【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
C.E.73年10月1日
宇宙要塞”ボアズ”、臨時司令官執務室
「悪いな、マネキン准将。急に呼び出して」
「いえ。大将閣下におかれましては……」
と教練の見本になるくらいビシッとした敬礼のオーブ式マネキンだが、
「いや、そういう堅苦しいのはいい」
「はっ!」
そして、カガリは徐に真新しい階級章を取り出し、
「略式の戦地昇進になってしまうが、カティ・マネキン。本日付でオーブ軍少将に昇進してもらう」
「お、お待ちください! 僭越ながら将官は先頃、准将に昇進ばかりかと」
普段は冷静沈着なマネキンも、この早すぎる昇進には流石に焦りを感じたようだ。
「知ってるよ。気持ちはわかるが、まあ聞け」
カガリは苦笑しながら、
「まず、これは今回のボアズと次のヤキン・ドゥーエの参戦参加者全員に内定している戦後の一律1階級昇進、いわゆる”従軍褒章昇進”の先払いって形だ。そしてマネキン、お前さんには先払いせねばならん込み入った事情ができたのさ」
「お聞きしても?」
「無論だ」
カガリは頷きながら、
「まず前提として、私とアークエンジェルは、10月中旬を目途にボアズから消える。そして、ボアズに残る3個艦隊を”アマギ”を旗艦とする”クサナギ”、”スサノオ”を加えた連合艦隊へと再編する。その指揮をマネキン少将に任せたいという訳だ」
「!? ヤキン・ドゥーエ攻略の関係ですね?」
少し声のトーンを落とすマネキンに、
「そうなるな。私は”正規編成ではない特殊な別働隊”を率いねばならないのさ。そして正規軍という側面だと、主軸となるのは大西洋連邦艦隊だ」
おそらく率いるのは原作の……と書くのは野暮か?
「……政治的事情ですね?」
「察してくれて助かる。途中参戦で美味しいところを独り占めでは、何かと角が立ちすぎる。突出した武勲はボアズの単独攻略あたりで満足すべきだろう」
ここまで読んでくれた皆様であれば裏事情は察していただいていると思うが、世界は何もカガリやアズラエルの都合だけで動くわけでは無い。
参戦する罪なき軍人達、あるいは裏事情を知らない政治家たちの立場を忘れるのは、大変よろしくない。
「なるほど理解しました」
「だが、この話にはまだ続きがある。マネキン、お前さんには一ヶ月後ぐらいに、今度は中将に昇進する」
「えっ!?」
「安心しろ。こっちはただの”
※戦地昇進と野戦任官の違い
オーブ軍において、戦地昇進は手続きの簡略化や褒章授与式などの式典のない書面のみの「戦地故の略式昇進手続き」となるだけで、基本的には通常の昇進と同じ扱いになる。
だが、野戦任官は「役職に見合った階級を臨時に与える」という意味であり、史実の例では古い例えではあるが南北戦争のカスター将軍は、実際には「少将扱いの大尉」で、その階級は戦後に戻され、軍歴の最終階級は中佐だったという。このような事例は近代や現代でもままある。
「つまり戦後に戻すということですね?」
「原則な。実は大西洋連邦のヤキン・ドゥーエ攻略艦隊も再編でハルバートン提督の第8艦隊を軸に増強、規模を倍加かそれ以上の任務群に再編させるらしい。んで、その規模の艦隊指揮を行うのに中将じゃ流石に不具合が出るという理由で、ハルバートン提督も大将への野戦任官になるって話だ」
「なるほど。その兼ね合い、言うなれば”釣り合い”を取るための処置ですか」
カガリは頷き、
「オーブのヤキン・ドゥーエ攻略特別編性艦隊は、指揮系統上は大西洋連邦特別任務群の麾下に入る。だが、軍隊ってのはどこの国でも階級が物を言う。あごで使われる階級差ってのは、双方にとって不都合にしかならん」
要するに軍隊というのはどこまで行っても”ガチガチの官僚機構”だということを示す一例という事だった。
「それに慣例的にオーブ軍では、”二階級特進”は戦死時のみだ。今から少将になってもらわんと座りが悪いってのが、最大の理由だな」
「軍隊、ですね」
そう苦笑するマネキンに、
「軍隊だよ」
同じく苦笑で返すカガリ。
☆☆☆
さて、その後の”アマギ”のブリッジにて……
「准将、じゃなかった少将、昇進おめでとうございますっ!」
といつものワンコ……じゃなかったコーラサワー。
どうやら目ざとく真新しい階級章を見つけたらしい。
「ん? ああ、ありがとう」
「どうしたんすか? 何だか浮かない顔してたみたいですけど?」
「いや、大したことじゃないさ。上がった俸給の使い道を考えてただけだ」
「じゃあじゃあ、俺とどっか遊びに行きましょうよっ!」
「お前という奴は……コーラサワー中尉。階級に比例して俸給、恩給、遺族年金が上がっていく意味を考えたことあるか?」
「めでたいことっスよね~。出世する甲斐があります♪」
マネキンは小さく微笑み、
「お前はそのままでいろ」
「ほえ?」
「その、何というか……そうだな、」
笑みを少し柔らかくし、
「きっと、私にとってその方が助かるのだろう」
「えっ? それ褒めてます?」
「どちらかと言えば、そうだな」
「やった! 准将、じゃなかった少将に褒められたぜっ!!」
何となく、そう何となくだが……アマギのブリッジクルーの皆さんが、微笑ましい顔していたり、ブラックコーヒーを飲みたそうな顔をしていた気がする。
まあ、多分気のせいだ。そういうことにしておこう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「……という訳で、今回の”オペレーション・アップルシード”での私達の作戦参加は、丸っと無くなちゃったのよね。で、オプションプランとして出していた追加作業、”
もう忘れられている話だろうが、『第13話 カガリ「私のターン! トラップカード”エイプリルフール・クライシスとソレスタルビーイング”を発動! その特殊効果により”春のガンダム祭り”を開催!!」』において語られている通り、レーザーや指向性マイクロウェーブを用いた無線送受電、それのインフラ整備はこの世界線におけるソレスタルビーイングの得意技、むしろ表稼業の看板事業ですらある。
実際、エイプリルフール・クライシスの直後に大西洋連邦や友好国相手に電力網の再構築を行い、多大な恩を売るとともに今なお、売電事業で膨大な利益を国庫に齎せていたりする。
まあ、今生のソレスタルビーイングが貧乏所帯ではなく資本が有り余るくらいあるのは、太陽光発電の売電や軌道エレベーター事業のような表事業で稼いでるからであり、結果として表事業の大成功が多くの堅気(つまり、ソレスタルビーイングの裏の顔やイノベイドの存在を一切知らない)の出資者、ハレヴィ家のような資産家や投資家を集める結果になっている。
そんな事情があるので、商売道具であるレーザー送電衛星など持っていて当然なのであるが……
「送電先は、ボアズですか?」
現在のガンダム・マイスターの中では(中の人が出てこなければ)温厚なアレルヤが丁寧な口調で聞けば、
「”今の所”は、ね」
(((((あっ、察し)))))
最終的に何に使うかは分かった。
「とりあえず、レーザー送電機の設置を見届けたら、一旦、アメノミハシラに戻るわよ」
「戻り次第、ヤキン・ドゥーエ攻略の準備か?」
と問う刹那。しかし、
「……戻ってから正式に話すけど、私たちはヤキン・ドゥーエ攻略には参加しないわよ?」
「なに?」
クジョウは言葉を選ぶように、
「ちょっとヤキン・ドゥーエ攻略に合わせる形で別件が入ったのよ。大規模部隊ではなく、少数精鋭で行った方が効率のいい、私たち向けのミッションがね」
(用意したオートマトンも、どうやら無駄にならなくて済みそうだし)
察するに……戦いは、ヤキン・ドゥーエだけで行われるという訳ではないようだ。
それでも、この戦争は確実に終焉へと動き出しているのは間違いないだろう。
それがどのような形で終わるかは、未だに定まってはいないが……
いや、だからマネキンさん(初AIイラスト化)デレるの早いって(挨拶
おかげで”アマギ”のブリッジクルーのブラックコーヒー消費量が増えること増えることw
というかさ……コーラサワー、特に用もないのにマネキンの顔見たさにちょくちょくブリッジ着てるのに、クルーからも黙認され、当のマネキンからも……しかも本人、ピーリス、スミルノフに続くアマギ隊のエースだし、原作でも強運だったけど、この世界線では勝ち組過ぎる疑惑。
だってコイツ、機体性能もあるけどこれまで被撃墜0で、撃墜数既に既に2桁でっせ?
ついでに出世もクソ早マネキン少将(臨時中将確定)。
いや、この人初登場時は大佐っすよ?
まあ、正規任官は少将なので戦後は少将に戻りますが、まあ2年後は今度は正規で中将になってるだろうな~と。
ちなみにオーブは申請すれば夫婦別姓は認められますよ? 特に深い意味は無いですがw
そして……
【悲報】ソレスタルビーイングのガンダム・マイスター、ヤキン・ドゥーエ戦に参加せず【何故に?】
まあ、これは単純に「ヤキン・ドゥーエに並行して落としておいた方が良い場所」があるからなんですが。
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