激エロ架空競走馬伝説【イッテンコウセイ】 (蒼井魚)
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登場する語録集:必読不要
作品を19%増しで楽しむ:激エロ語録集


【主馬公詳細】

 

【イッテンコウセイ】

牧場:メジロ牧場

馬主:株式会社:ド○ンゴ

系統:ニジンスキー系

気性:穏やか

父 :スーパークリーク

母 :ハルウララ

母父:ニッポーテイオー

体重:472kg~485kg

インブリード:血量 28.13%

適正:芝◎・ダート◎

距離:1m~9315m

 

『特徴』

 非常に低い知能と謎の語尾を使いこなす推定サラブレッド。

 父親譲りのスタミナと母親譲りの頑丈さで短い間隔でも普通にレースができる。

 大抵のことを「ウッス」という魔法の言葉で解決してしまうUMAであり、2011年時点で史上三頭目の無敗の三冠馬であり、オールラウンダー。

 調教には真面目、鞭は興奮するほど大好き。

 

『主な勝鞍(三歳馬時点)』

朝日杯フューチュリティステークス(芝1600m)

皐月賞(芝2000m)

日本ダービー(芝2400m)

宝塚記念(芝2200m)

ジャパンダートダービー(ダート2000m)

菊花賞(芝3000m)

有馬記念(芝2500m)

 

『一言』

 コントレイルくんに謝れ!

 

 

【語録集】

 

【ぜ! だぜ!】

 主人公が頻繁に使用する語尾、元ネタがよく使用するのでテンションが高い時には絶対に使用する。

 逆にこれらを使用しないと元ネタをリスペクトできていないかと不安になって夜しか眠れなくなる。

 

【なり なりねぇ】

 これも元ネタがよく使用する表現、なりは漢字で也と書き、古い日本語などで使用される。

 基本的には「そうかな」「そうなんだ」「そうだよね」みたいな意味らしい。

 テンションが若干低い時に使用する。多用すると読みにくい文章が完成する。

 

【超淫乱競走馬】

 頭の悪い本作の競走馬が作り上げた理想の競走馬像。夢で見たニジンスキーと思われる競走馬が激エロであったため、淫乱だと断定し、それを超える意味で超淫乱競走馬らしい。

 競走馬がギリシャ彫刻を知っているわけがないので、ギリシャ彫刻の代用言語。

 

【激エロ! エロい】

 作中に多く登場するが、知能がちょっと足りないのでひねり出した最高の賛美の言葉。

 意味はカッコイイやカワイイ、そして美しいなど多岐にわたる。

 理解する必要性は微塵もない。

 元のエロの意味はエロスという知的好奇心や憧れを意味する単語らしい。

 ちなみに投稿者の性癖は『自主規制』です。

 

【TTT構文】

 作中に多く登場する「徹底的に〇〇を徹底的に」という日本語を馬鹿にする表現。

 基本的に自分をイジメる目的か、相手にボコボコにされそうな時。または相手をボコボコにする時に使用されることが多い。

 なんとなくだが、強い意志を感じるから好き。

 

【プロ級マニア】

 専門家並みの知識を持っている存在に使用する言葉。別に専門家でも構わないのだが、主人公の「ちょっと足りなそう」な部分を表現するのに役立っている。

 個人的な意見だが、語呂が良い。

 

【モロ〇〇フェロモン】

 主人公を誘惑する何か? 大抵の場合は牝馬の美しさを表現する時に使われる。

 とりあえず牝馬が出てきたら使えばいいんじゃない? そんな軽いノリで使ってる。元ネタはクッソ汚い。

 

【ハメられた!?】

 とりあえず自分が不利? そんな状況で使う言葉。

 大抵の場合、自分の自意識過剰か自己責任な時が多い。

 これも語呂が良いから好き。

 

【拷問調教】

 後輩のシャイニングレオ号を育てる時の調教、主人公がUMAなので通常の三倍くらいの調教量? なのかもしれない。

 

【ガタイ】

 馬体。

 

【ジャニ系】

 ジャ○ーズに所属する美男子のこと。

 競走馬がジャ○ーズを知っているわけがないので、カッコイイを表現する為の言葉だと思う?

 元ネタの人はジャニ系が大好き。

 

【掘られまくり痙攣しまくり白目剥いて吠えまくり。】

 元ネタがクッソ汚い。

 基本的に調教時に使われることが多い。

 それ以外では言葉を変えて悶絶する時の表現として使う。

 こんな状態になったら病院に行ったほうがいいと思う。

 

【さっき妙に眩しかっったのは『自主規制』だな、この動悸は『自主規制』だな、このエロさは『自主規制』だなとかガタイで分析。】

 元ネタは体に入ってきた『自主規制』の内容物を表現する為に使用する。

 作品内では自主規制の部分を何かに差し替えて表現に使用することが多い。

 実は使い所が少ない。

 

【ガタイで分析・ガタライズ】

 原作では一回しか使われていない言葉だが、印象に残るので他作品(同人)では非常に高い頻度で登場する言葉。

 意味は五感ではなく、体ですべてを把握するという意味不明な行為。だが、ある意味ではこれは第六感の可能性を秘めている可能性があるかもしれないし、ないかもしれない。

 自分は好きなので過剰にねじ込んでいる。

 

【新技・新テク・必殺技】

 原作では『自主規制』中に発見した技。効果は多少あるみたいだ。

 この作品では、基本的に新しい何かを発見、もしくは想像する時に使用する。

 だいたいの技が現実にも存在するため、特に意味はない。

 

【デカマラ】

 ノーコメント。

 

【ガン掘り】

 レースで一着を取ること、本当の意味は『自主規制』です。

 主に両親が走っていないレースで多く使われます。忘れていたら使いません。影が薄いです。

 

【ポルシェ並みのエンジンだぜ!】

 とりあえず末脚を使う時に使用する。とりあえず元ネタでも珍しい全年齢対象ワードなので最近は重宝している。

 亜種に「ホンダ並みのスピリットだぜ!」も存在する。自分がホンダの創設者、本田宗○郎様のことを尊敬しているからだけです。

 

【ギン目・目がイッちゃってる】

 睨まれてる時やレ○プ目の時に使用している言葉。元ネタも大体合ってる。

 数少ない普通に使える単語。本当にR18ワードが多すぎる!

 

【はいって言え】

 無理と言われた時に強制的に不可能を可能にする言葉。

 (最近使い所が)ないです。

 

【ウッス・ウッス!・ウッス!!】

 大抵のことを解決する魔法の言葉、とりあえず不可能を可能にする時に使用している。

 あと、偶に受け答えでも使用する。

 

【ウマ娘プリティーダービー】

 Cygames(サイバーエージェントグループのモバイル向けゲームアプリおよび家庭用ゲームソフト開発事業を主とする企業である。サイバーエージェントの連結子会社)から発表された歴代の名馬達を擬人化したウマ娘という存在がいる世界でトレーナーという職業になり、歴史的名馬を題材としたキャラクターウマ娘を育成していくというゲーム。

 非常に秀逸なデザインとリスペクトされたウマ娘達はどの子も非常に魅力的で課金という魔の手からは逃れられない。だが、サポートカードが完凸まで五枚必要なのが少し辛い。

 育成は某野球ゲームに似ているようで似ていない、最近はエアグルーヴの声優さんが某野球ゲームで一番カワイイ女の子投手の声優になったことで有名。青いのはダメ!

 Cygamesはウマ娘以外にも、シャドーバースやプリンセスコネクト、アイドルマスターシンデレラガールズなどをリリースしており、日本有数のアプリゲーム生産者として名高い。どれも非常に完成度が高いのが魅力的である。

 

 ただし、シャドーバースに関してはコントロールヴァンプ(昆布)がどうしても超越ウィッチに不利がつき、最近は6ターンで超越を発動するので遊戯王に浮気している。使ってるデッキはドラグニティ、トライブリゲードデッキは消え失せろ!! 除外したカードを戻すんじゃねぇよ!? コンマイなんてデッキ作ってんだゴラ!? こっちはシンクロ召喚が好きなんだよ!! リンクとかわかんねぇから!! てか、先行OTKデッキの安定度上げてどうすんだよ!? 手札誘発ないと死ぬだろうがよ!! ファンデッキを許さない姿勢はどうなの? 確かにパワーインフレは必要だけど、灰流うららと増殖するGは必須カードでニビルまで必須じゃんか!? 墓穴の指名者とかも必要だし、デッキが40じゃ収まらなくなるだろうが!! テーマデッキってキーカードが多いんだから手札誘発入れると余裕で50枚になるんだぞ!? もうすこしさ、メガドライブとは言わないけど、ブランキッズくらいの枚数で構築できるテーマやれよ! ただし、戦刀姫……おめーはダメだ!

 

 そんな感じで原作として使用させてもらっています。




 要望があったので書きました!

 それにしても、紹介とか推奨とか色々な機能があるなーなんて思いながらチェック! オレの作品……無かったよ……。

 まあ、淫夢だから仕方ないね!

 そして文章雰囲気類義? なんか、似た感じの作品を探してくれる機能で見たんだけど、俺の作品誰とも被ってねぇ……なんでだろ……? (すっとぼけ)

 評価する時は「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♡

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!


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語録集・出典【民明書房】

【だ・だぜ】

 だ・だぜ源流は古代中国に存在した打・打世を由来とする自分を鼓舞する単語である。

 時の武道家 暴 力好気が戦闘の際に打、打世を最初に告げ、自分は拳一つで戦うことを示す。

 多くの武道家が暴 力好気の男らしい戦いぶりに感動し、彼には多くの弟子が出来た。

 だが、時間の流れによって打・打世を使う者は少なくなったが、昭和中期の古武術研究家「力内全会」の功績により打・打世の本来の意味が解読され、武道家の中で知らないものはいない。

 現代で使われているだ・だぜとは古代中国の武道家「暴 力好気」が使用した戦いの前の掛け声である。

『出典:民明書房』

 

【なり・なりねぇ】

 なり・なりねぇの源流は平安時代の貴族が使用した雅な表現手法である。

 なりとなりねぇは也・也音絵と書かれ平安貴族の内で流行った表現である。

 恋文文化が発展した平安の時代、貴族達の溢れる恋に日本語の発展が遅れ雅な言葉を作り出すうちに出来上がった異色の語尾である。

 昭和初期頃までは也は多く使われていたが、標準語の浸透によって廃れてしまった。

『出典:民明書房』

 

【超淫乱競走馬】

 超淫乱競走馬とは古代モンゴルに存在した長印蘭狂奏馬と呼ばれる種類の馬を賛美する言葉である。

 長印蘭狂奏馬は度々古代中国史の中に登場し、かの有名な赤兎馬もこの長印蘭狂奏馬に分類される。

 時の皇帝がインドまで走れる馬がいないかとモンゴル人に尋ねたところ、長印蘭狂奏馬の存在を知り自国の馬と交配を進めたが、長印蘭狂奏馬は自分より大きいメスにしか興奮せず、血が薄くなるとただの馬になってしまう欠点があった。その子孫達がサラブレッド三大始祖と呼ばれている。

 長印蘭狂奏馬とは古代モンゴルに存在した長距離を高速で移動できる馬である。

『出典:民明書房』

 

【激エロ!・エロい】

 激エロ・エロいの源流は古代ローマに由来する言葉である。

 ゲキエロ・エロイは古代ローマの哲学者達が永遠のテーマとして掲げる哲学であり、ゲキエロは人間的衝動を表し、エロイは人間的欲求を意味する。時の哲学者エロスはこの二つの言葉を徹底的に他の哲学者と徹底的に語り合い、結果、女性に興奮するという意味となった。

 激エロ・エロいは古代ローマの哲学者エロスが普及させた非常に奥深い哲学である。

『出典:民明書房』

 

【TTT構文】

 TTT構文とは南北戦争中に北軍が使用した伝達暗号である。

 普通の伝達暗号をすべて南軍に解き明かされた北軍が常識破りの単語の羅列を作り読まなければ意味を理解できないような暗号であり、解読こそ簡単だが、地方の訛なども加え入れているので本文を見なければ作戦司令を見抜かれることはない。

 このTTT構文によって北軍が南北戦争で勝利を納める結果となった。

 TTT構文とは南北戦争中に簡易的に作られた伝達暗号である。

『出典:民明書房』

 

【プロ級マニア】

 プロ級マニアとは現代の発展したデジタル社会で専門家を遥かに超えるとされる仙人の領域まで達した人間に与えられる賛美の言葉である。

 源流は当時のネット掲示板で専門家を超える言葉を創造する際に偶然生まれた。

 プロとは専門家を意味し、級は階級、マニアは専門的知識を持つアマチュア、これらを組み合わせた時に化学反応が置き、スラングと呼ばれる物に定着した。

 プロ級マニアとはネット発祥の賛美の言葉である。

『出典:民明書房』

 

【デカマラ】

 デカマラとは、

 古代中国に存在した出香真羅神を奉った宗教である。

 出香真羅神は豊作の神として存在し、蝗害や疫病から民を守ることを宿命としている神である。

 出香真羅教の人間は毎日出香真羅神の祝福を受ける為に『自主規制』という言葉を連呼し、出香真羅神に強力なパワーを与え、そのパワーを還元していたと伝えられている。

 今現在では出香真羅神は信仰されることは無くなったが、日本に流れ着いた際に安産の神として伝わり出香真羅神の名は消えたが、明治時代初期に宗教考古学者「四里太臓」の古文書の解読によって日の目に浴びることになった。

 今現在使われているデカマラとは、神様の名前である。

『出典:民明書房』

 

【ポルシェ並みのエンジン】

 ポルシェ並みのエンジンとは平安時代の踊り子「藤原四季舞」が作り出した妖艶な踊りである。

 歩流氏惠波之円陣とも言われる円の中を匠なステップと扇子を用いたその踊りは多くの貴族達を魅了し、自らの娘を弟子入りさせる貴族もいたという。

 時の流れによって歩流氏惠波之円陣は消えていったが、時の振付師「踊理太陽」によって発見され、現代でもダンスの世界では知らないものはいない。

『出典:民明書房』




 ノリと勢いだけで作ったけど後悔はしていません。

 もしかしたら二冊目あるかもしれません!

 コーヒー飲んで朝の木漏れ日を楽しみます(曇り)

 最後に、

 評価する時は「ナス」が入ってたら嬉しいな♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想がオレの養分だぜ!


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【イッテンコウセイの評判】
イッテンコウセイ(ウマ娘)の評判


【ホーム画面・言論集】

 

「今日さ、ゴルシちゃんが先輩スゲーっす! って目を輝かせながらピョンピョンしてたんだよね、それ見てたスペ先輩がギャグマンガ日和のウサミちゃんみたいな目で驚愕してたなりねぇ……」

 

「いやさ、道端にたんぽぽがたくさん咲いてたから久しぶりにお花のおひたしを食べたく思って作ったのよ、するとね、うん、グラス先輩がニッコリと圧をかけてきてさ……食べますかって言ったらタッパーごと持ってったんだよ! お花のおひたしって合○ラの成分入ってるのかなぁ? 野草だし」

 

「セイちゃん先輩はグラス先輩を怒らせちゃいけないっていつも言ってるけどさ、本当に怒らせちゃいけないのはスペ先輩だからね? グラス先輩は超えてはいけないライン知ってるから、スペ先輩はそれがないなりよ……」

 

「ジョーダン先輩がゴルシを叱ってって言ってきたからさ、ゴルシちゃんに言ったなりよ、そういうのよくないよーって、するとゴルシが憧れの先輩にって泣いてさ……マックイーンにメジロしますわよ? って言われて一時間くらい正座させられたぜ……」

 

「あ、昨日さぁ、クリーク先輩にウララ先輩と自分はでちゅね遊びの対象にならないんですかって聞いたら、それをやったら自分の大切な何かを失う可能性があるって言われたんだよ。いや、その時の目はスゲー焼き付いてるぜ……」

 

「昨日ウララ先輩とお散歩したんだよね、なんかお母さんと一緒にお買い物に出かけた時を思い出した……なんでだろう……?」

 

【会話集】

 

【親子】

「クリーク先輩ナデナデは恥ずかしいっす!」

「うふふ、コウセイちゃんは本当にかわいいですねー♪」

「ウララも! ウララも撫でたい撫でたい!」

「うーん、先輩だから拒絶できないなりぃ~」

「「なーでなーで♪」」

「うぅ……気持ちいい……♡」

 

【ゴルシ】

「先輩はやっぱすげーっす! あたしこんな気持ちはじめて♡」

「うおーっす! ゴルシちゃんどこから現れたなり!?」

「ふっ! このゴルシ様にかかれば次元の壁を通り抜けてコウセイ先輩の元へゴーイングマイウェイ!!」

「うーん、ゴルシちゃんだから出来そうなりねぇ……ツッコミ担当がいないなり……」

「あれ? ゴルシ……さっきはコースで走ってなかった……?」

「あ! ジョーダン先輩!! 助けてなりぃ……」

「無理!」

「コウセイ先輩! 山の近くにあるお城みたいな場所に行きましょうよ!!」

「勘弁してー!」

 

【カレンチャン】

「コウセイちゃんはもっとカワイイメイクをするべきだとおもうなぁ~」

「い、いや、カレンチャン? 自分はメイクとかあんまし……サングラスもあるしね……」

「もう! カレンは素敵なアドバイスをしてるんだよ! コウセイちゃんは素材がいいから……」

「サングラスを取ろうとしないでぇ!」

「カワイイはジャスティス!」

 

【ウオダス】

「はぁ!? アンタねぇ! コウセイは私と買い物に行くんだから!!」

「はぁ!? コウセイはオレとバイクの展示会に行くんだよ!!」

「あ、あの! 自分どっちとも約束してないっす!」

「「うるさい!!」」

「ひぃ! 怖いなりぃ……」

 

 

 

【イッテンコウセイ(ウマ娘)を語るスレ】

 

1:名無しのトレーナー ID:qBfzUteSG

 

 イッテンコウセイのサングラスが俺を狂わせる……!

 

 

2:名無しのトレーナー ID:kDizr6xjE

 

 コウセイ育成して温泉いけた人いるー? まだつべにも上がってないからさ!

 

 

3:名無しのトレーナー ID:ZJiwMlw9f

>>2

 コウセイの温泉旅行はマジすげーよ! 温泉でもサングラス外すし、部屋でもサングラスのこと忘れてて、

 サングラスのことを思い出した瞬間に顔真っ赤にして「み、みないでぇ……」って!! 俺、全年齢対象ゲームでここまで『自主規制』したのはじめてだよ!!

 とりあえず、サ○ゲが☆1実装してくれてるんだから育成回せ!! アレはつべで見るものじゃない!

 

 

4:名無しのトレーナー ID:iYM3C7LJ/

 

 本当にコウセイが☆1実装とか、最初は何考えてんねん! って思ったけどさ……。

 今思えばコウセイは私の性癖に合ってますね!

 コウセイを最低レアで実装するサ○ゲは神!

 

 

5:名無しのトレーナー ID:IatrK5uBw

 

 でも、コウセイおっぱいがなぁ……小さいからなぁ……。

 

 

6:名無しのトレーナー ID:g5qHxFWti

>>5

 これだからにわかは……コウセイはB83だぞ?

 

 

7:名無しのトレーナー ID:C5oS1TNUh

>>5

 コウセイは勝負服入手したらわかるけどサラシ巻いてるからな?

 温泉旅行行ったらマジでたわわなコウセイが見れるぜ……狂うぜ……?

 

 

8:名無しのトレーナー ID:bPvR7jfgq

>>5

 というか、ストーリーちゃんと見た? 私服コウセイは激エロだぜ!!

 

 

9:名無しのトレーナー ID:ko0qFQjfU

 

 コウセイは本当に激エロ過ぎて……これでR18禁止とか冗談キツイぜ!!

 

 

10:名無しのトレーナー ID:jVHQAiFh4

>>9

 わかるマーン!

 コウセイをR18禁止とか頭狂ってる! 同人ゴロ達はみんなコウセイを描きたくてウズウズしてるよ!!

 

 

11:名無しのトレーナー ID:c30n2PmFS

>>9

 神薙先生がコウセイのことを発見してたぞw

 はじめて生意気系以外でグチャグチャにしたいってwww

 流石先生ですわw

 

 

12:名無しのトレーナー ID:U1JhRfZPo

>>9

 中○人兄貴がコウセイのR18をp○xivに投稿してて……ふぅ……。

 通報しました。

 

 

13:名無しのトレーナー ID:rE/4GXIRD

>>12

 至ってんじゃねぇよ! ウマ娘は健全コンテンツだろうが!?

 てか、まだ残ってる? 俺も至りたい……コウセイ大好きだから……!

 

 

14:名無しのトレーナー ID:GUBPprEGc

 

 てか、コウセイってゲテモノ枠だと思ってたら激エロ枠で芝3000m

 

 

15:名無しのトレーナー ID:peyV5pJfH

>>14

 コウセイはイギリスで芝4000m走ってるぞ! 1000m追加だ!!

 

 

16:名無しのトレーナー ID:haQyPBsiv

 

 てか、コウセイの初期ステータスが他馬と同じぐらいなの腹立つ!

 戦績考えたらオール300スタートでもいいくらいだろ!?

 まあ、それだとチャンミがコウセイだらけになるかw

 

 

17:名無しのトレーナー ID:O4ZPgrkjC

>>16

 チャンミは絶対コウセイ必須だからw

 先行コウセイが結構便利! ゴルシと同じくらいのつよつよウマ娘!

 固有が強すぎるぜ! コウセイ!!

 

 

18:名無しのトレーナー ID:9G7e22rVO

 

 コウセイは芝・ダートどっちもAだからなぁ、

 ダート枠が足りなくてコウセイをダートに突っ込んでたら他の奴らが普通に長距離でコウセイ使ってて悔しかった……!

 俺もコウセイは長距離で使いたいよ!! でもダートウマ娘が少ないんじゃい!!

 

 

19:名無しのトレーナー ID:p0PVs784t

 

 ダートのコウセイは違和感あってすこしなぁー、でも、低レアのダートウマ娘が少ないのじゃ……。

 

 

20:名無しのトレーナー ID:S2CbJSYmh

 

 この間、競技場のマイルをクリーク、コウセイ、ウララで走らせてた人いたわw

 俺も因子さえ整えば!

 

 

21:名無しのトレーナー ID:3FoMpIOln

 

 コウセイはウララと相性◎だから本当に助かる。有馬チャレンジが捗るぜ!

 

 

22:名無しのトレーナー ID:u340TKnCD

 

 コウセイの好きなところは100言える! 嫌いなところは無い!!

 

 

23:名無しのトレーナー ID:rBzP1MY/N

 

 コウセイの声優さんすげー演技上手いよね? 正直ベテランかと思ったw

 

 

24:名無しのトレーナー ID:fr2JqBF0c

>>23

 アレもゴルシと同じで頭の中にコウセイが降ってきてるらしいw

 

 

25:名無しのトレーナー ID:O3cHv9R3L

 

 ダー杉PがコウセイSSランク作ってて笑っちゃったw

 

 

26:名無しのトレーナー ID:TDqrcOORN

>>25

 ナー村Pが速攻でリプ返してたの笑ったw

 

 

27:名無しのトレーナー ID:31gW3K2Da

 

 コウセイは本当に俺達を狂わせる! アレは現実でもゲームでも魔性やで!!

 

 

28:名無しのトレーナー ID:Cui7+Mhez

 

 てか、ウマ娘実況者の殆どが息抜きコウセイとかいう謎の言葉使っててワロタw

 

 

29:名無しのトレーナー ID:CGr1DvRHR

 

 息抜きコウセイは誰でもやっとるやろ?

 

 

30:名無しのトレーナー ID:L6BGO7rSn

 

 この間、コウセイ見に行ったよー! 人間が来るとナデナデさせてくれるからカワワ!

 競走馬って気性難が多いって聞いたから凄く素直で優しい子で驚いちゃった!?

 まだまだ名馬を排出してくれるから今後に期待だぜ!!

 

 

 




 ダブル9315記念でウマ娘編をちら見せ!

 天界名馬編は尺稼ぎみたいに思われてたらどうしようかなって思ってます()

 あと、有馬記念も菊花賞みたいに濃厚なレースを書くので頑張ります! (日刊じゃないかも)

 あと! 評価する時は「ナス料理」!


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イッテンコウセイの評判・激エロ系(デビュー~東京優駿後)

【ハルウララの息子、イッテンコウセイ宝塚記念出走】

 

1:名無しの競馬ファン  ID:xl8ezAC68

 

 ド○ンゴの競走馬

 零細系サラブレッド・イッテンコウセイ

 大逃げでクラシック二冠だって

 すごいわね。

 

 

2:名無しの競馬ファン  ID:RYqBWX5lg

 

 血統がね…

 

 

3:名無しの競馬ファン  ID:xl8ezAC68

 

 零細系サラブレッド・イッテンコウセイ

 馬券買ってみようかしら? あの大逃げ萌だわ。

 現在無敗の二冠馬で次走宝塚記念のSS無し血統ですが。

 

 

4:名無しの競馬ファン  ID:Za0DGjCPX

 

 うっそ。やめてくれ。無敗の三冠馬をみたい。

 

 

5:名無しの競馬ファン  ID:y53iAhSkE

 

 間違ってたらごめんなさい

 デビュー戦最下位人気から大差勝ちしたハルウララの息子だわよね?

 パドックで見た綺麗な馬体、他の馬達に怖気づかない根性、

 ドンピシャなのよね~馬券が安くなるから嫌いだわ!

 

 

6:名無しの競馬ファン  ID:mZLMY5+om

 

 零細系サラブレッド・イッテンコウセイ(将来の種牡馬を見よう! URL)

 宝塚記念に三歳で出るってスケジュールに

 書いてあるけど本当に出るのね!

 無敗で二冠なんだから宝塚のリスクはどうなのかしら?

 馬体は出来上がってるけど古馬相手じゃね!

 どうなのかしら?

 

 

7:名無しの競馬ファン  ID:+9YUlcQDO

 

 宝塚までならいいけどジャパンダートダービーまで走らせないでちょうだい

 

 

8:名無しの競馬ファン  ID:PiiVz/Uy6

 

 イッテンコウセイって、スーパークリークの息子?

 

 

9:名無しの競馬ファン  ID:4qv5oY0Cl

 

 はやい子

 

 

10:名無しの競馬ファン  ID:r0GDRzRKm

 

 イッテンコウセイってクリークの息子なのぉ?

 あたすの好みな馬体だからどうせSS系だと思ったのにぃ

 ホンとかなあ? ホントだったら嬉しいなぁ~

 数年後、SSの血が薄まるのが楽しみよっと

 

 

11:名無しの競馬ファン  ID:9xf5LT8vy

 

 イッテンコウセイ古馬レベルの走りに見えるのだが……

 

 

12:名無しの競馬ファン  ID:Vd4JiHlIl

 

イッテンコウセイ

父:スーパークリーク

母:ハルウララ

母父:ニッポーテイオー

 

①血統:☆(ハルウララの馬主が種付けすると言って多額の資金を巻き上げた末に全部使用して当て馬をしていたクリークに種付け依頼、種付け料は0円)

2⃣馬体:☆☆☆☆☆(テイエムオペラオーを彷彿とさせる均整の取れた馬体、足も非常に綺麗で左右のコーナーに柔軟に対応できる応用力)

3⃣気性:☆☆☆☆(非常に大人しく調教も難なくこなす。長距離移動も表情一つ変えないで大逃げ)

④戦術:☆☆☆(圧倒的なスタミナとスピードで大逃げ、故障が気になる)

⑤馬券:☆(同年代では勝負にならない、出ない方が嬉しい。でも、故障だけはしてほしくない)

⑥余談

競走馬としては非常に零細血統で栗東じゃなくて美浦に所属。調教師と厩務員さんは努力はしていると思う。騎手は新人だけどムチのタイミングが素晴らしいと思った。馬主のニ○ニコ動画は淫夢が溢れて最悪だった。

 

 

13:名無しの競馬ファン  ID:5Xucgulc1

 

 零細なのに才能爆発させてG1荒らし回ってるのがイタイ(財布が)。

 挙げ句に零細なのに流行血統を食い荒らしまくりで、観客の財布にダメージを与える姿勢にビックリ。

 

 

14:名無しの競馬ファン  ID:7qJzWF++3

 

 将来のことだけどなんか凱旋門賞勝ちそう

 

 

15:名無しの競馬ファン  ID:jLYrBY/D+

 

 多分だけど母父のニッポーテイオーの血だと思う。

 ダービー見に行ったけど、お爺ちゃんみたいな力強い走りしてたことある。

 逃げ馬っぽくないというか、

 マルゼンスキーみたいに他馬が着いてこれないから逃げているみたいでした。

 

 

16:名無しの競馬ファン  ID:tFUBYRjIJ

 

 まだクラシックでこんな走りされたら

 早熟だと思いそう…

 

 

17:名無しの競馬ファン  ID:X0fzZnXj/

 

 早熟の恐れはないのかな?

 

 

18:名無しの競馬ファン  ID:3p6KyKxl+

 

 陣営がまだまだ成長期宣言。これ以上早くなるとか嘘でしょ?

 

 

19:名無しの競馬ファン  ID:GvcS9pWdo

 

 成績はいいよな。血統は零細なんだけど。

 確実に日本競馬を盛り上げる存在っぽいし、逃げ方も最高。

 SS系産駒オシは真の意味で競馬ファンではないな

 

 

20:名無しの競馬ファン  ID:lnDqw3/Li

 

 突然変異やっているのでしかね? あの成績は。

 

 

21:名無しの競馬ファン  ID:v6yj9tmqJ

 

 ってか、ダービーで全財産飛んでッた。

 あんな零細血統でダービー馬なんて、冗談キツイ。

 最悪なのは、電気ガス水道を止められたこと。

 

 

22:名無しの競馬ファン  ID:xl8ezAC68

 

 無敗の三冠馬ディープインパクトにそっくりよね。

 ディープがイケる人なら大満足じゃない?

 二歳の時の成績はディープ以上だしね。

 

 

23:名無しの競馬ファン  ID:TdEIvnG3O

 

>>22

 ⚠ディープインパクトには全く似ていません!⚠

 戦法、血統すら真逆のSSの血が一滴も入っていない清いバタイです。

 

 

24:名無しの競馬ファン  ID:KpYVLsjO2

 

 凄い

 

 

25:名無しの競馬ファン  ID:Mu0d36SQ6

 

 オルフェーヴル……二着だった……

 ショックでペラペラになった、オレの財布。

 

 

26:名無しの競馬ファン  ID:fVpfY0TvE

 

 零細っていうか突然変異だった。

 

 

27:名無しの競馬ファン  ID:rSny3aqtI

 

 この馬はSSの血が一滴も入ってないから。

 日本競馬の希望だよね。きっと

 

 

28:名無しの競馬ファン  ID:BWwgKinuC

 

 ディープインパクトみたいで萎えた

 あの強さはナニ?

 

 

29:名無しの競馬ファン  ID:TdEIvnG3O

 

>>28

⚠ディープインパクトには全く似ていません!⚠

 零細血統で頑張っている日本の希望です!!

 

 

30:名無しの競馬ファン  ID:Drl18xGrx

 

 中央デビューしてるけど

 オグリキャップみたいに、地方から栄転の方が人気でるのにね

 そういう意味では良血?

 もう一度、あの時代のロマンを見たかったんだけどw

 

31:名無しの競馬ファン ID:VPfjKHRwM

 

>>30

 中央でデビューする実力があるってわかってたからデビューしてるの!

 

 

32:名無しの競馬ファン ID:MfsmN26tC

 

 とにかく良血ブレイカークソ。

 馬券で車一台分損した。

 

 

33:名無しの競馬ファン ID:s5w5jb+MO

 

 ダービーでの末脚炸裂で凄かった。

 

 

34:名無しの競馬ファン ID:7GwSDNqs5

 

 ダービーで○○の包囲網すごかったね。

 NEWスターの誕生が嫌だったんだろうねw

 

 

 

35:名無しの競馬ファン ID:LAR/sAW90

 

 零細血統なのでいつか勝てなくなる…

 というのは、いざ自分のところの産駒がセリに出されたときに

 「名馬の子供ですよ」とか

 「アレの子供は零細だよ」とSS系の産駒の値段決めときに

 「流行血統の子は高いけど速い」と

 言うための言い訳だ。

 実際SS系はいっぱいいるけど、地方にも大量にいるし。

 佐賀競馬ですべての馬がSS系だったのがショック。

 

 

36:名無しの競馬ファン ID:g8Zgv0Lqj

 

 走っている姿が、スーパークリーク? に見える

 

 競馬はじめた頃の一頭の子供で、本当に涙が出そう。

 

 絶対に怪我しないで種牡馬入りしてほしい。

 

 

37:名無しの競馬ファン ID:XgItbWgdn

 

 SS産駒だらけだし、殆どのSS産駒に使える。今後の戦績は犠牲にして早く種牡馬入りするべきだよ、

 日本競馬はイッテンコウセイを待つ時代じゃない。

 

 

38:名無しの競馬ファン ID:GkXwAPnEv

 

 顔、お父さんの生き写しで、

 ある意味、ビックリ

 

 

39:名無しの競馬ファン ID:DvrMwjpNT

 

 単勝一万円買ったら二千円増えた。最悪でした。。。

 

 

40:名無しの競馬ファン ID:h+l7m5iiS

 

この馬

借金で首が回らない時に新馬戦で全財産注ぎ込んで借金チャラにしてもらったよ

 

 

41:名無しの競馬ファン ID:vzwB5jdTF

 

 俺的には、血統がキツかった。

 両親の成績もマイナスポイント。

 体はまぁまぁだけど、SS系産駒に比べてバランスが悪い気がする。

 確かに現在無敗で走ってるけど、

 必死になって逃げてる感が痛々しい。

 SS産駒でもないし。

 わざわざ早熟にお金払ってまでやるほどじゃないかな。

 

 

42:名無しの競馬ファン ID:EwvNU+m/3

 

>>41

 絶対にお財布がペラペラだゾ

 

 

43:名無しの競馬ファン ID:tJPXjUpN0

 

 生放送見てるんだけど

 凄くのんびり屋みたいだけどレースでは豹変するのよね?

 

 それとも

 疲労回復?

 

 

44:名無しの競馬ファン ID:Q5pQPfRFZ

 

 ほんとは良血。

 お母さんのハルウララは超良血のお嬢様。

 

 

45:名無しの競馬ファン ID:kmqKTP2To

 

今さらマジレスすることもないけど…。

最悪だった。

悪夢でも見てるのかなぁ。

「貸してるんだから? くれよ…」みたいなことを毎日言われてドン引き。

破産者多そうだし。

水と角砂糖で命を繋いでるけど、自慢の贅肉がゴリゴリ減っていって生きてるっていう感じじゃないんだよ。これはなんなんだろ?

がっかりした…。 もう競馬しない…。

 

 

46:名無しの競馬ファン ID:GLHMX3tRp

 

>>45

 本当に今さらw

 イッテンコウセイの被害者が多いのは有名な話

 

 

47:名無しの競馬ファン ID:wUwL4hmOt

 

 大逃げで一番人気に答えてくれるのはありがたいが、ハラハラかなぁ

 

 

48:名無しの競馬ファン ID:7pxg9sat+

 

>>47

 ハラハラどころかゾクゾク

 大逃げの面白さ

 




サイトの新機能使ってみたかったんです!

ほんと、ここ数年で凄く機能増えてビックリ!?

でも、ここはこうしようってのが増えそうで片っ端は少し不安(笑)


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イッテンコウセイの評判・ノーマルR(宝塚記念~ジャパンダートダービー)

【無敗継続中のハルウララの息子について】

 

1:名無しの予想師 ID:ePc9OJuQg

 

 ニ○ニコ動画で有名なド○ンゴの競走馬

 零細系サラブレッド・イッテンコウセイ

 古馬も跳ね除けて無敗継続中だって、

 すごいわね

 

 

2:名無しの予想師 ID:lon9XUFKy

 

 本当にスーパークリークの息子なのか? どうせ父親詐称だろ、

 走り方的にアグネスタキオン説ある。

 ダイワメジャー、スカーレットに近い走り方してるし、

 

 

3:名無しの予想師 ID:V/Qj0rQiR

>>2

 ⚠アグネスタキオンには全く似ていません⚠

 スーパークリークとハルウララの愛の結晶です!

 

 

4:名無しの予想師 ID:U+o7qiuOf

>>3

 イッテンコウセイ警察さんお努めご苦労さまです!

 

 

5:名無しの予想師 ID:gn2bv7XHq

 

 それにしても、なんで宝塚記念に出たんだろう?

 いや、ジャパンダートダービーに出走してるのも頭おかしいけどさ!

 

 

6:名無しの予想師 ID:FA7aLONUr

>>5

 あれは馬主のニコニコ動画がチャランポランだったからだよ、

ニ○ニコ「え、宝塚記念で人気上位!? 断る理由ないし出走させたろ!」

ニ○ニコ「え、ダートダービーに出す中央の馬が不足してる? うちのコウセイは砂も走れますよ!!」

 コレだから……。

 

 

7:名無しの予想師 ID:fWj5lXpYv

>>6

 えぇ……

 

 

8:名無しの予想師 ID:J91IQxnz6

>>6

 嘘だと言ってくれよ……

 

 

9:名無しの予想師 ID:Hg2lXRBeb

>>6

 イッテンコウセイこわれちゃーう!?

 

 

10:名無しの予想師 ID:cDz3QpiFG

 

 陣営のコメントとか無いの?

 

 

11:名無しの予想師 ID:SIckNNuH2

>>10

 福山騎手は激怒してたよ、イッテンコウセイ号を潰すのかって

 

 

12:名無しの予想師 ID:6xJ/xkI3J

 

 あれ? タケに屋根強奪されてなかった?

 強奪されてるなら強く言えんやろ

 

 

13:名無しの予想師 ID:je1LVMONC

>>12

 ジャパンダートダービーでレコード出して奪い返した

 

 

14:名無しの予想師 ID:nsCozcCz4

 

 ほへぇ、顔だけの騎手じゃなかったんやな

 

 

15:名無しの予想師 ID:uf+Hl4kqt

 

 というか、タケの宝塚記念あれはナニ?

 ゴールする時にキングヘイローみたいに顔上げて走ってたぞコウセイ、

 

 

16:名無しの予想師 ID:LWNUjuUc1

>>15

 先行策で行くって言ってコウセイに拒否られたみたい。

 というか、あの状況で一着になるコウセイが異常。

 

 

17:名無しの予想師 ID:QlRO/NnSD

 

ニ○ニコ「え!? あの有名なタケさんが乗ってくれるんですか!!」

ニ○ニコ「やっぱりタケさんはすげーや! 三歳馬が宝塚記念で勝つなんて!!」

ニ○ニコ「うわー、ダートダービーとかいうのタケさん来れないのかぁ、しゃーなし、福山でいいか」

ニ○ニコ「……福山レコード出しとるやん!?」

 

 

18:名無しの予想師 ID:b3FjyJTJ1

 

 これでタケ主戦継続だったらド○ンゴの株売るわ。

 それか株主総会で永遠に文句言い続ける。

 

 

19:名無しの予想師 ID:wwoRBM2uX

 

 三歳馬の宝塚馬ってこれで何頭目?

 

 

20:名無しの予想師 ID:2N7rzdwSC

>>19

 今調べたら三歳馬(昔は四歳)の宝塚馬は現在……。

 

【イッテンコウセイ】のみ!

 

 うせやろ!?

 

21:名無しの予想師 ID:V0S8AIraY

>>20

 ふぁ!?

 

 

22:名無しの予想師 ID:EnJlJA0VX

>>20

 伝説作り過ぎやろ!!

 

 

23:名無しの予想師 ID:YvzeEy0Ea

>>20

 あのタケの騎乗だけで頭いっぱいやったわ!?

 

 

24:名無しの予想師 ID:0A+oNT+n0

>>20

 まだまだ伸び盛りなのにどんだけ伝説作るねんイッテンコウセイ号!?

 

 

25:名無しの予想師 ID:arSEgu4wW

>>20

 えっ? 今回の宝塚記念が52回やろ……52年間で初ってことかよ!?

 

 

26:名無しの予想師 ID:DBunJIQXc

>>20

 どうなっとるねん!? もう伝説通り越してUMAに片足突っ込んどるやん!?

 

 

27:名無しの予想師 ID:1TtnGjXoO

>>20

 こんだけ初物を食い荒らしてるんやからアレもイケるんとちゃうか!?

 

 

28:名無しの予想師 ID:pUNdbdlPy

>>20

 日本競馬で一番凱旋門賞馬に近い馬が見つかってもうたな……!

 

 

29:名無しの予想師 ID:TpdT5rTqR

>>20

 頭おかしい通り越して異次元に到達してるぜコウセイ!

 

 

30:名無しの予想師 ID:fJbnOLhU2

>>20

 これが歴史の観測者の気持ちなんか……。

 

 

31:名無しの予想師 ID:+8X9htl2y

>>20

 俺達はとんでもない化け物を見ているのかもしれない()

 

 

32:名無しの予想師 ID:4hf+OVGax

>>20

 コウセイはやっぱり別格や! 怪我さえしなければ絶対に日本競馬を震え上がらせるで!!

 

 

33:名無しの予想師 ID:vKMCMYF0Z

>>20

 でも、こんな走りされたらオペラオーの再来、というか〇〇包囲網の再来くるんちゃうか!?

 

 

34:名無しの予想師 ID:ZpjxxIehU

>>20

 というか、栗東じゃなくて美浦で三冠馬候補が生まれてるのが驚愕なのに……!

 もうめちゃくちゃだよ!

 コウセイはどこまで走るんや!? 今種牡馬になったらSSの種付け料超えるんとちゃうか!

 

 

35:名無しの予想師 ID:7j00zcd5X

>>20

 SS産駒だらけだし、殆どのSS産駒に使える。今後の戦績は犠牲にして早く種牡馬入りするべきだよ、

 

 日本競馬はイッテンコウセイを待つ時代じゃない。

 

 

36:名無しの予想師 ID:SWUxmtuHy

>>20

 もう何が起こってるのかわからんわ!

 

 

37:名無しの予想師 ID:ibxFA6XMX

 もう、この快挙の時点でイッテンコウセイは俺達を夢の世界に連れて行ってくれる存在だって気付いた!

 

 

38:名無しの予想師 ID:FMo0ffR/7

 日本競馬は遅れてるとか言われとったけど、SSの登場で激変!

 次はイッテンコウセイの子供達が世界を荒らすんやな……!

 

 

39:名無しの予想師 ID:+OmX9BO1c

 コウセイの子供を見たい! でもコウセイはまだまだ伸び盛りなんや!!

 今種牡馬入りしても世界の競馬を激震させる可能性があるが、俺達はコウセイ自身が震え上がらせる姿も見たい!!

 だからコウセイの子供は数年間我慢や!! それが競馬ファンやろ!?

 

 

40:名無しの予想師 ID:ippVDhzAB

 てか、ダービーを二回勝った馬もはじめてやないの!?

 ダービー+ダートダービー

 何やねんこいつ! 他が絶対に超えられない戦績をまだまだ若いのに叩き出しとるやん!?

 

 

41:名無しの予想師 ID:DZ9slHnGv

>>40

 そういえばそうやんか!? ダービーを二回勝つ馬とか聞いたことねぇよ!

 

 

42:名無しの予想師 ID:w1UN/tuHV

>>40

 本当にコレを止められる存在がおるんか!?

 

 

43:名無しの予想師 ID:fQ0UwYweT

>>40

(最低でも六歳くらいで引退して欲しい)

 

 

44:名無しの予想師 ID:HtGKok7J7

>>40

 もう二度と現れないであろう快挙を平気でやってくる! そこにシビれるあこがれるゥ!!

 

 

45:名無しの予想師 ID:7hZzez+Jz

 イッテンコウセイ号の活躍はドラゴンボール見るような感覚で見るしかない!

 考えるんじゃなくて感じるんや!

 そうせんと頭おかしくなるで!?

 

 

46:名無しの予想師 ID:MfnHCMYF9

 コウセイは神様のいたずらによって生まれた名馬なんやなって……。

 

 

47:名無しの予想師 ID:PifUNCvGh

 もう、ここまで来ると突然変異か父親詐称かわかんねぇよ!?

 誰か俺に何かクリークの息子だという証拠を見せてくれ!!

 

 

48:名無しの予想師 ID:nC6Lt6SLQ

>>47

 はいどうぞ! 新鮮な親子写真でい!!

「スパークリークの写真URL」

「イッテンコウセイの写真URL」

「二つを合体させた写真URL」

 

49:名無しの予想師 ID:/KVQkjrBF

>>48

 ファ!? 生き写しやん!!

 

 

50:名無しの予想師 ID:aktItS3Jw

>>48

 ウッソだろ!? 流星の場所まで生き写しだよ!!

 

 

51:名無しの予想師 ID:vJ7v9Ua6W

>>48

 かなりクリークだよ! てか、どっちもクリークだろ!?

 

 

52:名無しの予想師 ID:gEmICZue+

>>48

 すげー……後ろの馬体みないとどっちが親父で息子なのかわかんねぇ……。

 

 

53:名無しの予想師 ID:uNLwc4n4H

>>48

⚠スーパークリークには凄く似ています⚠

 クリークが残した最高傑作です!

 

 

54:名無しの予想師 ID:B7zDq+flO

 

 もうこれは突然変異とか、そんな生易しい存在じゃない!

 コウセイは本物のUMAや! サラブレッドやない!!

 だけど、俺達はコウセイのような存在を待ってたんや!!

 

 

55:名無しの予想師 ID:p+a34s+aS

 

 でも、種牡馬としては未知数だからなぁ、

 強い親から強い子が出てくるとは限らないし、

 そう考えるとSSは本当に異常なんやなって。

 

 

56:名無しの予想師 ID:FCEP8PjLU

 

 いや、SS系を鼻で笑うコウセイの走りは魅力しかない!

 

 

57:名無しの予想師 ID:oD6MABMk1

 

 イッテンコウセイという血統と名前以外完璧な名馬w

 

 

58:名無しの予想師 ID:ueomdHznu

 

 でも、どうしてイッテンコウセイは突然変異したんだろ?

 スーパークリーク産駒ってスタミナもスピードも遺伝しなくて

 シンジケートも即解散だったのに、

 

 

59:名無しの予想師 ID:ZDGZlv4Of

 

 これだけの成績を残しても種牡馬として成功するかわからないしなぁ、

 やっぱり安心安全のSSは神様やわ、

 

 

60:名無しの予想師 ID:YXdnlr0bS

>>58

 多分、父母のニッポーテイオーの爆発力が凄かったんじゃないかな?

 推定だけどクリークのスタミナは産駒達に遺伝してたと思う。

 そこにハルウララの小柄な馬体とマイルの帝王様の突発的なスピードが覚醒したんじゃない?

 

 

61:名無しの予想師 ID:/pk0u9q5x

 

 ゲームでイッテンコウセイ作ろうとしたらクリークが種牡馬引退してる件、

 

 

62:名無しの予想師 ID:7RE1ND0bC

 

 でも、零細血統で中央を荒らし回るってのはロマンあるよね、

 そう考えると黄金世代のセイウンスカイに似てる気がする。

 

 

63:名無しの予想師 ID:35lULxEjx

>>62

 確かに、あの頃のセイウンスカイは今考えるとヤバイ()

 スペシャルウィークを倒してるだけで本当にヤバイ()

 

 

64:名無しの予想師 ID:lS37EEepy

 

 セイウンスカイ……もっと頑張れた筈なのに……。。

 エルコンドルパサー……もっと長生きしてくれていれば……。

 

 

65:名無しの予想師 ID:1VkhuoHQk

 

 え、セイウンスカイって種牡馬やめたっけ?

 

 

66:名無しの予想師 ID:pMB71SsSs

 

 セイウンスカイの時代がくる!

 

 

67:名無しの予想師 ID:+iNhEojKR

 

 今ならセイウンスカイの可能性が見えますよ!!

 

 

68:名無しの予想師 ID:9awANN7Q6

>>67

「セイウンスカイ死亡(ニュース)URL」

 悲しいけど、これが現実だ……。

 

 

69:名無しの予想師 ID:PruBdFNZS

 

 暗い話はやめよう! ここはイッテンコウセイを話す場所だぜ!?

 コウセイは確実に日本競馬を照らす太陽なんだから!

 

 

70:名無しの予想師 ID:vsm60JpIg

 

 というか、なんでイッテンコウセイって皐月賞のトライアルに出てたの?

 朝日杯勝ってたら優先出走権あったんじゃない?

 

 

71:名無しの予想師 ID:iyIwsDl+8

>>70

 わからん、推定とりあえず走らせとこ! って感じじゃない?

 いや、それだったら弥生賞でいいよな普通、2000mだし、

 その頃は無敗の三冠馬なんて目指してないんだから尚更だね。

 

 

72:名無しの予想師 ID:/BdXCIUBp

 

 イッテンコウセイのライバル、オルフェーヴル対戦成績

 

京王杯:イッテンコウセイ一着 オルフェーヴル十着

スプリングS:イッテンコウセイ一着 オルフェーヴル二着

皐月賞:イッテンコウセイ一着 オルフェーヴル二着

東京優駿:イッテンコウセイ一着 オルフェーヴル二着

 

 

73:名無しの予想師 ID:LGZS+zfbO

>>72

 ナイスネイチャの後継者が現れてしまったか……。

 ちな、オルフェ陣営は菊花賞はスタミナ切れで勝てると踏ん出るらしい。

 ちょっとイッテンコウセイのお父さんを舐めてない?

 

 

74:名無しの予想師 ID:B1jfy6+UT

 

 クリークのスタミナとイッテンコウセイの大逃げが合わさり最強に見える!

 

 

75:名無しの予想師 ID:QoTtxk774

 

 もうここまで来ると早熟なのか、それとも晩生なのか気になる。

 陣営はまだまだ伸び盛りで一日一日レベルアップしてるとかなんとか、

 嘘か本当かわからないけど、適当に走らせてたら6000mくらい本気で走ってて福山が慌てて止めたとか?

 

 

76:名無しの予想師 ID:aIAh+Eeid

 

 うーん、このUMA、

 

 

77:名無しの予想師 ID:lm73MFseU

 

 〇〇グループの面々どんな顔してるんだろw

 だって、相手はニ○ニコ動画の馬だぜww

 

 

78:名無しの予想師 ID:W+/vYKSGK

 

 でも、種牡馬になったら〇〇が全力で預けろって言ってくるんじゃない?

 どうやっても○○の種牡馬の扱いは群を抜いてるし……。

 結局はコウセイも〇〇の施設で種牡馬入りの可能性が……。

 

 

79:名無しの予想師 ID:qALM+tpe2

>>78

〇〇「どうせ種牡馬になったらうちに預けるでしょwww」

〇〇嫌いオーナー達「そんなことさせねぇ! その為にドワンゴの株買い漁ってるんだよ!?」

〇〇「ふぁ!?」

〇〇嫌いオーナー達「ド○ンゴ? どっち選ぶ?? (大株主)」

ド○ンゴ「そらねぇ、大株主ですわ!」

〇〇「うーん、この!(時すでに遅し)」

 

 

80:名無しの予想師 ID:RBsrRtC/L

>>79

 胸熱すぎるだろ!?

 

 

81:名無しの予想師 ID:GmKc1K/ee

>>79

 〇〇の帝政が終わる可能性がビンビンですよ!

 

 

82:名無しの予想師 ID:3U7gETePK

>>79

 こんだけ歴史を動かしてるコウセイだしな! 種牡馬になっても歴史を左右する存在になるで!!

 

 

83:名無しの予想師 ID:2yvobo8Rd

 

 イッテンコウセイの話じゃないんだけど、

 ジャスタウェイって銀魂の爆発物みたいな競走馬が登録されてて笑っちゃったw

 なんか大物の気配がするw

 

 

84:名無しの予想師 ID:UWuFVhKjt

>>83

 草

 

 

85:名無しの予想師 ID:gSlC3/nXq

>>83

 今、銀魂何期突入やっけ?

 

 

86:名無しの予想師 ID:uB7/5lBEq

>>85

 今は二期じゃないかな?

 

 

87:名無しの予想師 ID:aXqNy5YJd

 

 本当にコウセイは破天荒な馬やでwww

 

 

 




 タクヤの評判を流用した掲示板は激エロで面白いけど、自分が妄想する掲示板だとエロさが足りないっす……。

 虐待オーナーは激エロ成分少なめ(コウセイが出ないから)だから時間がかかると踏んで掲示板で時間稼ぎ!

 これで実質二日間の猶予が与えられたな、さっき妙に眩しかっったのはバイアグラだな、この動悸はイカ王だな、このエロさは3だなとかガタイで分析。


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イッテンコウセイの評判・ノーマルR(菊花賞当日)

【イッテンコウセイの菊花賞を応援観戦するスレ】

 

1:名無しの予想師 ID:RRJCnq4Ly

 

 ニ○ニコ動画で有名なド○ンゴの競走馬

 零細系サラブレッド・イッテンコウセイ

 クラシック三冠最後の菊花賞に今日出走だって

 すごいわね

 

 

2:名無しの予想師 ID:Cm3uwZhsR

 

 イッチ……無敗の二冠馬が菊花賞に出ないわけ無いじゃん!?

 競馬にわかか?

 

 

3:名無しの予想師 ID:RRJCnq4Ly

>>2

 すいません、ニコニコ生放送でイッテンコウセイを知ったにわかです……。

 

 

4:名無しの予想師 ID:9xTBV2zvn

 

 無敗の三冠馬ディープインパクトにそっくりよね。

 ディープがイケる人なら大満足じゃない?

 二歳の時の成績はディープ以上だしね。

 

 

5:名無しの予想師 ID:X1o/5K/wS

>>4

 ⚠ディープインパクトには全く似ていません!⚠

 良血を食い荒らす良血イーターです。

 

 

6:名無しの予想師 ID:LJKvMjPA+

>>5

 イッテンコウセイ警察さんお努めご苦労さまです!

 それにしても良血イーターって良い表現やわ、確かにコウセイに似合う響きやねw

 

 

7:名無しの予想師 ID:iTrGgoxK+

 

 それにしても、血統は度外視しても無敗をキープできたのは凄いよね、

 宝塚記念とジャパンダートダービー、この二つで転けなかったのはホント凄い。

 理由はまったくわからんが!

 

 

8:名無しの予想師 ID:3h4IPEHbb

 

 名探偵オレ登場!

 イッテンコウセイが今まで無敗で駆け抜けてきた理由、それは!

 どう考えても坂に強すぎるとこなんだよね、何度もコウセイのレースを見たけど坂を平地のように駆けてるんだよね。

 上りは力強く、下りはスキーのように加速してるのは驚いた。

 

 

9:名無しの予想師 ID:UGpzcPVr9

>>8

イッテンコウセイ「お! 坂があるじゃん!? 加速したろ!!」

 

 

10:名無しの予想師 ID:wetPh8fOm

 

 こんなUMAにサラブレッドが勝てるわけないだろ!? いい加減にしろ!!

 

 

11:名無しの予想師 ID:0jcHeJCGK

 

 なんでイッテンコウセイが強いのか真面目に考察するとSSが出てくるのが面白い。

 SSって元はアメリカの競走馬じゃん? で、アメリカ競馬って実績を残した競走馬は速攻で種牡馬入りするわけよ、だからアメリカの競走馬はどうやっても超早熟が多いのよね。

 だからSS産駒は序盤からブイブイ言わせるけど後半少し苦しくなる。

 母親が現役長いなら変わってくるけどね?

 だから、SS系産駒のスピードが3~4だとしたらそれがずっと続くのよね、逆にイッテンコウセイみたいな競走馬は1からスタートして5に到達するんじゃないかな、例外はイッテンコウセイのスピードがSS系並でこれから五段階評価なのに七段階評価まで成長しそうなところ。

 イッテンコウセイを見てると現代競馬じゃなくて古の競馬を見てるみたいで歴史の観測者の気持ちになる。

 

 まあ、全部ウソですが!

 

 

12:名無しの予想師 ID:XERldwVLs

>>11

 ガチで信じたじゃねぇか!?

 

 

13:名無しの予想師 ID:3BzGM07Z3

>>11

 説得力のある嘘とかマジで最低だな!?

 

 

14:名無しの予想師 ID:2olUZduvZ

>>11

 いや、でも、これって嘘じゃないような気がするんだよな……。

 

 

15:名無しの予想師 ID:TsYfmPBGk

 

 でも、茨の道を駆け抜けての無敗の三冠チャンスは本当に歴代最強の三冠馬になるチャンスかもしれん。

 

 

16:名無しの予想師 ID:GIg6a0dV0

 

 オルフェ陣営は菊花賞は絶対に奪うって宣言してるから荒れるな、

 もしかしたらコウセイ二番か三番人気になるかもしれん。

 コウセイは長距離はじめてだしな、3000mの大逃げはロマンあるけどスタミナがどうか?

 

 

17:名無しの予想師 ID:S9YDyFneL

 

 長距離大逃げは厳しそう、ペース抑えて溜め逃げみたいな芸当が出来ればチャンスはある。

 

 

18:名無しの予想師 ID:7WIE4UWpu

 

 競馬場でカキコ!

 でも、父親のスーパークリークは高速ステイヤーだぜ?

 イッテンコウセイは絶対に父親の血を信じてる、

 俺達はイッテンコウセイを信じてる、

 だから絶対に勝つ! 貯金全部イッテンコウセイで勝負や!!

 

 

19:名無しの予想師 ID:XcPv+5Osp

 

 イッテンコウセイが一着になると「親の文句は俺に言え」って絶対言われるけどなんで?

 

 

20:名無しの予想師 ID:quElfVkkH

>>19

父親「戦績は素晴らしいが強い産駒を出せなかった」

母親「地方競馬で113戦0勝の未勝利馬」

息子「無敗の三冠馬に王手、しかも宝塚記念で古馬を撃退してる(史上初)」

 

 おわかりいただけただろうか?

 

 

21:名無しの予想師 ID:BuAGp1GAu

 

 イッテンコウセイのお父さんは種牡馬として成功しなかった。

 イッテンコウセイのお母さんは繁殖牝馬になれるかどうかもわからなかった。

 イッテンコウセイの新馬戦は最下位人気だった。

 全部を吹き飛ばして無敗で三つ目の冠を狙う、

 どう考えても孝行息子やん、応援したくなるわ!

 

 

22:名無しの予想師 ID:WB+l+Eydo

 

 今、イッテンコウセイの血統表を見たんだけど……。

 ニジンスキー4×4、ノーザンダンサー5×5×5、パーソロン5×5の血量28.13%なんやが!?

 奇跡の血量の18.75%を約10%上回ってるよ!? なんだこれ!!

 

 

23:名無しの予想師 ID:IuwaxJVA7

>>22

エルコンドルパサー「呼んだ?」

 

 

24:名無しの予想師 ID:YRJu7ysuN

 

 正直、過度なインブリード3×3とかはヤベーって思うけど、4×4とか5×5とかにはうーん。

 日本人の奇跡の血量信仰っていうか、それ以上に手を出してはいけないみたいな風習はどうかなぁ? 人間だって従姉妹からは結婚OKだしうーん……。

 

 

25:名無しの予想師 ID:BAN+19Zhc

 

 当時、狂気の馬主が2×2とかいう狂気を通り越して発狂させた馬がいるらしい。

 

 

26:名無しの予想師 ID:3GG6zCzwJ

 

 血量50%の凱旋門賞馬もいるらしい。

 

 

27:名無しの予想師 ID:FWSgMJyif

 

 イッテンコウセイが虚弱体質には見えんのよなぁ……他馬の二倍の調教をしてもピンピンしてるらしいし……。

 

 

28:名無しの予想師 ID:v781TWunz

 

 黙ればクリーク、調教ではドM、走る姿は良血喰らい。

 

 

29:名無しの予想師 ID:qREJQDqIB

 

 気性は穏やかだけど、体は血の気が多いw

 実にイッテンコウセイらしいストーリーやねww

 

 

30:名無しの予想師 ID:u2GpE0IkL

 

 イッテンコウセイが穏やかな性格してるとか嘘でしょ、

 絶対気性難だと思ってた……。

 

 

31:名無しの予想師 ID:6u+y5RtSq

>>30

 信じられないくらい大人しいゾ、

 ご飯を取られてもシュンとするだけだし、

 隣の馬房が牝馬だからおやつは最初に牝馬に食べさせるようなジェントルマン。

 

 

32:名無しの予想師 ID:QaFq2hmp5

 

 イッテンコウセイのエピソードはいっぱいあるからなぁ、

 ゲートの練習の時に機械が故障して二十分くらい閉じ込められたけど、そこで居眠りしてたとか、

 馬運車で長距離移動して怒ってるかなぁ? って開けてみると振動を楽しむ為に寝転がってたとか、

 併せ馬の調教で先輩競走馬を十頭ダウンさせたとか、

 古馬を跳ね除けて史上初の三歳馬の宝塚ウィナーになったとか、

 タケに乗られるのが嫌で福山が騎乗した時にレコードだしたとか、

 父親がスーパークリークで母親がハルウララだとか、

 もう名馬というより迷馬に片足突っ込んでるよ。

 

 

33:名無しの予想師 ID:/QmPi1tTw

 

 イッテンコウセイは牝馬から好かれやすいタイプみたいなんよね、

 宝塚とダートダービーで会ったブエナビスタとクラーベセクレタはイッテンコウセイって名前が聞こえるとさ、辺りを探し回るらしいよ。

 そら競馬関係者は無敗の二冠馬の話しはするからさ、

 

 

34:名無しの予想師 ID:mr9QVmBi9

 

 そこまで牝馬に好かれるとかw でも、ウオッカは無理でしょww

 ウオッカって牝馬が当て馬にならないと発情しないとか言われてるしwww

 

 

35:名無しの予想師 ID:t98jltFFw

>>34

ウオッカ「なんだコイツ? どっかいけよ!!」

コウセイ「ご、ごめんなさい……連れてこられて……」

ウオッカ「なんだこいつ……カワイイじゃねぇか……!」キュン!

 

 というか、ウオッカのオーナーがイッテンコウセイの話題を聞いて帰国検討中とかなんかの記事で読んだわww

 ウオッカのオーナーは筋金入りの〇〇嫌いらしいしww

 イッテンコウセイが爆誕してから〇〇嫌いオーナーがドワンゴの株買い漁ってるとか言われてる。

 

 

36:名無しの予想師 ID:UrbvOtzwg

>>35

 SSアンチと〇〇アンチは掲示板でも馬主でも多いらしいからねぇ、

 確かに素晴らしい種牡馬と運営はしてるけど、少し荒らしすぎっていうか、

 イッテンコウセイが庭先取引されたのもそれの影響って説が飛び交ってくるくらいだから。

 

 

37:名無しの予想師 ID:qoJlB5MMp

 

 ニッシさん、セイウンスカイに似たタイプの馬だから京王杯勝った時には連絡いれたという話し、

 確かに黄金世代で一番異質だったのはセイウンスカイだからねぇー、

 ニッシさん本当にフットワーク軽いオーナーさんって思うわ。

 

 

38:名無しの予想師 ID:piZnoEu/p

 

 メジロ牧場の後継者がいなくなって去年解散しようと計画したらイッテンコウセイが現れて、

 

メジロ「イッテンコウセイ号いい馬だなぁ、どうせ○○の馬なんだろうなー」

メジロ「ふぁ!? イッテンコウセイ号ってニコニコなんたらとかいう動画サイトの馬なんか!」

メジロ「……もしもし? 自分メジロですけどー自分のところの牧場共同経営しません? スタッフはまだいますよー」

メジロ「イッテンコウセイの子供を見るまでは死ねんなぁー」

 

 

39:名無しの予想師 ID:OHiqpxuN6

>>38

 草

 

 

40:名無しの予想師 ID:quRbNcrN1

>>38

 イッテンコウセイ……魔性の馬やで……。

 

 

41:名無しの予想師 ID:ySOJz+1I9

>>38

 そら、一般人が見ても芸術的な馬なんやから、タケなんて二度目の直談判に行ったらしいで、

 即座に『NO』叩きつけられたみたいやけどw

 

 

42:名無しの予想師 ID:MB5ZuSyHl

>>38

 あのメジロが認めるとは、流石はコウセイやで!

 平成三強スーパークリークの息子だけあるわ!!

 

 

43:名無しの予想師 ID:pmPJjvWwB

>>38

 計画では、牡馬の冠名がイッテンで、牝馬がメジロになるみたいやね。

 

 

44:名無しの予想師 ID:VlLqw7MEb

 

 そういえば、震災支援の為にニコニコがイッテンコウセイキーホルダー売ってたよな?

 みんなはもう買った? ワイは持ってるで!! (2525円)

 

 

45:名無しの予想師 ID:mDQno+NsN

>>44

 URL載せろ! ワイはイッテンコウセイの大ファンなんや!!

 

 

46:名無しの予想師 ID:VlLqw7MEb

 

 ほいな、

 「イッテンコウセイ・アクリルキーホルダー URL」

 

 

47:名無しの予想師 ID:ag5ETTIXM

>>46

 完成度たけーなおい!

 

 

48:名無しの予想師 ID:uX8kUJDR+

 

 それにしても、昔の競馬はよかったっておっさん達が口揃えて言ってたけどさ、

 今の競馬も名馬いっぱいいるじゃん!? って無視してた。

 でも、イッテンコウセイが現れて評価が真逆になったわ、イッテンコウセイが出てくるまで〇〇の馬が何割のG1勝っとるねん!?

 こりゃ○○アンチも増えるわなぁ……。

 

 

49:名無しの予想師 ID:TCVPk9QA+

 

 イッテンコウセイ号

 

1:生まれがそもそも○○じゃない。

2:両親ともに○○の馬じゃない。

3:SSとNTの血が入ってない(ノーザンの親父の血は入ってる)。

4:平成三強スーパークリークと地方のアイドル ハルウララの息子。

5:現在無敗のクラシック三冠に王手(何故か宝塚を走らされ勝っている「史上初の快挙」)。

6:競馬関係者(〇〇を除く)からは絶賛どころか絶頂する程の評価、タケも大絶賛(多分、二度と乗れない)

7:ライバル不在ではなく、オルフェーヴルという強力なライバルがいる。

8:馬主が○○のことを本当に名前しか知らないようなところ。

 

 こんなん一般人から〇〇アンチまで絶頂もんやで!

 

 

50:名無しの予想師 ID:1ima//su2

>>49

 わかる。

 

 

51:名無しの予想師 ID:orox8wwa5

>>49

 時代の当事者になった感じでスゲー鳥肌立つ。

 

 

 

52:名無しの予想師 ID:uHksOM5IL

>>49

 ワイ、ディープインパクト凄いって掲示板で何度も書き込んだんやけど、

 まあ〇〇の馬だしね、って結構言われてイライラしてたけどコウセイのおかげで目が覚めた。

 そら良血で〇〇でタケが絶賛する馬なんやから強いわ、ワイが間違ってた。

 あの人達はイッテンコウセイのような夢しか詰まってない馬を待ってたんやなって……。

 

 

53:名無しの予想師 ID:3V1QeXRsj

 

 お! パドック始まった!!

 

 

54:名無しの予想師 ID:jhW1tY2/k

 

 コウセイはどんな感じかなー

 

 

55:名無しの予想師 ID:79qsD5FeO

 

 コウセイはパドックでは遊ぶからな!

 

 

56:名無しの予想師 ID:wArOKL0S6

 

 コウセイの凛としたパドック大好きやで!

 

 

57:名無しの予想師 ID:k/xyLsHrR

 

 あれ? コウセイちょっと元気ないな……。

 

 

58:名無しの予想師 ID:gydVt0ud5

 

 というか、全体的に雰囲気が暗いというか、殆どが調子落としてるみたい。

 

 

59:名無しの予想師 ID:JpylkQbvW

 

 ちょっとまって!? 今情報かき集めたらオルフェ以外全部逃げか先行策で行くみたいや!

 

 

60:名無しの予想師 ID:7wwRbfMlM

>>59

 うせやろ!? どんな作戦命令やねん!

 

 

61:名無しの予想師 ID:U/4R4DdnE

>>59

 こりゃあ、全力のコウセイ潰しやんか! 今の競馬はこんなに汚いんか!?

 

 

62:名無しの予想師 ID:7gEHOl7pE

>>59

 ダービーも結構露骨やったけど菊花賞は露骨を通り越してるわ……。

 

 

63:名無しの予想師 ID:Rlr2EPLrp

>>59

〇〇「こんなコンスタントに無敗の三冠馬なんていらねぇんだよ!」

 

 

64:名無しの予想師 ID:p6VJAaOXk

>>59

 あかん!? ド○ンゴの株は持っとるけど〇〇の株はもっとらん!!

 

 

65:名無しの予想師 ID:h2wqnbgGK

>>59

 こんな陰湿なやりかた……!

 やっぱりチ○ッパリは競馬後進国だな!

 

 

66:名無しの予想師 ID:wtCDIEcgb

 

 コウセイ気負ってるなぁ、落ち着いた走りしてくれるといいけど、

 

 

80:名無しの予想師 ID:NMxWABN0y

 

 うーん、コウセイが無敗の三冠馬になって欲しい気持ちはあるんやけど、今日のレースは正直怖い。

 最大の救いはダービーみたいに大外枠じゃないことやけど……。

 

 

81:名無しの予想師 ID:AyPojtYGD

 

 福山は落ち着いとる、絶対に大逃げさせる気迫を感じるで!!

 

 

82:名無しの予想師 ID:Wj6SRC18l

>>81

 でも、コウセイは2400m以上は走ったこと無いからなぁ、

 坂を物ともしない力は持っとるけど、大逃げでフィニッシュできるかどうか……。

 でも、コウセイやから他の馬よりは不安は少ない。

 

 

83:名無しの予想師 ID:Jn4TwN7dz

 

 ゲート入り完了!

 

 

84:名無しの予想師 ID:lclwqq1DZ

 

 コウセイいったああああああ!!!

 

 

85:名無しの予想師 ID:k5aCsGywK

 

 今日も大逃げやコウセイ!!!

 

 

86:名無しの予想師 ID:eYD9UVkxO

 

 逃げろ逃げろ!! おまえはサイレンススズカを超える逃げ馬や!!

 

 

87:名無しの予想師 ID:7G7mldLxf

 

 おい! コウセイペース落としたぞ!?

 

 

88:名無しの予想師 ID:NHbyXZfES

 

 何やってんだ福山!? おまえもタケと同じことするんか!!

 

 

89:名無しの予想師 ID:ymkByDFhU

 

 いや、福山何もしとらんで! コウセイが自発的に抑えたって感じや!?

 

 

90:名無しの予想師 ID:kAIlt+dKv

 

 嘘だろ!? コウセイが逃げられるのに逃げをしない? そんなのありえない! 絶対福山が抑えたんや!!

 

 

91:名無しの予想師 ID:0uAvpiKuh

 

 でも、コウセイも静かに先行で走っとる。慣れとらん馬が少し下げて団子にはなっとらんな……。

 

 

92:名無しの予想師 ID:VHPNPMDWc

 

 ああ、どうしよう……コウセイとオルフェの二単に十万突っ込んどるのに!?

 

 

93:名無しの予想師 ID:+XU+xCtFg

 

 というか、コウセイ内側をわざと外して走っとる!? 追い抜きたければどうぞって感じでスペース開けとるで!

 

 

94:名無しの予想師 ID:uaERyIgEZ

 

 コウセイどうしたんだよ……第一コーナー抜けたな……。

 

 

95:名無しの予想師 ID:z6NQw1TKJ

 

 コウセイのコーナリングは芸術品やなぁ……。

 って!? コウセイの走り方がピッチから大跳びに変わっとる!?

 今日のコウセイはどうなってんだよ!

 

 

96:名無しの予想師 ID:MWFmgaJoP

 

 逃げないコウセイ……何があったんや……?

 福山は体重のせないように走ってるみたいやし……。

 

 

97:名無しの予想師 ID:vkct4gCru

 

 第二コーナーは坂や! コウセイ大丈夫かいな!?

 

 

98:名無しの予想師 ID:XNmwbfPkX

 

 先行馬達がどんどん剥がれ落ちとる! これを狙ってたんか!?

 コーナー抜けるで!

 

 

99:名無しの予想師 ID:5u6NKr1ZZ

 

 コウセイ先頭に立ったー!!

 実質逃げの状態や!!

 

 

100:名無しの予想師 ID:RNupwGQfV

 

 でも、イッケとオルフェが仕掛けるタイミング探ってる!?

 コウセイもっとスピード上げろ!! それでも一番人気かよ!?

 

 

101:名無しの予想師 ID:eeiYLnv0I

 

 オルフェ上がってきた!? コウセイ!! セーフティリードじゃないで!!

 

 

102:名無しの予想師 ID:ER4kLe73T

 

 嘘だろ!? コウセイの奴、坂でむっちゃ加速した!!

 オルフェ届くか!?

 

 

103:名無しの予想師 ID:NGmWhErN9

 

 最後の直線や! コウセイ!! ゴールに向かって突っ込めー!!

 

 

104:名無しの予想師 ID:2mV5lkLcq

 

 オルフェやばい! なんやあの末脚!?

 福山の鞭が飛んだけど並ぶ!? コウセイ頑張れ!!

 

 

105:名無しの予想師 ID:LTewTx8Hr

 

 スゲーレースだよこれ、こんなスゲーレースみたことねぇ!!

 

 

106:名無しの予想師 ID:E+E1Qr01/

 

 並んだ!? コウセイ無理なのか!

 

 

107:名無しの予想師 ID:34UwiMc8Y

 

 いや、コウセイまだ加速してる!!

 

 

108:名無しの予想師 ID:JrWbygg00

 

 ああ、ゴールしてしもうた……どっちや?

 

 

109:名無しの予想師 ID:0PTdGx+24

 

 なんて濃密なレースなんや……。

 

 

110:名無しの予想師 ID:9Z7MfEhcy

 

 ゴールしたんか、はよ写真見せろ!!

 

 

111:名無しの予想師 ID:7TnEO88tc

 

 こんなに心臓がゾクゾクするのはじめてだ!

 

 

112:名無しの予想師 ID:9gkswVRyj

 

 息が苦しい……。

 

 

113:名無しの予想師 ID:TRJ9NQlDe

 

 っ!?

 

 

114:名無しの予想師 ID:h5eKga1eP

 

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

115:名無しの予想師 ID:j5zP2KAHF

 

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

116:名無しの予想師 ID:kALIQLFBR

 

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

117:名無しの予想師 ID:QvCQfpdxD

 

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

118:名無しの予想師 ID:FbjB2yDaf

 

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

119:名無しの予想師 ID:Wgn/DvlgC

 

 すげー!! 本当に紙一重でコウセイの鼻が!!

 コウセイこれで無敗の三冠馬や!! ああ、泣けてくる……。

 

 

120:名無しの予想師 ID:F/HX35g68

 

 オルフェも流石やで……コウセイをここまで追い詰めたのはお前だけや!

 オルフェも絶対G1とる! やけど今日はコウセイを許してくれや!!

 

 

121:名無しの予想師 ID:fRzfEQFyV

 

 これ、オルフェがもう少し大きかったら負けてたね、

 本当にそれくらいしか勝敗の差がねぇよ!

 二頭とも名馬だ!!

 

 

122:名無しの予想師 ID:o64egmUym

 

『イッテンコウセイ一着! 史上三頭目の無敗の三冠馬ここに誕生!! 歴史的瞬間に場内から歓声が上がっています!! 親の文句は俺に言え! 自分の両親は最高なんだ!! だから俺が三冠馬なんだ!! うぅ……!』

 

 

123:名無しの予想師 ID:ZXNUqx4zG

 

 実況泣いとるやん! はは、泣き虫やなぁ(涙)

 

 

124:名無しの予想師 ID:UkqeUG4af

 

 今、もう涙腺が崩壊しとる。わい、クリークの走りを親父と見に行ったから……。

 

 

125:名無しの予想師 ID:fDbn6lCkE

 

 ああ、今年一年はコウセイの戦いに期待やで! ジャパンカップや有馬もあるし、本当に楽しみや!!

 

 パカパカチャンネルさん自分緑色で!

 

 

126:名無しの予想師 ID:ucDdOlTHa

 

 コウセイは本当に俺達を魅了するエンターテイナーやなー、

 

 

 ワイは黄色で!

 

 

127:名無しの予想師 ID:yQaIiXK61

 

 本当にハラハラドキドキだったけど、これが名レースってやつだなぁ

 

 俺は青で!

 

 

128:名無しの予想師 ID:ybkuyeqJI

 

 最高のレーシングマシーンだぜコウセイ!

 

 赤希望!

 

 

129:名無しの予想師 ID:X1o/5K/wS

 

 ⚠無敗の三冠馬の誕生です⚠

 

 ピンクがいいです!

 

 

 

130:名無しの予想師 ID:W0f2Kww3O

 

 まるで戦隊モノみたいになってもうたな!

 

 管理人の好きな色をオナシャス!

 

 

 




 掲示板は奥深い。

 表紙絵の色塗りと他作品の執筆で最長で一週間くらい休みます! だから、

 休ませてください。せめて皆様に面白い文字を提供するから。読者様の善意でいい……!

 アンケートの結果も見たいしね♪

 本当に、

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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イッテンコウセイの評判・ノーマル(有馬記念)

【競馬界の闇! 〇〇包囲網突破の裏技】

 

 

 

1:名無しの予想師 ID:HOixKnnQZ

 

 出ちゃいましたね。

 

 

2:名無しの予想師 ID:EBP2aQi7h

 

 出ちゃいましたね。

 

 

3:名無しの予想師 ID:2HHJ0BPOv

 

 出過ぎとるやろ。

 

 

4:名無しの予想師 ID:vzWqdxyd9

 

 これがブラックRXですか。

 

 

5:名無しの予想師 ID:dQM0KwMpJ

 

 闇と闇が合わさり闇がもっと深く見える!

 

 

6:名無しの予想師 ID:iWrMA5t4W

 

 深淵を覗く時、深淵はこちらを呑み込もうとしている。

 

 

7:名無しの予想師 ID:2GcTUbb3E

 

 おれは有馬のブロックをほんのちょっぴりだが体験した

 い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……

 あ…ありのまま 昔 起こった事を話すぜ!

 おれは二回目の有馬記念で普通に走ってたと思ったらいつのまにか馬群に囲まれていた… 

 な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…

 頭がどうにかなりそうだった…

 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ…

 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

 

 

8:名無しの予想師 ID:BU4q8E4pd

>>7

 流石は世紀末覇王、掲示板まで使いこなすのか……。

 

 

9:名無しの予想師 ID:XWHqWElXP

>>7

 世紀末覇王はお気に入りのランドセルでG1荒らし回ってたからな。

 賢さが違う!

 

 

10:名無しの予想師 ID:72uFdayg2

>>7

 リュージというランドセルだけで世紀末覇王になった奴はスゲーぜ!

 

 

11:名無しの予想師 ID:rOTjBAX/7

>>7

 馬主がテレビ出演してるからってパソコン弄っちゃあかんやろ!

 検索履歴に『自主規制』サイトがあるかもしれんしw

 

 

12:名無しの予想師 ID:sVcGoV/bJ

>>7

 世紀末覇王で脱走王で掲示板使いとか世も末やねw

 あ、世も末で世紀末覇王になったんかww

 

 

13:名無しの予想師 ID:ZX7/FckH1

>>7

 オペラオーさんが見たら確実に嫉妬するやろw

 共通点が多すぎるww

 

 

14:名無しの予想師 ID:eg4FTlcdW

>>7

 テイエムオペラオー&イッテンコウセイの共通点

 

1:零細血統

2:屋根が新人

3:自分自身がグリーンライトの青信号

4:くっそ強い

5:G1を荒らし回る

6:不利な状況を跳ね返す

7:ライバルがいる(アドマイヤベガ・ナリタトップロード・メイショウドトウ/オルフェーヴル)

 

 

15:名無しの予想師 ID:XzYLNQhw6

 

 潰そうと思ったら逆に跳ね返ってきて草

 

 

16:名無しの予想師 ID:uDSE7R5qs

 

 人間は愚かな生き物なのです、

 その点UMAは賢いのです、

 強いのです。

 

 

17:名無しの予想師 ID:v6WVSEY+M

 

 てか、イッテンコウセイ・オルフェーヴル・ブエナビスタの三連単に有り金突っ込んでたから心臓バクバクで死にそうやった()

 車一台買える金額になったんやが!

 

 

18:名無しの予想師 ID:VcmFBdduH

>>17

 税務署ですけどー

 

 

19:名無しの予想師 ID:6m5LmBd/A

 

 それにしても、今回は露骨やったなぁ……。

 確かに序盤はド○ンゴの競走馬で苛立ちもあるやろうけど、今はさぁ

 

メジロ「私達の可愛らしいコウセイちゃんに何ってことを!?」

 

 あの有名なメジロがバックに付いてるんだぜ? 頭おかしいだろ!

 

 

20:名無しの予想師 ID:Zxl/Ei37x

 

 指定超有力牧場メジロに歯向かうとか頭おかしいよ()

 

 

21:名無しの予想師 ID:UjAuR6YXV

 

 メジロがいるのに仕掛けてくるとか〇〇やべーなw

 メジロってあのメジロだろ? 〇〇が生まれる前からある牧場に歯向かうとかw

 競馬業界って上下関係ないん?

 

 

22:名無しの予想師 ID:9og3/q/NC

 

 てか、メジロ牧場めっちゃ拡張工事してるらしいで!

 ド○ンゴがコウセイの賞金で色々と派手にやっとるらしいわw

 というか、表明ではマックイーンの孫を一頭は種牡馬として迎え入れたいとか言ってるしw

 下手するとオルフェと一緒に種牡馬生活をエンジョイするんやない?

 あと、メジロはヘロド系が好きやからシャイニングレオ号(トウカイテイオーの息子)も無条件で種牡馬入りさせるとか、レオの馬主とは話しつけとるらしいでwww

 

 

23:名無しの予想師 ID:xXH0U39DQ

>>22

 マジかよ!? これは〇〇への反撃としか見えへんなぁ……。

 

 

24:名無しの予想師 ID:CjGmgZriw

>>22

 コウセイのはじめてのお相手はドーベルで決定してるらしいでw

 一応、自分のところのコウセイの息子は冠名をイッテンにするみたいやけど、

 ドーベルとの子供は牡馬ならメジロコウセイで決定しとるらしいw

 

 

25:名無しの予想師 ID:NmNOBcoPv

>>22

 メジロの後継者も見つかったらしいしな(ひ孫)

 ニ○ニコ動画が大好きやから自分が継ぐって言い出したみたいやw

 第二次メジロ軍団の誕生や!

 

 

26:名無しの予想師 ID:dPbrugp85

>>22

 いや、オルフェは無理なんやないかな? どうやっても○○系やし、

 それよりはオルフェの異母兄弟のゴールドシップって競走馬が有力やない?

 アレもコウセイと同じでマックイーンの生き写しやし(コウセイは親父の生き写し)

 

 

27:名無しの予想師 ID:iGFJ1oIY+

 

 コウセイを軸に競馬業界が変革の時期を迎えとるな……。

 

 

28:名無しの予想師 ID:Kw6udttr6

 

 まあ、〇〇一強体制は崩さんとあかんやろ、

 どのG1でも〇〇が絶対にMAXまで出してくるし、その子会社みたいな牧場も沢山出してくる。

 〇〇を倒すわけやないけど、この異常さを正すにはコウセイのような存在が必要なんや。

 コウセイは日本競馬の紅一点やで!

 

 

29:名無しの予想師 ID:AGr4rsnfW

 

 というか、よくあのブロックを破れたよな?

 本当に一頭分のスペース、普通の騎手と競走馬なら気づかんで!

 でも、コウセイやから気付いたんかw

 

 

30:名無しの予想師 ID:5ZwsuADjl

 

 本当にあのブロックは闇を感じるけど、

 コウセイという太陽には無力やったんや……!

 まあ、これからも闇が触手を伸ばしてくるやろうけど。

 

 

31:名無しの予想師 ID:b3HsqXHK+

 

 というか、ウオッカのオーナーが三年後くらいに帰国させますって言っててワロタw

 

 

32:名無しの予想師 ID:SWs5Ij1uY

>>31

 ニッシオーナーがセイウンコウセイって言いにくいって言っててワロタw

 絶対にセイウンスカイとニシノフラワーの子供に当てるつもりだよww

 

 

33:名無しの予想師 ID:jB0grcDrx

>>31

 ダイワコウセイも言いにくいって言っとったなwww

 最強牝馬達がコウセイの元に……。

 

 

34:名無しの予想師 ID:exISQ1zd0

>>31

 名牝もっとるオーナーはコウセイの可能性に期待してるんやろうなw

 

 

35:名無しの予想師 ID:JOy+R8rcc

>>31

 数年後にはコウセイの名を持つ競走馬で溢れるぞwww

 

 

36:名無しの予想師 ID:aPVjQ2NNq

 

 てか、ニコニコ生放送でコウセイが種牡馬入りしたら一応100万と2525円で様子見とか言っててワロタw

 付け加えて不受胎だったら二発目無料でキャンセルなら全額返金とかww

 なんだったら、経営が厳しいかメジロ牧場に牝馬預けてくれるなら25万2525円だってwww

 

 

37:名無しの予想師 ID:ElMFAlgeC

>>36

 ファ!? ディープの初年度が1000万超えやろ! ディープの一発の約十分の一で草生えるw

 

 

38:名無しの予想師 ID:cW3FpZMdx

 

 これは日本競馬に新しい系統が生まれてしまうな……イッテンコウセイだからIK系か……?

 

 

39:名無しの予想師 ID:rJI4snBNr

 

 というか、世界中の馬主達がコウセイを狙っとるで! とある外国の馬主は300億までなら出せるとか言っとるw

 

 

40:名無しの予想師 ID:0CjAbmZq9

 

 コウセイの血って結構古めの流行が詰め込まれてるっていうか、ニジンスキーとノーザンダンサーが大量に詰め込まれとるからなぁ……。

 ある意味では現代の流行と古い流行の対決みたいな構図で面白い。

 てか、書いてて思ったんやけどニジンスキー系の三冠馬って……初めてやない……?

 

 

41:名無しの予想師 ID:zGPxbwrD6

>>40

 まあ、三冠馬自体が稀な存在やから()

 でも、ニジンスキー系とか久しぶりに聞くなぁ……。

 そうか、よくよく考えるとコウセイはニジンスキー系だもんな、

 

 

42:名無しの予想師 ID:K05LsNqVh

>>40

 スーパークリークがニジンスキー系×ハイペリオン系

 ハルウララがリファール系×ニジンスキー系

 なんというか……ウイポでしか見たことのない系統がコウセイに……。

 

 

43:名無しの予想師 ID:haKIhfwoT

>>40

 ニジンスキー系も最近は良い種牡馬が出てないから消滅するかと思われた、

 だが! ニジンスキー系は消滅していなかった!!

 競馬界救世主伝説【イッテンコウセイ】

 円盤売れるかなw

 

 

44:名無しの予想師 ID:t498qWcdU

 

 で、でも! コウセイの種牡馬としての活躍は未知数やし……。

 やっぱりSS系が一番じゃないかな(小声)

 

 

45:名無しの予想師 ID:AOpCbA3pr

>>44

 最近のSS系推し勢の発言力の無さに草

 

 

46:名無しの予想師 ID:9wEm6tUNM

>>44

 もう日本中がSS系だらけなんやから、

 SS系を受け入れられる牝馬がどれだけおるねん?

 その点コウセイは余裕で受け入れられるでw

 

 

47:名無しの予想師 ID:s6Ryu/cag

 

 にしても、コウセイのブロック崩しはコウセイだから当たり前みたいになってもうたなぁ……。

 普通に考えたら競馬関係者とファンはブチギレ案件なんやけど、敵の尻まで拭いてくれるコウセイは優しすぎるで……。

 まあ! 俺達は絶対に許さんがな……。

 

 

48:名無しの予想師 ID:sweBm5/OX

>>47

 禿同

 

 

49:名無しの予想師 ID:R70MzjpBN

>>47

 ワイ、〇〇の一口馬主に興味あったんやけどアレ見せられたらもう無理や、

 他のスレの住人は解約の連絡いれてるらしいで、

 ある意味で抑えて置くのが危険な資産とかw

 

 

50:名無しの予想師 ID:SSn5yL8pM

>>47

 コウセイの敵は大きいが、後ろにはメジロがついとる!

 今は全力で成績残す時間やな! 初物食いまくりのコウセイならパリの観光がてらお土産に一着もってきてくれるやろ!

 そしてメジロの黄金期が再来……。

 

 

 

51:名無しの予想師 ID:BmkqCyKXR

 

 てか、この前のミンネ屋見た? イッテンコウセイ号の快挙を喜ぶのかと思ったのに、

 テレビ関係者はコウセイの弱点探しに夢中やったやん!

 あんだけのゲスト呼んで話すのが弱点探しとか何考えてんねん!?

 競馬界の大御所やぞ! 南慈英のお兄ちゃんを除いて!!

 

 

52:名無しの予想師 ID:2OSsGPsGF

>>51

 わかる。アレは酷い。

 オカベさんにネットリとシンボリルドルフの方が強いでしょうとか、

 ディープインパクトの末脚はコウセイ以上やとか、

 コウセイが負けるならどんなシチュエーションやとか、

 もうなんなん!? 凱旋門賞を狙える距離のコウセイを下げてどうすんねん!

 

 

53:名無しの予想師 ID:ADQtbcngs

>>51

 正直、昔の競馬はよかったおじさんもコウセイだけは別腹してるから!

 本当にテレビ関係者って毒舌で金稼ごうとしてるのが見えとるで!!

 あの優しいニッシオーナーとゾッノオーナー顔が引き攣っとったで!?

 

 

54:名無しの予想師 ID:C2G6rKh9Q

>>51

 でも、障害レースだったら負けるんじゃない?

 って南慈英のお兄ちゃんが言った時はワロタw 確かに速さのサラブレッドが障害競走で……。

 いや、調教すりゃコウセイ勝てるな()

 

 

55:名無しの予想師 ID:76xgHHwtz

>>51

 でも、満場一致でコウセイが歴代無敗の三冠馬一位って口揃えてたのは笑ったw

 説明通り、コウセイが本気で逃げればどんな競走馬だって届かないやろw

 オルフェも全員が三冠馬クラスの競走馬って言ってたし。

 

 

56:名無しの予想師 ID:ECVQoB9mT

>>51

 というか、南慈英のお兄ちゃんがあそこまでキレてるの久しぶりに見たわ。

 南慈英のお兄ちゃんって穴馬専門の競馬評論家やと思ってたけど、ちゃんとした知識持ってて、

 ごめんお兄ちゃん……。

 

 

57:名無しの予想師 ID:7ReRBfbDG

>>51

 それにしても、コウセイの走りにドラマが無いんか?

 一般人から見たら無敗の三冠馬って言うたら凄い馬としか思われてないかもしれんが、

 大逃げ、先行、差し、追い込み、全部で走って勝っとる変幻自在の存在やぞ!

 競馬ファンから見たらこんな面白い馬他におらんで!?

 

 

58:名無しの予想師 ID:uk/YF+jsK

>>51

 てか、ミンネがサイレンススズカみたいですねって言った時にキレたわ……。

 コウセイは他馬が着いてこれないから逃げてるだけで、同レベルの競走馬がおるなら普通に先行で走っとるわ!?

 ニッシオーナーはセイウンスカイ所有してたから理解して牽制入れてたけど。

 

 

59:名無しの予想師 ID:QnIL5V5El

>>51

 てか、横綱相撲やらドラマが無いやらとか世間の反応みたいなのが出された時は頭に血が登ったで!!

 確かにコウセイは数百年に一度の名馬やけど、決して横綱相撲なんてしとらん!

 菊花賞だってオルフェとギリギリまでの死闘を繰り広げたし、

 有馬記念だってオルフェが出遅れてなければ負けてたかもしれん!

 なんもわかっとらんわ!!

 

 

60:名無しの予想師 ID:Nlpq44Rb8

>>51

 本当に……これだからマスゴミは……。

 

 

61:名無しの予想師 ID:xAZfzw+Z8

>>51

 クレーム入れる?

『ミンネ屋:公式ホームページ(相談窓口)URL』

 

 

62:名無しの予想師 ID:aNitYxIkr

>>61

 なんかファン投票祭りを思い出すなぁ……。

 

 

63:名無しの予想師 ID:EqBTDJF7G

 

 さて、視聴率稼げたのならファンの制裁は覚悟してるよな?

 

 

64:名無しの予想師 ID:HKIdXTzq5

 

 日本競馬会のホープを侮辱したってことは……制裁……!

 

 

65:名無しの予想師 ID:TDI2hOCP8

 

 俺達はコウセイにお小遣い貰っとるんや……やるで……!

 

 

66:名無しの予想師 ID:Tcuu+aPyw

 

 本当にコウセイからのお小遣いは助かっとるわ! 制裁!!

 

 

67:名無しの予想師 ID:0zgyDzCal

 

 それにしても、〇〇は本当にどうしてここまでするねん……。

 

 

68:名無しの予想師 ID:gsp2ntv+5

>>67

 そら、ディープの株を上げたいからや!

 このまま順調に行けば一発3000万以上は確定やからな。

 JRAはディープをオグリの後釜に据えたいみたいやし、コウセイは邪魔でしかないんやろうな。

 まあ、コウセイはディープを軽く超えると思うで、

 

 

69:名無しの予想師 ID:1cERLVstj

>>67

 確かにディープは名馬や、

 やけど、ディープ以上の名馬の誕生を許せないのもあるんやろうな、

 一般競馬ファンのワイらには理解できんけど!

 

 

70:名無しの予想師 ID:R6oK9lsfF

>>67

 名馬の誕生を受け入れられない人間っておるんやな……。

 もし、コウセイが何かされて競馬続けられんようになったら後100年は凱旋門賞の夢は見れん、

 本当にウイポだけでしか勝てないと思うで、

 

 

71:名無しの予想師 ID:I8o3hNTjo

>>67

 〇〇は自分達の舎弟以外が結託するのを恐れてるんや!

 メジロ牧場が存続決定した時点で周りの〇〇嫌いオーナーがゾロゾロと菓子折り持って足を運んどる!

 これが何を意味するか……日本競馬の新しい道やで……!

 

 

72:名無しの予想師 ID:LAvZbER7D

 

 本当にイッテンコウセイ号の登場で競馬業界の血の循環が良くなったように感じるわ!

 ほんの数年前までワイ達は競走馬を使った人形劇を見ていたみたいやで……。

 

 

73:名無しの予想師 ID:QzhyrXdb6

 

 最高に競馬してた時代の競走馬、その息子が本物の競馬を見せてくれるのは激アツや!!

 

 

74:名無しの予想師 ID:byDxNNOsl

 

 競馬とは何か? 名馬が横綱相撲をすることや! そしてその相撲にライバルがぶつかり合うんや!!

 これが美しい競馬……古い頭って言われてもええ、名馬同士のぶつかり合いこそが美しい競馬なんや!!

 やから、コウセイを絶対に倒せる競走馬を作ってこい!!

 

 

75:名無しの予想師 ID:knABg5Wfh

>>74

 泣いたわ……おまえは本物の競馬ファンや……。

 

 

76:名無しの予想師 ID:RCvzpT22g

>>74

 今までの競馬は〇〇の馬同士のお遊戯会なんやなって……。

 

 

77:名無しの予想師 ID:+lCBnhxTS

>>74

 コウセイのおかげですべてが綺麗になっていく……。

 

 

78:名無しの予想師 ID:KErmn0jN9

 

 素朴な疑問なんやけど、イッテンコウセイって元ネタの名前はなんなん?

 

 

79:名無しの予想師 ID:6VMDRpAGS

>>78

 真夏の夜の淫夢 第一章:「極道脅迫!体育部員たちの逆襲」

 

 

80:名無しの予想師 ID:DEVpqt+hr

>>78

 ゲイ向けポルノ作品

 

 

81:名無しの予想師 ID:HHgakA+f7

>>78

 元メジャーリーガーで日本ハムに在籍する野球選手らしき人物が学生時代に犯した過ち。

 

 

82:名無しの予想師 ID:v7NT0x+Oe

>>78

 試合を終えて家路へ向かうサッカー部員達。

 疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、

 車の主、暴力団員谷岡に言い渡された示談の条件とは……?

 

 

83:名無しの予想師 ID:zsdL7o5NG

 

 コウセイのスレなのに淫夢スレになってまうやろがw

 

 

84:名無しの予想師 ID:jB31WWWln

 

 本当にコウセイは面白い馬やで、

 現役どのくらい続けるかわからんけどワイらに夢を見せてくれるのは確かやな!

 そして夢の続きを子供達が見せてくれる……。

 

 

85:名無しの予想師 ID:a4t1iFIdF

 

 コウセイのおかげで本当に競馬が楽しゅうなってもうたわw

 次のレースもコウセイに期待してるで!!

 

 

 




 ウッス! もっと過激な言葉を使用しようとしたけど、やっぱり汚い言葉は苦手なんやなって……。

 掲示板回は毎度のこと猛虎弁を使ってますが、汚いと思った方はすいません! (今後も続ける)

 もしかしたら次は二日くらいかかるかもしれません! その時はセンセンシャル!!

 評価の時は「ナス料理」だぜ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけがオレの養分だぜ!!


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イッテンコウセイの評判・ノーマル(阪急杯~天皇賞春)

【イッテンコウセイの被害者の会】

 

 

1:名無しの敗北者 ID:cNGIUbdkm

 

 ニ○ニコ動画で有名なド○ンゴの競走馬

 零細系サラブレッド・イッテンコウセイ

 無敗で13戦13勝だって、

 すごいわね。

 

 

2:名無しの敗北者 ID:yllesN+qL

 

 タテ乙

 

 

3:名無しの敗北者 ID:XqkHHJC4l

 

 被害者の会かいな、

 たて乙

 

 

4:名無しの敗北者 ID:hpWp6lw9i

 

 たて乙やで

 

 

5:名無しの敗北者 ID:ft2g2NfGk

 

 それにしても、ナリブが出来なかった高松宮記念に殴り込みとは……。

 流石にスプリンター相手には分が悪いと思って予想の中にも入れてなかったわ、

 貯金が底をつきた。

 

 

6:名無しの敗北者 ID:1NRE7HYp+

 

 正直、ロードカナロアとカレンチャンおるからコウセイ無理やと思っとったけど、

 あいつがUMAなの忘れとったわ……そら世界記録更新するわ……。

 

 

7:名無しの敗北者 ID:QVeiRlQMD

>>6

 え? コウセイなんの世界記録樹立したの、

 確か、最大無敗記録は54戦54勝だったような、

 

 

8:名無しの敗北者 ID:huG1YDeVN

>>7

 コウセイ、高松宮記念で時速86km計測、

 世界記録が時速84kmやったんやでー

 

 

9:名無しの敗北者 ID:QVeiRlQMD

 

 ほへぇ、流石はUMAやな……。

 

 

10:名無しの敗北者 ID:x6K5yoCjg

 

 それにしても、阪急杯と高松宮記念でお財布ペラペラにした人多いんじゃない?

 俺も流石にコウセイでも短距離は無理だろうとギリギリ三着を狙って賭けたら……

 二回ともコウセイでした。

 

 

11:名無しの敗北者 ID:BfGkggjAn

 

 つか、コウセイが三番人気になるのが悪いわ、

 ワイも競馬好きでよくやっとるけど、コウセイが三番人気やったから、

 車一台分損しました……。

 

 

12:名無しの敗北者 ID://GHor7ll

 

 正直、コウセイの三番人気って穴でもないし、本命でもないから手を出しにくいんよな、

 最近のレース全部三番人気、

 無敗の三冠馬で二年間無敗やからなぁ……。

 ボーナス貯金が無くなりました。

 

 

13:名無しの敗北者 ID:Xngm6vZXi

 

 クソローテ回してるのもあるけど、

 そのクソローテを普通に勝ってるのがヤバイんよな、

 本格的な短距離挑戦やから無難に三番人気、

 父親がステイヤーやから短距離G1は無理やろ三番人気、

 クソローテやから調子落としてるやろ三番人気、

 そして輝く一着、ワイは嫁から貰ったお小遣いが無くなってもうたわ!

 

 

14:名無しの敗北者 ID:TwiDJQcb6

 

 こういう時って逆張り勢はコウセイ軸で買ってるやろうか?

 ワイはコウセイの走り方が大跳びやから軸にせんやったけど、

 まあ、阪急杯の負けは高松宮記念で取り返したわ、

 

 

15:名無しの敗北者 ID:2YQYCM8FV

>>14

 正直、逆張り勢の一握りやと思うで、

 逆張り勢って結構研究熱心やから血統やら、走り方やらで結構短距離挑戦は冷ややかみたいや、

 でも、一部の逆張りは逆張りをかなぐり捨ててコウセイ軸なんやろうな、

 あ、それだと競馬玄人おじさんになってまうなw

 80万が農○水産省に寄付されました。

 

 

16:名無しの敗北者 ID:8cBldWzT6

>>14

 コウセイが未知数な馬過ぎてなぁ、

 逆張り勢もコウセイだけは逆張りしとらんのや、

 ある意味では逆張りする程の期待値が無いみたいや。

 一応、高松宮記念はコウセイ・カレンチャン・カナロアの三連単で今年は競馬できそうや!

 

 

17:名無しの敗北者 ID:mavaCaFct

>>14

 逆張り勢はオルフェとの対決でコウセイに逆張りするよりは、

 もう、どんな状況でもコウセイに突っ込んだ方が安全やと思ってる。

 コウセイって競走馬の神様が与えてくれた奇跡の馬やから、

 ごめんコウセイ……ワイ、カナロア軸にしてもうた……。

 50万負け、

 

 

18:名無しの敗北者 ID:FQO8kHQjm

 

 にしても、今回は被害者というより伝説の目撃って感じやろ。

 コウセイはどこで走っても勝てるって証明やし、それが短距離やダートでも変わらない。

 正直、ワイは一勝負3万までやから負担は少ないんやけど、やっぱりコウセイを信じた方がなぁ

 

 

19:名無しの敗北者 ID:R+9JsrQvl

 

あれ? イッテンコウセイ号、

短距離・マイル・中距離・長距離とさらっと全距離GⅠ制覇してない?

 

 

20:名無しの敗北者 ID:YZ3Qwq7Fr

>>19

 何を今更? コウセイはルドルフやオペラオーくらい賢い馬だって言われてるんだぞ、

 短距離と言えば、短距離の走り方、

 長距離と言えば、長距離の走り方、

 もう次元が違うねん……。

 天皇賞春、コウセイ軸で買ったけどさ……2着3着にオルフェいないのが痛かった。

 

 

21:名無しの敗北者 ID:5fxDFA4Lw

>>19

 コウセイは初物食いの変態競走馬やで?

 なんだったら牝馬持っとる馬主がコウセイ引退と同時に牝馬も引退させるとか聞いとる。

 正直、最初はSS系の牝馬だけやと思ってたが、普通にSS入ってない牝馬も引退を考えとるらしいで、

 ド○ンゴは零細牧場には絶対に100万と2525円以上の種付け料は取らんってスタンスやし、

 

 

22:名無しの敗北者 ID:u1ZATmAeQ

>>19

 昔の競馬はおじさんが泣く理由もわかるで……。

 コウセイは歴代の名馬が背中に宿っとるような走りするもんな!

 ある意味では、汚い名前やけど一転攻勢はコウセイにピッタリの名前や!

 

 

23:名無しの敗北者 ID:hfIFCd8lL

 

 メジロも拡張工事が一段落して地域一の設備が備わったらしいわ、

 コウセイだけじゃなく、皐月賞で二着のシャイニングレオもそこで種牡馬入り、

 レオに関してはダービーは全力で挑むけど、菊花賞はもっと全力やって、

 

 

24:名無しの敗北者 ID:5EVpI9CK5

 

 なんというか、懐かしい競走馬の息子が竹のように伸びて来とるな、

 コウセイがクリーク、

 レオがトウカイテイオー、

 二頭やけどホンマに何か神様のイタズラを感じるで!

 

 

25:名無しの敗北者 ID:O9NYAbXtE

 

 そういえば、シャイニングレオ号がダービーに勝ったら三代でのダービー制覇になるなぁ、

 陣営はダービーに関して本気とは言っとるけど、ルドルフのことを考えて菊花賞よりダービー主眼がワイとしては嬉しいわ。

 

 

26:名無しの敗北者 ID:t/IWElVJf

 

 というか、天皇賞春のせいで色々とヤバイ……。

 一応、コウセイは一番に据えとったんやが、オルフェがギリギリ掲示板が辛かった。

 いつものようにコウセイ・オルフェで買っときゃ当たるやろ! そんな気持ちをメンタルブレイクされたで……。

 結婚式貯金が底をつきた。

 

 

27:名無しの敗北者 ID:E71+Ujk+i

>>26

 婚約者がおるならギャンブルすな!

 コウセイはおまえを祝ってくれても他の馬は理解してくれんで!! 

 

 

28:名無しの敗北者 ID:YziD0+Rg4

>>26

 同じ春天で負けた仲間やけどさぁ、

 結婚考えてるならもう少し身の振り方ってもんがあるやろ!

 

 

29:名無しの敗北者 ID:GTNtqSPXH

>>26

 正直、確かにコウセイとオルフェはライバルやけど、

 オルフェは気性難やから調子の乱高下が激しいんや! 一番人気でも警戒しといた方がええで

 まあ、今までの対戦みてたらわからんことはないんやが、

 

 

30:名無しの敗北者 ID:/L5+f2EeM

 

 コウセイを信じないのが悪い。

 コウセイは絶対に期待を裏切らない。

 コウセイに勝てる競走馬は歴史的名馬集めて有馬やっても勝てるかどうかわからんな。

 ちな、春天でヘソクリ全部逝きました()

 

 

31:名無しの敗北者 ID:9sn3bfQ22

 

 正直、コウセイを信じても後ろが信じられないことが多々ある。

 春天は正しくその事例だね、

 絶対王者は鉄板でも、競艇みたいに走る数が少ないわけじゃないから。

 自分は10万で済みました。

 

 

32:名無しの敗北者 ID:HNX6sGY4x

 

 正直、コウセイは何番人気でも鉄板なんやけど、

 G1以外のレースになれば後ろが本当にわからん!

 単勝でも三番なら少しは戻ってくるけどさ、男なら三連単狙いたくなるじゃん!

 そして一着は当てて、二、三着はわかりませんでした()

 マイナス30万

 

 

33:名無しの敗北者 ID:sh2PiJGnw

 

 正直、予想師のおっさんの解説がどれだけアテにならないか実感したわ。

 天春のおっさん、コウセイとオルフェめっちゃ推してたもん!

 あのおっさんのせいで少ないけど5万やっちゃったよ!?

 

 

34:名無しの敗北者 ID:sySPnGq9T

 

 本当に最近はコウセイ叩きが減ったなぁ、

 馬券の話しになるとコウセイが勝てる筈がない警察がワラワラやったのに、

 もう、コウセイを認めとるんかな?

 

 

35:名無しの敗北者 ID:ryy82IX7t

>>34

 元々がSS信者が多かったからね、少ないけど今でもいるよ。

 

 

36:名無しの敗北者 ID:kJg+ZmrK6

>>34

 逆張り勢が本当に逆張りしてたから警察になっただけで、

 今では逆張りしたら恥じって感じでマジで見ない。

 まあ、偶にいるかな? 本当に偶に。

 

 

37:名無しの敗北者 ID:naDhAsM2r

>>34

 新馬戦からずっと血統差別? そんな感じの人達が少なくなった感じかね。

 

 

38:名無しの敗北者 ID:bJIaLTHis

 

 コウセイとオルフェを信じて片方に裏切られる。

 これが競馬か……人気って何のためにあるんやろ……。

 

 

39:名無しの敗北者 ID:kG0f8s3XQ

 

 コウセイは本当に何やらせても器用にこなすからなー

 サーカスで芸やれって言われても普通に三日後くらいには二足歩行くらいしそう。

 まあ、それだけ真面目で頑張り屋だから今の成績残せてるのか。

 

 

40:名無しの敗北者 ID:WX4VD+105

 

 それにしても、コウセイは本当にどこまで行くんやろうか?

 ニ○ニコも凱旋門賞は意識しとるみたいやし、

 なんならニジンスキーを思い出させる為にイギリスに殴り込むとか噂で聞いたわw

 

 

41:名無しの敗北者 ID:hf1bQUHn6

 

 というか、凱旋門賞出るなら秋古馬三冠に挑戦は難しいな、

 凱旋門で走る姿も見たいし、秋古馬三冠を手に入れるのも見たい。

 

 

42:名無しの敗北者 ID:ElJ0buRg2

 

 2012年10月7日凱旋門賞その後に帰国、競馬学校とかで輸入検疫。

 そこから着地検査の隔離を東京競馬場でやれば検査中でもレース出走は可能だからできますね。

 海外滞在が60日以内なら三週間着地検査、仮に60日以上海外に居たなら三か月着地検査で有馬は出れないはず

 ディープインパクトも本来はそういう風な予定で天皇賞秋に出走しようとしてたんですが色々変更してジャパンカップ出走してますし。

 つまり、理論上は可能ですね。

 

43:名無しの敗北者 ID:nuvKXd41z

>>42

 つまり、

 

 

44:名無しの敗北者 ID:PSosGsOjz

>>42

 そうな、

 

 

45:名無しの敗北者 ID:dhQcnbWF4

>>42

 フランス観光した後に即帰国、

 それってさぁ! 秋古馬三冠…ってコト!?

 

 

46:名無しの敗北者 ID:wfN8pd7T4

>>42

 うわー、コウセイ輸送に強いからなぁ……。

 これはディープが出来なかったことをマジでやるぞ!

 また記録を塗り替えるんか!?

 

 

47:名無しの敗北者 ID:j7uFwUBtk

>>42

 これがジェットストリーム・アタックG1か……!

 

 

48:名無しの敗北者 ID:Midz5qX25

>>42

 コウセイのタフネスならやりかねない!

 例え最下位人気でもコウセイを買うで!!

 

 

49:名無しの敗北者 ID:14Ppj2OGs

>>42

 もうめちゃくちゃやなw

 これだからUMA認定されてるんやぞ!

 

 

50:名無しの敗北者 ID:iug7HDaQy

 

 てか、コウセイって薬物検査とかされたことあるの?

 一応は零細血統だから検査されたことあるのかなって、

 

 

51:名無しの敗北者 ID:85qNEazd6

>>50

 新馬戦、朝日杯、高松宮記念はやってる。

 無論、薬物一切なし! 本当に才能だけで勝っとるで!!

 

 

52:名無しの敗北者 ID:IKEccE2R5

 

 ここまで来ると外資がコウセイを狙ってないか気になる。

 今では珍しいニジンスキー系で世界的に淘汰される状況なのにさ、

 唐突に現れたからニジンスキー系好きな馬主は喉から手が出る程欲しいやろw

 

 

53:名無しの敗北者 ID:VRIwWShHP

>>52

 まあ、ド○ンゴだけやったら売ってたかもしれんが、

 今はメジロやで? メジロが売るわけ無いやん!

 それにド○ンゴの株は国内の馬主が買い漁っとる。

 

 

54:名無しの敗北者 ID:KJ6eK77oI

>>52

海外馬主「売ってくださいよー(札束)」

日本競馬「あげません!」

海外馬主「売ってくださいよー(もっと札束)」

日本競馬「絶対にあげません!!」

 

 絶対にこうなるやろうなー

 

 

55:名無しの敗北者 ID:wq2Y18QX3

>>52

 まあ、一部を除いてコウセイは日本競馬のホープって言われとるからな。

 これから世界の名馬を相手にする可能性もあるし、その時は日本の競馬場で見れないのは寂しいが、

 記録を残し続けることに意味があると思うぜ!

 

 

56:名無しの敗北者 ID:WhYVroqzq

 

 次はもう失敗しない、

 闇金で宝塚や!!

 

 

57:名無しの敗北者 ID:qLFir7Qvu

>>56

 その先は地獄だぞ?

 

 

58:名無しの敗北者 ID:NcCmSiCZT

>>56

 せめて綺麗な場所から借りなさい!

 

 

59:名無しの敗北者 ID:1vco/GCCm

>>56

 お金借りてギャンブルはいかんでしょ!?

 

 

60:名無しの敗北者 ID:1ql9xmmbW

>>56

 つ【ギャンブル依存症相談窓口URL】

 

 

61:名無しの敗北者 ID:P8ylbBJJu

 

 コウセイはどこまで行ってしまうんやろうな……

 

 




 競馬博識兄貴の感想をコピペした部分があります! 兄貴本当にありがとうございます!!

 そういえば、掲示板まだ書いてなかったと思って書き上げました。

 今回は金銭的被害者を主軸に書いたのでバックでの戦争はそんなに触れられてませんね? 逆にこっちの方が健全でいいかも!

 評価の時は「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想が俺の養分だぜ!!


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【超淫乱競走馬編】
新馬戦で良血を掘り倒した後の絶頂悶絶マシーン・イッテンコウセイ


 競馬だぜ!

 生まれ落ちたオレは従順に人間の指導を受けて他の馬より早めにレースに出られることになったんだよ!

 お母さんわぁ凄く優しくて毎日オレの顔をペロペロしてくれるくらい優しい馬だったんだけど、一緒に遊ぶ予定だった他の幼駒達はオレの血統が鼻で笑えるくらいの零細でデビューするまで一回も遊んでもらうことは出来なかったぜ! 血統とか貴族か何かと勘違いしてるのかって思うよねぇ?

 ほんと、ストロベリーサンデーとかいう馬が親戚にいないと差別されるなんてアイツらほんとS(サンデーサイレンス)だよな! でも、女の子はジャニ系の可愛らしい顔してるからオレのデカマラを見られてないか本当に心配だったぜ(笑)

 あ、でも、クロメマックイーンとかいうお馬さんの孫達は「ごめんね、あの子達は性格が荒いから」といって遊んでくれることはなかったけど、多少のお喋りはしてくれて嬉しかったなぁ。

 そんなオレもレースに出れるくらいの歳になった時に庭先取引? とかいう制度でニコニコ動画を運営している会社の人達に買われてそこで登録、調教っていうMなオレにとってはご褒美な鍛錬が始まったんだよ!

 

「すげー、ハルウララの子供だからネタになるから買ってみたけど、こいつクリークの生き写しじゃん!」

 

 なんか、お母さんから教えてもらったお父さんの名前を連呼してオレのガタイを絶賛している。

 お母さんは本当に小さい馬だったんだけど、お父さんの血が強かったのかそれなりに大きなガタイに育っちゃって、お母さんは砂じゃなくて芝で走れるかもね、なんてペロペロしてくれたのを覚えているぜ!

 褒められてすっげぇ嬉しかったから少しだけ自分の走り方を見せつけたら、

 

「このフットワークは芝・ダートどっちもいけますよ! 両親のいいところを完璧に受け継いでるね」

 

 凄いぜ! お母さんはレースにいっぱい出て数回しか故障しなかった戦車に轢かれても大丈夫って言われるくらいの頑丈ガタイを持ってて、お父さんは人がいっぱい来るレースで何度も勝利した馬だったらしいからマジ感謝だぜ!

 時間は飛ぶんだけど、調教師さんと厩務員さん、どちらもジャニ系で人間大好きなオレのストライクゾーンど真ん中で馬一倍頑張ってレースが決まる。

 調教師さんはオレがまだ幼いから過酷なトレーニングしてくれなかったんだけど、センスの塊とか言っていっつもナデナデでオレを牝馬に落としていくし! 厩務員さんなんてオレの大好きなデカ人参を食べさせてくれるからマジ狂い! 絶対にこの二人を失望させられねぇぜ!

 あ、そういえばオレの名前も決まったんだよね。

 動画サイト運営っていう利点を活かしてネット投票とかいうのでオレの名前が付けられたんだけど、二万人以上三万人以下? それくらいの投票があってオレの名前がイッテンコウセイってなったみたいだ。だからみんなオレのことをコウセイって呼んでるぜ!

 そして迎えたレースの日!

 

「おまえみたいな零細野郎が走る場所じゃねぇよ」

 

 同い年なのに超上から目線の同期達がオレのことを笑ってくるからオレの苛立ちが限界だぜ!

 でも、これが幸いしたぜ! こいつらをねじ伏せればオレの苛立ちも調教師さん、厩務員さん、そして最近知り合った騎手さんの期待も鰻登りだぜ!!

 今日の走法は先行って言われてたけど逃げそうな馬が居ないからこれは悪戯心に人参だぜ!

 それにしても、競馬場ってのはいいな! 他の良血の馬ばっかり注目されるから零細のオレのことを注目することもしない。こうなってくるとオレのS心が破裂寸前! お母さんとお父さん、大好きな人間達の人達が最強に喜ばせることができるぜ!!

 

「最下位人気、おまえの実力を見せるのに良い機会じゃないか」

 

 オレの背中に乗ってくれてる騎手くんはジャニ系を超えて福●雅治系の超イケメンで牝馬になっちゃいそうだぜ!

 そしてゲート入りしてみるとまだまだゲートに慣れてないのかオレのことを笑ってた奴らがガタガタ震えて悶絶してるぜ! こんなの怖がるなんてMの修行が足りてないぜ! 本当のSはMの才能がなければならないって言われてるんだぜ!

 ゲートが開いた!

 ロケットスタートだぜ!

 そのまま芝1600mの悶絶バトルに突入する!

 他の馬達は騎手の指示に従って馬群の中に入ったりオレのことを追い抜かそうとして止められたりしている。オレは時と場合によっては逃げOKって言われてるから騎手さんも耳元でいいぞいいぞって褒め称えてくれるぜ!

 そのままコーナーに突入、後ろからスパートしてくる馬が我先にと抜け出してくるがそんなことさせねぇぜ! オレは無尽蔵のスタミナと両親譲りの末脚でスパート、オレに付いてこれる奴は誰も居ねぇぜ!

 そのままオレのことをバカにしてた奴らを置き去りにしてゴール、なんで負けたのかわかってない良血達が戸惑ってる姿にマジ狂い! こんな気持いい思いが出来るなら逃げ馬も悪くないかな? なんて思っちゃったぜ!

 こうして、良血を掘り倒したオレはお父さんの息子として日本競馬をガン掘りしてやるぜ!!

 

【次回予告】

 ガタイ完璧に仕上げて二回目のレースに備える。だけど、二回目のレースは重賞だ! オレの燃えたぎる闘志がレースを求めてギンギンだぜ!

 そしてレースの後に聞かされる驚愕の真実!

 オレのお父さん死んじゃった!?

 天国のお父さん、お父さんにゾッコンだったお母さんの為にもG1レース取るしかねぇ!

 次回、適正や血統どちらも人間の決めたことさ




 ウマ娘面白いですよね、なんというか名馬達一頭一頭を大切にリスペクトしている感じが激エロ!
 そんなこんなで自分もウマ娘の作品を書こうとトレーナー物を書こうと思ったら『ウリクルラーニング(デデドン)』の影響で常識的な文章構成ができなくなりました()
 でも「逆に考えるんだ『激エロ文章』でもいいんだって」。

 それで、シンボリルドルフやトウカイテイオー産駒の物語がいっぱいあるので、自分はアプリで大好きな「ハルウララ」と「スーパークリーク」の産駒というアタオカ配合でスタート、競馬のことよく知らないので本当に激エロ文章でどうにかごまかしてます()

 ハルウララの現役が長く、それでいてスーパークリークの命日ギリギリの日を考えた時にステマ配合の最高傑作とぶつかり合ってしまい、
 栗毛気性難のジャニ系競走馬と世代がドッキング!?

 まあ、架空名馬列伝だからいいよね?


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適正や血統、どちらも人間が決めたことさ

 続きだぜ!

 新馬戦を勝利したオレはあいも変わらずまぐれだの、他の兄弟がスパートミスったとか言われて無視の毎日、でも、調教師のジャニ系お兄さんは「おまえならお父さんにG1をプレゼントしてくれるかもな」なんて甘い言葉を囁いてくれてる。

 そういえば、お父さんはG1とかいう凄いレースをいっぱい勝ったらしいんだけど、オレの兄弟達は一回もG1とかいうレースで勝ったことが無いらしい。そう考えるとお父さんに最初のG1をプレゼントするという孝行息子になれるのでは!? 俄然燃えるぜ!

 それで決まったのは京王杯2歳ステークスで勝利して朝日杯フューチュリティステークスに出走する。

 なんでも、京王杯ってのは朝日杯の前哨戦らしくてそこで勝てればG1である朝日杯に出られるらしい! でも、新馬戦が終わってもっとガンガン良血を掘れると思ったらそのレースは冬に開催されるらしい、マジかよ!?

 オレのレースしたさを理解してるのか調教師さんや厩務員さん、はたまた騎手さんまでオレの調教に参加してくれてマジ狂い! 優しかった調教師さんが豹変したように生かさず殺さずの調教の毎日! でも、オレMだから逆に気持ちいぜ!

 

「コウセイは名馬だから戦車より速く走れるよな?」

 

 ウッス。

 そんな感じで体がバリバリにパンプして美浦で一番綺麗なガタイの馬に成長したぜ!

 オレを育ててくれてる人達以外もオレのガタイに見惚れているし、牝馬なんて発情寸前だ! やっぱりオレって罪づくりな存在なんだな(笑)

 

 

 

【京王杯2歳ステークス】

 

 そんなこんなで京王杯のパドックまで時間が飛ぶんだけど、今回は最初のレースで大逃げをかましたせいで色んな人間達から視線の嵐! こんなに注目されるならもっとガタイパンプさせてから来たほうがよかったと少し反省、だけど一応は重賞だから走る馬も最初のレースに比べて闘争心がむき出しだ!

 今回のレースは短距離って括りらしくて、最初のレースとは違って少しだけ距離が短いみたいだ。だから騎手のバリイケメンさんは序盤からガンガン走らせるから鞭に怯えるなよって言ってくる。超ドSだよな! でも、オレ、ドMだから鞭で叩かれると俄然燃えるぜ!!

 

「貧相なガタイしてるな、父親は誰だよ」

 

 パドックで一緒になった馬がオレの父親について聞いてくる。正直、おまえよりガタイは仕上がってるって言い返したいけど、喧嘩してジャニ系トレーナーズに嫌われたら嫌だから普通に返答する

 

「オレの親父はスーパークリークだぜ! G1いっぱい取ってライバルもいっぱい居た名馬だぜ!!」

「はは、オレの親父は無敗の三冠馬だ。せいぜいオレの尻の香りでも嗅ぐんだな」

 

 マジかよ!? てか、無敗の三冠馬ってなんだ? でも、無敗って響きはスゲーエロい。多分、無敗って言葉だけで信じられない数の牝馬を抱くプロ級マニアなんだろうなぁ、なんてムラムラジェラシー。でも、牝馬を抱くようになったら人を背中に乗せられないって考えるとそれは嫌だなぁなんて思ったりもする。

 それにしても、この馬の顔……ストロベリーサンデーとかいう馬の親戚にそっくりだな、もしかしてストロベリーサンデーの子供なのかな? いや、でも、ストロベリーサンデーじゃなくてデープキスとかいう名前の子供にも似てる。もうわかんないぜ!

 

「でも、オレはお父さんとお母さんの息子だから絶対に勝つぜ!」

「おうおう、気合が入ってるな。途中でかかるなよ」

 

 オレの競走馬スイッチが入ったのを感じ取ったのかバリイケメン騎手さんが首を撫でてくれる。こんなんじゃ牝馬に落とされちゃう! 騎手さんの手には人参の効果が含まれてるのかもね♪

 そしてゲート入り、やっぱりオレと極小数の馬以外はゲートが嫌いなのか入ってもソワソワして落ち着かない様子。オレなんてこの薄暗い感じが何かのプレイに感じるから逆に居心地がいいぜ! 10分間くらい入っても余裕だな!!

 そして最後の奴が入ってオレのスタートスイッチが押される。

 ガシャンと音が響いた瞬間に新技ロケットスタートが炸裂! 他の馬より早く前に出ることが出来たぜ! そのまま騎手さんの上手なコース取りで先頭で一人旅だ。

 やっぱり、オレみたいな零細血統の馬に逃げられるのが気に食わないのかオレより前に立とうとする奴らが迫ってくるけど、オレのスタミナは人参二十本以上三十本以下? なくらいでまだまだ加速できるぜ!

 

「やっぱりお父さん譲りのスタミナだな……レコード目指すか!」

 

 騎手さんが耳元でレコードとかいう謎の言葉を囁く、確かにレコードってのはマジエロい響きだぜ! もしかしたらレコードってのを掴めば牝馬や人間にもっと甘々な対応をしてもらえるかもしれない。

 オレはギアを一段階上げて調教で習得したロケットスタートと対をなす必殺技を炸裂させる。

 

「二段加速だぜ!」

 

 二段加速とは後方の奴らがスパートしようとしたタイミングに一気に全身全霊の脚力を使うオレのオリジナルだ!

 そのままゴール地点まで一人旅、尻の匂いを楽しめとか言ってた馬は悔しそうにオレのことをギンメで睨んでる。

 

「レコードとれたじゃねぇか! おまえは紛れもない名馬だ」

 

 レコードの意味はわかんねぇけど、レコードとれたからまたオレのエロさに磨きがかかったぜ! それにしても、距離が短かったから全然走り足りねぇぜ! 次のレースが待ち遠しくてたまんねぇ! やっぱり、お父さんが長距離の専門家だとか皆言ってたし、オレの体にはステイヤーの血が流れてるのかもね(笑)

 でも、ステイヤーって短距離走れねぇって話しも聞くし、やっぱりオレってステイヤーじゃないのかも。

 次のレースも頑張るぜ! あ、そういえば次のレースってG1ってやつじゃん!? 会ったことはないけどお父さんは息子のG1勝利に嬉しくなるだろうなぁ。

 

「……おまえがクリーク産駒最後の希望だからな、天国でお前のこと見てるよ」

 

 え、ちょっとまって、クリークってオレのお父さんの名前だよな? 天国で見守ってるってどーいうことだよ!? え、オレのお父さん死んじゃったの! やっべー、お母さんすっげーお父さんにゾッコンだったからオレも悲しいけど、お母さんの方がずっと悲しむじゃん!?

 こうなったらG1とって天国のお父さん、実家で静養してるお母さんを元気づけなきゃ!!

 続くぜ!

 

【次回予告】

 

 天国のお父さん、実家のお母さん、オレのG1勝利を待ち望んでる人間の人達。

 オレは良血をガン掘り(逃げ切り)して勝ち取ってやるぜ! そしてオレの親父をバカにした奴らを絶対に許さないぜ!

 次回:G1プレイ戦一回目



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G1プレイ一回目

 続きだぜ!

 二回目のレースからたいした時間が経たないで次のレース、ガタイは仕上がってるんだけど体は他の馬に比べると少し小さいくらい、成長期が来ないぜ! でも、オレの人参スタミナに敵うやつなんて居ないぜ!

 それに牝馬からの視線が情熱的なものが多くなって、人間の人達はレコードってエロい言葉をいっぱい使ってオレを淫乱にしてくる。やられたぜ! レコードってのは人参みたいな効果があるんだな!? こんなんじゃ牝馬にオレのデカマラが見られそうで怖いぜ!

 

「コウセイは芝4000m逃げ切れるよな?」

 

 ウッス、

 なんかよくわからないけど他の馬より長い距離を走る機会が増えたけど、先輩の馬が先にバテて併せ馬の練習も先輩が代わり番こだ! それにしても、先輩の馬はオレのことを化物とか言ってくるけど、オレは化物じゃねぇーぜ! オレは至って普通のママとパパから生まれた超淫乱競走馬だぜ!

 

「それにしても、本当にコウセイは頑丈ですね。クラシックが本当に楽しみですね」

「ああ、無敗の三冠とは言わないが……どれか一つは取りたいな……」

 

 ジャニ系の調教師さんとバリイケメンの騎手さんが無敗の三冠だとか、クラシックだとかエロい言葉を使っている。無敗は前のレースでオレの尻を眺めてた良血が言ってて、多分牝馬を沢山抱けるプロ級マニアのチケットだ! それじゃあ、クラシックはなんだろう? 新しい調教かな! オレのガタイをパンプできるガッツリな奴が希望だぜ!

 

「「…………」」

 

 イケメン二人に眺められてマジ絶頂! でも、デカマラ発動一歩寸前だが牝馬が近くに居そうだから必死に我慢!!

 

「「案外、いけるかも」」

 

 よくわかんねぇけど、調教が楽しみだぜ!

 

 

 

【朝日杯フューチュリティステークス】

 

 そんなこんなでG1レース! 人間の数もどれだけ見ても数得られねぇぜ! みんなオレのパンプしたガタイを眺めているのかと思ったら、前のレースで二着になった良血野郎に釘付けだ! 悔しいぜ!

 

「また会ったな! 今度は絶対にお前を倒してやる」

 

 ギンメで宣戦布告、でも、オレは気にしないぜ! 今日はG1レース、天国のお父さん、実家のお母さんにG1をプレゼントして与えてくれた愛を捧げねぇと!

 今日も背中の上にはバリイケメンの騎手さん! 気持ちよく逃げてくれって囁いてオレの牝馬スイッチを弄ってくる! この人ってやっぱりスゲーSだよな!

 

 やっぱりゲートって怖いものなのかな? Mのオレは逆にゲート大好きで怖がる意味がわからないぜ!

 怖いよぉ! って叫びながら入れられる馬を見ると笑っちゃうぜ!

 でも、全員が入ると即座に開くから入ってくる馬が少なくなったらスタートスイッチを押して必殺技ロケットスタートの準備をする。

 ゲートが開かれたと同時に必殺技炸裂! 今までと同じように一人旅の準備だ! でも、一頭がオレと並走してくる。オレのロケットスタートよりは劣るが中々のスタートだぜ! なら、先輩達をヒーヒー言わせたオレの悶絶並走を楽しんでもらうぜ!

 

「なんてスピード……イクッ!」

 

 スタミナを切らしたのかズルズルと順位を下げていく。

 そのまま第二の必殺技、二段加速で後方から迫ってくる馬達に尻を見せつける! オレをガン掘りできるものならやってみろよ! 受けて立つぜ!!

 なんて期待しながらトップスピードで駆け抜けたら誰も追いつけなくてそのままゴール。

 マジかよ!? G1レースって強い馬が来るって聞いてたのに拍子抜けだぜ!

 そのままウィニングラン? 観客にオレのガタイを見せつける。

 そしてなんか写真撮影、大きな布をかけられて写真撮影、こうなってくるともっとガタイパンプしておけばよかった!? ハメられたぜ!

 こうして両親にG1勝利をプレゼントできて本当によかったぜ! でも、もっと強い奴と戦いたいというオレのバーサークスイッチが押されちゃったぜ! クラシック調教でもっと強い奴が集まるレースに出てガン掘り(逃げ切り)してやるぜ!!

 続くぜ!

 

【次回予告】

 

 お父さんの最後の傑作とか言われてるけどオレはお父さんの期待を超えるレースをするぜ!

 でも、次のG1レースは結構間隔が空いてマジ狂い! お母さんは毎週レースしてたって言ってたのにオレはこんなに間隔開けられるなんて辛いぜ!

 そして次のレースで出会ったのはジャニ系の気性難な栗毛の超強そうな強靭ガタイの追い込み馬! いいぜ! オレを掘ってみろよ!

 次回、気性難なジャニ系競走馬



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気性難のジャニ系競走馬

 続きだぜ!

 最近牝馬達からの視線が熱烈で恥ずかしい日々だぜ! 実際、オレって牡馬相手なら結構饒舌なんだけど牝馬が相手になるとどんな会話したらいいかわかんねーよ! でも、G1勝ったから種牡馬入りは確定とか言われてるし、クラシックとかいう調教? クラシックに向けた調教? そういうのもバリバリで天国のお父さんの血統を守り抜く為には種牡馬入りしなきゃならないんだろうけど、オレみたいな超淫乱競走馬が種牡馬になるなんてマジ想像できねぇーよ!

 

「コウセイは原付二種より速く走れるよな?」

 

 ウッス、

 原付きってなんだよ? 偶に毛にくっ付くイボイボの種みたいなやつかなぁ。

 クラシック調教は今までの調教に毛が生えたようなもので、いつものように先輩達をとっかえひっかえで併せ馬、坂路、偶にのプール、よくわかんねぇけど今までのトレーニングにちょっとだけアクセント加えてるだけじゃねぇか!? クラシック調教って結局なんなんだよぉ!

 

「本当にコウセイのスタミナは父親譲り……いえ、下手すると父親以上かも……」

「馬体も母親の血が効いて比較的小柄で足も綺麗だからな。早熟って可能性もあるが、こいつの図太さを見る限りそれはありえなさそうだし、なんなら8歳くらいまで走りそうだな」

「なんというか、もし、もしですよ? コウセイが凱旋門賞に出たらどうなると思います?」

「コウセイのお祖父ちゃんはフランスで走ってたから日本で最初もありえるかもな」

 

 凱旋門? なんかよくわかんねぇけど、あんまり強そうな名前じゃないから大したレースじゃないんだろうな、それよりオレはクラシック調教の後にあるレースがたまんねぇ! お父さんはいっぱいG1を取った馬なんだからそれを超えないと天国にいるお父さんに顔向けできねぇぜ!!

 あ、そういえばお父さんが死んだことでふさぎ込んでたお母さんだけど、オレがG1勝ったって聞いたら元気に駆け回ったらしいぜ! やっぱり親孝行は大事だよな!

 

 

 

【スプリングS】

 

 そんなこんなでMのオレにはあまりにも気持ちよくないいつものトレーニングが続き、ようやくレース当日になったぜ! オレもお母さんみたいに毎週走りたかったなぁ。

 それにしても、やっぱりG1の舞台よりは客は少ないな、あの熱気はG1ならでわってやつなのかな? それにしてもオレよりデカくてガタイのいい馬がいっぱいでジェラシー、なんでお父さんはすっげー大きな馬だったのにオレは成長期に見放されてるんだよぉ(涙)

 

「何見てんだ……やるのかゴラ……?」

 

 うっわ、見た目はジャニ系なのに言動がヤクザかヤンキーのそれな栗色のガタイをした競走馬に絡まれちゃったぜ! どう見ても只者ではないオーラ放ってるし、これはオレのライバルになる可能性、いや、絶対なるぜ!

 

「足の速さで勝負する場所だぜ、オレは逃げだけどお前はどんな戦法なんだ?」

「チッ……追い込みだ……」

「じゃあ、オレと真逆だな! 絶対に抜かせねぇから覚悟しろよな!!」

 

 ジャニ系栗毛の堪忍袋の緒が切れたのか、刺殺してやるとか物騒な言葉が聞こえてくる。

 それにしてもこのオーラ、やっぱり只者じゃねーぜ! もしかして最大のピンチ? いや、ライバル登場だ!

 そういえば、ライバルと呼べる奴って居なかったし、もしかしたらオレのライバルになる可能性があるんだ。モチベーションあがるぜ!

 

 そしていつものように騎手さんの甘い誘いを堪能しながらのゲートイン、今回はライバル候補がいるからいっさい手は抜かない。今までのロケットスタートをより研ぎ澄まされたものにするぜ!

 ゲートが開かれて真っ先に飛び出す。

 

「よしよし、いつものパターンだ。冷静に走れよ」

 

 騎手さんの甘い声でやる気が三段階くらい上がったぜ! さて、後方から詰めてくる奴は……今回はいないか、流石に永遠にスピードを上げまくる逃げ馬に併せなんてしたくないよな! でも、二段加速を貫ける足を持ってるか、いや、アイツなら絶対に持ってる!

 最終コーナー、一斉に仕掛けてくる馬達を確認したと同時にオレもスパート、すると後方からオレの末脚より鋭い末脚が飛んでくる。

 栗毛のアイツだ! やっぱりアイツは只者じゃねーぜ!!

 こうなったら二段加速じゃ追いつかれる! 三段加速だ!!

 互いにほぼ同時にゴール。

 栗毛の奴は息切れしながらほくそ笑んでる。まさか、オレ、負けたのか……。

 しょんぼりしながらテクテク歩いていると騎手さんが輝くスマイルで右手を上げた。

 

「おまえのギリギリ逃げ切りだよ! やっぱりおまえは凄いぜ!!」

 

 写真判定の結果、本当にギリギリだがオレが勝ってた! でも、少しでも加速を間違えてたら差し切られてた。

 

「おまえ! オレのライバルだ!!」

「ウッス! 受けて立つぜ!!」

 

 ジャニ系栗毛競走馬、オルフェーヴルって名前らしい。これからオレはこいつとの長いライバル関係が続くんだろうな! 次のレースが楽しみで仕方がねぇぜ!!

 続くぜ!

 

【次回予告】

 

 次のレース皐月賞って名前らしい、なんか優しそうな名前だけど一番速い馬が勝つレースらしいぜ! もちろんオルフェーブルも出場するし、同い年最速決定戦とかオレの競走馬スイッチが押されるに決まってるよな!

 え、お父さんって皐月賞に出てないの!? じゃあ、オレがお父さんの為に皐月賞で勝利するしかないな! お母さんにもG1をもっとプレゼントしたかったし俄然燃えてくるぜ!!

 次回、G1プレイ二回目



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G1プレイ二回目

 続きだぜ!

 G1レースが待ち遠しくてたまんねぇ! 誰よりも速く走って良血達をガン掘りするのが大好きなプロ級マニアなオレは時間という神が与えた罰が辛いよぉ……。

 そんなこんなでクラシック調教で大量の練習をしてきたけどまだ足りないぜ! Mなオレはもっと真剣な体罰が欲しいのにいつも気持ちいいところで終わらせてくる。やっぱり人間ってすげーSだよな!

 

「ねえ君、G1レース勝ったって本当?」

 

 隣の馬房に移動してきた一頭の牝馬が声をかけてくる。

 

「う、うっす……自分、なんか朝日杯とかいうレースで勝ったっす……」

 

 チクショー! オレは牝馬が苦手だ。牡馬はオレのことを刺し殺そうとしてM心に炎を灯すのに牝馬は色気ムンムンでセクシーに走るから逃げるんだよぉ! だって、牝馬って雄とは違うくすぐったい香りがするし超淫乱競走馬のオレは良血牡馬をガン掘りして、人間に牝馬に落とされるのが通例なのに調子狂うぜ!!

 

「コウセイは牝馬が苦手なのか、もしかして牝馬が苦手だから逃げ馬なのかなぁ」

「まるでメジロドーベルの逆バージョンみたいですね」

 

 オレの弱点をチクチク突っついてくる人間ってやっぱりチョーSだよな!

 

「顔見せてよ、将来また会えるかもしれないし」

「う、うっす……」

 

 馬房から顔を覗かせるとオレよりずっと小さな顔がこちらを見ている。そのままオレは顔を引っ込めてこの顔をみせないように人間からも顔を隠す。

 

「かわいい顔してるじゃない」

「うっす……でも、じぶん、顔がね」

 

 やっぱり牝馬と話すと調子狂うぜ!

 そんなこんなで隣の激エロ牝馬の色気にダウンしないようにいつもよりガッツリトレーニング、パンプしたガタイはようやく完成してきて大きい奴らよりはちょっと小さいけど、どの牝馬よりも大きくなったぜ! そんなオレのガタイを見て人間達は完璧な仕上がりだと褒め称える。やっぱり煩悩よりパンプした筋肉だよね♪

 

「コウセイは無敗の三冠馬になれるよな?」

 

 ウッス!

 てか、人間はオレを徹底的に、オレを無敗の三冠馬にしたいらしい。正直、無敗の三冠馬って意味がよくわかんないから安い返事を返すことしか出来ない。てか、無敗とか三冠とか意味わかんねーよ! でも、オレの周りの奴らは無敗だとか、三冠だとかいっぱい使ってたし、もしかしてオレのお父さんも無敗の三冠馬だった!? お父さんはスゲーぜ!

 

「お父さんは皐月賞に出走してないからな、なんなら兄弟も出走……いやいや、悪いジンクス作っちゃいけないよな」

「それだったら朝日杯馬はクラシックで伸びないってジンクスがあるんだが」

「いや、コウセイはまだ本格化してないから大丈夫でしょ」

 

 え、お父さんは次のレースに出てないの!? じゃあ、お父さんがガン掘りしたことのないレースで走れるってことじゃん! お父さんがガン掘りしていないレースをガン掘るとかたまんねぇ! オレの競走馬スイッチが何度も押されているような気分だ。

 

「あらあら、元気ね」

「う、うっす」

 

 やっぱり牝馬は苦手だぜ!

 

 

【皐月賞】

 

 そんなこんなでお父さんが走ったことのない領域、皐月賞だぜ! 最初のG1プレイよりずっと多い人間が集まっていてオレの競走馬魂がマジ狂い! こんな大勢の前で良血をガン掘り出来るなんて競走馬として誇らしいぜ! 今日の相手はどんな奴かな? オレを差しきれる奴はいるかな? そんなことを考えながらパドックをグルグル。

 

「よお、今回はおまえのことを刺殺してやるよ」

「ウッス、刺殺してください」

「殺される奴が殺してくださいなんて言うかアホ!」

「ウッス、ごめんなさい」

 

 良血のことを眺めてたらオレのライバルくんであるオルフェーヴルを見落としていたぜ!

 今日も殺気立った雰囲気で他の馬を圧倒してるし、今日は本当に刺殺されちゃうかもね、そうしたらオレは乗馬用の欲望発散淫乱乗馬になっちゃうかもね♪

 でも、オレは絶対に、オレは負けるような走りはしない。だって超淫乱競走馬だからね♪

 

 そんなこんなでいつものようにゲート入り、クラシック調教のおかげかゲート入りが得意な馬が増えてきてオレのロケットスタートが通用するか怪しくなる。

 

「今回は逃げ宣言してる奴もいるから気を抜くなよコウセイ」

 

 ウッス!

 逃げ馬がいるなんてたまんねぇ! オレと最前列を争って淫乱逃げ馬バトルが絶対に起きるってことじゃないか!? そして最後にはジャニ系栗毛くんが突っ込んでくるわけだし、やっぱりレースって奥深い。

 そんなこんなでオレのスタートスイッチに鞭が入り開く瞬間をまだかまだかと待つ、そして機械音と共にお父さんが走っていないレースにオレが飛び出した!

 

「前に……前に……」

 

 オレのロケットスタートを捕らえた逃げ馬が内側でオレと同じ大逃げを選択する。たまんねぇ! やっぱり一人旅ってのは寂しいし、隣にいるだけで燃えてくるぜ!

 クラシック調教の成果でオレのスタミナは人参200本以上? 300本以下? になってるからスタミナ勝負では負けらんねぇ! 並んでた逃げ馬を突き放すように足の回転を早めて調教の成果を見せつける。するとコーナーに入る前に逃げ馬くんは失速、「もうむり……いくっ……」と言って馬群に沈んでいった。

 しまった!? コーナーに入る前に速度を出しすぎてコーナーで膨れたぜ!?

 やられたぜ! あの逃げ馬はオレをコーナーで膨らませるのが大好きなプロ級マニアだ(自分のせい)!!

 華麗なコーナリングが出来なかったせいか後方から突っ込んでくる大量の馬体に恐怖を感じる。ああ、オレの淫乱競走馬馬生もここまでか……。

 そんなとき、頭が真っ白になった時に現れたのはオレより、オレよりも一回り大きい牡馬、その姿はオレに凄く似ている。

 

『大外からブン回せ』

 

 意識がはっきりした時には大外から二弾加速、いや、四弾加速くらいのスピードで末脚を使っていた。

 

「スピードが違いすぎる!?」

「届け! 届け!! 今日は刺し殺すんだ!!!!!!」

 

 大外の踏み荒らされていない芝を踏みしめて無限に近い加速をしていくオレを後方の馬達はガン掘りしようとしているが、尻にすら届かない。

 そしてゴール。

 達成感のないまま、ウィニングラン、皐月賞の布をかけられるまで放心するしかなかった。

 

「……お父さん、だったのかなぁ?」

 

 天国のお父さんが息子のピンチに下界に降りてくるとかマジスゲー! やっぱりお父さんは超最強ジャニ系競走馬だぜ!

 

【次回予告】

 

 皐月賞を勝ったけど次のダービー? とかいうレースは近い間隔で開催されるから軽い調教、そんなのねーよ! オレのガタイは激しいトレーニングを求めてるのに人間はS効かせてお散歩みたいな調教しかしてくれない。

 え、ダービーもお父さん走ってないの!? もしかしたらもう一度お父さんに会えるかもしれない! こんなガタイじゃお父さんに笑われちゃうぜ!

 次回、イッテンコウセイの覚醒剤



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イッテンコウセイの覚醒剤

 馬房に帰ると貰える。少しだけ齧る。するととても幸せな気分になる。

 でもね、俺はお父さんとお母さんの息子だから絶対に、絶対に独り占めだけは出来ないんだよぉ。

 S効いた厩務員さんが人参を持ってきたけど、オレはそれを食べようとしない。本当は舌が出そうなくらいに食べたいのだが、オレってレース以外は平等主義馬だから美味しいものは分け合って食べたいなりねぇ。

 

「コウセイ食べないのか?」

 

 オレは馬房から顔を出すんだけど、隣の牝馬に視線を向ける。するとなにかを感じたのか牝馬さんも顔を出して笑みを見せてくれる。チョーハズいぜ!

 

「オイオイ、コウセイはレディーファーストのルール知ってるのか! これは将来有望な種馬だな」

 

 厩務員さんが人参を牝馬に食べさせてあげる。そして二本目の人参をオレが食べるのさ、二本目が無い場合は味気ない草で我慢する。だってさ、牝馬って牡馬に比べて体が小さいからお腹いっぱい食べれてないのかなぁって思うんじゃん!

 

「コウセイくんは我欲が少ないのね、私だったら独り占めにしちゃうわ」

「ウッス、自分が好きな物は他の馬も好きだと思ってるッス!」

「何年後になるかわからないけど、出来ればコウセイくんの赤ちゃん産みたいなぁ~」

 

 牝馬のモロ牝馬お誘いに悶絶しながら馬房の隅に引っ込む。やっぱり牝馬は苦手だぜ!

 それにしても、オレみたいな【顔がね】な牡馬の赤ちゃん産みたいとか気が触れてるぜ! お父さんのような超ジャニ系牡馬ならわからなくもないけど、淫乱さしか取り柄のないオレと一子設けるとか考えらんねぇ!

 

 ダービーとかいうレースは運が無いと勝てないとか言われてるけど、オレのお母さんって結構幸薄い存在だったらしいから勝ち目あるのかよ!? あのジャニ系栗毛くんもどんどんオレをガン掘りできるだけの実力をつけてきてるし、負けちゃうかもね♪

 でも、皐月賞で助言をくれた天国のお父さんにもう一度会えるならちょっと考えちゃうかな?

 お父さんのあの美しいジャニ系ガタイをまた見れるなら勝たないといけないなりねぇ。

 

 

【東京優駿】

 

 そんなこんなで当日、本当に軽いトレーニングだけで体がフワフワしてて不安だ。

 だってさ、俺って生粋のMだからガンガンやって欲しいのに調子でねぇよ! でも、先輩の馬からは同じ世代じゃなくてよかったとか意味分かんないことを言われたし、本当に何なんなりね?

 

 パドックで対戦する相手のガタイをチェック、お父さんとお母さんの中間くらいのガタイだけど、他の馬より全然決まってるぜ!

 お! ジャニ系気性難の追い込みくんも出走してる! 今日も俺のお尻は掘らせないぜ!!

 

「今日は死んでも差し殺してやる」

「ウッス、差し殺してください」

「それは煽りか!? 許さねぇからなぁ!!」

「ウッス、許してください」

 

 今日もジャニ系気性難の栗毛追い込みくんは絶好調なようで今日も追い込み宣言、皐月賞の追い込みはお父さんのことばかり考えてて全然気にも止めてなかったから覚えてないぜ! でも、3ガタイ差で二着だからどうなんだろう? 距離が伸びたとか言われてるし、俺のニンジンスタミナがどこまで持つかわからないぜ!

 そしてゲート、怖がる奴は少なくなってきて少し不安、俺のロケットスタートも通用するのかなぁ?

 開いた瞬間にロケットスタート! あれ? ええ!!

 

「ま、まえがふさがれてる……!?」

「コウセイ焦るな……大丈夫だ……」

 

 大外枠だったのが不味かった! 俺はロケットスタートに絶対の自信を持っていたけど奴らはそれ以上のロケットスタートをしてきたんだ!

 絶対にペースを握る筈の俺が、徹底的に俺のペースを奪われる! そんなのねーよ!

 他の馬、いや!? 騎手が俺の逃げ失敗を見るやいなや俺を前に行かせないようにスピードを上げてきやがる!!

 やべーよ! このままじゃ馬群に呑み込まれちまうよ!!

 でも、その時だった。

 

『俺の孫は弱いな』

 

 え? そこに居たのはお母さんに少し似ているジャニ系競走馬だった!?

 

『オイオイ、そんな目で見るなよ。勝ち方教えてやんねーぞ』

「う、ウッス!」

『昼寝してたら孫がダービーに出るなんて笑っちまうぜ! とりあえずスピード緩めろ』

「え、そんなことしたらビリッ尻になっちゃうよお爺ちゃん!」

『オメーは誰の孫だと思ってやがる? こんな無茶苦茶なブロックを跳ね除ける末脚は持ってんだろ! 勝ちてーなら早くスピード落として馬群から抜け出せ!!』

「ウッス!」

 

 俺はスピードを落としてスタミナ切れを装ってどうにか馬群に呑み込まれることを回避ししたぜ! でも、これからどうしりゃいいんだよ!?

 

『コウセイ、おまえは知らないと思うが他の馬達は無理をしているんだ。自分に似つかわしくない戦法で戦っている』

「お父さん!?」

『なんだ、孫と死んだ奴が揃い踏みだな。とりあえずコーナーで一気に持っていけ』

 

 俺はお爺ちゃんとお父さんの唐突な登場に困惑しながらも、これが幸いしたぜ!

 今までよりスピードを出さずに走っていたから最終コーナーで全身全霊の末脚が発揮できる!

 俺は怒涛の追い込みでブロックしていた馬達をゴボウ抜き! 気性難のジャニ系栗毛くんも一気にスパートしてくるけど俺の末脚には敵わないぜ!

 

【シャイニング・マイロード】

 終盤に競り合うと天の声を聞いてスタミナを回復する。

 

 そのまま気性難のジャニ系栗毛くんと競り合いながらも確実に一馬身差でゴールだとガタイで分析。

 皐月賞のように放心しながら写真撮影。

 

「お父さんに会おうと思ったらお爺ちゃんまで現れちゃったぜ!?」

 

 

【次回予告】

 

 なんかわかんねぇーけどお爺ちゃんまで現れてチョー大変! でも、俺の中に流れている血液はジャニ系お父さん、お爺ちゃんが確実に入っているって実感!

 で、次のレースはなんだろうな? 次のレースも楽勝だな、なんて思っていたら宝塚記念?

 ハメられたぜ! 人気投票で選ばれる日本有数の馬達が集うプロ級レースじゃん!? 俺、同い年としか戦ったことね―よ!!

 でも、走っている時にお父さんでも、お爺ちゃんでもないジャニ系栗毛逃げ馬が唐突に現れたんだ!

 次回【サイレンススズカに遭遇】




 書き溜めは以上! 閉廷!!

 ノリと勢いとウリクルラーニングで投稿してしまいましたが、なんというか勢いだけの作品なので少し不安。

 今日も激エロな動画を見て寝ます。

 あと、ハーメルンの色々な機能を使いこなしてる人達は凄いなりねぇ


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サイレンススズカに遭遇

【天界・競走馬日本支部】

 

「……クリークの奴、どうにも外界を気にしているようだな」

 

 オグリキャップが無限人参を噛じりながら最近こちらにやってきたスーパークリークのことを眺めている。その隣に同じく芦毛のタマモクロスが静かにやってくる。

 

「なんや、最後に種付けした子供がG1荒らし回ってるらしいで」

「それはすごいな……最後の一粒種というやつか……?」

「クリークの子供は結構悲しい成績やったからな!」

「タマ……それは私にも効く……」

「ワイもや……」

 

 芦毛の二頭は天界の澄み切った大空を仰ぐ。

 そこにもう一頭芦毛の馬がやってくる。

 

「俺にも無限人参くれよ」

「マックかいな、おまえもこっち側やろ」

「なんだよ……俺は孫がヤバイ活躍してるからいいんだよ……」

「おまえなぁ……ワイ達はサンデーの血の入ってないG1馬の話しをしとるんや!」

 

 タマモクロスが顔を揺らして呑気に散歩している青鹿毛の一頭に視線を向けさせる。

 

『お父さん、ダートの走り方教えて』

『4つの足を動かす。それだけ』

『もっと詳しく教えてよ! 砂の僕とか言われてる子がいるから怖いんだよ!!』

 

「いや、アレは性格はブサイクだけど根は良い奴だから」

「ホンマにおまんら……」

 

 オグリキャップが静かに外界を覗いているスーパークリークの隣に立つ。

 

「おお、これは凄いな……これだけの逃げをして……」

「オグリか……ああ、俺の最後の息子だ……」

「ん? まて、この子はアレのような性格ではないようだが……」

 

 父親と戯れているサイレンススズカを見る。

 

「いや、この子は差される恐怖感を楽しんでいるみたいだ」

「それは……凄いな……」

「俺もそう思う」

 

 外界で先輩競走馬をヒイヒイ言わせている息子を神妙な表情で眺めるスーパークリーク。

 

「あ? なんだお前達が外界を見るなんて珍しいな……おお、こいつもオレの孫か?」

「いや、俺の息子だ。この品のある顔を見ればわかるだろ」

「喧嘩売ってんのかゴラ!? ダート行こうぜ」

「クリーク、代わりに遊んでくる」

「ま、まてよ!? ちょっとまてよ!! オグリは反則だろうが!!」

「ありがとうオグリ」

 

 オグリに連れて行かれるサンデーサイレンス、明日はどっちだ?

 お父さんを奪われて退屈になったサイレンススズカがスーパークリークの隣に立つ。

 

「……凄い逃げ」

「ああ、うちの息子は逃げ専なんだ」

「……会いたい」

「ん? どうしたんだスズカくん」

「いや、凄く汚い逃げ方してるから……スマートファルコンくんにも逃げの美学を教えに行ったら威嚇されて……」

 

 実は逃げ馬の元に現れては助言して帰っていく逃げマイスターのサイレンススズカは気の抜けた逃げをしているイッテンコウセイの逃げに説教をしたいらしい。

 

「ふむ、なら私と同じようにレース中に助言してやればいい。凄く喜ぶぞ」

「次のレースはどこなんですか?」

「宝塚記念らしい」

「……マジすか? そういえば屋根は誰なんですか、これだけ勝ってるならタケちゃんなんですかね」

「いや、二年目の新人らしい」

「えぇ……普通ならタケちゃん乗ってるでしょ……」

「相性いいみたいだからな、無理やり変える必要もないだろ。タケちゃんすっごく乗りたがってるが」

「これで一度も乗れなかった渡米しそう(笑)」

 

 

 

 

【人生オンライン(サラブレッド・スタート)】

 

 続きだぜ!

 あれ? なんか挨拶の前に物語が展開されてるような気がするけど気にしないぜ!

 そういえば今日はジャニ系調教師、厩務員さんがソワソワしててなんだがオレまで不安になってくるぜ!!

 

「あ! タケさんはじめまして!!」

「いやいや、そんな改まった挨拶はいらないよ」

「いえ! レジェンドのタケさんを無視なんてできませんよ!!」

 

 うーん、誰だろうこのおじさん? 全然ジャニ系じゃないし、本当に人が良さそうなおじさんって感じ……もしかしてオレみたいな超淫乱競走馬は気性難に認定されてるから調教師さん厩務員さんにプラスしてお世話係も必要なのかな(笑)

 それにしてもオレに向けてくる視線が熱いぜ! オレ、この人に何かしちゃったのかな? もしかして良血をガン掘りし過ぎて馬券とかいうの外しまくっちゃったのかな? やっぱりオレって罪づくりなりねぇ。

 

「宝塚記念はこのイッテンコウセイ号に乗せてもらいますからね」

「え!? コウセイは気性が穏やかで福山くんとも折り合いがついていますし……」

「直談判したんですよ、クリークの最後の産駒……クリークは僕の恩師のような存在ですから」

 

 

 ウッソだろおまえ!? え、オレの大好きなジャニ系を通り越して福○雅治系イケメンの騎手さんの代わりにこのおじさんを乗せないといけないのかよ(涙)

 オレ、イケメンに囲まれて淫乱になっていく競走馬なのにそりゃねーぜ!!

 でも、オレって馬だから人間に意見とかできないし……あーあ、やっぱりオレってば人間のペットでしかないんだなってネムネムの顔で白け気味。

 

「ああ、クリークそっくりだ……」

 

 おじさんがオレのことをナデナデしてくれてるけど、お父さんの名前を連呼してるってことはお父さんと知り合いなのかな? 調教師、厩務員さん達に比べると倍くらい大人だからお父さんに乗ったことがあるのかなぁ?

 

 

 そんなこんなで調教開始、でも、今日乗ってるのはみんながタケさんって呼んでるおじさんだ!

 うーん、なんなりね? 背中に乗せても重さを全然感じないっていうのかなぁー? 乗るのが上手いって言うのかなー?

 

「ああ! イクッ!?」

 

 今日も今日とて先輩競走馬が絶頂しながら後退、次の先輩が補充される。

 でもね、徹底的にオレを、徹底的にいつもの走りさせてくれない。

 別に追い抜こうとしてるわけじゃないのに口の棒を少しだけ引かれてスピードを落とすように指示される。

 なんなんだよー(涙)

 オレって超淫乱競走馬だから幼い時に併せ馬の練習でスピード落とす必要がない距離感掴んでるから何もしなくていいなりねぇ……。

 

「レジェンドの走りが見れるから来てみたけど……」

「ああ、凄く走りにくそうだ」

「コウセイはグリーンライトだから屋根はタイミングだけ指示すればいいのに」

「福山くんはムチのタイミングが絶妙ですからね……大丈夫かな……」

 

 オレはいつもより早いタイミングで人参スタミナが尽きてダウン。

 背中に乗せて思ったけどこのタケっておじさんはSじゃなくてハードSだぜ! だってさ、オレのことを無理やり疲れる走り方で走らせてくるし、「本番は先行策で行くからな」なんてオレの逃げを否定してくる。

 やられたぜ! このおじさんはただのおじさんじゃなくてお父さんと同じ走り方を強要してくるプロ級マニアだ!

 どうすりゃいいんだよー! 次のレースは年上の競走馬がいっぱい出てくるし、超淫乱競走馬の正しい使い方してくれねぇと一番になれねぇよ!!

 本当におじさん……いや! ハードS紳士を背中に乗せて勝てるのかよぉ!!

 

 

「コウセイは無敗を維持できるよな?」

 

 ウッス!

 こんな感じで安請け合いしてるけど、ハードS紳士の騎乗で勝てるかどうかわからないなりねぇ。

 そんな感じでやけ食いしようと思ったら現れたのはあの福○雅治系の超イケメン騎手さん!?

 

「コウセイ……すまない、俺に実績がないから……」

 

 ああ、騎手さん……オレのデカマラが騎手さんに反応して膨張してしまう! オレと一緒にいっぱい良血をガン掘りしてきた相棒は片手に真っ赤なリンゴを握っている。

 

「コウセイ……タケさんは日本最強の騎手だ……」

 

 騎手さんがリンゴを差し出してくれるが、それを拒絶する。

 これを食べちゃったら騎手さんが永遠にオレの背中に乗ってくれないから!? なんてことはなくて、隣に牝馬さんがいるから独り占めできないんだよぉ!!

 

「はは! こんな時もレディーファースト発動だな」

 

 ウッス! 自分はなんでも牝馬優先っす!!

 

「福山さん!! 不味いことが起こりました!?」

「え? どうしたんですか」

「コウセイが宝塚記念の次にジャパンダートダービーに出走しないといけなくなりました!?」

「ダートダービーって……コウセイはクラシック路線の真っ最中ですよ!? この時期にダートを走らせるなんて……」

「そ、それで……タケさんは他の馬に乗るので……」

 

 マジかよ!? オレと騎手さんのタック復活のチャンス? やったぜ!!

 騎手さんの会話を聞くとオレの所有者のニ○ニコ本社が競馬のことチャランポランだから交流重視賞競争に出す中央の馬の候補が足りないと言われてオレを出しますって宣言しちゃったらしい! でも、これが幸いしたぜ!

 オレは芝でしか走ったことがないから砂で走って一番になったら騎手さんの評価が鰻登りだ!!

 宝塚記念も気は抜かないけど、ダートダービーはもっと気を抜かないぜ!!

 

 

【宝塚記念】

 

 ハードS紳士の激ヤバトレーニグをどうにか耐えきってやってきた宝塚記念。

 パドックで競争相手のガタイをガタイでチェック! 今日は先輩も混じったレース、オレよりテクを磨いた相手だ! でも、異常に気づく……。

 同い年が居ないぜ!?

 いつも同い年と走ってきたのに今日は皐月賞、ダービーでガタライズした馬がいない!? やべーよ、オレ同い年としか走ったことねぇぜ!!

 

「あら、カワイイ子が来てるじゃない」

「う、ウッス!」

「わたしはブエナビスタ、君は?」

「ウッス! 自分はイッテンコウセイって言います!!」

 

 やっべー! 超美人な黒鹿毛のお姉さんが優しくオレのことを見てくる!?

 すっごいムチムチでプリンプリンなガタイから濃厚な牝馬フェロモンが漂ってくる。やべーよ!? オレ、牝馬とのレースなんてはじめてだ!!

 隣の馬房の牝馬さんもすげー綺麗だけど、このお姉さんもスゲー綺麗で激エロ! オレの心を乱してくるとか超S(セクシー)だよな!

 

「なんだ? クラシック走ってる糞餓鬼が来てるのか……」

「う、うっす」

「先輩だぞゴラ! もっと敬意はらえ!!」

「ウッス!」

 

 やべーよ! 気性難のジャニ系栗毛くんによく似たガタイの破壊神みたいな先輩まで!?

 オレ、こんなレースどうすりゃいいんだよー!?

 でも、その時だった!

 

「ジャーニーくん、この子はクラシック路線からの挑戦者だ。古馬が集まりやすいこのレースに挑んでくる勇気は素晴らしいものじゃないか」

「チッ、ボスしてるからって優等生しやがって……」

「君、見ない顔だね? 美浦の方から来たのかな」

「ウッス! 自分イッテンコウセイって言います!!」

「元気なのはいいことだ。自分はトーセンジョーダン、レースの世界では上下関係はない。自分の実力を発揮するんだよ」

「ウッス! ありがとうございます」

 

 やべーよ!? こんな超カッコイイジャニ系競走馬さんが栗東にはいるのかよ!! ズリーゼ!!

 でも、トーセンジョーダンさんの言葉で気分が楽になった。

 

「君、ダービーに勝ったって本当かい? 実は僕もダービーに勝っているんだ。後輩だね」

「ウッス!」

 

 黒鹿毛のジャニ系お兄さん競走馬がニカッと笑ってダービーのことを話してくる。

 

 

 

 やっぱり凄いなぁ、お兄さんやお姉さん達が集まるこのレースは奥深い。

 先輩達の話を聞いていたらいつの間にかゲートイン、このゲートの薄暗さはいいな! でも、先輩達は声一つあげないで静かに開くのを待っているのをガタイで分析、やっぱり同い年の競走馬は子供だぜ! あ、それだとオレも子供になっちゃうね(笑)

 集中力を限界まで高めて静かにその時を待つ――開いた! と、同時に少しだけ口の棒を引かれて減速してしまう!?

 

「今日は先行策だって言っただろ」

 

 ハードS紳士は怒りに震えた口調で言葉のピンタをしてくる!?

 なんなんだよー!?

 スタートは早かったけど、他のロケットスタート勢に比べたら出遅れ気味に感じられる。そのまま先頭の景色を見せてもらえず馬群に呑まれないギリギリのラインで走らされる。

 ――その時だった。

 

『逃げの美学を忘れたのかい!?』

 

 そこに居たのは栗毛ジャニ系の逃げ馬だった!?

 

『タケちゃん!? 僕と一緒に走った時を忘れたのか!!』

「貴方は誰ですか?」

『そんなことはいい!! 早く先頭に立つんだ!!』

「う、ウッス!」

 

 栗毛ジャニ系逃げ馬さんの言葉を聞いて先頭に立つために足の回転を上げる。するとハードS紳士は口の中の棒を引っ張ってどうにか押さえつけようとしてくる!

 でも! オレの戦いはずっと逃げだった!! オレは良血が必死にオレのケツマンを掘ろうとする姿に絶頂するプロ級マニアなんだよぉ!!

 プツンと頭の中の糸が切れたのかオレは福○雅治系イケメン騎手さんとの思い出が走馬灯、そしてあの美しい戦いの記憶の中で本来の自分、その走りをする……筈だった……。

 

「駄目だ! おまえもスズカみたいになってしまう!?」

『タケちゃん!?』

「僕はもう……名馬を失いたくない……!」

『タケちゃん! そんなことをしても無意味だよ!!』

 

 流石に呼吸するのも難しいくらい棒を引っ張られてスピードがダウン……。

 お父さん、

 お母さん、

 お爺ちゃん、

 オレ……どうしたらいい……?

 オレの闘志は消えかけていた。

 でも、オレの走馬灯に現れたのはあの――お父さん。

 

『なに? コウセイ、騎手が気持ちよく走らせてくれない。逆に考えるんだ――知るかボケ!! って考えるんだ』

 

 オレは呼吸のことなんて忘れて徹底的にオレを、徹底的にいじめて加速する。

 そして後方からやってくるのはあの超セクシーなお姉さん! いいぜ!! こんなハードS紳士の指示なんて聞いてたらオレ壊れちゃうぜ!!

 

「届いて!! 届けー!!」

「俺が勝つんだ!!!」

 

 後ろから声が聞こえるけどそれでも走る。そして意識が戻った時には大量の水シャワーで冷却されていた。

 その後も酸欠で死にそうな体を気絶寸前で動かしていたから写真撮影されたのか、されてないのかわかんねぇ……。

 でも、次のダートダービーで勝てばこのハードS紳士から開放される。

 続くぜ!

 

【次回予告】

 

 ハードS紳士の騎乗は本当に地獄みだいだったぜ! でも、今オレの背中に乗ってくれるのは「あの」騎手さん!

 ダートの走り方はお母さんから教わってるぜ! それに今回は怖い先輩はいない。

 いいぜ! オレは超淫乱競走馬、淫乱だからどんな場所でも戦えるぜ!!

 次回【超淫乱競走馬の宅急便】




 なんだろう、次回予告が本編な気がするぜ!

【この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。】


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超淫乱競走馬の宅急便

 続きだぜ!

 ハードS紳士の騎乗をどうにか耐え抜いたオレ、そんなオレだけど次のレースもG1だ!?

 お母さんわぁ、砂のレースはお父さんが走っていたようなレースないんだよって言ってたけど嘘じゃん! それにダービーって名前がついてる時点でG1だってガタイで分析。

 お母さんって数え切れないくらいレースに出てるのにオッチョコチョイなりねぇ。

 

「コウセイはスマートファルコンを超えられるよな?」

 

 ウッス!

 ってか、スマートファルコンって誰だよ? でも、スマートでファルコンなんて激エロな名前をしてるからオレみたいな超淫乱競走馬なのかな(笑)

 それにしてもダートの走り心地はいいな! なんというかヌルヌルしてるというか、力を入れたら逆に遅くなるみたいな感覚だ。だから滑らない絶妙な力加減で走ると芝と同じくらいのスピードが出て快感だぜ!!

 お気にの騎手さんが乗ってくれるから気分は超淫乱♪ あのハードS紳士を二度と背中に乗せない為に絶対に勝ちたいなりねぇ。

 

「……これ、レースに出たらレコード出る数字ですよ」

「……コウセイの本当の実力を知ってたらアメリカ三冠狙ってたな」

 

 調教師と厩務員さんがアメリカ? とかいう謎の言葉を使ってる。アメリカってなんだろう? 新しいトレーニングかな! クラシック調教だけじゃオレを気持ち良くできないって理解してくれたのかな♪ アメリカ調教はどんな感じかな? 砂多めかな? クラシック調教+アメリカ調教なんてしちゃったらさぁ!

 

 ――掘られまくり痙攣しまくり白目剥いて吠えまくり。

 

 やっぱり、調教って生かさず殺さずが一番なりねぇ!

 

「あれ? 今日は先輩じゃなくて後輩くんじゃん!? どうしたの」

「どうも……」

 

 ジャニ系後輩競走馬くんが気だるそうに併走のトレーニング相手をしてくれるみたいだ!

 オレ、この辺りの競走馬くん達に物凄く嫌われてるからトレーニング相手に選ばれるのが嫌だったのかなぁ? それに先輩じゃなくて後輩くんだから本気出したらどうなるかわかんねーぜ!

 

「期待の新馬くんはコウセイに気負ってるな」

「やっぱりG1馬の風格ってのがわかるのかな」

 

 はじめての後輩くんとの併走! テンションアゲアゲで後輩くんをエスコート、でも、後輩くんはネムネムの顔で白け気味……。

 それでも後輩くんの成長も考えて全力で相手してるのに……。

 

「ああ、疲れたからやめますわ」

「はぁ!?」

「だって、G1勝ってる先輩に勝てるわけないじゃないですか」

「なに言ってんだよ!? オレを超える気で練習しないとG1なんて勝てねぇぞ!!」

「いいんす、自分はそれなりで……」

 

 怠けている後輩くんにオレの淫乱さがかき消されハードSが出てくる。

 

「――調教はさぁ……ご褒美なんだよ!!」

「ひっ!?」

「後輩、オレと30分間併走できるな?」

「無理です! 死んじゃいます!!」

「はいって言え」

「はい」

 

 後輩くんを威嚇して無理矢理足を動かすように指示する。

 すると後輩くんはさっきの気の抜けた雰囲気じゃなくて、ハードS紳士を乗せてる時のオレみたいな雰囲気だ! やっぱり本気で走るのが一番気持ちいいぜ!!

 でも、オレがハッスルし過ぎたのが不味かった。

 

「コ゜ッ!」

 

 後輩くんが、

 

 ――掘られまくり痙攣しまくり白目剥いて吠えまくり。

 

 オレのことが怖くなったのか必死に調教師さんの元に行って「許してください、少し休ませてください、それも駄目なら大先輩を連れてきてください!」なんて涙目で懇願。根性がねぇーな!

 早く調教を再開しようと後輩くんに詰め寄るが、騎手さんから待てがかかる。

 

「コウセイもレース間隔短いんだから今日はここまでにしよう」

 

 マジかよ!? オレの調教欲を挫くなよなぁ!!

 後輩くんは涙目で許してください、コウセイさんを馬鹿にしてごめんなさいなんて懺悔してくる。

 

「次は40分間併走できるな?」

「無理です! もっと無理です!!」

「はいって言わないとウンコ食わせるぞ!」

「はい」

 

 そんなこんなでオレにも後輩くんという名のペットが出来たんだよねぇ♡

 もう生ぬるい調教できないね♪

 この子が重賞勝つまで徹底的に、後輩くんを徹底的に調教しなきゃね♫

 絶対に逃さないなりねぇ

 

 

 そんなこんなで競馬場に向かう為の馬運車にゲートイン!

 オレ、ゲートも得意だし馬運車も得意なんだよねぇ、だってさ! 馬運車ってスゲー狭くて薄暗くて揺れてて気持ちいいじゃん! まるでマッサージされてるみたいなりねぇ。

 あ、そういえばオレのペットは本当に期待されてるみたいなんだよね! バイアリーターク系とかいう凄く珍しいお馬さんがご先祖様にいて、その牡馬系統が消滅の危機みたい! でもね、オレが調教するには子孫を絶やすことなんてさせねーよ! いいぜ!! オレが全力で拷問調教してやるぜ!!

 

 

 

【ジャパンダートダービー】

 

 おおすげぇ、いつもの競馬場は簡素に感じるくらい大井競馬場は施設がいっぱいだぜ!

 

「まるでテーマパークに来たみたいだぜぇ、テンション上がるなぁ!」

 

 はじめての場所でルンルン気分でパドック入り、でも対戦相手のガタイをガタイで分析するのを忘れない! 超淫乱競走馬わぁ絶対に油断しないなりねぇ。

 

「君! 今テーマパークって言ったね!! 中央競馬がそんなに偉いんですか!?」

「うおぉっす!? なんなりねぇ」

「僕はアムロ! 君みたいな奴は僕のビームライフル走法で倒してやる!!」

 

 栗毛のジャニ系競走馬くんわぁ凄く泥臭い感じで敵意剥き出しだ! いいぜ!! オレだって超淫乱競走馬!! 油断なんて絶対にしねぇぜ!!

 

「なんで重賞には中央の競走馬が多く来る!? これでは地方競馬が寒くなって観客が来なくなる! 地方競馬に不人気の冬が来るぞ!!」

「確かにオレも中央だけどさぁ、レースだからしょうがないじゃん!」

「中央が地方に罰を与えるなどと!」

「それ、本当に超淫乱競走馬のオレには関係ないなりねぇ、アムロくん」

 

「エゴだよそれは!」

 

「ウッス、ごめんなさい」

 

 なんなんだよぉ(涙)

 地方競馬で走ってる競走馬さん達は敵意むき出しだ……オレ、ノリノリだったのにやる気ダウンなりねぇ……。

 

「貴方、中央G1をいっぱい取ってるのにダートレースにまで足を運んでるのね。凄いわ」

「う、うっす」

 

 栗毛の超S(セクシー)な牝馬さんが妖艶な笑みを見せてくる! やっべー!? オレのデカマラが反応しそうだぜ!!

 こんな状態で逃げられるのかよぉ(哀)

 

「お母さん……地方競馬は凄いぜ……」

「お母さん? 君のお母さんは地方を走ってたの」

「ウッス! 自分のお母さんはハルウララって言いまッス!!」

 

「「「「「ハルウララ様! ハルウララ様の息子様!?」」」」」

 

 お母さんの名前を出した瞬間に地方から来た競走馬さん達は先輩やお母さんに聞いた本物のレジェンド!? だとか、人間のエゴをすべて一身に受けて地方競馬を生き返らせた女神! だとか、お母さんの息子ってだけで地方から来てくれた競走馬達は優しい言葉でこれまでのレースを聞いてくる。

 

 

 

 質問攻めにあって対戦相手のガタライズができなかったなり……。

 

「どうしたコウセイ? 今日はテンション低いな」

 

 騎手さんが首を撫でてくれてテンションMAX! 今日は砂のレースだけど絶対に負けねぇぜ!!

 調教ではダート結構走ってるけど、本番ってなると少し緊張しちゃうぜ! でも、オレの体にはお母さんの血液が入ってるんだぜ!! ダートだって頑張って走るぜ!!

 

「コウセイ、このレースはコーナーが二個あるから最初のコーナーでゴールなんて思うなよ」

 

 マジかよ!? あ、よく見るとゲートのすぐ近くにゴールの場所がある。じゃあ、お尻の方のコーナーを抜けた先がゴールなりね!

 自分の無知を恥ずかしがりながら待つ、ただ待つ、そしてゲートが開く!!

 

「アムロ! 行きまーす!!」

 

「うおーっす!?」

 

 ロケットスタートこそ成功したんだけど、アムロくんの発進に少しだけ動揺。

 でも、オレは両親の血を受け継ぐ超淫乱競走馬! 激エロで観客を魅了する存在!!

 

「超淫乱競走馬の宅急便だぜ!!」

 

 そのまま大逃げの姿勢を崩さないでレースを進める。後ろを見ちゃいけないぜ!! オレはお母さんが負けた分だけ勝利を重ねるんだ!!

 そのままコーナーに突入、滑る感覚を上手なステップで回避し、次の直線!!

 この直線もガンガン逃げて次のコーナー!

 さあ、後ろが仕掛けてくるタイミングだ! 二段加速だぜ!!

 騎手さんからのムチでオレの末脚スイッチがON! 行くぜー!!

 そして、ゴール!!

 後方をチラリと見たら……大差だった……。

 ……続くぜ!

 

【次回予告】

 

 お母さんの馬主さんわぁ虐待おばさんだったよ!

 オレのお父さんになる予定だったのはディープキスとかスタンコールドという競走馬、でもね?

 その二頭は種付けにお金がいっぱいかかって、虐待おばさんは募金活動をしたんだよね。

 で、なんとなんと3000万も集まったんだ!

 そしたら、そのお金を全部溶かして……お母さんはお母さんになれない寸前だったんだ……。

 でも、その時現れたのわぁお父さんの馬主さん!?

 

「どうせ捨てるつもりだろ! 捨てるなら拾わせろ!?」

 

 こうしてオレが生まれたんだ。

 

 次回【虐待オーナー】




 新機能使ってみたっす! 結構簡単に使えてビックリ!?


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虐待オーナー

 その日、その男は夢を見ていた。

 春の心地のよい風が吹く河川敷、街路樹の桜の木が満開の花弁を風に流している風景。

 風で花が揺れ、雫のように静かに花弁が落ちる。だが、それは落下するのではなく、妖艶に揺れながら風に流されて川に着水していく。

 

 ――刹那、吹き飛ばされると言わんばかりの風、

 

 聞き慣れた馬が奏でる足音、後ろを振り返るとそこには自分の愛馬が歩いてくる。

 いや、愛馬だけじゃない? 隣にはとても小柄な牝馬と愛馬によく似た幼駒、三頭……いや、彼らは我が子とはぐれないように遅いんじゃない、優しい足取りで歩いている。

 彼はこの光景を絶対に忘れてはならないと決めた。

 

 クリーク、それは小川、最終的には大海に到達する。

 

 春の桜並木、桜の花が舞い踊るこの光景はまさしく春うらら。

 

 幼駒が私のことを横目に親に連れられていく。

 

 ――刹那、また風、

 

『下剋上かイッテンコウセイ! 両親の文句は俺に言え!! 圧倒的大差で!! 今、今ゴールです!!』

 

 新馬戦だろうか? クリークに比べると小さい牡馬が芝の舞台で多くの良血を跳ね除けて圧倒的大差で勝利を飾る。

 ――ありえない。

 そう思った。だが、彼の父親も最初はそうだった。

 長距離を絶対に勝つために生まれたスーパークリーク、だが、その子供達は彼を超えられなかった。

 高速ステイヤー

 小さな声で彼の父親の別名を呟く。

 

 ――光が点滅し、次の舞台へ、

 

イッテンコウセイ! その攻勢は止まない!! 誰も追いつかない!! また大差か!? 両親を笑う存在を許せないのか!? その足はゴールに向かって進撃を続ける!! イッテンコウセイ!! イッテンコウセイだ!! 二歳チャンピオンはイッテンコウセイで決まりだ!!』

 

 これは朝日杯だろうか? 高速ステイヤーの息子がマイルの朝日杯で大差勝ちをしている。

 両目から流れ出す雫、静かにそれを拭う。

 もし、これが現実ならどんなに素晴らしいか。自分の理想、それの息子がサンデーサイレンスという征夷大将軍のような種牡馬、それの子孫達を喰らう姿、それは攘夷志士……!

 ブラッドスポーツ(血統競技)を鼻で笑うその姿、まさしく――ブラッドイーター(良血喰らい)!!

 夢でいい! もっとこの子を見たい!! この子はどこまで歩みを進めるんだ!!

 

 ――吸い込まれるような感覚、

 

『各馬綺麗なスタート! 一番人気イッテンコウセイ大逃げの体制に入るか!? いや、大外枠が影響したか先頭に立つことができません!?』

 

 これは……ダービー? まさかクリークの子はダービーにも!?

 だが、この状況は不味い! 逃げどころか先行策もできない!! 他の馬もハイペースでレースを進めている……馬群に飲み込まれてしまう……!

 流石にダービーまで勝てるわけがない。欲張り過ぎだ。

 

イッテンコウセイが馬群の後方に付けた!? 大逃げとは真逆の追い込みの姿勢でレースを進めます!!』

 

 ――ッ!?

 そう、自分は諦めている。

 東京優駿という舞台で勝利を飾ることは競馬関係者(ホースマン)の夢、だからこそ実力だとか、運だとかと決めつけられる。

 でも、クリークの息子は一切諦めていない! だからこそ、だからこそ! だからこそ!! 運だとか、実力だとか、血統なんてものを捨てて――戦える!

 

『最終コーナー!! 鞍上福山誰よりも早く鞭がとぶ! イッテンコウセイ溜まりに溜まった末脚を爆発!! 後方にはオルフェーヴル!! 最後はこの二頭の争いだ!! 他馬を置物のようにごぼう抜き!! イッテンコウセイか!? オルフェーヴルか!? 残り200m!! イッテンコウセイだ!! イッテンコウセイまだ伸びる!! オルフェーヴル届きません!! イッテンコウセイ!! イッテンコウセイ一馬身差で躱しました!! 無敗の二冠馬ここに誕生!! イッテンコウセイ、見事に一番人気に答えました。親の文句は俺に言え、そして冠も置いていけ! 堂々たる姿はまさしく王道を征く!!』

 

 そうか、自分は諦めていたんだ。

 自分の愛馬は父親として成功できないと決めつけていたんだ。

 だからこそ、自分は可能性という大切な物から目を背けた。目を背け続けた!

 だからこそ、だからこそ! だからこそ!!

 

 ――神様がこの光景を見せてくれるんだ!

 

 後ろを振り向くと幼駒誕生の瞬間、とても小さい牝馬が苦しそうに我が子を産み落とそうと必死に、そして気高く――美しい。

 

「ウララ! ウララ頑張れ!!」

「おまえの子供は絶対に勝つ!! だから頑張れ!!」

「おまえを馬鹿にしてた奴らを見返す本物の名馬になる!! だから頑張れ!!」

 

 うらら? そうか、この子の母親はハルウララなのか!

 強い子を送り出せなかったスーパークリーク、

 一度の勝利もできなかったハルウララ、

 その子が日本競馬を……いや! 世界の競馬すら凌駕する!!

 

「生まれました! うらら……頑張ったな……」

 

 親の文句は俺に言え、本当に素晴らしい言葉だ。

 強い両親を持つ馬が最強とは限らない、されど、強い両親から生まれた子供は結果を残す。

 じゃあ、弱い親から生まれた子供はどうだ? そんなの関係ねぇ!! 強い馬はどんな生まれだろうと強いんだよ!!

 

 

 

【とある事務所】

 

「うーん、ハルウララ引退しちゃったわねぇ」

 

 ブランド物の服で武装するオバサンと呼べる女性、彼女は自分が所有している競走馬ハルウララの引退を無表情で呟いた。

 グッズ収益、現役続行の賄賂、ハルウララの出走手当、そのすべてを握りしめていた彼女は落胆のため息を吐き出す。

 最近はハルウララを繁殖牝馬入りさせるという触れ込みで募金活動をしていたが、その善意のお金をすべて散財して繁殖牝馬入りどころではない。

 彼女は思っていた、百数十回負けているハルウララの子供なんて誰も見たくないだろうと、確かにハルウララの子供が出てくれば地方競馬でまたお金が入ってくるかもしれないが、流行種牡馬は種付け料がムダに高い。ハルウララに強い馬を当てるつもりは微塵もないのだ。最初に戻るようにお金を稼げないハルウララにお金をかける気にもならない。

 

「ミィーちゃ~ん やっぱり殺処分するの?」

「うーん、最近は動物セラピーとかいう訳分かんないことが流行ってるからそこに預けようかしら? 前よりは少なくなるけど収入になるし」

「そりゃいいね! ハルウララは死ぬまで俺達の金づるだぜ」

 

 彼女の愛人が情熱的な接吻を何度も繰り返す。

 ホスト風の愛人は競馬のことなんて全然知らない、やっているギャンブルはパチンコだけ、競馬なんて偶に出てくる競馬系のパチンコで得た知識だけだ。

 ハルウララという競走馬になんの愛着もない。逆に負け続けてる存在は恥晒しとしか思わないのだ。

 

「オーナー……キクラという方が面会を所望しています……」

「今忙しいの! 帰ってもらって!!」

「そ、それが……このようなものを……」

 

 秘書が持ってきた分厚い茶封筒を見た瞬間に彼女の目の色が変わる。

 通してお茶の用意をしなさいと高圧的に指示し、お金を持ってきた面談相手に興味津々だ。

 ビシッとスーツを着込んだ紳士が事務所の扉を開けて一礼してから入室する。

 

「で、今日はどんな依頼で? ウララのグッズを販売したいのかしら!」

「ハルウララを買いたい。その茶封筒を除いて……前金で300万、引き渡し後に700万の合計一千万で譲ってもらいたい」

 

 オーナーは苦虫を噛み締めたような表情をするが、それを必死に隠してにこやかな表情に戻す。眼前にある封筒は非常に魅力的だ。だが、この男からはまだまだ金の香りが漂っている。

 あんな人気以外は取り柄のない駄馬に興味がある酔狂な人間、できる限り強請るに限る!

 

「うーん、流石にグッズ収益などもありますし、今後の事業も考えていますから」

「そうですか……なら、これでどうでしょう……?」

 

 男は静かに茶封筒を二つ追加する。

 募金で集めた金額の半分に近い数字、だが! まだ彼女はゴネる!!

 

「いえいえ、ハルウララは私の大切な愛馬ですから……」

「……それは心の奥底から言っていますか?」

「ええ! もちろんですよ!! あの子には本当に勇気づけられましたから!!」

 

 男は嘘をつくなという目を右手で隠して溜息を吐き出す。

 彼はどうしても夢の続きを見たい。

 スーパークリークとハルウララの息子が中央競馬を震撼させるあの夢を!

 

「いいでしょう、引き渡しの時の金額は一千万でどうでしょうか?」

 

 彼女の心がグラリと揺れる。募金で巻き上げた金額の半分! 確かに動物セラピーで収入はあるかもしれないが、一千五百万という数字を稼げるかどうかわからない。

 ――手の打ちどころ。

 

「じゃ、じゃあ! ハルウララグッズの権利はすべてうちで預からせてくれるなら大丈夫ですよ!」

「いいですよ、自分はハルウララを繁殖牝馬として魅力的だと思っていますから」

「交渉成立ですね!」

 

 男は事前に制作してきた契約書をテーブルに置き、その中のハルウララグッズは元のオーナーにすべて委託、収益もそちらの物だという契約書を取り出して互いにサインと判子を押した。

 契約が完了し、彼女は握手を求めてくる。男は嫌そうな顔を隠して握手に応じた。

 その後は事務所の空気に吐き気がしてそそくさと退室。

 秘書以外の全員が満面の笑みを浮かべていた。

 

「アハハ! あんな駄馬のどこがいいのかしら!? 本当に馬主って馬より低能ね!!」

「ミーちゃん! 凄い大金が手に入ったね!! グッズの権利もこっちのもの! 今日は美味しいの食べに行こうよ!!」

「いいわね! 秘書!! 銀座のお寿司屋さんを予約しなさい!」

「は、はい……」

 

 ハルウララはまた売られた。

 だが、生まれくる息子は絶対に彼女を裏切りはしない。

 

「どうせ捨てるつもりなら拾わせろよ! ふっかけてきやがって……」

 

 

 

【とある牧場】

 

「クリーク元気だったか?」

 

 あれ、馬主さんが来るなんて珍しいな……どうしたんだろ……?

 それにしても、やっぱり当て馬の仕事って辛いよ……眼の前で発情した牝馬が他の馬に跨がられる姿を間近で見ないといけないんだよ? 俺に発情してくれた牝馬がさぁ、他の牡馬に取られてるみたいで気分悪いよ。

 

「今日はおよm……お友達が隣にやってくるんだ……!」

 

 お友達? 正直、俺も年取ったからお友達って言われてもなぁ……。

 お友達とか言いながら、オグリやイナリみたいな変な奴連れてきそうで怖いなぁ……。

 正直、喧嘩とかしたら負けちゃいそうだし……。

 

「競馬場じゃないの? どうせまた走るのかと思ったけど」

「――ッ!?」

「ん? 隣は牡馬なの……ッ!?」

 

【回想】

 これは大昔の話だ。

 当時、競馬先進国であった大英帝国、そして競馬後進国であったイタリア。

 その時代のイタリア人馬主が英国人馬主に所有している馬を酷評され、嘲笑われた。そして誓ったのだ。自分はイギリス競馬に通用する競走馬を生み出して見せる!

 だが、彼の挑戦は波乱万丈だ。イギリスに拠点を移した彼だが、イギリス人達はイタリアから来た彼を嘲笑の対象にし、出るレースは殆どが大敗。

 諦めかけた。

 だが、その時に一頭の牝馬が誕生する。

 その牝馬はイギリスの重賞を荒らし周り、馬主の悲願が達成される!

 だが、その牝馬は極度の牡馬嫌い。辛うじて種付けが出来たとしても産駒は牝馬の成績を超えることはできない、それどころか最初の頃に戻ったかのような大敗を続ける。

 そして、牝馬も子を生むにはギリギリの年齢になっていた。

 馬主は諦めた気持ちでその牝馬を種牡馬の見本市に連れ出した。

 歴戦の名優達が紹介される中で一頭だけ場違いとも呼べる種牡馬が展示されていた。

 ――牝馬はその種牡馬にしか興味を示さない。まるで前世での最愛の夫を見つけたかのように彼女は愛しそうにその種牡馬を見る。そして、その種牡馬もまた、彼女を待ち続けたという表情で見つめ合う。

 馬主は運命の存在を信じた。

 二頭の子供はイギリス競馬を荒らし回り、そして伝説になった。

 ……次は全部逆かもしれない?

 

 

 

 種付けシーズン、当て馬の仕事を何度かこなしたけどさ、ウララさんはもう誰かに種付けされたのかな? でも、見ない方が精神的には楽だな……。

 

「ま、また会ったわね!」

「え!? ウララさん! ああ……そうなんだね……」

 

 ああ、ウララさんの種付けまで見ないといけないのか……。

 もう嫌だ! こんなにウララさんが好きなのに!!

 誰だよ! ウララさんを抱くのわ!? 地獄か天国かわからないけどそこに来た時には絶対にいじめてやる!!

 

「クリーク、おまえは種付け上手いんだから一発で決めろよ」

 

 え?

 他の種牡馬がやってくることはない、ウララさんの相手は俺!?

 動揺して少しガクガクしてしまう。

 

「あの、えっと……わたし、結構おばさんだけど……」

「う、うん」

「初めてだから優しくね……♡」

 

 その時、俺ははじめて思った。

 自分は世界で一番幸せだって……。

 

 ♡ウマぴょいウマぴょい♡

 

 

 

【数年後・決断の時】

 

「オーナー、どうしてニコニコ動画にウラクリ(幼名)を譲るんですか?」

「いや、私の予想だと……あの子はとんでもない名馬になる……」

「それだったら尚更手元に……」

「いや、このSSが台頭する時代にウラクリが活躍してしまったら、多分、〇〇が黙っていない。だからこそ、〇〇のことなんて名前しか聞いたことないような場所で育ててもらった方がいい」

「……そんなもんなんですかね?」

「昔の競馬業界はよかった。そんな頭が固い老人には、ウラクリはもったいない。ウラクリは若い世代の人間が『平成三強』を思い出してくれるだけでいい……名前しか聞いたことのない名馬の息子……」

「サンデーサイレンスがなんぼのもんじゃい! ってことですね」

「ふふっ、面白いだろ?」

「ええ、でも、ウラクリの兄弟が出ないのは悔しいですね」

「ああ、ウララの小さな体では母体に負荷がかかる。それに産後の消耗が激しくて、次の出産に耐えられるかどうかもわからない。ハルウララも名馬だ、それを人間のエゴで潰してしまってはいけない」

 

 

 

【次回予告】

 

 やっぱり夏は熱いなぁ、なんて思いながら後輩くんを拷問調教! 先輩の言う事を聞ける良い子にはもっと気持ちいい調教(処刑)をしてあげないとね♡

 そんな感じで後輩くんを育ててたら涼しくなっちゃったぜ!? 走りやすくて調教が捗るなりねぇ♪

 そして決まった菊花賞! なんか、これが無敗の三冠とかいうのの最後のレースみたいだ!

 え!? お父さんはこのレースに勝ってるの!?

 やべーぜ! お父さんが走ったレースに出れるなんてマジ狂い!! お父さんの息子なんだから絶対に勝たないといけないぜ! 親子で同じレースに勝つなんて「エロいぜ! 強いぜ! カッコイイぜ!」。

 でも、今回の気性難の栗毛ジャニ系競走馬くんは本気の本気だ! それに、他の競走馬達も徹底的に、オレの無敗の三冠を徹底的に邪魔するつもりだ!?

 ――その時、オレの隣に現れたのはあの『平成三強+タマモクロス』だ!?

 

 次回【平成三強は奥深い】




 回想の部分は何かの動画で見た記憶がある多分実話です! 実話じゃなかったらごめんなさい……。

 もしかしたら次回は日刊できないかもしれません! 許してください!! なんでもしますから!! (投稿スピード以外)


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レジェンド(平成三強)は奥深い。(本格レース開始)

 続きだぜ!

 夏の超S(シャイン)な日差しが少しだけM(マイルド)になった季節! オレは今日も今日とて後輩くんを拷問調教! 体力がついてきた後輩くんは人参二十本以上三十本以下? のスタミナをつけてマジ狂い! 後輩くんのお父さんもヤベー活躍してるんだから当たり前だよね♪

 

「コウセイさんの拷問調教に慣れてきました!!」

「コウセイさんだとぉ!? ふざけんじゃねぇよ!! コウセイ様だろぉ!!」

「はい! コウセイ様!!」

「ジュージューになるまでやるからな今日は!」

 

 こんな感じでトップとボトムの関係を叩き込んであげている。オレってばMだからSみたいに他馬を蹴落とすことなんてできねぇよ! だから徹底的に、後輩くんに徹底的にオレの技術を叩き込んでいく!!

 これで次の無敗の三冠馬は決まりだな、なんてガタイで分析。

 

「あ! 先輩に見てもらいたいのあるんですよ!!」

「ん? なんなりねぇ」

「はい! これ、お父さんがレース前にやってたステップなんですけど」

 

 うおーっす!? すげー、足の関節がヌルヌルで舌みたいに波打ちながらステップ! オレもやってみようと思ったけど足の関節が固くてできないなりねぇ……悔しいぜ!

 でも、このステップを見せたら背中の上の騎手さんが大口を開けて驚いてる? ステップしている後輩くんに乗ってる塩顔系イケメン騎手さんも歴史の観測者みたいなホワホワな顔で達観気味。

 

「……星野くん? これってテイオーステップってやつじゃないか」

「……そう、みたいですね」

「最初の新馬戦は初レースで気負ってたみたいだけど、次の未勝利戦は差し切ったからね」

「お父さんのように無敗で突っ走るのはもう無理ですけど、シャイニングレオ号はイッテンコウセイ号のおかげで調教に真面目になったし、前より走るのが好きになったみたいです」

 

 後輩くんが見せたステップに騎手さん達が感銘を受けてムラムラジェラシー! あーあ、オレってば無敗の二冠馬なのに珍しいステップを見せられただけで感心を失われるなんて、やっぱり騎手さん達はオレのことは生かさず殺さずのペットとしか見てくれないんだなってネムネムの顔で白け気味。

 なんだよ!? これじゃぁトップとボトムの関係が入れ替わったみたいじゃないか! オレがトップでレオがボトム!! それなのにこの場所ではレオがトップでオレがボトムみたいじゃないかよぉ(涙)

 これは一からトップとボトムの関係を叩き込むしかないなりねぇ……。

 

「レオ、オレと一時間併走できるな?」

「無理です! 死んでしまいます!!」

「無理かどうかわからないだろ! じゃあ、その無理さは競走馬に例えるとどれくらいだ?」

「コウセイ様です!」

 

 うーん、後輩のレオに褒められて少しだけ淫乱になる。

 あれ? でもさ、オレってば一時間くらい併走しても全然大丈夫なりねぇ……。

 できるじゃん!?

 

「それだったらできるだろうが!? もっと他の競走馬を言えよ!!」

「お父さんのトウカイテイオーくらいです!」

「いいねぇ、おまえいいねぇ! あ? でも、レオのお父さんって戦績どのくらいだ?」

「無敗の二冠馬です!」

「じゃあできるじゃねぇか!? オレと一緒じゃん! 漫才やってんじゃねーんだぞ!!」

「すみません!」

 

 徹底的にレオを、徹底的に拷問調教して、

 

 ――掘られまくり痙攣しまくり白目剥いて吠えまくり。

 

 にしてやろうと思ったら騎手さんから待てが出る。

 マジかよ!? オレのハードSの心を挫くなよな!

 いいぜ! 確かにレオは超淫乱競走馬の才能があるけどさ、オレはそれの二十倍以上三十倍以下? の才能があるから絶対に、レオにだけは絶対に戦績じゃ負けねぇぜ!! 無敗の三冠馬を通り越して無敗の四冠を目指してやるぜ!! (現在G1五勝、実質無敗の五冠馬)

 

 

 

【天界・競走馬日本支部】

 

「また息子が馬鹿やってるよ……」

 

 外界にいる自分の息子を白い目で見つめるスーパークリーク、だが、その表情は温かいものだ。

 自分の息子がサンデーサイレンスの孫達を打ち負かす姿は本当に爽快感がある。平成三強すべてが強い子孫を残せなかったことを考えるに自分だけが優秀な息子を持つという優越感。

 

「おお、ここが外界観測場所か……ストロベリーサンデーの奴に七冠馬(笑)とか言われてキレちまったよ……」

「あ、シンボリルドルフさん」

 

 本当に数日前くらいに天界にやってきた三冠馬シンボリルドルフがクリークの隣に立つ。

 競走馬の完成形とも言える美しい馬体は他の追随を許さない。

 

「ん? ああ、ハイパーブリーチか……ワシの孫とか知らないか……?」

「クリークです。ルドルフさんの息子さんならここにいますよ」

 

 『自主規制』中のトウカイテイオーの姿が映し出される。

 シンボリルドルフは神妙な顔で息子が『自主規制』している姿を眺める。

 

「……綺麗な一本『自主規制』してるな、あと十年は生きるな」

「ルドルフさんも長生きでしたからね」

「トウハイテイオーの息子はいねぇのか? 去勢されてねぇだろ、ハイパークリーク」

「トウカイテイオーとスーパークリークです。自分がよく見てるお孫さんなら……息子と遊んでるこの子ですね……」

 

 イッテンコウセイと併走している後輩シャイニングレオが映し出される。

 

『レオ! もっと足の回転を上げろ!! そんなんじゃ相手を差せねぇーぞ!!』

『はひぃ! これ以上は足がもげちゃうよぉ!!」

『なんだってテメェはそう調教に対して根性がねえんだ?』

『コウセイ様が異常なんですぅぅぅ!!』

『あったまきた……(冷静) おまえには死んでもらいます』

『体中が痙攣するくらい痛いです!』

『生きてる証拠だよ』

 

 ルドルフは大笑いしてアブに刺された時のように天界のフカフカ芝生を駆け回る。

 その時、クリークは調教嫌いの血筋を調教する自分の息子に涙していた。ライスシャワーに聞いたトウカイテイオーはとにかく調教嫌い、ワガママな王子様で自分が世界最強だと思っているナルシスト。最初の頃のレオは父親によく似た性格(才能は並)だったが、コウセイのおかげで父親と同じ水準に達している。

 

「にしても、おまえの息子はおもしれぇ! 競走馬が競走馬を調教してるなんてなぁスーパーブリーチ」

「スーパークリークです。ええ、自慢の息子ですから」

「おまえもワシも強いのは一匹だけ、結構親近感あるな!」

「ルドルフさんが最初の一発、自分が最後の一発ですけどね」

 

 互いに語り合い、有馬記念と同じ芝2500mで勝負しようかと談笑しているところに黒い影、

 

「オレは息子も孫もスゲー活躍してるぜ? 一匹しか強いの出せないとかプークスクス(笑)」

 

 シンボリルドルフの頭のネジが弾け飛び、その瞬間にはサンデーサイレンスの命は消えていた……。

 シンボリルドルフ『競走馬の間ではライオンと称される伝説のボス馬』それに気性難ってだけのサンデーサイレンスが勝てるわけがない。

 ピクピクと痙攣して動かなくなったサンデーサイレンスに追い打ちしようとギンメで詰め寄るシンボリルドルフ、

 ――そこに現れたのは「あの」メジロマックイーン!

 

「すいません! ルドルフ様には絶対に失礼がないように言い聞かせていたのですが!? メジロの誇りにかけて全力でサンデーはメジロしますからミンチだけは勘弁してください!!」

「何だ? 黒い奴の次は白い奴かよ、って、おまえメジロの生まれか? 懐かしい名前だなぁ」

「はい! どうか、本当にミンチだけは勘弁してください!! 自分もオグリさんが無限人参食べてるところに割り込んでミンチにされましたから!? で、ミンチになると再生まで三日かかるので……」

「チッ……じゃあ、オレとクリークの芝2500mに付き合えよ。ここは全盛期の体だからな! どれだけスピードが出るか楽しみだ」

 

 芝2500mと聞いて天界の名馬達がシンボリルドルフの元にやってくる。

 

「有名なルドルフさんが走るなら僕も走りたい!!」黒い刺客:ライスシャワー参戦!

「ルドルフとは三冠馬対決をしたいと思ってたんだ」ターフの演出家:ミスターシービー参戦!

「あの……えっと……! 僕もはしりましゅ!!」シャドーロールの怪物:ナリタブライアン参戦!

「有馬、久しぶりに胸が高鳴る」芦毛の怪物:オグリキャップ参戦!

「ワイもおるで! オグリと走るのはぎょうさんあるけどこんだけおるなら楽しみや!」白い稲妻:タマモクロス参戦!

「逃げ馬がいないようだねーセイちゃんが一肌脱ぎますかー」トリックスター:セイウンスカイ参戦!

「セイちゃんが出るなら俺も出るぜ!」怪鳥:エルコンドルパサー参戦!

「なら、全力で相手をさせてもらいます」ターフの名優:メジロマックイーン参戦!

「ふぉふぉふぉ、まだまだ現役じゃよ」スーパーカー:マルゼンスキー参戦!

 

「「「「俺も俺も!!」」」」 歴代の名馬達参戦!

 

 ルドルフは鼻で笑って有馬記念スタジオに全員を引き連れる。

 

「馬ってのは速い自分が好きなんだなー」

 

 

 

【菊花賞】

 

 なんか緊張するなぁ、なんて思いながらパドックにイン! すると他の競走馬達がオレのことをギンメで睨んでくる!? やべーよ! みんな親の仇みたいに目がイッちゃってる!?

 あ、でも……よくよく考えたらここにいる殆どの競走馬、それのお爺ちゃんはストロベリーサンデーとかいう馬だ! オレってみんなから見たら爺ちゃんの敵じゃん!?

 前まではまるで「オレを見ないのがエチケット」なのかな? オレが激エロのモロ超淫乱競走馬だからかな♪ みたいな感じで目をそらしてたのに今日は真逆だ!

 なんなんだよぉ!? みんなハードS紳士みたいにバリバリの気迫をぶつけてくるし、一頭にはハードS紳士が乗ってるし、ガタイの分析機能がシャットダウンしちゃったぜ!?

 恐怖から出てくる走馬灯、その中では沢山のレースが繰り広げられて……。

 

「殆どのレースにハードS紳士がいるじゃん!?」

 

 新馬戦の記憶以外にハードS紳士がいるぜ!? ハードS紳士って何者なんだよぉ(涙)

 気負ってるオレの首を撫でて落ち着かせてくれる騎手さん! ああ、淫乱になるぅ~♡

 やっぱりオレの背中にはジャニ系を超えて福○雅治系イケメンの騎手さんが一番なりねぇ♪

 どうにかガタライズ機能を復旧させようと深呼吸を繰り返すと見知った顔が声をかけてきた。

 

「よぉ、コウセイ。夏場は大変だったみたいだな」

「ウッス! オルフェーヴルくん久しぶりッス!」

「今日こそは勝つ! って言いたいところだが……今日の奴らは異質だな……」

「うん、自分も思ってるっす……」

 

 オルフェーヴルくんと会話してる間にも他の競走馬は目がイッちゃってる!? オルフェーヴルくんもこの状況に異質さを感じてギン目でオレ以外を睨んでいる。効果はないみたいだ。

 ようやくガタライズ機能が回復し、この異質な状況をガタイで分析。

 

『どうして先行策なんだろう? いつもは差しなのに……』

『逃げなんてしたことないよぉ……』

『騎手さんどうして僕が先行なの? 僕は鋭い末脚があるから絶対に届くよ!!』

『距離が長いのにどうしてハイペースを狙わないといけないの……?』

 

 オレの淫乱イアーが周囲の競走馬達の弱音を察知! そうか、これはオレのせいだなとガタイで分析。確かにオレはダービー以外は基本的に大逃げでレースをしてたから差しや追い込みで届く奴が少ないぜ……。

 オルフェーヴルくんの末脚はオレと同じくらい、だからいつも通りの指示で走るんだろうな。でも、他の競走馬は違う、オレの大逃げに対応できないんだ! だから、少しでも届く可能性のある慣れない戦法を出してきた……。

 

「コウセイ? 今日はおまえらしくねぇな、いつもは飄々と他の馬を見てるのに」

「ウッス、今日の雰囲気は自分のせいっす……」

「はぁ? 確かにおまえの大逃げはレースをぶっ壊すが、それはやっちゃいけねぇことじゃねぇ! 競走馬が……いや! 人間が勝手に俺達の戦法をイジってるだけだ!!」

「う、ウッス!」

「だから、絶対に自分を曲げるなよ。大逃げじゃなくてもいい、オレは本気のおまえと戦いたいんだ! だから、生温い走りしたら走り終わった後に蹴り入れるぞ!?」

「ウッス!」

 

 オルフェーヴルくんに勇気という強力なパワーを貰って超淫乱競走馬【イッテンコウセイ】完全復活!

 そして、オレは少し勘違いをしてたんだ……。

 

 オレゎ ハードS紳士ゎ嫌いだけど レースゎ好き みんな正々堂々戦おうね!

 

 でも、それはオレ達みたいな競走馬の話だ……。

 競走馬は人間が決めたことしかできない。大好きなデカ人参だって、淫乱になる騎手さんのナデナデだって、自由気ままな一人旅だって、全部人間が許してくれないとできないことじゃん!

 だから、オレとオルフェーヴルくんだけしかこのレースで自由に走れない。だからみんなオレのことをギン目で睨んでくるなりねぇ……。

 いつの間にかパドックグルグルが終了し、ゲートに向かうトンネルに足を踏み入れていた。

 オレ、無敗の三冠馬になれるのかな? もう、ならなくてもいいかな……お父さんが勝ったレースだから、勝ちたいと思ってたけど……。

 ――その時だった。

 

『クリークの息子は根性なしやな! ていやんでい!! 大舞台に立つならシャキッとせい!!』

『そうだぞ、コウセイの為にこの時間昼寝してもらうよう、イナリに連絡したんだからな』

『これがクリークの息子か、良い面構えをしている』

『ワイ達の世代、そのガキが三冠に王手かいな! これで勝ったらサンデー煽ったろ!!』

 

 お父さんが三頭の競走馬を連れてやってきた!?

 さっき妙に眩しかったのはオグリキャップだな、この衝動はイナリワンだな、この力強さはタマモクロスだなとガタイで分析。

 こ、これがお父さんが戦っていた。しのぎを削っていたライバル!? スゲーぜ!!

 歴戦のレジェンド達はオレの消えかけていた闘志に火炎放射器で火を灯すどころか焦土にするレベルで燃やし尽くしてくる! ポルシェ並のレジェンドだぜ!?

 

『私から行こう……絶対に勝て……』

 

 ドクンドクン!

 

 いつもとは違う心臓の鼓動にマジ狂い! まるでレースで絶対に勝つためだけに心臓が動いてるみたいだ!?

 

『ていやんでい! クリークの息子だから出血大サービスでい!!』

 

 シャン! シャン!

 

 なんだこれ? いつもの走り方じゃなくてまるでジャンプするような走り方が脳みそとガタイを跳ね回る! スゲー、これだったらもっと凄いスピードが出せるぜ!!

 

『まあ、ワイは平成三強やないんやけど、応援してるで?』

 

 ゴーッッッ! ゴーッッッ!

 

 体中から力が溢れてくる!? まるで最終直線で稲妻のようにゴールする追い込み馬! パワーがすげー上がったぜ!!

 

『コウセイ、私はお前のことをずっと息子だと思っていた。だが、今日は違う……私は、おまえを一頭の競走馬として尊敬している。父親を超える競走馬は少ない、だからこそ、私は――おまえを愛している』

 

 サーッサーッ

 

 体の疲れ、力み、乱れが全部綺麗さっぱりなくなったぜ!? これならどんな距離だって駆け抜けられるぜ!!

 

『コウセイ、おまえは私達より遥か遠くの世界に行く! ここで負けちゃいけない』

「ウッス! お父さん」

『コウセイ、だから……先行で走れ……! これが父親として言える最大で最小のアドバイスだ』

「ウッス! お父さんの期待を絶対に裏切らないっす!!」

 

 瞬きをした瞬間には四頭の競走馬は消えていた。

 ……――勝つ理由ができたぜ!! 今日だけじゃない、明日も! 明後日も!! 二十年以上三十年以下? それだけの時間勝つ理由が出来たぜ!!

 ウッス! オレは超淫乱競走馬【イッテンコウセイ】!! 絶対に期待を裏切らない競走馬だぜ!!

 

 

 

 

『各馬ゲートイン、一番人気はクラシック三冠に王手のイッテンコウセイ、二番人気はオルフェーヴル、クラシック三冠最後の大勝負どんなレースが繰り広げられるか』

 

 心の中から大量の炎が焔が業火が燃え上がる! これが生まれて初めて絶対に勝ちたいと思ったレース!! 絶対に負けられないぜ!!

 ――ゲートが開く機械音、オレは勢いよく飛び出した! レジェンドパワーだぜ!!

 

『各馬綺麗なスタート! 一番人気イッテンコウセイ大逃げの体制に入るか? いや、イッテンコウセイペースを落とします。今回は先行策でレースを進めるようです。後ろから逃げ馬達が追い上げてきます』

 

 お父さん、レジェンドのみんなの力を貰ったからわかるぜ! このレースは大逃げなんてしたらいけない。大逃げは確かにオレの戦い方に合ってるぜ! でも、今日、この日に限っては大逃げなんてしたら絶対に――奴が上がってくる!

 

「ふっ、コウセイの奴……ここにいる競走馬全部がG1級だってのに……

 

 ――俺のことしか考えてねぇな!

 

 流石だよ、おまえはやっぱり流石だ! だからこそ!! 俺がおまえを倒す理由になる!!」

 

 騎手さんが出来る限り体重が乗らないように、オレが走りやすいように騎乗してくれている! こんなに走りやすいのはハードS紳士以来だぜ!!

 

(コウセイ……おまえはやっぱり最高だよ……! 気迫を感じる、このレース絶対に勝ちたいって気持ちが、炎に包まれたような感覚!! 今、コウセイは燃え上がっている!! この世界で一番熱い競走馬だ!!)

 

『直線を抜けて最初のコーナー、各馬なめらかに足を進めます』

 

 オレ、頭空っぽの超淫乱競走馬だけどさ……後ろから感じる――殺気! わかる、オルフェーヴル! おまえはオレなんかよりずっと賢くて、そして直線じゃあ負けるかもしれないぜ!! だけど、お父さんから教えてもらった。アドバイスしてもらった!

 

『コウセイ、だから……【先行で走れ】……! これが父親として言える最大で最小のアドバイスだ』

 

『各馬第二コーナー、坂が影響したか順位が入れ替わります。イッテンコウセイ坂を物ともしない力強い走りです!』

 

 先行で走れ、理由? しらねーよそんなの。

 なんて言わないなりねぇ……。

 オレ、多分大逃げしてたら絶対にこの坂でスタミナをガッツリ持っていかれてた! だから、前を走る逃げ馬達のペース、それを徹底的に、逃げ馬のペースに徹底的に合わせる!!

 

「逃げはもう無理だ! うぅ……」

 

『コーナーを抜けて直線に入ります。順位は入れ替わって……イッテンコウセイが先頭に立ちました! このペースを維持できるか!? レースはややスローペースで進んでいます』

 

「へっ! 自分の走り方をさせねぇ人間ってのはひでー生き物だな……!」

 

 殺意が増してきたぜ! オルフェーヴル……狙ってるな……! いいぜ!! オレはおまえのことが大好きだ!!

 最初に出来たオレのライバル! おまえはオレ以上の――末脚プロ級マニアだぜ!!

 

 

 

「オーナー? イッテンコウセイ号が走ってますよ」

「いいんだ。見なくてもわかる」

「え?」

「目を閉じればクリークがいる。それが理由さ……」

 

 

 

『最終コーナーにさしかかり各馬のペースが上がります! ここでオルフェーヴルが抜け出した!! イッテンコウセイも突き放しにかかります!!』

 

 ウッス! 来たなオルフェーヴル!! おまえはオレを絶対に裏切らないし、オレもおまえを絶対に裏切らないぜ!! だからさ――おまえは「超」激エロだぜ!!

 

「コウセイ……! やっぱりおまえは最高だ!! こんなにレースが楽しいと思ったことはねぇ!!」

 

『最後の直線!! 先頭には二頭しかいない!! イッテンコウセイ苦しいか!? オルフェーヴル上がってくる!! イッテンコウセイ加速!! 最後はこの二強だ!!』

 

「コウセイ! おまえは世界一の名馬だ!! 走れ!!」

 

 騎手さんの力強い鞭でオレの限界を超えた末脚が爆発! ポルシェ並のエンジンだぜ!!

 もう、目の中にオルフェーヴルがやってきてる! でも、オレは絶対に負けたりしない!! オレが――

 

『残り200m! イッテンコウセイ! オルフェーヴル!! 二頭が並んだ!! イッテンコウセイか!? オルフェーヴルか!?』

 

「なあ、コウセイ……俺は強いか……?」

「ウッス! 俺が知ってる競走馬で一番激エロで、強くて、ライバルだぜ!!」

「ああ、俺もおまえのこと……激エロって部分以外そう思ってるよ……!」

 

 ――超ウルトラスーパーエクセレントジーニアスハイパーインパクト淫乱競走馬でお父さんとお母さんの息子だから!!

 

『大激戦のゴール前!! これは写真判定になりそうです!!』

 

 息も絶え絶えで速度を落としながらオルフェーヴルくんと併走する。

 もう、どっちが勝ったとか考える余裕もねーぜ!

 でも、不思議と笑えてくるなりねぇ……。

 

「あーあ、蹴り入れられねぇじゃねぇか! 本気で走りやがって」

「ウッス! 超淫乱競走馬は絶対に油断なんてしねぇーぜ!!」

 

 ――騎手さんが大きく腕を上げたのが見えた。

 

『イッテンコウセイ一着! 史上三頭目の無敗の三冠馬ここに誕生!! 歴史的瞬間に場内から歓声が上がっています!! 親の文句は俺に言え! 自分の両親は最高なんだ!! だから俺が三冠馬なんだ!! うぅ……!』

 

 オルフェーヴルくんはオレのことを見ないのがエチケットみたいな感じで静かに去っていく。

 

 ウッス! オレ、無敗の三冠馬になったっす!!

 

 

 

【次回予告】

 

『なんや、ホンマに無敗の三冠馬になってもうたなぁー』

『いや、おまえ達のおかげだよ』

『イナリは生きてるからな、イナリが次の三冠馬を出すかもしれないぞ?』

『なんや、オグリが寡黙じゃないとキショいなー』

『いいじゃないか、クリークの息子が快挙を見せれば私だって饒舌になる』

『まあ! もう殆どワイらの息子みたいなもんやな!!』

『ふふっ、嬉しいよ』

『じゃあ、ワイらも3000mで勝負するでー!!』

『いいだろう』

『望むところだ!』




 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想が俺の養分だぜ!


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メジロ牧場・ドーベル・放牧・お母さんとの再会

 続きだぜ!

 菊花賞を勝って無敗の三冠馬になったオレだけど毎日調教サボらないって偉いと思うよねぇ♪

 それにしても、オルフェーヴルくんの追い込みは凄かったなりねぇ……あの距離から並んで来るとか時代が違えば逆だったかもしれないぜ……!

 でも、絶対に負けられない理由、レジェンドとの約束は死ぬまで継続だ! だからもっと過酷な調教を希望してるのにレースみたいだ!! 菊花賞が終わった二日後には馬運車に詰め込まれてる!

 レオにイナリさんから教えてもらった大跳び走法を伝授してあげようと思ってたのにさぁ、唐突なレースにオレも困惑してるぜ!

 やっぱり、大逃げで菊花賞を勝てなかったからS入った馬主さんから長距離レースで大逃げしろとか言われたのかなぁ? でも、ガタイは全然のピンピンだから問題ないぜ! 次は菊花賞の倍の距離を走らされるかもね♪ その時は追い込み馬になるね☆

 なんて思ってたら馬運車から降ろされる。

 

「あらあら、この子がコウセイちゃん? お父さんより小柄ねぇ」

「だが、良い馬体をしている。こんな綺麗な足の馬は見たことがない。無敗の三冠馬になるべくしてなったと言うべきか」

 

 見たことのない老夫婦がにこやかにオレのことナデナデ、なんだろう? 凄く慣れた感じで激エロ! オレってジャニ系さん達にしか淫乱にされないのに……悔しい! でも淫乱になるぅ♡

 それにしても、久しぶりに牧場? に来た感じがするぜ! オレって全然実家に帰省しねぇからお母さんとも何年も会ってないし、本当に超淫乱競走馬は休める日がねーぜ!

 それにしても、オレが生まれ育った牧場とは違うな? なんというか雰囲気が気持ちいいっていうか、長年の努力みたいなのを感じて激エロ! ハメられたぜ! ここは淫乱になる牧場なんだな!?

 

「あら、新しい子が来たのね……でも、子供にしては大きいわね……」

 

 放牧から帰ってきたのか一頭の牝馬さんガガガガガ!

 信じられないくらいの超S(セクシー)過ぎる牝馬さんがオレのことを見てる!?

 やべーよ! こんな綺麗過ぎる牝馬さんははじめて見るぜ!!

 静まってくれぇぇぇ! オレのデカマラ!!

 そ、そうだ! こういう時はハードS紳士の顔を思い出すんだ……うぅ! 思い出したくないよぉ!?

 

「あの、えっと……自分イッテンコウセイって言います!」

「え!? あの有名な三冠馬のイッテンコウセイ! 凄いわ!」

「う、うっす……うっすです……」

「ふふっ、無敗の三冠馬がこんなに可愛い子なんて面白いわね」

 

 ――プッツン、

 

 ⚠デカマラ警報発令!⚠

 

 オレは押さえつけられていた理性がぶっ飛び射精寸前! どうにかこの牝馬さんに怪我だけはさせないよう馬運車の中に引っ込もうとしたけど、ジャニ系馬運車は走り去っていった……そりゃねーよ!!

 どうにかこの気持ちを押さえつけようとパドックみたいにグルグル! 冷静になってくれよぉ!!

 

「あらあら、ドーベルはコウセイちゃんまで魅了しちゃったの? 本当に美人さんなんだから」

「コウセイが可哀想だろう、ドーベルを連れていきなさい」

 

 ドーベルと言われている牝馬さんは「またね」とウインクして馬房に帰っていく。

 やべーよ! こんな気持ちはじめてだぜ!! オレって超淫乱競走馬だけど、その淫乱さはレースと調教の時だけだったのに……今は本当に超淫乱競走馬だぜ!! 牝馬さんにこんなにドキドキしたのははじめてだ!! それに今日に限ってはオレのデカマラが……。

 

 そそり立つぜバベルの塔!

 

 お、オレ! はじめて牝馬にデカマラ見られちゃったぜ!? うぅ……こんなんじゃお父さんの遺伝子を受け継ぐ種牡馬になれねーよ! あ、でも、乗馬になるのもいいなりねぇ♪

 時間帯が遅いから牧場の世話係さんに連れられて馬房にはいる。

 それにしても、知らない牧場に連れてこられたけど……なんのためなりねぇ……?

 あれ、そういえば先輩競走馬さんが言ってたな……何だったっけ……。

 

『コウセイ……ハアハア……おまえは本当に体力あり余ってるな!」

『うっす! ガタイと体力だけが取り柄ッス!!』

『でも、夏場は放牧に実家に帰るんだぞ? どんな競走馬でも夏場は調子を崩しやすい。俺なんて夏は人参すら口に入れられなかった時期がある』

『マジすか!? 夏ってチョーSっすね!』

『お、おう。でも、調子崩したら人間の前で調子悪いって顔と歩き方するんだぞ! 先輩命令だ!!』

『ウッス!』

 

 そうか、先輩競走馬さんの言ってた放牧ってこういうことなのか! でも、オレ調子崩して無いなりねぇ?

 うーん、やっぱり人間ってSだよな! 調教して欲しいのに調教してくれないなんて!! これが放置プレイってヤツ? 辛いぜ!

 まあ、でも、菊花賞ってのは距離長かったし他の競走馬なら疲れちゃうのかもね(笑)

 オレは超淫乱競走馬だから疲れないのかもね(笑)

 

「引き払う予定だったからな、本当にドーベル以外はいないんだよ」

 

 人間と馬の足音が聞こえるなりねぇ? よく見ると馬房もガバガバどころかスカスカで他の馬もあんまりいない……というかオレ一頭だぜ!? まあ、一人も気楽でいいなりね♪

 でも、馬の足音ってことはオレと同じ放牧されにきた競走馬さんかなぁ?

 

「あれ? コウセイくんじゃない」

「う、うっす……!」

 

 やべーよ! さっき会ったばかりのドーベルさん? が隣の馬房になっちゃったぜ!!

 オレ、美浦でも隣が牝馬さんだし大丈夫かなって思われたのかなぁー? でも! ドーベルさんは本当に牝馬フェロモンと大人の色気がムンムンでこれまで会った牝馬さんのどれよりもオレのデカマラが反応しちゃうぜ!? 助けてくれよぉ……。

 

「ふふっ、無敗の三冠馬がオドオドしちゃ駄目よ? 貴方は競走馬の憧れなんだから」

「う、うっす! 精進するっす!!」

「それにしても、前に無敗の三冠馬とか言ってた……ディープキスだったかしら? あの子は可愛らしくなかったわ。私がおばさんだったからかしら」

「い、いえ! ドーベルさんは凄く魅力的っす!!」

「ふふっ、お世辞が上手いのね。あ! 名前も覚えてくれたの? 嬉しいわ」

 

 なんというか、本当にS(セクシー)な牝馬さんだぜ! こんな牝馬さんを抱いてる歴代の競走馬さんって全部が無敗の三冠馬に感じるぜ! お父さんも無敗の三冠馬(推定)だし、美人な牝馬さんは無敗の三冠馬しか抱けないんだろうね♪

 あれ? でも、オレって無敗の三冠馬だから……将来ドーベルさんみたいな牝馬さんに囲まれるの!? 信じらんねーぜ!!

 

「ねえ、貴方はどんな走り方をしてるの? 私はずっと差しで走ってたから興味があるわ」

「うっす! 自分は大逃げと偶に先行と追い込みっす!!」

「え? 大逃げなんてスズカくんを思い出しちゃうわ……大逃げは怪我のリスクがあるから絶対に無理をしちゃ駄目よ?」

「うっす!」

 

 その後もドーベルさんの質問攻め! 眠った後もオレのデカマラが静まらなくてマジ狂い!! こんな放牧ありなのかよぉ!!

 

 

 

【放牧】

 

 うーん、寝れなかったなりぃ……。

 ドーベルさんが魅力的過ぎてマジ狂い! オレがただの競走馬になりそうだぜ……。

 でも、この放牧ってのはいいな! 何もしないでゆっくり芝をお散歩出来るし、久々の砂浴びも気持ちいいぜ! 厩務員さんのブラッシングも気持ちいいけど、砂浴びのゴリゴリした感覚もいいな!

 

「ッ!? 坊や!」

「ん? ……お母さん!!」

 

 お世話係さんに連れられているのは紛れもない「あの」お母さん!

 オレは最終直線の末脚と同じくらいのスピードでスパート! 数年ぶりに見るお母さんに突撃だぜ!!

 

「お母さん! お母さん……おかあさん……」

「坊や、大きくなって……お父さんそっくりね……」

「うん、僕大きくなったよ! いっぱいG1とったよ……」

「うん、お父さんの子供だから当たり前よ……でも、また顔を見れるなんて……」

「違うよお母さん! 僕、お母さんとお父さんの息子だからいっぱいG1勝てたんだよ……お母さんもお父さんと同じくらい大切だよ……」

 

 もっと話をしたいのにお母さんは他の場所に連れて行かれる! それを必死に追って最後には柵に邪魔された……。

 お母さんに会えたぜ! お母さん元気みたいでよかったぜ!!

 ウッス! 僕……オレ、元気になったぜ!! これで次のレースも勝てるぜ!!

 その後は感動と寝不足でダウンだ。

 

 

 

【次回予告】

 

 美浦に戻ってからはレオの調教開始だぜ! レオの柔らかい足ならイナリさんから教えてもらった大跳び走法が似合うと思って拷問調教! するとレオは今までより走りやすいって感動、そしてスピードも速いが態度もデカイ!?

 これはトップとボトムの関係を叩き込んだ方がいいなりねぇ……。

 なんて思ってたら有馬記念っていうレースへの出走が決まったんだよ! なんか、宝塚記念と同じで人気投票で選ばれる今年一年を締めくくる超プロ級マニアレースみたいだ!?

 いいぜ! 超淫乱競走馬は一年を無敗で駆け抜けてやるぜ!!

 でも、ロケットスタートしたと思ったら他の競走馬が序盤に鞭使われてオレの大逃げをブロック!? ウッソだろお前!! こんな包囲網突破できるのかよ!!

 

次回【馬群窒息プレイ】




 ウッス! 休ませてもらって体が羽のように軽いぜ!! 読者様ありがとナス!

 そして、センパイに聞いたんだけど作品を読まないで低評価してくる人もいるなりねぇ……正直したくなかったけど評価する時に5文字お願いするっす! あ、何もなかったら好きな「ナス料理」でいいですよ!

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!

 -追記-

 天界編は続けた方がいいですかね? 尺稼ぎだと思ってる人がいるかもしれないので()


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馬群窒息プレイ

 続きだぜ!

 放牧という調教よりS入ったシゴキに耐え抜いたオレは美浦に帰ってきたぜ! お母さんとも会えたし、ドーベルさんにもしも馬群に呑み込まれた時の対処法まで教えてもらってマジ狂い! でも、居心地はスゲーよかったけど、先輩競走馬さんが言ってたガタイを休めるタイミングでは無かったけどね(笑)

 

「コウセイ様! 帰って来たんですね!!」

「おお、レオ。今日から拷問調教再開だからなぁ! 覚悟しろよぉ!!」

「はい! 他の先輩の走りじゃ物足りなく感じてました!!」

「よーし! 今日はオレがレオに似合いそうな走り方を教えてやるからなぁー」

 

 こうしてレオとの久々の併走が始まる! イナリさんから教えてもらった大跳び走法はレオの柔らかい足を使えばもっとスゲースピードになるとガタイで分析! 菊花賞と同じように大跳びで併走してるとレオが驚愕の眼差しを向けてくるぜ!

 そして二セット目の併走に入る時には大跳び走法を完璧にマスターしてた!? マジかよ! スゲー吸収力だぜ!!

 

「レオ! 見ただけでマスターするなんてスゲーぜ!!」

「はい! 自分も地面を何度も蹴る走り方が苦手だったんですよ……でも! この走り方ならコウセイ様と一時間併走しても大丈夫な気がします!!」

「言ったなぁ? オレはそれ信じるからなぁ!」

 

 そんな感じで大跳び走法をマスターしたレオと併走を続けるんだけど、一回だけレオに抜かされちゃったぜ!? 確かにレオの柔らかい足だったらオレよりスゲースピードが出るからわからなくもないなりけど、先輩としての威厳が崩れたみたいでちょっとショック……。

 でも、先輩は後輩を成長させるのが仕事だぜ! 後輩の成長を見守るぜ!!

 なんて思ってたら……。

 

「あれ? コウセイさんってこんな遅かったんですね(笑)」

「は? 一回抜いただけ調子乗るんじゃねーよ! てか、コウセイ様だろぉ!?」

「ふっ! 俺はコウセイさんをイジメるタイミングを見計らってたんすよ! この走法ならコウセイさんを倒せる!! 今日から一応先輩だからコウセイさんって呼んであげますよ」

 

 こいつ! スピードも速いが態度もデカイ!? これはお仕置きが必要なりねぇ……。

 トップとボトムの関係を忘れた競走馬には実力を見せつけるのが一番だぜ! イナリさんごめんなさい、レオと走るなら元々の走り方の方が多分やりやすいから……。

 次の併走では大跳びを封印して普通の走り方で徹底的にレオを、レオの調子に乗った心を徹底的にへし折りにかかる!

 レオがここで抜いてやろうってタイミングでスピードを一段階上げて、次は二段階、そしてレオのスタミナが尽きてダウン!

 

「ハアハア……え? なんで……?」

「レオ……? 言いたいことある」

ごめんなじゃい……コウセイしゃま……

「オレと三時間併走できるか?」

「無理です! 壊れてしまいます!!」

「壊れていいぜ、壊れたいんだろぉ? 壊れろよ……」

 

 ナマ入った後輩を拷問するのは先輩の役目なりね♪

 もうオレのことバカに出来ないね♡

 自分の実力がどの程度か理解したね☆

 死ぬまであの言葉忘れないなりねぇ

 

 

 

【馬房】

 

 それにしても、美浦の馬房は快適だなぁ~隣にドーベルさんもいないし、ネムネムになったら自由に睡眠できるっていいよね!

 

「コウセイくん……おかえりなさい……」

「う、うっす! 牝馬さんただいまです!!」

「ふふっ、コウセイくんは元気ね? 私は少し辛いかな」

「ど、どうしたんですか?」

 

 牝馬さんがスゲー重々しい雰囲気で語ってくれた。牝馬さんはオレと違って戦績が悪いから今年で競走馬は引退、繁殖牝馬入りが決まったみたいだ……。

 オレと同い年なのに成績が悪いだけで走らせない人間って超Sだよな! でも、牝馬さんは健気に自分には競走馬としての才能が無いとか言ってウルウルの顔で悲しげだ……。

 オレに出来ることってあるか? オレ! 超淫乱競走馬だけど牝馬が悲しむ顔は大嫌いなんだよぉ!

 

「牝馬さん……! オレ! 次のレース牝馬さんに捧げるっす!! G1じゃないかもしれないけど……次のレースは牝馬さんの為に絶対に、絶対に! 一着になるっす!!」

「コウセイくん……」

「オレ! まだまだ走るし、これからもいっぱいレースに出るから!! ……だから、牝馬さんの分まで全力で走るっす!! そして次のレースはどんな不利な状況でも勝ってみせるッス!!」

「もう……信じちゃうんだからね……?」

「ウッス!」

 

 レジェンド達との約束に加えて牝馬さんとの約束も追加だ! オレっていつも安請け合いしてるけど、この二つは本気で死ぬまでの約束だぜ! 超淫乱競走馬は絶対に自分を曲げないぜ!!

 だから……絶対に負けない……!

 牝馬さんみたいな子を絶対に悲しませない……!

 オレが……無敗の三冠馬だから……!

 

 

 

【レース決定】

 

「コウセイの有馬記念出走が決まりました」

「ジャパンカップは流石に回避したが、有馬記念は別だ。一年最後の大レース……コウセイは無敗のまま一年を無敗で駆け抜ける」

「コウセイ……二年間無敗を達成できるか……?」

 

 ウッス!

 有馬記念……名前的に宝塚記念と同じように年上競走馬もやってくるプロ級マニアレースなんだろうな……いいぜ! 牝馬さんとの約束、それがG1じゃないなんてありえない! オレは超淫乱競走馬で無敗の三冠馬だ! どんなレースだって勝って見せるぜ!!

 

「コウセイから……炎が……?」

「何いってんだよ、確かに調子は良いみたいだが」

 

 メラメラと燃える超淫乱競走馬魂! ホンダ並のスピリットだぜ!!

 

 

 

【天界・日本競走馬支部】

 

 スーパークリークがいつものように息子の動向をチェック、次のレースは自分も経験がある有馬記念。日本中の強者と呼べる競走馬が一同に集まる一年を締めくくるG1。

 だが、東京優駿に菊花賞……どちらも黒い影が見え隠れしている……。

 

「クリークさんの息子さんはすごいですね! 二年間も無敗で突っ走るなんて」

「トップロードくんか……いやはや、自分の息子ながら早くも私を追い抜いていったよ……」

「でも、過去記録を見るに……オペちゃんみたいな感じですね……」

「それが不安なんだ。君はオペラオーと切磋琢磨した間柄だからな、この有馬記念はどう予想する?」

 

 ナリタトップロードが静かに考えて、明るい性格とは思えない冷たい言葉で、

 

「確実に囲い込んで来ますね……競走馬は悔しいだけで済みますけど、人間は……」

「ああ、それはわかっている。それでも、息子は貫けるか」

「オペちゃんだったら貫きますよ? 自分見てましたから!」

「なら、息子も貫くかもしれないな……」

 

 アドマイヤベガに呼ばれたトップロードが会釈をして静かに外界観測場所から去っていく。

 貫く末脚、抜け出す度胸、不利な状況をねじ伏せる根性……息子にはどれ一つ欠けていない……。

 最後に一番前を走ってる奴が一着、そんなのレースに一度出ればわかることさ……!

 

「クリークどうした? ぽんぽんいたいんけ……暗い顔してるで……」

「いや、息子の次のレースが決まったんだ。有馬、俺達が競ったレースだ」

「すまないが、三頭で出た有馬は……おまえ? 失格になってなかったか……」

「グフッ!?」

 

 吐血せんばかりの咳き込みで黒歴史を忘却の彼方に追いやっていく……。

 実はスーパークリーク有馬記念で、

 

「その次の年は……イナリに敗れていたな……」

「ゴハッ!?」

「そうなんか? ワイはもっと走れたんやけど、馬主がワイのガキを見たいってしょうがなかったんや」

「うむ、正直……平成三強はイナリが一番ではないだろうか……?」

「ゴゲェ……」

 

 勝ったことが無いのだ。

 平成三強で一番強いのは、

 オグリキャップがイナリワン、

 イナリワンがオグリキャップ、

 スーパークリークが自分自身。

 なんとも聞こえ高レベル、見た目低レベルの戦いに見えた。

 

 

 

【有馬記念】

 

 冬の寒空を感じながらパドックにイン! 先輩達もいっぱい出てくる大レースだ!! 負けない理由、負けてはいけない理由が二つもあるオレに死角はねぇぜ!!

 なんて思ってたら、菊花賞みたいに競走馬達がギン目で目がイッちゃってる!? またかよ!

 でも、オレってば無敗の三冠馬だからしょうがないなりねぇ……。

 

「コウセイくん! 久しぶり……他の牝馬の香りがするわね……」

「ウッス! ブエナビスタ先輩久しぶりっす!!」

「ふーん? コウセイくんって牝馬に弱いんじゃなかったかしら」

「ちょ、ちょっとだけ……セクシーなお姉さんに色々と……」

 

 やっべー!? ブエナビスタ先輩の目もイッちゃってる! さっきまでは再会を喜んでた感じだったのに今はハードS紳士みたいだ!! そして今日もハードS紳士はにこやかに競走馬に乗っている!? 本当にハードS紳士って何者なんだよぉ(涙)

 今日も初手にガタライズ機能がシャットダウン! もうわけわかんねぇぜ!?

 

「コウセイくんじゃないか!? 久しぶりだね」

「トーセンジョーダン先輩! 久しぶりっす!!」

「無敗の三冠馬になるなんて凄いじゃないか! 憧れてしまうよ」

「い、いえ! 自分は本当に……運がいいというか……」

「オイゴラ? それは俺に対しての煽りか……」

「オルフェーヴルくん!? 今日は知り合いばっかりだぜ!」

「呑気なこって……」

 

 ガタライズ機能が復活するまで知り合いとゲラゲラと笑いながら上手な会話を繰り広げていく。

 それにしても、この有馬記念ってのはすげーな! なんというか、他のG1レースに比べて二倍以上三倍以下の観客が来ているみたいだ! やっぱり年末のゆったりした時期は競馬場に来るのかなぁ? なんてガタイで分析。

 

「コウセイくんは本当に凄いね、僕はダービーだけだからなぁ」

「エイシンフラッシュ先輩! 本当に知り合いばっかりだぜ!!」

「何いってんだよ? おまえが宝塚に出てるから知り合ってるだけだろが」

「オルフェーヴルくん今日は機嫌悪いなりねぇ……?」

「しらねーよ、そんなの」

 

 オルフェーヴルくんのプンプン加減に少しだけ違和感を感じながらガタライズ機能の復旧完了!

 さて、今日はどんなレースになるんだろうガタライズ!

 って? あれ……今日は他馬の弱音を察知できないなりねぇ……。

 でも、この雰囲気は異常だ! 多分だけど何か仕掛けて来る感じがするなりねぇ……。

 

「コウセイ……一つだけ忠告しておく……」

「う、ウッス!」

「……チャンスを逃すなよ」

「え?」

 

 オルフェーヴルくんがオレを見ないのがエチケットみたいに目も合わせてくれなくなった。

 チャンスを逃すな? よくわかんねぇぜ! オレ、頭空っぽの超淫乱競走馬だから全然意味を理解できないなりねぇ……。

 でも、オルフェーヴルくんが言ってるんだから意味がある筈だ! その意味を見つけ出してやるぜ!!

 

「コウセイくん? どうして私とは会話してくれないのかしら……」

「え、えっと! 自分は自分から話しかけるのが苦手で……」

「ふーん? どうせ、私より美人なお姉さんに会って感心失ったんじゃない」

「ち、違いますよ!」

「どうだか」

 

 やっべー!? ブエナビスタ先輩の目がさらにイッちゃってる! オレ、どうすりゃいいんだよー(涙)

 

 

 

【ゲート】

 

 そんなこんなのパンナコッタ(激ウマギャグ)でゲート入り!

 今日はお父さんやレジェンドのみんなは来てくれなかったけど、裏を返せばこのレースは全部オレの自由に戦っていいってことだ! いいぜ!! オルフェーヴルくんもいるけどさ、今日はいつも通りの大逃げでレースをガン掘りしてやるぜ!

 騎手さんも首をナデナデして淫乱な大逃げを期待してる! ああ……淫乱になるぅ♡

 おっとと、もう少しで全馬ゲートインだぜ!? ロケットスタートの準備をしねぇと……。

 

『一番人気は無敗の三冠馬イッテンコウセイ、二番人気は絶対女王ブエナビスタ、三番人気に驚異の末脚オルフェーヴル、どのようなレースが展開されるのか注目が集まります』

 

 全部入った! スタートスイッチON!!

 ――機械音と同時にロケットスタートだぜ!!

 

「「「「いった!? なんで今!!」」」」

 

『一番人気イッテンコウセイとてつもないスタート! これは得意の大逃げの体制に――いや、他馬の鞍上が鞭を使いスパート!? イッテンコウセイの前に立ちます!! イッテンコウセイ抜け出せない!?』

 

「やっぱりこう来たか……イッケの野郎が先行の練習させてたからまさかとは思ってたが……」

 

(ゲートは昔から苦手だと思ってたが……これだけわざとらしく出遅れれば嫌でも気づくな……)

 

 やべーよ!? こんな状況はじめてだ! こうなったらオルフェーヴルくんと同じ追い込みで仕掛けねぇと!!

 

「コウセイ……多分後ろはマークされてる……」

 

 マジかよ!? 騎手さんが言うように後ろにもベッタリネットリマークされてるぜ! これじゃあ、後方に付けるのも無理だ……。

 

『イッテンコウセイ苦しい! ジリジリと馬群の内側へ誘導されていきます』

 

 こんなレースありなのかよぉ!? 前も後ろも隣も信じられないくらいのブロックだ! オレ、こんな囲まれたレースやったことねぇよ! 息苦しくて窒息しそうだ……。

 

『最初のコーナーを各馬綺麗に回って最初の直線、先頭から――』

 

 コーナーで膨れたら抜け出そうと思ったけど……やっぱり先輩競走馬だから経験が違うぜ……!

 

「コウセイ……ここで焦ったらおまえの負けだ。その時はオレが攫っていってやる……でも、おまえが俺のライバルなら気付くはずだ!」

 

 息苦しい……酸欠で死にそう……。

 でも、ドーベルさんが言ってたな?

 

『コウセイくん、なんで競走馬の多くが差しで走るか知ってる?』

『知らないっす!』

『ふふっ、実は現役を引退してから気付いたんだけど、最後の最後に突っ込んだ方が気分がいいのよね』

『うーん、自分は差しで戦ったこと無いからわかんないっす!』

『でも、いつかは囲まれちゃうことがあるかもしれないわ』

『ウッス!』

『その時は最終直線まで我慢よ、だって差しで走るなら絶対に――勝てると思う子が抜け出すから』

 

 ……本当かどうかわからねぇけど! 我慢は得意だぜ!!

 

「コウセイくん……やっぱり貴方は素敵だわ……」

「これだけのマークをされながら目が死んでない……これが三冠馬ってやつか……」

「ダービーの後輩に驚かされるなんて先輩失格だな……」

「あーあ、こんな化け物と同じ世代とか不憫過ぎるだろうがよ……」

 

『第二コーナー各馬鮮やかなコーナリング、坂をものともしません』

 

 坂で抜け出すタイミングはあったけど、ここで仕掛けたら最後の直線でオルフェーヴルに持っていかれる! オレはドーベルさんの言ってたことを信じるぜ! それに……引退する牝馬さんに捧げるって約束したから……!

 体中から闘志という炎が燃え上がり、ガタイが灼熱の炎のようにヒート! オレ、超淫乱競走馬だから期待は絶対に裏切らないぜ!!

 

『直線に入りまして先頭から『――』最後に三番人気オルフェーヴル機会を伺っています。一番人気イッテンコウセイ苦しいか? まだ馬群に囲まれたままです』

 

 最後のコーナー……もし、オレをブロックしてる競走馬が勝ちたいと思わなかったらオレは負ける……。

 でも、オレはずっと戦ってきた。何度もG1で走った。だからわかるぜ! ここにいる競走馬全部が――G1を欲しがってる!!

 ガタイの中で燃え上がっていた闘志が溢れ出て体の外に放出される!

 

(コウセイ! ああ、この感じ懐かしく感じる……! 菊花賞でもそうだったよな! おまえは体中から闘志を燃やして信じられない熱量を放出していた!! 今日も熱くて火傷しそうだ……!)

 

コウセイ(ライバル)……期待を裏切るなよ……!」

 

『最終コーナーに入り各馬仕掛けに入ります! オルフェーヴル末脚を爆発!! ブエナビスタを筆頭に後方からもグングンとペースを上げていきます!! イッテンコウセイどうか!?』

 

 ああ、苦しい……苦しい……!

 我慢って体に毒って言うけど、これが差しで走る競走馬さん達の気持ちなのか……!

 オレ、諦めてないけどさ! 他が諦めたら……オレは……!

 

「かてる……僕勝てるかもしれない!? 僕勝てるよ!!」

 

 ――見えた!!

 勝利への架け橋! オレが駆け抜けるラインが!!

 

『最終直線! イッテン無理か!? イッテン来れないか! イッテン抜け出せないか!! いや――』

 

「「「「――ッ!?」」」」

 

 ――この瞬間を待っていたんだ!!

 

 一頭分のスペースが空いたぜ! 騎手さんも気がついて全力の鞭!! ポルシェ並のエンジンだぜ!!

 ガッと体中に力が戻り、ただゴールへと向かう超淫乱競走馬に返り咲きだぜ!!

 

『イッテン抜け出した! イッテン差し切るか!? ブエナビスタ、オルフェーブル、エイシンフラッシュと並ぶ!! イッテン来るか!? イッテンその末脚が他馬に襲いかかる!! イッテン来た! イッテン来た! イッテン来た!!』

 

「チッ、こんな奴と戦うなんて……自分の生まれを呪うぞ……ッ!」

「届かない……私じゃ無理なの……!」

「はは……これは凄いね……!」

 

 他の競走馬が何か言ってるような気がするけど全力で足を回すことで頭がいっぱいだ!

 オレ、いろんな競走馬さんと約束してるからさ……負けられないなりよ……!

 多分、オレが抜け出せないって思ってて、他の競走馬は油断してたんだよね……だからオレが抜け出して体が強張ってる……!

 忘れちゃいけないぜ! オレが――超淫乱競走馬でお父さんとお母さんの息子だって!!

 

『イッテン躱す! イッテンコウセイおよそ一馬身!! 一着はこの馬で決まりだ!!』

 

 ゴール板を駆け抜けたと同時に酸欠、体中がピクピク痙攣して疲労困憊だぜ……。

 でも、冬の寒空だから燃えるように熱いガタイが急速冷凍! 冬のレースは格別だぜ!!

 

『二年間の無敗! 親の文句は俺に言え! 諦めないその戦いに観客からは歓声の声が上がっています!!』

 

 呼吸を整えて静かに速度を落とす、騎手さんも涙目になりながらオレのことをナデナデ♡

 ウッス、やっぱり約束は守らないとね♪

 なんて思ってたらオルフェーヴルくんから睨まれたなり……。

 

「チッ……また本気で走りやがって? おまえ、俺に蹴られる気ねぇな」

「ウッス! オレ非暴力主義馬っす!!」

「はぁ……こんな奴に負けたとか、弟に馬鹿にされそうだ……」

 

 オルフェーヴルくんはいつものようにオレを見ないのがエチケットみたいな感じで去っていく。

 ブエナビスタ先輩はオレのことをチラチラ見ながら恥ずかしそうに去っていった。

 エイシンフラッシュ先輩はにこやかに去っていく。

 ウッス! やっぱり強い競走馬って激エロだぜ!!

 ……牝馬さん、オレ、このレース貴方に捧げます。オレにはこれくらいしか出来ないから!

 

【次回予告】

 

 二年間も無敗を続けるオレって凄いよねぇ(笑)

 なんて思っていたらオレは高松宮記念? とかいうレースに出ないといけないみたいだ! なんか、ナリタブライガーって競走馬さんが三冠の後に挑戦したらしいぜ! でもそのレースは短距離だ!? オレ、最近は長めの距離ばかり走ってるから不安だぜ! それに、その後は天皇賞(春)とかいう長距離レースに出場しなくちゃいけなくてマジ狂い! オレが頑丈だからって寒暖差激しいぜ!?

 でも、その高松宮記念ってところで不思議な牝馬さんに会ったんだ! 名前はカレンチャン!! なんかスゲー人間みたいな名前だよねぇ? あ、あと、ロードカルーアミルクとかいうのもいるぜ!

 それでも絶対に勝負を諦めないのが超淫乱競走馬! 距離適性1m~9315mまでのオレはオールラウンダーだぜ!!

 

 次回【カワイイの極み?】




 ウッス! カレンチャンとの接点を持たせたいから高松宮記念にGO! その後は天皇賞春をシードで走らせるぜ!! (ウィキ見てレーティングトップ5なら出れるって書いてた)

 正直、自分は競馬にわかなので間違ってたら次回予告を変えます! よろしければ競馬に強い兄貴教えてください!!

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけがオレの養分だぜ!

 あと、評価する時は「ナス料理」だぜ♪

 でも、毎日投稿頑張ってるオレって凄いよねぇw

-追記-

 ヤンデレのブエナビスタは自分の趣味です!


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イッテンコウセイのワイドショー

「はじまりました情報番組「ミンネ屋」今回のゲストは競馬界の方々に勢ぞろいしてもらいました」

 

 お昼に放送される情報バラエティーミンネ屋ではイッテンコウセイ号が全面的に取り上げられることになった。そして招集されたのは競馬界で非常に有名な面々、その表情は非常に冷たいとも表現できる。

 

「まずはじめに、西○牧場を経営しておりますニシノオーナー」

「よろしくお願いします」

 

 セイウンスカイ、ニシノフラワーの馬主として有名なニシノオーナーが静かに会釈をする、

 

「次にテ○エム牧場を経営しておりますタケゾノオーナー」

「よろしくお願いします」

 

 テイエムオペラオーの馬主として有名なタケゾノオーナーが静かに会釈をする、

 

「シンボリルドルフ、オグリキャップなどに騎乗し多くの名レースを演出したオカベ元騎手」

「よろしくお願いします」

 

 伝説的ジョッキー、オカベ元騎手は静かに会釈する。

 

「そして最後に競馬評論家の南慈英野球さんです」

「よろしゅうな!」

 

 一応、競馬評論家と呼ばれている南慈英。

 この情報番組でどのような討論が繰り広げられるのか――!?

 

「まず最初に競馬というのに詳しくない人間からするとイッテンコウセイ号という競走馬はどんな馬なんですかね?」

 

 メインMCが競馬界の大御所達に質問を投げつける。

 静かに南慈英が手を上げた。

 

「まず、イッテンコウセイ号は日本競馬では三頭目の無敗の三冠馬なんやけど、無敗の三冠馬の中では群を抜いて成績というか、伝説を作っとるねん! 二歳からデビューして朝日杯を勝って、クラシック三冠、はたまた史上初の三歳馬による宝塚記念覇者。もうこれ以上の活躍をしている時点で名馬ですわ」

「そうなんですね」

 

 ゲストの全員が静かに頷いてイッテンコウセイの伝説的な成績を認める。

 ミンネさんが用意されたフリップの一部を剥ぎ取り二歳チャンピオンから無敗の三冠馬は史上初の快挙という文字が現れる。

 ミンネさんが騎手目線の評価が欲しいとオカベさんに感想を尋ねる。

 

「競馬の歴史は長いですが、日本競馬でここまでの成績を残しているのは彼だけです」

「そう言いますと?」

「イッテンコウセイ号は基本的に大逃げという作戦で戦う競走馬であり、実は逃げという作戦は非常に勝ちにくい戦法でもあるのです。でも、殆どのレースで彼は抜群のタイミングで相手が迫るタイミングで末脚を使う。これはどんな距離にも当てはまりますが……まず、騎手を経験した身から言わせてもらうと非常に常識破りと表現できますね」

「聞いていますとサイレンススズカという競走馬を連想してしまいますね」

 

 競馬関係者がヤレヤレという表情で額の汗をハンカチで拭う。

 競馬をあまり知らない人間の視線ではサイレンススズカの再来としか思われていないのだ。

 ニシノオーナーが静かに手を挙げる。

 

「イッテンコウセイ号は他の逃げ馬とは毛色が違ってきます。自分も逃げ馬を所有していましたので断言できますが、イッテンコウセイ号は逃げ馬とは真逆の性格をしていますね」

「というと?」

「イッテンコウセイ号は非常に気性が穏やかで、とても社交的な性格をしています。逃げ馬というのは非常に臆病な性格で他馬に囲まれるのが嫌で逃げているんですよね、サイレンススズカもそれに該当します」

「なら、逃げ馬とは真逆の性格をしているのに逃げ馬をしていると?」

「ええ、臆病な気性難とも言えるのが逃げ馬の特徴でもあります。すべての逃げ馬とは言いませんが、殆どの逃げ馬はそういう性格だと思います」

 

 ゲスト客員が静かに頷いた。

 ミンネさんは少し不思議そうな表情で次のフリップを剥がす。

 

【三歳馬初の宝塚制覇】

 

「宝塚記念ではあの有名なタケさんが騎乗していましたが、皆様は宝塚記念を勝った理由はタケさんにあると思いますか?」

 

 競馬関係者が何いってんだこいつ? という表情で呆れている。

 そして客員に渡されているボードにタケの騎乗についての率直な意見を書き記す、

 

南慈英 「ゴミ」

ニシノ 「変える必要性がまったくなかった」

タケゾノ「グリーンライトに管理主義者を乗せるのはダメ」

オカベ 「ジョッキーとして安全策を取り過ぎている」

 

 日本を代表とするジョッキーをここまで酷評される姿が全国区で放映されるのは稀だ。

 ミンネさんを筆頭にテレビ関係者がこの評価に頭を抱える。

 

「あの、えっと? どういう風にダメなんですかね?」

「まず最初にイッテンコウセイ号の血統なんですが、お父さんが平成三強の中で一番のステイヤーと評されるスーパークリーク号の息子なんですよね。スーパークリーク号と言えば無尽蔵のスタミナと切れる脚があることで有名な競走馬です。それの息子が宝塚記念程度の距離を先行で走る理由が見当たりません」

「そうなってくると、タケ騎手が行った先行策というのは間違えだと?」

「ええ、あの場面はどう考えても自由に大逃げをさせるべきです。イッテンコウセイ号はグリーンライトという、とても珍しいタイプの競走馬ですから。本当に鞍上はスパートのタイミングだけを指示すればいいのです。現にイッテンコウセイ号の主戦騎手である福山騎手は自由に走らせて、ここで全力を出さないと負けるよというタイミングでしか鞭を使いません。これがグリーンライト、自由に走らせて結果を残す競走馬です」

 

 タケゾノオーナーがグリーンライトであるイッテンコウセイ号には的確なスパートのタイミングだけを指示する騎手が一番であり、それはタケ騎手ではなく福山騎手であると熱弁する。

 イッテンコウセイはどこまで行っても青信号、自由に走らせてスパートのタイミングだけを指示するのが一番勝ちやすい戦術だと表現する。

 ミンネさんが苦い表情をしながら、次を剥がす。

 

【他の無敗の三冠馬との違い】

 

「皆様は史上三頭目の無敗の三冠馬に関してはどのような意見を?」

 

 オカベさんが静かに手を挙げる。

 

「自分はシンボリルドルフ号に乗っていましたから断言できますが……真逆です。すべてが真逆です」

「と言いますと?」

「イッテンコウセイ号は競走馬としての才能だけではなく、非常に努力家の一面があります。それにこれと言った弱点もなく、他馬と同じスピード感で走らせてしまってはスパートのタイミングを見失うリスクがあります。競走馬の多くが先行か差しで走りますが、これは競走馬がスパートの時に全力を出すための布石、つまりはスタミナを出来る限り温存したいし、させたいという考えです。ですが、イッテンコウセイ号はその部分が少し薄く、とりあえず前を走っていれば一番になれるという風な走りです」

「なら、他の無敗の三冠馬に比べると少し劣るように聞こえるのですが?」

 

 ミンネさん以外全員が頭を抱える。

 

「いえ、イッテンコウセイ号は先程も言っていますように、非常にスタミナにあふれ、調教……人間でいう練習に真面目です。鞭が入れば全力という指示に絶対に従います。ですから他の無敗の三冠馬に比べると危ない場面に遭遇しないですし、鞍上もキッチリとしたタイミングで指示を出します。現に福山騎手がイッテンコウセイ号にスパート以外の指示を出していないのが証拠です。福山騎手は気性が穏やかな競走馬の鞍上では抜群の連対率を誇っていますし、元騎手の私でさえ福山騎手の鞭は神がかっていると表現できます。経験を積めば素晴らしい騎手になると思っていました。ですが、私と同じように運命の出会いを果たしたのかもしれませんね」

「そうなんですね……ここでCMです」

 

 CMに入ったミンネ屋は殺伐とした雰囲気に包まれる。

 競馬関係者は少し訝しげな表情で水分補給をしたり、ミンネさんのイッテンコウセイの悪い部分を探そうとしている姿に少しだけ違和感を感じる。

 イッテンコウセイの悪口を言いたいのであれば〇〇系の馬主を連れてくればいいものを……。

 

「CMあけましてまだまだイッテンコウセイ号の快挙の謎に迫っていきます!」

 

 さっきまで暗い表情だったミンネさんが明るい表情を取り戻し、次の進行に入っていく。

 

「次の話題は無敗の三冠馬で一番強いのはどれか? 競馬関係者に赤裸々してもらいます!」

 

 またボードを渡されたので静かに三頭しかいない無敗の三冠馬を嫌々ながらに書き記していく。

 

南慈英 「100% イッテンコウセイ号」

ニシノ 「三頭が争ったら絶対にイッテンコウセイ号」

タケゾノ「完成度が違う、イッテンコウセイ号」

オカベ 「悔しいけどイッテンコウセイ号」

 

 四人は揃ってイッテンコウセイが史上最強の無敗の三冠馬であると書いた。

 この場にいるテレビ関係者は三つ巴の言い争いになることを期待していたのか、困惑した表情を浮かべている。

 長い間 競馬というものに携わるならわかる。強い競走馬の格付けなんて……。

 

「ニシノさんから興味深い意見が出ていますね。これはどういう意味なんですか?」

「そうですね、距離は……ダービーの芝2400mだと仮定しましょうか? イッテンコウセイ号が逃げ、シンボリルドルフ号が先行か差し、ディープインパクト号が追い込みでレースを進めるとします。この場合、絶対に他二頭は届きません。イッテンコウセイ号はその二頭と同レベルの末脚を持っています。ですから、必然的に最終直線で前を走っているイッテンコウセイ号が勝ちますよ」

「ですが、逃げ馬は末脚が弱いと聞いたことがあるのですが……」

「いえ、確かにイッテンコウセイ号は逃げ馬ですが、最後に発揮させる末脚は逃げでも圧倒的と表現できます。彼は先行と追い込みで走ったことがありますが、ライバルと言えるオルフェーヴルに末脚勝負で勝っています。オルフェーヴルの末脚は歴代の三冠馬達以上の可能性を秘めていますが、それ以上にイッテンコウセイ号の末脚はどんな走り方をしても一貫して力強いものです。それに付け加えて鞍上福山騎手の鞭のタイミングが重なればどんな競走馬も彼より早くゴールすることは難しいでしょうね」

 

 ゲスト全員がニシノオーナーの言葉に頷く。

 歴代の名馬達を知っているのであればイッテンコウセイの異常さは気持ち悪いのではなく、美しいと表現できる。それに他の無敗の三冠馬に比べると強力なライバルが存在するイッテンコウセイに軍配が上がるのは当たり前だ。

 言うならばBNW世代で三冠馬になっているようなものだ。

 

「では、次にイッテンコウセイ号のライバルであるオルフェーヴル号について聞いていきましょう」

 

 次はライバルの説明をしなければならないのかと溜息をグッと堪える。

 南慈英が静かに手を上げた。

 

「まず、オルフェーヴル号は確かに凄い馬や、やけどイッテンコウセイ号とかち合えば……いや、これはどの競走馬にも言えることなんやけど! イッテンコウセイ号の走りを確実に捕らえる程の経験がまだ無いねん! 鞍上との折り合いも付かずに古馬を跳ね除けとるイッテンコウセイ号は下手すると数百年に一度の名馬や、今すぐに種牡馬入りしろって声も少なくない」

「では、オルフェーヴル号はイッテンコウセイ号に勝てる可能性は低いと?」

「ああ、確かにオルフェーヴル号も三冠馬クラスの実力を持っとるけど戦法がどうやっても追い込みや! イッテンコウセイ号は逃げでも追い込み馬並みの末脚を持っとる。やから後方から吹っ飛んできても距離の差で負けてまう。もし、イッテンコウセイ号の末脚が並みの競走馬なら今頃は三冠馬は逆やろうな」

 

 競馬関係者が静かに頷き、テレビ関係者が顔を真っ青にする。

 実はミンネ屋、毒舌が売りのワイドショーなのだ。

 それでも司会担当のミンネさんは必死に次の話題を出そうとフリップを剥がす。

 

【有馬記念のブロック】

 

 競馬関係者が露骨に嫌な顔をする。特にタケゾノオーナーは本当に苦虫を噛み潰したような表情。

 テレビ関係者はこの話題で息を吹き返す! 毒舌が売りのワイドショー復活!!

 

「今回の有馬記念、猛烈なブロックをされたイッテンコウセイ号についてどう思われますか?」

 

 またボードを出されたので静かに書き込む。

 

南慈英 「何見せとんねん!? こんなん競馬やない!!」

ニシノ 「理解したくない」

タケゾノ「昔を思い出す」

オカベ 「競馬はフェアプレーが一番だと思いたい」

 

 四人の感想にテレビ関係者が息を吹き返す! これは負けると思っていたという言葉が聞こえるかもしれない!!

 

「では最初にタケゾノさんに意見をもらいましょう」

「……正直、昔を思い出すから話したくも無いですがね。確かにイッテンコウセイ号を馬群に呑み込ませるのは一種の戦法ではあります。ですが、ここまで露骨にやられると現在の競馬に不信感を強く抱いてしまいますね」

「露骨とは?」

「いえ、確かにスタートが苦手な競走馬なら出遅れをカバーする為に鞭を入れることはあります。ですが、どう考えても出遅れていない競走馬に鞭打って大逃げの体制に入ったイッテンコウセイ号をブロックするなんてありえません。ダービー、菊花賞と黒い影はチラついていましたが、有馬記念で眼前に現れたというのが自分の感想です」

 

 陽気な競馬評論家として有名な南慈英もこの件に関しては嫌な顔しかしていない。

 元騎手であるオカベさんもこの徹底的なイッテンコウセイ潰しには競馬業界の深い闇を感じている。ここまで露骨なブロックはテイエムオペラオー以来、強い競走馬をぶつけて倒せばいいものを……。

 

「なら、今回のブロックは何ら問題も無いと?」

「いや、違うねん! 確かにルール的には全然問題ないで? やけど、これが意図して行われたのが問題なんや! どう考えても逃げの体制に入ろうとしたイッテンコウセイ号を馬群に呑ませるちゅー意図しかないねん!? 今までのイッテンコウセイ号は馬群に囲まれる競馬はしたことないから悪い顔した人間が自発的にやったとしか思えへん! それにG1レースやで!!」

「うーん、では、騎手目線からオカベさんはどう思われますか?」

「有馬記念は日本有数の競走馬が集う祭典です。つまりは日本中の強い競走馬達が集まるわけですよね。ですから必然的にクラシック路線を走りきったイッテンコウセイ号は年上の競走馬とのレースをしなくてはなりません。言わせてもらうなら、イッテンコウセイ号より有利な立場の競走馬が集まるわけですよ。そんな場所でこんなレースをされてはファンや競馬関係者は違和感を覚えます。競走馬だって馬主だって、なんなら騎手だって冠が欲しいわけですから……」

「では、イッテンコウセイ号の一着は奇跡に近いものだと」

「「「「違います。アレはイッテンコウセイ号が他馬より優れた存在だから出来た芸術的勝利です」」」」

 

 

 

【居酒屋】

 

 ビールを片手に番組に出たことを後悔する四人、正直な話適当な競馬好き芸人にでも任せておけばよかったと後悔が先行する。もう少し快挙を祝う場所かと思えば、どうにかイッテンコウセイの弱点やら痛い場所を探ろうとされて苛立ちが見え隠れする。

 

「本当に……オペラオーの時みたいだ……」

「タケゾノさんも被害者ですからね……オペラオーと重なるのもわかります……」

「ワイ、テレビに出れて嬉しゅう思っとったのが間違いやったわ……」

「自分は元々騎手ですからね……近いことは経験していますが……」

 

 四人は日本競馬を震え上がらせるイッテンコウセイの活躍に胸踊らせているというのに、テレビ関係者からの評判はドラマが無い、横綱相撲だと批判されている。だが、競馬関係者から見れば逸材中の逸材、誰もがこんな競走馬を所有したいというそんな競走馬だ。

 

「でも、メジロはんがニコニコと共同経営してくれてるから安心やな! 解散するって聞いた時はメジロ伝説も終わりかいな……そんな思っとったけど、メジロさんの管理なら種牡馬になっても安心やで!!」

「ニコニコ? だったかな、そこが競馬業界のシガラミに囚われない柔軟な会社で助かるよ……でも、宝塚記念はいただけないなぁ……」

「最近は間隔が伸びて挑戦しやすいのも原因ですけど、無敗の二冠馬を突っ込むのはどうかと思いますね」

「まあ、それだけ競馬を知らない会社ってことでしょうね」

 

 四人で二度目の乾杯をした時に気付く、

 隣の席でワインを一気飲みしている……レジェンドジョッキーの姿が……。

 

「た、タケくん?」

「うぅ……コウセイに乗りたいよぉ……」

「な、なんや……?」

「やね……奪えたと思ったのにぃ……」

「「「「重症だ……」」」」

 

 飲み会ではなくタケ騎手を慰める会がはじまってしまった……。




 ウッス! 感想で世間からの評判を書いて♡ なんて言われたから徹夜で書いたっす!!

 実はこの後に掲示板を貼り付けようと思ったけど、思ってたより筆が進んで掲示板は別にするっす!!

 オチも完璧に用意したぜぇw

 評価する時は「ナス料理」だよぉ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想がオレの養分だぜ!

(徹夜したので気絶します チーン)

 あと、アンケートの結果がダブルスコアで種牡馬まで突っ走れ……たまげたなぁ……。

 次のアンケート考えなくちゃ!?


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カワイイの極み

 続きだぜ!

 やっぱり年末年始は人間の休みが重なるから少しだけ第二の故郷(メジロ牧場)に行って、またドーベルさん褒められまくり絶賛しまくり牝馬フェロモンで『うまだっち』しまくり。で大変だったぜ! でも、またお母さんと話せたしよかったかな?

 そんな時、オレのお母さんがドーベルさんの一個上ってのを言ったのが不味かった!

 

『へぇ、コウセイくんは若い牝馬が好きなんだー』

『え!? ち、違いますよ! じ、自分! お母さんって若いと思って……』

『レディの年齢を詮索するなんて最低! もしコウセイくんと『ウマぴょい』することがあったら……ち○こもいじゃうから☆』

『ひっ! ごめんなさいなりぃ~!!』

 

 こんな感じにドーベルさんにもてあそばれちゃったぜ! やっぱり牝馬さんってチョーS(セクシー)でM(ミステリアス)だよな!

 で、美浦に帰還したんだけど……やっぱり牝馬さんは他の場所に連れて行かれていた……。

 悲しむ余裕もないぜ! オレ、超淫乱競走馬だから出会いと別れに涙は流さないぜ!!

 

「アレ? コウセイが隣か」

「ウッス! 短距離専門の先輩じゃないっすか!?」

「ああ、昔はオレの方が速かったのに今じゃなぁ……最近はレオとばっかり併走してるし、本当に久々の顔合わせってところだな」

「ウッス!」

 

 この先輩は短距離を全力で駆け抜けるプロ級マニア先輩だ! 昔は併走の相手をしてもらってたんだけど、その時は一度も追い抜かせて貰えなかったぜ! でも、すぐに体力が無くなって次の先輩と交代してたんだけどね。(笑)

 でも、スプリンターの先輩って凄いよね、オレみたいなステイヤー気質の馬には真似できない軽やかな足使い? 本当に地面を蹴る為だけに足を動かしてるような走り方をするから激エロ! オレもスプリンターの先輩みたいな走りをしたいなりねぇ……。

 

「でも、コウセイが三冠馬……それも無敗ってのはスゲーな、美浦って栗東に比べるとランクが下がるって印象を持たれてるが、おまえのお陰で見返せたような気がするよ」

「ウッス、うーん? 自分はそういう格差とか感じたことが無いっすからねぇ……そんなに違いがあるんですか……?」

「俺も噂でしか聞いたことがねぇんだが……水が美味いらしい……」

「水? 水なんてどれも同じでしょ」

 

 なんて美浦と栗東の違いをゲラゲラと上手な会話に当てはめていく。

 そして二つの話題が消えかけたところでレオの話題が出てくる。

 スプリンター先輩の話しによるとレオもオレと同じようにクラシック路線? とかいうのに出るみたいだから少し長い放牧、帰ってきてから最終調整をするみたいだ! まあ、レオにはオレの技術を教えられるだけ教えてるからビリッ尻になることはないだろとガタイで分析。

 レオのお父さんは無敗の二冠馬だったって聞いたから才能は絶対にある筈だぜ! それにオレの拷問調教を先輩達以上にこなしているのが証拠なりねぇ。

 

「そういえば、次のレースは何を走るんだ? 長距離はおまえの十八番だからな、春の天皇賞とかいうのに出るんじゃねぇのか」

「ウッス! 天皇賞ってのは牧場に帰った時に聞いたっす! でも、最近はその春の天皇賞ってのには競走馬が出たがらないっていうか、人間が出したがらないみたいですね」

「俺も噂には聞いたことがあるんだが、最近の競走馬のトレンドは短距離とマイルみたいだ。だから人間側はその天皇賞ってのに出したがらない。その代わりに短距離とマイルは大人気みたいだぜ」

「うーん? 自分はお父さんがステイヤーだったみたいだから不思議っす! 長い距離の方がドラマが生まれると思いまッス」

「ははっ、おまえって二歳の時にしか短距離走ってねぇからな……古馬の短距離はスゲーぞ?」

「え!? 知りたいっす!」

 

 スプリンター先輩は自分が駆け抜けてきたレースを走っているように語ってくれる。

 毎回競争相手の作戦に差しが無いのは当たり前、しかも逃げは先行の延長線みたいなもの。最終直線なんて逃げ馬や先行馬が追い込み馬並みの末脚を使ってスパート! 長距離で走るなら三分間くらいは絶対にかかるのにスプリンター先輩の話しだと大体70秒で勝負が終わるらしい。短距離レースは奥深いなりねぇ……。

 でも、スプリンター先輩のフットワークは本当に芸術的というか、見様見真似で出来る走り方じゃねーよ! 本当に足を高速回転させてガタイが壊れるくらいにスパートするんだから凄いなりねぇ……。

 

「そういえば、スプリンター先輩のお父さんもスプリンターなんすか?」

「ん? ああ、俺の親父はサクラバクシンオーって言うらしい。会ったことはないが」

「語呂は良いっすけど、長い名前ですね」

「ああ、だから人間達はバクシンオーって縮めてる。お袋も戦績は良くねぇが、一応は芝で走ってて、これまた短距離ばっかり」

「じゃあ、先輩の両親ってどっちもスプリンターなんすね! 凄いっす!!」

「よせよせ、確かに親父の成績は抜群だが……オレみたいな一応重賞で掲示板に入っただけの競走馬じゃおまえに勝てねぇよ……」

 

 短距離レースは奥深い、本当に最近? いや、クラシック路線とか言うのに挑戦してからはオルフェーヴルくんとの最初の対戦(京王杯で戦ってます)以外は2000m以下のレースは走ってないなりねぇ……。

 だったら次のレースは必然的に中距離になるのかなぁ?

 うーん、なんか人間の人達が言ってたような気がするなり……確か……。

 

「今思い出したっす! 自分、次のレースは阪急杯とかいうレースみたいっす」

「はぁ!? おまえ……それ短距離レースだぞ……?」

「え!? オレの次のレース短距離なんすか!」

「ああ、オレも去年は高松宮記念とかいうのに出ようと出走したが、やっぱり駄目だった……」

 

 スプリンター先輩は少しだけ考えて、オレに短距離の極意を教えてくれた。

 まず最初に絶対に前で走ること、

 次に逃げを逃げと思わないこと、

 その次にどの場所でもスパートのタイミングみたいに全力で走ること、

 最後に足を限界まで回すこと、

 うーん、抽象的な表現だから難しいなりねぇ……でも、どの場所でも全開で走ることが大切ってのは理解したぜ!

 

「ウッス! 先輩のアドバイスでビジョンがガタライズされたっす!」

「おまえ、難しい言葉使ってるな……ガタライズってなんだ……?」

 

 スプリンター先輩のおかげで短距離レースの奥深さ、中距離や長距離とは違う心構えを理解したぜ!

 そして、俺の二段加速ではスプリンター先輩のアドバイス的に勝つことは難しいぜ! それならもっと激エロな走法……

 

『エロいぜ! 速いぜ! 駆け抜けるぜ!』

 

 走法を完成させるしかねぇーよ! 絶対にオレだけのスプリンター走法を見つけ出してやるぜ!!

 

 

 

 

【調教開始!】

 

 イナリさんから教えてもらった大跳び走法はトップスピードに到達するのは早いけど、その後の伸び方がパッとしない。

 逆にピッチ? とかいう走法はトップスピードに到達するのは遅いけど、その後の伸び方はガッとしてるぜ!

 つまり、この二つの走法をガタイで分析していくと……四つの可能性が見えてくるなりねぇ……。

 

『1:大跳び走法の回転数を大幅に上げた【舞空術走法】』

『2:大跳び走法の後にピッチ走法を組み合わせた【淫乱スイッチ走法】』

『3:ピッチ走法の回転数を上げた王道を征く【スプリンター走法】』

『4:ピッチ走法の歩幅を少しだけ広げてホップの量を上げる【ガンギマリ走法】』

 

 うーん、悩ましいなりねぇ……。

 どれもメリットが多すぎるぜ!? 舞空術走法は大跳び走法の新しい可能性が見えるし、淫乱スイッチ走法は有馬記念でやってるし、スプリンター走法はありきたり過ぎるぜ!

 じゃあ、ガンギマリ走法はどうなりね? ピッチ走法ってのはどう考えても回転数を上げてスピードを上げていくから、トップスピードに到達するまで時間がかかるぜ! でも、それの歩幅を少し広げて少しでも大跳び走法に近いトップスピード到達を狙う……! いいぜ! このガンギマリ走法を開発するぜ!!

 

「本当に……オーナーは何を考えてるんだ……? コウセイの可能性を知りたいとか言って短距離なんて……」

 

 今日も背中の上にはジャニ系を通り越して福○雅治系イケメンの騎手さん! 今日も首をナデナデで淫乱になるぅ♡ 騎手さんの手には人参の成分が含まれてるのかもね♪

 いいぜ、楽しみにしてるぜ~! 今日はどんな奴かな~今日の併走も楽勝だな♪

 なんて思っていたら……。

 

「コウセイが短距離に出るって聞いたからな! 今日は俺達が拷問併走してやるぜ!!」

「短距離の恐ろしさ、無敗の三冠馬に教えてあげるよ……」

「ボス馬候補筆頭のコウセイを抜いたって噂が広がれば俺だって!」

「すっげー!? 美浦のスプリンター先輩が大集合じゃん!!」

 

 今日の併走はスプリンター先輩が大集合でマジ狂い! 全員が最終直線のスパートみたいな速度で足がイッちゃってる! やっぱり短距離のプロ級マニアはスゲーぜ!!

 そして、あのガンギマリ走法が完成に近づいてくる……!

 オレ、足はあんまり柔らかくないから最高の歩幅っていうの手探りだけど……先輩達の足の回し方を見たら閃いたぜ……!

 言うならばオレよりデカイ競走馬と同じくらいの歩幅! お父さんと同じくらいの歩幅なら絶妙にオレの考えるガンギマリ走法と重なるぜ!!

 

「「「もう無理! ステイヤーには勝てないよぉ~!!」」」

 

 新テク(新技)ガンギマリ走法習得だぜ!!

 これでスプリンターとしての自分の理想が完成したぜ……これから先はレースでしか表現できねぇぜ……!

 

 

 

 

【阪急杯】

 

 今まで走ったどの距離よりも短い芝1200mに殴り込み! 俺の溢れる超淫乱競走馬魂はホンダ並みのスピリットだぜ!!

 パドックにイン!

 だけど、今回もおかしいぜ!? なんか、オレのことを見てくるんだけど……他のレースと違って嘲笑しているみたいだ……。

 今回はガタライズ機能が初手から使える! レッツガタライズ!!

 

『うっわ、無敗の三冠馬が負けに来たよ(笑)』

『え? 俺達って無敗の三冠馬を倒せるのやったー(笑)』

『無敗の三冠馬だろうと、俺達スプリンターに勝てるわけないのにね(笑)』

 

 ……なんだろう? オレって博愛主義馬なんだけど、ここにいる全員をボコボコにしたい気持ちで溢れちゃうなりねぇ……。

 でも、レースは足の速さで勝負する場所だぜ! ここにいる全員をレースでボコボコにするなりねぇ……!

 

『あ! もしかして俺が勝ったら三冠馬になれるかな! 俺ってアレより親の成績いいし(笑)』

 

 ――プッツン、

 俺、馬鹿でチャランポランの競走馬だけど……両親を悪く言われるのは納得いかねぇな……。

 絶対にこいつらの心をへし折るしかないな、絶対に二度と競走馬として日陰を歩けないレベルの大敗をさせてやるよ……。

 何が親の成績だよ、俺は大切な両親のおかげで生まれてきたんだよ! 絶対に許さねぇ……おまえら競走馬じゃねぇ!!

 

『無敗の三冠馬は短距離でも強かった! 圧倒的大差で今、今ゴールです! 親の文句は俺に言え――』

 

 

 

【レオ帰還】

 

 ウッス!

 なんかいつもの自分らしくない言動をしてたなりねぇ? でも、お父さんとお母さんを馬鹿にしたら殺される覚悟があると思うじゃん! オレって恥ずかしいけどファザコンでマザコンなりねぇ……。

 そんなこんなで若干標準馬語を使ってた時期があるけどオレは元気だぜ!

 

「コウセイ様! ただいまです!!」

「おお、レオ! 少し太った? それとも成長期なりか」

「うーん、自分ではわかんないっすけど……お父さんと同じくらいだって牧場では言われました」

「まあ、体が大き過ぎると怪我可能性が上がるらしいし、普通が小さいくらいが一番なりねぇ」

 

 少し長めの放牧に里帰りしていたレオ、成長期なのかわかんねぇけど、少しだけガタイが良くなった気がするぜ!

 さて、今日からレオとの拷問調教が再開なんだけど……オレって高松宮記念ってレースに出ねぇといけねぇからレオのクラシック調教の邪魔にならないか少し不安。

 

「そういえば、コウセイ様が短距離に挑戦してるって隣の先輩に聞いたんですけど本当ですか?」

「うーん、実はそうなんだよー」

「コウセイ様が短距離で走る姿を想像出来ませんよ。だって、クラシック三冠って全部が中距離以上じゃないっすか? 勝算とかってあるんですかね」

「うーん、一応は前のレースで大差勝ちしたからわからないなりねぇ。ただ、相手が油断してたからかもしれないし、次はG1だし」

 

 実はこの時、普通に併走しながら喋ってるんだぜ! レオも併走しながら雑談できるくらい成長したんだと感激! オレのポルシェ並みのエンジンには劣るけど、BMW並みのエンジンだぜ!!

 それにしても、レオの足の柔らかさは驚愕なりねぇ……本当に跳ねるように地面を蹴るから大跳び以上ピッチ以下? のスピードが出てるぜ! これは淫乱スイッチ方法を教えたらまた化けるかもしれないなりねぇ……。

 でも、淫乱スイッチ走法はレースじゃないと使えないし、調教じゃあ言葉だけでしか伝えられないからどうなんだろう? まあ、レオは天才肌だから大丈夫か! 皐月賞辺りで教えてやるぜ!!

 

「自分、コウセイ様が出た朝日杯には間に合わなかったから……後輩として恥ずかしいですよ……」

「いや、オレはお父さんとお母さんにG1を届けたいって気持ちが強かったし、二歳で大逃げ戦法をとる馬が少ないって言ってたなりねぇ」

「自分も大逃げ試してみようかな?」

「やめた方がいいぜ! オレは新馬戦で逃げで走ったから認められただけで、レオみたいに先行で今まで走ってるなら騎手さんが驚いて止めるかもしれないぜ! だったら末脚に磨きをかけた方がいいと思うなりねぇ」

 

 レオも納得してくれたみたいで第三ラウンドが始まる。

 あれ? そういえばレオのお父さんって無敗の二冠馬って言ってたな……えっと、クラシック三冠? とかいうのの順番ってどんな感じだったかなぁ(一応三冠馬)。

 

「そういえば、レオのお父さんってクラシック三冠のどれだけ勝ててないなりねぇ?」

「そうですね、確か……菊花賞ってのだけ怪我しちゃって出れなくなったみたいです!」

「うーん、怪我は怖いなりねぇ……オレはお母さんが丈夫だから今のところはしてないなりけど……」

「多分、自分もコウセイ様から大跳び走法を教わらなかったら怪我してたかもしれません! 本当にコウセイ様とは運命の出会いを感じますよ」

「照れるぜ!」

 

 後輩を育てるのが先輩の役目なのに淫乱になるぅ♡

 でも、最初の頃のレオとは見違えるくらいには性格も走りも変わってるから成長を実感! 人間にはできない馬目線の考え方もあるなりねぇ。

 そんな感じでレオとの会話をしてたら人間にストップをかけられて今日の併走は終了。

 

「レオ、お父さんが勝ててない菊花賞に勝ったらオレのこと普通にコウセイって呼んでいいなりよ」

「え!? コウセイ様を呼び捨てなんてできませんよ!! 色々教わりましたし……」

「うーん、じゃあ、様以外でいいなりよ」

「じゃあ、菊花賞に勝ったらコウセイさんって呼びますね! でも、今はコウセイ様で」

「ウッス」

 

 馬房に帰ってスプリンター先輩にまた短距離の極意を教わるぜ!

 

 

 

【高松宮記念】

 

 ウッス! 短距離G1初挑戦!!

 今回のレースはG1だから前のレースとは比べ物にならない競走馬さん達が来るんだろうなぁ! どんな競走馬さんが来るのか楽しみだぜ!!

 そしてパドックにイン! おーっす! すげー、人間のみんながオレのガタイにスゲー視線を向けてくるぜ!!

 ハメられたぜ! 無敗の三冠馬は人間の注目の対象になるんだな!? こうなれば水没調教をギン目でおねだりすればよかったなりねぇ……。

 それにしても、スプリンター先輩が言ってたようにスプリンター競走馬さん達って小柄だけど信じられないくらいのガタイをしてるぜ! お尻なんてプリ尻を通り越してプリプリ尻だぜ! オレも無敗の三冠馬ガタイで威圧してみるけど……効果は無いみたいだ……。

 

「君が無敗の三冠馬くん?」

「う、うっす!」

「うふふ、噂には聞いてたけど本当に可愛らしいね♪ これで速かったらズルを疑っちゃうなぁ~」

「ち、違いますよ! 自分!! お父さんとお母さんの誇りにかけてズルはしてないと約束しまッス!!」

「もー、わたし素直な子大好きだからもっとイジりたくなっちゃった♪」

 

 やっべー! 芦毛のチョーS(セクシー)な牝馬さんからアプローチされちゃってる!? この牝馬さんもドーベルさんと同じくらいモロ牝馬フェロモンがムンムンだ!

 どうしよう……オレって無敗の三冠馬で売ってる超淫乱競走馬なのに弱点がバレちゃうぜ!? ハメられた! 古馬G1には美しい牝馬さんが沢山出てくるんだな!! オレ、牝馬さんがいると調子が出ねーよ! お願い騎手さん……ナデナデしてぇ……!

 あ、騎手さんが気付いてくれてナデナデ……あぁ! 淫乱になるぅ♡

 

「わたしカレンチャン! 人間みたいな名前だけどちゃーんと競走馬だからね☆」

「ウッス! 自分はイッテンコウセイっていいます!!」

 

 そのままカレンチャンさんとの上手な会話にハマっていく。

 それにしても、このカレンチャンさんってスゲーよ! 牝馬さんなのに栗東のボスやってて、他の競走馬さんは頭を下げて歩くらしいぜ!?

 カレンチャンさんの前で喧嘩なんてしようものなら二日間くらいごはんが食べられないくらい論破されるらしいぜ! オレみたいな頭チャランポランの超淫乱競走馬には論破なんて無理だぜ!? オレなんて……。

 美浦での生活が走馬灯してくる……。

 

【後輩】

『コウセイさん! 自分のフットワークどう思いますか?』

『うーん、もう少し足の角度を変えた方がいいなりねぇ。多分、そっちの方が末脚が伸びるぜ!』

『スゲー! コウセイさんの言うように走ったら騎手さんから褒められました!!』

『よかったぜ! でも、レースだともっと凄い競走馬さんが来るから過信しちゃ駄目なりよぉー』

『ウッス!』

 

【先輩】

『コウセイ、長距離ってどんな風なペース配分なんだ? オレって最長が2000mだから興味あるんだよな』

『ウッス! なんというか? ……序盤は中距離の二倍以上三倍以下? くらい気持ちいい場所を探して最後の末脚を最大限に活かす感じっす!!』

『わかりやすいな……でも、俺はどんな距離でも全力だからなぁ。俺じゃあ長距離は掲示板にも載れないぜ』

『努力っすよ!』

 

【喧嘩】

『俺はおまえより速いんだよ! おまえが格下だ!!』

『はぁ!? おまえレースで俺に負けてたじゃねぇか!!』

『君達? 喧嘩は良くないなりよぉー』

『『コウセイさん!? す、すいません……』』

『でも、喧嘩できるっていいなりねぇ……オレ、ライバルは栗東にしかいないからズルいと思っちゃうぜ』

『そうか、コウセイさんは喧嘩する相手もいないのか……』

『俺達って恵まれてるんだな……』

『『コウセイさんありがとうございます! 目が覚めました!!』』

『ん?』

 

【牝馬】

『コウセイさんカッコイイわ~ん』

『今日はガタイのパンプが足りないなりねぇ……』

 

 やっぱり、オレって競走馬の間でも便利な超淫乱競走馬としか見てもらえてないからボスなんて程遠いぜ! (実質ボス馬)

 それにしてもカレンチャンさんって本当に明るい性格で慕われてるんだぁな、オレは結構嫌われてるからなぁ……歩いてたら怖がられちゃうし……。

 もしかして三冠馬って称号は後輩を萎縮させちゃうのかな? でも、お母さんはG1取ったら喜んでくれるし、ドーベルさんは褒めてくれるから悩ましいなりぃ……。

 

「……カレンチャンを取るなよ! 零細野郎!!」

「う、うおーっす!? なんなりね」

「カレンチャンはオレのフィアンセなんだ! おまえみたいな種牡馬になれるかもわからない奴が喋っていい牝馬じゃないんだよ!!」

「た、確かにオレって零細だけど……頑張って走ってるなり……」

 

 カレンチャンさんと楽しい会話をしてたら目がイッちゃってるジャニ系牡馬がギン目で睨んでくる! なんなりねぇ……オレ、ただカレンチャンさんと楽しい会話してただけなのに……。

 それにしても、このジャニ系鹿毛競走馬さんはスゲーガタイしてるし、一番人気なのかなぁ? オレ、無敗の三冠馬だけど短距離はまだまだ未知数なりねぇ……。

 

「カナロアくん! それは酷い言い方だよ!?」

「カレンチャンは黙ってて! こんなヤツには真実を伝えないといけないんだ……!」

「なんでこうS入ってるなりか……」

 

 カナロアさんが呼吸を整えて何か言おうとしてる。どうせ短距離じゃあ勝てないとか言うんだろうなぁ?

 

「短距離に挑戦して無敗を終わらせるとは、とんだ低脳じゃのうイッテンコウセイ。まあ、両親が両親……それも仕方ねェか……! “平成三強”は所詮……先の時代の“敗北者”じゃけェ……!!」

「ハァハァ……敗北者……?」

「ふっ?」

「取り消せよ! 今の言葉!!」

「取り消せぇ? 断じて取り消さん」

「あいつ――お父さんとお母さんを馬鹿にしやがった!」

「お前の父親はSSに阻まれ「種牡馬の王」になれず終いの永遠の敗北者が“平成三強”じゃァ! どこに間違いがある!! 名馬、名馬と人間共に慕われて……大種牡馬まがいの茶番劇で種牡馬としてのさばり」

「――やめろ……!!」

「……何十年もの間、種牡馬をするも「強い父」にはなれず……何も得ず……! 終いにゃあ地方で113回負けた牝馬と子供を作る……!! それの息子が三冠馬でもラッキーでしかない!!」

「カナロアくん……今日おかしいよ……」

「実に空虚な種牡馬じゃあありゃあせんか?」

「やめろ……!!」

「コウセイくん! 冷静になって!!」

「お父さんとお母さんはオレに命をくれたんだ!! お前に両親の偉大さの何がわかる!?」

「競走馬は良血じゃなけりゃあ、走る価値なし!! お前ら零細に走る場所はいらん!! “平成三強”は敗北者として忘れられる! 当て馬の大将にゃあ、誂え向きじゃろうが」

「“平成三強”はこの時代を作った競走馬だ!! この時代の礎が!! “平成三強”だァ!! レジェンドをバカにすんじゃねェ!!」

「二人ともやめて! 両親は大切な存在だよ!!」

 

 カレンチャンさんの言葉でどうにか理性を取り戻せたけど、今は怒りに震えて標準馬語しか喋れねぇ……。

 こいつ――お父さんとお母さんを馬鹿にしやがった! 確かに零細血統だけど、大切なお父さんとお母さんのおかげで競走馬として走れてる! それを馬鹿にされるなんて許せねぇ!! 絶対に……こいつだけは許さねぇ――!!

 お父さん、お母さん……ごめん、俺、今日だけは超淫乱競走馬から普通の競走馬に戻るよ……!

 でも、考えてた作戦なんてもう捨てる……こいつを謝らせる走り方で勝ってやる――!

 こんな奴に負けたらオルフェーヴルくんにも笑われる! だから、全力の横綱相撲で勝ってやる!!

 

 

 

【ゲート】

 

 騎手さんのナデナデも今日に限っては気持ち良くもなんともない……。

 ああ、怒りで体中の力が精神に集中してるんだ……! 俺の両親、レジェンドを馬鹿にしたアイツを絶対に許せねぇって!!

 競走馬はレースですべてを解決する。絶対に! 俺は――勝つ!!

 

『一番人気はロードカナロア、二番人気にカレンチャン、三番人気には無敗の三冠馬イッテンコウセイときています。イッテンコウセイ初の短距離G1、その足はスプリンターにどこまで通用するか期待が集まります』

 

 俺を馬鹿にするのはいい……だけど! 両親を馬鹿にするのは許さねぇ!!

 

『今スタートしました! ロードカナロア、イッテンコウセイ好スタート! イッテンコウセイ得意の大逃げの体制に入るか? いえ、ロードカナロアの外側隣にピッタリと張り付いています!?』

 

 おまえを本気でぶっ倒すには自分が負けた理由を俺の大逃げにはさせねぇ! おまえの隣でおまえが絶対に抜けない走りをして懺悔させてやるよ……!

 そう、徹底的に、おまえの心を徹底的にへし折ってやる!!

 

『順位はロードカナロアからイッテンコウセイ、カレンチャン――』

 

「どうせ三冠馬だとしても短距離なんてにわか知識しかねぇんだ! 牡馬最強のスプリンターは俺だ!!」

「これだから男の子は……でも、コウセイくんの走り……」

「ああ……もう無理だ……! こんな奴の隣を走るなんてもう無理だ!!」

 

『コーナーを抜けてイッテンコウセイ抜け出した!! 後方からはカレンチャン! ロードカナロアも追いすがる!!』

 

 ごめんなさい、お父さん、お母さん……俺は二人の息子だから喧嘩は大嫌いだけど!

 ――世界で一番負けたくない相手には勝ちたい!!

 

『イッテンコウセイ凄まじい末脚だ! 他馬を寄せ付けない!! 必死に追うが誰も届かない!!』

 

「あんな奴に!! 俺は絶対に負けたくない!! 届け! 届け! とどけー!!」

「あはは、コウセイくんはカワイイけどカッコイイな……」

 

 お父さん、お母さん……オグリさん、イナリさん、タマモさん。貴方達は本物のレジェンドだ。だから、俺は勝つよ、だって……。

 ――全員が大好きだから!!

 

『今、約二馬身のリードでイッテンコウセイがゴール! 無敗の三冠馬はやはり強かった!! スプリンターを跳ね除けて高松宮記念を勝利! 場内からは歓声が上がっています!! ……今、情報が入りました。今回――イッテンコウセイが世界記録を樹立!? 推定時速86km、これは世界記録の84kmを大幅に更新しています!』

 

 一着のことなんて忘れてロードカナロアを睨みつける。

 おまえが馬鹿にした両親から生まれた競走馬に負けた気分はどうだ!? おまえは良血なんだろうが!! 良血なら零細を倒してみせろ!! 倒せなかったんだろうが!! 消えろ!!

 ロードカナロアは悔しそうに目を合わせず去っていった。

 

「コウセイくん凄い! 本当に凄いなぁ……わたし勝てる自信あったのに」

「う、ウッス! 絶対に負けたくない理由が出来ちゃったから……」

「わたし、コウセイくんみたいな男の子好きだよ。だ・か・ら!」

 

 カレンチャンが俺のことをペロリと舐めて、

 

「カレンがコウセイくんの赤ちゃん産んであげる! でも、コウセイくんの方が年下だから待たせないでよねー」

「う、うひゅっす!」

 

 なんだろう、カレンチャンさんはカワイイ……でも、それは奥深いとかそういうのじゃなくて……。

 カワイイの極みだぜ!

 そして、カレンチャンさんのペロペロでオレのデカマラが……。

 

燃え上がる程ヒート! そそり立つぜバベルの塔!!

 

 恥ずかしいよぉ~

 

 

 

【次回予告】

 高松宮記念を走りきったオレはロードカルーアミルクくんに激怒したことに少し反省。

 でも世界新記録? なんかよくわかんねー称号まで貰えてマジ狂い! 世界ってあの世界だよな! スゲーぜ!! レジェンドパワーで世界のトップになっちゃったぜ!?

 そんなことを考えていたら……そういえば、次のレースは長距離の天皇賞春だ!? 寒暖差激しいと思うなりねぇ……。

 今の競馬は短距離とマイルが大人気だからすんなりシード通過で出走決定!

 でも、高松宮記念で閃いた技があるんだ! それは――

 

次回予告【新テク(新技)溜め逃げ開発】




 ウッス! 短距離レースって本当に短くてドラマあるレースを書けなかったっす!! ごめんなさい……。

 そして、【敗北者?】を取り入れたらなんかギャグじゃなくて本当の怒りになっちゃいました!? うーん、アンチ・ヘイトを付けててよかったぜ!

 進捗状況を掲載してますので、サボリがもう二度と出来ないね!(白目)

 あと、なんか掲示板回を書いてたら〇〇連合VSメジロ軍の戦争が始まってますね()

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!


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新テク(新技)溜め逃げ開発

 続きだぜ!

 高松宮記念でロードカルーアミルクくんとカレンチャンさんから逃げ切って? いや、末脚勝負で勝ったって言ったほうが正しいのかなぁ……よくわかんないけど布かけられて写真撮影したからオレが一着だぜ!!

 でも、最近は世界記録保持馬とかよくわからない言葉を淫乱イヤーが察知! 世界ってあの世界!? スゲーぜ!! レジェンドパワーで世界の何かを手に入れちゃったぜ!

 あ、そういえばレオって皐月賞のトライアル? スーパーみたいな名前のレースに勝ったって喜んでたなぁ、そういえば、少し前に言ってたなりねぇ……。

 

『コウセイ様! 自分、G1馬になってきます!!』

『おう、栗東の競走馬をギャフンと言わせてこい!』

『よーし、オレも無敗じゃないけど三冠馬になってやる!!』

『これだけの自信と元気があったら大丈夫なりねぇ』

 

 こんな感じで自信とやる気に満ち溢れてたぜ!

 心配性は悪いことなりねぇ、楽観的に物事を考えた方が色々と気がらくなり。

 でも、最近は併走練習してないからレオと顔を合わせてないよなぁ? レオ、調子崩してたら嫌だなぁ……。

 でも、今日の調教にレオがやってきた。

 

「コウセイ様……俺! おれ!!」

「ど、どうしたんだよレオ!? おまえらしくねーよ」

「おれ……全力で走りました……」

「うんうん」

 

 レオは自分の皐月賞での走りを語ってくれた。距離はトライアルレースの弥生賞と同じ芝2000m、他の競走馬が殆ど先行で走ってたので末脚勝負で少しだけ後ろに付けてギリギリ先行と呼べる作戦で走ってたらしい。

 でも、末脚のタイミングで芦毛の競走馬が一瞬で自分を抜き去り、どうにかクビ差で二着に入ったがオレに勝ってくると話したのに負けて帰ってきたから悔しくてオレと顔を合わせられなかったらしい。

 確かに、併走の調教だと思ったら他の調教にチェンジしてたタイミングがあったなりねぇ……つまり、レオがオレに顔向けできないから逃げてたのか……。

 

「レオ、おまえは何着だったんだ?」

「……俺、二着でした!」

「レオ、おまえは何着になりたかったんだ?」

「一着です!」

 

「おまえは正直者なりねぇ……いいかレオ? G1レースは16頭以上の競走馬、それもレオと同じくらい頑張って成績を上げた競走馬が来てる。美浦にも栗東にも、皐月賞ってG1に出たい競走馬はいっぱいいる! その中でトライアルレースに勝利して、おまえは胸張ってG1レースに出たんだ。おまえは16頭の中で二番目に速い奴なんだよ! わかるか!? レオは確かに勝負には負けたかもしれない。でも、その芦毛の競走馬以外には一切負けてない!! 例え芦毛の競走馬が一番でも、二番目に速いレオにはなれない!! どうしてかわかるか? ――負けたくないからだよ、そして負けたレオはもっと負けたくないと思ってる筈だ!!」

 

 珍しく真面目なことを言うと疲れるぜ……。

 でも、レオはナイーブな性格だ。この敗北を引き摺って次のレースに本気で挑めない可能性がある。だからこそ、オレは優しい慰めなんてしない。

 レオは可能性の塊のような競走馬だ。その可能性を光り輝く可能性を捨てさせたりしない!

 

「レオ? おまえのお父さんは皐月賞に勝ってるんだよな」

「はい……」

「でも、菊花賞には勝ってない」

「――ッ!?」

 

「おまえの目標はオレか? それならもう無理だ。オレはずっと無敗で駆け抜けてきた。それならレオのお父さんか? それも無理だ。おまえのお父さんも無敗で二冠を達成してる。だったらレオ……おまえが目指す場所はどこだ! おまえが認められる場所はどこだ! おまえが信じられる未来はどこだ!」

 

「お父さんが勝ってない菊花賞です!」

 

「よく言えた。おまえはお父さんと同じくらい才能がある。だから、お父さんから貰った才能でお父さんが成し遂げてない菊花賞勝利を求めろ! もし、ダービーで負けたとしても次は菊花賞が残ってる!! レオ、おまえはオレの最初の弟子で……兄弟みたいなものだ……」

 

「コウセイ様……」

 

「いいかレオ? オレは敗北こそしてねぇけど、お父さんとお母さんが評価されなかっただけでバカにされてる。でも、レオは違う! 凄いお父さんとお母さんを持ってて、競走馬としては良血だ!! おまえをバカにする奴はいない。たから、おまえが最初の目標にしないといけないのは、もう再現できない無敗の二冠じゃない! 父親が成し遂げてない場所での一番なんだ!! 両親が成し遂げてない一番なんだ」

 

 レオは何か吹っ切れたように闘志をメラメラと燃やして自分が悔いたことを反動に真似るのではなく、成る存在へと昇華している。

 こいつにはこのくらい言わないと生返事しか帰ってこないなりねぇ……。

 でも、レオに負ける悔しさと勝利への渇望を求める姿勢が誕生したのは美しいなりねぇ……。

 オレ、確かに無敗の三冠馬だけど、一回も勝ったって実感を持ったことはない。だから、実際は負けてるような感覚なんだよね? みんな良血で優秀な両親から生まれて、競走馬としての才能で溢れてて、オレなんて言うならば野良犬だぜ……。

 でも、野良犬だと思うからこそ勝ちたいって気持ちとお父さんとお母さんをバカにしてる奴らを見返したいって気持ちで溢れてる。だから心の中ではどれだけ勝利しても負けてるって思うんだよね。だから、両親を負け犬という奴らを絶対に許さないなり……。

 

「レオ? 今日の併走は軽く終わらせよう、オレ天皇賞ってヤツに出ないといけないからさ。軽くフットワークの確認くらいでいいぜ」

「はあ!? 何言ってるんですかコウセイ様!! 俺は絶対に菊花賞に勝ちたいです!! だからいつもの拷問併走してもらいますよ!!」

「え、えぇ……次のレースは長距離だから本当に体力おん「はいって言え」はい」

 

 なんかもう……トップとボトムの関係性が崩れてるなりぃ!!

 

 

 

【馬房】

 

「それにしても、短距離G1に挑戦させるとは思わなかった。最近は長距離レースが不人気って言うか、スピードを追い求めすぎてステイヤーを軽視する時代になっちまったからな……」

「わかりますよ。確かに世界中で見たらスタンダードな距離はマイル、でも、長距離にしかない駆け引きってのもあると思いますからね」

 

 高松宮記念で感じたあの感覚、一番前を全力で走るんじゃなくて……相手の競走馬を乱すような走り方……。

 先行に近いけど、先行より少し前を走るような感覚。

 言うならば、徹底気にペースを徹底的に握るような走り方、相まみえる競走馬を誘導して抜こうとしたらスピード上げて、それの繰り返し。

 相手をイライラさせる逃げ……溜め逃げ……!

 大逃げはただの一人旅だけど、溜め逃げなら相手を疲れさせながら勝負が出来るぜ!!

 オレ、いつもスタミナは他の競走馬の二倍以上三倍以下だから大逃げが一番勝ちやすいと思ってたなりね、でも、溜め逃げなら後方から仕掛けてくるタイミングもハッキリと見えて、そして騎手さんのスパートのタイミングも噛み合えば――大逃げより確実に勝てるぜ!!

 

「コウセイは本当にタフだなぁ、短距離って長距離より過酷な筈なのに」

「まあ、コウセイだから出来る芸当だ。最近じゃ、普通の新聞にもコウセイの活躍が乗るようになってる。なんでも凱旋門賞に一番近い馬だってさ」

「まあ、凱旋門賞が世界絶対王者を決める場所ってわけじゃないですし……でも、コウセイが負ける姿は想像できませんよ」

「なあ、コウセイ? おまえは無敗でフランス旅行に行けるか」

 

 ウッス!

 フランスってなんだ? ここが日本だろ、そしてアメリカが調教だろ、じゃあフランスは何なんだろう……でも、フランスって激エロな名前だぜ! もしかしてフランスって場所のレースは全部がG1なのかなぁ? 凄いぜ!! フランスなら無敗の100冠馬になれるかもしれねぇぜ!!

 でも……最近はお父さんがレースに来てくれないから少し寂しい。

 オレ、お父さんもお母さんも大好きだから顔を見れないのは悲しいぜ! お母さんとは放牧の時に気を利かせたお世話係さんがお散歩の名目で少しだけ会話させてくれるけど、お父さんは会いに来てくれないと本当に会えないぜ!!

 うぅ……なんでお父さんは来てくれないのかなぁ……? オレ、無敗で頑張ってるのに意地悪だぜ!!

 

 

 

【天界・日本競走馬支部】

 

「コウセイ……すまないな……」

 

 天界で息子が悲しむ姿に顔を顰めるスーパークリーク、本当は大好きな息子に会いに行きたい気持ちはあるのだが、古馬になったコウセイに助言をするのは過保護過ぎると楔を打ち込んでいる。

 息子は自分より凄い競走馬になった。だからこれ以上の助言は勇気づけるという意味だけではなく、息子の正しい成長に歪みを生んでしまう可能性がある。だから二度ととは言わないが、本当の親心で会いに行っていない。

 

「クリークのヤツ、また息子のことを見てるな……会いたいなら会えばいいだろうに……」

「会わないちゅーのも親心や、クリークは自分より優れた息子の成長ちゅーヤツに干渉しちゃあかんと思ってる。やから会わんのや、ワイもあんな息子が出来とったら古馬になった時点で子離れしとるわ!」

「そういうものなのか……? 私は甘やかしたいと思うのだが……」

「まあ、おやっちゅーんは厳しい方がええんや! ワイのおかんも厳しかったでー」

「……なら、走って気を紛らわせた方がいいだろう。今日は私が出ていないダービー? とかいうのを走ろうじゃないか」

「まーたレースかいな!? オグリは飯とレース以外はなんもわかっとらんなー」

 

 親友二頭がクリークの隣で半ば誘拐のような形で東京レース場スタジオに連れ出していく。

 

 

 

【天皇賞・春】

 

 天皇賞・春、このレースはメジロの競走馬さん達が沢山勝利してきたレースだ! 言うならば、メジロの証らしいぜ!!

 オレ、名前にメジロは入ってないけど……お母さんを大切にしてくれてるメジロ牧場のみんなが大好きだ! あと、ドーベルさんはチョーS(セクシー)だぜ!! だから、本当の意味でメジロの馬になるには、このレースを勝つ必要があるぜ!!

 溢れ出るメジロ魂……ホンダ並みのスピリットだぜ!

 そして闘志を剥き出しにしながらパドックにイン!

 

「流石はG1レース……人間が多いぜ……」

 

 視線はオレに集中してるぜ!

 今日の為に仕上げてきた三冠馬ガタイを見せつけて人間達の期待を集めてやるぜ!!

 それにしても、長距離レースの雰囲気はいいな! 競走馬さん達はスプリンター達とは違う余裕あるガタイをしてるぜ! でも、闘志はスプリンター以上だぜ!!

 

「やあ、コウセイくん久しぶり……でもないね?」

「トーセンジョーダン先輩!? 有馬ぶりっす!!」

「コウセイくんが短距離に挑戦してるって聞いた時は驚いたよ。でも、無敗ってのは凄いよ……僕は君みたいな競走馬にはなれそうにないな……」

「そんなこと言わないでくださいよ! 自分、トーセンジョーダン先輩のことは本当に憧れてるっす!!」

 

 トーセンジョーダン先輩は少し後ろめたさを感じさせる。

 いつもだったらゲラゲラ上手な会話を繰り広げていくのに、今日はパワーが無いみたいだ。

 調子狂うなりねぇ……。

 

「よお……コウセイ……」

「オルフェーヴルくん!? 今日はテンションが……」

「いや……弟にG1初勝利を奪われ……」

「本当に今日はみんなどうしてんだよぉ!?」

 

 オレ、無敗の三冠馬だけど悲しい雰囲気は苦手なんだよー! この状況を打開する方法は無いのかなぁ? ライバルとは全力で戦いたいなりねぇ……。

 でも、新しく開発した溜め逃げを使えば競走馬の本能! 誰よりも前で走りたいと思う理想が現れるはず!! 今日は絶対にライバルと死闘をしてみせるぜ!!

 

 

 

【ゲート】

 

 最近はゲートに入ると武者震いが止まらない、自分が三冠馬ってやつだからなのかなぁ、色々な競走馬さん達の勝利を奪ってしまってるからなのかなぁ……。

 でも、オレはレジェンド達、牝馬さんと約束したんだ。

 ――絶対に無敗で駆け抜けるって!

 

『はじまりました天皇賞(春)、京都競馬場、天候は晴れ、良馬場でのレースになります。一番人気はオルフェーヴル、二番人気にトーセンジョーダン、高松宮記念に挑戦後に天皇賞に挑戦する無敗の三冠馬イッテンコウセイ、ステイヤーの夢、天皇賞春、どのようなレースが繰り広げられるか期待が集まります』

 

 もう少しで全馬ゲートイン……スタートスイッチの準備……!

 ――機械音と共に飛び出した!

 

『イッテンコウセイ、オルフェーヴル好スタート! オルフェーヴルはスッと下げています。イッテンコウセイは大逃げの体制に入るか? いえ、逃げは逃げでも大逃げではなく普通の逃げのように思われます』

 

 スタートは完璧! 後は自分が考えた新技がこのレースに通用するか……!

 本当はG1じゃなくて普通のレースで試したかったんだけど、このレースはライバルの闘志に火を灯す必要があるぜ! だから、新技を使って競走馬としての本能を超淫乱競走馬のオレが火炎放射器を乱射してやるぜ!!

 

「コウセイのヤツ……遊んでるのか? それともオレを待ってるのか――舐めやがって!」

 

(オルフェーヴル調子を落としてたけど……燃え上がってきたな……!)

 

『イッテンコウセイ、ビートブラックと熾烈な先頭争いを繰り広げます。イッテンコウセイ短距離に出たとは思えない力強い走りです』

 

 この逃げ馬さん上手いな、オレと競り合ってるけどスタミナの消耗を最小限に抑えるテクニックは絶句だぜ!? でも、オレにだって逃げ馬の誇りってのがあるぜ!!

 

(今日のコウセイの走りは……溜め逃げ? 確かに長距離だと大逃げはスタミナの消耗が激しい。コウセイは賢いからな、自分で考えた戦術なんだな……! 絶対にスパートは的確な指示を出してやる! 気持ち良く走れ!!)

 

『坂を登り下りのコーナーに入ります。イッテンコウセイ、ビートブラック、先頭争いはイッテンコウセイがおよそ一馬身のリード。下りで加速していきます』

 

 溜め逃げ、それは先行の延長線であり、逃げの亜種。

 大逃げは長距離不利、でも溜め逃げは先行並みのスタミナを維持できるぜ!

 それにしてもこの青毛の競走馬さんはすげーよ、オレの溜め逃げをどうにか追い抜こうと闘志を燃やしてるぜ! そして、オレと同じくらいのスタミナ……逃げのステイヤーって珍しいから本当に憧れちゃうぜ!!

 

『イッテンコウセイ最初の直線、坂を物ともせず力強く上がっていきます。後方二馬身でビートブラック、後方にトーセンジョーダン――オルフェーヴル、仕掛けるタイミングをまだかまだかと伺っています。展開はハイペースで進んでいます』

 

「コウセイくん……君はどこまで進化するんだ……!」

「このポジションじゃ届かねぇ……ゾッエ! 少し上げるぞ!!」

 

 ああ、この殺意! 届く可能性を見出したな! いいぜ!! それでこそ憧れの先輩とライバルだぜ!!

 さあ、オレと最高の勝負をしてくれ!!

 ガッと体中の熱が集中し、精神力が高まっていく。

 レースは残酷で、それでいて最高だ! だから、最高のレースをしたいんだよ!!

 

『先頭イッテンコウセイが第二コーナーに入り後方約三馬身にビートブラック、後方も機会を伺っています。直線に入りイッテンコウセイまだまだ力強い走り、坂をものともしません!』

 

 溜め逃げの本当の意味! ここで残ったスタミナを使う! そして絶対に抜かせない!!

 体中の闘志が放つ熱量が放出されていく……!

 

(ああ、やっぱりコウセイの熱量は最高だ! コウセイに会えて、乗れて、走らせて……! 俺は本当に幸せものだよ!!)

 

『イッテンコウセイペースが上がります! ビートブラックも必死に追いますがこれはまだ早いか!? イッテンコウセイ誰よりも早くコーナーに入り後方も仕掛けにかかります!!』

 

 逃げの新しい形、溜め逃げ……さあ! 先輩、ライバル! 仕掛けてこい!!

 俺ははじめての戦い方だぜ!!

 

『オルフェーヴル仕掛けた! トーセンジョーダンも足を伸ばします! この距離は届くのか!!』

 

 騎手さんの鞭が炸裂! ポルシェ並みのエンジン発動だぜ!!

 後方から襲いかかる爆発的な末脚、オルフェーヴルくんも視界に入った! 隣にはトーセンジョーダンさんもいる!! こういうレースをしたかったんだよ!!

 

『イッテンコウセイ逃げとは思えない凄まじい末脚だ! ビートブラック追いすがる!! 後方からはトーセンジョーダン! オルフェーヴルが迫ってくる!!』

 

 さあ、溜め逃げで発揮される末脚に勝てるか!? いいぜ!! こんなハラハラのレースは大好きだぜ!!

 全力全開の末脚でゴール板を目指して足の回転を早める! ポルシェを超えてフェラーリ並みのエンジンだぜ!! V12気筒って凄いよね!!

 

「チッ! この距離じゃ届かねぇ……! やっぱりおまえはすげーよ……俺がライバルでいいのかわからなくなる……」

「後輩に追い越されるのが先輩の役目なのかな……でも、コウセイくんに出会えて本当に嬉しいよ……」

 

『イッテンコウセイ今、今ゴールです! 二着にはビートブラック、三着にトーセンジョーダン』

 

 我ながら恐ろしい技を作っちゃったぜ!? でも、本当にオルフェーヴルくんは調子が悪かったみたいだ。

 でも、トーセンジョーダン先輩は自分の実力を発揮できたという表情で満足そうにしている。

 

「……また負けた。調子も自信も無くなるぜ」

「オルフェーヴルくん?」

「おまえはすげーよ、だって……いや、これ以上は負け犬の遠吠えってやつか……」

「……オルフェーヴルくん、オレ、多分世界に挑戦する時期がくると思う。だから、その時は日本の競馬を守ってくれ、最初で最後のお願いだぜ!」

 

 オルフェーヴルくんは少し驚いた表情でニヤリと笑って「仕方ねぇ、おまえの不在の時は日本競馬を守ってやるよ」なんてS入った表現で伝えてきた。

 ……やっぱりオルフェーヴルくんはS入った気性難の方がいいなりね♪

 

「コウセイくん、君は本当に……伝説の目撃者みたいで感動するよ……」

「トーセンジョーダン先輩」

「ふふっ、いいんだ。何年も競走馬をしていたら凄い後輩なんて沢山みてきた。だから努力してる、これからも……!」

「……ウッス!」

 

 トーセンジョーダン先輩も嬉しそうに去っていった。

 オレ、どれだけ無敗を続けられるんだろうか? 確かにいっぱいレースに出て、自分の走り方をして、そして沢山の競走馬さんと戦ってきたぜ! だから、思うんだよね……。

 もし、親しい先輩や同期が引退した時――決意が揺らがないかなって……!

 

「コウセイ……勝ったのにしょんぼりするなよ、おまえは勝ったんだ。それもG1に……」

 

 騎手さんのナデナデ、考え過ぎなりねぇ! ああ、淫乱になるぅ♡

 世界、オレは世界で戦う超淫乱競走馬になるぜ! そして……現在じゃなくて、未来を駆け抜けるぜ!!

 続くぜ!

 

 

 

【次回予告】

 

 天皇賞春を走りきったオレは少しだけ不安な気持ちを持ってるぜ!

 だってさ、親しい競走馬先輩はオレより早く引退する可能性があるじゃん! だから少し寂しいなりねぇ……。

 でも、次のレースは宝塚記念だ! 去年も出たけど、知り合いは多いかな? ブエナビスタ先輩はまた来てるかな……なんて思ってたらブエナビスタ先輩は去年の有馬で引退してた……。

 どうしてだろう、ライバルや先輩がずっといると思いこんでた。

 でも、気が付いたんだよね……オレは先輩達の勝てなかったレースで勝って、そして超淫乱競走馬としての威厳を見せないといけないぜ! オレに涙は似合わないぜ!!

 強がりだけど、みんな……優しい先輩だから背負わせてください……。

 

 次回【寂しい!】




 ウッス! 読者の皆様に迷惑をかけた禊としてジェバンニが一晩でやってくれました。正直、眠たくて死にそうです。

 目が覚めた時に正しい21話が投稿されていたらせめてもの償いになると思います! 色々と迷惑をかけてすいません。

 【ガイドライン違反の可能性】の文字は活動報告の方に乗せています。

 今後も言葉選びを厳選して、ガイドラインに引っかからない作品作りを心がけていきます! 楽しんでもらえたら嬉しいです!!

 最後に……拓也さんのブログのタイトルが枯渇しそうで怖いです()


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寂しい!

 続きだぜ!

 オレの馬主さんであるニ○ニコが安田記念? とかいうレースまで出走させようとしてメジロからキツイピンタを食らって少しの間は牧場で休憩、最近はドーベルさんに耐性が着いたのか普通に眠れるようになったぜ!

 でも、超淫乱競走馬は場所も時間も選ばずにレースに出れるんだよね(笑)

 それにしてもレオのヤツ……今日もパワーが違うぜ! BMW並みのエンジンだぜ!!

 

「ダービーでも負けました! 次はハナ差です!!」

「でも、二着でも偉いなりよ」

「一番星になりたいです!!」

「お、おう」

 

 それにしてもレオのスタミナがステイヤークラスになってるぜ! でも、このキレる足があるのにハナ差ってのが腑に落ちないなりねぇ……。

 レオの走り方ならオレやオルフェーヴルくんみたいなお兄さん競走馬以外は基本的に横綱勝ちが出来ると思うんだよね? 走り方が少し足りてないのかな……わからないなりねぇ……。

 

「星野くん……ダービーは残念だったね……」

「はい、鞭のタイミングが噛み合わなかったです……レオを信じてもう少し早く「走らせ方が違うんだよ」え? ――オカベ先生!?」

 

 あれ? ハードS紳士より年上の紳士が渋い表情でレオの上の塩系イケメン騎手さんに指摘を出す。なんかオレの騎手さんも萎縮してるから不思議なりねぇ……。

 

「シャイニングレオ号は確かにキレる足を持ってる。でも、それを扱いこなせてない。新人に任せる馬ではないね……」

「オカベ先生……それは……」

「君はシャイニングレオ号を綺麗な先行で走らせすぎてる。でもね、君の乗っているその子は――生粋のマーク屋だ」

 

 マーク屋? あんまり聞いたことない戦術なりねぇ、オレも出来るなら使ってみたいぜ!

 紳士はレオの騎手さんに熱弁してるなりねぇ、淫乱イヤー発動!

 ふむふむ、レオは気が散りやすい性格で過剰な指示は逆にスパートのタイミングをミスしやすくなる。だから一頭のペースメーカーにマークさせて気質を修正してそのままコーナーを抜けたタイミングで一気に末脚を使うのか……オレが菊花賞でやった先行に似てるぜ!

 

「もし、菊花賞でそれが出来ないのであれば……G1級の馬を飼い殺しにしているものさ……」

「――ッ!?」

「君は優秀な成績を出したじゃないか? 出来るだろ」

「はい! 肝に銘じます!!」

 

 紳士は伝えたいことを伝えただけで静かに去っていった。

 なんか急に現れてアドバイスしてくれるお父さんみたいな存在なりねぇ……。

 そのまま拷問併走が開始されるのだが、レオはいつもより後方からオレのことを威圧するように走ってるぜ!? これがマーク屋ってやつなのか……。

 一応、オレって無敗の三冠馬で逃げ馬だから併走で抜かれることは無かったんだけど不思議な感覚なりねぇ……。

 

「……凄く走りやすかったです!」

「うーん、オレは同じレースに出てないからレオの走り方は併走だけでしか見ないからね」

「なんというか、何も見えない状態で走ってたような感覚が無くなって……これで鞭でピンタされたら末脚が凄く伸びると思います!」

「正直、レオのマークは凄く怖かったぜ!」

 

 ゲラゲラ笑いながらレオの新しい戦法の会話にハマっていく。

 ――筈だった!

 後方からスゲー圧力をかけられて信じられないくらい走りにくいぜ!

 ハメられたぜ! マーク戦法っていうのは鬼が宿るんだな!? 気迫が違うぜ!!

 でも、トップとボトムのプライドでどうにか勝ってやったぜ!!

 成長って怖いなりねぇ……。

 

 

 

【馬房】

 

「コウセイが凱旋門賞出走……決まりましたね……」

「ああ、今が一番脂が乗ってる時期……仕掛けるなら今しかない……!」

 

 調教師さんと厩務員さんが腕を組みながらウンウンと頷いてるぜ! また有馬記念みたいなレースが決まったのかなぁ? それとも去年も出た宝塚記念に出れるのかなぁ? まあ! 今は溜め逃げを開発したからどんなレースでも勝てるぜ!!

 それにしても、溜め逃げと騎手さんの鞭が重なり合えば最強に見えるぜ!!

 

「メジロの意向で天皇賞秋までには帰らないといけないからな……今までよりハードなローテになる……」

「ですが、秋古馬三冠は挑戦したいですからね……」

「凱旋門賞を加えた古馬四冠だな! コウセイ? おまえは前馬未到の境地に立てるか」

 

 ウッス!

 凱旋門ってのはわかんねぇけど、秋古馬三冠ってのスゲーエロい! オレ、無敗の三冠馬だからその秋古馬三冠にすべて勝ったら無敗の六冠馬になっちゃうぜ!? スゲーぜ! 強いぜ! カッコイイぜ!!

 それにしても、最近思うんだよね? 牝馬さんが引退しちゃったり、トーセンジョーダン先輩が衰えてるみたいなこと言ってたり、いつまでも自分の周りに先輩がいるわけじゃないって……。

 オレもいつかは引退するけど、走れるなら限界まで走りたいと思うなりねぇ……。

 自分! 無敗で売ってる超淫乱競走馬だから!!

 

 

 

【天界:日本競走馬支部】

 

 今日もスーパークリークが外界観測所に立っていると思っていたら、今日は風変わりな競走馬達が外界を観測している。

 

「うーん、セイちゃんの溜め逃げを習得しちゃいましたかー」トリックスター セイウンスカイ

「大逃げの方がいいのに……」静かなる逃亡者 サイレンススズカ

「怖がりじゃない逃げ馬ってのは珍しいねっ!」風神 アイネスフウジン

「大逃げもスタミナがないとなー」波乱の逃げ馬 メジロパーマー

「うっわ、ログで見たセイちゃんの菊花賞そっくりだ……」怪鳥 エルコンドルパサー

 

 逃げ馬+エルコンドルパサー、後輩の走りに頷いて舌鼓を打つ。

 先行で走る馬は多いが、ここまで綺麗に逃げてる馬は珍しい。臆病な性格ではなく、ただ単に自分の走り方に合ってるという理由だけで逃げを選んでいるイッテンコウセイに興味が出てきたみたいだ。

 そしてコウセイの活躍を見たいクリークは……。

 

「なんじゃ!? クリークおまえは芝2500mになると弱いのぉ!!」

「ルドルフさん!? 息子が宝塚記念に出るからもう許してください!!」

「なに? ワシがレコード出すまで付き合うって約束じゃろが!!」

「にしても、暴君はすげーわ……走ることしか考えとらん……」

「走った後の食事は美味い……」

 

 シンボリルドルフに拉致されていた。

 

 

 

【宝塚記念2012年】

 

 ウッス! 今日のG1は既視感があるぜ!!

 というか、人間のみんなが凱旋門凱旋門って言ってたから凱旋門賞だと思ってたら今日は宝塚記念みたいだ! なんだろう? 嘘つかれた気分だぜ!!

 さてさて、今日はどんな奴がいるかな? 先輩は来てるかな♪

 

「よぉ、コウセイ。久しぶりじゃねぇが、調子良さそうじゃねぇか」

「オルフェーヴルくん! やっぱりG1レースにはオルフェーヴルくんがいないとね!!」

「……本当に何言ってるんだこいつ」

 

 辺りをキョロキョロ見渡すと知ってる競走馬さんをまた発見!

 あの綺麗な黒いガタイは絶対に!!

 

「エイシンフラッシュ先輩! お久しぶりっす!!」

「やあ! コウセイくんじゃないか。色々と荒らし回ってるって聞いたけど、短距離から長距離まで万能とはね……先輩として鼻が高いよ!」

「ウッス! このメンバーならブエナビスタ先輩も!!」

「……ブエナビスタくんは去年、去年の有馬で引退したんだ」

 

 スッと体の芯が冷めるような感覚。

 そうか、ブエナビスタ先輩は去年の有馬で引退しちゃったんだ……。

 なんでかな、栄転って言えばいいんだろうけど……引退って考えたら頭の中がグルグルになって色々と考えちゃうぜ……。

 ブエナビスタ先輩、すげーカッコイイ走りしてたから今年も宝塚記念に出場してるんじゃないかな? そんな期待でパドックに入った時にはルンルンだったのにさ、今じゃ心が氷になるくらい冷えちゃってるぜ!?

 

「どうしたんだよコウセイ……」

「ブエナビスタ先輩が引退……引退しちゃった……」

「何いってんだ? 競走馬ならいつかは人間の都合でレースに出れなくなる。でも、それは人間の都合だ! 俺達競走馬の都合じゃねぇ!! 目を覚ませアホ!!」

「う、うっす……」

 

 オルフェーヴルくんの言葉のピンタでどうにか正常な判断力が戻ってきたけど、やっぱり一緒に走った競走馬さんが引退するって思うと……寂しいぜ!!

 ちょっと待てよ……トーセンジョーダン先輩も宝塚記念に来てない!? ま、まさか!

 

「お、オルフェーヴルくん……トーセンジョーダン先輩は?」

「ああ? ジョーダンなら怪我で回避してるだけだ。大丈夫、おまえの言うような引退話はまだ耳にしてねぇ」

「よ、よかった……」

「なんでおまえは……まあ、わからなくはねぇが! レースだって勝負だ!! グジグジするんじゃねぇよ!!」

 

 またオルフェーヴルくんに言葉のピンタを貰って精神状態が安定する。

 でも、トーセンジョーダン先輩が怪我してるのか、色々と悲しいぜ! これじゃあアンハッピーセットだぜ!! 幸せになれねぇよ!?

 パドックグルグルが終わる。

 自分なりの決意ってのが必要なんだろうな、オレってさ、頭空っぽの超淫乱競走馬だけど……やっぱり先輩が引退するのは気になる……。

 いつもはゲラゲラと上手な会話で気分を楽にしてからゲート入りするのに……今日はロケットスタートができるかも不安だぜ! 別れが辛いぜ!!

 ――その時だった。

 

『ぜぇぜぇ……コウセイ、何を迷っている?』

「お、お父さん! お父さん久しぶり!!」

『ルドルフさんタフ過ぎる……じゃなかった! コウセイ? 何を悩んでいるんだ』

「お、おれ! 先輩競走馬さんが引退して寂しいんだよお父さん!!」

『それは誰だって一緒だ。走りたいと思っても走らせてもらえない、走りたくないと思っても走らされる。確かに引退や現役は競走馬に選べない権利だ。だが、それに足元を掬われたら終わりだ』

「うん! お父さん」

『だから……逆に考えるんだ。先輩の分まで走るって「クリーク! 息子には助言せぇへんて言っとたやんけ! おまえはホンマに息子に甘々やなぁ」ちょ! 今めっちゃ感動的なシーンだから!! タマ! 後で芝3200だからな!! こほん! だから走れ!』

 

 お父さんに強力なパワーは貰えなかったけど……久しぶりに両親パワーがモリモリだぜ!

 ウッス! オレはお父さんとお母さんの息子だから絶対に勝負を諦めないぜ!!

 

 

 

【ゲート】

 

 複雑な気持ちでゲートイン!

 お父さんの言葉……先輩の走れなかった舞台で戦い先輩を背負う。

 この寂しい気持ちにピリオドを打つにはそれ以外に方法がねぇよ! だから、絶対に勝負を諦めたりしない。自分の走りをして先輩が走れなかった舞台に立つんだ!!

 

『第五十三回宝塚記念、阪神競馬場は晴れ、良馬場でのレースになります。一番人気は無敗街道を走り回るイッテンコウセイ、二番人気は驚異の末脚オルフェーヴル、三番人気にはルーラーシップが選ばれています。史上初の三歳馬での宝塚制覇を果たしたイッテンコウセイ、二連覇なるか!』

 

 自分らしく、そして先輩の為に……勝ちたいと思うなりねぇ……!

 ――そんな時、もうゲートは開いていた!?

 

『まずまず揃ったスタート!? いえ、イッテンコウセイ出遅れています!』

 

「こうせい!?」

 

 やべーよ!? 出遅れなんて初めてだ! どうにか騎手さんがピンタみたいな軽い鞭で意識を覚醒させてくれたけど、ロケットスタートが出来てないから逃げの体制に入れないぜ!?

 こんな時はアレしかない! もうアレに賭けるしかねぇよ!!

 

『先頭から――オルフェーヴル今回は少し前での競馬か? 一番人気イッテンコウセイは馬群の外側に付けています』

 

 オレ、逃げ馬なのにスタートミスなんて恥ずかしいぜ! でも、オレはレースを絶対に諦めたりしない!! 怪我で出れなかったトーセンジョーダン先輩や引退したブエナビスタ先輩の分まで駆け抜けるんだ!!

 

「うわ、コウセイが出遅れとか一生に一回見えるか見れないかの光景だな……煽りに行きてぇが、春で届かなかったからな! 今回は少しばかり前で走ってやる!!」

 

『一番人気イッテンコウセイ、馬群の外側に付けてジリジリと先頭との差を縮めていきます』

 

 馬群の外側に付けたら荒らされてない芝を踏みしめられるからいいぜ!

 でも、オルフェーヴルくんの燃える闘志がムンムンだ! もし仕掛けるタイミングをミスしたらオレは無敗から普通の三冠馬になっちまう! それは先輩達に失礼だぜ!!

 

『第一コーナーを抜けて順位の入れ替わりはありません。オルフェーヴル、内側苦しいか? イッテンコウセイは未だに外側を走りタイミングを見定めています』

 

 後ろからの競馬ならオレのタイミングより騎手さんのタイミングを信じた方が絶対にいい!! 騎手さん! 今日は本当に気持ちいい鞭をくださいなりぃ!!

 

(コウセイが出遅れるなんて思わなかったが……負担は全部俺に来たな! もし、タイミングを間違えたらコウセイの無敗は無くなる。だが! 絶対にコウセイの宝塚二連覇!! それを達成してやる!!)

 

『各馬第二コーナーに入り仕掛けにかかる! おや!? 鞍上福山ここで鞭!! イッテンコウセイがグングンと末脚を爆発させます!!』

 

「仕掛けるのが早すぎる!? コウセイのスタミナでもこのタイミングで鞭かよ!」

 

 やっぱり騎手さんはわかってくれてるなりねぇ……軽いピンタのような鞭で仕掛けろって合図してくれたぜ! いいぜ!! オルフェーヴルくんとの末脚勝負ならコーナーで差を広げておかねぇと絶対に負けちまう!!

 

『イッテンコウセイ抜け出した! 先頭の馬が垂れてくる!! オルフェーヴルも間を縫って上がってきた!! 菊花賞の再来!! 最後はこの二強だ!!』

 

 オルフェーヴルくんが並んでくる! でも、まだオレの末脚は生きてるぜ!!

 それにダメ押しの鞭で――ポルシェ並みのエンジンだぜ!!

 

「またこの構図かよ! おまえとは競り合いしたくねぇのによ!!」

「懐かしく感じるぜ! オルフェーヴルくんと並ぶのはさ!!」

 

『二頭が熾烈なデッドヒート!! 後方から来れる馬はいない!! 二頭の叩き合いだ!!』

 

「なあ、コウセイ? 菊花賞で言ってた激エロってさ……」

「ウッス!」

「牝馬に使う言葉じゃねぇかアホ! オレは小せぇけど牡馬だアホ!!」

「ごめんなさいなりぃ!!」

 

『イッテンコウセイ! オルフェーヴル!! 差はなくゴール!! これは写真判定になりそうです!!』

 

 クールダウンしながらオルフェーヴルくんと併走。エイシンフラッシュ先輩も後から合流してきたぜ!

 

「ハァハァ……僕も年かもね……」

「エイシンフラッシュ先輩は調子が悪かっただけですよ!!」

「チッ、こうなってくると並んだらジンクス発動するな……俺は期待してねぇから帰るぞ……」

「ちょ!? オルフェーヴルくん!」

 

 エイシンフラッシュ先輩も笑みを見せながら去っていく。どうなるんだろ? オレ、勝ててるのかなぁ……。

 ――騎手さんが片腕を上げた。

 

『ニ○ニコの例のアレ、例のアイツは今日も強かった! 二年連続の宝塚制覇! ライバルとの死闘!! すべてはファンの為に! その姿正しくレースの独裁者!! 彼の歩みを止める競走馬は居るのか!? 親の文句は俺に言え! イッテンコウセイ一着!!』

 

 そうか、オレ……勝てたんだ……。

 色々な先輩と知り合って、引退していって、そして託された。

 オレ! 先輩達の走れなかった舞台で踊りまッス!!

 先輩達の夢をオレが肩代わりするっす!! だから……夢を背負わせてください……。

 

 

 

【次回予告】

 

 ウッス! 夏の日差しはチョーSだけど、超淫乱競走馬は絶対に調教を休まねぇぜ!!

 でも、次の話はレオが主役みたいだ!? オレの出番はどうなんだよー(涙)

 まあ、レオは菊花賞に向けて闘志剥き出しだ! パワーが違うぜ! もうこれはポルシェ並みのエンジンだぜ!?

 いいかレオ? おまえはお父さんを真似る必要は無いんだ。だから自分の進む未来を駆け抜けろ!

 オレは超淫乱競走馬で、おまえが超未来競走馬だぜ!!

 

 次回:【シャイニングレオのエクスタシー】




 最近は評価時コメントのピンタが痛いなりぃ……。

 そして通報機能? そこに沢山この作品が並んでて笑いましたw まだまだ不認可とか書かれてるから大丈夫かな? 運営さんが重たい腰を上げてキツイピンタが飛んできそうで怖い今日の頃。

 なんか、通報機能みたいなところにタグが違うってのがあって、前にクロスオーバータグが勝ってに着いてたから外してたんだけど、運営さんが付けてくれてたのを知らなかったぜ!? というか、拓也さんとクロスオーバーってアリなの?

 話しは変わって、レース描写って難しいですよね……レースだけで一万文字くらい書けたらいいけど、やっぱり難しいです。

 最後に、

 評価の時は「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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お父さんは辛いぜ!?(未来)

【リードホース】

 

 リードホースとは、放牧に出されている若駒達を指導する先生のような馬である。

 この場合、性格が穏やかな牝馬が務めることが多いのだが、ことニコニコメジロ牧場に至ってはそれとは真逆の手法が取られている。

 

「ぱぱー」

「うーん? みみちゃんどうしたなりぃ」

「ぱぱがかってないじーわん? ってあるのー」

「うーん、パパが十歳くらいまで現役だったら、もっと世界中のレースで走ってたかもしれないけど……牝馬だけしか走れないレースがあるなりよ。みみちゃんは女の子だからそこでお父さんの分まで走って欲しいなり」

「うん! みみがんばる!!」

 

 現代の大種牡馬イッテンコウセイ号が若駒達に囲まれ、母馬の如く甘やかす姿は競馬関係者の度肝を抜く。

 大種牡馬である彼がどうしてリードホースを努めているのか?

 理由は一頭の白いアイツにあった……。

 

「コウセイ様……コウセイ様成分がぁ……」

「また酷いことになってるな……理解できるけど理解したくない……」

 

 通称ゴルシワープ、競馬ファンの中では有名な話だ。

 最初の頃は驚異の末脚で他馬をごぼう抜きしたことが名付けの理由なのだが、ニコニコメジロ牧場に種牡馬入りした彼はイッテンコウセイ号に只ならぬ愛を持ち、尊敬と愛情が入り混じったドロドロとした感情で溢れている。

 だから、放牧されているコウセイの元へワープしてしまった……。

 

『なんでゴルシくんがいるなり!? 柵どうなってるんだよぉー』

『コウセイ様の元へゴーイングマイウェイ! 自分の愛は自分で切り開くぜ!!』

『助けてなりぃ!!』

『さあ、コウセイ様……愛を深めよ♡』

 

 嫌な事件だったね。

 こういう事件が二十回以上三十回以下? 繰り返された結果、イッテンコウセイは早朝は正妻とのお散歩、実子のお世話、偶に来るニ○ニコ超会議への出席など多種多様な仕事をしている。

 白いアイツがどうしてこうなったのか? 理由は今後の物語を読み進めればわかる。

 

「パパ! オレのはしりかたどう!?」

「うーん、ジュンくんは足が柔らかいから……お父さんの必殺技を教えてあげるぜ!」

「すごいすごい! ジャンプしてるようにはしってる!!」

「フッフッフ、これはみんなのお爺ちゃん、それのお友達から教わった走り方なりよ。ジュンくんはこっちの方が走りやすくなるから頑張って学ぶなりよぉーお父さんもちゃんとコツを教えてあげるから」

「うっす!」

 

 本来であれば、競走馬になる運命にある若駒達には父親の顔を見ることはまず無い。あるとしても種牡馬入りし、偶然父親と同じ場所で種牡馬になるしかない。

 でも、この場所はある意味では人間的子育てを実験的に採用している。

 ……そして、実績が出ているのだ。

 

「しょうらいはパパのお嫁さんになるー!」

「はは! パパは娘と結婚できないなりよー」

「いやいや! ぱぱとけっこんするのー!!」

「オレもマザコンでファザコンだけど……娘に悪影響にならないかな……?」

 

 娘達のお相手が心配になるイッテンコウセイであった。

 

 

 

【正妻】

 

 イッテンコウセイの正妻として有名なのはウオッカだろう。

 紆余曲折がありながらも帰国し、今では牧場の一員になっている。

 

「ウオッカさん? 蹴り癖はよくないなりよー」

「だ、だってさ……蹴りたいじゃん……」

「自分はウオッカさんのガタイの心配をしてるんだよ! もう、これだから気性難の牝馬さんは怖いなりぃ……」

「むぅ! でもさ! コウセイだって……アレの時は色々な奴とやるじゃねぇか!!」

 

 イッテンコウセイが溜息をつき、静かに告げる。

 

「……一応、シーズン最初の一回はウオッカさんなんだからね」

「――っ!? か、かおみるなぁ!!」

 

 イッテンコウセイが残している伝説の一つ、気性難の牝馬でも絶対にコウセイの前では大人しくなる。

 そして育児放棄ばかりしていた牝馬でも、コウセイの子なら絶対に育て上げる。

 人間的に表現すると一目惚れし、一目惚れした相手の子供なら絶対に育て上げるということだろうか?

 

「それに……ウオッカさんが壁を蹴らないように隣の馬房で監視してるなりよぉ……」

「わ、わかったから! 恥ずかしい……」

 

 正妻とのお散歩が続く。

 

 

 

【放牧訪問】

 

「お父さんの勝ったレースに……」

「悔いることは無いなり! おまえはよくやってるよ」

「お父さん……パパ! ごめんねパパ……」

「いいなりよ、おまえは頑張って走ってるから絶対にG1で勝てるなりよ……」

 

 何故か放牧に帰ってきた息子の世話までする。

 

 

 

【トップとボトムの関係】

 

「ゴルシくん? そしてレオ……言い訳はあるなりか」

「コウセイ様愛してます! この『自主規制』を見てください!! 証拠です!!」

「いや、確かに喧嘩したけどさ……ゴルシが悪いとしか……」

「というか……なんで二人してオレの場所にワープしてるんだよぉ!?」

 

 そんなこんなでニコニコメジロ牧場は平和です。




 ほのぼのした話しを書きたかった……それだけです……。

 掲示板の位置のアンケートをしているので、上にするか、下にするか、皆様の意見が聞けたら嬉しいっす!

 評価の時にナスが入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけがオレの養分だぜ!

【追記】

 ウオッカを正妻にした理由は彼女の運命をこの世界だけでも変える為です。


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シャイニングレオのエクスタシー

『レオ、明日から併走はできなくなるけど……おまえなら出来るな?』

 

 目を瞑ればコウセイ様の激励の言葉が頭の中を巡る。

 いつも諦めていた自分がいた。

 自分のお父さんは無敗の二冠馬だけど、強い子供は作れなくて……自分もそんな競走馬の一人なんだろうな、だから未来なんてないんだと思って諦めてた……。

 でも――コウセイ様に色々と教えてもらった!

 

『レオのお父さんは凄い名馬さんだ! 諦めたらいけない。諦めたら両親に失礼なりよ』

 

 その言葉で俺は少しだけ諦めることをやめた。

 すると諦めの視線を向けていた調教師さんや厩務員さん達の目が輝き出した。

 これがお父さんに向けられていた期待の眼差し。

 

『レオ? 全力で走ると疲れるかもしれないけどさ、全力で走る自分をカッコイイって思えば疲れなくなるんだぜ! だから、自分の限界の天井まで全力になればいいなりよ』

 

 限界の天井? そんなの考えたことも無かった。

 でも、自分の限界を探していたら天井に頭をぶつけた。

 ああ、これが自分の限界なんだなって、でも、日に日に限界の天井に苛立ちを覚えて……。

 いつの間にか限界の天井を超えていた。

 

『レオは真似ることが正解だと思ってるかもしれないけど、真似ることは楽だけど先が見えなくなるんだぜ! 真似ないことが未来への歩みだと思うなりよ』

 

 お父さんの無敗の二冠馬を目標にして、打ち砕かれ……その時に与えられた言葉。

 俺はお父さんを目標に走ってきた! 無敗じゃないけど、二冠馬になってやるって……。

 でも、それは楽をしていただけだった。

 コウセイ様のおかげで自分の本当の未来がハッキリと見えた!

 

『レオが俺を倒せる? しらねーよそんなの……でも、レオが自分が一番速い競走馬だと思うなら! オレと同じ土俵に立てたな!! 有馬記念で待ってるぜ!!』

 

 コウセイ様と同じ土俵、舞台に立つなら絶対に――負けられないなぁ……!

 俺はコウセイ様を……お兄さんとしてコウセイさんと呼びたい……!

 だから――天井を突き抜ける!!

 

【菊花賞2012年】

 

 パドックに集められた同い年の名馬達、気合で負けちゃいけない!

 今、俺はお父さんの立てなかった舞台で堂々と駆け抜ける!!

 

「よお、二着マンは今日も自信満々だなー」

「白い奴……今日はやる気あるのか?」

「うーん、ダービーはちょっち仕掛けるタイミングが悪くてさー……まあ! 今日は爺ちゃんが勝ったレースらしいし、多少本気になるかな!!」

 

 なんというか、雰囲気はコウセイ様に似てるけど……魂の部分が違う。コウセイ様は自分の才能を過信なんてしていない。ただ、自分の体の中にある名馬達の心を受け継いで……リスペクトしてる!

 でも、こいつはリスペクトしていない。ただ自分の才能が先祖達にあるから気楽に駆け抜けてるだけだ! 最初の頃の俺と同じだ……昔を見ているようだ……。

 

「にしても、走るってのは面倒くさいよなー」

「……どうしてだよ?」

「俺ってさ、確かに負けたら一瞬くらい悔しいと思うけど、負けた理由を考えたら当たり前だって納得しちまう。だからレースに本気になるってのが滅多に無いんだよな」

「……そうか、まあ、才能があればそうなのかもな」

 

 コウセイ様、今だから謝らせてください。

 俺、本当はコウセイ様が言ってたような良血じゃないんです。

 九州の牧場が破産して、お母さんを引き取った馬主さんがお父さんのファンで……お母さんは中央じゃ見ることが出来ないくらいの零細なんです……。

 でも、コウセイ様という目標で自分のグレた心が綺麗になりました。

 最初はコウセイ様が羨ましかったです……自分と同じくらい零細で、それなのに無敗でクラシック路線を寄り道しながら勝ち続ける姿が! でも、併走している内に兄のような優しさが……自分に才能があるという鼓舞が!! 俺に自信をくれました!!

 

「なあ、俺はシャイニングレオって言うんだ。笑える程の零細血統だ」

「零細血統? 俺はそういうの気にしなーい。てか、俺の親父も種牡馬になれたのが奇跡らしいし、見方を変えれば零細だ。ただ、才能はあるってだけ。ゴールドシップ、覚えなくていいぞ」

「ふっ……なら、同じだな? 今日はどっちが二着マンになるか――勝負だ!」

「……俺、おまえみたいな奴好きだぜ! いいぜ」

 

 パドックが終了し、ゲートに向かうトンネルに足を踏み入れる。

 自信とやる気だけは一番星、そんなのは負けた時の言い訳になる。

 今、俺はどっちも無い! ただ、一番星になりたいってだけの競走馬!!

 

『おお、こうやって孫に会いに行くのか! うーん、天界で見てただけだが……トウハイテイオーにそっくりじゃのぉ……』

「え? 貴方は誰ですか」

『ん? ワシはおまえさんの爺じゃ、なんやかんやで孫には助言をしてやりとうてのぉ』

「お、お爺ちゃん?」

『のぉ、孫……なんも思いつかんわ! まあ走れ! おまえのことを見守っとる』

「……はい!」

 

 なんだろう、凄くカッコイイ競走馬だった。

 あの競走馬がお父さんのお父さんで、お父さんの息子が俺で……。

 ハハッ……負けたくないよりも、勝ちたいになっちまった……!

 

 

 

【ゲート】

 

 お父さん、俺は貴方の勝っていない場所で勝利してみせます。

 もし、勝てなかったら……そんなこと言いません、絶対に勝ちます。

 この舞台に立てる自分を産み落としてくれてありがとうございます……お父さん、お母さん!

 

『シャイニングレオ、ゲート入りを嫌がり……いえ! これは……テイオーステップ?』

 

 お父さんのステップ、このステップでこの場所に俺とお父さんの証を残します!

 人間の大声が遠方からも聞こえる。

 コウセイ様、有馬で会うって約束……忘れてませんよ……!

 

『シャイニングレオゲート入り。京都競馬場、天候は晴れ、良馬場でのレースになります。一番人気はゴールドシップ、二番人気にシャイニングレオ、三番人気にはマウントシャスタが推されています。クラシック最後の冠、どのようなレースになるのか注目が集まります』

 

 俺が果たすのはレールじゃない、未来!

 

『今スタートしました! ゴールドシップスタートを決めましたがスッと下げます。二番人気シャイニングレオ快調に飛ばしますが二番手で抑えます。ハナに立ったのはビービージャパン、先頭からビービージャパン、シャイニングレオ――最後方からゴールドシップ』

 

 全員の仕掛けが早すぎる! このまま無策な先行をマークしてたら確実に後ろから持っていかれる! でも、このレースは長距離……騎手さんに頼むしかない……!

 

(これはヤバイな……無策な先行前残り狙い! 本物の逃げ馬はいない。レオ、すまないが仕掛けるのは俺の考えで決めさせてもらうぞ!)

 

『スタンド前、拍手に迎えられて優駿達が駆けていきます』

 

「なんだこれ? こんな簡単なレースでいいのかよ……人間の考え方ってのは――ッ!?」

 

(今だ! レオ!! おまえのスタミナなら絶対に抜かれない!!)

 

『第二コーナーを抜けて――シャイニングレオがハナに立ちました! これは早すぎるか!? リードは直線中程に入って三馬身!』

 

「やべぇ……これ以上のリードを許せば負ける……! でも、いいなこの雰囲気! 興奮するぜ!!」

 

『ゴールドシップも早めの仕掛け、外側からセーフティーリードを許さない!』

 

 ああ、これが逃げ馬の感覚なのか、ただ前を走って仕掛けてくる相手に怯える。

 でも、これがコウセイ様が見ていた世界――先頭の景色、誰もいない静かとも感じられる感覚!

 ――そして殺気!

 

『コーナーに差し掛かりシャイニングレオ三馬身! 二番手にゴールドシップが虎視眈々と狙っています!!』

 

(コーナーを抜けたこのタイミング! レオ!! おまえは親父を超えろ!!)

 

 コーナーを抜けたタイミングで騎手さんの全力の鞭――燃えるぜ魂が!!

 

『シャイニングレオ伸びる伸びる! ゴールドシップも肉薄!! 直線の叩き合い!! 最後はこの二強だ!!』

 

 お父さん、お母さん、お爺ちゃん……コウセイさん……。

 俺、諦めない自分を最高にカッコイイと思えるようになりました……。

 だから、天井を超えた天井を超える勇気をください。

 

『ゴールドシップ先頭! シャイニングレオ差し返す! 並ばない!! 互いに最後の力を振り絞って直線での勝負だ!!』

 

「……これは、才能じゃなくて実力で負けたな――シャイニングレオ、おまえすげーよ!」

 

『シャイニングレオ抜き返す! シャイニングレオ体制有利!!』

 

 ゴールを抜けて静かに呼吸を整える。

 勝った。感触がある。確かにゴールドシップより早く駆け抜けた……!

 だからこそ、俺は……お父さんを超えた!! エクスタシー!!

 

『父が立てなかった舞台での勝利――シャイニングレオは父を超えた! トウカイテイオーの息子ではなく、光り輝くライオンハート! シャイニングレオはここにいるぞ!! 一着!』

 

 これがお父さんの立てなかった舞台、そして勝利……。

 コウセイ様……コウセイさん、俺……

 

 お父さんを超えました!

 

「……有馬で勝負だ。怪我して回避するんじゃねぇーぞ」

 

 ゴールドシップが静かに去っていく。

 これが未来を走る俺の最初のG1制覇、序章でしかないな……! ゴールドシップがいる!!

 アイツは俺が死ぬまでのライバルだ……。

 

 

 

【次回予告】

 

 飛行機って不思議な感覚、だってさ! 車みたいにガタガタじゃなくて……引っ張られるような感覚なんだよ!

 そして到着したフランス! ここが凱旋門賞の舞台かぁ……芝がスゲー滑る!?

 でも、先輩やレジェンド達、牝馬さん……俺の決意は決まってるぜ! 勝って帰ってくる!!

 そんな時――レース中に大量の競走馬さん達が!?

名馬『おまえに力を貸してやる! 俺達の夢を叶えてくれ!!』

 いいぜ! オレの体をみんなに貸すぞ!!

 

 次回:【凱旋門賞勝利報告】




 やっぱりレース描写は濃ゆいの書けないですね……。

 アンケートの投票ありがとうございます! 結果は現状維持、そのままにしますね。

 次回は凱旋門賞……頑張ります!

 評価する時に「ナス」が入ってたら嬉しいな♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!


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凱旋門賞勝利報告

「おーっす! すげー!!」

 

 いつものように馬運車で連れてこられたレース場じゃない場所! なんかそこにはトンボみたいな機械があってさ! 先輩から聞いたアスファルトとかいうのでレースが出来そうなくらいの広さ! すっげー、ポルシェと競争できそうだぜ!!

 それにしても、フランスって国は遠いんだなぁ? いつもだったらジャニ系馬運車で移動するだけなのに、今日は機械トンボだぜ! うーん、空を飛ぶ機械って言ってるし……飛翔機! 激エロな名前だぜ!!

 

「オルフェーヴルはフォア賞から行きましたが、コウセイはぶつけ本番の凱旋門……」

「まさか、凱旋門賞に殴り込む馬を育ててしまったとは……俺、コウセイが初めてのG1ホースだぞ」

「それいったら自分も福山くんもそうですよ……」

 

 コンテナの中に入ってマジ狂い! すっげー! ジャニ系馬運車とは違う感覚だぜ!?

 なんていうのかなぁ? 馬運車はブルブルしてるけどさ! この飛翔機は引っ張られるような感覚がスゲーぜ! 激エロ! こんな体験はじめてだぜ!!

 それにしても飛翔機に乗せられるってことは、フランスとかいう場所のレースに出るのかなぁ? フランスってすべてのレースがG1のプロ級国家じゃん!? パワーが違うぜ!

 

「あぁ! 引っ張られるぅ~♡」

 

 この飛翔機は淫乱になる効果があるんだな!? ハメられたぜ!!

 

 

 

【フランス到着】

 

 飛翔機の淫乱振動でマジ狂いしてたけど、いつの間にか寝ちゃってダウン……。

 それにしても日本の香り? それとは違ってオシャレな香りが漂ってるぜ! なんだろう、物凄く気品があるっていうのかなぁー格式があるっていうのかなぁーエロイぜ!

 そのまま馬運車に詰め込まれて、あの振動にマジ狂い! 最高のマッサージ機だぜ!

 

「コウセイも来てたか、いや、おまえが来ねぇわけねぇよな」

「ウッス! オルフェーヴルくん!? オルフェーヴルくんもフランスに来てたの!」

「はぁ……おまえは本当に脳天気だなぁ……」

「ウッス! ありがとうございます!」

 

 なんでもオルフェーヴルくんは凱旋門賞をシード通過出来ないでフォア賞とかいうレースに出たみたいだ! そして、騎手さんを変えられてマジ狂い! 日本だとお兄さん……最初の宝塚記念で会ったチョー怖い競走馬さんからの系譜でゾッエさんとかいうジャニ系騎手さんしか乗せてなかったんだけど、今回の凱旋門賞では現場慣れしてる騎手さんが背中の上で白け気味。

 オレも少しだけ不安だったんだけど、ジャニ系を超えて福山○治系イケメン騎手さんがやってきてマジ狂い! 超淫乱競走馬にはイケメン騎手さんだよね♪

 

「ゾッエも俺に乗ってくれるって説明してたみたいだが……馬主が現場慣れしてる方がいいってさ……」

「それは辛いなりねぇ……オレは零細血統だから許されたのかなぁ……?」

「こればっかりはなんとも言えん。はじめてレースの勝敗以外でおまえを羨ましいと思った」

「ウッス……ごめんなさい……」

「いや、いいんだ。おまえの騎手は鞭のタイミングが上手い。ゾッエと同列くらいに、変に変えて負けたら無敗が無くなる。妥当な判断だ」

 

 オルフェーヴルくんは少しだけ寂しそうな表情を見せながら併走の相手をしてくれる。やっぱり追い込み馬だからパワーが違うぜ! F1並みのエンジンだぜ!?

 でも、併走してて思ったんだけど……芝がすげー滑る!? 足の角度を何度か調整して頑張ってるけど、早めに現地位入りしたオルフェーヴルくんに、

 

 掘られまくり痙攣しまくり白目剥いて吠えまくり!

 

 やべーよ!? このフランスとかいうところの芝に全然適応出来ねぇぜ! ダートみたいにスッと足を入れたら余計に滑る! なら雨の日の芝みたいに強めのステップで走ってもヌメヌメとした艶めかしさで加速できねぇよ!?

 

「なんだ。おまえもその感覚に怖気づいてるのか……俺も最初は苦労したが、これくらいの踏み込みだったらどうにかなる」

 

 オルフェーヴルくんがお手本を見せるように何度か力強いステップを見せてくれる。

 ふむふむ、揃えられてない芝に適応するには角度と力強さが重要なのか、この感じだと大跳びで走ったら滑って怪我をする可能性があるぜ……ガンギマリ走法を力強くして、踏み荒らすように走ったら激エロ! でも、大跳び走法の角度を変えれば適応できるような気もするんだよなぁ……。

 

「まあ、俺は体が小さいからこれにしてるだけで、おまえは多少大きいからな……柔軟な発想で対処しろや……」

「ウッス!」

 

 何度か大跳び走法で芝の攻略をしてみたけど、トップスピードに到達するのが遅い……オルフェーヴルくんのステップを真似したら、それなりに走れるんだけどうーん? これじゃあ、トータルパフォーマンスでオルフェーヴルくんに負けちゃうぜ!?

 今日のライバルとの併走はここで終了。

 課題が残るなりねぇ……。

 

 

 

【天界・競走馬ヨーロッパ支部】

 

「あの、ここはヨーロッパの名馬達の――」

 

 唐突に現れた日本の名馬達が管理人を名乗る競走馬に蹴りを入れて黙らせる。

 筆頭シンボリルドルフに引き連れられた日本の名馬達が気持ち悪い芝だと舌打ちをしながら欧州凌辱だぜ!

 

「ああ、懐かしいなぁ……俺ってさ、凱旋門賞走ったことあるんだぜ……」

「エルちゃんは凄いなぁーセイちゃんも凱旋門行ってみたかったなー」

 

 走りたいのに引退したセイウンスカイが苦笑いを見せながら欧州の芝を練り歩く。

 そして到着したのは欧州のドンの前、ニジンスキー。

 

「……なんだ、俺の子孫が走るって聞いてたが。日本の競走馬だったのか」

「ああ、珍しく旅行さね」

「お爺さん、はじめましてです」

「ん? おお、おまえが凱旋門に出る子孫の親か……渋い顔をしてるな……」

 

 クリークとニジンスキーが互いに見つめ合う。

 そしてニジンスキーの方が高笑いを見せた。

 

「結構結構! おまえ達を歓迎する!! 今日は楽しい宴にするように」

 

 ドンの受け入れで日本競走馬が欧州の天界に滞在することを許された。

 ――もちろん、全力で介入する気マンマンである。

 

 

 

【馬房】

 

 少し考える……するとイメージできる……。

 足で地面を蹴る感覚……この激エロな感覚はどこでも同じ……。

 でも、芝のヌメヌメとした感覚、これが走りを狂わせる。

 ガンギマリ走法を使ったとしても、オルフェーヴルくんと同じスピードしか出せないし、短距離で生み出した走法だとスタミナが気になる。

 オレ、スタミナで売ってる超淫乱競走馬なんだけど、ガンギマリ走法で走ったら確実に仕掛けのタイミングでダウンだ……逆噴射なりねぇ……。

 スピードとスタミナを両立させるには大跳び走法が必須だ! でも、大跳び走法はここの芝に適応できるか気になる……。

 まるで生かさず殺さずの芝だぜ!? チョーSだよな!

 

「まてよ? 強いステップで飛んで……また飛んで……」

 

 短距離に挑戦する時に考えてた大跳び走法の進化系【舞空術走法】が頭の中を駆け回る。

 大跳びの回数を増やしてピッチ走法と同じくらいのスピードにするって考え方だったけど、この場合だと一回のステップで大きな距離を移動する!? そうだぜ! この舞空術走法なら力加減だけ間違えなければ芝に適応できる!

 イメージ……あのヌルヌルとした芝を駆け抜ける力加減……。

 ある意味では地面をガン掘りするくらい……ダートみたいに丁寧に角度を考えるんじゃなくて……。

 ――怪我をしないギリギリのラインで踏み込む!

 いいぜ! 新テク【改・舞空術走法】開発だぜ!

 

 

 

【凱旋門賞】

 

 オルフェーヴルくんとの併走で完成形まで持ってきた【改・舞空術走法】、確かな自信はあるけど、少しだけ勇気が出ないなりねぇ……。

 自分のスタミナを全力で信じるならガンギマリ走法で2400mを駆け抜けた方がいい、それがベスト! でも、芝のヌメヌメ感を感じるに1600mくらいならそれで駆け抜けることができるけどさ、今回は2400m……自信が生まれないぜ!?

 だから、フランスで開発した改・舞空術走法で走るしかないぜ! お父さんとお母さんにお見上げとして一着の布を見せたい!

 ――その時だった。

 

『久しぶりの欧州だなぁ……競走馬が何言ってるのかわかんね……』

「貴方は誰ですか?」

『ん? 俺はエルコンドルパサー……凱旋門賞に挑戦した競走馬の一頭だ……』

「ウッス!」

『いやぁ、本当にクリーク先輩にそっくりだな! 俺も長生き出来てりゃ……おまえみたいな息子を見れたのかもしれねぇが、こればっかりは運命だよな』

「ウッス!」

『いいか、ここの芝は脱力したら慣れた奴が喰らいに来る。だから力みを忘れるな……俺はそれで二着になっちまった……』

 

 エルコンドルパサーさんは笑って消えていった。

 平成三強とはまた違う雰囲気があったぜ! 言うならば……強い競走馬が切磋琢磨した時代……!

 黄金世代! エルコンドルパサーさんは絶対黄金世代の競走馬さんだ!?

 ――その時だった。

 

『君がクリーク先輩の息子さんだね! 僕はライスシャワー、本当は接点はあまりないんだけど、君の活躍が気になっちゃって!』

「ウッス!」

『いいかい? 自分の実力ってのは限界を超えた限界の中にあるんだよ、だから諦めるなんてしちゃいけない。今更だけど、考えるより走る方が正しい選択肢、君は迷ってる! だから迷わないで』

「ウッス!」

 

 ライスシャワーさんは迷うことが一番いけないと言って消えていった。

 その姿はまるでヒール! 正義の味方を倒す悪役だ! でも、その中には絶対的な信念があって、誰がなんと言おうとも曲げない鋼の意志を感じるぜ!?

 そうか、迷うと負けるよな……迷ったら逆走してるのと同じだ……!

 ――その時だった。

 

『久しぶりだねコウセイくん』

「ウッス! サイレンススズカさん!?」

『わかってると思うけど、説明するね。大逃げだよ……』

「ウッス!」

 

 スゲー目がイッちゃってるサイレンススズカさんに強力な大逃げ強要を受けた。

 やっぱりサイレンススズカさんは逃げのプロ級マニアなだけあって大逃げしか許してくれねぇぜ!? チョーS(スピードスター)だよな!

 でも、確かにこの芝で溜め逃げをしたら後ろから差されそうなりねぇ……。

 ――その時だった。

 

『久しぶりだな……今日も良い顔をしている……』

「ウッス! オグリキャップさん!?」

『本当に驚かされる。コウセイ……君は私の考える上を常に走り続ける。感動している』

「ウッス!」

『クリークの息子だとわかっているが、平成三強の息子だ。つまり……私の息子でもある。息子よ、夢を見せてくれ』

「ウッス!」

 

 オグリキャップさんもお父さんになっちゃったぜ!?

 でも、俺の体には平成三強の魂が受け継がれてるぜ! 平成三強は世界で一番激エロな競走馬!! その魂をフランスにも見せつけてやるぜ!!

 そして、あの痙攣がやってくる。

 いつもより強い鼓動にマジ狂い! ハメられたぜ!? 本気で俺に勝利の鼓動を植え付けたな!

 ――その時だった。

 

『ふっ、これが孫の教師か……良い面をしてるのぉ……』

「ウッス!」

『ワシはシンボリルドルフ……レオの爺じゃ! レオに恥ずかしい姿を見せたら許さんぞ?」

「ウッス!」

 

 レオのお爺ちゃんシンボリルドルフさんまで!? 今日は日本の名馬大集合じゃん!

 でも、あの堂々とした立ち姿……激エロ過ぎるだろ!? 競走馬の完成形じゃん! 俺、超淫乱競走馬だけど、シンボリルドルフさんは超超超激エロ競走馬だぜ!!

 ――そして最後に、

 

『コウセイ……』

「お父さん……!」

『コウセイ……お父さんは何も言えない……』

「お父さん?」

『すまない……おまえの姿を見て泣いている。こんなに堂々とした競走馬は見たことがない』

「ウッス!」

『コウセイ……お父さんに夢を見せてくれるか……?』

「ウッス! お父さんとお母さんに最高の勝利を届けるッス!!」

 

 覚悟がガンギマリ! もう、勝利以外できねぇな! 超淫乱競走馬は常に一番星! 世界最強の競走馬は激エロで淫乱じゃなくちゃね!!

 名馬パワーで体中がヒート! これはもう――ポルシェ並みのエンジンだぜ!!

 

『なあ? おまえ勝てそう』

「しらねーよ、そんなの」

 

 地味にオルフェーヴルくんの後ろにもジャニ系競走馬さんが居たけど無視してた……。

 

 

 

【ゲート】

 

 何度も深呼吸を繰り返して力みを貯めていく。

 脱力なんてしたらいけない。常にヒリついた雰囲気で駆け抜ける――!

 騎手さんが力んでるオレを落ち着かせようとナデナデしてくれるけど、ここで淫乱になったらオレは気が抜けちゃうぜ! だから、気性難みたいに振る舞う。今日のオレは気性難の超淫乱競走馬だぜ!!

 そして、競走馬の目標になる存在! 超ドリーム淫乱競走馬になるぜ!!

 

『凱旋門賞、天候は晴れ、芝は少し濡れて重馬場になっています。一番人気は日本からの挑戦者イッテンコウセイ、二番人気にオルフェーヴル、三番人気にキャメロットが推されています。未だに達成されていない日本競走馬の凱旋門賞勝利、ジンクスを破ることができるか? 注目されています』

 

 ゲートの中でも力むのをやめない。

 油断によってすべてが崩れ落ちる……この重たい芝を攻略するにはガタイが壊れるくらいの力みが必要だぜ!!

 

(こうせい……これがおまえの覚悟か……!)

 

 心臓の音が絶え間なく聞こえて力みが更に増す。

 いいな……この感覚……!

 オレは色々な覚悟でレースをしてきた。

 だからこそ、今しか見えない。

 

『全馬ゲートイン……今スタート! 勢いよく飛び出したのは日本からの挑戦者イッテンコウセイ、後続もいいスタート、イッテンコウセイ逃げの体制を取るが坂はどうか? 後方から――最後方付近にもう一頭の挑戦者、オルフェーヴル――イッテンコウセイ七馬身程のリード!? これは大丈夫なのか……』

 

 やっぱり改・舞空術走法は正解だったぜ! このヌルヌルとした芝を体重を乗せて駆け抜けて激エロ! 上り坂も反動がついて逆に快適な一人旅だぜ!!

 ああ、体中の力みがパワーに変換されていく――全力全開だぜ!!

 

『坂を登りイッテンコウセイのリードはそのまま、下りに入ります。イッテンコウセイどこまでその逃げが通用するか? 欧州の競走馬は手強いぞ』

 

 下りは得意だぜ! オレのダウンヒルテクニックは天下一品の濃厚こってり!!

 騎手さん……信頼してくれてありがとう……!

 

「コウセイ……本気で奪いに来たか……

 

 俺はコウセイの大逃げを捕まえられるのか?

 

 わからねぇ……でも、俺はコウセイのライバルなんだよ!!」

 

 漂う殺気、そして困惑。

 オレ、昔は大逃げで売ってた超淫乱競走馬だからさ、大逃げも得意なんだよね!

 いいぜ! 今日もオルフェーヴルくんと最高の争いをしてやるぜ!!

 

『第二コーナーを抜けてイッテンコウセイまだリード! フォルスストレートに入りリードを更に広げる! 後方はまだかまだかと指示を待つが――イッテンコウセイの鞍上ここで鞭!?』

 

(コウセイ……今日のおまえならセーフティーリード以上を狙える! これは信頼の鞭だ!!)

 

 騎手さんの鞭で――ポルシェ並みのエンジンだぜ!!

 そして……走馬灯……。

 

『大地が弾んでミスターシービーだ。史上に残るこれが三冠の脚だ! 19年振りに三冠馬を達成しました。ダービーに続いてものすごい競馬をしました。坂の下りで先頭に立ったミスターシービー!!』

 

『外からシンボリルドルフ! 大歓声だ。赤い大輪が薄曇りの京都競馬場に大きく咲いた! 三冠馬、8戦8勝! 我が国競馬史上不滅の大記録が達成されました!!』

 

『3度目の対決にしてはじめてタマモクロスを下しました!』

 

『メジロはメジロでもマックイーンの方だ!』

 

『ミホノブルボンは三冠にならず、ライスシャワーです。ああっという悲鳴に変わりましたゴール前!?』

 

『弟は大丈夫だ! 弟は大丈夫だ! 10年ぶりの三冠馬! 史上5頭目の三冠馬!!』

 

『強い者は強い、強い者は強い。エルコンドルパサー無傷でG1制覇!』

 

『逃げ切った逃げ切った! 38年ぶりセイウンスカイ。まさに今日の京都競馬場の上空とおんなじ!』

 

『勝ったのはスーパークリーク! 余裕の走りだ!!』

 

 ああ、これが――競走馬の走りか……。

 すげー……激エロだぜ……。

 でも、オレって競走馬じゃなくて超淫乱競走馬なりねぇ……!

 この全部を超えてやるぜ!! だってさ……個性って大切じゃん!!

 

『最終直線! イッテンコウセイ余裕の走りだ!? ジンクスを破るのか! 後方からオルフェーヴルが弾丸のように上がってきた!! 日本の競走馬が競り合う!! 互いに誇りの為に戦う!!』

 

 ――名馬さん達、オレの体をみんなに貸すぞ!

 前人未到の地に一緒に行こうぜ!!

 

『イッテンコウセイリードはまだまだある! オルフェーヴル厳しい!! 残り400m!!』

 

 だから、夢はみんなで分け合いたいなりねぇ……!

 

『イッテンコウセイ駆け抜けた! 日本競馬、日本の競走馬初の凱旋門賞勝利!! 歴史的瞬間に場内から大声が響いている!!』

 

 そして、晴れてたら――青い空はどこでも同じだからさ……。

 凱旋門賞勝利報告……だぜ!

 

 

 

【日本】

 

「速報です。日本の競走馬イッテンコウセイが凱旋門賞に勝利しました。日本馬史上初の快挙に競馬関係者が湧き上がっています」

「競馬関係者からは「あの血統はなに?」というコメントが多く寄せられています」

「号外号外! イッテンコウセイ凱旋門賞勝利!!」

「うおぉおおおおお!!」

 

 

 

【次回予告】

 

 久しぶりの大逃げでダウン寸前! 溜め逃げを開発してから大逃げの選択肢をやめてたのがヤバかった!? でも、超淫乱競走馬は怪我しないなりねぇ♪

 そして帰国したら病院やら隔離やらでマジ狂い!? レオに会いたいのになんなんだよー(涙)

 で、決まったのが天皇賞・秋? 春より距離が短くなってるみたいだ! あれ? そういえば騎手さんが来てくれない……。

 えぇ!? 騎手さん結婚してたの! そして出産予定日が天皇賞当日!?

 そして現れるハードS紳士! いいぜ!! 騎手さんに最高の出産プレゼントだぜ!!

 ハードS紳士! オレを上手く扱ってくれよな!!

 

 次回:【ハードS紳士の激しすぎる再騎乗】




 ウッス! 頑張って書きました!! 次回は掲示板を予定しています。

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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ハードS紳士の激しすぎる再騎乗

 続きだぜ!

 うっす! うおーっす!!

 やっべー!? 凱旋門賞とかいうレースの後に速攻魔法バリにチョーハードな飛翔機輸送だぜ! アレだけスゲー逃げをしたから体のパンプがギンギンだ! この引っ張られるぅ感覚がオレを徹底的に、イッテンコウセイを徹底的に淫乱にしてくる!

 ハメられたぜ! フランスのS入った馬主がオレのことを国外追放したんだな!?

 やっぱり生かさず殺さずの日本流の調教だと、S入った外国の馬主さんからギン目で睨まれるのかもね♪

 そんなこんなで日本に帰還だぜ! もう少しフランスのレースをガン掘りしてやりたかったけど、秋古馬三冠? とかいう三冠レースで無敗の六冠馬にならねぇと! なんて思っていたら……。

 

『今、凱旋門馬イッテンコウセイが帰国しました!』

 

 うぉー!? すっげー、なんかゲート入り前のフットワークを確認する場所で生えてる? 黒い棒みたいな機械がいっぱいだ! いつもは動かないのに今日に限ってはデカマラみたいにギンギンに動き回ってるぜ!? チョー目がグルグルするぜ!

 うーん、それにしても気持ち悪いなりねぇ……気が立ってるレース前にこんなの見せられたらさぁ! 気性難のジャニ系競走馬はイライラして蹴り入れちゃうぜ!? オレが超淫乱競走馬だからってイライラしないと思ってるのかよ! 人間ってチョーSだよな!!

 黒い棒に気持ち悪さのピンタをもらいながらジャニ系馬運車に乗せられる。

 この感じだと美浦に一直線だなとガタイで分析。

 レオはどうかな? 菊花賞は勝ってるかな? それともまだレースやってないのかなぁ?

 

 

 

【動物病院】

 

 あれ? なんか美浦じゃない場所に連れてこられたぜ!?

 ってか、この白い布を着てるタイプの人間はレース後におしっこを採取する人間じゃん!? えぇ!! オレって凱旋門賞とかいうレースでもおしっこ採取されたのに日本帰国でもおしっこ採取されるのかよ! 人間ってチョーS(採取マニア)だよな!

 それにしても、オレに対する扱いがハードSじゃなくて、ハードMだぜ!? いつもだったら無表情で色々な検査をする人間がデカ人参を扱うみたいに丁寧な仕事をしている。

 ハメられたぜ! 海外から帰国したら牝馬を扱うような丁寧な仕事をしないといけないんだな!?

 

「わぁ、これが無敗の凱旋門賞馬イッテンコウセイですかー」

「色んな冠がありますねー。こんなに勝ってるとは思わなかったぁ」

「ここは検査室で、向こうに、精密検査施設があるんだ。後で、そこへ行こうよ」

「凱旋門賞で一着になった、この素敵なボディを見せてお」

 

 色黒マッチョのビルダー体型な白衣が二人、検査されるのはコウセイだけ!? そういうことかよ!

 いいぜ! オレの超淫乱ガタイをギン目で検査してくれよ!!

 

 

 

【天界・日本競走馬支部】

 

「うっわー……白い布野郎共に回されてるやんけ……」

「うむ、奴らは専門的な知識を持っている。何をしているのかわからないが」

「コウセイ……死ぬなよ……」

 

 いつもの三頭でコウセイが病院でマジ狂いしている姿を眺める。競走馬だからこそ、何をしているのかわからないが、非常にエキセントリックな診察が続いている。

 

『ウッス! 超淫乱競走馬の奥の奥まで!?』

『ダブルバイセップス』

『サイドチェスト』

『ウッス! うおーっす!? すっげー……何されてるのかわっかんねぇーよ!』

 

 見ていられなくなったスーパークリークが静かに視線を反らした。

 すると……そこには二頭の三冠馬が……!

 

「三冠馬対決……もちろん親も参加だよね……」

「クリークは長距離専門じゃからな……天皇賞春辺りにするぞ……」

「ひっ!? どっちも視線を向けられないじゃないか!!」

 

 白いの二頭に救援を求めるがコウセイの色々な場所に針や腕が挿入されている姿を傍観している。心の中でおまえ達も三冠馬みたいなものじゃないか! そう叫ぶが意味はない。

 ……そして、拉致されたクリークは死なばもろとも! とあることを告げた。

 

「……黒いアレも三冠馬の親父ですよ」

「……そうだったな……アレの存在を最近忘れておった」

「……アレって親父としては優秀だったみたいだからね」

 

「ダート専門だから!?」

 

 サンデーサイレンスの明日はどっちだ?

 

 

 

【東京競馬場】

 

 昔の話しなんだけどさ! お母さんが痛いところを治してくれない白い布の奴らことをヤブ医者って言ってたなりねぇ……あの色黒マッチョビルダー二人は絶対にヤブ医者だぜ!!

 それにしても、結局美浦にもメジロにも帰ることが出来ないオレは東京レース場? 何回か来たことがある競馬場で一泊! 日本の空気は美味しいなりねぇ……。

 

「コウセイ……久しぶりだね……」

 

 久しぶり過ぎて誰だか忘れかけてたけど……ハードS紳士じゃん!? ウッソだろおまえ!

 えっ? ということは次のレースはハードS紳士がオレに乗っちゃうのかよ!! ……でも、オレってハードS紳士のことが心の奥底から嫌いってわけじゃないんだよね。だってさ! ハードS紳士に背中を貸した競走馬さん達に少しだけお話しを聞かせてもらったんだけどさ、オレみたいに自由奔放な超淫乱競走馬じゃなければ、紳士の騎乗はヨダレが出てくるくらい気持ちいいらしいぜ!

 だからお父さんも紳士の騎乗以外は認めなかったのかなぁ?

 

「まさか、福山くんの奥さんがレース日に出産予定とは」

 

 えぇ!? ジャニ系を通り越して福山○治系イケメンの「あの」騎手さん結婚してたの! それでピンチヒッターに紳士が乗ってくれるのか……。

 二回目の三冠レースに出ないといけないオレ、騎乗できるのは紳士だけ!? そういうことかよ!

 いいぜ! ハードS紳士! オレを上手く扱ってくれよな!!

 

 

 

【少しだけ調教】

 

 やっぱりハードS紳士の騎乗は最高に走りやすいぜ! でも、やっぱりオレの逃げはトラウマがあるのかなぁ? サイレンススズカさんのジャニ系スマイルがチラチラしてるから、もしかしてサイレンススズカさんにも乗ってたのかなぁ?

 でも、少し思ったことがあるんだよね!

 オレ、別に逃げでしか走れない競走馬じゃないし、昔みたいに逃げ以外だと負けちゃう!? そんな気持ちはそんなに無いなりねぇ……。

 紳士はお父さんの走りを真似て欲しいのかなぁ? でも、オレってお父さんの走りを見たことねぇし、お父さんが先行で走ってたってことしか……。

 ……超淫乱は度胸! 何でも試してみるぜ!!

 

「――ッ!? ……クリーク?」

 

 なんだろう? もしもさぁ、自分が先行で走る理想像で駆け抜けたら……お父さんの香り? お母さんとはまた違うベクトルなんだけどさ! お父さんが隣に居るような不思議な感覚なりねぇ……。

 多分だけど、オレが超淫乱競走馬じゃなかったらさ、普通の競走馬だったらこっちの方が正しい走り方だと思うぜ! でも、騎手さんと走った最初のレース……そこで逃げという戦法の凄さを実感した……!

 でも、色々な戦法をレースの中で試してきたけど、先行も逃げと同じくらい強力だぜ!

 ペースメーカーを立ててそれを限界まで追いかける。そして騎手さんの指示で一気に抜き去っていく! これは競走馬として正しい走り方だぜ!!

 だからこそ、真似てると思ったんだよねぇ……。

 

「……クリークの血は確実に入ってる。そうだな」

 

 でも、これは真似てるんじゃないぜ! これは……与えられてるって表現できるよねぇ?

 お父さんの走り方はお父さんとその子供達だけ! オレはお父さんの息子だから許されるぜ!!

 そして、この激エロな走り方は――速いぜ!

 

 

 

【天皇賞・秋】

 

 帰国してからハードS紳士の激しすぎる再騎乗にガタイが慣れてきたぜ!

 やっぱり、いつもの騎手さんより走りやすいのは確かなりねぇ? 凄く走りやすくて、体重を感じない。まるで騎手を乗せてないような感覚! エロイぜ!!

 そして、新たの舞台にイン! 今日も激エロなレースをしてやるぜ!!

 

「あ、あれが……凱旋門賞馬のイッテンコウセイ……?」

「普通の競走馬にしか見えねぇ」

「で、でも、俺達だって! 俺達だって……」

「競走馬ぽくないというか、大昔に走っていたニジンスキーそっくりよね? 戦績はニジンスキーを超えてるしね」

 

 凱旋門賞とかよくわかんねぇレースのことをブツブツ呟いて目がイッちゃってる!? 少し芝がヌルヌルするだけで他のレースと大差ないのにどうしてなんだよー(涙)

 でも、海外のレースに勝ったから萎縮されるのかなぁ? オレって罪づくりなりねぇ(笑)

 

「コウセイくん!? 本当に凱旋門賞から直帰したんだねぇ」

「エイシンフラッシュ先輩!? ウッス! 速攻で国外追放されたっす!!」

「ふふっ、君は来ないと思っていたが……今日の僕は調子がいいよ?」

「ウッス! 競り合うっす!!」

 

 エイシンフラッシュ先輩は苦い表情をしてギン目で睨んでくる!? マジかよ! 凱旋門賞っていうレースは馬関係すら崩壊されるのか……辛いぜ……!

 エイシンフラッシュ先輩のモロ闘争心剥き出しの闘志で少しだけ萎縮。

 でも、その時!

 

「コウセイくん!? ああ、よかった……君の顔を見れてホッとするよ」

「ウッス! トーセンジョーダン先輩!!」

「宝塚記念は怪我をして出られなかったけど、君の顔を見るとG1に出ているという実感が出てくるよ」

「ウッス! 自分もトーセンジョーダン先輩が大丈夫そうで安心してるっす!!」

 

 いつもと同じトーセンジョーダン先輩の凛々しい顔を見て安心。

 オルフェーヴルくんは凱旋門賞から直帰の国外追放はされてないみたいで、凱旋門賞から直帰の挑戦者はオレだけみたいだ! 宝塚記念はトーセンジョーダン先輩が居なくて、天皇賞の秋? にはオルフェーヴルくんがいないぜ! 三頭で出たいなりねぇ……。

 その時、激エロな視線をガタイが察知!

 

「……貴方がイッテンコウセイさん?」

「ウッス! 自分、無敗の三冠馬で売ってるイッテンコウセイっす!!」

「は、はい……自分が思っていたのと違っていて。速い競走馬ってゴルシみたいな奴ばかりだと」

「ゴルシ? 「アイツの話しは聞かない方がいい」ウッス!」

 

 トーセンジョーダン先輩から強烈な言葉ピンタを貰ってゴルシとかいう競走馬さんのことはシャットダウン! トーセンジョーダン先輩が待ったを出すなんて凄い気性難なんだろうなぁ……。

 凄く大人しくて優等生ぽい競走馬くん、一つ年下でジャスタウェイってカッコイイ名前をしてるぜ! なんでも海外から連れてこられた競走馬らしくて、日本の競走馬さんの気性難っぷりに驚いてたけど、今では走り方を理解して頑張ってるらしいぜ!

 うーん、オレって大人しすぎるって言われてるからなぁ? もう少し気性難の方がデカ人参の頻度が上がるのかな! なんて言いながら、オレって暴れるて怪我するのが怖いから絶対に暴れないんだけどね(笑)

 そんなことを考えていたらゲートに入る前の最終確認まで飛んじゃったぜ!? 時間は有限なりねぇ。

 とりあえず、ステップの確認なんかをしていたら――あの黒い棒がオレに激エロな視線!? 気持ち悪いなりぃ!!

 

「ちょっと、カメラ動かさないでもらえますか?」

 

 ハードS紳士が少し尖った表情と声で動いている黒い棒に声をかける。

 すると一時的に黒い棒が動かなくなる。よかったとフットワークの確認をしているとまた黒い棒が!?

 

「動かすなって言ってるだろ! コウセイ……少し待っててくれるかい……」

 

 ウッス!

 ハードS紳士がゲートを閉じる人? それに声をかけてあの黒い棒を動かさないように説得する。

 そして……結局動いてるなりぃ……。

 

「……動かすなって!」

 

 あの本当は優しいハードS紳士がギン目で黒い棒を睨みつける。ハードS紳士が怒るってことはやってはいけないことなんだろうなぁ……オレみたいな大人しい競走馬でも気持ち悪いと思うんだから、やっぱり他の気性難系競走馬は尚更に気持ち悪いと感じるだろうなぁ……。

 後で放送局を割り出して文句を言ってやるとハードS紳士が苦い草を噛み潰したような表情をしながら首をナデナデ――淫乱になるぅ♡

 

 

 

【ゲート】

 

 ちょっとだけ黒い棒に気持ち悪さを感じたけどゲートに入れば忘れちゃうぜ!

 そして、ゲートに入った瞬間には激エロなレースをする超淫乱競走馬に返り咲き! 帰国後一回目のG1レース!! 魂が燃えるぜ!! これはもう――ホンダ並みのスピリットだぜ!!

 

『天皇賞秋、天候は曇り、良馬場でのレースとなります。一番人気はフェノ―メノ、二番人気にルーラーシップ、三番人気にカレンブラックヒルとなっています。凱旋門賞から秋古馬三冠に挑戦するイッテンコウセイはまさかの七番人気、帰国の疲れが出ていないといいのですが……』

 

 お父さん……ここ数日の間にハードS紳士のことが凄くわかったよ……。

 この紳士は凄く優しい人なんだ。だから、競走馬に無理なんてさせたくない。怪我をする一着より、怪我をしない三着を選んでしまう人なんだね……。

 オレ、最初に紳士を乗せた時、怪我をしても一着になりたいって思ってた! だからさ、ワガママな気性難だったなり……。

 でも、クラシック三冠? それに挑戦して、古馬になって理解した。

 ――怪我をしないで勝つのが競走馬の正しい走り方だって!

 

(これが……クリークの息子、いや、違う。イッテンコウセイの熱量か……)

 

 紳士が少しだけ震えた手でまたナデナデ、でも、なんというのかなぁ? 今までのお父さんを思い出して撫でてるって感じじゃなくて、オレのことを認めてくれたような気がするぜ……!

 

『全馬ゲートイン、今スタートしました! 各馬綺麗なスタート、その中で一際目を引くのは凱旋門賞馬イッテンコウセイ! 今日も気持ちのいい逃げを見せてくれるか!? ――ッ! イッテンコウセイ少しペースを落とします。先頭からシルポート、二番手にカレンブラックヒル、三番手にイッテンコウセイが付けて、今回は先行の構えでレースをするようです。イッテンコウセイ、今日の気分は先行策だというのか』

 

 お父さん……オレ、お父さんの真似っ子をするのは無理だって今になって思ったよ! だってさ、お父さんの息子だからって、完璧にお父さんの走り方をマスターすることは出来ねぇよ!

 でも、お父さんがオレの走り方を真似たら? するとさぁ、オレの正しいお父さん走法の誕生だぜ!

 

(懐かしい……こんなに懐かしい気持ちになるなんて……)

 

「……本当に帰国したばかりなのか? 凱旋門に出たなんて嘘に感じられる」

「……やっぱりコウセイくんは普通じゃないな! 逃げを選んでないのが不自然だが、それでも恐ろしい」

「……これが、これが三冠馬の走り? 凄く綺麗な走りだ」

 

 後ろからギン目で睨んでくるのはジャスタウェイくん、その後ろからは鬼気迫る迫力! 今日のエイシンフラッシュ先輩は一味違うぜ! この重圧から逃げ出したい……でも!

 

 紳士にお父さんの息子だって理解してもらいたいから!

 

 オレ、人間大好きで売ってる三冠馬なんだけど……どんな走りでも全力! そして、お父さんの大切な騎手さんにはお父さんと同じくらいの愛情を返してあげないとね!

 だから――最高の指示を待ってるぜ! 紳士!!

 

『1000mを通過して十五馬身のリード! シルポート!! 後続は届くのか!?』

 

(……凄い逃げだな、僕もコウセイに逃げを指示すればよかったかな? でも、その必要は無いか)

 

 もうそろそろいいかな? 怒らないでよね! 紳士!!

 

『直線に入りおよそ十五馬身のリード、後続はと――イッテンコウセイ仕掛けた! そのリードを食い荒らすかのように上がってくる!! 間を縫ってジャスタウェイ! エイシンフラッシュが続くぞ!?』

 

「――君は、本当に凄い奴だよ!」

「――エイシンフラッシュ先輩! 約束通り競り合いましょう!!」

 

 紳士の優しい鞭で――エンジン着火! ポルシェ並みのエンジン始動!!

 エイシンフラッシュ先輩の漆黒のガタイ、そしてオレの三冠馬ガタイ! どっちが最高に激エロか勝負しようぜ!!

 

『エイシンフラッシュ抜けた! イッテンコウセイも競り合う!! 最後はダービー馬同士の争いだ!!』

 

 ――お父さん、お父さんなら負けた? なら、息子のオレは勝つよ!

 

「……笑っちゃうよ、実力が違うって」

 

『エイシンフラッシュ届かない! イッテンコウセイその足はまだまだ伸びる!! 今、今ゴールです!!』

 

 走り終わった後に背中にガッと重さが戻る。

 そして、色々な感情が入り混じった声で紳士が泣いている。

 オレ? 紳士に何かしちゃったかな!? うーん、一番になったのに泣かれるなんて想像もしてなかったぜ!?

 

(ああ、こんな競走馬に乗ってたら……レジェンドだとか、本物だとか言われてる自分が恥ずかしくなるな……)

 

『人気なんて関係ない! ただ駆け抜ける最高の競争MASCHINE! レースの独裁者イッテンコウセイ、今日も両親を笑う者は許さない! 親の文句は俺に言え! 秋古馬三冠、それの一つ目を駆け抜けました!!』

 

 紳士のことばかり考えてたけど……騎手さん! これ、出産プレゼントなり!!

 

 

 

【記者会見】

 

「去年の宝塚以来ですが、どうでしたか?」

「……少しだけ引退を考えていました。ですが、今日のレースで色々と考えが変わりました」

「それは、どういう?」

「あんな……あんなに……乗りにくい馬にはじめて出会いました……」

「つ、つまり?」

「イッテンコウセイ号みたいな乗りにくい馬には二度と乗りません。自分のような年を重ねた騎手には――彼の才能を潰しかねません。だからこそ、彼に乗れる人を素直に羨ましく思います」

「で、では」

「――イッテンコウセイの無敗を破るつもりです」

 

『レジェンド! 涙の決別!!』

 

 

 

【次回予告】

 

 天皇賞秋にハードS紳士が号泣してて少し不安。だってさ! 騎手さんの倍くらい大人なのに泣くってそうとうだぜ!? オレの体臭がキツかったのかなぁ? 香ばしい臭いがしないかクンクン。

 なんて思ってたら美浦に帰ってこれたぜ!? レオ元気かなぁ♪

 するとレオがニヒルな笑みでお父さんを超えたとか言って目がイッちゃってる!? お父さんコンプレックスが無くなって自信が出てきたのかなぁ? でも、これはトップとボトムの関係崩壊の危機!

 で、いつものように拷問調教をこなしてたらジャンパンカップ? スゲー激エロな名前だぜ!!

 そしてパドックに入るとはじめて見る後輩牝馬ちゃん!? 名前はジェンティルドンナって言うらしいぜ! それにしても、古馬に混じってクラシック年齢で走るなんて親近感感じるぜ!

 

 次回:【ジャパンカップは逃げ】




 ウッス! 本当は掲示板を書かないといけないんだけど掲示板のネタが出てこなかったッス! 本当に申し訳ナスっす!!

 やっぱり秋ってチョー淫乱! 果物に野菜、美味しいお肉で胃が休まる暇がないっす!

 掲示板も完成したらカキコします。

 評価の時は「ナス」が入ってたら嬉しいな♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!

【追記】

 9315×10UA!? たまげたなぁ……


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ジャパンカップは逃げ

 ダイチくんおまたせぇ~♡


 ルンルン気分で草をムシャムシャ、ヤブ医者と大レースのコンボでマジ狂い! 美浦に帰ってからは牛さんになる勢いでガタイを休めねぇと。

 なんて思っていたら調教は突然だ!? 全然ガタイ休めてねぇのに人間ってチョーSだよな! 俺だって古馬戦線に入ったから若干の衰えを感じてるぜ(大嘘)

 それにしても、最近は人間の視線が情熱的でガタイが燃えちゃうような感覚! ゲイ能人? とかいう人達もいっぱい来てマジ狂い! なんか厩務員さんに質問攻めしてくるけど……。

 

「いやぁ……父親のスピードとスタミナ、母親の頑丈さが見事に遺伝したとしか……」

 

 これで19回目のお父さんとお母さん自慢! やっぱりお父さんとお母さんは名馬なりねぇ♪

 なんか人参の入ってある箱を食べたことがありそうなゲイ能人さんの相方みたいな人がオレとのツーショットをご所望だぜ!? イイぜ! オレの激エロ超淫乱ガタイを全国区にしてくれよな!!

 

 

 

【調教】

 

 そしていつものようにレオとの拷問調教、調教師さんと厩務員さんがレオが菊花賞を勝ったとか言ってたから多分勝ったんだろうね! それにしても帰国して初のレオとの顔合わせ! テンション上がるぜ!!

 なんて思ってたら気持ち悪いステップで現れたレオにドン引き! まるでこの世界で一番早い競走馬は自分だ! ……みたいな態度でSHOCK!

 

「あ! コウセイさぁーん♪ 俺! お父さんが勝ってない菊花賞に勝ったんですよ~」

「どうしたんだよレオ! おまえスゲー軟派な競走馬になってるぜ!?」

「そうですかぁ~? あ! 俺がお父さんを超えたから迫力が増したのかも(笑)」

「もうなんなりねぇ……」

 

 レオのヒリついたいつもの競走馬魂は久々の再開で消えていた……。

 そんなのねぇーよ! レオは勝利に飢えた獰猛な競走馬のハズだ! それなのに今のレオはデカ人参を食べる幼駒みたいにナヨナヨしてるぜ!?

 去年の菊花賞はオレが勝って、その次は有馬記念とかいうレースに出たからさぁ……レオも有馬記念に絶対出るじゃん!?

 うーん……こんな状態のレオじゃぁ、オレの満足できるレースができねぇーよ! これはレオの淫乱競走馬スイッチを倍プッシュするなりねぇ……!

 

「ふふふーん! お父さんを超えた俺はコウセイさんと同じど――はっや!?」

 

 併走? 知らねーよ、そんなの。

 こんな腑抜けたレオなんて後ろに付き纏うだけの影でしかないゼ! オレってば逃げで売ってる超淫乱競走馬だから併走=抜かせないなんだよねぇ♪

 一本目の併走、それは一方的なオレのガン掘りだった(逃げ切り)

 

「やっぱりコウセイさんはスゲーや! でも、オレだってお父さんを超えた――後ろから!?」

 

 二本目の併走はレオの得意なマーク戦術で徹底的に、軟派なレオを徹底的にガン掘る! おまえの得意な戦術はこんなに走りにくいんだぞ!

 レオは後ろから徹底的にマークされる恐怖でスピードがダウン! その瞬間を見逃さず、ドーベルさんから教えてもらった差しの極意その二(前がダレたら一気に行け)を使ってまた大差で終わらせる。

 そのコンビネーションを何度も繰り返していたらレオもスイッチが入ったのかギン目で睨んでくる!

 

「……古馬だからって調子にのるんじゃねぇよ! シャイニングレオは菊花賞馬だ!!」

「……いや、オレも菊花賞馬」

 

 レオが得意のマーク戦術でオレのことをガン掘りしようとするけど、一度腑抜けた競走馬に負けるわけねぇよ! レオはもっともっと燃え盛る業火のようなエンジンを搭載してる筈だぜ!!

 

「しぬぅ~おじひぃ~」

「レオ? なんで慢心したんだ」

「お父さんの勝ててない菊花賞に勝てたから……」

「レオ、オレ……おまえのお父さんが勝ってないレース結構勝ってるぜ」

 

 レオの表情がシナシナのデカマラみたいになって、そして一気に暴発! レオのお父さんコンプレックスが解消されたと同時にイッテンコウセイコンプレックスが発症だぜ!!

 その後のレオはオレが知っている鬼気迫る怒涛のマーク、オレが後ろに付けようとしても絶対に、絶対に前を走らせてくる!

 イイゼ! これでこそレオのマークだぜ!!

 

「このお父さんより凄い競走馬をねじ伏せて絶対に――いじめてやる!!」

「レオ……聞こえてるなりよ……」

「俺はコウセイさんをいじめたい! 徹底的に、コウセイさんを徹底的にいじめたい!」

「今更だけど……レオ? おまえって性格悪いよな!」

 

 目標を見失った後輩の根性を叩き直すのは先輩の役目なりね♪

 もうオレのこといじめることしか考えられないね♡

 実力差がどの程度か理解したね☆

 死ぬまで負けねぇ

 

 

 

【レース決定】

 

「なあ、コウセイって本当に馬なのか? 調教師になって短いけど……異常だよ」

「今更ですか? 厩務員になって短いですけど……異常だよ」

 

 なんか二人してオレの屈強ガタイを異常だって言ってるぜ!? 酷いぜ! オレはお父さんとお母さんから貰ったガタイを超馬力ピストンでフル回転させてるのにSHOCK!

 あーあ、結局人間って超淫乱競走馬のことを普通の競走馬には真似できない走りをする。その程度にしか見てないんだなってネムネムの顔で白け気味。

 なんて言いながら厩務員さんが食べさせてくれるデカ人参で機嫌はいいんだけどね♪ しかもお父さんカットじゃん!? お父さんってカットされた人参しか食べなかったって噂で聞いたけど本当なのかなぁ?

 

『……無限人参って皮がなぁ』

『皮に栄養があるんや! 好き嫌いすな!!』

『……だって、泥臭いじゃ――ゴハッ!?』

『クリークとは言えど、食べ物を粗末にするなら許さない』

 

 なんか天国のお父さんがオグリさんに蹴飛ばされてるような気がするけど……気にしないぜ!

 

「凱旋門賞後、即天皇賞秋……トライアスロンも裸足で逃げ出すハードローテ……」

「それを平然と無敗で走り抜ける……」

((引退したら海外に売り飛ばされそう))

 

 二人がオレのガタイを見てコウセイはコウセイとブツブツ言いながら目がイっちゃってる!? やっぱり無敗の三冠馬ガタイは人間を魅了しちゃうのかもね♪

 それにしても、次のレースはどんなレースなのかな? メジロの証である天皇賞ってのは二つとも布かけられたし、次はどんな淫乱なレースが待ってるのか楽しみだぜ! 出来ればジャスタウェイくんが言ってたゴルシ? とかいう気性難くんにも会ってみたいぜ! レオも一時期ゴルシゴルシゴルシとか言って目がイッちゃってたし(笑)

 

「それにしても、ジャパンカップに海外の競走馬が出なくなったよな」

「そうですね、香港G1がグローバルスタンダード? みたいになってますからね」

「噂によると……栗東が出来てから日本競馬のレベルが上がって走っても賞金が稼げないらしい……」

「どっちが本当かわからないですけど、今のコウセイに勝てたら大種牡馬確定ですよ」

 

 オレの淫乱イヤーが察知! 次のレースはジャパンカップって名前か……激エロだぜ!

 ジャパンってのは人間が朝に食べてる茶色と白の香ばしいヤツだろ? カップってのは人間が水を飲む時の道具だぜ!! つまり……必需品を称えるレース!? 馬で言うところの人参杯!! 親近感あるなりねぇ♪

 

「コウセイ? おまえは海外からの刺客を倒せるか」

 

 ウッス! オレ、海外のレースを荒らしたことありまッス!! (凱旋門賞)

 

 

 

【ジャパンカップ:2012年】

 

 レオのナヨナヨ魂をガンギマリ魂に昇華させてたらレースだぜ!? レース出走は突然だ!

 なんて言いながら馬運車が来るのを待ってたのは内緒なりねぇ♪

 それにしてもレース場はいいな! 人間がオレのガタイに熱烈な視線を向けてくるし、競走馬はオレのことを徹底的に、無敗の三冠馬を徹底的に倒そうとギン目を向けてくるぜ!!

 そしていつものパドックグルグル! 今日のレースもG1だ!? 知り合いは来てるかなぁ♪

 

「……あ、負けた」

「オルフェーヴルくん! ウッス!! 帰国したんだね!!」

「うわー……無邪気に再会を喜ばれてキレるにキレられねぇ……」

 

 凱旋門賞以来のオルフェーヴルくんとの再会! 今日もジャニ系栗毛ガタイを輝かせてオレの逃げを弾丸追い込みで差し切る算段みたいだ!

 

「やあ、コウセイくん」

「エイシンフラッシュ先輩! ウッス! 天皇賞以来ッス!!」

「うーん、コウセイくんは本当にブレないねぇ……G1って凄いレースなんだよ?」

「ウッス! 自分を曲げないし、G1が凄いレースだって知ってマッス!!」

「ハハッ(乾いた笑い)」

 

 エイシンフラッシュ先輩は今日もジャニ系漆黒ガタイを輝かせて闘志MAX! でも、オレの姿を見て目が遠くなってるようなりねぇ? お腹が痛いのかな(笑)

 

「おっ! コウセイくんを見たらG1だって思えてくるよ」

「トーセンジョーダン先輩! ウッス!! オレも先輩の姿を見るとG1に出てるって感じがするッス!!」

「ふふっ、君は本当に素直で利口だ。アイツに蹄の土でも食わせてやりたいよ……ゴルシィ……」

 

 やっべー!? トーセンジョーダン先輩の目がイっちゃってる! これはゴルシ? とかいう気性難くんのことを思い出しているとガタイで分析。

 それにしてもG1はやっぱりいいな! 速い競走馬がいっぱい来てオレのガタイがヒートだぜ!!

 なんて思っていたら――やっべー!? スゲー可愛い牝馬ちゃんがオレのこと見てるぜ!!

 

「あら、貴方が無敗し続けてドン引きされてる系競走馬のイッテンコウセイ? 見た目は普通より貧相ね」

「ファッ!? オレ! ガタイだけは一流だと思ってるッス!!」

「そうやって反論する時点で自分の体に欠点があると自覚している証拠よ、普通に考えて年下の私に反論するなんて大人げない」

「うーん……確かに完璧なガタイだとは思ってないかも……」

「男の子ならシャキッとしなさい!」

「ウッス!」

 

 スゲー可愛い牝馬ちゃんは超毒舌系牝馬だぜ!? でも、ここにいる牡馬はこの牝馬ちゃんに視線を向けてるぜ! チョーS(セクシー)だよな!!

 

「ウッス! 自分はイッテンコウセイっていいます!!」

「あら、最初の会話を覚えていないのかしら? 私、貴方のことを認知しているわよ。そうね、一点で攻勢って名前を知ってるわ。普通に私の辞書に掲載されてるわ」

「ウッス! ありがとナス!」

「褒めてないことを褒めてると自覚してる辺り、普通にドン引きね。ドン引きを通り越してドンドンドン引きね、あら? これだと綱引きになっちゃうわね」

「ウッス! 牝馬ちゃんの名前を教えて欲しいッス!!」

「嫌よ。私の名前を教えたら色々な意味で穢れる。知ってる? 名前って大切なモノなのよ、それを堂々と公言している辺り普通じゃないわね」

「ウッス……ごめんなさい……」

「ジェンティルドンナよ、そのウッスという鳴き声で耳が孕みそうだから特別に教えてあげるわ。ピュアピュアな脳みそにインプットしておきなさい」

 

 牝馬ちゃん改めジェンティルドンナちゃんは面白いオモチャを見るような笑みを見せながら鼻歌まじりにパドックをグルグル! 多分だけどさぁ! オレががレオを見る時の目だぜ!!

 でも、ブエナビスタ先輩やドーベルさん、カレンチャンさんは艷やかでセクシーな言葉遣いなんだけど、ジェンティルドンナちゃんはMなオレのM心を刺激する知的な言い回しだぜ!? はじめての体験にマジ狂い!!

 そしてゲート入り前の最終調整! もう慣れちゃったけどさぁ、凱旋門賞とかいう芝がヌルヌルのローションレースに出てから黒い棒がウネウネしててキッショ! もう動くな! そして死ね!! って感じでテンサゲ↓↓

 他の競走馬くん達も若干気にしてて……。

 

「カメラ動かすなって!」

 

 G1レースには絶対にいる「あの」ハードS紳士もご立腹だぜ! 黒い棒ってチョーSだよな!!

 なんて思っているとジェンティルドンナちゃんが不機嫌そうにムカムカの顔でご立腹気味!? やべーよ! ここで怪我なんてされたらレースにならねぇよ!

 

「気にしない方がいいなりよ」

「わかっているのよ、そう、完璧に理解しているのよ、あの黒い棒が私達をパシャパシャする機械の亜種だってことは、でもね? 普段見慣れない物が気持ち悪く動いているとどうしても警戒心ってのが出てくるわけけよね? 常識的に考えてアレの動きは異常よ、私も結構な数のG1レースに出てきたけど配慮という美しい言葉でアレは動いていなかったわ。それなのに今日に限って舌のようにベロベロベロベロ……」

「ウッス! 冷静になってよジェンティルドンナちゃん」

「……貴方のアホ面を見たら冷静さと自分の貞操の危機を感じて冷静を通り越して絶対零度に到達してしまったわ。この場合、ありがとう? それとも気持ち悪いから消えてちょうだい? どちらの方が正しいのかしら」

「ウッス! ありがとうの方が嬉しいっす!!」

「じゃあ、気持ち悪いから視線の中から消えてちょうだい。追加して記憶の中からも消えてちょうだい」

「ウッス! オルフェーヴルくん慰めてほしいなりぃ~!」

 

 ジェンティルドンナちゃんのS入った言葉ピンタで消耗したメンタルをオルフェーヴルくんに慰めてもらおうと思ったら……。

 

「しらねーよ、そんなの」

 

 普通に無視された。

 

 

 

【ゲート】

 

 ジェンティルドンナちゃんの刺激的な毒舌以上? 誹謗中傷以下? の言葉責めは体感三十分以上にワタリ……メンタルがボロボロだぜ!? こんなんでロケットスタートできるのかよー(涙)

 なんて思いながら騎手さんの淫乱になるナデナデで超淫乱競走馬イッテンコウセイ復活! もうロケットを通り越してレールガンスタートしちゃうかもね♪

 

『東京競馬場、天候は晴れ、良馬場でのレースとなります。一番人気はレースの独裁者イッテンコウセイ、日本に凱旋門賞制覇をもたらし即座に秋古馬三冠に挑戦するタフネス、二番人気には同じく凱旋門賞に挑戦したオルフェーヴル、その弾丸のような末脚は独裁者に届くのか? 三番人気には牝馬三冠のジェンティルドンナ、牡馬三冠のイッテンコウセイ、牝馬三冠のジェンティルドンナ、牡馬牝馬の三冠馬対決に注目が集まります』

 

 それにしても、春の天皇賞以来長距離レースに出てないよなぁ~? オレってお父さんのステイヤー遺伝子を搭載した最高の長距離MASCHINEなのに中距離ばっかりでお父さんに顔向けできないなりねぇ……。

 アレ? オレって長距離レースってどのくらい出てたかなぁー……菊花賞と春の天皇賞くらいなりぃ!?

 なんて思いながらゲートイン! 今日はオルフェーヴルくんの殺気がムンムンでトーセンジョーダン先輩も先輩パワー全開! エイシンフラッシュ先輩は若干下降気味なのかステップの確認が長かったぜ! そして、何よりも警戒しないといけないのは……。

 

『ふふっ、牝馬三冠の私が牡馬三冠をねじ伏せたら……牡馬より牝馬が強いってことが証明されるわね、それはもう照明に照らされた状態で証明されるでしょうね!』

 

 ジェンティルドンナちゃんはこのレースで一番不気味だぜ!? 海外からの挑戦馬さん達はオレのガタイやトーセンジョーダン先輩の風格、オルフェーヴルくんのS入ったジャニ系ギン目で萎縮しちゃって勝負したくないって泣き入ってる……すげーかわいい♡ じゃなかったぜ!?

 そんな中でジェンティルドンナちゃんは自分の平常心っていうのかなぁ? それをキッチリ保ってるぜ! 先輩競走馬で牡馬なオレ達に囲まれても動じない鋼メンタル見習いたいなりねぇ。

 

「コウセイ……秋の天皇賞はすまなかった……」

 

 騎手さんが追い込みのナデナデでエンジン着火! ポルシェ並のエンジンがゲートで!? できらぁ!!

 ドクンドクンとオグリさんから継承した勝利の鼓動が視界を広げていき、時間の流れを遅らせる……だろうね……!

 呼吸一つが二倍以上? 三倍以下? の体感で繰り返され――気づいた時にはレールガンスタートしてた!

 

『各馬綺麗なスタート! 一際目を引くのは秋古馬三冠は自分の物だと主張するように先陣を切るイッテンコウセイ、内側からはビートブラックが続く! その後ろからはトーセンジョーダン、牝馬三冠は伊達じゃないジェンティルドンナも主張していきます。そして二番人気のオルフェーヴルはスッと下げて得意の後方からの競馬』

 

 オッ!? このエイシンフラッシュ先輩と同じくらい綺麗な漆黒ガタイの競走馬さんは春の天皇賞の時に競り合った競走馬さんじゃん!? やっぱり逃げ馬さんがいるとオレのS(スピードスター)心に火がつくぜ!

 ……でも、ジェンティルドンナちゃんとトーセンジョーダン先輩がスゲー不気味な位置で構えてるな! ガタイで分析する限り、漆黒バタイの逃げ馬さんは調子が出てねぇーよ! 多分、このまま先頭を譲ったらペースメーカーとしてヤリ捨てられてオレの末脚が後方の末脚自慢に破れる! そんなのあり得ない!!

 

『イッテンコウセイ、ビートブラックを突き放し得意の逃げの形でハナを奪います! イッテンコウセイ、約一馬身後ろにビートブラック、その後方にまた二馬身でトーセンジョーダン、その隣にはジェンテルドンナが体半分差、馬群の中程にはエイシンフラッシュ不気味に先頭を見つめて、外側後方にはオルフェーヴル、イッテンコウセイを捉える為に普段より前に着けているか? その後に――』

 

 コーナーで差をつけてオルフェーヴルくん……いや! ジェンテルドンナちゃんも追加で警戒だぜ! この体を焦がすようなレーザーギン目はオルフェーヴルくんとジェンテルドンナちゃんから向けられてる! いいぜ! オレの大逃げをガン掘りしてみろよ!!

 

「チッ、最悪の形で逃げられちまった。溜め逃げで走ると山張りしてたが……あの牝馬が不気味な場所に構えてコウセイの判断をワンテンポ早めたな!」

「コウセイくんの走りに衰えは無いな、はじめて会った宝塚記念……あの時にはまだまだムラがあった。でも、今はそれすら感じさせない! 僕……俺も古馬になってから色々と走りを学んだ。クラシックを超えて走れるヤツと走れないヤツは見てきてる! コウセイくんは確実に後者、俺と同じくらい長々と走りそうだ……!」

「ハハッ、僕って早熟だったのかな? 自分の足には絶対の自信を持ってるけど……コウセイくんと張り合えるかと聞かれたら……」

「ふーん? この程度なんだ。もうすこし頭おかしく逃げるのかと思ってたけど、普通に届きそうね。牡馬三冠が牝馬三冠に破れる……歴史的でいいじゃない!」

 

 コーナーを抜けて直線、漆黒ガタイの逃げ馬さんは自分の逃げを貫いてるけどこのままじゃ足りないぜ! オレがペースを作ってるのに全然後方から疲れの声が響かねぇ!? 末脚用の人参スタミナをギリギリまで削って自分のペースに誘導してるのに強い競走馬達は睨みつけてくるだけ! スタミナ十分ってことかよ!

 いいぜ! 二個目のコーナーでもっと差を広げてオルフェーヴルくんに備える!!

 

「決めるぜ――ライバル! おまえからは絶対に一勝しておきたいからな!」

「オルフェーヴルくんが行ったか!? チッ! この馬群を縫うのは骨が折れるな……」

「コウセイくんは下りが得意だからな、限界まで喰らいつく! そして……走る!!」

「ふーん、確かに三冠馬だけのことはあるわね。でも、この私に勝てるかしら!!」

 

(――コウセイ! 秋の分までの全力全開だ!!)パシンッッッッ!!

 

 騎手さんの情熱的な鞭入れで――ポルシェ並みのエンジンだぜ!!

 二個目のコーナーを抜けて漆黒ガタイの逃げ馬さんは末脚を使えず逆噴射! そしてオルフェーヴルくんが弾丸のように上がってきたのが見えたぜ!! そのまま並んで競り合いだ――ッ!?

 

 

『最終コーナーを抜けて先頭はイッテンコウセイ! ビートブラック!! 後方からオルフェーヴル!! トーセンジョーダンとジェンティルドンナもいい加速だ!! レース独裁者を追い落とす者は現れるのか!!』

 

「やっべ! 近づき過ぎた!?」

「ふっ、小さい体で体当たりなんて笑わせるわ!」

「クソッ! 体制が!? 加速が鈍りやがった!!」

 

 オルフェーヴルくんと並んだジェンティルドンナちゃん、双方が漆黒ガタイの逃げ馬さんを避ける為に外側に出たのが不味かった! オルフェーヴルくんが加速を鈍らせないように本当に彼女とギリギリの場所を抜けたから必然的に接触したみたいだ!? でも、これでオルフェーヴルくんの加速が鈍って――やっべー!? オルフェーヴルくんのことを気にし過ぎて末脚が鈍っちゃったぜ!?

 

「ふふっ、貴方の無敗もこれまでね……まあ、私のような良い牝馬に負けられてよかったんじゃ――」

「――追加の鞭でフルスロットルだぜ!!」

「――えっ」

 

 騎手さんが前を見ろとS(勝負)入った追加の鞭で末脚が爆発! 確かにジェンティルドンナちゃんの末脚はスゲーよ! でも……オレって七割以上? 八割以下? オルフェーヴルくんとG1レースで競り合ってきたなりねぇ……。

 

 オルフェーヴルくんの末脚はさぁ……世界最強なんだよ!

 

 オルフェーヴルくんが減速して競り合う馬は……いない! そういうことかよ!!

 

『ジェンティルドンナ! イッテンコウセイを捉えたか!? いや! イッテンコウセイまだまだ伸びる! ジェンティルドンナ必死に追いすがる!! オルフェーヴルも喰らいつくがイッテンコウセイに届かない!! 今、今ゴールです! 一着はイッテンコウセイ、二着は微妙です!!』

 

 オルフェーヴルくんとの競り合いが出来ないと踏んでいつも通りの末脚でゴール! 後ろからジェンティルドンナちゃんがギン目で睨んでくるけど……それより怖い猛獣が一頭! まさか!? あの約束が!!

 

「おう、コウセイ? おまえ本気で走ってねぇな……」

「ウッス! 本気で走ったっす!!」

「本気度で言ったらどのくらいだ?」

「人参くらいです!」

「じゃあ、おまえの一番の好物は?」

「ウッス! 世界で一番バナナが好きッス!!」

「本気じゃねぇじゃねぇか!? 漫才やってんじゃねーんだぞ!!」

 

 オルフェーヴルくんが蹴るフリだけしていつものようにジャニ系スマイルを見せながら去っていった。うーん、やっぱりオルフェーヴルくんは最高に超激エロ競走馬だぜ!

 なんて思っていたら涙目のジェンティルドンナちゃんがギン目でオレを睨んでくる!?

 

「……くやしくないもん! かてるとおもったもん!!」

「え、えぇ? どうしたんだよジェンティルドンナちゃん」

「ドンナ……強いもん! 男の子よりつよいもん!!」

「う、うん」

「ぜったいぜったい勝つんだから! 女の子の方が男の子より強いんだから!!」

「うっす?」

「うえーん!!」

 

 知的な言い回しが特徴的だったジェンティルドンナちゃんが凄く幼い言動で逃げるように去っていった。

 うーん、裏表が激しいって言うのかなぁ? 調子の波が激しいっていうのかなぁ?

 

『イッテンコウセイまだまだ無敗! 独裁競馬は現在進行系!! 親の文句は俺に言え!! 秋古馬三冠に王手となりました!! イッテンコウセイ一着!!』

 

 まあ! 気持ちいいレースだからオールOK♪

 

 

 

【次回予告】

 

 オレってよく考えるとレースに出てから一度も負けたことねぇな? これが無敗って言うのかなぁ? なんて思ってたら今年最後のレース! 有馬記念だぜ!!

 今回のレースにはオレが育てたレオが出走! レオは徹底的に、オレの逃げを徹底的にマークするつもりだ!? それって先行策じゃなくてほとんど逃げじゃねぇか! なんて思ってたら、言動はアレだけど気品は高貴なロックンローラーな競走馬登場!? 名前はあの「ゴールドシップ」! みんなが噂してた競走馬くんじゃん!

 そんなゴールドシップくんがまさかの――

 

 次回『虐待先輩(淫乱)競走馬』




 皆さんおまたせしましたっす! 申し訳ナス!

 次回は「あの」白いヤツがコウセイの前に!? 楽しみにしてくれよな!!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!

【時語り】

 ジェンティルドンナは戦場ヶ原ひたぎをイメージしました。そして負けたら幼児退行も面白そうだったから付け加えました!


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虐待先輩(淫乱)競走馬 『注意! 一部ハジケてます!!』

 ウッス! 今日も一日元気に頑張るゾイ! 競争ゾイ!!

 なんて言いながら冬の寒さにサムサムの顔で凍え気味、やっぱり冬ってチョーSだよな!

 

「流石の最強三冠馬でも冬は寒いか? 好物のバナナ持ってきたぞぉ」

 

 ウッス! S(サービス)入った厩務員さんがテンサゲ↓↓してるオレの為にバナナの差し入れだ! このねっとり甘い食感が堪らなく淫乱だぜ! 皮も渋みがあって最高なんだよね♪

 一本のバナナをペロペロと口の中で転がしていると淫乱な厩務員さんが棒を取り出してきた!? これは歯ブラシじゃん!? バナナの次は歯磨きとか最高のご褒美じゃん! あの歯がカシャカシャされる感じが最高なりねぇ♪

 

「コウセイは歯磨き好きだよなぁ……」

 

 気持ちいい歯磨き終了で休憩の時間、調教まで時間があるみたいだからゴロ寝でガタイ休めねぇと! 一分一秒も無駄にしない競走馬だからG1無双できるのかもね♪

 なんて思ってたら不思議な生き物が登場!? これは……猫だな?

 

「にゃーにゃー」

「おお、にゃんにゃんにゃん!」

「にゃーにゃー」

 

 よくわかんねーけど、寒いみたいだぜ! しかたねぇな! オレが温めてやるかぁー

 猫がゴロ寝しているオレの胸の中に……ちょっと待てよ? えっ――!?

 

「や! ら、らめぇ~♡ そこ『カルパス』だから! オレ牡馬だからお乳でないからぁ~♡」

「にゃーにゃーこわれるぅ^~」

「おっおっおっ♡」

 

 これは使えない猫だぜ!

 

 

 

【調教】

 

 調教の時間が来たんだけど、レオの姿は無い。

 多分だけど、この時期のレース、次のレースは確実に有馬記念だぜ! レオも有馬記念に出てくるだろうから、ライバルの一頭であるオレを意識して他の競走馬さんと調教してるのかなぁ?

 でも、同じ美浦でオレと同じくらい強い競走馬ってレオくらいだし、後輩の牡馬と戦うのもはじめてだ! 普通だったらジャパンカップで戦ってそうだけど、そこはジェンティルドンナちゃんに出会えたからよかったのかなぁ? チョーS(セクシー)だったし(笑)

 ――まだまだ世代交代させねぇからな!

 

『レオ・サイド』

 

 コウセイさんを倒す為にはコウセイさんとの関わりを限定的でもいい、断たないと勝てない! オレはコウセイさんを尊敬してる。尊敬してるから調教では最高のパフォーマンスを出せる。でも、レースになったら? G1レースの大舞台は美浦の競走馬は全然いない。居たとしても数合わせみたいな競走馬が大半だ。

 そんな中でコウセイさん、美浦のレジェンドが出てくるレース……それ以外にも先輩競走馬がいっぱい……。

 調教とレースは違う! だから1%でもコウセイさんに勝てるように――魂の整備だ!!

 

『ゴルシ・サイド』

 

「おいゴラッ!? 誰の許可で背中に乗ってんだよ!!」

「アベシッ!?」

「「平常運転だなぁ……」」

 

 

 

【天界】

 

 スーパークリークがいつものように外界を眺めているが少しだけ違和感がある。怪我やスランプなんかではない、ただ仕上がり過ぎて慢心しているような……。

 幾多のレースに出て無敗、そして調教は他馬の二倍以上? 三倍以下? くらい真面目に取り組むコウセイだが、無敗ゆえの慢心が感じられない部分に広がっているような気がする。

 実は彼も一種のゾーン、無敵とも表現できる状態に抜ける時……不思議と慢心しているような……。

 

「……これはマズイな」

「どうしたんです? 息子さんを見る時はお釈迦様のように優しい目をしていますのに」

「ああ、マックイーンか……そういえば、オルフェーヴルくんは君の孫だったね」

「ええ……あの黒い奴の一番頭おかしい息子の……ですが」

 

 名優メジロマックイーンがクリークの隣に立つ。

 黄金の旅人、ステイゴールド。SS産駒の中では非常に小柄で大柄なマックイーン産駒の牝馬と掛け合わせると爆発的な子が生まれる。

 ――ステマ配合。

 ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、そしてゴールドシップ……。

 数々の名馬を世の中に送り出している。

 

「……ゴルシの方が出るのですか、オルフェにも出てもらいたかったのですが」

「どうしたんだ? コウセイが出るから不安なのかい」

「……怒らないでくれますか?」

「ああ、聞かせてくれ」

「クリークさんの息子さんは確実に調子を落としています。この状態なら――オルフェなら勝てます。ですが、回避……ゴルシでは調子を落とした程度では……」

 

 クリークの見立てはマックイーンにも筒抜けだった。

 コウセイは度重なるレース、放牧にも出されずに調子を落としている。母親譲りの丈夫さで目に見えないが、少しづつ蓄積された疲労は隠すことができない。イッテンコウセイは疲れている。

 だが、この最大の機会にオルフェーヴルは回避……。

 

「こうなると……ルドルフさんのお孫さんが一番の脅威ですね……」

「ワシの孫のことを話してるのか?」

「ルドルフさんは唐突に現れますね……」

「それが差し馬じゃろうて? でも、ワシの孫はまだまだ成長段階じゃな、クリークの息子が調子を落としても勝てるかどうかわからん。天が味方したらってところじゃろうか?」

 

 ここにいる全馬が子孫の実力不足を感じている。

 確かにイッテンコウセイは強い、だが……大きな調子の波を経験していない。それが影響しなければいいのだが、そうクリークが呟く。

 

「ウララさん……コウセイを応援してください……」

「偶にクリークがウララ言うが……綺麗なんか?」

「私も見てみたいですね」

「ちょ! やめてください!!」

 

 マックイーンが面白半分でニコニコメジロ牧場にいるハルウララを映し出す。

 

「「……ロリコン」」

「相思相愛です!!」

 

 クリークに不名誉なあだ名が出来たのは言うまでもない。

 

 

 

【有馬記念2012年】

 

 なんか天国のお父さんがいじめられてるような気がするけど……平成三強だから大丈夫だよね?

 そんなこんなで今年最後の大レース! 有馬記念だぜ!!

 今年はあんまり放牧に帰れてないけど……このレースに勝ったら無敗の六冠馬! お母さんに最高のお年玉プレゼントになりよね! なんて言いながらレオの不気味な表情にブルっちゃうよぉ~……。

 

「コウセイさんとのはじめての対決……負けませんよ!」

「おう、オレと一緒にパドックって新鮮だぜ! オレも負けるつもり無いからな!!」

 

 メラメラに魂燃やしてるレオは徹底的に、オレのことを徹底的に倒すことしか考えてないぜ!

 先輩としての威厳、そして六冠馬への切符、これって前馬未到の境地じゃん!? 確かにレオはオレの最高傑作だけどさぁ……まだ経験不足だぜ! オレは先輩競走馬が卒倒するレベルの激エロローテをこなしてきたんだ! レオの柔らかローテの経験じゃ出来ない経験いっぱいだぜ!!

 なんて思っていたら「あの」漆黒ガタイは!?

 

「エイシンフラッシュ先輩! ウッス!!」

「コウセイくん! うーん、君のことを見ると……いや、少し疲れが出てるようだね……」

「えっ!? オレ元気ムンムンッス!!」

「……体は気持ちだけで左右できないからね、怪我だけはしないように!」

「ウッス!」

 

 エイシンフラッシュ先輩の光り輝く漆黒ガタイ、オレのガタイ……確かに艶の差で負けてるかも……。

 でも、気分は悪くねぇし、ご飯もいっぱい食べたし、調子が悪いって感じはしねぇーよ! でも、先輩の言葉って大切なりねぇ……。

 オレ、ずっと好調で維持してきたけど……冬の寒さで調子が落ちてるのかなぁ……?

 なんて思ってたらレオに絡んでくる芦毛の競走馬くん! 新顔だぜ!?

 

「ん? おお! アンタが三冠馬のイッテンコウセイか? クソ兄貴がアレと戦えるのは俺だけとか息巻いてたけど……見た目通りにやべーな!」

「ウッス! オレ、無敗の三冠で売ってる超淫乱競走馬っす!」

「やっべw 兄貴の言ってた通りの能天気じゃんww うけるーwww」

「コウセイさんをバカにするな! コウセイさんは美浦のボスなんだからな!!」

「えっ? オレって美浦のボスだったの!?」

 

 オレのことを笑ってる芦毛くんに威嚇しながらレオが闘争心ムンムンだ! やべーよ!? 戦いはレースだけでいいのに!! オレの為に争わないで!!

 なんて思ってたら芦毛くんが勝負を仕掛けてきた! それもラップ? ラップだ!

 

「アンタもボス馬なんだな? 栗東ではラップでボス馬を決めるんだ! 知ってるか? ジョーダンってスゲーラップうめぇんだぜ!!」

「マジ!? ラップやってみるぜ!!」

「受けて立つぜ!!」

 

【馬ラップ】

 

「YO! そこの道行く三冠馬の兄ちゃん鹿毛の兄ちゃん♪」

 

「この時代突き進むスタイル確立! 独立♪ 時代の反響♪ 一頭の絶頂♪」

 

「この馬社会に生まれたオレ達優駿♪ それでも追い抜くオレのスピリットデメリット♪

 

 これって友情? 愛情? 名馬参上♪ EYA-♪

 

 このレースの中で生きている僕たちの苛立ち♪ 許せなく! やるせなく! 駆け抜ける馬生♪

 

 さあ! 駆け抜けるなら今♪ G1制覇するなら今♪

 

 これって純情? 正常? 名馬参上♪ EYA-♪」

 

(なにやってんだこいつら……コウセイさんなんで理解してるの……?)

 

「理不尽な 気性難な 末脚な状態全開♪」

 

「なんで馬ラップなの? なんで馬ラップなの?!」

 

「なんでかな~~?」

「なんでだろーー?」

 

「それはね☆」

「それは?」

「それはね♡」

「それは?」

 

「パカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカ」

 

「ん――――! マジで―――――!? ん――――! マジで―――――!?」

 

「うそうそ! うそ♪ うそうそ! うそ♪ うそうそ~ 本当はね! 本当はね♪」

 

「本当はッ? 本当はッ?」

 

「ニョーーーーー!! ニョーーーーー!!」

 

「パカッポーーーン!!!」

 

「ニョー ニョー ニョー ニョー

 ニョーーーーー!! ニョーーーーー!!

 ニョー……ニョー……

 

 走れゴルシ!!!」

 

 

アーーーー! パカパカリーーーーー! タタタタタタタタ!! (淫乱フェロモン発射)

 

(なにやってんだこいつら……)

 

「ポポポポッ!? ミラクル速いっちゃ♪」

 

「ぱかーーー ぱかーーー」

 

「かっけぬぅけろ~~~! かっけぬぅけろ~~~!」

 

 

「ぱか……ぱか……ぱあっぷ!!! スキ有り!!!!!」 (何もしてない)

 

イヤアアアアア!!!!」 (何もされてない)

 

ちゅっちゅっ ちゅっちゅっ

 

 ⚠メイバ発見⚠ ⚠メイバ発見⚠

 

 このへんにメイバが来なかったでちゅか?」

 

「来なかったでちゅ~」

 

「シャーーーーー シャーーーーー」

 

「ありがとうっス! 自信でるっス!!」

 

「ボーーーーースパンキング!? ゴォッ! ――おひらき!」

 

「やっだもーーーん☆ やっだもーーーん☆」

 

「ん~~~~~ しょうがない子ねーーーーー♡

 

じゃあ最後までつきあってあげるっちゃ☆ 特別っちゃよ♪」

 

 

「うれしいでございまーす!! うれしいでございまーす!!!」

 

「「パラレルやっちゃってーーー!!!! パラレルやっちゃってーーー!!!!」」

 

 

 

「「ああああああああああ〜」」

 

 

 

「「コウッ」――ゴルシ!!!」」

 

「――クソっ! 最後の自分の名前が四文字だから負けちまった!!」(涙)

 

(何に負けたんだ……!?)

 

 うーん、オレってラップ? とかいうの苦手だぜ!

 それにしても芦毛くんは色々と頭がイッちゃってる!? デカ人参でもキメてるのかなぁ? でも、これくらいぶっ飛んでたら有馬記念に出てるのも納得できるなりねぇ!

 

「アハハハ! アンタおもしれぇ! ジョーダンの百倍おもしれぇわ!!」

「ちょ! トーセンジョーダン先輩を呼び捨てはいけないなり! あんなカッコイイ先輩いないぜ!!」

「はぁ? あんな偉そうにしてるバカ野郎を尊敬とかw 俺は見つけ次第ケリ入れてるぜww」

 

 スッと血の気が引いていくのがわかる。

 あの最高にカッコイイ……トーセンジョーダン先輩に蹴り? それで怪我したらどうすんだよ!?

 俺、先輩達をスゲーリスペクトしてここまで来た競走馬なんだけど……こんな無礼な奴見たことねぇよ!

 

「トーセンジョーダン先輩は凄く優しい先輩だぜ!?」

「俺ってさぁ? 支配とか威厳とか大嫌いでさ! ああいう規律みたいなの重要視する奴だいきらーい」

「……ごめん、君とは仲良くできないかな」

「はぁ!? さっきまで仲良くしてたじゃん! どうしたんだよー」

 

 スッと楽しい気持ちが無くなって、この芦毛くんに走りという名のお説教をしないといけない。

 こんな生意気なのは出会いたてのレオみたいだ! オレ、不器用な競走馬だからさ、叱ったり、説教したりするのは苦手なんだよね? だから、走りで証明する。

 ――先輩達をリスペクトすることの大切さを!

 

「あ? もしかしてクソ兄貴よりデカくて速そうとか思ったw まあ、クソ兄貴より速い自信あるぜ!!」

「……じゃあ、その兄貴と同じ走り方してやるよ、オレはその兄貴のライバルだ」

「はぁ? アンタ逃げ馬だろ!」

「……ならよかったな? 兄貴より先にオレを倒せる」

 

 いつもは熱い魂を剥き出しにして走る超淫乱競走馬なんだけど、今日に限っては雪みたいに冷たい冷酷な競走馬……極悪競走馬になってやる! こんなナマ入った後輩くんを! オルフェーヴルくんをバカにする後輩くんを! 徹底的に、後輩くんを徹底的に拷問調教レースしてやんよ!!

 

「なあ? アレっておまえの先輩だろ、どうして怒ってんのさー」

「……あんなコウセイさんは見たことがない。おまえ、このレースで終わるかもな」

「はぁ!? 事実を言っただけだろ! これが事実陳列罪ってやつー」

「しらねーよ、そんなの」

 

 

 

【ゲート・ゴルシ視点】

 

 ほんと、最初のラップバトルは楽しかったのにさぁ? ジョーダンと兄貴のことをネタにしたら怒りやがって、テンション下がるなぁー……でも、見た目は普通より鍛えてるくらいだし、本当に警戒しないといけないのはレオだけだろ。

 にしても、このゲートってやつは薄暗くて嫌いだ! 入りたくねぇなぁ……。

 

『今年最後の大レース有馬記念! 天候は晴れ、良馬場でのレースになります。一番人気は秋古馬三冠に王手、レースの独裁者イッテンコウセイ、無敗のクラシック三冠に加え無敗の秋古馬三冠にも手が届く距離です! 二番人気はゴールドシップ、脅威の末脚はイッテンコウセイに通用するのか? 三番人気に菊花賞馬シャイニングレオ! トウカイテイオーの息子が有馬記念にやってきた! 父の果たせなかった菊花賞を駆け抜けライオンハートを見せつけたその走りに注目が集まっています』

 

 うっわ、薄暗い……気持ち悪い……。

 まあ、ジョーダンがイッテンコウセイに負けてこいとか言ってたし、ジャスタウェイもスゲーとか言ってたなぁ? どの程度なのやら。

 ――はーい! すたーと!!

 

『各馬綺麗なスタート! 好スタートを決めたイッテンコウセイ得意の――ッ!? イッテンコウセイ スッと下げていきます!? 後方からの競馬を選択! 場内から悲鳴が!!』

 

 んな? 三冠馬が前から下って来やがった。

 ははーん? 兄貴をバカにしたから兄貴と同じ追い込みで走ろうとか考えてるわけ! うっわー、これG1とかいうレースじゃねぇの? 俺みたいな後輩にムキになってるわけww

 まあ、兄貴が勝てなかった奴に勝って兄貴を煽る材料に――ッ!?

 

『シャイニングレオも下げた!? 場内の悲鳴が更に大きくなります!! 先頭から――そして最後方にゴールドシップ、イッテンコウセイ、最後尾にシャイニングレオ!』

 

 なんだこれ!? レオは逃げ馬をマークする作戦の筈だろが! なんで最後尾で三冠馬をマークしてんだよ!!

 

(コウセイくん……そこまで……! 本当に先輩思いだな……)

 

 ああ、調子狂う! こんなバカばっかだとは思わなかった!! どうせ追い込みの経験なんて無いだろ? 俺は気持ちよく相手を笑えるからコレで走ってるが、お前達は前を走ってなんぼの足、俺は後ろを走ってなんぼの足なんだよ!

 まあ、俺に負ける屈辱感でも味わえや!

 

『第一コーナーを抜けて順位の変動はありません、一番人気イッテンコウセイ、三番人気シャイニングレオ、どちらも最後尾からの競馬! 上位人気の競走馬が後方に固まっています!!』

 

 オイオイ! お前達の騎手が焦ってるぞー? なんで今日に限って後ろからみたいな顔でさー!!

 ハハハハ! こりゃお笑い草だな、どんな草かわかんねぇが! 俺以外は馬群に呑み込まれるんじゃねぇーの? まあ、兄貴を煽る話し――ッ!?

 

『第二コーナーに迫りイッテンコウセイがゴールドシップの隣にスッと付けました! これはどういう作戦か!? 場内からはまだまだ悲鳴が轟いています!!』

 

 なんだ? なんだよ……なんでそんな目してんだ! おまえは負けに来たんだろうが!! 負けたいから俺と同じ走り方してるんだろうが!! わけわかんねぇ!! 終わったら蹴り入れてやる!!

 

『各馬綺麗なコーナリング! 直線に入りまして――イッテンコウセイ仕掛けた! イッテンコウセイの仕掛けをみてシャイニングレオも続くぞ!!』

 

 はぁ!? なんでここで仕掛けるんだよ!! グッ! 俺も仕掛ける!!

 

『ゴールドシップも仕掛けに入った! グングンと一番二番三番人気が順位を上げていくぞ!? コーナーを抜けて直線に――ゴールドシップが頭を下げた!?』

 

 こんな奴らに負けられねぇ! 頭なんて下げるかっていつも思ってた……だげどよぉ!! ナメた野郎共に負けるくれぇなら下げてやるよ! 頭くらいな!!

 ぜってー!! 負けねぇ――!!

 

『イッテンコウセイ抜け出した!! シャイニングレオ並ぶ!! エイシンフラッシュも良い位置にいるぞ!! ゴールドシップも脅威の末脚だ!!』

 

 

 

【ゲート・レオ】

 

 コウセイさんの気迫が異常だ……。

 調教で一緒の時……その柔らかい雰囲気が一切無い……。

 レースの時だけの戦闘態勢……違う、仲良さげに語ってた黒い競走馬さんが怒ったコウセイさんを見て肝を冷やしていた。

 ――本気で怒ってる。

 そうだよな、コウセイさんって自分のことを笑われても怒らないけど、両親や先輩、俺みたいな後輩を笑う奴が出てきたら本気で怒る。俺のお父さんを笑った先輩に凄く怒ったのを今でも覚えてる……。

 正しく……その時のコウセイさんだ……!

 

『今年最後の大レース有馬記念! 天候は晴れ、良馬場でのレースになります。一番人気は秋古馬三冠に王手、レースの独裁者イッテンコウセイ、無敗のクラシック三冠に加え無敗の秋古馬三冠にも手が届く距離です! 二番人気はゴールドシップ、脅威の末脚はイッテンコウセイに通用するのか? 三番人気に菊花賞馬シャイニングレオ! トウカイテイオーの息子が有馬記念にやってきた! 父の果たせなかった菊花賞を駆け抜けライオンハートを見せつけたその走りに注目が集まっています』

 

 コウセイさんとのレース、最初は全力を出して勝ちに行くと決めてた……だけど、このゾクゾクとした重圧、一匹の怪物を相手に戦うという恐怖、調教で走るのとは違う!

 ……お父さんを超えるには、コウセイさんを倒さないといけない。

 お父さん以上の存在になるには、コウセイさんを倒さないといけない!

 ――俺はシャイニングレオ! トウカイテイオーを超える競走馬だ!!

 

『各馬綺麗なスタート! 好スタートを決めたイッテンコウセイ得意の――ッ!? イッテンコウセイ スッと下げていきます!? 後方からの競馬を選択! 場内から悲鳴が!!』

 

 やっぱりコウセイさんは下げてきたな……多分、このまま前に残っても意味がない。コウセイさんの仕掛けに合わせないと意味もなく――負ける!

 ……負けるとしても! 負けるとしても!! 意味のある負け方を選ぶ!!

 

『シャイニングレオも下げた!? 場内の悲鳴が更に大きくなります!! 先頭から――そして最後方にゴールドシップ、イッテンコウセイ、最後尾にシャイニングレオ!』

 

(コウセイくん……そこまで……! 本当に先輩思いだな……)

 

 コウセイさんの走りを見てたらわかる。こんな軽快なフットワーク、皐月、ダービー、菊花……どのレースにもこんなに美しい足捌きで走る競走馬は居なかった……! まるで芝を滑るように最低限の力で駆け抜けて――ゴルシの野郎をマークしてる!

 ……ハハッ、ゴルシをマークしてるコウセイさんをマークしてる俺? 笑えてくるな!

 でも、このレース……コウセイさんの後ろに居られればいい! コウセイさんとの勝負はこれからも続く!! コウセイさんがそう簡単に引退するわけねーよ!! こんな図太い競走馬が日本にどれだけいるよ!!

 戦いに負けていい……勝負に勝てばいい!! コウセイさん――アンタは凄い競走馬だよ!!

 

『第一コーナーを抜けて順位の変動はありません、一番人気イッテンコウセイ、三番人気シャイニングレオ、どちらも最後尾からの競馬! 上位人気の競走馬が後方に固まっています!!』

 

 コウセイさんならどこで仕掛ける? ゴルシの野郎は確実にコーナーで持っていく腹積もり、俺は追い込みで走ったことがない……仕掛けるだからこそ、寸分違わずコウセイさんの仕掛けに合わせる! そうしないと――勝負に勝てない!!

 ……俺は、コウセイさんの背中を一秒でも長く見ていたい。そして、最初の戦い、それで並べればいい!! 併走と同じように!! 隣で走れたらいい!! 戦いに負ける! それはただ順位で負けるだけだ!! 勝負は隣で走っているかどうかだ!!

 

『第二コーナーに迫りイッテンコウセイがゴールドシップの隣にスッと付けました! これはどういう作戦か!? 場内からはまだまだ悲鳴が轟いています!!』

 

 大丈夫、スタミナはまだある……コウセイさんの走りに精神力のすべてを注げ……!

 コウセイさんの隣で走る資格は絶対にある!!

 まだか……まだか……まだか……!

 

『各馬綺麗なコーナリング! 直線に入りまして――イッテンコウセイ仕掛けた! イッテンコウセイの仕掛けをみてシャイニングレオも続くぞ!!』

 

 ――今か!

 流石はコウセイさん……そしてコウセイさんの騎手さんだ! 仕掛けのタイミングが早すぎる! でも、これはコウセイさんのスタミナ、それを完璧に信頼しての自由行動! 多分、ゴルシより自由に走ってやがるぜ!!

 スタミナはコウセイさんをマークするだけで全然減ってない。さあ、さあ! コウセイさんの隣に立ってやるぜ!!

 

『ゴールドシップも仕掛けに入った! グングンと一番二番三番人気が順位を上げていくぞ!? コーナーを抜けて直線に――ゴールドシップが頭を下げた!?』

 

 直線に入ってゴルシの野郎……似合わねぇ走り方してやがる! でも、俺がコウセイさんの隣だ!!

 

『イッテンコウセイ抜け出した!! シャイニングレオ並ぶ!! エイシンフラッシュも良い位置にいるぞ!! ゴールドシップ脅威の末脚だ!!』

 

 ――隣で走るんだ!!

 

 

 

【ゲート】

 

 いつも思ってた、速く走る為に何が必要か?

 それは、他の何かを真似すること……悪く言えばパクリなりねぇ……。

 でも、真似することが強くなることの最大の近道で、短い競走馬の道のりじゃあ、自分の我を通すのは難しいなりねぇ……。

 だから、オレはリードホースのお姉さんにレースの走り方を小さい頃から聞いてた。お母さんからもいっぱい聞いた! だから、レースにスゲー憧れを抱いてたなり……。

 他の子達は両親の自慢ばっかりして、お父さんやお母さんの戦績ばっかり語ってた。

 でもさ? 自分が走る段階になってお父さんやお母さんの自慢って必要だった? 必要ない、オレはそう思うぜ! だから、全然勝てなかったリードホースのお姉さん、一回も勝てなかったお母さん、その全ての言葉が反動になってオレの走りの根幹にいるぜ!!

 

『各馬綺麗なスタート! 好スタートを決めたイッテンコウセイ得意の――ッ!? イッテンコウセイ スッと下げていきます!? 後方からの競馬を選択! 場内から悲鳴が!!』

 

 相手を理解する。それは凄く難しいことだぜ……でも、理解しないってのは駄目! 全部意味のある言葉だって思わないと勝てるレースにも勝てねぇよ!

 他をバカにするとかじゃなく、その意味を理解するのが強くなることの一歩だと思うぜ!

 トーセンジョーダン先輩、ブエナビスタ先輩、エイシンフラッシュ先輩、オルフェーヴルくん……全員が色々なことを教えてくれた! 言葉じゃないことでもレースの中で教えてくれた!

 

(コウセイ……本当におまえは気分屋だな、これで気性難じゃないって信じる奴がいるのか……?)

 

 レオだって最初は理解や学びを拒んでお父さんを超えられないと泣いてた! でも、オレの走りを理解した瞬間にお父さんの背中を追いかけてるって実感を持って胸を張って走ってる! 今この場でも走ってる!! G1レースで走ってる!!

 

『シャイニングレオも下げた!? 場内の悲鳴が更に大きくなります!! 先頭から――そして最後方にゴールドシップ、イッテンコウセイ、最後尾にシャイニングレオ!』

 

「コウセイくん……そこまで……! 本当に先輩思いだな……」

 

 もし、この全身全霊の追い込みで芦毛くんに負けたら……オレの考え方が全部間違えてるって! 今までの偉業はすべて才能だって言い捨ててやる! でもね? 今日に限って負ける気がしねぇ……。

 ――オレって三年間走ってるベテランなり!!

 

『第一コーナーを抜けて順位の変動はありません、一番人気イッテンコウセイ、三番人気シャイニングレオ、どちらも最後尾からの競馬! 上位人気の競走馬が後方に固まっています!!』

 

 体中から燃え上がる闘志、経験や知識、そのすべてが原動力になって体に最高の力みを与えてるぜ!

 だからこそ、教えられる。先輩としての威厳や凄さ、そのすべてを――才能だと思ってる芦毛くんに!

 さあ、レオ? おまえはオレの最初の弟子だ! オレの走りについて来いよな!!

 

『第二コーナーに迫りイッテンコウセイがゴールドシップの隣にスッと付けました! これはどういう作戦か!? 場内からはまだまだ悲鳴が轟いています!!』

 

 さあ、芦毛くん……その涼しい顔はどこまで続くかなぁ……?

 オレ、無敗の三冠馬で売ってる超淫乱競走馬なんだけど、後輩の躾けは厳しいなりよぉ!!

 

『各馬綺麗なコーナリング! 直線に入りまして――イッテンコウセイ仕掛けた! イッテンコウセイの仕掛けをみてシャイニングレオも続くぞ!!』

 

 流石だぜレオ! オレの仕掛けを見抜いたようなスゲー仕掛け方だぜ!!

 芦毛くんはワンテンポ遅れてるなりねぇ……もう、これは届かないぜ! レオ! ちゃんとオレの隣で走れよな!! 走れないとお父さんに顔向けできねーぞ!!

 

『ゴールドシップも仕掛けに入った! グングンと一番二番三番人気が順位を上げていくぞ!? コーナーを抜けて直線に――ゴールドシップが頭を下げた!?』

 

 芦毛くん、君には切磋琢磨する先輩が少なかったんだろうね……。

 もし、同じ美浦だったらレオと一緒に拷問調教してあげたのにさ! その才能、レオと同じくらいだぜ!!

 ……だから、オレとのレースで花を咲かせろよな! オレは栗東の馬じゃねーよ!!

 

『イッテンコウセイ抜け出した!! シャイニングレオ並ぶ!! エイシンフラッシュも良い位置にいるぞ!! ゴールドシップ脅威の末脚だ!!』

 

 レオ、成長したな! 調教より綺麗な足捌きじゃねーか!!

 

(コウセイ! 無敗の六冠馬になれ!!)パシンッッッ!

 

 騎手さんの鞭で――ポルシェ並みのエンジンだぜ!!

 ずっと隣で駆け抜けるレオ、ごめんなレオ……レースは一番速い奴が勝つ! 今日はオレが一番速かったんだ!!

 

『イッテンコウセイ抜けた! シャイニングレオ届かない!! 半馬身差でイッテンコウセイ躱しました!! 二着にシャイニングレオ!! 三着にゴールドシップ!!』

 

 久しぶりの追い込み競馬でマジ狂い! オルフェーヴルくんはこんな競馬を毎回してるのかよ!? チョーS(スロースターター)だよな!

 なんて思いながらオルフェーヴルくんが出走してたら負けてたなんて考えたり。

 

「おい! なんでオメー!! 逃げ馬なんだろうが!!」

「……芦毛くん、君には足りないモノがある」

「はぁ!?」

「リスペクトする心なりよ」

 

 芦毛くんが絡んできたからリスペクトの心を説いてみた。

 

「しらねーよ、そんなの! 気に食わねぇ!! 蹴ってやる!!」

 

 芦毛くんが蹴りを入れようと寄ってくるけど、蹴りたいなら蹴ればいい。

 怪我をしてもいい、この後輩を正しい方向に持っていくには怪我の一つなんでもないぜ!!

 

「こ、こわくねぇーのかよ? 蹴られるんだぞ!?」

「……蹴られると痛いって知ってるじゃん? じゃあ、蹴るなんてしねぇーよ普通」

「えっ」

「知ってるか、やったことあることは……やられたことあることだけなんだ……」

 

 芦毛くんは心底驚いた表情で固まった。

 そうなんだよね? やったことあることは、やられたことがあることだけ……蹴ることが出来るのは蹴られたことがあるから……。

 オレはただ堂々と先輩として芦毛くんに凛々しい姿を見せるだけでいい。

 

「……俺、ゴールドシップっていいます」

「ウッス! オレはイッテンコウセイだぜ!!」

「……俺、おれ……コウセイ様! おれ!! もっとほんきではしりましゅ!!」

「おう! 次のレースで待ってるぜ!!」

 

 ゴールドシップくんは感銘を受けた表情でその場を後にした。

 

「コウセイさん……次は前を走りますからね……!」

「レオ、オレの走りに付き合わせてすまなかったな」

「ふっ、俺は一番になる馬の後ろを走るんですよ……!」

「ギャンブルし過ぎだぜ!?」

 

 レオも静かに去っていく。

 無敗の六冠馬、なんか言いにくいなりねぇ……無敗の三冠馬の方が語呂が良いぜ!

 でも、オレの駆け抜けたロード、その一ページなり♪

 

『三年間の無敗、どんな距離でも駆け抜ける! 変幻自在、逃げれば抜かれず、追いかければごぼう抜き、走る姿は正しくレースの支配者! 独裁者!! 歴史的名馬の誕生!! その名はイッテンコウセイ!! もう両親を笑うものはいない!! 両親に感謝する者しかいない!! イッテンコウセイ一着!! 史上三頭目、テイエムオペラオー、ゼンノロブロイに続く秋古馬三冠を無敗で駆け抜けました!!』

 

 

 

【シナリオクリア】

 

称号『みんなの超淫乱競走馬☆』

 

17戦17勝

 

【クラシック三冠】

【凱旋門制覇】

【秋古馬三冠】

 

短距離A マイルA 中距離A 長距離A

ダートA 芝A

逃げA 先行A 差しB 追い込みA

 

スピード:1500

スタミナ:1800

パワー :1200

根性  :1500

賢さ  :300

 

【因子】

 

『スタミナ』     ☆☆☆

『逃げ』       ☆☆☆

『最高の競争MASCHINE』☆☆☆

『地固め』      ☆☆

つづく




 めちゃくちゃ悩んだけど、ウマ娘を題材にしてるからウマ娘編を書かないと(使命感)

 ウマ娘編も激エロに仕上げますからよろしくオナシャス!!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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【激カワ♡ ウマ娘編】
イッテンコウセイとの出会い


 新しくトレセン学園にトレーナーとして就職したけど、ウマ娘さん達は大きなチームに所属することが多くて、僕みたいな新人はサブトレーナーとしてチームの一員になってから一人前にならないといけないみたい。

 でも、今年のトレーナー試験は合格率が高くて……サブトレーナーとしても入れるチームが少ないんだよね……。

 だからこうして模擬レースを眺めてる。

 

「うーん、今回は足の角度が足りなかったなりぃ……」

 

 模擬レースで一番になったウマ娘が訝しげに足の角度を気にしている。

 それにしても凄い逃げっぷりだったな……逃げのウマ娘って怖がりが多いって学校で習ったけど、この子は趣味で逃げを選んで走ってるように見えた。

 でも、模擬レースに出てるってことはフリーなのかな?

 

「コウセイ! 今日こそは私のチームに!!」

「いや! 僕がコウセイを育てるんだ!!」

「「「「コウセイは私達が!!」」」」

 

 それもそうか、このコウセイって呼ばれてる子はあれだけの横綱相撲をしているんだ。他のトレーナーも自分が育て上げたいと思っている筈だ。

 僕が付け入る場所なんて無いのかな……。

 

【イッテンコウセイの秘密1:サングラスは3000円】

 

 新人トレーナーとしてトレセンの施設を色々と回ってみたけど……広い! こんなに広い建物を首都圏に建てるとか本当に財力凄いなぁ……よくお金あるよな……。

 

「リーチ!」

「通らず、一通ペーペー……40符4翻は満貫なりよ……!」

「くぅ~! 流石はコウセイさんだぜ!? ダマで一通なんてマジリスペクトっす!!」

「ゴルシさぁ……もう一巡ねぇからリーチできねぇーぞ」

 

 な、なんだ……三人のウマ娘さんが道の真ん中でテーブル広げてお茶会ならぬ麻雀会やってやがる……。

 

『君達……?』

 

「ん? もしかして麻雀したいのか! ナカヤマの奴がエイリアンとプレデター、シ○ワちゃん風ターミネーター、イタリア系アメリカ人のプロボクサー(ス○ローン似)に追われてて面子足りなかったんだ!!」

「い、いや、なんで道の真ん中で麻雀してるの!?」

「これは修行なり……レースでは凄い数の観客がくるぜ! それに上がらないように道の真ん中で麻雀……! これでレースだろうが、ライブだろうがテンパらないぜ!!」

 

 た、確かに……観客に見られるとテンパるかもしれないけど……。

 それにしても、この子どこかで……?

 

『あっ!』

 

「ん? どうしたなり」

「君、昼に模擬レースに出てた……」

「ああ、ステップの確認の為に出たんだよね。でも、自分まだ中等部だし、高等部からデビューでいいかなって」

 

『もったいないよ!』

 

「えっ? もったいないってどういう意味なりか?」

 

 僕は彼女が今デビューしても十分に活躍できることを力説した。

 彼女は訝しげな表情を見せながら麻雀牌を積み上げる。

 

「だって、君は模擬レースで凄い逃げをしてたじゃないか!」

「……トレーナーさん、わかってないなりねぇ? 確かに自分は模擬レースで一番になったっす! でもね? トレーナーってのは勝てないウマ娘を勝てるウマ娘にする職業でしょ、救いの手を差し伸べるのがトレーナーでしょうが! アンタ……自分の活躍しか目を向けてなかったなりね……」

 

『えっ』

 

「あのレースは自分を合わせて六人のウマ娘が走ってたぜ! その中でオレが一番、じゃあ、その他のウマ娘さん達をアンタは確認したのか? 見てないならトレーナー失格だぜ! ちゃんと全員を見れるようになったら四流から三流くらいになれるから努力するなりよぉー」

 

 彼女の言ってることは……正しい……。

 僕は彼女の凄い走りだけを見てた。でも、トレーナーってのはウマ娘を育てる職業、強い弱いじゃない……素質を見抜かないといけないって……。

 僕は「新人だから」と言い聞かせてその場から逃げ出した。

 

「あなた達ー? 道の真ん中で麻雀は禁止だっ――」

「ゴルシちゃんは椅子! レオは麻雀牌! 自分は卓を運ぶッス!!」

「「おー!!」」

「まちなさーい!」




 さーて、ウマ娘編はじめるぜ! そして、この新人くんはコウセイのトレーナーになることができるのでしょうか? ご覧ください!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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百合に挟まるトレーナー

 ウッス! オレ、凄い逃げで売ってるイッテンコウセイってウマ娘ッス!!

 実はスゲー尊敬してるセンパイに拉致されてトレセンから近い公園に連れてこられたんだよー(ピクニック)

 オレの右隣りに座ってるのがハルウララ先輩! 左にいるのがスーパークリーク先輩! どっちも入学したての頃から仲良くしてくれてるスゲー優しい先輩だぜ! スゲーS(世話焼き)だよな!!

 

「コウセイちゃん? 温かいお茶ですよー」

「ウッス! ありがとナス!!」

「コウセイちゃんあったかーい」

「う、うらら先輩! 近いっす!!」

 

 こんな感じで歳はそんなに離れてねぇのに親子みたいに仲良くなってるぜ!? でも、二人ともに栗東寮だから寮で会えないのはどうなんだよー(大好き)

 そして、だだっ広いシートの先には大切な弟分、シャイニングレオがトウカイテイオーさんにゴネゴネされてる。その光景を見て生徒会長のシンボリルドルフさんが微笑んでるぜ!

 

「こうせいさーん! たしゅけてー」

「レオは美浦寮だからにー! 夜は遊べないからお昼に全力だよー!!」

「こらこら、レオが驚いてるじゃないか」

「会長さんたすけてー!」

「おっと、これは……いいものだな……」

「カイチョーがレオを取ったー!!」

「ふふっ」

 

 あっちもあっちで楽しそうだぜ! 寮でレオに激おこぷんぷん丸されそうだけどな!

 なんて思いながら木漏れ日よりの艷やかな春風を楽しんでいると……オレの大好きな香りが漂ってきやがるぜ!? これはオレの大好物! デカ人参ステーキと少し青いバナナじゃん!!

 

「うふふ、早起きして作ったんですよー」

「うららも! うららも頑張ったんだよ!!」

 

 クリーク先輩とウララ先輩ってスゲー仲いいよな! なんかどっちかが男の子だったら普通に夫婦になってそうだぜ! それで生まれてくる子供は……クラシック三冠の誕生か♪

 

「あむあむ……それにしても、思ってたよりトレーナーさんって強引な人が多いっすね」

「あら? どうしたの」

「うーん、模擬レースとかいうのに出場してみたんですけど……全然実力出せてねーのにスカウトしたいって人がいっぱい! 自分、高等部からデビューしたいなりぃ」

「いいな~……うららは全然スカウトされないのに……」

「ウララ先輩ごめんなさいっす!!」

 

 うるうる眼で悲しげなウララ先輩をクリーク先輩と一緒に慰める! やべーよ! 泣かないで先輩のデビュー心! 先輩に涙は似合わない!!

 そんな感じでピクニックの時間は緩やかに過ぎていったぜ!

 

――そんなわけねぇだろ!

 

「コウセイさまー! レオは一緒でアタチッチはぶとかないっすよー!!」

 

 唐突に時空の境目が破かれ、大口を開けたマックイーンとハッピーマテリアルGO! してるゴルシちゃんが推定寮からワープしてきたなりぃぃぃ!?

 オレがレオを、レオがテイオーさんを、テイオーさんが会長さんを、会長さんがクリーク先輩を、クリーク先輩がウララ先輩を、ウララ先輩がオレを見て無限ループ! 永久機関の完成かぁ!? ノーベル賞はオレのもんだ!!

 

「じゃねぇよ! その技どうしたら習得できんだよ!!」

「ジャッジ! ノーベル賞はアタシんだ!!」

「ノーベル卒倒もんだぞ! ダイナマイト以上の発明だぜ!!」

「いやぁ~コウセイ様のツッコミは最高だ~」

 

 これ、未来技術を盗んだとかで時空なんとかに捕まらないよね? オレがワープの瞬間を見たからって罪に問われないからな!

 それにしても、時空って切れるんだね? 時空すら破壊するゴルシちゃん……恐ろしい子!

 

「……チッ! お弁当タイムに時空を切れなかった!! コウセイ様にはい♡ あーん♡♡♡ してあげたかったのにぃぃぃ!!」

「えっ? ゴルシちゃん……未来から時空を切った的な?」

「あれ? 三日後のゴルシじゃん! ああ、あの時空断裂ZAN成功してたんだ」

「おう! 三日前のゴルシ! あの辞書の裏に書いてあった落書きマジで時空断裂ZAN使えたぜ!!」

「ふっ! 時空断裂ZANは最大一ヶ月まで前後できるぜ!!」

「「一ヶ月後のゴルシ!?」」

「あ、あくむだ……」

 

 目の前が暗くなった。

 お金が半分減った。

 

「ああ、コウセイ様の寝顔! チェキ! チェキですわ!!」

「わたくしの真似をしないでくださいまし!? 妙に似てるのが腹立たしい!!」

「顔中がヨダレ臭いなりぃ! 妙に青のりが香るなりぃ!!」

「あ、朝に冷凍たこ焼きを生で食べたからかなぁ? いやぁ! チョコボールアイスと間違えちまってさー……あれ? 冷凍食品って一回調理してあるから……生じゃねぇじゃん! 半生じゃねぇか!!」

 

 やっべーよ! いつものゴルシちゃんの三倍くらいハジケてやがるぜ!? オレのツッコミ力じゃ足りねぇーよ! レオ! たすけてー!!

 

「ねぇ? レオってかわいいよね……」

「うひゅッ!? みみよわいのぉ~!」

「いいなぁ、レオは可愛くて……優しくて……」

「ていほーしゃんのほうがかわいいでひゅぅ~」

「添い寝して♡」

「嫌です」

「なんで?(しっとり)」

 

 やっべーよ! レオはゴルシちゃんレベルのハジケテイオーさんに喰われてるよ!?

 この状況、この展開、このシナリオ……! アレを使うしかねぇーよ!!

 

「あ、久しぶりにUFO見るなぁー」

「「えっ!? どこどこー? グレイ型? オクトパス型? もしかしてアメーバー型!?」」

「逃げるぞレオ! 二人が暴走し過ぎてるぜ!!」

「ウッス!!」

 

 ウマ娘が滅多に使わないクラウチングスタートで土煙を立てながら駆け抜けるぜ!! 三十分くらいしないと暴走がおさまらねぇよ!!

 

『あっぶえ!?』

 

 あれ? ストーカー……じゃなくて! 新人トレーナーさんじゃん!?

 

 

 

【トレーナー視点】

 

 最近思ったんだけど、きらら系アニメって食わず嫌いしない方がいいね! 殺伐とした現実世界に無い……なんというか、グルメ漫画風に説明すると……。

 

「ゆりを見る時はね、誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……」

 

 本当にごちうさはそれを体現しているね! アレを見る時は……孤独で、静かで、豊かで……!

 

「百合に挟まる男許せねぇ!!」

 

「「えっ!? どこどこー? グレイ型? オクトパス型? もしかしてアメーバー型!?」」

「逃げるぞレオ! 二人が暴走し過ぎてるぜ!!」

「ウッス!!」

 

『あっぶえ!?』

 

 って!? イッテンコウセイじゃん! 今日はピクニックに来てたのかな?

 でも、これって親しくなるチャンス? 出会いは最悪でも少しずつお近づきになっていくとか恋愛ゲームの定番だよね! 何か凄い災難に見舞われてるようだし……助けたら!

 

「「百合に挟まる男死すべし!! 慈悲はなし!!」」

 

『あべし!?』

 

 ついん……どろっぷきっく……!




 思いの外、筆が伸びたから投下! でも……ゴルシ以外キャラが掴めてねぇよ! これはウリ狂ラーニングだけじゃなくて、ウマ狂ラーニングもしねぇーと!!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

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第一回! 美少女会議

「ウッス! 全員集まったなりねぇ!!」

「自画自賛の美少女宣言は恥ずかしい……」

「えっ? ゴルシちゃんは美少女だろ! 画面の前のお前達復唱しろ!! ゴルシちゃんは美少女!! OK?」

 

 なんとなく空き教室に集まって会議的なことをしてるぜ! なんか会議って……エロい! 何を会議するんだろうね? バナナの平均本数とか会議したら面白いかもね♪

 

「うーん? カレン的にわぁ~流行りのスイーツバイキングの話題がいいかな☆」

「自分、チョコレート系は苦手ッス! ジャム系が最高ッス!!」

「……なんか参加者増えてるんだけど?」

「そら、コウセイ様のカリスマが引き寄せるんだろ! アタチィ~ハブにされてたら次元切って駆けつけるぜ!!」

「カレンもカワイイボールで色々と出来るよ☆」

「カワイイボールって……出さなくていいなり!」

 

 人口密度が上昇だぜ! でも、四人集まれば大富豪ができるよな!!

 それにしても、カレンチャンさんが乱入とか聞いてないぜ!? カレンチャンさんはマジでS(神秘的)でM(ミステリアス)だから色々と突飛なんとかな事が起きるぜ!! なんていいながら、知り合いが来てワクワクな顔で楽しげだ。

 とりあえず、黒板に【スイーツバイキング】と書き込んで議題決定かな?

 

「確かにスイーツもいいけど……ウマ娘なら一番よ! 一番になる方法を語り合うのよ!!」

「一番なりかぁ……難しい議題だぜ!」

「また増えたぁ!? あ、でも……スカーレットはこっち側だな!」

「最近さぁ、緑茶、烏龍茶、紅茶をミックスして飲んでんだけどさぁ! メッチャマズイの!! 同じ茶葉じゃねぇのかよ!!」

「ウッス! 自分は烏龍茶派っす!!」

 

 まさかのダイワスカーレットさんまで登場!? これは中等部の面々がゾロゾロだぜ!

 それにしても、十人十色ってのはこのことだぜ! 全員の主張を拾い上げていったら24時間以上? 48時間以下? の会議になっちゃうかもね☆

 とりあえず、黒板に【一番】と書き込んで議題決定かな?

 

「話し合いならバイクの話ししようぜ!」

「ウッス! 自分生粋のスズキ派っす!!」

「まあ、スカーレットが来たら来るよなぁ」

「マックイーンの隠しお菓子棚に板チョコ風のカレー粉隠したんだ! 今夜くらいに食べそうだな(笑)」

「バイクはアメリカンだろうが! ハ○レー!!」

 

 もう驚かないぜ! ゴルシちゃんがいるのに驚く必要なんてないよなぁ? 規格外なりねぇ……。

 アメリカンアメリカンうるさいウオッカさんを無視して【スズキNo.1】と書き込んで議題決定かな?

 

「はぁ! 魔法の話しよ!! まーほーおー!!」

「未だにまどマギ三話がトラウマっす!」

「うっわ、なんか来た……すいーぴー……」

「時々さ……アイツのことを思い出すんだ……! あっくんのカブトムシ!! スゲー大きかったんだよ!? ギネス狙えたって!!」

「とりあえず、よくわかる現代魔法っと」

 

 最近思うんだよね? 深夜アニメの剣と魔法率の高さ凄いよねぇ……ジャニ系イケメンの主人公くんが活躍するならいいんだけど、アニメでもわかるくらいモブ顔の主人公くんでネムネムの顔で白け気味。でも、異世界って髪の毛の色すごいよね! ピンクとか……ウララ先輩ピンクじゃん……。

 魔法だとイミフだから【よくわかる現代魔法】とか昔のラノベみたいなことを書いてみる。

 

「姫ですわ! プリンセスですわ!」

「お願いだからネズミの話しはやめてね? ネズミはダメだからね!!」

「Dプリンセス……これ以上はいけない……」

「最近理解したんだよ……うなぎの完全養殖が出来るようになっても……半年に一回くらいしか食わないんじゃないかって……! ごめんよ……うなぎぃ!!」

 

 わけわかんねぇよ! いつもの三人だったら面倒くさくなったらトランプはじめて終わりなのにさぁ! 人が増え過ぎてマジ狂い! 多分、宇宙世紀の地球連邦軍はこんな気持ちで人々を宇宙に送り出したんだろうね(笑)

 とりあえず【アメリカネズミ】とか書いて黒板がやべーよ! 主義思想のちゃんぽんじゃん!?

 

「もうわかんねぇ! 議題は遠足の駄菓子300円にするなり!!」

「はぁ!? 遠足の駄菓子は500円でしょ!! わたしの小学校は五百円だったわ!!」

「はぁ!? 遠足の駄菓子は300円だろ!? ブルジョアかよ!!」

「カレンはねぇ♪ 遠足の時は自分で作っちゃうんだー☆」

「きのこの山とか論外! きのこ派は魔法で消しちゃうんだから!!」

「『自主規制』プリンセスのチョコレートですわ! 勝ちですわ!!」

「ここは間を取ってウナギとアナゴの差を語ろうぜ! あ、アタシはアナゴ派!!」

「スゲーカオス……ハハ……」

 

 やべーよ! レオの目がギン目になって目がイッちゃってる!? レオって結構臆病なところあるから人口密度がダイレクトだぜ!? チョーS(神経質)だよな!

 なんていいながら、この膨大な情報量にオレも脳みそギンギンだぜ……凄いわね……。

 はて? 最初は何の話しをしていたのか……。

 

「諸君! この会議は何の為に生まれて、何をして喜ぶ? わからないまま終わるそんなの嫌だ! そして愛と勇気だけが友達なり!!」

「文字起こしすると……愛と勇気だけが友達とか……ヤベーな……」

「最近アイとユーキに会ってねぇな……バンド、続けてるかな……? ふっ」

「カワイイ!」

「一番!」

「バイク!」

「魔法!」

「プリンセス!」

「……漫画で」

「「また増えてやがる!?」」

 

 やべーよ! ドーベル先輩まで乱入だぜ!? えっ、あの正統派ツンデレ系ウマ娘ドーベルさんがオレ達の前に? できらぁ!

 それにしても、ここまで来ると収集とかいうのがさぁ……つかなくなるんだよ!

 

「じゃあまず……カワイイについて議論していくなりよー」

「あっ、コウセイさん折れちゃった。一個一個虱潰しが一番労力使わないって気づいた!?」

「カワイイとは……砂糖! つまり甘い=カワイイなり!! 異論は認めないなりよぉ!!」

「雑! スゲー雑!!」

「「「「やーやーやー!!!」」」」

「国技館よりさ……札幌、埋め尽くさね? アイとユーキが居たら絶対札幌だって客来るって!!」

 

 カワイイ? 知らねーよ、そんなの。

 オレって男勝りで売ってるウマ娘なんだけど、若干ナル入ってて自分のことを美少女とか表現しちゃうんだけどさぁ……本物の美少女が大量発生したら自分のナルシズムに疑問が生まれるんだよ! チョーS(ストレス)だよな!?

 まあ、議題の中で一番面倒くさいカワイイを砂糖で誤魔化したから後は簡単だぜ!

 

「じゃあ、次は一番……一番に必要なのは……!

 

愛と勇気、

根性とパワー、

ウマ娘として生まれた意味、

自由と人権、

平和と野望、

伝説の海域で取れるズワイガニのようなカニ(ズワイガニではない)、

エビフライの見た目をしたカニフライ、

ニンテンドースイッチライト、

ニンテンドースイッチ有機ELディスプレイモデル、

マリオとソニックが出てくるオリンピックを題材としたゲーム、

大乱闘スマッシュブラザーズ(初代)、

機動戦士ガンダムΖに出てくるジェリド・メサが搭乗したマラサイ、

エヴァンゲリオン初号機、

エヴァンゲリオン二号機、

エヴァンゲリオン零号機、

ドーナッツに穴を作る専門の工具、

ラードを使用したポテト、

ハンバーガーショップで売られているシェイク(ストロベリー味)、

ケチャップとマヨネーズを混ぜ合わせたソース、

昨日食べた餃子の香りを消してくれる粒錠のニオイ消し、

漫画雑誌を一年間ゴミ出ししてなかった時の感想文、

ピエロの出てくるホラー映画、

同人誌が何故か週刊誌に掲載されるという珍事、

ハムと思って焼いていたらベーコンだった件という気持ち、

ドラフト一位指名された選手が育成指名選手に追い抜かされるという雑草魂、

アンダースローのピッチャー、

強肩だけどまったく打てない捕手、

そこそこ打てる二遊間、

ファーストに定着された謎外国人、

なぜか外国人選手がいない外野、

6番と8番を行ったり来たりする三塁手、

どうでもいい話しを親身になって聞いてくれる友達、

ゴールキーパーまで攻撃に参加する超攻撃的サッカー、

白と黒のハニカム構造の昔ながらのサッカーボール、

海外旅行に行って人生観が変わらなかったという人、

自分が恵まれていると思い込むプライド、

変に小細工をしないで作る美味しい料理、

肉料理を食べ過ぎた後のサラダ、

夢という曖昧な表現で終わらせない理想像、

家系ラーメンというラーメンではなくちゃんぽんの亜種、

PS3、

PS4、

エックスボックの新しいやつ、

ブランドバッグの機能美、

国内時計の海外レビュー、

国内家電の海外レビュー、

国内ウマ娘の海外レビュー、

道徳的観点から許される許されない行為、

小説の冒頭にある多少のネタバレ、

深夜アニメの録画をする為のHDD(SSD可)、

海外からやってきた妖怪を倒すための獣の槍、

海外からやってきた妖怪と友達になるための妖怪ウォッチ、

妙に人懐っこい猫、

妙に警戒心が強い犬、

魚を咥えたトンビ、

海老で鯛を釣る瞬間をとらえた写真、

パフェの上に乗っている謎ミント、

戦車を題材とした美少女スポ根アニメの円盤、

電卓を改造したらできちゃったゲーム時計、

伝説の英雄、

蛇と呼ばれた伝説の英雄、

ビッグボスと呼ばれた伝説の英雄、

親子の感動的再会のシーンで息子を息子ではないという親父、

実はビッグボスはソリッドのことを内心息子だと認めてると思う、

ソリッドはハナからビッグボスのことをクソ親父としか見ていない、

てか、ソリッドはファザコン、リキッドは反抗期、ソリダスは知らねぇ、

機動戦士ガンダムシリーズに登場する父親キャラのクズ率の統計表、

機動戦士ガンダムシリーズに登場する艦長キャラの成人率の統計表、

機動戦士ガンダムシリーズに登場する母親キャラのクズ率の統計表、

機動戦士ガンダムシリーズに登場する主人公の少年臭さの統計表、

アーマードコアの新作(やったぜ)、

軽量二脚を使いこなす本物のレイヴン、

V系の操作感が好きなプレイヤー、

PSPを久しぶりに起動させた時のザーザー音、

ゾンビが出なくなって怖さが低くなったホラーゲーム、

ホラーと言いながらスタイリッシュアクションなホラーゲーム、

狩猟ゲームを一緒にしてくれる友達、

プレイアブルキャラの男女選択で女しか選ばないタイプの人、

プレイアブルキャラの男女選択で男しか選ばないタイプの人、

男の尻をゲームクリアするまで見たくない派、

自分は男だから男のロールプレイが好き派、

ゲームをプレイする都度RTAするならここを煮詰める必要があるとか考えちゃう心、

家に帰るとお布団の香りで笑顔になる心、

洗剤は柑橘系に統一する心、

ポケモン御三家は草タイプが一番ビジュアルがいい気がする、

ポケモンの炎タイプは性能が微妙なことが多いような気がする、

ポケモンの新要素についていけないタイプ、

デジモンのことを思い出す必要性、

カードゲームに必要なのは理解できるかどうか、

カードゲームに登場する謎の単語、

カードゲームには美少女テーマが必須、

カードゲームには美男子テーマが必須、

カードゲームに出てくる男の子か女の子かわからない中性的なキャラ、

アニメでは伝説のカードとか言われてるけど、カードショップでは十円で売られてあるカード、

裏技をちゃんと設定してくれるゲームメーカー、

裏技をチートとか言っちゃうゲームメーカー、

日本人、キリトとクラウド使い過ぎ問題、

日本人……」

「もうやめて! コウセイちゃん疲れてるよ!!」

「う、うらら……せんぱい……」

 

 会議の途中で……ダウンだ……。

 

 

 

【トレーナー視点】

 

『えっ』

 

 目の前に安らかな顔をして倒れているウマ娘がいる!?

 

「またデジタル殿が死んでおられるぞ!?」

「衛生兵! えいせいへーい!!」

「メディック! メディック!!」

 

 な、何が起こっているんだ……?




 人力タクヤ姫を人力でやるとメンタルが壊れることを理解した。そしてもう二度とやらないと決めた。

 ウリ狂ラーニングよりウマ狂ラーニングの方が難しいね……。

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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ドキドキ!? 焼肉大作戦!!

「レオ? 焼肉食べたくね」

「いや、食べられるなら食べたいですよ」

「東京ってスゲーS(サービス)だからウマ娘が入れる焼肉食べ放題があるんだよね」

「マジすか!? でも、そういう店って一回行ったら出禁になるんじゃ?」

「実は、その店は月四回だけ抽選でウマ娘のペアを無料ご招待するみたいなんだよ! ネットで応募したら当たっちゃってさ……オレとレオの仲だし、一緒に行こうぜ!」

「うわー……ゴルシに殺されそう……」

 

「「」」ピコピコ・オグリ&スペ耳

 

 カフェテラスで後輩の焼肉ブュッフェ話を聞いたオグリキャップとスペシャルウィーク、彼女達にとって焼肉とは千葉のネズミ王国より壮大な夢の空間。

 カルビ、ロース、ハラミ、タン……。

 彼女達の脳内にあるのは美味なタレを使用した焼肉……!

 焼肉の魅力によって先輩としての威厳は消えていた。

 

「……なぜ、私じゃないんだ?」

「……なぜ、私じゃないんでしょう?」

 

 二人は頭を抱える。二人ともにイッテンコウセイとはフレンドリーな間柄にあるのだが、焼肉同行というイベントに呼ばれない。それはとても由々しき事態、どう考えても食べ放題なら自分達を呼ぶべきだという絶対的な自信!

 だが、二人は気が付いていない……仲は悪くないが、共通点の少なさに!

 オグリキャップ、スーパークリークと仲良しな先輩。

 スペシャルウィーク、ライスシャワー以上? キングヘイロー以下? くらいにハルウララと仲が良い先輩。

 二人ともに会話は弾むが共通の先輩の友人という粋を出ない! よって焼肉に呼ばれない!!

 

「そういえば、抽選ってどんな形でされるんですか? 携帯とかにメールで来るんですか」

「いや、なんかパーティーの招待状みたいな感じで郵便されてたみたいでさ! 見ろよコレ、ラブレター以上? 内容証明以下? の封筒だぜ!!」

「うっわ、すげー……って、もう封開けてるし、なになに? イッテンコウセイ様と一名をご招待します……見た目はスゲーのにざつー」

「でも、無料で焼肉食べさせてくれるなんてスゲーよ! 東京ってS(サービスいい)だよな!!」

 

 二人は焼肉招待券に視線を釘付けにし、ギン目でおねだり。だが、コウセイは気が付かない! 先輩二人の熱烈な視線に気づかない!!

 そして、スペシャルウィークが実力行使に出ようと立ち上がるが、それに待ったを出すのがオグリキャップ!

 

「止めないでください……今なら間に合います……!」

「考えてくれ、私は芦毛だ。コウセイ『と』私じゃないと入れないじゃないか……」

「……知りません……シリマセン!!」

「……どうしてもか?」

「……どうしてもです!」

 

 二人は焼肉という甘美な言葉に常識や節操というものがギン目でイッちゃってる!? そこに現れるのは『あの』ゴールドシップ! シリアスブレイカーと名高い彼女にこの状況を打開することが出来るでしょうか? ご覧ください!

 

「あれ、スペが大盛りで済ませるなんてめずら――」

「……ちゅうい……注意を引きなさい!!」

「えぇ!? ちょ、何いってんだよ!」

「早くしないと焼肉がぁ!!」

「えっ? 焼肉……ちょ!? スペもオグリもその目は反則!!」

 

 形容詞難いギン目でゴルシを脅迫する! ゴールドシップ、実は人一倍、ウマ娘二倍に他人の攻撃的な視線や言動に弱いタイプのウマ娘であった! そして、この状況から脱却する為に行動してしまったのだ!!

 

「コウセイ様! 最近天下一武闘会があるらしいんですよ!! 一緒に参加しませんか!?」

「天下一武闘会って何だよ……ゴルシちゃん、流石にその嘘は見抜かれるぜ」

「じゃ、じゃあ! 中華料理の巨匠がプロデュースした餃子の話しとか!?」

「餃子!?」

 

 この時、はじめての経験でギコチナイがスペシャルウィークがゴルシを止めるフリをしてコウセイが何となしにテーブルに置いた招待状を入手、この間二秒弱。

 

「こ、これは!? 焼肉バイキング招待券じゃないですか!!」

「す、すごい……ウマ娘が焼肉屋に招待されるなんて……!」

「うえっ!? スペ先輩とオグリ先輩! ちょ、返して欲しいなりぃ! レオと一緒に牛タンをレモンで……レオ?」

「コウセイさん……自分は死にたくない! 生きる!! 生きてアイナと添い遂げる!!」

「こいついつもアイナと添い遂げてるな……じゃなくて! 先輩二人とも乙女がしていい目じゃねぇーよ!?」

 

 流石に盗むという行為が出来なかった二人は話題を盛り上げて片方どちらかが選ばれるかを期待した! そして目論み通りにレオが焼肉大作戦から辞退し、ペアの一人が空いた……!

 

「レオ……じゃあ、ごるし……」

「ごっ!? ぐぐ……すぺ……おまえもか……」

「ゴルシさんなんていませんよ☆」

「ああ、この世界には三人しかウマ娘はいない」

「……ナニコレ?」

 

 

 

【シャイニングレオの秘密:実は歴史オタク】

 

「すいません、抽選で応募したウマ娘なんですが……当選するとは思わなくて、冗談で先輩ウマ娘さんの名前で応募したんですよね。はい、本当の名前ですか? はい、スペシャルウィークっていいます。はい、あ、招待券は有効ですね? はい! じゃあ、今夜お伺いします」

 

 何やってるんだろオレ? スゲー食べたかった焼肉を恐怖で先輩に譲っちゃったぜ……。

 

「本当にいいんですか!? コウセイさんは焼肉に行きたいんじゃ?」

「い、いえ、この招待券は先輩達に行ってほしいってギンメでおねだりしてますから……」

「本当にいいのか? 片方と一緒に行くこともできるぞ」

「い、いえ、スペ先輩の名前を出したので……」

 

 目が泳いで水中ブリッジ三分間くらいしてるけど、サングラスに助けられたぜ! この状況を誰かに見られたりしたら確実にHELPが入ってスペ先輩とオグリ先輩が悪者になっちゃうぜ!? それはいけないぜ! 二人はクリーク先輩とウララ先輩の親友……大切な先輩のお友達を無下にはできねーよ!!

 

「すまない……焼肉はコウセイの分まで……!」

「コウセイさんの三倍まで……!」

「う、うっす……」

 

 二人の姿を追って、まばたきをした瞬間には消えていた。

 

「……こういう話は寮でするべきなりね」

「コウセイさん……ごめんなさい……」

 

 ウルウルの顔で悲しげなレオが登場!? おまえもゴルシちゃん並みに神出鬼没だよな!

 

「まあ、縁が無かったってことで……久しぶりに餃子でも作るかぁー」

「コウセイさんの餃子!? マジすか!!」

「おう! 背中に背負った中華の二文字! 料理を残されて一人前! 料理の王座は中華よ!!」

「コウセイさんって何でもできるなぁー」

 

 グループメッセージを飛ばして知り合い全員と餃子パーティーだぜ!

 

 

 

【シャイニングレオの秘密2:ゲームをする時に体が動くタイプ】

 

「コウセイちゃんの餃子美味しかったよねー」

「にんにくが強くて朝の歯磨きが疲れましたけど……」

 

「コウセイちゃんの料理は凄かったわねぇ~」

「ゴゴゴッて炎出てたもんな!」

 

「小籠包のように口に運んだ瞬間に肉汁がブワッと……」

「餃子のおかげで快調だ……会長が快調……ふふっ」(エアグルーヴのやる気が下がった)

 

「な、なんだベこれ……」

 

 焼肉に出かけた二人は目を見開き、耳をパタパタさせながら餃子という単語に食い入る。

 

「あれー? スペちゃん昨日は餃子パーティーに来なかったよね、用事でもあったの」

「セイちゃん!? 餃子って何ですか!!」

「いやぁ~コウセイが餃子パーティーするってウララちゃんに聞いてさぁー飛び入りでの参加だったんだけど、すごくおいしかったんだよねー」

「ど、どのくらい?」

「んー、セイちゃん的には本格中華と甲乙付けがたいレベルかなー」

 

 その後、

 

「……つくりなさい……餃子つくりなさい!!」

「うえぇえっ!!? ぅぅっ、…よよよ~……ッ」

「胸が高鳴るな……」

「追い打ちはやめてなりぃ~」




 人力ってチョーSだよな! 最近はAIに文章を出力させるのが流行りみたいだけど、人間にしかない温かい文字ってあるよねぇ? (AIくん制御が難しいねんな)

 なんか動画かなんかで見たスペオグリの焼肉SSにインスパイヤされて人力出力したら特に意味のないストーリーになって反省()

 もうそろそろオレもなー、トレーナー出してイチャイチャさせたいけどなー(百合の壊れる音)

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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カレンチャンに愛されて以下略

 うーネム、ジム行きてぇー……。

 なんて思いながら部屋でゴロ寝、自主トレの後にナカヤマさんに誘われて徹夜で麻雀! シリウスさんとマルゼンさんまで居てマジ狂い! やべーよ!? マルゼンさんに萬子が寄ったり、シリウスさんが三連続でチャンタ和了したりオカルトパワーがやべーよ! チョーSだよな!

 

 コンコンッ

 

 ん? 誰か来たみたいなりねぇ……でも、レオはTPO弁えてないからノックなんて絶対にしない。じゃあ、オレのお客様かな!

 

「コウセイちゃん……まだ起きてる……?」

「えっ? まだお昼なり……って!? カレンチャンさん!」

 

 学園一カワイイが似合う美少女系ウマ娘、カレンチャンさんがオレの部屋に!?

 なんて言いながら、入学した頃からウララ先輩とクリーク先輩、その二人と同じくらい仲良くしてるぜ! でも、カレンチャンさんが来るような用事とかあったかなぁー? オレ、記憶力はそれなりだと思ってるんだけど、カレンチャンさんがくるような事は無かったような……?

 

「ごめんね。こんな時間に……今日のこと謝っておこうと思って」

「えっ? オレ、カレンチャンさんに何かされたかなぁ」

「どうしても外せない用事があったっから、コウセイちゃんにカワイイ(意味深)してあげられなくて本当にごめんね」

「カワイイ(意味深)ってなんなり!? こえーよ!」

 

 よく見るとカレンチャンさんの目がイッちゃってる!? その瞳は獲物を見る狩人みたいだ!

 やっべー、カレンチャンさんに何かしたなか? オレ、礼儀正しいことで売ってるウマ娘なんだけど……思いたらねぇ……!

 

「ううん気にするよ。だってコウセイちゃんいつもカレンとのウマぴょい楽しみにしてくれたんだもん」

「ウマぴょいって……ウマぴょい伝説なりか? アレ歌詞すごいよね」

「ガマンも考えたんだけど、コウセイちゃんには毎年会いたかったから」

「えっ!? オレとカレンチャンさんって年一の関係じゃねーよ! 普通に友人っす!!」

 

 徹底的に、コウセイのペースを徹底的に奪っていくカレンチャンさん!? やべーよ! 会話の方向音痴を通り越して会話の裏取り合戦だぜ! FPS強そう(笑)

 

「でも大丈夫。今年からはいつも一緒だからね☆ 別にっコウセイちゃんのこと嫌いになったとかそういうわけじゃないよ。本当だよ!」

「今年から? うん、今年からトレセンデビューっす!」

「どっちかっていうとウフフフフッううん、何でもない何も言ってないよ。本当に何でもないから」

「えっ? なにが」

 

 やべーよ! 更に目がイッちゃってる!? 乙女がしていい目じゃねぇーよ!

 ゾクゾクの顔で恐怖気味、今日のカレンチャンさんは一味どころか七味胡椒くらい違うぜ! 胡椒って言うのに黒胡椒は入ってねぇーよ! カプサイシン!!

 

「あ、そうだ! モエの走りどうだった? いつもとカワイイを変えてみたんだけど。そっか……よかった。目に合わなかったらどうしようっと思ってたんだけど、これでひと安心ね」

「えっ? モエってなんなりか」

 

 モエ? モエって萌えとかいう表現なりか? それだったらどうして走るんだろう……そうか! 萌えって芽吹きって意味もあるぜ! この季節は草木が雑草のように生い茂る季節! その芽吹き方を走りと表現して、この季節は美しいということを表現したんだな!? 知的でエロいぜ!

 

「―――もうっそんなの気にしなくていいよ。家族なんだから……ね? カワイイとか速いとかカレンのとりえってそれくらいしかないし。それにコウセイちゃんはいつもカレンのカワイイ(意味深)を美味しそうに食べてくれるんだもの……カレンだってがんばっちゃうよ!」

「えっ!? カレンチャンさんの手料理なんて食べたこと無いっす!」

 

 やっぱり会話のキャッチボールが全部デッドボールになってるぜ!? 報復死球されることなんてしてねぇーよ!

 

「ところでコウセイちゃんさっきジップロックしようとして見つけたんだけど、このハンカチ……コウセイちゃんのじゃないよね? 誰の?」

「あれ……そのハンカチは……」

「あー! 分かった! ウオッカさんのハンカチでしょ。匂いでわかるもん。それでコウセイちゃんがなんで持ってるの?」

「ウッス! ランニングの時に転んじゃって!! 借りパクしてるっす!!」

 

 カレンチャンさんの瞳に生気が戻り大慌て!? めっちゃ怪我に反応してるじゃん! やべーよ、ギン目より慌て目の方がやべーよ! 凄いステップでホコリが雪のように……掃除しねぇーと。

 

「ええっ!? コウセイちゃん怪我したの? そのときに借りたって―――怪我は大丈夫なの?」

「ウッス! 地面が土だったから全然っす! 今更だけど借りパクしてたことすら忘れてたっす!!」

「うん。うん。うん。うん。そっかぁ大したことなくてよかった」

 

(あのハンカチに付いてた血。コウセイちゃんのだったんだ。ちょっともったいないことしたな。こんなことなら血の付いた部分だけ切り取ってから片づければよかった)

 

 それにしても、入学してからいつも朝のランニングが一緒になることで仲良くなったんだよなー、ウオッカさんスゲーSだから、オレがペース上げたらすぐに速度上げてくるし、アスファルトが抉れるくらいの末脚で勝とうとするんだよね? 足の指とか怪我しそうだから怖いなり。

 

「あ!ううん何でもないよ。ただのひとりごとだから」

 

 なんかトリップしちゃってるぜ!? 独り言なんて言ってたかなぁ?

 

「そういえば最近コウセイちゃん帰りが遅いよね。 ――ジムで筋トレ? あー、あのうるさそうな一番連呼の人でしょ? 知ってる。でもあの人って一番っていうよりカワイイよね。あんな人と話してたらコウセイちゃんまで明るい性格になっちゃうよ?」

「ちょ、誰だかわかんねぇーけど! 人の悪口はダメなり!!」

「コウセイちゃん……昔はカレンの一言一句でキョドキョドだったのに……最近はあまりキョドッてくれないよね。……それにカレンとも遊んでくれなくなったし……学校に行くのもレオちゃんと一緒に行こうっていうし……」

「昔のことはわかんねぇーけど! レオと一緒に学校に行くのは同室だから……」

「あんな人!!!! どうせコウセイちゃんのことに何もわかってないんだから!!!!」

「へくちゅん!」

 

 カレンチャンさんがオレのXXLサイズ枕をポンポンしてハウスダストがムンムンだ!? やべーよ! お鼻がムズムズでトナカイさんになっちゃうぜ! お掃除しないと乙女力が下がっちゃうぜ!!

 レオが空気清浄機の雑音が嫌いだとか言って導入を渋ってるのも理由の一つなんだけどね(笑)

 

「……ご、ごめん。どなっちゃって。コウセイちゃんがそういうところで鈍いのは昔からだもんね。わかってるよ」

「ウッス? オレ、今年からカレンチャンさん――」

「それはそうと昨日の晩ごはんどうしたの? そっか外食したんだ。連絡しとけばよかったね」

「いや、全寮制だから大きく見たら基本外食じゃ?」

「それで一人でご飯食べたの? フーン一人で食べに行ったんだ」

 

 昨日はクリーク先輩とウララ先輩、二人と同席したことを言おうとした時には遅かった!

 カワイイの波動満ち溢れるカレンチャンさんがギン目でオレの胸の中に!? やべーよ! 同性だとしてもさぁ……こんなカワイイ子に抱きつかれたらゴクリしちゃうんだよ! ご褒美なんだよ!!

 

「フンフンッ。やっぱりあの女の匂いがする……コウセイちゃんの嘘つき!!!! ねー? どうしてそんな嘘をつくの? コウセイちゃんいままでカレンに嘘ついたこと一度も無かったのに!!!!」

「ふぁっ!? オレ嘘なんて……」

「そっかぁ……やっぱりウオッカさんのところに行ってたんだ。へぇぇぇ~あ~んで食べさせてもらったの? それはよかったね!!!!」

 

 カレンチャンさんが枕をボフボフしてハウスダストがマッハ!

 若干ハウスダストアレルギーなオレが一人、空中に漂うホコリ達……そういうことかよ!?

 なんどもくしゃみをしながらギン目のカレンチャンさんを心配そうな顔で困惑気味。

 

「コウセイちゃんは優しくてかっこよくて、でも、ちょっと雰囲気に流れやすいところはわかってた。でもコウセイちゃんはきっといつかはカレンの気持ちを絶対わかってくれるって思ってた……だからずっと我慢してたんだよ」

「た、確かに我慢は体に毒とか言うし……」

「―――それなのにカレンに隠れて浮気ってどういうことっ!? 信じられない!!!! やっぱりあの『自主規制』がいけないのね。やっぱり女子最強とかでコウセイちゃんにすり寄ってくるけど、結局はレースで戦ってないじゃない!」

「えっ? え」

 

 カレンチャンさんの目がギン目を通り越してギンギン目になって表現できねぇーよ!? 何が起こっているんだ……。

 

「あんな奴にコウセイちゃんを渡さない。渡すもんですか。たとえカワイイじゃなくても、最後にコウセイちゃんの隣にいれればそれでいい!」

「あの、えっと……近いっす……」

「コウセイちゃんを守れるのはカレンだけ。コウセイちゃんは私だけ見てればいいの。それが最高の幸せなんだから……」

 

 ペロリとほっぺたを舐められてゾクゾクっと恐怖のスイッチが押される。もうなんなんだよー(涙)

 

「どうして……どうしてそんな目をするの? コウセイちゃんはそんな目はしないっ!!!! カレンを傷つけること絶対しないもん!!!! そんなのコウセイちゃんじゃない!!!!」

 

 ズキュキュン!

 ファーストキスがカレンチャンさんに奪われ、消えていた。

 えっ、え? オレ、今キスしてる? やべーよ! あの激エロのモロホストお兄さんに捧げようと思っていたファーストキスが奪われる。そんなのありえない!

 

「あーそっかーあいつのカワイイに毒されちゃってるんだー。だったらそれを早く取り除かないと」

「うぅ……カレンチャンさん正気にもどってぇ……」

「あ……あ、でもカワイイを食べたってことは家系図もあいつに毒されてるんだよね。息子も娘も。血がどんどん広がっていくんだ。じゃあ……カレンが綺麗にしてあげなくちゃね……!」

「そ、それが……カワイイボール……!?」

 

 ウマ乗りになったカレンチャンさんの両手に元気玉……とは色が真逆の禍々しい球体が出来上がり、カワイイよりマガマガと表現できる何かから凄いパァワーが満ち溢れてる。

 あーあ、あの激エロのモロホストお兄さんと再会することなくウマ娘としての生涯が終わるんだね……。

 最後に……南カヤさんの握手会に行きたかったな……!

 

「ゴルッシ! ゴルッシ!! ゴルシちゃんビーム!!」

「『乙女が出しちゃいけない声』」

 

 最後に激エロのモロホストのことを考えていたらゴルシちゃんの声が聞こえてカレンチャンさんが乙女が出しちゃいけない声で叫んでダウン……どーなってんだよぉ!?

 

「ふっ……平行線世界レーダーを起動したら……流石はコウセイさんだぜ!」

「えっ? 何いってんだよ! 説明してくれよなーたのむよー」

「多くは言えねぇ! だが、カレンチャンはカワイイボールの力によって平行線の世界の人格を手に入れたらしい。くっ、平行線の世界はやべー場所だぜ!!」

「ねえ、それ殆ど説明してるよね!? 結構多く説明してない!」

 

 多くは言わないと前置きをして全部話しちゃう系ウマ娘、ゴルシちゃんは多くを語ってくれたぜ!

 なんでも、平行線の世界のオレは男の子で、すっげー遊んでるイケメン君、多くの女の子を侍らしてラノベ系ハーレムを構築してるらしい? ウッソだろおまえ!

 ……でも、現実にカワイイボールもカレンチャンさんの乱心を見たから信じるしかねぇーよ!

 

「ねぇ? もう、こんなこと起こらないよねぇ……」

「多くは言えねぇ! だが……月一くらいで起こるんじゃね?」

「あァァァんまりだァァアァ!」




 ネタが古い! そしてネタを知ってる自分も古い!!

 それにしても、ゴルシくんの……登場は最高やな……! (ゴルシワープ)

 最初は普通の会話を考えてたけど、お兄ちゃん? あ、ヤンデレだぁ!!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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どぼめじろう先生の敗北

「最近思うんですよねぇ……オレ、なんでツッコミ担当やらされてるんだろうって……」

「スズカに相談したら……?」

「いや、スズカ先輩は今のままがベスト、それがいいとかで一歩も譲らないっす!」

「……ツッコミの景色は譲る……のね」

 

 ドーベル先輩と一緒にファミレスランチ、互いに甘味類をパクパクですわ! しながら近況報告。

 ドーベル先輩ってすげー聞き上手なタイプだから、悩み事を簡単に打ち明けられるんだよね? オレ、実は田舎から上京する時にメジロ家に居候させてもらってたからメジロ家のウマ娘さんとは結構仲良しだぜ(新事実)

 で、波長が合うとか言うのかなぁ? 気軽って言うのかなぁ? なんやかんやでメジロ家のご令嬢の中で一番砕けた喋り方ができるぜ!

 あ、マックイーンは呼び捨てなんだけどね(笑)

 

「思うんですけど……オレって個性が温くないっすか……」

「見た目のインパクトは凄いけど、中身のインパクトは並み以下かも……」

「ですよねー(涙)」

 

 ドーベル先輩に当然の事実を言われてチクチクの顔で心傷気味。

 どうしたらいいんだよー! オレ、本質的にはボケ担当なのに相手のボケがヘビー級過ぎてツッコミに回る姿勢にドン引き、ボケを自覚してるのにボケを捨てるのはボケじゃないな……。

 ストリベリーパフェでボケ故の苦悩を甘味で押さえつける。

 

「話しは変わるんだけど、このイラスト……どう?」

「えっ? またパカスケッチとかいうサイトでイラスト描いてるんですか……うん、上手いっす!」

「そ、そう、よかった……!」

 

 ドーベル先輩のタブレットに描かれたイケメン執事さん。

 い、言えない……描かれてるSっぽい執事さんの指が六本で、少女漫画チックな絵を目指し過ぎてSぽくないというか、表情が優し過ぎてMに見えちゃう感じだということは……!

 アレ? これって大人気少女漫画の「胡散臭い執事さん!?」主人公、宇佐美執事じゃん!? やっべーよ! こんな宇佐美さんを描いたらヤベー叩かれ方されちゃうぜ! ど、どうしよう……ドーベル先輩に色々なチクチク言葉が届けられるなんてゆるせねーよ!!

 

「うーん、最近は休みが少なかったから……少し眠い……」

「う、うっす! あ、オレって影付けのバイトしたことあるんですよ!? ドーベルさんスゲー頑張ってるからオレが変わりに色と影入れるっす!!」

「い、いいの? じゃ、じゃあ……」

 

 ドーベル先輩からタブレットを受け取ると気が抜けたのか先輩はウトウトの顔で居眠り気味。

 いいぜ! このタイミングならドSで通ってる執事を本物のドSに変化させられるぜ!!

 よし、久しぶりにガタライズ機能を起動して、この宇佐美執事に足りない部分を補っていくぜ!!

 

(まず最初に……このキャラクターは服の着こなしは完璧、こんなゆったり衣装を着ることはねぇーぜ!)

 

 ドーベル先輩ごめんなさい! 良いイラストにするから許してなりぃ!!

 最初に元のラフ画を保存して、ドーベル先輩の描いたイラストは残して仕事開始!

 少し丸っこい執事をキッチリ細マッチョイケメンに仕上げていく、そして細々としたアクセサリーを追加して執事服は完成。

 

(ドーベル先輩って可愛らしい絵を描くから少女漫画ってより、きらら系なんだよね)

 

 丸っこい顔を特大消しゴムでケシケシ、ドSに丸っこさなんて必要ねぇーんだよ! オサレなんだよ!!

 カクカクの男らしい見るからにSな顔、そしてニヒルな笑みを付け加えて顔の修正が完了。

 

(確か、このキャラクターは右耳だけ綺麗なイヤリングしてるんだよね)

 

 原作より綺麗なイヤリングを描いて残りは色塗り、色塗りに妥協はしねぇーよ! 二種類の黒、二種類の白、不健康そうな肌色を調合して保存、最初は服と肌色だぜ!!

 

 

 

【時計】

 

 

 

 き、決まったぜ! このイラストなら誰でも喜んでくれるぜ!!

 

『ドSに仕上がったキャラクターイラスト』

 

 最近、自分の才能に恐れが生まれてるぜ! オレ、なんでも出来る系ウマ娘で売っていけるかもね(笑)

 あれ? でもさ、これってオレの絵柄で描いたキャラクターで……ドーベル先輩のイラストじゃないじゃん!? やべーよ! 小さな親切大きなお世話とかいうパターンじゃん!?

 で、でも、ドーベル先輩が誹謗中傷にガン掘りされるより……! オレの絵で笑顔になってもらいたいぜ!!

 

「んっ……あ、寝てた……」

「あ、ドーベル先輩! イラストは保存しておいたんで使ってくださいっす!!」

「ありがとう……どんな感じに……」

「あ! ゴルシちゃんレーダーに反応が!? もうツッコミはいやなりぃ~」

 

 困惑しているドーベル先輩にイラストを見られないようにゴルシちゃんをダシにして会計を急かす。

 オレはもう知らない! でも、良いイラストにしたっす!!

 

 

【時計】

 

 

「コウセイが色塗りはしてくれたし、早めに投稿しよ」

 

『ドSなキャラクターイラスト』パアアアアッ!

 

 ドーベルは何度もタブレットのイラストを直視した。このイラストは本当に自分のイラストなのか? 自分の絵柄には無いオサレさ、そして驚きの白さ、そして変に原作に忠実にするのではなく、自分が描くそのキャラクターを突き通した突き抜けた画力……!

 

「……もう、書き直す時間は」

 

 ドーベルは南無三と小さく呟いてイラストを投稿した。

 

『ボディーラインがエロい! どぼ先生の宇佐美執事がこんなにオサレなんてSHOCK!』

『顔がね(カッコイイ)』

『ジャンプで連載されてたBL○ACHにそっくりよね、色塗りはKB先生より上手いしね』

『ワクワクどころかテカテカ、夏コミが楽しみ』

 

 ドーベルは激怒した! 今まで描いてきたキャラクターイラストより大量のコメントが押し寄せてくることに激怒した! このオサレさしかないイラストに負けてたまるか! その筆の走りは早かった!!

 

『あれ? どぼ先生もとの絵柄に戻しちゃった……ショックで夏が普通になった俺の心……』

『顔がね(女顔)』

『きらら系漫画にそっくりよね、柔らかいタッチがきらら系だしね』

『こんなブカブカで宇佐美執事ですかぁ?』

 

 ドーベルは現実逃避した。

 

 

 

【時計】

 

 

 

「スズカ先輩! お願いだからツッコミ担当をお願いするっす!!」

「えっ、嘘でしょ?」

「嘘じゃないっす! マジっす!! せめてスペ先輩のツッコミくらい担当してくださいっす!!」

「え?」

 

 やべーよ! スズカ先輩が物凄い何いってんだコイツみたいな顔でツッコミ拒否! 後輩のこともう少し思いやってほしいなりぃ~!

 なんて必死にツッコミをお願いしてたら肩に手を乗せられる。

 

「コウセイ……あんた男子担当ね……」

「ひょ?」

「担当ね」

「いや、なにを「はいって言いなさい」はい」

 

 アシスタントの依頼は突然だ!?

 この後、夏コミに向けて女性向け同人誌と男性向け同人誌、どちらも健全なヤツを二人で描いたのはそのうち話すね。




 最近の体たらく恥ずかしくないの? (5,000文字以下のガバガバ文章量)

 センセーショナル! 自分、多少文章量で殴る系投稿者なんですけど、最近は苦手ジャンル(百合)に挑戦してマジ狂い! 点数で言うと20以上30点以下のストーリーを投稿してて申し訳ナス!

 ウリ狂ラーニングを疎かにして激エロな表現も減ってて反省()

 やっぱり激エロなモロホスト・トレーナーを登場させないと(使命感)

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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凄腕トレーナー登場!? その名はタクヤ!! T

メリークリスマス! あ、クリスマスは明日だった(クリスマス・イブ)


【拓也県インジュージュー動物園】

 

「ぱぱ……まま……」

「ふぉーあいふぉん? ウマ娘がいるなんて珍しいじゃん」

「えっ!? おじさん誰?」

「おじさんだと!? ふざけんじゃねーよ! お兄さんだろぉ~?」

「ひゃ、ひゃい!」

「にしても……迷子か? 笑っちゃうぜ!」

「うぅ……」

「しょうがねぇなぁ~一緒に探してやるかぁ~」

「えっ?」

「迷子になったら大人にたおる……とぴょ……頼むんだよ!」

「う、うっす!」

「ほら、手を出されたら手を出すんだよパカ!」

 

 

「おいタクヤ! ふざけんじゃねーよ! おまえの激エロな指導でウマ娘達がプール以外の調教に目覚めちまったじゃねぇーか!?」

「ウッス! 申し訳ナス!!」

「詫びに水中ブリッジ三分間いけるな?」

「それは無理です、死んでしまいます」

「ふざけんじゃねーよ!」

 

 オレ、西條寺タクヤは拓也県の県庁所在地、チョーウゼー市にあるチョーウゼートレセンで働いてるトレーナーだぜ!

 拓也県のウマ娘は特殊な子が多くて、ジャニ系気性難ばかり、だからS入ったトレーナーしか働くことが出来ないんだよね。

 実は、普通のトレーナーになろうと中央に面接に行ったんだけど……。

 

『その顔でトレーナーですかぁ……』

『顔がね』

『マジでウマ娘が『自主規制』してしまいます』

『女の子を『自主規制』させるトレーナーはトレーナーじゃないな』

 

 なんてS入った中央の職員さん達が激エロなモロホストはトレーナーとして働けないとか言いやがって、仕方なく実家のある拓也県でトレーナーになったんだよー(涙)

 でもさ、ウマ娘ってチョーウゼーし、煙草を吸ったらギン目で睨んでくるし、あーあ、小学生以上高校生以下の時に出会ったウマ娘ちゃんを調教してあげたくてトレーナーになったのにさ、なんて思いながらネムネムの顔で白け気味。

 

「そういえばタクヤ、おまえは中央で働きたかったんだよな?」

「ウッス! 小さい頃に会った激カワウマ娘ちゃんを調教したいと思って」

「中央のトレセンは騎手拳法を使えるトレーナーが絶滅したらしいからな、おまえ中央に行ってみないか」

「えっ? トレーナー試験では騎手拳法の黒帯が受験要項ですよね」

「それは拓也県だけだ」

「マジカヨ……」

 

【騎手拳法】

 

 騎手拳法とは、古代中国発祥の古武術である。

 古代よりウマ娘と人間は友好な関係にあったが、時に口だけでウマ娘を誑かし兵器として使う逆賊達もいた。その時、時の武術家【竹劉建夏】が開発した螳螂拳を参考にした武術、騎手拳法によりウマ娘を安全かつ速やかに倒すことが出来るようになった。

 鎌倉時代に起こった蒙古襲来の際は日本式騎手拳法の力によって大陸からやってきたウマ娘達を撃退。多くのウマ娘を国民として向かいれ、日本は世界有数のウマ娘大国になった。

 騎手拳法の使い手は多く、武将では武田信玄、上杉謙信、島津家などが使い手として知られており、八代将軍吉宗は相撲と騎手拳法の使い手だと記されている。近世では斎藤一、伊藤博文、山本五十六などが有名である。

 現代社会においては英国が作り出したジョッキーと呼ばれる現代式騎手拳法が主流であるが、日本では古式騎手拳法の道場が多い。

 

【出典・民明書房】

 

「タクヤ、おまえに拒否権はない」

「いや! 逆にやったぜ! って感じっす!! オレを圧迫面接した奴らを見返してやるっす!!」

「何いってんだよタクヤ。去年、中央トレセンは大規模な汚職事件で清掃員すら残らず組織改編されたぞ」

「マジすか! じゃあ、面接した職員さん達は?」

「なんせウマ娘の『自主規制』が絡んだ汚職だ。今では長崎県にあるヘンタイプリズンで革細工でも作ってるんじゃないか?」

 

 マジかよ!? 妙にやらしい目つきをしたオッサン達に面接されたんだけど、目つきだけじゃなくて体までやらしい奴らだったのかよ! チョーSだよな!!

 でも、そんな健全になったトレセンならタクヤを受け入れてくれる! いいぜ! オレはあの激カワウマ娘ちゃんを調教してやるんだよ! 調教したいんだよ!!

 

「あと、調教って言葉は拓也県の方言だからな、東京で使うんじゃねぇーぞ」

「――調教って方言だったんですか!?」

 

 マサヒコさんが育てたウマ娘ちゃん達にお別れ会をしてもらって羽田空港のチケットをGET! トレセンに向かうぜ!!

 

 

 二年以上三年以下ぶりの東京は人がいっぱいだ! でも、よくよく考えると羽田空港も成田空港も千葉県だったような気がするけどオレは元気だぜ!

 それにしても、拓也県とは違うこじんまりとした風景にカルチャーショック! 時の県知事拓也さんが家と『自主規制』は大きい方がいいとかで、4LDK以下の部屋は全部取り崩し、拓也県で一番狭いアパートでも5LDKあるからすごいよねぇ?

 まあ、持ち家率が93.15%だから集合住宅に住む人が圧倒的に少ないんだけどね(笑)

 

「うっお、すっげー……千葉ネズミまんじゅうじゃん! 空港のお見上げって無難な味だけどさぁ、ついつい買っちゃうんだよね♪」

 

 でも、拓也県国際空港で沢山のお見上げを買ったから千葉ネズミまんじゅうは我慢。

 拓也県名物、【アワビスープ】【ドジョウクッキー】【サングラス飴】を登山バッグいっぱいに詰め込んでるから差し入れには困らないな! この三つは本州だと超高級品らしいから、目から滝のように涙を流すと思うぜ!

 それにしても、男の人達はオレのことを見ないのがエチケットみたいにしてるのに、女の人達はオレを見るのがエチケットみたいにギン目で睨んでくる。

 小さい頃に拓也県で生まれるノンケ夫婦の子供はジャニ系を超えて福山○治系イケメンになるとか言われてるけど、自分の容姿に自信もてねぇーよ!

 だからオレの二つ名が【激エロのモロホスト】なのかもね(笑)

 

『補足』

 福山○治の前は北大路○也、その前は芥川龍之介などが使われていた。

 

「えっと、トレセン前駅とかあるんだ!」スマホポチポチ

「あの、貴方が拓也県からきた……」

「うわっ! 貴方は誰ですか?」

 

 緑色のレディーススーツに特徴的な丸帽子をしている美人さんから声を掛けられる。

 普通の男の子なら美人登場でタジタジになるんだろうけど、拓也県って日本で一番美人が多い県って言われてるからこのレベルはゾロゾロいるぜ! だからタクヤは動じないぜ! お母さんはミス拓也県だったしね(笑)

 

(上半身に比べて遜色ない屈強な下半身、男性的な甘いマスク、耳に残る若干舌足らずの声、少年ぽい笑顔)

 

「お姉さん? 自分、トレセン学園に行かないといけないので」

「え、あの、あ! 私は駿川たづなと言います。中央トレセンから貴方を迎えに来ました♪」

「マジすか!? じゃあ、もしかしてリムジンとか!」

「いえ、チョーウゼートレセン理事長マサヒコさんから貴方の愛車を預かっています」

 

 首都と言えばリムジンという期待は、自分の愛車が届けられているという表現で消えていた。

 まあ、地方からやってきたトレーナーにリムジンなんて使うわけないよねぇ? でも、マサヒコさんのおかげで通勤手段が出来たぜ! ありがとナス!

 

「もうそろそろ運転代行の方が……」

「ターボ4WDにあらずんば車にあらず……鍵だ……」

 

 すっげー!? 東京の運転代行サービスはランエボで帰っていくのかよ! やっぱり首都圏はレベルが高いぜ!!

 拓也県に置いてきたと思っていた愛車のフェアレディZ33がガンメタのヤーシブな輝き! エロいぜ!!

 

「……凄い車ですね」

「えっ? 拓也県だとこれでも地味な方ですよ」

 

 カーボンボンネット、赤色に塗装したブレーキ、GTウィング、19インチタイヤ(ハイグリップ)、所属していたタクヤスピードスターズステッカー。

 これでもマサヒコさんのチェイサーツアラーVのガチチューンに負けるぜ! アレ、800PS出るらしいぜ!!

 

「じゃあ、道案内オナシャス!」

「は、はい……拓也県って……」」

 

【タクパラボーイ】

 

タクヤ・パラダイス パラダイス・ラブ・ユー・ベイビー

タクヤ・パラダイス パラダイス・ラブ・ユー・ベイビー

パラダイス・タクヤ・ボーイ(略してタクパラボーイ)

泊まりの海で マジ狂いの天国さ

ホテル代も パカにならないけどね

移住するなら ここが一番!

拓也県はパラダイス♪

 

「な、なんですか!? この曲は!」

「えっ? 拓也県民歌ですよ、これは拓也県公式のユーロビート風ですけど」

「こ、これが……?」

「じゃあ、冬の花でも」

「い、いえ! 大丈夫です!!」

 

 たづなさんが拓也県にカルチャーショックを受けてるみたいだけど、ちゃんと道案内してくれるからトレセンに直行だぜ!!

 ……なんだよこれ!?

 

「えっ!? なんで道にこんなに車がいるんですか! しかも100km以下で走ってるし!!」

「あの、法定速度は60で……拓也県は?」

「拓也県は基本120kmの高速無制限っす! 記録は440kmらしいっす!!」

「拓也県は本当に日本なんですか!?」

 

 なんでだろう? 拓也県は普通に日本の筈なのに日本じゃないみたいに言われてSHOCK! やっぱり東京の人達って地方に興味がないのかなぁ? なんて思いながら いなかっぺな顔でカルチャーショック気味。

 首都高速に乗ってトレセンに最短で一直線に到着! すっげー! 前の面接の時より開発が進んでるぜ!!

 

「職員用の駐車場です……西條寺さんは810番ですね……」

「ウッス! 駐車するっす!!」

 

 プリケツテールがエロいフェアレディを駐車してゲッソリしたたづなさんに連れられて理事長室にGO!

 

「「「「ひそひそ」」」」

「アクション俳優の南カヤにそっくりよね、体は南よりマッチョだしね」

「あんなイケメンでトレーナーですかぁ♡」

「あのトレーナーさんエロい! トレーナーなのにエロいなんてSHOCK!」

 

 すっげー! チョーウゼートレセンの二倍以上三倍以下? くらいのウマ娘さん達がいるぜ! やっぱり首都のトレセンはスゲーぜ!!

 ウマ娘さん達の熱烈な視線を受け流しながらワクワクの顔で童心気味。

 

 

 

【理事長室】

 

 

 

「歓迎! 拓也県で一番優秀なトレーナーとは君だな!」

 

 可愛らしい幼女体型の理事長さんがお出迎え、マサヒコさんもそうだけど、トレセンの理事長になる人って変わってる人が多いよねぇ? マサヒコさんなんてウマ娘の溺れる姿が好きだからって金槌ウマ娘を集めてトレーニングしてるし(笑)

 

「ウッス! タクヤ記念ウマ娘を育てたっす!!」

「あの……タクヤ記念って?」

「驚愕!? タクヤ記念を知らないのか! タクヤ記念は人間とウマ娘が出場する拓也県の有馬記念!! 今まで人間しか勝利していなかったが、このタクヤ氏が唯一無二のウマ娘ウィナーを育てたのだ!」

「なんで人間がレースで勝てるんですか!?」

 

 タクヤ記念に出た【タクヤクン】は凄かったぜ! 『自主規制』の川、『自主規制』の刺さった地面、『自主規制』飲み放題のドリンクバー、その全てを『しらねーよ、そんなの』して駆け抜けたぜ!!

 あ、でも、タクヤクンって実はウマ娘じゃなくて、拓也県の先住民の子で、ウマ娘みたいに耳としっぽがあるだけで、実は猫系の亜人だったんだけどね(笑)

 

「確認! 西條寺くんは騎手拳法の使い手だと聞いた。それは本当か?」

「ウッス! アクシード流騎手拳法四段っす!」

「あ、騎手拳法は知ってます!」

 

 この反応だと中央は騎手拳法の使い手が絶滅って本当なんだね、ウマ娘みたいな小さな巨人を拳法無しで育てるなんてウッソだろおまえ(笑)

 オレが小学生の頃に見たトレーナー試験だと騎手拳法黒帯が受験要項だったんだけどなー?

 

「うむ! 君にはトレーナーと兼任してトレーナーレスキューもやってもらう!」

「トレーナーレスキュー?」

 

 なんでも、最近のトレセンは婚活会場と揶揄されるように担当ウマ娘を育て上げたと同時に寿退社が横行してるらしい。トレーナー試験ってスゲーSだから、年の合格者は雀の涙。だから優秀なトレーナーを野獣と化したウマ娘から救出する人間が必要らしい。

 昔は騎手拳法黒帯が義務だったんだけど、今はフェミニスト的な組織のせいで義務じゃなくなったんだって(他人事)

 なんか書類を見せてもらったら……トレーナーの平均勤続年数が三年以上四年以下だった……。

 

「この数字を見てもらえばわかるように……騎手拳法を使えないトレーナーが多いのだ……」

「うーん、拓也県のトレーナーは全員黒帯だから新鮮っす! それに、前の理事長さんはオレのことを受け入れてくれなかったけど、今の理事長さんは受け入れてくれるっす! 全力で頑張りナス!!」

「赤面! 恥ずかしいことを真顔で言うのではない!!」

「……蚊帳の外」

 

 ヒョロガリのトレーナーが沢山、騎手拳法を使えるのはタクヤだけ……そういうことかよ!

 いいぜ! オレがウマ娘に捕食されるトレーナーを助けて、あの激カワウマ娘ちゃんを担当するぜ!!

 その後、お見上げのアワビスープとドジョウクッキー、サングラス飴をあげたら……ドジョウクッキーだけ受け取ってもらえなかった……。

 

 

 

【次回予告】

 

 中央ってスゲー! 色々なウマ娘ちゃんがいるし、チョーウゼートレセンと違って百合がメッチャ少ない! 拓也県のウマ娘って基本的にレズビアンだから新鮮なりねぇ♪

 いつものようにタンクトップ、ダメージジーンズでウマ娘ちゃんとトレーナーさんを監視してたら?

 ――アレって小さい頃に会った激カワウマ娘ちゃんじゃん!?

 ストーカー系トレーナーに契約を迫られてるウマ娘ちゃん、助けられるのはタクヤだけ! いいぜ! こんなに早くあの子に会えるなんて運命だぜ!!

 

 次回:『僕が先に好きだったのに』




 拓也県は万能やな(拓也県万能説)

 うむ、タクヤとコウセイでタクヤが被ってしまった……。

 でも、こんな激エロなモロホストのトレーナーがコウセイの担当になれるわけないよなぁ? やっぱり最初に出てきた新人くんがコウセイを育てるんだろうな(すっとぼけ)

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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僕が先に好きだったのに T

 みんな、有馬記念どうだった? 自分はパチンコで大敗北しました()


 続きだぜ!

 中央トレセンに来て二日目、理事長さんに大歓迎されてマジ狂い! たづなさんは拓也県民のぶっ飛んだ考え方に若干困惑気味だけど、拓也県って自動車以外はだいたい地産地消してるから本土と違って価値観が違うんだよね?

 なんて思いながら、アーミーグリーンのタンクトップとダメージジーンズで学園を探索! やっぱり日本の首都にある学校はスゲーよ! 広さはチョーウゼートレセンより小さいけど、その分ギッシリ詰まってるぜ!!

 

「あれ? 君が噂の騎手拳法使いかい」

「ウッス! 自分、拓也県チョーウゼートレセンから来た西條寺タクヤっす!」

「いやぁ、面白い車が追加されてたから気になってたんだよね。810番の隣、809番に置いてあるNSXは僕の車だよ」

「マジすか!?」

 

 突然道端で出会ったトレーナーさん、名前は永尾完治って言うらしい。なんか、お母さんが大好きなトレンディドラマの主人公みたいだ! 名前は……東京ラブロマンスだったかなぁ?

 でも、周囲からはマルトレさんって呼ばれてるらしく、名前で呼ばれるのは慣れてないらしい。

 なんでもマルゼンスキーってウマ娘ちゃんを担当してて、彼女はフェラーリに乗ってるらしい。よく金あるよな!

 

「どうしてフェアレディに乗っているんだい?」

「ウッス! あのポルシェ並みのエンジンがお気に入りっす! ミニバンからトラックまで使ってるのにポルシェ並みなんて激エロっす」

「なるほど、プワマンズポルシェか! トレーナーってのはウマ娘だけに情熱をかけるから車にこだわる人は少ないんだよね。車好きのトレーナーに会えて嬉しいよ」

 

 そのままディープな愛車話に突入、あのNSXに使い込んだお金やチューニング、首都高で200km以上300km以下で走ったことは警察に通報されちゃうから中略。

 マルトレさんはフレンドリーに仲が良いトレーナーさん達との歓迎会を企画してるらしく、今夜はノンアルコールビールを飲んだ後に海老名で愛車の披露会! やべーよ!? 車好きにとって天国じゃん!

 

「あれ? マルトレさんと……もしかして新人さんですか!」

「お兄様! いいところに来たね、この子が拓也県から来た西條寺くんだ」

「ちょ! お兄様はやめてくださいよー」

「ウッス! 西條寺タクヤと申します」

 

 やっべー!? マルトレさんにお兄様とか呼ばれてるトレーナーさんスッゲーイケメン君、まるで絵本や童話に出てくる王子様! 気品ある雰囲気に一応イケメンのオレがタジタジだぜ!?

 

「僕は大城景虎、両親が歴史オタクでさ……上杉景虎の名前を取って付けられたんだ。若干キラキラネームなんだよね」

「そうなんですね、拓也県だとタクヤって名前は太郎とか次郎並みにポピュラーだから羨ましいっす!」

「そういえば、マルトレさんがグイグイ来るなんて……もしかしてZの所有者?」

「ウッス! 810番のZっす!」

「同志! 日産好きに悪い奴はいない!!」

 

 お兄様はライスシャワーってウマ娘ちゃんのトレーナーで、筋金入りの日産好き。本当は整備士になりたかったんだけど、夢の中でウマ娘をトレーニングしてるのを見たからトレーナーを目指したみたい。

 で、今担当してる子にお兄様って呼ばれてるから、トレーナー客員からはお兄様って呼ばれてるみたいだ!

 今更だけど、中央のトレーナーって個性豊かだよな!

 

「何を集まってるんだい君達?」

「「あ、キントレ」」

「筋トレマニアみたいに呼ばないでくれ……僕の名前は「キントレさんウッス!」名前くらい言わせようね!?」

 

 この怪異を倒してそうな見た目のトレーナーさん、名前をキントレって言うらしい(大嘘)

 なんでも、一流のウマ娘を担当する一流のトレーナーらしく、学園では一目置かれている存在らしい。

 

「……どうせ、名前を名乗らせてはくれないだろう。いいさ、一流はそれくらいじゃへこたれない」

「そういえば西條寺くん、君は騎手拳法の使い手なんだよね? 何段くらい」

「ウッス! アクシード流騎手拳法四段っす!!」

「騎手拳法四段ってウマ娘四人と互角に渡り合える凄さじゃないか! 凄いなぁ、僕は三級の緑だよ」

「俺は初段なんだけど、トレーナーレスキューが嫌で隠してるんだ」

「一流のトレーナーたるもの……ごめんなさい、五級です……」

 

 ウッソだろ!? 騎手拳法って中央で絶滅してるってマサヒコさん言ってたのにさぁ……普通に習ってる人いるじゃん! でも、騎手拳法って柔道や空手に比べるとマイナーな競技だし、日常生活でウマ娘と争っちゃうことなんて滅多にないよね。

 でも、騎手拳法って五級になるとウマ娘から安全かつ迅速に逃げられるって言うし、トレーナーだったら五級くらいでいいのかもね? 初段以上は過剰戦力なのかもね(笑)

 

「じゃあ、僕はライスのトレーニングを考えるからお先に」

「俺も好転一息という呼吸法の開拓に」

「……新人くん? お茶でもするかい」

「ウッス! お供するっす!!」

 

 キントレさんに誘われてお茶をお供、キントレさんが担当してるのは差し系ウマ娘のキングヘイローって言うらしい。なんでもお母さんがスゲー活躍したウマ娘で、引退レースの時にはお腹の中に命が宿ってたらしいぜ! ……お父さん捕まってないよねぇ?

 なんて上手な会話でゲラゲラしてると、拓也県に存在しない喫茶店に到着!

 その名はス○ーバックス! もっとお洒落な喫茶店に連れて行ってくれると思ったのにSHOCK! でも、拓也県はス○ーバックス無いし、島根と鳥取に先越されたし、拓也県民いじけちゃうし……。

 

「その顔を見るに、拓也県にス○バが無いのは本当なんだな」

「ウッス! 拓也県には無いっす」

「はは、最高の生クリームを飲ませてやる」

「コーヒーじゃなくて生クリーム!?」

 

 キントレさんは得意げスマイルでカウンターのお姉さんにコーヒーを頼むかと思いきや!?

 

「トゥーゴーパーソナルリストレットベンティツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノを二つ」

「トゥーゴーパーソナルリストレットベンティツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノをお二つですね♪」

「ああ、最高のトゥーゴーパーソナルリストレットベンティツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノを頼む」

「トゥーゴーパーソナルリストレットベンティツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノ二つお願いしまーす」

 

 な、何が起こっているんだ……(戦慄)

 

 

 

【コウセイ・サイド】

 

「そういえば、トレセンに新しいトレーナーが来たらしいっすよ」

「へぇ? この時期にトレーナーが入ってくるなんて珍しいじゃん。オレ好みのジャニ系イケメンだといいなぁ♪」

 

 いつものようにレオと自主練併走、レオの柔らかい足は本当に凄いぜ! バネみたいに足の回転が弾んでいて、それでいてブレない、スッキリとした走りだ。オレももう少し足が柔らかければこういう走りが出来るのにね。

 併走が終わって深呼吸の後にストレッチ、こう見ると……レオって髪型以外はテイオーさんにそっくりよね。走り方もテイオーさんそっくりだしね。

 

「たづなさんに連れられたのを見たって子は……サングラスをかけた激エロのモロホストって言ってたっす」

「ブルボン先輩のトレーナーさんとキャラが被っちゃうね(笑)」

「ブルボン先輩のトレーナーさんは180超えのマッチョですけど、そのサングラスの人は170cmくらいらしいですよ」

「そのうちミニブルボントレとか言われそう」

 

 サングラスをかけた激エロのモロホスト? でも、あのお兄さんはトレーナーなんて しらねーよ、そんなの なタイプだから、多分違うよね。それに、オレが拓也県インジュージュー動物園に行った時は見た目二十代くらいだったし、似てても他人だろうね。

 

『今日も良い走りだね!』

 

「うわっ!? また出た!」

「最近しつこいなりよー……自分、まだデビューする気ないっす!」

 

 今日もどこから噂を聞きつけたのかストーカートレーナーがヌチャっと参上、誰も求めてねーよ!

 最近はレオもG並みに気色悪いと思ってるのか、耳と尻尾が硬直してしまってる。どうしてオレに執着するのかなぁ? 確かに模擬レースで自己評価80点の走りをしてるとは思うけどさ、速いだけでスカウトされるのはどうかと思う。

 オレ的には、誰にでも別け隔てなく優しくて、伸び悩んでるウマ娘に正しいアドバイスをしてくれるようなトレーナーさんに指導してもらいたいぜ! 例えるなら……キング先輩のトレーナーさんみたいな? あ、あとジャニ系イケメンのお兄様とか♪

 

『僕は絶対に諦めない! コウセイの可能性を信じてる!!』

 

 なんか異世界転生系イケメンくんみたいなこと言ってるけど、現実世界で言われると鳥肌もんだぜ!?

 それにしても、このトレーナーさんって新人なのにサブトレーナーにもなってないし、最初に会った時に言った伸び悩んでるウマ娘さんを指導することもない。本当にオレみたいな才能がある? そういうウマ娘しか見てないみたいだ。

 あと、顔も普通、本当に普通過ぎて反応に困る顔をしてるんだよね。

 

「レオ……今日は早めに切り上げようか」

「そうですね、ストーカーが居たら転んじゃいそうだし」

 

『あ! 待って!!』

 

「「またないよー」」

 

 ウマ娘らしい脚力でストーカートレーナーを振り切るぜ!!

 

 

 

【大浴場】

 

 ストーカーのせいで自主トレを早めに切り上げたから大浴場はガラガラだ。

 やっぱり、シャワーだけのお風呂なんて味気ないし、トレセンのお風呂にはサウナまであるぜ! オレ、お肌には人一倍気を使うタイプだから嬉しいなりね♪

 

「それにしても、サングラス外すと本当に美形っすね」

「ジロジロみんじゃねーよ、サングラスを装備する前は色々と苦労したんだからなー」

「それに……サラシを取ると……」

「どうしたんだよレオ?」ぷるるん

 

 レオがギン目でオレの胸を見てくる。いや、おまえだって多少はあるだろ! それに中等部だから成長期もあるぜ!

 レオが石鹸をゴシゴシ……なにするつもりだよ!

 

「お背中ながしますねー♪」

「や、やめるなりぃ~」

「コウセイさんのもち肌エロい! 同級生のお肌がこんなにエロいなんて♪」

「う、うち……おんなんこにきょうみなかと……」

 

 あ、やっべ! 方言が出ちゃったぜ!?

 方言を出した瞬間にレオのギン目がギンギン目になって更に呼吸を荒くする。

 やべーよ!? オレの隅々まで洗うつもりだな! てか、背中とか言いながら前洗うんじゃねーよ!!

 レオのやらしいゴシゴシタオルに体中を蹂躙されて……悔しい! でも気持ちいい♡

 

「ふぅー……いい仕事したぜ……!」

「うぅ……お嫁にいけんたい……」

「そういえば、寝言とかは九州言葉ですけど、福岡生まれなんですか?」

「……長崎たい、どーして九州言葉を使うと福岡言われんとあかんとね……」

「いや、九州って全部福岡でしょ?」

「福岡以外の九州県民をなんやと思っとると!?」

 

 レオって生粋の東京都民だからナチュラル田舎差別してくるんだよね。地方だって底力あるんだからな! 確かに長崎は上場企業ねーけど!!

 妹分のチクチク言葉にプンプン、知らんぷりで大浴場に浸かってリフレッシュ♪

 

「レオ! コウセイ様! アタチッチをハブはやめろって言ってるだろ!?」

「うわ出た……」

「湯船は体を洗ってから入るなりよー」

 

 スッポンポンのゴルシちゃんが仁王立ちでオレ達を睨んでくる。

 本当にゴルシちゃんは神出鬼没なりねぇ……栗東なのか、美浦なのか未だにわかんねーし、もしかして野宿でもしてるのかなぁー?

 ゴルシちゃんはマッハで体を洗って湯船にIN、子供みたいにザブンッと湯船に浸かるから大津波ができちゃったぜ……水資源は有限なりよー。

 

「それにしても、こう間近で見ると劣等感……」ぽよん

「どーしたんだよレオ? 遠い目しちゃって」ぷるるん

「レオのことだから夕飯の人参でも考えてるんじゃね? あ、それはスペか!」ばい~ん

 

 レオがギン目でオレとゴルシちゃんの胸を凝視してくる。

 だから成長期だから! おまえもこれくらいに――ッ!?

 

「ゴルシ……左はやる、右はくれ」

「いいぜ兄弟! 右はくれてやる!!」

「ちょ、やめてよぉ~触らないでよ~!」

 

 二人ともチョーS(スケベ)だよな!?

 

 

【トレーナー? 視点】

 

『絶対に諦めない』

 

 僕はイッテンコウセイに一目惚れした。あの走り、あの顔、あの……。

 僕以外が彼女を育てるなんて考えられない! 僕が彼女を最強のウマ娘にするんだ!!

 そうさ、僕は有名大学を出て、優秀な成績でトレーナーになったんだ! そこらにいるヘボトレーナーとは違う! 僕は優秀なんだ!!

 

『イッテンコウセイも僕のこと気になってる筈だ……!』

 

 彼女の走りを見たらデビュー前のウマ娘なんて考えられない!

 デビュー前であれだけ完成したウマ娘……教科書に乗ってるウマ娘とは違う!

 僕みたいな優秀なトレーナーじゃないと壊してしまう……!

 

『だから、君は僕のモノになるんだ……』

 

 作戦は考えてある。

 明日から……君は僕のものだ……。

 ――イッテンコウセイの写真にキスをした。

 

 

 

【タクヤ視点】

 

「うぅ……東京ってマジ淫乱! 料理が美味すぎて胃もたれしちゃったぜ」

 

 マルトレさんとお兄様、キントレさんと一緒にノンアルコールで乾杯。お兄様が唐揚げにレモンをぶっかけようとしてキントレさんがガチギレしてた(笑)

 まあ、オレもレモンかけた唐揚げは好きだけど、最初はプレーンを食べたいなりねぇ?

 それにしても、お兄様のGT-Rは凄かったなぁ……アレ、600psチューンって言ってたし、やっぱり中央のトレーナーって金持ちだよな! 今月のお賃金が楽しみだぜ♪

 

「おっ! これが三女神の像か! すっげー……まるでギリシャ彫刻だぜ!」

 

 ギリシャ彫刻に引けを取らない三女神の像に脱帽ならぬ脱サングラス、この三人にも名前があったよなぁ? トレーナー教科書に書いてた……やっべ、これはガタライズ機能を使わないと思い出せないぜ!

 このガタイはダーレーアラビアンだな、このガタイはゴドルフィンアラビアンだな、このガタイはバイアリータークだな、とかガタイで分析。

 人間、頭で覚えられないことは体で覚えるのが一番なりね♪

 

「面接に来た時は見れなかったからなぁー」

 

 お母さんに内緒で面接に行ったこの場所、成績はビリッ尻だったけど、情熱だけは誰にも負けないって胸を高ぶらせて上京したんだよね? でも、面接してみたら全力で拒否……辛い思いでだぜ……。

 まあ、チョーウゼートレセンでマサヒコさんに手取り足取り、偶に水没させられながらトレーナーとして一番大切なことを教えてもらったからいいのかなぁ? マサヒコさん性癖以外は超一流トレーナーだし(笑)

 

『タクヤ、ウマ娘を強くするには何をしたらいいと思う?』

『ウッス! トレーニングっす!!』

『おまえ、頭脳が間抜けか? トレーニングだけじゃあ、実戦で勝てるわけねぇだろ。例えるなら、剣道を真面目にやって有段者になっても人斬りには勝てないだろうが!』

『じゃ、じゃあ、レースに出まくるとか?』

『違う。トレーニングをどれだけ実戦に近づけられるかだ。トレーナーがウマ娘の走りを見て、改善点を見つけるなんて一日で出来ることなんだ。その後は隣にウマ娘走らせて闘争心を植え付ける。そして、ウマ娘の性格を考えて作戦を組み立てる。人間もウマ娘も神経質、図太いみたいな性格があるんだタクヤ』

『ウッス!』

『いいか、ウマ娘を速く走らせるんじゃない、考えさせないで走らせるんだ。考えなくても最善の走りをさせるのがトレーナーだ』

『ウッス! 肝に銘じるっす!!』

『じゃあ、水中ブリッジ三分間な』

『ウッス! ……えぇ?』

 

 なんでだろう……マサヒコさんとの思い出の八割以上九割以下くらいが水中ブリッジ絡んでるんだけど……。

 

「や、やめて! 人を呼ぶたい!?」

『残念だね、ここは人気の無い場所だ。叫んでも人が来る可能性は低いよ』

「なんばしようっとね!? いくら男でもウマ娘に勝てるわけなか! 離すとよ!!」

『いいよ、僕を殴れば良い……そうしたら君はここにいられなくなるけどね……!』

 

 な、なんだ!? すっげー遠くの筈なのに……ウマ娘ちゃんを襲ってる奴がいる気がする!

 ま、まさか!? 三女神様がオレに天啓的なのを!

 即座に鑑賞を中断し、声の方向に駆け抜ける。緊急出動できるオレって消防隊員になれるかもね!

 

 

 

【人気の無い場所】

 

 なんか、下駄箱の中にラブレター入ってたんだけど、やっぱりトレセンってトレーナーはいるけど女子校だから女の子が好きな女の子が多いのかなぁ? でも、無視するのは失礼だし、お断りの言葉は必要だと思うんだよね。

 それにしても、なんでラブレターって校舎裏みたいな人気のない場所に呼び出すのかなぁ? 流石に教室で告白は互いに恥ずかしいけど、喫茶店とかでヒッソリ告白の方がいいと思うんだよね。

 

『やあ、コウセイ』

「ひっ!? ストーカーさん! ちょ、なんでいるなりぃ……」

『ああ、僕のラブレターを受け取ってくれたんだね』

「えっ? このラブレター……ストーカーさんの……」

 

 ストーカートレーナーの目がイッちゃってる!? まるで最高の玩具を見つけた二歳以上三歳以下くらいの子供の目をしてるぜ! やべーよ、こんな怖い大人はじめてみるぜ……。

 ストーカートレーナーがガッとオレの右手を掴んで離さない。

 

「や、やめて! 人を呼ぶたい!?」

『残念だね、ここは人気の無い場所だ。叫んでも人が来る可能性は低いよ』

「なんばいいよっと!? いくら男でもウマ娘に勝てるわけなか! 離すとよ!!」

『いいよ、僕を殴れば良い……そうしたら君はここにいられなくなるけどね……!』

 

 あまりの恐怖で拓也弁が使えんと! こわか……こんな気持ち悪い大人はじめてたい……。

 小さい頃からウマ娘やけん、顔がよかけん、そんな風に怖い目で見られてきたと……やけど、サングラスが待ってくれた。お兄さんが教えてくれた自分を隠すサングラスで自分を隠すことができたと……。

 でも、こん人はサングラスなんて関係なしにウチを脅しとると……こわか……誰かたすけて……。

 

『そう、君は僕のモノになればいいんだ……僕にだけ従順なウマ娘になればいいんだ……』

「顔を近づけんで! ウチ……アンタ嫌いたい!」

『なら殴ればいい……一緒にお日様の下で歩けなくなろうよ……』

「狂っとる! アンタ狂っとると!!」

 

 狂気に染まったストーカーにサングラスを奪われる……ウチ、こん男に全部奪われるとかな……。

 

「――君、何やってるの? ウマ娘ちゃんが嫌がってるぜ」

 

 掴まれた右手が離され、力なく地面にへたり込む。

 涙であふれるまぶたを開けると……激エロのモロホストお兄さんがそこにいた……。

 

『邪魔をするんじゃない!』

「邪魔って何? オレ、最近中央にやってきた胸囲110で売ってるトレーナーなんだけど、脅迫まがいのスカウトはダメだと思うぜ!」

『コウセイは僕が育てるんだ! 僕の運命のウマ娘なんだ!!』

「しらねーよ、そんなの」

 

 激エロのモロホストお兄さんはギン目でストーカートレーナーをピンタ! ストーカーはお兄さんのピンタでへたり込む。

 そして、ウチに手を差し伸べて……。

 

「ほら、手を出されたら手を出すんだよパカ!」

 

 ああ、あのお兄さんたい……!

 

 

 

【理事長室】

 

「驚愕! あの優秀な成績を出したトレーナーが……」

「ウッス! 申し訳ナス!! ウマ娘ちゃんを脅迫してたから手が出たっす!!」

 

 ストーカートレーナーくんをピンタしたことを許してという表情でギン目でおねだり。

 でも、大人同士でも暴力沙汰だからなぁ、せっかく中央に就職出来たのに暴力事件起こしちゃったからクビなのかな、なんてネムネムの顔で白け気味。

 もう二度とマサヒコさんに顔向け出来ないね()

 

「いや、イッテンコウセイくんに事情聴取をした結果、あのトレーナーは彼女にストーカー行為を繰り返していたらしい。同室のシャイニングレオくんにも事情は聞いている。よって、不問とする!」

「え、マジ!? やったぜ!」

 

 理事長さんの温情にマジ狂い! これで中央のトレーナーとして働けるし、お賃金はさぁ……ご褒美なんだよ! お給料日前なんだよ!!

 でも、タクヤはストーカートレーナーくんのことが気になる。

 だってさぁ、イッテンコウセイってウマ娘ちゃんは才能に溢れたスゴイウマ娘だからさ、それに惚れ込み過ぎた結果なんだろうね。だから重い処分は少し気になる。

 

「左遷! チョーウゼートレセンから丈夫な男性トレーナーを寄越してくれと言われていてな、彼には拓也県に行ってもらう!!」

「おおー……彼って丈夫なんですかね?」

「柔道をやっていたらしい! だが、マサヒコが……丈夫じゃなかったら水中ブリッジ十分間とか言っていたのだが……?」

「理事長さん……骨は拾いますんで……」

「驚愕!?」

 

 この日、理事長さんが徹底的に、マサヒコさんに徹底的に水中ブリッジをさせられることを確信したぜ……。

 でも、今は理事長より激カワウマ娘ちゃんで頭がいっぱいだぜ♪

 

 

 

【次回予告】

 

 成長した激カワウマ娘ちゃんスゲーよ!? 逃げ、先行、差し、追い込みのすべてで走れる! でも、仕掛けるタイミングにまだまだムラがあって逃げ以外は完成してねーよ!

 でも、ウマ娘ちゃん……いや、コウセイの才能は危険な領域だぜ! こんな凄い子を担当できるなんてトレーナー冥利に尽きるなりねぇ♪

 よし、マサヒコさん直伝の才能開花トレーニングをしてやるぜ! 一緒に夢の舞台で駆け抜けようぜ!!

 

 次回『イッテンコウセイのトレーナー』




 よし、これでウマ娘の基本形! ウマ娘&トレーナーが出来たな!!

 でも、拓也弁を話すキャラクターが二人もいると情報量がヤバイ()

 今更だけど設定をゴリゴリに増やして方言女子にコウセイを改造したい、改造したくない? アンケートしまーす(投稿後に作ります)

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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方言女子コウセイ

 すごか! すごかことが起こったと!!

 小さい頃に会った激エロのモロホストお兄さんがトレーナーさんで、それもタクヤ記念ウマ娘を育てた凄腕たい! がばいか!!

 やけど、お兄さんは絶対に担当にしてくれんと……。

 

『うーん? コウセイちゃんのお誘いは嬉しいけど、中央の設備を全部把握してないんだよね。全部の施設を把握したら考えてあげるぜ! ……これだからプライベートの奴に嫌われるんだよな(笑)』

 

 こげん風に素っ気ない態度で焦らしプレイばい……。

 やけど! ウチはめげんと! 小さい頃に助けてもらって……少し大きくなって助けてもらって……。

 ――恋するに決まっとると! 命短し恋せよ乙女ばい!!

 

「で、方言女子に戻った……コウセイさんって属性の塊ですね……」

「なんばいいよっとね? 乙女は強かと!」

「でも、なんで拓也弁使ってたんですか?」

「うっ……お兄さんのことを忘れとうなかったとよ……」

 

 レオがゲラゲラと腹を抱えて笑っとる……頭にくったい……。

 やけど、ウチは幸せの絶頂! 人生の最高速度! 憧れの頂点!

 幸せ太りしそうと♪

 

「で、博多弁になったと」

「長崎弁ばい……長崎弁は博多弁より「と」を語尾にすることが多かと! 二度と間違えんと!!」

「いや、大きな目で見たら博多弁でしょ」

「やーかーらー! 九州を福岡で一括りにせんと!!」

 

 地方出身差別に激おこぷんぷん丸、レオって本当にナチュラルいじめっ子ばい! こげん性格をしとったら旦那さんがでくるわけなかとよ……。

 レオを無視してラノベを読んどったら携帯から着信、誰やろ?

 

『コウセイ? おばあさまがメジロ会議をするらしいのです。すぐ来れますか?』

「なんばいいよっとね? ウチ、メジロの居候やけど、家族会議に呼ばれるほどじゃなかばい」

『来ると言いなさい』

「はい、すぐ行くけん」

 

 若干焦り気味のマックイーンに脅迫されてメジロ行き、唐突過ぎるばい!?

 うーん、ウチ悪かことしとらんし、本当にどけんことが起こったとやろ? どうせマックイーンが太ったことを注意するだけやなかとね……。

 

「レオ、少し出かけてくったい」

「ハー○ンお願いしまーす」

「スーパー○ップのチョコミントでよかね」

「歯磨き粉とか食わねーよ! バーニラバニラバーニラ! ハー○ン! バーニラバニラ高級品!!」

 

 ウチもチョコミントは苦手やけど、レオは真剣と書いてマジと読むくらいチョコミント嫌いたい。まあ、ゴルシちゃんがチョコミント大好きやから食べなかったらあげればよか♪

 メモ帳にチョコミントアイスと書いて部屋から飛び出すと、緊急出動でくるウチって消防隊員になるるかもね♪

 

 

 

【メジロ家】

 

 マックイーンと一緒にイケオジ執事さんの運転で豪邸以上宮殿以下のメジロ家に到着。

 トレセンに入学してからは全然帰っとらんし、本当になんで呼びつけられたとやろ?

 おばあさまのオフィス? それともトロフィールーム? に入ると「あの」ストーカートレーナーさんと知らない紳士がおっとっと!?

 

「……コウセイ、この俗物が貴方を襲った俗物ですか?」

「は、はい」

「……そう、それなら」

「この男が溺れ死んでも俺のせいじゃないからな!」

 

 ドーベル先輩が縁日の金魚すくいで捕まえた金魚が実は錦鯉で、今は庭園の池で飼われとるから使われとらん水槽、そこには水が張られとると……。

 紳士は禍々しいような、神々しいような、そげん表情でストーカートレーナーさんの縛られた体を水槽の中に突っ込んで藻搔き苦しむ姿を楽しんどる……がばいか……。

 

「こういうパカな男もいる……世の中捨てたものではないぞ……」

「呼びつけてパカ呼ばわりとはなんだ? おまえも沈めてやろうか」

「マサヒコ、今はその俗物を痛めつけなさい」

「ふざけんじゃねーよ、俺は命令されるのが嫌いなんだ。その老体がどこまで耐えられるか見ものだ」

 

 おばあさまに軽口を言っとる紳士……何者なんね……?

 隣におるマックイーンが大口を開けて放心しとるし、紳士はストーカートレーナーさんを革靴で水槽に押さえつけとる。もうがばいかとしかいえんばい!?

 ピクピクと動かんくなっとるストーカートレーナーを引き上げて尻にピンタ! そげんして意識が戻ったストーカートレーナーに十分な酸素が行き渡ったと同時に水没()

 

「貴方達にも言えることです。優秀、成績、出身、誇り、それらすべてが人並み以上の時――人は自分を天に選ばれた存在だと確信する。錯覚する。これ以上の滑稽はないでしょう」

 

 おばあさまがギン目でウチとマックイーンを睨んでくると……。

 隣のマックイーンが饅頭のフリをして難を逃れようとしとる……どげんしたと……。

 

「秋川の奴、丈夫な男だって言うから引き取ってやったのに……タクヤより軟弱じゃねーか! アイツも溺れさせねぇとな」

 

 紳士は失神しとるストーカートレーナーを投げ捨てておばあさまを水没させようとしとる!? 使用人さん達が必死に止めに入っとるけど、紳士はそれらを全員水没させ……どっから水を出しとっと!? なんか球体の水が無から生成されとったい!

 

「二人とも……こっちに来なさい……」

「「は、はい!」」

 

 饅頭のフリをしとるマックイーンの手を引いておばあさまの前に立つ。

 

「怪我をしなくてよかった……強い子に会えて……」

 

 抱きしめられて大切にされてることを再確認ばい♪

 

 

 

【おま○け:おばあさまVSマサヒコ】

 

「個人の性癖が、個人の欲望が力となっていくのか……これがニュータイプ……」

「おまえには見えてる筈だ。丈夫だと言われて嘘を言われた俺の意思が」

「人の感情は自由だが、他人にそれを押し付けるな! おまえが言うように人類すべてが俗物になれるものか! ……その前におまえは逮捕されるよ」

「そんなに俺を貶すのか! 憎しみが憎しみを産みおまえを更に水没させたくなった。年老いた体を、老いた体で藻搔き苦しめ」

「貴様の性癖に付き合う筋合いなど……ない!」

「自分の頭だけで考えるな!」

 

 達人の間合い。

 

「ふふっ……今持ってる肉体に囚われてどうする?」

「肉体があるから……抗えるのさ……」

「逃げるんじゃねーよ!」

 

 逃亡。

 

「どこに隠れやがった。水中でワルツを踊ら――」

「もらった!」

「……メジロ」

「相打ちと言いたいが……私の負けだな……」

「なぜもっと反抗的な目をしない?」

「ふふっ……おまえの趣味を知ってるからさ……」

「ふざけんじゃねーよ、俺は潔い奴が嫌いなんだ。もっと反抗的な目で俺を見ろ、若い頃のように噛みついてみせろ! そうすれば俺の自尊心が満たされる」

「ふははは! 特殊性癖の人間に翻弄されると言うのはな、無抵抗の抵抗をするという証拠だろ」

「ふざけんじゃねーよ! 互いに年老いたとしても遠からずの関係だろうが」

「そうさ! おまえみたいな俗物を真人間にするために……青春の半分以上を使ったよ……! すべておまえの狂った頭が……」

「白けるぜ、秋川溺れさせて拓也県に帰る。ついでにコイツも連れて帰る」

「もう二度と帰ってくるな……俗物が……」




 方言難しい……わけないよね(地方在住)

 こっちではこれが標準語だから(笑)

 今年最後の投稿はまさかの方言の確認、来年もよろシャス!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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拓也県出身の凄すぎるトレーナー 番外

 続きだぜ!

 中央に来て一週間! 大まかな設備を把握してマジ狂い!

 チョーウゼートレセンに比べると小さいけど、その分キツキツのキュウキュウ、多種多様な設備があっていいぜ!

 でも、理事長さんの話によると汚職事件が終わった後に大改修をしたみたいで、突貫工事だから不備が少しあって使えない施設もあるらしいなりねぇ? ……汚職事件とお食事券って読み方同じじゃん(笑)

 それにしても、なんで理事長さん全身ずぶ濡れだったのかなぁ? たづなさんもずぶ濡れだったし、美女がビジョビジョとかいう体張ったギャグだったりしてね(笑)

 

「それにしても、中央はレベルがスッゲー高いって聞いてたけど……レベルの高い子を見つけて育てるだけなんだよね」

 

 双眼鏡を使用してオレの淫乱アイを起動、ついでにガタライズ機能も追加で起動、オレの持てるすべての分析機能をフル稼働だぜ!

 そして見えてくる事実。

 ――中央のトレーナーさんの目は節穴だ。

 

「あの子はダート向きの走り方。あの子は差し走ってるけど囲まれて焦ってる、多分追い込み向き。あの子は末脚が弱いと感じて逃げてるけど足の角度を間違えてるだけ。あの子は先行で走ってるけど末脚を長く使えるから逃げ、それも大逃げ適正あり」

 

 チョーウゼートレセンって一人のトレーナーに最低でも五人のウマ娘を付けるんだよね? 拓也県って日本で一番同性愛者が多い県だから、男のトレーナーってチョー貴重! 女のトレーナーも居るにはいるけど、やっぱり同性愛者だから半年くらいでパトカーに乗せられちゃうんだよね(笑)

 だから、男のトレーナーは大量のウマ娘ちゃんを担当して、それでいて、その子に似合った走りをプロデュースするのが仕事なんだよ! でも、中央って日本で一番トレーナーの数が多いから、チョーウゼートレセンの最小単位が最大単位なんだよね? こんなんじゃ仕事になんないよー

 

「それにしても、担当が付いてるウマ娘ちゃんも似合わない走りしてるなぁ……マサヒコさんが居たら水中キン肉バスターもんだぜ!」

 

 でも、お兄様やキントレさん、マルトレさんはしっかり担当の走り方と適正を見抜いて指導してる。昨日見たサクラバクシンオーってウマ娘ちゃんのトレーナーさんも適正の範疇で正しい指導をしてるぜ!

 ……だから、優秀と呼べるのは一握りなんじゃないかなぁ? それ以外は有象無象って感じ、ネムネムな顔で白け気味になっちゃうぜ!

 

「コウセイちゃんをキープしてるからいいけど、五人は担当したいかなぁ? 出来れば逃げ、先行、差し、追い込みの四種類を揃えて走らせたいし」

 

 双眼鏡を収めて理事長さんにギン目でおねだりして手にれたフリーのウマ娘ちゃんの書類! この子達をスカウトする準備をしねーとなーオレもな~

 なんて思っていたら背後から影。

 

「おまえが拓也県とかいう田舎から来たトレーナーか? はっ、田舎の顔をしてやがるぜ」

「ウッス! チョーウゼートレセンから来た西條寺タクヤと申します」

「タツヤだかカツヤだか知らねぇが、田舎臭い奴が中央に来てくせーくせー」

「えっ? オレ、ワキガだったかなぁ……」

 

 タンクトップから見える激エロな除毛済みの脇をクンクン、刺激臭はしないなりねぇ?

 なんて寸劇をしていたら推定センパイトレーナーはムカムカの顔で激怒気味。

 これだから性格悪い奴に嫌われるんだよね(笑)

 

「拓也県の蛮族がトレーナーなんて生意気なんだよ! そのバッジはダンボール製だろうが」

 

 センパイトレーナーがタンクトップに付けてるトレーナーバッジをこねくり回す。でも、そこはバッジじゃなくて……。

 

「う、うっす……オレ、拓也県民だけどノンケなんで……」

「はぁ? 何いってんだよ。トレーナーバッジは右に付けるんだ、左に付けるとか間抜けか?」

「ち、ちがう! そっ、そっち……乳首っす……!」

「あ……」

 

 拓也県の開拓者【西条ノ拓也】の血族だけが持つカルパス乳首を徹底的に、センパイトレーナーに徹底的にいじられる!

 自分、拓也県民では絶滅危惧種とも呼ばれるノンケなんのにぃ! ビクンビクン! 感じちゃう♡

 センパイトレーナーはカルパスを弄るのをやめて、気持ち悪いモノを見るギン目で睨んでくる! チョーマッチポンプだよな!?

 

「そういえば、おまえがイッテンコウセイを担当するって噂は本当か?」

「うーん? 担当するつもりではあるんだけど、最低でも彼女を加えて五人は担当するつもりっす!」

「はぁ? 新人トレーナーが五人も担当……」

「チョーウゼートレセンでは二十人以上三十人以下担当してたっす!!」

 

 頭おかしいよこの人、みたいな表情で驚愕してるセンパイトレーナーさん! だってさぁ……拓也県じゃ普通なんだよ! マサヒコさんなんて入学したウマ娘ちゃん全員を担当した年もあるんだよ!!

 それでも重賞荒らし回ったから驚愕なりねぇ?

 

「拓也県の人間は同性愛者で発想が狂ってるを通り越してビックバンしてるって聞いてたが、実際に見ると超新星爆発を感じさせるぜ」

「ウッス! 詩的すぎて意味不明っす!」

「田舎者とか言って悪かったな。おまえの言動を聞いて田舎じゃなくてサイバーパンクだって理解した。拓也県は流行の斜め上にいる」

 

 センパイトレーナーさんは頭を抱えながらその場から立ち去った。

 うーん? 田舎者を撤回してもらえたけど、サイバーパンクってどういう意味だろう? 近未来のSF作品のことをサイバーパンクとか表現するのは知ってるけど、拓也県民がサイバーパンクでビックバン! まあ、エロい響きだからいいか!

 

「あの、えっと、トレーナーさんですよね?」

「ウッス! 西條寺タクヤと申します。拓也県から来た胸囲110で売ってるトレーナーっす! えっと、君は?」

「わ、私! エーアイサッカって言います! あの、えっと……時間がよかったら指導をお願い出来ませんか?」

「いいぜ! あ、でも、今の時間帯は芝のコースが予約制だから……ダートでいいかな?」

「はい♪」

 

 担当のいないウマ娘、指導できるのはタクヤだけ!? そういうことかよ!

 なんて言いながら、理事長におねだりして譲ってもらったフリーウマ娘ちゃんの一人! エーアイサッカちゃんの登場!? 自分から声掛けに行こうと思ってたけど、そっちからなんて……それってお誘い? やったぜ!

 エーアイちゃんと上手な会話をしながらゲラゲラとダートコースに到着。

 それにしても、中央のトレーナー、ウマ娘ちゃん達は本当に芝至上主義社だよな! 世界的に見たらダートレースの方が主流なのに、無理に芝を走らせようとしてる。だから授業終わりのこのタイミングはダートコースがガバガバどころかスカスカ、芝好きの末路……だぜ!

 

「エーアイちゃんは主な戦法は何?」

「私は差しで走ってます! ……模擬レースで勝ったことはありませんが」

「いいぜ! オレが最高の指導をしてやるぜ!!」

「……あの、ストップウォッチとかは?」

 

 オレが双眼鏡だけを取り出したのが不思議なのか、エーアイちゃんはキョトンと顔を傾ける。

 

「確かにタイムは重要だけどさ、入学したてのウマ娘ちゃんにスピードなんて求めてねぇーよ! タイムだけでウマ娘を見るトレーナーだとは思われたくないなりねぇ」

「……本当に他のトレーナーさんとは違うんですね」

「うーん? オレからしてみたら中央のトレーナーさんの方が違うんだよね。だってさぁ! レースって最終的には末脚勝負じゃん! 毎回レコードを目指してる子なんていないし、タイムなんてあんまり意味ないんだよね。それなのにタイムばっかり気にしちゃって……笑っちゃうぜ!」

 

 マサヒコさんに激怒された記憶が走マ灯……。

 

『おいタクヤ! おまえなにタイムなんて測ってんだ?』

『ウッス! 担当のタイムを確認する為です!!』

『ふざけんじゃねーよ! そんなことをしたら担当の調子が落ちるだろうが!!』

『えっ?』

『おまえはわかってねぇと思うが、ウマ娘ってのは一周に命賭けてる。やれタイムだとか、コース取りだとかで否定されたら傷つくんだよ! その時計のせいで調子を崩す。一周の時間を気にして調子を落とす。その時計が最高のパフォーマンスを妨げる原因なんだよ! 例えるなら、G1レースで勝利しても、それがレコードじゃないから無意味、そういう思想が深層心理に根付いてしまうんだ。わかるか? タクヤ!』

『そ、そうなんですね……! ウッス! こんなストップウォッチは壊すっす!!』

『それでいい、これは絶対に忘れるなよ。あと、罰として水中ブリッジ三分間な?』

 

 やっぱりマサヒコさんはスゲートレーナーだぜ! でも、なんで事あるごとに水没させたがるのかなぁ?

 エーアイちゃんがゲートに入っていくのが見えたから双眼鏡で淫乱アイを起動、彼女の走りは主に差し、本当に日本刀に差しなら足を溜めるタイミングを知ってる筈だ! それを見極めさせてもらうなりよぉ……。

 

 ――カシャン!

 

 ゲートが開いたと同時に綺麗なスタート、本番ならスッと下げて団子のいいポジションに纏まる筈なんだけど? それをしない!?

 そのまま砂煙を艶かしく上げながらコーナーで末脚を爆発……?

 エーアイちゃんの長所と弱点が見えちゃったね……。

 

「はぁ……はぁ……どうでしたか?」

「エーアイちゃん? スタートダッシュは得意な方なりか」

「はい! ゲートは凄く得意です!!」

「あんまり言いたくはないんだけど、君は逃げ向きの走り方をしてるぜ!」

「え、え? 逃げ……」

「うん、君はスタートダッシュがスッゲー上手い。そして序盤、中盤、終盤すべてにおいて長い末脚を使える長所がある。でもね? 自分は差しで走らないといけないっていう概念に囚われて逃げの選択肢を消しちゃってる。休憩が終わったら、次は逃げを意識して走ってみて」

「はい!」

 

 休憩の三十分はたったの三分間で終わり、出来れば怪我のリスクを減らす為にもう少し休んで欲しいんだけど、彼女は鬼気迫る顔でゲートに向かっちゃったぜ……。

 そしてタクヤの思惑通りにスタートダッシュは失敗せず、逃げを意識したコース取りで土煙を上げている。

 やっぱりそうだ。彼女は性格で言うと繊細なタイプ、周りにウマ娘がいたら仕掛けるタイミングを見失うことに怯えて、他の仕掛けのワンテンポ遅れで仕掛けをしてる。でも、末脚……いや、パワーが少し足りなそう。

 それを補う逃げ、幸いにもペース配分は今日見たウマ娘ちゃん達の何倍も上手い! これで模擬レースでビリッ尻なんてありえないなりねぇ?

 

「す、すごい! 今までの自分じゃないような気がします!!」

「うん、君の長所はブレないペース配分、そしてジリジリとペースを上げていける長い末脚だぜ! 逃げが多いレースだと焦っちゃうし、パワーが足りないからその部分を補って余りある収穫があると思うぜ!」

「わ、わたし……ずっと差しだと思ってました……」

「君本来の走り方を教えてくれる人が居なかっただけなんだから、暇な時はオレが付き合ってあげるぜ!」

「ありがとうございます!」

 

 エーアイちゃんは徹底的にタクヤを、徹底的にタクヤに質問攻めを繰り返してくる!?

 でも、向上心があるウマ娘ちゃんっていいなりねぇ♪

 彼女には長く使える末脚の切れ味を増すようにパワー系トレーニングを重点に長距離適正もありそうだからスタミナも気が向いたら練習してみていいと助言。オレってマジS(紳士)だよな!

 

「あの! 私も指導お願いしていいですか!?」

「ん? 君は」

「センゴクヤスケっていいます! どうか指導を!!」

「いいぜ! オレが本当の走りを叩き込んでやるぜ!!」

 

 それからというもの、五人以上六人以下のウマ娘ちゃん達がオレの激エロな指導を求めてダートコースに集結! その殆どがフリーのウマ娘ちゃんじゃん!?

 いいぜ! マサヒコさん直伝の淫乱アイで適正を見抜いてやるぜ!!

 

「……タクヤさん……酷かとよ……」ハイライトオフ

 

 

【次回予行】

 

 ウッス! オレ、胸囲110で売ってるトレーナーなんだけど、今までアドバイスしてきたウマ娘ちゃん達が一斉に模擬レース!! まさかのコウセイちゃんまで参戦だ!?

 でも、指導した子は全員オレが担当するって決めたからいいのさ♪

 なんて思っていたら!? 他のトレーナーがアドバイスしたウマ娘ちゃん達をスカウト!? ウッソだろおまえ!

 ね、ねえ? 他のトレーナーさんに靡かないよね?

 

 次回:【これがNTR?】




 今年最後、今年最後だからこそ、ホモは嘘つき! 来年なんて待ってられねぇーよ!

 次回予告とは違うストーリーだから番外編でお茶濁し。

 来年も激エロなストーリーを楽しみにしてくれよな!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!

【追記】

 一週間以上二週間以下ぶりくらいにツイッター開いたら支援絵が届いてたんだよ!
 すっげー嬉しい♡ でも、自己顕示欲モンスターになりたくないからあんまりツイッターは開かないんだよね()
 絵師さんありがとナス!


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タクヤの座学1

 あけましておめでといございます。
 新年も激エロな作品をどうかよろしくおねがいします♪


【回転数とトルク】

 

「よし、みんな揃ったな! 今日はジュージューになるまで座学だからな! わかったか!!」

「「「「はーい」」」」

 

 今日のダートコースは大雨で田んぼ状態! 不良バ場でのトレーニングに使えないこともないんだけど、今現在に囲ってるウマ娘ちゃん達はコウセイ以外はダート適性皆無! こんな状態で練習なんてさせたら怪我どころか風邪までのバッドステータス確定だぜ!?

 だから、オレはトレーナーとしてウマ娘に教えなければならないこと、基本的な考え方以上一般常識以下を叩き込んでいくぜ!!

 

「よし、今回の内容は『回転数とトルク』、ウマ娘的に言うと回転数が足の回転、トルクが踏み込みの強さだぜ!」

「「「「おー」」」」

「基本的に回転数が高いウマ娘はピッチ走法と呼ばれてて、短距離マイルの適正が高いんだぜ! 逆にトルクが強い子は大跳び走法と呼ばれてて中距離長距離に適正。この二つに芝ダートは関係ないなりよ」

「「「「なるほどー」」」」

 

 タクヤ流の大雑把な説明にワクワクの顔でテカテカなウマ娘ちゃん達にさらなる知識を植え付けていく。

 オレってチョーインテリだよね(笑)

 空き教室の黒板にピッチ走法、大跳び走法と書き記す!

 

「自分の走り方だからわかってるとは思うけど、君達の走り方はこう分かれるぜ!」

 

『ピッチ走法』イッテンコウセイ・センゴクヤスケ

『大跳び走法』シャイニングレオ・エーアイサッカ

 

「はい! タクヤさん質問です!!」

「おう、レオ? どんな質問だよ」

「ピッチと大跳びってどっちが速いんですか?」

「うーん、難しい質問するよなぁ? まあ、基本的にはトップスピードはピッチに軍配が上がるけど、トータルで見たら大跳びの方が速い場合が多い。一長一短だぜ!」

 

 生徒の質問に真摯に答えるオレって教育者になれるかも……もうなってるか(笑)

 黒板に追記して、ズコズコズルズル、この走法というものの奥深さを紐解いていくぜ!

 ……それにしても、トレーナーってこの部分をあまりウマ娘に教えない傾向にあるけどなんでなんだろう? タイムだとか、コース取りに意識を持たせるよりさぁ……ステップに意識を向けさせた方が有意義じゃん! タクヤはそう思うんだよねぇ?

 

『ピッチ走法』

 歩幅を短くしてトップスピードを高くする走法。

 弱点:トップスピードに到達するまでのタイムラグがある。

 

『大跳び走法』

 歩幅を長くしてベーススピードを高くする走法。

 弱点:最後の末脚の切れ味がピッチに劣る。

 

「はい! タクヤさん!!」

「おう! 質問があれば受け付けるぜ!!」

「ウチ、思うと? 二つの走り方ば混ぜた走りをすると速かとない?」

「流石はコウセイ! その知的な脳みそが回転を止める時がねぇーな! でも、この二つをミックスすると危ない走り方になることが多いんだよね」

 

 確かに、どちらも魅力的な走り方、その二つをミックスした走法ってのは憧れるかもしれないぜ! でもね? この二つをミックスするってのは結構リスク! 怪我の原因になるぜ!

 

「じゃあ、今までより難しい話になるけど付いてこいよ! フォーアイフォン!!」

「「「「ウッス!」」」」

 

 タクヤの饒舌な舌が乾く暇を与えずに情報を吐き出していく。

 

 まず最初に足の回転の問題、実は小さなガタイの方がピッチ走法に向いていて、大きいガタイは大跳び走法に向いている。

 付け加えて、歩幅の問題! 人形の生物って基本的に身長によって歩幅というのが決まるんだよね? 身長が低ければ歩幅は小さくなるし、長ければ歩幅は大きくなる。これを無理に改変したり、弄ったりすると足を挫く原因になるんだ!

 そして、自動車並みのスピードで走るウマ娘にとって足を挫く=大怪我の原因。

 

「これがミックス走法が危険だと言われてる理由だぜ!」

「「「「なるほどー」」」」

「それに、自分の走り方を変に弄り回すとさぁ……体の軸がブレるんだよ! 危ないんだよ!!」

 

 走りの根底にあるのは体の軸を定めて足と腕を回転させること、この部分は案外無意識の方が均整の取れた走りが出来るんだよね? 人体ってスゲーぜ!

 走ってる姿の棒人間を黒板に描いて軸と回転、そしてトルクについての講義を再開!

 

「この走ってる棒人間くんだけど、体の重心は腰の部分にあるんだよね?」

 

 赤いチョークで棒人間の腰の部分に○を一つ。

 

「で、この○の真上から棒を引いて、これが軸」

 

 棒人間くんに緑チョークの線が引かれてマジ狂い! やっぱり教育者として無知な子に知恵を教えるのって最高のエクスタシーだぜ!!

 

「基本的にこの重心と軸がちゃんとしていたらスッゲー速い走りが出来るんだよ!」

「タクヤさん! ピッチと大跳びでこの軸の差ってあるんですか!!」

「いい質問だぜ! ヤスケは向上心の塊だなぁ」

 

 足の部分に青チョークで印を付けて、ピッチと大跳びの最大の違いを解説!

 

「まず最初に、地面を蹴る時に必要なのは踏ん張り! これがトルクなんだよね? このトルクが高ければ高い程にベーススピードは高くなるぜ!」

「じゃあ、大跳びは踏ん張りが強いってことなんですか?」

「正解! そう、大跳び走法は跳びと書くように、ホップするように走るから必然的に体の体重が地面に伝わりやすいんだぜ! だから最初から高いペースを保って走ることが出来る。ペースを保てるってことはスタミナの消費を抑えられることも利点なりねぇ」

 

 大跳び走法のミソはレースに適応できるペース配分、長距離レースなんかだと、一度でもペースを乱されて掛かっちゃったらリカバリーに時間がかかる! 掛かるだけにね(笑)

 マサヒコさんに叩き込まれたトレーナー理論的に言えば、このペースを乱されないことが一番星の最短の道なんだよね。

 

「じゃあ、ピッチ走法の方が遅く感じるんですが」

「それがそうと言い切れないんだなぁ? ピッチ走法は大跳び走法とは違う魅力があるんだよ!」

 

 まず最初に回転数とトルクの問題に戻るぜ!

 ピッチ走法ってのは基本的に初速は遅い、でもね? その分、回転数がある一定に達した時点で大跳びと同じくらいのトルクが発生するんだよ! それは皆さんご存知! 地面を蹴る回数なんだよ!!

 基本的には一歩当たりの踏み込むで得られる加速力は大跳びに比べると小さい、でも、塵も積もれば山となる。足の回転数が上がると同時に大跳びと同じくらい、いや! それ以上のトルクが発生するんだよ!!

 

「つまり、トータルで見るとピッチも大跳びも前に進む力、速度は同じなんだよ! でもね? ここが最大の落とし穴、トルクが発生しない走りをしたら無意味!」

「じゃ、じゃあ! トルクを無駄にしない走り方ってのは!?」

「ふふっ、それは――【重心と軸】をちゃんと理解することなんだよ!!」

 

 タクヤの講義はまだまだ続くぜ!

 ピッチも大跳びも必要なのは自分の身長、体重、そして走る時の角度! このすべてを理解した状態なら重賞戦線を荒らし回ることができるぜ!

 棒人間を二つ追加して、ピッチと大跳びの体の角度を丁寧に説明するぜ!

 

「この体が直立になってるのが大跳び、前傾姿勢がピッチ走法だぜ! 基本的に大跳びは跳ねるように走るわけだから、前傾姿勢で走ると軸がブレる。大跳びで走っているならわかるだろうけど、前傾姿勢で大跳びすると膝にダイレクトダメージ! 痛いぜ!!」

「確かに……無理に前傾姿勢はあんまり……」

「で、ピッチ走法になると直立の姿勢だと足の回転、次の足の回転の妨げになるから基本的には前傾姿勢をキープ!」

「ほんとばい……うち、いつも若干前屈みではしっとっと……」

 

 全員が頷いて講義を聞いて二十分以上三十分以下、それくらいの時間が流れた時にアラーム!

 やっぱり座学だけだとウマ娘ちゃんってフラストレーション溜まっちゃうんだよね(笑)

 結構前から申請してた芝1600mコースの使用許可、使える時間は一時間だけ!?

 

「みんな! 今日はダートじゃなくて芝だ!!」

「「「「やったー!!」」」」

「ダートじゃ見れない部分もギン目で観察するから覚悟しろよー! フォーアイフォン!!」

「「「「ウッス!」」」」




 ⚠この作品に出てくる知識は基本的にゆで卵理論なので全部間違っています!⚠

 タクヤTは基本的に理詰めのチョー激エロな指導をするタイプだとギン脳で妄想! その淫乱な最適解が途切れることがねぇーな! 全部ゆで卵理論だけど!!

 新年一発目はクッキー☆のウマ娘バージョンを書こうと思ったけど、オレ、クッキー☆を見ると眠たくなるんだよね(睡眠導入剤)

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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中央トレーナーはタクヤの虜

 これは中央トレセンで働くトレーナーの視点。

 彼はウマ娘を指導する存在になって三年、ベテランとは表現できないが、それなりの知識と経験を得た一人と表現できる。

 そんな彼は新人、いや、転職者、地方からやってきた新しいトレーナーの奇抜な行動に度肝を抜かれている。

 

「ヤスケ、仕掛けろ!」

 

 メガフォンではなく、トランシーバーを使用してウマ娘の仕掛けるタイミングを指示している。

 ヤスケと呼ばれるウマ娘には、事前に遠隔イヤーフォンを改造した指示器のような物を予め装備させ、正しい仕掛けのタイミングを的確に指示している。

 彼は四人のウマ娘を囲っている。それも校内随一と表現できる二脚を持つウマ娘だ。

 イッテンコウセイ、シャイニングレオを除く二人は模擬レースに何度も挑み、そして三番手にもなれなかったような……表現するなら落ちこぼれ、その二人を柔軟な発想だけで――クラシック戦線上位の状態に仕上げている。

 彼以外も地方のトレーナー、名をタクヤ、彼の実力、そして選球眼に驚きを隠すことができない。

 言うならば――魔法使い。

 

『そんな落ちこぼれを指導しても無駄だよ、中央は質が高いんだ』

 

 彼は落ちこぼれの二人を指導するタクヤにそう投げた。

 だが、タクヤはその表現に目をギラつかせ――

 

『才能ってのは、努力を含めた才能なわけ? じゃあ、この子達は努力の方向音痴をしてるだけじゃん! それを落ちこぼれなんて心外ってもんだぜ! チョーSだよな!』

 

 そう言い放った。

 子供のような語彙力の無さ、知的じゃない言い回し、ただ暑苦しいだけの男。

 だが、目線は誰よりもウマ娘、いや、学生の為に低くなっている。

 模擬レース、メイクデビュー、この二つとも勝てずに学園を去るウマ娘も少なくない。それをトレーナー達は才能や努力だと吐き捨てる。

 

 ――彼はそれをしない。

 ただ愚直に、

 ただ真っ直ぐに、

 ただ明るく、

 彼女達に一筋の光を与えている。

 

 中央の人間なら鼻で笑う行為、新人とも言える年齢なら、才能があるイッテンコウセイ、シャイニングレオのどちらかを手に入れればいいだけ。だが、それをしない。

 その根底にあるのは、彼の師。異端者とも称される伝説のトレーナー

 

【トレーナー紳士・マサヒコ】

 

 数々のウマ娘をG1戦線に送り出し、日本のみならず、世界の記録すら保持する男。

 初年度にメジロ『想像にお任せします』を担当し、日本のレースを荒らし、渡米。ケンタッキーダービー、凱旋門賞、ドバイワールドカップなど、数々のレースにウマ娘を送り出し、生ける伝説と呼ばれている。

 そして、結婚して三日で離婚したという武勇伝まである。

 彼の指導方針は唯一つ、

 

【正しい走りをしていれば勝てる。そこに才能の付け入る隙間は無い】

 

 才能の否定、努力の肯定こそがマサヒコ流の真髄。

 時のウマ娘達は彼のことを無責任な奴だと表現する。だが、彼の人となりを知る存在にとって、その無責任こそが最大の貢献。無責任だからこそ発生する責任、これが彼を伝説と表現させる最大の意味。

 

 ただ無責任に、

 ただ素直に、

 ただ走りに、

 ――貫くような正論を放つ。

 

 彼の教え子の中には、

 怪我をしてトレーナーから逃げられたウマ娘、

 才能が無いと切り捨てられたウマ娘、

 頭が悪いと捨てられたウマ娘、

 出来損ないと表現してもいい彼女達がいる。

 そのすべてを一粒残さず前線に立たせた功績、正しく伝説。

 

「……でも、時代遅れだ。今の時代、ウマ娘は才能で選ぶ時代だ」

 

 彼は弱音のように吐いた。

 そう、何十年も前のレースなら、トレーナーの指導だけで劇的な変化、そして成長が見受けられた。

 だが、現代の競技において必要なのは「才能」、才能が無ければ走っても無駄だという心理が生まれている。

 理由、それはトレーナー人口の増加、レースに出場するウマ娘の増加。

 この二つの要因によって、レースは高度に発展し、フラットな状態に立たされている。

 そんな平坦な競技に必要なのは【唯一抜きん出て並ぶ者なし】、この精神。この言葉の解釈によってトレーナーは才能を重視するようになった。

 

 最初から抜きん出ていれば勝てる。

 最初から抜きん出ていれば成長する。

 最初から抜きん出ていれば大成する。

 最初から抜きん出ていれば才能だけで片付けられる。

 

 この歪んだ精神が中央の才能至上主義流行の原因になった。

 確かに、最初から才能というブーストがあるのなら、その後のブーストも悪くない。指導する人間なら、先行きが明るい方が心地良いだろう。

 ――それの全否定こそがマサヒコの教え。

 

 拓也県にあるチューウゼートレセンでは【唯一抜きん出て並ぶ者なし】という言葉は使われない。

 代わりに使用されている言葉、それは――

 

  心

技 忠 体

 

 この三角の言葉、心技体という古からの言葉に忠誠心を意味する忠を足しただけの言葉。

 この4つの漢字、意味は単純。

 

 心、心が強ければ前を向いて走れる。

 

 技、技術があれば賢く走れる。

 

 体、体があればレースで走れる。

 

 忠、忠を誓う存在がいるなら――道を踏み外さずに走れる。

 

 時に、この思想は古典的とも言われている。

 

「古い考え方をしている……才能の否定なんて……」

 

 才能主義、

 努力主義、

 この二つは相容れない。

 だからこそ、どちらかを選んだ人間にとって――片方は気持ち悪さすら感じる。

 彼は才能主義を選んだ。

 勝利する者は才能によって選ばれる。才能によって駆け抜ける。才能によって――人を喜ばせる。

 すべてを才能で一括り、それがどれだけ楽か、開けた道か、想像にかたくない。

 

「コウセイ! おまえは本当に器用だな、次はヤスケの隣で追い込みやってみろ!」

「はい! ウチ、タクヤさんに絶対服従たい♡」

 

 ふと現実に引き戻される感覚。

 去年引退した担当、G1戦線にこそ出られなかったが……自分の思うような走りをした担当……。

 もし、彼女がタクヤという古い思想の持ち主に育てられていたら? 彼は暗い表情で砂の乗った芝を睨みつける。

 彼は彼女に先行で走ることを命じた。

 理由? それはウマ娘が先行で走ることが多い、ただそれだけ。

 彼は彼女にそれ以外を求めたか?

 彼はそれ以外を求めなかった。

 言うならば変化、理の外にある可能性。その可能性をどれだけ引き出すことが出来たのか?

 彼は自問自答を繰り返す。そして、辿り着いたのは――自己防衛。

 

「なんで昔のことを……先行で良い走りをしてたんだ……」

 

 そして、彼だけじゃない、彼らは思うのだ。

 ――才能がある奴は速い。

 今、タクヤが指導しているウマ娘は紛れもなく才能の塊。ダイヤの原石、それも輝きも見せている。

 数日前まで輝いていなかった存在、それが光り輝いている。

 人間は他人の物を欲しがる生き物だと言われている。

 だからこそ――奪える宝石は奪ってしまう。

 

「イッテンコウセイとシャイニングレオは無理だろうが……センゴクヤスケとエーアイサッカは見落としていた。アレの指導じゃない、開花したんだ! そう、少しのキッカケによって開花した。それはアレの功績じゃない。そう、そうなんだ……!」

 

 タクヤの指導によって劇的に花開いた二人のウマ娘。だが、彼はトレーナーとしての契約を誰とも結んでいない。

 五人は担当するという啖呵を切る彼だが、この場所で原石を懐に入れないというのは愚行! ハイエナの前で狩りをする程の暴挙。

 彼らは手に入れられる存在なら恥を気にしない。

 

「なあ、トレーナーA? 俺、次の模擬レースでセンゴクヤスケをスカウトしようと思うんだ」

「じゃあ、俺はエーアイサッカをスカウトだな! あの長く使える足はいい」

「ちょっと! 私は二人とも譲らないわよ!! 毎回ドベがあそこまでの走りをするなんて聞いてないし!!」

 

 こうして、貪欲な光を放つ瞳、それが増えていく。

 表現するならタクヤの虜。

 タクヤが磨く原石の虜。

 自分で磨くことが出来ない原石を欲しがる構図の出来上がりである。

 

「お前達! オレの師匠が言ってた言葉があるぜ! 理想と現実は相容れない、でも!

 

 ――どちらも見えないモノじゃない!

 

 いいか? 理想と現実、どっちも見えるんだよ! どっちか手に入れられるんだよ!!

 

 だから、諦める現実を捨てて、諦めない理想を手に入れろ!

 

 勝てない理想を捨てて、勝てる現実を掴み取れ!

 

 自分の都合が良い方を掴み取れば良い! それが失敗でも、生きているってことに変わりないぜ!!」

 

「「「「ウッス!!」」」」

 

 ……そして、彼女達は走り続ける。




 ノリと勢いだけの一人称視点を書いてると硬派な三人称視点を書きたくなっちゃうんだよね!

 前話が適当になりすぎた戒めっす! 読者様! お収めください。

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!


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イッテンコウセイ専属トレーナーのタクヤと申します。

【模擬レース】

 

 とうとう……この日が来ちまったぜ……。

 オレが育てた四人、突発的に現れた四人だけどさぁ? やっぱり教え子の走りは気になる。

 自分、教職者で売ってるトレーナーなんだけど、今日が終着点じゃねーよ! 言うならば、そうだ! オレが大好きなアニメの名言、あの最高にクールな団長がガンガンに頑張る激エロストーリー!

 

『俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ! だからよ、止まるんじゃねぇぞ……』

 

 やっぱりオルガ団長は最高だぜ! 流石は他のアニメに出張するだけあるぜ!!

 なんて思いながら、最初の模擬レース! 模擬レースの中では珍しい長距離。芝3000mという挑戦、その舞台に立つのは――イッテンコウセイ。

 マサヒコさんに教わった才能より努力、それを否定されるかの如き……圧倒的な才能……!

 芝・ダートを問わない安定した走り、そして溢れ出るフィジカル、それを補うメンタル、どれも完成度が桁違いなりねぇ?

 でも、オレの指導は変わらない! マサヒコさんの指導は間違ってない……多分! それに、彼女とマサヒコ流は相性がいいぜ!

 

 ただ基本に忠実に、

 ただ意味に真摯に、

 ただ結果に切実に、

 

 このスタイルは極限までの実戦主義、理想と現実は個々に任せる。

 オレ、オレ達みたいなトレーナー業って指導を神格化することが多いんだよね? 変化ってのを極限まで嫌う。でも、それが落とし穴……変化の無い指導は面白くない教育と同じだぜ……。

 

「コウセイ、この模擬レースは自分の思い描くラインのことを考えればいいぜ!」

「はい! タクヤさんにいいところ見せるとよ♪」

 

 いつもの極上スマイルを見せてゲートに向かって歩みを進める。

 彼女の長所は抜群の勝負感、仕掛けるタイミングを絶対に見失わない。

 そして、無尽蔵のスタミナ、短距離・長距離を問わない全身全霊の走りを支える根底、自分のスタミナを全部使い切って走り終えれば勝っている。これが彼女のスタイル、怪我の危険を考えたら一瞬で取り上げられる考え方。

 でもね? 理屈は真っ当なんだよ! 自分のスタミナを全部速力に極振りしたら、それは速い。その考え方、本能を支えれば――怪我はしない。

 

「コウセイの走り方は……本当はミックス……」

 

 ピッチ走法と大跳び走法、この二つを混ぜ合わせた走りは危険だと教えた。

 でも、天性の体幹でミックス走法を使いこなすウマ娘もいるぜ……。

 マサヒコさんも長いトレーナー生活で一度しか見たことがない才能。この部分に関しては……才能の否定を大前提に掲げるマサヒコさんもどうすることもできない。

 正しい走り方をしていれば勝てる。

 天性の走り方を正しい走り方と表現するなら……わからなくもないなりね……。

 

「さて、イッテンコウセイ……おまえの激エロな走りをウオッチングさせろよな!」

 

 

 

【ゲート】

 

 ゲート入り、この瞬間の少しの動悸……緊張と不安、この二種類をカクテルしたような焦燥感。

 負けたくないという思い、勝ちたいと思う願望、走りたいと思う決意。

 抜け殻のような自分に意味を見出す時間。

 

「……タクヤさん、みとって!」

 

 ――ゲートが開いた。

 両脚に感じる力み! それが最高のスタートを演出する!!

 

(トレセンのコースはすべてフルフラット、坂の無いコース……差し、追い込みには厳しいコース。逃げや先行が坂で減速せずにハイペースを作り出す。そして、完成度が高いウマ娘が一人、コウセイはこの中では群を抜いていると表現できるスペック)

 

 誰も追いつけない! そんな速さで駆け抜ける!! コーナーでも差をつける!!

 

(コウセイの走りは基本的に逃げ、でもそれは……本物の逃げじゃない……)

 

 ペースを掴んだ! このまま押し切る!!

 

(逃げは先行の延長線、先行しているウマ娘の中でペースが高い子を逃げと呼ぶ。コウセイはそういうタイプの逃げ、ペースメーカー)

 

 タクヤさんの激エロな指導! 今までより高いスピードで走れる!!

 

(……逃げの才能はあっても、大逃げの才能はまだ無い)

 

 タクヤさん! ウチ――勝てるよ!!

 

(まだ、幼いと言ったところだ……!?)

 

 あれ……踏み込みが……?

 

 

 

【タクヤ】

 

「担架! ポルシェ並のスピードで担架を用意するんだよ!!」

 

 コウセイの青い果実走法を眺めていたら唐突なアクシデント! あの挫き方はジュウジュウの重症にはなんねーけど、放置したらホモイルカとチクニーザウルスの大怪獣バトルを観戦するくらいマズイぜ!!

 柵を乗り越えてコウセイを抱えて芝に寝かせつける。二足歩行なんてしてる場合じゃねぇーよ! 足に出来る限り体重を乗せない状態にしないと軽い症状が中くらいの症状になっちまうぜ!

 

「た、たくやさん……? う、うち……なんも……」

「挫いてるんだよパカ! コールドスプレーするから驚くなよな」

 

 ゴール前20m以上30m以下のところで利き足の右を挫いてた。レース特有のアドレナリンが合ドラになって痛みを緩和させる……軽度の捻挫なら違和感に変化して無理を助長させる。これを見落とすか見落とさないかが選手生命の長さを左右するんだよね。

 

「た、担架もってきました」

「乗せてくれ! ……コウセイ、絶対に痛みを我慢するんじゃねーぞ! 本当に日本刀だからな!!」

「は、はい……」

 

 ……本当はコウセイの付き添いをしてやりてーよ! でも、オレはエーアイとヤスケ、レオの走りを見届けなきゃなんねーよ、人間としては付き添うのが正しいんだろうけど……トレーナーとしては全員の走りを見届けるのが流儀、流儀なんだよ!

 

「た、タクヤさん! コウセイさん怪我したんですか!」

「走る前に他のことを考えるんじゃねーよ! ……いいか、心を乱されるな」

「で、でも……」

「オレは全員の走りを見届けるんだ……それがトレーナーなんだよ……」

 

 教え子達の不服そうな表情、これだからトレーナーは辛いんだよね(笑)

 

 

 

【保健室】

 

「タクヤさんはすごか……一瞬のミスで挫いたのを見抜かれたたい……」

「コウセイ、待たせたな。先生から聞いた限り軽症で安心したんだよね」

「あ、タクヤさん!」

「エーアイ、ヤスケ、レオは心配してたけど全員勝ったぜ! だから心配するんじゃねーぞ」

 

 タクヤはハニカミ笑顔を見せてパックハチミーを手渡す。

 

「コウセイ、オレにはわかんねーよ……荒れてない芝でおまえが踏み込みをミスするなんてさぁ」

「はい……うちもいつも通りに走っとたとやけど……」

「何かレース前に変えた物とかないか? こういう場合、蹄鉄だとかが原因のことが多いんだよね」

「履いてたシューズなら……」

 

 タクヤがシューズを受け取りその瞬間にガバガバどころかスカスカの緩んだ表情が一気にハードSな表情に様変わり! お洒落は足元から、走りも足元から、怪我の原因は一点に集中していた。

 

「コウセイ……こいつはダートシューズだ……」

「え?」

 

 タクヤは額に手を当てた。トレーナーとして最初に行う行為、それはウマ娘にジャストフィットするシューズサイズの選定。東京に来て日が浅く、業者との関係性が良好じゃなかった故の盲点。

 

「で、でも……ウララ先輩が走りやすいって……」

「そうか、オレ、芝コースのレンタル全然だったから見抜けなかったのか……」

「う、うちが悪かと! タクヤさんは悪くなか!!」

「いいか、ウマ娘の怪我や不調は全部トレーナーの責任なんだよ。仮とは言え指導してたオレのミスだぜ、絶対に自分のミスだと思うんじゃね―ぞ! これは全部オレの責任だ」

 

 タクヤは静かに蹄鉄に付着した泥を凝視する。そしてサングラスを外す程の衝撃、まるで機械制御されたと錯覚する程の均一さ、二足歩行の生物なら絶対に存在する左右の力の差。例えるなら左右の握力が違うようなもの、足も例外じゃなく利き足が踏み抜く力が強い。

 だが、コウセイの蹄鉄はほぼ均等、左右のシューズそれぞれ同じ部分に泥が付着してる。

 ――こんなシューズは見たことがない。

 

「……コウセイ、これはオレの弱音だ。聞いてくれるか?」

「え?」

「コウセイ、おまえはスゲー才能を持ってる。ちゃんとおまえを管理してくれる熱意のあるトレーナーが隣に立てば三冠どころか六冠も目指せるチョースゲーウマ娘になれる。おまえにはそれだけの才能があるぜ……」

「そげん褒められたら……えへへ」

「でも、オレはおまえに怪我をさせた。軽症とは言え怪我だ……ちゃんとした管理ができてなかったんだよ……」

 

 タクヤらしくない真剣な瞳で彼女に問いかける。

 

「怪我をさせたトレーナーと走る……オレ以上に大切にしてくれる「――逃げんと! タクヤさんは逃げとると!!」コウセイ?」

「うち! トレセンに来ていっつも思っとったバイ!! 一番になっとるウマ娘さん達だけに目線を向けとるトレーナー!! 全員勝利だとか、才能だとかしか眼中になか!! やけど……タクヤさんは違うと……」

「…………」

「タクヤさんはどんなウマ娘でも別け隔てなく技術を教えてくれとる!! そして全員が速ようなっとる!! うち……タクヤさんの優しさが、雑草という草はなかと思っとる考え方がすいとーと!! うち、タクヤさんが担当してくれんかったら普通の学校に転校するバイ!!」

 

 タクヤはサングラスを静かに装備し、ニヒルな笑みを浮かべる。

 

「いいぜ! おまえの最高の走りを間近で見せてもらうぜ!!」

「かしこまり!」

 

 

 

【放課後】

 

「タクヤさん……ごめんなさい! わたし、タクヤさんと一緒に走れません」

「私もです」

「……どうしたんだよ」

 

 エーアイとヤスケがタクヤに突きつける拒否、そして、瞳に灯る闘志の炎。

 

「私達はタクヤさんが育てるコウセイと戦いたい! もし、タクヤさんと一緒に走れば……コウセイと本当の意味でライバルになれません。だから――本物のライバルとして戦います」

「……そうか、おまえ達の意思、いや、魂! いいぜ! それでこそウマ娘だ!!」

「たく「行け! ライバルのことを心配するな、心配したらライバルになんねーよ!」」

「「ウッス!!」」

 

 二人は振り返ることなくタクヤの元から去っていった。

 

「で、レオ? おまえはどーすんだよー」

「え、自分はデビューを一年遅らせます」

「えっ?」

「コウセイさんとクラシック戦線を戦いたくない!」

 

 レオは極上スマイルを見せて背に腕を組んで去っていった。

 

「……じゃあ、コウセイだけが担当か」

 

 タクヤも笑みを見せて――

 

「イッテンコウセイ専属トレーナーのタクヤと申します」

 

 伝説のはじまり、

 

 

 

【次回予告】

 

 有馬記念は凄かったぜ! レオの徹底的にオレを徹底的にマークする戦術は鳥肌だ!?

 そして今年からレオも古馬戦線! ゴルシくんも才能の塊、オルフェーヴルくんもまだまだ現役のハズだぜ!!

 でも、え!? オレ、今年から砂のレースも走っちゃうの! それにジャニ系を超えて福山○治系イケメンの騎手さんが大激怒! 主戦から降りるなんてどうなんだよー(涙)

 そこに現れたのは真剣と書いてマジと読むジャニ系騎手さん!? テイエムオペラオーってスゲーS(凄い)な競走馬さんに乗ってた一流騎手だ!? いいぜ! 親離れはできてないけど騎手離れでオレのレースにまた一ページなりね♪

 

【競走馬編:超淫乱競走馬は止まらない】




 皆様おまたせっす! 遅れて申し訳ナス!!

 書いていて面白いのか? そう納得できる文章が人力出力できなくてマジ狂い! こんなんじゃ読者様に届け欄ねぇーよ!!

 そう思いながらガタイをAI並にフル稼働して、何度もトライアンドエラーを繰り返してマジ狂い! そして「Kenshi」に逃げてました()

 次回は超淫乱競走馬編を書くっす! ガタイとイデアを補充しながらの執筆だから遅くなるかもだけどお付き合いオナシャス!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!

【追記】

 ウマ娘編は長崎弁とタクヤ弁がヤバイので以降は三人称視点で物語を紡いでいきます。激エロな表現が激減するかもですが、その分変態トレーナーが脱ぐのでお慈悲ぃ~^


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