全ての仮面ライダーに変身したいと言ったけどガチャなんて聞いてないよ (けーやん)
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オマケ
お気に入り登録3,000人突破記念エピソード(仮)の予告


お気に入り登録3,000人突破記念としてオリジナルエピソード(仮)を投稿しようと思います。

まだシナリオとかは現在構築中です。


突如、世界から【オールマイトの歴史】が消えた。

 

「オールマイト?誰だそれは」

 

「何言ってるの!?どうして皆オールマイトの事を忘れちゃったの!?」

 

「これは……っ」

 

人々の記憶からオールマイトが消え去られていた。

 

「私こそが、平和の象徴だ」

 

そして、オールマイトと入れ替わる様に君臨する真の平和の象徴【ワールド】。

 

「【ワン・フォー・オール】は私の"個性"だ」

 

 

『ワン・フォー・オール!』

 

 

「違う!それはお前の力じゃない!」

 

何故【ワールド】が【ワン・フォー・オール】を宿しているのか?

 

「貴方たちは!?」

 

そして来太と出久のピンチに駆けつけたのは、最高最善の魔王とその仲間たち。

 

 

「悪いけど、2人はやらせない」

 

「行くぞ、ソウゴ」

 

「さあ、行こうか。我が魔王、ゲイツくん」

 

「2人とも、しっかりして!」

 

 

仮面ライダージオウ【常磐ソウゴ】

 

仮面ライダーゲイツ【明光院ゲイツ】

 

仮面ライダーウォズ【ウォズ】

 

仮面ライダーツクヨミ【ツクヨミ】

 

 

ソウゴたちと共に歴史の異変を探る来太と出久。

 

「歴史が変わったのは、おそらく【タイムジャッカー】が過去の何処かに介入したのが原因だろう」

 

「過去という事は……」

 

「オールマイトが【ワン・フォー・オール】を継承する前の時代!」

 

その謎を解く鍵は、オールマイトが【ワン・フォー・オール】を継承する時代にあった。

 

「行こう、出久」

 

「うん!」

 

「勝手に仕切るな来太!主役は俺だ!」

 

「ちょっと先輩、暴れないでよ」

 

「俺たちも行くで!」

 

「わーい♪僕も行っても良いよね。答えは聞いてない!」

 

「では行くぞ家臣一同、私に付いて参れ」

 

「来太、ハンカチは持ったか?」

 

「気をつけて行こう、来太」

 

「うわー!何かカラフル!」

 

「どうしてコイツらが居るんだ!?」

 

「これはこれは……」

 

「何がなんだか……」

 

来太と出久たちは、時の列車【デンライナー】で過去へ遡り、辿り着いた先は40年前の日本。

 

そこで出逢ったのは、

 

「何で君から【ワン・フォー・オール】が感じるんだ?」

 

「貴様たちは何者だ?」

 

「もしかして、貴方たちは……」

 

7代目継承者【志村菜々】

 

若かりし頃の【グラントリノ】

 

「【ワン・フォー・オール】を受け継ぐ人間はワールドじゃありません!」

 

「違う。彼こそが平和の象徴になり得る存在なんだ」

 

対立する継承者たち。

 

そして、黒幕が動く。

 

「お前がタイムジャッカー……!」

 

「そうだよ。私がタイムジャッカーの【ミューレ】。よろしくね!」

 

タイムジャッカー【ミューレ】。

 

「ただの凡人が【ワン・フォー・オール】を持つ資格なんて無いよ」

 

「何だって?」

 

ミューレの言葉の真意とは?

 

そして、出久は()と出逢う。

 

「君は……もしかして」

 

「僕の名前は【八木俊典】。君は?」

 

未来で出久の師となり、平和の象徴と呼ばれる筈の男【八木俊典】。

 

決して出逢う筈のない2人の間に、奇妙な繋がりが生まれる。

 

「緑谷くんはどうしてヒーローを目指すの?」

 

「憧れの人が……僕に"君はヒーローになれる"って言ってくれたんだ」

 

過去と現在。

 

2つの時代で繰り広げられる、壮大な戦いが始まる。

 

「貴様如き餓鬼が、この力を持つ資格などあるものか!私がこの力で全世界を管理する!」

 

「【ワン・フォー・オール】に受け継がれて来たのは、力だけじゃない!平和を願う想いだ!!

 

世界を平和に導くのは力か?想いか?

 

「へぇ、邪魔するんだ。この世界は貴方たちが居た世界じゃ無いのに」

 

「邪魔するよ。だって俺……魔王だから」

 

「貴様の様な存在から世界を救うのが救世主の使命だ」

 

「生憎、この様な歴史はお断りだね」

 

「貴女の好きにはさせない!」

 

「行くよ、モモタロス!皆!」

 

「へっ、漸く出番だぜ。改めて……俺、参上!」

 

「お前、僕に釣られてみる?」

 

「俺の強さに、お前が泣いた!」

 

「お前、倒すけど良いよね。答えは聞いてない!」

 

「降臨!満を辞して」

 

「最初に言っておく、胸の顔は飾りだぁ!」

 

「来太、カウントダウンは?」

 

 

そして、最強チームが集結する。

 

 

「祝え!ジオウトリニティと電王 (スーパー)クライマックスフォーム。三位一体と六位一体、合わせて九位一体の力が巨悪を討つべく君臨した瞬間である!!」

 

 

『僕のヒーローアカデミア Another story "One for all"feat.DEN-O&ZI-O』

 

 

インターン編終了後、連載予定!!



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雄英高校入試編
1スレ


初めて投稿します。
至らない部分がありましたらバンバン感想で教えて戴ければ幸いです。


1:スレ主

先程前世の記憶が蘇ったのですが、自分のいる世界がどんな所なのか誰か教えてください。

 

2:名無し転生者

新入りかい?

歓迎するよ。

 

3:名無し転生者

しかし、よくこの掲示板の存在に気がついたね。

 

4:スレ主

記憶が蘇ったと同時に掲示板へアクセス出来るようになったんですよ。

他にも俺と同じ境遇の方が居てくれて心強いです。

 

5:名無しの転生者

全く同感

 

6:名無しの転生者

遠慮なく相談して良いよ。

早速だけど君の居る世界について説明してくれないか?

 

7:スレ主

はい。

俺が居る世界は人口の約8割が【個性】と呼ばれる力を宿してまして、その力を使って悪事を働く者を抑制したり災害などで救助活動を生業としてヒーローが職業化した世界なんです。

 

8:名無しの転生者

ヒロアカじゃないか!?

 

9:スレ主

ヒロアカ?

 

10:名無しの転生者

僕のヒーローアカデミアと言うジャンプ漫画の事だよ。

まさか転生先がヒロアカとはね。

 

11:名無しの転生者

アタリともハズレとも言い難い作品だな。

 

12:杜王町の幽波紋使い

そういう意味では俺が居る杜王町と差して変わらないな。

 

13:名無しの転生者

幽波紋使いニキ!

しかも杜王町だと!?

 

14:名無しの転生者

4部ですか?8部ですか?

 

15:杜王町の幽波紋使い

>>14

4部だ。

ぶどうヶ丘高校の2年で東方仗助達の先輩だよ。

スタンド名は『キング・クリムゾン』

 

16:名無しの転生者

キンクリ!?

大丈夫なんですか、本編前の4部で5部のラスボス幽波紋使って

 

17:名無しの転生者

いや、確か承太郎も含め4部のキャラ達はディアボロに出会わないからセーフじゃない?

ポルナレフも承太郎と連絡取れてなかった筈だし。

 

18:杜王町の幽波紋使い

>>17

それで合ってるよ。

まあ、基本『エピタフ』による未来予知とラッシュ攻撃で大抵の敵に勝てたから【時を飛ばす】能力は滅多に使わなかったし、周りからはそこまで警戒されなかったよ。

 

19:空座町の無下限呪術師

僕も愛染やユーハバッハ以外に領域展開使わなかったから危険分子扱いされなかったしね。

 

20:名無しの転生者

このスレにどんどんチート転生者が参加している件については置いといて、スレ主くんは今後どうするの?

 

21:スレ主

俺は進路を雄英高校に絞っていますので、試験に向けて勉強と個性の訓練を行う予定です。

 

22:空座町の無下限呪術師

やっぱり雄英目指すんだ。

ちなみに君の個性はどんなの?

 

23:雄英志望の仮面ライダー

俺の個性は【仮面】。

昭和・平成・令和全ての仮面ライダーに変身する能力です。

 

24:名無しの転生者

仮面ライダー!

しかも平成縛りとか令和縛りじゃなくてオールライダーかよ!?

 

25:空座町の無下限呪術師

うわー、僕が言えた事じゃないけどチートだね。

 

26:杜王町の幽波紋使い

パワーバランス崩れないか?

 

27:雄英志望の仮面ライダー

>>26>>27

それなんですけど、実は条件がありまして。

ガチャをしないとライダーの力が手に入らないんです。

 

28:名無しの転生者

ガチャ?

ソシャゲみたいな?

 

29:雄英志望の仮面ライダー

そうです。

しかもレアリティの概念があって、レア度はN(ノーマル)R(レア)SR(スーパーレア)LR(レジェンドレア)まで存在してランクが高い程入手が困難なシステムなんです。

それとパーティ編成が出来るみたいで最大3枠ありました。

 

30:杜王町の幽波紋使い

ある種の縛りだな。

 

31:空座町の無下限呪術師

レア度の基準ってどうなの?

 

32:雄英志望の仮面ライダー

主役ライダーはSR(スーパーレア)LR(レジェンドレア)ですね。

チート能力を持ってるライダーが高レア設定みたいです。

例えばBLACK RXやオーマジオウやラスボス系ライダーはLR(レジェンドレア)に含まれます。

サブライダーの殆どはR(レア)SR(スーパーレア)で、一部と量産型ライダーはN(ノーマル)です。

擬似ライダーはガチャ対象外になってます。

 

33:名無しの転生者

量産型ライダーもガチャ対象なんて細かいな。

 

34:空座町の無下限呪術師

各ライダーのデメリットはどうなの?

ミラーモンスターの餌とか555系はオルフェノクじゃないと扱えないでしょ?

 

35:杜王町の幽波紋使い

それに昭和ライダーだと改造人間にならないと変身出来ないだろうし。

 

36:雄英志望の仮面ライダー

>>34>>35

その点は大丈夫です。

各ライダーに変身する際は身体が転身(コンバート)しますし、ミラーモンスター達の餌は不要みたいです。

 

37:名無しの転生者

それは良かった。

ヒーロー目指すのに○人事件を起こすのはアレだし。

 

38:空座町の無下限呪術師

そう言うのは神様(?)が何とか調整してるみたいだからね。

転生者の立場が危うくなる様な事は向こうも都合が悪いでしょ。

 

39:雄英志望の仮面ライダー

そうですね。

一先ず、入試に向けて力を付けておきます。

 

40:杜王町の幽波紋使い

そうだな。

何かあればまたスレを挙げてくれ。

 

41:空座町の無下限呪術師

原作終わってる組は現状時間あるから相談にいつでも応えれるからね。

なんなら特訓に付き合うけど。

 

42:名無しの転生者

ジャンプ漫画屈指のチート能力持ってるけど大丈夫なのか?

 

43:空座町の無下限呪術師

大丈夫、ちゃんと力は抑えるし。

何より僕、最強だから。

 

44:杜王町の幽波紋使い

五条ムーブかますな。

まあ、俺も吉良吉影の件が片付いているから協力は出来るぞ。

 

45:雄英志望の仮面ライダー

呪術ニキも幽波紋使いニキありがとうございます!

お二人が宜しかったら是非ご指導お願いします!

 

46:名無しの転生者

俺は超能力とか使えないけど、相談くらいなら乗れるから。いつでも言ってくれ。

 

47:空座町の無下限呪術師

そう言えば君の転生先何処なの?

 

48:杜王町の幽波紋使い

なかなか聞けなくてスルーにしてしまったが、気になるな。

 

49:メイドラゴン(+幼女+ロリ巨乳)の主

まだ名乗ってませんでしたね。

今コテハン変えました。

 

『小林さーん、ご飯出来てますよー』

『分かった』

 

すみませんがちょっと抜けます。

 

50:杜王町の幽波紋使い

コテハンのネーミングセンスが気になるが区切りが良いし、御開きにするか。

ライダーくんもそれで良いか?

 

51:雄英志望の仮面ライダー

はい。

それでは皆さん、これからよろしくお願いします。

 

52:空座町の無下限呪術師

またねー。

 

53:杜王町の幽波紋使い

ああ、またな。

 

54:メイドラゴン(+幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れさま。




主人公
佳面来太(かつららいた)
由来:佳面→かつら→かめん→仮面
   来太→らいた→らいだ→ライダー


個性:【仮面】
昭和・平成・令和全ての仮面ライダーに変身する能力。
変身アイテム・バイク・サポートツール等はイメージする事で具現化する。
変身するライダーに合わせて瞬時に肉体を転身(コンバート)する。

制約
・ガチャをしないとライダーの力が手に入らない
・レアリティが存在し、レア度はN、R、SR、LR
・パーティ編成の最大枠は【3】

ガチャの排出率
LR 3%
SR 10%
R 35%
N 52%

ピックアップ排出率
LR 5%
SR 15%
R 35%
N 45%

※10連ガチャの場合SR以上1枠確定仕様


登場人物紹介

杜王町の幽波紋使い
【ジョジョの奇妙な冒険 第4部】の転生者
年齢17歳
ぶどうヶ丘高校2年生
スタンド名『キング・クリムゾン』

虹村兄弟登場から東方仗助と接触。音石明から虹村形兆を救った以降形兆とは親友関係を築く(仗助と億泰コンビ並)。
重ちーこと矢安宮重清を吉良吉影から救出したが辻彩を助ける事が出来なかったことで自身を責めるが形兆と仗助達の言葉で戦意復活し、最終決戦で仗助とのコンビで吉良吉影を撃破する。
現在はS.W財団の調査依頼をこなしながら考古学者を目指して大学進学に向けて勉強中。


空座町の無下限呪術師
【BLEACH】の転生者
年齢 28歳
社会人(警察官)
能力『無下限呪術』『六眼』

外見は【呪術廻戦】の五条悟。
黒崎一護とは小学生時代からの親友。
幼少時代から虚退治を行なっており、グランドフィッシャーから黒崎真咲を救出している。
愛染やユーハバッハといった強敵相手に無双した超自由人。
死神・破面・完現術者・滅却師を超える最強。
浦原商店の常連客で駄菓子を定期的に爆買いしている。
有沢竜貴と結婚しており、一人娘を授かる。


メイドラゴン(+幼女+ロリ巨乳)の主
【小林さんちのメイドラゴン】の転生者
年齢 25歳
社会人(システムエンジニア)

小林さん(♂)。
同居人のドラゴン三人娘を養う大黒柱。
微ブラック企業「地獄巡商事 北千住事務所」のシステムエンジニア。
同僚の滝谷真とはオタク仲間で良く互いの家でゲームをする仲。
一人暮らしが長かった事もあり家事全般こなせる(衣服を畳むのが苦手)。
得意料理は鶏の唐揚げと煮魚。
好きなお酒はウイスキー(飲み方はロック一択)と日本酒。
トールからの過度なスキンシップに抵抗を感じている(満更でもない様子)。


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2スレ

第2話を投稿します。

質問・感想お待ちしてます。

今回は初ガチャ回です。



国立雄英高等学校(こくりつゆうえいこうとうがっこう)

"平和の象徴"であり、No.1ヒーローでもあるオールマイトを始めとした名だたるヒーロー達を輩出し、偉大なヒーローには雄英卒業が絶対条件と言われるほどヒーローになるための登竜門として認知されている。

 

プロヒーローを目指す者なら誰もが憧れるヒーロー育成校の頂点だが、名門校であるが故にヒーロー科2クラス40名の狭き門でもある。

 

毎年日本全国からヒーロー志望者たちが集い、入学を懸けてしのぎを削っていた。

 

その雄英に1人の少年は挑戦する為に、己を鍛え続ける。

 

 

 

ーー東京都にあるスポーツセンター内のトレーニングルームーー

 

(196…197…198)

 

「佳面くん頑張れ!あともう少し!」

 

俺がトレーニング器具を使いと懸垂をしている横で宙に浮いた女性物のスポーツウェアがエールを送る。実際には宙に浮いているのではなく、彼女の体が透明で浮いている様に見えるだけだが。

 

透明人間な彼女の名前は『葉隠透』。

俺が通う毛糸中学のクラスメイト兼友達である。

 

「199…200!」

 

目標の回数を達成し、パッと器具から手を離して着地する。

 

「お疲れ様!はいコレ!」

 

「ありがと、葉隠さん」

 

葉隠さんから差し出されたタオルを受け取り、顔や首筋に浮かんだ汗を拭い取る。

 

「凄いよ佳面くん!懸垂200回を3セットなんて!」

 

「途中休憩挟んでの3セットだから、そこまで大した事ないよ」

 

「そんな事ないって!私なんて20回を2セットが限界だし」

 

上着の両袖をプルプル震えさせる葉隠さんの姿に苦笑する。

 

「けど最初の頃より力とスタミナがついてきたよね。日頃から鍛えてる証拠だよ」

 

「えへへ、そうかな?佳面くんの指導のお陰だよ」

 

「トレーニングメニューを考えたのは俺じゃなくてオヤっさんだよ。俺はただ横で見てただけ」

 

すると葉隠さんは「もう〜」と唸り、俺の頬を両手で力一杯引っ張る。

 

「そうやって謙遜が過ぎると嫌味に聞こえちゃうから、人の好意を素直に受け取らないとダメだよ!いい?」

 

…ふぁい、ふみふぁしぇんべふぃた(…はい、すみませんでした)

 

「それでヨシ!」とニコッと笑い(雰囲気で笑っていると感じ取る)、手を離してくれた。

 

「君たち。あまり騒がれると他の人たちに悪いから気をつけてね」

 

「あ、すみません。気をつけます」

 

俺たちのやり取りに気づいた職員から注意を受け、即座に謝罪する。

 

「見たところ学生さんっぽいけど、もしかしてヒーロー志望かな?」

 

「はい、そうですけど」

 

「ああ、やっぱり。君たちみたいな若い子がトレーニングしているとなるとヒーローを目指しているのかなって思ってね」

 

「はい!私たち雄英目指してます!」

 

「雄英を!?凄いな、名門校だから受験大変だろうけど頑張ってね。応援してるよ」

 

「ありがとうございます」

 

「頑張ります!」

 

俺たちはその後もトレーニングを続けて、2時間後にトレーニングルームを後にする。

 

 

ーー帰宅途中ーー

 

「今日もトレーニング付き合ってくれてありがとね!」

 

「俺の方こそありがとう。一人でやるのも良いけど、誰かと一緒だと今まで以上に頑張らなきゃって思ってやれるから」

 

スポーツセンターの最寄駅から30分電車で移動し、そこから徒歩でお互いの自宅まで移動しながら彼女と話す。

 

「あと半年もすれば一般入試だし、トレーニングもそうだけど勉強の方も頑張らないとなぁー」

 

「葉隠さん要領良いから問題ないだろ?ケアレスミスが無ければ大丈夫だって」

 

「全国模試で常に上位にいる佳面くんがそれ言っちゃう?」

 

「夢が明確になっている以上、そこに向かって力をつけていっているだけだよ。葉隠さんもだろ?」

 

「そうだけどさー」

 

納得しきれない彼女に、俺は生前から心に残る名言を送る。

 

「大丈夫だよ。自分のやりたい事、やれる事。やればいいんだよ、少しずつさ。それが強さになるんだよ、きっと。そんな感じ」

 

「葉隠さんならそれが出来るよ」

 

「……そっか。うん!やってみるよ!!ありがと佳面くん!」

 

こうして俺たちは各々の家へと戻った。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【ライブ配信モード】

 

55:雄英志望の仮面ライダー

家に帰宅しましたので、今から実装中のピックアップガチャを回したいと思います。

 

56:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

唐突にガチャ実況始まるんかい。

 

57:空座町の無下限呪術師

ちなみにピックアップの内容ってどんなの?

 

58:杜王町の幽波紋使い

内容次第では回し続ける予定なのか?

 

59:雄英志望の仮面ライダー

今回のピックアップは【バッタ系ライダー】になります!

俺の推しライダーの1人がピックアップ対象なので絶対引き当ててみせます!

 

60:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

バッタ系ライダー?

昭和で言う仮面ライダー1号とか?

 

62:空座町の無下限呪術師

チートライダーの代表格でもあるBLACK RXやその進化前のBLACKもそうだね。

平成ライダーだと有名なのは【仮面ライダーカブト】に登場したキックホッパー&パンチホッパーの地獄兄弟とかかな?

 

63:雄英志望の仮面ライダー

そうですね。

令和ライダーだと主役ライダーの仮面ライダーゼロワンや仮面ライダーゼロツーもピックアップ対象ですね。

 

64:杜王町の幽波紋使い

ライダーくん、すまないがピックアップ対象の詳細を教えてくれないか?

あまりライダーに詳しくないから他にどんなライダーがいるのか気になる。

 

65:雄英志望の仮面ライダー

>>64

分かりました。

今回ピックアップ対象になっているライダーはこんな感じです。

 

【LR】

仮面ライダー1号(取得済)

仮面ライダー1号(映画『仮面ライダー1号』)

仮面ライダー2号

仮面ライダーBLACK RX

仮面ライダーオーズ

仮面ライダーゼロツー

仮面ライダーアークゼロ

仮面ライダーアークワン

仮面ライダーアークゼロワン

 

【SR】

スカイライダー

仮面ライダーBLACK

仮面ライダーシン

仮面ライダーZO

仮面ライダーJ

仮面ライダー1号(映画『仮面ライダー THE FIRST』)

仮面ライダー2号(映画『仮面ライダー THE FIRST』)

仮面ライダー3号

仮面ライダーゼロワン(取得済)

仮面ライダー001

 

【R】

仮面ライダーキックホッパー/パンチホッパー

仮面ライダー4号

仮面ライダー1型

 

【N】

ショッカーライダー(映画『仮面ライダー THE NEXST』)

仮面ライダーアバドン(ショットアバドライザーver.)

仮面ライダーアバドン(スラッシュアバドライザーver.)

 

66:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>65

ピックアップ対象多過ぎ!

 

67:空座町の無下限呪術師

LRとSRに対してRとNが少ないね。

昭和のダブルライダーはやっぱり原点にして頂点だからLRか。

 

68:杜王町の幽波紋使い

>>65

キックホッパー/パンチホッパーが一つになっているのはなんでなんだ?

 

69:雄英志望の仮面ライダー

それは変身アイテムのホッパーゼクターがリバーシブル仕様になってまして、一つのアイテムでキックホッパーとパンチホッパー両方に変身出来るからです。

 

70:空座町の無下限呪術師

公式の設定も反映されてんだ。

細かいねー。

 

71:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

それでライダーくんは何回ガチャ回すの?

 

72:雄英志望の仮面ライダー

今回は30連ガチャを回します。

10回ガチャを回すのに必要なアイテムが1500個なので、4500個分消費する計算になりますね。

 

73:空座町の無下限呪術師

それでライダーくんが推しにしているのはどれ?

 

75:杜王町の幽波紋使い

やっぱり初代である1号?

 

76:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

最近のライダーだとゼロワンとかゼロツー?

ラスボス好きだとアークゼロやアークワンかな?

 

77:雄英志望の仮面ライダー

実は一度当てたライダーはガチャの対象から外れますので、個性が初めて使えるようになった時に引き当てた1号とゼロワンはガチャ対象外です。

そして、今回目的のライダーは俺の推しの一人である仮面ライダーZOです!!

 

78:杜王町の幽波紋使い

…………?

 

79:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

えっと、ZOってSRに入っている?

 

80:空座町の無下限呪術師

おー、ZOが推しってかなりのライダーマニアだね。

 

81:雄英志望の仮面ライダー

良いじゃないですか!

かっこいいんですよZOは!!

怪人のデザインの生々しさやアクションシーンのクオリティの高さから一部のファンから人気のライダーなんですよ!!

 

82:杜王町の幽波紋使い

分かった。

分かったから一先ず落ち着いてくれ。

 

83:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

なんだろ、オタク仲間の同僚と話をしている気分だ。

 

84:空座町の無下限呪術師

ほらほら、とりあえず10回分回してみなよ。

 

85:雄英志望の仮面ライダー

なんか納得しないけど、それじゃあ回します。

そりゃっ!

 

86:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お、いきなり虹色に光った

 

87:空座町の無下限呪術師

虹がLRになるのかな。

2回目は金色って事はSRか。

 

88:杜王町の幽波紋使い

3、4回目は銀色でRか。

 

89:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

5、6回目が銅色でN。

7、8回目はまたRだ。

 

90:杜王町の幽波紋使い

9回目もNで、最後の10回目はSRか。

 

91:雄英志望の仮面ライダー

【10連目結果】

仮面ライダーゼロツー【LR】

スカイライダー【SR】

仮面ライダーキックホッパー/パンチホッパー【R】

仮面ライダー剣斬【R】

仮面ライダーアバドン(ショットアバドライザーver.)【N】

仮面ライダーアバドン(スラッシュアバドライザーver.)【N】

仮面ライダーG3-X【R】

仮面ライダー斬鬼【R】

仮面ライダーグリドン【N】

仮面ライダーゼロノス【SR】

 

ZOは無しか……。

 

92:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

いや、初手にしては引き強いんじゃない?

 

93:杜王町の幽波紋使い

LRも引けてるし、ピックアップ対象外が幾つかあるが中々だと思うが。

 

94:空座町の無下限呪術師

ゼロノスとか懐かしい!

G3-XってR扱いなんだ。

 

95:雄英志望の仮面ライダー

まあ、10連目ですし。

あと20回も回せますから、絶対来るはずです。

 

96:杜王町の幽波紋使い

フラグにしか聞こえないんだが。

 

97:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

回さないと出てこないんだし、気楽にいこう。

 

98:雄英志望の仮面ライダー

そうですよね。

それじゃあ、あと20連回します!

 

99:空座町の無下限呪術師

あ、ゴメン。

僕抜けるから後で結果教えてね。

お疲れサマンサー!!

 

100:杜王町の幽波紋使い

自由人すぎるだろアンタ。

 

 

ーーーーーーーーーー省略ーーーーーーーーーー

 

 

113:雄英志望の仮面ライダー

【20連目結果】

仮面ライダー滅(スティングスコーピオン)【SR】

仮面ライダーゾルダ【R】

仮面ライダーカイザ【R】

仮面ライダーインペラー【N】

黒影トルーパー【N】

仮面ライダーマッハ【SR】

仮面ライダー1型【R】

仮面ライダーシザース【N】

仮面ライダーイクサ(セーブモード)【N】

仮面ライダーメイジ【N】

 

【30連目】

仮面ライダーBLACK【SR】

ライオトルーパー【N】

仮面ライダーストロンガー【LR】

仮面ライダーW【LR】

仮面ライダーファイズ【SR】

仮面ライダーG3マイルド【N】

仮面ライダーカリス【SR】

仮面ライダータイガ【N】

仮面ライダーネクロム【R】

仮面ライダー裁鬼【N】

仮面ライダー2号(映画『仮面ライダー THE FIRST』)【SR】

 

……笑え、笑えよ。

 

114:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>113

正気に戻れ!

あまりのショックで地獄兄弟化してるぞ!!

 

115:杜王町の幽波紋使い

こうも狙いが外れるとキツイな。

 

116:雄英志望の仮面ライダー

ハッ!

だ、大丈夫です。

すみませんご心配お掛けしました。

 

117:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

大丈夫?

 

118:雄英志望の仮面ライダー

はい。

今回は縁が無かったと割り切ります。

 

119:杜王町の幽波紋使い

次引く時に当たるかもしれないしな。

 

120:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

気休めにしかならないけど、元気出せよ。

 

121:雄英志望の仮面ライダー

はい。

ありがとうございます。

呪術ニキに報告するのが少し憂鬱ですけど。

 

122:杜王町の幽波紋使い

あの人絶対笑うだろうな。

 

123:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

何か言われたら俺が擁護するから気にするなよ。

伊達に同居人の父親たちに啖呵切ってきてないからな。

 

124:雄英志望の仮面ライダー

ドラゴン相手に啖呵を切るなんて凄い胆力ですね。

もしもの時はすみませんがお願いしても良いですか?

 

125:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

任せろ。d( ̄  ̄)

 

126:杜王町の幽波紋使い

俺も力になろう。

此方も数々の修羅場を潜り抜けてきたからな。

 

127:雄英志望の仮面ライダー

お二人とも助かります。

それではお疲れ様でした。

 

128:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れ。

 

129:杜王町の幽波紋使い

お疲れ様。




ガチャの仕組み
主人公がガチャの際に必要なアイテム通称"ジュエル"は毎日150個支給されます。課金システムがないのでアイテムが溜まりやすい設定です。


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3スレ

第3話目です。

今回は一気に進んで一般入試の話となります。
ようやく主人公が変身します。

前回の感想でスレ民の数が少ないと指摘されたので増やしてみました。

感想・質問受け付けてますので宜しくお願いします。



受験勉強とトレーニングの日々を過ごし、あっという間に雄英高校の一般入試当日となり俺は試験会場へ向かう準備をする。

 

「来太、忘れ物はないか?受験票はあるか?」

 

「大丈夫だよオヤっさん、ちゃんと持ってるよ」

 

俺に声を掛ける初老の男性の名は取那藤兵衛(とれなとうべえ)

 

俺に特訓をつけてくれた恩師であり、俺の育ての親でもある。

 

「今日は数多くのライバルたちが試験を受けに来るんだ。緊張なんてしてたら普段の力は発揮せんからな」

 

「分かってるよ。それに不思議と緊張してないんだよね。大丈夫、オヤっさんから教わった事を試験でぶつけるだけだよ」

 

「そうか。それなら問題ないな」

 

そう言ってオヤっさんは笑う。

 

「そろそろ行くよ。葉隠さんと待ち合わせしてるから」

 

「透ちゃんに『頑張れ』って伝えといてくれ」

 

「分かった。それじゃあ、行ってきます」

 

「行ってこい!頑張れよ!」

 

オヤっさんに見送られながら、俺は家を出る。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

28:雄英志望の仮面ライダー

葉隠さんと合流したので今から雄英高校へ移動します。

 

29:空座町の無下限呪術師

遂に来たね、この日が。

 

30:杜王町の幽波紋使い

ここまで受験勉強と特訓よく頑張ったな。

 

29:雄英志望の仮面ライダー

はい。

ここまで頑張れたのはオヤっさんとニキたちのお陰です。

 

30:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

しかし、いつの間にかスレ民も増えたよね。

 

31:虚刀流のグラップラー

どうも新参者その1です。

 

32:サクラギ研究所のリサーチフェロー

どうも新参者その2です。

 

33:太刀川隊の狙撃手

どうも新参者その3です。

 

34:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

どうも新参者その4です。

 

35:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>31>>32>>33>>34

いや、君たち4人とも挨拶雑過ぎ!

 

36:空座町の無下限呪術師

まあ、後で説明されるでしょ。

 

37:杜王町の幽波紋使い

メタい発言止めてくれ。

頼むから。

 

38:雄英志望の仮面ライダー

幽波紋ニキ、ご苦労お掛けします。

 

39:杜王町の幽波紋使い

いや、これくらい平気だ。

 

40:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

それで、試験は筆記と実技の2つで良いのかな?

 

41:雄英志望の仮面ライダー

そうなります。

筆記は5教科のペーパーテスト、実技は個性を使用したものになってます。

実技に関してはまだ詳細は聞かされてないんですが。

 

42:虚刀流のグラップラー

一応、ヒロアカ原作を知ってる人たちはこの中にも居るけどライダーくんに教えるのはNGでしたよね。

 

43:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

>>42

そうだな。

ここで俺たちが教えてしまったら不正行為と同じになる。

 

44:雄英志望の仮面ライダー

はい。

ですので、実技試験開始までスレを一時停止したいのですが、皆さんはよろしいでしょうか?

 

45:空座町の無下限呪術師

僕は良いよ。

 

46:杜王町の幽波紋使い

俺も構わないぞ。

 

47:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

俺も大丈夫。

 

48:虚刀流のグラップラー

俺も平気っすよ。

 

49:サクラギ研究所のリサーチフェロー

俺も報告書を書かなきゃいけないから、どのみちそれまでスレに参加出来ないから良いよ。

 

50:太刀川隊の狙撃手

俺もこの後任務が入ってるからそれまで不参加だ。

 

51:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺も問題ないよ。

 

52:雄英志望の仮面ライダー

皆さんすみません。

それでは一旦切ります。

 

53:空座町の無下限呪術師

筆記頑張りなよ。

 

54:杜王町の幽波紋使い

落ち着いてな。

 

55:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

頑張ってね。

 

56:虚刀流のグラップラー

ファイト。

 

57:サクラギ研究所のリサーチフェロー

自分を信じてな。

 

58:太刀川隊の狙撃手

君ならいけるよ。

 

59:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

応援してる。

 

60:雄英志望の仮面ライダー

はい。

ありがとうございます。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

無事に雄英高校に辿り着き、最初の筆記試験を一通り受けた現在、葉隠さんと食堂で昼食を摂っていた。

 

「ぷはーっ!やっと筆記が終わったねー!」

 

「そうだね。どうだった?出来としては」

 

「最後まで解けたよ!平均80点はいけたと思う!」

 

「おお凄い!後は実技だけだな」

 

「うん!実技って何をするんだろ?佳面くん分かる?」

 

「個性を使った試験だろうけど、そこまで複雑な内容にはならないと思う。ヒーローに必要な能力があるかを試験官は観るだろうから、シンプルに戦闘能力を測るテストになるんじゃないかな」

 

「成る程ねー!私の場合奇襲戦法になるかな!佳面くんとコンビ組めたら無敵だね!」

 

「試験会場が一緒になるかまだ分からないけどね」

 

彼女と実技試験について話しながらオヤっさん特製のカツサンドを頬張っていると

 

「ケロッ、隣空いてるかしら?」

 

声のする方へ顔を向けると、セーラー服を着た少女が片手に弁当箱が入っているだろう包みを片手に持っていた。

 

外見は大きな瞳に150cm程度と小柄で緑の混ざった長い黒髪を後ろに束ね、少し猫背気味な姿勢をしていた。

 

「ゴクッ。ああ、空いてるよ。良かったらどうぞ」

 

「どうぞどうぞ!」

 

「ありがとう」

 

ちょうど俺の隣に空いた席に座り、彼女は弁当箱の包みを解く。

 

「楽しくおしゃべりしてたみたいだけど、二人はお友達?」

 

「うん!同じ中学だよ!」

 

「やっぱり。とても仲が良さそうだったから」

 

「中学3年間同じクラスだったからね、友達だよ」

 

そう言って俺はカツサンドを食べ終え、水筒のお茶を一口飲む。

 

「…………むぅ」

 

「何?葉隠さん」

 

「うーうん、何でもないよ!」

 

今、葉隠さんが此方に視線を送っていた様に感じたが、どうやら違う様だ。

 

「ケロッ、やっぱり仲良しね」

 

彼女は俺たちを交互に見てニコニコと笑う。

 

「自己紹介がまだだったよね。俺は佳面来太。こっちが」

 

「葉隠透だよ!よろしくね!」

 

「蛙吹梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んで」

 

3人で談笑しながら昼食を済ませ、実技試験の説明が行われる講堂へ移動する。

 

ちなみに葉隠さんは直ぐに馴染んで"梅雨ちゃん"呼びをしたが、俺にはハードルが高いため"蛙吹さん"と呼ぶことにした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

講堂で試験の進行役を務めるプロヒーロー『プレゼント・マイク』から実技試験の説明が行われた。

 

指定された12ヶ所の演習場に各1,000名に分かれて仮想(ヴィラン)のロボットを戦闘不能し、倒したロボットの種類ごとにP(ポイント)が加点される仕組みとなっている。

 

試験途中に妨害する0Pロボットが出現するが、仮に撃退しても0Pの為加点はされないとのことだ。

 

説明の途中で眼鏡をかけた真面目そうな受験生の男子が私語が目立った他の受験生に対して注意をしていたが、それ以外は問題も無く説明が終了された。

 

「あーあ、同じ中学で共闘出来ないように演習場をズラすなんてー!折角私と佳面くんの無敵コンビで無双出来ると思ったのに!」

 

「まあ、ルール上仕方ないよ。しかし、蛙吹さんと同じ場所になるなんてね」

 

「ケロッ、私もビックリだわ。けど、負けないわよ佳面ちゃん」

 

「俺も負けないよ、蛙吹さん」

 

偶然にも同じ演習場になった蛙吹さんからの宣戦布告に俺も応える。

 

「私だって負けないよ!頑張って3人一緒の高校でヒーロー目指したいもん!」

 

「そうね。頑張りましょ、透ちゃん」

 

「ああ。それじゃあ、また後でね。葉隠さんは試験終了後に」

 

「うん!入口前で集合だね!」

 

「また後でね、佳面ちゃん」

 

この後別れ、各々の演習場に向かう。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

61:雄英志望の仮面ライダー

お待たせしました。

今からスレを再開します。

 

62:杜王町の幽波紋使い

お、つまり今から実技試験か。

 

63:空座町の無下限呪術師

いやー、待ち侘びたよ。

 

64:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

呪術ニキ、アンタ仕事はちゃんとしてるの?

 

65:空座町の無下限呪術師

>>64

してるよ。

僕の事はさて置き、他の皆は来てる?

 

66:虚刀流のグラップラー

地上最強の生物で有名な漢に「中国へ行くぞ」と一言だけ言われて強制的に中国に入国しましたが、大丈夫です。

 

67:サクラギ研究所のリサーチフェロー

報告書を所長に提出して一息つけると思ったら、スーパーマサラ人とミュウゲットしたいヒロイン力高い系少年の引率でガラル地方へ向かってますが、俺も大丈夫です。

 

68:太刀川隊の狙撃手

任務終わっておっとり系お姉さんなオペレーターとゲームしてますが、参加します。

 

69:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

女子中学生グループとショッピング中ですが、俺もいけます。

 

70:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>69

お巡りさん、コイツです。

 

71:空座町の無下限呪術師

OK。

今から円卓ニキのところへ向かうね。

 

72:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

待ってくれ!

俺は何もやっていない!

 

73:杜王町の幽波紋使い

言い逃れは出来ないぞ。

 

74:サクラギ研究所のリサーチフェロー

待って下さい。

円卓ニキが中学生ならセーフなのでは?

 

75:虚刀流のグラップラー

円卓ニキ、今何歳?

 

76:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

えっと、……………19歳、です。

 

77:空座町の無下限呪術師

はいアウトー!

逮捕案件だからマジで行くねー!

 

78:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

違うんだよー!

信じてくれーーー!!

 

79:雄英志望の仮面ライダー

あの、演習場に着いたんですけど。

 

80:杜王町の幽波紋使い

おっと、済まないな。

 

81:虚刀流のグラップラー

それで、ライダーくんは今回どの仮面ライダーに変身するの?

 

82:雄英志望の仮面ライダー

今回は時間が限られてますので、変身するライダーは1種類だけで行きます。

 

83:太刀川隊の狙撃手

まあ、俺みたいに瞬時に切り換えたり出来ないから、それが妥当か。

 

84:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

別のライダーに変身する場合だと、一回変身解除してから変身し直す感じになるだろうし。

 

85:サクラギ研究所のリサーチフェロー

それだけでかなりタイムロスになるから今回の変身は1回だけか。

 

86:雄英志望の仮面ライダー

はい。

ですが今回の実技試験の内容を聞いてアイデアが浮かんだので、上手くいけば1人分の2倍近く点数を稼げると思います。

 

87:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

それは楽しみだ。

 

88:虚刀流のグラップラー

見せて貰おうか、ヒロアカ世界に君臨した仮面ライダーの性能とやらを。

 

89:サクラギ研究所のリサーチフェロー

>>88

お前は何処の赤い彗星だ。

まあ、ライダーくん頑張れよ。

 

90:雄英志望の仮面ライダー

はい!

行ってきます!

 

91:杜王町の幽波紋使い

行ってらっしゃい。

 

92:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

が……頑張れよ。

 

93:虚刀流のグラップラー

円卓ニキ!

生きてたのか!?

 

94:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

生きてるよ!

あの後マジで呪術ニキが来たから女の子の皆には「知り合いの警察官」と説明して事なきを得たよ。

 

95:空座町の無下限呪術師

いや〜、円卓ニキの慌てようが面白くて面白くてwww。

 

96:サクラギ研究所のリサーチフェロー

アンタ本当に悪魔だな。

 

97:太刀川隊の狙撃手

この人にだけは弱みを見せたらダメだな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

運動着に着替え、他の受験者とバスで数十分移動し先には巨大なドーム型の演習場があり、中にはビルが多く建てられた一つの街となっていた。

 

「スゲー!ここまでやるかよ雄英!?」

 

受験者の1人が演習場のスケールに圧巻し、周りも同様の反応を取っていた。

 

俺も少し驚きつつも軽いウォーミングアップを済ませ、スタートラインの最前列で合図を待つ。

 

 

『はい、スタート!』

 

 

突然のアナウンスに反応し、俺は急いで駆け出す。

 

他の受験者は何のことかと唖然としており、その場に固まっていた。

 

 

『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げれてんぞ!?』

 

 

プレゼント・マイクの声にようやく理解したのか、後ろでバタバタと受験者が後を追う。

 

良かった。フライングにはならないようだ。

 

ひと安心した俺はある『ベルト』をイメージする。

すると、イメージした『ベルト』が腰に巻きつけられ、右手には白銀の携帯電話が出現する。

 

ベルトの名は【ファイズドライバー】。

白銀の携帯電話の名は【ファイズフォン】。

 

そのままファイズフォンを開き、変身コードを入力する。

 

『Standing By』

 

コードが認証され、演習場に待機音が鳴り響く。

 

目の前にはビルを壊しながら仮想敵が現れる。

形状からして1Pのようだ。

 

『標的補足!ブッ殺ス!』

 

ロボットにあるまじき口調で、正面にいる俺に対し攻撃体勢を取ろうしていた。

 

「変身ッ!」

 

敵ロボットが攻撃する前にファイズフォンをファイズドライバーの接続デバイス【トランスフォルダー】にインサートし、左側へ90度に倒してセットする。

 

『Complete』

 

全身を赤いエネルギー【フォトンブラッド】のラインが走り、そのまま俺は敵ロボットに接近し拳を叩き込む。

 

殴られた敵ロボットは後方へ大きく吹き飛び、装甲が粉砕され爆発する。

 

敵ロボットを破壊した俺の姿は赤いエネルギー流動経路【フォトンストリーム】が走り、胸部には白銀に輝く装甲【フルメタルラング】が覆われ、黒い強化スーツ【ソルフォーム】を身に纏い、頭部は魚の鰭のようなアンテナ【グローバルフィーラー】と半月のような黄色く大きな複眼【アルティメットファインダー】が特徴の【ブラックシェルメット】が覆われている。

 

この姿は【仮面ライダー555(ファイズ)】。

 

オルフェノクと呼ばれる怪人から人間の夢を守る為に戦った戦士である。

 

「さて、行きますか」

 

右手を軽くスナップし、此方へゾロゾロと現れる敵ロボットの集団に飛び込む。




仮面ライダー紹介

【仮面ライダーファイズ】

レア度:SR

出典:仮面ライダー555


登場人物紹介

取那藤兵衛
40代の男性。現役時代は名の知れたオートバイレーサーだったが、現在はトレーナー業で一流レーサーの育成を行なっている。
コーヒーショップ『Cafe "Torena"』を経営。
佳面来太の育ての親であり、彼の父親とはレーサーとして凌ぎを削った仲。


虚刀流のグラップラー
【刃牙シリーズ】の転生者。
年齢 20歳

【刀語】の虚刀流をマスターし、ストリートファイトや地下闘技場の猛者達と闘い、己を鍛え続けるグラップラー。現在は範馬勇次郎に中国へ強制的に連れて行かれ、大擂台賽に出場する事になった。


サクラギ研究所のリサーチフェロー
【ポケットモンスター(新無印)】の転生者

年齢 17歳
ガラル地方出身でポケモン研究に興味を持ち、サクラギ研究所のリサーチフェローとして活動している。ポケモンマスターを目指すスーパーマサラ人の【サトシ】とミュウのゲットを目指す新米トレーナー【ゴウ】の先輩として彼らにリサーチフェローを教える先輩も兼務している。

相棒ポケモン 
ポリゴン2
サーナイト(♀)
ボーマンダ(♂)
ウインディ(♂)
ラプラス(♀)
ウーラオス(♂)れんげきの型


太刀川隊の狙撃手
【ワールドトリガー】の転生者
年齢 17歳
太刀川隊の狙撃手を担当。基本お荷物隊員の唯我尊をカバーしながら自分の仕事もこなす苦労人。並外れた狙撃能力で敵を穿ち、状況に応じてスコーピオン+格闘技で前線も出来るマルチ隊員。


プリキュア世界の円卓の騎士(1人)
【プリキュアシリーズ】の転生者
年齢 19歳

Fateシリーズの円卓の騎士全員の力を持つ。外見はプロトアーサーとベディヴィエールが合わさった感じ(つまりイケメン)。プリキュア公式でカップリングされていないヒロインたち全員から好意を寄せられているが、本人の好みは年上。


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4スレ

第4話目です。
今回で実技試験が完結します。

私ごとですが、この作品のお気に入り数が100件を突破しました!!!
ご登録してくれた皆様、ありがとうございます!
それと、この作品を読んでくれた皆様にも大変感謝を申し上げます!
これからもこの作品が多くの方に読んでもらえるよう努力いたしますので、皆様よろしくお願いします!!

感想・質問等ありましたらどんどん書き込みお願いします。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

【ライブ配信モード】

 

98:サクラギ研究所のリサーチフェロー

仮面ライダーファイズだ!?

 

99:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

今回変身したのはファイズか。

 

100:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

やっぱりファイズカッコいいな。

 

101:太刀川隊の狙撃手

メカっぽいから如何にも"パワードスーツ"って感じですよね。

 

102:杜王町の幽波紋使い

今時の仮面ライダーは携帯電話で変身するのか。

 

103:虚刀流のグラップラー

>>102

今時というか、ファイズは2003年に放送された仮面ライダーです。

 

104:空座町の無下限呪術師

幽波紋ニキはファイズ知らない?

 

105:杜王町の幽波紋使い

ああ。

特撮だとウルトラマンをよく観てたから。

 

106:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

東映じゃなく円谷派か。

 

107:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ウルトラマンも良い作品ですよね。

 

108:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺はメビウス世代だ。

 

109:空座町の無下限呪術師

僕はガイア世代。

 

110:虚刀流のグラップラー

俺はマックス世代です。

 

111:杜王町の幽波紋使い

俺はティガ世代だ。

 

112:サクラギ研究所のリサーチフェロー

俺はコスモス世代です。

 

113:太刀川隊の狙撃手

俺も円卓ニキと同じメビウス世代です。

 

114:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>108>>109>>110>>111>>112>>113

ウルトラマンの話は今は置いとけ!

 

115:空座町の無下限呪術師

小林ニキは何トラマン世代?

 

116:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

俺はダイナ世代だよ。

いや、それよりも!

ライダーくんを観なきゃでしょうが!!

 

117:虚刀流のグラップラー

>>116

恐ろしく鋭いノリツッコミ、俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 

118:サクラギ研究所のリサーチフェロー

そろそろライダーくんの方に話戻しましょうよ。

小林ニキがツッコミ過労死してしまう。

 

119:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

確かに。

それにしても、ライダーくん敵ロボット集団に飛び込んでから殴る蹴るの無双状態ですね。

 

120:虚刀流のグラップラー

本家ファイズは喧嘩殺法だったけど、ライダーくんは空手主体の動きですね。

しかも動きのキレが凄い。

まるで独歩さんや克己さんみたいだ。

 

121:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ライダーくんの空手レベルは愚地親子並か。

 

122:空座町の無下限呪術師

僕がライダーくんの特訓に付き合ってた時から空手スタイルやってたからね。

本人に聞いてみたら幼少時代から格闘技をやってたみたい。

 

123:太刀川隊の狙撃手

その時からヒーローを志してたって事ですよね。

意識が高いと言うか。

 

124:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

あ、ライダーくんがベルトにセットされたファイズフォンを取り外した!?

 

125:杜王町の幽波紋使い

何か操作してるみたいだな。

 

126:雄英志望の仮面ライダー

『"Auto Vajin" Come Closer』

 

「頼むよ、バジン!」

 

『Battle Mode』

 

127:サクラギ研究所のリサーチフェロー

オートバジン!?

何も無い所からオートバジンが出てきた!!?

 

128:虚刀流のグラップラー

しかも直ぐに人型ロボット形態の"バトルモード"に変形した!

カッケェ!!

 

129:空座町の無下限呪術師

なーる、ライダーくんの言ってたのはこう言う事だったのか。

 

130:杜王町の幽波紋使い

上手くいけば2倍ポイントを稼げるって言っていたやつか。

 

131:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

そうか、ライダーくん自身とオートバジンのコンビで敵ロボットを倒すのか。

 

132:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

けど良いんですかね、ルール上。

 

133:太刀川隊の狙撃手

>>132

問題ないだろ。

原作キャラでも常闇が黒影(ダークシャドウ)でポイントを稼いでいただろうし。

 

134:サクラギ研究所のリサーチフェロー

影の怪物もロボットも個性によるものだからアリでしょ。

 

135:雄英志望の仮面ライダー

「バジン、出てくるロボットを片っ端から倒してくれ。ただし、攻撃を他の受験者に当てないように気をつけてな」

 

『Ready』

 

136:虚刀流のグラップラー

今度はライダーくん、"ミッションメモリー"を左ハンドルに装填して"ファイズエッジ"を取り出した!

 

137:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

完全フル装備じゃないですか!

 

138:空座町の無下限呪術師

>>137

当然でしょ。

合格が懸かっているのに本気出さないでどうするの?

 

139:太刀川隊の狙撃手

他の受験者だって将来が決まるかもしれない大一番で全力を出してんです。

誰だって本気になりますよ。

 

140:杜王町の幽波紋使い

2人ともその辺にしておけ。

 

141:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

円卓ニキのライフが0になっちゃうでしょうが。

 

142:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

いえ、俺の方こそすみませんでした。

 

143:空座町の無下限呪術師

いいよ、別に怒ってないし。

 

144:太刀川隊の狙撃手

俺たちの方こそすみません。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

『あと残り3分!!』

 

残り3分の時点で俺とバジンが獲得したポイントは合計で"131"。

 

これだけ稼げれば合格はほぼ確定だろうが、まだ油断は出来ない。

 

試験の説明に出てきた0Pの巨大仮想敵はまだ出現していない。恐らく大きさは他の敵ロボットの約10数倍はあるだろう。そんな物が現れたら最悪怪我人も出るし、一瞬で周りは大パニックになる。

 

「警戒しておいた方が良さそうだな」

 

そう自分に言い聞かせ、辺りを見渡してみると【ブラックシェルメット】に搭載された【ピンフォールズソナー】が遠くの轟音を捉える。

 

 

「で、出たーー!!?」

 

 

轟音に続くように誰かの叫び声が演習場に響き渡り、声のする方を見ると、今までの敵ロボットよりも巨大な仮想敵がビルを破壊しながら前進して来るのが確認出来た。

 

 

『今現れたソイツが0Pだ!!早く逃げねぇとペシャンコに潰されちまうぞ!!』

 

 

巨大仮想敵を見るや否や、必死にポイントを稼いでいた周りの受験者たちは我こそはと一目散に逃げ始める。

 

ヒーローを目指していると言ってもまだ15歳程度の子どもなのだ。自分たちよりも巨大な物が目の前で暴れたら恐怖するのが普通である。

 

俺は念の為に巨大仮想敵の周辺に誰も居ないか半月型の複眼【アルティメットファインダー】で確認する。

 

すると巨大仮想敵の数m先に女子の受験者が地面に倒れており、下半身が瓦礫に埋もれているせいで身動きがとれない状態になっていた。

 

「………待て、あの子は」

 

俺は倒れている子に見覚えがあった。

それもその筈、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「間に合えッ!!?」

 

俺は無意識に左腕に装着されたリストウォッチ型コントロールデバイス【ファイズアクセル】に手を掛ける。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

145:虚刀流のグラップラー

不味いですよ!

巨大仮想敵の近くに原作キャラの蛙吹梅雨が居ます!!?

 

146:サクラギ研究所のリサーチフェロー

梅雨ちゃん逃げろ!!

 

147:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

瓦礫で身動きがとれないから無理だぞ!!

 

148:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

不味いって、どうすれば良いんだ!!?

 

149:空座町の無下限呪術師

>>145>>146>>147>>148

まあ落ち着きなって。

 

150:虚刀流のグラップラー

落ち着いていられないだろ普通!!?

 

151:杜王町の幽波紋使い

皆が慌てている間に彼が動こうとしているじゃあないか。

 

152:太刀川隊の狙撃手

これを見過ごす彼じゃないですよ。

 

153:虚刀流のグラップラー

それって。

 

154:雄英志望の仮面ライダー

 

「間に合えッ!!?」

 

 

『Complete』

 

 

155:虚刀流のグラップラー

ライダーくんが"アクセルフォーム"にフォームチェンジした!?

 

156:サクラギ研究所のリサーチフェロー

そうか!

アクセルフォームの加速能力なら!!

 

157:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

間に合ってくれ!!

 

158:空座町の無下限呪術師

間に合うさ。

なにせ今からの彼は()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

私、蛙吹梅雨は今までに感じたことの無い"命の危険"に晒されていた。

 

運悪く自分のいた場所の近くに0Pの巨大仮想敵が現れては暴れ出して、崩れるビルの瓦礫に半身を埋められ逃げ出す事も儘ならない状態にいる。

 

巨大仮想敵は暴れながら前進し、あと数十秒後には自分を踏み潰す事が容易に想像出来た。

 

こんな状況の中、誰も私を助け出そうと動いてくれる人が周りに一人も居らず、自分の安全を優先する為に逃げ出していた。

 

(昔、こんな事を男の子に言われたことがあったかしら)

 

 

《おい、蛙吹。"潰れた蛙のモノマネ"やれよ》

 

 

まだ中学生になる前、意地悪なクラスメイトに揶揄われていた時の記憶が今になって甦る。

 

今から自分はその潰れた蛙の様になってしまうのだろうか。

 

ついこの間まで必死にヒーローを目指そうと努力してきた自分が、まさかこんな事になるなんて思ってもいなかった。

 

(嫌だ、死にたくない!死にたくない!死にたくない!)

 

まだヒーローになっていない。

 

()()()()()()()()

 

ヒーローを目指す自分を応援し、背中を押してくれた父と母、弟と妹に何も恩返しをしていない。

 

(お願い、誰か………)

 

 

「助けてっ!」

 

 

遂に巨大仮想敵は直ぐ傍にまで近づき、足元に倒れる自分を踏み潰そうとした次の瞬間、

 

 

『Start Up』

 

 

何処からか聞き慣れない音声が自身の頭上を通り過ぎる様に聞こえ、上へ視線を向けると、

 

自分の上を通り過ぎようとしていた巨大仮想敵の周りを赤い円錐状に光る"何かが"囲うように複数出現し、()()()()()それらが巨大仮想敵を貫通する。

 

「ケロッ!!?」

 

その間、何かが瓦礫に埋もれる自分の身体を引きずり出し、巨大仮想敵から遠ざけてくれた。

 

 

3(Three)

 

 

2(Two)

 

 

1(One)

 

 

『Time Out』

 

 

カウントダウンの様な音声が鳴り終わると同時に、穴だらけとなった巨大仮想敵に赤い大きな「Φ」の文字が浮かび上がり、ゆっくりと崩壊した。

 

崩れた巨大仮想敵だった物の向こう側には、銀色と黒色の人の形をした誰かが立っていた。

 

此方に振り向いたその人は、頭に二つに分かれたアンテナに半月の形をした赤く大きな複眼、サメを彷彿とさせるギザギザした口が特徴の仮面と、中のパーツが剥き出しになった胸部、銀色に輝くラインが全身を走り、腰には二つ折りの所謂"ガラケー"に似た機械が嵌められたベルトを腰に巻きつけられ、右脚にも何か筒状の機械が着けられていた。

 

 

『Reformation』

 

 

音声と同時に左右の肩に展開された装甲が胸部に閉じられ、複眼は赤色から黄色へ、銀色のラインは赤色に変化した。

 

 

目の前にいる自分を助けてくれたその人を、只々じっと見つめていると、

 

「良かった!蛙吹さん無事!?」

 

自分を心配する声を出したその人は大きくジャンプして此方に近づいて来た。

 

「見た感じ大きな怪我はしてないみたいだね。何処か痛い所はある?気分は?気持ち悪くない?」

 

「え、ええ。大丈夫よ。ちょっと足を痛めただけ」

 

「そうか、一先ず良かったよ。バジンもありがとう。お陰で蛙吹さんを助けられたよ」

 

彼の言葉に漸く自分を瓦礫から引っ張り出したのが別にいる事に気がつき、彼が話しかける方を見てみると彼よりも大きな銀色の人型ロボットが立っていた。

 

確かこのロボットは試験中に滑空飛行をしながら敵ロボットを攻撃していたところを度々見かけた。

 

「あの貴方はーー」

 

 

『ハイ、終了ーーー!!!』

 

 

彼に話しかけようとした直後、試験終了のアナウンスが報じられる。

 

「あ、試験終わったみたいだね」

 

「そ、そのようね」

 

そう言うと彼は腰のベルトからガラケー型の機械を取り外し、機械を開いてボタンを押す。すると突然彼の身体が赤く光り出し、あまりの眩しさに目を閉じる。

 

再び目を開くと、其処には知っている顔立ちをした少年が立っていた。

 

「か、佳面ちゃん!!?」

 

「そうだよ。あれ、気づいてなかった?声で分かると思ってたけど」

 

なんと先程の人は今日知り合ったばかりの男の子、佳面来太だったのだ。

 

「取り敢えず、蛙吹さんは早く医務室で治療してもらった方が良いよ。今はアドレナリンが分泌されて痛みを感じづらいかもしれないけど、後から腫れてくるかもしれないし。歩ける?」

 

「ええ、大丈夫ッーー!」

 

歩き出そうとした瞬間、バランスが崩れてしまい地面に倒れ込もうとしたら。

 

「危ない!!?」

 

倒れる前に彼が身体を抱き止めてくれた。

 

「〜〜〜〜〜!!!?」

 

自分よりも一回り大きな身体に密着した事に感情が気恥ずかしさで暴走する。

 

「歩くのは危険かもしれないな。……仕方ない、バジン。もう少し手伝ってくれるか?」

 

彼は人型ロボットに問いかけると、ロボットは人型からバイクに姿を変えた。

 

「今からバジンに乗って医務室まで送るよ。何かあってからじゃ遅いし。バイクの件は俺の責任だから気にしないでね」

 

そう説明すると彼は私の両脇に手を入れ、そのまま持ち上げるようにしてバイクに乗せてくれた。

 

「ま、待って!自分で行けるわ!!」

 

「ダメだ。さっきみたいに倒れるかもしれないし、こっちの方が早いから」

 

彼はそう言ってバイクに跨る。

 

「バイク乗った事ある?落ちないよう俺の腰に腕を回して出来る限り密着してね」

 

「こ、こうかしら」

 

言われるがままに彼の腰に腕を回し、出来るだけ彼の背中に密着させる。

 

「OK。それじゃあ、行くよ」

 

彼は手慣れた手付きでバイクを走らせる。

 

自分の表情は分からないが、尋常じゃない程の熱が顔に集まり、五月蝿いくらいに心臓が脈を打っているのは分かった。

 

足の痛みなんて分からないくらい、今の自分はどうにかなってしまっている。

 

(どうか、この熱と鼓動が彼に伝わりませんように)

 

私は只々それだけを願い、彼の背中にしがみ付いていた。




ファイズのヒロインであるバジンたんことオートバジンとのコンビで敵ポイント"131"P獲得(主人公73P、バジン58P)。

ファイズみたいに変身に人工衛星が必要なライダーの場合、変身する際に一時的に各々の人工衛星が宇宙に出現。姿は摩訶不思議な力による光学迷彩により見つかる可能性は"0"です。宇宙法とか色々法律はありますが、そこは【ご都合主義】で解決します(暴論)。

この作品の世界観では普通二輪・大型二輪・普通自動車の免許が15歳以上で取得可能と言う設定です。ただ、合格条件は従来の物より厳しくなっています。年齢制限下げないと主人公くんがバイクや車に乗れない仮面ライダーになってしまうので。


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幕間①『合格通知』

この話を投稿する日付に『スーパーヒーロー戦記』を観に行きました。
まさしく仮面ライダーとスーパー戦隊のそれぞれの記念を祝うお祭り映画でとても楽しめました。イマジンズも安定の存在感でしたし、オーマジオウの役割それで良いのか?と疑問に思ったり、ン我が魔王であるソウゴの戦い方がまさに魔王感あって見どころ一杯でした。
私的に一番のお気に入りシーンは或人社長のギャグが久しぶりに炸裂したシーンが良かったと思います。あれ?仮面ライダーの話しかしてないぞ。

そして今回の第5話は幕間です。
入試の後日談で、試験合格発表のお話となります。

スレお休みです。




入試から一週間が経過し、合格発表の通知が届くのを待ちながら俺はいつも通りの生活を送っていた。

 

古津狗(こつく)さん、洗い物終わったよ」

 

「お疲れ様ッス。来太くん賄い食べるッスか?」

 

「食べたい。今日は何?」

 

「今日は"カルボナーラ風グラタン"ッス」

 

「やった!チーズ増し増しで」

 

「了解ッス」

 

黒いエプロンとキャップ帽を身に纏い、灰色の髪とポニーテールが特徴の20代後半の青年は古津狗綾理( こ つ く りょうり)さん。

 

オヤっさんが経営するコーヒーショップ【Cafe"Torena"】の厨房を一人で任されている。

 

「お、"コックさん"賄い作るんですか?私も食べたいです!」

 

雪季野(せつきや)さんはまだ掃除が終わってないじゃないッスか」

 

「終わらせますんで私の分も作ってください!」

 

「はいはい、分かったッスから掃除お願いするッスよ」

 

「はいはーい!マッハで終わらせますよ!!」

 

「ゴミ一つでもあったらオーナーに怒られるッスよ……って、聞いてないし」

 

モップを持った淡いピンク色のボブカットをした20代前半の女性は凄い勢いで店舗スペースを掃除し始める。

 

彼女は雪季野久留美(せつきやくるみ)さん。

 

ウェイターのアルバイトをやっている大学生で、古津狗さんを"コックさん"と呼んでいる。

 

「そういえば来太くん、雄英の一般入試の合格通知そろそろ届くんじゃないッスか?」

 

「うん。だいたい一週間で合否決まるみたい」

 

「来太くんなら合格してると思うッスけどね」

 

すると店のドアが開き、その正体はトレーナーの仕事から帰って来たオヤっさんだった。

 

「ただいま。今日も皆お疲れ様」

 

「おかえり、オヤっさん」

 

「オーナー、お帰りなさいッス」

 

「お帰りなさい、オーナー!」

 

「来太、お前宛にコレが送られて来たぞ」

 

オヤっさんが手にしている赤い封をした封筒には俺の名前と送り先である"雄英高校"が書かれていた。

 

「ありがとう、オヤっさん。遂に来たか」

 

「それが合格通知ッスか?」

 

「おー!来太くん合格したんですか!?」

 

「まだ中身は開けておらんよ。どうする来太、お前一人で確認するか?」

 

「いや、折角だから皆で見ようよ。古津狗さんがちょうど賄い作ってくれるし」

 

「え、来太くんプレッシャーじゃないんスか?」

 

「一人で見ても皆で見ても結果は変わらないし、俺は良いよ」

 

「相変わらずの鋼メンタルッスね」

 

「私も見たいです!!」

 

「それじゃあ、食べ終わってから見るか。綾理くん、私の分も頼めるか?」

 

「はいッス」

 

そうして、合否の結果は賄いを食べた後に確認する事になった。

 

ちなみに古津狗さんの作ったカルボナーラ風グラタンは凄く美味かった。

 

 

ーーーーー食事後ーーーーー

 

食事を済ませ、いざ封筒の封を開けると中には手の平サイズの円盤状型の端末が入っていた。

 

「中身は端末が一つだけか」

 

「見た感じボイスレコーダーには見えんが」

 

「まさか、スパイ映画みたいに数十秒後に爆発するんじゃ!!?」

 

「そんな訳ないじゃないッスか」

 

徐ろに端末を触ってみる。

 

すると、

 

『私が投影された!!!』

 

端末の中心から映像が投射され、何故かNo.1ヒーローのオールマイトが現れた。

 

「オールマイト!?」

 

「どうやら投影機のようだな」

 

「最近の機械って凄いッスね」

 

「あ、オールマイトだ」

 

俺がオールマイト登場に驚いている隣で三人は全く動じず各々の感想を口にする。

 

「皆、オールマイトについては驚かないの?」

 

「あまりヒーローについて知らんしな」

 

「オールマイトファンじゃないッスから」

 

「私はイケメンヒーローにしか興味ありません!!」

 

「………そっか」

 

あまりの反応の薄さに俺は何も言えなかった。

 

『何故私が受験生の合格通知に参加しているのかって?その答えはだね、私が雄英高校に教師として赴任することになったからだよ』

 

なんとオールマイトが雄英で教師をするそうだ。

 

(もし入学する事になったらオールマイトの授業を受ける事があるのかもしれないな)

 

『それでは佳面少年。君の試験結果を発表しよう』

 

『筆記は平均98点!!問題なく合格だ。そして、実技の方はーー』

 

『敵撃破131P!勿論合格だがこの時点で首席合格だ!!!まさかロボットを召喚して連携しながらポイントを稼ぐなんてアメイジングな方法を取るとは誰も予想しなかった!!試験官側も驚いてたぜ!!!」

 

「よしッ」

 

「やったな来太!!」

 

「おめでとうッス、来太くん!」

 

「凄いですよ!首席で合格なんて!!?」

 

『しかし!私たち試験官が見ていたのはそれだけではない!』

 

合格が決まった事に喜んでいるとまだ話が続いていた。

 

『見ていたのは敵ポイントだけにあらず!実は審査制の救助活動(レスキュー)ポイントも存在していた!人助けを、正しいことした人間を排斥しちまうヒーロー科などあってたまるかって話だよ!』

 

『綺麗事?上等さ!ヒーローってのは命懸けで綺麗事を実戦するお仕事だ!!』

 

『救助活動ポイントは75P!合計で206P!!雄英の歴史上、誰も成し得なかった200点台。君は入学する前に一つ、雄英の伝説を塗り替えるという快挙を成し遂げた!!おめでとう!!!』

 

『来いよ少年、雄英(ここ)が君のヒーローアカデミアだ』

 

最後まで流れ終わったのか、そこで映像が消える。

 

一先ず雄英に入学する事が決まった。

 

しかし、()()()()()()()()()()()()

 

寧ろ大変になるのはその後だろう。

 

そう考えていると、オヤっさんが俺の頭をクシャっと撫でる。

 

「お前のことだ。入学後が寧ろ大変になると考えておるんだろ?けどな、今はお前が合格した事を祝おうじゃないか。綾理くん、アレはもう出来とるかな?」

 

「勿論ッス」

 

古津狗さんは頷き、厨房に入り冷蔵庫から大きなチョコクリームのホールケーキを取り出す。

 

上に載っているチョコプレートには"来太 合格おめでとう!!"と書かれていた。

 

「オーナーに頼まれて作っておいたんス。改めて来太くん、合格おめでとうッス!」

 

「ッ!!?ありがとう、オヤっさん!古津狗さん!」

 

あまりのサプライズプレゼントに思わず嬉しさで泣きそうになる。

 

「えー!?なんで二人だけでサプライズしてるんですか!私も混ぜてくださいよ!!」

 

「だって雪季野さんサプライズ出来ないじゃないッスか。絶対来太くんに気づかれると思って黙ってたんス」

 

「んだとーーー!!!」

 

「まあまあ、それより早く食べよ。ナイフとフォーク持ってくるよ」

 

「私も2階からワインを持ってくるとするか。綾理くんも久留美くんも飲むか?」

 

「是非戴くッス」

 

「やったー!!コーラで割ろっと」

 

「コーラなんて厨房に無いッスよ」

 

「今からコンビニに買ってくるんです!」

 

「久留美さんちょっと待って、俺も行くよ」

 

「ありがと来太くん!」

 

この後合格祝勝のプチパーティーが開かれ、皆で俺の合格を祝ってくれた。




人物紹介

古津狗 綾理(こつく りょうり)

年齢 27歳

人物像
元々一流レストランでコックをやっていたが藤兵衛のコーヒーに惚れ込み、彼のコーヒーに合う究極の料理を作るべく「Cafe"Torena"」の厨房担当で働く。
語尾に「〜ッス」を付ける癖がある。
本人は否定しているがかなりの美形。
好きなヒーローはエッジショット。


雪季野 久留美(せつきや くるみ)

年齢 20歳

人物像
大学生2年生のアルバイト。家から近いバイトを探してたら徒歩3分にある「Cafe"Torena"」を見つけてウェイターとして働く。
カワイイ系のイマドキ女子。
ホークスやベストジーニストの様なイケメンヒーローが好きで、逆にオールマイトやエンデヴァーの様なオッサンヒーローに興味が無い。


Cafe"Torena"(カフェ"トレナ")
取那藤兵衛が経営するコーヒーショップ。藤兵衛のオリジナルブレンドコーヒーと綾理の作る料理が店の名物。来太も手伝いでウェイターをしており、ウェイターの来太と厨房の綾理を目当てに多くの女性客がリピーターとなっている。3階建ビルの1階が店、2・3階は取那家となっている(モデルは某探偵漫画のアレ)。


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5スレ

お気に入りが200件を突破しました。
ご登録してくれた皆様ありがとうございます!
そしてこの作品を読んでくれた皆様も感謝致します。

これからも頑張って投稿していきますのでよろしくお願いします。

只今ピックアップガチャ候補のアンケートを行っています。
予定としては7月末までとしてますので、読むついででよろしいのでご回答お願いします。

現在の中間結果は

1位『ダークライダー』ピックアップ
2位『ガンナー系ライダー』ピックアップ
3位『主役ライダー』ピックアップ

ご回答してくれた皆様ありがとうございます。
しかし、ダークライダー好きが多いですね。ちょっと予想外でした。
投稿の順番としては3位〜1位の順でいきたいと思います。

そして今回の第6話は2度目のガチャ回です。
スレも復活します。


【ライブ配信モード】

 

1:雄英の仮面ライダー

雄英入学が決まりましたので記念にガチャをやっていきます。

 

2:空座町の無下限呪術師

おめでとう!

 

3:杜王町の幽波紋使い

本当よく頑張った。

 

4:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

応援してた側として凄く嬉しいよ。

 

5:虚刀流のグラップラー

ライダーくんの努力が報われて俺も嬉しいです!

 

6:サクラギ研究所のリサーチフェロー

また一歩夢へ近づけてよかったです!

 

7:太刀川隊の狙撃手

入学後でも頑張ってください。

 

8:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺たちは引き続き応援してます!

 

9:雄英生の仮面ライダー

>>2>>3>>4>>5>>6>>7>>8

ニキたちの皆さん、ありがとうございます!

これからもプロヒーローになれるよう頑張ります!

 

10:空座町の無下限呪術師

それで、今回のガチャはどんなの?

 

11:雄英生(仮)の仮面ライダー

今回のガチャは作品ガチャで、【仮面ライダーエグゼイド】のピックアップガチャとなります。

 

12:サクラギ研究所のリサーチフェロー

エグゼイド!?

平成2期でもパワーインフレが激しかった作品で有名の!?

 

13:空座町の無下限呪術師

宝生永夢ゥ!

何故君が適合手術を受けずに………エグゼイドに変身出来たのか。

何故ガシャットを生み出せたのか、何故変身後に頭が痛むのかァ!

 

14:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

それ以上言うな!

 

15:空座町の無下限呪術師

その答えはただ一つ………!

 

14:太刀川隊の狙撃手

やめろォォォ!

 

15:空座町の無下限呪術師

ハァァァ………宝生永夢ゥ!

 

16:虚刀流のグラップラー

(無言で走り出す)

 

17:空座町の無下限呪術師

アハァー。

君が!

世界で初めて………!

バグスターウィルスに………!!

感染した男だからだァァア゛ーーーーーッハハハハッ!!

ア゛ーーッハーッハーッハーッハッ!!!

ア゛ーーッハーッハーッハーッハッ!!!

 

18:雄英の仮面ライダー

僕が………ゲーム病………?

嘘だ、僕を騙そうとしている………!

 

19:杜王町の幽波紋使い

…………何だこれ?

 

20:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

皆唐突にエグゼイドごっこ始まるな!!?

幽波紋ニキが置いてけぼりになってるでしょうが!!

 

21:空座町の無下限呪術師

いやー、この流れはやらなきゃでしょ。

 

22:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺も呪術ニキに続かなきゃと思って。

 

23:太刀川隊の狙撃手

下に同じです。

 

24:虚刀流のグラップラー

以下略。

 

25:雄英の仮面ライダー

俺も乗ったほうが良いと思いまして。

 

26:杜王町の幽波紋使い

始めるのは全然良いんだが、出来れば説明が欲しかったな。

 

27:空座町の無下限呪術師

いやー、ゴメンね♪

 

28:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

この人の悪ノリ具合加速してない?

もうツッコむの疲れたんだけど……。

 

29:太刀川隊の狙撃手

心労お察しします。

 

30:虚刀流のグラップラー

それで、ライダーくんは今回何目当てなの?

 

31:サクラギ研究所のリサーチフェロー

エグゼイド系はどれもカタログスペック高水準だし、ラスボス系ライダーのクロノスは能力チートだからな。

 

32:雄英の仮面ライダー

今回俺が狙うのは仮面ライダーパラドクスです。

 

33:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

パラドクス!?

敵側の主人公ポジで終盤に主人公の相棒になったライダーの!?

 

34:雄英の仮面ライダー

パラドクスはエナジーアイテムを自在に使いこなしたり防御貫通攻撃を持ってますので、これからの事を考えると手に入れた方が良さそうだと思いまして。

 

35:サクラギ研究所のリサーチフェロー

たしかに、自らにバフを掛けれる上に幾ら相手が硬かろうと100%ダメージを与えるのは強い能力だな。

 

36:太刀川隊の狙撃手

>>35

ポケモンニキ、トレーナー脳になってますよ。

 

37:虚刀流のグラップラー

職業柄仕方ないって。

 

38:空座町の無下限呪術師

それじゃあパラドクスが出るまで引くつもりなのかな?

 

39:杜王町の幽波紋使い

申し訳ないが、今回もどのライダーが対象なのか教えてくれないか?

 

40:雄英の仮面ライダー

勿論です。

レアリティはこのような感じになっています。

 

【LR】

仮面ライダーエグゼイド

仮面ライダーゲンム(レベル0)

仮面ライダークロノス

 

【SR】

仮面ライダーブレイブ

仮面ライダースナイプ

仮面ライダーゲンム

仮面ライダーゲンム(ゾンビゲーマーレベルX)

仮面ライダーパラドクス

仮面ライダーレーザーターボ

仮面ライダートゥルーブレイブ

仮面ライダー風魔

仮面ライダーアナザーパラドクス

 

【R】

仮面ライダーレーザー

 

【N】

ライドプレイヤー

 

 

41:虚刀流のグラップラー

今回もLRとSRに偏ってるな。

 

42:太刀川隊の狙撃手

能力的に仕方の無い事ですけどね。

 

43:空座町の無下限呪術師

それじゃあ引いていこうか。

 

39:雄英の仮面ライダー

はい。

ちなみに今回はガチャの演出はスキップします。

 

40:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)

俗に言う【スキップ教】か。

 

41:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

時間短縮にもなりますしね。

 

42:雄英の仮面ライダー

そうですね。

それでは引いていきます。

 

そりゃッ!

からのスキップ!!

 

【10連目結果】

仮面ライダーアクセル【SR】

仮面ライダーレーザー【R】

ライドプレイヤー【N】

仮面ライダーザビー【R】

仮面ライダーブレイブ【SR】

仮面ライダーG3【N】

仮面ライダー亡【R】

仮面ライダースラッシュ【R】

仮面ライダーパラドクス【SR】

仮面ライダー威吹鬼【R】

 

 

………や、やったーーー!!?

 

43:サクラギ研究所のリサーチフェロー

10連目一発で当てただと!?

 

44:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

マジか!?

運強すぎだろ!

 

45:虚刀流のグラップラー

スゲェ!

 

46:空座町の無下限呪術師

とても前回ZOを引けなかったライダーくんの引きとは思えない!?

 

47:雄英の仮面ライダー

ヤメロォォーーー!!

人のトラウマを掘り返さないで下さい!?

 

48:杜王町の幽波紋使い

取り敢えず、引けて良かったな。

 

49:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

長引かないで良かったよ。

 

50:太刀川隊の狙撃手

爆死が一番怖いですからね。

 

51:雄英の仮面ライダー

ですね。

一先ずこれでガチャは終了します。

 

52:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

あれ!?

他は引かないんですか!?

エグゼイドやクロノスとか。

 

53:雄英の仮面ライダー

狙っていたライダーの力が手に入ったので充分です。

今はそこまでチート能力が必要という事でも無いので。

 

54:杜王町の幽波紋使い

引き際を見極めるのも大事だぞ。

 

55:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

無理に引いて後で引きずるよりマシだしね。

 

56:空座町の無下限呪術師

それに大量にガチャを引いても力を使いこなせないなら意味ないしね。

入学まで時間あるからまた特訓付き合おうか?

 

57:杜王町の幽波紋使い

>>56

俺も戦闘訓練なら協力出来るぞ。

 

58:虚刀流のグラップラー

俺も手伝います。

体捌きとか格闘術なら。

 

59:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺も協力します。

円卓の力ならライダー相手にもある程度戦えますし。

 

60:雄英の仮面ライダー

ありがとうございます!

申し訳ありませんがよろしくお願いします。




今回は作品ピックアップガチャという事で【仮面ライダーエグゼイド】ガチャ回でした。

補足として何故ゲンム(レベル0)がLRなのかというと、レベルビリオン込みでレア度がLRになっております。
それとポッピーがガチャ対象外になっているのは、全体的に女性ライダーが省かれているからと思って下さい。ですのでファムやバルキリーやサーベラもガチャ対象外です。

エグゼイドと言ったら宝条永夢ゥ!のくだりが伝説なのでスレに取り入れました。

次回から雄英入学編が始まります。
これから主人公くんに待ち受けるものとは……!?

乞うご期待。


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雄英入学〜USJ襲撃事件編
6スレ


第7話投稿します。

只今アンケート募集中ですので宜しければご協力お願いします。

某動画サイトでヒロアカの新作映画のPVを観ました。観た感想としては、………ちょっと劇場版ゼロワン『REAL×TIME』に似てね?と思いました。

敵はオカルト集団、世界中にガスっぽい兵器を使ったテロ活動、人類を解放する。この映画にもしウチの主人公が参戦したら或人社長みたいに黒幕と戦いそうだなと思いました。そうなるとあのトラウマフォームになってしまいそうですが……(ヘルライズ!)。




冬が終わり、4月ーーー。

 

今日から俺は雄英高校へ入学する。

 

「佳面くーん!お待たせ!!」

 

「おはよう、葉隠さん」

 

よく使う待ち合わせ場所に雄英の女子制服を着た葉隠さんが現れる。

 

「遂に今日から私たち雄英生だよ!ワクワクするね!」

 

「そうだね。制服、良く似合ってるよ」

 

「えへへ〜、ありがと!佳面くんも似合ってるね」

 

「そうかな。中学と違ってブレザーだからちょっと不安だったんだけどね」

 

「うんうん、カッコいいよ!」

 

「ありがとう。それじゃあ、行こうか」

 

「うん!」

 

駅まで移動し、電車を使って学校へ向かう。

 

 

ーーーーー雄英高校 1年A組教室前ーーーーー

 

 

「扉大きいね、佳面くん」

 

「バリアフリー対策かな。異形型の生徒でも入れるようにしているのかも」

 

目の前の大きな扉が気になりつつも教室に入ると20人分の机と椅子が並べられており、数人が既に指定された席に座っていた。

 

「おはよう!君たちもA組だな」

 

自分たちの席が何処なのか確認しようしていたら、眼鏡を掛けた男子生徒が話しかけてきた。

 

「おはよう。席は決まっているのかな?」

 

「ああ、扉側から名前の五十音順となっている。黒板に席順が掲示されているから確認するといい」

 

「ありがと!私は葉隠透!こっちが」

 

「佳面来太。これからよろしく」

 

「ぼ、……俺は飯田天哉だ!此方こそよろしく頼む、佳面くん!葉隠くん!」

 

クラスメイトになる飯田と挨拶を交わし、黒板に掲示された名前を確認して自分たちの席に座る。

 

 

数分後ーーー。

 

 

続々とクラスメイトが教室に入って来たなかで、入試で知り合った蛙吹さんがいた。

 

「久し振り、蛙吹さん」

 

「ケ、ケロッ!?ひ、久し振り、佳面ちゃん」

 

此方の挨拶に蛙吹さんは緊張気味に返した。

 

「同じクラスになれて嬉しいよ。やっぱり顔見知りの人が居ると安心するね」

 

「そうね、私も嬉しいわ」

 

「それとラインありがとね」

 

「いいえ、此方こそ。いつも返信が遅くなっちゃってごめんなさい」

 

「全然良いよ」

 

あの実技試験の後、彼女を医務室まで送った際にお互いの連絡先を交換し、合格を報告し合ったり色々と連絡をとっていた。

 

「あ、梅雨ちゃんだ!?久し振りー!」

 

「久し振りね、透ちゃん」

 

葉隠さんも蛙吹さんに駆け寄って挨拶を交わす。

 

会ったのは1日だけの筈なのにここまで仲が良いのは葉隠さんの人懐っこい性格と高い社交性が見てとれる。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

12:虚刀流のグラップラー

いやぁ、やっと大擂台賽が終わって日本に戻って来れました。

 

13:空座町の無下限呪術師

お疲れサマンサー!

 

14:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

怪我はしてない?

 

15:虚刀流のグラップラー

なんとか。

寂海王に勝った後日米同盟チームとして烈さんと勝負して勝ちました。

マジであの人強過ぎです。

 

16:杜王町の幽波紋使い

あの烈海王に勝ったのか。

凄いな。

 

17:太刀川隊の狙撃手

これで闘いを申し込む人たちがまた増えそうですね。

 

18:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ある意味ハーレムですねwww。

 

19:虚刀流のグラップラー

そんなハーレム、こっちから願い下げじゃボケェ!!

ただえさえ勇次郎さんや郭海皇に対戦を申し込まれたのを必死で逃げてきたんですよ!?

 

20:サクラギ研究所のリサーチフェロー

グラップラーニキもかなり修羅場だったみたいですね。

俺の方もガラル地方でダイマックスが多発的に起こる現象を調査したら、案の定ムゲンダイナが関係しててチャンピオンのダンデさんやキバナさんと協力して事件を解決して来ました。

 

21:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

トレーナーニキも大変だったんだね。

 

22:太刀川隊の狙撃手

それってつまり、ザシアンとザマゼンタに会ったんですか?

 

23:サクラギ研究所のリサーチフェロー

そうです。

サトシくんとゴウくんが2匹を呼び出して一緒に戦ってくれました。

そこに何故かイッシュ地方に居るはずのコバルオン・テラキオン・ビリジオン・ケルディオも来てくれました。

 

24:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

>>23

何でイッシュの聖剣士ポケモンたちが!?

 

25:虚刀流のグラップラー

まさかカンムリ雪原から来たのか!?

 

26:サクラギ研究所のリサーチフェロー

それは分かりませんが。

それと何故かケルディオが俺に懐いてきて、そのままゲットする事になりました。

 

27:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

幻のポケモンを捕獲しただと!?

 

28:空座町の無下限呪術師

え?

ケルディオって幻ポケモンだったの?

てっきり準伝説だと思ってた。

 

29:杜王町の幽波紋使い

俺はポケモンやってこなかったからよく分からないが、そのケルディオは珍しい個体なのか?

 

30:太刀川隊の狙撃手

一応ミュウと同じ幻のポケモンですからね。

ゲームだと剣盾のDLCで簡単に捕獲が出来ますけど。

 

31:雄英の仮面ライダー

グラップラーニキもトレーナーニキもお疲れ様です。

 

32:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ライダーくん!?

 

33:虚刀流のグラップラー

そっちは入学式だっけ。

 

34:杜王町の幽波紋使い

入学おめでとう。

 

35:雄英の仮面ライダー

ありがとうございます。

その筈だったんですが、突然担任の教師が現れて「体操着に着替えてグラウンドに集合しろ」と言われたので今はグラウンドに移動中です。

 

36:空座町の無下限呪術師

遂に来たね、個性把握テストが。

 

37:雄英の仮面ライダー

個性把握テスト?

 

38:太刀川隊の狙撃手

個性を使った体力テストの事だよ。

 

39:虚刀流のグラップラー

まあ、ライダーくんの実力なら大丈夫でしょ。

 

40:杜王町の幽波紋使い

ああ。

緊張せず、いつも通りにやれば問題ない筈だ。

 

41:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

頑張れ!

 

42:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

応援してるよ!

 

43:雄英の仮面ライダー

分かりました。

俺頑張ります!!

 

44:空座町の無下限呪術師

頑張れ!

じゃないと除籍されるよ!

 

45:雄英の仮面ライダー

>>44

え?

除籍?

 

46:虚刀流のグラップラー

呪術ニキ!

いらん事言わないで下さい!

 

47:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ライダーくんは気にせず頑張れよ!

 

48:雄英の仮面ライダー

分かりました。

それでは一旦ライブ配信モードに切り替えます。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「「「個性把握テスト!!?」」」

 

「入学式は?ガイダンスは?」

 

「ヒーロー目指すならそんな悠長な行事に参加する余裕無いよ」

 

突然のテスト開始にクラスメイトたちは驚愕し、麗日さんが質問すると担任教師の相澤先生はだらけきった声で答える。

 

「雄英は『自由な校風』が売り文句。そしてそれは教師側もまた然り」

 

「中学の時にやった事があるだろ?個性使用禁止の体力テスト。国の決めた平均的な数値をとるためのテスト。合理性に欠ける。まあ、文科省の怠慢だな」

 

すると相澤先生は俺の方を見る。

 

「実技入試の首席は佳面だったな。中学でのソフトボール投げの記録は?」

 

「76mです」

 

「今から個性を使ってコレを投げてみろ。円から出なければ何をしても良い」

 

そう言ってディスプレイが搭載されたソフトボールを渡される。

 

「個性使うのに少し時間掛けますが良いですか?」

 

「なるべく早くしろ」

 

「分かりました」

 

そう言って俺は円の中心に立ち、左手に【ガシャットギア デュアル】を実体化させる。

 

「手から何か出したぞ」

 

「何だろあれ?」

 

「ゲームのカセット?」

 

突然出てきたガシャットに周りは困惑する。

 

周りを気にせず、そのままガシャットのダイヤル部分【アクチュエーションダイヤル】を回して「パーフェクトパズル」を選択する。

 

 

『パーフェクトパズル!』

 

 

『What's the next stage! What's the next stage!』

 

 

ガシャットが起動し、俺の背後から「パーフェクトパズル」のゲーム画面が出現し、ゲームエリアを展開すると同時にエナジーアイテムが周囲にばら撒かれる。

 

「うわ!?何だ!!?」

 

「空中にゲーム画面と一緒に何か出てきた!!?」

 

「何の個性だよ!?」

 

周りが驚いている様子に思わず苦笑いする。

 

「変身」

 

 

『DUAL UP!』

 

 

『Get the glory in the chain! PERFECT PUZZLE!』

 

 

【デュアルアップスターター】を押し、データ実体化装置【GGハイパーモジュール】にパズルゲーマーが表示され、キャラクター画面が目の前に出現してそのまま身体を通る事で【仮面ライダーパラドクス パズルゲーマーレベル50】に変身完了する。

 

「変身した!?」

 

「凄え!」

 

「見た目は奇抜だけど!」

 

そのまま散らばったエナジーアイテムを空中に集め、連鎖するように左手で操作する。

 

 

『マッスル化』

 

 

『マッスル化』

 

 

『マッスル化』

 

 

連鎖された3つのエナジーアイテムを選択し使用した事で、身体中に力が漲る。

 

「せぇ、っの!!」

 

後は思いっきりボールを投げると、轟音と共にボールは目にも止まらない程の速度で大空へ飛んでいった。

 

ボールが地面に落ちたのか、相澤先生は持っていた端末を皆に見せる。

 

端末のディスプレイには「5,640m」表示されていた。

 

「5,000って事は……5km!!?」

 

「マジかよ!?いきなり4桁!!?」

 

「『個性』を遠慮なく使えるなんて流石ヒーロー科だぜ!」

 

「すげぇ面白そう!」

 

俺の記録を見てクラスメイトたちはテンションを上げる。

 

「面白そう、か……。ヒーローになるための3年間を、そんな腹づもりで過ごす気でいるのか?」

 

「ではこうしよう。トータル成績最下位の者はヒーローの見込み無しと判断し、除籍処分とする」

 

「「「ええええっ!!?」」」

 

驚く生徒の殆どが突然の除籍通告に相澤先生を抗議していると、俺の元へ葉隠さんと蛙吹さんが寄ってくる。

 

「佳面ちゃん、さっき相澤先生が言ってた除籍って本当かしら」

 

「多分、嘘を言う程あの先生はユーモアじゃ無いと思う。"本当に見込みの無い人は除籍させる"って目をしてるから」

 

「うわ〜、大変なことになったね」

 

不安そうな2人に対し、俺は言う。

 

「あれだけ言われたら、俺たちも結果を残せば良い」

 

「それにこんな序盤の難関で躓くようじゃ、ヒーローなんてなれない。でしょ?」

 

俺が少し挑発めいた事を言うと、2人は目つきを変える。

 

「そうだよ!私たちはプロヒーローを目指す為に雄英に来たのに、こんなところで負けてられないよね!!」

 

「そうね、私たちの本気を先生に見せつけましょう」

 

「その意気。やってやろうよ、2人とも」

 

「「うん!/ええっ!」」

 

こうして入学初日に突如、除籍を賭けた体力テストの幕が上がる。




遂に始まった除籍を賭けた個性把握テスト。
果たして主人公たち1年A組はこの難関を突破出来るのであろうか。

後半へ続く!


仮面ライダー紹介

仮面ライダーパラドクス

レア度【SR】

出典『仮面ライダーエグゼイド』


スレ民の進捗情報

虚刀流のグラップラー
範馬勇次郎に中国へ連れて行かれ、大擂台賽に出場すると、初戦に寂海王と激突し勝利する。この後中国チームと日米同盟チームの団体戦で烈海王を対決。苦戦するも虚刀流・奥義の一つ"落花狼藉"で勝利する。
団体戦終了後は勇次郎と郭海王に勝負を申し込まれるが必死に逃げ切り、日本へ帰国する。


サクラギ研究所のリサーチフェロー
ガラル地方全体で起きるダイマックス大量発生の調査を行い、ローズの企みを阻止する為にサトシ・ゴウ・ソニア・ダンデ・キバナと共に立ち向かう。途中ザシアンとザマゼンタ、イッシュ地方の聖剣士ポケモンたちと協力してムゲンダイナを撃退、捕獲に成功する。ケルディオに懐かれ、新たな家族として向かい入れる。


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7スレ

この作品のお気に入り登録数が300件を突破しました!
度々ですがご登録してくれた皆様とこの作品を読んでくれた皆様に深く感謝致します。

今回で個性把握テストは終了です。
それでは、どうぞ。


【ライブ配信モード】

 

49:杜王町の幽波紋使い

初日で除籍はキツく無いか?

 

50:虚刀流のグラップラー

ライダーくんの世界は超能力を使った犯罪が多いですからね。

自然災害も含めるとかなりの被害が出るんですよ。

 

51:太刀川隊の狙撃手

自分たちの行動に少しでもミスがあれば死者が出るかもしれないですし、厳しくするのが当たり前だと思います。

 

52:サクラギ研究所のリサーチフェロー

こっちの世界でもポケモンの密猟や裏で取引されてるケースもありますので、他人事に感じないんですよね。

……ロケット団やっぱ許せねえ。

 

53:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺のいる世界も悪の組織が世界征服してくる事が多々あるんで、相澤先生の言う事に共感は出来ますけど、今うまく出来なくても次で成長すれば良いって思ってしまうのはあります。

 

54:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

こっちはドラゴンが人間世界に来たりしてるけど、割りかし平穏だから他の皆みたいな危険な目にはあまり遭ってなかったからなぁ。

 

55:空座町の無下限呪術師

まあ価値観なんて人それぞれだし、世界が異なると余計にそうじゃない?

それよりライダーくんの活躍を見守ろうよ。

 

56:杜王町の幽波紋使い

そうだな。

最初の種目は50m走みたいだ。

 

57:虚刀流のグラップラー

飯田くんやっぱ速え、3秒台とか車じゃないですか。

 

58:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

隣で走ってる梅雨ちゃんでも5秒台ですからね。

やっぱり個性持ちは身体能力が凄い。

 

59:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

あ、次はライダーくんみたい。

 

60:太刀川隊の狙撃手

またエナジーアイテムを選択してるみたいですね。

 

61:雄英の仮面ライダー

「よし、次はコレで」

 

 

『高速化』

 

 

『高速化』

 

 

『高速化』

 

 

62:空座町の無下限呪術師

うわっ、高速化3枚重ね。

絶対速いじゃん。

 

63:杜王町の幽波紋使い

結果は【0.11875秒】。

流石に速過ぎるな。

 

64:サクラギ研究所のリサーチフェロー

俺たちはライダーくん視点で観てますけど、周りが殆ど止まって見えましたし、ライダーくんがゴールした後は当然周りは驚いてますね。

飯田くんは膝をついて落ち込んでますけど。

 

65:虚刀流のグラップラー

能力をフル活用したパラドクスには生徒では太刀打ち出来ないって。

プロヒーローでも難しいだろうし、タメ張れるのはオールマイト位ですかね。

 

66:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お、葉隠さんはギリ7秒台。

結構速いね。

 

67:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

次は握力測定。

まあ、結果は分かるけど。

 

68:杜王町の幽波紋使い

しかし色んな方法で測る子たちがいるな。

尻尾を巻きつけたり、腕を複数生やしたり、あのポニーテールの子は万力を使ってるし。

 

69:雄英の仮面ライダー

「次は、またコレでいくか」

 

 

『マッスル化』

 

 

『マッスル化』

 

 

『マッスル化』

 

 

「バギッッッ!!」

 

「あ」

 

「………【測定不能】」

 

70:サクラギ研究所のリサーチフェロー

あーあ、案の定握力計ぶっ壊したよ。

 

71:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

グシャグシャじゃん。

相澤先生も一瞬唖然としてるし。

 

72:太刀川隊の狙撃手

3種目は立ち幅跳び。

次はどう出るか。

 

73:雄英の仮面ライダー

 

 

『ジャンプ強化』

 

 

『ジャンプ強化』

 

 

『ジャンプ強化』

 

 

「跳び過ぎたーーーー!!!」

 

「アイツ砂場飛び越えたぞ!!?」

 

「てか対空時間長え!?殆ど飛んでるじゃん!!?」

 

「佳面、着地したら直ぐ戻ってこい。【∞】扱いにしといてやる」

 

「分かりましたーーー!!!」

 

74:虚刀流のグラップラー

【∞】って何ぞや。

測定でそんなのアリか?

 

75:空座町の無下限呪術師

アリでしょ♪

 

76:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

4種目は反復横跳びか。

 

77:太刀川隊の狙撃手

もうライダーくんが何しても驚かないです。

 

78:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

またぶっ飛んだ記録を出しそうだしね。

 

79:雄英の仮面ライダー

 

 

『分身』

 

『高速化』

 

 

「「「「「よし、やりますか!」」」」」

 

「5人に分身した!!?」

 

「もう何でもアリだろ!!?」

 

「先生アレってアリなんですか!?」

 

「………アリだ」

 

80:サクラギ研究所のリサーチフェロー

もう相澤先生もライダーくんの無双具合に呆れてるよ。

 

81:杜王町の幽波紋使い

結果は分身体込みで【1530回】。

やり過ぎてるな。

 

82:太刀川隊の狙撃手

次はソフトボール投げか。

あ、ライダーくん今度は素の状態で投げた。

 

83:虚刀流のグラップラー

それでも【705m】か。

やっぱりパラドクスのスペック高いな。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「緑谷出久。お前の"力"じゃヒーローにはなれないよ」

 

ボールを投げようとした一瞬、相澤先生が個性【抹消】で緑谷の個性を消し、厳しい言葉を告げる。

 

周りの俺たちは、ただ先生から通告を受ける彼を見ていた。

 

「緑谷くん、大丈夫かな。このままだと危ないんじゃ」

 

「麗日さんと飯田の話だと、緑谷の個性は実技試験の0Pを殴った腕まで壊れる程のパワーらしい。ボールを投げようとした際もその個性を使おうとしたんだと思う」

 

「けど仮に腕を壊してまで記録を出したとしても、それだと次の種目に大きな支障が出てしまうわ。多分先生もそれを踏まえて緑谷ちゃんに通告しているのだと思う」

 

冷酷無慈悲な態度をしていても仮にもプロヒーローだ。

 

目の前で大怪我をするかもしれない生徒をただ観てるだけなんて事はしない。

 

しかし、2投目で緑谷は結果を出した。

 

自身を破壊してしまう程のパワーを最低限の損傷に抑える為に人差し指のみに集中させてボールを投げた。

 

その結果、【705.03m】。

 

爆豪の【705.02m】を僅かながら越える記録を彼は出したのだ。

 

「どう言う事だ!?説明しろクソデクゥゥッ!!!」

 

自分の記録を越えられた事が気に入らなかったのか爆豪は緑谷に飛び掛かろうした。

 

しかし、

 

「はい、ストップ」

 

「がっ!!?」

 

俺は緑谷に襲い掛かろうとした爆豪を地面に取り押さえ、両腕を拘束する。

 

「離しやがれ変身野郎っ!!!」

 

「"変身野郎"か、的を射たあだ名だね。まあ一先ず落ち着きなよ、君は今緑谷に襲い掛かろうとしただろ?ヒーローを目指しているのなら無闇に個性で危害を加えようとしない方がいい。そんな事したら君は(ヴィラン)と同じになってしまう」

 

「説教垂れてんじゃねぇぞ!!ぶっ殺されてのか!?アァ!!」

 

「そこまでだ」

 

すると相澤先生が爆豪を睨みながらこっちへ近づいてきた。

 

「佳面、よく取り押さえてくれた。それと爆豪、今回は未遂で済んだが次同じ事やる様なら問答無用で除籍にする。分かったら待機してろ、邪魔だ」

 

「……クソがッ!!」

 

悪態をついて爆豪は苛立ちながら離れて行く。

 

「すみません相澤先生」

 

「お前は何も悪くないだろ。お前も次の種目まで待機しろ」

 

「はい」

 

先生に頭を下げ、俺は葉隠さんと蛙吹さんのいる所へ戻る。

 

「大丈夫だった佳面くん?」

 

「うん、けど余計に目立ってしまった。ただえさえ種目やる度に周りからの視線が集まってたのに」

 

「けど佳面ちゃんは爆豪ちゃんを止めようとしたもの、気にする必要なんて無いわ」

 

「あ、あの!」

 

彼女たちと話していると緑谷が痛めた指を押さえながら近づいてきた。

 

「た、助けてくれてありがとう」

 

「気にしないで、あのまま爆豪が君を襲い掛かろうとしたとしても先生が止めに入ってただろうし、目の前であんな事が起きようとしてたら誰だって止めに入るよ。………それより指診せて」

 

お礼に応え、直ぐに緑谷の右手を手に取り、人差し指の状態を診る。

 

「折れてるね、随分と無茶な事をするな君は。動かすのもすごく痛いだろ?」

 

「う、うん。けど、こうしないと次の種目がやれないし、そもそも力の調整が出来ないから」

 

「馬鹿、それでも怪我して良い理由にはならないだろ。ちょっと待ってて」

 

俺は一度変身解除して上着のポケットからテーピング用のテープを取り出し、緑谷の負傷した人差し指を中指と一緒に巻きつける。

 

「痛いだろうけどしないよりマシになると思う。圧迫した感じはしないかな?それなら緩めるけど」

 

「う、ううん!大丈夫。ありがとう、えっと」

 

「佳面来太だよ。よろしく緑谷」

 

「私は葉隠透!よろしくね緑谷くん!」

 

「蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んでね、緑谷ちゃん」

 

「う、うん!よ、よろしく。佳面くん、葉隠さん、あすっ、梅雨ちゃん」

 

「無理に言わなくて良いわ。自分のペースで良いのよ」

 

◾️◾️◾️◾️◾️

 

その後他の種目である持久走・上体起こし・長座体前屈が終え、トータル結果が発表される。

 

俺は他の種目も【パズルゲーマー レベル50】に再度変身して、エナジーアイテムを使ったお陰で全種目トップとなり総合1位の座を手に入れた。

 

葉隠さんは総合17位、蛙吹さんは総合14位。

 

そして"最下位"は緑谷となった。

 

「まあ、除籍にすると言ったがアレは嘘だ」

 

「「「嘘ォォォッ!!?」」」

 

「こうでも言わないと君たちの全力が観れないと判断し、敢えて言った。所謂、合理的虚偽だ」

 

「「「合理的虚偽ィィィッ!!?」」」

 

「当然です。少し考えれば分かる事ですわ」

 

相澤先生のハッタリにまんまと皆が騙され、ポニーテールの女子生徒・八百万さんが皆に指摘する。

 

 

「………なんて、言うと思ったか?」

 

 

しかし、次に相澤先生から出た言葉に今度こそ全員が固まる。

 

「今回は君たちが合格基準を()()()()到達したから除籍にしなかっただけで、もしそれすら達してなかった場合は本当に除籍処分にしていた」

 

「ここは雄英ヒーロー科。プロヒーローの登竜門であり、プロになる為の難関でもある」

 

「中途半端な力と覚悟じゃヒーローにはなれない。それどころか卒業する事すら出来ない」

 

「問題児だろうと実技首席だろうと推薦入学者だろうとプロヒーローの血縁者だろうと、俺が見込みが無いと判断すれば誰であろうと切り捨てる」

 

「君たちが来た雄英(ここ)はそういう場所だ。覚悟が無い奴は遠慮なく言え、その時点で除籍処分にする」

 

「以上だ。制服に着替えて教室で待機しろ。今後のカリキュラムの説明をする。あと緑谷、佳面に応急処置して貰っているが保健室へ行け。リカバリーガールの治療を受けてから教室に戻って来い」

 

そう言って、相澤先生はグラウンドを後にする。

 

残された俺たちは誰も言葉を発せずに、重い足取りで移動する。

 

(上等、最初から覚悟は決まってる。絶対プロになってやる!!)

 

だけど俺は、内心ワクワクしながら更衣室へ向かった。

 

 




如何だったでしょうか。

相澤先生が原作より厳しめな発言をしていましたが、現実でも何処の育成学校でもプロになって貰うよう厳しい事を言っていると思うので今作では雄英というエリート学校の厳しさを出す為にこの描写にしました。

あと爆豪の扱いは別にアンチ・ヘイトとかではありません。心境はどうであれ人に襲い掛かろうとしたら誰だって止めるだろうし、教育者としても厳しい対応を取ると思います。

仮面ライダーパラドクスパズルゲーマー レベル50の走力は100mを1.9秒。今作のエナジーアイテムの効力は一つあたり2倍に強化される設定にしてます。ですので50m走は0.11875秒となります。

次回は遂に戦闘訓練。
前後編で投稿予定なのでよろしくお願いします。


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8スレ

第9話を投稿します。

内容は戦闘訓練になりますが、事前にお伝えした通り前後編となります。今回は前編です。

今回、主人公が変身するライダーは
『メモリ』『A』『赤』がヒントです。

それでは、どうぞ。



入学初日の個性把握テストから翌日、雄英高校ヒーロー科のカリキュラム、午前中は必修科目。英語などの普通の授業を受ける。

 

「んじゃ、この中で間違っている英文はどれだ?」

 

(((普通だ……)))

 

「Everybody,heads up!!盛り上がれ~!!」

 

「はい」

 

「Okay 佳面、come on!!」

 

実技試験の司会兼アナウンスを担当していたプレゼント・マイクが英語の担当教師を務めている。

 

他の学校とは異なり、雄英ではプロヒーローが各科目を担当されるというなんとも贅沢な環境である。

 

 

◾️◾️◾️◾️昼休憩◾️◾️◾️◾️

 

 

午前中の授業が終わり、昼休憩にはクックヒーロー・ランチラッシュの料理を安価で楽しむ為に食堂が人で溢れていた。

 

「豚骨ラーメン。紅ショウガ付きで」

 

「味変は大事だよね!」

 

俺も食堂で昼食を食べる為に長蛇の列に並んで昼食を確保する。

 

豚骨ラーメンと紅ショウガの組み合わせは、俺が生前に観ていた『仮面ライダーセイバー』に登場した風の剣士【仮面ライダー剣斬】緋道蓮と怪人(メギド)デザストの思い出の味である。ライダーファンの1人としては定期的に食べたくなるのだ。

 

本当は弁当を持参したかったが、オヤっさんがトレーナー業で1日多忙なため自分の分だけの弁当を作る気になれなかった。

 

「あ、佳面くん!佳面くんも学食なんだね」

 

「緑谷。飯田と麗日さんも一緒か」

 

「良ければ君も一緒にどうだい?ちょうど席が空いているぞ」

 

「どうぞどうぞー」

 

「そう?それなら一緒に食べようかな」

 

一足先に昼食を食べていた緑谷たちと遭遇し、3人の好意に甘え同席することにした。

 

「次の授業は遂にヒーロー基礎学だ!授業に備えて栄養をしっかり摂ろう!!」

 

「うん!」

 

「佳面くん、ラーメンに紅ショウガ入れるタイプなんやね」

 

「豚骨ラーメンの時だけだよ。味が濃いと途中で飽きてくるから味変用で入れるんだ」

 

クラスメイトと楽しく談笑しながら昼食を済ませ、余った時間はネットニュースでプロヒーローの活躍を確認する。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

「わーたーしーがー、普通にドアから来たッ!!!」

 

「オールマイトだ!!?」

 

「本当に雄英の先生やってるんだ!?」

 

「あの戦闘服(コスチューム)銀時代(シルバーエイジ)の物ね」

 

「1人だけ画風違うよ。思わず鳥肌たった」

 

オールマイトの登場にクラス全員がテンションを上がる。

 

「私が担当するのは"ヒーロー基礎学"!それはヒーローの素地をつくるため、様々な訓練を行う科目!1番単位の多い科目でもあるぞ!早速だが、今日やってもらうのは戦闘訓練だ!!」

 

「戦闘!」

 

「訓練ッ!」

 

オールマイトがリモコンを操作すると、壁から1年A組全員の出席番号が書かれたアタッシュケースが現れる。

 

「入学前に送ってもらった『個性届』と要望に沿ってあつらえた戦闘服(コスチューム)だ!着替えたら順次グラウンドβに集まるように!!」

 

「「「はいッ!!」」」

 

各々自分の番号が記載されたケースを持って更衣室へ向かう。

 

俺は『7』。

縁起が良いのかもしれない。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「佳面、それがお前の戦闘服(コスチューム)か!?凄えカッケーな!」

 

更衣室で着替え、グラウンドβへ移動途中でクラスメイトの1人である切島に声を掛けられる。

 

「ありがとう。切島のは必要最低限って感じがするね。個性の関係で?」

 

「応よ!俺の個性は【硬化】だから俺自身が防護服みてぇなモンだからな!佳面のはなんかバイクに乗りそうな見た目だな!」

 

上半身がほぼ裸同然の切島に比べて、俺の戦闘服は白いTシャツの上に黒いライダースジャケットと両手には革製の黒手袋、下はデニムジーンズにバイク用のブーツという、如何にもバイク乗りのスタイルである。素材は"なるだけ軽く丈夫にして欲しい"を忠実に応えている。

 

「俺の場合、変身するから戦闘服は普通で良いんだよね。強いで言うならバイクに乗ること前提の戦闘服を要望したらこうなった」

 

「マジで!?お前バイク乗れんの!?」

 

「え、何?佳面バイクの免許持っているのか?」

 

「凄いな!」

 

すると他の男子生徒たちが会話に参加する。

 

「バイク以外にも車の免許も持ってるよ。バイクは後2ヶ月くらいで2人乗り解禁するけど」

 

「車の免許も持っているのか!?」

 

「ヒーロー活動の為に取得したのか?」

 

「免許取るの大変じゃなかった?」

 

話に興味を持ったのか、男子生徒の殆どが周りに集まって来た。

 

「皆!私語を慎むんだ!ヒーローを目指す者、時間厳守だぞ!!」

 

まるでメタルヒーローみたいな戦闘服に身を包んだ飯田が注意に入る。

 

皆には"また後で話すよ"と言ってこの場は収まる。

 

「あ、佳面くん!」

 

「ケロッ、佳面ちゃんの戦闘服とても素敵ね」

 

戦闘服に着替えた葉隠さんと蛙吹さんと合流する。

 

葉隠さんの方は水色のアンダースーツの上にメタリックのプロテクターを装着されており、手袋とブーツをしている。

 

蛙吹さんの方は緑色のピッチリとした戦闘服を身に纏い、手袋と蛙の足を彷彿させるブーツに、頭部には蛙の眼に似たゴーグルを嵌めていた。

 

「2人とも、凄く戦闘服似合ってるね」

 

「ありがと!佳面くんは如何にも"ライダー"って感じの戦闘服だね!」

 

「話聞こえてたけど、佳面ちゃんバイクと車の免許持ってるのね。だから実技試験の時バイクに乗るの慣れていたのね」

 

「うん。学校の敷地内でも乗れないか相澤先生に聞きに行こうと思うんだよね。訓練も兼ねてさ」

 

「いいね!その時は私も乗せてよ!」

 

「わ、私も乗せて貰えるかしら?」

 

「学校側の許可が下りればね」

 

「………なあ」

 

2人と話していると後ろから声がしたので振り返ると、峰田が妬ましそうに俺を睨んでいた。

 

「何?峰田」

 

「お前、葉隠と蛙吹と仲良いよな、しかも入学初日から。2人とはどういう関係なんだよ」

 

2人との関係?

 

「葉隠さんとは中学からの友達で、蛙吹さんとは実技試験の演習場が同じだったんだ」

 

「ンだよそれ!?既に仲良い関係を築いてたって事か!?ラノベの主人公かよッ!!?」

 

俺の返答が気に入らなかったのか、峰田は激情した。

 

「騒がしいぞ峰田くん!騒いでないでグラウンドβへ急ぐんだ!!」

 

「止めるなよ飯田!オイラは目の前にいるこのリア充野郎をぶっ飛ばさなきゃならないんだよ!!」   

 

「それは戦闘訓練でやればいいだろ!さあ、急ぐんだ!」

 

「離せよ、離せーーーー!!!」

 

峰田は抵抗虚しく飯田にドナドナされた。

 

「何だったんだろ」

 

多分俺が女子2人と仲良くしてたのが面白くなかったのだろう。

 

「さぁ?それより早くいこ!」

 

「そうね」

 

「そうだね」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

全員がグラウンドβに集合後、オールマイトから今回の戦闘訓練の内容が説明される。

 

 

ルールは2vs2のチーム戦

・組分けと対戦相手をそれぞれクジで決める。

・敵組は屋内の各階の何処かに設置した"仮想核兵器"を護衛。

・ヒーロー組は敵組を時間内に拘束するか核を回収したら勝ち。

・どちらかが戦闘不能になっても勝敗が決まる。

 

 

「組み合わせは適当で良いのですか!?」

 

「落ち着いて飯田。プロヒーローは他事務所同士でチームアップする事もあるし、より実践的な訓練の為のものだよ」

 

「なるほど、先を見据えた計らい。失礼しました!」

 

飯田は納得しオールマイトに謝罪する。

 

「いいよ。ただ、皆お互いにまだ知り合って間もない。信頼関係もまだ上手く築けていない子たちも居るだろうが、プロの現場ではよくある事だ。それをマイナスに考えてはいけないぞ!それではいってみよー!!」

 

早速組分けを決めるクジを引いていく。

 

俺は"I"と書かれた紙を引いた。

 

「"I"か。もう1人は…」

 

「俺だよ」

 

相方は大きな尻尾と道着っぽい戦闘服が特徴の尾白になった。

 

「よろしくね、尾白」

 

「うん、此方こそ」

 

そして俺たちと対戦するのは"B"を引いた障子・轟のペア。向こうがヒーロー組で、俺たちが敵組となった。

 

(これは作戦を決めないと苦戦しそうだな)

 

昨日の体力テストで観てたが障子の個性は腕の複製、轟は触れたものを凍結させる個性だ。

 

もしかしたら、2人共他に能力を隠し持っている可能性もある。

 

「取り敢えず、緑谷たちの対戦を観てみますかね」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:雄英の仮面ライダー

今日は戦闘訓練の様子をライブ配信していきます。

 

2:虚刀流のグラップラー

お!戦闘訓練か!

 

3:太刀川隊の狙撃手

相方と対戦相手は決まった?

 

4:雄英の仮面ライダー

>>3

はい。

相方は尻尾の個性を持つ尾白で、対戦相手は障子・轟ペアです。

 

5:空座町の無下限呪術師

うわー、轟くんが相手か。

 

6:サクラギ研究所のリサーチフェロー

1年A組の最強キャラか。

 

7:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

>>6

最強はライダーくんだろ!!

 

8:杜王町の幽波紋使い

落ち着け。

 

9:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

しかし、よりによって轟かあ。

 

10:虚刀流のグラップラー

皆、障子のこと忘れてますよ。

 

11:空座町の無下限呪術師

いや、あの子戦闘訓練で轟に全部持ってかれたじゃん。

 

12:太刀川隊の狙撃手

当時はキャラまだ薄かったからな。

 

13:杜王町の幽波紋使い

それで、ライダーくんは何か作戦は決まっているのか?

 

14:雄英の仮面ライダー

考えてる途中ですが、轟は開始直後にビルを凍結させてくると思いますので、凍らされるのを防いでから二手に別れようと思います。

 

15:虚刀流のグラップラー

つまり、それぞれ1vs1に持ち込むって事か?

 

16:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

確かに、障子は腕以外に"目"や"耳"も複製出来ますから索敵要員として優秀ですし、轟は連携せずにワンマンでやってくるでしょうからサポートが付いたら幾らライダーくんでもキツイですよね。

 

17:杜王町の幽波紋使い

つまり、ライダーくんが轟の相手をして尾白って子にその障子をマークさせる形か。

 

18:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

それで今回はどのライダーに変身するの?

 

19:雄英の仮面ライダー

轟は凍結の個性を持ってますので火や熱が使えるライダーでいってみます。

それと編成として予備にもう1種類のライダーをセットさせておきます。

 

20:サクラギ研究所のリサーチフェロー

>>19

なるほど。

確かに相性的に火が使えるライダーでいった方が良さそうだな。

 

21:空座町の無下限呪術師

うん、それで良いんじゃない?

思いっきりやっちゃいなよ。

 

22:杜王町の幽波紋使い

油断せず、自分の得意分野で戦え。

 

23:雄英の仮面ライダー

分かりました。

それでは俺たちの番になったので行ってきます。

 

24:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

頑張って!

 

25:虚刀流のグラップラー

勝ってこい!

 

26:サクラギ研究所

落ち着いたな。

 

27:雄英の仮面ライダー

はい!

行ってきます!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

第1試合の緑谷・麗日ペアvs爆豪・飯田ペアは緑谷・麗日ペアの勝利で幕が下り、第2試合の俺・尾白ペアvs障子・轟ペアに移る。

 

俺と尾白は"仮想核兵器"を最上階に設置し、俺たちは3階で待機しながら作戦を決めていた。

 

「ーーーという作戦で行こうと思うんだけど、どうかな?」

 

「うん、それで行こう。俺の個性じゃ轟には通用しづらいだろうし、その作戦なら俺も力になれると思う」

 

「ありがとう。こっちは轟を抑えるから尾白は障子を徹底的にマークしてくれると助かる」

 

「分かった。………けど驚いたな、昨日の体力テストの時に観た姿以外にも変身出来るなんて。凄い個性だよ」

 

「使いこなすのに苦労したけどね。だけど、お陰で轟相手でも戦えるよ」

 

作戦が決まり、俺は今回使用する変身アイテムをイメージする。

 

イメージされたのは【アクセルドライバー】と【アクセルメモリ】の2つ。

 

俺は【アクセルドライバー】を腰に装着させ、【アクセルメモリ】を起動させる。

 

 

『アクセル!』

 

 

「変……身ッ!」

 

 

アクセルメモリをドライバーの中央にあるメモリスロットに装填し、右手側の【パワースロットル】をエンジンをふかす要領で回す。

 

 

ACCEL(アクセル)!』

 

 

【パワースロットル】を回すと、俺の身体は赤を基調としたデザインに頭部には大きな"A"の文字のような角を持ち、複眼状の青いモノアイに姿を変化し、【仮面ライダーアクセル】に変身完了する。

 

 

『それじゃあ、第2試合。スタート!!』

 

 

試合開始からほんの数秒、ビル全体の気温が急激に低下した。

 

「来たぞ佳面!」

 

「任せて!」

 

3階が凍結する前に、【パワースロットル】を回す。

 

エネルギーを追加発生させ、エネルギーを身体全体にチャージした事で超高温の熱波が発生し、凍結されたビルは高熱で解かされた。

 

暫くすると左半身を氷の鎧で覆った轟が階段から姿を現した。

 

「ッ!?凍ってねえのか」

 

「残念だったね。開始直後にビル全体を凍結させて来るのは読んでたよ。尾白!」

 

「分かった!」

 

合図と共に尾白は窓側に駆け出し、そのまま窓を突き破って降下する。

 

「……2人掛かりで来ねえのか?」

 

「俺に質問するな」

 

俺の右手にアクセルの専用武器【エンジンブレード】を形成し、切先を轟に向ける。

 

「さあ、振り切るぜ!」

 

第2試合の火蓋は、こうして切られた。




豚骨ラーメンと紅ショウガは何処かで入れたいと思っていたので早速第9話に入れ込みました。デザストのあの笑ってるようで泣いてるようにも聞こえる声の出し方に内山○輝さん凄えと思いました(死柄木弔の中の人)。

今作では原作と異なり葉隠さんのコスチュームを変更させてます。
原作では手袋とブーツのみでしたが、アンダースーツの上にプロテクターを装着させてます。ただの装備でしたら彼女の長所である"透明によるスニーキング能力"が活かされないと思われてしまいますが、ちゃんとこのコスチュームには"あるギミック"が隠されてます。それは後編で描写する予定ですのでお楽しみに。


仮面ライダー紹介

仮面ライダーアクセル

レア度【SR】

出典 仮面ライダーW


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9スレ

第10話投稿します。

主人公(仮面ライダーアクセル)vs轟

尾白vs障子 の勝負が決着します。

それでは、どうぞ。


【オールマイト視点】

 

ーーーーモニタールームーーーー

 

「凄え佳面!轟の凍結を防ぎやがった!」

 

「体力テストの時と姿が違う!?」

 

「何なんだアイツの個性!?」

 

第2試合開始直後、ヒーロー組の轟少年はビル全体を凍結させ早くも決着が着くと思われたが、佳面少年が赤い姿に変わり物凄いエネルギーを発生した事で凍結を回避した光景にモニタールームにいる全員が驚愕した。

 

(昨日の体力テストや実技試験とはまた別の姿に変身した。彼の個性は一体…)

 

実技試験、体力テスト共に1位になった少年。

 

その実力は他の生徒と比べても頭一つ抜けてるどころか、下手な相棒(サイドキック)や独立したプロヒーローよりもポテンシャルが高いのが観て分かった。

 

「どうやら佳面が轟を、尾白が障子を抑える形で二手に分かれた様だな」

 

「けどよ、轟のさっきのヤツ見たら2人掛かりで戦った方が良いんじゃねえか?」

 

「おそらく障子さんが轟さんのサポートに入るのを防ぐ為に敢えて分断するよう、佳面さんが尾白さんに指示したと思われますわ」

 

常闇少年と峰田少年に八百万少女が的確に解説をする。

 

(くっ、教師としての立場ないな私ぃ)

 

「…ねえ、透ちゃん。聞いてもいいかしら?」

 

「ん?なに梅雨ちゃん?」

 

私が凹んでいると蛙吹少女が葉隠少女に声を掛けた。

 

「今の佳面ちゃんの姿、昨日の体力テストや私が実技試験で見た姿とは全く違うの。もしかして、まだ他にも変身が出来るのかしら?」

 

蛙吹少女の質問に周りの生徒たちの視線が葉隠少女に集まる。

 

「マジで!?実技の時も別の姿になってたの!?」

 

「どんだけ姿変えられるんだよ!」

 

「もはや才能マンじゃん!」

 

「皆!試合を観るのが優先だ!今が授業中である事を忘れるな!」

 

葉隠少女に駆け寄る生徒たちに飯田少年が注意した。

 

「飯田だって佳面の個性気になるだろ!」

 

「ぐっ、それとこれとは話が別だ!今は彼らの試合を観て戦闘技術を学ぶべきだ!」

 

「素直になりなよー」

 

「自分も知りたいくせに!」

 

「うぐぐぐ!」

 

(おっと流石に止めに入った方が良さそうだな)

 

このままでは授業に支障が出ると判断し、急いで止めに入ろうとしたら、

 

「全部見たわけじゃないけど、私が知ってる分でもあと30種類は変身出来るよ」

 

「「「30ゥゥッ!!?」」」

 

予想以上の数に、思わず私も声を出して驚いた。

 

それだけの種類の変身が可能であり、その能力を使いこなすであろう佳面少年にただ驚くばかりである。

 

(…しかし、佳面少年のあの動き。明らかに戦い慣れしている。まるで実際に戦闘経験があるかの様だ)

 

長剣で巧みに轟少年の凍結を切り裂き、高熱を纏った拳や蹴りで直接攻撃をしている様は我々プロヒーローの様な熟練された動きであった。

 

(しかも佳面少年は徹底して轟少年の()()に回って攻撃をしている。この短時間で彼の弱点を見抜いたというのか!?)

 

轟少年の個性は【半冷半熱】。

 

身体の右側は氷、左側が炎を操る唯一無二の能力。

 

その両方を使用すれば佳面少年に引けを取らないだろう。

 

しかし、推薦入試と体力テストでは一度も左側を使用しなかった。

 

炎を操るのに相当のリスクが生じるのか。

 

それとも、()()()使()()()()()()()()()

 

(おそらく後者だろうが、これに関しては轟少年の個人的な問題。無闇に周りがとやかく言う事ではないが、このままだと轟少年は佳面少年に勝利するのは非常に困難だろう。さあ、どうする?)

 

「尾白くんたちの方が決まるみたいだよ!☆」

 

青山少年の声に反応し、先程まで佳面少年の話で盛り上がっていた少年少女たちは尾白少年と障子少年が映るモニターを観る。

 

「(ナイスだ青山少年!)さあ、勝負はクライマックス!ここからは瞬き厳禁だぜ、少年少女!」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

【尾白視点】

 

「オオオオッ!」

 

「ぐぅっ!」

 

佳面と別れた後、窓から1階に降りた俺は障子と対決して7分が経過した。

 

腕を複製した障子の手数の多さに苦戦し、なんとかヒット&アウェイで時間を稼ぐので精一杯だった。

 

(だけど、負けられない!俺を信じてくれた佳面に応える為にも!)

 

正直、多彩な能力の個性を持つ佳面に少なからず嫉妬していた。

 

体力テストでの彼は他を寄せ付けない程の圧倒的な力を見せつけ、総合1位の座を手にした。

 

比べて自分は中間的な順位に収まり、あまりにインパクトが薄かった。

 

しかも実技試験でも首席でもある彼は文字通り、俺から見れば雲の上の様な存在だと思っていた。

 

だけど免許の話や試合開始前の作戦会議で、彼の印象は変わった。

 

優しく、無条件で人を信じる彼は、自分と何ら変わらないただのクラスメイトだったのだ。

 

(そんな彼が俺に頼ってくれた時、俺は絶対に力になりたいと思った!…だから)

 

「負ける訳にはいかない!」

 

俺は尻尾をスプリングの要領で勢い良く自分の身体を跳ね上げ、床から壁へ、壁から床へと空間を利用して縦横無尽に飛び跳ねる。

 

突然の事に流石の障子も動きを止めた。

 

「クッ、それなら!」

 

障子は複製された腕を戻し、新しく目を複製し始めた。

 

(今だ!)

 

俺は戦闘服に隠してたカメラ型のデバイスと黄色のUSBメモリを取り出し、メモリをカメラに装填する。

 

 

『ルナ マキシマムドライブ』

 

 

カメラがコウモリに変形し、レンズから強い光を発光する。

 

「グアァァッ!?」

 

あまりの眩しさに障子は複製した目を引っ込ませ、両膝をついて目を塞ぐ。

 

「ウオォォッ!!」

 

その瞬間、尻尾で壁を力一杯押し上げ、落下した勢いで渾身の蹴りを障子にぶつける。

 

蹴られた障子は床に倒れ込み、そのまま気絶した。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

慣れない尻尾の使い方をしたせいか身体中に疲労感が襲い、床に座り込んだ。

 

(…やった。やったんだ!)

 

「佳面ァッ!こっちは抑えた!!」

 

達成感と高揚感で思わず大声でインカム越しに佳面に叫ぶ。

 

『ッ!?……了解!後は任せて!!』

 

佳面は俺の声に驚くも直ぐに頼もしい声で応答した。

 

「頼んだよ……佳面」

 

自分の役割を全うした俺は佳面に後を託して、床に倒れ込む。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【ライブ配信モード】

 

52:雄英の仮面ライダー

『佳面ァッ!こっちは抑えた!!』

 

「ッ!?……了解!後は任せて!!」

 

53:虚刀流のグラップラー

うおおおお!?

尾白が障子を倒した!

 

54:サクラギ研究所のリサーチフェロー

マジか!?

でかした尾白くん!

 

55:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

凄いぞ尾白くん!

正直勝つなんて予想してなかった!

 

56:太刀川隊の狙撃手

手数的に障子の方が有利ですからね。

 

57:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

後は轟だけですね!

 

58:杜王町の幽波紋使い

さあ、ライダーくん。

今度は君の番だ。

 

59:空座町の無下限呪術師

ここで決めなきゃ相棒として格好がつかないよ。

 

60:雄英の仮面ライダー

「どうやら相方がやってくれたようだ。此方も決めさせて貰う」

 

 

『エンジン ジェット』

 

 

「ハアッ!」

 

61:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

>>60

エンジンブレードにエンジンメモリを装填して刀身から赤い斬撃を飛ばした!?

 

62:空座町の無下限呪術師

浦原さんの攻撃に似てるね。

あれは血液だけど。

 

63:サクラギ研究所のリサーチフェロー

轟も辛うじて避けた!

 

64:虚刀流のグラップラー

だけど体勢は崩れてる!

 

65:雄英の仮面ライダー

 

 

『エンジン マキシマムドライブ』

 

 

66:太刀川隊の狙撃手

マキシマムドライブだ!

 

67:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

イッケー!

ライダーくん!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

『エンジン マキシマムドライブ』

 

 

「ハアアッ!」

 

 

エンジンブレードのトリガーを弾き、マキシマムドライブで発動させる事でエネルギーがチャージされたエンジンブレードの先端からA字型のエネルギー攻撃【エースラッシャー】を放つ。

 

「クソッ!」

 

轟は瞬時に氷の防壁でガードをするが、防壁は粉砕し衝撃によって轟は大きく後方へ吹き飛ぶ。

 

しかし、まだ轟は戦闘不能になっておらず、身体がフラつきながらも立ち上がろうとしていた。

 

だが()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

「これで決まりだ」

 

 

『アクセル マキシマムドライブ』

 

 

エンジンブレードを床に突き刺して左手側の【マキシマムクラッチレバー】を引き、【パワースロットル】を回す事でマキシマムドライブを発動させる。

 

エネルギーがチャージされ、赤い炎が全身を包み込む。

 

「ッ!?このおォォ!!」

 

すると轟は表情を()()()()()()、残りの力を出し切るかの如く鋭い氷の刃を解き放つ。

 

しかし、エネルギーによって発生した炎で氷の刃は蒸発した。

 

「ハアアァッ!!」

 

俺は前方へ跳躍し、轟に目掛けて必殺技【アクセルグランツァー】を繰り出す。

 

今度こそ轟に直撃し、後方へ大きく吹き飛んで壁に激突した轟は静かに床に倒れる。

 

「絶望がお前のゴールだ」

 

 

『WINNER ヴィランチーム!!』

 

 

設置されたスピーカーからオールマイトのアナウンスがビル全体に響き渡り、試合終了を知らせる。

 

こうして、初の戦闘訓練での俺の戦いは勝利で幕を下ろした。




あれ?この作品主人公って尾白くんだっけ?と思うくらい尾白くんを活躍させてしまった。まあ、彼もヒーローになる為に努力し続ける子ですからね、これくらいはやってくれるでしょう。
ちなみに尾白がメモリガジェットの【バッドショット】と【ルナメモリ】を使用したのは作戦会議中に主人公くんが前もって渡してあったからです。

ライダーくんは保険を掛けてアクセル以外に仮面ライダーWに変身出来るよう編成枠にセットしてあったのでアクセルに変身してもW関連のアイテムが使用出来たという仕組みです。


葉隠さんの戦闘服のギミックその①『光学迷彩装置』
アンダースーツとプロテクターに搭載された『光学迷彩装着』は手袋のスイッチを押す事で自分の周りの光を屈折させてあたかも透明になった様に相手から姿が視えない様にする仕組み。胸のプロテクターに超小型バッテリーが搭載されており、連続で3時間使用が可能。バッテリーを改良する事で持続時間が延長される。


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幕間②『学級委員長』

第11話投稿します。

今回は幕間で、内容は学級委員長決めとなります。

それでは、どうぞ。

※スレはお休みです。


「なんだろ、朝から疲れてるような気がする」

 

「昨日は皆から質問責めされてたからね〜」

 

戦闘訓練の翌日、いつの通り葉隠さんと登校しながら昨日の事について話していた。

 

試合の結果、第2試合のMVPはお互いの役割を全うした俺と尾白となり、他の試合を観た後教室に戻って皆で反省会兼交流会を始めた。

 

その際にクラスメイトほぼ全員から個性について質問責めをされた俺は、仮面ライダーやガチャの事は伏せて1人1人の質問に解答した。その中で八百万さんからも質問された事に内心驚いた。どうやら彼女の個性は物を創造する能力らしく、俺の変身アイテムに興味が出たそうだ。

 

学校に到着したら、校門前には報道記者やカメラマンといったメディア関係者の人たちが大勢いた。

 

「またマスコミの人たちかな?」

 

「こうも連日で来られるとキツイな。オールマイトについてインタビューするのが目的だろうけど」

 

新聞やネットニュースにオールマイトが雄英の教師に赴任した事が記載されており、直接本人か生徒たちや学校側に聞き込みをする為に集まっていた。

 

「うわー、どうしよっか。昨日よりも多いし、アレじゃあ通るの難しいよ」

 

「そうだね……。仕方ない、強行突破しよう。ごめんね葉隠さん」

 

とても校門を通るのが困難だと判断した俺は、葉隠さんを「お姫様抱っこ」する。

 

「え?え!?ナ、ナニ!?」

 

「ごめん、すぐ下ろすからちょっと待って」

 

葉隠さんを抱き抱えた俺は校門の塀に向かって走り出す。

 

 

「すみません、通りまーす!」

 

 

マスコミの方たちに一言断って、そのまま跳躍して塀を飛び越える。

 

「うわ!?何だ!?」

 

「雄英の生徒!今塀を飛び越えなかったか!?」

 

「なんてジャンプ力だ!」

 

塀の反対側でマスコミの方たちは一瞬の出来事に驚愕していた。

 

「よしッ、無事に着地完了っと」

 

「朝から何やってる」

 

着地した目の前には相澤先生が立っており、此方をジト目で睨んでいた。

 

「おはようございます相澤先生。校門をメディア関係の方たちが囲っていたので塀を飛び越えました」

 

「……そういう事か。あまり目立つ行動はするな。有る事無い事書かれるかもしれないぞ」

 

「すみません、気をつけます」

 

「ならすぐに教室へ行け」

 

そう言って相澤先生は去る。

 

「葉隠さん大丈夫?下ろすよ」

 

「あ、うん」

 

突然お姫様抱っこなんてされた事に混乱したのか、普段とは違って大人しくなっていた。

 

「ごめんね、何処か痛かった?」

 

「う、ううん。そんな事ないよ。ちょっとビックリしただけだから」

 

「そっか、それじゃあ教室行こうか。遅刻する訳にもいかないし」

 

「……そうだね!急がないとね!」

 

いつもの明るさに戻り、葉隠さんは校舎へ駆け足で向かい、俺はその後を追う。

 

「………鈍感

 

葉隠さんが呟くのを聞こえたが、敢えて何も言わないでおこう。

 

◾️◾️◾️◾️

 

無事に教室に到着し席に着いて数分、チャイムが鳴り相澤先生も来てHRが始まる。

 

「おはよう。昨日の戦闘訓練お疲れ。VTRと成績を見させて貰った」

 

「まずは爆豪。もうガキみたいな事するな。体力テストでも言ったが問題児は雄英には必要ない。自分の行動一つで自身の首を絞めてる事に自覚しろ。能力はあるんだ」

 

「……わぁてるよ」

 

「次に緑谷。腕が治ればチャラになると思っているなら今すぐ普通科に編入しろ。ヒーローにケガは付き物だが自分の力でケガしたらヒーローとしてやっていけない。助けられる側もお前の姿を見て不安になるだけだ。嫌なら改善策を見つけろ」

 

「ッ、はい!」

 

「最後に轟。ペアを組んだ意味を理解しろ。1人で突っ走った結果負ける様じゃプロでも通用しない。あと自分の能力に妥協するな、格下相手なら半分の力で対処出来ても佳面の様な格上には効果が薄い事も学べ」

 

「…はい」

 

爆豪、緑谷、轟に注意点と助言を告げる。

 

「さて、HRの本題だ。急で悪いが今日は君らに───」

 

何を言われるのか全員が身構えていると、相澤先生は再度口を開く。

 

「学級委員長を決めて貰う」

 

 

「「「学校っぽいの来たーーー!!」」」

 

 

唐突な決め事にクラス一同がヒートアップ。

 

ほぼ全員が委員長になりたいと手を上げた。普通の学校なら他の誰かに押し付ける役割だが、ヒーロー科では集団を纏めるトップヒーローの基礎を鍛えられる重要な役職となる。

 

「委員長!!やりたいですそれ俺!」

 

「オイラのマニフェストはスカート膝上30cm!!」

 

「僕のためにあるヤツ☆」

 

「リーダー!やるやる!!」

 

やる気ある生徒たちは我こそはと手を挙げる。

 

「静粛にしたまえ!!」

 

そんな中、飯田が大声を上げる。

 

「多を牽引する責任重大な仕事だぞ!やりたい者がやれる仕事ではないだろう!周囲からの信頼があってこそつとまる聖務!民主主義に則り真のリーダーを決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案だ!!」

 

飯田は皆に熱く問いかける。

 

だがしかし、

 

「飯田、ならその手は何?」

 

「お前がそびえ立ってんじゃねーか!!」

 

誰よりも彼自身が学級委員長を志願していた。

 

「なぜ発案した!?」

 

「それに一週間も経ってないのに信頼するのは難しいだろ」

 

「だからこそ、だからこそだ!複数票を取った者こそが真に相応しい人間という事にならないか?どうでしょう先生!?」

 

「時間内に決めれば何でも良いよ」

 

相澤先生はマイ寝袋に入り、投げやりな返事を返してそのまま教壇の横で眠りについた。

 

(本当に教師かこの人…)

 

そして投票の結果、ほぼ全員が自分に票を入れら中で複数票を獲得したのは3票の俺と緑谷、2票の八百万だった。

 

「僕に3票ォォォーーー!?」

 

「誰だデクに入れたのは!?」

 

「まあ、お前には票は集まらんわな」

 

「ンだとクソ髪!」

 

「俺に1票!?一体誰が入れたんだ!?」

 

「他に入れたのね」

 

「お前もやりたがってたのに、何がしたいんだ」

 

まさかの他者に投票した飯田に皆が呆れる。

 

「じゃあ、佳面と緑谷で委員長を決めるか」

 

しかし誰が俺に票を入れたのだろうか。気になるが委員長を決めるべく、俺と緑谷が教卓の前に集まる。

 

「ど、どうしようか佳面くん」

 

「そんなの簡単だよ。緑谷、ジャーンケーン」

 

「え!?え!?」

 

突然ジャンケンを持ち掛けられ、緑谷はテンパる。

 

「ポン」

 

俺がパー、緑谷はグー。

 

「あっち向いてホイ」

 

「え!?」

 

そのまま人差し指を右に向けると、緑谷は釣られて指の方向へ顔を逸らす。

 

勝者は俺となった。

 

「じゃあ緑谷が委員長で俺が副委員長で決まりね」

 

「え!?僕が委員長!?」

 

 

「「「あっち向いてホイで決めやがった!?」」」

 

 

予想外な結果に一同が驚愕した。

 

こうして委員長は緑谷、副委員長は俺に決定したのであった。

 

 

◾️◾️◾️◾️昼休憩◾️◾️◾️◾️

 

 

「いやー、まさかあっち向いてホイで委員長決まるとは思わなかったよ!」

 

「ああだこうだ言い合ってたら相澤先生が"合理的に決めろ"って言って来るだろうし、そっちの方が早く決まるかなって思って」

 

「緑谷ちゃんには悪いけど、私は佳面ちゃんに委員長になって欲しかったわ」

 

「あ、俺に投票した1人って蛙吹さんだったんだ。ごめんね」

 

「決まった事だし、良いわ」

 

午前中の授業が終わり、昼休憩になったので葉隠さんと蛙吹さんと一緒に昼食を摂っていた。

 

今日は弁当を持参したので教室で食べている。

 

「俺に投票した3票の内、葉隠さんと蛙吹さんは分かったけど、残り1票は誰だろう?」

 

「尾白くんじゃない?昨日の戦闘訓練でペア組んでたし」

 

「そうね。尾白ちゃんの可能性が高いわ」

 

なるほど、尾白か。それなら彼にも悪いことしてしまった。

 

「元々自分に投票してないし、そんな俺が委員長になっても周りが納得しないと思ってさ」

 

「やっぱり佳面くん別の人に投票したんだ。誰?」

 

「飯田だよ。真面目だし今回の事でも率先して提案したり、真っ直ぐな性格してるから」

 

「確かに飯田ちゃんは凄く真面目ね」

 

「真面目過ぎると思うけどねー」

 

「そういう人が委員長に向いてるんだと俺は思うな」

 

すると突然、

 

 

『セキリュティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください』

 

 

アナウンスと同時にサイレンが学校全体に響き渡る。

 

「わ!?何!?」

 

「警報ね。アナウンス通りに動きましょう」

 

「ーーーちょっと待って。2人とも窓を見て」

 

2人が避難しようとするのを引き留め、窓の外の光景を見るよう指示する。

 

外では朝で見かけたマスコミが校舎前まで群がっていた。

 

「え!?なんでマスコミの人たちがあそこまで来てるの!バリケードは!?」

 

「どうやら作動しなかったみたいだ。誤作動かは分からないけど、多分それで彼らが敷地内に侵入して来たんだ」

 

「佳面ちゃんどうするの?私たちは避難すべきかしら?」

 

蛙吹さんの問いかけに少し考え、結論を出す。

 

「いや、2人は教室に待機してて。俺が職員室にいる先生方にこの事を伝える。絶対にそこを動かないでね」

 

「分かった!」

 

「気をつけてね、佳面ちゃん」

 

「2人もね」

 

俺は教室を出て職員室まで走る。

 

 

◾️◾️◾️◾️職員室前◾️◾️◾️◾️

 

 

「着いた。せん───」

 

職員室に到着し中に入ろうとした直後、室内には白髪の男と黒い靄の様な人型の2人組が並べられた教師用の机の前に立っていた。

 

(まさか(ヴィラン)か!?先生たちは居ない。戦闘は……駄目だ。せめて証拠だけでも!)

 

俺は(ヴィラン)と思われる2人組に気づかれない様、気配を抑えて上着のポケットからスマホを取り出し、カメラを録画モードに切り替え撮影を始める。

 

2人組は何やら資料を見ており、此方に気づいていない様だった。

 

「へえ、明日の救助訓練にオールマイトが参加するのか。ならこの日だな。"黒霧"、帰るぞ。襲撃用の人手を準備するぞ」

 

「はい、"死柄木弔"」

 

黒霧と呼ばれる人型から黒い靄を出現させ、2人はそれを潜って姿を消した。

 

黒い靄も2人が潜った直後に霧散する。

 

「……はぁ、気づかれてなくて良かった」

 

「佳面か。そこで何をしてる?」

 

後ろから声を掛けられ、振り向くと相澤先生が立っていた。

 

「相澤先生、これを!」

 

俺は先程録画した映像を相澤先生に見せる。

 

「これはッ!……佳面、お前戦闘はしていないな?」

 

「はい。マスコミが校舎に来ているのを伝える為に職員室に来たら、この2人組が既に中に居ました」

 

「分かった、後はこっちで対応する。お前は教室に戻っておけ。悪いがスマホ預かるぞ」

 

「お願いします」

 

相澤先生にスマホを渡し、俺は指示通り教室へ戻った。

 

 

昼休憩が終わると緑谷が飯田を学級委員長に推薦し、1年A組の学級委員長が決まった。

 

放課後、相澤先生からスマホを返して貰い、昼間の(ヴィラン)侵入の件は誰にも言うなと口止めされたのであった。




原作では副委員長は八百万でしたが今作では主人公くんが副委員長に任命しました。多分そこまで原作に影響は無いと思いこの√で行きたいと思います。

主人公くん、死柄木と黒霧と遭遇する。
主人公くんの撮った動画のお陰で雄英側もある程度対策を取れると思います。

次回、USJ襲撃事件編へ突入。
出来ればいつも通り前後編でまとめたいですが、長くなるかもしれませんのでご了承下さい。


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10スレ

前回応募したピックアップガチャアンケート結果を発表します。
合計応募数827票と予想を遥かに上回る数字でした!
ご協力ありがとうございました!!

1位 『ダークライダー』ピックアップ 207票

2位 『主役ライダー』ピックアップ 153票

3位 『ガンナー系ライダー』ピックアップ 82票

という結果となりました。
今後3位からガチャ回に投稿していきたいと思いますので、お楽しみに!


第12話投稿します。
USJ襲撃事件の前編です。

それでは、どうぞ。


マスコミ騒動の翌日、()()()()()()()()バリケードは修復され、この日は流石のマスコミも1人も姿をを出さず生徒たちはスムーズに登校が出来た。

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトと他2名の4人体制で見る事になった」

 

「はーい!何をするんですか?」

 

芦戸さんが元気よく相澤先生に質問をする。

 

「災害水難何でもござれ、人命救助訓練だ!」

 

「レスキューかあ、今回も大変そうだな」

 

「バカおめー、これこそヒーローの本分だろ!腕が鳴るぜ!!」

 

「水難なら私の独壇場。ケロケロ」

 

初めての救助訓練に皆もやる気を出す。

 

「おい、まだ途中だぞ。今回の訓練コスチュームの着用は個人の判断に任せる。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上」

 

相澤先生の号令で皆がコスチュームを持って更衣室に向かう。

 

「相澤先生」

 

「何だ」

 

俺は皆が更衣室へ向かった事を確認して、相澤先生に話し掛ける。

 

「昨日の(ヴィラン)の件。学校側はどうされるんですか?」

 

「あの2人組の会話の内容を聞く限り、狙いはオールマイトだと推察し俺と他2名がお前たち生徒とオールマイトの護衛という形で体制を取る事になった。万が一の場合を考慮して他のヒーロー達も連絡一つで出動が出来る様になっている。お前があの時、戦闘ではなく証拠を掴む為に映像を撮ったお陰でな。改めて礼を言うよ」

 

「いえ。正直撃退も考えたんですけど、まだヒーロー資格を持っていない俺ではどうする事も出来ないと思って、咄嗟にスマホで録画してただけですよ」

 

「その冷静な判断を常に出来る様にしておけ。感情任せに動いて全て上手くいくとは限らない。自分の出来る範囲内で最大限の事をやれる様になれ」

 

「はい」

 

「何をやっているんだ佳面くん!皆はもう更衣室へ向かったぞ!ヒーロー科たる者、10分前行動は当たり前だ!それに君は副委員長なんだ!それでは皆に示しがつかないぞ!」

 

まだ俺が更衣室へ向かっていない事に気がついたのか、飯田が教室へ戻って来た。

 

「ほら、お前も準備しろ。後の事はこっちでやっておく」

 

「すみません、お願いします」

 

「急ぐぞ佳面くん!走らないギリギリの範囲で駆け足だ!」

 

「分かった。ごめん飯田」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

34:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

貰ったチョコが食べても減りません。

助けて下さい。

 

35:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

もしかしてバレンタイン?

そっちは2月なんだ。

 

36:サクラギ研究所のリサーチフェロー

幸せな悩みじゃ無いですか。

リア充はマルマインの"だいばくはつ"を急所に当たって瀕死になって下さい。

 

37:虚刀流のグラップラー

貰える分だけ良いじゃないか!

こっちなんて貰うのは戦いの申し出オンリーだよ!

しかも全員漢!

 

38:杜王町の幽波紋使い

俺はクラスメイトから所謂友チョコは貰った事はあるな。

 

39:太刀川隊の狙撃手

俺も同じ隊のオペレーターや先輩同期後輩から貰ったりしてますね。

ある人からショコラ炒飯という劇物を食べさせられた事もありますが。

…よく生きてたな俺。

 

40:空座町の無下限呪術師

僕は学生時代友チョコ本命チョコたくさん貰ったけど、今は妻と娘から貰ってるね。

 

41:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

どっちにしろ誰も助けてくれないんですね。

 

42:サクラギ研究所のリサーチフェロー

本命決めれば良いじゃないですか?

それで丸く収まりますよ。

 

43:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺は年上が好みなんですよ。

だから本命が選べないと言いますか。

 

44:虚刀流のグラップラー

これだから型月の円卓の騎士はアレなんだよ。

 

45:太刀川隊の狙撃手

ベディヴィエールとギャラハットくらいしかまともな人格者居ませんからね。

 

46:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ロリ巨乳好きのガウェインや人妻好きのトリスタンとかランスロットが居る時点で円卓の騎士はヤバいよ。

 

47:空座町の無下限呪術師

正直円卓ニキの修羅場はそこまで面白くないからスルーの方向で。

 

48:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ヒドイ!

 

49:雄英の仮面ライダー

お疲れ様です。

 

50:虚刀流のグラップラー

ライダーくん!

 

51:サクラギ研究所のリサーチフェロー

お疲れ。

今授業中?

 

52:雄英の仮面ライダー

>>51

はい。

今から人命救助訓練をやります。

 

53:太刀川隊の狙撃手

救助訓練…という事は。

 

54:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

(ヴィラン)連合が襲撃してくるところか。

 

55:雄英の仮面ライダー

(ヴィラン)連合?

それが敵の名前ですか?

 

56:サクラギ研究所のリサーチフェロー

そうだ。

五指で触れたものを何でも崩壊させる個性を持つ死柄木弔とワープゲートの個性を持つ黒霧が今回の主犯者たちだ。

後は寄せ集めのチンピラ(ヴィラン)と"脳無"と呼ばれる改造ヴィランも来るはずだ。

 

57:虚刀流のグラップラー

特に脳無は個性を複数を持っていてパワー、スピードがオールマイト級の強さだ。

個性は【ショック吸収】と【再生】の2つだ。

 

58:雄英の仮面ライダー

>>57

オールマイト級の敵が居る…。

かなり手強いですね。

だから昨日職員室でヒーロー科のカリキュラムを見ていたのか。

 

59:杜王町の幽波紋

ライダーくん、敵と遭遇したのか?

 

60:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

よく無事だったね!?

 

61:雄英の仮面ライダー

偶然出会しました。

向こうは俺に気がつかなかったので戦闘はしてないです。

その事を雄英に報告して対応策を考えてくれました。

 

62:サクラギ研究所のリサーチフェロー

マジか!?

原作に無かったルートに突入するって事か!

 

63:虚刀流のグラップラー

ここからは俺たちの原作知識じゃカバーしきれないかもしれないですね。

 

64:空座町の無下限呪術師

そうだね。

下手にライダーくんに原作を教えても違う展開になった場合リスクが高いからね。

 

65:太刀川隊の狙撃手

取り敢えず、俺たちからの助言は控えるって事で良いですかね。

 

66:杜王町の幽波紋使い

>>65

そうだな。

悪いなライダーくん。

 

67:雄英の仮面ライダー

いえ、皆さんに話をしただけでもこちらには大きな収穫です。

一先ず警戒はしておきます。

 

68:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

気をつけてね。

 

69:サクラギ研究所のリサーチフェロー

無理はするなよ。

 

70:虚刀流のグラップラー

命優先な。

 

71:雄英の仮面ライダー

ありがとうございます。

では、一旦切ります。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「クソッ、こういうタイプだったか!」

 

バスに乗り込んだ一同の中、飯田は落ち込んだ。

 

委員長に任命されてからより責任感が強くなり、移動用バスに乗り込む際に番号順で座るよう皆に指示を出したが、バスの構造が飯田の想像していた前向き2席だけでなく、対面式の席もあったため座る順番が自由となっていた。

 

「意味無かったな」

 

「グフッ!」

 

芦戸の容赦の無い一言で余計に飯田は落ち込む。

 

「私、思ったこと何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん」

 

「なっ…、は、はい、蛙吹さん」

 

蛙吹さんが緑谷に声を掛けると突然の事で緑谷はテンパる。

 

「あなたの個性、オールマイトに似てるわ」

 

「え!?そ、そうかな!あ、あはは」

 

「おいおい、梅雨ちゃん。オールマイトは自分の力でケガしねぇだろ。似て非なるものだよ」

 

「そ、そう!僕の場合上手くコントロール出来なくって、…早く何とかしないといけないんだけど」

 

「あー、昨日のHRであんな脅しされたらな」

 

「誰だって焦るよな」

 

「それを言ったら俺もだよ。ただえさえ地味な個性だし、もっと上手く使っていかないと後々キツくなるしよ」

 

話題が緑谷の個性から発展し、それぞれの個性について話し合う。

 

「けど切島くんの個性は凄いよ!攻撃と防御が一体になってる個性はそう無いし、アレンジ次第でバリエーションが増えると思う!」

 

「そうか?ありがとな!けど、実際どうするかなんだよなあ」

 

緑谷に励まされるも切島本人はまだ納得しきれていない様子だ。

 

「切島の場合、多少の力技でカバー出来ると思うけどな」

 

「ん?どう言う事だよ佳面?」

 

俺は悩んでいる切島に声を掛ける。

 

「例えば切島って全身を硬化出来る?」

 

「いや、まだ出来ねえ。俺の硬化は気を張り続けないといけねえから」

 

「それを克服出来れば、全身を硬化する事で大抵の物理攻撃は効かないんじゃ無いかな?あと硬度の底上げとか」

 

「……確かに、それ良いかもしれねえ!サンキューな!」

 

「じゃあーさ!私はどうすれば良いと思う?」

 

次に芦戸さんが名を挙げる。

 

「芦戸さんの個性は身体から"酸"を出すんだよね?」

 

「そー!ドバッてかければ大抵何でも溶かせるよ!」

 

「なら出す酸の射程距離を伸ばしたりとかは?遠距離攻撃が出来ると出来る事の幅が拡がるし」

 

「あ!それいただき!」

 

「なあ、佳面。俺の個性についてもアドバイスくれないか?」

 

「俺も!テープの使い方もっと上手くなりてぇんだ!」

 

「ウチも良い?」

 

「僕も☆」

 

「俺の黒影(ダークシャドウ)について助言を頼む」

 

「佳面さん、私の個性についてもお願いしますわ」

 

「オイラの個性をエロの方向で活かすにはどうすれば良いんだ!」

 

他の皆も個性のアドバイスを求めて来た。

 

コラコラ、俺は相談窓口じゃないんだけど。

まあ、聞かれたら可能な限りで相談にのるけども。

 

「おい、静かにしろ!そんなにアドバイスが欲しいなら演習場に着くまで講義しても良いんだぞ?」

 

相澤先生の一喝で先程まで賑やかだったバス内が静寂に包まれる。

 

「……まあ、個性を向上させたいと考える事は悪くない。自主練がしたいなら放課後に演習場の貸し出しもやってる。申請すれば問題ない」

 

「ついでに佳面。昨日申請したバイクと車の使用許可が下りた。個性の自主練込みでなら良いそうだ」

 

「ありがとうございます」

 

やったぜ。

 

 

◾️◾️◾️◾️救助用演習場◾️◾️◾️◾️

 

 

救助訓練の会場となる場に到着してバスから降りていき、相澤先生に案内され、中へと入って行くとそこにあったのはまるであらゆるアトラクションが備わったテーマパークの様だった。

 

「凄え!USJかよ!?」

 

「水難事故、土砂災害、火事、etcエトセトラ……ここはあらゆる災害の演習を可能にした僕が作ったこの場所、USJ(嘘の災害や事故ルーム)だ!」

 

(((本当にUSJだった!?)))

 

著作権的に大丈夫なのかと一同で心配する。

 

 

「皆さん、待ってましたよ!」

 

「ヨクゾ来タナ」

 

「「「おおおぉぉぉぉ!!」」」

 

そんな中現れたのは、宇宙服のような戦闘服の教師と片脚が義足で耳まで裂けた口が特徴の教師であった。

 

スペースヒーロー【13号】。宇宙服に似た戦闘服を身に纏ったその姿はどこか愛嬌が感じられる。

 

もう1人は【エクトプラズム】。まるでヴィランの様な見た目をしているが、分身の個性を持つ雄英のプロヒーローの1人だ。

 

「スペースヒーロー13号!災害救助を主に行っている紳士的なヒーローと会えるなんてッ!?」

 

「私好きなの13号!!」

 

「エクトプラズムだ!生で見たら迫力凄え!」

 

「見ろよあの湖! でっけーウォータースライダーあるぜ!」

 

「ドームの中にドームがあるのか。マトリョーシカみてぇだな」

 

「ンンッ!説明シテモ構ワナイカ?」

 

プロヒーロー2人の登場とUSJの迫力ある光景にテンション上がる生徒たちにエクトプラズムが注意する。

 

「エクトプラズム、13号。オールマイトは? もう着いてる時間の筈だが」

 

「先輩…、それが制限ギリギリまで活動してしまったみたいで。終わりには顔を出すそうです」

 

「朝カラ強盗犯ト遭遇シ、撃退シタソウダ。今ハ仮眠室で休憩中ラシイ」

 

(制限ギリギリ?オールマイト、ヒーロー活動に制限なんてしてたっけ?)

 

先生方がコソコソ話しているのを()()()()()()()()()俺は首を傾げる。

 

「えー、では訓練を始める前に小言を1つ、2つ…3つ…4つ」

 

13号先生が俺たちに注意事項を伝えようしているが数える度に増えていた。

 

「皆さんもご存じだと思いますが、僕の個性は【ブラックホール】。どんなモノでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

「はい!13号先生はその個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」

 

ヒーロー博士の緑谷が誰よりも早く解答する。

 

「えぇ…。しかしです、この個性は簡単に人を殺せます。皆さんの中にもそういう個性がいるでしょう」

 

思ったより重い内容に、先程までテンションが上がっていた皆が口を閉じる。

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし厳しく規制することで一見成り立っているように見えます」

 

13号先生の隣に立つエクトプラズム先生も頷く。

 

「しかし一歩間違えれば容易に人を殺せるいきすぎた個性を個々が持っていることを忘れないで下さい。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したと思います」

 

「この授業では心機一転!人命のためにどう個性を活用するかを学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない、助けるためにあるのだと心得て帰って下さいな」

 

「以上!ご清聴ありがとうございました」

 

13号先生からの説明が終わり、一同で拍手する。

 

「デハ早速ダガーー」

 

「ッ!?」

 

エクトプラズム先生が何か言おうした直後、()()()()()()()()俺は噴水のある所に顔を向ける。

 

「佳面さん?」

 

「ちょっと、今説明中でしょ」

 

近くにいた八百万さんと耳郎さんが俺の不審な行動に気が付く。

 

すると噴水付近に()()()()()()()()()が出現し、その大きさを拡大させていた。

 

「相澤先生ッ!来ます!!」

 

「チッ、やはり来たか。エクトプラズムは俺とアレの対処。13号!お前は生徒たちを守れ!」

 

予想した事態が起き、相澤先生は2人の教師に指示を送る。

 

「佳面、よく気付いてくれた。お前も下がってろ」

 

「はい」

 

「ちょっ、何なんすか?また抜き打ちのイベントとかですか?」

 

何が起こったのか切島が相澤先生に質問する。

 

「違う。悪いが訓練は中止だ。お前たちも一塊りになるな!…アレは(ヴィラン)だ!」

 

広がった黒い靄から昨日職員室に居た白髪の男 "死柄木弔"と黒い靄の人型 "黒霧"が姿を現し、その後ろから武装した(ヴィラン)たちがゾロゾロと出て来ていた。

 

「おいおい、オールマイト居ないじゃん。しかも知らないヒーローが代わりに居るし。…まさか気付かれたか?」

 

「その様ですね。少々計画がズレてしまいましたが、どうします?死柄木弔」

 

「んじゃあ、アイツら殺そうぜ。子どもが死んだら流石にオールマイトも現れるだろ」

 

身体中に手を付けた白髪の男 死柄木が()()()()此方を見つめる。

 

予想していた最悪の事態が、俺たちを襲おうとしていた。




エクトプラズム先生登場
原作ではレスキュー訓練にオールマイト、イレイザーヘッド、13号の3名でしたが、雄英を襲撃してくるヴィランが大勢の場合を想定して『分身』の個性を持つエクトプラズムが今作では原作よりも早めに登場です。分身系の能力は強い。仮面ライダーでも予算ガタガタガタキリバで多勢に無勢状態でしたので。


プリキュア世界の円卓の騎士(1人)
バレンタインにヒロイン'sから"本命"チョコを貰い、食べても食べても減らない現状に悩んでいた。恋愛に関してはクソ雑魚ナメクジ。


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11スレ

第13話投稿します。

USJ襲撃事件・中編となります。

主人公が変身するライダーのヒントは
『改造人間』『カブトムシ』『電気』

それでは、どうぞ。


(ヴィラン)ッ!?バカだろ!ここ雄英だぞ!ヒーローの学校だぞ!」

 

「プロやヒーロー候補生いるの判って襲撃するなんて普通じゃねえ!」

 

「先生、侵入者用のセンサーは?」

 

「勿論ありますが…」

 

「現れたのはここだけか、それとも学校全体か…。どちらにせよ、センサーが反応しなかったってのは向こうにはそれを阻害する能力の持ち主がいるって事だ。校舎から離れたこの空間にクラスが来たこの時間に奴らは来た。奴らは馬鹿じゃない。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

突然の(ヴィラン)襲撃に切島や瀬呂が驚愕する中、轟は今の現状を冷静に分析する。

 

俺はスマホで雄英に連絡を試みるも妨害電波によって繋がらず、次は()()()()使()()()()()()()を試すとこっちは通信可能だと解り、急いで電気信号を雄英に送り応援を発信する。

 

「13号は生徒と避難して学校へ連絡を試せ!センサーの対策も頭にある連中だ、電波系の個性で妨害している可能性もある」

 

「相澤先生!今通信で学校に応援を要請しました!」

 

「何だと?……いや、でかした佳面!」

 

「佳面さんいつの間に通信を!?()()()()()()()()()()()()()()()ですのに!?」

 

「悪いけど説明は後。急いで避難するよ八百万さん!皆も急いで!!」

 

相澤先生に応援要請した事を伝える俺に八百万さんが驚くも、説明を後にして避難を始める。

 

「相澤先生はどうするんですか!?戦うにしてもイレイザーヘッドの戦闘スタイルは個性を消してからの捕縛。多勢に無勢では不利ですよ!」

 

「覚えておけ緑谷、一芸ではヒーローは務まらん。いくぞエクトプラズム!」

 

「了解!」

 

心配する緑谷にそう答えて、相澤先生とエクトプラズム先生は(ヴィラン)集団に迎撃を始める。

 

(ヴィラン)側も2人に襲い掛かるも、相澤先生の【抹消】で個性を無効化され、エクトプラズム先生が生み出した【分身】によって撃退される。

 

「凄い…!相澤先生が敵の個性を無効化したと同時に分身したエクトプラズム先生が撃退。しかも相澤先生はゴーグルで視線を敵側に悟られてない!2人の個性だから出来る連携だ!」

 

「分析してないで避難するよ緑谷!」

 

「ご、ごめん!」

 

分析する緑谷を一喝し、既に避難を始める皆の後を追う。

 

 

「させませんよ」

 

 

避難する矢先、目の前に黒い靄と共に現れたのは黒霧と呼ばれる(ヴィラン)だった。

 

「初めまして、我々は(ヴィラン)連合。僭越ながら、この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて戴いたのは"平和の象徴"オールマイトに息絶えて戴きたいと思ってのことでして」

 

黒霧は紳士的な口調と仕草をしながら俺たちに目的を告げる。

 

───オールマイトの抹殺。

 

先日の職員室侵入の件で大まかな目的は分かっていたが、目の前にいる黒霧を含め奴らはオールマイトを本気で殺そうとしているのだ。

 

身構えている瞬間、爆豪と切島が黒霧に突っ込み、攻撃を繰り出す。

 

「オールマイトの抹殺だぁ?その前に俺たちにやられるとは思わなかったのか!」

 

「学生だからって舐めてんじゃねえぞ!」

 

「いけません!2人とも下がって!!」

 

2人の攻撃が直撃したと思われたが、喰らった黒霧は無傷のままであった。

 

「危ない危ない。そう、生徒といえど雄英ヒーロー科の優秀な金の卵」

 

すると黒霧は体の一部である黒い靄を拡大させ、俺たちを包み込もうとした。

 

「どういう手段をとったのか知りませんが、応援を呼んでも無駄です。既に刺客は放っています」

 

「そしてあなた方は…散らして、嬲り殺す」

 

(マズイ!)

 

「飯田!麗日さん!」

 

俺は近くにいた飯田と麗日さんの肩を掴み、後ろへ突き飛ばす。

 

「佳面くん!?」

 

「何を!?」

 

「飯田は残された皆を統率!麗日さんは飯田のフォローをお願い!」

 

2人に指示を送り、俺は靄に包まれる耳郎さんと八百万さんの方へ駆け出す。

 

(駄目だ、間に合わないッ!)

 

彼女たちを引っ張り出そうと駆け寄ったが間に合わず、俺も靄の中へと入っていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【ライブ配信モード】

 

72:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ライダーくん無事か!?

 

73:雄英の仮面ライダー

はい!

なんとか無事です。

 

 

「耳郎さん!八百万さん!大丈夫!?」

 

「ウチは平気!」

 

「私も大丈夫ですわ!」

 

 

74:虚刀流のグラップラー

良かった!

女子2人も無事みたいですね!

 

75:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

しかし、見事に分断されたね。

 

76:太刀川隊の狙撃手

それが向こうの狙いの一つでしょうね。

雄英からの応援も事前に足止めされてるみたいですし、確実に俺たちの知る原作から離れていってますね。

 

77:空座町の無下限呪術師

それよりライダーくん集中。

敵さんやって来たっぽいよ。

 

78:雄英の仮面ライダー

>>77

すいません。

迎撃に移りますので一旦会話から外れます。

 

79:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

OK。

生き残れよ!

 

80:雄英の仮面ライダー

はい!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

黒霧のワープによって分断された俺は、一緒に飛ばされた耳郎さんと八百万さんと合流し、待ち構えていた(ヴィラン)集団と対面していた。

 

「おいおい、マジで来たぜ、獲物がよ!!」

 

「しかも3人!1人は男だが2人は女だ!!」

 

「それじゃあ先に女を捕まえたヤツから()()()事にしようぜ!」

 

「オレはあのポニテが良い!あの胸とか堪らねえよ!!」

 

「しかも何だよあのハイレグ!完全に誘ってるだろ!」

 

「じゃあ俺はあのボブの方な!犯す時に首が締めやすそうだ!」

 

「お前貧乳派かよ。あんなの触ったって犯した気しねえだろ」

 

「バーカ!良いんだよ、大事なのはあの2人が10代だって事だ。まだ経験ねえだろうし、あっても()()の締まりは良いだろうよ!」

 

「おいおい、楽しむのは良いがあまり汚したり傷入れるなよ!俺はその後皮を剥いでバッグ作りてえんだ!10代の女の皮はハリがあって良いバッグになるんだよ!男の方は……身長185ってところか!なら全身の骨を抜き取ってハンガーラックが作れる!良いねえ、イカしたハンガーラックが目に浮かぶ!!」

 

「「ッ!?」」

 

(ヴィラン)たちの言葉に耳郎さんと八百万さんが顔を青ざめ、後ろに下り自身の身体を抱き締める。

 

あまりにもゲスな会話に()()()()()()()()()()を想像してしまったのだろう。

 

「……八百万さん。絶縁シート作れる?出来る限り君たちの身体が覆い被せる程の大きなヤツ」

 

「え?ど、どうして…」

 

「良いから早く!」

 

「は、はい!」

 

俺の意図が理解出来ないながらも八百万さんは個性の発動準備に入る。

 

「おい!何かしようとしてんじゃねえ!」

 

(ヴィラン)の1人が所持していた拳銃を手にし、銃口を八百万さんに向ける。

 

発砲される直前、俺は八百万さんの前に立ち両手をクロスにして銃弾に備える。

 

 

ガキィィンッ!

 

 

発砲された銃弾は()()()()()()()()()()()()

 

「はあ!?何で弾が弾かれるんだよ!?アイツの個性か!?」

 

「知るかよ!」

 

着弾された手に嵌められた手袋は破け、()()()()()()()()が覗いていた。

 

「まったく、この手袋特殊で再発注に時間掛かるって言われたのに」

 

「佳面さん!絶縁シート出来ましたわ!!」

 

「了解!2人はそれ被ってて!」

 

後ろの2人が絶縁シートに覆った事を確認し、俺は両手の手袋を剥ぎ取る。

 

露出したその両手は、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

俺は両腕【コイルアーム】を構え、右から半円を描く様に左へスライドする。

 

 

「変ん身ッ!」

 

 

「ストロンガー!!」

 

 

そして重なった両腕を擦り合わせる様に右腕を引く。

 

その摩擦によって【コイルアーム】はスパークし、腰に巻かれた変身ベルト【エレクトラー】が発光する。

 

すると俺の身体は変化し、頭部はカブトムシの角の様なアンテナ【カブトショック】に大きな緑色の複眼【ビッグアイ】、首元には白いマフラーが巻かれ、身体は黒い特殊戦闘スーツとなり、胸部にはアメフトのプロテクターの様な赤い装甲【カブテクター】が覆われ、胸の中心には大きく「S」の文字が刻まれ、黒いスーツと両手両足には赤いライン【カブトアース】の入り、白い手袋とブーツがそれぞれ装着されていた。

 

 

天が呼ぶ……地が呼ぶ……人が呼ぶ

 

悪を倒せと俺を呼ぶ

 

聞け、悪人共

 

俺は正義の戦士

 

仮面ライダーストロンガー

 

 

その名は【仮面ライダーストロンガー】。

悪の組織【ブラックサタン】に親愛なる友を殺され、復讐の為に自ら改造人間になる事を望み、その力を日本の平和を守る為に使った戦士である。

 

「さあて、俺お得意の電気料理といきますか」

 

変身完了した俺は(ヴィラン)集団を睨み、構えを取る。

 

「姿を変えたからって何だ!やっちまえェェェーーー!!」

 

 

「「「ウオォォ!!」」」

 

 

(ヴィラン)集団が俺に目掛けて走り出す。

 

「行くぞ!エレクトロファイヤー!!

 

再び両手を擦り合わせ電気をチャージさせ、地面に手を当てる。

 

するとチャージされた電気が地面に含まれる砂鉄を導火線の要領で伝って(ヴィラン)集団に直撃する。

 

その出力、10万ボルト!

 

 

「「「ギイヤァァァーーー!!?」」」

 

 

電撃を受けた(ヴィラン)集団は悲鳴を上げ、地面へと倒れる。

 

「ふう、こんなものかな」

 

「嘘…一撃であれだけの数を!?」

 

「凄まじい電撃ですわ!」

 

耳郎さんと八百万さんは目の前の光景に驚愕する。

 

しかし、俺は後ろの2人に駆け寄らず倒れた(ヴィラン)集団へ走り出し、倒れている1人の首筋に手刀を打ち込む。

 

「ガハッ!?」

 

「貴方だけが()()()()()()()()()()()()()()()()。差し詰め電気系の個性を持っているだろ?けど、今の俺は遠くの針が落ちる音をも聞き取れる程の聴力を持っている。死んだフリは通用しない」

 

手刀を打ち込まれた(ヴィラン)は意識を落とす。

 

「佳面!」

 

「大丈夫ですか!?」

 

耳郎さんと八百万さんが俺に近寄る。

 

「うん、平気。2人は?」

 

「こっちは大丈夫。それよりアンタ強過ぎ。1人でやっつけちゃうし」

 

「絶縁シートを用意しろというのは電撃を繰り出す為だったのですね」

 

「ああ。万が一2人が感電しない様に念には念をね。それより、2人共。今から広場に戻るよ」

 

「え?何故広場に?」

 

「今広場には相澤先生たちが居る。プロヒーローがいる所が1番安全だ。それに他へ飛ばされた皆もどうやら広場へ集まろうとしてるみたいだ」

 

「マジで!?アンタ耳も凄いの!?」

 

「変身してる間はね。行こう」

 

「「うん!/はい!」」

 

俺の言葉に2人も納得し、広場へ戻る。

 

しかし、今の広場はここより苛烈であった事にまだ気づいていなかった。




仮面ライダー紹介

仮面ライダーストロンガー

レア度【LR】

出典 『仮面ライダーストロンガー』

今回のUSJ襲撃事件の間の主人公は改造人間となっていますので、通信機無しで外部に通信する事が可能となっています。また、主人公の戦闘服の一部である黒の革手袋は絶縁素材で出来ているので両手の【コイルアーム】から放電が起きない仕組みとなっております。


原作との分岐点
主人公の通信により襲撃を察知した雄英は至急応援に向かうが、その途中で敵連合の刺客である複数の脳無による奇襲を受けてしまい足止めを喰らっている状態。オールマイトはまだ「マッスルフォーム」になれないため現状は回復待ち。


作品とは無関係ですが、ジャンプ本誌で呪術廻戦が連載再開したみたいですね。お帰りなさい、芥見先生。

祝え!芥見先生がジャンプ本誌に帰還した瞬間を!(突然のウォズ口調)


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12スレ

第14話を投稿します。

前回で主人公がストロンガーに変身した事に大きな反響があって書いてる私自身が1番ビックリしてます。
昭和ライダーもといストロンガー好きが多くて嬉しいです。ヒーローはいつの時代でも色褪せませんね。

今回のお話はUSJ襲撃事件編 後編です。
主人公(仮面ライダーストロンガー)vs脳無がメインとなります。

それでは、どうぞ。

今回スレは無しですが、スレ民のニキたちは主人公の戦闘をライブ配信で観ています。


黒霧によって分断された佳面たちが広場へ戻っている頃、広場では想像を絶する光景が広がっていた。

 

多くの(ヴィラン)が地に倒れ、彼らの武装が転がっていた。

 

しかし最も驚愕したものは、オールマイトをも超える巨体に黒い皮膚、露出された脳に鋭い牙、瞳孔が開いた瞳をした怪物が相澤とエクトプラズムの頭部を鷲掴みにし、地面に叩きつけていた。

 

「個性を消せる能力に複数の分身。どれも素敵だけど、なんてことはないね」

 

「圧倒的な力…この"脳無"の前では、どんな個性もただの無個性だもの」

 

「やれ、脳無」

 

脳無と呼ばれる(ヴィラン)は、死柄木の一言で今度は相澤の左腕とエクトプラズムの右腕を小枝を折るかの様に握り潰す。

 

この無惨な光景を水辺からただ観ることしか出来ない者たちが居た。

 

緑谷・蛙吹・峰田の3人。

 

彼らも黒霧に飛ばされ、水難ゾーンで待ち構えていた(ヴィラン)と交戦し、何とか離脱してきたのだ。

 

しかし、離脱した先で自分たちの教師が目の前で殺されかけていた。

 

ーー助けたい。

 

そう思うのと裏腹に恐怖で身体が動かず、ブルブルと震えさせるだけであった。

 

 

「相澤先生…!エクトプラズム先生…!」

 

「ダメだ…!あんなの無理だろ!」

 

「ケロ…」

 

何とかしようにもあまりの恐怖で身がすくむ緑谷。悲鳴を出さない様に口を両手で押さ、今にも泣き出しそうに震える峰田。蛙吹も顔には出していないが必死に恐怖に耐えていた。

 

すると死柄木の側に黒霧が現れる。

 

「黒霧、もう1人の方は殺したか?」

 

「申し訳ございません、死柄木弔。13号は行動不能には出来たものの、最初で散らし損ねた生徒たちの妨害によって、殺しきれてません」

 

「はあ?」

 

黒霧からの報告に、死柄木は首元をガリガリと爪を立てて掻きむしる。

 

「黒霧ィ…!お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしてたよ!…流石に足止めの方も限界だろうな。プレーン体の脳無が居ると言っても相手はプロヒーロー。寧ろチンピラ組が足を引っ張るかもしれない。もう良いや…帰ろう。ゲームオーバーだ」

 

"帰る"。

 

死柄木の撤退宣言に内心喜ぶも、緑谷の心は恐怖で満たされる。

 

(アイツらの狙いはオールマイトの筈だ!ここで撤退したら雄英の危機感が上がって次の侵入が困難になるだけだ!何を考えてるんだ!?)

 

「まあ、だけど。平和の象徴としての矜持をほんの少しでも」

 

気づいた時には死柄木は緑谷たちの目の前に立っており、蛙吹に掴み掛かろうとしていた。

 

「へし折ってからにしようか」

 

間に割って入ろうにも間に合わず、蛙吹が死柄木に殺されると思った次の瞬間、死柄木の手が蛙吹を掴むコンマ数秒、割って入ったエクトプラズムが死柄木に触れられるも()()()()()()、死柄木を蹴り飛ばした。

 

「痛ッ!…へえ、本当にカッコいいじゃん。ヒーロー共」

 

既に戦闘不能寸前だった相澤が個性を無効化し、エクトプラズムが分身を生み出して死柄木の妨害をしていた。しかし、再び脳無によって2人は地面に叩きつける。

 

本体が気絶したのか、分身の方のエクトプラズムが霧散し消滅する。

 

(ヤバヤバいヤバい!違う…!さっきのヴィランと全然違う!助けないと…!蛙吹さんと先生たちを助けないと!!)

 

「SMAAASH!!」

 

反射的にワン・フォー・オールを右腕に発動させ、死柄木に殴り掛かる。

 

振るった拳に手応えを感じながらも、個性を発動した右腕がいつもの様に破壊しなかった事に緑谷は気づく。

 

(壊れていない!?力の調整がこんな土壇場で!?けど、これでアイツも)

 

突然の事に驚きながらも拳が直撃した死柄木を見るも、そこに立っていたのは死柄木ではなく、脳無であった。

 

(いつの間に!?というか…効いてない!?)

 

「動きが違うな、お前。しかも"SMASH"ってオールマイトのフォロワーかな?……まあ、良い」

 

「脳無」

 

気づく前に脳無が緑谷の胴体を掴み、無造作に放り投げる。

 

緑谷は物凄い速度で吹き飛ばされ、地面に何度もバウンドしながらゴロゴロと転がり、やがてピクリとも動かなくなった。

 

「緑谷あぁぁぁ!!」

 

「緑谷ちゃん!!」

 

緑谷が倒れた事に峰田と蛙吹は叫ぶ。

 

しかし、緑谷からは何の反応も起きなかった。

 

「これで邪魔は消えた。さて」

 

「嫌ッ!」

 

死柄木は蛙吹を掴み、片手で持ち上げる。

 

「俺に怒るなよ。悪いのはお前たちを助けられなかったプロとさっきのガキに文句を言え」

 

ギリギリッ

 

「あ…あ…」

 

「蛙吹いィィィ!!」

 

今まさに死柄木が蛙吹の首を折ろうとした。

 

その時

 

 

「エレクトロサンダー!!」

 

 

何者かの叫び声と共に何処からか高圧電流が空中に発射され、死柄木と脳無の頭上に雷雲が発生したと共に落雷が落ちる。

 

「グアァァッ!?」

 

「死柄木弔!?」

 

死柄木は落雷を直撃した事に苦痛の叫びを上げ、脳無は声は出さしていなかったが身体を怯ませる。

 

 

「電気ビーム!!」

 

 

「グウゥゥッ!?」

 

今度は一筋の放電が()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「トウッ!」

 

「グフッ!?」

 

そして死柄木は何者かに蹴り飛ばされ、解放された蛙吹は地面に落ちる事なく、誰かに抱き止められた。

 

「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ」

 

「大丈夫?蛙吹さん」

 

首を絞められた事で激しく咳き込むと、()()()()()()()()()に気がつき、見上げるとカブトムシの様な仮面をした誰かだった。

 

()()()()()()()()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()2()()()()()()()()

 

「か…佳面…ちゃん?」

 

「もう大丈夫だ。後は任せて」

 

再び自分を危機から救ってくれたヒーローはとても頼もしく、とてもカッコ良かった。

 

彼に抱き止められたまま、蛙吹は気を失う。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

蛙吹さんを死柄木から取り返し、近くにいた峰田も抱えて奴らと距離を取る。

 

「蛙吹さん!峰田さん!」

 

「2人とも無事!?」

 

後方から駆けつけて来たのは俺と一緒にいた耳郎さんと八百万さんの2人。

 

「2人をお願い。それと緑谷と先生たちも」

 

「承知しましたわ!」

 

「任せて!」

 

彼女たちに救出した2人と倒れている3人を託し、俺は死柄木たちの前に立ち塞ぐ。

 

「〜〜〜〜痛え…なあ…!誰だよ…お前!?」

 

「もしや…分断させた雄英生の1人?」

 

先程の電撃でまだ身体の自由が効いていないのか、死柄木と黒霧は地面に倒れたまま俺を睨む。

 

「随分と暴れてくれたな。それに緑谷や先生たちまで…、お前たち覚悟は出来てるだろうな?」

 

「知る…かよ!いきなり…奇襲とか…ヒーロー…のする事…かよ!」

 

「生憎様、元より悪党に語る正義は持ち合わせてなくてね。俺はただ、お前たちを捕らえるだけだ」

 

「調子…乗んなよ!やれ…脳無!!」

 

死柄木は苦しみながらも俺を鋭く睨むと脳無に命令する。

 

脳無はそれに反応し、俺に襲い掛かる。

 

大振りでありながら速く鋭い拳は俺に当たる直前、俺は振われた腕を掴み、背負い投げを決める。

 

「どうした?動きが単調過ぎるよ」

 

「次は俺からだ!」

 

倒れた脳無の両足を掴んで空中へジャンプし、脳無の頭を下に垂直落下する。

 

 

「反転ブリッカー!!」

 

 

高速落下による脳天落としは脳無の頭を地面にめり込む程の威力を放ち、脳無の胴体は重力に従い地面に倒れた。

 

しかし攻撃が効いていないのか、脳無は直ぐに起き上がろうとしていた。

 

「(やはり【ショック吸収】によるものか…)それなら波状攻撃だ!トウッ!」

 

脳無が起き上がる前に空中に再びジャンプし、空中前方宙返りと共にフル回転させた発電機で高圧電流を発しながら電気エネルギーを体に集中・赤熱化させる。

 

 

「ストロンガー電キック!!」

 

 

キックが脳無に直撃すると共に10万ボルトを超える高電圧を注ぎこむ。

 

必殺キックを直撃した脳無は後方へ2回、3回とバウンドし、10数メートル吹き飛んだ。

 

「馬鹿な!?脳無が吹き飛ばされるなんて!」

 

「ハハッ!だからどうした?確かにアイツは強い。パワー、スピード、反応速度、どれも脳無とほぼ互角だ。素直にそこには驚いたよ。けどなあ、()()()()()()()()()()()()()()()

 

死柄木の言葉に反応したのか、先程の電キックで焼き爛れた脳無の身体は元の状態に戻りつつあった。

 

「残念だったなあ!脳無が持ってる個性は【ショック吸収】だけじゃない!【再生】による回復でどんな攻撃も通用しないんだよ!!」

 

確かに死柄木の言う通り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それなら、

 

「ショック吸収も再生も追いつけない攻撃を繰り出すまで!」

 

 

「チャージアップ!!」

 

 

俺は内部に搭載された超電子ダイナモを起動させると、胸に刻まれた【Sポイント】が高速で回転しながら余剰エネルギーが放出され、【エレクトラー】が激しく発光する。すると赤かった【カブトショック】が銀色に変わり、【カブテクター】に白いラインが加わる。

 

【超電子人間 ストロンガー】。

 

それが強化変身を遂げたストロンガーのもう一つの姿である。

 

しかし超電子によってチャージアップされたストロンガーへの負担は凄まじく、この姿を維持出来るのは()()1()()()

 

それを過ぎるとストロンガーが自爆してしまう危険性を持つ。

 

「一気に決める!」

 

俺は一瞬で脳無に接近し連続パンチを繰り出し、空中膝蹴りを脳無の顎に目掛けて打ち込む。

 

地面から離れた脳無の両足を再び掴み、高圧電流を放電しながら高速で脳無を振り回す。

 

 

「超電ジェット投げ!!」

 

 

何倍もの高圧電流を纏った小型竜巻で身動きが取れない脳無は空中に投げ飛ばされる。

 

「トドメだ!」

 

ジャンプした俺は空中で大の字になって側転し、落雷と共に数倍の高圧電流を得たストロンガー最強のキックを繰り出す。

 

 

「超電…稲妻キック!!」

 

 

空中で直撃した脳無は目にも止まらないスピードで彼方へ吹き飛び、その衝撃波で周囲は荒れ果てていた。

 

この光景に死柄木たちは唖然とした。

 

「嘘だろ…!?あの脳無が、先生の最高傑作が!あんなガキ1人になんで負けんだよ!?」

 

「まさかこんな事が起きようとは…!?此処は一時撤退しましょう死柄木弔!」

 

「ふざけんな!まだオールマイトにすら会ってないんだぞ!こんなところでーー」

 

「今此処で捕まったら全ての計画が崩れる!貴方も解っているはずだ!」

 

「クソォォォッ!!」

 

怒りで隠れた顔を歪ませる死柄木の隣で黒霧がワープゲートを発動し、自身たちを包み込む。

 

「待てッ!グッ…」

 

超電子の2連撃で身体に大きな負担を与えてしまい、制限時間が迫って来た超電子ダイナモを強制停止される。

 

超電子ストロンガーから元の状態に戻った俺は、片膝を地面につきそうになるも踏み止まる。

 

「おい!これで終わりなんて思うなよ!そしてオールマイトに伝えろ!……今度は()()()()()()()()()()()()()()()となあ!!」

 

そう言って死柄木弔と黒霧はその場から立ち去った。

 

「オールマイトの身体が弱りきっている?一体……どういう……」

 

聞かされた一つの謎に思考を働かせようとするが、力を使い果たしてしまい、変身解除した俺はそのまま地面に倒れ込み、だんだん意識が遠のいて、そして気を失った。




【超電子人間 ストロンガー】
ストロンガーに搭載された超電子ダイナモによって強化した姿。通常の100倍のパワーを発揮出来るが制限時間は僅か1分間。それを過ぎるとストロンガーの身体は爆砕してしまう。

超電ジェット投げ→超電稲妻キック
デルザー軍団を一撃で屠る程の技を2連撃した事で脳無のショック吸収と再生がダメージに追いつかず、ストロンガーに敗れ去られた。本来なら超電子の技一撃だけでも致命的なダメージとなるが、主人公は脳無と言えど人間相手だったので力を抑えて闘っていた。


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幕間③『それぞれの思い』

第15話を投稿します。

USJ襲撃事件直後での各キャラクターたちの心境や次の物語に繋がる内容となります。

それでは、どうぞ。


「クソッ!クソッ!クソッ!」

 

USJから拠点のとあるバーに撤退した死柄木は佳面から受けたダメージでまだ身動きが取れない状態でありながら悪態をつきながら暴れていた。

 

「脳無がやられた!手下も倒された!オールマイトに会えなかった!何もかも失敗だ!!」

 

「死柄木弔、落ち着いて下さい」

 

「落ち着いていられるか!!お前こそ何やってた!ガキの良いようにされやがって!!使えねぇッ!!」

 

『どうしたんだい、弔。そんなに怒って、計画は失敗したのかい?』

 

バーの隅に置かれたディスプレイから低い男の声がし、死柄木はディスプレイを睨む。

 

「そうだよ!失敗だ!オールマイトに会う事すら出来ずに撤退した!!」

 

『それは予想外だね。生徒がピンチだったのに彼は現れなかったのかい?』

 

「USJに居たプロヒーローは3名でしたが、そこにオールマイトは居ませんでした。全員戦闘不能にはしましたが…殺す事は出来ず」

 

『それなのに強化試作型を含む脳無がやられたと言うのか!?プレーン体はともかく、雄英のプロヒーローでは試作型に勝つなどあり得んぞ!?ワシと先生の合作を倒せるのはオールマイトだけじゃ!!』

 

ディスプレイからはもう1人、男の老人の声も流れ、脳無が倒された事に驚愕していた。

 

「プレーン体は応援に駆けつけるプロヒーローの足止めに使いました。しかし試作型の方は1人の雄英生に倒され、吹き飛ばされました」

 

『なんじゃと!?子どもが倒したと言うのか!?』

 

『それで?回収は出来たのかい?』

 

「回収しようにも座標が判らないといくらワープゲートを開いても不可能です」

 

死柄木の代わりに黒霧がディスプレイ越しの2人に説明を始める。

 

『あり得ん!()()()()()()()()()調()()()()試作型がたかが子ども1人にやられるなど!?』

 

『黒霧、その生徒の事を詳細に教えてくれるかい?個性はどんなだった?』

 

「個性はおそらく姿を変える個性と電気系個性の複合型です。カブトムシの様な仮面をしており、最初は脳無とほぼ互角の戦闘をしていましたが、途中で更に姿を変えてからは形勢が逆転。より強力な電撃で1分も経たずに脳無を撃退。その生徒は戦闘中、傷一つ負わずに勝利しました」

 

『脳無が手も足も出ずにやられたと言うのか!?生徒1人に!?』

 

「そうだよ!何が"オールマイトが最大戦力"だッ!!その対オールマイト用がガキ相手にまるで相手にならなかった!俺たちの目の前で瞬殺された!!あんな奴がいるなんて聞いてないぞ先生!!」

 

死柄木の癇癪した子供の様な叫び声をただ聞いて、少し考えていたのか間が空いた。

 

『ふむ、それはすまなかったね、弔。そんな生徒が居るなんて、僕も計算違いだった』

 

『これは僕の責任だ。謝罪するよ』

 

『だが無駄ではなかった。寧ろこれは大きな収穫だ。戦力を削られたが情報も得られた』

 

『精鋭を集めるんだ。今の僕たちは自由に動く事が出来ない。だからこそ君みたいな()()が必要だ死柄木弔!!今は策を練るんだ。そして次こそは、君という恐怖という名の象徴を世に知らしめるんだッ!!』

 

男は死柄木に激励の言葉を送る。

 

「……解ってるよ、先生。悪いけど……もう休む。身体中が痺れて何もする気になれない」

 

『そうだったのかい。なら少し休息を摂ろう。黒霧、弔を部屋に休ませてくれ。引き続き彼のサポート頼むよ』

 

「はい」

 

黒霧は死柄木を担いで奥の部屋へ移動する。

 

『しかし、脳無を倒せる子どもが居たとは…これは計算違いにも程があるぞ。先生』

 

『ああ。しかし、その生徒に興味があるねえ。博士…僕は出来る事なら、その個性を貰いたいくらいだよ』

 

───()()()()()()()()()()()()()

 

そう言って口角を上げる。なんとも先生らしいと老人も釣られてニヤりと嗤う。

 

悪意の歯車は、人知れず廻り始めた。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「15、16、17。うん、先に搬送された3名以外は全員無事のようだね。取り敢えず、今は君たちには教室に戻って貰おう。今すぐ事情聴取ってわけにはいかないだろうし」

 

(ヴィラン)連合の構成員をUSJに駆け付けた警官たちが連行していく中、生徒たちはトレンチコートの刑事・塚内の前に集められていた。

 

雄英教師であるプロヒーロー達も敵の足止めを無力化し、USJに駆けつけてくれた。

 

その中には"平和の象徴"であるオールマイトも居た。

 

「あの、刑事さん。先生方や緑谷さんと蛙吹さん…それに佳面さんは?」

 

生徒を代表として八百万が刑事に質問する。

 

脳無と黒霧によって重症を負わされた相澤・エクトプラズム・13号の教師3人と緑谷、死柄木に殺され掛けた蛙吹、そんな彼らをヴィランから守り気を失った佳面は保健室や病院に搬送されたのだ。

 

「部下に確認させよう。三茶」

 

彼女ら生徒たちの不安な気持ちを理解し、刑事は部下である猫顔の警察官に彼らの容体を事前に聞いてくれたのだ。

 

「えー、まずイレイザーヘッドですが…両腕粉砕骨折と顔面の骨折。幸い脳の損傷は見受けられませんが、目の周りの損傷が酷く何かしらの後遺症が残るかもしれません」

 

「エクトプラズムは右腕を粉砕骨折、肋骨を4本骨折」

 

「13号は背中から上腕にかけての裂傷が酷いですが、3名ともに命に別状は無いとの事です」

 

「先生……」

 

麗日の悲痛な言葉が聞こえる。

 

「そして緑谷くんですが、左手の指2本の骨折と全身打撲。さらに頭部を強く打ったため意識がまだ回復していない状態です」

 

「そんな!?」

 

「緑谷くんは大丈夫なんですか!?」

 

今度は飯田が鬼気迫る表情で刑事に詰め寄った。

 

「今はリカバリーガールの治療で骨折と打撲は回復済みで、脳に異常が無いか病院でCTスキャンを撮って容体を見ながら様子を伺うとの事です。幸い脳を損傷した可能性は低いらしく、退院次第ヒーロー科に復帰するようです」

 

「そうですか……」

 

「良かった」

 

それを聞いた生徒たちは安堵する。

 

オールマイトは相澤たちと緑谷の容体を聞いて、あの場に居なかった事を心底後悔した。

 

(同僚が命懸けで生徒を守り、緑谷少年がピンチの時に駆けつけてやれなかった事に…私は自分をブン殴りたい!!何が"平和の象徴"だ!オールマイト!!)

 

オールマイトは怒りで血が滲む程拳を強く握りしめる。

 

「次に蛙吹さんは目立った外傷は見当たらず、気を失っているだけのため保健室で休ませてます」

 

「最後に佳面くんも体力の激しい消耗による気絶のため、蛙吹さん同様保健室で休ませているとの事です」

 

「…俺たちや先生方や緑谷くんたちが無事だったのは全て佳面くんのお陰だ。俺たちは彼に感謝しなければならない!俺たちは…一緒に戦う事も出来なかったッ!!」

 

飯田は自分の無力さに顔を俯きながら叫ぶ。

 

そんな彼にこの場に居る全員が同じ気持ちだった。

 

「たった1人で(ヴィラン)から俺たちを守ってくれたんだ。礼の一つでも言わねえと納得出来ねえよ」

 

「そうだな」

 

「何か持っていってやろうぜ!梅雨ちゃんにも!」

 

「そうだね。でもまずは教室に戻りなさい」

 

生徒達がバスに乗り込んで行く中、爆豪は後ろのUSJの入口に振り返る。

 

(俺がチンピラ共と殺り合ってた中、変身野郎は敵の最大戦力と戦っていやがった!しかも1人で!ざけんなッ!!また、差が開いちまった……!!)

 

そう思いながら爆豪は苛立ちながらバスに乗り込む。

 

轟も佳面に対して何か思いながらも、静かにバスへ乗り込んだ。

 

生徒全員がバスに乗り込み校舎に戻るのを確認すると、塚内は三茶に指示を送る。

 

「三茶、私は病院に用がある。ここは任せた。」

 

「はッ!」

 

三茶は敬礼をしてUSJへと戻って行った。

 

「校長先生、念の為に校内も隈無く見たいのですが」

 

「ああ、勿論。権限は君達警察の方が上だからね。捜査は君達の分野、よろしく頼むよ」

 

ほんの数時間で起きたUSJ襲撃事件。

 

幸い死者は出ておらず、教師も生徒も一命を取り留めたが、結果は辛勝。

 

学校の敷地内に(ヴィラン)が侵入したと言う前代未聞の大事件。

 

暫く雄英は報道の的になるが、人命と比べれば安いものである。




ラスボス、主人公に興味を持つの巻
CV:大塚明夫なラスボスにロックオンされた主人公。今後どうなるのか…。急いでガチャ回してクロノスやエボルやオーマジオウやアークワンやソロモンやストリウスを引き当てるんだ主人公!!(ラインナップがラスボス系ライダーのみwww)。


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雄英体育祭編
13スレ


第16話の投稿です。

以前アンケートで募集したピックアップガチャ回の第1弾。
内容は第3位『ガンナー系ライダー』ピックアップです。
それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

1:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ライダーくん、大丈夫かな?

 

2:虚刀流のグラップラー

USJ襲撃事件で脳無相手に1人で立ち向かいましたからね。

攻撃は受けてなかったですけど、体力の消耗で気を失ってたし。

 

3:サクラギ研究所のリサーチフェロー

心配ですね。

 

4:杜王町の幽波紋使い

ストロンガーのチャージアップは大幅なパワーアップが可能だが、身体への負担も比例する。

しかも必殺技2連撃は相当だったはずだ。

 

5:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺もストロンガーになったライダーくんと模擬戦した事ありますけど、チャージアップされて負けました。

 

6:太刀川隊の狙撃手

身体を電気分解して攻撃を回避するなんてぶっ壊れ性能、俺の世界でも見た事ないですよ。

 

7:空座町の無下限呪術師

まあ、気絶しただけだし…そのうちスレにも顔を出すと思うよ。

 

8:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

だと良いんですけど…。

 

9:雄英の仮面ライダー

すいません皆さん、ご心配をお掛けしました。

 

10:虚刀流のグラップラー

ライダーくん!?

 

11:サクラギ研究所のリサーチフェロー

もう大丈夫なのか!?

 

13:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

心配したよ!

 

14:雄英の仮面ライダー

あの後、保健室に運ばれてリカバリーガールに診察して貰って"異常なし"との事でした。

クラスの皆も心配で差し入れ沢山持ってきてくれました。

あと葉隠さんからは殴られました。

泣きながらですけど……。

 

15:太刀川隊の狙撃手

それだけ心配させたって事でしょ。

 

16:杜王町の幽波紋使い

他の皆も無事なのか?

 

17:雄英の仮面ライダー

はい。

先生方は重傷ですが命の危険は無いそうです。

緑谷も意識が回復して念の為入院して近いうちに学校に戻ってくるみたいです。

蛙吹さんも目立ったケガはありませんでしたが、念の為学校側でメンタルケアをしていくみたいです。

A組全員受けないといけないみたいで。

 

18:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

あれだけの事が起きたからね。

学校としても対応に力入れるんじゃないかな。

 

19:雄英の仮面ライダー

>>18

そうですね。

今日は臨時休校で1日休みになってますので、気分転換にガチャを回していきたいと思います。

 

20:虚刀流のグラップラー

ガチャ回か!

『エグゼイド』ピックアップ以来か。

 

21:サクラギ研究所のリサーチフェロー

今回はどんなピックアップ?

 

22:雄英の仮面ライダー

今回は『ガンナー系ライダー』ピックアップです。

 

23:太刀川隊の狙撃手

>>22

ほう、ガンナー系ライダーか。

 

24:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

狙撃ニキが反応するなんて珍しい。

 

25:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

職業柄馴染み深いのでは?

 

26:空座町の無下限呪術師

それで?

どんなライダーがピックアップされてるの?

 

27:雄英の仮面ライダー

そう言うと思って事前にまとめて置きました。

これが今回のピックアップ対象です。

 

 

【ライブ配信モード】

 

【LR】

仮面ライダーディエンド(ネオディエンドライバーver.)

 

【SR】

仮面ライダーG4

仮面ライダーゼロノス(取得済)

仮面ライダーイクサ

仮面ライダーディエンド

仮面ライダースカル

仮面ライダービースト

仮面ライダー龍玄

仮面ライダーマッハ(取得済)

仮面ライダースナイプ

仮面ライダーバルカン

 

【R】

仮面ライダーG3-X(取得済)

仮面ライダーゾルダ(取得済)

仮面ライダーデルタ

仮面ライダーギャレン

仮面ライダー威吹鬼(取得済)

仮面ライダードレイク

仮面ライダーバース

 

【N】

仮面ライダーG3(取得済)

仮面ライダーG3マイルド(取得済)

仮面ライダープロトバース

仮面ライダーアバドン(ショットアバドライザーver.)(取得済)

 

28:虚刀流のグラップラー

おお、こうして見ると多いな。

 

29:太刀川隊の狙撃手

【LR】はジオウに登場した方のディエンドだけか。

 

30:サクラギ研究所のリサーチフェロー

例の如く【SR】に偏ってますね。

 

31:杜王町の幽波紋使い

ライダーくんは今回どのライダーが目当てなんだ?

 

32:雄英の仮面ライダー

今回の狙いは【SR】の仮面ライダーバルカンです。

 

33:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

バルカン!?

ゼロワン本編でも主人公並に活躍してた不破さんが変身するライダーか!?

 

34:空座町の無下限呪術師

遂にライダーくんがゴリラになっちゃうのか。

 

35:太刀川隊の狙撃手

バルカンになるならゴリライズしなきゃいけませんからね。

 

36:雄英の仮面ライダー

いや、ゴリライズは不破さんだから出来た芸当なので、俺はもう少しスタイリッシュに変身しますよ。

 

37:虚刀流のグラップラー

ゴリライズしないバルカンなんてバルカンじゃねえよ!

 

38:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

公式からもネタにされたからね。

 

39:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ライダーファンならゴリライズ出来て当たり前だろ!?

バルカン引けたらちゃんとゴリライズするんだよ!

 

40:雄英の仮面ライダー

ええ?

マジですか?

 

41:杜王町の幽波紋使い

まあ、状況に応じて変身手順を変えれば良いんじゃあないか?

余裕がある時はそのゴリライズ(?)で、急を要する時はスタイリッシュにやるとか。

 

42:雄英の仮面ライダー

まあ…幽波紋ニキの言う通り、状況に応じて変身手順を変えてみますよ。

まずバルカンを引かなくちゃいけませんが。

 

43:太刀川隊の狙撃手

そうと決まれば、早速ガチャを回すんだライダーくん。

 

44:サクラギ研究所のリサーチフェロー

今回もスキップ教で回すのか?

 

45:雄英の仮面ライダー

そうですね、時間短縮も兼ねて今回もスキップでいきます。

それでは、そいッ!

からのスキップ!!

 

 

【10回目結果】

仮面ライダーバース【R】

仮面ライダー雷【R】

仮面ライダープロトバース【N】

仮面ライダー迅(バーニングファルコン)【SR】

仮面ライダーバスター【R】

仮面ライダースナイプ【SR】

仮面ライダーデルタ【R】

仮面ライダードレイク【R】

仮面ライダーナイト【SR】

仮面ライダーライア【R】

 

……まあ、最初はこんなものですかね。

 

46:空座町の無下限呪術師

【LR】は1体も来ず、狙いのバルカンも引けてないか。

 

47:サクラギ研究所のリサーチフェロー

まあ、前回が10連一発で狙いのパラドクスを引き当てたので、流石に毎回10連だけで引けるとは限らないですよね。

 

48:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

気を取り直して、ライダーくんもう一度引くんだ!

 

49:雄英の仮面ライダー

そうですね。

それでは、20連目!

そいッ!

 

 

【20連目結果】

仮面ライダーギャレン【R】

仮面ライダースーパー1【LR】

仮面ライダーG4【SR】

仮面ライダーガイ【R】

仮面ライダーレンゲル【R】

仮面ライダークウガ【LR】

ライオトルーパー【N】

仮面ライダー黒影【N】

仮面ライダーサソード【R】

仮面ライダー龍玄【SR】

 

 

ンンンッ!

良いんだけど!

引きは良いんだけど!!

 

50:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

【LR】を2体当てやがった!?

しかもスーパー1とクウガ!?

 

51:杜王町の幽波紋使い

昭和のチートライダーの1人と平成ライダーの第1号じゃないか!?

 

52:太刀川隊の狙撃手

もうこれで良いんじゃないかな?

 

53:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

けど【LR】も所謂すり抜けですけど…。

 

54:虚刀流のグラップラー

ライダーくんって、運が良いのか悪いのか。

 

55:空座町の無下限呪術師

いやあ、まだ推しライダーのZO引けてないから運悪いでしょ。

 

56:雄英の仮面ライダー

ZOの事は言うなああああ!!!

 

57:サクラギ研究所のリサーチフェロー

呪術ニキ!

ライダーくんのトラウマを掘り返すの止めましょうよ!!

 

58:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

最初の頃みたいに地獄兄弟化したらどうするんですか!?

 

59:空座町の無下限呪術師

僕としてはライダーくんが地獄兄弟化してるとこ見てないから個人的に見てみたいとは思うけどな♪

 

60:太刀川隊の狙撃手

>>59

この人マジでドSだろ。

 

61:杜王町の幽波紋使い

どうするライダーくん。

ここで止めておくか?

 

62:雄英の仮面ライダー

いえ、後一回だけ回します!

これでバルカン引けなかったら諦めます。

 

63:虚刀流のグラップラー

よく言った!

それでこそライダーファンだ!

 

64:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

自分を信じろ!

 

65:太刀川隊の狙撃手

バルカンを引いた自分をイメージするんだ!

 

66:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

君なら出来る!

 

67:雄英の仮面ライダー

はい!

それでは最後の10連ガチャです。

いけえええええ!!

 

 

【30連目結果】

仮面ライダービースト【SR】

仮面ライダーベルデ【R】

仮面ライダー轟鬼【R】

仮面ライダーバルカン【SR】

仮面ライダーZO【SR】

仮面ライダーナックル【R】

仮面ライダーアマゾンオメガ【SR】

仮面ライダーローグ【SR】

仮面ライダーエグゼイド【LR】

仮面ライダーエスパーダ【SR】

 

…………………え?

 

68:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

引けてる!?

バルカン引けてるよライダーくん!?

 

69:杜王町の幽波紋使い

しかも推しのZOも引けてるぞ!

やったなライダーくん!!

 

70:サクラギ研究所のリサーチフェロー

おめでとう!

 

71:虚刀流のグラップラー

おめでとう!

 

72:太刀川隊の狙撃手

良くやった!

 

73:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

祝え!(ウォズ風)

 

74:空座町の無下限呪術師

よく頑張ったね。

 

75:雄英の仮面ライダー

……………。

 

76:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ライダーくん?

 

77:杜王町の幽波紋使い

大丈夫か?

 

78:雄英の仮面ライダー

………ポロポロ(泣)

 

79:サクラギ研究所のリサーチフェロー

うわー!?

ライダーくんがあまりのショックで泣いた!?

 

80:太刀川隊の狙撃手

気をしっかり持つんだ!

 

81:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

しっかりしろ!

 

82:雄英の仮面ライダー

す、すいません…グズッ。

ちょっと、現実を受け取れられなくて…。

 

83:空座町の無下限呪術師

良いんだよ。

 

84:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)

念願の推しライダーだからね。

 

85:虚刀流のグラップラー

無理もないよ。

 

86:サクラギ研究所のリサーチフェロー

喜んで良いんだよ。

 

87:太刀川隊の狙撃手

ここまで長かったからな。

 

88:杜王町の幽波紋使い

一先ず、お疲れ様。

 

89:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

よくここまで頑張ったね。

 

90:雄英の仮面ライダー

ありがとうございます。

 

91:空座町の無下限呪術師

今日はもう解散にしようか。

ライダーくんもお疲れだろうし。

 

92:太刀川隊の狙撃手

そうですね。

俺もこの後防衛任務なので。

 

93:サクラギ研究所のリサーチフェロー

俺もポケモンたちの食事用意しないといけないので。

 

94:虚刀流のグラップラー

俺も今勇次郎さんと地獄の鬼ごっこの最中なので。

 

95:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺も大学の課題とその後バイトに行かないといけないので。

……ちょっと待てグラップラーニキ、今何と?

 

96:杜王町の幽波紋使い

よし、それでは解散という事で。

お疲れ様。

 

97:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れ。

 

98:虚刀流のグラップラー

お疲れッス。

 

「見つけたぞ。さあ、俺と闘えッ!!」

 

ギャアアアッ!!!(リアル逃走中)

 

99:太刀川隊の狙撃手

まあ、グラップラーニキは大丈夫でしょ。

お疲れ様です。

 

100:空座町の無下限呪術師

お疲れサマーバケーション!

 

101:雄英の仮面ライダー

皆さん、お疲れ様でした。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




主人公、推しを引いたの巻
ようやく念願の推しライダーであるZOを引き当てる事が出来たライダーくん。あまりの感激に思わず涙が……。

今回から雄英体育祭編を開始します。
今後の展開に乞うご期待下さい!


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14スレ

第17話を投稿します。

この作品のお気に入り数が1,000件を突破しました。ありがとうございます!!
引き続き投稿頑張りますのでよろしくお願いします!

1,000件突破したのでちょっとした企画を計画中です。気になる方は後書きを読んでいただけると幸いです。

それでは、どうぞ。
すいませんが今回もスレは休みです。


臨時休校の翌日、授業も再開する事になり俺たちは1年A組の教室で朝のHRを待っていた。

 

「しかし良かったな緑谷。思ったより早く学校来れるようになって」

 

「う、うん」

 

「この間の事、TVで流れてたな」

 

「当然だよ。ヒーローを育成するヒーロー科の学校が(ヴィラン)に襲われたなんて前代未聞だし」

 

「俺たちも少し映ってたよな!」

 

「仕方のない事だけど、ちょっと複雑だよね」

 

クラス内でもUSJ襲撃事件の事で盛り上がっていた。

 

「あの時佳面が(ヴィラン)を倒してくれてなかったら俺たちどうなってたか……改めてマジでありがとな!」

 

「もう良いって。それにあの時頑張ってたのは俺だけじゃ無いだろ?飯田を筆頭に皆で先生たちの手当してくれたから誰も欠ける事が無かったし」

 

「けどよ!あん時のお前マジで凄かったぜ!」

 

「まさに雷の化身…」

 

「変身出来るし電撃出せるし、逆にお前に何が出来ないのか知りたいわ!」

 

話題が俺の方に移り周りの皆が騒ぎ出すと───

 

「皆!私語は慎むんだ!もう直ぐ朝のHRが始まる!急いで席に着くんだ!!」

 

飯田が教卓の前に立ちHR開始直前を伝える。

 

「もう着いてるって。着いてねえのお前だけだよ」

 

「うぐッ!お、俺とした事が」

 

的確な指摘を受けて飯田は急いで自分の席に着く。

 

「そういえば今日のHR誰が来るんだろ?」

 

「そうね。相澤先生は入院中だし、他の先生が来るんじゃ無いかしら」

 

何せ両腕複雑骨折に顔面の骨折、普通なら病院で絶対安静にしないといけない程の大怪我を相澤先生はしているのだ。

 

流石に他の教師が代役で来ると皆も予想していると、教室の扉が開き入って来たのは───

 

「おはよう」

 

包帯ぐるぐる巻きでもはや誰なのか判らないくらい顔が隠されていたが、相澤先生であった。

 

 

「「「相澤先生、復活ハエエエーーーッ!!!」」」

 

 

ほぼ全員が相澤先生の登場に驚愕した。

 

「先生無事だったんですね!」

 

「無事って言えるんやろかアレ…」

 

「俺の安否についてはどうでも良い。それよりお前たち気を引き締めろ。まだ戦いは終わっていない」

 

「え?戦いって」

 

「もしかして…」

 

「また(ヴィラン)があああッ!?」

 

相澤先生の言葉に全員が表情を強張らせていると───

 

「雄英体育祭が迫っている!」

 

 

「「「クソ学校っぽいのキターーー!!」」」

 

 

予想とは大きく外れて学校イベントだった事に教室中から歓声が鳴り響く。

 

雄英に入学して初の学校行事に皆がテンションを上げる。

 

「知ってると思うが、うちの体育祭は日本の特大イベントの一つ。全国に生中継されるし出場するお前たちに当然注目が浴びる」

 

「しかし、体育祭にはもう一つの意味がある。プロヒーローからのスカウトだ」

 

「お前たちの活躍がプロヒーローたちの目に留まればプロデビューの近道にもなる。半端な結果は逆にスカウトの機会がなくなる事にも繋がる為、当日に備えて準備を怠るな」

 

「すいません、相澤先生。1つ良いですか?」

 

相澤先生の説明に割って入って質問をする。

 

「何だ佳面」

 

「体育祭が迫っているのは分かりましたが、つい先日に(ヴィラン)襲撃を受けたのに例年通り行って大丈夫なんですか?こう言うイベントは学校関係者以外も来日するでしょうし」

 

「逆だ。例年通り行う事で雄英の危機管理が盤石である事をアピールする為でもある。今年はその点を警戒して例年の5倍で警備体制を敷く事になっている。OB・OG以外のプロヒーローにも警備依頼を要請した。学校側は勿論、OBにはNo.2ヒーローのエンデヴァーにも要請している」

 

「エンデヴァー!?」

 

「学校側にはオールマイトが居るし、日本のトップヒーロー2人が警備に参加するとか鬼に金棒だろ!!」

 

ビッグネームが挙げられた事に皆が歓喜していた中、轟の表情が()()()()()()()()()()事に気がつく。

 

「HRは以上だ。それと佳面、悪いが昼飯食べたら職員室に来てくれ」

 

「はい」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「体育祭の事すっかり忘れてたぜ!」

 

「まあ、こうバタバタしてたらね」

 

「けどよ!ここで活躍出来ればプロへの近道だぜ!」

 

「数少ないチャンス。必ず物にしなければ」

 

午前中の授業が終わり昼休憩に入りると、皆は体育祭の話をしていた。

 

 

「み"ん"な"ぁ!体育祭がんばろうねッ!!」

 

 

そんな中で麗日さんは危機迫る様子で熱気を上げながら、クラスメイトに語りかける。

 

「ど、どうしたの麗日さん!?」

 

「全然麗日って感じじゃないよ?」

 

 

「私がんばるッ!!」

 

 

「「「お、おう」」」

 

周りの言葉に耳も貸さず同じ言葉を連呼する。その気迫に圧倒された男子達が片腕を上げて応える。

 

「麗日さんはどうしてヒーローを目指してるの?」

 

「え!?あ、あぁ〜それは〜」

 

いつもの麗日さんに戻ったかと思えば、バツが悪そうな顔をして少し言い淀む。

 

緑谷の質問に麗日さんは答えづらそうに返答する。

 

「え!?麗日さんって、お金目当てでヒーロー目指してたの!?」

 

「う、うん。なんかごめんね!飯田くんとかすっごく立派な理由があるのに、私なんか俗物的な理由でさ」

 

「そんな事は思わないぞ!なあ、緑谷くん!佳面くん!」

 

「う、うん!」

 

「そうだよ。だけど少し意外かな」

 

「あはは、そうかな?……私の実家は建設会社なんやけど仕事が少なくていつもすかんぴんでさ。そんな両親を見て最初は会社を手伝おうと考えたんよ。私の個性なら物を運ぶのに最適やと思ってさ…」

 

家の事情の話に俺たちはただ麗日さんの話を聞いていた。

 

「だけどね、両親は私に"家の事は気にせずやりたい事をやって良い"って言ってくれて、それでヒーローを目指すようになったんよ。ヒーローになればお金が沢山稼げると思って。だから私、ヒーローになって父ちゃんと母ちゃんに楽させたいんだ!」

 

ヒーローになる理由は十人十色。人を助けたいと思う者も居れば、カッコいい姿に憧れてる者、人気者になりたい者、有名になる事で高額な収入を得たい者。皆、それぞれの理由を抱いてヒーローを目指し、雄英に入ったのだと改めて思った。

 

「ごめんね!ホンマ俗っぽくってさ。皆と違って変な理由で───」

 

「変なんかじゃないよ」

 

「え?」

 

俺の言葉に麗日さんはこちらを見る。

 

「ご両親の為にヒーローを目指すのだって"誰かを幸せにしたい"事と同じだよ。自分の為にじゃなくて人の為に……。そんな()()()()()が俗っぽいとか皆より立派な理由じゃない訳ないよ。俺はそう思う」

 

「うん、僕もそう思うよ!麗日さんのだって凄く立派な理由だよ!」

 

「ブラボー!麗日くんブラボー!!」

 

緑谷と飯田も同意見である。

 

「そ、そうかな。ありがとね、そう言ってくれて!」

 

「ハーッハハハハハッ!」

 

「緑谷少年が居たーーー!!」

 

突然緑谷の名前を呼ぶ声に、俺たちは声がした方を見るとオールマイトが立っていた。

 

「お、オールマイト!どうしたんですか?」

 

「フフフッ、ご飯…一緒に食べよう」

 

オールマイトは片手に包まれた弁当箱を見せ、緑谷を昼食に誘う。

 

「ブフッ!乙女や!」

 

思っていた以上に乙女な理由に麗日さんは吹き出す。

 

「良いかな?」

 

「あ、えっと」

 

「こっちは大丈夫、行って来なよ」

 

「ああ!折角のお誘いを断るのは良くないぞ緑谷くん!」

 

「ありがとう!はい、是非」

 

そう言って緑谷はオールマイトと一緒に給湯室へと向かう。

 

「デクくんなんやろね」

 

「USJ事件の事を聞きたいのではないか?それにバスの時に蛙吹くんが言っていただろう?"個性がオールマイトに似ていると"、それも関係しているのではないか?」

 

「そうかもね。っと、俺も早くお昼済ませないと。相澤先生に呼び出されてるんだった」

 

「そうや!佳面くんの方は何やろね?」

 

「理由はどうあれ先生に呼び出されているなら早く行かねばならないぞ佳面くん!」

 

「そうだね」

 

緑谷が抜けて3人で食堂へ向かう。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

【職員室】

 

「失礼します。1年A組の佳面です。相澤先生はいらっしゃいますか?」

 

「こっちだ」

 

昼食を済ませてた俺は職員室へ向かうと既に相澤先生が椅子に座っていた。

 

「すいません、遅くなりましたか?」

 

「いや、大丈夫だ。態々すまないな」

 

「いえ、それで御用は?」

 

座っている相澤先生の元へ行き、呼び出した理由を聞いた。

 

「まずはこの間の事を謝らせてくれ。お前から事前に情報を貰っておきながら(ヴィラン)に良いようにされた上にお前たちを危険な目に遭わせてしまった。……すまなかった」

 

そう言って相澤先生は頭を下げる。

 

「やめて下さい相澤先生。俺たちだって無断で(ヴィラン)と戦闘をしてしまったんです。謝らないといけないのはこっちもですよ」

 

「元はあの場で(ヴィラン)を止めれなかった俺たちに責任がある。お前たちが謝る事なんて無い」

 

「……分かりました。けど、これだけは言わせて下さい。俺たちが無事だったのは相澤先生たちが居たからです。相澤先生とエクトプラズム先生が居なかったら緑谷たちも無事じゃ済みませんでした。だから、俺たちを守ってくれてありがとうございました」

 

今度は俺が相澤先生に礼を言い、頭を下げる。

 

「……ありがとう。そう言ってくれると此方も少しは気が楽になる」

 

「いえ。それで今日呼び出したのはそう言う理由で?」

 

「いや、別件だ。体育祭に関する事でな。毎年体育祭は各学年毎に会場が分けられている。それは知っているな?」

 

「はい、毎年TVで観てましたから」

 

「なら話は早い。開会式で1年は実技入試が首席だった生徒に選手宣誓を任せている。今年の場合お前だ。やってくれるか?」

 

どうやら体育祭の事で呼び出したようだ。

 

「判りました。是非やらせて下さい」

 

「そうか。内容はありきたりな物で良い───」

 

「おいおいおい!何を言ってるんだイレイザー!ジェネラルなスピーチじゃ会場を含む全てのリスナーたちが盛り上がらねえだろ!スピーチはホットでクールなヤツで頼むze!!」

 

相澤先生の隣に居たプレゼント・マイク先生が会話に割って入ってきた。

 

「何を言っているんだマイク」

 

「そうね、私も刺激的な物をお願いしたいわ」

 

すると前に居た"18禁ヒーロー"ミッドナイト先生も会話に参加する。

 

「ミッドナイトさんまで何を言ってるんです。ありきたりのヤツで良いでしょ。そんな事に時間掛けるのは合理的じゃない」

 

「合理的とかじゃねえ!イベントってのはスタートが肝心なんだよ!」

 

「選手宣誓と言うのは選手の代表として行うものなのよ。詰まらない内容じゃ観客も中継を観てる人たちにも印象が残せないわ」

 

「印象に関しては種目を観れば良いでしょ」

 

「それじゃあダメよ!体育祭よ!特大イベントよ!選手宣誓でこけたら全て台無しよ!」

 

「どうせ観てるうちに選手宣誓の事なんて忘れていきますよ」

 

「お前はそんなんだからダメなんだよイレイザー!祭りは盛り上がってなんぼだろう!!」

 

何故か目の前で教師3人が議論をぶつけ始めた。

 

「あ〜、解りました。なるだけ場を盛り上がりそうな事を言います」

 

「OK!トークが早くて助かるぜボーイ!」

 

「刺激的で熱いヤツお願いね♪」

 

「善処します」

 

「……悪いな、佳面」

 

相澤先生が申し訳なさそうに謝罪した。

 

この人も結構な苦労人だなと失礼ながら思ってしまった。

 

一先ず要件を済ませ、俺は教室へ戻った。




企画で考えている内容を映画のあらすじ風にまとめました。





佳面来太はプロヒーローになる為、雄英ヒーロー科で日々己を鍛えていた。

ある日、来太は不思議な出逢いを果たす。


「逢いたかったぞ。私と異なる"全てのライダーを受け継ぐ者"よ」

「オーマ…ジオウ!?」


出逢ったのは、もう存在しない筈の最高最善の魔王【オーマジオウ】。


「お前には"ある世界"の異変を止めて貰う。止めなければ……お前のいた世界に破滅の未来が訪れる」

「何だって?」


魔王によって飛ばされた世界は、組織「バダン」によって崩壊されかけていた。


「この世界って、まさか…」


そんな中、1人の男に出逢う。


「貴様もバダンの手先か?」

「違いますよ!」

大首領【JUDO】の器として改造人間にされた男【村雨良】。


「何で()()()()みたいに変身出来る!?」

「訳は後で言います!それよりも、コイツらをどうにかしないと!」


FBI捜査官【滝和也】。

そして───


「お前は何者だ?」

「俺は……別の世界から来ました」


来太の目の前に現れたのは伝説の戦士たち
仮面ライダーV3【風見士郎】
ライダーマン【結城丈二】
仮面ライダースーパー1【沖一也】


「もし俺が人類の敵になると判断したら……その時は俺を殺して下さい。だけど俺は、この力で目の前の人たちの笑顔を!未来を!夢を守ります!」


来太の叫びに戦士たちは応える。


「君が人類の自由と平和を守ると言うのなら、我々と共に戦ってくれ」

「ありがとうございます。本郷さん」


異なる世界の戦士たちと共に、巨悪に立ち向かう。


「俺は多くの命を奪った。なのにお前は…俺に人を守れと言うのか?」

「まだ会って間もないですけど、村雨さんが本当は優しい人だって事は俺でも分かります」


今、人類の命運を懸けた闘いが始まる。


「「変身ッ!」」


Another story『仮面ライダーSPIRITS feat.ZERO ONE』


時系列的に林間合宿前となります。
(※連載自体は本編と並行して投稿予定)


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15スレ

第18話の投稿です。

SPIRITS編も投稿開始してますので、よろしければ読んで頂けると幸いです。

今回変身する仮面ライダーのヒントは「改造人間」「劇場版」「技の○号」です。

それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

16:雄英の仮面ライダー

今度の体育祭で選手宣誓をやる事になりました。

 

17:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

おめでとう!

 

18:虚刀流のグラップラー

祝え!

 

19:太刀川隊の狙撃手

祝え!

 

20:サクラギ研究所のリサーチフェロー

祝え!

 

21:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>18>>19>>20

ウォズが3人居るぞ。

 

22:杜王町の幽波紋使い

当日は緊張せず自信を持ってやる事だな。

 

23:雄英の仮面ライダー

はい。

けど、場を盛り上がる内容にしろと言われまして。

 

24:空座町の無下限呪術師

一緒に考えようか?

 

25:虚刀流のグラップラー

>>24

呪術ニキ、それ大丈夫なヤツか?

 

26:太刀川隊の狙撃手

ライダーくんで遊ぶのはNGですよ。

 

27:空座町の無下限呪術師

大丈夫大丈夫、僕そこは真面目にやる派だから。

 

28:雄英の仮面ライダー

分かりました。

呪術ニキよろしくお願いします。

 

29:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ホント大丈夫かなあ。

 

30:杜王町の幽波紋使い

それでライダーくん。

体育祭までどうするんだ?

 

31:雄英の仮面ライダー

体育祭まで2週間程あるので学校の敷地利用して特訓しようかと。

葉隠さんや蛙吹さんと一緒にやる事になりました。

あと緑谷に蛙吹さん経由で麗日さんも参加します。

 

32:サクラギ研究所のリサーチフェロー

大所帯だね。

 

33:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

何やるの?

 

34:雄英の仮面ライダー

取り敢えず、各自個性の特訓と体力強化がメインです。

俺は自分のやりながら緑谷のコーチ(仮)をやります。

 

35:虚刀流のグラップラー

え!?

デクくんの特訓をライダーくんが見るの!?

 

36:太刀川隊の狙撃手

マジか。

 

37:杜王町の幽波紋使い

何か問題あるのか?

 

38:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

問題と言うか…緑谷がヒロアカの主人公なので、ここでライダーくんが原作主人公と大きく関わると高確率で原作にも影響出るんですよね。

 

39:雄英の仮面ライダー

前々から緑谷の個性の使い方が勿体無いと感じてましたので、少し特訓に付き合う形です。

手取り足取りレクチャーまではしません、多分。

 

40:空座町の無下限呪術師

まあ、その点はライダーくんに任せるよ。

 

41:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺たちがとやかく言うのも違いますし。

それで良いと思います。

 

42:杜王町の幽波紋使い

頑張れよ。

 

43:雄英の仮面ライダー

はい。

それでは早速特訓に行ってきます。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

HRで体育祭の事を聞かされた日から翌日、早速学校の許可を貰って演習場で特訓をやる事になった。

 

「それじゃあ、よろしくね緑谷」

 

「う、うん!よろしく佳面くん!」

 

学校指定のジャージに着替え、演習場内では他の皆が特訓を始めていた。

 

俺の目の前には緊張気味な緑谷が立っている。

 

「早速だけど、緑谷には個性のコントロールをして貰う。現状の目標は身体が壊れない程度のパワーで自分なりのパフォーマンスを身につけること」

 

「ぐ、具体的にはどうすれば良いかな?僕の個性はまだ緻密なコントロールなんて出来ないしこの間のUSJで偶々調整が出来た程度だしまた腕壊してしまったらブツブツ」

 

「はい、ストップ」

 

緑谷がブツブツ早口で話し始めたので俺は緑谷の頭を軽くチョップする。

 

「わッ」

 

「今は失敗する事を考えないで色々試す。2週間もあると言ってもやる事やってるとあっという間に本番になるよ」

 

「ご、ごめん!よろしくお願いします!」

 

「うん、良い返事。じゃあ、早速」

 

俺の腰に巻かれたベルト【タイフーン】の風車が回転すると、身体にボディスーツ特殊強化服が自動的に装着され、マスク上部のヘルメットと下部のクラッシャーをセットして変身完了する。

 

この姿こそが、劇場版【仮面ライダーTHE FIRST】で『技の2号』と謳われた【仮面ライダー2号】である。

 

「俺に向かってパンチ打ってみて、勿論個性を使って」

 

「え!?けど───」

 

戸惑う緑谷に俺は少しキツイ一言を放つ。

 

「大丈夫。()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ッ!……いくよ!」

 

「うん、おいで」

 

俺の一言にスイッチが入ったのか、さっきまでオドオドしていた緑谷の表情が真剣なものに変わり構える。

 

それを見た俺も軽く構え、攻撃に備える。

 

「電子レンジでタマゴが割れないイメージ、割れないイメージ」

 

 

「SMAAASH!」

 

 

イメージを固めた事で右腕が光り、奇妙なラインが入る。

 

そして俺に目掛けて拳を振るう───。

 

「よっと」

 

「うわッ!?」

 

俺は向かってくる拳を軽くいなし、そのまま右腕を掴んで緑谷を投げ飛ばす。

 

投げられた緑谷は背中から地面に叩きつけられ、受け身も間に合わず倒れる。

 

「ガハッ!」

 

「大丈夫?ちゃんと受け身は取った方が良いよ」

 

「う…うん。今…決まったと思ったのに」

 

「それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だよ」

 

俺は倒れている緑谷に手を差し伸ばし、起き上がらせる。

 

「どういうこと?」

 

「そのままの意味。確かに緑谷のパワーは凄いよ、だけど()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「あ!?」

 

俺が何を言っているのか解ったのか、緑谷はハッとする。

 

「解ったかな?緑谷はパワーで身体の何処かを強化してるけど、()()()()()()()()()()。回避やカウンターを取るのは容易だよ」

 

「そ、そうか!けど、どうすれば……」

 

「そこで、ちょっとアドバイス」

 

「一箇所にパワーを集中させるんじゃなくて()()()()()()()()()()()

 

「全身にパワーを!?」

 

緑谷は驚愕する。

 

「緑谷は個性を()()()()だと強く思いがちだけど、あくまで身体能力の延長線。つまり個性は身体の一部、筋肉や骨、血液と同じだよ。今回は血液で例えようか」

 

「緑谷がやっているのは血液を身体の一部に集中させてる状態でさ、他の箇所は血液が巡ってないんだよ。それだと他は機能しない」

 

「そこで全身に血液を巡らせることで他の箇所も正常に機能する。まあ、そんなイメージでやってみなよ」

 

「わ、分かった!」

 

緑谷は再び個性を発動させるが、今度は身体の一部にではなく、全身にパワーを巡らせるイメージをした。

 

「個性は身体の一部…血液と同じ…一部だけじゃなく全身にッ!!」

 

すると緑谷の身体全体が光り始め、先程見せた赤いラインが今度は全身に走る。

 

「(まだ5%しか上手く扱えないけど、これなら!ワン・フォー・オール フルカウル!!)」

 

(思ったより早くコツを掴んだな)

 

「そのままの状態で動けるかな?」

 

「わか、らない!」

 

「それじゃあ、試してみようか!」

 

「うん!」

 

 

この後、緑谷はパワーの5%を全身に纏わせる事に成功し、動きが大幅に向上した。

 

だけど、俺との組手は俺が全勝でその日は終わった。




仮面ライダー2号

レア度【SR】

出典『仮面ライダーTHE FIRST』


緑谷、5%フルカウルの片鱗を魅せる
原作では職場体験でグラントリノによる特訓から習得したが今作ではライダーくんとの特訓によりその片鱗を魅せた。
フライング気味だが現に彼は他と比べて個性の扱いに慣れていない為ライダーくんが少し助言をした。


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16スレ

第19話目を投稿します。

話は一気に進んで体育祭当日、選手宣誓までです。

前回で呪術ニキにスピーチの内容を一緒に考えたものが作中で出てきます。察しの良い方は元ネタが何なのかお気づきになられると思います。

それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:雄英の仮面ライダー

あっという間に2週間が過ぎて体育祭当日になりました。

 

2:虚刀流のグラップラー

早ッ!

 

3:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

あれ?幽波紋ニキ、キンクリ使った?

 

4:杜王町の幽波紋使い

いや使っていないぞ。

それに2週間なんて長い時間を消し飛ばすのは俺では無理だ。

 

5:サクラギ研究所のリサーチフェロー

流石に2週間も時を飛ばせたらジョルノ以外に勝てる奴居ない。

 

6:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

何言ってんだ?

承太郎さんが居るだろ。

 

7:太刀川隊の狙撃手

話が脱線してますよ。

 

8:サクラギ研究所のリサーチフェロー

そう言えば呪術ニキは?

 

9:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

仕事だって。

途中からスレに参加出来るかもらしい。

 

10:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

忘れてましたけど、あの人って警察官でしたね。

 

11:虚刀流のグラップラー

そう言えばライダーくん、スピーチは呪術ニキと考えたんだっけ?

 

12:雄英の仮面ライダー

はい。

本番まで"皆には教えるな"と言われましたので、本番に期待して下さい。

 

13:杜王町の幽波紋使い

それは楽しみだ。

 

14:太刀川隊の狙撃手

期待してるよ。

 

15:サクラギ研究所のリサーチフェロー

しっかりな。

 

16:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

頑張って(`_´)ゞ

 

17:雄英の仮面ライダー

ありがとうございます。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

2週間後、雄英体育祭当日。

 

体育祭の主役である選手である生徒たちは、学校指定ジャージに着替えて各クラス毎に控え室で待機していた。

 

芦戸さんがコスチュームを着たがっていたが、普通科やサポート科も出場するため、出場者はジャージで統一されている。

 

控室で各自準備している中、轟は緑谷に声をかける。

 

「緑谷、ちょっといいか」

 

「轟くん、どうしたの?」

 

普段話しかけられない相手に話しかけられて困惑する緑谷に、轟は続ける。

 

「客観的に見て、実力は俺の方が上だ」

 

「え、あ、うん…」

 

轟は失礼な事を口にしたが、緑谷が喧嘩っ早い性格ではなかったおかげで、余計な喧嘩する流れは生まれなかった。

 

……もしこれが爆豪ならブチギレて掴みかかっていただろう。

 

「でもお前、オールマイトに目ェ掛けられてるよな」

 

「…!」

 

「そこんとこをどうこういうわけじゃあねェが、おまえには勝つぞ」

 

次に、轟は俺の方を向く。

 

「それと佳面、俺は一度お前に負けてる。だからとは言わねえが、お前に今度こそ勝つぞ」

 

轟からの宣戦布告に周りも騒ぐ。

 

「No.2がNo.1に宣戦布告かよ!緑谷は巻き込まれだし」

 

「オイオイオイ!やめろよ轟。開始直前だし、何よりクラスメイトだろ!?」

 

「仲良しこよしじゃあねえんだ。別にいいだろ」

 

なだめる切島に轟は冷たく返す。その遣り取りの中、緑谷は小さく俯きながら肩を震わせる。

 

「そりゃあ、僕より轟くんの方が実力は上だよ。佳面くんが居なかったら、君に勝てる人は居なかったと思う」

 

しかし、緑谷は顔を上げる。

 

「だけど、他の科の人も本気でトップを取りに行こうとしてるんだ。だから、僕も“本気”で獲りに行く!」

 

「……おお」

 

入学して直ぐの気弱な気質とは一変し、緑谷は強い意志を込められた言葉は轟の中の何かを揺さぶった。

 

「それで佳面、おまえはどうなんだ?」

 

「俺かい?そうだな…一言で言うと」

 

俺は()()()()()()()()()

 

()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ンだと!?」

 

轟は激情し、俺に掴み掛かる。

 

「止めろよ轟!?」

 

「つか佳面も挑発するなよ!?お前そんなキャラだったか!?」

 

「止めろ2人とも!!」

 

男子数人が間に入って轟を抑える。

 

「お前に、俺の何が分かる!?」

 

「分からないよ。少なくとも、全力でやろうとしない相手に俺が負ける事は無いって言っただけ」

 

「君が何で全力を出さないのか分からないけど、俺からすればそんなの()()()()()()

 

「君はもしプロになって、現場で負傷者や死者を出しても"自分は半分の力しか使いたく無かったから使わなかった"って言い訳する気?現場では君の事情なんて関係無くなるよ」

 

「プロになる為に雄英に来たのに、力全部使う気が無いとかふざけてる」

 

「断言するよ轟焦凍、今の君じゃ俺には勝てない」

 

「……話はこれで終わりだ」

 

言うことを全て言った俺は控え室を出る。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

暗い通路、入場口の向こうでは歓声が反響し、やがてプレゼント・マイクの声が響き渡る。

 

 

『遂に来たぜ!!年に一度の大バトル!ヒーローの卵と侮んなよ!!つうかお前らの目的はこいつらだろ!?ヴィラン襲撃を乗り越えた鋼の卵共!!』

 

目の前に広がるドームのフィールドと席を埋め尽くす観客たちの姿。

 

 

『A組だろぉ!!』

 

 

歓声と共に入場していくA組一同。続けてB組、普通科のC組、D組と、サポート科、経営科と選手が並んで歩き続ける。

 

やがて全員が会場の中央に集まったところで、宣誓台の上にミッドナイト先生が立つ。

 

「開会式を始めるわよ!」

 

「"18禁ヒーロー"なのに高校にいて良いものか?」

 

「良いッ!!」

 

常闇の当然の疑問に対していっそ清々しいほど迷いなく答える峰田。戦闘訓練辺りから気づいたけど、彼はちょっとアレなのかもしれない。

 

 

「選手宣誓!!選手代表!!1年A組、佳面来太!」

 

 

「ハイッ!」

 

 

呼ばれた俺は壇上に上がってマイクの前に立ち、右腕を挙げて宣誓する。

 

『宣誓!!我々、選手一同はヒーロー精神に則り、正々堂々、戦い抜く事を誓います。選手代表、1年A組 佳面来太!』

 

 

思った以上に普通の選手宣誓にミッドナイト先生は少しつまらなそうな顔をした。

 

……本番は()()()()()

 

 

『前置きはこの辺にして、少しお話しさせて下さい』

 

 

突然のアドリブに会場はどよめく。

 

 

『私たちは先日、(ヴィラン)による襲撃に遭い、実際に(ヴィラン)と交戦をしました。ここだけ聞けば、先程マイク先生が言うような"勇敢なヒーロー候補生"と捉える人がいらっしゃると思います』

 

 

『けど、今私たちがこの場に居るのは()()()()()()()()です』

 

 

『もし(ヴィラン)の中に凶悪な殺人鬼や戦略に長けた高い頭脳を持った相手が居たら、もしかしたら私たちの中にヒーローの道を諦めなければならない程の大怪我を負う人や、最悪命を落とす人が出たのかもしれません』

 

 

俺の言葉にA組の皆が()()()の出来事を思い出したのか、顔を顰めたり、俯いたりした。

 

他の科の出場者も悲惨な光景を想像したのか、顔を青ざめる。

 

会場も俺のスピーチに言葉を出せない状態となった。

 

「佳面くん!それ以上は」

 

ミッドナイト先生が止めに入ろうとする。

 

だけど俺は止めない。

 

 

『あの時私たちは(ヴィラン)に立ち向かう事への恐怖と難しさを知りました。…だからこそ、私たちはヒーローを目指します』

 

 

止めに入ろうとしたミッドナイト先生はピタリと止まる。

 

 

(ヴィラン)への恐怖も難しさも知ったうえで、私たちは()()()()()()()()()()()()()になる為に立ち止まる訳には行きません』

 

 

『改めて宣言します。体育祭の表彰式は私たちA組が独占します』

 

 

そして俺はA組以外の出場者全員に対して挑発的に笑う。

 

 

『A組以外のクラスの中にこんな事言われてビビってる奴居る!?』

 

 

『A組以外のクラスの中にこんな事言われて日和ってる奴居る?』

 

 

『居ねえよなァ!!』

 

 

『俺たちの本気見せつけるぞ!!』

 

 

『…以上でスピーチを終了します。ありがとうございました』

 

 

そう言って俺は一礼する。

 

さっきまで静寂だった会場全体は歓声の叫びで震え、出場者全員が闘志を燃やした。

 

「佳面ああああ!!漢気全開のスピーチだったぜえええ!!」

 

「うおおおおお!!A組にもめちゃくちゃ熱い奴が居るじゃねえかあああ!!」

 

「ヒーロー科がなんぼのもんじゃああああ!!俺たちの本気を見せてやらああああ!!」

 

「表彰式を独占するのはウチだああああ!!」

 

こうして、1年の体育祭の選手宣誓は終了した。




ライダーくん、呪術ニキの策略によりマイキーになる

呪術ニキにスピーチの内容を一緒に考えてもらっている内に呪術ニキは「東京卍リベンジャーズ」の登場キャラ 佐野万次郎ことマイキーの名言をライダーくんに言わせる様に促した結果、選手宣誓でライダーくんはマイキーごっこをする羽目となった(ライダーくんはマイキーについて全く知りません)。


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17スレ

第20話投稿です。
内容は第一種目の障害物競争です。

今回ライダーくんが変身する仮面ライダーのヒントは『トランプ』『ハート』『ムッコロス』です。

それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

18:虚刀流のグラップラー

ライダーくん、それマイキーじゃねえか!?

 

19:太刀川隊の狙撃手

呪術ニキ、ライダーくんにマイキーの名言言わせやがった。

 

20:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ライダーくん絶対元ネタ知らないまま言わされたな。

 

21:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

あの人真面目に考えてると思ってたのに……。

 

22:杜王町の幽波紋使い

ライダーくんのスピーチ、何か元ネタがあるのか?

 

23:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

幽波紋ニキ、マイキー知らない?

「東京卍リベンジャーズ」ってヤンキー漫画に登場するキャラ。

作品自体もアニメや実写映画、舞台化もしてる人気漫画なんだよ。

 

24:杜王町の幽波紋使い

>>23

そうなのか。

しかし、ライダーくんの表情は演技ではなかったな。

 

25:太刀川隊の狙撃手

本人は本気でしょうからね。

 

26:虚刀流のグラップラー

見ろ。

ミッドナイトが悶絶してるぞ。

 

27:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

あの人こういうネタ好きそうですからね。

本人にとってツボだったんでしょう。

 

28:サクラギ研究所のリサーチフェロー

さてさて、もうすぐ第1種目が始まりますよ。

 

29:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

皆、此処からはライダーくんの応援に徹するんだよ。

 

30:杜王町の幽波紋使い

そうだな。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

『聴かせて貰ったぜボーイ!!お前の熱い(ソウル)の叫びをな!お前たちの本気(マジ)を俺たち全リスナーに見せてくれェェェェ!!』

 

『煩いマイク。あとお前はどこの暴走族の総長だ佳面』

 

実況担当のマイク先生と解説担当の相澤先生が各々の感想を言う。

 

ちなみにミッドナイト先生はと言うと

 

「〜〜〜〜〜〜!!?」

 

真っ赤に染まった顔を両手で抑えて悶絶していた。

 

「カッケェよ佳面!アレってアドリブだろ!?」←砂藤

 

「めちゃくちゃロックじゃん」←耳郎

 

「佳面さんがあんな事を仰るなんて意外でしたわ!?」←八百万

 

「お前クールキャラだと思ってたけど結構熱血系なのな!?」←瀬呂

 

「昔読んだヤンキー漫画の主人公みてえなセリフだったぜ!!」←切島

 

「さっすが佳面くん!」←葉隠

 

「ケロ、カッコ良かったわ佳面ちゃん」←蛙吹

 

「アニキって感じだったよー!」←芦戸

 

「流石だ佳面くん!俺たちも全身全霊で君の激励に応えなくてはッ!!」←飯田

 

「意外やわぁ」←麗日

 

「魂の咆哮…」←常闇

 

「凄かったぞ」←障子

 

「お前実は元ヤンだろ」←峰田

 

「相変わらず凄いよ」←尾白

 

「なかなか美しかったよ☆」←青山

 

コクコク←頷く口田

 

「凄かったよ佳面くん!」←緑谷

 

「ケッ!」←爆豪

 

「……」←轟

 

A組の列に戻ると皆からも感想を言いに来る。

 

『ミッドナイトさん、いい加減正気に戻って下さい』

 

「ハッ!さ、さて!開会式も終わった事だし、早速第1種目に行きましょう!!」

 

正気に戻ったミッドナイト先生は進行役を進める。

 

「毎年ここで多くの選手が涙を飲むわ!さて運命の第1種目、今年は……」

 

全員が巨大スクリーンに目を向ける。

 

「コレッ!!」

 

映し出されたのは『障害物競走』だった。

 

「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周、約4km!我が校は自由さが売り文句!コースさえ守れば何をしたって構わないわ!さあさあ、位置に着きなさい!」

 

約220人ほどの選手がゲートの下にあるスタートラインに集まっていく。

 

そしてレース開始の時間が近づく。スタートラインには220人近くの生徒が密集しており、普通に動く事すらも困難だったスタートをどう切るかが鍵になりそうだ。

 

3つ赤く点灯するシグナルの内、1つが消える。短い間をおいて2つ目のシグナルも消え──

 

最後の光が消えた直後、青い3つの光が灯る。

 

 

『スタアアアーーートォッ!!!』

 

 

ビシッ ビシッ ビシッ

 

ミッドナイト先生の宣言と同時にスタートラインから後ろの地面が凄まじい早さで凍りついていく。

 

「うおおお!?足が凍ったァ!?」

 

「あ、あたしのもッ!?」

 

「あいつだッ!ヒーロー科の、A組の野郎だァァァ!?」

 

連鎖的に足も凍りついて動けない生徒が指差した先には、足元から氷を出しながら疾走する轟が先行する。

 

『ついに始まったぜ、雄英体育祭1年部門!実況はボイスヒーロー・プレゼント・マイク!解説は抹消ヒーロー・イレイザーヘッドの2人でお伝えしていくぜ!解説のミイラマン、アーユーレディ!?』

 

『無理矢理呼びやがって』

 

相澤先生は不機嫌そうに呟きながら露骨にため息を吐いた。

 

『スタートダッシュを切ったのは轟ィ!地面ごと後続組を凍らせて最初のトップに』

 

『いや、…アレを見ろ』

 

解説の言葉に轟は後ろを見る。

 

「変身ッ!」

 

『CHANGE』

 

轟の妨害で動けなくなった集団から黒い鎧を纏った俺が飛び出す。

 

2本の刃の様な鋭い触覚に赤いバイザー、胸部の装甲にハートのレリーフが施され、腰にはハート型のバックルが装着されていた。

 

この姿は【仮面ライダーカリス】。

 

不死身の怪人【ジョーカーアンデッド】こと相川始が変身する異色の仮面ライダーである。

 

足場が凍りつく前に、俺は変身ベルト【カリスラウザー】とハートのカテゴリーA【チェンジマンティス】を用いて変身しておいたのだ。

 

『何だアレはーー!?動けなくなった集団から謎の鎧が出て来たぞーー!!誰だアレは!?』

 

『佳面だろうな。しかし…また違う姿に変身してるな』

 

実況と解説を他所に俺はカリスの専用ビークル【シャドーチェイサー】を召喚し、遠隔操作で走行するソレに飛び乗り、アクセル全開に回して轟を追い抜く。

 

『佳面!変身したと同時に謎のバイクを召喚!そしてバイクに乗って轟を追い抜いたーー!?てかバイクってアリかよ!?』

 

「個性による物なのでアリよ!」

 

バイクの登場に審議するマイク先生をミッドナイト先生が肯定する。

 

「チッ、待ちやがれ!」

 

後ろから轟が氷結による妨害を試みるも、俺は即座に察知してそれを回避。最高速度410km/hを誇るスピードでみるみる轟を突き離す。

 

『佳面!轟の氷結を華麗に回避!そしてアクセル全開で轟との距離を突き離てくーー!!もはやワンサイドゲームだろコレ!?』

 

『実況放棄するな。轟の妨害にいち早く気づいて回避、しかもスピードは減速していない。バイクに関しての知識は無いが、かなりの操縦技術が無いと出来ない芸当だろうな』

 

『んだよイレイザー、珍しく饒舌じゃねえか!お気に入りの佳面の活躍を見て身内贔屓は良くないんじゃないの?』

 

『客観的な解説だ馬鹿』

 

『さぁ、お待ちかねの障害物だ!まずは手始め第一関門!"ロボ・インフェルノ"!仮想敵ロボットがお相手だ!ご存知ッ!雄英受験実技試験で出てきたヤツらだ!!』

 

マイク先生の実況通り、俺の前には見たことのあるロボがズラリと並んでいた。

 

「全部0Pか」

 

その障害物は、超巨大ロボのみで構成されたロボ軍団だった。

 

俺はアクセルを緩めず、そのままロボ軍団に突入する。

 

ロボ軍団は俺に察知して襲い掛かるも、シャドーチェイサーの前方に飛び出す様に備わった刃【クラッシャー・ピーク】による1秒間に200万回もの振動された刃で装甲を貫いて排除する。

 

『佳面ァ!バイクのアクセルを緩まずそのまま突進!バイクに装備された刃でロボット軍団の装甲を貫通していく!あのバイク何なの!?知ってるかイレイザー?』

 

『知らん』

 

驚愕するマイク先生を相澤先生は冷たく遇らう。

 

『現在トップは佳面!その後を追うのは轟、爆豪…と緑谷!?何だ緑谷のあの動き!?お前骨折克服したのかァ!?』

 

地面を凍結させて滑る様に進行する轟と爆破で空中移動する爆豪、そしてこの2週間で習得した"フルカウル"を駆使して走る緑谷の姿に教師陣は勿論、彼のピーキーな個性を知るA組の皆が驚愕する。

 

「オレに迫ってんじゃねえぞ、クソデクゥ!?」

 

「負ける訳にはいかないんだ、かっちゃん!」

 

「クソッ!」

 

「(この2週間で自分なりのワン・フォー・オールのコントロール方法を身につけたか!?凄いぞ緑谷少年!まだ巻き返せるぞ!!)」

 

愛弟子の奮闘にオールマイトも驚きながらもエールを送る。

 

俺の目の前には深く大きい谷底と転々と広がる足場、それぞれの足場を繋ぐロープがあった。

 

『さァ!先頭は佳面1人!彼は既に第二関門にさしかかっているぞ!第二関門は落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォーーール!!どうする佳面!流石にバイクで進むのは無理だぞ!?』

 

「それはどうかな?」

 

『FLOAT』

 

俺は【カリスラウザー】の横に装備されたカードデッキからハートスートのカテゴリー4【フロートドラゴンフライ】を取り出し、ラウズカード覚醒機能を備えたボックス【モビルラウザー】のスラッシュ・リーダーにラウズカードをラウズすることで、ラウズカードに封印されたアンデッドの能力をシャドーチェイサーに付与させる。

 

【フロートドラゴンフライ】の能力は"浮遊"。

 

つまり──

 

 

『と、飛んだーーー!?』

 

 

『もはや何でもアリだなあのバイク』

 

【シャドーチェイサー】に乗った俺はそのまま地面をジャンプし、浮遊能力が付与された事で崖を飛び越える事が出来た。

 

難なく反対側に着地し、俺はそのまま走行を続ける。

 

『トップは佳面が独走中!後方が轟、爆豪、緑谷と続いて、その下は団子状態!まだ上位何名が通過するかは公表しねえから最後まで突き進めよ!』

 

マイク先生の実況が会場中に響き渡り、そして俺の目の前に広がるのは最後の障害──。

 

『そして早くも最終関門!かくしてその実態はー面地雷原!!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!!目と脚を酷使しろってトップはバイクだったか……。ちなみにその地雷!威力は大したことねぇが音と見た目は派手!失禁必至だぜ!』

 

『人によるだろ』

 

バイクで走行中の俺の先には何も立ち塞がらない簡素な道。だがその下にはいくつもの非殺傷性の接触地雷が埋め尽くされていた。

 

「それなら、次はコレだ!」

 

『TORNADO』

 

今度はカテゴリー6【トルネードホーク】を【シャドーチェイサー】にラウズする。すると、俺の周囲に風の膜が発生してバリアの様に覆った。

 

『佳面又もトップスピードのまま突っ切ったーーー!しかし地雷が埋め尽くされてるんだぜ!?』

 

『いや、よく見ろ』

 

風のバリアのお陰で地雷による衝撃は防がれる事によって、俺は気にせず走行を続ける。

 

『佳面の周りに風のバリアが発生!?そのお陰で地雷原をいとも簡単に突破したァーーー!?お前それ反則だろ!?』

 

『個性による防御だろ』

 

 

『さァさァ!最初にスタジアムに還ってきたのは、終始他を圧倒し続けた佳面来太だァァァ!!!』

 

 

俺は無事に1番でゴールに辿り着いた。




仮面ライダー紹介

仮面ライダーカリス

レア度【SR】

出典 『仮面ライダー剣』


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18スレ

第21話の投稿です。

番外編『仮面ライダーSPIRITS feat.ZERO ONE』も連載中ですので宜しければご覧ください。

今回は騎馬戦 上編です。
そしてライダーくんが変身する仮面ライダーのヒントは『惑星開発用改造人間』『五つの腕』『赤心少林拳』です。

それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

31:杜王町の幽波紋使い

1位はライダーくんか。

 

32:サクラギ研究所のリサーチフェロー

終始バイクに乗ってましたからね。

流石にバイクを追い抜く事は出来ませんよ。

 

34:太刀川隊の狙撃手

しかもライダーくんは常に180km/hオーバーで走行してましたから、プレゼント・マイクが言う様にワンサイド・ゲームでしたからね。

 

35:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

けど、1位なったせいで次の種目キツくなるんじゃないですかね?

 

36:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>35

確かに。

騎馬戦は上位から順にポイントが高くなってて、1位は1,000万だからね。

 

37:杜王町の幽波紋使い

1,000万って、昔のクイズ番組かよ。

 

38:太刀川隊の狙撃手

それに騎馬戦はチーム戦だからライダーくん1人だけじゃ勝ち残れないですし……。

 

39:虚刀流のグラップラー

さてさて、どうなる事やら。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「そして次からいよいよ本戦よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!気合い入れなさい!さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど〜何かしら!?言ってるそばからコレよ!!」

 

ミッドナイト先生の言葉と共に巨大スクリーンに競技名が表示される。

 

「【騎馬戦】か」

 

次の種目は騎馬戦であった。

 

「参加者は2〜4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ!基本は騎馬戦と同じルールだけど、1つ違うのが、先程の結果にしたがい、各自にポイントが振り当てられること!」

 

「それってつまり、相手によって取るポイントが違うって事?」

 

麗日さんの言葉にミッドナイト先生は頷く。

 

「その通り!そして与えられるポイントは下から5ずつ!42位が5ポイント、41位が10ポイント…といった具合よ。そして」

 

ミッドナイト先生は俺を一瞥し、衝撃の一言を発言する。

 

「1位に与えられるポイントは『1,000万』ッ!!」

 

「「「はぁッ!?」」」

 

明らかにおかしいポイントの振り分けに思わず全員が驚愕する。

 

つまり早い話、俺の鉢巻を奪えば次の種目出場は確定という事になる。

 

本戦に残った全員の視線が1位である俺に集まる。

 

「上位の奴ほど狙われちゃう、下克上サバイバルよッ!!」

 

「上等だね」

 

「いや何でお前ワクワクしてんの!?」

 

全員から狙われる立場となっても楽しんでいる俺に近くに居た切島がツッコむ。

 

「制限時間は15分。その間に2人から4人のチームを作るのよッ!騎馬戦自体は個性発動アリの残虐ファイト!!騎馬を崩してもアウトにはならず、どんなことをしても最後に首から上にポイントの鉢巻を巻いている者が勝者になるわ!でも悪質な騎馬狙いの攻撃は一発退場だから注意しなさい!!」

 

ミッドナイト先生の説明が終わり、生徒たちはそれぞれ騎馬のチームを組むべく動き始めた。

 

「(さてどうするかな。誰かに組んでもらう様頼んでも断られるだろうし、此処はナイトに変身して【トリックベント】で分身作った方が良いかな。あ、それだとルール的にどうだろ?ミッドナイト先生に確認するか)」

 

「佳面くん!」

 

1人で考え込んでいると緑谷が俺に話しかけてきた。

 

「どうしたの緑谷?」

 

「騎馬戦、僕と組んでくれないかな!?」

 

なんと緑谷からチームを申請してきた。

 

「良いの?俺と組んだら真っ先に狙われると思うけど」

 

「う、うん。だけど佳面くんにはこの2週間特訓に付き合ってもらったから、その恩返しもしたくて…」

 

「そんなのこっちは気にしてないのに…。けど、嬉しいよ。よろしくね緑谷」

 

「うん!」

 

「あ!私も良い?」

 

すると麗日さんも同じチームを志願してきた。

 

「麗日さん!?」

 

「私も佳面くんには特訓付き合ってもろうたし、何か力になりたいから」

 

「麗日さんもか、こっちとしては願ったり叶ったりだよ。よろしくね」

 

「うん!目指すは1位通過だね!!」

 

これで3人。

 

出来ればあと1人加わって欲しいところだ。

 

そう思っていると近くに葉隠さんと蛙吹さんが居た。

 

「葉隠さん、蛙吹さん。まだチームが決まっていないなら2人のどちらか組まない?」

 

「あ、佳面くん」

 

「佳面ちゃん…」

 

葉隠さんは素の身体能力はA組女子の中でも良い方だし、蛙吹さんも身体能力やスタミナが高い。どちらか組んでくれると戦術の幅が広がる。

 

しかし───

 

「ごめんね、チーム組めないや」

 

「私も…今回は佳面ちゃんに挑むわ」

 

「…そっか」

 

断られる可能性があったにしろ、こうも面と向かって拒否られると少し凹む。

 

「あ、違うよ!本当は組みたいけどさ…私って佳面くんと勝負した事が今まで無かったから、折角だし下克上するぞ!って思っちゃって」

 

確かに、中学からの付き合いだか葉隠さんから挑戦された事が無かった。それに、クラスメイトでもありライバルでもあるなら尚更だろう。

 

なら蛙吹さんは───

 

「私もね…佳面ちゃんとチームを組みたいわ。けど、それじゃあダメだと思ったの」

 

「ダメって?」

 

蛙吹さんは人差し指を口元に添えて、真剣な顔で俺を見る。

 

「今まで私は佳面ちゃんに助けられてばかりだったわ…、実技入試の頃から。極端な話、私が雄英に居るのも佳面ちゃんのお陰だと思っちゃうの。だから、今度は自分の力で試練を乗り越えたいの」

 

「梅雨ちゃん…」

 

蛙吹さんから強い意志を感じ取った俺は何も言えなかった。

 

なら俺は、彼女の本気に応えるべきだろう。

 

「解った、全力で来なよ。こっちも全力でいく」

 

「ええ。望むところよ」

 

「私も!2人に勝つからね!!」

 

俺は2人と別れて、緑谷たちと合流する。

 

「ごめん、葉隠さんと蛙吹さんに声掛けたけど断られた」

 

「こっちも…。飯田くんを誘ってみたけど轟くんのチームに入るって」

 

「飯田くん、デクくんに挑戦したいからやって」

 

飯田の方を見ると、轟・八百万さん・常闇が居た。

 

「しかしどうするか、もう他はチームを組んでいるだろうし。最悪3人で挑むしか…」

 

 

「ならば私が加わります!1位の人!!」

 

 

「うわああああ!?だ、誰!?」

 

すると俺の後ろからゴーグルをかけた桃色の頭髪をした女子が此方に向かって提案した。

 

緑谷は気配もなく急に現れた彼女に驚愕する。

 

俺は彼女の外見を見て直ぐに何処の科か判った。金属とオイルの匂い、そして背中に背負っているアイテム。

 

「もしかしてサポート科の人かな?」

 

「正解です!私は発目明!貴方の事は知りませんが、立場を利用させて下さい!!」

 

「ストレートな要求だ!?」

 

「何か凄いね」  

 

初対面の人間にも遠慮の無い発言に緑谷と麗日さんは呆れる。

 

此方の様子を微塵も気にせず、発目さんは装着したゴーグルを外しながら語り始める。

 

「貴方と組むと必然的に注目度がNo. 1になるじゃないですか!そうすると必然的に私の可愛いベイビーたちが企業の目に留まるわけですよ!」

 

「成る程、自分の作った発明品を企業に売り込む為に1位の俺とチームを組みたいと」

 

「簡単に言うとそう言う事です!!如何ですか!?」

 

グイグイと俺に近寄る発目さんに俺は苦笑する。

 

「良いよ。丁度4人目が決まらなかったんだ、此方こそ君に力を貸して貰いたい」

 

「話の分かる人は嫌いではありません!よろしくお願いします!!」

 

そう言って発目さんは俺の右手を握りブンブンと激しく振る。

 

「か、佳面くん。本当に大丈夫かな、この人…」

 

「色々ぶっ飛んどる人やけど」

 

「こう言う人は自分のメリットの為に全力で力を貸してくれるだろうから、心配ないんじゃない?」

 

「そうかなあ…」

 

「そうやろか…」

 

「そうそう」

 

未だに困惑する緑谷たちに俺はそう答える。

 

そして俺は作戦会議の時間が終了する前にミッドナイト先生の所へ行く。

 

「ミッドナイト先生、1つ質問があります」

 

「何かしら佳面くん?」

 

「俺の個性…変身すると服が装甲の中に隠れてしまうので、騎馬戦が始まる前に変身してから鉢巻巻いてもよろしいですか?」

 

「そう言うことね。良いわ!許可します!!」

 

「ありがとうございます」

 

許可してくれたミッドナイト先生に一礼し、俺は緑谷たちの元へ戻る。

 

「ミッドナイト先生に確認して騎馬戦前に変身してから鉢巻しても良いみたいになったから俺が騎手になるよ」

 

「解った!じゃあ、僕たちは」

 

「騎馬やね!」

 

「お任せ下さい!私の自慢のベイビーたちでサポートします!」

 

「うん、皆お願い。さて…」

 

俺は緑谷たちから少し距離を取り、変身の準備に入る。

 

今回の騎馬戦は中距離攻撃も可能なライダーが有利だろう。それに騎手同士の取っ組み合いも考慮すると接近戦もこなせた方が良い。

 

この条件を元に俺は()()()()()()に変身する事にした。

 

右手を斜め上、左手を斜め下に広げ───

 

 

「変身ッ!」

 

 

変身の叫びと共にまるで拳法の型のような動きを行う。

 

両掌底を上下に合わせてみぞおちあたりで構え、ゆっくりと前方に伸ばして上下を回転させると、出現した変身ベルト【サイクロード】のカバーが開き、風車が回転することで変身が完了する。

 

銀色と黒色のボディにスズメバチの様な仮面、紅くつり上がった大きな複眼、首元には紅いマフラーが風で靡く。

 

この姿は【仮面ライダースーパー1】。

 

惑星開発用改造人間と言う悪の組織ではなく、人類の叡智によって生み出された仮面ライダーである。

 

「凄い!また違う姿に変身した!?」

 

「今度は蜂や!?」

 

「凄い!凄いですよ!!今後のベイビーたちの為に是非仕組みを教えて下さいというより身体の中身見せて下さい!!」

 

「リアクションありがとう。あと中身は見せれないからね発目さん」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

『さあぁぁぁ!!シンキングタイム終了!騎馬も組んで準備オッケー!お前らお待ちかねの本戦開幕だッ!!』

 

『なかなか面白い組み合わせをしてるチームが居るな』

 

会場内で点在する騎馬のチームを見て、相澤先生は面白そうに呟く。

 

「緑谷」

 

「うん!」

 

1番前の騎馬・緑谷

 

「麗日さん」

 

「うん!」

 

その左後ろの騎馬・麗日さん

 

「発目さん」

 

「フッフッフッ、お見せしましょう!私のベイビーたちを!!」

 

右後ろの騎馬・発目さん

 

そしてその上に乗るのは、10000330Pと書かれたハチマキを額に巻いて付けた(仮面ライダースーパー1)

 

 

『始まるぜえええ!!今ッ!合戦がスタァァァァァトッ!!』

 

 

マイク先生の言葉と共に騎馬戦の幕がたった今切って落とされた。




仮面ライダー紹介

仮面ライダースーパー1

レア度【LR】

出典『仮面ライダースーパー1』


チーム佳面 10000330P

騎手 佳面 1,000万P(1位)

騎馬 緑谷 195P(4位)

騎馬 麗日 130P(17位)

騎馬 発目 5P(42位)


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19スレ

第22話投稿します。

募集中のヒロインアンケートご協力ありがとうございます。期間は今月末ですのでまだ投票していない方は宜しければご協力よろしくお願いします。

番外編も連載中ですのでご覧になって下さい。


騎馬戦 後編です。


『始まるぜえええ!!今ッ!合戦がスタァァァァァトッ!!』

 

 

「実質1位(1,000万P)狙いだよなあ!!」

 

「ふははは!早速勝ちに来たよ佳面くん!」

 

マイク先生の宣言と同時に葉隠さんチームを含む2組が此方に迫る。

 

「チェンジ!エレキハンド!!」

 

俺は白いスーパーハンドから青いエレキハンドに換え、エネルギーをチャージする。

 

「エレキ光線発射!!」

 

右手の指先から電撃が放電され、迫り来るB組に直撃する。

 

「「「ギャアアアッ!?」」」

 

「緑谷、前進!」

 

「うん!」

 

個性発動した緑谷が突進し、B組とスレ違い様に俺が鉢巻を奪う。

 

取ったのは「685P」と「370P」の2本。これで合計10,001,055P。

 

『佳面チーム!いきなり鉄鐡チームと葉隠チームから鉢巻を奪取!!しかも騎手の佳面の腕が換わったと同時に電撃光線が炸裂したぞ!つうか腕が換わるってどういう仕組みだ!?』

 

『電撃で相手チームを怯ませてパワー系の緑谷の突進で接近、そして各鉢巻を瞬時に奪取。悪くない連携だ』

 

「凄いよ佳面くん!腕を換える事でそんな力が出せるなんて!?」

 

「驚いてくれるのは良いけど油断しないで」

 

「2人とも!障子くんが来とる!」

 

周りでも乱戦が繰り広げており、2位の轟チームや3位の爆豪チームを狙ったりなど、確実に点数を稼いでいく作戦を取っている中、障子が1()()()此方に接近して来た。

 

「障子くん!?あれ1人…」

 

「違う障子の背中に2人隠れている。この形は…蛙吹さんと峰田か!」

 

視界をX線で確認すると、障子の【複製腕】の中に蛙吹さんと峰田の姿を捉えた。

 

「え!?2人背中に隠れてるの!?」

 

「ケロ、流石ね。佳面ちゃん」

 

「チッ、気づいちまったらしょうがねえ!だが!この障子・絶対防御形態の前では鉢巻を取る事は不可能だああ!!」

 

「何かロボットっぽい!?」

 

「良いですねええ!複数の腕による防御形態!!騎馬の人、是非新型ベイビーの開発の為に身体の構造を教えて下さい!!」

 

「断る!」

 

マッドな発言をする発目さんの誘いを障子は律儀に断る。

 

まあ、そうだよね……。

 

「麗日さん!発目さん!目を閉じて!!」

 

合図に2人は両目を閉じ、俺は右手に持つスイッチを押す。すると事前に発目さんから渡されたサポートアイテムが起動してジェット噴射を起こし、回避する。

 

「と、飛んだああ!?」

 

「逃がさないわ!」

 

峰田は驚くが、蛙吹さんは障子の複製腕の隙間から長い舌を伸ばす。

 

「チェンジ!パワーハンド!!」

 

俺はエレキハンドを今度は赤いパワーハンドに切り換え、伸びた蛙吹さんの舌を掴む。

 

「せえ、の!」

 

俺は掴んだ舌をそのまま放り投げる。

 

「ケロ!?」

 

「うお!?」

 

「ギャアアア!?」

 

舌に釣られて蛙吹さんたちを背負った障子も空中に放り出させ、地面に落下する。複製腕で隠れてた蛙吹さんと峰田も姿を出して地面に転がる。

 

「峰田チーム!騎手が地面に落下したため失格!!」

 

「麗日さん、着地!」

 

「うん!」

 

峰田チームが失格になった事を確認して、麗日に着地の指示を出す。麗日さんも両足に装着されたサポーアイテムのホバー噴射で着地の衝撃を緩和。無事に着地する。

 

「麗日さん大丈夫?俺の【重力操作装置】で負担は抑えられてる筈だけど」

 

「うん!全然平気!まだまだ浮かせれるよ!!」

 

「如何ですか私の可愛いベイビーたち!!可愛いは作れるんですよ!」

 

「うん、予想以上だよ。最っ高だよ、発目さん!」

 

「でしょーー!!」

 

「…浮かせとるからやん」

 

自分の発明品が褒められるのが嬉しいのか発目さんのテンションが上がる。

 

『さあ!各チームでも鉢巻強奪戦が勃発!!1位だけでなく2位〜4位で堅実に点数を稼ぐのも戦略の一つだぜーー!!』

 

『一発狙いよりも確実に点数を稼ぐ方が合理的だ』

 

すると右側から爆発音を感知して振り向くと、空中から爆豪が飛んできていた。

 

 

「調子ノッてんじゃねぇーぞ変身野郎ォォォ!!」

 

 

「かっちゃん!?」

 

「皆、ちょっと行ってくるから着地地点で待機してて。トウッ!」

 

「佳面くん!?」

 

俺は爆豪の迎撃の為ジャンプして騎馬から離れる。

 

「チェンジ!冷熱ハンド!!」

 

「冷凍ガス発射!!」

 

冷熱ハンドに切り換え、爆豪に目掛けて左手から冷凍ガスを噴射させる。

 

「ッメテエ!?」

 

「ごめんね、ハアッ!」

 

「ガッ!?」

 

冷凍ガスで動きを封じた爆豪を蹴り飛ばし、予め指示を出した場所に待機していた緑谷たちに合流する。

 

蹴り飛ばされた爆豪を騎馬の瀬呂がテープで回収する。

 

「凄いよ佳面くん!かっちゃんを撃退するなんて!?」

 

「白から青、青から赤、今度は緑って…一体何種類あるん!?」

 

「全部で5種類だよ」

 

「5種類!?やはり身体を隅々まで見せて下さい!!」

 

「だから見せないって。ッ!?」

 

後ろから気配を感知し、鉢巻を奪おうとする誰かの手を弾く。

 

「クッ、残念。鉢巻は奪えなかったか」

 

奪おうとした正体はB組の金髪の男子生徒。

 

…確か、物間だったっけ。

 

「けど代わりに君に()()()事が出来た!!早速使わせて貰うよ、君の個性を!!」

 

「佳面くんの個性!?」

 

「どういう事なん!?」

 

「…他者の個性をコピーする能力か」

 

してやったりと笑う物間に緑谷たちも動揺する。

 

「正解!!幾ら個性が強かろうと同じ力なら互角になるのさ!!」

 

 

「変身ッ!」

 

 

物間がスーパー1の変身ポーズを取り、()()()()この場の全員が身構える。

 

しかし──

 

「…あれ?」

 

「変身…しとらんね」

 

「そうですね」

 

「おい、物間……?」

 

「どうした?」

 

「何で変わってないんだよ?」

 

物間の姿はスーパー1に変わっておらず、ただポーズを決めた物間の姿があっただけである。

 

「クソッ!よりにもよって()()かよ!?」

 

「冷凍ガス発射!!」

 

「「「ギャアアア!?」」」

 

隙を見せた物間チームに容赦無く冷凍ガスを浴びせ、身動きを封じる。

 

「皆、このまま他のチームと距離を取るよ。ある程度点数を稼げたし、後は逃げまくる」

 

「「「了解!!」」」

 

『佳面チーム、終始無双状態!!もうコイツらを止められるのは誰も居ないのかあああ!!』

 

『まだ決め付けるな』

 

マイク先生の実況を相澤先生が否定すると同時に周りの()()()()()()

 

「後退!」

 

俺の声に皆がほぼ反射で後ろへ下がり、迫り来る冷気から難を逃れる。

 

「そろそろソレ(1,000万)取らせて貰うぞ」

 

冷気を放った場所には轟チームが待ち構えていた。

 

「来たか、轟」

 

「常闇!」

 

黒影(ダークシャドウ)!」

 

『アイヨ!』

 

先手は轟チームの常闇。

 

個性を発動させ、影のモンスターである黒影(ダークシャドウ)で襲わせる。

 

「超高温火炎!」

 

『キャン!?』

 

黒影(ダークシャドウ)!?」

 

俺は黒影(ダークシャドウ)に向かって右手の超高温火炎を放射し、黒影(ダークシャドウ)は炎に怯るんだ。

 

「冷気だけでなく炎も出せるのか!?」

 

「まるで轟さんの!?」

 

『佳面!常闇の黒影(ダークシャドウ)による奇襲を炎で対応!!つうかお前のそれ轟のお株奪ってんだろ!?』

 

『いや…轟は()()()()に対して佳面は凍結と火炎の両方使っている。所謂轟の完成形だ。有利なのは現段階では圧倒的に佳面だ』

 

「…テメエッ!!」

 

轟は今まで見せたことの無い程の怒りに満ちた顔で俺を睨む。

 

「言ったでしょ、半分の力しか使わない君では俺には勝てない。このままやっても不利なのは轟の方じゃないかな?」

 

「勝手に決めつけてんじゃねェ!!俺はお前に…()()()()に負ける訳にはいかねェんだ!!」

 

「落ち着け轟くん!?冷静になるんだ!!」

 

「そうですわ轟さん!!」

 

「憤怒に身を蝕まれるな」

 

怒りで我を忘れて掛ける轟を騎馬の飯田たちが止める。

 

「佳面くん…」

 

緑谷も今の轟を心配しつつも、俺の指示を待つ。

 

「一先ず今は逃げること優先…だけど周りにも注意を払っておいて。あと、常闇の個性の弱点は強い光みたいだからまた奇襲が来たら俺が対処する」

 

「うん!」

 

「分かった!」

 

「了解です!」

 

『さあ、残り時間5分を切ったぞォ!!最後まで足掻けよお前らァァァ!!』

 

作戦が決まり俺たちは轟チームから逃亡し、轟たちも俺たちに標的を絞ってひたすら追い続ける。

 

「チェンジ!エレキハンド!!」

 

「チャージ完了!200万ボルトエレキ光線発射!!」

 

「八百万!」

 

「はい!」

 

轟チーム含む前方に電撃を繰り出すが、轟の指示により八百万は絶縁シートを創造し、それをガード。

 

「チェンジ!冷熱ハンド!!」

 

「冷気ガス発射!!」

 

「飯田!!」

 

「分かってる!」

 

今度は冷凍ガスで動きを封じ込めようとするが、飯田の機動力により回避。

 

黒影(ダークシャドウ)!」

 

『アイヨ!』

 

「超高温火炎!!」

 

『キャン!?フミカゲムリダヨ!チカヅケナイ!』

 

「ク、氷結と業火の二段構え…!」

 

常闇の奇襲に炎で対応し、激しい攻防を繰り広げ、残り時間は2分を切った。

 

すると飯田が──

 

「皆、残り2分。俺は使えなくなる。頼んだぞ!」

 

「飯田?」

 

突然飯田が分からないことを言い出し、轟は思わず困惑する。だが飯田はそれには答えず、左足を前に出し、前傾姿勢を取りながら他の三人に声をかける。

 

「しっかり掴まっていろ!絶対奪れよ、轟君!」

 

すると飯田のエンジンが音を立てながら出力を上げていく。

 

「(来る!)チェンジ!スーパーハンド!!」

 

俺は瞬時にスーパーハンドに切り換え、気を集中させ両手を花の形の様に構える。

 

そして、青い炎が飯田の足の噴射口から勢いよく吹き出す。

 

 

「トルクオーバー!レシプロバースト!!」

 

 

「!?」

 

飯田がそう叫んだ次の瞬間、一瞬で俺たちとの距離を詰め、そして抜き去る。

 

その抜き去る瞬間に轟は俺の鉢巻に手を伸ばし──

 

飯田は噴射口から黒い煙をまき散らしながら、俺たちから離れたところで停止した。

 

『何が起きた!?速えええ!?飯田!そんな超加速があんなら予選で見せろよ!!』

 

実況のマイクが興奮した様子で声を上げる。

 

そして何が起こったのか分からないのは同じチームの()()()()()()()()は戸惑ったように飯田を見ている。

 

「トルクと回転数を無理矢理上げ、爆発力を生んだのだ。反動でしばらくするとエンストするがな。クラスメイトにはまだ見せていない裏技さ」

 

驚きの表情を浮かべて緑谷たちは轟チームを見る。

 

そして飯田も此方の方を向きながら──

 

「言っただろう?緑谷君。君に挑戦す──」

 

飯田が言い切る前に、異変が起きる。

 

騎手の轟がまるで糸の切れた人形の如く崩れ落ちたのだ。

 

「!?黒影(ダークシャドウ)!!」

 

『アイヨ!』

 

地面に落下する寸前、間一髪のところで常闇が黒影(ダークシャドウ)で轟を支える。

 

「どうしたんだ轟くん!?」

 

「轟さん!?」

 

『どうした轟ィィィ!?飯田の超加速後に突然倒れたぞ!まさかあまりの加速に気絶したのかーー!?』

 

『……違う』

 

「(オイオイオイ、マジかよ!?君の実力はそれ程までに凄まじいのか……佳面少年!?)」

 

「(何を……何をやっている焦凍!!)」

 

飯田たちだけでなく実況のマイク先生や会場全体が轟の様子に困惑する。

 

相澤先生・オールマイト・そしてNo.2ヒーローであり轟の父親のエンデヴァーだけが一瞬の刹那に何が起こったのか気づいていた。

 

『どういうこったよイレイザー!?お前何が起きたのか分かるのか!?』

 

『……ほんの一瞬だ。飯田の加速によって佳面チームに急接近し、轟が佳面の鉢巻に手を出そうとした次の瞬間、佳面は右手で轟の手を弾いて空いた左手で轟の顎に拳を当てた。拳が顎に当たった事で脳が激しく揺れて脳震盪を引き起こしたんだ……格闘技の試合でも稀に見られる現象だ』

 

「馬鹿な!?俺のレシプロはクラスの皆や先生方にも教えていない技だ!!そんな一瞬でカウンターを合わせるなんて──」

 

「…赤心少林拳【梅花の型】」

 

俺は相澤先生の解説に困惑する飯田にそう答える。

 

「は?梅花?」

 

「そう。拳を繰り出し、敵の攻撃をいなして防御する技。花を包み込む『梅花』の様な姿からそう名付けられた。俺は【梅花の型】で轟の手をいなし、拳を轟の顎に目掛けて放った。あとは相澤先生の解説通り、轟は脳震盪を起こしたと言う事だ」

 

「それと飯田。悪いけど()()()()()()()では俺を出し抜く事は出来ないよ」

 

「そ、そんな……」

 

あまりにも信じられない現実に飯田は戦意喪失する。

 

『あっっっとうてきだぁぁぁ!!佳面来太!この男に死角は無い!!』

 

 

残り時間、俺たちはひたすら逃げの一手を続けて時間切れ(タイムアップ)となった。

 

佳面チーム 10,001,055P。

 

不動の1位通過で騎馬戦を終えるのであった。




佳面チーム、騎馬戦を1位通過。
スーパー1無双で終始圧倒。チームメイトとの連携を忘れず相手チームに隙を見せず圧倒した。


物間、やらかす
物間の個性【コピー】でライダーくんの力をコピーしようとするも失敗。理由は、ライダーくんの仮面ライダーの力は所謂【転生による特典】なのでヒロアカ世界に最初から存在しない力のためコピー不可能。


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20スレ

FGOで漸く第2部6章クリア出来ました……。
ストーリーの内容に私の心はボドボドダァッ(オンドゥル風)。
ガチャでは取り敢えず6章の全キャラを我がカルデアにお迎えする事が出来ました。後はオベロンのレベル上げ・霊衣解放とハベトロットの宝具レベルを上げる作業に入りますっと思ったらモルガンの霊衣も追加だと!?

番外編も連載中ですので是非ご覧になって下さい。

そんな事より第23話を投稿します。

今回はスレと轟との会話です。
それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

40:雄英の仮面ライダー

皆さん、お疲れ様です。

何とか1位通過となりました。

 

41:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れ!

 

42:サクラギ研究所のリサーチフェロー

見事な無双っぷりだったよ!

 

43:太刀川隊の狙撃手

鉢巻奪う以外に周囲の警戒も良かったね。

 

44:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

飯田のレシプロに対してのカウンターには痺れたよ!!

 

45:杜王町の幽波紋使い

あの一瞬でよくカウンター取れたな。

 

46:雄英の仮面ライダー

>>44>>45

はい。

グラップラーニキとの特訓で【梅花の型】を完成出来たのが大きな勝因でした。

グラップラーニキ、特訓付き合ってくれてありがとうございました!!

 

47:虚刀流のグラップラー

気にしないで。

こっちも良い特訓になったからね。

 

48:空座町の無下限呪術師

いや〜、凄かったね〜!

 

49:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

呪術ニキ!?

 

50:サクラギ研究所のリサーチフェロー

アンタ、ライダーくんに「東京卍リベンジャーズ」のマイキーの台詞言わせたな!!

 

51:空座町の無下限呪術師

うん。

インパクト残せたでしょ♪

 

52:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

前に真面目に考えるって言ってたじゃないですか!?

 

53:太刀川隊の狙撃手

まあ、お陰で会場は盛り上がりはしましたけどね…。

 

54:空座町の無下限呪術師

>>53

でしょ。

ライダーくん、選手宣誓の後の反響どうだった?

 

54:雄英の仮面ライダー

今昼休憩中で皆と食堂でお昼食べてますけど、なんでもツ○ッターで俺の名前と"日和ってる奴いる?"がトレンド入りしたそうです。

 

55:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)

>>54

マジか!?

 

56:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

SNSで話題になるなんて凄いぞ!?

 

57:サクラギ研究所のリサーチフェロー

これでライダーくんは全国的に有名になった訳か。

 

58:太刀川隊の狙撃手

大変な事になりそうですね。

 

59:虚刀流のグラップラー

狙撃ニキ、不穏な事を言うんじゃないよ。

 

60:杜王町の幽波紋使い

まあ、良くも悪くもライダーくんの名が全国で知られるのは良いことじゃあないか?

知名度的に。

 

61:雄英の仮面ライダー

>>60

ですね。

名前を知って貰えればプロからも認知されるかもしれませんし、ポジティブ思考で考えていこうと思います。

 

62:空座町の無下限呪術師

うんうん!

そう言うの嫌いじゃないよ。

 

63:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>62

アンタは少し反省しろよ。

 

64:太刀川隊の狙撃手

この人を止める手段は無いだろうな。

 

65:サクラギ研究所のリサーチフェロー

諦めるしか無いでしょうね…。

 

66:杜王町の幽波紋使い

それで、次の種目は決まっているのか?

 

67:雄英の仮面ライダー

いえ。

昼休憩後に発表されるみたいなので。

けど、過去の事例から考えると1vs1のトーナメント戦になる可能性が高いと思います。

 

68:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

お、過去にもトーナメント戦あったんだ。

 

69:虚刀流のグラップラー

俺たちは原作でしか体育祭の知識は無いから過去の内容は流石に知らないな。

 

70:太刀川隊の狙撃手

まあ、落ち着いて本来の実力が出せればライダーくんなら問題ないでしょうね。

 

71:空座町の無下限呪術師

>>70

だね。

ヘマしない限り決勝の途中でコケる事は無いでしょ。

 

72:雄英の仮面ライダー

はい。

油断せず頑張ります。

 

 

「悪い佳面。今良いか?」

 

「どうしたの轟?」

 

「少し話がしたい、時間くれないか?」

 

「……分かった。大丈夫だよ」

 

 

すいません、少し外します。

 

73:空座町の無下限呪術師

了解。

行ってらっしゃい。

 

74:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ねえ、轟から話があるのって……。

 

75:サクラギ研究所のリサーチフェロー

多分、自分の過去について話すんじゃないですかね。

 

76:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

轟の過去はかなり重いからなあ。

 

77:太刀川隊の狙撃手

これは、俺たちは干渉出来ませんね。

 

78:杜王町の幽波紋使い

そうだな。

ライダーくんに任せよう。

 

79:虚刀流のグラップラー

そうですね。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

俺は同じ理由で轟に連れられる緑谷と共に会場の通路に着く。

 

「悪いな2人とも。急に呼び出しちまって」

 

「ううん、大丈夫だよ轟くん。丁度お昼食べ終わっていたし…」

 

「俺も構わないけど…なんで俺たちを呼んだのかな?それを聞かせて欲しいな」

 

俺の質問に轟は頷く。

 

「お前たちと話がしたかった。聞きてェ事があってな、まず緑谷」

 

「な、なに?」

 

緑谷は動揺する。

 

「単刀直入に聞く。お前はオールマイトの隠し子か何かか?」

 

「(オールマイトの隠し子?)」

 

突然の爆弾発言に俺も緑谷を見る。

 

「ち、違うよ!僕がオールマイトの隠し子なんて……」

 

「…そうか。お前の個性はオールマイトと同じパワー系だし、何よりオールマイト気に入られてるからそう思ってたが……勘違いだった、悪りィ」

 

「う、ううん」

 

勘違いだった事に気づき、轟が謝罪し緑谷はそれを許す。

 

「俺の父親が()()()()……おまえたちは知っているよな」

 

「No.2ヒーロー・エンデヴァー……だよね」

 

轟の問い掛けに俺が答える。

 

「そうだ。親父はオールマイトを超えようと、倒そうとして辿りつけなかった存在……。そんなオールマイトと関係がある緑谷と俺が一度も勝てない佳面。そんなお前たちだからこそ、話そうと思ったんだ」

 

轟は少しの間目を閉じ、そして語り始める。

 

「俺は…()()()()()()()()()()という親父の野望の為に、()()()()()()()なんだ」

 

轟から聴かされた話は、想像以上に悲惨で心苦しい内容だった。

 

父親であるエンデヴァー・轟炎司はオールマイトの存在によって万年No.2ヒーローである事。

 

自分ではオールマイトを超える事が出来ない為、氷結系の個性を持つ轟の母親・冷と結婚し、半冷半燃の個性を持つ子どもを生み出そうとし、漸く4人目の子ども…つまり轟本人が生まれた事。

 

物心付いた頃から父親の()()()()()鍛錬を受けていた事。

 

次第に母親の精神が蝕まれ、遂には轟の顔の左側に熱湯をかけてしまった事で現在精神科の病院に入院している事。

 

そんな母親に対して父親が何もしなかった上に原因を母親に押し付けた事。

 

この日、僅か5歳の轟は決意した。

 

母を苦しめた父に復讐することを。

 

轟にとって自らの個性は、父親がもたらした【呪い】であると同時に、その呪いに立ち向かう為の【力】となった。

 

「これが、俺の過去であり、誰が相手だろうと負けられない理由だ」

 

「俺の記憶の中の母親は、いつも1人で泣いてた。あの男のくだらない【夢】の為に、今も病院に居る。……だからこそ、俺は左は使わねえ…お母さんの力で1番になって、あいつを真っ向から否定する為に!!」

 

「轟くん…」

 

「……」

 

轟の壮絶な過去を聞いた緑谷は絶句する。

 

世間から見れば、父親がNo.2ヒーローである家庭に産まれた轟の人生は実に華やかなものだろう。

 

しかし、その実態は一般的な家庭でもある【幸せ】とはかけ離れたものであった。

 

「……2人とも、時間取らせて悪かったな」

 

全てを言い終えた轟は、俺たちに頭を下げる。

 

そんな轟に俺は1つ質問する。

 

「轟はなんでヒーローを目指すの?」

 

「え?」

 

俺の質問に轟は顔を上げる。

 

「エンデヴァーの…父親の野望に逆らいたいのなら、そもそもヒーローなんて目指さなければ良い。雄英に進学せずに…いやヒーロー科じゃなく一般高校の普通科に行けば良かったんじゃない?そうすれば父親の野望から解放されるでしょ。何でそうしなかったの?」

 

「それはっ…」

 

俺の問い掛けに轟は言葉を詰まらせる。

 

「佳面くん!そんなこと言わなくてもッ!?」

 

緑谷も轟にこんな質問をした俺を止めようとする。

 

「そうしなかったって事はさ…、父親の野望とは関係無く轟の心の何処かで()()()()()()()()()()()()って思ったからじゃないかな?」

 

俺の言葉に轟はハッとする。

 

「どんなに過酷な鍛錬を続けてきたのも、雄英ヒーロー科に入ったのも、父親への復讐以外にヒーローになりたいって君自身がそう思った理由があるからじゃないの?」

 

「俺が……ヒーローになりたいと思った理由」

 

「それをまず思い出した方が良いと思う。復讐をしたいにしろ、ヒーローを目指すにしろ、その理由を思い出さないと……君は前に進めない。そんな気がする」

 

俺は少し笑いながら、話を付け加える。

 

「それとさ、轟は今日の青空がとても綺麗な事に気付いてる?」

 

「は?青空?」

 

轟はいきなり何を言ってるんだって顔をする。

 

「障害物レースの時や騎馬戦の時にさ、今日の青空を見なかった?緑谷は見た?」

 

「え!?ご、ごめん。体育祭に集中し過ぎて空を見る余裕が無かったと言うか…」

 

「そうなの?なら後で2人とも見てみなよ。すっごい綺麗な青空なんだよ。じゃあこれは?今日の警備にシンリンカムイとMt.レディが居たのは?」

 

「あ!それは知ってるよ!!しかも2人の近くにデステゴロも居たよね!?」

 

「そうそう!ヘドロ事件の時も3人は現場に居たよね」

 

「うんうん!」

 

ヒーローの話に切り替えると緑谷が凄い勢いで反応する。

 

「なあ、さっきから何を言ってんだ?」

 

質問の意図が分からず轟は訊く。

 

「要はさ、目標にひたすら突き進むのも良いけど、少し周りを見てみたらって事。そうしたら、さっきまで気づかなかった事にも気づく事が出来るんじゃないかな」

 

「轟は目的の為に愚直過ぎると言うか、真面目過ぎるんだよね。たまにはさ……寄り道しても良いと俺は思うよ」

 

「今日の青空も観客の人たちにどんな人が居たのかも、ちょっと見るだけで知らなかった事を知る事が出来る」

 

「今ある景色は今にしか存在しないんだから。それに気づかないのは勿体ないよ」

 

最後に轟に向けて俺は笑顔で言う。

 

「もっと楽しもうよ!今日の体育祭をさ。楽しんで良いんだから!!」

 

「俺からは以上!じゃあ2人とも、また後でね!」

 

そう言って俺は2人に背を向けて歩き、その場を離れる。

 

 

ちなみに通路の角に爆豪が壁に背中を付けて隠れていたのを目撃したが、"黙ってろ!"的なジャスチャーをしてたので、敢えてスルーした。




ライダーくん、何か五代雄介風な事を轟に言う
轟の過去を聴かされて、原作主人公の緑谷を他所に【仮面ライダークウガ】の主人公・五代雄介っぽい台詞を言っちゃうライダーくん。
果たして轟はライダーくんの言葉をどう捉えるのか。私的に轟には重い荷物(過去)を枕にして深呼吸して青空を見て欲しい。

乞うご期待!!


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21スレ

第24話の投稿です。

今回からトーナメント戦に入ります。
対戦カードの内容は原作と変更してますのでご了承下さい。

今回ライダーくんが変身する仮面ライダーのヒントは「聖剣」「ワンダーライドブック」「ランプの魔神」です。

それでは、どうぞ。



昼休憩が終了し、遂に雄英体育祭 午後の部が開始する。

 

『さあ!昼休憩が終わり、ここからは最終種目の時間だァ!!だがその前に失格者の皆に朗報だ!!今日はあくまでも体育祭!全員参加のレクリエーションが用意されてるぞ!!そして、本場アメリカからチアリーディングのガールズも来てくれて会場の盛り上がりも最高潮!!……なんだが、1つだけ突っ込ませてくれ』

 

会場を盛り上げていたマイク先生は視線をヒーロー科A組の生徒に向ける。

 

 

『どーーーしたA組!?』

 

 

A組と言っても女子生徒たちを指しているが、そのA組女子全員が()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…よくよく考えれば相澤先生が飯田や佳面じゃなくて峰田に伝言を頼むわけ無いじゃん」

 

「峰田さん!騙しましたわね!?」

 

 

「チョーイイネ!サイコーーー!!」

 

 

八百万さんの声が聴こえてない程、峰田のテンションは体育祭開始以降、最高潮に達していた。

 

「峰田。どういうことか、説明してくれないかなあ?」

 

俺は【草加スマイル】で峰田を問い詰める。

 

「ヒィッ!?い、良いじゃねえかよ!体育祭と言ったら女子の華やかなダンスは必須だろうが!!」

 

「いや、まず騙した時点でアウトだ」

 

「流石にダメだろ」

 

「峰田くん!女性を騙すなんてヒーロー科の風上にも置けない行為だぞ!!」

 

他の男子たちも峰田の意見を否定する。

 

「まあまあ、良いじゃん。折角だし楽しまないと!」

 

そこに葉隠さんが割って入る。

 

「は、葉隠ぇ」

 

「けど後で皆に謝ってよね!……それと〜。どうかな、佳面くん!似合ってるかな?」

 

葉隠さんは俺の前に立ってポーズを取る。

 

「ん?うん、元気な葉隠さんにとても似合ってる。可愛いよ」

 

「えへへ〜。そうハッキリ言われると照れるね〜」

 

顔は見えないが()()で照れてる事が何となく分かる。

 

「皆も。経緯はアレだったけど凄く似合ってるよ」

 

「ケ、ケロ。ありがとう佳面ちゃん」←蛙吹さん

 

「うーん、まあイケメンに褒められたならいっか!」←芦戸さん

 

「か、佳面さん!?あまり見ないでくださいまし!!」←八百万さん

 

「あ、ありがとね!」←麗日さん

 

「……ジロジロ見んなッ」←耳郎さん

 

流石に葉隠さんだけ褒めるとダメかと思い、他の女子たちも褒める。

 

「んだよこの格差はよーーー!!イケメンなら何やっても許されんのか!?」

 

今度は峰田が血涙を流しながら俺に怒鳴りつけてきた。

 

「いやいや、俺イケメンじゃないからね」

 

歴代の仮面ライダー俳優の方々の方が断然イケメンだし。

 

「止めろ佳面!これ以上峰田を刺激するな!!」←切島

 

「お口チャックしてくれ!」←砂藤

 

「お前その発言俺にもダメージ来てるからな!?」←瀬呂

 

「…無自覚な魅了」←常闇

 

「そうだな」←障子

 

「佳面は少し自分の外見を自覚すべきだと思うよ」←尾白

 

コクコクッ←頷く口田

 

「ぼ、僕はカッコいいと思うよ佳面くん!」←緑谷

 

「男は外見じゃない!紳士の精神と立ち振る舞いが大事だぞ峰田くん!!」←飯田

 

「うぜぇ」←爆豪

 

「…言うほどおかしくねえんじゃねェか?」←轟

 

なんだかんだ騒動は落ち着き、レクレーションが始まる。

 

……あと、葉隠さんに脇腹を殴られた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

80:雄英の仮面ライダー

レクレーションも終わって、最終種目は読み通りトーナメント戦になりました。

 

81:虚刀流のグラップラー

遂に来たか。

 

82:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

レクレーションどうだった?

 

83:雄英の仮面ライダー

俺は玉転がしに参加しました。

結構楽しかったです。

借り物競走で峰田が【背脂】を引いたので、売り子販売で買ったポテトチップ 豚骨ラーメン味(背脂を使用)を借したりしたくらいですかね。

 

84:サクラギ研究所のリサーチフェロー

え?

何そのポテチ。

 

85:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

想像しただけで胸焼けしそうな味だね。

 

86:空座町の無下限呪術師

美味しそうだね。

 

87:杜王町の幽波紋使い

それで、対戦カードはどうなったんだ?

 

88:太刀川隊の狙撃手

本命はそっちでしょ。

 

89:雄英の仮面ライダー

対戦カードはこの様になりました。

 

 

第1試合 俺vs拳藤(B組)

 

第2試合 轟vs瀬呂

 

第3試合 緑谷vs心操(普通科)

 

第4試合 飯田vs発目(サポート科)

 

第5試合 芦戸vs取蔭(B組)

 

第6試合 常闇vs八百万

 

第7試合 切島vs 小森(B組)

 

第8試合 麗日vs爆豪

 

90:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ライダーくん第1試合!?

 

91:虚刀流のグラップラー

それと対戦カードが原作と違いますね。

 

92:太刀川隊の狙撃手

ですね。

所々変わってます。

 

93:空座町の無下限呪術師

まあ、原作改変なんて前からあった事だしね。

 

94:サクラギ研究所のリサーチフェロー

この内容次第で今後どうなるのか気になりますね。

 

95:杜王町の幽波紋使い

ライダーくん、今回はどんなライダーで行く気だ?

 

96:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ここまで昭和・平成の仮面ライダーに変身したから、まさか令和ライダーになるのか?

 

97:雄英の仮面ライダー

>>96

そうですね。

せっかくなので令和ライダーで行きます。

……それじゃあ、そろそろ時間なので行ってきます。

 

98:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

頑張れ!

 

99:虚刀流のグラップラー

負けるなよ!

 

100:太刀川隊の狙撃手

落ち着いてな。

 

101:サクラギ研究所のリサーチフェロー

行けるとこまで行って来い!

 

102:杜王町の幽波紋使い

焦るなよ。

 

103:空座町の無下限呪術師

目指せ優勝!!

 

104:雄英の仮面ライダー

はい!

行ってきます!!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

『リスナーの皆ァ!!待たせたなッ!気分はさながら初恋の相手とのデートで待ち合わせしてるみたいな感じかァ!?』

 

『どんな例えだアラサー』

 

『うるせえよっ!?お前もだろ!ンンッ!気を取り直して第1試合の対戦は──』

 

 

マイク先生の呼びかけに応じ、俺はスタジアムに出る。

 

目の前にはセメントス先生が造ったセメント製のフィールド用意されていた。

 

 

『ここまでの戦績は不動の1位!キッズが憧れそうな個性No.1!今度はどんな変身を観せてくれるんだァ!!ヒーロー科!佳面来太!!』

 

『続いてはコチラ!可憐な容姿と侮る勿れ!その巨大な手で勝利を掴めるかァ!!同じくヒーロー科!拳藤一佳!!』

 

フィールドの中心で俺と拳藤さんが対面する。

 

審判役は引き続きミッドナイト先生が担当する。

 

「佳面くんが変身してから試合を始めます!さあ、佳面くん。準備は良いかしら?」

 

「はい。配慮して頂き、ありがとうございます」

 

特別ルールとかではないが、俺の場合変身してから試合を開始する仕様にしてくれた事にミッドナイト先生に感謝する。

 

目の前に立つ対戦相手、拳藤さんを見ると()()()少し目を逸らされる。

 

それに微かだが顔が赤くなっている様にも見える。

 

「(何だ?…ダメだ集中しないと)よしっ」

 

俺は右手に変身ベルト【聖剣ソードライバー】、左手に【ランプドアランジーナワンダーライドブック】を実体化させ、ベルトを装着する。

 

 

『聖剣ソードライバー』

 

 

続けて左手のワンダーライドブックを開く。

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

『とある異国の地に、古から伝わる不思議な力を持つランプがあった…』

 

 

ワンダーライドブックを閉じてベルトに搭載された【物語】のスロットにセットする。

 

するとベルトからロック調の待機音が鳴り響き、俺の背後に巨大な【ランプドアランジーナワンダーライドブック】が空中に出現した。

 

俺はベルトに納刀された【雷鳴剣黄雷】の【ソードグリップ】を掴み、抜刀する。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

「変身ッ」

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

抜刀した事でベルトにセットされたワンダーライドブックが展開し、そのまま雷鳴剣を下から斬り上げる。

 

雷鳴剣から稲妻の斬撃が放たれると、背後の巨大なワンダーライドブックからランプの妖精【ランプドアランジーナ】が飛び出して俺の周囲を回転しながら包み込む。

 

そして、俺の姿は右半身の甲冑【ライドライト】に中心の甲冑【ソードローブ】、左半身の甲冑【スファーラムメイル】を纏い、顔には雷鳴剣の刀身と同じ形状の【ソードクラウン】に先程放たれた斬撃が戻り【サイプラズマバイザー】へと変化した。

 

 

『黄雷一冊!』

 

 

『ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!』

 

 

この姿は【仮面ライダーエスパーダ ランプドアランジーナ】。

 

迷いながらも大切な友だちとの約束を守る為、己の使命を貫く1人の剣士と同じ姿に変身を遂げる。

 

「また別の姿になったぞ!?」

 

「今度は剣を使うのか…」

 

「変身する個性は稀にあるが、こうも異なる姿になるとは!?」

 

俺の変身に会場が盛り上がる。

 

『またまた佳面、違う姿に変身したーー!?おいおい、イレイザー!お前の生徒凄過ぎねえか!!』

 

『さあな。しかし、変身するまでのプロセスを見る限り騎馬戦で観せたものとは別で電撃を繰り出すタイプかもな』

 

『何だよ何だよ本当に今日は良く喋るなミイラマン!!さあさあ!試合開始前から盛り上がって来たぜ!!それじゃあ、2人とも準備は良いな!!』

 

マイク先生の呼び声と同時に俺は重心を下げて、拳藤さんも真剣な表情になってそれぞれ構える。

 

 

『第1試合!Ready Goーーーー!!』

 




仮面ライダー紹介

仮面ライダーエスパーダ

レア度【SR】

出典『仮面ライダーセイバー』


ライダーくん、実はイケメン説?
本人が言うほどライダーくんの顔立ちは悪くない。例えるなら竹〇〇真さんのアスリート系な爽やかさと〇沢亮さんのミステリアス感が合わさった様な感じをイメージすれば分かりやすいかな……イケメンだな。ちなみにライダーくんの身長設定は185cmです。

ライダーくん、拳藤と面識あり?
いつもB組では姉御肌な拳藤がライダーくんの前だとちょっと様子がおかしいぞ。それについては次回明らかになります。


トーナメント戦でのライダーくんの扱い
試合開始前に変身するのは反則では?と言う意見を持たれる方が居ると思うので説明します。トーナメント戦でのライダーくんの扱いは【仮面ライダービルド】の代表戦をイメージしてます。アレも変身完了してから試合開始してましたので、ライダーくんも変身完了してから試合開始とします。


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22スレ

第25話を投稿します。

今回はエスパーダvs拳藤と前回匂わせてた拳藤とのエピソードをメインに行きます。

それでは、どうぞ。


『第1試合!Ready Goーーーー!!』

 

 

マイク先生による試合開始の合図と共に、拳藤さんは両手を巨大化させ接近しようとする。

 

「遅い」

 

俺は【サイプラズマバイザー】越しに拳藤さんを睨み付ける。

 

「な!?か、身体が動かない!?」

 

すると拳藤さんの身体は痺れて動かなくなり、その隙に俺は雷鳴剣をベルトに再納刀し、【イカヅチトリガー】を1回引く。

 

 

『必殺読破!』

 

 

そして雷鳴剣を再度抜刀。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

「トルエノ・デストローダ」

 

 

『アランジーナ!一冊斬り!』

 

 

雷鳴剣の刀身に稲妻を纏い、目に見えぬほどの速度で居合い斬りを放つ。

 

斬撃の後、拳藤さんの頭上から落雷が発生し、2撃目が追撃される。

 

「これで話は終わりだ」

 

 

『サンダー!』

 

 

神速の居合斬りと落雷の2連撃に、拳藤さんは倒れる。

 

「……ハッ!拳藤さん戦闘不能!佳面くんの勝ち!!」

 

ミッドナイト先生の宣言に、反応が遅れた会場が熱気を取り戻すかのように沸き上がった。

 

 

『い、一瞬だあぁぁぁ!?佳面の目にも止まらない程の超スピードによる居合斬りと落雷に拳藤ノックダウーーーン!!解説する暇すら与えない早技で佳面来太、早くも2回戦進出!!つーーか!俺たちに仕事させろ!!』

 

『相手に何もさせず短期決戦で決める。合理的な戦闘だったな』

 

相澤先生とマイク先生のアナウンスを他所に、変身解除した俺は気絶で倒れている拳藤さんに駆け寄り、抱き抱える。

 

「このまま拳藤さんを医務室へ運びます。よろしいですか?」

 

「え、ええ。お願いね!」

 

「はい。失礼します」

 

俺は拳藤さんを抱き抱えてたまま、医務室へ向かう。

 

『佳面!試合後のアフターケアを忘れず拳藤を“お姫様抱っこ"で医務室へ向かったーー!!おいおい心身ともにイケメンかよ!?』

 

『佳面、そのままお前も婆さん(リカバリーガール)に一応診て貰って来い』

 

この光景に()()()会場から生暖かい視線を向けられるも、俺は無言で拳藤さんを医務室へ運ぶ。

 

 

「(何か葉隠さんと蛙吹さんが()()()()()様に見えたけど、まあ良いか)」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

105:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ライダーくん、必殺技による初見殺しで1回戦突破かあ。

 

106:サクラギ研究所のリサーチフェロー

それもありますがライダーくんが睨んだら拳藤さん金縛りになってましたけど。

 

107:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ライダーくんが変身してたエスパーダのバイザーには睨んだ相手を痺れさせる効果があるんですよ。

俺との模擬戦の時でも使ってました。

 

108:虚刀流のグラップラー

>>107

あれ?円卓ニキにも効果あったの?

対魔力スキル持ってるのに。

 

109:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

エスパーダの力は魔力とは無関係なんですよ。

俺が防げるのは魔術関係だけですので。

 

110:杜王町の幽波紋使い

まあ、その辺は相性とかあるからな。

 

111:太刀川隊の狙撃手

ですね。

一先ず2回戦に進出が決まって良かったですね。

だけど次の対戦相手は……。

 

112:空座町の無下限呪術師

まあ轟になるだろうね。

瀬呂じゃ勝てないのは目に見えてるし。

 

113:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

まあ、轟くんに勝てるのって1年生だと限られてますし。

 

114:杜王町の幽波紋使い

2回戦はより勝負が大変になると言うことか……。

 

115:虚刀流のグラップラー

ライダーくんを信じましょう。

 

116:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ですね。

しかし、試合開始前の拳藤の様子おかしくなかったですか?

 

117:太刀川隊の狙撃手

そうですね。

ライダーくんを意識してた様子でしたよね。

 

118:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

なんだろう、ライダーくんに親近感が湧いてきたんだけど。

 

119:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

恋愛クソ雑魚ナメクジな円卓ニキとライダーくんは違うでしょ。

 

120:空座町の無下限呪術師

いい加減どうするか決めたら?

 

121:杜王町の幽波紋使い

相手を決めれないのならハッキリ言った方が後々面倒にならないんじゃあないか?

 

122:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

>>119>>120>>121

簡単に言わないでくださいよ!!

キッパリ言って関係がギスギスしたら気不味いじゃないですか!!

そんなこと言うなら何か解決案を下さいよ!!

 

123:虚刀流のグラップラー

>>122

ふざけんなよッ!!

俺なんて喧嘩好きの漢たちにほぼ毎日闘いを申し込まれているのに人の恋路に口挟めると思うなよ!?

逆にこっちが助けて欲しいわ!!

 

124:サクラギ研究所のリサーチフェロー

グラップラーニキ落ち着いて!?

 

125:太刀川隊の狙撃手

あーあ、グラップラーニキの地雷踏んじゃった。

 

126:空座町の無下限呪術師

円卓ニキ、何とかしなよ。

 

127:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

君が発端だからね。

 

128:杜王町の幽波紋使い

自分で何とかしろよ。

 

129:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

>>125>>126>>127>>128

あれ!?

まさかの味方0!?

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【医務室】

 

「(何かスレニキたちが騒いでるなあ)リカバリーガール、拳藤さんの容体は」

 

「攻撃の衝撃とダメージで気を失ってるだけさね。これ位なら私の治癒で治せるよ。チユ〜〜〜〜〜〜!!」

 

看護教諭のリカバリーガールの唇が伸びてベッドで眠っている拳藤さんの頬に触れると、みるみる怪我が治癒されていった。

 

「はい終了。いや〜〜〜若いと生命力に溢れてて治療が早く済むよ。ほら、アンタも診ておこうかね」

 

「あ、いえ。特に怪我してませんし、遠慮し──」

 

「いいから、診せな。それとも強制で治癒した方が良いかい?」

 

断ろうとしたらリカバリーガールから圧を感じて、思わずビクッとした。

 

「お、お願いします……」

 

「分かればよろしい」

 

俺は観念して回転椅子に座り、リカバリーガールの診察を受ける。

 

「うん、特に怪我や何処か痛めてるとかは無いみたいだね。身体は?しんどかったり気怠さとかは無いかい?」

 

「はい、特には。普段から鍛えてるので体力には自信あります」

 

「そーかいそーかい。確かに服の上からでも良い筋肉の感触が分かるからね〜。私がもっと若ければ……」

 

「何言おうとしてるんですか」

 

何故か身の危険を感じて、思わずツッコんでしまった。

 

「冗談さね。ノリが悪いね〜。まあ……USJの時よりかはマシで良かったさね」

 

USJの事を言われ、俺は口を閉じる。

 

「あの時、アンタが頑張ったお陰で幸い誰も死なずに済んだけど、治療を担当する人間からしたらあまり無茶はしないでくれると助かるんだけどね」

 

「…すいません」

 

「まあ、今更な事を言うのもアレだからこれくらいにするけど、自分の命は大事にしなきゃダメさね。ヒーローを目指すなら尚更ね」

 

「はい…」

 

「ン……此処は……」

 

すると、拳藤さんの意識が回復し、うっすらと目を開ける。

 

「気がついた?」

 

「え……?か!佳面来太!?」

 

俺の顔を見た拳藤さんは勢いよくベッドから上体を起こす。

 

「此処は医務室だよ。俺が君を運んだんだ」

 

「そ、そうなんだ……。あ、ありがと……」

 

「どういたしまして。身体は大丈夫?さっきリカバリーガールの治療を受けたばかりだから」

 

「え?あ、うん。ちょっと疲れてるけど…大丈夫」

 

「そっか。良かった」

 

取り敢えず大丈夫な様子に俺は安堵する。

 

拳藤さんは何かを思い出したかの様にハッとする。

 

「試合は!……そっか……私の負けか……」

 

「……うん」

 

「そっか〜。悔しいなあ」

 

拳藤さんは悔しながら笑う。

 

「けど、うん。仕方ない。次にリベンジすれば良いし!その時は今度は私が勝つからねッ!!」

 

「……ああ。けど次も俺が勝つよ」

 

「言ったな!絶対勝ってやるから覚悟しなよ!!」

 

直ぐに元気になった拳藤さんはリベンジを宣言し、俺も応える。

 

ふと、俺は気になってた事を拳藤さんに質問する。

 

「拳藤さん、1つ質問しても良いかな?」

 

「うん?何?」

 

「試合開始前に拳藤さんは俺を見てなんか様子がおかしかったけど、俺君に何かしたかな?」

 

「え!?私、顔に出てた!?」

 

「うん」

 

拳藤さんは顔を赤くして驚き、毛布で顔を隠した。

 

「う〜〜〜〜!マジか……顔に出てたか……」

 

「俺は君とは今日の体育祭でしかちゃんと面識が無くてさ、何かしたなら謝りたいんだけど」

 

「ち、違う!アンタは何も悪くなくて、私が一方的に──」

 

「一方的に?」

 

毛布から顔を出した拳藤さんは何を言えば良いのか口をモゴモゴさせる。

 

「か、佳面ってさ、()()佳面来太だよね」

 

「えっと……どう言う意味?」

 

「その……2年前までモトクロスの大会で優勝しまくってたよね」

 

彼女の言葉を何となく理解する。

 

俺はオヤッさんの薦めで中学2年生までモトクロス(オートバイ競技の1種)のジュニア大会に出場し、出た大会全て優勝した事があって雑誌やテレビの取材を受けていた。

 

「うん、そうだけど。よく知ってるね」

 

「私の父親がバイク好きでさ、その影響で私もバイクが好きでよくバイク雑誌とか読んだりオートバイレースを観戦したりしてさ。その時に……アンタを知ったんだ」

 

「そっか……何か嬉しいな」

 

世界の人口の約8割が個性を持つこの個性社会で一般的なスポーツやレース関係は全盛期よりも人気が落ちている傾向にあった為、こうも知ってくれてる人が居ると此方も悪い気はしない。

 

「私の父親が取那藤兵衛さんの現役時代からのファンでさ。その人がコーチしてるアンタに興味を持って……その……ファンになってさ」

 

「そうだったのか……」

 

顔を赤らめながら話してくれる拳藤さんに、俺は嬉しさで笑う。

 

「良かったらウチのコーヒーショップに来てみない?現役時代のオヤッさんの写真あるし」

 

「え!?実家コーヒーショップなの!?」

 

「そうそう。オヤッさんがオーナーをしててさ。たまにコーヒー淹れてくれるよ。俺もウェイターの手伝いしてるし。それに料理も凄く美味しいから是非来てくれると嬉しいな。学生割引もしてるし」

 

「行く行く!私コーヒー好きでさ!!絶対行くよ!!」

 

「アンタたち、此処は医務室だよ。逢引きなら他所でやってくれないかい?」

 

盛り上がっていた所でリカバリーガールが話に割って入り、俺と拳藤さんもピタリと会話を止める。

 

「逢引きじゃないんですけど……。じゃあ、俺はそろそろ観客席に行くよ。他の試合も気になるし」

 

「う、うん。その、また話しても良いかな?」

 

拳藤さんは不安そうに聞く。

 

「うん、全然良いよ。折角知り合えたんだし、俺もまた話がしたいな」

 

「そっか、じ、じゃあ!またな!!」

 

「うん。またね」

 

少し手を振る拳藤さんに俺も手を振って応え、医務室を出る。




ライダーくん、2回戦進出
エスパーダの【サイプラズマバイザー】に睨まれた相手は身体が痺れて動かなくなる効果があり、拳藤はそれによって一種のスタン状態となり
瞬時に必殺技【トルエノ・デストローダ】でK.O(一応峰打ち)。


拳藤一佳、ライダーくんのファンだった
ライダーは小学〜中学時代にモトクロス(オートバイ競技の一種)の大会で全戦全勝を記録。雑誌にも掲載されたりTVでも特番を組まれる程で拳藤はメディア媒体や直接レースを観戦してそこでライダーくんを知り、ファンとなった。


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23スレ

第26話の投稿です。

前回の話に関する感想にて「変身完了してから試合開始するのはおかしくないか?」と言う意見をいただきましたが、今作のトーナメント戦でのライダーくんの扱いは【仮面ライダービルド】の代表戦をイメージとしています。なので変身完了してから試合開始、場外・戦闘不能・試合中に変身解除した場合はライダーくんの失格となる仕様でいきたいと思います。この内容にご不満がある方はいらっしゃると思いますが、ご了承下さい。


今回は観客席でのトークとエンデヴァーに遭遇するお話です。

それでは、どうぞ。


医務室でリカバリーガールの診察と拳藤さんと会話を終え、俺は観客席に辿り着いた。

 

「お!佳面だ!」

 

「お疲れー!」

 

A組の皆が一塊りで座っている席に行くと、切島と芦戸さんが俺の存在に気づいて声を掛けてきた。

 

「お疲れ様。試合は何処まで進んだかな?」

 

「さっき轟と瀬呂の試合が終わったところだ」

 

「瀬呂もテープで轟を拘束するところ迄は良かったが…」

 

「凍結で逆に動きを封じられて轟が勝った」

 

試合の進捗を聞いてみると、障子と常闇と耳郎さんが教えてくれた。

 

「でよ、轟ちょっと変だったんだよ」

 

「変?」

 

砂藤の言葉に首を傾げる。

 

「轟さん、試合開始直前まで()()()()()()()()()()()()()()()()しておりまして、ミッドナイト先生に注意されてましたの」

 

「何かいつもの轟っぽくなかったと言うか」

 

「普段周りに無関心な轟がだぜ!」

 

「珍しいよね☆」

 

他の皆も轟の行動に疑問を抱いていた。

 

空を見上げて、観客席を見回した……か。

 

「フフッ」

 

「ん?何笑ってんだ?」

 

「ううん、何でも無いよ。そっか、轟が……」

 

「佳面何か知ってんのか?」

 

「教えて教えて!」

 

「さあ、俺には皆目見当もつかないかな」

 

そう言って俺は空いてる席に腰を掛ける。

 

すると、左隣から視線を感じたので顔を向けると葉隠さんと蛙吹さんがジーッと此方を見ていた。

 

しかも、葉隠さんは多分()()()()で。

 

「葉隠さん、蛙吹さんどうしたの?」

 

「ンーン、ナンデモナイヨ」

 

「ええ、何でもないわ」

 

「じゃあ蛙吹さんはともかく葉隠さんは何でむくれ顔になってるのさ。俺が拳藤さんを医務室へ運んでる時もそうだったよね」

 

(((え?そうだったの?というか何で分かるの!?)))

 

俺たちの会話に周りの皆は驚いた顔をした。

 

「……ねえ、佳面くん」

 

「何?」

 

「拳藤さんを運ぶのに"お姫様抱っこ"をする必要があったのかな?」

 

「え?……ああ。流石にあのままにするのもアレだったし、丁度相澤先生からも医務室へ行くように言われてたから」

 

「佳面ちゃん。貴方が優しい事もそういう対応をするのも分かるけど、学校側が担架を用意してるからその必要は無かったんじゃないかしら?」

 

「え、うん」

 

何だろう、2人からとてつもない圧を感じる。

 

ふと周りの皆に視線を移すと全員から目を逸らされてしまい、峰田に関してはガタガタと震えていた。

 

……あれか、自分たちを巻き込むなという事か。

 

「ねえ、聞いてるかな?」

 

「人が話しているのに目を逸すのはどうかと思うわ」

 

「す、すいません」

 

次の試合が始まるまで、俺は2人から質問責めされたのであった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

何だかんだ全ての一回戦が終了し、2回戦まで15分のインターバルが設けられた。

 

一回戦の結果は

 

 

第1試合 俺vs拳藤(勝者:俺)

 

第2試合 轟vs瀬呂(勝者:轟)

 

第3試合 緑谷vs心操(勝者:緑谷)

 

第4試合 飯田vs発目(勝者:飯田)

 

第5試合 芦戸vs取蔭(勝者:芦戸)

 

第6試合 常闇vs八百万(勝者:常闇)

 

第7試合 切島vs 小森(勝者:切島)

 

第8試合 麗日vs爆豪(勝者:爆豪)

 

 

となり、もうすぐ2回戦が始まる。

 

俺は第1試合のため入場口へ移動していた。

 

次の対戦相手である轟とは戦闘訓練以来の直接対決となるが、おそらく今の轟は前以上に手強くなっていると思う。

 

……あくまで勘だが。

 

「おお、此処に居たか」

 

不意に男性の低い声が聞こえる。

 

声がする方を見ると、目の前の曲がり角から現れたのはNo.2ヒーローであり轟の父親でもあるフレイムヒーロー・エンデヴァーだった。

 

「エンデヴァーさん」

 

「初めまして。素晴らしい試合の数々、拝見させて貰っている」

 

「…光栄です」

 

優しげな声とは裏腹にまるで()()()()()()()()()()()エンデヴァーは此方を見ていた。

 

「様々な姿に変身する個性。しかもその全てが能力が異なるとは、とても素晴らしい力だ。さぞご両親は鼻が高い事だろう」

 

「……そうですね。()()()()()()()()()()()()

 

「どういう意味かな?」

 

エンデヴァーは眉毛をピクリと動かす。

 

「両親は10年前に他界しております。2人とも交通事故で」

 

「……そうか。無神経な発言をしてしまった」

 

「いえ、気にしておりませんので」

 

エンデヴァーは少し頭を下げる。

 

「ご用件はそれだけでしょうか?これから試合がありますのであまり時間がありませんので」

 

「いや、要件は他にある。うちの焦凍にはオールマイトを超える義務がある」

 

「……」

 

「今は本来の力を出せていないが、君との試合は焦凍にとって有益な経験となるだろう。くれぐれも、みっともない試合はしないでくれ」

 

……要は“息子の踏み台になってくれ“と言っているのだろう。

 

そんな彼の発言に、俺は柄でもなく言い返す。

 

「他所の家庭事情に首を突っ込むのはマナー違反だと承知しておりますが、轟……焦凍くんがオールマイトを超えなくてはいけないのは義務ではなく、貴方個人の為ではありませんか?」

 

「何だと?」

 

エンデヴァーの目つきが途端に鋭くなった。

 

「貴方が焦凍くんに期待する事は父親として当然の感情かもしれません。しかし、夢を()()のと()()()()()のは別だと思います」

 

「彼には彼の夢があります。一方的に自分の願望を子どもに押し付ける事は本当に正しい事でしょうか?」

 

「焦凍くんは人間です。貴方の野望を叶える為の()()ではありません」

 

「ヒーローは希望であり人であると俺は思います。ただ力だけを求めてしまったら、それはヒーローではなく(ただ)の兵器です」

 

「今の貴方は……とてもヒーローには見えませんよ。エンデヴァーさん」

 

「生意気な発言をしてしまい、申し訳ございません。失礼します」

 

エンデヴァーの顔がどんな形に歪んでいたのか、頭を下げて直ぐに立ち去った俺には確認出来なかったが、後ろからは声も足音も聴こえなかった。




ライダーくん、ヒロイン2人から質問責めを受ける
ライダーくんが拳藤さんを"お姫様抱っこ"した事に、彼女たちはご立腹の様子。ライダーは謝りながら質問に答えるのであった。

ライダーくんの両親は他界
10年前のクリスマス、つまりライダーくんが5歳の頃に両親を事故で喪う。今は父親の友人でもあった取那藤兵衛の元でお世話になっている。

ライダーくん、エンデヴァーに啖呵を切る
普段ライダーくんは温厚で感情的になり難い性格だが、エンデヴァーの轟への態度に柄でもなく感情的になってしまった。


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24スレ

第27話の投稿です。

今回はライダーくんvs轟 前編です。

募集中のアンケートが今月末までとなっていますので、まだされていない方はよろしければご協力お願いします。

それでは、どうぞ。


『休憩を挟んだところで、早速2回戦を始めるぜ!!しかも第1試合から注目株同士の対決だあぁぁぁ!!』

 

マイク先生の声に感化される様に会場のボルテージがこれまでで1番の盛り上がりを見せる。

 

『稲妻と共に相手を切り裂く仮面の戦士!ヒーロー科、佳面ァァァ来太ァァァ!!』

 

『全てのものを凍てつかせるクールガイ!同じくヒーロー科、轟ィィィ焦凍ォォォ!!ともに1回戦を一瞬で勝利した2人!果たして勝者となるのはどちらだァァァ!!』

 

『お互いに力の全てを見せていない。個性の潜在能力(ポテンシャル)は共に未知数な2人だな」

 

壮絶な過去を打ち明けた以来の対面となるが、目の前の轟は前の時とは表情が違っていた。

 

「佳面くんの変身が完了したと同時に試合を始めます!」

 

ミッドナイト先生の確認事項が終わり、俺はソードライバーとワンダーライドブックを実体化させる。

 

「悪い佳面、少し良いか?」

 

「ん?どうしたの轟」

 

変身しようとした直後、轟が呼び止める。

 

「ミッドナイト、すいませんが少し待って下さい」

 

「え、ええ。手短にね」

 

ミッドナイト先生に謝罪し、轟は俺に視線を戻す。

 

『おいおい、どうしたよ轟。こっちは早く試合を始めて欲しいんだが』

 

『…マイク少し黙ってろ』

 

『What?』

 

マイク先生に相澤先生が止め、会場も困惑する。

 

「お前に言われて、空を見上げてみたよ……お前の言った通り、凄く綺麗な青空だった。それに観客席も、TVで観た事のあるヒーローが何人も居た」

 

「うん……」

 

轟の言葉に俺は頷いた。

 

「少し見方を変えるだけで……今まで気づけなかった事が分かったよ。俺は……そんな事にも気づく事が出来なかった……」

 

「だけど君は今日、それを知る事が出来た……だろ?」

 

「ああ……それと()()()()も思い出せたよ」

 

轟は少し笑みを浮かべ、俺を真っ直ぐ見つめる。

 

「俺がヒーローを目指す理由、昔あの人とTVで観た1()()()()()()()の姿に……俺は憧れた。それが、俺の原点だったんだ」

 

「その人みたいなヒーローに、俺はなりたい。あの人が"なりたい自分になって良い"と言ってくれた事を無駄にしない為に……それとだ、今更になっちまったが、体育祭を楽しむ事にしたよ」

 

「ひとまず過去の事は置いておく、今はただ……お前に勝ちたい!!」

 

かつて無い程に轟の闘志は燃え上がる。

 

『轟!クールさから一変!!闘志を燃やして佳面に宣戦布告ゥゥゥ!!オイオイオイ、マジでどうしちゃったんだ!?』

 

『アイツの中で何かが変わったんだろ』

 

会場も轟の言葉に一層盛り上がる。

 

「……なら俺も、君の本気に応えなくちゃな」

 

 

『聖剣ソードライバー』

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

ソードライバーにワンダーライドブックをセットさせ、俺は()()1()()()()()()()()()()()()()を手にし、ページを開く。

 

 

『ニードルヘッジホッグ!』

 

 

『この弱肉強食の大自然で、幾千の針を纏い生き抜く獣がいる……』

 

 

ワンダーライドブックを閉じてベルトに搭載された【生物】のスロットにセットする。

 

ロック調の待機音が鳴り響き、俺の背後に巨大な【ランプドアランジーナワンダーライドブック】と【ニードルヘッジホッグ】が空中に出現した。

 

俺はソードライバーに納刀された【雷鳴剣黄雷】の【ソードグリップ】を掴み、抜刀する。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

「変身ッ!」

 

 

『トゲ!トゲ!ランプドヘッジホッグ!』

 

 

抜刀した事でソードライバーにセットされたワンダーライドブックが展開し、そのまま雷鳴剣を下から斬り上げる。

 

雷鳴剣から稲妻の斬撃が放たれると、背後の巨大なワンダーライドブックから【ランプドアランジーナ】と無数の針が飛び出し、俺の周囲を回転しながら包み込む。

 

仮面ライダーエスパーダとなった俺の装甲の胸部に【ヘッジホッグブレス】と腰巻の【ニードメイル】、マスクに金色の棘【ニードルヘッジホッグマスク】、脚部に【ディグソルト】が加わる。

 

 

『黄雷ニ冊!』

 

 

『キュキュッと擦ると現れた、その魔神への願いとは、チクチクの鎧だった!』

 

 

相性の良いワンダーライドブックを組み合わせた事により派生形態【仮面ライダーエスパーダ ランプドヘッジホッグ】に変身完了する。

 

俺の変身に会場が盛り上がる。

 

『佳面が変身を完了したァァァ!!しかし一回戦で観せた姿と少し違うぞ!?どう言う事だ!?』

 

『さっき佳面が追加でベルトにセットした本。アレの力が加わった形態なんだろ』

 

『マジかよ!?まだ手札を残してたって事か!どんだけ多彩だよ!?それじゃあ、2人とも準備は良いな!俺たちはもう待ちきれねェよ!!』

 

マイク先生の呼び声と同時に俺と轟は構える。

 

 

『第1試合!Ready Goーーーー!!』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

105:虚刀流のグラップラー

ライダーくん、今度はランプドヘッジホッグに変身した!?

 

106:サクラギ研究所のリサーチフェロー

轟の凍結対策ですかね。

凍らされても内側から棘を出して壊せますし。

 

107:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

あ!

開始直後に轟が氷結を!?

 

108:雄英の仮面ライダー

 

 

『ニードルヘッジホッグ!』

 

 

「なんの!」

 

109:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ライダーくんの手から棘を飛ばして氷を砕いて対応した!?

 

110:杜王町の幽波紋使い

仮面ライダーの力は本当に多彩だな。

 

111:太刀川隊の狙撃手

平成・令和ライダーは能力が豊富なライダーが多いですから。

 

112:空座町の無下限呪術師

フォームチェンジも100種類以上あるライダーが居るくらいだからね。

 

113:虚刀流のグラップラー

年々インフレが激しくなってますからね、マジで特撮ヒーローはヤバイ。

 

114:雄英の仮面ライダー

 

 

ヘッジホッグ!ふむふむ…

 

 

「ハアッ!」

 

 

『習得一閃!』

 

 

115:サクラギ研究所のリサーチフェロー

今度は雷鳴剣にライドブックをリードさせて必殺技を繰り出した!

無数の棘が轟に向かって発射した!!

 

116:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

轟くんも氷の防壁を張り続けて何とかガードした!?

あ!ライダーくんが轟くんに接近した!?

 

117:雄英の仮面ライダー

「攻撃を止めたからって安心するのは早いよ!」

 

「グッ!?」

 

118:虚刀流のグラップラー

ライダーくんが容赦なく轟に蹴りを入れた!

轟はフィールドで転がるけど何とか氷壁で場外を免れたぞ!?

 

119:雄英の仮面ライダー

「コレなら!」

 

120:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

轟、今度はライダーくんの周囲を氷壁で囲った!

逃げ場を塞いだのか!?

 

121:太刀川隊の狙撃手

次に正面からの氷結攻撃。

ライダーくんの周りは氷壁で塞がれてる、万事休すか。

 

122:雄英の仮面ライダー

「それなら!」

 

 

『必殺読破!』

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

「トルエノ・ミル・ランザ」

 

 

『ヘッジホッグ!アランジーナ!ニ冊斬り!』

 

 

『サ・サ・サンダー!』

 

 

「ハアッ!!」

 

123:空座町の無下限呪術師

お、必殺技を発動させて大量の針を纏ったランプの魔神を召喚して一斉に針を放って正面からの攻撃を相殺。

それと同時にジャンプして落下に合わせて轟へ落雷と共に縦斬りか。

やるね〜。

 

124:杜王町の幽波紋使い

けど最後の落雷と斬撃は氷壁で防がれてしまったか……。

惜しかったな。

 

125:太刀川隊の狙撃手

けど現状はライダーくんの有利ですね。

轟も連続で氷結をし続けたせいで身体に霜が出てます。

 

126:サクラギ研究所のリサーチフェロー

個性は身体能力の延長線。

使い続けたら身体への負担も大きくなるだろうし。

 

127:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ここは左の炎を使うべきだろうけど…。

 

128:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

今の轟に左を使う気があるのか…。

 

129:雄英の仮面ライダー

「やっぱ右だけじゃ厳しいか……それならッ!」

 

130:虚刀流のグラップラー

あ!?

轟の左側から炎が!

 

131:太刀川隊の狙撃手

遂に使うか…!

ライダーくんはどうする。

 

132:杜王町の幽波紋使い

見ろ。

ライダーくんの手にもう一冊の本が。

 

133:空座町の無下限呪術師

あれは【トライケルベロスワンダーライドブック】。

ライダーくんも本気を出すみたいだね。

 

134:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

と言う事は……ワンダーコンボか!?

 

135:サクラギ研究所のリサーチフェロー

よしッ!

行けライダーくん!!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「やっぱ右だけじゃ厳しいか……それならッ!」

 

互いに激しい攻防を繰り広げ、轟は遂に左側から炎を出した。

 

『轟!遂に左を解・禁・したァァァ!!激しく燃える炎がフィールド内に残った氷を溶かしていくぞォォォ!?』

 

『遂に使ったか……』

 

轟の左側から赤い炎が燃え上がり、炎の熱で周囲の氷が溶け始める。

 

そんな轟の姿を見て、俺はもう1つの切札を切る。

 

「君が想いを貫くのなら……俺も俺の想いを貫く!」

 

雷鳴剣をソードライバーに戻し、新たにもう1冊のワンダーライドブックを取り出した。

 

 

『トライケルベロス!』

 

 

起動音が鳴り、ページを開く。

 

 

『かつて冥界の入り口に、三つの頭を持つ恐ろしい番犬がいた…』

 

 

ワンダーライドブックを閉じてソードライバーに搭載された【神獣】のスロットにセットする。

 

再びロック調の待機音が鳴り響き、俺の背後に巨大な【トライケルベロス】、【ニードルヘッジホッグ】、【ランプドアランジーナワンダーライドブック】が出現した。

 

俺はソードライバーに納刀した雷鳴剣を再び抜刀する。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

『ランプの魔神が真の力を発揮する!ゴールデンアランジーナ! 』

 

 

抜刀した事でソードライバーにセットされたワンダーライドブックが展開し、そのまま雷鳴剣を下から斬り上げる。

 

背後の巨大なワンダーライドブックから【ランプドアランジーナ】と無数の針、そして三つ叉の頭をした神獣【トライケルベロス】が飛び出し、俺の周囲を回転し包み込んだ。

 

ランプドヘッジホッグにトライケルベロスの力が宿り、右肩には【トライケルベロスボールド】と右半身の【カテーナメイル】による地獄の番犬の名に恥じない鉄壁の防御力とマスクの右部分に【トライマスク】、手甲の【ケルベロスブレーサー】、更に鎖の描かれたマント【カテーナクローケ】が加わる。

 

 

『黄雷三冊!』

 

 

『稲妻の剣が光り輝き、雷鳴が轟く!』

 

 

これが仮面ライダーエスパーダの最強形態【ゴールデンアランジーナ】。

 

相性の良い3冊のワンダーライドブックの力を一つにし、真価を発揮された姿である。




ライダーくん、ランプドヘッジホッグ→ゴールデンアランジーナにフォームチェンジ
轟の本気に応える為にライダーはエスパーダの最強フォーム【ゴールデンアランジーナ】のワンダーコンボを発動。


次回、轟との対決に決着が着く!またして勝者は……

乞うご期待!!


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25スレ

第28話を投稿します。

今回はライダーくんvs轟の決着と友情回です。

お気に入り数が1,700件台に突入しました!!
毎度のことですが、皆様に感謝しつつ引き続き投稿頑張っていきます。


【葉隠視点】

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

『ランプの魔神が真の力を発揮する!ゴールデンアランジーナ! 』

 

 

『黄雷三冊!』

 

 

『稲妻の剣が光り輝き、雷鳴が轟く!』

 

 

3冊目の本をベルトにセットしてまた新しい変身を遂げた佳面くんは、身体の左半分に炎を纏う轟くんに構えを取る。

 

 

『佳面、新たに本をベルトにセットして再び姿を変えたァァァ!!全身金ピカじゃねぇか!?』

 

 

『全力を出す事を決意した轟に応える為に、佳面も全力を出したってところか……』

 

「轟の奴、遂に左の炎を出しやがった!!」

 

「騎馬戦の時までは使うの渋ってた筈なのに!?」

 

「つーか!佳面どんだけ変身残してんだよ!?」

 

「金ピカだーー!!」

 

「あれがお2人の全力…!?」

 

「どっちもヤバ過ぎでしょ!」

 

「片や氷炎…片や稲妻の鎧」

 

「これ程とは…」

 

「どっちも凄い輝き☆」

 

「凄い…!佳面くん!轟くん!」

 

「あの2人の全力がぶつかり合ったら、一体どうなってしまうんだ!」

 

「もうどっちが勝つのか想像つかねぇよ!」

 

「どうなるんやろ…!」

 

「……クソがァァァッ!!」

 

フィールドの中央で互いに睨み合っている2人にA組の皆は勿論、会場全体が盛り上がる。

 

「透ちゃん…どっちが勝つと思う?」

 

隣の梅雨ちゃんが不安そうに聴いてくる。

 

「梅雨ちゃんは?佳面くんが負けちゃうって思ってる?」

 

私が逆に質問すると、梅雨ちゃんは首を横に振る。

 

「今の轟ちゃんはこれまでとは違うのは分かるわ…。どっちも応援してる…だけど、佳面ちゃんが勝つんじゃないかって思うの」

 

「うん。私も佳面くんが勝つって信じてるよ」

 

そう、佳面くんが勝つって信じてる。

 

だって、佳面くんは……私のヒーローなんだから。

 

 

▲▲▲▲

 

 

No.2ヒーローであるエンデヴァーは、息子が左の力を解禁した事に最初は歓喜した。

 

思わず観客席の最前列まで行って激励を飛ばそうと思う程に。

 

だが、エンデヴァーは行動に移さなかった。

 

否、()()()()()()

 

目の前で闘う息子が笑っている姿を、初めて見たからだ。

 

産まれて15年間、息子が笑っている顔を一度も見た事が無かった。

 

自分に向けられた表情は、全てが憎悪に満ちたものばかりだったからだ。

 

「(そんな顔……俺は知らないぞ!?焦凍ォ…!)」

 

組んでいた腕が無意識に力を入れ事で震えていることに、エンデヴァー自身は気づかなかった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

【佳面視点】

 

「まだ変身出来たのか…本当に多彩だな」

 

「これが今の俺が出せる全力の姿だ。この力を…君にぶつける!!」

 

「俺も…今まで出さなかった全力をお前に出し切る!!」

 

お互いに全ての力を解放し、構えながらも笑いながら言葉を交わす。

 

俺は雷鳴剣をベルトに再納刀し、【イカヅチトリガー】を1回引く。

 

 

『必殺読破!』

 

 

そして雷鳴剣を再度抜刀。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

「トルエノ・デル・ソル」

 

 

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!三冊斬り! サ・サ・サ・サンダー! 』

 

 

抜刀した雷鳴剣を天高く掲げ、剣の切先に雷のエネルギーを集中させ、巨大な球体型のエネルギーを形成する。

 

激しく輝くその姿はまるで、大空に浮かぶ太陽の如く。

 

轟も左右に氷と炎を最大限にまで昂らせる。

 

 

「ハアァァァァァァッ!!」

 

 

「ウオォォォォォォッ!!」

 

 

俺は雷鳴剣を振り下ろし、轟は左から最大出力の炎を放出する。

 

球体型の電撃と炎が衝突し、会場全体に衝撃波が襲う。

 

「キャアァァァ!?」

 

フィールド全体に爆発と爆風が吹き荒れ、審判役のミッドナイト先生が吹き飛ばされる。

 

観客席にも爆風と衝撃波が襲い掛かり、全員が目を塞ぐ。

 

フィールドの殆ど砕けられ、全体に煙が立ち込める。

 

『ナニ今の……今年の1年マジで何なの?』

 

『散々冷やされた空気が瞬間的に熱されて膨張し、そこに佳面の巨大な電撃が加わったんだ。こうなるのは必然だろ』

 

『マジかよ!?ったく、何にも見えねぇよ!!おい!コレ勝負はどうなって……!?』

 

 

『必殺読破!』

 

 

煙の中からゴールデンアランジーナ()が空中へ飛び出し、必殺キックの構えを取る。

 

 

「オーロ・ボンバルデーロ!」

 

 

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!三冊撃!サ・サ・サ・サンダー! 』

 

 

「ハァッ!!」

 

稲妻を纏った右脚による飛び蹴りを轟へ放つ。

 

「カァッ!?」

 

ライダーキックをまともに受け、轟はフィールド外へ吹き飛び会場の壁に激突した。

 

「イッタァ。…ハッ!と、轟くん 場外!!よって勝者、佳面くん!!」

 

判決と同時に会場から大歓声が湧き上がる。

 

『両者の最強の攻撃が激突!!威力は互角かと思いきや、佳面の2撃目が轟に炸裂ゥゥゥ!?準決勝に駒を進めたのは佳面ダァァァァ!!信じられるかリスナー共!この凄まじい闘いがまだ2回戦なんだぜ!?』

 

俺は変身解除し、轟に駆け寄る。

 

「轟、大丈夫?」

 

「グッ……ああ、なんとかな……。身体中がイテェけど」

 

「そっか。まあ、取り敢えず今回も俺の勝ちだね」

 

「ああ…完敗だ。やっぱ強えな、お前」

 

「まあね。けど、今日は俺の勝ちだけど次も負けないからね」

 

「それはこっちのセリフだ。……なあ、佳面」

 

「ん?」

 

轟は痛む身体を何とか動かし、上体を起き上がらせる。

 

「ありがとな。お前の言葉で俺は忘れていた事を思い出せた。それに生まれて初めて持てる力を全部出し切った。こんな事初めてだ」

 

「良いよ。こっちも全力を出せたしね」

 

「お前のお陰で、俺は前に進む覚悟が出来た。これから精算しなきゃいけない事にも……今度こそ逃げずに向き合うよ」

 

「そっか…」

 

「それと、ついでになっちまうけど。今の俺に、こんな事を言う資格はねェかもしれないけど……言わせてくれ」

 

「こんな俺と……友だちになってくれないか?」

 

轟の言葉に一瞬言葉を失うが、直ぐに切り換え俺はニヤリと笑う。

 

「あれ?"仲良しこよしはしない"んじゃなかったっけ?」

 

「うっ」

 

「「「(((控え室での事根に持ってた!?)))」」」

 

俺の意地悪な言葉に轟は言葉を詰まらせる。

 

多分観客席に居るA組の皆も内心ツッこんでいるだろう。

 

「冗談だよ。…それに、今更過ぎるんじゃない?」

 

俺は腰を落とし、轟の目線に合わせる。

 

「俺たちは持てる力を全部ぶつけて闘ったんだよ。つまりさ」

 

言いながら俺は、右手を轟の前に差し出す。

 

「俺たちはもう友だちだろ?そんなよそよそしい事を言われると傷つくんだけどな」

 

「 」

 

俺の言葉に、轟は言葉を出さずに驚いた。

 

そして轟は少し笑って自身の右手で俺の右手を掴み、握手を交わす。

 

『んだよ……お前ら……アオハルかよォォォ!!

 

『泣くな』

 

観客席からも壮大な拍手が鳴り響き、俺たちを見ていたミッドナイト先生は又もや悶絶していた。




ライダーくん、轟を倒し準決勝へ進出。
互いの全力をぶつけ、最後のライダーキックで勝利を掴む事が出来たライダーくん(勝因は足だけど……はい、つまらない)。

ライダーくんは轟と【友だち】になった(RPG風)。
少し意地悪しながらも轟からの申し出を応じて友だちとなった。


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26スレ

第29話を投稿します。

少し駆け足しまして準決勝の内容となります。
その相手とは……。

セイバーが遂に完結!キャスト・製作スタッフの皆さん、コロナで大変な中、素敵な作品をありがとうございました!!
そしてVシネ決定!しかもエスパーダに強化フォームが!?新しいライドブックに新しいエンブレムで聖剣もパワーアップ!?楽しみで仕方がないんですけど、本編の8年後って事は飛羽真や倫太郎や賢人たちが尾上さんや大秦寺さんポジションになるって事?

それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

136:雄英の仮面ライダー

2回戦を突破して準決勝に進出しました。

 

137:虚刀流のグラップラー

おめでとう!

 

138:サクラギ研修所のリサーチフェロー

お疲れ!

 

139:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

轟に勝ったのはデカいよ。

しかも炎を使った状態に。

 

140:太刀川隊の狙撃手

ライダーくん、轟と友だちになったな。

 

141:雄英の仮面ライダー

はい。

今は医務室で安静にしてますが、リカバリーガールの個性で回復してますので大丈夫だと思います。

轟から「負けるなよ」と激励を送られたので、是が非でも負ける訳にはいかなくなりました。

 

142:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

もう仲良くなったんだね!

 

143:空座町の無下限呪術師

うんうん、若人の青春は美しいね〜。

 

144:杜王町の幽波紋使い

準決勝の相手は決まったのか?

 

145:雄英の仮面ライダー

>>144

はい、幽波紋ニキ。

次の対戦相手は飯田に勝った緑谷です。

 

146:虚刀流のグラップラー

>>145

遂にデクとの勝負か!

 

147:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

原作主人公が相手かぁ。

どうなるんだろ…。

 

148:太刀川隊の狙撃手

ライダーくんは体育祭までの2週間でデクと模擬戦してたんだっけ?

戦績は?

 

149:雄英の仮面ライダー

>>148

戦績は俺の10戦中10勝無敗です。

 

150:サクラギ研修所のリサーチフェロー

強え!?

しかも無敗かよ!

 

151:空座町の無下限呪術師

まあ、()()()()()だけどね。

本戦で負けたら意味が無いし。

 

152:太刀川隊の狙撃手

そうですね。

緑谷は個性や動きを分析して予測する能力に長けてますから、型のある戦法はあまり使えないかもしれないですね。

 

153:杜王町の幽波紋使い

それかまだ使っていない能力による初戦殺しか…。

手数の多さはライダーくんが有利だが、緑谷に見せていない戦法はあるのか?

 

154:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>151>>152>>153

呪術ニキたち考え方がシビアだね。

 

155:サクラギ研修所のリサーチフェロー

けど、的を射てますね。

俺もサトシくんとのポケモンバトルでトンデモ戦法にはいつも苦戦してますので、ニキたちの言葉は理解出来ます。

 

156:雄英の仮面ライダー

ニキたちのご意見はごもっともです。

なので、緑谷や皆が知らない戦法で行こうと思います。

 

157:虚刀流のグラップラー

お、秘策ありって感じか。

 

158:太刀川隊の狙撃手

なら観せて貰おうかな。

 

159:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

頑張れよ!

 

160:雄英の仮面ライダー

はい!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【緑谷視点】

 

「スー、ハー、スー、ハー」

 

2回戦、飯田くんに勝つ事が出来た僕は次の準決勝の為控え室で気持ちを落ち着かせていた。

 

次の対戦相手は佳面くん。

 

轟くんとの勝負で互いに全力を出し合い、打ち勝つ程の実力者。

 

これまで様々な姿に相手を翻弄、圧倒して来た。

 

「それに佳面くんとの模擬戦だと僕の全敗…。一度も勝てなかった……」

 

力量の差は圧倒的に不利。

 

仮に【OFA(ワン・フォー・オール)】を100%使用したとしても反動で身体は壊れるし、攻撃を躱されてカウンターを取られたら僕に勝ち目は無い。

 

「一体、どうしたら…」

 

悩んでいる所に、突然ドアが勢い良く開かれた。

 

 

「わーーたーーしーーがーー緑谷少年にエールを届ける為にキターーー!!」

 

 

「オ、オールマイト!?」

 

その正体は"マッスルフォーム"で現れたオールマイトだった。

 

「ヘイ!試合はもうすぐだってのに、随分と浮かない顔をしているじゃないか!」

 

「す、すいません!その、佳面くんとの試合どうすれば良い考えてまして。僕は一度も勝った事が無いので、勝つヴィジョンが見えないと言うか……」

 

そう答える僕に、オールマイトは苦笑する。

 

「全く、ネガティブな思考は動きを鈍らせるってあれ程言ったんだけどな。君の心配性はダイヤモンド並に硬いな」

 

「あ、アハハ」

 

「けどな、緑谷少年。1つアドバイスだ」

 

()()()()()()()()()()()()を持っていたら、どんな勝負にも勝つ事は出来ないぞ」

 

「ッ!」

 

オールマイトの言葉に、僕の身体は強張る。

 

「確かに佳面少年は強い。戦闘訓練から観てきた私でも彼の実力が凄まじいのは分かっている。正直、彼は既にプロヒーローと肩を並べられる程の能力を持ち合わせていると私は思う。……だけどな」

 

「君には彼に負けてない強さを持っている!」

 

「え?」

 

「それは… 勇気だ

 

「どんな危機的状況でも、どんなに強力な相手でも君は逃げずに立ち向かう心を持っている。それはヒーローにとって大事な事だ」

 

「私が君を【OFA(ワン・フォー・オール)】の後継者に選んだのも、その勇気に魅入られたからだ」

 

"君はヒーローになれる"

 

あの言葉から、僕は始まった。

 

無個性で周りからヒーローになる事を否定されてきた。

 

だけどヘドロ事件でオールマイトと出会って、"ヒーローになれる"と言われ、個性を受け継いだ。

 

この個性はオールマイトを含む8人の力と想いが詰まっている。

 

その力を僕はまだ使いこなせないけど、いつか100%の力をコントロールして、なってみせるんだ。

 

笑顔で人々を助けられる、オールマイトの様なヒーローに!

 

「(そうだ。弱気になってどうするんだ緑谷出久!こんな事じゃ、2回戦で闘った飯田くんにも失礼だ!)」

 

『頑張ってくれ緑谷くん!俺は君の勝利を信じているぞ!!』

 

2回戦後、お互いに医務室で治療を受けていた際に僕は飯田くんからエールを貰った。

 

僕は両手で自身の頬を力一杯叩く。

 

「ありがとうございます、オールマイト!僕、勝ちます!勝ってみせます!!」

 

「ああ!その意気だ緑谷少年!!」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

『トーナメントも準決勝に突入!!勝ち上がった2名だけが決勝戦に進む事が出来る!死に物狂いで挑めよォォォ!!』

 

 

『第1試合!雷鳴と共に名を轟かせた強者!その実力は既に1年最強の呼び声高い!ヒーロー科 佳面ァァァ来太ァァァ!!』

 

『見た目は地味目だがパワフルな動きと読みの良さで相手を翻弄する今大会随一のダークホース!同じくヒーロー科 緑谷ァァァ出久ゥゥゥ!!』

 

「佳面くんの変身が完了したと同時に試合を始めます!」

 

ミッドナイト先生の確認事項が終わり、俺はソードライバーとワンダーライドブックを実体化させる。

 

「ごめんね緑谷、準備するから少し待っててくれ」

 

「う、うん!」

 

 

『聖剣ソードライバー』

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

緑谷に謝りながらソードライバーを装着し、ワンダーライドブックをセットさせる。

 

そして、俺は灰色のワンダーライドブックを1冊取り出し、ページを開く。

 

 

『玄武神話!』

 

 

『かつて、四聖獣の一角を担う強靭な鎧の神獣がいた… 』

 

 

ワンダーライドブックを閉じてベルトに搭載された【神獣】のスロットにセットする。

 

ロック調の待機音が鳴り響き、俺の背後に巨大な【ランプドアランジーナワンダーライドブック】と【玄武神話】が空中に出現した。

 

俺はソードライバーに納刀された【雷鳴剣黄雷】の【ソードグリップ】を掴み、抜刀する。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

「変身ッ」

 

 

抜刀した事でソードライバーにセットされたワンダーライドブックが展開し、そのまま雷鳴剣を下から斬り上げる。

 

雷鳴剣から稲妻の斬撃が放たれると、背後の巨大なワンダーライドブックから【ランプドアランジーナ】と岩の礫が飛び出し、俺の周囲を回転しながら包み込む。

 

 

『二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!』

 

 

『ワンダーライダー! 』

 

 

玄武!アランジーナ!二つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!』

 

 

仮面ライダーエスパーダとなった俺の装甲の右肩に【ゲンブシンワボールド】と腰のコート【ブジンメイル】、右腕に【ライドロックアーム】と【ライドロックブロー】、マスクの左側に【ゲンブシンワマスク】が加わる。

 

そして背中には雷鳴剣よりも巨大な聖剣【土豪剣激土】が背負われていた。

 

全く異なるワンダーライドブックを組み合わせた事により派生形態【仮面ライダーエスパーダ 玄武アランジーナ】に変身完了する。

 

『佳面の変身が完了したァァァ!!しかし轟戦で観せた全身金ピカではなくグレーの装甲を纏っているぞ!?しかも何だあのデッカい剣!?あんなの扱えるのか!?』

 

『形状からして今まで使っていた剣と長さも重さも異なるだろう、どう扱うのか見ものだな』

 

『ホント飽きさせないボーイだな!それじゃあ、2人とも準備は良いな!!』

 

マイク先生の呼び声と同時に俺と緑谷は構える。

 

 

『第1試合!Ready Goーーーー!!』

 

 

「(今まで見た事のない姿だ。此処は時間を掛けずに先手を貰う!)」

 

試合開始と同時に緑谷の全身が光出し、赤いラインが走る。

 

そして俺に向かって一直線に駆け出す。

 

「それは読んでたよ」

 

俺は雷鳴剣をソードライバーに納刀し、背中の土豪剣の柄【メインステイヒルト】を掴み、引き抜いた勢いと共にフィールドに振り下ろす。

 

振り下ろした直後、まるで地震が起きたかの様にフィールドを含む会場全体が激しく揺れる。

 

『佳面!早速背中の大剣をフィールドに振り下ろし会場を激しく揺らすゥゥゥ!!オイオイオイまるで地震かよ!?どんなパワーしてんだ!?』

 

『今までのスピード重視のスタイルとは真逆の戦法だな』

 

「うわっ!?」

 

振動によって接近しようとした緑谷はバランスを崩して倒れ込む。

 

「驚いている暇は無いよ!」

 

 

『玄武神話!』

 

 

ソードライバーにセットされた【玄武神話ワンダーライドブック】のページを押し込んで土豪剣でフィールドを叩く。

 

するとフィールドから巨大な岩の腕が生え、緑谷を掴んで投げ飛ばす。

 

「グアッ!?」

 

投げ飛ばされた緑谷はフィールドをゴロゴロと転がり、場外ラインのギリギリまで後退した。

 

『フィールドから突然手が生えてきたぞ!?セメントスの妨害か!?』

 

「俺は何もしていないぞマイク!?」

 

『やったのは佳面だろ。おそらく、あの灰色の本の力で地面に干渉したんだ』

 

『オイオイ、マジか!?此処までの試合では電撃メインだったのに他の攻撃も可能って事か!?凄過ぎるぜ佳面ァァァ!!あと疑ってsorryセメントス』

 

『実況ならちゃんと観てろよ』

 

『悪かったって!姑みたいにねちっこいぞイレイザー!!』

 

『誰が姑だ』

 

相澤先生とマイク先生、意外とお笑いコンビでやっていけるのではと思う程のコント染みた会話を他所に緑谷を警戒する。

 

「それなら!」

 

起き上がった緑谷は今度はフィールド内を駆け廻り、撹乱させる作戦に移った。

 

「玄武神話の力に意識を向け過ぎだよ」

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

今度は【ランプドアランジーナワンダーライドブック】のページを押し込む。

 

すると左肩の【ランプドアランジーナボールド】からランプの精ランプドアランジーナが現れ、動き回る緑谷を捉えると移動する方向に回り込みラリアットを叩き込む。

 

「ゲホッ!?」

 

『緑谷!フィールドを駆け廻って撹乱するもランプの魔人のラリアットをモロに受ける!!反撃する暇すら与えてくれないぞ!?どうする!?』

 

『心操戦での超パワーは使った後の反動で自身の身体を破壊してしまうデメリットがある。かと言ってセーブした状態だと全体的にスピードが上がってもまだまだ動きに無駄がある上にパワー不足。それに相手は佳面だ。超パワーを使わせる時間も与えてはくれないだろう。……それに緑谷にはもう一つ不利な点がある』

 

『不利な点?どういうこったよ?』

 

()()()()()()()()()()()()だ。緑谷の身長は170cmも満たない。それと比例して手足のリーチは短く佳面と差がある。それに遠距離攻撃を持っていないのが1番のネックとなっている。爆豪や轟の様にある程度の距離でも相手を攻撃出来る手段をアイツは持っていない』

 

『なるほどな!』

 

そう、現状有利なのは俺である。

 

だけど──

 

「そんな事で諦める君じゃないよな」

 

現に緑谷の目は死んでいない。

 

何とか打開策を見出そうと考えているのが分かる。

 

そんな君の姿を、俺は尊敬する。

 

()()()()()()()()()()()

 

緑谷の個性や相手の動きを分析する能力はクラス随一である。

 

あまり試合を長引かせるのはこっちが危ない。

 

「(ヒューマギア並の学習能力だよ、まったく…)けど勝ちは譲らない!!」

 

ソードライバーにセットされたワンダーライドブックを引き抜き土豪剣の速読器【シンガンリーダー】にリードする。

 

 

『玄武神話!』

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

2冊のワンダーライドブックをリードさせ、【ソードライバー必冊ホルダー】の右側から【トライケルベロスワンダーライドブック】を取り出し、リードする。

 

 

『トライケルベロス!』

 

 

『ドゴ!ドゴドゴーン!』

 

 

3冊のワンダーライドブックをリードし、振り上げた土豪剣の刀身はエネルギーが充填され、倍以上に巨大化する。

 

『佳面の剣が巨大化した!!オイオイオイ!とんでもねぇぞコイツは!?』

 

『此処で決めるつもりだ』

 

「(5%じゃとても受け切れない!100%で迎え撃つしか!指?いや!右手でも足りない!)なら両手で!!」

 

緑谷の身体から光が消えたと同時に両手が輝きだした。

 

おそらくパワーを両手に集中させているのだろう。

 

【ゲキドトリガー】を引き、土豪剣を振り下ろす。

 

 

「大断断!!」

 

 

「SMAAASH!!」

 

 

雷を纏う巨大な刀身と緑谷の両手が激突し、轟戦で観せた爆煙と衝撃波が再び会場全体を襲う。

 

 

両者の攻撃は拮抗している様に見えた。

 

しかし──

 

 

『会心の激土乱読撃!』

 

 

『ドゴ!ドゴドゴーン!』

 

 

土豪剣から音声が鳴ると同時に刀身が3つに分かれ、左右からの2撃が緑谷に直撃し、そのままをフィールド外まで吹き飛ばされた。

 

 

『き、決まったァァァ!!勝利したのは佳面だァァァ!!両者白熱とした試合だったぜ!!勝った佳面には勿論、健闘した緑谷にも大きな拍手ゥゥゥ!!』

 

 

会場から拍手と歓声が鳴り響き、俺は変身を解除する。

 

勝ったのは俺だが、土豪剣の最大出力の必殺技を繰り出さなければ、もしかしたら負けていたのは俺の方だったかもしれない。

 

勝ったことに高揚感が湧いてくると同時に、全身から緊張感が解き放たれた。

 

「……勝った筈なのに素直に喜べないのは初めてだよ」

 

大きく息を吐き出して、俺は気絶した緑谷に駆け寄り、おぶって医務室へ向かった。

 




ライダーくんvs緑谷
準決勝の相手は緑谷、特訓に付き合った事で動きを把握しているライダーくん。攻撃の癖、弱点を的確に突いて決勝進出を決まる。


【仮面ライダーエスパーダ 玄武アランジーナ】
仮面ライダーエスパーダに【玄武神話ワンダーライドブック】の力が合わさった亜種形態(オリジナルフォーム)。鉄壁の装甲に大地を操る能力が加わり正しく変幻自在の要塞。土豪剣激土が使用可能となる(あくまで武器として)。ライダーくんが1日に変身出来る種類は3種類と決まっているが、アイテムに関しては実体化させる事は可能(そうしなければブレイド キングフォームでフォーカードやカブト ハイパーフォームで虫取り棒ことパーフェクトゼクター等が使えなくなるので)。


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27スレ

第30話を投稿します。

トーナメント戦 決勝戦です。
今回で体育祭編は終了してガチャ回を挟んでから職場体験編に突入します。

8月に募集してたヒロインアンケートの投票結果が出ました。

1位「追加ヒロインなし」473票
2位「ハーレム希望」433票
3位「八百万」293票

etc……となりました。結果は「追加ヒロインなし」となりましたが、「ハーレム希望」に400票以上も票が集まったので勿体ないと考え、アンケートで100票以上集まった女性キャラとの絡みを増す形で行きたいと思います。あくまでメインヒロインは葉隠透と蛙吹梅雨の2人なので、そこは変更なしです。


決勝戦進出を決めた俺は緑谷を医務室へ運んだ後、控え室で待機していた。

 

決勝戦の対戦相手は準決勝で常闇を倒した爆豪。

 

【爆破】による高い攻撃力と機動力、そして戦闘時での頭の回転の速さ、彼はどれも1年生の中でもズバ抜けた能力を持っている。

 

そして勝利への貪欲さと誰よりも負けず嫌いさを兼ね揃えている。

 

「(小手調べしてる暇は無さそうだし、最初からワンダーコンボで行かなきゃ勝てないだろうな…。それとまだ観せていないワンダーライドブックの力を使って対策パターンを絞らせない様にしないと…)ん?」

 

作戦を考えていると突然ドアが開いたので振り返ると、爆豪が立っていた。

 

「ハ?何でテメェがいやがる!」

 

「何でって、此処は俺が使ってる控え室だからだよ」

 

「ハァ?……て、此処『2』の方かよ!クソがッ!!」

 

どうやら爆豪は控え室を間違えた様だ。

 

「たまにあるよね、場所が似ていると。爆豪の控え室は奥の部屋だよ」

 

「フォローしてんじゃねェ!!」

 

癇に障ったのか爆豪は目尻を吊り上げて激情した。

 

ホント、何かしらに怒ってるな彼は……。

 

「チッ、……オイ、変身野郎」

 

「何?」

 

「最初から()()で来いや」

 

アレ?

 

「アレって?」

 

「半分野郎を倒したヤツだ!金ピカの!!」

 

「金ピカ……ああ、ゴールデンアランジーナか」

 

「良いか!俺に舐めプしたら殺す!!最初から全力で来やがれ!!」

 

どうやら爆豪はゴールデンアランジーナの俺と闘いたい様だ。

 

そんな爆豪に俺は頷く。

 

「言われなくても君相手に全力で行かなかったら勝てないのは分かってる。最初からトップギアで行くよ」

 

「ハッ!どんな力を使おうが俺はその上を行く!!いいか!俺はNo.1をも超えるヒーローになる!!相手が誰だろうがブッ殺すだけだ!!」

 

そう言って大きな音が鳴る程ドアを強く閉めて爆豪は去って行った。

 

「こっちだって負けられないさ」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

『リスナー共!待たせたな!!遂に決勝戦が始まる!この闘いに勝利した者が1年最強の称号を得るぞォォォ!!』

 

『ここまで圧倒的な力で勝ち進み、優勝を掴めるか!?ヒーロー科 佳面ァァァ来太ァァァ!!』

 

『誰よりも勝利を望み、邪魔する奴は容赦しない!同じヒーロー科 爆豪ォォォ勝己ィィィ!!』

 

マイク先生のアナウンスと共に会場が歓声で沸く。

 

「佳面くんの変身が完了したと同時に試合を始めます!」

 

ミッドナイト先生の確認事項が終わり、俺はソードライバーとワンダーライドブックを実体化させる。

 

 

『聖剣ソードライバー』

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

ソードライバーにワンダーライドブックをセットさせ、もう2冊のワンダーライドブックを取り出す。

 

 

『ニードルヘッジホッグ!』

 

 

『トライケルベロス!』

 

 

3冊のワンダーライドブックを各スロットにセットさせると待機音が鳴り響き、背後に巨大な【トライケルベロス】、【ニードルヘッジホッグ】、【ランプドアランジーナワンダーライドブック】が出現した。

 

 

「変身ッ!」

 

 

俺はソードライバーに納刀した雷鳴剣を抜刀する。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

『ランプの魔神が真の力を発揮する!ゴールデンアランジーナ! 』

 

 

抜刀した事でソードライバーにセットされたワンダーライドブックが展開し、そのまま雷鳴剣を下から斬り上げる。

 

背後の巨大なワンダーライドブックから【ランプドアランジーナ】と無数の針、そして三つ叉の頭をした神獣【トライケルベロス】が飛び出し、俺の周囲を回転し包み込み、ゴールデンアランジーナに変身完了した。

 

『佳面が変身を完了した!しかも初っ端から轟戦で観せた全身金ピカの姿だ!!』

 

『小細工無し、最初から飛ばすみたいだな』

 

『イイネイイネ!それじゃあ2人とも準備は良いな?泣いても笑っても此れが最後の試合だ!!』

 

俺と爆豪は構えて試合開始の合図を待つ。

 

 

『START!!』

 

 

「死ねェェェェ!!」

 

 

最初に動いたのは爆豪。

 

爆破による推進力で接近し、右手を振り下ろす。

 

俺は左側に展開されたマント【アルカナシェード】で身を包む。

 

 

BOOM!!

 

 

振り下ろされた右手から大きな音と共に爆破が起きる。

 

『最初に動いたのは爆豪!右手の爆撃が佳面に直撃!!早くも試合終了か!?』

 

『いや、良く観ろ』

 

誰もが決まったと思った、その時

 

「フッ!」

 

「グッ!?」

 

攻撃を凌ぎ、爆豪の脇腹に拳が突き刺さる。

 

『まさかの佳面ノーダメージ!?すかさずカウンターの右フックが爆豪に炸裂!!アイツあの爆撃効いてねぇのかよ!?』

 

『あの一瞬、佳面は左側のマントでガードした。爆豪の攻撃を完璧に防いだという事はかなりの防御力があるんだろ』

 

カウンターを受けた爆豪は後ろに後退する。

 

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 

ワンダーライドブックのページを押し込み、ランプドアランジーナの力を解放する。

 

すると上空から金色に輝く絨毯が現れ、俺は絨毯に飛び乗る。

 

『佳面、今度は空飛ぶ絨毯を召喚して飛び乗った!?つーか空飛ぶ絨毯とか御伽話かよ!?』

 

「調子乗ってんじゃねーぞ!」

 

爆豪は迎撃するが絨毯を操作してそれを回避する。

 

爆豪が攻撃して、俺は回避する。

 

空中で激しい攻防が繰り広げられる。

 

「ハアッ!」

 

回避に徹した俺は雷鳴剣から雷を発生させ反撃する。

 

「チィッ!」

 

電撃を何とか回避した爆豪の隙を見て、絨毯を操作し接近する。

 

「セアッ!」

 

「ガッ!?」

 

雷鳴剣による真っ向斬りが爆豪の頭部に直撃し、爆豪はフィールドに落下する。

 

『佳面の一太刀が決まった!!決まったか!?』

 

『…まだだ』

 

マイク先生の実況を相澤先生が否定する。

 

「……終わって……ねぇよ」

 

爆豪は頭を抑え、フラつきながらも起き上がる。

 

「俺はもう……2度と負けねぇ……負ける訳にはいかねぇんだよ!!」

 

爆豪は鋭い眼差しで俺を睨む。

 

たとえ瀕死になっても勝負を諦める事をしない、それが爆豪だ。

 

「知ってたさ。君の執念は!」

 

俺は()()()()()()()()()()()()()を取り出す。

 

 

『猿飛忍者伝!』

 

 

ソードライバーにセットされたランプドアランジーナワンダーライドブックを取り外し、猿飛忍者伝ワンダーライドブックをセットし直して雷鳴剣を納刀し、トリガーを引く。

 

 

『必殺読破!』

 

 

雷鳴剣を再抜刀する。

 

 

『黄雷 抜刀!』

 

 

『ケルベロス!ヘッジホッグ!猿飛佐助!三冊斬り!』

 

 

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

 

「死ねェェェェェェ!!」

 

 

爆豪は最大火力による噴射で突っ込む。

 

しかし黄金色の風を帯びた俺は回避し、高速移動から雷の斬撃を立て続けに叩き込む。

 

「クソ……が……」

 

連続斬撃を受け、遂に爆豪は倒れる。

 

審判役のミッドナイト先生が倒れた爆豪に近づき、意識を確認する。

 

「爆豪くん戦闘不能!よって佳面くんの勝ち!!」

 

 

『遂に決着!決勝戦を制したのはヒーロー科 佳面来太!!』

 

 

観客たちはスタンディングオベーションで称賛を贈る。

 

俺は変身解除し、小さくガッツポーズを取った。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

161:虚刀流のグラップラー

ライダーくんが優勝した!!

 

162:サクラギ研究所のリサーチフェロー

おめでとう!

 

163:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

おめでとう!

 

164:空座町の無下限呪術師

祝え!

 

165:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

祝え!

 

166:太刀川隊の狙撃手

おめでとう。

 

167:杜王町の幽波紋使い

やったな。

 

168:雄英の仮面ライダー

皆さん、ありがとうございます。

まあ、その後が大変でしたが。

 

169:空座町の無下限呪術師

何かあった?

 

170:雄英の仮面ライダー

はい。

目を覚ました爆豪が暴れ出したので表彰式で拘束されてました。

 

171:虚刀流のグラップラー

>>170

知ってた。

 

172:太刀川隊の狙撃手

まあ、そうなるよな。

 

173:サクラギ研究所のリサーチフェロー

原作でもそうだったし。

 

174:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

表彰式に出たのはライダーくんと爆豪以外だと…。

 

175:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

緑谷と常闇の2人ですね。

 

176:空座町の無下限呪術師

原作だと緑谷じゃなくて飯田だったけど。

そう言えば飯田は?

 

177:雄英の仮面ライダー

飯田は……プロヒーローのお兄さんがヴィランとの交戦で負傷して病院に搬送されたそうなので早退しました。

 

178:太刀川隊の狙撃手

【ヒーロー殺し】か…。

 

179:虚刀流のグラップラー

来たか。

 

180:雄英の仮面ライダー

【ヒーロー殺し】ってここ最近で出没したヒーローを襲うヴィランの事ですよね。

皆さん知ってるんですか?

 

181:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

原作でも登場してたキャラだからね。

 

182:杜王町の幽波紋使い

そうなのか?

 

183:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

うん。

()()()()()()()()()()()ヴィランで血を舐める事で相手の身動きを封じる個性を持ってるんだ。

血液型で拘束出来る時間が変わるのが特徴かな。

 

184:サクラギ研究所のリサーチフェロー

しかも対人戦闘がメッチャ強いんですよ。

刃物を手足の様に使いこなしてました。

 

185:空座町の無下限呪術師

まあ、個性の性質上あまり目立つ場所で犯行に移さないから路地裏とかにヒーローを誘って奇襲する戦い方をするタイプだね。

 

186:雄英の仮面ライダー

そうなんですね。

飯田のお兄さん、無事だと良いんですが……。

 

187:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ライダーくん……。

 

188:太刀川隊の狙撃手

今は警察やプロヒーローたちに任せるしかないな。

 

189:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ヒーロー資格が無いと動こうにも動けないですからね。

 

190:空座町の無下限呪術師

>>189

そうそう。

ま!今は優勝した事を喜んで良いんじゃない?

 

191:杜王町の幽波紋使い

そうだな。

今回はライダーくん頑張ったからな。

 

192:雄英の仮面ライダー

……そうですね。

悩んだってどうする事も出来ませんし、今はそうします。

 

193:虚刀流のグラップラー

そうそう。

 

194:サクラギ研究所のリサーチフェロー

一先ず、お疲れ様。

 

195:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れ。

 

196:雄英の仮面ライダー

>>194>>195

はい。

お疲れ様です。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




ライダーくん、体育祭で優勝する。
爆豪との激闘を制し、無敗で優勝を飾ったライダーくん。飯田の兄『インゲニウム』がヴィランとの戦闘で負傷した事に心配する。
体育祭終了後、葉隠さんを実家のコーヒーショップに招待して祝勝会をする。

猿飛忍者伝を使用する
【仮面ライダーセイバー】本編でエスパーダが猿飛忍者伝ワンダーライドブックを使用した必殺技をライダーくんが使用(※ライダーくんはデザスト退場回直後に転生したのでそれ以降のストーリー展開は知りません)。


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28スレ

第31話を投稿します。
次回から職場体験編になります。

今回は以前アンケートを募集した主役ライダーのガチャ回です。

それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

1:雄英の仮面ライダー

お…お疲れ様です……。

 

2:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

どうしたのライダーくん?

 

3:空座町の無下限呪術師

何で初っ端から疲弊してるの?

 

4:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

大丈夫か?

 

5:雄英の仮面ライダー

あ、はい…。

実は体育祭の振替休日で今日休みなんですけど、店の手伝いしてたら来たお客さんの殆どが俺目当てでして、その接客で疲れました。

 

6:サクラギ研究所のリサーチフェロー

>>5

あー、なるほどね。

 

7:杜王町の幽波紋使い

体育祭で大活躍したからな。

 

8:太刀川隊の狙撃手

一目ライダーくんを見たかったんだろうな。

 

9:虚刀流のグラップラー

お客さんの反応どうだった?

 

10:雄英の仮面ライダー

>>9

そうですね……、「写真を撮らせて欲しい」とか「握手して欲しい」とか「サインを書いて欲しい」とかですね。

親子連れの場合だと子どもたちから「変身して!」ってせがまれたりとか。

 

11:杜王町の幽波紋使い

>>10

最早本物のヒーローみたいだな。

 

12:太刀川隊の狙撃手

俺が所属する【ボーダー】にもメディア担当のチームはありますけど、近い感じなのかな。

 

13:虚刀流のグラップラー

まるで佐○健や菅田○暉とか福○蒼○みたいですね。

 

14:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

それで変身したの?

 

15:雄英の仮面ライダー

いえ、流石に無闇に変身する訳にはいかなかったので「大事な時じゃないと変身出来ないんだ。ごめんね」って返答しました。代わりに子どもたちの遊び相手になったりしましたね。 

 

16:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

神対応。

 

17:杜王町の幽波紋使い

すっかり人気者だな。

 

18:空座町の無下限呪術師

それで、今回はその報告だけかな?

 

19:雄英の仮面ライダー

>>18

いえ。

今日はピックアップガチャを引こうかと。

 

20:サクラギ研究所のリサーチフェロー

久々のガチャ回か!?

 

21:虚刀流のグラップラー

待ってました!

 

22:太刀川隊の狙撃手

今日は何のピックアップ?

 

23:雄英の仮面ライダー

今日は【主役ライダー】のピックアップです。

 

24:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

主役ライダー!?

 

25:空座町の無下限呪術師

つまり電王とかWとかオーズみたいな所謂各作品の1号ライダーの事かい?

 

26:杜王町の幽波紋使い

かなりの数になるんじゃあないか?

 

27:雄英の仮面ライダー

>>25>>26

はい。

ちなみにピックアップはこんな感じです。

 

 

【ライブ配信モード】

 

【LR】

仮面ライダー1号(取得済)

仮面ライダー1号(映画『仮面ライダー1号』)

仮面ライダー2号

仮面ライダーV3

ライダーマン

仮面ライダーX

仮面ライダーアマゾン

仮面ライダーストロンガー(取得済)

仮面ライダースーパー1(取得済)

仮面ライダーBLACK RX

仮面ライダークウガ(取得済)

仮面ライダーアギト

仮面ライダーカブト

仮面ライダー電王

仮面ライダーディケイド

仮面ライダーディケイド(激情態)

仮面ライダーディケイド(ネオディケイド.ver)

仮面ライダーW(取得済)

仮面ライダーオーズ

仮面ライダー鎧武

仮面ライダーエグゼイド(取得済)

仮面ライダージオウ

仮面ライダーオーマジオウ

仮面ライダーゼロツー(取得済)

仮面ライダーアークワン

仮面ライダークロスセイバー

仮面ライダーオールマイティセイバー

 

【SR】

スカイライダー(取得済)

仮面ライダーZX

仮面ライダーBLACK(取得済)

仮面ライダーシン

仮面ライダーZO(取得済)

仮面ライダーJ

仮面ライダー龍騎

仮面ライダーファイズ(取得済)

仮面ライダーブレイド

仮面ライダー響鬼

仮面ライダー1号(映画『仮面ライダーTHE FIRST』)

仮面ライダー2号(映画『仮面ライダーTHE FIRST』)(取得済)

仮面ライダーV3(映画『仮面ライダーTHE NEXT』)

仮面ライダーNEW電王

仮面ライダーキバ

仮面ライダークウガ(『仮面ライダーディケイド』.ver)

仮面ライダージョーカー

仮面ライダーサイクロン

仮面ライダーフォーゼ

仮面ライダーウィザード

仮面ライダードライブ

仮面ライダープロトドライブ

仮面ライダー超デッドヒートドライブ

仮面ライダーゼロドライブ

仮面ライダーゴースト

仮面ライダーゴーストグレイトフル魂

仮面ライダーアマゾンオメガ(取得済)

仮面ライダーアマゾンニューオメガ

仮面ライダーアマゾンアルファ

仮面ライダーアマゾンネオ

仮面ライダービルド

仮面ライダーゼロワン(取得済)

仮面ライダー001

仮面ライダーセイバー

仮面ライダーリバイス

 

28:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

>>27

多過ぎ!?

 

29:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

もう何がなんだか……。

 

30:杜王町の幽波紋使い

錚々たるラインナップだな。

 

31:太刀川隊の狙撃手

主人公ライダーですからね。

 

32:サクラギ研究所のリサーチフェロー

あれ?けど知らないライダーがありますね。

仮面ライダー…リバイス?

 

33:虚刀流のグラップラー

本当だ。

俺も知らないライダーだな。

 

34:空座町の無下限呪術師

ライダーくん、リバイスって知ってる?

 

35:雄英の仮面ライダー

>>34

すいません、俺も知らない仮面ライダーですね。

俺が知ってるのは1()()()()()()()までなので。

 

36:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

つまり、セイバー以降の新しい仮面ライダーって事か?

 

37:太刀川隊の狙撃手

そうなりますね。

ガチャで引いても詳細が不明だと使いづらいですね。

 

38:サクラギ研究所のリサーチフェロー

主役ライダーだからそこまでリスクが高くないと思いますが…。

 

39:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>38

トレーナーニキ、アマゾンズ系ライダーを目の前に同じ事言える?

 

40:サクラギ研究所のリサーチフェロー

……確かに。

軽率でした。

 

41:杜王町の幽波紋使い

まあ、こういうのは引いてみないと分からないだろ?

 

42:空座町の無下限呪術師

だね。

ライダーくん、御目当てのライダーは居るかな?

 

43:雄英の仮面ライダー

そうですね……昭和ライダーだとXライダー、平成だとカブトとビルド、令和だとセイバーですね。

 

44:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

前々から思ってたけど、ライダーくんてかなりのマニアだよね。

ZOが推しライダーの1人だったし。

 

45:太刀川隊の狙撃手

良いんじゃないですか?

好きなヒーローって人それぞれですし。

 

46:虚刀流のグラップラー

それじゃあ、ライダーくん。

早速引いてみてくれ。

 

47:雄英の仮面ライダー

はい。

それでは引きます。

えいや!

 

 

【10回目結果】

仮面ライダー響鬼【SR】

仮面ライダージョーカー【SR】

仮面ライダー最光【SR】

仮面ライダーシノビ【R】

仮面ライダーブラーボ【R】

仮面ライダー純(量産型仮面ライダーマッハ)【N】

仮面ライダーセイバー【SR】

仮面ライダーランス【R】

仮面ライダーアマゾンアルファ【SR】

仮面ライダーBLACK RX【LR】

 

……って、ブ、BLACK RX!?

 

48:虚刀流のグラップラー

て○をーーー!?

 

49:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ザ・チートライダー!!

 

50:杜王町の幽波紋使い

勝った!

第3部完!!

 

51:太刀川隊の狙撃手

勝ったな。

風呂入ってくる。

 

52:空座町の無下限呪術師

うわー、これが“その時、不思議な事が起こった"現象か。

 

53:サクラギ研究所のリサーチフェロー

勝ち確定じゃないですか。

最初のガチャ回でもBLACK引いてたし…。

どうするライダーくん、もう止めたく?

 

54:雄英の仮面ライダー

と、取り敢えず、後2回引いてみます。

まだXライダーとカブトとビルドが来てないので。

 

55:空座町の無下限呪術師

沼らない様にね。

 

56:太刀川隊の狙撃手

フラグにしか聞こえない。

 

57:杜王町の幽波紋使い

無理はするなよ。

 

58:雄英の仮面ライダー

はい。

それでは2回目、そりゃ!

 

 

【20回目結果】

仮面ライダーシグルド【R】

仮面ライダー王蛇【R】

仮面ライダーブレイズ【SR】

仮面ライダー電王【LR】

仮面ライダービルド【SR】

仮面ライダークローズ【SR】

仮面ライダーゴースト【SR】

仮面ライダークイズ【R】

仮面ライダーカブト【LR】

仮面ライダーウィザード【SR】

 

 

【30回目結果】

仮面ライダーキバ【SR】

仮面ライダーJ【SR】

仮面ライダー黒影・真【R】

仮面ライダーブレイド【SR】

仮面ライダー迅(フライングファルコン)【R】

仮面ライダーアビス【R】

仮面ライダー斬月【SR】

仮面ライダーギルス【SR】

仮面ライダーNEW電王【SR】

仮面ライダーデュランダル【SR】

 

……よし、終了!

 

59:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

待て待て!

ガチャ結果の感想は!?

 

60:サクラギ研究所のリサーチフェロー

30回分回して主役ライダーは半分くらいですかね。

 

61:虚刀流のグラップラー

それに【LR】が3枠来てるね。

 

62:空座町の無下限呪術師

電王って【LR】枠なんだ。

そんなにスペック高くないのに。

 

63:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

知名度とかも反映されてるんですかね?

 

64:杜王町の幽波紋使い

ガチャのレアリティに関しては良く分からないな。

神のみぞ知るってヤツか。

 

65:雄英の仮面ライダー

>>64

そうですね。

一先ず、時間作って引いたライダーの力を試してみます。

すいませんが皆さん、また特訓お願いしてもよろしいですか?

 

66:虚刀流のグラップラー

OK。

今こっちは刃牙くんがアメリカ大統領を誘拐してMr.アンチェインの居る刑務所に居るからピクルが来日する迄は時間作れるよ。

 

67:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

俺も何とか大丈夫。

突然悪の使者的な存在が現れない限りは。

 

68:太刀川隊の狙撃手

俺は防衛任務とソロランク戦が無い時なら平気だよ。

 

69:杜王町の幽波紋使い

俺も問題ないかな。

杜王町に異変が起きたら難しいが。

 

70:空座町の無下限呪術師

僕も仕事とプライベートで余裕な時に手伝うね。

 

71:サクラギ研究所のリサーチフェロー

俺の方もリサーチフェローの仕事が無い時なら大丈夫だよ。

 

72:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

俺は……特に力が無いから無理。

 

73:雄英の仮面ライダー

すいません。

皆さん、よろしくお願いします。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




ライダーくん、人気者になる
体育祭で活躍した事で店には常連さんから一見さんまで多くのお客がライダーくん目当てで来店した。

ライダーくん、て○をになる
ガチャを引いた結果、チートライダー代表ことBLACK RXを引き当てたライダーくん。「ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」はいつ言うのか……。


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職場体験編
29スレ


第32話を投稿します。
今回から『職場体験編』に入ります。

Yo○tubeで仮面ライダーフォーゼ10周年記念の特別インタビューが配信、メインキャストの方々ご本人で言うね。もう感動ですわ。

9/4に放送されたウルトラマントリガーにウルトラマンZとハルキが登場!!
ゼットライザーが故障したから代わりにGUTSスパークレンスとGUTSハイパーキーで変身!しかも変身方法をアキトくんのレクチャーが終わる前に行っちゃったせいで久々の変身コントが炸裂して笑ってしまいました。何気にZさんってハルキ以外の地球人と会話するのって今回が初と言うねw「ナイストゥーミーチュー」には思わず吹いたwww
ベリアロクさんがお父さんぽくてホッコリしました。

あとウルトラマンヒカリ先生の開発したアイテムって壊れやすいのかな?Z本編でもジードライザー壊れてたし…。アキトくんが直したらヒカリ先生並の技術力ってことになるのか?ヒカリ先生、後継者が見つかりましたよ(暗黒笑


「此処に来る途中、めっちゃ声掛けられた!」

 

「俺も俺も!」

 

「私も!ジロジロ見られてドキドキしちゃった!」

 

「葉隠さんの場合、いつも通りなんじゃ…」

 

「俺なんて小学生から"ドンマイコール"されたぜ」

 

「ドンマイ」

 

振替休日の翌日、教室では皆が登校時の周りからの反応に盛り上がっていた。

 

「なあ佳面は!お前優勝したから凄かったんじゃ……て、大丈夫か?」

 

「うん……なんとかね」

 

昨日に引き続き疲弊しているが、何とか切島に返事をする。

 

「あー、佳面くんなんて凄かったよ。通りすがりの人たちから写真とか握手とかサイン求められてたから」

 

「だからこんなに疲れてるのか。納得」

 

「あれだけ活躍したからな〜。当然ちゃ当然か」

 

葉隠さんの説明に周りの皆は納得した。

 

HRのチャイムが鳴り立っていた人は速やかに自身の席に着席する。

 

それまでのタイム、僅か1秒。

 

「お早う」

 

「「「お早うございます」」」

 

扉が開き、体育祭とは違いミイラマンでは無くなった相澤先生が教卓に立ち挨拶し、A組全員(爆豪を除く)で返す。

 

「相澤先生、包帯取れたのね。良かったわ」

 

相澤先生の変化に蛙吹さんが反応する。

 

「婆さんの処置が大袈裟だっただけだ。俺の事より今日のヒーロー情報学、ちょっと特殊だぞ」

 

突然の事に一部は動揺する。

 

「"コードネーム"、つまりヒーローネームの考案だ」

 

「「「胸膨らむヤツキターーー!!」」」

 

「おい、まだ途中」

 

全員が歓喜を上げると相澤先生の目つきが鋭くなり、一瞬で静かになる。

 

「簡単に説明すると、先日話したプロからのドラフト指名に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積んで即戦力と判断される2年から3年の時点だ」

 

「今回プロから来た指名は将来性を評価した興味によるものだ。卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんて事は良くある。勝手だと思うが、これも越えるべきハードルだと思え」

 

「大人は勝手だッ!」

 

シビアな内容に峰田が机を叩く。

 

「ヒーローに限らず一般企業でも良くある事だ。理解しろ峰田」

 

「それで指名の集計結果だが…例年だともっとバラけるんだが、今年はこの3人に偏った」

 

黒板に映し出された統計グラフには指名があった者の名前と各指名の来たヒーロー事務所の数値が表示され、数の多い順から俺・轟・爆豪の3名に指名が集まっていた。

 

「だ〜〜!白黒ついた!」

 

「あれ?1位の佳面は分かるけど2位が轟、3位は爆豪になってる」

 

「表彰式で囚人みてぇに拘束されてたらプロでもビビるって」

 

「ビビってんじゃねぇよプロが!!」

 

「うわ〜〜〜!!指名来とる!?」

 

「ん」

 

「はぁ……。流石ですわね、轟さん」

 

「殆どは親の名前ありきだろ」

 

「おい緑谷!お前にも指名が1,000近く来てるぞ!?」

 

「う、うん!」

 

統計結果に各々が反応を示すと相澤先生が説明を続ける。

 

「この結果を踏まえ、指名の有無関係なく職場体験に行って貰う。お前らは一足先に経験してしまったが、USJで実際にヴィランと交戦してプロの活動を体験したが、より実りある訓練をしようって事だ」

 

「成る程!それでヒーロー名か!」

 

「俄然楽しみになって来た!」

 

「まぁ、仮ではあるが適当なヒーロー名は」

 

 

「つけたら地獄を見るよ!!」

 

 

大きな声と共にミッドナイト先生が教室に現れる。

 

「その時の名が世に認知されてそのままプロ名になってる人は多いからね!!」

 

「将来自分がどうなるのか。名を付ける事でイメージが固まり、それに近付いていく。それが【名は体を現す】ってことだ。オールマイトの様にな」

 

「各自、配られたボードに各々ヒーロー名を書け。俺は寝る」

 

「「「(寝るの!?)」」」

 

相澤先生は寝袋を着て教室の隅で寝始める。

 

前の席からボードとペンが配られ、各自ヒーロー名を考える。

 

既に決まっている人はボードに書き始めていた。

 

「(ヒーロー名、アレしか思いつかないな)」

 

俺もペンでボードに書き始める。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「それじゃあ決まった人から前で発表して貰います!」

 

「「「(まさかの発表形式!?)」」」

 

青山の短文、芦戸さんの奇抜なヒーロー名によって大喜利っぽくなったが蛙吹さんの【梅雨入りヒーロー フロッピー】によって浄化された。

 

続いて切島は尊敬するヒーローから因んだ【剛健ヒーロー 烈怒頼雄斗】を発表し、次に俺の番となった。

 

「次は佳面くんね。フフフ、優勝した貴方のヒーロー名は私気になるわ!」

 

「あはは。俺のヒーロー名は──」

 

俺は苦笑し、書かれたボートを皆に見せる。

 

生前、子どもの頃からの憧れ。

 

怪人と闘い、人類の自由と平和を守り続ける英雄(ヒーロー)たち。

 

架空の存在でも、俺はこの人たちの様に人々を守りたいと思い続ける。

 

【変身ヒーロー 仮面ライダー】。これが俺のヒーロー名です」

 

俺が名乗るのはまだ早いかもしれないけど、いつかこの名に相応しくなる事を誓う。

 

ちなみに、爆豪のヒーロー名は全て【爆殺○○】なので却下となり仮名で【バクゴー】になった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「佳面」

 

「なに?」

 

「昼飯、学食なら一緒に食わねェか?」

 

午前中の授業が終わり昼休憩となり、昼食を学食にするか購買のパンにするか悩んでいると轟にお昼を誘われる。

 

「うん良いよ。丁度学食にするか購買のパンにするか悩んでたから」

 

「そうか」

 

そう言って俺は轟と共に食堂へ向かった。

 

食堂には既に多くの学生が昼食目当てに並んでおり、俺と轟も列に並ぶ。

 

「轟は何にする?」

 

「俺は蕎麦だ」

 

「蕎麦かぁ、じゃあ俺も蕎麦にしようかな。オプションで天ぷら付けれたっけ?」

 

「ああ」

 

前の注文が終わって俺たちの番になりそれぞれ注文する。

 

俺はざる蕎麦(大盛り)に海老天と茄子天。

 

轟はざる蕎麦(普通盛り)と獅子唐と椎茸の天ぷら。

 

空いてる席に向かい合う様にして座り、手を合わせて「いただきます」を言って食べ始める。

 

一口啜ると、手打ちによる喉越しと歯応えに俺は満足する。

 

「うん、美味しい!久し振りに食べるけど蕎麦良いね」

 

「ああ。此処の蕎麦は美味い」

 

轟も今日の蕎麦の美味しさにご満悦の様だ。

 

「……昨日、母親に会って来た」

 

「そうなんだ……。お母さんとは話は?」

 

「して来た。それと、過去の事や入院してから1度も会わなかった事を謝ったよ。向こうも俺の事を許してくれた」

 

「…そっか」

 

轟とお母さんの間にあった溝が少し無くなった事に俺も安堵する。

 

「あと、職場体験……親父の事務所に行く事にした」

 

「……大丈夫?」

 

今も父親であるエンデヴァーを許していないであろう轟に少し心配する。

 

「ああ。アイツの事は今でも許せないが、ヒーローとしてのアイツの姿を直で見てみようと思う。……もう、目を背けない為にも」

 

轟の瞳には迷いが無い様に見えた。

 

「轟が自分で決めたのならきっと大丈夫だよ。……さて、俺も放課後までに提出しておかないと」

 

「決まってるのか?」

 

「うん。【ラビットヒーロー ミルコ】。彼女から指名来てたから行ってみようと思う」

 

ヒーローランキング10位以内に入る武闘派の女性ヒーロー。

 

個性【兎】による脚力と瞬発力を活かした格闘戦は日本のプロヒーローの中でもトップクラスに位置する。

 

「確か相棒(サイドキック)どころか事務所も持っていないヒーローだよな。特殊過ぎないか?」

 

「そうだね。変わったヒーローだけどトップ10入りする程の実力者だから興味あってさ。他だとホークスやベストジーニストからも指名来てたけど、俺の戦闘スタイル的にミルコみたいな格闘戦主体のヒーローの方が学べる物も多いと思って」

 

「成る程な」

 

「俺はそんなとこだけど、……飯田大丈夫かな」

 

話題を飯田の事に切り替えると轟の表情が変わる。

 

「インゲニウム……【ヒーロー殺し】の事か?」

 

「うん。お昼前に飯田が志望書を提出するのを見たけど、()()()のヒーロー事務所が書かれてあった事に気づいて……気になってね」

 

「保須ってインゲニウムが襲われたとこだろ。……まさか」

 

轟も察しが付いたのか顔を顰める。

 

「俺の思い過ごしならそれで良いけど、一応飯田に声掛けてみるよ。最悪、相澤先生に相談してみる」

 

「そうだな」

 

すると──

 

 

「あ!いたーー!!」

 

 

突然声が女性の大声が聞こえたので顔を向けると、青に近い紫色の長い髪をした容姿端麗な女子生徒がお昼ご飯の定食の載ったトレーを持って此方に近づいて来た。

 

「ねえねえ君たち1年A組だよね!君が佳面くんでそっちが轟くん!」

 

「そうですけど……轟知り合い?」

 

「いや知らねえ。佳面は?」

 

「俺も。少なくとも()()に知り合いは居ないよ」

 

「え!?何で私が先輩って知ってるの!?不思議ーー!!ねえねえ何で?」

 

「ちょっ」

 

見知らぬ女子生徒はそのまま俺の隣に座って顔を近づけて質問して来た。

 

「佳面くんの個性って変身する個性だよね?何種類変身出来るの?バイクにも乗ってたけどそれも個性なの?けど変身する個性なのに何でバイクを出せるの?ねえねえ教えて!!」

 

「それは──」

 

「ねえねえ!轟くんは自分の個性で風邪引かないの?寒かったり熱かったりで大丈夫?それに何で顔に火傷の跡があるの?」

 

「ッ!これは──」

 

「2人とも職場体験は何処の事務所に行くか決めてるの?決まってるなら何処に行くの?決まってないならリューキュウの事務所に来ない?!」

 

返答しようとすると話題が一瞬で変わる上に全く聞く耳持たない彼女に俺と轟は圧倒される。

 

「落ち着いて下さい」

 

「アタッ」

 

あまりのマシンガントークに思わず軽くチョップして彼女を静止させる。

 

「むぅ〜!何するの!」

 

「一旦落ち着いて下さい。あと質問してるのに急に話題変えられたら俺たちも返答出来ません。それと自己紹介してくれませんか?」

 

「あ!そうだったごめんね!私は波動ねじれ!3年ヒーロー科だよ!」

 

そう言って波動先輩はニコッと笑う。

 

その後、波動先輩の質問に俺と轟は答えられる範囲で返答し、何故か昼食を共にするのであった。




ヒーロー名【変身ヒーロー 仮面ライダー】
自身の夢であり目標でもある彼らの総称をヒーロー名にしたライダーくん。果たしてその名に相応しくなれるかは、まだ少し未来の話。


波動先輩、現る
轟と昼食を摂っていると突如目の前に現れたのは3年生の波動ねじれ先輩。あまりのマシンガントークにライダーくんと轟は圧倒される。ちなみにライダーくんが彼女を先輩だと気付いたのは去年の雄英体育祭を観ていたからである。


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30スレ

第33話の投稿です。

仮面ライダーリバイス第一話観ました。
感想としては、最高の一言です。アクションは勿論、一輝とバイスの掛け合いやライダーシステムの開発者のジョージ・狩崎のクセの強さとか今後も楽しみです。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:雄英の仮面ライダー

轟とお昼食べてたら3年ヒーロー科の先輩で"波動ねじれ"という女子生徒に絡まれました。

 

2:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ねじれちゃんだと!?

 

3:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

【ビッグ3】紅一点の!?

 

4:太刀川隊の狙撃手

登場早くないか?

 

5:虚刀流のグラップラー

偶然会ったのか?

 

6:雄英の仮面ライダー

>>5

はい。

突然俺たちに一方的な質問をして来て驚きましたが、普通に会話して一緒にお昼食べました。

 

7:杜王町の幽波紋使い

その女子生徒は物語に関わる人物なのか?

 

8:太刀川隊の狙撃手

そうですね。

波動ねじれは雄英ヒーロー科の3年生でも最強の1人でその実力はプロと同等以上と言われてますね。

原作でも()()()()で主人公たちと共に活躍したキャラです。

 

9:雄英の仮面ライダー

そうなんですね。

取り敢えず、報告は以上です。

今から職場体験先の志望書を提出しに行ってきます。

 

10:虚刀流のグラップラー

了解。

ちなみに何処のヒーロー事務所?

 

11:雄英の仮面ライダー

【ラビットヒーロー ミルコ】です。

 

12:サクラギ研究所のリサーチフェロー

まさかのミルコ!?

 

13:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

また原作よりも登場が早いキャラだな!

 

14:杜王町の幽波紋使い

そう言えば、呪術ニキと小林ニキは?

 

15:太刀川隊の狙撃手

>>14

2人とも仕事だそうです。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【職員室】

 

「相澤先生、職場体験先の志望書です」

 

「分かった」

 

放課後、相澤先生に職場体験先の志望書を提出する。

 

「体験先はミルコか……随分変わったヒーローを選んだな」

 

「そうですね。けど指名が来た中で1番合いそうだなと思ったので」

 

「そうか。手続きはこっちでやっておく」

 

「よろしくお願いします。……それと先生にご相談があるのですが」

 

「何だ?」

 

「飯田の事で」

 

飯田の名前を出すと相澤先生はピクリと反応する。

 

「……ヒーロー殺しの事か?」

 

「はい…。飯田、職場体験先に保須のヒーロー事務所を志望してるみたいなので、少し気になって」

 

相澤先生も飯田のお兄さんの事は知ってるため、職場体験先を保須市限定で選んでいる事を気にしている様だ。

 

「飯田とは話しは?」

 

「しましたが、飯田は『大丈夫だ』『問題無い』の一点張りで、それ以上は話してくれませんでした」

 

「……そうか」

 

「体験先を保須市を選んでいるって事は……飯田、お兄さんの仇を」

 

「体験先のヒーローにはそれとなく伝えるつもりだ。それ以上の措置はこちら側としては出来ん」

 

「そうですか……」

 

「悪いな、気を遣わしてしまって」

 

「いえ。俺からは以上です」

 

「分かった、こっちでも出来る事はする。相談してくれて助かった」

 

「はい。それでは失礼します」

 

「ああ。下校時間までに帰宅しろよ」

 

「分かりました」

 

俺は頭を下げ、職員室を出る。

 

「(さて、後は()()()の所に行くか……)」

 

俺は次に()()()を探し始めた。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

探すこと5分、あの人は目の前に居た。

 

()()()()()()()()()()鹿()()()()()()()()()()

 

「オールマイト。大丈夫ですか?」

 

「か、かかか佳面少年!?あ、ああ!大丈夫さ!!」

 

俺に気づいたオールマイトはいつも通りに返事をする。

 

「それで!何か用かな?!」

 

「はい。ご相談と言うか、オールマイトにお話ししたい事がありまして」

 

「そうなのか!私で良ければ力になるぞ!!」

 

オールマイトはサムズアップで応える。

 

「ありがとうございます。他の人には訊かれると良くない事でして」

 

「なら給湯室へ行こうか」

 

「すいません、お忙しいのに」

 

「HAHAHA!生徒が悩んでいるのに無視するなんてナンセンスな事はしないよ!ノープロブレムさ!!」

 

そう言ってオールマイトに連れられて給湯室に向かう。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

【給湯室】

 

給湯室に到着し、中に入ってテーブルを挟む様に座る。

 

「それで相談とは何かな?」

 

「……実は、USJ襲撃事件の事です」

 

オールマイトは少し笑みを止める。

 

「あの事件の事か……」

 

「はい。あの時、死柄木弔と外見が黒い靄に包まれた黒霧が撤退した際に気になる事を言ってまして」

 

「気になる事?」

 

「相澤先生とエクトプラズム先生を戦闘不能にし、俺が闘った"脳無"と呼ばれるヴィランについてですが、死柄木曰く『脳無は先生の造った最高傑作だ』という事です。言葉から察するにその脳無はその先生によって造られた謂わば対オールマイト用の改造ヴィランであると言う事です。実際に闘ってみて分かったのですが、あの脳無は【ショック吸収】と【再生】の複数の個性を持っていました。多分、改造も複数の個性に耐えられる様にしたものかと」

 

「成る程……」

 

「轟の様に複数の性質を持つ個性ではなく、全く別々の個性を宿すというのは有り得ないと思ったのと、……あと1つ」

 

「まだあるのかい?」

 

話して良いのか少し迷ったが、此処で言わなければと覚悟を決める。

 

「死柄木からオールマイトに『今度はその弱りきった身体を拝みに来る』と伝える様に言われました。宣戦布告だと思いますが、少なくとも死柄木か脳無を造った先生と呼ばれる存在はオールマイトに何かしら因縁があるんじゃないかと思います」

 

緑谷程ではないが、俺もオールマイトの活躍はネットやTVを通じて知っているつもりだ。

 

だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()は知らない。

 

「………まさか」

 

オールマイトは何か思い浮かんだのか、()()()()()()()()()

 

「オールマイト?」

 

「い、いや!何でもないよ佳面少年!!話してくれてありがとう!良く話してくれたね!!」

 

オールマイトは直ぐに再び笑みに戻る。

 

「そうですか……。脳無の事は警察にもお伝えしましたけど、オールマイトの事は話して良いか悩んでしまいこうして直接お話しする形になってしまいました。……遅くなってしまい申し訳ございませんでした」

 

俺は頭を深く下げて謝罪する。

 

「頭を上げてくれ佳面少年!現にこうして私に伝えてくれた事にとても助かるよ!!」

 

「いや、しかし」

 

「全く!君はとても学生とは思えない程律儀だね!まるで社会人と話してるみたいだよ!HAHAHA!!」

 

オールマイトが苦笑しているのを見て、俺は漸く頭を上げる。

 

「お伝えしたい事は以上です」

 

「ありがとう!君からの情報は我々にとってかなり強力なものだったよ!警察とも連携して必ずヴィラン逮捕に繋げてみせるよ!!」

 

「はい、よろしくお願いします。それと」

 

「ん?何だい?」

 

「貴方にこんな事を言うのは失礼かもしれませんが、…あまり無理をなさられないで下さい」

 

「佳面少年……」

 

「…すいません、プロにもなっていない学生の分際で。生意気でした」

 

「……いいや、ありがとう。その言葉だけで充分さ」

 

こうしてオールマイトへの相談を終え、俺は下校する。



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31スレ

第34話を投稿します。

この作品の評価が下がって悩んでます……。
下がると言う事は原因があると思うのですが、どこが悪いのか分からないので皆さんが思う改善すべき点や気になる点がありましたら感想欄で教えてくれると私も改善しやすいので参考の為どんどん書き込みよろしくお願いします。

内容は職場体験1日目となります。
今回ライダーくんの変身する仮面ライダーのヒントは「半熟探偵」「ガイアメモリ」「切札」です。



職場体験1日目。

 

集合場所の駅に着いた俺たちA組は相澤先生から注意事項を聞いていた。

 

「全員戦闘服(コスチューム)を持ったな。本来なら公共の場で着用禁止の身だ。落としたりするなよ」

 

「はーい!」

 

「伸ばすな。"はい"だ芦戸」

 

「はい」

 

元気良く返事する芦戸さんを相澤先生が注意する。

 

「くれぐれも体験先のヒーローに迷惑を掛けないように。以上だ、行ってこい」

 

「「「はい!」」」

 

各々体験先に向かう為、別れ始める。

 

「飯田、少し良い?」

 

「……何だい佳面くん」

 

俺は移動する飯田を引き留める。

 

「しつこいかもしれないけど、何かあったら遠慮なく連絡しなよ」

 

「僕も!友だちだろ?」

 

「うんうん」

 

緑谷と麗日さんも飯田を心配して声を掛ける。

 

飯田は振り向いて

 

「ああ」

 

普段見せない表情で答え、すぐさま移動していった。

 

「佳面くん、飯田くん…大丈夫かな?」

 

「大丈夫じゃない…と思う。一応学校側も飯田の体験先のヒーローに話しをしたみたいだけど」

 

「そうなんや」

 

緑谷と麗日は飯田を想い暗い表情をする。

 

「ほら、2人ともそろそろ新幹線に乗らないとだろ?心配するのも分かるけどそんな顔で行ってたら体験先のヒーローも気にしちゃうよ?」

 

「う、うん!」

 

「せ、せやね!」

 

俺たちは気持ちを切り換えてそれぞれ別れる。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「此処か」

 

移動すること約2時間。

 

辿り着いた先は戦闘服(コスチューム)やサポートアイテムを開発する会社の中でも有名な所の研究施設であった。

 

しかも敷地はめちゃくちゃ広く、宿泊施設もあるみたいだ。

 

「来たな!お前が佳面だな?!」

 

建物の入り口に立っていたのは長い白髪に褐色肌、赤く鋭い目つきに兎っぽい長い耳、ハイレグの戦闘服(コスチューム)を身に纏う1人の女性。

 

この人が俺の体験先のプロヒーロー ミルコである。

 

「はい。雄英高校から来ました佳面来太です。よろしくお願いします!」

 

「おう!じゃあ付いてこい!」

 

挨拶を終え、ミルコに連れられ建物の中に入る。

 

「質問よろしいですか?」

 

「何だ!」

 

「何故集合場所が研究施設なんですか?ミルコさんは事務所を持たないのは知ってますが」

 

「直ぐに分かる!おい!連れてきたから場所借りるぞ!」

 

「分かりました」

 

職員らしき人に確認を取るミルコに連れられた場所はサポートアイテムの実験室だと思われる広い空間だった。

 

「直ぐに戦闘服(コスチューム)に着替えろ!」

 

「あ、はい!分かりました!」

 

理由も分からないまま、俺は職員の方に更衣室へ案内され戦闘服(コスチューム)に着替える。

 

「(初日から大変そうだな……)」

 

少し不安を感じながら着替え終えた俺はミルコさんの所へ戻る。

 

「今日から2日間トレーニングをしながら私と模擬戦して貰う!お前の実力を直で見ておきたいからな!!」

 

「模擬戦…ですか」

 

「本気で来いよ!」

 

「はい…」

 

突然のプロヒーローとの模擬戦になった事に戸惑いながらも、実験室の中央に立つ。

 

「お前変身する個性なんだろ?しかも色んなのになれるみてぇじゃねぇか!ガンガン見せろ!」

 

「分かりました」

 

気持ちを切り換え、俺は変身アイテムを実体化させる。

 

ミルコは格闘主体の武闘派ヒーロー。

 

ならば最初は同じ土俵で試してみよう。

 

俺の両手には【ロストドライバー】と【ジョーカーメモリ】を握り、そのままドライバーを装着する。

 

そしてメモリのスイッチを押す。

 

 

『ジョーカー』

 

 

メモリをドライバーのスロットに装填し、待機音が鳴り響く。

 

ドライバーから紫色の波動が発生し、俺の顔に複雑な涙ラインが浮かび上がる。

 

俺は右手を握り締め、構える。

 

「変身!」

 

 

『ジョーカー』

 

 

スロットを展開させると俺の肉体が変化する。

 

全身が黒で統一され所々に紫のラインが入り、赤い大きな複眼、額に『W』の形状をした銀色のアンテナが形成された。

 

地球の記憶の一部が内包されたアイテム【ガイアメモリ】の1本で「切札の記憶」を司るメモリで変身したその姿の名は【仮面ライダージョーカー】。

 

2人で1人の探偵の1人が自身の力のみで変身する戦士である。

 

「お待たせしました」

 

「そいつがお前の個性か!体育祭のヤツとは違うな!それじゃあ始めるぞ!!」

 

開始の合図も無く、ミルコは自慢の瞬発力で接近する。

 

「(速い!?)」

 

「オラッ!」

 

「とっ!」

 

彼女から放たれる鋭い蹴りをバク宙で回避する。

 

すかさず2撃目の蹴りが迫まり、片手でガードしてカウンターの膝蹴りを繰り出す。

 

「甘え!」

 

「マジか!?」

 

すると彼女は前蹴りで俺の攻撃を相殺した。

 

「なかなかやるな!けどこんなもんか!?」

 

左からの中段の横蹴りが俺の脇腹を捉える。

 

「グッ!」

 

想像以上の威力と衝撃で後ろによろける。

 

「ソラッ!」

 

彼女は俺の顔面目掛けて回し蹴りを放つ。

 

「ハァ!」

 

俺も同じく回し蹴りで応戦し、ぶつかり合った衝撃で互いに後退する。

 

「良いじゃねぇか!?反応良し!カウンター良し!対応力もある!お前格闘技経験者だな?!」

 

「幼少時代に空手を少し。今も鍛錬はしてます」

 

「ハハハ!アタリだよお前!指名して良かった!」

 

「ありがとうございます!」

 

会話を交わしながらも攻防は続いた。

 

開始して3分が経過し、両者引き分けで1回目の模擬戦が終了した。

 

いや、俺の方が体力を消耗しているため負けは俺だろう。

 

「良し!1回目はここまでだ!5分休憩した後基礎トレーニング!昼からまたやるぞ!」

 

「は、はい!」

 

そう言い残してミルコさんは部屋から出る。

 

俺は変身解除して一息つける。

 

すると職員の方が此方に近寄る。

 

「凄いよ君。ミルコさんの攻撃をあそこまで捌けるなんて」

 

「いえ、まだまだです。あの人全力出してなかったですし、小手調べが無かったら俺は床に倒れてました」

 

「それでもだよ。あの人があんな楽しそうに模擬戦するのは久し振り観たからね。気に入られたんじゃないかな?」

 

「そうですかね?」

 

「そうだよ。ほら、次はトレーニング室へ移動しないと。ミルコさん待つの苦手だから。トレーニング室まで案内するよ」

 

「ありがとうございます」

 

初日からハードなスケジュールだが、俺は少し楽しくなってきたと思ったのであった。




仮面ライダー紹介

仮面ライダージョーカー

レア度【SR】

出典『仮面ライダーW AtoZ/運命のガイアメモリ』


ライダーくんvsミルコ(模擬戦)
体験先がミルコなので感想欄でもビルドの登場を予想してた方が多かったですが、今回は仮面ライダージョーカーでした。
風都探偵でもファング系の派生フォームが登場してWの進化は止まらない感じが良いですね。アニメでは翔太郎たちの声はどうなるんでしょうね……、声優さんになると思うのですが『KAMENRIDER memory of heroz』のキャストでやる感じになるんでしょうかね。


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32スレ

第35話を投稿します。

前回、評価の事で皆さんからご意見を頂きとても参考になりました。
コメントされた皆さん、評価を付けてくれた皆さん、誠に有難うございます!
当面はお気に入り登録数をより増えるよう投稿を頑張っていく方針となりますので、何卒よろしくお願いします!!


今回のお話は職場体験2日目です。
ライダーくんが変身する仮面ライダーのヒントは「兎と戦車」「ベストマッチ」「天↑才↓物理学者」です。

それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:雄英の仮面ライダー

おはようございます。

 

2:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

おはよう、ライダーくん。

 

3:杜王町の幽波紋使い

おはよう。

 

4:空座町の無下限呪術師

おっはよー!

 

5:虚刀流のグラップラー

おはよう。

そっちは朝なんだ。

こっちは昼だよ。

 

6:サクラギ研究所のリサーチフェロー

おはよう。

こっちは夕方です。

 

7:太刀川隊の狙撃手

おはよう。

俺は夜です。

 

8:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

おはよう。

俺の方は朝の10時頃です。

 

9:空座町の無下限呪術師

世界によって時間軸ズレてるからね〜。

そんな事より、ライダーくんは職場体験どんな感じ?

 

10:雄英の仮面ライダー

1日目はトレーニングメインでした。

2回程ミルコさんと模擬戦しましたけど。

 

11:虚刀流のグラップラー

マジで!?

 

12:サクラギ研究所のリサーチフェロー

プロと模擬戦ってありなの?

 

13:太刀川隊の狙撃手

勝率は?

 

14:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

どうだった?!

 

15:雄英の仮面ライダー

結果は1勝1引き分けです。

1回目は仮面ライダージョーカーで引き分けて2回目はスーパー1でファイブハンドと赤心少林拳を駆使してなんとか勝ちました。

 

16:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

プロに勝ったの!?

 

17:虚刀流のグラップラー

マジか!?

 

18:雄英の仮面ライダー

あくまで"模擬戦"です。

 

19:サクラギ研究所のリサーチフェロー

謙遜と言うか真面目と言うか。

 

20:太刀川隊の狙撃手

まあ、実戦だと勝手が違いますからね。

 

21:杜王町の幽波紋使い

>>20

確かに。

奇襲だったり地の利を活かしたりとか。

 

22:空座町の無下限呪術師

命のやり取りをする実戦の方がハードだしね。

 

24:雄英の仮面ライダー

そうですね。

ちなみに今日も昼から模擬戦をする予定です。

 

25:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

マジか。

頑張ってね!

 

26:虚刀流のグラップラー

勝ち越して来い!

 

27:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

無理しないでね。

 

28:雄英の仮面ライダー

はい。

やれるだけやってみます。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

職場体験2日目。

 

午前中はトレーニングを行い、昼食を済ませ、昼から1日目と同じ様に再びミルコさんとの模擬戦のため実験室の中央に位置着いた。

 

「さぁて、今日は私が勝つからな!」

 

「よろしくお願いします……とその前に」

 

俺は実験室の窓側を見る。

 

そこには研究所の職員の方々が興味津々な表情をして立っていた。

 

「昨日より人増えてませんか?」

 

「あぁー、見学だとさ。プロと学生の模擬戦なんてそうそう無いからな。んな事より!早く変身しろ!」

 

「は、はい。分かりました」

 

ミルコさんに急かされ、俺は変身アイテムを実体化させる。

 

今回選んだのは【ビルドドライバー】と【フルボトル】。

 

「お!新しいベルトか!」

 

「そうです」

 

俺はビルドドライバーを装着させ、左手【ラビットフルボトル】、右手に【タンクフルボトル】を持つ。

 

 

「さあ、実験を始めようか」

 

 

2つのボトルを上下に振る。

 

こうする事でボトル内の成分【トランジェルソリッド】を増幅、活性化させる。

 

振ったボトルの【シールディングキャップ】のラベルが正面になる様に回し、ドライバーの【ツインフルボトルスロット】に装填させる。

 

 

『ラビット!』

 

 

『タンク!』

 

 

『ベストマッチ!』

 

 

ドライバーから音声が響くと共に待機音が鳴り始める。

 

右手でドライバーに搭載された【ボルテックレバー】を回す事でエネルギー生成ユニット【ボルテックチャージャー】を作動させる。

 

装置内部の発動機【ニトロダイナモ】が高速稼働し、変身に必要なエネルギーを生み出す。

 

ドライバーに搭載された高速ファクトリー展開装置【ビルディングモジュール】から高速ファクトリー【スナップライドビルダー】が展開され、ドライバーと高速ファクトリーの間に透明なパイプ【ファクトリアパイプライン】が繋がれ、パイプ内にドライバー内部で加熱・加圧され、赤と青の液体となった【トランジェルソリッド】を【スナップライドビルダー】に送り込む。

 

そして俺の前後に赤と青の装甲が形成される。

 

 

『Are you ready?』

 

 

ベルトから確認音声が鳴り、俺はファイティングポーズを構え、叫ぶ。

 

 

「変身!」

 

 

装甲を形成した【スナップライドビルダー】が俺を挟み込み、形成された装甲を装着し、白い蒸気が噴き上がる。

 

 

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』

 

 

愛と平和の為に戦ったナルシストで自意識過剰な正義のヒーロー【仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム】に変身完了した。

 

「おおー!今度は赤と青か!しかも私相手に"ラビット"とは生意気だな?!」

 

「いや、別にそういう意味は無いですよ」

 

俺としてはやはり最初は基本フォームに変身したかったし、何より平成2期の仮面ライダー作品の中だとビルドがランキングトップ3くらいに好きだからというのはある。

 

ちなみに他2作品はWとオーズである。

 

変身プロセスが化学実験ぽかったからか、窓越しに職員の方々が目をキラキラさせながら俺の方を観ていた。

 

「それじゃあ行くぜ!」

 

弁解してる間にミルコさんが突っ込んでくる。

 

「危ね!?」

 

俺は瞬時に左脚部【クイックラッシュレッグ】に備わる跳躍強化バネ【ホップスプリンガー】を利用したハイジャンプでドロップキックを回避する。

 

「良いジャンプ力だな!」

 

「恐縮です!ハァッ!」

 

すかさず俺は右脚の【タンクローラーシューズ】に搭載された無限軌道装置による高速走行で接近しパンチを繰り出す。

 

右手からの敏捷性を活かした高速パンチがミルコさんの頬を掠める。

 

「チッ!オラァ!」

 

ミルコさんは身体を捻りながら側頭部に目掛けてハイキックを放つ。

 

「(これ本気(マジ)で蹴ってる!?)グッ!」

 

辛うじてガードし、前蹴りをするも躱される。

 

「それなら!」

 

俺は【ニンジャフルボトル】と【コミックフルボトル】を取り出し、上下に振ってドライバーに装填する。

 

 

『忍者!』

 

 

『コミック!』

 

 

『ベストマッチ!』

 

 

【ボルテックレバー】を回す事でエネルギー生成ユニット【ボルテックチャージャー】を作動させる。

 

【スナップライドビルダー】が展開され、ドライバーと高速ファクトリーの間に透明なパイプ【ファクトリアパイプライン】が繋がれ、パイプ内にドライバー内部で加熱・加圧され、今度は紫と黄色の液体となった【トランジェルソリッド】が【スナップライドビルダー】に送り込まれる。

 

 

『Are you ready?』

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

装甲を形成した【スナップライドビルダー】が俺を挟み込み、形成された装甲を装着し、白い蒸気が噴き上がる。

 

 

忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!イェーイ!』

 

 

忍者とコミックの成分でフォームチェンジした姿【ニンニンコミックフォーム】となった俺は右手に持った刀型武器【4コマ忍法刀】の【ボルテックトリガー】を1回押す。

 

 

『分身の術』

 

 

すると忍法作動装置【一のコマ・分身】が作動し、実体化した分身が出現してミルコさんの周りを円を描く様に走り取り囲む。

 

「「「ハァッ!」」」

 

分身と共に四方八方からミルコさんを攻撃する。

 

「うっざってェ!」

 

ダメージを受けながらもミルコさんは手を床に付いてカポエラの技の1つ【ペンバ】の様な蹴り技で分身体諸共蹴り飛ばす。

 

俺は直撃する前に回避して今度は【キリンフルボトル】と【扇風機フルボトル】を取り出し上下に振ってドライバーに装填する。

 

 

『キリン!』

 

 

『扇風機!』

 

 

ベストマッチ!

 

 

【ボルテックレバー】を回す事でエネルギー生成ユニット【ボルテックチャージャー】を作動させる。

 

【スナップライドビルダー】が展開され、ドライバーと高速ファクトリーの間に透明なパイプ【ファクトリアパイプライン】が繋がれ、パイプ内にドライバー内部で加熱・加圧され、黄色と水色の液体となった【トランジェルソリッド】が【スナップライドビルダー】に送り込まれる。

 

 

『Are you ready?』

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

装甲を形成した【スナップライドビルダー】が俺を挟み込み、形成された装甲を装着し、白い蒸気が噴き上がる。

 

 

嵐を呼ぶ巨塔!キリンサイクロン!イェーイ!』

 

 

キリンと扇風機の成分でフォームチェンジした【キリンサイクロンフォーム】となり、左腕に搭載された送風攻撃ユニット【サイクストーマー】を起動させ5枚のプロペラファンを超高速回転させる事で突風を発生させミルコさんの動きを封じる。

 

「ハァッ!」

 

封じたところを右腕に装着されたキリン型攻撃装置【キリネックブリーカー】を伸ばして攻撃する。

 

「ッ〜〜〜!ッてェなぁ!」

 

ミルコさんは横に吹き飛ぶも受け身を取って直ぐに立ち上がり、瞬時に距離を詰めて跳び膝蹴りを繰り出した。

 

「グハッ!」

 

今度は直撃し、俺の身体が宙に浮いた。

 

「もう一丁ォ!」

 

「グゥッ!」

 

追撃の跳び回し蹴りが迫り、【キリネックブリーカー】でガードするも大きく吹き飛ぶ。

 

何とか受け身を取って体勢を整える。

 

お互いに息が上がりながらも隙を探り合う。

 

「ったく、どんだけ姿変えられるんだよお前」

 

「えーと、今使ってる形状と同じボトルが60本。パワーアップ系のアイテムだと現状使えるのが4つ……ですかね」

 

クローズビルド缶は条件が揃わないと使えないので取り敢えず省く。

 

俺の返答にミルコさんと観戦している職員の方々が唖然とした。

 

「ハハハ!マジかよ!ホント多彩だな!」

 

ミルコさんが大声で笑う。

 

「それじゃあそのパワーアップを見せてみろ!」

 

「……ふう、分かりました。なら1つだけ」

 

そう言って俺は缶型の強化アイテム【ラビットタンクスパークリング】を取り出す。

 

上下に数回振ってラビットフルボトルとタンクフルボトルの成分、そしてパンドラボックスの残留物質を利用された発泡増強剤【ベストマッチリキッド】を増幅、活性化させ【シールディングタブ】を引き起こし、内部に充填された成分をドライバーへ送り込む接続パーツ【RT-SPコネクター】が底部から飛び出す。

 

そしてドライバーに装填する。

 

 

ラビットタンクスパークリング!

 

 

【ボルテックレバー】を回すと発光装置の【スパークリングインジケーター】が左右に発光し、エネルギー生成ユニット【ボルテックチャージャー】を作動させる。

 

【スナップライドビルダー】が展開され、ドライバーと高速ファクトリーの間に透明なパイプ【ファクトリアパイプライン】が繋がれ、パイプ内に【ベストマッチリキッド】が混ざった赤と青の成分が【スナップライドビルダー】に送り込まれる。

 

 

『Are you ready?』

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

装甲を形成した【スナップライドビルダー】が俺を挟み込み、ラビットタンクに似たギザギザに形成された装甲を装着し、成分が弾ける。

 

 

シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イェイ!イェーイ!』

 

 

赤・青・白のトリコロールに配色された装甲をしたビルドの強化フォームの1つ【ラビットタンクスパークリングフォーム】にフォームチェンジした。

 

両脚部に小粒の泡【ラピッドバブル】泡が発生し、目にも止まらない速度でミルコさんに接近し掌底打ちを放つ。

 

「グッ!」

 

掌底から発生した大粒の泡【インパクトバブル】が破裂し、大きな衝撃波を発生させガード越しにミルコさんを吹き飛ばす。

 

 

「勝利の法則は決まった!」

 

 

【ボルテックレバー】を回し再び【スパークリングインジケーター】が左右に発光させ、【ボルテックチャージャー】からエネルギーを生成させる。

 

 

『Ready go!』

 

 

音声が鳴ると同時にジャンプし、必殺技の構えを取る。

 

 

スパークリングフィニッシュ!

 

 

「ハァァァ!!」

 

俺が泡のエネルギーを纏ったライダーキックを放ち

 

踵半月輪(ルナアーク)!!」

 

ミルコさんもタイミングを合わせて踵落としを放つ。

 

互いの蹴り技が衝突し、大きな衝撃波が発生する。

 

衝撃波により研究施設は大きく揺れ、強化ガラスで出来た窓ガラスが全て割れる。

 

煙が晴れる。

 

「俺の勝ち……ですね」

 

「クッッッソーー!!負けたァ!!」

 

床に立つ俺と床に倒れ悔しがるミルコさん。

 

両者の姿が勝敗を物語っていた。

 

ミルコさんとの模擬戦は【3戦2勝1引き分け】の俺の勝利で幕を下ろした。

 

………余談だが、壊れた実験室は責任を持って俺が修理したのであった。




仮面ライダー紹介

仮面ライダービルド

レア度【SR】

出典『仮面ライダーライダービルド』


ライダーくんvsミルコ(2日目)
ビルドの持ち味である様々なフルボトルの組み合わせによる戦術を活かし、強化フォーム【ラビットタンクスパークリングフォーム】にフォームチェンジ、必殺技を決めて勝利する。
ライダーくんはビルド系のライダーに変身する際、ハザードレベルは7.0〜状態となるので初期型でもトップヒーローと渡り合えるくらい充分に強い。


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33スレ

第36話を投稿します。
お気に入り2,000件を突破しました!
登録してくれた皆さんありがとうございます!
そしてその作品を読んで頂いてる皆さんも感謝いたします。
引き続き投稿頑張っていきますので宜しくお願いいたします。

今回ライダーくんが変身する仮面ライダーのヒントは「養殖」「最高傑作」「村長」です。

それでは、どうぞ。


職場体験3日目。

 

今日も午前中はトレーニングを終えた直後、ミルコさんが午後のスケジュールを教えてくれた。

 

「佳面!午後から出掛けるぞ!」

 

「出掛ける……パトロールですか?」

 

「それもあるが、目的はヒーロー殺しを蹴り飛ばしに行く事だ!お前もついて来い!」

 

「はい?」

 

突然の事で俺は唖然とした。

 

「えっと、ミルコさん、ヒーロー殺しの居場所が何処か分かったんですか?」

 

俺は1番気になる質問をした。

 

トップヒーローとなると独自の情報網を持っているかもしれないし、彼女も確証があって捜査しているに違いない。

 

「知らん!全国跳び廻ったらいずれ遭うだろ」

 

「………えぇ?」

 

まさかの回答に再び唖然とする。

 

けど彼女は()()()()()()()()()()()()様だ。

 

「……ミルコさん、ヒーロー殺しについて1つ仮説を挙げてもよろしいですか?」

 

「何だ?」

 

俺はズボンからスマホを取り出し、デジタル新聞の記事を見せながら説明を始める。

 

「これまでヒーロー殺しは1つの都市や街に現れてプロヒーローを()()襲っています。ご存知ですよね?」

 

「ああ。最低でも2人、再起不能の重傷か最悪殺してるな」

 

「はい。つい最近だと、保須市でインゲニウムがヒーロー殺しとの戦闘で負傷しています。そして現状、ヒーロー殺しが襲ったヒーローが1人だけなのは()()()()()です」

 

「つまり、ヒーロー殺しはまた保須に出て来るかもしれねぇって事か?」

 

「可能性は高いと思います」

 

仮説を聞いたミルコさんは少し考えるとニカッと笑い、俺の肩をバンバン叩いた。

 

「凄えじゃねぇか!良くそこまで考えてるな!」

 

「痛いです。あと1つ付け加えるますと、ヒーロー殺しの犯行場所の約6割は路地裏等の人気の少ない場所です。そこに的を絞って探すのが最適だと思います」

 

「よし!それでいくぞ!直ぐに出発だ!!」

 

こうして、俺はミルコさんと共にヒーロー殺しを探す事になった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

ミルコさんの要望で研究所施設から()()()で移動する事になり、2人乗りで無事に保須へ到着。

 

ちなみにバイクは【仮面ライダーアマゾンズ】に登場した専用ビークル【ジャングレイダー】に乗って移動した。

 

その後は仮説に従い人気の無い場所を重点的にパトロールする。

 

「此処にも居ませんでしたね」

 

「ああ。次は向こうを探すぞ。……あ、言い忘れてた。佳面」

 

「何ですか?」

 

「もしヒーロー殺しや他の(ヴィラン)が現れたらお前も戦闘して良いぞ。私が許可する」

 

「え?良いんですか?まだ仮免すら持ってませんが」

 

本来ヒーロー資格を持たないものが個性で他者に負傷させるのは法律に反する行為であり、例え相手が(ヴィラン)であっても例外では無い。

 

「良いって。折角現場来たのに避難誘導だけじゃ物足りねぇだろ?それに私はお前の実力を買ってる。並大抵の(ヴィラン)相手に遅れは取らないだろうしな」

 

「……分かりました。万が一の場合は戦闘に参加させていただく形でお願いします」

 

「おう!さて、次のポイントに行くぞ──」

 

ミルコさんが移動しようとした瞬間、100数m離れた場所で大きな爆発音と共に黒煙が上空に立ち上っていた。

 

(ヴィラン)か!行くぞ!」

 

「はい!」

 

凄いスピードで駆け抜けるミルコさんの後を追う。

 

現場に到着すると前に雄英を襲撃した(ヴィラン)連合に居た改造ヴィランである脳無が複数でプロヒーローを襲撃していた。

 

「何だアレは!気色悪りぃ見た目しやがって!」

 

「ミルコさん!コイツら前に雄英を襲った(ヴィラン)です!」

 

(ヴィラン)連合とか言う組織か!蹴り甲斐がありそうだ!佳面は逃げ遅れた一般人の避難誘導!場合によってはぶっ倒せ!」

 

「了解!」

 

俺は一般市民の避難誘導、ミルコさんは脳無の迎撃に向かう。

 

「慌てないで!落ち着いて避難して下さい!」

 

 

「「「キャアアアアア!!?」」」

 

 

逃げ遅れている市民を誘導していると女性の悲鳴が聞こえた。

 

声のする方を見ると、脳無の1体が怯えて動けない女子高生グループの前に立ち今にも襲い掛かろうとしていた。

 

「クソ!」

 

俺は常人離れした跳躍力で女子高生グループに襲い掛かろうとする脳無の頭部を蹴り飛ばす。

 

蹴り飛ばされた脳無はアスファルトに倒れ込む。

 

「逃げて!早く!」

 

「は、はい!」

 

「ありがとうございます!」

 

脳無が起き上がる前に避難指示を出して女子高生グループを逃す。

 

俺は【アマゾンズドライバー】を実体化させ、装着する。

 

何故、保須に脳無が現れたのかは未だに分からない。

 

もしかすると近くに雄英襲撃事件の主犯である死柄木や黒霧が潜んでいるのかもしれない。

 

だけど今は、人の命を守る為に目の前の(ヴィラン)倒す(狩る)

 

ドライバーの左にあるアクショングリップ【アクセラーグリップ】を捻り、ドライバーのコアユニット【コンドラーコア】が作動させる。

 

 

『O・ME・GA』

 

 

英語風の電子音声が流れた後、俺は叫ぶ。

 

 

「アマゾン!」

 

 

俺を中心に爆風と衝撃波が発生し、脳無が吹き飛んだ。

 

 

『EVOLU・E・EVOLUTION』

 

 

コアから発する赤い特殊パルスによってアマゾン細胞が刺激され、肉体構造が変化する。

 

緑色の体表【ワイルダースキン】オレンジ色の胸部装甲、赤い釣り目状の眼【アマゾン・アイ】の内側に黒い切れ長の眼が内包されている。

 

全身は鋭角的で鎧のように無機質な形状を持ち、腕部【ジェルカットグローブ】から3つの刃【アームカッター】が突出している。

 

人喰い細胞【アマゾン細胞】と人間の遺伝子によって生まれた特殊なアマゾン【仮面ライダーアマゾンオメガ】に変身した。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

アマゾンオメガ!?

 

2:サクラギ研究所のリサーチフェロー

まさかのアマゾンズ系だと!

 

3:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

シャウトがヤバイ読モだ!

 

4:杜王町の幽波紋使い

今までよりも少し野生的な見た目だな。

仮面ライダーアマゾンに似てるし

 

5:太刀川隊の狙撃手

アマゾンのリメイク作品『仮面ライダーアマゾンズ』の主人公の1人が変身する仮面ライダーです。

見た目は平成ライダー風ですが。

 

6:虚刀流のグラップラー

けど大丈夫ですかね?

さっきまで命だった物が辺り一面に転がる光景になるんじゃ……。

 

7:空座町の無下限呪術師

>>6

大丈夫じゃない?

特訓のお陰で理性保てる様になったし。

 

8:雄英の仮面ライダー

「悪い佳面!そっちに1体逃したって、お前また違う変身したのか?」

 

「話は後で!今は」

 

「ああ!コイツを蹴っ飛ばすぞ!」

 

「はい!」

 

9:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

おお!

ミルコとの共闘!

 

10:サクラギ研究所のリサーチフェロー

脳無の攻撃をそれぞれ躱して、ライダーくんが強烈なパンチを数発叩き込んで怯んだ所をミルコが顔面をドロップキックした!?

 

11:虚刀流のグラップラー

良い連携による打撃だ。

もう1体倒したぞ。

 

12:杜王町の幽波紋使い

2人とも接近戦メインだけど互いの動きにちゃんと合わせてるな。

 

13:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

2日間の模擬戦で互いの攻撃のリズムを覚えたのかな。

 

14:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

あ!?

もう1体が腕を伸ばしてミルコを攻撃しようとしてる!

 

15:雄英の仮面ライダー

「させるか!」

 

16:太刀川隊の狙撃手

ライダーくんがミルコの前に割って入って脳無の伸ばした腕を掴んだ。

そのまま掴んだ腕を引っ張った。

 

17:雄英の仮面ライダー

「ミルコさん!」

 

踵堕蹴!!(ルナフォール)

 

 

18:虚刀流のグラップラー

ミルコの必殺技が脳無に炸裂した!

それにしても凄い蹴りだな、アスファルトが割れてるぞ。

 

19:空座町の無下限呪術師

しかも脳無の顔がグチャグチャだ。

頭蓋骨陥没とかのレベル超えてるよ。

 

20:杜王町の幽波紋使い

残りの脳無は他のプロヒーローが数人掛かりで対応してるな。

これなら何とかなるんじゃあないか?

 

21:太刀川隊の狙撃手

いや、脳無以外にまだヒーロー殺しが残ってますね。

 

22:サクラギ研究所のリサーチフェロー

>>21

確かに。

プロヒーローが1人と飯田が襲われてる所を緑谷が応援に来て遅れた轟が駆けつけるんでしたっけ?

 

23:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)

そうだね。

あ、けどライダーくん変身してるからメール見れないんじゃない?

 

24:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

あ。

 

25:太刀川隊の狙撃手

そうですね。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「よし!2体ぶっ倒した!残り行くぞ!」

 

「はい!──」

 

残りの脳無の迎撃に動こうとした瞬間、遠くから()()()が聞こえ、思わず立ち止まった。

 

「おい!どうした!」

 

「遠くで戦闘音が聞こえました!多分コイツらとは別件です!」

 

「マジか……チッ、しゃあねぇ!お前はそっちに行け!私もコイツらぶっ倒したら行ってやる!」

 

「だけど!」

 

「それがヒーロー殺しかもしれねぇだろ!早く行け!仮面ライダー!

 

「ッ!了解!」

 

俺はジャングレイダーに乗り、アクセルを回して戦闘音がする場所へ向かった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

【緑谷視点】

 

グラントリノに同行し、渋谷へ(ヴィラン)に赴く途中で脳無によるプロヒーローとの交戦に遭遇した僕は、脳無の迎撃に向かったグラントリノを追っていたら大量の脳無が保須市を襲い、交戦していたプロヒーローの1人が飯田くんを探していた事に気づき、ヒーロー殺しの事を思い出して路地裏を駆け巡った。

 

3箇所目でヒーロー殺しが飯田くんとプロヒーローを襲っていたところに遭遇し、2人を助ける為にヒーロー殺しに立ち向かうも奴の個性で動きを封じられ再び窮地に立たされた所に今度は轟くんが駆けつけてくれて、今は彼が何とかヒーロー殺しを足止めしてくれている。

 

だけど──

 

「チッ!」

 

「轟くん!」

 

ヒーロー殺しは轟くんの攻撃を難なく回避し、徐々に距離を詰め始めた。

 

「氷と炎……言われた事は無いか?個性にかまけ挙動が大雑把だと!」

 

弱点を指摘しながらヒーロー殺しは轟くんに接近した、その時──。

 

「グハッ!?」

 

赤い何かが高速でヒーロー殺しに突進し、ヒーロー殺しは後方に吹き飛んだ。

 

突然目の前に現れたのは緑色の異形の人型が赤い奇妙なバイクに乗っていた。

 

すると人型が此方に振り向き、

 

「大丈夫?緑谷、轟、飯田」

 

僕たちを心配し掛けられた声に、目の前の人物が誰なのか漸く気づいた。

 

「もしかして、佳面くん!?」

 

「佳面か!?」

 

「佳面くん!」

 

その顔はまるでトカゲの様な見た目だったが、僕たちの知っている佳面くんだった。

 

(ヴィラン)連合の脳無と交戦してたらこっちでも戦闘音が聞こえてね、体験先のプロヒーローの指示で助けに来たよ。向こうも直ぐに駆けつけてくるから」

 

バイクから降りて説明をしながら、佳面くんは僕たちを守る様にヒーロー殺しと対面する。

 

「佳面くん……。君まで、どうして……」

 

飯田くんが涙ぐみながら訊くと、佳面くんが少し顔を飯田くんに向ける。

 

仮面越しだけど、何処か()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「仲間でしょ?」

 

 

ただ一言だけ言って、佳面くんはヒーロー殺しの方へ向き直し、重心を低く構える。

 

その背中は力強く、頼もしかった。

 

まるで、僕が憧れ続けるオールマイトに重なって見えた。




仮面ライダー紹介

仮面ライダーアマゾンオメガ

レア度【SR】

出典『仮面ライダーアマゾンズ』


ミルコ&ライダーくんvs脳無's
ミルコに同行してヒーロー殺しを探す為に保須を訪れると街中で脳無が出現。一般市民を守る為に戦闘を開始。ミルコとの連携で撃退するも別の所でも戦闘を感知し、ヒーロー殺しが出現したと判断して脳無をミルコに任せて応援に向かう。

ライダーくん、生身でもヤバイ
アマゾン細胞の恩恵を受けている為生身でもライダーくんの身体能力は並の増強系の個性程度のパワーを発揮出来る。


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34スレ

第37話を投稿します。

投稿が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。プライベートが忙しく小説を書く時間が取れなかったので……。
週2、3回投稿を目指していきますが、難しい場合は最低でも週1でやって行こうと思います。

番外編も投稿を継続していきますので宜しくお願いします。



「佳面!奴の個性は"血を舐めた相手の動きを封じる能力"だ!刃物に絶対触れるな!」

 

起き上がるヒーロー殺しを警戒していると轟から情報を貰う。

 

「分かった。けどこの中で1番頑丈なのは俺だから接近戦で奴の攻撃を防ぐ、轟は後方支援をお願い。緑谷、飯田。動ける?」

 

「ごめん僕は動きを封じられてる!」

 

緑谷は既にヒーロー殺しの個性で動けない状態。

 

「俺は、大丈夫だ」

 

左肩から出血しながらも飯田は起き上がった。

 

「解けたか飯田!意外と大したことねェ個性みたいだな」

 

「緑谷くんも轟くんも佳面くんも関係ないのに、申し訳ない…。だからもう…これ以上血を流させる訳にはいかない!」

 

負傷した左肩を抑えながら、飯田は決意を固める。

 

そんな飯田をヒーロー殺しは嫌悪の表情をする。

 

「感化され取り繕おうとも無駄だ。人間の本質はそう易々と変えられない」

 

「お前は私欲を優先させる偽物だ!ヒーローを歪ませる社会の癌だ!貴様の様な偽物を誰かが正さねばならないんだ!」

 

「時代錯誤の原理主義だ。飯田、人殺しの理屈に耳を貸すな」

 

「…いや、奴の言う通りだ。今の俺にヒーローを名乗る資格は無い」

 

「それでも…折れる訳にはいかない。俺が此処で折れてしまったらインゲニウムは死んでしまう!

 

飯田はヒーロー殺しの発言を肯定しながらも覚悟を決める。

 

「論外!」

 

ヒーロー殺しは刀を振り翳して此方に接近して来ようとした。

 

俺はヒーロー殺しの動きを感知して接近し、刀を持っている腕を掴んで止める。

 

「やらせると思う?」

 

「どけ!」

 

ヒーロー殺しは空いている手で装備しているナイフを取り出し、俺を切り裂こうとする。

 

だが

 

 

バキンッ!

 

 

ナイフは俺の身体を切り裂く事が出来ず、逆に根元から折れた。

 

生身ならまだしも、今の俺はアマゾンだ。

 

対アマゾン用なら兎も角、生半可な武装で傷を負うほど柔な肉体では無い。

 

すかさず俺はヒーロー殺しの脇腹に目掛けて拳を叩き込む。

 

 

ブチブチ!ボキッ!

 

 

殴られた箇所から肉が裂ける音と肋骨の折れる音が響く。

 

「グゥッ!?」

 

痛みと衝撃でヒーロー殺しは思わず脇腹を抑え、後方へ下がり距離を取る。

 

「随分と脆い物を使っているな。武器は選んだ方が良いよ」

 

「フゥ…フゥ……余計なお世話だ」

 

俺の挑発にヒーロー殺しは痛みで顔を歪めながら答える。

 

「(マズイ、そろそろレシプロが切れる!)轟くん温度の調整は可能なのか?」

 

「左はまだ慣れてねェ!それがどうした!?」

 

「俺の脚を凍らせてくれ!排気筒は塞がずに!」

 

何かを思いついた飯田は轟に指示を出した。

 

「邪魔だ!」

 

「させるか!」

 

ヒーロー殺しが轟に向けてナイフを投擲するも俺が割って入って投げられたナイフを叩き落とす。

 

「またしても、貴様!」

 

「お前を此処で止める!」

 

「笑止!」

 

同じタイミングで突っ込んだ俺とヒーロー殺しは再び鍔迫り合いをし、ヒーロー殺しの腕と首を掴んで空中に投げ飛ばす。

 

「投げ飛ばしたところで!」

 

ヒーロー殺しは空中で体勢を整えようとする。

 

()()()()()()

 

 

「レシプロエクステンド!」

 

 

轟に脚を凍らせて貰った事で飯田は加速し、空中に居るヒーロー殺しに接近する。

 

ヒーロー殺しは飯田に迎え撃とうと構えるも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()事に反応が遅れた。

 

緑谷の拳と飯田の蹴りが同時にヒーロー殺しへ叩き込まれる。

 

「チャンスだ、轟!」

 

「ああ!」

 

轟は追撃の為に左から炎を燃え上がらせる。

 

 

「まだだ!」

 

 

緑谷たちの攻撃をまともに受けたはずのヒーロー殺しは空中で手放した刀を掴み、飯田に切り掛かる。

 

 

『VIOLENT BRAKE』

 

 

刃が飯田に届く前に、俺はドライバーの右にある可変武器【バトラーグリップ】を引き抜き、イメージによって生成された鞭状の武器【アマゾンウィップ】をヒーロー殺しの身体に巻きつけて動きを封じる。

 

「お前を倒そう、今度は犯罪者として!」

 

「畳みかけろ!」

 

拘束されたヒーロー殺しを飯田が蹴り上げ、轟が放った炎が顔を包み込む。

 

「ぐ、は……ッ!!」

 

連携攻撃にヒーロー殺しは遂に気絶した。

 

「おっと」

 

俺はすかさず緑谷と飯田とヒーロー殺しを掴んで3人を抱えて着地する。

 

「大丈夫?2人とも」

 

「う、うん」

 

「ありがとう、佳面くん」

 

何とか死者を出さずに俺たちはヒーロー殺しを撃退した。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

気絶しているヒーロー殺しから武装を取り外し、鞭で拘束したまま通りに出る事になり、脚を負傷した緑谷はプロヒーローであるネイディヴさんにおぶって貰っていた。

 

「済まなかった。プロの俺が完全に足手纏いだった」

 

「いえ、1対1でヒーロー殺しの個性だともう仕方ないと思います。……強過ぎる」

 

「4対1だった上に佳面の攻撃で大きなダメージ受けたお陰で奴の動きを封じる事が出来た。それに焦って緑谷の拘束時間が頭から抜けてたんじゃねえかな。飯田のレシプロは兎も角、緑谷の動きに奴は反応出来なかった」

 

「何はともあれ、全員無事で良かったよ」

 

各々戦闘の反省を述べながら歩き、漸く通りに到着した。

 

「さて、早くコイツを警察に引き渡さないとな…」

 

「む!?なぜお前がここに!!」

 

すると道路を挟んで反対側から老人の声が聞こえた。

 

「グラントリノ!」

 

その声に反応する緑谷の視線の先へ目を向けると、そこには黄色のマントを纏った背の低い老人の姿があった。すると老人は緑谷の下へ一気に跳躍し、そのまま緑谷の顔面に蹴りを入れる。

 

「座ってろっつったろ!!」

 

「す、すいません」

 

「誰だ?」

 

「緑谷の職場体験先のプロヒーローじゃないかな」

 

「ああ…」

 

「けど、どうして此処に」

 

「此処に行くように言われてな。まぁ、よう分からんが無事なら良かった」

 

「ごめんなさい…」

 

緑谷は申し訳なさそうにグラントリノさんに謝罪する。

 

すると左側から複数の足音が此方に近づいてきたので振り向くとプロヒーローが数人で駆け寄って来た。

 

「ここか!」

 

「エンデヴァーとミルコから応援要請を承ったんだが…」

 

「子供?」

 

「ひどい怪我じゃないか!?今すぐ救急車を!」

 

「?おい待て、こいつは…」

 

「えっ!?嘘!?ヒーロー殺し!?」

 

「早く警察に連絡を!」

 

駆けつけたプロヒーロー達が縛られているヒーロー殺しを見て驚く。

 

その後すぐに病院と警察に連絡したり、緑谷たちは怪我の具合を聞かれていた。

 

「大丈夫か?」

 

「支えていただければ、何とか…」

 

「俺は軽症です。けど飯田が…」

 

「緑谷くん、轟くん」

 

心配するプロを素通りし、飯田は緑谷たちの前に立って頭を下げた。

 

「俺のせいで傷を負わせた!佳面くんも、俺のせいで危険な目に遭わせてしまった。本当に済まなかった。怒りで何も……見えなくなってしまっていた」

 

頭を下げ続ける飯田の身体は震え、声も涙ぐんでいた。

 

「僕の方こそ。気づいていたのに何もしてやれなかった。友だちなのに」

 

「しっかりしろよ、委員長だろ?」

 

「委員長の君が大変な時は副委員長の俺が助けるのは当たり前だろ?それに、クラスメイトが苦しんでいるのに心配をしない奴なんてA組の中に1人も居ないよ」

 

「ッッッ!……ありがとう!」

 

これで事件は終了したと思った、次の瞬間

 

「ッ!伏せろ!!

 

此方に近づいてくる気配を感知して視線を向けると()()()()()()()が飛んで来た。

 

「クッ!」

 

「佳面くん!?」

 

いち早く気づいた俺はこの場全員に叫び、捕まりそうになった緑谷を庇い、代わりに捕まった俺を脳無は連れ去る様に飛んで逃げた。

 

「(エンデヴァーさんかミルコさんが取り逃したのか?!しまった、右グリップは鞭にしたままヒーロー殺しを拘束してた!)それでも!」

 

俺を掴む腕を掴み返し、引っ張った反動を利用して脳無を蹴る。

 

「◾️◾️◾️◾️!?」

 

脳無は悲鳴を上げて俺を手放した。

 

次の瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 

 

刺された脳無は痙攣を起こし、遂にピクリとも動かなくなった。

 

死んだのだ。

 

「(何でヒーロー殺しが!?拘束されていた筈なのに!関節を外して脱出でもしたのか!?()()()()()()())」

 

地面に着地した俺はヒーロー殺しを睨む。

 

「何で殺した!脳無は満身創痍だったんだぞ!」

 

「ハァ…自分を捕らえようとした敵を心配するか。…それに、奴は最早人では無い。薄汚い悪によって造られた人形だ」

 

 

「それでも生きていたんだ!例え姿形を変えられても、脳無は人間だ!」

 

 

怒りで今にも殴り掛かる衝動に掻き立てられるも、何とか抑えてつつヒーロー殺しを睨み続ける。

 

そんな俺をヒーロー殺しはジッと見つめ、薄く笑みを浮かべる。

 

「コレを人として扱うか…。貴様もあの緑の子供と同じ()()()()()()

 

ヒーロー殺しの謎の言葉に、俺は珍しく混乱する。

 

後ろではプロヒーローたちが戦闘体勢を取っていた。

 

すると

 

 

「私の相棒(サイドキック)に何しようとしてんだ!ヒーロー殺し!」

 

 

俺とヒーロー殺しの間に着地して割って入って来たのはミルコさんだった。

 

「ミルコさん!?」

 

「悪りぃ!こっちに1体取り逃がした!()()()()()()()()()()()!そんな事より、コイツに手を出してぇなら、まず私を通してもらおうか!」

 

「誰のせいだと!貴様が突然割って入ったせいだろうが!」

 

今にも蹴り掛かろうとするミルコさんに後から現着したエンデヴァーさんがツッコミを入れる。

 

「ハァハァハァ…ミルコ…それにエンデヴァー!!」

 

「蹴り飛ばす!」

 

「ヒーロー殺し!」

 

「待て!ミルコ!轟!」

 

早速攻撃を仕掛けようとするミルコさんとエンデヴァーさんだったがヒーロー殺しの様子が変わった事にいち早く気づいたグラントリノさんが慌てて止める。

 

するとステインがこちらに振り向く。

 

 

「偽者…!!」

 

 

顔の包帯はほつれ、その素顔が露わになる。

 

ヒーロー殺しは鬼の形相を浮かべ、憎悪と共に叫ぶ。

 

 

「正さねば…誰かが…血に染まらねば…!!ヒーローを、取り戻さねば!!!」

 

 

ヒーロー殺しは言葉を発する度に1歩、また1歩と前に進む。

 

奴は既に戦える身体ではない筈なのにだ。

 

そんな事はこの場の誰もが分かりきっているなのに、ヒーロー殺しの姿に畏怖を覚える。

 

 

「来てみろ偽者共!!俺を殺して良いのは本物の英雄(ヒーロー)オールマイトだけだ!!」

 

 

力強く叫ぶヒーロー殺しから放たれたのは圧倒的狂気。

 

奴の狂気は最前線で活躍するトップヒーローを含むプロだけでなく、学生の俺たちも思わず気圧されてしまう程だった。

 

ヒーロー殺しのとてつもない圧に全員が完全に動けなくなっていた。

 

しかし、いつの間にかヒーロー殺しは動くのを止めていた。

 

「こいつ、もしかして…」

 

「気を…失ってる…?」

 

ヒーロー殺しが気絶した事が分かった途端、全員がどっと息を吐き出し、中には座り込んでしまう人も居た。

 

俺はドライバーを外し変身を解除して、ヒーロー殺しに近づく。

 

「おい!下手に近づくな!」

 

ミルコさんが止めに入るも気にせず俺はヒーロー殺しに近づいて容体を確認する。

 

「呼吸が上手く出来ていない。おそらく肋骨が肺に刺さって外傷性気胸を発症してる可能性が高いです。 それに火傷のダメージも大きい。今応急処置をしないと救援が来る前に間に合わなくなってしまうかもしれません」

 

俺は脳波で置き去りになっているジャングレイダーを遠隔操作して此方に持って来させ、両サイドに予め備えたサドルバックから応急キットを取り出してヒーロー殺しの手当を始める。

 

「彼は(ヴィラン)で人殺しです。だけど此処で死なせてしまったら俺は一生後悔します。それに、助けられる命を見捨ててしまったら俺たちはヒーローで無くなります」

 

ミルコさんは俺を見て、ハァと溜息を出す。

 

「まずお前はまだヒーローじゃねえけどな。……しょうがねえ、おい!手伝える奴はこっちに来い!」

 

「は、はい!」

 

「分かりました!」

 

ミルコさんの声に後ろで佇んでいた他のプロヒーローたちも駆け足で手伝いに来てくれた。

 

応急処置によってヒーロー殺しは救援が来るまでに何とか一命を取り留め、警察病院に搬送された。

 

他に負傷したプロヒーローや緑谷たちも近くの病院に搬送され、無傷のプロが現場の後処理に動いた。

 

俺は連絡を受けて駆けつけて来た警察に同行し、事情聴取を受ける事になった。

 

職場体験3日目は慌ただしくも、無事に終了したのであった。




ライダーくん、ステインから"本物"認定される。
人からかけ離れた見た目をした脳無が相手でも元は人間。ライダーくんは脳無を人間扱いし、殺したステインに激怒する。そんなライダーくんを見て、ステインはライダーくんを"本物"と言った。

ライダーくん、ステインを手当てする。
私が日曜に放送されていた某医療ドラマにハマっていたのでライダーくんにステインを手当てさせました。あくまで医療行為にならないギリギリの範囲なので無免許による医療行為ではありません。そこの線引きは結構ガバガバです。


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35スレ

2度目の新型コロナワクチン接種を受けて来ました。副作用による発熱と頭痛でヤバかったです。けど体調も戻ったので通常通り投稿します。

第38話です。
今回で職場体験編は終了で次回から期末試験編に突入します。

新しいアンケートも募集中ですのでご協力よろしくお願いします。


保須市で起きた脳無による襲撃とヒーロー殺しについて事情聴取を終えた俺は、保須警察署署長さんとグラントリノさんとマニュアルさんと共に緑谷たちが入院している病院に来ていた。

 

「すまんな(あん)ちゃん。お前さんも病院に来てもらって」

 

「いえ、俺も緑谷たちが心配だったので丁度良かったですよ。逆に同行させてくれてありがとうございます」

 

「いやいや此方こそ。それと改めて天哉くんを助けてくれてありがとう。本来なら体験先の俺が助けないといけなかったのに」

 

「あの時は脳無も居ましたし仕方なかったですよ」

 

グラントリノさんとマニュアルさんと話していると緑谷たちが居る部屋に到着した。

 

「おう、起きとるな怪我人ども」

 

「グラントリノ」

 

「マニュアルさん…」

 

ドアを開けると緑谷たちが此方に顔を向けた。

 

「小僧、お前には凄いグチグチ言いたい」

 

「す、すいません」

 

「が、その前に来客だ。保須警察署署長 面構犬嗣(つらがまえけんじ)さんだ」

 

保須警察署署長さんが病室に入る。

 

轟と飯田がベッドから起き上がり、緑谷も遅れて起き上がろうとする。

 

「ああ、そのままで結構だワン。君たちがヒーロー殺しを仕留めた雄英生だワンね?」

 

「はい」

 

面構署長が緑谷たちに確認を取り、轟が警戒しながら返事をする。

 

「逮捕したヒーロー殺しだが火傷に骨折、肉離れ等なかなか重傷で厳戒態勢の下、治療中だワン」

 

「あっ」

 

面構署長が何を言おうとしているのが分かったのか、緑谷たちの表情が険しくなる。

 

「雄英生徒なら分かっていると思うが超常黎明期、警察は統率と規格を重要視し"個性"を"武"に用いない事にした」

 

「そしてヒーローはその穴を埋める形で台頭してきた職業だワン」

 

「個人の武力行使…、容易に人を殺められる力。本来なら叫弾されて然るべきこれらが公に認められているのは先人たちがモラルとルールをしっかり順守してきたからなんだワン」

 

「つまり、資格未取得者が保護管理者の指示なく個性で危害を加えた事、例え相手がヒーロー殺しだろうともそれは立派な規律違反だワン」

 

面構署長の説明を緑谷たちは言葉を発さずただ聞いていた。

 

「佳面来太くんはミルコから指示を受けていたみたいだが、他雄英生徒3名、プロヒーロー エンデヴァー・マニュアル・グラントリノ。この6名には厳正な処罰を下さなければならない」

 

「ちょっと待ってくださいよ」

 

「あっ…」

 

面構署長の厳しい言葉に轟が割って入った。

 

「飯田が動いてなきゃネイティヴさんは殺されてた。緑谷が来なきゃ2人は殺されてた」

 

「轟くん…」

 

「誰もヒーロー殺しの出現に気付いてなかったんですよ。規則を守って見殺しにすべきだったって?」

 

「結果オーライなら規則など有耶無耶で良いと?」

 

面構署長の反論に轟は言葉を詰まらせる。

 

「うっ…。人を助けるのがヒーローの仕事だろ!」

 

「だから君は"卵"だ。まったく、良い教育してるみたいだワンね雄英もエンデヴァーも」

 

「この犬!」

 

我慢の限界か轟は怒りの表情で面構署長に迫ろうとする。

 

「轟、待って」

 

「止めんじゃねェ佳面!お前はこんなの納得してるのかよ!」

 

「納得してないよ。()()()()()()()()()()()()()

 

「ハ?」

 

俺の言葉に轟は止まった。

 

面構署長は溜息を出し、鼻を掻きながら説明を続ける。

 

「で、処罰云々はあくまで公表すればの話しだワン。公表すれば世論は君たちを褒め称えるだろうが処罰は免れない」

 

「一方で汚い話、公表しない場合はヒーロー殺しの火傷の跡や骨折等から、エンデヴァーとミルコを功績者として擁立してしまえるワン。幸い目撃者は極めて限られている。この違反は此処で握り潰せるワン」

 

「しかし君たちの英断と功績は誰にも知られる事はない。どっちが良い?」

 

つまり、事実を改竄させて緑谷たちの処罰を()()()()()()()()()と面構署長は言っているのだ。

 

「1人の人間としては前途ある若者の"偉大な過ち"にケチ付けたくないんだワン」

 

面構署長は俺たちに向けてサムズアップをする。

 

「まあ、どのみち監督不行き届きで俺らは責任取らなきゃだけど」

 

横に居たマニュアルさんが涙を浮かべて嘆いていた。

 

すると飯田はマニュアルさんの前に立ち、深々と頭を下げる。

 

「申し訳ございませんでした」

 

「よし!他人に迷惑掛かる。分かったら2度とするなよ」

 

「はい」

 

謝る飯田をマニュアルは笑って許した。

 

「す…すいませんでした」

 

「宜しく…お願いします」

 

緑谷と轟も頭を下げる。

 

「君たちが受けていたであろう称賛の声は無くなってしまってしまうが、せめて…」

 

今度は面構署長が頭を下げる。

 

「共に平和を守る人間として、ありがとう

 

「最初から言って下さいよ」

 

「轟くん…」

 

轟は視線をずらしてぶっきら棒に言った。

 

「素直じゃないね」

 

「…うるせぇ」

 

俺が揶揄うと轟は拗ねながら返事をした。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

【病院 ロビー】

 

『じゃあ緑谷くんたち大丈夫なんだね!』

 

「うん。3人とも怪我はしてるけど命に別状は無いって。入院はしないといけないみたいだけど」

 

あの後俺はロビーで休んでいると葉隠さんから電話を貰い、通話をしていた。

 

『佳面くんは?大丈夫なの?』

 

「俺は大丈夫。怪我1つしてないよ」

 

『そうなんだー!良かったー!』

 

「心配させてごめんね。職場体験は順調?」

 

『うん!トレーニングとパトロールばっかりだけど凄く楽しいよ!』

 

電話越しでも葉隠さんが楽しそうなのが伝わってくる。

 

彼女の方は問題無さそうだ。

 

『他の皆も心配してたよ!次の登校日は質問責めされると思うけど頑張ってね!』

 

「アハハ、肝に銘じておくよ。…それじゃあ、またね」

 

『うん!』

 

通話を終え、俺は緑谷たちの病室に戻ろうとするとスマホを持った緑谷を見かける。

 

「緑谷、君も電話?」

 

「佳面くん!う、うん。う、麗日さんと少し…」

 

「そっか。こっちも葉隠さんから電話を貰ったよ。他の皆も心配してるってさ」

 

「そうだよね。後でラインで謝っとかないと」

 

会話をしながら病室に戻ると、轟と飯田がベッドに座っていた。

 

「轟、飯田。診察終わった?」

 

「ああ。俺も飯田も取り敢えず問題無いだそうだ。けど飯田の方は左肩に傷跡が残るそうだ」

 

「そ、そうなんだ」

 

轟の言葉に緑谷は気不味そうに返事をする。

 

俺はそんな緑谷たちに1つの提案をする。

 

「怪我の事だけど、治そうか?」

 

「え?どういう事?」

 

「そのままの意味だよ。俺の力で治そうか?」

 

「えええ!?」

 

「お前そんな事も出来るのか?」

 

「そうなのか佳面くん!?」

 

緑谷たちは驚愕する。

 

「最近使えるようになったけど。刺し傷や骨折を治すくらいは出来るよ。ほれ」

 

俺は隣に居る緑谷の頭を掴んで力を発動する。

 

「アババババ!?」

 

「緑谷!?」

 

「緑谷くん!?」

 

すると俺の手から光が発し、緑谷の全身に駆け巡る。

 

「はい、終了。どう?緑谷」

 

「え?あ、あれ?痛くない!?治ってる!?」

 

緑谷は怪我をしている手足を動かしてみると怪我が治っている事に驚く。

 

「次は轟」

 

「おい、まっ」

 

問答無用で轟を掴んで力を発動する。

 

緑谷同様、光が轟の全身を駆け巡り、暫くして手を離す。

 

「どう?」

 

「……痛みがねェ。マジか」

 

轟も自身の怪我が一瞬で治った事に驚きを隠せないでいた。

 

「最後は飯田だね」

 

「いや、…俺はこのままで良い」

 

治そうとすると、飯田は拒絶した。

 

「良いの?」

 

「ああ。気持ちは嬉しいけど、申し訳無いが断らせて貰う。この傷は俺の暴走した結果だ。もう2度と同じ過ちを犯さない為に、戒めとして残していく。一生…」

 

「飯田くん」

 

本人がそう言うのであれば、俺が治すのは飯田の覚悟を蔑ろにするのと同義になるだろう。

 

「分かった。…代わりと言ったらアレだけど、飯田のお兄さん…インゲニウムはまだ入院中かな?」

 

「そうだが…それがどうしたんだい?」

 

「治せるか分からないけど、俺にお兄さんの傷を診せて欲しい」

 

飯田は有り得ないって表情で俺を見る。

 

「待ってくれ!兄さんは脊髄損傷で下半身を麻痺している!今の医学では治せない怪我なんだ!」

 

「うん、だからあくまで可能性の話だよ。絶対治せる保証は無い、けど治せるかもしれない。直ぐに返事をしなくても良いよ」

 

飯田は長い間考える。

 

「……両親と話しをさせてくれ。この後返事をする」

 

「分かった。…それじゃあ、俺はもう行くよ」

 

「職場体験か?」

 

「ああ。そろそろ戻らないとミルコさんの機嫌が悪くなるから」

 

俺は戦闘服(コスチューム)が入ったケースを持って病室から出る準備をする。

 

「緑谷と轟はもう一度診察受けといてね。あと病院の人に俺が治した事も伝えといて」

 

「うん、分かった」

 

「またな」

 

「ミルコさんに迷惑を掛けない様にな!」

 

「うん。それじゃあ、また学校で」

 

緑谷たちに挨拶をして、俺は病室を出る。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

ミルコさんと合流した俺は引き続き職場体験を行った。

 

主にトレーニングとパトロールで残りの日を費やす事となった。

 

そして職場体験が終了し、ミルコさんの元を離れる。

 

「1週間、お世話になりました」

 

「おう!なかなか面白かったぞ!」

 

ミルコさんに御礼の挨拶をする。

 

「仮免取ったらまた来いよ!インターンでまた鍛えてやるからな!」

 

「インターン?ヒーローにもインターン制度があるんですか?」

 

キャリア形成の一環として大学生とかが企業で就業体験を積み "社会へ出てやっていける自信"を得ようとする場合に活用できる制度の事を指すが、ヒーロー社会にもインターン制度が存在するようだ。

 

「ああ!絶対私のとこに来いよ!他へ行ったらとっ捕まえてやる!」

 

「それって誘拐になりません?……まあ、仮免取れたらその時は宜しく頼みます」

 

「おお!絶対だぞ!」

 

半ば強制という形でインターンの約束をさせられた俺はミルコさんと別れる。

 

仮免、インターン。

 

プロへの道標が少しずつ見えてきた俺は、夢を叶える為にこれからも力をつけていく事を誓うのであった。




光の聖剣の力は最高だ
仮面ライダー最光が使用する聖剣「光剛剣最光」の治癒能力で緑谷・轟の怪我を完治させた。飯田は自分への戒めとして治癒を拒否したが兄であるインゲニウムの怪我を治せる可能性があるかもしれないとライダーくんに言われる。

ライダーくん、インターン先が決まる
ミルコに気に入られたライダーくんはインターンに来て欲しいと言われ、半ば強制で承諾する事になった。


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設定
主人公設定(職場体験編まで)


FGOで遂に沖田さんのスキル強化で病弱が新スキル絶刀に強化されたけど、つまり今後のストーリーで沖田さんは吐血しないって認識でOKなんですかね?

今回は主人公設定です。
現時点での主人公が入手した仮面ライダーのまとめ回となります。


【プロフィール】

 

名前:佳面来太(かつららいた)

 

ヒーロー名:変身ヒーロー【仮面ライダー】

 

学校・学年:雄英高校ヒーロー科1年A組7番

 

出身校:毛糸中学校

 

誕生日:4月4日

 

身長:185cm

 

血液型:A型

 

出身地:東京都

 

好きなもの:バイク、車、コーヒー、ハンバーグ

 

性格:温厚&紳士な優男

 

個性把握テスト:1位

 

1年1学期中間学力テスト:3位

 

家族構成:父(故)、母(故)

 

 

 

【個性】

 

個性名:【仮面】

昭和・平成・令和全ての仮面ライダーに変身する能力(女性ライダーは除く)。各ライダーに変身する際に自動的に肉体・体質が変化する(昭和ライダーなら改造人間、555系ライダーだとオルフェノク化する等)。ライダーの力はガチャで入手しなくてはならなく、レアリティは上からLR(レジェンドレア)SR(スーパーレア)R(レア)N(ノーマル)の4段階に分けられる。

1日に変身出来る種類は限られており、最大で3種類まで変身が可能。

転生で入手した能力の為、個性による干渉を受けない。

 

ガチャの仕組み

主人公がガチャを行う際に必要なアイテム通称"ジュエル"は毎日150個支給される。課金システムが無いためアイテムが溜まりやすい。

 

 

【仮面ライダー一覧】

 

【LR】

仮面ライダー1号

仮面ライダーストロンガー

仮面ライダースーパー1

仮面ライダーBLACK RX

仮面ライダークウガ

仮面ライダーカブト

仮面ライダー電王

仮面ライダーW

仮面ライダーエグゼイド

仮面ライダーゼロツー

 

 

【SR】

スカイライダー

仮面ライダーBLACK

仮面ライダーZO

仮面ライダーJ

仮面ライダーギルス

仮面ライダーG4

仮面ライダーナイト

仮面ライダーファイズ

仮面ライダーブレイド

仮面ライダーカリス

仮面ライダー響鬼

仮面ライダー2号(映画『仮面ライダーTHE FIRST』)

仮面ライダーゼロノス

仮面ライダーNEW電王

仮面ライダーキバ

仮面ライダージョーカー

仮面ライダーアクセル

仮面ライダーウィザード

仮面ライダービースト

仮面ライダー龍玄

仮面ライダー斬月

仮面ライダーマッハ

仮面ライダーゴースト

仮面ライダーアマゾンオメガ

仮面ライダーアマゾンアルファ

仮面ライダーブレイブ

仮面ライダースナイプ

仮面ライダーパラドクス

仮面ライダービルド

仮面ライダークローズ

仮面ライダーローグ

仮面ライダーゼロワン

仮面ライダーバルカン

仮面ライダー滅(スティングスコーピオン)

仮面ライダー迅(バーニングファルコン)

仮面ライダーセイバー

仮面ライダーブレイズ

仮面ライダーエスパーダ

仮面ライダー最光

仮面ライダーデュランダル

 

 

【R】

仮面ライダーG3-X

仮面ライダーゾルダ

仮面ライダー王蛇

仮面ライダーライア

仮面ライダーガイ

仮面ライダーベルデ

仮面ライダーアビス

仮面ライダーカイザ

仮面ライダーデルタ

仮面ライダーギャレン

仮面ライダーレンゲル

仮面ライダーランス

仮面ライダー威吹鬼

仮面ライダー轟鬼

仮面ライダー斬鬼

仮面ライダーザビー

仮面ライダードレイク

仮面ライダーサソード

仮面ライダーキックホッパー/パンチホッパー

仮面ライダーバース

仮面ライダーブラーボ

仮面ライダーナックル

仮面ライダーシグルド

仮面ライダー黒影・真

仮面ライダーネクロム

仮面ライダーレーザー

仮面ライダーシノビ

仮面ライダークイズ

仮面ライダー迅(フライングファルコン)

仮面ライダー雷

仮面ライダー亡

仮面ライダー1型

仮面ライダーバスター

仮面ライダー剣斬

仮面ライダースラッシュ

 

 

【N】

仮面ライダーG3

仮面ライダーG3マイルド

仮面ライダーシザース

仮面ライダータイガ

仮面ライダーインペラー

ライオトルーパー

仮面ライダー裁鬼

仮面ライダーイクサ(セーブモード)

仮面ライダープロトバース

仮面ライダーメイジ

仮面ライダー黒影

仮面ライダーグリドン

黒影トルーパー

仮面ライダー純(量産型仮面ライダーマッハ)

ライドプレイヤー

仮面ライダーアバドン(ショットアバドライザーver.)

仮面ライダーアバドン(スラッシュアバドライザーver.)



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期末試験編
36スレ


007の最新映画を観てきました。
今作で007/ジェームズ・ボンドを15年間演じられたダニエル・クレイグさんがシリーズを退く事になりましたが、終始アクションやシリアスな演技がカッコ良かったです。アマプラで過去作品が観れるのでご興味がある方はお薦めします。このご時世でなかなか難しいですが最新作もご興味ありましたら此方も観に行きましょう。

10/2迄に募集していたアンケートの結果が出まして、劇場版の投稿もやる事が決まりました。小説版を電子書籍で購入したのでストーリーを読み込んだ上で投稿をしていく予定ですのでお楽しみに。

第40話を投稿します。
今回はアンケートで募集したガチャシリーズ第3弾です。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:雄英の仮面ライダー

皆さん、お疲れ様です。

 

2:空座町の無下限呪術師

おっつー!

 

3:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れライダーくん。

 

4:杜王町の幽波紋使い

お疲れ。

 

5:虚刀流のグラップラー

久し振り!

 

6:サクラギ研究所のリサーチフェロー

お疲れー。

 

7:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

お疲れ様ー!

 

8:太刀川隊の狙撃手

お疲れ、職場体験どうだった?

 

9:雄英の仮面ライダー

はい、とても勉強になりました。

ヒーロー殺しの件も一先ず落ち着きましたし、少し先になりますがインターン先も決まりました。

 

10:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

>>9

え?

もうインターン先決まったの?

早いね。

 

11:虚刀流のグラップラー

インターン先はミルコ?

 

12:雄英の仮面ライダー

そうです。

ミルコさんから誘って頂けたので少し強制でしたが俺も是非にと承諾しました。

 

13:杜王町の幽波紋使い

随分と気に入られたな。

 

14:太刀川隊の狙撃手

けど良かったんじゃないですか。

仮免取った後スムーズに事が進むし。

 

15:サクラギ研究所のリサーチフェロー

現時点で他と差が出たな。

 

16:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

今回はその報告だけかな?

 

17:雄英の仮面ライダー

いえ、今回は報告といつものガチャ実況です。

 

18:虚刀流のグラップラー

出た。

安定のガチャ回。

 

19:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

今回は何のピックアップなの?

 

20:雄英の仮面ライダー

今回は所謂ダークライダーのピックアップガチャになります。

 

21:杜王町の幽波紋使い

ダークライダーって?

 

22:空座町の無下限呪術師

簡単に言うと悪者の仮面ライダーのこと。

主人公とその仲間と敵対してる感じ。

 

23:太刀川隊の狙撃手

それとダークライダーの中には反則級の能力や戦闘力を持ってる奴らが多いですね。

 

24:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

エターナルとかクロノスとかエボルとかですね。

 

25:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ライダーくん、例の如くピックアップ一覧ってある?

 

26:雄英の仮面ライダー

>>25

はい。

今回のピックアップはこんな感じです。

 

 

【LR】

仮面ライダーオーディン

仮面ライダーダークキバ

仮面ライダーエターナル

仮面ライダーゲンム(レベル0)

仮面ライダークロノス

仮面ライダーエボル

仮面ライダーキルバス

仮面ライダーバールクス

仮面ライダーアークゼロ

仮面ライダーアークワン

仮面ライダー滅(アークスコーピオン)

仮面ライダーアークゼロワン

仮面ライダー滅亡迅雷

仮面ライダーソロモン

仮面ライダーストリウス

 

 

【SR】

仮面ライダーG4(取得済)

仮面ライダーリュウガ

仮面ライダーサイガ

仮面ライダーオーガ

仮面ライダーグレイブ

仮面ライダー歌舞鬼

仮面ライダー蝕鬼

仮面ライダーダークカブト

仮面ライダーコーカサス

仮面ライダーガオウ

仮面ライダーネガ電王

仮面ライダー幽汽

仮面ライダーG電王

仮面ライダーサガ

仮面ライダーレイ

仮面ライダーアーク

仮面ライダーポセイドン

仮面ライダーイカロス

白い魔法使い

仮面ライダーソーサラー

仮面ライダーダークウィザード

仮面ライダー武神鎧武

仮面ライダーフィフティーン

仮面ライダーマルス

仮面ライダー邪武

仮面ライダー魔蛇

仮面ライダールパン

仮面ライダー3号

仮面ライダーダークドライブ

仮面ライダーダークゴースト

仮面ライダーエクストリーマー

仮面ライダーアマゾンシグマ

仮面ライダーアマゾンネオアルファ

仮面ライダーゲンム

仮面ライダーゲンム(ゾンビゲーマーレベルX)

仮面ライダーパラドクス(取得済)

仮面ライダートゥルーブレイブ

仮面ライダー風魔

仮面ライダーアナザーパラドクス

仮面ライダーマッドローグ

仮面ライダーブラッド

仮面ライダーメタルビルド

仮面ライダーギンガ

仮面ライダーゾンジス

仮面ライダーザモナス

仮面ライダー滅(スティングスコーピオン)(取得済)

仮面ライダー迅(バーニングファルコン)(取得済)

仮面ライダーサウザー

仮面ライダーエデン

仮面ライダールシファー

仮面ライダーザイア

仮面ライダーカリバー

仮面ライダーファルシオン

 

【R】

仮面ライダー王蛇(取得済)

仮面ライダーガイ(取得済)

仮面ライダーベルデ(取得済)

仮面ライダーアビス(取得済)

仮面ライダーザビー(取得済)

仮面ライダーキックホッパー/パンチホッパー(取得済)

仮面ライダーケタロス

仮面ライダーデューク

仮面ライダーデューク(レモンアームズ)

仮面ライダーシグルド(取得済)

仮面ライダータイラント

仮面ライダーセイヴァー

仮面ライダーブラックバロン

仮面ライダー4号

仮面ライダーダークネクロム

仮面ライダー迅(フライングファルコン)(取得済)

仮面ライダー雷(取得済)

仮面ライダー亡(取得済)

仮面ライダー1型(取得済)

 

【N】

仮面ライダーシザース(取得済)

仮面ライダータイガ(取得済)

仮面ライダーインペラー(取得済)

ライオトルーパー(取得済)

ショッカーライダー(映画『仮面ライダー THE NEXST』)

仮面ライダーメイジ(取得済)

黒影トルーパー(取得済)

仮面ライダーアバドン(ショットアバドライザーver.)(取得済)

仮面ライダーアバドン(スラッシュアバドライザーver.)(取得済)

 

 

27:杜王町の幽波紋使い

>>26

今回も多いな。

 

28:サクラギ研究所のリサーチフェロー

TVシリーズや劇場版は勿論、Vシネや舞台に登場したライダーも対象なんですね。

 

29:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

改めて見ると幅広いよね。

 

30:空座町の無下限呪術師

それで、ライダーくんは今回の狙いは何?

 

31:雄英の仮面ライダー

俺としてはエターナルとクロノス、それとカリバー辺りが来て欲しいですかね。

逆にエボルやソロモンはちょっと……。

 

32::太刀川隊の狙撃手

まあ、下手すると世界滅ぼせるからな。

 

33:虚刀流のグラップラー

>>31

フラグにしか聞こえねぇ。

こう言うのって、来て欲しくない奴が来たりしないか?

 

34:杜王町の幽波紋使い

危険な力なら仮に当てたとしても使わなければ良いんじゃあないか?

まあ、一先ず引いてみたらどうだ?

 

35:雄英の仮面ライダー

そうですね。

それでは早速、そりゃ!

 

【10回目結果】

ショッカーライダー(映画『仮面ライダー THE NEXST』)【N】

仮面ライダーグリス【SR】

仮面ライダーデューク【R】

仮面ライダーセイヴァー【R】

仮面ライダーガタック【SR】

仮面ライダーケタロス【R】

仮面ライダーエボル【LR】

仮面ライダーファルシオン【SR】

仮面ライダーカリバー【SR】

仮面ライダー4号【R】

 

 

エボルトォォォォォ!!

 

 

36:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

落ち着いてライダーくん!

 

37:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

気を確かに!

 

38:サクラギ研究所のリサーチフェロー

うわー、テンプレみたいなフラグ回収だな。

 

39:太刀川隊の狙撃手

"チャオ♪"って幻聴が聴こえそうだ…。

 

40:空座町の無下限呪術師

ライダーくんが善人だから良かったけど、逆だったら下手するとAFO(オール・フォー・ワン)以上のラスボスになってたかもね〜。

 

41:杜王町の幽波紋使い

どうするライダーくん。

もう止めておくか?

 

42:虚刀流のグラップラー

お目当ての1つであるカリバーは引けてるしな。

 

43:雄英の仮面ライダー

も、もう少し回してみます。

……そい。

 

44:太刀川隊の狙撃手

>>43

テンション低っ。

 

45:杜王町の幽波紋使い

ショックのあまり立ち直れてないな。

 

46:サクラギ研究所のリサーチフェロー

果たして結果は…!?

 

47:空座町の無下限呪術師

驚きの鑑定はCMの後!!

 

48:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

なん○も鑑定団のノリ止めい。

 

49:雄英の仮面ライダー

【20回目結果】

仮面ライダー001【SR】

仮面ライダーリュウガ【SR】

仮面ライダークローズチャージ【SR】

仮面ライダータイラント【R】

仮面ライダーチェイサー【SR】

仮面ライダーアナザーアギト【SR】

仮面ライダーサガ【SR】

仮面ライダードライブ【SR】

仮面ライダーダークネクロム【R】

仮面ライダーブラックバロン【R】

 

うーん、まあまあ…かな?

 

50:太刀川隊の狙撃手

【R】と【SR】に偏った感じだな。

 

51:虚刀流のグラップラー

忘れてたけどクローズチャージってクローズとは別枠なのか。

 

52:サクラギ研究所のリサーチフェロー

まあ、変身ベルトが違いますしね。

それだとグリスブリザードやプライムローグも別枠扱いになるって事か。

 

53:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

そう考えるとガチャ対象が本当に多いな。

 

54:雄英の仮面ライダー

そうですね。

それでは、これで最後にします。

そりゃッ。

 

【30回目結果】

仮面ライダーデューク(レモンアームズ)【R】

仮面ライダー1号(映画『仮面ライダー THE FIRST』)【SR】

仮面ライダーサウザー【SR】

仮面ライダーグレイブ【SR】

仮面ライダーシン【SR】

仮面ライダーエターナル【LR】

仮面ライダースペクター【SR】

仮面ライダーオーガ【SR】

白い魔法使い【SR】

仮面ライダーダークキバ【LR】

 

 

おおお!?

エターナル来た!

しかもダークキバも!?

 

55:空座町の無下限呪術師

ライダーくん、シンも来てるよ。

 

56:サクラギ研究所のリサーチフェロー

うわ、ホントですね。

歴代でも異端の仮面ライダーで有名なシンさんじゃないですか。

 

57:虚刀流のグラップラー

見た目殆どが怪人だからなシンさん。

 

58:太刀川隊の狙撃手

戦闘方法もアマゾンライダーやアマゾンズ系以上の野性的で、必殺技が脊髄引っこ抜きですからね。

 

59:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

本当に仮面ライダーか?ってヒーローですよね。

て言うか従来のヒーローとはかけ離れた存在と言うか…。

 

60:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

ストーリーも序章(プロローグ)だけで続編が未だに出てなかったよね。

 

61:雄英の仮面ライダー

けどストーリーの濃厚さは勿論アクションや変身エフェクトの迫力は凄かったですよ。

仮面ライダーの生みの親である石ノ森章太郎先生も出演してましたし。

未完ですが傑作だと個人的に思います。

 

62:空座町の無下限呪術師

ライダーくんってホント仮面ライダー好きだね〜。

あ、そうだった。

皆に紹介したい子たちがいるんだけど。

 

63:虚刀流のグラップラー

紹介したい子たち?

 

64:杜王町の幽波紋使い

もしかして、新しい転生者の事か?

 

65:サクラギ研究所のリサーチフェロー

新たなスレ民ですか!?

 

66:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

そうなんですか呪術ニキ!?

 

67:空座町の無下限呪術師

まあまあ、落ち着いて。

それじゃあ2人とも元気良く自己紹介ヨロシク!

 

68:鬼滅ごっこをやってる忍者

初めまして、NARUTO世界に転生した忍者です。

木の葉隠れの下忍で、普段はチャクラ刀で鬼滅ごっこやってます。

 

69:海賊系美食屋

どうも!

大海賊時代で未知なる味を探究する美食屋です!

グルメ四天王の能力が使えます!

今は仲間のヤマトと一緒に冒険(食材探索)してます!

 

70:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

また随分とキャラが濃い子たちだなぁ。

 

71:太刀川隊の狙撃手

しかも2人ともジャンプ作品ですね。

 

72:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ジャンプ民一気に増えたな。

あれ?

そうなると俺と小林ニキとグラップラーニキと円卓ニキだけが除け者?

 

73:杜王町の幽波紋使い

と言っても半分くらいじゃあないか。

気にしなくて良いだろ。

 

74:雄英の仮面ライダー

まあ、何はともあれ。

2人ともこれからよろしく。

 

75:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

よろしくね。

 

76:虚刀流のグラップラー

歓迎するよ。

 

77:鬼滅ごっこをやってる忍者

よろしくお願いします。

 

78:海賊系美食屋

よろしく!

あ、美味そうな匂いがするんで俺はこれで!

 

79:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

マイペースだな美食屋ニキ。

エルマかよ。

 

80:空座町の無下限呪術師

まあまあ!

キリが良いし今回は此処で御開きにしようか!

ライダーくんも良い?

 

81:雄英の仮面ライダー

はい。

それでは皆さん、お疲れ様でした。

 

82:杜王町の幽波紋使い

お疲れ。

 

83:虚刀流のグラップラー

お疲れ様!

 

 

「また会ったな。さあ、闘えッッッ!!」

 

 

ゆ、勇次郎さん!?

逃げるんだよォ!

どけーッ通行人どもーッ!

 

84:サクラギ研究所のリサーチフェロー

グラップラーニキ、ドンマイ。

お疲れ。

 

85:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

お疲れ様。

 

86:鬼滅ごっこをやってる忍者

お疲れ様です。

さて、修業しよう。

 

87:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れー。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




ダークライダーのオンパレード
ガチャでダークライダーの力を得たライダーくん。本来は悪の力だったが人類の為に扱えるのか……。


登場人物紹介

鬼滅ごっこをやってる忍者
【NARUTO】世界の転生者。

年齢 13歳
全ての性質変化とチャクラ刀を使って鬼滅の刃ごっこをやってる下忍。
ナルト世代で唯一スリーマンセルの班からハブられた生粋のぼっち。
1ヶ月毎に各班の任務に同行している。
ナルトやシカマルたちと仲が良く、サスケとは修業仲間。
実は特殊な一族の生まれ(?)らしい。


海賊系美食屋
【ONE PIECE】世界の転生者

年齢 25歳
トリコの美食四天王の力が使える。
"偉大なる航路"の未知なる食材を求めて冒険をしている。
ルフィ以上の食いしん坊。
新世界にある"ワノ国"でヤマトと出会い、爆弾付きの手錠を外して仲間にした。
覇気は覇王色、武装色、見聞色が使える。
懸賞金は不明(本人は興味無し)だが過去に世界政府から王下七武海の勧誘を受けたが承諾しなかった。


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37スレ

仮面ライダーエビルの正体は予想通り大ニだったけど、一輝と違って悪魔に身体乗っ取られてる状態とか怖いし、ジョージ・狩崎はああなる事を予測してた感じでやっぱサイコ野郎っぽいし、リバイスって何だかんだ闇が深そう……。

ウルトラマントリガーは最強形態グリッタートリガーエタニティが登場して物語も折返しに入った感じがして今後の展開が楽しみです。扱えきれない力にケンゴがどう向き合うか。……まあ、リブットもゲスト出演するみたいだからその時に力の制御が出来る感じになるのかな?

第41話です。
今回ライダーくんが変身する仮面ライダーのヒントは「改造人間」「空を飛ぶライダー」「99の技」


職場体験の翌日、1週間振りの登校は朝から騒がしい。

 

「「アッハッハッハ!マジか!マジか爆豪!」」

 

切島と瀬呂がベストジーニストの様な八二分けになっていた爆豪を見て大声で笑っていたからだ。

 

「笑うな!クセになって洗っても落ちねぇんだよ!おい、笑うな!ぶっ殺すぞ!」

 

「やってみろよ8:2坊や!」

 

笑われた爆豪は怒りで爆発寸前だが切島たちは笑うのを止まなかった。

 

そんな爆豪たちを他所に皆はそれぞれ職場体験の報告をしていた。

 

「峰田は職場体験どうだった?」

 

「"どうだった"って生優しいもんじゃねぇよ。なあ、知ってるか佳面、女ってのはさ…腹の奥底で本性を隠し持ってるもんなのさッ……!」

 

「Mt.レディの所で何を見たの?あと爪噛むの止めようね」

 

峰田は遠い目をしながら自分の指の爪を噛み始めたので止める。

 

「けど1番大変だったのはお前ら4人だよな!」

 

「そうそう、ヒーロー殺し!」

 

「心配しましたわ」

 

「エンデヴァーとミルコが助けてくれたんだっけ?」

 

「流石トップヒーローだよな!」

 

話題はヒーロー殺しに移り、現場に居た俺・緑谷・飯田・轟に視線が集まった。

 

面構署長の言った通り、情報操作のお陰で世間では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と認識している様だ。

 

「ニュースでも言ってたけどさ、ヒーロー殺しは(ヴィラン)連合と繋がってたんだよね?」

 

「USJの時に居たらマジでヤバかったよな」

 

「けど捕まったし、もう大丈夫だろ」

 

「……いや、安心はまだ出来ないと思う」

 

ヒーロー殺しが捕まった事に皆が安堵している中、俺は()()()()()を考えていた。

 

「どう言う事だ?」

 

「ヒーロー殺しは捕まったんでしょ?」

 

俺の言葉に障子と耳郎さんが問いかける。

 

「確かにヒーロー殺しは捕まったけど、ニュースやネットでヒーロー殺しの経歴は勿論、彼が捕まる直前に言った言葉が全国的に広がった。それは皆も知ってるよね」

 

「ああ。"俺を殺していいのはオールマイトだけだ"ってヤツだろ?」

 

「学生時代でヒーロー科に居たのにも驚いたよな」

 

切島と砂藤がそれぞれヒーロー殺しの経歴や言葉を思い出していた。

 

「それがどーしたの?」

 

芦戸さんが質問する。

 

「世間ではヒーロー殺しの事をただの(ヴィラン)として扱ってるけど、(ヴィラン)側からは一種のカリスマとして視られているかもしれないって事。つまり、ヒーロー殺しの考えに感化される輩が出てくる可能性があるって事になる」

 

「確かに……ネットの中にはヒーロー殺しの事をダークヒーローとして視てる奴らも一部では居るよな」

 

俺の仮説に轟も納得する。

 

「それにヒーロー殺しは(ヴィラン)連合と関わっていた。そこが1番のポイントになると思う」

 

「えっと、つまりどう言う事なん?」

 

「麗日さん、連合はヒーロー殺しをプロパガンダの1つとして利用したかもしれないと佳面さんは仰っているのですわ」

 

「それじゃあ、ヒーロー殺しに感化された奴らが連合に集まってくるかもしれねぇって事かよ!?」

 

「ヤベーじゃん!」

 

八百万さんの補足に皆が驚く。

 

「けどよ!それってあくまで憶測だろ!そんな事にならねぇかもしれねぇじゃんか!」

 

「甘えんだよ」

 

叫ぶ峰田をいつもの髪型に戻った爆豪が否定する。

 

「何がだよ爆豪?」

 

「容量ねぇ頭で考えろや。USJン時に連合の奴らはオールマイトを殺す為に雄英を襲った。"オールマイトに挑んだチンピラ集団"だったのがヒーロー殺しの存在で"思想を持ったテロリスト集団"に格上げしたって事だろうが」

 

「……烏合の衆から巨悪の組織に昇華」

 

爆豪の言葉に常闇も納得した。

 

「ケロ、それってかなり不味いんじゃないかしら」

 

「ヒーロー殺しは連合と繋がってんだろ?警察の取調べで奴らのアジトを突き止めれば」

 

「いつまで話してる。朝礼の時間だろうが」

 

すると相澤先生が教室に入って来た。

 

「けど先生!(ヴィラン)連合が」

 

「……その件に関しては警察がプロヒーローと連携して調査を進めていく。今のお前たちがああだこうだと言ってどうにかなる訳ではないだろ?お前たちに出来ることは1日でも早く1人前のヒーローになる為に力をつける事だ。……分かったら朝礼を始めるぞ」

 

全員がモヤモヤしながらも、普段の日常が始まる。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「ねえねえ!ヒーロー殺しに遭遇したんだよね?大丈夫だったの?それに体育祭とは違う変身をしたよね?綺麗な緑色で凄くトカゲぽかった!なんでなんで?」

 

「近いです。もう少し離れて下さい波動先輩」

 

昼休憩の食堂にて、俺は偶然出会ってしまった波動先輩に質問責めを受けていた。

 

「だって気になるんだもん!教えて教えて!」

 

「ヒーロー殺しはミルコさんとエンデヴァーさんのお陰で大丈夫でした。あとトカゲっぽい姿は"アマゾンオメガ"と言う名前です」

 

「そうなんだ!それでまだ他にも変身出来るの?見せて見せて!」

 

まるで好奇心旺盛な子どもの様に制服の袖をグイグイ引っ張って来る波動先輩に俺は困っていた。

 

今日に限ってクラスメイトが近くに居ない。

 

……ウルトラ不幸だ(3分の1人前なヒーロー並感)。

 

「……それなら今度、放課後自主練に付き合って下さい。承諾して頂けるならお見せしますよ」

 

「うん!約束だよ!」

 

すると波動先輩は右手の小指をフック状に曲げて俺の前に突き出す。

 

「……えっと、波動先輩それは?」

 

「指切り!ちゃんと約束守らないと駄目だから!」

 

流石に高校生にもなって指切りするのは少し羞恥心を覚えるが、此処で拒んでも彼女の性格上余計に駄々を捏ねる事になるだろうと思い、俺は渋々小指を引っ掛ける。

 

「指きりげんまん嘘ついたら……どうしよっか?」

 

「え?罰決めるんですか?」

 

普通に"針千本呑ます"で良いと思うのだが。

 

「じゃあ嘘ついたらデートしよっか!」

 

「波動先輩、それ罰になってません」

 

それ罰やない、ご褒美や。

 

「指きりげんまん嘘ついたらデート!指切った!」

 

「……もうそれで良いです」

 

一方的な指切りが終了し、俺は豚骨ラーメン(紅ショウガ付き)を食べ始めた。

 

ラーメンを食べ終わるまで周囲の視線が物凄く生暖かった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「ハイ!私が来た!ってな訳で久し振りだね少年少女! 早速だが始めるよヒーロー基礎学!」

 

午後から始まったヒーロー基礎学はオールマイトのぬるりとした登場から始まった。

 

「あっさりと登場したな。ネタ切れか?」

 

「ネタ切れじゃないよ!無尽蔵だっつーの!」

 

オールマイトのネタ切れ疑惑を疑う俺たちだったが、オールマイトは話題を変える様に会場へ視線を変えながら授業説明を始める。

 

「さあ! 今日は職場体験明け初日と言う事で、少し遊びを含んだ訓練だ!」

 

「そう、救助訓練レースだ!」

 

オールマイトは会場となる場所を指差した。

 

今回の演習場は『運動場γ』。

 

それは複雑な迷路と言える“密集工業地帯”をイメージした場所で配管・貯水タンク・冷却塔等が存在し、クレーンや煙突が木々の様に存在を示している密集地帯。

 

そんな密集工業地帯で、オールマイトが始めようとしているのは救助訓練レース。

 

5人1組ずつ開始し、オールマイトが居るゴールにより早く到着した方が勝ちと言うシンプルなルール。

 

最初の1組目のメンバーは芦戸さん・飯田・尾白・瀬呂・緑谷。

 

他の皆は誰が1位になるか各々で予想した。

 

「あの中だと瀬呂かな。ああ言う入り組んだ場所だと真価が発揮するだろうし」

 

「いや尾白も尻尾を上手く使えばワンチャンあり得るぞ。最初の戦闘訓練での高速移動は凄かったし」

 

「逆に芦戸は不利になるか?」

 

「けど芦戸の運動神経は並じゃないぜ!」

 

「今回は飯田は怪我してるし」

 

「緑谷さんも骨折克服してますし、もしかしたら」

 

「デクは最下位」

 

「いやいや、体育祭でも緑谷スゲー動けてたろ?」

 

「絶対最下位!」

 

「何故に頑ななん!?」

 

「……佳面、お前はどう思う?」

 

「うーん、アクシデントが無ければ緑谷。緑谷がテンパったら瀬呂か尾白かな?」

 

緑谷の成長速度はA組でも群を抜いているがよく緊張する癖がある為パフォーマンスが十全でない場合もあり得る。

 

オールマイトの合図が出て、レース開始。

 

結果は全身を強化し、アクシデント無く落ち着いてゴールした緑谷が1位を取った。

 

しかも個性の発動スピードが体育祭時よりも早かった所を観ると職場体験で成長した様子だった。

 

続いて第2レース。

 

俺・砂藤・耳郎さん・轟・八百万さん。

 

「やりますか」

 

「負けられねぇ!」

 

「この中だとウチが不利か…」

 

「よし」

 

「落ち着いて、いつも通りにやればッ…」

 

スタート地点に待機し、開始の合図を待つ。

 

 

『それでは第2レース、スタート!』

 

 

開始のアナウンスと同時に一斉にスタートする。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

俺は左手を腰に、右手を左斜め上方に掲げる構えを取る事で、変身ベルト【トルネード】を出現させる。

 

 

「スカイ…変身!」

 

 

搭載された風車で受けた風圧エネルギーを取り入れ、俺の身体はマスクや背面、下半身は明るいグリーンへと変貌し、胸と腕は艶のあるオレンジになった。

 

その名はスカイライダー。

 

悪の組織ネオショッカーに勇敢に立ち向かった仮面ライダー第8号である。

 

「セイリングジャンプ!」

 

変身ベルト【トルネード】の左右にセットされたレバーである【重力低減装置】を倒し、天高くジャンプする。

 

そしてそのまま時速800kmでオールマイトの居るゴール地点まで滑空飛行する。

 

「佳面!?アンタ飛べるの!?」

 

「マジかよ!?」

 

「クソッ!」

 

「速過ぎますわ!」

 

さっきまで前に居た4人をごぼう抜きし、ゴール地点に着地する。

 

「ご、ゴール!1位は佳面少年!」

 

「ありがとうございます」

 

第2レースは俺が1位を取った。




仮面ライダー紹介

スカイライダー

レア度【SR】

出典『仮面ライダー(新)』


A組、(ヴィラン)連合の動きに不安を感じる
ヒーロー殺しに感化された輩が近い将来(ヴィラン)連合に集まるのではないかと言う可能性にA組の皆は危機感を覚える。


ライダーくん、波動先輩と約束する
今度の放課後、波動先輩に自主練の手伝いをして欲しいとお願いするライダーくん。波動先輩は快く承諾し、指切りをする。側から見れば付き合っている様にしか見えない……。またヒロイン'sの葉隠・蛙吹ペアがオコになりそうな案件である。


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38スレ

最近転職して仕事を覚えるのに必死で投稿頻度が遅くれてしまいましたが、これからも少なくとも週1ペースで頑張って続けていきたいと思います。

仮面ライダーリバイスでは遂に変身失敗おじさんことヒロミさんが仮面ライダーデモンズに変身してテンションが上がりました。しかもドライバーの音声が津田○次郎さんって、豪華だなあ。
冬の映画の情報も少しずつ公開されて来ましたし、TVシリーズも含めてこれから楽しみです。

ウルトラマントリガーではマルゥルの探偵回と昨日放送された回でタルタルソースと同じアブソリューティアンの新たな戦士ディアボロが乱入し、エタニティコアのエネルギーを狙うも間一髪でリブットが窮地を救ってギャラファイ第3弾に繋がるんだなあと思いました。リブットの人間態を演じるのが土屋新○さんでメッチャ声カッコいいっていうね。お姉さんの土屋○鳳さんも『ベリアル銀河帝国』でエメラナ姫を演じてましたし、姉弟揃ってウルトラマン作品に出演したケースって珍しいですよね。てか、ディアボロの声を担当されてるのがカクレンジャーのサスケやギンガマンのヒュウガを演じられた俳優の小川輝○さんってマジですか……。

長々と語ってしまいましたが、第42話を投稿します。それでは、どうぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:雄英の仮面ライダー

午後のヒーロー基礎学の後、更衣室で峰田が女子の着替えを覗こうとしたので止めるの大変でした。

 

2:サクラギ研究所のリサーチフェロー

安定の峰田くんwww

 

3:虚刀流のグラップラー

原作で知ってたけど、覗きって本当にやるんだな。

 

4:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

立派な犯罪だから笑い事じゃ済まないけどね。

 

5:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

実際にやったら捕まりますからね。

そう考えると峰田くんはよく停学とか退学にならなかったな。

 

6:杜王町の幽波紋使い

未遂で済んだからだろうけどな。

 

7:太刀川隊の狙撃手

一先ず、問題にならなくて良かったよ。

 

8:雄英の仮面ライダー

はい。

それと、授業が終わった後に飯田からお兄さんの怪我の事で病院に行ってきました。

 

9:杜王町の幽波紋使い

治療の件か。

 

10:サクラギ研究所のリサーチフェロー

依頼されたのか。

 

11:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

それでどうだった?

 

12:雄英の仮面ライダー

仮面ライダー最光の治癒能力で何とか脊髄損傷による下半身麻痺を含む全ての怪我を治す事が出来ました。

けど、治せただけなのでリハビリは必要になりますが。

 

13:サクラギ研究所のリサーチフェロー

マジか!?

脊髄が損傷する程の怪我も治せるのかよ!

 

14:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

やっぱり最光は最高だな。

 

15:杜王町の幽波紋使い

仗助の【クレイジー・ダイヤモンド】も大概だが、仮面ライダーもかなりの能力だな。

 

16:太刀川隊の狙撃手

流石セイバー勢の某猫型ロボット。

 

17:虚刀流のグラップラー

復ッ活ッ!

インゲニウム復活ッッ!

インゲニウム復活ッッ!

 

18:海賊系美食屋

グラップラーニキ、烈海王みたいになってるぜ?

 

19:雄英の仮面ライダー

いや、飯田のお兄さんは引退する意思を変えないみたいで、今後サポートとして相棒(サイドキック)たちをまとめていくそうです。

ヒーロー名【インゲニウム】は飯田に継承させて、将来飯田の右腕として支えていきたいと仰っていました。

取り敢えずひと段落しましたし、これで期末試験に集中出来ます。

 

20:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

そう言えば、期末試験があったね。

 

21:サクラギ研究所のリサーチフェロー

気をつけろよライダーくん。

期末試験でも筆記は兎も角、実技はかなりハードになると思うから。

 

22:杜王町の幽波紋使い

そんなにハードな内容なのか?

 

23:太刀川隊の狙撃手

そうですね。

最近の(ヴィラン)による事件発生率を考慮して、より実践向きの試験になると思います。

 

24:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

頑張れよライダーくん。

 

25:雄英の仮面ライダー

はい。

そういえば、呪術ニキと忍者ニキは?

 

26:海賊系美食屋

そういやスレに参加してないな。

 

27:杜王町の幽波紋使い

呪術ニキは本業の警察の仕事で、忍者ニキは任務で波の国に行ってるだそうだ。

 

28:虚刀流のグラップラー

波の国って事は、原作でナルトたちがCランク任務で桃地再不斬・白と対決する辺りか。

 

29:サクラギ研究所のリサーチフェロー

忍者ニキの最初の修羅場だな。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

インゲニウムの治療を終えた翌日。朝のHRで相澤先生が話し始める。

 

「えー、そろそろ夏休みも近いが、勿論君らが1ヶ月休める道理は無い」

 

「まさか……!」

 

一瞬の静寂の後、相澤が再び口を開く。

 

 

「夏休み、林間合宿やるぞ」

 

 

「「「知ってたよ!やった~!!」」」

 

 

「肝試そ~!」

 

「風呂!」

 

「花火」

 

「行水!」

 

「カレーだな」

 

「湯浴み!」

 

「峰田。未遂だったとはいえ、覗きの件忘れてないよね?」

 

「あ、あたぼうよ!?」

 

「ぜってー嘘だな」

 

「自然環境ですと、また活動条件が変わってきますわね」

 

「如何なる環境でも正しい選択を…か。……面白い」

 

「寝食皆と!ワクワクしてきた!」

 

 

「ただし!!」

 

 

皆が騒いでいる中、相澤先生の強めの口調で口を挟み、教室は再び静まりかえる。

 

「その前の期末テストで合格点に満たなかった奴は補習地獄だ」

 

「皆!頑張ろうぜ!」

 

「クソくだらねぇ」

 

「女子頑張れよ!」

 

その後HRは終わり、通常授業が始まった。

 

こうして、暫くは普通の学校生活が続いた。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

そして時は過ぎ、期末試験1週間前。

 

「よし、授業はここまでにする。期末テストまで残すところ1週間だが、お前らちゃんと勉強してるだろうな?当然知ってるだろうが、テストは筆記だけでなく、実技の演習もあるからな。頭と身体を同時に鍛えておけ。以上だ」

 

そう言い残し、相澤先生は教室から出て行く。

 

その瞬間

 

「全く勉強してな~い!!体育祭とか職場体験でやる暇なかったー!!」←20位(芦戸さん)

 

芦戸さんが声を上げる。

 

その表情は何故か楽しそうに笑っていた。

 

「確かに、行事続きではあったが…」←15位(常闇)

 

「中間はまぁ、入学したてで範囲狭いし、特に苦労なかったんだけどな。行事が重なったこともあるけど、やっぱ期末は範囲広いし中間と違って……」←13位(砂藤)

 

コクコクと頷く←12位(口田)

 

「演習試験もあるのが辛ぇとこだよな」←10位(峰田)

 

「中間10位!?あんたは同族だと思ってたのに~!!峰田みたいな奴はバカで初めて愛嬌が出るんでしょうが!何処に需要あんの!!」

 

「世界…かな」

 

何故かドヤ顔をキメる峰田。

 

期末試験が間近に迫り、中間テストであまり成績が良くなかった人たちは焦り出していた。

 

「芦戸さん!頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね!!」←5位(緑谷)

 

「うむ!俺もクラス委員長として皆の奮起を期待している!」←2位(飯田)

 

「普通に授業出てりゃ赤点は出ねぇだろ」←6位(轟)

 

「普段から復習も出来てたら問題無いと思うけどね」←3位(俺)

 

「言葉には気をつけなよ男子……!!」

 

成績上位陣から励ましの言葉を受けるが、逆に心にダメージを負う芦戸さん。

 

そんな芦戸さんに、救いの手が差し伸ばされる。

 

「芦戸さん。座学なら私、お力添え出来るかも知れませんわ」←1位(八百万さん)

 

「ヤオモモ~!!」

 

「実技の方はからっきしでしょうけど…」

 

成績が危うい芦戸さんに八百万が声をかけ、芦戸さんはそれに感激する。

 

更に

 

「芦戸程じゃないけどさ、ウチもいいかな?二次関数、ちょっと応用躓いちゃってて」←8位(耳郎さん)

 

「えっ?」

 

「悪ぃ俺も!八百万、古典分かる?」←18位(瀬呂)

 

「えっ?」

 

「俺も良いかな?幾つか分からない部分あってさ」←9位(尾白)

 

「「「お願い!!!」」」

 

耳郎さんに続いて瀬呂、尾白が八百万さんに勉強について教えて欲しいと頼んできた。

 

それを聞いた八百万さんは感激のあまり、目を輝かせる。

 

「皆さん…!!良いですともぉ~!!」

 

「「「やったぁーー!!」」」

 

「では、週末にでも私の家でお勉強会を催しましょう!」

 

「マジで!?ヤオモモん家超楽しみィ~!」

 

「あぁ、そうなるとまずお母様に報告して講堂を空けていただかないと!」

 

(((講堂!?)))

 

「皆さん、お紅茶は何処かご贔屓がありまして?」

 

(((お紅茶!?)))

 

「我が家はいつもハロッズかウェッジウッドなのでご希望がありましたら用意しますわ!もちろん勉強のことも任せてください!必ずお力になって見せますわ!」

 

スーパーセレブ発言をマシンガントークの如く饒舌に語り始める八百万さんを芦戸さんたちは呆然と見ていた。

 

(ナチュラルに生まれの違いを見せつけられたけど……)

 

(なんか超プリプリしてんの超カワイイからどうでも良いや)

 

1人張り切る八百万さんの姿を芦戸さんたちは和やかな気持ちで見守る。

 

俺と緑谷たちがそんな光景を見ていると

 

「佳面くん〜!毎年で悪いけど勉強教えてー!!」←17位(葉隠さん)

 

今度は葉隠さんが俺に懇願して来た。

 

「あれ?葉隠さん、中間は自力で頑張れてたよね?」

 

「そうだけど期末は流石に厳しいよ〜!!」 

 

恒例行事の如く、中学から試験が近づくと葉隠さんは俺に勉強を教えて貰いに来てたが……今年もこうなったか。

 

「分かった。良いけど残り1週間しか無いから覚悟してね」

 

「イエッサー!宜しくお願いするであります教官!」

 

「誰が教官だよ」

 

新米軍人の様に敬礼する葉隠さんに思わずツッコむ。

 

「佳面くん、私もええかなぁ」←14位(麗日さん)

 

「麗日さんも?良いよ。青山と障子は?良かったら一緒にやる?」

 

「良いのか?」←11位(障子)

 

「merci☆」←19位(青山)

 

「ケロ、佳面ちゃん。私も良いかしら?」←7位(蛙吹さん)

 

「勿論だよ蛙吹さん」

 

5人か…かなり大所帯になったけど、提案したからには頑張らないと。

 

「場所はどうする?」

 

「流石に6人だと場所使うから、実家が3階建てビルで2階が事務所になってるからそこでやろうか」

 

「事務所って、佳面ちゃんのお家は自営業をされてるのかしら?」

 

「佳面くんの実家はコーヒーショップなんだよ!」

 

「お、オシャレや……!?」

 

「紅茶はあるかな?☆」

 

「流石に店には置いてないけど、事務所にはアッサムとダージリンがあるしフレーバーティーだとアールグレイも出来るよ」

 

後でオヤッさんに事務所の事で連絡入れておこう。

 

それを他所に爆豪が切島に勉強を教える事になったそうだ。

 

何だかんだ面倒見は良い様に思えた。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

昼休憩の食堂で遭遇したB組の物間に絡まれるも拳藤さんが仲裁に入り、その時に彼女から毎年実技試験が入試でやったロボットとの実戦演習になる事を聞くことが出来た。

 

「やったぁ~~~!!」

 

教室では芦戸さんが実技試験の内容に喜びの声を上げていた。

 

「ロボなら楽ちんだよ!」

 

「芦戸は対人だと個性の調整大変そうだからな」

 

「ロボなら溶かして楽勝だ!あとはヤオモモに勉強教えてもらえば期末はクリア!これで林間合宿バッチリだぁ~!!」

 

芦戸さんを始め、他の生徒達が期末試験について楽観視し始めた。

 

その時、

 

「人でもロボでもぶっ飛ばすのは同じだろ。何が楽ちんだアホか!」

 

爆豪が苛つきながら芦戸さんに言い放つ。

 

「アホとは何だアホとは!」

 

「うっせぇな!!!調整なんか勝手に出来るもんだろアホだろ!!なぁ!?デク!」

 

「!?」

 

芦戸さんに噛みついた後、爆豪は緑谷に話を振る。

 

「個性の使い方、体育祭からちょっと分かってきたか知らねぇけどよォ、テメェはつくづく俺の神経逆なでするな!俺は半端な結果はいらねぇ。次の期末なら個人成績で否が応にも優劣が付く。完膚なきまでに差ァつけてテメェをぶち殺してやる!!!」

 

「……っ!?」

 

「佳面!轟!テメェらもだ!!」

 

爆豪は緑谷だけでなく、俺と轟に対しても宣戦布告し1人教室から出た。

 

「何イラついてんだ爆豪」

 

「何かとキレるのは前からだけど、今日はいつも以上だな」

 

残った全員が爆豪の様子を見て困惑する。

 

「……」

 

爆豪の事は気になるが、俺は実技試験の事を考えていた。

 

ロボット相手による実践演習。

 

毎年決まった内容だそうだが、ニキたちの会話だとより実践向きになると言っていたのだ。

 

もしかしたら今年から内容が変更するかもしれない。

 

「佳面、さっきから何考え込んでんだ?」

 

そんな俺を見て、轟が声を掛ける。

 

「少しね。実技試験が本当に例年通りの内容になるのかなあと思ってさ」

 

「え?どういう事?」

 

「内容が変更されるって事か?」

 

皆も俺の方を見て質問する。

 

(ヴィラン)連合、ヒーロー殺し。ここ最近の(ヴィラン)の動きが活発になってるのにロボットでの演習をさせるとは少し考えづらいかなって。それこそ、相澤先生風に言う"合理的に欠ける"ってヤツじゃないかな」

 

「どちらにしろ、爆豪が言ってた事は間違ってないよ。相手が人になろうとロボットになろうと、気を緩ませずに備えておくべきだと俺は思う」

 

俺の言葉に皆の表情が引き締まる。

 

「だな。どっちにしろ、片方でも赤点取ったら補習になるんだ!」

 

「筆記も実技もクリアして、皆で林間合宿行こうぜ!」

 

「「「オオオー!」」」

 

こうして、俺たちは一丸となって期末試験に備えてのであった。




飯田、2代目インゲニウムを襲名する
初代インゲニウムである飯田兄はヒーロ殺しの一件から自身のヒーロー名を飯田弟に譲り受ける事を決めており、怪我が治った今でもその意思は変えない。今後サポートとして事務所を纏めて近い将来飯田弟が2代目インゲニウムとして活動する際に右腕として支えていく。


次回、ライダーくんによる勉強回。
ゲストとしてあの人(?)が登場!
ヒントは最近YouTubeの無料配信で最終回を迎えたあの作品より(Start your engine!)


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39スレ

第43話を投稿します。

今回は期末試験に向けての勉強会。
ライダー君たちの特別講師として登場するキャラのヒントは「天才」「秘密主義者」「ベルト」です。




「いらっしゃい皆」

 

「宜しくね!」

 

「オシャレな建物やわ〜」

 

「ケロ、宜しくお願いするわ。佳面ちゃん」

 

「宜しく頼む」

 

「建物の色合いが素晴らしいね☆」

 

勉強会当日。

 

事前に参加者の皆に家の住所を伝えておいたので、時間通りに皆が俺の家に到着した。

 

「それじゃあ、早速事務所に案内するよ」

 

俺は建物の横の階段から事務所へ案内する。

 

「此処が事務所。いつもは店の経営とトレーナー業をやってるオヤッさんが事務や打ち合わせで使ってるけど、許可貰ってるから気にしないで」

 

「「「(お、オシャレだ…!?)」」」

 

レンガ風の壁紙に、黒を基調としたアンティークな椅子が6脚と大きな長方形のテーブル、壁際に資料が並べられた棚と天井には大きなシーリングファンが吊るされており、エアコンは勿論巨大ディスプレイが1つ壁に掛けられた事務所の内装となっている。

 

他には給湯スペースもあり、冷蔵庫も完備されている。

 

何処か緊張気味な皆(良く出入りする葉隠さんは除く)が椅子に腰掛ける。

 

「飲み物だけど、コーヒーと紅茶、緑茶に麦茶があるから好きなの選んでね。なんならコーヒーにラテアートするけど」

 

「ラテアート出来るん!?」

 

「凄いな」

 

「ケロ、本当に多彩なのね。佳面ちゃん」

 

「私アイスコーヒー!イルカのラテアート付きで!」

 

「僕はアールグレイ☆」

 

「分かった」

 

麦茶(麗日さん)、アイスコーヒー・無糖(俺、障子)、アイスカフェラテ(蛙吹さん)、ラテアート付きアイスコーヒー(葉隠さん)、アールグレイ(青山)をテーブルに運ぶ。

 

各々出された飲み物で一息吐いて、早速勉強会を開始する。

 

「それと、今回の勉強会に特別講師を呼んだから皆に紹介するよ」

 

「特別講師?」

 

「誰か来ているのか?」

 

「どんな人だい?☆」

 

「ケロ、気になるわ」

 

「教えて教えて!」

 

突然の事に皆は驚いているので、早速特別講師を呼ぶ。

 

「それじゃあ紹介するよ。出て来てくれ、ベルトさん

 

『OK』

 

俺の呼び掛けに突如この場に居ない男性の声がしたと同時に、テーブルか中央に位置する円形デジタルディスプレイには顔が表示されていた銀色のベルトが出現した。

 

Nice to meet you.(はじめまして)1年A組の諸君。私はクリム・スタインベルト。通称"ベルトさん"だ。来太の頼みで今回の勉強会の特別講師をやらせて貰うことになった。宜しく頼む』

 

「「「………」」」

 

突然のベルトさんの登場に、皆はピクリとも動かなくなった。

 

まるで重加速、通称"どんより"が発生したみたいだった。

 

「……あれ?ベルトさん重加速した?」

 

『私は何もしていないぞ来太!?』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

まさかのベルトさん!?

 

2:空座町の無下限呪術師

Surprise!

 

3:虚刀流のグラップラー

世界中がDrive!

 

4:サクラギ研究所のリサーチフェロー

唐突に仮面ライダードライブのOP歌わないで下さい。

 

5:杜王町の幽波紋使い

ベルトが喋ってるな。

 

6:太刀川隊の狙撃手

仮面ライダードライブの変身アイテム【ドライブドライバー】ことクリム・スタインベルト博士です。

元々は人間でしたが機械生命体【ロイミュード】によって命を落としてしまい、ベルトに自らの意識データを移したんですよ。

主人公の泊進ノ介から"ベルトさん"の愛称で呼ばれてました。

 

7:サクラギ研究所のリサーチフェロー

ドライブだとチェイスが好きだったな。

 

8:海賊系美食屋

俺はハートかな。

 

9:鬼滅ごっこをやってる忍者

俺は仮面ライダーマッハこと詩島剛ですかね。

 

10:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

可愛い担当の霧子とセクシー担当のメディックも捨てがたい。

あとりんなさんも。

 

11:空座町の無下限呪術師

現さんこと追田現八郎も良いキャラだったよね。

 

12:虚刀流のグラップラー

本願寺課長や究ちゃんも名キャラだったな。

 

12:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

皆、優秀で誠実なブレンさんの事忘れてない?

 

13:雄英の仮面ライダー

「俺は文系科目、理数系科目はベルトさんが担当するよ。頼むねベルトさん」

 

『OK。早速始めていこう』

 

14:杜王町の幽波紋使い

ライダーくんとベルトさんが各科目で教えていく感じか。

 

15:空座町の無下限呪術師

ベルトさん科学者だからね。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

俺とベルトさんで担当を決めて勉強会を始める。

 

苦手でなくても流石に元々科学者であるベルトさんより理系が出来る訳では無いため、俺は文系の科目を教えていく事にした。

 

「青山、此処の文法はね───」

 

「なるほどね☆」

 

『麗日、計算式は合っているが答えが間違っているね』

 

「え!?ホンマに!?」

 

「佳面、此処の英文だが」

 

「ああ、此処はね───」

 

「ベルトさん、此処を教えて貰えるかしら」

 

『OK。蛙吹』

 

「佳面くん、この答え合ってるかな?」

 

「どれどれ」

 

途中休憩と昼食を挟みながら勉強会はスムーズに進み、あっという間に勉強会は無事に終了した。

 

「それじゃあ、これで勉強会を終わります。お疲れ様」

 

「お、終わった〜」

 

「疲れたー!」

 

「あっという間だったわ」

 

「終始集中してたからな」

 

「夕日が綺麗だね☆」

 

Good job.(お疲れ)皆よく頑張ったね』

 

勉強会を終えた皆を俺とベルトさんは労う。

 

全員地頭が良いため教えた事を直ぐに理解してくれたので教える側としても苦では無かった。

 

「時間が時間だし、電車組は駅まで車で送るよ」

 

「ええの?ありがとう佳面くん!」

 

「何から何まで済まないな」

 

「ケロ、ありがとう佳面ちゃん」

 

「merci☆」

 

「葉隠さんは?近いけど送ろうか?」

 

「私はもう少しベルトさんに教えて貰おうかな。良いベルトさん?」

 

『私は構わないよ』

 

「分かった。そうだ、帰る前に───」

 

車に乗せる前に3階の自宅から持ってきたラッピングされた包みを皆に配る。

 

「佳面、此れは?」

 

「お土産のクッキー。手作りだけど良かったらどうぞ」

 

「ええの!?」

 

「素敵なサプライズ☆」

 

今の季節に因んでスイカや花火等のアイシングクッキーを前持って用意しておいたのだ。

 

「───ケロ、佳面ちゃん。私のだけ少し多いわ」

 

すると自分だけ皆よりも大きめな包みを渡された事に蛙吹さんが質問する。

 

「蛙吹さんの分は弟さんと妹さんの分もあるから多めに入れてるよ。ほら、前に兄弟の事話してくれてたから」

 

1人分だと分けると取り分が少なくなると思い、蛙吹さんだけ少し多めにクッキーを入れておいたのだ。

 

「ありがとう佳面ちゃん。弟たちもきっと喜ぶわ」

 

「そう言ってくれると作った甲斐があったよ。それじゃあ、そろそろ送るよ。葉隠さんもまた後で。ベルトさん、葉隠さんをお願いね」

 

『ああ。皆See you again.(また会おう)

 

「皆またね!」

 

こうして、俺は皆を車で駅まで送ったのであった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「ただいま」

 

『おかえり、来太』

 

皆を駅まで送り終えた俺は事務所に戻ると、ベルトさんが出迎えてくれた。

 

「ただいまベルトさん。あれ、葉隠さん寝てる?」

 

葉隠さんがテーブルにうつ伏せになっている様子を見て寝ている事に気づいた。

 

『流石に疲れたみたいでね、途中で眠ってしまったよ』

 

「そうだったのか。けど流石に起こさないといけないし」

 

『今は寝かしつけておこう。───それより、少し話をしないか?』

 

ベルトさんの真剣な声に俺は首を傾げる。

 

「どうしたのベルトさん」

 

『これを見てくれ』

 

壁に掛けられたモニターに2つのネットニュースが映し出される。

 

その内容は───

 

「路地裏で人の焼死体が複数発見。もう1つは……吸血事件?」

 

『ここ最近頻繁に発生した怪奇事件だ。どちらも死者が出ている』

 

記事を読むと2つとも都市部で発生した奇妙な事件の様だ。

 

「吸血事件はともかく、焼死体の方は火事とかじゃなく?」

 

『燃やされたのは人間だけの様だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それと僅かな目撃証言によると、被害者は青い炎によって燃やされたとの事だ』

 

「青い炎?」

 

炎は特定の物質を燃やすと色が変化するのは知っているが、人を燃やしても青くなる訳が無い。

 

となると───

 

「確か炎は温度で色が変わるんだっけ。赤は約1500度、黄色は約3500度、白が約6500度。青は───」

 

『約10,000度を超える。もしそうなら焼死体は10,000度を超える高熱で燃やされた事になる』

 

「個性による犯行って事か……。もう1つの吸血事件は?」

 

『ナイフ等の刃物による刺し傷から血液を吸われた様だ。被害者の傷口から犯人と思われる唾液が検出されたそうだ』

 

犯行に使われた道具が刃物である事に、俺は()()()()を思い出した。

 

「ヒーロー殺しの手口に似ている?」

 

『いや、ヒーロー殺し《ステイン》の個性に関しては警察側も伏せている筈だ。公の場では公開されていない』

 

「だよね。…と言うことは模倣犯じゃ無いか」

 

『だが2つの事件もそうだが、様々な事件がステイン逮捕から増えている傾向にある』

 

ヒーロー殺しの影響が、既に出始めていると言う事か。

 

「もし、事件の犯人たちがヒーロー殺しに影響された奴らなら……」

 

『今後、(ヴィラン)連合に接触する可能性がある。いや……既に接触したのかもしれないな』

 

視えない所で、悪が動き始めているのかもしれない。

 

そう思うと、俺とベルトさんはなんとも言えない気持ちになった。

 

考え込んでいる途中、目が覚めた葉隠さんを家まで送り届けたのであった。




キャラ紹介

クリム・スタインベルト(通称"ベルトさん")

出典 『仮面ライダードライブ』


ベルトさん登場
仮面ライダーシリーズでも屈指の天才科学者であるベルトさんに勉強会の特別講師を依頼していたが、見た目のインパクトのせいで一同が唖然とした。
ベルトさんの口調ってこんな感じだっけ……?
違和感ある方は感想欄で教えて下さい。

殺人事件相次ぐ
焼死体や吸血事件といった奇妙な事件が発生している。
犯人は一体何者なのか……。


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40スレ

第44話を投稿します。

実技試験の話は前中後編でまとめる予定です。
今回は前編です。


勉強会から翌週、1学期の期末試験が始まった。

 

期末試験は3日間に渡る筆記試験と1回の演習試験に分かれており、まずは筆記試験を受けることになった。

 

顔色を変えずに問題を解く人もいれば、難問に頭を悩ませているのか暗い表情で解いていく人も居る。

 

そしてついに最後の科目の試験時間が終わると、試験官の相澤先生が終了の合図をする。

 

「全員手を止めろ!各列の最後列の者は答案用紙を集めて持って来い」

 

先生の指示通り、各列の最後列の生徒達が答案用紙を回収して行く。

 

「ありがとー!ヤオモモーーー!!」

 

「お陰で全部埋めたぜ!」

 

「勉強見て貰えなかったら危なかったかも」

 

「ありがとね」

 

芦戸さんを筆頭に八百万さんに勉強を教えて貰った人たちが彼女に対して各々感謝の言葉を送る。

 

「佳面くんありがとー!お陰で今回の筆記自信あるよ!」

 

「私もええ感じに出来たよー」

 

「ケロ、佳面ちゃんとベルトさんのお陰ね」

 

「助かった」

 

「感謝してるよ☆」

 

「いやいや、俺とベルトさんは教えただけ。それを身に付けられたのは皆の努力の結果だよ」

 

お礼を言いに来た葉隠さんたちに返答する。

 

他の生徒達も筆記が終わってホッとした様子だった。

 

こうして、3日間の筆記試験は終了したのであった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

翌日、遂に実技試験の日がやってきた。

 

場所は実技試験会場中央広場。

 

コスチュームを着たA組の生徒達の前には、何故か雄英の教師陣が相対していた。

 

「あれ?先生たち多くない?」

 

「確かに」

 

「これだけの人数って事は……」

 

教師の人数に疑問を抱いていると、相澤先生が試験の説明を始める。

 

「それじゃあ実技試験を始めていく。この試験でも勿論、赤点はある。林間合宿に行きたければみっともないヘマはするなよ。諸君なら事前に情報を仕入れて何するか薄々分かってると思うが…」

 

「入試の時みたいなロボ無双でしょ!花火!カレー!肝試し!」

 

芦戸さんがテンション高めで叫ぶ。

 

その様子は合格を確信しているようだった。

 

だがしかし、その答えは彼女の期待を大きく裏切るものであった。

 

 

「残念!諸事情があって今回から内容を変更しちゃうのさ!」

 

 

相澤先生が首に巻いている捕縛布から声と共に校長が顔を出した。

 

「校長先生!?」

 

「試験内容の変更というのは…?」

 

「これからは対人戦闘・活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視するのさ!」

 

試験内容の変更を告げられ、驚きを隠せない生徒達。

 

芦戸さんに至ってはリアクションが取れないほど固まってしまっていた。

 

「マジかよ。佳面の予想当たっちまった」

 

「佳面オメー!口は災いの元って諺を知らねえのかよ!」

 

「キレないで峰田。あと俺はあくまで予想しただけだから」

 

そして校長先生が説明を続ける。

 

「というわけで諸君らはこれから2人1組でここにいる教師1人と戦闘を行って貰う!」

 

「「「ハァ!?」」」 

 

「先生…方と!?」

 

校長先生の言葉を聞いて驚きの声を上げる麗日さんだけでなく、他の生徒達も驚愕の色を露わにしていた。

 

突然プロヒーローである先生達と戦えと言われたのだ。

 

当然のリアクションである。

 

「なお、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度、諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表していくぞ……と、その前に佳面」

 

「何ですか?」

 

対戦カードを発表する直前、相澤先生は俺の方を見る。

 

「お前は特別ルールだ。試験を2回受けて貰う」

 

「え?」

 

 

「「「ええええええ!!?」」」

 

 

相澤先生から告げられた言葉に俺を含むA組全員が驚愕する。

 

「お前の評価についてだが2回の試験のどちらか、若しくは2回ともクリアした場合は合格とするが、クリアしても内容次第では不合格にする」

 

「ちょっと待ってください!どうして佳面くんだけ2回受けさせるのですか!?」

 

「何か理由があるのですか!?」

 

「佳面だけ圧倒的に不利じゃないスか!」

 

飯田、八百万さん、切島が相澤先生を問い詰める。

 

他の生徒たちも納得いかない……と言うより、理解出来なかった。

 

「既に決まった事だ。お前たちが反論したところで無駄だ」

 

「無駄って!?」

 

「無茶苦茶じゃないですか!」

 

「……隠された陰謀か?」

 

皆が困惑している中、教師陣はこうなる事を予想してた様子でいた。

 

「相澤先生」

 

「何だ?」

 

俺は相澤先生に問う。

 

「俺が2回受ける事に、意味があるんですよね?」

 

「意味がなければ最初からこんな事言わないよ」

 

「…分かりました。やります」

 

「佳面くん!?」

 

「ケロ、良いの?」

 

「此処でジーッとしててもドーにもならないでしょ?なら、覚悟を決めてやるよ」

 

「だけど…」

 

「話は終わりだ。早速試験の対戦組み合わせを発表する」

 

「まずは轟と八百万がチームで、俺とだ」

 

「「!?」」

 

ニヤリと笑いながら相澤先生は轟と八百万の方を見る。

 

続けて他の対戦カードを発表していく。

 

「切島と佳面のチーム。相手はセメントスだ」

 

「宜しく切島」

 

「お、おう!」

 

俺の1回目の試験は切島とのペア、相手はセメントを操るセメントス先生。

 

そしてまた暫く発表していき、俺の2回目の対戦カードが発表された。

 

「緑谷と爆豪。それと佳面の3人」

 

「「!?」」

 

「で、相手は…」

 

相澤先生は言葉を言い切る前に、突然上空から巨体が降ってきた。

 

その巨体がゆっくりと立ち上がった。

 

その正体は、

 

 

「私が…する!」

 

 

「オール」

 

「マイトが!?」

 

「これは…ちょっとマズイかな」

 

「協力して勝ちに来いよ、御三方!」

 

No.1ヒーローが俺たちの前に立ちはだかった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「ヒーロー殺し《ステイン》と(ヴィラン)連合の繋がりによる(ヴィラン)たちの活性化の恐れ…か」

 

時は遡り、演習試験の数日前。

 

会議室で根津校長が手元の資料を見ながら呟く。

 

会議室には根津校長だけでなく、雄英のプロヒーロー教師陣が全員が集まっており、期末の演習試験について話し合いを行っていた。

 

「勿論、それを未然に防ぐ事が最善ですが、学校としては万全を期したい。これからの社会、現状以上に対敵戦闘が激化すると考えればロボとの戦闘訓練は実戦的ではない」

 

「そもそもロボを使った運用は『入学試験という場で人に危害を加えるのか』等のクレームを回避する為」

 

「無視しときゃ良いんだそんなもん。言いたいだけなんだから」

 

「そういう訳にもいかないでしょ」

 

世間体を面倒臭がる相澤にミッドナイトが嗜める。

 

「試験の変更理由は分かりましたが、生徒を2人1組にし、我々教師陣と戦わせるというのは……」

 

「ええ、少し酷だと思います」

 

「俺らがあっさり勝っちまったら点数もつけられないYO?」

 

変更される試験内容に13号とマイクは納得していない様子であった。

 

「勿論、その辺りを考慮して教師側にはハンデを付ける予定だ」

 

「校長、いかがでしょうか?」

 

「いかがも何も、僕は演習試験の内容変更に賛成してるよ。これ以上生徒達を危険に遭わせないために我々は何をすれば良いか。答えは簡単!生徒自身に強くなってもらうことさ」

 

「ですね」

 

「異論ありません」

 

根津校長の賛同によって演習試験の変更が決まった。

 

他の教師陣もそれに納得している様子だった。そして次に相澤が生徒のペアと対戦する教師の割り振りについて説明していく。

 

「では組の采配についての前に、佳面に関してですが…アイツには2回試験を受けさせようと思います」

 

「「「!?」」」

 

相澤の突然の発言に校長を除く全ての教師陣が驚いた。

 

「ちょっと、何で佳面くんだけ2回受けさせるのよ?」

 

「イレイザー、佳面Boyがお気に入りだからってそんな横暴は流石にナンセンスだろーYO」

 

「何か理由があるのか?」

 

ミッドナイト、マイク、ブラドが相澤を問い詰める。

 

「佳面はこれまでUSJ事件、ヒーロー殺し事件に大きく関わった経歴を持っています。この2つに関しては緑谷や飯田、轟にも言えますが佳面に関しては俺とエクトプラズムが手も足も出せなかった改造(ヴィラン)"脳無"を()()で撃退してます。つまり」

 

「今後、彼が連合に狙われる可能性があると?」

 

相澤の言いたい事に誰よりも察した根津校長が続きを口にする。

 

「はい。我々が生徒を守れば良いだけの事ですが、()()()()()()()()()()に越した事はありません。もしもの場合を考慮してアイツが仮免を取得した後にどう動けば良いのかを事前に学習させておく必要があります」

 

「確かに、彼が学生たちの中でも群を抜いていると言っても我々が守るべき生徒の1人」

 

「事が起きた後では意味が無いって事か」

 

「そう考えると、対策する必要があるのかもしれませんね」

 

相澤の意図を理解した他の教師陣も各々が納得する。

 

「2回受けさせるので、その分評価を考慮していくつもりです。宜しいですね、校長」

 

「うん、僕もその案に賛成だよ」

 

根津校長も承諾し、佳面の件は一先ず解決したので話を試験の対戦組み合わせの打ち合わせに移す。

 

「まずは轟。ひと通り申し分無いが、全体的に力押しのきらいがあります。そして、八百万は万能ですが咄嗟の判断力や応用力に欠ける。よって俺が2人の個性を消し、接近戦闘で弱みを突きます」

 

「「「異議なし!」」」

 

「次に緑谷と爆豪。それとこの2人に佳面を組ませますが……オールマイトさん、頼みます」

 

「!」

 

「この緑谷と爆豪に関しては能力や成績で組んではいません。ひとえに仲の悪さ。体育祭からの緑谷の急成長が爆豪の苛つきを助長している節があり、間違いなく試験中にトラブルが起きると予想されます。そこにフォロー役として佳面を組ませてチームバランスを整える形にします」

 

「何で緑谷くん・爆豪くんの2人に佳面くんを組ませるの?」

 

相澤の説明を聞いたミッドナイトが尋ねる。

 

「先程のフォロー役もそうですが、佳面には理不尽な相手への対応力を身に付けて貰うつもりです。その条件でこの中だとオールマイトしか務まらないと判断しました」

 

「そう言うことね」

 

相澤の答えを聞いたミッドナイトは得心がいったというような表情を浮かべる。

 

そして相澤はオールマイトの方を向きながら確認を取る。

 

「オールマイトさん、お願いして宜しいですか?」

 

「……ああ、了解した」

 

オールマイトは力強く頷きながらこれを了承した。




ライダーくん、実技を2回受ける事に
学校側はライダーくんの実技試験をどうするか議論し、結果2回受けさせる事になった。かなり無茶苦茶だが、ライダーくんは承諾する。


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41スレ

仮面ライダーオーズ 10th ANNIVERSARY 完全新作上映決定!!

800年前のオーズが復活!?ウヴァたちと異なる様々な属性を持つ新たなグリード!?新型のバース(追加アイテムとコアメダルを使ってる模様)!?そして、オーズの新コンボとアンク復活!!?
オリジナルキャスト集結という神作確定な予感!!
お帰り映司!お帰り比菜ちゃん!お帰り知世子さん!お帰り伊達さん!お帰り後藤さん!お帰り里中さん!そして、お帰りアンク!!!
けど鴻上会長、また貴方が事件の元凶なんでしょ?(お決まり感)
来年の春公開予定ですので、追加される情報を確認しつつ期待値MAXにして待つようにします!!
オーズの新たな伝説に、HAPPY BIRTHDAY!!

今募集しているアンケートの期限は期末試験編までとします。
ご協力よろしくお願いします。

前置きが長くなりましたが、第45話を投稿します。
期末実技試験の中編 ライダーくん&切島vsセメントスです。
今回変身する仮面ライダーヒントは「幽霊」「パーカー」「命、燃やすぜ!」です。


実技試験が始まる前、俺と切島は試験のミーティングを行っていた。

 

「相手はセメントス先生だけど、切島はどう攻略する?」

 

「んなの、漢らしく正面突破するに決まってるだろ!」

 

切島は硬化した両拳をガキンとぶつけて答える。

 

「だけど切島自身がセメントス先生の個性との相性は良くないのは分かってるよね」

 

「え?何でだ?」

 

「セメントス先生の個性はセメントを自由自在に操る。つまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。硬化の持続時間が限られてる切島とは最悪の組み合わせって事だよ」

 

「あ、そっか」

 

切島は"成る程"って顔をして納得した。

 

「俺としてはセメントス先生の個性でも干渉出来ない空中からゲートを目指したいけど、セメントス先生もゲート前に陣取るか妨害をしてくると思う」

 

「じゃあどうすんだ?」

 

「そこで切島の力が必要だ。1つ頼みたいんだけど良いかな?」

 

「ダチの頼みを断る訳ねぇだろ!俺に出来る事なら何だってやってやるぜ!」

 

切島は漢気全開で承諾してくれた。

 

そんな彼に俺はニヤリ笑う。

 

「今回の実技試験では切島…君には()()()()になって貰うよ」

 

「は?最強の…囮?」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

1:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

まさかライダーくんだけ試験を2回受ける事になるなんてね。

 

2:空座町の無下限呪術師

これは僕も予想外かな。

ライダーくんの実力も関係してるだろうけど、1番の理由は(ヴィラン)連合だろうね。

 

3:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ライダーくんが連合に拉致られるかもって事ですか?

あの梅干し頭ことオール・フォー・ワンに。

 

4:太刀川隊の狙撃手

>>3

可能性はあるでしょうね。

林間合宿で連合が襲撃して来ますし。

 

5: サクラギ研究所のリサーチフェロー

ライダーくんにこの事伝えますか?

 

6:杜王町の幽波紋使い

>>5

今は試験に集中させよう。

伝えるのは試験が終わった後で良いんじゃあないか?

 

7:鬼滅ごっこをやってる忍者

そうですね。

目の前の試験をクリアして貰わないといけませんし。

 

8:海賊系美食屋

しかし、ライダーくんは切島に頼み事してたけど何をさせるつもりなんだろうな。

最強の囮って?

 

9:空座町の無下限呪術師

それはこれから分かるんじゃない?

お手並み拝見といこうよ。

 

10:太刀川隊の狙撃手

ですね。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

『佳面・切島チーム。実技試験 Ready go!』

 

 

「行くよ!」

 

「おう!」

 

試験合図のアナウンスと共に、俺と切島はゴールを目指す。

 

演習場は市街地を模したステージ。

 

セメントス先生の得意とする環境と言っても過言では無い。

 

「佳面!いやがったぜセメントス先生!」

 

予想通り、数百m先にセメントス先生が待ち構えていた。

 

「作戦を実行するよ、切島!」

 

「ああ!」

 

俺は手を腰に翳し、変身ベルト【ゴーストドライバー】を実体化させ、ジャケットのポケットから水色の眼型ユニット【ニュートン ゴースト眼魂(アイコン)】を取り出し、スイッチを押す。

 

起動された眼魂(アイコン)の目玉部分が【04】に変わり、展開されたドライバーに装填し、カバーを閉じる。

 

 

『アーイ!』

 

 

『バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

 

待機音と共にドライバーから水色のダウンジャケットをしたゴースト【ニュートンゴースト】が出現し、俺の周りを浮遊する。

 

俺は印を結ぶ様にポーズを構え、

 

 

「変身!」

 

 

ドライバーのトリガーを引いて、押し込む。

 

 

『カイガン!ニュートン!

 

 

『リンゴが落下!引き寄せまっか!』

 

 

すると俺の身体は素体状態の【トランジェント】に変化し、【ニュートンゴースト】を纏う。

 

のっぺらぼうの様だったマスク【ヴァリアスバイザー】はリンゴが落下した絵柄【フェイスフォールアップル】へと変わり、両手に球状のグローブが装備される。

 

英雄や偉人たちと心を通わせ、死して尚命を燃やしたヒーロー【仮面ライダーゴースト】の派生形態【仮面ライダーゴースト ニュートン魂】に変身完了する。

 

 

変身完了と同時に俺と切島の前に巨大なセメントスの壁が出現する。

 

セメントス先生が個性を発動した様だ。

 

「佳面!こっちは準備万端だぜ!」

 

切島が両腕を硬化し、俺の前で待機する。

 

「OK!行くよ!」

 

 

『ダイカイガン!ニュートン!

 

 

『オメガドライブ!』

 

 

斥力のエネルギーを右手に集中させ、目の前の切島に目掛けて放つ。

 

 

「合体必殺!烈怒(レッド)キャノン!』

 

 

「ウオォォォォォォォォォ!!」

 

 

斥力によって切島は壁に向かって物凄い速度で飛んで行った。

 

妨害していた壁は跡形も無く粉砕され、切島はそのままセメントス先生へ猛突進する。

 

「なんの!」

 

セメントス先生は一瞬驚愕するも直ぐにセメントの壁を何重にも生成し、切島の猛スピードを抑え込もうとした。

 

()()()()()()()()()

 

俺は透明なプロテクター【アーマーインビジブル】を起動し、全身を透明化させ、半実体化の状態で物体をすり抜ける能力を応用して()()()()()()()

 

そのまま前進し、セメントス先生の背後を取る様に地上へ出る。

 

俺の目の前にはセメントス先生とセメントで身動きが取れなくなった切島が居た。

 

「ふぅ、まさかこんな手段で奇襲を掛けるとは思わなかったよ!だが、一手足りなかったね」

 

「それはどうでしょう」

 

俺は左手の引力でセメントス先生を引っ張り出し、上へ持ち上げる。

 

「な!なんだ!?」

 

()()()()()()()()セメントス先生は何が起こったのか分からず困惑していた。

 

セメントス先生の身柄を確保した俺は身体を実体化させ、姿を現す。

 

「佳面くん!?一体何処から!?」

 

「切島に注意を惹きつけてる間に地面をすり抜けて背後を取ったんです。突然正面から猛スピードで切島が飛んできたらセメントス先生も俺の動きを見逃すと思いまして」

 

「作戦成功だな!」

 

「良い最強の囮だったよ、切島」

 

未だに拘束された切島が俺にサムズアップをする。

 

そのあと解放された切島がセメントス先生に手錠を掛けて、無事に1回目の実技試験をクリア出来た。

 

あと残すは2回目の緑谷・爆豪とのチーム。

 

相手は日本No.1ヒーローのオールマイト。

 

(緑谷たちと協力したい所だけど、まずは爆豪の説得をしないとなぁ)

 

短気でキレやすいチームメイトに協力を促す為の試行錯誤を考えながら、俺は切島と共に待機施設へ移動する。




仮面ライダー紹介

仮面ライダーゴースト

レア度【SR】

出典『仮面ライダーゴースト』


ライダーくん、切島との連携&ゴーストの特性で試験1回目を合格!
仮面ライダーゴースト ニュートン魂に変身し、切島との連携技『烈怒キャノン』でセメントスの注意を引き、ゴーストの特性"すり抜け"能力を使い見事試験を合格。戦法が通形先輩ことルミリオンに近いが、そこはご愛嬌。
2回目の試験は緑谷&爆豪と共に【平和の象徴】オールマイトに挑む!

nextライダーヒント
「パープル色の仮面ライダー」(今までのガチャ回を振り返ると分かるかも?)

次回もお楽しみに!


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42スレ

11/6に放送された『仮面ライダー大投票』を観てビルド組が仲良く上位にランキングして狂喜乱舞しました(あれ、ローグは…)。
エボルが32位と意外な順位にビックリしました。
ビルドは作品ランキングでも5位、音楽ランキングではOPの『Be The One』が2位とビルドが人気作品である事を再認識する事が出来ました。
しかも10位のグリスは男性、11位のクローズは女性の投票割合が多い面がストーリーでの活躍と比例して面白い統計結果だったと思います。

さてさて、第46話を投稿します。
今回は実技試験後編のお話となります。

今回の主人公が変身する仮面ライダーヒントは「ワニ」「ヒゲ」「文字Tシャツ」です。


「お疲れ様、緑谷、麗日さん。リカバリーガールも」

 

「お疲れ佳面くん!」

 

「凄かったよー!何かオバケっぽかった!」

 

「お疲れ様。ドロップ要るかい?」

 

「ありがとうございます」

 

モニター室に行くと緑谷と麗日さん、それとリカバリーガールが居た。

 

リカバリーガールから貰ったドロップ(イチゴ味)を口に咥えながら俺たち以外に始まった試験をモニター越しで眺める。

 

「緑谷、爆豪とは作戦会議出来た?」

 

「ごめん。かっちゃん、相談する前に1人でどっか行っちゃって…」

 

予想通り、爆豪は俺はともかく緑谷とも協力する意思が無い様だ。

 

「やっぱりか。麗日さんの方は?青山と作戦について何か話せた?」

 

「あはは、こっちも。青山くんと会話が成り立たんというか…」

 

「全く、パートナーとコミュニケーションの1つも出来ないなんて、アンタたちそんなんでこの試験を乗り切れると思ってるのかい?」

 

リカバリーガールのごもっともな言葉に緑谷と麗日さんは何も言い返せなかった。

 

俺はそんな2人にフォローを入れる。

 

「爆豪の方は最悪試験中にアドリブでカバーしていくけど、麗日さんはもう1度青山と作戦について話しをした方が良いと思う。相手が13号先生なら尚更だから」

 

「う、うん!私もう1度青山くんと話してみる!」

 

そう言って麗日さんはモニター室から出て行き、青山の元へ向かった。

 

「今回の試験、あからさまに生徒たちが苦手な相手をぶつけている様ですが」

 

「その通りだよ。今回の実技試験は生徒たちが如何に自分の弱点を克服出来るのかが試験通過の鍵となるからね。アンタたちも自分たちの番になるまでに教師との相性をしっかり分析しておく事さね」

 

戦闘に於いて、個性は勿論人間性での相性も重要になってくる。

 

現に俺のパートナーである切島は格闘戦に特化しているのに対して拘束能力に長けるセメントス先生が相手であった。

 

今回は作戦が上手く機能したが、もし俺では無く砂藤とのペアだった場合、持久戦に持ち込まれて不合格になっていた可能性が高かっただろう。

 

モニターでは蛙吹さん・常闇ペアvsエクトプラズム先生の試験が映っており、巨大な分身に苦戦しながらも見事手錠を掛けた事で合格となった。

 

試験は進んで、第3戦目 青山・麗日さんvs13号先生は辛くも青山たちが勝利し、続いて第4戦目 轟・八百万さんvs相澤先生も八百万の作戦で見事相澤先生を拘束した。

 

第5戦目の飯田・尾白vsパワーローダー先生も生徒組の連携によりゲートを通過。

 

「やったね飯田くん!」

 

「ああ!緑谷くんたちも続けよ!」

 

「蛙吹さん、麗日さん、轟、八百万さん。お疲れ様」

 

「ありがとう佳面ちゃん。ケロケロ」

 

「八百万の作戦が無かったらヤバかった」

 

「いいえ!轟さんのお力が有ったからこそ作戦が上手くいったのですわ!」

 

試験を終え、モニター室に来た皆を俺と緑谷は祝福する。

 

「……」

 

ただ1人、麗日さんだけは何故か静かだった。

 

「麗日さん?どうしたの?」

 

 

「うえぇ!?な、な、な、何でも無いよ!」

 

 

気になって話しかけてみると、麗日さんは嘗て無い程に動揺した。

 

しかも顔が真っ赤である。

 

「本当に?辛いなら椅子持ってくるけど。というより、リカバリーガールも居るし、一度診て貰った方が良いんじゃないか?」

 

「ほ、ホンマに何ともないんよ!大丈夫!」

 

麗日さんは両手をブンブンと振って否定する。

 

だがその視線は()()()()()交互に移している様に見えた。

 

「あッ」

 

「危ない!」

 

バランスを崩して床に倒れそうになった麗日さんの身体を間一髪支える。

 

「顔、近いって…」

 

「ん?何?」

 

いつもの彼女じゃない事に疑問を持つ。

 

「麗日さん大丈夫!?」

 

「大丈夫か麗日くん!?」

 

「何処かお怪我をされましたの!?」

 

「リカバリーガールに診て貰った方がいいんじゃねぇか?」

 

「大丈夫お茶子ちゃん?」

 

緑谷たちも麗日さんを心配して集まる。

 

「こらこら、そんなに寄ってたかったらその子も落ち着かんさね。佳面、保健室に送ってやんな。後で私も行ってやるから」

 

「分かりました。行こう、麗日さん」

 

「え、あ、うん…」

 

俺は麗日さんを背負って保健室へ向かった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

麗日さんを保健室へ送り届けた後、遂に俺・緑谷・爆豪の番が近づいたので演習場までバスで移動する事になった。

 

「「………」」

 

バス内の空気は良くなく、会話が何一つ無かった。

 

原因は緑谷と爆豪である。

 

「し、しりとりでもする?」

 

沈黙に耐えられなくなったオールマイトが唐突にしりとりを持ち掛けるも緑谷たちは反応しなかった。

 

「すいませんオールマイト。今はそっとして貰って良いですか?あと少しの辛抱なので」

 

「あ、うん……。すまない佳面少年」

 

演習場に到着するまで、バス内の沈黙が続いていた。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

『佳面・緑谷・爆豪チーム。実技試験 Ready go!』

 

 

試験開始のアナウンスが鳴り、第10戦目の実技試験が始まった。

 

試験が始まっても未だに俺たちの間に会話は無く、それどころか爆豪は無言で前方に歩き始めた。

 

「(爆豪の奴、この試験を1人でクリアする気か?)やれやれ…」

 

 

『スクラッシュドライバー!』

 

 

爆豪の唯我独尊さに呆れながらも周囲を警戒しながら、変身ベルト【スクラッシュドライバー】を装着する。

 

「佳面くん、そのベルト」

 

「今回変身する為のアイテム。相手はあのオールマイトだ。試験開始早々襲ってくる可能性が高いからね」

 

ドライバーが気になった緑谷に俺はそう答える。

 

「爆豪、1人で先行し過ぎだ。闇雲に行ってどうにかなる相手じゃないのは君も分かってるだろ?」

 

「黙れよ」

 

俺の言葉を一蹴し、聞く耳を持たない爆豪。

 

そんな爆豪に緑谷も声を掛ける。

 

「かっちゃん!お願いだから少し話を聞いてよ!オールマイトと闘うにしても作戦を練らないと!」

 

緑谷が爆豪に言い寄って行くと、爆豪は緑谷を突き飛ばす。

 

 

「黙れつってんだよ!テメェらの力なんか必要ねぇんだよ!!」

 

 

「ッ!そうやって怒鳴りつけないでよ!いつもそれで話が出来ないじゃないか!!」

 

 

爆豪の傍若無人さに遂に緑谷も叫んだ。

 

2人は幼稚園からの幼馴染の間柄だが、まともに会話をしている所は雄英で知り合った俺も見たことは無い。

 

「……はぁ。ッ!?………2人とも戦闘態勢、来るよ」

 

「アァッ?!」

 

「え?」

 

そんな2人の様子に溜め息を零したタイミングで突然とてつもない威圧感に気付いた俺は、2人へ警告を促す。

 

その直後、突如吹き荒れた暴風と共に大地が揺れた。

 

 

「街への被害などクソ食らえだ!」

 

 

おれたちの目の前に土煙から姿を現したのは、試験官であり現日本のNo.1ヒーロー オールマイト。

 

常に笑みを絶えない顔からは威圧感が迸っていた。

 

「"試験だ"などと考えていると痛い目見るぞ。私は(ヴィラン)だヒーローよ。さあ、真心込めてかかって来い!」

 

オールマイトは力強くそう言うと此方に向かって来た。

 

爆豪は左手を前に翳し、オールマイトをギリギリまで引きつける。

 

閃光弾(スタングレネード)!」

 

爆豪の左手が眩く輝き、オールマイトは思わず手で目を覆う。

 

「かかって来いだと?オールマイト!言われねぇでも、ハナから……ガッ!?」

 

オールマイトが目を覆った隙を突いて飛びかかる爆豪だったが突然言葉が途切れる。

 

原因はオールマイトが爆豪の顔面を掴んだからだ。

 

だが爆豪は透かさず顔を掴まれた状態からオールマイトに小爆破の連打を繰り出す。

 

()タタタタタタッ!」

 

しかし、その抵抗は虚しくオールマイトには全く効いていない。

 

そしてオールマイトが爆豪の顔を掴んだまま地面へ叩きつけようとした瞬間、俺は右手に持ったラビットフルボトルを振り、高速でオールマイトに接近して顔面にハイキックを打ち込んだ。

 

「あだ!?」

 

一瞬怯んだ隙に爆豪を抱えて後退する。

 

「離せ変身野郎!」

 

「少し黙って」

 

脇に抱えた爆豪を緑谷に向かって放り投げる。

 

「ちょ!?佳面くん!?」

 

「緑谷と爆豪は待機。最初に俺がやる」

 

「ざけんな!誰がテメェに従うと」

 

戸惑う緑谷と反論する爆豪に俺は少し圧を掛ける。

 

 

「待機だ。そこで見てろ」

 

 

俺の言葉に緑谷と爆豪は今度こそ静かになった。

 

「……どういうつもりだい?佳面少年」

 

質問するオールマイトを無視して、俺は【クロコダイルクラックフルボトル】の【シールディングキャップ】を回わす。

 

 

ピキピキッ

 

 

『デンジャー!』

 

 

ボトルが発光し、ドライバーの【パワープレスロット】に装填する。

 

 

『クロコダイル!』

 

 

ボトルが認証され、ドライバーから待機音声が鳴る。

 

 

「変身」

 

 

そのまま【アクティベイトレンチ】を押し下げる。

 

プレス機構が作動し、スロットに装填されたボトルの成分がドライバー内部に取り込まれ【ゼリータンク】が紫色に発光し、俺を中心にビーカー型の【ゼリータンク】を形成させる。

 

ボトルの成分を変換した液化装備【ヴァリアブルゼリー】がタンク内に満たされて、側面のワニの顎を模したユニットによってタンクが割られる。

 

 

『割れる!食われる!砕け散る!』

 

 

特殊パルスを発して紫色を基盤とした特殊スーツが俺の身体を纏い、頭部のワニの顎を模したパーツ【セルフェイスクラッシャー】が自身の頭部装甲を破壊し、内部の視覚センサー【ハードゼリーアイ】を露出させる。

 

 

『クロコダイルインローグ!』

 

 

『オーラァ!』

 

 

最後にワニの眼を模したデータ収集装置【RRシグナル】が光る。

 

自ら犯した罪と向き合い、時に悪役を演じ、時に国と民衆の盾として巨悪と立ち向かった男と同じ戦士【仮面ライダーローグ】に変身する。

 

「又も違う姿か……。しかし、変身したからどうだって話さ!」

 

一瞬で距離を詰めたオールマイトは拳を振り下ろす。

 

拳とローグの装甲が衝突し、周辺を衝撃波が襲う。

 

しかし、

 

「マジか…。硬過ぎないかい?その装甲」

 

通常なら喰らったらひとたまりも無い一撃を受けても微動だにしない俺に、オールマイトは驚く。

 

ローグの装甲【クロコダイラタンアーマー】は攻撃を受けると瞬時に硬化し、徹甲弾を受け止めるほどの防御力を発揮する。

 

特に罅が入った部分は白色の装甲強化フレームで超硬化されており、防御を貫通する特殊な攻撃でも無い限りダメージを負うことは無いのだ。

 

「フッ!」

 

「なんの!」

 

今度は俺がオールマイトに拳を振るうも、オールマイトは直撃する前に腕を掴む。

 

投げ飛ばされる前に銃型の武器【ネビュラスチームガン】の銃口をオールマイトに向け、トリガーを弾く。

 

「危な!」

 

銃口から撃ち出された高熱硬化弾【スチームビュレット】を躱し、オールマイトが距離を取った。

 

「全く、油断も隙も無いな君は」

 

俺は話しかけてくるオールマイトに気にせず右手に【ネビュラスチームガン】、左手に斬撃武器【スチームブレード】を構える。

 

一歩で接近し、スチームブレードを素早く振り下ろす。

 

「熱!?」

 

急速加熱されたブレードを躱した所にスチームガンを発砲するが、避けられる。

 

次にオールマイトの拳を【フォースクラックアーム】でガードし、スチームブレードを投擲する。

 

オールマイトは右手で掴んだ瞬間に空いた左手でオールマイトの脇腹に突き立てた状態で振り回す。

 

「痛タタタ!爪が食い込んでるよ!?」

 

「うおおおおおお!!」

 

勢いが付いたままオールマイトを建物目掛けて投げ飛ばす。

 

投げ飛ばされたオールマイトはビルに衝突し、奥へと姿を消した。

 

「す、凄い!オールマイトが……!?」

 

「……ッ!」

 

一連の攻防を目の当たりにした緑谷と爆豪は驚きを隠せないでいた。

 

そんな2人に俺は漸く声を掛ける。

 

「2人とも、少しは頭がクリアになったかな?いい加減作戦を決めるよ」

 

「さ、作戦?」

 

「このまま闘ってもオールマイトに手錠を掛けるのは正直難しい。こっちがやられない様にするので手一杯だ。2人が加勢してくれても、確率的に厳しい」

 

俺の言葉に緑谷は理解した表情をする。

 

……爆豪はまだ納得しきれてない様子だが。

 

「ならどうするか。爆豪、どうすれば良いと思う?」

 

「………ゲートを目指す。ただ逃げるんじゃ無く、攻撃しながらだろ?」

 

「え?」

 

「正解。要はヒット&アウェイ。襲ってくるオールマイトを迎撃しつつ、ゲートを目指す。これが一番成功率の高い方法だよ」

 

今回の試験のクリア条件は試験官に手錠を掛けるか、ゴール地点であるゲートを通過するかの2択。

 

しかも試験官にはハンデとして動きを制限する重りを着けられている。

 

「重りがあるお陰で俺もなんとかオールマイトの動きに反応出来てる状態だから、俺がオールマイトの攻撃を防ぐ。攻撃は緑谷と爆豪、2人に任せる。安心して、俺が絶対2人を守り抜いてみせるよ」

 

「"One for all(1人は皆の為に)"。俺たちは1人じゃまだまだ3分の1人前でも、3人合わさればオールマイトとだって闘える。それを証明しよう」

 

一先ず方針が決まり、俺たちは作戦を実行する。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

【オールマイト視点】

 

「痛タタタッ。投げ飛ばされるなんて先生との修業以来だな。ウッ!またトラウマがッ…!」

 

過去の苦い思い出がフラッシュバックしかけるも、なんとか身体を起き上がらせる。

 

(そろそろ佳面少年が2人に作戦を持ち掛ける頃か)

 

最初の緑谷少年たちに圧を掛けたのには驚いたが、面倒見の良い彼なら緑谷少年と爆豪少年の間を受け持ってくれている筈だろう。

 

(本当は私も協力したいが、今は試験の最中。それに緑谷少年と爆豪少年だけでなく、佳面少年の課題の事もある)

 

ヒーロー殺しが(ヴィラン)連合と関わりがある以上、裏で連合を操っているであろう()()()が佳面少年を狙って来るかもしれない。

 

ワン・フォー・オールの先代継承者であり、私のお師匠でもある志村奈々を殺した宿敵オール・フォー・ワンが。

 

人の大事なものを平気で踏み躙り、奪おうとするあの男に若者の未来を奪われてはならない。

 

ヒーローとして、平和の象徴として、そして1人の教師として。

 

「さあて、先生頑張っちゃうぞ!」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

作戦が決まった俺たちはオールマイトを警戒しながらゲートを目指していた。

 

既にゲートは視界に映る程の距離で、何事も無ければこのまま辿り着ける事は可能だが、オールマイト相手にそんな甘い考えは出来ない。

 

「いいか!勘違いすんじゃねぇぞ!俺がテメェらに協力するんじゃねぇ!()()()()()俺に協力すんだ!」

 

「ああ、それで良いよ。緑谷も、準備は良いね?」

 

「う、うん!」

 

プライドの高さからあくまで自分から協力するとは言わない爆豪に苦笑しながら、緑谷にも確認する。

 

まだ表情は固いが、その瞳から覚悟を決めた事が伝わってきた。

 

「作戦は決まったかな?」

 

背後から突然オールマイトが現れる。

 

「言っとくけど作戦を考えて協力し合うのは初期段階だぞ少年たち!」

 

オールマイトは一番近くに居た爆豪に膝蹴りを繰り出す。

 

そこに俺が2人の間に割って入って攻撃を防ぐ。

 

「相変わらず動き速いな!」

 

「どうも!」

 

俺は【ゴリラフルボトル】をドライバーに装填してレンチを押し下げる。

 

 

『チャージボトル!潰れなーい!』

 

 

『チャージクラッシュ!』

 

 

ボトルの成分を【ヴァリアブルゼリー】に変換し、右腕にエネルギー状の巨大な【サドンデストロイヤー】を形成する。

 

「ハアッ!」

 

「DETROIT SMASH!」

 

互いの拳がぶつかり合い、再び衝撃波が発生する。

 

重りによるハンデで本来のパワーが制限された事で、攻撃は拮抗した。

 

「死ねぇ!」

 

その隙に爆豪がオールマイトの懐に潜り込み、最大火力の爆破を繰り出す。

 

あまりの高火力に爆煙が立ち昇った。

 

「それだけかい!」

 

しかし爆煙から姿を現したのはオールマイトにダメージは無かった。

 

オールマイトは俺と爆豪に向かって接近する。

 

だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ぶちかませ!クソデクーーー!!」

 

爆豪の叫びに応えるかの様に緑谷がオールマイトの頭上に現れる。

 

「緑谷少年か!」

 

 

『フルボトル!』

 

 

『ファンキーアタック!フルボトル!』

 

 

オールマイトが緑谷に気づき、応戦しようとした所をスチームガンの【ギアボトルスロット】に【スパイダーフルボトル】を装填した状態でトリガーを弾く。

 

銃口から蜘蛛の糸が放射され、オールマイトの身体に巻き付いた。

 

「そんなのアリか!?」

 

「SMASH!」

 

拘束されたオールマイトに緑谷が拳を放つ。

 

殴られたオールマイトは地面に落下する。

 

 

「大義の為の犠牲となれ!」

 

 

『クラックアップフィニッシュ!』

 

 

【クロコダイルクラックフルボトル】を再装填した状態でレンチを押し下げる。

 

「ウオオオオオオオ!」

 

俺は跳躍して脚部の刃【クランチャーエッジ】を覆うようにエネルギーの牙【クランチャーファング】を生成・展開して噛み付くように両脚で挟み蹴りを繰り出し、そのまま回転してオールマイトを吹き飛ばす。

 

「2人とも掴まって!」

 

「うん!」

 

「命令すんな!」

 

 

『ディスチャージボトル!潰れなーい!』

 

 

『ディスチャージクラッシュ!』

 

 

緑谷と爆豪が俺にしがみついたのを確認した俺はドライバーに【ジェットフルボトル】を装填してレンチを押し下げる。

 

背中に飛行ユニット【エイセスウィング】を形成し、ゲートへ向かって高速飛行をする。

 

そして

 

 

『佳面・緑谷・爆豪チーム、条件達成!1年A組 期末テスト、実技試験の全演習を終了!』

 

 

試験終了を知らせるアナウンスが鳴り、これで期末試験の全工程が終了した。




仮面ライダー紹介

仮面ライダーローグ

レア度【SR】

出典『仮面ライダービルド』


佳面・緑谷・爆豪チーム、協力して試験をクリアする。
ローグの防御力、爆豪の火力、緑谷の機動力を活かした作戦でオールマイトに一矢報いることか出来た。


次回「ライダーくん、速過ぎた男に会ったってよ」


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43スレ

『仮面ライダーBLACK SUN』主演キャスト&仮面ライダーBLACK SUNのスーツビジュアルが公開!!
正直リブート作品なので若手俳優に主演を演らせると思っていたのですが、まさかの西○秀俊さんと中村○也さんのW主演とかビックリしない訳が無い!
アマゾンズみたいにシーズン化や劇場版まで発展させたりするのか非常に楽しみでなりません。

リバイス本編でも大ニが戻ってきて仮面ライダーライブとして活躍を始めたと思ったら妹のさくらもライダーになるみたいですし、五十嵐家ライダー輩出し過ぎでは?
あとヒロミさんは回を重ねる毎に株が上がるキャラだけど、大丈夫?クリスマス乗り越えられる?ヒロミさん良い人過ぎて途中退場しないかハラハラしているのは私だけでしょうか?

それでは第47話を投稿します。
投稿が遅くなってしまい申し訳ございません。
何もかもダイパリメイクが悪い(11/23に殿堂入り達成)。
期末試験の後日談となりまして、所謂日常回です。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

1:雄英の仮面ライダー

お疲れ様です。

 

2:空座町の無下限呪術師

お疲れー!

 

3:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

お疲れ様、ライダーくん。

 

4:杜王町の幽波紋使い

どうだった実技の方は?

 

5:雄英の仮面ライダー

はい。

試験の翌日に結果が発表されて無事に合格しました。

実技で赤点を取った人は居ますが、相澤先生が補習組も林間合宿に行けると言ってました。

 

6:サクラギ研究所のリサーチフェロー

>>5

補習に関しては分かってたけどライダーくんが無事に合格出来てこっちも安心したよ。

 

7:太刀川隊の狙撃手

ライダーくんだけ2回受けてましたからね。

合格条件が他と違ったでしょうし。

 

8:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

取り敢えず、合格おめでとう!

 

9:鬼滅ごっこをやってる忍者

お疲れ様&おめでとうライダーくん。

 

10:雄英の仮面ライダー

>>9

忍者ニキ!?

 

11:サクラギ研究所のリサーチフェロー

波の国での任務から戻って来たのか!?

 

12:杜王町の幽波紋使い

そっちもお疲れ様。

 

13:空座町の無下限呪術師

どうだった?

初めてのAランク任務は?

 

14:鬼滅ごっこをやってる忍者

元忍刀七人衆の1人である【鬼神】桃地再不斬と氷遁使いの白と闘いました。

原作通り2人は……。

敵でしたが、それ以上に尊敬出来る忍たちでした。

 

15:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

そっか。

 

16:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

ナルトたちの最初の敵だったけどかなりの名キャラたちですからね。

 

17:鬼滅ごっこをやってる忍者

そうですね。

まあ、この後は暫くは他の班に混ざってDランク任務を熟して行くと思いますが引き続き修業をやっていくつもりです。

俺の報告はこの辺で終わりにしますが、ライダーくんはこれから林間合宿の準備?

 

18:雄英の仮面ライダー

>>17

はい。

実は今日一部を除いてクラスの皆は大型ショッピングモールで買い物するそうです。

 

19:メイドラゴン(幼女+ロリ巨乳)の主

あれ?

ライダーくんは行かないの?

 

20:雄英の仮面ライダー

俺は店の手伝いがあるので。

 

21:杜王町の幽波紋使い

実家が自営業だと手伝いもしないといけないのか。

大変だな。

 

22:雄英の仮面ライダー

俺も好きで手伝ってますし、そこは気にしてないですよ。

…そう言えば、グラップラーニキと美食屋ニキは?

 

23:プリキュア世界の円卓の騎士(1人)

そう言えば2人居ないね。

 

24:太刀川隊の狙撃手

グラップラーニキは遂に原始人ピクルが日本に来日したそうなので暫くはそっちに集中するみたいです。

美食屋ニキは"偉大な航路"(グランドライン)で食材探しと冒険に夢中で今回は参加出来ないとの事です。

 

25:空座町の無下限呪術師

こっちも切りが良いし、一旦解散で良いんじゃない?

 

26:雄英の仮面ライダー

>>25

そうですね。

それでは皆さんお疲れ様です。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

今日は休日。

 

試験期間中は勉強に集中していたがそれも無事に終了し、通常通り店の手伝いを再開した。

 

「来太くん、今日は休んでも良かったんスよ?クラスの皆は林間合宿の買い物に行ってるんスよね?」

 

「試験期間中は休ませて貰ってたし、流石に手伝いに出ますよ。今日はオヤッさんが居ないし、流石にウェイターが久留美さんだけだと店回らないじゃないですか」

 

「そうスけど」

 

買い物をキャンセルした俺を古津狗さんが心配する。

 

「すいません来太くん!私が力不足なばっかりに!」

 

「いや、単に人手不足なだけだから。久留美さんは悪くないですよ」

 

「ウェイター、もう1人雇うべきッスかね」

 

「オヤッさんとも相談してみます」

 

そんな話をしていると、

 

「すいませーん。席空いてます?羽根があるんでテーブルが良いんですけど」

 

「はい。ご案内しま───」

 

お客が来たので出入り口のドアに振り向くと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が其処に立っていた。

 

輝度の高い黄土色の髪に、それに合わせたジャケット。

 

黒のインナーと手袋。

 

額に掛けた特殊なゴーグルは薄く水色掛かっている。

 

彼の背中には大きな翼が生えており、羽根の色は紅だった。

 

「ホークス、さん?」

 

「お、嬉しいね。俺の事知ってくれてたんだ」

 

「知っての通り、俺はホークス。ヨロシクね佳面来太くん」

 

日本のNo.3ヒーロー【ホークス】。

 

通称【速過ぎた男】が何故か来店した。

 

因みにイケメンヒーローのファンである久留美さんは阿鼻叫喚して気絶したのであった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「いやー、ごめんね。お姉さんが倒れたの俺のせいでしょ?」

 

「あ、いえ。気にしないで下さい。あの人はイケメンヒーロー大好き人間なので、突然目の前にホークスさんが現れた事で頭がショートしただけですよ」

 

「お詫びにサイン描いておくね。足りなかったら写真も良いよ」

 

「お気遣いありがとうございます」

 

俺とホークスさんは向かい合う様にテーブルに座り、話を始める。

 

古津狗さんは久留美さんの介抱の為、席を外している。

 

「あの、今日はどうして店に?」

 

「うーん、まあ単刀直入に言うと君と話がしたかったから!雄英高校の期待のスーパールーキーである君に」

 

何処となく裏がありそうな笑顔でホークスさんは話す。

 

「それだけで態々東京に?ホークスさんの管轄は九州ですよね?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。……雄英襲撃事件とヒーロー殺し事件に関わった君にね」

 

目的を話した途端、ホークスさんの表情から笑みが消え、ヒーローとしての顔に変わった。

 

「……ホークスさん程のヒーローなら、独自の情報網(ネットワーク)を持っているのではないですか?それに確か、俺のクラスメイトの1人の職場体験先でもあったんですよね?」

 

「うん。色んな所から情報は貰うし、この間の職場体験で常闇くんから雄英襲撃事件の事は聞いているよ。けど、当事者からの方がより情報の価値は高いからね」

 

俺の質問を瞬時に返した。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……何が聞きたいんですか?」

 

「率直な話、この2つの事件について君はどう思っているのかな?例えば、2つの事件に共通する事があるのかとか」

 

共通点……か。

 

「あくまで俺の主観になりますが」

 

「良いよ。話して」

 

「2つの事件には最近話題となっている(ヴィラン)連合が関わってます。襲撃事件だとその主犯として。ヒーロー殺しとは裏で繋がっていたりとか」

 

「……それだけかな?」

 

「……もう1つ挙げるとすれば、彼等にはオールマイトに対して強い感情を抱いている事…ですかね」

 

(ヴィラン)連合は殺意。

 

ヒーロー殺しは敬意。

 

どちらも歪んでいるが、強く執念すら感じるものではあったと思う。

 

「成る程、オールマイトさんか…。確かに連合は抹殺対象として、ヒーロー殺しは尊敬の対象として彼を挙げているね」

 

「他にもまだあるのかもしれませんが、俺の中ではオールマイトが大きく関わっていると思います」

 

「そうか…。うん、ありがとう。貴重な情報だったよ。来た甲斐があった」

 

ホークスさんは再び笑顔になり、俺にお礼を言う。

 

「あ!話変わるけどさ、プロになったら俺と仕事しない?」

 

「え?」

 

突然のスカウトに一瞬驚く。

 

「ほら、君って色んな姿に変身するでしょ?君の能力と俺の羽根が合わさったら、どんな事件も一瞬で解決出来ないかな〜って。因みにだけど君って飛べる?」

 

「あ、はい。飛べる姿にも変身出来ます。鳥っぽかったりドラゴンだったり」

 

「マジで!?じゃあ組もうよ!鳥チームとしてさ!あ、けど君ってミルコさんのお気に入りだったよね?あちゃ〜、横取りしたら怒っちゃうかな?」

 

「お気に入りなのかは知りませんが、あの人の性格上、横槍入れられると怒ると思いますよ」

 

「うわー、マジか」

 

本気なのか分からないが、ホークスさんは頭を悩ませていた。

 

「組むと言うのは、相棒(サイドキック)としてですか?」

 

「それも良いんだけど、少し違うかな。まあ、君から情報貰ったし、俺の事も少し教えるね」

 

「実は俺、公安直轄のヒーローなんだよね」

 

「公安直轄?それって普通のヒーローとは違うんですか?」

 

「うん。普通のヒーローだと出来ない公安からの依頼を請け負うヒーローの事だよ」

 

まさかそんなヒーローが存在するとは思わなかった。

 

「CIAとかMI6みたいな特殊工作員って事ですか?」

 

「カッコいい例えだね。まあ、そんな感じかな」

 

「それでどう?やってみない?」

 

「そうですね……」

 

少し興味はあるが、気になる点がある。

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

それはつまり、表沙汰に出来ない事を遣らせる事を意味しているのではないだろうか。

 

「すいません、今は何とも言えないです」

 

「そっか。まあ、突然だし仕方ないね。ごめんね変な勧誘をして」

 

「いえ、此方こそ」

 

「まあ、やってみたいなって思ったら何時でも言ってね。そうだ!連絡先交換しようよ!ラインやってる?」

 

「え?はい」

 

唐突な連絡先交換をした後、目を覚