【更新停止】北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生 (魂魄木綿季)
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北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生 入学編1

【北山達也】  旧姓【四葉達也】

小学生低学年の頃に養子として北山家に引き取られる

その後、雫の義兄弟として生活

当時は信頼していた真夜に捨てられたことにより人間不信に陥っていたが

現在は雫やほのか、北山家の面々の努力により元の明るい青年に戻った

家族ぐるみで付き合いのあるほのかとは雫の紹介で知り合う

中学の時に「ある事件」の際に自分が雫に恋愛感情を向けていることに気づき

告白。相思相愛であったため「雫の婚約者」の関係になる

また【四葉】の頃は魔法が「再生」と「分解」の2種類しか使えず「忌み子」

として扱われていた。真夜はそんな達也を見ていられずに北山家に達也を送る

また、達也には「アナタは四葉に居てはいけない」と突き放すように達也を

送り出したため達也には「自分を捨てた」と嫌われている。

以後、達也は四葉家の人間には「殺気」を向けることすら

躊躇せず、元妹の深雪にすら「殺意のまなざし」を向ける

魔法に関しては「再生」も「分解」も使える

今は残った演算領域をうまく利用し他の魔法もある程度使用できる

ただし周りよりも演算が遅い。得意なのは領域ではなく「個」に干渉する物

物質変換魔法「マテリアル・バースト」を使用でき

「独立魔装大隊」には【大黒竜也】として所属している。

FLTには「トーラス・シルバー」として働いている。すでに「ループ・キャスト」は実現している

 

 

【北山雫】

小学の低学年の頃に引き取られてきた達也に一目惚れした。

その後中学の時の事件で達也に告白され

OKを出し、親に話して「達也の婚約者」になる

そして達也のCAD調整技術を認め「専属エンジニア」として達也を雇い始める

いくら達也が突き放そうとも根気強く接し、

ほのか達と協力し結果達也の人間不信を解くことに成功する

父の潮により達也を引き取った「本当の理由」を聞かされているが今はまだ達也には話していない

得意なのは「個」ではなく領域に干渉する領域干渉系魔法

 

 

【光井ほのか】

小学生低学年の際に雫の家に引き取られた達也と出会う

最初は「感情を表に出さず、常に暗い」雰囲気な達也に対して

自分よりも身長の低い「雫の影に隠れていないと話せないくらい」達也を怖がっていた

その後雫の説得により北山家と協力して達也の人間不信を解いた

中学入学時に自宅よりも雫の家の方が近く、家族ぐるみで付き合いがあったのもあり

現在は夏休みなどの長期休み以外は基本的に雫の家で生活している

得意なのはどちらかといえば領域干渉系であり、光を屈折させたりする魔法が得意である

 

 

 

 

2095年4月2日(土) 北山家 CADメンテナンス室

一定の速度でキーボードパネルを操作する音が部屋に響く

 

その部屋には現在男女が室内に居た

 

パネルを操作する音が止まる

達也「終わったよ、ほのか」

パネルを打ち込んでいた青年が隣で見ていた少女に声をかける

 

ほのか「ありがとうございます!達也さん!」

 

達也「たいしたことはない。俺は北山家に雇われている身だ、雇ってもらっている分の仕事を

   こなしてるだけだよ」

 

ほのか「いつも思いますけど達也さんってやっぱりパネル操作速いですよね」

 

達也「慣れればこっちのほうが速く終わるさ。手順が大変だからやる人が少ないだけで

   俺よりも技術も速度も速い人もいるだろうね」

 

ほのか「私は達也さんより速い人はなかなかいないと思いますけどね」

 

達也「まぁ同年代でキーボードでの調整をする人はいないだろうね」

 

ほのか「でも達也さんに適うエンジニアなんて世界中探しても数えられる位しか

    居ないんじゃないんですか?」

 

雫「違うよほのか、達也に適う人なんか居るわけないもん」

 

ほのか「雫、すごい自身だね」

 

雫「だって達也だもん」

あたりまえでしょと言わんばかりに即答をする

 

ほのか「アハハ」

問われた直後に即答をする自分の親友に苦笑いで応じる

 

達也「それにしても珍しいな。ほのかが急ぎでCADの調整を申し出るなんて」

 

ほのか「すいません。達也さん。明日は入学式なので一つも不手際が起きないようにしたかったので」

 

達也「いや、かまわないよ。ただ俺は’’こんな時間’’まで起きているのはどうかと思ってね」

そういわれて時計を見るとすでに23時を周るところだった

 

ほのか「そうですね。雫行こ」

 

雫「うん。達也、また明日ね」

 

達也「ああ。お休み、2人共」

達也は使用した機材を片付けて自室に向かい布団に横になって意識を手放した

 

こうして彼らの高校生活の前夜は終わった



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北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生 入学編2

2095年4月3日(日)北山家 リビング

ほのか「」ソワソワ

明らかに落ち着きのないほのかがそこに居た

 

達也「ほのか、そんなに緊張していては式の途中で倒れてしまうぞ」

 

雫「無理だよ達也。

  ほのかは小学校入学のときも中学校入学の時も受験の日だってこんなだったんだもん」

 

達也「それもそうか」

 

ほのか「2人共酷いです!私は’’落ちちゅいてます''ってば!!」

 

2人「~~~!!」

 

達也「そうだなw落ち着いてるな」

 

雫「’’落ちちゅいてる''もんねw」

 

2人「~~~!!」プークスクス

2人共先ほどのがツボり再び笑い始める

 

ほのか「あ、明日から朝御飯作るのやめますよ!」

ほのかがひそやかな抵抗をした

 

達也「すまなかったな。ほのか」キッパリ

 

雫「ごめんね。ほのか」キッパリ

 

2人「「だからご飯は作ってくれ」」

 

ほのか「2人共ご飯のために謝ってませんか!」

少し大きな声を出して講義をする

 

2人「「そんなことないよ」」

と2人そろって目をそらす

 

ほのか「次やったら絶対に作りませんからね!」

 

 

時刻 午前7時30分

達也「そろそろ出ようか、2人共」

 

雫「うん」

 

ほのか「はい!」

 

 

登校中

達也「それにしても、雫やほのかはともかく俺まで合格するとはね」

 

雫「ううん。達也が合格するのは当たり前」

 

ほのか「でも、残念ですね。達也さんが二科生だなんて」

 

達也「まぁ仕方ないさ。俺が実技面で不出来なのは事実だしな」

 

ほのか「でも・・・」

 

達也「ほのか、科が違うだけさ。

   昼休みには会えるし携帯端末だってあるんだ完全に離れるわけじゃないよ」

 

雫「そうだよほのか。休み時間とか昼食の時間に会えばいいだけだよ」

 

達也「(まあ。そう簡単にいけばいいが)」

達也がそんなことを考えているうちに学校に到着した

 

 

 

 

達也「それじゃあ雫・ほのか、あとでな」

 

雫「うん。後でね」

 

ほのか「それでは後で!」

雫たちは入学式の前に興味のある部活の活動を見に行くらしいのでここで一度分かれる

 

達也「さて、どうやって時間を潰そうか」

現時刻は午前8時10分 入学式開始まではまだ50分ほど時間がある

 

達也「本でも呼んで時間を潰すか」

そういって達也は近くのベンチで本を読み始めた

 

 

しばらく経つと声をかけられた

真由美「貴方は新入生ね。もうすぐ入学式が始まるから『講堂』に向かって」

 

達也「(この声は)・・・・・・お久しぶりですね。真由美さん」

 

真由美「えぇ。久しぶりね。達也君」

 

達也「生徒会長がこんなところにいてはいけないのではないでしょうか。真由美さん」

 

真由美「私もできればまっすぐに『講堂』に向かいたかったけど知り合いを見つけたからね♪」

 

達也「そうですか。ありがとうございました。」

 

真由美「もう!久しぶりに会ったっていうのにかなりドライじゃないかしら」

 

達也「最後に会ったのは貴女が小学校中学年の頃でしたね」

 

真由美「そうね。あの頃は達也君、私よりも背が小さかったのにね」

 

達也「真由美先輩が縮んだのでしょうね」

 

真由美「縮んでなんかいません!!」

 

達也「ところで・・・!」

 

真由美「どうかしたの?達也君」

 

達也「生徒会長がこんなところにいてよろしいのですか?」

 

真由美「あ!そうだったわ!私講堂で打ち合わせあるんだったわ!達也君あとでねー!!!!」

速度がかなりありながらそれでも上品に走っていく真由美

 

 

達也達の居た場所は静かになる

達也「・・・それで?真由美さんを遠ざけてやったんだ。そろそろ顔を出したらどうだ?」

 

達也の問いかけに応じるように先ほどまで達也の座っていたベンチの後ろから1人の女性が姿を現す

深雪「お気づきでしたか。北山さん」

 

達也「何を白々しい。」

達也の声に敵意が含まれる

 

深雪「安心してください 。私は母から預かっている手紙を届けに来ただけです。」

 

達也「そうか。そこのベンチに置いておいてくれ。」

 

深雪「分かりました。・・・・・・やはりこちらを向いてはくれませんか。」

 

達也「向く理由があるのか?」

 

深雪「久しぶりに兄に会ったのです。お顔を拝見させて頂けませんか?」

 

達也「・・・俺は雫達の兄だ。司波、いや『四葉』深雪の兄ではない」

 

深雪「そうですか。分かりました。それでは新入生同士仲良く過ごしましょう」

その言葉を境に後ろから司波深雪の気配は消えた

 

 

達也「・・・」

達也は手紙を拾い制服の内ポケットに入れると講堂に向かって歩きだした

 

 

 

 

【七草真由美】

第1高校現生徒会長

『魔弾の射手』と呼ばれるほどの遠距離攻撃を得意とし10年に1人の逸材とされる

達也とは達也が北山家に引き取られる前に何度かパーティなどで顔を合わせている

達也が引き取られた本当の理由は知らず。「四葉に不要な魔法師」として

北山家に移ったと思っている。

また、達也とは元から仲がよく達也の「北山家への養子入り」に

反対もしていた。

自分が小学校中学年の頃から達也とは会っておらず達也の「人間不信だったころ」は一切知らない

 

 

【司波深雪】  本名【四葉深雪】

兄としての達也のことが大好きだった俗に言う「お兄ちゃんっ子」だったが

「君はすごいのに君の兄はダメだよね」などという周りの達也を「忌み子」として嫌っている状況を見て

真夜に「達也を自由にできる方法」はないか。と相談して「北山家に養子入り」させることを真夜に

提案され「兄を自由にできるなら」と即決断した

四葉内では「真夜」、「葉山」以外に達也一族追放の「本当の理由」を唯一知っている人物である



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北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生 入学編3

8時50分 第1高校 講堂

達也が講堂に向かうと既にほとんどの席は生徒が座っていた

 

達也「雫達は・・・あそこか」

二階席最前列に座っている自分の家族と親友と見つける

その後達也は最後列に向かい一番端の席に座る

直後に雫が気づいたのかこちらに席を移動しようとするが達也が目で静止を

促されたためやめる

 

達也「(雫達に悪い印象が付くのはさけたいしな)」

達也はそこから周りを見渡す

席に座る順には’’席指定もなく’’そして’’分けろとのルールもない’’

それでも中央の通路を境に前半分を【一科生】後ろ半分に【二科生】が座っている

 

達也「(最も差別意識を持っているのは′′差別を受けているものである′′か)」

ばかばかしいと言わんばかりにため息をつくと声をかけられる

 

?「となりいい?達也君」

 

達也「エリカか。別にかまわないよ」

 

エリカ「ありがと。ほら、いいって美月。」

 

美月「ありがとうございます。」

エリカの後ろから眼鏡をかけた女子にお礼を言われる

 

達也「気にしないでくれ、一緒に座る人も居なかったからな」

 

?「おっ!ならオレもいいか?」

見るからに活気そうな男子が声をかけてくる

 

達也「いいかと言われてもな。それは俺じゃなくてエリカ達に聞くべきだと思うが?」

 

?「おお、それもそうだな隣いいか?」

 

美月「私はかまわないですけどエリカちゃんは?」

 

エリカ「私もいいけど、せめて自己紹介してからにしてくれない?」

礼儀も知らないの?と言わんばかりにため息混じりに了承するエリカ

 

?「おぉ悪かったな!俺は『西城レオンハルト』だ!よろしくな!!」

 

エリカ「えぇ。私は『千葉エリカ』よろしく、西城くん」

 

美月「私は『柴田美月』といいます。よろしくお願いしますね西城君」

 

達也「俺は『北山達也』だ。よろしくな西城」

 

レオ「おう!よろしくな3人とも!おと俺の呼び方はレオで頼むぜ!!」

 

達也「それなら俺は達也で頼む。義妹と分けるために基本下の名前で呼ばれてるからな」

 

エリカ「分かったわレオ。なら私はエリカでいいわよ」

 

美月「私のことは美月でお願いしますね。レオ君」

 

レオ「了解だぜ!あと、美月さん。敬語なしでもいいぜ?」

 

美月「ど、努力はしますね。」

 

講堂内にベルの音が響き 第1高校入学式が始まる

 

 

 

 

入学式が終わった後、達也達は自分達のIDを確認に息個人のIDを受け取っていた

 

レオ「達也は何組だ?」

 

達也「E組のようだな。レオは?」

 

レオ「オレもEだぜ。改めてよろしく!」

 

エリカ「私達もE組みたい。よろしくね2人共!」

 

美月「よろしくおねがいしますね。」

 

達也「あぁ。よろしく」

 

エリカ「所でみんなこのあと用事ってある?」

 

達也「義妹と待ち合わせて帰る以外はとくにはないが?」

 

レオ「オレもないぜ」

 

美月「とくにないですよ」

 

全員に用事がないことを聞いてエリカがヨシッと言い

エリカ「みんなで食べに行かない?親睦深めもあわせてさ」

 

レオ「おぉ!ナイスアイデアだぜ!」

 

エリカ「でしょ!てなわけで達也君も雫には「アノ店」で待ってるってメールしといて♪」

 

こうなるととまらないな。と達也は諦める

達也「分かったよ。」

 

 

その頃雫達は

雫「ほのか。帰ろう」

 

ほのか「そうだね!帰ろっか」

2人共クラスの確認とIDを受け取り帰ろうかと思っていた頃

 

深雪「北山さん。少し時間をもらえませんか?」

先ほどの入学式で新入生総代を務めた『司波深雪』がいつの間にか佇んでいた

 

雫「かまいませんよ。と言うわけでほのか先に・・・?

ほのかに先に帰るように言おうと思っていたら携帯端末にメールが届いていた

 

雫「あの、司波さん」

メールを確認してもいいか目で聞く

 

深雪「ええ。どうぞ」

了承を得てメールを確認すると「知り合った二科生の人達と一緒に出掛ける」と

書いてあった。

これだけでは少し違和感があるのだがメールの最後に

「エリカに捕まった」と書いてあったので納得した

 

ほのか「雫。」

どうやら同じ文面のメールがほのかにも届いていたようだ

 

雫「多分いつもの店だと思うから先に行ってて、ほのか」

 

ほのか「うん。先に行くね」

 

 

ほのかの背中が見えなくなってから雫は深雪に向きなおす

雫「それで?」

 

深雪「とりあえず屋上に行きましょう。ここでは不味い話ですので」

 

 

第一高校 屋上

雫「それで何の用?四葉深雪さん」

先ほどの廊下での時とは違い。声に敵意が含まれる

雫は達也が追放された「本当の理由」を知ってはいるがそれでも

達也を追放した四葉家を許したわけではない

 

深雪「まずは謝罪いたします。貴方達を我が家の問題に巻き込んでしまい。

   本当に申し訳ありませんでした」

深雪は雫に向かって頭を深々と下げた

 

雫「そ、その。とりあえず頭を上げて?」

雫は驚いていた。まさか謝罪を受けるとは思っていなかった

 

深雪が顔を上げたところで雫は話しかける

雫「その言い方。もしかして貴女は「本当の理由」知っているの?」

 

深雪「はい。ですがその言い方は正確ではありませんね」

 

雫「どうゆうこと?」

先ほどの敵意は影も形もなかった

 

深雪「四葉、いえ「北山達也」を一族から追放したのは私の母親ではありますが

   追放を「お願いしたのは私」なんです」

 

雫「え?」

 

深雪「貴女も達也さんが四葉内部でどんな扱いを受けていたのか」

 

雫「・・・」

それは知っている。達也自身にも父親である潮にも聞いていたから

 

深雪「私と共に生まれたことで生まれた瞬間から「魔法力の差」があり。

   まともに行使できるのは「2種類の魔法のみ」その達也さんに四葉の対応は

   あまりにも卑劣でした。達也さんを完全なる「物」として見てました」

深雪の手がわずかに震える

 

雫「もしかして、それで達也を?」

 

深雪「はい。四葉内に居ては達也さんには少なくともいい人生歩めないと

   思いましたので」

 

雫「ねぇ」

 

深雪「なんでしょうか?」

 

雫「私は雫でいいから貴女は深雪って呼ばせてくれない?勿論敬語も無し」

 

深雪「え?」

 

雫「私は不器用だからこれ以外の手打ちの方法は見つからないから」

 

深雪「そ・・・その。よろしく!雫」

綺麗な目から僅かに涙を流しながら深雪は雫の申し出を受けることにする

 

雫「よろしく。」

 

 

 

 

放課後 エリカ御用達のカフェ「アイネブリーゼ」

女子人は紅茶とケーキを男子人はコーヒーとサンドイッチを食べていた

ほのか「雫、遅いですね」

食べていた手を止めてほのかはつぶやく

 

達也「・・・そうだな。」

 

そんなことを考えていると雫が来た

雫「ごめん。遅くなった」

 

達也「気にしなくていいよ。雫・・・!」

達也は驚いた。そう雫の後ろに居た人物その人に

 

深雪「皆さん始めまして。司波深雪です」

 

美月「あれ?もしかして新入生総代の司波深雪さんですか!?」

美月が驚いたように問いかける

 

深雪「はい。そうです」

 

 

その後達也達がそれぞれの自己紹介を終えて楽しく(?)談話をする

達也「(どうゆうつもりだ?雫)」

 

雫「(家に帰ったら話す)」

 

達也「(・・・’’絶対’’だぞ?)」

 

雫「(分かった。ほのかが寝たら部屋に行くから待ってて)」

2人がひそひそ話をしているのに食いつく女子が1人。

 

エリカ「2人って仲いいね!どんな関係!?」

 

達也「ただの幼馴染d・・・「婚約者」・・・雫!?なぜ話した!?」

ただの幼馴染と答えようとしたら雫に本当のことを言われてしまう

 

雫「事実だし。隠す理由もないから。」

 

達也「いやだg・・・「雫と達也君って婚約者なの!?」・・・。」

またしても言葉は途中で切られる今度は「思春期女子(エリカ)」によって

 

深雪「雫の婚約者って達也さんだったの!?」

 

達也「(今日はそう簡単には帰れそうにないな)」

心の中でゲンナリする達也だった

 

その後エリカに質問攻めを受けたのは言うまでもない

 

 

 

 

午後22時40分 北山家 達也の部屋

部屋の中には達也が椅子に座って自分のベッドに座る雫の話を聞いていた

達也「・・・」

 

雫「・・・と言うわけらしいよ」

雫は説明を終えた

 

達也「・・・」

 

雫「達也?」

 

達也「つまり俺はただの勘違いで’’血の繋がった妹’’を憎んでたわけか」

ハハッと自分の長年の勘違いに対し失笑する

 

雫「達也。明日の帰りにすることは分かっているよね?」

 

達也「あぁ。分かっているありがとう雫」

 

雫「どう致しまして」

すこし表情にやさしさを含んだ笑顔を達也に向ける

 

達也「それじゃあお休み。雫」

 

雫「うん。お休み達也」

 

 

雫がいなくなり静かになった部屋で達也は自分のベッドに入る

達也「(雫がお膳立てしてくれたんだ。過去とは明日で決別だ)」

 

 

 

 

【千葉エリカ】

剣道の名門。千葉家の娘である

雫の家との関わりも少しありそのときに達也と知り合った

剣術の腕は家の中でも5本の指に入るほど

基本人当たりは良いが渡辺摩利は

兄『千葉修次』をとったとしてみているため仲は良くない

とはいってもある程度の信頼と尊敬は抱いている

 

 

【柴田美月】

[霊子放射光過敏症]をさけるために眼鏡をしている

かなりオットリしている時々すごく派手に自分の世界に入ることがある

年頃なので恋バナには関心的

 

 

【西城レオンハルト】

元気がよく体も頑丈である。その頑丈さは大型2輪と衝突しても

骨折ですむレベルである

初めて会った達也たちに「レオで頼む」などと

かなり社交的ではあるが勉強は「暗記で済ませる」タイプなので

勉学は苦手である



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北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生 入学編4

内容は変えません!そう宣言していた頃が懐かしいですね
セリフやら文字の並びやらを修正などしてしまった( ̄▽ ̄;)


九重寺 中庭 4時20分

現在中庭中心では雫の兄「達也」と達也の師匠「九重八雲」

戦いが繰り広げられていた

八雲「いやーやるねぇ。もう体術だけなら達也くんには

   適わないかもしれないなぁ」

 

達也「そんなことを言いつつ俺の攻撃を全て避けてる

   じゃないですか」

 

八雲「そりゃあ僕は師だからね簡単に教え子には負けられない

   負けなんてしたら門下に逃げられてしまうよ」

 

達也「たまには門下の威厳も立たせてくれてはどうです!」

達也は発言と共に戦いは再開された

 

 

結果は達也の負け

彼にしては珍しく息を乱しながら地面に方膝をついていた

達也「今日こそは勝てると思ったんだが。まだまだか」

 

八雲「少なくとも今の君は僕に勝てるほど強くはないからね」

 

達也「そのうち勝って見せますよ」

 

八雲「期待しているよ。ただし今日は速く帰ることをお勧めするよ。今は5時10分だ」

 

達也「そうですね。速く帰らないと朝御飯が食べられないかもしれませんから」

 

八雲「それでは達也くん。また明日」

 

達也「はい先生。明日は水波も来ると思います」

 

八雲「水波くんたちは今日帰ってくるのか。明日が楽しみだ」

 

達也「えぇ。それでは」

 

 

北山家 洗面所 午前5時40分

現在この場には一組の男女が居る。某アニメならここで

「ふこうだー」の声と共に電撃やら噛み付きやらが出るが

今はどちらも固まっていてその雰囲気はない

ちなみに居るのは北山達也と光井ほのかの2人だ

ほのかは朝食が出来たと達也に風呂場の扉越しに報告を

するだけのつもりだったが入ったらちょうど達也が

上がり、着替えているところだったのだ

 

ほのか「そ、その。」

ちなみに言うと達也は下半身は下着と部屋着ズボンを着用

しているが上半身は何もまとっていない

 

達也「ど、どうしたほのか?」

流石の達也もこの状況には耐えがたく少なからず動揺している

 

ほのか「あ、朝御飯が出来たのでリビングに来てください!」

顔を赤くし逃げるようにほのかはリビングに向かう

 

達也「(幼馴染といっても15才の女の子(思春期)だな。

    まぁ。仕方がないか)」

 

 

 

 

第1高校 1-E 

現在達也の席を中心に4人でHRまで談笑していた

前の席で椅子の背もたれに体を預けながら会話するレオ

姿勢のいい座り方で左隣の自分の席に座る美月

その美月の机に軽く腰掛けているエリカ

レオ「へぇ~朝にそんなことがあったのかおんもしれぇな!」

 

達也「面白くないよ。結局気まずい雰囲気で朝食にしてたら

   雫に疑われてあとすこしで俺は学校じゃなく病院行きになっているところだったよ」

 

エリカ「もしかして・・・魔法使われたの?」

苦笑い状態で「流石にないよね」と聞いてくる

 

達也「その通りだよ」

 

レオ「うわぁ-ご愁傷様」

レオの顔は笑顔こそ消えていないがそれでも引きつっている

 

美月「で、でも達也さん。魔法ありの嫉妬なんて

   それだけ雫さんに心を許してもらえてるんですよ。ね」

 

達也「まぁ出来るだけ穏便に済ませるさ。ん?」

達也が話を完結させようとしたら雫からメールが届いた

内容は『みんなで集まって食堂で食べよう』とのことだった

 

レオ「愛しの彼女からのメールか?」

レオは半分ニヤケながら達也をいじる

 

達也「はぁ。勘弁してくれ」

達也は脱力感により方を一気に落とした

 

第1高校 食堂 12時40分

そこには二科生組のみが集まって昼食を取っていた

雫達はまだ食堂にも来ていない

エリカ「3人共遅いね」

 

レオ「そうだな。ま、昼休みは後50分もあるし大丈夫だろ」

 

ほのか「すいません。みなさん遅くなりました」

 

雫「ごめん。待たせた」

 

深雪「お持たせして申し訳ありません」

各々が謝罪を終え席に座ろうとすると雫達の後ろから来ていた

集団の内のリーダー風の1人の男子が話しかけてきた

 

森崎「司波さん、北山さん、光井さん。僕らと一緒にあっちで

   食べようよ。クラブの事とかも話したいしさ」

森崎が言うとともに森崎の後ろに居た集団も何人か頷いたり

「そうだよ」などと言う

 

達也「(なるほど。一科生(エリート)の連中か)」

 

雫「達也は家族。私は家族と食べたい。」

 

ほのか「私も雫に同意権です。」

 

深雪「というわけで、私達はこの方達と・・・」

深雪が言うことに気づいたのか森崎は達也達の制服の肩を見る

 

森崎「二科生との相席なんてやめたほうがいい」

森崎の背後で「一科と二科のケジメはつけた方がいい」や

「補欠なんかとの食事はやめなよ」などの声も上がる

 

このセリフにいかにも「好戦的です」という2人が反応する

レオ「あ?おい、どういう意味だよ」

 

エリカ「レオの言うとおりよ。雫は家族と食事したいって

    言ってるじゃない。一科も二科も関係ないわ」

達也の横で今まで聞いていた美月も頷く

 

森崎「優れた者は優れた者と共に居るべきだ劣っている者と

   一緒に居てはその貴重な才能を潰すことになるからね」

森崎は一拍置き

 

森崎「僕らブルームは優れた者。君達ウィードは劣っている者

   それは学校の成績が証明しているだろう?」

あざ笑うかのように森崎は達也達を見る

 

レオ・エリカ「ッ!」

 

達也「(そろそろマズイか)美月。話を合わせてくれ」

唯一自分以外に冷静さを残していた美月に協力を試みる

 

美月「分かりました。」

マジメで張り切った顔と言葉でOKの返事をする

 

達也「雫、俺達は食べ終わったからもう行くよ」

 

美月「そうですね。エリカちゃん・レオ君、行きましょうよ」

2人の発言にレオは固まっているが僅かに冷静さを残していた

エリカは少しして2人の発現の真意を理解した

 

エリカ「そうね。行くわよレオ」

 

レオ「お、おい」

レオはいまだに理解できておらず少し困惑している

 

エリカ「いいから。行くわよ」

 

レオ「お、おう?」

まだ理解は出来ていないがために疑問系で返答をした後

達也達の後に続いて歩いていく

 

雫「・・・」

 

ほのか「し、雫。とりあえず落ち着こ?ね?」

付き合いが長いため雫の機嫌が悪いのを即座に察知し落ち着く

まずはことを提案する

 

雫「・・・大丈夫。私は落ち着いてるよ」

明らかにストレスのたまった声でほのかに返事をする

 

ほのか「(う~怒ってる)」

雫が自分や達也等の彼女が家族と認めている者の問いかけ

に対し間を置き返事をするのはいつも機嫌が悪いときである

 

深雪「・・・では貴方方はここの席を使用してどうぞ。」

 

ほのか「え?深雪でも・・・!」

深雪の目が考えのあるという目であったためほのかは反論を

やめて後ろで今にも無意識で魔法を発動しそうな雫をなだめる

 

森崎「ん?どうゆうことだい?僕らは君達と食事したいと言っているんだけど?」

後ろの集団も森崎の発言に頷く

 

深雪「では聞かせてもらいたいのですが。貴方方はなぜ私達と食事をしたいのですか?」

 

森崎「さっきも言っただろう?成績優秀な者は成績優秀な者と

   共に居るのがベストだから食事をしたいだけさ」

森崎の言い分はこうだ

 

優等生なら家族だろうと親友だろうと関係ない

 劣等生とは行動をせず優等生と共にいて優等生でいるべきだ

 

つまりは文字通りエリート思想の人間のパターンだ

 

深雪「そうですか。ならば私達はあちらにいる十三束さん達と食事させて頂きます」

 

十三束「!?」

突然相席指名をされ、「俺らか!?」と反応をする

隣に座っている連れも同じ反応だ

 

森崎「ま、待ってくれよ!なぜ彼らとなんだ?」

後ろの集団もまったく同じ反応だ

 

深雪「貴方の言い分では『優れた者は優れた者といろ』に

   なるのでそうしただけですよ」

 

森崎「それがなんで彼らと食事をすることに繋がるんだ!」

 

ここで回復した雫が深雪の意見に同調する

雫「関係ある。さっき居なくなってしまった達也も含めて

  深雪や私達が一緒に食事をしようと誘った人達はみんな

  入試の成績の上位者。貴方たちの言う『優等生』」

 

森崎「・・・クソッ」

自分の言ったセリフを使われて反論が出来ない森崎は

後ろの集団を連れてどこかへ行ってしまった

 

 

深雪「相席を了承して頂きありがとうございます」

 

雫「ありがとう」

 

ほのか「ありがとうございます。」

 

十三束「まぁ気にしないでくれ。僕如きがこんな美少女達と

    食事できるなんてありがたいしさ」

十三束は深雪達から眼を放さずに見ている

 

エイミィ「むぅ!」

突然ムッとしたエイミィはテーブルの下で十三束の足のすねを

思い切り蹴った

 

十三束「イッテー!!」

十三束の叫びが食堂に響き渡る

 

 

個人による自己紹介が終わった後十三束は先ほどの一件での

達也達や深雪達の対応を褒めていた。

十三束「君達勇気あるね。あの集団に少数で挑むだなんて」

 

エイミィ「私はあのタイプ嫌いだから見ててスッキリしたよ」

ニコッよりもニパッの効果音が似合いそうな笑顔で応える

 

深雪「私は成績などで差別をする輩とは気が合いませんので」

 

雫「私の家族を中傷する人と行動する必要はない。」

 

ほのか「私も同意権です。」

 

エイミィ「でも何であんなに二科生を見下してるんだろうね」

 

十三束「悪口になってしまうかもだけど。一番、差別意識が

    あるのは””差別を受けている者””なんだってさ。まぁ分からない感情でもないけどさ」

自分の体質は一種の劣るものに分類されるため皮肉気味に笑う

 

エイミィ「そ、そんなことはないよ!鋼h・・・」

エイミィが半分泣きそうになりながらフォローしようとすると

ポンッとエイミィの頭に十三束の手が置かれ頭を撫でられる

 

十三束はエイミィを撫でながら深雪達に向きなおし口を開く

十三束「と、まぁこんな僕でもこうやってフォローしてくれる

    優しい幼馴染がいるからさ。諦められないんだよね」

 

エイミィ「なんか私が鋼の枷になってる様に聞こえる」

 

十三束「いや、いい意味での枷さ。」

 

エイミィ「結局枷じゃない。」

少しふてくされた様に言うがそれでも頭を撫でてもらって

すごく嬉しいようだ。見ているこっちまで癒されそうだ

 

ほのか「雫、深雪あれってさエイミィ鋼君の事がs・・・」

ほのかが言い切る前に深雪によって止められた

 

雫「ほのか。こうゆうのは見ているほうが楽しいんだよ」

確かに少し雫は楽しそうだ。もっともそれが分かるのはこの場

ではほのかのみだが。

 

深雪「雫の様に遊び心全快ではないけど私も同意権よ。

   それにエイミィは自分で想いを伝えることで成長できるわ

   私達が十三束君に教えてはだめよ、ほのか」

 

ほのか「わ、わかった。」

そういった後ほのかは満面の笑みでメールを打ち始めた

 

雫「(エリカに教えてるんだね。おいしい物件発見って)」

 

深雪「(今日の放課後は”二重の意味”で騒がしそうね)」

 

 

第1高校 生徒会室 13時05分

達也は先ほどの食堂での出来事を報告しに生徒会室に来ていた

達也「・・・というわけです。細かい内容は食堂の天井設置型カメラで確認できると思います。」

 

摩利「なるほどな。分かった確認はしておこう」

 

真由美「入学して2日目に既に一科生に目をつけられるなんてね。ワザとじゃないわよね?」

少し頭を抑えながらまさかと思い達也に問いかける

 

達也「俺だって予想外の出来事でしたよ。」

 

摩利「ま、想定外の出来事にそこまで対処できるのは流石だな真由美に聞いていた通りだ。」

 

ため息を吐きつつ真由美を見るとワザとらしく目をそらした

達也「それでは、俺はこれで」

 

摩利「待ってくれ達也くん。これを君に渡しておくよ」

白色で上部にカメラがついているダブレット端末を渡される

 

達也「・・・分かりました。保険ということで受け取ります」

 

摩利「あぁ。”保険”だよ」

 

 

 

 

第1高校 校門前 17時20分

森崎「僕らは司波さん達に話があるんだ!お前らウィードには

   関係ないだろ!ウィード如きが僕らに指図するな!」

 

美月「司波さん達は達也さんと帰りたいと言ってるんです!

   なぜ自分の意思を折ってまで貴方達の意見に従う事になるんですか!」

 

森崎と美月が言い争っているのを後ろから見ていた達也は

心の中でため息をしていた

達也「(保険とはよく言ったものだな。その保険が役に立っていなければ意味がないだろうに)」

既に摩利から預かったタブレットで状況の録画はしている

 

すこし経つと2人の言い争いが終わりそうになった

美月「同じ新入生じゃないですか!今の時点で私達と貴方達の何が違うんですか!」

 

美月の発言に昼の食堂のときと同じくあざ笑う

森崎「フッ・・・何が違うかだって?教えてほしいか?これが!お前らとの実力の違いだ!」

森崎は腰から下げていた「速度重視型CAD」を抜くと同時に

「圧縮空気弾」を放つ魔法を放とうとした

 

その魔法発動の前兆に後ろで見ているだけだった3人が気づく

雫「達也!」

達也に止めるように指示をする

 

達也「分かっている。ほのか、頼む」

 

ほのか「はい!」

ほのかは瞬間的な閃光魔法を発動させる

 

森崎「!。」

突然現れた光に一瞬だけ躊躇うが構わずに魔法を発動させる

が、発動せずに自分の腕に衝撃が走った

あわてて周りを見回すと達也が自分に向けて手を向けていた

 

達也「いい加減にしろ。自衛目的以外の魔法の使用は校則以前に犯罪行為だ。」

落ち着いた声で森崎向けていた手を下ろしながら森崎に言う

 

しかしこれで下がることは無かった

森崎「・・・うるさい!ウィード如きが僕に指図するな!」

先と同じ空気弾の魔法を発動させる。何をしたのか知らないが

達也はまだ手を向けてすらいない。防げるはずがない。

そう確信したが今度はまったく別の方向から何かが飛んできて

自分のCADに当たった。その衝撃でCADを手放す。

 

森崎はCADを拾うことさえせずに飛んできた方向を見る

真由美「やめなさい!先ほど達也くんの言ったとおり

    ”自衛目的以外”魔法の使用は”犯罪”行為です!」

生徒会会長七草真由美がこちらに手を向けしっかりとした声で

言い放つ。圧倒的な威厳のある声だ

真由美が言い終えるとその後ろから1人の女性が現れる

 

摩利「風紀委員長の渡辺摩利だ!全員大人しくしろ!」

 

真由美「私も摩利も起動式は展開済みです。」

 

その場が静寂に包まれる

摩利「よし。そこの1年名前は?」

手を下げることも声のハリを切ることなく森崎に名を問う

 

森崎「い、1-Aの森崎駿です。」

 

摩利「了解だ。森崎、話が聞きたい風紀委員会室へ同行しろ」

 

森崎「え?な、なぜですか!?」

 

摩利「先ほど達也くんも真由美も言っただろう。君が”自衛目的外で魔法を使用”したからだ」

”そんなことも分からんのか”と言わんばかりに答える

 

森崎「し、しかしそれは彼らが一科生である僕らを・・・」

 

摩利「君の言い分は容易に予想が付くんだが、私は君の意見を

   認めることは出来ない。特に”風紀委員”として認めることは出来ない」

 

森崎「ど、どうゆう意味です!?」

 

摩利「・・・君は学校側に禁止されている言葉を使用し彼らを

   中傷した挙句魔法を不正使用しただろう。おっと証拠ならあるぞ。な?達也くん」

 

どうゆうことだ?と周りが視線を達也に集める

達也「はぁ~証拠が欲しいなら最初の数秒だけで十分だった

   のではないでしょうか?」

といい制服の胸ポケットからタブレット型端末を取り出す

 

達也から端末を受け取ると摩利は説明を再会する

摩利「昼休みに達也くんから報告と相談を受けていたからな

   もし食堂での一件と似たような事になった時のために保険として渡しておいたんだ。

   昼の食堂内での言い争いは確認済みだし、

   達也くんに預けて置いたこの端末に君が手を出す瞬間もあるだろう

   ・・・それで?まだ反論があるか?」

一瞬にして摩利の眼は鋭く厳しい眼に変わる

 

森崎「・・・いえ。ありません」

 

摩利「それでは同行してもらおう。」

そう言って摩利は森崎を連れて風紀委員室に向かう

 

そこに残っていた真由美がほのか達に話しかける

真由美「光井さん。先ほど閃光魔法を使ったのは不問にします

    貴女のおかげでケガ人が出る事なく済みましたから」

 

ほのか「は、はい!ありがとうございます!」

 

真由美「それと、達也くんもお手柄だったわね♪」

顔と顔とを急接近させながら達也にウィンクをする

 

達也「俺の魔法は間に合うかは賭けでしたよ。」

 

真由美「それなんだけど、さっき魔法って『術式解体』?」

なおも距離は離さずに会話を続ける

 

達也「えぇ。そうです」

 

真由美「もしかしてと思ったけど達也くん使えたんだ。

    そうだ、司波さん・達也くん・雫さん・ほのかさん

    明日のお昼休みに生徒会室へ来てください。」

 

達也「事情を聞くという事で理解しても?」

 

真由美「えぇ。そう理解してくれるとありがたいわ。

    それでは明日、生徒会室で会いましょう」

そういって真由美は校舎側へと歩いていく

直後に何かを思い出したかのように向き直る

 

真由美「そうだ達也くん水波ちゃんはいつから来るの?」

 

達也「今日帰宅するので明日からの予定ですよ。」

 

真由美「分かったわ。なら明日のお昼は水波ちゃんも一緒に

    来るように伝えておいて。」

 

達也「分かりました」

 

真由美「それでは。明日生徒会室で」

今度こそ止まることなく真由美は校舎に入っていった

 

 

 

 

北山家 リビング 20時00分

現在リビングでは達也、ほのかの2人がそれぞれ課題を

進めたり本を読んだりと個人の時間に使っていた

雫は現在入浴中である

本当はこの時間帯はリビングに家族全員が居て母、紅音達の

旅行土産&話(潮との惚気話)を聞いていたはずなのだが

紅音達が一本乗る電車を間違えてしまい時間に

余裕が出て個人の時間に使っていた

本来は20時に帰ってくる予定だったが乗り違いし30分ほど

遅れるとの連絡が入っていた

ほのか「達也さん、ここの光学論理なんですけど・・・」

 

達也「あぁ。そこは~~~こうなるわけだ」

 

ほのか「なるほど。ありがとうございます」

ほのかは課題の最後の問題で苦労していたが達也の助力により

終わったところだった

 

直後雫も上がり髪も乾かしてさらに数分後

達也「・・・着いたな」

達也が呟くと同時に指で読んでいた本を閉じて玄関へ向かう

 

紅音「ただいま~」

 

潮「ただいま」

 

水波「ただいまかえりました」

 

達也「おかえり」

 

雫「おかえり」

 

ほのか「おかえり!水波ちゃん」

その後紅音の買ってきたお土産をそれぞり受け取り

息子と娘達が第1高校入学ということで軽いお祝い会をした

 

 

北山家 達也と水波の部屋 21時45分

水波「それで、お話とは?」

 

達也「明日のお昼は生徒会質に行くことになった」

 

水波「・・・さっそくやらかしたんですか?」

 

達也「いや、やらかしたんじゃ無くて巻き込まれた」

 

水波「・・・それで?なぜ私にも?」

 

達也「それが第1高校の生徒会長は真由美さんなんだが

 

   『水波ちゃんが帰ってくるなら明日は一緒に連れてきて!

    お姉さん久しぶりに会いたいわ♪』

 

   だそうだ」

 

水波「・・・明日は時差ぼけということで欠席しても?」

 

達也「ダメに決まっているだろう!」

「あの人の餌食にはなりたくない!」と達也は水波に頼み

水波はやっと了承する

 

 

 

 

【森崎駿】

大体は原作と同じ。ただし風紀委員にはならない

 

 

【渡辺摩利】

千葉修次とは関係は良好

ただしエリカには嫌われている。それでも根気強く付き合い

徐々に隙間を埋めることを目標にしている

根気強く付き合った結果「この女」ではなく「摩利」と

呼ばれるようにはなった

 

 

【十三束鋼】

遠距離形の魔法が使えず苦悩している

逆に近接戦闘は大の得意。実家に破門されており

今は幼稚園時代からの付き合いであるエイミィの家で

引き取ってもらい生活している

エイミィには感謝しても仕切れないと思っていて命を懸けて

エイミィを絶対守ろうと考えている

 

 

【明智英美】

フルネームは『アメリア=英美=明智=ゴールディ』

幼稚園の頃から十三束鋼とは知り合いで仲は親友以上恋人未満

十三束に対して恋愛感情を持っており自覚もしているが

当の本人が鈍感であるためなかなか気づいてもらえない

中学の頃に鋼が破門されると聞き親に頼み込んで養子として

鋼を義弟として迎えた。

 

【北山水波】 旧姓【桜井水波】

この作品では達也や深雪と同い年。

達也が北山家に養子入りする際に共に付き人として養子として

北山家に入る。達也には恋愛感情を抱いているが本人は否定

周りは「もうコイツ絶対達也好きだろ」と知れ渡っている

雫の両親が旅行に行く時等はメイド兼護衛として付き添う

真由美は子ども扱いされるため苦手

 

 

【九重八雲】

由緒正しき忍術使い



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北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生5

九重寺 中庭 4時30分

現在達也と水波の2人は八雲との真剣勝負を行っていた

 

八雲「いやぁ~達也くんは毎日来ていたから無理だけど

   水波くんはブランクによる弱体化を狙ったんだがね~」

 

水波「は!」

八雲が言い終える前に水波がしっかりとした姿勢での手刀を

放つが八雲に避けられてしまう

 

八雲「どうやら僕の見込みが甘かったようだねぇ」

こんなのんきな話し方でも達也と水波の攻撃を全て避けるか

受け流すかで対応しさらにしっかり攻撃もしている

 

 

数分後

昨日とまったく同じ状態が中庭にあった1つ違うとすれば

達也の横で水波が息を乱して片膝を付いているぐらいだ

 

八雲「水波くんは僕の言ったメニューをしっかりと

   毎日こなしたようだね。ブランクがないのが証拠だ」

 

水波「いえ、ブランクはある程度起きていましたよ。」

 

八雲「いやぁ~謙遜かい?謙遜も行き過ぎると嫌味だよ」

などという会話を終了し2人は帰宅した

 

 

第1高校 1-E 8時30分

レオ「そういや達也は今日生徒会室に行くんだっけか?」

 

達也「あぁ。真由美さんに呼ばれてるしあの人の呼び出しを

   無視するとどうなるかも知っているからな」

 

レオ「そうか。がんばれ!」

 

エリカ「ところで達也くん。」

 

達也「なんだ?」

 

エリカ「今日一緒に登校してた子って誰?」

 

達也「(水波か)それに関しては今日の放課後に説明するよ」

 

エリカ「もー勿体つけなくてもいいじゃん」

 

達也「放課後にアイネブリーゼで待っていてくれ。」

 

エリカ達「了解。」

 

 

 

 

第1高校 生徒会室前 12時40分

達也はここに来る途中で雫やほのか、水波と合流してから来た

ちなみに扉の前で既に5分程時間が経過していた

達也「・・・やっぱり俺が行かなきゃダメか?」

 

雫「達也。往生際が悪いよ」

 

ほのか「と、とりあえず入りましょうよ!ね、達也さん」

 

水波「それにここに居てはここを通る生徒に迷惑ですし」

 

達也「・・・・・・分かったよ。」

そういって達也はドアをノックし中から「どうぞー」という

真由美の声を聞き1人1人クラスと名前を言いながら入室した

どうやら深雪は既に到着していたようでダイニングサーバーで

作られた料理を食べていた

その後軽い自己紹介をし合いあずさが真由美にあーちゃんと

呼ばれ涙目になったりしていた。

 

ダイニングサーバーで各々が食事を終えると達也は自分達を

呼んだ理由を聞いた

達也「真由美さん。深雪さんを呼んだ理由は察しが付きますが

   何故俺達まで呼んだのですか?」

 

真由美「深雪さん我が校の伝統で生徒会に入って欲しくて

    お呼びしました。」

 

深雪「はい。喜んでお受けいたします。」

 

真由美「それでは、深雪さんは書記として入ってもらいます

    細かいことはあーちゃんに聞いてください。」

 

あずさ「先輩!さっきも言いましたが後輩の前であーちゃん

    はやめてください。私にも立場があるんです!」

あずさの半分涙目になりながらの反論にその場に居た全員が

「あ、これは『あーちゃん』だ」と思った。

 

達也「ところで真由美さん何故俺達が呼ばれたのかの

   説明がまだなのですが?」

 

真由美「それについては摩利から説明があるわ。」

真由美がそう言い摩利にバトンタッチをした。

 

摩利「達也君達を読んだのは私の指揮する風紀委員会に

   ついての関係の話だ」

 

達也「・・・・・・摩利さんまさか。」

 

摩利「あぁ達也くんを風紀委員に生徒会推薦枠で

   入ってもらえないかと思ってね」

 

達也「質問があります。俺は入学が決定した時点でここの

   委員会などの襲名制度などを調べてあります。

   その結果によると生徒会推薦枠の他に教職員推薦枠が

   あるはずです。その教職員推薦枠は誰ですか?」

 

摩利「教職員推薦枠は空席だよ。いや、君が空席にしたのさ」

 

達也「・・・・・・ということは1-Aの森崎ですか」

 

市原「えぇ。ですが渡辺委員長が拒否したため

   彼の風紀委員入りは取り消しになりました。」

 

摩利「我々は風紀委員会だ。

   風紀を乱すような差別用語の使用を止めるのも我々の

   仕事だし。風紀を維持する委員会の人間には禁止用語を

   使用する者が参加する事は認められない。」

 

達也「・・・1つ意見があります。」

 

摩利「なんだ?」

 

達也「俺は水波を風紀委員に、ほのかと雫を生徒会に推薦し。

   俺自身は風紀委員の辞退させていただきたいです。」

達也の発言にその場に居た全員が驚いた。

そして水波は珍しく「え!?達也兄さま!?」と声を上げる

 

摩利「・・・達也くん。理由を聞いてもいいか?」

 

達也「えぇ。理由は2つあります。

 

1.自分は二科生であるため一科生の先輩方を取り締ると

        先輩たちからの大量の反対の意見が出ること

 

2.昨日の一件で自分はいろんな者に割る目立ちしていて

          面倒なことになることが予想出来ること

 

   という理由です。その点水波であれば一科生であるから

   反感を受けずに済むでしょう」

 

摩利「ふむ。なるほどね、確かに意見は通っている」

摩利のその発言に達也は安心した。

 

摩利「だがそれらを踏まえても私は君に入って欲しいと

   思っているんだがな?」

 

達也「・・・風紀委員会の職務内容は先ほど摩利さんが

   言ったいた風紀の維持もそうですが主な職務は魔法を

   不適正使用をした者の摘発と魔法での騒乱の取締り。

   摩利さん、確認を取りますが風紀委員は魔法を使用した

   生徒を『力ずくで止める』事が仕事ですよね?」

 

摩利「あぁ出来れば昨日のように『使われる前に止める』事を

   頼みたいがな。」

 

達也「あのですね!俺は実技が悪いから二科生なんです!!

   昨日のはあくまで正面からの打ち合いだったからで

   ほのかによって森崎の魔法が一時的に止められたから

   俺の術式が間に合っただけです!」

達也のことを良く知る真由美や摩利、雫やほのか水波は

『うわぁ~すっごい謙遜だなぁ』と思った

 

達也「ですから~・・・!」

達也が途中で言葉を切ったのは周囲での魔法の発動の兆候を

感じたからである。そしてそれに無意識的に対応し術式解体を

使って術式を解体してしまった

 

摩利「ほぉ。今のに反応する人間が実戦では役に立たない

   といっても謙遜にしか聞こえないぞ。」

 

市原「というより。謙遜意外には感じませんね」

 

中条「北山君、既に規格外なレベルの戦力ですね」

 

達也「・・・何があっても俺を委員会に入れたいんですか?」

 

摩利「あぁ。君の力は大きな抑止力になるからな」

 

達也「・・・分かりました。お受けいたします。

   ですが1つだけ条件があります。」

 

摩利「なんだね?」

 

達也「先ほど俺が提示した案を採用して欲しいのです。」

 

摩利「さっきの。という事は水波君の風紀委員入りか?」

 

達也「そうです。」

 

摩利「水波君はいいのかい?」

 

水波「はい。兄さまに頼ってもらえて嬉しいので。」

水波が言い終えると昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った

 

摩利「達也君達。今日の放課後は空いているかい?」

 

達也「いえ、今日の放課後はエリカ達との約束があります。」

 

摩利「じゃあスグに終わらせるから2人は放課後に来てくれ」

 

達也「・・・分かりました」

 

 

第1高校 実習棟 13時40分

レオ「へ~達也、風紀委員になるのか」

 

達也「望んでではなく半強制的にだったがな」

 

美月「それでもすごいですよ。二科生で風紀委員なんて」

 

エリカ「でも達也くんも災難だねぇ。摩利なんかの部下

    だなんて。こき使われるよ」

 

達也「・・・(将来の姉にそんなことを言うなよ。エリカ)

   そうだエリカ、今日の放課後なんだが少し遅れるかも

   知れないから適当に食べて待っていてくれ。」

 

エリカ「(話をそらした)え?遅くなりそうなら私達は別に

    明日でもいいけど?」

 

達也「今日の支払いは待たせる分俺が持と思ったんだが~・・

だが達也が最後まで言い終える前にエリカが言葉を返した。

 

エリカ「なら待ってるね!レオ今日は達也君の奢りだって!」

 

レオ「おぉ!マジか達也!ダンケ!!!!」

 

達也「(現金なヤツらだな)」

 

 

 

第1高校 生徒会室 17時20分

達也達が向かうと昼休みのメンバーの他に1人男子がいた

その男子は入ってきたメンバー全員に挨拶を始めた

服部「始めまして司波さん。生徒会副会長の服部範蔵です。」

等と達也以外全員に挨拶を終えた。

 

服部「北山。久しいな2年ぶりか?」

 

達也「えぇお久しぶりですね。アレの調子はどうですか?」

 

服部「良好すぎて逆に疑いたくなるよ。今度メンテを頼む」

 

北山「では今週末にアチラへ来てください。その時にでも」

 

服部「あぁよろしく頼むぞ。それと、風紀委員かがんばれよ」

 

北山「はい。」

達也が答えると服部は用事があるからと生徒会室を後にした

 

その後達也と水波は風紀委員会室へ向かい

職務内容の説明だけ受けて雫達と合流しレオ達を待たせている

アイネブリーゼへ向かった

 

 

 

 

【中条あずさ】

外見は中学生ほどにしか見えないだが実は精神干渉系魔法の

「梓弓」を使える。過去に事故がありそれ以来は「梓弓」を

自分から使う事は考えていない。

FLTの熱狂的ファンで天才魔工師[トーラスシルバー]に

ただならぬ憧れを抱いている

 

 

【市原鈴音】

真由美が言うには「達也君に次いで表情が変わらない」らしく

彼女の顔大きく変化させることをを卒業までの真由美の目標

実技面もそつなくこなすがどちらかといえば本人は実技よりも

筆記の方が得意らしい。生徒会の会計を任されており

噂によると教師にも時々会計を頼まれたりしているらしい。

周りからは「真由美の世話役」として見られている

 

 

【服部範蔵】 本名:服部刑部少丞範蔵

2年ほど前に家の用事でFLTに行った時に達也の居る

「第3課」を見学し、その際に服部用に達也が1から調整した

CADを貰いそれ以来時々達也に調整をしてもらっている

トーラスシルバーの正体が達也であると知っているがCADを

貰った恩などを感じているため言いふらす事もしない

第1高校入学当初は二科生をウィードと読んでいたが真由美に

「お叱り」を受けて心を入れ替えた。今では摩利や真由美と

共に「差別」を無くすことを目指している。



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北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生6

アイネ・ブリーゼ 18時00分

委員会などの説明を終えてエリカ達を待たせている喫茶店へ

到着すると入店直後に大きな声で呼ばれた

エリカ「たつやくーん!こっちこっち!」

この前とは逆方向の窓際の席で大きく手を振り自分達の居場所を

教えてくれた

 

達也「すまないな。遅くなった」

 

雫「ごめんね。みんな」

 

エリカ「いいわよ。気にしないで。」

 

レオ「そうだぜ達也。堅苦しいのはやめようぜ」

 

達也「そうだな。水波、とりあえずエリカの隣に座らせてもらえ」

 

水波「はい。達也兄さま」

 

美月「そういえば達也さん。深雪さんは今日は来ないんですか?」

 

達也「あぁ今日は家の用事があるらしくて」

 

エリカ「ところで、貴女は水波(みなみ)ちゃん。でいいの?」

 

水波「はい。あっていますよエリカさん。」

 

エリカ「なんか深雪みたいね。とりあえず水波。敬語禁止ね。

    あと、さん付けもなし。堅苦しいのは嫌いだから」

 

レオ「そうそう。こんなやつに気ぃ使わなくても良いぜ」

レオの発言を聞いた途端エリカがレオの足に蹴りをお見舞いする

 

レオ「イッテー!!」

 

鋼「なんかどっかでこの構図見た気がする・・・」

 

エイミィ「サァァ。ナンノコトカナァー」

とあからさまに片言な声で目をそらした。

 

その後水波の自己紹介も終えある程度時間過ぎ日も暮れた為

お開きとなって明日の昼休みにもう一度このメンバーと深雪

で集まると言うことになった

 

 

第1高校最寄の駅 19時50分

エリカやレオ達は既にコミューターに乗って帰宅し雫達も先ほど

コミューターに乗ったが達也は駅から学校の方へ歩いていた

達也「・・・(司波家か。行くのは何年ぶりだろうな)」

達也が思考を巡らせていると背後に人の気配を感じた

 

達也「(数は1人。体格から見て女性か。いや、この気配は)」

そこまで考えるとフッと笑みをこぼし司波家へ歩き出した。

 

 

司波家前

達也がチャイムを押すと1分もしない内に深雪が出てきて

中へ案内をした。

達也「深雪さん。待ってくれ」

案内をするためスリッパを履きなおしリビングの扉を開けようと

した深雪に声をかける

 

達也「いつまでそこに隠れている気ですか?真由美さん」

塀の向こうでさっきから見え隠れしていた影が一瞬で真っ直ぐに

なり兵の陰から気まずそうに真由美が出てきた

 

真由美「えぇ~と。いつから気付いていたの?」

 

達也「帰宅中にマルチスコープで俺を監視していた時からです」

ちなみに昨日も同じ手段で俺を監視していましたね。と付け加える

 

深雪「・・・」

ちなみに真由美から見て達也の後ろに居る深雪は既に引いた顔だ

 

真由美「勘弁して達也くん。深雪さん」

 

達也「今回は見逃しますけど次ぎやったら容赦しませんよ?」

おおよそ高校生がする脅しとは思えないセリフをさらりと言う

 

?「深雪さん?流石に近所迷惑になるからここで口喧嘩するのは

  止めたほうが良いんじゃない?」

 

達也は司波家の中から出てきた人物を見て驚いた

達也「・・・水波・・・か?」

 

?「違うわよ達也くん。私は桜井穂波。あの子(水波)の母です」

 

真由美「歳の近い姉妹だったり?」

真由美も達也と同じく信じられないと言った顔だった

 

穂波「残念。実の母です。」

 

達也「嘘だろ」 真由美「嘘でしょ」

2人の開いた口は数分間閉じる事はなかった

 

 

 

司波家 20時15分

あの後外で喋るのもとどうかということで達也と真由美は司波家の

リビングへ招かれていた

深雪「どうぞ。」

と深雪は達也にコーヒー。真由美に紅茶を出す。

 

穂波「それで?達也くんの来た理由は予想が付くけど。

   真由美さんはどうしてここに来たのかしら?」

 

真由美「・・・・・・穂波さんは達也くんが四葉一家から

    ”追放された理由”を知っていますか?」

 

穂波「それが貴女がここに来た理由?」

 

真由美「はい。」

芯の取った強い声で穂波の質問に返す

 

?『それなら私が説明してあげるわ』

 

穂波「ま、真夜様!?」

 

真夜『久しぶりね。達也』

突然映し出されたディスプレイには現四葉家当主四葉真夜が

映っていた

 

 

司波家 22時00分 客間

あの後話が長くなってしまい。時間が遅くなってしまったため

達也と真由美は司波家へ泊まることにした幸い明日は休日だ

達也は雫に電話を入れ。真由美も真夜が弘一に連絡を入れてある

 

真由美「達也くんの追放を申し出たのが深雪さんだったとはね」

 

達也「俺は一昨日に雫に聞いていたので意外感は少なかったです」

 

真由美「・・・ねえ達也くん。」

隣の布団で寝ている達也に向けて話しかける

 

達也「・・・なんですか?」

 

真由美「四葉に戻りたい?」

 

達也「戻りたいですよ。」

 

真由美「じゃあ・・・」

 

達也「ですが、俺は今の生活に満足しています。雫やほのかが居て

   水波や紅音さんや潮さんが家に居て俺の帰る場所があり

   レオ達や摩利さんが『北山家の達也』ではなく唯の『達也』

   として接してくれる今の生活に俺は満足しています。」

 

真由美「そっか。」

と言った直後に横から静かな寝息が聞こえてきたので達也も意識を

そっと瞼を閉じ手放した

 

 

意識を手放してからどのくらい時間が経っただろうか達也は

司波家の付近に複数の気配を感じ目を覚ました

達也「・・・6、いや8人か」

呟き横で安らかな表情で眠る真由美の掛け布団を直してから静かに

玄関へ向けて歩む

 

穂波「あら?起こしちゃった?」

玄関につくと穂波がCADをケースから取り出し今から外の族を

排除しに行くため靴を履いているところだった

 

達也「いえ、この家の付近に複数の気配を感じたので。

   この賊達は人攫いですか?」

 

穂波「えぇ恐らくね。それで?6人だから私1人でも余裕だけど

   達也くんが片付けてくれるの?もちろん後始末はするわよ」

 

達也「数は6ではなく8人ですよ。穂波さんは真由美さんたちの

   ガードと族の後始末をお願いします。」

といって達也は迷いなくドアを開けた。

 

族は予想通り8人だった。話している言語はニュアンスから

予想をするにロシア語だろう

達也はため息を吐くと同時に賊の内2人が達也に向け攻撃を

仕掛けてくる

そこに冷静に達也は手刀で2人共意識を刈り取る

相手側に動揺が走る直後

相手側のうちかなり後ろに居る2人から想子の波動を感じ取った

達也は回避行動を取ろうとしたが”自分の後ろから”魔法が敵に

向かって飛んでいったその攻撃が狙われた相手にしっかり届くと

今度は耳に独特な”不快音”が入ってきた

達也「(キャストジャミングか)穂波さん。下がっていてください」

達也は体術で相手の懐に入りキャストジャミングを発動している

者を一撃で意識を手刀で刈り取った

これにより穂波は魔法が使えるようになった

その後2人が賊を片付けるのに数分とかからなかった

 

 

 

翌日 7時30分 司波家玄関

穂波「それじゃあ。達也くん、真由美さんまた来てね」

 

真由美「えぇ。今度は妹達を連れてきますね」

 

達也「それでは、お世話になりました。」

と言って達也は先に出て行った

 

 

北山家 8時05分

達也「ただいま・・・」

 

雫「お帰り。」

と言って雫は達也に抱きつく

 

達也「どうしたんだ?」

 

雫「んっ。達也成分の補給」

 

ほのか「お帰りなさい達也さ・・・って雫!何で玄関で達也さんに

    抱きついてるの!?」

 

この騒がしくもあり平和な日常に達也は

「俺はやはり今の生活に満足している」と再確認をした

 

 

おまけ

北山家 洗面所

水波「・・・」

 

達也「・・・」

現在洗面所には

バスタオルで体をギリギリ隠している状態でフリーズ中の水波と

この状況に対しどう反応するか迷っている達也の2人が居た

達也はただ手を洗いに来ただけだったのだがドアを開けた瞬間に

バスタオルでギリギリ体が隠れている状態の水波と会った

達也「・・・(なんだかデジャブな気がするな)」

もっともあの時とは状況が逆だが

 

水波「・・・////////」

状況に思考が追いついたのか水波の顔が紅潮していく

 

水波「キャーー!!//////////」

水波の叫びと共に北山家の一家全員が駆けつけ達也が

一方的な裁判にかけられ

後日穂波にも呼び出され同じく一方的な裁判が行われた

 

 

 

 

 

『桜井穂波』

この作品では水波の実の母で深雪のガーディアンになっている

桜井家として『障壁魔法』は十八番で十文字家にも

『ファランクス』が無敵の『障壁魔法』なら桜井穂波の

『障壁魔法』は最高の盾だと言われている

水波に対しては親バカになる

 

『四葉真夜』

書類上は達也と深雪の母だが実際には達也と深雪の本当の母は

『四葉深夜』で彼女に「達也達を幸せにしてあげて」と言い残され

元から甥バカだったのもあり深雪の「達也の追放」を実行した



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7話

放課後 風紀委員室

摩利「今年もこのバカ騒ぎの1週間がやってきた。

   魔法の撃ち合い、強制勧誘による被害の拡張、etc...」

グッと涙を飲むように言う。他の風紀委員達も同じ顔だ

 

摩利「だが喜べ!幸運にも卒業生分の補充が間に合った。立て。」

摩利の合図で達也と水波が立ち上がる

 

風紀委員「おいおい。二科だぜ」

 

発言には反応することすらなく続ける

摩利「1‐Cの桜井水波と1‐Eの北山達也だ。2人とも今日から巡回に入ってもらう」

 

風紀委員「戦力になるんですか?」

 

辰巳「大丈夫だよ。姉さん自ら入るように頼み込んだ相手だぜ?

   戦力にならないわけねえって」

 

沢木「気になるなら模擬戦でもしてみたらどうだい?」

 

風紀委員「いや、委員長が頼み込む程の人材だ。確認の必要性はないよ。」

 

達也(割と差別意識がないんだな)

 

摩利「話は纏まったようだな。孝太郎は少し残れ。

           それでは出動!!」

摩利の合図で右手の握り拳を左胸の前に当てる

何処ぞの巨人駆逐漫画の敬礼の手の平が上verと言ったところだ

 

 

摩利「2人にはこれを渡しておく。」

先日借りたビデオレコーダーと風紀委員の腕章を渡される

 

摩利「腕章は常に身につけること。ビデオレコーダーは胸ポケットに入れろ。

   丁度レンズの部分が出る仕組みになっている。

   問題行動を見つけたら即座に端末横のボタンを押せ。

   ただし、撮影を意識する必要は無い。

   風紀委員の証言は基本的に証拠として採用されるからな。」

 

達也「なるほど。証拠としてよりも保険としての役割の方が大きいわけですね。」

 

摩利「その通りだ。

   次にCADだが、風紀委員はCADの学内携行を許可されている。

   使用についても誰かに許可を求める必要も無い。

   だが、不正使用が発覚した場合は一般生徒よりも重い罰が課せられるから覚悟しろ。

   去年はいないが一昨年はそれで退学になったやつもいる」

 

達也「質問があります。」

 

摩利「許可する」

 

達也「CADは委員会の備品を使用しても構わないでしょうか?」

 

摩利「それは構わないが。あれは旧式だぞ?」

 

達也「旧式と言ってもエキスパート仕様の高級品ですよ。

   ・・・そうですね、中条先輩なら詳しく教えてくれると思いますが?」

 

摩利「いや、勘弁しておくよ。桜井はどうする?」

脳裏の一部にヒートアップしたあずさの姿が映るが、話を元に戻す。

 

水波「私は自分のCADを使わせていただきます。」

制服の裾をまくり腕につけているCADを見せる

 

摩利「了解だ。ただし、1度生徒会室に寄れ。

   CADを登録しなければならない。

   この部屋でもできるんだが私はメカメカしい物は苦手でね。」

 

水波「分かりました。」

 

摩利「それじゃああとは聞きたいことはあるか?

   よし、それでは行ってこい!」

達也達の顔色から質問がない事を確認すると達也達を送り出す

 

辰巳「北山、桜井。ガンバな!」

と、手をだし達也とはハイタッチを水波とは握手を交わす

 

 

その後、風紀委員室を出たタイミングで辰巳の「イッテェ!!!!」という叫びと

バカーンッという打撃系の音が廊下に響いた

 

 

 

風紀委員室を出た後、水波のデバイス登録をするために生徒会室に来ると

丁度服部が出てきたところだった。

 

達也「先輩。昨日ぶりですね。また何処かへ行くんですか?」

隣の水波もペコリと頭を下げる

 

服部「あぁ。生徒会の仕事をしたいところなんだが部活連の十文字先輩に呼ばれていてな。

   俺の分の仕事は中条が片してくれてるからいいんだが。」

ハァ。とため息とともに肩を落とす

 

達也「大変ですね。先輩も」

 

服部「まったくだ。今度食事でも奢ってやるくらいじゃなきゃ頭が上がらんよ

   それよりお前らがここに居るって事は。・・・デバイス登録か。」

 

達也「はい。俺は風紀委員室に置いてあったのを使用するのですが

   水波は自分のを使用するので。」

 

服部「へぇ。風紀委員室にそんなものがあったのか。

   あぁ、桜井。中条には気をつけろよ。」

 

水波「それは、どうゆう事ですか?」

 

服部「なに、入ればわかるさ。」

と言って達也たちの横を通って行く

 

水波「どういう意味合いでしょうか?」

と小首を傾げる

 

達也「予想は着くけどな。」

と、肩を落しつつノックをして扉を開けた

 

 

生徒会室

室内には他の生徒会メンバーは居らず、あずさのみが書類の整理などをしていた

あずさ「あ、北山君、水波さん。生徒会に何か御用ですか?」

 

達也「俺は無いんですけど水波のCADのデバイス登録をしろと渡辺先輩に言われたので」

 

あずさ「あぁ。なるほど。少し待ってくださいね。」

と、検査機を棚から取り机の上に配置する

 

達也(FLT社製の小型検査機か。)

あれを作るのには苦労したな。と設計工程を思い出しすこし微笑む

 

あずさ「それでは桜井さん、CADを出してもらえますか?

    あ、一度外してから、検査機の上にお願いします。」

水波は腕輪型CADを外し検査機の乗せる

するとあずさが画面に向けていた目を水波のCADに視線変更する

 

あずさ「え!?これってシルバーモデルじゃないですか!しかもこのカラーリングは

    わずか数台しか作られていない限定モデル!!」

ものすごい勢いで水波に詰め寄るがCADを作り、プレゼントしてきたのは達也なのだ

水波は「私に言われても困りますぅ」という表情しかできない

 

達也「(服部先輩が言っていたのはこういう事か。まぁ予想はしていたが)」

と苦笑い気味に言われた意味を今になって理解した。

すると二つの視線が自分に向けられている事に気付く。もちろん水波とあずさだ

 

達也「な、なんでしょうか?」

 

あずさ「水波さんの視線が北山君に向いていたのであのCADをプレゼントしたのは

    北山君だと推理しました!あれはどこで手に入れたんですか!?デザインから見て

    あれは数年前に発売された最新作ですよね!!それから・・・」

キラキラと好奇心満載の視線でズンズンと達也に詰め寄る

達也がふいに視線を泳がせ水波を見ると「申し訳有りません」と目で謝っていた

 

達也「(勘弁してくれ。)」

心の中で思いっきり深いため息をついた

 

 

その後あずさの話から解放されたのはさらに10分以上後だった

 

 

 

水波のデバイス登録が終わりあずさのトークからも解放された2人が

巡回のために校舎外に出るとその場は間違いなく、『お祭り騒ぎ』だ

しかも、中心辺りに見知った赤髪の美少女を見つけてしまった

 

達也「さっそく仕事のようだな。水波、走るルートを先導してくれ。」

はぁ。とため息をつくと水波に指示をする。水波は頷きテント裏を進んでゆく。

水波も美少女だが風紀委員の腕章を見ると勧誘する事が出来ないらしい

近づいた部活関係者はほぼ全員回れ右をして戻ってゆく

 

 

エリカ「ちょっ、や、やめてください!」

 

バレー部員   「この子可愛い!」

バトミントン部員「ねぇねぇウチでマネージャーやらない?」

柔道部員    「お前ら!その手を離せ!彼女は柔道部が貰っていく!」

 

これ以上はいけない。と咄嗟に判断し魔法を発動させる

エリカを中心に少し地面を揺らす程度の振動系魔法。

もともと雫の得意分野の魔法だ。範囲指定方法など、全て雫の直伝である

 

よろけかけたエリカの手を握り「走れ」と言うとエリカも共に走り出す。

その後は水波に先導してもらい、校舎裏に一時避難した

 

校舎裏

達也「ここまで逃げれば大丈夫だろう。エリカ大丈夫...か。」

僅かに乱れた息を整えエリカに向き合う。が絶句してしまった

 

エリカ「もう、大丈夫な、わけ。・・・ッ見るな!!!!////」

先ほどの囲まれていた時だろう。制服が乱れ、下着が見えてしまっていたのだ

 

水波「・・・」

静かにCADに指を走らせ、小さな障壁を達也の頭上に配置する。

そして静かに障壁を達也の脳天に向けて......落とした。

 

ゴンッ!

 

鈍い音が響くと同時に達也は膝から崩れ落ち、頭を抑える

 

達也「...ォォォオオォ!」

言葉にならない叫びが達也の口から漏れる

 

水波「エリカ、今の内に。」

と、身なりをなおすように言う

 

エリカ「あの、障壁って結構硬いよね?そんなの食らって達也君大丈夫なの?」

服をなおしながら聞きたかった質問をする。

 

水波「オシオキだからいいの。」

 

エリカ「そ、そうなんだ。」

パパッと制服をなおしてゆく

 

 

 

第一高校 第2小体育館

パンッ!

竹刀と竹刀の打ち合う音と、素足で床を動く音のみが響く

あの後、痛みから開放された達也がエリカに謝ると、「ちょっと付き合いなさいよ」

と、色々な場所を引っ張り回されていた

『現在は、剣道部の演舞の時間です』と、出入口などの電子パネルに表示される

入る前は少し楽しそうにしていたエリカだが。

 

達也「...お気に召さなかったみたいだな。」

 

エリカ「だってつまらないじゃん。見栄えだけを意識した予定通りの1本なんてさ」

 

水波「それは仕方ないことでは?」

視線を演舞の方へ戻す

 

達也「そうだな。武術の真剣勝負は殺し合いだ。

   あまり人に見せられるものじゃない。」

 

エリカ「クールなのね。」

 

達也「思い入れの違いだろ。」

すると、

 

水波「達也兄様。」

水波に呼ばれ視線を演舞の方へ戻す。

 

達也「トラブルか。」

また仕事か。とすこし心の中でゲンナリする

 

壬生「まだ剣術部の時間じゃないわよ!なんで待てないの!」

 

桐原「心外だなぁ壬生。あんなヤツら相手じゃあ実力が発揮できねぇだろうと思って

   協力してやろうと思ったんだがなぁ。」

 

壬生「勝手に乱入してきて協力が聞いて呆れるわ。」

 

桐原「先に手を出してきたのはソッチだぜ?」

壬生「桐原くんが挑発したからじゃない!」

 

 

エリカ「面白い組み合わせ(カード)ね。」

 

水波「あの2人を知っているのですか?」

 

エリカ「女子の方は壬生紗耶香。

    一昨年の中等部剣道大会女子部の全国2位よ。

    男子の方は桐原武明。

    一昨年の関東剣術大会中等部のチャンピオン。

    おっと、始まるわよ」

 

3人の視線が中央の壬生と桐原に向く。

達也「水波。俺が止めるのはやるから撮影を頼む。

   お前が危ないと判断したら障壁を。」

 

水波「・・・」

コクン。と頷き胸ポケットの端末の撮影ボタンを押す

 

 

桐原「心配するなよ壬生。剣道部のデモだ。

   魔法は使わないでおいてやるよ」

 

壬生「魔法に頼りきった桐原君が、純粋に剣技だけに磨きをかけた剣道部の

   私に勝てると思っているの?」

 

桐原「剣技だけに磨きをかけた、か。

   大きく出たなぁ壬生。だったら見せてやるよ。身体能力の限界を超えた

   次元で競い合う剣術の剣技をな!」

桐原が踏み出すと共に壬生も踏み出す

 

パンッ

 

桐原の竹刀は壬生の左腕に、壬生の竹刀は桐原の右肩に触れている

 

エリカ「相打ち、かしら?」

 

達也「いや、互角じゃないな。」

達也の言葉にエリカが目を凝らすと、桐原の竹刀は触れているだけだが

壬生の竹刀は切っ先が肩口に少しめり込んでいる

 

桐原「なッ、に!?」

 

桐原の竹刀を払い

壬生「真剣なら致命傷よ。素直に負けを認めなさい。」

 

 

桐原「・・・真剣なら?。ガッカリだぜ。壬生、お前真剣勝負がお望みか?

   ならお望み通り、真剣で相手をしてやるよ!」

瞬時に腕にまいたCADに指を走らせ魔法を発動させる

 

達也(振動系、近接戦闘魔法。)

 

『高周波ブレード』

黒板を引っ掻くような音を桐原の竹刀が放つ。

 

桐原「オオオォォ!!」

下から払うように竹刀を振る

 

壬生「ッ!」

すんのところで避けたが胴着には掠ったようで真ん中が少し切れている

 

桐原「どうだ、壬生?これが真剣だ!」

先ほどと同じく踏み込む

 

壬生「クッ......」

竹刀と竹刀なら払えば済む。だがあっちは真剣に等しい切れ味を持っているのだ

竹刀を当てたところで竹刀は真っ二つだ。

などと考えてる間に目の前に高周波ブレードの切っ先が見える

回避は不可能だ

 

 

エリカ「マズイ!!」

エリカが叫んだのと横を達也が通り過ぎるのはほぼ同時だった

 

達也「(高周波ブレードは振動系魔法。なら!)」

手のひらに魔法で振動を発生させ、桐原の竹刀を。

素手で掴んだ。高周波ブレードの振動を手のひらの振動系魔法で相殺したのだ

手が切れないのを確認すると同時に桐原の手首と胴着の襟を掴み

背後から地面に押し倒す。

反撃が出来ないように膝で肩口を抑えるのも忘れない。

 

桐原「ぐォ!」

突然の痛みに反応し、魔法は効果を失い元の竹刀になった

 

おいおい、ウィードだぜ

いや、でも腕章が

ウィードが風紀委員だと!?

 

野次馬がうるさいが気にすることなくポケットから

委員会の連絡用通信機を取り出す

達也「こちら、風紀委員。第2小体育館で乱闘発生。

   負傷者がいるので担架をお願いします。」

「お前がやったんだろ。」という周りの視線は気にしない

 

エリカ「え、いったい。何が達也くんは何をしたの。!?」



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