ヒカルの碁 神様への反逆 (modasi)
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01 「過去へ戻って幼い肢体を貪る」

 

 積み重なった古書はどれも先達の命の結晶。

 それは神の一手を極めんとした者達の記録。後世の碁打ちに神への道を託した遺訓。

 

 日本棋院資料室でヒカルが見たのは、本因坊秀作の耳赤の一手。囲碁史上に残る妙手はその打ち手の技量を明白に現していた。

 神より賜る才覚、それは陳腐な表現かもしれないが、天才というよりほかなく――ヒカルに絶望を与えるには十分だった。

 

「佐為に打たせてやればよかったんだ。はじめっから」

 

 絶望に打ち震え、俯きながら涙を流してヒカルは叫ぶ。

 

「誰だってそう言う!俺なんかが打つより佐為が打つほうがよかった。全部!全部!!全部!!」

 

 顔を虚空へ向け絶叫するのは過ちを認め、新たな一歩を踏み出すためではなく。

 

「オレなんていらねぇ!もう打ちたいって言わねぇよ!だから、神さまお願いだ!」

 

 泣き叫ぶ少年の悲しい願いは。

 

「アイツと会った一番はじめに時間をもどして!!」

 

 ヒカル以外いない部屋に訪れる静寂。蛍光灯のじじじっという音だけが響く。

 

「う……うわぁああああ」

 

 そしてヒカルの意識は閉じ。

 

 

 

 

 

「ねぇヒカル!どうしたの、ねえヒカル!?」

 

 頭の芯を刺すような痛みを最後にヒカルの意識は再び浮上した。真っ先に目に入ってきたのは幼馴染の藤崎あかりの心配げな眼差し。どういうわけかその顔立ちが幼くなっている。

 

「……なんでもねー」

 

 そういってソッポを向くとあかりが安心して笑うのが抱き合った身体から伝わってくる。

 

 小窓から射しこむ日差しが、埃を通過して重苦しい壁の色を優しく照らし出す。乾いた肌寒い空気にあかりのほのかに甘い体臭が混ざり鼻腔をくすぐる。

 

 視線をあかりに戻すと目の前に眉を寄せた可愛らしいあかりの顔がある。あかりは黒のセーターにレギンスパンツとスカート、髪はハーフアップにまとめている。傍にダッフルコートが脱ぎ捨てられている。かつてヒカルが可愛いと褒めた格好だ。

 

 古めかしい旅行カバンに座るヒカルの上に抱きあうように座り、この頃はあかりの方がまだ身長が高かったから屈めるようにヒカルに顔を近づけてくる。

 

「もう、急に目を閉じたと思ったらちっとも反応しなくなっちゃうし!すっごい心配したんだからね!」

 

 そういって、頬を上気させたあかりが目を閉じ顔を寄せてくる。ヒカルはゆっくりと上向き、黙ってあかりの瑞々しい唇に吸付いた。

 

「うぅん、ふぅっんん……」

 

 口の中に舌を差し込む。あかりの舌が優しく出迎えてくる。絡めあうように互いに舌を伸ばしかき混ぜるように舌をうねらせる。熱いあかりの口内、くちゅくちゅと唾液が混ざり合い、それを零さないよう啜り合う。

 

 

 ヒカルは混乱していた。ここはじいちゃんちの蔵の二階だ。さっきまで日本棋院の資料室にいたのに?

 そして目の前には小学校6年生(だろう)あかりがいて、さらにはセックスをしようとしている。

 

 ……覚えている。ああ忘れるはずなんかない……藤原佐為とはじめて会った時。その最中に戻ったのだから。……本当に過去に戻ったのか?

 

 

 ディープキスを続けながら、服の中に手を入れ、ブラをずらしその小さな乳房を愛撫する。プニプニと柔らかいおっぱいとピンと尖った乳首の感触が気持ちよく、絞り上げるようにゆっくり揉んでいく。綺麗な桜色をした可愛らしい乳首が手の平で弾ける。

 

「ヒカルぅ、んっあっ、いつもより激しいよう」

 

 そう言いながら頬を真っ赤に染めたあかりは喘ぐ。

 

 幻じゃない、覚えている。あかりのこのやわらかな唇に舌、唾液の味、鼻にかかるような甘え声、小さいけれど美しい肢体、髪の毛から薫る甘い匂い。五感全てが、過去の藤崎あかりだと訴えてくる。

 

 学校で、川べりで、家で、様々な場所でやりまくっていた過去の自分たちだが、このじいちゃんちの蔵でやったのは1回だけ。そう、佐為と出会ったあの運命の日だけだ。

 

 神様は俺の願いを聞いてくれたのだ!

 藤原佐為に会わせてくれる為に俺の時間を戻してくれた!

 ありがとう神様。

 次は全部、佐為に打たせる。

 そしてあいつに神の一手を極めてもらう。

 絶対だ。

 この約束を守ることを誓うよ。

 本当にありがとう、神様。

 

 

 

 あかりの細い身体を片手で抱きしめ、もう片手であかりの胸を揉む。勃起したペニスをジーンズ越しにあかりの秘所に擦り付ける。

 

「ぅんんっ、ふぅ……ヒカル、んん、ねぇもう……」

 

 我慢できなくなったあかりはよろよろと立ち上がり、レギンスパンツと濡れたショーツを脱ぐ。ヒカルが立ち上がるとあかりがすぐにヒカルのハーフパンツとトランクスを手馴れた手際で脱がしてしまう。

 

「あは、もうぱんぱんだねヒカル」

 

 そういうと嬉しそうにあかりはしゃがみ込み、ヒカルの屹立した陰茎をやさしく握りしめる。

 

 幼い少女が跪きフェラチオをするその様は扇情的で淫靡だ。

 亀頭を口にくわえ、その小さな口と舌で淫猥にぺろぺろと男の感じる箇所を舐めまわしてくる。小さな手でしこしこと竿をしごかれては堪らない。

 

「んっ、ぺちぁんじゅっ……ん、ん、」

 

 ペニスをその小さな口に含んで卑猥な音を響かせながら一生懸命に吸い付くあかりの顔は艶やかな朱に染まっている。

 

「じゅっ……んぞ、ちゅぷんん、んぴちゃぴちゃ……はぁはぁ、ヒカルもっとしてあげるね、んぼぉおお、ちゅぷ、ちゅぷ」

 

 優しくあかりの頭を撫でて気持ちいいことを伝える。もう射精うだ。

 

「……んっ、あかり、もういいよ」

 

「んっ、ふぁひふぁへば?」

 

「ばか、口に含んだまま喋んな!」

 

 ぬるりとした舌がもごもごと裏すじを刺激して、危うく射精てしまうところだった。

 だけどここで射精てしまうわけにはいかないのだ。前史でヒカルが佐為と出会ったのはこの後、あかりを桐の大箱に寄りかからせ、バックで挿入しようとしたら箱が壊れ、さらにバランスを崩したあかりが、大箱の中に突っ込み、中にあった碁盤に頭をぶつけるという流れがあったからなのだ。

 

 過去と同じ流れにしないと。ここであかりの口内に精液を出してしまえば、1回口を漱ぐ必要が出てくる。そうなると母屋に戻ることになる。あかりはこの蔵を怖がっていたから次は別の場所でやろうと言ってくるかもしれない。それはダメだ。

 

 脱ぎ捨てられたハーフパンツから取り出したゴムを取り出し、それをあかりに渡す。ペニスにすばやくゴムを付けるあかりの頭を撫でる。

 

「あかり、立って。ほらそこに手、ついて」

 

「うん、ヒカル、」

 

 あかりの閉じた幼い割れ目を軽く撫でる。愛液が洪水のように溢れていることを確認する。

 

「いくぞ」

 

「んっ」

 

 素直に立ちバックの姿勢を取ろうとするあかりに少しの罪悪感を覚えるが、あかりのわき腹に手を添え、位置を調整し、一気にその小さな陰唇に突き入れる。

 

 亀頭の先端があかりの膣奥に一気に突き刺さる。その勢いと刺激にあかりは手を突っ張って身体を支えようとする。

 

 でも、桐の箱にその荷重を支える強度はない。箱の蓋が割れ、支えがなくなりバランスを崩したあかりは開いた箱の中に頭を突っ込んでいく。

 

「きゃあっ!!」

 

「あかり!」

 

 ヒカルは嬉しくて仕方なかった。これで佐為に会える。そう思うだけで射精そうになる。あかりを引っ張りあげてやる。あかりは片手で鼻を覆っている。

 

「うう、いった~」

 

「大丈夫か」

 

 優しくあかりを抱きしめてやる。お互い下半身丸出しなので締まらない。

 

「どっかうった?」

 

「ううぅ、鼻うったの。五目並べする台に」

 

「ほれ、見せてみろ。んっちょっと赤くなってるけど大丈夫だ」

 

「ほんと?」

 

「ああ平気だぞ」

 

「きゃっ!ん~もお、あっあんんっ」

 

 そう言いながら、あかりの形のいい鼻を舐めてやる。そしてまた口付けをする。

 

「ヒカルぅ、お願い」

 

 手の土手でクリトリスを優しく刺激した後、中指と人差し指を膣口へ侵入させる。狭い。Gスポットを擦る。薄い肢体を片手で抱き留める。耳を舐めしゃぶりながら伝える。

 

「お前は俺のだからな」

 

「うん……うん!ああっ、いい、いいよぉヒカルぅ」

 

 あかりの片足を持ち上げる。てらてらと愛液で濡れる幼さの残るマンコにペニスを挿入する。強烈な締め付け。ぐにぐにと入口を傘の部分で擦りあげ、あかりを焦らす。

 

「あっ!あっ!あっ!ねぇお願い!ヒカル!ヒカル!奥まで来て!ヒカル!」

 

「気持ち良くない?」

 

「気持ちいいよぉ~、でも、ひどいよぉヒカルぅ、あああっ!ああっあああぁ~」

 

 あかりの甘ったるいお願いの声に我慢が出来なくなりヒカルもズブズブとゆっくりペニスをあかりの膣奥へと進める。

 

「あああ、ひっ、いいい!!!」

 

 それだけで小さな絶頂を迎えるあかり、膣がこれでもかと締め付けてくる。

 

 抱きつきながらキスをし、ゆっくりとしたピストン運動をする。あかりの幼い顔立ちが欲情に濡れる様に背徳感を猛烈に刺激される。

 

「ヒカルっ!あんっ、ひぃぃんあぁっ、ああっいいよ~ふぅっんあん」

 

 ペニスを引き抜き、近くの棚に手を突かせる。バックから再び挿入。今度は最初から激しくあかりの幼い膣を責め立てる。

 

「ああっ!ああっ!いっちゃう、ヒカルいっちゃうよ、すごい、ひぃあああああ~」

 

 あかりの嬌声が蔵の中に響き渡る。その声を引き出しているのが自分だと思うとさらに興奮が高まる。肉棒を膨らませながらきゅうきゅうと締め付けてくるあかりのマンコを堪能する。片手で幼い胸を揉む。

 

「ひぃぃああああぁっ……いっくぅ~!!」

 

「俺もイク!あかり!」

 

「んあああああぁぁ~」

 

 

 

 

 

「んで、おまえが鼻ぶつけたのってこれ?これ碁盤だぜ。囲碁打つ台だ」

 

 そういってヒカルは逸る心を抑えて碁盤を持ち上げる。佐為やっと会えるよ。

 

「ふーん、知らないよそんなの」

 

 あかりはヒカルとの情事に満足したらしく服を調えながら気もそぞろに返事を返してくる。

 

 碁盤を床に置き、ハーフパンツのポケットから取り出したくしゃくしゃのハンカチでほこりを丁寧に拭っていく。すぐに碁盤は綺麗になり、しみが……。

 

「……な、んで、…………しみが……ない?」

 

 おい佐為!いるんだろ!早く出てこいよ!し、しみがないからって、えっ、でも、そんな、まさか……そんなのってねーだろ!!

 

 あっああ……あああああああああああ!!!

 

 なんでしみがないんだ!なんでなんでなんで、佐為、何でいないだよ、なん……で……。

 

 再び意識が深く沈んでいく。あかりが悲痛な叫びをあげるのを聞きながらヒカルは昏倒した。

 

 

 

 

 

 

 



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02 「囲碁が打てないのは誰のせい?」

 

 

 キンコンとロングホームルームの終わりの音が学校を包む。小学生に戻って1日目のお勤め終了である。

 色々大変だった。特に算数の授業。頬をつうっと嫌な汗が流れる。小学6年生の問題が微妙にわからない。

 ……少しは勉強しなくっちゃなと苦笑いが浮かぶ。

 

「ヒカル大丈夫?」

 

「へーきだってもう」

 

 あかりはヒカルのことが心配で心配で仕方ないらしい。無理もないと思うが正直鬱陶しい。

 休み時間ごとにヒカルの席に話しかけに来る。そのたびにクラスメートにからかわれる。

 一緒に帰ろうとあかりに誘われたが、それを断わりヒカルはもう一度碁盤を見るためじいちゃんの家へ来た。

 見間違えだったかもしれないというわずかな希望を胸に。

 

「捨てた!?」

 

「おいおい人聞きの悪いことを言うな。御祓いをしてもらうために持ってったんだ」

 

「それで!碁盤はどこなのじーちゃん!?」

 

「どうしたんだヒカル?そんなに……まさかホントに呪われとりゃせんだろな」

 

「ち、ちげーよ……そう、オレ囲碁覚えたんだぜ。だからあの碁盤貰おうと思ったんだ」

 

「碁!?おおっ。おまえ覚えたのか!?今持ってくるから待ってろ。逃げるなよ!」

 そういうと、どたどたと席を立って碁盤を用意するじいちゃん。さすがにこれは一局付き合わなくては許してもらえなそうだ。碁盤の話はそれから聞くしかないか。

 

「互先じゃなきゃやらないからな、俺」

 

「生意気な、まぁいい、手加減してやるわ。握るぞ。よし、わしが黒か」

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしくお願いします」

 

 

 

 じいちゃんの打った手は二連星、前回とはまったく違う手に内心動揺するも、よく勉強してるんだと関心の方が大きい。

 じいちゃんはアマ初段くらいの実力だ。力碁を打つ。まぁ弱いが。

 白のカカリに黒はウケてくる。そうなるとほぼ一本道に進む。ヒカルは三々入り。

 指導碁はいかに相手によりよい碁を打ってもらうか、そして何がいけないか教えるものだ。でもそれよりも何より重要なのは碁を楽しむこと。

 じいちゃんは上手く2段バネで右上を制した。ヒカルはここで少し強い手を放つ。

 中央に手を入れようと石を持った瞬間、ヒカルは急激な目眩と吐き気を覚える。他人ごとのようにフッと意識が遠のくのを感じた。

 

 

 

 眩い光を感じてヒカルは思わず目を細める。ああ、これは夢だ。

 ヒカルはたまに夢とわかるリアルな夢を見る。今回もそれだと思ったヒカルだけど、今回は降り注ぐ光があまりにも膨大で、当たり一面真っ白にしか見えない。

 

「ちぇっ、つまんない夢」

 

 そう思っていたら、前方に何か気配を感じる。

 人?

 手をかざし目を細めながら、前方を窺う。

 何も見えない。

 でも音が聴こえてきた。

 ぱち、ぱち、とヒカルにとって最も馴染み深い音。

 ヒカルは思わず声をかけていた。

 

「俺も混ぜて」

 

 ぱち、と音が響く。ヒカルは音の方へ走るように進む。

 

「ねぇ俺も打ちたい」

 

 ぱち、とまた。でも行けども行けども何もない。

 

「打たせてよ」

 

 ぱち。

 

「打ちたいよ」

 

 ぱち。

 

「ねぇ…」

 

 

 

 

「……ああ、そうか」

 

 ヒカルはわかった気がする。佐為のいる過去に戻りたいと願い、ヒカルは過去に戻った。

 願ったものは佐為と出会い全て打たせること。その代償はヒカルとして碁を打たないこと。

 碁の神は過去にヒカルを戻した。でもその過去に佐為はいなかった。

 いなかったけど、碁の神は約束を守れと言っているのだ。

 全ての碁を佐為に打たせ、ヒカルとしては碁を打たないという約束。ヒカルはもう碁を打てないのだ。

 

 

 なぜそう思ったのかわからない。わからないけど、自分はもう碁を打てないのだという確信だけが胸を打つ。

 

 

 ヒカルは二つの感情に支配された。

 一つは恐怖。佐為に打たせられない。自分で打てない。

 オレの存在に意味はあるのか。ヒカルの全てを否定されたような身の竦む恐怖。

 

 そしてもう一つは怒り。なんで佐為はいない。なんでオレを戻した。なんで碁が打てない。碁の神は何を考えている。

 佐為を奪ったのはおまえじゃないのか。

 ふざけるな。ふつふつと湧き上がってくる怒り。

 

 佐為はいなかったぞ!契約違反じゃないのか?なのにおまえは俺から碁を取り上げるのか!?

 

 

 ふざけるな!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒカル、本当に大丈夫なの?もう一日お休みしてもいいのよ」

 

「うん、大丈夫。心配かけてごめん、かーさん」

 

 二度の気絶は両親を心底心配させてしまい精密検査がヒカルに課せられた。

 結果は異常なし。原因はわからなかった。

 ヒカル以外には。

 

 

 ヒカルには原因がわかった。

 ヒカルが意識を手放した瞬間、祖父との対局でヒカルは初めて、思考して一手を打とうとした。

 二十一手までは合いの手を打つように意識の表層で身体が勝手に打っていた。ヒカルじゃなくても碁打ちなら誰でもこう打つという布石であり、筋であった。

 だが二十二手目にヒカルは深く考え打とうした。つまりヒカルとして囲碁を打とうとした。

 

 だから碁の神さまがヒカルを罰したのだ。

 

 ヒカルの碁は打てない。でもヒカルは碁を打てる。酷い矛盾だ。

 でも、ならまだ手はある。絶望するのは早い。

 

 ヒカルは一つだけ解決方法を知っていた。

 かつて散々やってきたことだ。

 それは佐為がヒカルの身体を使って碁を打つということ。それならば神様との契約に反しない。

 

 だけど、問題は佐為がいないということ。

 でもそれも解決できる。ヒカルの中に別の人格を作り、そいつに碁を打たせる。

 

 無理だろうか。

 

 たしかに、仮想人格なんて普通は作ろうと思って作れるモノではない。いや、仮想人格やら二重人格ってのは一個の完璧な人格として作ろうとするから無理なのだ。

 碁という狭い範囲で思考ルーチンを別個のより枠の小さな域で再現することくらいならできるはずだ。

 そしてその作るべき個は3年間ずっと傍にい、千に達するほど対局した人物。それなら作れる。やれる。

 

 藤原佐為を作る。

 

 俺から全てを奪っていった神様に復讐してやる。神の一手に至り、神を倒す。

 

 ――そう、それならば佐為も許してくれるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうしてもと頼まれた指導碁をドタキャンされた。対局が煮詰まってきて多忙とはいえ、師の後援会会長に頭を下げられれば無碍にはできない。

 それを謝りもせず、理由すらも告げずに突然キャンセルされれば腹の虫は収まらない。

 

 ぽっかり空いた空白時間。この後18時から棋院へ行く用もあるので家に帰らず、久しぶりに師の経営する囲碁サロンに顔を出した。

 

 そんな緒方の怒りを察した客たちは触らぬ神に祟りなしと無視を決め込み、近づいてもこない為、緒方は一人タバコを燻らせコーヒーを飲んでいた。

 

 そんな心底不機嫌な緒方の耳に入ってきたのは子供の不貞腐れた声。

 

「なんだ、塔矢いないじゃん」

 

 前髪だけ金髪にしたアキラ君と同年代の少年。アキラ君の友達だろうか。

 いや、あの塔矢アキラに友達が出来たなど彼が生まれてこの方聞いたことがない。

 

 ならばと考える。……塔矢アキラに勝負を挑みに来た腕自慢だろうか。きっとそうだろう。

 無謀にもアキラ君に挑みに来たのだ。それなりに打てるかもしれない。

 暇潰しにこの俺が対局してやろうと緒方は気まぐれを起こして立ち上がる。

 

 

「どうした坊主、対局相手を探してるなら俺が打ってやるぞ」

 

「お、緒方センセ!?」

 

 突然声を掛けられた少年から返ってきた己の名前。こんなガキにも己の名前が覚えられているというのは存外気分がいい、と少し機嫌が直る緒方。

 

「どうする打つか?指導料なぞいらんから安心しろ」

 

「……えーと、あー、はい、お願いします!」

 

 一瞬躊躇した少年だが、すぐに席につく。

 

「何級だ?好きなだけ置いていいぞ」

 

「あの、できれば互戦でお願いします」

 

「ほお……まぁいい。ニギれ」

 

「ありがとうございます!」

 

 鼻っ柱の強いガキは嫌いじゃない。それなりに付き合ってやるかと緒方は初手を放つ。

 対局相手の少年は深呼吸を二度繰り返すと表情を引き締め一手目を放つため碁笥に手を伸ばす。

 

 そこで空気が変わっているのに緒方は気付いた。トッププロたちとの対局の際感じる、相手を威圧する突き刺す様なプレッシャー。

 それが目の前の少年から感じられ緒方は息が詰まる。少年の表情を窺うとそこには能面のような無表情。そして大きな目をすっと細め、初手をパチンと放ってくる。

 

 ――なんだこいつは。緒方は肌が粟立つ感覚と困惑を抑え、気持ちを引き締める。

 

「……俺の8目半勝ちか」

 

「…………。」

 

 序盤、緒方の形勢ははっきり悪かった。少年は、いやこいつは本当に少年かと疑うほど、完璧な布石、そしてバランスのよい石の働きを計算しつくした碁を打ってきた。

 

 また緒方のぬるい手を容赦なく攻めたててきた。ただ、ところどころで少年の手が荒れた。

 碁の流れを無視しぶつ切りにしてしまうちぐはぐな手。

 

 それがなければ勝負は緒方の負けだったかもしれない。ちぐはぐな、だがそれでも美しいと素直に感嘆できる碁。

 碁の奥深さと楽しさを満喫でき、興奮する一局だった。

 

「……緒方センセー、俺どうだった?」

 

 そこにすべての気力を使い果たしたように少年が疲れを滲ませながらも切迫した面持ちで訊ねてくる。

 

「おまえの名前は」

 

「…………?」

 

「名前だ」

 

「……シンドー、進藤ヒカル」

 

「年齢は」

 

「……12」

 

「そうか……お前の師匠は誰だ?」

 

「…………じいちゃん」

 

「名前は?」

 

「……進藤平八」

 

 進藤平八、まったく聞き覚えのない名前だがアマの有力者か。

 それにしても返答へのタイムラグが酷い。

 少年、進藤は対局酔いの状態が続いているのだろう。対局中極度の集中を続ければ人間の脳など簡単に発熱してしまう。

 最もそこまでの集中をなしえる者は滅多にお目にかかれない。

 

「お前は強かったぞ」

 

「でも……」

 

「本当だ。お前は強い。……そうだな、検討もしたいがこれから用事がある。お前も早く帰らなければ親御さんが心配するだろう。どうだ、また会って検討しないか?」

 

「うん」

 

「そうだな。今週の木曜は何時に学校が終わる?俺の師の検討会に来ないか?」

 

「……行く、行きます」

 

「16時からだ。場所はここだ」

 

 名刺の裏に師の住所を書いて渡す。進藤はぼそぼそと、だが次第にしっかりした声音で返事をするようになってきた。

 もっと色々と聞きたいこともあるが時間がない。仕方なく囲碁サロンを進藤と出て棋院に向かう。

 都会の信号の多さに辟易としながら運転する車中で思考を巡らすのは進藤ヒカルのこと――。

 

 

 一手に相手の意図を読みその返事として一手を放つ。その意図を相手は読みまた応手を返す。そこには相手との明確な交わりがある。

 碁が手談と言われる所以だ。だからわかる。こいつは本物だ。木曜日の研究会が楽しみだ。その前に先生に今日の対局を見てもらうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 木曜日の放課後、ヒカルは教室でマグネット碁盤を取り出し、佐為と打った局を思い出しながら並べていた。

 図書委員であるあかりの仕事が終わるのを待っているのだ。

 囲碁の勉強はどこでも出来る。今日は暇だし、待っててやるから一緒に帰ろうというと、あかりはとても喜んでくれた。

 

 ただ、何か頭の隅に引っかかりを覚えたが、気のせいだろうと思い直し、マグネット碁盤に向かう。

 

 そんな、ヒカルに女の子から声がかかる。

 

「進藤君、ちょっといい?」

 

 みつあみおさげの髪をした少女がこちらを覗き込んでくる。ショートボブの髪をした少女がその後ろに隠れるようにして立っている。どちらも可愛らしい少女だ。

 

 誰だっけ、と言う言葉が出かかるのを必死で止め、記憶を探る。ああ、そうだ、あかりといつもつるんでいたサヤカとマツリだ。もちろん、苗字は思い出せない。

 

「ん~何か用、サヤカにマツリ?」

 

「って、いきなり名前呼び捨てなの、進藤君!?」

 

 みつあみおさげのサヤカが驚いた顔をして、聞いてくる。

 

「あっと、ごめん、あかりがいつも二人のことそう呼んでるから、つい……俺も二人のことそう呼んじゃダメかな?」

 

 二人を交互に見つめて真剣にお願いする。

 

「……ま、まぁいいけど」

 

「ありがとう、サヤカ!俺のことはヒカルでいいから!」

 

 サヤカを見つめながら笑顔を作る。顔を赤くするサヤカ。

 

「さ、彩夏、お願いしなくちゃ」

 

 サヤカの斜め後ろにいる、マツリがそう言ってサヤカの上着を引っ張る。

 

「そうだった、それでね、進藤君じゃなくて、ヒカル君。ヒカル君にお願いがあるんだけど、ちょっとついて来てくれないかな」

 

「あかりのこと待ってるだけだから、その間ならいいよ?」

 

「よかった、じゃあ行こう」

 

 

 

 積極的なサヤカに引っ張られながらヒカルはその後をついていく。着いた先は保健室であった。

 

「保健室はもう閉まってるんだけどね、ほらここに鍵が隠されてるの」

 

 そう言いながら壁に貼られていたポスターの裏から保健室の鍵を取り出すサヤカ。

 

「私、保健委員で何かあったらお願いねって保健の大月先生に頼まれてるんだ」

 

 えっへんとするサヤカにヒカルは調子を合わせる。

 

「そっか、サヤカってすごい頼りにされてるんだ。すごいね」

 

 えへへと照れるサヤカ。

 

「誰にも見られてない?さ、早く中に入って」

 

 保健室内に入るとすぐに鍵をかけるサヤカ、テキパキと動き、照明を付け、暖房も付け、窓際に行き、カーテンを閉じる。

 

「それでお願いなんだけど、聞いてくれる?」

 

 もちろん何でも言って、と答えるヒカルにサヤカは嬉しそうにする。だいぶ打ち解けた感じになってきた。

 

「あのね、茉莉の彼氏がね、茉莉のこと求めてくるんだって。でも、何回かしようとしたけど、上手く行かなくて、今、茉莉と彼氏、気まずい状態になっちゃってるんだって。それでヒカル君にお願いなんだけど、茉莉の処女を貰ってやってくれないかな?」

 

「私、このままじゃ、彼に嫌われちゃう。お願いヒカル君!」

 

 顔を赤くしながら早口で言うサヤカに、完全に下を向いてしまうマツリ。

 

「あかりがいっつもヒカル君のこと自慢してくるんだよ。ヒカル君はセックスが上手だって。だからさ、茉莉の為にお願いします」

 

「俺はマツリみたいな可愛い女の子の処女貰えるなら嬉しいけど……マツリは俺なんかで処女捨てて後悔しない?」

 

「し、しません!お願いします……」

 

 俯いていた顔を上げ、真っ赤にした顔に決意を込めてヒカルを見つめてくるマツリ。ただその言葉は尻すぼみに弱くなってしまう。

 

「うん、じゃあ、俺がマツリの処女貰う。マツリの彼氏の為に一緒に頑張ろう、マツリ」

 

「まずは二人とも裸になって、ベッドに行こうか?」

 

 そう言って、ちゃっちゃと服を脱いで裸になるヒカル。既に股間は完全勃起状態だ。それを見て悲鳴を上げる二人。

 

「な、何で私まで脱がなくちゃいけないのヒカル君?」

 

 ヒカルの股間を恥ずかしそうにちらちら見ながらサヤカが問いかけてくる。

 

「サヤカにも協力してもらわないと、上手く行かないからだよ。セックスってさ、緊張してるとダメなんだ。リラックスした状態じゃないと失敗しちゃうんだ。マツリに信頼されてるサヤカが傍にいて協力してくれればマツリの緊張もなくなると思うんだ。サヤカの力がないとダメなんだ。協力してくれないかな、サヤカ?」

 

「わ、わかった。私の力がないとダメなんだもんね。茉莉の為に頑張る」

 

「じゃあ、先にベッドに行ってるから早く脱いで来てね」

 

 そう言い置き、ヒカルは先にベッドに向かう。男の前では脱ぎづらいだろうというヒカルの思いやりである。

 暖房で室内が徐々に暖まってきているとはいえまだ寒い。待っている間にペニスが寒さで萎んでしまった。

 

 お、お待たせ、と言いながら裸でベッドに上がってくる二人、どちらも顔が赤い。

 恥ずかしがり手で毛も生えそろわぬ幼い性器を隠すようにする仕草がヒカルの性欲を掻き立てる。

 サヤカはみつあみのおさげがよく似合う活動的な少女だ。きつめの顔立ちも猫目がよく似合う美少女、すらりとした日焼けした手足に細い腰回り、胸はほとんどない。手足の黒さが、胸の白さを際立たせており、思わずむしゃぶりつきたくなる。

 マツリはサヤカより全体的に少しふっくらしており、胸もBカップほどありそうだ。顔は気の弱さを表すように細い眉を困ったように寄せる仕草が似あう健気系の美少女だ。

 

 その二人をヒカルはベッドに招き、座らせる。三人が三角形の形になるように座る。ヒカルから見て右にマツリ、左にサヤカだ。

 

「それで、どうするの?」

 

 サヤカが恥ずかしげに聞いてくる。

 

「まずはマツリの緊張を解す、と言ってもそう簡単には行かないだろうから、俺とお話ししよう。マツリ、下を見ないで俺を見て、お話ししよう?」

 

「わ、わかりました。頑張ります」

 

「頑張んなくていいよ。そうだな、マツリの彼氏って誰?どんなとこ好きになったの?」

 

 そう言いながら、サヤカとマツリに手を伸ばして胸に触れる。優しく撫でるだけのソフトタッチを二人の胸に施す。

 

「ひゃっ」

「ぇぅあ!!」

 

 びっくりする二人を無視して、マツリにどうなの?と問いかける。

 

「ふぁっ……1組の赤木君です。バスケットしてる姿が格好良くて好きになったの。そしたら、彼から告白して来たの」

 

「そっかぁ、両想いなんだね。アカギが羨ましいな、こんな可愛い彼女が出来て」

 

 ヒカルはマツリに笑いかけながら、固くなっている乳頭を優しく摘まむ。左手でもサヤカに同じようにする。

 

「ひぁっ……んふぅ……ん、ふぅ、ふぅ……」

「……はぁ、ふぅ……ん……ふぅ……」

 

「サヤカは彼氏いないの?サヤカくらい可愛ければモテるでしょ?」

 

「……い、いないよ、ふぅ、はふぅ……」

 

「そうなんだ、じゃあ、あかりと別れるようなことあったら、俺、サヤカにコクってもいい。オーケーしてくれる?」

 

「そ、そんなこと言われても、あ、あん」

 

 感じている少女たちにヒカルは何食わぬ顔で近づく。二人の少女を両腕でそっと抱え込むように抱きしめる。三人が密着した状態になる。

 

「ぅわあぁぁ!!」

「ふぁっっ!!」

 

 ヒカルは二人の背中を優しく撫でる。マツリの目を見つめながら問いかける。

 

「マツリ、あったかくて落ち着かない?ひと肌って気持ちよくない?」

 

「う、うん……いいかもしれない」

 

 マツリにそっと口付けする。触れるだけのキス。

 サヤカにもキスする。でもサヤカには激しいキスをする。サヤカの口内に舌を入れ、サヤカの舌を絡め取るように吸い付く。

 

「ふっ、んあっ……ちゅううううっ、っちゅ、れろっ、ちゅばっ……んふあぁぁああ、はぁはぁはぁ」

 

「ふう、じゃあさ、今度はこれを触ってみて?」

 

 ヒカルは膝立ちからあぐらを組むように変えて二人の少女に己の肉棒を差し出す。積極的に触ってきたのはマツリであった。汗ばんだ手で竿をにぎにぎとしてくる。

 

「すっげ~気持ちいいよマツリ」

 

 そう言いながら、マツリの頭を撫でる。嬉しそうに笑うマツリに対抗意識を燃やしたのか、サヤカも屈むようにして両手でヒカルの肉棒をさわさわと触る。

 

「ありがと、サヤカ」

 

 優しくサヤカの頭を撫でる。

 

「ペニスだってちゃんと見たらそんなに怖くないだろ?」

 

「こんな大きいのがあそこに入ると思うと怖いよ」

 

「そうそう、これは無理だよ。入んないよ」

 

「はははっ、それはマンコの解しが足りないからだよ。ちゃんと、マンコを愛撫してやれば、すんなり入るよ。まぁ最初は痛いけどね。それでも、最初だけなんだよ痛いのは」

 

「ほ、本当に?」

 

「ほんとに、今から証明してあげるよ」

 

 ヒカルはマツリをベッドに横たえさせ、覆いかぶさるように抱きしめる。優しいキスをしながら、左手で胸を揉み、右手でサヤカの閉じたスジマンを触る。

 きっちりと閉じた小陰唇はすでに少し愛液で濡れている。クリトリスと膣壁の入り口を同時に愛撫する。口付けもディープキスへと移行する。

 

「んっちゅうぅ……んんっ、んんっ、ちゅばっぴちゃっ……あっんん、んんっふぁんん」

 

 あっという間にマツリのマンコからは愛液がしたたり落ち、その秘穴はパクリとヒカルの中指と人差し指を飲み込む。

 

「気持ちいい?」

 

「ンん……ひもちいい、んあっ、んんんっ」

 

「じゃあ、行くよマツリ、可愛いよ」

 

「来てヒカル君」

 

 マツリの両足を持ち上げ、正常位でマツリに挿入する。サヤカは自分の秘所を弄りながらそれを見守っている。汗の匂いと二人の少女の愛液の匂いが室内を淫靡な空間へと誘う。

 

「あっふぁあ、いったっ、痛いよ~」

 

「でも、もう入ってるよ。マツリの膜はもうないから、これ以上は痛くならないよ」

 

「本当に?」

 

「うん、血が出ちゃってるでしょ?だから、マツリの処女はもうなくなっちゃたよ。おめでとう」

 

「ありがとう……あの、でも、動かないと射精しないんだよね?する?」

 

「動くと痛いだろうから、今日はおしまい。でももうちょっと、挿入したままにさせてくれる?マツリと一緒に居たいんだ、痛いのにごめんね」

 

「わかった。ううん、動かなければ大丈夫」

 

「少し体位を変えるよ、マツリに抱きつきたいから」

 

「うん、私もヒカル君に抱きつきたい」

 

 ヒカルはマツリの中に肉棒を入れたままマツリに抱きつく。ねっとりとしたキスをマツリにしながら、クリトリスを優しく親指で転がす。

 ヒカルはマツリに絶頂を覚えこませようとしているのだ。破瓜の痛みを忘れるほどの快楽を幼い少女に与え続ける。

 

「ちゅっうう!はむっ……ちゅっじゅぼっ!っちゅっ!……んっ!んんん、んんっああ」

 

 マツリもヒカルの舌に自分の舌を合わせてくる。唾液がじゅぼじゅぼと泡立つようにお互いの舌が踊る。

 

「んっあっふぅはあ、ちゅばっ、ちゅう!!んああああああああああああああああ~!!」

 

 マツリはヒカルの肉棒を挿入したまま果てる。

 

「よかったよ、マツリ」

 

「あっ、ふああ?ふぁ、ヒカル君、ありがとう」

 

 蕩けきった顔でマツリはヒカルにお礼を言うのであった。

 

 マツリの血と愛液で濡れたペニスを引き抜いたヒカルは、ティッシュでそれを拭く。

 まだ、一度も射精していないヒカルのペニスはもうばきばきで、ヒカル自身も限界であった。

 そこに目に入ってくるのはオナニーをして欲情しているサヤカの淫靡な肢体だ。ヒカルはサヤカにお願いする。

 

「サヤカ、お願い、これを手でしごいて」

 

 サヤカの返事を待たずにサヤカの手をヒカルの肉棒へと持ってくる。おずおずとサヤカの手がヒカルの怒張をしごく。ヒカルはサヤカの濡れそぼった女陰を愛撫しながら、ディープキスをする。

 お互いに相手の手を使ったオナニー、止まれないほど気持ちいい。

 

「っちゅう!んちゅっ、んんふあぁんはふ……ちゅぷちゅぷ、あふんんん、んあふっ」

 

「ぷはぁっ~、はぁはぁ、うんんん、ヒカル君、私もうダメぇ、いくぅ、ああああああああああんんん」

 

「俺ももうダメだ、サヤカ!」

 

「ヒカル君!!」

 

 ヒカルの精液はサヤカの真っ白なふとももへ飛び散る。サヤカはベッドへぐったりと倒れこむ。快楽の余韻を楽しむようにサヤカのない胸を揉む。

 

「サヤカのこと好きになっちゃたよ俺。サヤカは俺のこと好き?」

 

「んぁ、んん、好きかもぉ」

 

「今度、サヤカの処女貰えないかな?」

 

「んん、あん、んんんっ、いいよ、ヒカル君なら」

 

「その時は、私も立ち会います。いいよねヒカル君?」

 

 マツリがそう言いながらヒカルに近寄ってキスをする。

 

「もちろん、今度はセックスでマツリのこといかせてあげるね」

 

「うん、楽しみ」

 

 

 

 この関係はしばらく続きそうだ。二人の幼い少女をどこまでヒカル好みに調教できるか。新たな楽しみが出来たとヒカルは満足感を覚えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 



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03 「変化、そして決意と覚悟」

 

「でね、おかしいんだ。お母さんがね。お魚くわえたドラ猫追っかけて……」

 

 緒方先生との一局はヒカルに想像以上の収穫をもたらした。良い意味でも悪い意味でも。

 良かったことは、佐為として最後まで碁を打てたこと。気力を根こそぎ持っていかれたが、自分は出来ると確信させてくれた。

 悪いことは前途が多難だと思い知らされたこと。

 

「って、ねぇ、さっきから聞いてる?ヒカル」

 

 佐為として緒方と打ったそれは、酷い碁だった。藤原佐為の出来の悪い模造品、いや、それ以下か。

 考えてみれば当然の帰結だ。佐為になりきったとてそれでヒカルの棋力が上がるわけではないのだ。

 佐為を作る。それはヒカルが佐為と同等、もしくは高みにいなければ出来ないことだ。

 ヒカルというハードで佐為というソフトを起動させる。読み込んだだけ御の字、最後まで止まらなかったのは奇跡。その性能をいかんなく発揮させるにはいかほどのキャパが必要なのか想像も出来ない。

 

「超えてやる」

 

 佐為を超えた先に佐為がいる。そこで初めてまともに碁が打てるのだ。

 

「ヒカル……?」

 

 覚悟が必要だ。

 

 

「帰り道こっちだよヒカル!」

 

 藤原佐為が宿っていた碁盤は無くなっていた。じいちゃんが碁盤を預けたお寺でたまたま行われていたフリーマーケットに紛れ込んで売られてしまったと言う。

 

 そんな偶然があるのか。神様が邪魔をしたとしか思えない。

 

「ちょっとぉ……」

 

 神様は敵なのだ。

 だったら、俺は神を倒す。藤原佐為が目指していた神の一手……神殺しの一手を極めてみせる。

 その為には今まで以上に碁の勉強をしなければならない。

 

「ヒカルってばぁ~」

 

「……ああ、ごめん、図書館行って本借りてくる。あかりも来るか?」

 

「うん、行くけど……ヒカルが図書館?どんな本読むの?」

 

「囲碁の本、俺、囲碁始めたんだ。そうだ、あかりも囲碁やらないか?」

 

「えぇ~!?囲碁っておじいちゃんがやるものでしょ?それにヒカル、サッカーは?もう飽きちゃったの?」

 

「サッカーだとあかりと一緒に出来ねーじゃん。だからさ、一緒に囲碁やらないか?」

 

「え、えぇ~!!も、もうっ、ヒカルって本当にずるい!!そんな言い方されたら私が断れないの知ってるでしょ、もお~」

 

「はははっ、じゃあ俺が囲碁教えてやるから、ご褒美はエッチなことな!」

 

「……えぇ、と、それっていつもとどう違うのヒカル?」

 

「うーん、じゃあ、生でやらせてくれよ」

 

「それはダメだよ、赤ちゃん出来ちゃう!」

 

「今日は危ない日なの?」

 

「知らないよ、そんなの~」

 

「ほんとに?」

 

「……今日は大丈夫な日だけど……もぉ~、特別だよ!ヒカルっていっつも強引なんだから」

 

「はは、じゃあ、早く行こうぜ!図書館行って、その後俺んちで囲碁したら、エッチだ」

 

「はいはい」

 

 

 

 

 

 ヒカルの様子がおかしい。

 あかりはそれが心配で心配で仕方なかった。

 幼稚園の頃からの幼馴染。無鉄砲で天真爛漫なヒカル。引っ込み思案な私はいつだってそんなヒカルに引っ張られながら一緒に過ごしてきた。

 

 初めてのエッチだってヒカルから。興味を持つと、やらずにはいられないヒカル。

 精通したらすぐに私のことを求めてきた。保健の授業で習っていたから簡単だと思って始めたセックスはなかなか上手くいかなくて。

 

 泣きそうになる私を励ました後に、ヒカルは部屋を出て行った。

 どういうことかと思っていたら隣の部屋にいたお姉ちゃんを捕まえてきて、セックスの仕方を教えてと頼むのだからヒカルの無鉄砲さとバカさに頭を抱えたくなった。

 でも結局それで上手くいくのだからヒカルには才能があるのだろう。

 処女だったお姉ちゃんにゴムを付けろと怒られながらも、最後はお姉ちゃんまで食べてしまったヒカルには天性の人たらしとしての素質があるのかもしれない。

 

 セックスもあっという間に上手くなって、私はいつもいかされまくるようになってしまった。

 お姉ちゃんもヒカルとのセックスにはまっているみたいだし、私は複雑な気持ちになってしまった。

 

 そんな、ヒカルの様子がおかしくなったのはヒカルのおじいちゃんちのお蔵でセックスした後から。

 お蔵でのセックスはいつもより激しくて気持ち良いものだったのだけれど、事後にヒカルが意識を失ってしまったのだ。

 

 病院で検査したけれど、異常はなかったそう。安心したのだけれど、ヒカルの様子が一変してしまったのだ。何かに悩んでいるように考え込むことが多くなった。真剣な表情が増えて、笑顔がちょっと少なくなった。

 私のことを何だか、子供扱いしてくるような気がする。

 

 でも、優しくなった。

 

 そのことをお姉ちゃんに相談したら、大人になったんじゃないのと一言で答えられてしまった。

 そうなのかもしれない。子供っぽいところが抜けて大人になる。

 今のヒカルは正にそれなのだろう。

 格好いいと思う。まだ背は私の方が大きいけれど、それでもヒカルは成長したのだろう。

 

 お姉ちゃんに惚れ直したかとからかわれた時、私は顔を真っ赤にするしかなかった。そういうことなのだろう。

 その後、お姉ちゃんにありがとうと言うと、じゃあ、お礼に今度3人でセックスねと言われた。

 

 何とも言えない気分になった。

 

 

 

 

 

「ぁぁあんんっんぁぁ……ま、待ってヒカル、私もういっちゃう!おかしくなっちゃうよぉ」

 

 裸にされ、全身をヒカルに舐めまわされる。かれこれ1時間以上、ヒカルは私の身体を弄り続けている。

 私はもう息も絶え絶えだ。苦しい感覚とむずむずする感覚が積み重なって弾けたがっている。

 弾けそうになる度にヒカルは手を止め、私のことを抱きしめながら優しく頭を撫でてくる。

 

 水を口移しで飲まされる。乾いた喉に甘露が染み渡る。口移しはそのまま、激しいディープキスになる。私はヒカルの舌を懸命に追い続ける。

 

「んっちゅっ……ちゅぱちゅぱ、んふぁ……れろっれおっ、んんんんん」

 

 またベッドに寝かされ、ヒカルは私の身体を弄ぶ。

 ヒカルの小さくて暖かい手が忙しなく蠢く。右手でクリトリスと小陰唇を同時に愛撫され、左手は胸と乳首を優しく撫でてくる。

 

「ぷはぁっ、はぁ、はぁ、はぁ…………あっっ、あんんん、はぁぁ!お願い、もうダメぇ、あああっんんん、んんんん」

 

 そしてまた、キスをされる。口内をヒカルの舌が縦横無尽に嘗め尽くす。私も一生懸命にヒカルの舌を追って、絡めるように合わせる。

 

 気持ちいい。ぴちゃぴちゃと唾液の交わる音が興奮を高める。

 

「ちゅっ!ぴちゃっ!ンん、んんぁん……ふぁふうぅ、ぴちゃぴっちゃ……じゅぶ、ぶちゅううん、ああぁ……はぁ、ぁぁぁぁんごきゅん」

 

 ヒカルの唾液が私の口に送られてきた。私はそれを必死に飲み込む。

 美味しい。気持ちいい。

 離れていく口を追いかけてしまう。ヒカルは笑いながら問いかけてくる。

 

「気持ちいい?」

 

 頷く。気持ち良すぎる。もう頭がおかしくなりそう。早く膣に入れて欲しい。凄すぎる愛撫。狂いそうなほど感じているのにいかせてくれない。

 

「よく我慢したね、じゃあ、そろそろ生で挿入るね。」

 

 向かい合わせでヒカルの上に座るように挿入される。口内を食べられるような激しいキスをされながらペニスが私の膣に侵入してくる。

 ゆするように私の感じる箇所を擦ってくるヒカルのペニス、ヒーターで温められた部屋は暑いくらいで、私は汗みずくになって感じまくる。

 

「あぁぁぁっ!! あぁ、あんっ、もうだめ、好きぃ、ヒカル好きだよぉ」

 

 思いっきりヒカルに抱きつく。背中に爪を立ててしまう。これは私のだと強い想いが溢れてくる。

 ああ、何もかもわからなくなる。

 ゴムをしていないヒカルのペニスは私の膣壁をこれでもかと擦ってくる。

 私はヒカルの細い肢体を一生懸命抱き寄せる。汗で濡れた私とヒカルの身体は一体になったようにくっついて、その温もりは私を安心させる。

 

「いっていいよ、あかり」

 

 ヒカルの優しい声。もう限界まで高められている私はヒカルのなすがままだ。

 

 ヒカルは私を持ち上げて優しくベットに横たえる。そして正常位で激しく私を責め立てる。

 

「あっ!あっ!ひぃんんあ……んあぁああ」

 

 ヒカルの大きなペニスが私の膣の奥を何度もついてくる。気持ちよさと、痛いようなむず痒さがどんどん溢れてくる。

 コンドームをしていないヒカルのペニスはいつもより、はっきりと私の膣壁を擦りあげていく。膣奥を突かれると痛みが走る。そして、その痛みが気持ちよさと合わさって爆発する。

 

 大きな、大きな絶頂が近づいているのがわかる。息が出来ない。苦しい。気持ちいい。

 

「ああっ、だいしゅき、ああん、すきなの、ヒカル、ヒカル……あっ!あっ!あああんぁあああああああああああ!!」

 

「……俺も大好きだよあかり……膣内に射精すよ?」

 

 ヒカルも気持ちよくなってくれただろうか。ヒカルの余裕の態度が少し不安になる。

 ヒカルが激しく私の膣を責め立てる。子宮を温かい何かが満たしてくる。それはヒカルの精液だろう。とても幸せな気分になる。もう私は何が何だかわからなくなる。

 それでも最後はヒカルを感じたくなる。

 

「ヒカルぅ、キス」

 

 抱きつくようにヒカルが私に覆いかぶさってきて優しいキスをしてくれる。

 ふわふわとした微睡みの中で極上の幸せを感じながら私は意識を手放した。

 

 

 

「あっ、そうだヒカル!お姉ちゃんの学校で創立祭があるんだって、これお姉ちゃんからもらったの、行こ!」

 

「お~、たこ焼きかぁ、いいじゃん!」

 

「えへへ、じゃあ、日曜10時にヒカルのうちに迎えに来るね!」

 

「おお、楽しみにしてるよ!後、しおりさんにお礼言っといてな!」

 

 よかった、ヒカルと一緒にお祭りに行ける。デートだよね、これ。

 

「あかり、もう遅いから送ってくよ」

 

「ええっ、いいよ、うち、近いし、大丈夫だよ」

 

「まぁ、いいじゃん、それにちょっとでもあかりと一緒に居たいっていうのもあるしさ」

 

 そう言って、照れたように笑うヒカルに私は何も言えなくなる。ヒカル、大人になりすぎだよ。しかも、すっごい格好いいし。

 

 今日はヒカルに囲碁を教えてもらえて楽しかった。さらにはデートの約束も出来たしいい日だった。

 ヒカルは確かに変わった。どうしてここまで変わったのかわからないのは不安だけど、この変わりようはすごくいい。惚れ直した。

 ヒカルを他の女子に取られないように私ももっともっと成長しなくちゃって強く思う。

 明日から頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 図書館から借りてきた本因坊秀策全集を広げ、マグネット碁盤にぱちりぱちりと一手ずつ置いていく。

 佐為の碁はバランスが凄まじい。どの局も大局を俯瞰し、流麗な打ち回しを簡単にやってのけている。

 これは相手の手を読み、それを咎めるのではなく合わせる技術が素晴らしいのだ。全てを力で捻じ伏せ支配すれば負けない。だが、それは不可能だ。

 佐為はその不可能を相手の力を利用することで可能にしている。美しい碁だ。誰もがそこに打つのが最善と思う一手を打つ。

 あまりに難しいことを平然とやってのけるのは天才のなせる業か。

 

 一手一手、置いていく。

 

 世界が黒と白の二つのみになる。ここが神様の領域。どうすればたどり着ける。

 

 一手一手、置いていく。

 

 途端に吐き気を覚える。耐えられない眩暈が襲ってくる。

 自分ならこう打つと、別の選択肢を考えた瞬間の出来事。ああ、本当に進藤ヒカルとしては碁を打てないのだと実感する。そして意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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04 「先輩との出会い、そして戦い」

 

 

「ヒカル、たこ焼き美味しいね!」

 

「ああ、すっげえ美味いな!ありがとう、しおりさん!」

 

「それはよかった。バレー部には関西出身が2人いてねー、もう張り切っちゃって」

 

 そう言いながらしおりさんは笑っている。あかりの姉のしおりさんは中学3年生だ。夏に引退したバレー部のたこ焼き屋を手伝っているのは、しおりさんのおせっかいの性分だろうか。あかりと似た顔立ちながらショートの髪型のせいか、あかりより活発な印象を受ける。

 身長も165センチと俺よりもずっと高くておっぱいもかなりある、グラマラスな美少女だ。セーラー服からすらりと伸びる白いふとももに目が行ってしまう。

 

「お礼は今度たっぷり返してもらうからいいわよ、ねぇヒカル君」

 

「あはは、お手柔らかにお願いします。しおりさん」

 

「あれま、本当にヒカル君、大人っぽくなったわね。元は可愛い系だから、ギャップがあってよいわ~」

 

 ぐいっと、顔を近づけてくるしおりさんに、俺は笑いながら、たこ焼きを一つ口まで持っていってあげる。

 

「お姉ちゃん!」

 

「はふはふ。ん~美味しい。ありがとね、ヒカル君」

 

「もう!ヒカル行こ!」

 

「それじゃあ、行くか。しおりさん、また今度」

 

「もうすぐ二人ともここの生徒になるんだから、しっかり見学して楽しんできてね。ヒカル君は今度覚悟しなさいよ」

 

「はい、それじゃあ」

 

 お姉ちゃんは、と憤慨するあかりを連れて校庭の出し物を見て回る。あった!筒井さんが詰碁をやっているブースに近づく。

 

「ヒカル!囲碁やってるよ!」

 

「……ほんとだ、ちょっと見てこうか、あかり」

 

「うん、行こ!」

 

 

 

「ヒカル、これ何?」

 

「あー、あかりはやったことないか。詰碁って言って、生き延びるか、殺すか、一筋の手を見つける問題なんだ。あれ、あかり、簡単詰碁集を図書館で借りてなかったっけ?」

 

「そうだっけ、私まだ、ルールの本しか読んでないよ」

 

「そっか、じゃあ、次やらせてもらえよ、いいですか?」

 

 席が空いたのを確認して筒井さんに声をかける。

 

「どうぞ、じゃあ、いくよ」

 

 席に座ったあかりは周囲の大人たちの視線に緊張しているようだ。

 

「陣取りゲームだから、どうやったらこの白を逃さずに囲えるか考えるんだ、昨日やった形に少し似てるのがあったぞ?」

 

「えぇ~と、あっ、こことこことここだ!」

 

「おーっ」「時間はちょっとくったけどなぁ」「えらいえらい」ギャラリーが拍手するのにはにかむあかりは可愛らしい。

 

「ありがとうございました」

 

 ティッシュをもらって嬉しそうに席を立つあかりによく出来ましたと頭を撫でてやる。あかりも嬉しそうだ。

 

「けっ!女連れでいちゃいちゃしやがって」

 

 通りかかった加賀がわざと俺にぶつかってきた。加賀はいい奴なんだけど、そういえば、このころはまだ荒れてたんだっけなーと思いながら、盛大に倒れてしまう。

 その拍子にテーブルに頭を打ち付けて長テーブルが倒れる。大きな音とあかりの悲鳴が響く。

 

「ヒカル大丈夫!頭から血が!」

 

「ああ、大丈夫、ちょっと、切っただけだよ。あかり、さっきもらったティッシュくれる」

 

「うん、待ってね、今拭くから。動いちゃだめだよ」

 

 

「加賀!なんてことしたんだ!」

 

 筒井さんがこの事態に加賀を咎める。加賀も俺が怪我をしたことに動揺しているようだが、謝れないでいるようだ。

 

「あー、大丈夫。俺がしっかり避けてればこんなことにならなかったのに、すみません。えーと、加賀さん?も気にしないで」

 

「それじゃあ、テーブル直そう、あかりは碁石を拾ってくれる?加賀さん、早くしないと先生が来ちゃうよ。そうしたら、いろいろとうるさいんじゃない?」

 

「あ、ああ、その、悪かった、大丈夫か」

 

「へーきだから、気にしないで」

 

 痛みはたいしたことない。俺は加賀がいい奴だと知っているから怒りもわかない。それよりも、俺は加賀と対局がしたかった。

 前世では口論から対局に発展したが、それは出来そうにない。加賀がいい奴だともう知っているから。

 でも、俺は対局に飢えている。佐為がいないとここまで対局が出来なくなるのかとこの一週間で痛切に思い知った。いつでも、どこでも最高の対戦相手がいた前世の俺は最高に恵まれていたのだ。

 だが、今はそれを嘆いても仕方ない。どんな相手でもいいから対局をしなければならないのだ。ヒカルとして打てない俺は佐為として打つわけだが、その経験が圧倒的に足りない。一つでも多く、打つ必要がある。

 

 

 

 場が元通りになったところで、俺は加賀に話しかける。

 

「ほんとに大丈夫だから、気にしないでいいよ」

 

「お、おお。すまなかったな。それにしても、おまえ、いい奴だな。普通なら切れるぞ」

 

 俺なら半殺しだと、物騒なことを言う加賀にあかりが物凄い怒りの目を向けている。ぽんぽんと頭を叩いてあかりのことを諌める。

 

「加賀、さんは将棋部なの?その格好だと」

 

「当たり前だ、囲碁なんてつまんねー陣取りゲームより将棋の方が1000倍おもしろいぜ!」

 

「じゃあ、囲碁は出来ないの?」

 

「はっ!この俺様は塔矢アキラに勝った男だぞ!囲碁なんぞ、簡単すぎてつまらんから止めてやったぐらい強いぞ」

 

「ほんと!?じゃあ、俺と勝負してよ」

 

「はぁ?なんで俺が囲碁なんぞ『あいたたたた、傷がぁ』……てめぇ、わかったよ。やりゃあいいんだろ」

 

「ありがとう、加賀さん!」

 

「ヒカル、止めなよ、行こうよもう!」

 

「あかり、ちょっと見てて、でも、ただ見てるんじゃなくて自分ならどう打つか考えながら見て。そうすると囲碁の楽しさがわかるかもしれないから」

 

「はっ!いっちょまえの口聞きやがって、彼女の前でコテンパンにしてやるよ!」

 

 よかった。加賀と対局出来ることになった。後は俺の問題だ。進藤ヒカルとして思考した瞬間に俺は意識を失って倒れてしまう。

 だから、佐為ならどう打つか、永遠にその思考だけを切りとって打てば、意識を失わずに打てる。

 緒方さんとの対局では上手くいった。でも、疲労困憊で対局後のことをまったく覚えていない。本当に上手くいったのかさえ朧げだ。今日は、意識を失わずに最後まで打つ。そして、問題点を洗い出す。

 

 

「お願いします」

 

「けっ!10分で終わらせてやるよ」

 

 

 佐為ならどう打つか。相手は下手、置き石もない。普通にやれば手加減しなければならない。それでは意味がない。

 佐為なら、どう打つか。そんなの、決まってる。相手の手を見て最高の碁にするだろう。碁が楽しいものだと全ての者に伝える碁。俺にそれが出来るか。

 いや、やるしかないんだ。

 

 加賀の布石はしっかりしたものだ。じいちゃんより強い。アマ2段くらいか。中盤になっても面白い着想で打ってくる。

 形勢は互角、加賀の思惑に乗って打つ。締めるところは締める。

 佐為としてどう打つか。極限の集中が求められる。頭が沸騰しそうだ。黒と白の模様のみを見定める。全てを排除して打つ。

 

 

「ありません」

 

「……ありがとうございました」

 

 いつの間にか、対局は終わっていた。途中から記憶がまったくない。俺の中押し勝ちだ。相手のことを考えられずに押し潰しただけの碁になってしまった。

 ははは、なんとも醜い碁だ。これのどこが、佐為だと言うのか。

 

「……おまえ、つえーな。なのにちっとも満足そうな顔しやがらねーのはなんでだ。……おまえも塔矢と一緒で勝ちなんてどうでもいいと思ってるのか。……っち、なんで俺が……くそっ!おい筒井、学ラン脱げ」

 

「えっ?」

 

「いいから脱げ!」

 

 

 そう言って筒井さんから学ランを奪って俺に投げてよこす加賀。

 

「筒井、団体戦のメンバーが決まったぜ」

 

 加賀はふてぶてしい態度で言う。

 

「俺におまえにこいつだ」

 

 ぶかぶかの学ランを着た俺は笑いを何とか堪える。前回と同じ流れになったからではない。これでまた多くの対局が出来ることに嬉しくなったのだ。

 

「で?いつだよその大会は」

 

「今度の日曜、10時から。」

 

「場所は?」

 

 

 

「海王中学」

 

 

 

 

 

 

 あかりにそんなの出る必要ないと散々小言を貰いながらも何とか納得してもらい、北区中学冬季囲碁大会の参加が決まった。

 大会に向けて、練習しないかと持ちかけたが、必要ないと加賀に一蹴されてしまった。そうしたら、それを見かねたのか、筒井さんが行きつけの碁会所に連れて行ってくれることになった。お金も出してくれるというので、金欠の俺としては願ったりだ。明日の16時にその碁会所集合となった。

 

「もう、ヒカルってば、本当に考えなしなんだから!少しは慎重に行動しないと痛い目みるんだからね!」

 

「悪かったってば、気を付けるからさ。それより、校舎の方行こうぜ?何か面白れー出し物あるかもよ?」

 

 あかりの手をぎゅっと握って俺は歩き出す。

 

「そうやって、軽く流す!!もう、知らない!!」

 

 そう言いながらもあかりは俺の横にぴったりついて歩き出す。こういうところもあかりの可愛いところだ。笑いを噛み殺しながら、

 

「あかりも見に来る?明日の碁会所と日曜の大会」

 

「……行く……ヒカルが心配だから」

 

「じゃあ、もうちょっと囲碁の勉強しような。わからないとつまんないからな」

 

「そんなことないよ!さっきのヒカル、すっごい格好よかったもん。見てて楽しかった」

 

「碁の内容はわかった?」

 

「……全然……」

 

「あはは、じゃあ、碁の内容がわかればもっと楽しくなるよ。どうする?この後、俺んちで囲碁の勉強する?」

 

「……する」

 

「そうこなくっちゃな、ちゃっちゃと周って俺んち行こう」

 

 

 ぎゅっとあかりの手を握って俺たちは歩き出す。あかりに碁の楽しさを教えたいと俺は強く思っている。

 それはきっと、佐為が俺にしてくれたように俺も誰かに碁の楽しさを教えたいと、そして、俺の碁、もう二度と打つことができない、それを教えたいと願ってしまっていたのかもしれない。

 でも、その時の俺にそんな感情はまったく理解できなかったから、ただの考えたらずの行動でしかなかったのだけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 ヒカルとあかりは葉瀬中の創立祭を十分堪能した。

 笑顔を交えながら葉瀬中の校門を出ようとしていた時にしおりとばったり鉢合わせてしまった。

 時刻は14時、創立祭はまだ終わっていないが、手伝いを早めに終わらせたしおりは同級生の友達とカラオケに行こうとしていたようだ。

 

 もちろん、同級生に断りを入れてヒカルを取るのが藤崎しおりというお姉さんだ。

 同級生たちからは、親友より男か!とか、あれ妹さんの恋人じゃないの?それ取ろうとしてるとか鬼畜すぎ!とか、しおりってショタコンだったんだ、とか散々からかわれながらも笑ってそれを流してしまうのだから女の子のメンタルは凄いと感心してしまうヒカルである。

 まぁあかりは頬を引きつらせて俯いてしまっているのでしおりさんが特別なのかもしれないが。

 

 ヒカル君ちってご両親いるんでしょ?だったらうちに来ない?うちの両親出かけてるから大きな声だして遊んでも大丈夫よ。あれよあれよと行先があかりんちへと変更されてしまった。

 あかりと囲碁が出来ないのは残念だが、それ以上にしおりさんとセックス出来そうな雰囲気に股間はもう臨戦態勢になってしまっている。

 あかりの部屋に通され、交代でシャワーを浴びる。あかりの部屋にヒカルの歯ブラシと下着があるのが彼らの爛れた生活を表していよう。

 最初にしおりさん、次にヒカルがシャワーを浴びたので、今はあかりがシャワーを浴びに行っている。

 

「ふっふっふ~、ヒカル君と二人きりになれた。じゃあ始めよっか!」

 

「……あかりに散々先に始めるなって言われたじゃないですか」

 

「おや?この子は早くしたいって言っているけど」

 

 しおりさんはヒカルからバスタオルをひん剥くと、ヒカルの勃起したペニスに話しかけてくる。ヒカルはベッドに腰かけて座り直す。しおりさんはカーペットに女の子座りする。しおりさんの顔の前にはヒカルのペニスが晒される。

 バスタオル越しでもわかる胸のふくらみにヒカルは目を奪われる。ペニスがさらに膨れ上がる。

 

「あいかわらず、顔に似合わず凶悪だなぁ、君は」

 

 ちょんちょんと、しおりさんがヒカルのペニスを弄ぶ。しおりさんの吐息がペニスにかかって、くすぐったい。

 

「舐めて、しおりさん!」

 

 ヒカルは我慢出来ずにしおりさんに懇願する。

 

「仕方ないなぁ~、ヒカル君がどうしてもっていうなら舐めてあげるよ?」

 

 人のちんこを、ふ~ふ~しながら焦らすしおりさんはエスだろう。ヒカルもエスだがそんなことは言っていられない。

 

 ――後で絶対泣かす!

 

 ヒカルは心に誓う。ヒカルは顔を赤らめながらお願いする。

 

「お願いします、しおりさん。しおりさんにどうしても舐めてもらいたいです」

 

「了~解! あぐん、べろ、ん、べろべろっ……んっ、んはぁ、ぺちゃぺちゃ……」

 

 レロレロとヒカルのペニスを楽しそうに舐めるしおりさん。

 年上の美少女を傅かせ、奉仕させる喜びにヒカルの肉棒ははち切れんばかりに大きくなっている。

 溢れだしてきたカウパーもすぐに舐めとってしまうしおりさん。優しくしおりさんの頭を撫でる。

 

「ん~、ヒカル君の愛液美味しい、ぺちゃぺちゃ、んふぁ……ふふっ、食べて欲しい?」

 

 心を見透かしたようにしおりさんが、口付けを止めて、上目使いでこちらにお伺いを立ててくる。

 あかりに似た顔立ちながら、よりシャープな顔の輪郭とつり目がしおりさんの気の強さを表しているようだ。今はその目をらんらんと輝かせてヒカルを凝視してくる。

 

「食べて欲しいよ!でも一緒に気持ち良くなりたい……しおりさん、シックスナインしよ?」

 

 このままだとやられっぱなしで終わる。それはまずいとヒカルは流れを変えようとする。腰かけていたベッドから降り、そのまましおりさんに抱きつきながらお願いする。

 ぎゅっと抱きつくとあかりとは違うやわらかさがバスタオル越しから伝わってくる。そのまま形の良い耳を舐める。耳たぶを食み、耳全体を口に含む。舌で耳をべちゃべちゃ舐めまくる。耳はしおりさんの弱点だ。

 

「あっ……んはぁああっ!わかったから、耳舐めるのダメ……んはあ、んっ、わかったから、くすぐったいよ、んああ、んぁ」

 

「ありがとう、しおりさん!」

 

 耳を舐めるのを止め、今度は唇に吸い付く。しおりさんも舌を合わせてくる。お互いの口内を舌が行き来する。溜まった唾液をしおりさんに流し込む。それをまた返される。

 

「……んっちゅぷっ……ぷちゅうんんあ、ぺちゃぺちゃ……はぁはぁ、んあぁ」

 

 唾液が糸を引いてカーペットに落ちる。

 

 しおりさんのバスタオルを脱がして放り投げる。たわわに実った胸を一揉みした後、ベッドに抱き合ったまま倒れこむ。ヒカルが下になり、しおりさんがヒカルの上でくるっと回転する。しおりさんのマンコがヒカルの目の前に来る。むしゃぶりつくように舌を伸ばす。

 

「ふぅう、あぁ、ああんっ……ひぃっ、っちょ、ちょっと!激しすぎるよヒカル君!んなっ、ぁんんあぁ……」

 

 大きな口を開けて小陰唇から膣口までを吸い尽くすように舐めしゃぶる。舌を大きく出し、膣壁をなぶる。手前のひだのところを重点的に舐める。しおりさんの弱点その2だ。

 愛液が大量に出て顔を汚すが気にしない。しょっぱくて不思議な味が、さらに興奮を高める。止まっていたフェラチオをしおりさんが再開した。口の中に肉棒が吸い込まれたのがわかる。どろどろに溶けた熱い何かに肉棒が包まれる。舌がエラを這うのがわかる。まずい、負けてられない。本来なら、優しくするところだが、ここで主導権を取らないと負ける。それはよくない。膣内に入れていた舌をクリトリス包皮に当てる。そこで、優しく、容赦なく、レロレロと高速で舐めしゃぶる。

 

「べろちゅぱっ、んあぁっ!……ぷはぁ……んあぁあああああ!……ちょっと待って、それダメぇ!!!」

 

 しおりさんが口から肉棒を吐き出して悶える。もちろん止めない。さらに今度はクリトリスを剥いて吸い付く。強すぎないように唾液をいっぱいにして舌でクリトリスをころがしながら、舐めしゃぶる。

 

「ひぃああああああああああっ……んぁ、あんんん、んふぁあああ!!!」

 

 力尽きたようにしおりさんが支えを失ってヒカルに圧し掛かってくる。勝ったと言う達成感と、やり場のない下半身のうずきで悶える。しおりさんの下から抜け出し、息も絶え絶えで動けないしおりさんを後ろから犯す為に腰に手を入れ、お尻を上げさせる。厭らしく愛液で濡れたしおりさんの膣口にバキバキになった肉棒を押し当てる。

 

「ちょっとぉ!何してるの!」

 

 タイミング悪くあかりが風呂場から上がってきた。だがここまで来たら止まれない。あかりの前で姉のしおりさんに挿入する。しおりさんの膣内はあかりと同じようにぎゅうぎゅうとヒカルの肉棒を擦りあげてくる。脱力していたしおりさんに力が戻る。これまで散々セックスして、ヒカルの肉棒専用にカスタマイズされた膣壁は最高の気持ち良さをヒカルに与える。それはしおりさんにも当てはまるのだろうか?しおりさんが喘ぐ。

 ちんぽが溶けてしまいそうだ。気持ちいい。

 

「んあっ!!ああぁぁん……ふぁっ、ひぁっ……んんんふぅぅんん」

 

「あかり、こっちおいで?」

 

 ヒカルは腰を振るのを止めずにあかりを呼ぶ。しぶしぶとやってくるあかり。ベッドサイドに立ったあかりに口付けをする。

 

「んちゅううっ、んぐっ、べちゃべちゃっ……んふぅふ、ぶちゅうう、んちゅっ、んっんんんん」

 

 あかりの口内を堪能する。腰を振るスピードがどうしてもゆっくりになってしまうので、それならばと、ストロークをじぐざぐにめいいっぱいしながら、しおりさんの子宮口までペニスを押し入れる。

 

「あっ!!あっ!!あっ!!ヒカル君それいい、いいよぉ~ああん」

「べちゃ、んちゅっ、んんっ、んんん……ふぁ、はあはあ……ヒカルの口からお姉ちゃんの味がする。ヒカルぅ、私も欲しいよぉ」

 

 姉妹が同時に喘ぐ様は淫靡で美しい。室内に充満した性臭と姉妹の甘い香りがヒカルをますます興奮させる。

 

 しおりさんに挿入したまま、あかりに前戯をしていく。片手しか使えないのでつらいが、クリトリスを手の土手で優しく刺激しながら膣口へ指を入れる。手が小さなヒカルにはなかなか厳しいが気合で頑張る。既にあかりのマンコは愛液で溢れかえっている。

 

「んぁああ、んんぁ、ヒカルぅキスして」

 

 もう一度あかりに口付けをする。しおりさんの熱い膣中がヒカルの肉棒をぎゅうぎゅうと刺激してくる。口内はあかりの熱い舌が這いずる。気持ちよすぎる。もう我慢出来ない。

 一旦、あかりの前戯を止めてしおりさんに集中する。優しく、そして激しく、しおりさんを責め立てるように膣壁を擦りあげながら、奥を突く。

 

「……もう射精う。しおりさん、今日は大丈夫な日?」

 

「んんあっ!!ひぃんっ!!んあああ、いいよ、膣内に射精ていいから!!お願いもうダメなの!!イキすぎてつらいのぉ!!」

 

「ヒカルぅ、止めないでよぉ」

 

「射精すよ」

 

 ヒカルはしおりさんの子宮へドクドクと大量の精液を流し込む。興奮しすぎたせいか、あまりに多くの精液が射精た。しおりさんの淫壺はヒカルの精液を全部吸い出すようにざわざわと蠢き、締め付けてくる。萎える暇なくしおりさんの膣中で肉棒が大きくなる。

 

「へあ、あふあ……あん、んんんふぁああああ……へふ」

 

 しおりさんも子宮射精で同時にいけたようだ。ベッドに顔をうずめてぴくぴくと震えている。肉棒への締め付けが弱くなる。肉棒を引き抜くとごぼりと精液が零れ出る。

 

「ほら、あかり、入れるからベッドに手をついておしりを突き出して?」

 

「うんっ!早く頂戴!ヒカル!」

 

 ヒカルはベッドから降り、あかりをバックから犯す。しおりさんの愛液と精液で白く泡立った肉棒を妹のあかりに挿入するかと思うと背徳感が増して興奮する。

 

「きたぁ!!ヒカルのおっきいの来たよ!!これは私のなんだからぁ、ああん、あっひぁああああああああ!!」

 

 ぎゅうぎゅうとあかりの幼いマンコがヒカルのペニスを締め付ける。射精直後で敏感なペニスには酷な刺激がヒカルを襲うがそれを耐えてあかりを犯していく。

 

「いいよぉ、ヒカルぅ……大好き、私のヒカル……あっ!あっ!あっ、ああああああぁああんんんぁあああああ!!!」

 

 姉の痴態を見て高まっていたのだろう、あかりはあっさりと絶頂してしまう。ヒカルもそれに合わせてあかりの子宮へと射精する。

 

 ふぅ、姉妹丼最高だぜ!あかりの膣内に萎んだペニスを入れたままヒカルは目を閉じて愉悦に浸る。

 

「じゃあ、次は私の番ね!ヒカル君」

 

 

 

 もちろん、わかっていたさ。だから、目を閉じて現実逃避しているんだ。あ~、あかりの体温って高いな、後ろからあかりに抱きついたまま薄い胸を揉む。乳首がこりこりしている。あかりから香る女の匂いに股間が反応する。やべっ、あかりの膣内でまた勃起してしまった。

 

 これはまずい。

 

 ヒカルは絶倫だ。あと、二回くらいなら問題なく出来る。でも、絶対にこの姉妹はそれで満足してくれないだろう。片方を満足させている間にもう片方が復活する。片方の痴態を見たもう片方が発情する。その繰り返しになるのは過去の記憶からも明白だ。

 

 なぜ、3Pなんて受け入れたのかと1時間前の自分を蹴飛ばしたくなる。

 

 もう一人のヒカルが反論してくる。

 

 ――だって、気持ちいいし。

 

 うん、仕方ないな。やってやる。手がないわけではないのだ。

 

 そう、二人同時に満足させればいいんだ!!

 

 ヒカルは己を鼓舞して絶望の戦いにその身を投じるのであった。

 

「まずは、二人で一緒にペニスを舐めてくれる?」

 

 ヒカルはベッドに腰掛け足を開き、復活した肉棒を美人姉妹の前に差し出す。しおりさんはすぐにヒカルの肉棒にむしゃぶりつく。鬼頭を口に含み、裏スジを舌で舐める。あかりも遅れてヒカルの肉棒に顔を寄せる。しおりさんにポジションを占拠されて、残念そうな表情をするが、下から玉の部分を口に含んでちゅぱちゅぱする。

 

「すっげー気持ちいいよ。そうだ、ハーモニカフェラしてよ。それなら二人一緒に出来るから」

 

二人の頭を撫でながら、お願いする。

 

「わかったわ、あかり、そっち側に行って、それじゃあ、ヒカル君、私の口を楽しんでね」

「ヒカルは私の口を楽しむんだよね?」

 

「うん、しおりさんお願い。あかりも頑張って頼むな」

 

 ヒカルの肉棒を挟んで、しおりさんとあかりがヒカルの鬼頭を舐める。二枚の舌はエラを舐めたり、裏スジを舐めたり、竿を舐めたりと異なった動きでヒカルに最高の快楽を与える。幼い美少女と、その美少女によく似た姉のダブルフェラはヴィジュアルとしても最高の興奮をヒカルにもたらす。

 

「れろれろ、んぴちゃっ、ちゅっ!んちゅうう、ちゅっちゅっ」

「ぴちゃ、れろっ、んじゅんじゅ、ちゅう、じゅぞっんんちゅうう」

 

 極め付けは二人が同時に大きく口を開き唇で竿を挟み前後運動をしながら、舌を動かしてきた時だ。さすがのヒカルも我慢が出来ない気持ちよさだ。互いの唇と舌が当っては離れ、当たっては離れる。ヒカルの肉棒に夢中になっている二人は酷く淫靡で美しかった。

 

「射精すよ」

 

 間髪入れずにヒカルは二人の顔に射精する。真っ白なシャワーを浴びた二人は嬉しそうに笑う。

 

「あかりの精液とってあげる」

「お、お姉ちゃん、ん、んんん」

 

 美しい姉妹は互いの顔を舐めあう。しおりさんは確実に俺のことを意識してやってるなぁと、ヒカルは心の中ではしおりさんの思う壺になるのは嫌だと思うが、姉妹の美しいレズ風景はそんなヒカルの理性などあっさりと焼切る。

 

 ヒカルは獣のように二人に襲い掛かる。ぷるりと張りのある美しい尻を二つ並べて、交互に挿入する。姉妹の膣内の感覚の違いを存分に楽しむ。挿入していない膣内には指を使って、存分に快楽を与える。

 

「んっ、んっ、んっ、あぁん、ヒカル君のちんぽ気持ちいいよぉ~」

「ヒカルぅ、いいよ、あんっ、あん、んんっ、気持ちいいよぉ~」

 

 姉妹の嬌声が部屋にこだまする。辺りに漂う淫靡な匂いが欲情を掻き立てる。汗だくになりながら三人は絡みあい続ける。

 

 

 

 

 

 姉妹を徹底的に犯し抜いたヒカルは、敗北の二文字を胸に刻んで、家路につくことになった。

 

 

 

 



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05 「囲碁大会と塔矢」

 本因坊秀策全集を閉じる。その表紙を撫でながら、傍らのマグネット碁盤に棋譜を並べていく。

 400譜ほどの棋譜は既に覚えた。藤原佐為がどう考え、その一手を打ったのかが、わかるようになってきた。

 佐為の成長の軌跡を追うことで佐為の思考の変化が詳細にわかるようになった。ああ、本当におまえはすごかったんだな。

 

 それはヒカルの絶望を刺激してやまない。

 

 

 一手一手、碁石を置いていく。

 本因坊秀和の堅実な棋風に追いつかんと打つ迫力の碁、その緊迫はいかほどであったのだろうか。

 

 一手一手、碁石を置いていく。

 太田雄蔵との30番勝負、一進一退の身命を削った戦い。雄蔵の名誉と維持のジゴ、これほどの手を打ち合うことが出来た佐為の喜びが伝わってくる。

 

 

 佐為の苦しみ、足掻き、苦悩しながら最善の一手を探す喜び、全てが盤上から伝わってくる。佐為に打たせてやればよかった。神の一手を目指さんとする佐為の軌跡を追うごとにヒカルの後悔が募る。

 

 ああっ、だけどもう佐為はいない。俺に出来ることはもう一つしかない。佐為として打ち、神の一手を極める。そして、碁の神様を倒す。もうそれしかない。

 

 

 

 

「ヒカル、本当に大丈夫?」

「へーき」

 

 海王中で行われている囲碁大会、初戦、2戦目とヒカルは三将として危なげなく勝ちを拾った。加賀も勝った為、葉瀬中囲碁部は決勝戦まで駒を進めることが出来た。

 だが、ヒカルは疲労困憊であった。どんな碁でも極度の集中を求められる現状のヒカルには連戦はまだ無理があるのかもしれない。

 だけど、そんなこと言ってられねー、碁打ちが1日1回しか打てねーとか笑い話にもならねー。慣れていくしかないんだ。ヒカルは覚悟を決めていた。

 

 それでもふっくらしていた頬はこけ、顔色も青白くなってしまっているヒカルにあかりは心配でどうにかなりそうであった。それは加賀や筒井も一緒であったが、どんなに言ってもへーきとしか言わないヒカルに匙を投げていた。

 

「それでは、男子決勝、海王中対葉瀬中、開始してください」

 

 

 

 

 塔矢アキラは海王中の校長室にいた。4月から海王中に進学するにあたり、挨拶をしに来たのだ。面倒でも、父の後援会関係への挨拶は義務であると自分を納得させ、笑顔を作りながら校長と話をする。

 それが終わり、帰りがけに今校内でやっている囲碁大会を見て欲しいと校長に誘われる。断れずに見に行くことになる。

 海王の囲碁部には入らないつもりのアキラとしては、あまり囲碁部には近づきたくないのだが、仕方がない。

 

 パチリパチリと音が聞こえてくる。人垣の中で打つ三組、校長に勧められ、一番手前の碁盤を覗く。

 それを見てアキラは思わず、顔を顰める。あまりに酷い碁であった。序盤の布石がぼろぼろで何がしたいのかわからない。

 ただの素人が石を置いただけのような有様。どういうことだと、顔を上げて打ち手を見る。

 そこにいたのは顔を青ざめさせ、目が虚ろになった状態の少年。白石を置く手が震えて定まらない。震える手を何とか対局時計まで伸ばし、時間を止める。

 

 これは、打てる状態じゃない。この小さな打ち手はあまりに酷い体調のようだ。止めさせるべきだ。

 大会運営の先生もそれに気づいたようで、保健室に行きましょうと話しかける。でも、この打ち手はへーきというだけで、止めようとしない。

 

 ふと、こちらと視線が合う。

 すると、大きな目をさらに広げて驚いた顔をする少年。そして、少年は何かを覚悟した顔をする。その様はあまりに真剣で思わず息を飲むほどであった。

 

 前髪が金髪の少年は大きな目を細めると呼吸を忘れたかのように碁盤を見つめる。

 それからの展開は予想だにしないものとなる。白番の少年の怒涛の攻撃、荒らし、乱戦へと持っていったと誰もが、そうアキラも思ったその後の、下辺全てを切り取ってしまう会心の一手。

 そう、最初から狙いは乱戦ではなかったのだ。この下辺への踏み込みの準備をカモフラージュする為の荒らし、その後のシノギとあまりの打ち回しにアキラは茫然と盤上を見つめる。

 勝負は決した。海王の生徒に悪手はなかった。厚みを活かして丁寧に打てば勝てる碁であった。アキラであってもひっくりかえせなかっただろう、そこまで進んだ碁、それをこの少年は!!

 

 

「ありません」

 

 海王の生徒が負けを認める。それを確認し、気が緩んだのか少年がパイプ椅子に座ったまま頽れるように倒れこむ。アキラはそれを慌てて支える。隣で見ていたセーラー服の少女もヒカル、と悲鳴を上げながら手を出してくる。

 

「意識がない!」「保健室へ!」

 

 会場が騒然となる中、ヒカルと呼ばれた少年は保健室へ運ばれていく。

 

 他の対局も既に終わっていたようで、葉瀬中の勝利が言い渡される。そこに保健室へ運ばれた少年、進藤ヒカルが実は小学生だという事実がギャラリーから発せられ、さらに場は騒然となる。

 

 

 アキラは葉瀬中の生徒が謝っているのを聞きながら、黙考していた。あの攻めをどうすればかわせるか、頭の中でシミュレートしていたのだ。そして、ふと我に返り、あの少年、進藤ヒカルと打ちたいという思いが猛烈に湧き上がってくる。

 急いで保健室へ向かう。途中で保健室の場所を生徒に聞きながら早足で向かう。

 

 

 

 

「ヒカル、本当に大丈夫?」

 

「うん、へーき。あかり、ごめんな、心配かけた」

 

 保健室のベット脇で涙ぐむ少女の頭を撫でているヒカルにアキラは声を掛けるのを躊躇する。そのアキラを助ける為ではないだろうが、養護教諭から、いちゃいちゃしないで、安静にしなさいと声が飛ぶ。アキラは当たり障りない言葉を掛ける。

 

「あの、もう調子は大丈夫なのかい?」

 

「……塔矢」

 

「あれ、僕のこと知ってるの?」

 

「……あ~、まぁお前囲碁界じゃ有名だぞ?親父さんのがもっと有名だけどな」

 

「それは、父と比べられても困るけど。そうだ、僕も囲碁をやっているんだけど、君のさっきの対局を見てね。ぜひ、僕とも対局して欲しいとここに来たんだ。もちろん、君の体調がよくなってからだよ。お願い出来ないかな?」

 

「ほんとか!こっちこそお願いするよ。俺、この前塔矢と対局したくて、名人の碁会所に行ったんだぜ?でも塔矢居なかったから対局出来なくてさ」

 

「それは悪いことしちゃったみたいだね」

 

「あ~、でも代わりに緒方センセに打ってもらえたから悪くはなかったんだけどな」

 

「緒方さんと打ったの?どんな対局だったか知りたいな。検討させてくれないかな」

 

「あ~、それがあんまり覚えてないんだ。そん時もちょっと調子が悪くなっちゃってさ。すっげー大負けしたことくらいしか覚えてねーわ、はははっ」

 

「そうなのか、じゃあ、体調がよくなったら連絡をくれないか。これ僕の連絡先だから。よくなったら碁会所で打とう」

 

「お前、小学生なのに名刺なんて持ってんだ、すげーな。後、出来れば別の場所で打たないか?俺、金欠でさ、席料払えねーんだよね」

 

「はははっ、お金は大丈夫だよ。父が経営している碁会所だから、お願いすればタダにしてもらえるから」

 

「う~ん、そっか、なんか悪いな!じゃあ、明後日でどう?ただの疲労だから一日寝てれば治るからさ。塔矢とはすぐに打ちたいんだ俺!」

 

「君がいいなら、そうだな、明後日の16時に碁会所でよいかい?」

 

「もちろん、楽しみにしてるぜ!」

 

「僕も楽しみだ、じゃあ、あんまり話してると彼女に悪いから僕はもう行くね」

 

「おお~またな」

 

「また」

 

 

 すごい視線を進藤ヒカルの隣に座っていた女の子から感じて、さすがに居づらくなってしまった。でも、アキラはかなり満足していた。同い年の少年とこんなに気安く喋ったのは初めてだった。囲碁という共通の話題と、進藤ヒカルの気安い雰囲気のおかげだろう。

 進藤ヒカルがどれほどの実力なのか、楽しみで仕方ない。明後日が待ち遠しい。

 

 

 

 夜、食卓で進藤ヒカルの話をお父さんにしたら、その棋譜が見たいと言われた。また、お父さんから衝撃の事実を教えられた。

 緒方さんが先週の木曜の勉強会に進藤ヒカルを呼んでいたのだそうだ。でも、進藤は来ず、緒方さんが相当怒っていたと言う。

 確かにあの日の勉強会で緒方さんは機嫌が悪かったと思い出しながらアキラは、進藤君は体調が悪かったそうですから、それで来れなかったのでしょう、とヒカルの代わりに言い訳をする羽目になった。来ないなら来ないで連絡をしない時点でアウトなので苦しい言い訳だけれども。

 お母さんは、アキラさんから同い年の子の話が聞けて楽しいと言われてしまった。今度、その子をうちに連れてらっしゃいとまで言ってくるお母さんに、友達がいなくてすみません、と謝りたくなってしまった。

 進藤はとんだ藪蛇だったのかもしれないと苦笑いを噛み殺す。

 

 

「お父さん、緒方さんと進藤ヒカル君との対局を緒方さんから見せてもらいましたか?」

 

「ああ、すばらしい一局だった」

 

「では、その対局を見せてもらえますか」

 

「そうだな、この後、今日の進藤君の対局を見せてもらう前にその一局の検討をしよう」

 

「ありがとうございます」

 

「ああ」

 

「ほら、あなたたち、だったらお話してないで、ごはんを食べてくださいな」

 

「はい」

 

「うむ」

 

 いつになく和やかな食事がヒカルのおかげ?で塔矢家に訪れたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 葉瀬中囲碁部(二名部外者)の大会の結果は、失格という形で幕を閉じた。それでも、筒井さんは楽しかったと大喜びし、加賀も皮肉げな笑みを浮かべながらも楽しそうにしていた。

 ヒカルの体調を心配していた筒井さんと加賀に別れを告げ、あかりと家路につく。日曜の夕方、木枯らしが吹く中、あかりと寄り添いながら歩く。

 

「ヒカル本当に大丈夫?」

 

「へーき。……それもう10回目の質問なんだけど」

 

「ヒカルのへーきは今日だけで20回は聞いてるよ。でも全然平気じゃないじゃない!」

 

「……ごめん、あかり」

 

「ううん」

 

「ありがとう」

 

 あかりに感謝して、その小さな手を握る。あかりが握り返してくる。すこし、気分がよくなる。

 

「そういえば、あかり。そのセーラー服にスクールコートってしおりさんの?」

 

「うん、海王中に行くのに私服じゃ目立つと思って借りたの、かなりぶかぶかでずり落ちそうになって大変」

 

「そっか。似合ってるよ、あかり」

 

「本当?」

 

 立ち止まってあかりを見る。あかりの方が身長が高いので少し見上げる形になる。あかりは笑顔だ、夕日に照らされたその顔は綺麗で、ヒカルは思わず見惚れてしまう。

 

「よし、あかり、寄り道しよう!」

 

 むらむらしたヒカルは即決で、あかりを犯すことに決める。ヒカルはあかりを引っ張っていく。

 

「っちょ、ちょっと、ヒカル、どこ行くの?」

 

 目的の場所にすぐ、たどり着く。家の近所にある比較的大きな公園。この時間なら人はいないだろうと思ったが案の定、公園に人影はない。

 

 公園の奥の遊歩道、その脇の植え込みに入っていく。大きな木の後ろに小さなスペースがある。子供の頃、かんけりをした時に隠れるのに使った場所で、周囲から死角になっているのだ。

 

「しよう、あかり」

 

 抱きつきながら、あかりの目を覗きこみ、端的に言う。ヒカル疲れてるのにダメだよ。ここ外だよ、ヒカル。ヒカルの家ですればいいじゃん、寒いよ。あかりは早口で否定してくるが、何も言わずにじっと抱きついたまま、あかりを見つめ続ける。

 

「一回だけだよ?」

 

「うん、あかり、大好きだよ」

 

 辺りは薄暗い。街路灯の灯りがわずかに回り込んで差し込みヒカルたちを照らす。あかりのスクールコートを脱がし、樹の枝にかける。

 

「あかり、ちょっとくるっと一回転してみて」

 

「はいはい」

 

 あかりが、一回転する。ふわりとスカートと上着が膨らむ。おお~。前世では散々見飽きたあかりのセーラー服だが、こういう状況で見るとまた違って見える。エロい。ぶかぶかのセーラー服を着ている様は、女の子から、女へと成長する途中を象徴しているようだ。

 その少女を犯すと思うと背徳感が増す。抱きついて、顔を寄せる。あかりも静かに目を閉じてこちらに顔を寄せてくる。

 

「ぷちゅっ!んっ、んちゅっ、ちゅば……ん、っちゅぱちゅぱ……んんふぁあ」

 

 貪るようなディープキス。あかりの熱い口内を堪能する。舌を絡めあう。そのまま、あかりの舌をヒカルの口内へ引き入れる。あかりの舌を唇で抑え込み、フェラのように唇でしごく。舌の先端を高速でレロレロと嘗め回す。

 

「んちゅっ、ちゅばっ!ちゅばっ!ぶちゅうううううう、ふんぁんんんっちゅうううう」

 

 セーラー服の下から手を入れ、ブラをずらす。そのまま胸を揉む。乳頭を高速で振動させる。

 

「ちゅぱっ、んちゅっ!ちゅううんぁん、ふあああああんんんぁ、あああ」

 

 あかりの股間部分をスカート越しに腿でぐりぐりと刺激する。

 

「ひぁっ、んちゅうう、べちゃべちゃ、れろっ……んっんっんっ、んんんんんんんん」

 

 涎が垂れ、セーラー服にかかる。胸を揉むのに乱雑に扱われたセーラー服に皺が出来る。スカートにあかりの愛液が染みて色が変わる。

 

「ぷはっ、はぁっ、はぁっ、はぁ、ヒカル、激しいよぉ、はぁあああんんん、ひゃあっ」

 

 スカートの中に手を突っ込みパンツを脱がす。片足を持ち上げ、そのまま、あかりの膣中に肉棒を挿入する。

 

「ああっ、きた!あああん、んんん、ふああ」

 

「気持ちいい?」

 

「んぁっ、んんん、気持ちいいよヒカルぅ……んんんっ」

 

「誰か、来たみたい。ばれたらどうする?」

 

「んぁあっ、えっ、えっ、ヒカル止めて止めて、んんんっああ、んあはぁ」

 

「声我慢すれば大丈夫だよ」

 

 ヒカルは抽送を早める。ぐっちゃぐっちゃと接続部分から卑猥な音が漏れる。顔を真っ赤にしながら必至にヒカルに抱きつき声を我慢するあかり。

 

「んんん……ふぅ……んん……ふぅぅ…………んん」

 

 こうなると声を上げさせたくなるのは仕方ないだろう。挿入したまま、足を入れ替え、立バックに移る。木の幹に手を突かせ、スカートを捲る。真っ白なお尻を見ながらヒカルはあかりの膣奥を激しく突く。

 

「んんんんんんんっ、ふっ、ふっっふゥんンん……」

 

「もう立ち去ったみたい。声出して大丈夫だよ、あかり」

 

「んあっ!あっ!あっ!はぁっ、はぁっ、はぁっ、ふあぁぁあああああああ、いっぐうぅんんんんんんんんんん」

 

 声を我慢していたせいか、あかりはすぐにいってしまった。強烈な締め付けがヒカルの肉棒を襲うが、一緒にいきそこなう。

 

 あかりの淫壺から肉棒を抜く。あかりを後ろから抱きしめる。ふぅふぅと息を整えるあかりの胸を後ろから揉みながら、落ち着くのを待つ。

 

「もう大丈夫、ごめんね、ヒカル」

 

「気にすんなって、俺も悪かったし、あかり、フェラで抜いてくれる?」

 

「わかった」

 

 あかりが地面に膝を付きヒカルの肉棒を口に含む。

 

「んじゅっ、づちゅっ、ちゅぷっ、っちゅっちゅ、んじゅうううううううう」

 

「あかり、すっげーいいよ」

 

 あかりは一生懸命肉棒を含んだまま頭を前後する。舌をペニスに巻き付け、その柔らかな唇でヒカルの肉棒を擦る。そして思いっきり吸い尽くすようにバキュームする。睾丸を手で優しくさすってくる。これにはヒカルも堪らない。

 

「あかり、射精る!!」

 

「んんっ、ぷはっ、飲んであげる……れろっ、んじゅっ、んじゅっ、じゅぞおおおおおっ、ごくごく、んんん、はぁはぁはぁ」

 

「ありがとう、あかり」

 

「ん~ん、どういたしまして」

 

 

「んじゃ、帰るか」

 

「ああっ、どうしよう、お姉ちゃんの制服、ぐちゃぐちゃだよ!」

 

「どれどれ、うわぁ、これはひでーな」

 

「どうしようヒカル?」

 

「ん~まぁ、ファブリーズして、返すしかないんじゃない?とにかくこの匂いはまずいだろ。後は……謝ろう」

 

「ん~、はぁ、またお姉ちゃんに無理なお願い言われそう」

 

「あははっ、頑張れあかり」

 

 もう、無理なお願いされるのはヒカルなのに、というあかりの囁き声はヒカルに届かなかった。聞こえたところでヒカルの運命は変わらないのだが……。

 

 

 

 

 

 

 



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06 「対局と勝利と奪われる心」

 

「いらっしゃいませ~」

 

 碁会所の受付に座っている市河さんに挨拶する。

 市河さんはまだ20代半ばと若くて綺麗な女性だ。ショートの髪をブラウンに染めて、きっちり化粧をしている。

 エプロンを押し上げる胸がちょっとエロいな~と考えながら、微笑む。

 

「こんにちは~、えーと、塔矢と約束している進藤ヒカルって言います」

 

「ああ、進藤君ね、アキラ君から話は聞いてるわよ。アキラ君はまだ来てないけど、席で待っててくれるかしら。そっちの女の子は見学?」

 

「そうです、藤崎あかりって言います。」

 

 あかりがお辞儀する。奥の席へ案内する市河にヒカルはお礼を言う。

 

「あの、お金のことありがとうございます。なんか、すみません」

 

「いいのよ~、それにアキラ君からお願いされちゃったら断れないもの。きゃっ」

 

「あはは、でもお姉さんみたいな美人さんと仲がいいって、塔矢が羨ましいなぁ」

 

「もう、何言ってるのよ。煽てても何もないわよ。それに、進藤君だって可愛い彼女連れちゃってるくせに」

 

「あはははっ、ありがとうございます」

 

 顔を真っ赤にするあかりの手を引っ張って席につく。

 あかりはヒカルの横に椅子を寄せて座る。市河さんがサービスでオレンジジュースを持ってきてくれたので、それを飲みながら塔矢を待つ。

 

 

「ヒカル、本当にもう体調は大丈夫なの?」

 

「うん、へーき。心配かけてごめんな、あかり」

 

「塔矢が来るまで簡単な詰碁をしようか、んじゃ、まずはこの黒石を殺してみて」

 

 ヒカルはとんとんとん、と碁石を並べながらあかりに言う。

 

「う~、う~ん」

 

「ちょっと、難しいかもしれないけど、頭の中で何度も試行錯誤してみるといいよ。そうするといつか答えに辿り着けるから」

 

「あっ、ここに置いてから、こう、そしたらこうだ」

 

「おお~、正解!あかりはもうプロ級だ」

 

 頭を撫でてやるともお~と照れるあかり。からんころんと、ドアが開いて塔矢を迎える市河さんの声が聞こえてくる。

 

「待たせてしまったみたいでごめん」

 

「全然!あ~あと、こいつ、藤崎あかり、観戦させるんで連れてきたんだ。いいかな」

 

「もちろん!塔矢アキラです、よろしく藤崎さん。それじゃあ、互先でいいかな」

 

「ああ、じゃあ、握ってくれ。うん、俺が後手番だな。よろしくお願いします」

 

「よろしくお願いします」

 

 

 塔矢との初めての対局は進藤ヒカルの原点だ。そしてそれはヒカルと佐為を結び付けた最も大事な一局でもある。

 佐為はここから現代の布石や構想、手筋を学んでいったのだ。佐為が現代に蘇って打った初めての対戦相手、そしてヒカルの目標であった塔矢との初対局、それをヒカルは過去に戻ってもう一度打つことになった。

 感慨深い。そして、佐為として打つヒカルの出発点として最も相応しい対戦相手が塔矢だとヒカルは考えていた。

 

 佐為になりきる。佐為ならどう打つか、それだけを考える。白と黒だけの世界へ没入する。

 相手の黒石は何を考えている。佐為はどう切り返す。中国流できた塔矢に裏ガカリで妨害する。佐為ならどう模様を作っていく。佐為なら、佐為なら、佐為なら、ああ頭が沸騰しそうだ。なぜ佐為ならそう打つのか、本当に佐為ならそう打つのか。おまえは誰だ?佐為なら、佐為なら、佐為なら。

 中央の連絡を邪魔する塔矢の一手。佐為は笑った。そう、相手を罠に誘い込めたと己の碁を誇るように。佐為なら、佐為なら、ここで一気に左辺を潰す。中央で手数を掛けさせた代償がここで生きてくるのだ。黒に生きはない。

 

 佐為なら、佐為なら、佐為なら……ああ、これが囲碁の苦しみなのか。窒息しそうだ。

 

 

 

「ありません」

「……ありがとございました」

 

 小学6年の塔矢に勝った。ヒカルは14歳から逆行しているのだから、その部分で有利であったのは確かだ。だが、それ以上にこの碁は新生佐為として塔矢に勝てたことが重要なのだ。

 頭痛が酷い。神経が焼き切れるような痛みを訴えてくるが唇を噛むことで意識を何とか保つ。

 盤面を見る。

 美しい碁だった。黒の主張を咎めるのではなく、その主張を利用して勝ってみせる。藤原佐為の碁と言えるかもしれない碁が打てた。その喜びが胸を打つ。

 いや、まだまだだ。佐為はこんなもんじゃねー。この碁は佐為の碁をスケールダウンしただけだ。でも、やっていけると確かな手ごたえを感じる。

 

「左辺のこのシノギがいけなかったのかな」

 

 ヒカルは朦朧とする意識の中で、中央の黒石を指す。

 

「ここは手抜きでよかったと思う」

 

「ああ、そこか、確かに固執すべきじゃなかった。先に飛ばれてしまったから、苦しくなった。敗着はそこかな」

 

「……かな」

 

「そうか、うん、この新手も素晴らしかった。僕の完敗だよ。ありがとう」

 

「いや、何とか勝てたけど、塔矢は強かったよ」

 

「そう言ってもらえると嬉しいな。また今度、打ってくれないか」

 

「もちろん、俺なんかでよければ」

 

「あ~あと、うちでやってる勉強会に来ないかい?」

 

「いいの、俺なんかが行って」

 

「もちろんだ。緒方さんも進藤君のことを誘ったらしいけど……覚えていないって顔だね。はぁ、まぁ今度の勉強会の時、緒方さんに謝った方がいいよ」

 

「よくわかんねーどけ、わかった」

 

「ははは、じゃあ木曜日にうちでやる勉強会に来てね。この前、渡した名刺に住所があるから、うちに16時に来て。その時また打とう」

 

「うん、今日はありがと、塔矢」

 

 塔矢にお辞儀して、あかりと連れ立って席を離れる。入口で市河さんにもう一度お礼とさよならを言って碁会所を出る。

 

 

 

 

「あかり、今日の対局どうだった?」

 

「どうって、言われても……私には囲碁のことはわかんないよ。でも、でもね、ヒカル……ヒカルは囲碁楽しい?今日のヒカルを見てたら私にはヒカルが囲碁を楽しんでるように見えなかった。辛そうな顔ばっかりで私は悲しくなっちゃった」

 

 変なこといってごめんね、そう続けながらあかりは下を向いてしまった。

 

 ――囲碁が楽しい?

 

 一局打つごとに泥沼に身体が沈んでいくような疲労を感じる。美しい碁が打てた今日でさえ対局中はこのまま狂うのかと思うほど頭が痛くなった。

 

 こんなに苦しいのに楽しいわけがない。あれ、そもそも囲碁の楽しさってなんだっけ。

 

 ――佐為は何で、あんなに囲碁を楽しそうに打ってたんだ?

 

 わからない。

 

 いや、神の一手を打つ為だ。悩む必要なんかない。打つ理由がある。楽しいかどうかなんて関係ないじゃないか。そうだ。果て無い囲碁の道を終わらせるのに楽しむなんて余裕は必要じゃない。

 

 もう、やるしかないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 昼休み、ヒカルはマツリと会っていた。この間のお礼がしたいと手紙で呼び出されたのだ。場所は屋上に出る扉の前の踊り場。屋上の扉は施錠されている為、普通の生徒はまったく立ち寄らない場所だ。

 

「ヒカル君、来てくれてありがとう」

 

 そう言ってマツリは嬉しそうに笑う。

 

「ん~ん、マツリに呼ばれて俺も嬉しかったよ。それにしても、今日のマツリはいつもより綺麗だね。大人っぽくて魅力的に見える」

 

「あ、ありがとう。この服ね、この前の赤木君とのデートで着たんだ。似合うかな?」

 

「うん、すっごく!化粧までしてあって可愛いよ。マツリに彼氏がいなかったら絶対に告白してるよ、俺」

 

 冗談めかしたヒカルの言葉に、マツリはもぉ~、ヒカル君は、と嬉しそうに笑う。

 

 実際にマツリの格好はお洒落であった。グリーンのトップスは白い襟がワンポイントになっていて、赤と黒のチェックフレアスカートに合っており、センスを感じる。唇にはうっすらと赤いリップが、頬にもうっすらとチークまで塗られている。ナチュラルメイクで、ショートボブのマツリをより可愛らしくしている。幼い美少女が精いっぱいおめかししている様にヒカルは見惚れる。

 

 階段の一番上に、ぴったりと寄り添うように並んで座る。マツリが手を伸ばしてきたので、その手を優しく包むように握る。

 

「アカギとは上手くいった?」

 

「うん!ぎくしゃくした感じがなくなったの!全部ヒカル君のおかげだよ!」

 

「そっか、よかった」

 

「デートしてね、それから、その、エッチなこともしたよ」

 

「そっかぁ、よかったよ……でもやっぱり、マツリが取られたみたいで俺ちょっとへこみそう。あははっ、元からマツリはアカギのものなのに何言ってんだろ。ごめん」

 

「……ううん、嬉しいよ。私もね、赤木君と会っている間、ずっとヒカル君のこと考えてたんだ。赤木君ね、この服装のこともお化粧のことも、何も言ってくれなかったの。ヒカル君なら、褒めてくれるだろうな~て思って、今日その格好してきたら、やっぱり褒めてくれた。手を繋いだ時もね、乱暴なくらい強く握られて痛かった。今のヒカル君みたいに優しく握ってくれなかったの」

 

「それから?」

 

 ヒカルは優しく尋ねる。

 

「それにね、エッチの時、胸を揉まれたんだけど、痛いだけで、ちっとも気持ちよくなくてね。その後、あそこをしっかり解してくれないのに、赤木君は入れてきたんだよ。あそこ、ほとんど濡れてなかったから、痛くなっちゃうと思ったけど、すんなり入ってね。何でだろうって思ってたら、赤木君すぐ射精して終わっちゃったの。あ、もちろん、ゴムしてしたからね。それで、その後、おちんちん見てみたらわかったんだけど、赤木君のおちんちんってすっごく小さかったんだ。ヒカル君の入った後だから、あの小ささなら、濡れてなくても痛くならなかったんだぁって納得しちゃった」

 

 マツリは悲しそうな顔でアカギとの情事を語った後、俯いてしまう。

 

「そっか……マツリ、ごめんな。俺がマツリの処女もらったりしたから、彼氏のことで悩んじゃってるんだな」

 

「ううん、ヒカル君のせいじゃないの!処女を奪ってってお願いしたのは私だし、それでヒカル君のことを好きになっちゃったのも私なんだもん。みんな私がいけないんだ」

 

「そんなことないよ、マツリは悪くない」

 

 マツリを抱き寄せ、キスをする。それを受け入れるマツリ。頭を優しく撫でながら、唇が触れるだけのキスを何度もする。遠くからお昼休みを楽しむ生徒たちの歓声が聞こえてくる。

 

 そして、見つめ合ったままマツリは綺麗に笑う。

 

「ありがとう、ヒカル君。私、落ち着いたみたい。ねぇ、ヒカル君、しよ?ヒカル君にはあかりがいるし、私も赤木君がいる。でも、それでも私はヒカル君が好きみたい。お願い、今だけ私のこと愛して」

 

「ああ、マツリ、大好きだよ」

 

 そう言いながら、ヒカルはマツリに激しくキスをする。マツリの口内に舌を侵入させ、マツリの舌を舐める。マツリもヒカルの舌を一生懸命求めるように絡み合わせてくる。

 

「っちゅ、ちゅうう……ちゅっ!あんっ、んあ、んんん、ちゅう、レロっ、ねとっ、あん、あんん」

 

 ヒカルは腕時計を流し見る。13時20分、残り20分で昼休みは終わる。それまでに、マツリをどう絶頂させて、己のものにするかの算段をつける。アカギの名前を使って、落とすかと即座に方針を決める。

 

「ぺろぺろ、んちゅ、ちゅうっ、っちゅ、あんっ、あああんんん、んんあぁ……ふぅふぅ、んんんん…………ぷはぁっ、はぁはぁはぁ、ヒカル君のキス好きぃ、あんっ」

 

「アカギのキスはどうだった?」

 

 トップスの下から手を入れてブラを外し、胸を揉みながら問いかける。

 

「赤木くんとのキスはただ唇を合わせるだけなんだもん。ちっとも気持ちよくなかった」

 

「嫌だった?」

 

「いやだった」

 

 片手をスカートの中に突っ込み、ショーツを脱がす、閉じた小陰唇を触るとすでに愛液が溢れている。ヒカルは愛液を指で掬うとそれをマツリの目の前に持ってきて、親指と中指を開け閉めして、愛液の糸を作り、マツリに見せつける。

 

「アカギとのセックスだと濡れなかったっていってたけど、もうオマンコ大洪水だよ。アカギとの時、本当に濡れなかったの?」

 

「あん、んん、本当だよぉ、ヒカル君とキスしたからだよ。アカギ君とのじゃ、ちっとも濡れなかったんだもん」

 

「嬉しいよ、マツリ」

 

 愛液で濡れた中指をマツリの口に突っ込む。それをマツリは美味しそうに吸い付く。

 

「俺の指、美味しい?」

 

「おぃひぃよぉ、ぺろぺろ、ちゅっぱっちゅっぱ、んんんんん」

 

 愛おしそうにヒカルの中指をフェラする幼い少女。その口から中指を引き抜くと、唾液が糸を引いて垂れる。

 

「マツリ、ちょっと激しくするよ。俺のこと信じて感じて欲しい」

 

「うん」

 

 ヒカルはマツリにディープキスをしながら、片手で胸を、もう片手でクリトリスを愛撫する。あかりより大きい胸は発展途上とはいえ、揉み応えは十分で張りも申し分ない。掬い上げるように持ち上げ、乳輪と乳頭に高速振動を与える。

 クリトリスはこつぶで皮に覆われている。それを剥いて、引っ込めてを、愛液をよくまぶしながら高速で行う。

 口内は歯茎からほっぺの裏側、舌の根本と全てを嘗め尽くすように舌を高速で動かす。溢れだす唾液を嚥下し、さらに激しく舌を絡める。

 

「んじゅっ、べちゅっ、ふああああ、んんんあぁぁんん、レロっ、っちゅっあぁ、あっ!あっ!あっ!! ひぃぃっ!んんんんんぁああああああああああああああああああああ!!!」

 

 三点同時攻め、それもヒカルの本気テクニックにかかれば、うぶな女の子なんて一瞬で絶頂を極めてしまうのは当然だ。

 

 ヒカルは時計を覗き見る。13時30分。残り10分。マツリの胸を優しく揉みながら、膣口に中指と人差し指を入れ、膣壁を擦る。そして問いかける。

 

「マツリ、大好き。マツリは俺のこと好き?」

 

「ん、んん、あん、ん、す、好き、だいしゅきぃ~」

 

「アカギより?」

 

「あっ!んあ、あああ、赤木君よりすきなのぉ~」

 

「どんなところが好きなの?」

 

「ひぃぃ、いっちゃう、あんっ、んん、わ、私のことちゃんと見てくれるとこ、私のこと愛してくれるとこ、みんなみんな大好きぃ」

 

「アカギはちゃんと見てくれないの?愛してくれないの?」

 

「んあっ、ひぃぃ、んんああ、あん……くれない!」

 

「じゃあ、アカギが全部悪いじゃん?」

 

「へあっ?……あ、んん、あん、あん、んんん、そうだぁ、赤木君が悪いんだ」

 

「マツリは悪くないよ。ほらイッテ、マツリ」

 

「ひぃっ、あんっ!あんっ!んんあああああああああああ、いっくぅぅ~」

 

「マツリ、いれるよ?」

 

「んひぃぃぃぃ!!きたよぉぉ~ヒカル君の大きいのが入ってきたぁ!!」

 

 座位でマツリと繋がる。マツリの膣中はぐちゃぐちゃで、まだ、三回しか男を許していないとは思えないほど、柔軟にヒカルを受け入れ、ヒダが蠢動しヒカルの肉棒を奥へ奥へと誘う。

 

「気持ちいい、最高だよマツリ」

 

「ほ、ほんとう?嬉しいよ、あん、んんん、あっ、ひぃぃぃ、私も気持ちいいよぉ」

 

「アカギより?」

 

「あんなのとなんて比べ物にならないよぉ、しゃいこうにひもちいいぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 その言葉にヒカルは激しく興奮する。誰だって、他人より優れていると言われれば優越感を覚える。それが、他人の女を寝取る行為なら尚更だ。

 

「行くぞマツリ」

 

「あっ!あっ!あっ!ん、んんんんんんっ、んんんんんんんん、なああああああああああああああ」

 

 激しくイクマツリ、ヒカルもマツリのGスポットを重点的に攻め、ぐりぐりと激しくマツリの膣内で暴れまわる。

 

「いっひゃてるよぉ、もうだめぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「射精すよ、マツリ!」

 

 ヒカルはぐっと肉棒を幼いマツリの膣奥、子宮口の入り口まで押し込み、そこで射精する。ドクドクと大量に出た精液が溢れんばかりに子宮を満たす。

 

「あへぇぇぇ、へあぁあぁぁ」

 

 ぐったり倒れこむマツリを抱き留め、ヒカルはマツリの膣に入ったままの肉棒をそのままに満足そうに笑う。

 

 昼休みの終わりを告げる予鈴がなる。残り5分。

 

「マツリ、大丈夫?」

 

「んぁ、ん、んん、らぃひょうぶ」

 

 呂律の回らないマツリを抱きしめ、その耳元で囁くように言う。

 

「マツリのこと愛してるよ。アカギとは別れなくていい。でも、セックスしたくなったらいつでも俺と愛しあおう。わかった?」

 

「ん、はぁ、わ、わかった」

 

「マツリの一番は俺、二番目がアカギ、あってる?」

 

「うん、そう、一番はヒカル君」

 

 よく出来ました、とヒカルはマツリに口付けをする。それを蕩けたような笑みで受け入れるマツリ。

 

 5時間目の本鈴がなる。二人は急いで教室に戻る。赤い顔のまま、ほとんど事後処理も出来ず、精液が子宮を満たしたまま授業を受けているマツリは色っぽい。その様に気付いたのはあかりとサヤカだ。ヒカルとマツリをちらちらと窺ってくる。

 

 あかりにどう言い訳するかなぁと呑気に考えながら、苦手な算数を受けるヒカルであった。

 

 

 

 

 

 



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07 「塔矢名人との三番勝負」

 

 

「今日は進藤君が研究会に参加することになった。進藤君、遠慮せず、活発に意見して学んで欲しい」

 

 塔矢先生の言葉によろしくお願いします、と頭を下げる進藤君。アキラと同じ小学6年生、やんちゃそうな大きな瞳に前側だけ金髪、パーカーにジーンズと普通の小学生のいでたち。自分の子供時代と同じ感じ。

 その横に座るアキラを見る。セーターにスラックス、おかっぱの髪にしゃんとした立ち振る舞い。

 うん、やっぱりアキラはおかしいな。もうちょっと子供らしくさせなくちゃ、と芦原は使命感を新たにする。

 

 

「そうだな、まずは先日アキラと進藤君が打った一局の検討からしよう、アキラ、並べなさい」

 

 はい、と碁盤に先日進藤君と打ったという棋譜を再現していくアキラ。その周りを先生や緒方さん、笹木さんに進藤君が囲む。途中途中の着手に指摘が入る。

 

「ここでこの一手を打てば見合いになる。そうすればこちらに手が入る」

 

「ここで厚みを補強するべきでは」

 

「ですが、そうするとこちらが薄くなって手が足りない」

 

「この一手は……すごいな。進藤君、この場面からこの手を狙ってたの?」

 

「いい手だ、黒はここは我慢だったな、中央の地を意識しすぎた」

 

「ここで黒の投了か。そうだな、お互いまだ甘い手はあるが、どちらも最善手を打っている。黒の読み勝ちだ」

 

 ――おいおい、何だ、これは。半端ない名局だろ!えっ!?これが小学生の対局?まじっすか?……うん、アキラだけじゃなく進藤君も普通じゃない。

 

「よし、では対局に移ろう。進藤君は私と打とう」

 

 先生からの指名が入った進藤君は嬉しそうだ。茫然と進藤君を見ていた僕を殴ってくるのは緒方さん。

 

「おい、芦原打つぞ。ぼけっとするな」

 

「は、はい、よろしくお願いします」

 

「まったく、お前はすぐ顔に出るな。そんなに奴の碁が衝撃的だったか?」

 

「そりゃあ、衝撃的でしょう。あのアキラに勝っちゃう小学生がいるなんて!ってことは僕とほとんど棋力が一緒ってことなんですよ!これでも僕3段ですよ、これが驚かずにいられますか?」

 

「まぁな、だが、囲碁に年齢は関係ない。強い奴はするする上にいって下手な奴のことなど眼中に入れない。見返したかったら自分が強い奴になるしかない。なぁ芦原」

 

「ええ!?僕って見もされないレベルですか?そりゃあ酷いですよ緒方さん!」

 

 この人は身内には本当に毒舌なんだもんなぁ、でも棋力は確かだ。言っていることも正しい。食らいついていくしかない。プロで有り続ける限り一生が勉強だ。

 

 芦原は気合を入れて石を打つ。

 盤面は終始緒方さんペース。どこかで流れを変えなければいけない。だけど、我慢だ。さっきの進藤君の対局を見て思い知らされた。新手もすごかったが、それじゃあない。

 絶妙の打ち回しはシノギの技術がすごいから生まれるのだ。それは読みがすごいから。でもそれ以上にどっしりと構えられる心の強さが必要になる。僕もその力が欲しい。

 

 きた!ここだ!ここでノビれば緒方さんの左辺黒は受け手がない、いける!

 

「……ありません」

 

「ありがとうございました」

 

「一朝一夕にはいかん。だが、お前も感じるものがあったんだな。その感性を大事にしろ。それがプロでやっていけるかどうかの境界線だからな」

 

 にやりと笑いながら緒方さんは自嘲するように続けて言う。それにしても小学生にここまで刺激を受けるとは、俺もお前もまだまだってことなんだろうな。

 

 まったくだ。いい碁だったが検討を後回しにして塔矢先生の元に向かう。そこには皆が集まっていた。

 進藤君と先生の対局は終盤、細かい地の奪い合いがそこかしこで行われている。どちらも妥協しない。

 

 ――すっっげぇ~!

 

 芦原は心の中で快哉を上げる。ここまで打たれると嫉妬とか尊敬より、恐怖が湧く。こいつは本物の怪物だ。笑わずにはいられない。

 

 整地を終えてみれば、先生の1目半勝ち。皆が感想を述べあう中、進藤君がゆっくりと頽れるように倒れた。

 

「進藤君!」

 

 アキラが叫びながら進藤君をゆっくり横にしてやる。

 

「……すみません、大丈夫です。……ちょっと疲れちゃって……」

 

 たどたどしく答えながら進藤君は起き上がろうとするがそれをアキラが止める。

 

「寝ていた方がいい」

 

 

 進藤君が大丈夫というので病院には行かず、客間にふとんを敷いて寝かせることになった。おんぶして運ばされるのはもちろん僕なのだが、それにしても軽い。こんな子供が先生とあんな碁を打ったのかと思うと、俄かに信じられない。

 

 明子さんに進藤君の面倒を引き継ぎ急いで対局室へ戻る。そこではやっぱり先ほどの進藤君と先生の碁が検討されていた。

 

「この一手がすごい。妙手ですね、この一手で先生の左辺下が死にかけた。10目は稼いだのでは」

 

「確かに、でも先生の応手もすばらしい。こっちに打って黒の生きを限定している。他によさそうな受けはないか」

 

「ここは妥協せざるを得ないでしょう。先生もそう思われたからここに打ったのですよね?」

 

「それにしてもすごい。あんな小学生がいたとは。プロに間違いなくなれる。いや、それ以上の実力だ」

 

「アキラ、進藤君は何か病気があるのか?」

 

 塔矢先生の一言に場は静まり返る。強張った表情でアキラは返答する。

 

「……わかりません。ただ、先日の囲碁大会の時も体調が悪かったらしく、局後に倒れましたが、本人はただの疲労だと言っていました。それと、この前、碁会所で打った後も、かなりつらそうにしていました。」

 

「緒方君、君と対局した後は?」

 

「……疲れ果てた感じでした。しばらく話も出来ないくらいでしたので」

 

「ふむ、私は進藤君と打っていて、彼の鬼気迫る気迫と集中力を感じた。まるで命を削るようなと言ってもいいほどだった。恐らく進藤君は凄まじい集中力を発揮出来るのだろう。だが、それに本人の身体が付いて行っていないのではないかと思える。囲碁は一局打ち終えるのに数キロ痩せるほど頭と体力を使う競技だ。彼にはまだその集中力を支える身体が出来ていない。本来なら身体を気遣って無意識に止めるはずのストッパーがおかしくなっているのではないかと思えてな」

 

「……確かに、対局の疲労で倒れたと考えるのが妥当かと思いますが……それにしてもそこまで疲労困憊になる前に普通なら集中力が切れるところでしょう。彼はそれに気づかないのか……もし気づいていて無視しているのなら、それは……」

 

 皆が息を飲む。

 

 

 

 

 

 

 

 額のひやりとした感覚でヒカルは目を覚ました。

 

「……あれ、ここは……」

 

 重く感じる瞼を開くと目の前に女性の顔が浮かんでくる。冷やしたタオルを交換してくれているようだ。暖房で温められた室内で寝ていたヒカルは喉が渇いていることに気付く。水が入ったコップを渡され、それをありがたく飲み干す。

 

「ありがとうございました」

 

「どういたしまして。気分はどうかしら?」

 

「へーきです」

 

「碁打ちはみんなそう言うのよね」

 

 そう言いながらクスクス笑われる。塔矢のお母さんだ。ショートの黒髪を軽くウェーブにしている。整った容姿と気品が大人の色気を醸し出している。中腰でこちらを覗き込んでくるものだから顔が近い。柑橘系の香水が色香を誘う。藍色のタートルネックのセーターを押し上げるように胸が強調されていて、ヒカルは顔を真っ赤にしてしまう。

 

「あら?熱かしら、お顔が真っ赤よ」

 

「そ、それは、あの、その」

 

 ヒカルは布団の上に寝かされて薄手のブランケットが掛けられた状態だった。楽な格好にするためだろう、ジーパンは脱がされていた。

 それで、興奮すればどうなるか。股間部分がブランケットを押し上げている。見られているのがわかる。

 

「ふふっ、元気そうで安心したわ」

 

「ごめんなさい」

 

 ヒカルは顔を真っ赤にしながら謝る。

 

「いいのよ、元気な証拠じゃない。それにしてもこんなおばさんに反応しちゃうなんて。ふふふ」

 

「おばさんなんかじゃないです。すっごい若くて綺麗です、塔矢のお母さん、あの名前は?」

 

「明子よ。ふふ、ありがとう。誰かにそう言ってもらえると嘘でも嬉しいわ」

 

「嘘なんかじゃないです。明子さんはとても魅力的です、ほら、こんなになってるの見ればわかるでしょ?」

 

 言葉を信じてもらえないヒカルは実力行使に出る。ブランケットをどかし、立ち上がりながら下着を脱いだのだ。現れたのは隆々と膨れ上がったペニス、それを座った状態の明子に見せつける。

 驚愕した表情でヒカルのペニスを見つめる明子。ヒカルはその状況にさらに興奮し、ますますペニスが膨れるのがわかる。

 

「なっ!早く仕舞いなさい!」

 

 驚愕から復帰した明子はヒカルを叱る。でも逃げないで、ちんこをがん見している時点で脈ありなんだよな~とヒカルは前世でした数多くの経験から心の中で苦笑する。いけるな、これ、と。

 

 

「先生とは何年くらいセックスレスなの?明子さん」

 

「何を言っているの!いいから早く仕舞いなさい!」

 

 ヒカルは素直に下着を履く、そして布団の端、明子の前に座り、明子の顔を覗き込むように聞く。

 

「はい、仕舞ったよ。じゃあ、今度は明子さんの番、ねぇ、どうなの?」

 

「どうなのって、そんなの言えるわけないでしょう?」

 

「そっか、え~と、その、ごめんなさい。本当に明子さんが綺麗で俺コーフンしちゃってたみたい。もうしないから許してください」

 

「……そう、ならいいです。本当にもう、ああいうことはダメなんですよ」

 

「うん、もうしません。……ううん、でもまたするかもしれません」

 

「どうしてかしら?」

 

 明子さんが厳しく問いかけてくる。

 

「だって、俺、明子さんのこと好きになっちゃったんだもん。なのに、好きになった人が自分のこと卑下することばっかり言ったら……俺、また否定する為にさっきみたいなことしちゃう」

 

 コツは相手の目を見て真剣な表情を作ること。そしてなるべく至近距離で。

 

「……ありがとう」

 

 顔を赤くして礼を言う明子にヒカルは心の底から微笑んで返答する。

 

「ううん、俺の方こそありがとう!明子さんに嫌われなくよかった」

 

 ここで畳み掛ける。

 

「俺、本当に明子さんのことが好きだから!初めては絶対明子さんに貰ってほしい」

 

「何を言ってるの。そんなの……」

 

 顔を赤く染めた状態の明子から、爽やかな香水の香りに混ざって大人の女の体臭が香る。

 

「今度、デートしよ明子さん?ね、お願い」

 

「……ダメよ、そんなの」

 

「なんで?じゃあ、一緒に買い物したり、映画館に行ったりしよ。それならいいでしょ?」

 

「それをデートって言うんじゃないのかしら…………ふぅ、もうわかったわ、おばさん、進藤さんと一度だけ買い物に付き合ってあげるわ。それでいい?」

 

「やった!ありがとう、明子さん!」

 

「もう、我が儘なんだから」

 

 そう言いながら満更でもなさそうな笑顔を見せる明子にヒカルは半立ちでそっと顔を寄せ、その唇を奪う。何も言わずにそれに応える明子。大好き、と耳元で優しく語りかけながら軽く、抱きしめる。

 

 ちょろいな~と苦笑いを心の中でするヒカルに明子は気付かないようだ。30歳の子持ちでセックスレスじゃあ、次で決められそうだと腹黒く計算するヒカルは天真爛漫の笑顔を明子に見せるのであった。

 

 

 

 

 

「進藤君、もういいのかね?」

 

「はい!ご迷惑をお掛けしました」

 

「そうか、だが、今日はもう遅い。タクシーを呼ぶからそれで帰りなさい。その前に家に連絡した方がいいな。親御さんが心配してらっしゃるかもしれない」

 

「あ~大丈夫です。さっき、塔矢のお母さんに言われて家には連絡しました。なんで、今から電車で帰ります。そのご挨拶に来ました。電車で帰れば20時には家に着きますので、大丈夫です」

 

「そうか。来週も木曜日に研究会がある。進藤君さえ良ければぜひ参加して欲しい」

 

「はい、ぜひ参加させてください!」

 

 

 

 

 

 塔矢先生との対局に死力を尽くした。その結果は敗北。一目半の敗北は接戦に思われるかもしれないが、実際はあまりにも分厚い壁を感じる敗北であった。このままでは絶対に勝てない。そう、確信する対局であった。

 

 情けない。そして、疲労でダウンしてしまった。たった一局、それだけで倒れるとは。もはや、棋士とは名乗れないほど、不甲斐ない。先の見えない迷宮に迷い込んだような気分。

 

 

 唯一よかったのは明子さんとデートの約束を取り付けたこと。塔矢先生には悪いが楽しませてもらおう。でも、明子さんのことを満足させてあげない先生が悪いんじゃないかなとも思う。先生の代わりに明子さんのことを満足させてあげようとヒカルは笑う。

 

 研究会に参加させてもらえることになったのもよかったことか。あそこは緒方さんもいる。強くなる為には、より多く上手と打たなければならない。その目途が立った。

 後は、体力を付けなくては。一局でダウンしていては話にならない。より多く対局することで佐為として打つことに慣れれば疲労も減るだろうか。

 やっぱり、まだ足りない。院生になって対局数を増やすのが一番かもしれない。よし、院生になろう。お母さんに許可をもらわなくちゃ。

 そう考えると悪くない一日だった気がしてくる。頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 放課後の保健室、ヒカルはサヤカに問い詰められていた。サヤカは三つ編みおさげを揺らし、特徴的な猫目を大きく開けてヒカルに詰め寄る。

 

「ヒカル君、茉莉とセックスしたでしょ!?どーゆーこと!?」

 

 どうもこうもない、セックスした。それでサヤカが怒る理由なんてないだろ、とヒカルは思ったが、ここで対応を間違うと痛いことになるのは過去の経験上わかりきっている。

 

 それでも、面倒くせーと思わずにいられないヒカル。あかりには、マツリとセックスした。でもお前の方が好きだ、と二言で納得させたが、サヤカは納得すまい。

 

 仕方ない。いつもので逃げようと決まりきった思考ルーチンを起動させるヒカル。そもそも、放課後の保健室に二人きり、完全に合意の上だろうと自己弁護も済ませる。

 サヤカは勝気な顔の美少女だ、どんな怒り顔だろうとそれが詰め寄ってくれば劣情の一つも覚える。俺だって、健全な男だ。ヒカルはあまり健全でない思考をする。

 

「サヤカはマツリが悩んでたのに気付いてた?」

 

「えっ!?」

 

「サヤカと俺でマツリの処女を奪っただろ?」

 

 奪ったのはヒカルだが、サヤカも共犯者と言えなくはない。まぁ、誘いを断らずに奪った俺が悪いんだけどな、とヒカルは自覚していたが、ここはそれでは都合が悪い。

 

「う、うん」

 

「彼氏との仲を元通りにする為だったよね?」

 

「うん」

 

「それが、上手くいかなかったみたいなんだ」

 

「それは嘘よ!茉莉、彼氏としっかり出来たって言ってたもん」

 

「うん、セックスは出来たみたいだけど、彼氏とのセックスで感じなかったんだって、マツリ。どういうことかわかる?」

 

「っえ、それは、えと」

 

 サヤカの答えを待たずにヒカルは先を言う。

 

「彼氏とのセックスで全く感じなかったってことは、彼氏が下手なのか、マツリ自身の問題なのか、マツリはそれですっごく不安になったんだって。自分は不感症なのかもしれない、もしそうだったら、って」

 

 真っ赤な出鱈目だ。大体、ヒカルとの初セックスでは感じて絶頂しているのだから、不感症な訳ない。サヤカもマツリがイッテいる様を見ていたはずだが、ヒカルの迫真の演技にサヤカはヒカルの言葉を信じ込む。

 

「それで、また俺に相談してきたんだ。俺とセックスして感じなかったらマツリ自身の問題、感じたら彼氏の問題だってわかるからね」

 

「それで……」

 

「そう、それでマツリとセックスしたの。結果は彼氏のせいだってわかってマツリは安堵したってわけ。マツリは悪くないよ。悪いのはそんなマツリの不安に付け込んでセックスした俺なんだ」

 

 サヤカの言葉に被せるようにヒカルは言う。その態度は、後悔し、傷ついた様を見事に表していた。俺が悪いのは事実だしな。事実、悪いのはヒカルだ、が、その言い方が上手すぎる。

 

「ヒカル君は悪くないわ。マツリの不安を取り除こうとしたんでしょ?ごめんなさい。私ったら、マツリが抜け駆けしたのかと思って」

 

 そう言って、泣き出してしまうサヤカ。そんなサヤカを抱きしめ、あやすように涙を拭いてあげるヒカル。ヒカルにはわかっていた。サヤカが嫉妬していることが。それを上手くついて穏便に済ませる話術は見事としか言いようがない。

 

「ありがとう、サヤカ。俺もマツリも悪くないとなると……悪いのはアカギだろ?マツリを不安にさせて」

 

 サヤカの耳元で囁く。完全な濡れ衣だがこの場でそれを否定するものはいない。サヤカは泣きながら何度も頷く。

 

「サヤカ、約束覚えてる?」

 

 顔を真っ赤にして頷くサヤカ、強気な美少女が照れる様は可愛らしい。穢れのない少女を自分色に汚し、書き換える。それは例えようもない悪罪である。だからこそ、興奮するのだ。

 

「今、その約束果たしてもいいかな。好きだ、サヤカ」

 

 そう言って、サヤカに口付けをするヒカル。

 

「ちゅっ!んちゅうう……レロレロ、ふぁぁ、あん、ん……んぁあ」

 

 キスをしながら、ヒカルは保健室のベッドへとサヤカを誘導する。二人は倒れこみ、サヤカに覆いかぶさるヒカル。勃起した肉棒でサヤカのジーパン越しに秘所を擦る。そこで、恍惚の表情をしていたサヤカが、ハッと我に返る。

 

「ん、んん、あん、待ってヒカル君、ごめんなさい。今日はダメなの、ごめんなさい」

 

 ヒカルのキスから逃れるように首を振り、それから、泣き出しながら謝るサヤカ。ヒカルはそんなサヤカを抱きしめ、あやしながらなぜか考える。ああ、生理中か。すぐに気付けるのは過去の経験ゆえか。

 

「ごめん、サヤカ。俺が性急すぎた。お願いだから、泣かないで」

 

「ううん、違うの、私もヒカル君としたいの。でも今日はその……」

 

「うん、あの日なんだろ。無理にすることないんだから、また別の日にしよう。俺はサヤカのこといつまでも待ってるから。だから、泣かないで、笑ってサヤカ。俺は笑顔のサヤカが好きなんだから」

 

 ヒカルはサヤカにキスをする。優しい口付け。それをサヤカは無心に受け入れる。やがて、落ち着いたサヤカはとても綺麗な笑顔でお礼を言う。

 

「ヒカル君、ありがとう」

 

 泣き腫らし、目が赤くなっていても、その笑顔はこれまでのどの笑顔よりも可愛らしいとヒカルは思うのであった。女の子には優しくしなさい、とヒカルに指導した佐為。しかし、佐為の間違った価値観の元に行われた性教育に関しては、ヒカルの天性の素質を完璧なジゴロへと変貌させていたのだ。

 

「うん、俺たちまだ小学生だよ。ゆっくり大人になろう。俺はサヤカと一緒に成長していきたいな」

 

「うん、私もヒカル君と一緒に居たい」

 

 サヤカは目を瞑り、口を寄せてくる。ヒカルはそれに応え、優しく口付けをする。少女の唇はみずみずしく美味しい。三つ編みの髪を優しく撫でながら、ヒカルとサヤカは甘い時間を過ごすのであった。

 

 

 

 

「ヒカル、突然どうしたの!?」

 

「あかりに会いたくて来ちゃった」

 

「えっ、何それ?用事があるから一緒に帰れないって言ってたのに、突然どうしたのヒカル?」

 

 ヒカルは保健室でサヤカと別れるとすぐにあかりの家に来た。玄関であかりのお母さんにいつも綺麗だね、佳奈美お母さん、と挨拶をし、あかりの部屋に早足で侵入したのだ。

 

 何も言わずに服を脱ぎ、全裸になるヒカル。ヒカルのペニスは隆々と膨れ上がっていた。サヤカとのお預けはヒカルの男を限界まで高ぶらせていた。見せつけるようにあかりの前にペニスを持っていく。あかりは疑問も何も言わなくなり、トロンとした目でヒカルの肉棒を見つめる。

 

「舐めて、あかり」

 

 ヒカルは優しく、だが、絶対の強制力を持った声音であかりにお願いをする。あかりは幼い綺麗な顔を情欲に染めてゴクリと唾を飲み込む。そして、ヒカルの肉棒に手を添え、むしゃぶりつく。大きく口を開け、舌を出し、亀頭をぺろぺろと一生懸命に舐めるあかり。ヒカルの弱いところを的確に舐めてくるあかりの舌にヒカルは呻く。たまらなくなる気持ちよさ。

 

「あかり、視線はこっちね」

 

 ヒカルはあかりの頭を撫でながら、要求する。あかりはその綺麗な瞳をヒカルに向ける。舌は忙しなく動き、ヒカルの裏スジを舐めとる。卑猥なヒカルの肉棒に恍惚の表情でむしゃぶりつく美少女、その美少女が向けてくるトロンとした瞳。幼い少女に仁王立ちフェラをさせているというそのヴィジュアルが加わりヒカルの興奮はさらに高まり、先走り汁が溢れ出す。それを嬉しそうに舐めとるあかり。

 

「食べていいよ、あかり。後、オナニーもしていいからね」

 

 ヒカルのその言葉を待ってましたとばかりにあかりはヒカルの肉棒を口内に入れる。唇をすぼめ、一生懸命に顔を前後する。視線はヒカルを見つめたまま、ヒカルの肉棒をどろどろの唾液塗れにし、舌も竿に絡めて、ストロークを早くする。手はスカートの中に消え、秘所を懸命に弄っているのだろう、ぴちゃぴちゃという音が響く。

 

「んん、んちゅっ、ちゅぷっ……うんぐ……じゅぞぉ、んぐ、ちゅぱぁ、んんんん、ん」

 

 真っ赤な顔でオナニーをしながら、懸命にヒカルの肉棒をフェラチオする美少女の痴態にヒカルは我慢することなく射精する。

 

「射精す」

 

 あかりは小さな口でヒカルの大きな肉棒を限界まで含み、ほっぺをへこませながら、強烈な吸い込みを行う。クラスでも1、2を争う美少女、その整った幼な顔でひょっとこバキュームフェラをするあかり。どろどろに熱い口内、そして吸い込み、許容量を超えた快感がちんこを襲う。ヒカルは大量の精液をぶちまける。あかりはその精液を一滴零すことなくゴクゴクと飲み込む。その表情は呆けたような潤み顔、ヒカルの射精と同時に絶頂したのだ。

 

「気持ち良かったよ、あかり」

 

 ヒカルはあかりの頭を撫で、その長髪を梳いてやる。あかりは嬉しそうな表情をしながら、お掃除フェラをする。敏感になっているヒカルの肉棒を労わるような優しいフェラチオ。幼い美少女はこの後の情事を想像し淫蕩にほほ笑む。

 

 

 

 

 



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08 「院生としての第一歩」

 3月の第二土曜日、市ヶ谷にある日本棋院、その7階の個別対局室でヒカルは篠田師範と対局していた。4月期院生試験、何とかお母さんを説得し、今日、一緒に来ることが出来たのだ。

 

「ありません。ここまでのようですね」

 

「ありがとうございました」

 

 3子のハンデをもらっての指導碁、そしてこれは、ヒカルの棋力を見る為の碁である。相手の手を無理に咎めたり、強引な打ち回しは必要ない。正しい布石と正着を淡々と積み上げていくだけの対局。

 結果は20目半でヒカルの勝ちとなった。

 

「ふむ、緩手らしい緩手もなくよく打てています。君なら院生の上位に食い込めるでしょうね」

 

「ありがとうございます」

 

「推薦人に塔矢名人の名前がありますが、進藤君は塔矢名人に師事しているのですか?」

 

「塔矢先生の研究会に参加させてもらってます。こーゆー場合は師匠ってことになるのかな?」

 

「ふふふ、研究会に参加しているのなら塔矢門下と言ってよいと思いますよ」

 

「そーなんですか。あーと、すみません、敬語じゃなくなってました。ごめんなさい」

 

「敬語も含めて院生としてしっかり学んでください」

 

「はい!ありがとうございました!」

 

「予定より、かなり早く終わりましたね。院生の子たちが総当たり戦をやっていると思いますから、それを覗いてみますか?」

 

「はい!」

 

 では、付いて来てと篠田師範は立ち上がり、歩き出す。歩きながら説明を加える篠田師範。

 

「手続き書類や、対局ルール等は進藤君の家に送られますので、よく、読んで4月から元気に学んでください。それでは」

 

「ありがとうございました!」

 

「ありがとうございました」

 

 

 篠田師範と別れ、対局室へヒカルは静かに入室する。皆が真剣な表情で碁盤を挟み対峙している。知っている顔がほとんどでヒカルは思わず笑み崩れてしまう。

 

 和谷に伊角さんに小宮、あっちは本田さんに福もいる。どの対局を見るか目移りしてしまう。伊角さんと小宮の対局が組み合わせ的に面白そうかと、小宮の後ろへ移動して観戦する。

 

 勝負は中盤、伊角さんがやや優勢か。厚く手堅い碁を打っている伊角さんに小宮はやや押され気味だ。小宮の白石が面白いところに置かれた。ヒカルも伊角さんも着手として想像していなかった手。伊角さんが時間を使って読みに入る。

 うん、面白い。この白石を起点に左辺を荒らせば小宮に一気に形勢が傾くかもしれない。

 

 そこでヒカルは限界を迎えてしまった。眩暈で立っていられなくなる。佐為ならどう打つか、ヒカルはこういう場面でも佐為を作り出して観戦しなければ倒れてしまうのだ。

 佐為を作るのには極度の集中を要する。篠田先生との対局後に、立ちながらそんな集中をしたものだから、脳が限界を迎えてしまったのだ。

 唇を噛み、痛みで意識を保ち、足早にその場を離れる。人のいないところへ。ふらつく頭と覚束ない足で何とかヒカルは対局室を出、非常階段へ向かう。

 非常階段の扉を開け、外階段の踊り場に出た瞬間、本当の限界を迎え、ヒカルはずるずると非常階段の扉を背に、座りこむ。

 

「きゃっ!!大丈夫君!?」

 

 誰かの声を遠くに聞きながら、ヒカルは意識を失った。

 

 

 

 

 ふっと、ヒカルは意識を取り戻し、目覚めた。隣に温かみを感じ、視線を向ける。

 

「起きた?よかったぁ、心配したんだから」

 

 そこには奈瀬がいた。ヒカルとぴったりとくっついた状態は、ヒカルが扉に凭れ掛り座った状態を支える為だろうか。ヒカルは奈瀬の肩に顔を乗せ、眠っていたようだ。

 

「……ごめん、心配かけたみたい、もう大丈夫だから」

 

「本当?よかったぁ、誰か呼ぼうか迷ったんだけど、君に手を握られちゃってさ、無意識なのかな、いかないでって君が私に言ってきたんだよ」

 

 手を確認すると、確かにヒカルの右手は奈瀬の左手を掴んでいた。

 

「ごめん、覚えてない。俺、どれくらい意識飛んでた?」

 

「10分くらいだよ。君が意識失ってたの。君、本当に大丈夫なんだよね?」

 

 奈瀬が強く聞いてくる。

 

「うん、あ~と、ただの寝不足だから、もうへーき。ありがとう、俺のこと心配してくれて」

 

 至近にある奈瀬の瞳を覗き込み、笑顔でお礼を言う。奈瀬は本当に美人だ。整った目鼻立ちはアイドル顔負けに整っているし、セミロングの髪も艶やかでよく似合っている。奈瀬はヒカルより二個年上だから今は中学二年か。

 その割に、発育がいいなぁ。英字のプリントされたトレーナーが胸の膨らみで押し上げられている。ちょっと、エッチな思考をしてしまうヒカル。

 

「うん、大丈夫ならいいんだ。そうだ、私は奈瀬明日美ね。君はどうしてこんなところに?」

 

「俺は進藤ヒカルって言います。え~と、倒れそうになったんで、なるべく人のいないところを目指したら、ここに来てたみたい」

 

「ふ~ん、倒れそうになってね~、でもダメだよそれ、人のいないところで意識を失ったら危険じゃない。ここだって、一歩間違えば、階段を転げ落ちて死んじゃうかもしれないんだよ」

 

「うん、そうだよね。ごめんなさい」

 

 奈瀬の瞳を見つめながら真剣に謝る。

 奈瀬の睫毛なげーな、それに唇もプルプルで美味しそうだ。……邪な気持ちを抱いてもそれがまったく表情に出ないのは、ヒカルの天性の人たらしとしての素質だ。

 それがゆえに女性からまったく警戒されずに、その懐にするりと入り込んでしまう。

 

「それと、心配してくれてありがとう、明日美さん」

 

「うぇあっ、わ、わかってくれればいいのよ」

 

 目を逸らされる。顔を赤くしながら答える奈瀬。でも、あれ、奈瀬はどうしてこんなところにいたんだろうという疑問が湧く。

 

「明日美さんはどうしてここにいたの?対局は?」

 

「…………ふぅ。え~と君は院生試験受けに来た子?受かった?」

 

 何か、言葉に詰まった奈瀬はふっきったように明るい調子で聞いてくる。

 

「うん、受かった。4月から院生、よろしくね」

 

「うん、よろしく。でも、もう私、院生辞めようと思ってるんだ。ごめんね、受かったばかりの子にこんな話しちゃって」

 

「ん~ん、気にしないで。でも、なんで明日美さんは院生辞めるの?」

 

「それを聞いてきますか!察しなさい、お子様」

 

「わかんないから教えて、綺麗なお姉さん」

 

 繋いだままの手をぎゅっと握り、奈瀬の肩に頭を乗せて聞く。奈瀬のセミロングの髪の毛から甘いいい匂いが漂ってくる。

 

「わ~お、甘え上手だね、進藤君って。はぁ、まぁ、ぶっちゃけると才能の限界を感じたってやつなんだけどね。さっきの対局もね、私のポカであっさり中押し負け。これで二組降格になっちゃってさ。もともと、一組でも勝てない私じゃ、プロにはなれないなぁって落ち込んで、ここで黄昏てたわけ」

 

「そうなんだ。それで、ここで男泣きしてたんだ」

 

「男泣きって何よ!男泣きって!」

 

 ぽかりと軽く奈瀬に殴られる。

 

「明日美さんは負けて悔しい?」

 

「悔しいわね」

 

「勝ちたい?」

 

「そりゃあね」

 

「じゃあ、まだ院生でいるべきだよ。悔しいって思えなくなるまでは、まだ大丈夫」

 

「なにそれ?でも、私、このままだと囲碁が嫌いになりそう。大好きな囲碁を嫌いになる前に辞めた方がいいとか考えちゃってるんだけど」

 

「う~ん、自分が信じられなくなっちゃってるのかな。ちなみに、今辞めたら後ですっごい後悔するかもって思ってる?」

 

「……思ってる」

 

「うん、今の明日美さんは自分の気持ちが揺らいじゃってるんだね。じゃあさ、明日美さんの気持ちじゃなくて俺の気持ちになって考えてくれない?」

 

「進藤君の気持ちって?」

 

「俺は4月から院生になる。そこには3月のある日に助けてもらって一目惚れした、美人で年上の女の子がいる。俺はその女の子と囲碁を打ちたい。仲良くなって、デートして、その後、キスしたい。っていう気持ち」

 

「……………………。」

 

「囲碁続けてくれないかな?」

 

「…………ぷっ、あははははははっ、何それ?…………あははっ、もう、それじゃあ仕方ないなぁ、うん、わかった……その男の子の気持ちになって院生辞めないでおく」

 

「やった、告白成功。今後ともよろしくお願いします」

 

「なんでそうなるの!」

 

 ぽかりとまた頭を軽く叩かれる。

 

「はぁ……じゃあ、これは先払いとお礼ね」

 

 そう言って、奈瀬はヒカルの頬にそっと口付けをする。からかいのつもりでヒカルのほっぺに軽いキスをしたつもりだったのだろうが、それが思いのほか、恥ずかしかったらしい。何やってんの私、と小声で呟き、あたふたする奈瀬。顔が真っ赤になっている。

 

「4月から楽しみが増えた」

 

 ヒカルはそんな奈瀬を見つめながら楽しそうに笑う。それに奈瀬は赤い顔のまま微苦笑で答える。

 

「どんな楽しみなのかしら、はぁ、私は4月から不安で仕方ないわ。あ~、あと、私のことは明日美って呼び捨てでいいわよ。私もヒカルって呼ぶから。大体、さん付けってガラじゃないのよね私」

 

「うん!ありがとう明日美!大好き!」

 

「はぁぁぁぁ、なんでこんな奴なんかに……はぁ、よろしくねヒカル」

 

 二人は暮れていく夕日を寄り添うように座りながら見つめる。都会のど真ん中でもこんなに綺麗な夕日が見られるとは思わなかった。

 わぁ~綺麗、と奈瀬が呟く。ヒカルはつないだままであった奈瀬の手に少し力を込めてから、明日美の方が綺麗だよと、耳元で囁く。事実、夕日に照らされた明日美は本当に美しかった。

 あははっ、とそれを笑い飛ばした奈瀬は、ヒカルの横顔を見、その真剣な表情に息を飲む。そして、ありがとう、とか細い声でお礼を言う。その顔が夕日のせいではなく、赤くなっていることにヒカルも奈瀬も気づくことはなかった。

 

 

 遠くからがやがやと人の喋り声が聞こえてくる。研修が終わったようだ。

 

「まずい、おかーさん、待たせてるんだ!早く行かなくちゃ!明日美、またね!」

 

「うん、またねヒカル!」

 

 頑張るぞ~という明日美の気合の声を背で聞き、奈瀬が立ち直ったのを確認する。それにヒカルは安堵する。誰しもが、不安と戦っているのだ。そして、仲間に助けられる。

 ヒカルも奈瀬と話していてやる気を貰った。囲碁を嫌いになりたくないという奈瀬の言葉に涙しそうになった。

 そうだ、俺だって囲碁が好きだ。たとえ、どんなに苦しくても、絶対に囲碁を好きでいないといけないのだ。佐為が犬っころのように尻尾を振って囲碁を楽しんでいた姿が脳裏を過ぎる。佐為として打つ、ならば囲碁を楽しんで打たなければ、それはどんなに佐為のように打ったところで、唯の紛い物に過ぎない。

 

「やっぱり、仲間って大事なんだな~」

 

 ヒカルは院生時代の和谷や、伊角さんとの碁会所めぐりを思い出しながら、しみじみと呟くのであった。

 

 

 

 

 日本棋院を出、市ヶ谷駅へ向けてお母さんと歩きながらヒカルは話を切り出す。

 

「おかーさん、俺この後、あかりと新宿で服買う約束してるから、行くね」

 

「何いってんの、あんた。もうすぐ、17時よ?また今度にしなさい」

 

「あかり、今日、新宿で友達と遊んでるんだって。それで、俺も市ヶ谷に用事があるって言ったら、合流しようって話になってさ、17時に現地集合にしちゃったから。行かなかったらあかりたちずっと待ってることになっちゃうよ。それで買い物して、飯食べたら、あかりんちに泊まるって話になってるんだ」

 

「はぁ、あんたはいつも勝手に。わかったわ。気を付けるのよ。それと暗くなる前にちゃんとあかりちゃんちに帰ること。約束出来る?」

 

「うん、わかった。それで、おかーさま、お金を少しばかり」

 

「この子は……これであかりちゃんに美味しいものをご馳走してあげなさい。くれぐれも無駄遣いするんじゃないわよ」

 

「ありがとう、かーさん。じゃあ、俺もう行くね~」

 

「まったく、誰に似たんだか」

 

 五千円を握りしめ、さっさと離れていく息子に美津子のため息は届かない。

 

 

 

「遅れてごめんなさい、待った?」

 

 新宿駅中央東口改札近くのトイレ前で待っていたのは塔矢明子、塔矢のお母さんだ。

 白のワンピースの上にベージュのオーバーサイズスプリングコートを羽織っている様は上品で大人の魅力を醸し出している。足元から覗く黒色のガーターストッキングが色気をさらに醸し出す。化粧もばっちりとしてあり、赤いルージュが、整った唇に輝いている。

 

「そんなにじろじろ見るのははしたないですよ、ヒカルさん」

 

「ごめんなさい、明子さん。でも、俺嬉しいです。俺の為に、着飾ってくれたんでしょ明子さん!すっごく綺麗!」

 

 そう言って明子に抱きつくヒカル、身長差がある為、下から覗き込むようになってしまうが、精いっぱいの笑顔で明子にお礼を言う。

 

「きゃっ、もうこんなところで、抱きつくのはダメよ、ヒカルさん。誰かに見られたらどうするの」

 

「ごめんなさい。明子さんとデート出来るのがあんまり嬉しくて!」

 

「ふぅ、それじゃあ、早くホテルへ行きましょう」

 

「あれ、明子さん、乗り気になったの?」

 

「そんなわけないでしょう?ヒカルさんもわかっているでしょう?夫は今、棋聖戦の第6局の為に静岡に行っているわ。私は体調が悪いからと、同伴を断ったのよ。代わりにアキラさんが着いていった。それなのに、こんなところで、ヒカルさんといるところを誰かに見られたら、どうなると思う?」

 

「ごめんなさい。俺、明子さんとデート出来るって浮かれて……」

 

 塔矢先生の研究会のたびにヒカルは明子と仲を深めていった。キスは会うたびにするようになり、抱きしめあいながら、愛してるとヒカルは明子の耳元で毎回囁き続けていた。

 そして、最初に取り付けたデートの約束はいつの間にかお泊りデートに代わり、今日、その日を迎えたのだ。

 それでもまだ、明子には躊躇いがあるだろうとヒカルは思っていたのだが、思っていた以上に神経質になっている明子にヒカルは気付けなかった。

 

「……私も言い過ぎたわ。ごめんなさい、ヒカルさん。さ、行きましょう」

 

「うん」

 

 そっと手を繋いで、二人は足早にホテルへ入る。

 

 

 

 

 

「うわぁ、夜景が綺麗、見て見て、すっごいよ、明子さん」

 

「ふふっ、本当に綺麗ね。予約がなかなか取れないくらい人気がある理由がわかったわ」

 

 夕食をホテルのレストランで食べ、部屋へと向かった。明子が予約した部屋は30階にあり、室内も広く、インテリアも落ち着いた雰囲気で明らかに高額の客室料金がかかっていることがわかる。

 

「明子さん、ごめんね、お金全部出してもらっちゃって」

 

「いいのよ、気にしないで」

 

「本当にありがとう、明子さん!じゃあ、シャワー浴びに行こう!さっぱりしてエッチだ」

 

「何を言ってるの。子供じゃないんですから、一人で入ってらっしゃい」

 

「子供じゃないから一緒に入るんだよ、明子さん。それに明子さん、ここに来る前にしっかりシャワー浴びてきたでしょ?香水の香りに交じってシャンプーのいい香りがすっごいして、俺、興奮しちゃったもん。だから、恥ずかしがることないよ。一緒に入ろう?お願い、明子さん」

 

「はぁ、わかったわ」

 

 ヒカルはその場で服を全部脱いでしまう。そして、明子に抱きつきベッドの上に押し倒す。

 

「明子さん大好き」

 

 勃起したペニスをワンピース越しに明子の陰部へ当てながら、ヒカルはキスをする。明子の口内へ舌を侵入させ、明子の舌を絡め取る。

 

 研究会のたびにヒカルは明子へキスをしてきた。だから、明子も条件反射のようにヒカルのキスに答えてしまう。

 

「んっちゅっ!ちゅううう!れろっ、あん、あんっ、んんん、ん」

 

「ぷはっ、はぁはぁはぁ、ヒカルさん、シャワーを浴びるんじゃなかったの」

 

「うん、その前に明子さんの下着姿が見たくなっちゃったんだ。エロいガーターストッキングにショーツとブラだけの明子さんが俺を誘惑してくる姿が見たいんだ」

 

「そ、そんな恥ずかしいこと、出来る訳ないでしょう!」

 

「恥ずかしくないよ。明子さんの身体は綺麗だもん。それに今日は俺、厭らしい明子さんとエッチがしたいんだ。いつもの明子さんは清楚で笑顔が素敵だけど、自分の欲求を隠してるのが俺にはわかるよ。本当はエッチなことしたいって顔に出てるもん。だから、今日はその欲求を解放して欲しいんだ。ここには本当の明子さんを知る俺しかいないんだから、出来るよね。俺はエッチな明子さんが大好きなんだから」

 

 明子は何も言わずにワンピースを脱ぐ。現れたのは黒のブラとショーツ、そして太ももを妖しく覆う黒のガーターストッキング。30歳の人妻が小学生の言いなりになる。それは明子にどれほどの羞恥をもたらしたのか。つつつ、と愛液が、真っ白な太ももをつたいガーターストッキングを濡らす。既に、ショーツはびちょびちょだ。

 

「明子さん、綺麗……本当に綺麗だよ。今日だけでいいから俺だけを想って、俺だけの明子さんになって。お願いだ、明子さん」

 

 ヒカルは懇願するように言う。怒張がヒカルの言葉を証明するようにパンパンに膨れ上がっている。

 

「……ええ、今日だけ、今日だけ、私はあなたのものになるわ。私を乱れさせて、ヒカルさん」

 

 明子は艶っぽい声でヒカルの肉棒を見ながら、そう答え、恥ずかしげに両腕で胸を押し上げるようにポーズをとる。黒の下着が真っ白な肌を際立たせ、淫靡な色香を振りまいている。

 

 すらりとしているのにどこも肉肉しいほど豊満な肢体。触れば、柔らかさに驚くであろう大きな胸、真っ白な透き通る肌、足も手も腰も柔らかい脂肪でほどよくコーティングされているかのようにプルリと震えている。ショートの黒髪がよく似合う、優しげで上品な顔。男なら誰もが喘がせたいと思う人妻を体現したかのような容姿だ。

 柑橘系の香水と女の愛液が混ざりあい、淫靡な匂いとなって漂う。

 

 ヒカルは我を忘れてその女体に飛びつく。明子もそれを嬉しそうに受け入れる。ブラがヒカルの手で外される。大きな釣鐘型の胸がプルリと飛び出してくる。乱暴に揉む。その乱暴さが堪らないとばかりに明子は喘ぐ。

 

 ヒカルは大きなおっぱいに顔を埋めた後、その乳首に吸い付く。もう片方のおっぱいも力強く揉む。蕩けるような柔らかさだ。

 

「あん、んんんん、あんっ、あんっ……ああ、いいわ、ヒカルさん。もっと、もっと乱暴にして」

 

 明子が喘ぐ。ヒカルは舌で乳頭を何度も往復させ、細かな振動を与える。そして、思いっきり吸い付く。

 

「ひぃぃぃぃぃ!いいわっ、そう、もっとぉ、気持ちいいのぉ~、あっ、んんん」

 

 胸を愛撫したままヒカルは愛液でびちゃびちゃになったショーツを乱暴に脱がす。露わになる女陰は湯気が立つほど愛液が溢れている。人差し指でその愛液を掬う。それを明子の口元に持っていく。人差し指にむしゃぶりつく明子。その様にヒカルは興奮する。

 シックスナインの体制になる。女陰に顔を埋め肉ビラをヒカルは嘗め回す。舐めても舐めても愛液は溢れ続け、ヒカルの顔をべちゃべちゃにする。明子もヒカルの肉棒を食べつくすようなフェラチオをしてくる。巨大な肉棒を喉奥まで吸い込んでのバキュームフェラは魂まで吸い取られそうな気持ちよさをヒカルに与える。ヒカルも負けじと、舌を膣内に挿入し、膨らんだGスポットを嘗め回す。右手で肥大したクリトリスを摘まみ、手こきする。

 

「んんんんんんんんん!! ぷはぁっ、はぁはぁ、んああああああああああああああああああああああああああ」

 

 明子はヒカルのクンニで絶頂を迎え、嬌声を張り上げる。ヒカルも限界まで追い詰められていたが、何とか射精は堪える。

 

 見つめ合い、キスをする二人。ヒカルはゴムを取り出し、己の肉棒へつけようとする。それを明子が止める。

 

「ピル飲んできたから大丈夫、生で来てヒカルさん」

 

 ヒカルは明子のその言葉にさらに興奮し、明子に押しかかる。黒のガーターストッキングだけになった明子を屈ませベッドサイドに手を付かせる。

 バックから明子のどろどろに溶けた人妻マンコへ肉棒を挿入する。膣奥を乱暴に押し潰すような抽送を繰り返す。身体を密着させ、ぷるんぷるんと揺れる胸を揉みしだく。明子の膣内は柔らかく伸縮し、ヒダと突起がヒカルの肉棒全部を包むように蠢動する。人妻の熟れたマンコ、あかりのぎゅうぎゅう締め付けてくるマンコとの違いが際立つが、どちらのマンコも最高に気持ちいいということは変わらない。

 

「セックス何年ぶりなの、明子さん?」

 

「んぁぁぁぁぁぁ、気持ちいい~、ヒカルさんのちんぽ、すごいのぉ~」

 

 完全に極まった状態の明子はヒカルの質問に答えないで快感を貪る。ヒカルの肉棒は熱い明子の蜜壺に飲み込まれ、ヒダでシェイクされる。ヒカルはそのあまりの快感に負けそうになる。ヒカルは抽送を止める。

 

「答えないとセックス止めるよ、明子さん?」

 

「あっ!!あっ!!あっ!!えっ、ふぇっ?なんで、動いてくれないの?ヒカルさん、お願い、早く動いて!狂っちゃうぅ」

 

「だから、先生とはもう何年セックスしてないの?答えてくれたら明子さんの子宮に射精してあげるよ?」

 

「5年してないわ!ねぇ、答えたから、早く続きして!ヒカルさん、お願い、私、狂っちゃうのぉ!!」

 

「うん、了解。子宮にたっぷり射精してあげるね」

 

「嬉しい!お願い、ヒカルさんんんっ、ひぃぃぃいいい」

 

「愛してるよ、明子さん」

 

「きぃたぁぁぁっ!!あっ、ぁぁぁんんんん!!ヒカルさんのぶっといちんぽ、きてるぅ!!」

 

「子宮が降りてきてるのわかる。ほら、ほら、ほら」

 

 ずこずこと容赦なく子宮を肉棒で突く。限界まで引き抜き、そして一気に突き入れる。ヒカルの大きく張ったエラがごりごりと明子の膣壁を擦りながら、突き進む。何度も何度もボルチオを突き上げる。引き抜く時にもエラがボルチオを引っ掻くように刺激する。

 

「んひぃぃぃぃぃぃ、しょこだめぇぇぇぇぇぇぇ、またイク!!、いっちゃうのぉおおおおおおお!!」

 

「子宮の中に俺の精子入っちゃうよ、いいの、アキラがいた場所を俺ので犯されて?」

 

「あへあぁぁぁ、いい、いいのぉ、いいから、ついてぇ、わたしゅのぜんぶ、おかしゅてぇぇぇぇ~」

 

「うわぁっ、すごいよ、明子さん!明子さんがイクたびに膣がすっげ~締め付けてくる。もう俺のものでいいんだよね、このマンコも子宮も?」

 

「そうれしゅっ!!!ぜんびゅ、ぜんびゅ、ヒカリュしゃんのものなのおぉぉぉ~、おひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

 

 ヒカルは今、人妻の5年間まったくペニスを受け入れていなかった熟れたマンコを犯している。その事実はヒカルをとてつもなく興奮させた。明子から立ち昇る汗と愛液と香水の匂いがヒカルを包む。バキバキになった肉棒を激しく突き入れる。突くたびにおしりの肉がぷるぷる震える。

 25歳から5年も性の営みがなかった明子の欲求不満はどれほどであるのか。明子は乱れに乱れた。そこには、日ごろの清楚な人妻の姿はない。ヒカルは少し抽送の速度を落とし、明子に話しかける。

 

「はぁ、はぁ、明子さん、本当に綺麗だよ。おっぱいも柔らかくて、素敵だ。美人な明子さんがアへ顔さらしてるのも、俺すっごい興奮する。ねぇ、明子さん、大好き、明子さんは俺のこと好き?」

 

「んあ、ひいいいいい、んんんん、あんっ、あん、だめ、だめなの、愛しちゃだめなのぉ~」

 

「何で?何でダメなの?気持ちよくない?」

 

 ヒカルはまた抽送の速度を上げながら、明子のGスポットとボルチオを責める。大きな胸を強く揉む。

 

「んひぁぁぁぁ、ひもちぃぃいいいいいいいい」

 

「気持ちいいでしょ。それは誰のおかげ?」

 

「ひ、ひかるひゃんでひゅぅ、んへああああああああ~」

 

「気持ちよくさせてくれて、愛してくれるのは俺ってことだよね?」

 

「んあ、へあぁっ、しょ、しょうでしゅ、あん、あへああああ」

 

「じゃあ、明子さんが俺のこと好きになるのは当然じゃない?」

 

「ああああああああっ……ひょうぜん?ひぁぁああああああ、しょうなの!ひょうぜんなの!しゅき!しゅきなのぉぉ!!!」

 

「誰が好きなの?」

 

「ひかるしゃん、ひかるしゃん!!んひぃぃいっぃいいいいいい!!!」

 

 ヒカルはまた、抽送を止める。アクメ顔でヒカルを振り返る明子、ヒカルは肉棒を突き入れたまま、明子にしがみ付き、顔を思いっきり突き出す。明子もベッドサイドに両手を付いた状態から、片手を地面につき、顔をヒカルの方へ突き出す。二人は貪るようにディープキスをする。真っ赤になった明子の顔は涙と涎と汗でぐちゃぐちゃだ。そんなことは関係ないと二人は互いの舌を求めあい、唾液を交換する。

 

「んじゅううううう、ちゅっ、じゅぞおおおおお、れろれろ、んああああああああ」

 

 ヒカルはキスを止める。唇と唇に涎の橋が出来る。恍惚の表情でヒカルを見つめる明子。イキ狂っていたさきほどにはない情動が、明子の瞳に宿っているのがわかる。

 

「愛してる、明子さん」

 

「私も!!私もヒカルさんのこと愛してるわ!!」

 

 ヒカルはその言葉にありがとう、と満面の笑みを明子に返し、再び抽送を再開する。今度は愛を確かめ合うように、優しく、明子の感じる箇所だけを責める。膣入口のヒダ、ぷっくらと膨れたGスポット、ボルチオ、膣奥、全てを犯していく。数分で明子は再びイキ狂い、感極まった状態に逆戻りする。

 

「んぼお~、でかちんぽすごいのぉ~、気持ちいいところ全部ついてくるのぉ!!いっちゃってる、私いっぱい、いっちゃてるのお~……んあああああああああああああああ!!!!」

 

「明子さん、俺、イクよ、明子さんの子宮に射精すよ?」

 

「きてぇ、きてぇ、ひかるしゃんのきてぇ~!!!」

 

「愛してる明子!」

 

「わたしもぉ、わたしも愛してるのぉ!!ひああああああああああああああ!!!!!」

 

 明子は顔を真っ赤にし、その端正な顔を淫靡に歪めながら果てる。明子の最後の絶頂でとろとろに溶けたマンコがざわざわとヒカルの肉棒に絡み、強烈な締め付けを与えてくる。ヒカルも限界を迎える。かつてないほど激しく射精する。肉棒を最奥、子宮口に当てた状態での射精。ヒカルは精液を明子の子宮内に全て吐き出す。そして、それを感じ、明子は幸福の中で意識を失う。

 

 

 

 

 それから、ヒカルは目覚めた明子を連れてシャワーを浴びた。風呂場ではディープキスをし続けながら、対面立位で明子の膣内に精液を流し込み、部屋に戻ってきて落ち着く間もなく、濡れたままの状態でむちむちのお尻が揺れるのを見ながらバックで犯し続けた。その間にヒカルは三度射精し、明子に至っては数えきれないほどイキ狂った。

 

 極度の発情からやっと落ち着いた明子にヒカルは他愛もない話をし、明子を楽しませた。そのおしゃべりの間、ヒカルはペニスを明子の膣内に入れたままにしていた。裸で抱き合い、笑いあいながら、時にキスをし、時に胸を揉む。そして、水を口で飲ませあう。まったりとした、いちゃいちゃスローセックスは明子を心の底から満足させ、最後に一発明子の中で果てて、その日のセックスは終わりを迎えた。

 

 翌朝、明子はヒカルの朝勃ちチンポを膣内で感じ、起床することになる。抜かずに寝てしまった昨夜の情事を思い出し、明子は顔を真っ赤にするのだが、ヒカルを起こしては可愛そうだと、ヒカルのチンポを抜かずにヒカルを抱きしめ直し、再び目を瞑る。心の隙間が埋まったような幸福感を感じながら、明子は二度寝するのであった。

 

 

 

 



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09 「葉瀬中囲碁部と院生」

 4月になり、ヒカルとあかりは葉瀬中学校に入学した。ヒカルは筒井さんに院生になったことを報告し、大会にはもう出れないけれど、それでも囲碁部に入れてくれないかとお願いをした。

 筒井さんは笑顔でそれを了承してくれ、晴れてヒカルは葉瀬中囲碁部の一員となった。

 あかりも前世ではおまけとして囲碁部に入ったが、今回はヒカルの熱心な指導のお蔭で、囲碁部員と名乗っても恥ずかしくない棋力を持って、葉瀬中囲碁部のメンバーとなった。

 

 かくして、新生囲碁部は筒井さんを部長にヒカルとあかりを加え、理科室にて活動を始めることになる。ヒカルは筒井さん、あかりと二面打ちを最初に行った後、一人で佐為の棋譜並べを行う。その横で筒井さんに二子置きであかりが対局することが囲碁部の日常となった。

 

 新入部員はまだ来ないが、ヒカルは慌てていない。三谷と夏目が入部するから問題ないのだ。そう、高を括っていたら、囲碁部にマツリこと、狭山茉莉が入部してきたのだ。

 前回の人生では茉莉は囲碁部になんて入っていない。この違いにヒカルは戦慄した。

 そもそもヒカルが院生に4月の段階で入っている時点で気付くべきだが、この時点でヒカルは未来が不確定なのだとやっと思い至り、その不確定要因のヒカルは遅まきながら、三谷と夏目の勧誘に動くのであった。

 

 夏目はすぐに囲碁部の活動に参加することを承諾してくれた。問題は三谷であった。町の碁会所で賭け碁をしている三谷を囲碁部に誘ったところ、けんもほろろに断られてしまう。そこで、三谷とヒカルは賭け碁をすることにした。賭け金は1万円、そして、ヒカルはその対局で圧勝し、返して欲しくば、囲碁部へ入れと三谷を脅し、三谷を囲碁部に連れてくることに成功するのであった。

 

 さらにバレー部に入部する直前の金子、あかりの友達になっていた津田久美子を言葉巧みに勧誘したヒカルは、葉瀬中囲碁部男子4名、女子4名の陣容を揃えることに成功する。

 

「碁盤はスーパーで買ったマグネット碁盤だけど、これは完璧な囲碁部だね。ありがとう進藤君、全部君のおかげだよ」

 

 筒井は泣いて喜び、ヒカルも満足そうに笑う。あかりはヒカルの強引さと人たらしに引きつりながら笑い、その他のメンバーも狐に化かされたような顔をして笑う。

 でも皆、すぐに打ち解けて仲良くなる。囲碁を打ち、その面白さを知り、そしてみんなで大会に出ようと話が盛り上がるのだ。中学生の子供たちにとってその雰囲気は、学園祭の準備期間のようにわくわくと心踊る楽しいものであり、一致団結するのは必然であった。

 

 

 葉瀬中囲碁部は問題なく活動を開始した。問題はもう一つの方、即ち、院生研修であった。

 

 

「負けました」

 

「ありがとうございました」

 

 ヒカルはその場で倒れそうになるのを懸命に堪える。院生研修は毎週土日の二日で行われる。二組は一日四局、一組は一日二局の対局が行われ、検討が活発になされる。

 

 そして、ヒカルはなかなか勝てずにいた。一局目は圧勝する。二局目は勝ったり負けたり。昼休憩を挟んで打つ三局目の勝率は悲惨だ。四局目に至ってはまったく囲碁にならないで負ける。

 

 そう、ヒカルの体力のなさが、ここに来て、深刻な問題として浮上してしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 研修終了後、奈瀬はヒカルを近くのマックへと連れて来た。ふらふらと何とか、付いてくるヒカルの手を握り、心配の表情で顔を曇らせヒカルに肩を貸すように歩く様はまるで恋人のように見える。翌日、友人にからかわれるのは余談だ。

 

「ヒカル、本当のことを教えて」

 

 マックの小さなテーブルを挟んで奈瀬とヒカルは向かい合う。奈瀬はその端正な顔に強い意志を込めてヒカルの目を見つめて問いかける。

 ヒカルが参加した院生研修は今日で5日目になる。そして、毎回ヒカルはふらふらの状態で研修を終え、奈瀬のことなど気付かないように帰っていく。

 

――あの時の約束は何だったの?

 

 奈瀬は始め、ヒカルに無視されていることに困惑した。次に、苛立ちが胸の奥から溢れてきた。

 奈瀬はヒカルのことをいつも目で追っていた。無意識の行動であった。その行動に気付いた時は無性に気恥ずかしくなった。

 そして、奈瀬のことを無視するヒカルに怒りを感じた。それでも、奈瀬はヒカルのことを目で追っていた。

 それで、やっと気付けた。ヒカルが対局するたびに体調を悪くしていることに。

 奈瀬はまだ、ヒカルとは対局していない。明日の日曜に対局が組まれている。だから、気付くのが遅れた。

 いや、言い訳はよそう。もっと、ちゃんとヒカルのことを見ていれば、もっと早く気付けたはずだ。奈瀬はヒカルから、話しかけてこないことに苛立って、正常な判断力を失っていたのだ。

 

「院生試験の時、ヒカルは寝不足で倒れたって言ってたよね。でも、それ嘘でしょ?」

 

 ヒカルは下を向いてしまった。

 

「今日の手合い、ちょっと、緊張した表情だったけど一局目は問題なく打ててた。でも二局目から、ヒカルは辛そうな顔になっていたわ。お昼休みはどこに行っていたの?お昼ご飯は食べた?食べてないでしょう?三局目なんて死にそうな表情になってたわ。四局目は完全に死んでた。囲碁を打つたびに体調がどんどん悪くなってるように見える。ねぇ、ヒカル、あんた、院生を辞めた方がいいわ」

 

 ヒカルのことを思って言ったつもりだ。でも心が痛くなる。

 ヒカルが顔を上げ、私を見つめてくる。その真剣な表情に私は胸が締め付けられる。

 

「……明日美、明日美は囲碁が好き?」

 

「ええ、好きよ。この前も言ったわよね」

 

「うん、明日美のその言葉を聞いて、俺、絶対に囲碁を止めないって思えたんだ。これから、どんなことがあっても囲碁を楽しむって誓えたんだ」

 

 ヒカルの大きな目が、潤み、照明の光をキラキラと反射する。綺麗だと、私は見惚れてしまう。

 

「俺さ、囲碁を打つ時、仮想の人物を作って打ってるんだ。こいつなら、こう打つ。こいつなら、ああ打つって。そんな打ち方ばかりしていたからかな、いつしか、その打ち方しか出来なくなっちゃっててさ。それで、だったら、その仮想人物に成りきって打てば問題ないって考えてたんだけど、それにはものすごい集中力が必要みたいでさ。一局打つだけで、疲れ果てちゃうんだ。でももう仮想人物に成りきって打つ方法以外出来なくなっちゃってるからさ。疲れてても、一生懸命に仮想人物を脳内で作って打つんだ。頭が破裂しそうになるけど、それしかもう打つことが出来なくなっててさ。……信じてくれる?」

 

 私は頷く。ヒカルの目は真剣で嘘をついているようには見えない。

 

「明日美に会ったのは、この打ち方して、疲労困憊になってた時。その時の俺はもう、囲碁を打つのがつらくて、何でこんな苦しまなくちゃならないんだ、囲碁のどこが面白いんだろうって、囲碁のことが嫌いになりかけてた」

 

 でもね、とヒカルは微笑みを浮かべ、続ける。優しい綺麗な笑顔だなと明日美は見惚れ、ヒカルの顔を凝視してしまう。

 

「明日美の言葉で俺は救われた。大好きな囲碁を嫌いになりたくない、好きでいたいって言葉を聞いて、俺は思い出せた。囲碁が大好きだってこと。だから俺は打つんだ。今はちょっとつらいけど、嫌いになんて絶対にならないって思えた」

 

「だから、俺は囲碁を止めない。明日美に心配かけちゃってるけど、それでも俺は打ち続ける。心配してくれてありがとう、明日美」

 

 ヒカルは私のことを見つめながら、私にそうお礼を言ってくる。ああ、白状しよう。その大きな瞳に反射して見える私の顔は赤くなっていることだろう。嬉しそうににやけているだろう。

 私は私の感情を自覚した。そうすると今度は、ヒカルは私のことをどう思っているのか猛烈に知りたくなる。でも口から出てきた言葉は別のもの。意気地なしの私。

 

「私はヒカルのことが好き、だから、ヒカルの意見を尊重するわ。でも、このまま、囲碁が辛いままで、いいわけないんだから、どうにかして見せなさい!私も協力するから!」

 

「……あははっ、やっぱり明日美だ、厳しいことをへーきで言う」

 

 私はこの年下の男の子に惚れていたようだ。いつからだろう。考えるまでもない。初めて会った時、私のことを慰めてくれた時には惚れていたのだ。

 卑怯な奴だ。女の子が弱っているときに近づいてきて、それで心を奪っていくのだから。最低な奴だ。私はそんな最低な奴に惚れたわけだ。でももう、手遅れだっていうのはわかる。

 

 

 

 

 

 

「お母さん、うん、ごめん、松下さんと検討してたら遅くなっちゃって、でね、そのまま泊まってっていいって松下さんが言うの。うん、そう。明日も院生研修だし、松下さんちに泊まらせてもらってそのまま研修に参加する。うん、うん、わかってる。うん、うん、お休み」

 

 大きなベッドに腰掛け、携帯電話で家に連絡を入れる。勝手に名前を使った友人に心の中で謝る。ベッドから立ち上がり、部屋の中を歩き回る。普通の部屋だ。棚の上にコンドームやバイブが置いてあったり、棚を開けたら、いやらしい下着が売っている以外は。中央の大きなベッドにダイブしてみる。心臓が痛いほど早鐘を打っている。ラブホテルなんて初めて入るのだから仕方ない。シャワーの音が途切れる。うわぁ、どうしよ、ベッドから立ち上がり、部屋をうろうろする。

 

「どうしたの、そんなところで?」

 

 バスタオルを腰に巻いた状態でヒカルがシャワー室から出てくる。なんでそんなに自然体なのよと心の中で突っ込みを入れる。

 

「明日美もシャワー浴びてきなよ」

 

「うん」

 

「ゆっくり浴びてきていいからね。髪の毛も洗っていいから」

 

「えっ?普通洗うでしょ、髪の毛」

 

「あ~、うん、そうだね。いってらっしゃい」

 

 よくわからないヒカルの言葉を聞き流し、シャワーを浴びる。念入りにあそこを洗う。それがとても恥ずかしい。髪の毛を乾かし、歯磨きをする。さっぱりした。う~ん、女は度胸だ。バスローブを羽織り、シャワー室から出る。

 

「って、寝てるじゃん」

 

 大きなベッドの真ん中で穏やかな寝息をたてて眠るヒカル。その横に腰を降ろし、寝顔を見る。可愛い、あどけない顔。大きな瞳が印象的だから、その目を閉じているヒカルを見ると何だか、別人に見える。顔の輪郭はシャープだし、各パーツも整っている。

 将来はイケメンになりそうだと考えながら、金髪の前髪に触れる。しなやかで触り心地がいい。

 ぱちりとヒカルの大きな目が開く。私の瞳とヒカルの瞳が至近で交差する。ヒカルが手を伸ばしてきて、私のことを抱きしめてくる。あっという間に私はヒカルの上でヒカルに覆いかぶさるような体勢にされている。そしてそのままキスされる。ヒカルの舌が私の口の中に入ってくる。

 

「んちゅっ!ちゅっ!んんん、あんん、あっあっあっレロっ、ちゅっ、んんんんんん」

 

 ヒカルの熱い舌が私の口の中で暴れまわる。ねっとりと舌を舐められる。何これ、すっごい気持ちいい。でも、息が苦しい。変な声が出る。

 

「っぷはぁ……はぁ、はぁ、はぁ、あんっ、あんんんん、んん」

 

 ヒカルの口が離れる。私は貪るように呼吸する。頭の中がぼーとするのは酸欠のせいじゃない。ヒカルが私のバスローブを脱がそうとしている。少し、身体を浮かし、それに協力する。脱いだ次の瞬間、身体がくるりと回される。いつの間にか、ヒカルが私の上にいる。

 また、キスされる。すっごいキス。口の中全てを食べられちゃうキス。ヒカルが私の舌をつついてくる。ヒカルの意図がわかる。私は舌を伸ばし、ヒカルの舌に添わす。するとヒカルが私の舌を絡め取るようにうねらせてくる。何それ、気持ちよすぎるよ。

 

「んっ、んっ、んっんんんんんんん!! ふぁぁぁぁぁぁ、ヒカルのキス上手すぎるよぉ」

 

「明日美の口の中美味しいからだよ。今度は身体、舐めていい?」

 

「うん」

 

 恥ずかしいけど、断れない。期待している自分がいる。唇を舐めた後、ヒカルの舌は首、お腹、そして太ももと下へと移動していく。綺麗だよと何度も私の身体を褒めてくるヒカル。手がさわさわといろんなところを撫でてくる。くすぐったいのと気持ちいいのが混じりあい、私は堪らなくなる。

 それを見透かしたようにヒカルは私の胸を揉んでくる。優しいのに強く感じる揉み方、こいつ、慣れてると憤りを言葉にしようとしたら、何とヒカルが私の股に顔を近づけてきた。

 

「や、やぁ、ヒカル、やめてぇ、恥ずかしいよぉ、あ、ん、あああんん」

 

「俺のこと信じて明日美」

 

 そう言って、ヒカルは私の秘所を舐める。クリトリスから小陰唇まで全体をねろーと一舐めした後、私のクリトリスを包皮の上から優しく舐めてくる。胸とクリトリスの両方の快感で私の頭はバカになる。声が勝手に出る。

 

「ヒカルぅ、気持ちいいよ、あっ!あっ!あっ!んはぁ、ああん、んん、あん」

 

 どれほど、続けられたのだろう。記憶が曖昧な中、私はヒカルと熱い口付けをしていた。胸も同時に揉まれている。あそこに手を入れられ、膣内をかき回されている。ヒカルの唾液がすっごく美味しい。

 そこで、私の限界が来る。わけがわからなくなる。気持ちいいのか、辛いのか、それすらわからない。身体が言うことをきかない。恐いと思ったら、それがヒカルにはわかるのか、ぎゅっと強く抱きしめられる。安心感が心の中に広がる。頭の中が真っ白になる。

 

「はぁ、はぁ……んぁ……あん、んんん、んああああっ!!」

 

 私の髪の毛を優しく梳いてくれるヒカル。頬と唇を舐められる。くすぐったくて、それに何だか可笑しくなって、ふふふ、と私は笑う。ヒカルも笑顔だ。

 

「明日美大好き」

 

「私も好き、ヒカル」

 

 私の声じゃないみないな甘え声が出る。恥ずかしくなって思いっきりヒカルに抱きつく。ヒカルの首をぺろりと舐めてみる。ちょっと、しょっぱいけど、美味しいと感じ、私変態みたいだとさらに顔が熱くなる。

 

「明日美の初めて貰うよ」

 

「うん、お願いヒカル」

 

 ヒカルはサイドテーブルに手を伸ばしコンドームを手に取る。それを付けようとするのを私は止める。

 

「初めてはゴムいらない。ヒカルと私の記念だから」

 

 めちゃめちゃ恥ずかしいことを言っている自覚はある。それでも、何とか口に出来た。恥ずかしすぎて死にそう。

 

「嬉しいよ、明日美」

 

 ヒカルが本当に嬉しそうに微笑むのを見て、言ってよかったと思えた。ヒカルが私の両足を持って、ぐいっと股を押し広げてくる。死ぬほど恥ずかしい格好だ。でも、ヒカルは私の瞳を見ながら、優しく微笑んでくる。その笑顔を見ていると落ち着いてくる。

 

「来てヒカル」

 

 異物が私の中に入ってくるのがわかる。鋭い痛み。私はその痛みにとてつもない喜びを感じる。処女を大好きな人にあげられたのだ。嬉しい。

 

「明日美の処女貰えて俺すっげー嬉しい、ありがとう、明日美」

 

 ヒカルの言葉にますます私は幸せになる。じくじくする痛みは続いている。でも耐えられない痛みじゃない。我慢出来ると思って、身構えていたら、ちっともヒカルは動かない。

 

 私に抱きつき、優しいキスをしてくるだけ。

 

「動かないの?」

 

 私が聞いたら、ごめん、明日美に見惚れてた、だって。なんだそりゃあ、こっちまで顔が真っ赤になってしまう。

 

「明日美、気持ちよくなってね?」

 

 髪を優しく撫でられながら、ヒカルはそう言って、ゆっくり抽送を始める。痛い、声を我慢する。ずきずきする。でも、耐えられないほどじゃない。我慢だ。そう思っていたら、ヒカルの指が私のクリトリスを愛撫してくる。包皮を剥いて敏感な豆を触ってくる。オナニーでは包皮越しにしか触らない豆、直に触ると痛いから。でもヒカルの手は魔法の手なのかな、豆を触られる度にすごい気持ちよくなって、私は喘いでしまう。

 ヒカルがはぁはぁと気持ちよさそうな顔で私を求めてくれているのを見ると、すごく嬉しくなる。痛みと気持ちよさ、いつの間にか気持ちよさが勝っている。全身がふわふわする。さっきと同じ、怖くなる感じ。

 

「明日美、イッテいいよ」

 

 ヒカルが優しく声をかけてくる。ああ、この感じがイクってことなんだと、私はやっとわかった。わかったと同時に何かが頭の中を弾けて気持ちよさが溢れだす。頭の中が真っ白になる。イッタみたい。

 ヒカルも一緒にイッテくれたようだ。私の太ももに熱い精液がかかる。

 

「明日美、ありがとう」

 

 ヒカルが抱きついてきて、優しくキスをしてくれる。こんなに幸せなことが世の中にあるのかと私はヒカルに抱きしめられながら、眠りについた。

 

 

 

 

 

 日曜の院生手合い、四局目、私はヒカルと向かい合っていた。ヒカルは辛そうな表情をしている。でも、目は死んでいない。ヒカルは前の三局を勝利している。

 なんとかしなさい、と言った次の日になんとかしてしまうヒカルはすごい。

 

 でも、私も負けてやらない。今の私は絶好調だ。私の頭の中はかつてないほどクリアだ。こんなに集中出来ている自分が怖いくらい。

 

 昨日と同じ服、そしてへんな歩きかたをしたところを友達に見られて、私の威信は地に落ちた。 

 それにしてもヒカルは何なんだろう、と雑念が生まれる。ヒカルは中一のくせに女の子の扱いが手馴れすぎている。お姉ちゃんでもいるのかと聞いてみれば一人っ子だというし。ヒカルはコンビニで私の下着を買っていたのだ。翌朝、着替える時に渡された下着のおかげで、今、私は気持ち悪い思いをせずに済んでいる。それにしても女の子の扱いに慣れすぎだろうと思う。ヒカルには後で厳しく問い質さなくてはならないなと心に決める。そもそもエッチが上手すぎる。絶対に問い質す。おっと、いけない、集中だ。

 

 いろいろとあったが、今の私は絶好調だ。

 

「お願いします」

 

「お願いします」

 

 碁盤を挟んで私とヒカルは向かい合っている。瞳が交差する。絶対に勝つという、ヒカルの心の声が聞こえてくる。それに対して私も心の中で不敵に笑いながらこう言う。

 

 私のしかばねを越えて行け、ヒカル!

 

 

 

 








更新日を毎週水、日にします。詳しくは活動報告を一読願います。




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10 「ネット碁に現れし者、その名はsai」

 葉瀬中囲碁部の春季囲碁大会の結果は男女ともに海王中に3-0のストレート負けであった。皆がその敗北に奮起し、打倒海王中だと燃えている。

 次の夏季囲碁大会に向け、葉瀬中囲碁部は猛特訓を開始した。残念ながらヒカルは院生研修で大会の見学は出来なかったが、ヒカルはそんなみんなの心意気に嬉しさを感じ、びしばし指導を行っていた。

 

 

 一局打つごとに疲労困憊になる件は、奈瀬に何とかしろと無茶苦茶な叱咤を受けた後、ある程度改善した。

 奈瀬という理解者が出来たことが大きかったのだろうか。ヒカルは対局による疲労を軽減することが出来るようになったのだ。

 

 具体的には力の抜き方を覚えたのだ。これまでのヒカルは佐為に成りきり、囲碁を打ってきた。佐為に成りきるのは変えない、というか、変えられない、が、どう佐為をイメージするかという部分を少し、変えることが出来たのだ。

 佐為なら、こう打つという思考を連続させるのに集中力を使うのは仕方ない。

 でも、佐為なら、碁を楽しんで、こう打つんだろうなぁと考えられようになったのだ。肩の力が抜けたのだ。雑念が入ったと言えるかもしれないが。

 それがよかったようだ。最強の佐為を作らなければならないという、追い詰められたような極度の緊張が解けたのだ。それはヒカルの消耗を抑える効果を持っていた。

 

 ヒカルは連続して碁を打てるようになった。もっとも、現時点では六局ほど打つと、へろへろになりぶっ倒れるが、先週は五局だったので、着実に成果が出ている。

 

 奈瀬には感謝してもしたりない思いだ。

 

 これによりヒカルは詰碁や新手研究、検討も少しずつ増やしていけるようになった。これまでのヒカルは佐為の棋譜を並べて勉強することしか出来なかったのだ。佐為に成りきって詰碁や検討をすれば、疲労で疲れ果ててしまう。勉強どころではなかった。これで、少しはましに碁の勉強が出来るようになる。ヒカルは喜んだ。

 

 そして、それ以上に大きな変化がヒカルを待っていた。

 

 佐為を作る必要なく、佐為以外の棋譜を読めるようになったのだ。

 具体的には頭を空っぽにして棋譜を見つめる。すると対局者たちがどういう心境と意図を持って碁石を置いたかが、わかるようになったのだ。対局者たちの心の声が棋譜を通してヒカルに語りかけてくるのだ。

 

 佐為に成りきって、棋譜を読む必要がない、これで疲労を気にせず、より多くの棋譜を勉強出来るようになったとヒカルは喜んだ。

 

 どうしてこんな力が備わったか、ヒカルにはわからなかったが、考えてみれば単純なことだ。神を欺くほど完璧な佐為を作り出せるほど、ヒカルの感受性と碁に対する感性はずば抜けている。

 そのヒカルが佐為を作る為に佐為の棋譜を死にもの狂いで読み、思考し、その打ち手たる佐為を再現したのだ。

 その佐為を作る過程では、佐為に成りきり、佐為の棋譜から佐為の感情を読み解き、佐為がなぜそう打ったのか、完璧に理解する必要があった。ヒカルはそれを永遠と繰り返した。そしてそれは、棋譜から佐為の声を聴くことが可能になるまで続けられた。そのヒカルの努力が実を結び、どんな棋譜からでも対局者たちの心の声が聴こえるようになったのだ。

 

 ただ棋譜を眺めるだけで、その対局の全てを理解し得る。それはとてつもないヒカルの才が開花した結果であり、ヒカルの大きな武器となる。もっとも、ヒカルはその凄さと有用性に気づいていないのだが。

 

 そんな状況のヒカルはある決意を固めていた。

 

 

 

 

 理科室で三谷に指導碁をしている時、ヒカルはネット碁をしたいと、それとなく三谷に話を振った。すると三谷は俺の姉貴がインターネットカフェでバイトしてるから、そこならタダでやらせてもらえるかもよ、頼んでみようか、とヒカルの求めていた回答をしてくれる。

 

 ほんとか!?と大げさに驚く振りをしながら、嬉しそうに三谷に頼み込むヒカル。三谷もすぐに姉にそのことをお願いしてくれた。そして、ヒカルは三谷の姉の勤務シフト表を手に入れることに成功する。

 ヒカルは早速、学校が終わると三谷の姉がバイトしているインターネットカフェを訪ねた。

 

 

 三谷の姉の響生(ヒビキ)は16歳の高校二年生で、平日週三回17時から20時までインターネットカフェで働いており、そのバイト代を三谷にもお小遣いとして渡すほど、優しい女の子であった。

 初めて、インターネットカフェを訪れた時は、平日ということもあり、お客はヒカル一人であった為、ヒカルはずっと響生とお話しをして過ごした。ヒカルの話術に響生が嵌ったとも言えるが……。

 

 響生の警戒心を解く為、弟の三谷のことを褒めまった際に、お小遣いの件を聞いたのだ。三谷を囲碁部に誘ったのがヒカルだということを知ると響生は嬉しそうに笑った。

 母子家庭で母親が看護婦として忙しく働いている為、響生は弟の祐輝のことを母親代わりのように感じ面倒を見ているそうだ。

 今、響生はフリーだそうだ。ホワイトデーの日に彼氏と喧嘩し、別れてしまったそう。まだ、響生はその時のことを後悔している。髪を金髪に染め、ポニーテールにしたのは彼氏の趣味に合わせる為で、それまで着ていたガーリー系衣装は全部売り払って、スタジャンを着るようになったそうだ。未だにその格好のままなのは彼氏が忘れられないせいかなと悲しそうに笑っていた。

 

 ヒカルはそんな響生を慰めた。響生のことを褒めまくり、時には笑いを誘いながら、響生の欲する言葉だけを与え続ける。そして、掌を返したように、響生にも悪いところがあったんじゃないかと責め、響生がそうだと落ち込むと、それをさらに甘い言葉で慰める。

 

 他のお客が入ってきて、話を止める2時間弱の間に、響生はヒカルのことを好きになりかけていた。こんなに私のことをわかってくれるのはこの子しかいないという想いが響生の心を満たしていた。彼氏と別れて、寂しく辛い想いを引きずっていた響生の心の隙間をヒカルはいとも簡単に埋め、籠絡させたのだ。

 

 何が悪かったのかと考えると、しいて言えば、タイミングであったろうか。三谷響生が彼氏と別れていなければ。ヒカルがインターネットカフェに訪れた時に三谷響生が忙しければ。三谷響生が彼氏のことから立ち直る時間がもう少しあれば。

 

 そして三谷響生の性格も災いした。弟に頼まれたからと、弟の友達のお代をタダにしてしまう。彼氏の趣味に合わせ、振られた後もその趣味のままにしている。三谷響生は、優しく母性本能が強い。同時に人に流されやすく甘えたがりの依存心の強い性格であったのだ。

 

 しかし、それは考えても仕方のないことなのだろう。運命が三谷響生をヒカルに出会わせた。はからずもキューピット役になってしまった三谷祐輝には残酷な結末だが、三谷響生はヒカルにその心を絡め取られ、その身体を許すことになる。ヒカル相手に身体を許せばどうなるか。つくづく三谷祐輝には残酷な結末としか言いようがない。

 

 

 

 

 やべぇ~、もうすぐ、19時じゃん、早くネット碁しよ。ヒカルは響生(ヒビキ)とのおしゃべりに夢中になっていたことに反省し、パソコンに向かう。

 お母さんには今日はあかりんちで夕飯を食べると言ってあるので、遅くなっても平気なのだが、響生のバイトシフトが20時までなのだ。響生には引き継ぎもあるから、遅くとも19時45分には出るように言われている。その後、一緒にカラオケに行く約束をしたのは余談だ。

 

 ワールド囲碁ネットに入り、個人アカウントを作成する。

 

 名前はもちろん――『sai』。

 

 棋力の申告は、申告して認められる上限の7段、その他の必須項目をすばやく埋め、早速対局申請画面へと移る。持ち時間1分、秒読み30秒に設定している相手に対局を申し込む。

 

 ヒカルは電子の宇宙に没入する。白と黒が幾何学模様を織り成し、宇宙の星々のように輝く美しい世界。その世界の神となり、星を無造作に創生し、戯れるように配置する。その美しさと無情な残酷さを兼ね合わせた世界に埋没する。ヒカルの如き矮小な存在ではその一端に触れただけで飲み込まれ食らわれてしまう深淵の世界。ヒカルは寄る辺なく立ち、無謬に対する無謀な戦いを開始する。

 

『sai』を世間に公表させてあげられた唯一の居場所。ヒカルはその場所で『sai』として打つ。

 それはかつての佐為の唯一の居場所を奪う冒涜の行為かもしれない。

 ヒカルが打つのだ。いずれ、絶対に負ける。

 全勝することで生まれた『sai』の伝説はこの世界では生まれないだろう。ヒカルが負けた時、『sai』の伝説と存在はネット碁からも消えてしまうのだ。

 佐為はそれを怒るだろうか。そんなわけない。強くなる為ならどんなことでもしなさい。そんなくだらないことに気を使う暇があるのですかヒカル。佐為なら絶対に言うだろう、叱咤の言葉が聞こえてくるようだ。

 勝つ為に最高のパフォーマンスを発揮し、それで負けたのなら、どうして負けたか徹底的に研究しなければ、成長なんて出来ない。

 

 なぁ、佐為、俺はお前を越えてみせるよ。どんなに辛くても。だから、許して欲しい。俺が、『sai』を名乗ることを。いつか、おまえを超えると誓うから。お前の名前を貸してくれ。お前の力を貸してくれ。神の一手に至る為に。

 

 

 

「待たせちゃってごめんね、ヒカル君」

 

 響生(ヒビキ)がインターネットカフェの制服から高校のブレザーに着替え、お店の裏口から出てくる。ヒカルも学ランを着ている為、背の高い美人な彼女と、それを待っていた年下の彼氏に見えなくもない。

 

「ん~ん、俺の方こそ、今日はありがとう、響生お姉ちゃん!ごめんね、タダでパソコン使わせてもらっちゃって」

 

「いいのよ。そんなことより、カラオケ行きましょう?22時には帰るんでしょ。後、2時間切ってるよ!急ごう!」

 

「夕飯はどうするの?」

 

「あ~何か買っていこう、行きつけのカラオケ屋さんは持ち込みオッケーなんだよ。歌いながら、食べよう!そこのカラオケ屋さん、ぼろいけど、最新の歌も入ってるから、本当におすすめなんだ」

 

「俺、歌とかあんま上手くないんだけど、それでも大丈夫?」

 

「へ~きへ~き、一緒に適当に歌えばいいんだから。大声出すだけで気分がよくなるんだよ、カラオケって。それに他にも楽しいことがあるかも」

 

「うん、ありがとう、響生お姉ちゃん」

 

 

 

 

 カラオケ屋は雑居ビルの3階にあった。ヒカルたちが店に入った時は満室だったが、丁度カップルらしい高校生が帰るところで、待たずに部屋に通される。

 かなり狭い個室だ。響生が言うとおり、部屋の内装はぼろぼろで、ソファにも染みがあり、お世辞にも流行る要素があるお店には見えなかった。満室になっているのが不思議に思えが、すぐに疑問が解ける。

 

「ヒカル君、ここね、エッチなことしても何も言われないんだよ。だから、お金のない高校生がラブホとして使ってるの」

 

 そう言いながら、ソファに座ったヒカルの上にまたがるように向い合せで座る響生。ヒカルの肉棒はその時点で完全に勃起しており、大きく開いたスカートの中のパンツ越しに響生の尻に当たっていた。

 

「ひ、響生お姉ちゃん」

 

「ヒカル君、ヒカル君の童貞をお姉ちゃんに頂戴……嫌かな?でもヒカル君のあそこは嫌がってないよ。ほら」

 

 響生は腰を厭らしくヒカルの上でくねらせる。ズボン越しに響生の温かくて柔らかい尻がヒカルの肉棒を刺激する。

 ブレザー姿の金髪ポニーテール高校生、それも美少女が淫らに誘惑してくるのだ。ヒカルは唾をごくりと飲み込む。

 

「厭らしいお姉ちゃんでごめんね。このお店もね、元彼によく連れてこられてたんだ。だから、お姉ちゃん、汚れちゃってるの。でも、それでもお姉ちゃん、ヒカル君のこと好きになっちゃったんだ。お願い、ヒカル君の初めてをお姉ちゃんに頂戴」

 

「響生お姉ちゃん!!」

 

 ヒカルは響生を抱きしめる。響生も嬉しそうに抱かれ、ヒカルの頭を撫でる。ヒカルは響生の胸に顔を埋める。甘ったるい安物の香水の香りと響生の女の匂いを堪能する。顔を上げたヒカルは響生を見つめながら、懇願する。

 

「俺の初めて、響生お姉ちゃんに貰って欲しい!それに響生お姉ちゃんは汚れてないよ!優しくて、綺麗な俺の初恋のお姉ちゃんなんだから!」

 

「ヒカル君!」

 

 響生は感極まった表情でヒカルにキスしてくる。ヒカルはその唇を受け入れる。響生の舌がヒカルの口中に入ってくる。ヒカルはおずおずと舌を出し、響生の舌に合わせる。

 

「ちゅっ!んちゅう、ちゅっ、っちゅううう……レロっ、んちゅ、ん、んん」

 

 響生は顔を真っ赤に染め、必至にヒカルの口内を貪ってくる。ヒカルの舌を食み、歯茎を舐め、そして、ぐちゅぐちゅになった唾液をヒカルに流し込んでくる。

 

「んじゅんじゅ、ちゅううう、べちゃべちゃ、ふうぅんん、ちゅっ!っちゅうううう」

 

 ヒカルは響生のされるがままに口内を蹂躙される。響生の唾液を一生懸命嚥下したと思ったら、今度は顔を舐められる。ほっぺ、目元、首筋、耳、ヒカルの顔は響生の唾液でべちょべちょに犯される。

 

「れろれろ、んちゅっ……ん、レロっ。……ヒカル君、ごめんね、お姉ちゃん興奮しちゃったみたい」

 

「ん~ん、お姉ちゃん、すっごく気持ち良かったよぉ。でも、俺、もうあそこが疼いて我慢出来ないよ」

 

 興奮し淫欲の表情を浮かべる響生に、ヒカルは辛そうな表情を作り、響生の瞳をじっと見つめて訴える。

 

「うん、私ももう我慢出来ない。ヒカル君の初めて貰うね」

 

 響生はヒカルに抱きついたままスカートとパンツを脱ぐ。そして、ヒカルのズボンのベルトを緩め、ズボンとパンツを一気にずり降ろす。ヒカルの勃起したペニスがぺろんと外に飛び出す。それを見て目を大きく開く響生。

 

「うわっ、ヒカル君のすっごい大きいんだね。皮も被ってないし、すごい!」

 

「響生お姉ちゃん、あんまり見ないで、俺、恥ずかしいよぉ」

 

「ふふっ、でも恥ずかしがることないよ。ヒカル君のこれは立派だから。それじゃあ、入れるよ?ヒカル君の初めて貰うからね?」

 

「コンドームはいいの?」

 

「今日は安全日だから、大丈夫。……やっぱりヒカル君は優しいね。あいつなんていつも生でさせろって……あっ、ごめん、今の忘れて!それじゃあ、いくね」

 

 ソファにヒカルを寝かせると、紺色のブレザーを着たまま響生はヒカルの肉棒目掛けて腰を降ろしてくる。友人の美人なお姉さんが制服を着たまま、つたないリードで一生懸命に対面騎乗位で乗りかかってくる。ヒカルはそのシチュエーションに興奮しすぎて、射精しそうになる。

 

「あんっ、ん、んんん……入ってきたよ……ヒカル君の大きいからちょっとつらいかも」

 

「うわぁぁ~、響生お姉ちゃん!」

 

「童貞喪失おめでとうヒカル君。どうかな私の膣内は?」

 

「す、すごい、気持ちいいです……お姉ちゃんの熱いあそこが俺のちんこをぎゅうぎゅう締め付けてきて、なのに、ねとって優しく絡まるような……あっ、うわ~、響生お姉ちゃん動いちゃダメだよ~」

 

「ふふっ、動かないとセックスにならないんだよ。いつでも好きな時にイッテいいから楽しんでね、ヒカル君」

 

「んん、すっごい気持ちいいよぉ、お姉ちゃん」

 

「あん、んん、あっ、ふっ、んんああああああ……わ、私も、すごく感じちゃってるよぉ。ヒカル君のチンポが私の膣をぐりぐり刺激してくるから、あ、あん、んん……私もう堪らない!」

 

 響生が一生懸命に腰を振る。ヒカルはそんな響生の腰を優しく支えてやりながら、響生の膣内の感触を味わう。響生の顔は刻一刻と蕩けていく。年上のお姉ちゃんの顔から、雌の顔へと変貌していく。

 

「んん、んん……あっ!あっ!あっ!すっごいよ、何これ、いい、いいよこれ、いい……あん、あっ!あっ!」

 

 金髪のポニーテールを揺らし、整ったきつめの顔立ちを真っ赤に蕩けさせて腰を振る女子高生、それが友達のお姉さんなのだ。そのお姉さんが切羽詰ったように喘いでいる。喘がしているのは中一になったばかりのヒカルなのだ。堪らない状況だ。ヒカルも響生の腰の動きに合わせて、肉棒を突き上げてやる。響生の感じる場所はGスポットと膣の中ほどの左側だとわかったので、そこを重点的に責める。

 

「お姉ちゃん、すごいよぉ、気持ちいいよぉ」

 

「ひぃぃ、あん、あん、ヒ、ヒカル君、いつでもイッテいいいいいっ!!んあああ!!ダメ~、イク、イっちゃう、な、なんでぇ、なんでこんなに気持ちいいのぉ~、だめなの、だめなのに~、ん、んん、んあああああ!!」

 

 ヒカルの最後の一突きに響生は絶頂を極める。舌を出し、整った顔をアへ顔に歪めながら、響生は快感の渦に飲み込まれる。

 

「お姉ちゃん、俺もイク!」

 

 ヒカルは響生の絶頂に合わせて射精する。響生の腰をぐっと引いて子宮口に亀頭を押し当て、どくどくと大量の精液を響生の子宮へ流し込む。

 

「んぁぁぁぁぁぁ!!ヒカル君のあっついのが私の中にいっぱい入ってきてる!!何これ、すごい、すごすきるよ、ひぃぃぃぃぃ!!!

 

 ヒカルの暴力的なほど大量の精液が響生の子宮を暴れまわる。響生を再度の絶頂へと押し上げる。響生はアへ顔のまま、ヒカルに倒れかかるように抱きついて気を失う。その拍子にぬぽっとヒカルの肉棒が抜け、どろどろと響生の膣から精液が溢れ出してくる。ヒカルの肉棒はまだ、大きいままだ。

 

 ヒカルは響生を優しくソファーに横たえ、立ち上がり、テーブルの上に置きっぱなしになっている響生の携帯を借りる。

 

「あっ、お母さん、うん、わかってるよ、うん、へーき。それでさ、今日、あかりんちに泊まってくから、うん、うん、うん、大丈夫、迷惑かけないから、うん、あかりんちから直接学校行くから。うん、うん、あ~もう切るよ、わかったから、うん、じゃあね!」

 

 携帯をテーブルに戻し、部屋の内線電話をとる。

 

「時間の変更をお願いします。はい、はい、オールでお願いします。朝の7時までですね。はい、わかりました。はい」

 

 友達の美人お姉ちゃんに童貞を奪ってもらう受け身プレイはすばらしかったとヒカルは笑顔を浮かべる。今度は友達の美人お姉ちゃんに、元彼のことなど忘れさせるほど激しいプレイをして、ヒカルのことだけを考えるエロ姉にしてやろうと考える。時間は一晩ある。何百回かイカせば元彼のことなんて吹っ切って、俺のものになるだろうと、ヒカルは気楽に考えるのであった。

 

 

 

 

「んほおおおおおおおおお!!!いっくううううううううう!!!」

 

「わ~、お姉ちゃん、潮吹いちゃってるよ!すっごいね~」

 

 響生はアへ顔絶叫をしながら、バカになった頭で必至に考える。

 なんで、こんなことになったんだっけ。え~と、そう、ヒカル君の初めてを貰った後、その気持ちよさで響生はイッテ意識を飛ばしてしまった。すぐに目を覚ました響生にヒカル君は優しく頭を撫でてくれていたんだ。嬉しくなって口付けをした。

 

 お姉ちゃん、もう一回してもいい?と可愛い顔でお願いされ、響生は満面の笑みでそれを受け入れた。

 それから、それからはそう、お互い裸になって、正常位で激しく突かれて、また絶頂した。今度は、意識がなくなる前にヒカル君にさらに激しく責め立てられて一瞬で目が覚めた。それから、またわけがわからないほど、気持ち良くされて、意識がなくなる暇がないほど、バックから責められた。

 時間の感覚が曖昧になって、どれくらい責められていたかわからないけれど、その後、お腹空いたね、ごはん食べよ、とヒカル君は朗らかに笑いながら、そう言ったんだ。やっと、休めると思ってほっとした記憶がある。

 でも、コンビニで買ってきていたサンドイッチとおにぎりを食べている間も私は座位でヒカル君に突かれたままで。ヒカル君が口移しで私にごはんを食べさせてくれて、私は泣いて喜んだんだ。こんなにおいしいごはんは食べたことないってヒカル君に抱きついて、お礼にヒカル君にもごはんを口移しで食べさせてあげたんだ。

 その後は?そう、ヒカル君の逞しい肉棒を口で奉仕したんだ。下手糞って、最初ヒカル君に怒られて、それからどうすればいいか優しく教えてくれたヒカル君。私が一生懸命にヒカル君の肉棒に奉仕して、ヒカル君が射精してくれて。そう、そうしたら、ヒカル君が褒めてくれたんだ。あまりの嬉しさに私は泣いちゃって、それをヒカル君が慰めてくれたんだ。

 何て言ってたっけ。そうだ、前の彼氏はセックスが最悪に下手だったんだね。響生お姉ちゃんに何も教えないで、どうせ好き勝手やらせろとか言ってきたんでしょ?でも俺は絶対にそんなことしない。大好きな響生お姉ちゃんを悲しませることは絶対にしないって、そう言ってくれたんだ。

 元彼のせいで、ヒカル君に怒られて、元彼に対して殺したいほど殺意が湧いたけど、そんなのどうでもよくなるくらい、ヒカル君の言葉に私は嬉しくなって、泣いちゃったんだ。泣きすぎて、目が真っ赤になっちゃって、喘ぎすぎて、喉がガラガラになっちゃって、私はヒカル君に休ませてってお願いしたんだ。

 もちろん、優しいヒカル君はゆっくり休んでって言ってくれて、一時間休ませてくれたんだ。抱きしめられながら、一時間寝て、アラームの音で起きた私はすぐにヒカル君にキスをして、またセックスを始めたんだ。

 そう、それで、今、私はヒカル君とセックスしているんだ。今は、ヒカル君がバックから突いてきて、潮を吹いたところだ。もう、何をされても、どこを突かれても私の身体はヒカル君のものなら、全て受け入れて感じてしまう身体になっちゃった。私はヒカル君だけのものなのだ。そう、身体に刻み付けられてしまった。それが、とても嬉しくて、幸せで、私はどうにかなっちゃいそうだ。

 

 

 

「響生お姉ちゃん、もう6時だよ、後、1時間しかないよ!しっかり感じて!楽んで!」

 

「ひぃやぁぁぁぁぁぁ、もうむりりゃのぉぉぉ!!!おかしゅきゅにゃってるのお!!!」

 

 響生がアへ顔で絶叫する。その声はかすれ気味だ。無理もない。ヒカルに一晩中犯され続け、喘ぎ続けたのだから。

 

「しゅごいよぉ、にゃんらの、このひぃんぽ、あん、あん、あん」

 

「りゃめぇ、もうりゃめ~、へああ……んへあぁ」

 

「んひぃぃぃぃ、いしきとんでたの~、ごめんりゃしゃいぃ」

 

「いいよ、おかしくなって。どんなにおかしくなっても俺は響生お姉ちゃんのこと、元彼みたいに捨てたりしないから。俺だけを考えて、俺だけの響生お姉ちゃんになって!」

 

「んあっ、あっ!あっ!あっ!んん、んんあああああああああ!!!なりゅうぅ~、なりゅのお~、ひびきは、ひかりゅひゅんだけのおねえひゃんなのお!!!!んっああああああああああああ!!!」

 

「弟の祐輝じゃなくて俺のことだけを見るんだよ!?」

 

「うん!!うん!!ひかりゅくんだけみりゅうう!!!あああああああああ!!!」

 

「んへああ、イックうぅぅぅぅ~!!!」

 

 カラオケボックスの防音設備など意味をなさないほどの嬌声を張り上げ続けた響生は、最後に嗄らした声で絶叫し気絶してしまう。途中休憩1時間以外の9時間をぶっ続けでセックスしたのだ。響生の膣口は開いたまま、ぴくぴく痙攣し、ヒカルの精子を垂れ流し続けている。部屋にはエアコンの換気機能ではしばらく消えそうにないほど淫臭が立ち込め、ソファは響生の汗と愛液とヒカルの精液でぐちゃぐちゃになっている。

 

「ふう、掃除すっか」

 

 さすがのヒカルも疲れから、だるそうにそう独り言を言った後、部屋の片づけをする。フロントから借りてきたタオルを使って、部屋を最低限掃除し、響生の身体もおしぼりで拭いてやる。金髪のポニーテールが解け、ぼさぼさになってしまっていたので、手櫛で整えてやる。涎でべちゃべちゃな口元を拭い、泣きすぎて腫れぼったくなった目元を新しいおしぼりで冷やしてやる。もうすぐ、7時だ。外は見えないが、とっくに日は登っているのだろう。

 

「響生お姉ちゃん、起きて!学校行く時間だよ」

 

 もぞもぞと響生は動き、何とか立ち上がる。顔の表情は死んだように動かず、まだ半分意識がしっかりしていないようだ。

 

「無理、今日は休む」

 

 喉が嗄れてなったハスキーボイスでぼそりと、小さく呟くように返答する響生。

 

「じゃあ、響生お姉ちゃんちに送っていくから、着替えよう」

 

 ヒカルは素っ裸の響生にブラをつけてやり、パンツを履かせ、と順々に服を着せていく。されるがままに響生はそれを受け入れる。

 

「もう、お姉ちゃんは甘えん坊なんだから」

 

 ヒカルがからかうと、やっと意識がしっかりしてきていた響生はうぅ~と唸るようにヒカルを睨んでくる。

 

 そんな響生が可愛らしかったので、ヒカルはちゅっと響生にキスをする。顔を真っ赤にする響生。

 

「これからもよろしくね、お姉ちゃん」

 

 それに、響生は疲れ果てた笑顔を返す。

 

「それにしても、俺の身体、響生お姉ちゃんの厭らしい匂いが染み付いちゃって、このままだと学校行けないな。どうすっかな、一回帰るかな」

 

 響生を家まで送り届ける際にぽつりと呟いたヒカルの言葉は、私んちでシャワー貸すよという響生の言葉で解決する。

 

「えっ、でも」

 

「お母さんは夜勤だから、帰ってくるの10時過ぎだし、祐輝はどーせまだ寝てるから大丈夫だよ」

 

「じゃあ、お言葉に甘えるね、お姉ちゃん」

 

「わ、私の身体もヒカル君の雄の匂いが染み付いちゃってるから、一緒にシャワー浴びよ?もちろん、ヒカル君の身体は私がしっかり洗ってあげるから」

 

 ハスキーボイスに情欲をのせ、ヒカルにぴったりくっついて離れない響生にヒカルは、じゃあ、響生お姉ちゃんは俺が洗ってあげるね、と笑うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「なんだよ、姉貴、朝から風呂かよ」

 

 風呂場前室に歯磨きに来た祐輝はそうボヤキながら、顔を洗い、髪を整える。風呂場からはシャワーの音が響いている。歯磨きをしながら、髪型チェックの為に覗き込んだ鏡は、背後の風呂場を写す。曇りガラス越しにぼんやりと見える人影は姉のものだろう。すると、中折れタイプの浴室のドアがわずかに開き、そこから姉の響生(ヒビキ)の顔が見える。

 

「あ、あんた、早く学校行きな、さいぃ!……んぁ、ち、遅刻するわよ!」

 

 シャワーが熱かったのか、顔を真っ赤にし、少しどもった、のぼせたような声で姉が祐輝に声をかけてくる。少し鼻にかかったハスキーボイスなのはどうせ遅くまでカラオケで歌いまくったせいで声が嗄れたんだろ。ちぇっ、人のこといえるのかよ、自分だってちんたらシャワー浴びてるくせに、なんで朝から怒られなくちゃいけないんだよ。祐輝は憤りを覚える。

 

「姉貴に言われなくてもわかってるよ!」

 

 歯ブラシを口から離し、怒鳴るように答える。そこで、ふと、昨日は進藤が姉貴のバイトしているインターネットカフェに行ったことを思い出す。あいつは、抜けたところがあるから、ちゃんと姉貴の店に行けたのか、間違って別の店に行って金がないなんてことになってないよな、と気になり姉貴に声をかける。

 

「そーいや、昨日進藤の奴、姉貴の店に行った?」

 

「ぁぁ…………えっ、んん、ぁぁ……イク!!」

 

「行く?」

 

 シャワーを出しっぱなしにしている為、姉貴の声が聞き取りづらい。無駄遣いするなっていつも言うくせに、水がもったいないだろ。祐輝はまた理不尽を覚える

 

「行くじゃない、来た、来たわよ、進藤君」

 

「ああ、ちゃんと行ったんだ。あいつ生意気だったろ」

 

 でも、まぁ悪い奴じゃないからよろしくな、と言おうとしたら、被せるように姉貴の説教が飛んでくる。

 

「進藤君は生意気じゃないわ!大事な友達でしょ!そんなこと言うなんて最低よ!」

 

 そしてぴしゃりとドアが閉まる。

 

 ――なんなんだよ!

 

 祐輝は姉貴の理不尽に憤りを爆発させる。歯磨きをさっさと終わらせ、口を漱いで、風呂場前室から出て行こうとする。

 

 そこに姉貴から声がかかる。今度は先ほどよりさらに少ししか扉が開いていない為、姉貴の顔は見えない。

 

「ん、ふぁ……ごめん、言い過ぎた。でも、大事な人なんだから、そんな言い方はダメだよ。わかった、祐輝?」

 

「……ああ、もういいよ、わかったから。それに姉貴、進藤とは部活が一緒ってだけだぞ、大事って、なんだそりゃ」

 

「ぃぃぃっ……ふふ、言い方が悪かったわね。はぁ、んぁ……ぁぁぁっ!!と、とにかく仲良くしなね。あ、あと、姉貴ってもう呼ばないで。あんたももう中一になったんだし、これからは響生さんって呼ぶように。わかった?」

 

「……はっ?」

 

「んあっ、い、いやなのよ、あんたに姉って呼ばれるのが、私のことそう呼んでいいのは…………ん、んん…………ぁぁぁ!!…………とにかくあんたもいい歳なんだから!わかりなさい!……ぁぁぁ……ほら、さっさと学校行きなさい!早く!早くイクぅ!」

 

「意味わかんねーよ。はぁ、もういいや、じゃあな、姉貴」

 

 祐輝は姉貴の変な態度が徹夜で機嫌が悪いせいだろうと疑う。それで、八つ当たりされるとか最悪だ、とさっさとその場を後にする。

 

 

 

 風呂場前室のドアがばたりと閉まる。立ちバックで響生のマンコを犯し続けていたヒカルは、響生の円錐形に張った美乳を強く揉んでやる。声を我慢し続けていた響生は野獣のように嬌声を張り上げる。一晩かけてヒカルのチンポの形に仕込んだ膣壁がぎゅっと閉まる。女子高生の若々しいキツイ締め付けなのにヒカルの大きなチンポを優しく包み込むヒカル専用マンコだ。最高の気持ちよさをヒカルにもたらす。

 

「またイクのぉ、ヒカル君のチンポすごいっ!最高なのぉ!オマンコバカになってるのぉ!!」

 

「弟と話しながら、何度もイクなんて響生お姉ちゃんは酷い姉だね。弟と話すたびに、めちゃくちゃ締め付けて来たよ、お姉ちゃんのマンコ」

 

「あん、そんなこと言わないでぇ、ヒカル君のが凄すぎるからしょうがないのお!」

 

「でも、何で三谷に姉貴って呼ばせないの?教えて響生お姉ちゃん」

 

「もう、私の気持ちわかってるくせにぃ!私のことお姉ちゃんって呼んでいいのはヒカル君だけなんだから!

 

「あははっ、よく言えました。じゃあ、もう一回イカせてあげるね」

 

「大好きヒカル君!響生は一生ヒカル君のお姉ちゃんだからね!響生お姉ちゃんのことずっと可愛がってぇ」

 

 風呂場の壁に手をつかせ、速く力強い抽送を響生の膣内で行う。ヒカルの肉棒に響生の膣壁が絡み付いてくる。濡れそぼったマンコからシャワーの音より大きなぐっちょぐっちょという淫靡な激しい性交音がシャワー室に響き渡る。

 

「あっ!あっ!あっ!またきた!きたの!私の気持ちいい場所だけ擦ってくるの……何でぇ~、イッちゃうのぉ~!」

 

「ヒカル君のオチンポ様、凄いの!凄すぎるの!あん、ああ~ん、ひぃぃぃぃぃぃ!」

 

 響生の甘く淫靡なおねだり声が風呂場にこだまする。

 

「お姉ちゃん、この後は、そのおっぱいを使って俺の体を洗ってね?」

 

「ひぃあああ……へぁあああ……ぁぁ……う、うん、お姉ちゃんがヒカル君の体を綺麗にしてあげるぅ」

 

そう言って、抱きついてくる響生。ふぁぁとヒカルの身体の匂いを至福の表情を浮かべながら嗅ぐ響生をあやしながら、これは遅刻だなと笑うヒカルであった。

 

 

 

 

 

 



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11 「本因坊秀策の軌跡を追って」

 ヒカルは日本棋院の資料室に来ていた。ヒカルが罪の意識から過去に戻してと叫んだ場所だ。

 いろいろと思うところはある。それでも、ヒカルは冷静であった。 神の一手を極めるという決意の前に雑事で心を乱すほど、ヒカルの心は幼くも弱くもなかった。

 いや、元は幼く、繊細であった。あかりや奈瀬たちとの絆がヒカルの心を強く成長させたのだ。

 5月5日、かつて佐為が消えた日もヒカルは感傷に浸ることなく囲碁の勉強に打ち込むことが出来た。

 

 佐為を超える為に強くなりたいとヒカルは死にもの狂いで勉強している。どうすれば、強くなれるか、ヒカルは考える。対局と検討、新手研究や、詰碁はもちろん必要だ。

 だが、完全な佐為を作り、それを超えることがヒカルには求められているのだ。

 

 それはどうすればよいか?

 

 インターネット碁を佐為として打つ。足りない。佐為に成りきり院生たちと切磋琢磨する。足りない。名人の研究会で対局や検討、研究をする。足りない。

 佐為に成り、それを超えるにはそれではだめなのだ。

 佐為――本因坊秀策の棋譜は諳んじて言えるようになった。

 それで、佐為を理解したと言えるか?佐為に成りえるか?

 違うだろう。足りないだろう。

 

 佐為の師匠の棋譜、佐為と打った対局者たちの棋譜、佐為と同門であった者たちの棋譜、佐為に影響を受けた佐為の後継者たちの棋譜、その棋譜を研究した後継者たちによって打たれた棋譜、それを研究した棋士たちが打った棋譜。

 連綿と続けられていく囲碁の歴史を理解することこそ、藤原佐為を理解することにつながる、とヒカルは気付いた。

 藤原佐為が偉大であったればこそ、囲碁の過去と現在の棋譜の中に佐為が息づいているのだ。その命脈を、鼓動を勉強することこそが、佐為に近づく第一歩だとヒカルは考えたのだ。

 

 がさごそと、価値ある資料をヒカルは物色する。探し物が見つかったのか、その手が止まる。装丁がしっかりした大きな本であった。それをテーブルに置き、パイプ椅子に座る。

 ヒカルは本を開く。

 部屋の空気はヒカルの本をめくるわずかな風以外そよともしない。パイプ椅子の軋む音一つなく、しんっと静まり返った部屋で、ヒカルはずっと棋譜を見つめ続ける。

 

 まずは、本因坊、安井、井上、林、家元四家の棋譜をヒカルは眺めている。佐為に成りきり、考える必要はない。頭をからっぽにして対局者たちが何を想い、その一手を打ったか受け入れればいいのだ。棋譜は詳細にわかりやすく、ヒカルに打ち手の心情を語りかけてくれるのだから。素直に棋譜に目を通せばよい。

 

 文字通り命を懸けて戦う、本因坊丈和と井上幻庵因碩。一手に込められた殺意が互いの碁を高めあう。赤星因徹と本因坊丈和の松平家碁会、新手を打つ因徹の恨みがヒカルの心を震わす。対する丈和の三妙手、殺意のみを抱いて編み出される対応手、ヒカルの心に囲碁の深淵が咢を開き襲い掛かる。囲碁を発展させてきたのは楽しむ対局ではないのだ。全ての棋士たちの意地が互いにぶつかり合い、その歩を進めてきたのだ。

 

 悠久の歳月を連綿と積み重ねた古書、その古書の命脈を引き継いだ棋士たちによって紡がれた新たな名局、囲碁の歴史そのものが資料室には息づいている。ヒカルはその空気を全身に取り込んでゆく。

 

 

 

 

 日本棋院事務局で二人の男たちが半年後の棋戦スケジュール関連書類を作成していた。スポンサー、マスコミへ配布されるものである為、入念なチェックをする。

 

「あ~、もうこんな時間か、残りの仕事は明日にして帰ろうじゃないか野上さん」

 

「そうですね、じゃあ、私は進藤君に声をかけてきますので先に帰ってください坂巻さん」

 

「進藤君?」

 

「あれ、坂巻さんは知りませんか?院生の子なんですけど、最近よく資料室で勉強しているんですよ。いや、あれを勉強しているって言えるのか、私なんかにはわからないんですけどね」

 

 はははっ、と笑う野上。坂巻は何だいそれはと野上に尋ねる。お互い仕事の手を完全に止め、たばこに火をつけ、口元に持っていく。中年の親父二人はゆっくりと煙をくゆらせ、ニコチンを補給する。

 

「うちの資料室にはほぼすべての棋譜があるじゃないですか。それを進藤君は見てるんですよ。地元の図書館にはあまり過去の棋譜なんて置いてないですからね。週に2回くらいですかね、学校が終わったら来て、私たち職員が帰るまでずっと資料室に籠って、棋譜を見てるんです進藤君。感心な子です」

 

「へぇ~、で、その進藤君は強いのかい?」

 

「4月に中一で院生になったばかりで、最初の頃は調子が悪かったみたいですけど、今は二組で連勝中ですね。5月になって負けなしですから、6月には確実に一組でしょうね」

 

「ほお、でも、そんな院生の子を特別扱いのようにしていいのかな。規則はないだろうが、あまり感心せんな私は。貴重な書籍を傷めることにもなる」

 

「はははっ、それは大丈夫でしょう。とにかく丁寧に本を扱ってますし、古書の類には手を付けずに、最近編纂された本因坊全集とかを見てますから」

 

「さっきから、気になってるんだが、その見てるってのはどういう意味だい?棋譜並べをしていないように聞こえるんだが……」

 

「そうなんですよ!してないんです。そこが、不思議で、飯田さんが進藤君に訊ねたんですよ。そうしたら、進藤君何て言ったと思います?棋譜が語りかけてくる声を聴いているんです、って答えたそうなんです。もう、私なんかには天才の思考はわかりません」

 

「天才?院生の二組でもたついてる子がかい?」

 

「ああ、それは進藤君、最初の頃、体調が悪かったみたいですから。身体が弱いのかな。そこのところは心配ですね。ですが、囲碁は強いと評判ですよ。進藤君は塔矢門下なんですけど、あの塔矢アキラに勝つそうですから」

 

「ほんとかそれ!?」

 

 たばこの灰がぽとりと落ちるほど驚く坂巻に野上は笑いながら答える。

 

「芦原先生情報ですので間違いないですよ。塔矢君は進藤君に負けたのが悔しくてプロになってリベンジするんだそうです。塔矢君がやっとプロ試験受ける気になってくれてよかった、と芦原さんがおしゃべりしてましたから」

 

「塔矢アキラ君がプロ試験を!やっと、受けるのか。はぁ、大体もっと早く受けてくれれば最年少記録が更新されたのに、今頃か。まぁ、仕方ないな。それにしても、話を聞く限り、その進藤君というのは凄いじゃないか」

 

「はははっ、すごいんでしょうけど、なかなか癖のある子というか何というか」

 

「……何かあったのかい?」

 

「院生の女の子二人と付き合い始めたらしいんです。手が早いというか、何というか」

 

「二股?おいおい、そりゃあいかんだろ。親御さんから預かってる大事な子供たちなんだぞ。交際自体は別に自由だが、二股など。それで痴話喧嘩にでもなったらどうするんだ」

 

「それは大丈夫みたいですよ。女の子二人は親友らしいんですけど、お互いそのことを知ってるそうですから。なんでも、三人でデートもしているとか。はははっ、羨ましくなっちゃいますね」

 

「はぁ、何だそりゃあ。よし、とにかく進藤君のところに行くぞ。私が注意してやる」

 

「おっと、進藤君には悪いことしちゃったかな。はははっ」

 

「笑いごとじゃないぞ、野上さん」

 

 二人は連れ立って事務室を出、資料室へ向かう。資料室の扉を開けると、椅子に座って本を見つめ続ける男の子が一人いる。

 

 

「うっ」

 

 坂巻は呻く。古書に囲まれた資料室で本を見つめ続ける少年は神聖で冒し難い雰囲気を醸し出していた。この資料室がまるで、誰一人立ち入りを認められない霊験あらたかな修行場のように坂巻には感じられ、その静謐な空気を己が壊したことに動揺したのだ。

 

「進藤君、もう22時ですよ。早く帰りましょう」

 

 野上がヒカルに声をかける。ヒカルはそれに返事をしない。野上は慣れたようにヒカルに近づき、肩を揺する。

 

「……わっ!あ~、野上さんだ。あれっ、もう22時じゃん。帰んなきゃ!」

 

 ヒカルは丁寧に本を閉じ、元の場所へ返すと、お疲れ様でした、さよーなら!と野上たちに挨拶し、足早に部屋を出て行ってしまう。

 

「変わってますでしょう?」

 

 野上は無言の坂巻に向けて肩をすくめるジェスチャーをする。

 

「ああ、確かに」

 

 坂巻は言葉少なに返事をする。野上は坂巻の気持ちがよくわかる。天才と呼ばれる人種が持つカリスマとでもいうべき雰囲気がヒカルにはある。野上も最初、それに圧倒され、言葉を失ったものだ。きっと、進藤ヒカルは偉大な棋士になる。誰にも言っていないが野上はそう確信していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 5月の中ごろ、しとしとと雨が降る肌寒い土曜日。日本棋院の休憩室、皆が束の間の休息を取るように思い思いの場所に座り、昼休憩を取っていた。ヒカルは奈瀬が作ってきたお弁当を満面の笑みで食べている。

 

「歓迎会?」

 

「そ、4月に入ったヒカルと大沢君と内田さんの歓迎会も兼ねてカラオケでも行こうって話になったんだけど、どう?」

 

「今日なの?」

 

「うん、今日」

 

「ずいぶん突然だね。それに院生になって2か月近いんだけど、今さら歓迎会なの?」

 

「進藤君、歓迎会ってのはただの口実なのよ。たまには息抜きでもしようって話になって、それじゃあカラオケ行こう、ついでに君たち4月期生を誘えば歓迎会って言えるから、ほかの子たちも来やすくなるし、親御さんにも納得してもらいやすいって考えたわけ。ちなみに先週には参加の可否を聞いて、行く子たちは親御さんの許可を貰うようにって言ってあったんだけど……進藤君には明日美が言うと思って誰も伝えなかったのかな、ごめんね」

 

 明日美の横で食事をしていた松下香歩がヒカルに説明をしてくれる。奈瀬はヒカルに聞くのを忘れていたのだ。そっぽを向いて誤魔化そうとしている。

 松下香歩は奈瀬と同い年ということもあり、奈瀬にとって院生で一番仲の良い親友だ。綺麗な明るいブラウンに染めたショートの髪と丸メガネ、そして着ているブラウスのボタンが弾けてしまうのではないかと心配してしまうほど服を押し上げる大きな巨乳が特徴の可愛らしい女の子だ。もちろん、ヒカルはその胸をばれないように凝視している。

 

「あ~なるほど」

 

「最も明日美は進藤君の不参加なんて絶対許さないと思うけどね、進藤君が出ないなら私も出ないって言いそう、ふふふ、もうラブラブなんだもん、羨ましいなぁ」

 

 香歩が奈瀬をからかう。

 

「ちょっと、香歩!それ以上言ったら殴るわよ!」

 

「ごめんごめん、でも殴るのはいけないと思うな、5月10日に私のうちにお泊りしたことになってる明日美ちゃん。私、殴られたら、その拍子におばさまにほんとのことを教えちゃうかもなぁ」

 

 いたずらっ子の表情で奈瀬に追い打ちをかける香歩。

 

「あっ、香歩さんが協力者だったんだ。ありがとう、香歩さん」

 

 そこにヒカルは割り込み、香歩を見つめながらお礼を言う。

 

「どういたしまして。素敵な夜を過ごしたんでしょ。羨ましいな、ふふ」

 

 少し顔を赤くしながらも、今度はヒカルをからかおうとする香歩にヒカルは動じない。

 

「うん、明日美の誕生日をしっかりお祝いしたよ。すっごい楽しくて幸せな日になったんだ。明日美も楽しかったよね?」

 

「わ、わ~わ~わ~!!バカヒカル!こんなとこで、言わなくていいんだから!バカ!」

 

「明日美は楽しくなかった?」

 

「……た、楽しかったわよ」

 

「よかった。また、来年、期待しててね!」

 

「う、うん」

 

 顔を真っ赤にして俯く奈瀬と楽しそうに笑うヒカル。雨であった為、院生のほとんどが外に昼食を食べにいかず、室内でお弁当を食べている。そんななかで、バカップルの会話が盛大に行われるのだ。和谷たちは泣きたくなった。

 

「じゃあ、幹事は明日美と香歩さんなの?何人くらい集まった?」

 

「いえ、幹事は真柴さんが引き受けてくれました。人数の方も真柴さんに聞かないと」

 

 俯いて顔を真っ赤にしている奈瀬の代わりに香歩が答える。真柴さんか、俺はあんまり接点ないから話したことないんだよなぁ、と思いながらも室内をぐるりと見回し真柴を探すヒカル。すると、入口から室内に入ってくる真柴を発見する。

 

「あっ、真柴さん、今日は歓迎会をやってもらえるみたいで、ありがとう!」

 

 ヒカルは真柴にお礼を言う。

 

「お~、進藤君か。任せろ、俺様が幹事になったからには盛大なのをやってやるからな。カラオケも俺の高校の友達がバイトしてるとこだから、友達価格で割引させてやったぜ。一人2000円で飲み放題に軽食付きだ、それで3時間は激安だろ?パーティルームもばっちり予約したし、人数増えても大丈夫だぜ」

 

 金の心配して不参加に決めた奴も来いや!軽食が少なかったら最年長の伊角さんと俺が何でも追加注文してやるからよ。今から、参加者が増えても大丈夫だぞ~!と室内で食事をする皆に向けて話しかける真柴。ちょっと待て真柴、と伊角が突っ込み、皆が笑う。あっ、じゃあ、俺行こうかな、私も、と3人ほどが手を挙げる。食べまくるぞと和谷が茶化し、顔面蒼白になる伊角を慰めるフリをした後、俺も食うぞ~と言う小宮。晩飯いらないって親にちゃんと連絡しとけよ~と言う真柴の言葉にさらに伊角の顔が青ざめる。ワイワイと楽しい昼食になった。

 

 

 

 新宿まで電車で移動し、カラオケに入る院生たち。小学生は参加しなかったが中学生、高校生合計20名が参加する大イベントになった。

 思い思いの場所に座り、すぐにノリの良い女子が、伊角を強引に引っ張り出しデュエットをする。伊角にやんややんやとヤジを入れる和谷、盛り上がる女子たちに歌など聞かずに談笑をする男連中や、早速とばかりに飯を注文して歌っている最中の伊角に怒られる小宮など、皆がカラオケを楽しんでいた。順番に歌っていく為、ヒカルも持ち歌の「空」を歌い、皆から上手いと褒められる。ヒカルも奈瀬たちと話したりしながらカラオケを楽しんだ。

 ハプニングは残り30分になり、カラオケ好きの女子連中が予約を入れまくってマイクを独占している時間に起こった。

 

「和谷は何で俺のこと避けるの?ねぇ、俺何か和谷を怒らせることしたぁ?」

 

 ヒカルが和谷の隣に行き、突然和谷に抱きついたのだ。皆の注目が集まる。ノリノリで歌っていた女子が歌うのを止め、他の女子がリモコンで停止ボタンを押す。サビの部分でぶつりと歌が途切れる。次の局が流れるが、それより早く音量を最小にする。場が静まる。

 

「はっ!?さ、避けてねーよ、お前の勘違いだよ」

 

 実際に避けていた為、焦りながらも何とか否定する和谷。

 

「怒ってもねーよ!お前の勘違いだ!」

 

「嘘だ!前は一緒に(碁会所巡り)したり、それに、俺のこと(研究会に)誘ってくれたじゃんか!俺、初めて(の研究会)で緊張したけど、とっても嬉しかったのに」

 

 抱きつき、泣き声で和谷に訴えるヒカル。

 

「前はあんなに楽しかったのに、余所余所しくなっちゃって、俺、それでも、また一から関係を作ろうと思って一生懸命話しかけてるのに、和谷はそっけなくて……ちっとも俺のことかまってくれなくなっちゃって……」

 

 そう言うと、泣き出してしまうヒカル。場の空気が凍る。

 

「きゃー!!え~、和谷君と進藤君ってそういう関係なの~!!」

 

 マイクを持った女子が叫ぶ。その他の女子たちもノリノリでまじで!明日美のライバル出現!和谷・進藤かぁ、いいかも!と楽しそうにいろいろと言う。男連中はドン引きして静まり返っている。

 

「はっ!?いや待て!避けてたのは謝る。本当に俺が悪かった。だから、泣きやめ。頼むから」

 

 和谷はパニックになりながらもヒカルを宥めようとする。確かに、院生になって早々、奈瀬みたいな美人と付き合い出したリア充のヒカルを軽く妬んで避けていた自覚がある和谷は、必至にヒカルに謝る。そこに奈瀬が近づき、和谷に抱きついているヒカルを強引に引っぺがし、抱きしめる。そしてヒカルを見つめる奈瀬。

 

 修羅場だ。

 

 待て、奈瀬!落ち着くんだ、和谷、逃げろ、殺されるぞ!外野の声にも和谷は身が竦んで動けない。

 

「電気付けて」

 

 奈瀬の冷たい声が響く。急いで小宮が照度をしぼっていた室内灯をマックスに戻す。明るくなる室内。

 

「はぁ、ヒカルにお酒飲ましたの誰?酔っぱらってるよヒカル」

 

 明日美だ~と今度は明日美に抱きつくヒカル。その顔は真っ赤で、瞳は胡乱であった。泣き顔から一転、ニコニコ顔になる。誰の目にも一目瞭然の事態だ。ヒカルがさっきまで座っていた席を確認する伊角、そこには残り僅かになったカルピスソーダがあった。これか、と指に付けて舐める。甘さの中に独特の苦みを感じる。カルピスサワーだ、と伊角は呟き頭を抱える。それを聞きつけて同じく頭を抱える真柴たち。店員が間違えて持ってきてしまったのだろう。故意じゃないとしても未成年の飲酒は大問題だ。それにしても一杯でそこまで酔えるかというくらい進藤はべろんべろんだ。

 

「どうする?進藤君は完全に酔っぱらってるぞ。このまま家に帰したら親御さんにばれて大問題になる」

 

「言われなくてもわかってるよ。酔いが醒めるまで、付き合うか。でも、あんなに顔真っ赤で、そう簡単に酔いが醒めるか?」

 

 奈瀬に抱きつき、嬉しそうに笑う進藤を見やり、ため息をつく皆。奈瀬は和谷を思いっきり睨んだ後、ヒカルのことをあやしながら、香歩に助けを求める。

 

「香歩んちに私とヒカルを泊めてくれない?」

 

「ん~仕方ないですね、いいですよ」

 

「伊角君、私たちでヒカルの面倒見るから、大丈夫よ。香歩んちは無駄に広いから親御さんにばれずに香歩の部屋まで行けるだろうし、問題ないと思うわ」

 

 助かる、と伊角たちは胸を撫で下ろす。親御さんには伊角君から連絡してね、とヒカルの家の連絡先を表示した携帯を伊角に渡す。しどろもどろにヒカルの母親にヒカルの外泊を伝え、何とか了承を得る伊角。携帯を返してもらい、じゃあ、また明日、棋院で、とヒカルに抱きつかれたままカラオケを後にする奈瀬と香歩。場はもう歌う雰囲気ではなくなっていた。終わったな和谷、ドンマイ和谷と皆が和谷を慰める。それほど、奈瀬の和谷を睨む表情は怖かったのだ。そのまま解散となり、和谷は頬を引きつらせながら帰って行った。

 

 

 

 香歩の家は渋谷区松濤にある為、酔っぱらったヒカルを引きつれながらでもすぐに着くことが出来た。幸いなことにヒカルは奈瀬に抱きつくだけでおとなしく付いて来てくれた。先に家に入った香歩に裏口を開けてもらい、香歩の部屋にこっそり侵入することに成功する。香歩の部屋は4階にある。そして4階には香歩しか住んでいない。エレベーターが家にあるのは香歩のうちしか知らないなと奈瀬はいつも思う感嘆の言葉を飲み込み、4階の香歩専用バスルームでシャワーを浴び、香歩の部屋に急いで戻る。

 

「ヒカル寝てる?」

 

「うん、ぐっすり。このまま起きないでしょうね」

 

 ソファに寝ているヒカルを見つめてから、奈瀬は香歩と同じベッドに寝転ぶ。二人寝ても十分すぎる広さがあるベッドはふわりと明日美を向かい入れる。

 

「何このベッド、めっちゃやわらかい」

 

「ウォーターベッドですよ」

 

「へぇ、ゲストルームでしか寝たことなかったから、あんたがこんなにいいベッドで寝てたなんて知らなかったわ」

 

「肩こりにいいんですよ。このベッド」

 

「……あんたのおっぱいだと肩こるわよね」

 

「重くて大変、その点、明日美ちゃんは楽そうで羨ましいわ」

 

 ……スタイルなら私だって悪くないんだから、と負け惜しみを言うが、そうですね、男の子はおっぱい大きい方が好きでしょうけどね、と言い返される。香歩には口で勝てないので、ため息を返し、寝ましょうと提案する。まだ、9時過ぎだが今日は疲れた。真剣勝負をした後なのだから当然だ。香歩もそうですね、と頷き、リモコンを操作し、部屋の灯りを暗くする。やわらかい暖色系の常夜灯を見つめながら、奈瀬はぼそぼそと香歩に話しかける。

 

「ヒカルさ、和谷のこと、いつも気にしてるんだよね。ちょこちょこ挨拶しに行ったり、話したそうに隣に行ったり。そのたんびに和谷はヒカルのことを無視するの。見ていてイライラしちゃうわ」

 

「嫉妬ですか?浮気を許すのも甲斐性ですよ、明日美ちゃん」

 

「何それ?別に和谷とヒカルの浮気なんて疑ってないよ。ばかばかしい。……それにヒカルは別の子がいるんだし」

 

「へっ?……本当に進藤君は浮気してるの?」

 

「……うん、幼馴染の女の子、あかりって子と。今も同じ中学の囲碁部で一緒なんだって」

 

「あら、あらあら。大変ね、明日美ちゃんは」

 

 そう言って楽しそうに笑う香歩。

 

「笑い話じゃないんだけど」

 

「う~ん、私にはそんなに大事じゃないから。ほら、私んちって由緒正しいお金持ちでしょ?そして、私はそこの家のお嬢様。将来は婿を我が家に招いて、私の夫になった方が会社を引き継ぐの。う~ん、逆ね、会社を引き継ぐ人が私を娶るのか。親もそんな私に同情的でね、だから、私はその時までは好き勝手させてもらえてるわけ。今は囲碁を頑張ってるんだけどね。そんな私の旦那様になる人は2号さんや、3号さんを普通に作るような人たちなのよ。おばあちゃんに言わせると、そのお妾さんたちを束ねてしっかり旦那様をサポートするのが我が家の繁栄の秘訣なんだって」

 

 だから、浮気とかは私は気にしないの、と言って笑う香歩。

 

「あんたに相談しても特殊すぎて意味がないってのがよくわかったわ」

 

 ため息をつく奈瀬にそんなことはないと反論する香歩。

 

「進藤君も特殊だから、私に相談した方がいいよ。進藤君ってすっごいモテるからね」

 

「何それ?」

 

「あれ、明日美ちゃん、気付いてなかったの?院生だと、内田さんは完璧に進藤君に惚れてるよ?」

 

「まじ?」

 

「本当に気付いてなかったんだ。う~ん、可愛くて優しい男の子、気さくに話かけてきて、そのお話しが楽しい、困っている時はすぐに助けてくれる、しかも厭らしい目で見てこない、おまけに囲碁を打ってる時は格好いいし、囲碁は強い。打ってると自分も楽しくなるような素晴らしい一局になるのはその男の子の才能なのかな、惚れない方がおかしいよね」

 

「……まさか、あんたも惚れたの?」

 

「私のおっぱいを厭らしい目で見てこないの彼くらいだしね、仕方ないね」

 

「何それ?まじ?」

 

「ふふふ、冗談よ、でも初めては彼に奪ってもらえばよかったなぁ、失敗したわ」

 

「……どこから突っ込んでいいのかわかんないんだけど?あんた、経験済みだったの?」

 

「去年の夏休みに親戚のお兄ちゃんと。ほら、興味あるじゃん、でも痛いだけでいいもんじゃないんだね、セックスって」

 

「はぁ、若者の性の乱れが深刻だわ」

 

「ぷっ、何それ。でも私の場合は将来が決まってるからね、今を思いっきり楽しむって決めてるの。それより、進藤君の幼馴染の話を教えてよ。どうして知ったの」

 

「……ヒカルってエッチがすごく上手なのよ。それで、あんた初めてじゃないでしょうって問い詰めたら、幼馴染とエッチしてるって」

 

「わぁ、それこそ本当の修羅場じゃん。別れないの?」

 

「私のことを愛してるって。その後、無理やりエッチしてきてね、気が付いたら許してた」

 

「何それ!?」

 

「……愛してるって言われながら一晩中ずっとエッチされて、わけわかんなくなったところに別れたくない、許してって言われるの。許すからって言っても信じてもらえなくて、もっと激しくされて、で、結局私も愛してるから絶対に別れない、その幼馴染ともエッチしていいって叫んでる私がいたわ」

 

「……性の乱れは明日美ちゃんの方が深刻じゃん。でも進藤君を離したくないなら、その幼馴染と協力した方がいいよ、明日美ちゃん。絶対に進藤君モテるんだから、さらに浮気されちゃうよ、浮気で済めばいいけど、戻ってこなくなったら最悪だよ。その幼馴染と一緒になって進藤君に悪い虫がつかないようにブロックする方が建設的ね。もう別れられないんでしょ?」

 

「……うん。そうね、その幼馴染の子と話してみるわ、ありがとう」

 

「いえいえ、でも、進藤君のセックスってそんなに気持ちいいの?」

 

「……あれは麻薬ね、一度やると抜け出せなくなるっていうのがわかるわ。嫌になるくらい気持ちいいの」

 

「へぇ、私もぜひお相手してもらいたいな~、明日美ちゃん?」

 

「ダメに決まってるでしょう!」

 

「ちぇ、けち!」

 

 香歩とおしゃべりをし、眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 うう、何だか頭がぼーとする。なんでだろうと不思議に思いながらヒカルは上体を起こす。いつもしているGショックで時間を確認しようとするが腕時計がない。そもそも、ここどこだろ、と遅まきながら疑問が湧く。薄暗い室内だが、寝起きのヒカルにはむしろ眩しいくらいに感じられる。脇に置かれたペットボトルから水を飲む。とても美味しく少し目が覚めてきた。ふらふら起き上がり周囲を見回すと大きなベッドに人影がある。

 近づくと、そこには明日美がすやすやと眠っていた。ベッド脇に立ち、明日美を見つめる。美しいと本心から見惚れてしまう造形美をした明日美の顔だ。こんな美少女が自分のものなのだ。そう思うと嬉しさが湧く。

 あれ、明日美と一緒って……ああそうだ、思い出した。今日は明日美の誕生日だ。学校が終わってすぐに遊園地に行って、今はホテルだ。壁の時計を凝視する。まだ、10時過ぎだ。ってことは俺、エッチせずに疲れて寝ちゃったのか。まずい、せっかくの明日美の誕生日なのに。明日美をほっぽって一人寝って、明日美は怒ってるに違いない。ヒカルは上手く働かない脳で結論を出す。それは、エッチで明日美のご機嫌を挽回しようという的外れなものであった。

 

 

 

 ベッド脇に跪き、明日美のその整った唇に自分の唇を当てる。みずみずしい唇の感触を楽しんでから、舌を明日美の口内へ潜らせる。明日美の歯に舌が当たる。歯茎を舐めながら、頬の裏側へと舌を這わせていく。

 

「んっ、ん、んんっ!!」

 

 明日美が起き目を見開いて驚く。ヒカルは明日美が驚いた時に開いた口内へ舌をさらに進める。噛まないでね、と伝えるように明日美の触り心地のいい髪の毛を撫でる。明日美は驚きから立ち直るとヒカルに非難の視線を向け、ヒカルの口を引き離そうとする。

 

――やっぱり怒ってるんだ。

 

 ヒカルは明日美の態度にそう確信を深め、その性技で明日美の怒りを納めようと決意を新たにする。

 

 明日美に喋らせないように明日美の口内を蹂躙する。涎が溢れるのは吸い取って飲んでやる。明日美の唾液は甘くて美味しい。片手で明日美の頭を撫で、同時に抑えながら、もう片手でパジャマを脱がしていく。ボタンを外し終えると明日美の形のいいおっぱいが上を向いて現れる。ブラしてないのか。やっぱり、やる前に寝ちゃったんだ俺。頭を撫でていた左手で明日美の円錐型の美乳を揉む。右手は明日美のズボンの中に突っ込み、ショーツの上からクリトリスを刺激する。30分ほど、刺激する箇所をずらしながら、念入りに愛撫を続ける。明日美の顔が真っ赤になり、目もとろんと発情を表すように胡乱になっている。口元は涎でびちゃびちゃだ。びくびくと小さな絶頂を3回ほどさせた後、そろそろ大丈夫かなとディープキスを止める。

 

「っぷはぁ!はぁ、はぁ、はぁ……んん、あん、ん、ヒカルぅどうして?」

 

「明日美、愛してる」

 

 どろどろになったショーツをズボンごと脱がす。愛液で濡れた明日美のマンコが露わになる。クリトリス包皮を剥き、中のクリトリスを優しく弾く。寝ていても重力に逆らって形を維持する、張りのある最高に美しい胸の天辺、こりこりに尖った乳頭を高速で撫で、抓る。顔を赤く染め、呆けたような表情を浮かべる美少女はあまりに淫靡で美しい。ヒカルは大好き明日美と囁いた後、その耳を舐める。

 

「あん、あ、あ、あ、イク!……ヒカル、待って、ねぇ、落ち着いて!ん、んん、ああああああ!」

 

 明日美が大きく絶頂したところで、ヒカルは急いで服を脱ぐ。ズボンのポケットからコンドームを取り出し、急いでばきばきに勃起したペニスに装着する。ベッドに飛び乗り、明日美を正常位で犯す。

 

 ベッドの弾力がほどよく、ピストンがしやすい。いいホテルに泊まって正解だったなと思いながら、明日美のどろどろに溶けたきつきつの膣内を擦りあげていく。明日美の膣内は2回目のセックスの時に一晩かけて優しく開発しきってある。明日美は口を開け、美しい眉を快感に歪めている。強烈なほど男を誘う色香が15歳の少女から発せられる。猛る肉棒でGスポットを擦り、引き抜く時にもエラで刺激を与える。ヒカルの肉棒によって広げられた肉穴はうねるように蠢動し、絞り上げてくる。気持ちいい。射精しそうになる。美しい少女の淫乱マンコはヒカル専用マンコだ。成長途中の美乳が波打つ。美少女の甘く、それでいて男をそそり立たせる女の香りがヒカルの鼻孔をくすぐる。いつもの強気声が甘くせつなげにヒカルを求めてくる。イキ狂わせてやる、と頭に血が上るほどヒカルは興奮し、怒張が膨れる。

 

「明日美のことが好きなんだ。お願いだ、俺のことだけを見て」

 

「ん、んんん、あん、あっ、あああ、あん、ああああああああ……ひ、ヒカルぅ、私もヒカルのこと愛してるよぉ、私はヒカルのものだよ、んあああ、いいの、ヒカルのすごいっ、いいよぉ、ん、んっあぁぁぁっ、あん、ん」

 

 頬を染め、欲情に濡れた瞳でヒカルを見つめながら明日美は可愛らしく喘ぐ。ヒカルは愛おしさを感じながら、明日美の膣壁を優しく容赦なく擦りあげていく。

 

「いいっ、すごいの、ヒカルのおちんちんが私の気持ちいいとこを刺激してくるの、あん、あっ、あっ、あああ、ん、んんん」

 

「おちんちんじゃなくてちんぽ、気持ちいいとこはオマンコだよ。言ってごらん?」

 

 年上の気の強い美少女の恥じらいが見たくなり、言葉責めをするヒカル。

 

「あん、んん……無理だよ、そんなの言えないよ~、あっ、んああああああああああ!!」

 

「言わないと抜いちゃうよ明日美?」

 

「あああ、んあ、んん、ダメ、抜いちゃダメなの、いい、いいよぉ、あぁンっ、あぁ、あぁ」

 

「じゃあ、言って、愛してるよ明日美」

 

「あん、んん……ヒカルの……お、おちんぽが私のオマンコを犯してるの!それが気持ちいいのぉ!……えっ、激しい、あっ!!あっ!!ああっああああああああああああ!!」

 

 明日美が恥じらいながらも快楽に負けて淫語を叫ぶ。淫語を言わせた興奮から少し強くしすぎてしまった。明日美だけ先に絶頂を極め、膣壁がすごい締め付けてくる。肉棒を明日美の中に入れたまま明日美に抱きつき、幸せな表情で呆ける明日美にキスの雨を降らせる。蕩けきった美少女はそれを嬉しそうに受け入れる。首にキスをし、キスマークをつける。これは俺のだとマーキングする。

 

「ちゅっ、んんん、ちゅうう、んあっ、あああ、ん、ん、あん、あん……レロっ、んちゅう~」

 

 優しく明日美の髪を撫でていると隣から、くちゅくちゅと水音が聞こえてくる。ん~と、何だろ、とヒカルは隣を向くとヒカルたちに背を向けた状態で身体を丸め、オナニーをしている人影がある。誰だろ?ヒカルは手を伸ばして、その身体を触る。おっぱいに手が届く。オナニーの為だろう、パジャマのボタンは外され、ブラも脱げていた。素肌をさらけ出している胸を揉む。手に収まりきらないほど豊満で柔らかいとろけるような弾力がヒカルの手に返ってくる。

 

「あれっ、明子さんもいたんだ。今日は明日美と明子さんと一緒にセックスしてたんだっけ?」

 

 ヒカルは少し考え、現実を受け入れる。この柔らかさは明子さんの胸だ、いつもよりちょっと大きい気がするけど、ふわふわ具合は明子さんだ。う~ん、明日美と明子さんで3Pしてたんだっけ。ほったらかしにしてしまったから、拗ねて一人エッチをしているのか。あれ、まずいじゃんか、と焦るヒカル。次の瞬間には満足させれば平気だ、と名案が浮かんだとばかりにその焦りも消えてなくなる。

 

 呆けている明日美にキスをした後、横に移動し、明子さんにキスをしようとその身体をこちらに向けようとするが、頑なにそれを拒む明子。むー、お怒りだ、と思うヒカルは、背中越しに胸とクリトリスの2点責めを行う。舌で首を舐める。股間で猛り狂っている肉棒はパジャマのズボン越しに秘処を擦り続ける。

 

「……ん、んんん…………ん~!!」

 

 必至に声を我慢しているが、びくりと身体が震え身体から強ばりが抜ける。一度イッタのを見計らって、服を全て脱がす。それに協力するように身体を動かしてくれるのにこちらに顔を見せてくれない明子。拗ねてるな~とヒカルは苦笑し、なら、どこまで持つか勝負だ、とがちがちの肉棒を後側位の体勢で明子の膣へ挿入する。ぴったりと身体を密着させ、優しく明子の膣入口を広げるように擦りあげる。後ろから抱きつき、明子の首筋を舐める。少し強く吸い付き、キスマークをつける。舌に残るのはしょっぱさと、柔らかな女の肌を自分のものにしたという満足感だ。

 

「明子さんの膣内、すっごい気持ちいい。締め付けもいつもより強いよ、もっと感じていいからね?」

 

「んんんん!!……ん、んん……あん、あっ、あっ、ああああああ!!」

 

 我慢していた声が漏れ出る。明子の好きな抱きしめながらのスローセックス、その豊満な胸を揉みしだき、クリトリスも包皮の上から摘まんで震動を与える。優しく、ねちっこく、時間をかけて蕩けさせていく。汗と愛液、シャンプーの甘い香りが混ざり合い、女の香りが全身から立ち昇ってくる。ヒカルは興奮し、明子の身体を強く抱きしめながら臼を引くように大きくした肉棒で明子の膣内をかき回す。明子の肌が汗ばみ、ヒカルの身体と同化したようにくっついて離れない。

 

「ひぃっ!何これ、本当にすごい、あん、あっ!あっ!あああ……いい、いいよぉ、んああ、進藤君すごいよぉ!!」

 

「あれ、明子さんが香歩になった」

 

「あぁ、あぁぁ、気持ちいい、すごい暖かいよぉ、あぁ、なんでぇ、あん、あん、進藤君に愛されてるのぉ、セックスってこんなに素敵だったのぉ?幸せすぎておかしくなるよぉ、ああああ」

 

 ヒカルは不思議に思ったが、香歩も喜んでいるしいいか、と続けることにする。肉棒は香歩の膣の浅い箇所を執拗に擦り、あまり動けない体勢をカバーする為、胸とクリトリスを愛撫する動作をさらに強める。一生懸命顔をこちらに向けてくる香歩と何度もついばむようなキスをする。気持ちいい。むちむちな香歩の身体は肉付きが丁度よく、密着してするセックスは最高の抱き心地をヒカルにもたらす。一体感のある蕩けるようなセックスだ。香歩は男にとって理想的な女だ。

 

「香歩の身体、最高にいい。こんなに気持ちいいのはお互いの相性がいいんだよ。香歩も感じてる?」

 

「あぁ、いい、いい、感じてる、感じすぎておかしくなってるのぉ、あん、ん、ん、すごい、すごすぎるよぉ、身体がへんなのぉ、あっ、ひぃぃぃぃ!」

 

「香歩、ごめん、俺もう射精しそうだ。一緒にイッテくれる?」

 

「あん、あん、あん、んん、ひぃぃぃぃっ、私ももうダメ!!何これぇ、身体全部が気持ちいいよぉ、すごい、すごいのお!!」

 

「射精る!!」

 

「あっ!あっ!私も、もうダメ、ダメぇ~、イッくう~!!んああああああああ!!」

 

 香歩を思いっきり抱きしめ、香歩の膣内で射精するヒカル。ヒカルは香歩の膣内からペニスを引き抜くと、コンドームを外し、口を結んで投げ捨てる。そのまま急いで香歩に抱きつく。香歩もそれを受け入れて、抱き合いながら、愛を確かめるようにディープキスをする。ヒカルの胸で香歩の豊満な胸が潰れる。その感触が気持ちいいなとヒカルは思う。舌を入れ、香歩の口内を犯す。ブラウンのショートの髪を手櫛で優しく撫でながら、お互いの身体が潰れてしまうのではないかと心配になってしまうほど、強く抱きしめあう。

 

「んちゅううううう!!ちゅっ、れろっ、ちゅう、ん……はぁ、ああん、あん」

 

 香歩の口内を犯しながら、絶頂直後の敏感な香歩の身体を愛撫していく。Fカップはありそうな胸を揺らし、しぼるように揉む。陰毛をかき分け、びちょびちょに濡れた女の園を優しく撫で回していく。綺麗なピンク色の肉豆を指で転がす。香歩が甘い嬌声を上げる。幼い可愛らしい顔は快楽で紅潮し蕩けきっている。

 

「はぁはぁ、香歩の身体、すっげ~やわらかくて気持ちいいよ。ねぇ、香歩は気持ちいい?」

 

「んぁ、あん、あっ、あっ、いいよ、すごいの、進藤君の手が気持ちいいのぉ、進藤君の身体が気持ちいいのぉ、ん、んああ、あっ、んん、すごい、こんなの知らないよぉ」

 

「ヒカルって呼んで。ああ、香歩はメガネしてなくても美人だね、でも次するときはメガネした香歩としたいな。もう一回しよう香歩?」

 

 ヒカルはギンギンに勃起したペニスを香歩の陰部に擦り付ける。ちゅっ、と香歩にキスをしながらヒカルはおねだりをする。香歩も少女が湛えるにはあまりに淫靡な笑みを浮かべ、切羽詰まったようにヒカルに甘えてくる。

 

「んん、あん、あん……今すぐメガネするから!早くしよう!ヒカル君と繋がりたいよぉ」

 

 香歩はリモコンで照明を付けながらベッドサイドに置いてあるメガネを装着する。ヒカルは一旦ベッドを降り、バックからコンドームの束を取り出して、その一つを装着する。ベッドに戻ろうとしたところで、

 

「ヒカル?香歩とセックスするなんて、どういうことかしら?」

 

 明日美の冷たい声がヒカルにかけられる。まずい、死んだとヒカルが思った次の瞬間、明日美に香歩が覆いかぶさるように押し倒し抱きつく。

 

「明日美ちゃん、もうやっちゃったものは仕方ないよぅ、それに私もう我慢出来ないの。ヒカル君のが早く欲しくて狂っちゃいそうだよぉ」

 

「ちょっ、ん、あん、香歩落ち着いて、ね?」

 

 香歩はその豊満な胸を明日美に擦り付け、明日美のどろどろに溶けたマンコに愛撫をしながら話しかける。

 

「こんなに気持ちいいの知ったらもう無理。あと、ヒカル君はあきこって人と私を間違えて犯してきたんだよ。よーするに幼馴染ちゃん以外ともしてるんだよヒカル君。これ以上愛人を増やさない為には私たちでヒカル君の性欲を満たしてあげた方が絶対にいいよ。ねっ!明日美ちゃんお願い!ちゅっ!」

 

 そう言いながら、香歩は明日美にキスをする。そして、ちらりとこちらを見る。ヒカルには早く口封じしなさい、と言う香歩の言葉が正しく伝わる。

 

 明日美と香歩の美少女が抱き合っている状態で興奮しない男なんていない。下になっている明日美のマンコに急いで挿入する。

 

 明日美のマンコは入口でぎゅうっと締め付けた後、ヒダがざわざわと優しく蠢動するようにヒカルの肉棒全体を刺激してくる極上マンコだ。味わうように腰を前後し、肉棒を明日美の膣壁に擦り付ける。まだ、感じることが出来ないボルチオを優しくノックして、肉棒を引き抜く。その繰り返しはヒカルに最高の快感を与える。明日美の顔が見れないのは残念だが、それと同じくらい、魅力的なお尻がヒカルの前にはある。明日美に抽送を加えながらその脂肪ののったデカ尻を揉む。そして濡れそぼった膣内に中指と人差し指を挿入し、ぐにぐにと膣内で複雑に動かしていく。全体を触り、香歩の感じる場所を把握する。

 

「あっ、あん、ん、んん……ヒカルのチンポが私のオマンコの感じるとこ擦ってるよぉ、ああああ、ダメなのに、気持ちいいよぉ、あん」

 

「そんなに顔を蕩けさせて、何がダメなんですか、明日美ちゃん」

 

「ああああっ!香歩!胸揉むな!ん、んんん、あん、あ、あああ、いいよぉ、何でこんなに気持ちいいのぉ、あん。ん」

 

「明日美ちゃんだけ羨ましい、ヒカル君、私にも早くぅ、あっ!ヒカル君の指が私のオマンコにきたぁ、あん、あああ、いいよぉヒカル君」

 

「あん、ん、んん……あ、明日美ちゃん、私は明日美ちゃんからヒカル君を奪ったりしないよ。ふぁ、でもね、他の女の子は明日美ちゃんからヒカル君を奪って、もう二度とヒカル君とセックスさせてくれないかもしれないよ?そうしたらどうするの?」

 

「ひぃぃぃぃぃ、んあ、あ、ああああああ、ダメなのヒカルは私のなのぉ、あああああああ」

 

「そうだよね。じゃあ、私もヒカル君がよその女に盗られないように手伝うから、私をヒカル君のお妾さんに加えてくれる?そうすれば、おっぱいの大きいあきこさんとかいう女の子にヒカル君を盗られないよ」

 

「あぁ、あぁ、あぁ、いいよぉ、ヒカルぅ、そこ、そこ~、んはあああああ!!……ひ、ヒカルを盗られるのはだめなのぉ~!」

 

「ん、んん、私は盗らないよ。2号さんでいいし、それでヒカル君がよその女に盗られないように手伝うよ。どうする、明日美ちゃん?ふぁぁ」

 

「ああああああああ!ヒカルぅ、イッちゃうよぉ、激しすぎるのぉ、ヒカルのが私の気持ちいいとこ全部擦ってくよぉ、んあああああああ」

 

「あん、でも他の女に盗られたら、一生イケなっちゃうよ?ふぅ、ん、ヒカル君の笑顔が見られなくなっちゃうんだよ?明日美ちゃん、耐えられる?無理でしょう?そうならないように私が手伝ってあげるよ?あん」

 

「あっ!!あっ!!ああああああ、そこダメぇ~、へぁ、あぁ、あぁ、わかったぁ、香歩に手伝ってもらうぅ、あふん、ぁぁぁ……」

 

「ん、あん、ありがとう、明日美ちゃん。ん、んん、これからは仲良くヒカル君のこと愛そうね。ん、んん、明日美ちゃんのアへ顔可愛い、それにしても何でも言うこと聞いちゃうって言うのは本当だったんだ、んん、えっ、ひぃぃぃぃヒカル君!?」

 

 

 よくわからないが香歩による明日美の説得は終わったようなので、香歩をイカせにかかる。香歩は入口のヒダが感じるようなので、その場所を重点的に責める。そして、香歩の桃尻を持ち上げ、顔を下げ、クリトリスにむしゃぶりつく。さらさらの愛液がどろどろに変わってくる。しょっぱくて美味しい香歩のマンコ全体を口で覆い、舌を香歩の膣内に挿入する。入口のヒダとGスポットを舌をうねらせるように舐める。クリトリスに高速震動を与える。明日美への抽送も強める。

 

「んひぃぃぃ、ひかりゅう、だめ、だめ、もうだめ、あっあっあっ、ああああああああああああああ!!」

 

「あ~あ~あ~、あぁ、あぁ、あぁ……にゃにこれぇ、こんにゃの、しらにゃいよぉ~、ああああああああああああ!!」

 

 ぷしゅう、と香歩の潮がヒカルの顔にかかる。明日美の膣がぎゅっと締まり、その後、弛緩する。明日美は意識をやったようだ。ばきばきに固くなっている肉棒を明日美の膣内から引き抜く。じゅぽっ、と白く泡立った明日美の本気汁が付着した肉棒を、クンニで溶かしきった白い愛液でびちょびちょの香歩の幼い割れ目にあてがう。数度、割れ目を鬼頭で擦ってから、後背位で香歩の膣内へ肉棒をずぶずぶと沈めていく。

 

「あぁ、あぁあ、ひ、ヒカル君待って!今、イッタばかりで敏感になってるのぉ!んはぁぁぁ、しゅごいのきたぁ!!」

 

 香歩の大きなデカパイを揉みながら香歩の膣壁を堪能するヒカル。ぱん、ぱん、と腰と尻がぶつかる音がリズミカルに奏でられる。ヒカルは腰を振り続ける。締め付けがかなりきつい。ヒカルの大きな肉棒で拡張しヒカル専用マンコにしようとその膣内をくまなく擦りあげ続ける。

 

「ひぃぃぃぃぃ、あっ!あっ!あっ!もうダメぇ、なんでぇ、なんでぇ、すごすぎるのぉ、ほんとになんでなのぉ、こんなの知らないよぉ~、ああああああああああ」

 

「もうりゃめ、しにゅう、おねがい、りゃめなのぉ~~!!」

 

「あぁ、ああああああああ、んひぃ、あへぁあああああああ……ぅああぁぁぁ」

 

「あん、あぁ、んああ、しょうでしゅ!!かほのまんこはひかりゅしゃまのものでしゅ!!あああああああああ!!」

 

 香歩が絶頂するのに合わせてヒカルも射精する。水を飲み、汗を拭い、新しいコンドームを装着する。今度は明日美の番だ。ヒカルはぎんぎんに勃起した肉棒を放心状態の美しい美少女マンコへ挿入する。

 

 強く抱いたら折れてしまうのではないかと心配になってしまう明日美の細い腰を抱きしめながら、正常位でがんがんと抽送を行う。明日美の美貌が淫靡に歪み、アへ顔でヒカルに抱きついてこようと手を伸ばす様がヒカルは大好きだった。座位に移行し、ディープキスをしながらするセックスは至福の時間である。

 

 幼い顔立ちにメガネ、それでいて巨乳という香歩とのセックスは、バックで激しく責めながら、その胸を揉みしだくのが堪らなく気持ちよかった。その後、後側位でのセックスを香歩が望んだ為、強く抱きしめながら胸と性器を愛撫し、何度も香歩を絶頂させる。ヒカルは香歩の抱き心地と揉み心地が非常によい身体を抱きしめてのセックスに嵌り、何度も香歩を絶頂させ続けるのであった。

 

 

「ああっ!!ああっ!!ああ!!んひぃ~!!ひかりゅう、おねがぃにゃの、もうだめりゃの、くるうのぉ」

 

「ひかるしゃまぁ!そうれしゅ、かほはひかるしゃまのものでしゅ!!へぁぁぁ、おほおおおおおおおお!!!」

 

「…………へぁ……はぇ…………んほおおお!!みょう、みゅりぃ、みゅりにゃのぉ、ああああああああああああああああああ!!」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、おちんぽしゅごしゅぎるよぉ、もうりゃめ、しんじゃうぅ…………ひぃあっ!!きたきたきた!!しゅごいのきちゃってるのぉ!!!」

 

「あいしてる!あいしてるから!えっ、にゃんでぇ~、ひぃぃぃぃ、あああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 また、二人同時に愛さないと不満が出る、と、いらない気遣いをするヒカルは二人を抱き合わせて寝かせ、交互にその濡れそぼった恥裂を突いてやる。ぎゅうぎゅうと締め付けてくる膣壁の微妙に違う感触をコンドーム越しに楽しみながら、二人の美少女を同時に喘がせるヒカル。息も絶え絶えで寝転ぶ二人を抱きしめ、三人でディープキスをする。どれが誰の舌がわからないくらい複雑に絡み合う三人の舌はぬるぬるで熱く気持ちいい。股間の一物を復活させ二人同時に責める。喘ぎ続ける二人の少女の絶叫に微笑みを返し、ヒカルはストロークを早くさせていく。

 

「……かほぉ、たしゅけてぇ!!ぎもぢよしゅぎでぐるっでるのぉぉ!!!へぁぁぁ……」

「……しにゅ、しゅんじゃったよぉ……ぼうむり、ひぃああああああああああああ!!!」

 

 二人の少女の様子を見ながら、少しは機嫌が直ったかなと安堵するヒカルは、最後の一頑張りで二人の少女を後10回は何とか絶頂させようと心に誓うのであった。

 

 

 

 深夜3時、明日美と香歩はヒカルを挟んだ状態で川の字に寝ていた。2人とも裸で、汗と愛液と、その他の液でぐちょぐちょの状態であったが、身体を拭くこともせず、酷いことになっているぐちゃぐちゃのシーツの上で脱力していた。動こうにも身体が言うことを効かないのだ。ベッドには大量のコンドームが散乱している。中にはヒカルの精液がたぷたぷと入っている。

 

 ヒカルの安らかな寝顔を見つめながら、二人は会話を交わす。あんなに激しくイキ狂わされ、止めてと泣いても止まらず、死ぬかと思った後なのに、その寝顔を見ているだけで自然と笑顔になる二人。

 

「明日美ちゃんの言ってること本当だったんだね」

 

「……何が?」

 

「麻薬のようだって話。親戚のお兄ちゃんとしたのとは月とすっぽんくらい違ったよ、でも凄すぎて死ぬかと思った」

 

「そんなに違うの?その、え~、愛がなかったから気持ちよくならなかったとかではなくて?」

 

「そんな問題じゃないよ、ふふ、アレの大きさも桁違いだし、それに普通の男って二回くらいで終わりなんだよ。今日のヒカル様は何回したと思う?」

 

 二人はベッドに散乱した大量のコンドームを見回し、ため息を付く。

 

「それにヒカル様のテクニックは凄すぎると思う。絶対にいっぱい経験があって、セックス方面に才能がないとああはならないよ……凄すぎて狂い死ぬかと思ったけど、またしたいって強く思ってる私がいるの。愛しくてしょうがないの。もともと、ヒカル様のこと好きだったけど、それはライクだったのよ。今じゃ、ラブを通り越しちゃってるもん。セックス一回で支配されちゃったの。人事なら笑い話だけど、我が身に降りかかると、笑えないね。もう、どうしようもないくらい好きになっちゃった」

 

「……はぁ、同意するわ。それより、ヒカル様って何よ、様って」

 

「だって……こんなに愛しちゃったら他の男なんて考えられなくなっちゃうもん。一生この人に付いていこうって決めたの。だからヒカル様って呼ぶの」

 

「……あんた婿を取るんじゃなかったっけ?」

 

「それはもちろん、お父様が決めた相手と結婚はするよ。でも、心は親の言いなりにはなれません。ヒカル様を想って生きていきます」

 

「何それ?でもまぁ、いいわ。あんたのこと認めるわ。こんなに激しいのを私一人で受けとめてたら、死んじゃいそうだしね。香歩ならヒカルを独占しようとしないから、まぁ許すわ」

 

「……本当に激しかったもんね。私の身体、未だに痙攣が止まってないよ……。ヒカル様にお酒を飲ませないように気を付けなくちゃね」

 

「ええ、それは絶対ね。で、どうするの、あかりとあきこは?たぶん他にもいそうだけど、あんた手伝うって言ったわよね?どうやって、ヒカルのこと盗られないようにするの?」

 

「そうですね、まず、認めなくちゃいけないことがあると思うの。今、ヒカル様に抱かれている女性はもう手遅れだってことを認めよう?受け入れるしかないと思うの。無理に引き剥がしたら、それこそ、麻薬患者のようにヒカル様と無理心中をしそうで怖いわ」

 

「……はぁ、まぁ仕方ないわね。ヒカルに会えなくなったらって想像するだけで、今の私は狂いそうだもの。他の連中もきっとそうなんでしょうね、はぁ」

 

「納得してもらえてよかったわ。それでね、次にこれ以上、ヒカル様と仲良くなる女子を減らす必要があると思うの。そこで、ヒカル様は二股しているという情報を積極的に流すの。そうすれば、普通の女子は嫌悪してヒカル様に近づかなくなると思うの」

 

「ネガキャンかぁ……あれ?それって私にもダメージがあるんだけど?」

 

「多少は仕方ありません。そうですね、ヒカル様が二股している相手は親友で互いにそのことを知っている、とでも付け加えましょう。これで少しは明日美ちゃんの被害が減るんじゃないかな」

 

「もう1人はもしかして……」

 

「もちろん、私です!」

 

「……あんたに嵌められてる気がしてきたんだけど、はぁ、もういいわ、考えるのが億劫でしょうがない。それでいい。あと余所ではヒカル様なんて絶対に呼ばないでよ?ヒカルがそう呼ばせてるんじゃないかって変な勘違いされるわ」

 

「わかりました。それじゃあ、寝ましょう。私も限界、その他のことはまた今度にしましょう」

 

「ええ、お休み」

 

 お休みなさい、と言葉を交わした後、すぐに泥のように眠る二人の少女の顔は疲れ切っていた。

 

 

 

 

 

 

 



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12 「進藤ヒカルの日常」

 ヒカルの一週間は多忙だ。週2日、インターネットカフェでネット碁をし世界中の相手と対戦する。週2日は日本棋院の資料室に籠って棋譜を読む。そして毎週木曜は塔矢門下の研究会、土日は院生研修に参加する毎日であった。

 従って、囲碁部に参加するのは放課後の最初の30分から1時間だけで、後は他の皆を置いて帰ってしまう状況だ。ヒカルは囲碁部の皆に申し訳なく思っていたが、囲碁部員たちとしては、多面打ちで指導碁をほぼ毎日一局は打ってもらえる状況を喜んでいた。ヒカルの指導は的確でわかりやすいと好評だったのもプラスに働いた要因だろう。

 空き時間は彼女たちとの情事に充てられる為、まさに休む暇がないほどヒカルは忙しい毎日を過ごしていた。

 

 そんな多忙なヒカルでも彼女たちとの予定が合わず空く時間というものがある。するとヒカルは塔矢先生がオーナーの囲碁サロンへ行くことになる。ヒカルは院生になり、その実力からも塔矢門下と皆に認められるようになっていた。

 進藤君の家は囲碁サロンにも近いし、暇があったら顔を出してやってくれないか。お客と打つ碁にも慣れるだろうからいい経験になる。ははは、もちろんただだよ。むしろ指導料を払わなくてはいけないんだがね。

 塔矢先生にそう言われ、ヒカルは暇が出来れば囲碁サロンに顔を出すようになった。塔矢や芦原さんたちと顔を会わせることもあるが、大抵指導碁を行っている為、対局は出来なかった。

 そして、ヒカルも指導碁を行った。過去に戻る前にも、少ないながら指導碁は行っており、慣れの部分もあったがヒカルの指導碁はわかりやすいと大好評であった。それに笑顔で楽しそうに教えてくれ、おしゃべりも上手いとあって、ヒカルは囲碁サロンで一番の人気を博すことになる。

 こうなってくると、指導料を払わないと申し訳ないという気持ちになってくるのが大人というものだ。

 中学生の君に表立ってお金を払うと法律違反になってしまうから、お小遣いという形で渡すよ。そう言わずに受け取って欲しい。君の指導はわかりやすいと人気があるそうじゃないか。

 塔矢先生の言葉に断れず、ヒカルは中学生のお小遣いとしては破格のお金が舞い込んできた。

 でも、ヒカルはそれにはあまりとらわれず、楽しそうに囲碁サロンでお客と打つのであった。必然的に席主の市河晴美とヒカルは仲良くなる。

 

 晴美さんに会いに来たよと挨拶し、晴美さんは今日も綺麗だねと褒め、晴美さんの彼氏に立候補してもいい?と笑い、晴美さんが塔矢のこと嬉しそうに話すの聞くと俺落ち込むと嫉妬した表情を作る。

 市河はそれをいつも楽しそうに笑い飛ばしていたが、内心は悩んでいた。塔矢アキラが好きなはずなのにいつの間にかヒカルのことを想う時間が増えてくるのだ。でもそれは仕方のないことだった。誰だっていつも好意を寄せて話しかけて本心から求めてくる相手を嫌いになれはしない。好きな相手は市河のことなど眼中にないとばかりに愛想よく笑うだけ。

 段々と気持ちが変化していくのを市河は感じていた。

 

 

 

 中学の昼休み、ヒカルはあかりと一緒に理科倉庫に来ていた。理科倉庫はヒカルがタマ子先生に直訴して手に入れた囲碁部部室である。理科準備室に置けない大きな実験道具や過去の道具、大量の資料が置かれていた理科倉庫を皆で掃除し、囲碁部部室として使える小さなスペースを確保したのだ。

 普段は理科室で活動する囲碁部には必要のない部室だが、囲碁道具を置くスペースが必要だとか、女子たちには部活後の休憩スペースが必要だとか、より多くの部員を確保するにはどうしても専用の部室が必要なんです、とわけのわからない理屈でヒカルが持前の話術を駆使しタマ子先生を説得したのだ。

 実際はヒカルが多忙でなかなか相手をしてもらえなくなったあかりと茉莉がヒカルとセックスをする為に確保を熱望したスペースであった。その為、応接室で使われていた捨てられる直前の古いソファを引き取り運び入れ、入口には鍵を2個取り付け、カーテンも分厚いものへと替えられ、完璧なヤリ部屋になっていった。

 

 全裸の二人はソファに座り、座位で繋がった状態でディープキスをしていた。あかりはヒカルの口内を味わおうと一生懸命に舌を突出してくる。その可愛い顔を早くも真っ赤に蕩けさせ、腰を微妙に揺すり快感を得ようとする。幼い肢体の美少女が小さな胸を擦り付け、甘い唾液を流し込んでくるのだ。ヒカルの肉棒ははち切れんばかりにいきり立ち、幼い膣壁を押し広げていく。

 

「ちゅっ、んちゅ、ん、んん……じゅ、れろ、んはぁ、ヒカルの唾液美味しいよぉ、ちゅぷちゅ、んん」

 

 セミロングの髪を優しく撫でた後、優しく背中をぽんぽんと叩き、キスを止めさせる。名残惜しそうにヒカルの唇を舐めた後、あかりの舌はヒカルから離れていく。つうっと涎の橋が架かり、落ちていく。あかりは我慢の限界なのだろう。ヒカルの許可なくその細い腰を回すように動かし、ヒカルの肉棒を味わう。

 

「あかり、昨日は明日美と会って来たんだろう。どんなこと言ってた?」

 

「あぁあぁ、ん、んん、ヒカルとエッチしているのは私だけか聞いてきたよ、あん、んん」

 

「それで?」

 

 あかりの急激に育ち始めたおっぱいに顔を埋め、ぺろぺろとその頂きを舐める。まだBカップだが日に日に大きくなっていくあかりの胸を堪能し、こりこりになった乳首を優しく吸う。

 

「あん、あぁあぁ、ヒカルそこいいよぉ、あああ、あっ、ああああ、いいよぉ」

 

 あかりの腰の動きが激しくなる。前後の動きに上下運動が加わりヒカルの肉棒をあかりのキツマンが絞るように擦ってくる。おっぱいを舐めていられなくなったヒカルはその細い腰を支えてやりながら、あかりの膣内を堪能する。腰が持ち上げられる度にヒカルの肉棒の大きく張ったエラがあかりのGスポットを擦るように支える角度を調整する。どろどろに溶けたヒカル専用マンコは最高の快楽を与えてくる。ヒダがうねるようにヒカルの亀頭を包み込み、そのままエラと裏スジを擦りあげるように複雑に絡みつく。ずぶずぶと熱い膣壁はヒカルのちんぽを根本まで飲み込む。入口とそのすぐ後ろ、そして最奥の手前、三段締めしてくる最高のマンコが変幻自在な腰振りでヒカルの肉棒をシェイクしていくのだ。ヒカルも思わず呻く。

 

「ああ、あかり、気持ちいいよ。でも勝手に始めないでちゃんと俺の質問に答えてよ」

 

「あん、ああ、ああぁ、あぁ、ああああ、だってぇ、ヒカルのが気持ちよすぎるんだもん。ヒカルのおっきなチンポが私のおまんこにぴったり嵌って、気持ちいいとこばっかり刺激してくるんだもん。ああ、いいよぉ、すごいよぉ、あん、あああぁあああ」

 

 あかりの腰のグラインドが早まっていく。ヒカルも堪らなくなり、下からあかりの尻を突き上げるようにピストンする。あかりは髪を振り乱し、額に汗を浮かべながらヒカルの上で高まっていく。

 

「あっ、あっ、ああああああ、いい、いいよぉ、イク!いっちゃうのぉ、ああああああああああああ!!」

 

 跳ねるように動いていたあかりは絶頂を極め、それに合わせヒカルも射精する。しなだれかかってくるあかりをヒカルは優しく受け止め、抱き締める。汗ばんだあかりの細い身体から匂う女の体臭に包まれながらヒカルはあかりの乱れた髪の毛を梳いてやる。ヒカルの胸に顔を当て、膣内にヒカルの精液を感じ、あかりは至福のひと時を味わう。

 

「あん、ヒカルの精液がいっぱい膣に入ってるよぉ、それなのにまだ大きいままだ、ヒカルのチンポは本当にエッチなんだから」

 

 あかりの蕩けたような甘え声は心底嬉しそうに弾んでいる。ヒカルも二回戦に突入したくなるほど、あかりの膣は嬉しそうに蠢動を再開し肉棒を締め付けてくる。それを堪え、再度あかりに質問するヒカル。

 

「それで、明日美とはどんなこと話したの?」

 

「ん~、もう!もう一回早くしたいのに……ん~とね、ヒカルのことは皆で共有しましょうって話をしたよ。あとね、私以外に誰とエッチしてるか聞かれたけど答えなかったよ私」

 

 褒めて褒めてと全身で表現するかのようにあかりはヒカルの胸に顔を擦り付け、身体をぎゅっとしてくる。ヒカルは優しくあかりの背中を撫でてやる。肉棒がその動きに合わせてあかりの膣壁を擦る。

 

「ん、んん、あん……あとね、これ以上ヒカルに女の子が出来ないように見張ってって言われたの。協力関係を築いていきましょうって言ってたよ。この話は秘密なんだって、ヒカルに知られると効果が半減しちゃうからって言ってたの、ねぇ、もう一回しようヒカルぅ」

 

 あかりはヒカル第一主義の為、明日美のことも、またかと受け入れた。そしてヒカルに不利益になるだろう、姉や同級生たちとセックスしていることは明日美には言わなかったのだ。その上で明日美に協力する必要も感じたあかりは明日美と手を組むことにしたのだ。このことはヒカルに漏らすなと明日美から注意されていたが、ヒカルに聞かれれば何でも教えてしまうあかりには意味のないことであった。

 

「そっかぁ、ありがとう、あかり。時間もないし今度は俺がバックで突いてやるから、立って」

 

 あかりと明日美の会談をセッティングしたのはヒカルだ。ただ、どのようなことが話し合われるかは教えてもらえず、気を揉んでいたのだ。それが晴れたヒカルは安心してあかりの身体を味わうことにした。

 

「そうだ、今週末は若獅子戦で院生研修が休みなんだ。金もあるし、デートしよ?どっかのホテルに泊まってさ、いっぱいエッチなことしようぜ」

 

「本当!?やったぁ、楽しみにしてるよヒカル!」

 

 あかりはソファに手を付き、ぷりぷりの尻を突き出した状態で喜びの声を上げる。尻も嬉しそうに揺れている。あかりの幼い綺麗な割れ目からヒカルの精液が垂れてくる。その淫靡な光景にヒカルは再度あかりの膣内へばきばきになった肉棒を挿入するのであった。

 

 

 

 

 

「なんでこうなっちゃったのぉ」

 

 あかりはその頬を膨らませて不満を表す。それはお前が口を滑らせたからだろとヒカルは内心で突っ込みを入れるが黙っている。今、ヒカルの目の前には全裸姿の少女たちが並んでいる。あかりに茉莉(マツリ)、彩夏(サヤカ)に久美子、皆ヒカルと肉体関係にある四人だ。

 

「せっかくのヒカル君の休みなんだから、皆で楽しもう、あかり!」

 

 中学でバスケット部に入り、スレンダーな肢体がよりしなやかになり、胸も少しだけ大きくなった猫目の美少女。健康的に日焼けした手足と真っ白な胸とお尻のコントラストが欲情を誘う美少女に成長した彩夏があかりを窘める。ゆるふわに崩した三つ編みが少女の気の強さを緩和している。ヒカルに処女を奪われたことにより、中一には見えない色香が備わり、より美しくなったと告白が絶えないほどモテモテだが誰とも付き合おうとはしないのはヒカルに捕まってしまったからだ。

 

「あかりが自慢してくるから悪いんだよ」

 

 もともとふっくらしていた肢体が引き締まり、ヒカルに揉まれ続けたことで大きく成長した胸が強調されて、より厭らしい身体になった茉莉があかりに原因を言う。軽くカールさせたショートの髪と優しげな目元が相まってその可愛らしさを引き出している。彼氏とはまだ一応関係を続けているがセックスはしていないのと淫乱にヒカルに告白してくる魔性の女の子になっている。

 

「私は皆が行くって言うからついて来ちゃったけど、ごめんね、あかり」

 

 中学になってヒカルが囲碁部に誘った久美子はふくよかな身体を縮こまらせてあかりに謝っている。その際、Dカップの胸がぷるりと震える。金髪にしたショートの髪がよく似合う可愛らしい少女だ。囲碁部に勧誘し、すぐさまヒカルにそのエロい肉体を貪られた少女である。

 

「私とヒカルで楽しむはずだったのにぃ」

 

 ぐすりと涙目になって不貞腐れるあかりはスレンダーな少女だ。セミロングの髪をアップにして耳が見えるようにしている。胸は最近成長してきたがまだまだ小さく、手の中に納まるほどしかない。それでも子供から大人に変わろうとしている美少女の身体は淫靡で美しい。

 

 

 四人の少女たちが裸でヒカルの前に立っているのだ。毎日のように理科倉庫でセックスをしている少女たちだが、まとめて見ると圧倒されてしまう破壊力があった。全裸になったヒカルの肉棒も既に限界までそそり立っている。

 

 

 雑談中にあかりが週末にヒカルとお泊りデートをするとポロリと茉莉に漏らしたことにより、女子たちによる緊急会議が開かれたらしい。そして満場一致(一名口を塞がれ棄権)を持って皆でのお泊り会となったのだ。ヒカルはそれを聞いて内心不安を覚えながらも5Pという未知なる性欲には勝てず5人で泊まれるホテルを予約することになる。昼は遊園地で遊ぼうというヒカルの意見は却下され、土曜の真昼間から5人の少年少女たちはキングサイズのベッドの前で裸になっているのであった。

 

「皆とっても綺麗だよ。あかりもこうなったからには楽しもうぜ、まずは皆でフェラしてもらおうかな」

 

 ヒカルはベッドの端に腰かけ大きく足を開いて猛り狂っている股間を皆に見せる。左右から彩夏と茉莉が我先にと跪きヒカルの肉棒に口を付ける。出遅れたあかりは負けじと二人の少女の真ん中から顔を出しヒカルの亀頭にキスをする。舌を伸ばし竿とエラを舐める彩夏と茉莉に亀頭を舐めるあかり、三人の少女は頬をくっつけ合いながら一生懸命にヒカルの肉棒にむしゃぶりつく。

 

「ああ、すっげーいいよ三人とも、彩夏は上手になったな、茉莉の舌は最高だよ、あかりも気持ちいいよ」

 

 三人の頭をそれぞれ撫でながらトリプルフェラを堪能するヒカル。ヒカルに褒められ、頭を撫でられたことで、心底嬉しそうな顔でヒカルの肉棒に奉仕する三人の幼い少女たち。淫靡に潤んだ瞳でヒカルを見つめてくるあかりに、真剣な表情で肉棒を見つめる彩夏と茉莉。幼い美少女たちの熱い舌と唇がそれぞれ独立してヒカルの肉棒全体を這うように舐めてくるのだ。三人の美少女の淫靡なヴィジュアルと傅かせている状況も相まって最高の快感が肉棒から押し寄せてくる。あかりが裏スジを舐める。茉莉が玉袋をぺろぺろする。彩夏が竿を唇と舌で一生懸命擦るように舐める。三人の唾液ですでにどろどろになった肉棒は射精したいと訴えてきている。気持ち良すぎる。

 

「ぺろっ、ちゅうう、れろ……ちゅぱ、ちゅう……ん、んん、ヒカルのちんぽ美味しいよぉ、レロっ、ぺちゃ、はぁん……なんでこんなに美味しいのぉ」

「れろれろ、じゅぞぉ~、んじゅ、じゅる、れろ、ん、ほんとに美味しいよね、ヒカル君のおちんちん、彼氏のなんて舐めたいなんて絶対に思えないのにこれなら一生舐めてたいもん、れろれろ、ぺちゃあ、んん」

「じゅるじゅる、んっ、へろ、れろ、じゅう、あん、もうあかり邪魔だよ、レロっ、すうすう、いい臭いだよヒカル君のぉ、先走りも美味しいよぉ、れろれろ、ちゅぱ、あん」

「私のなのに彩夏酷いよぉ、レロレロ、んはぁ、美味しい、美味しいよぉ、ちゅぱちゅぱ」

 

 先走り汁を奪い合うあかりと彩夏、丁寧に皺を舐める茉莉と三者の奉仕はどんどん加熱していく。手はそれぞれの股間に伸び、オナニーをし始める三人。そこで所在無げに突っ立っている久美子に声をかける。

 

「最高に気持ちいいよ、三人ともその調子で頼むな。久美子はこっちにおいで」

 

 手招きされた久美子が不安そうな表情に欲情の色を忍ばせながらすぐにヒカルの隣に来る。横に座った久美子に啄ばむようにキスをしながら、そのたわわに実った巨乳を揉んでいく。

 

「ちゅっ、んちゅ、ちゅっ、ちゅっ、ん、んんヒカル君の唇柔らかくていいよぉ」

 

「久美子は可愛いね、よし、一回イッちゃおうか」

 

 ヒカルはオナニーであんあん言いながらも全力で肉棒に奉仕してくる三人の攻撃に追い詰められていた。気を逸らす為に久美子の魅力的な身体に集中することにしたのだ。片手で久美子の茂みをかき分け、恥丘全体を優しく撫でる。濡れそぼった愛液をクリトリス包皮に塗し優しく摘まんで擦ってやる。もう片手でもちもちした触り心地のよい胸を絞り込むように揉みながら、その頂きを摘まんでやる。

 

「あん、あぁ、はぁん、気持ちいいよぉ、ヒカル君、あっ、あっ、あああ、いい、キスしたいよぉ……あんん……ちゅうう」

 

「ずちゅうっ、ぺちゃっ、ちゅううう!!んああ、あん、んん……久美子だけずるいよヒカルぅ!ずちゅずちゅ、ぬろぉ~ぺちゃぺちゃ、んはぁ、んんん」

 

 あかりが激しく亀頭に吸い付き舌を高速回転させる。

 

「じゅぽっ!!れろ~れろ~、びちゃびちゃ、ちゅぽん、ごきゅん、あん、ああ、ヒカル君の玉美味しいよぉ、あん、じゅぞおおおっ!!」

 

 茉莉はヒカルの玉を一つ一つ飲み込み、口内で転がすように舌と唇でしごいてくる。

 

「はむっ、ちゅうう、じゅちゅ、じゅちゅ、じゅちゅ、ぺちゃぺちゃ、ふぁぁ、ヒカルのチンポ美味しい、じゅちゅじゅちゅ」

 

 彩夏は唇でヒカルの竿を挟み舌で擦りながらハーモニカフェラをしてくる。

 

「ちゅう、れろれろ、ん、んんんん、ぷはぁ、はぁはぁ、ヒカル君もうダメぇ、イクぅ!」

 

 クリと胸と舌を弄られた久美子が絶頂する。ヒカルも限界だった。三人の少女たちによるフェラチオがあまりに気持ち良すぎるのだ。ピクピクと腰が跳ねるのを止められない。

 

「ううぅ、皆気持ちいいよ。もう出そうだ」

 

 ヒカルが呻くように言うと三人はさらに激しくヒカルの肉棒を責め立てる。あっという間に限界を迎えるヒカル。びゅるるるると激しくイクヒカルの肉棒をあかりがはむっと口に含みヒカルの精液を全て口の中に溜め込んでいく。

 

「ああ!!あかりずるい!!ヒカル君の精液独り占めするなんて!」

 

 彩夏があかりに抗議をする。あかりは彩夏に口移しでヒカルの精液をお裾分けしてやる。そのまま二人はヒカルの精液を飲みほし、足りないとばかりにお互いの口内を舌で舐めしゃぶり、ヒカルの味がする唾液を飲み合っている。真っ赤になった顔を蕩けさせながらレズキスをする二人の少女を見ているだけで、ヒカルは高ぶりまた怒張をばきばきにしていた。

 

「ヒカル君、しよう?」

 

「うん、じゃあコンドームつけてくれる茉莉?」

 

「私は今日安全日だからいらないよ」

 

「ダメ、久美子と彩夏がちょっと危ない日だからね、茉莉も我慢して。……もっと大きくなったら茉莉のこと孕ませて俺の子供産ませてあげるからね」

 

 不満げな表情をした茉莉を慰める為にヒカルは茉莉に妊娠させることを約束する。それに嬉しそうな顔でわかったと頷く茉莉。口にコンドームを咥え、フェラの要領でヒカルの肉棒にコンドームを装着してくれる茉莉。呆けている久美子と茉莉を並べてベッドに寝かせ、茉莉の足を持ち上げ、正常位で茉莉の幼い膣を犯していく。右手中指と人差し指で久美子の膣内をかき回す。

 

「あああっ!あん、あああっああん、んん、あぁ、ああ、あああ……ヒカル君の大きなのが私の膣を犯してるよぉ、ああああ、すごいのぉ、いいよぉ、あああああああ」

「私もぉ!ヒカル君の指が私の気持ちいいとこ触ってくるよぉ、もっとぉもっとぉ、あん、あああああああ」

 

「二人ともすっごい可愛いよ」

 

 ヒカルはぱんぱんと茉莉に激しく抽送を送りながら、交互に口付けをしていく。どちらも舌を一生懸命に伸ばし、ヒカルの舌を求めてくる様が可愛い。突く度にぷるぷる揺れる二人の大きな胸を左手で交互に揉む。若干久美子の方が大きいが、それぞれのおっぱいに手が沈み込む、やわらかい感触を堪能する。茉莉の膣壁がぎゅっとヒカルの肉棒に絡みついてくる。至福の時間だ。

 

「ああ、ああ、あっ、ああああああ、いい、いいよ、ヒカル君のちんぽ最高に気持ちいいのぉ、あああああああ」

「あん、あぁ、あ、あ、あああ、ヒカル君、私もヒカル君のそれ欲しいよぉ、ああ、あん」

 

「茉莉は彼氏にしてもらえばいいじゃん」

「久美子のオマンコぐちゃぐちゃだぁ」

 

 彩夏がヒカルの左側から、あかりが右側がらそれぞれヒカルに抱きついてくる。スレンダーな厭らしい肢体を一生懸命にヒカルに擦り付けながら二人の少女たちの痴態を羨ましそうに見つめている。

 

「あっ!ああん、ああぁ、だってぇ、彼氏のちんちんってすっごい小さいんだよ。ああ、いいのぉ、いい、ああん、それにね、仕方なく手で扱いてあげるんだけど、1分も持たないで射精しちゃうダメちんちんなんだもん、あああああ、あぁ、あぁ、ヒカル君の極太カリ高チンポとは比べるのもばからしいくらいなんだもん、ああああああ、激しいよぉヒカル君、ごめんなさい、汚い彼氏ちんちん触って茉莉は悪い子ですぅ、いっぱいお仕置きしてぇ!あああああああああ、いいのぉ!!」

 

「うわぁ、ヒカル君の腰使い激しすぎ!まったく、茉莉は彼氏ネタでヒカル君のこと興奮させるのずるいよねぇ、だったら別れればいいのに、彼氏にはキスもさせないんでしょ?」

 

「あっ!あっ!あっ!あん、ん、んん、当たり前でしょう、ヒカル君以外とキスもセックスも絶対にしないもん!ああああ、あぁ、あぁ、茉莉はヒカル君のものなのぉ!いいよぉ、あああああああ」

 

「可愛そうな彼氏、私、女バスだから赤木と会話すること多いけど、あいつ茉莉にゾッコンだよ。自慢の彼女だっていつも皆に言ってるんだよ。それが、いやいや手コキされて喜んでるだけで、彼女は別の男に股開いて孕まされる約束までしてるんだから。最低ね女だね」

 

「んああああああ!!しょうなのぉ!!茉莉は最低な女なのぉ!!ひっあああああああ!!きたぁ!激しいのきたぁ!!ああああああ、イックぅううう!!」

 

「うわぁ、潮吹いてイッちゃった。いいなぁ、私もして欲しいよぉ、ヒカル君……ちゅっ、んん、んんん、ぴちゃ、れろれろ、んはぁ」

 

「あぁ、あぁ、ヒカル君の指でイクぅ……やだやだぁ……今度はヒカル君のチンポでイキたいよぉ、久美子にも入れてぇ、あああああ、きたぁ、ぶっといのきたよぉ、最高に気持ちいいのきたぁ、あああああああ!!」

「んん、ん、あん、ああ、ヒカルぅ、私のも弄ってぇ」

 

 ヒカルは茉莉から肉棒を引き抜くとコンドームに白く泡立った茉莉の本気汁を付けたまま、隣の久美子のむちむちの太ももを持ち上げ怒張を挿入する。彩夏にキスをしながら、どろどろに溶けた久美子の膣内を楽しむ。あかりはこりこりの乳首をヒカルに押し付け、その手を己の股間に導いてくる。ヒカルはあかりと彩夏の恥丘を撫で、ぐちょぐちょになっている膣入口に指を沿わせ、擦りながら膣壁をかき回し、クリトリス包皮にも手を伸ばす。ヒカルは汗だくになって腰を振る。体温の高い美少女に両側から柔らかい身体を擦りつけられ、熱い口でディープキスをされている。さらに熱いほどぐちゃぐちゃになった少女の膣内にチンポを入れているのだ。少女たちの甘い汗の匂いと女の厭らしい匂いがヒカルを包む。5人は汗だくに絡まり合いながら身体を動かす。喉の渇きを彩夏の甘い唾液で潤す。

 

「ちゅっ、んちゅうう、ちゅぷ、れろれろ、んじゅううう、ぺちゃぁ、んじゅう……ぷはぁ、はぁはぁ、あぁ、あん、ヒカル君の口の中最高だよぉ、んぁあああ、クリそんなに弄っちゃだめぇ、イクぅ、あああああああ!!」

 

「ヒカルぅ、私もイクよぉ、でも、早くおチンポ欲しいのぉ、あああああああああああ!!」

 

「あぁあぁ、あっ、んはぁ、ああああ、ごめんなさい、もうイッてるのぉ、激しいのがきちゃうのぉ、あああああああああああ、イックぅうう!!」

 

 三人の少女たちが絶頂を極める。ヒカルに抱きつき果てるあかりと彩夏、脱力した状態で幸せそうなアへ顔になっている久美子と茉莉。ヒカルはあかりと彩夏を久美子の隣に抱き合わせて寝かせる。下に寝かせたあかりの割れ目に挿入し、お尻を突き出すように上に寝かせた彩夏の幼いどろどろの割れ目にむしゃぶりつく。しょっぱさと女の匂いに興奮しながらあかりの膣奥を何度も突いていく。

 

「ああ、いいよぉ、やっときたよぉ、ヒカルのおっきなチンポが私の膣にぴったり嵌ってるのぉ、ああ、奥が気持ちいいよぉ、ボルチオもっと突いてぇ、あああ、えっ、なんでぇ、抜かないでよぉ」

 

「んあぁぁ、ヒカル君のぶっといのがきたぁ、あかりのと比べてどう私のマンコは?気持ちいいでしょう?ヒカル君の為にバスケット部で鍛えてるんだよぉ、あああああああああ、待ってぇ、激しすぎるのぉ、イク、イッてるぅ、うそぉ、すごすぎるううううううううう!!」

 

「んんはああああ、ヒカルのチンポが戻ってきたあああ!!あああああ、ダメェええええ!!私もイッちゃうううう!!すごいすごいすごいぃぃぃ、奥だめぇぇ!!イックうううう!!」

 

 ヒカルはあかりの膣内で射精する。汗だくの火照った身体を久美子とあかりの間に倒れこむように横たえる。さすがに疲れたと思っていると、茉莉が水を口移しで飲ませてくれる。ヒカルに身体を擦り付けてくる久美子にもその水を口移しで分けてあげる。あかりと彩夏もすぐに起きてきて寝転ぶヒカルの腕にそれぞれしがみ付いてくる。女の子たちにもみくちゃにされヒカルはまた股間がいきり立ってくる。久美子に寝ながら挿入しようとするがそれは茉莉に止められる。

 

「はいはい、一回休憩しましょう。もうお昼ですから、ごはん食べましょう。それに皆汗だくだからシャワーも浴びてすっきりしましょう。まだまだ時間はたっぷりあるんですからね」

 

 茉莉の言葉にしぶしぶヒカルから離れる三人娘たち。部屋に備え付けられているタッチパネルでわいわいと昼ごはんを注文してから順番でシャワーを浴びにいく。シャワーを皆が浴び終え、バスローブ姿で昼ごはんを食べ、歯磨きを済ませて一息入れる。カラオケしようと主張する茉莉と70インチの大画面で最新の映画が観たいと言うあかり、どっちもすればいいじゃないかとヒカルが仲裁し、先にカラオケをすることになった。

 一番高得点だった者がヒカルとセックス出来るってことにしない、と彩夏が言いだし、その案に乗るあかりと茉莉、皆がまた裸になりのりのりで歌を歌うのを勃起させながら手拍子するヒカル、結局ぶっちぎりで久美子が優勝し、ヒカルは久美子と座位でセックスをすることになった。

 ソファに座っているヒカルに向い合せで跨ってくる久美子、ずぶりとヒカルの肉棒が飲み込まれる。

 

「ああ、入ってきたぁ、やっぱりこれすごい気持ちいい、ああ、あん、あん、んん」

 

「前戯してないのに濡れ濡れだね久美子の膣は、すっごく気持ちいいよ久美子」

 

 ヒカルは久美子のお椀型の胸を揉みながら、下から軽く突き上げてやる。蕩けた表情で久美子は喘ぐ。

 

「裸で歌ってる時にヒカル君に見られてると思ったらあそこがじゅんってなっちゃったのぉ、あああああ、すごいよ、あそこが気持ちいい、いいのおぉ!!」

 

「久美子ばっかりずるい!私もヒカルとしたい!」

 

「もう一回やろう!久美子はその状態で歌うんだよ?それなら負けないもん」

 

「そんなの無理だよぉ、あん、ああああああああ、いいよぉヒカル君、あああああああ」

 

 恐ろしいルールが追加され、再びカラオケ勝負をする少女たち。もちろん今度は久美子が最下位となり、優勝した茉莉に久美子はヒカルの上から退かされることになる。

 

「んあぁ、ヒカル君のがなくなっちゃったよぉ。私一回しかイケなかったよぉ、ヒカル君」

 

「はいはい、十分でしょ一回イケれば、んはぁ!!ヒカル君のデカチンポきたぁ!!入れただけでイッちゃったよぉ、よすぎるのぉ!!あああああああああ」

 

 茉莉はヒカルの上に跨るといきなり激しく腰をグラインドさせ、ヒカルの肉棒を貪る。ヒカルも久美子とのセックスで射精していなかった為、射精感が込み上げており、一緒になって激しく下から茉莉を突き上げる。茉莉のおっぱいがぶるんぶるん揺れるのもヒカルを興奮させ、一層激しいセックスになっていく。

 

「も、もう一回!今度こそ勝つ!」

 

「そうよ、次こそは!あんたからよ茉莉、イク前に歌いなさい!」

 

 茉莉はマイクを何とか持っているのがやっとで、永遠と喘ぎ声がスピーカーから流れるだけで歌が終わる。あかりたちは勝ったと会心の笑みを浮かべながらそれぞれ熱唱していく。

 ヒカルは茉莉の肢体に夢中でそれを聞き流す。

 

「茉莉の膣、すっごいよ、イキそうだ」

 

「あああああ、いいよぉ、イッテぇええええ!!私ももうダメなのぉ!!いっぱいイッテるのぉおおお!!はぁん、あああああああああ」

 

「出る」

 

 ドクドクと大量の精液をコンドーム越しに茉莉の膣内で射精するヒカル。茉莉も絶頂し、力尽きたようにヒカルにしなだれかかってくる。茉莉の熱い体温と柔らかい胸の感触を感じながらヒカルは茉莉とキスを交わす。

 

「やったぁ、また私が優勝ね!」

 

 久美子が嬉しそうにジャンプしてその胸を揺らす。絶望して倒れこむあかりと彩夏。茉莉は情熱的にヒカルと舌を絡めた後、立ち上がり、優しくヒカルのコンドームを新しいものと交換してくれる。

 

「本当にヒカル君のチンポはすごいね、ちっとも萎えないんだもん。ちゅっ」

 

 優しくヒカルの肉棒を触った後、キスをして離れていく茉莉。ヒカルはそれだけで、またばきばきに怒張を張り上げていた。久美子が淫靡に微笑みながらヒカルの上に跨ってくる。

 

「ヒカル君、よろしくね」

 

「こちらこそ、久美子とまた出来て嬉しいよ」

 

「もうカラオケやだぁ」

 

「つ、次こそは勝つ」

 

「あああ、やっぱりヒカル君のち、ちんぽはすっごく気持ちいいよぉ、なんでこんなに気持ちいいんだろう、あああ、入れただけであそこがじんじんしておかしくなっちゃうのぉ、いいよぉ、あああああああ」

 

「久美子のマンコも最高に気持ちいいよ、相性がいいんだよ、俺たち。可愛いよ久美子」

 

「あああ、嬉しい、ありがとう、ヒカル君、ああ、ああああ、またイクぅ、すごいのぉ」

 

 久美子は腰を前後に揺すりながら、一生懸命にヒカルにキスをしてくる。ヒカルもそれを受け入れ抱きしめながらディープキスをする。

 

「何で裸でカラオケなんかしてるのよ、私は」

 

 ヒカルと久美子を見つめながら、憎悪を込めて呟く彩夏に、あなたがしようって言ったんでしょう、と冷静に突っ込む茉莉。もうやだぁと泣き出すあかり。

 

「あぁあぁ、あん、あん、んん、ヒカル君のおっきなちんぽが久美子の感じるところを擦ってます。ま、マンコです、マンコが気持ちいいのぉ、ああああああああ!!」

 

 

 結局もう一度行われたカラオケ対決も茉莉が勝利し、その結果に切れたあかりと彩夏がヒカルに飛びつき再びの乱交になって終了するのであった。

 

 シャワーを皆で浴びさっぱりした後、あかりが観たいと言っていた映画を皆でキングサイズのベッドに寝転がりながらだらだら観る。ヒカルに皆が抱きつき、いちゃいちゃとしながら観ていたがさすがに皆、何度もセックスした後で疲れていた為、ヒカルの温かさと匂いに包まれて寝入ってしまった。ヒカル自身も疲れと、皆に抱きつかれた状態がぽかぽか気持ち良く、ぐっすりと寝てしまう。

 

 起きた時には既に映画は終わっており、夕食の時間になっていた。デリバリーを頼み、皆で楽しく食事をする。本当に楽しく皆が笑いながら過ごす落ち着いた時間になった。

 その後、あかりが姉のしおりさんから教えてもらったという王様ゲームをやることになる。女の子たちと楽しく付き合うにはなるべく肯定することが重要だとヒカルは佐為から習っているので、笑いながら賛成するヒカル。皆がまたバスローブを脱ぎ全裸になる。ヒカルは不安になったが何も言わずに割り箸を引く。彩夏が王様になって一発目からヘビーなのをぶっこんでくる。

 

「一番がコーラ一気飲みねー!」

 

「私だぁ、無理だよ、一気飲みなんて!」

 

「王様の言うことは絶対です!」

 

「あかり頑張れ!」

 

 ヒカルはあかりに同情し、応援をする。無理だろうな~と思いながら。

 

「う、うん、頑張る!」

 

 覚悟を決めてコーラ一気飲みをしたあかりは当然のように盛大に口と鼻からコーラをリバースする。それを皆が笑う。次に王様になったのは激怒中のあかりであった。凄いのにしてやるんだから、とあかりは怒っていたが、なかなか命令が思いつかず結局、

 

「4番がこのゲームが終わるまで語尾ににゃんってつけること」

 

「私だぁ、にゃん」

 

 茉莉は楽しそうに語尾ににゃんを付けて話ながら笑う。ヒカルも茉莉可愛いと褒めるので、茉莉は顔を赤くして喜んでいる。あかりは失敗したという悔しい表情だ。次の王様はヒカルになった。これは難しいとヒカルは悩む。皆が裸できらきらした期待の目をヒカルに向けてくる。普通に考えればエッチな命令をするのがよいのだろう。だけど、誰とエッチなことになっても他の女の子は嫉妬し怒ることになる。ヒカルは自己犠牲の精神で無難な命令をする。

 

「じゃあ、2番が好きな人のどんなところが好きなのか話すってことで」

 

「わ、私だ!やったぁ、にゃん。え~とね、彼氏とは比べ物にならないほど優しくて可愛いのにゃん、それにね、エッチがとっても上手なんだよにゃん、ヒカル君。それからね、彼氏はのちんちん小さくてね、短小包茎早漏ってトリプルなんだよ、にゃん。でもそれに引き換えヒカル君はすっごいんだにゃん、それにね、それにね……」

 

 唯一の外れを選択したヒカルは頬を引きつらせ、茉莉が彼氏をぼろくそに言うのを聞きながら、にゃんと語尾を付けても、えげつなさは緩和されないんだなぁ、としみじみ呟くことになった。

 

 気を取り直して次に王様になったのは、茉莉であった。ここでようやく普通のエロい王様の命令が発せられる。

 

「4番さんが10分間皆の前でオナニーを見せつけることにゃん」

 

「わ、私だよ。そんなの出来ないよ」

 

「王様の命令は絶対ですにゃん」

 

 泣きそうに手を上げたのは久美子であった。皆に取り囲まれ、立った状態で股間を突出し、クリトリスオナニーを顔を真っ赤にしながらする久美子。ヒカルは股間がばきばきになりながらそれを見守る。彩夏がいつの間にかヒカルの横に腰かけ、そのスレンダーな肢体をヒカルに絡ませてくる。

 

「あん、ああ、ああ、ヒカル君が見てるよぉ、ダメなのに、手が止まらないのぉ、ああ」

 

 くちゅくちゅと陰部をかき回す久美子の痴態はエスカレートしていく。

 

「久美子、胸も揉んでみて」

 

 ヒカルは幼い少女の淫靡で美しいオナニーショーに興奮し、声をかける。くちゅくちゅと膣入口を弄る右手に巨乳を揉む左手、喘ぎながらヒカルのことを誘惑するように腰もうねる。ヒカルは久美子のことを凝視しながら、隣に座ってきた彩夏がヒカルの肉棒をしごくのに合わせて、彩夏のクリトリスを弄る。淫靡な空気が流れ、このまま、三人とも達してしまうのではないかと思われた時に茉莉が終了を告げる。

 

「は~い、終了にゃん!10分経ったにゃん!止めるにゃん!」

 

「あん、あああ、ヒカル君の視線でイッちゃいそうだったよぉ、はぁん、あああ」

 

「ああっ、いいよぉ、ヒカル君、ああ、止めないで、イキそうなのぉ、あん、あああああああ」

 

 彩夏はヒカルの隣でヒカルに抱きつき切なそうにしている。久美子も欲情した表情でヒカルを見つめ続ける。ヒカル自身もすぐにでも彩夏と久美子を犯したくて仕方なくなっていたが、王様が終了というのだからと何とか堪える。

 

「じゃあ、次は誰かな?」

 

「私が王様だ!」

 

 ヒカルにもたれかかっていた彩夏が喜びの表情を浮かべる。でもその瞳はもう潤み切っており、どうしようもなく欲情しているのが、わかる。

 

「王様と2番が中出しセックスする」

 

「えぇっ!何それ?」

 

「あ、2番は俺だ」

 

 ヒカルは2と書かれた割り箸を皆に見せる。彩夏はすぐにソファに座っているヒカルに飛び乗り、座位でヒカルのチンポを濡れそぼったマンコに挿入してしまう。シャワーの後、後ろにまとめていたヘアゴムを外し、ロングの髪を解き放つ。そのまま、我慢出来ないとばかりにスレンダーな腰を上下させ、ヒカルの肉棒を味わう彩夏。髪が美しく広がり波打ち、シャンプーの香りがヒカルの鼻孔をくすぐる。

 

「ああ、きたぁ、ヒカル君のちんぽだよぉ、気持ちいいのぉ、ああ、いいよぉ」

 

「彩夏、俺も気持ちいいけど、コンドームしてないから一旦抜いて?今日の彩夏は危険日でしょ?」

 

「ああっ!ああっ!いい、いい、外に射精すれば大丈夫でしょ?ねぇ、ヒカル君、このまま彩夏を犯してぇ、ああああ、おっきなチンポすごいよぉ、いいよ、ああああ」

 

「わかった、彩夏綺麗だよ。真っ白な胸と日焼けした手足が何ていうか、すっげーそそるんだ。彩夏の細い身体によくあってて、俺、彩夏の身体に夢中だよ」

 

「ああああああ、嬉しいよぉ、ヒカル君に褒めてもらえたぁ、ああん、ああ、ああ、いいのぉ、すごいの、きてるよぉ、ああああああ」

 

 ずっちゅずっちゅと膣口からまぐわいの厭らしい音が響き渡る。ヒカルは彩夏のキツマンを堪能する。バスケット部で鍛えられた彩夏の膣壁はヒカル専用に拡張されており、ヒカルの肉棒をすっぽり覆い、ヒダで絡めながらも、凄まじい圧力でぎゅうぎゅうと刺激してくるのだ。堪らなく気持ちいいマンコだ。

 

「ねぇ、おかしくない?彩夏さ、ヒカルの割り箸に2番って書いてあるの知ってたんじゃないかな?」

 

「ええ、ヒカル君に抱きついたまま、割り箸を引いてましたから、その時にヒカル君の番号を盗み見たんでしょうね」

 

「汚い、さすが彩夏汚い」

 

「いいなぁ、気持ちよさそう」

 

「ひぃぃぃぃ、ヒカル君に突きあげられると、私の気持ちいいところ全部擦られてるのぉ、ああああああ、イッテるう、いっぱいイッテるのぉ、あああああああああああああ」

 

「彩夏、俺もう射精る!!」

 

「イッてぇえええ!!いっぱいイッてぇえええ!!あああああああああああ」

 

 ヒカルは彩夏を持ち上げ、肉棒を引き抜くと彩夏の太ももに射精する。日焼けした彩夏の太ももに白い斑が出来上がるほど大量の精液が出る。彩夏は放心したようにヒカルに抱きつき、暖かな鼓動を聞きながら痺れる余韻に浸る。

 

「彩夏、最高だったよ」

 

 ヒカルは彩夏のロングの髪を優しく後ろにまとめてやり、絡まりがないように梳きながら、顔を持ち上げ、口付けをする。

 

「ちゅっ、ん、んん、ぴちゃぴちゃ、れろっ、はぁん……はぁはぁ、幸せぇ、愛してるヒカル君」

 

「俺も愛してるよ彩夏」

 

「「「………………。」」」

 

 女子たちによる彩夏への制裁が行われることになった為、ヒカルは退避するついでに風呂に入ることにした。すでに今日一日で10発ほどヒカルは射精している。さすがに疲れたなぁ、と思いながら浴槽に張ったお湯に身体を投げ出す。もうそろそろ打ち止めだなぁ、とゆっくり風呂から出、歯磨きをし、ベッドルームへと戻る。

 

 そこには四人の女の子たちが、キングサイズのベッドの上で一列にお尻を突出し、ヒカルを待ち構えていた。

 

――すっげー、男のロマンだ。

 

 ヒカルは興奮が抑えられずに震える。中学生のお尻が4つ、ヒカルに犯される為に、揃えて並んでいるんだ。どの尻も形の整った美しい尻だ。美少女がヒカルに屈服し、挿入を待ち望んでいるのだ。血が逆流しそうなほどの興奮を覚える。股間が破裂しそうだ。

 

 ベッドに上り、その四つのお尻をヒカルは視姦していく。右側から順番にね、とお尻がヒカルに声をかけてくる。

 一番右側のおしりは他のお尻より大きくぷるんぷるんだ。アナルの皺までしっかり見える位置でよく観察する。茂みは手入れがされ整っている。割れ目はすーと一筋の線で、肉ビラがはみ出していない、綺麗なピンク色のマンコだ。ただ、こんこんと愛液が滴っている為、厭らしさも半端ない。

 

 ヒカルはコンドームを装着すると、静かにその割れ目に肉棒を挿入する。ゆっくりと抽送を繰り返す。

 

「ん、んん、あぁ、あぁ……んん、んんん、ああああ、気持ちいいよぉ、あん、ああああ」

 

 我慢していた声をすぐに喘ぎ声に変えてしまう茉莉にヒカルは苦笑する。10ストロークしたら、惜しく思いながらも茉莉のマンコから肉棒を引き抜く。左に移動する。

 

「あああ、ああ、いかないでぇ、ヒカル君、ああ」

 

 茉莉の哀願に答え、右手中指と人差し指で茉莉の膣壁をかき回してやる。茉莉が感じるGスポットも徹底的に擦る。

 

「ああ、いいよぉ、そこ、そこ、気持ちいい、あん、あああああああ」

 

 茉莉の喘ぎ声を聞きながら、目の前の尻を観察する。今度のはさっきのより小さく肉付きの点では劣る。陰毛も薄く、幼い印象を受ける。綺麗なピンク色のマンスジも小さい。でもその穴はヒカルによって拡張された最高の女壺なのだ。ヒカルはあかりの膣内へ肉棒を挿入する。

 

「ああああ!入ってきたぁ、ヒカルのおっきなチンポが私のマンコを犯してるのぉ、いいよぉ、もっと強く突いてぇ、あん、あんあああああああ」

「あああ、ヒカル君の指すごいよぉ、私の感じるとこばっかり擦るのぉ、いいよぉ、いいよぉ、ああ、あぁ、あああああ」

 

「ヒカル君、私もぉ!我慢出来ないのぉ」

 

 あかりの隣のお尻がどろどろに愛液を流しながら発情した声で懇願してくる。大きなむちむちなお尻だ。2か月前にヒカルに処女を奪われた割れ目はまだ生娘のように美しさを保っている。ヒカルはあかりから肉棒を抜くと久美子の膣へ挿入する。

 

「ああ、いいです!すごい感じるのぉ!!いいよぉ、ヒカル君、ああああああああ」

 

「あん、ヒカルの指ぃ、すごいよぉ、いい、いい、あんああああ、はぁはぁ、一番左のお尻は放置だからね、皆の話し合いで決まったのヒカル。ああ、あああん!」

 

「ヒカル君、いっぱい突いてぇ、いいよぃ、あん、あ、はあん、あああああ、奥にきたぁ」

 

「あぁあ、あぁあいいよぉ、ヒカル君の指最高だよぉ、ああああああああああ」

 

 ぱんぱんぱんと尻を強く打つ音とぐっちゃぐっちゃと3人の少女たちのマンコ汁の音、そして喘ぎ声が部屋にこだまする。

 がばっと、一番左のお尻が立ち上がる。

 

「何よぉ!!酷いわよ!あんまりよ!」

 

 彩夏はヒカルに抱きついてくるが、ヒカルは両手も肉棒も大忙しで少女たちを犯している。

 

「ふぁあああ、あん、んん、彩夏への罰なんで相手しないでください、ヒカル君」

 

「ヒカルぅ、激しすぎるよぉ、ああああああああああああ、ダメぇ、イクううう!!!!」

 

「ああ、きたよぉ、ヒカル君のチンポきたぁ、すごいのきたぁ、いい、いいいい!!あああああああ、イクぅぅうううううう!!」

 

「こっちにもきたぁ、ぶっといのきたぁ、彼氏ちんちんの100倍すごいのきたぁ、茉莉を孕ませてくれるチンポ様きたぁ、すごい、ああ、あああ、ひぃぃぃぃ、だめなのきたぁ、イックううううううううう!!」

 

「へぁ、ひっぃい、だめぇ、ヒカル今はダメぇ、イッタばかりで敏感なのぉ、ああ、ああああああ、ずこずこしゅぎょいいいいい!!またイクううううううう!!」

 

「あっ!あっ!あっ!りゃめぇ、しゅごいのきちゃう、くるうのぉ、ああ、しょうでしゅ、デカチンポだいしゅきなのぉ!!ああああああああああああ……あへぁ、あぁ」

 

「ひぃぃぃ、ああああああああ、わ、わかりましゅたぁ、彼氏とは別れましぇんからぁ、彼氏の子供として産みましゅぅ、しょうでしゅ、ひかりゅしゃまのこどもいっぱい産みましゅう、あああああああああああああああ!!」

 

「へあああ、ふひいいい、いぎずぎでもうりゃめなのぉ~、あああああああああああああ」

 

「あぁぁぁぁ、ぐるっじゃうよぉ、あああ、ひぁぁぁ、しゅごいのまたぎだあああああああ!!!」

 

「にょうりゃめぇ、へぁあぁぁ、しゅごしゅぎでしゅ、へぁぁあああああああああああああ!!」

 

 ヒカルは3時間かけて三人の少女たちを満足させる。その間、彩夏に抱きつかれても、キスされても全て無視をし、三人の少女たちだけを相手にしてきた。アへ顔を晒して、気絶している三人の少女たちから泣き続ける彩夏に視線を向ける。

 

「ぐす、ごめんなさい、もうしません。無視しないでぇ」

 

「彩夏、彩夏は俺の何?」

 

 泣き崩れる彩夏。ヒカルは彩夏の顔を持ち上げ、真っ赤に泣き腫らした猫目を見つめて問いかける。

 

「えっ!?……わ、私はヒカル君の女です」

 

「それだけ?俺は彩夏を愛してるよ。この3時間はどうだった?寂しかった?無視されて不安になった?苦しかった?それは何でかな?俺に相手されなかったからだよね?もう彩夏は俺なしじゃダメなんだってわかった?彩夏はもう俺のものなんだ。俺だけが彩夏を安心させてあげられる。俺だけが彩夏を幸せにしてあげられる。」

 

 瞳を潤ませ、ヒカルの瞳に吸い込まれるように頷きだけを返す彩夏。そして、理解の色が彩夏の瞳に宿る。シャワーを浴びた後、ストレートのままにしている長い髪を優しく撫でながら、ヒカルは彩夏に優しく問いかける。

 

「もう一度聞くよ、彩夏は俺の何?」

 

「彩夏はヒカル君のものです。ヒカル君だけを想って生きていくヒカル君だけの雌奴隷です」

 

「偉いね、よく言えました。これから一生愛してあげるよ、彩夏」

 

「はい、ご主人様」

 

 彩夏は満面の笑みを浮かべ、ヒカルに抱きつく。ヒカルはそっと、彩夏の顎を持ち上げ、優しく口付けを与える。蕩けるような幸せに浸りながら、彩夏はヒカルの口付けを受け入れる。

 

「舐めて綺麗にして」

 

 ヒカルは萎えたペニスを彩夏の前に差し出す。彩夏はそれを嬉しそうに口に含み舐めしゃぶり綺麗にしていく。むくむくと大きくなっていくヒカルのペニスに嬉しそうな顔をして、さらにぺろぺろと舌を這わせる。

 

「もういいよ、彩夏、コンドームしてくれる?」

 

「はい、ご主人様」

 

 彩夏にコンドームを口で付けてもらい、頭を撫でてお礼を言う。

 

「ありがとう、彩夏。でも、ご主人様っていうのは嫌だな俺。ヒカルって呼び捨てがいい。俺が彩夏って呼ぶのと一緒でヒカルってお揃いの呼び方の方が愛が伝わってくると思うんだ」

 

「はい、ヒカル!ヒカル!ヒカル!……あぁ、本当に私幸せだよぉ」

 

「じゃあもっと幸せにしてあげるから、そこに寝て。いっぱい感じさせてあげる」

 

「うん、愛してるヒカル!」

 

「俺も愛してるよ彩夏」

 

 正常位で彩夏のキツマンを優しく責め立てる。愛していると何度も囁きながらアへ顔で気を失うまで彩夏と愛し合う。そしてようやく長い一日が終わるのであった。

 

 

 翌日も一日中、爛れた時間を過ごした少女たちは肌をつやつやにして、また皆で行こうね、今度は温泉なんてどう?と楽しそうに笑いながら家路につく。燃え尽き、なぜ5Pなんて受け入れたんだと後悔しながらふらふらと帰って逝く一人を除いて皆大満足の週末となったのだった。

 

 まぁ、また誘われたら性欲に負けてホイホイ行くんだろうなぁとヒカルは懲りない己に苦笑いをしていたのだが、次回開催されることになる8Pはさすがのヒカルも生死の境を彷徨い、反省することになるのだが、それはまだ未来のお話である。

 

 

 

 

 

 



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13 「葉瀬中対海王中」

 7月の第一日曜日に開催された第四回北区中学夏期囲碁大会、葉瀬中囲碁部を応援する為、ヒカルは院生研修をさぼって海王中に来ていた。打倒海王中と男女全員で円陣を組む中にヒカルも参加させてもらい、あまりの嬉しさに泣きそうになるヒカル。

 この大会はヒカル自身が塔矢と初めて対戦し、塔矢を追うきっかけとなった思い出深い大会だ。ヒカル自身は院生になってしまったから出場は出来ない。でも、仲間たちがかつてヒカルが目指した打倒海王という目標を引き継いでくれている。

 ヒカルは終始笑顔であった。

 

「今度こそ、海王の大将に勝ってやる。見てやがれ」

 

「うん、頑張ろう!」

 

 三谷と筒井さんが気合を入れる。

 

「私だって、ずっとヒカルに囲碁教えてもらってるんだもん。絶対に海王中に勝ってみせるんだから」

 

「お~、あかりは気合十分だな。でも、お前はほんと強くなったから、落ち着いて打てば海王の大将とだっていい勝負出来るぜきっと!」

 

「うん、ありがとうヒカル!」

 

 その様子を偶然通りかかったピンクベージュのショートカットが良く似合う美少女が聞き咎める。

 

「あら?私に勝つつもりなんだ。でも、私も海王中の大将として負けないわよ。私は日高由梨、よろしくね、葉瀬中の可愛い御嬢さん?」

 

 気の強そうな顔に笑顔を浮かべて日高はあかりに握手をしてくる。その手をまごつきながらも取って握手を返すあかり。

 

「わ、私は葉瀬中の藤崎あかりです。あの、よろしくお願いします!」

 

「ええ、いい対局にしましょうね」

 

「は、はい!」

 

 そのまま颯爽とスカートを翻して歩いていく日高をぽわーと顔を赤らめて見つめるあかり。

 

「カッコいいかも、お姉さまって感じで」

 

 日高が海王中のメガネをした美人の女子に話しかけ一緒に笑い合う姿を見て、いいなぁ、と呟くあかりにヒカルはダメだこりゃと頭を抱える。

 

 

 

 一回戦、ヒカルは皆の対局を見て回る。夏目は厳しそうだけど、三谷と筒井さんは大丈夫そうだ。あかりと金子は大差だな、う~ん茉莉は頑張っているが、簡単な見損じから右辺を大きく取られてしまって苦しい状況だ。

 でも、男女とも二回戦にいけそうだ。ヒカルは対戦相手になる、海王中の対局を見に行く。岸本の棋力は知っている為、他の二人を見て回る。既に形勢が決まり、後は相手の投了を待つばかりといった状態に二人ともなっている。対戦相手が弱いのもあるが、二人ともしっかりした布石に相手の緩手を咎める手も素晴らしい。

 筒井さんと夏目にはやっぱり荷が重いなとヒカルは判断する。筒井さんも夏目もその他の皆も、ヒカルが毎日指導碁を打ったおかげか、はたまた、打倒海王中に燃えるやる気のおかげが、前回よりも強くなっている。それでも、打倒海王中は分の悪い勝負になりそうだ。

 

――やってみなくちゃわからないさ。

 

 ヒカルは気を取り直し、葉瀬中の皆の応援に戻ったのだった。

 

 

 一回戦を終え、昼休憩にあかりの作ったお弁当を皆で食べ英気を養っている葉瀬中囲碁部の面々。ヒカルもあかりの手料理に舌つづみを打っていたところ、あかりから一回戦を勝ったご褒美が欲しいと耳元で囁かれ、股間をさすられる。

 二人は別々にさり気なく休憩室を後にする。そして、人気のない4階の女子トイレに行こうと二人は早足で廊下を進んでいく。

 そこに男の怒鳴り声と女性の悲鳴が聞こえてくる。ヒカルとあかりはびっくりした表情を浮かべる。その後、目を合わせて頷き合う。声のした3-Cと書かれた教室の中をそっと覗く二人。

 

 

「いい加減にしろよ、このアマァ!」

 

「小林先輩は大丈夫かもしれないですけどね、この写真が皆にばれればあのプライドの高い日高先輩は絶対に学校来れなくなりますよ?もしかしたら、自殺しちゃうかも……それでもいいんですか小林先輩?」

 

 教室の奥、床に倒れているメガネの女子生徒、そのロングの髪の毛を掴んで顔を持ち上げる男子と、デジカメの画像をその前に持っていき見せつける男子。どちらも海王中の制服を着ている。

 

「……わかったわ。何をすればその写真を公開しないでくれるの」

 

 震える声で答えるメガネの女子生徒に下卑た笑い声を上げる二人組。

 

「……ヒカル?」

 

「ああ、あかりの携帯で写メ撮れるんだよな?貸してくれる?」

 

「う、うん」

 

「まったく、あの美人の日高先輩がレズとか笑えるよな、しかもお相手は小林副部長だぜ。どんだけの部員がおまえらでシコッてるか知ってるか?男連中がシコッてる間に小林先輩と日高先輩は隠れて乳繰り合ってるってのが笑えるぜ」

 

「ほら、とりあえず、俺たちのちんぽ舐めてもらいましょうか、小林先輩?」

 

「そ、そんなの出来ない」

 

「いいのかぁ、この写真印刷してばら撒くぞ?」

 

「はぁ、しょうがないから、日高先輩にフェラチオしてもらうかな、あの高慢な顔を歪めて俺のちんこをしゃぶらせるとか最高そうだしなぁ」

 

「お前のちんこ、めっちゃ起ってるじゃん、日高先輩のフェラ顔想像して起たせたんだろ?」

 

「お前だって起ってるじゃねーかよ」

 

 下品な笑い声をあげズボンから汚い一物を取り出す二人、涙顔でそれだけはやめてと訴える小林。ヒカルは教室のドアを開けるとダッシュで三人の元に駆け寄る。うわっ、なんだ、と驚く二人の男の股間を携帯でパシャパシャ撮っていく。全体のアングルでもしっかり撮る。そして、教室の入口で待っているあかりに向かって携帯を床に滑らせ渡す。

 

「あかり、こいつらが少しでも動いたら大声出しながら逃げろ。誰でもいいからレイプ魔がいるってしっかり伝えるんだぞ。お前らは三歩後ろに下がれ、はぁ、それからいい加減その汚いのをしまえ」

 

 事態についていけず立ち尽くす男連中を放置し、大丈夫ですかと小林を抱き起し、もう大丈夫だよと優しく抱きしめて頭を撫でてあげるヒカル。ヒカルの胸の中で泣き出す小林をあやしながら、たじろぎ、ヒカルに言われた通り三歩下がる男二人を睨みつける。

 

「お前ら、名前は?」

 

「なんでお前なんかに言わないといけねーんだよ、お前ぶん殴られたくなかったら、そこどけよ」

 

「…………。」

 

「そっちのメガネは気付いてるみたいだけど、お前らもう詰んでるんだぞ。俺のこと殴ってもいいけど、その時は入口にいる女の子が外に助けを呼びに行く。教師たちがこの状況を見ればお前らはレイプに暴行罪で逮捕だ。まぁ、殴んなくても証拠の写真もばっちりだから婦女暴行で逮捕だけどな。いいから、名前言え」

 

「……伊藤と小島だ」

 

「おい、小島!何名前教えてるんだよ。いいのか?こっちにはそこの女がレズってる写真があるんだぞ。おい小林!ばらされたくなかったら、さっき撮った写メを渡すようにこいつに言え!」

 

 細目の男、伊藤がデジカメを掲げて小林を脅す。ヒカルの胸で泣く小林がびくりと震える。ヒカルは大丈夫だよと優しく耳元で囁き、ロングの乱れた髪を手櫛で整えてやる。

 

「お前本当に海王の生徒か?いい加減にしろよ。どんな写真があるのか知らないけどな、その写真は少なくとも犯罪じゃないんだろ?女の子同士で愛し合ってる写真だとして、それがどうしたんだ?学校に来られなくなる?笑わせるなよ、レイプ魔のお前たちは退学だし、少年院だろ?そんな他人の心配してる暇ないじゃんか。いい加減に現実を認めろよ」

 

「……どうすればいい?」

 

「おい、小島!?」

 

「お前は黙ってろ!このままだと俺たちがどうなるかわかんねーのか!?大体お前が誘ってきたんだぞ、俺は最初から反対だったんだこんなこと」

 

「ふざけんなよてめぇ!てめぇだって乗り気だったろうが!」

 

 小島に掴みかかる伊藤。それを顔を顰めながらヒカルは止める。

 

「動くなって、次に動いたら外の女の子は全力で先生を呼びにいくからな。まずはそのデジカメを寄こせ。こっちに投げるんだ」

 

 小島が伊藤からデジカメを取り上げ、ヒカルに投げて寄こす。

 

「データはこれだけか?コピーとかあるんなら今のうちに言えよ。もしも隠し持って後で脅そうとしても無駄だぞ、こっちには決定的なレイプの証拠があるんだからな」

 

「……ねーよ、昨日そのデジカメで撮ってそのままだ」

 

「よし、じゃあ、もう二度とこの子に近づかないと誓え。近づいたら速攻で警察にあの写真を持っていくからな。お前らが変な噂を流したりしても警察に通報だ。小林先輩、後で連絡先を教えますから何かあったらすぐに連絡してください。もう大丈夫ですからね」

 

 必至で頷く小林の頭を撫でて落ち着かせる。

 

「わかるか?お前らは女の子をレイプしようとした犯罪者なんだ。ばれればどうなるかわかるだろ?この学校にいられなくなるとかいう問題じゃないんだよ」

 

「わかった。もう二度と小林先輩には近づかない。囲碁部も辞める。それで見逃してくれるんだな?」

 

「許さねーけどな、もうお前らみたいな奴の顔は見たくねーから、消えろ。あっち側の入口から出て行けよ。入口の女の子を捕まえようなんて考えても無駄だからな。こっちは三人いるんだ。二人で三人を捕まえるのは無理だろ?」

 

「わかってる。もういいだろ。ほら、伊藤行くぞ」

 

「ああ」

 

 逃げるように走って消える二人を見送り、ヒカルは大きく息を吐き出す。

 

「もう、大丈夫だからね。恐かったよね。でも俺が守るから」

 

 ヒカルは小林を抱きしめ、ゆっくり背中を撫で、小林が泣き止むのを待つ。あかりも側に寄ってきて心配そうに小林に声をかける。名前と中学を教え、二人で優しく話しかける。しばらくして、小林が泣き止む。

 

「ありがとう、本当にありがとう、ヒカル君とあかりちゃんのおかげよ。ありがとう」

 

「ううん、当然のことをしただけだよ。でも、ごめんね奈美さん、あいつらのこと見逃しちゃって。絶対に許せないことなのに」

 

「いいの、ヒカル君は私のことを考えてくれたんでしょ。私と由梨が困らないように話を持っていったってわかるもの。本当にありがとうヒカル君」

 

「でも、許せない、本当に痛いところはないの奈美さん?」

 

 ヒカルは抱きしめる力を少し強くし、小林のことを心配げな表情で見上げる。

 

「う、うん、大丈夫よ。最初に強引に押し倒された時にお尻を打ったけど、たいしたことないから」

 

「よかったぁ、でも本当に奈美さんみたいな綺麗な人に怪我がなくてよかったよ」

 

「へぅ、あ、ありがとう、ひ、ヒカル君、あのその……」

 

「ちょっと顔が近いよヒカル!」

 

 立ち上がった後もヒカルはずっと奈美を抱きしめたままでいる。奈美の方が背が高いので見上げる形になっているのだが、奈美が屈めばすぐにキスしてしまうほど、二人の顔は近かった。あかりの嫉妬をヒカルは軽くいなす。

 

「ああいう怖いことがあった後は誰かの傍にいたいと思うものなんだよ。少しでも奈美さんの恐怖を減らしたいんだ俺」

 

 そう言って、奈美を強く抱きしめるヒカル。

 

「ありがとう、ヒカル君」

 

 奈美は照れながらもヒカルに嬉しそうな笑顔を見せる。その笑顔にヒカルも天真爛漫な笑顔を返す。二回戦の時刻が迫っている為、奈美にあかりの携帯番号を教え、日高さんとしっかり話し合って何かあればすぐに連絡するよう伝え三人は急いで対局場へ戻る。

 

 

 

 既に皆が座った状態の対局室へ入室する3名、日高の前にあかりが、横に奈美が座る。どちらも遅れてすみませんと謝る。日高は奈美がやってきたことに安堵し、心配そうな表情を和らげる。しかし、その瞳が充血していることに気付くとすぐに小声でどうしたのと問いかける。後でね、と奈美は答え目を閉じて集中力を高めようとしている。日高はその様子に不安げな顔をするがすぐに視線を対局相手のあかりへと向ける。

 

――大丈夫そうだな、よかった。

 

 ヒカルは心中で安堵の吐息をつく。囲碁は精神の乱れが如実に出る競技だ。脅されレイプされかけた奈美の動揺を少しでも逸らせるように優しく慰めたつもりだが、それでも落ち着いて集中力を高められる状況ではないだろう。

 奈美は目を瞑り少しでも落ち着こうとしている。その様子を見ればわかる。雑念を少しでも取り払い、目の前の一局に集中しようとしている少女の心根は折れても、泣いてもいない。きっとすばらしい対局をしてくれるだろう。

 

 始めてくださいという大会運営の声がかかる。日高が握った結果、奈美は先番となる。すっと、目を開き、頭を下げ対戦相手の金子によろしくお願いしますと声をかける。頭を上げた後、そのメガネの先は金子の斜め後ろに移動し、ヒカルに向けられる。とても真剣な表情でヒカルを見つめてくる。ありがとう、とその瞳が伝えてくる。ヒカルは笑顔で頑張ってねとその瞳を見つめ返す。

 若干、顔を赤くしながらも視線を碁盤に落とし、一手を碁盤に指す奈美。その表情をもう一度確認し、ヒカルはやっと緊張を緩めることが出来た。

 ヒカルは不安だった。本当にこれでよかったのかと何度も考える。レイプしようとしていた奴らを見逃した。教師たちに任せた方がよかったのではないのか。でも、それをすれば奈美と日高の行為がばれる。それはきっと、奈美が傷つく。だから見逃した?レイプ魔の思う通りの行動じゃないのか。ただの泣き寝入りじゃないのか。ヒカルはわからなかった。

 最善手はいつだって暗闇の中で、手探りで探していくしかない。囲碁ならばヒカルは自信を持ってその一手を打てる。でも、今回は違う。ヒカルの一手が一人の少女の心に傷を残してしまうのだ。その傷口をさらに広げる一手になったのではないのか。わからない。一度打った手に待ったなどありえないのだ。

 それでも、碁盤を真剣に睨む奈美の瞳がとても綺麗で、黒石を挟む白魚のような指は震えていない。よかったのだとヒカルは思うことにする。ヒカルは多くの責任を抱えている。多くの女の子たちを自分のものにしたのだ。その行為にヒカルは後悔などまったくしていない。彼女たちを幸せにするという責任を絶対に果たすという覚悟もある。それでも、いつだって考えるのだ。彼女たちを幸せにすることが自分に出来るのだろうか。選択を終えた後、もう一手どころか終局に近づいている状況なのに悩む。

 絶対なんてない。ああ、今さらだ。俺は神の一手を極める。そして彼女たちを幸せにする。心に痛みを感じながら、ヒカルは再度、もう何度も何度も繰り返している決意を新たにするのであった。

 

 ヒカルはあかりたちの碁盤を覗いた後、頑張れと心の中で声をかけ、男子の方へ行く。三谷対岸本の盤面を覗く。

 どちらも丁寧な構築で、静かな立ち上がりだ。ヒカルは三谷に指導する際、無謀な乱戦を控えるように何度も指導してきた。口で言うのでは意味がない。三谷の早急な手を常に咎め、なぜいけないのかわかるように何度も指導碁を打ってきた。

 三谷は乱戦を好む。すぐに切れるところを切りにいこうとする。自分の石が死にそうなのを無視してでも先手ヨセならばいってしまう。

 それでは岸本に勝てないと、囲碁の上達は止まってしまうとわかってもらう為に何度も三谷を指導したつもりだ。布石をしっかり学んで、機を待つこと、三谷はその重要性を理解し物にしようとしていた。三谷は優秀だ。この三か月で一番上達したのは三谷であったろう。

 でも、それでも岸本は三谷の上をいく。三谷は左辺の攻防でマガリに対して二間に守るべきところを一間トビで受けてしまった。それでは黒を切れない。黒が逃げてしまった。一気に岸本優勢になる。

 でもまだだ。上辺に活路を見出し、三谷が怒涛の反撃に出る。この攻防を制したのは三谷だ。代償に中央に手をつけられるがここを凌げばまだわからない。頑張れ三谷。

 ヒカルは筒井さんと夏目の碁盤を覗く。夏目はやはり厳しい、でも筒井さんが食らいついていっている。どこかで挽回出来ないか一生懸命考えているのがわかる。

 

 ヒカルは佐為として思考し、盤面を見ている。三谷たちの成長をなんと若々しい力かと感嘆する。そしてその真剣な表情を緩め、私も(俺も)打ちたいと願う。

 その想いは佐為のものであると同時にヒカルの想いでもあった。佐為を作り、それを使って囲碁を打つ。ヒカルは佐為ならどう打つかという思考を完全に手中に納めた。

 だが、その思考は囲碁を打つ時以外にもときどき現れるようになってきた。ヒカルはこの感情が己のものなのか、佐為のものなのかわからなくなる時がある。それは進歩だ。佐為が生まれ、ヒカルの中で飛躍しようとしているのだ。ヒカルは無条件で受け入れる。

 

 仮想の佐為の心がヒカルを蝕んでくる。刻一刻と破滅は近づいてきていた。

 

 

 

 

 葉瀬中囲碁部は残念ながら男女ともに敗北した。皆悔しそうにしていたが、どこか晴れ晴れとした表情でもあった。どの局も接戦であり、海王中の顧問も囲碁部の面々の前で葉瀬中顧問のタマ子先生を褒めていた。すばらしい対局でしたと。岸本は三谷に黙って手を差し伸べ、三谷はそれをぶっきらぼうに掴むとありがとうとお互いのわだかまりがないように笑顔を浮かべあっていた。それほどお互いに力を出し切ったいい一局だった。

 筒井さんはこれで引退だ。涙を浮かべながらも笑っていたのが印象的であった。打倒海王中は任せたよと皆の前で頭を下げ、それに頷く三谷と夏目には闘志が漲っていた。あかりは盛大に泣いてしまったのでヒカルは優しく慰めてやった。

 

 その後、カラオケで筒井さんの送別会をしていたところ、小林奈美からあかりの携帯に連絡が入る。今から、お話しが出来ませんかという内容だった。ヒカルとあかりは筒井さんにもう一度ありがとうございましたと礼を言い、カラオケを後にする。

 奈美のいるファミレスはカラオケボックスから歩いて10分ほどの駅を挟んで反対側にあり、すぐにたどり着く。店内に入るとボックス席に小林奈美と日高由梨がいた。奈美の横に席を移動した日高と、ヒカルとあかりは向かい合うように座る。

 

「まずはお礼を言わせて」

 

 そう言うと日高と奈美は深々と頭を下げてくる。気にしないでください、とヒカルは二人に向かって笑いかける。

 

「ありがとう、奈美の言う通りね。進藤君は優しく慰めてくれたってずっとそればっかり言うのよ。伊藤と小島相手に毅然と対処するところが格好よくて、惚れちゃったって」

 

「由梨!もう、そんなこと言ってないでしょう!ごめんね、ヒカル君」

 

「ほら、名前で呼び合っちゃって、私というものがありながら、これは浮気ね」

 

「由梨~!」

 

「あははは、でも、よかった。二人が落ち込んでなくて。きっともう大丈夫ですよ」

 

 ヒカルは二人に優しく微笑む。奈美の方は顔を赤くしてヒカルのことを見つめ、ありがとうと言う。日高もそんな奈美を見た後、とりあえず、何か食べましょう。何でも奢るわと言ってくれる。

 それぞれが食事を注文し、料理が来るまで雑談を交わす。海王中の優勝を祝すあかりに、ありがとう、でも決勝戦の相手よりあなたたちの方か強かったわよ、と答える日高。私たち三年が抜けた次の大会は男女とも葉瀬中が優勝しそうねとあかりたちの実力を認めてくれる奈美。あかりがありがとうございますと答え、ヒカルが指導してくれるおかげですと話す。

 ヒカル君は大会に出てなかったと思ったけどという奈美の質問に、あっ、ヒカルは院生なんです、大会には出られないけど、毎日指導碁を打ってもらってるの、と嬉しそうに答える。すごいのね、ヒカル君はと奈美が褒め、日高は進藤君みたいな子がうちにもいるんだけどね、そいつなんて一度も囲碁部に顔を出さないのよ、酷いわよね~と頭を振る。

 それにはヒカルは笑うしかない。かつては囲碁部に在籍したんですよ、そいつ、しかも囲碁部を追い出されたんですなんて言えるわけもない。

 

 料理が来てからも四人は楽しそうにお喋りをしながらごはんを食べていく。三人とも名前で呼びあってるのに私だけ苗字ってのも変だから、由梨でお願いね。俺たちもヒカルとあかりって呼んでください。すっかり打ち解けた四人は食後も談笑を続ける。そして、ふっと黙り込んだ由梨は奈美に視線を向け、いいのね?と問う。奈美も静かに頷く。

 

 二人の空気が変わったことにヒカルとあかりは黙る。由梨は周囲を見回し、誰もこの席の話を立ち聞きしていないことを確認した後、二人を真剣な表情で見つめ、お願いがあるの、と切り出してくる。

 

「私たちがセックスするのを見て欲しいの」

 

「……は?」

 

 

 

 

 

 

 私は奈美の制服の上からそっとその大きな胸を触りながら、顔を近づける。奈美は目を瞑り私の口付けを受け入れてくれる。奈美の唇を堪能しながら、舌を熱い口内へと進める。

 

「ちゅっ、んちゅ、ちゅっ、んん、ん……レロっ、ん、んん、あん、ちゅう、んん」

 

 私は奈美の舌を舐めながら、秘処がかつてないほどじんじんと疼いているのを実感していた。

 

 カラオケボックスの狭い空間には私と奈美の他に二人の少年少女がいた。ヒカル君とあかりちゃんだ。二人は区の字に設置されたソファの一方で私と奈美の痴態を食い入るように見つめている。横目でそれを確認した私はますます秘処を疼かせ、ショーツをぬらすほど高ぶっている自分の身体を自覚する。

 

 由梨は露出願望があった。誰かに己の痴態を見られたい、見せつけたいと常に思い、妄想しながらあそこから愛液を滴らせる厭らしい自分を嫌悪していた。奈美という恋人が出来た後もその想いは強まるばかりであった。思い切って奈美に自分の露出癖を相談した。

 すると、奈美は露出願望を叶えようとしてくれた。人気のない公園で、放課後の女子トイレで、二人は愛し合った。それはあまりに幸せな出来事だった。誰かに見られるかもしれない、そう思うだけで、緊張し興奮するのに、さらに奈美が由梨の身体を愛してくれるのだ。由梨は奈美との行為に溺れた。

 そしてだんだんとエスカレートした露出行動は破綻する。

 

 翌日が囲碁部の大会であった為、最後の調整で由梨たちは部活を行った。その後、人気のない教室で由梨と奈美は裸になり愛し合ったのだ。それを囲碁部二年の伊藤に撮影され、あろうことか奈美が脅されレイプされそうになってしまったのだ。

 大会が終わり、そのことを奈美から聞いた由梨は絶望した。私のせいで奈美が危険な目にあったのだ。たまたま居合わせたヒカル君たちがいなければどうなっていたか。奈美ばかりでなく由梨も伊藤たちに脅されレイプされていたかもしれない。由梨は泣きながら奈美に謝った。そして別れようと告げた。私と一緒にいたら奈美はいつまた危険な目に遭うかわからない。でも、奈美は絶対に別れないと強い意志でそれを否定してくれた。

 そして、私にある提案をしてくれた。知り合ったヒカル君とあかりちゃんは恋人同士だと言う。そしてとても優しく奈美がレズビアンだと知っても差別しないで接してくれたそうだ。その二人に私たちの愛しあう姿を見てもらおう。そうすれば安心して由梨の露出願望が叶うよと奈美は私の手を握って言ってくれたのだ。でもヒカル君という男の子は大丈夫なのと私は心配になり奈美に訊ねた。

 すっごく優しくて可愛いから私は彼だったらエッチなことされても平気なくらい気に入ったんだ、と奈美は顔を赤くしながら言うのだ。奈美のその目は恋する目で少しだけ嫉妬してしまったが、奈美がそこまで言ってくれるのは私の為なのだ。お話ししてみて見極めさせてと奈美に言い、実際にヒカル君とあかりちゃんに会った私はすぐに二人を気に入った。

 あかりちゃんはすっごく可愛く私のタイプであったし、ヒカル君も可愛く優しそうな子であった。まかり間違って、ヒカル君が暴走しても受け入れることが出来るくらい私は二人を気に入った。

 

 二人に私の露出癖を説明し、一緒にセックスしようと誘った。ヒカル君は苦笑いを、あかりちゃんは顔を真っ赤にしていたが、その提案を受け入れてくれたのだ。今いるカラオケボックスはラブホ代わりに使える場所としてヒカル君が連れてきてくれた。

 そして、私は奈美の隣に座り、お互いの服を脱がせ合っている。ヒカル君とあかりちゃんの視線が私を犯す。特に、ブラを脱ぐ瞬間のヒカル君の突き刺さるような視線に私はイッテしまうほど感じてしまった。

 奈美の手が私のスカートにかかる。私は腰を浮かせて奈美に任せる。すとんとスカートが床に落ちる。真っ白なショーツは愛液でぐちゃぐちゃに濡れている。

 私はヒカル君に見せつけるように足をゆっくり開く。ああ、ヒカル君のズボンが膨れている。私のことを見て、興奮しているのだ。堪らないほど身体が火照る。

 奈美のひやりとした手が私のショーツにかかる。ついに私は秘処をさらすのだ。中一の男の子と女の子が私のあそこを食い入るように見つめてくる。ゆっくりと奈美がショーツを私の太ももまでずらし、私の割れ目を中指と人差し指でくぱぁと広げるのだ。膣中のピンク色が露出する、愛液がこんこんと湧き出て奈美の手を汚す。空気があそこを撫で、すーすーするだけで、私は絶頂してしまう。ヒカル君はズボンのチャックを降ろし、大きなペニスを露出させ、それをあかりちゃんが手で擦っている。でも、二人の視線は私のマンコから離れない。ああ、もうダメだ。

 

「なみぃ、すっごい感じるのぉ、私おかしくなっちゃいそうだよぉ」

 

 奈美はすぐに自分の服を脱ぎ捨てると、ソファに座った私の横から覆いかぶさるように身体を合わせてくる。奈美の大きな胸が私の胸の上で上下し、こりこりになった互いの乳首が擦れ合う。手は私の勃起したクリトリスを優しく撫でてくる。そして激しいディープキスをする私たち。

 

「ちゅっ!じゅる、れろ、ん、んん、ああああ、んちゅうう、れろ、じゅるっ、はぁはぁ、ちゅううう、じゅる、あああ」

 

「ぷはぁ、はぁはぁ、すごいよぉ、こんなに感じたの初めて……ヒカル君の視線が私をめちゃくちゃに犯してるの、なみぃ、どうしよう、もう溶けちゃいそうだよぉ」

 

「私も感じてるよ、由梨。今の由梨はすっごく綺麗だよ。ほら、どこが気持ちいいのかヒカル君に教えてあげて」

 

「あぁ、ああん、ヒカル君私ね、クリトリスを奈美に弄られてすっごく感じてるのぉ、奈美の大きな胸が私の乳首擦ってるのよぉ、すごいのぉ」

 

 ヒカル君とあかりちゃんもいつの間にか全裸になっている。背面座位の格好、ヒカル君の上にあかりちゃんが乗っかり、二人が私を見つめながらセックスをしている。ヒカル君のペニスを飲み込んでいるあかりちゃんは声を押し殺すのがやっとといった感じで顔を真っ赤にしている。ヒカル君は目をらんらんにしてあかりちゃんの背中越しから私を見つめてくれる。

 

「すごい綺麗だよ、由梨さん。奈美さんの大きな胸と由梨さんの綺麗な胸が潰れあってるのもすっごく綺麗で興奮する。俺、二人のおっぱいを触りたい」

 

 そう言って、小さな可愛らしいあかりちゃんのおっぱいを揉むヒカル君。その手つきは私のおっぱいを揉んでいるのだ。ヒカル君の視線が私のおっぱいを犯し揉んでくる。

 

「ああ、すごいよぃ、ヒカル君に揉まれてるみたい、気持ちいいよぉ、お願い、ヒカル君のその手で私のおっぱいをいっぱい揉んでぇ、あぁ、いい、なみぃ、すごいのぉ、ああん」

 

「ん、あん、私のおっぱいもヒカル君に揉まれてるみたい、ああ、あん、気持ちいい」

 

 奈美が私のおっぱいを揉む、私も奈美の大きなおっぱいを搾るように揉み返す。

 

「ああ、ヒカルぅ、気持ちいいよぉ、私のおっぱい気持ちいいよねぇ?ああああん、んあ」

 

「あかりのおっぱい気持ちいよ。じゃあ、次はクリトリス弄ってあげるからな、あかり。由梨さんのクリトリスがめっちゃびんびんになってるのがわかるよ、すごいね、マンコがびしゃびしゃだ。そうだ、由梨さんも奈美さんのクリトリスを弄ってあげて。奈美さんのあそこが寂しそうだよ」

 

「ああ、ヒカル君にクリトリス見られてる、オマンコ見られてる、んああ、ダメなの、ダメになっちゃうくらいクリが気持ちいいよぉ、なみぃ、私のクリがヒカル君に触られてるのぉ、あああああああああああ!!」

 

「ふふ、もう由梨ったら、顔真っ赤にして涎垂らしてイッタのね、イキ顔も綺麗よ、由梨。でもヒカル君は私のクリトリスも弄りたいんだって、ほら、頑張って私のクリトリスを触って、由梨?」

 

「ああ、ごめんねぇ、なみぃ、よすぎて頭がバカになっちゃってるのぉ、ああん、ふあぁああ、ああ、奈美のクリトリスもすっごくコリッコリだよぉ、感じてるんだ、あん、あああああ」

 

 私と奈美はあかりちゃんのクリトリスを巧みに弄るヒカル君の手を見ながら、お互いのクリトリスを弄り合う。私のクリトリスを弄っているのはヒカル君の手で、奈美のクリトリスを弄っているのもヒカル君の手のように思えてくる。奈美もそうなのだろう、長い髪を振り乱して感じている。

 

「らめぇ、これすごいよぉ、ああああああああ、いいよぉ、由梨の手がヒカル君の手になっちゃったよぉ、イクぅ!!ああああああああああああ!!

 

「あん、ん、ああ、すごいよぉ、気持ちいいよぉ、奈美の蕩け顔も綺麗だよぉ、んん、あん、あああ」

 

 あかりちゃんの喘ぎ声が大きくなる、ヒカル君があかりちゃんをペニスで小刻みに突いているのがわかる。あかりちゃんは顔を真っ赤にしアップにした髪を振りながら感じまくっている。その姿は妖艶で魅力的だ。ヒカル君の視線は私の膣口を見ている。ヒカル君は私を犯したいのだろう。私の膣が視線で犯される。ああ、すごい、私もペニスで突かれたい。

 

「ヒカル君のペニスで私のオマンコ犯して欲しいよぉ、あかりちゃんが羨ましいのぉ、なみぃ、我慢出来ないよぉ、あん、ああああ、奈美の指が私の膣に入ってきたぁ」

 

「あん、ん、ゆりぃ、ごめんねぇ、今は私の手で我慢して、いっぱい由梨の膣犯してあげるから。あかりちゃんが終わったら入れてもらおう、ね、由梨?」

 

「あああ、いいよぉ、もっとぉ、そこが感じるのぉ、ああああ、いい、んん……うん、あかりちゃんの次に犯してもらお、ああん、ん、ああああああ」

 

「あかりちゃんいい?ヒカル君お願い出来る?」

 

「あかり、二人のこと犯していいかって?いいよね、あかり?」

 

「ああああああ!ヒカルゥ、いい、いいのぉ、あああああ!しゅごいのきたぁ!あああ、ダメぇ、イッテるのぉ、ああ、ああ、んああああああああああ!!」

 

「あかりはいいってさ、この後二人のことを犯すよ俺、いいんだね?」

 

「んあああ、あん、あああ、いいのぉ、ヒカル君に犯されたいのぉ、ああ、奈美、キスしよぉ」

 

「私も早くヒカル君としたい、由梨ぃ、ちゅううう!!んちゅう、ちゅっ、れろれろ、じゅぼ、れろっじゅぞおおおお、んはぁ、ああああああ」

 

 奈美の舌が私の舌を絡め取る。奈美の指が私の膣壁の一番感じるところと乳首を強く擦る。大きな絶頂が来る。眩暈のような最高の快感を全身で感じながら酩酊していく私の意識。遠くであかりちゃんの嬌声を聞きながら私はぷつりと視界を失う。

 

 

 私が目覚めた時に聴こえてきた音はぐっちょぐっちょという水音と聴き慣れたはずの奈美の初めて聴く嬌声であった。

 

「あぁ、あぁぁ、おチンポしゅぎょい、ああ、ああん、しゅごしゅぎりゅよぉ、にゃにこりぇ、みょうみゅりぃ、あああああああああああああああ!!!」

 

 目を開けて視界に入ってきたのは奈美がバックからヒカル君に犯されている光景。ソファについていた手から力が抜け、崩れ落ちる奈美を優しく支えてソファに寝かせるヒカル君。奈美の膣から出てきたヒカル君のコンドームをつけたペニスは信じられないくらい大きくて、私は息を飲む。奈美に挿入してもらった玩具とは比べ物にならない。あんなのは入らないと恐怖が湧く。なのに口から出た言葉は別のもの。

 

「ヒカル君、早くぅ」

 

 私はソファに仰向けになり、割れ目を手で開く。まるで発情した雌犬のようにヒカル君を誘う。ヒカル君の視線が私を犯す。堪らないほど恥ずかしいのに堪らないほど感じてしまう。

 

「入れるよ由梨さん」

 

「きてぇ」

 

 ヒカル君のペニスが私の膣内に入ってくる。ずぶりとゆっくり膣奥まで突かれる。膣を押し広げられる圧迫感としびれるような快感が私を襲う。そしてゆっくりと引き抜かれるヒカル君のペニス。膣壁が削られるように擦られるのがわかる。痛いほどの愉悦がお腹の奥から発せられる。何これ、わけがわからないほど気持ちいい。ヒカル君が私を見つめながら優しく、気持ちいいか聞いてくる。

 

「あぁ、あぁぁ、気持ちいいよぉ、あん、あぁ、あああああああ」

 

「俺もすっごく由梨さんの膣内気持ちいいよ、俺のちんこをぎゅうぎゅう締め付けてきてるのわかる?ほら、俺の目を見て答えて」

 

「ああああああ、ダメェ、オマンコが疼いてるのぉ、ヒカル君のペニスが私の気持ちいいところばっかり擦ってきておかしくなっちゃうよぉ、ああああああ」

 

 ヒカル君が真剣な表情で私を見つめている。ああ、ダメだ、びくびく膣が痙攣して私は絶頂を繰り返している。ヒカル君が私のおっぱいを綺麗だと囁きながら揉んでくれる。痛いくらい気持ちいい。ずんずんと膣奥を突かれ、Gスポットをエラで抉られる。おっきな熱いペニスは私の膣壁を全部擦ってくるのだ。抽送がどんどん早まってくる。お腹の奥が熱い、溶けてしまいそうだ。気持ちいい、気持ち良すぎる。今までの玩具とは比べ物にならない。何なんだこれ、わけがわからない。小さな絶頂が連続して弾ける。

 

「由梨の顔すっごく厭らしいよ、いいなぁ、私ももう一回ヒカル君としたくなっちゃった」

 

「由梨さんの顔蕩けてる、たぶんもうヒカルのちんぽから抜け出せないと思うよ、これからよろしくお願いしますね」

 

 奈美とあかりちゃんが隣で私の痴態を見ている。また、快感が増大する。私の身体はもうイキっぱなしだ。

 

「由梨さんのアへ顔可愛いよ。これからも一緒に楽しもうね、由梨さん」

 

 ヒカル君の笑顔が霞んで見える。胸を揉んでいるのは奈美なのか、誰なのかさえわからない。ただただ気持ちいいという感情と、息が出来ないという危険信号がごっちゃになって私の身体を翻弄する。

 

「あああああ、へぁえぁ、しゅごいぃ、あぁ、これだめだよぉ、くるしいのぉ、あんん、ふあああああ、イキすぎて狂っちゃうのぉ!!んああああああああああ!!」

 

「涎たらして、舌まで出して、それでも由梨さんの顔は淫らで綺麗だよ。ほらもっと感じてごらん?」

 

「あぁ、ああああ、んああ、あん、むりぃ、みょうみゅりりゃよぉ、くりゅしぃのぉ、りゃめらのぉ、ああああああああああ!!」

 

 身体中が性感帯になったように全てが狂おしいほど気持ちいい。いっそ狂ってしまえばこの無限に続く快楽地獄から抜け出せるのだろうか。ああ、ヒカル君のペニスの形を私の膣壁は完璧に覚えてしまった。ペニスを喜ばそうと勝手に膣が締まり、ヒダが絡まろうと動いている。当然だ。この身体はヒカル君のペニスを喜ばせる為にあるのだから。あれ、何かおかしいことを考えてる?わからない、でも苦しい、気持ちいい。もうダメだ。

 

「ひぃぃぃぃぃ!!イックぅぅう!!あああああああああああああああ!!」

 

 薄れゆく意識の中で、奈美がヒカル君の上に跨ったのが見えた。いいなぁ、と羨ましく思う。身体がふわふわで、溶けてしまったようだ。私は多幸感に包まれながら意識を失った。

 

 

 

 ヒカルの上で由梨が踊るように腰を振る。形のよい円錐形の胸とピンクベージュのショートの髪が揺れる。気の強い整った目鼻立ちは蕩けきったように歪み、その口からはヒカルのことを求める甘い吐息と哀願が溢れる。ぐっちゅぐっちゃと締まりのいいマンコで一生懸命にヒカルのペニスを味わい、もたらされる快楽に完全にヒカルに陥落しアヘ顔を晒す由梨。

 

「んひぃぃぃぃ、しゅごいぃぃ、こりぇ、しゅごぃぃ、ああああああああ!りゃめ!りゃめりゃのにぃ!とみゃんないのぉおお!!」

 

「何がいいの?」

 

「チンポォ!!ひかりゅきゅんのぶっといチンポォ!!しゅっごいのおおお!!へあああああああああ!!」

 

「由梨さんはレズなんだよね?チンポない奈美さんと付き合ってるんでしょ?これからどうするの?もうこのチンポ味わえなくなっちゃうよ?」

 

「ひぃああああああああ!!りゃめ!!りゃめらのぉ!!このチンポォにゃいとみょうりゃめらのおおお!!!おひぃぃぃ、ひたあああ!しゅっごいのひてりゅううう!!」

 

「ダメなんだ?じゃあ、これからは奈美さんと一緒に俺のチンポにご奉仕する?そうすればチンポずっと味わえるよ」

 

「あああああああ、いい、いいい!あああああ、しゅごいぃ!!しゅる!にゃみといっしょにひかりゅくんにごほうししゅるのぉ!!ああああああああ、もうりゃめにゃのにぃ、あああああああ!!」

 

「由梨さんは俺のものだからね。誓える?」

 

「ひかいましゅ!!ゆりはひかりゅきゅんのものでしゅ!!」

 

「よく言えました。奈美さんも俺のものになったからこれからも二人は恋人同士のままだよ。俺が二人をしっかり満足させてあげるからね」

 

 嬉しい、ありがとうございます、と由梨は少女が浮かべてはいけない淫靡で淫乱すぎる表情でヒカルにお礼を言う。

 年上の気の強い美少女を喘がせ、そのマンコを堪能する。由梨が小さくイク度に強い快感がヒカルの肉棒を襲う。それを楽しみながらゆっくり由梨を下から突き上げ、ヒカルは意識をとり戻した奈美を呼ぶ。奈美の大きな胸を横から揉む。蕩けた表情で由梨と奈美がディープキスする様子を由梨のマンコを堪能しながら観賞する。

 二人の淫靡な舌のうねりにヒカルは我慢出来なくなり、顔を引き寄せる。ヒカルが舌を差し出すと二人は嬉しそうに舌を伸ばしてヒカルの舌に舐めてくる。熱い唾液と吐息を感じながらヒカルは二人の美少女の口内奉仕を楽しむのであった。

 

 

 

 

 

 



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14 「神の一手」

 

 夏休みに入ってすぐ、ヒカルは棋士採用試験予選に臨んだ。6月の時点でヒカルは院生順位5位になっていたが、3か月の平均で予選免除が決まる為、残念ながらヒカルはその規定に届かなかったのだ。

 ヒカルは三連勝し早々に本選への切符を手に入れる。奈瀬明日美も予選通過したが、残念ながら松下香歩は予選通過出来なかった。残念会と決起会が香歩の家で行われ、ヒカルは二人の少女と熱い一夜を過ごすことになった。

 

 本選は8月末の土曜日から始まる為、1か月弱、間が開く。ヒカルは囲碁の勉強をしつつも恋人たちと夏休みを満喫した。

 あかりたちと泊りがけで海水浴に行った時は、ビキニ型についた日焼け跡がそそる少女たちと朝までセックスをして過ごした。

 あかりの姉のしおりとは二人でショッピングを楽しみ、夜はしおりが気絶するまで犯し続けた。

 塔矢明子とは一泊二日の温泉デートを満喫した。露天風呂付きの客室に泊まった二人は温泉の中でセックスし、温泉から上がった後もずっとつながりっぱなしで過ごす気持ちのいい旅行を満喫した。

 日高由梨と小林奈美とはプールに一緒に出掛けた。露出の激しい水着で視線を集めた由梨は露出癖を多いに刺激し、その後のセックスは激しい3Pとなった。

 市河晴美とは晴美の部屋で晴美の好きなアナルセックスを堪能した。

 そして最も多くセックスしたのは三谷響生であった。ヒカルはインターネット碁を多く打った為、その後に響生とカラオケボックスで多くセックスすることになったのだ。

 

 

 

 

 

 夏休みを満喫していたヒカルを愕然とさせる出来事が起こる。塔矢先生が心筋梗塞で倒れたのだ。ヒカルは驚きすぐに塔矢先生の見舞いに病院にかけつける。

 

「進藤君もお見舞いに来てくれたのか、ありがとう」

 

 広い病室には緒方と広瀬、そして市河が見舞いに来ていた。病状が悪くないと聞き、安心するヒカル。緒方がネット碁を塔矢先生に勧め、塔矢先生が病室でネット碁を打っているという話になり、広瀬は私もネット碁を始めてみようかなぁと興味を示す。そこに緒方がヒカルを指さし、

 

「進藤に教えてもらうといいですよ。進藤もネット碁をやってますからね」

 

「そうなのかい、進藤君」

 

「えっ!?な、なんのこと?俺ネット碁なんてやってねーよ?」

 

「ほぉ、お前とまったく同じ打ち筋なのに違うと言うのか?国際囲碁大会では『sai』は誰だと大騒ぎになったんだぞ。俺とアキラ君は黙っていてやったのに。いいのか、ばらしても?」

 

「騒動に?どういうことだい、緒方君?」

 

「先生、それがインターネット碁に『sai』というハンドルネームで無敗の奴がいまして。最近だと一柳棋聖にも勝ってしまったんです。中韓のプロにも勝っているらしいですね。無敗の素性が知れない棋士、今、ネット碁をしている奴は皆必至になって『sai』が誰か探している状況ですよ。進藤、お前はまだ院生の無名だからばれていないが、これからプロになって棋譜が出回ればすぐにばれることだぞ?院生の何とかという奴なんかは進藤が怪しいと言っていたがそれもごまかしてやったんだぞ。今、白状しておいた方が身の為なんじゃないか進藤」

 

 ほぉ、と驚く塔矢名人、押し黙るヒカルに広瀬が感嘆の声を上げる。

 

「へぇ、進藤君が一柳棋聖に!すごいな、進藤君!今週から始まるプロ試験はアキラ君と揃って合格間違いなしですね!」

 

「もぉ、広瀬さんは!そういうこと言うとヒカル君にプレッシャーがかかるでしょ。落ち着いて周りの雑音なんて気にしないで頑張ればいいんだからね、ヒカル君」

 

 市河が広瀬を窘め、ヒカルを元気づけようと笑顔を作る。

 

「ありがとう、晴美さん」

 

 ヒカルの強張った顔を見るのが辛かったのか、市河はほらほら、そろそろお暇する時間ですよ、と緒方と広瀬を引きつれて病室を後にする。部屋にはヒカルと塔矢名人だけが残った。

 

「先生は入院中しかネット碁はやらないんですか?」

 

「ああ、まぁね、やはり、実際の碁笥から石を掴んで打つ感覚がないと物足りなく感じてね、私みたいな古い人間にはクリックではどうもね、ははは」

 

「……塔矢先生、お願いがあります。ネット碁で俺と真剣勝負してくれませんか?」

 

「ネット碁でかい?どういうことかな、進藤君。君とは研究会で真剣勝負をよくしているのだし、ここに来てくれれば直接対局だって出来るが……」

 

「……ネット碁で俺は『sai』というハンドルネームで打ってます。緒方先生の言っていたのは確かに俺です。でも、saiは本当は師匠の名前なんです。師匠の名前を使って俺が打っていたんです。……それが、大騒ぎになってるなんて知らなかった。俺がsaiだってこと絶対に周りに知られるわけにはいかないのに!俺の師匠を消すことになっちゃう。だからもう『sai』としてネット碁は打てないんです。でも、だから最後に俺の師匠がどうしても打ちたがっていた塔矢先生とネット碁で『sai』として勝負がしたい。お願いします先生!」

 

「ふむ、進藤君、いくつか確認するよ。……君の師匠はもういらっしゃらないんだね。それはお亡くなりになられたということかい?」

 

「……はい」

 

「そうか、そして君はその師匠の名を借りてネット碁を打っていた。その師匠は私と打ちたがっていた。その願いを叶え、そして師匠の代わりに私と最高の勝負をして師匠の名をネットに残してやりたい。そういうことかな?」

 

「そうです」

 

「わかった。君の想いは素晴らしいことだと思う。私はネット碁で君と、君の師匠である『sai』と真剣勝負をしよう」

 

「先生!ありがとうございます!」

 

 ヒカルは涙を堪えるのに必死になりながら塔矢先生にお礼を言う。塔矢先生も優しい表情でヒカルを見つめる。

 

「しかし、いつ対局するかな」

 

「俺はいつでも大丈夫です!先生の都合のいい日でお願いします!」

 

「ああ、ありがとう。そうだな、少し慣れないと、間違ったところに石を置いてしまうだろうからね、それでは君の師匠に失礼な対局になってしまう。2日練習時間が欲しいな。碁聖戦の第五局が来週の月曜日にあるから、その前か、金曜日に対局があるからな。土曜日なら、いや、土曜日はプロ試験初日か、ふむ難しいな」

 

「土曜日で構いません!お願いします先生!」

 

「……それほどまでの覚悟か。わかった、土曜日に私は全身全霊を持って対局をしよう。君の師匠の名を汚さぬように戦うよ」

 

「先生!ありがとう!」

 

 ヒカルは泣きながら塔矢先生にお礼を言う。ヒカルが落ち着くのを待って詳細を詰める。土曜日の10時から、持ち時間は3時間、ヒカルが設定し塔矢先生に申し込むことを確認し、もう一度お礼を言って、病室を後にする。

 

 

 

 

 

 金曜日、ヒカルは塔矢先生の棋譜研究をしていた。どの棋譜も塔矢先生のバランスが冴え渡ったすばらしい名局ばかりだ。この相手に明日ヒカルは『sai』として挑む。

 塔矢先生が倒れた時期が前回とまったく違ったことにヒカルは驚いた。ヒカルはもう少ししたら塔矢先生の顔色が悪いから精密検査を受けるよう言うつもりであった。その前に塔矢先生は倒れてしまった。未来は変化し、ヒカルの知るものではなくなっているのだ。

 

 それでも、半ば諦めていた、『sai』vs『toya koyo』が実現するのだ。ヒカルは本当に塔矢先生の優しさに感謝した。これまで、『sai』は無敗で来れた。もともと早碁が得意なヒカルが佐為として打つのだ。大抵の相手には勝てる。そして、ヒカルは『sai』の名をかけているのだ。対戦相手が遊びでやっているネット碁をヒカルは命がけで打っている。勝つべくして勝ってきた。

 でも、その無敗も明日終わるだろう。佐為として打ったところでヒカルの実力では塔矢先生には勝てない。実際に研究会で打って一度も塔矢先生には勝てていないのだ。ああ、くそっと気を散らしていたところに、あかりが来たと母親が声をかけてくる。

 

「ヒカル、明日のプロ試験で集中しているかもしれないと思ったけど、最後の応援がしたくて」

 

 ヒカルの部屋に入ってすぐに、あかりは迷惑なら帰るからといいつつ、来訪の目的を告げる。ヒカルは心が落ち着いてくるのを感じた。

 

「あかり、ありがとう。俺、ちょっと緊張してたから、あかりの顔見れてほっとした。一局打たねぇ?」

 

「えっ、大丈夫?私なんかと打ったらヒカルの調子が狂っちゃうよ」

 

「ん~ん、あかりと打ちたいんだ。あかりと打てば、明日は落ち着いて対局出来る気がするんだ俺」

 

「うん!」

 

 顔を赤くして喜ぶあかりと対局をする。ヒカルがあかりをからかい、あかりはもぉと拗ねる。ごめんごめんとヒカルが謝り、笑いあう。その一局はヒカルを落ち着かせ、あかりを楽しませた。これもまた囲碁の素晴らしさなのだろう。

 

 

 ベッドの上に仰向けになった裸のあかりを上から覆いかぶさるように抱きしめる。伸ばし始めたセミロングを後ろにまとめたあかりの髪から香るシャンプーと汗の匂いが混ざり合い、ヒカルの鼻腔をくすぐる。勃起したヒカルの肉棒を優しく撫で、しごいてくるあかりの手が気持ちいい。唇が重なる。

 

「っちゅう、ん、んん、ちゅっ、はふぁ、れろれろ、ちゅう、ん、んあん、ああ」

 

 ヒカルの胸とあかりの胸が擦れ合い、それぞれに快楽を与える。

 

「今日は安全日だからこのままいいよヒカル」

 

 あかりは蕩けるように微笑み、ヒカルの肉棒を己の膣入口に誘導する。ずぶりとヒカルはあかりの膣に肉棒を挿入する。そのまま動かず、ヒカルはあかりと口付けをし、耳元で愛してると何度も囁く。私も愛してるとあかりが答えてくれるのが嬉しく、ヒカルはあかりを強く抱きしめる。

 

「ヒカルのが私の中にあってね、それで抱きしめられてると私とヒカルがくっ付いちゃったみたいでね。ヒカルの鼓動が聴こえてきて、とっても落ち着くの」

 

「俺もあかりの鼓動がわかるよ。こんなに落ち着けるのはあかりとだけだ。愛してるよあかり」

 

「私もヒカルのこと愛してる」

 

 二人は啄ばむようなキスを繰り返し、やがてディープキスに至る。お互い抱きしめあったまま、ゆっくり抽送を行い、あかりの膣で果てるヒカル。あかりもうっとりした表情のまま深く絶頂し、スローセックスは終わりを告げた。冷房が効いた室内だったが二人は汗みずくになっていた。

 

「こういうセックスもいいね、ヒカル」

 

「ああ、落ち着いた気持ちになれた。ありがとうあかり」

 

 あかりはヒカルの家で夕食を食べ、ヒカルに家まで送られて帰って行った。ヒカルは肩の力が抜け、リラックスすることが出来た。明日は万全の状態で臨めそうだ。

 

 

 

 

 土曜日、インターネットカフェにヒカルは来ていた。今日は三谷響生のシフトが夕方からな為、受付で料金を払い、席に着く。画面を立ち上げ、ワールド囲碁ネットへ接続する。

『sai』としてログインし、塔矢先生を待つ。『toya koyo』が対戦画面に現れる。申し込みボタンを押し、対局時間の設定をする。『toya koyo』が対局を承認する。ついに『sai』の最後の戦いが始まった。

 

 ヒカルは恐ろしいほど集中出来ている自分に気付いていた。あかりのおかげだろう。そして、かつてないほど簡単に佐為をイメージすることが出来た。いや、佐為はもう出来上がっていたのだ。佐為に成りきるのではない。仮想の佐為がヒカルの頭を乗っ取ったのだ。佐為がヒカルの身体を動かしていく。

 

 対局は先番の行洋が佐為の勝負手に妥協し、受け入れる展開で進んだ。しかし手が進むと佐為の勝負手が働きを失い、行洋の形勢有利へと傾いていく。どちらも相手の手を読み合い、少しの隙もない着手が続く。このまま行洋勝利へ向かうかと思われた勝負は、大ヨセの段階で佐為の会心の一手を持って形勢逆転となる。猛烈に細かい碁となるも佐為有利になっていた。

 しかし、行洋の181手目、右上隅オキを持って形勢は行洋へと再度揺らぐ。残る挽回の道はなし。この一手を持って勝者は行洋のものとなった。

 佐為が投了をクリックする。画面に『White has resigned. Black won.』と表示され終局を迎える。

 

 佐為が消え、ヒカルが覚醒する。頭痛のする頭を振り、画面を見る。ヒカルは行洋との勝負の最中、意識を失っていた。ヒカルが作った佐為がヒカルを乗っ取り勝手に対局していたのだ。

 

 画面に映し出される棋譜を見て、ヒカルは固まる。それは前回、佐為と行洋がネット碁で打った対局とまったく同じであったのだ。しかし、結果が違う。前回、ヒカルが気付き、佐為に指摘した勝負の別れ目を今回の行洋は間違えることなく打っていたのだ。

 

 茫然とするヒカル。そして理解する。

 

 なぜ神がヒカルを過去に戻したのか。

 どうして佐為はいなかったのか。

 ヒカルとして囲碁が打てなくなったのはなぜだったのか。

 

 全てはこの一局を仮想の佐為に打たせる為だったのだ!

 

 塔矢門下に入ったヒカルは佐為として行洋と打っていた。前回とは違い、行洋はこの対局に備えることが出来たのだ。その結果がこの結末を生んだ。

 

 行洋はこの一局をきっかけに恐ろしいほど成長するのだろう。かつてのヒカルのように!

 そうだ!神の一手に一番近い男の成長を促す為だけにヒカルは過去に戻されたのだ!

 佐為に会わせる?そんな必要はない。ヒカルは佐為のおかげで成長するきっかけをすでに得ているのだから!

 ヒカルとして囲碁が打てない?当たり前だ!この一局を打たせる為に、仮想の佐為をヒカル自身で生み出させる必要があったのだから!

 

 全ては神が望んだ通りの展開だ!

 

 神への復讐の為に神の一手を極めようとした。だがそれすら、神の掌の上だったのだ。

 

 ははははははははは!!!!

 

 ヒカルは泣きながら、笑った。嗤って、哂って、泣いた。

 

 仮想の佐為がヒカルの中に溶けて消えていくのがわかる。佐為の力がヒカルのものになっていく。ヒカルとして打てないという呪縛が外される。

 

 ああ、神はヒカルの成長をも促す為にこのようなことをしたのか。

 

 ふざけるな!

 

 絶対に絶対に許さない!

 

 佐為はお前の駒だったのか!俺はお前の操り人形だったのか!

 

 神とはどこまで人間を好き勝手に出来るというのだ。許さない。だったら、神の思惑を超えた先に行ってやる。塔矢行洋は成長し、最強の碁打ちになるのだろう。ならば、俺は塔矢行洋を超える。それもお前の思惑か。構わない。誰よりも強くなってやる。

 

 あの真っ白な夢で見た光景は神が人間の代表と打っていた光景なんだろう?最強の人間を招いてお前は碁を打ち楽しむのだろう。後悔させてやる。お前を完膚なきまで叩き潰すほど強くなってやる。

 

 

 頭を抱え、泣きながらうずくまるヒカルを抱きしめてくる手があった。

 

「ヒカル君、大丈夫?」

 

 響生の優しい声がヒカルの耳朶を打つ。抱きしめられ、頭を撫でられる。

 

「大丈夫よ、大丈夫だからね、お姉ちゃんが付いてるから」

 

 ヒカルのことを本当に心配し、安心させようとする響生の優しい声。ヒカルはその声を聞き、その温もりを感じることで、急速に怒りが消えていくのを感じる。落ち着いたヒカルは、ヒカルと交わった佐為の息吹きを、想いを感じる。心が熱くなる。ヒカルと愛し合ってきた女の子たちの笑顔が浮かぶ。

 

 恋人たちの笑顔がヒカルの心を神様から解放し、ヒカルに無限の力を与えてくれる。神様への復讐心、そして反逆への道を捨てることこそが、神様への反逆になるのだ。

 

 そうだ。佐為の愛した囲碁を復讐の道具にするなんて、もとから間違っていたんだ。神の一手なんてそんなものは存在しないんだ。囲碁という何よりも楽しい遊びを誰よりも遊び尽くす。その果てに誰もがびっくりする一手、神様の悪戯のような一手、それが打てたなら、その一手こそが神の一手と呼ばれるものなんじゃないのかな。

 

 あかりが、明日美が、香歩が、久美子が、由梨が、奈美が、茉莉が、碁打ち皆を楽しませる一手を打ちたい。

 

 ヒカルと溶け合った佐為が笑った気がする。それがあなたの答えなのですね、いい答えです。

 

 響生の温もりを感じながらヒカルは顔を上げる。涙で濡れた瞳は輝き、笑顔が弾けている。

 

「響生お姉ちゃん、俺はやっぱり囲碁が好きだ。それと同じくらい、響生お姉ちゃんも好きだ。これからも一生俺の傍に居てくれる?」

 

 響生はヒカルの輝く笑顔に見つめられ、顔を真っ赤に染めながら、満面の笑みを見せてくれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






お読み頂きありがとうございました。
これにて本編完結とさせて頂きます。
この後は、エロとかエロとか主人公Tueeeeとか、エロとかの蛇足を書かせて頂きます。
ですが、しばらく休憩させてください。疲れました。
最後に、ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました。




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十五 「プロ試験」

 翌日の日曜日、プロ試験二日目、ヒカルは元気に対局場へ姿を現すことになる。明日美にはどうしたのと散々心配されたが、風邪だけどもう平気、心配かけてごめんねと笑って答えるヒカル。その笑顔がいつもより輝いて見え、明日美は顔を赤くしながらわかったとしか言えなくなってしまう。

 

 ヒカルの初戦の相手は真柴であったらしい。ごめんなさいと一言真柴に謝り、その日の対局相手、外来の片桐と相対する。

 

 19路がとてもとても広く感じられる。碁笥の中に指を入れ石のひんやりした感触を楽しむ。お願いしますと頭を下げた後、初手を高らかに打ち込む。

 

 ヒカルは宇宙流、中央を目指して手を進める。片桐は実利的に三隅を取った後、ヒカルの黒模様拡大を阻止しに来る。ヒカルは厚みを活かして白を圧迫する選択は取らなかった。最低限の手数で持って白を抑え、模様をどんどん広げていく。

 

 どういうことだ、と困惑する片桐の声が聞こえる。ほら、こっちに打ったほうが面白くなるよ、とヒカルは左辺に飛ぶ。片桐は中央の黒切断を止め、左辺に回る。ヒカルの黒がどんどん広がっていく。どこも薄い、綱渡りのような黒、でもその黒を切ることが出来ない。ヒカルの黒はいつの間にか片桐の地をどんどん小さく抑え込むように中央で成長していた。

 

 こんなことがあるのか、と片桐の驚愕が碁石から伝わってくる。これも囲碁だよと笑いながらヒカルは白模様の下辺に打ち込む。させじと片桐、これは無理筋だったかとヒカルは反省しながら、片桐の反撃を軽やかにかわしていく。

 

「ありません」

 

「ありがとうございました」

 

 中押し勝ちで終わった盤面をヒカルは見つめる。これは俺の碁じゃないなと感性が訴えてくる。

相手を殺すのが囲碁だ。相手の地を奪うのが囲碁だ。だけど、それだけじゃないはずだとヒカルは思う。

 

 佐為の囲碁は大局観が素晴らしかった。実利派でありながら、石の働きを追及し、相手にあわせて打つ技術も一品。完璧な形勢判断に全体のバランスを取る感性、老練な打ち回し、全てが一級品であった。

 

 ではヒカルの碁とはなんだろうか。う~ん、と悩んでしまうヒカルがいた。ヒカルの中に溶け込んだ佐為とは違うヒカルとしての碁、その答えを見つけた時、囲碁とはなんぞやという答えも見つかるかもしれないなとヒカルは微笑む。

 

 先に対局を終えていた塔矢が、ここの黒はなぜ二段バネで確定地を作らなかったのかと問いかけてくる。周りを見回すと早く対局が終わった連中全員がヒカルたちの碁盤を見つめていた。休憩室で検討しないか、とヒカルが提案すると敗者である片桐すら同意し、皆で休憩室に移動する。

 

「ほら、次にここに白が来てもこうすれば見合い、だから薄くても問題ないでしょ」

 

「しかし、こっちから来たらどうだ?こういって、こう、ほら白よしになる」

 

「う~ん、でも右辺のここにアテればそれで白は抑えるしかないから問題ないんじゃないかしら?」

 

 

 休憩室には対局を終えた者たちが続々と加わり、大検討会へと発展していた。周りは皆、敵だ。人生を賭けてこのプロ試験に臨んでいる。そのはずなのに、皆、真剣な表情を笑顔にしながら、喧々諤々の検討を行っている。対ヒカル対策として参加している者も多い。

 それでも、ヒカルの打ち筋に碁の可能性、楽しさを感じ笑顔になってしまう。

 

 以後、対局後にヒカルの棋譜を休憩室で検討する光景が、プロ試験が終わるまで見られるのであった。

 

 

 翌年、プロ試験に合格した奈瀬明日美は週刊碁の天野の取材にこう答えている。

 

「この一年で急成長した要因、もしくはきっかけを教えて頂けますか?」

 

「あのプロ試験(注1)で行われた検討会(注2)が私の転換点でした。敵同士なのにみんなで真剣に、それでいて楽しそうに進藤二段の棋譜を検討するんです。進藤二段は毎回名局だったり、文字通り迷局ばっかり打つんです。新手は当たり前、奇手、敗着になるような失敗手もばんばん打ってくるんです。構築も布石も模様も毎回ころころ変えて。きっとあの時の進藤二段は自分の碁を探していたんでしょうね。それを私たちは驚いたり、笑ったり、尊敬したり、みんないろいろな受け取り方をしましたけど、一つだけ一緒の感情がありました。ああ、囲碁ってこんなに無限の可能性があるのか、本当に楽しいって思えたんです。プロ試験なのを忘れたようにみんな、新手ばっかり打つようになっちゃって」

 

「あなたもその一人でした?」

 

「はい、私もその一人でしたけどね、ふふふ。本当に囲碁に対する考え方が変わりました」

 

「どのように考え方が変わったのでしょう?進藤二段とは院生の時からお付き合いしていたんですよね。彼の指導を受けたことは?」

 

「え~、そうですね。最後の質問には、はい、とだけ。え~、言わないとダメなんですか?じゃあ、ここから先はオフレコですよ?ダメ?酷いですね~、まぁ、私と進藤二段が清いお付き合いをしているのは有名ですから、ぶっちゃけますと、プロ試験の後、彼に指導をお願いしました。塔矢門下の研究会にも彼の紹介で通えるようにお願いしました。今までの私は囲碁に対して消極的だったんだと思います。でも、それじゃあダメだって思えたんです。使える伝手は何でも使ってやろうって思ったんです。いろんな研究会(注3)に彼の金魚の糞みたいにくっついていったんですよ?今思い出すとちょっと恥ずかしいですけど、囲碁の虜になっていた私はそんなのどうでもよくなっていたみたいで。それでどんどん棋力が上がるのを実感しました。プロになれたのはそのおかげだと思います」

 

 中略

 

「最後にプロになっての目標をお聞かせください」

 

「もちろん、進藤二段に勝つことです」

 

 連勝記録を更新中の進藤二段に勝つことを目標だという奈瀬明日美新初段には期待が集まっている。彼女はそのルックスで既に騒がれる存在だが、その実力も高いものがあると評判だ。貪欲に勉強する彼女の姿勢を強く感じるとともに女流タイトル戦に挑戦する彼女の勇士を見る日は近いと確信する取材となった。

 

 週刊碁 美人すぎる女流棋士誕生秘話より抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 葉瀬中では昼休みになるとヒカルは碁の勉強の為に囲碁部部室に籠ると言われている。その日は水曜日、プロ試験で学校を休んだ翌日であった。ヒカルは囲碁部部室で碁の勉強などまったくせずに、裸になった久美子の乳房を捏ね繰り回していた。愛液でぬるぬるになった陰唇にペニスを擦り付けた後、ずぶりと挿入する。久美子の好きな座位で二人は愛し合う。ソファに座ったヒカルの上でショートの髪と胸を揺らしながら厭らしく踊る久美子。

 

「んあっ!あぁ、ヒカル君のチンポいいよぉ、はぁぁん、ん、あん!あぁああ」

 

「久美子の膣壁がぎゅって締ってきて気持ちいいよ」

 

「はあっ、ああああ、私も気持ちいいのぉ、あん、ヒカル君の熱くておっきい生チンポがごりごり私の膣を擦ってるのぉ、あん、んん、はぁああああ」

 

 久美子はぽっちゃり体型であったが、ヒカルのことを好きになった後、ダイエットをしてかなりスリムになっている。ヒカルは久美子にダイエットなんか必要ないと何度も言っているのだが聞き入れられないでいる。ほっそりと痩せた肢体は確かに美しく真っ白なもちもちの乳房と合わさって久美子の魅力を大きく上げたと思う。それでも、パンパンと肉付きが減ったお尻を突き上げると少し物足りなさを感じてしまう。むっちりした女の子もいいのになぁとヒカルは残念に思うのであった。

 

「はぁ、あん、あん、あああ、奥がいいよぉ、今日はいっぱい久美子の子宮を満たしてぇ、あああ、んん、ああああ」

 

「うん、久美子の膣が俺のちんこにねっとり絡みついてすっごく気持ちいいよ。久美子はボルチオも感じるようになってきたね、じゃあちょっと激しくするよ」

 

 開発の進んだ久美子の膣はGスポットもボルチオも性感帯として感じるようになってきた。膣壁もヒカルの肉棒でこなれてきて、キツイ締め付けでありながら、ヒカルの肉棒を包み込むようにヒダが蠢動してくる名器へと変貌していた。そんな久美子の膣を堪能しながら久美子を下から思いっきり突き上げる。久美子の喘ぎが切羽詰ったものへ変わっていく。

 

「あぁ、あぁ、いいぃ、奥にずんずんくるぅ、いいのぉ、あん、あん、あああああ!」

 

 蕩けた目をヒカルに向けてくる久美子に優しく笑い掛け、イッテいいよと告げる。ヒカルの顔を見ながら一生懸命に腰を振っていた久美子は貌を淫靡に染め頷く。苦しそうに眉を寄せながら足りない酸素を吸いこもうと喘ぎながら久美子はさらに激しく腰を振る。ヒカルも久美子のボルチオ目掛けて肉棒を突き入れる。腰の動きがお互いにぴったりとあい、ぐっちゃぐっちゃと激しい水音をさせながら、二人は愛し合う。

 。

「あっ!あっ!あっ!イクぅぅぅ!んひぃぃぃ!!あああああああああああああ!」

 

 久美子の最奥に亀頭を合わせ、びゅるうっと大量の精液を子宮目掛けて発射する。久美子の子宮がぱんぱんになるほど、射精したヒカルはようやく満足そうに吐息を吐き出す。

 のけ反る久美子を支え、抱きしめてディープキスをする。ミント味の久美子の唾液を堪能するヒカル。

 

「はぁ、はぁ、ちゅっ、れろっ、んじゅうぅ、あん、んんん、へぁ、れろれろ、ぴちゃ、んんん」

 

 キスを止めた後もヒカルの顔を舐めまわす久美子が可愛くてすぐにヒカルは肉棒を久美子の膣で大きくしてしまう。

 

「あはっ、久美子の膣でまた大きくなってるよヒカル君。ん、んん、入ってるだけで気持ちいいよぉ、あん」

 

「久美子が可愛いのがいけないんだよ?」

 

「うわ~、すっごい恥ずかしいけど、すっごい嬉しいよヒカル君。そうだ、ヒカル君はお尻の穴とかは興味ないの?あん、んん、私のお尻とかどうかな?あん、ん、はぁああっ」

 

「アナルセックスはなぁ。遠慮したいなぁ。久美子のお尻は魅力的だけどさ、アナルセックスするのはすっごく手間暇かかるんだよ。それにお尻の中を傷つけるリスクとか考えちゃうと俺は無理にやる必要ないって思っちゃうんだよなぁ。もちろん、久美子がアナルに興味あるんなら喜んで一緒に久美子のこと開発するよ?」

 

 抱き合い、肉棒を膣に挿入したまままったりとした動きで愛し合う二人、優しく頭を撫でられ、久美子は幸せそうに眼を細めている。

 

「あん、あん、んん……ん~、そうなんだぁ。はぁ、あん、ヒカル君が私のお尻褒めてくれるから、お尻の穴でもって思ったんだけどね。ん、んんああああ、あん、でもヒカル君、お尻でのセックス詳しいね?誰としたのかな?」

 

 目をさらに細めて聞いてくる久美子に藪蛇だったかと後悔しながら、ヒカルは素直に白状する。

 

「あはははは、市河さんって碁会所のお姉さん、その人は前の彼氏にアナルを仕込まれててね、どうしてもって言うからアナルセックスするようになったんだ」

 

 ヒカルはこの話は終わりとばかりに久美子の膣を再び激しく突き上げていく。久美子もすぐに喘いで感じまくってしまい追及どころではなくなる。

 

「あっ!あっ!いいのぉ、ごりごり膣が擦られて気持ちいいのぉ、あん、んんああああああ」

 

「久美子の膣はこれからもっともっと気持ち良くなるよ。しっかり開発してあげるからね、久美子」

 

「ああああああ!これ以上は無理だよぉ、気持ち良すぎるもん、あん、はぁあああっ!ああん、ああん」

 

 ヒカルは久美子の膣を堪能しながら、晴美と一日中アナルセックスをした夏の思い出が脳裏に去来してくる。あれもいいものだったなぁと思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 夏休み前のある日の21時、囲碁サロンにてヒカルはお店の閉店作業をしている晴美と楽しくおしゃべりしていた。お客の北島がヒカルとの口喧嘩をいつもすること、そのくせ、ヒカル君がいないときは進藤は今日もいないのかってずっと言ってるのよ、と晴美が笑い話を振る。北島さんとの言い合いは楽しいからなぁ、今日はいなかったから、俺もちょっとさびしかったかも、とヒカルも楽しそうに答える。何それ相思相愛、と晴美がからかいながら笑う。

 

「ヒカル君が来てくれると皆本当に喜んでくれるから嬉しいわ、ありがとう」

 

「そんなことないよ。晴美さん。それに俺もこの碁会所が好きだから来てるんだし。晴美さんの人柄がいいから、お客さんも俺もここに来るんだよ。だから、皆が喜ぶのは晴美さんの力だよ。」

 

「ふふっ、ありがとうヒカル君」

 

「本当だよ。晴美さんが受付にいるだけで俺は嬉しくなるんだ」

 

「もう、何言ってるの」

 

「晴美さんの笑顔が好きなんだ」

 

「……ヒカル君」

 

「ご、ごめん。晴美さんは塔矢のことが好きなんだもんな。俺の今の言葉は忘れて。じゃあ、またね、お休みなさい晴美さん!」

 

「待ってヒカル君。一つだけ教えて」

 

「何?晴美さん」

 

「ヒカル君はあの幼馴染の女の子と付き合ってるんでしょ?別れたの?」

 

「ん~ん、付き合ってるよ。ごめん、晴美さん」

 

 晴美はヒカルの苦悩する表情を始めてみた。辛そうで泣きそうなヒカルのそんな顔は見たくないと強く強く思う。いつも笑顔が可愛い男の子、北島と楽しそうに口喧嘩して、お客さんたちからも可愛がられている笑顔が大好きだ。でも、盤面に向かい合えばその顔は一変する。研ぎ澄まされた表情が凛々しく格好いい。ずっと見ていたいと思ってしまう顔。晴美はヒカルのこんな苦悩の顔は見たくなかったと泣きそうになる。気付けばヒカルを抱擁し、頭を撫でていた。

 

「ごめんね、ヒカル君のことを苦しめちゃってたんだね私。でもダメだよ。彼女を裏切っちゃ、わかってヒカル君」

 

 晴美は自らも泣きたい気持ちであった。なんで、泣きたくなるのか。晴美もヒカルのことを好きになりかけている自分を認める。それでもヒカルのことを思えばここでヒカルを受け入れるわけにはいかない。強い気持ちでヒカルに接する。

 

「うん、ごめんなさい。晴美さん」

 

 ヒカルは泣きながら、そう答える。ぎゅっと抱きしめ返されながら晴美はこの時間が永遠に続けばいいのにと涙をぐっと堪える。

 

「ありがとう、もう、大丈夫だよ晴美さん」

 

 そう言って、胸に埋めていた顔を上げて晴美を見上げてくるヒカル。その顔は切なそうに潤んでいる。そこで、気付く。晴美の太ももをジーパン越しに、何か固いものが当たっていることに。ヒカルが晴美の身体に欲情しそのペニスを大きくしてしまったようだ。

 晴美は急にヒカルを雄として意識してしまう。きつく抱き締められた状態、ヒカルの体臭が晴美の鼻腔をくすぐる。可愛いと思っていた顔が急に男らしく格好よく見えだす。その男らしい瞳で見つめられているのだ。あそこが濡れてきてしまう。晴美も自身の顔が赤くなり、瞳が潤んでいるのかなと人ごとのように思う。

 またさらに強く抱きしめられる。痛いほどのそれはヒカルが晴美を求める気持ちの強さに思える。晴美も強くヒカルの身体を抱きしめていた。互いにもう止められないほどの感情が爆発している。気が付けば晴美は背を屈めていた。

 

 

「ちゅっ、ん、んん、っちゅうう……レロ、ぴちゃ、んちゅ、んっ、んんん」

 

「ぷはぁ、はぁはぁ、ヒカル君、私の家に来る?」

 

「うん、晴美さんの家に行きたい」

 

 これはいけないことだ。でも、いけないことだと思えば思うほど興奮してしまう。もう止まれそうにないほど、晴美の股間は緩み愛液でショーツがべちょべちょになっていた。

 

 

 晴美の住むマンションは囲碁サロンから歩いて5分と近く、1LDKの室内は整頓され、女性らしい小物が溢れていた。ヒカルは室内に入ってすぐに気が付く。男が出入りしているなと。

 晴美は囲碁サロンの席主としてかなり忙しい。普通なら部屋を片付け、飾るほどの労力をかけるほど暇ではないのだ。それなのにフローリングには衣服が落ちておらず、窓際には花瓶に入った花が飾られ、鏡台も多種多様な小瓶で溢れているものの綺麗に整頓されているのだ。お手洗いを貸してと洗面に行けば歯ブラシが二つ、確定だ。

 

 洗面で顔を洗い、さっぱりして気合を入れ直す。部屋に戻ると晴美はベッドに腰掛け、ジーパンを脱ぎ、黒のショーツとピンク色のTシャツ姿になって股を大きく広げていた。

 25歳の若くて綺麗な年上の女性、ブラウンのショートの髪に整った顔立ちはきっちり化粧をしている。甘ったるい香水と汗、くらくらしそうな雌の体臭がヒカルを刺激する。Tシャツには二つの大きな双丘が出来、その頂点はぽちりと尖っている。ブラも外したんだ、とごくりと唾を飲み込みながらヒカルは晴美を凝視してしまう。大人の妖艶な色香がヒカルをこれでもかと誘惑してくる。気が付けばヒカルはベッドに晴美を押し倒していた。

 

「晴美さん、晴美さん、晴美さん」

 

 ヒカルは晴美の胸に顔を埋め、柔らかさと女の匂いに興奮をさらに高める。晴美はヒカルを抱きしめながら落ち着いて、と優しく、けれどねっとりとした甘い声で囁いてくる。そして抱き合ったままお互いの服を互いに脱がし合っていく。冷房で冷やされた室内だというのに二人とも汗だくになっていた。でも、その汗臭さがさらにお互いを高め合い、抱き合ったまま正常位で二人は切羽詰ったように結合を果たす。

 

「はぁっ、んはあっ!すごい、ヒカル君のチンポが私のマンコをぎゅうぎゅう押し広げてくるわ、ああああああ、気持ちいい」

 

 ヒカルは晴美のどろどろに溶けた熱い沼のような膣を堪能しようと尻を引き、抽送しようとする。しかし、晴美は足でヒカルの尻を挟んで固定してしまう。ぎゅっと背中にも両手が回され、ヒカルは身動きが出来なくなる。抽送をしていないのに蠢動する晴美のヒダがさわさわと肉棒を刺激していく。

 

「は、晴美さん」

 

 ヒカルは情けない声で晴美に訴えてしまう。

 

「あぁ、ん、んん、ヒカル君、コンドームしてないのにセックスしちゃダメなんだよ?今日は安全日だからいいけど、次からはしっかりコンドームをすること。わかった?」

 

「う、うん、わかったから動かせて!晴美さんの膣で早く気持ちよくなりたい!」

 

「あん、いいわ、いっぱい気持ち良くなってね」

 

 晴美は妖艶に笑いながら、ヒカルの拘束を解く。ヒカルは抱きついた状態から、半立ちになり、晴美の太ももを持ち、晴美の身体を引き寄せると高速ピストンを行う。

 

「あっ!あっ!あっ!すごい!ヒカル君のチンポ本当にすごいわぁ、ボルチオをごつごつ亀頭が叩いてくるのぉ、ああああああ、これすごいわぁ!」

 

 晴美は妖艶に喘いでいる。それでも晴美は余裕の表情を崩さない。どんな男に調教されればこんなに厭らしくなるんだとヒカルは晴美の身体に残る男に嫉妬し、抽送をさらに速めていく。

 

「あん、あああああ!!カサがごりごり膣壁を削ってるのぉ、すっごいわぁ、あああああ、これすごい!あん、あああああ、いい、よすぎるのぉ、ひぃぃ、はぁん、ああああ」

 

 体位を側位へ、そしてバックへと移行する。抽送をしながら晴美の膣壁を突く角度を変えて、晴美の感じる箇所を探る。どろどろな膣壁がぎゅっとヒカルの肉棒を締め付けてくる。ヒカルは限界を迎えていた。射精したくて仕方ない。腰の振りが早くなる。

 

「ああ、いいわぁ、Gスポットをヒカル君のエラが擦ってるのぉ、いい、いいわぁ、気持ちいいのぉ、ああん、あん、あああああ」

 

「は、晴美さん、俺もう出る!」

 

「あん、ああん、はぁう、いいわよ、いっぱい子宮の中に出すのよぉ、あああん」

 

「くっ!出る!」

 

 ぷるぷるの尻を持ち上げ、ぱんと一際大きく突き上げたまま、ヒカルは晴美の最奥で果てる。びゅるると射精するヒカル。ヒカルから根こそぎ精液を搾り取るように晴美の膣は蠢動を繰り返す。

 

「ああ、すごいよ、晴美さん!」

 

「ああん、ふわぁ、ヒカル君の精液がいっぱい私の子宮に入ってくるわぁ、あん、すごいわぁ、それにチンポはちっとも萎えないで大きいまま、あん、このまま続けていいわよ」

 

 射精して敏感になっているちんこを晴美のどろどろの膣はさわさわと刺激してくる。ヒカルは悔しかった。晴美を絶頂させられなかったのだ。それは晴美の男に負けたことを意味しているのだ。筋違いとはわかっていても嫉妬心が湧きあがってくる。そこで、ヒカルは気付く。バックで晴美を犯していた為、今、ヒカルの目の前には晴美の尻穴があるのだが、その茶色の尻穴がくぱくぱと伸縮を繰り返しているのだ。ヒカルは抽送を始めながら、軽く尻穴に触れてみる。

 

「あん、あん、ん、はうあっ!んあっ、あああああ、あん、あんんん、ああああああ!!」

 

 なるほど、そういうことかとヒカルは納得する。この女は尻穴調教された変態だったのだ。ヒカルはずぼりと肉棒を晴美の膣から引き抜くと急いでコンドームを取りにリュックサックの場所まで行く。コンドームを装着し、きょとんとしている晴美の尻を持ち上げ、膣内に挿入し、愛液と精液を絡ませた後、菊門へ猛った肉棒を挿入する。

 

「ひぃぃぃぃぃ!!ヒカル君、そこはダメぇ!あああああああああああ!!」

 

 晴美が余裕を失くして絶叫する。ヒカルはゆっくりと優しく腸壁を擦りあげていく。入口の部分ですごい締め付けをされ、腸壁もぐっと締ってくる。ゆっくりと何往復かすると晴美の感じる箇所がわかる。入口を出し入れする時と、腸壁の奥、膣側を擦ると晴美は獣のように絶叫する。腸液が出てきて滑りもよくなる。優しく容赦なく晴美の感じる箇所を責めていく。

 

「ひぃああああああ!!だめぇ!あああああ!!そんなおっきいの入れちゃだめぇ!!何これぇ!?しゅごしゅぎるよぉ!こんなの知らない!こんなのぉおおおおおおおおお!!」

 

「晴美さんはアナルセックスが好きだったんだね。厭らしいなぁ、誰に開発されたの?」

 

「んほおおおお!奥!奥に届いてるのおおお!!しょこだめぇえええ!!へあぇあああああ」

 

 ヒカルのデカチンポは晴美のS状結腸まで届き、未知の快楽を晴美に叩き込んでいく。晴美は舌を突出し、涎を垂らして絶叫する。目は虚ろになって完璧に極まった状態だ。ヒカルはそんな晴美のアヘ顔を見、さらに興奮しアナルを犯していく。手は膣とクリトリスを弄り倒す。

 

「あへぁぁぁ、んひぃいいいいいい!!みょうやめてぇえ!!狂ってる、狂っちゃうのぉ!!おほおおおおおおおおお!!」

 

「ほら、晴美さんのアナルセックスの相手は誰?やめちゃうよ?」

 

「ほああああああああ!!イックううううううう!!りゃめぇ!!こんにゃにょ、みゅりぃ、へああああああ……」

 

「あらら、失神しちゃった」

 

 菊門から肉棒を引き抜き、コンドームをティッシュで包んでゴミ箱に捨てると、今度は右手の人差し指にコンドームを装着する。

 尻を突き出して失神している晴美の膣に肉棒を挿入し、コンドームをした人差し指をぱっくり開いた菊門に挿入する。

 アナルセックスでしか晴美を絶頂させられずヒカルは悔しかったのだ。まだ見ぬ晴美の彼氏に負けた気分になって嫉妬しているのだ。熟れた雌の匂いをぷんぷんさせた晴美をヒカル色に染め上げてやりたいと思ったのだ。膣で晴美をイカセられれば勝ったと思える気がしたヒカルは意識を失って、締まりがないどろどろの晴美のマンコを犯し始めた。

 

 

 

 

「へあああああああああああ!!おほおおおおおおおおお!!」

 

 私は吠えるように絶叫を上げる。

 アナルを犯され、意識を飛ばした後、刺激を受けてすぐに私は目覚めた。そこには私の膣を犯すヒカル君がいた。そこから私は地獄のような快楽を味わうことになる。アナルを刺激されながら、ボルチオとGスポットをデカチンポで抉られるように刺激されるのだ。何度も狂ったように絶頂し、意識を飛ばしても永遠と膣を責められる。快楽に咽び泣いた。ヒカル君の精液が私の子宮にかかるだけで、私はイクほど、全身が敏感になっていった。デカチンポを私の膣に入れたままヒカル君は優しく私に事情を聴いてくる。私はヒカル君に髪を撫でられるだけで絶頂しそうになりながら話す。

 私は囲碁サロンに18歳の時からバイトとして働き始めた。そこにはまだ子供で可愛い芦原がいた。ショタの私は芦原の誘いに乗ってしまった。芦原は私のアナルを執拗に開発し、僕がいなくなったらもう晴美はお終いだね。アナルセックスでしかイケない変態女さん、と私を体のいい肉人形のように扱いだした。そして芦原は別に彼女を作ったのだ。でも、私は何も言えなくなってしまった。私はアナルでしかイケない変態なんですと泣きながらヒカル君に告白する。

 

「なんだ、じゃあもう大丈夫だよ。ほら、イッテいいよ」

 

 ヒカル君のデカチンポが私の膣を一突きする。私はびくりとそれだけで絶頂してしまう。

 

「大体さぁ、晴美さんくらい美人だったらアナル好きだろうが、どんなに変態だろうが、男は気にしないよ。俺は変態な晴美さんが大好きだもん」

 

「あん、ほ、ほんとう?」

 

「そうやって不安そうな顔も可愛いなぁ、もう俺は晴美さんのトリコだよ?絶対に手放さないんだから!愛してる晴美さん!」

 

「わ、私もヒカル君のこと一生手放さない!ヒカル君に彼女が居てもいいの!ヒカル君の二番でもいいから、これからはずっとヒカル君のこと愛し続けるわ!」

 

 ヒカル君が膣を優しく突きながら、すまなそうな顔で聞いてくる。

 

「芦原さんとはもういいの?」

 

「うん、ただの惰性でセックスフレンドになってただけなの!もうあんな奴必要ないわ!私はヒカル君のものなの!」

 

 ヒカル君が笑顔を見せてくれる。その笑顔を見るだけでイッテしまう私がいた。

 

「これからはオマンコでもアナルでも晴美をいっぱい使ってねヒカル君」

 

 ヒカル君が興奮して私を犯してくれるように厭らしく微笑みながら告げる。私の口が次の瞬間ヒカル君の口にふさがれる。ヒカル君とのディープキスを堪能した後、ヒカル君は真剣な表情で私にこう言ってくる。

 

「絶対に晴美さんを幸せにするって誓う」

 

 これには何も言い返せない。ずるいなぁと思いながら私は泣きそうな顔を精いっぱい笑顔にしてヒカル君に口付けをする。もう十分幸せだって伝わるといいなと思いながら。

 

 

 

 

 



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十六 「アキラとヒカル」

 

 

 

 アキラはプロ試験を順調に勝ち続け、白星を十七個積み上げた。ここまで無敗はアキラただ一人。残り十局、一敗の進藤、四敗の辻岡と伊角、五敗の真柴辺りまでが合格の可能性を残しているだろうか。アキラは対局表に自身の白星を押した後、他の対局者たちの勝ち星を確認しながら考える。明日の対局で己の欄に黒丸、敗北の印が押されることになるのだろうかと。

 

 十月十八日、日曜日、塔矢アキラは進藤ヒカルと対局する。

 

 今の進藤は調子を落としている。お父さんとネット碁を打ったあの日からだ。あの名局、そう、名局だ。タイトル戦を賭けて打ったと言われても信じられるほど素晴らしい一局はネット碁で打たれた。名人位を含め4冠タイトルホルダーである塔矢行洋とネットの中に潜む無敗の棋士saiとの対局は何の前触れもなく行われ、父が勝利するという予定調和で幕を閉じた。

 

 毎日数えきれないほど打たれるネット碁の一局など誰も観戦しない。そして数バイトの電子屑として消え去るのを待つのが通常だ。しかし、この一局は違った。数千人の観戦者たちが固唾を飲んで見つめ続け、その一手一手に魅了された。

 棋譜は複製され様々なサイトで公開され、多くの検討がネット上、現実世界問わず行われた。saiの手に感嘆し、名人の応手に痺れる。別筋はないか検討しても、どちらも最善手を打っていることを確認することしか出来ない。白の老練な打ち回しと妙手、黒の着想と深い読みに唸るのみ。

 

 碁の素晴らしさに改めて気付く一局、誰しもが格別なご馳走を食べた時に似た満足感を持つのだ。だからこそ、だからこそ、皆が皆、致命的なまでに気になって仕方なくなる。

 

――saiは誰なのか? 

 

 棋譜の検討はいつの間にか終わり、この一点のみがクローズアップされることになる。ネット掲示板では日中韓の有名棋士たちの名前がずらりと並び、打ち筋や棋力、これまでsaiがネット碁を打っていた日付で、犯人を特定しようと喧々諤々の議論が起こり、お祭り騒ぎに発展していた。

 

 棋士たちの勉強会でも必ずsaiは誰なのかと話題に上がる。当事者である父に訊ねる者もいるが、父は知らないとそっけなく返答するのみ。ネット碁は対局相手を知らないのが普通である為、それはおかしなことではない。週刊碁でも謎の最強棋士、塔矢名人に敗れると特集され、当事者である塔矢名人本人がまた戦いたいとインタビューに答えているものだから、事態は沈静化するどころか大きくなる一途だ。

 

 その記事を読み、父の茶目っ気にアキラはため息と眩暈を覚えたものだ。進藤がプロ試験に受かり、勝ち上がって行けば、近い将来、打ち筋からばれるというのに。父は事態を楽しんでいるとしか思えない。そうでなくても、院生の和谷は進藤がプロ試験初日を休んだことで、進藤がsaiだと半ば確信しているというのに。

 父にそのことを指摘してもただ笑うばかり。父は元気になり、心筋梗塞で倒れたのが嘘のように、圧倒的な碁で碁聖位を防衛した。その後も好調のようで棋聖防衛戦も内容の良い碁で二連勝中だ。倒れた時は、最悪の事態になる覚悟までしたのに……あんなに心配して損をした気分だ。

 

 アキラは取り留めもなく考えていた思考を止め、立ち上がり、くるりと身体を反転させ、次の対局相手である進藤のところまで近づき、静かに正座する。そして対局を覗き込む。対局はヨセまで進んでいる。さっと脳内で手筋をシミュレートしていく。

 

――今日もか。

 

 アキラは顔を顰めてしまう。盤面を見ても、どう打ち進んだのかわからない箇所が多々あるが、それは別にいい。後で聞くだけだ。それよりも、問題はここ最近続く進藤の碁だ。

 

 先手番の進藤が初手天元に打ち、その後、後手番の伊角が下辺を着実に取りに行ったのだろう。進藤はその下辺に切り込みながら、上辺にわざと隙を作って伊角に攻め込ませようとしたのだろうか。黒石はどこも踏み込み過ぎで、崩壊していないのが不思議なほど薄くばらばらだ。

 

 対する白石は下辺を安定させ、上辺に手を軽く付け、乱戦を避けることで厚みのあるどっしりとした碁を打っている。初手天元は研究が進んでいない手だ。天元を活用出来なければ、一手目から二十目近く損をすることになると言われる。乱戦に持ち込み、中央に引き摺り込むしか勝ち目はない。そして、今局、天元に置かれた黒石は働いていない。伊角が上手く打ったのだ。

 

 だが、それでも、勝っているのは進藤だ。どういう打ち回しをすればこの圧倒的な劣勢を挽回出来るのか。どれほどの棋力差があるというのだろうか。伊角とはアキラも打って勝利している。伊角はプロになる力があるとその時感じた。その伊角を進藤は想像出来ない打ち回しで翻弄し、地を奪い、殺していく。

 

「二目半足りないか……ありがとうございました」

「ありがとうございました」

 

 終わってみれば薄かった黒が繋がり、白は地を大きく減らしていた。整地して数えれば進藤の二目半勝ち。これは一体何なんだろうか。バランスの悪い酷い碁だ。構想の段階で相手に負けている。奇抜な打ち回しで挽回しているだけだ。卓越した腕力で確定地を荒らしているだけだ。あの流麗で感嘆の念を呼ぶ打ち回し、終始盤面を支配する圧倒的な読みとバランスなど見る影もない。

 

――本当に酷い碁だ。

 

 酷い碁。酷く危うく、バランスの悪い碁。かつての進藤の碁ではない。あの完璧な美しさはない。弱くなった。だというのに惹きつけられてしまうのだ。わくわくさせられるのだ。

 

……それがアキラには許せない。

 

 観戦者たちを引きつれて控室へと進藤は移動していく。皆で進藤の棋譜を検討するのが試合後のお決まりになっているのだ。アキラは自身も控室に向かう。活発な意見が交わされている場を遠巻きに見つめる。

 

「天元を働かせないように意識しすぎて、行くべきところでいけなかったのが敗因かな」

「あぁ、確かに。ここではこっちに伸びるのが正しいもんな。そうすれば、飛ばれることもないのか」

「それにしても、ここに利かした時には、進藤君はこの展開を読んでたんだろ。進行がずれてたら、こうなって両睨みのいい手に化けてたし、実際も白を塞ぐ形に変化してる。すごいね」

「そこは……そういう意図だったのか。何かあると思ったけど」

「うわぁ、そういうことか。変な打ちかたしてるなぁと思ったわ」

「そこはそれもあるんだけど、伊角さんがここに行くと俺の右辺が潰れちゃうんだ。それを防ぐ為にはここを補強しとかないといけないからさ。ここに置かれるとほら、一気に拙くなるでしょ? こっちへ行く展開を強制する為に先に上辺に打って誘導してるんだ」

「……あぁ、読めてなかったよ。そんな手があったのか。俺がここに打ってたら進藤はどうしてたの?」

「厳しいけど、こっちに打って損失を抑えるかなぁ。左辺に活路を求める為にも見切る一手だけど。こう打って、飛ぶのが足が速いかなって。う~ん、苦しいか」

「……そこが勝負の分かれ目か」

「なるほど。ところで、進藤君、こっちの打ち回しがわからないんだけど教えてくれるかい?」

「えっと、そこはね――」

 

 対局を終えた者たちがさらに加わり、また違った角度からの意見が出る。皆が活発な意見を交わす。その光景をアキラは静かに見つめ続ける。一時間ほど経ったであろうか、検討が終わり、進藤が奈瀬と一緒に席を立ち、皆にさよならと挨拶する。アキラは意を決して進藤の前に立ち、声を掛ける。

 

「進藤、ちょっといいかい」

「どうしたの塔矢? そんな怖い顔して」

 

 進藤がキョトンとした表情を向けてくる。アキラは進藤の大きな黒い瞳を見つめて話を切り出す。

 

「明日の対局は僕とだよね。明日僕は君に勝つ為に死ぬ気で打つよ」

「うん、俺も精一杯打つよ。いい碁にしような」

 

 進藤が朗らかに笑う。その表情にアキラは苛立ちを募らせる。言葉が堰を切ったように溢れ出す。

 

「本当に? 君は本気で打ってくれるのかい? このプロ試験で打っているお遊びみたいな打ち方ではなくてだよ? 僕は君に一度も勝ったことがない。普通に打てば勝てないのだってことはわかってる。でも、今のふざけた打ち方をする君なら僕は負けない。あの素晴らしい碁打ちはどこにいったんだ。僕にはなぜ君がそんな打ち方をするのか、まったく理解出来ないんだ。一体君はどうしたんだ。格下相手にふざけてるのかとも思った。でも、君の碁に対する想いは変わっていないように見える。じゃあ、なんなんだって今までずっと考えてきた。そこでたった一つだけ、思い付いたことがある。……君は『彼』だとばれない為に打ち筋を変えたんじゃないのか?」

「塔矢……」

 

 進藤は呻くような声で呟くとそのまま黙り込んでしまう。

 

「君が何を考えてプロ試験初日を休んでまで『あんなこと』をしたのかはわからない。だけど、その後に君が変わってしまったのは確かだ。一体何があったのか、僕は知りたいんだ。もしも、明日、僕が勝ったなら、教えてくれないだろうか?」

 

 アキラの懇願に進藤は一度、顔を下に向けた後、頭を軽く振って、再びアキラを見つめてくる。

 

「はは、塔矢は昔も今もちっとも変わらねーな。お前は『sai』のことしか見てないんだ」

 

 アキラがぼかして言わなかった『sai』の名前を進藤が口にする。控室で聞き耳を立てていた周囲がざわつく。これで彼らは、進藤が『sai』だと確信しただろう。進藤はそんなことにも気付かず、一拍置いた後、透明な笑みを浮かべながら、平坦な口調で口遊むように言葉を続ける。

 

「“おまえ、オレの幻影なんか追ってるとホントのオレにいつか足元すくわれるぞ”か。あ~あ、ホントの俺ってなんだろうな、塔矢。お前と打てばわかるのかな。うん、いいよ。俺に勝ったらお前に全部話す。明日を楽しみにしてるよ」

 

 進藤は再度透明な微笑みを浮かべる。何かを懐かしむような、後悔するような、よくわからない表情だ。それにアキラは戸惑い、口を噤むことしか出来なくなってしまう。そこに今まで静かに二人の会話を聞いていた奈瀬が口を開く。

 

「塔矢君。塔矢君が勝ったらヒカルの秘密を教えてもらうんだよね。じゃあ、塔矢君が負けた場合はヒカルの願い事を叶える必要があると思わない? 賭け事ってそう言うものでしょう?」

「えっ? それはそうだけど……」

「そうでしょう。ヒカルは何か要求することある? ないわよね? ないわね。じゃあ、代わりに私のお願いを聞いてくれないかしら。実はね、私、塔矢名人の研究会に参加したいの! ヒカルが勝ったら私を名人の研究会に招待してくれないかしら?」

 

 有無を言わせぬ奈瀬の迫力にアキラとヒカルはこくこくと頷きを返すだけになってしまう。奈瀬は塔矢の手を両手で包むと、少し屈み、美しい顔をアキラに近づけて本当に嬉しそうに綺麗に微笑みながら礼を言う。

 

「ありがとう、塔矢君。よろしくね!」

 

 奈瀬の整った顔、長い睫毛に、潤んだ瞳、薄紅色の輝く唇から発せられるアキラを呼ぶ優しい声、柔らかく温かな手の感触、そして少女の甘い体臭。アキラの頬は勝手に赤くなり、心臓はドキドキと早鐘を打つように早く鼓動を繰り返す。奈瀬に見惚れて固まってしまったアキラに奈瀬が小首を傾げて下から覗き込んでくる。サラリとセミロングの髪が横に流れる。どうかした? と問いかけてくる美少女の顔をまともに見られなくなり、アキラは早口で奈瀬に了承を伝える。

 

「い、いや、構わないよ。必ず父にお願いするから。その、え~と、奈瀬さん。それじゃあ、また明日」

「うん、またね塔矢君」

 

 アキラはぎくしゃくとした動きでその場から急いで離れる。その頭には明日の対局のことも、進藤の調子が悪くなった理由も全て消えていた。アキラの頭の中に浮かんでくるのは奈瀬の綺麗な笑顔だけだ。その笑みを思い出すだけで、心臓が暴れる。心がふわふわするような嬉しさが込み上げてくる。

 

――誰かを好きになるってこういうことなのか。

 

 アキラは囲碁以外のことに初めて興味を覚えた。奈瀬さんって誰かと付き合っているのだろうかという考えが浮かび、嫌な気持ちになる。でも、あんなに、アキラに対して、無防備に手を取り、笑顔を浮かべてくれるのだから、奈瀬もアキラのことを憎からず思ってるんじゃないかという考えが浮かび、嫌な気持ちはなくなり、知らず笑みが漏れる。次に、なんだか進藤と仲が良さそうだったなと思い出す。院生繋がりかなと推測する。進藤に奈瀬さんのことを聞いてみよう。明日、対局だから丁度いい。

 

 あれ、僕が負けないと奈瀬さんは研究会に参加出来ないじゃないか。拙い。わざと負けるべきだろうか? いや、何を考えているんだ。そんなふざけたことは出来ない。でも、奈瀬さんと接点を持つ為には彼女が研究会に来ないと。もしかしたら、研究会に来たいのは僕に会いたいってことなのかもしれない。いや、きっとそうだ。彼女は勇気を出して僕のいる研究会に来たい、僕に会いたいって言ってくれたんだ。なら、明日は負けるべきだ。いやしかし、それは碁に対する冒涜だ。アキラは次から次へと浮かんでくる思考に翻弄されていた。

 

 その日、アキラは苦悩し、一睡も出来ないのであった。

 

 

 

 帰りの電車の中で、ヒカルは明日美の雑談に笑いながら相槌を打っていた。二人はこの後、松下香歩の家に行き、今日はそのままお泊りの予定だ。明日美はそれが嬉しいのか、かなりのハイテンションでヒカルに学校であったバカ話をする。いや、とヒカルは気付く。俺が落ち込んでるから元気付けようとしてくれてるのか、と。土曜の夕方、帰宅ラッシュで混雑する車内で向かい合った状態、ヒカルは美少女を見上げて微笑む。その笑顔が気になったのだろうか、明日美が話を中断して問いかけてくる。

 

「どうかしたのヒカル?」

「ん~ん、明日美に見惚れてただけ。大好きだよ明日美」

 

 明日美の瞳を見つめて正直に気持ちを伝える。明日美は『へっ、はっ、なぁっ』っと百面相をした後、顔を真っ赤にして黙ってしまう。ヒカルはそんな明日美を抱き締めて軽いキスをする。顔をさらに紅潮させる明日美。目の前の座席に座っていたショートの髪のOLらしき女性がきゃーといいながらこちらを見ているのをちらりと確認してヒカルは明日美の身体を離す。固まっている明日美の頭に手を伸ばしてサラサラな髪の毛を撫でながら話しかける。

 

「……明日美はさ、何も聞かないの?」

 

 ヒカルがsaiであること。ある人物の物真似の打ち方しか出来なかったのがいつの間にか直っていたこと。ある人物がsaiであれば、一体そのsaiとヒカルの関係とは。明日美は一番ヒカルのことに詳しいのだ。色々と気付いているだろうに。明日美はプロ試験が始まってからこれまで一度もその話題に触れようとしない。先ほどの塔矢との会話でも、明日美は多くのことを察したはずなのにだ。

 明日美はそんなヒカルの問いの意味を正確に理解したのだろう、ちょっと苦笑いをした後、真剣な顔でヒカルのことを見つめてくる。

 

「ヒカルが囲碁を楽しそうに打ってる。あんなに苦しそうだったのが嘘みたいにね。それが何でなのかとか、そりゃあちょっとは気になるけど。いいじゃない、そんなの。聞かれたくないことを聞くほど私は嫌な奴じゃないつもりよ。ヒカルが話したくなったら、まぁ、聞いてあげるってくらいの気持ちで待ってるわ。そんなことより、今のヒカルが囲碁を楽しんでるって方が私には重要なの。ヒカルの笑顔が私を嬉しくするの」

 

 ガタンっと揺れる電車、二人は自然と抱き締め合い、至近で見つめ合う。明日美が本当に嬉しそうにヒカルに微笑みを浮かべる。ヒカルは自分が呆けた顔をしていることを自覚しながらも、それが止められなかった。明日美の笑顔は輝いていた。美しかった。ヒカルの唇にちゅっと軽くキスをした後、明日美は続きを囁く。

 

「私はヒカルの笑顔が好き。ヒカルのことが好き。だから、ヒカルはヒカルの好きなようにやればいいんだよ。私はどんなヒカルだって受け入れるんだから」

「……うん、ありがとう明日美」

「ちなみに明日は全力全開で打ちなさいね。私は名人の研究会で勉強したいんだから、負けたら許さないわよ。塔矢アキラなんて中押しでやっつけちゃいなさい!」

「あはははは、明日美には叶わないや。死ぬ気で頑張るよ」

「いい答えね。それにね、ヒカル、ヒカルが先に進んだって、私は見失ってやらないんだから。ヒカルがどんな果てに行こうとも私は死にもの狂いでヒカルのところに辿り着いてみせる。だから、怖がらずに自分の囲碁に向き合いなさい、ヒカル」

 

 明日美の声には優しさが滲んでいた。ヒカルを想う心が溢れていた。ヒカルは泣きそうで、やっとのことで呟く。

 

「……はははは、本当に叶わないなぁ。うん、俺はもう逃げないよ」

 

 ヒカルは明日美の身体をぎゅっと力強く抱きしめ、己の気持ちを伝える。明日美もそれに応えるように抱きしめ返してくれる。

 

――情けねー。

 

 明日美はずっとヒカルのことを見守ってくれていたのだ。だから、名人と打って以降のヒカルの変調の原因にもすぐに気付けたのだろうか。だけど、明日美は何も言わず、優しく見守り続けてくれていた。それが、ヒカルには恥ずかしく、情けなく、そして、それ以上の喜びをもたらしていた。ヒカルは自身の問題に気付いた。いや、明日美が気付かせてくれたのだ。

 

 自分の碁とは何かなどと考えて迷走している今のヒカルの碁は、結局のところ、覚悟の欠如が全ての問題であったのだ。最高の理解者にして、心の拠り所であった『sai』、佐為がずっと傍にいてくれたから、ヒカルは何も恐れることがなかった。知らず知らずのうちにメンタルの大部分を佐為に依存していたのだ。過去に戻って佐為がいなくなっても、今度は佐為を造るという目的以外は見えないほど自身を追い詰めていたから、問題にもならず、気付けなかった。

 

 佐為という心の支えにして、呪縛が消えたことで、ヒカルの心は一人ぼっちになっていたのだ。そんな寄る辺なき無垢なる幼心は、十九路という無限の迷宮に迷い込み、気付かぬうちに尻込みしていたのだ。

 

 相手と本気で向き合い、殺し合うことの恐怖、かつて、佐為と真剣で斬り合った時に克服したはずのそれが、再び出現して、ヒカルを“自分の碁探し”などという逃げ道に追いやっていた。碁は一人では出来ない。でも、ただ二人いるだけではダメなのだ。相手に向かい合うにはまず己の心に勝たねばならない。己に打ち勝ち、強い気持ちを持った二人が盤面を挟んで向かい合うのが囲碁なのだ。

 

 臆すれば死。気負えば死。力まず、最高の力を発揮したところで、どちらかは必ず死ぬ。囲碁四家元は織田、豊臣、徳川の時代に文字通り命を賭けて碁を打った。棋譜から彼らの声を直に聞いてきたヒカルだからこそ、より一層の恐怖を募らせていたのだ。

 そのことを自覚した。いや、気付いていたのかもしれない。ただ、逃げていたのだ。明日美に見守られ、応援されてやっと己の心と向かい合うことが出来、恐怖を自覚出来たのだろう。

 

 相手と自身に真剣に向き合わないで打っていた。塔矢が怒るはずだ。それを佐為ばかり見て、本当の俺を見ていないだなんてどの口で言ったんだ。本当の自分は怖がって逃げてばかりだったのに。恥ずかしい。明日、塔矢に謝ろうとヒカルは決意する。

 

――心って本当に難しいな。

 

 土曜日の夕方、込み合う車内で二人は熱く見つめ合って抱き締め合い、お互いの温かさを交感し合う。悩む必要なんてないのだ。明日美が見守ってくれているのだから。もちろん、明日美は佐為の代わりではない。明日美に誇れる碁打ちになりたい。ヒカルは早く碁が打ちたくて仕方なかった。今なら、きっと最高の碁が打てる。明日美に誇れる碁が打てるという確信だけが胸に灯る。

 

 ヒカルの心は澄み渡るほど明瞭に晴れていた。

 

 

 

 

 

 香歩の手引きにより香歩の部屋にこっそりと招き入れられたヒカルと明日美は、部屋に入るなり、抱き合ったまま、豪奢なベッドに倒れ込む。熱い口付けをし続けながら、ベージュのカーディガンにフレアスカートという可愛らしい格好の明日美を抱き締め、服の上からお尻と言わず、全身をまさぐる。明日美もヒカルの身体を一生懸命に撫で触ってくる。お互いに火が付いてしまい、止まれない。互いの身体を擦り付け合い、愛してると身体で表現する。

 

「ちゅうっ、んちゅう、れろぉお、んちゅうっ、ん~、んあぁん、ぷはぁぁ、ヒカルゥ、あぁん、はぁ、はぁん、ちゅうう、んちゅう」

 

 明日美のぷるぷるの唇と己の唇をぴったりとくっつけ、大きく口を開けて、互いの舌を絡ませ合う。明日美の甘い唾液を飲み込み、明日美に唾液を飲ませる。くちゅくちゅ、じゅぶじゅぶと唾液が泡立ち、涎がベッドに垂れ落ちる。

 

「あぁぁん、んちゅうっ、ちゅうう、はぁぁぁ、んじゅう、れろぉ、んちゅう、ちゅばぁっ、んちゅうう」

 

 明日美は瞳を潤ませ、頬を真っ赤にさせて熱い吐息を吐き出す。美少女の恍惚の表情は淫靡で美しく、ヒカルを滾らせる。

 

「ぷちゅう、んんっ、ちゅううっ、ぷはぁぁ、はぁはぁ、ヒカルぅ、好きぃ、はぁはぁ、ヒカルぅ、もっとぉ、もっとキスぅ、ん、んあぁ、ちゅうう、れろれろ、んちゅうう」

 

 明日美の口内を貪りながら、ヒカルは明日美のスカートの中に手を入れ、ずぶずぶに濡れたショーツの上から秘唇を弄る。もう片手でカーディガンの中に手を入れ、ブラのホックを外す。こりこりに固くなっている乳首を優しく、リズミカルに摘まみ、撫で、扱く。

 

「ちゅううっ、んちゅう、んっ! ん~~! んぁぁあっ、ヒカルゥ、んぁぁあ、んちゅう、じゅるぅ、んちゅう、はぁはぁ、んあぁぁ、そこいいよぉ、あぁ、んあぁあん、ちゅうう、れろれろっ! んちゅう」

「はぁはぁ、明日美ぃ、愛してるよぉ、あぁ、明日美のアソコ愛液でどろどろだ。気持ちいい明日美?」

「んあぁん、あぁ、私も愛してるよぉ、ヒカルのこと愛してるのぉ、あぁん、あぁ、ダメなのぉ、乳首とクリトリスそんなにシコシコしちゃだめぇ、あぁん、気持ちいいよぉ、ヒカルの手で触られるとわけわかんなくなっちゃうぐらい気持ちいいのぉ、あぁん、あ~~、いいよぉお、んんんっ」

「明日美イッた? ビクビクって身体が震えてるよ、顔も真っ赤にしちゃって、可愛いよ明日美」

「あぁん、あぁぁ、いやぁ、恥ずかしいよぉ、んんんんっ! あぁあぁああ! ヒカルぅ、お願いぃ、早く入れてぇ、ヒカルと一緒に、一緒にイキたいのぉ、あぁん、んあっぁぁ、ヒカルぅ、あぁぁぁああ」

 

 ヒカルは抱き締めていた明日美を一端離し、半立ちになると明日美の服を脱がしていく。そこで、ヒカルの服を香歩が脱がしてくれる。

 

「あっ、ありがとう香歩」

「いえいえ、気にしないでください、ヒカル様。私のことを無視して二人で盛り上がっていても、私はちっとも気にしませんから。部屋に入るなり、くっ付いて離れないで愛を囁き合ってるのを見せつけられて、嫉妬で狂いそうですけどね。いえいえ、私のことなど気にしないで、どうぞ、明日美ちゃんと私のベッドでズッコンバッコンしちゃってください」

 

 香歩は綺麗な明るいブラウンに染めたショートの髪と丸メガネ、大きな巨乳が特徴の可愛らしい女の子だ。そんな美少女がニコニコ笑顔でヒカルの服を脱がせてくれる。この笑顔は完璧に臍を曲げている。拙いことをしたとヒカルは内心で焦りつつ、香歩のご機嫌を取るべく行動を開始する。服を脱ぎ終えたところで、香歩の唇を奪う。

 

「ちゅっ、んちゅう、ん、んん、はぁん、ちゅううぅ、れろぉ、んじゅるっ、じゅるう、ちゅうう、んちゅ、ちゅううう、ぷはぁぁ、はぁん、ヒカル様の舌が気持ちいいのぉ、んん~、んちゅう、れろれろ、はむぅ、んちゅうう、はぁ、はぁん、んちゅうう」

「ヒカルぅ、早くぅ、」

 

 香歩の口腔全てを舌で優しく、そして蹂躙するように激しく責め立て、香歩を骨抜きにしていると今度は裸になった明日美から甘い催促が入る。片手でコンドームを付けると香歩にディープキスをしたまま明日美の秘所にペニスを宛がう。香歩とキスをしたまま、正常位で明日美のどろどろに濡れ光る割れ目にずぶりとばきばきに勃起したペニスを挿入していく。ずぶぶぶぶっと淫猥な音とともに沈んでいくヒカルのペニスに明日美が愉悦の声を上げる。

 

「んああぁぁああん、きたぁ、ヒカルのおっきいのが入ってきたよぉ、ぁぁあん、気持ちいいよぉお、ヒカルのが気持ちいいよぉ、なんでぇ、あぁん、こんなに気持ちいいのぉ、もうだめぇ、ヒカルのが私の気持ちいいとこばっかり擦ってるのぉ、あぁん、あぁあ、いいよぉ、ヒカルぅ、いいよぉ」

「んちゅうう、ちゅうっ、れろぉお、じゅぞぉお、んじゅううう、ちゅう、ちゅう、ぷはぁあ、はぁはぁ、ヒカル様ぁ、私もしたいですぅ、あぁん、ヒカル様の手が乳首弄ってるのぉ、気持ちいいですぅ、あぁん」

「はぁはぁ、あぁ、メッチャ明日美の中気持ちいいよ、最高だよ。香歩のおっぱいもふわふわで気持ちいいよ。香歩、早く服全部脱いで、この後すぐに入れてあげるからさ。二人とも最高に可愛くて気持ちいいよ」

 

 明日美の蕩けた顔があまりに厭らしくヒカルは恐ろしく興奮していた。普段の気の強い、凛々しい美少女が淫靡にヒカルのことを呼びながら、咽び泣いているのだ。こんな顔にさせるのも、見ることが出来るのも俺だけだと思うと、ヒカルは男としての優越感を激しく刺激され言い知れない興奮を覚えるのだ。ヒカルはゆっくりとした抽送で明日美の弱点を擦り上げていく。ぎゅっとキツイ締め付けの明日美の膣はヒカルの巨根にぴったりのヒカル専用マンコに改良されてしまっている。入口のヒダにGスポット、ボルチオと、明日美のマンコはヒカルに優しく擦られるだけで、潮を噴いて痙攣絶頂してしまうほど敏感マンコになっている。びくびくと収縮を繰り返す明日美の名器マンコにさすがのヒカルも堪らないほどの快感を覚える。

 

「あぁぁん、だめぇ、ヒカルぅ、ふわぁぁああぁ、イってるのぉ、ヒカルの凄すぎるよぉ、私おかしくなっちゃうのぉ、ぁぁああ、いいよぉ、凄いのぉ、ふわぁぁあ、ヒカルぅ、キスしてぇ、あぁん、んぁああ、ヒカルぅ、んちゅう、っちゅううううう! ちゅう! んん~! んんんっ! んはぁあぁああ」

 

 明日美に抱き付き抽送をしたまま、ディープキスをする。セミロングの髪からシャンプーの香りと少女の甘い体臭、汗と愛液の淫臭がヒカルと明日美を包む。細くすらりとした肢体はまだ幼さすら残る少女の体型で、折れてしまいそうなほど儚い。明日美はヒカルに揉まれ続けたことで成長を続け、Cカップにまで膨らんだ形のいい胸が潰れるほど一生懸命にヒカルに抱き付き、足をヒカルの尻に回して、大好きホールドをしてくる。美少女の熱い体温が興奮を高める。

 ヒカルは明日美に抱き付かれたまま、ペニスを膣の中で小刻みに震動させ、明日美に快感を与え続ける。

 

「んちゅうっ、ちゅうう、んんっ! んん~~!! んあぁああああ! ヒカルぅ、凄いのきたぁ、凄いのぉ、だめ、もうだめぇえええ、んあぁあああ、イックぅうう!!」

「明日美の中気持ちいいよ、俺もイクよ、明日美、愛してる」

「んぁあああああ、あぁあぁああ、私も愛してるよぉ、ヒカルぅ、はぁん、んん」

 

 明日美が抱き締める力をさらに強くしながら、絶頂を極める。そのまま、ぶしゅううっと潮を噴き、失神する明日美。そのアヘ顔は酷く満足気だ。美少女のアヘ顔は何とも言えない淫靡さがあった。シャープな顔を真っ赤に紅潮させ、口を半開きにし、涎を垂らしながら、ベッドに頬を付けている。乱れたセミロングの黒髪をヒカルは梳いて整えてやりながら、明日美の頬にちゅっとキスをする。顔を上げて、そこで、やっとヒカルは気付く。ベッドの上で香歩が裸になり、声を殺してオナニーしていることに。ヒカルと香歩の視線が合う。香歩はぷいっと顔を反らしてしまう。やばい。また怒らせちゃった。どうにも、今日は明日美のことが好きすぎて、周りに気を配れないみたいだ。ヒカルは使用済みコンドームを取り外し、口を縛るとティッシュに包み、捨てる。

 女の子たちを平等に愛して満足させることにかけては天性の素質を持つヒカルにあるまじき失態であった。挽回する為に香歩に優しく声を掛ける。

 

「香歩、本当にごめんね。おいで、香歩」

 

 香歩は始め、私は怒っていますという表情をヒカルに見せていたが、ヒカルが香歩の瞳をじっと見つめて微笑んでいると、我慢が出来なくなったのか、ヒカルに抱き付いてくる。抱き付いた状態でそのまま、ヒカルにキスをしてくる香歩。勢いあまって、香歩のメガネがヒカルの顔に当たり、ずれてしまう。そんなことは気にしないとばかりに二人は激しく口付けを交わす。ヒカルは香歩のしとどに濡れそぼった女陰に手を伸ばし、クリトリス包皮に包まれた大きめのクリトリスを優しく摘まんで扱く。もう片手で香歩の小玉スイカほどのたわわに実った巨乳を救い上げるように持ち上げ、揉みしだく。

 

「ちゅううっ、んちゅうう! ちゅううっ、はぁん、はぁ、じゅるう、れろれろ、ちゅう、んん、じゅるぅ、んじゅぞおお、れろぉ、はぁん、ん、んんっ、はぁはぁ、んちゅうう、ぷはぁ、はぁん、ヒカル様ぁ、私もアソコが切なくて苦しいですぅ、ヒカル様のデカチンポで香歩を愛してくださいぃ、あぁん、んあぁぁ、そんなに激しく弄っちゃだめぇ、イッちゃうのぉ、あぁん、んぁあああ、今日は安全日だから、生できてぇ、あぁん、早くきてぇ、お願いなのぉ、あぁぁん」

 

 ショートの髪を振り乱し、香歩が曇ったメガネ越しに瞳を潤ませ懇願してくる。すやすやと寝ている明日美の横に香歩を横たえさせ、M字開脚させる。そのままどろどろと愛液を垂れ流し、ぷくぅっと開閉を繰り返す香歩の小陰唇に亀頭を何往復かさせた後、一気にヒカルはペニスを香歩の膣へと沈めて、最奥を抉る。

 

「んあぁぁ、きたぁ、ぶっとくてあっついのきたぁ、やっぱりこれしゅごいよぉ、んああぁぁああ、いいのぉ~これしゃいこうだよぉお、んんんっ、あぁぁああんん、」

「香歩、愛してるよ。あぁ、すっげぇ、気持ちいい、入口上のぶつぶつも、奥のヒダも俺のちんこにめっちゃまとわりついて、ぎゅって締め付けてくるよ、うわぁ、これ最高に気持ちいいよぉ。香歩ぉ、愛してるよぉ」

 

 ヒカルは香歩のうねる膣壁をエラで優しく擦りながら、最奥、ボルチオをこつこつと叩く。香歩の膣圧は明日美ほどではないが、それでもかなりのものがあり、大変気持ちいい。ヒカルのペニスの大きさに馴染んできた、香歩のマンコは包み込むようにフィットし、ねちゃねちゃにヒカルの先端から、裏スジ、竿と絞り上げてくる。

 

「んぁあぁああ、いいですぅ、やっぱりこのオチンポ様最高だよぉ、ヒカル様のチンポ入れられただけで、もうらめなのぉ、あぁん、ンあぁあぁあああ、イッてるのぉ、ずっと、イキっぱなしなのぉ、はぁんん、あぁぁぁああ、いいよぉ、ヒカル様ぁあ、最高だよぉお、あっ! あっ! あっ! しゅごいよおお!」

 

 ヒカルは香歩のぷるんぷるんに揺れる乳肉の、その頂きにあるピンク色の乳首に吸い付き、舌で高速回転をさせながら、じゅぞおおっとバキュームを加える。そんなヒカルの頭を香歩が優しく抱き締めてくる。少女の胸の谷間に顔を埋めながら、ヒカルは至福の時を味わう。もっちもちの柔肉、少女の熱い体温、そして甘い体臭全てがヒカルを興奮させる。複雑な抽送を続けながら、香歩の全てを堪能する。香歩はぴくぴくと小さな絶頂を繰り返しているのが、その腕に包まれているヒカルにはわかる。

 

「ああぁああぁ、しゅごいよぉ、あんっ! ヒカル様ぁ、愛してますぅ、あっ! あぁあっ! いいよぉ、もう私ダメェなのぉ、私もうヒカル様にメロメロなのぉ、アンっ、んあぁぁああ、ヒカル様の匂い嗅ぐだけで発情しちゃうようになっちゃったんだよぉ、あぁん、ああぁあ、やっぱりすごいのこれぇぇ、ふぅぅ、んあぁああ、いいよぉ」

 

 少女の艶声が部屋に響き渡る。ヒカルは香歩を持てる全てで溶かしにいく。ディープキスで少女の口を塞ぎ、巨乳を緩急つけて舐め回し、腋と腹をじらすように擽る。形のいい耳を咥えて、べちゃべちゃと舐めしゃぶる。その間にずっとGスポットとボルチオをエラで優しく、香歩の好きな緩やかな抽送で刺激していく。

 

「ああぁあああ! んあぁぁあああああ! 待ってぇえ、もうりゃめらよぉお! 身体がおかしいのぉぉ、んあぁあああああ、はぁん、んああぁああ! もうむりぃ、もうむりなのぉ、身体が苦しいのぉ、息ができないのぉ、まってぇえ、んああぁああああぁぁあ、はぁはぁあぁあぁああはぁああ」

 

 香歩が絶叫を上げ続けながら、のたうち回るのをヒカルは優しく抱き留める。香歩の機嫌は直ったかな。これで、お詫びになっていればいいのだが、とヒカルは思う。まだ、足りないかな。もうちょっと優しく激しく香歩を感じさせようとヒカルは決めて、勢いを強める。

 

「もうむりゅぃぃ、りゃめりゃりょぉお、んへぇあぁぁああ、しゅにゅゅぅぅ……」

 

 香歩が潮とおしっこを漏らしてアヘ顔アクメを極めるのはすぐであった。香歩の苦悶はヒカルが香歩の中へ膣内射精を思いっきりして、すっきりするまで続いた。

 

 

 

「明日美ちゃん、どうして助けてくれなかったんですか。私、死にかけたんですけど」

「バカね、あんた、私は明日プロ試験なのよ。あんな激しいのヤラレたら明日に差し支えるでしょ」

 

 ヒカルと明日美は遅い夕食としてハンバーガーを食べていた。香歩の家に来る前に駅前で買ってきたものである為、冷めていたが、一戦交えた後の空きっ腹にはとても美味しく感じられるものであった。三人ともベッドの上で裸のままの食事である。香歩は家族と夕食を既に済ませている為、手持無沙汰になったのだろうか、ヒカルの横に移動し、ヒカルの食事の手伝いを始めた。

 

「ヒカル様、ポテトですよ、はい召し上がれ」

 

 香歩はそう言うとポテトを口に含み、ヒカルの口に近づける。ヒカルは少し苦笑すると、香歩の唇に挟まったポテトを食べる。ポテトはすぐなくなり、そのままヒカルの唇は香歩の唇に接触する。少し香歩と口付けを楽しんだ後、ヒカルはポテトを飲み込む。

 

「ありがとう、香歩。美味しかったよ」

「どういたしまして。次は何が食べたいですか? ヒカル様」

 

 香歩が嬉しそうに笑いながら、聞いてくる。ヒカルも笑いながら答える。

 

「じゃあ、コーラ飲ませてくれる?」

「はい、かしこまりました、ご主人様ぁ」

「ぷっ! ご主人様って、ちょっと何恥ずかしいこと言ってんのよ香歩」

 

 明日美の抗議を無視して香歩は口に含んだコーラを口移しでヒカルに飲ませようとする。舌がヒカルの口内に侵入し、その後、コーラが流し込まれる。ヒカルはぬるい砂糖水と化したコーラを飲み干すと、お礼に香歩に自身の唾液を流し込む。香歩は心底嬉しそうに笑みそれを飲み込み、舌を合わせてくる。美少女の口奉仕に興奮したヒカルは香歩を抱き締め、その胸を揉みしだく。

 

「ちゅう、びちゃ、ごく、ごく、んちゅうう、れろぉ、んちゅう、ちゅう、じゅるぅ、んちゅう、っちゅううう、ん、んんちゅううう、んあぁあああ、ぷはぁぁ、はぁはぁ、ヒカル様ぁ、あぁん、んん、」

 

 香歩はヒカルの勃起したペニスを手で掴むと、腰を浮かして、自身の陰唇へと導いていく。そして、ずぶりと挿入してしまう。座位で繋がった二人はキスをしたまま抱き締め合う。

 

「んちゅう、ちゅうう、んんっ! んん~~! んぁぁ、んちゅうう、れろぉ、んちゅう、ちゅぴぃ、じゅるぅ、んちゅ、んぁあああぁんん、んん」

 

 じゅぶじゅぶと小刻みな震動でまったりと香歩の膣内を楽しむヒカル。香歩の豊満な肢体は抱き心地が非常によいなと尻を揉みながら快感に身を委ねる。

 

「ちゅうぅ、んはぁはぁ、はぁん、ご主人様ぁ、次は何食べますかぁ、んちゅう、れろぉ、んはぁ、あぁん、気持ちいいよぉ、れろっ、んちゅう」

「はぁはぁ、んん、やっぱり香歩が食べたいなぁ、おっぱい食べてい~い?」

「あぁん、ふふふ、いっぱい食べてくださいな。あんん、んあぁあぁ、いいのぉ、おっぱい食べられちゃってるのぉ、ああぁん、可愛いよぉ、気持ちいいよぉ、ふわぁぁ、いいのぉ、あぁぁん」

 

 ヒカルはべちゃべちゃと香歩のおっぱいを舐め回す。仄かな汗のしょっぱさに交じって甘さも感じる。ぷにぷにでもちもちの乳房にこりこりの乳首、全てがヒカルを興奮させる。下から突き上げ、香歩のグチョマンの最奥、子宮口を持ち上げるほど亀頭を食い込ませる。美少女の嬌声と淫臭が立ち昇る。

 

「こら、二人とも! いい加減にしなさい!」

 

 明日美が二人を窘めるが、結局、明日美も巻き込んで朝までセックスは続くのであった。

 

 

 

 



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十七 「saiの残したもの」

 

 

「北斗通信社さんとの事業の成功を願って、乾杯!」

「乾杯!」

 

 戸刈は相手と同時に手元の白酒を一気に飲み干す。そして杯をテーブルに置くと、互いに名刺交換をする。

 

「北斗通信社社長室室長戸狩です。改めてよろしくお願いいたします」

「新安集団経営企画部部長陳です。こちらこそよろしくお願いいたします。戸狩さんとはぜひ、末永いお付き合いが出来ることを願います」

 

 訛りのない英語で戸狩と同年代であろう陳が握手してくるのを、戸狩も酔いを振り払いながら握手を返し、笑みを作る。

 

「しかし、北斗通信社さんのような技術力のある企業と合弁会社を作れるチャンスですからね。我が社はもう上も下もてんやわんやですよ、はははははっ」

「はははっ、また、ご冗談を。それは我が社の方ですよ、陳さん。新安集団さんと言えば、中国の名門企業じゃないですか。ですが、弊社の様な小さな会社で、この案件が失敗したら大打撃です。倒産するかもしれない」

「それは大変だ! ……ですが、北斗通信社さんが儲かっているのを私は知っているので、その嘘には騙されませんぞ、ははははははっ」

「ははははっ、騙せませんでしたか。……ですが、私の首は確実に飛ぶでしょうね」

 

 戸狩が笑いながら、首元を手で斬るジェスチャーをすると、陳は、それは大変だと大笑いする。

 

 中国深圳の高級酒屋の個室で、戸狩達幹部は新安集団の接待を受けていた。相手方とこちら、コンサルに通訳を含めて二十数名での中国式宴会。度数の高い白酒を乾杯と言いながら何度も繰り返し飲まされ、酒に強い戸狩ですら、かなり酔いが回っていた。部下たちも軒並み顔を真っ赤に染めている。

 

 しかし、ここで、失態は出来ないと戸狩は気合を入れ直す。明日からの交渉で細部を詰めることになっている合弁会社の立ち上げは中国進出を目指す北斗通信社にとって、何としても成功させたい案件だ。実務者協議を何度も繰り返しているが、なかなか進展が見られない案件。コンサルからは、中国式交渉術ですので、粘り強く譲歩せずにいくことで成功させることが出来るでしょうと言われているが、そうも言っていられない。

 

 戸狩は内心で大きなため息をつく。社長が実に煩いのだ。北斗通信社は現在、中国進出を前提に会社の上場申請をしている為、この話が頓挫すれば、申請に影響する。というのは社長の戯言だ。上場は何の問題もないだろうことを戸狩達は知っている。だが、創業者である社長は上場で自身の持ち株を高値売りしたいのだ。海外進出の為の上場という錦の御旗は株価を上げるにはもってこいだと考えている社長は何としてもこの話を成功させろと戸狩に厳命している。もし失敗しようものなら戸狩の首は確実に飛ぶだろう。子会社への出向、系列企業への転籍といったところか。自社に残れたとしても出世の道は閉ざされる。どちらにせよ、嫌な未来である。

 

――まったく、宮仕えとはいえ、面倒なことだ。

 

 アメリカ留学をしていたという陳の世間話を聞きながら、戸狩は内心でもう一度溜息を付く。そこにまた一人、杯を持って近づいてくる初老の男性が声を掛けてくる。

 

「楽しそうですな、何の話をしているのですか?」

「おお、これは周取締役。戸狩さんはゴルフがお上手だということで、今度ぜひご一緒しようという話で盛り上がっていたのですよ」

「おや、確か、君はゴルフでブービー賞常連だったと記憶していたが。戸狩さん、彼とラウンドするのはお勧めしませんよ。下手が移るといけない。私とご一緒しましょう」

「はい、ぜひに」

「戸狩さん、騙されてはいけませんよ! ブービー賞というのは後ろにもう一人いますよね。それが誰かわかりますか? こちらの周取締役こそ常に私より下の最下位を奪っていく常連なんですよ!」

「あっはっはっはっは、陳君、私たちの差なんてたいしてないだろう! そんなに勝ち誇った顔をするもんじゃないぞ。それに、戸狩さんに教えを受けて次のコンペでは私がブービー賞を取ってみせるぞ」

「はははははっ、私だって戸狩さんにご教授願うのですから、負けませんよ。またブービーを取ってみせます」

「ははははっ、お二人とも優勝は目指さないのですか?」

「あっはっはっは、まぁ、自身の力量は把握してますのでな」

「そうですなぁ、無理ですからねぇ、ははははははははっ」

 

 おっと、いけないと、そこで周が白酒を手に持つ。お互いに杯に並々と酒を注ぎ合い、それを掲げる。

 

「合弁会社設立と我々のゴルフが上手く行くことを願って、乾杯!」

「「乾杯!」」

 

 周との三回目の乾杯の為、戸狩は癖の強い酒を一気に飲み干す。そして酔った頭で思い付いた案を話す。

 

「中国の方もゴルフがお好きなんですね。実は、弊社は中国で無名な企業ということで、今、何かのスポンサーをやろうという話になっているんです。そこで、今の話で思いついたのですが、中国のゴルフトーナメントのスポンサーなど良さそうかもしれませんね」

「おお、それは素晴らしい……ですが、あまりお勧めはしませんなぁ」

 

 周が困ったように笑いながら否定の言葉を返してくる。戸狩が素直に聞き返す。

 

「と、いうと?」

「なぁに、費用対効果の問題ですよ。ゴルフ人口は増えたとはいえ、そこまでゴルフは人気がないのです。だが、スポンサー費用は金持ち連中の見栄の張り合いでかなり高い。割に合わないでしょうな」

「なるほど、そうですか、それは残念です。そうだ、我が社の知名度を上げるのに適した競技は何かありませんか? 出来ればリーズナブルで……ぜひご教授頂ければ嬉しいのですが」

「はははははっ、これは難しい質問が来てしまったぞ。何があるだろうね、陳君」

「そうですなぁ、バスケット、サッカー、卓球にバトミントンなどがテレビの視聴率は断トツですけど、どれもリーズナブルとはいかないでしょうねぇ」

「それに北斗通信社さんはアジア各国を視野に入れておられるんですから、国際的な催しがいいはず。これでリーズナブルとなると、これは広告屋連中でも頭を抱える難題だ、はははははっ」

 

 酔っ払い三人がうんうん唸って考えたところでいい案など浮かばないが、飲みの席の話としてはなかなか好評であったようで、入れ替わり立ち代わりで来る乾杯の者たちも話に入ってくる。そんな中で出てきた話題が囲碁であった。酒で顔を真っ赤にした新安集団の若手が熱い口調で主張してくる。

 

「囲碁なら中日韓三国で国際棋戦が組めて盛り上がりますよ! 日本主催の国際棋戦がなくなってしまっているので、北斗通信社さんが名乗りを上げれば、日本企業として存在感を発揮出来るはずですよ!」

「なるほど、囲碁ですか。私は囲碁について全く知らないのですが、中国では人気があるのですか?」

「もちろんですよ! 囲碁は学校で習いますからね。人気も競技人口もかなりのものですよ。将棋も麻雀もルールが違い過ぎて、国際棋戦なんて無理ですが、囲碁なら問題ないですし、どうでしょうか?」

「おいおい、田君、ちょっと飲み過ぎだぞ。落ち着きなさい。あ~、戸狩さん、確かに囲碁は中国韓国で人気がありますね。国際棋戦ともなればリーズナブルとはいかないまでも確かにスポンサーになる価値があるかもしれないでしょう。ですが、問題が一つ」

「それは?」

「日本でまったく盛り上がらないだろうということです。これは偏に競技人口の問題ですので、気分を害されないで頂きたいのですが、今、囲碁は中国が圧倒的に強いのですよ。トーナメントをしても中国韓国の選手ばかりが勝ち残ってしまうでしょう。日本でも塔矢プロが出てくれれば勝ち上がってくるのでしょうが、塔矢プロは国内棋戦、既存の国際棋戦で多忙を極めていますので、新規の国際棋戦に出られないでしょう。そうなれば日本人は一回戦で全員敗退という可能性が高い。それでは、盛り上がらないでしょう?」

「確かにそうですね。ですが、中国韓国では盛り上がりますか? 我が社としては日本で盛り上がらなくてもその二国で盛況で、知名度が向上するならやってみてもいいと思うのですが」

「国内外を転戦しているプロたちがこぞって出場するような大会にすれば盛り上がるかと。ですが、その為にはかなりの賞金が必要でしょうからね。そんなに甘くはないでしょう」

「なるほど、やはり、そう簡単ではないんですね」

 

 戸狩と陳が囲碁も難しいかと話を終わらせようとしたところで、青年、田が慌てて口を挟んでくる。

 

「ちょ、ちょっと待ってください! 確かに、陳部長の意見は正しいですが、陳部長が知らない情報があるんですよ! saiの正体が判明したんです! 彼が日本代表で出れば盛り上がること間違いなしですよ!」

「saiがか!? 本当かい、田君?」

 

 陳が赤い顔をさらに赤くして田に詰め寄りながら問い返す。田も酒で酔った顔で早口になりながら答える。

 

「ええ、それが、日本の進藤ヒカルという十三歳だそうですよ! この間終わったプロ試験でプロになったばかりだそうです!」

「十三歳!? それは本当なのか? 私は塔矢プロとの棋譜を見ているが、それはありえんだろ! あんな素晴らしい対局をする者が子供なんてことは……信じられんぞ私には……」

「ええ、確かに、十三歳の子供だなんて信じられないことなんですが。ですが、ネットに塔矢ジュニアとのプロ試験時の対局がアップされたんです。それが、名局でして! 冴え渡る囲碁のセンスというんですかね、確かにsaiに似てるんですよ。それに本人も頷いたという情報もあって、ネットでは進藤ヒカルがsaiだと断定して大盛り上がりですよ! いやぁ、私も棋譜を見ましたが十三歳同士の対局とはとても思えない素晴らしい物でしたよ! 進藤ヒカルが塔矢ジュニアを終始圧倒してましたが塔矢ジュニアもあの歳ではかなり打てる! 部長も観ればご納得すると思いますよ!」

「そうか……それが本当だとすれば、そいつは本物の天才だな……」

 

 我がことのように何とも誇らしげに話す田と茫然とする陳。対照的な顔をする二人に、戸狩は話についていけず、当惑していた。それに陳が気付いたらしく、『これは失礼しました』と頭を軽く下げ謝罪してくる。

 

「いえ、それより、今のお話しは一体? すごい囲碁の強い日本の少年がいるということでしょうか? それが、そんなに驚かれることなんですか?」

「あぁ、そうですね、戸狩さんは囲碁について何もご存じないでしょうから、分かり辛いかと思います。う~ん、そうですね……あぁ、そうだ。戸狩さん、戸狩さんに一つクイズです。現在の囲碁界の頂点にいる塔矢名人の年間勝率はどのくらいだと思いますか?」

「最も強い囲碁棋士の年間勝率ですか……そうですね、八割くらいですか?」

「おお、お見事です。ほぼ正解です。塔矢プロは四冠タイトルホルダーで、丁度七割六分くらいだったと思います。では先ほど話に出てきた少年の勝率はいくらだと思いますか?」

「話の流れからするともっと凄いと言うことでしょうから……八割五分くらいでしょうか?」

「今度は外れです。少年、ネットのハンドルネーム『sai』の勝率は四百三七勝一敗、勝率がほぼ百パーセントなんですよ。どうでしょうか、その十三歳の少年の凄さが分かりませんか?」

「え、ええ……いや、逆に想像出来なくなったような……そんな気分ですよ陳さん」

「はははははっ、そうかもしれません。もちろん、その少年が戦ったのはネットの中のアマチュアですので、プロ相手である塔矢プロの勝率とは比べられるものではないのですが、囲碁というのは力の強さ、棋力と言いますが、それが離れていても、勝ちっぱなしというのはありえないゲームなんです。ですが、saiは四百三十七連勝したんですよ。しかも、『sai』が勝ったのはアマチュアだけではないんです。その中には中日韓の現役プロもいたんです。謎のネット最強棋士が現れたと囲碁界で話題になるのが分かっていただけますか?」

「それは、はい」

「そして、『sai』は塔矢プロとネット碁で戦ったのです。名局と呼ばれるほど素晴らしい戦いは僅差で塔矢プロに軍配が上がりました。連勝記録が途切れた『sai』は謎に包まれたまま姿を消してしまった」

「なんとも、物語のような話ですね。それは囲碁を知っている人たちは随分盛り上がったことでしょう」

「はい、もちろん。そして、謎であったsaiの正体が十三歳の少年、それも、プロに成りたて、当時はアマチュアであったと今知った私の驚愕がわかっていただければ嬉しいです」

「なるほど、それは……。驚くでしょうね」

「ええ、ですが、田君、君の言う通り、これはチャンスかもしれない。戸狩さん、囲碁の国際棋戦をやるべきです! それも、ジュニア棋戦にするべきだと私は思います。sai少年と塔矢ジュニアの日本、中韓はトップレベルの子供がたくさんいる現状で、ジュニア国際棋戦はないんです。目新しさとsaiのネームバリュー、これは盛り上がりますよ! それに、実績のない若者なら賞金が少なくても出場したがるでしょうし、何より、未来ある若者を応援する企業というイメージは実に評判がよろしい。北斗通信社さんがメインスポンサーでやっていただけるのなら、我々も協賛企業として支援したい。ぜひ、やるべきですよ!」

「なるほど、これは貴重な情報を得てしまったようです。ぜひ、新安さんと協力してやりたいですね!」

「はい、ぜひやりましょう!」

 

 酒の席での約束など、あってないようなものだ。過度な期待は禁物だ。それでも、陳と、しいては新安集団との協調体制がとれるというのは、美味しい話には違いない。部下に命じて囲碁のスポンサーについて検討させよう。そして、その囲碁ジュニア大会を行うに当たって、キーマンとなるのであろう、sai、進藤少年のことも徹底的に調べる必要があるなと戸狩は頷くのであった。

 

「それにしても陳さんは囲碁に御詳しいのですね。それとも、中国の方なら、常識なのでしょうか?」

 

 ふと疑問に思ったことを尋ねる戸狩。その回答は予想外な物であった。

 

「あはは、実は娘が囲碁棋士を目指していまして。それで、私も囲碁に詳しくなったんですよ。ついでに、ジュニア杯にすれば娘も出れるかなと少し思ってたりしてます」

「ははははっ、さすが、陳さん。抜け目がありませんね」

「はははっ、最高の褒め言葉ありがとうございます。あ~、そうだ。娘は日本語を勉強するほど日本が好きなんですよ。今度、日本旅行すると言っているので、行った際はもしよろしければ、日本の案内などお願いできませんか?」

「ええ、喜んで。大切な娘さんのことは我々にお任せください」

 

 打ち解けたように笑い合う戸狩と陳であったが、翌日の交渉では喧々諤々の議論を繰り広げることになる。酒の席と仕事はまったくの別であるとは聞いていたが、ここまでとはと、戸狩は二日酔いで痛む頭を抱えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 塔矢明子は心の中で大きくため息を付く。

 

「改めて、もう一度みんなで言いましょう! せーのっ!」

 

 掛け声を掛けるのはヒカルの隣に座る奈瀬明日美さん、明子をここに連れて来た張本人だ。もう、己の倫理観というか、常識をぶっちぎった状況ではあるが、明子は吹っ切ったように、皆と唱和して大声を出す。

 

「「「「「「「「「ヒカル、プロ試験合格おめでとう!」」」」」」」」」

 

 コの字型のソファの右側にヒカルの中学の同級生だという女の子四人が座り、院生の女の子二人がヒカルを挟んで明子の前に座っている。明子の両隣には息子のアキラが通っている海王中学の生徒である女の子二人が席に付いている。わー、ぱちぱちぱちっと拍手をする皆に合わせて、明子も拍手をする。皆、明子にとっては娘ほど歳の離れた子供たちである。そんな子供たちがきゃいきゃい大はしゃぎでパーティーをしているのは、院生の女の子の別荘であるコテージだ。

 

 空調の効いた広い室内は一二月だというのに温かく、皆、セーターやカーディガンを脱ぎ、身体のラインがくっきり見えるほど薄着となっている。明子もワインカラーのカーディガンを脱ぎ、白のシャツと紺のフレアスカート、黒のストッキングのみとラフな格好になっていた。コの字型のソファの中央に設置されたガラス張りのテーブルにはサンドイッチやお寿司、お菓子にケーキ、飲み物などが所狭しと並んでいる。皆が弾ける様な笑顔を浮かべ、お喋りに興じる中、明子は所在無く皮張りのソファにちょこんと座っていた。

 

 この場はなんなんだろうか。違和感が拭えない。ここに息子のアキラがいれば、息子の誕生日会とでも思える光景である。が、事実は全く異なる。この場にいるただ一人の男の子は、進藤ヒカル。明子の恋人だ。今は、美少女に両側から抱き付かれながら、皆ありがとうと、笑顔で笑っている。

 

――私のヒカルにそんなにくっ付かないで。

 

 明子は愛する人をじっと見つめる。だが、そうすれば、自然とヒカルに両側からTシャツ一枚という身体のラインがくっきり見える薄着で、しな垂れかかるように抱き付く少女たちが目に入ってしまう。ヒカルと口付けをし、セミロングの髪を撫でられ、美しい顔をうっとりとさせている美少女、奈瀬明日美。中学生とは思えない程たわわに実った胸を、Tシャツ越しにヒカルに擦り付け、嬉しそうにヒカルの頬を舐めるメガネが似合う美少女、松下香歩。どちらもタイプは違えど類稀な美少女だ。明子の心は嫉妬でどうにかなりそうなほど、怒りが込み上げてくる。

 

「ふふっ、明子さんの顔、すっごい牝の顔になってますよ。素敵です」

 

 明子はびっくりして、隣に視線を向ける。そこで明子を見つめる美少女、日高由梨の熱い視線に明子はさらに驚き、たじろぐ。由梨はショートカットのキツメの顔を蕩けさせながら、明子に身体を近づけてくる。そして、明子の耳元で囁く。

 

「明子さんはヒカル君の女なんですね。でも、ここにいる皆もヒカル君の女なんです。だから、そんなに怖い顔しないでください」

「でも……お、おかしいわ、こんなの……狂ってる」

「狂ってる、ですか? ふふっ、確かに狂ってますよね。一人の男の子を皆で愛し合うハーレム。これから、全員でヒカル君とセックスするんですから! みーんなヒカル君に狂わされてしまったんですよ……でもそれは、明子さんもでしょ?」

 

 由梨は吐息と共に明子の耳元に熱い言葉を、そして、明子の狂いかけた理性の最後の一かけらを壊す言葉を投げかけてくる。

 

『明子さんもヒカル君にじっくり狂わされて、女になった一人じゃないんですか』と。

 

 由梨の言葉に明子の腹部が疼く。ヒカルとの情事を明子の身体が克明に思い出してしまったのだ。この半年、毎週木曜日にヒカルにイカされ続けられた明子の熟れた身体があっという間に熱く火照り出す。あぁ、確かにそうだ。廊下で、トイレで、台所で、家族の目を盗んでキスをされ、ヒカルの大きな肉棒を口内で堪能し、あまつさえ、膣出しセックスをされ続けてきたのだ。ヒカルを想うだけで秘所から蜜がトロリと溢れてくる。明子の身体はヒカルに変えられてしまった。善き母親、善き妻から、少年の情婦へと。

 

 明子は視線を由梨からヒカルへと戻す。ヒカルが明日美から口移しでジュースを飲まされている。香歩がヒカルのズボンを脱がし、股間に顔を埋めている。じゅぼじゅぼと淫靡な音を響かせながらヒカルの男を愛しているのだ。テーブルを挟んで四メートルも離れていない距離で息子と同い年の少年と女の子たちが行う狂宴に明子は唾をごくりと飲み込み、見入ってしまう。思うことは一つ。

 

――ああ、私もヒカルのペニスを咥えたい。ヒカルのチンポをアソコに入れて欲しい。

 

 ヒカルが男の笑みを浮かべているのを見て、明子は股間をさらに濡らす。愛液が紫色のショーツでは吸いきれず、黒タイツを伝って落ちていく。シャンデリアの拡散された光が頬を染めてヒカルに唾液を飲ませている明日美を輝かせている。ヒカルのペニスをスロートする度に香歩の髪がバサバサと舞う。それを皆が心底羨ましそうに見つめている。

 

――ああ、そうか。

 

 ここにいる美少女達は皆、明子同様に犯され、調教され、心の全てをヒカルに奪われているのだ。狂っているのだろう。だが、それがどうした。今の明子は心の底から、幸せなのだ。ヒカルに愛してもらえることが明子の全てなのだ。それはこの成長途上の美少女達も同じなのだ。嫉妬する必要などない。

 

 明子の耳を由梨が舐めてくる。熱いざらざらした舌が明子の耳たぶを舐め上げ、そのまま、耳奥へと進んでくる。擽ったさと快楽が明子の背を走る。耳たぶが由梨のぷるぷるの唇に甘噛みされる。明子は感じ、甘い吐息をついてしまう。由梨の甘やかな吐息が明子を興奮させる。ぴちゃぴちゃと淫音が鼓膜から直接明子の脳に反響する。

 

「あんっ、ん……んんん……」

「ちゅぷっ、んちゅ、ちゅうう、れろれろ……んちゅうう、ちゅぱぁぁ」

 

――気持ちいい。

 

 明子は腰に回された由梨の腕に強く抱きすくめられる。明子の腕に潰れた少女の胸の感触が、女の熱量と共に薄い布越しに伝わってくる。

 

――私、興奮しているんだわ。

 

 明子はいつの間にか由梨のことを横合いから強く抱きしめていた。ヒカルとは違う柔らかい身体は抱き心地がよく、ピンクベージュに染められたショートの髪から香るリンスの匂いは甘く、より明子を興奮させる。皆の前で、今日初めて会った少女と抱き合い、ショーツを濡らしている自身の身体、それを明子は自信を持って受け入れる。ヒカルに女に戻してもらえたのだ。恥ずかしがることではない。そして、この場にはヒカルを愛する女、仲間しかいないのだ。どのような痴態を見せたところで問題などない。いや、むしろヒカルに喜んでもらう為には、より淫乱に振る舞うべきなんじゃないのかと明子は熱に浮かされた頭で考える。

 

「ふふ、由梨ったらそんなに興奮して。でも、塔矢君のお母さんがヒカル君の女だったなんて! 私、すっごいびっくりしました。世の中って狭いんですねー」

 

 メガネをかけたロングの髪がよく似合う、ほんわか優しげな美少女である小林奈美が微笑みながら、抱き締め合ったままの明子と由梨におっとりした口調で話しかけてくる。由梨の舌が明子の耳から頬を伝って、首筋へと移動する。ぬめぬめ、ぺちゃぺちゃと少女の熱い舌が忙しなく這う感触に明子は甘い吐息を噛み殺すことも出来ず、喘ぐ。そんな状態で息子のことを言われ、どう返事をしていいのかわからず、明子は困ってしまう。だが、奈美は明子の答えを待つことなく、柔らかな笑顔を浮かべながら明子の身体を触り、褒める。

 

「それにしても明子さん、とっても綺麗です! それにすっごいスタイルいいんですね。胸は大きいのに、くびれがすごい! 何か運動してるんですか?」

「あんんっ、んんんっ、あぁん、だめよ、そんなに触らないでぇ、んんんっ」

「ちゅぷっ、んちゅう、れおぉんっ、れろぉ、んはぁん、んちゅうぅ」

 

 ソファに座ったまま、明子の左側から抱き付き、右の首筋を唾液でねとねとにする由梨と、右側から明子の身体を厭らしい手付きでさわさわと揉んでくる奈美。奈美は明子のシャツの中に手を入れ、臍を撫でた後、無駄な脂肪のない、けれどもむっちりと柔らかい明子の腹を撫で、そのまま手を明子の胸へと這わせてくる。奈美は由梨と抱き合った状態の明子のブラをずらして、そのままおっぱいを揉みしだいてくる。

 

「あんっ、あぁぁ……ダメよぉ、そこぉ……」

「ふふっ、何がダメなんですか? 乳首コリコリにして、瞳が蕩けてますよぉ……もう、本当に可愛い、明子さん! ほら由梨、明子さんの服を脱がしちゃうから、ちょっと離れて」

「ちゅぴ、んちゅう、れろ、んちゅう、はぁはぁ、ん、わかった」

 

 由梨が明子の首筋から唇を離す。その顔は真っ赤で口元が唾液で濡れ光っている。由梨の爛々に光った瞳が明子を捕えている。明子は由梨の妖艶な表情に見惚れ、気付けば、由梨の形のいい唇へ己の舌を伸ばしていた。

 

「あんっ! んんんっ……んはぁん、ちゅう、れろっ、んちゅうぅ、ちゅう、はぁはぁ、んっぁああ、んんん」

 

 由梨の口内に侵入した明子の舌が由梨の舌に絡め取られる。ねろりと唾液とともに舌を絡ませ合うのはとても興奮し、気持ちがいい。とろりとした由梨の唾液を啜るように飲み込む。美味しい。

 

――ああ、熱い、私、女の子と接吻しちゃってる。すごい、厭らしい。それにすっごく気持ちいい。

 

 由梨が明子の唾液を欲しいとばかりに舌を明子の口内で掻き回しながら、啜ってくる。明子は眩暈を覚えるほど、性感帯と化した口内から、くちゅくちゅと唾液を作り、由梨へと注いでやる。抱き締め合い、激しいディープキスをする二人に奈美が呆れた調子で声を掛けてくる。

 

「もう、二人ともぉ、服脱がせられないじゃない! 一旦離れなさい。こら、由梨!」

「んちゅう、ちゅううぅ、んはぁっ、はぁはぁ……んん、ごめんなさい」

「んんんっ、ぷはぁぁ、はぁはぁ、んだってぇ、明子さんが魅力的過ぎるんだもん」

 

 名残惜しそうに唇を離し、謝る明子と、止めないで、もっとと明子の舌を追いかけてくる由梨の唇の間に唾液の橋が架かり、ソファに落ちていく。唾液濡れになった明子のルージュが光る唇を由梨が優しく舐めとる。また、お互い見つめ合い、キスをしそうになったところで、奈美の静止がかかる。

 

「はい、そこまで。ほら、ちゃっちゃと裸になりましょ?」

「はーい」

 

 立ち上がり、テキパキと自分たちの服を脱ぐ由梨と奈美。由梨との濃厚レズキスでぼうっとした状態の明子も二人に手を引っ張られ、立ち上がると、服を脱がされていく。白シャツを脱がされ、ずれた状態の紫のブラを放り捨てられる。そしてスカートを脱いだ明子は、むっちりとした肉感を強調する黒ストッキングと、そこから透けてみえる紫のショーツのみとなる。そこで、ふと場が静かになっていることに気が付く。お喋りと飲食に興じていた右側の女子四人組が明子たち、特に明子を見つめていた。そして、前方、ヒカルは明日美と対面座位で繋がり、横からおっぱいを擦り付けている香歩に手マンをしながら、その瞳を明子に向けていた。ヒカルの視線と明子の視線が交差する。ぶるりと明子の下腹部が熱くなる。しとどに濡れたショーツからさらに愛液が溢れ出す。

 

「明子さんすっげー、色っぽいよ! あ、もちろん、由梨さんと奈美さんも綺麗だよ」

 

 ぬちゅぬちゅ、ばちゅばちゅ、ぱんぱんと淫音をさせつつ、ヒカルが明日美の頭越しに明子たちに声を掛けてくる。

 

『ヒカルぅ、もうだめぇ、オチンポ気持ちいいよぉ、んぁあぁん』

『ヒカル様の手がぁ、んんんんんっ、いいですぅ、あぁん、んん』

 

 明日美と香歩が甘い吐息混じりにヒカルを求め、ヒカルは二人を満足させている。

 

――嬉しい。

 

 感覚がマヒしているからか、ヒカルに褒められ、素直に喜びが湧いてくる。ヒカルが別人とセックスしながら放った言葉だというのに。

 

「なんていうか、すっごいね……。セクシィー! って感じ?」

「あれは反則でしょー! フェロモン出し過ぎぃー!」

「人妻が持つ魔性の魅力って奴なのかしら……むっちむちの癖に引き締まってるし、それにあの大きな胸! 重力に負けて垂れてる感じとか、それに何、あの黒ストッキングから見える紫色のエッチなショーツ! 濡れまくりで、すっごい厭らしい!」

「明子さんスタイルいいなぁ、私も頑張ってもっとダイエットしなくちゃ」

「由梨先輩と奈美先輩も大人ボディだし、ちょっと私たち負けてない?」

「あなたはね。私は最近急成長してるから、一緒にしないでねー」

「あっ、何その言い方ー!」

「わ、私だって最近、ヒカルに揉まれて大きくなってきたんだから!」

「持たざるもの、努力すべし。動かざる者、食うべからず、太るから」

「どんな、格言よそれ……てか、上から目線!」

「私はバスケで身体動かしてるから問題ないよー。あっ、このケーキ美味しいよ!」

「どれどれ?」

 

 あかりたち四人組が明子の身体を品評したかと思うと、また違った話題でわいわいと騒ぎ始める。彼女たちの順番は最後なので、まだ気分が盛り上がっていないのかもしれない。それとも、極力ヒカルたちの方を見ないようにしていることから、彼女たちは発情しないように気を使っているのかもしれない。今から、発情してしまえば、ヒカルが来るまで、ずっと我慢しなければいけなくなってしまうのだから。他の女とのセックスを見せつけられ、自身はお預け……それは酷く辛いことだろう。

 

――だって、私はもう我慢出来ないほど辛い。

 

 ヒカルに見つめられ、明日美たちとのセックスを見せつけられ、由梨と奈美に弄られた明子の身体はもう発情しきっていた。乳首とクリトリスがびんびんに勃起して痛いほど敏感になっている。お腹の奥、子宮が疼いて仕方ない。

 

――早くヒカルのチンポが欲しい。

 

 奈美に寄りかかり、由梨によって黒のタイツをゆっくり脱がされる。そして、ぐっちょりと愛液で重くなったショーツを脱がされる。むわりと湯気が秘所から立ち昇るほどに明子のアソコは濡れそぼっていた。

 

「明子さん、本当に綺麗。ね、奈美?」

「……う、うん、すっごく綺麗で私、見惚れちゃいました! 本当に綺麗!」

「あ、ありがとう」

「ふふっ、早くヒカル君としたくて、仕方ないって顔と身体をしてますよ。でも、もうちょっとあっちは時間掛かりそうですから、その間は私たちで慰め合いましょう。ねっ、明子さん!」

「ヒカル君には負けますけど、女の子同士だって気持ちいいんですよ。これから、その良さを明子さんにたっぷり教えてあげますからね!」

「えっ、それは……きゃっ、あんんっ」

 

 二人の少女の手により、明子はソファに押し倒されてしまう。明子のおっぱいを揉みながら吸い付く奈美と、ガバリと明子の股を開かせ、秘所に顔を埋める由梨。由梨は明子の濡れ濡れの陰唇をぺろぺろと舐め、そして、包皮から飛び出すほど勃起している明子の陰核を優しく口に含む。陰核を舌で高速フェラしながら、指を明子の膣奥へと挿入し、Gスポットを引っ掻く様に弄ってくる。奈美が明子の腋を舐めながら、片手で優しく頭を撫でてくる。もう片手では乳輪から乳首が取れるのではないかというほど、思いっきり乳首をしこしこと擦り、弄ってくる。

 

 一溜りもなかった。クリと乳首、そして膣に脇、どこもじんじんと痛みを起こすほど快感が全身を駆け巡るのだ。限界まで欲情していた身体が一瞬で爆発し、何度も何度も絶頂を駆け上がる。身体をブリッジさせ、びくんびくんと痙攣しながら感じまくる明子に、二人の少女は容赦しなかった。もう止めてと喘ぎの間に絶叫しようとすると、その口を奈美の口に塞がれる。息が出来ないほど、激しいディープキス。蕩けるような快感と酸欠で意識が遠のきそうになるなか、四本の手と二つの口が縦横無尽に明子の身体を苛め抜いていく。

 

「んちゅうぅぅ! れろん、ぴちゃ、ちゅううぅ、ごくごく……ぷはぁ、ふぁぁ、はぁはぁ、明子さんのラブジュースすっごい美味しい! アハっ、また溢れてきた。もっと飲んであげますね」

「ちゅう、んちゅ、ちゅぱちゅぱ、れろぉ、んんんっ、ちゅうぅ、んちゅうっ、っちゅうぅ! 明子さんの唾液も甘くて美味しいよ。今度は私のを飲んでくださいね。ちゅううぅ、れろぉ」

「んぁあぁああああっ、はぁはぁはぁ、まってぇ! もう無理なのぉ! んちゅうう! んんんんんっ! んんんんん~!!」

 

 何度も絶頂した。潮を由梨の顔に掛け、涎を奈美に飲まれ、飲まされ、愛液を由梨と奈美にずぞぞっと啜られ、乳首を同時に甘噛みされ、足の指一つ一つを奈美に舐められ、臍を由梨に舐められた。明子の太ももに由梨の秘所が押し当てられ、ぬちょぬちょと擦り付け、喘ぐ由梨に、明子の手首を秘所に押し当てて、自慰をする奈美。その間も明子を責める手は止まらない。どれほど時が経っただろうか。明子の身体は三人の涎と愛液でぐちょぐちょになっていた。喘ぎすぎて声を嗄らした明子は意識を朦朧とさせ、ソファにぐったりと横たわっている。その明子に抱き付く様にして、由梨と奈美が明子のおっぱいを舐めている。ただ、ぐったりとその愛撫を受け入れる明子。そこに声が掛かる。

 

「うわぁ、明子さん大丈夫? ちょっとやりすぎじゃない由梨さん、奈美さん」

「だってぇ、みんなに見られてるって思うと興奮しちゃってぇ! それに明子さんめっちゃ可愛いんだもん!」

「ふふっ、確かに少しやりすぎちゃったかも。じゃあ、ヒカル君。明子さん、いい感じになってるから、トドメ差しちゃって」

 

 明子の乳首から口を離した二人が好き勝手なことを言いながら、明子から離れるのがわかる。明子はぼやける視界を声の方へと向ける。前髪だけ金髪の幼い顔が明子を覗き込むように近づいてくる。ヒカルが優しい手付きで、明子の乱れた髪を整えた後、キスをしてくれる。

 

「ちゅっ、んちゅう、ちゅう、んんんっ、はぁん、んんんっ、ヒカルさん、きてぇ」

「明子さん、綺麗だよ。いくね」

 

 ヒカルの肉棒が明子の膣をゆっくり押し広げながら侵入してくる。そしてその最奥、子宮口をカリで擦り上げた状態で止まる。肉棒を挿入したままヒカルが明子を抱き締め、囁くように聞いてくる。

 

「由梨さんと奈美さんとのエッチは気持ち良かった?」

「んんぁあ、き、気持ちよかったわ、あぁ、んんっ、でもぉ」

「でも?」

「でも、この、お、オチンポがなくてだめだったのぉ! あぁ、やっぱりこの大きなオチンポじゃないとダメなのぉ! ヒカルさんのじゃないと満足できないのぉ! お願い! 突いてぇ、ヒカルさん」

 

 明子は自身がどれほど、はしたないことを言っているのか、自覚している。それでも、もう我慢出来なかったのだ。由梨たちの手で何度も何度も絶頂した。それでも、明子の心は満たされなかった。なまじ、身体だけ、満足させられたものだから、余計心が欲求不満になったのかもしれない。とにかく、ヒカルの肉棒で滅茶苦茶に突かれたかった。ヒカルに貪ってもらいたかった。ヒカルの精子で子宮を溺れさせて欲しかった。

 

「明子さん……ん~ん、明子、俺もう我慢出来そうにないよ。こんなに綺麗で色っぽくて、それに、人妻なのに。俺はもう明子を他の誰にも渡したくないって思ってるんだ。俺だけのものにするよ、明子?」

「えぇ、してぇ! 私をヒカルさんだけのものにしてぇ!! んぁぁああ! きたぁあ! 私の膣をごりごり抉ってくる凶悪チンポがきたのぉ! んあぁあぁああ、いいのぉぉおっ!」

「明子の膣もすっごいよ! とろとろなのにぎゅうって締まってきて、俺のちんこにまとわりついてくるんだ! そんなに俺のちんこがいいの、明子!?」

「あぁあああんんっ! いいのぉおお! ヒカルのことが好きなのぉおお!! ヒカルのチンポがいいのぉおお! おおおっ! んおおおおっ! 私のオマンコはヒカル専用なのぉおお! いっぱいいっぱいヒカルの精子を絞り取る為のオマンコなのぉお!!」

 

 ずじゅうううううっ! と一突きする度に明子は膣イキ痙攣させながら、ヒカルを抱き締める。

 

――これだ。これが欲しかったのだ。もうこれ以外いらない。

 

 明子は心底幸せを感じながら、少年の肉棒を受け入れる。

 

「くっ、明子のオマンコめっちゃ、すごいよ! うにゅうにゅ動いて絞り取ってくるんだ! 俺、もう我慢出来ない! 出すよ! 明子!」

「んおおおおおおおっおおおおおおおおおお! ぎでぇええええええええ!!!!!! ヒカルぅうう!!!」

 

 びゅるうぅるるるるるっと明子の子宮口に押し当てられたヒカルの肉棒から精液が出たのがわかる。断続して子宮内に入ってくるヒカルの精液の熱さに、明子は絶頂しながら、最高の幸福感を得る。

 

「んぁぁぁぁっぁぁ…………しゃいぃこー……」

「俺もめっちゃ気持ち良かったよ、愛してる明子」

「ちゅう、んちゅう、ちゅう、れろれろ、んちゅうう、んんんんっ」

 

 半ば意識を失いながら、明子はヒカルに向けて微笑む。そこにヒカルがキスをしてくれる。虚ろな視線と涎でべちゃべちゃな明子の顔は完璧に極まったアヘ顔であったが、とても幸せそうであった。子宮の温かさと甘い口付けに明子は人生で一番幸せな時は今なのだろうとぼんやりと思いめぐらす。いや、と思い直す。

 

――もう、ピルを飲むのを止めよう。

 

 そうすれば、今よりもっと幸せな気持ちになれると明子はぼんやりと考え、意識を失うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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