FGORTA―配られし切り札― (雨乞い)
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キャラクリ~First Order 開始
1 キャラクリ~カルデア入りまで その1


正真正銘初投稿です。

※追記[2021/10/27]


エンジョイ&エキサイティングで世界を救うRTAはーじーまーるーよー。

 

皆様はじめまして、ノンケです。

今回は皆大好き!【Fate/Grand Order RPG】をやっていきたいと思います。何番煎じかな?もうお湯すら通り越してお水だよコレ!

 

あっ、淫夢要素は(エンジョイなんで)ないです。

 

割と鬼畜ゥ!なゲームの内容とか難易度とかは置いといて、サクッとレギュレーション。今回のRTAでは悪名高き追加トロフィー『唯一無二』を取得しつつ、出来るだけ超スピード!?で1部をクリアします。

 

え、それだけ?は?やめたらこのRTAと思われる兄貴たち。ままもちついて、ね?

さてこの追加トロフィー、「とあるDLCをインストールし、一定条件を満たす」ことで入手出来ます。シンプルですね。

 

 

で、そのDLCなのですが……ちょっとコレ説明書読みますね……

 

>ゲームを起動した情報媒体内に保存されたデータを参照、最適な既存DLCを自動的にインストール、ランダムに起動します。

 

>ゲームを起動した情報媒体内に保存されたデータを参照、最適な既存DLCを自動的にインストール、ランダムに起動します。

 

なぁにこれぇ

 

えーこのDLC『Your favorite』ですが、コイツを起動すると星の数ほどある実装済のDLCが混ぜ混ぜされてお出しされます。僕の普段使いのPC、つまりAIBO(もう1人の僕)!の情報を基に。必要だと判断したらストアから勝手にダウンロード&インストールまでキめてきやがります。(容量が)パンパンになっちゃう!

しかも“ランダム起動”とある通り、計測の度に内容が変化するんですね。全身緑色にブーメランパンツ一丁のモブが生えた回とかもありました(190敗)。これはわからないマン。

 

カオスってレベルじゃねぇぞ!な感じですが、相手は所詮機械、そもAIBO!激走に次ぐ激走の末に見出した渾身のチャートが火を噴く訳です(1919514敗)。(今度こそ勝ってやるから)見とけよ見とけよ~。

 

 

あ、獲れそうなら他のトロフィーも頑張ってみます。

 

 

さてキャラクリです。容姿は勿論ランダム、で性別なんですが……試走時に気付いたんですけど、実はこ↑こ↓もランダムに出来るんですよねー。したい……したくない?

 

名前は御剣 日彩(みつるぎ ひいろ)、頭文字でH.M.(ホモ)とします。

 

 

読み込みも終わったところで……では、スタートボタンで計測開始です。

 

 

 

はい、よーいスタート。

 

 

 

まずは皆大好きガチャから。今回は――

 

>(素振りの音)

>小鳥の囀りに、木刀を振るう手を止めた。

>薄暗い板間に、一つ、影が落ちている。

>汗を拭い、稽古場を後にした。

 

これは少し珍しいケースですね、普通はベッドでウェイクアッ!から始まるんですが。えーwiki見てみますと……「通常より高いレベルで習得しているスキルがあると、OPに変化が生じることがある」。木刀振ってましたし、そっち系のスキルなのかな?

 

>汗を流し、普通のベッドがある部屋に入る。

>壁に掛けられた制服に着替えて、一階へ向かう。

 

>一階に着くと居間……を通り過ぎ、仏壇の前に正座した。

>仏壇には家族の写真が飾られている。

 

>線香を上げ、しばし手を合わせると、台所に向かった。

 

 

 

>学校へ向かう道中も、学校に着いてからも、あなたは“静か”だ。

>午前の授業が終わり昼休みになると、あなたは教室をするりと抜け出し、屋上でボーっと、鳩と空を見て過ごし。

>放課後もまた、するりと教室から抜け出すと帰路に就いた。

>あなたは今日も、一言も、言葉を発することはなかった。

 

……ボッチだって、はっきりわかんだね。

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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2 キャラクリ~カルデア入りまで その2

前回の続きなので初投稿です。


ボッチ観察バラエティ、はーじーまーるーよー。

 

>あなたは帰宅し、部屋に居る。

>何をしますか?

 

はい、前回一言も発しないまま朝→昼→夕と時間が経過した僕らのホモ君です。

――そういえば君、ホモ“君”なの?“ちゃん”なの?

 

制服は学ランでしたけど……丁度良いしステータスを確認しましょう。

 

名前:御剣 日彩(◼️◼️)

性別:■

スキル:剣術(■■■■■)、応急処置

ステータス:発声障害

 

 

ステータス:発声障害

 

やめてくれよ……(絶望)

 

道理で話さないワケですよ。そもそも話せないんですねこの子。あとちょくちょく塗り潰されてるんだけど何で?

不可解だし太いバステがついてますがひとまず置いておいて。『応急処置』は持っていて損はないですね。『剣術』はマスター用の戦闘系スキルの一つで、剣の扱いについて一定以上の習熟があることを指します。レベルと装備によっては雑魚エネミー相手に手傷を負わせられますね。サーヴァント相手?ハハッ!(690敗)

あと分かることとしては……魔術系スキルの記載がないですね。そんな気はしてましたが、一般家系のようです。

 

>何をしますか?

 

ステータスは素っ裸……とはいかないまでも、靴下残しくらいにはしてやった(してやったとは言ってない)ので、次はお部屋チェックの時間だ!コラァ!!

 

>『古びた大百科』を手に入れた。

>『空のカードケース』を手に入れた。

>『綺麗な石』を手に入れた。

 

んにゃぴ……よく分かんなかったです。

まあ、最後のヤツは厄ネタの香りがしますね。先駆者兄貴たちを思い出すなぁ!!(ヤケクソ)

 

家探しも終わったのでここからは育成に入っていきましょう。

今回のビルドですが、耐敏型で行こうと思います。一般だと魔力は伸ばしにくいですし、筋力は(細っこいので期待出来)ないです。幸運値も低そうですしねぇ……。

 

取り敢えずランニング。あと、折角なので素振りをさせてみます。

 

>あなたは着替えると、ランニングに出掛けた。

>スタミナが減少した。

>耐久値が少し上がった。

>敏捷が上がった。

>スタミナの最大値が上昇した。

>スキルポイントを1獲得した。

 

>あなたは稽古場で素振りをした。

>スタミナが減少した。

>筋力が少し上がった

>耐久値が少し上がった。

>敏捷が少し上がった。

>スタミナの最大値が上昇した。

>スキルポイントを2獲得した。

 

うーん、素振りがまずまずの美味しさですね。稽古場でやってるだけのことはある。素振り多めでステ&スキルポイント稼ぎをし、スキルは……先例を鑑みて『健脚』と『狂走』でしょうか。この2つがあるといっぱい走れるようになります。倍速、イクゾー!

 

 

 

 

 

さてホモ君ちゃんが振って振って走ってしてる間に、カルデア入りまでのイベントを確認しましょう。といっても確実なのは、神社、献血、そして裏路地でのお買い物(意味深)くらいです。

まずは神社から行きましょう。鉄板イベなんですけど、先駆者兄貴たちよくここで躓いてますね。何で?(真顔)

 

>あなたは廃れた神社に着いた。

>鳩が沢山居る。

>鳥糞も沢山ある。

 

汚ねえ神社だなぁ(本音)。

元々そのつもりですけど、やっぱりお掃除が必要みたいですねコレハァ……。

 

>あなたは掃除をした。

>鳩たちがあなたを見つめている。

>スタミナが減少した。

>ほんの少し綺麗になった。

 

ちょっと汚れがひどすぎんよぉ(疲労)。幸運値も低そうなので望み薄々0.02㎜ですが、まあやってみましょう。

 

>あなたは賽銭箱に5円を投げ入れ、手を合わせた。

>どこかから視線を感じる。

>鳩だ。

>参拝を終えた。

 

ダメみたいですね(諦観)。

元々期待薄でしたし、ママエアロ。切り替えていきましょう。

それじゃあまた倍速、イクゾー!

 

 

 

 

 

>ランニング中にチラシを見つけた。

>博物館で企画展示が行われているらしい。

 

おっとランダムイベントですね、今回は博物館です。明日にでも行ってみましょう。

 

>企画「文明のゆりかご」展を観覧した。

>沢山の粘土板が置いてある。

>足元を見てみると、小さな土欠片が落ちていた。

>何だか気になる。

>『記録の土欠片』を手に入れた。

 

やったぜ(コロンビア)

 

触媒になりそうなモノが手に入りましたね。粘土板関連ということはかなり古め、神秘濃ゆいのが期待出来ますよ!勝ったなガハハ!(慢心)

 

>帰宅途中に大荷物を抱えた老人に出会った。

>運ぶのを手伝ってあげた。

>スタミナが減少した。

>筋力が少し上がった

 

 

 

 

 

>街を歩いていると献血の列がある。

>あなたは折角なので列に並んだ。

 

やってきました献血イベント。このイベから大体1~2週間でカルデア入りになります。早い……早くない?

因みに一般家系は基本、献血参加→カルデア入りのルートを辿るのですが、これについては

・招待状

・エージェントお宅訪問

・拉致

など、複数の経緯が用意されています。拉致って何だよ(1977敗)。チャート壊れちゃーう!

 

そうならないことを祈りつつ、残るイベントは……お買い物(意味深)ですね。それじゃイクゾー!

 

 

 

 

 

>街を歩いていると裏路地が目に留まる。

>入ってみると……

>鳩が数羽居た。

>鳩と戯れた。

>スタミナが少し回復した。

 

ハズレ、次!

 

>街を歩いていると裏路地が目に留まる。

>入ってみると……

>鳩が数羽居た。

>鳩と戯れた。

>スタミナが少し回復した。

 

>街を歩いていると裏路地が目に留まる。

>入ってみると……

>鳩が数羽居た。

>鳩と戯れた。

>スタミナが少し回復した。

 

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!

 

 

ホモ君ちゃん鳩と遊んでばっかりじゃん!そんなんじゃ甘いよ!!

仕方がありません。お買い物(意味深)は諦めて、お買い物(健全)にしましょう。

まず甘味、それと甘味、あと甘味ィ!!日保ちしそうなヤツがメインですね。こし餡使ってるのとお高めのヤツも何か買っておきましょう。ついでに醤油とか味噌とかもいっぱい。日本を離れるからね、仕方ないね。

 

 

 

 

 

>エージェントを名乗る人物との話し合いから数日、明日は出発の日だ。

>必要なモノはないだろうか……?

 

そんなこんなでカルデア入り前、最後の夜です。幸い拉致られずに済みましたね。しばらくお家には戻って来ないですし(意味深)、もう一回家探しします。武器を!何とぞ武器を!オナシャス!センセンシャル!

 

>仏壇の写真が目に留まった。

>『写真』を手に入れた

>稽古場の隅、置かれた木刀が目に留まった。

>『木刀』を手に入れた。

 

クゥーン……(子犬)

 

はい、というワケで悶絶調教の結果!カルデア入り前のホモ君ちゃんの仕上がりを見てみましょう。

 

 

名前:御剣 日彩(◼️◼️)

性別:■

スキル:剣術(■■■■■)、応急処置、健脚、狂走

ステータス:発声障害

持ち物:

『筆記用具』

『古びた大百科』

『空のカードケース』

『綺麗な石』

『記録の土欠片』

『甘味』×いっぱい

『こし餡入りの甘味』×まあまあ

『ちょっと良い甘味』×いくつか

『日本の調味料』×いっぱい

『木刀』

『写真』

 

こんな感じですね。芸術品には仕立てや(噛み)……してやれませんでしたが、悪くないです(妥協)。スキルも予定のモノは揃ったし。

さて次回はいよいよカルデア入り。お楽しみに!

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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3 カルデア入り その1

今日は初投稿です。

※修正[2021/10/27]


雪山のスローライフはーじーまーるーよー。

 

さてカルデア入りです。

エージェントに連れられて雪山の天文台にやってきたホモ君ちゃんですが、まずは一つ目の関門、原作にもあった冒頭の模擬戦闘です。模擬戦自体で時間食う上に、その後高確率で気絶します(181818敗)。有志の解析によれば、戦闘結果に応じてパラメータが微上昇するのでメリットがないワケではないようですが。

 

>エージェントの後に続きドアを潜り抜ける。

>あなたは空調の利いた施設内に、ほっと息をついた。

>案内に従い、与えられた個室へと向かった。

 

模擬戦闘、今回は運良く回避しましたね。自室の位置ですが……うーん、管制室からはちょっと遠いですね。これはまず味かな。

 

>荷物を降ろして部屋を見回す

>何をしようか?

 

ここからはフリーパートです。とはいえやることは単純、挨拶回りです。社会人なんだし当たり前だよなぁ?

では早速お出掛け……といきたいところですが、その前に持ち物を整理します。

使わないモノは部屋に置いておきましょう。『記録の土欠片』なんて必要ねぇんだよ!

それじゃあ必要なモノだけ持って、イクゾー!

 

 

>あなたは部屋を出た

 

まずはゴルゴンゾーラ所長のところですね。彼女は所長室か中央管制室に居ることが多いです。

取り敢えず自室から近い所長室から――

 

 

>あなたが廊下を歩いていると、オレンジ色の髪をポニーテールにして纏めている男性と出会った。

 

お、早速キーマンの一人に出会えました。これは幸先が良いです。

彼、ロマニ・アーキマン――ドクター・ロマンについては視聴者の皆様もよくご存知(意味深)かと思います。

FGORPGではフラグを始めとした各種情報、そしてステータス管理でお世話になるので、ちゃんと挨拶しましょう。オッスお願いしまーす!

 

>ロマニ・アーキマン――ドクター・ロマンを名乗る男性は、医療部門のトップらしい。

>挨拶をし、『こし餡入りの甘味』を渡した。

>ロマニの好感度が上がった。

>ロマニと知り合いになった。

>ロマニはこの施設について、幾つかのことを教えてくれた。

>『所長の名前』『顧問の名前』『食堂のおすすめメニュー』を手に入れた。

 

はい、ここでロマニキの好物を持っていると、好感度を上げることが出来ます。そして今回のように、好感度が上がっていると情報をくれます。今から挨拶に行く相手についての情報がもらえましたね。やったぜ。

 

>ロマニは何処かに去っていった。

 

 

 

 

 

 

>あなたは所長室を見つけた。

>ノックをすると返事がある。

 

おっ開いてんじゃーん!それではお邪魔しましょう。

 

>所長室の机には、白い髪に左サイドの髪を三つ編みにした女性が座っていた。

>――ロマニによれば、彼女はオルガマリー・アニムスフィアというらしい。

>オルガマリー所長に挨拶をし、『ちょっと良い甘味』を渡した。

>オルガマリーの好感度が上がった。

>オルガマリーと知り合いになった。

 

このオルゴンクラウド所長ですが、自己肯定感が低いので敬意をもって接してあげると、好感度が上がりやすいです。あまりやり過ぎると疑心暗鬼に陥りますが(45敗)。今回は「手土産を持参」すること、加えて「事前に名前を把握」しておくことが出来たので、好感度を稼げました。だから、『こし餡入りの甘味』『ちょっと良い甘味』の2つを買っておく必要があったんですね。

 

>オルガマリーがカルデアについて教えてくれた。

>スキル『天文台の見習い職員』を手に入れた。

 

『天文台の見習い職員』が手に入りましたね!うれしい……うれしい……。

これは会話が少し成功しやすくなる&所長の好感度が上がりやすくなるスキルです。ホモ君ちゃんは『発声障害』持ちなのでかなりありがたいです。

 

『発声障害』について詳しく説明していませんでしたが、これは

・コマンド「会話」を選んだ際に失敗しやすくなる。

・戦闘中、サーヴァントへの細かい指示が出来なくなる。

等々の影響があります(315敗)。はぁ~~~(クソデカため息)あほくさ。

かなり太いバステではあるのですが、“オリ主マスター”や“サーヴァント”プレイであれば、意外と何とかなります。立香君ちゃんとかにフォローしてもらえば良いので。おんぶにだっこでさ、恥ずかしくないのかよ?

 

さて次ですが……今日はもう自室に戻りましょうか。ゲーム内の時間も遅くなってきましたし。

顧問への挨拶?なんのこったよ?(すっとぼけ)

 

 

 

 

 

>あなたが廊下を歩いていると、モスグリーンのシルクハットと赤みがかった長髪が特徴的な男性に出会った。

 

あのさぁ……(怒)

 

はい、こちらもお馴染み、顧問のレフ・ライノール教授ですね。関わると碌なことにならないのですが、露骨に避けて目をつけられると厄介なので(88敗)ほどほどに受け流しましょう。

 

>――恐らく、レフ・ライノール教授だろう。

>レフ教授に挨拶をし、『ちょっと良い甘味』を渡した。

>レフの好感度が上がった。

>レフと知り合いになった。

>レフは何処かに去っていった。

 

 

 

ぬわあああああん疲れたもおおおおおおおん

 

 

 

ちょっとヒンヤリしましたが、何とかなりました。

このフリーパートにおけるレフ対策ですが、とにかくヤツは魔力に敏感です。

触媒や礼装など、それっぽいモノは出来るだけ持ち歩かないことで、目をつけられる可能性が減ります。くっせえなお前(6510敗)。

それはそうと、好感度はいらないんですけどね(真顔)。

 

さて今度こそ、自室に戻ることにしましょうか。

 

 

 

あ、ご飯を食べさせてあげてなかったですね。

>あなたは食堂に向かった。

>――おすすめはA定食らしい。

>A定食を頼んだ。

>スタミナの最大値が上昇した。

 

うん、おいしい!

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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4 Round 1

前方から歩いてくる人物に気が付くと、ロマニ・アーキマンは声を掛けた。

 

「やあ!君は……御剣日彩君、で良いかな?」

 

声を掛けられた人物――御剣日彩は、少しだけ首を傾げながらロマニの方に歩み寄ってきた。

資料では10代だったと記憶しているが、近づいてくると、平均より更に華奢な体躯がよく分かった。

日彩は一つ会釈をすると、ロマニをじっと見つめてくる。

 

「ボクはロマニ・アーキマン、このカルデアで医療部門トップを担当している職員なんだ。何故か皆からDr.ロマンと呼ばれていてね。呼びやすいし、君もそう呼んでくれて構わないよ。それから何か分からないことがあったらいつでも聞いてくれ」

 

ロマニがそう言うと、日彩は手に持っていた包みを差し出した。差し出されたロマニがそれを受け取ると、空いた手でポケットから取り出したメモ帳に何かを書き込み、それも差し出した。

 

《はじめましてDr.ロマン、ヒイロと言います。これからよろしくお願いします。これはお近づきのしるしです》

 

渡されたメモに目を通し、顔を上げると、日彩はまたペコリと頭を下げた。

 

「ありがとう!――わぁ和菓子か!ボクこし餡好きなんだー!」

 

ひとしきり喜んだあと、ふと、手の中のメモ用紙を見る。

 

「……さっきも言ったけど、ここの医療部門のトップはボクだ。困ったことがあったら何でも言ってね?」

「それで、今は何を?……オルガマリー所長に会いに行く?それじゃあ――」

 

 

 

 

 

「――どうぞ」

 

書類に目を通していたオルガマリー・アニムスフィアの耳に、所長室のドアをノックする音が聞えたのは、夕暮れ時のことだ。といっても、このカルデアでは夕日など拝めたものではないのだが。

扉が開き、するりと誰かが入ってくる。机の前に立つ気配がしたところで、オルガマリーは顔を上げて来客を見た。

 

黒髪に黒瞳の若者だ。極東日本の――こけし、だったか。何だかアレに似ている。

目が合うと一つ会釈をし、メモ用紙を差し出してきた。

 

《初めまして、オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィア所長。本日からお世話になるミツルギ ヒイロです。お忙しいのではと思いましたが、挨拶に参りました》

 

視線を目の前の日本人に戻すと、少し微笑みながら手に持っていた包みを差し出される。

 

「ありがとう。礼儀は出来ているようね」

 

それはそうと何故――と、メモを振りながら言いかけて、思い出す。マスター候補者のリスト、その中の一枚にあった記述を。

 

「『発声障害』だったわね。全く、それじゃあ適性も持ち腐れよ……」

 

「一般人だし何でこんな子が……」と一頻りブツブツ言うと、もう一度視線を合わせた。

 

「最初に言っておくと、このカルデアで行われる偉業において、貴方は予備も予備、補欠、補充要員です。期待はしていない」

 

そう言うと、しかしその黒瞳は変わらず、こちらをじっと見つめていた。

威圧感はない。ただこちらを見つめているだけ。

それでも何だか、少しだけ心が揺れながら言葉を続ける。

 

「――ま、まぁとはいえ?貴方もカルデアの一員であることは確かです。つまり一員として恥ずかしくない振る舞いを望みます!」

 

分かった!?と問うと、少しだけ困ったような顔で、新たなメモを渡してくる。

 

「《カルデアについて詳しく知りたい》?適当に職員を捕まえて――っいや、ロマニとかは駄目よ!……ああっ、良いわ!もうっ!!」

 

暫く唸ると、持っていた書類を机に置いて、日彩を指さす。

 

「感謝しなさい!貴方にはこの所長自ら、カルデアの何たるかを教え込んであげるわ!!」

 

即席の生徒と教師の授業は、1時間ほど続いた。

 

 

 

 

 

レフ・ライノールがその若者に出会ったのは偶然だった。

 

「おや、君は確か……御剣日彩君だね? もうこちらに来ていたとは」

 

マスター候補者、その予備の予備。

その矮小さ故か()()()()()()()()()()()()()()人物が、目の前に現れる。

 

会釈し、メモ用紙を手渡してくる姿を眺める。

 

「《よろしくお願いします、レフ・ライノール・フラウロス教授》か。名前を覚えてくれているとはね」

 

魔力の流れはない、完全に一般人。

その手に運命を変える力などあるはずもない。

微笑み、手土産だというお菓子を受け取る。

ああ、そうとも――

 

 

 

 

 

 

――我らの事業は、誰にも止められはしない。



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5 カルデア入り その2

中身はないけど3000字越えたので初投稿です。


雪山で暗躍するRPGはーじーまーるーよー。

 

一夜明けていよいよカルデアでの生活がスタートです。

カルデア入りしてから爆☆破される(First Order)までの日数ですが、これは結構バラバラです。年単位で働いた職場が崩壊する兄貴も居れば、到着したその日に爆☆破される兄貴も居ます。ウッソだろお前(戦慄)

さて今回ですが、昨日オノゴロ所長に聞いた感じだと一年ほどあるようです。あぁ~、いいっすねぇ~。

 

この一年でやることですが、更なる育成とコミュですね。ロマニキと所長、あとまだ見ぬ後輩。加えてスタッフゥ~の皆様の好感度も稼いでおくと良いでしょう。レフ?いやーキツイっす(真顔)。

 

>あなたは管制室に向かった。

>モニターとにらめっこするスタッフたちに挨拶をし、『ちょっと良い甘味』を渡した。

>スタミナが少し減少した。

>カルデアスタッフの好感度が上がった。

>カルデアスタッフと知り合いになった。

 

カルデアスタッフの好感度ですが、高いと特異点攻略時のバックアップの精度や効果が上がります。ほんの少しですけど。

 

>医務室を訪れると、ロマニがお茶を飲んでいた。

>あなたはロマニとおしゃべりをした。

>ロマニの好感度が上がった。

 

>廊下を歩いていると、オルガマリーに出会った。

>あなたはオルガマリーとおしゃべりした。

>オルガマリーの好感度が上がった。

 

>廊下を歩いていると、スタッフが書類を抱えていた。

>運ぶのを手伝ってあげた。

>スタミナが少し減少した。

>カルデアスタッフの好感度が上がった。

 

 

 

 

 

育成についてですが、持ち込んでいる木刀での素振りに加え、トレーニングルームの利用が出来ます。メニューは選択式で、召喚される英霊によっては増えたりもします。スパルタ式ブートキャンプとかケルト式ブートキャンプとか(195591敗)。今回はお家に居た頃と同じくランニングでいきましょう。

 

>あなたはトレーニングルームでランニングをした。

>スタミナが減少した。

>耐久値が少し上がった。

>敏捷が上がった。

>スタミナの最大値が上昇した。

>スキルポイントを1獲得した。

 

>あなたは自室で素振りをした

>スタミナが減少した。

>筋力が少し上がった

>耐久値が少し上がった。

>敏捷が少し上がった。

>スタミナの最大値が上昇した。

>スキルポイントを2獲得した。

 

一通りやることの確認が終わったので、倍速、イクゾー!

 

 

 

 

 

>あなたが廊下を歩いていると、亜麻色のショートヘアーで片目が隠れるような前髪をしている少女に出会った。

>肩には見たことのない小動物を乗せている。

 

おっと、ここで僕らの後輩なすびことマシュ・キリエライト、そしてでんじゃらすビーストことフォーウ↑!君と遭遇です。亜麻色って何だっけ?

 

>少女はマシュ・キリエライトと名乗った。

>小動物はフォウと言うらしい。

>挨拶をし、『甘味』を渡した。

>マシュの好感度が上がった。

>マシュと知り合いになった。

>フォウの好感度が上がった。

>フォウと知り合いになった。

 

さてまずはなすびから。彼女の好感度は上げておくに越したことはないのですが、イキスギィ!るとガバの原因になります(738738敗)。基本的に、立香君ちゃんの方に矢印が向いている状態の方が安定するんですよねー。必要であれば踏み込みますけど。

次にフォーウ↑!君ですが、皆様ご存知の通り(意味深)、もふもふの癒しを提供することでキャラのストレス値を低減させる代わりに、厄介なメーターが上がっていく仕様になっています(444敗)。触られるの嫌なのかな?(すっとぼけ)

 

 

 

 

 

>あなたは食堂に向かった。

>――おすすめはC定食らしい。

>C定食を頼んだ。

>スタミナが少し回復した。

>耐久値が少し上がった。

 

>食堂に行くと、スタッフが皮むきをしていた。

>皮むきを手伝った。

>カルデアスタッフの好感度が上がった。

 

>所長室を訪れると、オルガマリーが書類に目を通していた。

>お茶とお菓子を用意した。

>オルガマリーの好感度が上がった。

 

 

 

 

 

>あなたが食堂で食事をしていると、銀髪の2人組――綺麗にメイクを施した長身の人物と、どこか疲れたような表情の、ピアスの青年に出会った。

 

あっ…(察し)

はい、カルデアに所属するマスター候補、スカンジナビア・ペペロンチーノとカドック・ゼムルプスですね。

 

>2人はスカンジナビア・ペペロンチーノ、カドック・ゼムルプスと名乗った。

>挨拶をし、『甘味』を渡した。

>ペペロンチーノの好感度が上がった。

>ペペロンチーノと知り合いになった。

>カドックの好感度が上がった。

>カドックと知り合いになった。

>2人は自分たちの所属チームについて教えてくれた。

>『マスターAチーム:クリプターについて』を手に入れた。

 

ペペネキ、カド君が所属チームについて教えてくれましたね。2人はどういう集まりなんだっけ?

さて彼らが所属するAチーム、クリプターについてなのですが……(彼らとの物語は2部が本番なので語れることが)ないです。悲しいなぁ。

しかし交流することは無意味ではありません。彼らはコミュを重ねると、ステータスを上昇させてくれたり、スキルをくれたりします。2部を走る場合は好感度調整も必要ですが、今回は1部完走が目標。深く考えずにやっていきましょう。オッスお願いしまーす!

 

 

 

 

 

>キリシュタリアと知り合いになった。

>オフェリアと知り合いになった。

>ベリルと知り合いになった。

>デイビッドと知り合いになった。

>ヒナコと知り合いになった。

 

>オフェリアやマシュとお菓子を作った。

>ベリルと水やりをした。

>素振りをした。

>キリシュタリアやデイビットとオセロをした。

>ランニングをした。

>カドックとおしゃべりをした。

>ペペロンチーノやオフェリアにお茶の淹れ方を習った。

>オルガマリーにお茶を振る舞った。

>素振りをした。

>フォウと戯れた。

>食堂で食事をした。

>ヒナコにオススメの本を訊いた。

>スタッフの仕事を手伝った。

>レフとおしゃべりをした。

>キリシュタリアとパンを焼いた。

>ロマニにパンを振る舞った。

>素振りをした。

>オルガマリーとおしゃべりをした。

 

 

あぁ~、いいっすねぇ~(本日二回目)。

良い感じにステとスキルと好感度が手に入りました。少し確認してみます。

 

名前:御剣 日彩(◼️◼️)

性別:■

スキル:剣術(■■■■■)、応急処置、健脚、狂走、天文台職員、サバイバル技術、神話学、調理術、ガーデニング、

ステータス:発声障害

持ち物:

『筆記用具』

『古びた大百科』

『空のカードケース』

『綺麗な石』

『記録の土欠片』

『甘味』×いっぱい

『こし餡入りの甘味』×まあまあ

『日本の調味料』×いっぱい

『木刀』

『写真』

 

新しく入ったスキルを順番に見ていきましょう。『天文台職員』は『天文台の見習い職員』がランクアップしたモノになります。『サバイバル技術』は特異点での行動、『調理術』『ガーデニング』は該当する行動にそれぞれ補正が入ります。『神話学』は戦闘をちょっぴり有利に進められるようになります。

持ち物ですが、『ちょっと良い甘味』はなくなりましたね。元々、挨拶回りで全部配る予定だったのでチャート通りです。順調といって良いでしょう。

 

 

 

 

 

ところで立香君ちゃんが入ってないやん!どうしてくれんのこれ(憤怒)と思っている兄貴たち、ままもちついて、ね?

原作と同じく、立香君ちゃんがカルデア入りするのは爆☆破の直前です。これは固定で、よほど変なフラグ立ててない限りは動きません(77敗)。最早存在が爆☆破フラグと言っても過言ではない(最低)。というワケで――

 

>正面入口前に人影がある。

>マシュとフォウが、倒れ込んでいる人に声を掛けているようだ。

 

そろそろお時間のようですね!

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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6 First Order へ

友人がワクチン打ったので初投稿です。


冒険前の最後の身支度、はーじーまーるーよー。

 

前回は、落とし物(ヒト)を見つけた1人と1匹を見つけた一般通過予備マスターという構図でお別れしました。

 

>近付いていくとフォウがあなたに気付いた。

>フォウがあなたの顔面目掛けて飛びついてくる。

 

ヌゥン!(気合)

 

>あなたは両手で上手くキャッチすると、肩に乗せた。

>フォウは驚いている。

>マシュが拍手をしている。

 

はい、この時点で敏捷ステータスが一定以上かつタイミング良くボタンが押せると、フォーウ↑!君の奇襲を回避することが出来ます(114514敗)。これだからでんじゃらすビーストはよぉ(呆れ)。

前回スキルは確認しましたが、この通り、ステータスも順調に伸びているようですね。

それじゃあ1人と1匹と一緒に、立香君ちゃんを起こしてあげましょう。おはよー!!!カンカンカン!!!起きて!!!朝だよ!!!!

 

>あなたはマシュの隣にしゃがみこんだ。

>フォウが肩から降りてきて、倒れている人物の顔を舐め始める。

>倒れている人物は身じろぎをすると、ゆっくりと身体を起こした。

>倒れていた人物――黒髪の少年は、藤丸立香と名乗った。

 

というわけで、立香君ちゃん改め立香君が到着です。本RTAでは♂でしたね。

 

>あなたが挨拶をし、マシュと立香が一通り漫才をしていると、特徴的なシルクハットが見えた。

>やってきたレフに促され、あなたたちは管制室に向かった。

 

 

 

 

 

>あなたたちは管制室で行われる説明会に参加した。

>オルガマリー所長が説明をしているが、隣の立香は眠そうだ。

 

さてこの説明会、放っておくとその内に立香君がひっぱたかれて退場!なのですが、こちらから退出することで時間短縮します。せんせートイレー!

 

>あなたはオルガマリーに退出許可を求めた。

>あなたは立香、マシュと共に管制室を後にした。

 

やったぜ(コロンビア)

 

この途中退出ですが、設定されている条件の何れかを満たしていると可能になります。今回は『天文台職員』系スキルを所持してることが該当しますね。またこの時、本来はオリゴ糖所長の小言があるのですが、今回は回避出来ました。どうやらオルフェンズ所長からの好感度が一定以上あるみたいです。

 

>何処からか現れたフォウが、マシュの肩に乗る。

>あなたたちは立香の部屋に向かった。

 

 

 

 

>立香の部屋の前まで来ると、マシュは去っていった。

>立香の部屋の扉を開けると、何故かロマニが居た。

>ロマニが挨拶と言い訳をしている。

 

さて、いよいよ爆☆破の瞬間が迫ってきたので、少し確認を。

この後管制室で爆発が起こり、カルデアは大混乱に陥ります。徘徊する緑シルクハット(レフ・ライノール)を避けつつ、隔壁が閉まる前に管制室に辿り着かなくてはいけません。今いる立香君の部屋からなら楽勝ですね。

 

 

うん?立香君の部屋……?

 

 

 

 

 

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!

 

 

 

 

 

 

やらかしました。ホモ君ちゃん、持ち物類が部屋に置きっ放しです!!

正確には先ほど、なすびと一緒に、部屋の前で別れて取りに行く予定だったんでした。クゥーン……(子犬)。

 

>ロマニがレフに呼び出されている。

>ロマニは管制室に行かなければならないようだ。

 

もうロマニの呼び出しまで進んでしまっています。こうなっては仕方がありません。ヌゥン!ヘッ!ヘッ!(素振り)。

 

>暗転、何処かから鳴り響く爆発音。

>モニターに映し出される管制室の様子に、あなたたちは顔を見合わせた。

 

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!(全力ダッシュ)

 

 

 

>あなたたちは部屋を飛び出した。

 

 

一回部屋に寄って持ち物取ってきます。大丈夫です、計算では間に合います!!

 

>あなたは自室に向かった。

>あなたは持ち物を整理した。

>あなたは部屋を出た。

 

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!(全力ダッシュ)

 

 

 

>【隔壁閉鎖まで、あと40秒】

 

 

ヤバいこのルートだとレフに出くわすぅぅぅぅぅぅ!!!!!

交差点で曲がらずに一つ奥の通路から行きますぅぅぅぅぅぅ!!!!!

 

 

 

>【20秒】

 

 

>【10秒】

 

 

>【5、4、3、2――】

 

 

>【中央隔壁、封鎖します】

 

 

 

 

 

 

 

 

フゥー↑気持ちいい~。

 

 

 

やりました、滑り込みセーフです!見ろよ見ろよ(震え声)。

さて、お2人さんは何処かなー?

 

というわけで、次回から特異点攻略に入っていきたいと思います。

お楽しみに!

 

 

>あなたは燃え盛る管制室、真っ赤に染まったカルデアスに目を向ける。

 

 

 

 

 

>【レイシフト、定員に、達していません】

 

>【適応番号48番、藤丸立香】

 

>【適応番号■■番、御剣日彩】

 

>【を、マスターとして再設定します。】

 

>【アンサモンプログラム、スタート。】

 

 

 

 

 

 

あれ?立香君となすびどこ……ここ?

 

 

>【ファーストオーダー、実証を開始します。】

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 



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特異点F、或いはX 【仮面と剣】
7 はじめての攻略 その1


推しの誕生日なので初投稿です。


火事場泥棒RPG、はーじーまーるーよー。

 

今回から特異点の攻略です。FGOの醍醐味と言えばやはり特異点攻略!当たり前だよなぁ?

ガバから華麗なプレイングで復帰し、燃え盛る街にイクゾー!したところでお別れしたのですが――

 

 

 

 

 

 

 

>気が付くとあなたは空中に放り出されていた。

>重力に従い、急速に身体が落下していく。

 

 

アッー!

 

 

(いきなりダイナミックエントリーは)まずいですよ!

取り敢えず着地を考えなくては……いや無理だわ、ホモ君ちゃん人間だもの(みつを)。

これは仕方がありません、新しいキャラシを用意しましょう。

次のホモ君ちゃんは上手くやってくれるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?下、真っ暗ですね?

 

 

 

 

 

>あなたは海面に叩きつけられた。

 

 

着☆水(ダイナミックエントリー)

 

 

溺れる!溺れる!

幸い陸は近いようです。馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!(必死の犬かき)

 

>あなたは陸に辿り着いた。

>手入れの行き届いていたであろう遊歩道は、今はそこかしこに亀裂が走り、瓦礫が積み重なっている。

 

いやー命拾いしました(ゲッソリ)。さてここは……海浜公園の端っこみたいですね、遠くに冬木大橋が見えます。原作マップでいうと上↑の方、未確認座標X-Dの左上ギリ表示されてる辺り(対岸側)といったところでしょうか?

このレイシフト――攻略開始時の出現位置は多くのプレイヤーを悩ませてきました。他のメンバーとしょっちゅうはぐれるんですよね(70219敗)。

折角なので「仲間を視界に入れた状態で両手を真横に伸ばし、白目を剥いて屈伸運動をしながらレイシフトを行うと上手くいく」という説の検証をしようと思ったのですが……今回は直前のガバもあり失敗しました。無念。

 

まあ、気を取り直して行動に移りましょう。冬木市内を回って聖晶石を確保、ガチャ(召喚)を行います。制限時間は……数ターンといったところでしょうか。それじゃ、イクゾー!

 

 

 

 

 

>あなたは大きな橋を探索した。

>無人の車が点々と見える。

>何も見つからなかった。

 

>あなたは駅前を探索した。

>誰も居ない駅前は、不思議だ。

>何も見つからなかった。

 

>あなたはオフィス街を探索した。

>燃え盛る街に、ヒトは居ない。

>何も見つからなかった。

 

えぇ……(困惑)

 

ちょっと石が入ってないやん!どうしてくれんのこれ(憤怒)

マップ右側、新都の中心部を探索しましたが、空振りですね(565敗)。少なくとも石3個(ガチャ一回分)が見つかるはずなんですが。先例も鑑みるに、「確定で石がある場所」の報告はやはりガセなのでは?ホモは嘘つき。

まあこ↑こ↓は原作においても特に謎の多かった特異点です。解析が不十分でも仕方ないね(妖精哲学)。

 

>あなたが探索をしていると、悲鳴が聞こえた。

 

おっとここで所長からのお呼び出しです。立香君となすびが確定で動くため、行かなくても大丈夫なのですが、このタイミング逃すと合流が面倒なんですよね(55敗)。仕方がありません、石は諦めてこちらも向かいましょう。

 

 

 

 

 

>悲鳴の方に向かうと、立香、マシュ、フォウ、オルガマリーを見つけた。

>動く骸骨――カットラスを持ったスケルトンと戦っている。

 

 

>あなたは背負っていた木刀を手に、渦中に飛び込む。

>あなたはスケルトンに木刀を振り下ろした。

 

 

 

 

 

>スケルトンは砕け散った。

>マシュが拍手をしている。

 

あぁ~、いいっすねぇ~。

実践で使うのは初めてでしたが、雑魚エネミーを倒すことが出来ました。良いモノ持ってんじゃん(ねっとり)。

この分だと戦力として期待出来そうですね(期待出来るとは言っていない)。

 

 

>あなたは他のメンバーと合流した。

 

 

>ふと立ち止まり、足元を見ると、何かが落ちている。

>何だか気になる。

 

おや?ホモ君ちゃんが何かを見つけたようです。

 

 

 

>『2004年、置かれたおもちゃ』を手に入れた。

 

んにゃぴ……よく分かんないです。

暗いし炎の照り返しがあるしで、細部が確認出来ません。

何かに使えるんでしょうか?

 

>あなたたちは先へ進んだ。

 

 

 

 

 

>指定されたポイントに到着し、サークルを設置した。

>通信が復旧した。

>ロマニからカルデアの現状を聞いた。

>どうやら壊滅状態のようだ。

>あなたたちの間に重たい空気が流れる。

 

あーストレスパワーが、ここに、溜まってきましたよー!!

ちょっとリラックスしてもらいましょう。

 

>通信が終わった。

>あなたは皆に『甘味』を渡した。

>少しだけ場が和んだ。

 

ヨシ!(現場猫)

ストレス値についてですが、ご存知の通り、溜まると様々なバステ、そしてガバが生まれます(15822敗)。気付いたら介護しましょう。

 

>オルガマリーから英霊召喚を提案された。

>どうしますか?

 

皆さんお待ちかね!ここでガチャ(召喚)のお時間です。石がない?大丈夫だって安心しろよ。

所長との合流時にサーヴァント、聖晶石どちらも未所持の場合、所長が石3個(ガチャ一回分)をくれます。

もしかしてヘソクリかな?うれしい……うれしい……。

 

>オルガマリーから『聖晶石』を受け取った。

>『聖晶石』を使った。

>召喚陣が起動した。

 

さて、ここで目当てのサーヴァントについてですが、初期は盾なすび一枚のため、一般には打点高めの子が歓迎されますね。あとは個別に槍ニキやエミヤ、小次郎あたりが人気でしょうか。流石の古参勢と言ったところ、安定していると評判です。僕が来て欲しいコ?贅沢は言いません、ヤベーのじゃなきゃ何でも良いです(696敗)。

 

 

 

>召喚陣が強い光を放ち始めた。

>3つの輪が高速回転する。

>召喚陣が虹色に輝き始めた!

 

 

やったぜ(コロンビア)

 

まさかの一発ツモです!ダイナミックエントリーから始まったときはどうなることかと思いましたが、良い風が吹いてきました。なんか芸術的。

 

>あなたは持ち物を見た。

>何だか気になる。

 

おっと、トッピングOKのようです。よし!じゃあぶち込んでやるぜ!

 

>あなたは濡れた手を気にしながら、持ち物を召喚陣に入れた。

>『古びた大百科』がなくなった。

>『記録の土欠片』がなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>召喚陣が異様な雰囲気を放ち始めた!!

 

>3つあった輪が1つに収束していく!!

 

 

ファッ!?

 

え、ちょっと待ってください。タイム!タイムを要求します!!

さっき(トッピングしても)良いって言ったじゃん!!メディック!メディーック!?

 

 

 

 

 

 

 

 

>光が収まっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>召喚陣のあった場所には何かが散らばっている。

>他には何もない。

 

 

 

 

 

>他には何もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウーン……(心停止)

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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8 はじめての攻略 その2

スパロボがやりたいので初投稿です。


ガバガバしてきたRTA、はーじーまーるーよー。

 

前回は皆大好き!ガチャ(召喚)に挑戦したところでお別れしました。

さてガチャの結果ですが――

 

 

>召喚陣のあった場所には何かが散らばっている。

>他には何もない。

 

 

 

 

>他には何もない。

 

 

 

 

スゥ――――(深呼吸)。

 

はい、召喚失敗です。

途中まではかーなーり良い雰囲気だったのですが、触媒を入れたら反応が変わりました。

触媒って言葉の意味を辞書で引いてきて、どうぞ。

しかし少々お待ちを。召喚が失敗すること自体は結構あるのですが(464971敗)、今回のように「何らかの礼装」が出てくることがあります。逸物(イチモツ)かもしれないので確認してみましょう。

 

>あなたは召喚陣に近づいた。

>散らばっているのはトランプのようだ。

>あなたはトランプを集めると、持っていたカードケースにしまった。

>『空のカードケース』がなくなった。

>『トランプ入りのカードケース』を手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

名前:御剣 日彩(◼️◼️)

持ち物:

『筆記用具』

『トランプ入りのカードケース』

『綺麗な石』

『甘味』×いっぱい

『こし餡入りの甘味』×まあまあ

『日本の調味料』×いっぱい

『木刀』

『写真』

『2004年、置かれたおもちゃ』

 

 

ホモ君ちゃんは修学旅行生か何か……?

 

まあ気を取り直して、先に進みましょう。石はまた手に入るので!次がありますから!!ね!!!

 

 

 

 

 

>あなたたちはスケルトンを躱し、埠頭にやってきた。

>オルガマリーは立香に講義をしている。

 

さて埠頭にやってきました。

立香君となすびが戦闘に慣れてきたところで、チュートリアルは次の段階に移行します。

サーヴァント2連戦です。

 

>目の前に鎖付きの杭を携えた女が現れた。

>黒く靄がかったようなそれは、ただのヒトとも、これまでのエネミーとも異なる雰囲気を身に纏っている。

>サーヴァント、ライダーが勝負を仕掛けてきた。

 

まずは一戦目、ライダーです。立香君となすびに任せて、ホモ君ちゃんは所長の傍につきましょう。お一人様(サーヴァント無し)だからね、仕方ないね。

 

>あなたは後ろに下がり、オルガマリーの傍についた。

>オルガマリーはあなたに強化魔術を使った。

 

所長が強化魔術をかけてくれました!これはありがたいです。

いいよ、来いよ!胸にかけて!胸に!

 

>マシュとライダーの間で、壮絶な戦いが繰り広げられる。

>ライダーに勝利した。

 

>ライダーに勝利した矢先、二体目のサーヴァントが現れる。

>あなたたちはその場から逃げ出した。

 

この連戦ですが、相手サーヴァントには複数のパターンが用意されています。それは攻略的にまず味では?と思われる視聴者の皆様、安心してください、(チュートリアルなのでちゃんと調整)履いてますよ――

 

 

>逃げるあなたたちに向けて短剣が投擲される。

>狙いは立香とオルガマリーだ!

 

 

何それ聞いてない。

 

ちょっと見たことない展開入ってるんですが。チュートリアルの姿か?これが……。

 

 

 

 

 

>あなたは踵を返すと共に木刀を振るう。

>あなたは短剣を撃ち落とした!

 

>あなたは短剣を撃ち落とした!

 

何それ聞いてない(本日2回目)。

 

所長の強化魔術のおかげでしょうか?ホモ君ちゃんが後ろにも目が付いてるみたいな動きをしました。やりますねぇ!(所長への素直な賞賛)

 

 

 

>あなたたちはサーヴァントに追いつかれてしまった。

>何処からか三体目のサーヴァントが現れた。

>フードを被った男と、沢山の武器を背負った男に見える。

>サーヴァント、アサシンが勝負を仕掛けてきた。

>サーヴァント、ランサーが勝負を仕掛けてきた。

 

 

 

 

 

>参戦したサーヴァント、キャスターの力を借りて、戦いが決着する。

>アサシンに勝利した。

>ランサーに勝利した。

>キャスターが仲間になった。

 

途中で予想外の展開もありましたが、無事に勝利し、キャスニキが仲間になりました。オッスお願いしまーす!

これでこの特異点でのパーティーメンバーが揃いましたね。それじゃ、イクゾー!

 

 

 

 

 

>『宝具』が使えないマシュに、先達たるキャスターが教授をする。

>あなたとオルガマリーはマシュ、キャスター、そして立香の様子を見守る。

>マシュは『宝具』が使えるようになった。

 

 

 

 

 

>キャスターに先導されて、あなたたちは洞窟を訪れた。

>大聖杯、と呼ばれるこの特異点の核は、この奥にあるらしい。

 

なすびの『宝具』解禁イベントを終え、この特異点の終着地、洞窟へやってきました。道中で石も確保したので、後はゴールまで突き進むだけです。

 

>洞窟の内部に足を踏み入れると、何処からか矢の雨が降り注ぐ。

>キャスターは足止めを買って出た。

 

 

あっ、これかぁ!

 

洞窟入口では、この後のボス戦に関する分岐があります。今回はちょっぴりハードモードなルートですね。

このルートではキャスニキが一時離脱し、ボス戦途中で再び合流、参戦してきます。ボス戦はその辺りを鑑みて作戦を立てることになるのですが……今回、こちらの手札は盾なすび一枚なので(火力的に自力攻略は)ないです。キャスニキが来るまで耐えて、袋叩きにすることにしましょう。

 

>あなたたちはその場をキャスターに任せ、先に進んだ。

 

 

 

 

 

>道中、オルガマリーがドライフルーツを振る舞う。

>少しだけ皆でおしゃべりをした。

 

 

 

 

 

>あなたたちは洞窟の最深部に辿り着いた。

>何かが光を放っている。

>聖杯――その名に似つかわしくない、何処か禍々しい雰囲気を放っている。

 

 

>光の根本、一段高くなったそこに人影が見える。

>黒く染まった鎧を着た少女だ。

>黄金色の瞳がこちらを捉えた。

 

 

 

 

それでは決戦です。相手のアルトリアオルタ、通称黒王はボスだけあって普通に強いです(9600敗)。ビームも出せますからね。

作戦通り盾なすびによる持久戦を――

 

>サーヴァント、セイバー――アーサー王が勝負を仕掛けてきた。

 

 

>アーサー王は目にもとまらぬ速さでマシュへ肉薄する!

 

>マシュは反応出来ていない!

 

 

 

ヴォエ!

 

 

完全に先手を取られました、もう始まってる!

いや強いとは言いましたが、今回の速度はいくらなんでも異常ですよ!?

しかもこのメッセージはクリティカルヒット、このままだとなすびが動けなくなります!!

ええいままよ!!!(目にもとまらぬコマンド入力)

 

>あなたは咄嗟に割って入り、聖剣の一撃を受け止めた。

 

 

 

やった、やりました!奇襲を防ぎましたよ!

どうですかこの華麗なプレイング!ここが本日の見所さんですよ皆さん!!

さてそれじゃ、なすびにバトンタッチして――

 

 

 

 

 

>続けて聖剣が、2度、3度と振るわれる。

>『木刀』が粉砕された。

>あなたは壁に叩きつけられた。

 

 

 

 

 

 

ですよねー。

 

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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9 Round 2

御剣日彩について、彼女――マシュ・キリエライトが分かることはそう多くはない。

 

1つ、小さい。

箱庭の住人であるマシュにとって、自分より身長の低い人物は、実はそれだけで珍しかった。日彩が旋毛の上に乗せたフォウと、自分の目が容易に合うのは、マシュにとってちょっと不思議な体験だった。

 

2つ、甘いものが好き。

初対面の時も、何処からか甘味を取り出してマシュに差し出してきた。廊下を歩いていると他の人に配っているところも見る。あれ?でも本人が食べているところは、見たことがないかもしれない。

 

3つ、黒が好き。

黒髪、黒瞳の日彩は、服装も黒っぽい。所々、白や灰色が混じっているが、おおよそ黒っぽい。モノトーンの姿は、目を離すと消えてしまいそうに思える。

 

4つ、社交的。

日彩は、よく他人と交流している。スタッフの手伝いをしていたと思っていたら、ペペロンチーノとおしゃべりをしていたり。キリシュタリアとパンを焼いていたと思ったら、医務室でそれをロマニと食べていたり。誰かが笑っているところに、よく居る気がする。あれ?でも本人は――

 

5つ、器用で世話好き。

日彩は、器用だ。書類仕事を手伝い、お茶を淹れ、草花を手入れし、パンを焼き、オセロをし……色々なことをしている。そして困っている人が居ると、何処からか現れる。まるで影のように。或いは幻のように。

 

 

御剣日彩について、マシュ・キリエライトが分かることはそう多くはない。

それでも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ……そして6つのことが分かる。

 

6つ。

日彩は、きっと、善性のヒトなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドアをノックする音が聞える。

入室の許可を出せば、扉が開き、するりとヒトが入ってきた。

お盆の上にティーセットを用意した日彩が、こちらに微笑んでいた。

 

ティータイムは、2人の間で半ば習慣化していた。

15時過ぎ、日彩はお茶を両手に所長室を訪れる。窓の外の景色が変わり映えしない中で、それはある種の時報だった。

ティータイム中に、言葉は殆どない。

日彩は言葉を発せないし、オルガマリーは言葉を発しない。

時間にしておよそ40分。文字で、声で、絶え間なく言葉(重圧)がのしかかるオルガマリーは、口を噤んで静かに過ごす。

彼女を見つめる黒瞳は、未だに慣れないが、それは彼女に、重さを与えるモノではない。

 

着任初日、厳しい言葉を放った。

それは事実で、必要なことで、しかし八つ当たりじみた自分が居ることに気付かなかったワケでなく。

だからこそ、こうして黒瞳が目の前に並んでいることが、不思議だった。

 

 

「物好きね」

 

一言、オルガマリーがそう言うと、影法師のような人物は、少し首を傾げた。



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10 Round 3

一瞬の出来事だった。

 

遠くに見えた黒い鎧は、気付けばマシュの目の前で。

割り込むように入ってきた別の黒は、しかし弾き飛ばされるように、岩壁へ叩きつけられていた。

 

 

【「日彩君!!!!」】

 

 

通信越しにロマニが悲鳴を上げる。

マシュは動かない。動けない。下手に動くわけにはいかない。

アーサー――否、ここではアルトリア・ペンドラゴン。

聖剣の担い手。円卓を率いし、騎士の王。その一側面(オルタ)

光の御子(キャスター)を以てなお伍する、英雄中の英雄が、こちらに向き直る。

その黄金色の瞳は――

 

「では、次は貴様だ」

 

奇妙に揺れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、黒い嵐だった。

幾度となく振り下ろされる剣を、全霊をもって耐え凌ぐ。

転じることなど夢のまた夢。

蹂躙劇と言っても過言ではない中にあって、しかし、マシュはまだ立っていた。

 

 

「よく耐える。だが――」

 

抜け落ちた表情のままに、黒の騎士王は剣を大きく振る。

手にした盾もろとも弾き飛ばされたマシュは、その体勢を整えて――

 

 

「『光を呑め――』」

 

 

【「魔力反応増大!!」】

 

「――ッ、マシュ!!!!」

 

 

 

 

 

 

「『約束された、勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』!!」

 

 

聖剣から放たれた膨大な魔力が、マシュに襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

空が見えていた。

黒の騎士王が放った一撃は、岩壁を貫き、そこから地上の風景を垣間見せていた。赤黒く染まった空は、地上の炎だけが原因では、きっと、ない。

 

 

「マシュ!!」

 

立香は地面に叩きつけられた、自身のサーヴァントへと駆け寄る。

空中で咄嗟に身を捻り、直撃を避けてなお、その威力は凄まじいモノだった。

 

「せ、んぱいっ……来ちゃ、ダメです……!!!!」

ボロボロになり、助け起こされながらも、マシュは自身の主(マスター)にそう叫ぶ。

 

 

 

 

「『光を呑め――』」

 

次が来ることを予期していたからだ。

 

2発目のそれが放たれようとしたその時、マシュは一歩前に出た。

避ける余裕などありはしなかった。だから彼女は、立香の前に立ち、盾を構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

魔力の奔流が身を襲う。盾を持つ両手も、自身を支える両脚も、限界を訴えるように震える。

それでも、耐えて、耐えて、耐えて――

 

 

誰かの手が、肩に回された。

誰かの手が、盾を持つ自身の手の横に伸びた。

 

 

 

「俺には、こんなことしか出来ないけどっ――――!!!!」

 

 

「大丈夫だ……!きっと、マシュなら!!!!」

 

 

立香が、隣に立っていた。

彼女を励まし、彼女を支えるようにして立っていた。

未だ何を成し遂げたわけでもない、未完の英霊モドキ(マシュ)を、彼は強く信じていた。

だからこそ――

 

 

マシュは、そんな自分を信じるマスターを、何より信じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒の騎士王は、自身の『宝具』がもたらした結果を見て嘆息した。

2発目、放たれたそれはマシュと立香を吞み込み、しかし2人は健在だった。

マシュの『宝具』、そしてマスターである立香の『令呪』2画は、確かにその役目を全うした。

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

剣身に魔力が渦を巻く。

黒く染まった聖剣が、膨れ上がる様を幻視する。

 

 

こちらの様子に気付き、膝をついたサーヴァント(マシュ)を庇うように立つマスター(立香)

それは、先ほどとはまるで鏡写し。

 

絶望、希望、絶望と、『宝具』は三度反転させる。

 

 

そうして聖剣を解放しようとした時、黒の騎士王はソレに気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かが歩いてくる。

頭から、背中から、そこかしこから血を流しながら、しかし確かな足取りで。

 

膝をついたマシュの頭を撫で、手を伸ばして立香の肩を叩き、ソレは最前に立った。

 

 

 

御剣日彩は、黒の騎士王の眼前に立った。

 

 

懐から取り出したのはトランプ、そしておもちゃのベルト

バックルに一枚――スペードのエースを滑り込ませると、残りのカードが宙を舞う。

 

 

【「魔力が増大!いや待て……何だ、この反応は!!??」】

 

 

『宵闇の星』――黒の騎士王が持つスキルの一つ。

戦場にあって最適解をもたらす、黒の騎士王の直感。

その星の如き黄金色の瞳が、来訪者たちを初めて捉えたとき、黒の騎士王は感じた。

とびきりの()()を。あってはならない()()を。

 

 

――――ソレは何としても止めなくてはならないと。

 

 

 

「くっ――!!??」

 

だからこその本気だった。

一つの口上すらなく、不意を打った。

魔力に飽かせて蹂躙した。

――しかし、彼らは止まらなかった。

 

最初に感じたソレ、その根源を目の当たりにし、黒の騎士王の顔に焦燥の色が浮かぶ。

魔力が解き放たれ、3人へ――最前の日彩へと襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒い瞳が相手を見据える。

ゆらりと右腕を掲げ、その唇が紡ぐ。

音はなかった。だが、その場の誰もが聞えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《――――変身ッ》

 

 

 

 

【TURN UP!】



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11 Round 4

聖剣の放った奔流が収まると、それは静かに立っていた。

小柄な若者の姿は消え、替わりに、それが立っていた。

その光景の意味を最も理解していたのは――恐らく、藤丸立香だった。

 

 

 

藤丸立香の人生は、それほど特筆するモノではない。

世界の片隅で生まれ、時に笑い、時に泣き、そうして育ってきた。

誰かに愛され、何かを愛してきた。

 

何処にでも居る、ただの一般人(普通の男の子)だったから。

 

 

彼には、それが何なのか分からなかった。

しかし彼は、それが()()()()()()()()()知っていた。

 

いつかのあの頃、彼も焦がれた――

 

 

 

 

 

 

 

「――仮面、ライダー……?」

 

 

お伽噺(英雄)の似姿が、そこにあった。

 

 

 

黒と青、2人の騎士が激突する。

黒い聖剣と青い醒剣(せいけん)が火花を散らす。

 

【「信じられない……ボクは夢でも見ているのか?」】

 

ロマニは目の前の光景に呆然と呟く。

アーサー王、その名も高き騎士の王。

剣の軌跡は先ほどより更に激しさを増し――しかしそれは、今や2振りによって描かれている。

 

御剣日彩。

ただの一般人だったはずの若者は――

今確かに、英雄と渡り合っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幾度、交わらせたか。

その剣をかち合わせ、両者の動きがしばし止まる。

頬に走る血筋もそのままに、黒の騎士王は、眼前の相手を睨みつける。

 

 

青の衣に銀の鎧、それはまるで――

 

「――フッ、ザけるなァァ!!!!」

 

咆哮と共に魔力が噴出する。

莫大な推進力を得た剣に弾かれた青い騎士は、しかし一瞬で体勢を立て直し、黒の騎士王へと駆ける。

黒の聖剣が虚空で振るわれる。

放たれた魔力が青い騎士を襲う。

その鎧に幾つもの傷が散る。

 

 

――それでも、青い騎士は止まらない。

 

 

 

 

突進、その勢いのままに振るわれた一撃は、先ほどのお返しとばかりに、黒の騎士王を吹き飛ばした。

 

クリーンヒット。

激昂が隙を生み、この戦いが始まって初めて、目に見えるほどに黒の騎士王が体勢を崩した。

 

その瞬間――

 

 

 

 

灼き尽くす炎の檻(よくやった)!!!!』

 

 

 

 

現れた炎の巨人の拳が、黒の騎士王へと振り下ろされる。

爆炎が視界を覆いつくした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖剣が宙を舞い、地面に突き立つ。

白煙と土煙の先を見ながら、キャスターは手にした杖で肩を叩いた。

タイミングは完璧。

灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』、今の自身が持ち得る、最高の一撃を叩きこんだ自信があった。

 

立香とマシュ、そして青い騎士の方を見る。

青い騎士から感じる気配は、確かにあの小柄な若者のモノだ。

誰も彼もボロボロで、だが生きていた。

そのことに、短い付き合いではあったが少し安堵して――

 

 

 

 

 

立ち込める煙の中から、黒い影が弾丸のように飛び出すのを見た。

 

 

 

 

 

背後から迫る影に、青い騎士が振り返る。

だが、遅い。

 

短剣を手に、ひび割れた鎧で黒の騎士王が跳ぶ。

セクエンス。騎士王が持つ武器の一つ。

死闘で――()()()()()()()()()振るわれるそれが、そこに現界していた。

 

 

キャスターが気付いた。

――杖を構えども、目の前には立香とマシュが居る。射線を確保出来ない。

 

 

マシュが気付いた。

――積み重なった疲労と傷は、彼女の足を鈍らせる。

 

 

立香が気付いた。

――駆け出す足は、しかし速度が足りない。

 

 

三者三様、そのどれもが間に合わない。

でも。

しかし。

さりとて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで止まりなさい、騎士王(ガンド)!!!!」

 

()()()()()()()とは、限らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルガマリー・アニムスフィアは、思考する。

自分に出来ることは何か、それだけを、必死に。

 

 

サーヴァント。

その実体は、使い魔(サーヴァント)などという生易しいモノではない。

それを彼女は、良く知っている。

 

騎士王、アーサー・ペンドラゴン。

その名も高き英雄中の英雄。

キャスターの言う通りであれば、目の前の人物はそれであり、つまり()()()()()()ということだ。

 

 

彼女は、心の内で唱える。

自分に出来ることは何か、その答えを。

 

 

 

 

 

ガンド――この世界における、ルーン魔術の一種。

相手を指さし、放たれる呪いの一撃。

一工程(シングル・アクション)、指をさすだけで即座に起動することが出来る、その簡単さこそを特長とされ、多くの魔術師が習得する術。

 

その呪いは、果たしてサーヴァントに効くのだろうか?

たかだか一工程で編まれた魔術が、英雄の影法師に。

 

 

黒の騎士王、三騎士の一角に座る資格を持つ彼女は、特に高い魔術への耐性を持つ。

多くの魔術を無効化するその抵抗力は、無論、一工程の魔術など歯牙にもかけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが本当に()()()ならば。

 

 

 

 

オルガマリーは心の内で唱えた。

呪いの魔術を、()()()()()()()()

 

友人(日彩)が壁に叩きつけられ、残り少ない自分の部下(マシュと立香)が聖剣の脅威に晒されても、()()()()()()()

 

 

オルガマリー・アニムスフィアはカルデアの所長である。

オルガマリー・アニムスフィアは時計塔(現代魔術師の総本山)を統べる、12の盟主(ロード)の1人である。

ロードとして、その場でただ一人の魔術師として、何より、カルデアの所長として――

 

彼女はやるべきことを見失ってはいなかった。

 

 

現代魔術界に君臨する者、その全霊。

幾重にも重ね掛けされた呪いの一撃は、しかしそれでも、効かなかった。

たとえどれだけ編み上げようと、所詮はガンド(誰にでも出来る)

 

 

 

 

 

 

 

――()()()()()()、効かなかった。

 

 

その一瞬で、青い騎士は振り返り、黒の騎士王の霊核を両断した。

 

 

 

 

 

 

 

 

地に横たわる黒の騎士王の傍らに、青い騎士がしゃがみ込む。

駆け寄ってくる面々を背に、緋色(ヒイロ)の瞳が、騎士王を見つめていた。

 

黒の騎士王は悔悟する。

何故、どうして、止められなかったのかと。

 

 

「――()()()()()、……そして()()

 

 

突然呼ばれた名前。

「どうして知っているのか」と立香は顔を覗き込み、そして、止まった。

 

 

黒の騎士王の瞳には、涙が浮かんでいた。

 

 

 

「グランド・オーダー――聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだ」

 

黒の騎士王は語りかける。

 

「貴様たちの前にあるのは苦難の道だ」

 

その黄金色の瞳は、何故か温かく。

 

「それでもきっと、成し遂げようとするだろう」

 

「だが――」と、黄金色の瞳が揺れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――絶対に失敗しろ、この馬鹿者どもめが」

 

 

それは、祈りのように。

黒の騎士王は虚空に溶けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

退去の予兆に頭を搔きつつ、キャスターは来訪者たちに声を掛けた。

 

「今回は助けられたな。いつかこの借りは返してやる」

 

「その時はランサーとしてな」と笑うと、彼は一人一人に顔を向ける。

 

「盾の嬢ちゃん。お前は立派な、一人前のサーヴァントだ。その盾に相応しい、な」

 

「坊主、お前も頑張ったな。お前は良い航海者(マスター)になれる。この光の御子のお墨付きだ」

 

 

キャスターに声を掛けられる2人の少し後ろで、オルガマリーは黒の騎士王の言葉について考えていた。

だから、少し反応が遅れた。

 

 

「白髪の嬢ちゃん」

 

声を掛けられて、慌ててキャスターの顔を見る。

 

 

 

 

 

 

「見事なルーン魔術(ガンド)だった。お前さんがどれだけの研鑽を積んできたか、あの一撃だけでも分かったぜ」

 

 

呼吸が止まった。

 

 

 

 

 

ずっと、ずっと、ずっと――

 

盟主の後継者に恥じない姿を願い。

だからこそ、足りなくて。

 

 

咄嗟に顔を伏せる。

 

当たり前だと思っていた。

だって、自分はまだ、何も成していない。

()()()()()()()()()を、成せていない。

 

 

足下に転がる石が目に入る。

或いは、それが自分の本当の姿なのではと思う日々で。

 

 

足りていなくて、足りていなくて。

だから、そんな資格は――

 

 

 

 

「所長は魔術以外だって凄いんですよ!」

 

「はい。ここまで来れたのは、所長のおかげです」

 

立香とマシュの言葉に、思わず顔を上げた。

 

 

 

幾多の英雄譚を綴ったキャスター(偉大なる先達)が。

今この時、誰より前で戦い続けた部下(勇敢なる者)たちが。

後ろで震え、言葉を重ねるだけだった自分に、それを贈る。

 

 

オルガマリーは、自分の視界が滲むのを感じた。

 

 

 

彼女は、彼女だって――

 

 

認めて欲しかったのだ。誉めて欲しかったのだ。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

傍らの青い騎士を見た。

仮面で表情は伺えない。

それでも、あの黒瞳が、何時ものように、自分へ微笑んでいるように感じた。



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12 Round 5

拍手が鳴り響いた。

 

黒の騎士王とキャスターが帰還し、これで一安心と。

光の根元で浮かぶ、不可思議な水晶体(この特異点の元凶)を回収しようとしたその時、それは鳴り響いた。

 

その場の全員に緊張が走る。

音の方に目を向けると、それは水晶体のすぐ傍らで。

 

 

「いや、まさか君たちがここまでやるとはね」

 

 

緑のシルクハットと揃いのスーツ。

水晶体を拾い上げながら、カルデアの顧問、レフ・ライノールが微笑んだ。

 

 

 

 

誰よりも先に駆け出し、辿り着いたのはオルガマリーだった。

自身の右腕にして恩師との再会を喜び合おうと。

これまでの大冒険を語ろうと。

 

「レフ……ああ、レフ、生きていたのね!!」

「無事で良かった……。ここまで本当に大変だったの!あのね私、ううん、()()()――」

 

これまでも、これからも。

頼りにしてきたその姿に語りかける。

 

 

【「レフ――!?彼がそこにいるのか!?」】

 

 

「その声はロマニ君かな?まったく――」

 

ロマニのその問いかけに、彼は微笑んだまま――

 

 

 

 

 

「前所長の置き土産、出来損ないのデミ・サーヴァント(マシュ・キリエライト)

 

「48人目、見込みがないと見逃したマスター適性者(藤丸立香)

 

「ひとの指示は聞けないくせに小賢しい医療担当(ロマニ・アーキマン)

 

 

 

 

 

「どいつもこいつも統率の取れていないクズばかりで吐き気が止まらないな」

 

 

 

悪意を吐き出した。

 

 

瞬間、オルガマリーが止まる。

 

「……レ、フ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

レフ・ライノールは語る。

自身が管制室を爆破し、レイシフトを妨害したことを。

そして――

 

 

「それにしても、哀れな哀れなオルガマリー」

「まさか残留思念――死ぬことで、切望したレイシフト適性を手に入れるとはね」

眼前のオルガマリーに、その肉体的な死を。

 

オルガマリーの目から光が失われたのを見ながら、レフは手を虚空へとかざす。

 

彼は手にした水晶体――聖杯の力で、カルデアの様子を公開した。

真っ赤に染まったカルデアスを。

人の光のなくなった地球儀を。

 

 

 

「さて――」

 

レフが腕を振ると、オルガマリーが宙へと浮く。

否――

 

 

「君の()()に触れるといい」

 

カルデアスへと、その身体が引っ張られていく。

地球環境モデル・カルデアス。それは高密度の情報体で――

 

「人間が触れれば、分子レベルで分解されるだろうが」

 

 

 

 

 

 

 

オルガマリーは吸い寄せられる。

天体が持つ引力に引かれるがごとく。

その先はブラックホールか、或いは太陽か。

 

 

 

「……い、や――」

 

 

宙に浮く彼女に、成す術はなく。

目の前に近づくカルデアス(終わり)に、彼女の視界は再び滲む。

 

 

 

「いやよ……!だって、私……やっと――!」

 

あの時は喜びだった。

 

 

 

「やっと、私のことを――――!!!!」

 

 

 

しかし今は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――誰かが、腕を掴んだ。

 

紫色のグローブの左腕と、手の甲に紋様の浮かんだ右腕が。

彼女の腕を掴み、思い切り引っ張っている。

 

彼女を繋ぎ留めようと、必死で引っ張っている。

その光景が視界に入り、そして――

 

 

――その片隅で、青い騎士が、緑色の影に突っ込むのを見た。

 

 

 

 

 

 

 

咄嗟に張った盾を挟んで、レフは青い騎士と向かい合う。

突進に気を取られ、手にしていた聖杯を取り落としてしまった。

カルデアとの繋がりが途絶したことで引力は失われ、小娘(オルガマリー)が駆け付けた2人もろとも地面に転がっているのが見える。

 

 

 

「ああ、そうだ。貴様が一番のイレギュラーだ、()()()()

 

 

眼前の異貌を観察しながら、言い放つ。

黒の騎士王とすら渡り合ってみせた青い騎士。

それはしかし、目の前にしてなお――

 

 

 

得体が知れない存在だった。

 

 

 

 

「まあ、良い」

 

 

盾を以て弾き飛ばし、彼は距離を取ると告げた。

 

 

自身の名を。

この現状の意味を。

そう――

 

「お前たちは、何の価値もない紙屑のように跡形もなく燃え尽きるのさ!」

 

 

レフ・ライノール・フラウロス

2015年の担当者を名乗る男は、崩壊が始まった特異点から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

地面が揺れる中で、マシュ、立香と順に立ち上がる。

 

 

「――あの、所長」

 

「――ええ、ありがとう」

 

立香は、未だ地面に座り込んでいた所長に手を差し伸べた。

受ける彼女の顔は、伏せられていて見えない。

 

埃を払い、一呼吸置くと、オルガマリーが口を開く。

 

 

「藤丸立香、マシュ・キリエライト」

 

呼ばれた2人が、オルガマリーに注目する。

 

 

 

 

「ここまでの働きぶり、見事でした」

 

「貴方たちの功績、カルデアの所長として認めます」

 

 

 

 

 

「ありがとう。そして」

 

 

 

 

 

 

「――あとをお願いするわ」

 

 

 

 

 

顔を上げたオルガマリーは、笑っていた。

目に涙をいっぱいに溜めながら、それでも。

 

 

悔いがないとは言えない。

それでも最後に、欲しかったモノが手に入ったから。

 

 

 

 

立香とマシュの顔が歪む。

 

 

 

「――ロマニ!」

 

【「……何でしょうか、オルガマリー所長」】

 

 

 

「私に代わって成し遂げなさい。偉業を。そこに居るスタッフたちと」

 

【「ッ!……確かに承りました」】

 

 

 

 

そして――

 

 

 

 

 

「日彩」

 

 

自分の方へと歩いてくる影に、オルガマリーは顔を向けた。

 

 

「貴方も、ありがとう」

 

 

その姿は、平時の小柄なものに戻っていた。

血塗れで、片手に聖杯を持ちながら、その黒瞳がオルガマリーを見つめる。

 

「私は居ないけど、そこの2人を、ロマニたちと一緒に支えなさい」

 

分かった!?と問うと、少しだけ困ったような顔で、メモを渡してきた。

それはまるで、あの日の、初対面の時のようで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《それは出来ません》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

持っていた聖杯が、その手を離れ宙に浮かぶ。

懐から取り出したカードケースに、それは吸い込まれていった。

 

ケースから一枚――空白のカードが取り出される。

 

目の前のオルガマリーの手を取ると、それを乗せた。

 

揺れが強くなる中で、カードが淡く光る。

 

 

 

【「ゴメン、そっちの崩壊の方が早いかもだ!」】

 

【「意識を強くもってくれ!」】

 

 

 

 

「先輩、日彩さん……!」

「マシュ!日彩!!」

「フォーウ!!」

 

いつの間にか現れたフォウが、立香の頭上に陣取っていて。

 

 

それを見ながら、伸ばされた手を取って。

四人、手を繋いで。

 

 

 

 

 

 

 

そこで、暗転した。



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13 特異点Fからの帰還

明日から出張(失踪)するので初投稿です。


何か久しぶりのRTAはーじーまーるーよー。

 

一週間くらい空いた気がしますね(すっとぼけ)。

さて久しぶりすぎて、前回までの内容を忘れてしまっている視聴者の皆様もいらっしゃるかもしれません。

ちょっと振り返っておきましょう。

 

 

まず前回の終わりまでですが

1. ホモ君ちゃん、ダイナミックエントリー

2. ホモ君ちゃん、イキッて召喚失敗

3. ホモ君ちゃん、奇襲阻止成功(なお本人)

 

の3本でした。ガバと(チョキ)が敗因でしたね、うん。

で、その後です。

 

 

 

1. ホモ君ちゃん、変身

2. 所長、ファインプレー

3. ご一行、帰還

 

の3本でした。指さし(男チョキ)が勝因でしたね、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

たまげたなぁ……。

 

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

まず黒王のフルスイングで壁のシミと化したホモ君ちゃんです。

なすびの代わりにクリティカル喰らった&ホモ君ちゃんが人間であることを考慮すると、あの戦闘内で復帰する可能性は、そうですねー……

今この瞬間に僕や視聴者の皆様の家のインターホンが鳴って金髪碧眼幼馴染系婚約者([皆様のお好み]歳)が現れる確率よりちょっと高いくらいと踏んでいました。彼女とか、いらっしゃらないんですか?(無慈悲)

 

 

……ホモ君ちゃん、復帰した挙句にポーズとって変身しやがりましたね。いきなりムービー流れておらビックリしただよ(本音)。

 

 

はい、DLC『仮面の系譜』が起動したみたいですね。

この『仮面の系譜』は、特撮テレビドラマ『仮面ライダー』シリーズをモチーフとして、その各種設定、装備などをゲーム本編にぶち込むことの出来るDLCです。

 

数あるコンテンツの中からこれが選ばれた理由ですが……んにゃぴ、よく分かんないです。

始める直前に観てたからですかね?

 

 

というワケで、初変身からの初戦闘だったホモ君ちゃん。

こういうのって所謂ご祝儀回、初変身したヤツは大活躍するモノだと思うのですが……黒王、クッソ強かったですね(白目)。

ホモ君ちゃんとキャスニキの2人がかりでこちらが逝きかける辺り、流石アルトリアシリーズ(シリーズの顔)だけはあります。

 

 

ええそうです。だからこそ、太い指さし(ガンド)を黒王にぶち込んだ所長には驚きました。やりますねぇ!(所長への素直な賞賛)

 

……ここに限らず、今回ちょくちょく所長が有能なんですよね。本当に所長かお前?(疑心暗鬼)

 

 

 

そんなこんなで幾度の再走の危機を乗り越え、何か最後にゴチャゴチャ言いつつホモ君ちゃんご一行は帰還したのですが――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>目を開けると白い天井が見える。

 

 

知ってる天井だ……。

 

はい、自室に戻ってきていますね。

特異点Fからの帰還後ですが、ほぼ確実に気絶して(1260481敗)自室からスタートです。

 

 

>どうやら自室のようだ。

>起き上がって伸びをしていると、ドアが開いた。

>髪を靡かせ絶世の美女が入ってくる。

 

>――どこかで見たことがある気がする。

 

おっと目覚めて早々に好感度チャンスです。

ここで既視感の正体について答えることが出来ると、目の前の人物の好感度が上がります。

 

 

 

 

>思い出そうとするが出てこない。

>あなたは首を傾げつつ目の前の人物を見た。

 

はい、失敗しました。

これは知力が上がりそうな――読書や勉強などの行動を一定回数以上行っているかが試されています。全くやっていなかったワケではないんですが、まあ仕方ないね。

 

 

>笑いながら彼(?)――レオナルド・ダ・ヴィンチが名乗る。

>彼も英霊、つまりあの天才本人らしい。

>挨拶をし、『甘味』を渡した。

>レオナルドの好感度が上がった。

>レオナルドと知り合いになった。

 

というワケで僕らの強い味方、ダヴィンチちゃんです。

原作と同じく、装備の調達管理などでお世話になります。オッスお願いしまーす!

 

>レオナルドはカルデア技術部門の名誉顧問でもあるらしい。

>彼に見てもらうモノはないだろうか?

 

早速出ました、ダヴィンチちゃんによる鑑定、分析のお時間です。

これはダヴィンチちゃんとの会話時、持ち物の中に該当する逸物(イチモツ)があると挿入されるイベントですね。

クッソ沢山出てくる使途不明なアイテムの使い道を教えてくれたり、何なら使えるように加工してくれたりします。うれしい……うれしい……。

一度、持ち物欄を見てみましょうか。

 

 

 

名前:御剣 日彩(◼️◼️)

持ち物:

『筆記用具』

『トランプ入りのカードケース』

『綺麗な石』

『甘味』×いっぱい

『こし餡入りの甘味』×まあまあ

『日本の調味料』×いっぱい

『折れた木刀』

『写真』

『2004年、置かれたおもちゃ』

『聖晶石』

 

 

思い当たるモノは……ありますねぇ、ありますあります。

 

>あなたは『トランプ入りのカードケース』を渡した。

>あなたは『2004年、置かれたおもちゃ』を渡した。

>レオナルドは少し驚いている。

>レオナルドは意味深な笑みを浮かべ去っていった。

 

 

ところで、一年も暮らしててダヴィンチちゃんと面識ないの何で?と思われている兄貴たちもいらっしゃるかと思います。

これは単純に、ダヴィンチちゃんの工房周辺に近寄らなかったからですね。ダヴィンチちゃん自体が重要機密みたいなモノですし、一般通過予備マスターのホモ君ちゃんでは会えないです(会えないとは言ってない)。

ではダヴィンチちゃんとの顔合わせも済んだところで、散策にイクゾー!

 

 

 

 

 

 

 

 

>管制室を訪れると、スタッフが掃除――瓦礫の撤去などをしている。

 

大将、やってるー?

取り敢えず管制室に来てみましたが、まあ荒れてますね。汚い……汚くない?

頑張ってお掃除するスタッフに混ざりましょう。

 

>あなたは掃除を手伝った。

>スタミナが減少した。

>筋力が少し上がった

>耐久値が少し上がった。

 

 

>廊下を歩いていると、曲がり角でフォウに出会った。

>フォウがあなたの顔面目掛けて飛びついてくる。

 

ヌゥン!(気合)

 

>あなたは両手で上手くキャッチすると、そのまま床へ降ろした。

>フォウは驚いている。

>フォウは去っていった。

 

 

>医務室を訪れると、ロマニが険しい顔で書類を読んでいた。

>あなたはロマニとおしゃべりをした。

>『立香とマシュの様子』を手に入れた。

>――ロマニによると、立香とマシュはまだ目覚めていないらしい。

 

 

ロマニとの会話で情報を得られました。

今回は……2人の容態に関する情報ですね。取得に成功すると、2人が1~2日内に目覚めるようになります(wiki調べ)。

 

 

 

 

>掃除を手伝った話をしたときに、血の滲んだ包帯に気付かれてしまった。

>ロマニに叱られた。

>スタミナが少し回復した。

 

 

 

>あなたはトレーニングルームでランニングをした。

>スタミナが減少した。

>耐久値が少し上がった。

>敏捷が上がった。

>スタミナの最大値が上昇した。

>スキルポイントを1獲得した。

>ロマニに見つかった。

>ロマニに叱られた。

 

>あなたは自室で筋トレをした。

>スタミナが減少した。

>筋力が少し上がった

>耐久値が少し上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

>廊下を歩いていると、マシュに出会った。

>先ほど目を覚ましたらしい。

>――少しフラフラしている気がするが、大丈夫そうだ。

>マシュに『甘味』を渡した。

>マシュは何処かに去っていった。

 

 

さて2日経って、なすびが起きてきましたね。

立香君もそろそろの筈ですが、まーだ時間かかりそうですかねー。

 

 

>廊下を歩いていると、レオナルドに出会った。

>レオナルドは、あなたに用があるらしい。

>あなたはレオナルドについていった。

 

 

ここでダヴィンチちゃんからお呼び出しが掛かりましたね。ちょっと行ってみましょうか。

校舎裏は勘弁してクレメンス(震え声)。

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。




作者の推敲不足により、時折加筆修正を入れております。申し訳ございません。
内容について重要な追記修正を行った話については、各話前書きでその旨を記載させていただいております(特に記載のない話は、誤字脱字表現の修正です)。

読者の皆様におかれましては、何卒よろしくお願い申し上げます。


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14 Round 6

「知らない天井だ」……そんな風に言ったあのキャラクターの名前は、何だっただろうか。

 

藤丸立香はぼんやりと、そんなことを思った。

 

「よーし、キミはずいぶん良い子でちゅねー」

 

起き抜けのふわふわした頭に、そんな声が聞こえて。

傍らで小動物と戯れる、美女に気付いた。

 

「おっと、本命の目が覚めたね」

「おはよう、こんにちは、立香君」

 

美女が自分に声を掛け、小動物が駆け寄ってくる。

寝転がったままだった自分の頬を舐める感触に、思わず声を上げてしまう。

 

「んっふ、くすぐったいよ、()()()――」

 

 

 

 

 

 

 

 

――瞬間、思い出した。

 

 

 

 

跳ね起きる立香を見て、美女は目を細める。

 

「うーん、元気そうで何よりだよ」

「それで?目を覚ましたら絶世の美女が居て驚いた?」

 

クスクスと笑う美女を尻目に、記憶を整理していく。

奇妙な旅のことを、意識を失う直前のことを。

 

「私はダヴィンチちゃん。カルデアの、召喚英霊第三号、みたいな?」

 

カルデア、英霊、そしてダヴィンチ――レオナルド・ダ・ヴィンチ。

出てきた単語が、アレが夢ではなかったことを示唆していて。

 

 

「――そうだ、皆は?マシュ達は!?」

 

 

あの奇妙な旅を共にした、仲間たちに思い至った。

 

 

 

 

 

 

 

管制室へと走っていく立香を見送りながら、レオナルドは呟く。

 

「そう、ここからはキミが……()()()()が中心になる物語だ」

 

「ただの人間として、星の行く末を定める戦いが、藤丸立香(キミ)に与えられた役割だよ」

 

その微笑には、様々な意味が含まれているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます先輩」

 

管制室のドアを潜り抜けると、亜麻色の髪の少女が振り向いた。

 

「おはよう、マシュ。……無事で良かった」

 

安堵のため息を一つつくと、2人で微笑みあう。

 

「――コホン」

 

咳払いの音に、慌てて視線を外して。

傍らの男――ロマニに向き合った。

 

 

「まずは生還おめでとう、立香君」

 

「君は勇敢に事態に挑み、乗り越えてくれた」

 

「ありがとう」と頭を下げるロマニに、慌てて立香も頭を下げる。

その様子を少しだけ可笑しそうにマシュが見ていて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――所長は、残念だった」

 

顔を上げたロマニの言葉に、一瞬、時間が止まった。

 

 

「『人類を守る』、この偉業を達成することが、彼女への手向けになる」

 

 

ほんの短い時間だった。

 

 

「レフの言葉は真実だ……おそらく、すでに人類は滅びている」

 

 

厳しくて、ちょっと怒りっぽくも思えて。

 

 

「この状況を打破するまではね」

 

 

でも、とても一生懸命なヒトだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「歴史上に存在する、人類にとってのターニングポイント。それが崩されるという事は、人類史の土台が崩れることに等しい」

 

()()()()()()()七つの特異点、ボクらだけがこの間違いを……歪んだ歴史を修復できる」

 

「だから――」と、ロマニは目の前の少年少女を見る。

 

「マスター適性者48番、藤丸立香」

「デミ・サーヴァント、マシュ・キリエライト」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――君たちに、人類の未来を背負う覚悟はあるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

残酷な問いかけだった。

自信なんてなかった。

しかしそれでも――

 

 

 

 

 

「――はい」

 

 

答える立香。

頷くマシュ。

2人の瞳に迷いはなかった。

 

 

 

 

その様子に、安堵と、眩しさと、胸の痛みを感じながら。

ロマニは言葉を続けようとした。

そして――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく言いました」

 

 

 

 

再び、時間が止まった。

その場に居た全員の視線が、一点――再び開かれた管制室のドアに向けられる。

 

 

 

そこに居たのは小柄な若者。

奇妙な旅の、最後の同行者が立っていた。

 

 

「カルデアはその使命を全うします」

 

 

一歩一歩、部屋の中央へと向かう。

 

 

「目的は人類史の保護、及び奪還」

 

 

その手には、何故かバスケットが抱えられていて。

 

 

「探索対象は各年代と、原因と思われる聖遺物・聖杯」

 

 

その声は、バスケットの中から聞こえている気がして。

 

 

「我々は人類を守るために人類史に立ち向かう」

 

 

「あ、ここで止まって」と小さく呟く声に合わせ、()()()()()()()()()()()()()()()でその歩みを止めて。

 

 

 

 

若者――御剣日彩は、その手を目一杯伸ばして、バスケットを天に掲げた。

 

 

「以上の決意をもって、作戦名を改めます」

 

 

全員が注目する中、バスケットに掛けられた布がもぞもぞと動く。

 

 

「これはカルデア原初の使命。となれば相応しい名前は――」

 

 

布の端を何かが掴んで、布を勢いよく取り払って――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――冠位指定(グランド・オーダー)。さあ、キリキリ働きなさい!」

 

 

2~3頭身の、ちっちゃいオルガマリー・アニムスフィアがそう宣言した。

 

 

 

 

 

 

 

その場に居た立香、マシュ、ロマニを始めとしたスタッフが、驚愕に目を見開いて。

 

 

何時から居たのか、レオナルドが部屋の隅でお腹を抱えて笑っていて。

 

 

所長が入ったバスケットを掲げ持つ影は、相変わらず困ったような微笑みで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――この人理修復の旅は、そんな風にして始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【System message:トロフィー『特異点F復元』を獲得しました】

【System message:トロフィー『仮面、新たなる疾走―ブレイド―』を獲得しました】

【System message:トロフィー『お帰りオルガマリー』を獲得しました】

 

【System message:ここまでの旅を記録します】




当作品は大体このような感じで続けていく予定です。
読者の皆様に気に入っていただければ幸いです。


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15 特異点F 攻略終了

出張(失踪)から帰ってきたので初投稿です。


この章最後のRTAはーじーまーるーよー。

 

前回は特異点Fを攻略し、決意も新たにイクゾー!したところでお別れしましたが――

 

 

>レオナルドに連れられて、あなたは彼の工房を訪れた。

>手に抱えたバスケットに視線を落とすと、中に入ったオルガマリーと目が合った。

>目の前ではレオナルドがニヤニヤしている。

>レオナルドによると、オルガマリーの魂をホムンクルスに定着させることに成功したらしい。

 

 

やったぜ(コロンビア)

 

はい、ダヴィンチちゃんのおかげで所長が蘇生しました。

流石ダヴィンチちゃん!そこにシビれる!憧れるゥ!

 

>あなたはバスケットを作業台に置き、拍手をした。

>レオナルドは嬉しそうだ。

 

さて、所長を生存させる方法についてはかーなーり研究が行われてきました。

先駆者兄貴たちの足跡を辿ると、どうやら「特異点F現地でオルガマリー所長の魂を保存する」ことに成功さえすれば、目の前の天才(ダヴィンチちゃん)が何とかしてくれるようです。流石ダヴィンチちゃん!そこに(ry

具体的な保存方法については、兄貴たちの汗と涙とその他の汁がたっぷり詰まった、クッソ丁寧な傑作チャートの数々をご覧ください。ね、簡単でしょう?(白目)

 

そんな中で今回のケースですが……元は白かったカードに聖杯の力で魂をぶち込んだっぽいです。流れたムービーを見る限りは。

何かフラグが立ってたのでしょうが、(これまでと) 何が違うのか私には理解に苦しむね。

メモっておくのであとで検証してみましょう。

 

>レオナルドは預けていたモノを返してくれた。

>『トランプ入りのカードケース』を手に入れた。

>『2004年、置かれたおもちゃ』改め『ブレイバックル』を手に入れた。

 

2日前に預けた例のブツが返ってきました。ありがとナス!

 

>レオナルドは預けていたモノについて語り出した。

>――よく分からなかったので、取り敢えず耐久性やセキュリティ面の強化を施したらしい。

 

はい、鑑定、分析に失敗したようです(1452415敗)。天才にだって……分からないことぐらい……ある……(MMR感)。

この鑑定、分析ですが、実のところ成功率がそんなに高くありません。皆様ご存知の通り、このゲームのアイテムは一筋縄ではいかないブツの方が多いので。

とはいえ、分からないなりに仕事をしてくれる辺りは流石の天才です。ダヴィンチちゃんはようやっとる!(素直な賞賛と心からの同情)

 

 

あっ、そうだ(唐突)。

ホモ君ちゃんの大事な棒(木刀)、激しくヤり合ってぽっきり逝っちゃったんですよね。

折角なのでダヴィンチちゃんにおねだりしておきましょう。オッスお願いしまーす!

 

>あなたはレオナルドに依頼をした。

>レオナルドは快く引き受けてくれた。

 

 

>ロマニから呼び出しが掛かった。

>あなたたちは召喚ルームに向かった。

 

お呼び出しが掛かりましたね。ちょっと行ってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

>――レオナルドは、あまり『ブレイバックル』を使ってほしくないようだ。

>心に留めておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>あなたたちは召喚ルームを訪れた。

>立香、マシュ、ロマニが待っていた。

 

はい、というわけでガチャ(召喚)のお時間です!一回分しかないですし張り切っていきましょう――

 

 

 

>あなたは『聖晶石』を手に召喚陣の前に立った。

 

 

 

>――みんなからの視線が刺さる。

 

 

 

 

クゥーン……(子犬)

 

 

どうやら皆さん、イキッて召喚失敗(ホモ君ちゃんの前科)を覚えていらっしゃるようですね。

いや、失敗ではないんですけどね?ホモ君ちゃんが仮面ライダーになったし。良いじゃん!ダメ!?

 

 

 

>あなたは『聖晶石』を立香に渡した。

>マシュとオルガマリー、ロマニが安堵のため息をついた。

>レオナルドが腹を抱えて笑っている。

>立香は召喚陣の前に立った。

>『聖晶石』を使った。

>召喚陣が起動した。

 

>3つの輪が高速回転する。

 

 

おいこらダヴィンチぃ!!(おこ)

まあ良いです。ホモ君ちゃんは『発声障害』でマスター業にあんまり向いてないのです。べ、別に悔しくなんかないんだからね!

 

さて、ここで狙いたいサーヴァントですが、これは前回のガチャ(召喚)で説明した通り、ヤベーのじゃなきゃ何でも良いです。

 

 

 

>召喚陣が眩い光を放つ。

>召喚陣の中から誰かが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>赤い外套を纏った白髪に浅黒い肌の男だ。

>サーヴァント、アーチャーが召喚された。

 

 

やったぜ(本日2回目)

 

 

 

アーチャー――エミヤです!何でも良いとは言いましたが、やっぱり当たり鯖はうれしい……うれしい……。

それじゃあ、早速コミュっていきま――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>アーチャーは目にもとまらぬ速さであなたに肉薄する。

 

>あなたの喉元に短剣が突き付けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして?(現場猫)

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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第一特異点 【聖女と魔女と】
16 準備の時間 第一特異点編


新章なので初投稿です。


新章開幕のRTAはーじーまーるーよー。

 

前回は、立香君にガチャ(召喚)をしてもらったところでお別れしましたが――

 

 

>アーチャーは目にもとまらぬ速さであなたに肉薄する。

 

>あなたの喉元に短剣が突き付けられた。

 

 

 

 

 

>あなたの喉元に短剣が突き付けられた。

 

 

 

 

 

出会って5秒で絶体絶命のホモ君ちゃんです。

いや、本当に心当たりがないんですがそれは(困惑)。

 

 

>周りに居た仲間たちが止めに入ろうとする。

>そこで自分の行動に初めて気が付いたように、アーチャーは剣を降ろした。

>アーチャーは額を押さえながら、あなたに謝罪の言葉を口にする。

>――悪気はなかったようだ。

 

 

サーヴァント裁判だ……!(激おこ)

嘘です。召喚直後のサーヴァントは偶に意識が混濁していることがあります(10敗)。広い心で許してあげましょう。仕方ないね(妖精哲学)。

 

 

>あなたはアーチャーに右手を差し出した。

>アーチャーと握手をした。

>アーチャーの好感度が上がった。

>アーチャーと知り合いになった。

>アーチャーが仲間になった。

 

 

というワケで改めて、エミヤがカルデア入りしました。オッスお願いしまーす!

 

 

>オルガマリーとロマニによると、次の特異点はまだ発見、特定が出来ていないらしい。

>あなたたちは召喚ルームを出た。

 

 

 

 

さて、ここからは準備期間です。ステ上げとかコミュとかやることはいっぱいあります。攻略近いからね、しょうがないね。

嘘です。次の特異点が見つかるまでの期間ですが、かなりバラバラなので近いか分かりません(868686敗)。まあ試走した感じ、一ヶ月はかからないと思います。

取り敢えず、かるーくコミュから行ってみましょうか。

 

>スタッフの仕事を手伝った。

>マシュとおしゃべりをした。

>ロマニとおしゃべりをした。

>立香とおしゃべりをした。

>オルガマリーとおしゃべりをした。

>フォウと戯れた。

 

 

>廊下を歩いていると、立香に声を掛けられた。

>――立香はカルデアについて知りたいようだ。

 

おっと、立香君からお誘いがきました。これは立香君のステ上げが出来るイベントですね。

マンツーマン(ねっとり)も良いのですが……折角です、ブーストを狙っていきましょう。

 

>あなたと立香が所長室を訪れると、3頭身のオルガマリーが書類に目を通していた。

>オルガマリーに勉強会をお願いした。

>3人で勉強会をした。

>立香のステータスが大きく上がった。

 

 

 

 

やったぜ(コロンビア)

 

 

 

 

 

今回のように、適切なキャラクターを巻き込むことに成功すると「ステータスを大きく、参加者全員の好感度を少し」上げることが出来ます。今回は「カルデアについて」だったので、所長にお願いしました。

なおマンツーマンの場合は「ステータスを少し、好感度をそこそこ」上げることが出来ます。2人きり、密室(密室とは言ってない)、何も起きないはずがなく……。

 

立香君のステータスはシナリオ進行で勝手に上がるのですが、それだけを当てにしていると攻略が安定しません(464971敗)。出来るだけ付き合ってあげましょう。

 

 

 

 

 

>食堂を訪れると、アーチャーに出会った。

>スタッフに混ざって料理を作っている。

>――鮮やかな手捌きだ。

 

 

食堂でエミヤに出会いました。皆様ご存知の通り、彼の本領はここにあります。

その高い調理スキルで、食料面から、味方陣営のストレス値の増加を抑えてくれるんですね。ああ~、いいっすねぇ~。

 

>あなたは料理を手伝った。

>――そういえば、あなたは渡せるモノを持っている。

 

 

ここでオリチャーです。ホモ君ちゃんに持たせておいたブツを渡して、実家のような安心感を感じてもらいましょう。

 

>あなたは『日本の調味料』を渡した。

>――どうやらアーチャーにとって馴染み深いモノのようだ。

>アーチャーは嬉しそうだ。

 

『日本の調味料』は好感度やストレス管理にスーッと効くアイテムです。特に日本縁のキャラクターに効果を発揮します。

何故かエミヤにも効果的なんですが……何ででしょうね?(すっとぼけ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>呼び出しに応じて、レオナルドの工房を訪れた。

>レオナルドが手招きをしている。

 

さて2日ほど経って、ダヴィンチちゃんからお呼び出しです。

心当たりは……ありますねぇ、ありますあります。

 

 

>レオナルドは細長い物体を取り出した。

>『ダヴィンチちゃん印の木刀(?)』を手に入れた。

 

 

はい、ホモ君ちゃんの基本装備兼トレーニング用具が戻ってきました。ホモ君ちゃん!新しい木刀よ!(正確無比なピッチング)

早速、トレーニングに向かいましょう。

 

>レオナルドにお礼を言うと、あなたは工房を出た。

 

 

 

 

 

>あなたは自室で素振りをした

>スタミナが大きく減少した。

>筋力が上がった

>耐久値が上がった。

>敏捷が上がった。

>スタミナの最大値が上昇した。

>スキルポイントを2獲得した。

 

 

>あなたはトレーニングルームでランニングをした。

>スタミナが減少した。

>耐久値が少し上がった。

>敏捷が上がった。

>スタミナの最大値が上昇した。

>スキルポイントを1獲得した。

 

 

素振りの効果が変化していますね。スタミナ消費が大きくなりましたが、ステータスの上昇量も上がりました。うれしい……うれしい……。

 

では確認も終わったところで、倍速、イクゾー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>廊下を歩いていると、呼び出しが掛かった。

>管制室に向かおう。

 

 

2週間ほど経過しましたが、そろそろ次の特異点のようです。ステは良い感じ、コミュも上々と良いペースですよコレハァ……。

 

それでは次回の動画でお会いしましょう。

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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17 Liber 1

――気付けば、刃を向けていた。

 

自身のマスターであろう少年、その傍らに居た若者。

その喉元に、切っ先を走らせていた。

 

何故そんなことをしたのか、自分でも分からなかった。

――邪気は、感じられないのに。

 

薄皮を裂き、赤い線が描かれるのを目にして。

そこで手を止めた。止めることに、成功した。

 

 

何故そんなことをしたのか、自分でも分からなかった。

――剣を下ろし、額に手を当てて。

 

非礼を詫びる自分に、手が差し出された。

 

 

何故そんなことをしたのか、自分でも分からなかった。

――半ば無意識に、その手を取った。

 

 

 

何故そんなことをしたのか、自分でも分からなかった。

――改めて、目の前の人物に向き合う。

 

 

 

こちらを見上げるその瞳の色は――

 

 

 

 

 

深い、深い(くろ)だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし日彩には驚いたよ。アレ、『仮面ライダー』だよな?」

 

正面に座ったスタッフの一人、ムニエルが口にする。

時刻は昼過ぎ。トレーニングを終えた藤丸立香は、食堂で彼と相席になった。

 

焼き鮭の身をほぐし、米と一緒に頬張っていた立香は、取り敢えず頷くことで同意する。

 

「――確かあの時、先輩もその名前を呟いていましたが……お2人は日彩さんのあの姿について、何かご存知なのですか?」

 

隣に座ったマシュが首を傾げる。

鎧、なのだろうか。

騎士をイメージさせるそれは良いとして、あの仮面は、かなり特徴的だった。

 

「日本で有名なテレビドラマがあるんだけど、それの主役によく似てるんだよ」

「アメコミのスーパーヒーローが、イメージ近いか」

 

フォークの先にミニトマトを突き刺しながら、ムニエルは思いついたように尋ねる。

 

「――日本人は、実は皆変身出来たり?」

「いやいやいや」

 

両手を振って否定する立香を見て、「なーんだ」と、彼はミニトマトを口に放り込んだ。

 

「俺はてっきり、アレも魔術?の一種だと思ってたんだけど。カルデアの秘密兵器的な」

「いやいやいや」

 

今度はムニエルが両手を振って否定する番だった。

確かに、計器は魔力反応を検知していたが、彼の知る限り、アレはカルデアが編み出したモノではない。

 

「そっか。……マシュは、どう思う?」

「そうですね……」

 

立香に話を振られ、マシュは顎に手を当てる。暫し「うーん」と唸って、考えをまとめていく。

 

 

 

「ムニエルさんの言う通り、アレはカルデア由来のモノではないと思います。私はともかく、オルガマリー所長ですら把握していなかったようですから」

 

実際のところ、数年前に所長の座を引き継いだオルガマリーが、全容をどの程度把握しているかは分からないのだが。

それほどまでに、カルデアには謎が多い。

 

しかし今この時、それよりもマシュが気になったのは――

 

 

「……純粋なカルデア由来、ではないと思うんです。しかし()()()()()()()と聞かれると、そうでもなくて」

 

「アレは、何というか――」

 

 

 

 

 

【システムチェックを行う。スタッフは管制室に集合】

 

 

「おっと、それじゃ行かないと」

 

流れ出した放送を聴きムニエルが席を立つ。

食堂での考察は、そこで打ち切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つ息をつき、オルガマリーは書類から目を上げた。

 

少しばかり苦戦しながら、大きな紙切れを山の天辺に置く。

否、書類が、紙切れが大きいのではない。()()()()()()のだ。

 

 

傍らに置かれた鏡を見る。

身長およそ30cm、デフォルメされたぬいぐるみのような、自身の姿が映っていた。

「丁度良い素体が用意出来るまでは、それで我慢してほしい」とカルデアの誇る技術顧問は言ったが――

 

 

 

 

(ぜっっっっっっったい面白がってるでしょ!!??)

 

 

 

物凄くニヤニヤしていたことを、彼女は忘れていなかった。

 

 

 

 

 

「――どうぞ」

 

所長室のドアをノックする音に応えると、ヒトが入ってくる。

 

 

「し、失礼しまーす……」

 

見慣れた小柄な人影と、その後ろに隠れるようにもう一つ。まあ、隠れられていないのだが。

 

机の前で立ち止まると、いつものようにメモを差し出してくる。

 

《所長、お時間がありましたら、勉強会にお付き合いいただけませんか?》

 

「勉強会?」

 

オルガマリーが首を傾げて訊ね返せば。

 

「カルデアについてもっと知りたいんですが、日彩に相談したらここに……」

 

と、立香が答える。

 

 

 

ふと、額に手を当てる。

そこにある――否、あったモノ。

アニムスフィアの当主として受け継いだモノ。

肉体と共に失ってしまったモノ。

 

 

 

黒瞳を見つめ返す。

失ったモノはあって、それでも――

 

 

「――良いわ。貴方にも、カルデアの何たるかを教え込んであげるわ!!」

 

 

自分は、必要とされているのかもしれないと。

そんなことを思いながら、彼女は立香の方に向き直った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは早速ブリーフィングを開始しようか」

 

管制室に集まったメンバーを見回し、ロマニはそう告げた。

 

「まずは確認」

「特異点の調査と修正。その原因であろう、()()の回収、或いは破壊」

「以上、二点がこの作戦の主目的だ」

 

 

立香とマシュが頷くのを見て、ロマニは言葉を続ける。

 

「作戦遂行のために、現地で召喚サークルを作って欲しい。物資を転送したり、サーヴァントを召喚するためだね」

 

「ベースキャンプ、ですね」と返すマシュに微笑む。

 

 

「それじゃあボクからは以上だ」

 

 

「所長」と、上司に呼びかける。

日彩の持つバスケットの中から、オルガマリーが声を掛ける。

 

「藤丸、マシュ、日彩。――準備は良い?」

 

3人が頷くのを確認し、傍らに立つ赤い外套の男を見る。

 

「今回、私は行けません」

「――アーチャー、3人を頼みます」

 

「任された」と、アーチャーは手を挙げて応えた。

 

 

 

 

 

 

「――全コフィンの起動を確認、問題ありません」

 

モニターを睨みながら、ムニエルが告げる。

 

 

「では、始めましょう」

 

 

 

 

 

 

【アンサモンプログラム、スタート】

 

 

【全行程、完了】

 

 

 

 

 

「――健闘を祈ります!!」

 

 

 

 

 

【グランドオーダー、実証を開始します】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


燃え上がる炎の中に、女が一人、立っている。

燃え尽きる最中のような、黒い衣で。

 

右手に持つのは旗。

白地に黒く染めあげられたのは、幻想の怪物。

 

 

燃え上がる炎の中に、女が一人、立っている。

怪しく光る瞳を率いて。

 

 

雄叫びが上がる。

大地が震え、炎が巻き上がる。

 

赤く染まった空にも、幾多の影が躍る。

 

 

 

燃え上がる炎の中に、女が一人、立っている。

その表情は、分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燃え上がる炎の中を、沢山の人々が、逃げ惑う。

破壊され、蹂躙されていく。

 

 

燃え上がる炎の中を、沢山の人々が、逃げ惑う。

 

ヒトとヒトの争いでなく。

異形の、怪物の蹂躙によって。

 

 

 

――――命が、失われていく。

 

 

 

過程が違う。本当にこうだっただろうか。

結末は同じ。或いは、より凄惨に。

 

 

 

 

どちらにせよ、やっぱり我慢出来なくて。

 

 

 

 

だから――



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18 フランス旅行 その1

明日(今日)からまた出張(失踪)するので初投稿です。

※追記(11/17)


旗持ちツアーガイドさんと行くフランスの旅はーじーまーるーよー。

やって参りました第一特異点。さて特異点Fでは着☆水(ダイナミックエントリー)からのスタートでしたが――

 

 

>目を開けると草原が広がっている。

>立香、マシュ、アーチャー……全員揃っているようだ。

>――足元には、何故かフォウも居る。

 

 

 

いいゾ~これ。

 

 

 

はぐれることなく、パーティーメンバーと一緒に跳べましたね。先駆者兄貴のようにいきなりボスの前に放り出されやしないかとヒヤヒヤしました。(あのとんでもないクソ引きには)涙がで、出ますよ。

 

 

>マシュが現在地、そして時間軸を知らせる。

>1431年、フランス。百年戦争の最中のようだ。

 

>マシュの説明をよそに、立香は空を見上げている。何かに気付いたようだ。

>――空に、光の環が広がっている。

 

はえ~、すっごい大きい(棒)。

空に異常事態が発生していますが、無視です。親の顔より見てるんだよこっちはよ(真顔)。

 

>光の環の解析はオルガマリーたちに任せて、あなたたちは先に進むことにした。

 

 

 

 

>あなたたちの前方にフランスの斥候部隊が見える。

>マシュから彼らとの接触を提案された。

>どうしますか?

 

さて、現地民との初遭遇ですね。ここは勿論――

 

 

>あなたは首を横に振った。

>あなたたちは彼らを尾行することにした。

 

(接触の機会は)あげませんっ!!(鋼の意志)

彼らフランス兵について、通常はここで接触→失敗して戦闘→撤退する彼らをこっそり追いかける、というステップを踏むのですが、ぶっちゃけ時間が惜しいし、経験値的にもまず味です。

今回は無駄な戦闘は避けることにします。草原の真ん中に痴女(なすび)とか怪しまれるに決まってるだろいい加減にしろ!!

 

 

 

 

 

>フランス兵たちを尾行すると砦に辿り着いた。

>入ってみると、中は負傷兵であふれている。

 

それではこのタイミングでコンタクトです。

 

>あなたたちは旅の者と偽り、兵士に事情を訊ねた。

>ジャンヌ・ダルク――死んだはずの聖女が蘇り、暴れまわっているという。

 

 

>兵士たちがマシュの姿を見て、何か言っている。

>――魔女ではないかと疑っているようだ。

>立香が必死に手を横に振る。

>アーチャーが何処からか布を持ってきて、マシュに被せた。

 

なすびがやたらと疑われています。魔女じゃなくて痴女です(強弁)。

いや失礼、なすびも魔術師の端くれみたいなモノでした。

 

>兵士から話を聞いていると、警報が鳴る。

 

>スケルトン、そして――ワイバーンだ!

 

 

 

 

では改めて、記念すべき本特異点での初戦闘です。相手はスケルトンに加えワイバーン(羽の生えたトカゲ)ですね。

原作と同じく割と厄介な敵ですが、この戦闘はチュートリアルみたいなものなので大丈夫です(1453敗)。

 

 

 

 

 

 

>マシュ、アーチャー、そして参戦した少女の力で、戦いが決着する。

 

 

>決着後、兵士たちはしかし、少女の姿を見て騒ぎ出した。

>少女はサーヴァント、ルーラー――ジャンヌ・ダルクと名乗ると、踵を返す。

>取り敢えず、彼女についていこう。

 

 

 

 

 

>森の中で腰を落ち着けると、ジャンヌは話を切り出した。

>彼女は数時間前、不完全な状態で現界したばかりらしい。

 

>「先んじて現れたもう1人のジャンヌ・ダルクから、オルレアンを奪還する」と口にするジャンヌに、あなたたちは協力することにした。

>ジャンヌが仲間になった。

 

 

ということで、ツアーガイドもとい姉を名乗る不審者(ジャンヌ・ダルク)が仲間になりました。

彼女はほぼ確実に、このタイミングで仲間になります。もしやストーカーでは?(直球)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>情報収集のために街を訪れると、そこは燃えていた。

>リビングデッドとワイバーンが闊歩している。

>その場に留まっていると、こちらに近づいてくる反応がある。

 

 

 

>5騎のサーヴァント。真ん中に居るのはジャンヌ・ダルクに瓜二つの少女だ。

 

 

はい、ガイドさん(ジャンヌ)に従って街を訪れると、この章のボスであるジャンヌ・ダルクオルタ、通称邪ンヌさんの登場です。

丁度良いので、ジャンヌと邪ンヌが長尺で話している間に、この特異点での攻略について確認しておきましょう。

目の前に居るヤベー奴ら+αをやっつけるために、フランス各地を回って7人の仲間+α探しです。オラわくわくすっぞ!

嘘です。かなり面倒臭いです。フランス全土に散らばっている上に、レーダー(ジャンヌ)が不調なので探すだけで一苦労です。

半月以内には揃うのが普通なのですが、のんびりやっているとこちらが壊滅したり(5000敗)、仲間(予定)が先に昇天したりします(500敗)。でぇじょうぶじゃない、ここ龍の玉ないから。

情報収集をしつつ、しっかりと集めていきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで妙に静かですね?

 

 

 

>ジャンヌに瓜二つの少女――竜の魔女は、無言であなたたちを見ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>竜の魔女が手を上げ、振り下ろす!

 

 

 

 

>地面から炎が吹きあがり、4騎のサーヴァントとワイバーンが殺到した!!

 

 

 

 

 

どうして?(現場猫)

 

 

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 




UAというのが5000を超えたそうです。
ありがとうございます。


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19 フランス旅行 その2

出張(失踪)から帰還したので初投稿です(2回目)。


温度も殺意も高いRTAはーじーまーるーよー。

前回からおフランス旅行を始めたホモ君ちゃんご一行、ガイドさん(ジャンヌ)の案内でラ・シャリテにやってきたのですが――

 

 

 

>地面から炎が吹きあがり、4騎のサーヴァントとワイバーンが殺到した!!

 

 

 

 

 

スゥ――――(深呼吸)。

 

 

 

 

 

 

 

(チラッ)

 

 

>地面から炎が吹きあがり、4騎のサーヴァントとワイバーンが殺到した!!

 

 

はい、何か物凄い勢いで地元のヤンキー(邪ンヌ)たちに絡まれています。

だからホモ君ちゃんは修学旅行生か何か……?

 

 

さて、あんまりモタモタもしていられません。この瞬間も超スピード!?でこっちに向かって来てます。ライダー助けて!

 

 

>立香とマシュの前に長髪の男と仮面を付けた女が降り立つ。

>アーチャーを羽付き帽子の剣士が強襲し、ジャンヌの前には十字架付きの杖を持った女が立ち塞がる。

>あなたの方へは、ワイバーンたちが飛来する。

 

 

おっと不幸中の幸い、ホモ君ちゃんの相手はワイバーン少々のようです。馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!

 

 

>あなたは襲い来る鉤爪をかわし、懐に手を伸ばす。

>鎧に身を包んだあなたは、一匹を手に持った剣で袈裟斬りにした。

 

 

 

お前(ホモ君ちゃん)がライダーになるんだよ!

ということで張り切っていきましょう。本特異点でホモ君ちゃんが前に立つのは初めてですね。

 

 

 

>怯んだワイバーンにトドメの一撃を見舞う。

>ワイバーンが地に伏した。

>アーチャーとジャンヌは、あなたの様子に驚いている。

 

あっ、ジャンヌは勿論ですが、エミヤもこの姿のホモ君ちゃんとは初めましてでした。

まあこちらは気にせず、それぞれ自分の相手に専念して欲しいですね(4敗)。俺も(ワイバーンと)やったんだから――

 

 

 

 

>ワイバーンを相手取っていたあなたに、黒い影が迫る。

 

 

 

 

 

>竜の魔女があなたに襲い掛かった!

 

 

 

 

どうして?(現場猫)

 

 

 

いや姉妹喧嘩(ジャンヌとバトル)しててくださいよ。許してください、何でもしますから!

 

 

>竜の魔女が携えた旗を振るい、あなたを殴り飛ばす!

>瓦礫の山に突っ込んだあなたを追撃の炎が襲った!

 

痛ぁい&アツゥイ!!

まるでこの間の黒王みたいだぁ……(直喩)。酷い……酷くない……?

ライダー助けて!(二回目)

 

 

 

 

>更に攻撃を加えようとする竜の魔女を制止する声が響く。

 

 

>燃え盛る炎を突き抜け、透明な――ガラスの馬が現れた!

 

 

 

 

 

 

 

 

ラッ……ライダーッッッ(マッ……マリーちゃんッッッ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>乱入した2体のサーヴァントの手を借り、あなたたちは撤退に成功した。

>大きな帽子を被った少女、ライダー――マリー・アントワネット。

>金髪の楽士、キャスター――ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。

>霊脈のある森の中で、2体のサーヴァントと談話する。

>「フランス、そして世界の危機」に、マリーは思うところがあったようだ。

>マリーとアマデウスの協力を取り付けた。

>マリーが仲間になった。

>アマデウスが仲間になった。

 

>あなたたちは『聖杯戦争として異常な現状』について推測を展開していく。

>――もしかしたら、他にもマリーやアマデウスのような、仲間になってくれるサーヴァントが居るかもしれない。

>探してみよう。

 

 

というワケで、新たに2人のサーヴァントが仲間になりました。

マリーちゃんと変態その1(アマデウス)です。“俺の尻を舐めろ”は実際良い曲だから聴いてみて(唐突なダイマ)。

また、この特異点での行動指針が定まりました。前回お話しした通り、フランス各地を回って7人の仲間+α探しですね。ジャンヌ、マリーちゃん、アマデウスで、残り4人くらい居ます。「もう半分近く見つかったんだし楽勝じゃん」と思われた視聴者の皆様、お前ここ初めてか?力抜けよ(白目)。

 

 

 

 

 

>立香はロマニの無茶ぶり「インパクトのある挨拶」に応えようとした。

>マリーは『面白い挨拶:「チィーッス!シクヨロ!」』を覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>夜。野営をしていたあなたたちは、近付いてくる気配に気付いた。

>ジャンヌの前に立ち塞がっていた、十字架付きの杖を持った女だ。

 

追手がやってきました。追跡担当はランダムなのですが、今回はマルタの姐御ですね。これは当たりです!

ここで相手陣営の特徴について、解説をしておきましょう。

邪ンヌの率いるサーヴァントたちはスキル『狂化』が付与されています。これは色々な意味が含まれているクッソ面倒臭いスキルなのですが……今回の場合は平たく言うと「破壊衝動の増幅」「軽い洗脳」です。他の意味?wikiを見てどうぞ。

かなりブラックな相手陣営ですが、しかしそこは名だたる英霊たち。付与されたスキルに抗う剛の者も居ます。

マルタの姐御はその筆頭です。彼女はかーなーり意識を保っていて、何と戦闘後に仲間探しのヒントをくれます。類稀なる精神力しちゃってさぁ……誇らしくないのかよ?

その証拠に見てください、戦闘前にちゃんとアイサツを――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>女が手にした杖を掲げると、背後に巨大な影が浮かび上がる。

 

 

 

 

 

 

 

>女のフルスイングで、巨大な影が高速回転しながら飛来する!!

 

 

 

 

 

 

 

 

アイエエエ!ナンデ!?マルタナンデ!?

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 



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20 Liber 2

モニターの映像を睨む。

視線の先には、飛来した巨大な影を、寸ででかわした少年たちが映し出されていた。

木々をなぎ倒し、停止したそれが再起動する。

 

「拡大して」

 

オルガマリーの言葉に、モニターの映像が切り替わっていく。

太く、丸太のような脚が3対。後端の一対で、それはゆっくりと身をもたげる。

目を惹くのは、背を覆う巨大な甲羅。

獅子のような頭部には、大きな角が鎮座する。

 

「パターン解析……竜種、のようです」

 

緊張か、はたまた、イメージからの乖離に伴う困惑か。

敵性体の解析を行っていたスタッフが、少しだけ口ごもりながら報告する。

 

「十字架、白を基調とした衣服……」

 

「色は関係ないかもしれないけど」と言いつつ、オルガマリーは傍らの男に問う。

 

「ロマニ、竜と関係のある()()、誰か心当たりは?」

 

 

口元に手を当て、考え込んでいた男が、視線を上げる。

 

 

「――思い当たるのは、一人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【「『聖女マルタ』――かの救世主の知己だった女」】

 

【「暴れまわる悪竜を、その祈りだけで屈服させた逸話を持つ聖女」】

 

【「その彼女がサーヴァントということはつまり――」】

 

 

女は立ち上がった竜に寄り添うと、その足をそっと撫で、相手の方を見る。

 

 

 

 

女の虚ろな瞳は何も映さず、しかしその頬には、一筋の跡があった。

 

悪竜の瞳は赤く光り、しかしその表情は、何かを堪えるようだった。

 

 

 

【「()()()()()()()()だ……!!」】

 

 

1人と一匹、それを囲むように朽ちた戦士(スケルトン)たちが湧き出す。

 

 

 

夜の森に、咆哮が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旗を振るい、目の前の白を砕く。

幾度となく繰り返し、しかしそれでも、骸骨の群れは未だ健在。

虚ろな眼窩が並ぶ光景から少し目をそらし、その向こう側、佇む女の方を見る。

その瞳が虚ろなワケを、ジャンヌは知っていた。

 

『狂化』――理性を捧げ、戦闘能力を増幅させるスキル。

本来それは、その属性、伝説に「狂操」の痕跡を持つモノが、「バーサーカー」のサーヴァントとして召喚されるときに与えられる。

 

しかし、今回の場合は異なる。

聖女マルタ。竜を鎮めた聖女に、そのような逸話は存在しない。

有り得ざる状態、それは――

 

 

「やはり……聖杯の力、でしょうか」

 

仲間たちと行った推測、その結論はつまるところ。

()()()()()()()()()()()()というモノ。

 

 

――ふと、女の手が動く。

手にしていた杖、十字架の先端が自身の方へ向く。

 

嫌な予感がして――

 

 

「――――ッ!!」

 

 

 

悪竜の炎が、ジャンヌへと放たれた。

 

 

 

 

 

「ジャンヌっ!!」

 

「……大丈夫です、何とか」

 

 

寸前、包囲網から抜け出した彼女を見て、立香は安堵のため息をつく。

 

前方、岩のような巨体を見る。

悪竜の顎から放たれた炎は、彼女が先ほどまで立っていた場所を――

 

 

「味方もお構いなしかっ……!!」

 

 

取り囲んでいた骸骨たち諸共に、焼き尽くしていた。

 

 

 

悪竜の傍ら、杖を掲げた女を見る。

聖女マルタ。残念ながら立香は、彼女のことを知らない。

しかし。

 

 

「これが、聖杯……」

 

 

そこまでさせるのか、と。

()()()()()()女の姿が、炎より濃く、目に焼き付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

悪竜の炎によって、場が膠着したその時。

 

弾丸のように飛び出す、青い姿があった。

 

「日彩さん!!」

 

マシュの声を置いて、青い騎士が加速する。

炎で焼かれ、ぽっかりと広場めいた空間が出来た森を駆ける。

一閃。女へと大上段から振るわれた剣は、しかし――

 

 

【「うぇえ!?白刃取り!!??」】

 

 

手甲を嵌めた両の手で絡め取られる。

一瞬、硬直した青い騎士の胴に、左膝が叩き込まれた。

 

くの字に曲がり、弾き飛ばされた体勢を立て直し、騎士が女を見れば。

杖を投げ捨て、両手を肩の高さに構える姿が目に映った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣と拳が、激しく打ち交わされる。

剣先を横殴りに弾き、喉元へと一撃を伸ばせば。

鎬で受け流し、そのまま胴へと刃が迫る。

 

一進一退の攻防が繰り広げられる中、悪竜が首をもたげて――

 

 

「あなたはこっちよ?」

 

 

桃色の光線が、その顔面に直撃した。

悪竜がその声の主を見れば。

 

 

3人の女が、彼を見上げていた。

 

 

 

 

 

光線と打撃が森を飛び交う。

マシュが、ジャンヌが、マリーが、悪竜の三方から攻撃を仕掛ける。

その攻撃は、しかし、致命には至らない。

 

 

「ッ、硬い……!!」

 

 

その身が、何より背の甲羅が、攻撃の悉くを弾く。

彼女たちは元より、戦闘を得意とする英霊たちではない。

相手の身のこなしもさることながら、そもそもの火力という点において、一歩及ばぬ面があった。

 

悪竜の脚、或いは腕が振るわれる。

歯噛みしていたマシュが、その一撃で弾き飛ばされる。

 

 

「マシュさ――――!!」

 

 

思わず気を取られたジャンヌも同様に。

 

 

 

悪竜は残る一人――マリーを見る。

 

 

「うーん……やっぱり、私たちだけじゃ難しいわね」

 

 

人差し指をおとがいに当てながら、彼女は呟く。

 

 

悪竜の爪が、月光と炎に照らされ鈍く光る。

 

 

その腕が振り下ろされようとした瞬間――

 

 

 

 

「だからお願い、アマデウス!!」

 

 

 

「『死神のための葬送曲(レクイエム・フォー・デス)』!!」

 

 

それは呪わしき葬送曲。

かつて作曲家本人を送り出した、死出を彩る曲。

奏でられる旋律は、聴いたモノの変調をきたす。

 

 

悪竜の動きが止まる。

茂みの中、指揮棒(バトン)を振るう男の姿を見た。

 

 

「では続けて――」

 

アマデウスが呟く。

悪竜が気付き、視線を向け直せば。

そこには、ガラスの馬に腰掛ける麗しき王妃の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「『百合の王冠に栄光あれ(ギロチン・ブレイカー)』!!」

 

 

 

周囲が、そして悪竜が、結晶に覆われる。

宝具二連発。デバフからの高威力攻撃というコンボを叩き込まれた悪竜は――

 

 

 

それでも、止まらない。

 

 

 

瞳を赤く光らせて。

身を覆う結晶を砕き、首をもたげる。

じりじりと、再び腕を振り上げる。

 

牙の隙間から、炎が揺らめく。

一息、それを放とうとして――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首筋に、一撃が突き刺さった。

 

 

 

 

「――伝説によれば」

 

 

旗を持った女が告げる。

 

 

「水辺の街で暴れまわる悪竜は、()()()()()()()()()()()そうです」

 

「ええ、それは貴方の、直接の()()ではないですが――」

 

 

ゆっくりと、旗が引き抜かれる。

 

 

「しかし貴方にとって、(そこ)()()であることは確かです」

 

 

 

悪竜はゆっくりと、その場に倒れ伏した。

 

 

 

 

 

 

 

悪竜が倒れ、地面が揺れる。

女の動きが一瞬止まる。

その隙を見逃さないとばかりに、切り上げるように迫る斬撃を。

身体を後ろに反らすことで回避し、その勢いのまま、相手の胴に再びの蹴りを見舞う。

 

サマーソルトキックにも似たその動きで、女が身を翻す。

 

 

 

 

 

「『赤原猟犬(フルンディング)』」

 

 

 

 

空中で回転した女へと、黒く刺々しい矢が襲い掛かる。

無論、崩れた姿勢でそれを回避することは、容易ではない。

 

 

 

だから女は、避けなかった。

回転しながら、自身へと飛来するそれを()()()()()

 

 

後方へと吹っ飛ぶ矢を他所に、そのままもう一度、二度とバク転を続け、体勢を整える。

そうして、駆け寄る青い騎士を迎撃しようとして――

 

 

 

 

 

 

――後方から、()()()()()()()()矢に、心臓を貫かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森の中、聖女と竜が横たわる。

 

 

 

「――ありがとうよ」

 

 

響いた声に、立香が顔を上げる。

 

竜――タラスクが、こちらに目を向けていた。

 

 

「おかげで姐さん、やっと止まれたよ」

 

 

「ワシじゃどうしようもなくてなあ」と、困ったような顔をして、傍らの聖女の顔を見る。

 

頬には一筋、跡があれど。

瞼を閉じたその顔は、幾分か安らかに見えた。

 

 

 

「―― 少しだけ、教えてやる」

 

一つは答え合わせ。

推測の通り、聖杯が竜の魔女の手にあること。

一つは配下について。

竜の魔女。彼女が操る、強大な竜の存在を。

 

 

「あの竜はとても強い。或いは、ワシよりもずっと」

 

 

だから――

 

 

 

「かの有名な、()()()を探せ。どこかに居る筈だ」

 

 

そう言い残すと。

 

 

 

偉大な聖女とその守護竜は、朝焼けの空に消えた。

 



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21 フランス旅行 その3

推しのライブで無事天に召されたので初投稿です。

※追記[2022/1/4]


ゆるキャン(ゆるいとは言っていない)の予定が狂ったRTAはーじーまーるーよー。

前回は森でのキャンプ中に、マルタの姐御とその舎弟に強襲(カツアゲ)されたところでお別れしましたが――

 

 

 

>サーヴァント、ライダー――マルタに勝利した。

 

 

 

はい、勝ちました(棒)。(サーヴァント)5人に勝てるわけないだろいい加減にしろ!!

今回は舎弟ガメラ(タラスク)を4人で封殺、姐御をエミヤとホモ君ちゃんでK.O.しました。堅実な試合運び、これは走者の鑑(自画自賛)。

え?まずホモ君ちゃんがサーヴァントと殴り合ってる時点でだいぶおかしい?まあ、多少はね?

 

 

>聖女マルタの瞼は閉じられている。

>マルタに代わって、守護竜タラスクが口を開いた。

 

お前喋れたんか!!

噓です、喋れるのは知ってます。今回はタラスクさんの方からお話があるようです。

 

前回お話しした通り、本来ならマルタの姐御から情報が手に入ってうれしい……うれしい……な場面なのですが、今回はこの通り、変なイベが始まってます。何これ知らない。

wikiを見てみますと……「稀に『狂化』のランクが通常より高い場合がある。またその場合、特殊イベントが発生する」。あっ、これかぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやそんなふわっとした感じで難易度上げてくるんじゃないよチクショーめ!!!!(髭)

 

 

 

失礼、取り乱しました。このゲームは万事この調子なのでもちついていきましょう。Be Kool, OK?

 

 

 

>彼から聖杯の在処と、竜の魔女の配下について語られる。

>――竜の魔女の下には、聖杯と、強大な竜があるようだ。

>"竜殺し"を探せ、と竜が口にし、1人と一匹は消えた。

 

タラスクさんからの情報ですが……残念ながら、仲間の居場所については教えてもらえませんでした。何か足んねぇよなぁ。

まあ、ないものねだりをしても仕方ありません。サクサクと進めていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

>足元に何か落ちている。

>あなたは『聖晶石』を2つ手に入れた。

 

 

 

 

 

>戦闘を見ていたスタッフたちに、心配をかけてしまったようだ。

>オルガマリーに少し叱られた。

>ロマニに少し叱られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>太陽が昇りきった頃、あなたたちは動き出した。

>あなたたちはこれから、仲間探しに行かなくてはならない。

>どうしますか?

 

はい、すこーし休憩をし直して再開です。

ここからの進行ですが、当初予定していた「姐御“以外”が追手だった場合」のチャートを採用していきたいと思います。

 

 

>あなたは二手に分かれることを提案した。

>みんなが渋い顔をする。

 

 

うん、知ってた(真顔)。

しかし折れません。原作でも採用されていたこの作戦を、前倒しで提案していきます。時間が掛かり過ぎて乙る(540敗)恐怖の方が大きいので(鋼の意思)。

戦力の分散はよろしくないと古事記にも書いてあるのですが、そこはそれ。虎ケツに入らずんば虎子を得ずです。

 

 

>あなたは再度、二手に分かれることを提案した。

>あなたたちは二手に分かれることにした。

 

 

やったぜ(コロンビア)

 

 

提案が通ったところでチーム分けです。バランスを見つつ分けまして……それじゃ、イクゾー!

 

 

 

>立夏、マシュ、アーチャー、ジャンヌ。

>マリー、アマデウス、あなた、の2組に分かれることになった。

 

 

 

 

というワケで、ホモ君ちゃんはマリーちゃん、アマデウスと一緒におつかい(仲間探し)です。メモは持ったー?

 

 

 

>レオナルドから通信が入る。

>何やら物資を送ってくれるようだ。

 

おっと、ダヴィンチちゃんから追加物資です。物資自体は立香君チームが出発する前に送ってもらったのですが、何でしょうね?

 

 

 

 

 

 

>地面に魔法陣が浮かび上がる。

>魔法陣が眩い光を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>バイク、のようだ。

 

 

 

 

やったぜ(本日2回目)

 

 

 

そうです、ホモ君ちゃん仮面ライダーですもんね!やっぱバイクないとね!!(一部例外あり)

 

 

 

 

>あなたは拍手をした。

>ダヴィンチちゃんは嬉しそうだ。

>ダヴィンチちゃんの後ろに、スタッフが数名倒れている。

>手を振っているので生きてはいるようだ。

>――そっとしておこう。

 

 

 

 

 

 

>マリーは興味津々でバイクを見ている。

>乗ろうとしてアマデウスに止められた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>あなたたち3人は村を訪れた。

>人が居るようだ。

 

 

出発からしばらく。草原をかっとビングし、5つ目の村に到着です。

バイクと馬だと移動が速いですね。やっぱ~文明のぉ~……利器を……最高やな!

なお、ここまで情報は(一個も)ないです。悲しいなぁ。

 

 

>あなたたちは村人に接触した。

>情報は手に入らなかった。

 

 

 

何の成果も!!得られませんでした!!

 

 

はい、ここも空振りです。まあ仕方ないね(妖精哲学)。

今日はこのくらいにして、スヤァ……することにしましょう。

 

 

 

 

>そろそろ日が暮れる。

>あなたたちは村人の家に泊めてもらうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>夜更け、教会の警鐘が鳴る。

>あなたたちが飛び出すと、村の入り口に影がある。

>スケルトンの大群だ。

 

 

おっとスケルトンの襲撃です。

ホモ君ちゃんたちは一宿一飯の恩がありますし、迎撃しましょう。

 

 

 

 

>あなたたちは村人を下がらせ、応戦する。

>数は多いが、そこまでの脅威ではない。

 

 

 

スケルトンは木刀でも行ける相手なので楽ちんですね。変身後だと倍率ドン!サクサク片付きま――

 

 

 

 

>悲鳴が上がる。

>女の子が一人、スケルトンに捕まったようだ。

 

 

 

 

ヌッ!

 

 

人質を取られてしまいました。これはまず味です。

正直見捨てたいのですが、それやるとマリーちゃんが100%離反するので(100敗)救出しなければなりません。女の子返してください何でもしますから!

 

 

>あなたは剣を捨て、手を上げる。

>あなたをスケルトンが囲む。

 

 

ちょっとタコ殴りになりますが仕方ありません。隙が出来たらマリーちゃん達に救出して貰って――

 

 

 

 

 

 

>上空から光線が走る。

>女の子を捕らえていたスケルトンの頭が木っ端みじんになった。

 

 

 

うん?

 

 

 

 

>上空から誰かが降りてくる。

 

 

 

 

 

>ピッチフォークに跨る姿は、まるで()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

>着地した誰か――大ぶりなコートを着た金髪の少女の下に、女の子が駆け寄る。

 

>少女の肩に、どこからかやってきた白い梟が留まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またDLC()か壊れるなぁ(白目)

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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22 Liber 3

――1つ、丘を越えた先に村があった

――2つ、小川を渡った先に街があった。

 

東に地にスケルトン。

西の空にワイバーン。

 

街が、村が、営みが。

 

崩され燃やされ失われていく。

 

 

 

 

 

想いが、消えてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

日が暮れる頃、家に戻って横たわり。

微睡みの中、(使い魔)の呼び声がした。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜闇を閃光が舞い、3つ、4つと骸骨を砕いていく。

辺りを見回し、異形の姿が無いのを確認して。

マリーとアマデウスは一つ、息を吐いた。

 

 

「この辺りは片付いたようだね」

 

「ええ。……あの子は、大丈夫かしら」

 

 

マリーがもう一人の同行者を案じる。

骸骨が村中を徘徊していたこともあり、あの若者とは途中で逸れてしまっていた。

 

 

「大きい魔力は感じないし、大丈夫だとは思うけどね」

 

 

「確かこっちの方に走っていったっけ」と、アマデウスがそちらに目を向けようとしたとき――

 

 

 

悲鳴が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が駆けつけたその場には。

青い騎士と女の子、そしてコートの少女が立っていた。

 

 

3人の周囲に、骸骨は居ない。

マリーは、ほっと一息ついて――

 

 

 

少女の持つピッチフォークに、魔力が集まるのを感じた。

 

 

 

 

 

指先に魔力を集中させる。

何故か剣を地面に置き、少女と対峙する騎士へと駆け寄ろうとして。

 

 

 

 

 

「やめて、マリア!!」

 

 

 

 

 

 

青い騎士の頬を掠めるように。

少女の光線は、背後――民家の影に隠れていた骸骨に直撃した。

 

 

2()()()の衝撃で、骸骨が消し飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

「――これで最後、かしらね」

 

 

くるりとピッチフォークを回して、少女は呟き。

 

 

「僕の耳によれば、ね」

 

 

くるりと指揮棒を回して、アマデウスは笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森の中。

大木と一体となったような家に、彼らは居た。

 

 

 

「私はマリア――()()マリアよ」

 

 

 

 

胸を張り、大きな丸い耳飾りを揺らしながら、少女がそう名乗ると。

 

 

「あら、あなたも()()()っていうのね!」

 

「私もマリアって呼ばれてたの。お揃いね!」と、次の瞬間にはマリーに両手を取られていた。

 

 

 

【「速い!?」】

【「これは天性のアイドル。陽キャが過ぎて目がやられる」】

【「天性通り越して最早魔性。あまりの距離の近さにクラスメイトだったら勘違いするヤツ」】

 

【「そこ、静かにしなさい」】

 

 

 

 

通信機向こうから漏れる声に、持ち主と共に苦笑して。

 

 

アタフタしているマリアと、やたら嬉しそうなマリーの方へ、アマデウスは声を掛ける。

 

 

「マリア、取り敢えず手を放して。――失礼、お嬢さん(マドモワゼル)。それとも魔女(ソルシエール)と呼んだ方が良いかな?」

 

「マドモワゼルはやめて、背中が痒くなりそう」

 

 

「オエェー」と、マリアは大袈裟に顔を歪める。

 

 

「分かった、それじゃ魔女マリア。説明はカルデアの所長殿からしてもらうから」

 

 

そう告げて視線を向ければ、隣に立っていた小柄な影が一歩前に出る。

 

 

【「ありがとう、アマデウス。では魔女マリア、我々についてですが――」】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜明けまで幾ばくか。

屋根の上には、空を眺めるマリアと梟が居る。

 

「どうするの?」

 

眠そうに梟――彼女の使い魔、アルテミスが問う。

 

 

「――どうするって?」

 

「さっきの話。気になるんでしょう?」

 

 

体育座りの姿勢のまま顔を埋める。

 

 

 

燃え尽きた人理の修正。

 

遥か未来から来た魔術師たち。

 

聖杯、万能の願望器。

 

竜の魔女、有り得ざる世界の歪み。

 

 

 

ぐるぐると、単語が頭の中を回る。

訳の分からないことばかりで。

 

 

でも、分かることもある。

 

 

 

 

 

「――恥知らずな教会の奴らは、ラ・ピュセル(ジャンヌ・ダルク)を裏切った」

 

「フランスのために戦った女の子を、縛り付けて火あぶりにした」

 

「だから当然の結果かもしれない。あいつらがどれだけ惨たらしい目に遭ったとして」

 

「……でもこれは違う」

 

 

 

 

 

膝の上で組まれた手に、力がこもり。

握りこまれた紙片が、くしゃりと音をたてる。

 

 

 

 

 

「それは、あの街の、あの村の、男や女や子供たちが死んで良い理由にはならない」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

思う。

あの村を、あの街を。

男たちを、女たちを、子どもたちを。

 

――あの場所にあった筈の、営みを。

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女を裏切った教会も」

 

 

「その果てに堕ちた彼女も」

 

 

「何より、彼女を救わない神様ってヤツも」

 

 

「どいつもこいつも……!!」

 

手袋の中、痛いほどに握り締める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サク、サクと。

屋根材を踏む音に、少しだけ力を抜く。

「ホー」と、傍らで使い魔(アルテミス)が一つ啼く。

 

音が、彼女の真後ろで止まった。

 

 

 

 

 

「“竜の魔女は本来のジャンヌじゃない”――そう言ったわね?」

 

 

顔は埋めたままに。

マリアは背後の気配に声を掛ける。

 

 

言葉は返ってこない。

表情も分からない。

 

 

しかし視線を、気配を感じる。

 

それはじっと、彼女の言葉を待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「――最近、竜の魔女(アイツ)のせいで評判がガタ落ちでさ」

 

 

 

ゆっくりと、腰を上げる。

森の向こう、東の地平線が橙に染まる。

 

 

 

 

 

 

 

その様子を少し眺め、振り向いて。

 

魔女は人影――日彩と向かい合う。

 

 

 

 

 

 

「そろそろ文句の一つも、言ってやらなきゃいけないと思ってたのよ」

 

 

 

 

 

 

朝焼けを背に、魔女は告げる。

 

 

 

 

 

 

その青い瞳には。

 

 

 

強い、意志の光があった。



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23 フランス旅行 その4

前話投稿時に期間が空いてしまったということは初投稿です。


DLCの読み込みにクッソ時間が掛かったRTAはーじーまーるーよー。

読み込み時間は必要な犠牲でした(震え声)。

さて前回、一宿一飯の恩に報いるためにサンドバッグと化したホモ君ちゃんでしたが――

 

 

 

 

>朝焼けを背に魔女マリアが告げる。

>魔女マリアが仲間になった。

 

 

 

魔女マリア参戦!!

 

 

はい、2つ目のDLCさんがダイナミックエントリーです。

動画冒頭でご説明した通り、このレギュレーションの中核にあるDLC『Your favorite』は、既存DLCを勝手に混ぜ混ぜしてお出ししてくるトンデモプログラムです。そのためこのように2()()()()()のDLCが出てくることもあります(18169敗)。

起動したのはDLC『純潔の魔女』、石川雅之作「純潔のマリア」のキャラクターなどをぶち込むDLCですね。原作は全3巻(+外伝一巻)、2015年にはアニメ化もされています。未読未見兄貴たちは履修して、どうぞ(露骨なダイマ)。

 

 

 

 

 

 

>早朝、あなたたちは準備をしている。

 

日も上ったところで行動開始です。

昨日に引き続き仲間探しをしていくワケですが……ちょっと思いついたことがあるのでやってみましょう。

 

 

>あなたは魔女マリアに相談をした。

>『使い魔による探索』が出来るようになった。

 

 

 

 

やったぜ(コロンビア)

 

 

 

 

パーティーメンバーに『使い魔』を使用出来るキャラクターが居ると、探索効率を上げることが出来ます。これは美味しい。

 

>彼女の肩に留まっていた梟――使い魔、アルテミスが飛んでいく。

 

ところで梟って可愛いですよね。あの丸いフォルム、僕好きです(隙自語)。

白梟(アルテミス)を見送ったところで、ホモ君ちゃん達も出掛けることにしましょう。倍速、イクゾー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>通信機に連絡が入る。

>――立香たちからだ。

 

 

 

街、というか廃墟を探索していると、立香君チームから連絡が入りました。進捗どう~?

因みにホモ君ちゃんチームはここで5ヶ所目なんですけどね。進捗ダメです(白目)。

 

 

 

>立香たちはサーヴァントを見つけたようだ。

>ジークフリートが仲間になった。

 

 

 

アーイキソ

 

 

 

早々に竜殺しことすまないさん(ジークフリート)を捕まえたようです。竜殺し、ゲットだぜ!!(STS感)

流石主人公(立香君)主人公(ジャンヌ)(ある意味)主人公(エミヤ)と言ったところ。やっぱり()()()()んですわ、彼らは。

 

 

 

>ジークフリートは重傷に加え、呪いを受けているらしい。

>解呪と治療が必要だ。

 

 

思いのほかサクッと仲間になったすまないさんですが、殆どの場合、原作と同様に解呪と治療が必要です。

治療は兎も角、解呪を出来るキャラクターが居ない場合はどうするのと思った視聴者の皆さん、大丈夫だって安心しろよ。

原作での説明、wikiの情報、そして実際に試走した結果から、流石にそんな状況は殆ど起きないようです(起きないとは言ってない)。当たり前だよなぁ?

なお該当キャラが乙って積むことはある模様(20敗)。

 

 

 

 

 

 

>通信を終えて一息つくと、どこからか鳴き声が聞こえる。

>ワイバーンだ!

 

 

ワイバーンだ!

 

 

三度目の登場ワイバーン。新人(マリア)の実力を測る良い機会です。味も見ておこう。

 

 

 

>魔女マリアが光線を放つ。

>3撃でワイバーンが地に墜ち、5撃で屠られる。

 

 

 

 

ぅゎιょぅι゛ょっょぃ

 

 

 

 

流石に原作ほどの能力はないようですが、ワイバーンを倒しましたよこの魔女。

最初の方でお話しした通り、マスター……というか一般人、あと一般魔術師では、雑魚エネミーを相手取るのが精一杯です。カテゴリ的にはワイバーンも雑魚エネミーではあるのですが、コイツらは腐っても竜なので格上ですね。そしてそれをボコボコにする魔女。こわいなーとづまりすとこ。

 

 

>飛び交うワイバーンを、マリー、アマデウス、魔女マリアが撃ち落としていく。

 

 

 

ピンクと緑の光線が飛び交っている間に、すこーし注釈を入れておきましょう。お客様!電磁サイリウムを投げるのはおやめ下さい!嘘ですもっとやれ!!

“魔女マリア”という名前についてですが、“竜の魔女”と同じく二つ名、自称の意味合いが強いです。狭義、TYPE-MOON世界における()()()()()()()()()()()()()()()とは(恐らく)別物なのでご注意ください。じゃあ魔術師なのかと言われると、多分違うんですが。

 

 

 

 

>ワイバーンの群れに勝利した。

 

 

 

ヨシ!(現場猫)

 

 

片付いたので先に進みましょう。それじゃ、イクゾー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>一夜明けて。

>空き家で夜を明かしたあなたたちは、活動を再開した。

 

はい、3日目に突入です。

休憩場所についてですが、空き家とか放棄された砦を使うとストレス値の上昇を抑えられます。やっぱ~文化的なぁ~……生活を……最高やな!

ただしやり過ぎると怒られたりします(20敗)。不法侵入&占拠だからね、仕方ないね。

 

 

 

 

>どこからか白い梟が飛んでくる。

>――使い魔アルテミスだ。

 

 

 

 

>使い魔アルテミスがサーヴァントを見つけたようだ!

 

 

 

 

やったぜ(コロンビア)

 

 

 

 

アルテミス=サンがやってくれましたよ皆さん!これで一歩前進です。早速現場に向かうことにしましょう。

 

 

 

>あなたたちは使い魔アルテミスの頭を撫でた。

>使い魔アルテミスは目を細めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>使い魔アルテミスの先導で草原を駆ける。

>向かう先――遠くに見える街の方から、物凄い破壊音が聞こえる。

 

というワケでやって参りました、名も知らぬ街です。

既に戦闘中のようですし、救援に入りましょう。

 

 

 

>街に入り、音のする方へと走る。

>通信機越し、ロマニが警告を発する。

>――アマデウスが物凄く嫌そうな顔をしている。

 

 

 

あっ(察し)

 

 

 

どうやら原作通りのキャラクターが来ているようですね。

ま、まあRTA的には見通しが立てやすくてうま味ですよ、うん(目そらし)。

しかし警告って何でしょうか――

 

 

 

 

>音の発生源へと向かうあなたたちの前方から、赤い長髪に角を生やした少女が、何故か煤塗れで半泣きになりながら駆けてくる。

 

 

 

 

 

 

>少女の背後、建物の影から2つの巨体が姿を現す。

 

 

 

 

 

 

>鱗に覆われた体、皮膜の張られた翼、太く力強い四肢。

 

 

 

 

 

 

>それは、ワイバーンより強大な竜種――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>ドラゴンだ!!

 

 

 

 

 

 

えぇ……(困惑)

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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24 フランス旅行 その5

あけましておめで初投稿です。



※21話に追記修正がございます。


バトルラッシュはーじーまーるーよー。

前回、白梟(アルテミス)に導かれてとある街に踏み入ったホモ君ちゃんご一行でしたが――

 

 

 

 

>ドラゴンだ!!

 

 

 

スゥ――――(深呼吸)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(チラッ)

 

 

 

 

 

>ドラゴンだ!!

 

 

 

はい、ドラゴンと遭遇です。しかも二体。

 

 

>あなたは懐に手を伸ばす。

>駆けてくる赤髪の少女とすれ違うように、ドラゴンの方へと踏み出した。

 

 

それではドラゴンとの初戦闘です。え、舎弟(タラスク)?アレは色々な意味で特殊だからノーカンだよノーカン。

 

 

>あなたたちと赤髪の少女、ランサーがドラゴンに攻撃を仕掛ける。

>吐き出される炎を避けながら、徐々にダメージを与えていく。

 

 

ドラゴンとワイバーンの違いですが、ステータスが一回り高いのと、攻撃手段が豊富になっている点が挙げられます。特に耐久面の上昇と全体攻撃のブレス(の回避行動)がRTA的にまず味ですね。(所要時間が)拡がりそうです。

 

 

 

 

>あなたたちはドラゴンに勝利した。

 

 

あれっ、意外とあっさり勝利しましたね?試走でドラゴンと出くわした時はもう少し手間取っていたのですが。

 

 

>落ち着いたところで赤髪の少女、ランサー――エリザベート・バートリーに事情を訊く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>――暇だからと大声で歌っていたら燃やされたらしい。

 

 

あっ(察し)

 

 

ドラゴンたちはどうやら既にダメージを負っていたようです。音響兵器の被害者に、黙祷。

 

 

>あなたたちはエリザベートに事情を説明した。

>エリザベートが仲間になった。

 

 

というワケで、音響兵器ことエリちゃんが仲間になりました。鼓膜と計画を木っ端みじんこにすることにかけては右に出るモノのない彼女ですが(1560敗)、通常特異点で行動を共にするだけなら問題ありません(問題ないとは言ってない)。

だからハロイベは勘弁してクレメンス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>ドラゴンの居た場所に何か落ちている。

>あなたは『聖晶石』を手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>捜索を続けていると、通信機に連絡が入る。

>――立香たちが近くまで来ているらしい。

>どうしますか?

 

 

 

おっと連絡が来ましたね。立香君チームの様子も気になりますし、行ってみましょうか。せっかくだから、俺はこの赤の扉(合流)を選ぶぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

>街のほど近くにある森で、あなたたちは立香たちと合流した。

>立香の背後に、緑色の長髪に着物姿の少女がぴったりと貼り付いている。

 

 

あっ(本日二回目)

 

 

 

>サーヴァント、バーサーカー――清姫が仲間になった。

 

どうやらホモ君ちゃんたちがドラゴンステーキ(こんがり焼けたエリちゃん)出来上がりを阻止している間に、きよひーこと清姫を確保したようです。

さてきよひーといえば、皆様ご存知安珍(ますたぁ)判定」問題です。レギュレーションによってはチャートに深刻なダメージをもたらすため、RTA走者にクッッッソ恐れられています。エリちゃんも別ベクトルで恐怖だし、この特異点、走者に対する殺意高い……高くない……?

しかし見てください、この隠密的にすら見える献身的な後方警備。今回、矢印は立香君の方に向いているようです。いやーこれはうま味で――

 

 

 

 

>清姫と目が合った。

>するりとあなたの前に来て、瞳を覗き込んでくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>――蕩けるような笑顔を浮かべた。

 

 

 

ヒエッ

 

 

 

 

清姫さん何ですかその反応は。あなたの安珍(ますたぁ)立香君(そっち)ですよ?ねえ聞いてる!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>大樹の根元に腰を落ち着け、あなたたちは作戦会議を始めた。

 

多少不穏な所もありましたが、それは置いておいて。

ジャンヌ、マリーちゃん、アマデウス、すまないさん、エリちゃん、そしてきよひーと、6人のサーヴァントが集まりました。あと処女魔女(マリア)

残るは最後の仲間ですが――

 

 

>清姫は解呪の出来る――聖人と呼ばれる人物の居場所に、心当たりがあるようだ。

 

 

やったぜ(コロンビア)

 

 

 

今回は原作通り、きよひーが最後(仮)のメンバーの情報を持っていました!いいゾ~これ。

もうよい時間ですし、今日はこの辺でスヤァ……することにしましょう。

 

 

 

>そろそろ日が暮れる。

>あなたたちは野営の準備に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

>あなたたちは思い思いに時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>夜更け、アーチャーが異常を知らせる。

>――街の方だ!!

 

 

 

 

 

近くに敵が現れたようです。現場に向かいましょう。

本特異点の残りタスクについてですが、実は相手サーヴァントの撃破が進んでいません。(倒したのはマルタの姐御だけなので)当たり前だよなぁ?

初めの方で絡まれたときを思い出すに、邪ンヌ含めてあと4体は居ますね。多分そろそろ出てくると思うんですけど(名推理)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>あなたたちが街の中心、広場に着く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>地を流れる液体が足先を濡らす。

 

>串刺しにされた住人、その血を浴びて恍惚とする仮面の女。

 

>折り重なった死体の上、玉座のごとくそこに座る長髪の男。

 

>赤く染まった世界、2体のサーヴァントがそこに居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

>あなたの後方、アーチャーが咄嗟に立香とマシュの目を塞ぐ。

>あなたたちのストレス値が上昇した。

 

 

 

 

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!

 

 

 

 

 

 

はい、スプラッター映画もかくやの地獄絵図のせいで、皆のメンタルがゴリゴリ削られました。強制イベントでデバフはやめろぉ(建前)やめろぉ(本音)。

 

 

 

>月夜の下、男と女が笑う。

>その目は狂気に染まっている。

 

 

どうやらマルタの姐御に引き続き、『狂化』でガンギマリのようです。お前精神状態おかしいよ……。

今回もコミュニケーションは難しそうなので、コミュニケーション(物理)でいきましょう。

 

 

 

 

>ロマニ、そしてエリザベートが2人の真名を告げる。

>長髪の男、サーヴァント――ヴラド三世が勝負を仕掛けてきた。

>仮面の女、サーヴァント――カーミラが勝負を仕掛けてきた。

 

 

というワケで2体のサーヴァント、ヴラド三世とカーミラとの戦闘です。さて初手ですが――

 

>あなたはアーチャーに視線を送る。

>アーチャーは立香とマシュを連れて戦線を離脱した。

 

 

立香君となすびの2人を下がらせます。後半ならともかく、現在のメンタル強度だと使い物になりません。チャオズ(立香君となすび)は置いてきた。この戦いにはついていけない……。

 

 

>月夜の下、杖と槍が振るわれる。

>空を切ったはずのそれは、余波だけであなたとジャンヌを吹き飛ばした。

 

 

しかし状況はかなり悪いですね。

『狂化』のブーストがえげつない上に、夜だからか追加バフが載っているようです。

原作で存在したフィールド条件発動のスキルですが、本作でも再現、更に追加されています。目の前の2体は『フィールドが[夜]の時、確率でステータスUP』というのが追加されているんですが、ガッツリ発動しているようですね。その上エミヤ含めて3人が離脱、いや~キツイっす。

 

 

 

 

 

嘘です。今回は戦力が充実しているので問題ありません。8人に勝てるわけないだろいい加減にしろ!!

 

>ジャンヌ、マリー、アマデウス、ジークフリート、エリザベート、清姫――

>そして、魔女マリアとあなた。

>湧き出す杭の合間を縫って、あなたたちは攻撃を仕掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>――2体のサーヴァントは、あなたたちの攻撃をかわし続ける。

 

 

ウッソだろお前(困惑)。

 

乱数が宜しくないのか、攻撃が全然当たりません。動くと当たらないだろ!動くと当たらないだろ!(怒涛の波状攻撃)

まあ焦る必要はありません、じっくりしっかり攻略を――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>通信機に連絡が入る。

 

>――聖人の居る街が襲われているようだ!!

 

 

 

 

 

 

は?(威圧)

 

 

 

どうやらこ↑こ↓は囮、時間稼ぎだったようです。(読みを)外してんじゃねぇよバァカ!(自虐)

さっさと片付けて皆で向かうのがベスト……だと思うのですが、この2体を倒すのは時間が掛かりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(走者熟考中)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうなったら仕方ありません!

 

>あなたとマリー、魔女マリアは戦線を離脱した。

 

 

乗り物(アシ)持3人を先発隊にします。ここは任せるから先に行く!!

 

 

それじゃ、イクゾー!!!

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。



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25 Liber 4

「……ハッ、ァ――!」

 

路地裏。

月明かりの届かない暗がりに、3人分の影がある。

 

 

 

 

 

 

視界を染めた赤は、一瞬しか――否、()()()()()()()()()鮮烈に。

鼻腔を染めた臭いは、だからこそ粘りつくように。

深く、少年を冒していた。

 

 

「う゛、ぇ……」

 

 

 

 

こみ上げる嘔吐感に、少年はその場にうずくまる。

そんな少年の傍らに、少女は跪き背を擦る。

 

 

 

 

 

 

少年と少女、そしてこの場にもう一人。

2人を見下ろす男が居る。

 

 

 

 

 

男は気付いている。

少女の手もまた、酷く震え、常でも白い肌から一層色が抜けていることに。

 

 

男は気付いている。

彼らの感性に。

()()()()()()()()()()に。

 

 

 

 

「良いか、マスター、マシュ」

 

声を掛けられ、藤丸立香は顔を上げる。

隣のマシュもまた、同様に

 

 

「慣れろとは言わない。慣れるべきではない」

 

「だが――」

 

弓兵(アーチャー)を名乗る男の眼光が2人を射る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「憶えておけ。ここは戦場(そういう場所)だと」

 

 

 

 

 

 

 

 

少年少女、加えて男。

路地裏に、3人分の影がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そして、それを見下ろす瞳がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月明かりが、赤く染まった地を照らす。

モニターが映し出した光景に、管制室のスタッフたちは息を吞んだ。

 

「――っ、ロマニ!」

 

後方、聞こえる呻き声をよそに、オルガマリーが声を上げる。

 

「脈拍、血圧共に急上昇……あぁ大丈夫、錯乱までは行っていない」

 

口元を覆い、眉間に皺を満たしながら、所長の言葉にロマニは答えた。

 

目の前にあるのは、3人分のバイタルを映し出したモニター。

赤く染まり、極度のストレス状態を知らせる画面を睨んでも、それが好転することはないが。

映し出された3人の内、立香とマシュは、アーチャーによってその場(地獄)から退避している。

 

そして――

 

 

 

「……日彩君」

 

ただ一人。

その場に残った若者が、正面のモニターに映し出されている。

 

 

 

ヴラド三世、そしてカーミラ。

伝承の怪物、その血に彩られた像を形作ったモノたち。

 

 

 

一歩、並び立つ彼らの方へと、若者は踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月明かりが、赤く染まった地を照らす。

広場の端に立ち、ジークフリートは青い騎士へと目をやる。

 

 

(極東の剣術、だろうか)

 

 

中段を基本とした構え。それが動作の端々で見える。

ヒト型相手であれば、その剣先は恐らく、眉間へと定められていることだろう。

飾り気はなく、しかしだからこそ。

その剣術が、()()()()であることを感じさせる。

 

 

 

「ボーっと、してんじゃ、ないわよっ!!」

 

湧き出る杭を後ろ跳びで避けた少女が、着地際にそう声を掛けてくる。

 

 

「……すまない、集中せねばな」

 

 

愛剣を握る手に力を込め直し、散漫になってしまっていた意識をリセットする。

身を焦がす呪いを引きずりながら、彼は再び跳んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【「――ごめん、皆!悪いニュースだ!!」】

 

斬撃音と打撃音と破砕音と。

静けさが失われて久しい広場。

 

上空に陣取ったマリアにも、その声は届いていた。

 

戦場は地だけではない。

空から襲い来るワイバーンを迎撃する役目を担いながら、彼女も耳を傾ける。

 

 

【「西の方角にある街に、大量の魔力反応を感知した。恐らくこれは――」】

 

()()()、でしょうね」と。

屋根上にふわりと着地した清姫が、そう呟くのが聞こえる。

 

 

ワイバーンへと向けていた視線を、広場へ移す。

地上、大剣を構える灰髪の青年へと目を向けた。

 

その剣さばきは、成程、巧みと言ってよい。

少なくとも自分のような素人には、十分すぎるとすら思えるほどで。

 

――だが顔色を見れば、認識が間違っていることが分かる。

 

 

 

 

彼は呪いに侵されている。

その身を蝕む呪いは強力で。

 

(私じゃ、駄目だった)

 

彼女――力ある魔女であっても、彼を解き放つことは出来なかった。

 

 

そうして彼らは考えたのだ。

彼を救うにはやはり聖人――清姫の言う「あの人」が必要だと。

 

 

 

【「防衛戦を得意とした英霊であっても、これじゃそんなに保たないぞ!」】

 

声は伝える。

事態の深刻さを。

その猶予が僅かしかないことを。

 

 

 

 

 

視線を、また移す。

そこに居たのは青い騎士。

この場に残った、もう一人の未来からの旅人(マスター)

 

 

 

その仮面に覆われた顔が、こちらを見上げ――

 

 

 

 

 

 

 

視線が合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこもまた、戦場だった。

 

「老人と子供を先に!急げ!!」

 

長髪の騎士が声を張り上げる。

 

 

 

未明、闇に包まれた街の中。

彼の声に押されるように、民衆が逃げ惑う。

 

 

その最後方、気配を感じて彼は振り返った。

 

 

 

手にした大剣で、襲い来るワイバーンの首元を斬りつける。

 

2、3、4と。

続けざま、斬撃を浴びせられた飛竜が沈黙する。

 

 

 

 

 

 

 

悲鳴が聞こえたのは、それを見届け、一息ついた時だった。

 

 

親子なのか、赤子を抱えた女と男の子。

地に伏した3人の許に、骸骨が迫る。

 

 

駆け出す彼の前に、ぽっかりと空いた眼窩が並び立つ。

異形たちの壁の向こう、振り上げられた剣が、月明かりで怪しく光り――

 

 

 

 

 

爆音と共に、鋼鉄の騎馬(バイク)がそこへ飛び込んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「成程、事情は分かりました」

 

 

 

骸骨の群れを屠り、親子を逃がし。

長髪の騎士、ライダー――ゲオルギウスは、来訪者たちへと向き合う。

 

目の前に居るのは、青い騎士、王族、そして魔女。

三者三葉、生きた時代もバラバラで。

正に奇妙な世界の在り様を示しているようにも思える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――残念ですが、私は行けません」

 

 

ゲオルギウスは一言、そう告げる。

 

 

 

【「――っ、何故です!?人理を救うために、聖人(あなた)の力が必要なのに!!」】

 

 

彼方からの声が、彼にそう問いかける。

聖人とまで呼ばれた者が、この危機を前に何故、と。

 

 

ゲオルギウスは、視線を来訪者たちの後方へと移す。

 

 

 

「市民の避難が終わっていません」

 

 

その瞳には映っているのは、先ほどの親子。

彼は知っている。

彼女たちの行く先にあるのは、長蛇の列。

未だ多くの民衆が、この街に残されていることを。

 

 

「私はここの市長から、彼らの守護を任されています。その願いを全うすることは――」

 

 

 

 

ゲオルギウス、英雄の影法師。

信仰を、人の想いを以て現界せしその男は――

 

 

 

 

「私が聖人()であるために、必要なことなのです」

 

 

 

 

きっぱりと、そう言い切った。

 



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26 フランス旅行 その6

セール品のチョコレートを狩るので初投稿です。


モンスターハンターはーじーまーるーよー。

さて前回、卑劣な罠にハマりつつもイクゾー!したホモ君ちゃんたちでしたが――

 

 

 

 

>あなたたちが街を訪れると、そこには一人の男が居た。

>長髪の騎士、ライダー――ゲオルギウスと遭遇した。

 

はい、最後(仮)のメンバー、ゲオルギウス先生の登場です。彼も本特異点では、お馴染みの顔と言って良いでしょう。

このゲオルギウス先生ですが、仲間にする際に高確率でイベントが発生します。

 

>街には逃げ遅れた住民が未だ多く居る。

>オルガマリーが説得するも、ゲオルギウスは街から離れることを拒否した。

 

NDK?NDK?(所長の方を見ながら)

 

彼はこの特異点に召喚されると、大体何処かの街で防衛戦をやっています。民を守るために戦う頭も体も堅い殿方(ゲオルギウス)を、我々は何とかして連行する必要があるワケですね。

何とかしてと言われても、と思われた視聴者の皆様、ご安心ください。私にいい考えがある(CV 玄田哲章)。

 

 

 

 

>護衛役を全うしようとするゲオルギウスに、マリーは微笑みかける。

>――彼女はゲオルギウスに、自身が代役になることを提案した。

 

やったぜ(コロンビア)

 

イベント発生時にマリーちゃんが居ると()()()()が行われます。具体的には身代わりになって、ゲオルギウス先生を送り出してくれるんですね。

尚これを実行すると、ほぼ確実にマリーちゃんは本特異点にサヨナラバイバイです(81055敗)。

 

このイベント、先生を「言いくるめる」「力づくで連行する」といった攻略法もあるのですが、パラメータの調整が必要だったり(9646敗)、成功しても好感度やストレス値に大幅なダメージが入ったり(8181敗)とマズ味です。そのため、マリーちゃん大好き民や宗教(レギュレーション)上の問題が存在する兄貴たちでなければ、これが最適解です。だから、マリーちゃんが途中で離反しないようにする必要があったんですね。

 

>マリーがこちらを見つめている。

>どうしますか?

 

それでは行きましょう!マリーちゃんは犠牲になったのだ。古くから続く人理修復……その犠牲にな――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>あなたが口を開こうとすると、上空に居た魔女マリアが降りてきた。

 

うん?処女魔女(マリア)がこちらにやってきましたね。今大事な話をしてるので、後にしてもらいたいのですが。

 

 

 

>手を引かれ、あなたは魔女マリアと共に宙へ上がる。

 

>――真っ暗で何も見えない。

 

>魔女マリアは思案するように腕を組み、それを解くと一つ、小さな光弾を放った。

 

>夜空に花火めいた光が灯り、露わになったのは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>ワイバーンの大群だ!!

 

 

 

ヴォエ!

 

何か物凄い数のワイバーンが飛んで来てるんですが。多すぎて、空の色が見えない!

これはさっさと離脱しないとマズいですね。こんな所に居られるか!俺は皆のもとに戻るぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>ワイバーンはもう、すぐそこまで迫ってきている。

>離脱は難しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

(無言の再チャレンジ)

 

 

 

 

 

 

 

 

>ワイバーンはもう、すぐそこまで迫ってきている。

>離脱は難しい。

 

>ワイバーンはもう、すぐそこまで迫ってきている。

>離脱は難しい。

 

>ワイバーンはもう、すぐそこまで迫ってきている。

>離脱は難しい。

 

 

 

 

 

 

クゥーン……(子犬)

 

どうやら離脱のタイミングを逃してしまったようです。ホモ君ちゃんがまだ選んでる途中でしょうが!(激おこ)

 

こうなっては仕方ありません、迎え撃つことにしましょう。

こちらは4人居ますし、囮を片付けたら残りのメンバーも来ますからね。少々数が多いですが、持久戦で凌げるでしょう。大丈夫だって安心しろよ。

 

 

それじゃあ戦闘、イクゾー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>未だ広がる夜闇の下、あなたたちはワイバーンの大群を相手取っている。

>どれだけの時間が過ぎたか、時間感覚が曖昧だ。

 

 

72分56秒だゾ(ピキピキピーマン)。

 

 

ワイバーンをちぎっては投げちぎっては投げしているのですが、一向に減りません。(殲滅まで)まーだ時間かかりそうですかねー?

 

生身の処女魔女は勿論、サーヴァントたちにも疲れが見えてきています。(援軍まで)まーだ時間かかりそうですかねー?(震え声)

 

 

 

 

>通信機に連絡が入る。

 

 

やったぜ(本日二回目)

 

 

散々待たされましたが、連絡が来ました。

いやーこれで一安心ですね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>仲間たちが敵の大群に襲われているようだ!

 

 

>仲間たちは完全に足止めされてしまっている!!

 

 

 

ぬわあああああん疲れたもおおおおおおおん

 

 

 

一体いつまで雑魚狩りしてれば良いんですか!!単調過ぎて見所さんも不在ですよ!カットしろ!

 

冗談はさておき、良くない流れですね。

敵は無限に湧いてくるし、期待していた援軍は全然来ません。某シミュレーションRPGなら資金稼ぎに使えるんですけどね。30周年おめでとうございます(唐突な祝辞)。

 

そろそろ流れ変わってくれないと困るんですが――

 

 

 

 

 

>魔女マリアがあなたの名を呼ぶ。

 

>何かが急降下してくる!!

 

 

 

ヌッ!

 

 

 

 

>あなたは咄嗟に身を伏せ、地面を転がった。

>先ほどまで居た場所の地面が大きく抉られ、何やら変色している。

>どうやら鉤爪の一撃のようだ。

 

>抉れた地面の傍らで、羽付き帽子の剣士が優雅に礼をしている。

 

何だこれは……たまげたなぁ。

 

敵サーヴァントがダイナミックエントリーしてきました。少々驚きましたが、これでシナリオが進みそうですね。流れ変わったな(歓喜)。

それじゃあさっさと片付けましょうか。

 

 

>あなたは羽付き帽子の剣士の前に立ち、剣を構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

>――何か音が聞こえる。

 

 

うるさいですね……。

相手サーヴァントが登場してから、物凄い音がしています。ちょっと!今何時だと思ってんの――

 

 

 

 

>音の在処を求めて、あなたは空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>羽ばたく度に音を轟かせるのは、その雄々しき翼。

 

 

>赤く染まった巨躯は、炎のようで。

 

 

>獲物を見定めるその貌は、猛禽のごとく。

 

 

 

>飛竜(ワイバーン)の王とでもいうべき姿が、夜闇に浮かび上がった。

 

 

 

 

 

 

 

スゥ――――(深呼吸)。

 

 

 

 

 

 

 

(チラッ)

 

 

>飛竜の王とでもいうべき姿が、夜闇に浮かび上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>飛竜の王とでもいうべき姿(リオレウス)が、夜闇に浮かび上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり疲れてるみたいです。特に視覚がね……駄目なんだよ……(眼精疲労)。

 

どっかで見たようなモンスターがコンニチワしてた気がしますがこれはきっと見間違いですねそうに違いない――

 

 

 

>飛竜の王の顎に炎が揺らめく!

>あなたたちに向けて火炎が放たれた!!

 

 

 

 

 

 

(走者炎上中)

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッ……ハッ……アッー!アーツィ!

 

 

 

 

 

はい、どうやら3つ目のDLCさんが出走のようです。

今回起動したのは『狩猟本能』、CAPCOM発売のゲーム「モンスターハンター」シリーズの設定諸々をぶち込むDLCです。原作は「ハンティングアクション」「狩りゲー」というジャンルを築いた有名作品ですね。職業欄に“ハンター”の文字が燦然と輝く視聴者の皆様も多いのではないでしょうか。

ちなみに僕は子供の頃、イャンクック先生に勝てなくて泣きました。(今もあんまり得意じゃ)ないです。流れ変わったな(絶望)。

 

それでは戦闘開始です。正直不安ですが、頑張って片付けていきます。

 

 

>マリーが羽付き帽子の剣士の名を呼ぶ。

>羽付き帽子の剣士、サーヴァント――シュヴァリエ・デオンが勝負を仕掛けてきた。

>飛竜の王が咆哮を上げる。

>飛竜の王が勝負を仕掛けてきた。

 

 

 

 

 

スゥ――――(深呼吸)。

 

 

 

 

よし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てめぇなんか怖かねぇ!

 

 

 

 

野郎、ぶっ○してやぁぁる!!(ヤケクソ)

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 




UAというのが10000を超えたそうです。
ありがとうございます。


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27 Liber 5

※修正[2022/7/16]


 

一つ。

 

二つ。

 

三つ。

 

 

爪を、牙を、尾の一撃を。

躱して剣を走らせる。

 

襲い来る飛竜たちを下し、ゲオルギウスは前方、地に走る爪痕を見る。

 

「……厄介ですね」

草木を枯らし、地面を変色させたそれは、只の爪撃ではない。

 

竜とは、“毒”と縁深い生物だ。その身に毒性を持つモノも多い。

そう、例えば――

 

「かの竜のように」

 

その名を彩る逸話を思い返し、独り言つ。

 

ゲオルギウスは戦場の中心を見る。

見下ろし、立ちはだかるは飛竜の王。

見上げ、立ち向かうは1人の騎士。

 

 

青の衣に銀の鎧。

戦場の中心に立つ騎士の表情は、仮面に覆われ窺うことは出来ない。

しかしその緋色の両眼は、しっかりと、宙に浮かぶ飛竜の王を見据えている。

 

地を睥睨していた飛竜の王は、一度宙返りし――

 

1人と一匹は、また激突した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騎士と竜、繰り広げられる対決を王道活劇とするならば。

傍らで行われるこの攻防は、悲劇と表現すべきだろうか。

 

「――あなたとは、あんまり戦いたくないのだけれど」

 

デオン、と。

マリーは彼、或いは彼女に語りかける。

記憶に残る優しい微笑みは、今はなく。

能面のような顔に一筋、跡が走る。

シュヴァリエ・デオン、フランス王家の剣が一振り。

自身にとって、見知った間柄だ。

 

「――――」

 

騎士(デオン)の唇が動き、小さく、何かを呟く。

喧騒の中で、しかし王妃(マリー)だけは、それを聞き逃さなかった。

主従は見つめ合い、そして――

 

同時に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

足りない。

 

二人の英霊、一人の魔女、そして、一人の騎士。

その力をもってしても。

 

 

「計測数値が異常だ、ほかの個体に対してあまりにも強大すぎる……」

 

あの飛竜は一体、と。

訝しむ優男を傍らに置いて、オルガマリーはモニターを睨む。

 

およそ拮抗している、と言えば、聞こえは良いだろう。

4人は仕事を全うし、相手を抑え続けている。

 

――()()()()()()()のだ。

 

 

「ジャンヌ・ダルクたちは!?」

 

「依然、敵性体と戦闘中!!」

 

悲鳴にも似た報告が、モニタールームを飛び交う。

映し出されている戦場は、一つではない。

吸血の怪物を相手取る彼らもまた、攻防の只中にある。

 

足りない。

 

その拮抗は、いつまで続けられるのか?

このままでは、足りない。

 

「っ、新たに敵性体の反応!!」

 

「ワイバーンの増援ですっ!!!!」

 

 

足りない。

 

息を呑む音が聞こえる。

一瞬、静寂が訪れた。

そして。

 

 

 

 

 

 

「――日彩、聖晶石はあるわね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

放つ。

 

放つ。

 

放つ。

 

夜空を舞うように飛びながら、魔女マリアは光弾を放つ。

 

地を行く骸骨の群れを、一つでも多く屠るために。

 

果たしてどれだけの時間を費やしただろうか。

 

無限に感じられるほどに。

 

 

 

【「魔女マリア!!」】

 

「――っ!?何よ!」

 

 

 

 

突然の呼び掛けに答える。

とはいえ、声に集中する余裕はなかった。

だから、最初、聞き間違えたかと思った。

 

 

 

 

 

【『今から儀式を行うので、陣の作製をお願いします!』】

 

「――ッ、アンタ状況分かって言ってんの!!??」

 

 

 

 

 

 

 

「無茶ですよ、所長!!」

 

 

3頭身のオルガマリーを掴み上げ、思わずロマニは叫んだ。

「“システム・フェイト”は不安定だ!マシュの、()()()を中核に据えなくちゃ満足な機能は――」

 

()()()()()()()()()()、でしょ!!」

 

ぎゅむ、と。

顔を押しのけ、机へと飛び降りる。

 

「無茶なことなんて百も承知です。それでも、この状況を打開するには――」

 

 

 

 

「――これは、カルデア所長たる私(オルガマリー・アニムスフィア)の決定です」

 

 

 

 

ビシリ、と。

指を突き付けたあと、オルガマリーが通信回線を開く。

 

「――ああっ、もう!!」

 

その様子を見て、ロマニが手元のマイクを掴む。

コンソールを操作し、()()を繋ぐ。

 

「やあ、どうかしたかい?」

 

スピーカーから聞こえてくるのは、どこか楽しそうにも聞こえる声。

部屋中で鳴り響くアラートをBGMに、ロマニは声を張り上げた。

 

 

 

 

「君にも手伝ってもらうぞ、レオナルド!!」

 

 

 

 

 

 

 

夜空を、魔女が昇っていく。

 

「大きさは!?」

【「こちらからの観測精度を上げます、出来るだけ大きく!!」】

 

轟々と鳴る風切り音を負けじと、声を張り上げる。

 

 

ぐるぐると、円を描くように。

夜闇を魔女が切り裂いていく。

 

速く。

 

速く。

 

速く。

 

完成図を頭に描きながら、縦横無尽に飛び回る。

 

「――ッ!チィッ!!」

 

正面、その爪を広げた飛竜を躱す。

僅かにズレた位置を修正し、再び空に軌跡を描く。

 

 

手がふるふる震える。

目がちかちかする。

こめかみの奥がずきずき痛む。

 

未だかつて出したことのない速度に、悲鳴を上げる身体。

それでも。

 

 

やるべきことがある。

聞くべきことがある。

確かめるべきことがある。

 

ならば、と。

 

前後左右上下、あらゆる角度から飛竜が襲い掛かる。

バレルロール。

インメルマンターン。

インサイドループ。

 

後の世であれば、そんな風に呼ばれるであろう空中機動(マニューバ)の数々。

迫りくる飛竜を時に避け、時に撃ち落としながら、彼女は飛び続け――

 

 

 

 

 

 

 

――そして最後は、横合いからの突進が直撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔女は地へと落ちていく。

 

 

 

夜空に浮かぶ光を、視界一杯に収めながら。

 

 

 

魔女は地へと落ちていく。

 

 

 

その光に向けて手を伸ばす。

 

 

 

魔女は地へと落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一本、人差し指を立てて。

 

 

 

「注文通りよコノヤロー!!」

 

 

 

星にも、月明かりにも負けぬほどに。

夜空をキャンパスに、光り輝く魔法陣が浮かび上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《――素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公》

 

仮面の向こう、若者は声なき声で唱える。

 

 

 

 

《四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。》

 

執り行われるのは、一つの大魔術。

 

 

 

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 

いつかのあの日、教えてもらったのだ。

 

 

 

 

 

《ただ、満たされる刻を破却する》

 

オルガマリーに。

ロマニに。

マシュに。

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()

 

 

 

 

《――――告げる》

 

そう呟いた若者に囁くように。

 

【「――さあ、日彩。応えてみせなさい」】

 

通信機の向こうから、声が聞こえる。

 

 

《汝の身は我が下に》

【「貴方に掛けられた、期待に」】

 

 

《我が命運は汝の剣に》

【「果たしてみせなさい」】

 

一拍分の静寂。そして――

 

 

 

 

 

 

【「――マスターという(貴方に与えられた)、役割を」】

 

 

 

 

 

若者は、少しだけ知っている。

その言葉の重みを。

彼女の、重みを。

 

 

 

《誓いを此処に》

 

 

 

 

 

そうして、残り僅かとなった節を唱えようとしたとき。

若者は、それに気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜明けまであと少し。

突然揺さぶり起こされた少女は、弟を腕に抱く母の後ろで足を動かす。

 

良いなぁ、と目を擦りながら。

母の腕に抱かれ、眠り続ける弟を見やる。

 

 

怪物の咆哮が木霊するそれは、非現実的で。

未だ夢の中にあるような浮遊感が、彼女の中にあった。

 

 

 

 

 

だから、仕方なかったのだ。

 

 

「――ッ、わぁ……」

 

 

空に浮かび上がる魔法陣(大きな模様)の美しさに目を奪われ、足を止めてしまったことも。

 

 

「きれい……」

 

 

それが飛竜の目に留まったことも。

 

 

突き飛ばされて、尻餅をついたことも。

 

 

 

 

 

 

――突き飛ばした青い騎士が、飛竜の一撃で民家へと突っ込んだことも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瓦礫を掻き分けて、半身が浮かぶ。

そこにあったのは青い騎士でなく、血に汚れた小柄な若者。

 

立ち上がった拍子、破片と共に何かが落ちる。

彼方から声を届けてきた通信機(それ)は、今は沈黙していた。

 

 

白み始めた空の下、一歩、足を踏み出す。

それを取り囲むのは、飛竜と骸骨の群れ。

 

――距離が、離れている。

 

聖人の剣閃も。

王妃の持つ輝きも。

 

そこにはきっと、届かないだろう。

 

 

無数の影が、地で蠢く。

その中心で、若者は――

 

《――我は常世総ての善と成る者》

 

()()()()()()()()片腕を掲げ、唱える。

 

《我は常世総ての悪を敷く者》

 

未だ光を失わないのは、空に描かれた陣。

その姿はまるで、祈りのようで。

 

 

 

 

一つ、息を吸う音がした。

生じた一拍を見逃さないとばかりに、異形たちが殺到する。

 

爪を、牙を、剣を。

自らに振り下ろされようとしているそれらを視界に収め、若者の唇が再び、動き出す。

 

 

 

一匹の大蛇のように。

一塊となった黒い影が、若者を呑み込み――

 

 

 

 

 

 

 

 

《――汝()()の言霊を纏う七天》

 

()()の輪より来たれ、天秤の守り手よ》

 

 

 

 

 

 

 

 

――瞬間、掻き消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

微塵に切り刻まれた飛竜と骸骨。

 

血風は色づき。

骨片は輝き。

 

陽の光を浴びて舞うそれは、桜の花びらのようだった。

 

 

 

 

 

 

 

チンッ、と。

()()()()()()空気を震わせる。

 

その場にあった無数の影。

今は僅かに一つ、二つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「待っていましたよ、マスター」

 

 

 

 

その日また、若者は運命(カード)を引いた。

 



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28 Liber 6

「――回線……途絶、しました」

 

通信オペレーターの声が、管制室の空気に溶ける。

通信用魔術礼装。

通信機と呼ばれるそれは、レイシフト中の彼らに声を届ける、唯一の方法だ。

 

室内、そこかしこで鳴り響いていたはずのアラームの音が、とても遠く感じる。

 

 

錆びついた人形のように。

オペレーターの一人――茅昴昴(マオ マオマオ)は、手元のモニターから顔を上げて、2()()へと目を向ける。

 

橙髪の男は、声にならない呻き声を上げ。

白髪の女は、微動だにしない。

 

額を、頬を、背中を。

冷たい汗が滑り落ちていくのを感じる。

 

痛いほどの沈黙が管制室に流れ、そして――

 

 

 

 

「なに、大丈夫だよ」

 

モニターを覗き込みながら。

微笑みと共に、そう告げられた。

 

 

 

 

 

 

 

赤く染まった地の真ん中で。

人影が、一つ、二つ。

 

槍で貫かれた女と、貫いた女。

2人――或いは、1人。

過去と過去(過去と未来)が向かい合う。

 

「アンタを否定するって事は、自分の罪から目を背ける事と同じでしょう」

 

あの日の少女(エリザベート)が語り、いつかの女(カーミラ)が見つめる。

 

「どうせ過去の亡霊――そんなこと、百も承知よ」

 

「それでも、私は――」

 

女が光の粒子となって消えていく。

頬に付いた赤を拭いながら、少女は、青い瞳を逸らさずに告げる。

 

 

 

 

 

「――何度でも未来を否定するし、何度でも唄うのよ」

 

皮肉気に歪められた口元を、見た気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良くない状況だ。

アーチャーはそう結論付けた。

 

戦力は分断され、こちらは撃退にこそ成功したものの、1()()()()()()()()()()

手強い相手だったこともあり、少なからず消耗の色もある。

特に竜殺し(ジークフリート)は、無理を押して駆けたことが表れていた。

 

「(だが、本当の問題は――)」

 

激闘を潜り抜けた仲間たちから、視線をもう一方へと向ける。

 

 

 

 

貴方の仲間は貴方達が恐怖で震えている間も勇敢に立ち向かった末に、安否不明になりました。

 

 

 

 

 

少年と少女の顔色は、青を通り越して土気色/真っ白になっている。

どうしてこう、物事というのは悪い方向に転がるのか。

 

 

 

 

 

「ムードに合わせた曲とテンション上がるような曲、どっちが良いかな?」

「やめてくれ。本当にやめてくれ」

 

揶揄うように口にする稀代の作曲家に、割と心からの懇願を口にする。今そういうのは要らない。

というか――

 

「君は心配じゃないのか?アマデウス」

 

他人の心の機微を正確に推し量ることなど出来はしない。

それでも彼には、目の前の男が、()()()()()()()()()()ように見えた。

 

アマデウスはその問いかけに、少しだけ考えるような仕草をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピアノを聞かせて頂戴」と。

 

別れ際にかつて愛を告げた人(マリー)は言った。

それは男と女にとって、特別な意味を持つ言葉だ。

 

 

 

 

 

「――()()()()()()、そう思ったかもしれない」

 

そう、だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、ただの予感だ。

 

 

 

 

 

 

 

【「オルレアンに向かってもらいます」】

 

責めるでもなく、慰めるでもなく。

静かに、一言告げられた。

 

口を突いて出そうになった言葉を呑み込み、拳を握る。

――今の自分に、それを言う資格はない。

 

 

【「立香君、正直に言うなら、状況が良くない」】

【「僕たちは後手に回っている。……もう猶予がないんだ」】

 

かけられる言葉が、じくじくと疼く心に塗り込められる。

ただ、情けなくて。

 

 

 

 

【「――藤丸立香」】

 

 

名前を呼ばれ、顔を上げた。

 

 

【「カルデア所長として命じます、()()()()()()()()()()()()」】

 

通信機越し、告げるその顔は見えない。

 

だけど。

 

 

 

 

 

 

【「()()()()()、出来ます」】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待っていましたよ、マスター」

 

血風舞う戦場の片隅で、2人が邂逅する。

片や赤に塗れた黒髪の。

片や桜に色づく白髪の。

 

黒と白、遠く離れた2人の姿。

 

――それでも、そこには縁がある。

 

 

 

白髪が黒髪の手を取り、握り込まれたそれを見る。

 

「成程」

 

鈍く光る木片。

汗と血で磨かれたそれは、木刀の欠片(研鑽の証)

 

嬉しそうに呟きながら、黒髪の顔を覗き込んで。

――不意に、その動きが止まる。

 

黒髪が首を傾げる。

そんな主の様子を余所に、ぎゅっと、何かを堪えるように瞼を閉じ――

 

 

 

――白髪はただ、微笑を浮かべた。

 

 

 

向き合う2人を異形が囲む。

 

 

「……お話は後で。なにぶん戦場ですから」

 

少しだけ、名残惜しそうに。

握っていた手を放し、白髪はそちらへ目を向ける。

 

 

柔らかな微笑は、今はなく。

 

 

そこに居たのは1人の()()

 

 

 

「――いざ、参る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬の出来事だった。

人影が消え、現れるのと相対するように。

異形が消え、血風と骨片が舞う。

 

剣術、なのだろう。

頭の辺り。高く、地面と水平になるように構えた剣。

それが振るわれる度に、異形が屠られているのだろう。

 

――しかし、嗚呼、()()()()

 

目の前で行われるそれに、墜落地点からやっとの思いで戻ってきたマリアのこめかみが痛んだ。

 

自分とて、()()()()()()()の自覚がある。

しかし、だ。

 

「アレはヤバい」

 

少し離れた位置、「まあ!」と目を丸くしているマリーを見つつ、彼女はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

戦場の真ん中で火花が散る。

 

 

吹き飛ばされた青い騎士へ。

追撃を加えようとする飛竜の王を食い止めていたのは、名高き聖人の剣だった。

 

毒爪を躱し、振り下ろされたその足へと剣を叩きつける。

渾身の力を込めた一撃を、しかし飛竜の王は一顧だにしない。

 

三方から鉤爪が伸びる。

一つ空いた後方へと跳び、飛竜たちの包囲網から抜け出す。

 

王とその配下、飛竜の軍勢。

それを前に、聖ゲオルギウスは奮戦していた。

 

如何に男と言えど、それは簡単なことではなく。

吹き飛ばされた青い騎士の末に、注意を払えなかった。

だから――

 

 

 

「助太刀します」

 

 

宙を舞う無数の飛竜、その一角を消し飛ばし。

目の前に現れた人影に、思わず手を止める。

 

隙を逃さぬとばかりに、死角から襲い来る牙と爪。

しかしそれらは、ゲオルギウスに辿り着く前にまとめて断ち切られた。

 

「――っ、ありがとうございます」

「いえいえ」

 

尚も迫る飛竜たちを返す剣で切り刻む白髪に、男は一瞬遅れて返事をする。

飛竜たちが()()()()()()地に墜ちたのは、その数刻後のことだった。

 

 

 

 

 

 

構え直すゲオルギウスと白髪の剣士。

それを見下ろす飛竜の王。

 

まず動いたのは、飛竜の王だった。

急降下。迫りくる巨躯を、左右に分かれて2人が躱す。

 

擦れ違いざまにゲオルギウスが、飛竜の王の胴目掛けて剣を走らせる。

 

赤く血筋が走り――しかし浅い。

 

地に両脚をつけ、飛竜の王は横薙ぎに尾を振るう。

丸太のようなそれ。

ゲオルギウスが後方に跳んで躱したのとは対照的に、白髪の剣士は前方――眼前の、飛竜の王の背へと跳んだ。

 

ギャリギャリッ!と。

剣と鱗が擦り合わされ、火花と金属音が鳴り響く。

 

腹立たしい、と言わんばかりに。

飛竜の王は更に身を翻し、振り払った白髪の剣士へと視線を向ける。

 

顎の合間から火の粉が舞い散る。

 

辺りを焼き尽くすかのように。

 

膨大な量の火炎が、撒き散らされた。

 

 

 

 

飛竜の王は、目を細め、()()()()の様子を探る。

 

赤く染まった大地、炎の海を突っ切って。

飛竜の王へと影が駆ける。

 

一撃、伸びる鉤爪を剣の側面で受け。

反動を利用しながら、懐に飛び込む。

 

 

 

例え、硬い外殻に覆われた身体であっても。

腹部(そこ)の防御は薄いのが常である。

 

 

 

袈裟懸けに振るった剣で、鮮血が迸る。

もう一撃、と。

今一度剣を振るおうとするゲオルギウスを、飛竜の王の尾が襲う。

 

薙ぎ払うように振られたそれを剣で受け、飛ばされる彼の視界には。

こちらを睨む飛竜の王と、その後方から襲い掛かる白髪の剣士。

 

死角からの奇襲、必殺の一撃。

 

 

 

 

 

 

飛竜の王はそれに、対応してみせた。

 

 

 

 

飛翔、上空へと舞い上がろうとした。

 

――尾の先、突き立てられた()()が、飛竜の王を地へと繋ぎ留めた。

 

 

身を捻り、その翼で剣士を叩き落としにかかった。

 

――ピンクと緑、飛来した光球がぶち当たり、その動きを止めた。

 

 

ならばと、再び顎に火炎を宿し――

 

 

 

 

――開かれたそこへと、剣が差し込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消えゆく飛竜の王を眺めていた白髪の剣士が向き直る。

 

長髪の聖人。

大きな帽子の少女。

大ぶりのコートを着た少女。

 

 

――そして今再び、青い騎士の鎧を脱いだ若者。

 

 

 

「申し遅れました」

 

4人を視界に収め、()は一つ、礼をする。

 

 

 

 

 

風にたなびく羽織の紋は。

 

 

 

 

浅葱に白の、だんだら模様。

 

 

 

 

「サーヴァント、沖田総司。推参しました」

 



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29 フランス旅行 その7

メンタルがお亡くなりになりつつあるので初投稿です。


出会いに感謝していくRTAはーじーまーるーよー。

前回、不幸にも狩りゲーと追突してしまったホモ君ちゃんたちでしたが――

 

 

>あなたたちは飛竜の王に勝利した。

 

 

やったぜ(コロンビア)。

 

 

一時はどうなることかと思いましたが、何とか勝ちました。まあ「終わり良ければ総て良し」って、それ一番言われてるから。

切り替えていきましょう、良いこともありましたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

【速報】ホモ君ちゃん、ボッチ脱却【おめでとう!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様ご覧ください!

配信XX回目にして!

ホモ君ちゃんが!

何と!

 

 

相棒(サーヴァント)を手に入れました!!

 

 

(長きに渡る独り身生活を思い出すと)涙がで、出ますよ。

 

>召喚に成功した英霊が、その真名を告げる。

>サーヴァント――沖田総司が仲間になった。

 

ホモ君ちゃんの初めて(のサーヴァント)ですが、幕末の天才美少女剣士(人斬りサーの姫)こと、沖田の総司さんです。(パーティーに)入って、どうぞ。

 

おっと、まずは挨拶をしなくちゃいけませんね。挨拶は大事、古事記にもそう書いてある。

ドーモ、オキタ=サン。ホモ君ちゃんです。

 

>あなたは沖田に右手を差し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>差し出した手を取って、沖田は花が咲いたような笑みを浮かべた。

 

 

ヨシ!(現場猫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それじゃあ攻略に戻りましょう。

えー……リオレウスは倒した、先生は確保、マリーちゃんが生き残って、沖田さんが推参して――あれっ、そういえばデオン君ちゃんは?

 

>マリーの方を見ると、彼女は少し寂しそうな微笑を浮かべた。

>――あなたたちはシュヴァリエ・デオンに勝利した。

 

どうやらマリーちゃんが画面外でやってくれたようです。ナイスゥ!

 

>あなたは瓦礫の山の方を見た。

>壊れてしまった通信機が、陽光に照らされ光っている。

 

さて先ほどの戦闘の結果、子どもを庇った時に通信機がイってしまったので立香君やオンドゥル所長、ロマニの動向が分かりません。痛ぁいですね……これは痛い。

まあ、マリーちゃんや先生の前で住民見捨てるような行動とると好感度ガタ落ちするからね、仕方ないね(5963敗)。

 

少し考えてみましょう。

通信機は壊れましたが、召喚(ガチャ)の際の魔力反応は観測出来ていることでしょう。そして現在時刻は既に早朝にも関わらず、立香君たちは現れません。つまり――

 

 

 

 

 

 

 

【悲報】ホモ君ちゃん、見捨てられる【どどんまい】

 

 

 

 

 

 

 

ホモ君ちゃん、カルデアの皆からポイされてしまったようです。

「カルデアは兄弟、カルデアは家族」の教えはどうなってんだ教えは!(ミーム混線)

 

嘘です。冷静かつ的確な判断ですね。

大事なのは特異点を速やかに修復することです。犠牲が出ようが何しようが、優先順位を間違えてはいけません。カルデアの皆が有能で、これには僕もニッコリ。

となると、こちらもやること――行き先は一つです。

 

 

 

>あなたたちはオルレアンに向かうことにした。

 

 

それじゃ、イクゾー!

 

 

 

 

 

 

>あなたは『聖晶石』を1つ手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>オルレアンへと急ぐあなたたちの耳に、音が届く。

>――戦いの音だ!

 

 

もう始まってる!

フルスロットルで来たんですが、どうやら出遅れてしまったみたいです。許して亭ゆるして。

 

 

 

>あなたは勢いのまま、目の前の戦場へ突っ込んだ!!

>突然の登場にあなたの仲間――エリザベートは目を見開いている。

 

ここかァ、祭りの場所は……。

 

取り敢えず参戦したのですが、こ↑こ↓はエリちゃんの担当だったようです。

さて相手は何ですか?サーヴァント?ワイバーン?それともスケルトン?

 

 

 

>あなたはエリザベートと交戦していた相手に目を凝らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>鱗に覆われた緑色の身体。

 

 

>棘のついた銀色の鎧。

 

 

>鋭く研ぎ澄まされた剣と斧。

 

 

 

>蜥蜴の怪人とでもいうべき姿が、そこに在った。

 

 

 

 

 

 

 

スゥ――――(深呼吸)。

 

 

 

 

 

 

 

(チラッ)

 

 

>蜥蜴の怪人とでもいうべき姿が、そこに在った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>蜥蜴の怪人とでもいうべき姿(リザードアンデッド)が、そこに在った。

 

 

 

 

 

 

なーほーね(理解)。

今日も今日とて僕らのDLCさんは絶好調のようです。本日のゲストは『仮面の系譜』より、敵怪人(リザードアンデッド)さんです。仮面ライダーが居るんだから敵怪人も居るよね、うん(思考放棄)。

 

さて、リザードアンデッドさんの攻略についてですが……彼とは決闘(デュエル)!!したことがないので勝手が分からないんですよね。というわけでシンキングタイム入ります。

選択肢はいくつか考えられます。例えば、ここに居る愉快な仲間たち全員でイクゾー!する。或いは反対に、エリちゃんに任せて進んでしまう。どちらもアリですね。

 

 

 

 

(走者熟考中)

 

 

 

 

よし、決めました。

 

>あなたは追いついてきた仲間たちに前方を指さしてみせる。

 

今回はホモ君ちゃんとエリちゃんを残して進んでもらうことにしましょう。皆には立香君たちを追ってもらいます。wikiがあれば何とかなるやろ(特大ガバ発言)。ここは任せて先に行け!!

 

>仲間たちは先に進んだ。

 

 

 

 

 

>あなたとエリザベートが武器を構える。

>蜥蜴の怪人が勝負を仕掛けてきた。

 

 

 

 

それでは対戦です。――「ドラゴン娘VS蜥蜴男」って書くと、負ける気あんまりしませんね。※個人の感想です。

 

 

 

よろしくお願いしまああああああす!!!

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 



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30 Liber 7

走る。

 

走る。

 

走る。

 

 

 

ときに躓き、足を縺れさせながら。

 

 

剣が切り裂く。

盾が打ち砕く。

炎が爆ぜる。

魔球が穿つ。

 

 

 

 

戦場、その只中を駆け抜けて。

川の向こう、高くそびえる壁を捉えた。

 

 

 

ふと、思い出す。

いつかのあの日、陽光の射す教室。

室内に響く声に目を擦り、手繰ったページに踊る一文。

 

 

「――オルレアン」

 

 

そここそ、歴史の転換点。

百年続いた戦争に一石を投じた、運命の街。

 

 

 

ぽっかりと口を開けた門。

そこから伸びる橋の方へと、歩を進め――

 

 

 

袂に立つ影に、足を止めた。

 

夕陽で赤く染まった太地。

それは静かに立っていた。

 

 

古今東西の英雄、各々が得物を構える。

張り詰める空気、その中で。

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ごめん、皆」

 

 

一つ、言葉を告げる。

 

 

 

 

 

震えていた。

脚が、手が、声が。

 

どうしようもなくみっともなく。

いっそ、滑稽なほどに。

 

 

 

――でも。

 

 

 

「ここは俺に……俺に、やらせてほしいんだ」

 

 

後ずさりしそうな脚を、その場に縫い留めて。

小刻みに揺れ出しそうな指を、ぎゅっと握り込んで。

滝のような汗が頬を伝うのも、そのままに。

 

 

それでも、瞳は逸らさずに。

 

 

 

藤丸立香(たった一人の凡人)は、相対することを選んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

不思議なことに。

影は、橋を渡る者たちを止めはしなかった。

 

それは後世形作られた、“流水を渡れない”(吸血鬼の在り方)によるものか。

或いは。

 

 

「……ありがとう、アーチャー」

 

背後から掛けられた声に思考を中断し、ちらりと目を向ける。

 

青褪めて、汗の浮かぶ顔。

しかしぎこちなくも、笑顔を浮かべる口元。

 

その様子は、紛れもなく――

 

 

「なに、構わないさ」

 

 

赤い外套を翻し、男は双剣を構える。

視線が絡み合い、そして。

 

 

「では行こうか、()()()()

 

 

 

 

 

 

「よろしいんですか?」

 

上がる声に視線を向ければ、スタッフと目が合った。

その判断は正しいのか、と。

不安げな表情が、そう語っている。

 

横を見れども、モニターを見つめ続ける少女は何も言わない。

 

 

 

()のマスター、その片割れ。

それを場に残し、先に進むこと。

 

「正しくは、ないだろうね」

 

 

モニターに映る少年を見る。

その表情を、見る。

 

「――でも」

 

 

それは他の誰かにとって、無意味で、無価値で、不合理なことかもしれない。

そう。でも、だ。

 

 

 

「きっと彼には――ボクたちには、必要なことなんだ」

 

困ったように笑いながら。

ロマニ・アーキマンは言った。

 

 

 

 

 

 

「すまない。荷物になってしまってすまない」

 

傍らのジャンヌへと、ジークフリートは声を掛ける。

 

いよいよ、身体を蝕む呪いは無視出来なくなっていた。

大英雄である男が、手を借りるほどに。

だが――

 

 

「あのジークフリートが、モノみたいに運ばれるなんてね」

 

目が合った音楽家が、茶化すように言う。

 

俵担ぎ。

尻を前に向け、肩上に担がれている様子は、中々珍しいだろう。

 

 

【「ジークフリートを除くと、君がこの場で唯一の男性の筈なんだけどね」】

 

「僕に腕っぷしを期待されてもねぇ」

 

通信機越しの呆れたような声。

「代わりましょうか?」「大丈夫ですよ」などと会話を交わす筋力C(マシュ)筋力B(ジャンヌ)を横目に、筋力D(アマデウス)はサラリと受け流した。

 

 

 

 

 

「お客様ですね」

 

 

一番後ろ、それまで黙していた清姫が口を開く。

手にした扇で前方―― そこに並ぶ骸骨たちを指す。

 

 

 

 

先頭の少女が立ち止まる。

その瞳は、少しだけ揺れていて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼んだ」と。

 

 

 

マスター(先輩)が一言、そう言ったのだ。

ならばサーヴァント()は。

 

 

 

 

一つ、息を吸い、手にした大盾を構え直す。

 

 

 

 

 

 

 

「――マシュ・キリエライト、突破します!!」

 

 

今はただ、行くのみ。



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31 フランス旅行 その8

エアリアルが買えたので初投稿です。


S(スーパー)

H(ホモ君ちゃん)

T(タイム)

はーじーまーるーよー。

 

前回はホモ君ちゃんがエリちゃんと共に、DLCからの刺客を迎撃するために残ったところでお別れしました。

改めまして選手の紹介です。

 

 

 

154cm、44kg!鮮血のドラ(ゴン)娘、エリザベート・バートリー!!

 

 

212cm、121kg!全身凶器の蜥蜴男、リザードアンデッド!!

 

 

201cm、101kg(何れも変身時)!怪人仮面騎士、ホモ君ちゃん!!

 

 

 

本日の顔触れは以上の三選手となります。B級スプラッターが始まりそうなラインナップ、これマジ?

何はともあれゴングです。ッカーン

 

 

 

 

ドラゴン娘VS蜥蜴男VS仮面騎士

 

 

 

 

さて、注目はリザードアンデッド選手です。

手元のwiki(プロフィール)を見てみますと……両手と尻尾の得物を使った突撃戦法を得意としているとのこと。

どうやら目の前の彼も攻撃態勢に入ったようです。

 

>あなたは体中から血を滲ませているエリザベートと、蜥蜴の怪人の間に立った。

>蜥蜴の怪人が静かに身を沈ませ、その脚に備えた鉤爪が地面を掴み、僅かに砂煙が上がる。

>緑色の鱗の下で筋肉が収縮する。

 

 

 

 

>次の瞬間、胸元へと剣と斧が迫っていた。

 

 

 

 

>咄嗟に身を捻り、直撃を避ける。

>それでも鎧からは火花が散り、あなたは体勢を崩した。

>反撃のためにあなたも剣を振るうが、その切っ先は空を切った。

 

 

 

おいカメラ止めろ(震え声)

 

 

とんでもないスピードなんですが。サラマンダーより、ずっと速い!!

特異点Fの“いつもより速い黒王”とまでは言いませんが、それに近い速度ですよこれ。具体的には敏捷Cくらい。

道理でエリちゃんがボロボロだったわけです。

 

>緑色の影が縦横無尽に駆けまわる。

>あなたたちも反撃するが、決定打が与えられない。

>あなたたちから火花と血が舞う!!

 

ヒット&アウェイ戦法で削られてますね……。幸い、攻撃力はそれほど高くないようですが、こちらの打率がよろしくありません。

これは困りました。

 

 

 

 

 

 

じゃけん、足を止めましょうねー。

 

 

>蜥蜴の怪人がまた、あなたへと突撃してくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

>剣が振るわれるその瞬間、あなたは切っ先の方に一歩踏み出した!!

 

>ひときわ大きな金属音と火花が、あなたの肩口あたりで炸裂した!!

 

 

痛ぁい!!

 

ホモ君ちゃんに大ダメージ!!

しかし自分から当たりに行くことで、相手の勢いを殺すことに成功しました。肉を切らせて骨を断つとはこのことよ。

 

次は君の番だよ?

 

>動きの止まった蜥蜴の怪人の腕を掴むと、あなたはエリザベートの方へと視線を向ける。

 

>意図を汲み取った彼女の方へと、蜥蜴の怪人を投げ飛ばす!

 

 

 

そぉい!!

 

 

 

>宙に浮いた蜥蜴の怪人を、エリザベートの咆哮が呑み込む!!

 

 

>咆哮を受け墜ちてくる蜥蜴の怪人を、あなたは手にした剣で一閃した

 

 

 

 

 

 

 

 

>あなたたちは蜥蜴の怪人に勝利した。

 

 

Winner、エリちゃん&ホモ君ちゃん!!

 

 

というわけで、やや強引ではありましたが勝利です。成し遂げたぜ。

さて寄り道にも見える一連の戦闘、視聴者の皆様の中には、何でわざわざ残ってまで参戦したの?と疑問に思われていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その理由ですが――

 

>あなたはカードを一枚取り出すと、地面に倒れ伏す蜥蜴の怪人へとそれを放った。

>蜥蜴の怪人はカードに吸い込まれるようにして消え、白紙だったカードに図柄が刻まれる。

>あなたは『スペードの2』を手に入れた。

 

 

敵怪人(アンデッド)との戦闘に参加、勝利すると、このようにアイテムを取得することが出来ます。このアイテムはホモ君ちゃんの強化に使えるとのことです(wiki調べ)。

今回の計測、何故かホモ君ちゃんが戦闘するハメになる場面が多いので(白目)、機会があったら補強をすることにします。だから、参戦する必要があったんですねー。

因みにこの強化アイテム、出典元と同じく複数枚存在することは明らかになっているのですが、コンプリートの報告は(今のところ)ないです。エンドコンテンツか何か?(真顔)

 

 

それじゃあ先に進みましょうか。

 

 

 

>エリザベートに叱られた。

>あなたはエリザベートを後ろに乗せると、バイクを発進させた。

 

 

 

 

 

 

 

>スケルトンやワイバーンをなぎ倒しながら、あなたはオルレアン市街に突入した。

 

市街地に入りました。

道中の敵は轢き逃げアタックとエリちゃんのY・A・R・Iでシミにしていきます。ヒャッハー!!

 

 

>入り組んだ街路を、バイクが駆けていく。

>街はまるで迷路のようだ。

 

>――事前に調べたオルレアン市街の様子とは、異なっている。

 

 

ヌッ!

 

オルレアン内部ですが、どうやら拡張と迷宮化が行われているようです。これでは道に迷ってしまいます、困りました。

嘘です。道順は分かっているので何も問題はありません。これ○研ゼミでやったところだ!

 

>あなたは右へ左へと重心を傾け、バイクを順路に沿わせていく。

>後ろでエリザベートがはしゃいでいる。

 

本作ではフィールドが迷宮化していることが稀によくある(18118156敗)のですが、このオルレアンの場合は19種類からの選択式な上に、道中にどのパターンかのヒントもあります。(走者ならスイスイ走り抜けられて)当たり前だよなぁ?

 

 

 

 

>――前方から、異様な気配を感じる。

 

さて、この特異点もいよいよ終わりが近づいてまいりました。

次回をお楽しみに!

 

 

今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。




UAというのが15000を超えたそうです。
ありがとうございます。


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32 Liber 8

首元へと、白刃が迫る。

 

頭を振り、身体を捻るだけでは追い付かず。

地面を蹴り、横に跳ぶようにして回避する。

 

浮き上がる身体、それを宙で立て直して。

 

ガリガリガリガリッ!!と。

 

 

ヒールで地面を削りながら、踏み止まる。

 

脚、胴、腕。

 

白い肌の上、至る所に赤い線が走っている。

一つ息を吐き、頬に――新たに増えた傷口に滲んだ血を拭う。

 

「アイドルの顔に、傷をつけたわね!」

 

 

眼前を睨みつけ、声を張れば。

立ち込める土煙の中から、それが姿を現す。

 

 

鱗に覆われた緑色の身体。

棘のついた銀の――先ほど咄嗟に振るった槍が、僅かばかりの傷を刻んだ鎧。

 

それは怪物、否、()()

しかし頭を過ぎるのは――

 

 

ゆらり、と。

両の手、そこに据え付けられた剣と斧が彼女――エリザベートへと向けられる。

その脚に備えた鉤爪が地面を掴み、僅かに砂煙が上がる。

 

頭の中、モヤモヤと漂っていた思考を、片隅に追いやる。

槍を握る両手に力を込め――

 

 

 

 

辺りに漂う土煙と緊張を、鋼鉄の騎馬が引き裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

頭上から、白刃が迫る。

 

風切り音と共に振り下ろされた槍を、双剣で弾きながら地面を蹴る。

一拍遅れて地面から襲い来る追撃を視界に収めながら、手の中の得物を投擲。

跳躍の最中であっても、狙いは過たず――

 

その一撃は、しかし相手を穿つことはなかった。

 

食い止められた夫婦剣は霧散すると同時に、担い手の――赤い外套の弓兵の手の中に、再び出現する。

 

戦場は様相を変えていた。

平原は最早なく、地面は幾本もの杭で覆いつくされていた。

 

確かめるように得物を握り直し、弓兵は乱立する杭の中心を見つめる。

そこに相手は立っていた。

 

ヴラド三世。

その名が轟くのは、伝承の怪物のモデルゆえか。

或いは。

 

 

 

 

 

 

「さて、マスター」

 

不意に、声が掛けられる。

 

「眼前の敵は、ああ成程。強く、とても()()()()

 

絶技の応酬。一進一退の攻防。

それを演じる男が、自分に問い掛ける。

 

「それはこの先も、きっと、変わらないだろう」

 

 

 

 

 

 

――何故か、重なった。

燃え盛る街。深い洞窟の底。

傷だらけの黒鎧を纏った、あの少女の姿が。

 

 

 

 

 

 

「私は戦おう。従う者(サーヴァント)として」

 

視線は寄越さない。眼前の敵を、そして、その先を見つめて。

それが自身の役目ならば、と。

では――

 

 

 

 

 

「――()()()()()()?」

 

背中越し、戦場の片隅に居る藤丸立香へと問い掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

思い出す。

あの日、あの時、あの場所で。

 

 

「――背負って、歩み続ける。自分でそう決めたんだ」

 

 

だから。

 

 

「ここで立ち止まるわけにはいかないんだ……!」

 

ちっぽけなただの一般人(普通の男の子)であっても、()()()()()()()()()()と。

あの日、あの時、あの場所で。

 

 

自分に。

彼らに。

――彼女に。

 

そう誓ったのだ。

 

 

「だから、力を貸してくれ、アーチャー!!」

 

 

一度は身を竦ませた恐怖を踏破し、先に進むため。

少年は今、目を逸らさないことを自らに課したのだ。

 

 

 

その程度の試練と、他人は言うかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

「――フ、よく言った」

だが、弓兵にとっては違った。

 

 

 

 

 

「魔力を回せ!決めに行くぞ、マスター!」

 

 

 

 

 

「令呪の使用を確認、宝具(Noble Phantasm)、展開します!」

 

放つ矢、呟くその名は“赤原猟犬”(北欧神話の魔剣)

手にした双剣、黒白のそれは太極の意匠(中華の装い)

 

チグハグなサーヴァント。

アーチャー、彼は不詳の英霊である。

 

スタッフの声を背に、オルガマリーとロマニはモニターへと視線を注ぐ。

その正体を見定めるために。

 

 

 

 

 

 

 

「『I am the bone of my sword.』」

 

 

弓兵が唱える。

 

 

「『Steel is my body, and fire is my blood.』」

 

 

襲い来る槍をいなし、杭を避ける。

 

 

「『I have created over a thousand blades.』」

 

 

双剣で弾き、そのまま投擲。

 

 

「『Unknown to Death.』」

 

 

「『Nor known to Life.』」

 

 

剣が杭に突き立ち、そして消える。

 

 

「『Have withstood pain to create many weapons.』」

 

 

 

 

 

 

「『Yet, those hands will never hold anything.』」

 

 

まるで、()()()()()()()()()()()

 

 

弓兵が足を止める。

何時の間にか、幾重にも突き出した杭が壁をつくり、彼を取り囲んでいた。

囲いの中の弓兵を指し示すように、相手が手にした槍を軽く振る。

 

四方八方から殺到する杭。弓兵はそれを視界に収めて――

 

 

 

「『So as I pray,

 

 

 

 

 

 

 

UNLIMITED BLADE WORKS.』」

 

 

瞬間、世界は塗り替えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

固有結界。

現代魔術協会において禁呪とされる、現実を侵食する秘術。

 

 

地面を覆っていた杭は、今はなく。

 

 

立香の目の前に広がる風景。

魔術師の到達点の一つである風景(そこ)は、無数の剣が突き立つ荒野だった。

 

 

その現出に通信機の向こうから、驚愕の声が漏れ聞こえる。

 

 

 

 

 

 

剣突き立つ荒野の中心で、男たちが相対する。

 

 

 

「いくぞワラキアの王――処刑杭の貯蔵は充分か」

 

 

 

足元から一振りを手に取り、赤い弓兵が指し示す。

受ける相手もまた、手にした槍で同様に。

 

そして、その動きに呼応するように。

 

虚空から現れた無限(夢幻)の剣が。

再び、地面から湧き出た無数の杭が。

 

眼前の標的を穿たんと、激突した。

 

 

 

 

 

 

 

粉塵が晴れ、世界が本来の姿を取り戻したとき。

 

戦場の真ん中には、串刺しにされた影と、首元に得物を突き付ける影があった。

 

 

「――終わったか」

 

 

()()()()()()()が呟く。

無数の剣で刺し貫かれた相手は、未だに立ってはいるが。

勝敗が決したことは、誰の目から見ても明らかだった。

 

背後から駆け寄ってくる足音を耳にしながら。

手にした剣を静かに下ろそうとして――

 

 

 

 

「――そう、だ……」

 

垂れていた頭が上がり。

碧い瞳と、目が合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――全くもって、不本意だった。

幾度の召喚、幾度の隷従。

何度も、何度も、何度も!!

まして、今回は――

 

だが、その中にあって。

男は自身の役割を見出した。

 

男は演じ切り、それは結実した。

そう、男は()()()()()()

 

あとはそう、何と言えば良いか……嗚呼、そうだ。

 

「ゆめゆめ、忘れるな……」

 

何時か何処かで、()()()()()()()()が口にしていた。

記憶を汚すその事実にも、今はしばし目を瞑ろう。

 

自身と弓兵の許へ駆け寄ってくる少年に。

自身という恐怖を踏破せしめた、親愛なる家臣(マスター)

先へと続く標として、この言葉を贈るのだ。

 

 

 

 

「化物を倒すのは、いつだって人間だ」

 

 

「人間でなくては、いけないのだ!!」

 

 

 

ヴラド三世――伝承の怪物の偶像を被せられた、護国の鬼将。

その英霊は自身の役回りに一握の満足を得て。

今、再びの眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

火花と鮮血が舞い散る。

 

 

捉えきれない敵の軌道。

増えていく傷と、目減りしていく精神力。

じりじりと削り取られていく。

 

 

手にした槍を振るいながら、打開の策を求めて。

視線の先、青い騎士の――若者の様子に、エリザベートは思わず、止まった。

 

仮面に覆われたその顔、表情を窺い知ることは出来ない。

それでも、感じる。

 

若者が放つ、不穏な気配を。

その、決断を。

 

 

 

 

 

 

緑、或いは銀色。

今また突撃してくる怪人。

幾度となく繰り返されてきた場面。

 

急接近する影、狙うは青い騎士。

それを察知して、ゆるりと、銀鎧に覆われた身体が動き出す。

これまでと同じなら、襲い来る刃を避けながら、反撃の糸口を探っていたことだろう。

 

増えていく傷と、目減りしていく精神力。

じりじりと削り取られていく。

それを感じながら、ただ、耐えていたことだろう。

 

 

 

 

 

――そんなバンクシーン(使い回し)を踏み砕くため。

青い騎士は、刃の方へと身を投げ出した。

 

 

 

 

 

火花と衝突音が辺りへ炸裂する。

激突の中心。そこには小さくはない傷を負った青い騎士。

そして勢いを削がれ、その場に止められた怪人が居た。

 

捉えきれなかった敵を、その身を挺して捕らえてみせて。

緋色の視線が、エリザベートへと向けられる。

声はない。けれど――

 

 

 

「良いわ、寄越しなさい子ジカァ!!」

 

 

 

声を受け、青い騎士が動く。

投げ飛ばされ、宙に浮かぶ怪人。

 

 

ただの的と化したそれに、渾身の咆哮(一声)を浴びせる。

 

 

 

 

 

「――ちょうど、ムシャクシャしてたところだったの」

 

ダメ押しとばかりに一閃を加える相方を見ながら。

少女は魅力的な笑顔で、そう言い放った。



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