「何でマクロスがないんだ!」少年はそう叫んだ (カフェイン中毒)
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ないなら作るしかないのでは?ボブはそう決意した
ガンプラ、と聞くと日本人のだいたいが大なり小なりピン、と来るだろう。例えば「ああ、ロボットのプラモデルでしょ?」とか「ガンダムのおもちゃね」とかだ。はたまた「それはホビーとしてかそれともRX78-2のプラモデルの事か?」なんて言う人もいるかもしれない。まあ巨大企業財団B社が製造しているプラモデルの事だと言えばだいたいあってることと思う。そう、ガンダムだ。今もなお新作アニメが作成され、最近では連邦に反省を促すアレがミーム的な意味でムーブメントを引き起こしたあれだ。
まあそんなことはどうでもいい。重要なことじゃない。いま、自分に与えられた部屋の中、木製の多機能な勉強机の上でなかなかハイスペックっぽいデスクトップパソコンを前にして絶望に打ちひしがれ、頭を抱えながらとある事象を前にして茫然自失としている俺にはすごくどうでもいい話だ。
「なぜ…なんで…どうして…この世界には…マクロスがないんだ…」
漏れ出すように口の端から怨嗟の声を吐き出しながら、俺ことサオトメ・アルトは目の前にある現実という名の絶望に打ちひしがれていた。
閑話休題、改めて状況を整理しよう。俺の名はサオトメ・アルト、意識を取り戻して3時間弱、肉体年齢は現在小学5年生、精神年齢は■■才の立派?な転生者だ。そう、転生者。こことは違う日本で、きちんと立派に生きていた記憶のあるいい年の大人だった。唐突に意識が切れたと思ったら謎空間に紙ぺら一枚でかくかくしかじかと事務的に転生するから(意訳)と書かれた手紙というか書類を読んで中身を理解した瞬間にこれだ。ちなみに調べものをした時間が1時間、他2時間は状況を整理するために利用していた。冷静じゃなかったともいう。落ち着いてすぐすることが好きなコンテンツがあるかどうかを調べることなあたり俺は動揺してるようだ。うん、落ち着かねば。
で、読んだ書類の内容を思い出す限り、俺は死んだこと。たまたま目についたから君に決めただけだということ、この世界は「ガンダム」と名の付く作品の中のどれかということ。あんまりこっちの勝手で振り回すのもアレなので手先めっちゃ器用にしてあげるよ!後は自由に人生エンジョイ!(超意訳)である。適当か!適当っぽいな!くそう、ガンダムの中のどれかってことはあれでしょ?戦争あるんでしょ!?いやだ死にたくない!一応死んでるらしいとは言え死にたくなぁい!!!となったのが1時間前、そして目の前にあるパソコン、つけてみれば日本語、浮かび上がる疑問。
恐る恐るロックのかかってないパソコンを操作してインターネッツで検索をかけてみる。そうするとここは日本で、特に戦争もなく、ガンダムが大人気で、ガンプラが社会現象を起こしてて、ガンプラで戦う?という遊びがやばいレベルで浸透しているというのがわかった。プ、プラモデルが動くんですか?そういえばそんなガンダムアニメがあったような…たしかガンダムビルドファイターズ…だったような…?名前だけしか知らないけど。よ、ようはガンダムの中でも戦争がない世界の話だった…気がする。確証はないけど。でも、調べる限り戦争のせの字もないし、安全っちゃ安全…か?
これを40分くらいで調べ終えて、検索するたびあまりにもガンプラだのガンダムだのが出てくるもんでイラッとした俺は社会人になってからも唯一追いかけてきたコンテンツであるマクロスシリーズ…、超時空要塞マクロスをはじめとしているガンダムとはまた違ったロボットアニメ作品群が存在するかを調べてみたのだ。なかったらなかったで俺の精神がやばいし。で、調べてみた結果、マクロスのマの字どころか存在も何もなくなってました、と
なんでだよおおおおおおおおおおおお!!!ガンダム作品だからガンダムが人気なのはわかるよ!そうだよ!そんなん作品として当たり前だよなあ!?でもさ、でもさあ!版権的に存在しえないからとはいえほかのロボアニメが細々と存在している中ガンダムに次ぐ人気(個人の感想です)を誇るマクロスだけがハブられてるのは納得いかねえよ!いいじゃんあったって!なんでないんだよ!俺の精神は崩壊寸前だよ!
「うぅ…板野サーカスが見たい…マクロスのライブシーンを無限リピートしたい…フロンティアを一気見したい…できない…くそう!」
正直今転生した事実を認識した時よりもダメージを受けているかもしれない。既に椅子から転げ落ち床でゴロンゴロンと転がって悲しみを表現する。壁にゴツンと頭をぶつけて上にある本をしまってあるらしいラックからどさどさと本が落下して俺に降り注ぐ。余計悶絶した俺がいったん冷静になって顔の上にある雑誌をどけて起き上がる。その時、思わず手に持った雑誌をしげしげと見つめる。ガンプラを前面に押し出したホビー雑誌だった。怒りが再燃した俺はそれをスパァン!と床にたたきつけ、たところでピンときてもう一度その雑誌を拾い上げる。タイトルは「これで君も上級ガンプラビルダー!フルスクラッチの手引き!」そっか、そうだよ。まだ希望はあるじゃないか!
「ないなら…作ればいいんだ。フルスクラッチで、マクロスを…バルキリーを」
「アルト!やかましいわよ!」
「ご、ごめんなさいいいい!!!」
あんまりにもやかましくいろいろやってたためかこの体のお母さんがやってきてめっちゃ怒られた。余談だけどぶつけた頭は見事なたんこぶになりましたとさ。
そんなことがあってから1週間、この世界にある程度順応、と言っても右見ても左見ても、ついでに上見ても、おまけに下見てもガンダムがいっぱいなこと以外前の世界と変わらないので慣れるというのも変な話だけど。それで、俺はこの一週間、小学校に通って居眠りをしつつ家ではちょっとした実験を繰り返していた。具体的には器用にされたらしい体の性能を確認したのである。で、結論なんだけど・・・器用というひとくくりで表していいのかわかんないくらいの器用さだった。手がイメージ通りに動くんだ。普通じゃね?と思うかもしれないけど、例えばイメージでリンゴの絵を描きたいとする。実際に手を動かすと必ずどこかでイメージからずれるハズだ。頭に浮かんだものと実際に書いたものって全然違うでしょ?それがこの体にはない。それはもうとんでもなく精巧かつイメージ通りの絵が書きあがる。それも超高速で。
正直これは大変助かる。プラモデルを作る以上器用なのに越したことはない。しかもそれがパーツから自作するものならなおさら。そして学校の休みである今日、お母さんから軍資金をもらった俺は早速だけど材料を買いに近くにある模型店の「イオリ模型店」に向かうことにした。
「いらっしゃいませ~」
女性の店主さん?なのかわかんないけど店員さんの挨拶に軽く会釈を返して積みあがってるガンプラには目もくれずにお目当ての商品を探す。あったあった。プラ板に代表されるフルスクラッチ用の材料の数々!工具はお父さんのものを借りれるようにお願いしてみたらお古をくれるって言ってた。お父さん昔から模型が大好きらしくてガンプラを中心にいろいろ組み立てるみたいだし、何とかなるなる!いや、何とかしなければならない。俺はこの世界で動くバルキリーをどうしても見たいんだから。
「これと、これと、これ。塗装は後回しかなあ…。コトブキ屋さんがポリキャップとか武器系のパーツ出してくれててよかったあ…ミキシングすればガンポッドになるな。あとは白のプラ板を」
「ねえ、君。そんなにプラ板ばっかりもってどうするの?」
「うわっびっくりした」
「あ、ごめんなさい」
真後ろからいきなり話しかけられたためびっくりした俺があわあわと商品を落としそうになりながら振り返ると俺と同じくらいの年齢の少年が不思議そうに俺とプラ板を見ていた。まーそうだよね、キットを無視して材料ばっか見てるもん。不思議だろうなあ。
「改めてごめんね?僕はイオリ・セイっていうんだ。お母さんが呼んでたから降りてきたんだけど、君が何してるか気になって…」
「え、あ、うん。俺はサオトメ・アルト。実は、フルスクラッチってやつに挑戦してみたくてさ。材料かき集めてたんだ」
「フルスクラッチ!?すごいじゃないか!ガンプラ歴は長いの!?」
「いや、ガンプラ歴は全く」
「え?それでフルスクラッチってなんで…?まずはキットからするのが普通だと思うよ?」
「あー、作りたい機体がガンダムとは全く関係ないし、キットが出てるようなものでもないから」
「そうなんだ…?」
心底不思議そうに俺を見るイオリくん。そりゃそうか、一週間しかこの世界にいないけど、プラモデルといえばガンダム、ロボットと言えばガンダム。それ以外は車とか戦闘機が細々と見たいな感じだからガンダムと全く関係ないものを作ろうとする俺は異端そのものだろうな。
「イオリくんは、ガンダム好きなの?」
「うん!ファーストから始まって全部見てるんだ!いつか、僕もお父さんみたいに自分の機体でガンプラバトルをする!それが今の目標、かな」
「そうなんだ。俺と一緒だね」
「一緒?」
「俺も、自分でフルスクラッチした機体を動かしたいっていうのが今の目標。だから、イオリくんと一緒、かな?今後も来ると思うから仲良くしてくれると嬉しいよ」
「う、うん!僕も仲良くしてくれると嬉しいな」
思いがけず友達が増えることになった。イオリくんとは小学校は違うみたいだけど、この模型店は品揃えいいししばらくお世話になることだろう。今日はこのプラ板とその他もろもろを買ってお暇しようかな。というか正直うずうずしてる。早く帰って設計図を書いて加工を始めてしまいたい。前世で穴が開くほど設定資料集を読み込んだかいがあった。変形プロセスからデザインから何から何まで俺の頭に焼き付いているし、そのイメージがあれば正確な設計図をこの体は描くことができる。実際に前世で組み立てたプラモデルや超合金シリーズも遊びまくったのでイメージに不備はない、はず。
そのあとイオリくんとは多少、ガンダムの話をして会計をして家に帰った。というかイオリくんガンダムの知識すごいな!?俺全然ついていけなかったよ。でも話し上手だね。説明も上手だし、話してて全然飽きなかった。帰り際にイオリくんのお母さんらしき店員さんから「セイのこと、よろしくね」と言われたのでとりあえず頷いておいた。彼とは正直、仲良くしたい。それよりも!設計図からだ!やるぞおおおおお!!!!
「で、できた…!完璧だ!苦節半年…長かった!」
もうすぐ夏が終わる、という頃に俺の努力の結晶は完成した。正直に言おう、フルスクラッチ舐めてた。いくら俺が器用でも、どうしようもないことがいくつもあったのだ。イメージ通りに手が動いても、イメージが追い付かないと容易く失敗する。バルキリーにはガンダムと違って曲線が多用されている。例えば機首とかがそうだ。フルスクラッチってことはその曲線も完璧に再現しないといけなかった。プラ板に熱を加えて曲げる、この作業を何百回と繰り返す。何百枚と板を犠牲にしながら。変形に必要な機構の自作や、模倣。しかも強度やバランスの計算までしないといけなかった。正直何度もガンプラのキットからパーツを抜き取って妥協しようかと考えた。けど、この程度で音を上げるようじゃ俺の望む物は作れないと、そう考えてなんとか踏みとどまり、パーツの自作を続けた。
それを繰り返していくうち、足ができ、手ができ、胴体ができ、機首ができ、武装ができ…毎日毎日コツコツと、俺のお小遣いとついでにお父さんの小遣いをすべてぶち込んでようやく、目の前の二つの機体が出来上がったのだ。
塗装も何もなく、真っ白だけど。そこには二つの可変戦闘機があった。シュッとしたスタイリッシュな戦闘機とずんぐりむっくりとした大き目の機体だ。それぞれ名前はVF-1「バルキリー」とVB-6「ケーニッヒ・モンスター」だ。バルキリーの方はマクロスという作品の象徴の一つだ。この可変戦闘機が、すべての始まりと言っていい。だから最初に作るのは、この機体がいいと思った。もちろん後発の機体に比べれば性能は低い。だけどマクロスのファンとして、この機体は一番に作るべきだと、そう思ったのだ。そしてもう一つ、可変爆撃機、ケーニッヒ・モンスターの方は完全なる趣味だ。というかこの機体、ほかのバルキリーと違って曲線が緩やかで練習にもってこいだった。機構は複雑だけどそれがまた燃えた。あとロマンがあってめっちゃ好き、というかレールキャノンが収納されてるときは推進装置になるってめっちゃすごくない?考えた人天才だよ。大口径主砲はロマンだし、しょうがないね。シャトルとも呼ばれるこの武骨なデザインもいいと思う。
「イオリ模型店へいこう。GPベースがあったし」
GPベース。プラフスキー粒子とかいう不思議な粒子でガンプラを動かせるようになるマシンだ。別にガンプラである必要はなく、プラスチックであるならいいらしい。だから、元はプラ板の塊であるこのバルキリーたちもGPベースの中なら動かせるはず。それにセイのやつにも完成の報告をしたい。ガンプラの作成技術においてあいつは俺の師匠のようなもんだ。キットではなくフルスクラッチとかいうあたおかな始め方をした俺と仲良くしてくれるいいやつだし、真っ先に完成報告をしたい。そうと決まれば善は急げ!
俺は完成したバルキリーとモンスターを梱包材を詰めたケースに入れて、バッグをひっかけ、母さんに挨拶だけして家を飛び出すのだった。
次回は早いうちに書きたいと思います。
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行くぞバルキリー!何とでもなるはずだ!
イオリ模型への道をつったかたーと軽い足取りでひた走る。今日が日曜日でよかったー!セイのやつも多分いるでしょ。いなくてもGPベース借りるけどさ。俺はそのままイオリ模型の扉をくぐって中に入る。するとそこにはやはり、セイのお母さんの姿があった。俺は軽く挨拶をするために彼女のほうに歩を進めると彼女の方から話しかけてくれた。
「あら~!アルトくんじゃない!セイに用事かしら?」
「はい、セイのやついますか?」
「いるわよ~もちろん!セイ~?アルトくん来てるわよ~!」
「わかった~!」
とたとたと音がして呼ばれたセイがやってきた。俺はセイのお母さんに一礼してセイに駆け寄る。セイも嬉しそうにはにかんで俺を迎えてくれた。俺はバッグの中からバルキリーを入れたケースを見せる。するとセイは驚いたように目を見開いた。
「アルト…もしかして!?」
「ああ!できたんだよ!お前がいろいろ教えてくれたおかげだ!ありがとな!」
「ほんと!?見せてもらってもいい!?」
「ああ!机借りるぜ」
俺は作業机を一つ借りてケースの中からバルキリーとモンスターを取り出した。布の上にそれを置くとセイは初めて見るそれを歓声を上げながらみる。
「わぁ!かっこいいね!ガンプラじゃないから何かって思ってたけど戦闘機か~それは確かにキットないもんね」
「ふっふ~それだけじゃないんだけどな。GPベース借りていい?動かしたいんだ」
「いいよ!設定はどうする?」
「とりあえず宇宙で。まずはこっちからっと」
俺はバトルシステムにファイター、つまり戦闘機の状態のVF-1をセットする。機械音声が響いてプラフスキー粒子が散布されると同時に俺の周りの景色も変わり、コンソール代わりの光の玉とコクピットの風景に、そして周りが宇宙に切り替わってふわりと浮いたVF-1をおっかなびっくり操作してみる。ガンプラバトルで受けたダメージはそのまま機体にフィードバックするため地面などにぶつけたらえらいことになる。スラスターの残光を残しながら宇宙をかけるVF-1に俺も興奮が有頂天。マクロスの主人公たちのように航空理論やらなんやらを理解する必要もなく、イメージで操縦するに等しいこの操縦方法なら俺でもバルキリーを飛ばすことができるようだ。
インメルマンターン、バレルロールなど思いつく限りの曲芸飛行を試してみるがすんなりと、思った通りに動いてくれる。まあ装備するべき追加装備やパック装備を装備してない。いわば抜身の剣のような状態だから癖がないのかもしれない。しかもプラモの出来で性能も変わるというのだから不思議なものだ。
『すごい…!塗装もないのにこんなに軽やかに動くなんてよっぽど完成度が高くないと無理だよ!』
「驚くのはまだ早いんじゃないか?こいつを見て心臓停めるなよ!」
俺はそう言ってコンソールをいじる。するとVF-1の双発エンジンが機体から外れ下に展開して噴射しブレーキをかけつつ変形し、そのまま鳥のような足となる。尾翼が折りたたまれ、腕が展開した。右腕には機体下部に取り付けてあったガトリングガンポッドを持っている。戦闘機に手足がついたこの形はガウォーク。ファイターの速度と、腕や足によるアンバックと自由な方向を向くスラスターによってファイターではできない機動と自由な射角を得るための形態だ。
『腕と足!?ってことはこれって…可変モビルスーツ!?』
「まあ細部は違うけどご明察!」
直線軌道ではなくジグザグの軌道を腕の振りによるアンバックによる姿勢制御と足のバーニアで強引にカーブを描いて飛ぶ。マクロス世界でやったら間違いなくGで俺の体はペシャンコだ。でも、アニメのような頭が狂ってるとしか思えない軌道で宇宙を飛んでいる実感がわいてくる。取り憑かれそうだ。さらにコンソールを操作する。さらに変形を開始するVF-1、足の起点部が折りたたまれ胴体へ、背部も変形して中からレーザー機銃を搭載したゴーグル型のカメラが特徴的な頭部がせりあがる。鳥の足のようだった足が股関節を伸ばし人間の足の形へ、可変式の主翼を閉じて、変形完了。このガンダムの世界に、バルキリーが降り立った瞬間だ。この形態はバトロイド、完全に人型になったことにより、様々な作業を行うことを想定している、巨大ロボットだ。
もともと、飛行機による支援と設計時には明らかになってなかった巨人族ゼンドラーディとの交戦を視野に入れた「変形する戦闘機」というコンセプトがバルキリーだ。この機体を起点に、様々な後継機が開発された始祖の始祖、それがこのVF-1。正直、感無量だ。涙すら出てきそうだけど、まだ操縦の途中だし、何より、楽しい。オプションパックも選択式の装備もまだつけてない、ガンポッドとレーザー機銃だけを搭載した何の塗装もしてない真っ白なバルキリーは、この半年あらゆる媒体で見てきたガンダムを凌駕しているように俺は思えてならない。
「人型…!しかも従来のMSの簡易的な変形じゃなくて完全な飛行形態から人型、ううん…中間の形態を挟んでの3段変形…!すごい、とんでもないよ!アルト!」
「ああ、すげえだろ!ほんと、ありがとな!お前が教えてくれた技術がなかったら、できなかったよ!」
思わずといった感じでGPベースのある部屋に乱入してきたセイが俺の手をぶんぶん振りながら興奮したように話しかけてくる。俺もそれに破顔して一緒になって飛び上がって喜んだ。コンソールを掴んだままだったのでバトロイドのVF-1がすさまじい飛行をしているのを見て慌てた俺が急いで安定軌道に戻して事なきを得る。たははと顔をかくセイを軽く小突いて、それでもどちらからともなくにししと笑った。
プラフスキー粒子によるプラモデルの操作はある程度ファンタジーが入る。それこそカタログスペックの無視だったり、一時的な弾切れはあれど弾薬が無くならないとか、ミサイルの軌道とかそういうの。だから俺のVF-1の変形もある程度ファンタジーが介入してるはずだ。変形プロセス自体は全く問題じゃない、現実でも可能だ。けどはめ込むために作ったヒンジや固定するための穴、その他もろもろの変形するための機構が人の手を受けずひとりでに勝手に動いて変形してくれた。どうなっているかはわからないけど、俺の心はこの世界にマクロスを再現できる可能性があるという事実でいっぱいになっている。
「素晴らしいな、少年」
「え?誰ぇ!?」
「あ!ラルさん!」
「え?ランバ・ラル?コスプレじゃなくてマジもん?」
いきなり俺の後ろから声をかけてきたのはまさしく初代ガンダムに登場する渋いおっさんことランバ・ラル…にそっくりな顔と声と話し方をするおじさんだった。というかもはやランバ・ラルだわ。
「ううん、僕も名前は知らないけど、ラルさんって呼んでるんだ。うちの常連なんだよ。最近きてなかったけど」
「はは、少し用事があったのだよ。それで少年、君のそれは…もしやフルスクラッチか?」
「アルトです。サオトメ・アルト。確かにこのプラモは僕とセイが一から作ったものです。今日できたばっかりなんですよ」
「なんと!素晴らしいな、アルト少年!君はもしや、ファイターになりたいのか?」
ファイターになりたい…ファイター…うーん、違うのかな?この半年、VF-1とVB-6を作っているときは戦うのもいいかも、と思っていた。けど、今動かして疑問が確信に変わった。俺はこいつたちで戦いたいんじゃないんだ。
「俺は…こいつらに乗って
GPベースの電源を切り、バトロイドのまま動かなくなったVF-1を手に取りながら俺はラルさんの目を見つめてそう言い切った。
「いい目標だ。それに、いい目をしている。ならばこそだ少年、このラルとバトルをしてみないか?」
「ラルさん話聞いてた?」
「聞いていたぞ。飛びたいのだろう?」
「…そうだけど、戦う理由は?」
「少年が駆ける空は戦場だ。慣れておくに越したことはない、そうだろう?」
否定は…できないかな?今でこそイオリ模型のGPベースを借りれるけどそれは知り合いだからだし、商売道具をいつまでもタダで借りれない。必然的に俺は別のGPベースを借りて飛ぶことになるけどその場合は当然ガンプラバトルになるだろう。つまり飛びながら戦うことになる。結局はバトルから逃れられない、のかも。そういうならここでいったんバトルの予習も悪くない…んだろうけどなあ…
「うーん…」
「どうしたのアルト?」
「受けたいんだけどさ…予備パーツないんだよ。フルスクラッチだから。壊れたら俺は泣くよ」
「安心しろ少年、寸止めで終わらせる。その白い機体に傷などつけんさ。もちろん君は自由に攻撃するといい」
ちょっとむっとした。仕方ないとはいえ侮られてる。完全にタマゴ野郎扱いだ。いいさ、設計図はあるし、腕もそれなりに上がった。胴体がお釈迦にならない限りだいたい直せるはずだ。受けてやる。でもその前に…俺はケースの中から4つのパーツを出してバトロイドからファイターに変形させたVF-1の翼下のハードポイント全てくっつける。選択式装備の対空対地ミサイルを二つとマイクロミサイルポッド2つだ。それぞれ対空対地ミサイルを内側、マイクロミサイルポッドを外側につければ、準備完了だ。パック装備はまだ作ってないのでない。でも、素の状態のフル装備だ。反応弾なんてとんでも装備は再現できなかったけど。
「では少年、この青い巨星が戦場の何たるかを叩き込んでやる!グフ、でるぞ!」
「ご指導お願いします!スカル4!発進します!」
起動したGPベースが戦場を映し出す。今回は地上のようだ。ラルさんの操るグフ、どう見ても素組みだけど完成度半端ない。強そう、っつーか俺初心者だし、ほんとに胸を借りないと。俺はファイターのままのVF-1を操って戦場のど真ん中にいるグフめがけてミサイルを放つ。盛大に内側の対空対地ミサイルをすべてだ。様々な軌道を描いてとびながらグフに迫るミサイル。
「まっすぐな攻撃だ!甘いぞ!」
「うっそだろ!?」
片手のバルカンで密集した部分を一瞬で見抜いてミサイルを射撃、周りのミサイルを巻き込んで一気に誘爆させてあっさりとミサイルの雨をしのいだラルさん。ついでとばかりに俺の方にも射撃が飛んでくるが、本当に手加減しているらしくちょっとずれれば当たらないものばかり。ちょっと機首を上げて上昇して躱す。そこからグフを過ぎ去りターンを決めて、もう一度相対し、今度はガンポッドによる火線で弾幕を張ってみるがこれも躱され、すれ違いざまにヒートロッドを伸ばされる。
「あっぶな!?」
「ぬう、やるな!?」
ガウォークに変形して急ブレーキをかけるどころか後ろへバックし、片手に持ったガンポッドとレーザー機銃を速射、ラルさんは頭部やコクピットのような重要部位をシールドで守るが手足に当たった弾が装甲を貫いてひしゃげさせる。さらにバック宙を足のブーストを利用して決め、マイクロミサイルポッドから10発ほど地面に向けてミサイルを斉射する。巻き上げた砂ぼこりが盾になってるうちにガウォークからバトロイドに変形してガンポッドを構える。
「もらった!」
「しまっ!?」
砂埃が俺の目も塞いだのが仇となり、伸びてきたヒートロッドに片腕をからめとられる。思わず足のエンジンをふかしてグフごと引っ張ろうと推力を上げて飛びずさろうとするがそれを許すほど目の前の巨星は優しくなかった。逃がさんとばかりに背部のスラスターを全力でふかしてとびかかってくる。片手にはヒートソードを掲げて。こなくそ!いくら寸止めしてくれるとは言ってもこの圧は怖すぎる。それに一泡くらい吹かせたい!
「なめんなあああ!!!」
「なにぃ!?」
俺は瞬間的にガウォークに変形する。すると翼に接続されているマイクロミサイルポッドが正面を向く、そう、正面。今まさにとびかかってくるグフとちょうど向かい合う形に。ミサイルを使うには近すぎる距離だけど、何もしないよりはましだ!残っているすべてのマイクロミサイルを斉射、爆発があたりを包み込みGPベースのシステム音声がバトル終了を告げた。
「あっ!よかったああああ!!!これならなおせるううう!」
「見事だ少年。戦場を教わったのは私のほうかもしれんな」
俺の方にあるのはWINの文字と、羽がもげただけのVF-1の姿。可変式とはいえこれならすぐ直せる。曲線を描く必要がないからホントにすぐだ。対してラルさんのグフは手足がもげてえげつない姿になっている。いかにバトルの結果とはいえ、ちくりと心が痛む。ラルさんは気にするなとばかりに俺の頭をポンポンと撫でて慰めてくれた。器がでかい、いい人だ。セイもバトルが終わったと同時に駆け寄ってきて凄い凄いと言っている。俺も正直ここまでできるとは思えなかったけど、思ってた通り、飛ぶ次くらいにはバトルは楽しいものだった。けど機体壊れるからやっぱ飛ぶだけでいいかも、とへタレている俺にラルさんが声をかけてくる。
「ところで少年、さっきから気になっていたんだが、その機体。名は何という?」
「バルキリー!こいつの名前はVF-1 バルキリーだ!」
俺は翼が折れてもなお輝く機体をラルさんに突き付けて、そう宣言するのだった。
次話は少し開けます。
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大口径主砲は男のロマン
何とか勝ちを拾えた、んだけど本当だったら無傷で終わるハズのバトルは俺の無茶と無謀によって出来立てほやほやのVF-1に大きな傷を残した。まあ翼が無くなっただけだから割とすぐ直せるんだけど、ちょっと、いやだいぶショックだ。でも相手のグフのほうがダメージ大きいし…ダルマ状態だもん。
「塗装なしの真っ白な状態でこれは…素晴らしいMSだな。腕も初心者にしては申し分ない」
「ありがとうございます。とりあえずこいつはもう動かすのはやめとこ…」
そういって俺はガウォークのままのVF-1をケースにしまう。代わりにと言わんばかりに手に取ったのはVB-6、ケーニッヒ・モンスターだ。こいつもVF-1と同じ、可変戦闘機…正確には可変爆撃機なんだけど、鈍重かつ重装甲、ドッグファイトはもってのほかで超遠距離からの爆撃や圧倒的火力にものを言わせての蹂躙を本質とする機体だ。爆撃機、といっても積んでるのは爆弾ではないし、遠距離砲撃が得意な感じだけどね!
「ほう!2機目もあるとは…それもこのバルキリーと同じなのか?」
「近接戦は全く想定してないけど、そうです」
「さっきのバルキリーよりもおっきいよね。スペースシャトルみたい」
セイのやつの感想を聞きながらもう一度GPベースを起動する。舞台は勿論宇宙、といきたいところだけど地上だ。大気圏内の飛行はあまり得意ではないモンスターだけど、GPベースの中ではあまり関係ない。ごうごうと熱核タービンエンジンとプラズマロケットをふかしながら巨体を強引に空へ浮かしている。でも俺がモンスターでやりたいのは飛ぶことじゃない。飛ぶならバルキリーがいいし。
コンソールをいじって変形する。翼が外れ、機体下に移動して足になる、機体側面の格納庫カバーが外れ、ミサイルランチャーを兼ねた腕に、格納庫の中に収められていた4連装大口径レールキャノンが起きあがり、伸長しながら固定される。ズザアアアと地面をえぐりつつ豪快な着地をしたガウォークのケーニッヒ・モンスター。その全長以上はあろうかという主砲にわくわくとロマンが詰まっている気がする。
『戦艦の主砲のようだな…』
「そのレベルの威力はありますよ!」
『あのモビルスーツは戦艦並みのビーム砲を持っているのか!?…なーんちゃって』
「隙あらば名言かよ。こいつは実弾だけど戦艦くらいなら沈められるんじゃないかな?」
俺はレールキャノンをコンソールで選択して発射を試みる。狙いは中空だけど、機体下の固定板が機体を固定し、レールキャノンが動き出す。スイッチを押し込むと、砲身からとんでもない爆炎と共に4発の砲弾が発射され、固定板で固定しているはずなのに、モンスターが少しずり下がった。足元が砂だからか。発射された砲弾は空中で盛大に爆発、いい威力だ。ロマンを感じる。デストロイドは、今日はいいかな。
しかしまあ、よくも再現できるもんだ。マイクロミサイルはともかく、ガンポッドにレーザー機銃、このレールキャノンなんてガンダム世界にはないのに。プラフスキー粒子って人のイメージで動いてたりする?なーんて。と思っているともうすでに夕方の6時を過ぎてしまっている。これはまずい、門限が近いどころかやばい。帰らねば!
そそくさとガウォークのケーニッヒ・モンスターを手に取ってラルさんとセイに挨拶して帰ることにする。帰ったら補修からだなあ…パック装備ももうすぐ完成するのに。やることが増えた、んだけどそれが面倒臭くなく楽しい。店の前で見送ってくれるセイとラルさんに大きく手を振り返して俺はイオリ模型を後にするのだった。
「うへぇ…見れば見るほど、やっちまったなこりゃ」
何とか門限に間に合い、夕食を頂いて自分の部屋に戻った俺は。翼のもげたバルキリーをケースから出して、へこんでいた。出来立てほやほやのバルキリーが見るも無残な姿。だけど大丈夫!こんなこともあろうかと、ある程度のパーツのストックを作ってある。正確には失敗作なんだけど。イオリ模型で言った予備パーツがないっていうのは会心の完成度を誇る全く同じパーツがないっていう意味。だから一時的な替えにならないことはない…んだけど!やっぱりちょっと微妙かも…早く新しいの作らないとね。まあそれよりも。
「さって、と」
用意するのは筆に塗料、マスキングテープ…そう、塗装だ。今じゃなきゃいけない気がしてる。今日、GPベースでバルキリーを飛ばしたイメージが焼き付いている今だからこそ最高の塗装ができるんじゃないかと思う。徹夜なんてしたくないけど…今回ばかりはちょっとね。目が冴えて眠れそうにないし。セイのプラモ相手とは言え練習させてもらったし、やろう
とりあえず分解できる最小限にVF-1を分解して俺はまず白の下地塗りを開始するのだった。さあ、長くなるぞ~~~
「ガンプラバトル!レディィィィ…ゴオオオォォォ!!!」
「よし、行くぞダブルエックス!」
「フリーダム、出ます!」
「お~やってるやってる。盛況だなあ」
一月後、俺の姿はイオリ模型ではなく、街の大型模型店にあった。目的はガンプラバトル…と言いたいところだけど、実際は違う。GPベースだ。GPベースは六角形の形状になってて他のGPベースと合体させることでより広いフィールドを作り出すことができる。つまり、作り出す空も広大になる。イオリ模型のGPベースをいつまでも借りるわけにはいかないし、それに、戦場でどこまで空を飛べるか、腕試しをしたい。ラルさん曰く「磨けば光る」そうなのでじゃあ磨いてみっか!というやつだ。
さっそく順番待ち用の端末に名前を打ち込んで調整用の机を一つ借りた。バルキリーを取り出すと隣で使っている少年にぎょっとしたような視線をもらう。分かってたけどちょっと鬱陶しい。俺はその視線をとりあえず無視して塗装を済ませ、一条輝の機体と同じ、白地に赤のライン、髑髏のエンブレムが入ったバルキリーにさらに取り出したパーツをくっつけていく。ラルさんとのバトルでも使った対空対地ミサイルとマイクロミサイルポッド、さらにもいっちょ完成までもっていったパック装備もだ。
そう、パック装備。バルキリーのオプション、強化パーツのようなものでこのVF-1でのバリエーションは形態がバトロイドに固定されるものの圧倒的な火力を誇るアーマードパック、機動力を大幅に上げるスーパーパック、それの派生ともいえるストライクパックなどだ。他にも細かい分類わけはあるけども、大まかにこんな感じ。で、俺が選ぶのはスーパーパック、マクロスの主人公たちが歴代愛用しているものだ。
VF-1の足ともいえるエンジン部側面に増加槽兼スラスター、背中には大型ロケットエンジン兼マイクロミサイルポッド、腕にはマイクロミサイルコンテナを装備する。っか~~~!一気にごつくなってカッチョいい!自分で作ったからやはり感動もひとしお!しかもこれで変形には支障ないときたもんだ!ああ、順番早く来ないかなあ!塗装を済ませたんだから性能も上がってるだろうしさらにスーパーパックで倍率ドンだ!楽しみ~~!
『サオトメ・アルト君~!GPベースの前に来てください~~~!』
呼び出されちゃった。荷物まとめてGPベースの前へ。俺のプラモを見た対戦相手が不可思議なものを見る顔をしているけどごめんよ。舞台は…宇宙だ。うん、うってつけ!相手は、ジェガン?ガンダムじゃなくて量産機とは渋いねえ。俺もひとの事言えんか。
「ジェガン、出ます!」
「スカル4、でるぞ!」
同時に空へ舞い上がる。まず感じたのはフィールドの広さ。イオリ模型にあったものならすぐ相手が見つかったんだけど今回はそんなことない。スーパーパックのブースターを噴かせながら戦場となった宇宙を飛ぶ。周りで見てる観客はガンプラでなく飛行機が飛んでいることに不思議を隠せない様子。そして、接敵。ジェガンだ。相手も俺を見つけたらしくすぐさまビームライフルで射撃をしてくる。
迫りくるビームに対して俺は、エンジン側面についてるスラスターを片側だけ全力噴射、するとまっすぐ飛んだまま機体がスライドしてビームを躱す。現実の飛行機じゃ無理なバルキリーでのみ可能なマニューバだ。
「よけられた!?」
紙一重でビームを躱した俺はお返しとばかりにガンポッドを連射する。吐き出された無数の銃弾に対して驚きで反応が遅れた相手はかろうじてシールドでやり過ごすがシールドはガンポッドの威力に耐え切れずボロボロだ。素組みのあっちに対して俺は完全フルスクラッチ、手間のかけ方が違うから性能差もはっきり出てる。怒ったようにライフルを撃ちまくる相手だが俺が操るVF-1はするりするりと光条を躱して反撃のガンポッドをお見舞いする。相手も撃ってくるのがわかってるからかよけてはいるがやりづらそうだ。
「くっそぉ!卑怯だぞ!」
「えぇ…」
卑怯呼ばわりされた俺はしゃーなしにガンポッドの連射をやめてターンを決めると相手を回り込むような軌道にVF-1をのせる。怒ったようにビームサーベルを抜きながら迫ってくる相手、真正面から馬鹿正直に突っ込んでくるジェガンに対し、ちょっとカチンときたので武装をすべて選択してぶっぱしてやることにした。VF-1に装備されたスーパーパックの各所が開きそこからマイクロミサイルが次々と発射される。おまけに両方の翼にあるマイクロミサイルポッドと対空対地ミサイルもだ。総計100発ほどのミサイルの嵐。
「う、うわあああああああああ!?」
上下左右、ありとあらゆるところから迫りくるミサイルに対してジェガンは棒立ち、何もすることもできず全弾直撃、かと思いきやミサイルが全て消えて俺の目の前にバトルが終了したというシステムメッセージが表示された。ジェガンを動かしてた子が降参したことによりバトルが強制終了したのだ。一応、俺の勝ちだけどいいのかな?相手の子はちょっと傷ついたジェガンを持ちながら俺のほうに大股で歩み寄ってくる。
「今回は負けたけど、次は勝つから!逃げんなよ!」
「…わかった!俺も楽しみにしてる!」
文句の一つでも言われると思ったけど宣戦布告された上に握手を求められた。こういうのだったらまたやりたいかな。俺も、大人気ないことしたし。お相子ってことで。VF-1を回収してまた順番待ちの端末を操作して順番を待つことにする。でも次はVF-1じゃなくてVB-6のほう。ケーニッヒ・モンスターで行こうかな。
もちろんモンスターも塗装済みだ。ダークブラウンを基調にした塗装でもちろんノーズアートとしてモンスターの顔と横に銀河の妖精、シェリル・ノームと超時空シンデレラ、ランカ・リーのイラストが描いてある。筆が乗ったお遊びであるけど正直気に入っている。また違うもん出したぞみたいなひそひそ声が聞こえてくるが、ええやん楽しんだもん勝ちでしょ?スーパーパックを外したVF-1をケースにしまい込んでもう一度俺の名が呼ばれたのを確認しGPベースにVB-6をセットする。
「さっきの戦い見てたよ。よろしくね」
「こちらこそ。手加減なしでな」
相手と軽く挨拶をして相手のガンプラを見ると…ZZガンダムか。思ったけど素組みが多いな。改造してるのは少数派、というか好きで好きでたまらないっていうタイプだけか。ただ遊ぶ分には素組みで十分なのかもしれない…ってことはこんなところでフルスクラッチ持ち出してる俺って相当変態に見えてるんじゃ…?気づいちゃいけない事実に気づいたがバトルが始まったので考えないものとする。
場所は砂漠。開けてるから視界が大変良い、ということで男のロマンをぶっ放してやろう。飛んでるVB-6がガウォークに変形して砂煙を上げて着地する。変形した瞬間ギャラリーから小さくないざわめきが聞こえた。さっきは結局変形せずにファイターの状態で終わったからな。それにすでに相手のZZガンダムも見つけているのでこのレールキャノンの威力を見せてくれようぞ。モビルアーマー形態のままこちらに飛行してくるZZガンダムに対して照準を合わせ、トリガーを引く。轟音と共に吐き出された砲弾は狙い通り、とはいかずZZを素通りして背後で爆発した。
原因は単純、砂漠なので固定が甘く狙いがずれたことだ。おまけに気づかれたし。けど問題ない、両手のミサイルランチャーからミサイルを斉射して俺自身はブーストふかして移動する。バルキリーに比べりゃ遅いけどエンジンパワーはこっちのほうが上だ。移動は容易い。牽制のビームキャノンがかすめていく。ミサイルは過たず相手に殺到するが、MSに変形してシールドバインダーで防御された。その隙にもう一度レールキャノンをぶっ放す。狙いは地面、爆炎がZZを吹っ飛ばした。その隙に離れようとブースト入れての大ジャンプを試みる俺だが一瞬相手が早く、ダブルビームライフルのビームが直撃コースでVB-6に迫ってくる。
やばい、と咄嗟に操作できたのは直前に使ってたレールキャノンだ。狙いも付けず発射されたが反動で空中にいたVB-6はずれて、直撃だったはずのビームライフルを躱すことに成功した。俺はそのままブーストを盛大に吹かして勢いのままZZに体当たりをぶちかます。爆音とともに跳ね飛ばされたZZの胸部装甲がひしゃげる。破れかぶれで発射されたハイメガキャノンをバックステップで躱してモンスターの顔部分についているタレット機銃と両腕のミサイルを至近距離でぶちかまし、ダウンを取る。さすがは主役機、これだけ攻撃を受けてもなお健在だ。だけど!
ぐしゃり、とモンスターの足でZZを踏み、身動きを取れなくしたうえで、両腕、機銃、レールキャノンを突き付ける。チェックメイトだ。程なくしてバトルエンドのメッセージが走り、ガンプラバトルは終了した。相手の子は特に恨み節を言うことなく、むしろ「それすげえな!どうやって作ったんだ!?」と聞いてきた。フルスクラッチだぜ、と言ったらやっぱり!すげえ!全国大会でんの!?と尋ねられたりした。
ガンプラバトルの全国大会かあ…興味ないわけじゃないんだけどガンダムじゃないし俺のプラモ。まず出れんのかな?と俺は首をかしげるのだった。
ちょっと聞きたいことがあるのでアンケートご協力お願いします
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そうだ、動画作ろう(提案)
小学6年生になった。時間の流れは早いね。これまでの流れとしては学校に行き→イオリ模型か大型模型店に行ってGPベースで飛ぶ→帰ってフルスクラッチ。この無限ループを繰り返してたんだけど…延々とフルスクラッチしてて分かった。これきりないやつだ。マクロスシリーズのバルキリーはそりゃあもうたくさんあるわけなんだけど、これを俺一人で作ってたら時間が足りるわけない。当然バルキリー以外の機体だってわんさかあるし、最終目標のマクロス級を作るのなんて何年かかることやら。
そしてもう一つ、重大な問題があった。マクロスシリーズにおける重要なポイントとして3段変形するバルキリー、主人公とヒロインの三角関係、そして歌があるわけなんだが。三角関係は俺には100%無理なのでどうしようもないんだけどまだ何とかなるかもしれないのが歌だ。と思ってたんだけど…
「歌ってくれる相手もいない、俺が作曲できるわけでもない、演奏のえの字すらわからない…お手上げだぁ!」
「アルトくん急にどうしたの?」
「この世を恨んでたんだ」
「本当にどうしたの?熱でもあるんじゃない?」
俺が部屋でいきなり頭を抱えだしたのが不思議だったのか、作り途中のパーツをつんつんといじっていた女の子が不思議そうに俺に声をかけてきた。そう、女の子である。俗にいう幼馴染というやつらしい。この体の記憶によれば割と仲がいい部類に入るんではないだろうか。快活な笑顔にショートな髪、日焼け後がよく似合う俗にいう美少女という部類に入ると思う。セイのやつともよく遊ぶがこの子、スズカゼ・ヒマリとも割と遊んでいると思う。男子女子関係なく遊べるのが小学生の特権だね!なおその先は……考えないでおこう。
「それで、歌ってなに?」
「いやな?音楽やりたいなってわけじゃないんだけど。こいつをBGMに乗せて飛ばしながらPVでも作ったら面白そーだなって」
俺は半分冷や汗をかきながら必死に言い訳でごまかしにかかる。この世界にない作品を完全再現するために俺の記憶をもとに歌と音楽を再現してくれる人を探してます、なんて言えるか?俺は無理、言えない。ただでさえフルスクラッチばっかしてるせいで家族からすらアルトが壊れたとか言われてんのにさらに狂ったとか思われかねんぞ。最悪病院に叩き込まれそうだ。
「へー!面白そうだね!やってみようよ!」
「無茶言うなよ。音楽のあてすらないのに」
BGMに合わせて飛ぶのはできるけど。伊達にこの半年ガンプラバトルに入り浸ってないよ。何だったらワクチンライブばりのマニューバも見せてやんよ!VF-31はないけどな!あれ作るの相当先になるだろうなあ。フルスクラッチしてて気づいたけど後発の機体ほど機構が複雑になってくし、難しい。でもそれが燃えるのだ
「んー、じゃあ私が選ぶから!音楽!歌ってもいいよ?」
「ほーう?言ったな?いいんだな?歌ってもらうぞ?」
「うん!女に二言はありません!でも私が歌っていいの?ガンダムの歌でいい?」
「………うん」
「うわ、すっごい渋い顔。じゃあ、フリーのBGMから合いそうなやつ探そうよ。もしくは作っちゃう?」
「作れんの?」
「音楽ソフトは使えるよ?」
「…マジで?」
「言ってなかったっけ?私の家、音楽一家なの。私もそれなりに楽器は弾くし歌ったりもするよ?だから、アルトくんが音楽できなくても私ができるの。それに、そのプラモせっかく出来がいいんだから誰かに見せないと、ね?」
あんぐりと開いた口が塞がらない俺に対して彼女はVF-1を持ち上げながらそう言った。確かにそうかも。マクロスがないこの世界に3段変形するバルキリーが舞う動画をたたきつけたらどうなるか、俺としては非常に興味がある。やってみる価値はあるんじゃなかろうか。もしこれで成功出来たら歴代マクロスの名シーンを再現する動画とかも作ってみたい。
「じゃ、やってみるか。イオリ模型に行こう」
「うん。GPベースだね!」
「それもだけど、セイのやつも巻き込んでいこうかなって」
「あーイオリくん!そうだね!楽しそう!」
「というわけなんだけどさ。セイも一緒にやらない?」
「かくかくしかじかじゃ伝わらないよアルト…」
「アルトくん変なところで面倒くさがりだよねー」
「何を言う、きちんと説明しただろ。動画作ろうって」
「それだけじゃわかんないよ…」
さっそくという名の思い付きでイオリ模型に直行した俺とヒマリは店番をしていたらしいセイにかくかくしかじかまるまるうまうまと説明をしたのだがどうやら端折りすぎだようだ。まあ流石に勢いだけで来たから説明するべきこともないんだけど。
「それで、その動画って?」
「いやさ、俺のプラモってフルスクラッチじゃん?しかもガンダムというカテゴリから思いっきり外れてるし、全国公開してどんな反応が返ってくるか気にならない?」
「発案したときは渋ってたくせに調子いいんだから。私も面白そうだなって思って乗ってみることにしたの」
「へー、いいかも。僕も協力していい?」
「最初っからお前は数に入ってるぞ」
「断られるとは思ってないんだ」
「そんな浅い関係じゃないからな、親友」
「うん、断らないけどさ」
「いーなー、そういう男同士の友情ってやつ。それで、どういうのとる?」
ヒマリが若干ぶすくれるように口を尖らしながら聞いてくる。今日は思い付きだしなー、そうだなあ。
「よし、2本撮ろう。30秒から1分くらいのやつで。セイ、GPベースって戦艦の設定ってできたっけ?」
「出来るよ。デブリみたいな感じだけど」
「おっしゃ。あとガンダムレオパルドデストロイとヘビーアームズEW版組んであったよな?貸してくれ。壊さんからさ」
「いいけど、何に使うの?」
「思いついてきたね~アルトくん。BGMはまっかせといて!いいの作るからさ!」
俺は二人に思いついた構図を説明する。これなら今あるVF-1とVB-6のカッコよさを強調するような動画ができるだろう。今日が休日でよかった!丸一日撮影につぎ込める!
「準備大丈夫かー?」
「私はいいよー」
「僕も大丈夫!」
起動したGPベースの上、宇宙の中に大きな戦艦のデブリが漂う中、VB-6が浮いている。さっき確認した流れ通りにいけば結構よさげなものができるハズ!カメラ係のヒマリとジムに乗り込んだセイが頷いたので俺は合図をする。
「じゃあいくぞ!」
俺の合図とともにVB-6が動き出し、宇宙をかける。周りには適当に仕掛けた地雷が炸裂し、爆発の中を縫うように重厚なVB-6を俺は動かしていく。爆発で照らされるボディがイカすぜ!爆発をやり過ごすとどこからともなく機関銃の弾が降り注いできた。ちなみにこれは撮影用に威力を最低も最低、弾が出るくらいの出来にあえて3分くらいで超適当に作ったマシンガンによるものだ。だからカンカンとVB-6のエネルギー転換装甲にあっさり弾かれる。これも計算通り、機首を上げ、戦艦デブリの上に出た瞬間、ドカン!としかけてあった地雷にわざとあたりに行く。
もちろんこれも見せかけの爆発だ。VB-6を爆発の煙が覆い隠すが、それを切り裂くように変形しながら戦艦デブリに豪快に着地する。火花と金属がひしゃげる音を盛大に立ててデブリに降り立つガウォークのモンスター。ペイントされたモンスターの顔が煙で煤けているのがポイントだ。
そこからレールキャノンをジムがいる方向に向け、発射。固定板で固定されたのでVB-6は揺らがなかったが反動で立っているデブリが見事に凹んだ。デブリに隠れたジム(実際はもう撤退済み)をデブリごとレールキャノンがえぐり大爆発。その後、さらに変形してデストロイドへ、人型になったことで自由な方向へ向けるようになった両腕の機関砲とミサイルランチャーを四方八方へ撃ち、デブリをあらかた粉砕して道を無理やり作り、ブーストをふかして大ジャンプ。そのままシャトルに変形して飛び去る。
「おっしゃ!完璧!どうだ?撮れた!?」
「いいんじゃない!?かっこよかったよ!」
「撮れたよ~!GPベースのカメラ機能ってやっぱり優秀だね!全方位から録画されてるや」
そう、GPベースには試合のリプレイ機能が搭載されている。全方位を完全に録画しカメラ位置も自由自在、パソコンに移せば編集も可能と至れり尽くせりである。というかそれを利用してガンプラバトルを配信する人とかも結構いる。俺みたいにPV作ろうってやつは見たことないけど。商業商品だもんね、ただで使えるほうが珍しいか。イオリ模型のGPベースこんな借りていいかと思ってたけどセイのお母さんは「いいわよ~」と言っていたのでありがたく借りることにした。優しいお母さんだ、おやつくれたし(単純)
「よし、じゃあ本命!こっちでやるぞ!」
「それで、レオパルドとヘビーアームズは持ってきたけど…どうするの?」
「おう、ヒマリも協力してくれよ?こいつに向かってミサイルを山と浴びせてくれ。迎撃しながら飛ぶから」
「私あんまり操縦得意じゃないよ?」
「僕も…それにアルトくんが武器部分作ったでしょ?相当性能高くなってるけど…」
「動かずミサイルだけ撃ってくれれば大丈夫!そっちに関しても大丈夫だから!俺に任せろ!」
今からやるのはいわゆる無数のミサイルをぐりぐりと動くカメラワークで映しながら回避あるいは迎撃するさまを魅せる「板野サーカス」と呼ばれるアニメ手法をVF-1のプラモで再現しようというものだ。デブリを消した宇宙を飛ぶVF-1。パック装備はストライクパック、背中に背負っているマイクロミサイルポッド兼ロケットエンジンの片方をビームキャノン付きのロケットエンジンに換装したものだ。選択装備はすべてマイクロミサイルポッドになっている。上にはヘビーアームズ、下にはレオパルドがスタンバイ済み。
「よし、来てくれ!」
「いくよ~!それっ!」
「こっちもいくよ!よけてねアルト!」
「任せとけって!」
合図とともに上下からミサイルが襲い来る。まずは加速してミサイルを振りきる。もちろん俺が作ったミサイルなので追尾性能がゴリゴリに半端ない。マニューバで振り切るのは至難の業だけど!それをやるのがかっこいい!
右へ左へ、ミサイルを攪乱しながら当たらないように進路をとり、そのまま武装選択でチャフをばらまき後続についたミサイルが巻き込まれて爆発、安心感を覚える間もなく、次のミサイルがこっちにやってきた。インメルマンターン、上下逆さの状態でミサイルに相対し、ガンポッドとレーザー機銃を連射して対処、次!
今度は10発以上襲ってきた。大丈夫だけど!マニューバでかわしながらガウォークに変形して直線起動だったのに鋭角的なカーブを入れたりしてミサイルを混乱させる。その隙に20発のマイクロミサイルをこちらも発射し相手のミサイルと衝突させて処理する。すべて処理できるようなものでもなかったのでうち漏らしたものは手に持ったガンポッドと背中のビームキャノンを当てることで対処、次だ次!
「すっごー!残り全部一気に行くから!」
「信じてるよアルト!これでラスト!」
「おっしゃあ!ラストスパートだ!」
襲い来るのは総計50発以上のミサイルの雨!ガウォーク、ファイターの変形を繰り返しながらガンポッドとレーザー機銃、ビームキャノン、マイクロミサイルを併用して次々に迎撃していく、数を減らしつつ追ってくるミサイルに対し俺はガウォークで急ブレーキをかける。すると急な動きに対応できなかったミサイルが俺を通り過ぎていく。その隙にバトロイドに変形した俺は全選択した武装でマルチロック。装備の各所が開き、マイクロミサイルを山と吐き出したあとすぐさまガンポッド、レーザー機銃を連射する。ビームキャノンは射角が取れないのでなしで!すべて迎撃し終えた後、後ろを向いてバトロイド状態のまま敬礼をし、見せつけるようにファイターに変形して飛び去る。やってみたかったんだよな、バルキリーでの敬礼!
「おっしゃああああ!やってやったぜ!どうだ!?みてたか!?」
「見てたよアルトくん!ほんっとびっくりした!イメージ沸いたし、いい曲作れそう!」
「流石だねアルト!あぁ、僕もこれだけ操縦出来たらなぁ」
「何言ってんだよ辛気臭い。練習ならいくらでも付き合うって!それよりも。早く録画したやつ見ようぜ!」
「うん!そうだね!」
「おっほお…結構伸びるじゃん…」
1週間後、そこには完成した動画の視聴回数が昇っていくことに対してニヤニヤを隠せない俺の姿がそこにはあった。俺の机の上には完成して塗装を済ませた新しいバルキリーが二つ、鎮座していた。動画の方もなかなか好感触らしく、コメントでの反応が心地いい。いいだろこれ?今んとこ俺しか持ってないんだぜ?とニマニマしてると俺の部屋のドアが開いた。何事?と思っていると父さんだ。しかも何か大きいものを持っている。
「アルト、ちょっといいか?」
「うん。大丈夫だけど何それ?」
「後の楽しみだよ。お父さん、アルトがプラモデルに興味を持ってくれたのが嬉しくてな。だけどフルスクラッチっていうのは意外だったなお父さんは。時間かかって大変だろ?」
「うん。だけどこのプラモは俺しか作れないから。それに、やってて楽しいんだ」
「そうか。そんなアルトにお父さんからプレゼントだ。開けてみな」
父さんが下した大きい箱を言われるがままに開けるとそこには、もう一つパッケージされた機械が鎮座していた。商品名は…プラモデル加工用3Dプリンター?えっ3Dプリンター!?とんでもないものが出てきたぞ!?転生前の世界にも3Dプリンターはあったがこの世界のそれは次元が違う性能をしている。俺の今いる世界はおそらく設定上未来として設定されてるからか技術レベルの進歩がすごいのだ。ガンプラバトル用に開発された3Dプリンターがあるくらい。で、その性能というのは、早い、静か、省電力の3つを備えたまさにパーツを作るのうってつけの機械だ。その分お高いんだけど…
「父さんこれって…いいの?」
「ああ、いい。その年でそれだけ夢中になれるんなら大したもんだ。夢中になれるんなら親としても応援したいからな?その代わり、ちゃんと勉強も両立するんだぞ?」
「もちろん!ありがとう!」
フルスクラッチする関係上PCで設計図を作ったりする俺としてはこいつがあれば作業が何倍も早くなる!ありがたいことこの上ない。約束はちゃんと守らないと。次のテストで100点目指してみるか!
とりあえず次回は掲示板回やります!お楽しみに!
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プラモデル総合スレッドpart8135
1:名無しのビルダー
このスレッドはガンプラに限らずあらゆるプラモデルを扱うスレッドです。君の自慢のプラモをみんなに披露しよう!
2:名無しのビルダー
たておーつ
3:名無しのビルダー
いやーガンプラは盛況ですなあ
4:名無しのビルダー
ガンプラバトルがあるからなあ、しゃーない
5:名無しのビルダー
でも楽しいんでしょ?
6:名無しのビルダー
そりゃまあ?当然でしょうよ
7:名無しのビルダー
自分で作ったロボを動かせる、これははまっちゃうよなあ
8:名無しのビルダー
惜しむらくはガンプラしか見ないということか
9:名無しのビルダー
戦車とか戦闘機とかで乱入しても落とされるのがオチだし
10:名無しのビルダー
モデラーとしては丹精込めた作品をぶっ壊したくないです
11:名無しのビルダー
まあ素組みのガンプラでやるのがいいよ。愛着かけた愛機は観賞用でしょ。
12:名無しのビルダー
そうじゃないっていうやつもいるんだけどね
13:名無しのビルダー
でもガンプラだけっていうのは納得いかん
14:名無しのビルダー
別にプラスチックなら何でも動くぞ?
15:名無しのビルダー
まじで?じゃあ俺のティーガーちゃんも動くの?
16:名無しのビルダー
動くよ。ガンプラバトルで勝てるとは思えんけど
17:名無しのビルダー
ぐぅ
18:名無しのビルダー
それにガンプラ以外のプラモデルは息をしてるかどうかってレベルの絶滅危惧種になりかけてるからなあ
19:名無しのビルダー
ほんとそれ。売ってる店見つけることすら難しい
20:名無しのビルダー
模型店でも「え?そんなのあるの?」とか言われるレベル
21:名無しのビルダー
ネット販売で生き残っていってほしい。たった10年、されど10年か
22:名無しのビルダー
ガンプラバトルのせいでガンプラ売ったほうが儲かるからな
23:名無しのビルダー
ガンプラが次々売れてくなか見る影もなく埃が被るほどに売れないらしい。だから兵器などのスケールモデルはどんどん駆逐されていったんだよな
24:名無しのビルダー
しかも新規参入する模型店はガンプラ専門が九分九厘。町の大型店すらガンプラしか置いてないときたもんだ。仕方ないよな、ひと月に何百何千と売れるガンプラに対してひと月に一つ二つ売れるかどうかじゃ採算に合わないし
25:名無しのビルダー
それもこれも財団BがGPベース発表の時にガンプラで宣伝したせいだ
26:名無しのビルダー
それは戦略上普通では?情報戦が上手かっただけだし
27:名無しのビルダー
企業としては当たり前の選択。でも一般人はこう思う「ガンプラじゃなきゃ動かないんだな」と
28:名無しのビルダー
結果、ガンプラはバカ売れしほかのスケールモデルは規模が大幅に縮小ってわけだ
29:名無しのビルダー
ブキヤさんとかも最早ガンプラ用のパーツ売りに終始するレベル
30:名無しのビルダー
あー誰か現代兵器とかでガンプラと渡り合ってくれねーかなー
31:名無しのビルダー
んなむちゃなw
32:名無しのビルダー
でもガンプラもガンプラで面白いよね。世界大会選手のガンプラとか超技術の塊だし
33:名無しのビルダー
わかるわかる。しかもそれがキット化されるとなるとそりゃ挙って大会に出場しますわ
34:名無しのビルダー
やばいやばいやばいやばい!
35:名無しのビルダー
どうした?
36:名無しのビルダー
いや、やばい。すごい。とんでもねえ
37:名無しのビルダー
語彙が死んでるぞ。おちつけ。
38:名無しのビルダー
なんだ丹精込めた愛機がガンプラバトルで粉々にされたかー?
39:名無しのビルダー
シャレにならんなそれは
40:名無しのビルダー
いや違うんだ。GPベースって録画機能あるじゃん?でお店側ってビルダーやファイターを映さないことと承諾を得れば自由にネットにバトルの様子をアップできるんよ
41:名無しのビルダー
あー、バトル配信ね。見るの楽しいよな
42:名無しのビルダー
それでさ、とんでもねえ動画見つけたんだ。半年くらい前なんだけど、なんで今まで埋もれてたのか不思議なくらい凄いの。
43:名無しのビルダー
へえ、どんな?
44:名無しのビルダー
おそらく現代兵器をモデルにしたオリジナルの宇宙戦闘機がガンプラバトルで相手を翻弄するやつ
45:名無しのビルダー
は?
46:名無しのビルダー
冗談だろ?
47:名無しのビルダー
そんなことしたら世界がひっくり返るんだが?
48:名無しのビルダー
まあとりあえずこの動画みろって
http:douga.jp ←これだよ
49:名無しのビルダー
俺は騙されんぞ…ってファッ!?
50:名無しのビルダー
お、おおおおおお!?
51:名無しのビルダー
かかかかか…かっけええええええええ!?
52:名無しのビルダー
何だこの造形!?
53:名無しのビルダー
どう見ても現代兵器がモデルだけど、おいキットに心当たりあるやついる?
54:名無しのビルダー
ねーよ!
55:名無しのビルダー
まって…?もしかしてこれ、フルスクラッチ!?
56:名無しのビルダー
はああああああ!?どんだけ手間かけてんだよ!しかも背中に背負ってるやつとかほかの部分、もしかして着脱可能な後付け装備じゃね!?
57:名無しのビルダー
FASTパックかもしかして!?
58:名無しのビルダー
なんだそれ?
59:名無しのビルダー
現実の航空機でもあるけど長距離とかを移動するとき内蔵の燃料だけじゃ不安な場合装備する追加装備だよ!ガンダムでいうならフルアーマーとかそんな感じ!
60:名無しのビルダー
なるほど…えええ!?
61:名無しのビルダー
へ、変態だ…このビルダー変態や!
62:名無しのビルダー
まあ、造形は素晴らしい。ビルダーの腕は…
63:名無しのビルダー
64:名無しのビルダー
65:名無しのビルダー
66:名無しのビルダー
凄すぎィ!?
67:名無しのビルダー
ガンプラとは操作感全く異なるはずなのにすげえ鮮やかな動きしてる
68:名無しのビルダー
最小限の動作でビームを躱して機体下のガトリング砲で攻撃か。威力的に武器も作ってるみたい
69:名無しのビルダー
ひいいいどんだけ手間かかったんだこの機体…
70:名無しのビルダー
相手の方はしびれ切らしてビームサーベルで突貫か。うえええ!?
71:名無しのビルダー
ミサイル!?しかも翼に下げてるのだけじゃなくて増加槽のハッチが開いて!?やべえ!?
72:名無しのビルダー
おいおいおい何発出るんだこれ
73:名無しのビルダー
軌道も変態じみてる。上下左右、あらゆるところからミサイルが飛んでくるとか悪夢もいいところだよ
74:名無しのビルダー
あー流石に降参か。当然だわな
75:名無しのビルダー
あんな事されたら無理、勝てん
76:名無しのビルダー
やばすぎ。
77:名無しのビルダー
性能も高そうだなこれ
78:名無しのビルダー
武装の違いはあれどガンプラバトルはプラモの出来で性能が決まる。丁寧に組んで塗装を済ませた旧ザクが素組みストライクフリーダムを圧倒するのも珍しくない
79:名無しのビルダー
つまり?
80:名無しのビルダー
フルスクラッチのこの戦闘機は性能もやばいってこと
81:名無しのビルダー
くっそ!特定班組むぞ!何としてもこのビルダーの情報を集めるんだ!
82:名無しのビルダー
それはやりすぎ。気になるのはわかるけど子供だったらどうするんだお前さ
83:名無しのビルダー
そうだぞ。基本的にビルダーは子供のほうが多いんだ。それにこういう出る杭はほっといても有名になるよ
84:名無しのビルダー
それよりももう一つ動画発掘したぞ
85:名無しのビルダー
マジでマジでマジで!?
86:名無しのビルダー
しかも別機体だ。概要欄にさっきの戦闘機動画のリンクがついてて同じビルダーだって。これ以降も店に来てたみたいだけど許可は取れてないみたい。
87:名無しのビルダー
残念、でもあるなら…ホワァッ!?
88:名無しのビルダー
さっきのと違いすぎない!?
89:名無しのビルダー
うひいいいいい好みのデザインんんん!!
90:名無しのビルダー
いいな、スペースシャトルみたい…はぁっ!?
91:名無しのビルダー
へへへ、変形した!?
92:名無しのビルダー
可変MAだってのか!?
93:名無しのビルダー
うわうわうわすげえでっかい主砲!?
94:名無しのビルダー
格納庫が腕に、主翼とエンジンが足になるってとんでもねえ発想だな!?
95:名無しのビルダー
ひいいロマンが溢れてるよおおお!!
96:名無しのビルダー
しかもエンジンの一部が起き上がってあのでっかい4連装砲に変形してるのか!?
97:名無しのビルダー
いやいやスロー!スローでみないと!情報量多すぎ!
98:名無しのビルダー
おわあいい火薬量の発射音!…ん?待ってこれもしかしてフリーダムとかの腰と同じやつ!?
99:名無しのビルダー
レールガン扱いなのか!?ビームじゃなくて実弾だったし!
100:名無しのビルダー
主砲もそうだけど着地時の重量感めっちゃ好き
101:名無しのビルダー
相手はZZガンダムか。でもなあ
102:名無しのビルダー
大きさ違いすぎない?
103:名無しのビルダー
でも変形機構考えるとこれ以上のスケールダウンはキッツいぞ
104:名無しのビルダー
そういう事情か?あっ外した。
105:名無しのビルダー
反動でずり下がって狙いがそれたっぽい。でも威力すっげえ!
106:名無しのビルダー
ところでさ、顔に塗装されてる女の子誰?
107:名無しのビルダー
ガンダムにこんな子いたっけ?
108:名無しのビルダー
なんでもガンダムで考えるなよ。心当たりないけど
109:名無しのビルダー
えっ格納庫の腕からミサイルでた!?
110:名無しのビルダー
ひいいこういう武器腕めっちゃ好み!ジュアッグみたい!
111:名無しのビルダー
ZZはバインダーで防御か。あーでも受けきれてないや
112:名無しのビルダー
性能差だな、しゃーない
113:名無しのビルダー
わりと滑らかにうごくな。さっきの飛行機に比べりゃ遅いけど
114:名無しのビルダー
明らかに機動力重視の設計なんだから当然だろ。おおっ!?これはうまい!主砲を地面にあてて吹っ飛ばした!
115:名無しのビルダー
うわ、相手もやるな!吹っ飛ばされながらもダブルビームライフルで直撃コースだ。空中だし万事休す…反動で移動した!?
116:名無しのビルダー
当たってても損害はあんまりなさそうだけど、うわうわ加速力あるなって体当たり!?
117:名無しのビルダー
ZZの装甲がひしゃげたぞ!?やったほうは無傷ってえぇ…
118:名無しのビルダー
驚くだけじゃなくてドン引きの領域に入ってるわ
119:名無しのビルダー
ハイメガキャノンをブーストで躱してお返しにミサイルと機関砲か。
120:名無しのビルダー
すげえ、踏んで身動きを封じるなんて相当パワーに差があるぞ。でも詰みだなこりゃ
121:名無しのビルダー
終わってしまった。ねえこれってやばない?
122:名無しのビルダー
うん、やばい。天才どころか変態の域。可変MAは別にキットとしてある。でもそれをすべて完全オリジナルでフルスクラッチなんて言うのは頭がおかしいとしか思えない
123:名無しのビルダー
124:名無しのビルダー
125:名無しのビルダー
126:名無しのビルダー
ねえこれ拡散しない?
127:名無しのビルダー
拡散ってどこにさ
128:名無しのビルダー
ガンプラ方面は勝手に広がるだろうけどほかのスケールモデル系のスレに。こういうのあるよってわかれば活気づくかも
129:名無しのビルダー
冗談だろ。こんなんできるのはそれこそガンプラ大会優勝者とかメイジン・カワグチみたいな変態と天才を兼ね備えた奴だけだぞ
130:名無しのビルダー
ちがうよ。ガンダムじゃないオリジナル機体でもGPベースって動くんだよっていう証拠になるんじゃない?つまり、今までできなかったていう固定概念を崩せるかも
131:名無しのビルダー
一考の余地はあるかも、試してみるか
・
・
プラモデル総合スレッドpart8140
450:名無しのビルダー
いやはやここ数週間の衝撃はやばかったなあ
451:名無しのビルダー
ああ、可変MAと宇宙戦闘機の話か
452:名無しのビルダー
現代兵器モデルスレがあそこまで盛り上がったの初めて見た
453:名無しのビルダー
いやあれは燃えるよ。男のロマン詰め合わせセットだろうが
454:名無しのビルダー
確かに
455:名無しのビルダー
軒並みガンプラ以外過疎だったプラモスレが活気を取り戻したからな
456:名無しのビルダー
なおガンプラスレが一番の祭り状態の模様
457:名無しのビルダー
だってなあ?ガンプラにも新しい可能性が出てきたんだもん
458:名無しのビルダー
移動するだけにしか使われてなかった可変という機構にロマンをぶち込んだ仕様は燃える
459:名無しのビルダー
さらには戦闘機だぞ?しかもフルアーマー仕様の
460:名無しのビルダー
おいおいおいおい!
461:名無しのビルダー
今度は何だ
462:名無しのビルダー
新しい動画でも出た?
463:名無しのビルダー
そんなまっさかー
464:名無しのビルダー
製作者本人が動画出したぞ
465:名無しのビルダー
!?!?!?!?
466:名無しのビルダー
ままままmじでdddd!?
467:名無しのビルダー
おちつけぇ!mjで」?
468:名無しのビルダー
お前も落ち着け
469:名無しのビルダー
それでマジ?
470:名無しのビルダー
マジっぽい。あと衝撃の真実が動画で分かった。とりあえず見て来い
http:MACROSS/douga.jp
471:名無しのビルダー
ほう、本物ですな。サムネで分かる
472:名無しのビルダー
何々…「フルスクラッチのオリジナル機体を見てほしくて動画化しました。企画協力は友人二人。プラモデルの裾野が広がるのを願って」いいますやん
473:名無しのビルダー
流石に一人で全部作ったわけじゃないか。そうだよなー。
474:名無しのビルダー
「プラモデル製作者=投稿者 協力=友人S、友人H 音楽=友人H」結局一人で作ってたんかい!?
475:名無しのビルダー
そういうことかあ!?ままま、見てみましょ。
476:名無しのビルダー
動画名は「VB-6 ケーニッヒ・モンスター」シンプルだな。
477:名無しのビルダー
おお、あのでかいシャトルの名前がそれか!モンスター!いいえて妙じゃん!
478:名無しのビルダー
479:名無しのビルダー
480:名無しのビルダー
481:名無しのビルダー
すげえ、語彙力無くなる
482:名無しのビルダー
ああ、ロマンとかっこよさが溢れている。
483:名無しのビルダー
マシンガンをはじく装甲、重装甲というものを分かってらっしゃる
484:名無しのビルダー
爆発でも無傷!煙を切り裂いて戦艦デブリの上に降り立つのめっちゃかっこいい!
485:名無しのビルダー
ああ~足元に飛び散る火花に金属音!さいっこう!
486:名無しのビルダー
あぁぁ主砲の音ォ~~~!!たまんねえ!反動で地面が凹むのも素晴らしい!
487:名無しのビルダー
BGMがいい味だしてる。重厚でなおかつむせ返りそうな感じでめっちゃマッチしてる
488:名無しのビルダー
ファッ!?
489:名無しのビルダー
んん?俺の目がおかしくなった?人型になった、よな?
490:名無しのビルダー
え?え?つまり、3段変形?そんな馬鹿な!?
491:名無しのビルダー
いやでも現実になってるし…
492:名無しのビルダー
なんで変形したのか不思議だったけど射角のためか。両腕が伸びて自由に向けられるようになったからいろんな場所にミサイルと機関銃ばらまいてる
493:名無しのビルダー
あるよ?3段変形するMSは。でもさ?変わりすぎだよ!簡易変形なんて目じゃない!完全変形!どうしたらそんなもん思いつくの!?
494:名無しのビルダー
そこでジャンプして飛行機形態に変形して飛び去って〆か
495:名無しのビルダー
かっこいい…かっけえよ!欲しいわ!くっそー天才はいるな、悔しいわ
496:名無しのビルダー
これ場合によっちゃガンプラマフィアとか動くんじゃない?
497:名無しのビルダー
かもしれんな。こんだけの才能だ、得られれば相当な金になる
498:名無しのビルダー
多分その前にPPSE社が動くぞ。財団Bも。キット化すれば必ず売れるから。
499:名無しのビルダー
ガンダムというくくりになっていいのか?これが?
500:名無しのビルダー
よくはない、けど。安全のほうが大事だぜ。
501:名無しのビルダー
まあ今はもう一つの方見ましょ。
502:名無しのビルダー
そうだな「VF-1 バルキリー ストライクパック」こっちもシンプルだな。内容勝負って感じか。
503:名無しのビルダー
んん、前の動画の時と装備違わない?
504:名無しのビルダー
片方が…多分ビーム砲になってるってことは装備が違うんだ
505:名無しのビルダー
いいなあ、BGMも軽やかで…歌付きですか!?しかも女の子ボイス!?
506:名無しのビルダー
ロリコンの俺が言おう。子供の声だ
507:名無しのビルダー
気持ちわるっ
508:名無しのビルダー
流石に引くわ
509:名無しのビルダー
これは許されざる
510:名無しのビルダー
でも歌付きっていう割にこう、なんかしっくりくるな。あらかじめ歌が合うようになってるとしか思えないくらいに
511:名無しのビルダー
飛ぶ姿いいなあ、細かくスラスターが動いて姿勢制御するのがツボ
512:名無しのビルダー
んん!ミサイルだ!どっから…いや、機動力えげつな!?
513:名無しのビルダー
すげえ、GPベースの録画機能だから追いつけるやつだこれ!ミサイル、しかも相当高性能っぽいのが追い付いてない!
514:名無しのビルダー
チャフグレネード!わかってるじゃん!
515:名無しのビルダー
わかってはいたけど機動力、推力、運動性、やばいな。飛行機で助かった。
516:名無しのビルダー
飛行機でMS並みの運動性を発揮するんじゃないよ!
517:名無しのビルダー
第二波が来たな、おお、いい動き!上下反対で迎撃するとか操縦技能凄いじゃん!
518:名無しのビルダー
インメルマンターンだこれ!現実にもある操縦技術!
519:名無しのビルダー
おいおいどんだけミサイル来るんだよ!さっきの倍はあるぞ!?
520:名無しのビルダー
はっ!?手と足!?
521:名無しのビルダー
まさかこれも可変MA!?隠し腕!?
522:名無しのビルダー
そんなレベルじゃないぞ。現実の飛行機にあるエンジン部分が足になってるから隠しどころかモロバレだ!変形前提だよ!
523:名無しのビルダー
おおおお!スラスターの自由度が増してるから飛行が今まで以上に速いし変態的だ!
524:名無しのビルダー
うわ、手持ち武器になったガトリングにミサイル、背負ったビーム砲で全部撃墜しやがった。
525:名無しのビルダー
なにこれなにこれなにこれ!?
526:名無しのビルダー
機動性が高すぎるぞ!?
527:名無しのビルダー
まだくんの!?って今度は多すぎ!?
528:名無しのビルダー
数えられん、ブライトさんも納得の弾幕!
529:名無しのビルダー
こんなん対処不可能、いやいけてる!?
530:名無しのビルダー
変形を繰り返しながら速度に緩急をつけて次々ミサイルを撃墜していってる。カメラワークがすっげえいい!ミサイルの軌跡とこのバルキリー?っていうのの動きが見える!
531:名無しのビルダー
うおっなんで戦闘機に足が生えた形態があるかと思ったらそういうことか!
532:名無しのビルダー
どゆこと?
533:名無しのビルダー
いまエンジンになってる足を前にやることで強引にブレーキをかけて方向転換したんだ。運動性能をより高めるためだと思う。
534:名無しのビルダー
うわっミサイルをやり過ごした!しかもミサイルの後ろに逆に回り込んだ!?
535:名無しのビルダー
!やっぱり!変形!人型だ!うおおおシンプルなゴーグル状のカメラがかっこいい!
536:名無しのビルダー
うわわわわ機体の各所のミサイルコンテナが開いていくのいい!わかってる!
537:名無しのビルダー
ミサイルこれ何発撃ったんだ…?あんだけこいつを狙ってたミサイルを全部落としやがった
538:名無しのビルダー
カメラがアップして、敬礼!?そのまま変形して飛び去る…イケメンかよ!?
539:名無しのビルダー
BGMが不思議なくらいマッチする映像だった。
540:名無しのビルダー
敬礼で胸を撃ち抜かれた
541:名無しのビルダー
わかる。凄いかっこいい
542:名無しのビルダー
おいおい戦闘機スレ落ちたぞ。鯖落ち。
543:名無しのビルダー
こんなんテンション上がりまくりますわ
544:名無しのビルダー
現実でアニメ以上の動きをするんじゃねえ
545:名無しのビルダー
おい考察班作ろうぜ。この際ビルダーはどうでもいいや。機体について根掘り葉掘り考察しよう
546:名無しのビルダー
それはいいな
547:名無しのビルダー
それなら参加したい
548:名無しのビルダー
別スレも次々落ちてる。ここに流入してくるぞ
549:名無しのビルダー
くっそー早く次の動画出ないかなあ
550:名無しのビルダー
おっ動画の最後にそれぞれの変形した姿を見せてくれてる。ありがとう!ありがとう!
551:名無しのビルダー
何々…飛行機がファイター、手と足が生えたのがガウォーク、人型がバトロイド…いいな。固有名詞があるなんて
552:名無しのビルダー
めっちゃ考えてる証拠だな。
553:名無しのビルダー
いかん、別スレで特定作業始まりそう
554:名無しのビルダー
は?おい考察は後回しだ。さっきのロリコンが言った通りなら子供の友人は子供の可能性が高い。優秀なビルダー兼ファイターを潰させるな
555:名無しのビルダー
良識ある大人として子供の成長を阻害する行為は許せん
556:名無しのビルダー
これが同じプラモデルファンとか泣きそうになるわ
557:名無しのビルダー
そういう行為は法規制が相当厳しくなってるのに何でやめないんだか
558:名無しのビルダー
通報は?
559:名無しのビルダー
済ませた。あとは妨害するだけ
560:名無しのビルダー
おっしじゃあいっちょおちょくりにいくかあ
561:名無しのビルダー
これほどかっこ悪い出撃のセリフがあっただろうか
562:名無しのビルダー
うるせえやい
あるとくんしょうがく5ねんせい
「あ、配信の同意オンになってる。まあ2回くらいならいっか。これ以降はいいえを押しとこうっと」
こうして世界初のモンスターとバルキリーのガンプラバトル動画は配信されたのです。ちゃんちゃん
次回は新しいバルキリーだします!
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試作機って物凄いロマンだよね
はっきり言おう。動画投稿舐めてた。ほんとに舐めてた。ニヤニヤしていられたのはほんの数日。バズったんだ。それも盛大に、1000再生行けばいいかななんて思ってた動画は今や10万再生を突破し今なお衰えることなく再生数を伸ばしている。こわい、超怖い。この世界のロボットへの情熱をなめてた。ぴえんこえてぱおん。あえて言うが、反応自体は大満足だ。ヒマリが作って歌った歌に合わせて空を舞いミサイルを躱し、撃ち落とし、そして敬礼をして飛び去るバルキリーの動画は俺が見てもかっこいい。まあ編集したの俺だしね。板野サーカス知ってるの俺だけだから、それっぽくできるのも俺だけ。
驚いたのはヒマリの方。BGMの出来がほんとによかった。そして歌もうまい。これが合わさったらそらバズるわの。冗談で「アイドルにでもなる?」ってきいたら「考えとく?」って言ってた。多分政治家のいう善処しますとおんなじ意味だろうから気にしてないけど。
そして、父さんにもらった3Dプリンターだ。試しに、完成させたバルキリーのパック装備の部品を出力してみたんだがそれがもう早い正確と文句のつけようがなかった。バリなんかは俺の器用さで痕すら残さずに取り去ることができるし出力してる間俺は別の作業できるしまじで俺が二人に増えた気分だ。だから今、完成したパック装備の次のテストとしてまた別のバルキリーのパーツを次々に出力させてる。あ、テストは100点取ったよ。プロですから(どやあ
さて、完成したバルキリーを紹介しよう。まずはこちら、前進翼とカナード翼が特徴的なYF-19「エクスカリバー」だ。OVA「マクロスプラス」の主役機で戦艦であるマクロス級SDF-1「マクロス」の艦橋へ単機でのタッチダウンを決めた伝説的な名機だ。主役のイサム・ダイソンの超人的な操縦技能には痺れたね。VF-1より相当世代が進んだが何とか完成まで持って行けた。ほんと変形機構が変態じみててなあ、しかもVF-1と違ってマイクロミサイルポッドを機体自体に内蔵してるときたもんだ。さらにガンポッドは弾倉式になってるからそこも苦労した。でも俺の技術レベルが上がったからかVF-1より高性能に仕上がっている。
そしてもう一つ、可変翼、バルキリーでは珍しく足がメインエンジンじゃない機体という少し変わった特徴を持つ同じくマクロスプラスよりYF-21「シュトゥルムフォーゲル」だ。こいつは特に曲者だった。まず可変翼、これの再現が非常に難しかった。ヒンジなどを多用することで再現に成功したが完璧じゃない。劇中ほどぬるぬる変形しないがこれはアニメと現実の壁ということで納得するしかない。そして最大の特徴であるファイターではデッドウェイトになる腕と足を切り離して移行する「ハイマニューバモード」も再現できた。まあこれは足と腕のジョイントをちょいちょいいじればできたからヨシ。特にアニメ関連で「伝説の5秒」とも称される素晴らしいドッグファイトを繰り広げた名バルキリーだ。YF-19に量産機の座を奪われてもなお生産され続けたことからもそれがうかがえる。
語りたいことはまだまだあるがとりあえずこんな感じだ。なぜVF、ヴァリアブルファイターではなくYF、試作可変戦闘機を選んだのかと言えばなのだが。それぞれ2機ともVFとしての姿がきちんとある。改良、あるいはデチューンを加えられて一般兵にも乗りやすくなったものが。だけど、マクロスファンとして、素晴らしい戦闘を繰り広げたこの試作機だからこそ再現する意味があり理由があった。それに作るならこの2機はセットだ。これだけは譲れない。
そしてVF-1の次になぜこの2機を作ったか。理由は「ピンポイントバリアがあるから」これに尽きる。ピンポイントバリアとはオーバーテクノロジーオブマクロス略してOTMの一つで文字通りオーバーテクノロジー、熱核タービンエンジンの有り余るエネルギーを利用して機体全体ではなく一部分に強力なバリアを張る防御兵装の事だ。さらに攻撃にも転用できる優れものでこれを使ったパンチは「ピンポイントバリアパンチ」と呼称され、近接武器のないバルキリーに対して革命を起こしたといってもいい。そして俺はこれの再現する方法を見つけてしまった。
プラフスキー粒子の利用法を少し考えればわかることだった。プラフスキー粒子は人の操作に応じて武装や機体を動かし、爆発のエフェクト、ビームなどを出す。だが一つ、半年間ガンプラバトルをする中で思ったことがある。「ファンネルなどのサイコミュ兵器はどう動いているんだろうか」ということだ。あとはもう単純だった。詳しくはわからないがプラフスキー粒子には人の思念を感知してそれを反映する力がある。ならばそれを応用して、強烈なイメージをプラフスキー粒子に叩きつけてやればいい。真に迫る、あるんじゃないかと思わせるほどのイメージを。ただガンダムから離れすぎてるから成功するかどうかはわからなかったがVB-6でやった時は成功した。おそらく内部的にはGNフィールドのような処理をされたんだと思うが成功は成功、晴れて機体の開発に乗り出したわけ。ファンタジーに助けられたという形になるがとりあえずはよかった。
「さって、試運転したいな…よし、模型店のほうに行くか!」
俺は、この半年で伸ばした髪を後ろで括って準備を済ませてYF-19とYF-21、それぞれのスーパーパックを手に取ってケースにしまい込んだ後。動き続ける3Dプリンターがおかしなところだけないかを確認して家を出るのだった。あぁ、早く乗って空を飛び回りたい!
ちなみによく行く大型模型店では「お、飛行機乗り!やるか?」と挨拶される。確かにMSじゃねえよ?あくまで可変「戦闘機」だぞと言いまくってたせいだけど悪い気はしない。なぜかと言えば歴代マクロス主人公たちはどうしようもない「飛行機乗り」だからだ。一緒にされて嬉しくないわけがない。
そして俺はいつも通りに模型店の中に入る。入ってすぐわかったが空気が違う。何かひりつくような、そんな雰囲気。この模型店の中でそんな空気を感じ取ったことはない。しいて言うなら、たびたび練習に付き合ってくれるラルさん。彼が一瞬だけ出した本気の時に感じる威圧感が近い。限られた強者しか出せないようなそんな空気。
「あ、飛行機乗り」
「やっほ。何この空気」
話しかけてきたのは俺とVB-6にZZで挑んできた少年だ。彼とも何度か対戦していて、未だ負けてはない。だがそれにもかかわらず毎回挑んできてくれるから正直嬉しい。邪険にされることなんかよりよっぽど。
「ユウキ・タツヤが来てるんだよ!」
「誰それ?」
「知らないの!?今年のガンプラバトルの世界大会に出場する超有名ファイターだよ!?」
「ほーん」
「興味ないんだね…」
「飛ぶことのほうが大事だからな」
俺は彼にひらりと手を振ってGPベースがある場所へ向かう。するとそこには、ザクを元に様々な改良を加えたと思しきガンプラが相手のガンプラを圧倒し翻弄しているところだった。主武装と思わしき長いライフルを腰にマウントし、両手に赤熱したナタをもって相手を追い詰めるその赤いザク。はっきり言おう、ヤバすぎる。操縦技量が歩くだけで分かるなんて、俺よりも相当上に違いない。そしてガンプラ、完成度が高すぎる。ザクというやられ役ともいうべき量産機のはずなのに性能はエース級のそれ。舌を巻いた。ラルさんの本気?並ぶどころか凌駕するかもしれない。
そして俺はガンプラから目を離し、ファイターのほうへ目を向ける。柔らかな髪をかき上げ瞳を鋭くした高校生ほどの男だ。そして俺がそっちを見た瞬間、彼と目が合う。だが気のせいだと思った俺は目を外して調整用の机へ向かう。その後ろで、決着がついたと思しきシステム音声が高らかに鳴り響いた。結果は、想像するまでもないだろう。
予想通りな結果だろうから俺は振り返ることもなくバッグから調整用の道具と新作のバルキリーを取り出そう、としたところで隣に立つ人影があった。顔を上げるとさっきのザクを操作していたユウキさんだ。さっき上げていた髪を下ろしており雰囲気も柔和に変わっている。俺に何か用だろうか。あとギャラリー、遠巻きにひそひそすんな鬱陶しいから。
「すまない。この店で飛行機乗りと呼ばれているのは、君の事かな?」
「ええ、まあそうですけど。確か、ユウキ・タツヤさん、でしたよね?俺に何か用ですか?」
「そうだね。確かめたいことがあるんだ。名前を教えてもらってもいいかい?」
「アルトです。サオトメ・アルト。確かめたいことって何ですか?」
「アルト君か。私は私立聖鳳学園高等部2年生のユウキ・タツヤだ。よろしく頼むよ。それで、単刀直入に聞くとこの動画を投稿したのは君かい?」
スマートフォンを見せてくるユウキさん。その画面には俺が投稿したVF-1の板野サーカス動画が映っている。まあ近くに住んでる人ならわかるか。否定する理由もないし、できないし。
「ええ、確かにそうですね。これでしょう?」
「おお…!」
俺はまた別のケースからパック装備も何もつけてない状態のVF-1を取り出す。ユウキさんは目を見ひらいて素の状態のVF-1を見つめる。ははぁん?この人プラモ大好きだな?見る目が輝いているわ。っか~~~!良いなこの反応!世界大会出場者のレベルでもVF-1は驚くレベルなんだ!これは素直にうれしい。作ったこともそうだけど、それだけバルキリーがすごいって言ってもらえてるようで。
「本当に…これは、君が?」
「ええ、まあ。まあこんな小学生がフルスクラッチだなんて言っても信じられないと思いますけど」
「とんでもない。君のそのプラモデルへの扱いを見ればわかるよ。君は間違いなくビルダーだ」
「ありがとうございます。良かったら、触ってみますか?」
「いいのかい!?」
「いいですよ、勿論」
基本的にビルダーは他人のガンプラを触るようなことはしない。うっかり触れて壊してしまったり、手の内がバレたりするからだ。それに、丹精込めた自分の愛機を見知らぬ他人に触らせたくはないだろう。だから俺のこの対応はビルダーとしては異例と言える。けど、何となくこの人なら大丈夫、そう思える。
「動画では変形してたと思うけど、差し替えなのかな?」
「いえいえ、差し替えその他なんもなしで完全変形しますよ?ほら」
大事そうにVF-1を持ってくれるユウキさんからVF-1を受け取って足を展開、腕を引き出し外したガンポッドを持たせてガウォークにする。ユウキさんがどんどん変形していくVF-1を少年のような瞳で見てる!いいぞいいぞ~もっとほめたまへ~。俺のこれを褒めるってことは間接的にマクロスの原作者様方を褒めるってことだぞ~。
「それでこれが、バトロイドです」
「動画の通りだ…!すまない、動画で装備してたものはあるかい?わがままで申し訳ないけど、見たいんだ」
「ありますよ~これがスーパーパック、んでストライクパック、んでアーマードパックです」
「3つも装備があるのかい?」
「ええ、機動力重視、火力重視で分けてみました。残念ながらアーマードパックはバトロイド限定でしか使えないんですけどね。変形に干渉するんで」
「それでも十分だよ!凄いなアルト君は!可変MSはいろいろ見てきたつもりだったけど、ここまで完璧に姿が変わるものは見たことない」
「ありがとうございます!嬉しいです。というわけでスーパーパックです、どうぞ」
めっちゃ褒めてくれるやんこの人。嬉しくなった俺はファイターに戻したVF-1にパチパチとスーパーパックを取り付け、稼働する部分を開けてミサイル発射待機状態を作る。あらゆる角度から眺めるユウキさんは生粋のガンプラ好きなのだろう。俺のこれはガンプラじゃないことを差し置けば理想的なビルダーの姿だ。
「そういえば、気になっていたんだけどこの動画のタイトル「VF-1 バルキリー ストライクパック」…バルキリーは機体の名前、ストライクパックは装備の名前だと思うんだけどVF-1っていうのは型式番号なのかい?」
「そうですね。VF-1、ヴァリアブルファイターの略です。つまりこいつは人型機動兵器「モビルスーツ」ではなく可変「戦闘機」なんです。ぶっちゃけガンプラじゃないですよ」
「はは、言い切るのかい?僕から言わせればこれもガンプラだけどね。ガンプラは「自由」だからさ」
なるほど、それがこの人のスタンスか。そっと優しくVF-1を机の上に戻してくれるユウキさん。なるほど、世界大会に出れるわけだ。ビルダーとしての心構えがまず一線を画している。勝つためではなく相手も自分もそしてギャラリーすらも楽しむためのガンプラ。…凄い、人だな。ただ我欲でバルキリーを作ってる俺からすれば雲の上の存在だ。だからこそ、気になる。
「まどろっこしいのはやめましょうユウキさん。
俺が鋭くそう問うとユウキさんは今までの紳士的な雰囲気を完全に収め、好戦的な顔つきに変わった。やっと本題かな。
「サオトメ・アルト君。今君と君のガンプラを見て確信した。君はビルダーでありファイターであると。そして、私を熱くしてくれる存在であると」
「…それで」
「アルト君、私と、このザクアメイジングと…君のバルキリーでバトルをしてほしい!」
ユウキさんは高らかに、俺にそう頼み込んでくるのだった。
ピンポイントバリア関連はガバガバかもしれませんが目をつぶってください。ビームシールドとかの発生器が必要な装備とはまた別の技術なのでファンタジーに頼るしかなかったんです
というわけで次回は最強の敵が立ちふさがります!
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こんなサービス、滅多にしないんだから
私と戦ってほしい。ユウキさんは真摯に俺の目を見据えてそう言った。ガンプラバトルを申し込むということはつまり、俺の事をビルダーとしてではなくファイターとしても観ているということ。そして、俺がなぜ店に入り浸りGPベースを使っているかを、俺のあだ名を知ってたこの人は知っていたはずなのだ。それを押して頭を下げている。
「俺のあだ名を知っているということは俺の目的も当然ご存知なんですよね?」
「飛ぶこと、だったかな?ファイターの性だ。たとえ断られたとしても私は我慢できないだろう」
「乱入するっていう宣言ですか。ま、いいですよ」
「本当かい!?ありがとう」
「ただし、今日は新作の試運転に来たんです。そっちでいいなら、という条件付きですが」
「新作…」
俺は出すはずだったYF-19、YF-21を取り出して卓上に置く。そう、俺の本来の目的はこっち。こいつらを本格的に飛ばすこと。未塗装の時にイオリ模型で試運転自体はしたけれども完全に実戦をするのは今日が初めてなのだ。
VF-1とはまた違うフォルムの2機を前にしてゾクゾクと武者震いするユウキさんは、こりゃ断んねーなこのひと。新作を壊されねーようにしないと。かといってVF-1でやったとしてもどっか壊れそうだから性能が上のこっちでやったほうがいいだろうし。
「勿論だ。頼む立場なのは私、それに新作なんて俄然わくわくしてくるじゃないか!」
「じゃあ、そういうことで。こんなサービス、滅多にしませんよ。戦うためだけにGPベースを使うだなんて」
俺はスーパーパックをYF-19に装備しながら冗談めかしてそう言うのだった。ほんと、俺の目的って本来のガンプラバトルとはかけ離れてるよな。
起動したGPベースにYF-19をセットしてコックピットの中、光の玉を握りこむ。思えばこのコンソールも不思議だ。ただの光の玉なはずなのに握るだけで自由自在にガンプラを操ることができる。やはりプラフスキー粒子はファンタジーだ。そして、舞台はビル市街。ガウォークで地面に立っているが正直上に逃げるのはきついかもしれない。変形も使いにくそうだ。
「ありがとう。君と君のガンプラに最高の敬意を表そう!さあ、勝負だ!ザクアメイジング、でるぞ!」
「胸を借りますよ!α1!出る!」
髪をかき上げ、目つきを鋭くしたユウキさん。俺も気を引き締めてかからないと。システム音声がバトル開始を告げた瞬間、俺はフルスロットルでYF-19を発進させた。
入り組んだビル街、吹き上げる風すら再現されているが物ともせずYF-19は地面を滑るようにガウォークで移動する。良いね!予想よりも加速が早い!最高速度も出ている!そして、見つけた!赤いザク!ライフルを両手に持って警戒するようにきょろきょろと俺を探している。音を出さないようにバトロイドに変形してビルの陰からドガガガガ!!とガンポッドを連射して奇襲をかける。
「いい!?冗談だろ!?」
だが相手は流石全国大会出場者とそのガンプラ。飛びずさって躱したザクが追って射撃をする俺のガンポッドの弾を見切ったように取り出した赤く赤熱するナタで当たるのだけ弾いて物陰に隠れたのだ。撃たれたのを躱すなら理解できるけど撃った弾丸を見切って弾くなんてなんて技量してんだ!?けど…
「物陰に隠れたっていくらでも手段はある!」
「くぅ!やってくれる!」
すぐさまマイクロミサイルを発射する。まっすぐ相手に当てる軌道ではなく真上に打ち上げて相手の頭上からミサイルが降ってくるようにだ。ユウキさんはゾクゾクしたような声を上げてビルからジャンプで飛び出して躱す。もぬけの殻になったビルをミサイルが跡形もなく粉々に変えるが、まだまだ!
「もらった!」
「甘いぞアルト君!」
追うように飛び出してガンポッドとレーザー機銃を乱射する。だが当たらない!相手のザクはこちらに狙いを定めさせないように小刻みに動くことで攻撃を分散させてきている。そしてそんな状態にも関わらず、長いライフルを巧みに操ってこちらに射撃してくる。当然俺も躱し続ける。目まぐるしくガウォークとバトロイドを入れ替えながら上下左右にマニューバを取って射角を限定させて翻弄しにかかる。
「素晴らしいぞ!だが、そこだっ!」
ランダム回避のパターンを先読みされ、狙いを完全に定めたザクがライフルを構えこちらに直撃弾を放ってくる。俺はバトロイドに変形し、ピンポイントバリアを使用して、防ごうとするが
「はっ!?なんでだ!?いや、後だ!」
ピンポイントバリアが出ない。なぜ!?いや後で考えろ!今最善は…!俺は何とか装備してある盾で直撃弾をかろうじて防ぐ。そしてお返しのようにミサイルを雨あられと発射して爆炎が俺の姿を隠しているうちにファイターに変形、そのまま弧を描く軌道で回り込みながらミサイルを打ち続ける。
「いい、いいぞアルト君!私を防御に徹させるとは!」
「結構必死ですよこっちは!」
ピンポイントバリアがなぜか使えない以上圧倒的に接近戦は不利!爆炎をナタで切り裂いて俺に肉薄してくるザクに軽く恐怖感を覚えながら必死こいて弾幕を張り続ける。ジリ貧だ!何か起死回生の一手を考えないと、いや逆に前に出る!こいつの加速力なら!
「いっけええええ!!!」
「来るか!」
ファイターのまま突っ込む。ザクは迎え撃つように俺に両手にナタを持って立ちはだかる。タイミングを計れ!失敗したらこいつはお陀仏だぞ!3、2、1…ナタを振り上げた!今!瞬時にガウォークに変形した俺は、全力でブレーキをかける。爆発的な加速力を生み出すエンジンをブレーキに使い、一瞬で一気に減速、さらに横倒しになることで主翼をギリギリ地面にかすらせ火花を散らしながら軌道を強引に変更する。
「まだやってくれるか!」
「ぶっこめぇええ!」
そのままバトロイドに変形して、手を地面につき側宙を切る要領で縦にナタを振り下ろすザクとすれ違う。片方のナタをすでに振り下ろしていたザクはそれでももう片手のナタを使って俺を薙ぎ払おうとしてくる。俺は上下逆さまのまま、ガンポッドを左手に持ち替え右手をザクに向ける。そしてその腕がジャコッ!と展開して内蔵されていたミサイルが姿を現す。そう、劇中で一度だけ使ったYF-19用の陸戦パックで増設された内蔵ミサイルだ。威力はデストロイドを一撃でぶっ壊すほど!この距離なら直撃だ!
「しまっ!?」
巨大な爆炎が咲き、ザクが飲み込まれる。爆炎に押された俺もブーストで下がってガンポッドを両手で構えながら警戒をする。爆炎から姿を現したのは、誘導型のロケット弾だ!こなくそ!すぐさま対応してガンポッドとレーザー機銃で防ぐが、一発間に合わない!しゃあねえ!
俺はシールドを使ってロケット弾を防ぐがその爆発のさなか赤い機影が俺の目の前に煙を消し飛ばして現れた。赤色の輝きを身にまとって、片方の盾を失い、ライフルを粉みじんにされながらも健在のザクは赤熱するナタをシールドに向かって振り下ろす。一瞬拮抗したシールドだがすぐさま溶断され、腕ごと切り裂かれてしまった。
「終わりだぁ!」
「まだぁあああ!!」
俺は連撃を加えようとするザクよりも一瞬早く、ガンポッドでぶん殴った。バルキリーのガンポッドは殴っても大丈夫なくらい頑丈だ。一瞬体勢を崩したザクがナタを振り上げるのと俺が無事な腕を向ける!
「引き分け、だな」
「いや、俺の負けです」
ナタがギリギリYF-19に当たるかどうかでぴたりと止まり、YF-19の展開したミサイルが覗いた腕をザクに突き付けた状態で、お互いが静止する。千日手だ。どっちが先に動いても、後から動いたほうの攻撃が直撃する状態。俺は観念したように、ミサイルを仕舞って腕を下ろす。同時に降参を選択してバトルは終了した。壊れてしまったYF-19を回収してバトルスペースを出る。すると、わああああっ!とギャラリーが一気に沸いた。そうだ、見られてるんだった。夢中になって忘れてたよ。同じようにスペースから出てきたユウキさんは答えるように手を振ってからこちらに歩いてきた。
「夢のような時間だった。ありがとう、最高のバトルだったよ」
「俺も、飛ぶ以外でこんなに夢中になったのは初めてでした。楽しかったです」
「しかし、引き分けなのに負けを選択してよかったのかい?私は納得いってないのだが」
「失ったものは俺が腕一本なのに対しあなたは武装だけ。あの後続いてたとしても俺の負けでした」
「そうか、ともかく。ありがとう。私が思った通り、君は素晴らしいビルダーで、ファイターだった」
「ありがとうございます、あの不躾かもしれませんけど…この後お時間って空いてます?」
何となくこの人ともっと話したくなった俺の突然の誘いにいやな顔一つせずユウキさんは、「今日は休みなんだ。どこかいい場所を知らないかい?」と快諾の返事をくれるのだった。
「狭いですけど、どうぞ」
「失礼するよ」
ところ変わってここは俺の家の俺の部屋。そう、自宅である。ユウキさんを誘ういい場所というのを知らなかった俺だけど、どうせなら喜んでほしくて、作り途中のやつも見てみますか?と聞いたところ是非ともということだったので案内することにした。
「へえ、3Dプリンター…これでパーツを作ってるのかい?」
「使いだしたのは最近ですけどね。VF-1とVB-6はすべてハンドメイドでした。買ってくれた父親には頭が上がりません」
「いいお父さんだね。おっこれは…」
「まだ途中ですけど新作です。変形機構も試行錯誤中でして、例えば羽の部分とか」
「なるほど、そういえばVB-6はどこにあるのかな?いや、動画で見た時は衝撃だったよ」
「あ、モンスターならここに。触ってもらっても大丈夫ですよ」
「おお、実物は結構大きいんだね。バルキリーのだいたい倍くらいかな?」
「ええ、変形機構の実験も兼ねてまして、サイズ大き目に作ってるんです」
VB-6を手に取ってしげしげと眺めながら感想を言ってくれるユウキさん。VB-6をガウォークに変形させたりしてトークを弾ませていると、ユウキさんが思い出したかのように俺に訪ねてきた。
「そうだ、アルト君。君は世界大会に興味はあるかな?」
「世界大会というとガンプラバトル世界選手権ですか?」
「そうだね。私とここまでやり合える君なら興味があるかなと思ったんだけど…どうだい?」
「興味のあるなしで言えば、ありますね。どんなプラモが出て、どんな戦い方をするのだろうってわくわくします」
「なら、来てみるかい?さすがに選手権に参加するのは無理だけど、招待用のチケットがあるんだ。もしよければ君に渡したい」
「いいんですか!?」
「当たり前さ!君のようなビルダーが来てくれるなら僕も他の選手もいい刺激になる!こちらからお願いしたいくらいさ」
「じゃあ、いただいてもいいですか?代わりと言っては何ですけど、これをもらってください」
「これは…いいのかい?苦労して作ったものだろう?」
「いいんです。作り直すでしょうけどライフル壊しちゃいましたし。代わりにはならないでしょうけど、よかったら」
ユウキさんに手渡したのは2丁のガンポッドだ。YF-19用の予備に作ったんだけど世界大会に出場するなら武器は多くあって損はないはずだ。それにフルスクラッチだから威力は保証されてるし、ちょっと手を加えればあのザクで使えるようにもなるだろう。
「ありがとう。必ず有効活用させてもらうよ。大会のチケットは今度持ってこよう。連絡先を聞いてもいいかい?」
「はい、よろしくお願いします」
俺とユウキさんは連絡先を交換した後、プラモデル談議に花を咲かせるのであった。この人ミリタリー系のプラモにも詳しいんだな。この世界じゃマイナーなのに。
「さて、原因究明だ。なんでピンポイントバリアが出なかった?」
ユウキさんが帰った後、俺は片腕が切断されたYF-19を前にそう独り言を呟いた。そう、VB-6では使用に成功したピンポイントバリアがYF-19では使用できなかった。つまり、YF-19とVB-6では何かが違うということだ。多分YF-21でも使えないだろう。原因を探さないと。
「考えられるのは…大きさ?いや、多分違う。イメージ?同じだったはず。じゃあ…仮説自体が?」
独り言をぶつぶつとつぶやきながら考えに没頭する。仮説は間違ってないはずだ。VB-6では成功したんだから。プラフスキー粒子は人の思念に反応する。それは間違いない。じゃあなんで?
「ファンネルを思考操作するのだから間違って…ん?ファンネル…!」
そうか!そういうことか!俺はVB-6を手に取ってすぐさま分解する。多分これだ!エンジン部などの内部!本来であれば空洞で何もないのが普通なのだが初めてのフルスクラッチだった俺はとある実験をしていたんだ。「中身までディテールアップした場合性能は変わるのか?」という実験を。だから内部には機械っぽい動力パイプや基盤っぽいディテールがこれでもかと詰め込まれている。モンスターが大きいからこそできた所業だ。
「そうか、ファンネルにサイコミュが必要なように…説得力のあるデバイスが必要だったんだ」
そう、ビームシールドが発生装置が必要だったように、ピンポイントバリアにも発生装置が必要だった。ただ、俺のイメージにおいてピンポイントバリアは発生装置ではなく唐突に空間に発生するものだった。けど、バトルシステムはVB-6の内部のディテールを読み取って、それが発生装置であると認識した。だから、ピンポイントバリアが使えた、ということだ。
バルキリーでピンポイントバリアを使うには発生装置を組み込み、バトルシステムをだます必要があるんだ。真に迫るイメージと、本物とうり二つな偽物の花が必要だった。そういうことだ。
「思わざれば、花なり。思えば花ならざりき…」
演じる必要がある。俺も、バルキリーも。今言ったマクロスのセリフのように頭で演じようとしてたから嘘が残ってバトルシステムを騙せずピンポイントバリアを使えなかった。だから、考えなくても、イメージしなくても使えるようにするならバトルシステムがさもそれが当たり前であると感じるように機体の方をいじらなきゃいけない。解決策が見えてきたぞ。
「やってやろうじゃねえか。偽物の花を作ってやる。完璧にな」
糸口をつかんだ俺は、未だかつてないほどの細かい作業を前にして、不安よりも期待感が胸の内を多く占めていた。これを乗り越えた先、俺はどれだけ上達しているのだろう。そう思うと、今から行う作業が楽しみになってくるのだった。
さすがにピンポイントバリア関連ガバガバすぎだったのでちょっと補足を入れました。もうこれ以上は変更しません。
というわけで次回、はまだなんも決まってません()気長にお待ちください
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そうだ、静岡に行こう
ユウキさんと試合をしてから1か月がたった。実はあの試合、配信されたらしくてユウキさんと結構いい試合をしているYF-19の姿が公の場にさらされてしまった。情けない試合だとは思わないがガンプラバトルで負けた試合をさらされるのはちょっと悔しみがある。まあいいんだけど。反響もなかなかあったみたいで連絡先を交換したユウキさんから
「取り次げ取り次げとみんなして言ってくるんだ。まあ断ったけどね!」
「断ったんですか?」
「サプライズのほうがおもしろいだろう?」
などと言われたので結局日本の有名ビルダーや世界選手権出場者に俺の素性が割れることもなく現状を過ごすことができている。ユウキさん、サプライズじゃなくて俺の安全も考えての事だろうから頭が上がらないや。普通にチケットもくれたし、でもなんで…
「なんでペアチケットなんだ…?」
そう、ペアチケットなのだ。しかもしかもホテル宿泊付きの超豪華仕様、部屋別で。そこまでするなら最早一人用でよかったんじゃないの?なんでペアにしたの…?今週末に迫る世界選手権の開催に際して俺はくだらなくもあるが危機に直面していた。そう…!
「誘う相手がいない…!?」
いや、いないわけじゃない。というかいるじゃないか、マイフレンズが。親に頼んでみたのだが行くのは許可してあげるけど折角だから友達誘ったら?とのこと。自慢じゃねえが友達少ないんだよ俺!なんでかって?授業終わったら即行帰ってバルキリー作ってるから誰とも話さねえんだよ!クラスによくいる影薄い何してるかわからんモブみたいな感じなんだよ俺学校だと!
「まあ、誘うならあいつだよなあ」
というわけで出かけることにする。目的地は勿論あの店、そう!イオリ模型である。セイくーん!あーそーぼー!
「ごめんアルト!行きたいのは山々なんだけど行けないんだ!」
「そんなバカな…!?セイに用事があるだと…!?」
「まってアルト僕の事どう思ってるの」
「俺の同類」
「…否定できないや」
否定させないけどな。一緒だもん、授業終わって即行帰ってガンプラいじって。ルーティンが全く一緒だから当然交友関係もそうなるわな。
「で、何の用事?」
「実は世界選手権の開催期間に父さんが帰ってくるんだ。いろいろ話したいこともあるし…た、例えば、親友ができた…話、とか?」
もじもじと恥ずかしそうにそういうセイに俺の頬も熱くなるのを感じる。恥ずかしいなら言うなよ、俺も恥ずかしくなるだろ…嬉しいけどさ。
「でもなあ、どうしよう。世界大会選手権、長期休みに被るとはいえ2週間も一緒に行動してくれる仲いい奴なんて他にいねえよ」
「スズカゼさんは?幼馴染なんでしょ?」
「ヒ~マ~リ~?確かにそうだけど2週間だぞ?女子と、2週間行動を共にするって俺がよくても相手がだな…しかも俺たち子どもだし」
「まあまあ、言ってみるだけならタダだって。お土産話期待してるから!特にどんなガンプラが出たかとか!」
「え?ペアチケットがあるから一緒に行かないか?いいよ~楽しみだね!」
「待て、即決するな。2週間だぞ。2週間俺と一緒なんだぞ?それにお前がOKしてもお前のご両親が許すか?」
『アルト君が一緒なら安心だわ~ふつつかな娘だけどよろしくね~』
『ヒマリ、アルト君に迷惑かけるんじゃないぞ~』
「いいって」
「普通そういうのって断るもんじゃないの…?」
「誘っておいて何それ~」
「いや、俺の中の常識が揺らぎそう。まず男女関係から歪むかもしれない」
まあ言うだけならタダかとヒマリの家に足を運び玄関前でかくかくしかじかと彼女に説明をして誘うと逡巡すらすることなく即答してきた。余りの事に突っ込みを入れて両親の事を引き合いに出すと話題の両親さんが二人して俺と一緒ならいいよと快諾の返事をくれた、あまりの事に宇宙猫みたいな顔をしてるであろう俺をけらけら笑ってるヒマリ。何そのしょうがないな~みたいな笑い方!
「2週間だっけ?楽しみだな~!いっぱい遊ぼうね!あ、でもガンプラの大会なんだっけ?」
「なんかよくわかんないけどアクティビティ沢山あるみたいだし、行くならとことん楽しもうか、うん」
屈託のないニコニコとした太陽のごとき笑顔を浮かべるヒマリに毒気を抜かれた俺は諦めたように同行をお願いするのだった。俺がしっかりしないと…!この調子だとこいついつか知らんやつについて行きかねないぞ…!
そうして一週間後、つまり今日、ガンプラ世界選手権の予選が明日に迫る中、早めに現地入りできるとのことで俺とヒマリの姿は新幹線の中にあった。ヒマリはまあ普通サイズのキャスター付きトラベルバッグを引いて、で俺の方は、海外旅行へ行くのかと言わんばかりの巨大スーツケースを携えている。荷物の差がやばいなこれ。普通逆じゃね?
「アルトくんそんな大荷物どうしたの?」
「いやな?作ったバルキリーだろ?補修用具だろ?予備パーツだろ?パック装備だろ?それらを収めるケースとかもろもろ詰め込んだらこうなった」
「アルトくんが大会でるわけじゃないよね?」
「でないけど?」
「じゃあガンプラいるの?」
「なんでも特設の巨大GPベースがあるらしい。それで飛んだら気持ちいいだろうなと思ってたらこうなってたんだ」
「じゃあしょうがないね~。あ、アルトくんクッキーたべる?」
「お、もらおうかな。静岡か~いったことないんだよな。うなぎパイとかは知ってるけど」
「浜松餃子じゃない?あとは~やっぱりお茶!茶畑行ってみたいかも!」
「時間あったらな~予選と決勝トーナメントの間に1週間時間あるみたいだし静岡観光もいいかもな。ま、とにもかくにも楽しみだな」
「うん!あ、アルトくんこの前言ってた曲完成したんだけど、こんな感じでいいかな?」
「どれどれ…」
差し出された音楽プレイヤーにつながってるイヤホンを片耳拝借する。もう片方はヒマリがつけて、曲を再生した。すると聞こえるのは切望を重ねて何とかヒマリにどういった曲で歌詞なのかを事細かに説明してドン引きさせてしまった曲「愛・おぼえていますか」だ。しっとりした曲調にヒマリの伸びやかな歌声で紡がれるそれは本物とは間違いなく違う。だけどマクロスの曲がそこにはあった。メロディーも、テンポも何もかも一緒、違うのは歌っている歌手のみ。感動を禁じ得ない。俺の説明だけでここまで再現して見せた彼女の才能と技術に。スタンディングオベーション、拍手喝采だ。
「完璧だ…すげえよヒマリ!本当に!俺の思ってた曲そのまんまだ!ありがとう!」
「もう、大変だったんだからね?鼻歌で作曲しろ、だなんて。でも、楽しかったから許してあげる!」
言葉の限り褒めちぎる俺に対して、ヒマリは少しだけ頬を紅潮させて恥ずかしがりつつも、笑って返してくれるのだった。
「うおー…」
「すごーい…」
新幹線を下りて駅を出た後、バスを乗り継ぎ、指定された住所まで来た俺たちを待っていたのは、巨大な会場、同じく前もって現地入りしたであろう人々、ラストシューティングするガンダムの像が立っている見た目からして豪華なホテル…まってユウキさんどんなチケット渡したの?どう見ても周りにいる人お金持ちで、一般庶民の俺は浮いている。ちなみにヒマリは意外と浮いてない。彼女音楽一家なので上流階級の人々とも交流があり、失礼にならない程度のマナーを備えているからだ。つまり、俺だけが浮いている。
「と、とりあえずチェックインするか」
「そうだね~。アルトくん大丈夫?なんか腕と足が同時に出てるけど」
うるせえやい。逆になんでお前はこの状況で泰然自若としてられるんだ。まあともかく、フロントに並んで順番が来たので受付さんにチケットを提示する。すると受付さんは表情を変えてどっか、多分内線で連絡を始めた。その間に俺は必要書類に記入を…お、ペン立てガンダムのランドセル型じゃん。ビームサーベルがペンになってら。
「お待たせしました、こちらへどうぞ」
「あ、はい。ヒマリー」
「はいは~い」
ソファで休んでたヒマリを呼んで案内されたのは、個室?部屋じゃない。にしても内装までガンダムガンダムでマニアにとっちゃたまんないだろうな~。セイのやつが来たら廊下だけで一日潰せそう。あ、あれマ・クベさんのいいツボだ。キシリアさんに届けないと。
促されるまま頭に?マークを浮かべながらヒマリと待っているとドアが開き、中に人が入ってきた。入ってきた人は…ユウキさんだ!それと知らない人が一人。誰だろう?
「やあ、アルト君。無事に来てくれたようで何よりだよ…案外、君も隅に置けないね」
「ペアチケットだったからですよ?それよりもありがとうございました。まさかこんな豪華なホテルだなんて思ってもなくて」
「そりゃあ、世界大会だからね。お嬢さん、初めまして。ユウキ・タツヤだ。名前を聞いても?」
「はい、スズカゼ・ヒマリです。アルト君とは幼馴染で、今回くっついてきちゃいました!チケット、ありがとうございます」
「どういたしまして、大会期間中、楽しんでいってほしいな」
「タツヤ、唐突に来てくれと呼び出されたのはまだいいんだが、彼らは誰なんだ?ああ、すまない。俺はアラン・アダムス。今回タツヤのセコンドを務めている」
「なんだよアラン。あんなに会いたい会いたいって言ってた相手に会わせてあげてるのに」
ユウキさんの口調が違う。随分と仲がいいようだ。それとアランと名乗った金髪の男性は何も知らされることなく唐突に呼び出されたようだ。サプラーイズ?的な奴?ユウキさんも悪い人だなあ。よし、いっちょ協力してやるか!頭に?マークが浮かんでるアランさんをにやにやと悪い顔で見つめるだけのユウキさん。ヒマリは出てきたケーキに夢中。俺は背負ったバッグの中からこいつだけは常に携帯することにしているVF-1をずるりと取り出す。
「なっ!?そ、それは…!?」
取り出されたVF-1を見て瞳を丸くするアダムスさん。もしかして動画見てくれたのかな?頑張ったんだぞあのミサイルサーカス。あとこの人ファイターじゃなくてビルダー側だな?どんな戦闘をするかプラモから見てない。あるのはいったいどんな構造してるかとかそういう着眼点の違いが視線ではっきりわかる。ユウキさんのセコンドを務めるだけはあるんだろう。
「もしかして君が!?タツヤが作成者とバトルをしたというのは知っていたが…」
「はい、サオトメ・アルトです。ユウキさんとはその縁で今回チケットを頂きました。案外知ってる人多いんですね。そりゃ作ったものに自信は持ってますけどここまでなんて思いませんでした」
マジでそう、確かにこの世界にはないものだけど、細々と続いているほかのロボットものと同じような扱いで埋まるんじゃないかと思ってたんだ。だってガンダム強すぎるもん。ガンダム無双だよ、サテライトキャノンにビームライフルで撃ち勝とうとするようなもんだもん。だから割とのんびり自由気ままにやってきたんだ。
「アルトく~ん現実から目を背けちゃいけないよ?私たちが作った動画、今100万再生突破してるんだから」
「言うなヒマリ。予想外だったんだよ」
「自覚がないのはいけないぞ。君は今ビルダー界隈では時の人だ。あんな複雑な変形機構を有するガンプラを作り出すなんて、驚嘆しかない。この世界大会に参加する選手が所属する企業の多くが君をスカウトしたくてうずうずしてるんだ。俺が所属するPPSEも君を探している」
「作ってるのはガンプラじゃないんですけどね~」
「ガンプラじゃない?」
「彼のスタンスさ、アラン。機動兵器「モビルスーツ」ではなくあくまで可変「戦闘機」…そうだったよね?ガンプラは自由だけど、スタンスだって自由さ。彼がそれをガンプラじゃないというならそうなのだろう」
そう、ユウキさんが今解説してくれたように俺のバルキリーたちはガンプラとして作ってない。あくまでマクロスのバルキリーのプラモデルだ。交流する中で彼は俺のそういうスタンスを理解してくれた。そこらへん彼は柔軟で懐が深い。アダムスさんも理解してくれたようで頷いている。
「なるほど、そういう考えもあるんだな。勉強になった。ところで動画の事なんだが、詳しく聞いてもいいかい?あれはどうやって撮影したんだ?特に今持っている白い機体の方」
「ああ、それはここにいるヒマリともう一人に協力してもらいました。ヒマリは音楽も担当してます。実はあれ、一発撮りの全部アドリブなんですよね~」
「そうだったのかい!?てっきり台本みたいなものを作っていたのかと思ってたよ」
「ミサイルを対処し続けてたらかっこいいんじゃないかって思ってはいたんですけどね。バルキリーの真価は3段階ある変形を適宜入れ替えての戦闘なので、ミサイルがそれを一番魅せられるんじゃないかって感じで」
「あの時はびっくりしたよ~。だってアルトくん、何も言わずにミサイルを俺に浴びせろっていうんだもん。でも全部対処しちゃったし、すごかったよね~」
「正直動画ではなく自分の目で見てみたいよ。羨ましいな」
「多分今ならミサイルの数が倍になってもたぶん行けますよ。ユウキさんとの一戦で滅茶苦茶操作上達したんで」
「なんだって?じゃあ今から一戦どうかな?」
「ターツーヤー?明日がもう大会なんだから壊したら差し支えるんだぞー?」
「冗談だよアラン。良かったらこの後食事でもどうかな?是非ともご馳走させてほしい。アランも話したい事たくさんあるだろ?」
「そうだな。その大荷物じゃ大変だろうし、先に部屋に行ったほうがいいだろう。すまないな、引き留めて。食事の件は断ってもらっても大丈夫だ」
「いえ、むしろ俺は楽しかったです。食事もできれば行きたいですが、ヒマリはどうしたい?」
「私もいいよ!それにアルトくん行きたいんでしょ?私も全国大会に出る人のお話気になるし!」
「はは、そんなに大したものじゃないよ。じゃあ、準備できたら連絡が欲しいな。僕の携帯でいいから」
「わかりました。それじゃあ、お先に失礼します」
「ケーキ美味しかったです!ありがとうございました!」
「ああ、ゆっくりしてきてね」
にこやかにこちらを見送ってくれるユウキさんとアダムスさんに見送られて、俺たちはドアを開けて先導してくれるコンシェルジュさんについて部屋に向かうのだった。
というわけで世界大会編開幕です。感想で勘違いされてる方がいらっしゃったので補足させていただきます。
今回主人公は世界大会に参加しません。というか原作ではまず予選を勝ち抜いてそこから世界大会に参加する切符を手にする形なので、もうすでに代表が決定してる状態になります。あとは代表者同志が世界大会に参加し、戦い合って勝者を決めて、えりすぐりのファイターが決勝トーナメントに出るわけです。
主人公たちはあくまでそれを見に来ているという立場になります
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サプライズは大事、古事記にも書いてある
さて、コンシェルジュさんに案内されてやってきたのはロイヤルスイートというとんでもねえ部屋だ。部屋別というが寝室が別だっただけでこりゃ確かにペアチケットにしたくなるわ。普通のマンションよりひっろい。というかベッドルーム3つあるんだけど?でかいテレビ、ふかふかのソファ、大きな冷蔵庫、キッチンまである。バスはジャグジー、棚にはガンダムの戦艦のプラモデルが並べられてある意味壮観だ。やべえよこれとんでもねえわ。つーかなんでホテルに作業机と工具一式が置いてあるんだよ。
つーか売ったら何十万もしそうなチケットをポンと子供に渡すな。いくら引率者として大会期間中はできるだけ一緒に行動をとるのが条件とはいえ太っ腹過ぎない?もしかして大会に出るとそんなに儲かるの?じゃあ俺も出るよ。そんな儲かるなら勝ちまくって新バルキリーとかマクロス級とかの資金にしたいわ!とりあえず荷物を広げて持っていく機体を選別していると先に終わらせたらしい荷物の少ないヒマリが俺の寝室にひょこっと顔を出した。
「アルトくーん、準備できた?ってうわ、すごいパーツの量」
「やろうと思えば同じ機体3つ組めるくらい持ってきてるからな…」
「心配性すぎじゃない?」
「だってバトルしたら無傷で完勝しない限りどっか壊れるんだぜ?」
「アルトくんならできるでしょ?」
「無茶言うなよ。ここにいるファイターは世界レベルなんだ。勝てるかもしれないけど無傷じゃすまないさ。あ、そうだこれ」
「ん?なにこれ」
「せっかく来たんだから楽しんでほしくて今日のために作ったお前の機体」
「え!?ほんとに!?」
「ほんとほんと」
渡した機体は今まで俺が作ってきた機体とは全く別、全体的な意匠で言えばジオン系モビルスーツに近い。その名もクァドラン・レア、マクロスフロンティアに登場する機体で女巨人族メルトランディが使用するパワードスーツに近いものだが、今回は作中のメイン登場人物の一人であるクラン・クランが使用していた真っ赤なものを用意した。130発近い近接誘導ミサイルに、両手の3連レーザーガトリング、体には2門のカノン砲がつき、手持ち武器には対艦用の大型カノン砲がある。例によって近接装備はないが、そもそも近づけない機体設計なのでいいだろう。普通にバルキリー渡したら勘違いされるかもしれないし、これならMSでごまかせる。
「わぁ~~~~!かわいい!」
「え?かわいい?」
「かわいいよ?ゴリゴリってかんじ!」
「お、おう」
どうやらジオン系MSに近いこのデザインが気に入ったらしい。作った俺としては嬉しいと思うんだけどかわいいか?これ。さて俺も持っていく機体は決まったし荷物を軽くしてさあ行こう。ヒマリも渡したケースの中にクァドランを入れて自分のバッグに詰めている。俺も残りをスーツケースに戻してユウキさんと連絡を取る。
『やあ、アルトくん。準備はいいかな?』
「はい、お待たせしました。どこに行けばいいですか?」
『ホテルのロビーで待ってるよ。アランも待ちきれないって「おい!そんなこと言うなよ!」はは、じゃまってるよ』
「…アダムスさん、いじられ役なのかな?」
そんなことを思いながらカードキーを持った俺たちは自分の部屋を出て鍵をかけたのを確認し、ガンプラが飾ってあるエレベーターを使ってエントランスまで下りるのだった。あ、このザクレロ塗装滅茶苦茶うまいじゃん。参考になるわー。
「お、来たね二人とも。近くにいいレストランがあるんだ。そこまで行こうか」
「タツヤ、二人の引率役するなんて聞いてないぞ!なんで先に言わないんだ!」
「私が誘ったんだから私が責任を持つのは当然だろう?それに、彼は優秀なビルダーだ、招待しないほうがおかしい」
「…お前がそこまで言うなんて相当なんだな。わかった。俺も気にかけるようにする。二人とも、見苦しいところを見せたね」
「いえ、むしろこっちこそご迷惑をかけてすいません」
「気にする必要はない。誘ったのはタツヤだからな。君たちはただ楽しんでいればいいさ」
そういってアダムスさんは先に歩いて行ってしまった。良い人だなあアダムスさん。苦笑いするユウキさんも後を追い、俺とヒマリも顔を見合わせて笑ってから後を追うのだった。
「さて、明日から世界選手権が始まるわけなんだけど、残念ながら僕は出場選手でアランもセコンド扱いだから常に一緒にいるわけにはいかない。申し訳ないけど二人にしてしまうことになる」
「大丈夫です。もともとそのつもりですから」
「大丈夫ですよ~。むしろこれ以上いろいろしていただいたら申し訳ないくらいですし」
まさかの回らない寿司を初体験した俺とヒマリは、食事後の談笑中に申し訳なさそうな顔をしているタツヤさんだが、正直こんなよくしてもらっているのに文句言うとか頭沸いてるとしか思えん。それに1日ずっと試合場にいるわけだから、特に危険なことをするわけでもないし大丈夫だろう。
「いや、さすがに小学生を二人きりで置いておくわけにはいかないから、私の家のものと一緒にいてもらうことになる。大丈夫かな?」
「はい!大丈夫です。すみません、気を遣ってもらって」
「いやいや、気にすることはない。もしお礼をしたいというのなら、バトルをしてくれたらそれでいいさ」
「タツヤ…」
アダムスさんが呆れかえったような目でユウキさんを見ている。ユウキさんはどこ吹く風だ。でも正直お礼をしたいのは本当だし、リベンジをしたいのも本当。あの負け、ユウキさんは気づいてなかったが俺の機体は不完全だった。今は違う、新しく生まれ変わったYF-19とYF-21に、原作にない追加装備を加えている。悟ったんだ、ただただバルキリーの再現だけに執心するのもいいけど、上がった技術の限界を試してみるのも悪くないんじゃないかって。だから、本気で作った。YF-19とYF-21の新しいパック装備を。
「正直最高に楽しかったのでまたバトルできるならお受けしますよ。次は、負けませんから」
「あ~また男同士の友情ってやつ~!ずるい~!」
「違うよスズカゼさん。これはファイター同士のライバル心ってやつだ」
バチバチと視線をぶつけ合わせている俺とタツヤさんをふくれっ面で見ているヒマリとそれをなだめてくれるアダムスさん。俺とタツヤさんはそのヒマリの声で我に返り慌てて彼女に謝るのであった。女の子は強いね、勝てないよ。
値段を見なかったことにした会計のあと俺とヒマリを部屋まで送ってくれたタツヤさんは自分の部屋でザクアメイジングの最終調整をするのだそうなので先に分かれることになった。アダムスさんはバルキリーが気になるらしく見せてくれないかとのことで俺たちの部屋に入ってきている。
「ここが、こう…ん、こうなって…おお!そこがそうなるのか!」
「はい、後は股関節伸ばして、翼を収めればオッケーです」
「素晴らしい!動画ではわからないところがあったから差し替えか何かだと思っていたんだが何もなしの完全変形とは!しかも後付け装備もこんなに…!」
「ねーねーアルトくん、そういえばこの機体名前なんて言うの?」
「クァドラン・レアだよ。壊れたら何回でも直すから思いっきり使い倒してくれ」
「もう!大切に使いますー!壊したくないよ、こんないいもの」
「機体気にして楽しめないのが一番いやだから楽しむの優先な」
アダムスさんが興奮しながらVF-1の変形機構を楽しんでいるのを見ながら、ぴったりと体を寄せてクァドランの事をあれこれ聞いてくるヒマリの相手をして夜はふけていくのだった。こんなにプラモデルの話できるのってセイ以外にはいなかったから正直、めっちゃ楽しい。
翌日、早起きできたので朝風呂を頂き、ほかほかのところでヒマリが起きてきた。先に準備を済ませていたのでねむねむのヒマリがもそもそ準備をしてるのを横目に見ながら、俺もつられてくぁ、とあくびをするのだった。
「お、来たね二人とも。スズカゼさんはおねむかな?」
「30分くらいほっといたら起きるんで大丈夫です」
「お~は~よ~ございま~しゅ~」
ヒマリが俺の服の袖をつまんで半分寝ながら引っ張られてるのを見たユウキさんがそう漏らした。ヒマリは朝が弱いので一緒に学校に行くときは大体俺が迎えに行ってこんな感じで先導しながら学校に行ってるのでもう慣れっこだ。というかまた知らない人が傍にいる。めっちゃ美人なメガネのお姉さんだ。
「紹介するよ。彼女はクラモチ・ヤナ。僕の家に勤めているメイドだ。今日君たちの引率になる」
「初めまして、クラモチ・ヤナです。どうぞヤナと呼んでください。タツヤさんからお話は聞いてます。なんでも凄いビルダーとか」
「サオトメ・アルトです。こっちのはスズカゼ・ヒマリ。よろしくお願いします、ヤナさん」
「はい、承りました!」
メイド?メイドなんているのユウキさんの家?すっげ~~~(小並感)普通の服着てるのは今日はユウキさんを応援しに来たからかな?試合会場まで別ルートらしいユウキさんと別れて会場に入るとすでに満員に近い客がざわついていた。すげえ、これが世界選手権なのか!規模も、観客も全然想像を上回っている。そして、試合が行われるであろうGPベース…!でかい!ああくそ、あれで飛べたら…!そう思えてならない。会場のざわめきでようやく頭が覚醒したらしいヒマリもきょろきょろと周りを見て瞳を輝かせている。これは面白そうだ!
「おーきたきた、こっちこっち」
「ああ、カイラさん。場所取りありがとうございました」
「おう。ん、そっちがタツヤが呼んだやつか?アタシはコシナ・カイラだ。タツヤとはガンプラ塾の同級生ってとこだな…で、聞きたいんだけど」
「はい?」
「変形する飛行機作ったのお前ってマジ?」
「大マジですよ?時間ができたら見せてもいいですけど」
「じゃあ頼むわ!いやーあの動画、操縦もすごかったけどBGMも最高だったんだよな!よく作ったよ!」
「だってさヒマリ、よかったな」
「えへへ~」
「なに?作ったのお前か!?すげえじゃねえかー!」
先に座ってたお姉さん、まさに姐さんみたいなぶっきらぼうながらも情を感じさせてくれるようなカラッとした感じの人だ。ヒマリを抱きしめてうりうりやってるが嫌味も何もなく心から褒めてくれるのが伝わってくる。流石ユウキさんの知り合いだ。良い人しかいないのか?
「あ、始まるみたいですよ!」
ヤナさんの言葉に前を向けると世界選手権に参加する選手たちがすでに整列をしておりその中にはユウキさんの姿もある。PPSE会長の祝辞と挨拶を皮切りにして、世界一を決める大会が始まったのだった。
世界選手権の通常のバトルは勿論、レース、陣取り合戦、サバイバル、バトルロワイアル…変わり種には玉入れなんてものもあるくらい多岐にわたる。そしてその中で一番盛り上がるのは勿論、タイマンのバトルだ。予選第一ピリオドの第12試合。ユウキさんが出場する試合だ。これまでの11試合を見ていて思う、全員レベル高すぎ。というか未成年者がほとんどいない。それだけの経験と才能、そして運に実力…総合的なものが要求されるのがわかる。酸いも甘いもかみ分けた経験豊富な大人が勝ち進んでいるイメージだ。だからその中にいる現役高校生のユウキさんは一人異彩を放っている。
『第一ピリオド!第12試合を開始します!ガンプラバトル…レディィィィゴオオオォォォ!!!』
セットされたガンプラが動き出し、宇宙をかける。赤いザクは彗星となってかけていく。目を凝らして見て思わず笑顔になった。その手に持っているのは俺と試合をしたときに使っていたロングライフルじゃなくて、俺が渡したガンポッドだったからだ。俺の作ったものは、世界選手権出場者が大会で使っていいと思わせるレベルのものだったということ。こんなの、うれしくないわけがない。最高のサプライズだ。
だが相手のデンマーク代表のゲーマルクという機体もさるもの、ファンネルを次々に発進させて撃墜しにかかるが当たらない。ユウキさんのザクアメイジングの機動力をとらえることはできずにむしろガンポッドの弾幕に巻き込まれて撃墜される始末だ。すげえな、バルキリーでやるならともかく俺がたとえザクアメイジングに乗ってやったとしてもどっかで当たるぞあのファンネル。バルキリーに乗ったら当たってやらないけど!(マクロス信者)そして、隠し玉らしい曲がるファンネルのビームをまともに食らうザクアメイジング。
隣のヒマリがガタッと驚いているが大丈夫。見えた、食らう瞬間ユウキさんは装備してる爆発反応装甲でビームを受けてわざと爆炎の中に機体を隠したんだ。だからほら、爆発を切り開くように赤い彗星が飛び出してくる!紅の粒子を纏ったザクがまともに反応を許さずヒートナタでゲーマルクを切り捨てる!同時にシステムがバトル終了を宣言、勝ったのは言うまでもない、ユウキさんだ。
「やった!やったよアルトくん!ユウキさんかっちゃった!」
「ああ、さすがはユウキさんだ。危なげのかけらもない。完璧な勝利だ」
試合後のインタビューに答えるユウキさんを見ながら俺とヒマリは惜しみない拍手を両選手に贈るのだった。
あ~早く主人公を飛ばしてあげたぁ~い!
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強い人はいい人が多い
劇的な勝利を飾って第一ピリオドを勝ち抜けたユウキさん、彼は勝利インタビューを華麗に終えると控室に戻っていった。暫くそこで試合を見るんだろうなあと思っていると
「お、いたいた。ヤナ、カイラ、それにアルトくんにスズカゼさん。席を取ってもらっててすまないね」
「いえいえ、元はタツヤさんのチケットですから。まずは勝利、おめでとうございます!」
「おめでとうございます!もう、すごかったですよ!ファンネルをひょいひょいってよけて!」
「ありがとうヤナ、スズカゼさん。アルトくんはどうだったかな?僕のバトルは」
「すごかったですよ。俺はMSであの動きはできません。それに、ガンポッド…使ってくれるなんて」
「決して君へのサービスなんかじゃないぞ?僕が作ったロングライフルよりも、君の武器は凄かった。それだけの事さ」
「それでもです。ありがとうございました」
「礼を言うのは私の方さ!君の武器があったからファンネルに臆することなく突っ込むことができたんだ」
「褒め合いはいいけどよータツヤ。まだ一戦だぜ?次は行けるのかよ」
褒め合いに発展しかけた俺とユウキさんを停めたのはカイラさんだ。彼女の鋭いながらも的を射た冷静な言葉にユウキさんも瞳を鋭くする。だが彼はこの程度の事で怖気づいてしまうようなファイターじゃない。きっと俺と戦った時のように武者震いをしながら強者に挑んでいくんだ。
「自信は無い、みんな自分の国を背負っている。凄いガンプラばかりだ。だからこそ…戦えることが楽しみなんだ」
わくわくを隠せない表情でユウキさんはそう言い切った。そういえばアダムスさんは?と聞くとPPSEのほうに仕事に行ったのだそうだ。セコンドじゃないの?と聞いたら優先順位はあるとのこと。大人って大変なんだな、アダムスさん忙しいんだね。
歓声が響いて前を向く。新しい試合が始まろうとしていた。今度はどんな試合を見ることができるのだろう。俺も胸の高鳴りを抑えることができない。正直に言えば、飛びたい。あの大きなGPベースの中の広い宇宙を、バルキリーで。脳内でバルキリーを飛ばしながら、俺は目の前の試合に目を凝らすのだった。
どの試合も素晴らしい、俺は釘付けだ。いつも行っている大型店舗で行う試合なんてこれに比べたら赤ちゃんの人形遊びに等しい。それこそ歩く、飛ぶといった基本の動きからすでに一線を画している。そしてガンプラへ注がれる惜しみない愛と超絶技巧によるギミックの数々。特にやばいと思わせたのが御年77才という最高年齢の持ち主イギリス代表のマッケンジー卿と現役最強のキングオブガンプラ、カルロス・カイザーだ。特にカイザーの方は訳が分からなかった。なんで宇宙専用機のMAで地上戦演じてるんだよ。しかも改造をほとんどしてない組んで塗装しただけの機体なのに。性能がやばすぎたんだが?ユウキさんは終始興奮を隠せてなかった。カイザー出てきたときなんて立ち上がったからな。
1日が終わり、俺たちはそれぞれ自分の部屋に帰った。興奮してあれやこれやと話してベッドの上でぴょんぴょん撥ねてたヒマリも眠気が限界に来たらしく寝てしまった。俺の部屋のベッドの上で。流石に寝ている女の子に勝手に触って抱き上げて移動なんてできないので俺は別の部屋のベッドを借りようとしたんだけど…眠れない。今日いろいろありすぎて、すごいものを見すぎて、俺は興奮を沈めていられなかった。しょうがない、下の売店で牛乳でも買ってホットミルクでも作ろうかな。と部屋を出て鍵をかけて、エレベーターで下に降り、エントランスに出たところで見覚えのある後ろ姿を発見した。
「あれ?ユウキさん?」
「アルトくん?どうしたんだいこんなところで」
「ユウキさんこそ。俺は…ちょっと眠れなくて、興奮で」
「タツヤでいいよ。いい加減名前で呼んでほしいな。君も一緒なんだね」
「…タツヤさんもなんですか?」
「恥ずかしいことにね」
照れたように頭をかくタツヤさん。いや、しょうがないと思うよ。あんなの見せられたら、ファイターなら、ビルダーなら…眠れない。だって、眠るのがもったいない。あんなもの見せられたら眠っているのがもったいない。できることならすぐにGPベースに走っていきたいくらいだ。
「散歩に行くつもりなんだ。良かったら眠くなるまで付き合ってもらえないかい?」
「…喜んで」
思わぬ誘いに面食らってしまったが、体を動かせば眠気も来るんじゃないかと思い、承諾することにした。タツヤさんと街灯が照らす夜の歩道を歩く。星がきれいだ、ヒマリが起きてたら連れてこればよかったかな?明日このことを話したら頬を膨らませそうだ。タツヤさんが歩きながら話してくれたのはカイザーさんの娘らしき人物にあったという話だ。聞けば聞くほど気難しい感じが伝わってくるがそんな娘さんがいるカイザーさんが何だか身近に感じてしまった。暫く談笑してから歩くと…
「おっ日本チャンプじゃねえか!」
英語訛りの日本語が聞こえた。ん?とタツヤさんと一緒に振り返るとそこには、今日の選手権に出ていた選手、グレコさん、チョマーさん、ルワンさんの姿が。世界の強豪たちとの突然の邂逅に背筋がピン、と伸びた。肩をポンと叩いてくれたタツヤさんのおかげで平静を取り戻した俺だが、彼らの用事はタツヤさんだ、一歩下がっておこう。
「はじめまして!まさか覚えていただいてるなんて…恐縮です」
「おいおい難しい日本語は俺らわからないぜ?それに学生の出場者は珍しいからな。俺たち年がいってるやつらは話したくてうずうずしてるのさ」
難しい日本語分からないという割に滅茶苦茶流暢なんですけど?訛り以外完璧だぜグレコさん。余談だけどガンダムは日本アニメなので世界選手権の選手たちは基本的に日本語が話せるらしい。聖地を探索したいとかもあるとか?聖地って何?ガンプラ工場?
「それでどうしたんだこんな時間に?もしかして眠れないのか?」
「…お恥ずかしながら」
「はっはっは!無理もない!なんせ俺たちも同じだ!」
呵々大笑するルワンさん。すると俺に気づいたチョマーさんが話しかけてきた。その声があまりにも熱気バサラに似てるもんだからびっくりしたが。是非とも「俺の歌を聞けぇ!」と言ってほしい。
「そういえばこの坊主は誰だ?ユウキ、お前の弟子か何かか?」
「ああ、いえ彼は…」
タツヤさんが言いよどむ。俺の事をどう紹介したものか迷ってるのだろう。俺の身を案じて嘘をつくか、世界の強豪を信じて真実を話し、コネを作るか。彼が視線を俺に向けてくるので、頷いておく。別に俺は隠すつもりはさらさらないし。危ないから隠そうか~くらいな感じ。別にばれてもええや、ぐらい。
「彼は、僕が招待したビルダーです。この動画、ご存じですか?」
「…ああ、見たぜ。謎のビルダーが作った恐ろしく精巧で性能が高い可変モビルスーツ、その動画以外は情報がない」
「全く罪なもん作るよなあ…」
「世界中の強豪たちが今やその動画で同じものを作ろうとしてマッシュポテトみてーにつぶれていってるぜ」
タツヤさんが見せた動画、俺が投稿したVF-1の動画だ。話の流れが見えなかった3人がハッとして俺を見る。非常に居心地が悪い、いい大人が子供を穴が開くほど見つめないでくださる?何も出ないよ。しかも今はバルキリー持ってきてないし。
「っておい、まさか…」
「ええ、彼が、そのビルダーでファイターです。一度バトルをした縁で、彼をこの大会に招待しました」
「オー・マイ・ゴッド…」
「ってまさかおめー今日試合で使ったライフルって」
「ええ、彼の作品です。試合をしたとき、もらいました。マウント部分以外は無改造です」
話がポンポン進んでいく。俺は正直、驚いている。この人たちが今の話をタツヤさんの悪い冗談じゃなく真実として受け止めているところに。疑わないということに。ずんずんと俺のほうに進んでくるのはチョマーさんだ。彼はその高い背で俺を見下ろして
「すっげーじゃねえか坊主!なあ、俺が優勝した後でいいからバトルしてくれねーか!?」
「へっ!?」
「あっおいふざけんなチョマー!すまん、俺もバトルさせてくれ!」
「つーかなんで優勝するとか簡単に言ってんだてめー!」
破顔一笑して俺の頭をぐりぐりと撫でながらそう言った、それにあっけを取られているとチョマーさんの言葉にカチンときたのか残りの二人も加わって口喧嘩を始めてしまった。俺を蚊帳の外にしてワイワイやってる3人に思わず
「疑わないんですか?」
「「「そんなもん目と手を見りゃわかる」」」
異口同音に返されてしまった。目を白黒させているとタツヤさんが腹を抱えて笑い出した。あーっ!こうなるの分かってたなーっ!?道理でカイラさんも疑わなかったんだ!一流のガンプラビルダーorファイターってうそ発見器か何かなの!?
「まあなんだ、坊主。俺たちは黙ってるけど気を付けろよ?お前さんがやったことは革命と言ってもいいからな。なんか困ったら言え、手伝ってやるよ」
「おう、悪い大人に捕まんじゃねーぞ。まあユウキが一緒なら大丈夫だろーけどよ!」
「しっかしフェリーニのやつはおっしいことをしたなあ!明日自慢してやろー!」
「子供みたいなことすんじゃねーよ!あっまた明日な!いい試合しようぜー!」
そう言った3人は嵐のように去っていった。
翌日からの日々は怒涛のようだった。2日目のサバイバルではカイザーさんに挑み見事に生き残り、3日目の川下りでは得意の紅の彗星の加速力で水の中を進むという奇策で2位にこぎつけ、4日目の射撃も難なくこなし5日目、6日目の競技も好成績で突破していったタツヤさん。彼の持ちポイントは26ポイント、決勝トーナメント進出確定じゃない。上位に行くにはこの最終日で2ポイント以上取る必要がある。つまり、タイマン勝負での引き分け以上を。そして相手は
「運が悪い、カイザーが相手だなんて」
「お父様ー!頑張ってくださいましー!」
なぜかいるカイザーの娘さん、通称プリンセスと一緒に応援している。なんでいるの?あとコシナさんにすげえ懐いてるけど、まあいい子なんじゃない?4日目は楽しかったなあ…まさかひとりでに動くガンプラが見られるなんて。ケースでガッチガチに保管していた俺はともかく、クァドランが動き出したときはいいもんを見れたと感じたもんだ。
さて、状況を整理しよう 、現在タツヤさんと相対してるのは今大会の優勝候補筆頭であり、複数の機体を一気に操作できるほどの操作技術を持ちながら天才的なビルダーでもある超人、カイザーさんだ。文字にするほどに弱点はどこと言いたいレベルの強さだな。
新型のザクアメイジング・Rで挑むタツヤさんだがカイザーさんはその上を行った。ガチガチに対策を組んでいたのだ。まずタツヤさんの得意の高速機動によるヒットアンドアウェイを防ぐために機雷をばらまき、さらに設定画にしか存在しない艦載機としてモビルスーツを使用したビグ・ラングとかいう大型MAを使用してきたのだ。そしてそれに搭載されたザクの数は10を超える。それを完璧に操りながらタツヤさんを攻め立てる。
だがタツヤさんもその程度であっさりと落ちるほど甘くない。ガンポッドの射撃がザクを壊し、ロケット弾が機雷を誘爆させ、極めつけには紅の彗星のマニューバで機雷の中を進んでいったのだ。爆発によって傷ついていく機体を気に留めることもなく、1体、また1体と艦載機のザクを確実に落としていく。凄い、俺があんなことされたらどう対処するだろう。今は、わからないけど。
気が付けば、会場は二人への応援で燃え上がっていた。敵も味方もなく二人を同時に応援している状態。艦載機をほとんど潰し、ビグ・ラングに肉薄するザクアメイジング、そして振り下ろされたヒートナタを受け止める同じく赤いカラーのザク。シャアザクだ。ビグ・ラングを捨ててそのシャアザクにメイン操作を移したらしい。それを見たタツヤさんは獰猛に笑い、推力が低下したすべてのパーツをパージして片手にガンポッド、片手にヒートナタの変則二刀流でヒートホークを持つシャアザクに挑む。
あらゆるところに傷を負い、武装のほとんどを失ったザクアメイジング。動くのは頑丈なガンポッドとヒートナタ一本のみ。そして、カイザーさんはモビルスーツでも超一流だった。ガンダムにおけるシャアの技術、デブリや小惑星を足場にしてとんでもない速度を出す隠し玉。五艘飛びという技術をもってザクアメイジングを切り裂いていく。ガンポッドの射撃はかするだけに終わる。残りはもう5秒もない。持ちこたえればトーナメントに進めるがタツヤさんには引き分けなんて見えてない。勝つか、負けるかなんだ。
最後の1秒、ヒートナタが砕け、さらにヒートホークを振りかぶるシャアザク。そして、構えたガンポッドごと、ヒートホークが全てを両断した。シン、と静まり返る会場、一瞬おいて、爆発と聞こえ間違えるような歓声が轟く。凄いバトルだった。俺があそこまで行けるかどうかすらわからない。人機一体のその先にある領域だ。そして、負けてしまったタツヤさんは、満足げな顔をしながら、静かに涙を流していた。
俺はその姿を見て、あらん限りの声で二人をたたえるのだった。
今回で予選が終わります。この後オリジナル展開として1週間のモラトリアムの後、決勝トーナメントということにします
はい、ここでアルトくんにやらかしてもらいます
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お祭りって年甲斐もなくはしゃいじゃうよね
世界大会出場。タツヤさんの挑戦はベスト16に残り、決勝トーナメントに進出することなく幕を閉じた。後にカイザーさんVSタツヤさんの戦いはこの世界選手権のベストバウトとして大きく話題になるだろうと俺は確信している。席に戻ってきたタツヤさんは何も言わない。俺たちもまた、薄っぺらい慰めの言葉をかけない。彼の横顔を見ただけで分かる。満足感、充実感、すべてを出し切った疲労…言葉は、いらなかった。
そのあとの選手たちも彼らのバトルを見て何かをつかんだのだろう。気合い十分、燃える熱い勝負ばかりだった。ヒマリはハラハラと勝負を見つめ、手を振り回して応援している。こけそうになる彼女を慌てて支えながら俺も、やはり興奮を隠せないのだった。
翌日、これから決勝トーナメントまで一週間のモラトリアムに入る。選手たちはこの期間に英気を養い、ガンプラを修理し、あるいは新作を作って決勝トーナメントに備えるのだ。さて、そんな一週間の貴重なモラトリアムを決勝トーナメントに出場しない俺は
「アルトくん、これイケるんじゃない!?」
「クッソ、この機体、なんで重心こんなに寄ってるんだよ…!インチキだろ!」
「わああお客さん!それやられちゃったらうちは赤字だよ~~!」
「インチキまがいなガンプラ使わせといて何言ってんだっ…っと!おっしゃああ!」
「わあアルトくんさっすがー!おじさんこれもらってくねー!」
この一週間、世界選手権会場の周りにはイベントが目白押しだ。ガンプラ教室、バトルイベント、ガンプラ隠し芸大会、ビルダー技術を競うアマチュア大会など、様々なイベントが催されている。で、そんな中俺とヒマリは二人して出店を回っているのだった。ちなみに今やってるのはガンプラを利用した型抜きだ。とりあえず初心者仕様のハロをやったのだが簡単すぎたので、ヒマリの言われるがまま最高難易度のデンドロビウムに挑戦した。で、俺の操作技術を見抜かれたのか絶妙にやりにくい重心が寄ったガンダムが渡されたわけであるが、器用さなら自信しかない俺は見事デンドロビウムを型ぬいたのである。ちなみに商品はこの会場限定品の髪飾りだ。出店の目玉として各店舗に渡してあるそれを初日で持ってかれた屋台のおやじ、すまんな。
「どう、アルトくん、似合う!?」
「お、いいな。かわいいじゃん」
「かわいい、かわいい…えへへ~」
さっそくいつも耳の上につけているピンを外して俺に見せてくれるヒマリ、テンションたっかいな~。崩れ落ちる親父をよそに俺はいいもの見れたとほくほく顔で屋台を後にするのだった。
途中でりんご飴に舌鼓をうちながら目的の場所についた。昨日予選で使われていた会場だ。その巨大GPベース、目的はそこ。バトル大会は開かれないが、自由に使うことができる。もちろんヒマリもクァドランで参加するとのこと。サバイバルなので入場退場自由、勝ち負けはプラモぶっ壊れたら。15分ごとに1回GPベースの電源が落ちて回収タイムが挟まれる。当然、飛ぶしかないよな?
ヒマリがクァドランを出してセットするのを見て俺も出すプラモを引っ張り出した。改造を済ませたYF-19だ。そして、新規製造のオリジナルパック。スーパーアーマードパックだ。この装備はスーパーパックの上から装備することを前提に設計したパックで。胸部分を覆うような装甲兼マイクロミサイルポッド、足にも同様、背中には大型バーニア兼高機動50連ミサイルポッドを二つ。ZZのバックパックをスケールダウンしたものがイメージしやすいかもしれない。肩には短いフレキシブルビームガトリングを背負い、シールドはもとのシールドの上から取り付けた大型のもので裏にはガンポッドの弾倉が仕込んである、盾を装備しないほうの腕には2連装ビーム砲を、肩、腰などにも装甲兼ミサイルポッドを山とつけている。そしてガンポッドには銃剣付きだ。そして頭にはヘッドギア装甲とセンサー類の増設をしている。
ミサイルのハリネズミとでも言わんばかりの重装甲兼重火力、歴代アーマードにならって変形はできない。それを度外視して火力だけを求めた装備だ。YF-19のスーパーパックの大型バーニアが腰にあり、背中部分にはほとんど何もないからこそできた。そしてこれが重要なのだが、もはや見た目がYF-19ではない。頭部のレーザー機銃ぐらいしか残ってる部分ねーもん。まあ何でかっつったらこの機体タツヤさんとのバトルのおかげで有名だし。余計な面倒を避けるために正体を分からなくする必要があった。ガンダムナドレみてーだな。
で、飛べるのかという話なんだけど、飛べます。重量より増えたバーニアの推力のほうが上だし、元からのスーパーパックの大推力も合わせてそこらの高機動型モビルスーツにも引けを取らない。ぐりんぐりん動きミサイルをばらまいてくる。自分が作っていながらおっそろしい機体だな~。
「アルトくん準備できた?お~いつみてもかっこいいね!」
「だろ~?変形できねーのが残念だけどな!」
そう言ってクァドランと一緒に空に出る。今回は宇宙だ。まだ初心者が抜けないヒマリを一人にして自由に飛んでくるとか俺にはできないので。護衛みたいな感じで、一緒にとんでいるとさっそく接敵ってビグロぉ!?絶対、カイザーさん見ただろお前!かぶれるのはいいことだけどな!出会い頭に撃ってくるのはメガ粒子砲、俺はそれを容易くよけようとするが、ヒマリの反応が間に合わなかった。
「うわわわわっ!?」
「任せろ!」
慌てるヒマリの前に出て、メガ粒子砲を盾と
「ヒマリ、大丈夫!練習通りに!」
「うん!お返し~!」
クァドランの背部からミサイルが発射される。俺はそのミサイルの中を縫うようにして、同速度でビグロに近づいていく。ミサイルの雨だって俺は平気さ!ビグロもミサイルを打ち出してくるが、そのミサイルだけを俺がガンポッドで次々と撃ち落とす。そしてクァドランのミサイルはほぼすべてがビグロに直撃、満身創痍といった様子のやつは近くにいた俺を捕まえようとクローアームを伸ばしてくる。こういう時はアレしかないだろ!
盾を持つ手にガンポッドを持ち直し、右手を握りこんで構える。ピンポイントバリアが拳を覆い、エネルギーが渦巻く。そのまままっすぐ突っ込んだ俺はその拳でクローアームを粉砕し、勢いのままビグロをぶん殴った。拳が装甲にめり込んだのを確認し、そのまま2連装ビームガンを連射、ついに耐え切れなくなったビグロが沈黙した。ふっふーう!ピンポイントバリアパンチはやっぱり最高やな!
「ヒマリ!ナイスミサイル!」
「アルトくんも、かっこよかったよ~!」
クァドランとYF-19がハイタッチして、飛行を再開する。ビグロをあっさり撃破したのを見た周りのやつらはこいつらやべえ!ってなったらしく、徒党を組んで俺たちに仕掛けてくる。総計20機以上!
「ヒマリ!こういう時は!?」
「弾幕を張って近づけない!」
「よくできました!」
クァドランが両手のレーザーガトリングと顔のカノン砲、そしてミサイルを山と発射して弾幕を張る。俺も、ミサイルハッチをすべて開放、頭部レーザー機銃、肩部ビームガトリング、腰部レーザー機銃、右腕2連装ビームガン、左腕のガンポッドをすべて連射する。圧倒的な弾幕とクァドランと合わせて300発はくだらない変態機動のミサイルとビームと実弾の嵐に次々と相手を撃墜していく。やっぱマクロスと言えばミサイルやな!この推進煙が残す軌跡が気持ちいいわー!
と、思ったところで戦闘行動中止のアラームが。15分すぎたらしい、俺とヒマリはブーストをふかして自分の機体を自分の近くまでもっていく。電源が落ちたあと5分間の回収タイムが挟まれる。あとが閊えているし、一回交代しようかな、と思ってると会場がざわついた。見るとそこには、カイザーさんの姿が。
「サオトメ・アルト、だったかな?プリンセスが話していたよ、娘と仲良くしてくれると嬉しい」
「はい、そうです。カイザーさんはなぜここに?」
「日本のチャンプから聞いてな。それが君の機体か?」
「ええ、これが俺のプラモデルです」
「…いい機体だ。作りこみ、塗装、可動域…どれをとっても申し分ない。しかも、モデル機すら存在しないフルスクラッチ。狂気すら感じる、その装甲の中に一体いくつのミサイルを隠している?先の軌道を見る限り、一つ一つ独立して成型し、塗装をし、装甲の中に収めているのだろう?今、バトルを申し込めないのが残念でならない」
「僕も、あなたと飛べないのは残念です。いつか、挑みに行きます」
「待っている。それとスズカゼ・ヒマリ」
「はっはい!なんでしょう!?」
「そう緊張しないでくれ。プリンセスが君のことを楽しそうに話していた。「歌がとっても上手で楽しい人なの!」と。あの子には同年代の友達が少ない。できれば仲良くしてあげてほしい」
「はい!もちろんです!こっちからお願いしたいくらい!」
「…そうか。君たちが、世界の壁を登ってくることを楽しみにしている」
仏頂面ともいうべき無表情を軽く和らげながらほほ笑んだカイザーさんは軽く手を振りながら帰って行った。これ、ようは「娘をよろしく」って挨拶に来ただけ?意外と親ばかなのかなカイザーさん。プリンセスは可愛いからわからんでもないけど。
で、問題なのはカイザーさんに話しかけられた俺たち。好奇の目線が体中を貫いて痛いので急いでクァドランとYF-19を回収して会場を後にした。うーん、もうちょっと飛んでいたかった!そんでできればアーマーパージからの変形とかやって群衆を沸かせたかった!まあ正体ばれしちゃうので最後の手段だけど。でも、あの大きな舞台で飛べてよかったあ!
「むむむ…作るのって難しいんだねえ」
「ん、まあ慣れれば簡単さ。つっても俺キット組み立てた経験ないんだけど」
逃走した俺たちがいるのはガンプラの組み立てを教えてくれるガンプラ教室。ヒマリもこの世界選手権をみてガンプラというものに興味が出たらしい。そんな彼女が組み立てているのはシャア専用ズゴック、チョイスがまたアレだな!?曰く「ゴリゴリ」らしいけど。ちなみに俺が組み立ててるのはムラサメ、講師の人が席をそれぞれ回りながらアドバイスをくれている。まあヒマリには俺がいるから要らないけどな!
「えー、こんなのでいいの変形ー…」
「アルトくんはこだわりすぎじゃない?」
ムラサメの変形機構の余りのシンプルさに物足りない気持ちになる俺、手遊びで装甲を分割したりしてもっと滑らかに変形するようにしてやろ。あとこの部品切ってー、つなげてー、磨いてー、ほい完成!急いで突貫工事だから若干完成度は低いけどそこらの素組みガンプラには負けないぞ!余ったランナーとプラ板で足につけるミサイルポッド作ってやろ。あとはビームライフルを基部で切り分けてー、ロングライフルに改造、んー、まだプラ板あるなあ…増加スラスター作るか、ほいほいっと。はい、提出!変形機構に支障なし!ロングライフルはお腹に接続できるようにした。ガンポッド方式である。ふっふーん~。
「ん、なにヒマリ?」
「アルトくん、すごすぎて気持ち悪いよ…」
「今俺はそこはかとなく傷ついたんだが?」
「だって、手が早すぎてほとんどよくわかんなかったし…」
「えーだってセイも大体似た感じだぜ?」
「類は友を呼ぶ…?」
「おう、その通りだな!」
「褒めてないよ?」
「えー…」
あんまりにもなヒマリのお言葉にがっくり肩を落とす俺。というか講師の目が「なんでここまでやれるのに初心者教室にいるんだこいつ」という目をしている。うん、なんかごめんなさい。逃げる途中でたまたま目に入っただけなんです。もういこっかな?ヒマリもくみ上げたみたいだし、初心者にしては悪くない出来じゃないかあ。
「んー、いろいろイベントあって楽しかったなあ~」
「でもホントは、もっと飛びたいんでしょ?」
「ご明察。まだまだ飛び足りなかったし、こいつも試せなかったし」
そういいながら、俺はケースの中にある新しいパックを装備させたYF-21をポンと示す。YF-19スーパーアーマードがバトロイド特化ならこっちはファイター特化といったところかな?どんな装備があるかはまだ内緒だけど。
「あ、アルトくん、あれやっていかない?」
「あれ?ああ、あのガンプラ射的?」
「そうそう、自分のガンプラ使っていいって!」
「ま~じ~で~?」
そのあと俺はYF-19のミサイルを効率的に利用して使って的をすべて完全撃墜判定を下し、的屋のおやじに土下座されたのだった。バルキリーに数で挑むとは無策な。いや想定外だろうけど。YF-19見た瞬間親父の顔硬直してたもんな。まあヒマリが欲しいといったハロのぬいぐるみだけもらって残りは返そう。ヒマリは嬉しそうだし、俺も嬉しいや。
これって実質デートなのでは?ボブは訝しんだ
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本気で、飛ぼう
モラトリアム二日目、昨日は結局あの後ホテルの部屋まで戻り、何事もなく休むことができた。ちなみにヒマリは俺のベッドで寝ていた話を掘り返して揶揄ったら顔を真っ赤にしてオーバーヒートしてしまったのでこれ以上いじるのはやめてやろう。次は自分の部屋で寝てね?まあそれはさておき、朝食のためにホテルのバイキングに顔を出した俺とヒマリ、そして最後まで見ることにしたらしいタツヤさん。俺がパンにバターを塗ってかじりついていると唐突にタツヤさんが俺に訪ねてきた。
「そういえば今日のバトルイベントには出るのかい?」
「んー、迷ってますね。飛べるのは魅力ですけどバルキリーを完全に公にしていいかどうか…」
「それで迷ってるのなら、出るといいさ」
「いいんですかね?だって、面倒くさいことになるって…」
「状況が変わったんだ。カイザーさんが君の後ろ盾になると言ってくれた。それとグレコさん、チョマーさん、ルワンさんもだ。もちろん僕も。これだけのファイターが君の後ろ盾になれば、文句を言えるヤツは多くない。それに、広い空があるんだ。飛びたいんだろう?」
「…じゃあ、本気で飛びます。見ててくれますか?」
「ああ、勿論だとも。あれからどれだけ成長したのか、私に見せてくれ」
「アルトくん大会でるの?応援するから!絶対勝ってね!」
「ああ、任せとけ」
こりゃかっこ悪いところは見せられないな。よぉし、度肝抜いてやる!と俺はソーセージを嚙み千切りながらそう考えるのであった。
バトルイベントとは、大会の予選トーナメントを模して行われる大会で、いくつか種類があり、今日行われるのは予選2日目と同じ総当たりサバイバル戦、広大なフィールドで頼れるのは己のガンプラと操縦技術のみという過酷なものだ。一対多数という性質上不意の事故が多発するため極度の集中力が要求される。けど、自信はある。全員が世界選手権出場クラスのやつらでもない限り大丈夫だろう。少なくとも、改造をしてないようなビルダーやファイターに負ける気はしない。そんなことあったらタツヤさんに失礼だし、応援するからと両手を握って言ってくれるヒマリに申し訳が立たない。後ろ盾になってくれるっていう人たちにもだ。
この大会で俺の価値をアピールするんだ。後ろ盾になってよかったと言ってもらえるように、感じるままに…飛ぶんだ。
『さあやって参りました全国選手権のモラトリアムイベント!100機を超えるMSが鎬を削るザ・サバイバル!勝利条件は二つ!時間制限まで生き残るか!自分以外のすべてを撃破するか!』
選手権のメイン司会をやってたGガンダムの審判やってそうな眼帯と髭のおっちゃんが声を張り上げる。そして、参加する人数は100を超え、その中にはきっちりと改造を済ませた機体もちらほらある。俺がYF-19を出した瞬間に観衆の目線が一気にこっちに向いた。まあ、昨日目立ってたししょうがないかな。もちろん選択装備はスーパーアーマード、昨日みたいにヒマリに付き添うわけじゃない。本気の加速、本気のマニューバだ。最初から全開、出し惜しみは、絶対しない。
見ててくれ、と観客席にいるヒマリ、タツヤさん、カイザーさん、チョマーさん、グレコさん、ルワンさんにガッツポーズを向ける。ヒマリが俺を見つけて大声で頑張ってと言ってくれた。制限時間は20分、折角こんなにたくさん人がいるんだ。見せてやる、モビルスーツと可変戦闘機の差ってやつを!
『さあさあ生き残れ!ガンプラバトル!』
「「「「「『レディィィィゴオオオォォォ!!!!』」」」」」
「さあ行くぞ!」
「ドム、でます!」
息を大きく吸って、吐く。さあ、見せつけてやる!
「α1、出る!」
広い宇宙の中、飛び出したYF-19が彗星のごとく天をかける。そのスピードは昨日クァドランと組んでた時とは別次元、そして発進直後の段階
「えっ?」
「うそだろ!?」
「どこから!?」
6機以上もたもたしてるやつらがいたので、ガンポッドでハチの巣にしてやる。撃たれた方向を見てもすでに俺はいない。腰、背中のブースター、そして足の熱核バーストタービンの莫大な推力と自由な方向転換により射撃しながら移動しているからだ。たとえ多少改造をしてあっても完全な不意打ち、反撃の隙さえ与えてやらねえ!
『おおっとさっそく大金星を挙げた機体がいるぞ!機体名は「YF-19 スーパーアーマード」!とんでもないガンプラだ!』
さあ、この機体はミサイルだけじゃないって教えてやる!加速しろ、俺なら操縦しきれる!ガンポッドの銃剣ですれ違いざまに、相手のガンプラを切り刻んでいく。そんな俺に臆することなく向かってくるのは、おおすげえ、作りこまれたゲルググだ。ビームナギナタを振り回して、素組みとは一線を画する加速力で俺に向かって突進してくる。受けてやろうじゃねえかこの野郎!
「くらぇえええ!!!」
「甘い!」
ビームナギナタをピンポイントバリアを張ったシールドで防御、肩のビームガトリングをノーモーションで斉射し、相手がひるんだところで右手のガンポッドを放し、ピンポイントバリアパンチ、胴体を殴りつぶしてガンポッドを手に取りその場を離脱する。この付近の敵は一掃!次!
宙域を離脱し、ビーム飛び交う戦場を飛ぶ。レーダーを確認して、一番敵が多い宙域へ。ビームサーベルでつばぜり合いをし、時にはライフルで撃ちあい、シールドで防御している。さあ弾幕のプレゼントだ!避けてみな!ミサイルハッチをフルオープン!YF-19がミサイルの煙で隠されてしまうほどのロケットと高機動ミサイル、マイクロミサイルのパーティーだ!
「さ、避けられない!?うわあああ!?」
「きゃああああ!?」
「なんでこんな追ってくる、わああ!?」
「何発あるんだ!ヘビーアームズじゃあるまいし!」
避けてもおってくる、撃墜しても次のミサイルが追ってくる。逃げ場はない。最低限バルキリーと同じ機動ができなきゃ逃げ切れない。爆発が宇宙のいたるところで起きる。バラバラになるガンプラ、未だ俺は無傷だ。上方からビームの奔流が俺を襲う、そこには2体のモビルスーツの姿が。Ξガンダムとペーネロペーだ。しかも塗装を済ませている。いいね、ミサイルだけで終わってもらっちゃつまらない!
「いけよ!」
「ファンネルミサイル!」
操作可能なサイコミュ兵器、ファンネルミサイルが俺をとらえようと群体を組んでこちらに迫る。内蔵量を増やしたのかは知らないが、両機合わせて40発、いい数だ。スロットルを全開、弾幕を張りつつ逃げに入る。右、左、一回転。YF-19は誘導されて殺到してくるファンネルミサイルの網を次々潜り抜け、ガンポッド、レーザー機銃、2連装ビームを使い次々とファンネルミサイルを落としていく。落とすたびに包囲網に穴が開き、俺の回避運動がやりやすくなっている。
「終わりか?」
「舐めんなガキぃ!!」
「待てよ!無策に突っ込むな!」
ペーネロペーがビームバリアーを張って突っ込んでくる。俺はビームサーベルを紙一重で避け、盾にピンポイントバリアを纏わせて強引にビームバリアーに突っ込み、こじ開ける。ブーストを全開でふかし、瞬間的に加速、構えたガンポッドの銃剣で串刺しにしてやり、そのままガンポッドのゼロ距離射撃、ペーネロペーは沈黙した。あとはΞガンダムのみ。狙いを定めたところでアラート、長大な光がΞガンダムごと俺を焼きにかかる、回避が間に合わない!ピンポイントバリアとシールドで防御!だめだ!持ちこたえられない!
俺はシールド裏の爆発反応装甲を起動、同時にスーパーアーマードを破棄する。爆発によって一瞬ビームが途切れた瞬間を狙い、ファイターに変形、ビームを脱出する。いまのは、サテライトキャノン!莫大なエネルギーを抜け出したスーパーパック装備のYF-19、鎧に覆い隠された真の姿、戦闘機の状態を晒した姿に会場中に動揺が走りシンと静かになる。さあ、本番だ!
『可変機です!アルト選手が駆るYF-19、鎧を脱ぎ捨てたその姿は正しく可変MS!対するは軍団の魔術師と呼ばれるファイター!残り時間はあとわずか!』
軍団の魔術師って確かタツヤさんが日本代表を決める時に戦ったっていうガンダムXと12体のGビットを扱う人だったっけ?そんな人もいるのか!と今まで以上の加速を見せつけるYF-19に対して降り注ぐビームの弾幕、ファイター、ガウォーク、時にはバトロイドによるピンポイントバリアですべてを躱して防ぎ、肉薄する。いたな、Gビットとその後ろにいるガンダムX!挨拶だもってけ!とマイクロミサイルを30発ぶっ放す。12体のGビットとメイン操作であろうガンダムXは躱しにかかるが、驚異的なホーミング性能を誇る俺が作ったミサイルだ。13体の同時操作で躱せるものじゃない。まあカイザーさんなら華麗に躱しそうな気がするけど。
Gビットに次々当たるマイクロミサイル、腕をもがれ、足が消し飛び行動できなくなるGビット、かろうじて無事なのはサテライトキャノンを失った2機とガンダムXのみ。
「驚いた、まだこんなファイターが、ユウキ・タツヤ以外にいたとは」
「そのタツヤさんが見てるんで、通らせてもらいます」
「いいファイターだ!応えよう!」
ガンダムXがビームソードを抜き、シールドバスターライフルを投げ捨てて全力でブーストをふかす。俺はファイターからガウォークに変形して同じようにガンダムXに向けて突撃する。振りかぶったビームソードが振り下ろされる刹那、バトロイドに変形、威力が乗り切る前のビームソードをシールドとピンポイントバリアで受ける。ガンポッドは近すぎる。選ぶなら、こいつだ!
「見事だ!少年!」
ジャコッと腕が展開してタツヤさんの時にも使った陸戦パックの内蔵ミサイルが発射される。足の熱核バーストタービンを噴射して離れる。閃光と爆発、動かなくなったのはガンダムXの方。タツヤさんには及ばないまでも強い人だった。
気づけば、周りには誰もいない。いや、残っていた。一機、緑色の粒子を振りまきながら空を飛ぶオレンジの可変機が。MS形態に変化して俺に相対するそいつは…!
『なんとなんと制限時間を目前にして残ったのは2体のMS「ガンダムキュリオスガスト」と「YF-19 スーパーアーマード」だああああ!!!制限時間は近いぞ!』
「動画、見たよ。タツヤさんと戦った君の機体と、僕のキュリオス…どっちが速いか勝負といこうじゃないか!」
「!のったああ!!」
相手の誘いに乗って、ファイターに変形、相手に尻を向けて逃げ出す。追いかけっこだ、一歩間違えば機体が粉々になるけどな!相手のキュリオスも察したのか変形、GNロングバレルキャノンを連射しながら追ってくる。スーパーパックのブースターと足の熱核バーストタービンをフルに活用する。ビームが機体をかすめる、追いつかせない、絶対に!お前の高速形態は一つしかないだろうけどなあ、こっちは2段階あるんだよ!機動力でバルキリーに勝てると思うな!
腕と足を出してガウォークへ、ほぼ直角の軌道で曲がりながらガンポッドとレーザー機銃で狙い撃つ。数瞬後にマイクロミサイルを全弾斉射、これでもう空っぽだ。あとはガンポッドとレーザー機銃のみ!
「くぅ!なんて高性能なミサイル…っ!でも!トランザム!」
「そうきたか!」
圧縮粒子による赤い輝きを放ちながらさらに加速するキュリオス。なめんな、ゴーストにだって通用するミサイルは、速度だけじゃ振り切れるもんじゃないぞ。それに、俺を忘れるな!
「ふり、きれない!?トランザムだぞ!?」
「お前の飛び方はなっちゃいないんだよおおおお!!」
「なっ、しまっ!?」
回り込むように前へ、トランザムの輝きを塗りつぶすような爆発。片方の翼がもげたキュリオスが爆発の中から飛び出してくる。やつが片手に握ったビームサーベルを俺に振り下ろす。ガンポッドを投げ捨て、シールドで防ぐ。ピンポイントバリアとビームサーベルのつばぜり合い。にらみ合いを先に終わらせたのは俺だ。シールド裏からあるものを取り出す。赤熱するナタを。
「そ、それは!?」
「もらいもんで悪いけど、これで終わりだ!」
ヒートナタで切り捨てられたキュリオスは爆破し四散。システムがバトル終了を宣言して、勝者が俺へと決まる。残り制限時間は約2分と19秒。達成感が体を包み込んだ。
『なんと死闘を制したのは「YF-19 スーパーアーマード」!ただ一人生き残りました!これにて第一試合は終了です!続けて別のエントリー者による第2試合を開始します!勝利したアルト選手に大きな拍手をお願いします!』
「…やりましたよ、タツヤさん」
そう呟きながら汗だくの顔で観客席を見ると飛び跳ねて喜んでいるヒマリの隣で、大きく手を叩くタツヤさんの姿を見つけた。俺はそれを見て、期待に応えることができたと、強く感じるのだった。
いやー書いてて楽しかったです。そういえば今日3話も更新しているんですね。やる気パワーってすんごい
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第6回世界選手権を実況するスレpart25
1:名無しのファイター
このスレは第6回を迎えるガンプラバトル選手権のあらゆるところを実況するスレです。面白おかしく、でも犯罪行為はだめ!楽しみましょう!
2:名無しのファイター
いや、予選全部終わったけどやばかったな
3:名無しのファイター
ほんとほんと
4:名無しのファイター
個人的なベストバウトは?
5:名無しのファイター
そりゃおめえ一つしかないべや?
6:名無しのファイター
まあ、たしかに
7:名無しのファイター
カイザーVSタツヤ、これしかないでしょ。
8:名無しのファイター
カイザーの化け物っぷりとそれを追い詰めたタツヤの気迫、すごかった
9:名無しのファイター
いいなあ、現地で見たかった
10:名無しのファイター
ワイ現地配信者、高みの見物
11:名無しのファイター
クソァ!
12:名無しのファイター
月夜ばかりと思うなよ
13:名無しのファイター
怖すぎるんですけど
14:名無しのファイター
で、今日からモラトリアムに入るんだけど
15:名無しのファイター
現地民はいいなあ、イベント目白押しなんでしょ?
16:名無しのファイター
せやで、羨ましかろ?
17:名無しのファイター
そういえばユウキ・タツヤと言えば、ちょっと前に配信されたバトルが話題になったね
18:名無しのファイター
ああ、あの謎の可変機乗りとバトルしたやつだろ?
19:名無しのファイター
あの白い機体かと思えば新作だもんなあ
20:名無しのファイター
ユウキ・タツヤに対抗できる技量を持ったビルダーだったってめっちゃ驚かれたやつな。つーか新作の可変機構、前にもまして頭がおかしい
21:名無しのファイター
あそこまで作りこめたら気持ちいいだろうなあ
22:名無しのファイター
毎度のごとく戦闘機スレは落ちて、現代兵器スレは考察スレ乱立、ガンプラスレは再現しようとするやつ続出
23:名無しのファイター
再現は失敗してる模様
24:名無しのファイター
あれを再現する技術を持ったやつらなんてそれこそ世界レベルなんだよなあ
25:名無しのファイター
まず変形機構を理解できないやつ多数
26:名無しのファイター
はいはいスレ違いスレ違い
27:名無しのファイター
すまぬ。さて現地マン、いつも通り実況頼んだ
28:名無しのファイター
アラホラッサッサー、というわけでお祭りエリアにやってきたよ!
29:名無しのファイター
ほほう、出店とな?
30:名無しのファイター
うん、ガンプラ型抜き、ガンプラ射的、ガンプラヨーヨー釣りなんかがあるな!
31:名無しのファイター
全部GPベース使ってるとか豪華もいいとこだな
32:名無しのファイター
ガンプラ使う意味は?
33:名無しのファイター
ないけど楽しいだろ!
34:名無しのファイター
というわけでガンプラ型抜きをやっていこうと思う。初心者仕様のハロだ!
35:名無しのファイター
おほー、面白そう。ビームサーベルで切って抜いていくってわけだな
36:名無しのファイター
…失敗した!
37:名無しのファイター
はえーよホセ
38:名無しのファイター
いやこれ案外難しいぞ!?おっ?
39:名無しのファイター
どうした?
40:名無しのファイター
うわっかわいい~~
41:名無しのファイター
何があった!?スネーク!応答しろ!スネエエエエエエクッ!
42:現地観戦者
コテつけさせてもらうわ。いや、型抜き屋にすっごい可愛いロリショタが現れてな?
43:名無しのファイター
は?
44:名無しのファイター
詳しく聞こうか
45:現地観戦者
おっす。まずショタ、女の子みたい、ポニテ、すでにイケメンなかほりがする。でも性格は普通に男の子っぽい。んでロリ、ショートヘア、活発的?日焼け跡が眩しい。かわいい、かわいい(最重要)…もしかしてショタに惚の字?
46:名無しのファイター
なにそれ微笑ましい
47:名無しのファイター
ロリショタですら青春してるのにお前らときたら…
48:名無しのファイター
うるせえやい!
49:名無しのファイター
で、そのロリショタがなんだって?
50:現地観戦者
いや、何といったらいいんだろう。型抜き始めたんだけどさ?
51:名無しのファイター
おん
52:名無しのファイター
二人して肩を並べてやってるのだとしたら癒される
53:現地観戦者
いや、やってるのはショタのほう。んで、ハロをあっさり型ぬいた。凄い上手、ガンプラなのに
54:名無しのファイター
ショタに操縦技術負けてるの草
55:名無しのファイター
お前…
56:現地観戦者
いやワイビルダーでもファイターでもないし。そしてロリは大喜び、かわいい。次これと指定したのは…デンドロビウム?
57:名無しのファイター
いや草
58:名無しのファイター
指定したものがえげつなすぎる
59:名無しのファイター
これ無理やろ
60:現地観戦者
ところがどっこいショタ、快諾し作業開始
61:名無しのファイター
女の子にいいところ見せたかったのかな?
62:名無しのファイター
いいなあ、ほっこりする
63:名無しのファイター
こんな青春したかった
64:現地観戦者
と思うやん?ショタ、見事デンドロビウムを型抜き、ロリに一番の目玉である限定髪飾りをプレゼント
65:名無しのファイター
いやショタすげえ
66:名無しのファイター
これはスパダリ
67:名無しのファイター
ロリ!ロリの反応詳しく!
68:現地観戦者
ロリは早速つけてる髪飾りを交換してショタに見せる。ショタ、かわいいとド直球ストレート。ロリ、顔を赤くして嬉しそうに照れる。ちょっとコーヒー買ってくるわ
69:名無しのファイター
あ^~
70:名無しのファイター
こんなん癒されますやん
71:名無しのファイター
青春ですなあ。それに比べてお前らときたら
72:名無しのファイター
彼女くらいいます~!
73:名無しのファイター
見得張るなって
74:名無しのファイター
俺たちゃ仲間さ
75:名無しのファイター
お前ら…ところでスネーク、ロリショタどうなってる?
76:現地観戦者
コーヒー買ってきたらいなくなってた
77:名無しのファイター
つっかえねーな!
78:名無しのファイター
やめたら現地観戦
79:名無しのファイター
貴重なロリショタが…
80:名無しのファイター
ボロクソで草
81:名無しのファイター
こちら現地民その2、現在巨大GPベースコーナーでガンプラバトルを観戦中、どうぞ
82:名無しのファイター
お、ええやん。どうよそっちは
83:現地観戦者2
盛況だね。素組みから上級者の改造済みガンプラまでたくさんさ。おっほー!すげえ完成度高いZガンダム!
84:名無しのファイター
いいなあ!
85:名無しのファイター
自分がやってなくても見るだけで面白いもんねえ
86:名無しのファイター
わかるわかる
87:名無しのファイター
あー、俺も見てー!
88:現地観戦者2
しょうがないから配信してやろう ほれ→http/haisin.jp
89:名無しのファイター
これは有能
90:名無しのファイター
イケメン!
91:名無しのファイター
配信自由とか太っ腹もいいとこだよな。まあGPベース内の映像だけでファイターは映せないけど
92:名無しのファイター
まあ、それは配慮しないといかんし
93:名無しのファイター
ええやん、大迫力だわー
94:現地観戦者2
んんん?
95:名無しのファイター
どうした
96:現地観戦者2
いや、さっき話題に出てたロリショタっぽい容姿をしてるペアが来たんやけど
97:現地観戦者
女の子の方右耳の上の髪飾り限定のやつ?
98:現地観戦者2
うん
99:現地観戦者
多分それ確定やで
100:名無しのファイター
ほほう、GPベースでガンプラバトルしに来たのかな?
101:名無しのファイター
いいな、デートじゃん。微笑ましくてかわいいと思う
102:現地観戦者2
オファッ!?
103:名無しのファイター
なんだこのガンプラ!?
104:名無しのファイター
2つとも見たことないデザインなんだが?おい自信ニキ、ヘルプ
105:名無しのファイター
(見たこと)ないです
106:名無しのファイター
つっかえ!
107:名無しのファイター
うん、これ多分原型機ないね
108:名無しのファイター
つまり?
109:名無しのファイター
フルスクラッチだと思う。多分作ったのはショタじゃない?
110:名無しのファイター
女の子にプレゼントするデザインなのか?あの真っ赤なジオン系の失敗作みたいなやつ
111:名無しのファイター
親じゃない?さすがに信じれない
112:現地観戦者2
こちらスネーク、ロリショタの背後の席に到着した。これより会話の盗聴を行う
113:名無しのファイター
やりすぎんなよー
114:名無しのファイター
というかショタの方の機体かっけえな!?
115:名無しのファイター
うん、肩ガトリング、大型シールド、右腕ビーム砲、全身を覆うマッドブラックの装甲、背中の大型ブースターに腰のフレキシブルブースター。頭のデザインもかっこいいな。一本角がイカスゥ!
116:名無しのファイター
しかも手持ちライフルが実体剣の銃剣っていうのがまた渋いよな、ビームの銃剣じゃなくてさ
117:名無しのファイター
おお、やっぱショタ操縦上手だな。それに比べてロリの方は初心者か
118:現地観戦者2
どうやら今日のためにあの赤い機体を作ってロリに渡したらしい。守るから自由にやれって言ってる
119:名無しのファイター
イケメンかな?
120:名無しのファイター
御姫様を守る騎士の鏡
121:名無しのファイター
ってビグロォ!?
122:名無しのファイター
カイザーリスペクトかな?
123:名無しのファイター
貴重なロリショタが…!
124:名無しのファイター
お?おおおお!?
125:名無しのファイター
すげえ、メガ粒子砲防ぎやがった!ビームシールドも仕込んでたのか!
126:名無しのファイター
攻撃があったら反撃もある、ということは!?
127:名無しのファイター
おお、赤い機体すげえ!めっちゃミサイルでる!
128:名無しのファイター
まって
129:名無しのファイター
一瞬目がおかしくなったのかと思った
130:名無しのファイター
ミサイルの間を縫って接近ってなんだ!?
131:名無しのファイター
相手のミサイルだけ落としやがった!?
132:名無しのファイター
パンチでクローアーム粉砕!?しかも勢いのままビグロを殴るとか!
133:名無しのファイター
ゼロ距離射撃!しびれる!わかってるじゃんショタ!
134:名無しのファイター
つーかミサイルの性能がおかしい。なんだあの軌道
135:名無しのファイター
ミサイルと同速度が出る←まだわかる
味方のミサイルと同速度かつ間を縫うように接近する←???
その状態のまま相手のミサイルのみをマシンガンで撃墜する←まって?
MAのクローアームをパンチで粉砕←今の僕には理解できない
136:名無しのファイター
よくまとめた
137:名無しのファイター
実力が違いすぎないか?
138:名無しのファイター
ショタヤバすぎ
139:名無しのファイター
ロリの機体を気にしつつ安全なほうへ誘導してるな
140:名無しのファイター
おっと参加者の皆さんここで結託ぅ!
141:名無しのファイター
おい20機くらいいるぞwww
142:名無しのファイター
嫉妬に狂ったのかな?
143:名無しのファイター
流石に草
144:現地観戦者2
「○○○!こういう時は!?」
「弾幕を張って近づけない!」
「よくできました!」
仲いいな~二人とも…画面の情報量にさえ目をつぶれば
145:名無しのファイター
なになになにこれ!?
146:名無しのファイター
ミサイルの量!おかしいって!つーかショタの機体の装甲全部ミサイル入りだったのかよ!
147:名無しのファイター
どんだけミサイル好きなんだwwww
148:名無しのファイター
ミサイルに命かけすぎw作りこみすっげええけどw
149:名無しのファイター
というかロリの機体も火薬庫かよw
150:名無しのファイター
たとえ20機いてもこれは勝てませんわw
151:名無しのファイター
あー、ここで交代のアラームか
152:名無しのファイター
もっと見てたいなw
153:現地観戦者2
まtttって!?
154:名無しのファイター
今度はどうした
155:名無しのファイター
カイザーがロリショタに話しかけてる
156:名無しのファイター
ファファファのファッ?!
157:名無しのファイター
いやでも機体の完成度を見るに気持ちはわかる。とてもわかる
158:名無しのファイター
現地にいたらバトル申し込んでたグギギギ…
159:現地観戦者2
カイザーも似たようなこと言ってる。今この場でバトルできないのが残念だって。あと機体の事めっちゃ褒めてた
160:名無しのファイター
カイザーが褒めるガンプラかぁ
161:名無しのファイター
配信じゃなくて動いてるの生で見たいわ
162:現地観戦者2
カイザーが去ったのですが針の筵のロリショタコンビ、そそくさとガンプラもってどっか行きました。配信は続けとくので見たい人はドゾー
163:名無しのファイター
まあしょうがないか
164:名無しのファイター
そりゃあ誰だって見るさ。俺も見るもん
165:名無しのファイター
どんな顔してるんだろうなあ。気になる
166:現地観戦者2
まあ整ってるよ。ロリもショタも。特定につながるから詳しくは言わんけど
167:名無しのファイター
それが正解。おっ!作りこんでるなああのヅダ
168:名無しのファイター
おお、確かに。良いスピードだ!
169:名無しのファイター
…飛行中に四肢がばらけたんやが?
170:名無しのファイター
そんな原作再現いらねーよ!
171:名無しのファイター
何しに来たんだこのビルダーwww
172:現地観戦者2
周りめっちゃ笑ってて草。
173:現地観戦者3
こちらスネーク、息子とガンプラ教室に潜入中。件のロリショタが現れた、どーぞ
174:名無しのファイター
お父さん何してんの
175:名無しのファイター
ガンプラ教室って初心者用のだよな?いらんだろ特にショタ
176:名無しのファイター
自力であんな機体作ってるのが事実だとしたらどう考えても教える側
177:名無しのファイター
それはひょっとしてギャグでやってるのか?
178:現地観戦者3
ロリショタというのは流石にアレなので俺はもう言わんでおく。どうやら男の子が女の子にガンプラ制作を教えるつもりで来たらしい
179:名無しのファイター
なるほどやっぱり
180:名無しのファイター
ガンプラ教室ってキット一つくれるよな?何選んだんだ?ちなみにお父ちゃんと息子のも教えてくれよ
181:名無しのファイター
あー確かに、気になる
182:現地観戦者3
俺はガンダムエピオン、息子はゴッドガンダムだな。えーっと男の子はムラサメで、女の子は…シャア専用ズゴック?
183:名無しのファイター
男の子はわかる。女の子はなぜそれを選んだ?
184:名無しのファイター
もしかしてショタはロリの好みに合わせてあの機体を作ったのでは?
185:名無しのファイター
な、なるほど~~~~!
186:名無しのファイター
ようやく合点がいった。丸っこい機体が好きなのかな?
187:現地観戦者3
えー、こちらスネーク。男の子があっという間にムラサメをくみ上げました。20分かかってないです。しかもめっちゃ綺麗。動きが速いうえに全く無駄がない。
188:名無しのファイター
このショタさては凄いな?
189:名無しのファイター
今更やろ。本気で組むならともかく、初心者用プラモでホントにビルダーとして技量あるならそんなもん。
190:名無しのファイター
ってことは機体は自作で確定か。凄い子がいたもんだ
191:名無しのファイター
世界選手権出てくれるかなー
192:現地観戦者3
うわー…
193:名無しのファイター
どうしたお父さん
194:名無しのファイター
また何かあったか?
195:名無しのファイター
ポリキャップでも折れた?
196:現地観戦者3
いや、男の子がムラサメの変形に不満を持ったらしくて
197:名無しのファイター
あー、まあ初心者用プラモの簡易変形ならそうかもしれんな
198:名無しのファイター
組み立てやすさ優先でパーツ数少ないから仕方ないけど
199:現地観戦者3
男の子がムラサメをその場で改造しだしたんですが。息子も釘付けだよ、どんどんかっこよくなってる
200:名無しのファイター
ほほう、気になるではないか
201:名無しのファイター
その場改造はセンスが出るからな
202:現地観戦者3
えーっと、装甲を分割したりして変形機構を本物同様にした後、ライフルを分割してロング化、プラ板とランナーを加工して足にミサイルポッドを付けて、それでも余ったプラ板で増設スラスターをくっつけた。塗装してないのに滅茶苦茶かっこよくなってる。正直欲しい
203:名無しのファイター
その場改造でやることじゃねえな?
204:名無しのファイター
がっつり改造してて草
205:現地観戦者3
講師の人の目が胡乱になってる。ゆっくり作ってる女の子のおかげで相当ましだけど
206:名無しのファイター
初心者じゃねーもんな明らかに
207:現地観戦者3
wwwwwwwwwwwwww
208:名無しのファイター
いきなりの大草原
209:名無しのファイター
芝刈り機どこー?
210:名無しのファイター
詳細はよ!
211:現地観戦者3
いや、女の子が「すごすぎて気持ち悪い」って言ったから男の子が落ち込んじゃってさ。仲のいいじゃれ合いを見たなと思って
212:名無しのファイター
すごすぎて気持ち悪いwwwww
213:名無しのファイター
まあ、そうだけどwww
214:名無しのファイター
ヒィーwww
215:名無しのファイター
ざまああああああああああああああwww
216:名無しのファイター
流石に心に余裕がなさすぎだろお前
217:名無しのファイター
子供にその言い草とか恥ずかしくないの?
218:名無しのファイター
かえれー!
219:名無しのファイター
せっかく楽しかったのに
220:現地観戦者3
子供にそりゃねーわな。あ、男の子も女の子もガンプラ作り終えたから出るみたい。ムラサメは教師の人にあげてた
221:名無しのファイター
いいなー
222:名無しのファイター
GPベースの方もいまいち盛り上がんねーな
223:名無しのファイター
あれから素組みばっかりだし、すごいファイターもいないし
224:名無しのファイター
ロリショタのインパクトに勝てねーんだよな
225:現地観戦者
こちらスネーク、ロリショタを発見。ガンプラ射的に挑む模様
226:名無しのファイター
今度はコーヒー休憩すんなよ
227:名無しのファイター
射的ってあれだっけ?目標をどれだけ撃墜判定出したかで景品変わるやつ
228:名無しのファイター
ポイント制だったよな確か
229:現地観戦者
男の子、自分の機体で挑む模様。すげー、カッチョいい機体だぁ
230:名無しのファイター
あっ
231:名無しのファイター
はい、解散
232:名無しのファイター
的屋のおやじはご愁傷様
233:現地観戦者
何だこのミサイルパーティ!?的全部射抜きやがったぞ!?
234:名無しのファイター
知ってた
235:名無しのファイター
まあ。あんなことしたならできるよな
236:名無しのファイター
驚かんわ、うん
237:現地観戦者
ショタ、ハロのぬいぐるみ以外は返すらしい。もちろんぬいぐるみはロリにプレゼント。うわー、嬉しそうでかわいい
238:名無しのファイター
もうこれ付き合ってるだろ。そうだと言ってくれ
239:名無しのファイター
ロリショタ観察スレになってて草
240:名無しのファイター
だって選手権実況スレ乱立してるし
241:名無しのファイター
個性がいるんだよ個性が!
242:名無しのファイター
ロリショタに頼るなよそれをw
243:現地観戦者
ロリショタ、ホテルの方に行った。帰るらしい。追うのはやめることにする
244:名無しのファイター
ホテルとな?
245:名無しのファイター
サイッテー
246:名無しのファイター
そういうホテルねーからここ!
247:名無しのファイター
まあ、兄妹か何かじゃない?だいぶ仲いいし。
248:名無しのファイター
普通に考えたらそうかなあ?
249:名無しのファイター
お前らがあの年頃の時、女の子とあそこまで仲良くなれたか?それが答えだ
250:名無しのファイター
即死呪文やめろ
251:名無しのファイター
マ゜ッ!?(即死)
252:名無しのファイター
ミ゜(即死)
253:名無しのファイター
死屍累々じゃねーか!
254:名無しのファイター
明日のモラトリアムイベント楽しみだなあ
掲示板長くなったので分割しますが、次話は掲示板じゃないです。書いてて思った。疑いようもなくデートだこれ。
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隠し芸ってだいたい隠れてない気がする
だぁ~~~~疲れた!だけど、思う存分に飛ぶことができた俺は凄い満足だ!スーパーアーマードは完全に壊れてしまったけど、YF-19はほとんど傷はない。当日中に補修が済むだろう。なんかすれ違う人が俺を見るたびにおかしなものを見る目をしてるのはなんで?あ、そうか。YF-19ってタツヤさんと試合した動画が配信されてるからアーマードで正体隠してないスーパーパックの状態は割と有名なんだっけ。ええやろ俺のバルキリー?どやあ?くれって言ってもやらねーけどな!自分で作れ!あ、でもガンプラは大事にしろよ!
「ア~~ル~~~ト~~~く~~~ん!!!」
「ヒマリ!?おわっ!?」
大声で俺を呼ぶ声が聞こえたと思ったら、出口から逆走してヒマリが走ってきており、俺に飛びついてきた。その瞳は潤み、ほろりと雫が落ちている。すわなんかやらかしたか!?と俺は混乱したが続く言葉でそうではないことに気づく。
「信じてた!アルトくんなら勝ってくれるって!凄いよ!アルトくんはやっぱりつよいんだね!」
そう捲し立てるように言った後彼女は俺をぎゅうっと抱きしめる。というか苦しい、やりすぎだから離れろヒマリ。いい匂いがしてなんかドギマギしてくる。とりあえずヒマリをくっつけたまま出口まで行くとそこにはさっき観客席で観戦していたメンツが全員かけることなくそこに立っていた。というかほぼ全員にやにやしてる。何その顔?
「…やっぱり君も隅に置けないんじゃないかな?」
「どういう意味ですか!?」
「わかってねーのかよこの色男。フェリーニみてーになるなよ」
「チョマーさん実はケンカ売ってたりします?」
「お?わかる?買ってくれてもいーぜ?バトルだ、ほれほれ」
「いいですよノシつけて返してあげます」
「待て待てチョマー、アルトも。決勝トーナメント進出者はモラトリアムにおける野良バトルは禁止だ」
「めんどくせールールだよなあ」
「仕方ないさ。そんなことすれば観戦者で収拾がつかなくなる」
さっそくいじってくるチョマーさんに言い返しているとルワンさんがそう言ってなだめてくれた。そして、一歩先に出たのはカイザーさんだ。彼は俺を見下ろして口を開く。
「素晴らしいバトルだった。ますます君とバトルをしたくなった、君のその可変機はこれからのガンプラを変えるだろう。もしも、理不尽なことがあったらいつでも頼ってくれ。少なくとも俺は、君の味方だ」
「…ありがとうございます。…タツヤさんも、最後はあなたの武器がなければ勝てませんでした」
「…お互い様さ。君のガンポッドに見合うものだったかどうかは、おいておいてね」
「最高の武器ですよ、手放したくないですね」
そういって頭を下げる。タツヤさんは俺の頭を2,3度撫でると肩をポンと叩いた。俺はそれで頭を上げて、にっかりと笑う。そうして全員に笑顔が広がった後、みんな揃ってホテルに向かうのだった。
ちなみにヒマリは全員がにやにやしてたのを見て一気に恥ずかしくなったらしく真っ赤になってずっと俺の後ろに隠れてた。俺の幼馴染はかわいいなあ。
「ガンプラ隠し芸大会ぃ?ですか?」
「ああ、明日のモラトリアムイベントなんだけど、お前出るか?」
大人数でホテルに帰って俺の部屋でバルキリー披露大会をしていると、唐突にVF-1のアーマードパックを付けたり外したりしていたグレコさんがそう言った。え?何そのイベント…バトルじゃねえの?
「いや知ってはいますけど、具体的に何するんですかそれ」
「まあガンプラでの特技披露大会みたいなもんだよ。例えば俺はガンプラでリカルドのやつと闘牛をすることになってる」
「…???」
「まあガンプラを使ってバトル以外で人を楽しませようってやつだ。出てみないか?」
「…俺そんな特技ないんですけど」
「あの飛行技術で曲芸飛行でもしたらいい。お前の操縦技術はそこいらのやつじゃ相手にならないからな」
そう言うのはYF-19の変形機構を観察しているチョマーさんだ。隠し芸大会ねえ…驚くほど俺なんもないな。え?もしかしてマクロス以外俺取柄ない?衝撃の事実に気づいてしまった俺だが、折角誘ってくれたんだし出ないという選択肢を選ぶのはちょっと。うーんこの、何とかならないもんか…
「無理する必要はない。こういったものは楽しむのが前提、半端な気持ちで出ても楽しくないだろう。出たければ出る、出たくなければ出ない。それでいい」
スッとフォローを入れてくれたVB-6のシャトルモードが気に入ったらしいカイザーさん。「すまないが、プリンセスのノーズアート作れないか?」と聞かれたので作りますと言っておいた。あとで書いてデータ送ろっと。
「まあ、楽しむのが一番だよ。アルト君も自由でいいからね」
ザクアメイジングを修理していたタツヤさんがそう言って、その場はお開きになるのだった。
「うーむ…ガンプラ隠し芸大会かぁ…」
「やっぱり、気になるの?アルトくんはでたい?」
「まあ出たいか出たくないかで言えば出たいかなあ?またあのGPベースで飛べるってことだし。でも俺ができることって飛ぶ以外ないんだよ。少なくともガンプラ闘牛には勝てないな。インパクトとかその他もろもろ」
「うーん、そうなんだ」
俺がベッドの上で悩んでいるとお風呂から上がってほっかほかのヒマリが少し濡れた髪をタオルで拭きながらそう言ってきた。彼女は俺の隣に腰を下ろした。ベッドがぎしりと音を立て、少し沈む。彼女は顎に手を当てて思案し、ポンと手を叩いて思ついたように言った。
「あ、動画と同じことやれば?私、歌うよ?」
「ってーとVF-1のやつか?同じネタこすっても面白くないだろ」
「ううん、この前新しく作った曲で」
「ほんとにか?いいのか?あの曲、相当恥ずかしがってたじゃないか」
「うん、今日のアルトくんを見て、やりたくなっちゃった。恥ずかしくないわけじゃないけど…挑戦してみたいの」
「わかった。お前がやってくれるなら俺もとびっきりを考えないとな。折角、3機のバルキリーとモンスターがあるんだ」
「じゃ、明日頑張ろうね!」
「おう、頼んだぜ」
すっとベッドから立ち上がって自分の部屋に戻るヒマリ。その後ろ姿から頼もしさのようなものを感じてしまい、俺は苦笑いするのだった。
『素晴らしい!ひらめくビームマントが次々と突進を躱していく!流石は決勝トーナメント進出者です!華麗なガンプラ捌きだ!』
「すっげー…」
「流石だね~」
なんでイタリアなのに闘牛?というのはさておいてグレコさんとフェリーニさんの息の合った闘牛は観客に大受けしてる。待機室、いろんな人がガンプラを最終調整する中、これこれこうと運営に話したら快諾された俺たちの隠し芸の出番はもうすぐだ。つーか子供の言ってることをそのまま通すとか凄いなここの人たち、肝が据わってるわー。
『さあ次は何と小学生二人組だ。昨日のサバイバルで驚異的な成果を叩き出したサオトメ・アルトとガールフレンドのスズカゼ・ヒマリのコンビです!どうぞ!』
「いこ、アルトくん!」
「おっし、やってやろうぜ!」
今持ってきている中で一番のお気に入りだという真っ白なワンピースを着て、屋台でとった髪飾りを身に着けたヒマリの手を取って控室から会場へ移動する。胸を張れ、俺のために歌ってくれるヒマリに恥をかかせるな。堂々と、自信をもって、演じきれ。バルキリーのパイロットという役を!
持ってきたものはVF-1、VB-6、YF-19、YF-21、いずれもスーパーパック。舞台は特殊設定の宇宙。どこからともなくビームやミサイルが飛んでくる本来なら回避の練習に使う戦場というステージ、設定は最高難易度。俺はこれから、ヒマリの歌に合わせて4機のバルキリーを同時操作しながらドッグファイトをする。それくらいしなければ、ヒマリに申し訳がたたない。彼女の歌を、最高の状態で観客に届けるんだ。ヤックデカルチャー、って飛び上がるくらいにな!
音楽が始まる。しっとりしたバラード。戦場には似つかわしくないほどの曲に観客がざわつく。マイクを持ったヒマリに動揺は一切なく、完璧なタイミングで歌唱を始めた
『今あなたの声が聞こえる ここにおいでと 寂しさに 負けそうな わたしに』
「全機、発進」
歌を邪魔しないようにボソッと呟いた後、機体を動かし始める。組んでるのは編隊飛行、大きなVB-6を中心に、前にVF-1、左にYF-21、右にYF-19という感じだ。そして、襲い掛かるビームとミサイル。全機、ブレイク。散会するように散った4機がそれぞれ別のマニューバで回避行動を始める
『今あなたの姿が見える 歩いてくる 目を閉じて待っている わたしに』
シンと静かになってしまった会場にヒマリの歌が響いていく。VB-6の直撃コースだったミサイルをVF-1が撃墜し、競い合うようにお互いに向かうミサイルとビームを無力化してるYF-19とYF-21。同時操作、難しい。こんなことをカイザーさんはやっているのか!だけど、俺にだって、できないわけじゃない!
『昨日まで、涙で曇ってた 心は今…』
サビだ。全機、ガウォークへ!全機が一斉に腕と足を展開し、VB-6がデブリの甲板へ降り立つ。衝撃、轟音、火花に照らされる昨日書き換えたヒマリのノーズアート。重い音を立てて動き出す4連装レールキャノン。
『おぼえていますか 目と目が会った時を おぼえていますか 手と手が触れあった時』
タイミングを合わせてレールキャノンを発射、デブリが消し飛ぶ。そしてそこを突き抜けるように降ってくる大型メガ粒子砲と思しき太いビーム。前に出るのはYF-19とYF-21。バトロイドに変形してピンポイントバリアで迫りくるビームを完璧に防ぐ。そして防ぎ切ったあとに先陣を切って飛ぶVF-1、背部のマイクロミサイルをばらまき、一発残らず向かってくるミサイルにぶつける。
『それは初めての 愛の旅立ちでした I love you so…』
Aメロが終わり間奏へ。こっちを見てタイミングをうかがうヒマリに頷いて、ミサイルの雨を捌ききる。後方支援役のVB-6のレールキャノンがミサイルの弾幕に穴をあけ、そこを通るバルキリーたち。後ろにぴったりついてくるミサイルをレーザー機銃で正確に撃墜しながらの曲芸飛行。もうすぐ間奏が終わる。いいぞヒマリ!最高だぜ!見ろよ!観客全員、お前の歌に聞きほれて、歓声の一つだってあげちゃいない!
『今あなたの視線感じる 離れてても 体中が 暖かくなるの』
2番が始まると同時に、バトロイドに変形して四方八方から迫りくるミサイルをガンポッドを用いて破壊する。視界の邪魔になる戦艦デブリを消し飛ばすレールキャノン、隕石を爆風で押すマイクロミサイル。爆炎で照らされるバルキリーの顔。観客の視線を釘付けにしていく。
『今あなたの愛信じます どうぞ私を 遠くから見守ってください』
いまだ被弾はなし、ミスなんかしてやるもんか!ここで失敗してみろ!俺だけならともかくヒマリはどうなる!全部を操縦に集中させろ!バルキリーの凄さは、こんなもんじゃない!
『昨日まで 涙で曇ってた 世界は今…』
サビだ。ランダム回避を取っていたバルキリーを編隊飛行に戻し、そこに大推力で合流したVB-6、当たるものはVB-6のピンポイントバリア、ミサイルはバルキリーたちがそれぞれ担当する。脳が沸騰しそうだ、まだまだ!
『おぼえていますか 目と目が会った時を おぼえていますか 手と手が触れあった時』
サビに入った瞬間、スーパーパックを廃棄。爆砕ボルトで吹き飛ばされた装備が宇宙に消え、何も身に着けない抜身の剣のようなバルキリーが、姿を現す。
『それは初めての 愛の旅立ちでした I love you so…』
外された3つのスーパーパックからマイクロミサイルが全て発射され、目の前の戦艦デブリを藻屑に変える。本来のデザインに戻ったバルキリー、スピードは落ちつつも飛行のキレは落とさない。さあ、さらにきつくなるぞ…!
『もう ひとりぼっちじゃない あなたがいるから』
ラストサビ!VB-6をバトロイドへ!ミサイルをばらまいて厳しくなってきた弾幕に対抗する。さすがは最高難易度、けど。タツヤさんの射撃に比べたらハエが止まるくらいだ!世界選手権出場選手の操縦を見た俺からしたらこんな機械的な弾幕躱せて当然なんだよ!
『おぼえていますか 目と目が会った時を おぼえていますか 手と手が触れあった時』
全方位から打ち込まれるビーム、逃げ場はほとんどない。普通だったら!VB-6を突っ込ませ、ピンポイントバリアで押しとどめる。開いた隙間からバルキリーは脱出。押し込められたVB-6をデブリに着地させ、ガウォークに変形してレールキャノン、ミサイル、機関銃を一斉発射。目の前のすべてが爆炎に飲まれる。そして、ラスト!
『それは初めての 愛の旅立ちでした I love you so…』
爆炎を切り裂いて現れたバルキリー3機、それらの翼下のミサイルが全て発射され、ミサイルの軌跡が空に後を刻む。反転するように飛び去ったYF-19とYF-21、そしてそれを追うVB-6。一機だけ残ったVF-1はバトロイドに変形。ヒマリに向かって敬礼をし、変形して後を追う。音楽が終わり、GPベースのシステムが終了した。
息を切らしたヒマリと俺、やり切った。完全に。俺にミスはなかったし、ヒマリの歌は完璧以上だった。マクロス世界における伝説の曲は、どう受け止められるのだろうか。
司会すら、何も言わない中突如わぁっ!!と会場が爆発したかと思わんばかりの歓声と拍手が、いきなり沸き起こった。よかった、楽しんでくれたみたいだな。俺とヒマリは顔を見合わせて笑顔となった。
『言葉が見つかりません。GPベースを使ってのミュージックビデオ!まさに完璧、最高のファイターと歌姫に惜しみない拍手を!』
司会がそういうと元から爆音だった拍手の音がもっと大きくなる。バルキリーを回収した俺は、来たときと同じようにヒマリの手を取って、歓声が響く中、会場を後にするのだった。
掲示板よりこっちを先に投稿したかったのですが、諸事情(ジャスラックのメンテナンス)により遅れました。
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世界選手権を実況するスレpart30
1:名無しのビルダー
このスレは第6回を迎えるガンプラバトル選手権のあらゆるところを実況するスレです。面白おかしく、でも犯罪行為はだめ!楽しみましょう!あと昨日のスレやりすぎどころかアウト。いくら過疎って話題がないからって子供に何してんだ。削除申請しておくからなお前ら
2:名無しのビルダー
あれは住民が狂ってたんや。もうやんなよ。んで、来ました来ました来ましたよ!今日のモラトリアムイベントが!
3:名無しのビルダー
結局住民のほとんど出禁になったんだっけ。そうならないようにしないと。今日の内容は…予選二日目と同じサバイバルバトル!
4:名無しのビルダー
反面教師だよあれは。話題変えよう。見どころさん満載ですわ!
5:名無しのビルダー
現地民いるー?
6:名無しのビルダー
呼んだ?配信はもう開いてるよ
7:名無しのビルダー
有能
8:名無しのビルダー
これは有能
9:名無しのビルダー
ほんで?今日って有名ファイターでんのかね?
10:名無しのビルダー
軍団の魔術師は参加を表明してるけど
11:名無しのビルダー
あと疾風さんも
12:名無しのビルダー
疾風さんとは?
13:名無しのビルダー
キュリオスガストを愛機にしてる人。日本代表決定予選で結構いいところまで残ってる。MS形態より高速飛行形態を好んで使ってるみたい
14:名無しのビルダー
軍団の魔術師ってガンダムXとGビット12体同時操作で有名な人か。紅の彗星に負けたけど
15:名無しのビルダー
言うな、格の違いだ
16:名無しのビルダー
無慈悲なお言葉で草
17:名無しのビルダー
で、参加してるのは…結構いるじゃんよさげなの
18:名無しのビルダー
あのペーネロペーとΞガンダムのコンビいいな!塗装がかっこいい!
19:名無しのビルダー
おお!マラサイ!珍しい機体だ!
20:名無しのビルダー
待ってwwwヅダいるwwww昨日のやつwwww
21:名無しのビルダー
それは草
22:名無しのビルダー
あ!昨日の男の子の機体じゃん!これは見ごたえあるわー
23:名無しのビルダー
軍団の魔術師さんやっぱり13体同時操作するんやね
24:名無しのビルダー
これと似たようなことしながらMAまで操ってそれぞれ個別の動作させてたカイザーってやつマジ?
25:名無しのビルダー
軍団の魔術師さんはそこまでやってないからなあ
26:名無しのビルダー
一糸乱れぬ同時面制圧が特徴だけど、言い変えればそれって同じ動きしかできないってことだから…
27:名無しのビルダー
そんだけカイザーが化け物だっつーことやな
28:名無しのビルダー
司会の人がどう見てもGガンに出てたあの人にしか見えない。声までそっくり
29:名無しのビルダー
その人それで飯食ってる芸人さんやで
30:名無しのビルダー
そ、そうなんだ…いろんな人がいるな
31:名無しのビルダー
スタートの合図きまーす!3,2,1!
32:名無しのビルダー
レディィィィゴオオオォォォ!!!!
33:名無しのビルダー
レディィィィゴオオオォォォ!!!!
34:名無しのビルダー
おっしゃ見ものやで!
35:名無しのビルダー
さっそくと言わんばかりのサテライトキャノン×13 範囲が広いわー
36:名無しのビルダー
こんなん落とされるよなあ。あ、でもよけとるやつ多いで?落とせたの5機くらいや
37:名無しのビルダー
まあレーダーの表示前に撃ったから密集地に撃てなかったんかな?
38:名無しのビルダー
お、司会が男の子の機体に言及したぞ!YF-19 スーパーアーマード…いい名前や!
39:名無しのビルダー
速い速い!昨日のはやっぱり本気じゃなかったっぽいな!
40:名無しのビルダー
まってwwwwヅダの人めっちゃ強い!空中分解してないぞ今度はw
41:名無しのビルダー
あ、マラサイに直撃
42:名無しのビルダー
疾風さん、今回もやはり高速飛行形態での一撃離脱戦法を行う模様
43:名無しのビルダー
カメラさん足りないよー
44:名無しのビルダー
じゃあ配信するやつが誰がどの機体に寄るか決めるか?俺軍団の魔術師
45:名無しのビルダー
じゃあ俺疾風さん
46:名無しのビルダー
ワイは男の子かな
47:名無しのビルダー
じゃあ俺ヅダの人
48:名無しのビルダー
ペーネロペーとΞガンダムで行くわ。組んでるっぽいし
49:名無しのビルダー
おっと、男の子がゲルググと交戦中!
50:名無しのビルダー
うお、動きが滑らかだな。ビームナギナタをシールドで受けて、肩ガトリングで体勢崩し、パンチでフィニッシュ!理想的な流れだぁ…
51:名無しのビルダー
どこもかしこも混戦してるな!やっぱりこうでなくちゃ!
52:名無しのビルダー
ペーネロペー、Ξガンダムと息の合ったコンビネーション!ビームバリアを張っての突撃戦法だぁ!
53:名無しのビルダー
おお、機体の機能を活かしてるな!ところでヅダの人すごない?
54:名無しのビルダー
ヅダの人ヤバい。今疾風さんと互角に競り合ってる
55:名無しのビルダー
ここでサテライトキャノン入りまーす
56:名無しのビルダー
マップギミックみたいになってて草
57:名無しのビルダー
あーでも巻き込まれたやつ結構いるなー
58:名無しのビルダー
でも強者は避けてるな
59:名無しのビルダー
男の子の機体、密集地に向かう模様。片手間で銃剣で相手を切り刻んでおります。というか重MSっぽいのにすげえ加速力あるな。
60:名無しのビルダー
フルアーマーZZかな?早い、超火力、重装甲。あれ理想的だよな
61:名無しのビルダー
ぐりんぐりん動くフレキシブルスラスターが素敵。
62:名無しのビルダー
ペーネロペーとΞガンダムがいる宙域まで行くみたいだな。そっちどう?
63:名無しのビルダー
今ビームの打ち合いになってる。こっちからも男の子の機体が見えた
64:名無しのビルダー
ねえ俺今とんでもないことになってるんだけど
65:名無しのビルダー
どうした?
66:名無しのビルダー
お隣さんのメンツがやばすぎる
67:名無しのビルダー
関係ねーだろ?今その話題
68:名無しのビルダー
カイザー、タツヤ、グレコ、ルワン、チョマー、そして男の子と一緒にいた女の子が隣で観戦してるの。やばない?
69:名無しのビルダー
なにそれ超豪華メンバー。
70:名無しのビルダー
ってことは男の子とそのメンツは関わりがあるって…いや、やめよう。これ以上は詮索なし!
71:名無しのビルダー
いい判断だ。男の子の機体が宙域に入った、うおおおっ!?
72:名無しのビルダー
ひぃ~~!ミサイルハッチフルオープンの全力射撃!めっちゃかっこいい!
73:名無しのビルダー
おいおいミサイルの軌道おかしいだろ!?逃げてもおってくるぞ!?撃ち落としても次が来て、きりがない!
74:名無しのビルダー
なんだあのミサイル…?性能も数もおかしい。
75:名無しのビルダー
どうやったらあそこまで性能を引き上げられるんだろ?
76:名無しのビルダー
ペーネロペーとΞガンダムは防いだな。ビームバリヤー様様か。でも結構ギリっぽいぞ?バリヤーバチバチいってる
77:名無しのビルダー
仕掛けた!先手はペーネロペー!よけられたけど牽制目的か!
78:名無しのビルダー
おっと!?ここでファンネルミサイル!2機同時の大量発射!出し惜しみなし感がいいね!
79:名無しのビルダー
それほど必死ともいえるけどな。
80:名無しのビルダー
えぇ…?
81:名無しのビルダー
なんで躱せるの!?というかなんで当たらないのあの数で!?ファンネルだよ!?そこらの誘導兵器よりよっぽど命中率高いのに!
82:名無しのビルダー
すげえ、回避行動に余裕と遊びがある。ミサイルを知り尽くした動きだ。
83:名無しのビルダー
えーこちら軍団の魔術師カメラ、マイクロウェーブのチャージ入りました
84:名無しのビルダー
あーっとヅダの人が!
85:名無しのビルダー
キュリオスの機動性には勝てなかったか?いやでも凄いな?
86:名無しのビルダー
ちょっとwwww
87:名無しのビルダー
負けが決まった途端思い出したかのように空中分解するなwwスイッチ式かよw
88:名無しのビルダー
疾風さん困惑してて草。で、男の子の方は?
89:名無しのビルダー
ファンネルミサイル、全部撃墜しております…
90:名無しのビルダー
えぇ…
91:名無しのビルダー
いやホント凄かったわ。ぐりんぐりん動くんだよ、シールドすら使ってない。射撃だけで全部撃墜。鮮やかだったわー
92:名無しのビルダー
おっとペーネロペー、接近戦に入る!ところでビームバリヤーってずるくない?
93:名無しのビルダー
作りこみの結果だし卑怯ではないだろ。男の子に対抗策があるかどうかは知らないけど。
94:名無しのビルダー
お!?
95:名無しのビルダー
ビームシールドでバリヤーを突き破ってのライフルぶっさしゼロ距離射撃!?瞬間加速がすごいな!カメラ残像映ってるわ!
96:名無しのビルダー
サテライトキャノン入りまーす!
97:名無しのビルダー
Ξガンダムごと焼きにきた!?さすがに回避間に合わんか!?あーくっそ…
98:名無しのビルダー
いいとこまで行ったんだけどなー、直すの苦労しそうだあの機体
99:名無しのビルダー
待て、終わってないぞこれ!?
100:名無しのビルダー
サテライトキャノンから抜けた!?ってあれ…謎の可変機!?
101:名無しのビルダー
ええええええ!?
102:名無しのビルダー
あれってちょっと前に紅の彗星とバトルしてた機体!スーパーアーマード…アーマード!?
103:名無しのビルダー
つまりフルアーマー仕様だったってことか!?機体を覆い隠す鎧を作って機体特性すら偽装してたと!?
104:名無しのビルダー
今まで変形してなかったじゃん!?というか機体名、気づかなかったけど同じだこれ!VF-1とYF-19!パックっていう装備名も一緒!なんでわからなかったんだ!?
105:名無しのビルダー
見た目だろ!素の状態を出してすらない!ほぼ別の機体に見えるようにデザインされた上にバックパックまで背負ってたらわかんないよ!
106:名無しのビルダー
戦闘機スレからきますた。あっち落ちたので。まさかガンプラバトルで戦闘機を見れるだなんて…
107:名無しのビルダー
同じく、あっち叫びで収拾ついてない。テンションぶちあがってるけど俺も!うおおおおどの機体モチーフだこれ…!?
108:名無しのビルダー
現代兵器スレから参上!向こうも落ちた。まさか鎧の下に可変機仕込んでるなんて思わねーよ!
109:名無しのビルダー
なんだあの機動性!?さっきより数段上だぞ!?バーニアとか減ってるのに!
110:名無しのビルダー
メインスラスターが足なんだ!他は補助と強化パーツ!特に腰のやつがそう!変形したときに主翼になる部分だから推力がばらつかない!
111:名無しのビルダー
あとは変形が解禁されたせいか?戦闘機から手足が生えた形態、あれ凄いよ。戦闘機がブレーキかけてバックするとか思いつかないわ
112:名無しのビルダー
うわっ!?まだミサイル仕込んでんの!?
113:名無しのビルダー
外れた部分の下、いわば本体内蔵式のミサイルだ!フルアーマー仕様だったのは間違いなさそう!
114:名無しのビルダー
流石に軍団の魔術師さんも予想外か。ほとんどGビットを持ってかれたな。
115:名無しのビルダー
おっと軍団の魔術師さん、一騎打ちに臨む模様。シールドバスターライフルを投げ捨てて、ビームソードを抜いた!
116:名無しのビルダー
男の子も応える模様、変形して突撃していく!そういえば近接武装パンチしか見たことないけど?あとは銃剣?
117:名無しのビルダー
うおっ!?うまい!人型への変形でタイミングずらして振り切る前にシールドで受けた!こっから…!?
118:名無しのビルダー
きたああああ!!紅の彗星戦で使った腕部内蔵ミサイル!威力は一級品だぁぁぁ!!
119:名無しのビルダー
撃破しちまったぞ…!日本有数のファイターの一人を!
120:名無しのビルダー
残ってるのは?
121:名無しのビルダー
疾風さんと男の子だけ!他全滅!タイマンだ!
122:名無しのビルダー
キタアアアアアアア!!!
123:名無しのビルダー
可変機同士の対決!?これは燃えるよ!
124:名無しのビルダー
向かい合う2機、にらみ合い…めっちゃ絵になる
125:名無しのビルダー
先に動いたのは、男の子だ!変形して逃走!タイムアップ狙い!?
126:名無しのビルダー
違う!疾風さんがスピード対決を申し込んで男の子が受けたんだ!追いつけるなら追いついてこいってこと!
127:名無しのビルダー
ひいいいあぶねーよデブリにぶつかるわ!
128:名無しのビルダー
変形の使い方がめっちゃうまい!変形を繰り返して動きに緩急ができまくるから狙いが定まらないよあれ!
129:名無しのビルダー
男の子の射撃は何とか躱す疾風さんだけど…、でた!ミサイル!どっから見ても変態機動!
130:名無しのビルダー
トランザム!奥の手きたああああ!!!ってこれでもダメなんか!?
131:名無しのビルダー
直線の動きじゃよけられないよあれ!それこそ男の子の機体みたいな動きしないと!
132:名無しのビルダー
多分それプラス武器での撃墜でようやっと逃げられるなあれ。
133:名無しのビルダー
あっ当たった!?まだ!疾風さん爆発に紛れて奇襲!
134:名無しのビルダー
男の子防いだ!今度は何だ!?また内蔵ミサイル!?
135:名無しのビルダー
シールド裏に手を突っ込んだ!ビームサーベルでも、おおおおっ!?これって!なあ!?
136:名無しのビルダー
ヒートナタ!?ザクアメイジングの!?
137:名無しのビルダー
待って!?紅の彗星が今回の選手権で使ってたライフルってもしかして男の子の機体のライフルと同型じゃないか!?
138:名無しのビルダー
武器交換!?いったいいつ!?いや、それは後として!これで決着だ!
139:名無しのビルダー
すげええええ!あんだけファイターいたのに一人だけ生き残りやがった!
140:名無しのビルダー
タイムアップの決着は割と見るけど、ひとりだけ生き残るのはなかなかないぞ!?
141:名無しのビルダー
やべええええ!!!
142:名無しのビルダー
おいおい実況スレ他落ちたぞ。比較的過疎ってるこのスレもおちそう
143:名無しのビルダー
いやだってまさか謎の可変機乗りの正体が子供だなんて思わんし…
144:名無しのビルダー
あの変形機構はガンプラにどっぷりはまってるヤツほど衝撃を受ける
145:名無しのビルダー
この板素人多いからな、すごいってのはわかってもここがこうなるのはおかしいっていうのはわかんないか
146:名無しのビルダー
具体的に何がおかしいんだい?
147:名無しのビルダー
まず最初の増設装備、よくよく見れば可変機構に干渉するように作ってる。背中とか、可変機が何で変形できるかって言ったらそりゃ速く飛ぶためでしょ?
148:名無しのビルダー
なのに、変形しなくても十分なくらい推力を確保できるスラスター群、まずこれが作れない。フルアーマーZZみたいな設定としてノーマルよりも機動力高めってなってるキットだったら比較的再現は容易だけど
149:名無しのビルダー
この男の子の機体はフルスクラッチ、完全自作だから、そんな設定生えてこない。だからガンプラの出来勝負になるけど、やっちゃったんだよなあ
150:名無しのビルダー
あとミサイルだよ。正直これが一番おかしい。あんな地獄の果てまで追ってきそうな動きするミサイルなんてガンプラバトルじゃ見たことない
151:名無しのビルダー
速い速い、つーかなんか重くなってきた!?
152:名無しのビルダー
ここも駄目か!?
153:名無しのビルダー
まだ話したいことあるのにいいいいい!!
第六回世界選手権を実況するスレpart67
1:名無しのビルダー
えー、このスレは…もういっか。昨日のアレでサーバーが消し飛んだあとスレ乱立しては落ちてを繰り返して今こうなってます、まる
2:名無しのビルダー
いや、盛り上がったなあ。過疎スレが大人気スレに大変身だよ
3:名無しのビルダー
それもこれも全部あの機体が悪い
4:名無しのビルダー
いやしょうがねーべ?それにあの男の子全く悪くないからな!多少リア充かもしれんが
5:名無しのビルダー
今これ世界選手権中ってマジ?話題に上らないんだけど
6:名無しのビルダー
話題性で世界に勝つガンプラ
7:名無しのビルダー
そりゃあ、可変機の常識が覆ったわけだし。
8:名無しのビルダー
これ他のプラモ勢もGPベースにやってくるんじゃないか?
9:名無しのビルダー
大惨事プラモ大戦が勃発しそう
10:名無しのビルダー
と、とりあえず今日のイベントだよ。まさか復旧するのにこんだけ時間かかるとは
11:名無しのビルダー
今日のイベント、ガンプラ隠し芸大会かぁ。これもうガンプラの意味ある?
12:名無しのビルダー
大人の事情です
13:名無しのビルダー
きったねえ事情を聞いたわ。
14:名無しのビルダー
司会の人相変わらずテンションたっかいなー
15:名無しのビルダー
初手誰?ヅダの人だ!www
16:名無しのビルダー
なんで毎回いるんだよw
17:名無しのビルダー
ヅダwww原作再現じゃねーよそれ昨日も一昨日もやってただろww
18:名無しのビルダー
くっそ、何回見ても面白いwというか空中分解の仕方にパターンあるだろこれw作りこんでんじゃねーよそんなもんw
19:名無しのビルダー
盛大な花火が打ちあがりましたって司会wうるせーよww
20:名無しのビルダー
もうこの人ホント好きwww
21:名無しのビルダー
明日もやってきそうwガンプラレースだしw
22:名無しのビルダー
明日はどこで爆発するんかなあ。
23:名無しのビルダー
あ、次はチョマーじゃん!
24:名無しのビルダー
ウォドムだ!何やんのってコサックダンス!?
25:名無しのビルダー
ウォドムコサックダンスwwwウケてるけどお前ドイツ代表だろwソーセージとビールはどうしたw
26:名無しのビルダー
ドイツのイメージそれかよw
27:名無しのビルダー
ひぃ~~~www
234:名無しのビルダー
くっそ~ガンプラ漫才とはやるなw
235:名無しのビルダー
まさかプロ漫才師が紛れ込んでいるとは思わなんだ
236:名無しのビルダー
本業だろそれw隠し芸じゃねーからw
237:名無しのビルダー
個人的には3つ前のジャグリングがやべーと思ったり
238:名無しのビルダー
あれ操作エッグいよなあ
239:名無しのビルダー
7つピンお手玉ってどんだけだよw
240:名無しのビルダー
お、次はイタリア代表&アメリカ代表コンビ!演目は何だ!?
241:名無しのビルダー
闘牛www何?二つ名つながり?
242:名無しのビルダー
一発ネタなはずなのに牛の異様な完成度はさすがw
243:名無しのビルダー
ビームマントの有効活用www
244:名無しのビルダー
本場はスペインだけど一応イタリアにもあるんだっけ闘牛
245:名無しのビルダー
ひらりひらりと躱して余裕あんなー流石はフェリーニ
246:名無しのビルダー
いやいやでも息の合い方すげーぞ。さすがは親友同士
247:名無しのビルダー
突進怖すぎんだろw一歩間違ったら決勝用のガンプラ壊れんぞw
248:名無しのビルダー
なんで一発ネタでここまで本気出してんのww
249:名無しのビルダー
本気でやったほうがおもしろいからww
250:名無しのビルダー
本気の遊びだよww
251:名無しのビルダー
反撃パート入りまーす!
252:名無しのビルダー
すっげえ、すれ違いざまの一太刀鮮やか~
253:名無しのビルダー
ビームサーベルが実剣に見えてくるww
254:名無しのビルダー
うおー、すごかった!流石はトーナメント進出者!
255:名無しのビルダー
カイザーさんでるんかな?
256:名無しのビルダー
いや、出ないっぽい。ユウキ・タツヤと観客席にいる
257:名無しのビルダー
でたらなにやらかしてくれたんだろww
258:名無しのビルダー
同時操作でブレイクダンスでもしてくれるんじゃね?
259:名無しのビルダー
何それめっちゃ見てみたい
260:名無しのビルダー
次はだれだー?
261:名無しのビルダー
サオトメ・アルト…って昨日の可変機の子か!
262:名無しのビルダー
え!?女の子も一緒!?
263:名無しのビルダー
手ぇ繋いでエスコートしながら出てきたwかわいいw
264:名無しのビルダー
うっわー、白いワンピースがよく似合うなwアルト君でいっか、頑張れよー
265:名無しのビルダー
今日は何やらかしてくれるんですかね~
266:名無しのビルダー
おのれ子供の分際で女の子とあんな仲良くなるなんて許すまじ、こうなれば
267:名無しのビルダー
何する気だぶっ殺すぞ
268:名無しのビルダー
子供に手出すとか最低だぞ
269:名無しのビルダー
嫉妬はやーねー
270:名無しのビルダー
素直にほっこりさせてくれよ。いいじゃん微笑ましくて。
271:名無しのビルダー
ヒマリちゃん?ちょっと嬉しそう、もしかして手繋いでるから?
272:名無しのビルダー
貴重なロリショタカップル、たぎるわ~~~~!
273:名無しのビルダー
さて、何するんだろ?
274:名無しのビルダー
んん?4つ機体だした!?
275:名無しのビルダー
一つはまだ見たことないやつだ!まだあったんだ!
276:名無しのビルダー
え?音楽?しかもバラード系の曲…知ってるやついる?
277:名無しのビルダー
聞いたことない。ここで出すってことはガンダムの曲か?
278:名無しのビルダー
ヒマリちゃん歌いだしたぞ!?めっちゃくちゃうまい!?
279:名無しのビルダー
同時に発進した!?4つ全部!?同時操作か!でもただでさえ並行操作は難しいのに…!
280:名無しのビルダー
えっ、待ってこれ…もしかしてラブソング?
281:名無しのビルダー
ますます意図がわからん、何のつもりだ?
282:名無しのビルダー
ってこれステージ!戦場だ!ビームとミサイルふってきた!?
283:名無しのビルダー
おお、編隊飛行から個別飛行へ移して躱した!?って降ってくる量可笑しくないか!?
284:名無しのビルダー
難易度いくつだ!?もしかして最高!?
285:名無しのビルダー
まって!?今気づいたけどこれ音楽と合わしてる!?歌を引き立てるように動いてないか!?
286:名無しのビルダー
ねえ、俺も今気づいたんだけどさ?動画の音楽担当のHってもしかして、彼女?
287:名無しのビルダー
イニシャルか!?あとで声確認しよう!今は聞いてたい!
288:名無しのビルダー
ほんと、しっとりするというか…恋っていう題材を前面に押し出した曲だね
289:名無しのビルダー
正直、コメントすらしたくない。目の前にずっと集中してたいよ
290:名無しのビルダー
口ポカーンってなってる
291:名無しのビルダー
おっきいのが変形した!なんだあのでかい4連装砲は!?
292:名無しのビルダー
ノーズアート書き換えられてる!ヒマリちゃんの絵だ!
293:名無しのビルダー
もはやこれは公開告白なのでは?
294:名無しのビルダー
ほかのも一斉に変形したな!?というかなんであんな密度濃い弾幕の中一発も当たらず4機同時操作してるんだよ、おかしいだろ
295:名無しのビルダー
砲撃でデブリが消し飛んだ!その先からの艦砲射撃!防いだ!?変形してのビームシールドか!?
296:名無しのビルダー
歌のサビ、めっちゃいい。もしかしてこれってさ…
297:名無しのビルダー
動画の焼き直しじゃなくて即興ミュージックビデオだ!
298:名無しのビルダー
ヒマリちゃん、かわいいなあ。そこらのアイドルよりよっぽど歌上手いぞ
299:名無しのビルダー
生歌だからな、誤魔化せない分実力がはっきり出る
300:名無しのビルダー
アルト君分かってたけどとんでもないな、難しい同時操作で高速戦闘かましつつ歌に合わせてドッグファイト?被弾もなしに?
301:名無しのビルダー
ミサイルの雨を砲撃で一掃して爆発に突っ込むとかタイミングずれたらプラモぶっ壊れてるぞ
302:名無しのビルダー
すっげえ…会場中が聞き入ってる…
303:名無しのビルダー
俺も、言葉が出ない。曲も、操縦も、目と耳どっちも酷使してみてる。
304:名無しのビルダー
これ録画効いてたっけ?
305:名無しのビルダー
できるハズ。というかこれ残さないとだめなやつ。
306:名無しのビルダー
どこを見ればいいんだ?どの機体を?目が足りねえよ!
307:名無しのビルダー
当たり前のように4機全部でミサイルを躱しまくるな。どこに目ついてんだ?
308:名無しのビルダー
サビで編隊飛行に戻った!ってでかい機体ビームシールド積んでんの!?飛行機状態なのに!?
309:名無しのビルダー
先頭の白い機体、ごっついのに妙にスマートだよな、かっけえ
310:名無しのビルダー
俺はユウキ・タツヤと戦った機体が好き。デザインすっげえよ
311:名無しのビルダー
新しい青い機体がいいかな。羽がぐねんぐねん変形してるのどうやってるんだろ
312:名無しのビルダー
俺は勿論でかいやつ!
313:名無しのビルダー
うおっ!?装備が外れた!?
314:名無しのビルダー
そっか、追加装備がついてるんだっけ!ってことはアレが本来の姿!?
315:名無しのビルダー
一気にスマートになったじゃん!装備付もいいけどこっちもやばいな!
316:名無しのビルダー
アーマーパージとか最高に燃えるやつ!
317:名無しのビルダー
だめだ、あかん、もう黙る
318:名無しのビルダー
俺も
319:名無しのビルダー
320:名無しのビルダー
321:名無しのビルダー
322:名無しのビルダー
323:名無しのビルダー
…凄かった。それで済ましていいのかわかんないけど
324:名無しのビルダー
ヒマリちゃんホントいい顔で歌うな。恋してる女の子みたい
325:名無しのビルダー
そういう歌だったからかもしれないけど、そうじゃなかったら…
326:名無しのビルダー
でもお似合いじゃない?秘かに応援したいよ
327:名無しのビルダー
正直最後の動画と同じ、白い機体の敬礼に心臓撃ち抜かれた
328:名無しのビルダー
あれほんといい。よく考えればガンダムで発進するときや帰ってきたときそんなことしないもんな
329:名無しのビルダー
おー、他スレ荒れてる荒れてる。一気に書き込み増えてる
330:名無しのビルダー
もしかしてここも時間の問題か?
331:名無しのビルダー
他スレの影響はもろに出そう
332:名無しのビルダー
会場いたけど配信とか忘れるわあんなん
333:名無しのビルダー
生で聞けた人いいなー!
334:名無しのビルダー
あれは、やばい。ヒマリちゃん歌手にならない?ファンになるから
335:名無しのビルダー
ファンクラブつくるわあんなん
336:名無しのビルダー
アルト君を許容できるならいんでね?
337:名無しのビルダー
二人セットに決まってるだろ!
338:名無しのビルダー
あ、退場しちゃう!アンコールないん?
339:名無しのビルダー
無茶言うなよアルト君相当限界っぽいぞ
340:名無しのビルダー
汗だくだな。でもヒマリちゃんのエスコートは欠かさずか
341:名無しのビルダー
紳士だなあ…
342:名無しのビルダー
いやカイザーみたいなことやってたんだぞ?そうなるわ。
343:名無しのビルダー
隣の女の人泣いてる。他にもちらほらそういう人いるわ
344:名無しのビルダー
隠し芸でこんなの見られるなんてな…
345:名無しのビルダー
これ次の人プレッシャーだぞ~~~
346:名無しのビルダー
ハードル爆上がりwww
347:名無しのビルダー
俺だったら逃げるけどw
348:名無しのビルダー
拍手が鳴り止まない。ホント凄かった
349:名無しのビルダー
語彙が溶けるよ…
350:名無しのビルダー
これ、ヲチスレ出来ちゃうな。
351:名無しのビルダー
まとめサイトもできるぞ
352:名無しのビルダー
何もないといいんだけど…
これ以降のレスはサーバーの高負荷により規制されています。書き込み再開まで今しばらくお待ちください。
これでヨシ!(一般現場バルキリー)
次回はYF-21新パックのお披露目になりまーす
感想がめっちゃきて嬉しいんですが、返してたら執筆時間無くなっちゃいそうなくらいきてるので、感想の返信はちょっと取りやめます。必要そうなのだけ返していくのをご了承ください
すべて感想は見ておりますのでこれからもどしどしお願いします
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世間ってのは意外と狭い
GPベースによる一世一代の一発勝負をしたミュージックビデオを終えた俺とヒマリは荷物を取るために控室に戻ってきていた。途中すれ違った次の出番の人の顔がえらい青ざめてたけどどうしたんだろうか?体調が悪いなら大事にしてほしいんだけど。いやー、しかしうまくいってよかった!ぶっつけ本番だったもん4機同時操作!できるんじゃないかと薄々思ってたけどほんとにやれるとは思わんかった。あれ?これもしかしてバルキリーたくさん作れば編隊飛行が一人でできるってことでは!?夢が広がるわ!さっそくどうするか考えないと!
「アルトくん、嬉しそうだね~」
「そりゃあな?嬉しいに決まってるだろ。お前の歌に合わせて飛べて、なおかつあんな広い空があったんなら」
「ふふ、アルトくんが楽しそうでよかった。私も楽しかったし!」
俺に手を引かれながら歩くヒマリはニコニコと楽しそうに笑っている。よく考えればこいつあの大舞台で完璧に歌い上げたんだよな…すげえわ。俺の幼馴染、尊敬の念しか抱けない。そう考えながら控室のドアを開けてロッカーのカギを開けて荷物を取り出す。バルキリーをしまい込んで帰ろうとすると、近くに人影が。そっちを見ると同い年くらいの女の子だ。眠そうな半眼にウェーブのかかったロングヘア。ピンで前髪を止めておでこを出している。どっかでみたことあるんだよな~~。着ているパーカーで思い出した!最初にヅダで出てた子だ!フード被って顔を隠してたから顔はわかんなかったけど妙に性能の高いヅダなのに様式美とばかりに空中分解したからよく覚えている。何用だろうか?
「え~~~っと…?」
「…サオトメくん、スズカゼさん…ここで会えるとは思わなかった」
「アルトくん、知り合い?」
「いや、知らないはずだけど…?」
「…二人とも、ひどい。同じクラスなのに」
「「え?」」
「…これなら、わかる?」
そう言って彼女はピンを外して頭をフルフルとふる。長い髪が揺れて前髪が目を隠した。それを見て思い出した!っていうかホントに同じクラスの子だ!名前は
「イロハさん!?」
「ツムギちゃん!?」
「…やっと思い出してくれた、ひどい。いじわる」
無表情ながらもじとっとした雰囲気を出してるこの子はイロハ・ツムギ。確かに俺とヒマリと同じクラスの女子だ。イギリス人とのハーフでいつも前髪で目を隠して本ばっかり読んでる文学少女。言葉少なく、表情もあんまり変わらないし、俺と同じで授業後はすぐに帰っちゃうから誰かと公園とかで遊んでるのも見たことない。話しかければきちんと話返してくれるし、遊びに誘えば来てくれるので休み時間に女子同士で遊んでるのも見かけてる。だけど、大会にまで足を運ぶほどのガンプラ好きだったのは初めて知った。そんな積極的な子じゃなかったし
「いや…ごめん。顔出してるの初めて見たから気づけなかった」
「私も…ツムギちゃんの目初めて見たよ」
「……ほんとに?」
「「ほんとほんと」」
「…ちょっとショック」
顔がほとんど見えないのにシュンとした雰囲気を出すイロハさんにあわあわしたのは俺とヒマリだ。さすがにこれは俺らが悪いので慌てて謝って用件を聞くことにした。
「それで、俺たちに何の用?」
「…決まってる。その機体のこと…サオトメくんが今話題の可変機乗りだったなんて知らなかった。あと、仲良くなれそう、かなって…」
言葉の最後に近づくほど声が小さくなって尻すぼみになっていくイロハさん。仲良くなれそうとはどういうことだろうか?ガンダム好きなんて学校に掃いて捨てるほどいるけど俺限定なのはなんでなんだろう?俺とヒマリは顔を見合わせてこう言った。
「「とりあえず、部屋来る?」」
「…お邪魔、します?」
俺たちは迎えに来てくれたタツヤさんたちに一言断って、ホテルに向かうのだった。
「…すごい。すごいすごいすごい!こんな複雑な変形機構、私じゃ思いつかない。サオトメくん、天才」
「アルトでいいよ。いやでもイロハさんのヅダもすごいなあ。作りこみもだけど空中分解のパターン用に手足が自由に切り離せるなんて。でもなんでそこまで?」
「…私も、ツムギでいい。アルトって呼ばせてもらうから。私はヅダが好き。高出力の単発エンジンによる大推力、高機動、速さを追い求めたデザインが好き。やりすぎて空中分解しちゃうのだって、だから私はヅダを極めるの」
「へえ、確かに仲良くなれそうかも」
「…うん、こんなにガンプラの事話したの、アルトが初めて」
そう言って口元もほのかに上げてほほ笑むツムギ。ただひたすらマクロスに魅せられた俺と、ヅダという欠陥機を追い求めるツムギは通じるモノがあるのかもしれない。彼女の機体は日本選手権の強者と並ぶほどよく出来ている。いっそ狂気的とも思える仕上がり、ミリ単位で削って、接着して、ディテールを入れ込んで…作品に向ける愛は、どれほどのものだろう。
「ねえツムギちゃん。ずっと気になってたんだけど」
「…なに?」
「どうして目、隠しちゃうの?折角かわいいのに」
「か、かわっ!?…うぅ~…見えすぎるの。眩しいくらいに。…だから髪でカーテンしてる。ガンプラバトルの時はよく見えるから、顔出してるけど」
「そうなんだ。凄いね!」
俺たちが泊まってる部屋でお互いの作品を見せ合っている俺たち。ヒマリのドストレートな賞賛に頭から湯気が出そうなほどあわあわしてるツムギ、相性よさそうだな~俺とだけじゃなくてヒマリとも仲良くなれるんじゃない?
「…ねえアルト、お願いがある」
「なんだ?聞けるなら聞いてやるけど」
「…明日のイベント、出て。私のヅダと、あなたのバルキリーで勝負、しよ?」
「いいけど。レースだろ?言っとくけど俺のバルキリーは速いぜ?」
「…うん、分かってる。だけど、挑まない理由にならない。それに、出すのはこのヅダじゃない。こっち、私の本気、だよ?」
「こいつは…っ!?フルスクラッチ!?」
「…そう、私のせいいっぱいで、あなたに挑みます。受けてほしい」
彼女が取り出したのは、今までのキットを改造したヅダではなく、フルスクラッチと思われるヅダだ。完成度は高い、俺のバルキリーとほぼ同じレベルだ。ここまでやれる、というか俺と同じレベルまで作りこめるビルダーだったなんて…いい。こういうのって燃えるじゃん。
「わかった。明日のレース、俺もエントリーする。本気で勝ちに行くぞ」
「…うれしい。じゃあ明日、勝負。待ってるから」
「…えっ?」
「あーーーーー!?」
そう言って彼女は俺に向かってハグをした後、ヅダを回収して去っていった。残されたのはフリーズする俺と、ポカンとするヒマリ。今何が起こった…?
この後、盛大に拗ねるヒマリに言い訳を並べ立てたのは余談である。
『さあやって参りましたモラトリアムイベント4日目!本日はガンプラレースでございます!ルールは簡単!一着になったもの勝ち!なお攻撃、妨害は厳禁、ドダイ等のサブフライトシステムの使用は許可されております!』
そうして翌日、やってきたレースイベントだ。舞台は地上、空を飛ぶもよし、地をかけるも、地中を進むのもよし。攻撃や妨害は禁止で7つのチェックポイントを回ってスタート地点に戻ってくるシンプルなルールだ。そして、俺の隣には意識させるようにツムギがいる。隠していた顔を出して、その眠たげな瞳を鋭くしながら、前を見つめている。ステージの中にいるのはもちろんヅダ。けどただのヅダじゃない、フルスクラッチ、彼女のヅダへの惜しみない愛がそうさせた名実ともに一つしかない彼女だけのヅダだ。
そして、俺の前にある機体。今日俺が乗って飛ぶのはYF-21だ。それも新造した原作にないパック。その名もフルブーストパック。同じくスーパーパックの上から装備することを前提にしたパックだが、こいつの場合はもっとひどい。なんと、ガウォークとバトロイドに変形できない。YF-19スーパーパックのような大型ブースターを両翼に挟み込むようにつけ、機体下にも一つの大型ブースター、計3つの3次元ノズル付きの大推力ブースターで構成されたパックだ。武装は3門のレーザーガトリングとマイクロミサイル。それとプラフスキー粒子の実験用に取り付けた新システム。
このパックのコンセプトはただ一つ、デッドウェイトになる手足を切り離さずにハイマニューバモードと同等の機動力を得ること。そして、その先に行くことだ。当然、この状態で手足を切り離し、リミッターを解除してハイマニューバモードに移行することができる。こと機動力に関していえば最高の一品だ。
『さあスタートは目の前です!3!』
「…アルト」
『2!』
「ああ、ツムギ!」
『1!』
「「勝負!」」
『スタートォォォ!!!』
チェッカーフラッグが降られ、スタートの合図が鳴った瞬間に、フルスロットル、そのまま背後に爆発するような勢いでスラスターを吹き出してロケットのようにスタートを切るYF-21。ヅダは…ついてきてる!?地上で飛べる機体じゃないのにその背中の単発エンジンからありえない量の爆炎を吹き出して飛行し、俺に並んできた。後続はすでに遥か彼方、俺とツムギの独壇場だ。あっという間に一つ目のチェックポイントを通過する
「やるじゃないか、ツムギ!」
「…アルトこそ!でも、勝つのは私」
そう言ってなおも彼女は加速を続けていく。この先は、ピラーが立ちはだかる剣山地帯、いくら俺でもスピードが出すぎてたらよけられないのでこれ以上スピードを上げられない、が彼女はそれを意に介することなくどんどん加速していく。そしてすぐに剣山地帯に突入した。可変翼と推力偏向ノズルを使って機動をコントロールしよけていく。俺より先を行く彼女も同様だけど、全然違う!加速しながらよけている!時には剣山に足をついて蹴り、腕で受け流しながらもなお加速していく。冗談じゃないぞ!?
「…普通の人なら、見えないけど。私は目がいいから、だから…これくらいなら、止まって見える!」
「目がいいってそういうことか!最高じゃねえか!」
剣山を抜けて第2チェックポイントを回る。道が開けたことで俺も加速をかける。出し惜しみしてる場合じゃねえ!システム機動!後付け大型ブースターの前面に設置してある吸気口が開いて、プラフスキー粒子を吸い込み内部で圧縮、それをノズルから噴出することでさらなる加速を得るシステムだ。紅の彗星をはじめとするプラフスキー粒子の利用を考えたときに熱核バーストタービンの構造を思い出し、作ってみた装置。ただでさえ加速力があるYF-21にさらにブーストをかけてぶっ飛ばすためのシステムだ。当然、軌道もコントロール自在、俺の操作が追い付けばの話だけどな!ちなみに名前はまだない!
「…追いついてきた!?私のヅダに!?すごい、もっと速くなる、ついてきて!」
「言われなくても!」
後続は今更第一チェックポイントを通過、実質俺とツムギのレースになっている。ヅダがさらに加速しその前面にあるプラフスキー粒子が圧縮されて紅く光りだす。すげえ、タツヤさんの代名詞の紅の彗星現象だ。タツヤさんは任意で発動可能ではあるが他の機体でも再現できないわけじゃない。今みたいに、バカみたいなスピードでチキンレースしてたらなってたこともあるだろうさ!けど、それが彼女にさらなる翼を与えている。
「…いける!ヅダ!もっと先に!あなたの本気を見せてあげて!」
「さー正念場だぜYF-21!飛行で負けちゃならんよなあ!!?」
俺のYF-21には紅の彗星現象は発生してない。プラフスキー粒子を吸い込んで後ろに放出してるから圧縮される粒子がないのだ。それに比べて紅の彗星現象のおかげでさらに加速を続けていくヅダ。背部の木星エンジンからもはや赤でも青でもない白い炎を発しながら空をかけている。そして俺のYF-21も、後ろに延々と続く飛行機雲を残し、一歩間違えたら機体が木っ端微塵になるチキンレースへ賭け金を上乗せしていく。
第4、5、6のチェックポイントを音を超えんばかりの勢い、GPベース内の表現では超えているようだが…で通過するYF-21とヅダ、まだ早くなる。後続なんてどうでもいい、今見えるのは相手の機体だけ!
「…一番速いのは私とヅダ!勝つのは私!」
「聞き捨てならねえなあ!リミッター解除!ハイマニューバモードへ移行!」
「…奥の手!?いい、まだやれるよねヅダ!アルトに見せてあげて!」
ヅダのモノアイが怪しく輝く、すでに限界値を超えてるであろうランドセルが赤熱しこれまで以上の爆炎を吐き出す。当然俺だって負けちゃいない!全システムのリミッターをリリースし、根元から手足が脱落する。プラフスキー粒子の吸入が追い付かなくなり、YF-21も紅い粒子に包まれる。余りの加速に両方の機体の塗装が剥がれ始め、一部装甲がめくれ上がった。じりじりと俺が前に出て、彼女がさらに前へ出るの繰り返し。第7チェックポイントを通過!後はゴールだけ!
「…負けない!ヅダは!私は!負けないんだああああ!」
「勝つのは俺だあああああ!!!」
ゴールは目の前、加速を続ける俺たち、ヅダもYF-21も限界をとっくのとうに超えている。まだやれることは、ある!俺はつけているフルブーストパックとスーパーパックをすべて外す。加速しきったはずのYF-21が重さをなくしたことによりさらに加速する。装甲を割りながらヅダを追い越し、ゴールをくぐった!俺の勝ちだ!
「…負けちゃった」
「今回は、俺の勝ちだ」
流星のように飛びながらスピードを落としていく。二人とも集中しすぎて汗だくで、ツムギに至っては見開いてた目をこれまで以上に眠たげにしている。二人してボロボロの機体でゆっくり空を飛びながら話をする。
「…私、あんなに叫んで、本気で操縦したのはじめて」
「そうなのか?」
「…うん、負けたくないって本気で思ってた。このヅダなら、アルトに勝てるって本気で思ってた…だから、うれしい」
「うれしい?」
「…だって、また挑める。もっと上手にヅダを作って、もっと操縦うまくなってもう一回、勝負して?」
「いいぜ、勿論。俺も、すごい楽しかったしな」
「…うん、だから、お礼」
「は?」
そう言って俺の操縦スペースまで入ってきた彼女は、俺の頬にチュッ…と唇を落としてきた。昨日に続いて余りの事にフリーズする俺。立体映像に囲まれてるから周りに知られてないのが幸いだ。いや!そうじゃなくて!
「ななななん…!?」
「…お母さんが言ってた。お友達にお礼をする時にやってあげてって。イギリス式、アルトは友達。恥ずかしいけど、お礼…あ、忘れてた」
それ日本式じゃねえから!というかお母さんに騙されてるんじゃないか!?と突っ込む暇もなく自分の操縦スペースに戻るツムギ。数瞬後、ヅダが飛びながら震えだし、爆散した。
「ええええええええええええ!?」
「…ヅダの空中分解は様式美。負けても勝っても、これがなければ始まらない」
無表情でもわかるどや顔で、彼女は胸を張ってそう言った。また作り直すのだろうか?新しくて今より速い、彼女だけのヅダを。俺は一種の現実逃避をしつつ、そう思うのだった。
ともかくこれが、俺ことサオトメ・アルトとスズカゼ・ヒマリ、そしてイロハ・ツムギの関係の始まりであったことは、言うまでもない。
というわけでヅダニキ(ネキ?)ことイロハ・ツムギちゃん参戦です。というわけで軽く3人の紹介
サオトメ・アルト
我らが主人公。転生したがマクロスがないことに憤慨し自分で作りだしたアホ。設定持ち込んで売り込むとかいう考えはハナからない
ビルダー技術、ファイター技術共に一級品、後先考えず行動するためいろんな衝撃を方々に振りまいてる危険人物。容姿はマクロスFの主人公とだいたい一緒だが、真女形ではないため雰囲気が完全に男で女の子に見える男の子程度に収まっている
スズカゼ・ヒマリ
幼馴染ヒロイン、音楽に関する才能はカンスト。アホ主人公に対していろいろアピールを頑張るが気づいてもらえない不憫な子。なぜこのアホ主人公を好きになったかはいつか書くかもしれない。強力なライバルが出現したのではないかと戦々恐々としている。アルトくんは渡さないんだから!でもツムギちゃんとも仲良くしたい。基本的にとってもいい子。
イロハ・ツムギ
ヅダが大好き属性過多ヒロイン。物静か無表情ジト目メカクレ色白ハーフ金髪ガール。普段はメカクレだがガンプラバトルする時だけ顔を出す。属性壊れる。実はライバル枠というかマクシミリアン・ジーナス枠。特典で下駄はいてる主人公と違って真正の天才。戦闘ならともかく操縦技能は現時点での主人公より上。ビルダー技術は主人公のほうが上。戦闘するとあんまり強くない。あくまでヅダをスピードの向こう側に送るのが目的。だからバルキリーに乗せたらリアルマクシミリアン・ジーナスみたいになる。
実は初めてホントに仲良くできる友達認定したのがアホ主人公。だから距離感がバグってる。友達の距離感をわかってないし、面白がった母親の冗談を真に受けて実行しようとする。学校ではメカクレのせいで距離とられがち。アルト、ヅダの話しよ?
とまあこんな感じです。出しといてあれだけどこれをうまく調理できるのか俺?マクロスと言えば三角関係だけど早まったかもしれない。
まさかヅダの人がヒロインになるなんて誰も思うまい、ふふふ。作者も思ってなかったからな!
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トライアングラーって見てる分には面白いよね
ゴーストを撃破したみたいにボロボロになったYF-21を回収した俺と、爆発させた割には原型が残っているヅダを回収したツムギ、さっきの事が頭にこびりついてる俺はかくかくと不審な動きになってるかもしれない。というかツムギの距離が近い!ヒマリ並みに近いぞ!?ヒマリは幼馴染だから近づかれてもいい具合の距離感を分かってくれてるけどツムギはストレートにぐいぐい来る。あ、今更3着の人が来た。えーっと、あ!キュリオスガストの人だ!4着がZで5着がゲドラフ?アインラッド付だとしてもすげえや。
「…アルト、楽しかった。またあそぼ?」
「おう、というか今から遊ぼうぜ。ヒマリも呼んでな」
どうせ今から暇だしまた出店でも回ろっかと思ってたら運営スタッフのTシャツを着た人が俺に向かってちょいちょい手招きしてる。俺がそっちに行くとあわあわとツムギも一緒になってついてきた。親の後ろについてくる子犬か何かかお前は。で、スタッフさん何の用?
え?さすがに一昨日、昨日、今日とイベント総なめしすぎ?申し訳ないけど君が出たら必ず勝つだろうからエンターテインメントとして成り立たない?ちょっとそれは他のファイター舐めすぎじゃない?え?今日のレースがなかったらまだ出れてた?差をつけすぎて参加者が冷めてたからお願い?まあもうこれ以上出る気ないけど。YF-21直したいし。
というわけでイベント出禁である。良いけどさ。これ以上出る気しないし約束もないし。めっちゃ飛べて今は満足してるし。とりあえず暫くガンプラバトルはいいかな~~。
「ところでツムギ、ヅダなんで原型保ってるの?」
「…ホントに壊しちゃうのは直すの大変。だけど、様式美というかこれがヅダだから…それっぽい爆発が出る感じに作ったの…お小遣い、無くなっちゃうし」
「世知辛いな、お互い」
「…アルトも?」
そう、俺もである。フルスクラッチという関係上材料費にとにかく金がかかる。俺は常に金欠なのだ。今回は楽しんで来いということで両親から軍資金をもらったので比較的裕福だけど本来だったら出先でジュースを買うことにすら苦渋の決断をせねばならない。だから安くプラ板とかを売ってくれるイオリ模型には頭が上がらない。常に五体投地しているレベル。心の中でな!
「…アルトと仲間、仲間…ふふふ…」
「みょーに嬉しそうだけど誇れる仲間じゃないからな?ただの金無し同盟なんて」
「…うん」
「俺が悪かった。悪かったからその捨てられる寸前みたいな悲しそうな雰囲気を今すぐやめろ。悪いことしてるみたいだろ」
一気にシュンとした雰囲気に変わるツムギ、こいつこんなに分かりやすかったっけ?無表情なのに雰囲気だけで何考えてるかわかるぞ。尻尾と犬耳つけたらわんこだこれ。
「あー!アルトくんツムギちゃんいじめてるの!?」
「おいヒマリ、お前は俺の事なんだと思ってるんだ?」
「うーん…飛行機バカ?」
「全く否定できんがともかく俺はツムギをいじめているわけじゃねえ!」
流石幼馴染のヒマリさん、俺の事をよくわかってらっしゃる。いやそれは置いといて、いじめているわけではないということを声を大にして言いたい。俺とヒマリのじゃれ合いを見て完全におろおろしてるツムギ、ちょっとだけ抗議を続けさせてくれ、そのあといくらでも謝るから。さあ戦争だぜヒマリーーーー!!!
「まあアルトくんがそうなのは今に始まったことじゃないからいいけど、ユウキさんが遊びに行こうって誘ってくれてるの。ツムギちゃんも、行かない?」
「行くってどこへ?まだモラトリアムは3日あるぞ?」
「…私も行っていいの?」
「いいよ!こっちから誘ってるのに!それにユウキさんも話したいって!」
「…アルトは、いく?」
「こいつがこう言いだしたら基本俺に拒否権はないぞ」
「…素直じゃない」
「んだと髪の毛ツーサイドアップにしてデコ丸出しにしてやろうか!?」
「…やってくれるの?友達に髪の毛結んでもらうの、憧れてた。やって?」
「あれ?普通こういうのって嫌がるもんじゃないの?なあヒマリ?」
「しりませーん。アルトくんのとーへんぼくー」
「おかしい、なんで俺が四面楚歌なんだ…」
俺が頭を抱えてるとヒマリがツムギの腕を取って先に行ってしまった。慌てて俺が後を追う。っつーか…
「まだどこに行くか聞いてねーんだけど!?」
「どこって、海だよ?」
「海ぃ?」
俺の素っ頓狂な声が、その場にむなしく木霊した。海ってあの海か?しょっぱい生命の源のやつ?GPベースで再現したやつじゃなくて?
急いで二人の後を追った俺はなぜかジープを運転しているグレコさんに同乗するチョマーさん、タツヤさんとお初のフェリーニさんが待ってた。
「よう色男、新しい女ひっかけたのか、やるな」
「やっぱり喧嘩売ってますよねチョマーさん!?」
「ちょっとこれは私もフォローできないよアルト君。何があったんだい?」
「昨日クラスメイトの一人がここ2日間くらいちょっとした噂だった妙にすごいヅダのビルダーだったことが発覚しました」
「ちょっとこれは私でも困惑しそうかな…彼女が?」
タツヤさんの視線と一緒に大人たちの視線が全部ツムギに注がれる。彼女はまさか世界選手権出場者しかいないとは思ってなかったらしく小動物のようにフルフルと震えてしまいにはヒマリの元を離れて俺の後ろに隠れてしまった。
「…き、聞いてない。アルト、こんなすごい人たちと一緒だなんて聞いてない」
「すまん、いうの忘れてた。えーっと、クラスメイトのイロハ・ツムギです。ヅダが好きらしくて、ファイターとしてもビルダーとしても凄いやつですよ。今日のレース見てもらったらわかるでしょうけど」
「…イロハ・ツムギ、です。ヅダが好きで、えっと…フルスクラッチとか、やって、ます…?」
「よろしくねイロハさん。ユウキ・タツヤだ。今から海に行くんだけど一緒にどうかな?水着とかは貸し出してもらえるから手ぶらで大丈夫だけど」
「せっかくだし行こうよ!ツムギちゃんと仲良くなりたいな!」
「…うん、行く。よろしくお願いします」
「話は決まったかー?初めましてだな可変機乗りさん?俺はリカルド・フェリーニ、イタリアの代表だって知ってるか。グレコに誘われてついてきたけどこりゃ来て正解だったな。いろいろ話聞かせてくれよ」
「サオトメ・アルトです。こっちは幼馴染のスズカゼ・ヒマリ、会えてうれしいです」
「んじゃ乗ってくれ。BBQの用意もあるからな。そっちは任せておいて子供は派手に遊ぶこった」
男前にそう言い切るグレコさんに促されて俺は軍用車であるはずのでっかいジープに乗り込むのだった。両隣女の子っておかしくない?ちょっとチョマーさんそっちの席行っていい?引き留めるなヒマリ!ええい袖をつまむなツムギ!大人どもは面白そうににやにや笑うんじゃねえ!助けろや!
「この年でこれたぁ将来が楽しみだな。どうだ?ナンパの方法教えてやろうか?」
「リカルド、子供相手に何言ってるんだ。チョマーの顔見てみろ」
「てめぇ俺の女に手出したら許さねえからな」
「おーこわいこわい。ところであのヅダ作ったのってホントにお嬢さん?」
「…はい!ヅダのデザインとロマンに溢れた設定が好きで!」
「ほー。それがわかるたあ嬢ちゃん見どころがあるな。あの機体やっぱりフルスクラッチか?」
案外馴染むのが速い…?いや、ヅダの話だから好きが先行して乗っかっていってるだけか。これはフェリーニさんうまいな、好きな話題で緊張をほぐそうとしてくれてるんだ。というかツムギの溢れるヅダ愛がすごすぎる。そしてそれを理解して余裕をもって話し出す大人組、マクロスなら負ける気しないけどガンダムはいまだ修行中の身ですから…お手上げです。拍手を送っとこう、ぱちぱち。ちなみにヒマリは最初から何もわかってない。頭の上に?マークがファイターしてくるくるしている。撫でておこう、よしよし。
なんか隣から視線感じるけど無視だ無視、ヒマリみたいな特別仲がいい女の子なら今みたいなことはできるけどいくらクラスメイトとはいえ今日友達になったばっかりの子にそんなことするわけないだろ!俺は節操なしじゃないんだ!たとえこの視線が極寒のブリザードであろうと耐えてみせる!
「…うぅ」
「アルトくん?」
違う、これは決して隣の構ってオーラに負けたわけじゃない。ヒマリの撫でてあげなよという視線に負けたのだ。この手が隣のウェーブが特徴的で柔らかな髪をすかしているのもヒマリのやってあげなよ視線のせいなんだよ!だからにやにや見るな周りの大人ども!俺は新しいおもちゃじゃないんだぞ~~~~!!!!
「はぁ…なんかガンプラバトルより疲れた…」
「役得だろ。よかったな」
「チョマーさんなんかあたりきつくないですか?」
「理由くらいわかるだろこのミニフェリーニ」
「あんたさっきからフェリーニさんを悪口みたいに言うのやめろや!」
「おめーはあいつのこと知らねーからそんなこと言えんだよ。あれ見ろ」
海パンにラッシュガードという一般水着姿に着替えた俺。ヒマリにツムギが着替えるのを待ちながら海に入るつもりはないらしいビールを片手に持ったチョマーさんに弄られてる。彼が、指さした方を見るとフェリーニさんがめっちゃ精巧に組み立てたヴィクトリーガンダム片手に見目麗しい女性をナンパしているところだった。
「俺はなんも見ていません」
「おいそりゃねーだろ。ナンパが趣味なんだよあいつ。ガンプラ出汁にして女を誘ってるのさ」
「知りたくなかったです…」
「教えたくなかったけどな」
益体もないくだらないことをあーだこーだとチョマーさんと話している俺。タツヤさんとグレコさんはBBQの準備をしている。というかタツヤさんの水着ブーメランなんだけど?よく着れるなびっくりした。俺も手伝おうとしたら女の子をほっておくなと怒られたのでこうして待ってる次第である。チョマーさんとフェリーニさん?サボりだよ。
「アルトくーん、お待たせ~!」
「…お待たせ」
「はいはい。待ってはないけど…うん、似合ってるな二人とも」
「でしょ~?たくさんあって迷っちゃった!」
「…私は学校の水着でよかった」
「ダメだよツムギちゃん!せっかく可愛いんだからおめかししないと!」
そういうヒマリは黄色のビキニに白のTシャツを胸のところで結んでへそを出している。頭に乗せたサングラスが妙に似合ってる。ハイビスカスでも頭に挿してやりたくなる南国風味だ。で、ツムギも同じく黄色の水着だけどセパレートタイプで水色の長袖ラッシュガードを着ている。ちなみに顔は出している。髪型はハーフアップでヒマリがやったらしい。でも目はサングラスかけてるけど。眩しいんだってさ。目がいいのも大変だねえ。
「で、何すんの?城でも作る?」
「せっかく来たんだから泳ごうよ!」
「…私、泳げない。浮けない」
「マジで?」
「…うん。浅瀬で歩くくらいしかできない」
「じゃあ足の着くところまでいくか。良いよな、ヒマリ?」
「いいよ~~!競争しよ!スタート!」
「あっセコイ!ほら、行こうぜツムギ!」
「…うん!」
勝手にスタートをして小走りで走っていったヒマリを追うためにツムギとはぐれないように手を差し出す。ちょっと迷ってから俺の手を取る彼女を引っ張りながら、楽しそうに水しぶきをあげるヒマリの後を追って、二人して海にダイブするのだった。
「うっま…え?うっま…BBQすげえ」
「おいし~~~!グレコさんすっごい!」
「…おいしい」
「おう、アメリカの男はBBQできるのが当たり前だからな!遠慮せずどんどん食ってでかくなれ!ほらタツヤ!お前も細いんだから食え食え!」
「食べてます食べてます!だからさらに山盛り置かないでください!」
「正直グレコさんほど太くなれる気がしない。筋肉もりもりだ」
「がっはっは!たくさん食ってたくさん動く!そうすれば自然とこうなるさ!」
BBQ奉行をしているグレコさん、珍しいことにさらに肉を山盛りにされて自分のペースを失っているタツヤさんという珍しいものを見ることができた。そしてグレコさんとタツヤさん以外の大人は酒飲んでる。具体的にはビールがぶ飲みするチョマーさんと頬にでっかい紅葉があるフェリーニさんだ。チョマーさんすげえ嬉しそう。
「えー、あの…」
「アルト、あっちは見るな。悪い見本だ、タツヤもああなるんじゃないぞ」
「えっあの、はい」
「は、はい」
真剣な顔でそういうグレコさんに押されて俺とタツヤさんはそろってそう頷くのだった。グレコさんがスペアリブを切り分けるのを見ながら、俺は遠い目をするのだった。隣でタツヤさんは皿の肉の山をみてもっと遠い顔をしている。
「…アルト、だいじょぶ?」
「ん、ああ大丈夫大丈夫。昨日と今日はいろいろあったなーって思ってな」
「ねー。ツムギちゃんがあんなにガンプラバトル上手だなんて思わなかった」
「…私も、ヒマリがあんなに歌が上手だなんて知らなかった。すごかった、よ?」
「わあ!聞いててくれたんだ!?嬉しいな~~~!ねえ今度ツムギちゃんも一緒に歌おうよ!?」
「…えっ!?わ、私は、その…」
「ん、やってみてもいいんじゃないか?二人用の曲作ってたよな」
「そうそう、まだ途中だけどアルト君が熱烈プレゼンしてきたやつー!ツムギちゃんと一緒に歌えるなら嬉しい!」
「…アルトは、聞いてみたい?私の、歌…」
「正直に言うなら聞いてみたいけど、お前の好きにしたらいい。ま、ヒマリに付き合ってやってほしいとは思うけどな」
「…じゃ、じゃあ…やって、みる」
「そうこなくっちゃ!ああ~楽しみだな~~!ね、ツムギちゃん!帰ったらまた遊ぼうね!約束!」
「…う、うん!約束…」
小指を出してツムギに向けるヒマリ、ツムギも何するかは知っているので小指を出して絡める。俺がそんな光景を眺めていると、ヒマリがこっちをじとっと見つめてきた。何さ?
「アルト君も、ほら!小指出して!」
「俺もか!?」
「アルト君も!約束!ほら早く早く!」
「…!えへへ」
「じゃ、約束だ」
3人で小指をぎゅっと絡めて、約束。ゆ~びきり拳万、嘘ついたら、ハイマニューバモードのYF-21に乗っても~らうっと。破らない約束だし、どんな無茶苦茶言ってもいいよな。俺たちのそんな光景を大人たちは微笑ましそうに見つめていた。具体的にはグレコさん。タツヤさんは肉の山に沈み、チョマーさんは飲み続け、フェリーニさんは延々とチョマーさんにガンダムの話をしている。
率直に言って、収拾がついてなかった。俺はそんな光景を見なかったことにして、眩しい二人の笑顔を見つめることにするのだった。
うん、なんだこの話(書いておいてこのざまである)
トライアングラー出来てなくない?ヒマリちゃんが設定上いい子過ぎて嫉妬とかそういうのをあまり抱きそうにない。困った。
お前たちが俺の翼ルートでもいいけど、そんなん非難を免れぬ。未来のアホ主人公に幸あれ
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その場では完璧だと思っても後から後悔することもある
『カルロス・カイザー!強い!!圧倒的な強さをもって今!第六回ガンプラバトル世界選手権の頂点に上り詰めました!表彰式に移ります!』
わあわあと歓声が鳴り響く。長かったようであっという間だった世界選手権もこれにて閉幕だ。優勝者はタツヤさんに引導を渡したカイザーさん。え?残ってたモラトリアムはどうしたって?特になんもなかったよ。ツムギと部屋でフルスクラッチ談議したり、ヒマリのクァドランを調整したり。ヒマリのアカペラでマクロス曲作ってみたりな。ちなみにツムギのご両親と会った。なんか、お父さんの方にえらい凄まれたんだけど、お母さんが意識を刈り取ったあとあらあらうふふと微笑ましいものを見るような目をして仲良くしてあげてねって言われた。なんか面白そうなおもちゃを見つけたみたいな視線も交じってる気がする。あ!イギリス式のお礼のことを訂正するように言うの忘れてた!お父さんのインパクト強すぎて…
「すごかったな。やったからわかるけど15体同時操作って神業なんてレベルじゃないぞ…俺もまだまだだな」
「私からしたら二人とも凄いんだけどね~」
「…アルトも、すごい。私、同時操作やったことない」
「やったらいけるんじゃねーのツムギは」
というわけで今は帰りの新幹線の中、ツムギのご両親は別の席でイチャコラしてる。タツヤさんはPPSEの方に呼び出されてしまったので俺とヒマリだけで。別れ際これでもかとお礼を言って頭を下げてきた。ほんとこの2週間は短かったようで長かった。いろいろ濃厚すぎて俺の中で一生消えない思い出になるだろう。俺も猶更やる気が燃え上がった。来年世界選手権どうしよっかな~出れればいいな~。でも飛べれば満足だしまた観戦でもいいかも。そういえばセイのやつは世界選手権挑戦するのだろうか?
「そういえば、アルトくんって中学校どうするの?普通に公立?それとも聖鳳学園?私は聖鳳に行くんだけど」
「んー、どうしようかねえ。聖鳳でもいいんだけど私立だしなあ。でも学校のやつら結構公立のほう行くって」
「私は、一緒に中学校行けたらなって思うんだけど…今まで一緒だったし」
「…私も、聖鳳。アルトと一緒に中学校、行きたい」
「ツムギはともかくヒマリは目覚ましが無くなるからな」
「あーっ!言っちゃいけないこと言ったね!?アルトくんの意地悪!」
俺の言葉に反応して両手をぶんぶん振り回して怒るヒマリをどうどうと落ち着かせながら俺は自分の将来がどうなるか考えるのであった。
「ふーん、いいなーアルトは。世界選手権であんだけ目立っちゃってさ」
「おーいやめろよセイ。今ご近所で噂になってんだからさ。肩身が狭いんだよ、あっちこっちでひそひそと」
「じゃあでなきゃよかったじゃん。僕の気持ちわかる?いきなり親友が世界選手権実況番組に大画面で映った時の」
「わっかんねーよ。あの時はこう、気分が高揚してだな」
「スズカゼさんを巻き込んで?」
「そうだけど!原因は俺だけど!」
「父さんにアルトが可変機乗りだって隠してたのにそれでバレちゃったよ。隠しておいた方がいいだろうなーっていう僕の気遣い返して?」
今俺はイオリ模型と繋がってるセイの家の彼の部屋でゲームをしながらだべっている。こいつが不機嫌なのは親父さんが予定を切り上げて早めに仕事に戻っていってしまったから。もっと長く一緒にいられると思ってたのを急な仕事が入ったということで早々に旅立っていってしまったお父さんへのいらだちをねちねちと俺にぶつけているのである。全くこいつは…
「行かないでって言えばよかったじゃねーか」
「…言えるわけないじゃん。小学6年生にもなって」
「素直じゃねーなー」
「アルトには言われたくないよ!」
「おっ?俺はいつでも素直だぞ?」
「そうだろうねこの飛行機バカ!」
「そーだぜガンプラバカ。まあ土産話でも聞いてくれよ」
デッドボールを投げ合う俺たち。画面の中でビームを撃ち合いながら俺たちは仲がいいからできるくだらない口喧嘩を延々と続けるのだった。あ、そうだ。実は選手権で会った学校のクラスメイトが実はとんでもねーヅダ使いでな…
「え?何それ滅茶苦茶気になる!?あ、待って即死コン反対!」
「隙を見せたな!ちなみにその内ここに連れてくるつもりだからよろしくぅ!」
「それは御贔屓にどうもおおおお!!!?」
画面の中では、俺のムラサメがセイのストライクを一方的にボコっていた。世界選手権の土産話を展開しながら俺はやっぱ男の親友と話すのは気が楽だわと勝手なことを思うのだった。そういえばセイのやつは聖鳳学園へ行くんだっけ。俺もそっちにしようかなあ。
さて、今はこんなのんびりセイのやつとゲームなんてしてるが帰ってきた直後はマジで大変だった。まず駅、降りた瞬間にざわつく構内、何事かわからない俺とヒマリ、ついでにツムギ。ざわざわともしかしてとかそういう声が聞こえて、次の瞬間向けられるのはカメラ&カメラ。訳も分からず写真を撮られまくって、ヒマリとツムギをかばいつつ、ツムギのご両親の車に乗せてもらって帰ってきたのである。
これはとんでもねえことになったぞと今さらながら自分のやってしまったことの大きさを認識した俺はとりあえず先にヒマリをと思い、ツムギとそのご両親にお礼を言った後別れて判決を待つ犯罪者のごとくヒマリの家に行った。ヒマリの両親にあった瞬間膝を折って土下座を敢行しようとした俺だったのだがむしろご両親は滅茶苦茶に褒めてくれた。
なんで?と宇宙猫になった俺だがどうもヒマリは発表会とかで歌ったり演奏したりするとき緊張してしまって本来の実力を出せないでいたのだそうだ。え?待って俺何回か見に行ったけど普通に優秀賞とかとってなかった?俺の幼馴染凄いな…で、なぜかあの「愛・おぼえていますか」を披露したときはそうじゃなかったというのだ。俺の音楽に対する教養が低いので細かいことはわからないんだけど、ヒマリの本来の力を引き出して、大勢の前で歌えたことは素晴らしい経験になったはずだから、謝られるどころかこちらが感謝したいぐらいだと。
いやでも不用意に公の場に彼女を引きずり出したことは俺の責任だし…って言ったらやりたいって言ったのはヒマリだろう?と完全に見抜かれてたので俺は白旗を上げたのである。ちなみにヒマリは思い当たる節があったのか話が進むたびにどんどん顔を赤くして最終的には自分の部屋に逃げ込んでしまった。ちなみに曲の出どころが俺というのもなぜか割れていた、鼻歌なんですよ~と誤魔化したらアルト君も音楽やらない?ヒマリも喜ぶよ?と熱烈プレゼンされた。ヒマリが話を聞いてたのか部屋から顔を半分だけ出して期待の目をしていたので断れなかった。俺が歌っても需要はないと思うんだけど…
で、最後に俺自身の話。よくよく考えれば俺って世界選手権という文字通り世界中が注目してるイベントで明らかにガンプラとは異質なプラモデルを使って場をしっちゃかめっちゃかにした頭のおかしい小学生ってことになるんだよな?危険人物じゃん、俺。暫くバルキリー作成に注力して模型店に行くの控えようかな?バルキリー作成だけは何があってもやめないけど。だって俺のライフワークだし、目標だし。正直自分が今どんな扱いをされているかわかんない。怖すぎてエゴサもできねえや。まあ、街の人たちはそこまで突っ込んでこないからまだ大丈夫だけど。
「あー、最近考えること多すぎだわー」
「僕をのけ者にしたバチが当たったんだよ」
「おい、行かねえっつったのお前じゃねえか。そら理不尽だぜ親友」
「ほんとにね。あんなことがあったならついて行けばよかったよ!一人だけ満足そうな顔しちゃってさ!」
装備を換装したソードストライクが俺のムラサメを両断し、HPがゼロになる。さっきから妙に不機嫌そうな顔をしているセイ、さてはこいつホントに寂しがってるな?はー、親友ってのも楽じゃないね。しょうがねえ、ここはひとつアルト様が一肌脱いでしんぜよう。
「んだよセイ、妙に機嫌悪いじゃねーの。俺に不満でもあるのか?」
「…だって、ずるいじゃないか」
「ずるいだぁ?」
画面に目を向けたまま、唇を尖らせたセイがそう漏らした。ずるい、ねえ。それが俺が世界選手権に行ったことかそれとも、自分のプラモで大きな注目を浴びたことか…どっちだ?俺的にはおそらく後者、だと思うんだけどな。
「ガンプラ歴は僕の方が上だった。だけど今アルトは僕よりはるか先にいる。ビルダーとしても、ファイターとしても。羨ましいよ、完璧に操縦出来て、自分のプラモを作れるだなんてさ。僕なんか、まともにバトルもできやしないのに」
「だからずるいってか?あのなあ…」
「分かってるさ、くだらない嫉妬だって。でも仕方ないじゃないか、一番仲のいい友達が、僕だけおいてどんどん先に行くんだから」
「仕方ない、ねえ。じゃあ俺も言ってやろう。お前が羨ましいってな」
俺の言葉をふざけてると受け取ったらしいセイが勢いよくこっちを向いて口を開こうとしたので手を当てて妨害してやる。むぐぐ、とくぐもった声をあげる我が親友に俺の本心をくれてやろうじゃないか。
「俺はお前が羨ましい。毎日組み上げたガンプラを欠かすことなく丹念に磨いて大事にできるのが羨ましい。ガンプラを大事にしないやつに真正面から説教できるのが羨ましい。何も知らなかった俺に根気強くいろいろ教えてくれたその優しさが羨ましい。最初からフルスクラッチなんてバカなことをする俺の事を笑わなかったのはお前だけだぜ?言っとくけどな?俺のビルダーとしての目標は最初から今までお前だけだ。今になっても俺はお前の事を超えたとはとても思えねーよ」
はっきり言えば俺は結構丁寧にバルキリーの手入れはしている。けど、認識としては飛びに行けばどっか壊れるってもんだから、直すのが前提。こいつみたいに壊れることすら拒否するくらいにガンプラに愛を注いではいないだろう。それに肝が据わってて、面倒事にも真正面から向き合う。俺みたいに躱そうとかなあなあで済ませたりもしない。そして、どんな荒唐無稽な目標でも真剣に取り合ってくれる。俺にとっちゃ羨ましいことこの上ないぜ。そして、言うまでもないビルダーとしての腕前。店に飾ってあるガンプラを見ればわかる。一体一体どれほどの熱意をもち、時間をかけ、丁寧に作りこんでいったのか。
俺のビルダーとしての師匠は間違いなくセイだ。こいつがいなかったら俺はバルキリーを再現できなかったし、空を飛ぶ楽しさを知ることもなかった。こいつは恩人なのだ、一生かかっても返しきれない恩を俺はこいつにもらってる。
「もちっと胸張れよ親友。お互いにくだらない嫉妬し合ってんだ、お前がそれじゃあ嫉妬のし甲斐がないぜ?それともなんだ、お前のガンプラは俺のバルキリーに劣るのか?」
「…いーや!そんなことないね!僕のガンプラは、君の飛行機よりもかっこいいさ!負けてない!」
「言ってくれるじゃねーか。おら、新作あるんだろ?見せろよ親友」
「今回は自信作だよ!まだ途中だけど、これさ!名付けて、ビルドストライクガンダム!…の設計図、だけど」
「ほー、ほうほう。また絵上手くなったな」
俺の煽りを聞いてようやくいつもの調子に戻ったセイがスケッチブックに書いたオリジナルの改造を加えたと思しきストライクガンダムの設計図を見せてくれる。相変わらず絵が上手い、肩の大型スラスターが特徴的だな。ストライクってことはストライカーパックも作るんだろうか?まだ何もないけど想像が膨らんでわくわくしてくるな!ところでセイ、俺も新しいバルキリーの設計図書いたんだけど見てくれね?あとさー、戦闘機っていったらそれを収める戦艦とか、必要じゃない?え?興味ある?んじゃちょっとお耳を拝借っと…
「アルト、ちょっと話があるんだけどいいか?」
「え、父さん?うん、大丈夫だけど」
セイとのちょっとした言い争いを終えて家に帰り、いつも通り3Dプリンターを動かしてパーツを作り、手作業でミサイルを制作していた俺の部屋にやってきたのは父さんだ。俺が世界選手権で目立ってしまったことを全く気にせず「楽しかったか?」の一言で済ませた豪胆な俺の父親が何の用だろう?いや、親子なんだからたわいもない会話をするのは当たり前なんだけど。ちなみに母さんは「ヒマリちゃん美人さんになったわね~。アルト、何かあったら守ってあげるのよ」って言ってた。そんな当たり前の事今更言われてもなあ…
「なあアルト、お前の機体…キットとして発売してみる気はないか?」
「キットとしてって、バルキリーを?いきなりどうしたのさ?」
「ああ、知ってると思うけど父さんヤジマ商事っていう会社で企画開発部の部長をしてるんだ、そこでアルトの事が話題になってな。ああ、アルトが父さんの子供だっていうのはまだバレてないから大丈夫だぞ」
「それは知ってるけど…バルキリーを売るってのはどういうこと?」
「それはな、アルトが一気に注目されてるからさ。当然、父さんの会社以外にもアルトが欲しいっていう会社が沢山あるんだ。だけど、父さんはアルトに自由にプラモデルを楽しんでほしい。商業だとか売れるキットだとかを気にせずに好きなものを作っていてほしいんだ」
「それは、嬉しいけど…だけど別に全部断っちゃえばいいんじゃ?」
「勿論それでもかまわない。けど父さんはアルトがいろんな人たちからのいざこざに巻き込まれてほしくないんだ。だから、父さんの力でアルトを最大限守るには、ヤジマ商事付きの専属ビルダーっていう肩書が一番いいと思う。今なら、父さんの力で柵を極限まで抑えられる。基本的に何もしないですむはずだ。バルキリーのキット化も、いずれという話で今すぐじゃない」
真剣な顔で俺の肩に手を置いて諭す父さん。多分、隠してるだけで相当必死になって俺のために動いてくれたんだろう。申し訳なくなる、好き勝手やった結果、親友を凹ませて親に多大な迷惑をかけているなんて。情けない。断るのが筋かもしれない、けど本気で俺の事を案じてくれる父さんの手を振り払う気にはなれなかった。だから、俺はその手を掴むことにした。
「うん、分かった。なるよ、会社付きのビルダー。父さん、ありがとう」
「…きっと色々嫌なことがあるかもしれない。だけど、父さんと母さんはいつまでもアルトの味方だからな。お前の大事なプラモを、商業の波に乗せることになるのは、ごめんな?」
そんなこと、どうだっていい。もしも俺のバルキリーが必要で、それで面倒事が収まるっていうのなら持っていけばいいよ。確かに俺はマクロスが大好きで、バルキリーを愛しているけれど、家族や友達と天秤にかけてそっちを選ぶほど落ちぶれてはいないつもりだ。俺は申し訳なさそうな顔をする父さんに、思いっきり抱き着いてお礼を言うのだった。
今話、ちょっとシリアス風味ですがやっぱりこういうこともないとおかしいと思ったので書きました。自分は戦えないのに当たり前のように主人公に高速戦闘を見せつけられるセイ君って多分ストレスたまると思うんですよね…
あとバルキリーが商業の波に乗るかもという話でした。有名選手の後ろ盾&大商社パゥワーで無敵ですね!次からはいつもの調子に戻したいです。
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時間がたつのは案外早い
さて、いろいろな事があった世界選手権からすでに半年、小学校も卒業しかかりである。新作も完成し、何だったらもっとすげえのも完成しつつある。流石に一人ではきつかったのでセイとかツムギに手伝ってもらった。ヤジマ商事の専属ビルダーの件だけど、特にまだ何も言われてない。ちょっと偉い人に挨拶には行ったけど、お父さんの息子だって知ったらめっちゃ気さくになったよ偉い人。お父さんどんだけ信頼されてんの。
で、正直困ったことがある。学校だ、夏休み期間中に出た隠し芸大会の映像が配信されていたのだが…注目のされ方が悪かったと言えばいいんだろうか?確かに世界中の人が見てただろう世界選手権だけど、駅に出た瞬間カメラを向けられるほどの注目のされ方はおかしいと思ってたんだ。で、理由ってのが配信の切り抜き。俺がやったことってプラモをメインにするんじゃなくて添え物にしてヒマリを目立たせたミュージックビデオだったんだが、音楽が完璧以上だったのがここでは悪い方向に向かった。
普段ガンプラバトルに興味ない層も音楽くらい聴く。で、あの曲はなんだ?と調べたらそら俺たちしかヒットしないわな。公にはヒマリのオリジナル曲扱いだし、個人の色眼鏡が完全に入ってるとはいえプロ顔負けの歌唱だ。で、そこにさらに追い打ちをかけたのが音楽プロデューサー等の業界人たち。どうやらGPベースでミュージックビデオを作るというのは誰もがやろうとしてやれなかったことらしい。
というのもコスト。GPベースが高い、そんでその高いGPベースでもビデオを作るには広めのものが必要、そこでさらにコストがかさむ、で、動かすプラモ、版権とかの関係で出すのが難しい。よしんば出せても起用するアイドルや歌手に見合う高クオリティの機体を出すのはまた金が要る。当然それを完璧に操るファイターにも金が要る。つまりコストがかかりすぎて無視されてきたコンテンツなのだ。忘れがちだけどこの世界プラモに命かけすぎてるからな。大手のガンプラスポンサー企業には専用のガンプラ開発チームとか普通にあるから、無限にガンプラに金かけていくぞ。ネット見ると塗装済みRGが100万単位でゴロゴロ転がっている。腕さえあればガンプラ売って億万長者になれるぜ?
GPベースってのは高い。そりゃもう高い。しかもプラフスキー粒子の供給はPPSE社にしかできないから独占状態なわけで、模型店には割安でレンタルしてくれるとはいえそれ以外の業界だと普通にウン千万とかだして買わないといけない。商業利用するなら契約も必要だ。
そもプラモと合わせる前提で曲なんか作らないし無理やり合わせてもちぐはぐになるだけ。なら最初から普通に出すのが一番いいっていうことらしいけど。そこで出たのが件の俺とヒマリのアレだ。まあマクロスの曲は基本ドッグファイトを背景にして流れているものだから、そういう意味では相性がいい。で、俺のバルキリーはこの世界においては版権もくそもないオリジナル。
つまり業界人にとってあの動画は「プロ顔負けの歌唱力をもった小学生による基本出来ないと考えてたプラモによるMV」というインパクト抜群なものとして映ったのだ。で、そこから過去のアレとかソレとかが発掘されて一気にバズり、一般人にも知るところになったとか。ここまで4日だって、こっわ。
で、その困った学校の事なんだけど…まあやっかみだ。ヒマリとツムギの方はむしろ女子が結託して守ってくれてるからいいんだけど、というかヒマリと話してるときに俺に視線が向いてるのはなんだよ?問題は男子だ。そらー出る杭は打ってくるですわな。例えば俺とコンビを組んで世界選手権に出たいとかならまだいいよ。断るけど。こう言っちゃなんだけど最低限ツムギレベルには乗れないと俺とコンビは無理だっつーの。だってそれより弱かったら俺が乗ったほうが強いし(確固たる自信)
で、問題のほう。バッグ漁られたりしてバルキリーを盗もうとする不逞の輩がいるのだ。自分で乗る気なのかね?ひっでーのだと壊しに来るやつとかな。学校にはバルキリーを持ってこないからいいんだけど、その内いじめでも始まりそうだ。もちろんこんなアホは少ないよ。当然の話、目立ちたい、自分が特別になりたいっていう思いが暴走しちゃったんだろうね。
「んあああああああ、今日も疲れる…」
「アルトくん大丈夫?さっき別クラスの人にいろいろ言われてたでしょ?」
「…あの人、きらい。私にアルトの悪口いろいろ言ってきた」
「んー…ま、色々だわな。あー、帰ってバルキリーいじりたい」
言えねえ、ツムギちゃんから離れろこの二股野郎!って言われたなんて。ツムギが好きなんだろうなーあの男子、俺が夏休みで急激にツムギと仲良くなったことに焦りでも覚えたんだろう。いつものヒマリと俺というグループに新しくツムギが入った半年でなんか知らんがヒマリやツムギを好きになってしまった男の子たちからも色々ある。別に付き合ってなんかないからアピールは自由にどうぞなんだけど、俺を排除しようとするのなんなの?そういうことするやつを二人が好きになるわけないってなんでわからんのだ。
教室で机をくっつけて弁当をつつく俺たち。ちなみにこの半年でマクロス7と言えばのギターをマスターしました。プロには及ばないけど聞ける程度には弾けるようになったよ。これでFIRE BOMBER再現し放題や!操縦しながらの演奏に挫折してるのでいまだ再現の壁は遠いけど。
「…ね、アルト。新しいヅダの装備…どんなのがいいと思う?」
「俺からしたらエンジン単発から双発にしたいんだけど」
「…それはダメ。それはヅダじゃないから」
「わがままだなあ…」
「…ダメ?」
「いーや。そういうこだわり大好きだね。あ、ヒマリ、昨日ギターの練習付き合ってくれてありがとな」
「ううん、アルトくん上達早いから教えてて楽しいよ?ねね、今度は歌もやってみようよ!私、アルトくんと歌いたいなあ…?」
ヅダの話をする時はいつもの静かな雰囲気から一転して楽しそうに見えないはずの瞳が輝くように見えるくらい楽しい雰囲気に変わるツムギと最近歌ってみた系の動画投稿者になったヒマリ。手始めに投稿した「愛・おぼえていますか」はもうすでに500万再生を突破しているらしい。他にはカバー曲とガンダムの曲を投稿しているのだとか。もちろん俺も手伝っています。具体的には動画を静止画にするのはアレとのことでVF-1単体で多少華を添えさせてもらっただけだけど。
「今日、アルトなにするの?」
「んー、久しぶりに行きつけの模型屋に行こうかな。ヒマリとツムギはどうする?」
「…いく!でも、ヅダはまだ壊れたまま…勝負、できない、むぅ」
「はっはー、この前も俺の勝ちだからな」
「…むー!むー!!」
「あーはいはい、わかったわかったから。だから俺の腕を叩くな。ヒマリは?」
「私も行くよー!クァドランちゃんを動かせるし!」
「じゃ、そういうことでいっか。お、やばい!急いで食べないと休憩終わっちまう!」
「あと10分しかないよ!…もーアルトくんが絡まれてたせいなんだからね!」
「なんだその理不尽は!?いや、悪いとは思ってたけど!」
「…むぐむぐ、むむ」
俺が絡まれてたせいでいつもの半分しか時間がなかったので慌てて弁当をかき込む俺とヒマリ、ツムギ。いや、そのごめんなさい。でも俺は悪くないと思うんだ!ほら!絡んできたやつの責任ってことで…え?だめ?そっかあ…
「お、飛行機乗り!久しぶり!いやあすっかり有名人だなお前も!」
「やめろよ~。普通に対戦申し込んでくるならいいんだけどぶっ壊しに来るやつもいるんだから。嬉しかねえよ」
「男じゃねえなあ。気に入らねえなら真正面から言やいいのに」
「出来ねえんだろ。そういや改造は順調か?」
「おうともさ!ミサイルのアドバイスサンキュな!俺のZZでいつかお前をぶっ飛ばしてやるからよ!」
「待ってるぜー」
何時もの模型店に入った俺たちにいの一番に気づいたのはZZの彼だ。お互い名前を知らないんだけど妙に仲が良いんだよな。どうやら最近改造に手を出しているらしく、ビームライフルの威力とかハイメガキャノンの射程とかが上がってきてる。この前ミサイルと言えばということで俺に相談してきたので手作りミサイルを5セットほど譲った。参考になれば幸いだ。
「…ヅダ、がんばろうね」
「クァドラン、今日もよろしく!」
「おっしいってみっかー!」
「ちょっとまったあああああ!」
「「「ん?」」」
それぞれの愛機を確認して、GPベースの予約端末に名前を打ち込もうとした俺たちを引き留めたのは、全く知らない少年だ。おそらく年上、完全にシンクロしてその少年をみた俺とヒマリとツムギ、これもしかしてまた面倒な奴か?
「突然すまない、例の可変機乗りのサオトメ・アルトくんだろう!?」
「ええ、まあそうですが」
「やはりか!俺はホムラ・ダイゴ!聖鳳学園中等部2年生だ。単刀直入に言うと俺と組んで世界選手権に出てはもらえないか!?」
まーたか。彼はどうやらバルキリーを求めて俺に熱烈アタックしに来たらしい。暑苦しいひとだなあ、という俺個人の感想は置いておくとして、こういう場で言われたのなら返せる答えはただ一つ。
「俺とバトルして、勝てたらいいですよ」
「そうか!断られると思っていたんだがチャンスを与えてくれるとは優しいな!では、挑ませてもらう!」
「チェックメイトです」
「ああ、俺の負けだ!見事な操縦技術だ、俺は遠く及ばないな。鍛えなおしてまた挑ませてもらおう!」
「あなただったら大歓迎です。いつでも待ってますよ」
1分30秒弱、俺のVF-1が彼のガンダムマックスターを追い詰めてガンポッドで穴だらけ寸前にしたのにかかった時間だ。世界選手権の観戦と世界で戦うファイターたちとの交流は俺にとんでもない技術の飛躍をもたらした。しまっていた蓋が外れてしまったような感じで、より速く、より高く、そしてより強く、飛べるようになったのだ。ツムギとの対戦が俺をさらに高めたといってもいい。恐ろしいレベルで強くなっていくツムギに張り合っているうちに俺も強くなってた。まあそんだけだ。
ホムラさんも大概凄かったけど。まさかマイクロミサイルを拳で迎撃してくるとは。ぶっちゃけ彼と俺の機体は相性悪そうだからここでコンビ成立にならなかったのはよかったかもしれない。ちなみにツムギはがっつり俺のバトルを見ていたのだけどヒマリは別のGPベースでクァドランを使ってミサイルパーティーしてた。あいつトリガーハッピーになってないよな?いやー、ホムラさんがゴネない人でよかった。認められない人もいるんだよね~、暑苦しい笑顔で力強い握手をくれた後笑顔で去っていったホムラさんを見習っていただきたい。彼だったら何戦でも付き合うよ、あと腐れなくて楽しかったから。
「…アルト、やっぱり強い。かっこよかった」
「おう、ありがとさんだ。あ、そうだツムギ」
「…なに?」
「これ、プレゼントな。あと少しで誕生日だろ?ちょっと早いけど、誕生日プレゼント」
「…えっ…バル、キリー?」
ツムギに差し出したのはVF-22「シュトゥルムフォーゲルⅡ」だ。YF-21の正式採用版だな。ヅダカラーに塗装し、ツィマット社製っぽいロゴを入れ込んだオリジナルバルキリー。なんと今ならスーパーパック付きである。ツムギは操縦において天賦の才能を持っている。彼女が作るフルスクラッチヅダでも引き出せないほどの、高い才能があるのだ。というかヅダでバルキリーみたいな動きができる時点で相当おかしい。そして俺はこう考えた「バルキリーに乗せたらそれはもうとんでもないことになるのではないか」と。あと普通に喜んでほしかった。女の子の笑顔、プライスレス。
「そっ。お前専用のバルキリーだ。ヒマリにはクァドランをあげたし、ちょうどいいだろうと思って秘密で作ってた。ヅダが壊れて使えないときにでも使えばいいし、そうじゃなくても部屋で飾るくらいでいいさ。誕生日まで待てなくてな、それについては謝っておく」
両手でバルキリーを受け取って恐る恐る胸に抱くツムギ、んーやっぱりヅダカラーが彼女には似合うね。実はマックス機とどっち作るか悩んでたんだけどここは彼女の好きなものがいいだろうという俺の勝手な決断でツィマッド社製風ヅダカラーVF-22ができたんだけど。うんうん、と頷いて見ていると、髪の毛の奥に隠された彼女の瞳と目があった。こちらを見るサファイアのような青い瞳からぽろり、ぽろりと雫がこぼれおちる。…えっ!?
「…ふぇ、ぐす…うぅ…」
「えっちょっ?!ツムギさん!?そんな嫌だった!?泣くほど!?」
「…ち、ちが…」
「あーちょっとアルトくん!もしかしてツムギちゃんいじめたの!?今度は泣かせるなんて!」
「い、いや違うんだヒマリ!誕生日プレゼントを渡したらだな…」
「誕生日プレゼント?その青いバルキリー?えー、いーなーツムギちゃん!ねーアルトくん私のはー?」
「お前のも作るよ。でもお前の誕生日来年だろ?今年は別のもんで悪かったけどな」
「…ち、ちがう。嬉しかったらから、お誕生日プレゼント、お友達からもらうの、初めて。大切にする、約束」
「おう、約束な。お前ならすぐ乗りこなせるよ、あーこわいこわい。ツムギにバルキリーなんてどうなることやら」
「…がんばる。ありがとう、アルト」
ヒマリに背中に纏わりつかれて最早おんぶみたいな状況になってる俺がツムギを見ると、すでに涙はなく。代わりに顔を隠していても分かる大輪の笑みがそこにあった。あー、よかった!プレゼント渡したうえで泣かれるとは思わなかったけど、結果オーライ!ツムギのこれからが楽しみだ。
今回は布石回です。次回かその次あたりから原作にはいろうかなと思います。
セイ君がヒロインにならないように注意しないと。彼のヒーローはレイジくんなので(鋼の意思
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分かってたものでもダメージが大きいことってあるよね
「アルト、今日父さんとヤジマ商事に来てもらえないか?」
「ん、大丈夫だけど。もしかしてキット化の話!?じゃあとっておきを持っていかないとー」
「ああ、アルトの一押しでいいんだぞ。それと、社長からお話もあるようだ」
「しゃ、社長さんから…?」
年が明け、冬休みも終わりに差し掛かろうとする朝に父さんからヤジマ商事に同行してくれないかという話があった。流石に俺と全く同じものを出しても面白みがないだろうということで、VF-1ともう一つ出してない新作を持っていこうと考えた俺は嬉々としてケースにバルキリーを詰め込んで父さんが運転する車の助手席に乗ってシートベルトを締め、わくわくしながらヤジマ商事に向かうのだった。いやー、まさかバルキリーをこの世界に広めることが可能になろうとは!この前バトルしたバルキリーに一瞬だけとはいえ対抗してきたマゼラトップの人とかに使っていただきたい。俺が数の暴力ミサイルをしたのにもかかわらずあの主砲とマニューバのみで30秒持ったのヤバくない?バトル後無言で固く握手したよ。また会えたらいいなー。
「うひゃー、でっかー。父さんここで部長やってるの凄いね」
「父さんは凄くないさ。部下がすごいんだよ、父さんは仕事振ってただけだからね」
「そうなの…?」
「そうさ。さ、いこうか」
本当だろうか?最近学校での出来事をあれこれ話してみたら(チクリとも言う。かっこ悪いけど流石に我慢できなかった。ゆるして)笑顔で怒った父さんが学校に電話をしたんだけど次の日からピタッと嫌がらせその他諸々が無くなったのだ。絶対父さんがなんかしたんだと思うんだけど怖くて何も聞いてない。先生からも若干遠巻きにされる始末。日和見主義の校長先生は顔青くしてたけど、絶対きょうは、もといお話をしたんだろうなあ。それとその関係で進学先が公立ではなく私立の聖鳳学園になりました。公立よりもまだ安心だって、わーい。ヒマリやツムギ、それにセイにタツヤさんもいるし俺は大歓迎だぞいっと。
父さんがIDカードをかざして本社の中に入り、受付さんが慌てて頭を下げている。というか周りの人たちの目が何というか尊敬の目だ。もしかしてワイのパッパややっぱりすごい人なのでは?父さんに並び立って歩く俺に奇異の視線を向けることなく笑顔で挨拶してくれる社員さんたち、なんか申し訳ない。というか俺ガッチガチに緊張してる。今世でも前世でもこんな大企業来た事ねーべや?やべーよ手汗出てきそう。
なんかえらい豪華なエレベーターに乗って高層階に行き、きょろきょろと落ち着かない俺をひと撫でした父さんと一緒に「第4会議室」と書かれた扉を開けると…アラッ!?なんかスーツ着たナイスミドルたちが今まさに葬式とでも言わんばかりの顔でゲンドウポーズをとって佇んでいた。えーっと、なにこれ?父さんも困惑してるし、一番偉そうな上座の人は胃痛に顔をしかめてるような顔してるし。
「失礼します、息子を連れてきたのですけど…何かありましたか?」
「ああ、ありがとうゲンヤ君。なに、PPSEの対応にちょっとな…君がアルト君かい?」
「は、はい。サオトメ・アルトです!」
「そう固くならないでくれ。君はまだ子供なんだ、小難しい話なんて投げ捨てて君が作ったプラモデルを思いっきり自慢してくれればいいよ」
なんだこの上司陣の優しさは。もしかしてここがうわさに聞いたホワイト企業か?そういえば残業で遅くなった父さんあんまり見ないな…まあそんなことはいいとして、俺はバルキリーを取り出して、机に中央に置く、素の状態のVF-1と本邦初公開VF-11「サンダーボルト」だ。VF-1の汎用性を継ぐマクロスプラス時代の主力だ。もちろんVF-1の次世代は他にもたくさんあるがバルキリーを初めて動かす場合の汎用性を考えたら何かに特化した機体よりもこのVF-11のようにトータルバランスに優れているものがいいだろう。もし次があったらゲテモノ出してもいいかも。デストロイドとか、それこそVF-22とか。
ファイター状態のものを感嘆の息を吐いて見つめる偉い人たち、基準はデザインと売れるか売れないかかな?ちなみにもちろんVF-11も完全変形するよ!当たり前だよなあ?あ、一応設計図持ってきたけどいるかしら?というか俺のバルキリーが穴が開くくらい見つめられてるのなんか恥ずかしいな。どうなんだろ?評価的に。売れると信じたいし、これダメだったら後ろ盾消えるんじゃね?
「こっちの機体、初めてみるけど…」
「あ、はい。動画で見慣れてるやつよりも新しいのがバンって出たらインパクトあるだろうなーって思いまして。あ、どっちも変形します。こんな感じで」
ファイターからガウォーク、バトロイドへ変形させていくと偉い人たちの目が完全に商売人の目になって空電卓をたたいてる感じがしてる。もしかしてこれ結構好感触では?あれそれこれどれかくかくしかじかと構造やらなんやらを説明し終えると、おそらく一番偉いであろう上座の社長さんが立ち上がって俺の傍に来て目線を合わせてくれた。
「ありがとう。君は素晴らしいビルダーなんだな。君の熱意は確かに私たちに届いた。このプラモデルは絶対に商品化する。ゲンヤ君、このプロジェクトは君に任すことにする。息子君の頑張りを無駄にしないように努力したまえ」
「謹んで拝命します」
「全く、この子に比べてPPSEの連中ときたら…アルト君、一つ確認してもいいかな」
「えっはい」
「君は初めてここに来たとき、このプラモデルはガンプラではないと言ったそうだね?今でもそれに変わりはないかな?」
「はい。バルキリーはどのガンダムの世界とも符合しないように作りました。こいつは、ガンダムの世界の機械じゃありません」
「そうか。君にとっては最悪の知らせになるが…先ほどPPSEとの話し合いがあってね。君はこのままバルキリーに乗り続ける限り世界選手権に出場することはできないんだ」
世界選手権に、出れない?俺が?いや、今の言い方を聞く限り俺自身を狙い撃ちにしたようなものではなかった。原因はこいつ、バルキリーか。ガンプラじゃないといったのが裏目に出たか?
「『ガンダムのプラモデルではないものの大会出場は「ガンプラ」バトル選手権の本意ではない』…これがPPSEの方針のようだ。今までこんなルールなぞ作らなかったくせに…全く、うちが製作者を囲い込んだと知ったら権利の譲渡なぞ求めてきたうえにこの始末だ。おそらく君がPPSEに入っていたらそのバルキリーも「ガンプラ」扱いされていただろう」
社長さんが何か言っているが、今俺はちょっとキャパを超えているせいでうまく頭に入らない。想像はしていた。異端のものを使っていればいつか排斥されるんじゃないかとは思っていたが、それがまさかこんな早くに来るとは。正直言おう、俺は世界選手権に出るつもりでいた。セイや、タツヤさん、カイザーさんといった世界の強豪たちとあの大舞台で飛ぶつもりでいたんだ。けど、それがかなわない、だいぶショックだ。ええい、落ち着け俺。
「…そうなんですか」
「正直伝えるかどうかは迷った。君らが来る直前まで話し合っていたからね。けど、出場直前になって知るより今知っておいた方が対策が立てられるだろう。その機体を捨ててガンプラを選ぶのもよし、世界選手権を諦めるのもよし、どちらにしてもヤジマ商事は君を全力でサポートする」
その言葉を聞いた後、色々話していた気がするけど思考の海から戻った時には既に車の中だった。無言の空間の中、下手な慰めを言わない父さんの優しさが、今は嬉しかった。
「ダメかぁ…世界選手権…」
その日の夜、俺はベッドの中で一人そう呟いた。電気を落として真っ暗闇の中、今日あったことを反復する。嬉しいことと、とんでもないショックが同時に来ていろいろごちゃ混ぜだ。バルキリーを捨ててガンプラに乗り換えるか、それとも世界選手権を諦めるか…答えはもう決まっていた。
「捨てられるわけないんだよなあ、今更」
もちろんガンプラを改造してバルキリーっぽくするのもありだろう。だけど、それはガンダムのプラモデルだ。どこまで行ってもバルキリーじゃない。フルスクラッチまでして作った俺の愛機たちに対する裏切りに思えて、乗り換えるなんて選択肢は頭から毛頭なかった。それに、GPベースで動かなくなったわけじゃない。飛ぶ機会なんていくらでも作れるさ。大会で競り合えないのは残念だけど、PPSE社の言い分にも一理ある。あくまで「ガンプラ」世界選手権、プラモデル世界選手権じゃないのだ。それが方便だとしても、覆すことのできない強力なルールだった。
「ごめんなあ…みんな…」
熱くなった目頭から、何かが零れ落ちた。誰もいなくてよかった。こんな姿、親友にも、幼馴染にも、友達にも、見せられないや。
「というわけでスマン!世界選手権出れなくなった!あっはっは!」
「軽くない!?そんなテンションで話すことじゃないよアルト!」
「しょーがねーだろセイ!ダメなもんはダメっていう話だ!現地でお前らを応援するさ!」
「…アルトくん」
「…アルト、大丈夫?」
3日ほどかけて気持ちの整理をつけた俺は報告も兼ねてイオリ模型に集まったセイとヒマリ、ツムギに事の次第を報告した。セイは元気よく突っ込んでくれているが、完全に俺に気を使って空元気に合わせてくれてる感じだ。ヒマリとツムギはもはやお通夜だな。いや申し訳ない。でも報告しないわけにはいかないからさー、許してくれよ。
「正直言えば死ぬほどつらいが、ルールはルールだ。今更ガンプラに乗り換える気はないし、そもそもセイは俺がガンプラ使うと弱いの知ってるだろ」
「まあ、そうだね。最初からあんなのに乗ってればそりゃ普通の操縦できなくなるよ」
そう、俺はガンプラを使うのがすこぶる下手くそだ。どうしてもバルキリーと同じ加速や追従性、運動性能を求めるし、咄嗟の場合は変形させようとしちまう。バルキリーに特化しすぎて普通のガンプラだと並程度なのが俺だ、可変機ならいけるかと思ったがあんまり変わらなかったしな。メインスラスターが足じゃねえっていうのがどうも俺の操縦にはまらない要素らしい。仮にセイと組んで選手権に出ようと思っても俺じゃ足を引っ張る。器用さでカバーできることじゃなくて、もはやセンスとかそういう問題。座りが悪いというか、違和感がぬぐえない。この違和感がバトルにおいて致命傷になってるのだ俺の場合は。
そんなわざわざセイが大切に作ったガンプラを壊しに行く趣味は毛頭ないので俺の世界選手権挑戦の夢は潰えたのである。まあ?これからバルキリーが売れれば無差別級プラモ大戦争とか開催したいな!具体的には二十歳くらいになって大人になったら!だから今は雌伏の時…
「…アルト、私とコンビ組んで!」
「ツムギちゃん?」
「…ツムギ?」
珍しく大声をあげて立ち上がったのはツムギだ。彼女はいつも目を隠してる髪を強引に手でかき上げてその蒼い瞳をまっすぐ俺に向けてそう言った。眠たげな瞳は大きく見開かれ、彼女がどれだけ真剣に言葉を発したかがわかる。ツムギとコンビね…悪くないどころか選択肢としては最上級の類だろう。こいつの操作技術は俺を凌駕する。戦闘はまだ俺のほうが強いけどな。
「落ち着けよツムギ。そう言ってくれるのは嬉しいけど、俺はお前の機体で選手権に出てほしいんだ。俺が作ったものでいいはずがないだろ」
「…そんなことどうでもいいよ!私はアルトと一緒に世界選手権に出たかった!あの場で勝負して欲しかった!だけど、ルールで出られないからってあきらめて欲しくない!一緒に行こうよアルト!私がアルトを、世界選手権に連れていくから!」
ツムギの言葉が俺を揺らがせる。俺があいつの機体を作って、ツムギが操縦する。俺はビルダーとセコンドに徹する、勿論選手として出ることはできないが、あの場のステージに一緒に立つことができる。今の俺にとって、ひどく魅力的な提案だった。
「ねえ、アルトくん。私はツムギちゃんみたいにガンプラバトル上手じゃないから一緒に出ようなんて言えないけど、ツムギちゃんと一緒に行ってもいいんじゃないかな?アルトくんにしかできないことが必ずツムギちゃんを助けられるって、私思うんだ。ツムギちゃんのセコンドにはもともと私が入る予定だったし、折角だから一緒にやろうよ!」
「そうだね、それがいいよアルト。君自身と戦えないのは残念だけど、僕の機体と君の機体が戦うかもしれない。それだってわくわくするじゃないか!……まあ、僕は先にコンビを見つけないといけないんだけど…」
後押ししてくれるヒマリにセイ、あーあ、知らねーぞセイ。ライバルに塩を送るような真似をして。やってやろーじゃねーの。俺の機体でツムギと一緒に世界に殴りこみかけてやろうじゃねえか。バルキリーを作れないのは不満だけど、技術蓄積ならたんまりある。ガンプラでそれを発揮するだけでいい。
「…わかった。じゃあ、よろしくなツムギ、ヒマリ。一緒にカッチョいい機体作って、目の前にいるガンプラバカをぎゃふんと言わせてやろう」
「…!セイにぎゃふんって言わせる!」
「よーしイオリくん!ぎゃふんって言ってみようかー!」
「多分そういうことじゃないと思うんだけど…」
「…ねえアルト、どんなヅダにしよっか?」
「やっぱそうなる?」
「…?私がヅダとアルトのバルキリー以外操縦すると思う?」
「思えんなあ…あ、空中分解装置は今回意地でも付けないからな。大会中に修理間に合わなくなっても困るし」
「…そんな…」
俺の宣言に、さっきまで頼もしさを醸し出していた瞳を潤ませ涙目になりながら、ツムギは俺に空中分解のすばらしさを説いてくるのだった。いくら言ってもつけませーん。ヒマリにセイ!笑ってないで説得手伝え!このままじゃ世界選手権中に爆散するヅダを作る羽目になるんだぞ俺は!
悲報、主人公世界選手権に出禁もらう。でも原作のPPSE会長だったらこれくらいやると思う。自分の会社の利益というか自分の利益優先で。トーナメントいじったくらいだしマフィア利用するし。
あ、でも主人公はきちんと世界選手権見に行ってバルキリーをブンドドしてもらいます。これは確定事項です。大会に出れない(イベントにも出れないとは言ってない)ので
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計画って実行するより考えてるほうが楽しい時もある
俺のガンプラ世界選手権への実質的な出禁が決まってから数日、PPSE社によって正式にルールの改定が発表された。まあ荒れるよね。そりゃあもう盛大に。納得する人も半分くらいいたけど。だけどPPSEはどれだけ燃えようが文句が出ようが頑として聞かなかった。あくまでガンプラ世界選手権はガンプラの祭典であって、他作品、あるいはガンダムではないオリジナルを宣伝する場ではないとのこと。世界大会は出ちゃだめだけどモラトリアムイベントや野良試合はこっちじゃ関知しないからお好きにどうぞだそうだ。
そこで俺はピンときた。実質的な締め出しを食らったバルキリーであるが、これはいいチャンスではないだろうか?前回の世界大会で俺とヒマリがやらかしたように、もういっそ腹くくって出禁覚悟で世界選手権を利用しつくしてやろうじゃないかと思ったのである。それには協力者が沢山必要なので、俺は早速心当たりに連絡を取ることにした。
『もしもし!?アルト君かい!?』
「あ、どうもタツヤさん、お久しぶりです」
『ああ、久しぶり…ではないだろう!?ルール変更の事は聞いているはずだ!君は実質出場不可能になったんだぞ!?』
電話をしたのは我らが日本チャンピオン、紅の彗星ことタツヤさんである。俺の事を気遣ってなのか彼や他の知り合いの世界ランカーたちは俺に連絡を取ってこなかった。おそらく俺が立ち直るまでほっておいてくれるつもりだったのだろう。電話口でのこのタツヤさんの慌てようを見るに相当気が気でなかったようだ。
「ええ、わかってますし…もう割り切りました。タツヤさんとあの舞台で戦えないのは残念ですが俺は俺のやりたいようにやります」
『いや、しかし…』
「間違っても抗議なんてやめてくださいよ?PPSEにタツヤさんをマークさせたりするのは本意ではないです。それにPPSEがいってることも100%でたらめじゃないですから。それよりも、ちょっと手伝ってほしいことがあるんですが…」
『なんだい?こうして何もしてやれない身だ。私にできることであれば喜んで手伝わせてもらうよ』
「ありがとうございます!実は、モラトリアムイベントでですね…」
俺はタツヤさんにモラトリアムイベントで行おうと思っているとんでもイベントを話した。既にヤジマ商事の方に話を通してあって、全面協力の承諾をもらっている。ヤジマ商事も今回のPPSEのやり口に不満を持っていたらしくむしろ盛大にぶっ壊せというお墨付きをもらった。まあ大会自体はぶっ壊れるどころか盛り上がるだろうから大丈夫だろうけど、PPSEさんには一回煮え湯を飲んでもらいたいので俺もやめる気はない
『なるほど…アルト君らしい、と言えばいいのかな?もちろん協力させてもらおう。必ずその場に、駆け付ける』
「感謝します。タツヤさん、俺と一緒にプラモデルの裾野を広げましょう!」
その後もカイザーさん、グレコさん、チョマーさんなど前回の世界選手権で連絡先をもらった人達にそれぞれ連絡を入れ、心配の言葉と協力の快諾をもらった。なんかチョマーさんがやたらとフェリーニさんに攻撃的だったのは何かあったのだろうか?俺は詳しく知らないけど仲良くして欲しいと思う。それとカイザーさんが静かに怒ってたのめっちゃ怖かった…。
そして季節は巡る。俺は小学校を卒業し、聖鳳学園中等部1年生になった。結局あの炎上騒ぎはPPSE社の思惑通りと言っていいのか鎮火し、話題になることも少なくなっている。これは俺の知り合いの世界ランカーたちが表立って声明を発表しなかったからだ。今俺がこれ以上注目されても動きにくくなるだけなので、曖昧な返答や残念ですの一言で済ませてもらったのだ。当然、彼らにも言い分があってファンにも言ってほしい言葉があったかもしれない。けど、それを飲み込んでくれた彼らには頭が下がる思いだ。
俺もヒマリもツムギもセイも、誰も欠けることなく聖鳳学園に入ることができたのは嬉しい。これで誰か欠けてたら俺は泣いてたぞ!…まあ俺だけクラス別だけどな!寂しいわ~~。なんなんこの仕打ち?ガンプラでもハブられてクラスからもハブられてますやん。どう思うヒマリ?
「でも部活は一緒でしょ?イオリくんだけ違うけど」
「なんで一緒じゃないんだよセイ~~!」
「…セイ、音楽できないから」
そう、部活は模型部か軽音楽部、あるいは美術部で絞ってたんだけどセイだけ見事に別部活に行ってしまった。タツヤ先輩がいる模型部も魅力的だったんだけど最近音楽も楽しくなってきた身としてはこっちをやるのもありかなと思ってるわけで。ヒマリから借りてるギターをジャァアァンと鳴らしながら愚痴ってるわけなのだ。
ベースの音を確認するヒマリとキーボードの前で指のストレッチをするツムギ。ここでセイがドラムでもやってくれればFIER BOMBER再現できたのになー。とうじうじ文句垂れててもしょうがないので今日も練習をすることにする。これもすべてはPPSEに一泡吹かせるため…!ところでなんで俺ボーカルなん?俺じゃあヒマリやツムギの歌唱力と張り合えないんですが?というか演奏しながら歌うの難しすぎない?操縦しながら演奏して歌唱してたバサラさん化け物やったんやなって。
音楽を学べば学ぶほどわかる。ヒマリの才能がどれほどのものなのか。俺なんかに付き合わせていいのかとかな。そんなこと言ったら怒って口きいてくれなさそうだし絶対言わないけど。
「あーあ、セイのやつ店番あるからって先に帰っちまったし、帰りにイオリ模型行って冷やかすか」
「さーんせー!最近イオリくん働きづめだもんねー。誘って遊びにいこーよ!」
「…セイ、ガンプラ作り、頑張ってる。私も順調、アルトは?」
「おいおい、俺をなめてもらっちゃ困る。本戦用のヅダは必ず間に合わせる。それまでの予選で使うのはお前のヅダだ。頑張ろうな」
「う~~~!やる気上がってきた!イオリくん誘ってカラオケいこー!」
「お、いいねえ。配信者様はやる気が違う」
「…いい加減アルトも出るべき。私は出たのに」
「流石にかすむんだよおまえらと歌うと…俺はそこらへん凡庸なんだから」
駄弁りながら片づけを終えて先輩方に挨拶して教室を出た後そのまま下駄箱に行って靴を履き替える。人気配信者に数えられるようになったヒマリ、ツムギともすっかり仲良しでこの前なんとデュエットの動画を投稿していた。もう一人は誰だ!?ってめっちゃ騒がれてたけど。というかツムギも歌が上手い。何でもそつなくこなすとは思ってたけどほんとに何でもできるな。これでお母さんに吹き込まれたことに疑いを持ってくれればなあ…と俺はツムギバレンタインデー事件を思い出して目を細めるのだった。あんな事件は2度と起こってはいけない。そう固く誓うのであった。
「ってすっかり遅くなっちまったな…」
「もう真っ暗じゃんー!カラオケ~」
「…流石に無理、イオリ模型に行ってセイの様子だけ見て帰ろ?」
完全に夜のとばりが落ちてしまい、電灯が道を明るく照らしている。ヴぇ~~とヒマリが未練がましくカラオケ~と呻いているのをBGMにしてそれぞれの楽器を背負った俺たちはえっちらおっちらとイオリ模型に向かうのだった。おーいヒマリ、肉屋のコロッケはうまいけど買い食いはほどほどにしとけよ~。え?俺?そんな金ないよ!できるのなら俺もしたいわ!
イオリ模型は知る人ぞ知る、というレベルの店舗だ。大型模型店に押されてはいるが確かにコアな人気を持っている優良店舗という感じ。だから玄人はイオリ模型に行くなんてこの近辺じゃ言われてる。あとセイが作った展示用のガンプラの完成度の高さ、かっこよさ。秘かにセイ自身にもファンがいるのだ。例えばタツヤさんとか、あの人が褒めて目を付けるってことはセイは相当気に入られてるぞー、なんてな。セイのビルダーとしての力は世界選手権に通用するということの証左だろう。さすがはマイベストフレンド、やってくれるぜ!
「おーいセイ…ってあら?」
「リンコさんとラルさん?GPベースの方で何してるんだろ?」
「…バトル?」
「セイが?確かにあいつなら煽りに煽られたら受けるような気はするけど…」
そう言いながら3人そろってGPベースの部屋に設置されている観戦用の窓の方に歩を進める。途中で見ていたリンコさんとラルさんが振り返って俺たちに気づいた。軽く挨拶をして3人そろって窓を覗き込む、やっぱりセイだ。操縦スペース内で光の球を握って必死に操縦している。相手は…
「サザキか…」
「知ってるの?」
「…あまりいい噂を聞かない。この近辺じゃ強いほうらしいけど」
「最近セイの周りに出没してるってのは聞いてたんだけどなあ、強引に迫ったか。あのビルドストライクを使いたかったから」
ビルドストライク、セイが世界選手権用に作成した本気の機体。俺も見せてもらったが完成度が非常に高いし、それに伴ってGPベース内の性能もびっくりするほど強いのだ。今対戦しているギャンの少年、サザキ・ススムはそれが欲しくなった。こいつ節操ねえな。
このサザキという少年、たしかに操作技術は高いのだけどガンプラ界隈ではあんまり評価は高くない。理由は単純、ガンプラを大事にしてないから。要は勝つための道具としてしか見てないし、壊すことにも全くためらいがない。勝利に貪欲と聞けば聞こえはいいけどファイター連中ならともかくビルダー連中としては面白くはないだろう。特にガンプラを大事に大事にしてるセイには猶更。
だからコンビを組む相手としては除外されていたはずなのだが、サザキもやはり強いファイター、強いガンプラが欲しくなった彼はセイに目を付けてここ1週間くらい付きまとっているという話なのだ。俺がいるときとかは追い払ってたんだけどいないときも来ていたんだな。俺にも声かけた癖に。アホらし。
「しかし、あのサザキという少年…確かにファイターとしての技量はあるようだ」
「そりゃあ、腐っても店舗大会とはいえ優勝してますからね…セイは、どうするんだ?まじめにやっても勝てる相手じゃないぞ」
ギャンが装備を捨てて、ビルドストライクに向かっていく。装備がないビルドストライクへ条件を合わせたかそれとも、なくてもお前くらいなら余裕だという嘲りなのか…腹立つななんか。こいつホントに節操なくて、強いと思ったビルダーのほとんどに声をかけてすげなく断られてもなお諦めない、そこら辺はファイターとしていいと思うんだけど、言動が高飛車でプライド高いから敬遠されてるんだ。あれさえなければ組むって言ってるヤツ結構いるんだけど。
必死にギャンのパンチやキックを躱し続けるビルドストライク、武装の類が完成してないのが痛いな。セイも必死に頑張っているみたいだけどやはり分が悪い。ビルドストライクの性能がすさまじいから躱せているが、その性能にセイがついていけてない。一歩間違えればこけたりしてまともに攻撃が当たる。
「イオリくん…」
「…セイ、このままじゃジリ貧、乱入する?」
「ダメだ。セイがバトルを受けたんだ。俺たちが助けてどうする。けど、どうする気だあいつ…」
くそ、負けるぞあいつ!せっかく作った新しい愛機の初陣で!目を背けたくなるが、そんなことしたら俺はセイに顔向けできん。ヒマリはもう見てられないとばかりの表情だし、ツムギは思いっきり不機嫌になってる。一瞬そっちに気を取られた瞬間、装甲がぶつかり合う音が響いた。すぐさまビルドストライクの方に目を向ける。
そこには、ブーストを噴射してギャンに向かってタックルを決めるビルドストライクの姿があった。けど、直感で分かった、セイの操縦じゃない!動きが違う、慣れ親しんだ慎重さのかけらもない思い切りのいい操縦に思わず操縦スペースの方に弾かれたように目が行った。
「誰だ…!?あいつ」
「…知らない。見たことない!」
「イオリ君の知り合い…?」
「お友達かしら…?」
そこにいたのは赤い髪をした勝気そうな少年、年の頃は俺たちと同じくらいだろうか?そんなことより、どこから入った!?まるで瞬間移動でもしたかのように忽然と現れたぞ!?セイの様子から知ってる人物のようだけど、強引に操縦を変わった少年はぐりぐりと光の球をいじっている。ビルドストライクが珍妙な動きをするが、多分あいつ初心者だぞ!?
「おいセイ!ギャンが来るぞ!構えろ!」
聞こえないとわかっているが思わず声が出た。ビームサーベルを構えてビルドストライクに突進してくるギャン、振りかぶられるビームサーベルを、あっさりと躱した。そのままの連撃を躱し、反撃で蹴りとパンチを入れる余裕っぷり…!こいつさっきまで操縦すら分かってなかったヤツか!?あらは多いけど様になってるぞ!?
「うそ…」
「…信じられない、さっきまでの動きと全然違う」
舌を巻く、確かに操縦出来ている、タツヤさんやツムギとかと比べたらそりゃあ劣るけどサザキ相手なら余裕とも思えるくらい、できている。慌てて捨てた装備を取りに戻るギャンを迷うことなく追うビルドストライク、装備を取り戻したギャンのミサイルとビームライフルを鮮やかに躱してビームサーベルを抜いた。
もはや混乱の極致にあるであろうサザキは動きを止めてビームライフルを連射する。それすらも意に介することなく、全力でブーストをふかせ加速したビルドストライクはそのままギャンを一刀両断、システムがバトルの終了を宣言した。嘘だろ…?
「勝っちゃった…」
「…でも、あれありなの?」
「サザキが文句言わなかったらあり…あれっ!?いない!?」
崩れ落ちるサザキ、呆然とするセイがいるバトルスペースの中にいるべきもう一人、赤毛の少年がまた瞬間移動したように忽然と姿を消していた。思わず3人そろってきょろきょろと周りを見てしまうが見当たらない。セイも少年を探したいらしく乱暴にドアを開けてこっちに出てきた
「あっイオリくん!さっきの…?」
「…行っちゃった。セイに初めて無視された」
「ははあ、あいつ…惚れたな?」
セイは俺たちの事は眼中にないとでも言わんばかりに店のドアを開けて外へ走っていってしまった。あいつがここまで必死になるってことは…見つけたんだな?自分の相棒になるべき人物を。
「惚れ…?うぇっ!?イオリくんってまさか…!?」
「…びっくり」
「いやそっちじゃねえよ?ビルダーとして惚れたんだ、きっと。自分のガンプラを託すことができるって思ったんだろうさ。さて、ツムギ、ヒマリ」
「なんだ、よかったー。なにかなアルトくん」
「…なに?」
「多分これからセイのやつは滅茶苦茶に強くなる。あの赤毛のやつとコンビを組めたらの話だけどな。俺たちもうかうかしてられないってことさ。気合い入れて、あのガンプラに勝てるようにならないとな」
「そうだね。イオリくん、すごく嬉しそうだったし」
「…わくわくしてきた。ヅダであのガンダムに挑みたい」
言うまでもなかったかな。気合いを入れなおす二人を見て、俺も気を引き締めて大会用のヅダを作り上げないといけないだろう。今日はいいものを見れた。ああ、あと…よかったな、親友。
やっと原作はいれた~~、長かった…
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他人がやってるのを見ると羨ましくなる
「まったく、どうなってるんだか!」
「おー何時になく不機嫌だな親友。バディに何か不満でもあるのか?」
「お~はよ~イ~オリく~ん」
「…セイ、おはよ。昨日のバトル、すごかった」
「あ、みんな。おはよう。バディって…レイジには断られたよ」
「断られたのか!?あんな熱烈ラブコールしといて!?」
朝、登校中の事である、ぷりぷりと怒るセイを見つけた俺とツムギ。ヒマリは8割寝てるので仕方なく俺がおんぶしているが、何とか挨拶をしてくれた。よしよし偉いぞー。でもそろそろ起きようなー?いくら何でも最近俺に頼りすぎだお前。俺いなかったら毎日遅刻じゃねえか。ツムギも起こしに来てるんだぞ~。
「待ってよアルト。もしかして昨日見てたの!?僕の部屋にいた!?」
「バトルは見てたけどお前飛び出して帰ってこなかったからな。普通に帰ったよ。へ~、お前の新しい想い人はレイジっていうのか~、なるほど~」
「ねえアルト、なんでそんなに揶揄ってくるの?」
「昨日無視された腹いせ」
「それは、悪かったけど…でもレイジはガンプラバトルに出る気はないみたい。だから、僕がやらなきゃ」
「あらら…」
これ悪いループに突入しかかってんな。俺はやっと目が覚めたヒマリを下ろしてぷりぷりと怒るセイに向き直る。むきになってきてるなこいつ。俺がこれどうこう言って解決するかー?どうしたもんか…
「それにレイジったら凄い変な奴なんだ!常識ないし、勝手に泊っていくし…」
「長くなるな、こりゃ」
ぐちぐちモードに突入したセイを見ながら俺は朝からいろいろありそうで面倒だなあと…苦笑いするのであった。あー、聞いてる聞いてる。大変だったな親友。え?おざなり?そんなまっさかー。
俺のスマホがメールの到着を知らせた。時刻はすでに授業をすべて終え、部活に向かう人もいるくらいの隙間時間。当然、俺もクラスを出て軽音部に向かうところだったのだが…とりあえずスマホを見ると、あれ?タツヤさんだ。電話じゃなくてメールなんて珍しいな。件名は…「イオリ君とガンプラバトルをすることになったので良ければ体育館に来てほしい」…えええっ!?セイが?昨日の今日で!?ガンプラバトルを受けた!?しかも紅の彗星として名をはせているタツヤさん相手に!?
「えらいこっちゃ…」
「ねえアルトくん!メール見た!?イオリくんが…」
「…ガンプラバトル、するって。昨日の赤い人と一緒に」
「バトルの件はタツヤさんから聞いたけどレイジってやつが一緒なのは初耳だな。この学校にそんな奴いたか?あんな目立つ奴なのに」
「とりあえずいこ!」
「…無理やりやらされてるなら、止めないと」
「タツヤさんに限ってそれはないだろうけど…いや、あの人割と我慢弱いタイプだったな…いくか!急いで!」
駆け込んできたヒマリとツムギと一緒になって体育館へ走る。廊下は走るなと怒られそうではあるが今は見逃してほしい。急いで駆け込んだ体育館にはタツヤさん目当てと思われる沢山の女子と、GPベース、そしてセイと一緒にいるレイジ、相手は…タツヤさんじゃない?
「ゴリラみてえ…」
「誰がゴリラだそこの1年!」
「うわっ聞こえてた」
なんつー地獄耳だよ。ドアから距離結構あるのに。あ、タツヤさんだ。手招きしてるし行ってみるか。うっわー「誰だあの1年、タツヤさんに近づくんじゃねえよ」っていう視線が怖い。後ろのヒマリとツムギなんて縮こまってるしやめてくんない?両袖掴まれると歩きにくいんだよ。
「やあ、アルトくん。メール、読んでくれたかな?」
「何ですかこれは。タツヤさんにしては強引ですね。セイが何かしましたか?」
「何もしてないさ。赤毛の彼は、少し悶着したけどね。モンタが吹っ掛けた勝負を彼が買った。それだけのことさ」
つまり、この人自身は場を整えただけで勝負を吹っ掛けたわけじゃないと。セイがビルドストライクを出してセットした瞬間タツヤさんは感嘆の息を吐いた。
「素晴らしいガンプラだ…さすがはイオリ君といったところか。だが…」
「ええ、そうですね。未完成です」
そう、ビルドストライクは未完成だ。ストライクの名を関するあの機体には装備すべきストライカーパックがまだないし、基本装備であるはずのビームライフルやシールドすらない。バルカンとビームサーベルだけの未完成。だけどその性能は並のガンプラを軽々と凌駕する。対するゴリラ先輩は…ゴールドカラーのスモー?また珍しいもん使うなあ。
バトルが始まる。ビームサーベルを抜いてバーニアを噴かして距離を詰めるビルドストライク。スモーのビームガンを紙一重の距離で余裕を持って躱している。振りかぶられるビームサーベルをヒートホークで受けるスモー。
「速いな…予想以上だ」
「そりゃあ、俺の親友の作品ですから」
「…それだけじゃないだろう?バーニア、君の模倣じゃないかな?」
…鋭い。そう、ビルドストライクのスラスター関連は俺の技術のエッセンスをセイが独自のアプローチで取り入れている。ビルダーにはそれぞれ得意なものがあって、例えばセイなら機体、主に中身をいじるのが得意。タツヤさんなら武器制作が得意。俺の場合は3つ、可変機構、ミサイル、そして高機動を可能にするスラスターだ。特に一番自信があるのがスラスター関連。熱核タービンエンジンに代表されるマクロスの技術を再現するために誰にも負けないようそこだけは鍛えぬいたからだ。
そして、そんな俺を近くで見続けていたセイはそれを己の形に落とし込んでビルドストライクに搭載した。だからあの機体は、追加装備なんて無くても並の機体の数倍は速い!
「あれよりまだ速度が上がるのか!?」
「よくやる…あれ相当なじゃじゃ馬だろうに。ツムギのヅダといい勝負だ」
「…私のヅダのほうが速いもん」
「比べるところそこなんだツムギちゃん…」
残像を残しそうなスピードでスモーを翻弄するビルドストライク。バルカンでビームガンを破壊し、ヒートホークを両断する。ゴリラ先輩のスモーもさすが模型部というべき完成度ではあるが今回は相手が悪い、日の半分をガンプラに注ぎ込む生粋のガンプラバカが本気で作った作品だ。同じくらい狂気にかられたガンプラでもない限り拮抗なんてしない。
「こんのおおお!!!」
「おせえ!」
左腕の大型ビーム砲を放つスモー、建物を盾にして躱したビルドストライクだが、ここで風向きが変わった。ステージ設定がコロニー内であったため、今のスモーのビームでコロニーに穴が開いたと判断されてステージ内を乱気流が襲ったのだ。通常のガンプラであれば身動きすらできない。現にスモーも改造で付けたと思しき足裏のスパイクを使って耐えている。風上を取られてるからどうにか風上を取り返して攻める、と思いきや
「レイジ!ビルドストライクならこのまま進める!前へ出るんだ!」
「おっもしれえ!やってやる!」
「なにぃ!?なんだあの推力は!?」
ゴリラ先輩が驚いてるように、ビルドストライクは向かい風を全く物ともせず、風下からそのままスラスターを噴射してビームサーベルで攻めていったのだ。さすがはセイ、その作りこみならあの程度どうともなかったな。連射が利かないらしい大型ビーム砲を発射前に腕ごと切り捨て、そのままの勢いでスモーを両断するビルドストライク、システムがバトル終了を…終わらない!?あれ!?
「どういうことですかタツヤさん…いないんだけど」
「あ、GPベースのほうにいるよ」
「…乱入?それはありなの?」
「あり、なのか?いやタツヤさんが我慢きかなかっただけか…」
さっきまで俺の隣でバトルを見守っていたはずのタツヤさんの姿はいつの間にか体育館中央に設置されたGPベースの前にあった。ゴンダ先輩というらしいスモーの操縦者と入れ替わるように操縦スペースに立っている。当然、GPベースの中にあるのは愛機であるザクアメイジング、トレードマークの長いライフルは持たされず最初からヒートナタを2本持っているようだ。
「流石に大人気ないぜタツヤさん…」
「アルトくんがそれ言う?」
「少なくとも乱入したことはねーよ!?」
「…いいな。私も」
「ちょっ!?ツムギさん!?」
ツムギがうきうきと乱入しようとしてるので襟元を掴んで引き留めつつ様子をうかがう。
「少しばかり早く勝負がつきすぎたようだ。これでは集まってくれたギャラリーに申し訳が立たないと思わないか?少なくとも私はそう思う!」
「自分が戦いたいだけでしょタツヤさん…」
「実はアルトくんも戦いたかったりして」
「…そんなことないよ?」
「…嘘つき」
ハイその通りです。ぶっちゃけ今すぐ乱入してタツヤさんとバトりたいところだけど、多分戦いだしたらどっちかの機体が大破するまで続くだろうから今の大事な時期にそれはと思って自重してるんです。いいなーセイにレイジ。タツヤさんがあんなわくわく顔で戦いに赴くんだから相当気に入られたぞー。
乱入を受け入れたセイたち。風上から攻めてくるザクアメイジングに対してビームサーベルの二刀流で対抗する、凄まじい推力を活かして乱気流を無視するビルドストライクに対し、追い風を受けることで必要最小限の動作でコンパクトに攻めてくるザクアメイジングの衝突。
「速い…だが、それだけだ!」
「追いつけない!?どうして!?」
「にゃろぉ…やってくれるじゃねえか」
ビルドストライクは完全に翻弄されている。答えは単純、タツヤさんがそれだけ巧いのだ。ビルドストライクは言うなれば機体の能力のごり押しだが、タツヤさんはザクアメイジングの性能とそこに百戦錬磨の技量をのせて動いている。いくらレイジが適性が高いとはいえ始めてから2日で勝てるような相手じゃない。しかも手心加えまくりだ。ヒートナタしか使ってないもん。
バルカンの弾幕をすり抜けるように躱し、蹴りでビームサーベルをはじいた後、ヒートナタの峰で殴り飛ばす。たたらを踏んだビルドストライクの斬撃を身をかがめてよけ、またヒートナタの峰で足払いをかけ、転ばせる。そのまま急所であるコクピット部分にヒートナタを突き付け、チェックメイト。勝ったのはタツヤさんだ。
「いいガンプラだ。未完成なのが口惜しいが…イオリ君。選手権には出るんだろう?」
「えっはい!」
「なら、選手権までにそのガンプラを完成させてくれ。私が戦いたいのは君が本気で作ったガンプラ…本当の決着は選手権が相応しいだろう」
「ユウキ先輩…どうしてそこまで?」
「君のファンだから…と言いたいが本当の理由は私に勝ったら教えよう。決着は、そこで…むっ!?」
ヒートナタを突き付けたまま会話していたザクアメイジングに対して弾幕が降り注いだ。余裕を持って飛びずさったザクアメイジングと弾幕を放った張本人、木星エンジンから爆炎を噴き上げ宙に浮かぶザクマシンガンを携えたヅダの視線が交差する…ってツムギ!?さっきまでそこに…って上着脱いで乱入していきやがった!?ツムギの上着を持って呆然とする俺とあっけにとられるセイ、レイジペア。のほほんとしてるヒマリ、隠してる顔を出して瞳を輝かせるツムギ、武者震いしちゃってるタツヤさん…まずいぞこれ!?どっちかぶっ壊れるまでやるやつだ!
「おいセイ!巻き込まれる前にビルドストライク引っ込めろ!巻き添えで壊したくねーだろ!」
「えっアルト!?わ、わかった!」
「あっセイてめー!まだ終わってないぞ!」
「今回は僕らの負けだよレイジ、それに…この戦い、見逃したくないからさ」
「んだとぉ…」
「ま、見てみたら?案外面白いと思うよ。俺はサオトメ・アルト、セイの友達だ。レイジ、でいいか?」
「あ、ああ。名前長ったらしいからレイジでいい。クッソ、俺がこんな玩具で…」
睨み合うヅダとザク、正式主力量産機と欠陥機の烙印を押された機体。設定上なら因縁の対決だけど、こっちで見たらただ我慢できなかった同士のじゃれ合いなんだよなあ…あんまり機体ぶっ壊しそうなら俺も乱入するか?ツムギに至っては次の休みがすでに選手権本番なのに。もー、いいなー。いかんいかん本音が。
爆炎を吐き出して加速するヅダのヒートホークをヒートナタを2本重ねて受けるザクアメイジング。だがヅダの余りの勢いに足が滑り押し込まれている。ヒートホークを滑らせて受け流すザク、すれ違いざまの一閃はヅダがヒートナタの側面を殴りつけるという奇策によって防がれた。ビームサーベル相手じゃできない芸当だ。
「面白い!」
「…ずるい。あんなの見せられたら我慢できない!」
スラスターの軌跡が交差し、ザクとヅダがぶつかり合う。誘導ロケット弾を余すところなくザクマシンガンで撃墜し、ヒートナタとヒートホークがぶつかり合う。乱気流の中で戦ってるとは思えないほどの操縦の安定感が生み出す舞踏を見て盛り上がるギャラリーたち。これいつ止めたらいいんだ…?
「なんだ、これ…?すっげえ…」
「だろ?玩具だからって言うけどさ。遊びだから本気になれるんだよ。全力で、相手にぶつかるっていうのは気持ちのいいことだと思うんだよね」
「現にアルトはうずうずしてるもんね。乱入したいんでしょ?」
「そうだけど!?でも俺が突撃したらもう誰かの機体がぶっ壊れるまで続くんだよ!特にツムギのほう!選手権も近いのに…!」
「アルトくん乱入したら~?」
「ヒマリが悪魔の言葉を投げかけてくる…!」
口をポカンと開けたレイジが思わずという感じで漏らした言葉を嬉しく思いながら勝手なことを言う二人に突っ込む。変わらずGPベースの中では、ヅダとザクが激しい攻防を続けているのだった。模型部の人たちも、周りにいるギャラリーも、なぜかいるラルさんも一緒になって盛り上がっている。やっぱりガンプラバトルはこうでなくっちゃな、と俺は笑いながらそう思うのだった。
現状にビルドストライクの原作との乖離点
スラスターが超強化されてる。原作では逆らって走るがせいぜいだった乱気流の中を当たり前のように風に逆らってブーストをキメてくる。大体アホ主人公がスラスターの研究にセイ君を巻き込んだ結果。
あと1つくらい違いを入れようかなとは思っております
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やろうと思えば案外何とかなる
「…アルト、怒ってる?」
「怒ってはないけど、どうしようかなと思ってる」
「…ご、ごめんなさい」
「アルトくんいい加減許してあげたら~?」
「いやホントに怒ってるわけじゃないぞ?ただ今日どうしようかなと思ってるだけで」
「…あうあう…」
「少年、ねちっこい男は嫌われるぞ。過ぎたことなのだ、ドンと受け入れたまえ」
セイ&レイジコンビがタツヤさんに敗北を喫してからすでに何日か経ち、現在俺たちはラルさんと新幹線の中にいる。何をしているかというと日本選手権予選の第一ブロックである東北に向かっているのだ。で、新幹線の机の上でヅダの修理をしている。そう、修理である。ツムギのやつやりやがったのだ。タツヤさんといい勝負をしていたんだけど一瞬のスキを突かれて敗北、したんだけどそこで悪い癖が出た。いつも通りの空中分解である。ギャラリーは騒然、セイは白目をむき、レイジは疑問符を浮かべ、俺は崩れ落ちた。当の本人はとても満足そうであったとここに記しておく
やりやがったこいつ、選手権用のフルスクラッチヅダで選手権直前に空中分解しやがった。このヅダは機体性能を極限まで高めるためにツムギが新しく作ったもので、空中分解機能がついてないのだ。それを無理やり自爆なんてさせて空中分解したもんだから変な壊れ方して修理が長引いているのだ。
いいよ普段なら直す時間があるから。だけど時間がねぇんだよ!いくら急いでも間に合わんぞこれ!くっそー、微妙に重要パーツにまで破損が及んでやがる…!ちなみにツムギも涙目であうあう言いながら一緒に修理している。予備機持ってきてるけどただの改造ヅダなんだよなあ…んもー、やめろって言ったのに
「えー、残念なお知らせがあります」
「…はい」
「これ、間に合いません。選手権会場について俺がフルで頑張ってもおそらく3回戦くらいまでは間に合いません。なのでツムギさん?」
「…はい、何でも言ってください」
「女の子がそんなこと言うな。修理するまでこのヅダで頑張ってもらうことになるんだけど…予備ないんだから間違っても空中分解するなよ?」
「…いや、その」
「するなよ?」
「…はひ、うぅ…」
有無を言わせぬ俺の口調に瞳を涙で飽和させているのが髪のカーテン越しに見えるツムギが答える。流石に言い返せないのかラルさんもヒマリも苦笑するばかりだ。手を止めずに繰り返される問答が一段落したところで新幹線が目的の駅についた。いまだに冷える青森県である。もこもことしたジャケットに身を包んだ俺たちは早速と言わんばかりに選手権会場へ向かう。
「本当だったらセイのやつも来るはずだったんだけどなー」
「しょーがないでしょアルトくん。ユウキさんとのバトルで燃えちゃったみたいだし。「ビルドストライクを完璧にするんだ!」って」
「…セイに吉報を持って帰る」
「ま、ツムギなら問題ないでしょ。俺はそう信じてる」
「…うん。頑張る」
セイは今日来てない。ビルドストライクが未完成なのもあるし、バディのレイジの経験不足もあるからだ。ガンプラバトル世界選手権の日本代表決定予選は日本をいくつかのブロックに分け、そのブロックごとの優勝者が代表者ということになる。で、ここからが重要なんだけど日程が全部ずれてるのだ。しかも居住地域は関係なくどこの大会に、何回でも出場可能というスタイルだ。
で、俺たちはいの一番に日本代表になるべく、この日のために作ったヅダを携え…てきたんだけどなあ。不安だ。ツムギならよっぽどの強者と当たらなければ改造ヅダで余裕だと思うんだけど、勝てば勝つほど強者と対戦する機会が多いからなあ。マジで会場ついたら急ピッチで直さなきゃ。
「ついたぞ、ここだ」
「思ったよりも普通、というか小さい?」
「アルトくんどんなの想像してたの?」
「ドーム、前行ったとこみたいな」
「さすがにそこまでいかないがビル一棟会場なのだ、十分だろうに」
「…わくわくしてきた」
意外と静かだ。GPベースがある個室に分かれて淡々と試合をする形式らしい。ネットで登録したファイター情報を受け付けに伝えて作業スペースを借りてヅダの修理を進めていく。開始時間まであと30分もない…!やっぱり間に合わんぞこれ!ああ、もう!この装甲は交換して、あーここも交換…やっべしくった!ピンセットどこやったっけ…
「すさまじい速度だな…」
「アルトくん集中してるみたいだし、静かにしておこうかな」
「…ありがと、アルト」
んもー、修理する項目が多いったら。でもこれもツムギのため。彼女が楽しく、それでいて確実にガンプラバトルに勝てるようにするのが今の俺の役目。この程度の事なんざ苦労のうちには入らんね。ついでに改造加えてより強くしてやれ。今の俺ならそれができる。さすがはツムギのフルスクラッチという感じだし、これをサポートする感じで行ってみよう。
「んー、これであと少し、ってあれっ!?今何時だ!?」
「あー、やっとアルトくん気づいた。もう2時間たってるよ。ツムギちゃん2回戦突破して今3回戦行ってるよ?もー、アルトくん集中しすぎ」
「…まじで!?試合3つも見逃したの!?うぁぁぁぁごめんよツムギぃぃぃ…」
ふっと集中が途切れて意識が覚醒した俺に律儀にあれこれ教えてくれるのはずっと俺に付き合って一緒にいてくれたらしいヒマリだ。確かに俺はヅダを何とかしようと極度の集中状態の中にいたけどばっちりしっかり試合は見る気でいたのでツムギには土下座してもし足りないような不義理をしてしまったことになるのだ。というかまず応援できなかった事実に打ちひしがれてる。うぉぉぉん…
「んーん、アルトくん頑張ってるからツムギちゃんも気合入れなおしたみたいだよ?それに、ヅダないと困るでしょ?」
「そうだけど…そうだけどぉぉぉ…見たかったんだよぉぉ…」
「ありゃりゃ、大丈夫だよーアルトくん、次の試合から見ればいいじゃない」
机に突っ伏して号泣する俺をよしよしと撫でてくれるヒマリ、これ客観的に見たら物凄いダメ男なのでは?凹むわー、と考えてると自動ドアが開く音がした。入ってきたのはラルさんとツムギ…慌ててスライディング土下座の態勢に入ろうとした俺だがツムギの雰囲気を見て思い直した。様子がおかしい…
「あ、ツムギちゃん!どう!?勝てた」
「勝利はした…が、問題があってな」
「…どうしよう、アルト…」
「何があった…ってんだこりゃ!?」
ツムギが見せてくれたのは、腰から上下に砕かれて分断されたヅダの姿。これ…簡易的な修理じゃ無理だ。完全に分解して中身を変える必要がある。この壊れ方だったら新しくキットで作り直した方が速いくらいの壊れ方…
「勝った…んだよな?相手の攻撃か?」
「…うん、えっと、ね…」
ツムギが言うには対戦相手には勝てたんだけど、相手がガンプラ界の強豪の一人、ガンダムハンマーを主武器とする通称「怒涛の鉄槌」と呼ばれる人だったのだが、ツムギがヅダで相手を両断したところまではよかったんだけど、直後に相手が放ったハンマーがヅダを直撃しこうなってしまったらしい。バトルシステムと審判は先に致命傷を入れたツムギを勝者としたんだけどヅダは木っ端微塵、どうしましょうかというわけだ。一応こういう時は破損がひどい順に試合を後回しにしてくれるそうなのでそこで何とかしろという話らしい
「無茶言うなよ…」
「儂は係員の方にもっと時間が取れないか話してこよう。誰も悪気がない事故だ。こういうこともある」
ラルさんがドアを開けて出ていった。次試合があと30分後…仮にラルさんが引き延ばして50分というところだろう。修理途中のヅダを見る。まだ実戦に出せるレベルまで修理を終えているわけじゃない…どうする?諦めるのは論外だ…なら…
「やるか…!20分でやるぞ」
「…20分って、アルトでも…!」
「ツムギが頑張ってるんだから俺も頑張るんだよ!機体不備で試合できませんなんてセコンドじゃねえだろ!待ってろ、超特急で何とかするから!」
時間が惜しい、ツムギに言った言葉は自分に言い聞かせるためでもある。やってやる、試合まで30分?10分余裕持たせてやろうじゃねえか。どうせ修理しなきゃいけないんだ。時間前倒しにして先に終わらせたっていいだろ?それに、ここから先は強い機体が必要だろうから。あと少しなんだ、すぐに終わらせてやる。
「すまん、やはり時間は伸ばせないと…むぅっ!?」
「あ、ラルさん。もう大丈夫みたい、ね?ツムギちゃん」
「うん…!アルト、ありがとう。勝ってくるから、みてて」
「おう、今回ばかりは最高に疲れたわ。ま、これで解決だな」
ラルさんが戻ってきて驚嘆の声をあげた。ツムギが胸に抱く青い機体、ツムギが作成し俺が修理と調整を施したフルスクラッチのヅダが新品同様の姿でそこにあった。な、なんとかなった…!予め家で作っておいた交換用の塗装済みパーツがなかったら間に合わないところだった…!だけど、これでツムギは万全になった。機体性能が足りなくてツムギの操縦についてこれないということはとりあえずないだろう。おかしいと思ったんだ、いくら普通のキットのヅダを改造したものとはいえ撃破直後の相手の攻撃に当たるへまをツムギがするとは思えない。
なぜそれが起こったか?ツムギの操縦に機体の性能が追いついてなかったのだ。それだけツムギの操縦は速いし正確だ。調整出来てない機体で追いつけないのなら対応できる機体に変えればいい、それだけでこの子はずっと強くなれる。なにせ、モビルスーツでバルキリーと張り合える子だ。少なくとも予選で落ちるわけないと俺は信じている。
卓上を片付けて試合会場へ向かう。俺は今日初めて入るGPベースがある試合会場。すでに相手がスタンバイしている…って相手どっかで見たことあるな…あ!思い出した!セイの部屋のプラモ雑誌で特集組まれてた人だ!確かMA使いの人で二つ名が「鋏角」だったかな。ザムザザーを愛機にしてた人だ。ザムザザーが苦手なはずの近接戦で多くの勝ち星を挙げている人だったはずだ。
「これよりイロハ・ツムギとウチガネ・シンとのガンプラバトルを開始します!両者ガンプラをセットしてください!」
「年下が相手でも手加減する気はないよ。正々堂々、楽しもうじゃないか」
「…アルト、近くで見てて。あなたが直したヅダの凄さを私が証明するから。よろしくお願いします」
ツムギに促されて俺はGPベースのセコンド、つまり副操縦者の席に着く。顔を露出したツムギと相手が操縦コンソールを握りシステムが試合開始を告げる。木星エンジンを噴射して空を飛ぶヅダとどっしりと待ち構えるザムザザー、ヅダのザクマシンガンによる牽制を躱す、あるいは陽電子シールドで受けながら、4本の腕のうち2本分の大型ビーム砲で撃ち返してくる。けど、撃った瞬間にはヅダはいない。鋭角に曲がるというバルキリー顔負けのマニューバで接近するヅダがヒートホークを振り上げる。
「甘い!捕まえ、なにっ!?」
「…遅い!止まって見えるよ!」
片腕を変形させてクラッシャーを展開してヅダを掴もうとするザムザザーだが、ヅダはさらに加速、クラッシャーを躱してすれ違いざまにヒートホークで切り落としたのだ。反転してこっちに戻ってくるヅダがザクマシンガンを投げ捨て腰にマウントしていたザクバズーカを連射する。慌てて陽電子シールドで防御するザムザザー、足が止まったな。これはツムギに対しては最高の悪手だ。これを好機と見たヅダがザクバズーカをザムザザーに向かってぶん投げて直撃させ、シュツルムファウストで狙い撃った。ザクバズーカの残りの弾倉に誘爆し爆炎がザムザザーを包み込んだ。
「くっ視界が…!」
「…ありがとう、楽しかった。でもやっぱり、ヅダが最強」
そう呟いたツムギのヅダが瞬間移動と見まごう程の加速を見せ、ヒートホークを振りかぶり、そのままザムザザーを両断した。バトルエンドの音声と共に審判が状況を判定する。
「ザムザザー大破により終了。イロハ・ツムギの勝利とします!両者ガンプラを回収して退出してください。残りの試合は明日になります」
「やれやれ、負けたよ。ありがとう、いい勝負だった。君が代表になれるよう、応援している」
「…ありがとうございました。頑張ります」
「うん、頑張ってね。それじゃ」
言うことだけ言って握手したウチガネさんはささっと出ていってしまった。引きずらないいい人だ。ラルさんとヒマリが観戦室からこっちに入ってくる。ツムギもヅダを回収してケースに収めている。機体を変えたとはいえあそこまで余裕を持って勝てるようになるとは思わなかった。だって無被弾だぜ?なかなかできることじゃない。
「…アルト、さすが、完璧。ん!」
「おう、ありがとよ。ほい!」
とてとてと笑顔で駆け寄ってきたツムギが手を挙げたので俺も手をあげてパン!とハイタッチをして、笑い合ってるとヒマリが羨ましかったのか二人まとめて抱き着かれた。団子みたいになってわちゃわちゃしてる俺たちを、本来なら追い出すべき審判さんは見ないふりして見逃してくれるのだった。ラルさんも腕を組んでがははと笑っている。とりあえず、1日目は乗り切った。あとは、明日の後半戦だ。
日本は第何ブロック代表みたいな感じで地区ごとの代表者が世界選手権にに出れるみたいな感じっぽいのでセイたちとは別ブロックに参加するみたいな感じにしてます。
次回まで予選編で、それ以降原作合流で行きますね
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燃えろ土星エンジン
「ってな感じでとりあえずこっちは1日目乗り切ったよ」
『へー、それは大変だったね。やっぱりイロハさんのあれはいつ見ても驚くよ』
「その割にはお前怒らないよな」
『だって、彼女はガンプラを蔑ろにしてるわけじゃないじゃん。ヅダを愛した結果「
「本人はもはや動きとして染みついてしまってるんだよな…」
ツムギが予選1日目を突破したその夜。ラルさんが奢ってくれるというのでマグロをたらふくごちそうになった俺たちは、選手権側がまとめてとってくれているホテルに宿泊していた。ちなみに同室はラルさんで隣にヒマリとツムギの部屋がある。さくさくっとぶっ壊したザクバズーカとシュツルムファウストを作り直した俺はスマホでセイと軽く報告を兼ねて雑談していた。
スマホが映し出すセイの部屋の机の上にはビルドストライクとその装備と思われるパーツが作成途中のまま置かれている。レイジは?と聞くとどっかに行ってしまったそうなのだ。暫く戻らないとか。ふーん、何しに行ってるのかねえ。
「で、どうなの?お前の方は」
『順調だよ。アルトの方こそ』
「俺はもう9割完成してるよ。あとは、ちょちょいっと仕込むだけ。ある意味で俺の集大成だぜ?ガンプラじゃねえものを作ってた俺が本気で作る最初のガンプラさ」
『…名前、なんて言うんだっけ』
「ヅダ…ヅダ・マクロスパック。お前のビルドストライクを選手権で倒すガンプラさ」
『僕のビルドストライクだって、負けないよ。ところでアルト、この武器の構造なんだけど…』
「あ?そこは、そうだな。中に磁石仕込んで手から離れないようにしたらどうだ?あとそれ可変式ビームライフルだよな?んじゃ構造的にここを変えたら強度上がるだろ」
『あ、そうかも!さっすがアルト!ねね、ビームサーベルの出力変えたいんだけど…』
「それ俺に言う?ビームサーベル作ったことないんだけど。タツヤさんに聞いた方がいいやつだぞそれ」
わいわい意見交換を行っている俺たちを、ウイスキーをロックで飲みながら見守るラルさんが微笑ましそうに見ている。ラルさんが寝てしまったあとも、俺たちの座談会は続いていくのだった。明日これ寝不足になるやつぅ…
「はーいおはよ~」
「お~は~よ~」
「…ヒマリはともかく、アルトもこうなんて珍しい」
「昨日ホントに話が盛り上がっちゃってなあ」
朝起きて隣に行くとすでに起きていたツムギと7割寝てるヒマリがいた。準備できそう?え?やってくれ?俺も眠いんだけどなー。髪型適当でいい?短いけどポニーにしてやれ。首筋寒くて目が覚めるだろ。あ、ツムギさんもやってほしいですかそうですか。はい、わかりましたやりますとも。ポニテでいい?オッケー。眩しいのはグラサンかなんかかけてくれ。
そんな感じで3人そろってポニテ3人衆になった俺たちはサクッとラルさんと合流して朝食に向かうのだった。なんか知らんけどここのバイキング豪華だな。流石選手権が借り上げているホテルだなあ…
朝食を終え、部屋へ向かうためにフロントを経由してエレベーターに向かおうとすると見覚えのある影がこっちに向かってきていた。確か、去年の世界選手権のモラトリアムイベントで対戦したキュリオスガストの人だ!この予選に出てたのか…。彼も俺に気づいたらしくこっちに向かってきている。多分今ここにいるということは彼も予選を勝ち抜いているのだ。伊達に去年のサバイバルで俺と一騎打ちするまで生き残っていたのだから理解はできる。それに、ツムギに一度勝ってるわけだしな、この人。
「久しぶりだね。もう一度会えたわけだし名前を聞いてもいいかな?俺はシロガネ・アキラだ。アキラでいいよ」
「お久しぶりです。サオトメ・アルトって言います。アキラさんもこの予選会に?」
「うん、君もだろう?去年はやられたけどリベンジできそうで嬉しいよ」
「受けて立つ、と言いたいんですけど今年はルール変更があったので俺は出ないです。代わりにこっちのセコンドやってます」
「君は…覚えているよ。ヅダに乗ってた子だろう?そうか、残念だ。けど先に会えてよかった。俺の勘が正しければ、上がってくるのは君たちだろうからね。先に宣戦布告しておくよ。今回も、俺の勝ちだ」
「…今度は、負けない。私が勝つ」
「そう来なくっちゃ。じゃあ、突然邪魔したね。決勝で待ってるよ」
アキラさんは頷いて去っていった。あの人、絶対強くなってるだろうなあ…去年の戦闘が上手じゃなかったけど操縦技能は高かったツムギを撃墜してるのだから腕自体は確かなはずだ。バルキリーがすごい初見殺しだっただけで。確か二つ名は「疾風」。愛機のキュリオスガストから来てるんだけどガストって突風じゃね?とかいう突っ込みは入れてはいけないらしい。とにもかくにもツムギはリベンジに燃え出してるみたいなので結果オーライだ。目にもの見せてやれ。でも空中分解はしないでお願い。
「バトル終了!イロハ・ツムギ勝利とします。では、次の試合に備えてください」
「ありがとうございました」
「…ありがとうございました」
ツムギは絶好調だ。むしろ昨日よりキレを増しているまである。もう2試合こなしているけどいまだ無被弾。最初の試合なんてザクマシンガンだけで相手を穴だらけにしていた。マジかこいつ、このヅダは特別な武装もシステムも何もない。原点通りの武装を施しただけの基本武装しかない機体だ。ツムギが得意とするのはガンプラの超高速精密制御。ミリ単位の動作を連続して当たり前のようにこなせるレベルの操縦の正確さが売りだ。さらに、異様にいい動体視力、静止視力、深視力を持つ彼女は例え超高速戦闘の中にあっても相手の銃口すら捉えてビームが放たれたのを視認してから躱すという芸当も可能だ。
それができるなら、余計な武装は彼女の判断力を鈍らせることになる。俺が作ってる世界選手権用の機体は武装の数が多いのでまずは普通の機体を乗りこなして完璧に戦闘するところからということで基本に沿って性能だけ高めた機体をあえて作ったのだ。そして、ツムギは戦うたびに自分で欠点に気づいてその場で修正できる。指摘するまでもない自動アップデート機能付きのスーパーファイターなのだ。こいつホントに天才だな。
「お疲れ、ツムギちゃん。余裕だったね!さっすがー!」
「…むぎゅ。ヒマリ、くるしい」
「いいじゃんこのーうりうり~」
「彼女は素晴らしいファイターだな。あの年にしてあそこまでできるのはなかなか見ない。これは今度の世界選手権、荒れること間違いなしだ」
「まあ普通に考えてもツムギは凄いですから。今はかろうじて俺のほうが強いですけどいつ抜かされるか…でもそれでこそだと思います」
「ふむ、どういう意味だね?」
「自惚れかもしれませんけど俺はビルダーとして結構自信があります。本気で機体を作る以上、半端な奴に託したくない。セイと一緒ですね。だから、ツムギは最高の相手だと思ってます」
「はは、そうか。ヒマリくんも似たようなことを言っていた。君たち3人は素晴らしい友のようだ。大切にするといい」
「ええ、もちろんです」
「ほらー!アルトくんも!ツムギちゃんいっぱいよしよししてあげてー!」
「…ん。アルト、勝ったよ」
「おうさ、さすがはツムギ。最高だよ」
ラルさんと話していた俺をヒマリが呼んできたのでそっちに歩み寄ってツムギを褒めることにする。心なしかポニテが左右に揺れて犬の尻尾みたいに見えるのは気のせいだろうか。ヒマリに撫でまわされながらも俺の方に寄ってきて頭を差し出してくるので、俺も撫でることにする。よしよし、頑張ってるなツムギ。あと少しだぜ。
「やっぱり、俺の予想通りになったね。来るのは君たちだった」
「…外れなくてよかった。あなたにリベンジできる」
あの後もう2試合も完封したツムギ。これが決勝戦だ。ここで勝ったやつが世界への切符を手にすることになる。試合会場である部屋の中にいたのはやはりアキラさんだった。彼の予想が的中した形になる。やはり、彼もあのサバイバルで最後まで生き抜いたファイター、実力は並じゃなかった。おそらく去年の数段は強いだろう。
「両者ガンプラをセットしてください。これより日本代表決定予選、第一ブロックの決勝を行います」
「ああ、当たってよかったよ。君も見違えるほど強くなったんだろう。俺と、新しくなったキュリオス…キュリオステンペストで!君に勝とう!」
「…今度は負けない!あの時と違う、私にはどうしても勝たなきゃならない理由がある!勝負!」
キュリオスガストの改造機と思われる機体、GNバーニアを増やし、翼を大型化、さらにオリジナルのGNミサイルコンテナまで追加している。シールドは廃されているようだ。代わりにGNビームサブマシンガンを2丁持っている。本気の改造機だ。対するツムギはいつも通りヅダ。武装はザクマシンガンにザクバズーカ、シュツルムファウストとヒートホークと至ってシンプル。両者が睨み合う仲、開始の電子音声が響く。
「さあ、よけてみてくれ!」
「…この程度」
開幕、キュリオスから放たれるミサイルとビームの波状攻撃、ツムギはミサイルを次々撃墜し、ビームは躱していく。被弾はない、だが相手はそれ自体は織り込み済みのようで飛行形態に変形してこちらに突撃してくる。そのままこちらに体当たりをかまそうとしているキュリオスをシールドで受け流したヅダ…!シールドが両断されてる!?ってまさか…やっぱり!大型化した翼をピンク色のビームで覆っている!すれ違いざまに切り付けてきたんだ!
「…シールドが、切れた」
「GNビームウィング。新装備だよ。さあ!まだいくぞ!簡単に落ちてくれるなよ!」
離れればビームの弾幕、近づけば翼による斬撃、ヒットアンドアウェイを繰り返しつつヅダを攻めるキュリオス。その場にヅダを釘付けにし、ツムギの得意とする高機動戦に入らせないつもりらしい。だがツムギもさるもの、最初の一撃以外には直撃をもらうことなく上手くかわしている。当たる位置を完全に目で見抜き、ヒートホークで的確にそらしていく。
「…すごい、ここまでやれる人なかなかいない」
「飛び方がなってないと、そこの彼に言われたからね!まともに飛べるように出直してきたのさ!」
「…そう!でも、もう効かない!」
ビームウィングが衝突する瞬間ヅダが爆音を立てて真上に少しだけ移動、構えたヒートホークで体ごと縦回転させ攻撃をよけつつ翼を切り落とした!なんちゅう無茶をする。タイミングが一歩間違ってれば胴体が両断されていたぞ。片翼を失いいったん離脱を図っているらしいキュリオスをヅダが爆速で追いかけ始めた。リズムが変わった、ここからが勝負!
「くっ速い!高速形態でもないのに!」
「…ヅダは速いことが一番の自慢!誰よりも、どのモビルスーツよりも!このヅダは、速いんだ!」
ヅダのモノアイが怪しく輝く、轟音を立てる土星エンジンが赤く赤熱しだした。加速するマニューバ、かろうじて躱すキュリオス。シールドを自切し、ザクマシンガンとザクバズーカを投げ捨てヒートホークのみを構えて死神のように相手を追い詰める!片翼を失ってバランスを崩しつつも増設したGNバーニアの加速力を活かして何とか逃げ切ろうとするキュリオス。変形し、ビームサーベルを構える。
「やってくれるね!まだ攻撃に当たったことなかったのに!」
「…あなたこそ!あの時より全然強い!でも勝つのは私!」
お互いが交差するたびにビームサーベルとヒートホークがぶつかり合う。互角?いや、ツムギが押してきた!交差するたびに加速していくから威力が上がってサーベルじゃ受けられなくなってるんだ!このままいけるか!?
「まだだ!まだ終わるわけにはいかない!俺は世界選手権に出るんだ!トランザム!」
「…私は負けるわけにはいかない!アルトとヒマリと一緒に!あの舞台で戦うんだああああ!」
両者が赤い光に包まれる。キュリオスはトランザムの赤い残光を、ヅダは加速によって為しえた紅い彗星現象の光をそれぞれ身にまとう。最後と言わんばかりに変形したキュリオスの機首がビームの光に包まれる。そこも改造してたのか!ツムギのヅダがヒートホークを構えて突貫する。残像すら置き去りにする速度で両者がすれ違った。
「そこまで!第一ブロック優勝者はイロハ・ツムギ!両者ガンプラを回収してください!」
「…ありがとう、ございました」
「負けた、か。悔しいけどまた出直すとしよう。何回でも作り直して、また君たちに挑ませてもらう」
「…うん、待ってる」
ヅダとキュリオスの激突を制したのはヅダだった。ツムギは衝突の瞬間わざと片腕を犠牲にすることでキュリオスの機首を包んでいたビームごと殴り飛ばして無理やりずらし、そのまま横回転してキュリオスの背中から真一文字にヒートホークでぶった切ったのだ。片腕を失ったヅダが、速度に耐えられなかったように空中分解していく。意図しないでロマンを達成したな、今回は空中分解してもしょうがない。最後のあの動き、いくらフルスクラッチとはいえ耐えられるものじゃなかったか。やはり、足りないんだろう。強度が、性能が、追従性が。ツムギの操縦に耐えられるものじゃないとだめか。
ふら、ふらと汗だくのツムギが俺のほうに歩いてくる。相当集中して頑張ってくれたみたいだ。うんと褒めてやらないと…おっと!?ふらついたツムギが俺の方に倒れてきたので咄嗟に受け止める。みると、眠ってしまったようだ。どんだけ体力つぎ込んだんだよ…慌ててこっちに来るヒマリとラルさんに大丈夫だとジェスチャーして、ツムギを背負う。ラルさんにヅダの回収をお願いして、俺は部屋を出てホテルに向かうのだった。
「…すぅ、アルト、ヒマリ、やったよ…」
「ん、ああ。お疲れ様、ツムギ。お前の頑張りに俺も答えるから、今はゆっくり休んでくれ」
夢の中で俺たちに勝利報告をしてるツムギにそう答えて、俺はエレベーターのボタンを押すのだった。
はい、という感じでツムギちゃん第一ブロック代表者決定です。名前だけ出たアルト作ヅダですが、他にいい名前を思いつかなかったのでお許しください。
どんな機体なのかはお楽しみということで。一つ言えるのは、変形しません。
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ラルさんって実際何者なんだろう
ツムギが無事日本代表決定予選の第一ブロックを勝ち抜いて代表者になることができたその翌日。帰ってきた俺たちは学校の一部で噂の的になっていた。聖鳳学園は模型部に全国大会出場者であるタツヤさんがいるからか他の学校に比べてガンプラへの注目度が高い気がする。それがわざわざ東北に行って一番に代表者になってきたならなおさら。
「ね、イロハさんどうだった!?」
「…うぇ、えーと…」
「勝ったんだよな!?あの「疾風」に!」
「…うん、でも…えーと…」
「なあ、どうだったんだ!?」
「…あわわ、はわわ…」
「あー!こらー!ツムギちゃんをいじめるなー!しっ!しっ!」
「うわっスズカゼっ!?いじめてねーよ!」
「ただ大会の事を聞きたいだけ…ぬわーっ!?」
「シャーッ!!」
猫みたいだなヒマリのやつ。昼を一緒に食おうかとヒマリ達のクラスに顔を出したのだけどそこには天敵に囲まれたハムスターのごとく縮こまって震えるツムギとそれを取り囲む男子たち、威嚇して追い払うヒマリとその他女子という構図が広がっていた。ふるふると震えるツムギが俺を見つけた瞬間にガバッと立ち上がって俺の後ろまで走って隠れてしまった。うーん、この。とりあえず文句の一言でも言っておくか
「俺のパートナーいじめるのやめてくんない?」
「…パートナー、えへへ…」
「アルトくん…」
「けっお姫様の登場だぜ」
「いじめてないから!ちげーから!」
「あーはいはい。割とこの顔気に入ってるからそれは悪口にはいんねーぞ。選手権の事聞きてーなら俺が話してやるよ。こいつ結構人見知りなんだ、許してやってくれ」
「いや、俺も悪かった。興奮しちまって…」
「あ、ああ、すまん」
「…だいじょぶ」
そう言ってバツの悪い顔をした男子たちは各々散っていった。学校に来るとびっくりしたよ。昨日の今日で選手権の話題で持ちきりだったんだから。特に決勝の戦いは生中継されてたらしくて見た奴、つまり次の第二ブロックかセイたちが参加する第三ブロックに参加しようとしてたやつらは大体見てたらしい。もちろんタツヤさんも。決勝後、ツムギを送った後にメールが来たからな。文面から分かったけど凄い燃え上がってた。火をつけたなこれは。セイも電話をくれたし、何だったら帰ってすぐイオリ模型でツムギおめでとうパーティーしたし。その時はいたレイジの食いっぷりには圧倒されたよ。
「大丈夫か?」
「…うん、大丈夫。今日、すごい話しかけられる。疲れた」
「アルトくんナイスタイミングだよ~。もしかして狙った?」
「タイミング図るくらいならさっさと乱入して助けたほうがいいだろ」
「だよね~」
購買に行ったセイと合流するため、俺たちは教室を出て廊下を歩いていくのだった。今日はなんか知らんけどラルさんに呼び出されてるし、いろいろやることあるなー。ヅダ・マクロスパックも完成間近だし忙しくなりそうだ。でもそれって嫌な忙しさじゃなくて、やりたくなってくるいい忙しさなんだよな
「あ、どうもラルさん。昨日はありがとうございました」
「気にすることはない。イオリ模型には世話になっておるし、君の行く末にも興味があるからな」
日も暮れた夜、俺の姿は商店街のとある一角にあった。シャッターが締められほぼ無音の中、街頭の下で待っていたラルさんと合流する。夜に出かけるということに難色を示されたけど、呼んだ相手がラルさんだと知った瞬間に父さんが許可を出してくれた。なんでも知り合いなのだとか。大尉ってまさにランバ・ラル…ということは置いといて。
「どこに行くんですか?機体も持って来いって…あと素組みのガンプラも。練習のために素組みしたのがありましたし…塗装してないですよ?」
「まあとりあえず待て、もう一人来る」
「もう一人?」
俺が疑問符を浮かべるのを後目にラルさんはまだ待つつもりのようだ。俺も彼にならって暫く雑談しつつ待ってると、夜の闇の中から赤い髪が特徴的な…レイジじゃねえか!?えっ何この組み合わせ…彼も俺に気づいたのか片眉をあげてから手をあげて挨拶してくる
「よっ。おっさんにアルト」
「遅刻だぞレイジ少年」
「わりーわりー、まだこの世界に慣れてなくてよ。んでもよ、なんでアルトがここにいるんだ?こいつ確かセイと同じ側だったはずだろ?」
「彼は優秀なファイターでもある。大会に出てないだけでな」
「ルールが変わってな~。俺の機体じゃ大会に出られませーんってやつだ。だもんでサポート側に回ることにした」
「ふ~ん…で、おっさん。もう昼みてーのは勘弁してくれよ」
3人そろって雑談しながら夜の商店街を歩いていく。ラルさん曰く目的地はすぐだそうなのだがどこへ行くかを知らされてないのでよくわかんないや。つーかなんでレイジ?俺とそんなに接点ないんだけど。親友の友達とかいう微妙なラインよ?悪いやつじゃないことはセイを見ててよくわかるんだけど。と考えてるとラルさんが止まった。止まった場所は…半地下のバー?これ未成年の俺たちが入っていいやつ?
「このバーはプラフスキー粒子発見前からガンプラに魅せられた古強者が集うバーだ。レイジ少年、君の求める相手と出会えるだろう」
「へー…」
なるほど、ガンプラバー…いわゆるガンプラバトルとお酒が同時に楽しめる形態の店だ。PPSEのサポート範囲外の店であるため実費か中古でバトルシステムを購入する必要があるので、儲かってる証拠でもある。つまるところ、老舗というやつだろう。
ラルさんに促されて中に入るとやはりと言わんばかりに数台のGPベースがフル稼働していた。つーか中にいる人濃いな!?全員ジオン軍の制服とか整備兵だとかそういうコスプレをしている。違うのは老年のバーのマスターくらいだ。彼らは入ってきた俺たちを一瞥し、ラルさんを確認した瞬間すぐさまシステムを終了して駆け寄って挨拶してくる。やっぱりラルさんって何者だ!?
「「「「「ジーク!ジオン!ジーク!ジオン!」」」」」
「なんだこれ…」
「ここでの挨拶だ。すまないな、騒がせて」
「大尉!久しぶりに出撃ですか!?ってそこの子、見たことあるような…」
「いや、私でもこの子でもない。赤毛の彼だ。見どころがある。相手をしてやってほしい」
「彼が…いや、大尉の推薦だ。君、ガンプラ歴は?」
「始めて2週間くらい」
「…スペシャルか?どうだ、一戦?」
「おっもしれえ、やってやる!…けどなんも持ってねえ」
「問題ない。マスター、彼に機体を」
あーあーさっそくとばかりに…って俺に頼むんじゃないの?レイジのために素組みガンプラを持ってこさせたんだと思ってたんだけど…で、マスターさんが持ってきたのは…ボールゥ!?完成度がめっちゃ高いボールだけどこれでモビルスーツ戦はちょっときついんじゃない?でもレイジはやる気満々でボールをひっつかんでバトルシステムに意気揚々と歩き出した。うっわーすげえ自信…俺ボールだったら即撃墜されそうだけど…
「つ、強い…」
「へっ、口ほどにもないぜ!おいおっさん、これで終わりか?」
「よくやる。何か気づいたことは?」
「二つある。一つはセイのガンプラがとんでもねーってことと、ここにいるやつらが期待外れだってーことだ!」
「おーいレイジ、少しは年上への敬意というものをだな」
「いらねーだろ。こんな勝負事にのめり込んでる奴なんて特にな!強いか弱いか、そうだろ?」
否定できねーんだよなそれは。ガンプラで勝負する以上本当に弱肉強食なんだ。GPベースの上では平等だ。あるのは勝つか負けるかだから、高ぶって敬語なんか話せないし。けど言われた方は腹立つんだよなーそれ。ほら、負けた人たちが5人そろって勝負を挑もうとしている。流石にアレだと思ったので俺も参戦しようとケースを手にする
「手ぇ出すんじゃねえぞアルトォ!」
「えー…」
機先を制されてしまったのでケースから手を放す。あのーGPベースを前にしたうえさんざんっぱらバトル見せられた俺としてはいい加減我慢の限界なんですが?おら飛ばせろよ!何の拷問だおらァ!んもーしょうがないなあ。と俺はまた見守る体勢に戻る。マスターさんが気を利かせてオレンジジュースくれた。わぁい、ってうまっ!?いいやつだこれ…カクテル用かな?
「くっしゃらくせえ…!」
「戻れ少年!流石に無茶だ!」
ラルさんが説得してるようにいくら完成度が高いボールでもMS5機を相手にするのは流石に無理だ。腕を切り飛ばされ、低反動砲を撃ち抜かれ、あっという間にダルマにされてしまう。とどめとばかりのビームサーベルが迫る!流石に無理かと思っていると遠くからのビーム2射、まとめてMS5機を撃ち抜いた。なんつーことをする。ビームライフルの2射でまとめて5機を撃墜するなんてとんでもないことだぞ?相手はだれってあれは
「ウイングガンダムフェニーチェ!?」
「よう、なんか面白そうだったからな。余計な真似だったか?…ってお前アルトじゃねえか!久しぶりだな!」
「フェリーニさんこそ!こんなところで会えるなんて!」
「はっはーあのお嬢ちゃんたちも元気かい?」
「おいあんた!勝手に乱入してきてどういうつもりだ!?」
「元気のいい坊主だな、どうだ?相手してやろうか?」
きゃんきゃんとフェリーニさんに食って掛かるレイジ。彼は面白そうなものを見つけたと言わんばかりの顔をしている。まあボール1機でさんざん無双してたからなあ。いいなーレイジ、フェリーニさんに相手してもらえるの…ってボールボロボロだ。あー、まあしょうがないか
「おいレイジ、フェリーニさんとやるならそのボロボロのボールじゃ無理だ。素組みで悪いけどこいつ使え」
「わかった。借りは返す」
「気にすんな」
ダルマになってしまったボールでフェニーチェに挑むのはどう見ても無謀どころか命を捨てに行くようなもんだ。だから俺はプラモの構造を勉強するために素組みしたガンプラ…セイバーガンダムをレイジに渡すことにする。彼は神妙な顔でそれを受け取った後、GPベースにセットする。
「さあ、鍛えてやるよ坊主!」
「ほえ面かくなよおっさん!」
フェニーチェとセイバーがぶつかり合った。
「くそっ!もう一回だ!」
「ああ、いいぜひよっこ」
「むきいいいい!!!」
あれから何戦かレイジとフェリーニさんはぶつかり合ってるがレイジは勝てていない。機体の性能差もあるのだろうが触れることすら出来てない。だがレイジもさるもの、戦いを重ねるごとにフェリーニさんに追いすがろうとしている。すげえ、なんて成長速度だ。ツムギといい勝負かそれ以上かもしれない。
「…ラルさん」
「なんだね?」
「いまフェリーニさんがやってること…俺にやらす気でしたね?」
「はは、お見通しか。そうだ、選手権予選を終えた強いファイターを逃す手はあるまい?」
「こんなお預け食らったら乱入の一つでもしてやりたくなりますけどね」
また、ビームサーベルを弾かれたセイバーがフェニーチェにビームレイピアを突き付けられて敗北を喫するのを見ながら俺はラルさんとそんな会話をしている。いいなー、俺も飛びたーい…
「くっそ、もう一回!」
「だー…いや坊主、さすがに疲れたわ。休憩させてくれ」
「あっおい!」
流石に戦いすぎたのかフェリーニさんがGPベースから離れてカウンターに座ってる俺たちの方へやってくる。レイジもそれを小走りで追いかけてきた。まあすでに軽く10戦はやってるんだ、疲れるもんだろうなあ。レイジは納得できないのかフェリーニさんに仕切りに再戦を要求してるけど。
「おっさん!もう1回!もう1回だけだから!」
「さっきからそればっかりじゃねえかお前。あーそうだな…おいアルト、相手してやれよ」
「逃げんのかよ!大体大会でねー奴と戦ってもしょうがねーって!」
「はいはい…言っとくけどアルトは選手権出場者と渡り合える程度には強いぞ。つまり、今のお前なんかよりもずっとだ」
「んだとぉ…この女顔が?」
「あのフェリーニさん、逃れたいがために俺をだしにして焚きつけるのやめてもらえません?」
「そんなこと言ってお前うずうずしてるじゃねーか。いいだろ行って来いよ」
「まあ、否定しませんけど。じゃあレイジ?暫く俺が相手するから。まあ、退屈はさせねーよ」
「わかった…すぐコテンパンにしてやる」
レイジの挑発に乗るってわけじゃないけど俺もいい加減自分の機体を操縦したかったのは事実俺は自分の機体をケースから取り出してGPベースにセットする。それを見た瞬間、レイジの顔が変わりギャラリーが沸いた。さて、初陣だ。いっちょタマゴ野郎を揉んでやることにしよう
「…いくぜ」
「さあ飛ぶぞ!メサイア!」
救世主の名を関した白亜の機体が、GPベースの空に舞い上がった。
というわけでVF-25登場です。いやー長かった!フロンティアスキーの作者としては暫くこれがメインとなります。他はまあ、おいおいかヤジマ商事に頑張ってもらうということで
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予選第3ブロック、開幕
白亜の機体、VF-1と似たようなシルエットを持ちながらよりブラッシュアップされ、黒のラインと赤のラインが入るVF-25、この機体はマクロスフロンティアシリーズの主役機であり、VF-19からさらに世代が進んだ最新鋭機なのだ。俺の個人的な見解ではこのVF-25からバルキリーは一種の完成を見たのではないかとすら思っている。ステージⅡ熱核バーストタービンによる超推力、ISCによる慣性制御によって今までの機体とは比較にならないレベルの運動性を保有しているのだ。
今回パック装備はつけてないので持っている装備はレーザー機銃、高速機関砲、ガンポッド、アサルトナイフ、そして脚部ミサイルのみだ。素組みのレイジを相手にするんだからこれ以上強化したらただの蹂躙になっちゃうし。でも機体性能差がありすぎてなあ…改造はともかく塗装ぐらいすればよかった。ごめんよセイバーガンダム…
「そりゃ飛行機ってやつか?へっ!すぐ落としてやるぜ!」
「出来るもんなら!」
接敵する。セイバーはすぐさまビームライフルと背部のビーム砲を同時に連射してくるが甘い甘い、そんな当てずっぽうな射撃に当たるほど俺は弱くないぞ。ひらりひらりとファイターで躱してセイバーが移動する予測位置にガンポッドの射撃を置きに行く。未来予知でもされたかのように必中弾が飛んでくるのを何とかシールドで防いでいるが、攻撃に転じれるレベルには至ってないらしい。
「くっ、当たらねえ!」
「ほら、避けないと穴だらけだぜ?」
「んなろ~~~!」
ダメージ覚悟で突っ込んできたセイバーが盾を投げ捨てビームサーベルを抜く。瞬時にガウォークに変形した俺は急ブレーキをかけて間合いを狂わせる。攻撃がスカったセイバーが体勢を立て直す前にバトロイドへ。アサルトナイフを抜く、破れかぶれで振りかぶられるビームサーベルを盾のピンポイントバリアで受けた後、ピンポイントバリアナイフを喉元に突き付ける。
「ほら、退屈しなかっただろ?」
「こ、こんの~~~!!もう一回だもう一回!今度は勝ってやる!」
「おっしゃかかってこいや!」
「本気で来い本気で!ぜってえ勝ってやる!」
お、ええのん本気出して?言っとくけど俺はまだ得意のミサイルを使ってないんだが?おっしゃみせてやるこれが俺式最新鋭のハイマニューバミサイルじゃああああ!!!2戦目の初手で脚部ミサイルをぶっ放す。セイバーは物量はないけどとんでもなく鋭く動くミサイルに翻弄され直撃、黒焦げになるのだった。当たったの一発でよかったー、何発か当ててたらセイバーがお釈迦になるところだった
「なんかあいつ…キャラ違くないか?」
「我慢させすぎたのかもしれん…」
「しかしまあ…新作たあ滾らせてくれるじゃねえかアルトのやつ…!フェニーチェ以外を持ってくるんだったぜ…!」
「のああああなんだそのミサイル!?」
「俺の得意分野だ!ミサイルの性能で俺を凌駕するやつはたぶんいねえ!」
「そこは曖昧なのか?!」
「世界は広いからな!」
セイバーとVF-25が交差しながら口喧嘩みたいなことをしてる俺たち、へっへー!やっぱバルキリーを飛ばすのは最高だ!レイジも素組みガンプラという圧倒的不利にあれど俺に噛みついてこれるのは相当だ。これはマジで選手権が楽しみだな!
「いやーやったやった。連勝!」
「だーくっそ!勝てねえ!なんでお前そんなに強いのに大会でないんだよ!ルールってなんだ!?」
「あー、それな。俺が使ってるこいつはガンプラじゃないから。ガンプラ選手権には出れんのよ。それに俺は今の立場で満足してるからな」
「おいアルト、お前のそれ前に使ってたやつより随分と動きのキレがいいじゃねえか。なんか秘密でもあんのか?」
「フェリーニさんからそう言われるのは嬉しいですね。なのでちょっとだけ秘密を教えちゃいます」
俺はVF-25の足を取り外してカバーを開ける。モノコック装甲の中、本来は伽藍洞であるはずの底には、いくつかの機械的なデティールの中に紫の水晶が鎮座していた。俺がこのメサイアを再現するにあたって必要なことといえばまずステージⅡ熱核バーストタービンの再現とそして慣性制御ができるISCの再現であった。
「これが、秘密です。何がどうしてそうなるかは内緒ですけどねー」
「へぇ…中身までか。よくやってるなお前」
「まあ、本気で飛んでないとはいえあの速さの理由はこれです」
「あってめ!本気出せっつったろーが!」
「舐めんな。俺のバルキリーが本気で飛んだんなら素組みのガンプラで追いつけるわけないだろうが。勝負にならねーよ」
そんだけ手間をかけて苦労して作ったのが作者同じとはいえ素組みのガンプラに性能で負けてたら俺は泣くぞ。とまあ再現の道は遠かったんだけど、助けてくれたのもまた俺だった。まずステージⅡ熱核バーストタービン。これは俺が作ったオリジナルパックのYF-22フルブーストパックで乗っけたシステム…プラフスキー粒子を圧縮して噴射するシステム「プラフスキーバースト」を小型高性能化して標準システムとして搭載した。これにより爆発的な推力を得ることができたのだ。
で、ISCの方。ぶっちゃけ詳しくはわからん。分かってるのはフォールドクォーツが使われていて、慣性を別の空間に待機させたうえで徐々に戻すというシステムということだけ。で、劇中で出てきたクォーツに一番近い色をしていたのが紫水晶、まあつまりアメジストである。宝石として売ってるものには手が出ないけど水晶としてならまだ俺の小遣いでも手が出るからそれを加工して乗っけたのだ。で、あとはプラフスキー粒子様様というわけ。別に実際の慣性が消えるわけじゃないけど機体の敏捷性は飛躍的に上がったので成功と言えるだろう。
とまあこんな感じで俺は何とかVF-25の再現に成功したのである。もうマジでできたときは七転八倒してお母さんにめっちゃ叱られた。すまん、でも好きな機体なんです。
「ま、そんなところだ坊主。悔しかったらお前も自分の機体で挑むんだな。あるんだろ?本気のやつが」
「…あるよ。でも今は出来てねえ。俺のパートナーが今も頑張って作ってる」
「ふーん…」
「ちなみにそれは俺の親友です。ビルダー力だったら俺にも負けてないですよ」
「へえ…そりゃますます面白い。よっし坊主、まだやるか?それとも終わりか?」
「!やるに決まってんだろ!アルト!その飛行機俺に貸してくれ!」
「言うと思ったけどダメだ。こいつは俺の魂だぜ?いくらセイのパートナーと言えどもちょっとな、セイバーで我慢してくれ」
流石にレイジといえどもVF-25を貸すわけにはいかない。というか多分ラルさんがここに連れてきた理由って性能の高いガンプラに頼らずやれるようになるために連れてきたのであって俺のフルスクラッチ品使ったら意味ないんじゃね?頑張ってセイバー使ってくれよ。素組みとはいえそこらのやつが作った素組みよりは性能高いから。
「ほら坊主、こっちにこい。また遊んでやるぜ」
「ちぇ~。でもまだまだやるからな!アルト!後でまた相手しろよ!」
「おうさ。何回でもやってやるよ」
そういった俺に満足したのかニカッと笑ったレイジがまたフェリーニさんと対戦しだした。ギャラリーも盛り上がってるし、これは長くなりそうだなあ…ところでいつまでいればいいの?
「ふあ~~、ねっむ…」
「アルトくん最近寝不足さんだね~」
「…珍しい」
「ん、まあ最近ちょっと夜遊びを覚えてな」
「よよよ夜遊び!?」
「…アルトが汚れちゃった」
「言い方よ言い方。ちょっと夜にラルさんとレイジに付き合ってガンプラバトルをな」
今日が予選第三ブロックの開催日、あのあとレイジとラルさんに連日付き合ったせいで学校でも居眠りが増えたし寝坊しかけることもあった。それはしょうがないし日に日に成長するレイジとやるのが楽しかったからもある。なんだったらフェリーニさんが一番面倒見てた。あの人凄い面倒見いいな…通算200戦だぜ?最後の方とか指にテーピングしてたのに付き合ってたんだから相当だよ。やっぱいい人だ。
で、ガンプラ選手権の会場に…やっぱでかいな。しかも割と日にちかけて行うらしい。そういうのも俺たちが参加した第一ブロックの数倍参加者がいるからだ。何といっても第三ブロックは日本の首都を起点にした数県だから、参加者や猛者を求めてあえてここに出るという人もいるのだとか。第一ブロックは様子見かまだ機体が未完成な人が多く参加者があまり増えない傾向になるのだとか。ちなみに一番激戦区なのが第三ブロックらしい。
「…なんで私も誘ってくれなかった」
「女子を夜遅くに連れ歩く趣味はねえ」
「…む~~~~!!!」
「あれ?チナちゃんじゃない?あそこ!」
ぽこぽことツムギに叩かれながらヒマリが差した方を見ると確かにセイやツムギ、ヒマリと同じクラスで委員長をしているコウサカ・チナの姿がそこにはあった。彼女は落ち着かなさそうにきょろきょろとしながら中へ入ろうとしてるので声をかけることにした。
「おっすコウサカ。もしかしてセイの応援か?か~あいつも隅におけないねえ」
「さ、サオトメくんっ!?スズカゼさんにイロハさんまで!う、うん。イオリくんが今日出場するって言ってたから…」
「私たちもそうなんだ!ねね、折角会えたんだし一緒に応援しようよ!」
「え、いいの?」
「…大歓迎。コウサカも一緒にガンプラしよ?」
「えーと、それはまだ…あはは」
雑談を挟みつつ試合会場の中へ入る。するとそこには何台かのGPベースが常にフル稼働して試合を続けていた。爆発する機体、飛び交うビーム、つばぜり合いをするビームサーベル…やはりこうじゃなくちゃな。そしてその中には今まさに試合を始めたタツヤさんの姿もある
ガナーザクウォーリアの砲撃をするりと躱したザクアメイジングが照準部を射撃して潰し、ヒートナタを突き付けて終わらせた。うっわはや。あーでもこれタツヤさん不完全燃焼だろうなー燃えてすらいないかも。あ、タツヤさんがこっちに気づいた。どうやらこっちに来てくれるようだ。
「やあ!コウサカくんにアルト君、スズカゼくん、イロハくん!セイ君の応援かい?」
「あなたも、ですよタツヤさん。決勝でセイと戦うの楽しみにしてますから」
「はは、君は焚きつけるのが上手だね」
「あの、会長。聞きたいことがあるんですけど…サオトメくんたちも」
「ん、なんだい?」
コウサカが何か聞きたいことがあるらしいので聞く態勢に入る。そういえばコウサカってセイと部活おんなじなんだっけ?でもガンプラバトルに来るようなタイプには見えなかったから意外だな~。まあ、セイのやつの人徳ってとこか。
「皆さん、頑張ってロボットを作ってここに参加してるんですよね?どうして壊れるかもしれないのにそんなことを…?」
「一番になりたいから、かな?自分が作った作品が、一番であることを証明したいから。たとえ傷ついても、証明したいんだと思うよ」
「そうですね。好きだから、好きなことで一番になりたい。多分一緒だよ、美術コンクールとかで金賞を取りたいっていう気持ちと、ガンプラバトルで一番になりたいっていうのは」
「そう、なんですね…」
「お、セイとレイジの野郎がきたぞ。ギリギリまでじらしやがって…」
会場の方に視線を戻すとセイとレイジが揃って控室から出てくるところだった。レイジのやつ遅刻しそうだから無理やりラルさんにパスしてきたおかげで遅刻するようなことはなかったようだ。対戦相手と挨拶をかわし、セイがガンプラを出す。完成したんだな、ビルドストライクフルパッケージ!背部のストライカーパックはオオトリパックを参考に作り上げたものだろう。やはりというか周囲のガンプラとは一味もふた味も違う完成度だ。タツヤさんの目の色も変わっている。
「なんて完成度のガンプラだ…!流石はイオリ君、それでこそだ!」
「やってくれるなセイ…!気合入るだろそんなもん見せられちゃ!」
会場中がセイのビルドストライクに釘付けになっている。相手すらもだ。セイがレイジにビルドストライクを手渡し、テーピングだらけの手でそれを大切に受け取るレイジ、お互いにセットされたガンプラを確認してバトルシステムが稼働を開始し、プラフスキー粒子が命を吹き込んでいく。
バトルスタート、の合図とともにぶっ飛んだビルドストライクが一瞬で相手へと接近する。速い、相手は反応すら出来てない速度だ。セイのガンプラの完成度による性能もさることながら、それに振り回されずに完璧に操縦しきっているレイジもよくやる
「速い!?うわあああ?!」
「おっせえ!こんなもんかあ!?」
ビームサーベルの一閃、相手は真っ二つになった。システムがバトル終了を告げる。一撃だ、それも相手に何もさせずに。シンと静かになる会場、あまりのインパクトにため息すら出てこないのだろう。セイとレイジはそんなことを気にせずにビルドストライクを回収した後、パァン!とハイタッチをしていた。
隣の武者震いがすごいけど、とりあえず一回戦突破おめでとさん。
おっし何とか原作の流れに乗っかったな!もっとうまいことISCの言い訳考えることができたらなあ…
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世の中いろんな人がいる
セイたちは順調に2回戦まで勝ち抜いて、選手権を終えた。残りは次の休みになる。流石参加人数が多いだけあって隔週での大会とは金がかかってるねえ、んで今俺は凄い局面に遭遇している。
「セイが…年上の女の人とあんなに仲良さげに…!?」
「おっアルトじゃねーか。セイになんか用事かー?んお?なんだあの女また来てんのか?」
「あ、知り合いなのレイジ?」
「俺は知らねー、けど最近セイとやったら仲いいんだよ」
イオリ模型店に買い出しに来た俺はとんでもないものを目撃していた。なんとあの女性に関しては結構奧手なことに定評のあるわがベストフレンドのイオリ・セイが年上であろう長い髪を束ねた美人(後ろ姿だからわからんが雰囲気的に)とそれはそれは仲睦まじそうに話しているからだ。おい何やってんだセイ、コウサカが見たらえらいことになるぞ。いや、コウサカがセイの事をどう思ってるかは知らないけど。
「あー、そういやこの前学校であったメガネのやつが店の前で何もせずに帰っちまったなー」
「嘘だろセイ…」
悲報、もう遅かった。知らんぞ隣の席のあの子と仲がこじれても。んでもなー、どっかで見たことあるんだよなあの女の人…立ち姿が見覚えがある…んだけどなー?思い出せん。ま、いっか。へいへいおっじゃまーっと
「いらっしゃいま…あ!アルト!今日はどうしたの?」
「おーセイ、プラ板とポリキャップくれ。あとマーカーな。知り合いか?」
「ううん、お客さん。でも凄いガンダムに詳しいんだ!」
「ミホシっていいます。君も大会に出てるの?」
「え、ええまあ。ちょっとだけ、ですが」
割とぐいぐい来る人だな。そこからも2、3話したけど確かにガンダムについて詳しかった。ヅダの話になったら止まらなくなるツムギみたいな例はともかくここまでガンダムに詳しい女性に会うのは確かに初めてかもしれない。俺の心のバイブルはマクロス固定だけど別にガンダムも嫌いじゃないからな。というかこのガンダム世界でガンダム見ないってのはないっしょ?俺は好きよ、特にガンダムXとか。ティファとガロードの絡み最高だよね。
おっと話が逸れた。とにかくこのミホシという女性はただ単にガンダムやガンプラが好きなだけなようだ。いやーよかった。カイザーさんあたりから外国では対戦前にガンプラに傷をつけて試合できなくするっていう手口もあるから気を付けるようにと言われてたから妙に心配性というか疑り深くなったんだよな。なんだっけ?確か第三ブロックでも不戦勝で2回勝ち上がった人がいたらしいし。詳しく知らないけどなんか疑っちゃうわそんな奴。偶然かもしれないけどね。
楽しそうにガンプラ談義をするセイとミホシさんを見ながら俺はポリキャップとプラ板をひっつかんで会話に加わるのだった。セイー、いくら?え?こんな安くてええのん?悪いね何時も。
次の日の放課後、セイは店番がどうので先に帰り、ヒマリは歌の配信、ツムギも付き合うとのことで別行動。最近マクロスの曲が沢山完成していてそれぞれ配信を進めているところである。広まれマクロスの輪!まあこれは世界選手権中に行うイベントの布石みたいなものなのでちょっと急ぎ気味かな?ツムギも歌うことに抵抗なくなってきたみたいだし最近よく配信に出てる。俺もよく見てる。お小遣い足りなくてスパチャできないけど。あと配信で俺の話するのやめない?出せコールが巻き上がるんだよ。俺歌上手くないから!
で、一人寂しく帰ってたわけなんだけど近くの公園でセイとミホシさんを見つけた。あれー?何してんのー?あ、セイのやつトイレ行った。んー?ミホシさんの様子がおかしい。何をごそごそしてるんだ?あっ!?コウサカ!?なんでここに!?おいおいおいやめてくれよ空気悪くなるだろ!なんでこうもタイミングが悪い…!
「ごめんね?セイくんにはガンプラを見せてもらってただけなの。彼とは何でもないから、あなたの心配してるようなことではないわ。じゃ、セイくん?またお店に行くからよろしくね?」
「はっはい!また…委員長?どうしたの?」
「…っ!」
コウサカは耐えきれなくなったように走り去ってしまった。途中顔が見えたがその目じりには雫が光っていた。あっちゃー…セイのやつ多分なんも分かってないし、コウサカも伝えてるわけじゃないだろうから俺がどうこう言うのは違うかな。でも、セイには声かけとくか。さっきまで触られてたビルドストライクの様子が気になるし。
「おいセイ、店番どうした」
「あっアルト!いや、途中でミホシさんと会っちゃって…」
「コウサカとすれ違ったぞ。お前、何したんだ?なんか変だった」
「いや、特に何も…悪いことしちゃったのかな?」
「ふーん…セイ、ビルドストライク見せてもらってもいいか?」
「いい、けど。どうして?」
「知り合いからちょっとした注意を受けててよ。何でも対戦前にガンプラに傷つけて試合できなくさせるようなやつがいるらしい。お前が参加してる第三ブロックにも不戦勝で2回勝ち上がってる人がいる」
「そんな!いくら勝ちたいからって…」
「ああ、俺もそんなことするやつの考えることはわからん。あの人を疑うってわけじゃないけどな」
セイから渡されたビルドストライクをざっと眺める。見た目的には問題…いや、クソ。当たってほしくない予感が当たった。右腕の肘と左足の膝関節が僅かに長い。傷の入れ方が上手いから見た目的にはほぼ違和感ないけど毎日0.1ミリ単位でフルスクラッチの素材を作ってる俺ならわかる。巧妙に傷を入れてGPベースで動かした瞬間おじゃんになる。ッチ!やってくれたなあの女…!証拠がないのがきつい。
「おいセイ、見てわかるか?お前ならきちんと見ればわかるハズだ」
「…右肘と左膝」
「ああ、正解だ。ともかくあのミホシっつー女には気を付けろ。たとえ話が合っても、何してくるかわかんねーぞ」
「そんな…ミホシさんが…」
「裏を返せばそれだけ必死っつーことだ。手段を選んでほしいとは思うけどな。ある意味褒められてるんだぜ?自分の腕じゃお前のガンプラに勝てねーって言ってるようなもんさ」
「…うん。それよりも、ビルドストライクを直さなくちゃ」
「…手伝うよ。もう誰にも触らせんじゃねーぞ。俺にもな」
「アルトは別でしょ。信じてるから」
「お人よしだなーお前も」
立ち上がってイオリ模型へ向かう俺たち。卑怯な手段を使うことに憤りを隠せないわけじゃないが、プラスに考えよう。セイのガンプラに真正面から太刀打ちできないと自分から言ってるようなもんなんだから、きちんと直して順当に行けば勝てるさ。
「やるなー…やっぱりタツヤさんはとんでもねえわ」
迎えた第三ブロックの三回戦当日、俺は一人で観戦に来ていた。ツムギとヒマリは家の事情である。行きたがってたけどな、俺はまあ…基本暇だから!うん、いってて悲しくなってきた。別に習い事も何もしてないしー、マクロスに集中したいっていうかー…いいわけですわ。うーんこの。
で、俺が見ている三回戦第六試合、タツヤさんのザクアメイジングが相手のジャスティスガンダムを華麗にねじ伏せて終わらせたのである。いっやー、すごいったら。射撃一発のあとヒートナタでズバッて感じでな。まだまだあの人が本気を出すには至らないらしい。お、そんなことより次はセイの番か。最前列で見てやるぞー…ってんだこりゃ!?
「こんにちはー!みんなのアイドル!キララだよっ☆キララン☆」
「えぇ…」
セイたちとはまた別の控室から出てきたのはバッチバチのアイドル衣装に身を包んだ桃色のツインテールの女性だった。まさかガンプラバトルの会場であんないろんな意味で気合の入った人を見られるとは思わなかった…まてよ?キララ…あっ!その名前って不戦勝の人の…!そうか、ファンを使って工作をしてたのか?
セイのビルドストライクと相手のピンクのガーベラテトラがGPベースにセットされ、プラフスキー粒子が散布される。すぐさま動き出すビルドストライクとガーベラテトラ。ライフルとマシンガンの撃ちあいだ。だが、劣勢なのはガーベラテトラ、ビルドストライクの機動力と可変式ライフルの威力に押され気味だ。いや、何かを待ってる…?そうか!傷をつけた部分が壊れるまで防御する気だな?だが甘い、直しちまったんだよ!
「…なんでっ?何ともないの!?」
「あぁ?何言ってんだ!?」
「やっぱり、あなただったんですね…ミホシさん。僕の親友が教えてくれました。ほっとくほど僕はガンプラに対して適当にはなれません!」
「くっ…それでも!」
ミホシ…ってあの女と目の前にいるアイドルが同一人物だってか!?彼女が語るには、ガンダムにもガンプラにも興味はなく夢のための道具であると。事務所の方針でアキバ系ガンプラアイドルとして売り出すためにすべてのガンダム作品を見て、機体を覚え、プラモデルの腕すらも磨いた。全てはトップアイドルという夢のため。今乗ってるガンプラですらファンに作ってもらったものだという。
「…こういう、人もいるのか」
俺は圧倒されていた。ただなりたい自分のためにここまで努力できる人がいるのかと。たとえその方向があってはならないところに向いていても、楽しいという感情だけで突き進むことのできない苦い苦い大人としての言葉に。セイやレイジが負けられない理由があるように、彼女にもどんなことをしたって勝ち進む覚悟と不退転の意思があった。
「知ったことかよぉ!」
「っ!?なんですって!?」
「あんたがどんだけ勝ちたいかっていうのはわかった。そのためにセイのガンプラを傷つけたのもな!俺もあんたみたいななりふり構わず勝ちに来るやつは嫌いじゃねえ!けどな!俺たちにも負けられねえ理由があるんだよぉ!」
レイジがそう叫んだ瞬間、ビルドストライクからバックパックが分離、飛行機に変わったそれがレイジの同時操作でビルドストライクと舞い上がる。ビルドブースターの高出力ビーム砲とビルドストライク本体のビームライフルによる四方八方からの射撃。そうだよな、負けられない理由なんて人それぞれで、セイとレイジにだってあるんだ!
慌てて躱すガーベラテトラ、持っていたビームマシンガンを撃ち抜かれ、両腕の機関砲での応戦を試みるが、機動性が多少落ちたとはいえビルドストライク単体でもびっくりするほど速いのだ。さらにビルドブースターには俺のバルキリーのエッセンスが多分に含まれている。スラスターの偏向技術とか、マイクロミサイルとかな!
ビルドブースターの各所が開き、仕込まれていたマイクロミサイルが顔を出した。発射されるセイオリジナルのミサイルは俺ほどじゃなくても通常のミサイルとは比較にならない機動性を有している。機関砲での迎撃も意味をほとんどなさず周りに直撃し、退路を断った。
「くっ!まだ!まだああああ!!!」
「おわりだああああ!」
ビルドブースターのビーム砲がガーベラテトラの足を撃ち抜き、ビルドストライクのビームサーベルがガーベラテトラを上下に分断する。システムがバトル終了を宣言し、勝者が決まった。がっくりと膝を落とすキララに駆け寄るファンらしき男性二人。ついには大泣きしてしまった彼女であるが、それはそれだけ彼女がこの舞台に打ち込んでいたという証だろう。どっちも凄かった。俺はそんな思いを込めて周りと共に拍手を送るのだった
「あーあ、これでミホシさんとガンプラ談議できなくなるのかあ」
「お前、あんなことあってもそれかよ」
「だってーあんなに詳しい人なかなかいないよー?」
「それと、よかったな。コウサカと仲直りできて」
そう、あの後会場にラルさんとコウサカがやってきて、コウサカの方から、買ったガンプラの作り方がわからないから教えてほしいとお願いしていたのだ。俺もおめでとうくらい言いに行こうと思ったのだが、あのあとイオリ模型に一緒に行くようだったので俺がいても邪魔になると思ってメールだけ入れておいた。で、今は登校中。セイからあれこれ聞いているわけだ。ツムギも一緒だしヒマリはいまだ夢の中で俺の背中にいるけど。
「そういやセイ、よくミサイル積んだなーアレに。スペースなかったろ?」
「それアルトが言う~?アルトのバルキリーの積載量見てるとビルドブースターのミサイルの量なんて雀の涙だよ。でも、アルトのバルキリー見てなかったら確かに積めなかったかも」
「…アルトのミサイル愛はおかしい」
「ひどくね?確かに俺ミサイル作るの得意だけどさ。だってさー、避けるのも楽しいし撃つのも楽しいじゃんミサイル」
「そうかなあ?僕はビームのほうが好きだけど」
「…ちょっとわかる」
「ま、とにかくおめでとさん。また一歩世界に近づいたな」
「…戦える時をまってる」
「…うん!こっちこそ!」
ミホシさんって一歩間違えればガンプラ界隈から干されてもおかしくないようなことしてますよね…この小説では破滅ルートなんて書きませんけど。
よく考えればあんだけガンプラを愛しているセイが細工に気づけないのもおかしい気がしたのでアホ主人公に出張ってもらいました。その結果ミホシさん惨敗してるけどな!
ビルドストライクの強化点その2
ビルドブースターにマイクロミサイル追加、弾数は8発×2くらいあとビルドブースターの機動力向上。これにて強化点は終わり!閉廷!
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ライバルって増えても嬉しいものだよね
学校帰りに駅前商店街で普段は買えない研究用の素材とついでに買い食いをかまそうと思いみんなと別行動してる俺である。最近ヒマリとツムギは配信が忙しいみたいでなかなか時間が合わず一緒に帰れない。それもこれも俺がマクロスの曲を提供しすぎてヒマリがハッスルしてるせいなんだけどな!最近は「トライアングラー」とか「ライオン」とかそういうのを配信してるから、デュエットである以上相方のツムギさんも引っ張りだこなのだ。俺?俺はほら、数合わせというか要らないというか…は?ハブられてる?そんなことないよ!たぶん!動画用の素材はきちんと渡してるもん!
え?貧乏じゃなかったのかお前?詐欺ですか訴えてやる?まあ待ってほしい。実は今回ヤジマ商事から世界選手権出場決定ということで特別金が入ったのでお小遣いが浮いたのだ。本来のバルキリーの版権費とかビルダーとしての給料は将来のためということでお父さんとお母さんに預けているんだけど今回のお金は別。世界選手権用のガンプラと予備機に使いなさいとの事で結構なお金が手元に入ってきたのだ
要はお年玉もらって浮かれる心理と一緒である。わぁい高いクリアパーツとかプラフスキー粒子に反応する塗料とかが買えるー!イオリ模型じゃ買えない素材だもんなー、仕入れと購入者の割合的に赤字になるとかで。
うわえっひゃーい!これでヅダが強くなるぅー!最近ツムギの成長が著しいのでほぼ完成したヅダ・マクロスパックのさらなる改修を図っているのでこれは嬉しいぞー!俺、あいつの本気に合わせたガンプラを作ってるけどそれ使ったあいつに勝てるのかな?わからん、最近負けることもあったし。うわぁんツムギちゃんつよスギィ!多分近接戦だったらもう勝てないかもしれない。
「おーっし欲しいパーツは揃ったなー。あ、おばちゃんコロッケひとつー」
「おやアルト君じゃないかい。はいよ、コロッケね」
「ありがとー」
サクッとホクホクのコロッケをかじりながら俺もホクホク顔で商店街を出る。鼻歌すら歌えそうだ。デカルチャーなどと言っていると後ろから声をかけられた
「あの、すんません」
「はいはい、なんでしょう?」
「あの~ここら辺でご飯食べられる店って知りませんか?」
「あー、じゃあコウサカのとこかな。案内しますよ」
声をかけてきたのは帽子をかぶった糸目の少年だ。イントネーションからして関西…京都辺りの人かな?俺と同い年っぽいけどこんなところで何してるんだろ?学校は?まあ、腹減ってるみたいだし案内くらいはしてやるか。コウサカの実家のレストラン美味しいし、ついでに俺もアイスかなんか食べてみようかね。
「えろうすんません。案内までしてもろうて…」
「いえいえ、いいですよ。こっちには旅行ですか?」
「ええ、まあそんなとこです。そんな堅苦しくしなくてええから、いつも通りにしてください」
「んじゃ、お言葉に甘えて。お、ついたぞ。俺のおすすめの店だ」
「ほほー!ええ店構えですやん。じゃ、失礼します~」
そんな感じで俺は謎の少年と一緒に食事を取ることにした。まあ俺はアイス食うだけだけど、へえヒッチハイクで東京まで…お礼はガンプラァ?!それ買うお金で新幹線の切符買った方がよくないか?俺の突っ込みにヤサカ・マオという少年はその手があったか!と言わんばかりの愕然とした顔になった。わかったぞ、こいつセイと同じタイプのガンプラバカだ!
「まさかと思うけどこの店でもガンプラで払う気じゃないだろうな」
「そのつもりですけど?」
マジかこいつ。んー、確かによくできたガンプラが金になるのは事実だけどそれが通貨代わりになるかと言ったら…なるのか?ガンプラ払い、ありなのか?いやでもこいつそれでここまで来たっていうしありなんだろう。世の中って広いなー。だからと言って俺のバルキリーを売ろうっていう気にはまるでならないけど。
届いた食事を幸せそうに食べるヤサカ。うーん、俺のパフェもうまい。何というか幸せの味だなー。お小遣いで買い食いできるなんてまさかまさかだよ。だからといってフルスクラッチはやめねーけどな!と食べ終わってひと心地ついてると。唐突にヤサカがガンプラのパッケージを取り出した。エクストリームガンダムのHGだ。手に持ってるのはニッパーとやすり。ゴミは外箱に放り込む感じでいくのか
「う、うまい」
「大したもんでしょ?」
ヤサカの言葉を否定できない。速く正確だ。この速さで組み上げができる人といえばセイとか俺、それこそ世界選手権参加者と同様のレベルに達しているだろう。すさまじい速さでバリ取りも含めて作業が進んでいく。物の1時間もかからずにそこにはピッカピカのエクストリームガンダムが出来上がっていた。うぉぉ素組みなのにこの完成度、やっばいな。
「すげえなヤサカ、こんな手早くやってここまでやれんのか」
「マオでいいですー。いややわそんなまじまじと見んといてください。あらが多くてかなわんわー…」
謙遜しているがこれ結構やばいぞ!?マオは何でもないことのように言ってるけど確かにこれなら通貨代わりにもなるわ。いいもん見せてもらったわー。あ、コウサカのお父さん?これ結構やばいもんですよ。ぶっちゃけ売ったら5万くらいします。素組みなのに。きちんと塗装したら10万行きますよ。何だったら選手権に殴りこんでも予選3回戦くらいまでなら勝てるくらい。あ、俺の方は現金でオナシャス。
なんとかコウサカのお父さんに納得してもらって払って店を出る。マオはとりなしたことに頻りにお礼を言ってくれるけどむしろいいもん見させてもらったわ。
「そういえば、マオはなんで京都から東京のここに来たんだ?」
「会いたい人が二人と、行きたい場所があるんです。せやけどワイはどうも方向音痴でなあ…」
「ふーん、でどこ行きたいの?会いたい人も知ってたら教えるよ」
「本当!?えーとイオリ模型っていう模型屋さんと、イオリ・セイとサオトメ・アルトっていうですけど…」
「俺か?」
「俺って?」
「いや俺、サオトメ・アルト。同名の間違いじゃなかったら多分俺。あとイオリ・セイは俺の親友で、イオリ模型はやつの実家だから知ってる」
「うぇっ!?うぇえええええええ!?あんさんあのサオトメ・アルトはんなんか!?」
「あのってどの?」
「いやいやいやあの可変機と動画!ワイも見せてもろたんやけどホンマに一目惚れしたで!?」
「ああ、バルキリーの事か」
へー、わざわざセイと俺に会いにはるばる東京まで…いろんな意味で凄いやつだなあ。バイタリティー溢れるというかなんというか…まあセイに用事があるなら早い。イオリ模型に案内してやろう。そういえば俺って機体自体は有名だけど本人はそんなでもないのかな?まあ配信は全部バルキリーだけだし顔晒してないもんな!ヒマリもツムギもそうだし。去年の選手権に来た人は知っててもおかしくないだろうけど
「セイに用事もあるんだったよな?じゃあ先にイオリ模型行こうぜ。多分今なら店番してるはずだから」
「あ、お願いします~あの~できればアルトはんの機体も…」
「ああ、まあそれは後でっつーことで。ほらいくぞ~」
俺はマオをイオリ模型に案内することにした。なんか面白そうだしセイに会わしても問題はなさそうだ。なんでも京都にあるガンプラ心形流というガンプラ組み立て術の後継者を目指して頑張ってるのだとか。へー、そんなもんあるんか。組み立て方に流派とか、極意とか奥義とかそういうのが。すげえなこの世界、俺の知らないことばっかりだ。と思いつつも案内を続けてると前方におそらく帰る途中であろうセイとコウサカを発見した。あーそういえばセイのやつ今日美術部に行かなきゃいけないんだったっけ。忘れてたわ。でも会えたから結果オーラーイ!
「おーい!セイ、コウサカ!」
「あ、サオトメくん…と誰?」
「あ、アルト…と誰?」
「ん、ああこいつはヤサカ・マオ。お前とイオリ模型に用があるんだと。とりあえず案内してやってくれ。俺はいったん帰る」
「ええ!?あの~アルトはんにも用が…」
「分かってるって。お前が見たいもん取ってくるだけだから。イオリ模型に俺も行くよ」
「あっちょっアルト!事情を…」
セイが追いすがってくるがとりあえず片手をひらひらとあげてその場を去る。割とセイの家から遠目なんだよね俺の家。急がないとさーてすたこらさっさ~。正直あそこまでできるやつに俺のバルキリーを見せたらどうなるかめっちゃ気になるんだよ。全くの同年代で俺やセイを上回るかもしれないビルダーに会うのは初めてだから、俺も舞い上がってるのかもしれない。多分セイも、マオの事絶対気に入るからな。
後ろでマオがセイ相手に大仰な自己紹介をするのを聞き流しながら俺は走って自分の家に帰るのだった。へー第五ブロック代表…マジでっ!?ってことは関西圏代表!?なるほど、それならあのビルダー力も納得…話気になるしとりあえず急げ俺!
「お邪魔しまーす、待たせたな…ナニコレ?」
「あっアルトくんじゃな~い。そうなのよ、セイとマオくんったらお互いのガンプラを見せて止まっちゃってね~」
「あ~、イマジネーションぶつけてんのかな?」
俺が勝手知ったる(めちゃ失礼)イオリ家に上がらせてもらうとリビングでお互いの愛機、ビルドストライクと頭ぶったまげるくらい完成度の高いガンダムX素体と思われる改造機が置いてあり、それを挟んでうなり合う二人の姿があった。一瞬何してんのかと思ったんだけどこれあれだ、想像上でガンプラバトルしてんだ。お互いの愛機の性能を見抜いたうえで同じ想像ができるからこそ交わされる組手みたいなもん。はー、やっぱマオすげえわ。
「そこまでっ!これほどまでのバトル、想像上だけで終わらせるには惜しい!残りは世界でぶつけるといい!」
「ラルさんっ!?いつの間に…」
「あ、アルト戻ってきたんだ」
「お、おう。ラルさんどこから湧いて出たの?さっきまで影も形もなかったんだけど」
俺の疑問をよそに二人のイマジネーションバトルを止めたラルさんは、言うことは言ったとばかりにどっかに行った。えぇ…何しに来たんだあの人…マオもぽかんとしている。しかしまあ、凄いなあのガンダムX、クリアパーツ多めの造形も改修されたと思しきサテライトシステムも非常に高い完成度がある。関西圏を制したというのは伊達じゃないようだ。それに弁えてもいるようだ。おそらくビルドストライクには触れてない。見るだけで性能がわかるほど腕がたつのとビルダーとしての心構えがきちんとある証拠だ
「ああっ!アルトはん戻ってきはったんですね!あの~それで可変機の方を~…」
「ん、まあそれはいいんだけど…なんでそんなに気になるんだ?フルスクラッチ品のオリジナルだからガンプラじゃないんだぞこれ。大会にも出られないからな」
「いやいや、そんなの関係あらしまへん。ガンプラ心形流の教えである「型に囚われない」「己の心のままに」この二つを完璧に実践している作品をワイは師匠以外に見たことない。だから、どうしても直接見たくなったんです」
「よくわからんけどそんな褒められると照れるわ。いいぜ、見せてやるよ」
そう言って俺は持ってきたVF-1、VB-6、YF-19、YF-22、VF-25をマオの前にずらっと出す。すると彼は歓声を上げて四方八方からバルキリーを見分しだした。
「うわあ、塗装も一級、しかも筆!?完成されたフォルムやあ…こ、これはまさか…!?」
「おう、新作。多分一番完成度高いと思う」
「変形は!?変形ってしますのん!?」
「そりゃするよ。ほらこんな感じで」
VF-1をガウォークに、VF-25をバトロイドへ変形させる、目を皿のようにして変形の過程を見るマオ。よくよく考えてみたらほぼ完ぺきな飛行機状態からロボットになれるってすごいよなあ。俺がマクロスに出会ったときはもうそれは凄い衝撃だった。あ、ミサイルハッチ開くよ。ここね。あと実はガンポッドも回ったりするよ。ガトリングだからね。弾倉もちゃんと外れるし冷却ギミックも動くんだぜー?シールド裏のナイフイカスっしょー?
「こら、師匠が目を付けるわけですわ…アルトはん、あんさんとんでもないな」
「誉め言葉として受け取っとくよ。しかしまあ、お前さんのガンダムXもやばいな!なんだそのサテライトシステム!かっこいいじゃん!」
「ガンダムX魔王です!くぅ~~!あんさんと大会で戦えないのが残念ですわ~~!」
「んー、俺とは無理だろうけど俺の作品とは戦えるかもよ?」
「どういうことです?」
「俺が組んでるバディ、第一ブロックの代表者だから。今世界用のガンプラ制作中。俺の最新作と同じくらいかそれ以上の完成度に持っていくつもりだから。当たったら、よろしくな」
「第一ブロックていうたら…「疾風」を破ったヅダ!?あの作品の作者アルトはんなんか!?」
「あの作品自体はバディの。俺は修理して調整しただけ。だから、今度の大会用では自分の動きで壊れるようなことはねえよ」
「…ますます楽しみになりました。師匠へのいいお土産になりますわ」
そういうマオの糸目が開き鋭い眼光を見せつけてくる。俺たちと同い年でここまでやれる奴がいる。その事実が俺とセイには嬉しくてたまらない。超える壁は多いほど、高いほど燃え上がるからな!ヤサカ・マオ…完璧に覚えた。ツムギにも伝えてやんねーと。ああ、でもまたツムギに叩かれそうだ。
「あっそうだ。お前さんバルキリー知ってたってことは去年のガンプラ隠し芸大会見たの?」
「もちろん!リアルタイムではないですけど見させてもらいました!いやーあんなことやるとはアルトはんはすごいです~」
「ふーん、じゃあこのチャンネル。あの時歌ったやつのチャンネルだから教えとくわ。今度の動画はこのVF-25が出る予定なんでよろしく!」
「あっやっぱりそうなんですの!?これは楽しみになってきましたわ~」
「アルト、そういうところ抜け目ないよね」
「草の根活動は大事なんだよ親友」
俺はチャンネル自体は知っていたらしいマオに今後の宣伝をして地元に帰るマオを見送るのだった。まさかとは思うけどまたヒッチハイクじゃないよな!?…あっいっちまった…。
なかなか進まないでござるの巻。これでまだ原作5話消費ってマ?先が長すぎるやろ…オリジナル含めたらあと何話になるかなあ…
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今年の注目ファイター&ビルダーについて語るスレ
1:何時もの傍観者
このスレは今年のガンプラ世界選手権の注目ビルダー&ファイターを語るスレである。あえて言おう!なんで誰も立てないの!?というわけで立てました。迷惑にならない程度にやってきましょう
2:何時もの傍観者
たておつー
3:何時もの傍観者
おつかれー
4:何時もの傍観者
今年はまー、何というかルール変更がですね
5:何時もの傍観者
あのルールはしゃーない。とんでも設定のロボットとかで殴りこまれても困る
6:何時もの傍観者
せめてリアル系ならともかくなあ
7:何時もの傍観者
PPSEの言ってることは自体は正論だし
8:何時もの傍観者
でもさー、古くからやってるビルダーって他のプラモも兼ねてやってるじゃん?そういう人たちからは総すかんだよね
9:何時もの傍観者
んー、まあな。紅の彗星とかも武器系に戦車のパーツの流用とかやってるし
10:何時もの傍観者
だから線引きが難しいってのがあるんだよ。PPSEはどう対応するんだっけ?
11:何時もの傍観者
500ページくらいのマニュアル作って基準決めたんだと。フルスクラッチに関するあれこれとかも含めてな
12:何時もの傍観者
うううう!飛行機スレ、現代兵器スレが御通夜だよおおお…!
13:何時もの傍観者
ああ、可変機の彼が参加不能だからなどう考えても
14:何時もの傍観者
ビルダーとしては腹立つかもしれないけどガンプラではないっていう判定もらったんでしょ?GPベース使うなら従わなきゃ
15:何時もの傍観者
はいはいその炎上はもういいでしょ?あとはスレ違い
16:何時もの傍観者
あ、すまん
17:何時もの傍観者
んじゃーまず誰?
18:何時もの傍観者
カイザーじゃね?
19:何時もの傍観者
向こう今予選中だっけ?いやー前年度優勝者は強いよね~
20:何時もの傍観者
あの同時操作技術なんなん?できるやつおらへんやろ
21:何時もの傍観者
隠し芸大会でやったやつがいたような
22:何時もの傍観者
あれは例外として。あとは軍団の魔術師さんとかくらい?挑戦したやつおる?
23:何時もの傍観者
やったことある。脳みそが沸騰するよあれ、3体で頭痛がしたもん。できる人は相当な変態
24:何時もの傍観者
世界王者を変態扱いするスレがあるらしい
25:何時もの傍観者
じゃあ聞くけどまともな脳みそであんなことやれんのか?
26:何時もの傍観者
なんも言えねえ
27:何時もの傍観者
ま、まあ気を取り直して次はー?
28:何時もの傍観者
フェリーニじゃね?
29:何時もの傍観者
ああ、男の敵か
30:何時もの傍観者
ビンビンに敵意あって草
31:何時もの傍観者
イタリアの伊達男ねー。もう予選突破してこっち来てるんだっけ?目撃証言あったような
32:何時もの傍観者
東京のある町にいるらしい。でも正直ウイングガンダムフェニーチェクソかっこいいよな
33:何時もの傍観者
わかる。片翼とかロマンの塊じゃね?
34:何時もの傍観者
壊れるたびに直してきたっていうフェリーニの思いが詰まった機体だよな
35:何時もの傍観者
性能もさることながら離れることない相棒っていう立ち位置にいるの相当凄い
36:何時もの傍観者
フェリーニじゃなきゃ乗りこなせないからな。機体バランス悪くて
37:何時もの傍観者
キット発売してるんだよね?作ったやつどう?
38:何時もの傍観者
バランス悪すぎ。速度めっちゃ出る。総じてピーキー仕様。本物はもっとすごいだろうにあれを操れるフェリーニは流石だなと思いました。
39:何時もの傍観者
わかるわー、片方しかない翼だからバーニア推力が偏ってるんだよね。まっすぐ飛ばすのも難しかった
40:何時もの傍観者
なるほどなー。んじゃー次行ってみよう!
41:何時もの傍観者
そろそろ日本勢いかない?
42:何時もの傍観者
日本の注目選手といえばー?
43:何時もの傍観者
そりゃ勿論紅い彗星ことユウキ・タツヤだろ!
44:何時もの傍観者
あーわかる。多分今日本で一番ホットなファイターだしな!
45:何時もの傍観者
ザクアメイジング、まさしくアメイジングな性能と造形してる
46:何時もの傍観者
あの去年の世界選手権で使ったライフルの出どころが気になるー
47:何時もの傍観者
どう考えてもあの可変機の彼と交換したとしか思えないんだよねえ
48:何時もの傍観者
ねー、サバイバルで疾風さん相手に使ってたし。あそこは凄い燃えたよー
49:何時もの傍観者
紅の彗星現象、あのハイマニューバを意図的に起こせる唯一の人材だもなあ
50:何時もの傍観者
しかもガンプラ塾出身でしょ?3代目メイジンに一番近いんじゃない?
51:何時もの傍観者
2代目の戦いはあんまり好きじゃなかったからなあ
52:何時もの傍観者
タツヤの相手と自分を高め合うバトルほんとに好き
53:何時もの傍観者
トーナメント戦でのカイザーとの死闘は今でも語り草。ほんとにいいバトルだった
54:何時もの傍観者
現地で見たけどほんとに最高だった!
55:何時もの傍観者
いま第三ブロック予選にいるんだっけ
56:何時もの傍観者
うん、着々と勝ってるよ。もうすぐ準々決勝
57:何時もの傍観者
おい、おいおいおいおい!
58:何時もの傍観者
どうした急に?
59:何時もの傍観者
なんかあった?
60:何時もの傍観者
え、ちょ…!紅の彗星が大会棄権した…
61:何時もの傍観者
は?
62:何時もの傍観者
マジで言ってる?
63:何時もの傍観者
笑えねえ冗談なんだが?
64:何時もの傍観者
まじだ!大マジ!第三ブロック予選のホームぺージの勝敗に書いてある!
65:何時もの傍観者
う、うそだあああああ!!!
66:何時もの傍観者
なんでえええええ!?
115:何時もの傍観者
とんでもないことになった…
116:何時もの傍観者
これ以上はスレ違いだからやめよう
117:何時もの傍観者
でも、でもなああ!
118:何時もの傍観者
惜しいよう…なんでだよう…
119:何時もの傍観者
こ、これ以上嘆いていてもしょうがない、他にもいるはずだ!日本の素晴らしきファイターたちが!
120:何時もの傍観者
惜しいのは惜しいがそれよりも優先すべきことができたと思おう。
121:何時もの傍観者
いいこと言った。んじゃあげてみるか
122:何時もの傍観者
はーいじゃあ俺から!第五ブロックのヤサカ・マオ!どうよ?
123:何時もの傍観者
おお、珍しい年少者の全国大会出場者だな?
124:何時もの傍観者
ガンプラ心形流の門下生なんだっけ?道場のブログに名前乗ってる
125:何時もの傍観者
使用機体は超改造を施したガンダムXか!うおおおめっちゃかっこいい機体やんけ!
126:何時もの傍観者
ガンダムX魔王…自分の名前とかけたのかな?それにしても素晴らしい機体だ
127:何時もの傍観者
配信越しでもわかるサテライトキャノンの威力よ
128:何時もの傍観者
ああ、しかも強襲用っぽい動きなんだよな。スラスターの推力も凄い
129:何時もの傍観者
ビームソードの威力見た?決勝のやつを一刀両断だよ
130:何時もの傍観者
ああ、あれな。サーベルごと相手を切り捨てるってのは相当威力に差がないとできないし
131:何時もの傍観者
すごいよなー、あの年で世界への切符を手にするなんて
132:何時もの傍観者
腰だめでうつサテライトキャノンもかっこいいな
133:何時もの傍観者
ガンプラ心形流っていうやつはホントに驚かせてくれるよ
134:何時もの傍観者
既存のアイデアに囚われないよな
135:何時もの傍観者
それなー。V字のリフレクターなんてよく考えるわ。
136:何時もの傍観者
将来が楽しみやで
137:何時もの傍観者
将来どころか現在進行形でわくわくさせてくれますわ
138:何時もの傍観者
他にも注目してるやついる?
139:何時もの傍観者
あ、じゃあ俺からいい?俺第三ブロックを観戦してたんだけど、すっげやついたんだ
140:何時もの傍観者
ほほう、聞かせてもらおうじゃないの
141:何時もの傍観者
イオリ・セイとレイジってペア!使用ガンプラはビルドストライクフルパッケージ!
142:何時もの傍観者
ああ、試合出てきたってなんだこのガンプラぁ!?
143:何時もの傍観者
なんちゅう完成度だ。ヤサカ・マオにも劣ってないぞ!?
144:何時もの傍観者
素体はストライクでバックパックは…オオトリかな?でも武装はほとんどオリジナルだ!
145:何時もの傍観者
あっ試合昨日見たわ!滅茶苦茶速いのなんのって!
146:何時もの傍観者
まじで?!俺も見るー!
147:何時もの傍観者
いいな、いいなこの機体!個人的にウォッチ対象ですわ
148:何時もの傍観者
ってこのコンビもヤサカ・マオと同年代!?どういうこっちゃ!?
149:何時もの傍観者
しかもこのバックパック、分離して飛行形態になるらしい
150:何時もの傍観者
ああそれな!第三試合で分離しての挟み撃ちやってた!ミサイルまで積んでたよ
151:何時もの傍観者
なにそれロマンじゃん
152:何時もの傍観者
ミサイルの軌道えげつなっ!?あの可変機のミサイルみてー
153:何時もの傍観者
いや、隠れてるかもしれないけどビームライフルの威力調節可能か?よくやる
154:何時もの傍観者
いい、いいぞファイターの腕!あんな速い機体で素晴らしいマニューバだ!
155:何時もの傍観者
マシンガンにかすりすらしねえのはやべえな。盾の性能も高い。
156:何時もの傍観者
いいなー、いいなー。俺もあんな機体作りたーい
157:何時もの傍観者
今年めっちゃ豊作じゃね?
158:何時もの傍観者
確かに。大人ばっかだったのに子供が6人も日本から食い込んでる
159:何時もの傍観者
あ?待てよ3人じゃねーの?
160:何時もの傍観者
お前第一ブロック見てないのか?第一ブロックの優勝者も子供だぞ。しかもヅダ。
161:何時もの傍観者
ヅダってww去年のヅダの人だったりしてwww
162:何時もの傍観者
それは知らんけどイロハ・ツムギがファイター、サオトメ・アルトがビルダー、スズカゼ・ヒマリって子がセコンドやってるって
163:何時もの傍観者
待って?疾風さん負けてるんか?第一ブロックはやつだと思って結果見てなかった
164:何時もの傍観者
アホかおめー。疾風さんも暴風雨さんに進化して頑張ったけどヅダに負けたんだよ
165:何時もの傍観者
配信で見たけど凄かったぞー。紅の彗星現象がユウキ・タツヤ以外で発生したの初めて見た。
166:何時もの傍観者
は?それマジ?ちょっと試合漁ってくるわ
167:何時もの傍観者
俺も
168:何時もの傍観者
ヅダってこんな可能性があったのか
169:何時もの傍観者
ヅダはゴーストファイターじゃないって言ってるだるるぉぉん?!
170:何時もの傍観者
疾風さんも高速形態戦法にさらなる磨きをかけたみたいだな
171:何時もの傍観者
ビームウィング…ガイアからかな?もしくは∞ジャスティス?
172:何時もの傍観者
このヅダ凄いな?フルスクラッチだ。しかも原点に忠実な武装をしてる…
173:何時もの傍観者
サオトメ・アルト、スズカゼ・ヒマリ…これって隠し芸大会の時と同じ名前じゃね?ほら、可変機の
174:何時もの傍観者
おあっ!?ほんとだ!?
175:何時もの傍観者
そうか、ビルダーとして世界に挑戦することを選んだんだな
176:何時もの傍観者
よかったのお。にしてもなんでヅダ?
177:何時もの傍観者
ああ?てめえケンカ売ってんのかオラァ!?
178:何時もの傍観者
ヅダは最高だろうが!ザクとは違うんだよ!ザクとは!
179:何時もの傍観者
でも欠陥機でコンペ落ちてますやん
180:何時もの傍観者
言ってはいけないことを言ったな貴様
181:何時もの傍観者
戦争じゃああああ!
182:何時もの傍観者
ちょい待ち
183:何時もの傍観者
んだよいいとこなのに
184:何時もの傍観者
いや、ヤジマ商事のHPが更新された。とんでもないことになってるから見に行ってこい。俺は他のスレへ伝えに行く!
185:何時もの傍観者
さ、さわがしいやっちゃな
186:何時もの傍観者
なんか冷めちまった
187:何時もの傍観者
で、ヤジマがなんだって?
188:何時もの傍観者
「ヤジマ商事主催・プラモデル大交流会」?えーっとこれ日程世界大会のモラトリアムと3日も被ってるじゃん。世界大会に行くに決まってるでしょ
189:何時もの傍観者
いや、内容だ。ヤジマ商事が持ってる全てのGPベースを集めてドッキングして一会場に集める…参加するプラモの制限なし!?
190:何時もの傍観者
戦艦でも戦車でも飛行機でも、ガンプラ以外のロボットでも、何でも大丈夫?しかもPPSE公認んん!?
191:何時もの傍観者
ヤジマどうした。頭がくるったか!?
192:何時もの傍観者
え?まって…?
193:何時もの傍観者
会場では弊社所属ビルダーサオトメ・アルトデザインのオリジナルプラモデル、VF-1「バルキリー」と新規造形VF-11「サンダーボルト」を先行発売する?
194:何時もの傍観者
き、きたああああああ!?
195:何時もの傍観者
まってヤジマのHP重くなってきたwww
196:何時もの傍観者
祭りじゃ祭りじゃ!
197:何時もの傍観者
ありがとうヤジマ!フォーエバーヤジマ!絶対行くから!
198:何時もの傍観者
よくPPSEが許したもんだ!だがそれがいい!
199:何時もの傍観者
参加はチケット制だけど観戦は無料!?太っ腹ぁ!
200:何時もの傍観者
遂にあの可変機が俺たちの手に届くのか…!
というわけでモラトリアム期間中に行われるの「何でもあり!どんなプラモでもかかってこい!みんなで交流して楽しもうぜ!」というやつです。ガンプラ大会がガンプラ限定ならそれ以外はこっちでもらってもいい?大会とかしないけどイベント的な感じで。みたいなもんです
詳細は次話で明かそうかなと思います
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遊びだからこそ、真剣になれる
『準々決勝第4試合は、ユウキ・タツヤ選手の辞退によりサザキ・ススム選手の不戦勝となります』
「冗談、だろ…?タツヤさんが、辞退!?」
「ユウキさんに限ってそんなこと…!」
「…タツヤさんはそんな人じゃない。理由があるハズ」
ガンプラバトル選手権第三ブロック予選、準々決勝をセイたちの応援に来ていた俺たちを襲ったのは正しく青天の霹靂だった。タツヤさんが選手権を辞退したというのだ。何の前触れもなく、俺たちに伝えもせず。こんなことは今までなかった。あの人は確かに少し我慢弱いところもあるが基本的に周りを見れる人だった。よっぽどのことがあったに違いない。すぐに携帯で連絡を取る。
「…っ!?着信、拒否…?」
「嘘っ!?」
「…信じられない」
携帯から伝えられたのは無慈悲なこの番号は現在お繋ぎできませんという機械的なメッセージ。徹底している、自分への連絡経路をすべて封じてるんだ…!何があったんだタツヤさん!試合会場にいるレイジとセイも動揺を隠せてない…!無慈悲にも試合は始まる。
動揺を隠せないレイジは、操縦の精彩を欠きつつもサザキのギャンギャギャンを打ち破った。ビルドストライクに傷をつけながらだけど。いつものレイジなら当たらない攻撃に当たってた。やはり動揺は大きいんだ…!
結局、タツヤさんは会場に姿を現すこともなく、ガンプラバトル選手権の予選は決勝を残して終了するのだった。
その翌日になって俺は、タツヤさんが学校すらも休学したことを知った。彼は、痕跡すら残すこともなく聖鳳学園からも去っていったのだ。俺もヒマリも、ツムギでさえショックを隠せないのが現状だ。軽音部の練習に熱が入るわけもなく何も言わずその場は解散になった。手持無沙汰になった俺は商店街に繰り出すことにした。ぼーっと歩いていると見覚えのある朱い髪の毛、レイジだ。
「よっレイジ、暇してんのか?」
「アルトか…まあ、ちょっとな」
「…昨日の事か?」
「…ああ」
レイジはやはり昨日のタツヤさんが選手権からいなくなったのが相当のショックだったようだ。無理もない、今までのレイジのガンプラバトルへのモチベーションのほとんどを維持していたのは敗北を喫したタツヤさんへのリベンジ、彼に勝つことを原動力にしてここまでやってきたんだ。急に目標が無くなって、戦う理由を見いだせなくなった。そんなところだろう
「おや、アルト少年にレイジ少年ではないか。どうしたこんなところで」
「ラルさん」
「ラルのおっさんか」
後ろの甘味処から出てきたのはラルさんだった。彼は俺の表情とレイジの表情を比べたのちに納得した顔をして話し始めた。その視線の先にはおもちゃ屋のガンプラバトルルームだ。
「レイジ君、彼らを見てどう思う」
「よわっちいし、なんだか滑稽だな。たかが玩具にあんなに真剣になっちまってよ。気が知れねえぜ」
そのレイジの言葉はまるで自分に言い聞かせるようだった。当たり前だ、彼だってセイと一緒に真剣に挑んでいたんだ。茶化しでもしないと自分がバカに見えてしまうのだろう
「そう思うかね?ガンプラ作りもガンプラバトルもあくまで趣味。別にやめても構わんのだよ」
「…冗談きついぜ。ユウキ・タツヤに挑めねえからって今更セイほっぽり出してやめるだあ?んなことするわけねえだろ!」
「じゃ、そう思うなら楽しんでみれば?」
「…アルト」
「どっかで言ったと思うけど、遊びだからこそ本気になれるんだよ。セイのため、じゃなくてお前自身はどうなのさ?お前と付き合い短いけど何となくわかるぞ?お前、悩んでるより動くほうがいいタイプだろ」
「その通りだ。私は君の中に本気を見ている、あの男と同じように」
ラルさんの視線の先、そこには…紛れもないユウキ・タツヤの姿があった。
「ユウキ・タツヤ!てめえ今更なにをっ!?アルト!邪魔すんな!」
「食って掛かるのは後だレイジ。俺も言いたいことはあるけど…あれ見ればわかんだろ。お前のバディのとこに行ってこい」
「…ああ!今度は逃げんじゃねーぞ!」
突然現れたタツヤさん、その手には愛機のケース。ビルダーなら、ファイターなら…何をしに来たかは一目瞭然。誰にも知らせず、連絡を取らせず姿を消したタツヤさん唯一の心残り。あれほどまでに対戦を熱望した相手から姿を隠さなければいけなかったその苦しみはいかほどのものだったのか。俺には知る由もない。ただ、彼が形は違えど約束を果たしに来たというのはわかった。セイのところに走り去るレイジ。
「アルト君…私は君に謝罪しなければならない。何も言わず姿を消したことも、連絡すら封じたことも」
「いいです。謝るのは。こうしてちゃんと無事だってわかりましたから。そりゃあ、思うところはありますけど、約束を破るような人ではなかった。それだけ分かればもう充分です」
「アルト君…私は…っ!」
「もしもこれ以上何か言いたいことがあるのであれば、GPベースの上で、セイとレイジに言ってあげてください。あ、着信拒否は解除しておいてくれると嬉しいです」
「…ありがとう」
思いつめたような顔をしていたタツヤさん相手に俺がおどけてそういうと、彼はようやく張りつめていた顔を元の柔和な顔に戻すのだった。
ところ変わって聖鳳学園の体育館。GPベースが設置されたそこは俺たち以外は無人でおそらくゴンダ先輩が気を利かせてくれたのだろうということはわかった。無言の中、お互いの愛機をGPベースにセットする。プラフスキー粒子が充填され、カタパルトから機体が射出される。赤いザクアメイジングと青いビルドストライクフルパッケージ。
ザクアメイジングのガンポッドとビルドストライクの高出力ビームライフルがお互いに閃光を散らす。さらに牽制、ザクアメイジングの誘導弾、いやもはや機動性はマイクロミサイル!ビルドストライクも呼応するようにマイクロミサイルを放ち相殺、撃ちあいが続いている。スラスターの残光を宇宙に残しながら赤と青がぶつかり合う
「へっ!逃げたかと思ったぜ!」
「すまない。他言無用の理由があった」
「ハッ!どうでもいい!あんたと本気で戦えるなら…それで!」
「私もだ!」
ビルドストライクの手持ちビームキャノンが破壊され、近接戦に入る。ガンポッドを腰後ろにマウントしたザクアメイジングがヒートナタを2本抜く。ビルドストライクの高出力ビーム砲の射撃を切り裂きながら迫るザクアメイジングにビルドストライクもビームサーベルを抜いた。交差するたびに2機のどこかが傷つく。射撃をまともに食らうビルドストライクとザクアメイジング
「レイジ!壊れたら何度だって直す!前へでるんだ!」
「うっしゃああああ!!」
「流石だ!二人とも!」
レイジの本気とそれにこたえるタツヤさんの本気。ビームサーベルとヒートナタのぶつかり合いが爆発を起こす。ザクアメイジングの足が飛び、ビルドストライクの腕が飛んだ。残った片腕でザクアメイジングの胴体を貫き、反対にザクアメイジングは貫かれながらもヒートナタでビルドストライクを真っ二つにする。
「さすがだ、やっぱり!」
俺はその戦いを前にして感動と共にある種の羨ましさを感じていた。タツヤさんと初めて戦った時と同じ、自分のすべてを出せる戦いの素晴らしさ。高揚感、俺もできればあの場にいたかった。だけど、あれは3人の戦いで、不可侵のものだ。だから俺はどっちが勝ったとしても心から祝福するだろう。
二つの機体が爆散する。爆発の煙から飛び出してきたのはビルドブースターとアメイジングブースター。機体が爆散してもなお続く撃ちあい。ミサイルが爆炎を散らし、ビームとガンポッドが競り合う。
「「これがあ!」」
「私たちの!」
「「「ガンプラだあああああああああああああ!!!」」」
GPベースを光が満たした
「だーくっそ!負けた負けた!完敗だぜ」
「うん、やっぱりユウキ先輩は凄いね」
「惜しかったと思うんだけどな。次があったらまたリベンジするのか?その前に俺が一戦やりたいんだけどさ」
「譲らねーぞアルト!」
結局、システムの判定では僅差でセイとレイジの負けになってしまった。お互いボロボロになった機体を回収し固く握手をして別れた。タクシーに乗ってどこかへ行ってしまったタツヤさんはきっとまた自分のするべきことのために何かをしに行くんだろう。もうそこに俺たちがどうこう言う必要はないけど、連絡は取れるようにしてもらったからもういいかな。
「なあ、セイ。決勝も近いってのに…そんな壊しちまって悪い」
「いいよ。確かに決勝までには直らないけど、僕が何もしてなかったと思う?」
「え、それって…?」
「僕たちのガンプラは、一つじゃないってことさ!」
得意げに笑うセイの顔を、夕日が照らしていた。
「アルト、決まったぞ!イベントの開催が決定した!」
「えっ父さんそれホント!?よく許可とれたね!?」
「ああ、PPSEも今回のルール変更で相当な批判が来ているらしいからこっちの提案は渡りに船だったようだ。許可が下りたよ」
「よかった~。これでバルキリーのお披露目がきちんとできるよ!」
その夜の事である。父さんからモラトリアムイベント中に行う別会場でのイベントが仮から正式に行われるということを聞いた。なんのこっちゃ分からないと思うけど、今回ルール変更によってガンプラのみに絞られた世界選手権が開催される。まあ前から基本的にガンプラしか出なかったわけだけど、それで俺はこう思った「ガンプラ以外もGPベースで動くならソレ専用のイベント作っちゃえば盛り上がるのでは」というやつだ
で、ヤジマ商事の方にバルキリーのお披露目とプロモーションを兼ねてプラモデルの交流会を行えないかという話をしてみたのだ。それこそ今は風前の灯火な現代兵器のプラモだったり往時の戦艦のプラモだったり、スーパーなロボットたちなど。プラモデル全体の垣根を広げられないかというふんわりとした話がうまい事採用されたのだ。
なんだけど開催日が問題で、できれば世界中のガンプラファンが盛り上がる世界大会に被せるのがいいかなという感じだった。当然そこにはPPSEも絡んでくる…んだけどPPSEも一応あの対応に問題があったというのはちょっとは思ってたみたいでモラトリアムイベント中は関知しないといったのでご自由にどうぞという案外寛大な回答が返ってきたのだそうだ。
それを好機と見たヤジマの上層部は持ってるGPベースをすべて投入することを決定。世界選手権大会の選手村にほど近いドームを借りてイベントを行うのだそうだ。
肝心のイベントの中身なんだけど…当然プラモデルの制限はなし、飛行機だろうが戦車だろうがもちろんガンプラだろうが誰だって参加していい。けど当日の混雑を考えてGPベースの利用は事前のチケット購入制になる。観戦自体は無料だ。日取りは3日に分かれていてそれぞれGPベースの設定が変わる。1日目が陸・空、2日目が海、空、そして3日目が宇宙だ。あくまでバルキリーのプロモーションなので全部バルキリーが参加できる戦場になっている。
そう、プロモーションである。当日会場ではVF-1とVF-11の先行発売が為される。ただ、コストの関係上完全変形を再現するのは難しかったらしく、ガンダムでいうRGから完全変形が再現されているようだ。それ以下の場合は差し替えギミックや最低額だと変形無しになるらしい。変形無しにはう~んとなったものだが前の世界にもあったからありかと思ってオッケーだした。まあバルキリー金属パーツとかも使って強度確保しながら変形再現してるんでしょうがないっちゃしょうがない。
あと、当日は限定100台とはいえ組み立て済みのVF-1とVF-11が貸し出されることにもなっている。これでもし操縦してみて楽しかったなら買ってね~というやつだ。ヤジマ商事さん商魂たくましくてすごいわ。あ、3日目のみに限って俺とヒマリ、ツムギが参加することになってる。そう、あの二人もだ。
ツムギは俺のバディってことでヤジマのファイターになったし、ヒマリも音楽活動の件でヤジマ傘下の事務所にスカウトされたとか。つまりヒマリはアイドルになってしまったのだ。まさか冗談で言ったことがほんとになるとは…ヒマリが遠い存在になっちゃったなー。ちなみにツムギもスカウトされてるらしい。ヒマリと一緒にユニット組もうよと熱烈プッシュされてるとか。
3日目にやることといえばそう、全員参加でMV撮っちゃおうぜ!イベントだ。この際全力ではっちゃけたかった俺は、使うかもしれない曲を急ピッチでヒマリに作成依頼して配信することで知名度を高めている途中なのである。宇宙にたくさんのバルキリー、いろんなプラモデル…これは絶対いい動画になる!プロモーションの最後を飾るにはいいイベントだと思うのだ。
だから、絶対に成功させたい。ヤジマの期待に応えていいイベントにしなければいけないのだ。それに、完成させた2つの戦艦も日の目を見るのを待っている。あと少し、がんばろう
ちょっとバトルが短いですがお許しください
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つかの間の休息に限ってトラブルはやってくる
PPSEって太っ腹なんだな、と今更ながら思ってる。なんでかって?今現在俺とヒマリ、ツムギ、セイ、レイジとコウサカは2台の車に分かれてとある目的のために移動しているからだ。ちなみに運転してるのは俺の父さんとラルさん、引率が母さんとリンコさん。というのも今回旅行に来ているのだ。
経緯を話そう、セイとレイジのコンビは第三ブロック予選を制した。決勝で戦ったのはあの軍団の魔術師。だが、セイの新たなガンプラ、ビルドガンダムMk-Ⅱと本気で楽しむことを決めたレイジの敵ではなかったというだけ。彼お得意のサテライトキャノンによる面制圧を発揮することもできずの秒殺だった。ちょっと不憫になったくらい。
で、優勝が決まって万々歳、何か祝い事がしたいなーと思って思い出したのはツムギ。確か優勝賞品の副賞として温泉旅行がついてきたはず、セイたちはどう?と聞いたら全く同じ旅館だったのでじゃあ日付合わせて一緒にいかね?という提案が為され今日にいたる。
いいよね旅館、楽しみだよ。車の中端に座ろうとしたら強制的に真ん中にされて今現在ヒマリとツムギに挟まれてるけどな!ええやんドアにもたれかからせてくれたって。お父ちゃん助けて…?え?だめ?じゃあお母ちゃん…聞こえないふりをされてらっしゃる?!ダレカタスケテ…
「すごいよねー玩具の大会の副賞が温泉旅行だなんて!いっぱいあそぼーねー!」
「…うん、海が近いっていうからまた海水浴できる」
「あーそういえば去年約束したな。また海で遊ぼうって。かなったわ」
「ねー!こんなこともあるんだね!楽しみ!」
「…アルト、今度はかけっこ負けないから」
「あれはヒマリがずるいだけだろうが」
「あー!ひどーい!」
去年不正スタートダッシュを決めたヒマリを弄っていると泊まる温泉旅館に着いた。いかにも老舗というか…言い方悪いけどちょっとぼろい?セイとレイジは何となく納得いかない顔をしてるけどこういうのは外見じゃなくて中身だから。さっそく中に入らせてもらうと
「おこしやす~」
「何してんの?マオ」
「あら、アルトはんにセイはんやないですか。何って手伝いです~」
「お前第五ブロック優勝者っつーことは客だろ。マジで何してんの?」
なぜか玄関先にはこの前セイとイマジネーションバトルを繰り広げていた日本第五ブロック優勝者のヤサカ・マオが私服の上から旅館の制服と思える半纏を着て俺たちを出迎えたのである。マジで何してんの?お前の実家ここ?京都じゃなかったっけ?すったもんだしてるうちに本来の旅館の従業員さんがきてまた面倒そうなことになった。はあ、マオが勝手に、手伝ってる。なるほどなるほど…ははーん?さては旅館の娘さんに惚れたなコイツ。顔がわっかりやすいわ。鼻の下伸ばしちゃってあ~あ~。
「こんなんが第五ブロック優勝者?冗談だろ」
「ちょっレイジ!」
「面白いこと言いますなあ。あんたがレイジはんやろ?冗談かどうか、試してみます?この旅館にはGPベースも置いてあるさかい」
「へえ、おもしれんがっ!?アルトてめえ何しやがる!?」
「ところ構わずケンカを売るな。まず荷物おいて、落ち着いて話し合ってからだろ」
「そうだよ、とりあえず案内してもらってから!」
昼から出発してもう夕方になりかけているわけなのでさっさと部屋に入りたい。慌てて案内してくれる旅館の人に申し訳なく思いながら俺たちは荷物を持ち上げるのだった。
「ねー、ハートの9止めてるの誰ー?」
「…私じゃないもん」
「俺でもねーな」
「アルトくんだー!」
「理不尽かお前っ!?」
なんとも眺めのいい部屋に案内してもらった俺たち。部屋割りは俺と父さん、ヒマリとツムギと母さん、セイとレイジとラルさん、コウサカとリンコさんの4部屋だ。もうすでに茜色の夕日が差し込む部屋で俺たちが何をしてるかといったら七並べである。セイはガンプラの調整、レイジはカードゲームは嗜まない。コウサカはセイと一緒である。せっかく全員で集まったんだからなんかやるべと思ったんだけど風呂入ったら卓球するかーという話に落ち着いて今は自由時間なのだ。
流石に3人でトランプはなかなか盛り上がらないのだけど業を煮やしたヒマリが暫定犯人とされてしまった俺に飛びかかってきた。フライングボディプレスを受けた俺は畳の上に押しつぶされる。ぐちゃぐちゃにされる盤面、空を舞う手札。なぜか追加される重量ってツムギが上に乗ってんのか!?
「おいやめろ流石に重いわ!」
「なにをー!女の子は軽いんですー!」
「いくら軽くても二人乗ったら重いんだよ!」
「…アルト覚悟」
「まて、何する気だお前ら!?」
「くすぐり?」
「…こちょこちょ」
「ばっ!?抵抗できないこの姿勢はやめろおおおおおお!」
俺は女の子に対してのデリカシーの大切さを強制的に学ぶことになったのだった。呼吸困難になるかと思ったわ…
その後も自由時間であれこれしていたんだけど、唐突にとんでもない轟音が旅館の玄関先から響いた。まるで何かが突っ込んだかのような…!慌てて3人そろって外に出るとすでに父さんや母さんセイやレイジなど全員が集合していた。そしてそこには玄関に突っ込んだ軽トラックと大柄な男が二人、子分らしき男が一人…!
「事故か!?」
「ガキは黙っとれ。すまんな女将…ブレーキの利きが悪かったようやわ」
「これで営業は無理やのお。ええ加減ワイらにこの旅館売ってもらおうやないの」
「これって…」
「地上げか…!」
「あなたたち、これは立派な過失違反だ。しかも今の話を聞いてると意図しているだろう。女将さん、警察に連絡を」
「じゃかあしいわおどれ!こっちの話をしとるんじゃ黙っとらんかい!」
父さんが冷静にそういうがメンチを切った一人に胸倉をつかまれる。父さんは怯むことなく相手を睨みつけるがその手を横から出てきた手が握って無理やり離した。相手の手を握ってるのはラルさんだ。風呂に先に入ったのか浴衣姿のラルさんはその手を離すと口を開いた。
「人に手を出すほど落ちぶれたか…ゴウとタツ。「鋸のゴウ」「灼熱のタツ」と呼ばれたガンプラビルダーがここで何をしている」
「大尉っ!?」
「ラルの兄貴…!?」
「…知り合い?」
「第4,5世界選手権での日本代表に選ばれた者たちだ。それぞれ優秀なビルダーだった…何があった、二人とも」
「もうあんたとは関係ねえ!いいぜ、今は引き下がっても。その代わり、ここが更地になるまで何度でも来るけどなぁ!」
ラルさんの登場で一瞬優勢に持って行けると思ったが相手も相手でなかなか頑固だ。父さんが後ろ手で携帯を操作しようとしているのが見える。録音か通報か…今なら誤魔化せ…セイっ!?
「バカセイ!あぶねえから戻れ!」
「あなたたちがビルダーだというなら!ガンプラバトルで優劣を決めませんか!?」
「っ!せや!もしワイらが勝ったら!2度とその顔をミサキちゃんの前へ出すんやないで!」
「バトルだぁ…?ふん!いいだろう。ただし」
「俺らが勝ったらただでここの権利はもらう。それが条件だ。出るのはそこのガキ2人でいいのか?何だったらもっとかかってきてもいいぜ」
「んだと~~~!」
老舗の旅館をかけてガンプラバトル、ね。話がいよいよぶっ飛んできたな…でも正直腹立ってたんだよね。あんだけ好き放題言われて父さんに手出されてんだ。ここで引き下がって見届けるってのもないだろう。女将さんは、マオと娘のミサキさんを見て何か感じ入るものがあったのかその条件を飲んでしまった。二人が負けるとは思えないけど勝率をあげるに越したことはないはずだ。
「じゃあ、俺も参加させてもらうけどいいよな?」
「…私も。おじさんたち、きらい」
「ああ、いいぜクソガキども。どっからでもかかってきな」
2vs4、変則的なガンプラバトルになったが流石に俺も手加減だとかアホなこと言ってられん。最初っから本気だ。俺はVF-25にスーパーパックを取り付ける。ツムギはVF-22にこの間送ったフルブーストパックを付けている。ヅダはまだ完成してないからな。適正だけで言うならツムギはバルキリー向きだから…本人はヅダのほうがいいと言うけど。
「準備いいか?」
「ああ、いつでも」
「ワイも大丈夫です」
「…いつでも大丈夫」
「じゃ、行くか!全機!発進!」
燃え盛る街に設定されたステージにそれぞれの機体が飛び出す。空を飛ぶVF-25とVF-22、地を駆けるビルドガンダムMk-ⅡとガンダムX魔王。敵影はすぐ見つかった。でかい…超大型MAが2体!
「アプサラスⅢにラフレシアだ!レイジ、マオ!メガ粒子砲が来るぞ!」
「…横!Tロッド避けて!」
「任せろ!」
「大型MA2体とは豪華でんなあ!」
俺とツムギの警告を受けて二人が放たれた攻撃を避ける。同時に反撃のビームの光条が相手に直撃した。だが、そのビームは相手の表面で弾かれて傷一つつけることができない。これって…
「Iフィールド!?そんな!アプサラスⅢにはついてなかったはず!」
「んだそりゃ!?」
「ビームを無効化するフィールドですわ!ワイはバルカンだけやけど他の実弾兵器は!?」
「俺とツムギが持ってる!突っ込むから援護を!」
「しゃあねえ任せた!」
「…行こう!アルト!」
バルキリーの基本兵装は実弾だ。ミサイルにガンポッド、十分な威力がある。そして、ツムギも俺も、機動性においては絶対の自信がある。この場の誰よりも俺たちは速い!
「くっちょこまかと…!」
「落ち着けタツ。俺がやる、変わった機体使うなあ、アベックか?ずたずたにしてやるよ!」
「お二人さんさけぇ!Tロッド!倍はあるで!」
「はっ!この程度で止まるかよ!」
「…アルトのミサイルより、ずっと遅い!」
迫りくるチェーンソーがついた金属の触手。俺とツムギは偏向ノズルを次々方向を変えながら操って紙一重で避けていく。変形できないツムギのフォローを俺が変形を繰り返しながらガンポッドで当たりそうなものを防いでいく。まっすぐ行って、ぶっ放せ!
「おら持ってけええええ!」
「…直撃弾!あげる!」
ラフレシアの至近まで来た俺たちが温存していたマイクロミサイルを発射する。ラフレシアとアプサラスⅢに激突する前に進路を直上に変えて真上にバルキリーを飛ばしている。追いすがるTロッドごと遅れてマイクロミサイルの爆炎が二つのMAを飲み込む。
「ダメか…さすがは大型MAだな。装甲が硬いのなんの」
「…めんどくさい。あんなに強いのにこんなことしてるなんて変なの」
「3人とも、ワイにちょっと賭けてもらえへんか?」
「ああ?なんかできんのかよお前」
「アプサラスなら、ワイが何とかできる。だからアルトはん、ツムギはん。ラフレシアの方、お願いしてもええですか?レイジはんは、アプサラスに止めを」
言った瞬間、ガンダムX魔王がリフレクターを開く。サテライトキャノンか…!確かにあの威力ならIフィールドを突き破れるだろう。それがあの完成度を誇るガンダムX魔王ならなおさら!だけど…
「バカが!月が出てねえのにサテライトシステムは使えねえよ!」
「隙を晒したなクソガキ!」
そうだ、月が出ていない。GPベースにおいてサテライトシステムの運用には月が出ていることが条件とされている。マオのこの発言がブラフじゃないとしたら、賭けてみる価値は十分にある!
「うん!やろう!行くよレイジ!」
「ああ、任せとけ!しくじるんじゃねえぞ!」
「ツムギ、ラフレシアをアプサラスから離すぞ」
「…うん。ついでに墜とそう」
「ありがとうございます…お前ら!ワイを誰やと思っとんねん!ガンプラ心形流の継承者!ヤサカ・マオやぞ!そんなんとっくの昔に克服済みやわあああ!」
俺とツムギのバルキリーが一気にラフレシアに近づいていく。殺到するチェーンソー付きの触手をこれ見よがしに躱していく。改造で数を倍増させたラフレシアのTロッドだろうが所詮は有線兵器、躱すのなんて俺とツムギにしたら容易い。たとえ全方位から来ようとな!隙間があるんだよ!ガンポッドで引きちぎれる程度の強度でバルキリーが捕まると思うな!
おちょくる様にコックピット周辺を飛ぶVF-25とVF-22にイラついたのかラフレシアが俺たちに集中しだした。よし、これでいい!後は頼んだぜ!
「ハイパーサテライトキャノン!いっけえええ!!」
「もらったあああ!」
宣言通りマオのガンダムX魔王が発射したサテライトキャノンはアプサラスⅢのIフィールドごと機体をえぐった。大穴をあけられてなお動く死に体のアプサラスⅢにビルドガンダムMk-Ⅱが大穴に向かってビームライフルを乱射する。捻じ開けられたIフィールドはそれを完璧に素通りさせアプサラスⅢに致命的な爆発をもたらした。撃破だ。負けてらんないな!
「タツ!クソガキども覚悟せえよ!」
「やったなあいつら!さて、ツムギ…俺たちも応えないとな?」
「…うん!突っ込もうアルト!援護して!」
「おっしゃ!任せとけ!」
ツムギがまっすぐにラフレシアのコクピットへ進路を変える。Tロッドを気にもしていない。加速の態勢に入ったからだ。ツムギに渡したフルブーストパックには俺のとは違う改造が施してある。それは、ファイター形態でもピンポイントバリアが使用可能なことだ。そして、それを利用して機体ごとぶつける質量弾としての使い方がある。マクロスプラスでガルドが行ったゴーストへの体当たりをリスペクトした機能だ。
だが今回は加速距離が短い。既に手足を切り離したハイマニューバモードになっているがTロッドをよけながらでは助走が足りない。けどそれはツムギ一人ならの話!今はここに俺がいる!VF-25のステージⅡ熱核バーストタービンが唸る。ISCのリミッターを解除する。ここから120秒間だけ、俺は空中では何物にも追いつかれない!
「あた…らねえ!?まっすぐ突っ込んできてるだけなのに!?」
「はっ!いつも避けてるミサイルに比べたらあんたのTロッドなんて遅すぎるんだよ!」
「舐めるなクソガキッ!」
四方八方から迫るチェーンソー、予測位置にミサイルを置き、ガンポッドで狙撃し、次々と数を減らす。ツムギは完全に俺を信頼して前しか見てない。ピンポイントバリアがVF-22の機首を包み込む。仕上げとばかりにミサイルを全弾ぶっ放しTロッドを一掃、メガ粒子砲も残らずガンポッドで撃ち抜く。丸裸になったラフレシアを青色の隕石が突き破った。
「そんな…」
「ばかなっ!?」
崩れ落ちる地上げ屋二人組をよそに、勝った俺たちは目を合わせてパン!とお互いの手を叩きあうのだった。大人たちはほっとした顔でそれを見ていた。えっちょヒマリ!?本日2度目のフライングプレスは…ぬわああああああ!?
なんか(描写のキレ)足んねえよなあ?
もうちょっと語彙力増やしたい次第。というわけで4人のチーム戦でした。やっぱ戦闘描写ってむずかしいですね。
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例の可変機の人について語るスレ
1:名無しのロボスキー
このスレはヤジマ商事の所属ビルダーであることが分かったサオトメ・アルトこと例の可変機の人との周りの事について語っていくスレです。プラモ交流会に向けて情報を集めましょう。マナーは守れよ
2:名無しのロボスキー
たておつー
3:名無しのロボスキー
このスレがたつのを待っていた
4:名無しのロボスキー
ほんそれ。いつか有名になるとは思ってたけど、PPSEじゃなくてヤジマからとはなあ
5:名無しのロボスキー
現役の中学生なんだっけ?今年は天才がよーでてくるな
6:名無しのロボスキー
日本だけですでに3人(セコンド含めれば6人)が代表ですからね
7:名無しのロボスキー
しかも全員同年齢
8:名無しのロボスキー
今年どうなっとんねん
9:名無しのロボスキー
言い方悪いけど本来は子供の遊びなんだから正しい姿だと思うの
10:名無しのロボスキー
まー、遊びに本気出した大人が勝つのはある意味当然というか何というか
11:名無しのロボスキー
だからこそ、若い彼らが大人を押しのけて勝ち上がってきてくれるのが非常にうれしい。子供ならではの改造とかもあるから
12:名無しのロボスキー
で、話を戻して
13:名無しのロボスキー
まず基本的な情報から?
14:名無しのロボスキー
サオトメ・アルト 中学1年生。去年プラモデルを使ってMVを作るということをして一気に注目を浴びる。歌っている人物と一緒に類を見ないタイプの可変機を使用していたためかろうじて存在していた飛行機スレ、現代兵器系スレのプラモ板が活気づく。
15:名無しのロボスキー
使っている機体はすべてフルスクラッチ、モデルはおそらく現代兵器をアレンジしてリファインしたもの。既存の空だけでなく宇宙でも運用可能。ビルダーとしての技量の高さもさることながら変形というギミックを完全に把握しきった操縦技術は圧巻もの
16:名無しのロボスキー
改めて見るとこんな中学生いてたまるかといいたいばかりのスペック
17:名無しのロボスキー
これでプラモ関係だけってマジ?
18:名無しのロボスキー
そうなんだよな、こいつビルダーとしてだけじゃなくてファイターとしてもやばいんだよな
19:名無しのロボスキー
ケーニッヒ・モンスターだっけか。動画で見た時マジでどこの機体だ!?ってなったんだよな
20:名無しのロボスキー
バルキリーもそうだろ。ミサイル回避を魅せるってのは目から鱗だった
21:名無しのロボスキー
本人きっとミサイルキチなんだろうなあ
22:名無しのロボスキー
好きだろうねえミサイル。ビームとかじゃないのは意外だけど
23:名無しのロボスキー
子供はビームにあこがれるからな。ミサイルの人気は…あんまり
24:名無しのロボスキー
サブ武器という印象をぬぐえないからなあ。ビームライフル、ビームサーベル…これらが強すぎる
25:名無しのロボスキー
なお件のバルキリー
26:名無しのロボスキー
最後までミサイルたっぷり、ビームより実弾に重きを置いた武装、泥臭いミリタリー好きたちが舞い上がるわけだ
27:名無しのロボスキー
現在「戦車も変形させてくれ!」って言ってるの草
28:名無しのロボスキー
ヒルドルブでは足りないと申すか
29:名無しのロボスキー
あれはガンプラやん?
30:名無しのロボスキー
次に大きく話題になったのはあれだっけ、ユウキ・タツヤとの一戦
31:名無しのロボスキー
ああ、新作や!って大盛り上がりしたやつね
32:名無しのロボスキー
結果的に負けたけど内容的にはほぼ引き分けだったっていう
33:名無しのロボスキー
YF-19っていう機体ね。いや、いいデザインしてますよ。ミサイルが本体内蔵になったのにミサイルへの愛を感じるけど
34:名無しのロボスキー
近接戦で後れを取ってた印象。ビームサーベルも何も装着してなかったし
35:名無しのロボスキー
不要だと割り切ってたのかな?遠距離戦だけで終わらせる機体設計なのかも
36:名無しのロボスキー
あの機動性見てると逃げ回ってミサイルの飽和攻撃してるのが正解っぽいよなあ
37:名無しのロボスキー
腕ミサイルとヒートナタの突き付け合いには痺れた
38:名無しのロボスキー
ファイター、ガウォーク、バトロイド…今じゃ結構認知されてきたけど当時はなんじゃあれ!?が連続してたもんなあ
39:名無しのロボスキー
戦闘機から手足生えるってマジ?→人型にもなるんか!?みたいなのな
40:名無しのロボスキー
手持ち武装の基本がガトリングっていうのもミソよね
41:名無しのロボスキー
サブマシンガンでも高出力ライフルでもなくガトリングっていう選択好きよ
42:名無しのロボスキー
あと状況選択に合わせたオプション装備が沢山あるのホント好き
43:名無しのロボスキー
オプション装備しても変形できるのほんとよくやるわ
44:名無しのロボスキー
んで次よ。多分一番盛り上がったのがここだよね。世界選手権。
45:名無しのロボスキー
それなー。サバイバルで一人生き抜くっていうの。しかも有名プレイヤーを押しのけて
46:名無しのロボスキー
フルアーマー装備って感じのゴテゴテ装備好きよ。なんで変形しなかったのかは知らないけど
47:名無しのロボスキー
あれ当時の考察スレで付けてる部分が変形に干渉してるっていう結論に落ち着かなかったか?
48:名無しのロボスキー
言われてみればそっか。いやでも凄いよ、オプションの上にオプション被せてきたんだから
49:名無しのロボスキー
あとはやっぱりミサイルの量と性能だな。だって装甲全部ミサイルハッチだったんだぜ?
50:名無しのロボスキー
あらゆるところからミサイルでてきたよな。その性能の高さよ。
51:名無しのロボスキー
縦横無尽に動いてなぜか滅茶苦茶追尾してくる。疾風さんのキュリオスガストのトランザムでも振り切れない
52:名無しのロボスキー
流石に気持ち悪さを覚えるわ。なんでこんなに性能があるのか
53:名無しのロボスキー
一発一発手作りだったりしてwwww
54:名無しのロボスキー
ありえそうなのが困る
55:名無しのロボスキー
なんて気の遠くなる作業を…いや事実だったらだけど
56:名無しのロボスキー
で、装備パージの後の興奮よ。
57:名無しのロボスキー
サテライトキャノンから飛行機が飛び出した瞬間持ってたペットボトル握りつぶしてました
58:名無しのロボスキー
ワイのビール返して
59:名無しのロボスキー
あそこで現代兵器スレが落ちたんやったな
60:名無しのロボスキー
シンッて会場が静まり返ったのを覚えてる
61:名無しのロボスキー
やりやがったこいつ!みたいな。あそこからの変形繰り返しはマジでやばい
62:名無しのロボスキー
だって軍団の魔術師さん瞬殺ですぜ?しかも改造してビームシールドを攻撃転用できるようにしてきてたしさ
63:名無しのロボスキー
ビームシールドパンチほんとすこ。正式名称知りたい
64:名無しのロボスキー
いつか発表してくれると信じて…
65:名無しのロボスキー
で、翌日で伝説を作ったと
66:名無しのロボスキー
即興MVですよ。しかも4機同時操作。軍団の魔術師さんみたいに同じ動作をさせるんじゃなくてカイザーみたいな個別動作だよ
67:名無しのロボスキー
歌、いい曲だったよなあ。同い年の女の子が歌ってたんでしょ。ここで名前も分かったんだっけ
68:名無しのロボスキー
スズカゼ・ヒマリちゃんね。スズカゼっつったらそれなりに有名な音楽家の苗字だけどな
69:名無しのロボスキー
そこまで掘るのはマナー違反。凄い子だったで十分
70:名無しのロボスキー
というかまさにザ・ラブソングって感じの曲だったよな。小学生があんな曲普通歌うか?しかもファーストガンダムが放送された当時あたりに流行ってそうな曲だったし
71:名無しのロボスキー
あの、現地で見てたんですけど…スズカゼちゃんアルトくんしか見てなかったっす…
72:名無しのロボスキー
ほほう
73:名無しのロボスキー
これは…あれやな?
74:名無しのロボスキー
下世話な話はやーねー。で、そのあとのレースよ
75:名無しのロボスキー
ああ、妙に存在感はなってたヅダの人ね
76:名無しのロボスキー
MSであの可変機といい勝負するとはこのリハクの目をもってしても
77:名無しのロボスキー
これはしょうがない。っつーかフルスクラッチヅダとか愛を注ぎすぎじゃろ
78:名無しのロボスキー
ワンツーフィニッシュが速すぎるもんな。ゴールした時後ろまだ4分の1くらい残ってたぜ?
79:名無しのロボスキー
なぜかゴール後爆発したけどなwww
80:名無しのロボスキー
空中分解再現に余念がなかったんだよなあ。
81:名無しのロボスキー
紅の彗星現象をユウキ・タツヤ以外で見るとは思わなんだ…
82:名無しのロボスキー
こっから先特段なんもなかったよな?
83:名無しのロボスキー
まー、そうだな。PPSEのルール変更で出場不可が確定したときくらいか
84:名無しのロボスキー
飛行機スレがブチギレ事件か
85:名無しのロボスキー
ガンプラ大会なんだからガンプラしろよはまあ正論
86:名無しのロボスキー
実際アルト君従ってるみたいだしな
87:名無しのロボスキー
ああ、最近になってようやく情報増えたんだよな
88:名無しのロボスキー
ヒマリちゃんがチャンネル始めたからかな
89:名無しのロボスキー
いきなりあの曲投稿されたときは心臓止まるかとおもったゾ
90:名無しのロボスキー
甘いな。俺はショック死した
91:名無しのロボスキー
成仏して
92:名無しのロボスキー
「愛・おぼえていますか」…いい曲だよなあ。歌ってみたか?と思ったけど本人確定だったもんな
93:名無しのロボスキー
続々と新曲投稿してくれるの嬉しい…嬉しい…
94:名無しのロボスキー
ファンになったわね
95:名無しのロボスキー
ガチ恋勢は…ないか、中学生だもんな
96:名無しのロボスキー
いるところにはいるんだよなあ
97:名無しのロボスキー
やめてくれよ…
98:名無しのロボスキー
アルト君とかいうナイトがいるやん?隠し芸大会の時手を繋いでリードしてあげてたの紳士だったわあ
99:名無しのロボスキー
それはいいとして、今現在盛り上がってるあれよ
100:名無しのロボスキー
ああ、アレな
101:名無しのロボスキー
ヅダの人世界選手権出場おめでとういええええええええ!!!
102:名無しのロボスキー
まさかまさかヅダの人とアルト君がコンビ組むなんてなあ
103:名無しのロボスキー
ヅダの人疾風さんにリベンジ果たせてよかったねえ…
104:名無しのロボスキー
ヅダの人同い年の女の子とかアルト君羨ましいんだが?
105:名無しのロボスキー
三角関係に発展しそうで草
106:名無しのロボスキー
実は全員仲良しだったりして
107:名無しのロボスキー
そう考えた方が自然だろ。中学生だし
108:名無しのロボスキー
ヅダの子ほんと操縦うまくなってたよなあ。滅茶苦茶強かったじゃん
109:名無しのロボスキー
ほんそれ。アルト君と沢山練習したんやろなと考えるととても微笑ましい
110:名無しのロボスキー
自らの速さに耐え切れず空中分解とはまさにヅダ
111:名無しのロボスキー
ヅダをよく理解してらっしゃる
112:名無しのロボスキー
ノルマ達成
113:名無しのロボスキー
ヅダスキー多くない?
114:名無しのロボスキー
ヅダはいい機体だ、そうだろう
115:名無しのロボスキー
欠陥機だっつってんだろ。ザクのほうが好きだね俺としては
116:名無しのロボスキー
貴様言ってはならんことを
117:名無しのロボスキー
ヤロウブッコロシャァァァ!
118:名無しのロボスキー
ほんでこの前の超絶ビッグイベントのお知らせよ
119:名無しのロボスキー
あれで掲示板が何個落ちたことか
120:名無しのロボスキー
「プラモデル大交流会」!しかもPPSEの許可付き!
121:名無しのロボスキー
バルキリーの一般販売!しかも新規設計機と一緒に!
122:名無しのロボスキー
ヒマリちゃん同日デビューってマ?
123:名無しのロボスキー
ヅダの子、イロハ・ツムギちゃんだっけ。正式のヤジマのファイターになるのも発表されたとか
124:名無しのロボスキー
仲良し3人組だってよ
125:名無しのロボスキー
告知ポスターの3人の写真好き
126:名無しのロボスキー
ああ、ヒマリちゃんとツムギちゃんがお互い背向かいになって後ろで手握ってるヤツ?アルト君はその後ろで背中だけ見せてるの
127:名無しのロボスキー
広報担当者曰く「アルト君を真ん中にしたかったんだけど断固拒否されたのでこうなった。ヒマリちゃんとツムギちゃんは文句言ってた」だそうです
128:名無しのロボスキー
アルト君恥ずかしいんだろうなーかわいい
129:名無しのロボスキー
ツムギちゃんいいな、眠そうな目だけどきらっきらに輝いてるの
130:名無しのロボスキー
でもさー、どんなプラモデルでも参加可能ってのは太っ腹だよなあ
131:名無しのロボスキー
ああ、俺のティーガーがこんな大イベントで動かせるなんて
132:名無しのロボスキー
ガンプラも追い出さないところが素晴らしい
133:名無しのロボスキー
しかも3日に分けて開催してくれて陸海空宇宙全部のステージが日別にあるんだろ?どんなプラモデルでも行けるじゃん。日は選ばないとだめだけど
134:名無しのロボスキー
行きたい日とかあるみんな?
135:名無しのロボスキー
俺2日目!ワイの武蔵が火を噴くぜー!
136:名無しのロボスキー
同じく2日目、潜水艦を使える日が来るとは
137:名無しのロボスキー
日本艦隊組めるのでは?
138:名無しのロボスキー
いいねー別スレで話し合ってみる?
139:名無しのロボスキー
どの日行こうかな。紫電、烈風…使いたい飛行機山盛り!
140:名無しのロボスキー
そういえばヒマリちゃんデビューっていうけどみんな好きな曲あんの?
141:名無しのロボスキー
やっぱ「愛・おぼえていますか」だろ!完成度高すぎ
142:名無しのロボスキー
でもガンダム系のカバーも好きよ
143:名無しのロボスキー
だが大事なことがある
144:名無しのロボスキー
なんだねそれは
145:名無しのロボスキー
デュエット曲の相方が誰かってことだ!
146:名無しのロボスキー
確かにわからんわな
147:名無しのロボスキー
ツムギちゃんでしょ。いやむしろそうであってくれ
148:名無しのロボスキー
アルト君だったりして
149:名無しのロボスキー
アルト君アルトちゃんだったらそれはそれでいい
150:名無しのロボスキー
凄いよなー、中学生であの歌唱力って。音楽関係者が目を付けるわけだ
151:名無しのロボスキー
SNSでの注目度よな。音楽プロデューサーのほとんどが反応してたし
152:名無しのロボスキー
あー別曲のデュエットでいきなり一人増えて誰だあれは!?ってざわついたんだよな
153:名無しのロボスキー
まあ、偽物が沸いて出たりしなかったのはよかったけど
154:名無しのロボスキー
曲作ったの俺やでとか言うやつはたくさん出たけどな
155:名無しのロボスキー
まあそこら辺はヒマリちゃんのご両親がうまくてすでに著作権周りの事を解決してたのがでかかったけどな
156:名無しのロボスキー
流石音楽一家、作曲するだけあってそこら辺もぬかりない
157:名無しのロボスキー
なあ最近発表されたのだとどれがいい?
158:名無しのロボスキー
「トライアングラー」!あの曲やばいよ
159:名無しのロボスキー
その曲どう考えても自分たちの事を歌ってるようにしか聞こえんのやけどw
160:名無しのロボスキー
でもあれ、MVに出てた機体新作だったじゃん!?VF-1に似てるけど明らかに違うやつ!
161:名無しのロボスキー
それでいうなら「ライオン」とかどうなるのさ
162:名無しのロボスキー
あれも凄い曲だよなあ。バイタリティー溢れるというか何というか
163:名無しのロボスキー
そういえば彼女ってラブソング系しか歌ってないよな
164:名無しのロボスキー
いいんでね?
165:名無しのロボスキー
あー!早くバルキリー組み立てたーい!絶対先行販売当選したるもんね!
166:名無しのロボスキー
転売対策で個人情報要求するあたりヤジマがイベントにけちつけたくないのがわかる
167:名無しのロボスキー
でもそんくらいならいいよ。バルキリー欲しいし。でもGPベース使うのもチケット制だしな
168:名無しのロボスキー
そこら辺はしゃーない。当日の混雑を予想してみろ。GPベースのスペースなんかすぐ消えるぞ
169:名無しのロボスキー
だよねー
170:名無しのロボスキー
どんな作品のファンが来るんだろうなあ
171:名無しのロボスキー
どんなプラモが来てもいいじゃん。そのための交流会でっしょ
172:名無しのロボスキー
ああ、たのしみ~
掲示板でお茶を濁すのを許してくれたまえ…
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選手権、開幕
「ツムギ、どう?」
「…本気で操縦しても壊れない!むしろ私が追い付けてないかも。アルト、完璧!」
「おっしゃ!これでいけるな」
「アルトくんやっちゃったねー。これ、バルキリーより頑張ってるんじゃない?」
「まあ、ある意味そうかも。ガンダムと俺の作品との完璧な融合を目指したからな」
そう語る俺たち3人の前、ヤジマ商事のGPベースにセットされていたガンプラに目をやる。ヅダに増加装甲をふんだんにつけたような機体がそこにはあった。そう、完成したのだ。俺のすべてを詰め込んだヅダ・マクロスパックが。
さっきツムギに操縦してもらったのだがGPベースのトライアルモード、目標撃破30体を30秒でやってのけた。難易度最高なのに。速すぎてホントに目が追い付かないレベル。作った俺が言うのもなんだけど鬼に金棒だなあ。
さて、どんな機体なのかというと、まず本体、ムーバブルフレームを採用。骨組みは全部クリアパーツ、骨組み作って装甲を張り合わせてエンジンを中身まで作成したりとクッソ気が遠くなる作業を繰り返したもんだ。もちろんメインエンジンはツムギのご要望通り土星エンジン一つ。ここら辺も頑張って高性能化した。んでサブとして脹脛にステージⅡ熱核バーストタービンを一つずつ追加してる。もちろんプラフスキーバーストシステムも標準搭載。シールドも両肩に二つ、というのはダミーでシールドを模したミサイルハッチである。
ミサイルの搭載数は片方50。最小かつ威力を落とさないように一つ一つ手作りした俺の最新ミサイルを搭載している。背部のランドセルは少し大型化してノズルも大きく。左にガナーザクウォーリアを参考にしたオリジナルビーム砲、右にヅダの対艦ライフルを折り畳み式にして威力を上げたものを懸架している。両方とも脇から通して使うスタイルだ。威力はあるが取り回しは悪いのでミサイルと手持ち武装でカバーしてもらおう。その手持ち武装だけど左のミサイルハッチの裏にマウントしてるのはVF-25のガンポッドが二つ。弾幕用である。右のミサイルハッチの裏にはヒートホークがマウントされている。
当然だけどピンポイントバリアが使用可能。ヒートホークにまとわせて攻撃力をあげるもよし、防御してもよし、高速移動時に前面に展開して空気抵抗減らしてもよし。フェイルセーフとして左手にVF-25のシールド、ヅダカラーで追加。もちろんナイフも入ってる。プラフスキーバーストを応用してすべての攻撃に圧縮プラフスキー粒子を付加することにより攻撃の威力を格段に上げることも可能だ。
んで最大の攻撃手段として、ミサイルハッチ2つが変形合体しダイダロスを模した形になる。そう、ダイダロスアタックが再現可能なのだ。プラフスキーバーストで取り込んだ粒子を圧縮し噴射することなく全身に回すことで機体性能の飛躍的な向上と圧倒的なフレームの剛性を獲得したことにより可能になった攻撃手段。敵にぶっ差して内部にためた圧縮プラフスキー粒子を開放することによりパイルバンカーじみたこともできる。何だったら本家ダイダロスアタックのようにミサイルも差したまま撃てる。
ほかにも増加装甲にミサイルたくさん仕込んだり、最終的には全部爆砕ボルトでパージ出来てヅダそのままの姿になれたり、ちなみに推力はすべて本体内蔵なので重さが無くなった分スピード爆上がりするぞ!そうなった場合は速すぎてツムギでも制御できないけど。そこら辺は要練習かな。いや、実は今までの過剰ともいえる増加装備は本体が速すぎるから制御可能にするためにわざと重くするために追加したものだ。だが俺もYF-19のスーパーアーマードを開発したときに重装甲と超推力の両立は経験してる。必要以上に鈍くはなってないはずだ。それでもクソ速いけどな!まじでブレたと思ったら敵の目の前にいるんだもん。いくら速さを極めようとしたからってねえ?
え?やりすぎ?ごめん、俺今回に至っては自重を投げ捨ててるんで。ツムギの目がないとまっすぐ飛ばすことすらできないじゃじゃ馬です。ちなみに内部スペースはぎっちぎち。何とかISCを小型化してねじ込めたけどもうこれ以上何かを追加するスペースはないかな。これが俺の現在最高峰でごぜぇます。
メイン機はこっちになるけどサブ機として前のフルスクラッチヅダを強化改修してる。見た目変わってないけどフレーム強度とかそういうの。メイン機ぶっ壊れても俺が超速でなおすから出番はない予定。何だったらすでに予備パーツを3機分は用意してあるから。完成が遅れたのもそれが理由だったり。
「ツムギ、乗りこなせそうか?」
「…当然、やってみせるから。ヒマリは大丈夫?デビューすぐだって」
「ん?私?大丈夫大丈夫!ちゃんと最後までセコンドやるから!ツムギちゃんこそ、交流会3日目出てくれるってほんと?」
「…ん、ほんとう。配信であんなに歌ってるから今更かなって」
「いいねー!いっそのこと私とユニット組んでデビューしよーよ!」
「…それはちょっと…かんがえとく。アルトがやるならやる」
「俺に飛び火させんじゃねーよ。やんねーからな。少なくとも声変わりしねーと歌えねーし」
「あ!じゃあ声変わりしたら一緒にやってくれるってこと!?わーい!」
「…わーい」
「要らんこと言ったわ…」
ポロっと出た失言を言質にとられた俺はがっくりと肩を落とすのだった。その俺をヅダのモノアイがじっと見つめているのだった。
「すいません。ラルさん、わざわざ車出してもらって」
「…ありがとう」
「ラルさん、ありがとう!」
「よろしくお願いします、ラルさん」
「ラルのおっさん、サンキュな!」
「はは、構わんよ。もともと現地ですべて見る予定だったからな」
世界選手権前日の朝、俺たちの姿はイオリ模型にあった。イベントの準備はあらかた済ませてすべてをヤジマ商事にお任せしてある。作った戦艦とかその他もろもろ。あとは向こうさんが上手く運用してくれるといいなーって感じだ。もちろん俺も一日目二日目にもきちんと顔出すけどイベントとしての参加は三日目だけなのでヤジマの手腕に懸けるしかないのだ。楽しいイベントにしてくれるといいな。
ほんでほんで待ちに待った世界選手権が明日に迫ったわけなんだけど、なんとラルさんがセイとレイジ、ついでに俺とツムギとヒマリを選手権を見るついでに送っていってくれるというのだ。しかもマイクロバスを借りてくれて。いい人だなあラルさん。感謝が絶えないですわ。
『おはようございます!今回第七回ガンプラバトル世界選手権、イメージキャラクター兼レポーターを務めさせていただきます!キララでーすっ!キララン☆』
「あ、ミホシさんだ!」
「おお、あそこからイメージキャラクター掴んだのか。え、すごくね?」
「ああいう女は大抵結果出すのがはえーんだよ」
「あれ?アルト君知ってる人?」
「セイの予選の相手だったアイドル」
「…いろんな人が参加してる」
車の中のテレビ、会場前の現場を映した番組ではまさかのミホシさんが成り上がりをなしていた。すっげえ、あれからどんだけ努力したんだあの人。いやでも、イメージキャラクターとしてはこれ以上なくぴったりなのかもしれない。だって知識量でセイと張り合えるわけだし?
これからの事が楽しみだった俺たちの会話は弾み、あっという間に静岡についた。
「ここが選手が泊る選手村だ。3日後には約70%の人間がここから消えることになる」
「ふん、んなの残って当たり前に決まってるじゃねえか!なあセイ!」
「そうだね。アルト、ツムギちゃん、ヒマリちゃん。ここからはライバルだ!」
「おう、決勝で会おうぜ」
「…負けないから。レイジ、セイ…勝負」
「みんなで頑張ろうね!」
そんな感じでセイとレイジと別れ、彼らとは別の階の指定された部屋についた。もちろん部屋別!俺の一人部屋である。隣がヒマリとツムギの部屋、まあ荷物おいた途端に二人が部屋に突撃してきたんだけどな!もうちょっと休んでろよ。ってーあー、なんかスーツがあるぅ…ってこれあれか
「レセプションパーティーに着ていけっていう正装か。うわっ絶対似合わねえやつじゃん」
「そうかな?アルトくんなら着こなせるよ」
「…私たちの部屋にもドレス置いてあった」
そう、今日の夜には世界選手権の出場者に参加が要請されているレセプションパーティー、要は顔合わせがあるのだ。で、それにはドレスコードがあるのでこうやって予め用意してくれているらしい。堅苦しいのは苦手なんだけどなあ…でも参加しないとあかんだろうしな。ん?これスーツじゃねえな…
「燕尾服じゃねえか!執事やれってか!?うわっご丁寧に白手袋ついてる…」
「うわー、アルトくん執事さんになるんだね~ね、ね!お姫様って呼んでみる?」
「…面白そう。ヒマリ、私たちも着替えてこよ?」
「そうだね~!じゃ、アルトくん楽しみにしてるよーに!」
「あ~はいはい。承りましたおじょーさま」
「…投げやり」
「うっせ」
二人が出て行ったので俺も着替えることにする。うっわー、なんで燕尾服…セコンドだから?そんな決まりある?あーでも夜のパーティーだし礼服としてはこれが正解なんだっけ。ひー、スーツなら前世で着た事あるけど燕尾服なんて初めて着るわ。あ、丁寧に着方の説明書ある。ありがてえ。あーっとシャツ着て、白のタイつけて?ズボン履いて、ジャケット着て、手袋付けて…鏡見てみると…わぁ、服に着られてるってこういうことを言うんだね…。
なんかポニーテールのせいで余計に執事っぽさが出てる。え?懐中時計までついてんの…?腕時計外しとこ。燕尾服って腕時計と合わせちゃいけないらしいし。ああ、当然だけど革靴なんですね…履きなれねえもん履いて靴擦れとかしなきゃいいんだけど。は?靴下まで指定してくんの?従うけど。総合して…似合わねえ、この一言に尽きる。
「セイは…ああ、レイジの説得で遅れるね。先に行っとくかあ」
というわけで部屋の前で待つこと少し。ヒマリたちの部屋のドアが開いた。中から出てきたのは当然おめかしした二人、おお、俺と違ってよく似合ってるじゃん。
「お待たせ~!あ!アルトくんやっぱり似合ってるね!どう?私たちも似合う?」
「…ドレス着たの、久しぶり。イギリスのパーティー以来」
「…うん、予想以上に似合っていて褒めの言葉が思いつかない」
「ほへっ!?」
「…えへへ」
じっくりと見ると二人ともめちゃ似合ってるやんけ!二人とも所謂イブニングドレスというやつだ。なるほどだから俺が燕尾服だったんだな。イブニングドレスとは夜会服とも呼ばれ男性が燕尾服だとすれば女性がイブニングドレスを着るいわば対の存在だ。様々種類があるが二人が着てるのはくるぶしまでのドレスだ。肩が露出してるノースリーブのもので、履物はパンプス。ヒマリは純白のドレス、彼女の小麦色の肌との対比が眩しい。変わってツムギのドレスは夜のような群青、彼女の金髪がよく映える。見惚れそうだ。元がいいとやっぱり何着ても似合うんだな。
「んじゃ、行きますか」
「今度はエスコートしてくれないの?」
「…ん」
「二人同時はむりだっつの…」
俺がどうしたかは、ここには書かないでおこう。後二人とも、顔赤くするほど恥ずかしがるなら最初からやらないでくれ。
「イロハ・ツムギ様、サオトメ・アルト様、スズカゼ・ヒマリ様ですね。確認が取れました、おくつろぎください」
「うわ~すご~い!」
「…びっくり」
「おっルワンさんにチョマーさん、フェリーニさんいるな。あとで挨拶に行っておこ」
会場に入るとすでにたくさんの人がお酒片手に談笑していた。そこにはカイザーさんやグレコさんの姿はない。彼らは自国の予選に敗れたからだ。俺は、彼らからの連絡でそれを知った。特にカイザーさんが敗れた相手というのがいくら探しても情報が出てこない不気味な相手だ。グレコさんもアメリカの新星、つまり俺と同年代の少年に敗れたと聞いた。世界からも俺たちと同じかそれ以上のやつらが来たという事実に世界の広さを改めて実感した。だけど、カイザーさんやグレコさんと間接的にとはいえ戦えないのはちょっとこらえるけど。
「お!アルトはんですやん!それにヒマリはんにツムギはんも。海以来ですなあ」
「おーマオ。派手だなあお前。真っ赤とか」
「ほっといてください。仕方ないですやん用意されてたんがこれなんですから」
「…ん、似合ってる、よ?」
「うんうん、かっこいい」
「おほめの言葉どーも。セイはんは一緒やないですのん?」
「あいつはレイジの説得中。来るの遅れるってさー」
「あー、まああのお人こういうところ苦手そうですからなあ」
そうこう話していると入り口から正装のセイがやってきた。レイジも、と思ったらいない。まさかとは思うんだけど…
「あー、セイ?」
「ねえアルト、マオ…レイジ、どっか行っちゃった…」
「うそでっしゃろ…」
「えっレイジくんまさか…」
「…サボり…?」
自由だ自由だとは思っていたが、レイジのやつは大事なパーティーをすっぽかしたのであった。参加は一応義務なんだけどなあ…これ後でセイがかんかんになるやつだ。ペナルティがつかないように祈っておかないと。
次回から第一ピリオド、長かったここまで…!ツムギちゃんとヅダの活躍にご期待ください
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叩きつけろ挑戦状
レイジのやつがレセプションパーティーから逃亡した。ま、まあそれはいいんだけど…いや全くよくない。何度も言うがこのパーティーは一応の一応参加義務があるんだ。やむを得ない事情でもないかぎり欠席する人はないだろう。うーーーーーん、あ~~~~……
「いいんじゃね?しーらね」
「アルトはん諦めたらいけまへん!」
「そうだよアルト!これでペナルティでももらったらどうすればいいんだよ~~~!」
「だってもうどっか行って捕まえられないんだろ?あいつ携帯持ってないし。ならもう諦めていっそ開き直ったほうが得だよ。ペナルティは、甘んじて受けな」
「そんな~~~!!」
「よっアルト!それにイオリ・セイ!どうしたそんなに狼狽えて?」
「あっフェリーニさん」
俺たちに声をかけてきたのは燕尾服がよく似合うイタリアの伊達男ことリカルド・フェリーニさんだった。俺やツムギにヒマリは面識あるけどそういえばセイとマオはお初か。マオは有名ファイターであるフェリーニさんの登場にびっくりしてるしセイは名前を知られてることに滅茶苦茶驚いてる。
「あーっ!フェリーニさん!お久しぶり~~!」
「…お久しぶり、です。戦えるの、楽しみ」
「やあセニョリータたち。良く似合ってるじゃないか。ああ、俺も楽しみだぜ」
「ちょちょちょちょアルトはん!?あんさんリカルド・フェリーニと知り合いなんか!?」
「ん、ああ。去年の世界選手権の時にいろいろ、他にもいるよ。例えばルワンさんとか、チョマーさんとか、グレコさんとか」
「は、は~~~~…恐ろしい人やで…」
「あ!あの!どうして僕の名前を…?」
「お前の相棒の坊主からちっとな」
「レイジから…あの…レイジのやつ、迷惑かけてませんでしたか…?」
「いや~…それは、その…だな…」
歯切れわっるっ!ま、まあ通算200戦も付き合わされたらそうもなるか。目どころか顔全体をそらすフェリーニさんを見たセイはがっくりと肩を落とした。あーまあその…俺も100戦くらい付き合ったからなんともな…。あいつマジで自分が納得するまで、具体的には勝つまで挑んでくるもんだから付き合うこっちは疲労困憊なんだよね。素組みガンプラが何体犠牲になったことか…
「あ、あの!ワイ、ヤサカ・マオっていいます!」
「知ってるぜ?ガンプラ心形流の秘蔵っ子だろ?よろしくな」
「久しぶりね!セイくん!世界大会出場、おめでと☆」
「…だれ?」
「あちょっ!?キララだよキララ!ガンプラアイドルの!朝テレビに出てたでしょ」
「…あ、思い出した」
そこに合流したのは髪型を変えてはいたが髪色はそのままのミホシさんことキララだ。だけどツムギはあんまり興味がなかったらしく忘れていたようで、セイの注釈を聞いてようやく思い出した感じ。年下の少女に知らないといわれたせいかズーンと影を背負ってしまったキララさんを必死にセイが励ましてる。そしてフェリーニさんの目がきらりと輝る。あー…あ、うん。俺は何も見ねーから。あっチョマーさんだー、元気ですか~?え?フェリーニ絶対許さねえ?何があったんです?ちょっと、どこへ…行っちゃった。
「お嬢さん、あなたに背を丸めた姿は似合いません、さあ胸を張って?よかったら私と飲みませんか?」
「は、はいっ」
「うわー、ガンプラバトルと同じ早業や」
「あはは…」
「セイー、マオー。俺たち他の知り合いの人に挨拶行ってくるわ。またあとでな」
「はいな」
「うん、わかった」
キララさんの肩を抱いて別のテーブルに移っていったフェリーニさん。ツムギとヒマリの目を何とか塞ぎながら俺も挨拶回りに行くことにする。またどこかから現れたチョマーさんがハンカチをかみしめてるのが非常に印象的だった。
ルワンさんにチョマーさんと挨拶を済ませてあとは声かけられた人にも丁寧に挨拶を返しておく。いやーいろんな人と知り合いになれていいイベントですなあ。
「あの、サオトメ・アルトさんですね?」
「えっそうですけど…どちら様ですか?」
「ああ、申し遅れました。私はニルス・ニールセン、あなたと同じくヤジマ商事の支援を受けているファイターです」
「ニルス・ニールセン…君がそうなんだ。グレコさんのトールギスを破った」
「はい。貴方には近く挨拶をしたかった。スポンサーを同じくするものとして。そちらのお二人がイロハ・ツムギさんとスズカゼ・ヒマリさんですか」
「…うん、そう。よろしく」
「よろしくね~!」
「はい、よろしくお願いします。では、会場で」
そう言って彼は去っていってしまった。ニルス・ニールセン…アメリカの予選において決勝にのし上がりグレコさんの最新作、トールギス・ワルキューレをアストレイの改造機で破った通称「アーリー・ジーニアス」…早すぎた天才、か。彼は俺の事をまるで興味深いものを見るような目で見ていた。そう、まるでファイターというよりも研究者のような…。グレコさんとのバトルを見てて思ったけど、熱がない。負けたくない、あるいは絶対に勝つ…気持ちというものを感じられない冷淡で機械的なバトルをしていたのを覚えている。
名前は知っていた。父さんから新しくファイターが入るという話は聞いていた。けど、結局直接会う機会はなく、挨拶もせずずるずるとここまでやってきたのだ。グレコさんから名前を聞いてやっとそういえばと思いだしたぐらい。
だが、ヤジマのアメリカ支部が彼を推薦し本社が抱えた以上彼は優秀なファイターなのだろう。それにヤジマにとってはどっちが優勝をとっても得。抱えておく駒は多いほうがいいに決まっている。俺がそこに口を出すわけにはいかないんだ。彼はいったいどんな哲学を持ってなんのために戦うのかわからない。それだけが気がかりだ。警戒しておくべきだろう。
「あっちゃ~~」
「あ、フェリーニさんべろんべろん」
「…また作画の事語ってる。」
セイたちの元に戻ってくるとそこには顔を真っ赤にしてキララさんの肩に手をかけつつガンダム08小隊の特別映像の作画について延々と語っているフェリーニさんの姿がそこにはあった。これは去年の海に行った時もそうだったんだけどフェリーニさんって酔うと絡み酒するんだよね。しかもガンダムの事について延々と、しかも作画とかに関して詳しく語りだすタイプの変な酔い方をする。去年はチョマーさんとヅダの話につられたツムギ(ヅダの話じゃなくなった途端脱出してた)が被害を受けてたんだけど今回はキララさんが被害者か。
「幻滅ですわ…」
「あ、あ~…はは」
苦笑いどころかドン引きするセイとマオ、知ってる俺らはキララさんを開放するべく引きはがしに向かう。周りの大人も中学生に介抱される大人という構図に苦笑いしながら手伝ってくれた。特にいつの間にか現れたチョマーさん、悪態をつきながらも情けない姿見せるんじゃねえってめっちゃ手伝ってくれた。もしかしてツンデレ?
「驚いたわ~。まさかフェリーニさんがあんな人やったなんて」
「なんかちょっとショックかも…」
「やめてやれよ。人には欠点の一つや二つあるもんだって」
「アルトくんそれフォローになってないよ」
「…フェリーニさん、お酒臭い。明日絶対二日酔い」
千鳥足で自分の部屋に帰るフェリーニさんを見送った俺たちも自分たちも部屋に帰ることにした。結局レイジのやつは来なかったな…何してるんだろ。食い倒れとかしてるならまだいいけどなんかトラブルとか起こしてないだろうな…やめてくれよ選手権の前に問題起こして大会でれなくなるとか。
「んじゃ、ワイはこの階なんで、明日からよろしく頼んます~」
「僕も、ここだから。みんなまた明日ね!は~、レイジどこいったんだろ…」
「おう、おつかれさん。ヒマリ、ツムギ、足痛くないか?」
「大丈夫、ヒール高くないから。凄いよねーパーティーのためだけにドレス貸し出しなんて」
「…ありがと、アルト。明日からがんばろ」
「そうだな」
そう言って俺たちはそれぞれ自分の部屋に戻るのだった。あ~~~普段着って素晴らしい!なんか肩こるよな~~。あーさっさと脱いで風呂入ろ。心の洗濯しね~とな。俺は鼻歌を歌いながら風呂を沸かして燕尾服をたたんで元あったように戻し、寝間着を持ってバスルームに入るのだった。
『こんにちは!みんなのキララだよっ☆第七回ガンプラバトル世界選手権、本日より開催となります。第一ピリオドは~~~!こちら!』
時間に間に合うように起きた俺は同じようにおき、られなかったヒマリを回収してヅダをツムギに渡し、ヒマリを背負いながら選手控室にやってきた。すよすよもーどなヒマリをソファに移してこっちに気づいたマオに挨拶する。
「おはよう、マオ」
「お~は~よ~」
「…マオ、おはよ」
「お、おはようございます。あの~ヒマリはんのこれはいったい…」
「気にすんな。特別朝に弱いんだ。20分もすれば起きるよ。それよりもセイとレイジ見てないか?」
「いえ、まだ来てないみたいで…フェリーニさんもみてない言うてますし」
「この状態に聞くとか相当勇気あるなマオ…」
俺の目線の先には昨日の反動か完全に二日酔いでグロッキー状態のフェリーニさんだ。天を仰ぎ時折喘いでいる。これホント大丈夫か?そうこうしてるうちにマオの出番がきた。今回の第一ピリオドは4人同時戦闘。最後の一人に4ポイント、他順位でポイント変動のシンプルなバトルだ。
「ほんなら、行ってきます」
「おう、頑張ってこい」
そして次、マオが呼ばれたため移動。マオは危なげなく勝利してこちらに戻ってくる。続くフェリーニさんも、酔いに苦しみながら勝利。流石はイタリアの伊達男、飲酒運転も極めてるなんて…笑えないジョークは置いといて次はセイとレイジが呼ばれた…!まだ来てないぞ!と思いきや会場の方に直接やってきたようだ。今まさに寝坊して遅刻したみたいな恰好で。勘弁してくれよ…レイジだな絶対!
そして、GPベースに置かれる新しい二人のガンプラ、スタービルドストライク!直接見せてもらったことはあるがどんな機能があるかは聞いてない。流石セイ、完成度は極上といっていいだろう。滾らせてくれるじゃないか!
「ビームを吸収、自分の力に変える、か」
「…ね、アルト。今のって」
「アルトくんのヅダと同じ?」
「いや、違う。セイのほうが完成度が高いかもしれない。俺はその場にある粒子を利用するだけ。セイのは防御に転用できる、違いは大きい」
スタービルドストライクは相手のビームを吸収し、自分の力に変えた。光の翼を持って相手を落としていく姿に控室の空気が変わる。侮れないガンプラだと。だがそれは俺たちのヅダと同じ、次の戦いは俺たちだ。ツムギの操縦が一番鋭く、俺が作ったヅダが一番速いのを教えてやろう。
『第一ピリオド第八試合、スタートまで待機してください』
「ツムギ、調子はどうだ?」
「…ん、大丈夫。ヒマリ、目は覚めた?」
「ごめんね~大丈夫!頑張ろうね、ツムギちゃん!アルトくん!」
「おうさ」
「…ん、アルト、ヒマリ」
「どうした?」
「なに?」
「…10秒で終わらせよう。アルトはISCの制御。ヒマリはカウントお願い」
ツムギは自信満々にそう言った。普段はそんなことを言わないツムギが、この大舞台で宣言した。それに俺たちは顔を見合わせて笑う。やってやろうじゃん、10秒。盛大に宣言してやろう、優勝するのは俺たちだって。3人でハイタッチ、意思の疎通は完璧、今の俺たち3人にできないことは何もない!
『では!第八試合、スタートします!』
「ヅダ・マクロスパック!出ます!」
強烈な加速、一気に前へ出る。ISCの負荷の数値は想定内、レーダー良好。ヒマリのカウントが始まる。
「1!」
「えっ?」
瞬間移動のような加速、ヅダは相手のリックドムの前へ瞬時に移動、武器を抜く手間も惜しいのか右の拳を握ってピンポイントバリアパンチをかます。相手は疑問の声をあげたが反応できるわけもなく胴体に風穴をあけられて爆散する。
「2!」
左のビーム砲を展開、腰だめに構える。エネルギーが渦を巻き、今か今かと発射を待っている。
「3!」
トリガーが引かれる。エネルギーを最大まで溜め3つのバレルを開放したビーム砲が螺旋を描く極太のビームを発射する。遠くで様子を伺っていたガンダムデュナメスを青色の極光が飲み込んだ。これであと1人。ISCのロックを解除。より自由な操作をツムギにさせるためにすべての操作を彼女に譲渡する。眠たげな蒼い目をかっぴらいた彼女が操縦桿をぐっと押し込む。
「4!」
「まだ!ヅダ!もっと…もっと速く!」
「うわ、く、くるなああああ!?」
残った相手はゴッドガンダム、格闘機でスピードに優れるその機体でも遅すぎる。刹那の移動の間に抜いたヒートホークがピンポイントバリアの青を纏って眼前のガンプラに襲い掛かる。
「5!」
振り上げられた断頭斧は過たず首を刎ね飛ばし、相手を行動不能にせしめた。試合開始からヒマリのカウントとはいえ5秒の出来事である。会場は何が起こったのかわからず、シンと静まり返っている。
「…残り5秒いらなかった」
ぽつん、とツムギが呟いた瞬間に会場が爆発したかと思わんばかりの歓声が響く。何というか、やってのけた。これしか言えない。ツムギの操縦の冴えが、前にもまして鋭くなっている。順応してるんだ、このヅダのスピードに。やっぱりこいつ、とんでもないや。
とにかく、俺たちが世界に叩きつけた挑戦状はこれ以上ない形で受け取られたと考えていいだろう。もう一度3人でやったハイタッチの音は、歓声が響く中でもよく聞こえた。
というわけでヅダとツムギちゃんに暴れてもらいました。いやー自分で書いておいてなんだけど強すぎますね。これに勝てるやついる?まあ原作主人公達に何とか頑張ってもらいたいんですけど。
最後の姿とか完全に死神か何かですよね
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第二ピリオド、宇宙に舞う蝶
『強い!これは強いです!イロハ・ツムギ選手とヅダ・マクロスパック!世界の強豪をまさに秒殺!歯牙にもかけませんでした!』
「よし、宣言以上だな!やったな、ツムギ」
「ツムギちゃん凄すぎだよ~!私ほとんど数数えてないし!」
「…がんばった。ぶい」
「我ながら恐ろしいもんを作ったと思ったけど乗りこなせるツムギが一番すごいのかもな」
「…アルトの技術が、一番だから。私がそれを、ここで証明するの」
歓声を背に受けつつ俺たちはもとの控室へ戻る。自重を忘れて思いっきりやったせいか俺も含めて3人ともテンションが高くなっているようだ。あとの事を全く考えてないともいう。まあ、正直隠し玉の一つも使ってないので与えても大丈夫な情報ばかりだ。いやー作ってた時から思ってたけどマクロスキャノンもどきが一番威力がやばいわ。なんやあのごんぶとビームは。まあ圧縮粒子を使わないとあの威力は出ないんだけど。速く動けば動くほど吸入されるプラフスキー粒子が増えて圧縮粒子を貯蔵できる。でもセイのスタービルドストライク、あれ吸収されたらヤバそうだなー。
「うわっ…視線が痛いってこういうことか」
「み~んな見てるね~、ちょっと怖いかも」
「…ん」
「二人して俺を盾にするんじゃねえ」
ギラギラと俺たちに降り注ぐファイターたちの視線。視線が実体化でもしようもんなら俺たちは穴だらけになりそうなほどだ。試合に行く前と一緒の席、フェリーニさん、セイ、レイジ、マオの近くによっこいしょと腰を下ろす。
「やるじゃねえか、3人とも。いいのか?あんな派手なことしちまって…うっぷ」
「酔いがひどいなら静かにしてた方がいいですよフェリーニさん。いいんです。隠し玉の一つも使ってませんからね」
「まだ先があるんだね…やっぱり、アルトはすごいや。でも、僕のスタービルドストライクは負けないよ!ね、レイジ!」
「おう!本気で戦える時が楽しみだぜ…」
「ワイもですわ。ガンダムX魔王で討ち取らせてもらいます」
「…ん、負けないから」
「あっ!次の試合始まるよ!」
次の試合…呼ばれた名前を聞いて絶対見なければならないと思ってたんだ。アイラ・ユルキアイネン、カイザーさんを破ったチームネメシスのトップファイター。謎のヴェールに包まれ一切の情報がない。男なのか、女なのか、子供なのか大人なのか。それすらも全く。
画面の中にあるのはおそらくキュベレイを元にしたと思われる機体。大型のランスを携えてそこに佇んでいた。美しくそして不気味なその姿に恐れをなしたのか他の参加者が3人とも結託して排除しにかかる。わずかにキュベレイが身動きした瞬間、何かに貫かれたように襲い掛かった3機が爆散、ほとんど身動きせず、キュベレイは勝ちをおさめたのだ。見えなかった、何も。ファンネル?ミサイル?それともビーム?視覚情報がないだけでこれだけ不気味に映るとは…
「なんだ…?今のは?ファンネル?」
「わかりまへん…」
「ツムギ、見えたか」
「…うん、多分ファンネル…かな?物自体は見えなかったけど何かが動いてるのは見えた。避けたり防御したりはできる、とおもう」
「ツムギでも見えないのか…」
時間がなかったため手で髪をかき分け瞳を露出させて目を細めたツムギが画面を凝視しながらそういう。直接見たら何か変わるかもしれないけどツムギが見れないってことは相当だ。チームネメシスのキュベレイパピヨン…本当に要警戒だな。
『さあ最後の試合になります!そしてここで皆さんに重大発表!PPSEの特別出場枠として、メイジンの名を継ぐ男!3代目メイジンカワグチの参加が決定いたしました!』
「メイジンってなに?」
聞いてきたのはここら辺の界隈に詳しくないヒマリだ。レイジも頭に疑問符が飛んでいる。メイジンっていうのは確か…
「メイジンっていうのは50年前の第一次ガンプラブームの時に活動していた伝説的なビルダーだよ。彼の作品には神が宿っていたなんて言われてるんだ」
「あ゛~…あまりの凄さに彼をメイジンと呼び出して、10年前のガンプラバトル誕生時に2代目が襲名されたっつー話だ…うぷっ」
「メイジン・カワグチ…3代目となりますとどんなお方なんですやろ…」
メイジン、ネットの海の中でちょくちょく聞く名前だ。初代は神だった、2代目のバトルは凄かった…あまり詳しくない俺でも名を聞くことはある。特別枠としてねじ込むなら最高のエンターテインメントになりうるカードだろう。ファイターとしても強い相手がいればいるほど燃える性だろうし。
『登場してもらいましょう!3代目メイジン・カワグチ!』
「えっ!?ユウキ、先輩?」
「ユウキ・タツヤじゃねーか!」
「タツヤさんだったのか…道理で」
登壇したその人物は、特徴的なサングラスで目元を隠してはいるもののユウキ・タツヤその人だった。合点がいった。どうして第三ブロック予選を辞退したのか、連絡を絶ったのか。あの後一月ほどでもう連絡できなくなると言われたし、3代目メイジンを襲名するために自分の痕跡を消していたんだな。
あの人は、あの人なりの覚悟を持ってあの場に立っている。その事実が嬉しくもあり、悲しくもあった。本当なら、ユウキ・タツヤ本人として立ちたかったはずだ。だけど、彼なりにガンプラの未来を思ってあの姿になったのだと思えばそれを否定する気にはとてもなれない。
画面の中でメイジンの操るケンプファーが、圧倒的な力で他の選手を蹂躙するのを見ながら俺はそう思うのだった。渡したガンポッドはその手にないけれど…戦い方は、変わってないんですね。タツヤさん。
7秒と少し、ケンプファーアメイジングとメイジンが他の選手を叩き潰すのにかけた時間だ。速度に特化したヅダではなくタツヤさんが好むバランス重視の機体でこれだけのスピードを叩き出したのは偏にメイジンとなったタツヤさんの技量が桁違いだったということでもある。さすがは世界、一筋縄ではいかないようだ。
「レイジ、いこう!」
「ああ!野郎には聞きたいことがあんだ!」
「セイくん!レイジくん!…いっちゃった」
「…アルトは、いいの?」
「俺は、いいかな。タツヤさんがしたいと思ったことを邪魔する気は今のところないし。やりたいと思ってやってることを引っ搔き回したくないし」
「めんどくせえ考え方してんなあお前。んなもん、気に入らねえの一言でいいんだよ…いかん、トイレ行ってくる」
「あっちゃ~~…知り合い…いや聞くのは野暮ですなぁ。ワイらができるのは明日に備えることさかい、いきまひょか?」
限界が来てしまったらしいフェリーニさんがトイレに駆け込むのと見てげんなりした顔をしたマオがそう言ってくるのでお言葉に甘えて一緒に帰ることにしよう。飯食ってこうぜ?レイジが言ってたんだけど中華屋で小籠包の食べ放題やってるんだってさ。行きたくない?お?いいねそう来なくちゃ。セイたち拾っていこうかー。
「で、フェリーニさん。なんで貴方までいるんですか?二日酔い大丈夫なんです?」
「そんな寂しいこと言うなよアルト。奢ってやるからほれ、たくさん食え」
「「「「ごちそうさまでーす!」」」」
セイたちと合流した後、件の中華屋に行こうとしたらフェリーニさんもついてきた。奢ってくれるというのでありがたくいただくことにしよう。明日の第二ピリオド、どうやったもんか。
『お待たせいたしました。これより第二ピリオドを開催します。本日の競技は、バトルロワイアル。参加者90名全員が同時にバトルをし、残り3分の1になった瞬間に終了、ポイントが付与されます』
「始まったね…」
「…バトルロワイアル、面白そう。前はキュリオスの人に負けちゃったし、リベンジ」
「そりゃいい。楽しんでこうぜ?好きなように飛ばしたもん勝ち、だろ?」
「アルトくんいいこと言うー!いつも通りだよ!ツムギちゃん!」
「…ん!よろしく、二人とも」
翌日、気合十分の俺たち。たくさん食べて、よく寝て、ヅダのメンテナンス頑張って準備万端である。ヅダをGPベースにセットし、ホログラムが俺たちを覆って操縦席を形作る。ツムギが操縦桿を握りしめ両脇の俺たちにもサブのパネルとモニターが現れた。バトルロワイアルか…このヅダが全距離対応とはいえ多勢に無勢ってこともある。一番いいのはセイたちと合流して協力しあえるのが一番なんだけど…
『では!第二ピリオド!開始します!』
「…ヅダ・マクロスパック!行きます!」
開始と同時にカタパルトを滑り出て宇宙へ飛び出す。今回のバトルロワイアル、開始位置はランダム、地上に配置された人もいるし俺たちみたいに宇宙に配置されたやつもいる。大気圏に突入できるだけのスペックがあれば宇宙から地上に降りることだってできる。え?俺のヅダ?バルキリーって単体でも大気圏の離脱と突破ができるんだぜ?ヅダでもできるようにしてありますとも
「ツムギちゃん!接敵するよ!3、2、1…今!」
「…わかった!」
ヒマリの警告を聞いたツムギが右の対艦ライフルを構える。放たれた一射は過たず相手の試作一号機のど真ん中に命中、大穴を開けた。シールドが間に合わなかったのが敗因かな。一筋の流星のように宇宙を飛ぶヅダ、巡航速度にもかかわらずその速さはまさに隕石。ステージが広いせいかそれとも過疎地域に飛ばされたのか分からないけどさっきの試作一号機以外に敵はいない。
「一通り見回ったらセイたち探しに行くか。そうそうあいつらなら落とされないだろうし」
「そうだね。でも周りにはいない、かなあ?」
「…それよりも、アレ何とかしないと」
ツムギの言葉に俺たちは彼女が指し示すほうを見る。ここで遭遇したか…チームネメシス!銀河に舞う蝶のようなMS、キュベレイパピヨンが多くのガンプラの藻屑の中佇んでいた。敵が少なかったのはここが過疎地域だったからじゃない、やつが向かってきた敵をすべて撃墜していたからだ。無感動に顔を動かして俺たちを認識したキュベレイパピヨン、わずかな身じろぎ…なんか来る!
「ツムギ、くるぞ!」
「んっ!見えてる!」
一瞬煌めく何かがキュベレイパピヨンの周りに散った。やはり何も見えない、がツムギは何かをとらえているらしくランダム軌道による回避に入った、加速するヅダ、ぶれる視界、時折ピンポイントバリアを交えつつぶつかってくる何かを躱し続ける、うちにツムギの操縦に余裕が生まれてきた。やはり見え始めたんだ、さっきまでピンポイントバリアでいなしていたのにもう動きだけで躱している。
「…もう見えた。やっぱりファンネル、それも透明な。あと…私には見えない何かが、あのファイターには見えてる」
「どういう意味?ツムギちゃん」
「…わかんない、さっきから動きの先読みされてる。けど、ヅダが速すぎて読み切れてないみたい。そこっ!」
ヅダの足アーマーが開いてそこからマイクロミサイルが発射される。鋭角に曲がるミサイルがツムギが即興で設定したコースを飛ぶ。そう、ツムギの言によれば飛んでいるらしいファンネルの間を縫うように。明らかに動揺した動きを見せたキュベレイパピヨンの周りの虚空からビームが発射されミサイルが迎撃される。なるほど、これで確定的になった。透明なファンネルか…何もせずに周りのガンプラが勝手に壊れていったように見えていたのはこいつが高速でぶつかったことによるものなんだな?
繰り返し使用可能かつビームも撃てるファンネルミサイルといったところだろう。もうちょっと情報が欲しい、ここで全力で排除しにかかってもいいけど…落としたところでどうせ上がってくるタイプの強さだ。それなら最大限引き出せるものを引き出したい。幸い周りはキュベレイパピヨンが全て掃除してくれたのでしばらく邪魔は入らない。圧縮粒子は現在80%…十分だ。
「ツムギ、60秒だ。全力で相手してやれ」
「…了解!」
ISCのリミッターをカット、60秒のカウントダウンが始まる。ツムギは睨み合っていた静止状態から急加速、一瞬で飛んでいたファンネルの間を縫ってやつの背後に回り込んだ。反応自体は出来てるようだが追いついてない、ピンポイントバリアを纏った回し蹴りがキュベレイパピヨンを捉えて吹き飛ばした。瞬時にその場から離脱、疑似マクロスキャノンを展開、圧縮粒子のうち30%を使用し、薙ぎ払うように発射した。
巻き込まれたらしいファンネルの小さな爆発が無数に宇宙に咲き、慌ててスラスターをふかしてよけるキュベレイパピヨン。若干間に合わずにかすったようで装甲が溶けている。何というか、脆い。あの機体の話ではなくファイターのほうだ。最初のファンネルを見切られた動揺からいまだに立ち直れていない。これが例えばタツヤさんだったら一瞬で気持ちを切り替えるだろう。たかが攻撃を見切られた程度でこんなにも動揺を隠せないというのは世界選手権の出場者としてはなんともちぐはぐな印象を受ける。少なくともカイザーさんなら、見切られるのすら前提で動く。
「…さっきからファンネルばっかり、それはもう効かない」
ツムギが言うように、馬鹿の一つ覚えのように同じ攻撃を繰り返してくる。もはや触れるどころか追いつくことすらかなわない。ガンポッドで向かってくるファンネルを叩き落としつつ片手で引き抜いたヒートホークにピンポイントバリアを分厚く纏わせて振り下ろす。何とか反応したキュベレイパピヨンは持ってたランスで受け止める。そのままヅダの土星エンジンが爆発したかのような噴煙を排出し、その場でさらに加速、ヒートホークがランスを引き裂いた。振り切った体勢のままのタックルでキュベレイパピヨンは大きく吹き飛ばされ距離があく。
「あっ!まって!アレ!スタービルドストライクとガンダムX魔王!」
「あれか!よくやったヒマリ!ツムギ、ここまでだ!合流するぞ!」
「…ん!次は、最後までやるから!それまでは、負けないでね」
ヒマリが大きく声をあげた。キュベレイパピヨンの向こう、さらに遠くに大気圏に突入するセイたちの機体があった。このまま戦い続けてもいいが、それよりも合流を優先したかった俺たちは強引に戦闘を切り上げ退却することにした。ヅダの偽装シールドのミサイルハッチをすべてオープンし、マイクロミサイルが雨あられと飛び交う。おそらく当たらないだろうが目的は目くらまし、それで十分!圧縮粒子を土星エンジンと熱核バーストタービンに回してセイたちのいる方向へかっとんでいくヅダ。途中、真横をすり抜けていくとき、キュベレイパピヨンのツインアイと目が合った気がした。そこから感じ取れたのは、強迫観念?わからないが、よい感情ではなさそうだ。
赤く光る2つの流星を追いかけて、青い隕石が目にもとまらぬ速さで駆けていった。
ちょっと長くなりそうなので第二ピリオドは二つに分けます。お許しください。キュベレイパピヨンのクリアファンネルの発想っていいですよねえ。まさにガンプラは自由!って感じで。ツムギちゃんがどんどん操縦お化けになっていく…
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第二ピリオド、巨影の激震
「スタービルドストライクとガンダムX魔王まで残り200!圧縮粒子チャージ率70まで回復してるよー!」
「ISCのリミッターは再設定、冷却のためちょっと切るぞ」
「…ん。追いついた」
「あ~~っ!ツムギはんたちやないですか!?よかったぁ~~!あの!レイジはんがルワンはんと交戦して攻撃を受けた勢いで大気圏に落ちてもうて…あの~~一応聞きますけど、協力しません?」
「…そのつもりで追いかけてきた」
遅れて俺たちも大気圏に突入する。ピンポイントバリアを前面に張って空気の熱を遮断しながら大気圏に入る。どうやらスタービルドストライクは一足先に大気圏を抜けた様子だ。俺たちも急いで追いかけないと完全にはぐれちまう。足の熱核バーストタービンを噴かしたヅダが加速して先に突入してたガンダムX魔王に追いつく。スタービルドストライクは…クソッ!姿勢が悪い!このまま突入したらいいカモだ!
「ツムギ!先に行ってスタービルドストライクの援護に行こう!マオ、先行くぞ!」
「…わかった!」
「頼んます!ヒマリはん、ナビゲーションお願いしてもええですか?」
「うん、いいよ~!通信繋いだままね!」
土星エンジンを思いっきり吹かしてツムギはヅダを操り背中から地上に落下するセイたちのスタービルドストライクに近づいていく。強烈な大気の圧のおかげでまともに姿勢の変更ができないセイたちを守るために先に先行する。セイとレイジも俺たちに気づいたようだ。
「アルト!ツムギ、ヒマリ!来てくれたんだ!」
「タイミングわりーぜ。かっこ悪いとこ見られちまったじゃねえか!」
「ルワンさんにやられたって?どこまで動けるんだ?」
「大丈夫、ほとんど壊れてないよ!アルトたちの方はどうなのさ?」
「…ピンピンしてる。そろそろ地上につくよ」
「あっ!あそこ!ウイングガンダムフェニーチェ!あとは…飛行機?マオくん!その位置から南南西に300降下して!フェリーニさんがいたから!」
「ガウだ!レイジ!助けに行こう!」
地上について周りに目を光らせていたヒマリが発見したのは大量のMSとガウ攻撃空母に襲われるウイングガンダムフェニーチェの姿。マオに通信を入れてナビゲーションを行うヒマリと操縦桿を押し込むツムギ。反応してモノアイを光らせたヅダとツインアイが輝くストライクが加速して現地に向かう。フェニーチェに迫るMSのうち一機をストライクがライフルで撃ちぬく。
「スタービルドストライク!?ってことはレイジか!?ヅダ…アルトたちも!?」
「アルトだと…!?けっおいフェリーニ!ここまでにしといてやる!アルトォ!聞こえてるよな!?」
「チョマーさんだったのか…!聞こえてますよ、もちろん!」
「そりゃあいい!ツムギも、ヒマリも!大会前に話したこと覚えてるよなあ!?」
「…おぼえてる。忘れるわけない」
「覚えてます!約束ですから!」
チョマーさんと大会前、レセプションパーティーで交わした約束。それは…
「「「どこで当たっても敵同士!」」」
「全力で戦い合うってーわけだ!このデカブツは邪魔だなぁ!こっちで勝負といこうぜ!」
ガウのハッチが開き、そこの中からチョマーさんのパーソナルカラーに塗装され、スモーのスカートを履いたゲルググが姿を現した。チョマーさんの愛機だ。ルール上も特に問題はない。去年のカイザーさんがMSを搭載できるMAを使用したのと一緒でまとめて一機扱いになるからだ。さあチョマーさん、俺とツムギとヒマリのヅダとあなたのゲルググ、勝負といきましょう!
「お前ら!フェリーニは譲ってやるぜ!邪魔すんなよ!」
「セイ、レイジ!フェリーニさん!チョマーさんは任せて!他は頼んだ!」
「さあやろうぜ3人ともぉ!」
「…チョマーさん!勝負!」
『えっちょっヒマリはん!?そっちどうなってますのん!?』
「うーんと、真剣勝負始まっちゃった!とにかく急いで~!」
ガウは乗り捨てられ、スモーのスカートからバーニアを噴かしたゲルググとヅダが睨み合う。一瞬の間のうち動き出したのはヅダ、回り込みつつ対艦ライフルによる射撃をゲルググに浴びせるがあろうことかゲルググはビームナギナタで実弾を切り捨てたのだ。さすがは世界選手権に連続出場する腕をもつチョマーさんなだけある。ツムギの瞳が楽しそうに輝く。スロットルを押し込み、ガンポッドによる弾幕を張って近づく。ビームライフルによる射撃をバレルロールで躱しつつヒートホークを振り下ろす。青い光がビームナギナタとぶつかった。
「甘いぞツムギィ!速いだけでチョマー様に勝てると思うなよ!」
「…すごいっ!チョマーさん、こんなに強かったなんて!」
瞬間移動するような動きに完璧に対応しだしているチョマーさん。反撃のビームナギナタをピンポイントバリアで受け、ピンポイントバリア越しにビームナギナタを掴む。そして、ヅダの胸アーマーが開き、そこからマイクロミサイルが顔を出した。
「げぇっ!?ちょっおま…自爆する気か!?」
「あいにくと!ヅダはそれより速いんでね!」
チョマーさんの判断も素早い。とっさにビームナギナタを手放して離脱を図るがミサイルの発射が速かった。爆発寸前、圧縮粒子を爆風のように噴射したヅダが爆発半径から離脱する。いくつもの爆発ののち、ゲルググは黒焦げの無残な姿になってしまった。チョマーさんは助からないと判断したゲルググを切り捨て、今度はガウにメイン操作を移したらしく、滞空していたガウからミサイルが発射される。
「やるじゃねえかツムギにアルト!今回は負けっつーことにしといて、や、る…?」
「あ~っとマオくん!ナイスタイミングゥ!」
「いや~ヒマリはんのおかげで迷わずに済みました。間に合いましたよね?」
チョマーさんが逃げの態勢に入った瞬間、上から降ってきた極光がガウを撃沈した。降ってきたのはサテライトキャノン、ガンダムX魔王による長距離砲撃だ。隣でヒマリが困ったような声をあげていたと思ったらどうやらマオが結構な方向音痴であっちにふらふらこっちにふらふらしてたおかげでナビゲーションで苦労してたようだ。それでやっと着いたマオが一発かましたと。なるほど。
「ヒマリ、お疲れさん」
「マオくんこれでよく東京までヒッチハイクできたね~。びっくりしちゃった」
「…チョマーさん、頑張って」
「…ありがとよツムギ。俺に勝ったんだからお前らぜってえ生き残れよ!」
そう言ってチョマーさんは通信を切ってフェードアウトしていった。チョマーさん、強かったな…何というか一回一回の判断が滅茶苦茶速かった。最適解じゃないにしてもリカバリーもとんでもなく巧かったからヅダのスピードと一瞬とはいえ拮抗できたのだろう。最後の一機を撃墜したセイたちと合流する。
「わりぃなお前ら、借りができたみたいだ」
「へっあんたとはサシで決着つけてーんだ。そう簡単にやらせねーよ」
「でもさー、フェリーニさん。どうしてあんなにたくさんの人に襲われてたの?しかもみんな一丸!って感じだったし」
「あっ!?えー、とそれはだな…」
「このおっさんが女をとっかえひっかえしてたのが羨ましかったんだと。チョマーってやつは彼女をこいつにとられたっつってたな」
「ちょっレイジ!」
「あっレイジてめぇ!言うんじゃねえよ!」
「あっ、そ…そうなんだね…」
「…女の敵?」
「指をさしてやるなツムギ」
「やめろ!年下の女の子にそれ言われたら一番傷つくやつだわ!」
「皆さんそこまで!なんかきますで!」
あまりにもあんまりな理由の暴露をレイジからされたフェリーニさんが慌ててヒマリとツムギに言い訳してるのを画面から二歩三歩下がって聞き流す二人という和やか~な構図になったわけだが、周りを警戒していたマオからの警告で全員が気を張る。確かに何か来ている、揺れる地面、大きな足音。大型MA…!?いや、これはっ!?
「超大型のザク!?」
「違う!48分の一サイズのメガサイズザクだよ!こんな機体開始直後にはいなかったのになんでっ!?」
「知らねーよそんなの!セイ!んなことより躱すの考えろ!来るぞ!」
「来ます!ザクマシンガン!」
地響きを立てて現れたのは俺たちの機体の優に3倍はあろうかという大きさのザク。誰が乗ってる!?それよりも、このサイズ差でMSだとしたら…パワーの差は明白だ!あのザクマシンガンですら一発でも直撃したらお陀仏…すべて躱すしかない!
『皆様にお知らせします。現在フィールドにあります超大型ザクはPPSEによるサプライズギミックになります。けして不測の事態ではありません。ご安心ください』
「ステージギミックだあ?おいレイジ、アルト!マオ!なら戦う必要はねえ!逃げるぞ!」
「そうです!生き残れば勝ちですよ!」
「んなこと言ってもよお…!」
「…おかしい!セイたちばっかり狙ってる!危ない!」
砲撃の威力で乱発されるザクマシンガンを躱しながら作戦会議をする俺たち、なぜかザクはスタービルドストライクを狙っている。ランドセルから爆炎を吐き出し大ジャンプをしたメガサイズザクが手を伸ばしてストライクを握ろうと迫る。
「…させないっ!」
真下からかっとんだヅダのドロップキックが腕を跳ね上げ、その隙にストライクは難を逃れる。遅れてフェリーニさんたちの援護によるビームがザクを直撃するがサイズの違いによる装甲の分厚さでほとんど効いてない。
「…アルト、どうする?」
「逆に聞くけど、どうしたい?逃げるほうが賢いか?」
「…じゃあ私は馬鹿でいいや」
「だって!フェリーニさんとマオくんはどうする?セイくんたちも!」
「こんな事されて黙ってられるかってんだ!なあセイ!」
「うん!倒そう!レイジ!」
「…こん人たちは…!ええです!ワイも最後まで付き合いましょ!」
「っか~~~!若いってのはいいなあ!大人が逃げるわけにはいかなくなったじゃねえか!」
全員の意見があの木偶の坊の打倒という一致をみせた。ザクマシンガンをよけながらだと埒が明かないので誰かが隙を作るしかない、ここでそれができるのは俺たちだ!
「…隙を作る!みんな突っ込んで!」
「「「応!!」」」
ヅダが疑似マクロスキャノンを構えて、サテライトキャノンに匹敵するほどの螺旋の光を発射する。でかいぶん動きが鈍いザクはまともに直撃し、装甲が赤熱していくが貫徹には至らない!そこに突っ込んでいくビームサーベルを構えた3機!振りかぶった近接武器ですれ違いざまに切りつけるが埒が明かない。なんて装甲の硬さだ。これを貫徹するとしたら…ダイダロスアタックだ。
「これで効かないとか反則じゃね?」
「んだよ泣き言かアルト。逃げてもいいぜ?」
「冗談だっつの。ぶっ壊す方法に心当たりがあるやつは?ちなみにうちのヅダにはあるぞ」
「バスターライフルは弾切れだ、すまん」
「さっきのザクマシンガンでサテライトキャノンがいかれてもうて…すんません」
「僕たちは…ある。隙さえできれば…打ち込める」
「ああ、どっちが最後だ?」
「ヅダのは近づかないとダメだ。レイジたちは?」
「僕らは離れてても大丈夫。じゃあレイジ!僕たちが先だ!」
「おうよ!援護任せたぞ!」
「みんな!クラッカーが来るよ!」
集まって作戦会議を終えた俺たちが離散してザクの注意を引く。ビームが直撃しても意に介さないザクに対してどれだけ意味があるかはわかんないけどやらないよりはましだろう!残りのミサイルぶっこんじまえツムギ!ツムギの操作によりヅダのアーマーの稼働箇所が全て開いてヅダを覆い隠す噴射煙を発しながらほぼ全方位からザクに直撃する!爆発の中、レイジたちが上空でため込んだ粒子を開放し、ビームライフルとシールドを合体変形してチャージの態勢に入る。それを目撃したザクは俺たちを意に介さないようにクラッカーを手に取って投げようとする。
「させへんでっ!」
「もう一発だ!」
マオが手に持ったクラッカーを、フェリーニさんが腰元のクラッカーを撃ち抜いて誘爆させ、さらに行動を封じる。準備をするなら今!
「…ダイダロス、形成開始」
ヅダの両肩のミサイルシールドが外れ、合体し変形する。ヅダの右腕を完成したダイダロスにはめ込み、ヅダの本体から今までため込まれた圧縮粒子をすべてダイダロスへ移していく。
「圧縮粒子充填中!60、80、臨界!ダイダロス内部の圧力、想定内だよ!」
「ISCリミッターを全リリース。圧縮粒子不足のため上限を20秒に設定するぞ。ツムギ、あとはまっすぐ行ってぶち込め!」
「うんっ!ピンポイントバリア!全集中!」
「危ないっ!ツムギはん!」
最後のあがきとばかりにザクが足元のミサイルを発射する。躱そうとするツムギの横を何かが通り過ぎてミサイルを貫通して爆発させた!さらに遠くからのビームがザクの足場を崩しバランスを失ったザクがたたらを踏む。誰かは知らないけどありがとうよ!
「ディスチャージ終了!撃てるよ!レイジ!」
「おうっ!くぅらぁえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
変形したライフルから赤い高出力ビームを発射したスタービルドストライク。そのビームは中空で形成されたゲートを通過するとまるで雨のように飽和し分裂しながらメガサイズザクのありとあらゆる場所に降り注ぐ。ほぼ全壊といっていい状態まで変化したザクは、悪あがきを続けようと刃が半分に折れたヒートホークを投げようと振りかぶる、がそこに青い閃光が乱入した。青いピンポイントバリアの光を右腕にまとったヅダが体当たりでヒートホークを粉砕し、懐に入り込む。
「おっしゃツムギ!ぶちかませええええええ!!!」
「これが、ダイダロスアタックだあああああ!!!」
「敵機内部への侵入に成功!圧縮粒子、全開放だよ!」
轟音を立ててメガサイズザクの胸部にピンポイントバリアを纏ったダイダロスがぶち込まれる。中に入ったダイダロスの前面が開き、内部で圧縮に圧縮を重ねて限界までため込まれた粒子が指向性を持って解放された。その粒子はザクの内部にとどまらず背中を貫通してすべてをえぐり去っていく。ダイダロスとの結合部から余った粒子が蒸気のように吹き出してヅダのモノアイが光る。
甲高い音を立てて引き抜かれたダイダロス、ザクはそのまま仰向けに倒れて爆発もすることなく機能を停止する。穿たれた大穴から散る火花の音だけが、そこには響いていた。
『そこまで。参加者の人数が規定値まで減りました。これにて第二ピリオドを終了します。お疲れ様でした』
「勝った…!勝ったよ!レイジ!アルト!みんな!」
「やったぜセイ!」
「アルトくん!勝てちゃったよ!ツムギちゃんすごいっ!」
「…楽しかった。もう一回やりたい」
「俺も楽しかったわ。できれば今度は自分で操縦してーな」
「いや、もう勘弁ですわ…楽しかったですけど」
「いや、確かに危なかったけど楽しかったな!よくやるぜあいつらも」
試合終了のアナウンスが流れた瞬間、わっと沸いた会場の空気につられて緊張を解いた俺たちがお互いを褒め合いながら感想を並べる。いや、ほんとやばかったけど、その分めっちゃ楽しかったわ。惜しむらくは本当に自分で操作できなかったことだな。まあもう一回やれって言われたら…ちょっとやりたいかも。言わないけどな!
チョマーさん実は強い説をこの小説では採用してます。情けないチョマーさんもいいけどかっこいいチョマーさんもみたい…見たくない?
そしてダイダロスアタック成功。ミサイルはまたいつかということで
次回掲示板やります
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第七回世界選手権を実況するスレ
長めに書いたのでそれで許して
1:名無しのビルダー
このスレは本日より開催される第七回ガンプラバトル世界選手権を実況していくスレです。類似スレとは棲み分けしていこうね!
2:名無しのビルダー
遂に来てしまった…!
3:名無しのビルダー
ああ、待ちに待ったこの時が!世界大会だああああ!
4:名無しのビルダー
おっしゃああああああ!!!
5:名無しのビルダー
待ちくたびれて衰弱死したゾ
6:名無しのビルダー
成仏してクレメンス
7:名無しのビルダー
うるせえ!これを見ずに死ねるかってんだ!
8:名無しのビルダー
わが生涯に一片の悔いなし
9:名無しのビルダー
はやいはやい
10:名無しのビルダー
おっ今年のイメージキャラクターはアイドルなのか
11:名無しのビルダー
なんでGガンの審判の人解雇されたん…!?
12:名無しのビルダー
ファンの心理を分かってないなPPSE!でもキララたんは可愛いのでよくやった!
13:名無しのビルダー
一行矛盾やめろ
14:名無しのビルダー
おっほー!現地民参上!いや壮観ですよ!この参加者の中から世界一が決まるわけだし!
15:名無しのビルダー
マオくんいたー!いけー!京都の星ー!
16:名無しのビルダー
セイくーん!レイジくーん!ファイトやで!
17:名無しのビルダー
アメリカ代表も子供なんか!?この大会おかしいわ!
18:名無しのビルダー
フェリーニはいつ見てもイケメンだなあ
19:名無しのビルダー
おおっ!あれがアルトくんヒマリちゃんツムギちゃんか!滅茶苦茶仲よさげじゃん!
20:名無しのビルダー
セイくんとレイジくんとも仲良さげだね~チョマーとルワンいる!
21:名無しのビルダー
開幕宣言入りました!
22:名無しのビルダー
よっしゃきたあああああ!!!
194:名無しのビルダー
ルワンさん勝ち残りおめでと~~~
195:名無しのビルダー
いやー最後のグフカスタムは強敵でしたね。まるで歴戦の勇士のようだ
196:名無しのビルダー
ここにきてる時点で歴戦の勇士定期
197:名無しのビルダー
次はー?マオくんだ!おお!これがガンダムX魔王!V字のリフレクターがいっかす~!
198:名無しのビルダー
かっちょいい~~!日本の掲示板だし日本勢応援したくなるぞよ
199:名無しのビルダー
原点に忠実な武装だけど強襲型っぽい改造か。射撃もなかなか正確…!
200:名無しのビルダー
月が出てないのにサテライトキャノン撃てるの!?
201:名無しのビルダー
クリアパーツが光り輝くの素晴らしいですわ…!
202:名無しのビルダー
まとめていったな。まあ真昼間からサテライトキャノンは意表突かれるわ
203:名無しのビルダー
腰だめっていうのがいいよな。肩で担ぐのも好きだけどさ
204:名無しのビルダー
ビームソードの威力みた?ビームシールドごと真っ二つだよ!スラスターも速いのなんのって
205:名無しのビルダー
ガンプラ心形流かぁ…!入塾してみたいなあ
206:名無しのビルダー
卒業生だけどいいところなのでぜひ
207:名無しのビルダー
あんなガンプラ作れるようになるなら是非とも入塾したい
208:名無しのビルダー
次始まるぞーってフェリーニwwww
209:名無しのビルダー
これは草
210:名無しのビルダー
グロッキーじゃねえかwww
211:名無しのビルダー
ふぁーwwww
212:名無しのビルダー
あーそういえば昨日の選手限定パーティーって酒でたんだっけ
213:名無しのビルダー
二日酔いかよwww
214:名無しのビルダー
ガンプラの飲酒運転はおやめくださーい
215:名無しのビルダー
世界大会当日になんちゅうコンディション管理してるんだよwww
216:名無しのビルダー
負けたなフェリーニ、いい奴だったよ。男の敵だけど
217:名無しのビルダー
ナンパばっかりしてるから罰が当たったんだよ
218:名無しのビルダー
愛の国の男だからしょうがないね。でも第一ピリオド落とすのはもったいないなあ
219:名無しのビルダー
…まともに戦ってね?
220:名無しのビルダー
えぇ…
221:名無しのビルダー
酔拳かな?つーかあれホントに酔ってるの!?
222:名無しのビルダー
おい、ビームにビームぶつけて防御するな
223:名無しのビルダー
ビームレイピアの冴え全く衰えてなくて草生えますわ
224:名無しのビルダー
うわー、問題なく仕留めていく…
225:名無しのビルダー
操縦席の顔終始真っ青でえずいてるの草
226:名無しのビルダー
操縦の技術衰えゼロやんけ!
227:名無しのビルダー
相手余裕ぶっこいてたせいで口があんぐり開いておりますわ
228:名無しのビルダー
勝者、フェリーニ。もう一生酔ってろお前
229:名無しのビルダー
クソ辛辣で草
230:名無しのビルダー
むしろ何でいままで素面だったのか
231:名無しのビルダー
別に酔ってたから強いわけじゃないだろwww酔ってても強いだけだってw
232:名無しのビルダー
ふらふらで控室に引っ込んでいってる…あれ?アルトくんたちだ。
233:名無しのビルダー
支えてるwww中学生の男の子と女の子に介抱されるいい年した大人www
234:名無しのビルダー
ツムギちゃん背中さするのやめたげてwwでちゃうからwwww
235:名無しのビルダー
ヒマリちゃんにフェニーチェ渡すなwww大事な機体だろうがwww明らかに困ってるぞwwww
236:名無しのビルダー
めっちゃ大事そうに持っててかわいい。でもめっちゃ緊張していてかわいそう
237:名無しのビルダー
最後までフェリーニはフェリーニでしたね
238:名無しのビルダー
アルトくんにもたれかかってフェードアウトとか大人として恥ずかしくないんですか?
239:名無しのビルダー
次は、来た!日本勢!イオリ・セイとレイジのコンビだ!
240:名無しのビルダー
って遅刻ですか?ああ、きたきた…寝起きかな?
241:名無しのビルダー
寝ぐせぼっさぼさで草
242:名無しのビルダー
今起きて慌ててこっちきただろお前ら
243:名無しのビルダー
ケンカしてるやんけ。こんなんで大丈夫なんか日本。会場が失笑しとるぞ
244:名無しのビルダー
ふぁっ!?新作や!
245:名無しのビルダー
なんだあれ…なんだアレッ!?滅茶苦茶にかっこいいぞ!?
246:名無しのビルダー
機体名はスタービルドストライク…前の機体の強化改修型か!
247:名無しのビルダー
いいね!こういうの待ってた!
248:名無しのビルダー
目立つなースクラッチの機体は。お手並み拝見だぜ~
249:名無しのビルダー
ビーム入りま…んん?どこ行った?
250:名無しのビルダー
盾がかき消した?Iフィールド?
251:名無しのビルダー
どっちかっつーと吸い込まれたとかそんな感じ…
252:名無しのビルダー
ファンネルの曲がるビームも全部吸い込まれてる感じだな。無敵か?
253:名無しのビルダー
実弾はどうなんだろ。誰かなんか撃てよ~気になるだろ?
254:名無しのビルダー
おいおいなんか光りだしたぞ!?
255:名無しのビルダー
なんかゲート出てきた?光の翼が生えたぞ!?
256:名無しのビルダー
うおおお速い速い!あれっ?ファンネル爆発した?ってことは攻撃判定もあるのか?
257:名無しのビルダー
V2ガンダムの光の翼みてーだな。つってもこれはまだなんか秘密がありそうだけど
258:名無しのビルダー
すっげえな、ファンネル全機落としたうえで3人まとめて撃墜か…
259:名無しのビルダー
劇的な勝利ってこういうことを言うんだな
260:名無しのビルダー
スタービルドストライク…発売楽しみにしております
261:名無しのビルダー
気が早い
262:名無しのビルダー
そんなこと言うならガンダムX魔王も発売してくれ
432:名無しのビルダー
残り3分の1かー、長いようで短いよな
433:名無しのビルダー
アメリカ代表凄かったなー。まさかの侍アストレイだよ
434:名無しのビルダー
二刀流とはロマンをよく理解してらっしゃる
435:名無しのビルダー
全員真っ二つときたもんだ
436:名無しのビルダー
おっ!きたきたきたきたきましたよ!可変機の人の出番が!
437:名無しのビルダー
正確にはファイターは女の子だけどね
438:名無しのビルダー
うるせえ!作るのはアルトくんだから実質出番なんだよ!
439:名無しのビルダー
まあファイターのツムギちゃんも実力は疾風さんを倒せるのを証明済みですし、さてさてどうなることやら
440:名無しのビルダー
なんだこの機体!?…ヅダ?えっこれヅダなの!?
441:名無しのビルダー
増設装甲ゴテゴテのヅダだなあwww装備重すぎでしょw
442:名無しのビルダー
こいつは…ロマン機じゃな?
443:名無しのビルダー
火力ありそうだしどうやって戦うか楽しみ!
444:名無しのビルダー
開始!んん?
445:名無しのビルダー
えっ終わり?
446:名無しのビルダー
おわりぃ!?待って速すぎない!?
447:名無しのビルダー
試合時間5秒だってよ!
448:名無しのビルダー
録画しといてよかった。ちょいスロー再生してみる
449:名無しのビルダー
ワイも
450:名無しのビルダー
おいどんも
451:名無しのビルダー
まずリックドムにパンチで風穴を開けて…?
452:名無しのビルダー
まずそこがおかしい。モビルファイターかおどれは
453:名無しのビルダー
というか移動速度どうなってるん?瞬間移動かと思ったけど
454:名無しのビルダー
いや、きちんと移動してた。速すぎて見えなかっただけ
455:名無しのビルダー
あんなゴテゴテフルアーマーにそんな速度出せてたまるか!
456:名無しのビルダー
一応ビーム的な何かが手を覆ってたからそれの威力だと思う。多分これアルトくんがよく使ってるビームバリアパンチだよな
457:名無しのビルダー
あー、あのどこからともなく発生する不思議ビームバリアね
458:名無しのビルダー
で、2秒目あたりからビーム砲を展開して腰だめに構える、3秒目でその場から遠距離にいるデュナメスに対して螺旋を描く極太ビームをお見舞いする。これで2機目
459:名無しのビルダー
4秒でゴッドガンダムに追いつき、5秒で首を刎ねる。恐怖に震えたゴッドガンダムのファイターはサレンダーを選択、ヅダの勝利
460:名無しのビルダー
ここまで5秒の出来事になりまーす
461:名無しのビルダー
462:名無しのビルダー
463:名無しのビルダー
464:名無しのビルダー
465:名無しのビルダー
えええええええええ!?
466:名無しのビルダー
ヅダ…ヅダとはいったい…?うごごご…
467:名無しのビルダー
こんな欠陥機あってたまるか!
468:名無しのビルダー
すげーな、あんなに重りついてるのにスピード特化型なんて。よっぽどビルドが上手いんだな
469:名無しのビルダー
ビーム砲の威力ヤバすぎ。どこから出てるのあれ
470:名無しのビルダー
スタービルドストライクと一緒でまだまだ秘密ありそう
471:名無しのビルダー
おっとヅダ専用スレが落ちたぞ
472:名無しのビルダー
ここは関係ないでっしゃろ
473:名無しのビルダー
しかしあのビームバリアなんだろうな。攻撃にも防御にも転用できるなんて便利
474:名無しのビルダー
いや、真に恐ろしいのはあの機体を操縦できるツムギちゃんではなかろうか
475:名無しのビルダー
ほほう、その心は
476:名無しのビルダー
あんな機体まともに飛ばせるわけないだろ常識的に考えて
477:名無しのビルダー
ド正論で殴るな
478:名無しのビルダー
ああクソ、専スレが落ちだしたぞ
479:名無しのビルダー
アルトくんの事だからミサイルたくさん仕込んでそう
480:名無しのビルダー
ミサイルスキーだもんな
481:名無しのビルダー
次がラストかー
482:名無しのビルダー
人数足りなくね?
483:名無しのビルダー
んん?PPSEの特別ゲスト?はっ?!3代目メイジン!?
484:名無しのビルダー
まっちょっ!?
485:名無しのビルダー
メイジン!?メイジンってあの!?
486:名無しのビルダー
おもいおもいおもい!
487:名無しのビルダー
落ちちゃう!おちるうううう!?
488:名無しのビルダー
だってまだ2代目って!?
489:名無しのビルダー
3代目メイジンってすげえ!PPSEやるじゃん!
490:名無しのビルダー
あっyば
1:名無しのビルダー
いやー昨日は大変でしたね
2:名無しのビルダー
メイジンのおかげで落ちちゃったなー
3:名無しのビルダー
でもツムギちゃんの時から若干怪しかったぞw
4:名無しのビルダー
毎年の事じゃないか。サーバーが強化されるたびいつ落ちるのかとトトカルチョが始まるのも様式美
5:名無しのビルダー
賭け始まってるんだ!?
6:名無しのビルダー
スレの上だから金は発生しないけど。負けた奴は自分の最高の作品を晒すのが御約束になってる
7:名無しのビルダー
平和だなー
8:名無しのビルダー
しかしメイジンの復活とはなー、しかもクソ強かった
9:名無しのビルダー
それな、7秒だよ7秒。ヅダには及ばないけど十分早い
10:名無しのビルダー
あれはヅダがおかしい。スピード特化ならわかるけどそういう感じはないし
11:名無しのビルダー
バランス重視って感じだよね。ケンプファーアメイジング…ん?アメイジング?
12:名無しのビルダー
言うな、みんな察してるんだ
13:名無しのビルダー
ダレダロウナー
14:名無しのビルダー
メイジンはメイジンですから
15:名無しのビルダー
いやでも背中の武装コンテナやばくない?あんなもん背負ってあのマニューバよ?
16:名無しのビルダー
本気じゃなさそうだよなあ
17:名無しのビルダー
今日の第二ピリオドも楽しみだなあ
18:名無しのビルダー
キュベレイパピヨンの正体不明感やばいよな
19:名無しのビルダー
あれな、なんか光ったと思ったら爆散はひどすぎやで
20:名無しのビルダー
あれなんなんだろうなー。サイクロプスのMS版?
21:名無しのビルダー
電子レンジかぁ…
22:名無しのビルダー
第二ピリオドの種目発表~~~
23:名無しのビルダー
バトルロワイアルとな?ほほう、素晴らしい!
24:名無しのビルダー
ああこれ見る目が足りないやつ
25:名無しのビルダー
ここはどこら辺注目していく?
26:名無しのビルダー
やっぱ日本勢じゃね?あとメイジンか
27:名無しのビルダー
じゃあカメラは日本勢中心で回すか
28:名無しのビルダー
じゃあ俺メイジン配信やる~
29:名無しのビルダー
ワイは京都民なのでマオくんで
30:名無しのビルダー
セイ&レイジペアにしようかな
31:名無しのビルダー
残り物には福があるということでヅダの人たち!
32:名無しのビルダー
ヅダは大変だぞー。絶対画面酔いしそうだ
33:名無しのビルダー
速すぎてなw
34:名無しのビルダー
さー始まりました!第二ピリオド!おっ!レイジくんとマオくん同じ場所からスタートだ
35:名無しのビルダー
最後の一人までじゃないのがミソだよね。協力できるし
36:名無しのビルダー
うーん、両方の機体かっこよすぎて甲乙つけがたい…!
37:名無しのビルダー
メイジンは地上スタートか。おっ!?ナイフ投げて頭部にジャストミート!かっけえ
38:名無しのビルダー
あれっ?使ってる装備が違うな…選択式なのか!?さすがPPSEワークスチーム製…
39:名無しのビルダー
ドム3人衆瞬殺やんけ!
40:名無しのビルダー
ツムギちゃんチームは結構外れた場所からスタートか。移動速度速すぎww
41:名無しのビルダー
あーっとレイジペア&マオくんここでルワンに遭遇!
42:名無しのビルダー
あっちゃー、ここでこの強豪か…逃げるがって挑みかかってらっしゃる!?
43:名無しのビルダー
ルワンさん相手に無策はまずいですよ!?
44:名無しのビルダー
いやでもビーム相手なら何とか…実弾中心だああああ!?
45:名無しのビルダー
やっぱ実弾はダメっぽいな。ビーム限定か
46:名無しのビルダー
いやでも直撃受けてる割に持ちこたえてるな?!硬いぞ!
47:名無しのビルダー
んーでもビームは吸収できるってことと実弾はダメっていうのが完全にわかっちゃったな
48:名無しのビルダー
対策取られるからこれはつらい
49:名無しのビルダー
ツムギちゃん、片手間で日本第4ブロックの代表者を撃破
50:名無しのビルダー
あのカッチョいい試作一号機の人かあああ!
51:名無しのビルダー
貴重な…いや貴重じゃないか。日本勢って枠が多いし。でも出来れば日本勢同士の争いはご遠慮いただきたく…!
52:名無しのビルダー
んーなんかヅダと他の人が会わねーな。なんでだろ
53:名無しのビルダー
多分、キュベレイパピヨンのせい。向かってくるやつ次々に撃破してる。今キル数10をこえた
54:名無しのビルダー
マジか、全く動かずに?例の見えない攻撃で?
55:名無しのビルダー
うん、ってヅダとキュベレイパピヨンが接敵するぞ!?
56:名無しのビルダー
マジでっ!?いかんいかんですよ!いくらあのヅダの形をしたロケットとはいえあの攻撃をかわせるわけないじゃないか!
57:名無しのビルダー
そうだそうだ!いくらあれがスラスターのヅダ化とはいえ無茶が過ぎるぞ!
58:名無しのビルダー
お前らさんざんないいようだなwwwあっ動くぞっ!
59:名無しのビルダー
ほーん…ん?
60:名無しのビルダー
…んん?
61:名無しのビルダー
ファッ!?躱してるやんけ!?
62:名無しのビルダー
直撃はビームバリアで防ぎつつ躱していってる…!というか躱すごとに動きが最適化されてる…!?
63:名無しのビルダー
うわっ、もう完全に見切りだした。防御するんじゃなくて完全回避だよ
64:名無しのビルダー
彼女たちには何が見えてるんだ…あとキュベレイパピヨン滅茶苦茶動揺してるわ
65:名無しのビルダー
いやだってほぼ全ての敵を封殺してきた武装が効かないんだぞ?誰だってそうなる
66:名無しのビルダー
おっとヅダ!ここで反撃…ミサイルきたあああああ!!!
67:名無しのビルダー
でた変態機動ミサイル!足のアーマーが開いて40ちょいのミサイルのお祭りだ!というかまさかとは思うけど
68:名無しのビルダー
全部の装甲ミサイルハッチだったりしないよね?
69:名無しのビルダー
キュベレイパピヨンの周りからビームが出た!?ファンネルはいずこ!?
70:名無しのビルダー
ファンネル…なのか?確証がもてん
71:名無しのビルダー
えっまたか!?
72:名無しのビルダー
また瞬間移動みたいな動き!今まで触れさせなかったキュベレイパピヨンを蹴っ飛ばした!
73:名無しのビルダー
追撃の極太ビーム砲!薙ぎ払いとか容赦ねえええw
74:名無しのビルダー
何もないとこが爆発してるってことはやっぱりファンネルなのか?
75:名無しのビルダー
いやでもそれだったら常にビームが出るハズだし、さっきだけビームが見えたのはおかしくね?
76:名無しのビルダー
わっかんねえなあ
77:名無しのビルダー
ヅダの動きを見る限りなんか躱してるんだよね
78:名無しのビルダー
おっと?これもしかしてキュベレイパピヨン撃破いけちゃう?
79:名無しのビルダー
いっちゃう?いっちゃう?
80:名無しのビルダー
手持ちランスをぶっ壊した!いけるんじゃね?
81:名無しのビルダー
ああっとスタービルドストライクが重力に引っ張られた!
82:名無しのビルダー
あっちゃー、ルワンさんは撤退か
83:名無しのビルダー
落ち方悪くね?
84:名無しのビルダー
んえっ!?ヅダのシールドだと思ってたのミサイルハッチだったのか!?
85:名無しのビルダー
うわうわうわミサイルありすぎィ!流石に当たるやろwあれっ?
86:名無しのビルダー
ヅダが飛び去った?あっマオくんやレイジくんとの合流を優先したのか
87:名無しのビルダー
うわっキュベレイパピヨンミサイル捌ききりよった!でも普通のファンネル使ってたな
88:名無しのビルダー
透明なのは数に限りがあるのか?やっぱりファンネル?
89:名無しのビルダー
日本勢合流しましたー
90:名無しのビルダー
あーやっぱスタービルドストライクの落ち方悪いな、このままじゃいい的やで
91:名無しのビルダー
当たり前のように大気圏突入していますがこれをやるには相当な完成度が要ります。さすがは世界大会
92:名無しのビルダー
あっヅダが先行した!フォローか
93:名無しのビルダー
マオくんめっちゃふらふらしてるけど
94:名無しのビルダー
もしかして迷ってらっしゃる?
95:名無しのビルダー
そういえばマオくんってヒッチハイクで移動してるのを目撃されてたような
96:名無しのビルダー
そんで乗せた人が口をそろえて方向音痴っつってたな
97:名無しのビルダー
そう言うの今要らねーから!急いで急いで!
98:名無しのビルダー
操縦席見えるとどうやらヒマリちゃんが頑張ってる様子。困った顔してるけど
99:名無しのビルダー
えーこちら落下予測地点、フェリーニが多勢に無勢してる
100:名無しのビルダー
なんでフェリーニ襲われてるん?
101:名無しのビルダー
チョマーをはじめとしたもてない男たちの怨嗟の叫びから察せ
102:名無しのビルダー
あっ(察し
103:名無しのビルダー
チョマーすげえ!ガウフルスクラッチとかようやるわ!
104:名無しのビルダー
バスターライフル正面から弾くとかなかなかできることじゃないで
105:名無しのビルダー
これフェリーニ脱落あるか!?いやっ!スタービルドストライクが援軍に来たあああ!
106:名無しのビルダー
ヅダも加わったな。チョマーがヅダに反応してる
107:名無しのビルダー
どこであっても敵同士!全力で勝負!っていいな、そういう熱いの好きよ
108:名無しのビルダー
おっゲルググチョマースペシャルだ!ヅダとタイマンか!
109:名無しのビルダー
うえっ!?チョマーってあんな強かったの!?
110:名無しのビルダー
曲がりなりにも世界代表だぞお前。実弾切り捨てる程度は標準装備よ
111:名無しのビルダー
すっげえ、ヅダのスピードに対応してる
112:名無しのビルダー
あらやだツムギちゃん凄い楽しそうな顔
113:名無しのビルダー
チョマーもいい顔してるなあ。うえっそれ対応できんの!?
114:名無しのビルダー
一瞬の回り込みからのヒートホークを防いだ!?すっげえ!
115:名無しのビルダー
うおっヅダそこでミサイル撃つ!?ゼロ距離だぞ!?
116:名無しのビルダー
ビームバリア越しにナギナタ掴んで逃げ場封じの自爆戦法か。サバイバルでやることか!?
117:名無しのビルダー
はっ!?爆発から逃げられんの?!流石に速すぎだろ
118:名無しのビルダー
チョマーゲルググはここまでか…いや、ガウがあった!
119:名無しのビルダー
あああああサテライトキャノン!ナイスタイミングマオくん!
120:名無しのビルダー
ヒマリちゃん疲れてるの草。どんだけ迷ってんねん
121:名無しのビルダー
チョマー敗退か…運が悪かったというかなんというか
122:名無しのビルダー
でも普通にフェリーニ追い詰めてあのヅダのような何かとまともに戦ったの凄い
123:名無しのビルダー
わかる。一気にチョマーの株上がった
124:名無しのビルダー
ヅダ見てて思ったけど足にミサイル、肩のシールドもミサイル、胸アーマーにもミサイル…ほんとに全身ミサイルだな。ビームかすったら誘爆しそう
125:名無しのビルダー
まず当たらないでしょ
126:名無しのビルダー
んおっ!?ナニコレ!?
127:名無しのビルダー
メガサイズザク!?すっげえ誰が操縦してんの!?
128:名無しのビルダー
あれ開始時にこんなのいたか?
129:名無しのビルダー
いなかったような
130:名無しのビルダー
目立ったデカモノってチョマーのガウくらいだったし
131:名無しのビルダー
ってことは誰か乱入?それともアクシデント?
132:名無しのビルダー
うえっビーム効いてないや
133:名無しのビルダー
はっいまなんつった?
134:名無しのビルダー
PPSEのサプライズぅ?
135:名無しのビルダー
正直いらんかった…!芋るやつは勝手だけど無理やりあぶりだしてほしいわけじゃない
136:名無しのビルダー
隠れるのも立派な戦術だしファイターになるやつがそんな消極的な奴バッカなわけじゃないっしょ
137:名無しのビルダー
うーん、俺はいいと思うけど、ステージギミックならな
138:名無しのビルダー
でもこれで逃げるという選択肢ができたわけで
139:名無しのビルダー
逃げないだろ。賭けてもいい、外れたら木の下にでも埋めてくれていいぞ
140:名無しのビルダー
スコップどこやったっけ
141:名無しのビルダー
信頼ゼロで草
142:名無しのビルダー
じゃあ俺逃げるの方で。外れたらワイの作品を晒すわい
143:名無しのビルダー
おっと立ち向かうようです
144:名無しのビルダー
作品晒しはよ
145:名無しのビルダー
スコップ無駄になってもうた
146:名無しのビルダー
専用スレ行って写真晒してくるんゴ…!
147:名無しのビルダー
おっと会場のカメラがメガザクに立ち向かうビルダーとファイターを映した!
148:名無しのビルダー
参加者も減ってきたからわかるけどwなんでそんなことを
149:名無しのビルダー
ツムギちゃん逃げるか方が賢いかって聞かれて馬鹿でいいやなんてすごいこと言うなww
150:名無しのビルダー
フェリーニさん大人の矜持を発揮
151:名無しのビルダー
マオくん仕方なさそうに言ってるけどめっちゃ楽しそう
152:名無しのビルダー
セイくんとレイジくんの聞かなくても分かるやり取り好き
153:名無しのビルダー
共同戦線キターーー!
154:名無しのビルダー
ヅダ、さっそくとばかりにビームキャノンを発射、ザクに直撃
155:名無しのビルダー
あれ耐えるとかやばいなザク。どんだけ硬いねん
156:名無しのビルダー
大きさに伴って装甲が分厚いからな。さっきのガウよりも硬いかも
157:名無しのビルダー
うーん、接近戦も駄目か
158:名無しのビルダー
ビームサーベル系なら傷は作れるけど…深手にならない感じ
159:名無しのビルダー
めっちゃ厳しい戦いなのに全員笑顔なのいいな、全力で楽しんでる感じがして
160:名無しのビルダー
弾幕張りつつ作戦会議か
161:名無しのビルダー
ん、スタービルドストライクとヅダが止まった。なんかやるのか?
162:名無しのビルダー
おっまたあのゲートだ!今度は何が起きる!?
163:名無しのビルダー
スタービルドストライクの隠し玉機能いいな、ビーム吸収しておそらく自分のエネルギーに変えてるんだろな
164:名無しのビルダー
まああんなド派手に使えばだいたいわかっちゃうよね
165:名無しのビルダー
げっクラッカー!?あの大きさが爆発したらヤバげじゃないか!?
166:名無しのビルダー
おっヅダの全身からミサイルが発射された!ダメージはあんまりないけど妨害としては極めて有効だな。いや?装甲ちょっと凹んでる?
167:名無しのビルダー
そら数がおかしいからな。ヘビーアームズが目じゃないくらいミサイル出てきてるぞ
168:名無しのビルダー
あっマオくんナイス!あの動く中クラッカーを撃ち抜くのはすげえ!射撃センス花丸ですわ!
169:名無しのビルダー
ガンプラ心形流はビルダー系の流派なのにファイターとしても強いのすこ
170:名無しのビルダー
フェリーニナイスアシスト!腰のクラッカー誘爆のダメ押し!
171:名無しのビルダー
ん?ヅダがミサイルハッチ外してる…?武装投棄?
172:名無しのビルダー
!?変形して合体した!?なんだアレ!?
173:名無しのビルダー
腕全体を覆う大型のガントレット…?
174:名無しのビルダー
ビームバリアーが完成したガントレットを覆って…
175:名無しのビルダー
スタービルドストライクの砲撃きた!超高出力のビーム!
176:名無しのビルダー
ゲート通ったら分裂したぞ!?やっぱあのゲートになんかあるんだな!?
177:名無しのビルダー
ビームの豪雨って感じだな。ザクもこれには耐えられんか、撃ち抜かれてボロボロじゃん!
178:名無しのビルダー
撃破かな?凄かったなーヅダは準備し損かねwww
179:名無しのビルダー
いやっまだ動く!
180:名無しのビルダー
うぇっ!?あの状態でもまだ動けんの!?
181:名無しのビルダー
ヒートホーク投げる気だ!スタービルドストライクが危ない!
182:名無しのビルダー
砕けた?見えなかったってことは
183:名無しのビルダー
ヅダだあああああ!!!
184:名無しのビルダー
体当たりでぶっ壊したのか!ひぇっ!?なんだあの殺意の塊のような武装は!?
185:名無しのビルダー
必ず殺すという強い意志を感じる
186:名無しのビルダー
いったあああああ!!!
187:名無しのビルダー
ぶっ刺したぞ!ザクが内部から爆発したみたいに撥ねたwww
188:名無しのビルダー
背中ぶちぬかれた!?エネルギー塊みたいなのが貫通してる!
189:名無しのビルダー
ってことはこれ…
190:名無しのビルダー
パ…パパパパ…
191:名無しのビルダー
パイルバンカーだあああああああ!!!ロマン兵器だああああ!
192:名無しのビルダー
ま、まさかガンプラ世界大会で実用性ほぼ皆無のロマン兵器にお目に書かれるとは
193:名無しのビルダー
まさか生きてるうちにリアルパイルバンカーを見れるとはなんという僥倖よ
194:名無しのビルダー
ツムギちゃんいわく「ダイダロスアタック」らしいけど
195:名無しのビルダー
いいじゃん名前かっこいい。あと3人でシークエンスやってきちんとシャウトしてぶつけてるの芸術点高い
196:名無しのビルダー
廃熱処理までされてんじゃん!蒸気の中で光るヅダのモノアイが素敵ぃ!
197:名無しのビルダー
もしかして作成者のアルトくんは相当なロマンスキーではなかろうか
198:名無しのビルダー
あんな変態可変機作ってる時点でもうロマンスキーは確定だな
199:名無しのビルダー
それを塗り替えるほどのミサイルスキーでもあるけど
200:名無しのビルダー
待って速すぎ
201:名無しのビルダー
ヒェッまたヅダスレ落ちてる!
202:名無しのビルダー
またですか!?勘弁してください!
203:名無しのビルダー
もっと語る時間をよこせください!
204:名無しのビルダー
ジオン系スレ大盛り上がりですよ!
205:名無しのビルダー
ジャイアントキリングだなまさに。
206:名無しのビルダー
第二ピリオド終了~~~~!!!
207:名無しのビルダー
ぐおっここも重くなってきた
208:名無しのビルダー
途中で飛んできた刀とビームは何だったんだろうか
209:名無しのビルダー
スタービルドストライクもヅダもやばいな。あんなのを子供が作ったのか
210:名無しのビルダー
アルトくんとぜひロマンについて語り合いたい
211:名無しのビルダー
セイくんにガンプラ教わりたい
212:名無しのビルダー
レイジくんとツムギちゃんとバトルしたい
213:名無しのビルダー
あのヅダの移動速度どうなってるんだマジで速すぎるだろ
214:名無しのビルダー
ほんsれ
215:名無しのビルダー
あっkた
216:名無しのビルダー
tyっとまっt
主人公方面ばっかりスポットが当たってるのは無数にあるスレのうちの一つだからと納得してください。
主人公以外の話も全部絡めて書いていたら時間がいくらあっても足りないし分割して2話も3話も要るのでちょっとそこら辺は書かないことにします
次話は第3ピリオドからになります
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第三ピリオド・螺旋貫通
「えっ何あれ…」
「レイジくんが…知らない女の子と…?」
「…びっくり」
第二ピリオド翌日の事である。第三ピリオドの開始は午後なので割と時間に余裕があるのだ。そしてなんと今日からコウサカがセイの応援のためにわざわざこっちに来るそうだ。親戚の家に泊まりつつ毎日こっちに応援に来るのだとか。で、セイとラルさんはそれを迎えに行ってる。
俺たちも席を一緒にして色々話したいことがあるので待ち合わせをしているわけで、その待ち合わせ場所に向かったわけなんだけどそこにはなんと寝転がるレイジの隣に体育座りで座る女の子の姿があった。しかもその女の子、銀髪でレイジと並ぶとお似合いな感じでよく映える美少女だった。レイジ…お前夜な夜なセイからどっかいってるって報告されてたけどまさかそこで…?いやでもレイジって女に興味のあるタイプではないよなあ
「どうする、これ」
「邪魔したら悪いし、いったん帰る?」
「…そうしよう」
「んおっ?なんだよアルトたちじゃねーか!なあセイのやつしらね?」
「あなたたちは…っ!?」
「…どこかで会った?」
こしょこしょと内緒話をしていた俺らにレイジが気づいてしまったのでバツが悪い俺たちが顔を出す。するとレイジの隣にいた女の子が俺たち、特にツムギをみて驚いた表情をする。あれ?どっかで会った?少なくとも俺にはこんなインパクトが強い真っ白少女に心当たりはないんだけど。二人に知ってるかどうかの確認で目配せをするとフルフルと首を振るので一方的に知られてるだけのようだ。
「えっと…」
「あっ…ごめんなさい。何でもないの…昨日の事、お礼を言わせてもらうわ、それだけ」
「ああ?知らねえな、何のことだよ」
「そう、あなたがそういうならそうするわ、それじゃ」
「いっちゃった」
「レイジ、何のことだ?」
「何でもねーよ。おっセーイ!おせえよどこまで行ってやがったんだよ」
「ごめんレイジ、アルトたちもいこー!」
「あ、ああ」
少女は俺たちをまるで怖いものでも見るかのような目で見て早口にレイジにいろいろ言った後逃げるように去っていってしまった。最後に言った昨日の事が気になった俺はレイジに何のことか聞いてみるがはぐらかされた上にセイが来たことによって有耶無耶になってしまった。何か問題になるようなことが起こってないといいんだけど。
『さあ始まります第三ピリオド!本日のお題は~~~~…オリジナルウェポンバトル!くじ引きで決まった武器のみを使用して1VS1のバトルを行っていただきます!』
結局あの後コウサカやセイと合流して一緒にお昼を食べて雑談をして終了と相成った。ウェポンバトル、ねえ…つまりヅダについてる武器使っちゃだめってことね、はいはい…ん?ピンポイントバリアパンチも駄目と申すか?あー、まあそうか。そうだよねえ…くじ引きときたらマジで運頼みだな。幸いツムギならまともな武器さえ当たればオッケーだろ。
「…アルト」
「ん、どうしたツムギ」
「…ヅダの装備、はずせる?増加装甲じゃなくて後ろの対艦ライフルとかガンポッドとか、使えないならあっても邪魔だし」
「そりゃ外せるけどバランス狂って速度が上がるぞ、あの状態がお前が動かせるぎりで作ってあるからな」
「…うん、わかってる。けど今なら大丈夫だから、私を信じて」
「信じろっつったってお前…」
「大丈夫だよアルトくん、ツムギちゃんなら大丈夫」
「いや、そうだな。ヒマリのほうが正しいか。分かった、はずすぞ」
ツムギの金の髪越しにほのかに見える蒼い瞳、その真剣さに俺はツムギの言う通りヅダの装備をほとんど外すことにした。この装備たちは本体に推進関係をすべて内蔵したことにより俺ですらも試し運転ができないほどのじゃじゃ馬になってしまったヅダをツムギが扱えるレベルまで抑え込むための重りだ。外した方が速いのもそうだが制御不能になるかもしれないというのが一番怖い。だが、そこまで言うのなら外すのもいいだろう。ツムギを信じると言ったのは俺だし、ファイターの要望に応えるのもビルダー兼セコンドの務めだ。
「アルト、ツムギ、ヒマリ…ちょっといいか」
「…チョマーさん、どうしたの?」
「ああ、昨日は負けちまったからな、言っておきたいことがある」
「言いたいことって何ですか?」
「もう俺は負けねえ。たとえ何があっても食らいついて、決勝トーナメントに参加してお前らと全力で戦う。このピリオドでその覚悟を見せてやる。だから、よく見とけ」
「チョマーさん、分かってます。俺も、ツムギも、ヒマリも。本気のあなたと本気の真剣勝負をしたい。だから俺たちは、あなたの覚悟に応えます」
チョマーさんの静かに燃え滾る目をしっかり見返しながら3人を代表して俺が答える。チョマーさんは満足げに頷いて、俺たち3人を順繰りにぐしゃぐしゃと撫でまわした後、片手をあげて去っていった。俺たちは強力なライバルがもっと強くなったであろうことに嬉しさを隠せず3人で笑い合う。その様子を見ていたフェリーニさんの意外なものを見たという顔が何とも印象的だった。
「おう、お疲れレイジ、セイ。あんな隠し玉があったなんてな…度肝抜かれたよ」
「ああ~もっと秘密にしておくはずだったんだよ~」
「もうレイジ!それよりも腕!ほら出して!」
「なっレイジお前これ何やったんだ!?ヒマリ!バッグの中から救急箱取ってくれ!」
「うん!はいっ!」
「なんでアルトこんなもの持ってるの…?」
「…フルスクラッチやってると関節痛くなったりとか間違えて指切ったりとかあるだろ?それ対策」
「それはアルトの作業量のせいだと思うんだけど…」
うるせえやい。現在くじ引きを終えて試合が半分進んだところだ。一番手のメイジン、続くマオにフェリーニさんは順調に勝ちをあげて試合を終わらせている。そして今セイたちも試合を終わらせていた。野球勝負というバトルとはと疑問を覚えるような勝負であったがセイたちが何とか勝利を収めたのだ。相手はバトルロワイアル中に交戦していたルワンさん。ルワンさんは元プロ野球選手という経歴を持ちバッター側で勝負を受けたのだがその圧倒的な有利を覆したのがスタービルドストライクの奥の手中の奥の手、吸収した粒子を機体のムーバブルフレームに浸透させることにより機体性能を爆発的に向上させるシステムだ。
俺のプラフスキーバーストを応用した機体の強化に似てはいるがあっちの方が完成度は高いだろう。俺のはあくまで速度や自分の動きに耐えられるように補助をするシステムなのだが、あっちは設計思想から違う。ムーバブルフレームを強化することを前提に設計しているだろうから機体性能の強化という点において俺は後塵を拝しているのだ。だが、俺のヅダは負けない。機体の一部が不利だからなんだ?求めていた能力が誰にも負けてない、それだけでヅダのファイターであるツムギが乗る以上、俺は負けないと信じるぞ。
何をやったか知らないが赤く腫れているレイジの腕を手当てをしながら俺は自分たちの番を待つ。試合を終えたフェリーニさんはいつもだったら自分に突っかかってくるチョマーさんが静かに会場の中継をしている画面を見つめているのを見て今までとは違うものを感じ取っているようだ。チョマーさんのその姿は、圧倒的な強者を想像させるものだった。
「さて、ツムギ、お求めのヅダだ。これでいいな?」
「…うん、ありがと。私とヒマリ、アルトのヅダは誰にも負けないから、しっかり見てて」
「ツムギちゃん、ファイトだよ!私の運の良さを信じて!」
俺たちの順番が来た。ツムギに渡すのは偽装シールド、背部疑似マクロスキャノン、対艦ライフル、ヒートホーク、ガンポッドを外したヅダ。重量の大半は増加装甲が占めているとはいえこれでも抑え込める重量を超過してるはずだ。だけどあのツムギの自信はなんなんだろう。相手が真っ赤に塗装したゲルズゲーをGPベースに置いてプラフスキー粒子が散布される。バトルの開始だ。
加速するヅダ、やはり加速力が段違いに上がっている、ツムギも振り回されて…ない?操れている、こっちに来る前はまともに飛ばせもしなかった増加装甲のみの状態での行動を完全に掌握しきっている。なぜ?と思ったがヒマリだ、ヒマリのサポート、ヒマリのカウントによってタイミングを計っている。どこで、どのタイミングで何をするべきかの時間把握をヒマリが担ってるんだ。ヒマリのリズム感はどの状態であっても正確に時間を図ることができる、それを利用したサポートだな。流石だ。
そして武装を収めたコンテナにたどり着き、コンテナを開ける、そこには
「なにこれ?」
「…ドリル?」
「ドリルハンマーか…なんちゅうゲテモノを」
そこにはガンダムハンマーをドリルにしたような武器が鎮座していた。あるんだよなこの武器、どっかのスカッドでハンマーズなゲームに実際にある。手に取ると…でかい、ヅダの全長くらいある超大型のハンマーだ。いやこれほぼドリルだけど。ぎゅるんぎゅるんと回る鎖付きドリルを不思議なものを見る目で見つめるヒマリ、こういうのが好きなロマン大好きツムギはちょっと嬉しそう。
「…面白そう、アルト、ねえ」
「作らんぞ。作れるけど」
「…まだ何も言ってないけど、残念」
「あっ!敵機接近!来るよ!」
「…ちょっと使いにくいかも」
ゲルズゲーがその多脚をわしゃわしゃ動かしながら与えられた武器らしい対艦刀を二刀流してこちらに迫ってくる。なんかそっちはまともな武器が当たっていいなあ、ドリルは俺も好きだけどこれどうすんべ?投げてぶつければいいの?普通にふるっても地面から動く気配ないよ。
「…あっ、いいこと思いついた。ヒマリ、5カウントお願い」
「えっ!うん分かった!5!」
カウントが始まった瞬間爆速で後方に飛びずさるヅダ、鎖を持ったままなので引っ張られてドリルハンマーが浮き始める。ツムギの目配せで察した俺はISCのロックを解除する
「4!」
「んーーー!」
ツムギの掛け声とともにヅダが大きく円を描いて反転、浮いたハンマーの遠心力をスラスターの鬼の推力で抑え込みながらまっすぐゲルズゲーに向かって加速
「3!」
「ISCの対象範囲にハンマーも指定!!」
「2!」
「ドリル回転開始!」
ギャルルルルル!とヅダの後ろについたドリルハンマーが回りだしてその螺旋が全てをぶち抜けそうなくらいの気迫を見せる
「1!」
「いっちゃええええ!」
ヅダがISCを利用して急停止、ドリルハンマーは慣性の法則に従ってヅダの前に出る。鎖がピン、と張る前にヅダは手を離し、ヅダの超加速で砲弾と化したドリルハンマーが突っ込んでくるゲルズゲーに対してまっすぐに飛ぶ、普通なら避けられるはずだが逃げてたヅダを追って本気で移動していたゲルズゲー、車は急に止まれないというように、MSも急には止まれないのである。
ドリルを何とか防御しようと差し込まれた対艦刀をあっさりとへし折り、ゲルズゲーを粉々にするレベルで貫いたドリルハンマー、ロマンの一撃は、ここに勝者を決めたのである。ツムギの満足そうなむふんという顔とがっくりと肩を落とす対戦相手の構図でこの勝負は終了と相成った。
「フェリーニ」
「なんだよ、チョマー」
「よく見とけ」
「…ああ、わかってるよ」
控室に戻った時入れ替わるようにチョマーさんがフェリーニさんにそう言って出ていった。チョマーさんの相手は、アルゼンチン代表のレナート兄弟、グレコさんやフェリーニさんに並ぶ強豪として称えられているファイターたちだ。相手にとって不足はないとでも言わんばかりの態度ではあるが、今のチョマーさんなら何かしてくれるのではないかと俺は思っている。
『よーうチョマー!よろしくなぁ?』
『ああ、頼むぜ』
『…兄貴』
『ああ、何かが違うらしい』
対戦相手のレナート兄弟も挨拶の時点でそれを感じ取ったようで警戒を高めている。GPベースに機体が置かれる。レナート兄弟はジムストライカー、チョマーさんは…
「ジェスタキャノン!?しかもフルスクラッチ…!」
「あいつが…チョマーがフルスクラッチでMSを作るだと…!?」
チョマーさんがセットしたのは赤と青、チョマーさんのパーソナルカラーに塗装されたジェスタキャノンだ。しかも、見ればわかる、フルスクラッチ。何を思ってこの機体を使ったのかはわからないけどチョマーさんが本気なのだということ自体はわかる。チョマーさんは大型機体をフルスクラッチするのが得意な反面、通常サイズのMSのフルスクラッチは苦手だと言っていた。それがあの完成度…!?どこまで本気なのだろう。
次回、チョマーの本気を刮目せよ!この作品のチョマーさんは超強いのでご期待ください。
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ドイツの征嵐
ジェスタキャノン、MSのフルスクラッチを苦手としているチョマーさんが本気で作った機体だ。その完成度はとても苦手なんだよと苦笑いして言っていたとは考えられないレベルのもの。赤と青の機影がジャングルに射出されブーストをふかしてダッシュする。相手のジムストライカーと同じタイミングでチョマーさんは武装コンテナを発見し中身を取り出す。
「ビームライフルショーティー…悪くないんじゃないか?」
「ええ、チョマーさんのあの機体なら十全に扱えるかと」
「…チョマーさんは私と張り合える、だから大丈夫」
「すげえ自信だな。ツムギさんよ」
「…フェリーニさんは、自信ない?」
「いいや、俺が一番さ」
「…そういうこと」
画面の中では2丁のビームライフルを構えたジェスタキャノンがあらゆるところを警戒している。レナート兄弟は狡猾な策謀家として通っている。トラップの専門家だ。今回は使う武器が指定されてる以上トラップは使えないけどどんな作戦で来るかわからない。しかも塗装だ、ジムストライカーは森に溶け込む迷彩柄の塗装を施している。まさに戦争とでも言わんばかりの徹底っぷり。
「っ!動きました!」
マオの声で画面を注視する。ギリギリだがジェスタキャノンの背後にカメラアイが見える。ジムストライカーはそのまま背後からジェスタキャノンに向かって大型のナイフを持って斬りかかってくる。ヒマリが危ない!と聞こえもしないのに叫んでしまうがチョマーさんは冷静だった。
『なっ!?』
『そこかぁっ!!』
半歩体をずらして避けたジェスタキャノンはその状態のまま足払いをかけ、ジムストライカーを転ばせると同時にビームライフルショーティーの銃底でバックパックを思いっきりぶっ叩いたのだ。巧い!スラスターとは露出してる内部構造に等しい、つまり装甲で覆えない弱点の一つなのだ。ランドセルのスラスター半分が拉げたジムストライカーが何とかもう片方のスラスターを吹かして離脱していく。ビームライフルショーティーの追撃が何発か当たるがジムストライカーの強靭な装甲の作りこみのせいで表面が溶ける程度で済んでいる。何とかジャングルの中へ逃げ込めたジムストライカーがまた身を隠した。
『おいレナート兄弟さんよぉ!お得意のトラップが使えなきゃこの程度かぁ!?』
『あいつ…!』
『熱くなるな、挑発だ。接近戦は分が悪いのがわかった。奇襲に徹しろ』
『…っ!了解っ!』
分が悪いのはレナート兄弟、遠距離武器のビームライフルショーティー、しかもチョマーさんは今の通り近接格闘のほうが得意だ。それに対して本来の戦い方を封じられたレナート兄弟と驕りを封じ、前だけを見つめて本来の実力を発揮しているチョマーさんでは確かに相手が悪いかもしれない。チョマーさんは動き回ると不利なのを悟ってかその場から動かない。
今一度の奇襲、今度は対応しづらい真上から、ビームライフルショーティーの銃撃を装甲で耐えながら一刀両断を狙う構えだ。だがチョマーさんもさるもの、止まらないと悟った彼は両手の武器を手放した。降参?いやありえない。まさかっ!?
『ばかなっ!?』
『ここまでするか…ライナー・チョマー!』
『負けられねぇんだよ!俺はぁ!』
「真剣…白刃取り…!そんなっキラ・ヤマトじゃあるまいし!」
「あのおっさん…あんなに強かったのか…!?」
すげえ、すげえよチョマーさん!セイとレイジの驚きの通り、チョマーさんは眼前に迫る刃を両のマニピュレータで挟み取り、己から背後に倒れ込んだ状態で相手を蹴り上げて投げる巴投げでジムストライカーを宙に躍らせた。落とした武器を拾い上げたチョマーさんの銃撃がジムストライカーに突き刺さる。装甲はほぼ融解し無残になっている。迷彩柄もほとんど効果を為していない。決着は近い…!
「あの、フェリーニはん」
「…どうした、マオ」
「あのお人…チョマーはんって去年あんなに強かったですか?」
「…正直別人だ。強さも、ビルダーとしての実力も。だけどあいつは間違いなく俺のライバルの一人の、チョマーだ」
フェリーニさんの言葉には喜びが溢れている。去年しのぎを削ったライバルがより強くなって自分の目の前に現れてくれたことに。噛み締めるような実感がこもったその言葉を聞いたマオはより顔を引き締めて画面にかぶりつく。ツムギもヒマリも、言葉を発さずに画面を見続けている。チョマーさんの戦いのレベルは、それほどまでに高い。
『くっ…兄貴!』
『やむを得ん!使えっ!』
ジムストライカーの動きが変わる。バックパックが破損しているとは思えないほど速くなり、動きの機敏さが増した。振るわれるナイフを捌くチョマーさんだが、射撃が一発も当たらなくなった。これは…
「EXAMシステムだ…ゴーグルの色が緑から赤に変わってる!」
「んだそれ…?」
「MSの性能を強化するものだと思え。ここで隠してたものを切らせたのか…!」
縦横無尽にジェスタキャノンにヒットアンドアウェイをかけるジムストライカー、徐々にジェスタキャノンを追い詰めていく。レナート兄弟もさすがという戦闘の運び方だ。逆転のカギを最後まで残していた、普通のファイターならここでさらに逆転はない、けど相手は普通のファイターじゃない。世界選手権の出場者で、さらには強豪として名をとどろかせる男だ。
『掴まれた!?EXAMシステム起動中だぞ!?ジェスタだからって…!』
『なんでもいい!脱出しろっ!』
『言ったはずだぜ?速いだけじゃチョマー様は倒せねえってなあ!』
振るわれたナイフを片方のビームライフルショーティーの銃身を犠牲にすることで食い止め、腕を掴んで行動を封じる。前蹴りがまともにジムストライカーに突き刺さり手を離さなかったせいで片腕がもげる。木に叩きつけられ片腕を失ったジムストライカー、最後まで油断をしなかったチョマーさんは残ったビームライフルショーティーをジムの赤いゴーグルに突き付け
『あばよ』
その一言で引き金を引いてフルオート射撃を容赦なく食らわせた。頭を撃ち抜かれて全身にビームを浴びたジムストライカーは機能を停止、GPベースが勝者と敗者を分ける。完勝だ。いくらチョマーさん有利だったとはいえレナート兄弟もファイターとして正面から戦った場合の実力は相当高い。ただトラップと策謀だけのファイターじゃない。裏打ちされた実力があってこそ策謀が生きるのだ。それをチョマーさんは上からねじ伏せた。
にやりと笑って歓声に手を振って返す男を控室のファイターたちは鋭い瞳で見つめ続けていた。
「ああああああ~~~連日キッツいよなあ~~~。ツムギとヒマリは大丈夫か?」
「…うん、大丈夫。でも今日は凄い楽しかった」
「ね~~!チョマーさんと一緒に戦えるなんて!」
「ああ、ジェスタキャノンチョマーSP、侮れない機体だった。砲撃戦用の機体なのに接近戦も完全に両立させてるときたもんだ。レイジたちもお疲れさんだな」
「素晴らしいな、第六ピリオドまで無敗、レイジ君の怪我があっても勝利を重ねることができるとは」
「いや~えへへ~」
「実力だぜ?俺と、セイのな」
日は飛び、現在第六ピリオドが終了したところになる。いやー今まで大変だった。第4ピリオドは射撃勝負、支給されたライフルを使ってどれだけ正確に的を撃ち抜けるかという勝負なのだがツムギの目はスコープ要らずなので普通に最小弾数で全弾命中で突破、レイジの怪我が予想以上に悪かったため三角巾で片腕を吊ってはいたがそこはセイがメインとなって操縦することで解決。バトルしなきゃ操作はうまいんだよな、セイ。それに段々と操縦の技量も高くなってきた。レイジに触発されたか?
そしてその次の日、玉入れ。銃に弾を込めて遅かった方を撃っていいっていう弾入れじゃないよ?運動会でやるアレ、籠の中に玉をたくさん入れたほうが勝ちっていうあれさ。もちろん飛行禁止、チーム戦みたいな感じで赤白10人で別れての勝負だった。接戦だったけど何とか勝利、無敗を貫くことができたのだ。バトルとは…?となったけど正直ちょっと楽しかった。ガンプラ運動会とか小規模で開催したら面白いかもしれない。
今俺たちはコウサカやラルさんと一緒に食事をしているのだが話題になるのは専ら世界選手権の出場者たちだ。当たり前の話だけどな。
「今現在君たちを含めて無敗で勝ち残ってきているのは11組…ガンプラ心形流のヤサカ・マオ、イタリアのリカルド・フェリーニ…正体不明のアイラ・ユルキアイネン、他にも強豪ばかりだ」
「イオリくん、大丈夫?」
「ありがと委員長、絶対勝つから応援よろしくね」
「…それだけじゃねーだろ、ラルのおっさん」
「ああ、タイ代表のルワン・ダラーラ、アルゼンチン代表のレナート兄弟…そして」
「ドイツのライナー・チョマー…」
「そうだ。私も彼の変わりようには驚かされた。ファイターとしての研ぎ澄まされ方はある意味で完成に至っているだろう」
「…チョマーさん、すごく強くなってた。バトルロイヤルの時から何かを掴んだんだと思う」
「今日の3VS3バトルで確信に変わった。チョマーさんの中でピースが噛み合いだしたんだ」
多分、そのピースというのが、俺たちだ。フェリーニさんへの一方的な嫉妬じみたものではなく純粋な…ただ純粋に勝ちたいと俺たちにその思いを向けてくれてるんだ。チョマーさんの実力は当然高い、だから明確な格上なんて数えるほどしかいない。俺たちがそうだとは思えないけどチョマーさんは俺たちをターゲットにしてくれた。執念をすべて俺たちと全力で戦い合うために向けだしたんだ。
今日の第六ピリオド、3VS3のチームバトルで俺たちはチョマーさんとチームを組むことになった。そして、彼が作ったジェスタキャノンの真の性能を目の当たりにした。ビームキャノンは出力調整でビームガトリングに変わり、左肩のマルチランチャーはミサイルポッドへ変更、脚部の3連装グレネードランチャーはオミットされ、分厚い装甲に置き換わっていた。腕部の装甲に変更が為され内部にビームソードを内蔵し、腰にも2本のビームソードが装備されている。ビームライフルはビームサブマシンガンへ変更され、シールドとの複合武装へ変わっている。そして、俺のバルキリーから学んだのであろう偏向ノズルによる高い運動性と、装甲内部に内蔵されたマイクロミサイル…間違いない、元になってるのはYF-19のスーパーアーマードパック…それをチョマーさんなりの回答で形にしたものだろう。
今日のバトル、俺たちと組んだチョマーさんともう一人、エジプト代表の人だったが、スコアが違う。チョマーさんが2機撃墜、そして俺たちが1機だ。速度を活かして索敵を担当した俺たちをビームキャノンとミサイルで援護した際にシールド上から敵機を蒸発させ、背後から迫ったゴッドガンダムを格闘戦で圧倒、ゴッドフィンガーをカウンターで切り捨て、相手が放った起死回生のもう片方の腕でのゴッドフィンガーを腕を掴んで一本背負いして無力化、ビームソードを突き刺して終わらせた。
その戦いの中、チョマーさんに動揺はなく常に冷静だった。滾ってる、燃えているのはわかるがそれを全く表に出すことなく最善の選択肢を判断し続ける。チョマーさんの強みは判断力にある、と俺は考えている。ツムギが操縦するヅダと対等に渡り合ったのは、チョマーさんの咄嗟の判断、いわば勘がそれだけ優れていたからではないかということだ。
俺が作り、ツムギが操縦するヅダは速い、バルキリーの圧倒的な加速を生み出すエンジンをそのまま搭載し、さらにメインエンジンはカリッカリにチューンアップした土星エンジン、目にもとまらぬとはこのことと断言できるくらいには速度に自信がある。チョマーさんは格闘戦が一番得意だ。ヅダの超速度ヒットアンドアウェイを簡単に対処してくるくらいにはチョマーさんはできる。初見殺しともいうべき武器封じと至近距離マイクロミサイルという奇策で一度は勝利したもののツムギが言うにはあのまま接近戦を続けても負けはしないが勝てもしなかったとのこと。
チョマーさんが言っていた「速いだけでは俺は倒せない」という言葉が絶対的な真実だったのだ。ヅダの一番の武器が彼には通用しない。その事実は俺とツムギ、ヒマリを燃え上がらせるには十分だった。絶対に彼に勝つ、目標はたくさんあったけどその中でもひときわ大きな壁としてチョマーさんは立ちふさがってくれた。
フェリーニさんもマオも今のチョマーさんを大きく警戒している。そして、彼は俺たちやセイ、マオと違ってマルチファイター、多数の機体を使い分けてくる。正直あのジェスタキャノンが全てなんてとても思えない。まだ何かあるはずだ。
「…楽しいね。こんなにも悩んでるのに」
「うん!不思議、何にも思いつかない!」
「ああ、なんていう無理難題だろうな。なのに、これ以上ないほど楽しい」
壁が高ければ高いほど燃える。勝ちたい相手が一人増えた、それだけのことなはずなのにどうやってそいつに勝つか考えて、悩んで…それを面倒だなんて思えないし思わない。いくらだって悩んでいたい気分だ。マオやフェリーニさん…それにタツヤさん、セイとレイジ、誰の事を思ってもそうなる。そして、その中に一人が追加された。ワクワクしてドキドキする。強敵が出現するっていうのはやっぱり一大イベントだな。
これが作者の考えるチョマーさんです。原作ではギャグキャラ&負け癖がつくというありさまでしたがこの作品においてチョマーさんはフェリーニさんと並ぶ、あるいは凌駕するかもしれない超強キャラになっております。
というかフルスクラッチジェスタキャノンの性能予想なんでみんな当ててくるの?作者ってそんなにわかりやすいかな。
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第七ピリオド・蒼の流星、不穏な影
迎えた7日目、第七ピリオド…ガンプラレースだ。そう、レース…去年の第六回世界選手権のモラトリアムでツムギと勝負したものと同じルール。俺が作ったヅダ・マクロスパックの得意分野だ。問題があるとすれば…誰と一緒になるか。10人同時のレース、全部で9レースしかない。その中で、ポイントが付くのは1位のみ、非常に厳しいルールだ。そして、モラトリアムイベントと同じではないのが妨害がありなところ。コースにトラップを仕掛けようが、銃撃しようが、ビームサーベルでバラバラにしてもいい。そういうルールだ。
「ツムギ、よかったな」
「…うん!思いっきり、前に出る!」
「ツムギちゃんレース大好きだもんねえ」
そう、ツムギはガンプラバトルよりもレースのほうが好きらしい。というかこいつの元々の目的はヅダを速く速く、遠くへ飛ばすことなんだからな。この大会に出てくれているのは…自惚れじゃなかったら俺が出られないから、というだけだ。だから、世界大会専用の超大型GPベースで行われる何でもありの妨害レースはツムギのやる気をグングンとあげている。
「…はやく、はやく。順番にならないかな」
「ツムギちゃん大興奮だね~」
「去年俺とやった時みたいだな」
それはもううきうきワクワクと、バトルでもないのに髪を留めて顔を出しているし、待ちきれなくてソワソワしてらっしゃる。サファイアのような瞳はそれそのものが宝石だと言わんばかりにキラキラと輝いている。犬の尻尾があったらそれはもう元気にぶんぶんと振っていることだろう。というか座ってる段階なのにもう体がうずうずと動いている。大丈夫かなこれ。
「アルトくん、そわそわしてどうしたの?ツムギちゃんとシンクロしてるよ?」
「えっマジで?いや、多分連日セコンドやってるせいかな…?」
「つまり?」
「…バルキリー飛ばしたい?」
「身もふたもないけどソレ。会場のGPベース借りようかな」
「…じゃあアルト、終わったら勝負」
「VF-22でか?」
「…うん、ヅダは決勝トーナメントの後で」
「それもそうだな、やるか。VF-25も飛ばしてやらないとかわいそうだし」
「あーずるーい!仲間外れはんた~い!私もVF-11とクァドランで参加する~~!」
「おうやろうやろう。俺も暴れたいし」
ワイワイと話していると、何となく視線を感じる。疑問に思った俺たちが周りを見るとどうやら他の選手たちが耳をダンボのように大きくして聞き耳を立てていたのだった。で、俺らと目が会うとちらちらと何かを言おうとしてもごついている。うん?何事?と思っていると俺の両脇にどかっと座る人たちが、チョマーさんとフェリーニさんだ
「よーうアルトぉ、面白い話してんじゃねえか、なあフェリーニ?」
「全くだぜ、お前この後飛ぶって?なあ俺たちも混ぜろよ」
「いいですけど。なあヒマリにツムギ」
「ぜひぜひ」
「…かもん」
「ワイも混ぜてもらえまへんか?」
「マオくん!いいよ!やろやろ!」
「僕たちも入れてよ!」
「そうだぜ!てめーとは一度ガチでやりたかったんだよアルトォ!」
「…セイ、レイジ…本戦用とは別のガンプラ持ってる?」
「…よな?セイ」
「…ごめん、ない」
「おいこらセイィ!」
「しょうがねえから素組みだなセイ」
「試作品持ってくればよかったよ…」
ここに来てからヅダの調整に心血注いでいたせいでバルキリーを飛ばしていなかった俺としては折角来たんだしレースの後の息抜きくらいはいいだろうと3人でGPベースを使おうとしていたのだがその話を聞いていた周りの大人や親友が乗っかってきた。世界選手権だしやることあるだろなーって思ってたんだけど生粋のガンプラバカしかいない大会だ、俺の考えが間違ってたか。
「メイジン、来ますか?」
「………遠慮させていただく」
「そうですか…」
同じ部屋にいたタツヤさんも誘ってみたのだが長い長い沈黙の末に断られた。凄い行きたそう、だけど立場でがんじがらめになってて自由に動けないのがありありとわかる。これ絶対本心は即答したかった感じだ、だってめっちゃ悩ましい顔してたもん。だから残念そうな顔で見てやるなヒマリにツムギ、タツヤさんめっちゃ顔そらして見ないふりしてるから。
『第一レース、参加者は準備をお願いします』
「おっ、一番じゃないの、行こうか」
「…やった。レース、レースっ」
「ホントにうきうきだねツムギちゃん」
やる気十分満点のツムギがルンルンと俺とヒマリの手を引っ張って会場に一番に乗り込んでいく。後ろから感じる生暖かい視線に見送られながら他の選手と一緒になってGPベースにヅダをセットする。他の選手がドダイやらなんやらと移動用のものを装備する中俺たちのヅダは素の状態だ。だって要らねーもん、ヅダにそんな追加装備。本体がすでにバチクソに速いのにこれ以上速くしてもドラッグマシンみたいになる。曲がれねーよ、爆発炎上だよ。ツムギに言わせたら様式美だけど大会では要らねーんだよそんなの。
『シグナルが…青に変わりました!』
「…いこっ!ヅダ!」
シグナルが赤から青に変わった瞬間、他の選手がブーストを吹かし始めた段階で土星エンジンと熱核バーストタービンを爆発させてかっとんだヅダ、当然現在一位、らんらんと光るモノアイの軌跡と青い残像が市街地のコースを駆け抜けていく。実況のキララさんが速いっ!と言ってくれているがそれ目的の機体だから早くて当然。後ろから迫るビームや長距離砲の狙撃を躱しつつ縦横無尽に飛んでいく。
「くそっ!わかってたけど速い!」
「まだだ!諦めんぞ!」
レース用の機体を作ってた人たちは速度が乗ってきたことで追いすがってきている。特にドダイやベースジャバーを利用している人や可変機体の人は攻撃する余裕があるようで、ミサイルやらビームやら実弾がヅダに向かって飛んでくる。
「…ミサイル、腕部、脚部、胸部、腰部、全弾発射!」
「大盤振る舞いだな!」
「ツムギちゃん!第二チェックポイントまであと少しっ!」
「…ん!」
反転して後ろを向いたヅダの追加装甲が次々とオープンしてミサイルが発射される。狙いは機体本体…ではなく地面や側面のビル。無数の爆発が咲き、スピードが乗ってたせいでブレーキが利かなかった機体が次々に爆炎に飲まれる。その隙に加速し、チェックポイントをくぐっていく。このレースは3周ある、一周はそれなりに短いが3周となるとそれなりの長さで集中力が要求されるわけだ。
「…アルト、もっと差をつける。ISCを全開にして?」
「…60秒だぞ」
「カウント始めるよー、1、2、3…」
「…行くよっ!ヅダ!」
1周目を早々に終了させたツムギのお願いを聞いた俺がリミッターを外し、プラフスキーバーストを全開にする。熱核バーストタービンから吐き出される圧縮粒子の青色の爆炎と土星エンジンから噴きだす白い炎の後押しでさらに加速していく。ツムギの操作とヅダの圧倒的な速度が後続をどんどん切り離していく。全力で操縦桿を押し込むツムギとそれに答えてどんどんと加速していくヅダ。
『速い!速すぎるぞヅダ!これがツィマッド社の底力かっ!?』
「…キララさん、わかってる!ヅダっ!ラスト!頑張るよ!」
2周目をあっという間に終わらせ、3周目に入る。1周目はまだ理解できる軌道で飛んでいたがISCを使用し始めてから観客には理解不能な軌跡を描いているだろう。直角に曲がり、攻撃に対して真横にスライドして躱す、ピンポイントバリアの光に包まれて流星と変わったヅダが圧倒的優位を保ちつつ3周目のゴールテープを切った。第七ピリオドも完勝、だな。
その後、フェリーニさん、チョマーさん、マオ、メイジンは問題なく1位を取り、ラストのレースでセイとレイジの番になった。湖畔のステージで1周目、2周目の時点でディスチャージシステムを使って1位をキープしていたスタービルドストライクだったが、3周目の序盤に、湖の中から伸びてきた腕に捕まって引きずりこまれてしまったのだ。
「なんだっ!?妨害か!?明らかにMSの腕だったぞ!?」
「…でもおかしい、走ってる機体は減ってない」
「ええ、ワイらの時にはあんな露骨なトラップなんてありませんでした」
すぐさま脱出したスタービルドストライクであったが一位は入れ替わりレナート兄弟に。残りの粒子を使ってのディスチャージでもう一度詰めるスタービルドストライク、だがレナート兄弟が一瞬、ほんの一瞬だけ先にゴールをくぐり、セイとレイジに大会初の黒星がつくことが決まってしまった。
「だーーーーー!くっそ!何だったんだよアレ!」
「うん、ホントに…訳が分からないや…」
「ああ、あれはおかしい、一度大会本部の方に連絡を入れよう」
帰ってきた二人をツムギとヒマリが慰めながら俺は端末から大会本部の方へ連絡を入れる。同時にチョマーさん、フェリーニさん、マオもだ。メイジンは試合が終わった直後に荒々しくドアを開けて出ていってしまった。メールでの連絡は10分ほどですぐ返ってきて内容は…
「ステージギミックだぁ!?そんなんで本当に通ると思ってるのかよ!?」
「こっちも同じ返答です。あくまで各ステージに一つ仕掛けられたトラップだと」
「たまたま他の試合では誰も踏まなかっただけで今回偶々スタービルドストライクが引っ掛かった?んなわけねえだろうが!」
「しかもありゃあ、どう見てもMSだ。つまり操縦者がいたはず…狙ってるのか?セイとレイジを?でけえザクの時もそうだ、執拗にスタービルドストライクだけ狙ってたしな。おかしくねーか?」
恣意的すぎる、何が俺の親友とそのパートナーにある?そんなもんは心当たりはねえ、だとすれば勝ち上がらせたくない何かがあるとしか思えない。誰の思惑だ?何の目的で?セイとレイジに一体何があるというのだ。ギリギリと歯が鳴ってしまう。くい、と袖が引かれた。そっちを見ると心配そうな顔をしたヒマリ。ふう、と息を吐いて顎の力を抜く。
「セイ、レイジ…どうする?」
「勝つしか…ないよ。これで次のピリオドを落としたら僕たちはもう、決勝トーナメントに参加できない」
「ああ…次は何が起こっても負けねー…アルト、発散に付き合ってくれよ」
「アレがあっても、気持ちは冷めてねーみたいだな。付き合ってやるよ、いくらでもな」
ショックを受けたが折れないセイと逆に燃え上がっているレイジを見て、要らない心配だったかと思ったが…どうにも嫌な予感が拭えない。とにかく明日には何もないといいんだけど。
「さあアルト!今日こそお前の飛行機撃ち落としてやるぜぇ!」
「アルトはん!一手お付き合い願います!」
「チョマー様のお通りだぁ!」
「アルト、悪いな」
「…アルト、覚悟」
「アルトくん!今日こそ当てるからね!」
「待て待て待て待て!なんで6vs1になってるんだよ!?おかしいだろ!」
「だってみんながみんなアルトくんと戦いたいから!」
「じゃあ順番に一人づつでいいだろうが!」
「えーだって待てないもん!」
「…待ちきれない」
「…ヒマリ&ツムギ、ステイ!」
「…いやだ、わん?」
「いやだニャー!」
「おらいくぞアルトォ!」
「ちくしょうがあああああ!!!」
ところ変わって現在会場にある試運転用のGPベースを借りているわけなんだけど、なんでか知らんが全員まとめて俺にかかってきた。おかしくない?
VF-25スーパーパックを操る俺の前に現れたのはセイがさっき組み立てレイジが操るエールストライクガンダム、マオのダブルエックス、チョマーさんのウォドム、フェリーニさんのEW版ゼロカスタム、ツムギのVF-22スーパーパック、ヒマリのクァドラン。なんで俺に味方がいないの?クソァ!もう知らんぞ俺は!何が何でも被弾ゼロで切り抜けてやる!いや?ならばこそこれで行こう!
「お前らがそれなら俺はこうしてやる!いくぞおおおおおおお!!」
「ああっ!そりゃ汚ねーぞ!」
「うるせえ!一機でこの強者たちとやり合えるか!」
「アルト!そう来なくっちゃ!」
セイの嬉しそうな声をよそにどう考えてもやばいと思った俺は持ってきていたVF-1、VB-6、VF-11、YF-19、YF-21も全て投入することを決意。これで数は6機!釣り合った!カイザーさんにレクチャーを受けて抜群に上達した同時操作の腕前を見せてやる!バルキリーに乗れば俺は負けねえんだよおおお!!!行くぞ全機同時操作!突撃ラブハァァァァァトォ!
俺は全力のやけくそでミサイルとビームの嵐にバルキリー5機を突っ込ませ、デブリ上で変形させたモンスターによる超長距離砲撃を撃たれると厄介ことゼロカスタムとダブルエックスに浴びせてやるのだった。わいわいぎゃあぎゃあと楽しむ俺たち。迫るミサイルとビーム、弾幕の嵐を縫って反撃を叩き込むバルキリーたちとそれをやすやすと躱していくライバルたち。今が大会中だということを忘れて、俺たちは存分にバトルを楽しむのだった。
「いまだ!食らえフェリーニィ!」
「あっチョマーお前っ!そりゃ無しだろうが!」
「ナイス仲間割れぇ!食らえマオォ!」
「あぶなっ!?やりましたねアルトはん!」
「俺を忘れんなよアルトォ!」
もうすぐ…もうすぐ予選が終わる…!決勝トーナメントを書ききれば後は例のあのイベントをかける…!
完結まであともう少しなんだ…!
え?トライ?知らんな(魔王並感
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最終ピリオド・死闘
いやー昨日は楽しかったなあ。結局あの後2時間くらいぶっ続けでやったんだっけ。誰も被弾しねーから弾切れ頻発でさ。え?俺?バルキリーは最強ですので(断言)マクロスファンとして簡単に撃墜されてやるわけには行かないのです。正直同時操作であの猛者たちと張り合うのは無茶が過ぎた。頑張りすぎて知恵熱出たよ!おかげでやった後選手村でダウンしてました。で、ラストが今日なんだけど…
「決勝トーナメントは出場決定だな、やったなツムギ」
「おめでと~!ツムギちゃん!うりゃ~~~!」
「…二人のおかげ、私の方こそ、ありがと」
現状で第七ピリオドまでを全勝している俺たち、フェリーニさん、マオ、メイジン、アイラ・ユルキアイネン、ニルス・ニールセン…あとイギリス代表のジョン・エアーズ・マッケンジー、この人達がすでに決勝トーナメント進出を決めている。後を追うのはセイとレイジ、チョマーさん、ルワンさん、レナート兄弟…だ。彼らは勝つか引き分けで終わらないと決勝トーナメントに出ることはおそらくないだろう。
ツムギに抱き着いてうりうりやっているヒマリを見ながら俺は自室の中で今日の発表に備える。例年通りであれば1vs1のガチンコバトルになるところではあるが…その相手が例えばチョマーさんやフェリーニさん、それにマオやセイ、レイジだった場合…やばいかもしれない。
彼らは俺が作ったヅダとツムギの操縦に対応してくるからだ。そしてそうなった場合ヅダはただでは済まない。必ずどこかぶっ壊れるだろう。そうなった場合スペアパーツに換装することになるわけだがそれが問題なのだ。俺のヅダは滅茶苦茶繊細な機体で、試合するたびに関節部が限界に達して交換を余儀なくされるし、怠るとマジで空中分解しかねない。あれだ、限界の負荷ギリギリでいつも動いてるからちょっとのことでガタが来る。で、関節部程度ならまだいいんだけど、脚とか、腕とか替わったらそりゃあもう大変だ。
なんでかって?重心バランスが微妙に変わるし、特に足、熱核バーストタービンが替わったらエンジンの性能も変わる。なんつってもフルスクラッチだからな、でそのちょっとが致命的な問題に変わるんだ。そのためにツムギがそれをあわせるのにどれだけかけられるかという問題だ。今積んでる熱核バーストタービンは出力バランスがぴったり釣り合った状態でチューンアップしてるのでコレが変わったらもう片方の足も変える必要があるんだなこれが。メンテナンスクッソ大変なんだよ。だから、今まで被弾という被弾をしてこなかったのは奇跡に等しい。チョマーさんに当たったらやばいかも…
「おっやっぱりタイマンか。ツムギ、手加減するなよ。ヅダぶっ壊したっていいからな」
「…いいの?じゃあ」
「空中分解以外でな」
「…くぅん…」
戦いの中でぶっ壊れる分には喜んで修繕させてもらうけど自爆なんかした日には俺は不貞腐れて引きこもるぞ。ともかく、朝のニュースで選手権のイメージキャラクターを我がものとしているキララさんが発表したのはやはり1vs1のタイマンバトルだった。しょぼんとしたツムギがヒマリの膝枕の上で撫でまわされているが俺はこれに関して頑として譲る気はないからな。直すの大変なんだよ。一個壊れてたら連鎖していろんなパーツを交換しないといけないもん。俺のでかいキャリーケース、2つのうち一つは全部こいつのパーツだからな?ちなみに残り半分はバルキリーで、もう残り半分が私物。わぁいなんかおっかしー!
「誰と戦えるんだろうね~~~」
「…面白い人、チョマーさんとか」
「高評価で嬉しいぜ~~~?でも俺ぁ決勝トーナメントでやりてえけどな」
「俺個人としては…メイジンですかね。決着つけるっていうのは約束でしたから」
「なんだお前、メイジンと知り合いなのか?」
「…すいません、失言でした。忘れてください」
「…わーったよ、おっ!発表だぜ?」
途中で一緒になったチョマーさんと一緒に控室に入って画面を見る。対戦表のスライドショーが延々と流れる中、とんでもないものを発見した。
「セイ、レイジとフェリーニさんが…」
「…ここで?でも、レイジは嬉しがりそう」
「そうだね。あっ私たちは最後みたい!相手は…中国代表?」
「確かもう敗退が決まってる人だ。けど、ここに来るような人で負けが決まったからとやる気をなくすようなやつは来ない。どんなことしてくるかわからない以上、全力だぞ」
「…うん」
「昨日みたいな感じでやれば大丈夫だよっ!」
「…昨日、すっごくたのしかったっ!」
「その調子!」
俺はツムギとヒマリから視線を外す。その視線の先には画面を見てこわばった表情をするセイ、武者震いに震えながらもにやりと笑うレイジ、そして静かにその場を去るフェリーニさん。マオがその様子を心配そうに見つめていた。俺たちの試合は二人の後の後、それまではしっかりと戦いの行く末を見守りたいと思う。
ドラグーンが飛び交う中巧みに相手を撃墜したメイジン、サテライトキャノンで消し飛ばしたマオ、真正面から相手をぶった切ったチョマーさん…選手たちが続々と勝利を決める中遂に運命の時がやってきた。グランドキャニオンで相対する2機、ウイングガンダムフェニーチェとスタービルドストライク…フェリーニさんには悪いけど心情的にはセイとレイジに勝ってほしい。決勝トーナメントで競い合うと約束したその約束を二人が守ってくれることを俺は願っている。だけど、フェリーニさんにはわざと負けるようなことはしないでほしい、優柔不断だな。悪いやつだ、俺は。
「アルトはん…」
「気にすんな、マオ。こういうことだってある、誰も悪くない」
「…セイとレイジはこんなところで負けない、フェリーニさんは手を抜くような人じゃない」
「3人とも、頑張って…!」
試合が始まる。撃ちあいの中有利を取っているのはスタービルドストライク、ビームライフルと背部のビームキャノン、さらには初披露となるマイクロミサイルを発射してフェニーチェを揺さぶりにかかる。フェニーチェはビームをよけ、ミサイルを撃ち落とし、どうしても当たるものはビームマントで防御するという的確な対処で切り抜ける。
スラスターの残光を残しながら撃ちあう2機。そこにあるものは忖度ではなく本気でぶつかり合うという覚悟。2機はビームライフルもサーベルも構えることもなくスラスターの勢いのままぶつかり合い、お互いの頭部を打ち付ける。頭突き、ではなく決勝トーナメントのために機体を温存しないというメッセージをぶつけてきたフェリーニさんにレイジもまた光の刃を振るって答える。
何度目かの衝突の後、フェニーチェの鋭い斬撃がスタービルドストライクのシステムの要であろうシールドを一刀両断した。マオがああっ!と声をあげる。機体性能ではスタービルドストライクのほうが上だが、経験値に圧倒的な開きがある。シールドを破壊するまでバスターライフルを一発も使わなかったりな。そして、シールドを破壊した今、その絶大な破壊力をセイたちに向けだした。
スタービルドストライクが背にした壁をぶち抜いてがけ崩れを起こし逃げ場をふさいだフェニーチェ、機関砲がユニバースブースターに刺さりビームキャノンが片方脱落する。土煙の中に逃げ込んだスタービルドストライクを追うフェニーチェに、背部から高出力のビーム砲が襲い掛かる。発射地点に向き直ったフェニーチェだが、そこにあるのはブースターのみ、スタービルドストライクのライフルが、フェニーチェの片翼をもぎ取り、追撃でバスターライフルをぶっ壊したが、カウンターのバルカンでライフルを誘爆させられ、これでお互い接近戦しか手段がなくなる。
先に先手を決めたのはフェニーチェ、ビームレイピアがスタービルドストライクの肩を抉る、だが反撃がビームマントを超えて左腕を切断した。だがフェニーチェも負けてはいない。スタービルドストライクの腕を掴んで持ち、そのままチョマーさんがやったように前蹴りで吹き飛ばす。スタービルドストライクも片腕になった。
お互いに重症、まともなものが何発か入ったらそこで勝負がついてしまう。フェニーチェはビームマントを拳に巻いて徹底抗戦の構えだ。全てを犠牲にしてでも勝ちに来ているフェリーニさんを見た二人は、それにこたえるため瀕死のスタービルドストライクに鞭を打つことを決断したようだ。
スタービルドストライクの全身が光りだし、その光はクリアパーツの中へ収束していく。間違いない、ルワンさんと戦った時に見たスタービルドストライクの最終手段、プラフスキー粒子を内部に浸透させて機体出力を爆発的に上げるシステムだ。クリアパーツの中で輝く光はまさに星光、同じく固く握った拳を構えて2機がぶつかる。
殴る、装甲が凹む、拳がぶつかる、フレームが歪む。クロスカウンター、両機の頭部がもげる。いっそ残虐にすら映るその戦いは、ガンプラバトルをしないものが見ればいっそ滑稽に映るだろう。ビルダー専門が見れば大事なガンプラになんてことをと怒るだろう。そして、俺たちのようなファイターが見れば、憧れるだろう。俺も、私もこんな勝負をしたいと。相手と自分のすべてを出し切った上で、勝ちたいと。
これで最後だと言わんばかりに両者のマニピュレータがぶつかり合い、そして同時に砕け散る。お互いにもたれかかる様に行動を停止した姿は一種の芸術品のようだ。そして、システムが下した判断は両者戦闘不能…引き分け、だった。つまりセイとレイジはギリギリであるものの、決勝トーナメントに駒を進めたのである。わっと沸いた俺たちが画面越しとはいえ二人をたたえ合う。ツムギはぱちぱちと拍手してるしヒマリとマオなんて涙ぐんでさえいる。チョマーさんは羨ましそうに笑っているし、俺も自分の口が笑みを形作ってるのに気づいた。まあ、そうだな…
「おめでとう、最高のバトルだったぜ。二人とも」
つまり、この言葉に尽きるのである。
「…ねえ、アルト」
「どうした?」
「…次、最初から全力。だから、全部見せて、いい?」
「…もう心配しねえぞ?やれるんだな?」
「…もちろん」
「ナビゲーションはまっかせなさーい!」
ツムギに袖を引かれて、そう言われたので彼女の髪越しに瞳を覗き込んでそう聞く。二人の戦いに触発されてヅダの奥の手中の奥の手を使うと言っているのだ。別にスタービルドストライクのように特別なシステムはないけれど、本気というなら仕方ない。ぶちかましてやれ、ツムギ。お前なら余裕だろ?
試合場で相手と礼をしてGPベースにお互いのガンプラを置く。相手は、アストレイレッドフレーム、青のヅダと真反対の色が真空の宇宙に浮かんだ。
「…ダイダロス、形成開始!」
「ダイダロス形成完了!圧縮粒子充填開始!内部圧力正常だよ!」
「ISCの制限は取っ払う。今回は自由だぞ」
宇宙に飛び出した瞬間ツムギは両方のシールド擬態ミサイルハッチを合体させ、右腕に装着する。最初から全力、といった以上やるだろうなと思ったけど予想通りだなあ。MS相手には過剰火力もいいところなんだよね。
「…うんっ!全装甲パージ!」
爆砕ボルトが起動し、ヅダをマッシブなシルエットにしていたミサイル入りの増加装甲が爆砕ボルトによって次々と外れていく。対艦ライフルも、疑似マクロスキャノンもなくなり多少違うものの、ヅダというMSの原点の姿となった。この状態はまさに制御不能、強大なエンジンパワーを抑えてた重りが無くなることによって速さという領域では誰も追いつけなくなることだろう。けどそれは操縦の難易度が前代未聞に跳ね上がるまさに欠陥機体へと変貌するまさに諸刃の剣。だけど、今のツムギなら、操作できるだろう。そう確信するほどの何かをツムギの操縦はもっている。
「…ヅダ、みんなに見せてあげてっ!あなたの本当の速さ!」
言った瞬間、ヅダが消えうせる。相手も見失ったのかきょろきょろと頭を動かして周囲を警戒している。残像すら残さず移動をするヅダ、瞬間…バガンッ!!と相手のアストレイが胸を大きく貫かれて爆散した。その後方にはダイダロスを突き出してぶっ刺した態勢のヅダ。数瞬後圧縮粒子が解放され青いビームがデブリを飲み込みつつ遠くへ消えていった。スピードが乗りすぎてダイダロスでぶん殴っただけで終わったのか…そして、やっぱり。ツムギはできるようになってた。素の、どうしようもなくじゃじゃ馬なヅダの手綱を完全に握りしめて行動できるようになっていた。
世界選手権という強豪との戦いを存分に楽しめる場でツムギは成長していたのだ。高く、ずっと高く。世界一位という座に座れるように。中国代表の人は苦笑いしながら握手をして去っていった。決勝トーナメントにおいてこのヅダを完璧に制御できるようになったということはいい武器になるな、と俺は考えるのだった。
ツムギちゃん、完全覚醒。やったぜこれでアルト作のパイロットのことを全く考えてないヅダを完璧に操れるね!
もう少しお付き合いお願いします
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本番が近づくと緊張してくるよね
第七回ガンプラバトル世界選手権の予選が終わり3日のモラトリアムが設けられた。その3日間のあと決勝トーナメントを準決勝まで行い、そこからさらに1週間後決勝戦が行われる。どうも去年のモラトリアムの設け方に文句が出たらしく、モラトリアムを延長する方向で話がついたらしい。ある意味これはよかったともいえるかな。
なんでかって?このモラトリアムでイベントの下準備ができるからだよ!やったぜ!よく考えればあと1週間かからずに本番とかちょっと緊張してきた。まずいまずい、これもすべてマクロス及び他の作品のプラモに活気を与えるため&バルキリーの宣伝のため…半分以上私欲ですね、しょうがない男だな俺も。
「おいーっすセイ、あら、フェリーニさんも一緒なんだ」
「あ、アルト、どうしたの?」
「ようアルト。お姫様たちはどうした?」
「まだ夢の中ですよ。ちょっと俺たち今日出かけるから会場にはいないんでよろしく」
「え?何それどういうことなのアルト?」
「ヤジマのイベント関係。リハーサルみたいなもん」
昨日頑張ったツムギと朝に弱いヒマリをぐっすり寝かしてあげたかった俺はヅダのメンテナンスを行う前にセイたちの顔を見ておくことにした。すると部屋の中には朝早くなのにも関わらずフェリーニさんとセイが仲良く机の上でフェニーチェとスタービルドストライクの修理をしていた。何それ俺仲間外れ?ちょっと傷つくわー。ちなみにレイジはベッドの上で皿に山盛りになった豆大福を頬張っている。俺の方には見向きもしてない、なんかちょっとくやしい。
「あー、あれか。プラモデルの交流会、チケット落ちたんだよな畜生!」
「3日目でよければ関係者チケット譲りますけど?」
「まじかっ!?頼む!」
「か~わ~り~に~…ちょっと協力してほしいことが…」
「アルト、また増やすの?」
「人は多いほどいいからな。チョマーさんもルワンさんも協力してくれるっていうし」
「んだよ俺は最後か~?まあ、協力しろだなんて頼まれなくてもやってやるぜ。なんだ?」
「まあそれは後でメールで内容を説明しますよ。口頭だと死ぬほど長くなるんで」
やったぜ。協力者が増えてくれて俺は嬉しい限りだよ~~~!イベントの3日目はかな~~り大掛かりになるハズなので腕の立つファイターが協力してくれると捗るのだ。ちなみにセイとレイジも協力してくれるって言ってる。マオはその話をしていたらワイも混ぜてください!って言ってきたので入ってる。ふっふっふ、着々と準備が進んでるぜ~~。
「とまあそんな感じで。じゃあ俺ヅダの整備していってくるから、明日な~」
「「待て」」
「ん?」
帰ろうとしたらセイに右手を、フェリーニさんに左手を掴まれて止められた。ギギギと音が出そうな感じで振り向くと、らんらんと目を輝かせた二人がそこにはいた。レイジは豆大福からシュークリームにシフトしていた。握力が強い。何が何でも逃がさないという硬い意志を感じる。頼れる仲間はみんな夢の中だし、その頼れる仲間に今こうやって拘束されているわけで…
「…なに?」
「ねえ、アルト。せっかくだから一緒に整備しようよ、ね?」
「いや別にそういうもんじゃねーだろ」
「頼むぜアルト~減るもんじゃねーだろ?仲良くしようぜ?」
「…本音は?」
「「ヅダをよく見せてくださいお願いします!!」」
「素直でよろしい」
「…なるほどな。あんなに速いのはこういうことだったのか…」
「増加装甲がただの重りだったなんて…しかも、推進系が全部本体内蔵でバルキリーのエンジンをサブスラスター扱い…」
「速すぎるから速度調整用の重りだったんだよな~。ついでだからほとんどミサイル入りにしたけど」
「ついででやることじゃねーよそれ…」
「アルトホントにミサイル好きだよね…」
「ミサイルは文化だぞ。あればハッピー、見てて楽しい当てて楽しい」
逃げられないことを本能で感じ取った俺はしょうがなしにヅダを持ってきてバラバラになった増加装甲を組みなおす。フェリーニさんにセイは増加装甲がないまっさらなヅダの姿に興味津々だ。ちらっとスタービルドストライクの内部フレームを見たが流石セイ、細かすぎるパーツ分割だ。しかも強度計算もばっちり、自分が操縦するのではなくレイジ専用に作ってるのがよくわかる、システムは複雑すぎてざっと見ただけでは理解できそうにはないけど。それは俺のヅダに対しても同じ。熱核バーストタービンの内部は俺以外理解できないブラックボックスだ。
発売するバルキリーの熱核バーストタービンは一般用にデチューンされたもので内部はほぼ別物。いやほんとはそのまんま発売しようとしたんだけどパーツ数が異様なほど多いし細かすぎて金型での大量生産ができないと言われてしまい泣く泣く廉価版というか簡易版とでもいうべきものに変わったのである。性能は俺が頑張ったおかげで3割減である。頑張らなかったら7割減だった。大変だったんだよ熱核バーストタービン内部構造の再設計&簡易化。ゆくゆくは俺のフルスクラッチバルキリーと同等の性能のエンジンを発売してやるからな…!
「しかしまあ…ツムギはよくこんな暴走MSを制御してるもんだ。アルト、お前これ乗れるのか?」
「無理ですよ。俺じゃ試運転すらできません。装甲を外した状態でツムギが制御したのだって、俺としては想定外なんですから」
「アルト、これファイターの事考えてないよね?」
「うん。性能しか求めてないし、ツムギが乗って乗り切れない!って言わないと多分大会途中で機体が追い付かなくなると思ったから」
「で、お姫様はそれを乗りこなしちまったわけだ」
「流石にこれ以上は性能のあげようがないので剛性強化くらいですかね。難しいもんです」
素の姿のヅダをいろんなところから見ている二人が唸っている。正直一体のガンプラをずっと補修し続けて一線級の機体に仕上げているフェリーニさんと俺でも理解に苦しむ粒子使用システムをくみ上げたセイにおかしいものを見る目をされる筋合いはないと思う。なんだったら二人のほうが変態ではないだろうか。ほら、俺は別のもん作った際の副産物のようなもんであってだな。おい首を振るな、おかしいだろうが!
「な~アルト、セイ」
「なんだレイジ、よ~食うなお前」
「んなことよりもよぉ。ガンプラ作るのってそんなに楽しいのか?」
「楽しいよ!レイジもやってみたら!?」
「楽しいぞ?自分で作った機体を動かすっていうのはひとしおだ。ねえフェリーニさん」
「全くその通りだな」
「そういうんもんなのかあ?」
「「「そういうんもんなんだよ」」」
わからない、という顔をするレイジに向かって俺たちは全く同じ言葉を全く同じタイミングで言い放つのだった。
「お~~~!!!すっごいおっきい!広い!こんなところで歌えるなんて~~!」
「…ちょっと、緊張してきた」
「こんな広い会場なのは予想外だな…」
世界選手権の会場から離れること少し、というか選手権会場は出島なのでモノレールに乗って本土に戻った俺たちは送られてきたマップに従ってイベントに使う予定の会場にやってきた。本当にプラモデルのイベントに使う会場か?と思うほど滅茶苦茶でかいし、ヤジマが持ってるGPベース全投入は伊達じゃないらしく、GPベースに至っては現在世界選手権で使用されてるものよりでかい。GPベースの連結機能で全部つながったそれの中でバルキリーを飛ばせたらどれほど気持ちいいだろうか。
「あっ!アルトくんあの人!カイザーさん!」
「…ほんとだ。これないかもって言ってたのに」
「えっ!?どうして!?プリンセスは大丈夫なのかな…?カイザーさーん!お久しぶりです!」
会場のGPベースを見ていた俺たちは本来なら自国にいるハズの前年度世界最強の男、カルロス・カイザーの姿を見つけた。彼にはイベントの開催が決まった時から協力を依頼していたのだけれど愛娘のプリンセスが病気になってしまい臓器移植が必要になったとのことで絶対にそっちを優先してください、大丈夫ですから!と言っていたんだけど…一応、ドナーは見つかって手術も成功したというのは聞いた。けどそのあとカイザーさんはアイラ・ユルキアイネンに負けてしまったのだ。
いろいろあったから来るとは思ってはいなかったし聞いてもいなかった。ヤジマの会場にいるということはヤジマのオファーを正式に受けたということになるんだろうけど今は大事な時期なはずだ。どうして…?
彼は俺の声に気づいてヤジマの作業員との会話を中断しこっちに向いた。声の主が俺だとわかると一言二言断って作業員と別れ此方に歩いてくる。
「アルト、直接会うのは久しぶりだな。参加の返事がギリギリになってすまない。連絡はいっているか?」
「いえ、聞いてなかったので驚きました。それに、今は大変なのでは…?」
「そ、そうですよ!プリンセスちゃんは…?」
「…心配してました」
「大丈夫だ。もうすでに自分の足で歩けるまでに回復しているし、退院の日取りも相談しているところだ。それに、そのプリンセスに言われてしまってな」
クールな無表情ながら、何となく嬉しそうに見えるカイザーさんが軽い動作で頭をかく。プリンセスに言われた?言っちゃ悪いがファザコンのケがあるプリンセスが自分からカイザーさんを遠くにやるようなことを言うとは思えない。それに、親としても今は傍についていてあげたいはず。俺としても、それに文句なんか言えるはずもない。だから、カイザーさんの参加はないものだと思っていて、今この状況が信じられないんだ。
「『約束を破るお父様なんか、お父様じゃありませんわ!』とな。よほど、アルトが開くイベントが楽しみだったらしい。そのイベントに出る私をどうしても見たいと言っていた」
「プリンセスちゃんらしい、かな?やっぱりカイザーさんが大好きなんですね~」
「ああ、嬉しいことだ。それに、私自身気になっていてな。あの、大型プラモデルの使い道を」
「その節はお世話になりました。おかげで完成まで持って行けましたよ。マクロスとマクロスクォーターを」
「私自身は2,3口を挟んだに過ぎない。あれらを完成させたのは君だ。ヤジマの方でも一つ完成させたんだったか?」
「ええ、まあ。クォーターは俺が全部作りましたけどマクロスともう一つ、マクロス・ハルプはヤジマの方で。ヤジマが全主導したのはハルプの方ですね」
「変形する戦艦とは相変わらずとがったものを作る、ビルダーとしては君以上を探すのはなかなか難しいだろう」
「そうでもないですよ、特に今回の大会では」
「…君の親友だという子か」
「そうです」
何度かテレビ通話でのやり取りはしていたものの直接会うのは去年の世界選手権ぶりだ。話のタネは尽きない。特にカイザーさんは大型MAの操作とスクラッチに関しては文字通り世界最高だ。転生してからの目標だったマクロスのフルスクラッチにおいて何度も彼に意見を仰いでアドバイスをもらった。このイベントまでに製作が間に合ったのはやはり彼の存在が大きいだろう。話をする俺たちにヤジマの社員さん、今回のイベントの責任者の人が声をかけてきた
「おっアルト君きたね。もう組み立てすんでるから確認してもらえないかな?壊してしまっていたら一大事だからね」
「あっすいません。お疲れ様です。もう組み立てすんでるんですか!?じゃ、じゃあ確認させてもらいますね」
「…わくわく。アルト、よかったね」
というわけで案内されたのはGPベースの脇にある仮設テント。その中には…あった!俺がまさに夢にまで見て実現へと至った戦艦が!約8mというプラモデルとしては極限の超ビッグサイズの戦艦!SDF-1「マクロス」!俺の設計図では1mほどで作る予定だったんだがヤジマのファイターとなったことで事情が変わった。ヤジマの大型工作機械を使えるようになったことでおおよそ1200mという超巨大艦、まさに超時空要塞であるマクロスを144分の1という縮尺で作れるようになったのだ!俺の家に入りきらないから俺がヤジマに入り浸ってこういう感じなんです!と説明したのを職人さんが頑張って形にしてくれた!ああ、感無量だ。
もちろん強行型への変形もできるしプロメテウスもダイダロスも接続している。中からバルキリーやデストロイドを出撃させる機構も組んで設計した。俺とヤジマの執念の作だ。そして、その隣にある2つの戦艦。そう、2つだ。一つは俺がせこせこ頑張って一人で作った「マクロス・クォーター」。全長約2.7mで同じく144分の1サイズ。バルキリーも搭載可能だけど5機しか入らない。うん、スペース足りない。でもちゃんと5つの艦艇に分離するし変形するしマクロス・アタックもできるよ!フォーメーション・ビッグウェンズデーだってできる!(多分)
そして最後がちょうどマクロスのざっくり半分、約4.1mのマクロス艦だ。これは原作にないオリジナルのもので、設計図は俺作なんだけど材料の加工から何から何まで全部ヤジマだけで作り上げた戦艦「マクロス・ハルプ」だ。基本的な形はSDF-1に準じているが違いはプロメテウスとダイダロスは元からあるものとして接舷ではなく分離できない仕様であることだ。ヤジマの人が「もう一個作りたいんだけどいい?」って聞いてきて徹夜テンションだった俺が「やりましょう!」ってなったのが誕生の経緯である。俺もおかしかったんだろうけどヤジマのワークスチームもだいぶきてたんだと思う。気づいたら設計図書いてて後戻りできなかったし。
「…完璧です。多分どこも壊れてませんね…ありがとうございます」
「いえ、絶対に成功させましょうね。いいイベントになりますよ、きっと」
そうして担当の人が去っていき、俺たちは完成したマクロス級たちを思う存分眺めた。ついでに写真撮影もした。帰ったらセイとかに自慢してやろ。これが俺の戦艦だっ!って
「さて、アルト、ヒマリにツムギ…まずは決勝トーナメント進出におめでとうと言わせてもらう。試合はすべて見せてもらった。よく…成長したと思う。だからといっては何だが…私にそれを見せてはくれまいか?」
「…それは、バトルのお誘いで?」
「そう言っている。アルト、勝手な話だが今私は君とバトルをしたくて仕方がない」
「俺もです。タツヤさんとあなたの戦いを見てから、ずっと俺のバルキリーであなたを打ち破るのを夢見てきた」
「ふっ。言ってくれる。言葉はこれ以上不要か」
「はい…ヒマリ、ツムギ…タイマンでやらしてもらってもいいか?」
「うん、そういうって思ってた。頑張ってね、アルトくん」
「…今回は、譲る。でも次は、私も戦うから」
「ありがとう。GPベースのテストってことで、やりましょうか。カイザーさん」
お互いに愛機のケースを取り出しながら、俺とカイザーさんはGPベースを起動させに向かうのだった。
はい、次回はVSカイザーさんです。
マクロスでかすぎィ!!って作者も思ってますけどやはりマクロスといえば巨大艦ですから、大きくないとダメですよね!大丈夫第八回世界大会でカイザーさんも同サイズのカイラス・ギリーを持ち込んでるので合法です!
次回でイベントの大まかな内容も明かしたいと思います!こうご期待!
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強者と戦うと成長を実感できる
カイザーさんとのバトル、それを世界選手権のものより大きなGPベースで行えるなんて…正直興奮している。俺のバルキリーが世界最強クラスの人にどれだけ通用するか。ヅダという前例はあるけどあれはあくまでガンプラだ。本気で制作したのは変わらないとはいえバルキリーじゃない。それに、カイザーさんと戦うのは約束していたし。それが世界大会の場じゃなかったのは残念だったけど戦えるならもう関係ないや。
俺はVF-25に新造パックを取り付ける。その名もトルネードパック、マクロスF劇場版に登場したアーマードより高価でおなじみ追加装備だ。背部の大型ビーム砲、主翼を覆う翼部ブースターに大型ミサイルポッドを懸架し先端部には回転式のエンジンポッド、勿論マイクロミサイル搭載済み。腕にはバーニア兼装甲、脚部にも同じくバーニア兼装甲を備えるスーパーパックとアーマードパックのいいとこどりをしたような装備だ。もちろん変形できる。というかVF-25から3段変形を邪魔しないのが主流になっているから、確定事項みたいなものだ。
「新装備か。よくやる」
「形にしないとダメなんですよ。放っておけないんです」
「ビルダーの性だな。あとは、戦場で語ろう」
「ええ、そうしましょう!」
広い広いGPベースの一部が起動する。全て起動しても大きすぎて接敵まで時間がかかりすぎるからだ。今回の目的はカイザーさんとのバトル、ならば不要な時間は削るべきだ。真空の宇宙、星が煌めく宵闇に白亜の救世主が射出される。今のVF-25は双発機ではなく疑似的な四発機だ。当然ながらスーパーパックよりも速いし、火力もある。それがファイター形態なら通常の巡航速度とは比較にならない。
「っ!?きたっ!」
黄色のメガ粒子、まだ機体は見えない、狙撃か?網の目のようにいろいろな方向から襲い掛かるメガ粒子のビームを偏向ノズルを方向変えまくってランダム回避する。明らかにこれはファンネルの挙動…!ってことはカイザーさんが乗ってるのは大型MA?しかもニュータイプ専用機…!もしや世界選手権予選で使っていたα・アジール?ケースの大きさ的にはMSサイズだったけど…っ!考え事しながら避けれる弾幕じゃない…!
「そこかっ!?」
背部のビーム砲を起動。本来ならMDEビームと呼称される空間ごとぶち抜くとかいう恐ろしい性能をしているビームなのであるがGPベースでの再現は流石に無理で普通の高出力のビームに変わっている。デブリを粉砕したその中から現れたのは…ジオング!しかも原作にない改造が加えられている!
大まかなシルエットは変わってないが有線式だった腕部マニピュレータは無線式に改造されている。しかもバーニアが強化されているのか速い。雨のような弾幕はこれが生み出していたのか…!背中にはおそらくサザビーから流用したと思われるファンネルラックがついている。完全に自分の超多数マニュアル制御を活かすためのMSだ。
「見つかったか。さあ、どうする?」
「こうしますよ!」
ミサイルポッドのミサイルを吐き出す。ジオングは、背中からもファンネルを射出しすべてを精密に狙撃し撃墜してきた。さすがっ!思考制御ではなくすべて手元のマニュアル制御だからこそできる芸当、反撃の腰部メガ粒子砲の極太ビームをバトロイドに変形してピンポイントバリアで受ける。にらみ合い、思わず笑みがこぼれる。やっぱり、強い!
ガンポッドによる狙撃、狙いは浮かぶファンネルたち、弾幕による面制圧!だが、当たらない!弾丸を見ている?いや、銃口の位置から狙いが絞られてるんだ!それで当たるファンネルを見切ってマニュアル操作で避けられている!マニピュレータの五連装メガ粒子砲が俺の周りを檻のように囲って逃げ場を封じ、その網の目をくぐるようにファンネルによる狙撃が入る。俺は胴体をピンポイントバリアで守り、腕と脚部を繊細に動かしてビームを避ける。一瞬の間をついてガウォークで脱出し、ミサイルをバラまきながら円軌道で回り込みにかかる。
当然落とされる、わけではなく。今回のミサイルはちょっと特別だ。俺の方で今しがたコースを設定している。今あるファンネルの位置から明後日の方向に飛ぶように。当たらないミサイルなんて無視するのが普通、カイザーさんもそれにのっとって無視する。よし!ここっ!ガンポッドと連装ビームによる狙撃、回避するファンネルにデブリを回り込んできたミサイルがブーメランのように背後から突き刺さった!俺のミサイルは直進して追尾するだけじゃないんですよ!
「やってくれる…!」
「まだまだです!」
半分のファンネルを落とすことに成功したがまだ残っているし、この策はもう通じない。既にカイザーさんはファンネルを散開させるのをやめて自分の周りにうろつかせているし、マニピュレーターを接続して待ちの姿勢に入っている。俺は円軌道から直線に切り替えまっすぐにジオングに向かって突っ込む。
「くるか、アルト!」
途中でバレルロールと同時にミサイルを発射する。こうするとミサイルが機体の周りに配置されて余計複雑な軌道を描いて飛ぶため迎撃しにくい。ガンポッドを胴体、ビーム砲を顔、レーザー機銃でスカートを狙って射撃する。カイザーさんは冷静だった。微妙に体を傾け、精緻に機体を操り全てを躱す、反撃のメガ粒子砲を躱し、接近を続ける。ジオングには近接武装が存在しないはず、これならどうだ!
ISCを利用した加速でタイミングを狂わせた俺がバトロイドに変形しながらジオングの眼前に躍り出る。ピンポイントバリアパンチ、ジオングの肩に直撃が入る、と同時に俺のVF-25の胴体ど真ん中に衝撃、マニピュレーターをロケットパンチみたいに飛ばしてぶつけてきたのか…!上から降り注ぐファンネルのビームともう片手のメガ粒子砲を何とか躱して距離を取った。
「まだいけるだろう?アルト」
「勿論です!いくらだって!」
白亜の機体が加速し、無線誘導端末を従える皇帝がそれを迎え撃った。
「…ハァ、ここまで、ハァ、か…」
「ハァ、そうです…ね…!ハァ」
気づいたら汗だくでお互いにそう言っていた。GPベースの中、お互いの機体はボロボロでジオングは片方の角が折れ片腕を失い、ファンネルは全機撃墜、装甲も穴だらけ。俺のVF-25も片翼はもげ、片腕は肘からなくなりガンポッドは消失、ビームキャノンも片方喪失しレーザー機銃も喪失、シールドはズタボロで折れかけのアサルトナイフを握っている。ミサイルは空っぽなうえ全身は溶けかけだ。
お互い息も絶え絶えでGPベースのシステムが引き分けを宣言し、時計を見る。するとバトル開始から1時間が経過していた。えっこんなに戦ってたのっ!?ちょっとヒマリにツムギってリハーサルの方行ってるぅぅぅ!?あっスタッフさんは観戦してたんだ。えっ?休憩がてら代わる代わる?確かに長かったけども…!
「あっアルトくんたち終わった?やっぱり引き分け?」
「やっぱりってなんだよヒマリ」
「…私がそう言った。絶対決着つかないって」
「何を根拠にそう言った?」
「…15分くらいお互い無被弾だったから泥仕合になりそうって思った」
実際その通りだった俺とカイザーさんは何も言えずむふんという顔をしたツムギにパチパチと拍手を送った。なんかツムギ、世界大会に出場してから妙に勘やら予測やらが鋭くなってる気がする。でも、俺ははっきり言って限界に近いがカイザーさんは多分余裕がある。というか何度か撃墜されそうな場面でビーム来なかったから見逃されてたんだな畜生!内容は引き分けでも実際は俺の負けだこれ!
「あー、アルト君?お疲れのところ悪いけどイベントの流れ、確認してもらっていい?あといいバトルだったよ。さすがだね」
「すいません、私用でGPベース使って。ありがとうございます。えーっとこれが1日目でっと…」
タイミングを見計らっていたらしいスタッフさんがタオルと一緒に俺とカイザーさん、ヒマリとツムギにイベント全体のタイムスケジュールをくれた。ざっくり内容を読んでいこう。ちなみに今回の内容はすべて俺がどんな内容にするかを決めた。だって、この世界においてマクロスを唯一完全に理解しているのは俺だけだから。他の人に任せてこんなのマクロスじゃねぇよ!ってしたくないし。3日通してミッション形式で進んでいき、ストーリー仕立てになっている。モチーフは「シャロン・アップル事件」だ。もちろん完全再現なんてできないし全然内容違うけど。んで内容はっと…
1日目、中枢都市近くに停泊していた戦艦「マクロス」が
2日目、都市への被害を最小限にするため意図的にマクロスを洋上へ誘導することに成功。舞台は海上戦へ変わり、そこから宇宙に飛び立とうとするマクロスを押しとどめるのと、援軍として大気圏を突入してくるマクロス・ハルプを援護するのがミッションだ。マクロスは今回飛ぶのではなく海上に浮き、全力で障害を排除しに来る。ここでマクロス側はある兵器を投入してくる。ゴーストX-9だ。航空戦力として動かしてくるこれらをハルプから発進するバルキリーと現地の航空戦力で迎え撃つ。もちろん洋上戦力での攻撃も忘れてはいけない。ジオン水泳部とか来てくれたりすると楽しいかもしれない。
そして最後の3日目、奮戦むなしくマクロスは宇宙へあがってしまった。司令本部は最後の手段としてジョン・ドゥとの「相互理解」のために「歌」を使用することを決意、別任務遂行のため各地に散らばるマクロス・クォーターを構成する5つの艦艇を護衛し、合流ポイントにて合体したマクロス・クォーターに乗って現地に向かう歌姫を護衛し、ジョン・ドゥとの和解を為せ!というのがミッションである。で、このミッションに限って成否でストーリーが分岐する。ミッションが成功し、ジョン・ドゥとの和解が成った場合、黒幕が乗るマクロス・ハルプとのバトルでマクロスを操るジョン・ドゥと共闘することになる。これでハルプを撃破しハッピーエンド。仮に失敗した場合、ジョン・ドゥとは和解できず苦しみながら暴走し続ける彼とマクロス・ハルプの2体を同時に相手取るハメになる。つまり上がノーマルモード、下がベリーハードモードだ。
こうなった場合、ハルプを撃破すれば自動的にジョン・ドゥは消滅、元通りという感じに終わる予定だ。といっても、参加者がちょっとしたことに気づけば必ず成功に終わる簡単なミッションである。それは「徹頭徹尾マクロスを破壊せよ」というミッションは下されていない、ということに気づけるかどうか。破壊のためのAIに歌というカールチューンを叩き込んで文化に目覚めさせて味方につける、というゼントラーディにやったことをAIにやってやろう!っていうやつだ。
どうして腕がたつファイターが沢山必要かといったらこの3日目のミッションが万が一失敗したときのための保険だ。もしマクロスとハルプをクォーター一機で相手する場合流石に無理がある、ので質の高いファイターによる戦力の拡充が必要だったんだ。じゃあ失敗ルートとか消せよ!って思うけど失敗の可能性があるからこそ生まれる緊張感が必要だと感じたんだ。それに、仮に失敗してもマクロスはほぼ置物になってしまうからたぶん大丈夫なハズ。結局必要なのはマクロス・ハルプの無力化なんだよね。
「…なるほどな、面白い。3日かけてのイベントというのも理解できる」
「とりあえずはマクロスの操縦はヤジマの人がやりますけど…」
「私にやらせてはくれないか?」
「カイザーさんやったらムリゲーになりません?」
「問題ない、エンターテインメントは理解しているつもりだ」
「ちなみにどれをやるつもりですか?」
「全部に決まってるだろう」
「…本気ですか?」
「ああ、そっちの方がいい。全部私ならタイミング取りで失敗したりはしない」
「な、なるほど…」
カイザーさんにしか口にできない理由でマクロスの搭乗者が決まってしまった。設計俺、作成ヤジマの半自動操縦プログラムが組まれたゴーストとデストロイドはともかくマクロスはマニュアル制御なんだけど…というかクォーターはチョマーさんに頼もうと思ってたんだよね。あの人大型MAの操縦得意だし。今大会滅茶苦茶調子いいし。
けど、カイザーさんがやれるというなら絶対やれるだろうし、少なくとも操縦技術において俺はかなわない。だから、任せるのがいいだろう。そこら辺はイベントの責任者さんと話し合ったり実際に操縦してみたりして決めてほしい。これはヤジマとしても巨額がかかってるのでそこら辺は俺の裁量一つで決められないのだ。特に戦艦3つの同時操作なんて猶更。一応俺の方から頼んだ人たちにどれに乗ってもらいたいというのはヤジマの方に話してあるのでそこら辺は話し合い、かな。当日ほとんどアドリブで動くんだぜ?え?台本?あっても吹っ飛ぶよ内容なんて。GPベースの上に乗ったらそういうもんさ。
スタッフとカイザーさんに後を任せて、俺たちは帰路について選手村に帰るのだった。あととんでもないことが起こったんだけど、何とレイジが自分でガンプラを作ったのだそうだ。初心者にしてはなかなかの完成度だけど、その教えてくれたひげ面のおっさんって誰なんだろうか。
よし!イベントの内容をかけた!満足!失踪準備ヨシ!(現場デストロイド)投稿終わり!閉廷!以上!みんな解散!
仕事が休みになったら戻ってきます!(多分)
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決勝トーナメント、開始
「まーた遅刻かあいつら…リン子さんに任せちゃったけど俺も手伝った方がよかったかなあ…」
3日間のモラトリアムが終わり、今日から決勝トーナメントが開始される。一応ヒマリという朝クソザコ勢がいる俺は早起きというものがいつの間にか得意になっていたので遅刻というものには無縁なんだけど、セイは夜更かし大好きなので普通に遅刻ギリギリだしレイジに至っては夜歩き大好きときたもんだ。約束された遅刻、確定事項、類義語はヅダ=空中分解…これはツムギに毒されてるな。
「…アルトはヒマリを私に預けるつもりだったの?」
「無理だよな、知ってる」
一度ツムギが俺より早く来てヒマリを起こしにかかったことがあるんだけど寝ぼけたヒマリによって布団の中に連れ去られ、その後俺が来るまで抱き枕になったということがあった。つまり、ヒマリの腕力に勝てる人間じゃないとヒマリを起こすことはできないのだー!いい加減一人で起きてくれないかなあ…ちなみにやってるうちにツムギも寝ちゃったようでその光景は大変可愛らしかったとここに懺悔しておきます。
え?今?ヒマリなら俺の背中で寝てるよ。もう11時なんですが?起きてくれない?え?アルトくんの背中おっきい~~じゃないよ普通だよ!寝ぼけてんな絶対!落としてやろうか…?いや、ダメだな。女の子床に落とすのはこう…性別以前に人としてダメな気がする。しかも幼馴染だぜ?冗談ですまないんだよなあ。
「お~~い起きろ~~ヒマリ。そろそろ起きないと…エナさん呼ぶぞ」
「わあああごめんなさいおかあさあああんっ!え?あっアルトくんまた騙したね~~~!!!」
「いい加減起きろっていう合図だ」
ちなみにこの状態のヒマリを起こす魔法の言葉がヒマリのお母さん、エナさんが来るというワードだ。普段はおっとり優しい人なんだけどヒマリ曰く音楽のレッスンの時と怒った時はそれはもう怖いらしい。俺はその人に怒られたことないからわかんないけど。このワードを言うとヒマリは一発で目が覚めるんだけどぷりぷり怒るのでできるだけ使わないようにしてる。けど公共の場でずっとおんぶはなあ…今日は許してくれたまえ
「…ん、ヒマリ。おはよぅ」
「ん!おはようツムギちゃん!それとアルトくんも」
「ぶすっとするなって悪かったから。それよりもほら、組み合わせ発表されんぞ」
「つーんだ」
ぷんぷんとなってしまったヒマリがツムギに抱き着いてうりうりやってるのを横目に俺は画面を見る。するとそこには、組み合わせの発表があった。今回1回戦目は二日に分けて行われる。俺たちの初戦は…ルワンさん、だ。他の試合はメイジンとレナート兄弟、オーストラリア代表とチョマーさん、代理を立てたイギリス代表とインド代表…そのトーナメント票の反対側、リカルドさんやレイジ、セイ、マオと当たるとしたら決勝、か…んっ!?
「えっ!明日の第4試合!セイくんとレイジくんがマオくんと…?」
「…いきなり、二人が戦っちゃうんだ」
「今は考えてもしょうがねえ…この後すぐ試合なんだ。今はそっちに」
「…うん。ルワンさん、負けないよ」
すぐに始まる試合に備えるため、後ろ髪を引かれるような思いをしながら俺たちは控室へ向かうのだった。
「嬉しいぜ、3人とも。どっかで戦いたいと思ってた。それがこういう形でかなうとはな」
「…ルワンさん、私…あなたに勝って次に行くから」
「ああ!そうだ!それがいい!お互い全力で楽しもう!」
試合が始まる前、ルワンさんと挨拶したとき彼はからっとした屈託のない笑みでそういった。だが、その瞳は俺たちを侮れない敵とみなし、対等の相手として見ていた。俺たちはそれに対して、本気で答えねばならない。彼のアビゴルバインのビームと実弾を潜り抜け、その懐にヒートホークを突き刺すのだ。
「ルワンさんは強い。セイとレイジに負けた後チョマーさんと同じく無敗でここまで来た。ツムギ、ヅダの事は気にするな。粉々になっても明日には元通りにしてやる」
「うん、ヒマリ…ミサイル管制、任せるから」
「わかった!ツムギちゃんは、前だけ見ててね!」
GPベースの上にある装甲を付け直してピッカピカに磨いたヅダとそれに相対する同じく完璧な手入れを施されたアビゴルバイン。その姿はまるでカブトムシ、立派な角が目を引く甲虫の王者の姿。セイたちを2度も追い詰めた機体だ。何が飛び出てくるかわかったもんじゃない。
『決勝トーナメント、第4試合!開始ですっ!』
キララの合図と共にGPベースが作り出す精巧なビル街に飛び出したヅダ。場所が悪い…!障害物が多いとヅダの加速力を活かせない。その程度の不利でどうこうなるツムギじゃないけど、ルワンさんはどうなんだろうか。閉所戦闘、つまり小回りが利いて取り回しのいい武器を持ってるかどうか。ヅダの場合は勿論ガンポッド、ヒートホークとナイフ。疑似マクロスキャノンと対艦砲は閉所戦闘で使うものじゃない。
ガンポッドを一丁持って歩きでビル街を移動するヅダ。アビゴルバインは…来たっ!ビルごとビームで撃ち抜いてくる!しかも倒壊するビルの下敷きにヅダがなるように調整して…!戦場が決定してからの判断が速い!経験値ではやっぱり不利か!
「…腕部徹甲ミサイル、発射!」
「コース設定は3!アビゴルバインが煙に紛れて接近してるよ!」
YF-19の腕部に仕込んだものの強化版で通常のミサイルよりも高威力のものを両腕から発射しビルを粉砕する。ヒマリの管制によってコースを決定したミサイルの爆炎に紛れてビームサイズを2本持ったアビゴルバインが煙を切り裂いて現れる。振り下ろされる2本を片方をヒートホークで、もう片方を盾の上に展開したピンポイントバリアで受け止める。つばぜり合いの光が両機体を照らし、モノアイが怪しく光る。
唐突にアビゴルバインの肩とヅダの胸部のミサイルハッチが解放され、同時に発射される。お互いがお互いのミサイルをまともに食らって吹き飛ぶ。ヅダの胸部アーマーが完全に脱落、脚部も拉げてミサイル発射は不可能だ。誘爆対策しといてよかった。アビゴルバインも胴体が大きく陥没している。
「くっ…流石だ3人とも!よし、まどろっこしいのはもうやめよう!これが俺の最後の一撃!受けてくれ!この勝負!」
「…アルトっ」
「好きにやれ。お前の勝負だ」
「…ありがと!ルワンさん!勝負っ!」
もう長くないことを悟ったルワンさんがそう持ち掛けてくる。ルワンさんの攻撃をしのげば俺たちの勝ち、しのげなければ負けというひどくシンプルなルール。このまま続ければおそらく勝てる、けどそうじゃない。ルワンさんの本気を受けきってこその勝利。勝つか負けるかが最後まで分からないのがいいんだ。ツムギの輝く瞳がそれを物語っている。
「さあっ!行くぞアビゴルバイン!オォォォラホォォォン!!!」
アビゴルバインの角がビームに覆われる。そのビームは分厚く、大きく、まるでアビゴルバインのすべてのエネルギーがその角に集中したかのような輝きを放っていた。まずい、あれは、あれはやばい!おそらく威力ならダイダロスアタックと同等。ピンポイントバリアで防げるものじゃない!避ける?論外だ。この勝負、まっすぐ行ってぶん殴ったやつが勝利なんだから!
「…圧縮粒子全開放!マクロスキャノンに集中!」
「やったらぶっ壊れるからな!後はお前次第だ!」
「…もちろんっ!勝つよ!」
「圧縮粒子供給完了!撃てるよ!」
俺たちが選択したのはマクロスキャノンによる迎撃。それも従来の威力ではなくオーバーロード前提で機体の圧縮粒子をすべて注ぎ込むもの。撃つ前から収まりきらない粒子が漏れ出しバチバチと漏電しているマクロスキャノンが3つに分かたれエネルギーの奔流を発射する。アビゴルバインはその超威力の極光に変形し突撃、真正面から突っ込む。
「いけええええええええ!!!!」
「…やああああああああ!!!」
光り輝く一本角でビームを切り裂いて迫るアビゴルバイン。各所が赤熱し、溶け、小規模ながら爆発が起こる。同時にマクロスキャノンも限界を迎えだしている。エネルギータンクが爆発し、キャノン自体も限界を迎え崩れた。ビームが切れる、アビゴルバインは満身創痍ながら健在、ヅダを貫かんとそのビームの角を突き立てに来る。
「もらったあああ!!」
「まぁだああああ!」
アビゴルバインが一瞬止まる。ヅダの左拳のピンポイントバリアパンチだ。ピンポイントバリアを切り裂いた角がヅダの左拳に食い込む。
「…つか、まえ、た!!」
「しまっ!?」
左拳を犠牲にしたヅダが無理やりアビゴルバインを捕まえる。捕まえたまま熱核バーストタービンと土星エンジンをフルスロットルに入れて加速、アビゴルバインを盾にしてビルを何棟も突き破っていく。アビゴルバインもなんとか脱出しようとスラスターを吹かすがヅダのほうが推力は上だ。為すがままに最後のビルに叩きつけられたアビゴルバインの動きが止まる。
「…私たちの勝ちっ!!」
「…ああ!俺の負けだ!」
片腕を失ったヅダが振り下ろしたヒートホークがアビゴルバインを両断する。試合が終了してシステムが勝者を判定する。勝ったのは、ツムギだ。爆発と言われても違和感がないほどの喝采が降り注がれる。ルワンさんは機体も回収せずに俺たちに向かって歩いてきて、熱い握手をくれた。一言も発さなかったけど、俺たちは彼の気持ちを理解できた。賞賛と激励、悔しさをおくびにも出さないルワンさんの強さを俺たちは改めて知るのだった。
「あー…いいなあ…俺もやっぱり自分でバトルしてーわ…野良バトル、んー、カイザーさん誘ってどっかで…おろ?」
試合後、ヒマリとツムギは汗を流してくるとか言ってホテルの大浴場に向かうとのこと。俺は部屋の風呂で十分なのでちょっと別行動と相成った。ヅダの修理は左腕丸々交換、脚はギリギリ無傷だけどエンジンに微妙な傷が入ったのでそれの交換、というか脚部全とっかえが早いかな。増加装甲はまあ予備出していけばいいや。ちょっと外の風に当たりたかった俺がホテルを出てのんべんだらりと歩いていると会場近くの広場に見知った影を見つけた。
芝生の上で寝転んで帽子を顔の上にかぶせているが背格好と服装からしてマオだ。近くに寄ってみると俺に気づかないくらいうんうん唸っている。というか今真夏だぞ?服もじっとりと汗で湿ってるっぽいしよろしくないわ、といったん離れて自販機でスポーツドリンクを買って、戻ってくる。それでもまだ何かを唸ってるので帽子を取って頬にスポドリをくっつけてやった。
「ちべたっ!?何しはるんですかって…アルトはんやないですか。一回戦突破おめでとうございます」
「ありがとさん。それやるよ、何時間ここにいたかは知らないけど喉乾いてるだろ」
「…ありがたくもらいます」
「当ててやろうか」
「な、何をです?」
「セイとレイジに勝てるかわかんなくて悩んでたんだろ」
「…お見通しですか」
「見りゃわかる。ディスチャージをどう攻略して、RGシステムをぶち破るかが思いつかないってところか。で、今思いついてる最善はとにかく使わせないことって感じ?」
「…そうです。あのアルトはんなら、どう攻略します?」
渡したスポドリを一息に飲み干したマオが真剣な顔でそう言ってくる。俺か~、俺だったらミサイルで翻弄…こりゃバルキリーの話だ。ヅダだったら…ツムギだったらどうするか…そうだな、多分
「マクロスキャノンをディスチャージさせた上で全力勝負、かね」
「あの、聞いてはりました?スタービルドストライクに勝ちに行く方法を聞いてるんです」
「そうだけど?いや、ユウキ・タツヤっていう人いるだろ?あの人のバトルとおんなじだよ。自分と相手のすべてを出し切った上で勝つ。そりゃあ装備を使わせないのは立派な戦術だけど、俺たちは勝つよりも大切なことがあるもんでな」
「勝つよりも大事なこと?」
そう、マオが不思議な顔をして訪ねてくる。勝ちたくないわけじゃない、勝負する以上勝敗は絶対に絡んでくる。だから勝たなければいけない、っていうのはちょっと違うかな。忘れがちだし世界選手権にまで来ていておかしいかもしれないけどガンプラバトルはあくまで遊びなんだ。遊びである以上…
「楽しむことだよ。相手とのバトルを楽しむ。相手の行動を封じて、弱くなったライバルに勝って嬉しいか?相手と自分が全部出し切って、その上で勝てたほうが面白いだろ。だから、俺が二人と戦うとしたら真正面からガチンコ、それ以外ない」
「楽しむこと…」
「お前が一番分かってる気がしてたんだけどな。ガンプラ心形流ってのは「己の心のままに」ある流派なんだろ?じゃあ、心のままに好き勝手したらいいんじゃね?」
俺がそう言った途端、マオの顔が引き締まった。勢いよく立ち上がったマオはありがとうございましたと俺に一言言った後、走ってどこかに行ってしまった。まあ、マオの曇った心が今ので晴れたならいいんだけど。セイとレイジの勝負で迷ったまま来てほしくないし。いつもの明るくて人懐っこい、それでいて自信にあふれたいつものマオが、二人が一番戦いたがってた姿なんだから。
トーナメント戦ですがちょっと原作とは変えます(断言
まあチョマーさんがいる時点でだいぶ違うか(自己解決)次回はまた時間が空いたら書いていきます~
目次 感想へのリンク しおりを挟む
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世界選手権を実況するスレpart53
532:名無しのビルダー
いやー盛り上がった盛り上がった
533:名無しのビルダー
ヅダが、ヅダがロマンの塊だった…!よくやったアルト君…!
534:名無しのビルダー
あー今日のバトルが楽しみ~~~
535:名無しのビルダー
今回はいくつスレが落ちるんでしょうねぇ
536:名無しのビルダー
オリジナルウェポンバトル、ええやん。
537:名無しのビルダー
なんで武器を変える必要があるんですか(半ギレ
538:名無しのビルダー
ビルダーの力量を図るためやで
539:名無しのビルダー
別にこの大会に出てる時点で上澄みの頂点では?
540:名無しのビルダー
じゃあ本音を言おうじゃないか
541:名無しのビルダー
聞こうじゃないか
542:名無しのビルダー
そのほうが面白いだるるぉ!?
543:名無しのビルダー
あーうん、まあ確かに
544:名無しのビルダー
でも武器ランダムはきついって。外れ武器引いたらどうなるのさ
545:名無しのビルダー
一応素手は許されてるからそれで何とかしてもろて
546:名無しのビルダー
モビルファイター超有利で草
547:名無しのビルダー
でも全く使わなかったら違反だぞっ☆
548:名無しのビルダー
世の中上手くいかないね~
549:名無しのビルダー
初手メイジンかっ!!いいじゃん、狙ったように1番www
550:名無しのビルダー
続々引いてくな~~
551:名無しのビルダー
マオくんに届け俺の運!
552:名無しのビルダー
まあ基本的なMSで使えない武器は出てこないでしょ
553:名無しのビルダー
えー、まあそうですね
554:名無しのビルダー
PPSEの盛り上げ施策ってなんか当たるときと当たらない時がおおすぎてな
555:名無しのビルダー
メイジン襲名はまあ盛り上がった。バトルにでかいザク乱入させるよ→賛否両論 今年からアイドルがイメージキャラクターな!→あの人が良かったんだよぉ!(割と否定より)
556:名無しのビルダー
手放しで素晴らしいって言える施策少ないんだよね
557:名無しのビルダー
おっとセイくんたちだ。レイジくん自信満々だ~
558:名無しのビルダー
アイラ・ユルキアイネンのボディスーツなんなん?
559:名無しのビルダー
パイロットスーツとか凄い入れ込んでるじゃん
560:名無しのビルダー
ルワンさんの自信満々っぷりすこ
561:名無しのビルダー
チョマーさんの顔つきなんか違うな
562:名無しのビルダー
レナート兄弟、何時ものえげつないバトル期待してんぞー
563:名無しのビルダー
おっアルト君たちだ!ヒマリちゃんが「はいはい私がひく~~~!」ってぴょんぴょんアピール。どうぞどうぞと譲る二人。死ぬほど仲良くていいな
564:名無しのビルダー
私の運を見てなさ~い!って。これでネタ武器だったら笑う
565:名無しのビルダー
アルト君完全に苦笑いしてるの草。
566:名無しのビルダー
此方現地民、連日アルト君におんぶされるヒマリ嬢が目撃されてる。毎朝おんぶされて会場に出入りしてる模様
567:名無しのビルダー
…なんで?
568:名無しのビルダー
しらん。というか俺も遠目に見たくらいで話したわけじゃないし
569:名無しのビルダー
来ましたねー、メイジン。武器は、トンファー?
570:名無しのビルダー
相手はレールガンか。威力高そうだけど取りまわし凄く悪そう
571:名無しのビルダー
接敵!レールガンを…トンファーで軌道ずらした!?
572:名無しのビルダー
えっ何その対処…
573:名無しのビルダー
トンファーで弾を受けて滑らしたんだな…ん?
574:名無しのビルダー
自分で言って疑問を持つな
575:名無しのビルダー
えwwwちょwww
576:名無しのビルダー
決まり手トンファーキックかよwww
577:名無しのビルダー
あのケンプファーのでっかい脚が見事にコックピット直撃www
578:名無しのビルダー
ずるいよwwwでも何の問題もないもんなwww
579:名無しのビルダー
んひぃwwww
741:名無しのビルダー
いやーえげつなかったなアイラ・ユルキアイネン
742:名無しのビルダー
シールドシザースってなんだよ
743:名無しのビルダー
マオくんのスプレーガンが今のところ一番外れかね
744:名無しのビルダー
目潰しして相手の武器奪うのはかしこい
745:名無しのビルダー
おっここで注目の一戦!セイ・レイジ組とルワンさんの対決だ!
746:名無しのビルダー
きたああああwww
747:名無しのビルダー
熱いバトルを頼むぜ!
748:名無しのビルダー
えっ何あれ?
749:名無しのビルダー
野球帽、グローブ、ボール?
750:名無しのビルダー
武器じゃねーよそれ!
751:名無しのビルダー
相手は…エスカリボルグじゃねえか!
752:名無しのビルダー
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~(血飛沫
753:名無しのビルダー
撲殺戦士ルワンさん
754:名無しのビルダー
えっ野球勝負なんですか?
755:名無しのビルダー
じゃあなんで普通のバットじゃないんですか
756:名無しのビルダー
場外乱闘対策ですね間違いない
757:名無しのビルダー
怖すぎなんですけど。っつーかなんかルワンに有利じゃねーか!元プロ野球選手だぞ!
758:名無しのビルダー
んー運命のいたずらとしか…
759:名無しのビルダー
うわっホントに野球勝負するんだ。
760:名無しのビルダー
第一球目、行きましたっ!
761:名無しのビルダー
ファールだこれ!
762:名無しのビルダー
とりあえずワンストライクか。2球目っ
763:名無しのビルダー
いったあああああああ!!!ピッチャーへ直球ライナー!
764:名無しのビルダー
取ったっ!!!でも左腕もってかれたあああああああ!!!
765:名無しのビルダー
この場合ストライク扱いか。次がラストだなあ。これでホームラン行かれたら…
766:名無しのビルダー
いやや!勝ってくれ!日本の星になるんだ!
767:名無しのビルダー
おっ?
768:名無しのビルダー
おっと?なんか変わった?
769:名無しのビルダー
まだなんかあったのか?すっげえ、クリアパーツが光ってる…
770:名無しのビルダー
クリアパーツって特別なのか?
771:名無しのビルダー
いや、おっと投球フォームが一気にガチにwww
772:名無しのビルダー
ボールの威力違いすぎwなんか秘密の強化システムがついてたのか!
773:名無しのビルダー
ああでもルワンさんジャストミート!!!
774:名無しのビルダー
拮抗してるっ!どっちだ?アビゴルバインか?スタービルドストライクか!?
775:名無しのビルダー
エスカリボルグが逝ったあああああああ!!!
776:名無しのビルダー
来たああストライク!ぎり勝ちだ!頑張ったな二人とも!
777:名無しのビルダー
まさかバットが折れるとは…ルワンさんナイスファイト!
あ!次三角関係たちだぜ!
778:名無しのビルダー
その言い方やめろやwww
779:名無しのビルダー
ヅダ!ヅダ来た!これでかつる!
780:名無しのビルダー
武装外してるな。使わないから要らないなんて思い切ったことを
781:名無しのビルダー
相手はゲルズゲーか。多脚がわしゃわしゃしてて何となく苦手なんだよね
782:名無しのビルダー
俺は大好きだぞ
783:名無しのビルダー
武器は…ゲルズゲーが対艦刀2本、ヅダが…なにこれ?
784:名無しのビルダー
ガンダム…ハンマー?
785:名無しのビルダー
ドリルだろ
786:名無しのビルダー
ドリルだな
787:名無しのビルダー
天を衝く螺旋ですわ
788:名無しのビルダー
ハンマー!ってアイキャッチが聞こえる
789:名無しのビルダー
あのレトロゲー今めっちゃ高騰してるんだよなあ。欲しい
790:名無しのビルダー
ヒマリちゃんの何とも言えない顔よwwww
791:名無しのビルダー
ツムギちゃん何となく嬉しそう
792:名無しのビルダー
ロマンスキーの血が騒いだか
793:名無しのビルダー
ヒマリちゃんの強運→ドリルなガンダムハンマー
794:名無しのビルダー
これは恥ずかしい
795:名無しのビルダー
おっとヅダいくかっ!?
796:名無しのビルダー
困ったようにモノアイを光らせて鎖を見つめるヅダがキュート
797:名無しのビルダー
わしゃわしゃ迫るゲルズゲーとの対比でどうしても笑う
798:名無しのビルダー
うごいたっ!
799:名無しのビルダー
相変わらずとんでもねー推力だな
800:名無しのビルダー
う、ういたああああ!
801:名無しのビルダー
ヅダと同じくらいのサイズのドリルが浮いたぞ!
802:名無しのビルダー
あれっ逃げた?
803:名無しのビルダー
いや、帰ってきた!
804:名無しのビルダー
助走距離か!うええええどんどん速くなってる!
805:名無しのビルダー
ドリル回転開始いいいい!
806:名無しのビルダー
おっしゃドリルだ!回転はすべてを解決するううううう!
807:名無しのビルダー
あのクソ重そうな鎖付きドリルを引き回す推力は流石
808:名無しのビルダー
このヅダのコンセプトってなんじゃろな
809:名無しのビルダー
全距離対応型バランス機じゃね?
810:名無しのビルダー
ミサイルカーニバルでしょ
811:名無しのビルダー
1にミサイル、2にミサイル、3、4がなくて5にとっつき
812:名無しのビルダー
ヒートホーク忘れないで
813:名無しのビルダー
ガトリングライフルはいずこ
814:名無しのビルダー
速度特化機体だったりして
815:名無しのビルダー
あの増加装甲でそれはないじゃろwww
816:名無しのビルダー
おっいったあああ!!!
817:名無しのビルダー
ドリルがゲルズゲーを粉砕玉砕大喝采!
818:名無しのビルダー
まって?あんだけスピードが出てたのに何で急ブレーキできるの?
819:名無しのビルダー
それもそうだな、慣性はいずこに?
820:名無しのビルダー
うわっヒマリちゃんがアルト君とツムギちゃんにまとめて抱き着いた
821:名無しのビルダー
あんな仲いい女友達いねーぞ
822:名無しのビルダー
セイくんとも親友らしいぞアルト君
823:名無しのビルダー
それどこ情報?
824:名無しのビルダー
ヤジマの広報の人。インタビューの時に注目してる選手で真っ先に名前上げたらしい
825:名無しのビルダー
そっか、そういえばプロフィールの学校同じだったわ
826:名無しのビルダー
確かその学校って紅の彗星も通ってなかった?
827:名無しのビルダー
ただの魔境じゃねーか!
828:名無しのビルダー
やだ、なんかこの世代こわいよ
829:名無しのビルダー
ヒマリちゃんとツムギちゃんほっぺくっつけてニコニコしてるの大変可愛らしいですアルト君変わって
830:名無しのビルダー
ダメです
831:名無しのビルダー
あのヅダなんなんだろうなー
832:名無しのビルダー
実は増加装甲は全部重りで外すとスピード爆上げしたりしてwwww
833:名無しのビルダー
ねーよwwww
834:名無しのビルダー
だよなー!俺も言って自分がバカだったと思ってるわwww
835:名無しのビルダー
それってどんな作り方するんだよってwww
836:名無しのビルダー
そもそも増加装甲外せるように作らねーよ
837:名無しのビルダー
絶対あれ外骨格だって。あのスピードに耐えれるようにするための。外したらそれこそ空中分解…それこそヅダだしいいんじゃね?
838:名無しのビルダー
よくねえよ
839:名無しのビルダー
あー控室に行っちゃったー
840:名無しのビルダー
仲良しってみてて楽しいよな。次も期待してんぞー
841:名無しのビルダー
次は、チョマーとレナート兄弟か
842:名無しのビルダー
強豪同士の対決がきたなー
843:名無しのビルダー
チョマーといえばデカモノだよな。武器次第で詰むんじゃなかろうか
844:名無しのビルダー
レナート兄弟はジムストライカーか。ステージに合わせた迷彩柄とはこってるな
845:名無しのビルダー
チョマーは、普通のMS!?珍しい!
846:名無しのビルダー
ガウとか使ってたのにな!ジェスタキャノン!?うおっ完成度たっけええええ!!!
847:名無しのビルダー
フ、フルスクラッチだ。アルト君とかセイくんの例を見てると頭おかしくなりそうだけどフルスクラッチってだけで相当な変態なんだぜ?
848:名無しのビルダー
そういえばそうだった
849:名無しのビルダー
すっげええ!チョマー本気じゃん!フェリーニに突っかかってただけじゃないのか!
850:名無しのビルダー
始まったっ!
851:名無しのビルダー
来たな、運命の武器調達。レナート兄弟は大型ヒートナイフで、チョマーはビームライフルショーティー2丁?
852:名無しのビルダー
どっちも悪くないな
853:名無しのビルダー
レナート兄弟は奇襲か。らしいといえばらしいが、背部のジムにチョマーが気づけるかどうか
854:名無しのビルダー
えっ!?マジ!?すげえ奇麗なカウンターだぞ!?
855:名無しのビルダー
銃を鈍器にしちゃってる…
856:名無しのビルダー
は?まってチョマーってこんな強かったか?
857:名無しのビルダー
レナート兄弟完全にもてあそばれてるじゃん
858:名無しのビルダー
はっ?チョマー強すぎるやんけ。レナート兄弟なすすべないよ
859:名無しのビルダー
でもレナート兄弟の本来の戦い方封じられてるし
860:名無しのビルダー
だってまともに攻撃当たってないやん
861:名無しのビルダー
にしても強すぎるぞチョマー…
862:名無しのビルダー
きっかけはなんだろ?でもあのジェスタキャノン見てる限り大会前からずっと準備してたんだよな多分
863:名無しのビルダー
うぇっマジで!?
864:名無しのビルダー
真剣白刃取り…?
865:名無しのビルダー
やれるとは思うが実際にやるやつがあるか!
866:名無しのビルダー
ヒートナイフをものともしない装甲、さすがだ
867:名無しのビルダー
巴投げえええええ!!!
868:名無しのビルダー
おっとレナート兄弟切り札切った!
869:名無しのビルダー
EXAMシステムか、ジムだし似合うのはわかるな。
870:名無しのビルダー
押されだしたぞチョマー!このまま勝て!
871:名無しのビルダー
止めたっ!うおおお片腕とったあああああ!!!
872:名無しのビルダー
かっけええええええ!!!
873:名無しのビルダー
チョマー超かっこいい。個人的に今日のベストハイライト
874:名無しのビルダー
朗報「チョマーは強かった」
875:名無しのビルダー
この大会に出てる時点で弱いわけがないんだよなあ
876:名無しのビルダー
これは…わからなくなってきましたね…
877:名無しのビルダー
まじで今年の大会は接戦だあ!
234:名無しのビルダー
いやー第6ピリオドはやばかったですね
235:名無しのビルダー
チョマー無双だった
236:名無しのビルダー
あのヅダにスコアで勝つとは…
237:名無しのビルダー
第5ピリオドの玉入れってなんだよ
238:名無しのビルダー
運動会で草
239:名無しのビルダー
ねー、あのジェスタキャノン超強かった
240:名無しのビルダー
チョマーのやつやっぱ接近戦が好きなのかな。そういう感じあるけど
241:名無しのビルダー
ゲルググのナギナタで砲弾切り捨てるようなやつだからなあ
242:名無しのビルダー
これが世界選手権だと標準装備ってマ?
243:名無しのビルダー
標準ではないけどできるやつはいる。それこそメイジンとかルワンとかフェリーニとかな
244:名無しのビルダー
ビームをビームで撃ち落とすのは凄い超えて気持ち悪い
245:名無しのビルダー
今日なんだっけ?
246:名無しのビルダー
レースらしいぞ。さっき発表された
247:名無しのビルダー
どう考えてもヅダ無双にしか思えない
248:名無しのビルダー
追加装備無しで差を広げまくる姿が見える見える
249:名無しのビルダー
去年のモラトリアムであったレースで爆走するヅダとバルキリーのアレを見てるとどう考えても勝てる気がしないwww
250:名無しのビルダー
初手があの3人組とかちょっとぶっ飛びすぎではwwww
251:名無しのビルダー
アチャー
252:名無しのビルダー
これどんでん返しあるかねwww
253:名無しのビルダー
ドダイやベースジャバー、可変機が目立つ中なんも変わってないヅダwww
254:名無しのビルダー
やっぱりというか予想通りwww
255:名無しのビルダー
シグナルが変わった瞬間一人だけかっとんでいったぞw
256:名無しのビルダー
いけー!がんばえー!
257:名無しのビルダー
ああっと妨害ありだからミサイル大盤振る舞いだああああ!!!
258:名無しのビルダー
はやいはやい!
259:名無しのビルダー
あっ
260:名無しのビルダー
本気モード突入!
261:名無しのビルダー
あれよりもまだ速くなるのか…
262:名無しのビルダー
影すら踏ませぬとはまさにこのことだよな…
263:名無しのビルダー
完勝だああああ!
264:名無しのビルダー
あれ?これってもしかして全勝してるから決勝トーナメント参戦決定?
265:名無しのビルダー
いよっしゃああああああ!!!
266:名無しのビルダー
そろそろ二つ名考えないといけないですな
267:名無しのビルダー
いい二つ名が思いつかん
268:名無しのビルダー
閃光、とか?
269:名無しのビルダー
ミームダンスを思い出すのでNG
270:名無しのビルダー
歩くツィマッド社
271:名無しのビルダー
それどっちかっていうとアルト君だろ
272:名無しのビルダー
アルト君は変態だろ?
273:名無しのビルダー
事実かもしれんが不名誉なのでやめて差し上げろ
274:名無しのビルダー
ゴーストファイター
275:名無しのビルダー
ヅダスキーにケンカを売るな
276:名無しのビルダー
どうすっべかなあ
417:名無しのビルダー
は~~~~~!?あれが最初からあったトラップなわけねーーーべや!?
418:名無しのビルダー
なんかこの大会不穏だよな
419:名無しのビルダー
解析班結果どう?
420:名無しのビルダー
水ごしだったけど特定に成功した。ジオングだよ
421:名無しのビルダー
よーやった!やっぱMSだったんやな!
422:名無しのビルダー
スタービルドストライクの周りだけなんかきな臭いよな
423:名無しのビルダー
な。メガサイズザクの時だって一番近くにいたフェリーニ無視して真っ先に真後ろにいたスタービルドストライクだけ狙ってるし
424:名無しのビルダー
大会なんだからそんなふざけた妨害いらねえよ
425:名無しのビルダー
すぐ脱出したとはいえあの妨害なかったらスタービルドストライク1着だったのによお!
426:名無しのビルダー
こうなったら徹底的に妨害した機体洗ってやるぞオラァ!
427:名無しのビルダー
ぐうの音も出ない証拠を運営側に突き付けてやる
428:名無しのビルダー
レナート兄弟には悪いけどあそこまであからさまだとちょっと納得いかない
429:名無しのビルダー
どっかで見たことあるシルエットなんだよなあ。特にあの大型クロー…
430:名無しのビルダー
画像見つけたわ。多分ガンプラマフィアの機体。大会とかでなぜか不戦勝が相次いだ事件があったの覚えてる?
431:名無しのビルダー
ああ、半公式のやつ?
432:名無しのビルダー
そうそう、その大会で無理やり野良バトル挑まれて機体ぶっ壊されたのが真相だったみたいなんだけど…
433:名無しのビルダー
あっこれかぁ!このジオングにぶっ壊されたってスレがたったやつか!
434:名無しのビルダー
このセンっぽいな。ちょっとこっちでも洗ってみる
435:名無しのビルダー
これガンプラ公式審判組合に通報したほうがよくない?
436:名無しのビルダー
よし、スレ民で通報祭りするか。何もなかったら何もないで越したことないし
437:名無しのビルダー
じゃ、イクゾ!
780:名無しのビルダー
とりあえずひと段落かなー
781:名無しのビルダー
公式審判組合が動いてくれるっていうのが確約されたから安心かな
782:名無しのビルダー
よかったよかった
783:名無しのビルダー
でもなー、結果は覆せそうにないかあ
784:名無しのビルダー
セイ君レイジ君には是が非でも明日勝ってもらいたい
785:名無しのビルダー
じゃねーと決勝に行けないからな!
786:名無しのビルダー
日本組の有望株、がんばってよおー!
787:名無しのビルダー
今日は波乱だったなー
788:名無しのビルダー
ほんとほんと
789:名無しのビルダー
おおっと
790:名無しのビルダー
どうした
791:名無しのビルダー
いや、とんでもないものを見ているんじゃが
792:名無しのビルダー
へぇあ?
793:名無しのビルダー
詳しく話したまえ
794:名無しのビルダー
いやさ、調整用の自由につかえるGPベースが大会会場そこかしこに設置されてるじゃん?
795:名無しのビルダー
ああ、たまに参加者が調整で使ってたり観客が野良バトルやるあれ?
796:名無しのビルダー
そうそう。その一つでさ
797:名無しのビルダー
なんだよもったいぶるな
798:名無しのビルダー
いや、そこでアルト君がバルキリー6機操ってツムギちゃん、ヒマリちゃん、レイジくん、マオくん、フェリーニ、チョマーと互角の戦いしてるんだけど
799:名無しのビルダー
なんだって?
800:名無しのビルダー
まさかー
801:名無しのビルダー
いやまじまじ。同時操作で全員と同時に戦ってるの。流石に大会用の機体使ってないけど、歴戦のファイター相手に
802:名無しのビルダー
どこそこ?
803:名無しのビルダー
Hの7ブロック。うおっすげえ!そこでソレ避けんの!?
804:名無しのビルダー
あびゃああ気になるううううう!!
805:名無しのビルダー
まじじゃん!ほんとにやってるわ!
806:名無しのビルダー
配信はないんですかっ!?
807:名無しのビルダー
ないですねえ、なんせ調整用のGPベースですから
808:名無しのビルダー
ああああああ!!!!(絶望
809:名無しのビルダー
すっげえ!同時操作なのにあんなドッグファイトできんの!?
810:名無しのビルダー
現状一番拮抗してるの誰?
811:名無しのビルダー
多分ツムギちゃん、アルト君作っぽいバルキリーに乗ってるからか多分一番スレスレ勝負。ミサイル飛び交いまくり、やっば
812:名無しのビルダー
ヒマリちゃんの機体面白いデザインだな。見たことない…ってあのミサイル量はアルト君作か、納得
813:名無しのビルダー
ミサイルで見抜かれてるの草
814:名無しのビルダー
ケーニッヒ・モンスターとフェリーニのEW版ウイングの砲撃の撃ちあいいいな、痺れる
815:名無しのビルダー
マオくん、YF-19相手に結構苦戦してる?
816:名無しのビルダー
チョマーが新型と切り結んでる!ナイフ装備とはイカスな!
817:名無しのビルダー
レイジ君はVF-1か。プロトタイプなのに相変わらずおかしい性能してるよ。ライフルでぶん殴るとか過激ぃ!
818:名無しのビルダー
けっこう続くな
819:名無しのビルダー
見ごたえあるわ~
820:名無しのビルダー
うがああああ羨ましいいいいいいい!!
821:名無しのビルダー
おれも、俺も現地にいければ…
822:名無しのビルダー
ぐぬぬぬ…
823:名無しのビルダー
ちらほらと大会参加者も集まってるの草
824:名無しのビルダー
そりゃあこんなの見せられたら参加したくなるでしょ
825:名無しのビルダー
俺もやりたくなってきた。隣のGPベース起動するから誰か付き合ってくれ
826:名無しのビルダー
マカセロー!何だそのストフリ?!
827:名無しのビルダー
ドラグーンを通常の3倍にしてみた。かっこいいだろ?
828:名無しのビルダー
真っ赤で目が痛いんだけどそのカラーリング
829:名無しのビルダー
まずそれ全部動かせんの?
830:名無しのビルダー
無理ですが何か
831:名無しのビルダー
なぜ乗っけたし
832:名無しのビルダー
そこにロマンがあったから。あと見栄
833:名無しのビルダー
じゃあ仕方ないな
どこまで主人公以外の試合をきっちり描写するか悩むなあ。ダイジェストでもいいかなって思うけど…どうしよう
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唸れ!ダイダロスアタック!
「どうしちゃったんだ?タツヤさん…」
俺は自分の部屋の中で一回戦の試合の動画を見直しながらそう一人ごちる。ルワンさんとの試合から明け1日、全ての一回戦が終了したわけなんだけど、壊れたヅダの修理を終えてさあ試合の結果を見ようと動画を再生したわけなんだけど、そこで俺は信じられないものを目にした。
まずチョマーさん、相手の機体を砲撃戦で翻弄し、最後はミサイルで逃げ場をなくして釘付けになった相手をビームソードで胴体を泣き別れさせて勝利。そしてフェリーニさんも相手の機体をバスターライフルで蒸発させてこちらも危なげなく勝利した。
そしてセイとレイジにマオの戦い。一歩も譲らない熾烈な激戦は、ガンダムX魔王の必殺技、サテライトシステムのエネルギーを全てビームソードに集約させて作る魔王剣とセイがスタービルドストライクとウイングガンダムフェニーチェとの戦いで得たイマジネーションを込めて新しく搭載した新必殺技、ビルドナックルとのぶつかり合いになった。
お互いの機体に必殺技のエネルギーが逆流しクリアパーツがひび割れ小爆発を繰り返す。それでもお互い一歩も引かず、オーバーロードを気にも留めないぶつかり合いを制したのはスタービルドストライクだった。全てを出し切ったマオは負けたにもかかわらず晴れやかに笑っていた。
そして、ユウキ・タツヤこと3代目メイジン・カワグチとレナート兄弟。森林ステージでの戦いとなったが、タツヤさんの戦いの変わり方に動画が終わってしばらくしても俺は放心して動けなくなってしまった。なんでかって今までの彼の戦い方とは全く逆、相手も自分も全力を出し切った上で勝つという観客が見てて楽しいバトルを心掛けていたあの人が、相手の手札をすべて封じて何もさせないうえで勝利するだなんて思わなかったから。
その戦いは、レナート兄弟がジムスナイパーK9、メイジンがケンプファーアメイジングという形で行われた。試合をしたときにまず目を引いたのはケンプファーアメイジングが背負っていたもの、それはウィンダムの核ミサイル発射用ストライカーパックを改造したと思わしき超々大型ミサイル発射装置だったのだ。試合が始まった瞬間、ケンプファーアメイジングはそれを空に発射し、発射装置を爆砕ボルトで外した。空に撃ちあがった大型ミサイルから外装が外れ、中からおびただしい量のクラスターミサイルが姿を現して戦場を焦土に変えたのだ。
レナート兄弟はメイジンが通るであろう道やルートを研究してトラップを仕掛けようとしていたはず、だがそれを真っ向から粉砕し、爆撃から逃れたジムスナイパーを武器コンテナから出したスナイパーライフルで狙撃し、勝利した。それまでつけていたサングラスとはまた別のサングラスを鈍く光らせながらメイジンは握手もせずに去っていった。まるで人格が丸ごと変わってしまったといってもおかしくないような感じだった。ただ、勝つためだけのガンプラバトル、タツヤさんが一番嫌っていたもののはずだ。
何が彼をああまでさせてしまった?重圧?それとも本当にタツヤさんが望んでやっていること?今日の試合ではこれまでずっと隣にいたアランさんも出てこなかったし何かがおかしい気がする。俺が信じたいだけかもしれないけど、タツヤさんはあんな無慈悲な戦いをする人じゃなかったはずだ。俺はもう一切返信のないタツヤさんとのメールを見つめながら、一人でため息をついた。
「…明日、どうなるかなあ…」
「…おはよ、アルト」
「おはよ~あるとく~ん」
「バカな…俺が起こす前にヒマリが起きてるだとっ!?」
「…がんばった。ぶい」
今日も今日とてヒマリを起こすためにツムギたちの部屋にやってきた俺を待っていたのはまだ半分寝ているとはいえ身支度を済ませたヒマリの姿だった。余りの出来事に俺は茫然自失となりかけたがこれは素晴らしいことなので拍手を送りたい。ぱちぱち。ちなみに実際にやったらヒマリは盛大に拗ねた。ごめんて。え?アルト君が髪整えてくれたら許す?それいつもやってんじゃん。え?ツムギも?しょうがねーなー。やってやるよ。
「…ねえ、アルト。今日って」
「ああ、チョマーさんとだ。ついに来たな、決着をつける時がさ。けど、あの人があのままのジェスタで来るとは思えない。何かがあるはずだ」
「チョマーさんって、大きな機体のほうが得意なんだよね?」
「そうだな。普通のMSでも一流だけど、大型MAを使った場合は跳ねる。俺がバルキリーにぴったりはまる様に、あの人は大型機がぴったりはまるんだ」
準々決勝、組み合わせ表の勝ち負けを見る限り今日行われる試合は俺とチョマーさん、そしてメイジンとジョン・エアーズ・マッケンジーの代理となったジュリアン・マッケンジー。もうこの後から試合だ。俺が戦うわけでもないけど心臓がバクバクいってる。手汗もやばい。今から、本気のチョマーさんと一戦交える。その事実だけで口が弧を描きそうになる。ヒマリはニコニコしてるし、ツムギも俺と似たような感じだ。髪をかき分けて瞳をだし、ピンで髪を止めて準備万端といった感じで試合会場へ進む。割れんばかりの声援の中ですでに待ってたチョマーさんと相対する。
「よう、待ちくたびれたぜ3人とも!何分待たすんだよ!」
「…チョマーさん、多分時間間違えてる。ほらこれ」
「えっマジ?あっ、あー…ごほん!それはともかく!楽しみにしてたんだぜ?お前らとこうして余計な邪魔無しでやれる瞬間をよ!」
「俺もです。だから、今日はヅダを完璧以上にしてきました。チョマーさんを退屈させませんよ」
「ツムギちゃんは負けませんよチョマーさん!」
「いいねぇ!そう来なくちゃあつまらねえ!話はこんくらいにしてやろうじゃねえか!観客が何時までステイができるか分かんねーしよ!」
確かにそうだ。いつまでもうだうだと話しているわけには行かないし、観客の熱気が俺たちに訴えかけてくる。早く試合を見せてくれと。沸かしてほしいと。その聞こえぬ声に答えるのはついでだ。今は目の前のチョマーさんだけを見つめる。俺たちは観客のために試合するんじゃない、自分たちが楽しむために試合をするんだ。
「ツムギ、ほら。新品みてーだろ?重量バランスは変えてない、ぴったり同じだ」
「…さすがアルト。交換したのに変わってない。じゃあ、いこう!」
「ツムギちゃん、油断しないでね!」
戦場は市街地戦、だけど背の高いビルがそびえたつわけではなく軍事基地のような1階建てコンクリートの建物がまばらにある平野みたいな感じだ。カタパルトから飛び出したヅダ、地面に着地すると同時にアラート
「ツムギちゃん!高熱源反応!」
「…んんっ!!」
躱したヅダ、降ってきたのは極太のビーム、色は周りが白に中心に赤…SEED系列のビームの色だ。降ってきた方向に顔を上げると大きな影…!黒を基調に、チョマーさんのパーソナルカラーである赤と青のラインが入った鳥の足にキノコをかぶったメガサイズザクばりの大きさを持った大型MA…!これは
「デストロイ…ガンダム…!」
「ご明察ぅ!お前らのためだけに作った機体だ!楽しんでいけ!」
「ミサイル来るよっ!ツムギちゃん!」
「…ん!」
見せつけるように変形したチョマーさんのデストロイガンダム、その黒い巨躯がブーストによって動き、背部の武装プラットフォームからミサイルが発射される。空を飛び、ガンポッドで撃墜しながら距離を詰める。マニューバの最中に吸入された圧縮粒子を疑似マクロスキャノンへ。作り直したときに素材を変更して内部に金属パーツ、その外側にクリアパーツ、さらに外側に外装を被せるという3重構造で威力と耐久力をあげたマクロスキャノンが螺旋の光を発射する。
「けっ!見え見えだぜ!」
「防がれたか…!」
両手の陽電子リフレクターを起動したデストロイはマクロスキャノンを受け止めて防御する、が流石にあれから威力増強を為したのは想定外だったようでデストロイが押されてずり下がっていく。押し込まれたデストロイが背後の山に接触したあたりで螺旋の光は途切れ、無事だったデストロイが反撃のビームを一斉発射する。隙間を縫うように躱し続けるヅダが一瞬のスキをついてミサイルを発射する。ヒマリの管制によってミサイルのコースが設定されてビームを躱しながら進むミサイルは次々とデストロイに着弾した…けど
「無傷っ!?なんで!?」
「…PS装甲…?」
「そうか!最近PPSEから発売された新塗料…!」
「その通り!限度はあるが実弾を無効化するPS装甲再現塗料だ!ある程度の面積に塗らねえと効果ねえが、この機体ならぴったりだろうがよ!」
煙の中から無傷のデストロイがデュアルアイを緑に光らせて姿を現した。その口にあるツォーンからビームが発射される。薙ぎ払いを躱しながら、ヒマリの悲鳴のような疑問の声にチョマーさんが答え合わせをした。PS装甲を限定的であるが再現できる塗料が確かにPPSEから最近発売された、がまだファイターやビルダーからの信頼性が低いため使っている人はあまりいない。完全にこのデストロイは俺たちをメタっている。
「そら!これでも避けられるかぁっ!?」
「…くぅっ!」
ドラグーンになっている両腕、さらに武装プラットフォームについているビーム砲が主砲以外全て外れて此方に迫ってきた。全てドラグーンに変えたのか…!さらには本体からのミサイルとビーム、その隙間を埋めるようにドラグーンのビームが四方八方から迫る!
「いい!チョマーさん最高。ヅダ!いくよっ!!」
ツムギの声と共にヅダのモノアイが発光し、スロットルが押し込まれる。ISCを利用した超高速マニューバ、ガンポッドをしまってヒートホークを抜いたヅダがドラグーンを一つ一つ切り捨てていく。ミサイルをピンポイントバリアを纏ったタックルでぶち壊し、加速し続ける。弾幕をすり抜けてビームとすれ違いながら腕部ドラグーンにヒートホークを突き立てる。陽電子リフレクターで防がれた瞬間動きが止まる。その瞬間を見逃さないチョマーさんが腕部ドラグーンでヅダを掴み、腕ごと犠牲にしてビームを浴びせる。まずいっ!
「…脚部ミサイルっ!」
ヅダの脚部ミサイルを掌の中でぶちまけることによって無理やり脱出、装甲はぐちゃぐちゃになってしまったが許容範囲内、数瞬後ビームが空になった腕に襲い掛かり爆散する。これで片腕を潰すことに成功した。
「実弾は、だめだな…!マクロスキャノンかダイダロスアタックか…!」
「でもチョマーさん、近づけてくれないよ…?」
「…両方やろう!」
「「いいね!それ!」」
ツムギの提案に即座に乗った俺たち。そのためには…ドラグーンが邪魔だ!幸いISCの制限時間はまだ残ってる!即座にブーストをかけて残りのドラグーンを切り刻む、残りはラストの腕部!回収される前にぶち込め!ツムギ!
対艦ライフルにピンポイントバリアを纏わせ!急いで回収しようとするチョマーさんに先立って追いつく。速度をのせたまま陽電子リフレクターを引き裂いてゼロ距離射撃、5発で塗装が剥がれ、さらに対艦ライフルを槍のように押し込んで貫き、そこで弾を吐き出した。もう片腕もとった!ひん曲がってしまった対艦ライフルを自切して向かい合う。ISCは使用時間を超過して冷却を開始。相対し構えるのはマクロスキャノン、にやりと笑うチョマーさんも俺たちの意図が分かったのか胸部のスーパースキュラにエネルギーを集中される。
バチバチと漏れ出すエネルギーが限界を突破したようにお互いの機体からビームが吐き出されて空中でぶつかり合う、下の市街地は衝撃と熱で溶け、ビーム同士の押し合いに変わる。一歩も引かない俺たち、チョマーさんも押し込もうと一歩一歩確実にこちらに進む、けど元からパワーは違う。ビームの押し合いで勝てるなんてハナから思ってない。時間稼ぎは、終わった!
「ISC冷却終了!ツムギ!ぶっこめ!」
「…うんっ!ダイダロス、形成開始!」
「ダイダロス形成!ピンポイントバリアを左腕に集中!いけるよっ!ツムギちゃん!」
「ヅダ!痛いけど、頑張ってね…!増加装甲パージ!ISCフルドライブ!」
右腕を形成したダイダロスに突っ込み、マクロスキャノンを含めて増加装甲を全て切り離す。左腕のシールドとピンポイントバリアを壁にして、規格外の推力とため込んだ圧縮粒子をダメ押しに使ってビームの中を突き進んでいく。これしか方法がない、ビームを発射している部分にダイダロスアタックをすることによってPS装甲を一時的に無効化するしか。ビームが掻き分けられる。盾にしている左腕が溶けた。ピンポイントバリアによってギリギリ形を保っているヅダがさらに速度を上げて、スーパースキュラの砲門に到達する。
「…いっけええええええ!!!」
「させるかあああああ!!!」
裂帛の気合と共にダイダロスがスーパースキュラの砲門に突き刺さり、内部へ侵入する。が圧縮粒子はからっけつだ。いつものようにパイルバンカーじみたビームは発射できない。チョマーさんが妨害しようともう一発スキュラを発射しようとするがもう遅い。今まで見せてたのは不完全なもの。本当のダイダロスアタックはそうじゃない。あくまでパイルバンカーは攻撃の1段目、2段目…本命はこっちだ!
「こいつが、本当のダイダロスアタックだ!」
「ミサイル、全装填分斉射!」
デストロイの中で侵入したダイダロスがミサイルハッチを全て開放する。中でマイクロミサイルが盛大に暴れ、内側からボコボコとデストロイを変形させていく、100発のミサイルを全て発射し終えたころにはデストロイは各所から煙を上げて変わり果てた無残な姿になっていた。デュアルアイからも光が失われ、動くことなく沈黙している。ヅダが腕を引き抜くが、肘から先が喪失していた。両腕を失い、装甲も溶け崩れ、バチバチと漏電していたがヅダは無事にそこにいた。
『決まりました!勝者はイロハ・ツムギチーム!準決勝に勝ち進みました!』
高らかに宣言するキララの声が、俺たちの勝利を告げていた。
VSチョマーさんでした。ジェスタキャノンでもよかったんだけど、チョマーさんはやっぱり機体を乗り換えてこそ、大型機体に乗り換えてこそと思ったのでヅダメタデストロイガンダムに乗ってもらいました。惜しむらくは近接戦闘を書けなかったことですね…
チョマーさんはプロットの初期から決勝トーナメントで主人公たちと戦ってもらおうと思ってたのでここまでやっと来たかって感じです。
ではまた次回、よろしくお願いします
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暴かれる闇
「っかー!やってくれたなおめえら!あー負けだ負け!チョマー様の負けだよー。次も頑張れよ、あとで飯食いに行こうぜ」
「…すっごい楽しかった。ありがとチョマーさん」
「チョマーさんとっても強かったよ!ありがとうございました!」
「よせやい、それよりも、だ。メイジンのやつ、様子がおかしい。昨日の試合見たならわかんだろ」
「ええ、そうですね。試合の仕方が真逆でした」
「ああ、あれじゃまるで2代目だ。それと決勝トーナメント開始前あたりからPPSEの会長が泊ってるホテルにチームネメシスの関係者が出入りしてるって噂もある。俺もビルダーとして勧誘を受けた。お前らはすでに企業所属だから心配いらねえだろうが黒い噂もある。気ぃ付けろ、な?」
「…わかりました。気を付けます。チョマーさん、楽しかったです。また戦ってください。今度は、俺と」
「いいねえ!そりゃあいい!待ってるぜ、アルト。優勝トロフィー、お姫様に渡してやるんだな」
チョマーさんと試合後の握手のために近寄って会話をしているとチョマーさんが俺に顔を近づけて小声でぼそぼそと忠告をくれた。その言葉にやはり疑問を持っていたのは俺だけではなかったのだと確信できた。そして、その中で出てきたワード…チーム・ネメシス。アイラ・ユルキアイネンが所属しているチームだったはずだ。俺たちはサバイバル以降彼女と直接対決をしていないがツムギに見えないものが見えてるというだけで警戒自体はしていた。サバイバルでは最後まで戦わなかったとはいえ、実力の底も見せていない。結局あの透明なファンネルの存在と、なくても高い基礎操縦能力で無敗で勝ち残っていたからだ。
例えばヅダでいう増加装甲全パージ、スタービルドストライクのRGシステムのような真の奥の手ともいえるものがないとも限らないし。あのキュベレイパピヨンの完成度は流石企業とあって高いものだから、そういうのもある前提で考えないといけない。
控室に戻るチョマーさんにならって俺たちも踵を返して控室に戻る。ヅダは、両腕欠損、装甲全廃棄、無事なのは…直前でパージしたマクロスキャノンくらいだなあ。予備はまだあるし、大丈夫。だけど、胴体だけは破損したら流石にまずいかもしれない
流石に決勝トーナメントだけあってある程度余裕があった予選と違い毎回毎回ギリギリだ。ちょっと悔しい。俺のビルダーとしての技術が突出したものではないという事実を嫌でも突き付けられる。ツムギが問題なんじゃない、彼女の操縦は素晴らしいものだ。ヅダにはスタービルドストライクのような特別なシステムもないし、ケンプファーアメイジングのような全てにおいて高水準のバランス機というわけでもない。ただ速く、誰にも追いつけない速度を出すというそれただ一つを叶える機体。
パイロットが操作できるかどうかは全く考慮せず、ただただ性能だけを求めた欠陥プラモなんだ。ツムギならできるだろうという曖昧な信頼と実際できているから何もないだけで、本来なら俺はビルダーとしては失格なのかもしれない。実弾に偏った兵装のせいで今回負けかけた。俺の好みだけじゃ、ダメなのだろうか。
頭を振る。俺が弱気になってどうするんだ。ツムギは俺の技術を証明するためにこの大会に出てくれたしそれに付き合ってくれているヒマリにもあまりに失礼だ。みんな、すごいのは事実。だけど、俺だってすごいんだ。俺が作ったあのヅダは、誰にも負けない。対策を取られても、それを上回る速さで上からたたき伏せてやる。そのために、完璧に修理をしよう。
『準々決勝第2試合!3代目メイジン・カワグチVSジュリアン・マッケンジーの試合を開始します!ガンプラをGPベースの上にお願いしま~す!』
「アルトくん…」
「…やっぱり、タツヤさん…別人みたい」
「あっ…あの人…!?」
「アルトくんどうしたの?」
「メイジンの相手、昨日バトルしたんだ。息抜きにフリーバトルルームで。調整の相手してくれって頼まれた」
そう、昨日ヅダの調整を終えて息抜きにバトルでもしようかと昼頃もぐりこんだフリーバトルルームの一角で黙々と作業をしていた人を見つけた。金髪の背の高い男の人で妙に関節のへたったガンプラを修理していたのだ。それだけならまだいい、俺は何も気にしなかっただろう。だけどそのガンプラは、とてつもない完成度を誇っていたのだ。あえて表すならウイングガンダムフェニーチェと同じ。その機体をずっと使い込まないと出ない特有の輝きを持っていた。だから思わず釘付けになってしまった。
それに気づいた彼は俺の事を知っていたらしい。互いに自己紹介して初めて、彼がジョン・エアーズ・マッケンジーの代理で出場する、ジュリアン・マッケンジーだと知った。彼は俺とタツヤさんの最初のバトルの動画を見たらしく、調整の相手をしてくれと俺にバトルを申し込んできた。
そこで、軽くではあるがやり合った。結果は、ほぼ互角。バルキリー相手に追いつけるMSを俺はツムギのヅダ以来久しぶりに見た。対応してくる、じゃない。全く同じスピードを出してきたんだ。俺が落とされなかったのは相手
がバルキリーの事を詳しく知らなかったからに過ぎない。これ以上は壊し合いになると判断した彼の提案でいったんやめたけど、あれ以上いってたらどっちも無事じゃすまなかった。YF-19がぶっ壊されてたかもしれない。
「アランさんは、やっぱりいない…タツヤさん…!」
やはり一人で現れ、何も言わず無言のままジュリアンさんの握手の求めを無視したタツヤさん。彼はすぐさまにGPベースの上に機体を置く。今までのケンプファーアメイジングではなく、赤と黒を基調にした、まるで蝙蝠の羽を生やしたかのようなガンダムを。新型…!ジュリアンさんはタツヤさんを射抜くように睨んでいる。何事かを話しているが、タツヤさんはそれを完全に無視し、立体映像が作り出すコックピットの中に消えていった。ジュリアンさんは諦めたようにかぶりを振って同じようにコックピットの中に消える。試合が始まった。
ジュリアンさんは問いかける。なぜ3代目になった。お前の今のバトルはまるで2代目そのものだ。2代目を嫌っていたはずなのにどうして、タツヤさんは答えない。分かりづらいがガンダムエクシア素体らしい機体が GN粒子をまき散らしてジュリアンさんのF91に迫る。変わってしまった、本当に。カメラに映る彼の表情はまるで能面のような無表情。機械のように機体を操ることだけをしている。
ヴェスバーを用いて射撃をするF91、タツヤさんのエクシアが剣を振るう、ビームに接触した部分から凍り付き、ビームを凍らせるという埒外の対処を持ってタツヤさんはビームの雨を切り抜ける。おそらくプラフスキー粒子の制御の産物なのだろうがそんなファンタジーじみた技術は俺の頭の中にはない。PPSEの技術の粋があの変わり果てたエクシアに詰まっている。
迫る剣に対してF91の動きが変わる。加速する機体、分身を残しながら一瞬でエクシアの背後に回り込む。質量を持った残像…!剥がれたのは塗装か!そんな方法で再現するなんて…!そのままビームサーベルを振り上げる、が、エクシアの剣によって受け止められる。燃え盛るその剣はビームサーベルのみならずF91自体にもダメージを与えているようだ。
「何か言ってくれ!タツヤアアアアアアアっ!」
「…トランザム」
エクシアの赤黒い体が紅く染まる。一瞬のうちに加速しきったエクシアがF91をズタボロにしていく。機体が凍り、熱で溶け、装甲が割れ…そして、仕上げとばかりに、胴体を泣き別れにさせた。もう見てられなかった。俺はツムギとヒマリの呼ぶ声を無視してその場を後にするのだった。
戻ってきた部屋の中、俺は今の情景を忘れるようにボロボロになったヅダの修理に取り掛かる。足を交換し、腕を組みかえ、喪失したミサイルをはめ込み…時間を忘れて没頭する。何時間たったかわからない。俺を現実に戻したのは携帯の着信だった。場違いとも思えるヒマリの作った明るい着信音にハッとなった俺は携帯を手に取る。非通知…?
「はい」
『アルト君か!?アランだ!アラン・アダムス!』
「アランさん!?どうしたんですか!?ここ数日姿が見えないから心配してたんですよ!?それにタツヤさんのあの変わりようは何ですか!?」
『時間がないから手短に言うぞ。タツヤは今、エンボディシステムというマシンによって操られてる状態にある。決勝トーナメント直前に接触してきたチームネメシスのやつらが会長に取り入ったせいだ』
電話をしてきたのはタツヤさんのセコンドにしてここ数日姿が見えなかったアランさんだ。かなり慌てた様子の彼は早口かつ小声で矢継ぎ早に説明してくる。
『俺自身も今軟禁されて開発を強要されてる状況にあるんだ。今は部下が隙を作ってくれているから電話できている。唐突ですまないが、頼む!タツヤを助けてやってくれ!』
「警察には!?アランさん自身の身の安全はどうなんです!?それにタツヤさんを助けるって…!」
『ああ、とりあえずは無事だ。警察には、言えない。エンボディシステムは出力を上げると人を廃人にしてしまうらしい。警察に言えば、タツヤがそうなる。もう真正面から操られたタツヤを倒すか、あいつが洗脳を自力で振りほどくほどの精神力を引き出すしかない。アルト君、君ならどちらでも出来ると俺は思っている』
「…そんなこと言われたって…!」
『頼む!このままタツヤが決勝まで進出したら止めるのは難しい!まだシステムは未完成なんだ!決勝までのモラトリアムでシステムが完成してしまったらもうタツヤは戻ってこれなくなる!そうなる前に、本当のあいつを取り戻さないとタツヤもメイジンも会長の道具になってしまう!』
「…わかりました。どうすればいいんですか?」
正直言えば俺は混乱している。いきなり電話口でタツヤさんが洗脳されているから動けない自分の代わりに助けてくれだなんて。だけど正直今の話を聞いてストンと胸に落ちたような思いであるのも事実。タツヤさんが自分からあんな行動をとってるわけじゃなかったんだと、まだ信じる余地ができたから。それなら、俺があがいてみてもいいのかもしれない。
『一つ目は、真正面からタツヤを打ち負かすこと。そしてもう一つは、タツヤが自力で洗脳を破ることだ。PPSEの研究ではプラフスキー粒子は人の思いを反映する力があるとされている。エンボディシステムもプラフスキー粒子を利用したシステムらしい。プラフスキー粒子に何らかの方法で想いをのせてタツヤに届けることができれば…』
「タツヤさんは戻ってこれるかもしれない、と?」
『可能性の話だけど、な。タツヤを倒すのが一番の手段だ。そうなれば俺の方から部下と共に反逆して警察の方にも通報する。タツヤが人質に取られてる今は、どうしても動けない』
「やります!やってみせます。とにかく今のタツヤさんが普通じゃないのは分かってました。俺ができることがあるなら、何だってやります」
『…ありがとう…!もう俺としてもなりふり構ってられない、今から君の端末にタツヤが今使っているアメイジングエクシアの仕様書を送る。だが、今のエクシアが使っている追加装備は俺たちが開発したものじゃないから詳細が分からない。すまない…!それと、地図のこの場所に今部下が走っている。君の役に立つものだと信じているから、受け取ってくれ』
「…わかりました。ありがたく受け取ります」
『こんなことを言える立場ではないが…タツヤを、たのむ』
電話が切られる。俺は弾かれたように立ち上がって地図に表示された地点まで走る。息を切らせ、汗が噴き出ながらもたとりついたその場所には、アランさんが言った通り人が待っていた。おそらく部下であろう人は俺を確認すると「メイジンをお願いします」と一言だけ言って段ボールを俺に渡して急ぎ足で去っていった。
急いで部屋に戻ると、ヒマリとツムギがいた。汗だくの俺に驚いた二人が何があったのか、大丈夫なのかと尋ねてくる。俺は二人に対してアランさんと話したことを伝える。余りの事実に二人とも呆気にとられている。
「…ん、アルト。もともとタツヤさんには勝つつもりだった。やることは一緒」
「うん!そうだよ!洗脳だかなんだかわかんないけど!今のタツヤさんはよくないよ!バシッ!とやっつけちゃえ!」
「ありがとう、二人とも…これは、粒子変容塗料…?」
二人とも俺が勝手に受けたのに協力してくれるというのでお礼を言いつつもらった段ボールを開ける。するとその中には、PPSEのマークがついた塗料が入っていた。確か、粒子変容塗料。フィールドのプラフスキー粒子に干渉して粒子の状態を変えることができる塗料だったはずだ。俺がそれを一目見て思いついたのは、一人の人物。時間がない、急ぐんだ。
「二人とも!ちょっと出かけるぞ!」
「へっ!?あ、アルトくん!?」
「…待って、アルト。どこ行くの?」
慌てて追いかけてくる二人に顔だけ振り返りつつ思いついた人物の名を告げる
「ジュリアンさんのところだよ!協力してもらおう!」
次回、アルト覚醒&メイジン戦。
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何度でも、何度だって
「じゃあ、私は応援行ってくるよ」
「ああ、俺とツムギの分まで頼む。すいませんジュリアンさん、手伝ってもらって」
「気にしないで。タツヤの状態を聞いて見て見ぬふりをできるほど僕は冷めてないつもりだからね。それに、君のアイデアを聞いて実現させてみたいのも事実だから」
「…どんな風になっても、操縦しきってみせるから。私の事は考えずにお願い」
ヒマリが部屋を出ていく。昨日、ジュリアンさんに事の次第を説明して協力をお願いした。昨日の試合を見る限り彼とタツヤさんには何らかの関係があると思ったし、思いついたアイデアを形にするために彼の協力が必要になると思ったからだ。
会った時、ジュリアンさんはかなり鬱屈とした様子だったが俺の話を聞くうちに目に生気が戻ってきた。あのタツヤさんは彼自身じゃないという可能性を分かってくれたから、そして正気になったタツヤさんに今度こそメイジン襲名の真意について問いただすため、彼の協力を得られることになった。
セイとレイジには申し訳ないけど今日1日はすべて開発のために使うことにした。ただでさえ時間がないのに新システムの開発を1日でやろうなんて無茶苦茶もいいところだけどアランさんと約束したし、タツヤさんには元に戻ってもらわないと俺が困る。アイデアも昨日のうちに固めて粒子変容塗料で実験も済ませた。あとはヅダに積み込むだけ。
まずはヅダの内部の変更、熱核バーストタービンを土星エンジンとのバランスを考えたチューニングのものから出力値を無視してより高いエンジン、つまり今VF-25に載せているものをそのまま流用、VF-25のほうが小型高性能なので空いたスペースに今回のシステムの要であるISCをもうひとつずつぶち込む。これなら慣性無視操縦がもっとえげつない精度で行えるようになるはずだ。
マクロスキャノン、対艦ライフルは排除、あのエクシアの仕様書を見る限り使う隙は皆無だ。邪魔なだけなら最初から要らない。代わりに増加装甲(ミサイル入り)で死角をカバーしよう。ガンポッドを開いた腰にマウントできるようにしてヒートホークを一本追加。ガンポッドは1丁でいい。あとは、塗装のし直し…
「ジュリアンさん、ここからなんですけど…」
「うん、僕のバックジェットストリームは塗装の剥離を利用しているんだけど、違うんだよね?」
「ええ、ヅダの新システム「ゴースト」はプラフスキー粒子を機体の形に変異させて実態のある残像にします」
「攻撃判定のあるMEPE…実現したら恐ろしいね。それが今は頼もしくもある」
粒子変容塗料で俺が気づいたのは、変容させた粒子自体が攻撃判定を持つことだ。あのエクシアの燃える剣や氷結する剣、あとはニルス・ニールセンのアストレイは斬撃を飛ばすことができるらしい。分身をしたと錯覚するほどの速度を誇るヅダが実際に分身をするわけだ。
といってもそんな完璧に細部までヅダを再現できるわけじゃない。あくまでエフェクトの一種、つまり残像がそのまま実態になる。ぼやッとしていて一目見れば見抜けるものだ。だけど、今のタツヤさんには効果甚大なはず。アランさんの情報ではエンボディシステムは元はプラフスキー粒子を見るシステムらしい。つまり、プラフスキー粒子の塊であるゴーストは実際にヅダに見えてしまうはずだ。そして、一瞬とはいえ攻撃判定ができる。例えばヒートホークを構えた状態でゴーストを残して離脱した場合、ゴーストが振り下ろしたヒートホークには斬撃判定が出る。飛ぶ斬撃ではなく置く斬撃といったところだろう。もちろん連撃は不可能、投げ技締め技組技なんて無理だ。殴るか、斬撃のみ。タツヤさんの事だ、分身全部切り裂くなんてこともあり得る。多数の分身を残すことはできるけど、そこら辺は圧縮粒子との相談だ。ゴーストに使うプラフスキー粒子はフィールドのものだが攻撃するプラフスキー粒子自体は機体の圧縮粒子を使おうと思っている。威力はそっちの方が出るからな。
セイやレイジの事が気になるけど…あいつらが勝つと俺は思っている。ニルス・ニールセンは強いけど、熱がない。目的意識がガンプラバトルにないんだ。あくまで何かを達成する手段としか見てない、そんなバトルだった。俺はその熱が勝敗を分けると思ってる。遊びだと侮るやつと、本気で遊ぶヤツのどっちが勝つかなんてわかり切ったことじゃないか?だから、大丈夫。俺は俺のやれることを最大限やるんだ。俺は塗料を混ぜ合わせ、新しいヅダのカラーにして筆をつけるのだった。
「来ましたよ、メイジン。いや、タツヤさん」
「……」
翌日、GPベースを挟んで相対する俺たち。念のためタツヤさんに声をかけるが、やはり無言。今までヒロイックな機体に乗っていたタツヤさんのイメージとは真逆の赤黒く禍々しいエクシアをGPベースの上に置いて彼はコクピットの立体映像に消えていった。キララの実況も、何もかもがもう耳に入らない。情報はシャットアウトしよう。今は、ヒマリとツムギと相手さえ分かってれば、それでいい。
「…アルト、やろう」
「タツヤさんを、元に戻してあげようよ、アルトくん」
「ああ、あの無表情を燃え上がらせてやるか!」
俺はヅダをツムギに託す。限界を超えたチューンと新システム、新たな塗装、カラーリングは艶やかな赤。一番このカラーがゴーストシステムの発動が容易だったから。分かってますか?タツヤさん、俺あなたにずっと負けっぱなしだったんですよ。超えてやろうっていうときに、あなたがあなたじゃないなんてとんでもない。俺は、あなた自身に勝ちたいんです。だから、噛みついてでもあんたを元に戻してやる!
バトルが始まる。エクシアがライフルを使ってこちらを狙い撃ちしてくる。機械のような正確な射撃、ヅダは右へ左へと移動しながらガンポッドとミサイルで反撃する。実際に戦ってるのを間近で感じてわかる。こんなのタツヤさんじゃない。強いけど、遊びがない、余裕がない、急所しか狙わない。危ないけど、避けられる。タツヤさんの鋭い操縦とは全く別でキレがない。
ミサイルを撃ち落とすエクシアだけど対処が間に合わず何発か直撃した。真空の宇宙で爆炎が咲く、煙が晴れた先にはGNフィールドに包まれるエクシア。2本の剣を持ち、不気味なほど静かにこっちを見ている。
「タツヤさんっ!!いい加減こんなバトルじゃ観客も眠っちゃいますよ!貴方のバトルはこんなのじゃないでしょう!」
無言、急接近からの連撃、ヒートホークとピンポイントバリアで対処。警戒すべきはピンポイントバリアを凍らせるほどの威力を持つ氷の剣、ツムギはそこだけ見極めて凍り切る前にピンポイントバリアを解除してヒートホークで受け流す。攻撃、防御、回避が繰り返される。
「…アルト、いくよ」
「ああ、ISC循環起動、ゴーストシステム、オンライン!」
「循環起動、タイムカウント開始するよ!」
ISCを2機積んだことによる循環起動、1機目のISCが冷却に入った瞬間にもう1機のISCを起動させることで延々とISCを起動し続けるシステム。リミッターの範囲にある限りは制限時間は取っ払える。加速するヅダ、無数の分身を残しつつ真空の宇宙を駆ける。ヒートホークを振り上げつつ離脱、正面に残像が残る。そのまま背後でこぶしを握る。やはりタツヤさんは両方に対処しようとしている。プラフスキー粒子の塊である残像と本体の区別がついてない!結局危険度の高いヒートホークの分身を選択して剣で受け、本体の方はライフルで狙ってくる。
「…そんな射撃!もう怖くない!」
「気づいてっ!タツヤさん!」
残像の振り下ろしたヒートホークを剣で受けたエクシア。残像が消えると同時爆発的な加速をしたヅダのピンポイントバリアパンチが入る。殴り飛ばされる寸前かろうじてシールドを差し込んだが、エクシアのシールドはめちゃくちゃに破壊されて使い物にならなくなる。ゴミでも見るようにそれを眺めた後適当に放り投げるエクシア。この、絶対にタツヤさんがしないであろう行動をされるたびに俺の神経が逆撫でされる。
もう一度の接近戦のため、加速するヅダ、だけど唐突に目の前に壁が出現した。ツムギの咄嗟の動作でぎりぎりぶつからずに済んだがいきなりのフィールド変更にここまで露骨にやるかと怒りが募る。狭い、閉所での戦い。ヅダのスピードを活かせない場所だ。
「くそっ、狭いな」
「…大丈夫、もう…場所どうこうで私は揺るがない」
言った瞬間ツムギがヅダをフルスロットルで発進させる。狭いはずの通路をほぼトップスピードで駆け抜ける。壁を蹴りながら、機体を傷つけることなく。これは去年カイザーさんが見せた五艘飛び…!いつの間に!接敵、ヅダを待ち構えていたエクシアの斬撃を受け止める。燃える炎がヅダを照らす。ゴーストを残しながら離脱、殴ろうとしたゴーストがあっさりぶった切られる。本当に機械を相手にしているようだ。反射で動いているとしか思えない。
「タツヤさん!聞こえてるでしょ!?あなたのやりたかったことは何ですか!?メイジンになった理由があるんでしょ!?そのままでいいんですか!?」
返答はビームだった。バックパックとライフルからの光の雨、ピンポイントバリアで守り、避ける。そしてそのままバックパックが変形した大型の剣を振り上げ壁ごと切り裂きながらヅダに迫る。こんな素人じみた武器選択なんてタツヤさんはしないっ!ふざけんなこの野郎!いい加減解放しろおおおお!!!
「…こんなの、当たるわけないっ!」
「ISC1機目機能停止!2機目循環起動、冷却開始だよ!」
薙ぎ払いを接近することで止め、もう一度ピンポイントバリアパンチ。GNフィールドで止められるがそんなの関係なく殴り飛ばして壁に埋める。埒が明かない、武器を使う暇をくれない。殴るだけじゃ勝てないのはわかる。だけど下手に攻められない。攻めた瞬間またフィールドを変えられたら…!反応できるかどうかはツムギ次第だ…!どうする、何をすればいい?あの人を元に戻すには…!?
その時、俺の頭をよぎったのはアランさんの言葉だった。「何らかの方法でプラフスキー粒子に思いをのせられれば、あるいは」…!もともとダメ元なんだ。やってやろうじゃねえか!いいかタツヤさん!
「タツヤさん!俺の歌を聞けえええええ!」
「…アルトッ!?」
「アルトくんっ!?」
「たった一曲のロックンロール 明日へ響いてく」
俺がそう叫んだ瞬間、ツムギとヒマリが驚きの声をあげる。ああ、こんな場合の時に歌ってる場合じゃないってのはわかるさ!だけどな、あいにく俺は気持ちを伝えるのにこれ以上の手段は知らねえんだ!この世界にはないけど伝説のロックバンドの名曲だ!タツヤさん!あんたを音楽でぶん殴って目を覚まさせてやるよ!
「朝焼けの彼方へ おまえを遮るものは 何もない!」
歌うのはやめない。こんな時に何をという顔をしていた二人であるがいち早く元に戻ったのはヒマリだった。ツムギはミサイルで通路に爆撃、エクシアの動きを封じる。ヒマリは意を決したように顔を引き締めて俺の後に続くように口を開く
「戦い続ける空に オーロラは降りてくる」
ヒマリも続けてくれた!ツムギもうん、と頷く。分かってくれた、2人とも!わかるはずだ。アランさんの推測するもう一つの手段。プラフスキー粒子で想いを伝えるなら、俺たちがそれをするなら、これしかないって!連続斬りをピンポイントバリアで防ぎ守りつつ蹴っ飛ばしたヅダ、ヒマリが続くならとツムギも口を開く。
「打ちひしがれた夜 おまえは一人ぼっちじゃない!」
「「「いつだって!」」」
3人の声が重なる。この曲「TRY AGAIN」は聖鳳学園の中等部に入ってから、軽音楽部でずっと練習していた曲だ。メロディーも何もかも俺たちには沁みついている。さあ!俺たちの歌を聞いてくれ!タツヤさん!迷ったようなエクシアがビームを乱射する。ツムギは避ける、俺たちは歌をやめない。
「たった一つの言葉で 未来は決まるのさ! 俺たちのビートは 輝くダイヤモンド」
「本当の空へ!」「本当の空へ!」
「命輝く空へ!」
アカペラの歌が戦いの音以外しない会場に響く。エクシアの動きが苦悶するように鈍くなる。タックルで壁に叩きつけて動きを封じる。押し付けるように壁に向かってブーストを吹かしてエクシアを壁に埋め込んでいく。戻ってきてくれ!タツヤさん!俺もヒマリもツムギも!本当のあなたと戦いたいんだ!
「Fly away!」「Fly away!」
「昇ってゆこう!」
押さえつけていた壁が突然消失する。要塞内部から宇宙に放り出され自由になったエクシアが剣を振り上げるがその動作はさっきと比べると少し遅い。抗ってるんだ!きっと!洗脳の苦しみの中で本当のタツヤさんが戦っている!歌を届けろ!俺たちは頷きあってツムギがスロットルを押し込む。ヅダがそれに答えゴーストを残しながらミサイルを乱射していく。ゴーストとミサイルが交互に襲い掛かるがエクシアは何とかそれを凌いでいる。
「Try again!」「Try again!」
「昨日に手を振って」
あなたの心に届くまで何度だって何度だって歌ってやるさ!楽しいバトルじゃねえよこんなの!心が通ってない剣なんて怖くない!視線が交わらない射撃戦なんてあくびが出る!エクシアが苦しみながらも二刀流で襲い掛かってくる。ツムギは、それを歌いながら凌ぐ。俺たちの息はいつだってぴったり。ずれることなんてない!
「Fly away!」「Fly away!」
「信じる限り!」
サビの盛り上がりも最高潮!と言っても聞こえてるのは俺たちとタツヤさんだけか。いや、それでいい。それがいい!エクシアの動きが雑になってきた。機械的な操縦とタツヤさんの元の操縦が交じり合ってせめぎ合っている。タツヤさんはまだ何も言わないけど確実に届いている!俺たちの思いが!
「「「Try again! Try again! 明日を愛せるさ!」」」
重なる声に反応して苦しむように機体をよじるエクシア。その機体が紅い光に包まれる!これはトランザム…!この…!いい加減に!
「「「いい加減に!目を覚ませこのやろおおおおおおおおお!!!!」」」
同じ言葉を吐いた俺たちの気持ちを代弁するかのように赤い閃光と化したヅダが思いっきり手を振りかぶってピンポイントバリアも展開せずに、受け入れるように動きが止まったエクシアを殴り飛ばした。
飛ばされたエクシアのデュアルアイから光が消え、トランザムの光が消えて沈黙する。シンと静かになった会場が動かないエクシアとヅダを見守っている。判定は、まだつかない
遂に主人公、歌う。まあヒロイン二人との合唱だけど。決着は次回へ持ち越し。
歌詞の色分けの理由ですが
緑→ヒマリ、基本ランカパートなので
赤→ツムギ 同様にシェリルパートなので
水色→アルト、空のイメージのスカイブルー
となっております。色分けで見にくかったらすいませんが、今後は歌唱の際これで通しますのでよろしくお願いいたします
ついでに新ヅダのカラーリングの由来でも。ファイアーバルキリーとYF-29からですね。どっちも赤がメインカラーだし、いいんじゃないかと思いました。
覚醒した主人公、1日で粒子利用新システムを構築する(準メイジンの助けがあったとはいえ)ヅダが質量を持った残像(攻撃判定付き)をばらまきながらミサイル撃ちまくってくるとか自分で考えておいておかしいな。
次回までまた少々お待ちください。
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闇からの帰還 彗星二条
沈黙するエクシア、だらんと力が抜けたその機体のデュアルアイは光を失い、タツヤさんも無言でいる。だめか?だめなのか?プラフスキー粒子を使った賭けは無駄なのか?アランさん、俺たちはどうしたら…!
「くっ…!うぅ…!ああああああ!!!!」
「タツヤさんっ!?」
突如コクピットの向こうでタツヤさんが苦悶の叫びをあげた。通信の先で付けているエンボディシステムの端末らしいサングラスを両手で掴んで引きはがそうともがいている。思わずコクピットの外に飛び出そうとしたがそれをしてしまったら失格の理由を向こうに与えてしまう。仮に今外に飛び出して失格になったとしたらタツヤさんを助けることができなくなる!
「タツヤさん!しっかりしてください!」
「…戻ってきて!」
「アランさんも、セイもレイジも俺たちも!本当のタツヤさんが戻ってくるのを待ってるんです!マシンなんかに負ける貴方じゃないでしょう!?」
システムに抗うタツヤさんの力になるよう通信先に向かって口々に叫ぶ俺たち。操縦桿に向かって動く手を押さえつけてサングラスを取ろうとするタツヤさん、負けないでくれ!俺の憧れたファイターはこんなところでくじけるような人じゃないって!俺たちに見せてくれよ!
「タツヤアアアアアアアっ!!!」
「アランさんっ!?」
唐突な俺たち以外の声、驚いた俺とヒマリにツムギが目を向けるとSPらしい黒服に止められながらも無理やり突破してこちらに歩みを進めるアランさんの姿があった。まとわりつく邪魔者に押し戻されそうになりながら彼はタツヤさんに向かって叫ぶ
「君は2代目を反面教師だといっただろう!今の君は君が嫌悪する2代目そのものだぞ!?思い出せ!何のためにメイジンになったのか!君のやりたかった事はなんだ!タツヤっ!!!」
「くぅ…!うあああああああああああああああああっ!!!…ハァッ!…ハァッ…」
黒服に無理やり押し込められながらも会場に響いたアランさんの叫び。タツヤさんは震える腕に力をこめて顔からサングラスを引きはがした!瞳を閉じて息を切らすタツヤさん。次にその目が俺たちを捉えた瞬間、俺たちは確信した。戻ってきた!あの燃え上がるような眼差し、鋭い視線!さっきまでの無表情無感情とは全く違う、ユウキ・タツヤの…本当の3代目メイジン・カワグチの姿がそこにはあった。
「やったぁ!タツヤさん!」
「…よかった!よかったよぉ!」
「ちょっと目覚ましが大きすぎましたかね?おはようございます、タツヤさん」
俺たちの呼びかけにタツヤさんは口の端をにやりとあげて返してきた。いつも通りの、自信にあふれた声で
「すまない…少々、惑わされていたようだ!君たちの歌が、私の中に響いてきた。戻ってこれたのは君たちのおかげだ…こんなもの」
そう言ってぐしゃりとエンボディシステム端末を握りつぶして投げ捨てるタツヤさん。アランさんは何とかSP達を突破してタツヤさんのもとへたどり着く。SPたちはタツヤさんの眼光におののいて近づけずにいる。だいぶ怒ってるなあれ。俺も頭にきてるんだけどね正直。そういえばアランさんがここにいるということは軟禁状態からは脱せたということだろうか?
「アランさん、よくここまで来れましたね。最後の一押し、助かりました」
「ありがとう…3人とも。実は国際ガンプラバトル審判組合が警察を連れてきてくれたんだ。多分今はマシタ会長のところにも行ってるはず、だからこれ以上、無駄な妨害は入らないぞ」
国際ガンプラバトル審判組合、ガンプラマフィアなどによる不正試合を防ぐために組織されたPPSEの息がかかってない中立組織だ。そこが動いたということは、今回の世界大会相当な厄ネタの集まりだったらしい。けど、いいことを聞いた。この組織が介入してきたということはこれ以上の不正は不可能になったという証左でもある。俺たちは顔を見合わせて笑う。思ってたのとは違うけど、仕切り直せるということだ。
「タツヤさん、あなたとの試合…どんな形であれまだ終わらせたくありません。もう少しだけ、俺たちに付き合ってくれませんか?」
「…不完全燃焼。さっきまでのタツヤさん、強かったけど…つまらなかった」
「タツヤさん!私たち、まだまだ戦えますよ!」
「当然だ!このような紛い物のシステムで操られたのは不覚、この汚名はバトルで雪がせてもらおう!アラン、今のこの3人を相手にするとなれば消耗した私では不安が残る。手伝ってほしい」
「タツヤ、君ってやつは…!もちろんだとも!」
「感謝する!今はメイジンではなく、ユウキ・タツヤとして!アルト君!ヒマリ君!ツムギ君!君たちに挑ませてもらう!」
タツヤさんがそう言った瞬間、エクシアの追加装備が次々と外れていく。背負っていたバックパックを剣で一閃して破壊したエクシアは全く別の姿になっていた。鎧を脱ぎ捨てたその姿はさっきまでの毒毒しいまでの赤は無くなり、蒼く煌めくヒロイックな…まさにメイジンが乗るにふさわしい姿になった。剣の刃を外してビームライフルと合体させGNソードに変え、青い粒子を纏って飛んでいる。
「…ね、アルト」
「ああ、重いもんはもう邪魔だろ?とっちまえ」
「はいはーい!増加装甲、ミサイル、全パージ!ツムギちゃん!楽しんでね!」
それにこたえるようにヅダも重い鎧を脱ぎ捨てる。両肩の偽装シールドミサイルハッチも切り捨て、素の姿に。片手にバルキリーのシールドをつけ、ガンポッドを持ち、もう片手にヒートホークを持つ。本来の姿をさらして睨み合う2機に静かだった会場が沸いた。ああ、そうだよ。これがいいんだ。観客が楽しくて、戦ってる俺たちも楽しい!そんなバトルがしたかったんだ!
「ユウキ・タツヤ…ガンダムアメイジングエクシア!」
「…イロハ・ツムギ!ヅダ・マクロスパックプラス!」
「「「「「勝負っ!!!」」」」」
同時に飛び出したヅダとエクシアが切り結ぶ。GNソードとヒートホークのつばぜり合い、押し飛ばしたエクシアが斬りかかろうとするのをピンポイントバリアで防ぐヅダ。足を止めての戦闘は完全に不利!操縦のキレが戻ってきてる!タツヤさんの本当の実力が、あのエクシアによって引き出されてる。ツムギもそれがわかったのか、バックステップで離脱、そのままガンポッドの射撃を浴びせまくる。
「この程度っ!」
「増加装甲遠隔操作!マイクロミサイル順次発射するよっ!」
「なにっ!?」
タイミングを見ていたヒマリの操作でバラバラになってそこかしこを漂っていた増加装甲やシールドミサイルハッチの発射口が全て開放され残ってたミサイルが吐き出される。様々な軌道を描きながら上下左右あらゆる方向からエクシアに迫るミサイル。エクシアが腕の中に仕込まれているGNバルカンで次々撃墜していくが、俺のミサイルはちょっと特別なんですよタツヤさんっ!
「くぅ!やってくれるっ!」
あまりの物量にマニューバと弾幕でも対処できずに直撃する。シールドで守ったおかげで損害自体は少ないが隙ができた。
「いけえっ!ツムギ!」
「やあああああああああああ!!!」
「甘いぞっ!そこだああああ!!」
「…っ!ヒートホークがっ!」
隙ができたエクシアに向かって超速で斬り込んだツムギであったがタツヤさんは本来の速度のヅダに対してカウンターを仕掛けてきた。振り下ろされるヒートホークの側面をGNソードで叩き、へし折ったのだ。まさかの対処に空振りしてしまうヅダ。そこを逃すほどタツヤさんは甘くない。返す刀の袈裟斬り、だけどヅダの敏捷性とツムギの反応速度が幸運を呼び込んだ。
「よけたかっ!流石だ…!こっちから行くぞ!」
「…アルトっ」
「ああ、ゴーストシステムオンライン!ぶっちぎれ!」
タックルで袈裟斬りよりも早く懐に飛び込んでエクシアを撥ね飛ばす。そこからゴーストシステムによる実体のある残像を無数に出して撹乱する。タツヤさんは射撃体勢をとるゴーストを無視してピンポイントバリアパンチによる近接攻撃を仕掛けるゴーストのみを対処、一瞬にして切り裂いた。見抜かれてる…!洗脳されていたにもかかわらずゴーストシステムの特性が把握されてる!流石だタツヤさん!
「んんっ!!!」
「そこかっ!ぐぅっ!?」
真正面から一瞬で真後ろに回り込んだヅダがエクシアを弾切れのガンポッドで殴りつける。弾倉を交換しつつピンポイントバリアパンチ。GNソードと拮抗しあう。いったん距離を取って睨み合う2機、刹那、お互いの持つ最後の手段を同時に切った。
「燃え上がれ!ガンプラぁ!!!トランザムッ!!!」
「ゴーストシステム切断、ISC直列起動!フルドライブッ!」
機体も、周りの粒子も紅く輝かせたエクシア。ゴーストシステムを捨て、ISCを2機ともフルドライブで起動することで化け物のような速度を理解の外側に放り投げるヅダがぶつかり合う。切り裂かれるピンポイントバリア、一瞬で消えては現れ、ゴーストを使わなくても出てくる残像が人の目を超過して周りに写り込む。正しくあれを操れるのは操縦席で、花が咲くように笑みを浮かべるツムギのみ。そしてそれを対処し続けるタツヤさん。ピンポイントバリアを切り裂いてもその先にはヅダはいない。切り裂かれた瞬間にそこから離脱しているから。お互いの機体が紅い彗星現象を纏う。紅く輝く機体同士が交差し続ける。
「ここっ!」
「ナイフだとっ!?」
VF-25の兄弟機、VF-27「ルシファー」のシールドと同機能、盾の先からナイフを飛び出させたヅダの突きがピンポイントバリアを纏ってGNソードとつばぜり合う。大型実体剣のGNソードとピンポイントバリアナイフでは威力では劣るものの取り回しは圧倒的にこっちが上!懐に潜っての連撃に後ろに下がりながら対処するタツヤさん。逃がすものかとモノアイを光らせたヅダが引きはがされまいと後を追う。閃く剣閃が50を超えたあたりでエクシアの腕が展開し、バルカンの銃口からビームダガーが出現、ぶつかり合う、お互いの手首から先が消失、ナイフも折れた。
「もらったああああああ!!!!」
「みえたっ!やあああああああああああ!!!」
好機と見たエクシアがGNソードを構え振り下ろす。紅く光る刃をピンポイントバリアとシールドで受け止める。圧縮粒子を利用して強度を高めたピンポイントバリアでもなおじりじりと切り込まれている。ツムギはもう後に引くつもりはないらしく、思いっきり土星エンジンと熱核バーストタービンを吹かしてエクシアとの我慢比べを続ける。
「タツヤさんっ!私が、かつ!アルトが作ってくれたヅダであなたに勝つんだっ!」
「私とて負けるわけにはいかない!この勝負、勝たせてもらおう!」
交わされる言葉、飛び散る火花、それを終わらせたのはヅダだった。ガンポッドを投げ捨て、盾の裏に手を突っ込む。引き出されたものを見た瞬間、画面の向こうでタツヤさんが目を見開く。見覚えがあるでしょう?この赤く赤熱するナタを。
「それはっ!!!」
「ここだああああああっ!!!」
「やっちゃえっ!!ツムギちゃんっ!!!」
「いけえええええ!ツムギぃぃぃ!!」
ピンポイントバリアを切り裂こうとGNソードに片手を使った状態では、ヅダのもう片手のヒートナタを防ぐ手段はない!かろうじて手首がない腕を防御に差し込んだタツヤさんであるが、この人が一番分かっているはずだ。製作者本人、もともとの己の愛機の武装の威力のほどを。ヒートナタは腕をぶった切ってその向こうにあるエクシアのコックピットを袈裟懸けに切り裂く。GNソードがその数瞬後、ピンポイントバリアを突破してヅダの腕ごと胴体を切り裂いた。
「…見事だ!3人とも!」
システムが終了して、勝者を判断する。画面に書かれているのは…俺たちの、名前。勝った?勝った!勝ったんだ!あのタツヤさんに!3人で顔を合わせて、口を開こうとした…けど、言葉が出ない。代わりに2つの衝撃が俺を襲って思いっきり後ろに倒れる。真正面から俺に抱き着いてきた二人に押し倒された形となった俺が、改めて二人の顔を見る。笑っていた、それはもう全開の笑顔で。目尻に光るものはあったけど、それは俺も同じこと。タツヤさんとアランさんは、何も言わず俺たちに拍手を送ってくれていた。
「やっぱり、そうなるんですね…」
「ああ、マシタ会長は…逮捕された。秘書のベイカーもだ。この大会は公式審判組合の管轄に置き換わったが…来年以降またPPSEが関われるかどうかはわからない。開催すら危ぶまれている」
あの後、激戦の疲れからか3人そろって気絶してしまった俺たちが目覚めたのは医務室だった。医者の診断を受けて何もないことが分かった俺たちはそのままホテルに帰って、まあセイやレイジ、マオといったやつのお怒りの言葉をもらった。結局、タツヤさんに何があったかを話すことはなく、あの後行われた準決勝を勝ち抜いたセイとレイジとお互い悔いのないバトルをしようと、そう約束をして解散した。
そして、今俺と話しているのは事情聴取を一通り終えたタツヤさんだ。メイジンとしての姿ではなく、髪を下ろしたユウキ・タツヤの姿でこれからどうなるかを説明してくれた。まず、黒幕はPPSEの会長であるマシタという人物とその秘書、ベイカー。俺はあったことないし、どんな人物かも知らないけど…セイとレイジに異様な恐怖感を示していて、勝ち進むのを阻止するために様々な妨害をしていたらしい。
「幸い、警察が踏み込んで速やかに外へ引き釣り出してくれたおかげでシステムを操作され私は廃人になることなく、君たちとのバトルを辛うじて汚さずに済んだ。あの歌を聞けたのは少々得した気分だけどね」
「やめてくださいよ。良かったです、歌…気持ちが届いて」
なんでも決勝トーナメント前の4日間のモラトリアム、そう、レイジが初めてガンプラを作った日に、会場でガンプラマフィアが逮捕されたらしい。そのマフィアが使っている機体が、セイとレイジの第6ピリオドであるレースで妨害行為を行ったトラップがおかしいと感じた匿名の通報者たちから提供された画像と一致したもんだからさあ大変、事態を重く見た公式審判組合が調査を開始したらしい。その調査の中で様々な黒い話が出まくって、タツヤさんのエンボディシステムの話も発掘、極めつけは逮捕されたガンプラマフィアが秘書のベイカーの名前を出したことで、逮捕に至ったらしい。
「…大丈夫なんですか?」
「ああ、メイジンとしては、失格だろう。だが、私は諦めない。何度でも挑んで、真のメイジンとして「楽しいガンプラ」を普及させていこうと思う」
そう言ったタツヤさんの瞳はバトルと同じように燃え上がっていた。またこの人に挑めるなら、今度こそ俺自身で勝ちたい。強くそう思うのだった。
やっと、やっとモラトリアムまで行けそう!これであとイベント書いて、決勝戦書いて終わり!閉廷!
掲示板どうしよっかなあ。ここまで行ったら書いてもしょうがない気がしてきた。
マシタ会長、ベイカーさん、アウトー(デデーン
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モラトリアム、開幕
「ヒマリ~~起きろよ~~行っちまうぞ」
「だめ~~~」
「…起きないと私とアルトで出店回る」
「私もいくっ!」
「おお、起きた」
ツムギが耳元でぼそりとつぶやいた瞬間弾かれたようにヒマリがベッドから飛び上がった。そんなに一人置いていかれるのが嫌なのか。まあ俺もハブられたら嫌だからわかるようん。じゃあ出てくから着替えてくれ。これを機に俺に着替えまでやらせるようなことはやめるんだな!割とマジで困るから許していただきたい。
抜けてるような感じがするのにとんでもなく上手な鼻歌交じりで着替えるヒマリの声をドア越しで聞きながら「アルトくーん!髪の毛まとめて~!」「…私も」あっはい。君たちが着替えたらやるんで許して。もう俺は諦めたよ、抵抗ゼロですわ。持っていくプラモだけ確認しねーと。はいはーい、何がいい?え?アルト君にお任せ?そんなこと言ったらポニーテールにしかならんぞ。なんでかって?俺の毎日のヘアースタイルだからやり慣れてるんだよ。
「おいーっす、セイ、レイジ。昨日ぶり」
「あっアルト!おはよう!今日はどうするの?」
「どうするってそりゃお前…何するべ。なんも決めてねえや」
「おうアルト、んじゃあ屋台巡りして食い倒れしようぜ!」
「いいかもね、それ。イベント色々あるっぽいし回ってこうぜ」
ホテルのロビーでセイとレイジと合流した俺たち、あと昨日知らないうちにタツヤさんの件とはまた別のごたごたがあって、チームネメシス所属のファイターであるアイラ・ユルキアイネンがコウサカとリン子さんの部屋に転がり込んでるそうだ。超びっくりした。まさかレイジとちょこちょこ話してるのを見かけた銀髪のあの女の子がボディースーツにヘルメット被ってあのキュベレイパピヨン操縦してたってマ?
「なるほどなー、フラナ機関にエンボディシステム、ややこしい話だこった」
「流石に他人事すぎじゃない?アルト」
「実際実感わかないからな。まあ、今元気ならいいんじゃね?」
ある程度話を聞いてあー、タツヤさんのアレとはこことこれが繋がってたんだねうんうん、と誤魔化しながら一通りの事情を聞いてめちゃんこ大事じゃねえかと冷や汗だらだらなのが現状です。女の子薬漬けにしてこんなことやらかしたってマジ?えーっと、昨日の夜に捕まったチームネメシスの主任からでるわでるわ黒い話が。平和なガンダム世界だと思ってたけど案外ドブラックじゃねえか…!
「んで、最初にどこにいこっか」
「イカ焼き食いにいこーぜ!」
そんなレイジの提案に頷いた俺たちは、途中の出店を冷やかして、レイジのご希望であるイカ焼きを買った。ついでにハロ焼きなるものも買ってぱくつく。ヒマリはSDガンダムベビーカステラ、ツムギはヅダブルーハワイソーダなる飲み物を飲んでいる。
「ね~マオくん。どうしちゃったのそんなに沈んで」
「…元気ない?大丈夫?」
「…聞いてくれますかお二人さん」
「当ててやろうマオ。振られたんだろミサキさんに」
「ニュータイプですかアルトはん!?そうですわ!ミサキはんいのーなってまうし、ガンダムX魔王は再起不能なくらい壊れてもうたし!…もうどうしたらええか…!」
途中で合流したときから闇を背負っていたのだが俺が適当なことを言ったら崩れ落ちるマオ、なんかちょっと会ってない間に面倒くさい性格に変わってんな。じめじめとなっちまってまー…話を聞くにあの旅館の娘さんとデートしたらしいんだけどそこで迫りすぎて振られ、ジュリアンさんが俺の前にマオと戦ってボコボコにしてしまったらしい。ダブルパンチか、そりゃ効くわ。じゅこーっと青いソーダをストローで吸い込む相変わらず髪の毛で瞳を隠したツムギ、はむっとベビーカステラを頬張る銀色の髪飾りが光るヒマリ、真ん中で中にチョコが入っていたハロ焼きを食う俺を見たマオがなぜか涙目になる。
「ええですなアルトはんは!いつでもどこでも仲良うしてはって!くぅ!末永くお幸せに!」
「かぁぁぁつっっっ!!!」
「ほわぁっ!?し、師匠!?」
「なんやマオその面は!?もうガンプラ心形流の奥義を忘れおってからに!こっちゃこいっ!その腐った性根!叩きなおしてやろう!」
「うわああ師匠ぉぉぉ!?堪忍してくださあああああいっ!!」
「なんだアレ…」
「珍庵さんだ…!ガンプラ心形流の開祖!凄腕のビルダーでファイター!やっぱりマオくんは期待されてるんだね」
「…あのおじいさん、すごい。一回バトルしてみたい」
「バイタリティ溢れる人だなあ…」
「あっ!あそこのブース!ゴンダ先輩だよ!」
ガンプラ心形流の開祖にしてマオの師匠であるおじいさん、珍庵さんに引きずられていってガンプラ組み立てスペースの中へ消えた。それを揃って微妙な顔で見送る俺たち。周りを見渡していたヒマリがバトルスペースの方を指さす、そこには確かにゴンダ先輩とバトルをしていたサザキの姿があった。勝負はすでについているようでゴンダ先輩がステージを下りる。サザキがごちゃごちゃ言っているが遠回しな応援のようなのでありがたくもらっておこう。
「ゴンダ先輩、お疲れ様です」
「サオトメか。いや、しかし我が校からの挑戦者がファイナリストを埋めるとはな。どっちつかずですまないが両方とも、応援している。頑張れよ」
「ありがとうございます。あの、タツヤさんとはお会いになれましたか?」
「ああ、先ほど会うことができた。変わり無いようで安心したよ」
『おおーっとここで乱入です!あの緑色の機体は…!?』
レイン・ミカムラに滅茶苦茶にてるお姉さんの声でGPベースの方に目を向ける。するとそこには…ウイングガンダムフェニーチェ?いや、しかし変形してるけど…って操縦席にいるのフェリーニさんじゃねえかっ!まさかまさかの世界大会ベスト8の乱入にサザキは動揺しまくってミサイルをバラまくがフェリーニさんはそれを華麗に避けて、一刀両断。バトルに完全勝利した。えーと、うん、その、だな
「「「「「大人気ねえ…」」」」」
「んだとお前らっ!ガンプラバトルには全力を出すのが礼儀だろうが!」
俺、ヒマリ、ツムギ、セイ、レイジが全く同じ言葉を吐きだした瞬間に噛みついてくるフェリーニさん。いや言ってることは事実なんだけどあからさまな格下狩りを見せられたらそんな言葉も出るよ。しかもピッカピカの新機体だし、それでもフェニーチェなんだな。そう思ってるとむぅっと頬を膨らませたヒマリがガサゴソとバッグを漁ってケースを取り出した。ずんずんとGPベースの方へ進んで…フェリーニさんの対面に立ったってヒマリっ!?乱入する気か!?
「じゃあ私とも大人気なく戦ってくれますよね?フェリーニさん?」
「…ヒ、ヒマリさん?」
「っていうのは冗談で…ちょっと勝負してください!」
そう言ってヒマリはクァドランを出撃させる。フェリーニさんは面白そうに笑って受け入れた。クァドランがミサイルを撃ちまくって弾幕を張る。それを振りほどこうとするフェニーチェだがホーミング性能が高いミサイルはそれを許さない、追いかけっこが始まった。俺たちは、それを笑いながら観戦するのだった。おっし頑張れヒマリー!
「うわああああんアルトくんっ!負けちゃったよおおおお!」
「おーよしよし、頑張ったなヒマリ」
「案外やるもんだなーお前。な、セイ」
「うん、この前アルトたちとバトルしたときもそうだったけど強いよね、ヒマリって」
「…大会に出てみる?」
「ビルダーとしては私、すごくないのぉ…」
まあ、経験値の差というか何というか…フェリーニさんのフェニーチェはバスターライフルの大火力でクァドランを容赦なく攻め立て、撃墜したのである。負けてしまったヒマリは涙目で俺に向かって飛び込んでくる。受け止めて慰めつつ、ジト目でフェリーニさんを見ると何とも微妙な顔をして目をそらしていた。大人気なかったと自覚したような顔だ。ヒマリは確かに強いけど、俺たちのレベルじゃないんだから。前やった時同じように無傷だったのは俺が同時操作してたからだからね?
そのあとまた乱入をしてきたのはなんとキララさんだった。コブラツイストを極められたフェニーチェだが、フェリーニさんは嬉しそうだった。その光景を、グレコさん、ルワンさん、チョマーさんが見ていた。みんな虚無の目をしていた。これ以上いたらおかしくなるかもしれなかったので全員で組み立てスペースの方へ移動する。するとそこにはガンプラを組み立てるアイラさんの姿と、コウサカそしてタツヤさんがその指導をしていた。
「タツヤさん…」
「ユウキ・タツヤ…」
「やあ、セイ君にレイジ君。アルト君たちもおはよう」
タツヤさんの目を見て何となくわかった。多分これ、セイたちに用事があるやつだ。俺はなし崩し的に知ってしまったがなぜ予選を辞退してメイジンになったのかをセイたちに説明する気なのだろう。俺の考えは間違ってなかったらしく、タツヤさんはセイとレイジを伴って、出ていってしまった。ヒマリとツムギはアイラさんにプラモ作りをレクチャーするらしくテーブルに座り込んでワイワイやっている。そうなれば暇になるのは俺である。あの女子オンリーの空間に食い込んでいく勇気は俺にはない。一時別行動といこうかな。そんな感じでヒマリ達に断ってその場を後にする。
「ああっ!飛行機乗り!こんなところで会えるなんて奇遇だな!なな、一戦付き合ってくれよ!」
「おっ!久しぶりじゃん!いいぜ、やろうやろう!」
ふら~っとバトルスペースの見学に行くと久しぶりに聞いた俺の通り名と聞き覚えのある声がした。声の方に顔を向けるとそこには馴染みの模型店のバトルスペースでよく一緒になってたZZの彼だ。大会期間になって全くあってなかったんだけど久しぶりに会えてなんだかとてもうれしい。いいことありそうな気がしてきた。
「じゃ、相手してやるよ!スカル4!出る!」
「行くぞぉ!FA-ZZ!今度こそ撃ち落としてやるっ!」
他のGPベースではビームが飛び交っているのに俺たちのGPベースでは画面を埋めるミサイルが飛び交っている。つーかこいつ上達してるわ!ミサイルも俺には及ばないまでもいいホーミング性と持続距離を持っている!どわぁっ!ハイパーメガカノンで誘爆させんな!こりゃあ、俺も頑張ってみるか!
「ああああああああああああ!負けたぁっ!くっそー次こそは勝ってやるからなっ!」
「いやー相変わらずいい火力してんな。あ、こここうしたらいいんじゃね?ほら、この接続」
「あー!それいいな!ありがと飛行機乗り!」
俺たちはGPベースから離れて組み立てスペースに移り、彼のZZの強化案をだしながら話をするのだった。セイとかこういうの得意そうだけどな、タツヤさんと何話してるんだろ。
「タツヤさんどうするつもりなんだろなー、メールに返信ないし…」
そして夜である。あの後みんなで楽しんだ。具体的にはキララさんが音楽イベントに出るらしいのでそれをみんなで見に行ったり、飛び入り参加してええでっていう話を聞いたヒマリはツムギ引っ張って歌いに行ったり。俺?俺はその…はい、逆らえませんでした。かっこつかないんだよまだ声変わりしてないから…!ギター借りて誤魔化したよ。ありがとFIRE BOMBER…!何歌ったかって?DYNAMITE EXPLOSIONですよ!気持ちよかったけど恥ずかしかったです。ツムギとヒマリはデュエットでMY FRIENDS歌ってたよ。どっちも本邦初公開、やったぜ。
あとはアイラさんとレイジが食い倒れしたり、セイのお父さん、タケシさんに会うことができたりと楽しかった。あの後タツヤさんは戻ってこなかったからイベントの事は聞けずじまいだ。なので…
「タツヤさんっ!ちょっといいですか!」
「うわっ!?アルト君!?どうしたんだい急に?!」
「いや、ちょっと聞きたいことがありまして。このメール見てくれましたよね?」
「それは…」
タツヤさんの部屋に行って直談判をすることにした俺。部屋にいたタツヤさんは急にやってきた俺に目を白黒させていたが俺が携帯の画面を見せたことで押し黙ってしまった。見せたのは、タツヤさんが連絡を絶ってから送った最後のメール。タツヤさんは当初、ヤジマのイベントには参加してくれるという話になっていたし、タツヤさん自身からもそういう風に聞いていた。でも、今状況が変わってしまった。タツヤさんはメイジンになったし、大事件に巻き込まれた被害者だ。こうやって誘うのすら本当はダメだろう。けど
「タツヤさん、別に俺は断ってもらってもいいんです。だけど、このまま何もしないでなあなあで終わりたくないんです。タツヤさんがイベントに参加しないという選択を後悔して欲しくない」
「アルト、君…私は…」
そう、参加したくない、できないならしょうがないんだ。だって、普通はこの状況で参加なんてしないから。だけど俺はタツヤさんが何も返事をしないでイベントを無視して、後悔しないなんて思えない。あの時返事をしていればなんて悔いを残して欲しくない。輪の外からただ眺めるだけで終わってほしくない。
「…わからないんだ。私は予選を投げ出し、メイジンになり、特別枠という形で世界選手権の場に立った。メイジンとして、恥ずかしくない理想のバトルをしようと思ってた。だが、一瞬の油断で思い通りにされた。バトルを汚したんだ、あんな…ただ壊すだけのバトルで…!情けない!だから、そんな私が君の夢が詰まったイベントに大手を振って参加していいとは…思えなかったんだ」
タツヤさんは絞り出すように、そう答えてくれた。悩んでいたんだ、タツヤさんは。洗脳されたからとはいえ大勢の観客の前で自分の理想とは真逆のバトルをしたことで、メイジンの名を汚し、世界選手権を汚してしまったと思っている。でも、参加したくない、とは言わなかった。なら、俺がすることはただ一つ。
「じゃあ!俺からお願いします!お願いですタツヤさん!明日からのイベント、参加してもらえませんか!?あのイベントを理想の形にするには、あなたの力が必要なんです!メイジンじゃなくユウキ・タツヤとして、イベントに参加してもらえませんか!?」
「アルト君!?」
俺は思いっきり頭を下げる。そう、お願いすることだ。結局今の俺にはタツヤさんの迷いや悩みを晴らしてやることはできないし、任せてくださいなんて口が裂けても言えない。けど、俺からしたらタツヤさんが参加していいかいけないかと言ったら是非とも参加してほしいと土下座してでも頼みたいくらいなんだ。だから、こうやってお願いしてみるしかない。
暫く頭を下げていた俺だが、タツヤさんがポンと肩に手を置いたので顔を上げる。俺の顔を覗き込んだタツヤさんは真剣な表情で口を開いた。
「ありがとう、アルト君。君がそこまでするほどの価値を私に見出してくれたこと、嬉しく思うよ。遅くなってしまったけど、参加させてもらってもいいかい?」
「タツヤさん!ありがとうございます!大歓迎ですよ!あの、そうしたら受け取ってほしいものがあるんですけど…」
「受け取ってほしいもの?…これは…っ!?」
「はい、3日目のイベントでタツヤさんに乗ってほしい機体です。名前はVF-27「ルシファー」最新作です」
俺が取り出したのは一つのバルキリー、今までのバルキリーと全く違うのはメインエンジンであるステージⅡ熱核バーストタービンが足だけでなく主翼にも二つ付いていること。赤紫のカラーリングのその機体は今までの双発機ではなく四発機、VF-25の姉妹機であるVF-27だ。パック装備はないけれど、必要もないほどの性能に仕上がっている。どうしても、最終日にこれを操縦する人が必要だった。もしこれでタツヤさんが参加しないのであれば俺が同時操作するつもりだったんだけどそれで理想のイベントになるかと言われたら何か違う気がしたんだ。
多分、同時操作ではこいつの真の性能を引き出せないと俺が思っているからだ。メインのパイロットが必要だと思った。そう思った時、真っ先に頭に浮かんだのはタツヤさんだった。だから、彼が乗ってくれるという前提でこの機体を作った。両手でVF-27を受け取ったタツヤさんがいいのかい?と尋ねてくる。
「素晴らしい機体だ。どれだけ手をかけたのかが手に取るようにわかるよ。だからこそ、私が乗っていいのかい?」
「いいんです。あなたじゃなきゃダメなんです。じゃあ、行きましょうか?」
「行くって、どこにだい?」
「慣らし運転ですよ。乗りたいでしょ?」
「…ははっ!お見通しだね!そうとも、この機体、操縦したくてたまらない!」
髪をかき上げたタツヤさんと一緒に、部屋を飛び出す。目的地は、ホテルのバトルルーム。夜遅くまで、その部屋の光が消えることはなかった。
モラトリアム始まりました!次からイベント、といきたいところですが掲示板の要望が結構あるみたいなので掲示板行きます。一応モラトリアム1日目までの掲示板を書こうと思うので、本編はちょい止まります。多分2話くらい。
ここからどうでもいい話
やっとルシファー出せました。主人公じゃなくてタツヤさんにどうしても乗らせたかったのでこういう形になりましたね。ツムギちゃんは歌うので、しょうがないね
没の話として唐突に思いついた話を供養しておきます。トライ書くかどうかわかんないし
トライ入る前に開かれたイベントでタッグ戦をする→タツヤさんと主人公コンビで参加→優勝→反則だそりゃー!という掲示板の反応
とか書いてみたかったんですけど面白くなさそうなので供養しておきます。マジでこの先どうしようかなあ。当初のプロットから3回転半して斜めにぶっ飛んできてるんで作者にもこの先わかんないです。
お目汚し失礼しました。次話もよろしくお願いします
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第7回世界選手権を実況するスレ
1:名無しのビルダー
このスレッドは第七回世界選手権を余すところなく実況するスレです。基本的に日本人にスポットが当たるので外国人は別スレで扱います。楽しもうぜ!
2:名無しのビルダー
うおっしゃあああああ!
3:名無しのビルダー
祝!日本勢2組決勝トーナメント進出決定!
4:名無しのビルダー
マオくん頑張った!すごいぞーえらいぞー!
5:名無しのビルダー
ツムギちゃんやったやんけ!アルト君ヒマリちゃんサポートがんばってや~~~!
6:名無しのビルダー
メイジンも全勝やな!素晴らしい!流石メイジンの名を継いだ男!
7:名無しのビルダー
妨害さえ…妨害さえなければセイ君とレイジ君もっ!決勝トーナメントに出れたんだっ!
8:名無しのビルダー
ほんと、あれはなんなんだろうな
9:名無しのビルダー
画像解析だと明らかにMSなんだよね~
10:名無しのビルダー
まあ公式審判組合が動く言うてるし被害が大きくならないうちに済むでしょ
11:名無しのビルダー
それよりも~~~!今日はガチバトルですよ!
12:名無しのビルダー
今年も例年通りだけど、だがそれがいい!
13:名無しのビルダー
決勝トーナメント進出組はどうなるんだろうね~~。本気でやってくれるかな?
14:名無しのビルダー
少なくとも手を抜くメンツではないのは確かかな?フェリーニとか、それこそマオくんやツムギちゃんとか
15:名無しのビルダー
アメリカ代表はちょっと怪しいか。わざと負けるくらいはしそうな感じする
16:名無しのビルダー
バトル熱感じねーもんな。強いのはそうだけど、それだけじゃつまんねーんだよ
17:名無しのビルダー
せっかく遊ぶんだから思いっきり遊んでほしいなあ
223:名無しのビルダー
メイジンキターーー!
224:名無しのビルダー
プロヴィデンス相手か。ドラグーンが肝だな
225:名無しのビルダー
メイジン!魅せてくれよ!
226:名無しのビルダー
はじまった!
227:名無しのビルダー
初手ビームの弾幕、こういうのいいよね~~~!
228:名無しのビルダー
ふぁっ!?ビームってナイフで切れるの!?
229:名無しのビルダー
ヒートナイフ(耐ビームコーティング)
230:名無しのビルダー
まじで?あの刃渡り短いナイフで何やってんだこの人?
231:名無しのビルダー
※当たり前の技術のように連発していますがほぼ神業です
232:名無しのビルダー
流石メイジンというか何というか、それでもおかしいんだけど
233:名無しのビルダー
ドラグーン落としだしたぞ
234:名無しのビルダー
うわっ命中精度たっか!
235:名無しのビルダー
ケンプファーなのが渋いな。色も渋いし、何よりカッチョイイ
236:名無しのビルダー
アメイジングチェーンマインとかねえかな
237:名無しのビルダー
あってたまるかwww
238:名無しのビルダー
うわぁ、一方的
239:名無しのビルダー
やっぱ強いわ、メイジン
240:名無しのビルダー
2代目と違ってみてて楽しいのが素晴らしい
241:名無しのビルダー
わかる。なんかぐわーっ!と腹の底から盛り上がってくるんだよね
242:名無しのビルダー
マシンガンでなんちゅう命中精度…
243:名無しのビルダー
丸裸になったなあ
244:名無しのビルダー
うーん、鮮やか
245:名無しのビルダー
カッチョイイな、ユウキ・タツ…じゃなくてメイジン
246:名無しのビルダー
代名詞のマニューバがないのにこの強さよ
247:名無しのビルダー
正体バレバレで草
248:名無しのビルダー
メイジン勝利~~~!全勝ですわ!
249:名無しのビルダー
これがメイジンだ!
250:名無しのビルダー
メイジンおめでと~~~!去年の雪辱をはらせたね~~~!
251:名無しのビルダー
だから正体不明のナイスガイだって(ry
252:名無しのビルダー
まま、いいじゃないのめでたいんだから
366:名無しのビルダー
きちゃ!マオくんきちゃ!
367:名無しのビルダー
きゃーーーー!関西の星~~~!
368:名無しのビルダー
相手は…ブラストインパルス?こりゃまた渋いチョイス
369:名無しのビルダー
どうやら砲撃戦が御望みらしい
370:名無しのビルダー
マオくん堅実だな。すぐサテライトキャノン行くと思ったけど
371:名無しのビルダー
隙がでかいからなアレ。動けないし
372:名無しのビルダー
んーでもジリ貧?
373:名無しのビルダー
いや?そうでもないわあれ
374:名無しのビルダー
あっ誘い込んでるのか!袋小路に!
375:名無しのビルダー
上以外逃げ場ないな
376:名無しのビルダー
おお、うまいじゃん!シールドバスターライフルの使い方もいいな
377:名無しのビルダー
原型機に忠実だけど色々詰め込んだガンダムX魔王好きよ
378:名無しのビルダー
自分の名前を機体名に入れちゃうの子供っぽくてかわいい
379:名無しのビルダー
わかる。でもやりたくなるのだ
380:名無しのビルダー
サテライトいったああああ!!!
381:名無しのビルダー
うわっ、こらすげーわ
382:名無しのビルダー
今までで一番の威力wwww
383:名無しのビルダー
誘い込んだ袋小路事木っ端みじんwww
384:名無しのビルダー
ブラストインパルスバラバラ…んあっ!?
385:名無しのビルダー
コアスプレンダー!?
386:名無しのビルダー
生き残ってた!?
387:名無しのビルダー
げっ!他の場所からチェストフライヤーとか飛んできたぞ!?
388:名無しのビルダー
ああ!最初から複数操作扱いで仕込んでたのか!メイン機がコアスプレンダーなんだな!?
389:名無しのビルダー
合体したああああ!フォースシルエットだ!
390:名無しのビルダー
ちくしょう!かっこいいぞ!
391:名無しのビルダー
空中戦来たああああ!
392:名無しのビルダー
マオくん楽しそうですな
393:名無しのビルダー
うそお!競り勝てるの!?
394:名無しのビルダー
2発目サテライトキャノンで締めたか。これでマオくんも全勝ね
395:名無しのビルダー
おめでとおめでと!
396:名無しのビルダー
DXじゃないのにサテライトキャノン連発できるのはなぜだろうか
397:名無しのビルダー
うーん、やっぱクリアパーツじゃね?
398:名無しのビルダー
そこらへん怪しいよな
399:名無しのビルダー
クリアパーツ万能説
400:名無しのビルダー
実際クリアパーツ入れると性能上がるしな
401:名無しのビルダー
じゃあ全部クリアパーツならサイッキョコレ
402:名無しのビルダー
やってみろ。まともに動かんぞ
403:名無しのビルダー
なんでやっ!?
404:名無しのビルダー
バランスが大事なんだよ。全部クリアパーツだとエネルギー量に機体が耐えられん。破裂する
405:名無しのビルダー
まるで見てきたかのような言い草だな
406:名無しのビルダー
俺のガンダムヴァサーゴ…
407:名無しのビルダー
あっ(察し
408:名無しのビルダー
メガソニック砲撃つ準備するじゃろ?エネルギーがオーバーロードしてぼかんじゃ
409:名無しのビルダー
悲しいなあ
410:名無しのビルダー
あとフルクリアパーツより普通のプラと混ぜてあったほうがかっこいい気がする
411:名無しのビルダー
あっ日本人じゃねーけど次チョマーじゃん
412:名無しのビルダー
めちゃくちゃ強くなったでおなじみチョマーさん
413:名無しのビルダー
元から強い定期
414:名無しのビルダー
ひぇっ殺意高い
415:名無しのビルダー
開幕斬りかかりに行きやがったwww
416:名無しのビルダー
砲撃戦用機体だろうがジェスタキャノンはぁ!
417:名無しのビルダー
おまえもビーム斬れるのか…
418:名無しのビルダー
ビームサーベルでビーム弾きだすとかキラヤマトかなにか?
419:名無しのビルダー
そういえばこいつ真剣白刃取りしてたな
420:名無しのビルダー
真正面からぶん殴るスタイルいいぞー
421:名無しのビルダー
相手後ろに下がりまくりやん
422:名無しのビルダー
圧が強すぎる
423:名無しのビルダー
いいなーあのジェスタキャノンキット化してくれねー…ファッ!?
424:名無しのビルダー
脚からマイクロミサイル!?
425:名無しのビルダー
あの感じはアルト君の装甲ミサイルハッチか!?
426:名無しのビルダー
ういええええええ!!
427:名無しのビルダー
ビーム弾き返して真正面からいったあああ!
428:名無しのビルダー
真っ二つやんけ。ここまでされたら気持ちええだろうなあ
429:名無しのビルダー
相手口開けっぱなしなんですが
430:名無しのビルダー
まあ、決勝トーナメント落ちがこれで決まっちゃったから…
431:名無しのビルダー
チョマーさん急に強くなったよな、なんでだろう
432:名無しのビルダー
サバイバルで負けてからなんかめっちゃ強くなったよな
433:名無しのビルダー
見てて楽しいからなんでもいいや
434:名無しのビルダー
強いやつが増えて何が悪い
435:名無しのビルダー
チョマーさん…成長して…
436:名無しのビルダー
何目線の何様だよwww
437:名無しのビルダー
だってだってフェリーニに噛みついて負け犬のチョマーさんが!
438:名無しのビルダー
とんでもなく失礼かつ語弊のある言い方で草
439:名無しのビルダー
十分勝ち組定期
440:名無しのビルダー
フェリーニがチョマーの彼女寝とったのが悪い
441:名無しのビルダー
どこ情報それ
442:名無しのビルダー
大会中にチョマーが叫んでた
443:名無しのビルダー
フェリーニ、お前…
444:名無しのビルダー
愛の国の人ですから…
445:名無しのビルダー
フォローになってねえ!
685:名無しのビルダー
いやー熱戦が続くなあ
686:名無しのビルダー
毎度毎度ガチバトルはほんとに盛り上がる
687:名無しのビルダー
嬉しみに溢れる
688:名無しのビルダー
今のところ強豪とされる奴らは決勝に行けたのか
689:名無しのビルダー
ルワンさんもレナート兄弟もいったもんな
690:名無しのビルダー
次はだれじゃ~?
691:名無しのビルダー
ファッ!?何だこの組み合わせ!?
692:名無しのビルダー
フェリーニとセイ君レイジ君ペアだと…!?
693:名無しのビルダー
ぐぬおおおおどっちを応援していいんだっ!
694:名無しのビルダー
フェリーニはすでに決勝進出…もしや忖度しないだろうな?
695:名無しのビルダー
ねーよ。それだけは絶対ない。そんなことしたら相手が黙ってないだろ
696:名無しのビルダー
レイジ君殴りにきそう
697:名無しのビルダー
決勝トーナメントばりの盛り上がりで草
698:名無しのビルダー
実際ここ一番の大カードでしょ
699:名無しのビルダー
どっちが勝ってもいいぞー!
700:名無しのビルダー
セイ君レイジ君勝ってくれ!決勝トーナメントでもっと君たちのバトルを見たいんや!
701:名無しのビルダー
そうだー!やれやれー!
702:名無しのビルダー
撃ちあいいいぞー!ぶぇっ!?ビームぶつかった!?
703:名無しのビルダー
これ第一でも見せたビーム撃ち落としか
704:名無しのビルダー
フェニーチェはあんま動かないな。スタービルドストライクはぐりぐり動いてる
705:名無しのビルダー
バスターライフルは温存か。まあビーム吸収されたら困るし
706:名無しのビルダー
ビーム無効化とかずるくない?
707:名無しのビルダー
どうやってるんだろ。気になる
708:名無しのビルダー
シールドだよな。でもIフィールドではないって感じだし
709:名無しのビルダー
えっ何で頭突きを?
710:名無しのビルダー
うおっ痛そう…
711:名無しのビルダー
アンテナがああああ!?
712:名無しのビルダー
いいな、ぶつかり合いって感じで
713:名無しのビルダー
ビームレイピア1本でストライクの二刀流に対応してるのヤバい
714:名無しのビルダー
うあっシールドがあ!
715:名無しのビルダー
あっちゃービーム無効化できないだろうなあれ
716:名無しのビルダー
アレフルスクラッチだろ?直すの大変そうだ
717:名無しのビルダー
バスターライフル解禁か。追い詰めたな。バックパックも持ってかれたかスタービルドストライク
718:名無しのビルダー
ん?いやっ分離したんだ!むしろバスターライフルぶっ壊したぞ
719:名無しのビルダー
やるやん!いやっでも向こうのライフルも駄目になったか!
720:名無しのビルダー
近接戦!うおっやべえボロボロになってく!
721:名無しのビルダー
フェリーニ左腕やられた!あっスタービルドストライクも持ってかれたか!
722:名無しのビルダー
うっげえここで殴り合いかよ
723:名無しのビルダー
あっ!機体強化ここで入ったか!本格的に殴り合いの構えやな
724:名無しのビルダー
ひょえ~~~壮絶…
725:名無しのビルダー
やっば、ボクシングじゃねえんだぞ
726:名無しのビルダー
モビルファイターでもあそこまでやるか?
727:名無しのビルダー
クロスカウンターで両方とも頭部がもげた…
728:名無しのビルダー
あんだけ丹精込めたって一目でわかる機体をよくもまああそこまで…
729:名無しのビルダー
俺だったら大事に大事に飾ってるわ
730:名無しのビルダー
わかるけど。最強を証明したいっていう感じじゃない?ほら、男の子だし
731:名無しのビルダー
にしてもここまでやるか…
732:名無しのビルダー
あれっ動かなくなった!?
733:名無しのビルダー
えっもしかしてこれ…引き分け!?
734:名無しのビルダー
あるんだ、引き分け…ほとんど勝ち負けついてたからガチバトルで引き分け見るの初めてだ
735:名無しのビルダー
うわっすげえ美しいな、あれ。あのままジオラマにしたい
736:名無しのビルダー
お互いがお互いを支え合いつつもたれかかる。それも自然な姿で…画像保存しとこ
737:名無しのビルダー
なんか、こうグッとくる。いいバトルだった!
738:名無しのビルダー
それ!ほんとにそう!激戦っていうのが一番しっくりくる!現状のベストバウト!
739:名無しのビルダー
すっげえいいな!こういうのいい!なんか燃えてくる!
740:名無しのビルダー
バトルしたくなってきたー!明日模型屋行ってこよ
741:名無しのビルダー
俺も行きたい!
742:名無しのビルダー
でもあそこまでボロボロになっちゃって本戦間に合うか心配
743:名無しのビルダー
まあ3日間モラトリアムあるし大丈夫でっしょ
744:名無しのビルダー
次の人らも燃えてるね
745:名無しのビルダー
顔つきがちげーや
746:名無しのビルダー
でもわかるよ、あんなの見せられたらやりたくなるよね
747:名無しのビルダー
会場にいてよかった。すぐにでもバトルができる
748:名無しのビルダー
休みアピールとかケンカ売ってるのかおどりゃ
749:名無しのビルダー
いいなー!俺も行きたいみたーい!
750:名無しのビルダー
隣の人と思わず興奮して話しまくってしまった。お互い真っ赤だ
751:名無しのビルダー
相手は女か?
752:名無しのビルダー
男だよ。私は女だけど
753:名無しのビルダー
何大会でラブロマンスしてるんだおめー
754:名無しのビルダー
かーっ!卑しか女ばい!
755:名無しのビルダー
女にもあたり強くて草
827:名無しのビルダー
いやはや、来てしまったな遂に
828:名無しのビルダー
これがラストバトルかー
829:名無しのビルダー
アルト君たちトリオがまさかのトリか
830:名無しのビルダー
ヅーダ!ヅーダ!
831:名無しのビルダー
パイルバンカー!ミサイル!ロマン!
832:名無しのビルダー
一気に知能指数下がってるやん
833:名無しのビルダー
さっきまで冷静に解説実況をしていたお前らはいずこへ
834:名無しのビルダー
うるせえ!試合が一瞬だって予想できるからこうするしかねえんだ!
835:名無しのビルダー
あのスピードに俺たちのタイピングが勝てるわけないだろ!
836:名無しのビルダー
あんな化け物機体に勝てるわけないだろ!いい加減にしろ!
837:名無しのビルダー
それに万が一負けてももう決勝出場決定ですしおすし
838:名無しのビルダー
なんで諦められてるんだ
839:名無しのビルダー
だってもう録画して後から見るしかじっくり見れないし…
840:名無しのビルダー
速すぎて試合を諦められる機体があるらしい
841:名無しのビルダー
んーでも一応生で見たいから私は見るー
842:名無しのビルダー
はいはいどうせ超スピードで…初手パイルバンカーですか!?
843:名無しのビルダー
まじでっ!?
844:名無しのビルダー
んええええええ!?あれをMSに向けるの!?
845:名無しのビルダー
ふぁっ!?増加装甲外れた!?
846:名無しのビルダー
なぜ外した!?あえっ!?どこいった!?試合終了!?ナンデ!?
847:名無しのビルダー
気づいたら試合終わってた
848:名無しのビルダー
現地組見れた?
849:名無しのビルダー
装甲外したところまでは
850:名無しのビルダー
見えへんかった…
851:名無しのビルダー
気づいたらアストレイが大穴開いて負けてた
852:名無しのビルダー
動画!動画分析はよ!
923:名無しのビルダー
お待たせ、解析していた
924:名無しのビルダー
待ってた。はよ
925:名無しのビルダー
とりあえずスローの動画あげといた。で、結論から言うと…装甲外したことによりスピードがさらに上がってパイルバンカーぶつけただけで相手が死んだ、以上
926:名無しのビルダー
ぱーどん?
927:名無しのビルダー
装甲外れたらスピード上がるってマジ?フルアーマーって下がったスピードをアーマーについてる推進系のもので補うのがデフォだよね?
928:名無しのビルダー
装甲は外骨格じゃなかったっけ?ちょっと前のスレでそんな話が
929:名無しのビルダー
え?もしかして冗談で片付けられてた増加装甲重り説がマジだったってこと?
930:名無しのビルダー
うっそだろお前…
931:名無しのビルダー
ぶれてるけど素の状態のヅダもかっこいいな
932:名無しのビルダー
一度じっくり本体を見たい
933:名無しのビルダー
というかそのスピードについていけるのがおかしくないか
934:名無しのビルダー
ツムギちゃんどんな目してるんだろう。というかそれを完璧にサポートしてるアルト君たちもおかしいじゃん
935:名無しのビルダー
そんなこと言ったら機体作ったアルト君が一番おかしいじゃろうが!
936:名無しのビルダー
というかあれを操縦しきるのもやばいんだけど対応する一部のファイターもおかしい
937:名無しのビルダー
世界の上澄みはやばすぎる
938:名無しのビルダー
これはますます加速しますねえ
939:名無しのビルダー
次スレ立てるかー、落ちる前に
940:名無しのビルダー
今日は案外保ってるぞ
941:名無しのビルダー
これで今日の全試合終了かー!
942:名無しのビルダー
管理人頑張ったな!多分もう落ちないぞ
943:管理人
やったぜ。もう落ちて復旧の繰り返しでまともに大会見れないんや
944:名無しのビルダー
お疲れ様です。なんでいるかは聞かないでおこう
945:名無しのビルダー
これ以上鯖強化するのも金がかかるでな。足向けて寝れへんで。あとで募金しとこ
946:名無しのビルダー
アルト君たち楽しそうでいいなー。青春だー
947:名無しのビルダー
あー、速報、速報。やばいですよヤバい
948:名無しのビルダー
どうしたんだね
949:名無しのビルダー
ヤジマのイベントのHPで試合が終了した途端に重大発表が
950:名無しのビルダー
え?なにそれ。んんんんんんんん!?なんだこれ!?
951:名無しのビルダー
弊社所属ビルダーサオトメ・アルトが作成したバルキリーを含めた世界観のシリーズ名を「マクロス」シリーズとして今後シェアーワールド化する…?
952:名無しのビルダー
それに伴いマクロスシリーズの根幹設定の開示と正史年表、その他もろもろを順次公開する…
953:名無しのビルダー
また、設定集をイベント当日にバルキリーと一緒に販売する…うわっサンプルページぶあつっ!?
954:名無しのビルダー
当社が発表するサオトメアルト原作も含め今後のマクロスシリーズは「作中作」とし正史を元にした作品となり、それが正史に組み込まれるわけではない…公式がやべーこと言いだしたぞ。正史は追加される場合もあるがそれ自体が作品になるわけではない、となるほどなるほど。
955:名無しのビルダー
というかこれアルト君が設定作ったってこと!?マジで言ってんの!?
956:名無しのビルダー
あっ基本設定集は重要なのが見れるのか。えーなになにマクロス、ゼントラーディ、フォールド技術…理解するの一苦労だわ!?
957:名無しのビルダー
シェアーワールドってことは二次創作オッケーっていうこと!?
958:名無しのビルダー
巨人族ゼントラーディ…これすっげえSFだよな!ワクワクしてきた!
959:名無しのビルダー
年表はまだ公開されないんか!?気になるぞ!?っつーかアニメもなしにこんなことするの!?
960:名無しのビルダー
こんなんイベント行くしかないやん!
961:名無しのビルダー
是が非でも設定集は買う。そう決めた
962:名無しのビルダー
あああああ!もだもだするううう!
963:名無しのビルダー
おい、SFファンスレが爆発したぞ
964:名無しのビルダー
こんなのだされたらそらそうなるわ
965:名無しのビルダー
これはお約束ですか?
966:名無しのビルダー
そういうことです
967:管理人
結局こうなるのか…
968:名無しのビルダー
こんな重要設定をホームページで気軽に発表するんじゃねえ!
969:名無しのビルダー
ああくそ!重くなってきた!
970:名無しのビルダー
最後の最後に爆弾ぶち込んできやがって!
971:名無しのビルダー
復活次第考察スレ立てろ!
972:名無しのビルダー
あっ!これ、き
SERVER ERROR
実は裏でこんなこと起こってたんやでっていう話
マクロスシェアーワールド化については主人公がきちんと説明するのでそこら辺は待ってください。
とりあえずこれであとは決勝トーナメントの内容のスレ…といきたいんですけど掲示板書く気力があんまりわかないんで本編行くかも
年末までに本編書けたらいいなあ。ビルドトライ、改めて見ると面白いんだけど主人公をぶち込める隙が見当たらねえ
目次 感想へのリンク しおりを挟む
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世界選手権を実況するスレpart70
1:名無しのビルダー
やっと復旧したか!とりあえず実況スレなここ!管理人に募金しとけ~~!
2:名無しのビルダー
ありがとう管理人。いいサーバーに変えてくれ
3:名無しのビルダー
マジでお疲れ
4:名無しのビルダー
いやー凄い衝撃だったわ
5:名無しのビルダー
ヤジマー、管理人の事考えてよー
6:管理人
3日間全部参加するつもりだからワクワクが止まらねえぜ
7:名無しのビルダー
その間どうするんだ?
8:管理人
強いサーバーに変えておくさね
9:名無しのビルダー
有能
10:名無しのビルダー
でー、このモラトリアムで何があったんだっけ
11:名無しのビルダー
まずはバルキリーが属するシリーズ名が発表されたとこからか
12:名無しのビルダー
マクロス、ね。バルキリーじゃないのはなんでなんだろう
13:名無しのビルダー
まだそこら辺の設定は開示されてないもんなあ
14:名無しのビルダー
今開示されてるのはマクロスの大雑把な世界観だもんな
15:名無しのビルダー
地球を旅立った長距離移民船団のお話なんだって。太陽系どころか銀河超えるってさ
16:名無しのビルダー
まじでどうなるのか楽しみ
17:名無しのビルダー
外宇宙の話なんてガンダムじゃなかったもんなあ
18:名無しのビルダー
あとは巨人族ゼントラーディ、フォールド技術、それと歌、か
19:名無しのビルダー
なんでも歌はマクロスにおいてめちゃくちゃに重要なものらしい
20:名無しのビルダー
まだ具体例がないから何とも言えんが、これから展開する作品は必ず歌がセットになるんだと
21:名無しのビルダー
ラクスみたいなもん?慰安目的?
22:名無しのビルダー
そんなんだったら真っ先に開示なんかしねーわ。なにかあるんだろ、多分
23:名無しのビルダー
そんでモラトリアム1日目で早速やってくれましたねヤジマさん
24:名無しのビルダー
まさかアルト君とカイザーのガチバトルが投稿されるとはなあ
25:名無しのビルダー
カイザーが強いのもそうなんだけどアルト君もやっぱり強いわ
26:名無しのビルダー
マニュアル操作のファンネルを落としてたもんなあ
27:名無しのビルダー
カイザー相手にあそこまでやれるんならそらツムギちゃんくらいじゃないと組めんわ
28:名無しのビルダー
カイザーのジオングとか反則もいいところだぜ。強すぎる。俺だったら10秒持たない
29:名無しのビルダー
引き分けっていうのが凄いよなあ
30:名無しのビルダー
アイラ・ユルキアイネンは正直ちょっと見てて面白くない
31:名無しのビルダー
第2ピリオドでヅダに翻弄されてたからなあ。やっぱりあの不可視の攻撃が強かったんだとおもう。特にカイザー大型MAだったから相性最悪だったんじゃないかな
32:名無しのビルダー
ヅダは不可視の何かが見えてたってことやんな
33:名無しのビルダー
ツムギちゃんの操縦技術が大会を勝ち上がるごとに洗練されて行ってる気がする
34:名無しのビルダー
それな。あのレースの時が滅茶苦茶やばかった
35:名無しのビルダー
決勝トーナメントが楽しみだなあ
36:名無しのビルダー
そういえばマクロスってってシェアワールドなんだよな?なんかルールみたいなのあんの?
37:名無しのビルダー
まだ細かいことはあれだけどヘッドカノンとして「バルキリーなどの可変戦闘機を出すこと」「歌」「三角関係による恋愛」が主軸になるらしい。必須ではないけど公式の扱いはその三つがあってマクロスなんだと
38:名無しのビルダー
よくわからんな。公式から手本としてアニメ化なんかやってくれないだろうか
39:名無しのビルダー
原作者?っていっていいのかわからんけどアルト君歌好きすぎるでしょwww
40:名無しのビルダー
そりゃあ、初手PV作るような男の子ですから好きだろうねえ
41:名無しのビルダー
もしかしてヒマリちゃんのために一から作った世界観ですか…?
42:名無しのビルダー
なにそれエモい
43:名無しのビルダー
そんなんされたら女の子惚れてまうやろ
44:名無しのビルダー
まあワシらおっさんもバルキリーに惚れてるんだけどな!がはは!
45:名無しのビルダー
一緒にするんじゃねえよおっさん。ケーニッヒ・モンスター発売はよ!
46:名無しのビルダー
オマエモナー
338:名無しのビルダー
あー、メイジンどうしちまったんだまじで
339:名無しのビルダー
今までのバトルとは全然ちげーよな
340:名無しのビルダー
蹂躙ってかんじ。二代目みたい。中の人かわった?
341:名無しのビルダー
ちょっと正直どんな反応していいかわかんない…
342:名無しのビルダー
ああ、次ツムギちゃんチーム対ルワンさんだ
343:名無しのビルダー
うーんこの空気の中これはキッツい
344:名無しのビルダー
ルワンさんさわやかだー。清涼剤ー
345:名無しのビルダー
ツムギちゃん、かわいい。さっきの戦争のようなバトルを癒しておくれ…
346:名無しのビルダー
ステージはビル街か。これはヅダが不利かねえ
347:名無しのビルダー
アビゴルバインでかいから小回りという意味ではヅダが優勢では
348:名無しのビルダー
ビル越しでビーム撃つとか殺意高すぎないか!?
349:名無しのビルダー
ビルを倒して下敷きに!?ルワンさん本気も本気じゃん!
350:名無しのビルダー
ミサイルで切り抜けたな。ここで接近戦か!
351:名無しのビルダー
ヒートホークとシールドで防いでつばぜり合い…!いいな!こういうの見たかったんだ!
352:名無しのビルダー
ミサイルで相打ち!?
353:名無しのビルダー
同時にミサイル撃つのかぁ…威力はアビゴルバイン、数はヅダだね
354:名無しのビルダー
アビゴルバイン思いっきり胴体凹んどる…
355:名無しのビルダー
胸アーマー取れちゃったよヅダ…!
356:名無しのビルダー
睨み合いが続くな…!動いた!ルワンさんだ!
357:名無しのビルダー
角にもビーム仕込んでるの!?
358:名無しのビルダー
突撃!?っつーか眩しい!ただのビームじゃないぞ!?
359:名無しのビルダー
ごめん、めっちゃ関係ないけどどう見てもムシキングのダンガンにしか見えない
360:名無しのビルダー
ちょwwwww
361:名無しのビルダー
グー技ですねwwww
362:名無しのビルダー
ダンガンwwwwなっつwwww
363:名無しのビルダー
ウソォ!?
364:名無しのビルダー
ヅダの極太ビームキャノンと真正面から張り合ってる!?
365:名無しのビルダー
いやむしろ押してる!?やばない!?
366:名無しのビルダー
抜けたっ!?いやっヅダが対処した!
367:名無しのビルダー
パンチで押しとどめて捕まえたのか!
368:名無しのビルダー
そこから加速できんの!?
369:名無しのビルダー
左手取れちゃってる…!今までほとんど無被弾だったのに…!
370:名無しのビルダー
流石ルワンさんって感じだわ。やっぱ年季が違うね
371:名無しのビルダー
ビルに突っ込んだああああ!
372:名無しのビルダー
えっ止まらないの!?
373:名無しのビルダー
おいおいおい何個ビルぶっ壊す気だよ
374:名無しのビルダー
街ががれきの山に…!
375:名無しのビルダー
うっげえ、えげつねえ。アビゴルバインボロボロや
376:名無しのビルダー
いった!とどめさした!ヅダの勝利だあああああ!
377:名無しのビルダー
両方ともいい試合だったぞー!
378:名無しのビルダー
いやー見てて気持ちい試合だわ。やっぱこれだね
379:名無しのビルダー
最後までワクワクたっぷりだった
380:名無しのビルダー
ヅダ、直るのかなー。正直直せるのだろうか
381:名無しのビルダー
俺たちじゃ理解の及ばない超技術の塊だもんな。プラモの癖に
382:名無しのビルダー
フルスクラッチ→まだわかる。超スピード!?→うん、まあ。ミサイルいっぱい→ロマン大事。武装変形可能→んん…?実は装甲を外すとさらに速くなる→ちょっと何言ってるかわかんないです。最終兵器はパイルバンカー→ツィマッドの技術は世界一いいいいいい!!!
383:名無しのビルダー
まんまこれ。あたまおかしなるで
384:名無しのビルダー
よくよく考えたらヅダの足にくっついてるのってバルキリーのエンジンでは?
385:名無しのビルダー
まじ?まじやん(啞然
386:名無しのビルダー
そらはやくなりますわ。だってバルキリーって機動性が売りっぽいし
387:名無しのビルダー
もともと土星エンジンはクソツヨエンジンだからな。暴走するだけで
388:名無しのビルダー
それが致命傷なんだよな。もしかしたらあのヅダの土星エンジンって常に暴走状態だったり?
389:名無しのビルダー
ありうるwwwww
762:名無しのビルダー
来ましたねえ。ついに!
763:名無しのビルダー
いやー、昨日また新情報でしょ?やっべえよヤジマ!
764:名無しのビルダー
バルキリーの製造目的が開示されるなんて
765:名無しのビルダー
巨人族と対等に殴り合える兵器かぁ…陸軍のデストロイドっていうのも気になる!
766:名無しのビルダー
全領域可変戦闘システム…。飛行機で全部やろうぜって頭おかしいw
767:名無しのビルダー
ファイターモードで制空権を取り、ガウォークモードで掃討、そのままバトロイドで格闘戦及び制圧戦に移る…手順としては結構いい線行ってるね
768:名無しのビルダー
人間が小さいから同じサイズのロボットで対等になろうってわけね。
769:名無しのビルダー
けど、マクロスっていうのは謎のままだな。
770:名無しのビルダー
全くだ。お!来たぞ!チョマーとツムギちゃんの対戦が!
771:名無しのビルダー
ヅダ!ヅダきた!完璧に直ってる!流石ぁ!
772:名無しのビルダー
すっげえええボロボロなのに一日で直しちゃった
773:名無しのビルダー
チョマーは…機体違う!?大型MAだ!十八番の!
774:名無しのビルダー
で、でででで…デストロイガンダムだああああ!!!
775:名無しのビルダー
すっげえ!アレフルスクラッチじゃん!チョマー本気すぎるわ!
776:名無しのビルダー
ういいい機体の大きさの比やべえ!
777:名無しのビルダー
でかすぎるだろ…
778:名無しのビルダー
劇中さながらの弾幕とビームの威力!町が焦土に…!
779:名無しのビルダー
ミサイルの軌道もアルト君作に比べると流石に劣るけど高水準だな。比べる対象がおかしいか
780:名無しのビルダー
アルト君のミサイルは人が一つ一つ操縦してるみたいな動きするからチョマーも十分凄いぞ
781:名無しのビルダー
んん!ビームキャノンいった!
782:名無しのビルダー
いやっチョマー防いでるぞ!あっでも押されてる!?
783:名無しのビルダー
もしかしてあれから改造もいれたのか!?威力跳ね上がってない!?
784:名無しのビルダー
あのでっかいデストロイが押されてるなんて…!
785:名無しのビルダー
背後の山に押し込まれてる!!!あの大きさの違いであそこまでパワー出るのか!?
786:名無しのビルダー
ヅダどうなってんだよ!もう解説くれ!
787:名無しのビルダー
ええ、デストロイあれ食らって無傷なの…?
788:名無しのビルダー
俺のガンプラだったら溶けてるわ
789:名無しのビルダー
反撃の弾幕がやばすぎる。どうやって避けるんだあんなん
790:名無しのビルダー
ヅダは軽やかに避けるなあ。途中バリアで弾くのかっこいい
791:名無しのビルダー
ミサイルいった!何だあの軌道!?ビームよけながらいったぞ!?
792:名無しのビルダー
ミサイルってあんな動きできたっけ
793:名無しのビルダー
誘導系兵器は一応事前にコースの設定ができるぞ。ついでにその場でコースの設定もできる。戦闘しながら出来るかは知らんが
794:名無しのビルダー
もしかしてこれアドリブ設定?アルト君かヒマリちゃんがやってる?
795:名無しのビルダー
3人で戦ってるって感じやん
796:名無しのビルダー
ファッ!?効いてない!?ほとんど直撃だぞ!?
797:名無しのビルダー
PS装甲塗料じゃね?あれ実戦で使う世界ビルダーがいたのか
798:名無しのビルダー
あれって被弾ごとに軽減率変わって信用が置けないから使わない人多いのに。ムラがあったら一発で貫通したりするもん(8敗
799:名無しのビルダー
チョマーどんだけ本気なんだよ…。あとそれはお前が塗装下手なだけだぞ
800:名無しのビルダー
ひどいや…うえええ武装プラットフォームのビーム砲もドラグーンにしてんの!?
801:名無しのビルダー
腕も外れた!弾幕シューティングやってんじゃねーんだよ!
802:名無しのビルダー
ガンプラバトルがシューティングゲームに…!
803:名無しのビルダー
ヅダ頑張ってるな。いや、どんどん加速してね?
804:名無しのビルダー
速くなっていってる。あんなの目が追い付かない、というかチョマーもよくあの速度に打ち込めるな。直撃コースがほとんどやん
805:名無しのビルダー
嘘ぉ!?あの速度のヅダを捕まえた!?
806:名無しのビルダー
やばいやばいやばい!
807:名無しのビルダー
逃げ切った!?腕を犠牲にしても仕留めにきやがった!
808:名無しのビルダー
手の中でミサイルぶちまけたのか、強度に自信がなかったらできない対処だな
809:名無しのビルダー
ヅダがもいっちょ加速!ドラグーンが消えていくってことは撃墜してるのか!
810:名無しのビルダー
も一個の腕にもいったか!
811:名無しのビルダー
ライフルを無理やりねじ込んでゼロ距離射撃連打って殺意高い
812:名無しのビルダー
この泥臭い戦い方好きよ
813:名無しのビルダー
これでドラグーンは全部か…
814:名無しのビルダー
ビーム同時発射!つばぜり合いだ!
815:名無しのビルダー
スキュラとあのビームキャノンどっちが強いか…!
816:名無しのビルダー
譲らないな、どっちも
817:名無しのビルダー
ヅダが動いた!装甲切り離しってビームキャノンもか!?
818:名無しのビルダー
おいおいスキュラどうするんだよ!
819:名無しのビルダー
うえっ!ビームの中突き進んでる!?冗談だろ!?
820:名無しのビルダー
待って右腕!パイルバンカーはめてる!
821:名無しのビルダー
マジで!?ビーム突き進んでぶち込む気!?
822:名無しのビルダー
いけえええええ!!
823:名無しのビルダー
いけいけいけ!!!やっちまえ!
824:名無しのビルダー
チョマー!ぶちかませー!
825:名無しのビルダー
いったあああああ!
826:名無しのビルダー
…あれっ?ビームが出ないって何事!?
827:名無しのビルダー
デストロイが内側からボコボコって!?
828:名無しのビルダー
まってあのパイルバンカーって変形前ってミサイルハッチだったよな?
829:名無しのビルダー
…もしかして中でミサイルばらまいたってことですか?
830:名無しのビルダー
おそらくそうじゃね?
831:名無しのビルダー
つまり?
832:名無しのビルダー
ぶっ刺す→パイルだと思ってたらその先にミサイルが内部で暴れまわるのが追加された?
833:名無しのビルダー
…まじ?
834:名無しのビルダー
殺意の塊やんけ…
835:名無しのビルダー
なんか、こう…ここまでくると清々しいな
836:名無しのビルダー
掲示板民ドン引きで草生えますわ
837:名無しのビルダー
これ普通の同サイズガンプラにやったら形も残らないのでは?
838:名無しのビルダー
怖すぎる。戦いたくねえ
839:名無しのビルダー
ボロボロのヅダ…かっちぇええええ
840:名無しのビルダー
両腕ないけどそこがまたいい
841:名無しのビルダー
変わらず光るモノアイが素敵
842:名無しのビルダー
チョマーさん頑張った!かっこよかったよ!来年に期待!
843:名無しのビルダー
次はあれだな、もっとでかい何かとかでもいいで
844:名無しのビルダー
クィン・マンサ作って♡
845:名無しのビルダー
欲望駄々洩れで草
846:名無しのビルダー
すっげーな。中学生が上がってきてるよ、二組も
847:名無しのビルダー
アメリカも含めれば3組か、いや、この後ぶつかり合うんだっけ
848:名無しのビルダー
このあと…メイジンか…どうなるかなあ
849:名無しのビルダー
頼むぞメイジン、楽しい勝負にしてくれよ
245:名無しのビルダー
はー、メイジンのせいで1スレ潰れた…
246:名無しのビルダー
新機体に素直に興奮できない自分がいる
247:名無しのビルダー
ヤジマの設定発表に素直に興奮できないよー
248:名無しのビルダー
今日はゼントラーディとメルトランディだっけ?
249:名無しのビルダー
闘争本能の赴くままに戦い続ける…というか戦いしか知らない種族らしい
250:名無しのビルダー
ゼントラーディが男でメルトランディが女、男女で戦争やってると
251:名無しのビルダー
すげー設定だな。男は白兵戦向けの強靭な肉体を持ち、女の方は髪が光ファイバーに近い性質で機械とリンクでき、パイロット向けだと
252:名無しのビルダー
つまり作品の設定でこの巨人族と地球人が戦争やるでって話?
253:名無しのビルダー
ワンチャンそれもありうる
254:名無しのビルダー
結局は戦争なんだよなあ
255:名無しのビルダー
うーん、詳細が発表されてもよくわかんにゃい。とりあえず公式がお手本をくれ
256:名無しのビルダー
全くだ
257:名無しのビルダー
ああ、来てしまった。メイジンとアルト君たちが戦うときが…
258:名無しのビルダー
メイジンどうしちゃったんだよ。アルト君たちだぞ?目の前にしても何も言わないのかよ
259:名無しのビルダー
握手も無視、2代目まんまだな
260:名無しのビルダー
何なんだよホントにもう許さねえからなあ?
261:名無しのビルダー
といっても俺たちがどうにかできるわけじゃないし
262:名無しのビルダー
アルト君たち頼んだぞ。メイジンの目を覚まさせてやってくれ…!
263:名無しのビルダー
メイジンは、変わらず新型か。エクシア素体…なんだよな?
264:名無しのビルダー
原型機から変わりすぎてるから分かりづらいけどエクシアだと思う
265:名無しのビルダー
ファンタジーな攻撃してくるガンプラねえ。騎士ガンダムとかじゃねーんだからさ
266:名無しのビルダー
炎の剣とかな。凍らせるのも汚いと思うけど
267:名無しのビルダー
対するアルト君たちは…新型だ!それでもヅダだけど!
268:名無しのビルダー
新型っていうか、マイナーチェンジ?
269:名無しのビルダー
あのカラーリング…なあ
270:名無しのビルダー
ザクアメイジング…
271:名無しのビルダー
そう見えるよな…メイジンそれでも無反応か
272:名無しのビルダー
はじまった
273:名無しのビルダー
射撃戦か。うおっおかしくてもメイジンの射撃は正確だな
274:名無しのビルダー
ヅダ、それを躱して弾幕をはり続ける
275:名無しのビルダー
これは強い。ミサイルも多分常時アドリブコースだな?
276:名無しのビルダー
なんか違和感あると思ったら正確すぎるんだわメイジンの射撃。急所しか狙わないからツムギちゃんから見たら容易く避けられるんだと思う。技量と作戦が釣り合ってない。素人みたい
277:名無しのビルダー
俺らだったら10秒持たないけどな!がはは!
278:名無しのビルダー
いいこと言った後にこれだよ
279:名無しのビルダー
コレだからスレ民は
280:名無しのビルダー
風評被害やめろ
281:名無しのビルダー
悪かったな畜生
282:名無しのビルダー
んえっ!?ヅダ分身した!?
283:名無しのビルダー
ファッ!?分身に攻撃判定!?反則では!?
284:名無しのビルダー
これってバックジェットストリーム?ジュリアンのあれ!?
285:名無しのビルダー
あっちはただの残像!こっちは実像交じり!どうやってんだ!?
286:名無しのビルダー
もしかして、ビームとかと一緒?
287:名無しのビルダー
というと?
288:名無しのビルダー
ビームとかってGPベースが作るエフェクトじゃん?ってことはプラフスキー粒子に干渉できれば…プラフスキー粒子の分身を作れるってことでは?
289:名無しのビルダー
…中学生がやることじゃねえな…
290:名無しのビルダー
メイジンに勝つためだけに作ってきたんだね、きっと
291:名無しのビルダー
こんだけ一途な事されてこのままでいられるのかよメイジン!応えてやれよ!
292:名無しのビルダー
燃え上がれよ!いつもそうだったじゃん!
293:名無しのビルダー
パンチ入った!シールドが変形する威力ってええ…おかしい
294:名無しのビルダー
なんだ!?
295:名無しのビルダー
おいおいステージ変わったぞ!?
296:名無しのビルダー
PPSEどういうつもりだ!?
297:名無しのビルダー
もしかしてこれ妨害!?そこまでする!?
298:名無しのビルダー
露骨すぎるだろうが!大会ルールわかってんのか!?
299:名無しのビルダー
おいバトルフィールドの途中変更はないってルールどこ行った?する場合には通達があって待機するっていう話は!?
300:名無しのビルダー
そこまでしてメイジンを勝たせたいのか?
301:名無しのビルダー
もしかしてメイジンって嫌嫌あの感じになってるのかな?脅されたりとか
302:名無しのビルダー
2代目のようにふるまえって?何の目的があって…
303:名無しのビルダー
でもそうじゃないと説明つかないよ!ここまで大会側から露骨な配慮もらってるし!
304:名無しのビルダー
内心、苦しんでるのかも
305:名無しのビルダー
306:名無しのビルダー
307:名無しのビルダー
308:名無しのビルダー
309:名無しのビルダー
310:名無しのビルダー
311:名無しのビルダー
312:名無しのビルダー
…クソッ!俺たちにできるのはなんだ?
313:名無しのビルダー
通報と、応援?
314:名無しのビルダー
なんでもいい!公式審判組合を動かせ!いくら何でもおかしい!証拠はさっきの強制フィールド変更で十分だろ!
315:名無しのビルダー
2窓して通報しまくれー!
316:名無しのビルダー
ヅダが動いた!すっげ、狭いはずなのに物ともしてない!
317:名無しのビルダー
あれって五艘飛び!?去年カイザーが見せた奴!?
318:名無しのビルダー
紅い彗星…?
319:名無しのビルダー
おいおいお株取られてるぞメイジン!それでいいんかこの野郎!
320:名無しのビルダー
近接戦か!エクシアはやりにくそうだ
321:名無しのビルダー
武器の大きさのせいだね。通路が狭いから、壁ごと斬るしかない
322:名無しのビルダー
そのせいでヅダに対処できる時間を与えてる。いった!クリーンヒット!壁に埋めたぞ!
323:名無しのビルダー
機体同士の顔がくっつきそうだ。モノアイの光がエクシアの顔に反射してる
324:名無しのビルダー
…?
325:名無しのビルダー
ん?なんだ、これ?
326:名無しのビルダー
配信の方、なんか聞こえないか?
327:名無しのビルダー
これ、もしかして歌か?アカペラ?
328:名無しのビルダー
まさか…アルト君たちか!?なんで今!?
329:名無しのビルダー
会場には聞こえてないけどGPベースの配信でマイクが拾ってる!
330:名無しのビルダー
ミサイルで爆撃か!身動きとれねえな!
331:名無しのビルダー
この男の子の声はやっぱりアルト君だな!?なんで歌ってんだ!?
332:名無しのビルダー
頭おかしくなったか!?
333:名無しのビルダー
いや確かに変態だったけども
334:名無しのビルダー
はっ!?この声…ヒマリちゃんか!?続いた!?
335:名無しのビルダー
なんか、やばい。心にグッとくる感じ。思いが伝わってくるような歌だ
336:名無しのビルダー
あれ?違う声!?ツムギちゃん!?マジで!?歌ってんの!?あの連撃対処しながら!?
337:名無しのビルダー
タックルはいった!壁に押し付けて完全に身動き封じたぞ!
338:名無しのビルダー
いい!このままいけ!とりあえず勝ってしまえばあとは何とでもなる!
339:名無しのビルダー
っ!またフィールド変更か!露骨すぎて嫌になるわ!PPSEの株全部売ってやる!
340:名無しのビルダー
ワイも。ストップ安にしてやろうぜ
341:名無しのビルダー
歌がやまないな。歌詞、最高にロックじゃん。それがアカペラとはいえ3人の合唱なんてな
342:名無しのビルダー
メイジンに何か伝えたいのかな。音楽って言葉とかそういうの超えるっていうし
343:名無しのビルダー
そうかも。画面の向こうの俺たちだってアルト君たちが何したいかがわかるんだもん、現地で直接聞いてるメイジンなら、さ
344:名無しのビルダー
なあ、なんかエクシアの動き…
345:名無しのビルダー
ああ、鈍くなってきてる!揺らいでるんだ!
346:名無しのビルダー
すっげえ、もう完全にメイジンを翻弄してるよ…
347:名無しのビルダー
いけ!いけええええ!
348:名無しのビルダー
エクシアの動きが止まった!?
349:名無しのビルダー
よしきた!ぶち込め!あとはやってから何とかしろおおおお!
350:名無しのビルダー
いや!トランザムだ!まだやる気だぞ!
351:名無しのビルダー
くっそお!戻って来いよメイジン!いや、ユウキ・タツヤ!お前のファンなんだよ俺!元のバトル見せてくれよ!
352:名無しのビルダー
俺、ザクアメイジング大好きなんだよ!こんなのあんたのバトルじゃねえ!
353:名無しのビルダー
ヅダが素で殴ったあああああ!
354:名無しのビルダー
355:名無しのビルダー
356:名無しのビルダー
動きが、とまった?
357:名無しのビルダー
止まった、な?トランザムもなくなった
358:名無しのビルダー
会場中静かだ。決着はまだっぽい。
359:名無しのビルダー
とどめさしとけ!またPPSEがなんかしてくる前に!
360:名無しのビルダー
はぁ!?なんだあれ!?メイジンのセコンド!?
361:名無しのビルダー
なんで黒服に!?
362:名無しのビルダー
ざわついてるぞ…
363:名無しのビルダー
まって!メイジンが…!
364:名無しのビルダー
サングラスを引きはがそうと?なんで、あれを?
365:名無しのビルダー
なんかの機械なのか?あれが?
366:名無しのビルダー
はがせた!メイジン…!表情が戻ってる!グラサン握りつぶしたかっけえええええ!
367:名無しのビルダー
戻ってきた?やった?何があったんだ?何が起こったんだ?
368:名無しのビルダー
わっかんない。けど
369:名無しのビルダー
とりあえず喜ぶべきなのはわかる!
370:名無しのビルダー
やったあああああ!
371:名無しのビルダー
いよっしゃああああ!
372:名無しのビルダー
仕切り直し!仕切り直しカモン!
373:名無しのビルダー
そうだそうだ!メイジンの本気を見せてくれええええ!
374:名無しのビルダー
なんか話してるな…操られた?どういうこっちゃ?
375:名無しのビルダー
もういいよそんなの!本気のメイジンが見れるんじゃないかこれで!?
376:名無しのビルダー
エクシアの装備が外れてく…
377:名無しのビルダー
色全然違うじゃん!青い!正しくエクシア!
378:名無しのビルダー
これ、お互いの色交換してるじゃん。青と赤で。
379:名無しのビルダー
アルト君とメイジン、なんだかんだ関わり合いがあるから
380:名無しのビルダー
ヅダも装甲外した!あれっ!?パイルバンカーも捨てちゃうの!?
381:名無しのビルダー
メイジン相手にあれは隙がでかすぎるだろ
382:名無しのビルダー
斬り合いだ!メイジン、操縦のキレ戻ってる!
383:名無しのビルダー
一気に押し返してるなメイジン。ヅダは不利か
384:名無しのビルダー
あのでっかいGNソードをよくもまああんな細やかに…
385:名無しのビルダー
流石に離脱して射撃を選んだか。でもミサイルないぞ…
386:名無しのビルダー
うぇ!?装甲が勝手に開いてミサイル飛んだ!?
387:名無しのビルダー
遠隔操作!?そんなんありか!?
388:名無しのビルダー
すげえ!どんだけギミック仕込んでるんだよ!
389:名無しのビルダー
うおおおミサイルの量!今大会最大量だ!
390:名無しのビルダー
メイジン、さすがにこれはまずった!
391:名無しのビルダー
入った!ミサイルが直撃!隙ができた!
392:名無しのビルダー
見逃さないな!ぶち込め!
393:名無しのビルダー
はぁ!?カウンターとれんの!?あの速度で!?
394:名無しのビルダー
ヒートホークをへし折る!?バカ言うなよ!やれてたまるか!
395:名無しのビルダー
やっちゃってるんだよなあ!すげえ!やっぱメイジンって名乗るだけある!
396:名無しのビルダー
ツムギちゃん反射神経やっば、あれで避けるのか!
397:名無しのビルダー
うわっ!でた攻撃できる分身!
398:名無しのビルダー
はぁ!?全部切った!?さっきまで翻弄されてたのに!?
399:名無しのビルダー
強すぎるんだがメイジン!?なんでできるんだよ!
400:名無しのビルダー
本体は、ライフルで殴打!?そうか、近接武装もうないのか!
401:名無しのビルダー
バリアでのパンチが今んとこ一番火力があるんだな。つばぜり合いになって、ない!?バリア切り裂かれる!?
402:名無しのビルダー
エクシアがトランザムした!ヅダに追いつけ、ない!?ヅダもっと速くなってる!?
403:名無しのビルダー
うっそお…あの速さはおかしいって…おかしいって!人間が操縦出来ていいレベルじゃねーよ!
404:名無しのビルダー
ほんとに瞬間移動じゃん
405:名無しのビルダー
バリアを切り裂いてももうそこにヅダはいない…ゴーストファイター…?
406:名無しのビルダー
お互いの速度が速すぎて俺らにはヤムチャ視点ですわ
407:名無しのビルダー
盾からナイフでた!?隠し武器!?
408:名無しのビルダー
GNソードと切り結べるナイフって何ですかね
409:名無しのビルダー
逆にエクシアを押してるぞ!
410:名無しのビルダー
まてまて何回剣振ってんだ!?みえねえよ!
411:名無しのビルダー
エクシアの腕ビームナイフでるの!?
412:名無しのビルダー
痛み分けか、互いの手首が消し飛んだ
413:名無しのビルダー
やばいっ!エクシアが畳みかけてきた!
414:名無しのビルダー
ぎり防いでるけど…貫通も時間の問題…?
415:名無しのビルダー
ライフル投げ捨てた!?
416:名無しのビルダー
互いが叫びあってる!熱いバトルじゃねえか!最高だよ!
417:名無しのビルダー
えっ?
418:名無しのビルダー
はっ!?
419:名無しのビルダー
え?
420:名無しのビルダー
ヒートナタ!?YF-19で使ってたやつか!?
421:名無しのビルダー
最後の最後で!?
422:名無しのビルダー
いけっ!いっけえええええ!
423:名無しのビルダー
いったああああ!
424:名無しのビルダー
ほぼ同時に入ったぞ!?どっちだ!?
425:名無しのビルダー
…ヅダ?!ヅダだ!ツムギちゃんたちが勝った!
426:名無しのビルダー
おおおおおおおおお!
427:名無しのビルダー
おっしゃあああああ!
428:名無しのビルダー
どうなるかと思ったけど最高のバトルだった!
429:名無しのビルダー
ありがとう!メイジンも!頑張った!
430:名無しのビルダー
お疲れ!ほんとにおつかれ!いい勝負だったよ!
431:名無しのビルダー
あ、アルト君抱き着かれてら
432:名無しのビルダー
お団子みたいになってるぞ
433:名無しのビルダー
まあ、あんだけの激闘を制したならば、わかるよ
434:名無しのビルダー
特にアルト君はメイジンに勝てたんだからね
435:名無しのビルダー
画面の前だけど拍手しよ。まじでいいバトルだった!
436:名無しのビルダー
がんばった!3人もメイジンも!お疲れ様!お疲れ様!
437:名無しのビルダー
しっかしあの歌はなんだったんだろうなあ
438:名無しのビルダー
いいじゃんそんなの
439:名無しのビルダー
まあそっか。でもアルト君も歌えるなんてな!
440:名無しのビルダー
ヒマリちゃんのチャンネルで歌ってくれよwww
441:名無しのビルダー
いいな、それwwww
442:名無しのビルダー
歌え歌えwww
443:名無しのビルダー
いいバトルだったよお!
444:名無しのビルダー
会場中スタンディングオベーションだぜ!
445:名無しのビルダー
なんか、涙出てきたわ
999:名無しのビルダー
速報「マクロス」シリーズ第一作劇場アニメ公開決定。詳細はイベントにて
1000:名無しのビルダー
マジで言ってる?
このスレッドはもう書き込めません。新しいスレッドを立ててください
だいぶ長くてすいません。どうしても1話に収めたかったもので。
では次回から、イベント回を更新していきます!どんな機体、作品、ネタが来るのかはお楽しみに!まあ作者ロボアニメ全く!詳しく!ないですけど!
まじでマクロスとガンダム以外ほとんど知りません。なので履修してきます!いっそプラモデルなら何でもありなことを活かせる作品がいいかな!まあ匿名なんで活動報告で出してほしい作品を聞くなんてこともできませんし!なので読者さん方も気長にユックリお待ちください!
ではまた次回で。よろしくお願いします。
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大交流会開幕!一日目
「きたね~~アルトくん!イベントの日だよ~~!」
「…アルト、よかったね」
「ああ、ありがとさん。いや~~~遂に来てしまったって感じだな!どんな感じになるんだろうなあ」
どうも、緊張してゲロ吐きそうなアルトです。やべえよやべえよ、まさかホントにイベントが開催される日が来てしまったよ…!ぶっちゃけ1か月くらい前までタチの悪い冗談か何かだと思ってたからね。マクロスができていくにつれてあっこれ現実だわ、とわかると同時にプレッシャーで胃を痛めてました。関係者である俺たちはとりあえず会場に行って何するか考えるぞ!セイたちとは別行動、俺責任者、自由にしてたら問題あるからね、しょうがないね。ヒマリとツムギは付いてくるって聞かなかったので、一緒に来ました。ヒマリのおかげで遅刻したけどなァ!
とりあえずこの世界においてマクロスはシェアードワールドとして二次創作…まあ俺からしたら三次創作?になるわけだけどそれがオッケーってことになってる。なんでかっつったら俺別にマクロスの原作者様じゃないし。元の世界のマクロス総監督とかに許可を取らずにこの世界にマクロス広めたのは正直、悪いと思ってる。好きなものがなかったから自家発電したかっただけなのにどうしてこうなった。まあ、つまり今の時点でこの世界のマクロスは俺が好き勝手描いた二次創作なわけで、それを全部俺が独り占めするのは違うかなって思うのだ。だから、公式作品はあれどみんながみんな、自由にマクロスを描いてほしいと思って、こうなった。
仮に俺の知ってるマクロスΔまで作り終わってしまったら、この世界オリジナルのマクロスが作られるかもだし?それを作るのは俺よりも優れた人間かもしれない。ぶっちゃけ俺は作る側じゃなくて消費する側の人間なので貯金が無くなったら役立たずだよ。セイみたいなオリジナリティがあるわけじゃないもの。
さて、現在俺がいる場所は会場であるドーム、の裏口です。表口?めっちゃ混んでたよ(大歓喜)やったぜ!人っ子一人いなかったらどうしようとか思ってたけど盛況なようで大変うれしい。嬉しいな~~~!
「アルトくん、楽しそうだね」
「…いつもより、笑顔」
「あれ!?顔に出てた!?はっず…」
などとからかわれながら裏口から入って会場内に行ってみる。途中で会ったスタッフさんに握手と挨拶(五体投地したいくらいに感謝してたが自重)してまず行ったのはフードコーナー。まあ軽食でもつまみましょ、という感じである。まあ一般的なフードコートと変わらないよ。ただ一つあるとすれば…俺が今頼んだものくらい?
「ステーキ、パインサラダ、パインケーキ…完璧だな!」
「なんの意味があるの?」
「俺にとっては重要なんだよ。でも食った後でバルキリー乗り回したくないな」
「…酔っちゃう?」
いや別にそういうわけじゃないんだけど。仮に俺が眼鏡をかけていたらその場でメガネが割れるかもしれないでおなじみ、マクロス死亡フラグセットである。一応パインケーキは克服者がいるのでワンチャン大丈夫じゃねって勝手に思ってるけど。なぜか無駄にジューシーなステーキを頬張る俺、パインサラダを食べるツムギ、パインケーキをかじるヒマリという感じである。あ、やっべざわざわしてきた。気づかれた?気づかれたっぽいわこれ。どうも、サオトメ・アルトです。マクロスをよろしくお願いします。イベント楽しんでいってね!できればバルキリー買って!ここで完売とかしてくれたら本社の方も本格的にシリーズ化するって言ってくれたから!そしたらスーパーパックとかの追加装備も発売出来るっすよ!
なんて言えるハズもなく、そそくさと食べるものだけ食べて退散するのでした、とほほ。握手とか求められたけど俺としてどうするの?ヒマリとツムギはデビュー控えた身だから許さないけど、俺が。握手自体はしたんだけど、イベント楽しんでほしいくらいしか言えないよ!マクロスの設定聞かれても明かせないのばっかりだから!ごめんなさい!とりあえず午後までまってちょうだい!
「いや~~~なんか有名人になった気分だぜ。ヒマリとツムギは大丈夫か?」
「いや~~私たちよりもアルトくんのほうがすごかったよ?人だかり」
「…アルトだけ囲まれてた。私たちはそのあとだったから」
「……なんで?」
「アルトくんが企画したイベントなんだからそういうものじゃないの?」
「俺よりもお前らのほうが花があるし楽しいと思うんだが」
「…ここにいるのは筋金入りのモデラーばっかり。マクロスのほうが気になると思う」
ヒマリとツムギの言葉に首をかしげながらやってきたのは物販ブース、俺としても気になるバルキリーの売り上げである。そんな心配は全く杞憂だったようでというか俺の予想の10倍くらい物販盛り上がってた。もうそれは積んであるバルキリーのプラモデルがまさに飛ぶように売れていく。しかも一番高いはずの完全変形RGバルキリーから。それ以外のモデルも売れている、というかRGのバルキリーの抱き合わせみたいな感じで他のも売れていくって感じだ。やばくない?やばいよ。み、みんなお金持ちなんだね…。
『VF-1、VF-11共に今日の分は残り僅かでーす!整理券の配布を終了しまーす!』
「え~~、まじかよ~」
「もう、楽しみにしてたのに~~」
「しゃーねえ、買えるもんだけ買ってGPベースいこうぜ!」
「売れてます?」
「ああ!アルト君!ヒマリさんにツムギさんも!いや、じつは予想以上に売れてまして、在庫が足りなくなっちゃいました。アルト君、これならシリーズ化は問題なく行けると思いますよ!アレを開放したときの反応が楽しみですね」
俺たちは物販スペースに入り込んで指揮を執っていた人に挨拶することにした。彼は俺たちを見ると破顔し、笑い声を響かせながらほとんど空になってしまった倉庫を指し示す。どうやら朝からGPベースとかよりも先に物販スペースにとんでもない長蛇の列が出来ていたらしい。それを見た彼は現場判断として購入制限を実施したのだがそれでも追い付かず昼にも差し掛からないあたりでもうすでに完売が見えてくるということになっているのだとか。確かに簡易作業スペースにはぎっしりと人がいて、列までできているのが見える。
正直、嬉しい。自分がこよなく愛するものが他人から見ても面白い、やってみたい、見てみたいと興味を持ってもらえるという事実がたまらなくうれしい。真剣な顔でキットのバルキリーを組み立てる人々の横顔がその俺の感想を確信に変えてくれる。
そしてアレ、とは今GPベースの端で立体映像に包まれて見えないようになっているマクロスの事だろう。ハルプとクォーターは別室の方に運び込まれているからな。今のGPベースは本当の意味での交流用になっている。いろんなプラモデルが所狭しと動き回っていて、ガンプラが圧倒的に多いのは仕方ないにしろ別作品のプラモデルも結構ある。意図を汲んでくれたのかはわからないけど、少し絡みに行きたいかも。
「あっそうだ!ヒマリさんにツムギさん、最終日のステージの調整でちょっと担当から話があるそうなので行ってもらってもいいですか?」
「わっかりました~~~!いこっツムギちゃん!」
「じゃあ、いく「アルトくんは自由行動!」はぁ?…なんで?」
「…アルト、GPベースのほう行きたいって顔してる。私たちについてくるよりも、アルトのしたいままにしてほしい」
「そうそう!アルトくんは今日までたくさん頑張りました!今日から3日間くらい楽しんでてもバチは当たりませ~~ん!」
「…それに、実際に歌うのは私たち、台本に変更がない限りアルトがいなくたって大丈夫だから、ね?」
「うんうん!それに、ずっと気をはってるアルトくんよりも…大会前みたいに笑ってるアルトくんの方が、私は好き。たまには頭空っぽにして遊ぶがよいぞ!ツムギちゃん、いこ!」
「…あとでね、アルト。今まで頑張った分、楽しんで」
そう言って2人は軽やかな足取りで物販スペースから出ていって裏方のスタッフさんと一緒にステージの裏まで走っていってしまった。確かに、大会中なんだかんだずっと気を張っていたのは事実だ。特に決勝トーナメントあたりからは完全に余裕がなくなって笑っているよりも眉間にしわが寄った回数のほうが多い気がする。ツムギに完璧な機体を作ってやるため、とかタツヤさんの事とかいろいろあったからしょうがないと思ってたんだけどヒマリとツムギにはお見通しだったらしい。二人の優しさに心が温かくなった。
「いや~~~愛されてるねえ、アルト君?いいパートナーたちじゃないか」
にやにやとした責任者の視線で俺は正気に戻った。周りのアルバイトとかの方々もニヤニヤしながら俺を見ている。一気に恥ずかしくなった俺は顔を熱でほてらせながらダッシュで逃げるのだった。くそう、とんだカウンターを
もらってしまった。でも、二人の気持ちは嬉しかったのでありがたく楽しむことにしようかな。
顔の熱を物陰でフード被って冷ました俺は二人の言う通りGPベースに向かった。そりゃあ、行きたかったのは事実だしみんながみんなバトルするわけでもなく互いの機体を自慢しあっているところだ。交流、バトル以外の方法でお互いの理解を深め合ういい光景だと思う。例えば
「いくぜぇ!チェェェェェェンジッ!!ゲッタァァァァァ…ゥワンッ!!!」
「すげえ!合体しやがった!」
「ゲッターじゃん!どうやったんだそれ!?」
「へっへ、市販のキットを改造してやったのよ!どうだこの…うぉっと!」
「あああああああ俺のチェイテピラミッド姫路城凱旋門がああああああ!?」
「「「何だそのプラモ!?」」」
3機の飛行機が合体変形し赤い機体、初代ゲッターロボのゲッターワンにチェンジし、それに周りが歓声を上げているところだった。それに気をよくした操縦者の人が説明しているうちに操縦を誤り体勢を崩したゲッターロボは手を近くにあった城のような冒涜的な物体につく、プラモの一部が崩れる。轟く悲鳴、響く突っ込み。というかなんであの超冒涜城にさらに凱旋門をのせようと思ったのか、これがわからない。一部の人たちは見ただけで動悸が止まらないようで青い顔をしてる人もいるくらい。
「だあくっそ!せっかく借りられたのに難しいなバルキリー!」
「な!面白いけどガンプラと操縦全然違うわ!」
「乗りこなして見せるで~~~!」
そんな声が聞こえたので顔を向けるとレンタルバルキリーの集団がふらふらと蛇行しながらなんとか空を飛んでる所だった。バルキリーの操縦はコツがいる。そのコツというのが曲者でガンプラで必要なスキルじゃないからタツヤさんとかカイザーさんとかみたいな世界上位組でもない限りあんなふうになるのもしょうがない気がする。んだけど、それでバルキリー難しいわやーめた!ってなったら俺は悲しい。のでちょっとだけお手伝いさせてもらおうかな。俺はGPベースコーナーの担当の人のところまで行ってとりあえず挨拶する
「ああ、アルト君、来てたんだね。すごいよー、大盛況さ。バルキリーの方も貸し出し待ちが出来てるくらいね」
「嬉しいです、本当に。あの、きちんと飛べてる人どんだけいます?」
「いや、みんな苦戦してるって印象だよ。なかなか難しいみたいだね」
「やっぱりですか…あの、ピンマイクあります?ちょっと乱入させてもらっても?」
俺がそういうと担当の人はにやりと笑って、許可をくれて耳にかけるタイプのピンマイクを出してくれた。俺はそこでケースの中から素の状態のVF-1とVF-11、ついでにVF-25をとりだしてGPベースの上に載せてマイクのスイッチをオンにした。
『あー、あー、マイクテスト…え?聞こえてる?アハイ。突然失礼します!ヤジマ所属ビルダーのサオトメ・アルトです』
「えっ?マジ?」
「うおっ!あれがフルスクラッチバルキリー…すっげえ…」
『突然ですけど、皆さんバルキリーの操縦に苦戦してるようなのでお節介をさせてもらおうと思います。バルキリーの飛行講座、というわけでご清聴いただける方はこちらまでお願いしまーす!』
そう言ってバトロイドに変形させた3機が合わせて手を振る。なんだなんだとバルキリーに乗った人やそうじゃない人が集まって結構な大所帯になってしまったが、気にせず進めることにしよう。
『ありがとうございます。じゃあ早速、バルキリーとMSの違いなんですけど、まず姿勢制御、MSって全身にスラスターが付いているんです。いわゆる姿勢制御スラスターですね。だからガンプラバトルで結構楽に姿勢制御が効きます。バルキリーにはそれがありません。この2つのエンジンと副機が全ての推力を担っています』
そう、バルキリーは航空力学を利用して飛ぶ機体だ。人型のまま大気圏を飛ぶとかやらかすガンダムとは違う。姿勢制御スラスターに頼ろうとするから変な飛び方になるのだ。2つのエンジンと副機を組み合わせてバランスを取るのが大事なのである。
『なので、まずはバトロイドから始めてみましょう。使用感がMSに近いので。まずはホバリングからです』
俺がVF-1を浮かべるとそれにならって他のレンタルバルキリーを使っている人がメインエンジンから火を噴かせて機体を浮かばせ始める。MSに近い操縦感に変わったおかげなのか割と難なく成功している人が多いし、飛行ほど苦戦している人はいない。俺はそれを確認して次のステップへ。
『それができたら次はガウォークへ行きましょう。そしたら次はガウォークで移動を、そこから上達出来たら次はファイターで飛んでみてください。実はバルキリーの上達ってファイターからじゃなくてバトロイドからやったほうが楽なんです。ちなみに慣れたらこんなこともできます』
そう言って俺はVF-25とVF-11を発進させて空へ飛ばす。参加者の視線を奪う2機が変形を繰り返しながら射線の取り合いをして、ガンポッドを向けあう。そして2機はミサイルをぶっ放してお互いを撃墜しにかかる。まあ、俺が操作してるんで軽くかわせるんだけどね。ひらりひらりとミサイルを躱し、撃ち落とし、すべて無傷で乗り切った2機が参加者の眼前に降りる。
『バルキリーの空戦の花はミサイル戦です。今みたいなことができたら、きっと気持ちいいと思いますよ?』
そう言って俺は締める。ガンポッドを両手で持つ2機をワクワクとした目で見つめながら参加者が自身のレンタルバルキリーに向き合うのを眺めて、俺は笑みを深めるのであった。もうちょっと詳しく聞きたいんだったらいつでも聞いてくださいね~~。あーーー!楽しい!
ミッションにはいれなかった…!待て、次回!
さてアルト君はマクロス死亡フラグ欲張りセットの呪縛をへし折ることができるのか…!
本年、あと少しの更新になるでしょうがよろしくお願いします。
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何が始まるんです?大惨事プラモデル大戦だ
「おっ?おっ!飛べた!行けた行け…うわああああっ?!」
『あーフラップの操作ミスしましたね。あとちょっとです!上達早いですよ!』
「やっべえ!めっちゃ気持ちいいな!マジで飛行機操作してるみたいじゃん!」
「あー!お前何ちゃっかり乗りこなしてんだよ!負けねえぞこの野郎!」
GPベースの上でおっかなびっくり飛ぶファイター形態のバルキリーたち。それとなくコツを言いながらレクチャーを続けてみたけどみんな筋金入りのビルダーらしく割とすぐ飛べるようにはなっている。というかバルキリーという共通の話題があるせいなのか初対面の人同士で話し合ったり競い合ったりと勝手に上達してるって感じ?あー、スロットルふかしすぎですよ、ほら言わんこっちゃないと俺は失速して墜落しようとしているVF-11を同じくVF-11を派遣して救出する。さあワンモアレッツチャレンジ!
「意外と簡単だな。久しぶり、アルト君?」
「あ!あなたは…」
声をかけてきたのは懐かしのマゼラトップで俺と張り合ってきた人だ。確か名前はトバ・リョウさん。彼はVF-11を選んだらしくほかのどの参加者よりも華麗にファイターのバルキリーを乗りこなしていた。その軌道はまさに稲妻、サンダーボルトというペットネームに相応しい挙動だった。ちなみに待機状態の俺のVF-25の近くにキュルキュルとした音を立ててマゼラアタックがやってきていた。サラッと同時操作してるわこの人。もしかしてバルキリー適正高いんじゃないこれ?
「素晴らしいねバルキリー、俺のはまだランナーから外してないけど帰ったらすぐ組み立てさせてもらうよ。いつかマゼラトップとミキシングしたいな」
「光栄です。やっぱりというか何というか余裕綽々な感じですね」
「はは、そう見えるかい?マゼラトップと似たようなもんだよ」
確かに、と俺は異様に完成度が高いマゼラアタックを見る。頭の中でガウォークやバトロイドになるマゼラトップを想像して俺だったらどうやって変形させるか考えてると、彼がバトロイドに変形して腕を持ち上げてクイッと俺に振った。よっしゃ、バルキリーの飛び方というものを見せてやろうじゃないの!
俺のVF-11、白と黒を基調にしたものとリョウさんの灰色のVF-11が並ぶように飛行する。その下、つまり地上では様々なもの、それこそロボットに限らずなプラモデルたちがお互いワイワイやっていた。隊列を組む戦車の群れ、車種はバラバラだけど妙に様になっている。「洗」という文字を基調としたマークが施されてるあたり同じ作品に出てくるものだったりするのかもしれない。
どでかいトレーラーかと思えば赤と青のカラーのロボットに変形したり、なんか知らんが4脚の癖にすごい勢いでブースト吹かして横移動したり瞬間移動じみた加速を見せるロボット…何そのでっかいビルにスラスター貼り付けた鈍器のような何かは?あとむせそうなデザインしたやけに武骨なロボットもいる。あと赤と金のカラーリングなパワードスーツが飛んでいた。というか知ってる作品ばっかりだわ。意外とこの世界、ガンダムに押されてるだけで生き残ってるものは多いのかも。
「横失礼!」
その声と共に俺の横を横切ったのはバルキリーじゃない、でも飛行機だった。すげえ、イオリ模型や近くの大型店でもなかなか見ることができない戦闘機のプラモデルだ。それが4機、多分パイロットは別々だけど見事に噛み合った操縦で俺の斜め後ろに2機づつ付いた。確か、F-14 トムキャット。VF-1のモデルになった機体の一つだから俺も覚えている。なら、ここはこいつだろう。
俺とリョウさんはするっと隊列を抜けて足だけを展開したファイターガウォークでブレーキをかけてホバリング、その代わりに地上から発進したVF-1が代わりに隊列に入った。ヒュゥ、と誰かが口笛を吹く音が聞こえる。即席の編隊飛行にその場にいたビルダーたちから歓声が上がる。どうやら操縦してる4人は知り合いらしく息の合った飛行を見せつけているが俺はそうじゃないのでとりあえずファイターで合わせて飛んでみる、とどうやら俺に追従してくる気のようなので広い空をぐるっと一周する。眼下に広がる大地にいるプラモデルたちが腕をあげて挨拶をしてくれていた。
「楽しそうだったね、アルトくん」
「…いい顔してた」
「そりゃな。なかなかないだろ、あんなふうにいろいろやれるのって」
GPベースから離れた場所で一息つく。途中で見ていたらしい二人と合流して自販機で買った飲み物を持って3人で囲んで話す。GPベースの上ではマゼラトップが飛び立って他のバルキリーを翻弄していた。うっわー磨きがかかってるー。俺が抜けた穴はイベントでバルキリーを操縦する予定のスタッフさんが何人か入って埋めてくれた。むしろ謝られたんだけど、想定してなかった俺が悪いのに。おかげか何かわからないけど結構飛べる人が増えている感じがした。何と何とテレビ局も来ているらしくGPベースの前でリポーターが紹介してくれてるや。ありがたや。あ、カメラ向いた。様子を流す程度だろうけど映ったら面白いので3人そろって手をぶんぶん振っておく。子供のやることだから何も言われず流された。それともそっとしておいてくれたのかな?
『皆様、ご来場ありがとうございます。今から15分後より大交流会限定オリジナルシナリオによるバトルイベントを開催いたします。プラモデルの破損の可能性がございますので参加をご希望されないお客様に関しましてはGPベース内からプラモデルを回収していただきますようお願いいたします。繰り返します……』
「おっ来た!来ちゃったかあ…」
「…来た、お披露目。びっくりぽんって」
「アルトくんったらサプライズ大好きだよね~」
「そりゃあ、ビックリさせて笑ってくれたら嬉しいだろ?」
そう言いながら俺たちはGPベースをぐるりと回ってイベント本部へ向かう。GPベースの機能を統括している本部の中はあわただしく人が動いていてその中にはパイロット役の人たちが指の準備運動をしたり、半自動操縦になっているデストロイド隊のプログラムの最終調整をしていたりと忙しそうだ。それでも俺たちを見つけると嬉しそうに挨拶をしてくれて俺も嬉しくなった。そして、その中にはペットボトルのスポーツドリンクを口に含むカイザーさんが不敵に笑っている。彼は俺を見ると片手をあげて笑い、本部を出ていく。マクロス操縦用の部屋に行くのだろう。あの大きさの機体の操縦となれば俯瞰視点が必要になるのでその場操縦は無理だ、いくつかのモニターを設置した部屋で操縦することになっている。俺は彼に頭を下げて見送った。
「イベントだってよ!」
「何があるんだろうなあ、大会?」
「それ世界大会と被るだろ!」
「俺のティーガーちゃんが火を噴くぜ!」
「ブロウクンマグナム不可避」
「光にするなよ?絶対だぞ?」
「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ…」
「ヤメルルォ!!ってそれ違うか。スマン」
ざわざわと聞こえる話し声の中、時間が来る。主任さんが一つ頷いてスイッチを押すと、ドームの中に音声が流れ出した。
『よう、どうだ?調子は』
『悪くないわ。そっちも、どうなの?マクロスの整備』
『上々さ、そっちのプログラムもどうなんだ?』
『問題ないわよ。さって、そろそろチェックがおわ…きゃぁっ!?』
爆発音、続いて低く機械的で不明瞭な音声、慌てた二人の人物のやり取りが続く。参加者たちのざわめきが大きくなる。マクロスって?プログラム?そんな感じだろう。
『何があった!?っておい!スクランブル!?マクロスが…動き出してる!?』
『うそ、プログラムが外部から乗っ取られて…無人で動くなんて…!この識別コード、アンノウン?
『バカな!あれは未完成のはずだ!くそっ!おい統合軍!町がやばい!止めろ!』
『Σよりγへ!緊急事態発生!マクロスが乗っ取られた!試験運用中の兵器類もだ!あれが解き放たれたら首都が吹っ飛ぶぞ!誰でもいい!マクロスを止めてくれ!』
その音声と同時にブツッと音を立てて通信が切れる。音声が終わり、女性の声でミッション内容が説明される。参加者のざわめきは限界に達し我先にとGPベースに張り付いて機体を置き、立体映像に身を包んでいく。
『ミッション。謎のAIに乗っ取られたSDF-1「マクロス」の攻撃より街を防衛してください。また、マクロスの撃破による損害を考慮し現地点でのマクロスの撃沈は禁止するものとします。ご武運を』
同時にバァッ!と奥の立体映像が消えて全長8mという規格外の大きさのプラモデルが姿を現した。そう、マクロスである。カイザーさんが操縦するマクロスはその大きさとは思えないほどの滑らかな動きで艦首を町のほうまで向ける。同時に地面ではデストロイド部隊が降り立ち町へ進撃を始めた。
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」
「なんだあれ!?戦艦!?」
「でかすぎないか!?反則だぜありがとう!」
「マクロス…あれがか!」
「あんなもん作るなんて馬鹿じゃねえの!?最高だぜ!」
「おっしゃあああ一番槍はおれじゃああああ!!!」
「あれがデストロイドか…むせる!」
爆発したかのように沸いた会場。デストロイドはトマホーク、ディフェンダー、スパルタン、ファランクス、そしてモンスターの5つ。設計はもちろん俺。何だったらフルスクラッチ版を作ったからな!地面を進む戦車たち、空を舞う戦闘機とバルキリー、MS。そして迎え撃つは様々な作品の機体が一堂に会したドリームチームだ。非常に絵になる。参加したいなあ、いいなあ。正直動くマクロス見ただけで胸がいっぱいになってまともに操縦できる感じじゃないや。まだしばらく見てたい。
「一発もらったぁ!」
「チェンジ!ゲッタァ!ツゥ!」
「パイルダーオン!ルスト!ハリケェェェェェェン!!!」
「うおっしゃあ見せてやるぜ現代兵器の力!って俺の敵取るんじゃねえ!」
「速いもん勝ちだぜぇ!おらっ!」
やはり強いのは自力でスーパーロボットを作った人たち。各種会社にお願いしてエフェクト設定して作っていい?って聞いてオッケーもらったからほとんどのスーパーロボットの必殺技が使えるようになっているはずだ。お父さんが頭を下げまくってくれたと聞いた。販促になるからオッケーとくれた他の権利者の皆さん、ありがとう。ドリルで薙ぎ払うゲッター2、強酸の竜巻を吐き出すマジンガーZ、MSのほとんどがビームを撃ちまくっている。デストロイド部隊は余りある数の代わりに1体1体の機体操縦は甘く設定しているからちょっとした無双気分が味わえるはずだ。
「ここだぁ!ロケットパァァァンチッ!」
「あってめ撃沈ダメだっつってただろうが!」
「やっべ忘れてた!バリアっ!?」
乗りに乗ってしまったらしいマジンガーZの操縦者がロケットパンチをマクロスにぶつけるがあっさりとピンポイントバリアに防がれる。あーあ、やっちまった。マクロス操縦してるのカイザーさんだぜ?
「げぇっ!?ミサイル!?」
「うわてめ巻き添えやめろやあああ!?」
「しなばもろともおおおお!」
「おらぁ!戦車の力みたか!」
対艦ミサイルと副砲のレールガンが火を噴く。躱すロボットたち、その隙にスパルタンが前線に突入して格闘用クローハンドや火炎放射機を振り回し、両肩のミサイルをぶっ放す。遠くからモンスターによる超長距離砲撃が着弾しているが当たらなかった戦車の主砲が隙を見せたトマホークを撃ち抜いた!すっげえビンゴだ!空を飛ぶマゼラトップが弾幕をすり抜けて次々とデストロイを破壊している。そしてその後ろから
「はっはあ!チョマー様のお通りだぁ!道を開けろお!」
「あっチョマーだ!」
「ジェスタキャノンだ!」
「おうとも!アルトォ!楽しませてもらうぜぇ!」
前線に突っ込んできたのはベースジャバーに乗ったジェスタキャノン、シールドのビームマシンガンをぶっ放し、もう片手には大型ビームライフルを持ちビームキャノンと合わせて乱れ打ちを披露している。次々と撃ち抜かれるデストロイドたちだが、一機のディフェンダーが放った銃撃の雨がベースジャバーをぶっ壊した。チョマーさんは慌てず残りの銃撃をシールドで防ぎ反撃で撃ち抜く。流石って感じだな。
『警告、マクロスに高エネルギー反応。主砲発射を阻止してください』
その警告と同時にマクロスの主砲であるバスターキャノンに光が集まる。流石にヤバイと思ったらしい参加者たちは攻撃を集中して防ごうとするが揺らぐマクロスではない。まあ発射はシナリオ内だから問題ないっ!?マジかっ!?
「不明なユニットが接続されましたーってな!おらぁっ!」
すさまじいスピードで近づいてきた1機の機体、4脚にあの鈍器のようなものを装備した機体が、ピンポイントバリアの上から思いっきりそのブーストで極限に加速した鈍器でぶん殴ったのだ。その衝撃で機体は自壊してしまったがその衝撃、それこそセイやマオといったビルダーの機体に搭載された必殺技に匹敵する威力はマクロスを揺るがして若干の狙いをそらすことに成功した。発射されたバスターキャノンが逸れた先に集まっていたのは金色のMS群、アカツキだ。ヤタノカガミ装甲で受けきって分散してバスターキャノンをマクロスにそのまま返してしまった。
「はっはあ!」
「見たかこれがオーブの力!」
「おまえそれ百式じゃねえか!?」
「えっこれ金色繋がりじゃねえの!?ぐわあああああ!?」
「ハヤオオオオオオオ!?」
マクロスはピンポイントバリアで防ぐが流石に自分の主砲の威力のため押し込まれてしまった。すげえ、想定外な対処だ。やっぱこう来なくっちゃな。でも今のでミッションの成功ラインにマクロスを押し込むことに成功してしまった。また放送が流れる
『こちら新統合軍!貴君らの奮戦に感謝する。これよりマクロスを海上に誘導する!全機、オールウェポンフリー!』
『『『『ウーラ・サー!』』』』
GPベースに現れたのはVF-1とVF-11の大部隊。スーパーパックを付けた彼らがマクロスの対空砲火をくぐって火力を集中すると、それにうっとおしがるようにマクロスは向きを変えて街とは別の方向に艦首を向け、去っていった。残されたデストロイド部隊が残らずぶっ壊されると同時にミッション成功の知らせが響く。
『ミッション成功です!現場の皆さんの多大なる協力に感謝を!』
「「「「「いよっしゃああああ!!!!」」」」
拍手と歓声が会場を包む。俺もヒマリもツムギも見ていただけだけど非常にワクワクした。一瞬シナリオなんか忘れてしまうほどに。明日は海上戦か。楽しみだなあ、明日こそは参加しようかな?明日からはゴーストが投入されるから今日よりもきつくなる。どうなるかは参加者の人次第だけど、今日みたいな感じなら楽しくなるんじゃないかな。
『お疲れ様でした。これにて1日目のバトルイベントを終了いたします。引き続きGPベースの使用は可能ですので是非ともお楽しみください。また、イベントで登場したSDF-1「マクロス」はこれ以降見学が可能ですので是非ともお立ち寄りください。それでは、よい一日を』
「まじで、あれ見れんの!?」
「おいいこうぜ!近くで見たいんだよ!」
「実用サイズの巨大プラモ…!」
「くそう!なんで俺は全日程のチケットを取らなかったんだ!あんなのがあるなら全部参加してえよ!」
「あーあ、アセンブルしなおさないと」
「ところでそのゲッターどうやって変形してんの?」
「あーこれ?企業秘密」
「戦車同好会こっちー!」
「ぐわああまた鯖がおちたああああ!もうやだああああ!」
お待たせしました!1日目終了です。いや書いてみてわかりましたけどいろんな機体を出すの難しいですね。なので作者がそれなりに知ってるもの以外は作品名ぼかしてます。
次回は2日目ですかね。巻きで行きます!
ついでに私事ですがマクロスΔを改めて全話見ました。結果なぜ絶対LIVEを見なかったのかと激しく後悔しています。仕事を休めばよかった…!
まあその結果マクロスΔの二次創作書きたくてたまらなくなったりしてこの作品おざなりになりそうでちょっと後悔してたり。
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ヤジマ主催大交流会実況スレpart1
1:ワクテカモデラー
このスレはついに始まってしまった超特大イベント、ヤジマ主導のプラモデル大交流会を実況するスレです!参加者も見学者も仲良くしましょう!
2:ワクテカモデラー
やったあああああ!
3:ワクテカモデラー
ついに来たこの時が!
4:ワクテカモデラー
ヤジマよ!我々は帰ってきたああああ!
5:ワクテカモデラー
テンションぶちあがりますねえ!
6:ワクテカモデラー
ひゃっはー!バルキリー解禁だああああ!
7:ワクテカモデラー
行くぞ物販!
8:ワクテカモデラー
所で管理人いたりする?
9:管理人
いるけど。ちなみに落ちたら今日中の復旧はないぞ♡
10:ワクテカモデラー
なんで?
11:管理人
ワイにもイベント楽しませて
12:ワクテカモデラー
鯖保守して、やくめでしょ
13:ワクテカモデラー
両方やればいいじゃんアゼルバイジャン
14:ワクテカモデラー
無茶言うな
15:ワクテカモデラー
じゃあ鯖管理のためにサーバー室にしまっちゃおうね~~~
16:管理人
今すぐ掲示板全部止めてやってもいいんだぞ?
17:ワクテカモデラー
すいませんでした
18:ワクテカモデラー
冗談です
19:ワクテカモデラー
行けない人たちに愛の手をください
20:ワクテカモデラー
何でもしますから!いま募金に1万円入れた
21:管理人
しょうがねーなー。節度を守って楽しくやれよ
22:ワクテカモデラー
ちょろい
23:ワクテカモデラー
現地人どんだけいる?
24:ワクテカモデラー
ワイチケットとれたで
25:ワクテカモデラー
同じく
26:ワクテカモデラー
ワイも
27:ワクテカモデラー
見学者です…
28:ワクテカモデラー
同上
29:ワクテカモデラー
ちくしょう!
30:ワクテカモデラー
2日目民~~
31:ワクテカモデラー
いや~~~楽しみだなあ!
32:ワクテカモデラー
ワイ戦車民なんだけどどっかで集まれない?
33:ワクテカモデラー
おお、いいね。いくいく!
34:ワクテカモデラー
ワイも
35:ワクテカモデラー
スーパーロボットモデラー集まろうぜ!東側な!町の近くの!
36:ワクテカモデラー
オッケー!
37:ワクテカモデラー
俺の完全合体ガオガイガーが火を噴くぜ
38:ワクテカモデラー
アルトくんに負けず劣らずの変態がいて草
39:ワクテカモデラー
在野の変態が発掘されていくんだなきっと
40:ワクテカモデラー
一つの作品としてはばたかせてたアルトくんは変態の中の変態
41:ワクテカモデラー
ぶっちゃけメイジン級よね
42:ワクテカモデラー
裏メイジンってとこ?
43:ワクテカモデラー
物販にやってきましたって行列やばっ!?
44:ワクテカモデラー
長蛇とはまさにこのこと
45:ワクテカモデラー
所でお目当ては?
46:ワクテカモデラー
決まってるだろう!完全変形RGバルキリーシリーズVF-1&VF-11セットだぁ!
47:ワクテカモデラー
一番気に入ってるのは?
48:ワクテカモデラー
値段だ(税抜き2万円)
49:ワクテカモデラー
実質PGだけど良心的ね。電飾系がないからかな?
50:ワクテカモデラー
正直3個ずつセットで買いたい。失敗したときが怖すぎる
51:ワクテカモデラー
あんな変形してくれるキットならもっと高くてもいい気がする
52:ワクテカモデラー
とにかく2つとも買います
53:ワクテカモデラー
買いました。さっそく組み立てぇ!
54:ワクテカモデラー
ひゃっはー!我慢できねえ!
55:ワクテカモデラー
あばばばばば部品細かいいいいい(初プラモ
56:ワクテカモデラー
何やってんだwwww
57:ワクテカモデラー
ヘルプいくわ。どこにおる?
58:ワクテカモデラー
端っこの席でワタワタしてる白いパーカーです
59:ワクテカモデラー
もしかして女子?該当する場所にいるの女の子なんだけど
60:ワクテカモデラー
そうだけど。助けて
61:ワクテカモデラー
よしまかせろ!おじちゃんはプラモ歴だけは自信があるぞ
62:ワクテカモデラー
まじで?どこ住み?てかラインやってる?
63:ワクテカモデラー
ヘルプ参上
64:ワクテカモデラー
お前ら…何も言うまい
65:ワクテカモデラー
囲まれてるの草。仲良くしてくれよ
66:ワクテカモデラー
腹ごしらえをしに来たんだけど面白いメニューがあった
67:ワクテカモデラー
なにそれ?
68:ワクテカモデラー
パインサラダ&ステーキセット。デザートはパインケーキ。注文してみよ
69:ワクテカモデラー
なにそのパイン尽くし
70:ワクテカモデラー
普通にうまいんだけど
71:ワクテカモデラー
なんかそのセット妙に押されてるんだよね
72:ワクテカモデラー
まあいいや。食い終わったらGPベース行こ。俺の百式を見てろよ見てろよ~~
73:ワクテカモデラー
レンタルバルキリー一番乗り!選ぶのは勿論VF-1!さっそく行ってみよ!
74:ワクテカモデラー
VF-11を確保!楽しみだぜえ!
75:ワクテカモデラー
あれっ!?アルトくんいる!?
76:ワクテカモデラー
おわっ!?ほんとだ!ツムギちゃんヒマリちゃんまで!
77:ワクテカモデラー
現場監督かな?
78:ワクテカモデラー
中学生なのに大変だね~
79:ワクテカモデラー
いやでも企画立案者だし当然といえば当然?
80:ワクテカモデラー
フツーに考えて気になるんじゃね?
81:ワクテカモデラー
話しかけるのはやめとこ。楽しそうだし
82:ワクテカモデラー
んだんだ。
185:ワクテカモデラー
うわっこれ予想以上に難しいんだけど!?
186:ワクテカモデラー
ガンプラと全然操縦違う。姿勢制御が難しすぎる
187:ワクテカモデラー
くそおおおおおお!
188:ワクテカモデラー
楽しそうだね~~~。ところでこれを見てくれないか?
189:ワクテカモデラー
何だそのプラモ!?
190:ワクテカモデラー
チェイテピラミッド姫路城凱旋門だ!
191:ワクテカモデラー
ぎゃああああ悪夢があああああ!
192:ワクテカモデラー
なぜ作ろうと思った。というかどうして作れた
193:ワクテカモデラー
姫路城ほぼ潰れとるやんけ
194:ワクテカモデラー
いや、楽しくなっちゃって。その内増設もするよ
195:ワクテカモデラー
馬鹿じゃねえの?
196:ワクテカモデラー
何をこれ以上載せようというのか
197:ワクテカモデラー
サグラダ・ファミリア
198:ワクテカモデラー
未完成の建物をのせるなよ
199:ワクテカモデラー
建築法違反で草
200:ワクテカモデラー
じゃあこっちは?
201:ワクテカモデラー
メ、メカエリチャン…?
202:ワクテカモデラー
おう!頑張って作ったメカエリチャンだ!ちなみに喋るし表情も変わる。顔ディスプレイだから
203:ワクテカモデラー
馬鹿じゃねえの?(誉め言葉
204:ワクテカモデラー
戦闘力は?
205:ワクテカモデラー
ナオキです…
206:ワクテカモデラー
観賞用かいな
207:ワクテカモデラー
いや、何だったら戦闘用メカエリチャンもある
208:ワクテカモデラー
2号機じゃねえか!
209:ワクテカモデラー
これが
210:ワクテカモデラー
完全再現じゃねーか!
211:ワクテカモデラー
完璧で草
212:ワクテカモデラー
あれっ?待ってこれもしかして…おいスーパーロボット組!
213:ワクテカモデラー
呼んだ?
214:ワクテカモデラー
なんだよ
215:ワクテカモデラー
ちょっと必殺技試してみ?
216:ワクテカモデラー
出るわけねーだろGPベースなんだから。贅沢言うな
217:ワクテカモデラー
いや、俺のマジンガーほぼ素組みなんだけどブレストファイヤーが出たんよ
218:ワクテカモデラー
は?
219:ワクテカモデラー
ファッツ!?
220:ワクテカモデラー
ギ、ギガドリルブレイクがでた!?
221:ワクテカモデラー
あああああ桜花放神!?何でッ!?
222:ワクテカモデラー
他のGPベースじゃ出なかったのに!?
223:ワクテカモデラー
もしかしてエフェクト作ったんか?
224:ワクテカモデラー
あ、ああ……ありがとおおおおおおヤジマあああああ!!
225:ワクテカモデラー
一生ついて行きます!給料を捧げますありがとおおおおおお!
226:ワクテカモデラー
わぁい!スーパーロボットには必殺技つきものだから!
227:ワクテカモデラー
どんだけ本気出してんだヤジマ…
228:ワクテカモデラー
やべえ、ユニビーム出る。リパルサーレイもでる。空飛べる。最高
229:ワクテカモデラー
アイアンマン居るんだけど
マーク7じゃん。もしかして
231:ワクテカモデラー
すまん、変形しねえんだ
232:ワクテカモデラー
ハードルおかしくなってたわ。それが普通だよな
233:ワクテカモデラー
やべえペタワットレーザーでちゃった。
234:ワクテカモデラー
てめえ俺のエイブラムスに何してくれとんじゃい
235:ワクテカモデラー
許して
236:ワクテカモデラー
もう許さねえからなあ?
237:ワクテカモデラー
戦車に追いかけまわされるアイアンマンの図
238:ワクテカモデラー
飛べよ
239:ワクテカモデラー
撃ち落とされてて草
240:ワクテカモデラー
戦車で対空砲撃してんじゃねえ
241:ワクテカモデラー
バルキリー組そっちどう?
242:ワクテカモデラー
まだ組み立て中
243:ワクテカモデラー
ワイも
244:ワクテカモデラー
私も
245:ワクテカモデラー
レンタルバルキリー組飛べた?
246:ワクテカモデラー
難しいんだけど。つーか姿勢制御スラスターがないんだわこの機体
247:ワクテカモデラー
そりゃあ無理だわ
248:ワクテカモデラー
アルトくんはあんなに鮮やかに飛んでるのにな
249:ワクテカモデラー
なんだあのマゼラアタック?
250:ワクテカモデラー
異様に完成度高くて草
251:ワクテカモデラー
変わり者はどこにでもいるんだな。俺たちが言えたことじゃねえけど
252:ワクテカモデラー
寿司のプラモでスシブレードやってるのはお前らくらいだよ
253:ワクテカモデラー
3,2,1へいらっしゃい!いけ!サルモン!
254:ワクテカモデラー
負けるなイカテン!やつを焼き鮭にしてやれ!
255:ワクテカモデラー
ギャラリー集まってるやんけ
256:ワクテカモデラー
ぶっちゃけ見ごたえある。
257:ワクテカモデラー
見てろよ見てろよ~~
258:ワクテカモデラー
ゲッター1じゃねえか!
259:ワクテカモデラー
掛け声完璧で草
260:ワクテカモデラー
すげえ!どうやってんだそれ!?
261:ワクテカモデラー
頑張った
262:ワクテカモデラー
それだけで片付けちゃいかんのだが?
263:ワクテカモデラー
頑張った
264:ワクテカモデラー
そのゲッターウイングどうなってるの?
265:ワクテカモデラー
ゲッター線に導かれたんだ。こんなに簡単なことだったんだな
266:ワクテカモデラー
汚染者がいるんだけど?ってビームマントみたいな感じか。もしくはマスタークロス
267:ワクテカモデラー
ああ、なるほど
268:ワクテカモデラー
ぬわあああ墜落するううう!
269:ワクテカモデラー
あああ貴重なレンタルバルキリーがっ!?
270:ワクテカモデラー
ファッ!?
271:ワクテカモデラー
あ、あれは…!?
272:ワクテカモデラー
VF-1!?でもレンタルバルキリーとは全然違う…
273:ワクテカモデラー
あれアルトくんのバルキリーじゃん!?ってことは…
274:ワクテカモデラー
アルトくんがいる!マイクで放送してる!
275:ワクテカモデラー
墜落しかけたのを普通に救出したな
276:ワクテカモデラー
全然動きが違うな…ああもなれるもんなのか?
277:ワクテカモデラー
やっぱ性能の違いかね?
278:ワクテカモデラー
あるかもだけどパッと見た感じスラスターが増設されてるわけでもなさそう
279:ワクテカモデラー
じゃあ操縦のしにくさはそのままやんけ!
280:ワクテカモデラー
えっ!?マジ!?
281:ワクテカモデラー
開発者直々に飛び方教えてくれるんですか!?
282:ワクテカモデラー
やたああああああ!
283:ワクテカモデラー
あれがフルスクラッチバルキリー…!
284:ワクテカモデラー
すげえ、映像で見るより断然かっこいい
285:ワクテカモデラー
新型っぽいのとVF-1とVF-11か。サラッと3機同時操作してる
286:ワクテカモデラー
開発者直々のバルキリー講座とかやばすぎ
287:ワクテカモデラー
アルトくんありがとう!
288:ワクテカモデラー
ビルダーめっちゃ集まってきてる
289:ワクテカモデラー
そりゃあ、気になるでしょ
290:ワクテカモデラー
きになるな
291:ワクテカモデラー
これさえ身に着ければ自在にバルキリーを…!
292:ワクテカモデラー
出来たらいいなあ
293:ワクテカモデラー
戦車道やらね?
294:ワクテカモデラー
当たったらぶっ壊れるからヤダ
295:ワクテカモデラー
プラモが壊れねーモードがあればなあ…!
「さすがは強化サーバー…高いだけあって今のところ問題ないな!これで俺も楽しめる!」
スマートフォンの画面を見つめた男は独り言を呟いてスキップしながらGPベースに向かうのだった
同時投稿で番外編も更新しておりますのでお時間ありましたらそちらもご覧ください。
次回も掲示板やってそのあと本編行きます。話が進まねえや
目次 感想へのリンク しおりを挟む
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続・ヤジマ主催大交流会実況スレpart1
295:ワクテカモデラー
プラモが壊れねーモードがあればなあ…!
296:ワクテカモデラー
それ俺たちの夢じゃん
297:ワクテカモデラー
ぶっ壊れるのもリアルだけどさー、壊れねーなら臆することなくバトルできるじゃん?
298:ワクテカモデラー
分かるマン
299:ワクテカモデラー
でも壊れるのも一定の緊張感があるよね
300:ワクテカモデラー
腕とか脚とか壊れた時にどうやって逆転するか考えるのも楽しいのよ
301:ワクテカモデラー
まあそこら辺は人それぞれ
302:ワクテカモデラー
アルトくんのバルキリー講座、ためになるな
303:ワクテカモデラー
はぇー複数のスラスターをつけて姿勢制御するMSとは真逆のコンセプトですね
304:ワクテカモデラー
それで一般的なMSよりも速いってどんだけエンジンの推力高いんだ?
305:ワクテカモデラー
航空力学を考えた機体設計なんすね
306:ワクテカモデラー
これ当時小学生が考えたってマ?
307:ワクテカモデラー
天才超えてやっぱり変態ですわ
308:ワクテカモデラー
言い逃れできないんだよなあ
309:ワクテカモデラー
えっ!?まずバトロイドからなの!?
310:ワクテカモデラー
えー、メインがファイターである以上そっちから慣れるべきだと思ってた
311:ワクテカモデラー
ホバリングから、と
312:ワクテカモデラー
おおっと、Zガンダムみてーな感じだな。いやでもこっちの方が背中のスラスターがない分バランスとりづらいかも
313:ワクテカモデラー
おまえみてーに片手で携帯見ながら片手で操縦してりゃそりゃ難しいだろーよ
314:ワクテカモデラー
外野視点だけどファイターよりも成功者多いな
315:ワクテカモデラー
で、ガウォークか
316:ワクテカモデラー
ガウォークもガウォークで今までにない機体バランスだから難易度上がるわ
317:ワクテカモデラー
アブルホール乗りのワイ、余裕
318:ワクテカモデラー
あれほとんどガウォークだもんな
319:ワクテカモデラー
ふらつくけどできるようになってきた!
320:ワクテカモデラー
成功者が続々ときております
321:ワクテカモデラー
ところでスシブレードやってるやつが増えてるんだけど
322:ワクテカモデラー
あっちはもう誰かが収容してくれ
323:ワクテカモデラー
任せろー!
324:ワクテカモデラー
誰が173をフルスクラッチして来いといった
325:ワクテカモデラー
目線がそらせな…かぺっ!?
326:ワクテカモデラー
しょうがねえなあ
327:ワクテカモデラー
クソトカゲはNG。というかどうやって作った
328:ワクテカモデラー
基本はプラモの張り合わせ、鱗は手作り、がんばった
329:ワクテカモデラー
なんでそんなもんに本気出してるの
330:ワクテカモデラー
こんなこともできます。という軽い言葉から繰り出される頭のおかしい攻防
331:ワクテカモデラー
慣れたら出来るなんてもんじゃねーんだよなあ
332:ワクテカモデラー
これ同時操作で両方操ってるってマ?
333:ワクテカモデラー
あの変態機動ミサイルを普通に振り切っていくのなんなん?いくら自家製とはいえ
334:ワクテカモデラー
当然のように撃墜するな
335:ワクテカモデラー
ウワームキズダー
336:ワクテカモデラー
でも出来たら楽しいだろうなー
337:ワクテカモデラー
楽しいに決まってるだろ!俺もやりたい!
338:ワクテカモデラー
MSで同じことしようと思ったら結構時間かかるよな。いや、ミサイルの性能によるけど
339:ワクテカモデラー
出来るやつを知っている
340:ワクテカモデラー
誰だ?
341:ワクテカモデラー
メイジン
342:ワクテカモデラー
例外を出されても
343:ワクテカモデラー
チョマー
344:ワクテカモデラー
だから世界大会組は例外だっつってんだろ!いい加減にしろ!
345:ワクテカモデラー
あれをデフォにされても困る
346:ワクテカモデラー
じゃあ聞くがこの中に撃たれたビーム撃ち落としたりサーベルやナイフで打ち払うことができるやつー
347:ワクテカモデラー
むりでーす!
348:ワクテカモデラー
やれるかあんなもん!
349:ワクテカモデラー
うわっ、すげー!
350:ワクテカモデラー
まじか、もう乗りこなしてるやついるじゃん
351:ワクテカモデラー
もしかしてあのマゼラアタックの人か?
352:ワクテカモデラー
うえー、いいなー
353:ワクテカモデラー
うわっアルトくんのバルキリーと一緒に飛んでるよ
354:ワクテカモデラー
うわぁんおじさんも混ぜてよぉ!
355:ワクテカモデラー
はいはーいおじさんはとりあえずホバリングからねー
356:ワクテカモデラー
いいなー
357:ワクテカモデラー
あれっ?もうファイターで飛んでるやつが他にも…いやっあれは、戦闘機のプラモじゃねーか!
358:ワクテカモデラー
うおー!トムキャットだ!しかも4機編隊飛行!珍しいもんみれた!
359:ワクテカモデラー
あれっ、アルトくんのバルキリーが抜けた?
360:ワクテカモデラー
あっVF-1に交代したのか!
361:ワクテカモデラー
なーんか似てるなー、デザイン
362:ワクテカモデラー
いやでも様になってるよ編隊飛行!手ふっとこ
363:ワクテカモデラー
おまえ寿司なんだから手な、どうやってネタを動かしてるんだ…?
364:ワクテカモデラー
コンボイ司令官がいる!爆発しそう
365:ワクテカモデラー
クッソ失礼やんけ
366:ワクテカモデラー
あー、アルトくん行っちゃったー
367:ワクテカモデラー
嫌でもあんな丁寧に教えてくれて助かったわ。スタッフさんが代わりに入ったし飛べるやつ増えそう
368:ワクテカモデラー
わーおテレビきてる!
369:ワクテカモデラー
いえーい!映ってるー!?
370:ワクテカモデラー
ああ、映ってるだろうな…お前の2トントラックプラモ
371:ワクテカモデラー
無駄に完成度高いの草。どうやって排気煙出してるん?
372:ワクテカモデラー
エフェクトじゃね?
373:ワクテカモデラー
みよこの6トントラックを!
374:ワクテカモデラー
なんでトラック野郎ばっかりなんですか
375:ワクテカモデラー
ああん?
376:ワクテカモデラー
ヒェッ サーセン
377:ワクテカモデラー
荷台が変形してハリネズミのように銃やらなんやらが出てくるのはやばい
378:ワクテカモデラー
行けーっ!ムシキング!
379:ワクテカモデラー
なんでカブトムシがいるんですか
380:ワクテカモデラー
それもプラモかよ
381:ワクテカモデラー
懐かしい気持ちになるな
382:ワクテカモデラー
なんか美少女フィギュア?プラモ?の集まりがあるんじゃが
383:ワクテカモデラー
おまえも武装神姫にはまらないか?
384:ワクテカモデラー
いやいやメガミデバイスでしょ
385:ワクテカモデラー
フレームアームズ・ガールでもいいのよ?
386:ワクテカモデラー
なんかこえーよ!
387:ワクテカモデラー
これが美少女動物園ですか
388:ワクテカモデラー
なんか戦争始まったんじゃが
389:ワクテカモデラー
これが人間の業…
390:ワクテカモデラー
こんなん業扱いされても困るわ
391:ワクテカモデラー
宗教戦争が無くならないわけだ
392:ワクテカモデラー
見ごたえあるなあ
393:ワクテカモデラー
顔狙わないのに紳士を感じる
617:ワクテカモデラー
んお?
618:ワクテカモデラー
え、なに?イベント?
619:ワクテカモデラー
なんだよいいところだったのにー
620:ワクテカモデラー
なんか知らんがGPベースでイベントあるってよ
621:ワクテカモデラー
破損の可能性があるってことはバトル系か
622:ワクテカモデラー
ワイはてったーい
623:ワクテカモデラー
残るわ。面白そう
624:ワクテカモデラー
これ以上チェイテピラミッド姫路城凱旋門を壊されないようにしないと
625:ワクテカモデラー
ゲッターに凱旋門へこまされてたもんな
626:ワクテカモデラー
スマン、許してくれ
627:ワクテカモデラー
あの後ゲッタートマホーク投げてブーメラン失敗しなかったら許してた
628:ワクテカモデラー
明後日の方向に飛んでピラミッドに突き刺さったもんな
629:ワクテカモデラー
攻撃を誘引する装置でも付けてらっしゃる?
630:ワクテカモデラー
タンク職じゃねーわ!
631:ワクテカモデラー
なんかガオガイガーが合体してて感動した
632:ワクテカモデラー
本当に作ったのか…完全合体ガオガイガー…
633:ワクテカモデラー
おっ始まった
634:ワクテカモデラー
はぇーストーリー仕立て?
635:ワクテカモデラー
ええやん、ってマクロス!?
636:ワクテカモデラー
ここでそれを出してくるか…!
637:ワクテカモデラー
整備ってことはマクロスは機体名なんやな?
638:ワクテカモデラー
おおっとトラブル?
639:ワクテカモデラー
乗っ取られた?
640:ワクテカモデラー
AI?へえそういう筋書きなんだ
641:ワクテカモデラー
街が消し飛ぶって…もしかしてGPベースに最初っから展開されてる街か
642:ワクテカモデラー
ひゃあもう我慢できねえ!出撃じゃあ!
643:ワクテカモデラー
おっしゃああああ!
644:ワクテカモデラー
始まった!ミッション形式だ!
645:ワクテカモデラー
ファッ!?
646:ワクテカモデラー
デッ!?
647:ワクテカモデラー
デッッッッッッッ!?!?
648:ワクテカモデラー
デカ!?
649:ワクテカモデラー
デカァァァァァイ!説明不要ッ!
650:ワクテカモデラー
いや説明してくれよ
651:ワクテカモデラー
推定8m弱の戦艦らしき物体が現れた
652:ワクテカモデラー
何だって?
653:ワクテカモデラー
ホログラムが消えて、8mある巨大戦艦のプラモが現れたってええええ!?
654:ワクテカモデラー
自分で説明して驚くなよ
655:ワクテカモデラー
だめだ、文字打ってる暇ねえ!音声うちにかえるわ!
656:ワクテカモデラー
やべえよやべえよ!何だよアレ!?
657:ワクテカモデラー
ヤジマ本気出しすぎだろ!?ありがとう!
658:ワクテカモデラー
マクロス!あれがマクロスか!でっけええええええ!
659:ワクテカモデラー
あれ縮尺どうなってるの!?仮に144分の1だとしたら1200mくらいあるんだけど!?
660:ワクテカモデラー
でかすぎワロタ
661:ワクテカモデラー
ファッ!?なんか攻めてきたで!?
662:ワクテカモデラー
撃墜禁止なんか…いやまず勝てんわ。でかすぎる
663:ワクテカモデラー
何でもいいから行くぞオラアアアアア!!!
664:ワクテカモデラー
おっしゃあああゲッターの恐ろしさを刻んでやるぜええええ!
665:ワクテカモデラー
ゲッター2にもなれるのか!?
666:ワクテカモデラー
初手ルストハリケーンは鬼畜すぎて草
667:ワクテカモデラー
5種類くらいいるな敵メカ
668:ワクテカモデラー
あれがデストロイドってやつか。変形機構のない陸軍のロボット
669:ワクテカモデラー
うげっ!?弾幕きっつう!
670:ワクテカモデラー
デストロイドはそんなに強くない…?
671:ワクテカモデラー
いやこの数で全部一騎当千でも困るんだけどさ
672:ワクテカモデラー
無双してるみたいで楽しい!
673:ワクテカモデラー
ひゃっはああああ戦場は地獄だぜえええええ!
674:ワクテカモデラー
天国にいるテンションやんけ
675:ワクテカモデラー
誰だこんなのにマジンガーのらしたやつ
676:ワクテカモデラー
自分に決まってるだろってバカ野郎!撃沈すんなって言われたばっか!
677:ワクテカモデラー
あっやべっ
678:ワクテカモデラー
スレがチャット欄と化しましたね
679:ワクテカモデラー
音声入力を実装した管理人、有能
680:ワクテカモデラー
ロケットパンチは不発と。
681:ワクテカモデラー
あのバリアってアルトくんのバルキリーがつかってるやつか!
682:ワクテカモデラー
あっ反撃!
683:ワクテカモデラー
てめえええ攻撃したせいでヘイトこっちに来てんじゃねえかあああああ!?
684:ワクテカモデラー
すまん、ゆるせ
685:ワクテカモデラー
巻き添え食らったわい、散る
686:ワクテカモデラー
同じく
687:ワクテカモデラー
真後ろからミサイルはあかんて
688:ワクテカモデラー
もう許さねえからなあ?
689:ワクテカモデラー
食らえ現代戦車パワー!
690:ワクテカモデラー
おらあああ武装ヘリの力思い知ったか!
691:ワクテカモデラー
カプコン製ではないのだよ!ぐわああああ!?
692:ワクテカモデラー
速攻で回収しおった
693:ワクテカモデラー
美少女プラモ部隊頑張ってんな
694:ワクテカモデラー
何としてでも顔面への着弾は防がねば…!修理が難しい…!
695:ワクテカモデラー
スシブレードが強すぎるんだが?
696:ワクテカモデラー
スシがロボットをぶち壊してるのすげー違和感
697:ワクテカモデラー
ベイブレードでやれよせめて
698:ワクテカモデラー
おらっ!へし折り!鯖折り!首折り!
699:ワクテカモデラー
173が強すぎる
700:ワクテカモデラー
素手の癖に
701:ワクテカモデラー
ガンダムファイターかな?
702:ワクテカモデラー
行くぞわれら特撮ロボット隊!
703:ワクテカモデラー
メカゴジラ参上!食らえ3式絶対零度砲!
704:ワクテカモデラー
うっひょー!マジで凍ってるやんけ!おっしゃ俺も!発進シフトオン!ダンプ、フォーミュラ、ジャイロ、ドーザー、マリン!GO!GO!
705:ワクテカモデラー
ダイボウケン出てきたんだが?
706:ワクテカモデラー
どうやって作った。というかどこからなった今の音!?
707:ワクテカモデラー
ラジカセ♡
708:ワクテカモデラー
アナログぅ?!
709:ワクテカモデラー
あっチョマー!
710:ワクテカモデラー
チョマーきた!これで勝つる!
711:ワクテカモデラー
うわっ流石は世界ランカー、動きが違いすぎる
712:ワクテカモデラー
チョマージェスタキャノンかっけえ。キット化はよ
713:ワクテカモデラー
これがほんとの無双状態ですか
714:ワクテカモデラー
ファッ!?何だこの警告!?
715:ワクテカモデラー
主砲!?マジで!?もしかしてあれ!?
716:ワクテカモデラー
おおう撃たせるな撃たせるな!ミッション失敗するぞ!?
717:ワクテカモデラー
くそうバリアのせいで揺るがねえ!
718:ワクテカモデラー
おっしゃ任せろ!
719:ワクテカモデラー
あれは…!
720:ワクテカモデラー
狂った機体がまだいたか!?
721:ワクテカモデラー
すげえ!マスブレードだ!
722:ワクテカモデラー
ブレード?ハンマーでは?
723:ワクテカモデラー
柱だろ
724:ワクテカモデラー
うっそお!?
725:ワクテカモデラー
揺らいだぞ!?あの機体差で!?
726:ワクテカモデラー
狙いずれた!町から外れる!ナイスぅ!
727:ワクテカモデラー
おっしゃあとはこっちのもんだ!アカツキ隊!
728:ワクテカモデラー
見た感じビームだからいけるっしょ!
729:ワクテカモデラー
オーブの底力見せてくれるわ!
730:ワクテカモデラー
金ぴかで眩しい
731:ワクテカモデラー
…なんか百式が一機交じってね?
732:ワクテカモデラー
跳ね返ったああああああ!
733:ワクテカモデラー
うおおおおおお!!!
734:ワクテカモデラー
百式いいいいいいいっ!?
735:ワクテカモデラー
金色繋がりだと思ったのに…
736:ワクテカモデラー
オバカッ!
737:ワクテカモデラー
流石に笑った
738:ワクテカモデラー
くそう、ステーキ全部食ってくる
739:ワクテカモデラー
食事の途中でこっちに来たのかwwww
740:ワクテカモデラー
すげええマクロスが後退した!
741:ワクテカモデラー
いけるいけるぞ!押し込め!
742:ワクテカモデラー
おっしゃああ戦車パワーなめんなよおおおお!
743:ワクテカモデラー
食らえ!ハルマゲドン1分の1!
744:ワクテカモデラー
おまっ!それはしゃれにならんて!?
745:ワクテカモデラー
おっ!?
746:ワクテカモデラー
援軍!援軍来た!これで勝つる!
747:ワクテカモデラー
うおおおおバルキリー部隊だ!すげえ壮観!
748:ワクテカモデラー
マクロスが撤退していく!
749:ワクテカモデラー
海上へ誘導?そうか明日もあるんだな!ありがとうありがとう!
750:ワクテカモデラー
ミッション成功だあああ!
751:ワクテカモデラー
やったあああああ!
752:ワクテカモデラー
いええええええ!!!
753:ワクテカモデラー
明日が楽しみだ!
754:ワクテカモデラー
明日は海かー。マクロスって海上戦もできんの?
755:ワクテカモデラー
ジオン水泳部に頑張ってもらわんと
756:ワクテカモデラー
明日は参加できるから楽しみだぜぐふふふふ
757:ワクテカモデラー
え?マクロス近くで見れんの!?
758:ワクテカモデラー
パインケーキ食ってる場合じゃねえ!
759:ワクテカモデラー
パインセット食ってるやつ多くて草
760:ワクテカモデラー
見れるんだ!あの戦艦見れるんだ!
761:ワクテカモデラー
シリーズ名がマクロスだけあってあれが主役なんだろ?どんなのか気になるなあ!
762:ワクテカモデラー
なんか重くね?
763:ワクテカモデラー
おもい
764:ワクテカモデラー
すっげえ!作りこみやっば!これホントにプラスチックかよ?
765:ワクテカモデラー
強化プラスチックか。流石に強度の問題が出るもんなあ
766:ワクテカモデラー
まずこれどうやって運び入れたんだ?
767:ワクテカモデラー
マジでこれアルトくんが作ったん?
768:ワクテカモデラー
カイザーみたいなことすんなよ。規模が違うけど
769:ワクテカモデラー
カイザーってジオラマも好きなんだっけか
770:ワクテカモデラー
らしい。というかそんなことよりも重すぎ
771:ワクテカモデラー
ヤバくね?管理人?かんりにーん
772:ワクテカモデラー
おちけつ
773:ワクテカモデラー
あっ、だめだこりゃ
SEVER ERROR
「鯖がおちたああああ!!もうやだああああ!!うわあああああ!」
機嫌よくGPベースで愛機を乗り回していた男の携帯が鳴り、鼻歌を歌いながら画面を見た男は泣き叫びながら携帯を地面に叩きつけて吠えた。周りの人物は崩れ落ちた男を不審者を見るような目で避け始めているのに男が気づくまであと10秒。ついでにパトロールスタッフが現れるまであと15秒。
管理人の明日はどっちだ!?
お待たせしました
ちょっと掲示板がくどい気がするので次回からはもう掲示板無しで本編だけ行こうと思います。これ以降の掲示板はやらないか番外の方へ投稿させてもらいたく思います。
端的に言うなら作者のネタストックが切れて掲示板へ回すだけのネタが無くなりました。サクサクッと完結させて番外でゆっくりやります。
お許しください!
あ、一応番外編の方も同時投稿しておりますので要チェックや!いや、暇だったラ見てってください。はい
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マクロスが一つあったらもう二つくらいある
「2日目も盛況だなあ!」
「…海ってあんまり人気ないと思ってた」
「たくさん船あるよー!あと女の子がたくさん!」
交流会2日目である。2日目、海洋戦のステージは正直言ってあんまり人が増えるとは思えなかったのだけど予想以上、というか昨日と変わらないくらい盛況だ。具体的には艦、艦、艦の山。往時の戦艦や空母が所せましと並んで船団を形成している。旗艦はおそらく、和傘をさして大きな大砲のようなメカを背負ったセーラー服の女性のアクションフィギュアを艦首に据えた戦艦大和。たぶん艦これってやつだろう。海の上で立っている女の子のフィギュアを見るとあれこれプラモ大会だよな?って錯覚するがそれもよし。プラモデルはいつだって自由だから。
「今日はアルトくんも参加するんだよね?」
「ああ、昨日のでカイザーさんに火が付いたみたいだからな。多分、当初より難易度上げるとか言ってたし、運営の方もゴーストのリミッターを少し上げるって言ってた。大筋は変わらないけど俺も参加したいんだよ」
「…いいな、アルト。私も行こうかな、VF-22で」
「いいんじゃね?ヒマリはどうするよ」
「クァドランちゃんは足場がないとどうもねー。宇宙ならいいんだけど…でも参加するよ!」
「そうこなくっちゃな。それに、デストロイドが対空に専念するとなるとマクロスへのタッチダウン、決めたくなるだろ?」
「「もっちろん!」」
会場内、盛り上がる物販と作業スペースを尻目に俺たちも盛り上がる。昨日のバトルイベントは俺が感動で打ち震えて使い物にならなくなってしまったので参加できなかったんだけど、ヒマリ達は参加しなくてよかったのかって聞いたら俺と参加したいから良かったんだと。俺の幼馴染とパートナーが最高すぎる。一応の一応立ち直った今日としては何としてでも参加したい、しなければならぬ。
マクロスは空中浮遊ではなく海に浮かんでいるので海中からの攻撃も可能だ。まあそれを許すカイザーさんじゃないけど、そして何といっても今日お披露目のハルプが大事なんだよなあ。あ、ちなみに昨日会ったマゼラトップの人ことリョウさんにイベントの後また会う機会があってこれこれこうで協力者探してるんですけど~~って言ったら二つ返事で受けてくれたよ!嬉しくなった俺はリョウさんの使う予定の素組みVF-11の足部分を俺のVF-11の予備パーツと交換、ついでに彼のパーソナルカラーであるモスグリーンに塗装してマゼラトップのノーズアートも入れてあげた。
これで彼のVF-11は性能落ちしたエンジンじゃなくていわば本物の熱核ジェットエンジンを手に入れたのである。なんでここまでしたかって言ったらリョウさんの操縦に素組みじゃついていけてなかったっぽいから。あの俺のバルキリーに追いすがってきたマゼラトップの動きに近づけるにはバルキリーをこの世界で一番理解している俺がやるのが一番手っ取り早くて正確だと思い彼に許可を取ってやらせてもらったのである。
「はいはーい、第六駆逐隊はこっち、白露型はあっち、吹雪型はそっち、金剛型は向こうね~」
「艦これ多すぎワロタ」
「きゅーそくせんこー、なんかめっちゃおる!?」
「ジオン水泳部とプラント水泳部じゃね?まとめてんのアトラスガンダムか」
「ゆーちゃんとろーちゃんをまとめて動かせる日が来るとは…!」
「でちでち火水木金金!今日も元気にオリョールでち!」
「やめろおっさんボイスで言うな。あとオリョクルは死んだんだ」
「いくぜ!カットバックドロップターン!」
「それ海でやらね?」
「リフは空中でやるもんだぜ~月光号!そっちどう?」
「アイアイ、問題ねーよ。しっかし、プラフスキー粒子をトラパー扱いできるなんてなあ」
「何その…赤い船」
「どこからどう見てもゴーカイガレオンに決まってるだろ」
うん、めっちゃいる。スクール水着の女の子たちと潜水艦が海の中に潜り、空中でサーフィンする赤白の機体、ピンクの機体、白銀の機体。なんか既視感のある4脚にチェーンソーを6本まとめたものを背負った機体とか。なんか漁船のプラモもある。大漁旗が妙にリアルっていうか確実に手書きだわ。銛めっちゃ積んでるしなんか漢って感じのフィギュア乗ってるからもしかして戦うつもりなのだろうか?必要なら足場として戦艦をいくつか用意しようかと思ってたけど艦隊が異様に多いから必要なさそうかな。というか普通に1mサイズの戦艦模型とかどうやって持ってきたんだろうか
「じゃあハルプのとこまでいくかあ」
「ふふっ、レンタルバルキリーの人たち驚くだろうね」
「…実際の戦艦からの発艦、喜ばないロボットファンは、いない」
そう、あのマクロスもそうだけどハルプにもバルキリー、デストロイド、クァドラン系列の発艦機構を設計して乗っけた。あの小さい艦体で戦闘力と分割機能の両立を目ざしつつ発艦機能も実装したためにスペースが圧迫されたクォーターと違って大きいハルプとマクロスのそれはかなりの無茶がきく容量で収めた。俺とヤジマ、超がんばった。ふっへっへ~。
そう言いながら俺たちはマクロスと同じように隠されているハルプのもとへ向かい、待機用のスペースに各々の機体をセットする。ヒマリはクァドラン・レア、ツムギはVF-22フルブーストパック、俺はツムギがそっちならばとYF-19スーパーアーマードパックで行くことにして同じく機体をセット、参加者列に並んでる人たちに軽く挨拶をしてGPベースの場所を確保する。
『皆様、ご来場ありがとうございます。これより15分後に昨日に引き続きバトルイベントを開催いたします。プラモデルの破損の可能性がございますので参加をご希望されないお客様はGPベースよりご退室をお願い致します。繰り返します…』
「きたああああああ!」
「もう待ちきれないよ!早くしてくれ!」
「ついにこの日本艦隊オールスターズで海戦ができる日が…!」
「紫電、烈風…大戦の飛行機が飛ばせる日が来るなんて…!」
「レンタルバルキリーは別場所から発進ってなんだろうな?」
「なんで戦艦の上に必ず女の子乗ってんだ?」
「アルペジオ方式でしょ」
「そうじゃないのもたくさんいるんだけど」
放送が流れたことにより昨日よりも数段多いざわつきが会場内を駆け巡る。ああ、このワクワク感がたまらない。何が起きるかは台本として知っているけどその台本通りに絶対に行かないという確信が持てる。だってほら、俺の知らない機体、俺の知らない作品、製作技術だって俺に負けない機体が沢山、俺の想定をどこまでも上回ってくれるから。あっという間の待機時間が過ぎてまた通信風のやり取りが放送される。
『マクロスは今どうなってる?』
『誘導された海上より動いていません。おそらく大気圏を離脱し、フォールドによる空間跳躍を試みているものかと』
『くっ、やはり、か!増援はどうなっている!?』
『現地点で近くの宙域にいるのはハルプとクォーター、うちクォーターは別任務遂行のため援軍には行けないとのこと。ハルプが現在、フォールド航行中です』
『マクロスが動きます!』
『なんだとぉっ!?くそっ!いいか!マクロスには新型の反応弾がしこたま積んである!撃沈なんかさせてみろ!周囲の地図を書き換える羽目になるぞ!何としてでもハルプが来るまであの場所に釘付けにしろ!』
『了解!これよりスクランブルに入ります!現地協力者への依頼急いで!』
「きたああああああ!!行くぜ!チェンジ、ゲッタースリー!」
「西村艦隊!全員帰ってみせようぜ!」
「「「「「おっしゃあああああ!!!!」」」」
「ところでお前のそれ何?」
「何って…どっからどう見ても蟹だろ?正確にはタスマニアキングクラブ」
「顔面への着弾は何としてでも…」
「それするくらいならもう棄権しなさいよ、野暮だけど。ところで今度はその美少女だれ?」
「どっからどう見てもセシリアたんだろうがああああああ!!!貴様それでもオルコッ党かッッ!!!!」
「いやしらねえええええよ!あと俺はしいて言うならティファ派閥だよ!」
「「「「ティファの相手はガロードだ、貴様は死刑にしてやる」」」」
「うわああああお助けええええええ!!!???」
なんか始まる前から仲間割れが始まってるんだけど大丈夫だろうか?まるでコントのようなやり取りにヒマリがツボってしまったらしくお腹を抱えて笑っている、ツムギに至っては折角出した瞳をまた髪で顔全部隠してフルフル震えてる所からこっちもツボったらしい。大丈夫かこれ、ユーモアはたっぷりだろうけど。
「ちなみにアルトくんは誰派閥なのかな?」
「…わくわく」
「ノーコメントで」
「「「「「「ええ~~~」」」」」
「なんで他の人もそんな聞き耳立ててんの!?」
マクロスじゃないキャラ…しいて言うなら俺はルナマリアが好き、って言おうと思ったけどなんか言ったらえらい目に合いそうな予感がしたのでノーコメントとしたら周りの参加者も含めて盛大なブーイングが帰ってきた。さっきまで追いかけっこしてた人たちも含めてだ。なんでそんなに気にしてんのさ?下手なこと言ったらさっきのティファ党の彼みたいになるんでしょ?じゃあ言わないよそりゃ。
『ミッション!大気圏を離脱しようとしているマクロスをその場に留めてください!新型の戦術核兵器である反応弾の誤爆を防ぐため直撃を避け、航行能力を奪うことに専念してください!ご武運を!』
「「「「「「行くぞオラアアアアア!!!」」」」」
「なんか今日みんな荒っぽくない?」
「海の男ってやつ?」
「…偏見がすごい」
立体映像が消えてマクロスが現れる。要塞型のまま海に浮かぶマクロスの上にはデストロイドが並んでいて対空をガッチガチに固めているのだろう。それを知ってか知らずか雄たけびを上げたビルダーとファイターたちが自らのプラモを操って海に浮かぶマクロスへ突撃をかける、と見せかけて先陣を切ったのは海に浮かぶ艦隊たち、空母機動部隊が次々にプロペラ機やらジェット機やらの戦闘機を発艦させている、多分全部にパイロットが乗っている、ここで会ったからやらせてくれないかと頼んだんだろう。
「一番槍じゃなくて一番銛ィィィ!」
「まさかの漁船に先を越された!?」
「どうやって入り込んだあいつ!?」
うっそぉ?まさか先に一撃マクロスに食らわせたのは大漁旗を掲げた漁船、漢らしいプラモが投げた銛がファランクスを貫いたのだ。いや、まさかそっちが一番槍取るとは思わなかったよ。しかもなんだあの動き!?波を巧みに乗り越えて弾幕をするりするりと躱している。面食らったのは俺だけじゃないらしい。
「おい、漁船に負けられるか!」
「全くだ!現代兵器パワーを見せてくれるわああああ!!!」
「食らえ46㎝3連装砲を!」
艦隊が次々砲弾を吐き出していく、当然マクロスを操縦するのは前世界最強の男、カルロス・カイザー、当たるもののみピンポイントバリアを巧みに移動させて受けている。空を埋め尽くす戦闘機がマクロスに向かって爆弾を投下しようとするが分厚い弾幕に阻まれ、撃墜されるか逃げかえっている…一部を除いては。トムキャットの4人衆だ。彼らは巧みに弾幕を避けて反撃で見事にデストロイドを撃ち抜いている。すっげえ、あれならバルキリーも余裕で操縦出来るんじゃないか!?今度会えたら勧めてみようかな!でも会えるかなあ、実際にパイロットやってる凄い人たちみたいだし。
「ニルヴァーシュ、909はそのまま回り込め!デビルフィッシュはこのまま突撃する!」
「オッケー!いい波が来てる!」
「俺もノリノリだぜ~~~!!」
「いくよ!ジ・エンド!バスクード…クライシス!」
マジか!?サーフィンしながら弾幕避けてるぞ!?そういうものだって分かってるけど見たら衝撃度がたっか…ニルヴァーシュSpec2なのか!?変形しやがった!是非とも是非ともビルダーと語り合いたい機体が出てきてしまった。というかどうやってるんだそのサーフィン…粒子変容塗料か?いやそれしかないか。すげえなあ、あの緑の波を残して飛ぶ姿。俺もあそこに並びたい、うずうずしてきたよ、ほんとに。さて、まだかな。
「なーレンタルバルキリー組の出撃まだかー?」
「待機画面から変わらないんだけど?」
「俺たちもやらせろ~~」
あーそりゃフラストレーションたまるはずだよね。でも大丈夫、そろそろ来るはずだから、時間だ。降ってくるぞ、もう一つのマクロスが。
『ミッション更新!マクロス・ハルプがフォールド航行を終了しました!これより現場への強硬突入及び大気圏の突破に入ります!無防備になるハルプをマクロスの攻撃から守ってください!』
「なんだハルプって?」
「マクロスっつったよな?」
「まさか…」
そう、そのまさか!上空の立体映像が取り払われ艦首を下にしたもう一つのマクロス艦、マクロス・ハルプが大気圏突破の影響で赤く染まりながら姿を現した。ここからが2日目の本当のスタートだ、なんせここからマクロス世界において屈指の兵器の一つであるゴーストが出てくるのだから。あとは俺たちハルプから発進するバルキリー組がどれだけ頑張れるかだ。
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「もう一つ!もう一つあった!」
「いや、小さいぞ!?でもすげえヤジマ!」
「もう俺ヤジマの奴隷でいいよ…」
周りが大盛り上がりする中、俺は待機画面が切り替わり起動していく中マクロスを見つめる。ちょっと違うけど、勝負ですよ、カイザーさん。
読んでいただきありがとうございました。同時に番外編も投稿しておりますので合わせてお楽しみください。
本当だったら一話でサクッと終わらせるつもりだったんですけど予想以上に長くなってしまったので前後編です。これ三日目前中後編になりそうで作者ちょっと怖い。
ちなみに作者はエウレカは割と好きです。ちゃんと全話見て映画も見て漫画も全館持ってます。AOは…うん、まあ?
あと少しで完結、皆様ラストスパートにしばしお付き合いください。
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刻めタッチダウン
ハルプが直上から大気圏を突破してくる。まさかのもう一機のマクロス級の姿に参加者たちが興奮を隠しきれずにいろんなコメントを投げかけてるのが見える。そして待機させられていたバルキリー組、まさか、と思っていたことが現実となったのだ。実際の戦艦から発艦するというある意味で現実における最強のロマンの一つを実現できるということに。
『ハルプ、巡行に入ります!ハッチオープン、VF-1及びVF-11隊、発艦どうぞ!』
「なんだあれいいなああああああ!!!」
「バルキリーレンタルすりゃよかった!」
「発艦まで…!くっそおおおうらやましいいいい!」
側面ハッチからアームで掴まれてバルキリーが空へ飛び立っていく。まず出てきたのはお手本代わりのスタッフさんたちだ、カタパルトと側面ハッチに次のバルキリーがせりあがってスタンバイ、次はレンタルバルキリー組の番である。ちなみにハルプの操作ももちろんカイザーさん、どんな指使いしてるんだろうか…?あれ全部マニュアル操作なんだよね…。
「バルキリー、いきます!」
「VF-1、でます!」
「VF-11、出撃します!」
レンタルバルキリー組が次々と発進コールを叫んでハルプから次々とバルキリーが熱核ジェットエンジンに火を入れて飛び去って行く。次々と飛び去る中、最後に残ったのは俺たち、カタパルトの上でバトロイド固定のYF-19スーパーアーマードとファイター固定のVF-22フルブーストパック、ミサイル装甲を増設した重装型クァドラン・レアが並び立った。
「おい、あれって!」
「あれは去年の世界大会の時のやつ!」
「3人そろって参加か!おいおい、俺たちの分残していてくれよ!」
そりゃちょっと保証できないかも、と参加者からの揶揄いに心の中で答えながらREADYの画面が移り変わるのを待つ。
「どうしよっか、チーム名」
「いるか?それ」
「…絶対いる。ノリが大事だよアルト」
「そりゃ、そうか。んじゃあ、あれだな。アレ」
『YF-19、VF-22、クァドラン・レア発艦準備よし!カタパルト制御をパスします!発進どうぞ!』
「アイハブコントロール、んじゃあ…」
「「「オリオン小隊!いきます!」」」
ぴったり声が揃って、同時にカタパルトを飛び立った俺たち。オリオン、オリオン座の真ん中の3つの星を自分たちになぞらえたこのチーム名はヒマリがこれいい!と思いついてツムギも賛成したしじゃあそれで行こうとほとんどノリで決まったチーム名だ。同時にハルプが大気圏を突破して着水、陸戦用の機体たちの足場になる。着水の波で大きな津波が起こるがそれをものともしないファイターたちが大興奮でそれを迎える。それを見たマクロスは自分も同じようにカタパルトデッキを起動し、バルキリーとはまた違った航空機を外に出した。
「んだあれ?」
「バルキリー、じゃないよな?」
「まだ新機体あるの!?やばすぎるっしょ!?」
「くうううう燃えてきたああああ!!!」
「ああ、お前のプラモも燃えてるな。焼夷弾で」
「うわああああ俺の紫電んんん!!!」
「スマン誤射した。許してクレメンス」
「謝る気ないだろお前ええええ!」
「この弾幕の中で誤射しない方がおかしいのでは?」
「いっそ清々しい開き直り」
『警告!マクロスより無人兵器ゴーストの射出を確認しました!制空権を奪われないように注意してください!ミッション内容に変更はありません!』
ゴーストX9、マクロスプラスに登場した兵器だ。無人兵器というと人が乗ったほうが強いじゃろwwwという基本的なアニメの考えとは全く別で、マクロスにおける無人兵器ゴーストは鬼強い。ぶっちゃけ人間が対処するのは無理なレベルだ。マシン・マキシマム構想という人間が乗らないという前提で機械の限界まで運動性を追求することにより人間が追い付くことは基本的に不可能な軌道を当たり前のようにする。そして機械だからミスがない、慈悲がない、冷徹で効率的な最強の兵器、これがマクロスにおけるゴーストだ。
そして次々と発艦していくゴースト群、マクロスプラスにおいて撃墜するというそれだけの行為にエースパイロットの命を要求してきた悪魔の兵器。それが雨あられと飛び交う、レーザーが四方八方から俺たちに殺到する。何とか躱すバルキリーたちだがやはり難しいのか反撃まではいけない模様。それをフォローしてるのがもともといる飛行機プラモ組だ。
「うわっ!何だこの機動!あたらん!」
「ドッグファイトでチキンレース!最高じゃん?」
「烈風の名前の由来を教えてくれるわ!」
俺にもゴーストが殺到してくるが当然俺も落とされてやるわけには行かない、ビームガトリングで回避コースを誘導、そのままガンポッドを使って逃げ場を封じ、ビームガンで撃ち抜いていく。あー、まあ本来想定してるのがタツヤさんレベルだから制限付きのゴーストなら俺でも落とせそうだ。あっやばいあっち落とされそう?助けに…なんだあの赤い飛行機の編隊は!?赤い飛行機がゴーストに弾を打ち込み、ゴーストは凍結して落ちていった。どっかで覚えがあるんだよなあれ…
「ジェットロボ!ハイパーモード!合体、はじめ!」
『ハイパーモード!合体はじめ!スカイロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!』
エフェクトが機体を包み込み、編隊が一機を中心にして変わる。中心の機体よりも小柄な機体が形を変えてフォーメーションを取った。
『合体準備よし!4番機よし!5番機よし!2番機、3番機よし!起動!各部異常なし!レスキュー合体、ハイパージェットロボ!』
「おっしゃああきまったああああ!いけ!ハイパージェットロボ!」
「なんじゃああれかっけええええ!」
「負けてられるか!合体ならこっちにもあんだよ!」
「お前、まさか…?」
『合体!』
「レスキュー、5体合体!」
『ドラゴンアップ!』
「完成、グレートワイバーン!」
ハルプの上を陣取った消防車、タービン車、ドーザー、ヘリコプター、輸送ジェット機がそれぞればらけて組みなおされる。生まれたのは勇壮な機械のドラゴンだ。吠えたドラゴンが空へと舞い上がる。うおおおすげえええ!あれ分割機構なら俺よりもすごいぞ!?空を飛んで、大きな赤いロボットに変わった飛行機がビシッ!とポーズをとるのに合わせてドラゴンが後ろで吠えた。めっちゃ絵になる。カッチョいい!後で沢山話させて!お願い!とりあえず邪魔させないように周りのゴーストを全機撃墜しながら光景を目に焼き付けるのだった。
「アルトくんっ!みんなすごいねっ!」
「…合体ロボとはびっくりした。ねえアルト、負けてらんないね」
「ああ、いっちょ決めに行くか!タッチダウンをよ!」
「その話、ワイにもかませてもらえまへんか?」
俺たちの会話に割り込んできたのはクロスボーンガンダム素体と思われる機体、だけどこれは…ガンダムXの部品がニコイチで使用されてる?そしてこの声、マオか!マオが自分のガンダムX魔王に代わる新機体を作り上げて参戦してくれていたようだ。にやりと帽子を指で押し上げてかっこつけるマオ、イカしてるじゃん?
「わー、マオくん新機体!かっこいい~~~!」
「…ナイスタイミング、アルトいけそう?」
「おうさ、おいマオ、サテライトキャノン、あるな?」
「お見通しですか、ええありますよ。とびっきりのがね」
「最高、一発ぶちかましにいこうぜ」
「のりました!」
そうして何とかゴーストたちに食らいつくバルキリーを助けに行く。いや、でも割といい勝負してるかな?ミサイル飛び交う戦場を戦艦からの対空射撃で何とか持ってる感じだ。スピードに優れるツムギのVF-22が先行して包囲に風穴を開けて、ゴーストを撃墜していく。後ろで援護してくれるヒマリのクァドランから50を超えるミサイルが一気に発射されバルキリーを追いかけまわしていたゴーストに次々着弾して危機を救う。負けてられないな!
俺とマオもゴーストの大群の中に突っ込んで持ちうる火器を総動員して雨あられと襲い来るゴーストを撃ち落としていく。襲い掛かってくるハイマニューバミサイルやレーザーを時に躱し、時に撃ち落とし、ピンポイントバリアやビームシールドで弾きながらお互い競い合うようにゴーストを撃ち落としていく俺とマオ、爆発が機体を照らした。
「マオ、いま何機だ!?」
「28です!アルトはんは!?」
「29機だよ!」
「いま29機になりましたわ!」
「もー、二人とも競ってないでいくよ~!」
「…男の子はこれだから…えっ!?」
突如俺たちの周りのゴーストだけ動きが変わった。多分リミッター外してきたな?やってくれるぜ、カイザーさん!ハルプとマクロスが向き合い、お互いにバスターキャノンを準備し始める。ハルプに殺到するゴーストを追いかける俺たち、周りのプラモたちもハルプの援護に向かう。大盤振る舞いだ!持ってけ!とミサイルを全て打ち出してみるが…撃墜したのは5機か、他は迎撃しやがった。
バスターキャノンが同時に発射され射線上で交じり合う、大爆発、ありえないほどの津波が起きて小型船は転覆、海の上に立つフィギュアたちも押し流され、大きな戦艦すらも後退を余儀なくされた。やばいぞ、押されてきた。ゴーストの動きが変わるだけでここまで…!
『入電!マクロスが飛行を始めます!阻止してください!繰り返します!マクロスの飛行を阻止してください!』
「きたっ!マオ!ちょっと乗ってくれるか!」
「いつでも!」
「上で最大出力でぶっ放せるようにしといてくれ!頼んだぜ!」
このミッションのラスト、マクロスの飛行阻止。ラストスパートだ。ここでマクロスを押し込んで、動きを封じる。具体的な方法は台本時点では考えてない、あくまでその場に留めればミッション成功だ。ここから、あのマクロスの動きを封じて、でっかいのをぶち込んでやる!
「さて、元気が有り余ってるやつ!手伝ってくれますかー!?」
「まかせろ!」
「呼んだ?」
「銛が続く限り!」
「「「「「いけるぜええええええ!!!」」」」
「最高です!やることはただ一つ!弾幕くぐって、マクロスにタッチダウン!」
「「「「「おっしゃああああああ!」」」」」
「ファイナルレスキュー!」
「食らえこれが超重力砲じゃあああ!」
「ぐええええかたすぎいいいい!」
そう言って様々な機体がマクロスに殺到していく、飛ぼうとしているマクロスの側面を海の中から潜って近づいたアッガイなどの伏兵が昇り、上空ではバルキリーや戦闘機が何とかリミッターを外されたゴーストとやり合っている。よっし、俺たちも!
「アルトくん!いって!」
「…こっちは、まかせて」
「おう!頼んだぜ!」
ハルプの対空防御をしてくれる二人の言葉を受けて俺もスーパーアーマードを外し、スーパーパックだけの身軽な姿になる。ファイターに変形し、先行した機体たちを抜き去って、追いすがるゴーストのミサイルを躱しながらマクロスに近づく。カイザーさんが俺を認識したのか弾幕を俺にだけ向かって濃くしてくる。が、落とされたって引いてやるもんか!あと少し、後ろが邪魔!とレーザー機銃でゴーストを撃墜してさらに加速、艦橋の目の前へ。
『マクロス、飛びます!離れてください!』
「まだああああああああ!!!!」
濃い弾幕の前に被弾したスーパーパックを切り捨て、素の姿のYF-19になる。艦橋は目の前、やることは…突っ込めええええええ!バトロイドに変形し、盾とピンポイントバリアで機体を守りつつ艦橋に突撃する。2日通して初めて、マクロスが傷を負った。中枢である艦橋に突っ込まれたことで一時的に機能がダウンする。今!
「マオオオオ!!!」
「任せてください!これが、スカルサテライトキャノンですっ!」
瞬時に離脱した俺のいた部分に、マオの乗ったクロスボーンガンダム魔王のサテライトキャノンの極光が打ち下ろしてくる。すんでのところで機能を取り戻したマクロスがピンポイントバリアで防ぐが…押されてじりじりと海の中に沈んでいく。極光が晴れたその先には、沈黙したマクロスが静かに佇んでいた。
『マクロス、飛行反応及び戦闘反応消失!ミッション成功ですっ!』
「「「「「「やったあああああああ!!!!」」」」」」
ミッションの成功に喜ぶ参加者たちGPベースがミッションの終了を宣言して機能を落としていく。佇むだけになったマクロスを眺めつつも自分たちのプラモを回収していった。でもま、ここからなんだよな。
「面白かったです~~!きたかいがありましたわ!」
「おう、ありがとさんマオ。それじゃ、この後も楽しんでくれよな」
「もちろんですわ!それにしてもアルトはんやりますなあ、あんな弾幕越えて本当にタッチダウンしはるなんて」
「なんか、ちょっと感動したよ。やっちまった!ってかんじで」
そんなことをマオと話すと唐突に通信風のやり取りが始まる。ミッションが終了したので明日の3日目につなげるためのストーリーだ。参加者たちはまだ何かあるのかとワクワクしてるようだ。
『マクロス、沈黙し…フォールド反応!?マクロス、強行フォールドしますっ!デフォールドは地球の宙域です!』
『ばかなっ!?そんなことをすれば…!くそ、マクロスを落とすしかないのか…!?』
『まだ、まだ手段があります!今マクロスを乗っ取っているAIは指揮官型ゼントラーディと同じ思考パターンをコピーしたものです。感情制御はほぼありませんが、一つだけの手段が』
『まさか、カルチャーショックによる自意識のオーバーロードか!?ありえん!何が起こるかわからんのだぞ!』
『やるしかないんです!もしもマクロスを沈ませるなら一体いくつの命が犠牲になるか…!やりましょう、歌による最後の戦いを…!』
『…ミンメイ・アタックか…!』
そうしてぶつっと通信が切れる。映画のちょっとしたネタバレになっちゃうけど、この作品もマクロスを意識して作ってるから、こういう話もあるよってだけだ。会場は、今のやり取りが残した謎のワードに対する話題で埋め尽くされていくのであった。明日、明日がラストスパート。泣いても笑っても、明日で終わり。最高のものにしないとと俺は気を引き締めるのだった。
お待たせしました。2日目終了です。なかなかネタが思うように浮かばず難しいですがこれで残すところあと1日です。
マクロスへのタッチダウンをどうしてもさせたくて強引な展開になったのは反省しています。すいません。ちなみにマシンロボレスキューとレスキューファイアーはそういえばこんなのもあったなという唐突な思い出しに成功したので登場あそばされました。ラストスパート、頑張ります
それでは、同時更新の番外編もよろしくお願いします。また次回で会いましょう
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最終日 ミンメイ・アタック
「じゃ、アルトくんイベント後にね~」
「…アルト、応援してる」
「ああ、二人とも協力してくれてありがとう。二人がいなかったら、どうなってたか…頼んだぜ」
「もっちろん!最高の歌を歌ってくるよ!ね、ツムギちゃん!」
「…ん。アルトが操縦できないくらい、釘付けにする」
「ああ、お前らから目が離せないようにしてくれよ。それで落ちてやるつもりはないけどな」
最終日の現地入り、昨日は完全に私用でイベント参加してしまったけど今日は俺たち全員まとめて演者だ。特に、今日のために作ったステージで歌うことになる二人は化粧やら衣装への着替えやらで先に俺たちと別れて準備をすることになる。次に会うのは会場のステージの上。あとは神頼みってな。いや違うか、成功させるんだ。俺たちの手で。
控室、ここにいるのは俺が直接頼んだ精鋭たち、マオ、セイにレイジ、チョマーさんフェリーニさんグレコさん…そしてカイザーさん、タツヤさん…もう準備は出来てるようだ。細かい言葉はもういらないだろう。唯一違いがあるとすれば昨日までのイベントを見てマクロスの同時操作は難しいだろうとカイザーさん以外にもパイロットが増えたことだ。それは、挑んでくる参加者側が想定より手強いということで、嬉しい悲鳴というやつだ。だから、マクロスはカイザーさん、ハルプはグレコさん、そしてクォーターはチョマーさんが動かすことになった。歴戦のファイターたちだ、全く異論はない。
「アルト君…君の夢の舞台にかかわらせてもらえる、礼を言わせてほしい。最善を尽くすよ、メイジンとして…ユウキ・タツヤとして!」
「はい、タツヤさん。VF-27、貴方にこそ使ってほしかった。お願いします」
「アルト、僕らも手伝うから」
「へっ、お前らとの決勝前にいい準備運動だぜ!遊びだからこそ本気になれる、その通りだった。礼を言うぜアルト」
「気にすんなよ。じゃ、やりましょうか!よろしくお願いします!」
「「「「まかせとけっ!」」」」
時間となる、シンと静かになった会場。この時だけは盛況な物販スペースも組み立て用スペースもすっからかんになって特設の巨大GPベースにみんな集まる。会場が暗くなり、ブリーフィング風の通信が始まった。
『今マクロスは?』
『はい、大気圏を超え月と地球の間にデフォールドしました。次のフォールドまでには1日はかかるものかと』
『そうか、ならば今しかあるまい。ミンメイ・アタック…成功させねばならん。クォーターは?』
『現在該当宙域に向かって航行中。分離中のため現地でのドッキングののち作戦を開始します。ハルプは現在補給と修理のためマクロスシティに停泊中。完了次第出撃予定です』
『よし、では始めよう。クォーターへ連絡を取れ!こう伝えろ「歌で風穴でも開けてやれ」とな!』
『了解!クォーター、デフォールドします!』
さて、始まるぞ。俺が夢にまで見たマクロス同士の艦隊決戦、歌による戦いが。通信でつながった全員の顔が引き締まる、んじゃ、スタートだっ!!!
『ミッション!マクロスとの最終決戦を援護してください。ミンメイ・アタックを成功させるためデフォールドするマクロス級、マクロス・クォーターのドッキングを最優先に!ご武運を!』
「おっしゃあああ!行くぜ!チェェェェンジゲッタァァァウヮンッ!ゲッタァァ…トマホゥゥク!」
「あの無人機がまた…!邪魔させるなよ!なんだかわからんが援護だ援護!」
「おっしゃ任せとけ!どさくさに紛れて俺がいいとこかっさらってやる!」
「ところでお前は何乗ってるの?」
「風雲再起だけど?」
「乗っていい?」
「ええぞ」
「ってまさかあれ…!もう一つ戦艦!?いや、5つか!サイズだいぶ小さいけど!」
「おい馬鹿っ!なんか無人機殺到してるじゃねえか!止めろ止めろ!でかいほうは後回しだ!失敗したらいやだろっ!?」
デフォールドの表現としてそれぞれ離れた位置からヒマリとツムギが乗ってる設定のセンターハル、左の空母艦になるARMD-L、同じく主砲のARMD-R、背部ブースターになるBASTER-L、BASTER-Rの5つの戦艦に分割した状態で戦場に現れた。俺、タツヤさん、フェリーニさん、レイジとセイ、マオが収まってるのはARMD-L、ここに離着陸システム、ついでにバルキリーの自動パック換装システムを仕込んである。他はスペースぎっちぎち、特に今までにない分離合体という機構が大きくスペースを圧迫しているのだ。ついでにフォールドサウンドステージもだけど。難しいな、プラモって。
『マクロス・クォーター、ドッキングフォーメーションに入ります!』
「マジかっ!合体だ合体!ロマンいっぱい夢いっぱい!」
「すっげええええ!マクロスやべえ!何だあれ!」
そうでしょうそうでしょう、マクロスってすごいんだぜ?ドッキングの準備に入ってフォーメーションを組んだクォーターに殺到するゴーストたちを様々な機体が撃墜していく。ある意味でMS乗りたちのホームともいえる宇宙戦のためなのか、それとも隠れた強者たちが最終日狙いでわんさかいるのかは分からないが…世界大会にも引けを取らない濃度かもしれない。
クォーターがチョマーさんの操作で重厚な音を立てて合体する。要塞型で向かい合う2機のマクロス級、大きさの違いは一目瞭然なれどここからが本番、さあ頼むぜ二人とも!
『クォーターの合体を確認!フォールドサウンドステージ、スタンバイ!フォールドサウンドステージ、スタンバイ!クォーターより各機、発進どうぞ!』
「イオリ・セイ!」
「レイジ!」
「「スタービルドストライク!行きます!」」
「ヤサカ・マオ、クロスボーンガンダム魔王、行きます!」
「リカルド・フェリーニ、ガンダムフェニーチェリナーシタ、出る!」
次々とクォーターの左腕、カタパルトの上から発進していく俺の戦友たち。クォーターの周りを飛び回りながら他の機体とは一線を画する動きでゴーストを次々排除していく。多分始まったらリミッター切れるだろうし。しかしセイのやつ、決勝用の機体で出るとか言い出すとはな。直すからいいんだ、レイジなら落ちないだろうし、アルトの本気にこたえたい、だなんて最高の親友を持ったよ俺は。
「先に行かせてもらう。アンタレス1、出撃する!」
続いてカタパルト下からせりあがってきた機体、VF-27ルシファーが初めて日の目を浴びた。新作の登場にまた会場が沸く、4基の熱核バーストタービンを唸らせて真空の宇宙に旅立った明けの明星は今までにないバルキリーの新装備であるビームガンポッドでゴーストたちを追い詰めていく。
さて、俺も行こうか。クォーターの内部でアームに掴まれたトルネードパックが俺のVF-25に装着されていく。カタパルトに上がった俺のVF-25は、重力制御が無くなって軽く浮いたのを確認し、各部のチェック、偏向ノズル、エンジン、武器、ミサイル開閉、オールオッケー。
「スカル4、行きます!」
多くの言葉はいらない、画面のREADYの文字がGOになった瞬間、表示されるホログラフのレールに沿って俺のVF-25は宇宙へ飛び立った。それが終わった瞬間に、GPベースの外、ステージでは異変が起こる。せりあがってきた特設のステージ、立つのは左右非対称ながら二人で並ぶとシンメトリーになる衣装に身を包んだ歌姫の姿。ああ、よく似合ってるぜ二人とも!
『フォールドサウンドステージ、展開!ピンポイントバリア集中!フォールドウェーブ、正常!ミンメイ・アタック、開始します!』
『ミッション更新!ミンメイ・アタックへの妨害を防いでください!わかり合うための歌を途切れさせないで!』
「何だか知らんが盛り上がってきたあああ!」
「あれは…ヒマリちゃんにツムギちゃんだ!まさか…」
「歌…歌だ!戦場に、歌が流れる!」
「言われなくても傷一つつけるかよ!おら、お前ら気張れや!機械に負けて満足か!?」
音楽が、流れる。ミンメイ・アタックとは、ゼントラーディの文化に対する免疫のなさを利用した戦術、文化を相手に叩きつけることでカルチャーショックによる混乱を引き起こす、ある意味では兵器。だけど今回は、分かり合うための歌。ミサイル飛び交う戦場の中の歌姫たちが、高らかに歌い上げる。
「「私たちの、歌を聞けーっ!!」」
ヒマリとツムギ、二人そろって指を天にさしてのポージング、その声にひかれるようにマクロスが進路を変えた。
「星を廻せ 世界の真ん中で くしゃみすればどこかの森で蝶が乱舞」
「君が守る ドアの鍵デタラメ 恥ずかしい物語」
「「舐め合ってもライオンは強い」」
爆音で流れる音楽、GPベースの上の参加者だけでなくその外周で見守る観客たちが一気に盛り上がる。ライオンだ!という二人のファンと思わしき人の声。さあ、歌を聞け!GPベースの上だろうがそうじゃなかろうが、この歌を聞いてマクロスの世界に入っていってほしい。
「ライオン来たあああ!」
「おいっ無人機、ゴーストっつったっけ!?」
「動きぶれてきてんぞ!押し流せっ!」
「「生き残りたい 生き残りたい まだ生きてたくなる」」
「星座の導きでいま 見つめ合った」
「「生き残りたい 途方にくれて キラリ枯れてゆく」」
「本気の身体見せつけるまで」
「私眠らない」
ライオンのサビが終わった瞬間にマクロスの動きが止まる、カイザーさんの仕込みだ。ここで始まるのはバスターキャノンによる主砲の発射、これを防げば成功、発射させてしまえば失敗のルート分岐だ。さあ、どう出る。主砲に集まる光、それを前にして回避運動を取る機体の中、一機だけ真反対に突っ込む機体。
「撃たせて、たまるもんですかっ…!行くわよっ!スゥゥゥゥパァァァァ、イナズマァァ…キィィッッックッッッ!!」
「ガンバスターだっ!反則だ!」
「気合完璧だぁ!後で話そうぜ!」
「巻き込まれた俺氏について一言」
「さっさと下がれよローストチキン」
「誰がチキンじゃい!」
閃光一閃、大型サイズの黒いスーパーロボットが放った稲妻を纏った飛び蹴りは、バスターキャノンの片方をピンポイントバリアを貫通してへし折った。すっげええええ!!いやマジですげえ!あの裂帛の気合をプラフスキー粒子が受け取ったに違いない。ここで分岐終了だ。ミッションは成功、拍手喝采だぜ!
曲調が変わる、するっと入ったのに気づいた観客たちがメドレーだっ!と俄かに沸き立つ、成功演出だぜ、ここで失敗してたら一回曲が止まるからな。
「「消えることのない希望が この手にあるから」」
「サヨナラを抱きしめて 愛しさを抱きしめて 君への」
「「思いで世界」」
「埋め尽くしたい」
まさかの主砲使用不能という事態に対して操縦席にいるカイザーさんが通信越しにニヤリと片頬を上げた。当然それは強者たりうるファイター全員に言えること、共通しているのは「戦ってみたい」それだけ。VF-27がバトロイドになってミサイルをまき散らす、とてもバルキリー歴が浅いとは思えない動き、さすがはメイジン。負けてられない、背部ビームキャノンを縦横無尽に動かしてゴーストを次々狙撃していく。歌があると気合の入りが違うな、動きもよくなるってもんだ!
「ヒラリヒラリ飛んでった ポロリポロリ泣いちゃった 約束の地の果てで」
「「もう一度」」
「会いたい」
「うおおおおおヒマリちゃんツムギちゃあああああん!」
「ファンクラブねえの!?入らせてくれ!というか作る!」
「うおおおお去年から追っててよかった!ゲリラライブなんて…!」
ステージ上では歌い踊る二人の姿に観客席の人たちが大盛り上がりしてる。凄いな二人とも初めてのステージとは思えない。二人そろってパチリとウインク、わぁっと沸く会場、あんなに恥ずかしいだの何だの言ってたヒマリは完全に振り切れてアイドルそのものだし、ツムギも堂に入っている。つまり、最高の歌姫たちなわけだ。
『マクロス、電子制御システムの防御を放棄!中枢AIへの侵入を誘っています!データ受信!これは…全機一旦攻勢を中止してください!マクロス停止します!』
「おっしゃやったあああああ!」
「これが宇宙蟹の力じゃ!タスマニアキングクラブ!食べてもうまいぞ!」
「R-typeの波動砲は宇宙一ィィィィィ!」
マクロスが推進と弾幕をやめ、ゴーストたちも次々と停止していく。ここで俺とタツヤさんは変形、ファイター状態で曲芸飛行、目指すはクォーターにあるフォールドサウンドステージ、歌い踊る彼女らも俺らに合わせた振付へと変わる。白亜の救世主と赤紫の明けの明星の軌跡が歌に彩を添える。
「キューン」「キューン」「キューン」「キューン」
「私の彼は」
ツムギの指が俺のVF-25を指し示す、小首をかしげて片方の碧眼をつぶる彼女、不覚にも魅了されそうになった。何だそのアドリブ!?
「私の彼は」
同じようにヒマリの指が俺を指し示す。いたずらに成功したような彼女の笑顔でこれは完全に仕込んでいたなと悟る。多分これ絶対スタッフたちも仕込んでただろ!俺に秘密で!まあいいや乗ってやろうじゃない!はじけるようなヒマリの笑顔、きっと最高に楽しいんだろう。ちょっと、いやかなり目を奪われた、ここだけの話。
「パイロット」
「パイロット」
二人の声が重なって響く、こっちを指し示した指を鉄砲を撃つようにパンと息を合わして動かすと、二人の指先からハート形のビームが打ち出された。GPベースを利用してのエフェクト操作、多分これ当たっても大丈夫というか当たるのが前提の演出だ。避けたら、いや当たってくれると信じていたのか。当然、あたってやろうじゃん?
回避行動をとらなかった俺のVF-25にビームが直撃、思った通りダメージは皆無だったけど、メサイアを中心として大きな大きなハート形の花火が打ちあがった。マジか~~~~、やってくれたな二人とも。楽しいから許す!続き、頼んだぜ!
見えないはずのアイコンタクト、なのにお互い分からないモニター越しにばっちり目があった俺たちは、前へ向き直るのだった。
いやはやお待たせしました。最近ちょっと忙しかったもんでこっちがおざなりになりましたね。番外編とどっちを更新するか迷ったんですけど待ってる人がおおそうなこっちにしました。
さて次回、もしくは全中後半かもしれませんがクライマックスです。ちなみにもう作者のロボストックネタがないので新機体は期待しないで。その代わり頑張るのでゆるしてください
皆さん予想していたと思いますけどメドレーです、はい。いやだって最終決戦ってこういうメドレーのほうが燃え…作者の好みですごめんなさい。
ではまた次回、お会いしましょう
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イベントラスト ユメノオト
『マクロスより送られたデータを解析…!これは、まさか!?』
『そう、全ては私が新統合軍を牛耳るための布石だ。マクロスという過去の遺物も新しい未来には必要あるまい?故にだ、力を持った者どもを一掃するためのこの騒動、というわけだよ』
『入電!ハルプが大気圏を離脱してきます!マクロスシティは現在都市機能が麻痺!新統合軍本部への電子攻撃により援軍は期待できません!』
『さて、歌姫もろとも、消えてもらおうか?』
『戦場の皆さん!マクロス・ハルプによる反逆が発生、このままでは新統合軍の機能が麻痺します!応戦してください!』
「おうおうおう次から次へとなんじゃ!?」
「今度はアレか?昨日味方だったやつ?」
「展開のジェットコースター「ヒヒィィィン!」なんだ今の音!?」
「スマン俺の風雲再起」
「「「「音どっから出てんだよ!?」」」」
怒涛の展開とはまさにこのこと、マクロスが停止したと思ったら次は味方だったはずのハルプが敵になる。まあ、これとは別にマクロス自体が味方になるんだけどな。それはともかく、歌は続いてるんだ。さあ、さっきのヤツにのってやったんだから頼むぜ二人とも!さっきのもそうだけど!新曲ラッシュだ!
「もし生まれ変わって また巡り合えるなら その時もきっと アタシを見つけ出して」
曲調がまた変わる、ステージの後ろの大画面に大映りになったのはクォーターに主砲を向けるハルプの姿だ、まずいと思ったらしい参加者たちが防ごうとするが距離が遠いため間に合わない。まずいと参加者たちがヒマリとツムギの方を振り返る。彼女らは変わらず歌っている。大きな味方がいるから!
「もう2度と離さないで捕まえてて 一人じゃないと 囁いてほしいPLANET…」
「マクロスが…動いた!?」
「まもったのか!?」
「なんか知らんがサンキューマクロス!」
「つーか新曲じゃねえか!ツムギちゃんソロとかいいやんけ!」
「MY song might keep living in your mind 愛しい人」
「「貴方がいたから 歩いてこれた」」
「ひとりなんかじゃなかったよね? 今答えがほしい」
途切れない歌、クォーターの目の前に滑り込んだマクロスがピンポイントバリアでハルプの主砲を防ぎ切ったのだ。それに驚愕したのは当然参加者たち、動きを止めて沈黙した敵だった戦艦が突然味方への防御行動を行ったのだ。その目的が分からないのだから当然警戒もする。
『マクロスAI「
「マクロスが味方になったか!」
「燃える展開来たぁぁぁぁ!」
「ってことはあとは…!」
「あいつだけ!」
ようやっと交戦距離までやってきたハルプに参加者たちが殺到する。ここでまたメドレーが進んだ。さっきまでのツムギメインのダイアモンドクレバスから、ヒマリが歌う星間飛行へ。大きく息を吸うヒマリ。
「みんな!抱きしめて!銀河の!果てまで!」
キラッ☆と完璧にポーズを決めたヒマリに視線が集中する。観客席の爆発せんばかりの盛り上がり、ハルプから発進してくるのはゴーストとバルキリー、全員スタッフさんが乗っている専門部隊だ。当然ただでは落ちない、撃墜される参加者もいるがそこを埋めるのが猛者がいるかどうか、タツヤさんのVF27がゴーストが1列になった瞬間グレネードモードのビームガンポッドを発射、まさかの3体同時撃破にさらに会場が沸く。
「流星にまたがってあなたに急降下 ah ah 濃紺の星空に私たち 花火みたい 心が光の矢を放つ」
「また新曲か大盤振る舞いだな!」
「いいぞー!もっと歌ってくれ!」
ここで俺はクォーターに着艦してトルネードパックを外す。クォーターの中の自動パック装着システムによって俺のVF-25に別のパックが装着されていく、選択装備はアーマードパック、バルキリー史上初の3段変形に対応したアーマードパックだ。背部大型ユニットには追加ロケットエンジンと回転式ビーム砲塔、さらには多数のミサイルにロケットの超火力重視装備。中継のモニターに脱着の様子が流れて会場に熱が籠る
「「流星にまたがって あなたは急上昇 oh oh 芥子粒の命でも私たち瞬いてる 魂に銀河雪崩れてく」」
もう一度の発進シーケンス、歌詞に合わせて流星のように飛び出した俺がクォーターのフォールドサウンドステージの目の前へ、モニターに大写しになったメサイアが変形、バトロイドに変わる。ヒマリとツムギはそれに合わせて敬礼、俺のメサイアも敬礼して飛び去る。さあラストスパートだぜ!
「Darlin 近づいて服従? NO YOU NO LIFE ナンツッテ もう絶対」
「「もう絶対 need your heart need your love」」
「OH YES!! スウィートでKISS」
「のっかっちゃってる恋でも」「恋でもGO」
『この戦場にいるすべての兵士に告ぐ、マクロスは、我々の真の敵ではない!ハルプが、そのハルプに巣くう者どもこそが!この銀河を脅かす真の敵である!』
ここで流れるのはフロンティアの名言のオマージュ。俺の知る中で最もいうにふさわしい人、ラルさんにお願いしてこの演説セリフを取らせてもらった。やはりガンプラ界隈ではラルさんは有名人らしくラルさんの声!という反応がそこかしこから聞こえる。ちなみにノリノリでやってくれたよ!サンキューラルさん!
周りを見渡す、いろんな機体がいた。初代ガンダムがいた、真ゲッターロボもいた、見覚えのあるZZガンダムの姿、そして俺の戦友たち。これがお芝居のイベントだということを忘れてしまいそうになるほどに、みんな熱が籠っている。そしてそれは俺も、敵側を演じているスタッフさんたちも一緒、本気でこっちを落としに来てるんだ。
「もう一回なんてないから」
「「HAPPY no more chance no rules」」
『己が翼に誇りを持つものよ!我と共に続け!』
『ミッション更新!銀河の平和を乱すマクロス・ハルプを撃沈、総力を持ってその野望を打ち砕いてください!』
「「「「「おっしゃあああああ!!!」」」」
「こういうの待ってた!」
「も一発もってけえ!」
「露払いは任せろ!これが掘削用波動砲の威力じゃあああああ!」
よし、ここからだ!参加者のやつらの度肝抜いてやろう!さあ、ヒマリとツムギ!合図頼んだぜ!迫るハルプの対艦重ビームをマクロスが防ぎながらクォーターが前に出た。始まるぞ!
「「カウントダウーン!!」」
ヒマリとツムギが手を上に伸ばして3本立てる。同時にモニターが切り替わる、歌は、終わらない!
『これより艦隊戦に入ります。総員、指定の位置へ待機してください』
「3」
「HEY! I count down!」
唐突に始まったカウントダウン、ヒマリの言葉についていけた人はいない。あげた指を3本から2本にする。意図に気づいた観客が次に答える
「「「「2」」」」
「Are you Ready?」
ツムギの声に観客が合わせた。モニターの数字が1に変わる。さあ、くるぞくるぞ!
「「「「「1」」」」」「「「「「1」」」」」
「もう待てないよ!」
『全軍、これより艦隊決戦に入る』
「0」「0」
「愛、鳴らして!」「愛、鳴らして!」
『全艦、トランスフォーメーション!』
ぐぐ、とマクロスとクォーターが変形していく。やはりマクロスと言えばこれ、戦艦が人型に変わるトランスフォーメーション、その巨体が人型に変わるそれは、ロマンと格好良さに溢れている。要塞型から強行型へトランスフォーメーションしたマクロスとクォーターが同じく変形したハルプに向かって突撃していく。
「「「「「嘘だろ!?」」」」
「変形しやがったぞ!変態だ!」
「戦艦まで変形させるとか馬鹿じゃねぇの!?」
「いやでも最高だわ!ここまでやるか普通!?」
「この徹底的な感じ、大好きだぜ!いくぞおらああああ!」
会場が、爆発する。温存に温存を重ねたトランスフォーメーションの初お披露目だ。これまでの作品において母艦が変形するという奇天烈な構造をもつ作品は少ない、新鮮さと驚きなら十二分に与えることが出来る。さあ、俺もやってやるぞ!
「アルト!」
「アルトはん!」
「フェリーニさん!マオ!」
「おうさ、さあ一発かましてやれよ!援護するぜ!」
「盛り上がりはピークです!いってきてください!」
フェニーチェリナーシタとクロスボーンガンダム魔王の援護を受けて俺のVF-25が舞い上がる。後ろから大火力のビームが俺に追いすがるゴーストたちを薙ぎ払った!なおもわらわらと近づいてくる敵バルキリーとゴースト、さあやってやろうじゃねえか!
「おっと主役はまだまだ出番は先だぜ!行くぜぇ!」
「まっかせなさい!」
「What bout my star? 」
「この歌に負けない派手な技だ!ストナアァアァァァァァァ!サアアアアアアァァァァン!シャイイイイイイイイイン!」
「ガンバスターの力の見せどころよ!ホオオォォォミングッ!レェェェェェェザアアアァァァァァァ!!!」
シャウト、気合の入り方が尋常じゃない赤と黒のスーパーロボット二組が俺の眼前のすべてを薙ぎ払った。グッドサインを立てて俺を見送る2機の間をすり抜けて、ハルプの喉元に向かって飛ぶ
「生き残りたい 生き残りたい まだ生きてたくなる! 星座の導きでいま 見つめ合った」
「What bout my star? What bout my star? 」
「おいおいマッシュアップなんて燃えるなんてもんじゃねえな!アルト!」
「よう飛行機乗り!活路は俺たちが切り開かせてもらうぜ!」
俺の横に並んだのは変形したアビゴルバインとGフォートレス、ルワンさんとZZの彼だ。この後改めて自己紹介しよう。彼ともきっと長い付き合いになる。オーラホーンで次々とゴーストを切り裂き、ミサイルで弾幕をはるアビゴルバイン、ダブルビームライフルとハイメガキャノンの圧倒的火力で敵をぶち抜くZZガンダムに見送られてさらに前に向かう。
「生き残りたい 途方に暮れてキラリ枯れていく 本気の身体見せつけるまで 私眠らない」
ビーム砲とガンポッドの予測射撃で物量戦を仕掛けてくるハルプ、そして主砲の励起を見せる。同時に、クォーターも右腕の主砲を構えた。マクロスキャノン同士の衝突、真空の宇宙を爆炎が包み込む。その中から飛んでくるのはあらゆるガンダムの主役機たち。
Zガンダムのビームコンフューズがゴーストを落とす、νガンダムのファンネルが飛ぶ、デンドロビウムがその大火力を発揮した。V2アサルトバスターの光の翼が活路を切り開く。ゴッドガンダムの石破天驚拳がクォーターへ近づくバルキリーを薙ぎ払う。
「おぼえていますか 目と目があった時を おぼえていますか 手と手が触れあった時」
「愛おぼえていますかきたあああ!」
「おっしゃアルト君を通せ!全力で援護しろ!」
「主役は譲ってやろうじゃないの!歌ってる子に恥かかすなよっ!」
∀ガンダムの月光蝶の光があたりを照らす。フリーダムのハイマットフルバーストがゴーストをまとめて撃墜した。デスティニーガンダムが残像を残してゴーストを切り刻む。ダブルオークアンタのバスターライフルがハルプに直撃してその巨体を揺らがせる。反撃の対艦重ビームを緑色に光るユニコーンガンダムのシールドファンネルが防いだ。
「何しに生まれたの?」「何しにここにいる?」
ガンダムAGE-FXのCファンネルが縦横無尽に駆ける。G-セルフパーフェクトパックのフォトントルピードがデブリごとピンポイントバリアを削り取った。ガンダムバルバトスルプスレクスのメイスとテイルブレードが邪魔な相手を粉砕する。初代ガンダムのラストシューティングが直上のゴーストを粉砕した。道が、開ける!一直線にその道を飛んだ。
「生き残りたい 埋まらない傷 光恐れてた 許された命がいま 惹かれ合った」
「アルト君、参戦が遅れてすまないね!こいつの修理に手間取ってたんだ」
「やあ、ここまでだと壮観だねアルト君。マゼラトップじゃないけど、一手添えさせてもらおう」
「ジュリアンさん!リョウさん!助かります!あと少しなんです!」
リョウさんのVF-11の稲妻のような動きがゴーストを翻弄し、バックジェットストリームを発動させたジュリアンさんのF91イマジンのヴェスバーが逃げ場を失ったゴーストを次々と落としていく。やはりこの空気だ!イベントなんか関係ない、遊びにマジになった人たち同士のつながりが、一直線に俺をハルプに導いている!飛べるぞ、これなら!
「彷徨い果てて 君の隣でほてり鎮めたい 本気の身体見せつけるまで 私眠らない」
歌が響く、GPベースのエフェクト機能を利用したヒマリとツムギのホログラフがマクロスの後ろに出現する。ハルプが恐れおののくように進軍を一時止める。
「生き残りたい 崖っぷちでいい 君を愛してる 目覚めたい生命が今惹かれあった」
「アルト君、いくぞ!」
「はい!タツヤさん!」
紅い彗星が切り込んできた。その主は当然タツヤさん、バルキリーで当たり前のように紅の彗星現象を発動させている、俺も負けてられない。何度だって見たその現象、俺だって!マニューバを変える、速く、鋭く!俺のメサイアも同じように紅く輝いた。
VF-25とVF-27のタッグ、お互いの死角をカバーしあいながら、時にガウォーク、時にバトロイド、ガンポッドを狙いすまし、ミサイルを一発も外すことなく敵機へぶつける。余りの速さにリミッターを完全開放したゴーストを片手間であしらえるレベルまでお互いがお互いを高め合っていた。
「狂気にかえて 祈り捧ぐよ 君を愛してる 星座の導きでいま 見つめ合った」
響く歌が、俺を冴え渡らせる。ヒマリとツムギの声が力をくれる。わかる、この大きな会場の中で彼女たちの声が向かう先が、視線がどこに行ってるか。誰を…見つめているか。ハルプの眼前へたどり着く、周りから襲ってくるゴーストたちをVF-27と背中合わせになりバトロイドの状態で回転しながらガンポッドで次々撃ち落とす。周りがきれいになった瞬間、俺はハルプを、タツヤさんはハルプの上から対空砲火をしてくるデストロイドたちを狙ってミサイルを撃ち、残りを掃討しにタツヤさんは下へファイターで突撃する。俺が放った虎の子の小型反応弾はハルプの顔面のピンポイントバリアを剥がした。
「「生き残りたい まだ生きてたい 君を愛してる」」
「アルト!」
「ようアルト!来てやったぜ!」
「待ってたぜ親友!レイジ!」
最後の最後で登場したのは俺の親友とそのパートナー、輝く翼を携えたスタービルドストライクだ。ゴーストのレーザーをたっぷりと吸収したと見える。シールドとライフルを連結したスタービルドストライクの眼前にプラフスキー粒子のゲートが出現した。俺も全てのミサイルを解放してハッチをオープンする。
「「「いっけええええええ!!!」」」
「「生き残りたい まだ生きてたい 君を愛してる」」
全力で全ての武器をぶっ放す俺たち。スタービルドストライクの眼前のゲートに打ち込まれたビームが超極太の照射ビームへと変わり、その周りを俺のミサイルとロケットの嵐が追随する。顔面に大火力を受けたハルプが大きく態勢を崩す。さあ仕上げ、ラストもラスト!これが本家本元の…!
「ダイダロスアタックだああああああ!!!!!」
「「本気のココロ見せつけるまで 私 眠らない」」
俺の号令と共に、その巨体に見合わない加速を見せたマクロスのダイダロスが分厚いピンポイントバリアを纏ってハルプの胸のど真ん中に叩き込まれた。中に入った瞬間にダイダロスのハッチがオープンしてデストロイドたちが反応弾をしこたまぶち込むのがモニターに大写しになる。背後に背負った歌姫のホログラフを照らすように、ハルプが大爆発を起こす。音楽が、鳴りやんだ。
『敵艦、マクロス・ハルプの撃沈を確認。ミッション成功です!』
会場が爆発する。喜びの声がこだまし、アンコールという大声に変わった。俺たちもこの夢のような時間の締めくくりをやはり飾ってほしいのはあの歌姫二人だというのは共通のようでアンコールの声に俺たちも加わる。それに応えたスタッフが、再び音楽を流し、歌姫がマイクを取る。
「君は誰とキスをする?」
「わたし」「「それとも」」「わたし」
「「君は誰とキスをする 星をめぐるよ純情」」
答えた彼女が歌うトライアングラーが俺のこの夢のイベントの終わりを知らせるのであった。
はい、これでイベント終了です。お疲れさまでした。これで残るはセイとレイジとの決勝戦だけですね。本編ちょっとだけ長かったですけどボリューム的に前中後半と引き延ばすのは難しかったのでこうなりました。ガンダム大量発生についてはこの機体出てねーぞ!というのはご遠慮ください。作者も頑張ったんです。一応いない機体は作中人物の改造機の素体として出ている感じです。フェニーチェとかクロスボーンガンダム魔王とか。
というわけで長々とほとんど番外編と言っていいガンダム関係なしイベントに付き合ってくださった皆さま、ありがとうございました。ご不満もあったでしょうが、作者の書きたかったものを形にできて満足しております。
では次回、もしくは次々回を持って完結とさせていただきます。短い間ですが今しばらくのお付き合いのほどをよろしくお願いします。
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決勝戦・ニブンノイチ
夢の舞台だった。間違いなくそう言い切れる。俺のマクロスという作品への思いを全て詰め込み、やりたいことをやりたい放題したイベント、プラモデル大交流会は盛況のうちに幕を閉じた。協力してくれた人はみんな、楽しかったと口をそろえて言ってくれて嬉しい限りだ。でも、俺の仕事はまだまだ残っている。
「来るとこまで来ちゃったな…」
そんな感じだ。もう、一つを残してやることをやり切った気分。そう、明日の決勝戦を残して。運営が公式審判組合に移った後、第七回ガンプラバトル世界選手権は、決勝戦を残してモラトリアムに入った。なんだか色々ごちゃついているけど、決勝はきちんと行われると聞いて胸をなでおろしたよ。ツムギのヅダも、調整を施して武装を変えた。タツヤさんの時に使った時よりも汎用性が大幅に上がっている。ツムギ相手にそれが必要かどうかは別にしてな。
怒涛の一週間だった。交流会が終わったら、燃え尽き症候群にかかったかと思うくらい力が抜けた。来年もやれたらいいな、マクロスを推しまくるのは今回だけにして、他の作品を軸に絡めたストーリーとか面白いと思う。夜も更けて冴えた目を持て余した俺はそう考えながらホテルの外に出る。ちょっと散歩だ、俺の集大成の二つ目、ツムギとヒマリの力がなければここまでこれなかっただろう。
あの二人には感謝してもしきれない。あんな、あんな風にお互い分かり合える人間なんてこの先同性含めたってそうは出てこない。セイは親友だけど、あの二人は一心同体、比翼連理と言えるかもしれない。多分、ずっと断ち切れない絆というものだ。前世含めて初めての経験、もしあいつらが何かもっとやりたいことを見つけられたなら、今回そうしてもらったように何を推しても駆けつけて、協力しよう。
「アルト」
「セイか、お前も眠れないんだな?」
「うん、そうだよ。ってことはアルトもそうなんだ」
そんなことを考えながら雲一つない煌めく星空の下をぶらぶら歩いていると、ベンチに座っているセイを見つけた。俺と同じように星空を見上げていた親友は俺の接近に気づくと苦笑して俺を出迎えた。僕と同じだなんてみたいな顔してるな。
「アルト、言いそびれちゃったけど…おめでと。イベント大成功だったね。流石は僕の親友」
「当然、親友に胸張れねえとな。どうだ、明日で全部決まりだぜ」
「…実感わかないや。あんなにバトルが苦手だった僕が世界大会だよ?それに、明日戦うのは親友たちだなんて。よっぽどのスペシャルだね」
俺から視線を外して空を見上げてそういうセイ、そうかもなあ。俺だって、誰よりもガンプラが好きで、ガンプラを愛していた親友と大会で1位を争奪しあうだなんて思わない、いや…思ってた。セイとレイジなら昇ってくるって。俺とヒマリの作るヅダと、セイの作るビルドストライクをレイジとセイが操って戦うんだって。こうなってほしいと思ってたことが現実となった。
「わっ!?アルト?」
ぐっとセイの肩を組む。明日になったらライバル同士だ。強烈な発破と宣戦布告をしてやる。
「セイ、俺は一足先にやりたいことやってやったぜ。俺の夢は先に半分叶った」
「アルト…」
「だからさ…もう半分、奪って見せろよ。俺に置いていかれるお前じゃねーだろ。掛かって来いよ、相棒と一緒に。お前の夢、俺達を超えて叶えて見せてくれ。ま、俺達が勝たせてもらうけど」
「…アルト、負けないよ!明日勝つのは、僕とレイジだ!」
そう言い切ったセイに満足した俺は親友の肩を放して背中をバンと叩いてからその場を後にした。そうだ、俺たちが戦いたいのは本気のお前たち、スタービルドストライクを打ち破るのは、俺たちのヅダだ。
『さあ、第7回ガンプラバトル世界選手権、フィナーレの時間がやって参りました!決勝戦に残ったのは2組のファイターたち!イオリ・セイ、レイジチームとイロハ・ツムギ、サオトメ・アルト、スズカゼ・ヒマリの最終決戦を開始します!キララさん!開始の合図をお願いします!』
「勝つぜ、セイ」
「うん。強敵だよ、レイジ」
「…アルト、勝とうね」
「ああ、やるぜ二人とも」
「ツムギちゃん、アルトくん、最後だよ!やり通そう!」
双方の機体がGPベースに置かれる。紅いヅダ・マクロスパックプラスとスタービルドストライク、にらみ合いだ。スタービルドストライクの性能は高い、特に爆発力だ。常に限界性能で動くことを意識して作ったヅダと違い、スタービルドストライクには強化がある。たとえ素の性能で劣っていようとそれを覆すだけの強さを戦闘中に得てくる。それが、あいつらの強さ。立体映像のコクピットの中、もうあいつらの顔は見えないけど…きっと笑っているのだろう。だって俺たちがそうなんだから!
『はいはーい!それじゃ決勝戦…お互い悔いのないようにね☆ガンプラバトル…』
「イオリ・セイ!」
「レイジ!」
「イロハ・ツムギ!」
「サオトメ・アルト!」
「スズカゼ・ヒマリ!」
「「「「「『レディィィィ…ゴオオオオ!!!』」」」」」
「「スタービルドストライク!行きます!」」
「「「ヅダ・マクロスパックプラス!行きます!」」」
同時に真空の宇宙へ飛び出す。最終のステージはア・バオア・クー、機動戦士ガンダムの最終舞台、デブリと隕石をかき分けて2体のモビルスーツが駆ける。赤い彗星と化したヅダと青い流星となったスタービルドストライク、お互いの姿を見つけた瞬間、2機ともブレーキも、曲がることもなくまっすぐ、ただひたすらまっすぐにぶつかり合った。鏡像のように拳を振りかぶってぶつける2機、ミシミシとマニピュレーターが悲鳴を上げる。
「へっ、挨拶はこんなもんか!」
「…まだまだ、あまい!」
お互いに射撃兵装を手に取る、威力可変ビームライフルと実弾故の弾数制限を嫌ったために変更したビームガンポッド、シールドに吸収されるよりも弾数の制限と威力をとった俺の最新式ビームガンポッドが弾幕を吐き出す。早さなら、俺たちが圧倒的に勝っている。負けねえ!
「レイジ、ビーム兵器だ!シールドを!」
「おうよっ!」
「ツムギ、いまだ!」
「…いけっ!」
グレネードモードのビームガンポッドの弾をシールドで吸収するスタービルドストライク、そうだよな防げるんだよ。だけど、俺たちのヅダを前にして脚を止めていいのか?あえて言ってやるが、脚を止めたらだめだ、ツムギの目と反応速度は見逃さないぞ。一瞬の隙をついて吐き出されるミサイルの嵐、ヒマリのコース設定で逃げ場を潰したミサイルがスタービルドストライクを襲う。
「読まれてたっ!?」
「この程度おおおおお!」
「…やあああああ!!!」
ビームライフルとバルカンによる誘爆でミサイルを排除するレイジ、その煙の中から次のミサイルが襲い掛かる、同時に後ろに回り込んだヅダのヒートホークが真一文字にスタービルドストライクに迫る。間一髪でビームサーベルを抜いたスタービルドストライクが鍔迫り合いで受ける。一瞬止まる両者、先に動いたのはレイジ、前蹴りでヅダを蹴飛ばして離し、背後から迫るミサイルを何とか躱す。だが、ツムギもさるもの、バックするスタービルドストライクに一瞬でぴったりと接近する。
「ここだあああああっ!」
「…すごいっ!合わせてくれるなんて!」
「レイジくん、凄い強くなってる!」
レイジはタツヤさんが俺達にやったように超速のヅダにカウンターで合わせた。首を斬り飛ばす軌跡を描いたビームサーベルを間一髪、首に展開したピンポイントバリアが防ぐ、仕切り直してすぐの銃撃戦、ビームライフルとビームガンポッドがビームを吐き出してお互いの機体を食わんと牙をむく、それぞれシールドで防いだ。一瞬の間、隙の伺いあい、居合抜きのように2機が同時に動く。
「レイジ!ディスチャージスピードを!」
「任せとけ!いくぜええええええ!」
「ツムギちゃん!ゴーストシステム、行くよっ!」
「ISCコンバータ正常稼働、カウントダウン、行くぞ!」
「…ゴーストシステムオンライン!行くよっ!ヅダ!」
プラフスキー粒子のゲートをくぐり光の翼を携えたスタービルドストライクと残像を分身させながら鋭角軌道のえげつない軌道と速度で迫るヅダ、やっぱり、純粋な加速力や速度では俺のヅダが勝ってるが内部機構の精密さと作りぬかれた関節をもつスタービルドストライクの方がレスポンスが早いっ!スタービームライフルとスタービームキャノンの同時発射がヅダの分身たちを次々と撃ち抜いていく。純粋な火力でもあっちが上か!
やっぱり、こうでなくちゃな!思わず笑みが漏れる。それはヒマリもツムギも同じこと、そして声だけが届くセイとレイジもだろう。胸部のミサイルが空になった、邪魔とばかりに爆裂ボルトが作動し胸アーマーが分離する。今もスタービルドストライクが二刀流のビームサーベルでヅダの分身を次々切り裂いている。そしてそれは段々と洗練されて行き遂にはヅダの手足に掠り始めた。
「見えた、そこだあああああああ!」
「…嘘っ!?当てられた!?」
「レイジ、動きが止まる!いまだ!ディスチャージライフル!」
「いっけえええええ!」
奇策、というのはこのことだろう。大きく距離をとったヅダが曲がる瞬間、刹那のその減速を見逃さなかったレイジはビームサーベルを投げた。ゲートを通り超加速したビームサーベルがヅダの肩を穿つ、しまった!ミサイルシールドを…!間髪入れずにシールドと合体させたライフルを撃つレイジ、ゲートを通ったビームが超分裂して迫る。ピンポイントバリアで一瞬防御ののち離脱するツムギ、だが…切り札が消えたな。
「これで、ダイダロスアタックを封じた…!」
「やってくれたな二人とも…!ツムギ、反撃するぞ。ぶっ放せ!」
「…うんっ!いく、いくよ!ヒマリィ!」
「おっけーツムギちゃんっ!装甲パージののちミサイル全斉射!」
全身の爆砕ボルトが起爆すると同時に全てのミサイルハッチが解放されて夥しい量のミサイルがスタービルドストライクめがけて飛ぶ。そして、それ以上の速度で迫る重い鎧を脱ぎ捨てたヅダ、いつの間に自由に使えるようになったのか紅い彗星を纏って、ヒートホークを振るう、ギリギリ反応したレイジが機体をずらす、ユニバースブースターのスタービームキャノンの片方がぶった切られた。
「レイジ、早く距離をとって!」
「くっそお!振り払えねえ!」
「…逃がさない。ヅダの速さを知っているはず!」
「ああ!分かってんだよそんなことぉ!」
残り一本しかないビームサーベルを振るうスタービルドストライク、だが一歩先を行ったのはツムギだった。バレルロールで躱し、左手をスタービルドストライクの顔めがけて突き出す。盾の先から飛び出たピンポイントバリアナイフ、かろうじて反らしたそれがスタービルドストライクの肩に突き刺さった。ディスチャージのスピードを操るレイジと加速の極致に至ったツムギがぶつかり合う。何度も何度も、そのたびに小爆発が起きてお互いの機体が傷ついていく。
「あ、あああああああ!!!」
「やあああああああ!」
ライフルを投げ捨てて近接武器を両手で握り振るう2機、ヅダもスタービルドストライクもかなりの傷を負った。傷がない部分が存在しないくらい、装甲は穴だらけで中のフレームがお互い見えている。溶けて歪んだ装甲はお互い役割を果たせてるかも怪しい。何度目かの交錯の末、同時にヒートホークとビームサーベルが砕ける。
「へへっ、素手だな、どっちも」
「…うん、でも負けない」
「ツムギちゃん、もうあと少ししか持たないよ。決めて、全力の攻撃で!」
「アルト、僕のスタービルドストライクと君のヅダ…どっちがすごいか!決着をつけよう!」
「ああ、セイ!勝つのは俺達だ!こいつで決めようぜ!」
二つの機体の内部フレームが輝く。どっちも取り入れたムーバブルフレームにプラフスキー粒子を浸透させる特殊機能、確かにその完成度はセイの方が上手だ。だけど、ただ、今この瞬間のただ一撃に懸けるなら!負けはしない!
「レイジ、もうこの一撃でバラバラになる!だから…全力で無理するよ!」
「その言葉待ってたぜセイィ!ビルドナックルだ!大盤振る舞いのな!」
スタービルドストライクの右腕が強く強く光り輝く、全身の罅からプラフスキー粒子を噴きだしながらもなお衰えないその莫大な粒子制御能力には正直に脱帽だ。光の翼を背負い、ただまっすぐにその拳をこちらにぶつけるための構えをシールドを投げ捨てて行うスタービルドストライク。俺たちも、答えるんだ。
「ツムギちゃん、もう私何も言わないよ。きっと勝つって信じてるから!笑って終わろ!」
「ツムギ、ラスト一発だ。これで念願の空中分解だぜ。当ててから、やってくれよ?勝つぞ!」
「…ううん、分解なんてもういらない。今は、今はセイとレイジに勝ちたい!いくよ!ヅダ!ヒマリ!アルト!」
ヅダが同じく右手を構える。ピンポイントバリアを纏い、ダイダロスアタック用のコネクタからプラフスキー粒子を噴出してピンポイントバリア内で限界まで圧縮する。ヅダのモノアイが怪しく光り輝き、背中のランドセルが爆音を発し始める。この一撃にすべてをかける!
同時に振りかぶる2機、右腕をまっすぐ相手の懐へ!いけええええええ!!!!
「「これがっ!!!!」」
「「「私(俺)たちの!」」」
「「「「「ガンプラだああああああああああああああああああ!!!!」」」」」
衝突したヅダとスタービルドストライク、2機が生み出す莫大なプラフスキー粒子の奔流が、GPベース上で荒れ狂う。全てが光に、吞まれた。
お待たせいたしました。決勝戦です。アルトの物語も次回をもって終了とさせていただきます。ここまで長いようで短かったです。もっと濃い戦いを、もっとかっこいい出番をと頑張ってみましたけれども、難しいものです。
長い長いイベントに比べれば実にあっさりとした終わりでも、こうあってほしいなというところは書けたのであまりこうすればよかったな、とは思ってません。
あまり書くとくどいですし、積もる話は次回にテキトーに書かせてもらいましょう。
それではまた次回のエピローグにてお会いしましょう。
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「マクロスができた!」青年はそう叫んだ
夏と春の間の過ごしやすい気候、雲一つない晴れやかな天気、まさに絶好のお出かけ日和というやつだろう。なんせ、折角3人で集まることが出来るんだから。俺も20を超えて成人になったし、それは俺の幼馴染二人組も同様、チェーン店のカフェでブラックコーヒーを嗜みつつ、待ち合わせ時間を待つ。こういうのは早く来た方が印象がいいというがあいつらなら気にしないだろうけど、ささやかな見得くらいは張りたいね。
「あれから7年かあ、俺もでかくなるわけだ」
「なーに黄昏てるの?アルトくん?」
「思い出してたんだよ、7年前3人そろってガンプラ大会に行っただろ。まだ集合時間には早いぜ?」
「セイくんとレイジくんと決勝やった時ね!うわ、懐かし~~!トロフィー二つともまだあるかな!?」
「…聖鳳学園に行ってみれば分かるよ。あとアルトなら、早く来るだろうって。当たったでしょ?」
「あーあ、隠し事できねえんだからな、お前らには」
ゆったりとしたソファ掛けの席、俺の目の前に二人の女性が腰かける。相変わらず日焼けしやすいのか変わらない小麦色の肌、すらりと伸びた身長と昔は短かったのにロングになった髪をサイドポニーでまとめ、反対側にはいつだかプレゼントした銀の髪飾りをつけているヒマリと、身長は伸びず全くそのまま、出不精なので真っ白の肌に長かったロングヘアをゆるふわのショートに変え、目は相変わらず隠しているツムギだ。同じ銀の髪飾りをヒマリと同じ場所につけている。
結局、7年たってもこのトリオは仲良しのままで、定期的に集まってはバカ騒ぎしてるし、残りの異世界王子とガンプラバカ、旅館の次期主人にガンプラメイジンとも集まってバカ騒ぎして誰が一番強い、って大戦争を仕掛けてるよ。もちろん、ガンプラバトルでな。
この7年間は割といろいろあった。俺たち3人の異世界探検があったせいでアリスタ由来のプラフスキー粒子が秘密裏に使用不能になり、あわやガンプラバトルが出来なくなる、というところまで行った。なんとか貯蔵分のプラフスキー粒子を確保しアリスタは元の世界に帰っていった。世間一般では消失したってことになったけど、実際はレイジが持って帰っただけなんだけどな。もうこんなこと起こらねえように管理するって。
それで、困るのはガンプラ業界だ。プラフスキー粒子の消失は大打撃をもたらしたが、それも半年の話。アーリージーニアス、あの天才ニルス・ニールセン、現在はヤジマ・ニルスが半年で人工かつ安全なプラフスキー粒子を開発したことで、ガンプラはさらに盛り上がった。現在第何次か分からないけどガンプラブームの真っ最中である。
「ねね、アルトくん。次のライブに協力してくれないかな?ツムギちゃんも出てくれるっていうし」
「演奏と演出か?わかった、とりあえずヤジマの方に連絡入れておくわ。自営業なんだけどな~俺」
「でも、現役の企業ビルダーでしょ?お願い!」
「断る選択肢は最初からねーよ。ドンと任しとけ」
ヒマリが顔の前で手を合わせてお願い!と言ってくるので断る気は最初からなかった俺は快諾をする。プラフスキー粒子は演出の面において広く世界に浸透した。例えば映画、ドラマ、特撮の特殊効果。GPベースを利用することで大爆発などのエフェクト合成、表現、カメラ撮影をひと手間でできるようになったりして、結構業界からいい評価を受けてるのだ。そして、もう一つが音楽、俺がやったミュージックビデオは言うに及ばず、現在はライブのパフォーマンスとしても利用されている。
ライブの全床をGPベースにすることで歌に合わせたエフェクト、効果を容易に入れられるようになり、演者の衣装にプラスチックを仕込めば浮かして飛びながら歌うこともできる。もちろん優秀なファイターがいなければだめだが、どんどんと活躍の場を広げていっていることには変わりない。ますますこの先が楽しみになってくる。
目の前で変わらずにコロコロ笑っているヒマリは、歌手になった。7年前のイベントで鮮烈なデビューを果たした彼女、異世界でてんやわんやしていたせいでそのあとの活動に間が開いてしまったが帰ってきた彼女は経験を積みまくっていたのですぐさま遅れを取り戻すどころか一気に話題となった。女優業は一切せず、ただ音楽と向き合って歌を全世界に届ける彼女は今や大人気だ。
テレビなんかには積極的に出ないけど、大きな歌番組だと必ず声がかかるらしい。あとファンクラブもある。ファンクラブナンバーの1番は俺がとったよ、自力で。2番はツムギ、全力で頑張ったんだけど成功して超嬉しい。おっとそれはともかく。ライブでGPベースを使おうって言いだしたのもヒマリが最初、ツムギとヒマリが飛んだ時操作したのは俺、観客の上を飛んだりしながら歌い踊る二人に感動したし、ファンクラブのサイトはそのライブ後に落ちた。仲のいいヤジマのサーバー管理者の人はまた落ちたああああああ!!!って嘆いてたけど。
「ツムギ、やっぱりソロデビューしねえの?ファン付いてるぞ」
「…アルトがデビューするんだったらしてもいいよ?一緒にやろ?」
「やらねえけどさ」
「…けちぃ」
13歳から変わらない身長のツムギ、どこに行っても子供と間違えられる彼女は作家になった。色んなアニメのノベライズ、脚本をしていて臨場感のある戦闘描写、特にロボット物を得意としている。あと、実は恋愛系にも定評がある。戦争系の話はリアルすぎてちょっと不評だったり。ヒマリとコンビならと歌手活動はヒマリとだけ行っているが、それで「歌って踊れる作家」なんて言われて非公式のファンクラブまである始末。
最近は出不精を解消するために積極的にヒマリに連れまわされているらしい、ドッキリ番組に出演するもカメラを全部見破って台無しにするという変わらない目の良さと洞察力を持っている。
そして、二人ともガンプラバトルを続けている。ヒマリは趣味の範囲だけどツムギは割とガチだ。ツムギはバトルではなくレースの方へ転向した。世界大会の種目から分岐したガンプラレース、春夏秋冬で開かれる4レースを3年間自分の作ったヅダで総なめにした彼女は殿堂入りとなり、今となっては誰も越せないレースクイーンとして挑戦者を置き去りにしている。
ガンプラバトルはかなり変わった。俺たちのころにはバトルすれば確実にガンプラは壊れていたが今はそんなことはなく、ノーダメージのレギュレーションが追加された。世界大会も年齢別に分かれており、個人戦は大人のみ、それ以下は3vs3のチーム戦に変わる。タツヤさんが言うにはチームワークを鍛えることで学生の協調性をとかなんとか言ってたけど。面白くなったのは事実。ついこの間呼ばれたネット番組でタツヤさん、俺、セイという相手にしてみたら地獄のようなチームにネット民代表が挑むという企画をやって大盛り上がりしたところだ。コメントは反則とか書かれたけど。結果?言うまい。
「アルトくん、次のマクロスってどうするの?」
「そうだな…やっぱりあの話で行こうと思う。いー感じに再現してやろうぜ」
「…いいね。懐かしいな、みんな元気かな、また銀河を震えさせてるのかな」
「そうだろうさ、なんせ戦乙女だからな。きっと、幸せにリンゴ畑でもやってるんじゃないか?」
マクロス、俺がここまで来ることになった原動力。俺がちょっと行方不明になってる中でもプロジェクトは凍結されてなかった。戻ってすぐ超がんばって2年と少しかけて最初の映画を放映し、その後アニメとプラモを次々展開して、7年でかなりの人気コンテンツになっている。今現在放送中のフロンティアは死ぬほど恥ずかしかったんだけどな!でも、やっぱりああじゃなくっちゃ。自分のウィキに「遂に主人公になった男」とかいうタグが付いて悶絶した覚えがある。流石に声優とかは違うけど。
そしてマクロスの人気に伴ってガンプラバトルのレギュレーションも変わった。ガンプラ部門と無差別級のどっちかを選んで出場できるようになったのだ。無差別級の人口は少ないけど、年々増加している。俺は勿論無差別級、自分でも信じられないけど殿堂入りだ。ガンプラ部門で殿堂入りした3代目メイジンことタツヤさんと肩を並べてしまった。最後の大会でクォーターで乗り込んだのはやりすぎだったかもしれない。改良したクォーターと10機のバルキリーという数の暴力は流石に大人気なかったと思っている。マクロスの方で乗り込もうとしたら流石に止められたんだけどだって勝ちたかったんだもん!フルスクラッチカイラスギリーが許されるなら戦艦持ち込んでもいいでしょ!?が通ったのが悪い(責任転嫁)
そして、俺自身は自営業を営んでいる。正確には企業所属のビルダーという立場と個人のプラモ店という2足の草鞋生活、俺の気ままに店を開ける不定期な自営業ともいえない店とマクロスの原作とかそこら辺のアレを同時にこなしている。もうそろそろ俺の手を離れる時が来るかもしれないマクロスのため、何時もせこせこ働いているのだ。店の方はツチノコ呼ばわりされるほど開けてないけど。だってー!忙しいんだもんー!店開ける暇あんまりないんだもん!
俺の手によってシェアーワールドとして野に放たれたマクロスという種は様々なところで芽吹いている。ガンダムのその先にある世界として扱われたり、自分のオリジナルのマクロスとして書いてみたり、恋愛ものとして表現してみたり、いろんなものが見れて嬉しい。きっとこの先俺の予想だにできないものが作られるに違いない。楽しいし、面白い、これだからプラモは辞められないんだ。
「そういえばアルトくん、セイくんと会ってきたんだよね?どうだった?」
「…チナ、ずっと待ってるのに」
「ああ、セイのやつな。今度はイタリアに行くんだと、でもコウサカには会いに行くみたいだぞ?タツヤさんも今はインドにいるらしい」
「グローバルだね~」
「お前も世界ツアーやればいいじゃん」
「二人がついてきてくれるならいいよ?」
「…私はいいよ。最近はあんまり仕事入れてないし」
「俺必要かぁ?あー、まあ別について行くのはいいんだけど…またやったか」
「アルトくんはホントに墓穴を掘るね~、変わらないや」
「そういうお前はだいぶ変わったな。主に背が」
「ね~、こんなに伸びるなんてびっくりしちゃった。ツムギちゃんは小さくていいな~」
「…私はヒマリの背が欲しい、10センチ頂戴」
背が低いことで結構苦労しているらしいツムギは、髪で隠された目を怪しく光らせながらそう言った。もちろん冗談で、やーんかわいいーとヒマリに抱き着かれるだけで終わっているけど。変装してるからいいけどお前ら有名人なんだからちったあ声抑えろよ、と思っていると二人が追加注文したコーヒーが届く。アイスコーヒーにガムシロップとミルクを落としてぐるぐるかき混ぜるヒマリとウインナーコーヒーの生クリームを口に含むツムギ、ホットのブラックを飲む俺と和気あいあいと時間が過ぎていった。
「っと、そろそろ行かねえとな。時間だわ」
「えー、もう?でも楽しみだな~、久しぶりに聖鳳学園に行けるよ!」
「…ヒマリが行ったら大騒ぎになりそ」
「もー!アルトくんやツムギちゃんが行っても同じでしょ!?マクロスの原作者とノベライズ担当で!私のパートナー達なんだから!同じくらい有名だよ!」
30分ほど話していると、そろそろ行かなきゃいけない時間になった。なんせ今日はちょっとした呼び出しを受けているから3人そろって母校である聖鳳学園に行くことになっている。なんだかおもしろそうな感じだから受けてしまった。
「…ラルさんから呼ばれるなんて何があったんだろ?自分の機体を持ってこいって」
「ラルさんだもん!きっと私たちの時みたいに新しい子にガンプラを教えてるんじゃないかな?そうなると、私たち練習相手?」
「俺達相手にさせるとかスパルタ通り越してるぞ…いや、もしくは俺たち以上に素質があるかもな」
そんなことを話しながら卓上の伝票をとって二人が財布を出す前に電子マネーでサクサクと支払いを済ませる。払う!と主張してくる二人をのらりくらりと適当に躱して言いくるめる。コーヒー代くらい持たせてくれよ。それはともかく、ラルさんが俺達の手を必要とすることかあ…しかも今の聖鳳学園はプラモデル部とバトル部の二つに分かれてるらしいしバトル部の方は消滅寸前だと聞く。しかもバトル部の方を手伝えときたもんだ。ちょっと面白くなってきそうじゃん?まま、やれるだけやってやろうじゃないの。
カフェを出ると、結構な日差しだ。まだ春だってのに雲一つないから眩しい、手で顔を覆い隠しながら何となく今までの事を思い出す。この世界に来てからいろいろあったけど、どれも素晴らしい体験で後悔したことは一つとしてなかった。だから、過去の俺にこうやって胸を張って言えるだろう。
やっとマクロスができた!続けて見せる!ってな。過去の俺に届くかは分からないけど、何でないんだ!って叫んじまった俺に思いっきり返してやろう。お前が作るんだよ!っつってな。
「いくか~」
「トライ・ファイターズかぁ…私たちみたいだね!」
「…むむ、私たちが最強のトライアングル」
「じゃあ、それを証明するために後輩を揉みに行くぞ」
3人で、一歩を踏み出す。これを多分俺たちはずっと続けていくんだと思う。先に行くツムギを追いかけるヒマリ、俺はそれを緩やかに歩いてついて行くのだった。
はい、そんなわけで最終回です。長かったあ!前話の決勝戦の勝敗は隠しとこうと思います。優勝したのか、負けてしまったのか。作者決めてません。引き分けかもね。
さてさて長くなる話は活動報告でいたしとうございます。ついでにアンケート機能じゃできないアンケートを番外編のためによろしくお願いします。見たい話アンケートですね、掲示板とか、7年間何があったとか、トライ編とか。
こちらからどうぞ
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=276245&uid=88429
あと同時に番外編も更新してます。内容は掲示板デース。
ではこれからは番外編でお会いしましょう!こちらにたくさん評価や感想をしてくれた方々は勿論、読んでくれただけで望外の喜びでした!今までありがとうございました!ではまたどこかで会いましょう!
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