

動作を補助する装置です。

元々思考に動作が追い付いている

私や織斑千冬のような人間には

無用の装備ですし。

まぁ特殊兵器に関してはアレですが、

山嵐が無い以上は特に必要ありません。

下手に衝撃砲みたいな装備に馴れて

しまっても困りますもんね。

 

「あぁ~確かにそうですね。今の

イメージインターフェースだと

特殊兵装メインですから、実験機の

第三世代よりもキチンと整備された

第二世代の方が護衛には向きますね」

 

流石HENTAI。現実さえ見れば

しっかりと問題点と改善点を理解して

最適解を出せるのは素晴らしい。

 

「出力自体は特殊兵装に向ける

分を火力に回すので、後は各部品の

掛け合わせになります。

ピットと呼ばれる速度重視から、

ガチタンと呼ばれる防御重視まで

好きなように改良しても良いですよ」

 

「ふぉぉぉ!良いんですか?

光に包まれちゃいますよ!」

 

光?そういえばコジマも似たような

事を言ってましたが、アレって

宇宙空間で太陽光を直視した時の

セリフでしたよね?

 

HENTAIにとって光とは何かの

隠語なのでしょうか?

 

・・・深く考えるのはやめて

おきましょう。連中が手招き

してるのが見えましたよ。

 

「護衛任務には硬さか敵を早期

殲滅する速さが必要ですからね。

バランス型は長期戦や継戦能力に

長じますが、我々は護衛にそのよう

なモノを求めては居ませんから」

 

量子変換機能の関係上、相手が何を

使って来るかも分からないのに

長期戦など出来ません。

 

今の社会で護衛に求められるのは、

攻撃は出来ないがどんな攻撃も防ぐ

楯か、防御は出来なくともどんな楯

も貫く脆いけど鋭い槍なんです。

 

「流石です!中途半端はロマンじゃ

ないですもんね!」

 

・・・理解はしているようですが

なんか認識が違いませんかねぇ?

 

まぁソレも個性として受け入れましょう。

 

「ソレと副官となる以上、知識の

共有が重要となります。最低限知って

おくべきことを資料として纏めて

ますので、コチラを読み込みなさい」

 

「はっ!(`・ω・´)ゞ」

 

・・・ノリノリですねぇ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

いや、コレって・・・馬鹿じゃない?

 

「司馬少佐、フランスって馬鹿

なんですか?」

 

「学園内では少佐と呼ぶ必要は

・・・あぁ、退学予定ですから

ソレでいいんですね。

質問の答えは『その通り』です」

 

 

ですよねー。

娘を男装させて入学させるって。

学園がソレを受け入れたのは何故?

 

フランスの弱みを握って、さらに

コイツに二重スパイでもさせる気?

それとも戦力として取り込む?

 

それって日本の為になるかな?

お姉ちゃん・・・楯無ってそんな

馬鹿なの?それとも更識は日本じゃ

無くIS学園に従ってるの?

 

まぁ超短期的には下手な国より

軍事力はあるかも知れないけど、

最初の一発目で勝ちきれなかったら

兵糧攻めされて終わるよ?

 

命運を預けるには弱すぎない?

それともISを過信した?

 

先代が当主を譲ったのはISがある

からだし、その可能性もあるか。

 

まぁ当代を囮にしてるってのも

有るんだろうけどさ。

 

司馬少佐(少佐って響き良いよね!)に

更識の介入を示唆されてなかったら

織斑一人を憎んでたんだろうけど、

コレも連中のヘイトコントロールだった

と分かれば、客観的にモノを見ること

くらい出来る。

イジメや冷遇の元凶はアホの織斑

じゃない。更識や日本政府!

 

そうやって敵として見れば今回の

フランスのアホがどれだけアホで、

ソレを迎え入れようとする連中が

どれだけ腹黒いかも良く分かる!

 

「コレに関して我々はどう動くんです?」

 

コレは知っておかないとね。学園の

目的は別にどうでもいいけど下手に

干渉して少佐の計画を狂わせるわけ

には行かないし。

 

「今のところは静観ですね」

 

静観か。IS学園が引き抜きや

何やらをしようとしてるところを

静かに観察するんですね?

 

見られてる方は気が気じゃ無い

でしょう。ふふ、いい気味だ!

 

ならフランスは無視で良いよね。

次はこっちのお人形について。

 

「ドイツの狙いは何でしょう?

やっぱり織斑の遺伝子ですか?」

 

これしかないと思うんだけど。

そもそもこのお人形の経歴も

おかしいよね?

 

「ソレもあるでしょうが、本題は

第三世代型の性能実験でしょう」

 

「AICですか。確かに今のIS学園には

イギリスと中国と・・日本の第三世代機

が有りますからね。

EUの最新型選考のプレゼンには

ちょうど良い舞台でもありますね」

 

姉に守られてぬるま湯に浸かったアホの

織斑が日本代表みたいな扱いって

言うのがどうしても認めたくないけど!

認知度としてはそうなんだよね・・・

 

「その通りです。欠陥機を宣伝して

どうしようと言うのか、理解に

苦しみますがね」

 

ま、まぁ試験機だから欠陥機では

あるよね!代表候補生に持たせて

国際的に披露するならちゃんと

完成させてからにしろって言う

のは良く分かります。

 

「けど、それにしてもコノお人形

経歴おかしくないですか?

この経歴でこの歳で少佐?

ドイツも馬鹿なんですかね?」

 

「年齢と階級は私も同じですが?」

 

んん?あぁ、コレは引っ掛けですね?

 

「いや、司馬少佐は実績と家の関係で

この階級なんですよね?大学も出てますし、

中国国内における佐官教育どころか

将官教育も終わってますよね?」

 

ふふ、ちゃんと上司の最低限の情報を

持ってるかどうかの確認ですよね?

 

引っ掛かりませんよ!

 

「ふむ、私の意図も正しく読み取れ

ましたか。結構。話の腰を折って

すみませんでしたね」

 

「いえ、少佐にしてみてもいきなり

出来た副官ですからね。部下の実力を

試すのも当然だと思います!」

 

こ、こういうの憧れてたんだよね!

 

優秀な上司と優秀な副官みたいな!

 

「そう言って貰えると助かります。

さて人形の経歴ですが、やはり

普通に考えれば異常ですね」

 

「ですよね。軍学校に通っていた

ようですが、それなら現役の少佐

と言うのはおかしいです」

 

デザインベビーなのはともかく、

コレが織斑千冬に出会ったのは3年前。

つまり12歳の時に織斑千冬に会って

鍛えられたってことになる。

 

だけどそれまでは優秀だったけどISの

特殊兵装と連動する事が出来なくて

落ちこぼれ扱いされた?

 

落ちこぼれ扱いが1年だったとして

11~12歳。手術とリハビリと適合試験

を考えて落ちこぼれの烙印を押すには

最低でも1年はかけて様子を見るよね?

 

つまり手術は10歳で11歳まで観察?

 

5年前なんて第二世代がようやく世に

出始めたころでしょ?

その時に特殊兵装の適合手術なんか

したら普通は失敗するんじゃない?

 

ドイツの狙いがわからない。

 

さらに織斑千冬に鍛えられたのは

1年だから教育期間は12~13歳。

そこから評価を覆して云々する為には

最速でも1年はかかるでしょ?

 

なんたって国が下した評価だし。

 

更に他の人だって遊んでるわけじゃない。

 

それに派閥とか序列とか色々あるよね?

 

それに対してコレは何の後ろ盾もない

状況で廃棄一歩手前でしょ?

どうやって序列に割り込んだの?

 

「武力で力ずく」なんて規律を重ん

じる軍って組織じゃ絶対に許され

ないことだよ?

 

そういうのをご都合主義で乗り越えて

最速で動いても13歳~14歳。

この時点での待遇は最高で准尉か少尉でしょ。

ココから1年で少佐?おかしくない?

 

それとも、どこかで1年で民間人が大尉に

なれるような大戦争でもあったの?

 

もしくは織斑千冬の存在がある内に

評価を覆したって可能性があるけど、

それでも13歳~15歳で少佐?

 

それにドイツの冷水って・・・あぁ

活躍し始めたら中学〇年生だったか。

 

けどこの経歴なら、間違いなく佐官

教育はしてないよね?正規の士官教育

してたらソレで1年~3年潰れるもん。

 

実は司馬少佐クラスの天才で、

飛び級して9歳の段階で佐官教育が

終わっていたって可能性も無いわけ

じゃないけど、その場合は手術が

失敗しても天才の頭脳はあるわけだから

将官として使えば良いだけの話。

 

無駄を嫌うドイツ軍人に捨てられる

って話にはならないよねぇ。

 

つまり最終学歴は幼年学校卒業。

残りは織斑千冬による軍人教育とIS訓練。

 

一番うまく使える兵士かもしれないけど、

指揮官に求められるのはソレじゃないよね。

 

後進国とか新興国ならまだしも

ドイツっていう組織がきちんと

出来てる国の軍でこの経歴で

少佐って言うのはどう考えても異常。

 

何か特殊な命令を預かったから

今回の任官ってわけでも無い。

だって本国で小隊の隊長してるし、

副官は大尉だし。

 

それにコノ学歴ならIS学園に編入する

だけの基礎学力無いよね?

普通に赤点で留年するんじゃない?

 

監査員は司馬少佐だし、次はアメリカ

なんでしょ?

どうやって入学したの?いや、何で

入学を許可したの?

 

「異常な経歴を持つこのお人形の

入学を学園が認めた理由って?」

 

「普通に考えれば織斑の存在を確認

したドイツがねじ込んだと考える

べきなんですがね」

 

「有り得ません。ソレが通用するなら

世界中がIS学園に自国の生徒を

ねじ込んできます」

 

ドイツを認めたなら自分も!って

感じできますよね。

 

「その通り。フランスに関しては

表面上は納得も・・・出来ますか?

まぁ出来るとして、ドイツのコレ

は本来IS学園としても認められる

モノではありません」

 

「では?」

 

何か面倒な連中が面倒なことを

しようとしている?

 

「IS委員会の中のある一派が介入

した結果ですね。上層部で決まった

ことだからIS学園も承認するしか

なかったのでしょう」

 

「ある一派・・・ですか?」

 

うわぁ!政治の闇だ!

 

「こんな仕掛けで何がしたいかは

知りませんが、ドイツの策に便乗して

周囲に混乱をもたらすつもりです」

 

「こんな仕掛け?・・・VTシステム?」

 

確か他の搭乗者のデータを使って

動かすシステムだよね?搭乗者を

タダの認証用の部品として使うモノ

だから非人道的だって話だけど、

デザインベビーを軍事利用する国が

そんなこと気にするはずも無いか。

 

「今更三年前の第二世代型の

性能をコピーして何になりますか?

コアを量産出来るならそれなりの

成果があるでしょうが、それなら

わざわざ昔の織斑千冬に拘る必要

なんか無いでしょう?」

 

「ですね。量産出来るなら数を集めて

イギリスのアレで遠距離から拠点を

狙撃するだけで勝てますし」

 

正しい戦争利用の仕方だよね。

 

つまり・・・何がしたいんだってばよ?

 

「現場に混乱と、ドイツの信用の失墜。

あとは織斑一夏の殺害でしょうかね?」

 

「あぁ、なるほど。いきなり暴走して

殺しちゃいましたって感じですか」

 

女権団体的には美味しい計画よね。

いいぞ!モットヤレ!

 

「轡木十蔵も情報を集めてますがVT

システムには気付かないでしょうねぇ」

 

「・・・そう言えば何でこの情報が

ココにあるんです?」

 

軍事機密って言うか、それ以上の

ナニカですよね?!

 

「特尉、ISに使われてる根幹技術の

特許を握ってるのは誰だと思って

るんですか?」

 

特許?あ、そう言えばそうだよ!

10年前からISの技術を研究

してきたのはこの人達だ!

 

「副所長さん・・・いえ大佐殿ですね」

 

あの人ならISをタダの単体兵器なんて

扱いにはしないよね。

 

もっと私たちが想定出来ないことに

使ってるはず。コアネットワーク

にも干渉できるのかな?

それならコノ情報量も納得です!

 

コレは、ISを使う限りどう転んでも

相手はこっちの掌の上ってことだよね。

 

さっさと所属を移って良かったよ~。

 

「フランスの阿呆とドイツの人形に

関しては以上です。

あぁ、今のところ凰准尉はドイツの人形の

情報に関して表面上のモノしか持って

いないので、そのつもりで居るように」

 

「はっ(`・ω・´)ゞ」

 

なんだかんだでリンちゃん民間人だし、

情報の漏洩の可能性が高いからね。

 

つまり信用されてる!私は信用されてる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この信用に応えるように頑張らなきゃ!

リンちゃん!暫くは地獄を見て貰うよ!

 




眼帯ロリ、君も経歴おかしいよねってお話

いや、ツンデレとかサービスショットは
好きですけどね?
公式はもう少し設定ちゃんと考えなさい。
ターニャンだってすぐに中佐になった
わけじゃないんだぞ?

ん?対抗戦?大丈夫、前回ちゃんと
対抗戦か?って書いたし。

東〇ポだよ東ス〇。



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13話

とうとう原作主人公にセリフがっ!

ココまで来るのが長すぎる?
クリア(ツッコミ)すべき設定が多すぎ
るんだよぉぉぉぉぉ!

オリ設定!
オリ展開!

基本的にネタバレと原作アンチ!

嫌いな人は読み飛ばし!



簪に修行を受けるようになって一ヶ月も

経ってないけど、私がどれだけ未熟で

自惚れてたかは良くわかったわ。

 

「ふむ、中々成長しましたね」

 

「ハイ!ありがとうございます!」

 

いまだに司馬様には触れることも出来ない

けどね!

 

「年期が違いますからね。私は准尉が幼稚園や

小学校に通っている間にも副所長に鍛えられて

きました。実質2年にもみたない訓練とISが

有ることを前提とした鍛練を積んできた准尉が

私に届かないのは当たり前です」

 

それはそうよね。簪だって物心ついたとき

から鍛練はしてたって言うし。

本物の天才が歴史に裏打ちされた鍛練を積んだ

結果が簪で、それに加えて本物の天才に監督

されて鍛練を積み重ねて来たのが司馬様。

 

更に私が鍛練を積んでる間も、私より厳しい

鍛練を積んでるんだもの。勝てるわけがない。

 

「少佐は戦闘訓練にISが普通に使われるような

鍛練をしてますからね。この歳になるまで

地獄を知らなかった私たちじゃ、届くのは

難しいですよね」

 

そうよね。まぁあの副所長に鍛えられてる

様子を見たら、悔しいって言うよりもマジ

ですか?って感じの方が強いけど、まんま

バトル漫画ですよね?

 

「准尉の現状としては、まだまだ未熟ですが

IS学園内では更識楯無以外に負けるような

ことは無いでしょう」

 

「更識楯無ですか。そうですね、今のまま

鍛練を続ければ半年以内には届くで

しょうけど、流石にリンちゃん・・・

准尉が壊れちゃいます」

 

生徒会長で簪のお姉ちゃんよね?なんか

色々裏で動いてたらしいけど、秀才以上

天才未満の普通の変態って話よね?

 

・・・普通の変態って何かしら?

 

しかも「私が壊れる」か。司馬様や簪より

温い鍛練をしてる私が壊れる心配をされる

って、どれだけ情けない姿を晒してるのよ!

 

「准尉、確かに今の貴女が受けている鍛練は

私や特尉よりも温い鍛練です。ですが

焦って我々と同じような鍛練をしても、

土台が出来ていない貴女では疲労が溜まる

だけで、何の意味もありません」

 

「・・・そうなんですか」

 

厳しければ良いってモノじゃ無いのは

わかってるけど、そもそも積み上げる為の

土台が無いのね。

 

「だから今はきちんとした土台を造らなきゃ

ダメなの。地味な作業だけど、コレがちゃん

としないとリンちゃんの天才性がただの器用

貧乏になっちゃうから、嫌がらずに・・・」

 

あぁ勘違いしてるわね?

 

「嫌がってなんか無いわよ?少なくとも私は

自分が成長してるってわかってるし!」

 

それに簪や司馬様みたいな本物の天才が

私の中にも伸ばすだけの才能が有るって

認めてくれてるんだもの!

 

これで燃えなきゃ女が廃るわ!

 

「ふむ、ここで腐るようなら宇宙空間に

飛ばして第三世代機の耐久性能の限界値

確認作業をさせる気でしたが、きちんと

前を向いているようですね」

 

「危なっ?!機体だけじゃなくて、人間と

しての耐久力の限界も測ることになるん

ですよね!死刑囚やテロリストの有効活用

とか言って宇宙に飛ばしてるアレですよね?!」

 

「ま、まぁ普通に銃殺するよりは有効活用

してるよね?」

 

宇宙空間に放り投げられて何時間で狂うのか?

とか空気が無くなって行く様子をリアルタイム

で見せつけられるのよね。

 

被害者やその家族にもキチンと刑の執行を

見せることで、被害者は納得するし、犯罪

の抑止にもなる。

 

やり過ぎだ!とか非人道的だ!とか騒ぐ連中

も居るけど、対象は死刑囚とテロリスト。

テロリストを許して自分の家族や友人が

テロに巻き込まれて死んだらお前らが責任

取るのか?なんて言われたら自称人権団体

にはどうしようもない。

 

死刑囚が犯した犯罪もきちんと告知されて

るから、一罰百戒の理を考えれば抑止力と

しても十分。

 

実際、ISが浸透してからと言うもの、中国

では犯罪発生率が落ちてるし。

 

共産党員だろうが女権団体の連中だろうが

キチンと罪を暴いて処刑するもんだから、

何気に今の政府は本当の意味で国民から

支持を得ているのよね。

 

後ろに今まで国政に参加してこなかった

司馬家が居るのも無関係じゃ無いわ。

政治的なアドバイザーとして副所長が

就いたからこその改革。

 

ISに使われてる技術の使い方が他人とは

違いすぎるのよ。

本当の意味での黒幕よねぇ。いや、普通に

汚職や性犯罪。民族差別も無くなってきて

るから良いことなんだけどさ。

 

つまり今回、私が無様を晒すと言うことは

処刑されても文句を言えない案件だと言う

ことよ。

 

国の税金使って開発した機体を預かると

言うことはそう言うこと。

 

国の威信を背負うと言うのはそう言うこと。

 

今の私の双肩には、私の未来と関係者各位の

期待()が掛かってるのよ!

 

面白半分で学園生活を満喫してる一夏や

デザートの為に戦う他のクラス代表ごとき

鎧袖一触出来なくて何が国家代表候補生か!

 

「おぉ~リンちゃんの背中に波紋が見える!」

 

コレが私の甲龍よ!

 

「准尉、衝撃砲はブラフでも使わないように」

 

「・・・はい。気を付けます」

 

ロックを掛けて使えないようにすると

各種制動にラグが発生するから、あくまで

自分の意思で押さえなきゃダメなのよ。

 

それも訓練だって話なのよね。

まぁ負けるよりは良いからいざって時は

使うようにって言われてるけど・・・

使ったら矯正確定らしいわね。

 

うん。さっさと終わらせて一夏には現実を

直視してもらいましょうか。

 

――――――――――――――――――

 

 

「あーこりゃ勝負にならんな」

 

今の准尉と織斑じゃ、当たるとか当たらない

じゃなくて、最初の接触で白式が爆発四散する

まで容赦なくコンボを続けるだろうよ。

 

何と言っても試合開始前に見せる関係者各位

からの熱い激励()の言葉が詰まったビデオ

レターまで用意したからな。

 

何故か全員病院のようなところに居て、

必死の形相で「良いか、真面目にやれ!」とか

「絶対に遊ぶなよ」って激励()してくれてる

んだぜぃ。

 

もちろん遊んだらリアルタイムで手術執行を

見せてやるし、自分もそうなると言う事を

理解させてやろう。

 

兵器を使った戦闘で遊ぶなど有り得ん。

そんな害悪に生きる価値無し。

それが軍人と言うものだ。

自分から望んでこの世界に入ってきた以上、

普段の生活に余裕や遊びはあっても、任務中

の怠慢は許さん。

 

ここまで追い込んだら喩え10代女子の

恋愛脳で対戦相手が織斑一夏でも、無駄な

会話や遊びはしないだろうさ。

 

人質とられた悲劇のヒロインっぽいけど、

こっちからの指示は「絶対に遊ぶな」と

「真面目にやれ」だからな。そうすれば

間違いなく勝てるから「絶対勝て」とは

言わせてないし。

 

それくらいはわかってると思うけどなー。

 

「だから束。最初の接触前に動くの禁止な」

 

「えぇ?!」

 

おいおい。ヤる気だったのかよ

 

「いや、だって、今のいっくんじゃ普通に

鎧袖一触だよ?三次元戦闘における自分の

間合いすら理解出来て無いから、近付いたら

そのまま刻まれて終わるんだけど?!」

 

だからだろうが

 

「凰准尉にソレが出来るかどうかの確認と、

織斑一夏に現実を教える為に必要なこと

だと思わんか?」

 

あのガキは自分のルーツを知らんとは言え

人生を舐めすぎだ。この世の中で男がISを

使うと言うことがどういうことか、身を

もって知る必要が有る。

 

「うーん。うーん。確かに成長には挫折も

必要だけどさー。一方的に負けて保健室

とかでちーちゃんに「俺、悔しいよっ!」

とか泣き言を言ってちーちゃんとの仲が

深まるのも・・・アレ?普通に良くない?」

 

「まぁ青春モノとしては有りだろうさ」

 

それにその辺の素人に負けるならまだしも、

今の段階で代表候補生に勝てるわけがない

と言うのは世間一般の常識だからな。

 

「負けても良い戦いなんて今後いつあるか

わからんのだ。負けを知るなら今が一番良い

タイミングでもある」

 

「あ~確かに。それにこれならいっくんの為

にもなるか。それで最初の接触が終わってから

コッチが動けば勝敗もあやふやに出来るし。

つまり公式には負けじゃない。更に姉弟の仲も

良くなる?あれ?コレ普通にちーちゃんに

感謝されるんじゃないカナ?カナ?」

 

奴の性格上素直にはしないだろうが、内心

では助かったって思うだろうな。

 

「ま、恨まれることは無いな」

 

「だよねー!態々嫌われる必要もないし!

それなら今回はいっくんに負けを経験して

貰おうじゃない!命拾いしたな貧乳!」

 

貧乳なぁ。何だかんだで認識はしてるみたい

だし、織斑と妹の敵として問答無用でゴミと

して潰されるよりはマシだろう。

 

「それで、イギリスのアレはどうした?」

 

「アレ?あぁあの生体兵器?キサラギが

特殊な分離器にかけるってさ」

 

「なるほどなー」

 

まぁ妥当なところだろうな。つか分離器

なんてあったのか?リムーバーとかは

有るけど、遠心って言葉を使わなかった

と言うことは別の理屈でヤるんだよな。

 

・・・外道スライムとか創るなよ?

 

「まったく、あんなのが有ると宇宙が汚れる

んだよ!そもそもイギリスの金持ち程度が

秘密裏にISコアを確保なんか出来るわけ無い

ってなんで気付かないんだろうね?!」

 

だよなぁ。世の中に500も無い兵器の

コアが行方不明などあり得ん。

 

企業連中だって表の顔は有るんだからな。

 

更に言えば個人が金を積んで得られる

モノじゃない。

そうだとしてもイギリスのオルコット家

程度の資産でなんとかなるわけもないし、

なんとかなっても、資産なんか吹っ飛ぶぞ。

 

つまりアレはイギリスがISで宇宙用兵器を

造るための第一歩だろうが・・・そんな

無粋な兵器を束が許すはず無いだろうに。

 

神の杖みたいなロマン兵器とは違うんだぞ?

 

アレだって束を説得するのがドレだけ大変

だったか・・・

 

「イギリスの問題は片付いた。フランスの

連中は監査員である弟子をどうするかで

頭を抱えていて、ドイツの人形は・・・

織斑一夏の暗殺が目当てで良いのか?」

 

「さあ?いっくんに何かする気ではある

だろうけど、ちーちゃんの知り合いだし?

何かしようとしたらちーちゃんが止める

だろうから、ソレでより一層いっくんと

仲良くなれば良いんじゃないかな!」

 

なるほどなー。なんでこいつがアレを

黙認してるか不思議だったが、そう言う

方向でモノを見てるのか。「とりあえず死ね」

じゃないとは、こいつも成長したもんだ。

 

「うわっ!何で急に頭を撫でるの?!

いや、嬉しいけど!なんか嬉しいけど!」

 

ははは、存分に撫でられるが良いわ。

 

 

――――――――――――――――

 

 

「いいか織斑。勝とうと思うなよ。

胸を借りるつもりで行け」

 

・・・・いや、この表現はセクハラに

なるか?うーむ。ISと言う兵器を使う以上、

パワハラは仕方ないかもしれんがセクハラ

はいかんよな。

 

しかも凰は胸にコンプレックスを抱いて

居るようだし。しまったな。今のは

教師としても女としても不適切だったか。

 

「勝とうと思うなってどういう事だよ!」

 

「そうです!そんな後ろ向きな考えでは

勝てるものも勝てません!」

 

コイツらは・・・未熟で現実を知らん

からこそ、こうなんだろうな。

 

「織斑。相手はお前の幼馴染みではなく、

代表候補生で冬林に所属する軍人凰鈴音だ」

 

土台が違う。経験が違う。技量が違う。

意識が違う。覚悟が違う。熱量が違う。

 

「えっと?どういうことだよ?」

 

「代表候補生だからオルコットと同じだと

思うな。オルコットは近接戦闘が苦手だし

無駄な会話や遊びがあったが、凰にそんな

隙は無い」

 

「・・・」

 

見ればわかる。少し前まであった甘さが

完全に消えている。

アレは冬林技研で地獄を見てきたんだろう。

スイッチがしっかり切り替わってる。

 

「良いか、まずは様子を見ろ。生半可な動きで

奴の間合いに入れば条件反射の域で繰り出さ

れる連撃で、何も出来ずに沈められるぞ」

 

今の一夏ではどうやっても勝てん。

ソレどころか同じ土俵にすら立てんな。

 

「俺じゃ勝負にならないって言うのか?!」

 

「そうだ」

 

それ以外に聞こえていたら私の言い方が

おかしいと言うことになるな。

 

「織斑先生、いくらなんでも一夏をバカに

しすぎじゃないですか?!一夏だって

今まで遊んできたわけではありません!」

 

「いや、遊んでいたも同然だ」

 

「「なっ!」」

 

根本的な理屈を理解していないから、一夏が

今までしてきた鍛練は基礎訓練ですらない。

 

オートマの車だって表面上の操作は

アクセルとブレーキとハンドルを回すだけ

だが、実際に運転が上手い人間はもっと

色々なところに気を使っているんだ。

 

ISがどれだけの部品と機能を有してると

思っているんだ?

 

コイツらはソレをどれだけ理解出来ている?

 

「オルコットだって自分の機体を理解できて

いないからBT兵器を完全に扱えて居ない

んだ。お前は白式の何を知っている?

高々1ヶ月で熟練の使い手にでもなった

つもりか?自惚れるなよ?」

 

厳しいかもしれんが、この先一夏が負ける

ことを許される戦いなど無いだろう。

今なら、ただのISを使える素人が代表候補生

に負けたと言うだけで済む!

男と言うだけで貴重なんだ。

下手な下駄を履かされて評価を無理やり

上げられてから梯子を外されるような事に

なる前に、素人として評価を定めてしまえば!

 

「・・・わかった」

 

「一夏?!」

 

よし、悔しいかも知れんが今の凰はお前を

遥かに越える修練をした上で遥か先に立って

居るんだ!まずはソレを自覚して、悔しさを

バネに・・・

 

「千冬姉に見せてやるよ!今の俺の実力をな!」

 

「そうだ!その意気だ!それでこそ一夏だ!」

 

いや、自分の実力を自覚して欲しいのだが

・・・これはしくじったか。

 

―――――――――――――――――――

 

出てこないのは整備不良?それとも

千冬さんから何か策を授けられてる?

 

・・・卑怯とは言わないわ。人脈も立派

な力だもんね。

 

それに私のすることは決まってる。

遊ばない。真剣にヤる。これだけよ。ソレが

一夏の為にもなるし少なくとも千冬さんは

しっかり意味を理解してくれるはず。

 

そうよ。大佐も言ってたじゃない。

一夏が普通に負ける事を許されてる

舞台は、今、ココにしかない!

 

他の試合は全部外部からの観客が入るから

その戦いぶりが見られちゃう。

未熟さも、拙さも、甘さも、全部が見られ

ちゃうのよ。

そうなったら一夏の立場はどうなる?

今現実を知れば、少なくとも甘さは消える。

未熟さも拙さも一夏がISに関わった期間を

知ればそんな意見は封殺できる。

だけど甘さはダメ!こんな環境ですら甘さが

残るようなガキが良い評価なんかされるはず

もないわ!

 

・・・一時的に恨まれてもかまわない。

それでも一夏を守れるんだから!

 

―――――――――――――――――

 

うん。リンちゃんは大丈夫だね。

焦らされても焦りも怒りもない。

 

「どうやら准尉は己のやるべき事を理解

出来ているようですね」

 

少佐も納得のコンディションだよね!

 

「はい。まぁあそこまで気合いの入った

ビデオレターを見ても真剣にならない

ならどうしようも有りませんよ」

 

実際鬼気迫る内容だったしなぁ。

 

「遊ぶなと真剣にヤれですからね。どれだけ

准尉が気分屋だったのか良くわかります」

 

ですよねー。あ、やっと来た。

 

「ようやくアホの織斑が出てきましたよ」

 

第三世代機・・・いや、3.5世代機の白式。

まさか倉持じゃなくて篠ノ之束が造った機体

だったなんて。

つまり倉持は私の第三世代機の制作より

全員でアレを解明することを選んだの?

その結果何もわからず、そのままロール

アウトして情報の収集に専念してる?

自分達で新しい機体を造ることも諦めて?

 

・・・情けない。ソレでも技術者か。

 

あんな奴等に私の造ったISを奪われる可能性が

あったかと思うと、腹が立つのを通り越して、

眼鏡から闇の炎が出そうになるっ!

 

「やはり雪片と言う単一にして一撃必殺の

力をもつ兵器の存在がアレの行動を未熟な

モノにしてますね」

 

あぁそうだ。今はアホの織斑の話だ。

 

「ですね。当たりさえすれば何とかなる

と言った感じで、未熟なアホの心の支え

にもなってます」

 

その代償として遠距離攻撃への無理解と

無駄に直線的な機動。まぁ機動自体は

無理をすればバレルロールくらいは出来る

だろうけど、そんなのは戦闘機ですら

出来ること。

 

ISの変態機動はそんなモノじゃない。

 

「つまり、准尉は織斑を越える技量で

もって回避し続けても、相手がその差を

理解できる水準ではないので無駄な特攻を

繰り返すわけですね?「諦めなければ

何とかなる」「当たれば勝てるんだ」と

自らを鼓舞して」

 

「そうなります。それが諦めないど根性に

見えて、見る人を楽しませることになる

のでしょう」

 

クソだね。技量の差とは積み重ねの差。

根性?そんなのみんな持ってるよ。

努力?そんなのみんなしてるんだよ。

友情?そんなの努力をするためのエッセンス

に過ぎないんだよ。

 

戦いは強い方が勝つ。この場合の強さとは

才能×装備×士気×熟練の度合い

 

才能があって装備がいくら良くても、熟練の

度合いが低ければ最終的な数値は低いまま!

 

勘違いのオルコットと違い、そんな薄い

覚悟と積み重ねがない技じゃ今のリンちゃん

の動揺は誘えない。

 

それ以前に食い下がることすらなく瞬殺

だよ!

 

何が超兵だ。アホの織斑が悪いわけじゃ

無いけど、そんなドーピングしたやつに

負けてたまるか!

 

もしリンちゃんがふざけた試合をして長引く

ようだったら、二人とも私が沈めて殺るん

だから!

 

・・・ついでに退学にもなれるかな?

 

少佐に迷惑は・・・まだかからないよね?

保護者がどうこう言われてるってことは

私は対外的には更識の人間だし?

 

中々良い案だけど、はじめからリンちゃん

を殺ることを前提にしたらダメだよね。

 

うん。失敗失敗。特尉失敗だよ。

 

「こうなると、最初の接触で准尉がどれ

だけの覚悟と自覚を持って居るかわかり

ますねぇ」

 

ですね。私が介入するとしたらその

後じゃないとダメですよねー。

 

「はい、つまりは無駄に長い時間を取られる

ことは無いでしょう」

 

最初の接触でシールドエネルギーをゼロに

出来れば、アホの織斑にやる気があろうが

秘密兵器があろうが関係無いですからね。

 

その選択を出来るかどうかが唯一の見所。

 

選択できなかったら・・・

 

リンちゃん?私たちを失望させないでね?

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「よう、リン。調子はどうだ?」

 

試合前の舌戦かしら?まぁ乗っても

良いわよね?

 

「・・・戦いに出た軍人に調子を尋ねる?

一夏、貴方は私を馬鹿にしてるの?」

 

試合前に少しでも時間があるなら一夏に

現実を教えてあげなきゃ。

 

「いや、馬鹿にしてるつもりは無いけどさ。

千冬姉に言われたんだよ!」

 

「千冬さんに?」

 

妙に興奮してるけど何を言われたの?

って言うかこの場で千冬さんがどう

とかっておかしくない?私を見なさいよ!

 

「あぁ、絶対に勝てないから、胸を借りる

つもりで戦えってさ」

 

まぁ当然のアドバイスじゃない?

 

「・・・そうね。その通りよ」

 

流石に千冬さん良くわかってる。

だけどひとつ大きな誤算をしてるわ。

多分私なら必要以上に一夏を追い込まない

で、近接戦闘に付き合うって思ってる。

そうじゃないと胸を借りるなんて言葉は

出てこない。

 

だけど私は胸を貸す気なんか無いわ。

一撃。いえ、最初の接触で終わらせる。

情けも容赦も無い。言い訳すら許さない

完敗を突きつけてやるのよ。

 

それが軍人としての凰鈴音と、幼馴染みと

しての凰鈴音に出来る唯一の優しさだもの。

 

「借りる胸なんか無いのにな?ははっ」

 

 

 

 

 

 

コイツ、今、ナンテイッタ?

 

 

 

 

 

「・・・」

 

 

 

 

 

・・・・・・落ち着きなさい凰鈴音。

 

 

 

アレは挑発アレは挑発アレは挑発アレは挑発

アレは挑発アレは挑発アレは挑発アレは挑発

アレは挑発アレは挑発アレは挑発アレは挑発

アレは挑発アレは挑発アレは挑発アレは挑発

 

 

 

私は軍人なの。挑発に乗って兵器を使う

ようなら螺旋頭と一緒じゃない。

 

怒るのは良い、だけど感情で動くな。

 

 

エモノはコロスべくしてコロセ!

 

 

 

「・・・シネ」

 

「えっ?」

 

――――――――――――――――――――

 

「・・・最低ですね」

 

あのアホ。男として、いえ、人として最低。

リンちゃんのコンプレックスを指摘して

何が面白いの?

 

「ふむ、凰准尉は胸にコンプレックスを抱いて

いましたから挑発としては悪くありません。

もしも准尉がこれに乗って隙を晒すようなら、

事故を起こす前に粛清すべきですね」

 

そ、そうだ。今の私は軍人なんだよ。

だったらアホの挑発に対しては女子学生

として感想を述べるんじゃなく、軍人と

して意見しなきゃダメだったんだ!

 

「じ、准尉は下を向いたまま動きませんが

アレは自らを律しているからですよね」

 

合図と同時に怒りで我を忘れて突っ込む

とか無いよね?!

 

「合図の前とは言え敵を前にして視線を

逸らすのはどうかと思いますが、まぁ

相手には近接戦闘しか有りませんからね」

 

うん。普通なら奇襲してくださいって

言わんばかりの行動だけど、今のアホには

近接戦闘しかないから奇襲は不可能。

 

「今の准尉なら間合いに入ったところで、

反射的に対応出来る程度の実力はあり

ますから、誘いかも知れませんよ!」

 

と、とりあえず良い方向に考えよう!

 

あとはその反射を抑えたり騙したりする

技術を身に付ける必要があるけど、

今回のアホ程度なら問題ないよね。

 

「あぁなるほど。あえて隙を晒して己の

間合いに入らせてからのカウンターですか。

無駄がない良い戦略ですね」

 

「そうですね。それなら准尉の動きや

機動の癖を読まれることもありませんし」

 

それなら後から映像資料を見ても、アホ

みたいに突っ込んでカウンターを喰らった

だけだから今後の参考にすらならないよね。

 

よし、アホを完膚なきまでに叩き潰せ!

 

「あぁそれと特尉」

 

「はい?」

 

何かな?何か命令でもあるのかな?

 

「試合開始の合図が鳴ったら、ISを起動させ

なさい」

 

「え?いや・・・了解です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんだか良くわからないけど少佐が

そうしろって言うならそうしないとダメ

なんだよね。

だって私は副官で特尉なんだから!

 




前書きの注意事項が多すぎ?
シカタナイね!

原作主人公は貧乳をからかったり
しな・・・してますね。普通に。

アレもセカンドが切れてなかったら本人の
中では冗談で終わらせてましたよね。

女子校で女子に囲まれてる環境であの
セリフが言えるのは異常ですよ?ってお話


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14話

乱入してくるなんてとんでもない奴だ。


オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


一夏、あの阿呆が!態々凰のコンプレックスを

指摘して笑い者にするだと?

ソレがお前が言う男として誇れる行為かっ!

 

いや、そもそもの切っ掛けは私か。くそっ。

謝罪と言うのは・・・嫌味になるか。

 

今の状況では私が説教しても逆効果にしか

ならんし。

他の生徒に説教させるのも凰にとっては

屈辱的なことだろう。

 

はぁ・・・頭が痛い。まぁいい。

とりあえず試合開始だ。

 

負けるのはわかってるが、少しでも凰の

技術を肌で感じてくれれば・・・

 

「先輩!いえ、織斑先生!観客席にIS反応です!」

 

「何?対象は誰だ!」

 

開始の合図と同時にISを展開だと?観客席

だと専用機持ちか?

 

「さ、更識簪さんです!1年4組の!隣には

司馬さんが居ます!」

 

「更識簪だと?!」

 

どういうことだ?冬林に所属するために退学

届けを出しているのは知ってるが、その為か?

いや、それなら別に今、このタイミングである

理由がない。

何故このタイミングでISを展開する必要がある?

 

冬林の指示で一夏を殺る気か?いや、それなら

普通に暗殺するだろう。何だ?何が有る?

 

「行けっ!一夏!そんなヤツ切り捨てろ!」

 

箒?いや、切り捨てるだと?様子を見ろと

言ったろうが!コイツらは観ることの

意味すら知らんと言うのか?!

 

『行くぜぇぇぇぇ!』

 

行くな!

 

『・・・はぁ』

 

 

―――――――――――――

 

「・・・はぁ」

 

あまりの阿呆さ加減に思わず溜め息が

でちゃったけど「真面目にヤって無い」って

ことにならないわよね?!

 

・・・と、とりあえず何も言われて

ないから大丈夫そうね。

真剣に、気を引き締めて行くわよ!

 

で、一夏の予測軌道は正面から真っ直ぐ?

視線や制動から回避パターンは・・・無し。

 

コッチの攻撃はマシンサポート無しの勘で

避けるつもり?舐めすぎよね?

 

狙いは上段からの切り落とし。受けたら

雪片の防御貫通で大ダメージで避けたら

当たるまでヤる?右手の力みから両手を

利き腕のように使えるわけじゃない。

 

・・・強化したハイパーセンサーって

本当に凄いわ。いえ、コレが本来のISの

能力なのよね。音速どころじゃない、宇宙

速度に対応するためのモノなんだから。

 

あとは使い手が反応出来るギリギリまで

出力を解放すればこうなるか。

 

一夏、音の世界で満足してる貴方に教えて

あげるわ。

 

そんなの生身だって超えられるのよっ!

 

『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!』

 

何の技も事前の崩しも無い、勢いだけの

上段なんか当たるかっ!

 

『なっ避け?!』

 

避けただけじゃないわよ!回避は攻撃の

予備動作!受けなさい!

 

『攻撃とはこうやるのよっ!!』

 

コレで終わらせる!死角からの連撃を

喰らえっ劣化超級武神覇斬っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ、間に合わないかも?ま、いーや!

行けっ!ごーとぅーへーるだよ!』

 

―――――――――――――――――

 

『なっ?避けっ・・・』

 

「馬鹿がっ!」

 

あんな見え透いた攻撃が当たるものか!

しかも避けられたことに驚く暇など

有ると思っているのか?!

 

『えっ?!ぐぉっっ?!』

 

「一夏?!」

 

終わった。死角からの一撃で最初に脳を

揺らされた。もう一夏にはまともに戦う

ことなど・・・

 

何?連撃?!しかも上から下に叩きつける

ような形で吹き飛ばないように一夏の体を

大地に固定している?

更に闇雲の一撃が当たらんように雪片を

持つ右手を先に破壊?!

不味い!手加減はしているようだが、

アレでは経験など何も得られないまま

終わってしまう!

 

『織斑先生!上からエネルギー反応っ!』

 

そうだ!試合より更識の行動を考えねば

ならなかったのに?!

 

しかし上だと?更識が何かしたと言うわけ

では無いのか?

 

「上に何が居るか確認を急げ!

それにエネルギー反応と言うことは

狙撃か?ならばバリアが・・・何っ?!」

 

破壊された?!一瞬で?!着弾点は・・・

アリーナ?不味いっ!一夏っ!

 

―――――――――――――――――

 

 

「少佐っ!」

 

IS学園に侵入者?それもバリアを貫いて

正面からの奇襲?!

私にISを展開させたのはコレが理由?!

 

「ふむ、こうも簡単に正面からの奇襲を

受けますか。見たところ特にステルス性能

も無いようですが・・・どう言うことです?

いや、単純に油断慢心でしょうか」

 

うわぁ流石司馬少佐。普通に監査員としての

仕事してるよぉ。いや、緊急時の対応も

重要な監査対象ですけども。

 

「特尉もアレに気付いて居ませんでしたから、

コレは単純に無能と言うよりセンサー類の

リミッターの問題ですかね?」

 

あぁ、司馬少佐は最初から上空に不審な

アレが居るってわかってたんですね。

 

「恐らくはそうです。私もまだ完全に解除

は許可されてませんから」

 

本来ISの機能は宇宙と言う広大な空間に

対応する為のモノ。

特に各種センサーの性能は速度なら最大

第三宇宙速度まで対応できるし、距離も

地上から月までは対応出来る。

 

あとは使い手が発狂しないレベルまで機能を

解放すれば良いだけ。一昔前ならセンサー類

だけでも世界が取れる機能だよ。

 

少佐はどこまで解放してるかわからない

けど、少なくともIS学園の設備よりは上

なんですね。

 

IS学園側としては観測員の単純な見落しか

機械の性能不足。

 

コレで世界有数の防御能力を誇るんだから

世界がどれだけ使えないかって話だよね。

 

所詮篠ノ之束の造った機械を掠め取って

使ってるだけの三流ども。

 

「まぁリミッター云々は個人でやるからこそ

の問題です。機械の補助と組織で動く観測員

には然程関係ありません。つまり制限解除を

知らないか出来ないかと言うことになります。

結局連中が無能なことは変わりませんね」

 

「そうですね。世の中は結果がすべて。

こうして侵入された以上はその評価を

粛々と受け入るべきでしょう。

大体予告してからテロを行うテロリスト

など居ませんから、観測員は常に緊張感を

持って日々の職務に当たらねばなりません。

その上でこの醜態なら・・・予算の無駄です」

 

つまりは学園側の人員の無能さが証明された。

教員、事務員、観測員、警備。そのすべてが

世界トップクラスの一流と自称していたIS

学園が。ソレに協力している更識も。

 

情けないなぁ~。コレが世界のトップなの?

改造も改良もコピーすら出来ない技術者に

満足に使いこなせない使い手たち・・・

コレじゃあ篠ノ之束だって関わるのを止め

て行方を眩ますよ。

 

「それに奇襲を許しただけでなく、システム

にも干渉されてますね。なんたる無様」

 

え?あ、本当だ!私が仕込んだハッキング

システムも無効化されてる!

 

「えっと、バリアを破られた衝撃に驚いて

いる隙に浸入したのでしょうか?」

 

それともアノ黒いのを基点にハッキング

してるの?

 

「違いますね。今、普通に防壁を貫いて

ハッキングしたのですよ」

 

「・・・正面からのハッキングですか」

 

度重なる失態。だけど、コレは相手が悪い?

 

正体不明のISに、こんなハッキング技術を

持ってる人間なんか一人しか居ないよね?

 

「では篠ノ之束の目的はなんでしょう?」

 

「ほう、コレだけで兎の存在に気付きますか。

流石特尉です」

 

褒められるのは嬉しいんですけど・・・

 

「いや、気付かない人って居るんですか?」

 

ソレ以外無いよね?

 

「この学園は無駄に敵が多いですからね。

理事長のように心当たりが多いと特定に

時間がかかるのですよ」

 

「なるほど」

 

そう考えたら、学園側にしてみたら私たちも

容疑者になる可能性も有るんだよね?

 

そうやって無駄にリソースを割いた結果が

中途半端な防諜に中途半端な防御か。

 

「それで、兎の狙いですが」

 

「はい、態々今日を狙って仕掛けてくる

理由がわかりません」

 

今日は事故が無いように教員もISを纏って

待機してるよね?そんな警備の中に侵入?

 

挑発かIS学園の防御能力の確認?

 

「試合を壊すことと私の命ですね」

 

「はぁ?!」

 

試合を壊す?そんなことして何が?それに

少佐の命?!てっきり篠ノ之束は冬林技研で

確保してると思ってたのに?!

 

「とりあえず凰准尉に全力戦闘の許可を。

負けたら特尉が回収しなさい」

 

「あ、はい」

 

い、命を狙われるのに馴れてます?

 

「当然です。実際今まで私の暗殺に失敗して

滅んだ組織が多すぎましてね。今やフリー

の人間・・・さらにマトモに情報収集も

出来ない阿呆しか暗殺依頼を受けないんです」

 

嘆かわしいことですって言ってますけど、

アレですか?司馬少佐にしてみれば暗殺は

緊張感を保つための訓練か何かですか?

 

「私だけでなく周囲の護衛の訓練でもあります。

ちなみに唯一暗殺に失敗しても生きてるのが

兎ですよ。アレは師も認めてますからね」

 

「え"大佐殿が?いやいやいや、大佐殿は

司馬少佐の婚約者なんですよね?」

 

愛することは壊すことなんですか?!

 

「細かいことは先程師から送られてきた

データを確認なさい」

 

「あ、はい」

 

ほぇー。ハッキングやジャミングされてて

もちゃんと情報の受け渡しが出来てるん

ですねぇ。では確認をさせて貰いますか。

 

 

( ̄Д ̄)

 

 

またアホの織斑かよっ!

 

――――――――――――――――――

 

 

更識がISを展開したのはコレが理由かっ!

 

「先輩っ!システムがハッキングされてます!

防壁が全部閉じました!」

 

「なんだと?!」

 

生徒が閉じ込められた?!

 

いや、この場合は教員による援護を封じたと

言うことか!

 

更識はいつ気付いた?元々知っていたと

言う線は・・・ある。だが、それなら

ISを展開しただけと言うのはおかしい。

 

攻撃なり防御なりするのが普通だろう。

司馬が何かしたか?

いや、更識が司馬の側を離れないのは護衛の

為だ。自分で何かをしたなら更識も動かす。

 

つまり、この侵入者は司馬の敵?では

犯人は束では無いのか?

アイツにとって冬林技研の人間は同じ夢を

追う仲間であり同士。

その実質的なトップの司馬を襲うことは

無いだろうし、教頭の婚約者を狙ったら

アイツでもただでは済まん。

 

しかしIS学園に正面からの奇襲を仕掛け、

さらにシステムにハッキングを仕掛ける

阿呆が束以外に居るのか? 

 

そしてこの介入のタイミングは何だ?

 

それに現場には一夏がっ!くそっとりあえず

生徒の安全を最優先だ!

 

「凰、聞こえるか?!」

 

『聞こえてます。状況どうぞ』

 

流石に軍人としてスイッチを切り替えてる

だけのことは有る。

今の凰なら戦力の1つとして数えても大丈夫

だろうな。

 

―――――――――――――――――

 

千冬さんの声は聞こえてるけどさぁ。

焦りすぎじゃない?高々侵入者一体よ?

生徒を護るために普通にアリーナと繋がる

防壁を降ろして、教師が出てきてフクロに

すれば終わりでしょ?

 

それなのにハッキングを解除して生徒の

避難と教師が来るまでの遅滞戦?

 

いやいや、避難の邪魔をしてる中の防壁を

何枚か壊せば良いだけでしょ?

生徒の避難って言ったってただの女子校

じゃ無いんだから、緊急時の対応くらい

キチンと出来るわよ。上級生も居るでしょ?

 

あ、それとも修繕費用とか考えたら簡単に

は出来ないか。

なんたって天下のIS学園だし?

侵入者にあっさり侵入されました。

ハッキングもされちゃいました。

どうしようも無かったんで壁を壊しました。

すぐに修繕するので予算下さい。

なんて言えないわよね?

 

・・・バカじゃない?自分達に面子に

拘るだけの価値があると思ってるの?

 

いくら千冬さんが弟魂でもねぇ。余裕を

無くした指揮官に従う気は無いわ。

 

まぁ結果的に遅滞戦にはなるだろうから、

後から文句も言われないかな?

 

これなら司馬様から届いた命令を確認する

方がよっぽど大事よね。

 

え~何々?

 

 

 

(ФωФ)

 

 

いや、試合を潰すのはわかるけどさ。

一夏の立場を守るためでしょ?千冬さん

が篠ノ之束に依頼したのかしら?

 

なら千冬さんの焦りは擬態?それとも

こんな方法で干渉してくるのは想定外?

 

どちらにせよ茶番ね。

 

理想は私たちが苦戦したところを一夏が

倒すことで、一夏の評価を高めようとした?

 

いや、実力も無いのに評価だけ上がったら

ダメでしょ?

流石は篠ノ之束。技術者の極みはやっぱり

HENTAIなのね。人の機微がわかってない。

 

それから司馬様の殺害ね。中国の本部に

居たときから副所長さんが司馬様には程よい

刺激になるって言ってたもんね。

 

そりゃそうよ。本人や千冬さんが来るなら

ともかく、人形じゃ司馬様には勝てないわ。

どんなに頑張っても刺激止まりよね。

 

あとは司馬様と言うよりは周囲の人間に

緊張感を持たせる為のモノなのかも。

 

あぁ、一応バリアを破るくらいの出力が有る

攻撃が出来るくらいだから、一撃の重さが

今回の刺激になるなのかしら?

 

それとも私や簪の戦力調査?少なくとも、

アレはその辺の生徒や今の一夏なんかよりは

よっぽど強そうだけど。

 

『司馬少佐の権限により、甲龍の全武装の

使用を許可します』

 

あぁ~やっぱりそっちだったか。

ついでのように全力戦闘の許可も出てるし。

 

とりあえず一夏に対しては真面目にヤって

実力の差を見せつけたってことで、関係者

各位は無事に解放されたみたいね!

 

これで肩の荷()が降りたわ!

 

あとはコイツを普通のイレギュラーとして

処理すれば良いのよね?

 

目的からすればコイツは一夏を狙わない。

 

だから私が一夏が寝てる方向にさえ行かな

ければヤるのは普通の一騎討ち!

 

それなら機械人形なんかに負けてられない!

 

さぁ行くわよっ!

 

 

 

 

 

 

 

『遅滞戦?別に倒しても良いのでしょう?』

 

 

――――――――――――――――――

 

『GAAAAAAA!』

 

左、上段降り下ろしからの

右、胴回し回転蹴り。

 

『GAAAAAAA!』

 

続けて右裏拳で距離をあけつつ

左でチャージしたビーム?兵器。

 

『GAAAAAAA!』

 

流れるような動きで無駄が無いけど、

無駄がないからこそ避けやすい!

 

「左手先端部。貰うわ!」

 

『GAAAAAAA!』

 

さっきから同じ言葉?ばっかりじゃない

もう少し機械音声にも拘りなさいよ!

 

残る武装はバリアを貫いた右のビーム兵器

よね?まぁ肉弾戦もあるけど、これだけ

なら特に問題ないわ!

 

『GAAAAAAA! 』

 

右の直突き!

確かに早いけどねっ!

 

『GAAAAAAA!』

 

左の・・・ジャブ、のつもり?

軽いっ衝撃砲で逸らす!

 

『GAAAAAAA!』

 

蹴りも早いけどね!

重心がズレてんのよっ!

 

『GAAAAAAA!』

 

連撃も早いだけで緩急がない!

威力が強い単発は虚実がない!

 

簪や司馬様に比べたらこんな単調な攻撃

じゃ、怖くも何とも無いわよ!

 

『GAAAAAAA!』

 

防御力も高いみたいだけど、流石に

武装を備え付けた先端部分は脆いわね!

 

『このまま削りきるっ!』

 

 

―――――――――――――――――

 

ふっ、遅滞戦では無く倒すなどと言った

ときは自惚れかと思ったが、流石に強い。

 

「ファ、凰さんはここまで強かったんですね!」

 

山田君が驚くのは良くわかる。

 

第三世代機として単純なスペックが違うと

言うのも有るが、凰は予想以上に機体の

理解度が高い。

アレには楯無とて楽勝とは行かんだろうよ。

 

「山田君、ハッキングと生徒の避難状況は

どうなっている?」

 

見惚れるのは構わんが、本来アイツは私達が

守るべき生徒。

一人で戦わせる訳には行かんよな!

 

「は、はい、防壁は一部開放し生徒は順次

避難してます!ただ更識さんと司馬さんは

その場を動いていません!」

 

「更識と司馬が?」

 

動かない?何故?生徒の命に値段をつける気

は無いが、司馬も更識も国家の宝とも言える

人材だぞ?とくに司馬は監査員。

優先的に避難させねばならない対象だ。

 

「こ、個別に避難勧告をしますか?」

 

緊急時に生徒を特別扱いするのは避けたいが、

いや、そう言うことか?

 

「必要無い。あの二人はあそこに残ることが

一番安全だと判断したのだろう」

 

非常時におけるIS学園の対応についての

監査もあるだろうがな。しかしコレは

流石に・・・十蔵さんの胃がもたんぞ。

 

――――――――――――――――

 

「司馬少佐、避難はどうします?」

 

この場に居るよりは避難した方がよさそう

なんですけど。動く気配が無いんですよね。

 

「必要ありません」

 

ですよねー。

だけど今後のためにもその判断の

根拠は聞いておいた方が良いよね。

 

「凰准尉が勝つからでしょうか?」

 

まぁ負けても司馬少佐が自分で動けば

瞬殺出来る相手だからって言うのも

あるだろうけどね。

 

「勝ち負けと言うより、暗殺に対する

心構えの問題ですよ」

 

「・・・暗殺に対する心構え。ですか?」

 

ま、不味い!もしかしたら暗部の常識

みたいなのが有るんじゃない?

ソレを知らないなんて、コイツ大丈夫か?

とか思われたらどうしよう!Σ(ノд<)

 

――――――――――――――――――――

 

ふむ、暗部向けの性格ではありませんし

家業から離れていたからわかりませんか。

 

まぁまだ若いのですから知らないことを

叱責するより、噛み砕いて教えるのが

正しい上司と言うモノでしょう。

 

「特尉、私が一般の生徒と共に避難した場合

暗殺者はどのような行動をとりますか?」

 

特尉ならコレだけでわかると思いますけどね

 

「暗殺者ならですか?・・・あぁ他の生徒に

紛れての暗殺か、他の生徒ごと爆破しますね」

 

「正解です。コレをヤられた場合、私や

特尉は無事でも他の生徒が死にますからね。

周囲を煽り社会的に殺そうとするのですよ」

 

自分だけ助かるように動いた!とか

何で他の生徒を助けなかった!とか

そもそもお前が居なければっ!とか。

 

「本来なら暗殺者とソレを雇ったモノを

非難すべきなのにその矛先をこちらに

向け、感情論でもって反論を封殺し、

社会的な圧力をかけてくるわけです」

 

兎が社会学にまで手を伸ばしてきたのは

意外ですが、残念ながらまだまだ甘い。

 

「なるほど。マスゴミは元より、感情的な

10代女子の思考を操るなんて簡単に

出来ますよね」

 

この場合面倒なのは学生ですね。口封じ

するにも世間の目を気にする必要が

ありますから・・・普通ならね。

 

「えぇ。そう言うことです」

 

そもそも教師ですら我儘な小娘ですから、

ハッキリ言って政治的には駒にすらなり

ません。

 

暗殺者云々述べましたが最終的な兎の狙いは

私が我先にと避難したら、これ見よがしに

動画やら何やらを作って師に見せて私の

評価を落とすつもりなんでしょう。

 

誰が引っ掛かるか。

 

「つまり下手に避難すれば逆に暗殺され

やすくなる。対してこうして堂々として

いれば、相手は隠れて無い司馬少佐を

暗殺する為に自分も表に出て来なければ

ならないんですね?」

 

真面目に暗殺について考えてますねぇ。

まぁ護衛とすればソレが正解なんですけど。

 

「そうなります。まぁ私の認識範囲外からの

狙撃と言う手もありますが、その場合

相当な距離がありますからね。

着弾までの間に対処出来てしまいますので

狙撃はお奨めしませんよ」

 

神の杖のような攻撃なら有りかも知れま

せんが、その場合は私個人の能力云々

では有りませんからね。普通に司馬家や

師が動きますから。・・・実際イギリスが

なんか宇宙用兵器を造ったけど潰され

ましたからねぇ。

今ごろ連中も機業も大慌てですよ。

 

「確かに。最終的に暗殺者の第一手目は

あぁやって正面から来て、司馬少佐を動か

そうとするってことになるんですね?」

 

「えぇそうです。だから動かないのが正解

なんですよ」

 

理解が早くて助かります。流石に現場の准尉

はそこまで考えていませんが、まぁ彼女は

あくまで兵士ですからね。

 

「なるほど、わかりました。しかし

准尉は中々良い戦いをしますね。スペック上

負けてるようですが、武装と体の使い方が

昨日までとはまるで違いますよ」

 

「そうですね。アレは訓練で産み出すのが

難しい、命懸けの戦いの中でのみ作られる

緊張感の中に身を置くことで己を追い込み、

ソレに順応と抵抗をすることで加速度的に

成長しているんですね」

 

准尉は気分屋だし、実戦で己の蓋を破る

タイプの人間ですからね。

まぁどんな人間でも土台さえ作れば後は何処

でも何でも積み重ねて勝手に強くなることが

出来るんですけど。

 

「ミックスアップ!・・・とは少し違います

けど、そんな感じですね!」

 

「アレは互いのレベルアップですが、今回は

准尉が一方的にレベルアップしてる形です。

結果として、特尉が言うように微妙に違います

が感覚的には一緒と言っても良いでしょう」

 

それにアレと准尉は上手く噛み合って

ますから、良い感じで成長してますね。

 

ふむ。今後はあの速度域での鍛練が可能

ですか。これは生身の場合での認識能力の

成長度合いも測る必要がありますね。

 

「それでも特尉には届きませんが、今後は

一方的に叩き潰すと言うのは難しくなり

そうですね?」

 

「そうですね。生身ならまだまだ楽勝なので

しょうけど、ISを使った戦闘だと少し苦労

することになりそうです。良い訓練相手が

出来て嬉しいですよ」

 

うむ、良く現状を理解出来てますね。

これからも二人で競いあって成長して欲しい

ものです。護衛と国家代表候補生が無能では

困りますからね。

 

さて、今回の報告書について理事長との

打ち合わせをしなければなりませんか。

 

「あれ?し、少佐、あの。あちらを御覧下さい」

 

「特尉?あちらとは・・・いや、アレは何を

するつもりなんですかねぇ?」

 

アレは兎の妹ですよね?確か管制室に居た

はずですが、避難もしないで放送室って。

 

自衛手段もない姉頼りの勘違いの阿呆が

一体何をするつもりなのやら。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

これは・・・このまま教師を突入させたら、

凰のリズムが崩れて救援どころか逆に足を

引っ張ることになるな。

 

「織斑先生、今の状況ならこのまま凰さん

に任せた方が良くないですか?」

 

山田君も気付いたか。確かにこのままでも

勝てるし、何より今の凰は自らの殻を破って

急成長している最中だ。

 

コレを邪魔したら教師ではない。

 

だが生徒に危険な相手を任せて居るのも事実。

手を出さない方が凰の為になるんだが・・・

 

「そうだな。凰の集中が切れた時に備えて

教師陣は待機だ。何時でも行けるように

この映像はリアルタイムで転送するように」

 

いくら優勢でも凰はまだ学生だ。何かの拍子

で崩れる可能性も有るからな。

 

「了解です!」

 

さて、あの速度域での戦闘が当たり前に

出来るなら、この勝負は揺らがん。

 

生意気な小娘が大きくなったじゃないか。

 

よし、私は後始末の準備を行うとしよう。

 

・・・報告書の作成前に司馬との調整が

必要だろうが、その調整は誰がするんだ?

 

わ、私は無理だぞ!

 

「せ、先輩っ!あちらをっ!」

 

ん?まさか凰が崩れたか?いや、山田君が

示しているのはアリーナではない。

 

え?放送室?

 

「・・・は?いや、いつの間に?と言うか

ヤツはあそこで何をするつもりだ?!」

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『立て!一夏ぁ!男なら・・・男なら

その程度の敵に勝てなくてなんとするっ!』

 

 

 

 

 

『『「「「はぁ?」」」』』

 

 

 

 

 

 

『・・・おうっ!お陰で目が覚めたぜ。

リンっ!今まで一人で戦わせてすまなかった!

俺も戦うぞっ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『「「「はぁ?」」」』』』

 




拙作は茶番告知システム搭載作品です

こいつ、巨乳と兎の妹ってことしか
取り柄が無いんじゃ・・・


公式では一番の巨乳が山田先生で
Eカップなんだってさ。

おい原作者。童帝にも程があるぞ!ってお話


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15話

ランキング?どういう事だ?
いや、え?何故?評価値おかしくない?


オリ設定!
オリ展開!

イッチー大活躍!

嫌いな人は読み飛ばし!



『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』

 

あぁもうっ!一夏が!邪魔っ!

せっかくコイツの動きや間合いを

掴んで、速さにも対応出来てきたのに!

 

『リンっ!危ないっ!』

 

危ないのはアンタが居るせいだからね!

 

下からの左前蹴り!見えてるのよって

・・・遅いっ!振り抜いた先に一夏

が居るから、同じ姿勢で同じ技なのに

速度がズレるっ!

 

「あぁぁもうっ!一夏邪魔!下がってよ!」

 

一夏のせいで敵の動きに緩急が

出来てるのよ!

 

『何言ってんだ!一人で勝てるわけ無いだろ!』

 

うがぁぁコイツ!何も理解出来てない!

さっきまで一人で勝ってたし!

 

そもそも一夏と連携訓練なんかしてないし、

実力が違うから邪魔にしかならないのっ!

 

『一夏!油断するなっ!』

 

何が油断よ!一夏の実力なんてこんなモン

でしょうが!

今だってコイツが手を抜いてるから生きてる

だけでしょ?!

 

私に対する攻撃の重さとか早さとか連撃の

回転とかと比べて全然違うじゃない!

 

ハイパーセンサーが無いから気付かないの?

そもそも何でアイツは普通に放送室に居るのよ!

 

『おう!俺たちの戦いを良く見ておけ!』

 

俺たちぃ?もうコレ何とかしてよ!

学校の教師はどうしたの?もうとっくに

準備できてるでしょ?さっさと介入してっ!

 

せめて一夏を外に叩き出してぇぇぇ!

 

『ふっ、お前の勇姿を見せてもらおう!』

 

・・・・・・

 

コイツら絶対私の邪魔する為に居るよね?

 

『行くぞリン!俺たちの力を見せてやろう

じゃないか!』

 

アンタの力はさっき見たわよ!

っていうか何で上から目線なのよ!

 

もうやだ!帰りたい!簪とアホな映画

見て頭を空っぽにしたい!

 

「司馬様ぁー司馬様ぁー!もう無理です!

助けて下さいよぉー!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

うん、リンちゃんからの泣きが入ったけど

気持ちは良くわかるわ。

 

助けて上げたいのは山々だけど、少佐の

意見はどうなんだろ?

 

「・・・少佐、アホの織斑が無駄にやる気を

出してますけど。コレってどうします?」

 

いや、何なの?熱血モノ?それにしても

酷いんじゃない?

リンちゃんの邪魔になってるのが何で

分からないかな?

 

「まぁ、兎的には有りかも知れませんが。

准尉には邪魔以外の何者でもありませんね」

 

ですよねー。でもココで思考停止しないで

コレをどう利用するかを考えるのが

出来る副官の仕事だよね!・・・利用かぁ。

 

アホの使い道って生贄以外何かあるかなぁ。

 

「特尉。阿呆は単一で見るのではなく、

集団の一部として見るのですよ」

 

ほむ・・・なるほど。

 

「集団の一部・・・つまり阿呆を抱え込ん

でる連中の弱点として活用すると?」

 

この場合はIS学園ですよね?

 

「そうです。阿呆は単純に投げ捨てるモノでは

ありません。敵に向かって投げ捨てるのです。

今回は阿呆の正しい使い方を見せますので、

よく学ぶように」

 

「ハイッ!」

 

流石司馬少佐!少佐くらいになると産廃モノの

阿呆も有効活用出来るんですね!

 

「あぁ、それと介入の用意を」

 

「あ、はい!・・・アホのせいで准尉の

リズムが崩されましたもんね」

 

よかったねリンちゃん。少佐にもちゃんと

助けるつもりがあったよ!

 

それにしてもあのアホども。

黙ってれば勝てたのに余計なことを!

 

「そうですね。ただ、この程度で負けるのが

今の凰准尉の実力と言うことです。

変に慢心されるよりは良いと思いましょう」

 

「ですね!」

 

これから先、何があるかわからないから

こう言う状況でもきっちり勝てるように

鍛えてあげるよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あのバカ・・・今更何をしているっ!

 

連携訓練も何もしていない素人が加わった

ところで凰の邪魔になるとわからんのか!

 

「先輩!司馬さんから回線です!」

 

「回線?・・・そうか。こちらも凰に連絡が

取れるくらいだもんな。よし、繋いでくれ」

 

嫌な予感がする。とてつもなく嫌な予感が

するが、まさか拒否するわけにも行かん。

 

『こちら監査員の司馬です。音声は

正確に届いてますか?』

 

・・・学生の身分でなく監査員としてか。

コレはもうアレだ。本来は私の管轄

ではないが、現場指揮官として応えねば

まずいだろうな。

 

「こちら織斑です。監査員殿の音声は正常に

届いております」

 

なんの用でしょうか?だの忙しいからさっさと

用件を述べろ!などとは絶対に言えん

・・・こんな状況でわざわざ入れてくる連絡だ。

 

おそらく相当厄介なモノ。ヘタに省略など

されては要らぬ言質を取られるからな。

 

具体的にはアンタが省略しろって言ったん

じゃないかって感じになるだろう。

 

『結構。これより監査員として織斑教諭を現場

指揮官として認め、いくつかの質疑を行います。

この内容は記録され、後日IS委員会で開催

される査問委員会においての公的な資料と

なりますので、明確な返答を期待します。

許可のない発言や、質疑に無関係な発言は

控えるように。

尚、質疑について3秒以上の無言は肯定と

みなしますのでコレを了承するように。

・・・よろしいですね?』

 

査問委員会だと?!何をする気だ?!しかも

三秒?いや、確かに監査員や査問官が相手に

時間を与えるはずがないのは知っているがっ!

 

『1・2・3。肯定したと見做します。

ではこれより質疑を行います』

 

「え?ちょ、ま、待てっ!」

 

今のも質疑になるのか?!

 

『許可のない発言は認めません。が、一つ教え

ましょう・・・監査員が監査対象に「待て」と

言われて待つようなことはありません』

 

そ、それはそうだろうが!

 

『では尋ねます。あの正体不明の機体は

IS学園に関係する戦力ですね?』

 

・・・は?何の話だ?何を言っている?

何故ココでそんな結論が?

 

「先輩っ!ダメです!」

 

「あっ!」

 

しまった!

 

『3。肯定と見做します』

 

やられた!司馬は最初からコレが狙いかっ!

 

しかも卑怯でも何でもない!最初から無言は

肯定だと告知してきていたし、待つことは

ないと説明も受けていたではないか!

 

その上、イエスかノーの二択に対して無言。

これではまさしく肯定と同じ・・・

 

『それでは質疑の続きの前に、待機している

教師陣の手で持って現在凰鈴音の邪魔を

している、織斑一夏の戦域からの排除を

求めます。この行動を60秒以内に行わない

場合はIS学園による監査活動に対する明確な

妨害行為と見做します。よろしいな?』

 

「・・・了解です」

 

コレは考えるまでもない。素人をテロの

現場に残すなどありえんからな。

 

「山田君。織斑に撤退の指示を。それと

教師陣に織斑を隔離するよう通達を」

 

「はいっ!」

 

山田君も今の状況の不味さに気付いたな。

ヘタに異論を唱えようものなら、ソコから

全てを持っていかれる!

 

つまりこの質疑は我々の自作自演を

疑うモノで、ソレを確定させる場か!

 

くそっ!十蔵さんですら勝てない政治の

化物と、こんなところで戦わされるとは!

 

『結構。では質疑を続けます。

篠ノ之箒を放送室へ向かわせたのは

凰准尉に対する妨害行動の為ですね?」

 

「ち、違う!」

 

そんなはずがあるかっ!

 

『では『立て!一夏ぁ!男なら・・・男なら

その程度の敵に勝てなくてなんとするっ!』

とは何でしょう?織斑一夏を気絶させたのは

中国の国家代表候補生である凰鈴音ですが?』

 

くっ!

 

「そ、それはあの正体不明機で・・・」

 

『私はアノ機体はIS学園が男性操縦者の

敗北をうやむやにする為に出した戦力だと

判断しています。

その証拠に織斑一夏に対する攻撃は凰鈴音

への攻撃に比べて遅く、鈍く、軽い』

 

「なんだと?!」

 

そんなことを質疑をしながら観測して

いるだと?そんなことが可能なのか?

 

「・・・先輩、本当です」

 

ま、まさか・・・いや、山田君がこの状況

で私に嘘を言う必要がない。しかもコレを

仕掛けたのが束ならその可能性がある!

 

『さて、ソレを踏まえた上で問います。

その程度の敵とは誰でしょう?

勝てないとは誰に?あのまま戦っていたら

協力者が負けるから織斑一夏に邪魔を

させて凰鈴音のリズムを狂わせたのでは

ないのですか?』

 

い、いや、それは!

 

『さらに彼女は貴女方が特別扱いをして

本来立ち入り禁止区域である管制室に

居て試合を見ていたはず。

私も試合開始前に上空に不審な物体が

飛翔しているのを確認していましたが、

世界有数の設備とスタッフを誇る管制室で

観測出来ていないはずがありませんね?」

 

「ち、違う!」

 

観測など出来ていなかった!だがソレを

認めればスタッフの無能の肯定・・・

どちらにせよ介入されるっ!どうしろと

言うのだ!

 

『イエスかノーの質疑において、それ以外の

返答は無言と同意です。3。肯定と見做します』

 

くっ、ダメだ!この状況はすでに司馬による

独壇場!今更十蔵さんが出てきても

どうしようもない!後日の査問委員会で

「あくまで現場指揮官である私が間違えた」

という形で持って行くしかないのか・・・

 

『つまり試合をうやむやにするタイミングで

あの機体で試合場へ突入を行い、織斑の負け

の判定を消した。

そして凰鈴音の戦力調査とあわよくば監査員

である私の協力者の戦力を減らすために、

凰鈴音に対して遅滞戦闘を指示した』

 

「そのようなことはしていない!」

 

「先輩?!」

 

反論すれば潰されるのはわかってるが、

ここまでこじつけされて黙っていられるか!

 

『ならば緊急時に所属不明機の排除より

防壁を破壊せずに、開錠を優先したことに

対する意図は何ですか?教師が出ずに

学生に遅滞戦をさせる意図は何ですか?』

 

「くっ!」

 

予算や学園の面子などとは言えん・・・

 

『さらに本来なら避難誘導を行いアリーナ

から人を遠ざけねばならないのに、ワザワザ

放送室に乗り込んでの自己PRが邪魔でなくて

なんだと言うのですか?』

 

アレは・・・確かに邪魔以外に言い様がない

 

『管制室にいた人間がワザワザ危険地帯へ?

そんなの貴女方が意図的に差し向けないと

不可能ですよね?少なくとも管制室から

外に出した者が居るでしょう?』

 

・・・普通に考えればそうだろう。

 

それも防壁のハッキングを解除

してる最中だ。管制室の人間全員が

ドアが空いていることに気付きません

でしたなど言い訳にすらならん・・・

 

『そもそもアレは自分がナニをしているのか

わかってますか?

新人消防士の保護者気取りの素人が火事場に

防護服もなく乗りこんで、身を潜めていた

要救助者を武器で殴り気絶させ、他の先輩

消防士が細心の注意を払い爆弾処理をして

いる最中、その横にいて先輩消防士の作業の

邪魔をすることしかできない未熟な新人

消防士に対して、無駄にでかい声を出して

応援してるんですよ?邪魔でしょう?』

 

「「「・・・」」」

 

そうだな。アレはそういう行為だ・・・

 

『コレが妨害行動で無くて何だと言うのです?

こんなの自分が安全であると理解してないと

出来ませんよね?』

 

「「「「・・・」」」」

 

まさしくその通りだ・・・

 

『それで、貴様らは今ナニをしている?

織斑一夏を痛め付けられた腹いせに、

凰鈴音をテロに見せかけて殺す気か?』

 

「そんなことはしない!」

 

ソレだけは絶対に否定しなければっ!

 

『ならばさっさと動け!未熟な邪魔物を

排除しろ!やかましいバカを黙らせろ!

ソレが貴様らの仕事だろうが!

すでに60秒経過しているにも関わらず

織斑一夏は戦域を離脱していない!

監査員として直ちに行動に移るよう勧告する!』

 

「・・・了解です」

 

『こちらの質疑は終了です。あとは行動で

持って示すように。以上』

 

 

 

 

 

「・・・先輩」

 

あぁ、わかってる。完全敗北だ。

 

「織斑に繋げ。私が説得、いや、命令する」

 

「・・・はい」

 

このままでは一夏まで処罰されてしまう。

せめてそれは防がねばならん!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ?この状況で俺だけ下がれって?

リンを置いて?!」

 

『そうだ、お前が凰の邪魔になっている』

 

良し!ようやく教師も介入してきた!

さては司馬様が動いたのね!

 

コレで休めるっ!

 

「邪魔?そんなこと無いだろ!こんな

ヤツ相手にリン一人で戦わせるなんて

出来るかよ!」

 

気持ちは・・・嬉しくないわ。

 

普通に邪魔だし。素人に「私は軍人として

未熟だから一人には出来ない」って言われ

てるようなモノだしね。

 

それに今は普通に教師が戦ってるし。

メインの武器を潰したから、あとは

回避と欠損部分を攻撃すれば第二世代機

でも十分勝てるわよね。

 

戦闘パターンも十分見てただろうし。

 

『いや邪魔だ。その証拠にお前が邪魔

するまで無傷だった凰の機体が、今や

ボロボロになってるじゃないか』

 

そうなのよねぇ甲龍も無駄に損傷したし、

コレはあれよ。

不測の事態に対応できなかったって判断

されて訓練が厳しくなるパターンよ!

 

「いや、だって、でも!」

 

うん、流石はIS学園の教師ね。機体の

特徴を良く理解してるし、連携も十分。

アレなら安心して見てられるわ。

 

『いい加減にしろ。今回のお前の行動は

援護ではなく乱入であり、凰の手柄の

横取り行為と言うのだ』

 

そうなのよねぇ。このままなら勝てたのに

散々邪魔された挙句に、篠ノ之束の計画だ

と止めは一夏が持って行くんでしょ?

 

完全に横取りよね。

 

「よ、横取りって!それに今は手柄とか

言ってる場合じゃないだろ!」

 

いや、信賞必罰は組織運営に欠かせないモノ

だからね?軍人の戦いに対して正当に評価を

するのは当たり前のことじゃない。

 

『・・・お前が居なければ既に戦いは

凰の勝利で終わっていただろう。

勝ちが見えた状態だったのを無駄に

混戦にしたのはどう考えても邪魔で

しかないな』

 

それ以前に動きを止めて会話してる

自分が狙われないことに対して

違和感を抱きなさいよ。

 

教師が戦ってるわよ?参考にしたら?

 

『何をする!離せっ!』

 

「箒!?」

 

あぁ、ようやくアッチも動いたか。

 

アイツと一夏の掛け合いは、ホント

ヤスリで神経をゴリゴリされてる

気分だったわ・・・

 

「千冬姉!箒に何をする気だよ!」

 

『何をするも何も。アリーナに面した

放送室は本来危険区域だ。自衛手段の

無い篠ノ之を避難させるのは当然だろうが』

 

まぁそうよね。あの機械が篠ノ之束の手先

だからこそアソコに攻撃が行くような

角度で攻撃されることはなかったけど、

本来なら巻き込まれてるわよねぇ。

 

「避難・・・そうか、確かに箒は生身だし。

だけど無理やり運ぶのは違うだろ!」

 

いや、違わないでしょ?素人が戦場に

居てああして喚いてたら邪魔じゃない。

 

気絶させて運ぶのが常識よね。

 

『寝ぼけるな。避難誘導に従わん

素人は気絶させて運ぶモノだ』

 

そうそう。溺れてるヤツだってヘタに

意識を保ったままだと、抱きついたり

して救助する人間を巻き込むからね。

 

「そんな、ソレが教師のすることかよ!

・・・え?な、なんで?!」

 

お、やっと撃った。まぁそうなるわよねぇ。

 

『言ったはずだ。避難誘導に従わん素人は

気絶させて運ぶモノだとな』

 

「千冬・・・姉ぇ・・・」

 

『・・・織斑を運び出せ!』

 

『『了解』』

 

うーん。弟魂の千冬さんがココまで

はっきりとした行動を取るとは。

 

司馬様は相当追い込んだみたいね。

 

いいぞ!もっとやれ!

 

流石に今回は一歩間違ってたら普通に

死んでるか、良くて四肢欠損くらい

してたもんねー。

 

いやはや、無事に済んで良かった良かった

 

『気を抜きすぎです准尉。今すぐ

その場を離れなさい』

 

「ハイッ!スミマセンデシタッ!」

 

いきなり司馬様の音声連絡は心臓に

悪すぎるわよ!でも離れる何で?

いや、考えるより動け!!

 

・・・アレ?なんかアイツ膨張してない?

 

おいっまさかアイツ!一夏が居なく

なったからって、アレをヤる気?!

 

「っていうかそんな機能付けるなっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さ、流石司馬少佐!篠ノ之束の意図を知り

ながら、完璧に学園のせいにしてみせた!

 

「分かりましたね?阿呆とはこのように

して使うのです」

 

「了解です!」

 

いや、コレは正直凄いとしか言いようが無い

ですよね。

政治的な判断が出来ない織斑千冬に対して、

非常事態と現場指揮官という肩書きを使い

逃げることを許さず、さらに状況判断と

否定をさせない質疑で追い込んでるよ!

 

「ようやく教師陣が積極的に動きましたね。

まったく、命令を聞かない生徒など最初から

後ろから撃ってシールドエネルギーを空に

すれば良いだけでしょうに」

 

「アホの織斑が無駄にアレに近接戦闘を

仕掛けましたからね。あそこでシールド

エネルギーが空になったら、アホの安全が

保証されませんでしたから・・・」

 

まぁソレもアレがアホに対して必要以上

に危害を加える事がないと判断されて、

普通に鎮圧されたけど。

 

「さて、残るは凰准尉ですが・・・随分

ヤられましたね」

 

「はい。アホが加わったことで今まで

自在に動けていた間合いが潰された挙句、

あの所属不明機によるアホに対する手加減

が、結果的に攻撃に緩急を生みました」

 

いきなり味方に間合いを潰されて、集中を

乱されててリズムを壊されたら・・・

そりゃヤバいよね。

撃墜されなかっただけでも大したモノだと

思うけど。

 

「戦闘中に邪魔が入ることを想定して

居ないというのは問題です。

まぁ准尉も無能な味方がどれだけ危険な

存在か肌で感じることが出来たでしょう」

 

「そうですね」

 

まぁ災難ではあるけど貴重な経験でも

あるもんね。

 

「おや、ようやく阿呆が外に連れ出され

ました。貴女の介入も必要なさそうです」

 

「ですね。コレで後は教師陣による制圧

ですか・・・」

 

本来ならリンちゃん一人で制圧して

アレのコアとかを冬林で持って行け

たんだろうけどなぁ。

 

「いえ、兎がそんな事を許すはずが

ありません。アレを良く見なさい」

 

「これからまだ何かあるんですか?

・・・え?なんか膨張してません?」

 

アレって・・・もしかしなくても自爆

ですよね?本気?いや、確かに自爆は

ロマンだけど!

 

機械兵が負けたら自爆するのはお約束

でもあるけど!本気でヤるの?!

コアとか勿体無くない?!

 

「証拠隠滅の基本です。コレはIS学園に

とって良くもあるし悪くもありますね」

 

「あぁ証拠隠滅されたら、自分も

被害者だとして声を上げますか?」

 

自爆で教師が傷付くことが条件では

あるけど。まぁ起死回生の一手には

なりますか?

 

「いえ、それ以前にアレが無人機で

あることがバレますからね。

ISの無人機なんて存在すら想定

されていませんから、私に対しても

口止めを依頼してくるでしょう」

 

「・・・表面上は無かったことにすると?」

 

まぁ無人機が出来るなら男性も女性も

ないよね。そうなると世間が混乱する

から表面上なかったことにして裏で

調べて行きましょうって?

 

けど調べるもなにも、行き着く先は

篠ノ之束じゃない?

 

いや、決めつけは危険だよね。それ以外の

天才が応用を利かせる可能性もあるし。

 

と言うか、元々宇宙で動くモノなんだから

遠隔操作くらいできて当たり前だと思うん

だけど・・・

 

いや、冬林技研に所属するまでは私も

気付かなかったけどさ。

 

「そうでしょうね。私としてもいくつか

譲歩案を飲ませることで承認することに

なるでしょう。

まぁ兎にしてみたら学園は敵ですし。

教師が傷つこうが学園が傷付こうが

構いません。妹も織斑姉弟も無事だし

『もういいや』って感じですかね?」

 

軽っ!まぁ自分でコアを量産出来るなら

そうなるのかなぁ。

 

「りょ、了解です!あとは自爆後の

後始末に関して協力するかどうかに

なりますか?」

 

普通なら篠ノ之束を抱え込んでる以上

そんなのいらないけど、向こうはソレを

知らないんだもんね。

無人機の残骸に興味が無いって言うのは

流石に怪しまれると思うし。

 

「そうですね。後片付けに関しては准尉と

特尉に任せることになりそうです。

まぁその前に危険地帯に居ながらも

「もう終わった」と油断しきって阿呆面を

晒しているあそこの准尉に、警告を与える

必要があるようですけどね」

 

「・・・ですね」

 

もう油断しちゃダメだよリンちゃん。

家に帰るまでが戦場なんだからさ。

 

「気を抜きすぎです准尉。今すぐ

その場を離れなさい」

 

最後の最後で評価を落としたね。

 

ま、コレがオチと思えば悪くないか。

 

ん~自爆の時のSEは何だろ?

「おしおきだべぇ」とかかな?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「先輩!凰さんが高速移動を開始

しました!」

 

「そうか、なら位置調整をしなくてはな」

 

休憩は十分と言うことか?まぁ手柄の

横取りになるのは避けたかったから

止めは凰に譲っても・・・ん?

 

「違います!進行方向は後方です!」

 

「何だ?全力で距離を取る?高火力の

遠距離攻撃でも行うつもりか?」

 

そんな武装はなかったと思うが、まぁ

国家機密だからな。隠し玉の一つや

二つは・・・

 

『千冬さん!教師陣を後退させて!

って言うか何で誰も気付かないの?!』

 

「「は?」」

 

教師の後退はわかるが・・・気付く?

止めの為に距離をとったんじゃないのか?

 

『アイツ!不自然に膨張してるでしょーがっ!』

 

「何?膨張だと?!」

 

この状況で膨張・・・まさかっ!

 

「先輩っ!右腕の熱源反応が急速に

増大してます!コレは、バリアを破った

ビーム攻撃の準備です!」

 

『「違うだろ!」』

 

なんでそうなるんだ!

 

「え?ち、違う??」

 

なんでわからんのだっ!

 

「現場の人間は今すぐ対象から距離を取れ!

同時に対ショック体勢!シールドを展開し

破片にも注意しろ!今すぐだ!無駄な問答

してたら死ぬぞっ!」

 

「「「りょ、了解っ!」」」

 

「先輩?」

 

まだわからんのか!いや、ISコアの

浪費と考えたら逆に誰も思いつかんのか?

 

「山田君!アレは自爆準備だ!」

 

なんで気付かなかった!束ならそれ

くらいヤるだろ!

 

「「「じ、自爆?!」」」

 

「山田君!光量と音量調整!防壁降ろせ!!」

 

「りょ、了解です!」

 

ISが自爆したらどれだけの規模の

衝撃になるんだ?建物は耐えれるのか?!

 

『織斑教諭、一つアドバイスです』

 

「なんでしょう!」

 

いきなりなんだ?!とか言わない!

今なら何でも聞くからさっさと

言ってくれっ!

 

『素直で結構。それではアリーナのバリアを

出来るだけ狭めて上部だけ解除しなさい』

 

狭めて上部だけ?・・・そうか!

 

「山田君!聞こえたな!」

 

「はいっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お、ちーちゃんったらバリアの上だけ

開放した?コレはあれだね?アレをヤレと

言うメッセージだね!

 

ならば乗ってあげようじゃないか!

 

 

 

『コレが我が生涯最後の一撃!

我が生涯に一片の悔いなーし!』

 

 

 

ぽちっとな!

 




「ベネツィアニィ?」
「サメハァ?」

「「イナーイ」」

居たよね?!普通に居たよね?!
コレだからサメ映画は・・・


え?イッチー?彼の活躍のおかげで甲龍は
中破判定となりましたよーってお話


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16話

原作二巻終了!リザルト回?


つーかリンちゃん凰なのか鳳なのか!


オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「なるほどそれであの火柱が」

 

施設に影響もなく、人的被害も出ません

でしたが、生徒は随分ショックを受けた

ようですねぇ。

 

・・・コレのケアは大変でしょう。

暫くは気のいい用務員でいる予定

ですが、どこまでできるやら。

 

「はい、周囲に衝撃が向かないように

上の部分だけシールドを開放するよう

司馬監査員よりアドバイスがあり、それ

が一番被害を抑えれるモノと判断し、

私が実行を命じました」

 

まぁ、花火や大砲の原理ですよね。

よくもまぁ咄嗟に判断できたモノだ。

 

流石は司馬監査員と見るべきか、

最初から知っていたと見るべきか・・・

 

いやはや何が何だかわからないうちに

アリーナの防壁がおりて、外部との

連絡もとれなくなったから何があった

のかと思えばコレだ。

 

最初から管制室に居れば良かったのだが、

表の「用務員」と言う顔が邪魔した形

ですよねぇ。

 

「と言うか学生を特別扱いして管制室

なんかに入れちゃダメでしょう。

そうした行動が学生同士の交流に

溝を生むのですよ?」

 

他の教員までも篠ノ之束の妹だからと

当たり前のように特別扱いしているし。

 

意識してるかどうかはわからんが

特別扱いが当然だと言うような形で、

本人の増長にも繋がってるぞ?

 

その程度のことにも気付かんのか?

 

「・・・申し訳ございません」

 

これは何に対する謝罪なんだかな。

 

「それに、そうやって篠ノ之箒を特別

扱いしたことで、所属不明機による

介入が我々の計画通りなのではないかと

言う状況証拠にもなってしまいましたね」

 

篠ノ之箒に万が一が無いよう避難させて

いた。と言われたらどうやって反論する?

 

アレも偶然コレも偶然・・・そんなのが

査問委員会で通用するか?

しかも全てにおいて言質と映像資料まで

取られているじゃないか。

 

他言無用?監査員に知られた時点で

終わりだろうよ。

 

「・・・」

 

その上で防壁の破壊より解除を優先か。

 

まぁ組織としてはソレが正しいが、

学園としては生徒を優先すべき場面

でもある。

 

監査員の手前なら尚更なりふり構って

いる場合ではなかった。なにせコレは

【敵の排除より防壁の解除を優先する

余裕があった】と言うことだからな。

 

この辺が教官と教師の違いだろうなぁ。

 

まぁこれに関しては政治を知らない教員に

狙いを定めた司馬監査員の手腕を褒める

べきなのだろうがな。

 

さらにそれより不味いのが・・・

 

「無人機の襲撃と自爆ですか」

 

ほぼ確実に篠ノ之束の仕業だが、冬林の

ような企業の天才がヤル可能性も有る

には有るんだよなぁ。

 

なにせ相手が無人機でコアらしきモノも

見つかっていないから、ISである証拠が

無い。

 

ISでは無いなら篠ノ之束の関与であると

言う証拠もない。

 

疑わしいのは確かだが確たる証拠も無しに

査問委員会でこの様な憶測を言えば、

篠ノ之束は完全に敵に回る。

 

・・・それも周囲を味方につけてな。

 

しかも映像を見る限り、確かに指摘され

たように織斑一夏とソレ以外の敵に対して

の攻撃の重さと速さがまるで違う。

 

つまり凰鈴音に対してもこの敵は

手を抜いていないと言うことだ。

 

コレでは冬林技研や中国は完全な被害者。

 

司馬監査員の余裕は、自分なら問題なく

潰せるからと言われてしまえばソレまで。

 

怪しいのはどちらかと言われたら・・・

客観的に見て我々だよなぁ。

 

廃材を集めてはいるが、決定的な

証拠は得られんだろう。

そもそも自爆とはそのためのモノだ。

 

つまり世界一を豪語する我々IS学園が

正体不明の無人機に襲撃を受け、

バリアを破られ、ハッキングまでされ、

さらに犯人の特定すら出来んと。

 

どうしようもないな。

 

「司馬監査員に良いようにヤられて

しまいました。すみません」

 

司馬監査員だけならまだ良いのだが。

 

それもコレも司馬監査員にしてみたら

付け入る隙を見せた我々の自爆。

 

良いようにヤられたのではなく、我々が

勝手に自滅したと気付けない時点で勝負

にもならん。

 

「いえ、相手が悪かったとしか言いようが

有りません」

 

25前後の小娘が相手を出来るような

生易しい存在ではないのは事実だし。

まぁ相手は15なんだが・・・やはり

幼少期の鍛え方が違うか。

 

「織斑一夏に関しては現場での命令違反を

犯していますが、彼はそもそも自分の立場を

正しく理解出来ていませんでした。

故に、罪が有るとすれば学生への教育を怠った

我々であるというのが司馬監査員の意見です」

 

そう来るか。確かに正式に所属も決まって

いない学生を罪に問うことは出来んが・・・

 

「まぁ緊急時は教員が指揮を取る。指示に

逆らったらどうなるか書類に書いてる。

なんて学生相手に通用しないと言われれば

そのとおりですよね」

 

それは軍としては正しいが教育機関の

在り方ではない。

 

そもそもISと言う兵器をタダの学生に

使わせるなという皮肉なのだろうな。

 

普通に考えれば軍学校のように専門

知識だけを教えねばならないのだ。

 

それなのに一般の高等教育まで教え

ようなど・・・そんな片手間で習得

出来るようなモノではないよなぁ。

 

「更に言えば、彼は学生で民間人で初陣。

緊張と無理解で入れ込むのもしかたない。

故に今回の件は上記の学生を言葉で制止

しようとした現場指揮官による判断ミス

である。と監査報告が上がっています。

コレに対しては私も全面的に同意します」

 

「・・・そうですか」

 

織斑千冬としても、弟に罪をかぶせる

ことなく自分で責任が取れる。コレは

司馬監査員による彼女に対する救済処置か。

 

「後は緊急時におけるIS学園側の対応と

生徒の行動についての改善意見ですね」

 

これもな。こちらとしては改善案を

飲むしかない。

 

「生徒の避難誘導の粗さや凰さんへの

遅滞戦の指示に関しての指摘も粛々と

受け止めるしかありません。

事実、本来なら学生にヤらせるモノ

ではありませんからね」

 

「・・・はい」

 

それはそうだろうさ。どこの世界に

テロリストの鎮圧を高校生にやらせる

国際組織があるというのだ。

 

タダの学校では無いのだぞ?

 

と言うか更識楯無は何をしていた?

まさか一般生徒に混ざって避難誘導

ではないだろうな?

 

カウンターテロとはこういった場合に

反撃するためのモノだろう?

 

味方の犠牲より敵の殲滅を任務とする

暗部の長が表の連中に混ざって避難誘導

など笑い話にもならん。

 

現場にすら到着してないってなんだよ。

 

後で報告を受けるが、まぁ避難誘導か

防壁の解除活動をしていたのだろうな。

 

・・・コレだから覚悟も何もなく機械に

頼り切る小娘はダメなんだ。

感情を切り捨て機械を使いこなす妹の

更識簪の方がよっぽど暗部に向いている。

 

「それに『学園としては防壁とテロリスト

の鎮圧ならテロリスト鎮圧を優先すべきで、

最低でも織斑一夏が乱入する前に教師を

戦域に突入させ、気絶していた織斑一夏を

抱えて先に退避させるべきだった』ですか

なるほど、その通りです」

 

それ以外何も言えん。凰鈴音の邪魔に

なるから介入しなかったと言う現場の

言い訳は、この【織斑一夏を放置した】と

言う事実がある限り考慮に値しない。

 

コイツが一番邪魔したじゃねぇかってな。

 

そして篠ノ之箒による自己PRもなぁ。

 

あの茶番は何か?と言われたら、

なんとも言えん。

 

何故管制室に居たのか?何故管制室から

放送室に移動したのか?何故放送室の

機材の電源を落とさなかったか?

何故すぐに放送室へ人員を送り彼女を

避難または隔離させなかったのか?

 

・・・・・・

 

ホント何でだよっ!俺が聞きたいわっ!

 

これだけでも突っ込みどころが多すぎて、

司馬監査員も状況を文章に纏めるのが

さぞかし大変だったろうな!

 

「とりあえず篠ノ之箒に関しては

傷害の現行犯で2週間の停学を」

 

「・・・よろしいので?」

 

そうするしかない。無かったことに

出来れば良かったが、司馬監査員が

交渉を受け入れるかどうかがわからん

からな。交渉の前段階として篠ノ之箒

を罰しておくのは当然の事だ。

 

「よろしいも何も直接的な被害者が二人。

それに間接的に作戦行動を邪魔された

凰さんがいますからね。

彼女を無罪放免にしては司馬監査員に対し

更なる介入の口実を与えてしまいます」

 

まぁどうせ篠ノ之束の機嫌を取る

ために委員会へ手が入るんだろう?

 

司馬監査員の権限がIS委員会の監査員

である以上、委員会を通したならこの

件を無かったことにすることは不可能

ではないのだ。

 

委員会に篠ノ之箒に対する減刑処分の

命令を出させよう。

 

後は甲龍を中破させられた中国と

冬林との交渉になるな。

つまり余計な組織を背負っていない、

司馬仲達との交渉というわけだ。

 

・・・もうこの時点でダメだろう。

勝てる気が全くしない。

 

前は個室と言うささやかな要求

だったが、今回は流石にそうも

行くまい。

 

中国と冬林技研に対する何らかの

便宜を図ることになるか?

 

あぁ。向こうは絶対こっちの現場の連中が

見てても、その意味が分かってなかった

って感じの厄介な手札を持ってるよなぁ。

 

それに対して現場にすら居なかった

私ではどうしようもないんじゃないか?

 

「とりあえず織斑一夏君は今日と

明日で精密検査を受けるように。

篠ノ之箒さんは今日から停学処分。

寮の外には外出禁止です」

 

甘い処分だが流石に独房は、喩え一日

でも篠ノ之束が許さんだろう。

後は司馬監査員との交渉か・・・

いや先にIS委員会だな。コッチを先に

しないと、IS学園が食い荒らされる。

 

「了解です」

 

「織斑先生に関しては、交渉の内容

によりますね。無かったことになれば

罰を受ける理由もなくなりますし、まぁ

減棒3ヶ月は覚悟しておいてください」

 

普通なら教育課程をやり直しなんだが、

IS学園と言う組織としてはこんなもん

だろう。

 

「はい。了解です」

 

本人も納得してるし。

 

さぁIS委員会に連絡だ。

 

あぁ、一応更識の報告も聞いてからにするか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「簪ー。恋愛ってなんだろーねー」

 

燃え尽きてるねぇ。だけどゴメンね?

その質問には答えられないんだ。

 

本当に申し訳ないと思っている。

 

「んー私にはわかんないなぁ」

 

実際今まで女子中~女子高だし、小学校の

ときも周囲は大体大人の人だったし。

 

アニメとかの恋愛は、ほとんどがイケメン

にナデポニコポされるか吊り橋効果だし?

 

「えぇ?初恋とか無いの?そんなに可愛い

顔とバランス取れたスタイルしてたら

寄ってくる男なんか沢山いたでしょ?」

 

可愛い顔?それリンちゃんが言う?

 

それにバランス取れたスタイルって、

ソレは褒めてるのかな?かな?

 

まぁリンちゃんの胸部装甲はアレだから

アレかもしれないけどさぁ。

 

「なんかスゴク不愉快な視線を感じる

けど、まぁ私が言い出したことだしね。

今回は許してあげるわ!(`・ω・´)」

 

そんな、ぐでーっとしながらキリッと

言われてもなぁ。

こういうのが可愛いって言うと思うん

だけど。なんで自覚ないのかな?

 

やっぱりアホの織斑のせい?

 

「質問の答えとしては、無いね」

 

実際そういうのは無かったなぁ。

そもそも習い事とIS研究と鍛錬と

アニメ鑑賞が忙しかったし。送迎も

あったから出会うきっかけが無いよ。

 

「え~そんなの勿体無くない?宝の

持ち腐れじゃん?」

 

宝(胸部)ですね。わかります。

 

私も司馬少佐に出会うまでは他の人と

比べてさりげなく一喜一憂してたし。

 

具体的には楯無とか虚とか本音とかっ!

アイツ等はなんであんなに・・・

まぁIS学園に入って司馬少佐に自分と

周りを見ろって言われてからは、私も

それなりにイイ感じなんだってわかったけど。

 

流石に篠ノ之箒とかみたいなのは

搭載したいと思わないけど、程々は

欲しいよねぇ。

 

「ほら、家がああいう家だったからね。

おかしな虫が付かないように色々ヤって

たみたいなんだ。まぁ私も男の人より

アニメとかISの研究とかしてた方が

楽しかったから不満に思ったことは

なかったけどさ」

 

実際私の周りには更識の監視が居たし?

 

家も一見したら黒服が出入りするヤのつく

自由業だし。アレじゃ友達も呼べないよ。

 

「あぁ~家の事情もあるのか。やっぱり

お嬢様だからお見合いが基本なの?」

 

「だね。あのままだったらお姉ちゃん

・・・当代の当主が決めた人とお見合い

して、そのまま結婚してたんじゃないかな?」

 

何もするなって言うのはそう言う

ことだしね。

 

「ふぅん。まぁお見合いを否定するわけ

じゃないけど、お嬢様も中々大変よねぇ」

 

「まぁソレが当たり前だって思ってた

からなんとも言えないけどね」

 

今だって別にお見合いに忌避感とか

有るわけじゃないし。

 

リンちゃんがコッチにいたのは小学校5年

~中学2年だっけ?そのくらいなら初恋

とかも普通にするかもしれないよね。

 

その相手がアホの織斑だったわけだ。

 

何ていうか・・・ご愁傷様でした。

 

「ほぇ~まぁそんなもんかもねぇ」

 

「うん。そんなもんだよ」

 

初恋かぁ。そもそもここ数年で、

家の人以外で普通に会話とかした

男の人って大佐殿だけなんだよね。

 

あの人は優しくて冗談も理解できてネタも

しっかり返してくれるイケメンだけど、

司馬少佐の婚約者さんだからね。

 

そういうのが無かったら好きになってた

可能性はあるんだよなぁ。

 

あ、そうそう、司馬少佐がいるじゃん。

 

「だけどお嬢様って言ったら司馬少佐

なんか私なんかとは比べ物にならない

くらいのお姫様じゃん?何か参考に

なる意見とかあるかもよ?聞いてみたら?」

 

お姫様って言うか女王様って感じだけど

 

「え?司馬様はお見合いどころか普通に

婚約者じゃん?そこに好きとか嫌いとか、

そういうのって有るの?( ΦωΦ )?」

 

なんか今初めて気がついたって顔してる

けど、これは「司馬少佐はそういうもの」

って初めから固定観念が有って、疑問

とか覚えなかったパターンだね?

 

「まぁ確かに。子供の時から相手が

決まってるんだもんね。

リンちゃんにしてみたら何だかなぁって

思うかもしれないけど・・・少佐的には

大佐殿が大好きだと思うよ?」

 

実際なんか勘違いした名家とかが大佐殿

に対して「司馬様を解放しろ!」とか

言ったらしいけど、当の司馬様に

「余計なこと言うな。死ね」って言われて

普通に処刑()されたらしいし。

 

「そうですね。好きとか嫌いは確かに

良くわかりませんが、少なくとも師を

敬愛しているのは間違いありません」

 

「「うわっ!!」」

 

こ、この人は気配が一切しないから

本当に驚くんだよね!

 

「し、司馬様、IS委員会からの用事は

終わったんですね?」

 

あ、さっきまでの話を無かったことに

しようとしてる。

 

こういう機会に司馬少佐にも色々聞いて

みるのも良いと思うんだけどなぁ。

 

「えぇ、予想通りIS学園は篠ノ之箒を処罰

することでIS委員会に対して一種の脅しを

仕掛けました」

 

「なるほど~篠ノ之束博士が黙ってないぞ!

処罰しても良いのか?!って感じですね!」

 

「逆転の発想と言うか何と言うか・・・」

 

司馬少佐の監査員としての立場はIS委員会

の承認が前提だから、あっちを押さえれば

良いって言うのは確かだけど・・・

 

「その通り。結果的に今回の襲撃事件は

何も無かったことになりました。

どうやら轡木十蔵は襲撃事件の事を隠した

まま、篠ノ之箒が何かしたとだけ大げさに

伝えその罪状を消すよう依頼させたようです」

 

ん?それっておかしくない?

 

「そもそも罪状は放送委員に対する

傷害の現行犯ですよね?」

 

コレを無くすのはまだわかるけど、

襲撃事件と切り離したら・・・

 

あぁ、ソレが司馬少佐の狙いか。

 

「ん~あの暴力女、普通に殴り倒した

みたいですけどねぇ。あんなの揉み消せ

るんですか?」

 

まぁアレは武力じゃなく暴力だよねぇ。

 

普通ならあっちはあっちで揉み消すのは

大変だと思うんだろうけど。

殴り倒された被害者が黛さんだからなぁ。

 

・・・おっと今は少佐の補佐をしないと!

 

「被害者の一人である黛さんは当代の

楯無とも友好関係がありますからね。

学園側からでは無く、生徒側からの

アプローチをするのでは無いでしょうか?」

 

何かしらの「お願い」はするんだと

思いますよ?

 

「なるほど、学園側のもみ消しではなく

生徒同士の交渉という形でまとめる気ですか。

良手とも言えませんが悪手ではありません。

まぁコレが現状のIS学園の限界ですね」

 

「え?でも事を大きくしないため

には良い手じゃないんですか?」

 

まぁ一見すればそうなんだけどね?

 

「リンちゃん。そうなると学園側が言う

『他言無用』は誰からの命令になるの?」

 

「ん?それは・・・あぁ命令じゃなくて

生徒からの個人的なお願いになるのか。

それならソコから情報漏洩しても、校則とか

規約によって罰することは出来なくなる?」

 

「そういうことだね」

 

責任逃れの最大のデメリットだよね。

 

「つまり我々の介入を嫌ったが故に、

あえて俗物を介入させ命令系統を

うやむやにして、我々の行動を縛ろう

としたのです。その結果この中途半端な

情報統制となりますね」

 

統制できないならそんなの無意味ですよね。

 

「しかしIS委員会の軛がない方が

司馬少佐は手ごわいことを知ってる

でしょうに。

学園は何が狙いなんですかね?」

 

IS委員会より中国や冬林技研の方が

マシと判断したということ?

 

「まぁ利権に絡もうと必死な俗物ども

よりは、最初から目的がわかってる我々

の方がマシと判断してるのは事実です」

 

いや、絶対にマシじゃないですよ。

理事長も更識も馬鹿なんじゃない?

絶対目的読み違えてるよね?

 

司馬少佐が無欲な善人に見えるの?

 

「目的ですか?司馬様がココに居る

のって、簪の勧誘と私の機体調整が

任務でしたよね?」

 

・・・何かしらの新しい任務が

出されたって考えるのが妥当かな。

 

そのことを理事長は理解できてる?

それとも出来てない?それによって

司馬少佐との交渉の成否は別れる

ことになるよね?

 

「まさか引き抜き任務が終わったから

と言ってソレで終わりにはなりません。

当然次の任務がありますよ」

 

「あ、あぁ、そうですよね!

あの副所長さんが司馬様を遊ばせて

おくはずが無いですよね!」

 

あの副所長さんって言い方はどうかと

思うけど。まぁその通りだよね。

 

「それはそうですね。では次の任務

というのもIS学園絡みでしょうが、

他に引き抜く相手が?」

 

誰か居るのかな?本音は・・・

無いね。これ以上更識の人間は

いらないだろうし。

あの子の整備能力もあくまで学生に

してみたら上って感じだし。

 

「引き抜きや破壊工作といった特定の

何かではありませんがね。

取り合えずの任務はIS学園の戦力

を低下させることです」

 

「「あぁ」」

 

なるほど。そりゃ中国としてもIS委員会

としても懸念事項ではあるよね

 

「普通に考えれば過剰戦力ですもんね!」

 

「しかもまともに使えない連中が兵器を

持ってる状態ですから、しっかり管理

したほうがいいです」

 

管理できないなら減らせってね。

 

「最初の目標としては学園の実機を

減らして高精度のシミュレーターを

導入させることになります。

今のままでは実機の数が少なすぎて、

まともにISに触れることすら出来て

いませんから、そこを突きます」

 

「なるほど。実機がなくなれば戦力としては

ダウンですが、ソレを上回る数の高精度

シミュレーターが有れば学生の質の向上

に繋がりますし、事故による負傷者も減り

ます。学園としてはソレが正しいですよね!」

 

「ですね。整備に関してもISの実機なんか

2~3体有れば十分です」

 

所詮学生が使うモノ。一流企業ですら

3体も整備に使うなんて出来ないんだし、

中途半端な腕の人間しか育てられない

IS学園なんかには尚更必要無いよね。

 

で、浮いた分は各国の研究室に送られる

ことになるのか。

 

うーん。これって学園側としては相当

ヤバイと思うんだけど・・・

 

「けどIS学園はソレを知りながら

司馬様との交渉を選んだんですか?」

 

まぁ知らないでしょうね。こんな

発想は大佐殿や司馬少佐くらいしか

出来ないもの。

 

「まさか。連中は中国や冬林技研に

便宜を図る程度しか考えてませんよ」

 

やっぱりか。

 

コレなら襲撃や篠ノ之箒の映像は強力な

武器になるよね。

何せ司馬少佐は篠ノ之束に対して遠慮

や配慮をするような人じゃないんだから。

 

コレはもしかしたらIS委員会の俗物も

狩る気かな?

 

「とりあえず今回の襲撃に関しての

我々の要求ですが、連中から何か接触

があったら伝えますし、何も無ければ

保留です」

 

保留?あぁなるほど。

 

「え?保留で良いんですか!?」

 

こういう時こうやって素直に聞けるのが

リンちゃんの良いところだよね。

・・・軍人としては矯正対象だけどさ。

 

「リンちゃん、いや准尉。この場合は

溜めるって考えるんですよ」

 

「溜める??」

 

「特尉の言うとおりですよ准尉。

ドイツの人形とフランスの阿呆が

来るではありませんか」

 

やっぱりね。

 

「あぁ!絶対問題なりますもんね!」

 

「ですよね。私にはIS学園が勝手に爆弾

抱え込んで派手に転んで自爆してるよう

にしか見えないんですけど・・・」

 

ここまでくればコントですって

 

「まさしくその通りですね。そうやって

無様を晒した連中を散々笑い倒した後で

我々も動きます。とりあえずは両名に

フランスの阿呆シャルロット・デュノア

への接触を禁じます」

 

「「はっ!」」

 

わざわざ危険物に近づく気はありません!

 

「ドイツの人形ラウラ・ボーデヴィッヒは

向こうが勝手に准尉に絡んで来るでしょう。

その目的は第三世代機甲龍の戦力調査です。

 

それ故准尉には

 

1・自衛以外での専用機の展開禁止。

2・映像記録を必ず取ること。

3・挑発行為に乗らないこと。

4・接触してきたら即座に私か特尉に連絡。

 

以上の4点を命じます。

ちなみに違反した場合ですが・・・」

 

「「ですが・・・?」」

 

この人が引っ張るってことは相当

アレなことをさせる気だよね?

 

「コジマより、深海における人間としての

耐久実験と、深海でも光は見えるのか?

と言う実験の稟議書が上がっていると

だけ教えておきましょう」

 

「了解です!絶対違反しません!」

 

に、人間としての耐久実験って、ISは

関係・・・あるか。火星の海とか他の

星にも海とかあるみたいだし。

でも宇宙放逐クラスのアレですよねぇ。

 

それに深海で見える光?クトゥルフ?

 

ま、まぁ兵器の私的使用は銃殺が

普通ですから違反した場合の人材の

有効活用案なんでしょうけど。

 

まさかリンちゃんにまでそんなこと

しないですよね?

 

あくまで脅し・・・だといいなぁ。

 

「あぁそれと特尉」

 

「はい!」

 

私も絡まれたりするんですか?!

専用機はありますけど第二世代ですよ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女、師の側室に興味ありませんか?」

 

「はい?」

 

 




二次SSではイッチーやモッピーが命令違反
とかでアレな扱い受ける場合があるけど、
本来この場合ってちーちゃんとか
やまちゃん先生が罰則受けるべきだよね?

あと奇襲に気付かなかった観測員と
何故か居ない楯無サンとか。
まぁ楯無サンは原作者得意の後出し
設定だからアレですけど。

リンちゃん恋愛に疲れ気味?
弟子、かんちゃんを巻き込む気?ってお話

うぃきでは凰が正しくて鳳が誤植だって?
コミックス!何するダー!ちゃんと監修しろよ!


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17話

前話の続き

幕間っぽい感じで
弟子とかんちゃんの価値観のお話ですな。

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


大佐殿の側室かぁ。うーん。普通に考えたら

・・・有りだよね!あんな理解のある人は

中々居ないし、正妻の司馬少佐公認なら私の

立場も安泰だし!

 

「し、司馬様!そ、側室ってアレですか?

2号さんとかお妾さん的なアレですよね?!」

 

ん?あぁ、リンちゃんは勘違いしてるね?

コレは司馬様や大佐殿の名誉に関わるから

ちゃんと訂正しなきゃ!

 

「リンちゃん。側室とお妾さんは全然違うよ?」

 

今はプライベートな話題だから准尉じゃなく

ても大丈夫だよね?

 

「え、そ、そうなの?」

 

そうなのよ。まぁ知らなければ勘違いする

かも知れないけどさ。

 

「そうですね。どこの世界に婚約者に妾を

薦める正妻が居るのですか。それに妾になれ

など女性にもシツレイ極まりない提案です。

私はコレでも礼儀作法は厳しく躾られてます

からね。そのような無礼無作法は作戦行動

での挑発行為以外では行いません」

 

ですよねー。

 

「えっと、とりあえず司馬様の礼儀作法

がしっかりしてるのはワカリマシタ」

 

まぁ、元の違いがわかってないからね。

 

「リンちゃん。側室は家から認められた正式な

奥さんだよ。さっき2号さんって言ってたけど

ソレに近いかな?イスラム教とかの第2夫人

とか第3夫人って立場になるね。

家に認められてるから子供に継承権はあるし、

社交界における本人の扱いも普通に奥さん

として扱われるの」

 

貴腐人とかお超腐人は全くのベツモノだから

夫人と言う言葉に反応しないように。

 

「へ、へぇ」

 

「対してお妾さんって言うのは、家が認めて

無い人で、言うなれば旦那さんの愛人や

浮気相手のことなんだ」

 

「ほ、ほぉ?」

 

良くわかってないのか、それとも恋愛を

すっ飛ばしたお話だから思考が追い付いて

いないのか・・・

 

「そうですね。正妻や周囲が黙認することは

有りますが、あくまで浮気相手です。

子供に継承権は有りませんし、本人の扱いも

公式には存在しない者として扱われます」

 

存在しないからどんな扱いをされても

文句も言えないし、下手したら相手の

家に殺されちゃうんだよね。

 

「ドラマとかにある正妻による2号さんの

イジメとかは大体コッチなの。何せ側室は

正式な奥さんだからね。それに普通は側室

にもバックがついてるから、イジメなんか

して無駄に争えば旦那さんや家に迷惑が

掛かるでしょ?大事なのは家の存続だから

家督相続が絡まないなら、普通はお互い

を認めてて仲が良いんだよ」

 

その家督相続だって大体は法とか家のルール

で決められてるから中々荒れたりはしないし。

て言うか、毎回家督相続の度にドロドロ

してたら家が無くなっちゃうよね。

 

あぁ言うのは本来どっちかが新興の家の場合

とか、王の権限が弱い王家みたいな特殊な

場合にしか有り得ないんだよ。

 

普通はそうなる前に殺すか出家だし。

 

まぁ貴族社会の末期に大小様々な貴族が

醜態を晒したから、ソレを見た民衆が

貴族の評判と存在意義を貶める為に広めた

フィクションの影響が大きいんだってさ。

 

「そ、ソウナンダー」

 

まぁ当主である旦那様が差別したら周りも

ソレに合わせたりするんだけど、大佐殿は

その心配とかは無さそうだよね。

 

人間的にどうとかじゃなくて、そんな見え

見えの付け入る隙を作るような人じゃない。

 

「さらに今回の場合は、私にバックが無いから

私の立場の補強って意味もあるんだよ?」

 

今は普通に冬林技研に所属してるけど、

学園を卒業したら色んな組織が関わって

来るからね。

 

大佐殿の側室としての立場が有れば司馬家や

李家が私を守ってくれるってことだよね?

 

「た、立場の補強?!」

 

「そうですね。司馬家としても当家の家督争いに

関わらない、かつ優秀な側室と言うのは得難い

モノです。それに李家の後継のことを考えたら

どうしても側室は必要なのですよ」

 

あぁ、司馬少佐の子供はどうしても司馬家の

子になるからね。

 

「あれ?な、なら私に子供が産まれたら、

その子が李家の宗家の当主になるんですか?!」

 

「ここで好きとか嫌いじゃなく、普通に子供の

継承云々が出てくるあたり、やっぱり簪も

お嬢様なのよねぇ・・・(;´Д`)」

 

リンちゃんが何か言ってるけど、そんなこと

気にしてる場合じゃ無いよね?!

 

「准尉、婚姻に個人の好き嫌いなど関係

ありません。そう言うのは家を保つ為の

最低限の義務を果たしてから育めば良い

のです。まぁ生理的に受け付けないなど

は有るかもしれませんので、こうして

特尉には確認を取っていますがね」

 

「な、なるほど?」

 

「私から見て大佐殿は理想的な男性なので

嫌と言うことは有りません!ただ、それだと

李家に正妻として嫁入りするようなカタチに

なってしまいませんか?」

 

それに子供が李家を継ぐなら司馬家の

援護云々は無いじゃん!

 

「確かにそうですね。子に継承権は有りますし、

師には私以外に妻は居ませんから、師と特尉の

子が優先的に見られるでしょう」

 

や、やっぱりっ!そうなったらどうなるの?

 

李家の中では孤立無援だから、周りにナニか

されないように、目立たないようにして

子供と寂しく暮らすことになるの?!

それとも子供も李家の人達に取られて

私は一人で寂しく暮らしていくの?!

 

「もう結婚した後と子供について真剣に

話してるし・・・コレがお嬢様の結婚かぁ」

 

いや、子供と結婚後の事を考えないで

結婚なんか出来ないよね?

 

「ただし、李家の当主は血統と実力で決まり

ますから、継承しない場合も貴女の子供に

何かするようなことはありません」

 

ん?あぁ、初めから実力が無い子は跡を

継げないから、無駄に虐めたりしないのか。

一門として他の仕事をさせたりするのかな?

 

血統は李家の血だよね?分家とか本家は

有るから養子も有りかな?あとは実力だけど。

 

「じ、実力って言うのには何か明確な

指針があるんですか?」

 

更識みたいに漠然と「暗部に向いてる」とか

みたいな曖昧なヤツだと困るよね。

 

当代の楯無みたいなわけのわからないヤツが

当主になって、私の子供にも私みたいな思い

をさせちゃうなんて流石に嫌なんだけど・・・

 

「えぇ、正確には李家秘伝の奥義の習得が

出来るかどうかです。ソレが出来なければ

どれだけ他が優秀でも宗家は継げません。

まぁここ最近はまともに使えたのが一人

しか居ませんでしたので、相対的に優秀と

見えるようなモノを分家から養子に取り

宗家を継がせていたようですけど」

 

ん?・・・李家秘伝の奥義とな?

なんだろうこの香ばしさ!コレはもしや

子供にとってもご褒美じゃないかな?

 

「李家秘伝って・・・あっ!( ̄□ ̄;)!!」

 

おや?リンちゃんは何か知ってるみたい

だけど、地元じゃ有名なお話なの?

 

「准尉は気付きましたね?そう、該当する技は

いくつかありますが、まずは命奪崩壊拳の

習得が出来れば、問答無用で李家の当主として

認められていたのです」

 

「命奪崩壊拳っ?!実在したんですねっ!」

 

何代か前の楯無が李書文に受けたとされる

伝説の魔拳!

 

受けたモノは七割が死に、三割が精神を壊す

と言われ、当時の楯無も命は奪われなかった

けど、自信やら誇りやら尊厳を完膚なきまで

崩壊させられて精神を壊されたんだよね。

 

そして生還してからは常々「ヤツらはヤバイ」を

繰返し、遺言でも「絶対に李家に関わるな」と強く

戒めた為に今やソレが更識の家訓にまでなった、

李家に伝わる秘伝の技!

 

「実在してたんです。そもそも徐州李家の

初代であり、武神と呼ばれた李厳殿は自らを

議長家における武の執行者として定め、子で

ある李豊や孫の李白に対して常々己の本分は

武であると説きました」

 

あ、その話は知ってます!

 

「政の楊家と、軍事の公孫家、武の李家に

統治の司馬家ですよね?」

 

議長家としての序列が1位だった楊家が

「自分たちは司馬を支える宰相」って言って、

2位の李家が「武の執行者」を自認。

4位の公孫家が「兵を率いる将帥」となること

で、司馬を支える体制を作ったんだよね!

 

「当初の司馬には統治などする気は無かったの

ですが、楊家と李家からは『諦めろ』と言われ、

公孫家からは『勘弁して下さい』と泣きつかれ、

仕方なく議長家の取り纏めをしたんですよ」

 

「仕方なくって・・・本当ですか?!」

 

おぉ、リンちゃんも知らない歴史の裏話!

コレは良い文明だよね!

 

「えぇ。本当です。なんでこうなったんだか。

それはさておき、初代の李厳殿は様々な

技術を李豊と嫁の孫尚香に伝えましたが、

どうしても全ての技を伝えきることが

出来ませんでした。まぁ李厳殿は万能の

武人では有りましたが、教育者では有りま

せんでしたし、李豊も才はありましたが

既に戦乱は治まり、李厳殿のように武に

必死になる理由もありませんでしたからね」

 

ま、まるで見てきたかの様な・・・多分

司馬家には詳細な資料が有るんだよね!

 

「そして己の命が尽きるまでに全ての技を

伝えきることが出来ないと判断した李厳殿は、

断腸の思いで李家の当主として最低限習得

すべき技を選別しました」

 

「自分が習得した技を切り捨てたんですか?!」

 

・・・リンちゃんが驚くのも無理は無いよね。

それは当時の武人としては本当に最後の最後。

まさに血を吐く思いでの決断だったと思う。

 

「その通りです。超人102芸と呼ばれた技

のうち、李厳殿が習得出来たのはおよそ七割。

さらに李豊が習得出来たのは半分に満たず、

孫の李白に至っては10も習得はできま

せんでした。まぁコレに関しては徐州李家と

して為政者としての仕事もありましたから、

どうしても仕方の無いことでは有りましたが」

 

「「超人102芸?!」」

 

つ、つまり本来は秘奥義の命奪崩壊拳も

102の技の一つでしか無かったの?!

 

「貴女方の気持ちはわかりますよ。正直に

言えば102も必要だったか?と言われれば

我々も首を傾げる話ですからね」

 

「違わないけど微妙に違いませんか?!」

 

た、確かに、なんかニュアンスが違うよね。

 

「・・・准尉、深く考えたら負けですよ」

 

し、司馬少佐ですら理解を諦めるくらい

当時は凄い時代だったんだね!

 

それもそうか。漢が腐敗して自滅して、腐敗を

しないように「千年戦い続ける国家となれ」って

言う国是の国が出来たんだもん。

 

だけど腐敗より千年の戦いを選ぶって相当な

腐り具合だよねぇ。実際曹操なんか英雄で

ありながら同性愛にしか興味がなくて後継者

すら居なかったって言うし!

 

宦官とかも当たり前に居たよね!「アッー!」

とか「うほっ」とか「やらないか」とかが当たり前

に横行してて、みんな腐ってたのかも・・・

 

「当時の混乱はともかく、李厳殿が奥義と

して継承せよと言い残したのが、知名度も

効果も高くて習得も比較的簡単な命奪崩壊拳。

他は心霊台。新血愁。そして幻魔拳です」

 

凄い!凄い香ばしい技ばっかりだ!

北○の拳の原作者は武の李家関連の

人って言うのは本当なのかも!

 

車田先生も関係者だったのかな?!

 

「新血愁とか心霊台は・・・なんか日本の

漫画で見たことが有るような無いような」

 

「あぁ、○斗の拳ですね。えぇ、効果は

まさしくアレに近い技ですよ」

 

ふぉぉぉぉぉぉぉぉ!

漫画の技をリアルで使えるなんて絶対

に子供にはご褒美だよね!

私も「アヤツは私が育てた」とか言えるよ!

 

「えっと。どれかを使えたら後継ぎって

ことは後を継ぎたくないなら覚えなくて

良いし、継ぎたいなら教えるって感じで

しょうけど・・・

そんな簡単なモノなんですか?秘伝の奥義

で使い手も少ない筈ですよね?」

 

あ、そうだよね。継ぐのが嫌な場合は継ぎ

たい子に任せれば良いだけなんだろうけど、

継ぎたいって思ってもすぐに覚えれるような

モノでも無いはずだよね?

 

「問題有りませんね。李家を継ぐにせよ

継がぬにせよ、子がどちらを選んでも

良いように師は技を叩き込むでしょう」

 

「す、スパルタと思えばいいのか、子の

為に労力を惜しまないと言えば良いのか

もぉわかりませんね・・・」

 

名家とすれば子と家のために全力を

尽くす素晴らしい当主だよね。

 

「そもそも失伝した技が多すぎますからね。

現在の李家の連中は全員が鍛え直しの

最中です。師にしたら命奪崩壊拳くらいで

ガタガタ抜かすなと言ったところなんですよ。

だから特尉の子が産まれたら最低でも半分

は教えることになるでしょうね」

 

「は、半分?!李厳様の子供の李豊様と同じ

領域ですか?!そんなの日本人である簪の

子に伝えても良いんですか?!」

 

そ、そうだよね!って言うか

 

「あの、大佐殿は失伝した技も使える

んですか?」

 

最低でも半分ってことは、大佐殿はソレ

以上の技を習得してるってことだよね?

 

「何を今さら。子は師の子ですから母親の

生まれは関係ありません。

そして師は超人102芸全てを資料通り

忠実に再現し、使いこなして見せた実績を

立て問答無用で李家の当主となった達人です。

ここ数年はさらに技を増やし、48の殺人技

と言うジャンルまで作り出してますよ」

 

ふ、ふぉぉぉぉぉぉ!大佐殿は漫画より

漫画みたいな人だった!

 

「いや、凄いとは思いますけど、そもそも

そんなに殺人技って必要なんですか?」

 

な、なんて馬鹿な事をっ!

 

「リンちゃんっ!何を言ってるの?!

織斑のアホが移った?それでも中国人?!」

 

とかちつくちてって何だよ!ちゃんと

発音しろよ!

 

「えぇぇ・・・(;´Д`)」

 

これだから酢豚なんてわけのわからないモノ

で、アホにプロポーズなんかするんだよ!

 

「ふむ、私も深く考えたら負けだと理解

して突っ込むことを諦めてましたが、

特尉にはナニか私には見えていないモノ

が見えて居るのでしょうか?」

 

司馬少佐にはわからんのですか?!

 

「ロマンです!ロマンの前には数の大小

など些細な問題なんですよ!」

 

流石は大佐殿です!側室とか関係なしに

一生付いていきます!

 

「そ、そうですか・・・やはり貴女ほど

師の側室に相応しい女性は居ませんよ」

 

「ですねー。って言うか性格とか趣味も

ありますけど、簪の生まれの関係上、

副所長さん以外の人とはまともな結婚生活

って出来ないんじゃ無いですかね?」

 

右手が疼く!すぐに新しいナニかを

大佐殿に提案したいっ!

 

「まぁそれも有りますね。お互い自由恋愛

など出来ぬ身です。せめて幸せになれる

選択肢を選んで欲しいと思いますよ」

 

あぁもう最高っ!今はスゴく楽しくて、

将来もスゴく明るい!こんな充実して幸せな

生活を送れるなんて、考えてもみなかった!

 

更識の連中と織斑のアホと倉持のクズに

感謝は・・・しないけどプギャーはしてやるよ!

 

「・・・なんか、既に幸せそうですよ?」

 

「・・・そうですね」

 

ふははははははははははははははは!

夢が現実になる世界!ここが楽園かっ!

 

「「・・・・・・」」

 

―――――――――――――――――――

 

 

「箒だけが処罰対象で三日謹慎と反省文って

どういうことだよ千冬姉っ!」

 

どう言うことだも何も。

 

「一日は精密検査で二日目と三日目は土日。

実質的な罰は反省文だけ。軽すぎる処罰だな」

 

一夏に関しては最初から司馬が処罰の

対象外としてくれていたからな。

まったく、借りが溜まる一方だよ。

クビになったら冬林に行くことになるだろう

から、十蔵さんも私を免職にする気は無い

ようだし・・・後は減棒がどれだけのモノに

なるかだな。しばらくツマミは無しかなぁ。

 

「そう言う問題じゃないだろ?!」

 

一夏。コイツはあの場で何を見ていた?

まさか応援してくれた箒が不当に罰を受け

たと勘違いしてるんじゃないだろうな?

 

コイツはこれから様々な問題に突き当たる

だろう。その際、毎回毎回独自の価値観で

動くような英雄症候群など起こされては

たまらんぞ。

 

現実と言うのをしっかり知って貰わねば。

 

・・・冬林の我慢にも限界が有るんだからな。

 

「そうだな。本来なら、緊急時に隠れていた

無抵抗で無防備な放送部員を木刀で殴って

気絶させ、避難すら出来なくしたのだ。

傷害の現行犯はもちろんのこと、下手を

したら殺人未遂として法的に裁かれるところ

謹慎三日と反省文だ。

被害者に対してなんと説明したら良いか

私にもわからんな」

 

こうしてみたら軽すぎる処罰だろ?

 

と言うか何で普段から木刀を持ち歩いて

いるんだ?立派な武器だよな?

・・・問題を起こして突っ込まれる前に

教室や学園内では没収するようにしておこう。

 

「あ、いや、だってアレは仕方ないだろ?!」

 

なんでさ

 

「何が仕方ないものか。あのあと箒が放送

部員を抱えて避難したなら救助活動として

認めることも出来たが、実際に行ったのは

放送機材を使って状況を悪化させただけ」

 

色んな意味で悪化したよ。

特に十蔵さんの胃がな。

 

「状況を悪化させたって・・・俺を応援

してくれたじゃないか!」

 

この阿呆が。お前の応援の為に箒が傷害罪を

犯したとなれば、折角無処罰で終わっていた

ところに刑事罰が下るぞ!

 

とは言っても理解出来んだろうし。

 

「あの放送のせいで放送室に人が居ると

言うことが、テロリストにバレた。

もし狙われていたら、箒は逃げることが

出来たかも知れんが気絶させられていた

二人の放送部員はどうなっていた?」

 

こう言う方向ならどうだ?箒が間違った

行動を取ったと理解出来るだろう?

 

そもそも応援の為に他の人間を木刀で

殴って気絶なんかさせたら駄目だろ。

 

なんでソレが仕方ないになるんだ?

 

「だけどそんなことには・・・」

 

「ソレは結果論だ。確かに放送室は狙われる

ことなく死者は出なかった。だが今回罰を

与えねば、箒は今後も緊急時に避難指示に

従わずに生身で危険地帯へ行き、周囲の人間

を応援の為に殴り倒すことになる。

再発防止の為にも箒には罰が必要なんだよ」

 

問題は箒も自分が悪いと認識していない

場合だ。反省文の内容を良く吟味して

必要なら説教もしなくてはな。

 

「・・・確かに生身で危険地帯へ行くのも

木刀で人を殴り倒すのも良くないことでは

有る。被害者への謝罪と再発防止が必要

なのもわかった」

 

「そうか。ならお前は・・・」

 

「けど、それなら他にも罰を受けなきゃ

ダメなヤツが居るじゃないか!」

 

「部屋で勉強をって罰を受けなきゃダメなヤツ?

まぁ対応が遅かった我々教師もそれなりに罰を

受けることになっているぞ?」

 

コイツの立場からすれば教師は何をして

たんだって話だろうしな。

 

「違うっ避難指示が出てたのに観客席から

動いてない生身の二人組が居ただろ!

水色の髪をした小柄な人と黒髪のヤツが!

何でアノ二人は処罰対象にならないんだ?

傷害は起こしてないけど命令違反だろ?!」

 

命令違反って・・・アホかお前が言うな。

それに更識簪に対しては小柄な人で司馬

に対しては黒髪のヤツ?何故一夏が司馬に

敵意を抱いているんだ?本能が恐怖を感じ

てしまい、無意識にソレに反発してるのか?

 

「勘違いするな。そもそもアノ二人には避難

指示など出して居ない」

 

「はぁ?何でだよ?」

 

「何でって・・・お前。彼女を知らんのか?」

 

まぁ所詮はバイトだったからな多国籍企業の

実質的なトップの顔など知らないか?

 

報告書では、自分がテロリストの標的の可能性

もあったし避難したところを他の生徒と一緒に

爆破などされたら困る。と言う理由であえて

動かなかったと説明されて居たが・・・まぁ

否定は出来んよな。

 

「えっと・・・あの人は有名な人なのか?」

 

「世界的な有名人だ。更に我々とも無関係

ではない。そもそも彼女達は専用機持ち

で、いざと言うときは凰の援護をするために

あの場に居たのだぞ。ソレを何故処罰せねば

ならんのだ?」

 

処罰されるのはコッチだと言うのに。

 

「世界的?て言うか専用機持ちなら何で早く

援護してくれなかったんだよ!コッチは

必死で戦ってたのに、まるで実験動物を

観察してるかのような目で見られてたぞ!」

 

なるほど、一夏が彼女らに不快感を覚えた

のはそこか。ただなぁ。

 

「彼女らが動かなかった理由は、凰一人で

勝てたからだ。あのときお前にも言ったが、

勝てるところに割り込んで邪魔するのは

援護とは言わん。お前が乱入した後は

我々にすぐに動くよう連絡を入れてきた

くらいだ。援護をしていないなど勘違いも

良いところだぞ?」

 

「・・・けどあの目はっ!」

 

もしや本人も覚えていないような、古い記憶

の中にある研究者連中の目を思い出したか?

 

まぁ正直彼女から見たらアレも一夏も凰も

実験動物のようなモノだから仕方ないがな。

 

「一夏、最初に言っておくが、あの人に

とっては私もお前も等しく価値がない」

 

「は?」

 

とにもかくにも、司馬に対しては悪感情を

持っているのは不味い。ただでさえ人は

悪意に敏感なのに、アノ人たちは・・・

絶対にコレは矯正せねばならん!

 

「だから私の弟だからとか、男性操縦者だから

とか。そう言う色眼鏡で見られる心配が無い

と言う意味では、私たちにとって世界で最も

信用出来る相手でもある」

 

第一回の世界大会で優勝したときもその前と

変わらず普通に接してくれたのはあの人たち

だけだったしな。

 

「千冬姉を特別扱いしてないからこそ信用

出来る?それってまさか・・・」

 

流石に気付いたか。コイツは異性の好意以外

には鋭いところも有るからな。

 

「そうだ。あの人は冬林技研の関係者だ。

ちなみに、名は司馬仲達さんで冬林の実質的

トップの一人だよ」

 

クラスで噂とかにならなかったのか?いや

凰のインパクトが強かったせいかもな。

 

「・・・」

 

ん?固まった?

 

「・・・マジか?!同じ学校に居たのかよ!

俺あんだけ冬林の人達にお世話になったのに

アイサツとかしてないよ!どーしよ!コレ

ヤバイよな?!すぐにお茶菓子とか買って

こないとっ!あぁダメだ!世界的な企業の

トップが飲み食いするレベルのお茶なんて

想像出来ねーよっ!つーか何で教えてくれ

なかったんだヨツンヴァイ?!」

 

「落ち着け、そうやって慌てて接触され

ても迷惑だろうし、この学園内では立場の

関係は無いことになっているだろうが」

 

まぁ学生なら焦る気持ちもわかるがな。

 

「い、いや、そうは言うけど無視は不味い

だろ?!セシリアと違って「知らなかった」

なんて言えるような人じゃないし!」

 

セシリアもこの業界ではそれなりに有名人

なんだが・・・まぁ東洋での知名度は比較

にすらならんのは確かだ。

それも歴史上の偉人としてではなく今を

生きる本人の知名度だからな。

 

「そんな有名人に世界で唯一の男性操縦者が

近付いたなんて噂が立ってみろ。次の瞬間

には冬林技研の技術者連中にかっ攫われて

気付いたときには生身で宇宙遊泳してるぞ」

 

アノ人達は司馬と教頭の為ならそのくらい

当たり前にやるからな。

 

「・・・それ、冗談に聴こえねぇよ」

 

「本気だ。だからお前は絶対に自分から接触

するな。そもそも相手は社長令嬢みたいな

モノだぞ?元社員やバイトにアイサツされても

リアクションに困るだけだろ」

 

まぁ普通に「そうですか。有り難く頂きます」

くらいは言うだろうけど。

 

「そ、ソレもそうだな。とりあえずアノ人に

ついてはわかった。さっきのは忘れてくれ。

コッチからは絶対に関わらないし、アッチ

からナニか言われたら最優先で行動すれば、

キサラギさんが待つ奇跡の部屋に運ばれる

ようなことは無いよな!」

 

キラサギさんか。アノ人はリアルにマッド

なんだよなぁ。1度束も分解されかけたし。

 

一夏にとっては世話になった人でもあり

本能が恐怖を覚える存在でもあるか。

 

まぁアノ人のお陰で研究所は完全に潰せた

から間違いなく恩人では有るんだが・・・

 

「正直言ってアノ人の行動基準は私程度では

予測出来ん。とにかくシツレイの無いように

しておけとしか言えんな」

 

いやほんと。コジマさんやアリサワさんも

アレだが、私たちにとってはキラサギさん

が一番の天敵だろうよ。

 

「・・・わかった。絶対にシツレイの無い

ようにするから、もし捕まったら何とか

して助けてくれよ!」

 

「あぁ全力は尽くそう」

 

としか言えんよ。

 

流石に冬林に殴り込みは出来んし、そんな

ことしても普通に返り討ちだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏はコレでよし。後は箒か。

それからフランスとドイツからの転入なぁ。

 

・・・ラウラって一般の学力大丈夫なのか?

 

 




弟子、好感触なので側室の話を進めてみる

かんちゃん。鼻から愛が流れ出そう。

フランスの人のことなんか、話して無い
のに何故かフランスが頭に浮かぶ不思議。

弟魂、姉魂を説得。
姉魂、弟子の社会的地位にビビる。

まぁ、自分と姉がお世話になった会社の
上役に日常生活ではシツレイしませんよ?

まぁ原作って姉魂もアレですが、周りも
相当アレですからね。
つか主に設定(世界)に対するアンチ作品
なので、姉魂単体が嫌いな人には物足りなく
なりそうな予感ってお話


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18話

なんだかんだで原作三巻開始?

短編とは一体・・・

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「司馬様ーフランス人って馬鹿なんですか?」

 

リンちゃん。いきなり何を言うかと思えば。

 

「准尉、軍人や為政者の有能無能は結果で

語るモノです。簡単な題材としては・・・

マジノ線要塞群と言うのを知ってますか?」

 

「はい!第一次大戦の後ドイツに備える為に

多額の税金を投入して造っておきながら、

結局アレだったヤツですよね?」

 

流石司馬少佐!凄い説得力だよっ!

 

「近代ではソレですね。近世においては

ナポレオン・ボナパルトがアレだけの国を

築いたにも関わらず、その後継を名乗った

ルイ18世にまともな統治は出来なかったし、

更に中世でのジャンヌ・ダルクの扱い等を

見れば、どう好意的に見ても指導層が優秀

とは言えないでしょうね」

 

「なるほどー個人的には優秀な人が

居るかも知れないけど、指導者層は

アホなんですね?」

 

うん、そうなるよね。マジノ線だって

元帥と大臣の派閥争いの結果妥協

したって説もあるし。

 

軍事要塞造るのに妥協したら駄目じゃん。

 

指導者層って基本的には歴史があったり

するお金持ちだから、一定の価値観が

定まっちゃうんだよね。

 

日本だって明治維新終わった後、薩長を

重んじて会津系とか東北の人間を徹底的に

差別して、軍閥の結束に利用してたし。

 

戦後軍閥や財閥は解体されても、実際には

彼らの影響力はあるってわかるよねぇ。

 

つまり革命があろうが何だろうが、

指導者に必要とされる能力や価値観が

変わらない以上、国のやり方や気質は

変わらない。

 

さらに民主主義は国民の気風を直接受ける

から、フランスではドイツ軍人みたいな

合理主義者が台頭することは無いんだよ。

 

つまりフランスの指導者層は私たちの

価値観からすれば・・・馬鹿だね。

 

「それで、いきなりでしたが何か異常

があったんですか?転入生が来たのは

今日ですが、いきなりボロを出すような

真似はしないでしょう?」

 

接触禁止令が出てたもんね。あっちが

甲龍の情報収集するために接近して

くる可能性はあったけど、そもそも

専用機の展開は許可されてないし。

 

「いやー何と言いますか・・・

隠す気無いんですよねぇ」

 

「「隠す気が無い?」」

 

バレてることを前提とした自爆特攻?

 

「いやぁ、本人は隠してるつもりなの

かもしれませんけどね?あまりにも

お粗末でして・・・周りも気付いてて

知らない振りしてるレベルですよ」

 

あぁ志〇~後ろ~!って感じかな?

 

「ふむ。良く分かりませんね。

映像記録を見せてもらえますか?」

 

「はい、コチラです!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カクカクシカジカフランスニムートンイトウ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・なるほどコレはひどい」

 

「少佐、こいつ等馬鹿なんですかね?」

 

いや、リンちゃんが連中の頭の中を疑う

のも良く分かるよ。

 

「世界第二の男性操縦者という触れ込み

でありながらISに詳しく、専用機を持ち

ISの操縦も既に代表候補生並とは。

・・・馬鹿ですかね?」

 

ですよねー。

 

「大前提として、シャルル・デュノアを

名乗るアレが世界初の男性操縦者ならば、

デュノア社はその情報を公表して、男性

操縦者の情報を担保として世界中から

データや資財を集めたことでしょう」

 

ですよね。わざわざIS学園に入れて

情報の漏洩をする必要が無いんだよ。

 

「そうですね。つまりソレをしていないと

言うことはアレの設定は、あくま

で織斑のアホがISを起動したことで国中

の男性が調べられた時に、偶然起動出来た

人間なはず。それなのにコレは無いですよ」

 

ISの知識云々はデュノア社の人間

だから開発やら何やらを学んだで

済むかもしれないけど、それならISに

触れることだってあったよね?

何年も前からISに関わってたのに

触れたのは数か月前?有り得ないでしょ。

 

「そうですね。ISの搭乗者として

不備が無い程度に整備が出来る習熟

度合いが有りながら、ISに触れた事が

無いとでも言うのでしょうか?」

 

「更に触れてから数か月で代表候補生

クラスの操縦技能?イギリスのアレ

と違い特殊兵装の適正で選ばれた

わけでも無いのに?」

 

アホみたいに遺伝子操作を受けたわけ

でも無いのに?有り得ないでしょ?

 

「これらの矛盾を一切合切隠していない

と言うのは、流石に異常です。

更にドイツの人形は何故コレに反応

しない?情報収集も任務でしょうし、

不倶戴天の隣国の弱点ですよ?」

 

ですよね。ドイツとフランスが手を

組んだとでも言うんですかね?

 

「さらに山田教諭・・・自分が兵器を

扱っていると言う自覚が無い」

 

「そうですね。制御を失って落ちて

くるとか・・・コレ、あと数メートル

ずれてたら生徒が肉塊に変わってますよ?」

 

普通に出てこいや。

 

「織斑・螺旋頭対山田教諭については

・・・まぁ教導と言うことで手加減

したのでしょう。

コレが全力ならIS学園の警備に教員

を使うことを禁じる必要があります」

 

こんなのまるっきり案山子ですよねぇ。

 

スッと行ってドンで終わりますよ。

 

「しかしアレですね。この映像を

見てると盗撮動画みたいですよね」

 

「「・・・」」

 

あ、あれ?!引いた?まさか少佐まで?!

 

「ま、まぁ実際盗撮だし?」

 

「・・・一応授業内容の監査の為に

映像資料を残すことは伝えてますが

・・・まぁコイツらみたいな痴女みたい

な恰好してる連中の動画ですからね。

特殊な趣味の持ち主にとっては高値で

取引するモノなのかもしれませんね」

 

で、ですよねー

 

「そ、そう言えば司馬様は最初から

だけど、簪もズボンタイプの制服に

したよね!」

 

リンちゃんナイス!せっかくだから私は

このビックウェーブに乗るぜ!

 

はいはい!この話題はココまでー

盗撮なんか有りませんでしたー!

 

「うん。大佐殿の側室云々は別に

しても、男の人に肌を見せるのは

ちょっとアレだし・・・そもそも

整備するのに制服とかスカート

とか有り得ないでしょ?」

 

整備室で恰好なんか気にしてるんじゃ

ねーよ。整備ならツナギだろツナギ!

 

「そうですね。私も基本は技術士官

ですし、非常時に戦闘になる事も

ありますから行動を阻害しない服装

にするのは基本です。そもそも私は

師以外に肌を晒す気もありません」

 

さすが司馬少佐!愛、覚えてますね!

 

「なるほどなー。私もそういうの

気にしないと、周りから痴女とか

言われちゃうんですかねぇ?」

 

え?今なんて?

 

「「今更?」」

 

ホラ、司馬少佐も普通に驚いてるよ?

 

「( ゚Д゚)」

 

あ、なんか本気でショック受けてる?

いや、だけど自覚無しって有り得なくない?

 

「いや、リンちゃんは控えめに見ても

露出狂でしょ?

健康的な露出と過度の接触で織斑を

落とすつもりなんじゃないの?」

 

ぱっと見制服もソレ目的で改造してる

よね?それ以外考えられないよ?

 

「( ゚Д゚)」

 

「そうですね、私もてっきり周囲からの

誹りや嘲りを覚悟した上で任務の遂行

の為にソッチに振り切れたモノだと・・・」

 

ですよねー

 

「( ゚Д゚)」

 

「あの無駄に露出の多いISスーツだって

見栄えを良くして男の興味を引くための

モノじゃなかったんですか?」

 

「「え?そうなんですか?!」」

 

なんかアレを着た方が稼働率とかに

プラス修正が付くんじゃなかったの?!

 

「いや、それ以外に何があるんです?」

 

「え、いや、ISの稼働率に・・・」

 

そ、そうそう。そうじゃなかったら

あんな痴女っぽい恰好なんかしませんよ!

 

「ソレは嘘ですよ。こんなの少し考えれば

わかるでしょう」

 

「( ゚Д゚)」

 

今日のリンちゃんは驚きすぎだよね!

 

「もしアノ恰好が必要なら織斑だって

同じ格好しないと駄目でしょう?

アマチュアレスリングみたいに」

 

ア、アマレスか。まぁ確かにそうなるよね?

 

「更に言えばアレで稼働率が上がるって

どんな理屈ですか?素材云々言うなら

全身を包んで全体的な接触をさせるべき

だし、直接の接触が必要なら量子変換で

部品として服を出せば全身ISと接触して

るってことになりますよね?」

 

「「・・・」」

 

た、確かにそうだよ。ロボットモノ

だって普通は全身を包むか裸だよね!

 

中途半端に水着みたいな格好にする

理由が・・・無い?!

 

「え、じゃ、じゃあコレは何で?」

 

「先ほど言いましたが、男の興味を

引くためでしょ?軍人であると共に

スポーツ選手でも有りますし。

あと軍としてはシールドエネルギーが

切れた時に対象を殺すことも考えたの

ではないでしょうか?

防弾スーツとか着こまれたら生存率

が上がってしまいますからね」

 

なるほど・・・ISスーツもソコソコの

防弾性能はあるけど、本格的な専用

装備と比べたらアレだし、その上で

この露出だもんね。

これだったらいくらでも隙は突けるか。

 

うん。普通に武装してたら、ISが無く

なっても生存されちゃうもんね。

 

これはつまり搭乗者をISに依存させる

ためのモノなんだよ。

 

「そ、それが何でコレを着ることが常識

みたいになったんですか?!普通誰か

気付きますよね?!」

 

最初に気付くのは軍の関係者だから

ISの搭乗者が裏切ったときとか

調子に乗った時の粛清手段を公表

したりはしないよね?

研究者が個人的に気付いても予算とか

回さなければ研究は出来ないし、勝手に

やったら予算の横領扱いだし。

 

「軍の意向もありますが、所詮は10年

にも満たない期間しか研究していない

にわかの研究者ですからね。

元々兎が言い出したことですし。

製作者が言うならそうなんだろうって

感じで受け入れられたのもあるのでは?」

 

「( ゚Д゚)」

 

「ふぅ。コレだから技術に便乗するしか

出来ない三流の技術者は駄目なんです」

 

篠ノ之束が悪いのか、そこから一歩も

進めない技術者が悪いのか?

いや、まぁ国もISスーツの見た目より

IS自体の性能の向上を優先してたし

予算の割り振りもソッチ向きだったはず。

 

織斑千冬のせいで、細かいことは個人の技量

だって言う風潮もあるね。

 

「ちなみに兎がこんなことを言い出した

のは織斑千冬にあの恰好をさせる為です」

 

「( ゚Д゚)」

 

予想以上にくだらない理由だったなぁ。

 

「そもそもが宇宙服ですよ?露出したまま

だと生命維持に掛かるエネルギーが無駄に

かかるでしょう?

出来るだけエネルギー消費を抑えるなら

簡易の宇宙服の上から展開するべきだし、

無駄な動きを無くして最大の操作効率を

出すなら、全身を覆うタイプのISスーツを

纏いその上にISを纏うのが最良です」

 

なるほど。そもそも宇宙服ですもんね。

肌着とコートみたいな感じかな?

 

「ソレをしない理由は、軍の意向と

今までの常識を否定したくない研究者。

そして量子変換のスロットを節約する

為ですか・・・」

 

所詮ISを戦力に考えてる人たちって

ごっこ遊びなんだよね。

 

コストパフォーマンスが悪すぎだし。

整備とか部品代とかもあるけど、結局は

搭乗者個人の能力に依存しすぎなんだよ。

 

ISを装備した連中が100人いても

司馬少佐一人に勝てないんだから兵器

としては失格だよね。

 

それでも各国がISの開発を止めないのは

篠ノ之束と冬林技研がISに依存

するような社会を作ったからか。

 

もっと細かく言うならISに使われてる

機能を個別に研究させない為に、ISと

いう偶像だけを見るようにしてる?

 

元々ハイパーセンサーの機能だけで

世界を取れるモノだからね。

 

飛翔ユニットや生命維持システム

だけでもかなりのモノなのに、ソレを

解明するような動きが無いのは、研究の

ためにはコアをバラす必要があるから。

 

連中はコアを自作出来ないからどうしても

コアがあることを前提とした技術を研究

することが出来ないんだよね。

 

篠ノ之束を抱えると言うことはそういう

障害を全て無視できると言うこと。

 

だから世界中の国家や組織が彼女を

探してるけど、彼女は発見されてない。

 

中国や冬林技研が抱えてるんじゃ

ないかって意見は昔からあったけど、

その証拠が無いしこの前の無人機

の件で私たちも被害者と言う印象を

植えつけることが出来た。

 

・・・まぁ実際被害者ではあるけど。

 

「まぁ結局のところ予算の関係もあるで

しょう。全身のISスーツは基本的に

オーダーメイドだし、素材だって

安いモノではありません。私や特尉は

普通に購入できても何のコネも資金も

無い学生では手が出ませんからね。

支給された一般の装備を使うしか無い

のであれば、最終的にコノ痴女の見本市

のような光景が出来上がるのでしょう」

 

「痴女の見本市って・・・え?まって!

簪も全身タイプなの?!( ゚Д゚)」

 

あ、そこ気付いちゃった?

 

「そりゃそうだよ。細かい理由は今

知ったばかりだけどさ。そもそもの話、

全身タイプがあるならソッチを選ぶのが

普通じゃないかな?」

 

何であんな【きわどいみずぎ】を授業中に

着なきゃ駄目なの?水泳でも無いのに。

私はアナタと違って痴女じゃないんだよ。

 

ISだって体の線を隠すための装甲もちゃんと

装備してるから、見た目にはフルプレート

の騎士みたいな感じかな?

 

「司馬様は余裕ある道着タイプだし!私だけ

痴女って思われてたの?!」

 

「「なにを今更」」

 

司馬少佐は多少効率が落ちても体の線を

出さないことを優先したんだよね。

 

冬林技研も司馬家もソレが当たり前って

感じでISスーツの開発してたし。

おかげで全身スーツのノウハウも手に

入って冬林技研もにっこり、司馬家も

にっこり、少佐もにっこりでみんな大満足。

 

大佐殿?あの人が見たいって言ったら

少佐が嫌がるわけ無いじゃん。

普通のISスーツも着るんじゃない?

 

あぁ、いまはリンちゃんか。愉悦愉悦っと。

 

「そうだよ?みんなしてアイツも大変だなー

って噂してたくらい見世物なってたよ?」

 

代表候補生として写真とか普通に

撮られてたしねー。

 

「( ゚Д゚)」

 

あんなの、どのアングルからみても

痴女のサービスショットだから。

 

私はイジメに遭ってたからそういう

意味での露出は無かったけど、今

考えたらラッキーだよね!

 

「リンちゃんとか他の代表候補生なんか

写真からウス=イ本まで、幅広い用途で

相当数の悩める男子諸君のオカズとして

今日も食卓に上がってるよ?」

 

現在進行形で。

 

「( ゚Д゚)」

 

まぁコレは織斑千冬とか山田教諭も

一緒だけどね。

 

ふっ、リンちゃんは犠牲になったのだ。

少佐や私の代わりにな。

 

いやーアレ歳を取ったら黒歴史だよねー。

 

「し、司馬様!私にも!私にも全身

タイプのISスーツ下さいっ!体の線が

出ないヤツをっ!!」

 

リンちゃんは何着ても真っ直ぐだよねー。

 

「簪、アンタ私を見てナニを考えた?」

 

ふ、そんな目をしても可愛いだけだよ!

そういうのはアホにやってあげなさい。

 

「さて、フランスの阿呆が隠す気が

無いのか、隠蔽が出来ない程の阿呆

なのかですけど、少佐はどう思います?」

 

「無視しやがった!( ゚Д゚)」

 

任務優先なのは当然だよね?

 

「まだ初日ですから何とも言えま

せんが、おそらくは両方でしょう」

 

両方か、なるほど。

 

「えっと、両方って言うのは?」

 

リンちゃんは素直だからなぁ

 

「リンちゃん、もともとこの阿呆は

潜入工作が出来るような性格でも無いし、

自分たちの計画が上手く行くって思って

いるようなバカでも無いんだよ」

 

父親と義理の母親に虐待を受けて

いるから、会社の為に何かしようとも

思っていない。投げやり状態だね。

 

「そうですね。特尉の言う通りでしょう。

つまりは学園が予測し、望んだ人間が

そのまま来たと言う形になります」

 

「あぁ、引き抜こうにも馬鹿じゃ

使えませんもんねー」

 

そうだね。後はアホの織斑と仲良く

させて引き抜くだけか。

 

恋愛脳の10代女子を潜入工作に

使うことが間違ってるって話だね。

 

引き抜かせることまでが狙いかも

知れないけど、その場合は何かする

前にフランスとデュノア社を潰す

くらいのことは出来るよねぇ。

 

いくら追い詰められてるとは言え

世界的企業の社長がナニをして

るんだって話だよ。

 

「まぁ織斑一夏も、同室なら男性と

女性の違い程度はすぐに気付くでしょう。

我々は高みの見物をすれば良いだけ」

 

学園は女を引き付けるフェロモンを持つ

アホの織斑にアレを接触させて、アホを

引き抜きさせる気か。

 

それで引き抜いたなら責任とれって感じで。

なし崩し的に織斑も手に入れるつもりかな?

 

まぁ引き抜きが成功したら我々は

学園の美人局を非難できますもんね。

 

女性と知りながらアホの織斑と同室にした

のは何故だって感じから切り込むかな?

 

「でも一夏とフランスの女を一緒

にして間違いがあったら・・・」

 

いや、別に良いんじゃない?

 

「最終的にリンちゃんが織斑を獲得

出来れば良いんじゃない?

そうやってアホの織斑が持つ女に対する

ハードルを下げて貰えば良いじゃん」

 

「ん?な、なるほど・・・」

 

「ですね。今一時的に体の関係を持って

周囲と軋轢を生んで捨てられるよりは、

最終的に添い遂げる為の雌伏と思えば

良いでしょう」

 

「か、体の関係!」

 

そうですよね。この辺は理解あるところを

見せるのが好感触だと思うなー。

 

「そうそう、篠ノ之と螺旋頭が搗いて、

フランス人がこねた餅をリンちゃんが

食べればいいんだよ」

 

まぁ学園での思い出を胸に一人

寂しく生きるのも有りだけどねー。

 

「最後の勝者になる為に・・・か」

 

うんうん。少し前ならソレすら認めな

かっただろうに。

やっぱりアノ襲撃で洗脳じみた恋心

に綻びが出来たのかな?

 

それともそういう駆け引きっぽい

のに疲れただけ?

 

ま、私たちとしてはどっちでも良い

話なんだけどね。

 

大佐殿はやさしかったし。ちゃんと

私も見てくれるし、意見を笑わないで

真剣に聞いてくれたし。

 

・・・アホとは違うのだよアホとは!

 

「そうですね。結婚後の事を考えれば

シャルロット・デュノアはどうしても

安定感がありません。篠ノ之箒もソレは

一緒です。螺旋頭は・・・間違いなく

家庭が破綻するでしょう」

 

まぁアホに貴族的な考えとか企業の

トップに必要な判断はできませんか。

 

最悪バツ1かバツ2になったのを

拾っても良いよね。

 

「普通に考えたら好きだけじゃ結婚

なんかできませんよねぇ。その後の

生活や子供のことを考えたら、今は

地道に昇進して足場を固めつつ千冬さん

の攻略ですね!」

 

お、この前の私たちの話を聞いて

結婚について深く考えたんだね?

 

けど私もこの前初めて知ったけど、幸せな

家庭を築くには体の相性も大事だからねー。

 

ひんぬーは駄目だとか言われたりして

体に不満を持たれてNTRとか笑えないよ?

 

更に言えばアホには801疑惑あるんだし。

 

野獣のような先輩に迫られたら、勢いに

負けて「アッー!」しちゃうかもよ?

 

「その通り。急がば回れとも言いますし、

今は必要以上に過敏になる必要は無い

でしょう。むしろ余裕を見せることで

アレにとっての数少ない癒しの対象に

なるのも良いかもしれませんね」

 

さすが司馬少佐です!

 

「確かに。大人しい猫って癒し効果あり

ますもんねぇ」

 

確かにソッチ方面ならリンちゃんの

一人勝ちだよね。

寄り添って甘えさせれば良いんだよ。

 

「ふむぅ(ΦωΦ)」

 

あ、「さぁ私に甘えに来たまえ」って

言うのは特尉の私のセリフだから

リンちゃんは言わないでねって、後で

釘を刺さなきゃ。

 

「とりあえず近日中に動きがあるで

しょうから、その時に備えて学園側を

追い込む仕込みをしておきましょう」

 

追い込む仕込みか・・・流れとしては

 

1・アホの織斑がデュノアが女性と気付く

2・織斑千冬に相談する

3・学園とフランスの折衝

4・デュノアが女だったと公表する

5・フランスが被害者面する

6・デュノア社がトカゲの尻尾切りに遭う

7・デュノアが学園内で亡命OR帰化宣言

 

ってところだよね?

 

私たちが関わるとしたら、最速で3かな。

後は好きな時に介入できるね。

 

介入のタイミングごとに発生する

メリットデメリットを考えて司馬少佐

のサポートするのが私の仕事だね!

 

「そのときリンちゃんはデュノアを責める

んじゃなく、認めてやる方向で行けば

アホの織斑の好感度も上がると思うよ」

 

なんたってあのアホは力も無いくせに

「自分が何とかしなきゃ」って思う

ような人間だからね。

 

自分が守るって決めた人間を非難

するより、認めてもらった方が印象は

良くなるはず。

 

「え?良いの?」

 

「まぁ積極的に行くと駄目だけどね?

どうせ学園とフランスで話をつける

んだから、こっちには何の責任も無いし。

連中に便乗してやれば良いんじゃない?」

 

一石二鳥どころじゃないよね。

フランスは勝手に恩を感じるし、

アホの織斑からの好感度も得られるし、

織斑千冬とも共通の話題が出来るし、

私たちの行動の隠れ蓑にもなるし。

 

もうウハウハじゃない?

 

「特尉の言う通りです。貴女にこの

情報が入るのは学園とフランスの折衝

が終わった後でしょう。

故にあくまで理解を示すだけにしなさい。

下手に協力する姿勢を見せれば我々

の動きが警戒されてしまいますからね」

 

「了解です!」

 

普通に考えたらそのタイミングだよね。

 

司馬少佐に連絡が来るのは2の

織斑千冬に相談が入った時かな?

 

勝手にフランスと折衝する前に

一報くらいは入れてくるハズ。

 

もし無視したらそれも介入の口実

になるし。

 

しかしフランスもアレだよね。アホを転入

させる準備が終わって書類とかの処理が

終わったと思ったら司馬少佐の監査員就任

だもん。焦っただろうねぇ。

 

常任理事国の会議と、IS委員会で司馬少佐

の監査員就任に反対票を入れたのは間違い

なく失策だった。

 

過去の一挙手一投足がそのまま墓穴に

変わるのが政治の世界。

司馬少佐と大佐殿の怖さは轡木十蔵を

遥かに凌ぐんだよ。

 

今回更識は無能の烙印を押されるかな?

 

あえて受け入れたと言えば学園の

美人局。知らなかったと言えば無能。

 

どっちに転んでもプギャーで愉悦っ!

 

「簪、なんか機嫌良いですね?」

 

「・・・まぁ学園と更識に吠え面

かかせてやれますからね」

 

 

私は日本の敵になりたいのだっ!!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「司馬様ードイツ人って馬鹿なんですかぁ?」

 




フランスの評価については
あえて悪い面だけを出してます。

あくまでも弟子とかんちゃんの価値観ですよ?


6月に入ってようやく歩行訓練って
・・・普通に考えて駄目だと思うんだ。

あとISスーツ。
中途半端すぎ。
宇宙なめんなってお話


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19話

基本的にこの作品は【蛇足】です。

今回の話は同じ作者の【とある策士】
の方を見ないと話の流れはわからない
と思われます。

見てない方は、中盤は無視した方が良いですよ?

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


今度はドイツかー。問題を起こすのは

知ってたけど、三日目で問題起こすって

相当だよね。

 

「ドイツですか。私の印象を言うなら合理

主義で頭の良い生真面目な馬鹿ですね」

 

「「あぁ」」

 

なんかしっくりきますよ。たぶん日本の

人も大体そんな感じの印象あるかも。

 

「基本的に合理主義で天才や秀才を容認する

だけの器の大きさはありますし、ソレを

育てる経験や法整備もありますね。

「居るんだから有効に使う」という発想

でしょうか。それ故医学・工学・軍事など

合理を求めムダを嫌う分野に置いては近隣

諸国を突き放すだけの素養はあります」

 

ですよね。基本的にそう言う部分では

優秀ですよね

 

「ただし、合理で片付かない分野に

おいては理解が遅れる節がありますね。

感情と言うモノが蔓延する民主政治の本質は

彼らには理解できていない可能性も有ります」

 

ありえる。これは日本人もそうだけどね。

今の民主政治は国民の意思で政治家を選出

してとか言うけど、日本人ってもともと

そう言う国民性じゃないんだよね。

 

「軍人が一番わかりやすいですが、彼らは

基本的に自分の専門分野以外に口を挟む

ことをしないのです。

軍人は政治に口を出さない。科学者も

政治に口を出さない。と言った感じで、

他には目もくれないからこそ一つの分野を

極めるようなことが出来るのではないで

しょうか?」

 

あぁ、確かに一つに没頭して他を

切り捨ててる印象はあります。

・・・っていうか技術者って基本的に

そんなモンですよ?倉持のクズが政治を

忖度するのだって予算の為でしょ?

 

「文民統制としては文句ないですよね?」

 

まぁ専門家にアホが反対意見を言わないって

意味ではそうだね。

 

「そうですね。ただ肝心の統制する文民。

つまり政治に対する理解が無いので、

政治が暴走する可能性を孕みます。

そして自分たちの邪魔をされることに強い

不快感を覚えるようですので、一度反発

すると修復が非常に難しい。

政治家が軍事に口を出すな!とか反対に

軍人が政治に口を挟むな!とか、

政治家が医術の発展の邪魔するな!ですね」

 

最後のはマッドなアレですよね?!

 

「ストッパーが居ないってことですか?」

 

「そうなります。まぁ一応軍事の場合は

政治家を兼任する軍務大臣に命令して、

ソレを軍務大臣が認めれば、後はトップ

ダウンで命令が行き渡りますので暴走は

抑止出来ますよ?

軍も別にクーデター等を起こす気はないので、

ある意味では正しい役割分担と言えます」

 

政治は政治家の役割だから、軍人である

自分達が上に立って何かをしようとは

思わないって言う事ですか。

まぁ軍人としては正しいよね?

 

問題は軍人気質の人が政治の主導権を握った

場合だけど・・・まぁ世界的に警戒されて

るからね。近隣諸国、特に政治に関しては

相手を腐らせることに定評が有るイギリス

が居るからね。あの国がその辺の内部を色々

コントロールすると思うけど。

でも今はイギリスそのものが分裂してる

からなぁ。またドイツが台頭するかも。

 

「ですから、今回の人形のように政治的

役割を踏まえた作戦行動と言うのは本来

彼らの苦手分野なのです」

 

「「なるほど」」

 

まぁ生粋の軍人だもんね。軍事以外に興味も

経験もないのに、いきなり政治的な役割まで

押し付けられて混乱してるのかな?

 

「本来なら准尉と私のように役割を分ける

べきなのですが、軍事と政治の壁でしょう。

特に現場の軍人は政治に無関心どころか

政治に関する役人を嫌いますし、

そもそも人形の存在は少し調べたら政治的に

アウトだとすぐにわかる存在です。

軍部としても政治将校のような存在を付ける

わけには行かなかったのでしょう」

 

「政治なんて面倒事に関わるくらいなら

いっそ全部任せた方が楽ですけどねー。

最低限の信頼関係が無ければ無理ですか」

 

「まぁ「デザインベビーを量産して産まれた

時から軍事教育してました」なんて言うのは

政治的には間違いなくアウトですからね」

 

軍部の中の派閥とか政治の中の派閥とか

色々あるだろうけど・・・まぁどっち

にしろお人形さんは孤立無援の単独任務。

 

そりゃ混乱するし肩肘も張るよね。

 

「本来のドイツ軍人なら出来ないことをさせる

ような気質ではありませんし、準備を怠る

ような無能でもありませんが、男性操縦者が

織斑であったこととフランスの阿呆の存在に

軍部も政治も引っ張られましたね」

 

なるほど、織斑千冬はドイツの教官も

してたから縁はある。織斑一夏の情報を

得るなら、姉と特に接点があった人形を

派遣することが一番マシって軍部は判断

したのか。

 

だけどその人形に政治が出来ないから

どうしようって感じ?それともそういうの

関係なしでVTシステムを暴走させることで

織斑を殺して軍部に介入しようとしている

派閥でも有る?

 

いや。そのVTシステムを使うのが人形なら、

デザインベビーを作って軍事利用している

連中に対するカウンターになるよね?

 

さらに無駄にISに拘る連中を掣肘する

ことも出来るか。

・・・アレ?これって連中の作戦が

成功したほうがドイツっていう国は

マトモになるんじゃない?

 

「それで、そのドイツが何を

しでかしたのですか?」

 

あ、そうだよね。生真面目なバカが何を

したかの報告だったよ。

 

「はい!では映像の確認をお願いします」

 

・・・盗撮とかは絶対言わないぞ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

カクカクシカジカドイツノムートンイトウ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・なるほどコレはひどい」

 

「少佐、こいつ等馬鹿なんですかね?」

 

いや、フランスのときも思ったけどさ。

関係者全員バカだよね?

 

「まずこの人形ですが第三世代機の調査は

わかりますが、無駄に織斑一夏を敵視して

ますね。コレは何か理由が?」

 

私も織斑のアホは嫌いだし仲良くしようとは

思わないけどさ。

国とか組織を滅茶苦茶にしてまでつっかかる

って相当だよ?

 

アホだからって理由で第三世代機で攻撃

していいなら、このIS学園そのものが

消えて無くなってるし。

 

「なんでも以前一夏が攫われたせいで、

千冬さんがモンドグロッソの決勝を辞退

したことが気に入らないとか」

 

「「はぁ?」」

 

何を言っているのかな?

 

「いや、そもそも織斑千冬は弟魂ですよ?

ISか弟かと言われたら弟を取るでしょう?」

 

ですよねー。日本代表だって本人的には

別に望んでないわけだし。

そんなことして悪目立ちするくらいなら

普通に就職したかったって話だよね?

「もうそっとしてくれ」って感じでさ。

 

「それにドイツで開催された大会で

大会参加者の関係者が誘拐されたん

だから、悪いのは誘拐した犯人と

警備を担当したドイツじゃないの?」

 

普通に考えたら織斑千冬の連覇を

邪魔に考えてる人間なんかいくらでも

いるじゃん?

 

「人質とって邪魔したるぜよ!」なんか

誰でも真っ先に考える妨害方法だよね?

 

そもそもコレに関してはアホの織斑は

誘拐された被害者だよ?

無用心だって言う言い方もあるかも

しれないけど、中学生がプロに狙われて

逃げるって無理じゃない?

 

そもそも日本政府は何をしてたの?

織斑千冬の唯一の弱点なんだから連覇

して欲しいならちゃんと護衛しなきゃ

ダメじゃん。

 

おいこら楯無、何してた?

 

織斑千冬の連覇を阻むための誘拐

という作戦行動でしょ?

絶対に突発的なヤツじゃないよね?

必ず組織が絡む計画があるよね?

 

ドイツや日本の上層部にその計画を

認めてた奴がいたんでしょ?

 

まさかドイツも日本もその他警備のプロ

も揃いも揃って裏をかかれたとか?

 

『誘拐か・・・その発想は無かった』

 

なんて真顔で言わないよね?

 

「その辺アレの思考回路が良くわかんない

んだよねぇ。普通なら軍部の失態をお詫び

しなきゃダメじゃん?なんで憎むのかが

さっぱりでさー」

 

確かに分からないね。

 

「そしてイギリスの螺旋頭に対する

暴行ですか。コレはまぁ挑発に乗った

螺旋頭も非がありますね」

 

「そうですね。ただでさえ以前にヤった

アレで感情で兵器を振り回すと判断

されたのに、今回のコレですからね」

 

さらにボロ負けしてるし。まぁ近接戦を

するための機体じゃないし、あくまで

BT兵器のテストパイロット的な候補生

だから勝ち負けより兵器の稼働率が問題

なんだろうけど・・・コレは無いよなぁ。

 

「個人的には一夏を馬鹿にされたって

言うのはムカつくけど、だからって兵器

使ってまで戦うのか?と言われたら・・・

ありえないでしょ?」

 

「「ですね」」

 

「この挑発もなんというか・・・流石

10代女子ですね。もう少しまともな

口上は無かったのでしょうか?」

 

「普通にお互いの第三世代機の性能

試験として・・・とか言えば螺旋頭も

無下にはしなかったと思いますが」

 

国の威信がかかってるからね。

下手な戦闘もアレだけど、だからと

言って尻尾巻いて逃げるのも違うし。

 

本国や担当者に許可を取ってからなら

正当な試験になったと思うんだけど

 

「狙いはあくまで一夏だったみたい

ですから。同じクラスの専用機持ち

である螺旋頭を倒して挑戦状みたいな

形にする気だったんだと思います」

 

「「・・・」」

 

いや、なに?その世紀末思想?

 

「コレでドイツの特殊部隊の隊長かつ

少佐ですか。尉官教育どころか兵卒と

しての再教育の必要性を感じますよ」

 

まさしく兵器の私物化ですもんね。

 

学園的には場所はISの展開が許された

アリーナだから特に問題はないけど、

コレは訓練に身が入りすぎた結果って

ことになるのかな?

 

「さらに織斑一夏による乱入行為ですか」

 

これもなぁ。緊急だと思ったんだろう

けど、先にアリーナの担当監視員に

連絡入れるべきだよね。

 

「うーん。何故わざわざ乱入したんで

しょうね?」

 

まさか先生にチクるのカッコ悪いとか

言うつもり?

 

「自分で助けたかったんじゃない

ですかね?」

 

「いや、無理でしょ。なんだかんだで人形は

軍人としては・・・ダメだけど、兵士として

も・・・ダメか。えっと、IS操縦者としては

それなりの実力者だよ?

アホの織斑が勝てるわけ無いじゃん」

 

「だよねぇ(;´Д`)」

 

それとも同族嫌悪?量産型のくせに

生意気だって感じ?

 

無理無理。遺伝子操作されてる上に

軍事オンリーの人生を歩んで来てて、

織斑千冬に教導されて脳まで筋肉に

なったんだよ?

ISの稼働時間だって比べ物にならないし。

 

ドイツでの扱いが悪かったからアレかも

しれないけど、コレはちょっと前の私でも

苦戦する相手。

それに対してアホは姉に守られて生ぬるい

学生生活してたでしょうに。

もうこの時点で勝てるわけないじゃん。

 

「さらにフランスの阿呆も参戦しますか。

・・・ドイツのビールがホットって、

フランス冗談ですか?」

 

出来はスゴク・悪いですよね。

 

さらにココで戦闘行動取ればフランスの

阿呆の性別に疑問を抱く連中が増えるん

じゃない?

いつ・どこで操縦技術を学んだのかって

感じになるんじゃ無いの?

工作員が目立ってどうする気なんだろ?

 

「そもそもドイツの冷水と呼ばれた

人形がここまで感情的になって

良いものなんですかね?

普通にAICも見せびらかしてますし」

 

秘密兵器でしょ?可動実験も兼ねて

るのかもしれないけど、コレ後頭部

隙だらけだよね?

 

これから弱点の修正するのかな?

 

「ふむ。確かに感情に任せて兵器を振り

回しテロリストを殺してそうな感じですね。

装備の実験などで相手を殺し回った結果の

通り名でしょうか?」

 

「え?それ言ったら司馬様とか副所長さん

なんか冷酷非情どころじゃないですよね?

・・・ひぃっ!(つд⊂)」

 

・・・リンちゃん。君は馬鹿なのかな?

 

「・・・まぁ否定はしませんよ。軍事的な

実験に犠牲は付き物ですからね。

むしろ中途半端に妥協したら行けません。

その結果マジノ線要塞群のようなモノが

出来上がるのです」

 

「「金と時間と人材の無駄ですね」」

 

確かに中途半端はいけない。トライして

エラーする前に最低限の計画を立てな

きゃダメだって話だよ。

 

「そもそも師は李家の当代当主ですよ?

世界中の暗部にとっての恐怖の象徴が、

冷酷非情という言葉で収まらないのは

当然のことでしょう?」

 

そうですよねぇ。普段は優しいけど必要

なら笑顔で人体実験出来る人じゃないと、

超人102芸とか披露することすら出来

ませんよねぇ。

 

アレ、普通に人を殺すことが前提の

技ですし・・・

 

「確かにそうでした!(´・ω・)」

 

「私もその師の弟子筆頭として恥じぬ

程度の実力はあると自負してますからね」

 

そりゃ冷酷非情なんかじゃ収まりませんね。

 

そもそも政治の世界に温さなんて必要

無いですから。

人形が何人殺したか知らないけど、

司馬少佐は普通に殺すだけじゃなく

書類の上でも人を殺してる。

 

単純な犯罪者から政治関連の死傷者を

合わせたら既に10000は殺してるよね?

 

司馬少佐の持つマル秘リストに名前が

乗っただけで死亡が確定するんだから、

コレはもうリアルデスノートだよ!

 

「筆頭?でも司馬様が弟子入りする前

から副所長さんは李家の当主ですよね?

李家に筆頭の人とか他に居たんじゃ

・・・ひぃ!?(つд⊂)」

 

・・・リンちゃん。君は馬鹿だな。

 

「私が筆頭です。前の筆頭?そんな

モノは存在しません。いいね?」

 

「「あ、はい」」

 

何故か私も答えたけど、この人たちを

見たらドイツの人形なんかやっぱり

人形だよねぇ。

 

「ち、ちなみにその筆頭である司馬様は

102芸のウチどこまで使えるんです?」

 

「え?司馬少佐も使えるんですか?李家

の秘伝ですよね?!」

 

いや、弟子筆頭だから使えて当然なの?

 

「別に李家だけの秘伝でもありませんよ。

もともと超人102芸は李厳殿の師の技で

あって李厳殿のオリジナルではありません。

前に言ったでしょう?李厳殿が習得できた

のはおよそ7割だと」

 

あ、そういえばそうだ!別に李厳様が

開祖ってわけじゃないんだもんね!

 

「り、李厳様の師匠?!」

 

ん?あぁ、中国では李厳様が武神なんだ

もんね。その師匠なんか想像もつかないよね。

 

「えぇ。その師匠は様々な教えを門下生

に教え様々な人材を育てました。

武人としては李厳殿や姜維、徐晃や呂布

趙雲に華雄などが有名ですね」

 

「( ゚Д゚)」

 

門下生が有名過ぎませんか?!

 

「武将としては公孫賛や張任や張遼、

他にも楊任や楊奉、孟達ですか。

為政者としては孫堅やその娘の孫尚香、

李恢に徐庶や袁術。董卓も・・・まぁ

門下生と言えますかね?」

 

「( ゚Д゚)」

 

「いや、ソレ晋の有名どころが

ほとんど門下生じゃないですか!」

 

そんなの有り得るの?北○神拳だって

一子相伝なのに、当時の知識とか武術

って継承者以外には伝えないのが普通

じゃないの?!

 

「そうですよ?むしろ門下生によって

出来た国が晋です」

 

「( ゚Д゚)」

 

「陳登や黄叙も・・・まぁ一応弟子とは

言えるかも知れませんが、どうでしょう。

陳登は徐庶付きですし、黄叙は孫尚香の

弟子のようなモノですから、今回は

除外でいいでしょう。馬騰に関しては

・・・アレは門下生では無いですね」

 

「( ゚Д゚)」

 

豫州徐家の宰相として知られる陳登と

四将伝の作者の一人と言われる黄叙

も関係者なの?!

 

って言うかリンちゃんが驚いたまま

固まった?!カッチカッチだぞっ!

 

「その中でも冀州司馬家の初代として

知られる司馬仲達は幼少の時から

筆頭弟子として扱われていました。

彼女の前にもその師匠に教わっていた

張松達が居たにも関わらずです」

 

「( ゚Д゚)」

 

正確には姉の司馬朗が初代ですが

って言ってますけど、今さらりと

出てきた張松も有名人ですよね?!

 

「そ、それは何故でしょう?」

 

基本的に当時の中国は年功序列だし、

他の人たちだって決して無能じゃない

よね?ソレなのに何で幼少で後から

弟子入りした当時の司馬懿が筆頭

扱いなの?!

 

「師匠の全てを継げると判断された

からですね。政略軍略謀略の三略に

加え、個の武術から医術、思想まで

託すに値すると判断されたのです」

 

なんか少佐がスゴク誇らしげだけど

ちょっと寂しそう。コレはなんだろう?

 

「じゃ、じゃあ晋を作ったのって

当時の司馬懿様じゃなく、その師匠

じゃないですか!何でその人が無名

なんですか?!」

 

あ、リンちゃんが復活した。だけど

そうだよね。普通ならそんな人が

居たら歴史に名を残してるだろうし。

 

あ、けど司馬懿の師匠として有名な

のは楊修だよね?

 

「もしかして楊修様がその師匠なんですか?」

 

それなら楊家が序列第一位になった理由も

わかるし・・・だけど楊修は政治に特化

した人間だって話だと思ったけどなぁ。

 

「楊修殿は師匠の幼馴染です。彼は

文官の極みと言って良い人間でしたが

軍略や武術にはからっきしでした」

 

や、やっぱりそうなんだ?

なら他に師匠っているの?

 

「当時の司馬懿達の師匠は己の名を売る

ことに消極的でしてね。

曰く、『策士が名を知られたら駄目』とか

『獲物の前で名乗りを上げる狩人なんざ

存在しない』と常々語っていたそうです」

 

そ、それはそうだけど!

 

「その師匠の通称は教頭でした。

暗黒将軍とか暗黒卿と言うのも

ありましたが、流石に本人に対して

正面からそのようなことを言う

阿呆は居ませんでしたね」

 

「「教頭?!」」

 

あれ?確か今の大佐殿って・・・

 

「特尉は気付きましたね?そう現在

李家の教頭と呼ばれる我が師李儒文優。

その名の元である李儒殿が当時の司馬懿

達の師匠です」

 

「「え、えぇーーーー?!」

 

司馬少佐の名前は初代の名前を継承

したのは知ってたけど、じゃ大佐殿の

名前もその人の名前を継承してたの?!

いや、それ以前の問題だよね!

 

「李儒って人畜無害だけど狭量で、

司馬懿の功績に乗っかって出世して

ただけの人じゃ無いんですか?!」

 

「だ、だよね!李儒って言えば司馬懿

の足を引っ張るような人だよね?!」

 

本当にみんなの師匠なら

なんでそうなったの?!

 

「その悪評の元は曹操となってますが、

実際は李儒殿がその悪評をあえて広め

己の評価としたのです。

謀は密を持って為すと言いますからね。

更に司馬懿に晋を造らせるにあたって

自分の存在は邪魔にしかならないと

判断したというのもあります」

 

「( ゚Д゚)」

 

なんて香ばしい生き様!

 

「そして・・・まぁ色々ありまして。

若くして死期を悟った彼は、弟子達

に対し己の名を残すことを禁じました。

コレは先ほど言ったように新たな国を

造る英雄に師匠の存在は不利益に

なると判断したためです」

 

その色々が聞きたいです!

既にこれだけで2時間じゃ足りない

映画になりますよね?!

 

「え?何で不利益になるんですか?」

 

え?司馬懿の名前の重みが減るから

じゃないの?

 

「李儒殿は30前後で早世したのです。

その死因はともかくとして、師匠であり

国家の礎を築いた英雄を司馬懿が殺した

などと噂が立ったらどうなりますか?」

 

「・・・司馬懿の英雄としての名に

傷が付きます」

 

そうだね。国を興した英雄が、実は

師匠の功績を掠め取っただけって

言われたら・・・

 

「それに国家の正当性も。暗殺によって

出来た国なんか認められませんよね?」

 

1000年戦うどころか、100年、

いや50年持たずに戦いで滅びちゃう。

 

「そうですね。李儒殿の存在を正しく

伝えてしまえば、それが国家を乱す

原因となります」

 

関係者が生きているウチはまだしも、

関係者が死んだ後で資料だけ見たら

それを口実に出来るもんね。

 

「けどそれはまさに暗部の生き方

じゃないですか?己の名を消して

まで国の礎を築くなんて、当時の

武将にできることなんですか?」

 

家の存続を何よりも尊び、次いで名声

を求めた当時の人たちの中で自分から

名を消して弟子を支えるなんて普通は

無理なんじゃないの?

 

「普通は出来ませんね。李儒殿が特別

だったと言うことでしょう。そして

名を残すことを禁じられた弟子たちは

彼の名を教頭とだけ呼び、その名と

教えを子々孫々伝えることとしました」

 

これは「自分の先生が言ってたこと

だからよく聞くように」って感じかな?

 

「その中に超人102芸もあったんですね?」

 

あ、そうそう。元はその話だった。

当時の裏話面白すぎるよね!

 

「そうです。司馬家と姜家、そして李家

がその技の一部を伝授されたのです。

まぁ司馬懿も姜維も李厳殿の域には到達

できず、司馬懿が習得したのはおよそ6割。

姜維が習得したのはおよそ4割と言った

ところでしょうか。まぁ数はともかく

使いこなすという点では李豊以上であった

とされていますけどね」

 

ほほう・・・コレはまた随分香ばしい

感じがしてきましたぞ?

 

「そして質問の答えですが、現在私が

使えるのが7割。到底使いこなしている

と言えるレベルではありませんがね」

 

「「7割?!」」

 

もう武神じゃんっ!!

 

いや、大佐殿が神だから・・・何だろ?

拳王?聖帝??

 

「ふむ。我が国の昔話はこの程度で

良いでしょう。今はドイツの人形の話です」

 

「「・・・あ、そうでしたね」」

 

いや、別にいらなくないですか?

私としてはソッチの方を聞きたいん

ですけど。

 

「なるほど。それで最後に織斑千冬が

乱入して「試合でケリをつけろ」ですか。

問題の先延ばしと言うか何と言うか、

まず最初から止めろと言いたいですね」

 

ですよねー。少なくとも螺旋頭に

対する過剰攻撃は見逃してますね。

 

「あぁ、千冬さんは本来今日の担当じゃ

なかったみたいです。担当に応援として

呼ばれたって言ってましたよ」

 

教員のくせに情けないって言いたいところ

だけど、今回はしょうがないかな?

 

「・・・なるほど、第三世代機の衝突

ですからね。戦闘になれば教員と

いえども第二世代では不覚を取る

可能性もあるし、学園のISを損傷させる

わけにもいきませんか」

 

「ですね。ヘタに手加減して負けたり

したら今後の授業にも関わりますし。

まぁ警告くらいは出すべきだったとは

思いますけどね」

 

なんかそういうの一切してないよね?

自主性を重んじるとかそう言うレベル

じゃ無いような気がするんだけど。

 

「とりあえず関係者全員が馬鹿で

阿呆なのはわかりました。

イギリスが抗議するかどうかは

わかりませんが、第三世代の評価

試験を兼ねていると考えれば公には

したくないでしょうね」

 

惨敗ですからねぇ。1対1じゃ勝て

そうに無いし。

 

「これ、結局処分とかはありますかね?」

 

「学園としては生徒同士の接触という

形にしてしまえば楽ではありますが、

そうすればこの人形は無罪放免。

周囲の感情的にはどうでしょうかね?」

 

「かといって公にすれば管理不十分で

司馬少佐が介入する口実になります。

コイツら自爆しすぎじゃないですか?」

 

首輪でも付けて、勝手にIS展開したら電流

でも流れるようにしたら良いと思うんだ。

 

「まぁどちらに転んでも我々は損してる

わけでもないですし。

月末の試合を楽しみにしましょうか」

 

「試合ですかぁー面倒ですねぇ(´Д`)」

 

私たちは別に出なくても良いけど、

リンちゃんは普通の学生しなきゃ駄目

だもんね。だけど気を抜きすぎじゃない?

 

「リンちゃん、油断したらダメだよ!」

 

司馬少佐に怒られる前に注意しなきゃ!

 

「いや、油断って言うか余裕でしょ?

あんな欠陥機に負けないって」

 

い~や油断だねっ!

 

「人形がVTシステムで盛大な自爆を

するだろうから、巻き込まれないように

しないとダメだって!」

 

超至近距離で花火が炸裂するようなもん

だよ?油断するなんてとんでもない。

 

「そうですね。自分が信号で止まって

いても、相手が突っ込んでくることが

あるという事実を忘れてはいけません」

 

です!予期せぬ貰い事故が一番怖いんです!

 

「確かにっ!了解です(*`・ω・)ゞ」

 

敬礼は右手だけど・・・シカタナイネ!

 

コレで暫くはドイツの人形は動かないし。

あとはフランスの阿呆と織斑のアホの

学園ラブコメの見物かな?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簪ー簪ー私とペア組んでーーー!」




昔話はともかく、ドイツのお人形さんや
螺旋頭が何をしたかは原作を見ておくれやす。

リンちゃんは参戦してません。だって
許可がないと専用機使用禁止だし。

あくまで他の第三世代機や姉魂の白式を
研究する為に陣取ってる感じです。

観客席には、当然他の人も居ますし
カメラも普通に回ってる設定。

だってみんなそのために居るんだし?
実機使った訓練を見ないっておかしいよね?

司馬家と李家に李儒の名が伝わってたのは
・・・誰のせいかなぁ( ̄ー ̄)ニヤリってお話


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20話

時系列的に前話の同じ日の
夜と次の日の朝の話ですね

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「リンちゃんが司馬様ー!ってこない

のは珍しいねって・・・ペア?」

 

ペアって何?クマ?洋梨??

それとも中国語でなんか有るの?

 

「そうなの!コレ見てよ!いきなりよ?

どーなってんのよ!!(#゜д゜)」

 

いきなりとかどうとか言われても・・・

 

「とりあえずそのチラシ?握り潰し

てたら見れないからね?」

 

手の中にあるものをどうやって見ろと

言うのか・・・ハイパーセンサーでも

無理だよね?

 

「あ、あまりの衝撃で握りつぶしちゃった。

ごめんごめん。ハイ、ちょーっとシワが

寄ってるけど見れるから良いわよね!」

 

「・・・まぁいいけどさ、司馬少佐に

見せる書類はこんな風にしちゃダメだよ?」

 

普通にお仕置きだからね?

 

「わかってるって!流石に司馬様には

そんなこと出来ないわよ!」

 

私なら良いのかよ!ってツッコムべき

なのかなぁ?だけど、な、仲がいい友達

ってきっとこんな感じなんだよね?

 

「ま、まぁわかってるなら良いよ。

で、チラシの内容なんだけど・・・」

 

はぁ?ペアってそういう意味?!

 

って言うかバカじゃない?!

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

『ふむ、フランスもドイツもアホだな』

 

それ以外なんと表現すれば良いのやら、

流石の師もお困りの様子ですね。

 

「ハイ。更に織斑千冬が乱入し問題を

先送りにしました。これによって後日

アレに搭載されたVTシステムが衆目に

晒されることが確定しましたね」

 

あの場で発動させていれば秘密裏に

抑えることも出来たでしょうに。

タイミングが悪いのか、それとも

狙ったのか・・・

 

『その場で片付ける方が教育者として

は楽だと思うんだがなぁ。あのアホは

ウチで何を学んだんだか』

 

そうなんですよねぇ。ただ通信教育で

授業を受けただけではなく、キサラギ

の研究室の連中がしっかり教育を

施したハズなんですけど。

 

あの様子では連中は参考にも反面教師

にもなってませんよ。

生徒としての目線しかなかったと言う

のでしょうか?

 

やはり大学に通わせまっとうな教育過程

の単位を取らせるべきじゃないですかね?

 

もしくは担任ではなく指導員として

一切の権限を剥奪するとか。

 

「そうですね。試合は月末ですので、

言い換えれば織斑千冬は月末までの間、

人形の教育を放置すると言うことです」

 

時間を無駄にしていると自覚してますかね?

 

二週間あれば凰鈴音を学生から准尉に

するくらいの教育はできるというのに。

 

『それにしても人形のコノ精神状況は

あきらかに異常だ。

織斑千冬に対する依存だけで片付けて

良いものでもなさそうだな』

 

己を軍人であると定義付けて居る者が、

この支離滅裂な言動ですからね。

 

「ですね。ドイツの人形は兵士としての

思想教育は受けたようですが、軍人と

しての教育を受けたとは思えません」

 

薬物でも投与されているのでしょうか?

生まれや環境を考えればソレも

有り得ますが・・・

 

アレではVTシステム関係なしに事故を

起こすでしょう。

 

『人形が勝手に自爆する分にはドイツの

勝手なんだが、その事故にお前や更識簪

が巻き込まれるのは面白くはないな』

 

「そ、そうですね」

 

ふ、ふふふ。まったく、普段は厳しい

くせに私生活だとこんなに優しいん

ですから・・・ほんと卑怯ですよねぇ。

 

それに特尉も順調に側室として認めら

れてるようで何よりです。

 

各種相性も悪くないようですし、コレ

で兎の比重も減れば最高ですね!

 

「では介入しますか?月末までは

完全に孤立しているでしょうから

いくらでも接触出来ますが?」

 

あの分だと普通の学生は接触を避ける

でしょうし、織斑千冬としても学園

としてもヘタに接触すればイギリスや

フランスの不評を買いますからね。

 

イギリスはともかく、阿呆を引き抜く

予定のフランスに隙を見せるような

ことはしないでしょう。

 

『だな。その前にこちらで根回しを

行うから、接触は明日か明後日になる

だろう。まぁ細かい予定はこれから

組むがお前もそのつもりで居るように』

 

「はっ!」

 

勝手に自爆させるよりそちらの方が

ドイツに貸しを作れると踏んだ?

ま、まぁ私たちの心配もあるでしょうけど!

 

『で、次の旅行に関してだが・・・』

 

「はいっ!来月一年の生徒は臨海学校に

行きますので、その後の土日を含めて

3泊4日の旅行が可能です!」

 

歩行訓練を始めたばかりの連中が外で

何をする気なのか、これはもうわけが

分かりませんよ。

 

こんな行事は無視です無視。それより

師と旅行です!

 

特尉はどうしますかね?准尉の補佐に

付けるか、それともこちらの旅行に

同行させるか。

 

正妻としては、側室を邪険にしないと

言う意味も込めて同行させても良い

と思うのですが、それだと夜の分担が・・・

 

ん?誰か来たようですね。

 

「司馬少佐、今お時間よろしいですか?」

 

特尉?それに准尉も居るようですが

またナニカあったんでしょうか?

 

暴行事件の当日ですよ?ドイツだの

フランスの連中は、もう少し落ち着く

ということを知らないのでしょうか?

 

『ふむ。まぁコッチの話は明日でも良いか。

まずは連中の相手をすると良いだろう』

 

「はい・・・」

 

あぁ、師との憩いの時間がぁ。

旅行の話もしたかったのに・・・

 

特尉と准尉が悪いわけでは無い。むしろ

緊急時の報告連絡相談は急いで当然。

 

だけどねぇ、もう少しあるでしょう?

 

まぁへうへうよりはマシですけど・・・

 

「今、開けますので少々待ちなさい。

・・・では大佐殿、失礼します」

 

『あぁ、疲れてるだろうが無理はするな。

基本的にお前には自由裁量が認められて

いるが、相手は10代女子だ。考えるのが

嫌になるようなことがあったら自棄になる

前にコチラに連絡をするように』

 

「はいっ!必ず連絡します!」

 

師に心配をかけるのは本意ではありま

せんが、心配してもらえると言うのは

嬉しいモノですね!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「それで、わざわざ夜更けに二人で来る

ということは相当な事案だと思いますが、

また連中が何かやらかしましたか?」

 

あぁ、大佐殿との報告の時間を潰された

司馬少佐がちょっと不機嫌だよ。

 

この人が感情を外に出すくらいだから

中身は相当荒れてるよね。

 

新しいチラシ持ってきて良かったぁ。

 

「そうなんですよ!コレ見てください!」

 

今度は握り潰さないようにね!

 

「コレ?チラシですか・・・はぁ」

 

司馬少佐もため息つくレベルですよねぇ。

 

「選抜タッグマッチってオカシイですよね!

しかもいきなりの変更ですよ!」

 

リンちゃんは怒るポイントがズレてる

と思うんだよね。

 

「少佐もお気付きでしょうが、連中は

まさしく異常です。

そもそも選抜と言っても、ついこの前

最初の歩行訓練したばかりの学生に戦闘

行動なんか取れるわけがありません。

さらにタッグマッチ・・・連携です」

 

「あっ!( ゚Д゚)」

 

こんなの訓練すらできませんよ。

 

「そうですね。その上、試合中にダメージ

を受けた機体の整備を考えれば・・・

誰がどう考えても無謀な試みでしょう」

 

ですよねー。誰とペアを組むとか

それ以前の問題ですよねぇ。

 

コレを毎年ヤってた?今まではペアじゃ無い

にせよ整備不良で死者とか出なかったの?

 

「( ゚Д゚)!」

 

リンちゃん、今気付いたって顔してる

けど、私にペア頼む前に気付こうよ。

 

まぁ私をパートナーに選んでくれた

ことは嬉しいけどさ!

 

「ふむ。コレはつまり学園側はドイツの

お人形を標的にしたようですね」

 

「え?アレがどうしたんですか?」

 

あぁ、なるほど。狙い撃ちにしてきた?

 

「リンちゃん。主席入学で専用機持ちの

螺旋頭が、手も足も出ずに完敗した上に

重傷まで負わされたんだよ?1対1で

戦える生徒が私たち以外にいると思う?」

 

普通に考えたら居ないよねぇ。

フランスの阿呆だって第二世代だし、

遺伝子操作と軍事教練漬けだった

人形に勝てるかと言われたら・・・

 

「あぁなるほど。つまり人形に足手まとい

をつけて弱らせて、一夏に勝たせるのが

学園側の狙いだと?」

 

お、ここでアホの織斑に行き着くなんて

成長したんじゃない?!

 

「そうですね。おそらく姉魂をフランスの

阿呆と組ませ、ドイツの人形と戦わせる。

そうすることで吊り橋効果も狙っているの

ではないでしょうか?」 

 

なるほど、フランスの阿呆をアホの

織斑に依存させる一手ですか。

 

「連携でもって強敵に立ち向かう二人って

感じですかね?まぁ三流の配役と脚本で

すけど役者は本気ですし、観客よりも

役者を満足させるための演劇と考えれば

・・・ありえますね」

 

英雄症候群とシンデレラ症候群の

合わせ技って感じだよ。

私は砂糖か反吐を吐きそうだけど。

 

「コレ、そんな茶番だったんですか?

あ、その上VTシステムまで起動したら、

人形は完全に悪者で正義の味方の二人

に教師も味方して公開フルボッコですか?

人形に同情するつもりはありませんけど、

コレ教育機関としてはどうなんです?」

 

うん。普通にイジメ案件だよ。

どう解釈してもありえないよねぇ。

 

まぁドイツにはお人形を切り捨てる

ことを前提に作戦組んでるヤツが

いるっぽいけど。

けどコレは内部犯なのかな?ココで

そんなことしたらドイツにとって

取り返しがつかない失点だけど・・・

あくまで今の政権に対するダメージと

しか考えてないならソレもあり得るか。

 

もしくはドイツ単体では自浄出来ないから、

他所の手を借りて膿を出しきろうとした?

 

「ドイツの作戦としてはともかく、

教育機関としての在り方を考えるなら

間違いなく無しです。

他の生徒との実力差を鑑みてのハンデ

キャップと言えば聞こえは良いかも知れ

ませんが、一人の生徒を対象にした差別

やイジメとも言えますからね」

 

ですよねぇ。

 

「人形は軍人だし連携訓練もそこそこ

できるでしょうが・・・どうしても相方

が足を引っ張りますよね?

最悪だと相方を後ろから撃って一人で

勝とうとしませんか?」

 

リンちゃん良い勘してるよ。

 

合理的に考えれば足手まといは邪魔な

だけだからね。

通常なら相方を無視する形でヤると

思うけど、苦戦するような相手の場合、

つまりアホと阿呆のコンビ相手なら

おそらくそうするだろうね。

 

「そうですね。アレと連携を組む為

には軍人的な思考と能力を持った

人間が必要ですが、この学園には

私たち以外にそのような者は存在

しません。

かといって私たちはこの茶番に参加

するつもりもないので、このままなら

人形は孤立無援となって暴走。

結果として暴走の鎮圧を理由にシステム

ごと殺されるか、生き延びてもドイツが

証拠隠滅の為に殺すと言ったところでしょう」

 

どちらにしろココでお人形さんは終わり

ってことだよね。このままなら。

 

「え?( ゚Д゚)」

 

ん?リンちゃんは何を驚いてるのかな?

 

「どうしました准尉?何か疑問が有る

なら溜め込まずに聞きなさい。

それが貴女の持ち味でしょう?」

 

あ、司馬少佐もアレはリンちゃんの

持ち味だって思ってたんだ?

 

まぁそうじゃなかったら矯正してるよね?

 

「い、いや、私たちって試合には

出ないんですか?」

 

「「・・・」」

 

「え?なんですかこの「何言ってんだ

コイツ?」みたいな空気?」

 

この子ったら・・・コレがぽんこつって

ヤツですかねぇ?

 

「リンちゃん、夕方言ったよね?自爆

と貰い事故に気をつけろって」

 

私と司馬少佐の話をちゃんと

聞いてなかったのかな?かな?

 

タッグじゃないならまだ良かったかも知れ

ないけど、こうなったら確実にお人形は爆発

するよね?これは貰い事故にならないの?

 

「あ、そ、そうよね!もう爆発するって

確定してるんだから、わざわざ爆心地に

行く必要なんかないよね!」

 

花火は上に打ち上げるのを遠くから

見るから良いんであって、至近距離に

打ち込まれたらタダのテロだからね?

 

「まぁ今回は爆発する前に師が動く

そうです。明日か明後日に彼女と

接触しますので、二人もそのつもりで」

 

「え?接触するんですか?」

 

さっきこのままならって言ってたもんね。

何かするとは思ってたけど、これは爆発

する前に信管を抜く感じかな?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「さて、ドイツの人形に関してだが」

 

あんまりといえばあんまりだろう。

 

「う~ん。ちーちゃんが何とかする

と思ったら、まさかの投げっぱなし

だからねぇ」

 

アレもなぁ。ほんと教育者という仕事を

なんだと思ってるのやら・・・

 

「それに学園の方針もな。教育者の

端くれとして、アレは許せんよ」

 

事情を知らないのもあるだろうが、

一人の生徒を狙い撃ちにするヤツが

あるか。

アレだって別に卑怯な真似をしたわけ

じゃない。あくまで自分の鍛えた技と

国家が開発した技術を駆使しただけ

だろうが。

 

やりすぎだってんなら止めなかった

学園の教師連中が悪い。

生徒を止めれずして何が教師だ。

 

歪だとわかってるなら壊して導け!

 

「あ~リーくんはそうだよね。

私としてはアノ計画から派生したって

時点で殲滅対象だけど・・・

まぁアレが悪いわけじゃないし?」

 

アレを捌いたらクロエも似たような

扱いになっちまうしな。

 

「とりあえずドイツにはウチの連中を

向かわせる。そこで人形について調べた

ところ、存在の不自然さに気付きその

まま調査したってことにする予定だ」

 

もう全部知ってるが、何の動きも無い

のに情報が抜かれてるってわかったら

無駄に警戒されるからな。

 

ウチの連中にとっても、制限時間内に

どこまで正確な情報を持ってこれるかって

言う訓練にもなるし。

 

「回りくどい気もするけど、まぁ政治って

そんなもんなんだよね?束さんはソッチは

わかんないや。リー君に任せるよ!」

 

思考することを諦めてると言えるが

束は自分を科学者として定めてるからな。

 

純度を落とすのを嫌ったと思えば、

無理に矯正する必要も無いか。

 

「まぁそうだな。それで研究施設は

もちろんのこと、どこから資金が流れて

るのか、どこに情報が流れてるのかを

入手したってことにしてドイツ上層部に

連絡を取り、人形を我々が引き受ける

よう働きかけることにする。

アレに対する教育はそれからだ」

 

証拠を握った上で施設を連中に潰させよう。

 

もし連中が研究施設を潰さなかったら

俺がACで仕掛けてやろうじゃないか。

 

「ま、反対はしないよ。だけどVTシステム

の方はこっちで潰してもいいかな?」

 

ん?まぁアレは束の美学に反するからな。

 

あんなものを造って喜ぶ変態はこいつに

潰してもらうか。

それに粛清手段が明確に違えば、束と

俺が別勢力だと勘違いさせることも

出来るしな。

 

・・・いや、もしかしたらソレも考えた

上で自分が動くと言ってるのか?

 

だとしたらこの兎、ほんとに成長した

もんだよなぁ。

 

「うわっ!だ、だからいきなり頭を

撫でるのは何でなんだよ!」

 

ふはははは。人の成長を喜ばぬ教育者

がどこに居るというのか?

おとなしく撫でられるがよいわ!

 

「ま、まぁいいけどさ!あの、それで、

クーちゃんはもう寝たから・・・」

 

「あぁ、わかってる。防音も十分だし、

たまにはハメを外すと良いさ」

 

好き勝手やってるように見えて、

本当に大事な妹や織斑千冬とは

触れ合えて無いからな。

 

多少の憂さ晴らしも必要だろう。

 

「う、うん。ただ・・・」

 

「ん?どうした?」

 

コイツが言い淀むなんて珍し・・・

くもないか。

なんだかんだでコレ系にはいつまで

経っても慣れないからなぁ。

 

まぁ青春時代を丸々日本政府に監禁

されてたようなモンだから、この

歪さもシカタナイと言えばシカタナイ

んだろう。壊すには形が出来上がり

過ぎてたし、少しずつ変えるしか

無かったって言うのが、教育者として

情けない限りだ。

 

 

 

「あの・・・リー君も遠慮とかしなくて

良いからね?束さんは頑丈だからさ!」

 

 

 

・・・こいつめ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アッーーーーーーーーー!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

う~んやっぱり、リー君は凄いなぁ。

細胞単位で優秀な束さんも足腰立たない

なんて相当だよ。

 

これはしーちゃんも側室さんを入れる

気持ちがわかるよね!

 

・・・ほんとならそんなの許す気も

無かったけど、リー君の家の為って

言われたらなぁ。

 

私はテロリストだから、流石に正式な

奥さんとかにはなれないし。

 

あ”~あんなことする前に特許のこと

とかちゃんと調べてればリー君に

もっと早く会えたのになぁ。

 

まぁ過ぎたことだからしょうがないけどさ。

 

んで、しーちゃんの子だとどうしても

アッチの家の子になるもんね。

 

それにかんちゃんはかんちゃんで

宇宙戦艦に興味深々だったし、それなり

に素質もあるからシカタナイね!

 

この良妻兎は許してやろうじゃないか!

 

「お母様、おはようございます!」

 

「あ、おはよ~クーちゃん!調子はどうかな?」

 

調整失敗で廃棄されそうなところを拾って

来たこの子も、最近じゃ随分明るくなって

来たよね。

教育って大事!流石はリー君だよ!

 

「最近は調整も不要なくらい調子が良い

ですね。やはりキサラギ様は技術者では

なく医者を名乗るべきだと思いますよ」

 

キサラギかぁアレは・・・ダメだと思う。

 

医術とかじゃなく、あくまで生体ユニット

としてクーちゃんを調整したのは正直

凄いと思うよ?束さんとはベクトルが違う

天災なのも間違いはないだろうし。

 

束さんも一回捕まりかけたけど、毒とか

効かないはずの束さんが麻痺させられる

って、一体ナニヲサレタんだろうね?

 

宇宙と生命の神秘は果てしない!って

言ってたけど、アイツはいつか宇宙に

変なナマモノを創って放出する前に、

一度矯正する必要があると思うんだ。

 

まぁ束さんが言うことじゃないかも

しれないけどさ!

 

「キサラギについては・・・本人が

そう名乗ってるんだからソレを尊重

してあげようじゃないか!それより

リー君とはもう会った?」

 

束さんと一緒に動いてるからクーちゃん

は中々リー君と会えないからね!

・・・夜は早く寝るように言ってるし!

 

「はい、お父様はクロエの頭を撫でて

くれましたし、ご飯も作ってくれました!」

 

うんうん。クーちゃんのお父さんなら

束さんの旦那さんだからね!その調子で

リー君に甘えるんだよ!

 

「それで、なんでもお二人の次の標的は

ドイツだとか?」

 

おぉ?まぁクーちゃんの生い立ちを

考えれば、好きにはなれないよねぇ。

 

「そうだよ!クーちゃんを造ったような

施設もまだあるみたいだけど、そっちは

リー君が潰すんだって。

束さんたちはVTシステムとか言う馬鹿

みたいなシステムを造って、束さん達

の夢を馬鹿にしてる連中を潰すんだよ!」

 

ちーちゃんのデータのコピー?

上辺だけちーちゃんを真似るのも許せない

けど、データだけとは言えちーちゃんを

操って戦わせるって言うのが許せないんだよ!

 

しかも中途半端な状態でしか再現できない

ってなんだよ!もう何のためのシステムだよ!

 

「・・・そもそも連中に生きる価値など

ありませんが、お母様の夢を穢すなら

なおさらですね。・・・粛々と埋葬します」

 

埋葬する必要なんか無いね!もう野晒し

にして斧で叩き割るべきだよ!

 

「作戦の決行はいつでもできるけど、

リー君からのゴーサインが出るまでは

禁止だよ!

フライングしたら怒られるから、今は

準備だけで我慢だね!」

 

ホントはすぐにでも殺りたいけど

リー君そういうの厳しいからなぁ。

 

政治的に一番効果が出るタイミングで

殺らなきゃだめだからって話だけど、

正直良くわかんないよね!

いつ殺っても一緒にしか思えないよ!

 

まぁリー君の指示に従って悪いことに

なったことが無いから、無駄に反発

とかはしなけどさ。

 

「?!絶対にフライングはしません!」

 

うんうん。お父さんの言うことは聞かないとね!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「し、司馬様ー!司馬様ー!」

 

「・・・朝からなんですか騒々しい」

 

元気なのは良いことですが、周りの

迷惑を考えなさい。

 

ただでさえ朝起きたら兎からの自慢

メールが来ててイラっとしたと言うのに。

 

もう次の旅行は絶対に外せませんよね。

アキタ以外の観光ポイントを早急に

探さねばなりません。

 

 

・・・しかし次に行こうとしていた

サイタマが予想外ですよね。

有名なマルノウチ・スゴクタカイビル

がどこにも無いんですよ。

 

海もないし?ツナミとか殺人マグロは?

築地ってトウキョウなんですか?

 

ソウカイヤは居るようですがメガコーポ

はトウキョウかオオサカが本拠地ですし。

 

北に向かえばグンマーですから、

やっぱりソッチにしようかなぁ。

 

もしくは監査の仕事って一学期だけとか

じゃ駄目ですかね?

もう十分指摘しましたよね?帰って師と

訓練したいんですけど。

 

 

 

 

「司馬様!試合が!試合の優勝者が・・・!」

 

准尉?あぁ、そう言えば居ましたね。

 

「試合?それに試合の優勝者?」

 

試合って月末のアレでしょう?

 

優勝もなにも出場者居るんですか?

 

イギリスの螺旋頭は損傷が激しくて

欠場ですし、ドイツの人形もこれから接触

しますから普通に考えたら出ないでしょ?

 

フランスの阿呆は織斑一夏とペアを組む。

 

我々は出場しないし。ほかの生徒は戦闘行動

なんか取れない上に連携訓練も出来ない。

 

こんなの良くて4人で2チームくらい

居れば良い方じゃないんですか?

 

「優勝したら一夏と付き合えるって

言う話なんです!

これはチャンスじゃないですか?!」

 

「はぁ?」

 

コイツは・・・いや、コレが10代女子

の暴走なのでしょう。

 

もう師に連絡しても良いですかね?

 

「いや、だから!」

 

「落ち着きなさい准尉、軍人が

不確かな噂話に踊らされてどうする。

醜態を晒す前に・・・死ぬか?」

 

「_| ̄|○ スミマセンデシタ!」

 

いや、朝から廊下でそんな大声で

ドゲザされましてもねぇ。

これは上官に対する嫌がらせですかね?

 

まぁいいや()

 

今回は10代女子の暴走と言うことで

勘弁してやりますよ。

 

「とりあえず結論から言いましょう」

 

さっさと冷静になれ

 

「け、結論ですか?」

 

「えぇ、そうです。確定した結論なので

異論があるなら自分で裏取りでも何でも

するように」

 

そもそもそんな噂話を私の元に持って

くる時点でアレなんですが・・・まぁ

第一報としてならアリということに

してやりましょう。

 

「は、はい!わかりました!」

 

「では心して聞きなさい。

・・・試合で優勝したら織斑一夏と

付き合えると言ったな?」

 

「は、はい!だからっ試合に!」

 

落ち着けというに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは嘘だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「( ゚Д゚)」

 




いや、歩行訓練したばかりの
生徒に戦闘させるの?それも
タッグで強制参加?ありえねぇよってお話。

ドイツのロリ兎に希望の光?

もはや兎は勝ち組と言っても過言ではない。
そして弟子とはそこそこ仲が良いもよう。

ちーちゃんは・・・(つд⊂)


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21話

な、なんか一万文字突破したぞ?
それでもちゃんと纏まってないのに
文才の無さを感じますね。

ドイツ案件処理中。

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


『さて、お初にお目にかかります首相殿』

 

「・・・えぇ、ハジメマシテ」

 

中国の殺戮兵器が国連大使を通じての

接触とはな。

・・・最近我が国に対し活発に人員を

派遣して来ているのは知っているが。

何の用だ?何かを探り当てたか?

 

『長々とアイサツするような間柄でも

ありませんからね。ここは単刀直入に

行きましょうか?』

 

単純に時間を惜しんでる?それとも

こちらに考える時間を与えない為か?

 

どちらにせよ拒否するような提案

でもない、か。

 

「えぇ、それは助かります。時間は

有限でお互い暇ではありませんからな」

 

本来なら相手を探るために時間が

欲しいところだが、今回は正直ありがたい。

 

何せコイツは根回しもせずに、今まで誰も

干渉できなかったIS学園に監査員を送り込

むという難事を容易く行った政治の化物。

 

さらに暗部としての情報網やら実行力

まで備えてるときた。

 

時間を与えたり、些細なことで言質を

取られたら一発でアウトだ。

 

接触は最小限に。提案を受けた後は、

後日返答と言う形にして直接の接触を

終わらせるのが最良だろう。

 

『流石は実直を好むドイツの首相。

大変結構。話が早くて助かります』

 

褒めてるようだが上から目線だな。

 

しかし、いきなりこのような無礼を

何の理由もなく行うような男ではない。

 

一体コイツは我が国の何を知った?

 

「・・・ご用件をどうぞ」

 

反撃も納得も後。まずはソレを確認せねば

コチラは何もできん。

 

『では、当方は貴国に対し国連安保理に

よる制裁決議案とIS所有権剥奪決議案を

提案する準備がある。

どちらを受けるか。それとも当方との

取引を行うかを選ぶと良い』

 

「は?」

 

コイツ、いま何と言った?制裁決議案?

IS所有権剥奪決議案?!

 

『当然証拠隠滅の時間を与える気はない。

この場で選べ。立場を言うなら既に

貴国は罪人でありコチラは全ての証拠

を握っている検察といったところだな。

対等な立場ではないと明言しておこう』

 

罪人?検察?!なんだこの自信は?!

我々は一体何を知られたのだ?!

 

「いや・・・本題を要求したのは私

ですが、流石に何のことかわかりません。

ソレなのに決断しろと言うのは無理な話です」

 

その選択肢なら取引しかないが、

内容もわからん取引など出来ん。

 

拒否するにせよ、聞いただけでダメな

情報というものは往々にして在る。

 

『ふむ。コレは私の持論だが、国家元首、

否、政治家も軍略家もそうだが、指導者

たる者は常に最新の、そして正確な情報

を得る為の努力を惜しむモノではない。

ソレを惜しむ者に指導者たる資格など

ないと思っている』

 

無能か怠慢か、そのどちらも指導者

にはあってはならない・・・か。

 

それはその通りだろう。つまりコレは

私が知らないハズがないと判断している?

 

『あぁ、誘導尋問と思われているなら

ソレは無用の心配だ。先程も言ったが

情報は既に揃っている。

更に国連安保理による貴国への制裁を

拒否する国は無い』

 

それはそうだろう。イギリスもフランス

も隙あらば我々を貶めようとしているし、

ロシアやアメリカが我々の味方をする

筈がない。中国は提案する側だ。

 

さらにISコアの所有権。イギリスも

フランスもロシアも喜んで承認する

だろうさ!

 

私が知らないうちに、どこかの誰かが

付け入る隙を作ったと言うのか?!

 

『まぁ当然の話だな。試験管の中から

産まれた、遺伝子改造を施された

人造人間を使った軍事力の強化など、

政治的にも倫理的にも認められること

ではないだろう?それも貴国では尚更だ。

少なくとも表立って貴国を援護する国

など、この地球上に存在しない』

 

「・・・は?」

 

コイツは今、何と言った?遺伝子改造?

人造人間を使った軍事力の強化?!

 

『とぼけるなよ。貴様らがIS学園に送り

込んだ人形。ラウラ・ボーデヴィッヒの

経歴を首相が知らんとでも言うつもりか?』

 

ラ、ラウラ・ボーデヴィッヒだと?

確かにIS学園に通わせると言う書類は

承認したが、経歴??

 

『なんだその顔は?まさか軍人共に

騙されて政治的な生贄にされたか?

それとも野党の息が掛かったテロリスト

に嵌められたとでも言うつもりか?』

 

軍人?テロリスト?コイツは何を?!

 

『本当に知らんのか?情けない。

コレが先進国の国家元首とはな』

 

も、持っている情報に差がありすぎる!

しかもさっきの内容が一部でも本当なら

我が国はまた世界中を敵に回すことにっ!

 

『ではこちらが入手した情報の一部と

時間を・・・そうだな10分やろう。

この場で確認するように。あぁ証拠

隠滅に動くようなら、今すぐに国連

に制裁案を提出するのでそのつもりで』

 

「・・・わかりました」

 

完全に身動きを封じられた!この場で

資料の確認以外の行動を取ったら

証拠隠滅に動いたと見做される。

いや、もうその判断さえコイツの

胸三寸っ!視線を資料から離すな!

咳もくしゃみも、汗を拭う行動すら

口実になるぞ!

 

「・・・15歳で少佐?」

 

いや、なんだコレは?10歳で改造手術?

 

適合できなくて落ちこぼれとして処分

されかけたところを12歳のときに

織斑千冬に出会い教導された?

 

その落ちこぼれが2年で少佐??

 

テロ殲滅?ドイツの冷水?

 

なんだこの経歴はっ!軍は成人も

していない子供にテロリスト相手

とはいえ殺人をさせたのか?!

 

コレは天才児がどうとかではない

だろう?!

10歳の子供の目に改造手術を施す

という行為だけでも世界的な非難は

免れんと言うのに、それまでは優秀

だった?つまり8歳や9歳の子供に

軍事教練をしていたと言うことか?

 

さらにこの私生活のカバーストーリーは

なんだ?!矛盾だらけじゃないかっ!

 

こんなのを国際社会の関心の坩堝である

IS学園に送り込むとはどういう事だっ!

 

軍部は何を考えている?この情報が

漏れて調査が入ればドイツという国が

どうなるかの予想も出来んのか!

 

『我々が最初にこの情報を掴んだよう

だが、遠からず他の国も彼女の歪さに

気づくだろう。

その際ここまでとは言わんが、近い

内容の情報は得るだろうな。

何せこの歳で特殊部隊の隊長で少佐だ。

どんな実績を上げたかを調べるのも当然。

その結果はご覧の通りだ』

 

これは、今から隠蔽してもどうしよう

もないレベルの失態!

政治を知らん軍人と科学者が中途半端

に周囲を欺いた結果がコレかっ!

 

『ちなみにコレはあくまでお人形の経歴

だけであって、産まれに関しては一切

触れてはいない。この情報に遺伝子改造

の人造人間と言う追加情報が加わったら、

キサマらはどう対処するつもりだ?』

 

これだけでも安保理による制裁決議案も

IS所有権剥奪案も間違いなく承認される

というのに・・・制裁内容はどうなる?

経済制裁だけではすまんだろうな。

 

冗談でもなんでもなく国が滅ぶ。

 

「・・・そちらが提案する取引の

内容を教えてもらえますか?」

 

乗るしかない。わざわざ取引をもち

かけて来たということは、少なくとも

即座に国を滅ぼすようなことは無いし

何より時間も稼げる。

 

『何、簡単なことだ・・・・・・』

 

「え?そ、ソレだけで良いんですか?!」

 

それは願ったり叶ったりだが、コイツは

何を企んでいる?

 

『こちらが何を企んでいようが貴国

には関係がないことだよ』

 

読まれた?!ここで心証を悪くするのは

マズイと言うのに!

 

『心証で取引を決めるように思われた

のなら心外だな。まぁ己の生命線を

握る取引相手の機嫌を損ねたくないと

いうのはわかるがね』

 

「恐縮です・・・」

 

・・・この化物がっ!

 

『さて、取引に応じる証拠として・・・』

 

「えぇ、はい。直ちに動きましょう」

 

その程度でこの問題が片付くなら

すぐにでも実行してやる!

軍務大臣は更迭するか?そもそも

コレは軍のどこまでが関わっている?

軍部内の調査と技術者どもの動きを

注視しないと。

情報漏洩からの逃亡など許さんっ!

 

『当方の要求が通った事が確認され次第

当方が握る情報をそちらに渡そう。

他に気取られる前に証拠隠滅でも何でも

すると良い』

 

「えぇ・・・情報提供感謝します」

 

少なくともコレは本心だ。

イギリスやフランス・アメリカにこの

情報が握られていたら、被害はコレ

どころでは済まなかったからな!

 

『互いにいい取引が出来たということに

しましょう。それでは、Gute Nacht』

 

「えぇ、Gute Nacht」

 

 

 

 

寝れるかっ!!

 

 

 

 

さっさと軍務大臣を詰問せねば・・・

何だ?データ添付??ウィルス等では無い

だろうが、確認した方が良さそうだな。

 

 

 

「・・・はぁ?!」

 

 

 

関係者各位の名簿と金と資財の流れ、

研究所の場所と研究の進捗状況、さらに

・・・廃棄処分場だと?!

 

コレが情報の一部って、奴らは国を

滅ぼす気かっ!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

いきなり本国から緊急指令が下ったので

何かと思えば中国から派遣されている

IS学園監査員司馬仲達の元への出向命令。

 

軍務大臣と首相・大統領の連名で

出された最重要緊急指令。

さらに部隊や関係者への連絡は厳禁

で違反したら国家反逆罪とは・・・

 

本国で一体何があった?

 

タイミングで考えるなら先日の

イギリスの代表候補生との戦闘行為

だが、アレは学園が関与して訓練と

いう形で落ち着いたはず。

 

さらに司馬仲達には絶対に関わるなと

言う命令も出ていたはずだが・・・

まぁいい。軍人として最重要の緊急

指令と言うならそれを遂行するまで。

 

「失礼します!ラウラ・ボーデヴィッヒ、

本国の命により出向致しました!」

 

「話は聞いています。入りなさい」

 

情報では、同じ少佐ではあるが先任だし

さらに監査員だ。上官扱いで間違いは

無いし、何より本国からの命令だ。

 

ここは下手に出るべきだな。

 

「はっ!失礼します」

 

「よく来ました、そちらへどうぞ」

 

・・・なるほど、コレが司馬仲達か。

明らかに【使う側】の人間だ。

それに私とは軍人としての格が違うな。

 

「さて、話に入る前に確認ですが、

今回の出向命令に関してどこまで

内容を告知されていますか?」

 

基礎的な情報の摺り合わせか?

 

「はい。出向せよと言うだけで、

内容に関しては何も触れられて

居ませんでした!」

 

おそらくココで命令されるであろう

内容が、最重要機密に分類される

モノであると予想しているが・・・

 

「なるほど、では最初に辞令から

お見せしましょう」

 

「辞令・・・ですか?」

 

出向の正式な辞令か?まぁ命令系統

の関係を考えれば必要ではある。

 

「えぇ、ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐は

本日を持ってその所属を現在のドイツ

連邦共和国軍より、冬林技研へと移籍

することとなります。階級は大尉とし、

専用機及びISコアはドイツ連邦共和国軍

へ返却すること。

追記としてIS学園への通学は引き続き

行うことを許可しますが、卒業と同時に

国籍も中華人民共和国へ移すこととなる。

この手続きは既に完了しているので、情報

漏洩の可能性を鑑みて長期休暇の際ドイツ

連邦共和国への帰国を禁ずる。以上です」

 

は?ドイツ軍から移籍?大尉?専用機の

返却??国籍も移る??帰国の禁止???

 

「大尉、復唱」

 

「は、はっ!私ラウラ・ボーデヴィッヒは

本日を持って所属を冬林技研へと移籍!

階級は大尉で、専用機はコアごとドイツへ

返却します!また情報漏洩の可能性を

鑑みて、ドイツへの帰国を行いません!」

 

ど、どういう事だ?!

 

「随分省略しましたが・・・まぁ今回は

良いでしょう。いきなりのことで動揺

しているのはわかります。

説明を行うので、そこに座りなさい」

 

「はっ!」

 

ヨロシクオネガイシマスッ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

目がぐるぐる回ってますが・・・

随分動揺してますね?

こうなる可能性を考えて居なかった

のでしょうか?

 

「さて大尉。話の前に再度確認しますが

・・・貴女は自分の経歴を疑問に思った

ことはありますか?」

 

「け、経歴でありますか?!」

 

まさかの自覚なしって。

本当にお人形さんでしたか?

 

「えぇ、私と違って大学を出たわけ

でもなければ家の力があったりした

訳でもない、技術的な実績を上げた

訳でもない15の少女が特殊部隊の

隊長で、少佐と言う身分を与えられて

いた現状に、少しでも疑問や違和感を

覚えたことはありませんか?」

 

「いえ、それは・・・」

 

あぁ、産まれのことですかね?

軍事機密であると言う自覚はある

ようですが今更でしょう。

 

「貴女の産まれについては当然我々は

知ってます。その上で尋ねています」

 

「そ、そうでしたか。それでは答えは

『疑問を覚えたことはありません』と

なります!」

 

私が一番ISを上手く使えるんだって

自負ですかね?

でも問題はそれ以前の問題でしてね。

 

「では自分の産まれを度外視して

考えて見なさい。

産まれた時から施設で軍事訓練を行い、

10の子供に改造手術を施して、その

調整が上手く行かないのを自分たちの

未熟さではなく被験者のせいにして、

その被験者に対して何の得にもならない

集団虐待を行う組織をどう思いますか?」

 

「・・・控え目に言って未熟なテロ組織です」

 

ですよねぇ。

 

「13歳~15歳の子供に兵器を持たせ

危険思想の人間と戦わせ、一方的に

殺させて置きながら、それを功績だの

データ取りだのと抜かすような連中が

のさばる組織をどう思いますか?」

 

「・・・危険思想のテロ組織ですね」

 

ですよねぇ。

 

「遺伝子改造を行った改造人間を大量に

産みだして軍人教育を施し、軍事力拡大

を狙う組織をどう思いますか?」

 

「・・・危険な悪のテロ組織ですね」

 

ですよねぇ。

 

「そんな組織が欧州のど真ん中に国として

あるらしいのですけど、これが他の国に

知られたらどうなると思いますか?」

 

「・・・孤立させられて叩かれますね」

 

ですよねぇ。

 

「まぁ普通は経済制裁とか食料の輸出制限

から入りますが、その国は前科があります

からね。追い詰める前に囲んで滅ぼそうと

するのが普通でしょう」

 

「・・・そうですね」

 

 

 

「さて大尉、再度質問しましょう。

貴女、自分の経歴に疑問を覚えたこと

・・・本当にありませんか?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・ありませんでした」

 

なるほど、言われてみれば普通に酷いな。

私は何故これに疑問を抱かなかった?

 

・・・ソレが私のアイデンティティ

だったからだ。

 

まさか真っ向から自分の経歴が異常

だと突きつけられるとは思って

居なかったが。コレは流石になぁ。

 

「それでは中国がこの情報を入手して、

我が国・・・ドイツと交渉を行った

結果が私の移籍でありますか?」

 

って言うか本国でカバーストーリー

的なものを作っていた筈だがそれも

見破られた?

 

まぁ先の情報を完全にカバーする

ストーリーを作るなんざ不可能か。

 

「そうなりますね。それに貴女方の存在

は国家公認のプロジェクトではなく

一部の軍部の暴走だったようでしてね。

今の今までドイツの首相をはじめとした

上層部は気付いていなかったようなんです」

 

「はぁ?!」

 

気付いてないってナンデ?!私は国防を

担うIS部隊の隊長だったんだぞ!国が

知らないなんてことがあるんですか?!

 

「まぁ驚きますよねぇ。予算だってかなり

使ってますし、正体不明の小娘にIS部隊の

隊長をさせるなんて普通は思いませんよ」

 

デスヨネ!

 

「ただ、先程も言いましたが遺伝子

改造を行った子供を人工的に産み

だして戦わせるなんて行為を認める

国家はありません。

それはもちろんドイツも同様です。

さらにドイツは欧州各国に色々警戒

されてますので、コレが明るみに出れば

良くて国家解体。悪ければ国全土が

焦土と化します」

 

「・・・そうですね」

 

フランスやイギリス、ロシアなんか

喜んで潰しに来るだろうし

内政に悩むスペインやギリシャも

積極的に介入してくるだろうな。

 

そうなれば四方八方を敵に囲まれて

の蹂躙戦。残るのは焦土だな。

 

「つまりドイツとしては可及的速やか

にこの問題を片付けねばなりません」

 

「問題解決・・・つまり私は」

 

証拠隠滅のために売られたと?

 

「ドイツの連中が証拠隠滅を図る前に、

我々で保護した形となりますね」

 

「・・・保護、ですか?」

 

え?祖国に売られたんじゃないの?

 

「証拠隠滅を図るなら売るのではなく

殺すでしょう?」

 

「あ、た、確かにそうです!」

 

国外に出したら面倒になるのは

分かりきってる。

ソレなのに国外に出したということは

・・・冬林技研に保護されたから!

 

「大尉が正式に冬林技研所属となった

今、責任転嫁を図るドイツの軍部が何を

言ってきてもコチラは貴女を売り渡す

ことはありません」

 

お、おぉ!確かにそうだ!そうじゃ

なかったら最初から受け入れなんか

しない!

 

「この行動による我々が得るものは

簡単ですね。貴女と言う生きた証拠

がある限り、ドイツという国に対して

半永久的に政治的な優位を取ること

が出来ます」

 

「な、なるほど」

 

そうだよな!本来なら死体だって証拠に

なるのに、わざわざ生かして出向させ

たのは将来を見据えた為だ。

 

ソレなら彼らが私を殺すこともない。

 

つまりこの出向は、冬林技研が本気で

私を生かそうとしている証拠となる。

 

「本来なら貴女が勝手に暴走して暴発し

ドイツを追い詰めて終わる話だった

のですが、貴女の行動と織斑千冬の

行動があまりにも酷くてね」

 

「私と教官の行動・・・ですか?」

 

何かしましたか?

 

「えぇ、3年前にドイツの不手際で浚われ

た被害者の民間人に対する暴言と暴力。

本国に無許可の専用機の展開と、仮想

敵国に対する挑発と戦闘行為ですね」

 

「・・・ドイツの不手際?」

 

どういうことだ?!アレは織斑一夏の

油断が原因だろう?!

 

「例えば彼が、公園でツナギを着た年上の

男に口説かれてホイホイ着いて行った結果の

誘拐事件なら、その責任は彼と誘拐犯にある

と言えます。

ですがISの世界大会の出場者の身内を狙った

組織的犯行であるなら、その計画を未然に

防げなかった警備にこそ責任が有りますね。

まぁ無論犯行組織が一番悪いのですが」

 

「・・・」

 

言われてみれば・・・

 

「特に織斑千冬は世界的な有名人でした。

その身内を誘拐して、彼女の邪魔をしよう

とするのは妨害行動としては普通の行動

ではないですか?」

 

「・・・そうですね」

 

教官は初出場とかでは無い。日本に優勝

されたくなかった連中や教官に勝たれて

は困る連中にすれば、どうにかして妨害

しようとするのは当然だし、その為に

身内を拐うのも常套手段だよな。

 

「要人警護の任務に失敗したからと

言って、警護対象の要人を責めるの

って異常な行動ではないですか?

しかも当時の織斑一夏の周囲には

特に人員の配置は無かったそうですよ?」

 

「・・・異常ですね」

 

確かにおかしい。世界大会参加者の

関係者の護衛を疎かにするのも

おかしいし、まして決勝まで進んだ

教官の身内だぞ?なのに護衛が居ない?

 

ドイツもそうだが、日本は何をしていた?

 

「それでいて、織斑千冬に弟の状況や

居場所を伝えたのはドイツ軍だとか?」

 

「そうですね。その恩を返すために

教官は私を含む部隊の指導をすること

になったのですからって・・・あれ?」

 

これ我が国、いやドイツのマッチポンプ?

 

「それで、誘拐された民間人に対して

ドイツの軍人を代表した立場にある

特殊部隊の隊長にして少佐が

「お前が居なければ」とか抜かした

そうですよ?自分たちの無能を棚に

上げて何を言ってるんでしょうね?」

 

「・・・」

 

ま、マズイ。政治は正直良くわからんが

今の私が非常にマズイ状況なのはわかる!

 

「まぁ所属も変わりましたし、遡及して

罪に問うような真似は出来ませんから

コレを理由に罰することはありません」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ふ、普通に死を覚悟したぞ!?

 

階級がどうこうではない、この少佐は

生物として私より圧倒的に上だ!

 

今は助かったが、先ほど告知された

私の罪はまだあったよなぁ・・・

 

「次に個人の感情に任せた専用機の

展開に関してです。ちなみに先程

からのコレはタダのお説教や解説

ではなく、貴女の人事考査に関わる

内容ですのできちんと聞くように。

反論があるならその都度伺いましょう。

いいですね?」

 

「はっ!」

 

人事考査も兼ねていたのか・・・

そういえば司馬少佐はもともと

監査員だったな!

 

「よろしい。大前提として専用機と

言うのは国家の財であり兵器です。

そして国家の兵器を用いて、軍人が行う

行動を世間一般では戦闘行動と言います。

異論はありますか?」

 

「はい!いいえ!異論ありません!」

 

まったく持ってその通りです。

それを理解してないからこの学園の

学生どもは・・・

 

「ちなみにドイツの法において

許される戦闘行動は【防衛のみ】と

言うのはご存知で?」

 

あうっ!

 

「・・・はい。知ってます」

 

そうでしたね。学園の生徒云々じゃ

なくて、私の話でしたよね。

 

「イギリスの螺旋頭を挑発して戦闘。

織斑一夏を挑発して戦闘。フランスの

阿呆は・・・まぁ良いでしょう。

それで、この戦闘は【防衛】ですか?」

 

映像記録まで録られてたっ!

 

「はい。いいえ。防衛とは言えません」

 

下手な反論は逆効果だ。だがコレでは

人事考査の告知というより査問委員会じゃ?

 

「さらに担当者にまで事後承諾は

頂けませんね。専用機とは言え貴女

個人のモノではありません。

武器弾薬、装甲、エネルギーなど全ての

費用は国家の税金から出ています」

 

「・・・はい。その通りです」

 

もう「そうですね」としか言えん。

 

「国家の武装を私物化して感情の

ままに振り回し、あまつさえ私闘に

使うなど軍人としては言語道断」

 

「・・・はい」

 

そうですね。その通りです。

 

「それらを省みて、貴女は一度教育を

受けなおすべきと判断されました。

よって移籍した時点では大尉でしたが、

現在は資格無しとして少尉への降格処分

を言い渡します。

コレは特殊部隊の隊長を努めた経歴も

加味した人事ですが、貴女に異論は

ありますか?」

 

「はい。いいえ!ありません!」

 

確かに私の行動は軍人として失格だ。

普通なら階級剥奪の上で独房や営倉入り。

 

悪ければ銃殺刑だって有りうる犯罪。

降格処分は・・・まぁ問題ない。

 

何せ上司が司馬少佐だ。この方の下で

勉強しなおすと考えればむしろ当然。

 

「よろしい。少尉のISに関しては

専用機を冬林技研で用意しますが、

それについては後日説明します」

 

「はっ!」

 

ま、まさか専用機を預けて貰えるとは。

任務と用途は少佐の護衛か?

 

「あとは織斑千冬の件ですが、それに

関しては別の映像資料を確認のうえで

解説を行います。

今後少尉として小隊を任せる場合も

あるので、反面教師として学ぶように」

 

「はっ!」

 

教官が反面教師とは・・・だが司馬少佐

から見ればそうなのかもしれん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所属は変わったし階級も変わった。

国籍も変わるらしい。

 

・・・だが不思議と不安はない。

コレはやはり司馬少佐が原因だろうな。

 

教官とは違うが明確な強さを備えた方だ。

 

指針とするには最適とも言えるよな。

 

この方についていけば、間違いなく

私は教官に近付ける。

 

いや、超える事だって出来るかもしれん!

 

まずは学べ!この方から吸収出来るものは

何でも吸収するんだ!

 

「では少尉、貴女の先任で中国の

国家代表候補生である凰鈴音に紹介

しますのでついてきなさい。

彼女の階級は准尉ですが、同じ学生。

階級に差はないと思いなさい。

故に先任としての敬意を忘れないように」

 

「はっ!」

 

それはそうですね!あくまで私は新入り

ですから、先任を立てるのは当然です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

人形からの脱却ですか。中々良い心構え

ですが・・・アレに近付かれても困るん

ですけどねぇ。

そのへんの教導もきちんとしないと。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「あれ?司馬様?オハヨウゴザイマス」

 

司馬様がコッチに来るなんて珍しい

って言うか初めてですよね?

それにドイツのお人形も?まぁ土曜だし

接触するとは言ってたけど・・・

 

「えぇ、おはようございます」

「凰准尉殿、おはようございます!」

 

「(´・ω・)」

 

なんかお人形がめっちゃ素直になって

司馬様に従ってる件について。

 

いやわかるよ?司馬様は明らかに【使う人】

で、私たちは【使われる人】だもんね?

 

軍人としてはスゴク・逆らい難い空気を

自然に纏ってるもの。

 

簪は・・・状況によりけりかな。

なんだかんだでお嬢様だから使うのも

慣れてる感じがするのよねぇ

 

「准尉、アイサツには・・・」

 

あっ!ヤバッ!

 

「ハイ。オハヨウゴザイマス。

ボーデヴィッヒ=サン」

 

顔は知ってるけど話したことは

なかったから、どんな風に接して

良いかわからないんですけど。

 

「彼女は政治的な理由から冬林技研に

所属することとなりました。階級は

少尉ですが、同じ学生で准尉が先任

なので、階級の差は無いものと考えて

先達として接するようにして下さい」

 

「呼び名はラウラで結構です!

よろしくお願いします!」

 

「凰鈴音です。呼び方は、リンか

凰准尉でお願いします」

 

少佐から少尉?!まぁ確かにコイツに

大隊隊長代行ができるかと言われたら

無理って答えてるだろうけど

それでも欠片も不満そうにしてないって

・・・司馬様はコイツにナニをしたの?!

 

「ナニかするのはこれからです。

准尉、部屋を借りますよ?」

 

「・・・え?」

 

いや、ナニって何を??

 

「少尉、こちらに」

 

「はっ!失礼しまスパルタンっ!?」

 

い、いきなり殴った?ナンデ?

ナンデ殴ったの?!って言うか今

拳が貫通してませんでした?!

 

「准尉、コレが命奪崩壊拳です」

 

 

 

「( ゚Д゚)」

 

 

 

で、伝説の魔拳がいとも容易く

目の前で再現された件について。

 

「しばらく痛みで立てませんし

垂れ流しになるので、風呂場に

置いておくのが良いでしょう。

専用機の使用を許可します。運べ」

 

「た、垂れ流し?!」

 

尊厳を殺すってそういうこと?!

 

「准尉、私は【運べ】と命じました。

もしかして貴女も受けたいのですか?」

 

「シツレイシマシタ!(*`・ω・)ゞ」

 

え、えげつねぇ!この人には絶対

逆らっちゃダメよ!

 

この歳で垂れ流しなんか絶対に

嫌なんだから!

 

「まぁ己の殻を破るために必要な

洗礼のようなモノです。貴女にも

キチンと施しますから、今のうちに

少尉に恩を売っておきなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「( ゚Д゚)」




幼少から軍人教育を刷り込まれてるので
反骨心はあっても正規の命令や上司には弱い設定。

人形に常識フィルターが搭載されました。

まぁ普通の話なんですがね。ってお話



名前は頻繁に出てきてますが何気に
リンちゃんには初披露だったりする。
もちろんかんちゃんもまだ受けて
ませんよ?

兎はしっかり受けたもよう

VTシステム?アイツは良いヤツだったよ


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22話

かんちゃんは仕事()をしてました。

オリ展開!
オリ設定!

嫌いな人は読み飛ばし!


日曜の夜がアンニュイになるってこう言う

ことなんだねぇ。

 

今までは学園の整備室に籠るだけだったから

特に曜日なんて気にして無かったけど、

冬林技研からコッチに戻ってくると色々

虚しさを感じるよぉ。

 

昨日、一昨日と夜から朝まではずっと大佐殿と

居れたし、昼は専用機の開発も出来るから

私としてはずっと冬林技研に居たいんだけど、

ソレをやったらアイツらに介入の口実を与え

ちゃうし、大佐殿にも無駄な労力使わせちゃう

からなぁ~。

 

とりあえず授業には出るように言われてる

けどさ、こんなの時間の無駄だよね?

 

大佐殿が言うには、IS学園卒業の肩書きがあった

方が良いって言うようなありきたりな常識論じゃ

なくて、私がIS学園に居た方が冬林技研として

都合が良いって話だからシカタナイけどさ。

 

それに、学生だから学校に行くのが仕事だって

言われたし。退学予定であっても学生は学生。

仕事を疎かにするわけに行かないか。

 

まぁ司馬少佐の補佐も有るから暫くは退学出来

ないかもしれないけど、ソレはソレでやりがい

がある仕事だからね!

 

けどこんなに寂しく感じるなら、帰る前にもう

一回大佐殿とシてきた方が良かったかもなぁ。

 

いやいや!足腰が立たなくなるから駄目だって。

送迎はあるけど、学園の入り口から部屋に帰れ

なくなるから!

 

まさかいまだにアホを狙っててアレなリンちゃん

に「はりきり過ぎて足腰立たないから迎えに来て」

なんて言うわけにもいかないし、第一人形関連の

仕事で学園に残った司馬少佐の事を考えたらね。

 

少佐はただでさえ普段の学園生活でかなりの

ストレスを溜めてるから、週末に冬林技研に

帰れなかった今、何か失敗したら何時もより

危険なお仕置きが待ってるのは確実だよね。

 

八つ当たり・・・とも言えないか。あくまで

今まで容認していた些細な罪にも罰が下るって

だけだし。

 

・・・リンちゃん無事かなぁ。あの子って普段

は要領良いのに、何故か地雷を狙って踏み抜く

ようなところがあるから普通に心配なんだけど。

 

 

 

まぁいいや()

 

 

 

とりあえず司馬少佐に帰還の報告とお土産

渡さないとね。

来週は司馬少佐もアッチに行けるし今回は

大佐殿からのお土産だから機嫌も良くなるよ!

 

「司馬少佐。更識簪、帰還しました!」

 

学園が出向先なのか冬林技研が出向先なのか

わからないけど、一応学生だから帰還で良い

よね?

 

「入りなさい」

 

あれ?鍵を開けてる?珍し・・・くもないか。

私が戻る時間とかも知ってるだろうし。

 

「はっ!」

 

て言うか、名字変えれないかなぁ?李じゃ

なくても良いからさ。更識以外にしたいです。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「いや、もう、本当に、なんと言いますか」

 

「(ФωФ)」

 

なんかここまで大人しいとスゴイ・違和感が

あるわよね。

まぁ土日を垂れ流しで終わらせて、普通に介護

されたらプライドも何も無いのはわかるけどさ。

 

完全に足腰立たない状況だったし。

 

「あぁ、普通に話して良いわよ。司馬様も

言ってたけど、私が先任だけど准尉だし。

そもそも学園内は階級とか無いらしいからね」

 

軍としての階級が有ろうと無かろうと、人と

しての階級的なのは無視しちゃ駄目だけど。

 

具体的には司馬様。

 

「あぁ、うむ。そう言って貰えると助かる。

今までは上官や部下は居ても、まともな同僚と

呼べる者が居なくてな。どんな風に接したら

良いのか皆目検討もつかんのだ」

 

まぁ、コイツの環境ならそうでしょうね。

 

「その辺はゆっくり学んで行くしかないわ。

私も日本の10代女子との付き合い方に自信

なんか無いし」

 

アレはもう理解を諦めるべきナマモノよ。

 

「確かにあの連中は良くわからんな。

しかし今後はクラスの連中に対しても何らかの

接触が必要になるか?特に織斑一夏に対しての

謝罪は必要だろうしな」

  

「・・・(;・ω・)」

 

・・・し、司馬様はコイツにナニをしたの?!

いや、命奪崩壊拳は見たけど!

 

「ま、まぁそうね。ただイギリスの螺旋頭と

フランスの阿呆は気にする必要は無いわよ?」

 

「む?そうなのか?」

 

挑発に乗ってISを展開した時点で、アレも

立派な犯罪者だし。そもそも喧嘩してタコ

殴りにされた相手に謝罪されてもねぇ。

 

アレにプライドが有るなら謝罪なんかされ

ても、許すも許さないも無いでしょうし。

 

フランスの阿呆は乱入しただけでしょ?

それに一夏を狙う産業スパイのクソヤロウに

謝罪なんか要らないわよ(# ゜Д゜)

 

一夏に関しては、普段の言動の謝罪よね。

 

「そうなのそれで問題ないわ。ついでに言えば

今のラウラに必要なのは、私たちと認識を共に

するための情報とこれからの指針。直近の話題

だと月末の試合についてよ」

 

「うん。確かに情報は必須だろう。それに試合か

・・・そうだな。そんなのもあったな」

 

完全に心が折れてるわ。まぁあんな目に遭って

ようやく自力で立って歩けるようになったんだ

もんね。それに今の状況で戦う気力があるなら、

最初の標的は自分に地獄を見せた司馬様でしょ?

 

無理無理。普通ならリハビリしなきゃ司馬様の

前に立つことすらできないわよ。

 

更に戦うとなればねぇ。対策を練らなきゃただの

特攻だけど、対策って言われてもさ。

 

アレ、絶対ISのシールドエネルギーとか関係無い

わよね?

それに下手に対策を考えてみなさいよ。

「では試しましょう」とか言われて、問答無用で

垂れ流し&地獄行きじゃない!

 

「まぁそもそも試合が行われるのかって

言う心配も有るんだけどね」

 

私たちはIS学園の作る茶番なんかに参加する

気はないし、コイツだって所属が移るって

ことは専用機とISコアは本国へ返却でしょ?

 

螺旋頭は欠場で、他の連中は連携どころか

戦闘すら出来ない。

 

まともに戦えるのが一夏とフランスの阿呆

だけだから、優勝は確定する。

 

あ、だからタッグにしたのか。一夏一人だと

コイツに勝てないのも有るけど、フランスの

阿呆や私にも勝てないもんね。

 

どっちかと組ませれば一夏の優勝は確実

なんだから。

 

・・・やっぱり茶番だったか。

 

「試合が行われるのかの心配?いや、私が出場

しなくとも生徒は他にも居るだろう?」

 

あぁやっぱりこうなるか。だからこそ

情報の共有とすり合わせが必要なのよね。

 

「とりあえず試合についての私たちの考察を

教えるわ。えーと、資料は・・・あった。

コレを見ながら解説するからラウラも何か

疑問を覚えたら質問して頂戴」

 

「うむ、了解した」

 

流石にブリーフィングには慣れてるわね。

 

「言うまでも無いことだけど、わからない事は

わからないままにしないこと。情報分析の邪魔

になるから、知ったか振りは絶対に止めてね」

 

「うむ。そうだな」

 

私もコイツに教えることで、何か気付くことが

あるかもしれないし。

 

簪が戻ってきたら三人で打ち合わせとかも

した方が良いかな?

 

 

 

―――――――――――――――――

 

カクカクシカジカシアイニカンスルムートンイトウ

 

―――――――――――――――――

 

「と、まぁこんなところかしら?」

 

「な、なるほど」

 

た、確かにコレでは試合など成り立たん!私は

何故この程度のことに気付かなかったんだ!?

 

「IS学園としたら、今の段階で生徒に戦闘行動

の難しさを教える為って言うことも出来る

んだけど、それなら外部のお客さんを招く

のは有り得ないじゃない?」

 

「そうだよな。つい先日歩行訓練をしたばかり

の連中に戦闘行動。まして連携なんか取れる

はずが無いんだよな。つまりコレは織斑一夏

の為に用意された茶番だろう・・・」

 

こんなの少し考えればわかることじゃないか。

これで特殊部隊の隊長経験者?そりゃあ司馬

少佐殿も私に資格無しと判断するさ!

 

「学園の狙いはラウラを敵として、一夏と

フランスの阿呆を協力させたうえで倒させて

優勝してもらうことね。吊り橋効果を利用

して二人の仲を良くするんだって(# ゜Д゜)」

 

「そ、そうか!」

 

さっきも見てて思ったんだが、凰准尉のアレ、

顔つきと言うか何と言うか。アレはなんだ?

不機嫌で怒ってるのはわかるが・・・なんだ?

 

そ、それにデュノアが女だと?!いくら

関心が薄くとも、隣国で仮想敵国だったんだぞ?

 

当然ヤツに関しての情報収集も任務に含まれ

ていたが・・・同じクラスですぐ側にいながら

これほどまでに明確な弱点を放置していたと

なれば、もはや無能どころか職務放棄としか

言い様が無いではないか。

 

・・・冬林技研に拾われて無ければ、普通に

命令違反か適正無しとしてドイツに呼び戻さ

れて、そのまま証拠隠滅されてたよなぁ。

 

 

 

しかしIS学園の意図が読めん。

 

「織斑一夏を勝たせる為にタッグ戦にして、

私に足手まといを押し付けた後で1対2で

狙い撃ちにすると言うのは戦術上は正しい。

だが教育機関がここまで露骨で明確な贔屓

をしても良いモノなのか?

確かに私は軍人としては失格だし、周りの

気分も良くないと言うのはわかるのだが・・・」

 

建前上IS学園は何処にも属さないからこそ、

デュノアを引き抜けると言うのはわかる。

 

更に男性操縦者たる織斑一夏を目立たせる

ことで、現在の行き過ぎた女尊男卑社会に

波紋を起こそうと言うのも、まぁわかる。

 

だが、ソレは一教育機関がやることなのか?

IS委員会の意向も有るだろうが、デュノアの

引き抜きを考えたら、どうしてもIS委員会

と言うよりも学園の意思が絡んでいるように

見えるのだが・・・

 

「良いわけ無いでしょ。あんまりにも露骨過ぎ

たから、冬林技研の副所長さんだってラウラを

憐れに思って保護することにしたんだから」

 

「・・・そうか憐れか。評価としては屈辱的

なんだろうが、今なら同情されるのもわかる」

 

端から見たら散々な状況だからなぁ。

 

それに冬林技研の副所長と言えば司馬少佐殿の

上官で階級は大佐だったな?

色々な噂や逸話の有る方ではあるが、私の上官

でもある。後で感謝を伝えねばならんだろう。

 

「千冬さんにしてみたら「ラウラが一夏と

フランスの阿呆のコンビに負けたら連携の

大事さを知ってくれるだろう」って感じかも

しれないけど、そもそもは意識と価値観の

違いが生んだ問題じゃない?」

 

そうだな。そもそもの発端は私の勘違いだ。

 

司馬少佐殿のようにドイツ軍に非がある事を

理解させ、私の意識を矯正することが

問題解決には必須だった。

 

試合で勝つとか負けるとか。連携の大事さ

とかは今回の事案に対して一切関係ない。

 

もともとそういう話では無いのだからな。

 

「つまりはフランスの阿呆と一夏のための茶番。

ラウラは当て馬ね。まぁラウラの機体に積まれ

ていたVTシステムについては、学園とは別の

勢力の企みだけどね」

 

「・・・だろうな」

 

まさか私の機体にVTシステムが搭載されて

居たなんてな。

自らの専用機の事すら正しく理解出来て

無い者には兵士足る資格すらない。

 

准尉や司馬少佐殿から見たら、私は軍人など

ではなく、軍人モドキの小娘でしか無かった

んだろうな。

 

「コレは正直意図が良くわかってなくてね。

ドイツ国内の研究所で研究開発されて、

軍部からの予算も下りてる。将来的には

量産機や無人機に至る為の研究なんだろうけど、

ソレをIS学園に通うことになったラウラの

機体に載せる意味がわからないの」

 

「そうだろうな。普通に考えれば派閥争いとか

なのだろうが・・・」

 

VTシステムを造った連中が実験の為に

載せたのか。

それともVTシステムの存在を知った誰か

が計画を潰す為に載せたのか。

 

あるいは私のような存在に問題をおこさせて、

他国の干渉をもって国を変えようとしたのか。

 

はたまた担当技官がテロリストかナニかで

単純にドイツを貶める為に載せたのか。

 

他国のスパイと言う線は・・・無いな。

隠謀は明るみに出す前に情報を持ち帰り、

政治的に利用するのが国と言う政治組織だ。

 

折角見つけた他国の弱味をなんの要求も

無しに暴走させて自爆させるような真似は

しないだろうよ。

 

実際大佐殿は政治的に利用して私を引き抜いた

んだからな。

 

あとは、システムを暴走させて織斑一夏を

殺させる為に女権団体が仕込んだのか?

 

普通ならどう考えても後半の二つしか無い。

 

ソレ以外に公の場で国際条約で禁止されている

VTシステムを起動させる理由など無いし。

 

何せここでシステムが起動したら、ドイツと

言う国はあらゆる意味で終わっていた。

 

改革どころではない。普通に国家解体まで

行く案件だったのだぞ。まさか気付かん

なんてことは・・・有るかもなぁ。

 

私の事を知らなかったって実績が有るくらい

だもんなぁ。

 

私、今年で15だぞ?少なくとも最低でも

15年前からの計画に気付かないって。

 

関与してたのは軍の一部って曖昧にしてたけど、

コレ一部で済むのか?ドイツ軍は基本的に縮小

傾向にあったし、予算と資財に余裕があった

訳じゃ無いんだぞ?

 

まぁそれはそれとしてだ。

 

政治も倫理も放り投げたMADならやりかねん

が、連中は計画だけは絶対に放り投げん。

 

事が露呈したら予算が止められる心配がある

からコレをやるには軍部の許可が必要だ。

 

そして軍部は絶対にこんな計画を認める

事はない。

 

国が云々以前に、無人機や量産機に至る実験を

しているなどと言った最新の軍事機密情報は、

隠して隠して隠し通すのがドイツ軍人の基本

だからな。

 

コレはもうドイツ軍人とはそう言う生き物だと

しか言い様が無い。

 

対してテロリストなら国際条約なんざ関係

なしにシステムを開発・使用するだろうし、

女権団体は元々国のことなどを考えるような

連中ではない。

 

ただ、VTシステムを仕込んだ先が問題だ。

 

現在のドイツ軍における最大の軍事機密の

一つ(残りは私たちとVTシステムだがな)で

あるISの新型試作機の第三世代機だぞ?

接触出来る人間は限られているし、そいつら

の背後関係だって徹底的に調べるだろう。

 

それらの警戒を掻い潜って基幹部分たる

システムに接触してVTシステムを仕込む?

 

リソースだってかなり喰うだろう?いくら

なんでも後付けされたら私だって気付くぞ。

 

最初からVTシステムを搭載することが前提の

機体だった?いやいや、そもそもEUの次期

主力機を争ってるんだ。ワザワザ自爆する

ようなモノじゃないか。

 

やはり怪しいのは女権団体だが・・・

 

「まぁコレに関しては時限爆弾が私たちを

捲き込んで爆発する前にドイツに返却できた

からね、後はアイツらで処理するでしょう。

連中の動きを見ればいずれその意図も読める

だろうから、今はほっといても良いわよ」

 

「・・・まぁそうだな」

 

昔は昔。その辺は切り替えろと言うことか。

 

 

 

「あとは今後の方針ね?試合に関しては、明日

出場辞退を申請してもらうわ。理由は所属変更

による専用機及びISコアの返却と、新しい所属

先である冬林技研によるIS展開禁止令よ」

 

「うむ。了解だ」

 

私はまだ専用機を受領していないから

展開の許可も何も無いのだが、これは学園

からの強要を抑える為の名目なんだろうな。

 

それに、ISだろうが何だろうが武装を使う

なら許可を取れと。まぁ当然の話だ。

 

あとは政治の問題だ。司馬少佐殿か大佐殿が

学園をあしらって終わりだろう。

 

「後は・・・そろそろ冬林技研から帰って

くる簪との顔合わせね」

 

「カンザシ?」

 

誰だ?冬林技研の関係者が准尉と少佐殿以外

に居たとは聞いていないが。

 

「あ~ドイツでも知られて無かったの?

コレは日本政府の嫌がらせって言うか、

更識の家の力かしら?(;´Д`)」

 

「?」

 

いや、家の力かしら?と言われてもな。

 

「あぁ、わかりやすく言うなら、更識簪は

元日本の国家代表候補生ね」

 

「元日本の国家代表候補生?」

 

そんなのが居たのか?!私が編入する際に

与えられた資料にはそんな人物は居なかった

筈だが・・・ドイツの情報部は大丈夫か?

本当に色々情報不足過ぎないか?

 

「えぇ、それで更識って言う家は・・・

ん~簡単に言えば日本で諜報を司る家なの。

だから情報を隠されてた可能性はあるわね」

 

「なるほど」

 

ジャパニーズニンジャか。それならシカタナイ。

ヤツらの地元で余所者が勝てるわけ無いもんな。

 

「階級は特尉で今の仕事は司馬様の副官ね」

 

「特尉で司馬少佐殿の副官か・・・」

 

元日本の代表候補生で、あの司馬少佐殿の

副官となると・・・ISの知識はもちろんのこと

政治や軍事、場合によっては経済や組織運営に

関しての知見も無ければならんよな。

 

「えぇ。基本的に何でも出来るけど、ISの

設計や開発に関しては司馬様すら凌ぐって

言う、まさしく万能の天才ね」

 

「司馬少佐殿を上回る?」

 

・・・想像が出来ん。いや、司馬少佐殿は

あくまで指揮官だ。誰よりも優れた兵士で

有る必要も無ければ、誰よりも優れた技術者

で有る必要も無い。

 

それはわかるんだが・・・

 

「比較対象が司馬様だから雲の上の事みたい

に思うかもしれないけど、会って話をして

みればわかるわ。アレは日本と言う国にしか

生息しない生粋のHENT・・・天才よ」

 

「そ、そうか」

 

今ヘンタイって言いかけなかったか?

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「人形からの脱却ですか」

 

まぁ大佐殿としては嬉しい話だよね?あの人

って自分で思考や選択が出来ない人が嫌いだし

 

「えぇ。今ごろは命奪崩壊拳の痛みや苦しみ

から脱却して、己の殻を一つ破っている

ことでしょう」

 

何ですと?

 

「め、命奪崩壊拳を使ったんですか?!」

 

さらりと言ったけど、コレはとんでもない

ことですよ!

 

「えぇ。アレは己の殻を破る為の洗礼で

有り、儀式のようなモノですからね」

 

ん?え?アレ?なんか聞いた話と違うくない?

 

「あの命奪崩壊拳って、喰らったら7割が

死んで命を奪われて3割が精神崩壊する魔拳

じゃないんですか?」

 

だから命奪崩壊拳なんじゃ無かったの?

洗礼?儀式?死屍累々ですよね?

 

「いいえ?命を奪わず尊厳を崩壊させる拳で

命奪崩壊拳ですね」

 

漢字は同じでも解釈がまるで違うっ!

これが日本の現代文と漢文の違いなの?!

 

「そもそも7割殺すってなんですか。

殺すならきちんと殺しなさい」

 

デスヨネー。普通に考えたら7割って中途半端

過ぎですよねー。

 

「3割が精神崩壊って・・・そんなことして

何になるんですか?恐怖を広めるなら新血愁

が有るじゃないですか」

 

デスヨネー。普通に考えたら三日三晩苦しみ

抜いてから破裂して死ぬ方が怖いですよねー。

 

「武術とは活殺自在が基本です。活人だの。

殺人だの。不殺だの。そんなのは使い手の

気分次第じゃないですか。そもそも武術に

哲学を求めるんじゃありませんよ」

 

まぁその通りなんですけど。

 

「元々が戦場で生き延びる為のモノですし、

考える前に殺るのが武術ですもんね」

 

そうして生き残ったときに哲学的な

考えが頭を過るのかもしれませんけど、

あくまでソレは生き延びた後の話。

 

順番が違いますよね。

 

「無論近日中に特尉にも受けて貰います。

理想としては来週の週末でしょうか?

垂れ流しになるので後片付けを考える

ならラウラ少尉のように風呂場で受ける

ことをお奨めしますよ」

 

「き、金曜の夜から日曜夜までの垂れ流し

ですか?!」

 

絶対に昨日と一昨日大佐殿に会えなかった

ことを根に持ってますよね?!

 

「HAHAHA、正妻を差し置いて幸せを満喫

してきた側室に対する躾です」

 

「そこは誤魔化して下さいよ!」

 

まぁ確かに大佐殿を独占して司馬少佐に

は申し訳ないとは思ってたけど!

 

だからって私も学園に残ろうとは微塵も

思って無かったけど!

 

ただ、やっぱり大佐殿と一晩中って言うのは

幸せだけど、途中から意識が曖昧になるんだ

よね。今だけは大佐殿を独占したいって言う

気持ちは有るけど、司馬少佐も居てくれたら

なぁって言うのも確かに有るんだよね。

 

初めての時はそんな感じだったし。

アレは正妻としての確認だけじゃなく、

私の負担を軽減してくれてたんだよね。

 

さ、流石に二人同時とかはまだ無いけど!

ちゃんと部屋はわけてるし!声も聞こえない

ようにしてるし!

 

・・・私のは聞かれてると思うけど。

 

「まぁそれはさておき、師からのお土産は・・・

師が自ら調合したお茶に、新たな指令ですか」

 

いや、さておかないで下さいって言いたい

ところだけど、まぁ大佐殿からのお仕事

優先ですよね。

 

「はい、何でもその指令は今回のお人形

・・・いえラウラ・ボーデヴィッヒ少尉の

勧誘に成功したことに対する司馬少佐への

報奨も兼ねてると仰ってました」

 

報奨を兼ねた指令ってなんでしょうね?

 

「ほほう。師が報奨を兼ねるなどと言う

言葉を使うなど珍しいですね?」

 

「ですね。基本的にあの人は報奨は報奨だし、

仕事は仕事って人ですから」

 

それにワザワザこんな命令書みたいな形で

出すくらいなら、普通に通信で出しますよね?

 

「まぁワザワザ封筒と言う形にして、

さらに特尉を使ってのモノです。悪いモノ

では無いのはわかるんですが・・・・・・」

 

な、何?封筒の中身をチラ見したと思ったら

凄い勢いで封筒を抱え込んだ?!

 

「た、確かに報奨となる任務です。間違いなく

受領したと師にお伝えしましょう!」

 

す、スゴク気になるけど、下手に触れたら

絶対にダメなヤツだよね。

 

「あ~了解しました。それでは私はこの辺で

失礼しますね?」

 

どうも直ぐにでも封筒の中身を見たがってる

みたいだし。私が居たら見れないんだよね?

 

「そ、そうですか。私とラウラ少尉は明日の

授業を休んで各種手続きを行います。

特尉はいつも通り准尉と合流して鍛練をする

ように。その際に准尉から紹介を受けると

良いでしょう」

 

「はっ!それではオツカレサマデシタっ!」

 

・・・一体どんな命令だったんだろ?

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふ、ふふふ。現地指揮官と日本の文化の調査

任務!け、結婚式場の下見調査って!

体験コース有りって!好きな場所やコースを

選べる?全部選んじゃ駄目ですかねぇ?!

 

 

 

 

 

 




少尉、復活っ!りんちゃんと仲が
深まったよ!やったねリンちゃん!

常識フィルター交換中。

いや、実際原作でも第一試合がアレ
でしたが、多分他の試合がだらだらした
試合になることがわかってたから
学園か仕組んだんですよね?

他の人がラウラと戦ったら重傷者が
多数出ますし。

かんちゃんは土日でも冬林技研で
はりきってきました。ってお話。

弟子は幸せに包まれつつあるもよう。



週明けに学園を襲う大事件!試合はどうなる?
海外からもお客さんが来るって噂だが、
どうする十蔵さん?!




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23話

おどろく十蔵さん

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「はぁ?ラウラ・ボーデヴィッヒが?」

 

コレは・・・どういうことだ?転入してから

今まで連中とは何の接点も無かったはずっ!

 

この週末にドイツと中国の間で何があった?!

これだけの動きに対して根回しも何も無いなど

有り得んぞ!

 

「ん?またアノ子が何かしたんですか?」

 

このっ!・・・仮にも暗部組織の長だろ?

いや、まさか既に知っていた?学生の

間では常識でワザワザ私に報告すべき

内容では無いと判断しているのか?

 

「更識さん、この書類の内容を確認してください」

 

とりあえず見せてみよう。リアクションを

見ればわかるだろう。

 

「えっと、ラウラ・ボーデヴィッヒさんが

ドイツ軍から冬林技研に所属を変更?!

更に専用機とISコアはドイツに返却したから、

選抜戦には不参加ぁ?ど、どういう事?!」

 

・・・知らなかったか。

 

ドイツ側の書類はラウラ・ボーデヴィッヒ本人

からの所属変更届けに加え、首相と大統領の

連名付きで正式な公文書も添付されている。

 

これに関しては「そうですか」としか言えん。

 

国籍や所属、階級などには関与しないと言う

IS学園の理念からすれば、所属の変更に関して

はあくまで問題発生時の連絡先や、責任の所在

を明確にするためのモノだからな。

 

ラウラ・ボーデヴィッヒからの書類には

冬林技研の所属で有ることを認めるモノ

も有るし、これも受理するしかない。

 

問題はこの後だ。ラウラ・ボーデヴィッヒが

選抜戦に参加しないとなると、試合は織斑

一夏とデュノアの二人で優勝は確定する。

 

IS委員会としては問題ないが、このまま

何も無くデュノアが功績を挙げてしまえば

フランスと我々が追い込まれる事になる!

 

「・・・織斑先生を呼んでください」

 

「は、はい!」

 

一回戦の第一試合で織斑一夏とデュノアの

コンビとラウラ・ボーデヴィッヒを戦わせ、

他の一般生徒やISコアの損耗を防ぎつつ

IS委員会からの要望である織斑一夏を優勝

させると言う策だったがな。

 

ついでに吊り橋効果でデュノアとの仲を

進展させ、ラウラ・ボーデヴィッヒの

鼻っ柱をへし折ることでその素行を改め

させると言う狙いまで有ったが、流石に

欲張りすぎたか。

 

考えるべきは、ここで我々の梯子を外して

誰に何の得が有るのかと言うことだ。

 

中国と言うか、冬林技研の連中は自分達から

彼女への接触はしていない。

 

ラウラ・ボーデヴィッヒも、彼女らとは

関わらないようにしている節があった。

 

しかし司馬監査員もラウラ・ボーデヴィッヒ

も更識簪も、特に他の一般生徒と関わって

ないから普段の動きが全く読めないんだよな。

 

機械が潰された今、諜報は人の力を使わねば

ならんが、更識はあくまで日本の暗部の暗部。

 

人材の量も質も、いや、それ以前に格が違う。

情報の収集は3歩は遅れると見るべきだ。

     

そうなると現状から予測するしか無い

わけだが・・・

 

そもそもの話。今さらコアも専用機を持たない

ドイツの軍人など手に入れて奴等に何の得が

あると言うのだ?

 

いや、特殊部隊の隊長と言う実績が

あったな。そこから情報を得る?

だが、それならドイツが手放す理由が無い。

 

ん?まて、特殊部隊の隊長?アノ歳で?

 

・・・っ!!そう言うことかっ!私もISと

言う存在に踊らされていた!

 

15で隊長?15で少佐?おかしいだろう!

士官教育はどうした!実績はどうした!

少年兵として強制従軍でもさせたか?

この眼帯は何だ?戦傷を隠すためのモノか?

 

先進国ならばどこの国のどんな部隊だって

その存在自体が政治的汚点ではないかっ!

さらに、よりにもよってドイツだぞ?!

 

学校を卒業してから兵士にするのではない。

既に実績がある少年兵だっ!

 

この存在がどんな意味をもつ?あのドイツが、

2度の世界大戦を起こしたあの国が非人道的

行為を用いて軍事力を強化していると言う

動かぬ証拠だろう!

 

それがIS学園で学生だと?問題行動云々では

無いだろうがっ!これなら根回しなどいらん。

この事実だけでドイツを動かせる!

 

・・・完全に腑抜けていた。

 

問題行動を起こすモノの、我々に被害を

及ぼす存在では無いと判断し、政治的な

価値を考えることを放棄してしまった。

 

フランスの小娘に気を取られたなど

言い訳にもならん。

 

しかし今まで放置しておきながら、今この

タイミングで彼女を引き抜いたのは何故だ?

裏取りに時間が掛かったのか?

それとも我々の狙いの邪魔が目的か?

 

その場合の目的とはどちらだ?織斑一夏の

優勝を邪魔することか?それともデュノア

への介入?

 

どちらにせよタッグ戦にしたことは失敗か。

 

元々織斑一夏を優勝させる為には、凰鈴音や

デュノアとの戦いにも勝つ必要があった。

 

だからこそ敵を減らす為にタッグ戦にした

と言うのに、敵が居なくなればどうなる?

周囲からはどう見える?

 

専用機持ち二人による初心者に対する無双

・・・学園が絡んだ八百長ではないか。

 

八百長でフランスに便宜を図った学園の

立場はどうなる?

 

小娘の立場を守るためと言えば聞こえは

良いかも知れんが、本来は犯罪者だ。

 

犯罪者を守るために小娘に実績を与える?

それが中立を唱うIS学園のすることか?

 

世界で唯一の男性操縦者の立場を守るの

とは訳が違うぞ?

 

「十蔵さん。織斑先生を呼んできました!」

 

来たか。

 

「遅くなりました。月曜の朝から緊急事態

と言うことでしたが?」

 

コイツは・・・本当に政治的な目は無い

のだな。更識も、いくら暗部でも政治を

全く理解していないなど、普通に考えたら

大問題だと思うんだが。

 

いや、私も気付かなかったんだから

偉そうな事は言えんがな。

 

「えぇ、こちらの資料をご覧ください」

 

さて、コイツはどう行ったリアクションを

取るのだろうな?

 

「はぁ?!」

 

・・・普通だな。

 

――――――――――――――――――――

 

「はぁ?!」

 

ラウラがドイツから冬林技研に移籍だと?

出向ではなく?!

 

「織斑先生。彼女らが編入してきてからまだ

一週間ですが、彼女達に何か目立つ接触は

有りませんでしたか?」

 

「い、いえ、私が知る限りは何も・・・」

 

そもそもアイツは私の後ろを追うことと

一夏に対して執着していたし、どんな

理由があろうとも自分で亡命や帰化など

政治的な判断が出来るようなヤツでは無い。

 

つまりは純粋にドイツの首相と大統領から

の移籍命令が出たと言うことだ。

 

軍人としての生き方しか知らんアイツは、

命令なら何の文句もなく従うだろう。

 

移籍先が冬林技研で有ると言うのが唯一の

救いではあるが・・・

 

「ちなみに織斑先生がドイツで、教官を

していたのは三年前でしたか?」

 

ん?私の経歴など既に知っているはずだが

・・・次の話に必要な確認なのだろうな。

 

「正確には三年前~二年前の一年間ですね。

それから一年置いてからIS学園に教員

として、招聘されました」

 

何だかんだで二年目の新人教師なんだよな。

それなのに防衛指揮官だとか学年主任とか

どうなってるのやら。

 

それにアイツと出会ってからもうそんな

になるのか。そりゃ小娘も生意気に育つか。

 

「いや、その時点でおかしいと思って

下さいよ・・・」

 

「・・・え?」

 

な、何かおかしい事が有ったか?!

 

「3年前なら12歳ですよ?その年頃の

子供が特殊部隊に所属しているのは異常

なことでは無いと言うのですか?」

 

・・・・・・ん?

 

「・・・あっ!」

 

わ、私はドイツで何をしていたのだ?!

アイツが一夏と同い年と知っていただろう?

 

少年兵に改造手術と軍事教練を施すって

まんまテロリストじゃないか!

 

先進国のやることでは無いだろうがっ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

コイツは・・・

 

「つまり、今の今まで少年兵の教導に

関して何の疑問も抱いてこなかったと」

 

「・・・はい」

 

いや、いくら弟の情報をもらった相手

だからといって、盲目的になりすぎなん

じゃ無いか?

 

「まぁ私もこの動きが有るまで特に

疑問を覚えませんでしたから偉そうな

ことは言えませんがね?

流石に直接面識がある織斑先生くらいは

疑問に思いましょうよ」

 

どう考えてもおかしいだろうが

 

「・・・はい」

 

それにこの情報があれば彼女の問題

行動には別の側面が見えてくる

 

「つまり彼女は軍事以外のことを知らない

少年兵です。

ソレがいきなり軍事と切り離されたIS学園

に転入なんかしたら、一般の生徒との

価値観の違いから衝突するのは当然です。

むしろ衝突しない方がおかしい」

 

どう考えても衝突するし。その解決

方法は軍人的思考から考えて暴力を

前提とした話し合い()だ。

 

「・・・はい」

 

「それなら彼女は隔離・・・というと

語弊がありますが、一般生徒とは別に

してカウセリングやメンタルケアを

行うべきではありませんか?」

 

そうしないと両方壊れるだろうが。

一般生徒に混ぜるのはそれからだろう?

 

「・・・はい」

 

「ソレらの問題を放置してISを使った

戦闘行動の容認なんかしたら、大惨事

間違いなしですよね?」

 

ドイツの自爆と言えば良いかもしれんが

教育機関としてのIS学園だって無関係

ではないぞ?

 

たかだか一ヶ月でも学園の生徒だ。

 

「教師は何をしていた」という意見は

必ず出るし「少し背後関係を見れば

歪さに気付くだろう?」と言われれば

我々には返す言葉もない。

 

「・・・はい」

 

これに対して試合で片を付けろって・・・

 

「選抜戦は不参加だそうです。これは冬林

技研が彼女にIS展開の許可を与えない為

だそうですが・・・簡単に人の命を奪う

兵器の使用許可を多感な15歳の少女に

預けるようなことはしない。というのが

あちらの言い分です。まぁ当然ですね」

 

「・・・はい」

 

本当にな。一応校則で無許可のIS展開は

禁止事項としているが、明確な罰則がある

訳でもないしロックを掛けているわけ

でもない。

 

つまり専用機持ち同士の喧嘩に巻き

込まれたら普通に人が死ぬ環境なわけだ。

 

篠ノ之箒のように感情で木刀を振り

回して学園の施設を破壊し、テロの

現場で無関係の一般生徒を殴り倒す

ようなのも居るんだ。

 

コレが10代女子と言うなら私には

制御できん。

 

これは各国に各種武装のロックを要請

するべきだよな。

 

「それで、織斑一夏君とデュノア君に

敵が居なくなったわけですが・・・

結果として茶番の八百長試合を各国の

要人に見せることになりました」

 

もともと選抜戦をタッグマッチにすると

言うのは、単独でラウラ・ボーデヴィッヒ

と戦える生徒が中国の凰鈴音しか居ない

と言う事情がある中で、IS委員会から

織斑一夏を選抜戦で優勝させろという

指令があったから。

 

それに対して当初はラウラ・ボーデヴィッヒ

と凰鈴音を戦わせて勝った方にデュノアを

当て、さらに損耗したところに織斑一夏を

ぶつけるというのが私の想定した流れ

だったが、織斑千冬や山田君からの報告で、

それでも織斑一夏は勝てないと判断された。

 

そこでタッグマッチに変更して、まともな

連携が取れないラウラ・ボーデヴィッヒ

や凰鈴音と戦わせればなんとかなるかもと

言う意見を採用したんだがな。

 

その結果がこれだ。

 

まぁそもそも素人の織斑一夏を優勝

させろというのが無理なんだよ。

 

例年どおりなら、まぁ何とかなった。

 

専用機さえあれば相手は訓練機で

まともな戦闘行動を知らない一般の生徒。

 

相手によって苦戦する可能性はあるが

最終的には勝てただろう。

 

だが今年のメンツを見ろ。

 

イギリスの代表候補生を皮切りに中国

・ドイツ・フランス・場合によっては

更識簪まで参加だぞ?最悪司馬仲達も。

 

同じ専用機持ちで訓練も積んできている

相手に、何の訓練も積んでないガキが

勝てるわけないんだよ。

 

必然的に対戦カードやルールを変更して

織斑を有利に持っていくことになるが、

それだけ準備を整えたあとでその敵が

軒並み居ないのではなぁ。

 

このままでは少なくとも女権団体あたりが

「IS学園が男性操縦者を不当に優遇した」

と騒ぐことになる。

 

デュノアについては公式には男扱いだから

反論も何も出来ん。

 

かといって現在参加に消極的な冬林技研

の連中に参加を要請したらどうなる?

 

司馬監査員の護衛である更識簪が出てきて

凰鈴音とタッグを組み、無双して終わりだ。

 

ラウラ・ボーデヴィッヒと戦わせて

損耗させると言う策も使えない以上、

織斑とデュノアに勝ち目など皆無。

 

あちらが我々に華を持たせる理由も無い。

 

何せ織斑一夏を優勝させると言うこの

小細工は、本来なら監査対象だからな。

 

IS委員会の指示と言っても切り捨て

られて終わり。

 

流石に司馬監査員を相手にするのに

あんな連中を後ろ盾には出来ん。

後ろから撃たれるに決まってる。

 

八百長か、惨敗か。

 

今後の予算編成を考えれば、今の段階で

IS委員会に逆らうことなどできん。

 

そして委員会の連中からすれば

「雑音は現場で片付けろ」で終わる話だ

 

・・・八百長しかないか。

 

最初からラウラ・ボーデヴィッヒの

歪さに気付いていればメンタルケア

を理由に出場権の剥奪も出来たものを。

 

いや、過ぎた事だな。後は司馬監査員が

止めを刺しに来る前に、選抜戦への参加を

見合わせてもらうよう交渉するか。

 

今の段階なら交渉で何とかなるからな。

 

参加も不参加も表明していないのは

そういうことだろう?

 

「はい。コチラ更識・・・ドイツで緊急

放送?テロ?国家転覆?!じゅ、十蔵さん!

テレビ!テレビ付けれますか?!」

 

ドイツで?向こうは真夜中だぞ?しかし

このタイミングは偶然ではないだろうな。

 

「えぇ。ちょっと待って下さいね」

 

 

 

 

「「「・・・」」」

 

 

 

 

「ド、ドイツの上級軍人、科学者による

生体兵器の作成?!関係者をテロリスト

と認定し国家転覆罪で極刑・・・

資金提供者も実名を公表?!」

 

「生体兵器ですか・・・これは彼女

のことですかね?」

 

そうか、遺伝子改造も受けていたか。

 

それに彼女の眼帯も改造手術の結果

だったとか?

コイツは、なぜソレに疑問を抱かないっ!

 

「・・・おそらくそうです」

 

・・・ドイツは証拠隠滅に動いたか。

この逮捕から報道までの動きを見るに

接触したのは昨日か一昨日。

 

ドイツの上層部は知らなかったのだろうな。

 

時差を考えればあちらは深夜だが、

むしろ深夜だからこそ担当者を拘束

しやすかったと言うのもあるだろう。

 

報道されるということは全部終わった

という事。

 

今更連中をつついても何もならん。

 

一応調査はさせるが、まぁ当たり障りの

無いモノしか出てこないだろうな。

 

彼女の目についても、失明したから

手術したと言うことにして、その後の

経過に多少問題があったようだと言う

感じか?

 

ソレを織斑千冬の教導のおかげで

克服したと。

 

わざわざ虐待だの落ちこぼれだのと

言った扱いはしないだろう。

 

特殊部隊の隊長についてはどうする?

 

・・・適当な論文を公表して天才指揮官

扱いで良いか。

その実績を買われて冬林技研に出向

しているとすれば誰も文句は付けられん。

 

織斑千冬とてこれに対して否定的な

発言をすればドイツがどうなるかくらいは

わかるだろうから、口を噤むしかない。

 

 

完敗だ・・・また勝てなかった。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「それで、私たちは正式に選抜戦には

参加しないことになったんだよ」

 

言われてみれば試合に参加しない

って言うのは私たちの中でだけ決定

してたんだもんね。

 

リンちゃんにタッグの申請書類を提出

させなかったのは、出場を保留してる

って認識させるためだったのか。

 

「へぇ。確かにラウラが出場しないなら

私たちが欠場する理由もなくなるけど、

私も好き好んで一夏を一方的に痛めつけて、

一夏の評価を落としたいわけじゃ無いし?

参加の見合わせは妥当かな(´・ω・)」

 

優勝者はアホの織斑と付き合えるとか

言うアホみたいな噂も、司馬少佐に

正面から嘘だって諭されたからね。

 

普通に考えたら人権侵害だってわかる

と思うんだけどさ。

 

アレは何なんだろ?参加者を棄権させ

ないために学園が用意した罠?

 

スゴク・アホくさい罠だけど10代女子

には効果的みたいなんだよねぇ。

 

「私はそもそも参加資格が無いし。

万が一あってもその気が無いからな。

今日織斑一夏に謝罪したら、冬林技研で

一週間のカウセリングと一般教養の授業。

専用機のフィッティングを予定しているよ」

 

コッチはコッチでスゴク・丸くなってるし

・・・ドイツだけにマルク?

 

・・・

 

流石尊厳を崩壊させる伝説の命奪崩壊拳!

私の尊厳も崩壊するところだった?!

 

それに一週間かぁ。教師は誰かな?

それに土日はどうするんだろ?

 

司馬少佐の邪魔はしないと思うけど・・・

 

「そういえばラウラさん?」

 

「んむ?」

 

こうして座ってデザート食べてると

タダの可愛い銀髪ロリなんだけどねぇ。

 

「命奪崩壊拳って・・・痛いの?

私、週末受ける予定なんだけど」

 

麻酔みたいな感じで、知らないうちに

全部終わってるとかだと嬉しいんだけ

どねぇ?

 

「「はぁ?!」」

 

め、滅茶苦茶驚いてるけど、やっぱり

普通はそうだよね!死ぬんだもんね?

何やったんだってなるよね?

 

「あ、アンタ何やらかしたの?!

副所長さんを寝取ったとかじゃない

でしょうね!」

 

し、シツレイな!

 

「私は司馬少佐公認の側室さんだから、

寝取るも何も普通にシてるよ!」

 

浮気じゃないもん!

 

「( ゚Д゚)オトナノカイダンノボッテルダト?!」

 

もう登りまくりだよっ!

 

「寝取るが良くわからんが、側室はわかる。

ならば、正妻である少佐殿から簪特尉に

対するイジメか何かか?」

 

司馬少佐がそんなことするはず

・・・躾って言ってたなぁ。

 

アレは冗談半分で本気半分だよね。

けど今回は違う意図があるって

わかってるし。

 

「それなら態々告知なんかしないよ。

何でも地獄を経験することで人として

不要な殻を破り、強制的に成長させる

ための洗礼みたいなモノだって話だよ?」

 

地獄から這い上がってきて初めて

人は成長出来るって言ってたね。

 

「そ、そうか。確かに私も殻を破った

と言われればその自覚はある」

 

うん。人形から脱却してるもんね。

 

まさしく『「馬鹿は死ななきゃ治らない。

ならば死ねば治る」の理』だよ。

 

『「治るまで死ね」の理』でもあるって話

だけど、流石古代中国の戦争を勝ち抜いた

人たちの教えだよね。

 

そこに容赦って言葉が無い。

 

まぁ、そんなのを許容出来る時代では

無かったと言うことなんだろうけどね。

 

「私は見ただけだけど、確かにアレを

喰らったら「もう何も怖くない」って

領域に至れるのはわかるわ」

 

自分のだらしなさを見つめるんだよね。

 

ラウラさんはリンちゃんに介護された

って言うから、尚更か。

 

「うむ。アレはその場の痛みだけで

なく痛みが持続するのだ。

更に痛みで目の前が見えなくなるのに

ナニカが目の前に居るのがわかるんだ」

 

・・・やっぱり痛いのかそれに

 

「な、ナニカ?」

「(;゚д゚)ゴクリ・・・」

 

「赤くて青いのだったり、白いのに

黒い硬い液体っぽいのがな。徐々に

近づいてくる感じだ」

 

わけがわからないよ!

 

クトゥルフじゃん?!SAN値直葬され

てるじゃん!

 

「アドバイスとしては、アノ優しさ(?)

に包まれたらダメだな。起きれなくなる

だろうから、包まれる前に跳ね返すことだ」

 

「「優しさ(?)ってナニ?!」」

 

一体ナニに包まれるの?!

 

「後は・・・やはり垂れ流しだからな。

食事は取らず、風呂場で受けるのが良い

だろう。ヘタに携帯用オムツとか使うと

タイヘンなことになると思うぞ」

 

「な、なるほど・・・」

 

食事は取らないほうが良いんだね?

何時から抜いたほうが良いのかな?

前日の夜からとか?でもそんなこと

してたら栄養が足りなくなるんじゃ

ないかな?

 

司馬少佐に、いや、ここは大佐殿に聞いた

方が良いかも!

 

「・・・ねぇ、ソレって私も受けるのかな?」

 

何を言ってるのかな~この子は?

 

「そんなの当たり前でしょ」

「当たり前だな」

 

「( ゚Д゚)」

 

いや、そんな驚かれてもね。

 

「むしろなんで自分だけ無事で済むと

思っているのか知りたいよ」

 

洗礼とか儀式なら、最初はリンちゃん

が受けるのが普通だよ?

 

「そうだな。言ってはなんだが、操縦者

として現状一番の未熟者は准尉だ。

成長する機会は逃すべきではないぞ?」

 

まぁ受けるには資格が必要だって言う

ならまだ大丈夫かもしれないけど、

そういうのは早めに済ませたほうが

良いと思うんだよね。

 

・・・一番良いのはラウラさんみたいに

いきなり受けることだけどさ。

 

告知有りって滅茶苦茶不安なんですけど!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

「しかしラウラさん?少尉が織斑先生に

会ったのが三年前~二年前だと

時間的におかしく無いですか?」

 

「む?おかしいと言われてもな」

 

朝の鍛錬に向かうと言われて、向かった

先で待っていた更識簪特尉を凰准尉に

紹介してもらい、そのまま自己紹介と

なったんだが・・・

 

経歴がおかしいって言われてもなぁ。

実際そうだし。

 

ん?まてまて。四年前教官が20~21の

ときに第二回世界大会で21~22の間で

我々の教官、22~23は1年間ISから

離れて、去年IS学園に招聘されて23~24。

それで今年24~25だから、やはり

間違いは・・・うん?

 

つまり今年が第三回世界大会?んん?

そんな話聞いたことがないぞ?

誕生日の関係で多少のズレはあるかも

知れんが、それでもおかしくないか?

 

アレ?私の年齢は書類上のモノだから

アレだが、教官の年齢は今が24で

今年25になる感じで間違ってないよな?

 

いやそうなると教官が第一回世界大会で

優勝したのが、16~17になるぞ?

 

まてまてまてまて。今から10年前にIS

が世界に公表されたろ?

 

そのときの教官との時系列はどうなる?

 

ISが公表される 14~15 (5~6)

第一回世界大会 16~17 (7~8)

第二回世界大会 20~21 (11~12)

ドイツの教導  21~22 (12~13)

1年置いて   22~23 (13~14)

学園の教師   23~25 (14~16)

 

 

教官はIS学園の教師として二年目で

ドイツの教導は丸々1年だった筈だ。

もしかしたら20の後半~22だが

これでまぁ問題ないんじゃないか?

 

いやはや10~11の私に改造手術を

行うドイツは確かにロクデナシだな。

まぁそれはそれとしてだ。

 

世界大会は二回しか行われて

いないから、4年に1度。

 

3年に1度なら去年に第三回世界大会

が無ければおかしいからな。

 

あれ?やっぱり今年が世界大会?

それとも何かあって中止とか延期

になった?

・・・可能性が有るとすれば織斑一夏

だが世界大会だぞ?

 

莫大な金が動いてるし、女権団体にして

みたら自分達の権威を高めるチャンス。

 

むしろ織斑一夏無しで行うか、あえて素人の

織斑一夏を参加させることで見せしめにしよ

うとするだろう。つまり止める理由が無い。

 

つまり・・・どういうことだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしのまわりのじかんの

ながれがおかしい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだラウラさん!これ以上は

せかいのほうそくがみだれるっ!」

 

「ツッコンだのアンタじゃん(-_-)」

 

 




十蔵さんも後付けキャラですからねぇ。

政治的に優秀な人なら気付くよね?
利用するよね?

それがこのザマですかってお話


女子トークは食堂などではなく、
防音の効いた部屋でしているもよう


おまけ?ハハッ。


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24話

時系列的には前話と同日

朝練~朝食。HRまでの時間のお話

オマケ?そんなモノは無かった。

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!



「おはようございます司馬少佐殿!」

 

「えぇ、おはようございます」

 

ふむ。出発前のアイサツですかね?

まぁアイサツは大事です。

師も言ってますから間違いありません。

 

「それで、朝から申し訳ありませんが

一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?!」

 

ん?朝のHR前に織斑一夏に謝罪したら

冬林技研に行く予定の少尉が、わざわざ

私に会いに来てアイサツだけでなく

質問まですると?

 

「まぁ、私に答えられることなら」

 

時間がないわけではないですし、少尉は

人形から脱却したばかりですからね。

 

学園内において変な考えを持つ前に

私がしっかり教導せねばなりません。

 

「ハッ!ありがとうございます!

では・・・凰准尉からの情報で

「大佐殿を寝取ればラウラの将来は安泰ね」

と言われたのですが、コレはどういう

意味なのでしょうか?」

 

「・・・ほう」

 

さて、コレはどういう意図があるのか。

 

少なくともコイツが私に喧嘩を売って

いると言うことでは無いというのは

わかるんですがねぇ。

 

「現状、何か私の将来に不安があるとは

思えないのですが、何か問題が発生

する予定があるのでしょうか?それと

そもそも寝取りとはなんなのでしょう?

凰准尉からは、ぼかした説明しかなく

結局のところ良くわかっていないのです」

 

・・・コイツはあくまで自分の将来に

不安があるなら、今のうちに何とか

したいと思ってるだけだな。

それ自体は当たり前の話ではある。

 

「知らないことを知らないままにせず、

キチンと確認しようとする少尉の姿勢

は評価しましょう」

 

話の流れからすれば師に会う前に必要な

知識だとはわかるが、正しい寝取りに

ついての意味はわかっていないと。

 

コレはココで処分する必要はないな。

 

知識については・・・特尉に教えさせるか。

 

冬林技研だとHENTAI共がおもしろ

おかしくいらんことを吹き込んで、

師を巻き込む可能性があるからな。

 

師の子供のことを考えれば、コイツも

遺伝子的には悪くはないかもしれんが

・・・母体としての相性やらなにやら

も研究させるか。

 

何せ遺伝子改造された存在だし。

 

キサラギなんかは頼まれんでもヤる

だろう。報告させればいいだけだ。

 

「・・・なるほど、少尉の心配は

わかりました。現状は特に問題が

発生する予定はありません。

寝取りに関する知識は特尉に聞きなさい。

更に言えば師を寝取ることは不可能

ですし、ソレを試みた時点で貴女は

宇宙に投棄されることになるでしょう」

 

私公認ならまだしも、また師が自分の

意思で手を出すなら目こぼしもしますが、

これでは師に対するハニトラですからね。

 

流石に認めることはありませんよ?

 

「か、かしこまりましたっ!ご教授

アリガトウゴザイマスッ!」

 

さて、問題は准尉だな。

 

「えぇ、迎えはもうすぐ来ますから、

特尉への確認と織斑一夏への謝罪は

出来るだけ早く済ませるように。

あぁそれと凰准尉を呼びなさい。

大至急だ。何をしていようと関係ない」

 

授業?休ませろ。

 

「た、直ちに凰准尉を呼び出します!」

 

「急げよ」

 

「はっ!」

 

さてさて、一般常識に疎い少尉に余計な

ことを吹き込んでくれた准尉には、ナニを

どうしてあげましょうかねぇ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

なんかラウラがめっちゃ焦って呼びに

来たから、急いで司馬様の部屋に来たら

有無を言わさず床に正座させられてる

件について(´・ω・)

 

いや、え?なんで司馬様怒ってんの?

 

「さて凰准尉。授業前の貴女を呼び

出した理由ですが。わかりますか?」

 

「わ、わかりません」

 

いや、え?なんで司馬様怒ってんの?

 

大事なことだから二度言うけど、

司馬様って怒ってるのを外に出す

人じゃないですよね?!

 

「そうですか。では質問を変えましょう。

冬林技研に向う直前のラウラ少尉に対し、

師の寝取りを教唆したと言う情報に

関して何か心当たりはありますか?」

 

・・・寝取りの教唆?( ゚Д゚)アレカッ?!

 

ヤバイって!冗談じゃ済まないっ!

このままじゃ司馬家と李家に殺される!

 

宇宙空間か深海か、もしくはGと合体

させられて火星に投棄されるっ!

 

「ね、寝取りの教唆って。ち、違います!

話の流れでそういう話題が出て、ラウラ

から「結局寝取りって何なんだ?」って

聞かれましたので、簪と司馬様を例に

してラウラを加えただけなんです!」

 

そう、世間話の一環で!冗談交じりで!

・・・(;・д・)ハッ!

 

「そうですかそうですか・・・

授業や任務があるので今は殺らんが、

今週末は貴様にも地獄に落ちてもらう。

これは確定事項だ。いいな?」

 

「・・・ぁい(つд⊂)」

 

冗談交じりで副所長さんと司馬様を

ネタにして良いわけ無いじゃん・・・

どんだけ緊張感ないのよ。

いくら親しくしてくれてても司馬様は

上司でお姫様なんだから。

 

うん。この場で殺されなかっただけ

良かったと思おう。

 

「まぁ上司の陰口は兵士の数少ない娯楽の

一つですから、普段はいちいち咎める

ような真似はしません。ですが流石に師を

巻き込むのは不敬です。

内容もいくら10代女子の暴走であっても

目こぼし出来る内容ではありません」

 

「・・・はい」

 

ですよねぇ。冗談でも「婚約者を寝取れ」

なんて言われて、怒らない女はこの世に

居ないですよねぇ。

 

「次はない。任務中だろうが何だろうが

必ず殺す。貴様だけではなく関係者全員だ」

 

「ハイッ!キモニメイジマスッ!」

 

け、警告で良かった。本当に良かった!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「簪特尉!」

 

おや?朝練が終わった後で司馬少佐に

アイサツに行ったラウラさんが

血相変えてるけどどうしたんだろう?

 

ドイツの冷水(笑)はどうしたの?

 

「そんなに慌ててどうしたの?

司馬少佐が居なかったの?」

 

それなら焦るよね。上司にアイサツ

しないまま出立とかありえないし。

 

「いや、少佐殿は居たのだが、どうやら

ご機嫌を損ねてしまったようでな」

 

「えぇ?!勘弁してよ~」

 

おいおい、私これからアイサツしに

行く予定なんだけど。って言うか

機嫌を損ねたってことはアイサツが

原因なんだよね?

どんなアイサツしたらあの司馬少佐を

怒らせる事が出来るの?

 

「いや、本当に申し訳ないと思っている」

 

メタ○マンっぽく言っても駄目だから!

ちゃんと戻ってきたら色々布教するのは

確定として・・・

 

「で、何を言ったの?わざわざ私に

会いに来るくらいだから私も無関係

じゃ無いんでしょ?」

 

元々時間があるわけでも無いんだし。

 

「うむ。司馬少佐殿に、朝話題になった

「大佐殿を寝取ればラウラの将来は安泰ね」

と言う准尉の言葉の真意の確認をしに

行ったのだ。将来に不安があるなら備え

たいし、大佐殿が関わるなら冬林技研

に行く前に確認せねばならんと思ってな」

 

「・・・・・・いや、まぁ確かに

リンちゃんはそんなこと言ってたけど」

 

それ司馬少佐の逆鱗直撃してるよね?

 

あの人は側室も妾も浮気も認めてるけど、

ソレはあくまで大佐殿が望むならって話。

ハニトラは絶対認めないんじゃない?

 

しかもこれから大佐殿のところに行こうと

している、銀髪ロリの可愛い女の子が

「自分の将来の為に婚約者を寝取る」

なんて宣言したら・・・もう戦争よね?

 

この子、なんで生きてるの?

 

「それで『とりあえず将来に不安は

無いから心配するな。

寝取りについては簪特尉に聞くように』

と言われてな。大佐殿にシツレイをする

前に聞きに来たのだ!」

 

 

聞きに来たのだ(`・ω・´)キリッ!って

 

なるほど。まぁ。うん。そうか。

 

確かに大佐殿に聞くのは論外。私たち

全員が説教と矯正されるね。

冬林技研の人たちは・・・ネタとして

盛り上がりそう。

 

ヘタに乗せられて夜這いとかしたらどう

なるかなぁ。まぁ寝室に辿り着く前に

警備に捕まって終わると思うけど。

 

警備の人も悪乗りする可能性は・・・有る。

 

まぁ悪乗りと言うか、あの人たちは

大佐殿には出来るだけ多くの子を

残して貰いたいって思ってるんだよね。

 

側室とかで無くても良いからって、

司馬家や李家の分家の人たちからも

かなりの数の要望が来てるみたいだし。

 

それはそれとして。大佐殿がラウラさんの

奇襲を受けることは無いから、普通に

相手をするよね?その場合の相手となると

女の覚悟を考慮して関係を持つ?

それとも知識が無い子供のやってること

として、一緒に寝てあげるくらいかな?

 

それから間違いなく全員説教だよね。

 

司馬少佐はどうするかな?説教では

済まないような気もするんだけど。

 

どちらにせよ私にとってもあんまり

面白くは無いことになるから、ここは

変にぼかしたりしないで正しい意味を

教えて、ラウラさんを暴走させない

ようにしないと駄目だよね!

 

・・・これが側室としてのお仕事なのかな?

 

「わかったラウラさん。ちゃんと説明

するからしっかり聞いてね。

それと冬林技研でこんなこと絶対に

口に出しちゃダメだからね?」

 

「う、うむ!よろしく頼む!」

 

素直なのは良いことなんだけどなぁ

 

「あのね、寝取りって言うのは・・・」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「では次の用件です。あぁ、そのまま

正座してなさい」

 

「はい・・・」

 

まだお話があるようだけど、正座は継続

ですね。わかります。

 

「先ほど関係者の末路について多少言及

しましたが、准尉の関係者についての話です」

 

末路って・・・いやいやソレはひっくり

返しちゃダメな話題よ!

 

「私の関係者と言うと・・・楊さんと

教官、甲龍開発チームとお母さん。

後は台湾の叔母さん一家くらいですよね?」

 

このうち台湾の叔母さん一家については

中国とはまた別だけど・・・まぁ司馬家

や李家には関係ないわよね。

 

普通にご近所=サン扱いでしょ?

 

「いや、貴女は少尉と違ってちゃんと

父親も居るでしょう?

その父、劉楽音についてのお話です」

 

「ち、父親は関係ないですよ!」

 

急にお母さんに冷たくなって離婚したし!

血縁上は父親だけど関係ないです!

 

「そうなんですか?今の准尉なら

伝手を使えば普通に彼の癌の治療が

出来ますが・・・不要と言うことで

よろしいですか?」

 

「・・・え?」

 

え?ガン?ガンって・・・癌?!

 

「まぁ私も師も他人の家庭の事情に口を

挟む気はありませんので、准尉に不要と

言われればそのままなんですがね」

 

「ちょちょちょ!ちょっと待って下さい!」

 

意味がわからない。癌ってナニ?!

 

「ちょっとですね。わかりました

・・・あと7秒です」

 

「( ゚Д゚)7ビョウ?!」

 

そうだった!偉い人のちょっとって

最大10秒だった!

 

「准尉にもわかりやすいように簡単な

解説をするとですね。

そもそも冬林技研は宇宙開発を主とする

企業です。そして宇宙で活動するに

あたって、宇宙線と癌は切っても切れない

関係にあります」

 

「ソ、ソウデスネ!」

 

うん、ソレは聞いたことがある!って

言うか紫外線とか普通に直で当たるもんね!

 

「そのため癌に対抗するための医療手段

の開発と言うのは急務でした。

まぁココでもキサラギが色々ヤったわけ

ですが、結果としてISを利用したナノマシン

コントロールと抗がん剤が開発され、

現在では癌細胞のみを狙い撃ちにした

治療も可能となり、ある一定以上の体力が

あれば治療は十分可能な病気となっています」

 

「ソ、ソウダッタンデスネ!」

 

それでもイタチごっこなのが現状です

って言ってるけど。それ以前の問題

ですよね?!ナニ?あの人って癌だったの?!

 

「どんな最新技術が開発されようと

流石に伝手がなければ治療は出来ません。

何せISコアを使ったナノマシン制御が

絶対に必要な技術です。治験以外で

コレを受けることが出来る一般人は

居ませんし、通常の治療も今や金持ち共が

順番待ち状態」

 

師、曰くウハウハですって言ってる

けど、あの人そんなこと言うんですね?!

 

って言うかそりゃそうですよ!

癌に怯えるお金持ちにしてみたら、

世界一受けたい治療ですよっ!

 

「そんな順番待ちの癌治療ですが

その技術を確立し、金持ち共に施す前

に当然治験する必要がありました」

 

「ソ、ソレハソウデスヨネ!」

 

しっかりとしたデータがなければ

施術を受けようとはしませんよね!

 

まぁ一縷の望みをかけてってパターンも

有るかもしれないけど、普通は貧乏人

に試させてからって言うのが普通の

お金持ちのイメージですよね!

 

「で、その治験の候補者は当然癌を

患ってる人間でなくては意味がありません」

 

「・・・そうですね」

 

癌治療の技術の治験ですもんね。

 

「そしてその候補者を絞る条件として

 

癌を発症していて、更に自覚もしている。

社会的権力が無い。

失敗しても騒ぐような身内が居ない。

成功の見込み(一定の体力)がある。

 

というのが挙げられました」

 

「なるほど」

 

・・・父親は全部当て嵌ってますね。

 

「准尉の父親である劉楽音が審査で弾かれ

たのは、当時IS搭乗者の養成所で注目を

集め始めていた准尉が、彼の血縁上の娘で

あると言うことが判明したからです」

 

わ、私が騒ぐ身内に該当したってこと?

 

「え?じゃ、じゃあ私のせいで?!」

 

私のせいで父親・・・お父さんはその

治験を受けれなかったの?!

 

「まぁ理由の一つではありますね」

 

そ、そんな。そんなことって・・・

 

「勘違いして欲しくありませんが、彼は

候補者の一人程度でしかありませんでしたし、

当時行っていたのはあくま治験であって

決して今のような確立された治療技術では

ありませんでした。

治験を受けることができたからといって、

病状が治まると断言出来るようなモノでは

無かったと言う事は覚えていて下さい」

 

「そ、そうなんですね」

 

そうよね。あくまで治験なんだもん。

ある意味では失敗することを目的と

してる行為ってことでもある。

 

けど、お父さんは今も癌で苦しんでるって

ことでしょ?

もし治験を受けれていたら治ってた

可能性も有ったんだし・・・

 

「すでに過ぎ去った事を真剣に気に

病んでも物事は何も進展しませんよ。

今なら我々の伝手を使って優先的に治療を

受けさせる事ができる。コレが現状です。

・・・それで、本当に治療は不要ですか?」

 

「・・・」

 

不要かって言われても・・・

 

「私にとっては完全に他人事ですが、

師はアレで子供好きでしてね。

基本的に子供が親を亡くすことを嫌います。

ただ准尉も知ってのとおり、あの方は

「全ての子供に無償の愛を」などと

言うヒトでもありません。

誰にでも無条件に手を差し伸べるなんてこと

も無ければ、その手を払われたら二度と

同じ相手に手を差し伸べることもありません」

 

「・・・」

 

わかんない。急にそんなこと言われても、

正直どうして良いのかわかんないよ!

 

「准尉。人生において選択の時と言う

のは、往々にして本人が望むタイミング

で来ることはありません」

 

「・・・そう、なんですね」

 

「子供に決定権がある選択などその機会

すら無いのが普通です。

既に師から慈悲の手は差し出されました。

ソレを掴むか払いのけるかは准尉の選択。

どちらを選んでも我々が准尉を罰すると

言うことはありません」

 

「私の、選択・・・」

 

副所長さんにしてみたら所詮私は

司馬様の部下の一人。ソレなのにこんな

特別扱いしてくれるのは、子供が親を

亡くすのが嫌いだから?

・・・それとも他に何かあるの?

 

だけど私に恩を売って何があるの?

お金?私の体?IS搭乗者?代表候補生?

全部ありえない。お金にも女性にも

IS搭乗者にも困ってないもん。

 

ならやっぱり・・・同情なのかな?

 

元々ラウラのことを憐れに思って助ける

ような優しさがある人だし、簪だって

才能を腐らせるのは勿体無いって言う

のはあるけど、その大元は同情みたいな

モノだって言うし。

 

「まぁなんだかんだ言いましたが、

別に時間制限が・・・無いわけでは無い

ですが、准尉が今すぐ一人で決めること

でもありません。一度母親や本人を

交えて協議してみると良いでしょう」

 

「お母さんはともかく・・・本人ですか?」

 

けど連絡先とか・・・あぁ司馬様なら

普通にわかりますよね。

 

「准尉を冬林技研に所属させる前に

身辺調査は一通りしてますからね。

そこで通院の履歴と以前の治験候補者

リストに名が載っていた事から、師が

温情をかけることを決めたのです。

本人は現在中国に居ますから、国際電話

になりますが・・・准尉の今の給料なら

問題無いでしょう。

コレが連絡先ですので、しっかりと

両親の意向を確認するように」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

と、とりあえず治療を受けるにせよ

受けないにせよまずはお母さんに

確認だよね!お母さんが癌のことを

知ってたかどうかを確認しなきゃ!

 

それから、お、お父さんにもちゃんと

確認しないと!

もし離婚の理由が癌なら治ればまた

一緒に居られるし・・・

 

私も寂しかったけど、お母さんはもっと

辛かったはず!

気丈に振舞ってたけど、私が見てない

ところでずっと泣いてたんだから!

 

とりあえず癌のせいで離婚したって

言うなら、無理やり治療受けさせて、

お母さんと二人で殴ってやるんだから!

 

「私からの話は以上です。准尉からは

何かありますか?」

 

「いえ特に・・・いや、あ、あの」

 

なにも無いって言おうとしたけど、

私は馬鹿か!あるじゃない!

絶対に言わなきゃいけないことが!

 

「ん?なんでしょう?」

 

話を蒸し返すことになるけど、コレは

絶対に言わなきゃ駄目!私の自己満足

かもしれないけど、ちゃんとしなきゃ

私が私じゃなくなっちゃう!

 

「あの、冗談でもラウラにあんなこと

言ってスミマセンデシタっ!」

 

私、こんなに良くしてくれてる

司馬様にまだ一言も謝ってないっ!

 

例えもう一回怒られても、コレは

ちゃんとしなきゃ駄目なことよ!

 

「・・・謝罪は受け取りましょう。

ただし次はありません。

そして上官の陰口なら私までにしなさい。

師を冒涜する言動を許す気はありません

からね」

 

「ハイッ!ありがとうございます!」

 

なんだかんだで結局は自分のことより

副所長さんのことで怒ってるんだもんね。

 

本当にスミマセンデシタ。そしてこの

ご恩は絶対にお返しします!

 

「では私はコレでシツレイします!」

 

「えぇ、今日の授業は休んでも良いので、

まずはそちらの事情を優先なさい」

 

助かります。学校なんて私生活あっての

モノだし、今日はマトモに授業なんか

受けれるとは思えないもの。

 

正直ありがたいです!

 

「はいっ了解です(*`・ω・)ゞ」

 

さて、すぐに自室に帰ってお母さんと

連絡を取らなきゃって景気よく思った

ものの、コレはちょっと・・・

 

「おや、まだ何かあるのですか?」

 

いや、司馬様には何もないんですよ?

何もないんですけどね?

 

「あ、足が痺れて立てません(つд⊂)」

 

「・・・そうですか」

 

元々正座ってそういう罰ですもんね!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おはようございます司馬少佐。

あの、リンちゃんが泣きながら足を

プルプルさせてましたけど・・・」

 

あれぞまさしく生まれたての小鹿って

感じだったよね。

お説教だけじゃなくしっかり罰も

下したのかな?それなら機嫌も少しは

良くなってると思うんだけど・・・

 

「あぁ、おはようございます特尉。

アレは少尉に対して阿呆なことを吹き

込んだ罰の一環ですよ」

 

「やはりそうでしたか」

 

足がアレってことは長時間の正座かな?

 

「それと准尉の家庭の事情に多少口を

挟んだ形ですね」

 

「家庭の事情ですか?」

 

基本的にプライベートには関わらない

司馬少佐にしては珍しいですよね。

 

「えぇ、師が私の学友の為にって

気を配ったらしいのですよ。

まったく、あの人は私に甘すぎます」

 

とか言いながら嬉しそうですよね?

 

「しかし少佐の学友としてですか」

 

まんまお父さん視点だけど、わからない

ではないよね。

 

そもそも司馬少佐に「司馬様ー」なんて

言って世間話が出来るのってリンちゃん

くらいだもん。

 

私もそれなりに仲は良いけど、あの軽さは

ちょっと難しいし。

私と少佐は副官と上司で側室と正妻。

あえて下世話な言い方をすれば・・・

さ、○姉妹だもんね。

 

なんであえて下世話な言い方を

したのかは知らないけど!

「お姉さま」とか言わないけど!

 

「何を葛藤してるかは知りませんが特に

隠すことでもないので特尉にも内容は

伝えておきましょう。

因みに今週末は二人で命奪崩壊拳ですので、

一緒に受けるか別々に受けるか相談なさい」

 

「別々でお願いします!」

 

そんなの相談するまでもありませんよ!

 

どっちかが無事なら介護を頼む可能性も

微レ存ですけど、二人ともダウンしてたら

意味ないですよねっ!

 

「特尉の希望はわかりました。あとは

准尉ですね」

 

「リンちゃんも別々を望むと思いますよ?」

 

変な趣味があるわけじゃないだろうし・・・

 

「ふむ。まぁソレは確認してからで良い

でしょう。先にアドバイスしておきますが

突然の客人が来た時に備えて置くように

した方が良いですよ。

「部屋からうめき声が聞こえる」とか

「外出してないはずなのに何処にも

いない」とか言われて部屋に踏み込ま

れても嫌でしょう?」

 

あぁ、確かに。ソレで垂れ流し現場を

誰かに見られるのは嫌だなぁ。

 

そういう時に限って誰かが何かして

くる可能性は高いし。

 

具体的には楯無とか本音とか。

 

コレはリンちゃんが居ても居なくても

同じだろうから、むしろ外出許可を

取ってからにした方がいいのかも?

 

それまでにラウラさんが戻ってくれば

介護を頼めるけど、多分戻りは日曜夜

に司馬少佐と一緒だと思うし。

 

うーん。まぁその辺はリンちゃんと相談

しておこうかな。

 

「それで、准尉の家庭の事情について

ですが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「おぉ織斑一夏。良いところで会った。

これから貴様に会いに行こうとして

いたところだ」

 

「「ラ・ラウラ・ボーデヴィッヒ?!」」

 

な、なんだ?「試合まで待てん!」とか

言って襲いかかって来るつもりか?!

 

「な、なんだ?!試合まではお互いに

接触しないんじゃなかったのか?!」

 

けどなんか・・・雰囲気違わないか?

 

「ん?そうかまだ知らんか。しかしアレ

だな。貴様はもう少し周囲の情報を集める

ようにした方がいいと思うぞ?

貴様が周りに無関心でも、周りはそうでは

ないのだからな」

 

「・・・そ、そうか?」

 

ちゅ、忠告してくれてるんだよな?

 

いや、しかしなんだこの感じ?

今まで有った、アノ敵意って言うのか?

トゲトゲしさが全くないんだけど・・・

 

「貴様!一夏に何の用だ?!」

 

「箒・・・」

 

警戒するのはわかるが、アッチが

会話を望むならコッチは跳ね除け

ちゃダメだろ?

 

せめて何を言うかを確認しないと。

 

「一夏、先週あんな事があったのに

いきなり態度を変えてきたら怪しむ

のは当たり前だよ!」

 

「そ、そうか?シャルがそういうなら

そうなのかも知れないけど」

 

いや、だけどなぁ・・・

 

「うむ。朝は暇ではないから時間は

有効に使うべき。それ故さっさと用件に

入れと言う意見は正しい」

 

なんか素直に聞き入れてるし・・・

コイツ、本物か?

 

「ま、まぁソレはそうだな」

 

いや、本物にせよ偽物にせよ言ってる

ことはその通りだ。遅刻したら

千冬姉に叩かれるってのは万国共通だしな。

 

「一夏!こんな奴の相手をする必要はない!」

 

いや、だから、そうやって会話を跳ね除け

ちゃダメなんだって。

 

それに「何の用だ」って聞いたの箒だぞ?

 

「うむ用件としては織斑一夏に対する

謝罪だな。

あぁ、いや、その前にアイサツが先か。

うん失礼した。オハヨウゴザイマス」

 

「「「しゃ、謝罪?!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コイツ・・・偽物だな?!

 

 




かんちゃんにセクハラさせる作者の図。

眼鏡女子?大好きですが何か?

どこぞのロシアの国家代表がナノマシン(笑)
を戦闘に使ってますので、医療用も発展
している設定ってお話

て言うか宇宙開発に関わる企業なら
放射性物質と宇宙線による病気って
絶対に対処する案件ですよね?

姉魂。朝一で奇襲を受けて微妙に混乱中?



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25話

姉魂の思考や話し方が分からない!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


「・・・」

 

「「「・・・」」」

 

な、なんだ?何も喋らないけど、

何か企んでいるのか?

 

「・・・ふむ。まぁいいか」

 

「「「何が?!」」」

 

コイツは一体、何に納得したんだ?!

 

「謝罪に来ておきながら申し訳ないが

コチラもそれほど時間に余裕がある

わけではなくてな。

今回の謝罪はあくまでケジメの問題で、

貴様が許すかどうかは無論別問題だ。

私に対して文句があるのは当然だし、

公衆の面前で頬も叩かれているのだ。

貴様にはソレに対して報復する権利がある」

 

謝罪って割には態度が大きいような気も

するんだけど・・・いや、まぁ別に土下座

しろとか言うわけじゃ無いぞ?

何と言うか、その。もにょると言うかだな。

 

「えっと、それは、ナニに対する謝罪

なのかな?」

 

シャル!そ、そうだよな。謝罪って

言ったって

コイツは今まで色んなことを・・・ん?

 

そもそも俺コイツに何されたっけ?

 

「無論、織斑一夏に対する暴言と

暴力だ。特に誘拐されたことに対して、

警備を担当していたドイツの不手際

だったにも関わらず、護衛対象である

織斑一夏にその責任を押し付けるような

無責任なことを言ってしまった。

本当に申し訳ないと思っている」

 

あぁ、ソレがあったか。けどソレに

ついてはなぁ。最初は確かにイラついた

けど、的外れな批判では無いんだよな。

 

「いや、まぁ誘拐されたのは俺が

無用心だったってのも、無いわけじゃ

無いと思うし・・・」

 

大体が初めての海外旅行で浮かれてて、

何の警戒もしないで彷徨いてたせいで

誘拐されたってだけの話だし。

 

日本じゃないんだから警戒しろよって

言われたら、その通りだもんなぁ。

 

そんな俺のせいで千冬姉が決勝を辞退した

のも事実だ。

千冬姉のファンなら誰だって怒るし、

俺だって悔しいとは思ってるんだから。

 

「いや、世界大会参加者であり第一回

世界大会優勝者である教官に対する

妨害工作は、警備を担当するならば考慮

して然るべき案件だ。

組織的かつ計画的犯行に対して民間人で

ある貴様が対抗出来るはずもない。

その程度のことも弁えず、謂なき暴言

と暴力を加えた私には当然罰が下るべき

であり、再度言うが貴様には私だけでなく

ドイツに対して報復する権利があるのだ」

 

えっと、コレは・・・アレか?

誘拐事件は予想出来たモノで、それに

対処出来なかったドイツが悪いって

言ってるのか?

 

それに妨害工作か。オリンピックでも

地元選手を優勝させるために、他の選手に

嫌がらせみたいなことをするってのは

聞いたことあるような無いような。

 

「・・・一夏に対する謝罪はわかった。

だけど、君が謝罪する相手は一夏だけじゃ

ないだろう?」

 

そ、そうだ!セシリアはコイツのせいで!

 

「織斑一夏以外への謝罪の必要は無いな。

あ、いや、同じクラスの人間に対しては

空気を悪くしたことに対する謝罪が必要

かもしれんが」

 

「く、空気を悪くしたって・・・その前に

セシリアに謝罪をしなきゃダメだろう!」

 

コイツ、微妙に変わったかもしれない

けど結局のところは一緒じゃないか!

 

「それは違うぞ織斑一夏。私とセシリア・

オルコットに関しては訓練中の事故だ。

ソレを謝罪するということは、IS学園が

行った政治的配慮を無視する行為だし、

何より互いに第三世代機で打ち合ったのだぞ?

勝ってすみませんでしたと謝罪するのか?」

 

いや、確かにアレは訓練ってことになったし、

コイツも卑怯な手を使ったわけじゃ無いけど

よぉ・・・

 

「それにしたってやりすぎだろう?」

 

入院とかはしてないし、土日安静に

したら普通に授業に出れるくらいには

回復してるけど・・・ISは損傷してて

試合に出れないくらいのダメージ

負ってるんだぞ?

 

「ふむ。コレは価値観の相違というヤツ

だな。織斑一夏にわかりやすく言うなら

・・・チェス、いやショウギだよ」

 

「「「将棋?」」」

 

なんで将棋?いや、チェスよりはわかり

やすいけど・・・

 

「そうだ。我々は第三世代機と言う同じ

コマを持ち、世界的に有名なプロキシを

育成する学校に通う同級生であり競争相手。

そこで訓練という名の戦いが起こり、

片方が一方的に勝って、負けたほうが

心に傷を負ったとしよう」

 

「ふむ」

 

まぁあんまり一方的に負けたら心が

折れるときもあるし、そうやって夢を

諦める人も居るよな?

 

 

「この場合勝った方に遠慮しろと言うか?

それとも負けた方に精進しろと言うか?

因みに対戦したのはアマチュアではなく

プロ・・・いやセミプロか?とりあえず

国を代表して国外に来ている人間だぞ?」

 

えっと、将棋だと奨励会みたいなもんだろ?

 

それなら・・・負けた方に精進しろって

言うのが普通だよな?

 

大体勝った方から「遠慮しなくて悪かった」

なんて言われても、そんなのは謝罪じゃない。

って言うかそもそも罪ですらないから、謝る

理由がないってことか。

 

ただ、その喩えが正しいかどうかが

わからないことにはなんとも

言えないんだけど・・・どうなんだ?

 

「シャル?今の喩えはどうなんだ?」

 

「・・・間違ってはいないよ。IS社会は

競争社会。ソレにドイツとイギリスは

競合相手でもあるからね」

 

そうか。常識としては間違っていないのか。

そうなるとコイツが謝罪すべきは・・・

やっぱり最初のアレだけなのか?

 

周りの空気に関しては自分で謝罪する

みたいなことも言ってるし、しかも

今回の謝罪はあくまでケジメであって、

ここで俺に許されないこともしっかり

考慮して来てる。

 

これ突っぱねてもなぁ。

 

「ゴチャゴチャと抜かしてるが、

結局はお前が試合で負けるのが

嫌で謝罪に来ただけだろうが!」

 

「箒?」

 

それはちょっと違わないか?

 

そんな話してなかったし。いや、まぁ

遠慮しないで戦うって話はしてたけど。

 

そもそもコイツが、今の俺たちでは

単独では勝てないくらい強いって

言うのは事実なんだぞ?

 

しかも2対1でも一方的な戦いに

はならないだろうって話だから、

シャルとの連携訓練もしてるって言うのに。

 

「あ~織斑一夏、私が言えたことでは

ないがもう少し周りを見たほうが良い。

周りの勢いに流されているだけだと、

いずれ溺れ死ぬか、誰かに利用されて

踊らされるだけの道化になるぞ?」

 

「貴様っ?!」

 

おぉ~箒の暴言を完全にスルーしたよ。

なんて言うか・・・余裕あるよなぁ。

突っ込んでくる闘牛をひらりと避ける

感じで。しかも将棋とか道化だとか

日本語の語彙も多いし。

 

怒ってばかりの箒より、絶対使ってる

日本語の数は多いよな。

 

ん?なんだこのピピピッて?

 

「あぁ、すまん。私の迎えが来たようだ。

本来なら電源を切るのが礼儀なのだろうが

コチラも色々あってな」

 

「そ、そうか」

 

ま、まぁ謝罪に来たって言うなら携帯の

電源は落とすのが礼儀かもしれんが。

コノ場合は無礼だって怒ればいいのか?

 

「迎え?授業には出ないのかい?」

 

お、そ、そうだ。礼儀について

考えてる場合じゃないな。

 

流石は話の流れを元に戻すことに

定評があるシャルだ!

 

「うむ、最初に言ったように予定が

あってな。細かいことは教官がHRで

伝えるだろうさ。すまんがこの辺で

シツレイさせてもらう」

 

「あ、あぁ」

 

まぁコイツに用事があるってんならな、

別にコッチが呼び止めたわけじゃないし

 

「あぁそれと織斑一夏、一つ警告だ」

 

「け、警告?!」

 

なんか物々しいな!

 

「アイサツにはアイサツを返すものだ。

ソレをしないとスゴク・シツレイでムラハチ

されるぞ?気をつけることだ・・・ではな」

 

「「「・・・」」」

 

うん、間違ってるけど間違ってない。

 

アイツはちゃんとオハヨウゴザイマスって

言ってきたのに、それに対して俺は何も

アイサツ返してなかったもんなぁ。

 

最初の沈黙は俺がアイサツを返すのを

待ってたのか。

 

・・・うん、アイツの考えはともかく、

俺が日本人としてシツレイなことを

したのは確かだな。

 

「・・・あのドイツ人がっ!私など眼中に

無いと言いたいのかっ!」

 

まぁ元々俺に謝罪に来たんだし、それに

実際箒とは接点ないよな?

 

「僕もそうだったけどね」

 

シャルに関しては・・・まぁあの理屈

で言えばフランスも競合相手だもんな。

 

特に謝罪の必要もないし、第二世代型

だから敵とも思ってないのか?

 

結局よくわからないんだが、次はせめて

アイサツくらいしないとだめだな。

 

「まぁ、とりあえずアレだ。そんなに

時間もないし、さっさと朝飯食って・・・

やべっ!」

 

飯食ってる時間がっ!

 

「「あっ!」」

 

コレが奴の仕掛けた罠かっ!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なるほど。リンちゃんのお父さんが

癌を発病してて、ソレを理由に離婚して

たんですか」

 

離婚してたってのは知ってたけど

その理由までは知らなかったよ。

 

司馬少佐が言うにはリンちゃんも

知らなかったみたいだって話だけどさ。

 

なんて言うか、香ばしい生き方では

あるかもしれないけど、ちょっと

焼き加減が足りないかな?

 

コレは鉄板の上で焼き土下座案件だね。

 

「結局は男の独り善がりですよ。離婚して

慰謝料払って、自分のことは忘れて

生きてくれって感じだったらしいですね」

 

なんて言うか、ダンディ気取ってるけど所詮

まるで・だめな・お父さん。つまりマダオだね。

 

「理由も告げずに離婚してくれって

言われた相手や、自分の子供はどうなると

思ってるんでしょうかね?」

 

ちょっと無責任でしょ?癌だって今じゃ

普通に・・・とは言わないけど、ちゃんと治る

病気だし。二年前か三年前だって抗がん剤とか

薬とか。相当末期じゃない限りは治療方法は

普通にあったよね?

今まで生きてるってことは末期じゃ無いでしょ?

 

「自分を最低の男だって思って反発すれば、

それが生きる気力になると判断したらしい

ですけどねぇ」

 

んー上手に焼けてません。生焼けです。

 

「少なくとも結婚して子供もいて12、3年

一緒に居た旦那さんを無条件で嫌うのは

難しいんじゃないですかね?」

 

しかも夫婦で中華料理屋してたんでしょ?

まさしく二人三脚じゃん。

 

どっちかが浮気してたとかならまだしも、

そういうのじゃ無いって言うのは奥さん

にはわかるだろうし。

 

「難しいというよりは無理ですね。

別に家庭内暴力があったわけでも

ないようですし」

 

なんて中途半端な・・・そんなんじゃ、

一見冷たく見えても行動の節々に自分に

対する愛情があるってわかりますよねぇ。

 

「愛するが故に突き放す。まぁ

フランスの阿呆と同じですね」

 

おや?この言い方は・・・

 

「デュノア社の狙いが判明したと?

あぁこれが資料ですか。シツレイします」

 

IS学園はともかくフランスの狙いが

イマイチよくわかって無かったからね。

 

まさか阿呆だからと言う理由で片付ける

わけにもいかないし。

 

諜報員の皆さん。お疲れ様です。

 

「コッチは准尉の家に輪をかけて

意味がわかりません。

なまじ社会的地位と金銭があるから

こその暴走ですね」

 

「・・・バカじゃないですか?」

 

いや、愛人の子の存在を知りソレを

抱え込んだものの、暗殺とかの

危険性を鑑みて冷たく扱った?

 

相続権があって、当主や正妻に冷たく

されてる愛人の子って・・・そりゃ政略

結婚か暗殺の対象になるでしょ?

 

それでもなんかヤバイと思って、国や

組織に関与されないIS学園に逃がした?

 

バカじゃない?

 

そもそも正妻が不妊症って。ラウラさんが

どうやって生まれたと思ってんのよ。

 

普通に卵子と精子を使って体外受精

しなさいよ。ソレ自体は別に法律で禁止

されてるわけでもないんだし。

 

まぁ十字教圏だとどうかわからないけど、

それなら愛人の子って時点でダメでしょ?

 

お金もあるんだし、そのくらいなんで

出来ないの?

何をやるにも中途半端すぎ。

 

そしてIS学園を避難場所にって頭大丈夫?

普通にイギリスでもドイツでも

イタリアでもスイスでも、亡命って言うか

帰化させればソレで済む話じゃないの?

 

今のままだと負債抱えて倒産するん

だから、相続権も放棄させてさ。

 

特に何か秘密を握ってるワケじゃ

無いんだし。

わざわざ男装させて国際組織に対して

産業スパイさせる必要ないじゃん。

 

「正直私にも意味がわかりません。

さらに第三世代機の開発が遅れてる事実

がありながら、この状況でデュノア社に

予算を投入するフランス政府の考えも全く

わかりませんね」

 

ですよねー。

 

ドイツやイギリスに対抗してるのかも

しれないけど、中途半端な予算と技術で

何かするくらいなら他所から買ったほうが

良いんじゃない?

 

○国の浮かばない潜水艦とか凍る銃座とか、

幽霊を映し出すレーダーみたいなのを標準

装備した、お笑い漫画軍隊が出来るって。

 

そもそもEUって仲間じゃ無いの?同じ

規格の装備にした方が良いんじゃないかって

話になってて、統合計画なんでしょ?

 

武器ならドイツ製で良いじゃん。

軍の一部の技術者とかは捕まったけど、

普通のMADはまだ居るよね?

 

イギリスは・・・パンジャンがあるからなぁ。

 

国民感情も有るかも知れないけどさー

それ以前の問題だよねぇ。

 

「これでシャルロット・デュノアが助かった

場合、アルベール・デュノア個人は良いかも

知れませんが、フランス政府やデュノア社の

関係者は軒並み吹っ飛びますよ?」

 

なんてったって政府ぐるみで国際組織に

提出する公文書の偽造だもん。

 

関係者は間違いなく有罪判決だよね。

デュノア社の人間なんか間違いなく全滅する

んだけど。社員の生活とか株主への説明とか

ちゃんと考えてるのかな?

 

こんなことを誰も内部告発しないなんて、

政府もデュノア社もどうなってるの?

 

まさかドイツと同じで、フランスの上層部

もデュノアの性別を理解できてないとか

言わないよね?

 

もしそうだとしたら、暴走する一部の

人間が多すぎませんかねぇ?

 

「そうですね。間違いなく弾け飛びます。

それで師としては『これに関して我々が

求めるなら動いても良いが師からは動く

気は無い』とのことです」

 

「あぁ。大佐殿からすればそうですよね」

 

勝手に自爆して、汚ねぇ花火咲かせてろ

って感じかな?

 

ラウラさんは軍人としての洗脳教育のせいで

自分の意思って言うのが希薄で、さらに

軍の命令に従って動いてただけだったから

その責任は軍にあるって判断したんだよね。

 

それなのに軍に切り捨てられるのが確定

してたし、IS学園も彼女を追い込んだから

「それはない」って感じで助けた。

 

だけどシャルロット・デュノアは違う。

自分が犯罪を犯してるって言う自覚が

あるのにソレを改善しようとしていない。

 

普通に自首して亡命だって出来るのに、

我が身可愛さでソレをしてないなら

立派な共犯だよ。

 

年齢的に子供ではあるけど、別に大佐殿は

子供なら誰でも助けるって人じゃないし。

 

能力的にも人格的にも、フランスと協議して

まで手を差し伸べるような人材では無いって

ことだよね。

 

私の場合は色んな適性で、リンちゃんは

操縦技術と適応力。それに司馬少佐の

学友って言うか友達としてでしょ?

 

ラウラさんは改造された遺伝子とあの目が

凄く貴重なんだよね。

 

特にあの目はハイパーセンサーと連動

できるから、リミッター的にはかなりの

領域まで外せるらしいし。

そしてソレについて行けるだけの体が

あるんだもん。鍛えなきゃ勿体無いよ。

 

それを考えればシャルロット・デュノア

には何も無い。タダの器用貧乏じゃん?

技術以外の点において司馬少佐の下位互換

である私の更に下。

 

こんなの助けるためにワザワザお金と労力は

使えないよね?

 

税金はもちろん、冬林技研の予算だって

社員が頑張って稼いだお金なんだよ?

 

この情報だって諜報員の人たちが

頑張って手に入れた情報だし。

 

産業スパイを助けるよりはフランス

政府相手に使うべき情報だよね?

 

「あ、だけどそれだと司馬少佐の監査が

甘かったってことになりませんか?」

 

現場の監査員がこの事実に気付かな

かったのか?ってなりません?

 

まぁ大佐殿が少佐の評価を落とすような

ことはしないと思うんだけど・・・

 

「問題ありませんね。こちらとしては

『当然把握していたが正式にIS委員会の

審査を通って来た人員なので、何か隠され

た意図があると思いあえて接触しなかった。

委員会からの説明を受けるまで待っていた』

と言う形の報告書になります」

 

なるほどなー。

 

「何もかもがあまりにも未熟で、逆に策に

しか見えなかったと言うことですね」

 

実際コレはなぁ・・・国家まるごと阿呆なのか

それとも策なのかを疑うなら、策を疑うよね。

 

「そうですね。まさかデュノアの個人的な

感情から、IS学園に産業スパイを送り込む

などと言った行動を起こすなんて想像も

つきませんよ」

 

それをフランスが支援してるんですもんね。

そりゃ誰だってわけがわかりませんよ。

 

「とりあえずコチラはこの爆弾が爆発する

のを待ちましょう。少尉の場合と違って

暴走に巻き込まれても何か被害がある

わけではありませんからね」

 

ラウラさんの場合は・・・存在そのものが

違法でさらにVTシステムがあったもんなぁ。

 

試合自体は放置で良いけど、後始末とか

監査の仕事を考えたら普通に面倒事

でしたもんね。

それを考えたら大佐殿は、ラウラさんって

言うか司馬少佐の胃を守るために動いた

んですよね?

 

流石正妻司馬少佐。愛されてますよねぇ。

 

「んんっ!まぁ今回例外があるとすれば

シャルロット・デュノアが自分から

我々の元に亡命を希望してきた場合ですね」

 

おや?なんか顔が赤いですけど、風邪とか

ですか?・・・週末までに治さないと私達

が悲惨な目に合いそうなので、何とか

治してくださいね?

 

「亡命ですか・・・ソレならコッチは特に

労力もなく彼女を手に入れる事ができて、

フランスにも普通にコアを返却するだけで

済むでしょうけど・・・」

 

けどそれだとアイツ、タダの器用な小娘に

なるんじゃないんですか?

デュノア社だって普通に潰れて、政府の

関係者も全員逮捕でしょ?

イギリスあたりからフランスのIS所有権

剥奪決議案も提出されますよね?

 

生温い処罰にしたら今後同じようなことを

してくる連中が出てくるから、IS委員会も

きっちり〆るだろうし。

 

「彼女を迎え入れても得があるようには思え

ないのですが・・・何か有るんでしょうか?」

 

コレは未熟者って思われちゃう?

 

「もちろん彼女には何もないですよ。

せいぜいがアルベール・デュノアや轡木

十蔵の狙いを潰した上でフランスに貸しを

作り、コレに関与したIS委員会の無能共を

排除することで私の生活環境が穏やかに

なる程度でしょうね」

 

い、色々あるけど、肝心なのは彼女本人

じゃなくその背景なんですね。

まぁこれが政治的な意味って言うなら

まさしくそうなんだろうけど。

 

そして結局のところは司馬少佐の生活

環境の向上なのが何とも言えないよね。

 

まぁ自分には関係なくても不発弾がすぐ

傍で準備運動してたらウザいですからね。

 

さっさと処理しろや!程度の事なんだよなぁ。

 

「アレが政治的な駒になりえるのはわかり

ました。ですが今まで何の行動も起こして

来なかったシャルロット・デュノアが

今更亡命なんて手段を取りますかね?」

 

それならもっと早く動くんじゃ無いですか?

 

「可能性はありますよ。何せお隣で軍人や

科学者が国家転覆罪で捕まり、同級生の

軍人さんが冬林技研に移籍したでしょう?」

 

「あぁ、なるほど」

 

このままだと自分も産業スパイとして

じゃなく、テロリストとして処罰される

かもしれないと言う恐怖と、ラウラさん

の背景を考えつくことが出来れば・・・

 

「普通なら少尉は国際法に違反した存在

ですからね。それが何の処理も受けずに

学生として所属を移籍しただけで済んだ

のです。

自分にも救いがあると考える可能性は

低くはありません」

 

「確かに。そして全てを捨てて亡命と言う

選択をした子供を、大佐殿が見捨てること

は無いんですね?」

 

あの人は優しいから、自分からは動か

なくても向こうから来たら動くよね?

 

「正確には、師がそう動くと知っている

我々が受け入れるのですけどね」

 

「そうですね」

 

司馬少佐も面倒ですがこれも仕事の内

ですって苦笑いしてるけど、コレは

仕事って言うか惚れた弱みだよね。

 

文句を言おうとか全然思わないもん。

 

「まぁあくまで自分で亡命と言う答えを

見つける事が出来て、その決断が出来た

場合です。

ソレができない場合は予定通り学園の

戦力として引き抜かれることでしょう」

 

「学園の戦力ですか・・・そういえば

学園で第三世代機を造るって計画も上がって

居るようですが、アレの搭乗者候補と

なるんでしょうか?」

 

元々私が出来てたことだからって感じ

らしいけど、舐めた真似してくれるよ。

 

本音や虚が動いてるらしいけど、やっぱり

私の手伝いをしようとしてたのはこういう

下心があったんだね。

 

やつらはコノ計画の為の下準備の為に

私の技術を盗む気だったんだ。

 

大丈夫?って心配するような顔して!

手伝おうか?って優しく言ってきたのも

やっぱり全部ウソだったんだっ!!

 

「特尉、落ち着きなさい。今の貴女は

ヤツらの人形では無いでしょう?」

 

「・・・すみませんでした」

 

そうだよ。あんな奴らとは縁を切った

んだから!

 

「質問の答えとしては、可能性は高い

とだけ言っておきましょう。

ただ、学生だけでISを造るなどと言った、

自由研究のような真似が許されるほど

ISコアに余剰などありません。

その入手が大前提になりますね」

 

・・・そうだよね。私の場合だって

コアは倉持が握ってたんだもん。

設備だの資財は日本からの提供を受ける

にしても、コアはどうするの?

 

それに今だって世界的に見てIS学園は

戦力過剰って言われてるんだから、

IS委員会も学園所有のISコアなんて

認め無いよね?

 

こんなこともあろうかと!って言って

用意できるモノでも無いし、司馬少佐

は学園のISを減らす気だし。

 

つまり企画倒れに終わる?それとも

楯無が日本政府管轄のコアを秘密裏

に入手してくるかな?

 

私が返還したISコアとかの所有権を

日本政府に回すとかやりそうでは

あるけど・・・それでも所詮学生の

自由研究だよ。

 

冬林技研で製作中の私の機体は、連中の

技術と想像を二段階超えてるんだから!

 

お金と時間さえあれば技術者の夢は叶う

って本当だったね!

 

だからこそ言ってやろう。学園の小娘共!

 

貴様らにISが造れるなら造って見ろ!ソレを

私が正面から叩き潰してやるっ!

 

そして私が連中の魔王として君臨するのだっ!」

 

 

 

 

 

「・・・(これだからHENTAIは)」

 

「え?すみません少佐、何か仰いました?」

 

あぁ、自分の考えに没頭してて全然聞いて

なかったよ。

これじゃ副官としてダメダメだね。

 

「いえ、早く特尉の専用機が組みあがると

良いですね」

 

「はいっ!楽しみです」

 

あ、そっちだったんだ?

 

調整と特殊兵装の稼働試験が終わったら

私が最終調整とファーストシフトして

完成だもんね!

 

来月頭には使えるようになる予定だし、

ようやく司馬少佐の鍛錬にも

お付き合いできるようになるから

司馬少佐も待ち遠しいんですね!

 

 

そう言えばラウラさんは最初から

専用機が出来上がってたから、調整が

終わったらすぐに使えるんだよねぇ。

 

純粋な使い手としてはソレで良いんだ

ろうけど、技術者として自分でも構想

を練れたらもっと面白い機体になってた

かもしれないのに。

 

・・・ちょっと勿体ないよねぇ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ラウラ・ボーデヴィッヒが移籍?!」」」

 

 




話を無理やり途中で切った感じですね。

確か姉魂的は銀髪ロリの言い分には
一応納得してましたし、拙作では
実はそんなに恨みは無いのです。

チョロコットさん。いまだセリフ無し!
ヤムチャいや、天津飯みたいな
立ち位置なのか?でもお金持ちキャラだし・・・

原作のフランス人は馬鹿ですか?

中国、フランス、そしてどこぞの
更識さんも似たようなパターンでした
けど、もう少し捻りとか無いのかな?

それとアーキタイプ・・・まさか設定や
シナリオは原作者か?
矛盾が多すぎるぞっ!ってお話


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26話

オリ主が操るオリ機体が出てこない
じゃないかって?

こまけぇことは気にすんな!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!



ラウラさんはドイツの特殊部隊の隊長でしょ?

ソレが移籍?そんなこと出来るの?

 

「そうだ、ドイツの緊急ニュースを見て

知っている者もいるだろうが、アイツ

の上司もソレに関与していたようでな。

本国もかなりの混乱が予想されるのだが、

学生であるアイツは当然無関係だ。

よって当分は友好国である中国に本社を

持つ冬林技研への移籍と言う形で避難

・・・とは少し違うが、まぁ保護

される事となった」

 

ドイツの緊急ニュース?そう言えば彼女も

さっき「知らないのか?」って感じの事を

言ってたけど、一体何があったの?!

 

「それで各種手続きの為に、今週一杯アイツ

は休みとなる。来週の試合も辞退となった」

 

「「「はぁ?」」」

 

辞退って。いや、それはそうか。

 

「出向ではなく移籍だからな。当然IS

コアはドイツへ返却することになる。

いずれ専用機は与えられるだろうが

慣熟訓練も終わっていない者にISの展開

許可を出すことは無い。と言うのが

彼らの基本方針だ」

 

・・・なるほど、ソレは当然のことだよね。

ラウラさんだって慣熟訓練が終わってない

機体で試合しようと思わないだろうし。

 

そもそもあの感じだと一夏への執着も

無くなってるみたいだから、試合をする

理由も無くなったって感じだけど。

 

けど冬林技研が彼女に用意する専用機か。

当然第三世代機だと思うけど、その機体

情報はかなり重要度が高いよね?

 

まぁ技術は基本の積み重ねだから、第三世代

の基礎が出来て無いウチにはあんまり意味が

無いと思うんだけどね。

 

お父さん・・・社長は一体僕に何を調べ

させたいんだろう?

一夏の遺伝子情報と白式のデータが欲しい

のはわかるけど、白式の何が知りたいのか

わからないと正直どうしようも無いんだけど。

 

「慣熟訓練?千冬姉、俺はセシリアとの

試合前にそんなの・・・アダッ!」

 

「織斑先生だ。そしてお前の場合は例外中

の例外。本来兵器を使うものは慣熟訓練を

欠かすべきではないのだ」

 

・・・一夏、君は馬鹿だな。

 

「いや例外もなにも、そもそも一週間って

期間決めたのも千冬姉・・・アベシッ!」

 

なんで懲りないんだろうねぇ。

同じことは2回やったら馬鹿なんだよ?

 

それともコレは姉弟の数少ないコミュニ

ケーションなのかな?

そう考えれば、しつこく織斑先生を姉と

呼ぶのもわかる気がするけど・・・

 

一夏。ソレは甘えだし、特別扱いをして

貰ってるって思われちゃうよ?

 

「織斑先生だ。あの時はすまなかったと

思っている。今後あのようなことは無い

だろうが、何が起こるかわからんのが

世の中と言うモノだ。日々の訓練は怠るなよ」

 

「・・・は?」

 

あ、条件反射でツッコミ入れたら織斑先生

からの謝罪が入ってフリーズした。

・・・謝罪するなら出席簿で叩かなきゃ

良いのに。

 

あぁ、ソレはソレなのかな?

 

「アイツが欠場するとはいえ月末の試合

は予定通り行うことになっているから

アリーナを使った放課後の鍛錬は今までと

変わらず行っても構わん。

あぁ、それと2組の凰鈴音は不参加だ。

当然技術者の司馬もな」

 

「えっ!?」

 

箒が驚いてるけど、気持ちはわかるよ。

 

優勝したら一夏と付き合えるのに、

試合に出ないなんておかしいよね?

 

「え?あ、いや、うん。ソレはそうか」

 

一夏も何かおかしいけど、凰さんが出ない

ことに何か心当たりでも有るのかな?

 

ソレにシバさんか。中国の英雄・司馬仲達

の名前を継いだ天才って話だったけど、

彼女はあくまで技術者であり経営者であり

指揮官だもんね。

 

自分が戦う必要なんか無いから試合には

出ない。まぁ当たり前の話だよね。

 

もし他の意図があったとしても、彼女

には絶対に関わるなって沢山の人に

言われてるから、探ろうとも思わない

けどさ。

 

ソレを言ったら凰さんも間接的に関わって

くるから、本当は彼女との接触も危険

なんだよね。

 

一夏の幼馴染だから、一夏を通じて軽く会話

するくらいはしょうがないと思うけどさ。

 

アッチも僕とは関わろうとして来ないから、

やりやすいと言えばやりやすいんだけど。

 

けどコレってどうなるの?僕と一夏の

専用機コンビに勝てる人って居ないん

じゃないかな?

 

公平さを考えるなら一夏とは別のコンビ

を組むべきだと思うんだけど・・・

 

ソレはソレで問題が起こるのか。今の僕は

男だし、女の子に過剰なスキンシップを

取られたら正体がバレちゃう。

 

余計なことは言わないでおこう・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お初にお目にかかります!この度

冬林技研に所属することとなりました

ラウラ・ボーデヴィッヒと申します!」

 

ふむ、めっちゃ緊張してるが、無理も無い。

アッチは新入り少尉なのに対し、こっちは

上司の上司。階級も大佐だからな。

 

「冬林技研副所長、李文優だ。少尉から

すれば上官の上官ではあるが、司馬少佐

から命奪崩壊拳の洗礼を受けたのなら

間接的な弟子と認めても良いだろう。

故に親しみを込めて教頭と呼ぶことを許可

しようじゃないか。あぁ、無論大佐殿でも

良いし副所長でも構わんよ」

 

「はっ!で、では教頭殿と呼ばせて頂きます!」

 

うむ。親しみも何も無いが、上官が最初に

出した提案はもはや命令だからな。

軍人として染まっていない簪や凰ならアレ

だが、コイツにはまだ厳しいか。

 

「うんソレで良い。まず少尉の待遇に

ついての説明だが、現在の少尉の地位は

あくまで冬林技研所属の少尉であり、

細かく言えば予備役少尉に近いモノとなる。

ただ基本的にIS学園は士官学校に準じる

扱いとなっているので、卒業後には

正式な少尉として任官されることになる

ので、今後はそのつもりで学ぶように」

 

「はっ!」

 

この辺が面倒でなぁ。それでも俺と弟子が

保証人だから、誰にも文句を言わせる気

は無いが、アホは何処にでも居るからな。

 

「住む場所は、更識簪や凰鈴音が部屋を

借りている建物と同じ建物で部屋は簪の

隣になる。防諜の関係上拒否は許されん。

それと、不在の場合の掃除に関しては

望むか望まないかを指定できる」

 

「なるほど」

 

なにせ週のほとんどが不在だからな。

寝室だけ立ち入り禁止にして掃除

とかも出来るから、私物に関しても

特にプライバシーの侵害を心配する

必要は無いんだが、この辺は信用の

問題だ。

時間をかけてゆっくりやって行けば

いいだろう。

 

「少尉には学生寮があるから、週末や

長期休暇の際に帰ってくるホテルのような

感じだと思ってくれればいいだろうな。

細かい間取りや設備はこの資料を見るように」

 

「はっ!ありがとうございます!」

 

流石に好きな場所に住ませるわけにも

行かんからな。纏めた方が楽だし。

だがそもそもコイツにしてみたら個室が

あるだけで十分なんじゃないか?

 

「あとは、給料や各種保険についてだな。

細かくは書類を見て貰うが、目立つ手当

としては少尉としての役職手当・専用機の

搭乗者手当と弟子の護衛手当。まぁコレ

は危険手当とも言うが」

 

「なるほど!危険手当ですか!」

 

あぁうん。そこに反応するか。そこはかとなく

嬉しそうだし、やはりコイツは軍人だな。

 

「そうだ。つまり学園における少尉の

仕事は、一般常識の取得と司馬仲達少佐

及び更識簪特尉の護衛になる」

 

「・・・はっ!」

 

ん?今の間はなんだ?アレか?

弟子だけを護衛すれば良いと思ってたか?

 

「何か疑問があるなら質問を許可する

ので言ってみろ」

 

イチイチ許可するのも面倒だが、これも

軍人教育の弊害・・・とも言えんか。

話を進めるならこの形が楽ではあるんだ。

 

「はっ!それでは質問させて頂きます!

護衛対象のお二人は教頭殿の正妻殿と

側室殿と言う意味での護衛なのしょうか?」

 

・・・あぁ、そういう事か。プライベート

の護衛なのか、軍務での護衛なのかって事

だな。コレは同じようで違うからちゃんと

確認しようとするのは正しい。

 

「ソコまで公私混同する気は無いぞ。

司馬少佐は正式な監査員だし簪特尉は

現地協力者と言う立場だ。

現在は簪特尉が護衛も兼ねてるが、本来

ならば彼女も護衛対象なんだよ」

 

ソレを言えば国家代表候補生の凰鈴音も

同じ立場ではあるんだが・・・

アレは守られるより、守ってた方が結果的

にプラスになるだろうさ。

 

「なるほど!失礼しました!」

 

「構わんよ。今後も疑問に思ったことは

聞くようにすると言い。少尉は軍人でも

あるが、学生でもある。そして本来我々

大人が庇護すべき子供なのだからな」

 

普通なら護衛任務なんか与える必要も

無いんだが、これまで軍人として教育

されてきた少尉に今更「何もするな」

だの「民間人として暮らせ」なんて言った

ところで何も出来んだろう。

 

まずは段階を踏んで、学生で子供と言う立場

を経験させていこうじゃないか。

 

「は、はっ!ありがとうございます!」

 

うむ。軍人としてはともかくマトモな子供

扱いをされたことが無いからリアクション

に困ったな?

 

親の愛も教師の愛も知らずに育てられたんだ、

情操教育を重点的に行うべきだな。

 

とりあえず頭を撫でてやろうじゃないか。

 

「きょ、教頭殿?!何故私は頭を撫でられ

てるのでしょうか?!」

 

「ふっ、子供だからさ」

 

「???」

 

子供が甘やかされたり甘えたり出来ない

社会ってのは嫌だねぇ。

 

そんな余裕のない国や地域があるのも

知ってるが、少なくともコイツは軍人と

して国民の生活と安全を守ってたんだ。

 

少しくらいは子供扱いしてやっても

良いだろう。

 

 

 

さて、情操教育といえばペットだが、

ウチに何か良いの居たか?

 

犬とか猫は平日留守にする少尉の立場

では飼育出来ないし、ハムスターとかも

・・・帰ってきたら死んでるよなぁ。

 

AMI〇Aはまだ完成してないし、ここは

あえて生命力が強い爬虫類とかはどうだ?

 

もしくは熱帯魚とか。

 

水槽にタイマーで動く自動餌やり装置

とか付ければ、帰ってきたら死んでるって

ことも無いだろう?

 

うむ。それ系が良いかもしれん。

水槽と生命力を強化した魚類を渡して

コイツに育てさせてみるか。

 

最初は任務だろうが、それでも生き物を

生かすと言うことを知ってくれれば良い。

 

その上で敵を殺すことが出来る心の

強さを持ってくれれば、正式に弟子の

護衛になれるかもしれん。

 

武術は活殺自在が基本。活かすべき時に

活かせず、殺すべき時に殺せないよう