プリキュア5の世界に転生しました…悪役サイドだった者ですが。 (クルミ割りフレンズ)
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番外等
本作オリジナル設定集(必要があれば更新)


主人公の設定や劇中に詳しく語られなかった設定など纏めてみました。
サブタイトルにある通りこれからも必要が出てくれば更新するかもしれません。


【ウェザート(人間態:上里 象気)】

 

 本作の主人公。転生して早々に5編のラスボスであるデスパライアに幹部へとスカウトされたヤベーイ奴。

 前世の事は憶えている部分ははっきりとしているがソレ以外は殆ど思い出せない。特に名前などの個人情報など。

 しかしプリキュア、その中でもシリーズ中最も好きな『Yes!プリキュア5』に転生出来た事が分かった為に特に気にしていない。

 プリキュア5大好きおじさんとでも呼べる人物。前世ではプリキュア限界オタクであったが転生してウェザートになった事、デスパライアとの出会いなどにより一周回って落ち着き、丁寧語や普段の行動によって周囲から見れば紳士的な人物に見える(錯覚)

 プリキュア達の為になるなら倒されても良いとすら考えていたが自分がなまじ強すぎて倒されるビジョンが浮かばなかったので結局寝返る事を決めた。

 プリキュアと同程度に特撮も好きで自分で変身の掛け声を考えたり、会話に特撮の名言を入れたりするなど結構痛い前世30代。

 

 元々は適当に仕事して中盤位でプリキュア側に寝返るつもりであったが、割と仕事も出来て周囲に気を遣える人物だったが為に短時間でデスパライアに気に入られる。

 かなり人情にも流されやすいので自分に良くしてくれ続けたデスパライアの下を去るのがギリギリになったのはその為。しかし結構な割合でうっかりしている為意外な場面で足を掬われる事もある。

 

 全てが終わった後に結局自身の優柔不断さが色々な人物を傷付け悲しませた事を悔いてプリキュア5の前から姿を消して影から見守るか考えたが2秒で辞めてその後の展開を知っているので別の方法を思いついた。

 5編最終話では一旦彼女達と別れたが裏でコソコソ、表でコソコソして『上里 象気』という人間と肩書を作り学園まで追い掛けて来たやっぱりヤベーイ奴。それでも教師としての必要な知識や能力を1ヵ月あまりで習得するなどその執念は確かなもの。

 

 

 

 実力は描写される機会が少なかったが原作では撃破率100%を誇る『プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン』をほぼ能力を使わずに身体能力のみで受け止め、片腕を僅かな負傷に抑えた程。

 能力はありとあらゆる気象現象を操り、使い方次第ではその場に留まりながら各地方に局地的な異常気象を引き起こし甚大な被害を齎す事が可能。まぁ本人にはその気は更々無いため注意する必要は無い。

 

 本性はあくまでも怪人態、人間態は弱体化する代わりに省エネ・気配も殆ど人間と同じになる。

 怪人態は御存じの通り『ウェザー・ドーパント』と同じ姿をしているがその本質は全くの別物。『ドーパント』がガイアメモリを人体に挿入する事で変身する怪人なのに対しウェザートは気象現象の記憶そのものが受肉したような存在。ガイアメモリから態々出力しない為『ウェザー・ドーパント』よりも高い出力、広い能力範囲を得ている。その反面手加減という行為がそもそも苦手な為劇中行った様に力を分割でもしないと手加減に相当困る。最初にプリキュア5と戦っていた時は滅茶苦茶気を付けながら相手をしていた。

 

 本作では100%・70%・30%の形態が登場したが変化するのはあくまで出力と能力が及ぶ範囲程度。100%ならば本気を出せば地球全域に影響を及ぼせる。70%・30%ならば其々大陸レベル、一国レベルとなる。

 ここまで記述して100%と比較すると規模が違い過ぎる様に感じるがその理由は『仮面ライダーオーズ』に登場する『オーズ』や『グリード』のコンボ・完全体に近い性質を持っている為。

 100%になると出力や能力の影響範囲が大きく拡大するのはその為。

 

『ウェザート固有能力』

 

・【A(オール)W(ウェザー)・コンバーター】

 日差しや雨、風などの自然の気象現象を受ける事で僅かではあるがエネルギーに変換する能力。変換されたエネルギーは攻撃や回復に回せるが微々たるものなので実践的ではない。強いて記すならば戦闘終了後に傷の回復速度を上げたりなど。

 あくまでも自然の気象現象に依る能力なので室内・作られた空間などでは全くの無力になる能力となる。しかし、もし何らか影響であらゆる気象現象が集まってくれば...?

 

 

・【A(オール)W(ウェザー)・ネットワーク】

 

 自身を中心に全ての気象情報を瞬時に収集・解析・接続できる能力。噛み砕いて説明するなら超正確で随時更新され続ける天気予報。

 例えば雨の降っている地域でウェザートの能力を被せればソレは相乗効果によって今まで人類が味わった事も無いような規模の暴雨へと変貌させる事ができる。この様に自分で作り出すのと元からあった天候に能力を被せるでは訳が違う程の破壊力が瞬時に出せる。

 また、別の使い方として全ての気象情報とリンクさせている状態ならば最悪肉体を破壊されても時間は掛かるが気象情報から肉体を再構成させる事ができる。この能力を封じるには地球上の全ての天候を消す必要がある。

 

 

・【スノー・ガーディアンズ】

 

 ウェザートが再生能力を持つコワイナーからヒントを得て作り出した雪だるまのゴーレム。自立思考は持たないがウェザートの命令や予め入力した『妨害』や『防御』を積極的に行う雪人形。「ユッキー」と鳴く。

 実体は雪で出来ている為破壊されようが削られようがウェザートが雪さえ降らせていれば欠片から瞬時に再生・増殖していく。弱点として戦闘能力は皆無な事と熱で解けると再生も増殖も出来ないという事。しかし攻撃に関してはウェザートが担っているので問題無い。

 総括するならウェザートが雪を降らせているという前提条件があるが脆く弱くその癖無制限に再生して増えていくとてもしぶとい雪だるまのゴーレム。

 元ネタはFGOのアヴィケブロンの話に出て来たスノーゴーレム。

 

 

・【力の分割】

 

 ウェザートが強すぎる自分の力を何とかしようしたら出来た事。

 劇中では解けない氷で出来た胡蝶蘭という形で一時的にプリキュア5側に預けられた。力を悪用される事も当初考えていたがカワリーノに奪われるまですっかり忘れており、彼女達が持って来なければ割と積んでいた状況。

 光が彼女達を導いたのは力の持ち主であるウェザートのピンチに呼応した結果。

 

 

・【必殺技】

 

 自身の持つ気象現象の記憶のエネルギーを最大限増幅させた状態。早い話が『マキシマムドライブ』。

 気象現象全てだけでなく雷だけ、日照りだけ、雨だけなどの記憶のエネルギーで放つ事も出来る。全ての気象現象の記憶を纏めて放った場合はかなり殺意マシマシな状態。

 

 

 

『ウェザーメモリ』

 

 キュアドリームに返された氷の胡蝶蘭がウェザートの手に渡った事で変化したもの。この時はウェザートの力の70%を保管しており、ガイアメモリの形になったのはウェザートが持つ無意識の形にしやすい形状がソレだった為。

 ガイアウィスパーこそ鳴ったが挿さずにそのまま吸収されたのもその影響。

 

 

 

『プリキュア5ウォッチ』

 ウェザートが転生した折に最初から所持していたブランクライドウォッチから変化した。ウェザートが最初にプリキュア5と戦った時に最後に全力である【プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン】を受けた後、その力の残滓を吸収してブランクの状態から変化して生まれたウォッチ。

 何時の日か役に立つと思いウェザートが所持し続けていた。変化した直後からプリキュア5と常に同期し続けている為彼女達が強くなればなるほどウォッチも強くなる。また彼女達の希望が強くなればなるほどにあらゆる闇にも打ち勝つ希望の光を放ち続ける。絶望を力とする者はこの光だけでダメージを負う。このウォッチが無ければウェザートは絶望の闇から抜け出す事は難しかった。

 本来の持ち主であるプリキュア5の手に渡る事で5つに分かれ、スーパープリキュアに強化変身させた。5つに分かれても出力が5分の1になる事は無く、5人で1つのプリキュアである彼女達とリンクする様に総合的にパワーアップする。

 1つの状態ではピンク・赤・黄・緑・青からなる5つの蝶の絵が描かれている。現在は力を失った様に色を失っており、ウェザートは本来の持ち主ではない自分が長時間使い続けたからではないかと考えている。

 小山〇也の声でプリキュア5と言う状況は傍から見ると非常にシュール。

 

 

 

NEW!【漆黒のローブの男】

 5GOGO編にて新たに出て来たオリジナルキャラ。

 エターナル陣営に所属しているがどうやら利害一致の関係らしい。本作の主人公、ウェザートに対して並々ならぬ憎悪を抱いているようだが...?




矛盾してたらごめんなさい。基本的にその場のノリで書いてます。


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5編
第1話 プリキュア5の世界に転生?ならばぁ答えは一つぅ!


久しぶりに二次創作に復帰。しかし過去作品には触れません、アイデアが浮かばないんです。

始めましての方は始めまして、お久しぶりですの方はお久しぶりです。約一年二次創作から離れていたので文章力などに関しては言わずもがなです。
最近U〇EXTで昔のプリキュアを見返してたら我慢出来なくなってやっちゃいました。特にYes!プリキュア5は当時私がリアルタイムで一番見ていたプリキュアシリーズとして思い出深いです。
プリキュア5の中では誰が一番?って聞かれると非常に難しいですが強いて選ぶならかれん/アクアです特に一期です。もう肩がエチエチでゲフンゲフン。でも好きな技はドリームのクリスタル・シュートですね腕で口元が隠れる瞬間がなんかかっこいいです。


 転生って本当に存在するんですねぇ等と感想を抱いたのはもう何年も前ですねぇ。いえね、自分が前世という世界で生涯を終えた記憶はぼんやりと存在しているんですが何ともあやふやなものでしたので。

 

 でも問題はあの時の自分の状況ですよ。えぇえぇ戸惑いましたとも勿論、だって気付けば何処とも知らない場所に一人ポツンですよ。しかも自分が人間じゃなくなってるのが何となく分かってしまうんですから冷静に混乱(矛盾)していましたよハハ。

そして自身の前に掌から【冷気を放射して氷の姿見】を作り出し自身の〝現状″を確認しました。【ウェザー・ドーパント】でしたよ...いや何故?とも思いましたが何とか飲みこみました。

 

 次に自身の今後の展開を考察しました。何故か?怪人に転生してしまっているのなら本編の【ウェザー・ドーパント】よろしく敵役として命を落とす可能性です。確かに一度死んだ身とはいえ死ぬのは怖いのですから。とりあえず仮面ライダー的な存在がいるなら極力関わらないようにしようと決めました。当初は味方になろうとも考えましたがそれだと敵対している存在に命を狙われてしまうかもしれませんからねぇ。

 ただ完全に自分が【ウェザー・ドーパント】なのかというとそうでもないようで、怪人態から人間態へと自由に切り替えが出来るようでしてガイアメモリが排出されない...そもそもウェザー・ドーパントの方が本性だったらしく、人間態はあくまでも擬態のような状態でした。つまり怪人としての【ウェザー・ドーパント】はあくまでもガイアメモリを使用した人間であり、私の現在は【ウェザー・ドーパント】の姿と能力を持った正真正銘の怪物という事です。

 

 次に自身のこれからを考えていた時です、目の前に突然昏く禍々しい靄が出現しその中から変な仮面を付けた女性が現れました。その時私が(えっ、怖っ!)って思ったこと悪くないと思います。

 

 そうかここは〝YES!プリキュア5″の世界なんだなって分かりました。っていうか〝YES!プリキュア5″の〝デスパライア″でした。いえ今は立場上デスパライア様ですが、とにかく何でだか知りませんがその場でデスパライア様にヘッドハンティング?されました。とりあえず職には困らず済みそうで助かりました。

 

 いえいえ、いえいえいえいえ。そうではなくてですね、その時に重要な事を決めました。彼女たち(プリキュア5)とそれなりに敵対する【出来る悪役】ムーブをするとね。え?先と言っている事が違う?喧しいですねだってプリキュア5ですよ!プリキュア5!ドリームのキュートなおヘソ・ルージュの凛々しい瞳・レモネードの愛くるしいカール・ミントのマイナスイオン出てんの?っていう感じの癒しの雰囲気・アクアの気持ちミントよりも出たエチエチな肩。もう最っ高っじゃないですか!

 こんな【ウェザー・ドーパント】擬きの怪物が真面に彼女たち(プリキュア5)と関わるには敵役しかないじゃないですか!ええそうですよ前世ではいい年こいてプリキュア見てましたよ。ああ神様なんて信じていませんでした転生なんてシステム作った人は神様です。凄いです!天才です!

 

 ゲフンゲフン話が逸れました。デスパライア様にスカウトしてもらった直後に幹部にして頂きました。何でも私からは隠し切れない程に大きな力を感じるのだとか、まぁライダー2人がかりでやっと互角に持ち込んだ怪人ですからね強さは折り紙付きです。

立場としてはブンビーさんより上というか専務です、ナイトメアの中ではかなりの新入りなのですがこうも待遇が良いと少々恐ろしいですね。

 因みにやけにカワリーノさんには目の敵にされてるっぽいんですよねぇ。ナイトメア内ではカワリーノさんと同格だとかデスパライア様に次いで強いだとか噂されていますがどうなんですかね。いつか黒い仮面被らされませんかね?

 

 時間軸としては既にパルミエ王国は既にナイトメアによって滅ぼされているようです。これはこれで良かったかもしれません、いくら後の展開の為とはいえぬいぐるみの様な可愛らしい種族を必要以上に甚振るのは流石に心が痛みますからね。

 職場は和気藹々とはいきません、物理的にも概念的にもブラックですからね。

 まぁその分ブンビーさんのコミカルさが目立って面白いのですが。

 あっ因みに前世の名前は憶えていないので【ウェザー・ドーパント】改め【ウェザート】と名付けましたのでよろしくお願いします。

 

「こんにちは、ブンビーさん。仕事の進捗はいかがですか?」

 

「ぉあ!う、ウェザートさん!こんにちはですハイ!そのぉドリームコレットは未だ見つからず...。」

 

 というと冷や汗流しながらペコペコしだすブンビーさん。別に威圧している訳ではないのですがこの反応面白いですね、いやいやここは優しい上司風で行きましょう。見た目とか完全にブンビーさんの方が年上ですけど。

 

「そんなに畏まらないで下さいブンビーさん。私は確かに貴方たちの上司という立場ですがナイトメアではかなりの新顔、そこまでされてはやりづらいというものです。」

 

「いえ、しかしそういう訳にも...。」

 

「まぁまぁ、それは追々。それとこちら良かったらどうぞ、美味しい紅茶とクッキーです。お口に合えば良いのですが。」

 

「おお!これはどうもありがとうございます。毎度毎度良くして頂いて。」

 

「お気になさらず、少しでも現場の皆さんの士気に繋がって頂ければと思いましてね。それでは失礼しますよ。」

 

 っとまぁ毎回こんな感じにブンビーさんやその部下たちと話したりしています。今は流石に力の抑え方を覚えましたが初期の駄々洩れを知っている人達からは凄くビクビクされます。怖がらないのなんてデスパライア様にカワリーノさん、ブラッディさんくらいですかねぇ。ハデーニャさんは苦手です、私が。

 さてと最近アルバイトのガマオ君が入って来ましたしそろそろ本編が始まる時期なのでしょう。

 当面の間は私もデスパライア様の為にドリームコレット入手という使命がありますが私とデスパライア様の間にはウェザート()がナイトメアに所属するにあたってとある契約をして頂いています。私はその契約が果たされればそれでいい。

立場上現場に行く事はあまりないかもしれませんが早く彼女たち(プリキュア5)に会いたいものです。今から考えるだけでもゾクゾクするねぇというやつです。




やりたい事オリ主に取らせたい行動は山ほどあるのですがそれを文章に起こす程の能力が無いのが一番の問題です。


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第2話 プリキュア5接触!さぁ始めましょう、暇と痛さのパジェントを!

一晩でUAが450超えてて驚きました。感想くれた方々、返信はしていませんがしっかり読んでいるのでありがとうございます。

Yes!プリキュア5で一番好きな話は37話です。のぞみのココへの信頼がとても良く感じれる回ですよね。


 あれからかなり時間が経ちました、というかギリンマさんが敗れました。なんならプリキュア5全員強化技覚えている頃だと思います、時間飛び過ぎだろと思われますけど立場上早々現場に行けないんですよね。

 その代わりに自室で彼女たち(プリキュア5)の戦闘能力の研究という体裁でリアルタイムでリアルプリキュア観戦してます。クール(笑)な表情で内心浮かれまくってますよ。

 

 しかしまぁそうこうしている内にやっとデスパライア様直々に辞令が下りましたよ。内容を要約すると【プリキュアたちが何故強大な力を前にしても絶望せず希望を見出せるのか調査せよ】との事です。珍しくドリームコレットを狙えとかではないのだから少々驚きましたが、どんな暗闇の中でも希望を見出したプリキュアという存在を改めて脅威と認識したのでしょう。

 彼女たちは5人で1つのプリキュア、それをバラバラにするというカワリーノさんの作戦は良い線行ってたみたいですが唯一の誤算は一人でも希望を再び持ったならば周囲のプリキュアにも伝播して行くという事でしたね。なんなら本人が毎回口上で言ってましたしたよ「大いなる希望の力」だと。

 

 さてと、では行くとしますか。時期としては30話と31話の間あたりですかね。私の初のナイトメア(悪役)らしい仕事に。

 

 颯爽とスーツの上に羽織ったコートを翻して行く私、キマッタァ...。

 

 

★★★

 

★★

 

 所変わって私の目の前にあるこの建物、そう『ナッツハウス』です。

 

 しかし、ここまで近づいても感知されないという事はやはり私は他のナイトメアの方たちとは出自が異なるのもあるのでしょうが、所謂〝純粋な″闇の住人では無いようです。

 では少し深呼吸して突入です。あぁやっとプリキュア5に会える!いざ!!

 

「こんにちは。」

 

「こんにちは!いらっしゃいませ!」

 

 うおおお!最初に迎えてくれたのは元気溌剌 のぞみちゃん です!はぁ~生きてて良かった、いえ一度死んでますけどね。

 兎に角平常心ですよ平常心、ぶっちゃけオ〇ナミンCより元気貰えて顔面崩壊しそうです。眼すら動かさないように周囲を確認すると丁度お客さんはいませんでしたが他のメンバーの皆さんもいるようです。ヨキカナヨキカナ

 

「このような所にアクセサリーショップがあったのですね、初めて知りました。」

 

「そうなんです!少し前に出来たんですよ。女性のお客さんは良く来て頂いてるんですけど男の人のお客さんって初めてです!」

 

 今度は うららちゃん に話し掛けられました。はぁあ!アイドルやってるだけあってプリキュア5の中で一番年下なのにしっかりした雰囲気と可愛さが混在している!

 それにしてもなるほどアクセサリーショップに加えてハンサム店長が揃っていれば女性客が集中してしまうのは当然ですね。そうくれば必然、男性のみは寄り付きにくいでしょう。

 

「なるほど...おや貴女アイドルの春日野うららさんではありませんか?」

 

「え?私の事知ってるんですか?」

 

「えぇ、お恥ずかしながらこの歳でファンになってしまいました。時折テレビでお見掛けしています。CDも購入させて頂きましたよ。」

 

「うわあ!ありがとうございます!」ペコリ

 

 さすが輝く乙女!油断したらみるみる内に此方が浄化されそうだ!

まぁ、うららちゃん だけではなくプリキュア5全員のファンなのですけどね。フフフ

 

「そうですね、此処にこうして来たのも何かの縁。貴方が店長さんですか?商品をいくつか買わせていただいても?」

 

「ええ、そう言って貰えるとありがたい。何を買われますか?」

 

「生憎と私はそういった知識に疎いものでして。よければ店長さんや皆さんでいくつか見繕っていただけませんか?」

 

「俺は構わないが、皆もいいか?」

 

『Yes!』

 

 おお!凄い生の、それも戦いでもない状況で「Yes」が聞けました!

 今日は仕事で来たのですが非常に良い思い出が出来そうです。のぞみちゃん・りんちゃん・うららちゃん・こまちさん・かれんさんは勿論ナッツさんとココさんも選んでくれています。ミルクさんは人間態になれないので2期に期待です。

 男の私でも持ちやすい落ち着いた物を選んでくれたようです。これってファンからしたらかなり嬉しいお土産ではないでしょうか?

 

「お待たせした、こちらの商品です。」

 

「ありがとうございました、では代金を。待たせて頂いている間店内の商品を拝見させて頂きました、どれも素晴らしいものだ。」

 

「ありがとうございます。全部ナッツや私達で作ったものなんです!」

 

 うっはあー!のぞみちゃん、その笑顔が私には効く!これはココさんが落ちたのも納得ですねぇ。

 ふう、お土産(自分用)も買いました。心苦しいですがお仕事を始めましょうか。

 

「そうでしたか、皆さんが。ではまた次に寄らせていただいた時も何か買わせていただきますね。それでは」

 

『ありがとうございました。』

 

「おっと、私とした事が大事な事を忘れていました。」

 

『??』

 

 フフフ、皆さん「どうしたのだろう?」という顔をしています。

 そう、ここです!ここで出来る悪役(笑)ムーブです!

 

「いえね、とても とても大事な事を忘れてしまう所でした。」

 

「大事な、事?」

 

「えぇ こうすれば、分かっていただけますか?

 

☆☆☆

☆☆

 

 のぞみ達は今日は珍しく暇を持て余していた。朝からナッツハウスを手伝っていたがお客はチラホラとしか来なかったからだ。いつもなら沢山の女性客が訪れるが今日はその何分の一といった程度であった。

 しかしそんなのんびりしていた中不意に店の扉が開かれて一人の男性が入ってきた。言わずもがなナッツハウスはアクセサリーショップ、男性客自体が珍しいというより見た事が無かったのだ。

 人間に化けたココやナッツと同程度の高身長にスーツの上からコートを羽織った優し気な目元の男性。ココやナッツ、家族やそれに近しい存在以外ではあまり男性と関わりが無い彼女たち。無論ナイトメア達は論外であり、男性の持つ柔和な雰囲気には好感が持てる。

 

 自身の年齢を気にしてか、うらら のファンだと言う男性は恥ずかし気に頬を綻ばせている。それを見てのぞみ達やココ、普段無愛想なナッツまでも口角を緩ませる。

 記念にとアクセサリーを買いたいと言う。自身ではそういった事柄に疎いから自分達に選んで欲しいと言われ張り切って選ぶ事にする。その瞬間のみだが男性が一際嬉しそうになったように感じたがのぞみはその考えを直ぐに脳内の隅に追いやった。普段なら派手だったり華やかな物を勧めたりするが今回は男性、年齢は30代前半といったところでとても紳士的だ。選ぶのなら普段と趣向の違う物でなければならないだろう。ならばと同じ男性であるココやナッツ、頼れる先輩である こまち や かれん に相談しながら決める事にした。実家が花屋で手伝いをしている りん も通じるものがあるのか のぞみ と うらら にアドバイスをくれる。

 全員でそれぞれ選んだ物を男性に渡すと余程嬉しかったのか先程とは違うように頬を綻ばせる。

 たったこれだけのやり取りではあったが此処にいた皆が男性に好感を抱いていた。男性は次に来れた時はまた何か買わせてもらうと言い帰ろうとする。

 しかし何かを思い出したと言って立ち止まった。「なにか忘れ物かな?」などと考えていると男性は先程と同じ優し気な笑顔のまま振り返り、

 

「えぇ こうすれば、分かっていただけますか?

 

 全身が総毛立ちココとナッツに至っては元の姿に戻ってしまう程のドス黒く禍々しい力を発する男性がいた。

 

★★★

★★

 

 おぉっと久しぶりで加減を間違えてしまいました。ココさんとナッツさんの擬態が解けてしまいましたし。彼女たち(プリキュア5)は戸惑い半分警戒半分といったところでしょうか。さすがプリキュア5、直ぐにココさん達を背後に庇う様に前に出てきました。良い判断ですね、ミルクさんも透かさず上階からココさんたちの方に駆け付けましたね。

 

「あなた、一体誰!?何なの!?」

 

「質問にお答えしましょう。私の名は【ウェザート】、ナイトメアの刺客にして幹部。つまり貴方がたの敵という事です、以後お見知りおきを。」

 

「ウェザート...ナイトメアの幹部!」

 

 良し!超強そうな敵として振舞えましたよ!序でに名前も覚えてもらった。他の人達みたいに毎回毎回ナイトメアって呼ばれるのはゴメンですからね。プリキュアに名前を憶えて貰えるなんてウルトラハッピーってやつです。

 

「ナイトメアでお前みたいな奴見た事ないココ!」

 

「それはそうでしょう。私がナイトメアに加入したのはココさん、ナッツさん、ミルクさん、貴方達の故郷であるパルミエ王国が滅ぼされた後なのですからね。」

 

「ナツ!?何故今になって出て来たナツ!今まで色んな奴がコレットを狙ってきたのに何故今更ナツ!」

 

「立場上の問題です。私は幹部の中でも最も位が高いのです。故にそうそう現場に出られなかった。しかし最近になってデスパライア様から直々に命令があったので来た次第です。」

 

「「で、デスパライア!?」」

 

 デスパライア様の名を聞き震えるパルミエ王国出身の方がた。無理もありません、故郷を滅ぼしたナイトメアの総帥なのですから。

 依然彼女たちはこちらを警戒の眼差しで見つめ続ける。あぁそんな目で見られているとゲフンゲフン!

 

「それじゃあ今度はあなたがドリームコレットを奪いに来たという事ね!」

 

「「そんな事させないんだから!」」

 

 今までのナイトメアの人達同様コレットを奪いに来たと思った かれんさん 。そしてそんな事はさせないと叫ぶ りんちゃん と うららちゃん。

 おっと今回は違うという事を言っておかなければ、どうせ闘う事になりますが。

 

「いいえ、それは違います。今回はドリームコレットが目的ではありません。」

 

「ドリームコレットが狙いじゃないなら何が目的!」

 

 のぞみちゃん にそう聞かれて彼女たち指差しながら答える。

 

「貴女たちですよ、プリキュアの皆さん。端的に申しますと私と戦って頂きます。」

 

「私たちと戦う事が、目的ですって。」

 

「えぇそうですよ。キュアアクア、水無月かれん さん。私としても貴方たちにこんなにも素晴らしい物を頂いておいて心苦しいですが。」

 

 私が言った事に皆が眉を顰めて怪訝そうに此方を見る。まぁ今までのナイトメアの皆さん大体趣味が悪かったりしますからねぇ。一般的に綺麗だったり素晴らしいと言えるものをそう思わないと言えば分かりやすいでしょう。

 

「怪訝そうですが本心ですよ。他の方はどうか分かりませんが私の感性は一般的ですよ。だからこそこの様に美しい物が揃っている此処で戦うのは本意ではありません、故に。」パチン

 

 そう言ってフィンガースナップをすると周囲が荒野の様な景色へと一気に変わる。一種の結界の様なもので私が闇の住人(仮)になった事で習得した能力のようなものですね。結構便利で使い勝手が良いんですよ。

 プリキュアの皆さんは最初こそ戸惑っていたようですが直ぐに闘いの目になりましたね。やっと生でアレが聞けます!見れます!

 

「行くよ!みんな!」

 

プリキュア・メタモルフォーゼ!

 

大いなる希望の力! キュアドリーム!

 

情熱の赤い炎! キュアルージュ!

 

はじけるレモンの香り! キュアレモネード!

 

安らぎの緑の大地 キュアミント!

 

知性の青き泉! キュアアクア!

 

 

希望の力と未来の光

 

華麗に羽ばたく5つの心 Yes!プリキュア5!

 

 素晴らしい!!これこそが私が見たかったプリキュア5だ!それが今真の意味で目の前にいる。ただ変身しただけだというのに力が随分と増したのを確かに感じる!思わず拍手などしてしまいましたよ。あっホラ、プリキュア5どころかココさんたちまでキョトンとしているじゃないですか。

 

「素晴らしい、これがプリキュア!これが希望の力ですか!なるほど、これほどの輝きならばどのような暗闇の中でも絶望せずに希望を見出せる筈です。」

 

あなた、何でそんな事を...。

 

「おや意外ですか?言った筈ですよ、私は感性は普通だと。素晴らしいものを見たのなら称賛を送るのは当然です。」

 

だったら何故こんな事をするの!貴方たちがこれまでして来た事がどういった事か分かるでしょう!

 

「簡単な話です、貴女たちがプリキュアで私がナイトメア。闘う理由としてはこれで十分です。」

 

 あぁ、ここに来てはっきりと改めてプリキュアと敵対するのだという現実を受け入れているとちょっぴり表情が沈んでしまいました。

 

あなたやっぱりそんなに悪い人に見えないよ。私たち話し合ったら分かり合えないかな。

 

「...少々話しすぎましたね。構えなさいプリキュア5、私も行くとしましょう。」

 

 危ない危ない のぞみちゃん の説得で瞬間的に「プリキュア側に味方します。」とか言ってしまうところでした。ふぅ~

 

 話は変わりますが皆さん、特に特撮なんかを良く見ている方。変身する時に掛け声がある作品ってあるでしょう。その中でも私は怪人・疑似ライダーたちの掛け声が好きなんですよ。「培養」「蒸血」「潤動」「実装」という風に「変身」とはまた違ったカッコよさがあって好きなんです。

 そこで私考えたんですよ、いつか私もやってみたいって。ドーパントにもあれば良かったんですけど、生憎とドーパントは平成2期の最初の怪人。そんな掛け声はありませんでした。代わりに本来はガイアメモリのガイアウィスパーが名前を言うんですがね。しかし諦めきれなかった私は虹色の脳細胞を総動員してオリジナルの掛け声を編み出しました。そして今こそソレを披露する時!

 強者風の雰囲気を醸し出す事でプリキュア5やココさんたちは先程よりも表情を引き締めました。そして静かに、しかし確かに周囲に聞こえるように呟く(宣言する)

 

想覚

 

 その一言と共に私の周囲を雷や冷気、強風に熱波と豪雨という無駄に派手なエフェクトで覆い【ウェザー・ドーパント】の姿に変身する。変身するだけならこんなエフェクト無いですよ、ただ格好つけたいだけです。

 

「さぁ始めましょう、プリキュア5。手加減するので本気で掛かって来なさい!」

 

続く!?




親に男なのにプリキュア見てるのって言われましたよ。そんなものは偏見だ!
30,40過ぎても見てる人いるんだから私なんてまだまだです。


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第3話 戦う異常気象

まだ2話しか投稿してないのにUA1000件・お気に入り30件・感想6件も頂けてとても嬉しいです。
早くもネタが尽きかけて来てますが頑張ります!


「さぁ始めましょう、プリキュア5。手加減するので本気で掛かって来なさい!」

 

 ドーパントの姿になった事で漸く彼女たちも本編中の様な構えを取りましたね。その後キュアドリームを筆頭にプリキュア5が私目掛けてやって来ました。

 初期のプリキュアは基本的に拳や蹴りといった打撃が主体。私が完全に怪物になった事が分かる様に彼女たちの常人を超えた連打を目で追えています。時に躱し、時に受け流し、時に受け止め押し返す。

 

 やはりプリキュア、素晴らしい!彼女たちはプリキュアとして闘って来てはいますがプロと比較すれば素人のソレの筈、粗削りながら動きも申し分ない。5人それぞれがカバーする事で良い連携が出来ています。

 さて、このまま彼女たちとの応酬を繰り返すのも良いですがそろそろ【ウェザー・ドーパント】の力を使うとしましょうか。その方が私の脅威と私自身を良く覚えて頂けるでしょう。

 

はああぁぁ!

 

キュアドリーム、動きは悪くありませんが貴女は少々動きが直線的過ぎる。故にこの様に少し慣れれば簡単に受け流してしまえる。」グルン

 

うわあ!っく、はゅああぁ!

 

 私は突き出されたキュアドリームの拳を躱すと同時に彼女の腕を持って回転させました。ふむ空中で体を捩じって姿勢を元に戻しましたね。腕、柔らかかったです。

 その後再度拳による連打を行ってきました。悪くはありませんが、やはりまだ青い。

 

「良いですかキュアドリーム、拳での攻撃というのは只管に続けて当てればいいというものではありません。敵が人型ならばその中心線、鳩尾などを的確に抉り込む様に穿ちなさい。このように!」

 

きゃあああぁ!

 

ドリーム!このぉ!

 

 ドリームの攻撃を往なし続け僅かに距離が開いた瞬間に私とドリームの間に瞬時に人間大の氷塊を創り出しました。そしてソレに向かって正拳突きの要領で粉々に砕き破片を彼女にぶつけました。いえ流石に冒頭でも言った通り手加減してますよ?それに年端も行かない女の子相手に直接殴るのはアレですし。

 まあそれでも勢いを付ける為に氷の礫で吹き飛ぶドリームに風を纏わせてちょっと後方に行って貰いました。プリキュアなら直ぐに起き上がってくるでしょうがね。

 

 次にキュアルージュが来ました。親友のドリームが吹き飛ばされた事でかなりお冠なご様子です。そりゃあそうでしょうね。

 彼女は元々優れた運動能力の持ち主。そういった動きに関してにプリキュア5の中でも最も高いでしょう。

 

プリキュア・ルージュ・バーニング!

 

ルージュの強化された必殺技が直撃しましたが【ウェザー・ドーパント】になった影響ですかね、こういった攻撃は私には殆ど効かないようです。

必殺技が直撃しても平然と立っている私を見て驚くルージュ。倒せなくとも多少は怯むなりすると思ったのでしょうね。

 

キュアルージュ、貴女はプリキュア5の中でも卓越した運動能力の持ち主です。先程の必殺技までに繋げた攻撃のコンボは目を見張るモノがある。」

 

ッ!!

 

「しかし頭に血が昇っている状態では貴女の真価は発揮されず、通常よりも動きの質が落ち予想を超える展開には咄嗟の判断力を失い動きが一瞬固まります。更にその程度の熱では私にダメージは与えられません。真の熱とはこう使うのです。」

 

 私はそう言うと太陽光を瞬間的に強め、雲で範囲を限定。空中に氷で出来た集光レンズを創り出しました。それによってルージュに向かってギリギリ当たらない位置に太陽光線が発射されます。

 基本的に強力なだけの光なのに私がやると照射された位置で衝撃波が起こるんですよね。因みに当たった場所を確認するとドロドロに融けて一部ガラス化しています。

 太陽光線の余波で偶然にもルージュドリームが吹き飛んでいった方に飛ばされました。私がその方向に向かって歩いて行くと今度はキュアレモネードが私の前に躍り出ました。

 

これ以上あなたの好きにはさせません!

プリキュア・レモネード・シャイニング!

 

 先輩二人を守る為に必殺技を放ってきたレモネード、このまま受けてもいいですが私もナイトメア。しっかり正しい敵として答えなければ。

 

これなら!...そんなっ!?

 

 彼女からは直撃した様に見えたでしょうが、そうではありません。必殺技が当たる直前私は自身の周りに雷雲を発生させ、細かな雷撃で自身に当たりそうな光の蝶を全て相殺しました。

 

キュアレモネード、貴女は小柄な体格を生かした小回りの利く動きが仲間へのサポートとして優れていますね。そして必殺技の拡散し向かってくる多量の蝶もそれに拍車をかけています。」

「単純な攻撃から目くらまし、そして後続の仲間への繋ぎへと多種多様。素直に称賛に値します。が、それはコワイナーなど大型の相手にのみ大きな力として発揮されます。拡散する攻撃の弱点として一撃の威力はそこまで高くありません。それこそ真価を発揮するには攻撃全てを直撃させる必要があります。」

「人間大の大きさ相手では全てを当てるのは苦手ですね?先程も防いだ以外の蝶は全て私を通り過ぎました。拡散攻撃とはこういう使い方もあるのだと知りなさい。」

 

きゃあああぁ!!

 

 私は再び雷雲を創り出しました、今度は上空に。強烈な一撃では無く沢山のによる檻。後方にはドリームルージュがいる為下がれず、細かな雷が逃げ場を無くします。勿論直撃は避けています。

 

これ以上みんなを傷付けさせない!

プリキュア・ミント・シールド!

 

 私のの檻はキュアミントの防御技によって防がれました。手加減しているとはいえウェザーの攻撃を防ぐとは素晴らしい!益々プリキュアのファンになってしまいます!

 

「流石ですね、キュアミント。貴方ほどの守護の力を持つものはナイトメアどころか世界を探してもそういないでしょう。」

 

褒められても嬉しくないわ!

 

「称賛は受け取って頂きたいですね。しかしキュアミント、貴女の守護の力は素晴らしいですがそれと同時に弱点がある。」

「貴女は護る事こそ得意だが逆に自らの攻撃力はメンバーの中でもとても低い。それに以前にも受けたでしょう?どんなに強力な護りでもここまで広範囲では一点特化の強力な攻撃には弱いという事を。こんなのはいかがですか?」

 

 依然落雷を続けていた黒い雷雲が瞬時に白みがかった灰色の雲に変わる。そして今度は雷ではなく通天閣サイズの巨大な氷柱状の雹を一本降らせた。雹がミント・シールドに接触した瞬間轟音が響き、数秒間は拮抗してみせました。しかしその後直ぐにミント・シールドに罅が入り始める。焦りの表情を見せるプリキュア達、このままでは砕けるのも時間の問題でしょう。

 しかし私が容赦無くこんな雹を降らせたのは訳があります。私が何かしようとする瞬間に駈け出した彼女を視界の端で確認しましたから。

 その後ミント・シールドは破壊され消滅し誰もが目を瞑る中彼女が駆けつけました。

 

プリキュア・アクア・トルネード!

 

 キュアアクアの必殺技はまるで生きている様に動き、最初に私の雹にぶつかり落下速度を減速させました。次にそのまま直ぐにドリームルージュレモネードミントを包み込み回収すると安全圏である自身の元へ引き寄せた。

 今日はずっと素晴らしいとしか言ってませんが本当に素晴らしい!とても器用な真似をしますね、強化前の技では威力の問題で巨大雹を減速させられない。強化後の技ならば減速させれても仲間の回収時に上手くコントロールが出来なければ仲間に余計なダメージを与えてしまう可能性がある。それをこの土壇場で上手くコントロールするとは流石です。私が最初にファンになったプリキュアなだけありますね、信じてましたよ!

 

アクア

 

「今のは凄まじかったですよ、キュアアクア。私の巨大雹を一瞬でも押し留める水圧を操り、剰えソレで仲間を回収して助けるとは。一歩間違えれば回収と同時に仲間を傷付けかねませんその兆候すらなかった。攻撃・防御・サポートとどれを取っても他の皆さんと遜色ないパフォーマンスが出来る。やはり貴方は能力的に見てもプリキュア5の中で最もバランスが取れている。知性のプリキュアとして戦況を良く見る観察眼も評価できます。」

「しかし逆に考えすぎて状況を見極めようとして行動が遅くなる節がある。それこそが貴女が今この瞬間まで仲間を上手く補助出来なかった理由でもあります。」

 

一つ聞きたいわ。何故貴男はそうやって私達の弱点を指摘するの?それではまるで私達に弱点を克服するように言っているようなものじゃない!

 

 おっと、調子に乗ってたら思っても無い質問が来てしまいました。流石生徒会長、疑問に感じた事は結構ズバッと聞いてきますね。それっぽい事を言って乗り切りましょう。

 仰々しく両腕を広げて(端的に言えばす〇ざんまいです)語ります。

 

「最初貴方々のお店に来た時にも言ったでしょう。私は素晴らしいもの美しいものが好きなのですよ。貴方達やナッツさん達が作ったアクセサリーも小鳥たちの囀り、虫たちや木々のさざめきも壮大な花畑もその全てが私にとっては美しかった!」

「しかし私がナイトメアである以上貴方達と闘う以外に道は無い。しかしそれでも私は少しぐらい個人のエゴを通してみたくなりました。未だ個々の弱点を持つプリキュア5、もしソレを克服出来たなら貴女達の輝きは更に増すと考えました。」

 

 良し!皆さん真剣に私の話を聞いてくれています。嘘ではないですが咄嗟に思いついた事にしては上手くいきました。

 それに時間としてそろそろ潮時、分かれ惜しいですが次に会えるチャンスに期待しましょう。

 

「デスパライア様の命令ならば私は戦いましょう。しかし!それでも、私が戦っている間は私にのみ〝その″輝きを向けてもらいたい!いつか貴女達の希望(輝き)が更に強くなってほしいと私は願う!」

「それが私のエゴです。敵である貴女達にそう思ってしまう事はとても不躾な事だったでしょう。プリキュア5、次の一撃で今回は最後です。今出せる貴女達の最大の輝き(希望)を見せてみなさい!」

 

ッ!!行くよ、みんな!!

 

 Yes! 

 

「「ミルク!プリキュアのみんなに力を貸すココ(ナツ)!」」

 

「分かりましたミル!ドリームー!」

 

 まだアラクネアさんが倒されていないので早いと思いましたがプリキュアの皆さんが心を一つにした事でミルクさんが光り輝き始めました。ココさん、ナッツさんの後押しでキュアドリームの腕に抱きつくとブレスレットに変身しました。

 私もいよいよ正念場です。果たしてアレを受けてどうなるか分かりせん。ぶっちゃけ生き残っても倒されても私にとっては美味しい展開です。

 

 キュアドリームの持つドリームトーチにルージュレモネードミントアクアが持つルージュタクト・レモネードカスタネット・ミントリーフ・アクアリボンが合体し、ミルクさんが変身したブレスレットにスキャンさせることで一瞬で大空に向かって飛んでいき巨大化する。

 

 夢と希望の力と共に! 

 5つの光を! 

 今ここに! 

 

 プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン! 

 

 それはとても神々しく、明日への希望へと飛び立つ大いなる蝶になって私に押し寄せる。

 なるほど、こうして生で見て初めて分かります。これはプリキュア達だけではない。ココさんやナッツさん、人々やこの世に生きとし生ける全ての者の希望(明日)輝き()となったものだ。絶望如きではこれの前では無力になる訳です。受けるのが俄然楽しみですよ。

 

「さあ来なさいプリキュア!貴女達の持つ本物の希望を私に見せてみなさい!」

 

 

 

 

 

 生き残れば私の勝ち、この果てに滅びようともこれだけの輝きの前ならば私は喜んで消滅しましょう。

 さぁ、どうなりますか?

to be continue ?




個人的に何が一番しんどいって文章よりも太字色付け「」です。5人揃ってる時とかとか目がおかしくなりそうですよ。

勿論文章考えるのも大変なんですけどね。
ゴグ バンガゲスド  ギョグゲヅバデデ ドデロダギゼン バゴギゴド バンゼグベ


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第4話 異常気象はプリキュア5がお好き!

UA3200件・お気に入り130件・感想12件も頂けてとても嬉しいです。

今回は一区切りという事で短めです。


 プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン! 

 

 現状のプリキュア5の最大の必殺技【プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン】が両手で受け止めようと構えていたウェザートに炸裂。

 時間にして数十秒拮抗した。プリキュア達にとっては数分にも数時間にも感じられただろう。かつて超獣化したギリンマを相手にしてもこの技をここまで受け止められなかったのだから。

 その後以前よりも威力と輝きを増した大爆発、それでも油断せずに彼女達は後方を確認した。

 

 煙と大量の虹色の蝶が晴れた後には.......

 

 

 

 

 

 

 

 凍り付かせた左腕から煙を上げながらもウェザートがプリキュア5を見据えて立っていた。

 プリキュア達は息を呑むしか無かった。普段のナイトメア達なら苦戦する事もあるコワイナーを使ってくる。しかし彼はそれどころかただ一人で今日何度も自分達の想像を遥かに超える実力を示し、剰え大技を耐えきってしまった。

 いつもならどんなに苦戦を強いられてもメンバーの精神的支柱となり希望を見出すドリームですら言葉が出ず、驚愕や畏れのような表情を浮かべていた。

 

 暫く未だに煙を上げ凍り付いていた左腕を見ていたウェザートが顔を上げ再びプリキュア5を見据える。

 咄嗟に構えるがどうやら既に戦闘の意志は無い事が纏っている雰囲気から分かる。

 

「驚きましたよ、プリキュアの皆さん。痛みを感じたのは久方振りです。こうして腕を凍らせて治療しているのがその証拠です。」

「フフフ、ハハハハ!今のは今日一番の輝きでした。しかしこうして私は生きている、今日の所は私の勝ちですね。」

 

 どこか嬉しそうに、まるで子供の様に喜んでいるウェザート。しかも勝てたからというよりも彼の言う自分たちの〝一番の輝き″を見れた事を喜んでいる様だった。

 その喜び様にプリキュア達は呆けてしまい其々で顔を見合わせてしまう。

 少しして自分の先程の行動を自覚してウェザートは態とらしく咳払いをして話を切り替えようとした。

 

「コホン!素晴らしいものを見せて頂いたお礼に一つ助言を。ドリームコレットのみがパルミエ王国を復興させる手段ではありません、とだけ言っておきましょう。」

 

その言葉にココ・ナッツ・ミルクがどういう事が尋ねようとするとウェザートはクルリと身を翻しナッツハウスに来店して来た時と同じ人間の姿になった。

 

「言ったでしょう、一つだけだと。しかし、まぁ時が来れば分かりますよ。」

「私の方もそろそろ時間です、それではまたお会いしましょう。プリキュア5、次に相見えた時はさらに貴女方の輝き(希望)が増している事を願っていますよ。」

 

 懐から懐中時計を取り出し時間を確認するとそのままウェザートは去って行こうとする。

 咄嗟にドリームは呼び止めてしまった。やはり理解出来なかったのだ、こうして敵対こそしたものの他のナイトメアの様な邪悪さというモノが感じられなかった。

 

やっぱり分からないよ。あなた全然悪い人に見えないもん、よく分からなかったけど、こうしてココたちにアドバイスまでしてる。あなたがナイトメアにいる理由全然分かんない!

 

「答える必要はありませんが...私は貴女達が思っているよりもずっと悪い(怪物)ですよ。まあ、そう見えたなのなら...言い換えるのなら私は貴女達の〝ファン″だという事です。」

「それでは今度こそ、失礼します。」

 

 ウェザートは恭しく腰を曲げて挨拶をすると彼の周りを濃い霧が覆っていく。霧が晴れればそこに既に姿は無く自分達も気付けば先程の荒野から元のナッツハウスへと戻ってきていた。

 時間もそれ程経っておらず、全員で夢でも見ていたのかと思ったが足元を見ると『お土産のお礼です。』という一言の手紙と共に【解けない氷で出来たピンクの胡蝶蘭】が置いてあった。

 

 

★★★

 

★★

 

 

 戻って来ましたよナイトメア社。相変わらず鬱屈としてますね、まあ社員の9割方が絶望してるんだから当然ですか。

 帰ってくる直前にお土産のお礼も渡しておきましたし、これで私の好感度上がりましたかね?

 

「ただ今戻りました。おやブンビーさんだけですか?」

 

「あ、おかえりなさいウェザートさん。いえ私だけじゃなくてですね...」

 

「私も居ますよ、ウェザートさん。」

 

 あぁこの人も居たんですね。私この人苦手なんですよね、嫌いとかじゃなくて苦手です。

 常に不気味な笑顔で何考えてるか分からず、掴みどころがありませんから。それ故にキュアドリームが絶望の仮面を破壊した時の焦り具合といったら内心愉悦ものでしたよ。

 

「聞きましたよ、ウェザートさん。貴方プリキュア達と戦ってきたそうではありませんか。」

 

「そうですが、それが何か?デスパライア様の命でしたので。」

 

「いえいえ、そこは問題では無いんですよ。ただ困るんですよねぇ。貴方が例の結界を張ったお陰で我々は何一つ見聞き出来ませんでした。」

 

「それこそ何も問題ありません。これは私〝だけ″がデスパライア様に命じられた事。必要な事は後日書類にして〝私が″デスパライア様に報告します。それとも貴方に何か不都合が?」

 

 ここまで全て笑顔のやりとりです。でもこれだけ感覚的にも物理的にも室内の温度が急激に下がった様な気がします。

 だからってブンビーさん今にも死にそうな青白い顔でガタガタ震えながら椅子の裏に隠れないで下さい、大丈夫ですから。

 

「いいえ、何も問題ありませんね。あぁそうそうその腕ですがどうされました?まさか貴方ともあろうお人がプリキュア〝如き″に敗けましたか?」

 

「いえいえ、この腕はギリンマさんが最後に倒された時の攻撃を〝態と″食らって受け止めた結果です。プリキュア最大の攻撃を耐えた、これは敗北とは言いませんね?」

 

「...そうですね。それでは私はお仕事がありますので失礼します。」

 

 そう言って去って行くカワリーノさん、いえカワリーノ。私アイツの事苦手じゃなくて嫌いになりました。アイツ、プリキュアの事如きって言いましたよ!いつか個人的に絶対零度で氷漬けにしてやろうか。

 おっといけないいけない。僅かながら怒気が滲み出たせいかブンビーさんが更に可哀想な状態に。

 まぁ片やパルミエ王国崩壊の直接の原因を作った事で功績を認められ幹部になった者。片やぽっと出の実力者だというだけで最高幹部になった者。前者が後者を良く思わないのは当然ですし何ならデスパライア様と自分以外は全て使い捨ての駒程度にしか思っていないのですから私の事を許せないのも当たり前ですか。

 

「ブンビーさん、私も今日は少し疲れました。少し仕事を片付けたら今日はもう休みますね。お疲れ様でした。」

 

「あッハイ!お疲れ様でした!」

 

 先の謝罪としてカワリーノ相手とは違う、せめてもの精一杯の笑顔で別れました。

 それにしても今日はとても良い経験が出来ました!良い夢が見れそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 悪の組織にいる者の考える事ではありませんね。今に始まったことではありませんが。




ログジョドド ザベ ヅズブンジャ


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第5話 晴・天・喫・茶

 プリキュア5のメンバー達を変身前状態の名前を表記する際前後をスペースで空けているのは単純に読みやすいかなと思いまして。メンバー全員下の名前が平仮名なので空けてみたのですが、読みにくかったら止めます。


 あれからまた少し日が経ちました。プリキュア5との戦闘記録及び彼女達の諦めない心(希望)の事を書類に纏めてデスパライア様に提出しました。

 仮面を付けている為表情は窺い知れませんが、ご期待にはお応え出来たようです。

 そういえばその後暫くしてブンビーさんの部署が解散したり新部署が出来たりアラクネアさんとガマオ君が倒されたそうです。

 今回の褒美としてボーナスと数週間あまりの休暇を頂けました。

 そういう訳で僅かばかりの仕事を片付けて私は今比較的ナッツハウスに近い場所にあるカフェテリアに来ています。運が良ければまた彼女達に出会えるかもしれませんからね。しかしこうして寛ぐというのも良いものですねぇ、プリキュア云々を抜きにしても充実した一時です。ナイトメア社に居ると暗い雰囲気でこうは行きませんから。

 

 おや、おやおやおや。噂をすればなんとやら、仲良さそうに談笑しながら5人で歩いて来られてます。しかも のぞみちゃん 、こまちさん、かれんさん のバッグからは気配が其々1つずつ。ココさん達も一緒ですね。

 相変わらず仲良き事は美しきかな。ふむ、向こうも漸く気付いて頂けたようです。こちらも目を合わせるとしましょう。軽く会釈してから座るよう目配せしました。

 最初は軽く警戒していたようですが周りのお客さんの目もあるので のぞみちゃん が先陣を切りました。他の皆さんもそれに続きます、毎度思いますけどこの娘達の度胸ってどうなってるんでしょうか。

 

「ごきげんよう、皆さん。暫くぶりですね、ショッピングか何かの途中ですか?」

 

「アンタこそこんな場所で何してんのよ。また何か企んでる訳?」

 

「ちょっと りんちゃんっ。そんな言い方しちゃダメだよ。」

 

「ははは、構いませんよ夢原のぞみさん。夏木りんさんの質問にお答えするなら何も企んでいませんよ。私は今休暇中なものでして。」

 

 まぁそりゃあ警戒されますよね。敵の幹部が休日にこんなに堂々とカフェでティータイムと洒落込んでいれば。

 それでも此処は元々私のお気に入りのお店なんですよね。以前ブンビーさんに差し上げたお茶とクッキーも此処で買った物ですしね。

 

『休暇中!?』

 

「お静かに、他のお客さんも居られるので。」シー

 

『あっ、ごめんなさい。』

 

 顔の前で人指し指を立てて静かにという様なジェスチャーをする。彼女達も声が少し大きかった事に気付き素直に謝罪されました。こういう素直に謝れるところは彼女達の一つの美点ですね。

 しかしそうですね、此処()では話せる内容も限られるしココさん達も出て来難い。少しマスターと話してくると言って席を外しました。

 マスターと話した内容は普段使っていない奥の部屋を使う許可でした。このカフェのマスターとは懇意にしているのもあってこういう我が儘を聞いてもらえます。マスターに彼女達を改めて招いてもらいました。

 

「この部屋なら遠慮無くお話が出来るでしょう。隠れている皆さんも出てきても大丈夫ですよ。」

 

 私の言葉にココさん達は頭を覗かせ出て来ました。ここは一番見た目的にも内面的にも大人な対応をするとしましょう。

 

「お話をする前に皆さん良ければ何か注文してはどうですか?」

 

「え、でもそれは...」

 

「遠慮なさらないで下さい、第一何も注文せずに長居というのもお店にご迷惑をお掛けしてしまいます。代金は私が持ちますので遠慮なさらず。」

 

 私の言葉に「確かに」というような表情をする皆さん。のぞみちゃん と うららちゃん、ココさんとミルクさんは既に壁とスタンドに挟まれているメニューに釘付けです。

 しかし他の方は未だ渋っているようです。注文するのは良くても私に奢られるのは抵抗があるのでしょう。ならば最後の一押しです。

 

「このカフェは私が貴女達プリキュアが現れる前から通っているお店なんですよ。和洋カフェという種類で和菓子と洋菓子、どちらも取り扱っていてどのメニューも絶品です。」

「洋菓子ならクッキー・ケーキ・チョコレート・シュークリーム、和菓子ならあられ、かりんとう、羊羹、豆大福と数多くの種類を扱っています。」

 

 メニューを語る私を見て先程の方々は更に目をキラキラさせ、こまちさん はもじもじとしてナッツさんすら「ナツゥ...。」と言って りんちゃん と かれんさん を見上げます。お2人も仕方ないとばかりに互いに苦笑いしました。これでやっと注文して頂けます。私もエクレアのお代わりを注文したかったですし。

 

「本当に良いのかしら、全員分ともなればそれなりになると思うのだけど。」

 

「構いませんよ、それだけの持ち合わせはあるつもりですし。何かを頂きながらの方が落ち着いてお話も出来るというものですから。」

 

 その言葉を皮切りに皆さんそれぞれメニューを見ながら注文内容を決めて行きます。まあ大体皆さん好物を注文されますよね。

 

「さて落ち着いて来た所で何をお話しましょうか。と言っても私もナイトメアの者、言える事には限度がありますが。」

 

「なら私から。私達はこれまで貴方達の仲間を3人倒したわ、それにドリームコレットを守る為に何度も貴方達の邪魔をして来たようなもの。それに対して貴方はどう思っているのかしら?」

 

 最初から割と重い事聞いてきましたね、かれんさん。こういう事を聞いてくるのが彼女の凄いところですね。個人的にコレットに関しては結構どうでも良いんですよねぇ。原作通り話が進むならカワリーノが手に入れてデスパライア様に献上するでしょうし。

 

「2番目の質問からお答えします。私個人はそこまでドリームコレットに執着していません。前にも説明した通り立場上早々現場に行けませんので。勿論デスパライア様に命じられれば私も全力でドリームコレットを奪取しに行きますので。」

 

 紅茶を一口含んでから再度口を開く。これが結構反感買いそうだから言いたくないんですけど、嘘も言いたくないですからねぇ。

 

「彼ら3人が倒された事、これに関しては0ではありませんが...そこまで大きな何か感じているかと言えば嘘になってしまいます。」

 

 私の言葉に皆さん其々険しい表情、哀しい表情をされる。無理もありませんね、どんなに強くても彼女達はまだ中学生なのですから。

 

「そんな...確かに倒したのは私達よ。でも仲間を倒されたのにあまり気にしていないなんて...。」

 

「貴女は優しいですね、秋元こまちさん。敵である我々にもその様なお気持ちを向けて下さるとは。分かって頂けないでしょうが我々には皆さん程の仲間意識を持つ者は殆ど居ないのですよ。」

「闘うという事はどういう事だと、思いますか?」

 

 敵であるナイトメアたる我々にもその優しさを向けてくれる こまちさん に一瞬ウルっと来てしまいそうになりました。

 質問にしっかりと答えるために敢えて私からも質問を投げかけます。

 

「〝たたかう″という事、についてですか?」

 

「はい、春日野うららさん。貴方はどのような事を思いますか?」

 

「はっきりとは、分からないです。でも!私も のぞみさん みたいにココたちの夢を叶えてあげたい。その為にドリームコレットを狙うナイトメアと〝たたかう″って決めました!」

 

「良いですね、それは。それでこそ貴女達プリキュアと言えます。」

「なら次は私の考えを話しましょう。これはあくまで私の考え、貴女達に押し付けるものでは無い事をお分かり下さい。」

 

 再び紅茶を一口含み一拍間を空ける。こうやって注目される事はやはりあまり慣れませんね。

 

「私は未だ貴女達とは一度しか闘っていません。しかしその一度の闘いで私は貴女達との闘いは命を懸けるだけの価値があると感じました。」

 

「命を、懸けるって...。」

 

「当然です、それだけの覚悟を持って挑むという事は当たり前です。戦場に立つという事は命のやり取り。自分が倒される事すら想定せずに挑むとは愚の骨頂。」

「そういう意味ではギリンマさんとアラクネアさんは称賛に値します。あの黒い仮面を自らの意志で着けたのですから。ガマオ君は、カワリーノに半ば騙される形で黒い仮面を着けましたから。」

 

 私の話を聞いて皆さん少し暗い顔をされます。やはり皆さん未だ中学生、この様な話は少し重すぎましたか。

 皆さんの為にも私はそろそろ失礼した方がよろしいですね。そろそろ失礼します。そう言って立ち上がった時に前と同じ様に声を掛けられました。

 

「待って!最後に一つだけ聞かせて、やっぱり何回考えても分かんなかった。あなたはやっぱり優しい人だよ、そんな人が何で酷いことばかりするナイトメアにいるのか分からなかった。だからどうしても聞きたいの。」

 

 のぞみちゃん の言葉に皆さんも合わせて立ち上がった私を真剣な表情で見上げました。のぞみちゃん 皆さん...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな純粋な目で見ないで下さいよおおぉ!!!ナイトメアにいる一番の理由が貴女達プリキュア5と会えると思ったからだなんて言える訳ないでしょううぅ!!!

 くっ、しかしこんな純粋な瞳を曇らせる訳にはムムム!

 そうだ!あの手がありました!嘘も言わずかと言って本当の事も言わない方法が!

 

「私がナイトメアに居る理由、ですか。そうですね一番の理由はデスパライア様に恩義があるからです。」

 

「えっと、助けられたって事?」

 

「その通りです。私が私として目が覚めた時、私は自分自身についての記憶がありませんでした。」

 

「あっ...ごめんなさい、ウェザートさん。」

 

「気にしないで下さい。私もその事に関してあまり気にしていません。どういう訳か力の使い方は知っていました。その時目の前にデスパライア様が現れナイトメア社にスカウトされました。」

「こんな何処の誰かも分からない私を力が強いという理由のみで幹部にまで引き上げて下さりました。私は少なくともこの恩を返せたと判断できるまではデスパライア様の下に居るつもりです。」

 

「そうなんだ、ウェザートさんはいつか記憶が戻って欲しいって思う?」

 

「いいえ、今の私はおそらく以前の私では見た事が無い程素晴らしいものを見れている筈ですから。では、機会があればいずれ。」

 

 ふうぅ~何とか誤魔化せましたかね。浮かれ気分でプリキュアに会えるかもと態々テラスでお茶してましたけど、こういう事になりかねないから控えるべきですね。

 

「それと、あの氷の綺麗なお花!ありがとう!みんなで大切にしてるよ!」

 

 その言葉に先程の焦りは何処へやら。片手を挙げて部屋を後にすると気持ち軽快な歩みで支払いを済ませて店を出ました。

 今日の天気は私の能力が無意識に作用したのかそうでないのか、それでも今の私の心を表すような気持ちの良い雲一つない青空でした。




 別に りんちゃん のセリフや描写が少なかったのは忘れてた訳でも冷遇してるわけでも無いんです。単なる私の技術力の問題です。


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第6話 異常気象の消える日

 こんなに短期間でプリキュアタグの総合評価上位に来れるなんて考えていませんでした。

 応援ありがとうございます。


 前からまたまた時間が過ぎました。休暇も終えて仕事を再開、と言っても事務・書類仕事を中心に新部署の視察といった本当にサラリーマンの様な内容でした。

 っと思っていたらデスパライア様からお呼び出しです。側近であるカワリーノが居ないという事は以前と同じく私個人への内容の様です。その内容ですが...

 

「プリキュア達と戦えと、もう一度?それは願ってもいないことですがまた何故でしょうか。」

 

「耳が早いお主の事だ。私が既にあの者達と一度戦った事は知っているな。」

 

「それは勿論存じ上げておりますが、その時に何かございましたか?」

 

「あの力は危険過ぎる、今すぐにでもドリームコレットを入手する必要がある。だが未だあ奴らにも未知数な力があるやもしれぬ。」

「かつてよりも衰えているとはいえ、あの者に負傷を負わされた。故にお主に命じたい、以前は調査として出向いてもらったが今回は私にもお主とあ奴らの戦う様を見せよ。」

 

「...ご命令とあらば如何様にも。しかしドリームコレットに関しては1つだけ具申したい事が。」

 

「申してみるが良い。」

 

 まさかこの時期にデスパライア様から出撃を命じられるとは思いませんでした。この時期、つまりあと少しでピンキーが55体に近づいてくるということだ。ハデーニャさんが既に黒い仮面によってプリキュアに倒され、クリスマスも過ぎていると言ったら分かって頂けるだろうか。前後の会話からも遠回しに可能ならばコレットを奪って来いという意味でしょうし。

 だからこそこれは賭けに近い、どうか賭けに勝てますように。

 

「私のプリキュア研究ではあと少しでドリームコレットを使用可能状態、即ちピンキーを55体集めた状態に到達致します。」

 

「それは本当か?」

 

「はい、そしてどうやらピンキー達は自らプリキュア達の近くに寄っていく性質があります。この性質を逆手に取りプリキュア達に最後までピンキー達を集めさせるのです。」

 

「何だと?しかしそれでは奴らに先に願いが叶えられてしまう。」

 

「いえ、最後の一体が集まった瞬間が狙いです。どのような生き物も目的が達成しそうになった瞬間が最も気が緩むもの。54体目が揃った辺りから実力者、ブラッディさん程の方なら気配すら分からせず監視出来る筈です。」

 

 どうですか、失敗すれば私がコレットを奪いに行くハメになります。私が現れた時点で既にガタついているでしょうがこれ以上原作を壊す訳には行きません。

 さぁ、どう来ますかデスパライア様。

 

「...良いだろう。ウェザート、お主の案を呑もう。今のナイトメアは人手不足、活用できるものは何でも使うのも一つの手段か。」

 

「ありがたき幸せ。では私はプリキュア達に一刻も早くピンキーを全て集めさせる為に、その様な演技をしてみます。」

「また、他の邪魔が入らぬようデスパライア様のみご覧になれる様に結界を張らせて頂きます。」

 

 人手不足なのは貴女の側近がどんどん消して行っているからなのですけどね。

 あぁでもプリキュア達を脅かす演技ですか、完全に嫌われないと良いのですが。

 おっと、もう一つ大事な事を忘れるところでした。

 

「それと一つ、お願いしたい事がございます。」

 

「願いだと?申してみよ、お主が必要とあらば用意しよう。」

 

「はい、それは...

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 お願い、聞いてもらえる様でよかったです。聞き入れて貰えなければ正式に謀反を考えなければいけませんからね。

 問題です。私は今何処にいるでしょうか?答えはサンクルミエール学園の校庭です。クイズになっていませんね。さて何故私がこんな所にいるのか?答えは簡単です。

 

「見つけたよ、ウェザートさん!この手紙っ!」

 

「お待ちしていましたよ、プリキュアの皆さん。キュアドリーム、私の手紙は読んで頂けましたか?」

 

「読んだよ、みんなで。ねぇ、どういう事?だって...。」

 

 私は笑う、最初に出会った時の様な人の良さそうな笑顔で。

 彼女達は、哀し気に俯いてくれる。所詮敵でしかない私の為に心を痛めてくれる。

 

「これが最後の戦いってどういう事なの?」

 

「これは可笑しな事を仰る。最初会った時も言ったでしょう、私はナイトメア。貴女達プリキュアの敵でしか無いのです。」

「最後と書いたのは本日は私の全力を以って貴女達を倒し、ドリームコレットを奪うからという意味です。故に」パチン

 

 いつかの日と同じ様にフィンガースナップで周囲を結界で覆い景色を荒野へと変える。

 

「以前とは比べ物になりませんよ。さあ来なさいプリキュア5!」

 

「みんな!行くよ!」

 

プリキュア・メタモルフォーゼ!

 

大いなる希望の力! キュアドリーム!

 

情熱の赤い炎! キュアルージュ!

 

はじけるレモンの香り! キュアレモネード!

 

安らぎの緑の大地 キュアミント!

 

知性の青き泉! キュアアクア!

 

 

希望の力と未来の光

 

華麗に羽ばたく5つの心 Yes!プリキュア5!

 

 いつ見ても綺麗ですね。しかし、だからといって今回ばかりは私も手は抜けません。

 これで良かったのです。私がナイトメアでいる限り彼女達とは相容れない。

 

想覚

 

「今回は私から行かせて頂きます。食らいなさい!」

 

 そう叫ぶと共に両腕を前に突き出し虹の光線を乱射し続ける。プリキュアの皆さんは勿論回避しようとします。が乱射の為に軌道が定まらず回避し難く此方に近寄れません。

 

させないわ!

プリキュア・ミント・プロテクション!

 

 キュアミントによって虹の光線は防がれましたか。その際地面に当たった光線の所為で土煙が上がってしまいました。

 しかし、高威力では無いとはいえ決して低くない威力。それを初期の技で防ぐとは。

 さぁどう来ますか、プリキュア5。

 

プリキュア・レモネード・フラッシュ!

 

「くっ!」

 

 上空からですか!完璧と言っていい程コントロール出来ています、蝶の殆どが私の上半身に命中している!

 更に上方前後左右から命中している為周囲が視認出来ない!

 

「調子に乗らないことです!キュアレモネード、また雷をプレゼント...何!」

 

 反撃として蝶が飛んでくる方向に雷を放つとそこにキュアレモネードの姿はありませんでした。

 蝶は態と軌道を変えてから私に向かって来ていたのです。

 

私はあなた程自分の力を上手く扱えていないのかもしれません。それでも私は一人じゃない!

 

貴男は以前私達の力が殆ど通じなかった。それでいて私の守りも突破した、私悔しかったわ。でもね分かったのよ、私の力は誰かを守りたいという思いの力。だったらもうどんな攻撃が来ようと絶対に負けないわ!

 

 2人の息の合った回し蹴りを咄嗟に両腕をクロスさせて防ぐ。

 以前よりも重くなった蹴り、しっかりと彼女達も成長している様です。しかし、

 

「私に簡単に近づいた事は間違いですよ!塵芥の様に吹き飛びなさい!」

 

きゃあああぁ!!!

 

 暴風を起こして2人を吹き飛ばし岩壁に叩きつけました。暫く立てないでしょう。

 しかし失態です、彼女たちにばかり意識を向けていた事で今になって彼女の接近に気付きました。

 振り返った時には既に遅かった様です。

 

プリキュア・ドリーム・アタック!

 

 以前彼女に教えた様に鳩尾に近距離で食らってしまいました。体が僅かに浮かび上がり後退させられました。

 

私は勉強もダメだしスポーツだってダメ。それでも!私の事を思ってアドバイスしてくれた人がいたならそれに応えたい!

 

プリキュア・ルージュ・ファイヤー!

 

プリキュア・アクア・ストリーム!

 

 今度は私の背後でルージュアクアの技が同時に命中し水蒸気爆発を起こして私は更に吹き飛ばされた。

 初期の技で初めてダメージを負った事に驚きました。

 

私は今でも頭に血が上りやすい。でもね仲間の良いところを良く見て見習う事が出来る!

 

私もよ、貴男に言われた様に皆より少し出遅れる事があるわ。それでもこうして仲間と力を合わせれば以前の私を超えられる!

 

 嬉しかった。皆さんが私の言葉を受け止めてここまで成長してくれていた事が。

 私は少し彼女達を侮っていたようです。この様な失態で何がファンと言えますか。

 このままでは彼女達に失礼です。

 

あなたがドリームコレットを狙うと言うんなら!

 

私達は何度だって!

 

止めてみせると決めたから!

 

 私に対してここまでの覚悟を見せてくれた彼女達プリキュア5。

 ならば私も出し惜しみはしません。【ウェザー・ドーパント】には専用武器があるのをご存じですか?その名を万能チェーン武器【ウェザーマイン】。

 本来ならば強力な物理攻撃を可能とする武装、しかし今回はそれに私の能力も追加しましょう。

 

「お見事です。ここまで予想を超えるレベルで成長されているとは驚きです。正直侮っていました、故に今からは1つギアを上げて行きますよ!」

 

 その一言と共にウェザーマインを手に一瞬で彼女達の上方から腕を振り上げた状態で迫る私。

 チェーン武器の名の通りウェザーマインの先端からは鎖状のエネルギーが撓った状態で出現しました。しかしそれも最初のみ、直ぐに一直線に並ぶとそのまま氷の刀身が出現しました。

 彼女達もギリギリ回避します。氷剣を振り下ろした場所はクレーター状に陥没すると共に周囲を凍てつかせました。

 

剣!?だったら私が!

 

 武器勝負に持ち込むつもりかアクアがアクアリボンから刀身を出現させて挑んできました。

 しかし、ウェザーマインと触れた途端彼女の刀身は凍りつき粉々に砕け散りました。

 

くっ!それなら!

 

プリキュア・アクア・トルネード!

 

 近接では即座に不利と悟り強化技を仕掛けてくるアクア

 流石知性のプリキュア、素早い判断です。しかし、

 

「以前よりも判断が早かった事は称賛します。その判断が正しかったかは別ですよ。その激流、頂きます!」

 

 私は自身を守るように竜巻を出現させました。私の竜巻と彼女の激流、両者はぶつかり混ざり合う事で渦潮の様になります。

 

「そのまま返して差し上げます。」

 

させないと言ったでしょう!仲間は私が守ってみせるもの!

プリキュア・ミント・シールド!

 

 アクアの攻撃をカウンターとして放った私の攻撃を受け止めてみせるミント

 以前の彼女では防ぎ切れなかった攻撃、それを防ぎ拮抗してみせた。いえ、これは徐々に押し返されている。

 

はあぁ!

 

 カウンターをカウンターで返されるとは失笑ものですね。

 シールドの勢いを付けて更に威力を増した渦潮が私に迫る。

 

「ならば更に利用するだけの事です!」

 

 渦の中心にウェザーマインを突き入れる事で渦潮は凍りつきました。そのままウェザーマインは氷剣から巨大な氷の螺旋槍へと姿を変えました。

 未だシールドを張っているミント。私はウェザーマインを地面に突き刺し強力な電撃を放ちました。これを防げますか?

 

ッ!?

 

 即座にシールドを解除して回避するアクアミント

 しかし私が相手をするのは彼女達だけではありません。

 

私らを!

 

忘れてもらっては困ります!

 

 ルージュレモネードが既に私の後方でルージュタクトとレモネードカスタネットを構えていました。

 振り向くと共に必殺技の準備は完了しています。

 

プリキュア・ルージュ・バーニング!

 

プリキュア・レモネード・シャイニング!

 

 彼女達の必殺技は私に同時に着弾...しませんでした。

 呆気にとられています。それもその筈、彼女たちの技は私に命中したように見えていたのでしょう。

 その実私は技が放たれる前に距離を取っており、私に見えていたのは陽炎や蜃気楼の原理を利用して光を屈折させて作り出した身代わりだったのです。

 

「良い連携です。しかし直撃です!」

 

 ウェザーマインで薙ぎ払いルージュレモネードと吹き飛ばし彼女と向き合います。

 

「さぁ、最後は貴女だけですよキュアドリーム。」

 

行くよ!ウェザートさん!

 

 ドリームトーチを取り出し構えるドリーム

 私も前方に高密度の雷雲を発生させ待機状態に入ります。

 

プリキュア・クリスタル・シュート!

 

 大量の結晶が迫る中、私も腰を落とし一度螺旋槍となったウェザーマインを後方へ向ける。

 迫る結晶距離にして半分になった瞬間、勢いよくウェザーマインで前方の雷雲を突き穿ち私の必殺技(・・・)を放ちます。

 

MAXIMUMKERAUNOS!」

 

 結晶とぶつかり競り合いを起こす私の大雷撃。以前見せたとは比べ物にならない程の威力と規模。

 ドリームも負けじと力を込めてきます。この競り合いに打ち勝ったのは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きゃあああぁ!

 

 私でした。

 ドリームも直撃こそ避けましたが、その余波で大きなダメージを負い傷だらけ。

 もう立てない、立てない筈なのに。彼女は、

 

まだ、私たち負けてないよ!

 

 仲間の肩を借りて立ち上がりました。

 その後私は何度も彼女達を甚振り続けました。その度に彼女達は立ち上がり続ける。

 何度でも、何度でも、何度でも。

 ボロボロで、傷だらけで、今にも折れてしまいそうなのに、それでも震えながら何度もでも立ち上がります。

 

 これは、私の負けですね。ここまで何度も倒れても立ち上がる彼女達の姿を見せればデスパライア様のオーダーにも十分応えられたでしょう。

 これが試合に勝って勝負に負けたというものなんですかねぇ。

 

「私の負けです、プリキュア5。今日はもう大人しく退散いたします。」

「しかし、これだけでは覚えておきなさい。私以外にもコレットを狙うナイトメアは未だ居る。それを防ぎたいのなら直ぐにでもコレットを完成させる事です。」

 

 踵を返し去るように見せかけデスパライア様とのリンクを切って立ち止まります。

 そのままの状態で私がナイトメアとして出来る最後の忠告をします。

 

「カワリーノに気を付けなさい。」

 

 それを最後に今度こそ立ち去りボロボロの彼女達を学園ではなくナッツハウスへと転移させます。

 このくらいのお節介なら、いいですよね?

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 戻って来ましたナイトメア社。今回は直接デスパライア様の下に来てます。

 満足してもらったと判断したから戻って来ましたけどぶっちゃけ5割と言ったところなのでちょっと緊張気味です。

 

「ただ今戻りました、デスパライア様。」

 

「うむ、よくぞ働いてくれた。」

 

「ご期待に応えられたようで何よりです。」

 

 満足されてた様で良かったです。これで肩の荷が下りたというものですよ。ふ~

 

「...それで褒美、いや願いの件だったな。今すぐが良いのか?」

 

「はい、よろしくお願いいたします。」

 

「分かった、お主の願い。今ここで叶えてやろう。」

 

 私がデスパライア様に願った事、それは...

 

 

 

 

「それと一つ、お願いしたい事がございます。」

 

 

 

「願いだと?申してみよ、お主が必要とあらば用意しよう。」

 

 

 

「はい、それは契約(・・)を果たして頂きたいのです。」

 

「...そうか、お主との契約を。それをお主は願うか。」

 

「了承しよう、お主が私の依頼を完了した暁にはその願いを叶えよう。」

 

 私とデスパライア様の間に執り行われた契約。その内容は私がいつでもナイトメアを辞める事が出来るというもの。

 そのいつでもというのは本当にいつでも。その代わり私はデスパライア様が満足できるように仕事をし続ける。その見返りこそが幹部としての私の立場。

 本来ならば辞めようなどすれば裏切り者や処刑などの処分がされてもおかしくありません。しかしこの契約はその一切が介入出来ず、尚且つ私をナイトメアに縛り付けておくというものでした。

 提案したのは私でしたし、仕事ぶりから直ぐにデスパライア様からの信用をいただけました。

 だからこそ、この先もう長く続かないナイトメアを辞める為に今回契約を持ち出させて頂きました。

 

 

 

 

「さあ、契約書を出すが良い。」

 

「ここに。」

 

 懐からグレー一色の紙を取り出しデスパライア様に渡す。何も書かれていない様に見えますがこの紙自体が契約そのものを表すもの。契約を完了しなければ決して破壊も破棄も出来ない代物。

 

「デスパライアの名の下に、ウェザートとの間に交わした契約を果たした事をここに証明する。」

 

 デスパライア様の宣言と共にグレーの紙は跡形も無く消え去った。これで契約は完了したという事でしょう。

 

「今までよくぞ働いてくれた。永く感じていたが、そうかお主が来てまだ数年しか経っておらなかったか。」

 

「他の皆さんに比べれば私など新人も良い所ですよ。」

 

「フフ、違いない。それでお主はこれからどうするつもりだ?」

 

「自室に少し仕事が残っていますので、それを終わらせてから完全に退社させて頂きます。」

 

「分かった。何度も言うが、ご苦労だった。」

 

 礼をした後私はデスパライア様の部屋を出て行った。

 あのお方は決して良い人ではないのでしょう。目的の為なら手段を択ばない冷酷な人、しかし一度信用し心を許した者には良くしてくれる方だった。

 その在り方は私が好きで好きで已まない彼女達と似ていたのかもしれません。

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 

 あれから誰とも顔を会わせず自室にて残りの仕事を片付けました。

 数日は過ぎた筈ですが今日がいよいよ私の退社日です。

 最後に各部署にでも挨拶でもして行きましょうか...そう考えていた時です。

 

 そうだ、そうだ何故忘れていた!だって、今日は!

 

「おや、どうされましたか?ウェザートさん、何かご用ですか?」

 

「貴方こそ何をしているのですか、カワリーノ。」

 

 黒い仮面をブラッディさんに無理やり付けているカワリーノの姿があった。

 そうだ今日はドリームコレットが完成し、その事をブラッディさんがカワリーノに報告した事で用済みとして処分されてしまう日だ。

 

「いえ、もう用済みだったのでこうして引退して頂いていた所ですよ。貴方こそ何です、その荷物は?」

 

「私は今日限りを以ってナイトメアを退社させて貰いました。デスパライア様とそういう契約でしたので。」

 

「今、何と?辞めると言いましたか!?デスパライア様に仕える事こそが至上の喜びであるというのに裏切り辞めるというのですか!?」

「...フフフ、少し予定変更です。」パチン

 

「ガアアアァァ!!!」

 

 カワリーノが暴走したブラッディさんを操り私に差し向けてきました。

 人間態なのもあり咄嗟に受け止める事しか出来ませんでした。そして...しくじりました。

 

「そのまま押さえていて下さいね、ブラッディさん。役立たずの貴方が最後に役立てる瞬間ですよ。」

「貴方々にはそのまま絶望の闇に堕ちて頂きます。裏切り者と役立たずには相応しい最期でしょう?あぁご安心を、ドリームコレットは私が手に入れデスパライア様に献上しますので。」

 

 その言葉を最後に私とブラッディさんは完全に闇に沈んで行った。

 あぁ、こんな所で。プリキュア5、貴女達が明日への希望です。

 どうか、頑張って...




 展開が早すぎたかなとも思ったんですけどこの位じゃないとやりたい事が出来ないんです。ごめんなさい。

 あと少し最終回なんですけど、主人公を生かすか死なすか迷っています。


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第7話 還ってきたW/絶望しない男

小説書くのに47話見返してたんですけど作画ミスなのか黒い扉から闘技場に行くシーン、のぞみちゃん と かれんさんピンキーキャッチュ付けてないんですよね。


「う~ん...ココォ!?ナイトメアがっ!!ナッツ!ドリームコレットは!?」

 

「ナツ...。」フルフル

 

「そんなぁ!?」

 

 プリキュア達はピンキーを55体集め気が緩んでしまっていた隙を突かれてカワリーノにドリームコレットを奪われてしまっていた。

 気絶させられ成り代わられていたココは酷くショックを受けていた。その悲痛さは他の皆も同様、特にパルミエ王国出身の者達はかなり落ち込んでいた。

 その中でもカワリーノに騙される形とは言え直接ドリームコレットを渡してしまったミルクの落ち込み具合は半端ではない。

 

「ウェザートさんが言っていた『カワリーノに気を付けなさい』ってこういう事だったのね。それなのに折角の忠告を無碍にしてしてしまったわ...。」

 

「かれん、あまり一人で抱え込まないで。貴女だけじゃないわ、私も皆も油断してしまっていたのよ。」

 

 どうにか皆お互いに励まそうとはするものの事の重大さ故にいつもの様に行かない。

 しかし、そんな時でも希望を見失わ(諦め)ない存在がいる。

 

「誰のせいでもでもないよ。」

 

「のぞみ?」

 

「大切なのはこれからどうするか、だよね。ココ!」

「今までだって沢山ピンチはあったじゃない。でも私たちは絶対諦めなかった!」

 

 その言葉に皆の表情からは暗さが先程よりも薄れて行った。

 それでも未だ空気は重い。しかし のぞみ はそんな事知るものかと言葉を続ける。

 

「さぁって、それじゃ行こっか。」

 

「え、何処に?」

 

「ドリームコレットを、取り返しに!」

 

 空を指差しながらそう宣言する のぞみ。その言葉にココとナッツ、ミルクは俯き既にドリームコレットを使われているかもしれない。ドリームコレットを使えるのは一度限りだと言い落ち込んでしまう。

 しかし、そうはならないのがプリキュア5のリーダー夢原のぞみ だ。力強く空を指差しもし本当に使われてしまっているのならこんなにも空が綺麗な筈が無いと言いきった。

 その言葉に皆が一筋の希望を見出しやっと笑顔を見せ始めた。

 そして皆でドリームコレットを取り返しに行こうと決めようとした時...

 

「よーし!それじゃあ皆で取り返しに行くぞー!けっte...」「って のぞみ!」

 

「うぇ!?何、りんちゃん?」

 

「後ろ、後ろの花が!」

 

 のぞみ のいつもの決定を遮り りん が彼女の後ろを指差す。

 そこにはいつかの日にウェザートに貰った氷で出来た胡蝶蘭があった。そこまではいつもの事だがその胡蝶蘭が突如キラキラと輝き始めた。

 一同は先程の事を一瞬忘れてしまう程驚愕したがどうにか冷静になろうとした。その時胡蝶蘭全体の輝きが一つの花に集まり50cm程照射した。

 まるでコンパスの様にどこか場所を示しているように。

 のぞみ が試しに胡蝶蘭を持ってみて動かしてみるが光は同じ方向を指し続けている。

 

「みんな、行こう!」

 

『うん(はい)(ええ)(ココ)(ナツ)(ミル)!!!』

 

(ありがとう、ウェザートさん!)

 

 

 

 

 胡蝶蘭の光が指示した場所はとある広場。

 そこまで来ると花からは先程の様な輝きが消えいつも通りの状態に戻ってしまった。

 

「...消えちゃいまいしたね。」

 

「でも、此処で消えたんなら何かあるかもしれないナツ!」

 

「そうよね、ナッツさん。皆でこの辺りを何か手掛かりが無いか探してみましょう。」

 

 ナッツと こまち の言葉に皆が頷いて周囲を散策しようと決めた。

 その時思いもよらない声が聞こえて来た。

 

「おや皆さん、こんな所で何をされているんですか?」

 

「アンタは、カワリーノ!」

(やっぱりウェザートさんは私たちをコイツが来る所まで案内してくれたんだ!)

 

「こんな所で何をなされていたのか知りませんが丁度良い、探す手間が省けませした。」

 

 彼女たちはココ達の為にもドリームコレットを返せと要求する。

 そんな のぞみ達を嘲笑うように返せないと言い、返して欲しければと、ナイトメアに通じる黒い扉を出現させた。

 

 扉を潜った先ではかつて超獣化したギリンマと戦った闘技場。

 玉座ではドリームコレットを手にしているが未だ使用していないデスパライアがいた。

 カワリーノは自身に勝って見事ドリームコレットを取り返してみろと言い立ちはだかる。のぞみ達はプリキュアへと変身しカワリーノはカメレオンを彷彿とさせる魔人の姿へと変わった。

 ここからは原作通り戦い始める両者。僅かな違いはカワリーノの予想よりもプリキュア達が強くなっていた事だろう。しかし、それでもプリキュア達を蹂躙してみせたカワリーノ。

 

「フフフ、思っていたよりもやるようですが所詮この程度です。しかし悔しがる必要はありませんよ、こうなる事は最初から分かっていたのですから。」

 

 自分達の攻撃を全て尻尾で絡めとり逆に利用してしまう強さにプリキュア達はウェザートと戦っていた時の事を思い出していた。

 

「しかし、このままお別れしてしまうのも勿体無いですねぇ。おぉ!そうだ、良かったら私の部下になりませんか?」

「今までの使えない部下たちや処分した裏切り者のウェザート(・・・・・)と違ってずっといい仕事をしてくれそうだ。」

 

 その言葉に愕然とした。部下になれと言ってきた事にでは無い。

 ウェザートを処分したという言葉にだ。デスパライアでさえも「カワリーノ、貴様何故...」と呟いた辺りデスパライアでさえも知らなかったようだ。

 

アンタ今なんて言ったの!ウェザートさんを処分とか裏切りとかどういう事よ!

 

「おや、そこに食いつきますか。あの者はナイトメアを辞めたのですよ、組織を辞めるなど裏切りも同然。役立たずとして見切りを付けたブラッディさん共々絶望の闇へと堕ちて頂きました。」

「それにあの者の動きは何処かおかしかったのですよ。貴女達プリキュアの存在を知ってから研究だ何だと言って自室に籠りきり。そして外に出たかと思ったら貴女達と会っていた様ではないですか。」

「そして一番怪しいと感じたのは奴と貴女達が戦った後ですよ。しっかりと貴女達は強くなっていたと言うではないですか。ナイトメアを辞めた後は貴女達の方に鞍替えするつもりだったのかもしれませんねぇ。消して正解でしたよ。」

 

 まさかたったそれだけの事でウェザートを消したのかと彼女達は怒りが湧いた。

 確かにプリキュアとナイトメアという敵対関係でこそあったが、そこには確かにそれ以上の絆と呼べるモノがあったと言える。

 歳の離れた友人のような、自分達の事を客観的に見てくれる父性を持った教師のような存在にも感じていた。

 自分達が不躾な質問をしてしまった時も笑顔を絶やさずこちらに気を使い優しくしてくれた。

 最後に戦った時も態々忠告までしてくれて、ボロボロになってしまった自分達を学園ではなくナッツハウスまで送ってくれた。

 そして自身が居なくなっても自分達を導いてくれた綺麗な胡蝶蘭を贈ってくれた。

 そんな彼を消したというカワリーノが許せなかった。

 

 しかし、カワリーノは更に続ける。ナッツが嘗て傷ついたピンキーだと思い門を開いて招き入れたのは自分なのだと。嘲笑う様にナッツに感謝を述べる。自身を騙したカワリーノに飛び掛かっていくナッツ、更にその後を追うココとミントを軽くあしらう。

 

 

アンタ絶対許さない!

 

ココとナッツ、ミルクの故郷を滅ぼしておいて!

 

まったく悪びれもしない!

 

そして更に皆を傷付けて!

 

剰えあんなに優しかったウェザートさんまで手に掛けるなんて!

 

 此処までのカワリーノの所業にかつてない程に堪忍袋の緒が切れた。しかし、

 

「許さない?おかしな事を言いますねぇ。パルミエ王国は兎も角、奴が裏切り者になったのはそもそも貴女達プリキュアが現れたからではないのですか。」

 

 そんな怒りは砕け散ってしまった。奴の言う事など荒唐無稽、頭ではそう考えようとしても本当にそうなのか?と頭が埋め尽くされる。

 

 どうにか助けようとココとナッツは俯いていたミルクに声を掛けプリキュアの力になるよう頼んだ。またしても、

 

「そうはさせませんよ。貴女にはコレ(絶望)がお似合いです。」

 

「嫌ミル!ミルクは絶望なんてしたくないミル!」

 

「あぁそうだ、ドリームコレット。ありがとうございます。」

 

 その一言で絶望してしまいミルクは絶望の仮面を付けられてしまった。

 ココ達もプリキュア達もその光景に呆然とした。

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 

 ここに堕とされて一体どれだけの時間が経ったのでしょうか。1分?1時間?1日?それとも1年でしょうか?

 まず最初に視覚が、次に時間感覚が失われました。周囲はとても暗く昏い闇そのもの。自分の手足の場所さえ把握に困るほど何も見えず、何も聞こえず、何も感じない。

 こんな場所から執念のみでカワリーノをブラッディさんは道連れに出来たのだから敬服しますよ。そのブラッディさんともこの闇に堕ちた瞬間に何処へやら。

 おそらく完全に闇へと飲まれた事でカワリーノの支配から解き放たれたのでしょう。私を放すと何処かへ行かれました。まぁ見えないし聞こえないので直ぐ隣に居るかもしれませんがね。

 次に日光を利用して周囲を照らせないかとも考えましたけど、失敗しました。一瞬のみ照らせましたが私が出した光は直ぐに周囲の闇へと吸収されてしまいました。体力の無駄だと判断して直ぐに止めましたよ。

 

 あーあ、何故あそこで油断してしまったのでしょうか。っていうか自分でフラグ立てて回収してましたよ。何が「どのような生き物も目的が達成しそうになった瞬間が最も気が緩むもの。」キリですか。自分で言って自分で実践してたら世話ないです。(...カー...)

 黒歴史を新たに更新しちゃいましたよ!あぁ此処床も壁も無いからゴロゴロとのたうち回る事も出来ません。(ピカー...)

 大体カワリーノが現状で最も警戒するべき相手なんですからブラッディさんに仮面付けてる時点で問答無用で変身していれば良かったんですよ。(ピカー)

 そもそも何各部署に最後の挨拶回りみたいな本当のサラリーマンみたいな事やっちゃってんですか。ナイトメアは立派な悪のそしki(ピカー!)あぁ!もう何です!さっきからピカピカ、ピカピカ!そんなに輝いたら眩しいじゃないですか!こちとら今大事な後悔を...ん?

 

 ピカピカ?この闇の中で?輝く?どうやって?眩しい?何処から?

 えっ、私の懐!?急いでコートの内ポケットを探る。

 こ、コレは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プリキュア5ウォッチ(私命名)(仮)!!!

 あぁそうだ、この世界に来てふと持ち物を探った時に何故か持ってたブランクライドウォッチ。それが最初にプリキュア5と戦った時の最後に【プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン】を受けて変化したんでした。

 前面のリングパーツ、ウェイクベゼルを回すと5つ蝶のマークになったから驚きましたよ。起動させたら重いっきり小山〇也ボイスで【プリキュア5!】って言いますし。

 起動させた場所が私の結界内で良かったです。ナイトメア本部で起動させた日にはデスパライア様がすっ飛んでくるかもしれない程の希望の力に溢れていました。

 

 因みに去り際に取り出した懐中時計ってコレの事だったんです。後ろ向いた瞬間コートの内側がピカッっと光りまして内心焦りまくってました。のぞみちゃん に呼び止められた時は心臓バックバクだったのは言うまでも無いでしょう?

 

 それにしてもこの闇の中でも輝き続けるなんて凄いですね。流石に範囲は私の周囲といった所ですが照らせている。しかし何故突然?私が寂しくなったから照らしてくれた訳でもないでしょうに...ん?

 ウォッチの光が伸びて行く。これは、追ってみるしかありませんね。

 

 ウォッチの光に導かれて辿り着いた場所。その光景とは、

 

 

 

 (なるほど、神様という存在がいるのなら感謝します。私は未だ自分の罪を数える機会がありそうだ。)

 

 

☆ ☆ ☆

 

☆ ☆

 

 

 

 時間は少し経った闘技場。あれからデスパライアはドリームコレットを使用して願いを叶えてしまい永遠の命と若さを手に入れてしまっていた。

 カワリーノは更にプリキュア達を絶望させようと、自分を倒してももはやどうする事も出来ないと言い彼女達を甚振った。

 そして最後の仕上げだと言って彼女達の足元に絶望の闇を展開させた。

 

「それは裏切り者のウェザートも堕ちた絶望した者を飲みこむ絶望の闇。その闇に飲まれたら最後永遠に闇の中を彷徨い続ける事になるのです。」

「ほら、早速皆さんの絶望の匂いを嗅ぎつけて来ましたよ。...何?」

 

 他の4人の足元には既に準備完了とでも言うように闇が展開されているがドリームには闇が寄り付けていなかった。

 震える足を支えに何とか立ち上がる。

 

 過去カワリーノの策略によって仲間を失いかけた事。そんな思いはもうしたくないと叫ぶドリーム。しかし、とうとう肉体の限界か倒れ込んでしまう。

 

「この様な状況の何処に希望があるというのです。呑まれてしまいなさい。」

 

 自分の勝ちを確信し嘲るカワリーノの姿を最後にドリームの下にも闇が寄って来た。

 

 それでも彼女達は何度も何度でもどの様な闇の中でも希望を見出してきたプリキュア5。この様な状況下でも自分達は将来どんな事をしたいのかと自分達の明日(希望)を話す。

 絶望しきらない為に彼女達の周りの闇は揺らぎ始める。

 

「!?絶望の闇がッ!?」

 

みんな、今将来の夢を話したよね。ってことは

 

私達は未来を諦めていない!

 

そうよ、まだまだやりたい事がいっぱいあるんだから!

 

こんな所で、挫けてる訳にはいかないですよね!

 

皆で力を合わせれば!

 

みんなで力を合わせれば何でも出来るんだから!

 

 立ち上がる。何度でも何度でも、挫けても良い倒れても良い。その度に彼女達にお互いを支え合える仲間がいるのだから。

 そして、

 

 

「その通りです。」

 

 彼女達の足元にあった闇の中からカワリーノに堕とされたというウェザートが光と共に出現し周囲の闇を吹き飛ばした。

 

ウェザートさん!

 

「お久しぶり、かは分かりませんがあの時以来ですね皆さん。」

 

 一度堕ちれば永遠に彷徨い続けるという絶望の闇から帰還してみせたウェザートに両者共驚愕する。っと言っても片方は歓迎、もう片方は理解不能という事によるもの。

 

「ありがとうございます。皆さんのどのような絶望()にも負けない希望()のお陰で私はあの闇から戻る事が出来ました。」

 

どういう事?私たちのおかげって?

 

「それはですね...」

 

「何故だぁ!何故だ何故絶望の闇から戻った!?」

 

 ウェザートがプリキュアにお礼と説明をしようとしているとカワリーノが割り込んで来た。ウェザートは「やれやれ」と言わんばかりに溜息を吐き、

 

「何ですかカワリーノ、図体が大きくなった所為で空気を読む程度の脳比率も低下しましたか?」

 

「貴様ぁ!!!」

 

「そもそも何故も何もありません。あの闇にはカワリーノ、お前が無理矢理私を堕としたのでしょうが。絶望した者を引き込み永遠に彷徨わせるのなら絶望していない者ならば糸口さえあれば抜け出せるのは道理です。」

「さて、積もる話もありますがカワリーノ。反撃と行かせて頂きます。」

 

想覚

 

 雷が冷気が暴風が熱波が豪雨がウェザートの周りを目まぐるしく覆っていき戦う姿へと変えて行く。

 そしてプリキュア5もウェザートと並び立てた事を喜び勇ましく明日への希望を滾らせて構える。

 

「ここからは我々のステージです。」

 




沢山の応援ありがとうございます。取り敢えずあともう少しでこの小説は完結します。短くてごめんなさい。
重ねて主人公は生存と死亡どっちも書こうとしたら私が過労死します。なので両方望まれた方にはごめんなさい。


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第8話 還ってきたW/取り戻す希望と力

昨日は更新出来なくてごめんなさい。友達とプリキュア映画見に行ってました。めっちゃ良かったです。何か刺激も貰えるかなと打算的な考えで行ったのですが、楽しいやら懐かしいやらでめっちゃ興奮しました。
ただ映画館に成人した男が自分達だけで絵面がやばかったです。

帰りにカラオケでW-B-X歌って来ました。


 さてさて啖呵を切ったのですから恥じない戦いをしなければ。プリキュアの皆さんと共にカワリーノに駈け出します。その際ウェザーマインを装備するのを忘れずに。

 ウェザーマインは両端から鎖状のエネルギーを出し今回は棒状、【ウェザーマイン・ロッドモード】とでもしましょうか。以前は剣や槍として使いましたがこの武器の真価は強力な物理攻撃。

 知っていますか、カワリーノ。巨大化は負けフラグだという事を。

 

 私は素早く懐に潜り込むと即座に顎を打ち据えて体勢を崩させ、追撃で首にも一撃。後ろに回り込んだミントがシールドを展開し護りではなく反射の力で勢いよくカワリーノを此方側へ吹き飛ばしてくれました。そして無防備な腹部に強烈な突き。

 尻もちを着く形で倒れたカワリーノが2本の尻尾で攻撃してきますがルージュアクアが其々の必殺技で防ぎ次いでとばかりにウェザーマインで奴の尾を縛り付けて動きを制限します。そしてレモネードの視界を妨害しつつのシャイニングが炸裂した後にドリームのクリスタル・シュートが顔面にフルヒットしました。

 さすがの奴もこれには渋い顔をします。

 

「何故だ!何故絶望しない!ドリームコレットは使用され、もうパルミエ王国は復活しないというのに!」

 

復活しますよ。

 

 私の言葉にカワリーノだけではなくプリキュア5の皆さん、ココさんとナッツさんが私の方に振り返る。

 言うならばここだ。ドリームコレットが使われた今私に出来る数少ないココさん達への贖罪。

 

「何を戯言を!先程も言ったようにこの通りドリームコレットはもう使えないのですよ!これの何処に希望があると言うのです!」

 

ドリームコレットのみが王国を復活させられるのだと考えているのならカワリーノ、お前はお頭が残念ですね。

何故なら此処にはパルミエ王国の王子が2人居り、そして彼ら(国民)がいるのですから。

 

彼ら?

 

 ドリームは闘技場に座る彼らを見やる。

 私は説明した、彼らはかつてのパルミエ王国民であり故郷を滅ぼされた事により絶望してしまったのだと。そして今現在は絶望の仮面を着けられてナイトメアの社員になっているのだと。

 

「えぇ、その通りですよ。だからこそ希望は無い!だって彼らは絶望しているのだから!」

 

お前には言っていませんよ、カワリーノ。ココさん、ナッツさん私が王国が復活すると言えた理由が分かりますか?

 

「ココ...。」「ナツ...。」

 

彼らはプリキュアの皆さんが同様に絶望しながらその絶望を打ち破った時確かに見て、感じた筈です。彼女達が持つ暖かな希望()の力を、この意味分かりますね。

 

 私の言葉に共に頷き国民達に語り掛ける王子2人。本来(原作)では絶望する寸前に掴んだ一筋の希望だった事もあり涙を流したのでしょう。しかし目の前の彼らは笑顔で語り掛けます。

 国民の皆が居ればドリームコレット等が無くても王国を復活させられると。プリキュアが言った様に皆が力を合わせれどんな困難も解決できると。

 皆こそが自分達の夢と希望であると宣言する。

 

 一人、また一人と仮面に罅が入って行く。全員の心に確実にお2人の言葉が響いたのでしょう、彼らは今希望を思い出したのです。

 

 ミルクさんに至っては完全に打ち砕いた。その光景にプリキュアの皆さんも笑顔になりました。

 

 これにはカワリーノもかつてない程に苦虫を噛み潰したような顔です。

 

 

「おのれ、ウェザート!よくもこの者達に希望を与えてくれたな!」

 

私はただ切っ掛けを与えたにすぎません。希望を見出せたのは彼らの力そのものです。お前が考えているよりも彼らはずっと強かったという事です。

 

「許さんぞぉ!」

 

 激昂したカワリーノが襲い掛かってきました。

 む、力任せにウェザーマインを引き千切りましたか。流石に腐っても最高幹部の一人ですね。

 肉弾戦に闇のエネルギーと私の雷や冷気、光線の応酬が始まりました。プリキュア5も何とか加勢してくれようとしますが戦闘が激しすぎて近づけない様子。

 カワリーノの振り下ろしてきた拳をウェザーマインで受け止める。キリがありませんね。

 ヘイトが私に向いている現状早々にケリを付けた方が得策ですね。

 

「認めましょう、貴方は確かにお強いですよ。」

 

突然何を...

 

「しかし、こうしてプリキュア側に寝返ってくれたお陰で弱点が分かりましたよ。」

「こういう、ね!」

 

 太々しい邪悪な笑みを浮かべて言い放つ。

 突如奴は向きを変えて私から距離を取るとその尾を槍の様にドリーム目掛けて突き刺そうとしました。

 ドリームの後ろにはココさん達が居て動けない!

 奴め、これが私の弱点だという事か!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方ならそう動いてくれると思ってましたよ!フハハハハ!」

 

ウェザート、さん?

 

 私の背中には奴の尾が深々と刺さっていました。貫通こそしていませんが、こんな姿少女に見せるべきではありませんね。

 痛い、とても痛いですよ。普通に生きてたら背中に太い槍状の物が刺さるなんてそうそう無いですからね!

 

ぐあぁ!!!

 

「ありがとうございます。貴男のお陰で彼女達は上質な絶望を迎えてくれそうですよ。」

 

  ウェザートさん! 

 

「そして貴男の力、頂きます!」

 

うぁ!?う、あああぁぁ!!!ぐぅ!?

 

 これは力が抜けて!いや違います、奪われて行く!

 ぐぅあ!そうでした、奴はプリキュアの攻撃を尾で吸収して攻撃に転用する事も出来た!

 

 奴の尾が引き抜かれると同時に私は変身が解かれてしまい人間の姿になってしまった。

 どうやら奴に力を奪われてしまった様です。その証拠に奴は2本の尾に片方は冷気と電気、暴風がもう片方は熱と雲、虹を纏わせていました。

 

「ククク、何という強大な力だ!これだけの力があれば更に絶望を振りまける!」

「これ程までに素晴らしい力、感謝しますよウェザート!」

 

 嫌な笑みをしてくれますね...。

 プリキュアの皆さんが駆けつけてくれましたがダメージ自体は大きくありません。しかしこのままでは彼女達のお荷物です。

 何か、何か手を考えなければ!しかしどうやって戦う?力はカワリーノに奪われてしまい、奴は逆に強化されてしまった。

 今の私はせいぜいが身体能力の高い人間と同程度。現状で役立てる事といえば彼女達の迷惑にならない様に隠れるか一瞬だけでも奴からの攻撃を防ぐ肉壁ぐらい。

 このままでは奴の言った通り私の力で絶望が振りまかれる!どうする、どうすれば!

 

 何か案が浮かばないか周囲に目を動かしていた時です。

 

 アレは...

 

 

☆ ☆ ☆

 

☆ ☆

 

 

 カワリーノの卑劣な作戦によって変身能力を失ってしまったウェザート。ただでさえ強かったカワリーノのウェザートの力が加わってしまった事にプリキュア達は狼狽えててしまう。

 これを好機と見てカワリーノは更に彼女らを嘲笑う。

 

「何が希望ですか、何が夢ですか。その様な下らないものは圧倒的な力の前では無意味なのです!」

「そしてウェザート、貴男はこれで役立たずですね!アハハハ!ハハハハハ!」

 

 プリキュア達もただ事では無いと感じる程の圧倒的な力を目の前のカワリーノから感じてしまった。

 このままでは万事休す、誰もがそう思ったその時、

 

 

 

いいえ、カワリーノ。私はお前の言う通りの役立たずに成る気はありませんよ。

 

「戯言を。負け犬の遠吠えですか?」

 

そんな訳が無いでしょう。どうやら切り札は私の所に来ていた様です。

 

「はぁ?」

 

 能力を奪われたばかりで体にあまり力が入っていないせいか立つのがやっとと言った見た目でそんな事を言ってみせるウェザート。

 これにはカワリーノのみならずプリキュア5、ココ達そしてデスパライアですら呆気にとられた。

 

キュアドリーム!私が贈った氷花を渡して下さい!

 

これ?はいっ!

 

 突如ウェザートはドリームに嘗て自身が彼女達に送った氷の花を要求した。

 自分達をカワリーノが出現する場所まで案内してくれた氷の花。その時にそのまま持ってきてしまっていた。ドリームは困惑しながらも彼の要求に応える。

 

 投げ渡された花は彼の手に渡ると周囲を埋め尽くす程の光を放ち始めたのだ。光が収まるとウェザートの手からは氷の花が消えていた。

 その代わり彼の手には大き目のUSBメモリが握られている。

 

「な、何だ!何が起こった!?」

 

お前が知りたい事は今から分かりますよ、その無駄に大きな目で見ていなさい。カチ

 

 

 

WEATHER!」

 

 

 ウェザートがUSBメモリ...ウェザー・メモリの起動スイッチを押す事でガイアウィスパーが鳴り、そのまま溶け込む様に吸収されていった。

 

 次の瞬間には今までとは比にならない程の冷気や暴風、ありとあらゆる気象現象が彼を包み込み明らかに以前よりも強い威圧感を与えるウェザートが立っていた。

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 やりました、成功したようで何よりです。何故か当初の予定と違ってガイアメモリが出来ちゃいました。

 ガイアウィスパーはしっかり立〇文彦でしたよ。毒素とか大丈夫ですかね?

 まぁ見た目がライダー達の使う次世代型メモリと同じ形してたので心配ないと思うんですけど。

 

「貴様の力は私が奪った筈!変身出来る訳ない!」

 

フ、こんな事もあろうかと予め力の7割を氷の花として隠しておいたのですよ。

 

「それでは私が奪った力はこれ程の力でも3割だと言うのですか!?」

 

 そう、実はプリキュア5と初めて戦った後に私の力を悪用されるのを防ぐ為。そして自身の力をセーブする目的もあって彼女達に託していたのです。彼女達なら大切にしてくれると信じていましたし。

 

 それはそれとして今の今まで預けていたのをすっかり忘れてしまっていましたよHAHAHA!

 ふむ、しかし良い事を聞きました。奴め私の力を奪った直後と今の言葉、うっかりし過ぎですね。

 

カワリーノ、お前は吸収できる力には限度があるのではないですか?

 

「な、何を言う!?」

 

その証拠にお前は私の力を奪った時と先程の言葉、どっちも大層驚いていましたねぇ。

 

「くっ!貴様ぁ!」

 

察するにお前は今容量ギリギリなのでは?

 

「貴様あぁ!そこまで私を侮辱するか!」

 

 奴はまたまた激昂して私から奪った力で攻撃してきましたが、なっていませんねぇ。

 ちょっとイラついたので奴を上回るレベルの暴風で吹き飛ばしてやりました。滑稽ですねぇ、またもや尻もちをつきました。

 

お前ではその力は使い熟せない。この力こういう使い方も出来るんですよ。

 

 私は自分の体を霧に変換してカワリーノに纏わり付きます。奴は必死に引き剥がそう藻掻いていますが透過してる様なものなので掴める訳も無い。ここで私から奪った力を使えばある程度は散らせると思うんですけどやっぱり使い熟せていない。どこぞの相手の意見を求めてない悪役だって奪った破壊者の力は器用に使っていたというのに。

 私はそのまま纏わり付いたまま継続的にダメージを与えつつ地面に叩きつけます。今の状態なら奴の鼻や口から呼吸器官に入り込んで内側から破壊する事も出来るんですけど流石に絵面的にスプラッター過ぎますね。

 

 カワリーノを私に引き付けている間にミルクさんの声が最後の一押しになって国民達に届いた様です。仮面は砕け散り国民達は次々と元の姿へと戻って行きます。

 これには奴も「しまった!」という様な顔をしていますが既に後の祭り。希望を完全に取り戻した彼らを再び絶望させるなど不可能でしょう。

 

 そして、これにはデスパライア様も驚愕といった表情。絶望こそが絶対の力だと信じているお方だ、無理もありません。

 

「何故です。何故貴女達は絶望しないのです。私がこれだけ念入りに絶望へと導こうしているというのに。」

 

未だ分かりませんか、彼女達はプリキュアだから絶望せずに希望を見出せるのではありません。どの様な状況下でも絶望を希望に変える事が出来るからプリキュアなのです。

 

 私の言った事が気に入らなかったのでしょう。奴の持つ邪悪な力が膨れ上がっているのが分かります。

 

「希望、希望だと?もういい、そんな希望だの夢だの下らないモノはお前達ごと消し去ってやる!」

 

 奴は自身に黒い紙を複数貼り付ける事で自身を巨大化、パワーアップした様ですが学びませんねぇ。巨大化は負けフラグなんですよ、古事記にも書いてあります。

 さて此処からは私も彼女達のサポートをしましょう。

 

プリキュア5、貴女達に風の鎧を纏わせました。ちょっとやそっとでは壊れません、参りましょう。

 

 Yes! 

 

 これなら奴の攻撃が当たろうともダメージは最小限で済みます。吹き飛ばされはするでしょうけど彼女達なら自力で立て直すなり仲間に支えてもらうなり出来るでしょう。

 

 アイツ何の為に巨大化したんですか。当たり判定が広くなったのは分かりますけど逆に言えば殴りやすい面積も増えたという事ですし。大きくなった事で尾以外の動きは緩慢になってます。素早く動かせる尾だって最初の細かい動きは出来なくなったようでただ早く動かせるだけ。最初の時の方が未だ強かったんじゃないんですか?

 だってプリキュアの皆さんの攻撃が最初の時よりもめっちゃヒットしてます。やはり負けフラグか。

 

 このままでも勝てそうなんですがココさん・ナッツさん・ミルクさんが国民達に「皆の力をプリキュアに!皆で戦おう!」的な事言ってます。

 もうこうなったらやっちゃいますか、オーバーキル。

 

プリキュア5!先程のお礼です、コレを受け取って下さい!

 

 私が彼女達に投げ渡したのはプリキュア5ウォッチ。本来の持ち主である彼女達の手に渡った事、そしてパルミエ王国民達の希望の光を受けた事で5つに分かれメンバー全員の手に行き渡りました。

 

コレって、あの時ウェザートさんが持ってた時計?

 

前面のリングを時計回りに回して、スイッチを押し込むのです。

 

 私の使い方説明に彼女達は「うん!」と頷くとウォッチを突き出すように構えると起動させます。

 

【【【【【 プリキュア5 】】】】】

 ドリーム! 】

 ルージュ! 】 レモネード! 】

 ミント! 】             アクア! 】

 

 

 何て眩い光だ!ウォッチから大量の虹色の蝶が飛び出しプリキュア5を優しく包み込む!まるでその様は蛹のようです。そして中から彼女達が姿を現した時には其々背中から綺麗な蝶の羽が生えていました。

 

 これぞ彼女達の劇場版に登場した強化フォーム『スーパープリキュア』!もしやと考えていましたがまさかこの目で見れるとは!

 ふう~、興奮するのもここまで。彼女達の必殺技の準備が終わるまでに私は私のやるべき事を済ませましょう。

 

一つ、私は同僚の危険性を見て見ぬフリをしました。

 二つ、ドリームコレットが奪われるのが分かっていた。

 三つ、その所為で皆さんを悲しませた。

 

 私は自分の罪を数えましたよ、カワリーノ...

       さぁ、お前の罪を......数えなさい。

 

今更数え切れる訳がないでしょう!

 

ならば、地獄を楽しみなさい...はあぁあ!

 

 腰を軽く落とし、足を肩幅より少し開く。両手は握り左腕は腰の位置で引き絞る様に、右腕はガッツポーズの様に構え全身に力を巡らせる。

 駆け出し、跳躍。背部より暴風を噴出し、急加速。右足におよそ全ての気象エネルギーを収束させる。

 今の私に出来る一点特化の最大破壊力を持つ必殺技。

 

 彼女達と共にカワリーノに必殺技を繰り出す!

 

 

 プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン! 

 

JUPPITEREXTREME! 」

 

 

 直撃、奴は大爆発に呑まれそのまま消滅した。

 私は奴が爆発した場所に手を翳し奪われた力を回収した。

 

 今の私はせんp...いえ100%ウェザートに戻りました。

 

 そして私達はこれまで静かに我々を見続けていたデスパライア様へと目を向けるのでした。




実はこの回他にも色々パクrもといパロディを入れようとしたんですけど私の技術力の問題で無理でした。

・国際警察の権限において、実力を行使する
・おい知ってるか?夢ってのはな、時々スッゲー熱くなって、時々スッゲー切なくなるらしいぜ。 俺には夢が無い、けど夢を守る事はできる!
・嫌いじゃないわ!
・名護さんは最高です!
・万丈だ

こんなのをプリキュアに合いそうに変えて入れようとしたのですが無理でした。

それとこの作品が完結したら時期は分かりませんが番外編か続き、新規の作品を書こうと思っています。どれを書くか決めるのにアンケートをとりますのでよければどうぞ。番外編の場合はあくまでIFの話になるので主人公のいくつかの設定は変わるかもしれません。


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第9話 明日の夢と希望と掲げる腕

アンケートも結構投票されてる様で私笑顔です。やっぱり5GOGOが今のところ人気ですね。アンケートはまだまだ期間がございますので皆さんの希望を反映くだされば幸いです。


 玉座から立ち上がり我々を見下ろすデスパライア様、そして不意に視線が交差しました。その瞳は何処か安心している様で哀し気なもの。

 はっきり言って悪の組織を抜けたというのに罪悪感が凄まじい。勿論プリキュアの皆さんやココさん達にも感じていますがあの方にも感じてます。あの方がカワリーノ並みの極悪人なら裏切るのに後悔しないんですけどね、デスパライア様って悪人であっても悪党では無いですし非道ではあるものの外道では無いんですよねぇ。

 

 私がこの時期までナイトメアを辞めなかったのも原作との兼ね合いもあったとはいえデスパライア様の存在が大きかったのです。心を許した相手には割りと良くして下さるから中々辞め辛い。

 ナイトメアは勿論悪徳企業でしたけど、デスパライア様が悪徳経営者かと言われるとねぇ。寧ろその部下が暴走してたって感じですし。

 

「仮面を砕き、カワリーノを倒すとは恐るべき力だ。そして、まさかウェザートお主が其方側に行くとはな。カワリーノが絶望の闇に堕としたと言った時は本当に信じられなかった。」

 

 あああ!心が痛い!何ならカワリーノに背中刺された時の方がマシと思える位には滅茶苦茶痛い!

 戦う前から精神攻撃ですか!そうですか!それならこっちだって実力を行使しますよ!

 

「しかし私とて信頼していたお前と戦うのは本望ではない。出来る事なら下がっておれ、ウェザート。」

 

良いでしょう。私にも貴女を裏切った事に対する罪の意識を感じています。

 

 ちょっと私ぃ!?何あっさり言う事聞いてるんですか!?こんな所で前世と今世の社畜魂発揮しなくて良いんですよぉ!!

 仕方ありません、こうなったらそれらしい事言って皆さんには納得してもらうしかありません。 今世の私誤魔化してばっかりですね。

 

皆さん、聞いての通り私は今から戦力になりません。あの方はお強い、しかし私は貴女達の希望が勝ると信じています。

 

ウェザートさん...うん!私たちに任せて!絶望なんかに負けないんだから!

 

お気を付けて、その代わりパルミエ王国の皆さんに何かあった場合は私が責任を持ってお守りします。

さぁ、皆さんは此方に。

 

 パルミエ王国の皆さんを避難させつつ内心ガッツポーズです。

 とにもかくにも私の舌先三寸にかかればこの通りです。

 しかし、この見た目の所為かココさん達以外には怖がられている様子。個人的には格好いいと思うのですがやっぱり厳ついのでしょうか?

 人間態に戻っても良いのですが、それだと不測の事態に行動が遅れてしまいます。その所為でカワリーノの奴に絶望の闇に堕とされたのですし。

 どうしたものでしょうか、既にプリキュア5とデスパライア様のコワイナーが戦闘を始めてしまいました。しかしこのまま最後まで怯えていられるのも可哀想です。

 

「みんな、大丈夫ココ!ウェザートは少し前まで敵対してたけど今は心強い味方ココ!」

 

「そうナツ!皆だって見てた筈ナツ、ウェザートがプリキュア達の為に一緒に戦っていたナツ!」

 

「ミル!この人のくれた花のお陰でミルクたちは此処に来る事が出来たし、さっきはプリキュアに大きな力をくれたミル!」

 

「「「だから怖がらなくても大丈夫ココ(ナツ)(ミル)!」」」

 

 ココさん達のお陰でパルミエ王国の皆さんの警戒心が薄れて行きました。

 こんな私の為に皆さんに私を味方なのだと言って下さるとはありがたい限りです。

 

 私が感動していると一人の方が歩み出て来ました。たしかパパイヤさんでしたか。

 

「ウェザート殿、先程は怖がってしまい申し訳ありませんでしたパパ。皆を代表して謝罪しますパパ。」

 

そんな、謝らないで下さい。私はつい最近までナイトメアの幹部でした、怖れられてもしかたない。

 

 まさか謝罪されるとは、ココさん達に目を向けてもニコニコされるだけですしどうしましょう。

 

「いえ、しかしそういう訳にはパパ...。」

 

私はただプリキュア5(彼女達)に心動かされただけなのです。彼女達が魅せる希望の光が無ければ私は今でもナイトメアだったかもしれない。

 

「パパ...。」

 

だからこそ私に貴方達を守らせていただけませんか?

 

 私の言葉に彼らは自分達の謝罪を受け取る代わりが何故自分達を守る事になるのか首を傾げてしまう。

 こういうのは立て続きに言って有耶無耶にするのが一番です。

 

私はプリキュア5(彼女達)と約束したのです。戦力になれない代わりに貴方達を必ず守ってみせると。

 

 私の言葉に彼らは頷き「お願いします。」と言って来られた。

 良かったです。彼らのような心の優しい人達が態々私に謝罪で頭を下げる事はありません。彼らはもう散々苦しんだのですからね。

 

 そうと決まれば話は早い。私は彼ら全員を覆い隠せる程の巨大なカマクラを作り出します。

 そして私の横には5体の1.5mの雪だるま型のゴーレム。彼らは再生能力を持つコワイナーから着想を得て考えた私の私兵です。戦闘力は皆無ですが守る事に掛けてはピカイチです。

 例え砕かれようとも私が雪を降らすだけで再生・復活、破片から増殖していきます。総評すると弱い癖にやけにしぶとくどんどん増えて行く、という完全に妨害特化のゴーレムです。

 彼らが足止めしてくれる間に私が敵を倒すという作戦です。

 

皆さん、今から雪を降らせますのであのドームの中に入って下さい。ご安心をあの中は頑丈で温かくなっています。

 

 私の言葉に一斉に皆さんカマクラの中へと入っていきます。ココさん達は残るようで、どうやらプリキュアの皆さんを見守るようです。

 取り敢えず寒くないように小型の多重層カマクラを作ったのでその中から応援してもらう事にしました。幾層にも重なった層によってかなり頑丈なカマクラは100人乗っても大丈夫です。

 

 っと案の定プリキュアを絶望させようとこちらにコワイナーが襲ってきました。

 さぁ!出番ですよ、スノー・ガーディアンズ(今命名)!

 

『コワイナー!』

 

ユッキー!

 

 当初の予定通りかなりのスピードでどんどん砕かれて行きますが私の超局所的な暴雪によって直ぐに再生・増殖していきます。

 そして実は彼ら最大で3m程まで大きくなります。いくら戦闘力皆無とはいえ体が大きくなれば単純に投げ飛ばすだけの力ぐらいは得る事が出来ます。

 

 そして後は私がそこに攻撃を加えるだけです。

 

光あれ!!!

 

『コワイナー...』

 

 やはりあのコワイナーは影から作られているのか日光に弱いようです。

 勿論スノー・ガーディアンズには当てませんよ。流石に解けたら再生できませんからね。

 しかし増殖できるのは向こうも同じ様です。何か更に差し向けられたんですけど。あの、デスパライア様?もしかして怒ってます?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 や、やっと終わりましたか。最後あたりプリキュア達に向かう同量のコワイナーが押し寄せて来たんですけど!

 私基本的にオフェンス向きなんですよ。タワーディフェンスのゲームとかも苦手ですし。とはいえ凄いですね。

 

 のぞみちゃん の言葉はデスパライア様の心にもしっかり届いた様です。しかしこうしては居られません、ココさんたちには夢原のぞみ さん達の所に行ってきます。と言って近づいて行きます。

 だって のぞみちゃん がデスパライア様に手を差し出した良いところで...。

 

「無礼者が!デスパライア様は貴様如きが気安く手を触れて良い相手では無いわ!消え失せろぉ!」

 

「「「「のぞみ(さん)!」」」」

 

 

 

 

 

少しは空気というものを読んだらどうですか?今完全にいいところでしたよ。

 

 首から下を氷漬けにしてやりましたよ。

 アイツああやって黒い紙に自分が完全に倒される寸前に隠れてましたね。それで動けるようになったから出てきて見るからに感動の場面を邪魔しやがりましたね。

 ちょっと威圧感を与えながら奴に近づきます。

 

「ウェザート!貴様またしても私の邪魔を!」

 

邪魔なのはお前ですよ、カワリーノ。この際だから言ってやりましょう、お前なんざ唯の金メッキです。

 

 奴の顔が激しく歪む。

 あともう少しで本当にお別れでしょうしこの際今まで言えなかった事ぶちまけてやります。

 

本当の事でしょう?幾ら綺麗に着飾り丁寧な口調で覆っても、その実他者を見下し踏みにじり駒にしか思わない。

 

「黙れぇ!!!」

 

極めつけは自身の主にすら己の理想を押し付けようとする。そんな醜い怪物を金メッキと言わず何と言いますか?

 

黙れと言っているだろう!!!

 

 怒りが有頂天に達したのか私の氷を砕いて襲い掛かってこようとしたので圧縮した風の衝撃波で壁まで吹き飛ばしました。

 手加減しましたがそれでも立ち上がって来るとは執念深いですねぇ。

 

「わた、しは私はぁ、デスパライア様の為に尽くして来たのだ!お前の様に私は裏切っては」

 

「もう良い、カワリーノ。」

 

「デスパライア様?何故ですか?」

 

 私に向けられようとした罵倒をデスパライア様は遮ってくれました。

 決して私の方には向かれていないその表情。窺う事は出来ませんが怒気を感じます。

 

「私はウェザートが裏切ったとは思っておらん。」

 

「何故ですか!確かに奴はナイトメアを辞めたと申しました!」

 

「それは私が許した事だ。そもそも最初からナイトメアに貢献してくれれば何時辞めてくれても良いという契約だったのだ。」

「それに、今はそれよりも」

 

 デスパライア様は一旦区切ると のぞみちゃん そして他のメンバーの方へ顔を向けられる。

 のぞみちゃん に対しては若干微笑んいる様に見えたのは私の勘違いではないでしょう。

 

「この者達の話をもっと聞きたいのだ。」

 

「なぁっ!?」

 

「どうすれば希望を持てるのか知りたいのだ。不老不死を得てはみたもののこのまま世界を絶望に堕としても空しいだけではないか...。」

 

 そして漸く私の方に向けられたその顔は興味を持っていると言ったものでしょうか。

 

「同じくナイトメアに居ながらウェザートもこの者達の希望に惹かれたのだ。故に私は希望について知りたいのだ」

 

「そ、そんな...。」

 

 その言葉がトドメになったのでしょう、奴は膝から崩れ落ちました、そしてその足元には私を堕とした時の絶望の闇が。

 

「お前は、ブラッディ!!!」

 

カワリーノォ!

 

 中からは巨大な手がカワリーノを掴みます。執念のみで今か今かとブラッディさんはカワリーノが絶望する瞬間を待っていたのでしょう。

 

「あぁ!カワリーノ!」ガシ

「ウェザート...?」

 

...。フルフル

 

 奴はブラッディさんに引きずりこまれている時に往生際悪くデスパライア様に助けを求めた。

 デスパライア様も心を許していた相手です、咄嗟に手を伸ばそうとした彼女を私は掴んで引き止め首を横に振る。

 奴はそのまま絶望の闇へと呑み込まれました。奴は結局他者を蔑み利用する事しか知らなかった。これは奴が招いた自業自得、自分で生み出した絶望です永遠に嘗ての上司と共に彷徨い続ける事でしょう。

 

 あの時言ったでしょう?罪を数えないのなら...地獄を楽しみなさい、とね。

 

 そしてこの世界ももうじき、

 

「これは、何が起きてるの!?」

 

「私の所為だ、私はもう絶望の力が制御出来ない。」

 

 永遠の命と若さと嘗ての力を手に入れてしまったデスパライア様。このままでは文字通り全ての世界を永遠の絶望に堕としてしまうだろう。

 故にデスパライア様は彼女達に頼みます。プリキュアの力で自分が全ての世界を蝕む前に己を封印して欲しいと。

 のぞみちゃん はとても悲しそうにその提案を躊躇っています。それは他のメンバー達も同様。

 やはりこんなにも優しい彼女達が悲しむ顔は見たくない。貴女もですよ、デスパライア様。折角希望について知りたいと思えたのです。 

 せめて最後くらいは悔いの無いように。

 

デスパライア様、それならば最後に彼女達に貴女が知りたがっていた希望について話し合われてみればいかがですか。

 

「しかし、そんな事をしている時間は...。」

 

時間が無いのなら作れば良い。私が暫くの間暴走する絶望の力をこの空間ごと凍結させます。

 

「出来るのか!その様な事が!?」

 

私一人では無理でしょう。私の力はあくまでも気象現象を操る力。しかし、

 

 そう言って のぞみちゃん が持っている再び一つに戻ったプリキュア5ウォッチに目を向ける。

 

夢原のぞみさん、ウォッチを渡して頂けますか?

 

「はい!」

 

彼女達の夢と希望の詰まった奇跡の力を使えば出来るでしょう。

 

「ウェザート...。」

 

折角出来た貴女の夢です。さぁ、お早く!あくまでも時間を遅らせるだけで止める事はできませんので!

 

 私の言葉が一押しになった様で良かったです。彼女は のぞみちゃん達の方に向かいます。

 ウォッチを左手に持ち、右手は上空に掲げる構えをとります。

 私は貴女を裏切った身だ、せめて貴女が満足出来るまでは時間を稼いで見せましょう!これで罪が清算出来なくとも!

 

 プリキュア5! 】

 

 世界を蝕む絶望の力、望む所です!私の愛する希望の力!どちらが勝つか勝負と行きましょう!

 氷の巨大な蝶が飛び立ち、世界を優しく包み込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう良いウェザート、良くぞ時間を稼いでくれた。」

 

 その言葉を聞き終えると変身が解かれる。

 体中が痛い、意識が朦朧とする。僅かな挙動のみで頭が割れるようだ。慣れない事はするものではありませんね。

 視界が揺れる、体が傾く。このままでは1秒と掛からず硬い地面に倒れるだろうと無駄に未だ働く頭で考える。

 

 

 いつまで経っても衝撃は来ない。それどころかフワリと誰かに包まれる様にキャッチされたようだ。

 霞む目を精一杯開けて見てみる。デスパライア様だ。

 

「私の為にここまで体を酷使させてしまった、すまない。そして、ありがとう。」

 

 何を仰るのですか。そんな事を最後に言われては寂しくなるではないですか。

 

「お礼を...言いたいの、は私の...ほうです。あな、た...にはとても良く、していただいた。これで...少しは、お返し...出来、ましたか...?」

 

「ああ、お主は十分返してくれたよ。」

 

 こんなに朗らかに笑うこの人を見た事はあっただろうか。ある訳ないか、素顔を隠されていたのだから。

 喋るだけでも全身が軋む様だ。知った事か、唯意識が朦朧としているだけ唯体が死ぬほど痛いだけだ。

 足腰に力を入れてどうにか自力で立つ。

 

「だったら、良かった...!」

 

 私のやるべき事出来る事はもうやった。ならば私にもう出番は無い、後は彼女達に任せよましょう。

 せめて、せめて最後だけは精一杯の笑顔でこの方をお見送りしたい。

 

 デスパライア様はパルミエ王国の皆さんに謝罪を受け入れられたようだった。

 プリキュアの持つ奇跡の力によってこの世界はデスパライア様と共に封印された。

 

 

 私の目に映っていた彼女達の表情は双方共満ち足りたモノだった。




取り敢えずこの作品も残す所あと1話になります。
時期は決まっていませんが今作が終わった後にまた作品を書くという意欲は湧いてまいりましたので「俺達の戦いはこれからだ!」みたいな終わり方はしませんからご安心下さい。

主人公が最後ボロボロなのはゲイツリバイブの副作用的なアレだと思って下さい。


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第10話 プリキュア5の世界に転生しました…悪役サイドだった者ですが。

これで取り敢えずこの作品は完結です。初めて完結しました。
アンケートは2021/3/26まで実施しているつもりです。結果は活動報告にて記載させていただきます。

コメント欄に主人公とデスパライアの間には一種の恋慕が存在したのではと考察されていますが、私はそこまで詳細に考えていません。ただ言える事はデスパライアは主人公がナイトメアを抜けてプリキュア側に着こうとも恨みや憎しみは感じず裏切ったとすら思ってもいなかったのではないかという事です。そこに恋慕の情があったのかは私にも分かりません。そして主人公にしてもデスパライアにしてもお互いに戦うのは最も拒みたかった事なのだと考えています。
そこら辺の情景に関しては読者様にお任せします(笑)


 目が覚める。体を起こすと自分の状況を少し整理する。

 確か、人間界に戻って来た後に流石に限界が来てそれから...。

 

「そういえば、此処は何処でしょうか...?」

 

 軽く見渡して見れば広い部屋に豪華な装飾品や家具。そして自分が今まで寝かされていたキングサイズベッド。

 素人目で見ても何処かのお屋敷と分かるという事は かれんさん のお家でしょうか。

 

 そう思うと申し訳なく感じてしまいます。大の大人一人を此処まで連れてくるのは難しいでしょう。

 確か今日は爺やさんが休暇中だった筈です。それならプリキュアに変身した状態かココさんとナッツさんが人間に化けて運んで頂いた可能性が高い。

 はぁ~、最後の最後までご迷惑をお掛けするとは情けない。

 

 一人落ち込んでいると「コンコンコン」とノックがされる。

 何時までもウジウジしていてもしょうがないので返事をすると かれんさん が入って来られました。

 

「ウェザートさん、もう起きていても平気なの?」

 

「ご心配をお掛けして申し訳ありません。一時的なものだった様でもう大丈夫ですよ。」

 

「だったら良かったわ。」ニコ

 

 凄い破壊力ですね、かれんさん の笑顔。これだけでご飯3杯は行けちゃいます。

 おっと、私の中の邪な部分が。静まり給え、私は紳士。

 

「水無月かれんさん、聞きたい事が。」

 

「〝かれん″で良いわよ。多分他の皆もフルネームより名前で呼んで欲しいと思うから。」

 

 え、マジですか?合法的に現役中学生の、ましてやプリキュアのメンバーを名前呼びしても良いと許可が!

 この時に舞い上がらなかった私に心の中で拍手を送りたいです。

 

「では かれんさん、私を此処まで運んで下さったのは何方でしょうか?」

 

「ココとナッツよ、二人とも倒れたウェザートさんを私達プリキュアと同じ恩人だからって此処...私の自宅まで運んでくれたの。」

 

 やはりココさんとナッツさんでしたか。

 多分両隣りから肩を貸されていたのだと思うのですがそう考えるとハンサム二人に挟まれるオジサンという誰得な絵面が出来上がるのですがこの際ソレは置いておきましょう。

 

「それならば後でお二人にお礼を言わなければいけませんね。」

 

「二人はあまり気にしていない様だったのだけれど、貴男は律儀な人ね。」

 

 律儀?私がですか?いえ、誰かに良くして頂いたならそれに報いる。せめてお礼くらいは言わなければ、これ社会人の常識です。

 ...ただ今無職ですがね。

 

「それと、改めて皆さんには謝罪をしなければいけませんね。」

 

「謝罪?何故かしら?」

 

「何故って、私は今までナイトメアの一員でした。貴女達と共に戦ったとはいえ確りとした謝罪はしていません。」

 

 そう、これはケジメの様な物です。いくら皆さんが気にしていない、許していると言っても私が敵対していた過去は変わらない。

 だからこそ私は謝罪しなければいけない。彼女達は何処にでもいる中学生で、彼らは平和を享受して暮らしていた国民達。本来ならしなくても良い戦いをするハメになり、彼らは故郷を滅ぼされた。

 私がナイトメアに入ったのは少しでも彼女達に近づく為。私が直接戦った回数は少なくとも傷付けた事には変わらず、その結果招いたのが今回の悲劇とも言える。

 つまりこれは嘗ての自分との決別でもあるのです。そう彼女に説明する。

 

「......ふふ。ふふふ。」

 

「え」

 

 あの、私何かそんな口元抑える程の変な事言いました?

 というかそんなに笑われていられる居た堪れない様な美味しい様な複雑な気分なのですが。

 

「ふふふ、ごめんなさい。でも我慢出来なくて、貴男少し私に似てるわ。」

 

「わ、私が かれんさん にですか?」

 

 彼女に言われた事が理解出来なくて頭が情報処理に追いつかない。

 だって、そんな事を考えた事など全く無かったのだから。

 

「えぇ、責任感と使命感があってそれでいて真面目過ぎて融通が利かない。のぞみ達と出会う前と出会った直後の私にそっくり。」

 

「そう、なのでしょうか?」

 

「そうよ、だからこそ貴男の立場から考える事も出来るわ。纏めれば貴男は自分が許せないって事よね?」

 

 何というか、自分の事がここまでお見通しだと少し恥ずかしいですね。

 しかし、それと同時に似ていると言って貰えた事が嬉しい。

 

「でもね、私達にとってソレはもう終わった事なの。だって私達はもう友達でしょう?」

 

「友...達、私が既に貴女達の?」

 

「そうよ、ココとナッツにお礼を言うのは良いと思うわ。でも謝罪をされては逆に困ってしまうわね。」

 

 そう言ってもう一度微笑む かれんさん。

 目から鱗とはこの事ですね。私の事を友達だと思ってくれるとは、これは心が躍ります!

 それに胸の痞えが取れたような気分です。

 

「ありがとうございます、目が覚めた気分です。」

 

「ふふふ、それなら良かったわ。」

 

「時に皆さんは今何を?」

 

「パルミエ王国の皆が帰って来た事を祝ってちょっとしたパーティーをしてるわ。」

 

 それならとベッドから立ち上がり私も手伝う事にしました。最初は かれんさん に止められましたが体調は万全なのと手伝う人数は多い方が良いと言って手伝わせてもらう事にしました。

 そういう所も似ていると苦笑されたのは面白かったですよ。

 

 厨房に着くとお菓子を作られていた りんちゃん達に驚かれました。

 クッキーやビスケットなどの焼き菓子を始めアイスクリームなども作らせて頂きました。

 皆さんは大分意外そうな顔をされていましたが私これでも料理は出来るんですよ。得意ではなく出来るタイプと言うんでしょうか。普段はあまり積極的にしないのですが一度やり始めると凝ったモノも作ってしまうタイプですね。

 ナイトメア時代も仕事が終わった後は基本的に暇になってしまうので集中して時間が潰せる料理やお菓子作りはまあまあやっていました。お菓子は概ね好評で良かったです、転生してから誰かに振舞うのは初めてですからね。

 その際ココさんとナッツさんには確りとお礼を伝えました。

 

 

 そんな楽しいパーティーも時計の針が00時を指す頃にはお開きに。片付けも終えて王国の皆さんは休まれています。元の世界へは直ぐにでも戻る為に夜明けあたりには出発されるようです。

 ココさんと のぞみちゃん、ナッツさんと こまちさん は良いムード。最初から率先してお菓子を作り手伝っていた りんちゃん と うららちゃん は疲れたのか揃って夢の中。

 私はというと、

 

「驚いたわ、まさかウェザートさんがお菓子作りが得意とは思わなかったもの。」

 

「私もですよ、まさかこうして振舞う機会があるとは思ってもいませんでした。」

 

「良かったら時々でいいから教えて欲しいぐらいだわ。」

 

 何故か かれんさん と一緒に暫くお話をしています。当人である私が一番が驚いてますよ。

 中学生とおじさんが楽しそうに同じ部屋で2人きりで話している、事案な絵面じゃないですよね?

 

「それは...難しいですね。」

 

「え?」

 

「パルミエ王国の皆さんと同じように私もこの街を暫く離れる事にしたのです。」

 

「...そう。折角仲良くなれたのに寂しくなるわ。」

 

 彼女達は優しいからこういう雰囲気になると思ってあまり話したく無かった事なんですけどね。

 でもこれは決めた事なんです。上手くいくかは分からない事、だから下手な事は言えません。

 でも、

 

「そんなお顔をされないで下さい。この世には絶対などありませんよ、縁があれば何処かで会えます。」

 

「ウェザートさん...。」

 

「だって世界は繋がっていますから。」

 

「そうね、そうよね。ありがとう!」

 

 ここまで通してきた紳士ムーブ本当に役に立ってます。

 さて、夜明けまであと数時間あります。私は平気ですが かれんさん は未だ中学生ですし何なら女性です。夜更かしは美容の大敵でしょうし、そろそろ休まれるようにって...あらぁ?

 HAHAHA私の肩に何やらコテンと乗って来ました。誤魔化すのも此処までにしましょう、勿論かれんさん です。疲れていたのですね、いやしかし幾ら何でも男性の肩に頭を預けるのは無防備過ぎですよ!

 しかしどうしたものでしょうか。この部屋はあくまで書斎の様な場所、ベッドなどある訳も無いので運ぶ事も出来ません。かれんさん の自室にお連れしようにも絵面的にアウトですし、そもそも初めて来たので場所が分からない。大分お疲れの様ですから起こすのも可哀想です。しかし幾らこのソファが良いものでも座った姿勢で寝るのは体に悪いですし。

 仕方ありません、男の硬い膝なのはお許し下さい。あぁそうだ体を冷やさない様にコートでも掛けて差し上げないと。

 

 

 翌朝声にならない悲鳴を上げられ赤面されたのは言うまでもありませんでした。

 やっぱりちょっとデリカシーが無かったですかね?セクハラで訴えられなければいいのですが。

 

 そしていよいよ別れの時となりました。この先の展開を知っている身としては今生の別れでは無いので暫くは寂しくなるといった感じです。

 皆さん其々お別れの言葉は済ませた様ですがやはりもう会えないと思っている為か涙を溜めている方も。

 そうですね私からも一つ出発される皆様へプレゼントを。

 

「それでは短い間でしたが、僭越ながら私から皆様へ門出の祝いとこれからのご多幸を願って贈り物を。」

 

 古くから天候とは神々が齎す厄災や怪物、呪いなど様々な解釈をされ畏れられて来た存在。日照りは大地から水を奪い台風は家屋を根こそぎ薙ぎ倒し、大雪はそれだけで人間の生活を麻痺させて来た。

 しかし多くの神々が持つように天候はある種の二面性を持つ。人を傷付け命を奪う呪いにもなれば、人を感動させ命を育む祝福にもなれる。

 そんな強大な力を持ち、下手をすれば全てを破壊しかねないウェザート()から彼らのこれからを祝える精一杯の力。どうか、心に届きますように。

 

『うわああ!』

 

「すごい!」

 

「これって...」

 

「オーロラだわ...」

 

 何も壊さず、何も作らない未だ日が昇りきっていない空に揺れるオーロラ。

 それでも彼ら彼女らの心に残ってくれればそれで良い。

 

「そうだわ、いつか私達をパルミエ王国に招待してもらったら今度は向こうでオーロラで見せてくれないかしら。」

 

「構いませんよ、皆さんが私もご招待頂けるのなら。」

 

『もちろん!!!』

 

 かれんさん の言う通り皆さんは私の事を受け入れて下さっていた。それなのに私はずっと小さな事で悩んでいたのですね。

 

「だったらみんなの約束だね!けってーい!」

 

「はい、その時は今よりも飛び切り綺麗なオーロラをお見せする事を約束します。」

 

 5つの蝶が1つの大きな蝶となってオーロラの海を泳ぐように飛んで行った光景を私達は忘れる事は無いでしょう。

 

 

☆ ☆ ☆

 

☆ ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ りんちゃん、急に決まった全校朝会って何だろうね?」

 

「さてねぇ、黒板に朝会があるから講堂に集合としか書いてなかったし。」

 

 彼女達はココ達との別れから1か月といったところ。ココ達と別れた次の日にはウェザートとも別れる事になり仲良くなれたのにと寂しがる面々だった。

 しかしウェザートに励まされた かれん が皆を同じ様に励まし笑顔で見送った。

 彼女達はそれぞれ躓く事はあっても自分の夢を追い続けている。

 

「のぞみさん!りんさん!おはようございます!」

 

「「おはよう!うらら!」」

 

「「皆、おはよう。」」

 

『こまちさん!かれんさん!おはようございます!』

 

 講堂に着くまでに揃ういつものメンバー。

 慣れた光景ではあっても傍から見たらやっぱり不思議な組み合わせ。

 

「私達も全校朝会があるなんて今朝初めて知ったのよ。」

 

「私もですよ。」

 

 講堂に着くと「また後で」とクラスごとに其々分かれるいつものメンバー。

 

 暫くして始まった教頭先生の話では急遽新しく教師として来た先生がいるからその紹介だという。

 そして紹介された教師が出て来た時に5人は同じタイミングで驚くこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして、ご紹介に与りました。上里(うえざと) 象気(しょうき)です。担当は理科、皆さん仲良くして下さい。」

 

 これがまた何かの波乱の幕開けになるかは、別のお話。




何故最後に主人公と かれんさん をちょっと良い雰囲気にしたのか?
それはぁ!私がぁ!プリキュアで初めてファンになったキャラクターだからだぁ!ハハハハ...!

いやぁ最終話くらい私の押しキャラを多めに登場させたかったていう欲望を開放させたくて...つい。

あぁそうだ、コメントでオールスターもって意見があったのですが実は私一旦ハートキャッチプリキュアで離れてしまっている為皆様が期待される程のオールスターを書ける程の自身がありません。なので絞りに絞ってアンケート欄は4つのみとなりました。
アンケートで結果が出ましたらそちらを頑張って書きますので何卒応援よろしくお願いします。

それと活動報告がございますので気になる方は見て行って下さい。
それでは皆様、しばらく。ノシ


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5GOGO編
第1話 苦慮:ウェザート葛藤中~ヘイトレッド・ヴィラン~


お久しぶりです。しばらくプライベートが忙しかったりして中々執筆できませんでした。どうにか暇を見つけてチョコチョコ投稿しようと思うのでこれからも応援よろしくお願いします。


 さてさて私がサンクルミエール学園(此処)に赴任という形でやって来てから1ヵ月と少しといった所ですね。教職なんて初めての経験だったので上手くいくか心配でしたが何とかなるものですね。

 1年生から3年生まで全員を担当しているので大変といえば大変ですが私のこの良く回ってくれる頭脳のお陰で教師として結構やっていけてますよ。

 

 生徒達からの反応もまずまずといった具合で授業に雑学や蘊蓄などを取り入れたのが功を奏した様です。やはり同じ内容でも面白いと感じて貰える方が頭に残るでしょうしね。

 それと一番大きかったのは赴任してその日に受けた新聞部の増子さんの取材ですかね。根掘り葉掘り聞かれて誤魔化すのが大変でした。最近の中学生ってあんなにバイタリティ溢れてるんですね、次の日には記事になってるから驚きましたよ。

 

 驚いたで言えばプリキュア5の皆さんからも「驚いた!」って言われました。確かにいつかまた会えます的な事は言いましたが雰囲気は完全に今生の別れでしたのでコレは私が悪かったです。

 どうやって教師になったのか聞かれましたけどナイトメア時代に作ったパイプで色々ゴニョゴニョしてなったなんて言えないのでこれも誤魔化しました。ナイトメア辞めてからも誤魔化してばっかりですね。

 

 あぁそれと私生徒会顧問になりました。何でも以前の生徒会顧問を担当されていた方が私と入れ替わりで辞められたようで教頭先生から「良い機会だから生徒会顧問、やってみませんか?」って言われて2つ返事でOKしちゃいました。いやぁ私って単純!

 顧問に就任した事を かれんさん に伝えると驚かれましたが直ぐに満面の笑みになられて祝われました。顧問ってそんなに大層な役職じゃないんですよね、恐らく普通だったら教師が手助けしないといけない事でも かれんさん達が居るとすらすら解決しちゃうのであんまりやる事無いんですよね。強いて言うなら生徒会長である かれんさん から報告書なんかの書類を受け取って顧問の判子押すぐらい。ぶっちゃけ私居る意味あるのかなと思いつつも彼女の傍に居れて何かしら力になれていると思えば嬉しいんですよ。

 

 

 さてと、ナイトメアは壊滅、学園の桜は満開。ならば時期的に考えると原作でいえばそろそろ『5GOGO』が始まる時期ですがどうなりますかね。それというのも1つ問題があるのです。

 

 私は彼女達の活躍が好きです。それは前世でも怪物(ウェザート)に転生しても変わらない。しかしこうして現実になって教師として、大人として彼女達と接し続けて来た事によって一つの迷いが生じてしまいました。

 近い未来、彼女達は再びプリキュア5として復活する。しかしソレが本当に彼女達の為になるのか分からないのです。折角普通の学生に戻れたというのに再び辛く苦しい戦いが待っている日々に戻ってしまう。敵が出てくるならば全ての力を取り戻した私が変わりに戦えば良いとも考えました。でも結局はソレは単なる私の自己満足な訳で彼女達の為になるのか分からない。

 だから私は今もこうしてウジウジしてしまっているんです。彼女達のファンとしての憧憬と教師(大人)としての取らなければいけない行動がぶつかり合って非常に混沌としています。転生したての私ならば周囲にこの感情が気象現象として漏れ出してしまうくらいにはモヤモヤしているのが現状です。結局私が取った行動が考えるのを止めて彼女達の意志を尊重するというモノ。はぁ、普段は良く回るこの頭も何故こういう時は働いてくれないのですかねぇ。

 

 

 話を変えましょう。私は今職員室から理科準備室に移動しています。明日行う授業で必要な資料等を前もって準備していたのでそれを取りに行っていた最中です。

 ただサンクルミエール学園、途轍もなく広い。職員室から準備室まで10分程掛かるというのがその証拠。生徒とすれ違う事もあり、その度に挨拶をしてくれるので此処の学園の生徒は皆さん良い心掛けをされています。

 

「こんにちは。」

 

「「こんにちは!」」

 

 この様に挨拶すると気持ちの良い返しをして頂けます。ご近所の方からもご好評なんですよ?かなり独創的な生徒も多いですけどね。

 さてお仕事をさっさと済ませますか。

 

 

 

 

「ねぇ聞いた?近くの山で火事が起きたんだって。」

 

「私も聞いたよ、原因は不明だって言われてたなぁ。」

 

 

 はて?近くで山火事、ですか。その様なイベントは無かった筈ですが、私の記憶違い?

 しかし、この時期に起こったという事は無関係では無いかもしれませんね。これは内々に調査してみる必要がありますね。

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 

 先日生徒達が話していた山火事、調査してきました。

 収穫としては『怪しいが彼女達に今後関わってくるかは分からない』といった所でしょうか。唯の山火事では無い、という事は確かでしたね。

 典型的な山火事と比較してもあまりにも燃焼範囲が狭かったのです。しかし、その代わりとでも言う様に燃焼した部分は悉く何も残っていなかったのです。炭化した木々の破片や灰が殆ど残っておらず僅かな痕跡からでしか山火事が起こった事が分からない程に。燃焼というのは温度が高いと残留物が残り難い、これは新しい火葬炉を想像して頂ければ分かって頂けるでしょう。新しい炉は古い炉よりも火葬温度が高いので余程丈夫な骨を持っている遺体でない限り殆ど燃えてしまうのと同じですね。それを示すように一部地面がガラスになっていました、これは余程高温でない限り発生しない現象です。

 強力な爆弾などでこの様な現象が発生するのは聞いた事がありますが、そんな物使おうものなら山火事だけでは済まされない程のニュースになっているでしょう。第一ここは日本、そんな物騒な物を簡単に用意出来ますかねぇ。

 もう一つ可能性があるとするならば...我々の様な人外(化け物)ぐらいですかね。

 

 そんなニュースもあれから1週間、今時の中学生には他にも面白いニュースがあるようで直ぐに風化しました。

 まぁ私としても生徒達がキナ臭い事件に興味を持ったりしないのは安心しました。あの増子さんも最初こそ興味を持っていた様ですが直ぐに別のスクープを見つけた様で其方に向かってくれました。

 もし、考えた以上に生徒が先のニュースに興味を持つ様な事があれば かれんさん に相談して危ない事はしないよう改めて注意喚起して頂こうかと思っていました。

 

 む?そのような事を考えていたら何やらワイワイと聞き覚えのある、というか彼女達が何やら大声を上げている様子...もしや。

 

「皆さん、どうされました?この様な場所で。」

 

「あっ、ウェザートさん!実はさっき...。」

 

 

 ふむ、どうやら のぞみちゃん が運び屋を名乗る謎の少年と共に一瞬で消えてしまったという事らしいです。間違いなくシロップ君でしょう、成程今日でしたか。

 

「分かりました、そういう事ならば私も一緒に のぞみさん の捜索を手伝いましょう。」

 

「でも未だお仕事が残ってるんじゃ...。」

 

「ご心配無く、最低限必要な仕事は終わらせてあります。先生方には急用が入ったとでも言っておきますので。」

 

『ありがとうございます!』

 

 お礼を言われる程の事ではありませんよ。第一この様な事態では天秤にかける様で申し訳無いですが彼女達の方が重要です。

 さてと、確か のぞみちゃん とシロップ君は大きな時計塔に居ましたね。この辺りで時計塔といえばあそこですか、直ぐに向かっても良いですか何故場所が分かったのか聞かれたら困りますし時間を見計らいつつ彼女達と共に捜索するとしましょう。

 今期の敵役が登場するのが夕方あたりだった筈、その時間で時計塔に向かえば問題ありませんかね。

 

 

「まさか!?あれって!」

 

「そうですよ!間違いありません!」

 

 はい、あれから少し経って のぞみちゃん達を発見しました。問題があるとすれば2人が暴漢に襲われかけているという事でしょうか。字面だけなら大問題なんですがシロップ君がいますし大丈夫でしょう。

 と思っていたら時計塔に居た皆さんが真っ逆さまに落ちてきました。人通りが少なくて良かったですよ、少なくとも傍から見たら阿鼻叫喚です。

 

「きゃあああぁ!」

 

『のぞみ(さん)!!』

 

 何もしないのはアレなので能力を使う姿勢だけ見せる事にします。取り敢えず風を手に纏わせておけばいいでしょう、本心としてはこのままあの〇安ボイスを吹き飛ばしてやりたいところですが。

 そうこうしている内に2人は地面に激突しそうになります。その瞬間モコモコとした煙に包まれて中から大きな鳥の姿になったシロップ君が現れました。

 

「ロプッ!」

 

『ロプ!?』

 

 あれよあれよと言う間シロップ君達は空の彼方に飛んで行ってしまいました。

 あの子〇ボイスも2人を追いかけて行ったようです。我々も追い掛けるといたしましょう。

 

「皆さん!私達も追い掛けましょう!」

 

「でも、あんなに早くて空も飛んでいるのにどうやって...?」

 

「それは勿論...我々も飛びます(・・・・・・・)。」

 

『...え?』

 

 言うが早いか全員纏めて風で包んで序でに光を屈折させて周囲からも見えないようにします。

 皆さん目をくりくりさせて驚愕されており大変可愛らしい、おっと。

 

「では皆さん、あまり口を開かないように。舌を噛んでしまいますから、それと目は瞑っておく事をお勧めします。酔ってしまうかもしれませんから。」

 

『ちょ、ちょっと待っt』

 

「すみません、時間がありませんので...行きます!」

 

『きゃあああぁ!!!』

 

 本日2回目のそれも4人分の絶叫が響き渡りました。

 空の旅に4名様ご案内です。

 あっ勿論私が先頭を飛んでいますよ?何故かというとセクハラになってしまいますから。

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 

 割と手加減したつもりだったのですが普段鍛えてる りんちゃん以外少しフラフラしています。これは悪い事をしてしまいましたかね。

 シロップ君の正体がココさん達と似たり寄ったりな不思議生物と判明して皆さん少し嬉しそうです。

 

「ちょっといいかな、お取込み中失礼。」

 

「あなたまたローズパクトを奪いに来たんでしょう!さっきはよくもシロップを!」

 

「違うよ、元々ローズパクトは我々に届けられる筈だったのさ。シロップが届け先を間違えたのさ。」

 

 さてそろそろ私も会話に混ざるとしましょうか。このままでは何でコイツいるの?って思われそうですし。

 

「失礼、先程から話に出ているローズパクトとは?」

 

「何だ貴様は?まぁいい、これさ。その娘が隠し持っている物こそがローズパクト、何の価値も分からない子供よりもその価値が分かる我々が持つべきだと思わないか?」

 

 そう言って奴は意気揚々とカタログ本を開いてローズパクトが載っているページを見せてきました。何でこういう奴ら妙にサービス精神豊富なんでしょうか?

 まあ幾ら説明されようともローズパクトにどれほどの価値があろうとも私には関係ありませんがね。

 

「さっきも言った様にシロップのミスなんだよ。貴様も同じ大人なら分かるだろ?真の価値があるものはその価値が分かる者が持つべきだ。」

 

「成程、ローズパクトとやらにはそれ程の価値があると。」

 

 そう言って一旦彼女達に目を向けます。全員が強い意志が籠った目をしている、やはり彼女達はこうでなくてはと思ってしまいました。

 

「ウェザートさん...?」

 

「分かったらさっさとローズパクトを此方に「ふざけるな。」...何だと?」

 

「貴様、今私に同じ大人ならと言ったな。ふざけるなよ、目的の為なら平気で他人を貶めようとする貴様なんかと一緒にするんじゃない。

 貴様が言うローズパクトにどれ程の価値があるか等私の知った事ではありません。ですが、今の私にとって最も価値ある私の生徒を貴様は傷付けようとしました。

 その罪の方が今は何よりも重いぞ、カニ擬き。」

 

「何を言うかと思えば下らん、そんなものは無価値だよ。それと1つ訂正だ、私はカニじゃなくてサソリだ!」

 

 そこにキレるのかとツッコミたくなりましたが我慢します。序に彼女達がいつでも逃げられる様に前に立ちました、つまり私と奴が向かい合っている状態ですね。

 

「だったらどうすると言うのですか?」

 

「我々エターナル流のやり方で、直ちにローズパクトを没収する!」

 

 ふむ、怪人に変身して来ましたか。それなら私も迎え撃ちましょう、とくと御覧じろ何てね。

 

「奪えるものなら奪ってみなさい。私が相手になりましょう、このナイトメアの元・最高幹部ウェザートがお相手する。」

 

「何だと!?」

 

 この掛け声を言うのは久方振りですねぇ。手加減出来ずに吹き飛ばしたらごめんなさいね。

 

想覚

 

 突風に熱波、冷気に雷雲、豪雨を纏って怪人態に変身完了。

 絶叫マシン以上のスピードで好感度下がらないかドギマギしたこのストレス、ぶつけさせてもらいます。

 

「瓦解したナイトメアの元・最高幹部だと!?何故そんな奴ここに!?」

 

難しい話じゃありませんよ、唯彼女達の夢と希望に魅せられただけです。

 

 早速奴が両腕の鞭で攻撃してきましたが片方は弾いてもう片方はウェザーマインで絡めとりカウンターで風の衝撃砲を浴びせます。

 この混乱に乗じて彼女達も離れてくれましたね。

 

「ぐおっ!?」

 

 それにしても私がまともに戦った相手ってプリキュア5の皆さんとあの野郎(カワリーノ)ぐらいですから、こう...ね?

 奴...酢昆布さんが弱い訳じゃないんですけど、もう少し食らいついて下さい。あれ?スケッチさんでしたっけ?

 

 まぁどうしようかじゃれ合っていると空の彼方からいつか見た光の蝶が現れました。

 光の中から5つの蝶、ココさんとナッツさんも登場です。

 私が戦っている以上彼女達は必ずしも戦う必要はない。どうしますか、皆さん?

 

「ローズパクトが!?」

 

 ローズパクトの光と5つの蝶の力が混ざり新たな力が生まれました。『キュアモ』、彼女達を新しいプリキュア5へと変える力。それを手に彼女達は再び力強い目を私に向けます。

 

皆さん、宜しいんですね。それを使うという事はまた戦う運命に巻き込まれてしまいますよ。戦うだけなら私がいます。

 

「心配してくれて、ありがとうウェザートさん。でもね」

 

「わたし達もう決めちゃったからさ。」 「生半可な覚悟じゃありませんよ!」

 

「これは成り行きとかではないわ。」
「そして私達に助けを求める人が居るなら!」

 

 やはり彼女達はその道を選びましたか。殆ど分かっていたようなものです、それならこうして悲観する必要はもうありません。こうして彼女達が自分で決めたのなら私はまたファンとして最大級に応援するのみ!

 

『私達はもう一度戦う道を選びます!』

 

プリキュア・メタモルフォーゼ!

 

大いなる希望の力! キュアドリーム!

 

情熱の赤い炎! キュアルージュ!はじけるレモンの香り! キュアレモネード!

 

安らぎの緑の大地 キュアミント!
知性の青き泉! キュアアクア!

 

希望の力と未来の光

 

華麗に羽ばたく5つの心 Yes!プリキュア5!

 

 今ここに新たな力を得て再誕したプリキュア5が復活を果たしました。ちょっと目頭が熱くなりそうですが我慢です。

 それならば私もまた彼女達と共に戦いましょう。

 ストップさんは私の名は知っていてもプリキュアの事は知らないという事で嘗めている様子。攻撃を仕掛けましたがドリームに受け止められカウンターを食らいました。続くルージュレモネードミントアクアの連携でタジタジ。お返しとばかりに殴り掛かるもドリームに正面から拳で打ち据えられれて決まりません。それに、

 

私を忘れられては困りますよ、ロブスター男!

 

「ごはぁ!」

 

 殴り掛かった後に出来た0.1秒の隙を突いて雷を纏わせたボディブローを叩き込みました。

 多勢に無勢もあるでしょうがぶっちゃけラスボスレベルな私が此方側な時点で相手にとっては割りと詰んだ状況ですね。恐らく今回はエターナルボールすら持ってきていなかったのでしょう。ホシイナーを使えばその隙に逃げ出せたかもしれませんが、これも運が悪かっただけです。

 

 まだ新たな力で変身したばかりで必殺技に目覚めていない彼女達では倒しきれないかもしれません。超獣化しないならそれに越した事はありません、だったら私が取り敢えず倒さない程度に吹っ飛ばします。

 

これで、終わりです。

 

「くっ!」

 

 風を纏って高速で近付き、回し蹴りを食らわせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時両腕をクロスさせて咄嗟に防御の姿勢を取る。全く認識していなかった方向からの強力な衝撃波、ソレによって体勢は崩れ威力は減衰し私はその場に着地するしかありませんでした。

 私を襲った衝撃波が来た方向を見やる。

 

「帰りが遅いから見に来てみれば、随分苦戦している様だなぁスコルプ?」

 

 漆黒のローブを身に纏った人物がそこにいた。顔や手、足などが全く伺えない為辛うじて声で男性だと分かる程度。誰だ、この人物は?こんな人物は私は知らない。私が忘れているだけ?そんな筈無い、ここまで強烈な人物が居れば忘れる筈が無い!

 

「お前は!わ、私は別に苦戦など!」

 

「していただろう?無様になぁ、そこの5人組とソイツになぁ

 

 フードに隠された頭でプリキュア5を見渡した後に一際強烈な圧を掛けて私を見やる。やはり只者ではありませんね、その余波だけで彼女達やスコルプが腕でガードしなければ一瞬吹き飛ばされそうになっている。

 何だ、私だけに向けられるこの感情は何だ悪意なのは間違いない。憎悪?殺意?詳しくは分からない。しかしこれ程までの悪意を持たれる事をした覚えが無い。

 それでも彼女達ではなく私に向けられているだけマシですね。それに、

 

「今回は退け、何の準備もしていなかったお前に出来る事は屍を晒すだけだ。」

 

「いいだろう、今回は退いてやる。ローズパクトも見つけた、次こそは没収してやる!」シュン!

 

「俺はローズパクトなぞどうでもいい。エターナルとは利害が一致しているだけだからなぁ。

 あぁ、だがやっとだぁ。やっと見つけたぞウェザートォ、他の財宝など要らんがいつかお前の命を貰うぞ。」シュン!

 

 それに、少なくとも完全体の私に明確な痛みを与えられる相手。現・エターナルの中でも最も警戒すべき相手ですね。

 いつの日か『プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン』を受け止めた時と同様に凍り付き治癒を促す腕を見てそう思わざるを得ませんでした。




私は かれんさん推しなのですが5GOGOでの変身バンクはレモネードが好きです。
でも全員共通の変身後の着地する瞬間も好きなんです。

第1話で早くも新キャラ出しちゃいましたけど個人的にこれで良かったのかと悩みながら書きました。


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第2話 命狙う、悪意向ける、おのれウェザート

ウマ娘やりたい、でもやり始めたらこれ書けなくなる。どうしよう。
5GOGO見返してるんですけど第4話の うららちゃん の動き凄すぎません?

※修正しました。いやぁ深夜まで書いてたの事故ってたの気付きませんでした。ご迷惑をお掛けしました。眠い目こすりながら何か内容と比べて文字数多いなあと思いました。


ウェザートさん、大丈夫!?

 

えぇ...問題ありません、ご心配をおかけしました。

 

 思ったよりも長い間自分の腕を見続けていた所為でどうやらアクアに心配をかけてしまいました。直ぐに治癒を完了させ元の状態に戻った腕を見せる事で安心して頂きました。

 しかし、それでも私の懸念は尽きません。文字通り戦う事に関してはピカイチだと自負している私、攻撃力は元より防御力も高いのです。その上基礎が人間であるドーパントと違って私は完全に人外です。その私に対して衝撃波のみで負傷させる実力を持つ相手の登場。未知数とも言える正体不明の私に対して悪意を向ける敵、こういった手合いは目的の為なら周囲の人間でさえ躊躇無く害するためよくよく考えたら全く油断出来ないじゃないですか。

 

 あぁ皆さんとても心配そうな目を向けられています。非っ常に心が痛い!

 いえ今は兎に角私よりもココさんとナッツさんの事情を優先してもらいましょう。良く分かっていない事よりも明確に分かっている大事の方が重大です。

 

兎に角今は私よりもココさん達の話を聞きましょう。

 

「それはありがたいが、大丈夫なのか?」

 

貴男方が来ただけならまだしも、共にプリキュアの力まで来た。この事実から其方の話の方が重要性は高いでしょう。

 

「気遣って貰ってありがとう、ウェザート。」

 

 とはいえ今日はもう遅いので詳しい話はまた明日という事にして軽く各々再会を喜んでいました。

 あー、 のぞみちゃん とココさんは特にココさんがよそよそしかったのが印象に残りましたね。この場面リアタイで見てても胸がキューッとなったの思い出しましたよ。

 

 

▲ ▲ ▲

 

▲ ▲

 

 

 ここはエターナル、世界中の財宝を奪い永久に保管するという目的で暗躍している組織の本拠地。

 そこで今、以前の会社が潰れた為新たに就職面接にブンビーが幹部アナコンディの案内の下に会社見学をしていた。

 

「ゆくゆくは世界中の価値あるありとあらゆる宝物を手中に収めるのが我々エターナルの目的です、お分かりになりましたか?」

 

「えぇ、それはもう!」

 

 かなりゴマすりの姿勢を見せておりどうにかして就職したい心が丸見えである。そんなブンビーの事など然して興味も無いのかとことん事務的なやり取りが続いていき段々冷や汗を掻き始めるブンビー。これでも以前の組織では元・幹部(中間管理職)である。

 

 そうこうしている内にアナコンディの部屋に着く。そこには先客が居たようでスコルプと漆黒のローブの男である。

 

「あら、スコルプさん...それに貴方も帰っていたんですね。おかえりなさい。」

 

「ああ。」

 

「アナコンディさん、ローズパクトを発見しました。」

 

 スコルプの言葉にアナコンディの目の色が変わった。エターナルが収集するどの財宝よりも優先度の高い物を見つけたという言葉に興味がそそられる。

 

「それは本当ですか?」

 

「ええ、リストと照合しましたので間違いありません。」

 

 その言葉によって機嫌が良くなり珍しく部下を褒めた。これでローズパクトをコレクションに加える事が出来れば館長も喜ぶ、と。

 しかしその良くなった機嫌に水を差す様に悪辣な笑い声が響く。視線を向けてみれば漆黒のローブの男だ。

 

「何ですか、その様な笑い声をあげて。」

 

「ククク、そうは言うがなアナコンディよぉ。スコルプ(ソイツ)は俺が迎えに行かなかったらローズパクトを持ってる奴らに...いや、正しく言うならソイツ等と一緒に行動してるに消されてたぜ。」

 

 ローブの男の説明にアナコンディは眉を顰める。折角探し求めたローズパクトが手に入ると思った矢先にスコルプを倒せる程の存在が居ると言うのだ。

 しかもこの男が大層嬉しそうにそれでいて嘲る様に語るのだから要注意事項だ。

 

「どういう事ですかスコルプさん、何者なのですか。」

 

「は、はい。それがプリキュアとかいう5人組と既に瓦解したナイトメアの元・最高幹部ウェザートという奴でした。」

 

 プリキュアという存在は知らなかったがウェザートという人物には心当たりがあった。表舞台に立つ事は殆ど無かったがかなりの実力者だという噂だったと思い返す。そんな存在が相手では確かにスコルプが負けても仕方無いと考えるが、それならこの男はそんなウェザートが相手でも少なくともこうしてスコルプを連れ帰るだけの実力があるのだと考えた。

 未だにエターナルと手を組んでいる者であるとはいえあくまでも利害一致の関係でしかない為未だに実力も底知れない。

 そんな事を考えているとプリキュアとウェザートの名に反応した者が1名。今の今まで存在ごと忘れられていたブンビーだ。その様子にアナコンディはその者達の詳細を知っているのか尋ねる。

 

「はぁい!伝説の戦士プリキュア、前の組織に居た時に何度痛い目に遭わせてやった事か!」

 

「では、ウェザートという人物の方は?」

 

「はい!私の元・上司だった存在であります!前の組織の中では新参者だった事もあり私が色々と面倒を見た人物です!」

 

「ふむ...良いでしょう。ブンビーさんでしたね、採用します。」

 

 自分の知っている事を捏zoもといちょっと盛って話した為ブンビーが採用された瞬間だった。

 そんな彼らを嘲笑う者が一人。

 

(ククク、お前ら如きがに幾ら対策を立てようと勝てるものかよ。の命を頂くのは俺だ。)

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 次の日、ココさん達から詳しい話を聞きました。私は既に知っている事だった為記憶と照らし合わせる復習も込めて聞いていました。

 原作通り戴冠式が執り行われる日に何者かによる襲撃によって新生・パルミエ王国に集まっていた各国の王達が散り散りに離散。その後 のぞみちゃんを襲った相手と同じエターナルという組織だと判明。

 やはり此処までは原作通り、だったら例の山火事といいあのローブの男といい何が起こっているんでしょうかね。一番疑うべき原因は私という異分子が紛れ込んだ事による弊害といった所でしょうか。某狩猟ゲームでも言ってました、大いなる存在がいれば自然に自浄作用が現れる的な事を。私という異物を等々世界が排除しようと送り込んできたのがあのローブの男だったとか?ダメです、思考が纏まらない。

 

「ココとナッツはこれからどうするの?」

 

「散り散りになってしまった4つの国王を探す。彼らはパルミンという存在に姿を変えてこの世界に居る筈だ。」

 

 おっと、考え込んでいる間に話が進んでしまっていました。のぞみちゃん はまたココさん達と過ごせると分かって嬉しそうですが、ココさんココさんで望まぬ形での再会やまた戦いに巻き込んでしまった罪悪感からか のぞみちゃん と以前の様に話す事が出来ていませんね。まぁその気持ちも分かります、私もその考えで昨日まで悩んでいましたから。彼女達の言葉が聞けなければ私はこれから先ずっと後悔したままだったのかもしれません。

 

 こっちので拠点としてもう一度ナッツハウスを復活させる事、自国で4か国の王達が襲われたので自分達には彼らを助ける義務がある事、そして一度パルミエ王国に連絡をしたい事などを要点として纏めたようです。

 連絡に関してはシロップ君に手紙という形でパルミエ王国に届けて貰おうしましたが断られてしまいましたね。

 それでもって話題は次へ、打って変わって真剣な表情に。あまり彼女達やココさん・ナッツさんも危険な目に遭わせたくなかったので嫌だったのですがね。

 

「それであの時現れた黒いローブの人についてなのだけれど、ウェザートさん何か心当たりはあるかしら。」

 

「かれんさん、皆さんもそのようにあまり心配なさらないで下さい。しかし、そうですね...あそこまでドス黒い悪意を滲ませる人物に今の所該当する人物はいません。」

 

「そう...でもウェザートさんに怪我を負わせられる程の力を持った人物、ね。」

 

 その言葉に皆さんの表情が一段階暗くなる。あぁだから話題にしたくなかったんですよ、こうなるのは目に見えていましたから。

 ナッツさん達は暗いというより引き攣った表情になりましたね。当たり前ですか、自分達の国と4か国の王達を襲った組織そんな得体の知れない恐ろしい存在が居るのだと分かったのだから。

 

「皆さん、あまりそのように気を落とさないで下さい。」

 

「でも...。」

 

「こう言っては皆さん更に気にするかもしれませんが、あの人物の目的は私でしょう。なのでもし次に私と居る時に奴と出会ったら直ぐに逃げて下さい。」

 

「でもそれって囮って事じゃないの!」

 

 そう、これは私が囮になるという前提の話です。当然彼女達は嫌がるでしょうね、しかし今私が思いつく手段はこれくらいしかありません。私の所為で誰かが傷つき涙を流すのはもう見たくありませんので。

 仮に奴の戦闘能力が最低限私と同格だとしましょう。そんな存在同士が戦えば例え私が結界を張っても忽ち破壊され意味を為さなくなります。全力でぶつかればその時の被害は想像するのは容易いでしょう。それに、

 

「そうですね、その通りです。しかしこれはもしもの話です、そこまで重く受け止めないで下さい。」

 

「...分かったわ、でも納得はしてないわよ。」

 

「ありがとうございます。それに貴女達には今やりたい事が出来たのでしょう?だったら今は其方を優先しなさい。」

 

『はい!』

 

 良かった、これで取り敢えず話はまとまったようです。

 次に新たなナッツハウスの場所を決める事になりました。以前の場所は別の方に貸してしまったのでまた新たな場所を かれんさん に紹介してもらう事になったのですが...かれんさん、この規模の建物を狭いとは言いませんよ。

 

 

▲ ▲ ▲

 

▲ ▲

 

 

「それではアナコンディさん、予定通り私がローズパクトを手に入れてきます。」

 

「ええ、よろしくお願いします。」

 

 場所は変わってエターナルの本拠地、ブンビーからプリキュア達の情報を聞き終えたアナコンディ達。本来ならばこのままスコルプが再度プリキュア達を襲撃しに行く筈だったがそれに異を唱える存在が。

 

「...待て、俺が行く。」

 

「何?貴様俺の仕事を奪う気か?」

 

 これからローズパクト奪取に向かおうとしていた矢先にこの男から突然の待ったである。スコルプが癪に触るのも分かるというもの、反対にアナコンディはこの男が突然こんな事を言い出した事の理由を知りたい為静観する事にした。

 

「あの男がいる時点でお前じゃ勝てないさ。良いようにボコボコにされたのを憶えているだろ?」

 

「くっ!貴様ッ!!」

 

 嘲るようなあまりにもな物言いについ怒声を上げてしまったのは致し方無いだろう。

 更に男はその調子で言葉を続ける。

 

「何度でも言うぜ、お前じゃ勝てない。狙うんなら奴が居ない時を狙うんだな。それにお前も何時までも俺に助けられた借りがあるのは嫌だろう?」

 

「...アナコンディさん、どうしますか?」

 

「良いでしょう、しかし貴男の目的は何です?」

 

「お前らから貰った新しい()を試したいのさ。それで何かしら結果が出れば御の字だろう。」

 

 ローブの男に許可を出し、改めて出撃したい理由を問いただす。

 返ってきた答えに疑問が浮かぶ。自分達から貰った力とは何の事なのだろうかと、ホシイナーを生成するエターナルボールであれば確かに必要があれば社員全員に支給されるが話に聞く限りウェザート相手では力不足も良いところだろう。それが分からない男では無い筈であるので尚更疑問が湧く。

 

「我々から受け取った力とはエターナルボールの事ですか?」

 

「当たらずとも遠からず、だ。それを元に俺が作り出した力さ。」

 

 そう言い残すとローブの男は空間に溶ける様に消えて行った。

 尚、ブンビーは最初から居たが話にすら入れて貰えなかった様だ。

 

 

☆ ☆ ☆

 

☆ ☆

 

 

 ココも再び小々田コージとして学園で教師として働き始めた。ウェザート扮する上里もこうして共に教職に就けて事は心強いと改めて歓迎の言葉を述べたが彼は何処か上の空に近い状態であり、上里も十中八九プリキュア絡みの事だと納得し当人達で解決するまで見守る事に決めた。そうと決めれば時間はあっという間に過ぎていく物で既に放課後。上里は明日の教材や資料を纏める為に理科準備室にて作業中。生徒達も下校する者、部活に行く物、委員会等様々な事に専念している。

 

 そんな学園に一人の侵入者が居た。凡そ似つかわしくない闇のような漆黒のローブで全身を隠した出で立ちの人物が学園の中庭に...。

 そんな怪しい恰好をしている人物が居れば勿論人目に付くわけで。

 

「何あの人、不審者?新聞のスクープになりそうなもの探してたらこんな場面に出くわすなんて!」

 

 木陰から僅かに顔を覗かせその不審人物の様子を伺うのサンクルミエール通信編集長を自称する増子美香である。流石に本当に不審者であれば記事軽々しく記事になど出来ないがせめて写真を1枚撮って証拠として先生に提出・対応してもらおうと考えカメラを向ける。

 

「...え?」

 

 カメラを向ければさっきまで見えていた不審人物が居なくなっていた。

 その代わり自分に急に影が差したのに気が付き振り向こうとした。

 

「丁度良い、お前に決めたぞ。」

 

 声を出す暇すらなく彼女の意識はそこで途絶え、ローブの男は手の中の物をカメラに翳すとその場を後にした。

 

 

☆ ☆ ☆

 

☆ ☆

 

 

 場所は変わって此処は学園の誇る図書館。新書から古書までとり揃える大が付く程の学園の自慢の図書館だ。

 今日は偶々人出が少なかった様で中に居るのは極少数、浮かない顔をしたココが のぞみ から受け取った手紙を読んでいた。そこへココを探しに来た のぞみ が話していた。

 

「私、ココとまた会えて嬉しかったよ。でも、ココはそうじゃなかったみたい,,.。」

 

「そんな事ッ!」

 

「ごめんね、ちょっと気になってさ。お仕事、頑張ってね。」

 

「待って!そうじゃないんだ。」

 

 傍から見れば恋愛ドラマの一場面に見えるだろう。お互いがお互いの事を想っているからこそ言えずすれ違い行き違っている感情だ。

 そんな場面にシロップが現れた。のぞみ とキュアローズガーデンについて話をしようと思って来たがココが居た為つい悪態をついてしまう。

 ココはココでそんなシロップの言葉に確かに的を得ていると思ってしまう。のぞみ の気持ちも考えずあんな素っ気ない態度で手紙を受け取ってしまった自分は確かに最低だと。

 

 そんな場面に水を差すような人物が現れた。

 

「何だよ、此処に来ればアイツに会えると思ったのに居ないじゃねぇか。」

 

 闇のような漆黒のローブで全身を覆ったあの時の謎の男である。

 その禍々しい悪意を間近で感じた事によりココとシロップは元の姿に戻ってしまった。その間にも男は1歩1歩近づいて来る、楽しそうに獲物を狩るハンターのように。

 

「まあいいや、お前らにはアイツを誘き出すエサになってもらおうか。その間にコイツと遊んでな!」

 

 男はエターナルボールを本棚に投げると其処から本棚をベースとしたホシイナーが現れた。

 男はあくまで高見の見物といった具合で手を出してくる様子は無さそうだがホシイナーの方は直ぐにでも襲い掛かって来そうだ。

 のぞみ はローズパクトを取り出すとココに持たせる。

 

「ココ、これをお願い。」

 

「おい、何でこんなやつに渡すロプ。」

 

「ココと一緒に逃げて。絶対に私が守るから!」

 

 そのまま のぞみ はホシイナーに対峙するべくプリキュアに変身した。

 

 

★ ★ ★

 

★ ★

 

 

 ふう~これでやっと明日の準備が終わりました。私とした事が明日は3学年4クラス分ある事を失念していました。

 それと のぞみちゃん のクラスは明日小テストの返却、と。う~ん、このままだと次の小テストのぞみちゃん だけ追試しなくちゃいけなくなりそうですねぇ。

 

 なんて思っていたら図書館の方から微かな揺れと一度受ければ決して忘れる事の無いこの悪意!まさかあの男がこの短期間で現れたと言うのですか!

 今日はスコルプが来る日では無かったのですか!いや、こんな事考えている暇は無い。原作通りならあの揺れは彼女達が戦っている証拠、急がねば!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ、やっと来たか。待ちくたびれたぜ。」

 

やはり貴方でしたか、一体何の用ですか。

 

「言っただろ?俺の目的はお前だよ。今日は挨拶がてら土産(・・)も持って来たぜ。」

 

 現場に着くとあのローブの男が手すりに凭れ、プリキュア5とホシイナーの戦いまるで観戦しているようでした。フードの所為で分かり辛いですが酷く退屈そうにしている様子です。

 反対側にはローズパクトを抱えたココさん達が居るというのに見向きもしていない。一体この男なんなんですか。

 

お土産?まさか彼女達が戦っているものですか。

 

「はっ、そんな訳無いだろ。まあいいや、驚くぜお前。」

 

 そう言うと奴は虚空に腕を伸ばし何かを引っ張る動作をするとその腕の中には1人の意識を失った女生徒が、この子は!

 

増子さん!

 

「おいおい、驚くのはまだ早いぞ。ここからなんだからなぁ!」

 

 そう言って奴が増子さんが抱えていない方の腕から手が見えた。信じられなかった、今まで長い袖の所為で見えなかったその手には私が予想もしていなかった物が握られていた。

 

そんな...ガイア、メモリだと。

 

「ククク」カチ

 

CAMERA!

 

 奴はガイアメモリを起動させるとそのまま意識のない増子さんの首筋に突き立てた。

 そして増子さんは、

 

「ああああアアアアアアAAAAAAAAAAaaaaaaa!!!」

 

 あまりの苦痛に絶叫しながらカメラ・ドーパントとでも呼ぶべき姿に変身させられた。




やりたいゲームが多すぎる。
誘惑が多すぎる。


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