リアルの話 (赤紫蘇 紫)
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無課金同盟がナンパをする話
ウルベルトさんの動きはシュタゲのあの方やパンドラズ・アクターみたいな感じを想像して下さい。
治安の良さは、アーコロジー>中央地区(官公庁街)>西地区>東地区>北地区。
北地区はスラム街も近いカオスな地域でウルベルトさんが住んでます。(ペロロンさんは西地区、モモンガさんは東地区)
年齢差はウルベルトさん>モモンガさん>ペロロンさんでそれぞれ二歳差です。この話の時点でペロロンさんが二十歳前後。
その日のオフ会では、珍しくウルベルトが酔っていた。ザルだと思われていた彼にも、アルコールの許容量はあったようだ。
「ペロロンさん、アンタそんなんだから喪男なんですよ。俺らとは普通に話せる癖に、ギルメン以外の女性とは話せないって……とんだコミュ障ですね?」
ハッ、と鼻で笑いながらそう言われて。こちらもイイ感じに酔っているペロロンチーノが口を開く。
「ハァ!?嫉妬マスク持ってる喪男仲間のウルベルトさんには言われたく無いですよっ!!ねぇ、モモンガさん!」
「えっ、ちょっと待って下さいよ!何で俺まで巻き込まれてるんです!?」
とんだとばっちりである。ペロロンチーノの隣で飲んでいたのが運の尽きとでも言うべきか。温厚なギルマスのモモンガは、突然の流れ弾にあたふたしている。
「確かに俺は喪男ですけどね、ペロロンさんと違ってちゃんと女性とも話が出来ますからね?ねぇ、モモンガさん?」
「いや、知りませんよ!俺ウルベルトさんとオフ会以外で会った事無いですからね?」
酔っ払いの戯れ言とは言え、同意を求められても困る、とばかりにモモンガは即座に否定する。だが、二人の酔っぱらいは気にもしない。元々本気で同意を求めている訳では無いのだ。モモンガも適度な酔い加減で、所謂ほろ酔い、という状態ではあったが、絡み酒のウルベルトと感情が元より出やすくなるペロロンチーノに比べれば遥かにマシな状態であった。
「そんなんじゃ、いざって時に困りますよ?ちゃんと女性とも話せないと。一生童貞のままとか嫌でしょう?」
ロックのブランデーを飲みながらウルベルトがそう言えば、チューハイを一気に飲み干してペロロンチーノが反論する。
「嫌に決まってますけど!俺、ウルベルトさんより若いですし、まだ魔法使いにはほど遠いですからっ!!」
(……この流れ……。絶対俺にも何か来そうで嫌だなぁ……。席移動しようか)
モモンガがそんな事を考えつつ、ジョッキを持って立ち上がろうとしたその瞬間。ペロロンチーノに肩を組まれてしまった。……脱出失敗である。
「それにっ!!俺だけじゃないですし!ギルマスだって、清らかなんですよ!営業やってて俺よりトーク上手な筈なのに!」
(ペロロンさん酷いッ……!それ、今バラす事じゃないっ……!!)
巻き込まれて激しく貰い事故状態である。モモンガは思わず右手で顔を覆っていた。如何にも居た堪れない。周囲の視線も自分たちに向いているような気がする。男性陣はともかく、女性陣にまで自身が童貞であるなんて知られたくはない。
「……ペロロンさん、何言ってるんですか?ほら、水飲んで下さいよ。酔いすぎですよ?」
自分はペロロンチーノと違って童貞じゃありませんアピールをするかのように、モモンガは笑顔で水を差し出す。だが、ペロロンチーノは水を受け取らない。それどころか、モモンガが左手に持っていたジョッキを奪い取り、中身を一気に飲み干した。
「弱い癖に無理な呑み方しない方が良いですよ、ペロロンさん。幾ら酒を呑んだって女性と上手く話せるようになる訳じゃないですし」
煽るようにウルベルトがそう言えば。ペロロンチーノは据わった目でウルベルトを睨み付ける。
「うるさいですよ、ウルベルトさんっ!!そう言うなら、俺たち三人でナンパ行きましょう、ナンパ!!酒の威力を見せてやりますよ!!」
「……は?え、ちょ、ペロロンさん何言って……!って、何で俺まで!?」
呆然とそう言うモモンガ。そんな二人を見て、ウルベルトは口元を緩める。
「面白いですね。じゃあ、行きましょうか?ペロロンさんが女性とちゃんと話せるかどうか見ててあげますから」
ブランデーを一気に呷って、頬を赤くしたウルベルトは愉しげにそう言った。
本日のオフ会の主催、ぷにっと萌えに一声掛けて三人連れ立って店を出る。今日のオフ会会場は治安の比較的安定している西地区だった為、その周辺でナンパをする事になった。ショッピングモール内は防護服やマスクが無くても呼吸が出来るため、薄着の女性も多く眼福である。オフ会会場付近は飲み屋街なので、所謂夜の蝶と呼ばれるお姉様方も多い。……正直、ナンパの成功率はそんなに高くない場所である。(夜の蝶たちは自店の客引きはするが、仕事中若しくは出勤途中の為だ)狙い目は一般人女性であるが……喪男三人がソレを見分けるのは中々に困難だと言えよう。
因みに。三人とも容姿は悪くない。全員中の上程度くらいの見た目だが、ペロロンチーノは女性とロクに話せない(エロゲの事だとマシンガントーク)し、モモンガは優しすぎて"良い人"以上になれないタイプ、ウルベルトに至っては厨二病を拗らせていて同種の女性くらいしか相手になりそうに無い状態だったりする。
黙っていたら可愛い、と言われる弟タイプ(実際にも弟だが)のペロロンチーノは、更に言うならつるペタ合法ロリをこよなく愛する問題性癖だったりするので、何重苦だかもはや分からない状態だった。見た目はジャ●ーズジュニアに居そうな、茶髪に近い明るい髪色の好青年なのだが。勿論、そこまでの美形、と言うのではなく、あくまでも雰囲気がソレに近い、というだけの話だ。雰囲気イケメンと言われる類いと言えば分かり易いだろうか。
「……で。酒の威力、俺たちに見せてくれるんでしょう?ペロロンさん。どうぞ?存分に見せて下さいよ」
少し歩いて外気に触れた事によって頬の赤みが既に引き始めているウルベルトは、笑いながらそうペロロンチーノを煽る。(外気と言っても空調管理されたショッピングモール内ではあるが居酒屋の店内よりは涼しかった)
「ちょ、ちょっと待って下さい。好みの子がまだ……。あ!行きます!!」
キョロキョロと辺りを見回していたペロロンチーノは、淡いピンク色のワンピースを着た黒髪セミロングの女性に視線を向けると猛ダッシュで近寄った。……どう見ても不審人物丸出しである。
「あ!あの!!」
「えっ……。何ですか?」
キョドるペロロンチーノに、胡散臭げな視線を向ける女性。メイクは薄く、ネイルもシンプルな桜色一色。ぱっと見素人女性だ。全体的に清楚な感じで、エロゲのメインヒロインに居そうな感じだった。胸元も、清楚なボリュームだ。分かり易く、ペロロンチーノ好みの女性と言えた。
「まじかる☆彡ふわりん♪に似てるって言われませんか?」
「……は?」
女性の不審そうな視線を物ともせずに、ペロロンチーノは言葉を続ける。
「えっと、まじかる☆彡ふわりんって言うのは、アークライト社から出ている恋愛ゲームでして!そのメインヒロインのふわりんこと春樹うららちゃんにお姉さんめちゃくちゃ似てるなーって」
「え?ふわりんなのにうらら??って、あなた何言ってるんですか?」
……どう考えても、アウトである。女性はハンドバッグから端末を取り出して今にも指を掛けそうである。
「ウルベルトさん、アレ、マズイんじゃ……」
「チッ!あの馬鹿……!」
離れて見守っていた二人だったが、通報一歩手前の雰囲気を察してダッシュでペロロンチーノを女性から引き剥がすと路地に逃げ込んだ。その速度は、まるで課金アイテムを使ったかのようだった。
「え?何で二人が出て来るんです?これから俺、お姉さんにうららちゃんの魅力を語ってその流れで一緒にお茶でも、って言おうとしたのに……」
女性と引き離されて不満そうに口を尖らせるペロロンチーノに、ウルベルトは無言で頭頂部にチョップを入れた。
「馬鹿野郎!お前マジ空気読めてねぇな!?あの女、端末持ってたろ!俺たちが割って入るの遅かったら、お前リアル逮捕されてんぞ!?たっちさんに小一時間説教されてぇのか!!」
「そうですよっ!!ペロロンさん、何でアレで上手く行くと思ったんです!?」
二人に次々に突っ込まれ、ペロロンチーノは小首を傾げる。ズキズキと痛む頭頂部を押さえつつ。
「え?だって、ふわりん♪可愛いし、絶対ふわりん♪に似てるって言われたら嬉しいよなーって……」
「……マジ、お前馬鹿なのな。誰もがエロゲ必修にしてると思うなよ?」
「ペロロンさん、俺もウルベルトさんに同意見です。ふわりん♪、俺も知りませんし」
大きく溜息を吐く二人に、ペロロンチーノは食ってかかる。
「じゃあ、二人がお手本見せて下さいよッ!そんな事言うんじゃ、さぞかし簡単にナンパ出来るんでしょうね!?」
ビシィッ!と指を指されて。ウルベルトは不敵に笑い、モモンガは挙動不審になる。
「お前よりはマシなトーク出来るっての。見てろよ?俺の華麗なトークを!」
そう言うと、ウルベルトは路地から悠然と歩き出し、如何にもな夜の蝶に声を掛けた。掌から零れそうな巨乳の女性である。濃い紫色のロングドレスに藤色のボレロという、年齢に見合った落ち着いた装いだ。髪は軽く結い上げ、造花の付いたアクセサリーで飾り付けている。耳朶には大粒の紫水晶のような石をあしらったピアスをしている。
「……ウルベルトさんも大概分かり易い好みですよね……」
「脂肪の塊を何をそんなにありがたがってるんですかね?」
見守る二人は、それぞれ好き勝手な事を言っている。
「漆黒の闇が天空を包み込むこの時代に、貴女のような美しい方に出会えた奇跡を祝いたいのですが……」
そう言うと、ウルベルトは派手にロングコートを翻す。表側は真っ黒だが、裏地は真紅で全面に百合紋章が描かれている。変形トレンチのような奇妙な形のコートは、通常はショップ店頭では見掛けないようなデザインである。コートの中も黒の上下で統一されている。細身でもモモンガのように肋が浮きそうな感じでは無く、筋肉が適度に付いている為、意外と見栄えがする。……ただし、着ている物がマトモであれば、だ。上は黒のロングTシャツに悪魔のプリント(アバターにも使用している山羊頭の悪魔、バフォメットのプリントだ)だし、下はスリムタイプのパンツに黒のショートブーツ(マー●ン系のゴツいタイプ)で、Tシャツ以外は単品で見ればマトモなのに、何故こうなった?と突っ込みたくなるようなコーデに仕上がっている。しかも、左手の中指にはバフォメットのシルバーリング(こちらもゴツいタイプ)が填まっているという、ある意味厨二病患者としては完璧なコーデであった。サングラスが無いのが惜しまれる。
「えっと、宗教の方?間に合ってますわ」
柔らかく笑みながらそう答える女性。その様を見て、路地の二人は腹を抱えて爆笑していた。
「ちょ、自信満々に出ていってウルベルトさん何アレ!?アレ、口説き文句!?」
「拗らせてるって思ってたけど……!まさか、これほど極めてるとは俺も思いませんでしたよ……!っ、ぷ……!」
そんな失礼な反応の二人を横目で見つつ、ウルベルトは笑顔を絶やさない。
「いえ、宗教ではありません。貴女という華に誘われた、一匹の蝶です。どうか私に貴女とお茶をする栄誉をいただけませんか?」
アダマンタイトで出来ている心臓を持つ男、ウルベルト・アレイン・オードル。彼は果敢に言葉を続ける。そして、女性に向かって演技掛かった仕草で優雅に一礼した。すると、女性はバッグから名刺を取り出してウルベルトに渡す。
「今、通勤途中なの。良かったらお店に来てね、面白いお兄さん」
流石はプロ。女性はどう見ても怪しい厨二病患者にも優雅な態度を崩さずにそう言うと、スルリ、とウルベルトの隣を通り過ぎた。ふわりと香る大人の女性らしい良い香りに、思わずウルベルトは彼女の背を視線で追っていた。
そして、路地の二人がウルベルトに駆け寄る。小さく体を震わせながら。
「あのトーク何ですか?俺たちを笑い死にさせる気ですか?」
「何でウルベルトさんプロをナンパしてるんですか?体よくあしらわれてるじゃないですか」
プルプル震えながら最初に言ったのがペロロンチーノ、次に突っ込んだのがモモンガである。
「お前よりマシだろ?えっと、モモンガさん。プロをナンパしたのはですね、必ず会えるからですよ。素人だと連絡先教えて貰っても嘘だったりとかありますし」
ウルベルトの回答に、モモンガは微妙な表情になる。
「……会えても、お店じゃお金掛かるんじゃ……」
「まぁ、そりゃあ。そもそも恋愛って金の掛かる娯楽ですしね」
ハートの強いウルベルトは、モモンガの問いに笑顔で答える。無課金同盟の中では最年長なだけはある落ち着きっぷりだった。
「え?ウルベルトさんソレ恋愛って言ってイイの?厨二病患者って夜のお店も恋愛扱いしちゃう感じです??」
「しねぇよ!店じゃなくても、普通の女でも金掛かるって話だよ。……ほら、今度はモモンガさんの番ですよ?三人で来たんだから、ちゃんとモモンガさんもナンパしないと!」
そんな風に講釈を垂れるウルベルトだが、勿論喪男なのでまともな恋愛経験など無い。
突っ込みにも律儀に答えつつ、ウルベルトはモモンガの背中を押すとペロロンチーノの腕を引き、今度は二人が路地へ入る。
「え?ちょ、俺付き添いのつもりで……!」
突然大通りに取り残されたモモンガはオロオロしながら立っていたが、良い笑顔でサムズアップしている二人を見て何かが吹っ切れたのか、大きく深呼吸すると辺りを見回す。モモンガもウルベルトと同じく巨乳好きな為、視線はどうしても巨乳のお姉さんを追ってしまっていた。
「まぁ、モモンガさん営業だし本気出せばいけるんじゃ無いですかね?ペロロンさんと違ってトーク術結構凄いし。足りないのは度胸だけっぽい感じが……」
「え?プロのお姉さんに営業名刺貰っただけの厨二病患者がソレ言います?ウルベルトさんよりは俺の方がマシじゃないですか?」
二人してそんな会話をしつつ、視線はモモンガに釘付けだ。今まで二連敗中なので、せめてモモンガくらいはナンパに成功して欲しい。そう思いつつ。普段はリア充をこよなく憎む彼らだが、今は喪男仲間のモモンガの成功をひたすら祈っていた。
「こんばんは。良かったら俺と食事でもいかがですか?」
オーソドックスな誘い文句でモモンガが声を掛けたのは、紺色のスーツを着た女性だった。いかにも仕事帰り、といった風情の女性で、胸の部分が大きく盛り上がっている。
「うぉ!アレ、Gはねぇか!?モモンガさん絶対胸で決めたろ!」
「伝説のパフパフが出来そうですよね、あの胸……。つるペタ派の俺でもちょっとドキッとしますね」
外野はそう好き勝手言っているが、距離がある為モモンガには届かない。モモンガは営業スマイルで女性の返事を待っている。
「何処見てるんですか?いやらしい!そこ退いて下さい!!」
……大人しそうに見えた女性は、モモンガにそう言うと足早にその場を立ち去った。残されたのは、呆然とその場に立ち尽くすモモンガだけだ。傷心のモモンガを慰めるべく、二人は慌てて駆け寄る。
「モモンガさん……いきなり食事はヤバイですって。下心丸見えですよ!この時間で食事ってそのままホテルコースでしょ!?」
「モモンガさんのトーク、めちゃくちゃスムーズだったのに、それでも失敗するんですねー……勉強になりました」
「……別に俺、ホテルとかそんなの考えて無かったのに……!あんな拒絶されるなんて……!!」
慰めるというよりは傷口に塩な仲間の言葉もあって、モモンガは涙目である。その背中を、ウルベルトとペロロンチーノはポンポン、と叩いて落ち着かせる。
「まぁ、次に活かせば良いんじゃないですか?次は食事じゃなくお茶って言えば大丈夫ですよ。十人に声掛ければ、多分一人は引っかかりますって」
あっけらかんとそう言い放つウルベルトに、ペロロンチーノとモモンガは驚いたような視線を向ける。
「えっ……。ちょっと待って下さいよ、ウルベルトさん!十人に声を掛ける!?」
「流石厨二病患者は半端ない胆力ですね……。俺は無理ですよ!?今夜のコレでもう十分ですから!」
二人にそう言われても、ウルベルトは平然としている。それくらいで心が折れるような柔な人間は、北地区には住めない。
「まぁ、俺はナンパとか基本しませんけど、ペロロンさんはマジで童貞捨てたいならナンパ頑張るかプロに卒業させて貰った方が良いんじゃないですか?ペロロンさん好みのつるペタっ娘も居るでしょ、合法で。……俺は幾ら合法でも十二歳は無理ですけどね」
義務教育という制度が崩壊した現在、最低限の教養を身につけるのは小卒で。それ以降の年齢は社会人扱いになっている。その為、風俗にも小卒の年齢であれば勤務可能になっているのだ。若い分、値段は張るが……それでも、一応は合法なのだ。ウルベルトはそれを指して言っているのだが。
「嫌ですよっ!!俺、初めては素人が良いんです!!」
ペロロンチーノはそう叫ぶ。拳を握り締めつつ。
「ペロロンさん……気持ちはわかりますけど、ペロロンさんの好みを考えるとそれって難しいんじゃ……」
モモンガがそう言うと、ウルベルトも大きく頷く。
「ペロロンさん、プロと違って素人で若い子ってなると保護者とかうるさいですし婚約でもしないと無理でしょうに。そんな事ばっかり言ってると、マジで魔法使いになっちゃいますよ?」
「うるさいですよ!ウルベルトさんだって童貞でしょう!?」
ウルベルトの突っ込みに、ペロロンがそう返すとウルベルトはほんの少しだけ眉根を寄せ、困ったような顔でペロロンを見る。
「……すみません、ペロロンさん。俺は童貞じゃ無いですよ。喪男ですけど、一応卒業済みです。素人で」
「……は!?」
「えっ!?」
ウルベルトの発言に、モモンガもペロロンチーノも一斉に声を上げる。
「え、マジ待って!?厨二な台詞でプロのお姉ちゃんに声掛けた喪男のウルベルトさんが卒業済み!?え、俺、ウルベルトさん以下!?」
「喪男でも卒業可能って希望は持てるけど……何か裏切られた気分です、ウルベルトさん……」
口々にそう言う二人を、ウルベルトは微妙な表情で見つめている。
「まぁ、俺二人よりも年上ですしね。あ、でも今は恋人も居ない喪男ですし、セカンド童貞ってヤツですから。リア充を妬む気持ちは二人と変わりませんよ?」
フォローのためにウルベルトが言った言葉に、二人の中の何かがブチィッ!!と派手な音を立てて切れた。
「ふざけんなああああ!!!!なぁにがセカンド童貞だああああああ!!!!!!現在進行形で童貞の俺らに謝れえええええ!!!!」
「そうですよッ!!真の童貞舐めてるんですか!?非童貞の余裕ですかッ!?」
「えっ、ちょ、何で二人して切れてるんです!?訳わかんないんですけど!?」
ペロロンチーノに詰め寄られ、胸ぐらを掴まれ思い切り揺さぶられ、普段は温厚なモモンガにも切れられ、ウルベルトは困惑を隠せない。
「これだから童貞の心を忘れた男は……!」
「喪男仲間なのに、何でわからないんですかウルベルトさんのバカ!!」
二人に次々と責められたウルベルトが必死に二人を宥め、何とか怒りを収めたのは三十分後の事だった。
後日のオフ会では、三人とも酒の量がほんの少しだけ減ったという……。
ペロロンさんのつるペタ合法ロリ好きは原作通りですが、モモンガさんの巨乳好きは微捏造。(アルベドのおっぱい揉んでたから巨乳好きだとは思うけど)ウルベルトさんの設定は完全捏造です。
ウルベルトさんは幼馴染みの女の子と初めてを済ませてるという勝手な設定がありますが、書ききれるか謎。
リアルは結構荒廃した荒れた世界って捏造をしてるので、悲しい話になってしまう事確定なので……。
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