【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】 作:LN58
「待ちかねたぞ、少年!」
「行け、少年! 生きて未来を切り開け!!」
「未来への水先案内人はこのグラハム・エーカーが引き受けた!」
「これは死ではない。人類が生きる為の――――――!!」
「生きて未来を切り開け!! 〈ガンダム〉!!」
――――――未来を頼む。
「案ずるな少年。私は既に選んでいる。選んだがゆえに、きみの気持ちを察することもできた」
「いいだろう。そのきみの願い、このグラハム・エーカーが引き受けた!」
「さあ、心置きなく、旅立つがいい」
――――――〈グラハムガンダム〉! グラハム・エーカー! 世界の歪みを破壊する!
士道「俺の名前は五河 士道」
士道「俺自身は 今までも これからも ただのどこにでもいる普通の少年だと思っているけれど、」
士道「これから話す物語は きっと誰にも真実だと受け止めてもらえない 荒唐無稽なものかもしれない」
士道「だから、話半分に聞いてもらってかまわない」
士道「それでも、俺は憶えている限りの全てをこのビデオに記録しておこうと思っている」
士道「俺、五河 士道と精霊たちによる 俺たちの戦争 <デート> の軌跡と――――――、」
――――――グラハム・エーカー。俺たちの守護天使に導かれて到達した“武士道”の物語を。
士道「俺、五河 士道は 幼い頃に親に捨てられ、五河家に引き取られた養子だった」
士道「だから、自分が引き取られた先で妹になってくれた琴里や、琴里の父さんと母さんとは血がつながっていないってことに、」
士道「そのことを理解できる年頃になってから ずっと埋められない溝のようなものを感じていた覚えがあった」
士道「今 考えると、小さい頃の俺の悩みなんて大したことがなかったように思うけれど、」
士道「その頃の俺には家の中やその周りの小さな街の中が全てだったから、その小さな世界が 一度 壊された後、」
士道「実の両親と一緒に暮らしているような他の子から“みなしご”だなんて心無いことを言われ続けていたら、」
士道「まるで自分は居ちゃいけないみたい子だなんて思えてきて、本当にもう何もかもが嫌になっていた」
士道「正直に言うと、消えていなくなりたかった。誰もいない場所でひっそりと」
士道「でも、この時の孤独感が俺が再び精霊を救う原点だと考えると、何が本当に人のためになるかわからない“運命”ってやつを感じざるを得なかった」
士道「そう、そんな時だった」
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―――――――――
――――――
―――
カァー、カァー、カァー!
士道「どうして俺には本当の父さんと母さんが一緒に居てくれないんだろう?」
士道「どうして俺なんかが生まれてきたんだろう?」
士道「俺は本当はいらない子なんだ……」ポタポタ・・・
士道「琴里だってそう思っているに決まってる……ポタポタ・・・」
士道「だから、俺はもう家に帰らない」グスッ
士道「夕方の放送が鳴っても、どこか誰も知らない場所に、俺は行くんだ」トボトボ・・・
――――――まちたまえ、少年。そっちに行くと 近所のおじさん夫婦に鉢合わせるぞ。
士道「え!?」ビクッ
士道「だ、誰、今の声?!」キョロキョロ
士道「い、いない?」
グラハム『やはり、そうか』
士道「え」
グラハム『私は かれこれ きみが朝目覚めてから学校帰りの公園までずっと きみの側から離れられなかったのだが、』
グラハム『きみには私の姿が見えていないらしい』
グラハム『次いでに言わせてもらうと、きみ以外の人間にも見えていないようだ。つまり、今の私は世界から鼻つまみにされているとも言えるな』
士道「も、もしかして、オバケ!?」ガタガタ
グラハム『そうとも言えるな。今の私は俗に言う“幽霊”というものらしい』
グラハム『しかし、そんなことはどうでもいい!』
グラハム『少年!』
士道「は、はい!」ビクッ
グラハム『きみは最近しっかり朝ごはんも食べずに、ご両親や可愛らしい妹にもろくに挨拶もせず、重たい足取りで学校に行っているようだな』
グラハム『きみぃ、それではいかんのだよ、少年』
グラハム『きみのそうした振舞いが いかに家族を心配させているかを きみはもっとよく知るべきだ』
士道「で、でも、俺は 父さんと母さんの本当の子じゃない 琴里の本当のお兄ちゃんでもない“みなしご”なんだって、みんなが――――――」
グラハム『少年よ、一言 言わせてもらおう』
グラハム『空気など読むな!』
士道「ええ?!」
グラハム『少年、たとえそれが覆しようのない現実であったとしても、『無理が通れば道理が引っ込む』と言うではないか!』
士道「自分で『覆しようのない』ってことを言っているのに、何ができるっていうんだよ!?」
グラハム『ちがう! 変えるのは“現実”ではなく、“自分の認識”を変えるのだ!』
士道「何それ? 何だよ、それって? わけがわからないぞ!」
グラハム『では、少年』
グラハム『きみは きみのことを“みなしご”にしたような本当の父親と母親に 心の底から会いたいと願っているのかね?』
士道「え」
士道「それは…………」
士道「………………」
グラハム『落ち着いて考えてみるのだ』
グラハム『少年が 今 欲しいのは“家族”であって、きみを“みなしご”にした両親ではないはずだ。そうではないのか』
士道「あ…………」
グラハム『なら、その思いの丈を曝け出すといい』
士道「だ、誰に?」
グラハム『――――――きみを“家族”として迎えにきた人たちに、だ』
士道「え」
琴里「おにーちゃん! もう本当に心配したんだからね! バカァ!」
士道「ごめん、琴里……」
養父「士道くん、本当にすまなかった。寂しい思いをさせてきたね」
養母「士道くん、一緒にお家に帰りましょう。ね」
士道「う、うん。ごめんなさい……」
士道「あ、あの…………」
グラハム『さあ、行くがいい。困ったことがあれば 遠慮なく 私を頼るといい』
グラハム『姿は見えなくとも、私はいつもきみの側にいる。それがきみと私の宿命のようだからな』
士道「う、うん!」
士道「あ、ありがとう、お、おば――――――」
グラハム『はたして、幽霊となった今の私に名前など相応しいかは疑問ではあるが、』
グラハム『あえて言わせてもらおう』
――――――グラハム・エーカーであると!
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士道「こうして、幼い日の五河 士道に 誰にも見ることも聞くこともできない 俺だけの守護天使が宿った」
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グラハム『少年! ようやく『D』の世界を破滅から救うことができたな!』
士道「ああ! ついにクリアできたよ、グラハムのおかげで!」
グラハム『しかし、実質的に歌の力で世界が救われたようなものだったな。これでは本職の軍人は形無しだな』
士道「本当にソレだよな! ターンをかけて能力を強化しまくればラスボス相手でも楽勝で拍子抜けだったな!」
グラハム『だが、少年よ。心しておくがいい』
グラハム『ゲームの世界と目の前の現実世界はまったくの別物だ』
グラハム『だが、ゲームの世界の住人にとっての現実と我々が生きている現実はどれも嘘偽りない本物なのだからな』
グラハム『くれぐれも、Mr.騎士道の死を“死”と受け取らないでやって欲しい』
グラハム『あれこそは人類が生きるための突破口だったのだからな』
グラハム『だから、あの光景を見て“敗者”などと見下すことは絶対に許さん』
グラハム『結局、最後まで世界のために生き貫いて“勝ち逃げ”したようなものなのだからな』
グラハム『本当の意味の“生き死に”というものは、自分の肉体が滅んだ後に自分の存在が人々の間から忘却されないことを言う』
グラハム『人々の間の中で生き続ける偉業を成し遂げられるかどうかなのだ』
士道「………………」
グラハム『まあ、偉そうなことを言わせてもらったが、』
グラハム『こうして肉体を持たずにきみの身体に取り憑いている悪霊の私が道理を説くなど片腹痛いことでしかなかったな。許せ』
士道「……いいや、わかったよ、グラハム」
――――――俺、なってみせるよ! グラハムの憧れを! 俺が叶えてみせるから!
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士道「誰にも言えない 家族にも内緒の 俺だけの友人との日々の中で、俺はグラハムからいろんなことを学んでいった」
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士道「む、難しい……。何のことだが全然わからない……」ウーン・・・
グラハム『少年、無理をするな。その歳で“サムライ”たろうとして 私でも難解な これだけの武士道の書物を読破するのは骨が折れるだろう』
士道「いやいや、グラハム。昔の戦国時代に生きたサムライの子供たちはこんな難解な漢字だらけのものを読んで暗唱していたって言うんだぜ?」
士道「だったら、“現代のサムライ”を目指している俺がこんなことで音を上げてちゃ、その辺の普通の子と何も変わらないじゃないか!」
士道「俺はやるって決めたんだ! だから、俺はあきらめない!」
グラハム『その意気やよし!』
グラハム『ならば、今の私は手と足があっても手も足も出ない状況だが、目と耳と口ならある!』
グラハム『挑め、少年! 無茶で無謀と笑われようと、道理さえ斬り捨てて、その手に勝利を掴んでみせろぉ!』
士道「うおおおおおおおお!」
琴里「ああもう! うるさい! 今 何時だと思ってるの、おにーちゃん!?」ガチャン!
士道「あ、琴里……、悪い…………」ビクッ
グラハム『やれやれ、先はまだまだ長そうだな』
グラハム『だが よもや、死して 一人の少年との対話の日々を送ることができるとは――――――』
グラハム『これは〈ガンダム〉を超えようと愚行を繰り返した私に与えられた天罰か褒美か――――――、二つに一つか』
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士道「けれど、あの日が来て 俺たちや周りの全てが変わっていった。それは俺とグラハムとの関係も――――――」
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――――――ある年の8月3日
士道「くっそー! 3人娘エンドになるはずだったのに、どこで計算を間違えたんだろう?」
グラハム『次からはしっかりとフラグ管理をしておくことだな』
グラハム『まあ、気を落とすな。次はいよいよ隠し機体で周回するのだからな』
グラハム『それよりも、今日は妹君を待たせているのではなかったか。そんな表情では妹君の機嫌を損ねるぞ。ここはクールになれ』
士道「ああ そうだな。くそっ」ハァ
士道|スゥーーハアーーー
士道「よし」
グラハム『そうだ。それでいい』
士道「やっぱり、グラハムがいてくれて助かるよ」
士道「グラハムがいてくれるから俺は毎日が楽しい」
グラハム『死者であるはずの私が 生者の世界に介入してよいものか 常日頃 疑問に思ってはいるのだが――――――、』
グラハム『きみは同じように“孤児”であった私とはちがう人生を歩むことができたグラハム・エーカーなのかもしれないな』
グラハム『きみの成長を心から 嘘偽りなく 楽しみにしているぞ、少年』
士道「ああ! 俺はサムライの道を歩むグラハム・エーカーだ!」
士道「今日もしっかりとサムライらしい一日を!」
グラハム『ああ』
――――――その時、電流が走る!
グラハム『!!』
グラハム『何だ? このざわつく感じは?』
グラハム『――――――
士道「グラハム?」
グラハム『む。すまない、少し考え込んでしまっていた』
グラハム『さあ、妹君の許へ――――――』
士道「ああ!」
――――――おにーちゃん! 兄貴! 助けて!
グラハム『これは!? どうした、琴里!? 今 きみはどこにいる!? 返事をしたまえ!』
士道「グラハム!?」
グラハム『なんということだ、琴里! 琴里!』
士道「どうしたんだよ!? ま、まさか、琴里の身に何かが!?」
ボッゴーーーーン!
士道「何だ? 何なんだよ、あの火柱? たしか、あっちって琴里がいる――――――」アセタラー
士道「くそっ! 琴里!」バッ
グラハム『待て! 待つのだ、少年!』
士道「――――――『行くな』って言うんだろう?」
士道「でも、サムライってのは家族や同じ場所に暮らしているみんなのために命を張ってきた誇り高き戦士なんだ!」
士道「琴里の身に何かあったって言うなら、俺が助けないと! そうじゃなかったら、サムライを目指す意味がない!」
グラハム『少年……』
グラハム『いいだろう、少年。このグラハム・エーカー、粉骨砕身の覚悟で、お供いたそう』
士道「悪いな、グラハム……。もし俺が死んだらグラハムも――――――」
グラハム『みなまで言うな。元々 私は死人だ。その時は一緒に地獄の閻魔大王の許まで参ろうではないか』
士道「それなら安心だ」
タッタッタッタッタッタ・・・・・・
士道「たのむ、無事でいてくれ、琴里……」
グラハム『しかし、奇妙だな。先程の天高くまで昇るかのごとき火柱――――――』
グラハム『それに、あの4つの気配――――――』
グラハム『!!』
グラハム『少年! 今すぐに止まれ! いや、遮蔽物に身を隠せ!』
士道「え!?」
ドッゴーーーーーン!
士道「うわああああああああああああ!?」ドサァーーーー!
グラハム『くっ、間一髪だったか……』
士道「……爆発って、いったい何が起きたんだ?」ヨロヨロ・・・
グラハム『いや、これは対地攻撃だ! しかも、無差別攻撃だ! 空を見ろ!』
士道「!?」
士道「な、何だ、あれ?」
――――――ヒト? いや、“天使”?
天使?「――――――」
ノイズ?「――――――」
グラハム『ほう、たしかに私も第一印象はそれだが、あれでは“白い悪魔”としか言いようがないな』
士道「な、何なんだよ、いったい……」
士道「あの天使みたいなのはいったい何をしているんだ?」
グラハム『ここからでは見えないが、あの様子だと、天宮市の上空の“何か”と戦っている?』
グラハム『先程の光弾はこちらを狙ったものではないようだな……』
グラハム『しかし、若いな。動きに感情が乗り過ぎている。地上への被害は眼中にないと見える』
士道「くそっ! やるんだったら他所でやってくれよ、ホント! 流れ弾が当たったらどうするんだ!?」
グラハム『今の私と同じ――――――、いや、どうやら 私とは似て非なる“この世ならざる存在”だとでも言っておこう』
グラハム『少年、どうやら被害は地上部分だけのようだ。空間震用のシェルターなら安全であろう』
グラハム『どうする? きみの選択に私は従おう』
士道「…………!」
士道「俺は…………」
士道「俺は………………」
士道「行くよ、連れて行ってくれ、グラハム」
グラハム『……怖くはないのかね? 流れ弾に当たれば 跡形もなく きみという存在は地上から消滅するだろう』
士道「ああ。怖くてしかたがないよ」
士道「でも、俺はもう家族を失いたくないんだ! そのために俺はサムライになることを決意したんだ!」
士道「グラハムだって、こっちに来る前は 人型ロボットのエースパイロットで、最期の戦いはバケモノの大群との戦いだって言ってたよな!」
士道「だったら、俺の大切な人を守るためにバケモノに立ち向かう勇気を俺にくれ!」
グラハム『あいわかった!』
グラハム『未来への水先案内人は、このグラハム・エーカーが引き受けた!』
グラハム『では、駆けよ、少年! 今なら、あの破壊天使の矛先はしばらくこちらには向かないはずだ!』
士道「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
士道「琴里ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
――――――そして、
琴里?「――――――」
士道「こ、琴里……? 琴里なんだよな?」
士道「ど、どうして……」フラッ
士道「うぁ……」ドサッ
グラハム『少年!!』
グラハム『だが、そうか。今の私でもわかりかけてきたものがある』
グラハム『私はそのために――――――』
グラハム『ならば、今の私が成すべきことは!』
――――――武士道とは死ぬことと見つけたり。
グラハム『生きろ、少年』
グラハム『日本人ではなかった私には“武士道の奥義”というものをついに会得することができなかったが、』
グラハム『サムライの血が流れるきみになら、私のもう1つの憧れに手が届くはずだ』
グラハム『そう、“武士道の究極”とは――――――』
士道「…………グラハム?」
琴里?「――――――!」
士道「あ」
グラハム「はじめましてだな、天使〈ガンダム〉」キラキラ・・・ ――――――守護天使現界!
グラハム「グラハム・エーカー」
士道「グラハム・エーカー? それがグラハムの――――――」
グラハム「そうだ、少年。これが私だ」
グラハム「そして、今から私は私の戦争を始めると宣言しよう」
グラハム「とくと見るがいい! 私が真に越えるべきだった“あの少年”から託されし 私の天使〈ガンダム〉を!」
――――――今からこの天使の名は〈グラハムガンダム〉とする!
これは はるか時空を超えた先にある もしもの対話の物語である。
精霊――――――、
異世界より現れ出づる謎の少女――――――。
その無垢なる力に武力で抗うか、愛を以て語り掛けるのか――――――。
今、人類の選択が試される――――――。
そして、来るべき対話へと――――――。