Blue Archive -Document GUYS feat.LXXX-   作:LN58

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EP13 平和を守る力の光と闇を見つめて -前編-

 

現在、【キヴォトス防衛軍】によるアビドス遠征は数十年前から発生した砂漠化によって再三の【連邦生徒会】からのハザードマップの提出命令に応じない【アビドス高等学校】の安否確認と未調査領域100%となっている現状の実地調査のために進められていたのだが、

 

上空からは変形闇怪獣:ガゾート、地上には宇宙大怪獣:アストロモンス、地下からは古代地底獣:オカグビラが出現するだけじゃなく 全域で通信障害が発生しているとして アビドス砂漠が危険極まりない怪獣無法地帯になっていたことが判明したことで即刻中断となっていた。

 

怪獣無法地帯となっていることが判明する直前に【カイザーコーポレーション】が借金漬けにして買い叩いた二束三文の価値しかないアビドス自治区の一部を【アビドス高等学校】に返還させることができたことにより、

 

現在、たった5人しかいない【アビドス対策委員会】が十分に自治していける範囲までスリム化した新アビドス自治区は【キヴォトス防衛軍】のアビドス遠征の重要拠点として整備が進められることになり、怪獣無法地帯と化した旧アビドス自治区の居住者たちの受け入れ先となったことで人口密度が急上昇していた。

 

一方、止まることのない砂漠化の進行によって土地の価値がないことがわかりきっているアビドス自治区のほとんどを過去の【アビドス生徒会】との取引で獲得していた【カイザーコーポレーション】としては、土地の所有者として怪獣無法地帯と化した未調査領域100%の旧アビドス自治区のハザードマップの作成と提出を【連邦生徒会】に義務付けられたことで一転して窮状に追いやられることとなったのだ。土地の売買に関して億兆円規模の脱税疑惑もある。

 

しかも、怪獣無法地帯の攻略に乗り出すことになる【キヴォトス防衛軍】の迅速なる怪獣退治を邪魔しているのは他ならぬ【カイザーコーポレーション】が行っているアビドス砂漠全域の通信障害であり、そのせいで【キヴォトス防衛軍】はまともに作戦行動できないことにして、実質的に現地にいる【カイザーコーポレーション】の関係者を見殺しにするつもりでいることを暗に告げることにもなった。

 

いやいや、見殺しにするだなんて人聞きの悪いことはしていない。ただ、怪獣無法地帯となった旧アビドス自治区に対して避難命令を出しているのに――――――、避難勧告ではない。避難命令である。それに従わない人間の保護に全力を出さないことの道義的責任は問わないことを明確にしただけである。

 

そう、【アビドス高等学校】が所有しているわずかな土地を除くアビドス自治区全域を【カイザーコーポレーション】が手中に収めていたのだから、誰がアビドス自治区全域に通信障害を発生させて【キヴォトス防衛軍】の介入を妨害してきたかは火を見るよりも明らかなことである。

 

しかし、【キヴォトス防衛軍】軍事顧問の今やキヴォトスの頂点に立つ地球人:北条 アキラはそのことについて【カイザーコーポレーション】を糾弾することは決してなかったのである。

 

むしろ、何も言わないことによって、謎の通信障害によってアビドス砂漠との連絡が取れないため、万全の指揮が取れないことを理由に、【カイザーコーポレーション】から土地の所有権を取り戻してスリム化した新アビドス自治区を治める【アビドス高等学校】の防衛体制の構築を優先する正当性を与えることになってしまったのである。

 

それどころか、謎の通信障害の原因となっている強力な電磁波が上空の電離層から変形闇怪獣:ガゾートを生み出した疑惑も公表することで、【カイザーコーポレーション】が怪獣災害の発生原因であることを何が何でも隠し通さないといけない状況にまで追い込んですらいるのだ。認めてしまえば、怪獣災害が発生した責任を問われることになるのだから。

 

そして、キヴォトス人ですら耳を疑うような数々の実績と信頼と組織を築き上げた地球人:北条 アキラが発信する怪獣退治の専門家の意見や大義名分、にこやかな顔で『お隣同士で頑張っていきましょう』と先手を打ちまくる攻勢に【カイザーコーポレーション】としては後手に回り続ける他なかった。元から後ろめたいことをやっている連中なのだから、正当性など最初からなく、押し黙るしかない。

 

なので、【カイザーコーポレーション】が所有する土地であることが明確となった怪獣無法地帯:旧アビドス自治区で怪獣が暴れていようが、【キヴォトス防衛軍】としてはまともな通信状態や地図情報が確保されていない死地に無闇に出撃させるわけにはいかないので、どれだけ【カイザーコーポレーション】が泣きつこうがお役所仕事を装って無視することになっていた。

 

無論、現地で本社からの重大任務のためにアビドス自治区を手中に収めようと長年に渡って暗躍していた【カイザーPMC】としては怪獣災害はこれまでの歴史になかった天変地異であり、対怪獣兵器など保有していないのだから、今すぐにでもこんな最低な土地を放棄したいところなのだが、本社からの連絡はつかないままだった――――――。

 

 

北条先生「すでにアビドス遠征の第1段階は終了。現地の【アビドス高等学校】の安否確認が終了し、ハザードマップ作成とベースキャンプ設営の許可を取り付けることができた」

 

北条先生「そこから第2段階は【アビドス高等学校】のハザードマップ作成と怪獣災害対策を強力に後押しする――――――」

 

北条先生「そのために【ゲヘナ学園】【トリニティ総合学園】の支援も取り付けることで、【アビドス高等学校】を滅ぼそうとしている裏組織に対して牽制を行うことにも成功した」

 

北条先生「さて、ここから問題となるのが、キヴォトス最大の版図を誇ったアビドス自治区が怪獣無法地帯となっていたこと。宇宙大怪獣が 複数体 確認されるような魔境となっていた」

 

北条先生「よって、ハザードマップ作成を目的としたアビドス遠征は一時中断。ここからは怪獣無法地帯の攻略に目的を切り替えることとなる――――――」

 

北条先生「そのため、新アビドス自治区を擁する【アビドス高等学校】を怪獣無法地帯の攻略の足掛かりとするべく、新アビドス自治区を防衛都市にするべく再開発を急いでいる状況と言うわけです」

 

北条先生「前線拠点を整備しないことには敵が未知数の怪獣無法地帯に挑むことは無謀極まりないです」

 

七神 リン「一方で、【アビドス】初の怪獣災害を受けて大量の避難民が他の学園の自治区に流れ込んだことにより、治安の悪化が問題となっています」

 

七神 リン「そうした避難民を収容するための仮設住宅は各自治区に用意してありますが、問題はこれまで【アビドス生徒会】が機能していないことで取り締まりから逃れていた【アビドス】の不良生徒や傭兵バイトたちです」

 

七神 リン「過酷な【アビドス】の環境で鍛えられた戦闘力を有しており、北条先生のおかげで犯罪率が全体的に低下していた現状のキヴォトスにおいて相当な被害を出しています」

 

七神 リン「以上の点から、【キヴォトス防衛軍】によるアビドス遠征はキヴォトス全体で取り組まなければならない問題であり、決して他人事ではないのです」

 

七神 リン「各学園は【アビドス】から流れてきた避難民と武装集団への適切な対処に取り組んでください。場合によっては【矯正局】への収容も許可しますが、それは最終手段としてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バララララ・・・

 

 

神代キヴォトス人「息災であったか、コーイチ、サオリ、アツコ?」

 

ロボット職員「お待ちしておりました、サーベラス様」

 

錠前 サオリ「ああ。いろいろと学ぶことがたくさんあった」

 

秤 アツコ「嬉しいことも楽しいこともいっぱいあったよ、ここにも」

 

神代キヴォトス人「そうか。社会勉強の日々は充実していたか」

 

神代キヴォトス人「では、我々の本業を始めるとしようか」

 

ロボット職員「はい」

 

 

十六夜 ノノミ「あれが【ゲヘナ】の温泉街で噂になった“シャーレの研究員”さんなんですね!」

 

黒見 セリカ「うわぁ……。本当にこの世のものとは思えないような毛並みじゃない……」

 

奥空 アヤネ「そうですね。見ているだけでも息を呑むような気品がありますね」

 

砂狼 シロコ「ん、私もちゃんと手入れはしているけれど、あの毛艶には勝てない……」

 

 

神代キヴォトス人「お前たちが【アビドス高等学校】の公認部活動【アビドス対策委員会】というわけか」

 

奥空 アヤネ「はい。はじめまして。ようこそ遠路遥々お越しくださいました。【アビドス】の砂漠化の調査のために来たとお伺いしています」

 

神代キヴォトス人「……ああ、よろしく頼む」クンクン・・・

 

 

神代キヴォトス人「――――――臭いな、お前たち。揃いも揃って」

 

 

黒見 セリカ「はあ!?」ドキッ

 

奥空 アヤネ「え、えっと……」アセアセ・・・

 

砂狼 シロコ「ん、かなり臭いに敏感な方……?」

 

神代キヴォトス人「まあ、そうだが、これは……」クンクン・・・

 

 

――――――お前たち、死ぬ予定でもあるのか?

 

 

ロボット職員「――――――!」

 

錠前 サオリ「なんだと!?」

 

秤 アツコ「………………」

 

黒見 セリカ「ど、どういう意味よ、それ!?」

 

神代キヴォトス人「言葉通りだ。お前たちからは強烈な死臭が漂っている」

 

神代キヴォトス人「何かまだ命を狙われるような重大な問題を抱えているのではないのか? お前たち全員だぞ?」

 

奥空 アヤネ「ええ!?」

 

十六夜 ノノミ「………………!」

 

神代キヴォトス人「…………ふむ」チラッ

 

砂狼 シロコ「…………?」

 

神代キヴォトス人「――――――砂狼 シロコと言ったか? お前か、死をもたらすのは?」

 

砂狼 シロコ「な、何を言って……?」

 

 

ロボット職員「――――――絶対にちがう!」ドン!

 

 

秤 アツコ「……コーイチ」

 

砂狼 シロコ「…………職員さん」

 

神代キヴォトス人「……まあいい。お前たちがどんな運命を辿ることになっているかは知らないが、なるほど、お前たちにはまだ可能性が残されている」

 

神代キヴォトス人「――――――3つの試練を乗り越えてみせよ」

 

十六夜 ノノミ「それは何でしょうか?」

 

神代キヴォトス人「うむ。心して聞くがいい」

 

 

1つ、繁栄の理を取り戻すこと。

 

 

2つ、陰謀の夜を超えること。

 

 

3つ、王権を自ら掴み取ること。

 

 

神代キヴォトス人「この3つの試練を乗り越えねば、お前たちは遠からずして全員死ぬ」

 

黒見 セリカ「な、何よ、それ!? 急に!?」

 

ロボット職員「………………」

 

錠前 サオリ「……コーイチ、どう思う?」

 

奥空 アヤネ「はい、これはいったいどう思いますか?」

 

ロボット職員「……あながち間違いではないと思いますよ」

 

砂狼 シロコ「え」

 

十六夜 ノノミ「うん。少なくとも【アビドス】が抱えている現実的な問題を考えると、これぐらいのことは乗り越えないとキツイと思うな……」

 

ロボット職員「……ノノミさん」

 

神代キヴォトス人「そうだ。そこまで難しいことを言っているつもりはない」

 

神代キヴォトス人「つまり、“シャーレの先生”の手によって【アビドス高等学校】が抱えていた問題は丸く収まったわけだが、お前たち自身の手で解決したわけではあるまい」

 

神代キヴォトス人「そして、これからは他の学園と同じように自治区の運営を自分たちでしていかなければならないわけだ。借金返済に明け暮れていた日々と同じことをしていたら、お前たちは一人残らず死ぬ」

 

神代キヴォトス人「借金返済のために頑張ってきたお前たちに罪はないが、【アビドス高等学校】として学園が負うべき責務をこれまで放棄してきたツケをそこの生徒であるお前たちの命で支払わされることになっているからな」

 

十六夜 ノノミ「ええ……!?」

 

黒見 セリカ「な、なんでそんなことになっているのよ!? 借金返済をみんなでがんばってきたのに、そんなのって……!」

 

奥空 アヤネ「でも、そう言われてみると、わかるような気がします」

 

砂狼 シロコ「……アヤネ」

 

錠前 サオリ「そうだな。客観的に見て【アビドス対策委員会】は借金返済のための活動しかしていなかったし、【連邦生徒会】からの再三のハザードマップ提出命令にも応じてこなかったなど、自治組織としての職務を全うしていたとは言い難い状況にあったな……」

 

秤 アツコ「基本的な怪獣災害対策や戸籍管理もできていなかったから、ガゾートによる被害を抑えることができなかったもんね……」

 

黒見 セリカ「そ、そんな……」

 

十六夜 ノノミ「………………」

 

 

神代キヴォトス人「お前たち、本当に阿呆だな……」

 

 

砂狼 シロコ「…………?」

 

ロボット職員「……何が言いたいのですか?」

 

神代キヴォトス人「あのな、予言や占いというのは 悪いことを聞いたら それで落ち込んで 泣き寝入りするためのものではないのだからな?」

 

神代キヴォトス人「このまま行くと結果がどうなるのかが予言によってわかっているのだから、本当にそうなるのかを自分で予測してみて、実際にそうならないように対策するように促すための天からの忠告なのだぞ」

 

神代キヴォトス人「だから、いちいち気を落とすな。ありがたく思え。生き残れる可能性がこれで増えたのだからな」

 

神代キヴォトス人「――――――それとも、逃げ出すか?」

 

神代キヴォトス人「お前たちの死の運命は【アビドス高等学校】の生徒であることで発生しているものだ。お前たち個人に罪はなくとも、【アビドス高等学校】の生徒であることの恩恵を多少なりとも今まで受けていたと同時に学園が積み重ねてきた業もしっかりと背負っている状態だからな」

 

神代キヴォトス人「ただ単に生き残りたくば、今すぐに【アビドス高等学校】の生徒であることを辞めろ。そして、この地から去れ。それで本来の寿命に戻る」

 

 

――――――さあ、どうする? アビドスの子らよ! 試練に挑むか、逃げるか、だぞ! ああ、臭い臭い!

 

 

これまで解明できていなかった【アビドス】の異常なまでの砂漠化の原因調査のために新たに派遣された“シャーレの研究員”であったが、来て早々に神代キヴォトス人:サーベラスとしての爆弾発言が【アビドス対策委員会】に炸裂する。

 

要約すると、“シャーレの先生”の手によって【アビドス高等学校】が抱える問題を最高の形で解決してもらったわけなのだが、それだけに借金返済に追われていた今までの在り方から脱却して真っ当に学園や自治区の運営ができるようにならないと、それが原因で遠からずして【アビドス対策委員会】が一人残らず死に至る運命にあると言うのだ。

 

それもこれも、【アビドス高等学校】がこれまで積み重ねてきた業によるものであり、【カイザーコーポレーション】によって背負わされていた莫大な借金も本来は【アビドス対策委員会】の一人一人が負うべきものではなかったのと同様、【アビドス高等学校】の生徒でなければ背負うことのない業によって【アビドス対策委員会】全員の命が刈り取られる運命になっているらしいのだ。

 

そんな死の宣告に【アビドス対策委員会】はもちろん、『前回』“シャーレの先生”としてキヴォトスの滅亡を阻止できなかったロボット職員:マウンテンガリバーは驚愕する他なかったのだが、

 

しかし、言われてみると、たしかに【アビドス高等学校】はこれまで借金返済に追われて他の学園が当たり前にしていたことを一切やってきていないため、それによって怪獣災害で多大な犠牲者を出した責任は問われるべきところではあった。

 

それでなくとも、かつての【旧キヴォトス三大学園(BIG3)】の1つとしてキヴォトスに多大な影響力を発揮していた伝統ある強豪校とその自治区を数十年前に発生した砂漠化によって荒廃へと導いた行政組織としての無能さは糾弾されるべき点である。

 

ただ、そんな不吉な予言をしてきた神代キヴォトス人:サーベラスが言うように、死の運命はあくまで現実的な要因によって発生するのだから、このままだとそうなることを踏まえて運命が変わるように努力すればいいだけのこと。『未来は変えることができる』というのはよくある希望の表現ではないか。

 

そのため、会って早々に神代キヴォトス人:サーベラスに死の宣告をされた【アビドス対策委員会】であったが、その解決策である3つの試練に挑むか、逃げるか、その選択の答えは当然ながら決まっていたのである。

 

しかし、その時はまだ彼女たちは気づいていなかった。というより、ロボット職員:マウンテンガリバーでさえも気づいていなかった。

 

 

――――――神代キヴォトス人:サーベラスの死の宣告は()()()()()()【アビドス対策委員会】の4人に対して向けられていた事実に。

 

 

小鳥遊 ホシノ「うへ~、今日もよく寝た~」

 

小鳥遊 ホシノ「おや?」

 

神代キヴォトス人「貴方が小鳥遊 ホシノか。【アビドス対策委員会】委員長にして、【アビドス生徒会】副会長の」

 

小鳥遊 ホシノ「うへ~、これはとんでもない美人さんが来たね~。おじさんが同じ獣人だったら、一目惚れしてたかも」

 

小鳥遊 ホシノ「ということは、あなたが“シャーレの研究員”ってことで、合ってる?」

 

神代キヴォトス人「いかにも」

 

小鳥遊 ホシノ「あちゃ~、“シャーレの研究員”さんが来る日だったのに盛大に寝坊しちゃったよ~」

 

神代キヴォトス人「良い。今更、貴方の在り方を変える必要もなかろう」

 

小鳥遊 ホシノ「うへ~、そんなことを言ってもらえたのは初めてかも。おじさん、少し感激しちゃったかも」

 

神代キヴォトス人「早速だが、小鳥遊 ホシノ。貴方には砂漠化の原因調査に協力してもらう」

 

神代キヴォトス人「つまりは自治区外の調査だ。万全の準備を整えて、まずは街案内をせよ。情報収集だ」

 

小鳥遊 ホシノ「はいよ~」

 

 

 

ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!

 

 

 

小鳥遊 ホシノ「いやはや、本当に“シャーレの先生”って凄い人だよね~」 ――――――臨戦状態!

 

小鳥遊 ホシノ「前まではこんなに人なんて居なかったのに、びっくりするぐらい 毎日 人で溢れかえっているんだ」

 

小鳥遊 ホシノ「しかも、壁の外が怪獣無法地帯ってことで急いで防衛体制を整えるために再開発も凄い勢いで進んでいてね」

 

小鳥遊 ホシノ「そうそう。美化活動で砂集めをすると結構なお金と食糧、あと交通費ももらえるから、稼ぎがいいってことでいっぱい人が来るようになっているんだ、最近」

 

小鳥遊 ホシノ「おかげで、砂のない綺麗な街並みを見るのは生まれて初めてで、おじさん、先生には感謝してもしきれないよ」

 

小鳥遊 ホシノ「だから、これでおじさんが卒業していっても一安心かなって」

 

神代キヴォトス人「そうかそうか。それは良かったな」

 

柴大将「おお、ホシノちゃん! 今日もパトロールかい? いつもご苦労さま!」

 

柴大将「って、うおおおおおお!? 何だ、この世のものとは思えないほどの別嬪さんはああああああああ!?」

 

神代キヴォトス人「しばらく世話になるぞ。“シャーレの研究員”だ。砂漠化の原因調査に参った」

 

小鳥遊 ホシノ「やっぱりサーベラス様ってとんでもない美人さんなんだ……」

 

柴大将「――――――さ、『サーベラス様』? 様付けになるぐらい やんごとなき身分のお方なのかい、ホシノちゃん!?」

 

神代キヴォトス人「ふむ。貴方は大変素晴らしい功徳を積んでおられる。長年に渡って多くの人々に恵みを与えてきた志が美しい」

 

神代キヴォトス人「それでいて店舗を爆破されても、こうして屋台を引いて初心に帰って再起するのは実に曇りなき魂の輝きがある」

 

神代キヴォトス人「――――――その在り方、終生 失うことがないように」

 

神代キヴォトス人「特に、後継者のことなど考える必要はない。貴方が与えた恵みを憶えている者が後を継ぐ。貴方は変わることなく、貴方のラーメン道を貫きなさい」

 

柴大将「!!!!」ジーン・・・

 

柴大将「お、おお……!」ポタポタ・・・

 

小鳥遊 ホシノ「う、うへ~!? だ、大丈夫?」

 

柴大将「ああ、びっくりさせたな……」

 

柴大将「俺はただ『腹が減ったお客さんにうまいラーメンをたらふく食ってもらいたい』そう思って頑張ってきたからよ……」

 

柴大将「こんなふうに褒められるだなんて。なんてこったい、ラーメン屋冥利に尽きるってもんだ……」

 

小鳥遊 ホシノ「…………やっぱり、“シャーレの研究員”さんも凄い人なんだね~」

 

 

宮藤 セルマ「お前、さっき『“シャーレの研究員”』って言ったのか?」

 

 

小鳥遊 ホシノ「ん」

 

柴大将「…………?」

 

宮藤 セルマ「答えろ。『“シャーレの研究員”』って言ったのか?」

 

小鳥遊 ホシノ「何だい、急に? きみ、見ない顔だね?」

 

神代キヴォトス人「待て、ホシノよ。一旦 場所を移そう」

 

小鳥遊 ホシノ「……わかった」

 

小鳥遊 ホシノ「じゃあね、柴大将。今度、また食べに来るから」

 

柴大将「あ、ああ……! ホシノちゃんも頑張ってな!」

 

宮藤 セルマ「…………ふん」

 

 

 

神代キヴォトス人「我がその“シャーレの研究員”だが、何用か?」

 

宮藤 セルマ「認めたな。お前が【シャーレ】の人間であることを」

 

小鳥遊 ホシノ「……何か相談事?」

 

宮藤 セルマ「今すぐに北条 アキラに伝えろ」

 

 

――――――自然の一部である怪獣を人間の都合で駆除するのは止めろ、とな。

 

 

宮藤 セルマ「わかったな?」

 

小鳥遊 ホシノ「はあ!?」

 

神代キヴォトス人「そうか。それを伝えるのは構わないが、言ったところで変わるものではないと思うがな」

 

神代キヴォトス人「――――――小人閑居して不善を為す」

 

宮藤 セルマ「……なに?」

 

神代キヴォトス人「3000万年前にもそういう主張をする暇人共がいたのを思い出した」

 

神代キヴォトス人「大方、怪獣保護を名目に【キヴォトス防衛軍】の防衛基地の建造を邪魔したいようだが、それなら今まで何をしていた? 今更になって【アビドス】で活動し始めた理由を言ってみよ」

 

宮藤 セルマ「なら、言ってやる」

 

宮藤 セルマ「私たち【マウンテンコリー】は怪獣退治を名目に自然の一部である怪獣を駆逐し、新兵器の開発や使用で自然の破壊を加速させている 今の愚かな流れを止めて、キヴォトスを正しい在り方へと導く正義の環境保護団体だ」

 

宮藤 セルマ「今回、アビドス遠征と称して豊かな自然を破壊して軍事基地を設置して、怪獣たちの棲息地となっているアビドス砂漠を汚染しようとしているのはわかっているんだぞ!」

 

小鳥遊 ホシノ「…………ねえ、何を言っているのか、おじさんには全然わからないな~?」

 

小鳥遊 ホシノ「――――――『豊かな自然』って何? 数十年前から今なお止まることなく【アビドス】を蝕んでいる()()()のことをそう言っているの?」ジロッ

 

宮藤 セルマ「そうだ。お前たちがしようとしていることは豊かな自然への反逆だ」

 

宮藤 セルマ「止まることのない砂漠化も怪獣が現れたのも全ては自然の意志だ。それに逆らって今も【アビドス】にしがみついて生きようとしている人間はみな大罪人だ」

 

小鳥遊 ホシノ「」ピキッ

 

小鳥遊 ホシノ「こいつ――――――」ポン・・・

 

小鳥遊 ホシノ「え」

 

神代キヴォトス人「なるほど。それはそうかもしれんな」

 

小鳥遊 ホシノ「サーベラス様!?」

 

神代キヴォトス人「で、お前たちは砂漠化と怪獣災害で最終的に【アビドス】が滅亡してもいいと考えているのか?」

 

 

宮藤 セルマ「ああ。それが人類が自然に対して行わければならない贖罪だ。これはキヴォトス最大の版図を誇って驕り高ぶった【アビドス】への天罰なんだ。【アビドス】は自然に還されるべき土地だ」

 

 

小鳥遊 ホシノ「ふ、ふざけるなぁああ! 私たちは今ここで生きているんだぞ!」ジャキ!

 

宮藤 セルマ「なら、今すぐに出ていけ。これ以上 罪を重ねる前にな」

 

小鳥遊 ホシノ「こ、このぉおおお!」ガッ

 

神代キヴォトス人「まあまあ、落ち着け、ホシノよ」ガシッ

 

小鳥遊 ホシノ「止めないでよ! こいつは言ってはいけないことを言ったんだ!」グググ・・・

 

神代キヴォトス人「ああ、言いたいことはわかった」

 

神代キヴォトス人「我はこれから砂漠化の原因調査に行くが、着いてくる度胸はあるか?」

 

宮藤 セルマ「無駄なことを。長年に渡って企業も学園も何の成果を得られなかったのに、今更になって発見があるわけがない」

 

 

神代キヴォトス人「では、その北条 アキラが砂漠の砂からコンクリートを造る技術を公開したことも知っているな?」

 

 

宮藤 セルマ「なんだと?」

 

神代キヴォトス人「なんだ、知らんのか? 初公開が北条 アキラの動画配信サイトの公開授業だったのだから、よほど世間で話題のニュースに目を向けない不精者でもない限りは砂漠化を解決する切り札として大々的に報道されていたはずなのだがな?」

 

神代キヴォトス人「そのための美化活動の奨励;砂集めをここではみんなでやっているのだぞ? 綺麗だろう、この砂粒一つない街並みは?」

 

神代キヴォトス人「――――――お前は情報弱者か?」

 

宮藤 セルマ「こ、この……」

 

宮藤 セルマ「だが、怪獣退治を名目により強力な兵器が開発されていくことで、お前たちはキヴォトスの破滅を招く危険性を増大させている! お前たちのやっていることが未来を殺すことになる!」

 

小鳥遊 ホシノ「お前! 怪獣に殺された人たちのことを何とも思ってないのか!?」

 

神代キヴォトス人「まあ、それもそうだろうな」

 

小鳥遊 ホシノ「サーベラス様はいったいどちらの味方なの!?」

 

神代キヴォトス人「たわけ、ホシノ!」

 

小鳥遊 ホシノ「………………!」

 

神代キヴォトス人「――――――盗人にも三分の理」

 

神代キヴォトス人「こういう阿呆な主張や行いをする人間こそが因果の法則に基づいて停滞した状況を打破するように仕込まれているものだ」

 

神代キヴォトス人「だからこそ、我はどんな阿呆だろうと無垢なるものを愛でよう」

 

神代キヴォトス人「そして、天秤の担い手たる者、両者の言い分を聞いて追って沙汰を下すことが現在の民主的な法の精神として適合しなければならん」

 

神代キヴォトス人「さもなくば、時代の流れに乗ることができずに 時代に置き去りにされた 目の前にいるこやつのような口うるさいだけの一昔前の人形(ノイジー・マイノリティー)へといずれは追い落とされるのが定めよ」

 

神代キヴォトス人「時代の流れを観よ、ホシノ。大衆の意思を受け止めよ。より多くの幸せをよりたくさんの人たちと共に祝いたいのならばな」

 

小鳥遊 ホシノ「………………」

 

神代キヴォトス人「お前もそうだぞ? そんなにも自然を愛するならば、文明的な生活を捨てて原始人にでもなったらどうか? お前が身に着けている衣服にせよ、スマートフォンにせよ、銃器にせよ、それらは自然から搾取して造られたものではないのか?」

 

 

――――――それとも、自然を愛する心はあっても自然の恵みに感謝する心はないというわけか?

 

 

宮藤 セルマ「なんだと……?」

 

神代キヴォトス人「だから、自らを生み育てた文明に対して恩を仇で返す誇大妄想にも浸れるのだろう」

 

神代キヴォトス人「お前のような一人だけでも生きていけると思春期特有の肥大化した自意識に身を任せた跳ねっ返りは嫌いではないが、そんな性格だから母校である【トリニティ総合学園】に居場所がないのであろう」

 

小鳥遊 ホシノ「え」

 

宮藤 セルマ「どうして出身校が【トリニティ】だと――――――?」

 

神代キヴォトス人「臭いでわかる。お前の背中には服に隠れるほどの小さな翼の羽毛の蒸れた臭いがプンプンするからな」

 

神代キヴォトス人「それでイジメでも受けていたのか? 聖書の神様は助けてくれないと嘆いたのか?」

 

神代キヴォトス人「だが、自分が受けた苦しみを大義名分にして他人にぶつける有り様は惨めだとは思わんか。ましてや、自分とは無関係の人たちの神経を逆撫でして甚振ることに愉悦を覚えているとは――――――」

 

宮藤 セルマ「だ、黙れえええええええええ!」ジャキ!

 

小鳥遊 ホシノ「危ない、サーベラス様!」バッ

 

神代キヴォトス人「撃てんよ、そんな粗末な銃ではな」

 

宮藤 セルマ「――――――!」カチッ

 

宮藤 セルマ「――――――!?」ガキン!

 

宮藤 セルマ「おい、どうした!? なぜ撃てない!?」

 

神代キヴォトス人「分解(バラ)してみればわかるのではないか?」ドン!

 

宮藤 セルマ「あ」

 

小鳥遊 ホシノ「ええ?!」

 

 

――――――目の前で【マウンテンコリー】宮藤 セルマの大型拳銃を引ったくって素手で解体してしまう!

 

 

神代キヴォトス人「ほれ、潤滑油(ガンオイル)が蒸発して金属部品同士が固着しているであろう。これでは銃爪を引いても動作できんな。我の前では蒸発することのない固体の潤滑油(ガンオイル)の使用を推奨するぞ」ポイッ

 

宮藤 セルマ「そんな馬鹿な……」ドサッ ――――――無造作に解体された大型拳銃を投げ返される。

 

小鳥遊 ホシノ「サーベラス様、どうする? こいつ、サーベラス様を撃とうとした!」

 

神代キヴォトス人「どうもせん。ここは【アビドス】だ。【アビドス】の法律に基づいて裁けばよい」

 

神代キヴォトス人「もっとも、これまでアビドス自治区の犯罪者を裁く司法制度が機能していたことはないのであろう?」

 

神代キヴォトス人「なら、【アビドス高等学校】の生徒であるお前たちのお気持ち次第であろうな。つまりは法的根拠のない私刑というわけだ」

 

神代キヴォトス人「ホシノ、今この場では貴方が【アビドス】を守る法の番人ということになるな。あるいは、【アビドス】のために暴君として君臨することになるのだ」

 

小鳥遊 ホシノ「………………」

 

 

――――――こうして“シャーレの研究員”神代キヴォトス人:サーベラスによる砂漠化の原因調査が開始された。

 

 

その初日は怪獣無法地帯:旧アビドス自治区から逃れてきていた居住者たちから砂漠化の歴史を聞き込み調査することになり、砂漠化の拡大の推移から発生場所を探り当てるという基本的なことから始まった。

 

なにしろ、度重なる【アビドス高等学校】の校舎の移転の中でそうした歴史的資料などの重要文献が喪失しているため、数十年前の話なのにどこから砂漠化が始まったのかですらわからない有り様だったのだ。

 

なので、【アビドス生徒会】副会長:小鳥遊 ホシノを連れて聞き込み調査をして回る“シャーレの研究員”神代キヴォトス人:サーベラスの存在とその絶世の美貌は一気に新アビドス自治区に知れ渡ることとなった。

 

ついでに最悪の出会いをしたトリニティ系環境保護団体【マウンテンコリー】の宮藤 セルマも連れ回すことになり、だてにキヴォトスで環境保護運動をしている輩ではないところを見せつけることとなった。

 

 

そして、ようやく判明したことは【アビドス高等学校】が 本来 存在していたアビドス自治区の居住区のほとんどがアビドス砂漠には存在していなかったこと;あくまでも砂漠地帯に隣接した地域で栄えていたのが【アビドス高等学校】の歴史であったのである――――――。

 

 

つまり、かつてはキヴォトスで最も長い歴史を誇り、生徒会長が70人いたと言う群雄割拠の混乱期を経ての全盛期でキヴォトス最大の学園として名を馳せ、圧倒的な兵力や資金を誇るほどの繁栄を謳歌し、他の自治区からは羨望や畏怖の目で見られていた歴史的事実が【アビドス】内外の聞き込み調査と文献調査で判明したのである。

 

早速だが、トリニティ系環境保護団体【マウンテンコリー】の宮藤 セルマの人脈が役に立ち、【トリニティ総合学園】の古書館で過去の【アビドス高等学校】の文献を見つけてくることに成功していた。

 

そこからわかることは、キヴォトス最大の学園【アビドス高等学校】は 前述の通り 砂漠地帯には存在していなかったわけであり、それを呑み干すほどにアビドス砂漠は元から巨大なものだが、裏返すとキヴォトス最大の学園を築き上げる繁栄の基礎となる広大な豊穣の大地が隣り合っていたのである。

 

そのため、少なくとも荒廃した街並みが途切れる場所からが本来のアビドス砂漠ということになり、【アビドス高等学校】が自治できる範囲までスリム化した新アビドス自治区に対して、それ以外の全てを【カイザーコーポレーション】が借金漬けにして買い叩いて占領した旧アビドス自治区は正確には砂漠に埋もれた旧アビドス居住区と不毛なるアビドス砂漠の複合体と言える。

 

そのことから【カイザーコーポレーション】がこの度の怪獣無法地帯の発生によって本当に何の価値もない不毛な土地の所有権を何十年もかけて必死になって手に入れてしまったことを後悔している様子が目に浮かぶ。

 

 

さて、この度の砂漠化の原因調査というのは、【カイザーコーポレーション】が所有する旧アビドス自治区のうちの旧アビドス居住区の先の本来のアビドス砂漠を目指すものになり、返還交渉の中で絶対に手放そうとしなかった土地に建てられた【カイザーPMC】の武装要塞の脇を素通りするものとなった――――――。

 

 

本来は【カイザーコーポレーション】の私有地というわけで不法侵入をしているわけなのだが、土地の所有者であることが明確化したことによって、逆に“シャーレの先生”にけじめをつけられたことにより、要塞に近づかない限りは見て見ぬ振りをするようになっていたのだ。

 

それはすでにアビドス遠征で“シャーレの先生”がキヴォトス中の生徒たちに協力を呼びかけて人海戦術で【アビドス】における未調査領域の調査を推し進めるゴールドラッシュが起きた時点でなっており、不毛の大地に生徒たちの姦しい声が響き渡るのを黙って見ている他なかったのだ。

 

そもそも、怪獣無法地帯のド真ん中に取り残されていることになったため、要塞に立て籠もって【キヴォトス防衛軍】が怪獣退治をしてくれるまで自分たちの安全を是が非でも確保しようと現場は 最大限 保身に動いていたのだった。

 

 

ブゥウウウウウウウウウン!

 

 

神代キヴォトス人「――――――あそこが【カイザーコーポレーション】が返還交渉で唯一応じなかった土地か」

 

小鳥遊 ホシノ「…………【カイザーPMC】の拠点があんなところにあっただなんてねぇ」

 

神代キヴォトス人「たしかに、あそこには何かがあるな。だからこそ、この期に及んで退くこともできんわけか。何も知らん末端の連中はただただ哀れよな」

 

錠前 サオリ「まだ本来のアビドス砂漠には到達していないぞ?」

 

秤 アツコ「でも、【アビドス高等学校】の繁栄を担っていたのは間違いなくあの場所に秘められた何かみたい。あそこが【アビドス高等学校】の本来の中心地――――――」

 

錠前 サオリ「となると、これから向かう本来のアビドス砂漠の方に【アビドス】の破滅を担う何かが存在するというわけか」

 

 

錠前 サオリ「いいか、そろそろだぞ。旧アビドス居住区の切れ目から怪獣無法地帯:アビドス砂漠だ。そこからは何が現れても不思議じゃない。心の準備をしておけ」

 

 

秤 アツコ「うん。しっかりカメラの用意もしてあるし、上手な撮り方はプロのカメラマンの姫矢さんに教わったから」

 

小鳥遊 ホシノ「うんうん。頼りにしてるよ、アツコちゃん」

 

錠前 サオリ「ドライブレコーダーも大丈夫だ。兵員輸送車も 各部 異常なし。突入するぞ」

 

宮藤 セルマ「………………」

 

神代キヴォトス人「緊張しているのか?」

 

宮藤 セルマ「いや、これから怪獣たちが築き上げている楽園を目にすることができると思うと、楽しみでならないだけだ」

 

神代キヴォトス人「お前が主張している自然とやらは随分と人間にとって都合がいいものなのだな」

 

宮藤 セルマ「な、なにをぉ……!」

 

神代キヴォトス人「まあ、それもそうか。ありのままの自分の美しさや醜さを受け入れられん者が自然の美しさや醜さをありのままに受け入れられるはずもないか」

 

神代キヴォトス人「ともかく、【アビドス】で確認された宇宙大怪獣:アストロモンスに関する議論に関して、お前はまだ答えを出していないが、あれは植物なのか、それとも動物なのか、さっさとはっきりさせんか」

 

宮藤 セルマ「だから、あれは植物でもあり 動物でもある まったく新しい進化した生物で――――――」

 

神代キヴォトス人「お前たちの主張では『弱きを助け、強きをくじく』ということで、食物連鎖のヒエラルキーの最下層に位置する植物を優遇する一方で、その頂点に立つ頂点捕食者を冷遇するのだったな」

 

神代キヴォトス人「さあ、どうする? アストロモンスが幼体のうちは保護して、アストロモンスが成長しきったら殺すのか? それではお前たち【マウンテンコリー】が反対しているものの1つである家畜の屠殺と大して変わらんな」

 

神代キヴォトス人「しかも、アストロモンスの幼体は吸血植物:チグリスフラワーなのだぞ。アストロモンスの成長のために人が犠牲になるのを容認しながら、成長しきったら殺すというのは無駄な犠牲者を出しているだけではないのか? なあ?」

 

宮藤 セルマ「だ、黙れ。黙れよぉ……」ヒック・・・

 

秤 アツコ「また泣いちゃった……」

 

小鳥遊 ホシノ「あんまりイジり過ぎないでよね、サーベラス様」

 

神代キヴォトス人「自分が何を言っているのかをわかっていないような蒙昧に対して、どこがどのようにして阿呆なのかを採点してあげないと永遠に阿呆のままだぞ」

 

神代キヴォトス人「そうした採点の結果を受け入れて自らの向上に繋げられる素直さがあるかどうかが賢人になれるかどうかの分かれ目だ。得てして、愚者というものは他人の言葉を素直に聞き入れる度量というものがない」

 

神代キヴォトス人「そういう意味では、セルマよ、お前は捻くれ者で 毎回こうして泣かされているわけだが、それでもめげずに立ち向かってくる辺り、なかなか頑張っている方だからな」ナデナデ

 

宮藤 セルマ「う、うるさい……」ウウ・・・

 

 

錠前 サオリ「よし、まずはゴールドラッシュの時に確認できたハザードマップの範囲を見て回ろう」

 

 

小鳥遊 ホシノ「要するに、大体がまだ近場ってことだよね」

 

秤 アツコ「それじゃあ、私も風を浴びてこようかな」

 

小鳥遊 ホシノ「またまた~。本当はガリバーさんと一緒がいいんだよね~」

 

秤 アツコ「うん。だって、コーイチは私のことを守ってくれる騎士様だもん。お姫様の側にお姫様を守る騎士様がいないのはおかしいことだから」

 

錠前 サオリ「手摺があるとは言え、振り落とされるなよ、姫?」

 

秤 アツコ「大丈夫だよ、サッちゃん。それじゃ」ガチャ

 

――――――

 

秤 アツコ「コーイチ!」

 

ロボット職員「アツコさん」 ――――――肩アーマーのワイヤーアンカーを展開した四脚モード!

 

角楯 カリン「む」 ――――――四脚モードのロボット職員を背中から抱きしめている!

 

猫塚 ヒビキ「……もう時間が来ちゃったか」 ――――――四脚モードで展開された席で対面になっている!

 

秤 アツコ「苦しゅうない。苦しゅうない。コーイチのことを視ててくれてありがとう、二人共」

 

秤 アツコ「さあ、交代の時間だよ。コーイチの膝からどいて。暑かったよね。たくさん涼んでいいから」

 

角楯 カリン「その必要はない。狙撃手の私が見張りについていた方が安全が確保される」

 

猫塚 ヒビキ「それに、イオナイザー空気清浄機のおかげでガリバーさんの周りは涼しいしね」

 

秤 アツコ「じゃあ、二人のふしだらな格好を写真にして、ユウカやネルに叱ってもらおうかな」スチャ ――――――カメラを構える。

 

角楯 カリン「あ、それだけは……!」

 

猫塚 ヒビキ「ダメ! そんなのは卑怯だよ!」

 

秤 アツコ「じゃあ、私にコーイチの膝の上を譲って。大丈夫、減るもんじゃないんだし、次の交代でまた堪能すればいいだけじゃない」

 

猫塚 ヒビキ「……うぅ、わかった」

 

角楯 カリン「……【アリウス】のお姫様がこんなにも手強いだなんてなぁ」

 

 

秤 アツコ「それじゃあ、おまたせ、コーイチ」 ――――――四脚モードの席に意気揚々と座る!

 

 

ロボット職員「暑くないですか、アツコさん」

 

秤 アツコ「大丈夫。コーイチから涼しい風が吹いているから、全然 暑くないよ」

 

秤 アツコ「でも、見渡す限り 本当に何も無いよね、アビドス砂漠」

 

ロボット職員「このアビドス居住区の郊外にあるオアシスで“アビドス砂祭り”と呼ばれる催しが開催されていて、他の自治区からも大勢の人が訪れる【アビドス】の一大名物にだったらしいですよ」

 

秤 アツコ「……そのオアシス、枯れちゃたんだよね」

 

ロボット職員「そうですね。オアシスが枯れた原因も調査しないと」

 

 

現在、冷房の効いた兵員輸送車に乗った“シャーレの研究員”神代キヴォトス人:サーベラスを筆頭にした調査部隊が怪獣無法地帯と化したアビドス砂漠に進入し、その屋根に天蓋を付けて周囲を警戒する見張り番としてロボット職員:マウンテンガリバーが四脚モードで陣取っていた。

 

そして、ロボット職員:マウンテンガリバーが行くということで調査への同行を【ミレニアムサイエンススクール】猫塚 ヒビキと角楯 カリンが願い出ることになり、それぞれが兵員輸送車の修理や見張りを兼ねる戦闘員として力になれることを猛烈に主張(アピール)し、“シャーレの研究員”神代キヴォトス人:サーベラスがそれを認めたことで2人は嬉々として兵員輸送車の屋根に飛び乗ったのだった。

 

言うまでもなく、ロボット職員:マウンテンガリバーに恋心を抱く2人である。ある程度は見張り番のことを意識して安全運転をしてくれるとは言え、緊急時は屋根から振り落とされる危険性もある場所で大好きでしかたがない人と一緒にいられる時間を味わい尽くそうとしてきたのである。

 

けれども、いくらロボット職員:マウンテンガリバーにイオナイザー空気清浄機による冷風機能があるとは言え、砂漠の屋外に何時間も居続けるのは危険であるため、こうして交代の時間を設けているわけであり、猫塚 ヒビキと角楯 カリンは 渋々 冷房の効いた兵員輸送車の車内に降りることになったのだった。

 

その後に堂々とオクトカムで感触が再現されたコーイチ先生の膝の上に座るのが秤 アツコであり、ここからしばらくは【アリウス】のお姫様との二人きりの時間となるのだった。

 

 

一方で、かつてネオフロンティアスペースの地球人であったロボット職員:マウンテンガリバーは改めてアビドス砂漠の謎について考え耽っていた。

 

 

というのも、地球の砂漠とは違って【アビドス】の正確には豊穣の大地:アビドス居住区の気候はなぜか日本に近く、降雪や積雪、入学式の時期に桜が咲くなど高温多湿の ケッペンの気候区分でいう 温暖湿潤気候(Cfa)に分類されているからなのだ。

 

というより、砂漠に埋もれた【アビドス】の街並みは極めて日本的な都市景観になっており、その隣に超巨大な砂漠が存在していることが考えてみると実に不可解でならないのだ。

 

なぜなら、砂漠が誕生するためには当然ながら並大抵の動植物が棲息することができない気候;大陸性の乾燥した高気圧が居座り、雨が極端に少ないことで日照時間が長く、昼間の気温上昇が大きいが夜間の気温低下も著しいというケッペンの気候区分における砂漠気候(BWh)にならないといけないのだ。

 

そう、ケッペンの気候区分で考えると、明らかに日本的な高温多湿の温暖湿潤気候(Cfa)のアビドス居住区と典型的な砂漠気候(BWh)のアビドス砂漠が互いに隣り合って巨大な勢力を持っていることが不思議そのものであり、そのことが原因不明の砂漠化に繋がっているような気がしてならないのだ。

 

ただ、『前回』はそこまで深く追求する余裕がなかっただけじゃなく、ネオフロンティア時代の人間としてケッペンの気候区分といった地球の事象に関する学問的知識は宇宙に旅立つ人間には不要であると軽視してきたことで、ケッペンの気候区分から見る【アビドス】の異常性に気づくことができていなかったのだ。

 

当然、ケッペンの気候区分から【アビドス】の砂漠化の謎にメスを入れることができたのは小学校の先生が本職でかつ地球を宇宙に誇れる惑星と胸を張って言えるように教養を磨いてきた“シャーレの先生”北条 アキラの功績であり、それを隣で見ていたからこそ【アリウススクワッド】錠前 サオリは北条 アキラの内弟子として学問に熱心に打ち込むことになった。知は力なり。

 

となると、【ゲヘナ】の豊穣の大地を司る“地獄の釜の番人”神代キヴォトス人:サーベラスが存在していたことも相まって、これでますます【アビドス】の相反する豊穣の大地と不毛の大地が隣り合って存在することが人為的なものであるという疑惑が深まったわけであり、

 

おそらく【アビドス】の豊穣の大地を司る何かが秘められているのが【カイザーPMC】が駐屯している場所であり、これから探し出さなくてはならないのは【アビドス】の不毛の大地を司る何かが秘められている場所というわけである。

 

しかし、キヴォトス最大を誇った【アビドス高等学校】を数十年で荒廃に追いやるほどの規模を誇り、今なお拡大を続ける魔のアビドス砂漠からそれを見つけ出すことは困難極まりない――――――。

 

そのため、【キヴォトス防衛軍】が誇る超高性能航空機を総動員して空から虱潰しに調査することができればよかったのだが、強烈な妨害電波を出しているのが土地の所有者である【カイザーコーポレーション】である以上、現状としては無理をせずに着実に防衛体制を整えながら手近なところから調べていく他なかった。

 

もっとも、防衛体制が完全に整ったら【カイザーコーポレーション】の意向など無視して【キヴォトス防衛軍】を動かす腹積もりなので、今回の調査は【アビドス】の土地や気候に慣れるために行われるものに過ぎない。命を懸けるべきステージではないということである。

 

そのはずが――――――。

 

 

錠前 サオリ「――――――そう言えば先生が言っていたな」

 

錠前 サオリ「オアシスというのは正確には『砂漠やステップなど乾燥地域における緑地』のことであって、砂漠の真ん中にある泉を指すものじゃないと」

 

錠前 サオリ「そういう意味では現在の【アビドス】は着々とオアシスへと変貌していっているのかもしれないな」

 

神代キヴォトス人「待て、サオリ。この辺に何かある。停めろ」

 

錠前 サオリ「わかった」

 

角楯 カリン「周囲の警戒を開始。アストロモンスの出現に最大限の警戒を」

 

猫塚 ヒビキ「兵員輸送車の点検を行っておくね」

 

 

バタン・・・

 

 

宮藤 セルマ「……何もないぞ」

 

神代キヴォトス人「キヴォトス最大の学園として歴史に刻んだ【アビドス高等学校】の歴史を振り返ろうか」

 

小鳥遊 ホシノ「うへ~。たしか、生徒会長が70人いたと言う群雄割拠の混乱期を経て全盛期を迎えたんだよね」

 

秤 アツコ「その群雄割拠を平定して学園の全盛期を築き上げた伝説の生徒会長の名を“シェマタ”と言った」

 

宮藤 セルマ「じゃあ、『群雄割拠を平定して学園の全盛期を築いた』ということは、そこからはずっと下り坂というわけだな」フン!

 

神代キヴォトス人「当然ながら、その群雄割拠はこの不毛の大地で行われていたわけではない。隣接する温暖湿潤気候(Cfa)の豊穣の大地:アビドス居住区に跡地として残り続ける数多の歴史ある廃校舎がそれを物語っている」

 

神代キヴォトス人「しかし、その不毛の大地に存在するオアシスを観光資源にしていたことも事実で、まったくもってアビドス砂漠に進出していないわけではなかった」

 

神代キヴォトス人「とすれば、生徒会長が70人いたと言う群雄割拠の混乱期に建てられた遺構もまたアビドス砂漠に隠されている――――――」

 

神代キヴォトス人「いや、どう考えても生徒会長が70人いたと言う伝説の方が眉唾物だな。いったいいつの時代の話なのかもわからん」

 

秤 アツコ「うん。最盛期を築き上げた伝説の生徒会長の“シェマタ”って名前の響き自体、キヴォトス的じゃないもんね」

 

神代キヴォトス人「おそらく、“生徒会長”というのは現在の学園が国家と同義のキヴォトスの価値観によって塗り替えられた表現であるように我は思う」

 

神代キヴォトス人「我が思うに、70人の生徒会長がいた群雄割拠の混乱期というのは古代における王朝の乱立を物語ったものであり、巨大な帝国の分裂と再統一が行われていた時期なのだろう」

 

宮藤 セルマ「……何だ、それは? さっきから出鱈目を言うのも大概にしろ」

 

神代キヴォトス人「確証がないのはたしかなことだが、我は真実を話している――――――」

 

 

――――――ああ、わかったぞ。アビドス砂漠という領域そのものがそのための()()()()()だったのか。

 

 

小鳥遊 ホシノ「――――――『秘密保管庫』?」

 

神代キヴォトス人「その通りだ。この場に来てようやく理解できた。何かを隠そうという意識が渦巻いているのはそのためか」

 

神代キヴォトス人「やはり、ここには神代から続く超古代文明によって将来において繁栄の礎となるものが隠されており、その秘密を探ろうとするものを激しく拒む仕掛けが施されている」

 

秤 アツコ「それってどういう意味? 繁栄の礎となるものが隠されていることと砂漠化が広まる原因が繋がっているの?」

 

宮藤 セルマ「ああ、まったくもって理解不能だ。繁栄の礎となるものが本当にあるなら、どうして隠す必要がある?」

 

神代キヴォトス人「――――――現代社会のエネルギープラントだからといって原子炉や発電所を簡単に人が入れる場所にするか、普通?」

 

宮藤 セルマ「……いや、しないな、普通に考えて。厳重な立入禁止を設けているはずだ」

 

神代キヴォトス人「そういうことだ。繁栄の礎となるものは言い換えればエネルギープラントに相当するものだから、悠久の刻を経てヒューマンエラーによる故障を防ぐために 未来永劫 絶対に人が立ち入ることができない場所に封じ込めているわけだ」

 

神代キヴォトス人「だから、アビドス砂漠と呼ばれている場所の起こりは間違いなく人為的なものだ。領域そのものが我らが光の勢力が築き上げた超古代文明の遺産なのだ」

 

 

――――――そして、この地は何かを隠そうとしている者の力となり、そこから何かを探し出そうとしている者の敵となる性質を持っている。

 

 

小鳥遊 ホシノ「え」

 

宮藤 セルマ「は」

 

秤 アツコ「もしかして、これまで【アビドス高等学校】の支援要請が【連邦生徒会】に届いていなかったのって――――――?」

 

神代キヴォトス人「おそらく、そうだろうな。この砂漠の砂には何かを隠そうとする者の意思を強める性質がある」

 

神代キヴォトス人「だから、数十年に渡って【アビドス】で陰謀を企んでいた【カイザーコーポレーション】が有利になるように因果が操られていたのだ」

 

秤 アツコ「じゃあ、この砂漠の砂を新アビドス自治区からなくす美化活動って実はとんでもなく重要なことだった……?」

 

神代キヴォトス人「その通りだ。この砂漠の砂に日常的に触れていることによって、人々は常に何か大切なことを見落とすようになっている」

 

宮藤 セルマ「実に聞くに値しない 極めて非科学的な話だが、その話がもし本当だとするとアビドス砂漠は完全に呪われた地じゃないか!」

 

神代キヴォトス人「まずいな。この砂漠の砂を使ったコンクリートからそういう性質を消しておかないと、物忘れが激しい健忘症だらけの呪われた土地があちこちで生まれてしまうかもしれん。対策を考えねば」

 

 

小鳥遊 ホシノ「……じゃあ、この物忘れが激しくなる砂漠が広がっているのはどうして?」

 

 

神代キヴォトス人「おそらく、それもまた3000万年前の超古代文明の崩壊によって、経年劣化で土地の管理機能が維持できなくなった結果、領域そのものが何かを隠す性質を持つことで、次第に周辺領域を隠す方向へと暴走を始めたのではないかと我は推測する」

 

小鳥遊 ホシノ「!!!!」

 

秤 アツコ「え? じゃあ、このアビドス砂漠で探しものを見つけるだなんて無理なことなんじゃ……? 【カイザーコーポレーション】の探しものも、それで何十年も見つからないんだよね?」

 

神代キヴォトス人「それどころか、このまま放置しておいたらキヴォトスそのものがアビドス砂漠に呑み込まれて全てが忘却されてしまうだろうな」

 

宮藤 セルマ「なんだって!?」

 

神代キヴォトス人「だが、あくまでも この仕掛けは光の勢力が仕掛けたものである以上、光の同胞には作用しないようになっているから安心せよ。闇の勢力が探り当てることができないようにした仕掛けであるからな。ここ以外にも経験がある」

 

神代キヴォトス人「となると、ここから近い場所に超古代文明の遺跡が必ずあるぞ。近くに行けば行くほど秘密を探り出そうとする者を拒む波動が強くなるが、それが光の同胞を迎え入れる目印となる」

 

秤 アツコ「……早速 見つけられた!」

 

小鳥遊 ホシノ「もし、本当にそうだとするのなら、私は…………」

 

神代キヴォトス人「しかし、この砂漠化は光の眷属たる我でも放置できん問題になってきているな」

 

 

――――――光の文明の防衛機構たる領域:忘却の砂漠が今や星をも呑み込まん勢いで暴走しているのだからな!

 

 

では、ここで状況を整理しよう――――――。

 

これまで【アビドス高等学校】が自治するアビドス自治区は豊穣の大地:アビドス居住区と不毛の大地:アビドス砂漠が隣り合った摩訶不思議な風土となっており、その実態は驚くべきものであった。

 

不毛の大地:アビドス砂漠は3000万年に滅んだとされる超古代文明において光の勢力が他の地域の繁栄の礎となるものを供給するエネルギープラントに相当するものを設置し、それが闇の勢力によって将来に渡って探り出されないように忘却の性質の砂で敷き詰めた秘密保管庫として成立した領域だと断言したのだ。

 

そのため、アビドス砂漠の地下には超古代文明の遺跡やそれに関連する何かが未だに隠されている可能性が非常に高いのだが、

 

同じく【ゲヘナ】の豊穣の大地の管理人である神代キヴォトス人:サーベラスが眠りに就いていた防衛拠点:光のピラミッドだったが、1000万年周期で光と闇の最終戦争が繰り返される想定が外れて3000万年後の現代に再開――――――。

 

その結果、想定外の歳月の経過による経年劣化で設備に異常をきたしていたことで、闇怪獣の出現を察知して光のピラミッドが悠久の刻を経て正常に地上に現れたのにも関わらず、肝腎の光のピラミッドの管理人たる神代キヴォトス人:サーベラスが覚醒(めざ)めることができずにいたのだ。

 

この前例を踏まえると、超古代文明を滅ぼした光と闇の最終戦争が再開されるまでの悠久の刻の間に経年劣化で故障した土地の管理システムが暴走している可能性は十分にありえる話であった。

 

そのため、砂漠化の進行は緩やかに思えるが、領域そのものが何かを隠す性質を持つことで、次第に周辺領域をも隠す方向へと暴走しているため、放置しておいたら いずれは星そのものが忘却の砂漠に覆い隠される危機に瀕していたのだ。

 

そして、ここで1つ思い出して欲しいことがある――――――。

 

 

――――――砂漠の砂を建築材(コンクリート)にする技術は宇宙開発で大いに活用されていると地球人:北条 アキラが解説していたではないか!

 

 

つまり、宇宙で非常にありふれている二酸化ケイ素を主成分とする砂粒を無尽蔵に生産することは地下資源を栽培するレベルの超古代文明では極めて容易なことであるため、忘却の砂の生産工場を止めないと本当に星が忘却の砂漠に覆い隠されるのだ。

 

そう、いくら考えてもおかしいことだらけだったのだ――――――。

 

かつて70人の生徒会長がいた群雄割拠の混乱期が仮に事実だったとして、それを平定して最盛期を迎えたとされる【アビドス高等学校】の生徒たちを養えるだけの巨大な豊穣の大地を侵食できるほどの砂漠が隣接していること自体が変なのだ。

 

一般的に【アビドス高等学校】の自治区と呼ばれているキヴォトス最大だった居住区をも呑み込むほどの量の砂が数十年に渡ってアビドス砂漠から運ばれてきたというのに、それだけの砂を消費しているはずのアビドス砂漠が後退している気配がないのはなぜか――――――。

 

その答えに辿り着くためには未来世界で本来のXデーとなる日に出現する【ゲヘナ】の光のピラミッドで設備が経年劣化して覚醒(めざ)めることができなくなっている神代キヴォトス人:サーベラスの協力が必要不可欠だったわけなのだが、そのためには光の迷宮を突破できる“ユザレの末裔”である誰かを連れて行く必要がある――――――。

 

そのことから、『前回』“シャーレの先生”としてキヴォトスを救うことができなかったロボット職員:マウンテンガリバーとしては【ゲーム開発部】が開発したクリアさせる気がないクソゲーをプレイさせられた気分になり、不毛の大地:アビドス砂漠の雲一つない青空に血涙の咆哮を上げることになったのだった。

 

そして――――――。

 

 

鬼怒川 カスミ「待たせたな、諸君! これより、新型の地中探査機:GUTSディグによる地中探査を開始するぞ!」

 

鬼怒川 カスミ「回収することができた地底怪獣:オカグビラの遺骸を解剖して、そのメカニズムを取り入れた最新鋭機だ! 性能は折り紙付きだから安心したまえ!」

 

鬼怒川 カスミ「よし、一号機は私が操縦するとして、二号機はガリバーくんが上手く操縦したまえよ。まあ、基本的には真下に掘り進むのなら自動操縦なんだが」

 

角楯 カリン「地上で異変が起きたら、すぐに引き返して」

 

奥空 アヤネ「ホシノ先輩、ご無事で」

 

戦場カメラマン「…………ホシノ」

 

――――――

 

ロボット職員「まかせてください」

 

ロボット職員「…………GUTSディグなんて名前のメカ、【スーパーGUTS】にあったような気がするなぁ」ワクワク

 

ロボット職員「二号機、準備は万端です」

 

錠前 サオリ「行こう、コーイチ」

 

秤 アツコ「きっと、未来を変えることができる何かが見つかるよ」

 

猫塚 ヒビキ「仕様は把握したから、わからないことがあったら私を頼ってね、ガリバーさん」

 

――――――

 

鬼怒川 カスミ「さてさて、4人乗りということで随分と変わった面々が揃うことになったなぁ?」

 

神代キヴォトス人「頼りにしているぞ、鬼怒川 カスミ」

 

宮藤 セルマ「くそっ! 【温泉開発部】だと!? 温泉開発という名目で次々と自然を破壊する最低最悪の環境テロリストと一緒になるだなんて……!」

 

小鳥遊 ホシノ「………………」

 

鬼怒川 カスミ「ではでは、未知なる世界へと旅立つぞ~!」

 

 

【温泉開発部】鬼怒川 カスミが対怪獣兵器として予算申請していた新型の地中探査機:GUTSディグは途中で【ミレニアムサイエンススクール】の技術協力を受けて完成することになり、そこからGUTSファルコンに倣った“GUTS”のコードネームを付与されることなった。

 

回収できたオカグビラの角ドリル2本からGUTSディグは2機生産されることになり、GUTSファルコンで培われた遠隔操縦機能を併用することで、地上の簡易司令部とデータリンクしてボタン一つの自動操縦を可能としていた。

 

そのため、実際には4人乗りの地底探検の遊覧船に乗っているようなものであり、地質調査のプロである【温泉開発部】の全面的な協力もあってGUTSディグによる最初の地中探査は意外なまでに快適なものとなっていた。

 

今回の発掘調査は【温泉開発部】が主体となり、怪獣無法地帯での極めて危険なものであるため、怪獣が出現したらすぐにでも逃げ出せることを念頭に置いた構成となっていた。

 

しかし、暴走した光の超古代文明の防衛機構:忘却の砂漠はたとえ光の同胞であろうとも秘密を探る者に対して容赦なく牙を剥いたのだった――――――。

 

 

奥空 アヤネ「大変です! 上空から未確認物体が降下しています!」

 

角楯 カリン「――――――ガゾートか!?」

 

戦場カメラマン「!」

 

温泉開発部「大変だ! 今すぐに撤収の準備だ!」

 

奥空 アヤネ「作戦は中止です! 上空から未確認物体が降下しています! 応答してください!」

 

奥空 アヤネ「え、うそ。反応が消失している――――――」

 

角楯 カリン「なら、無事であることを信じて、今この場にいる全員で【アビドス】へ全速力で退避して!」

 

奥空 アヤネ「はい!」

 

奥空 アヤネ「……あれ、姫矢さん? 姫矢さん?」

 

 

戦場カメラマン「――――――3000万年前の超古代文明の遺産:忘却の砂漠が暴走して怪獣を呼び寄せているか」スッ ――――――エボルトラスターを取り出す!

 

戦場カメラマン「ここで暴走を止めなければ【アビドス】は永遠に救われない!」グッ 

 

戦場カメラマン「………ユメ! ホシノ! 俺も未来のために戦う!」

 

 

鞘を左手で持って左腰に構え!

 

右腕で鞘から短剣を前方に引き抜き!

 

短剣を左肩に当て、右腕を伸ばて空に掲げた!

 

 

シェア!

 

 

角楯 カリン「あ、あれは――――――」

 

温泉開発部「おお! 来てくれたか!」

 

奥空 アヤネ「――――――ウルトラマンネクサス!」

 

 

北条 アキラ/ウルトラマン80と【アビドス】の怪獣災害の対処を任されていた姫矢 ジュン/ウルトラマンネクサスは忘却の砂漠の秘密を探ろうとしている者を追い払うために防衛機構が呼び寄せた怪獣と対峙することとなった。

 

それは宇宙から飛来してきた金属生命体であり、4つの巨大な槍となって地上に降り注ごうとしていた。明らかに秘密に迫ろうとしている地中探査機を狙った動きであった。

 

そこを空中戦を得意とするウルトラマンネクサスは 早速 赤と銀の巨人:ウルトラマンネクサス ジュネッスに変身して飛び立つと、高速飛行しながら両手で三日月型の光刃(ボードレイ・フェザー)を発射して4つの槍を次々と撃ち抜くのであった。

 

撃ち落とされた4本の槍は地上に落下し、4本の槍が液体のように寄り集まって1つになると、たちまちのうちに人型の金属生命体:アルギュロスとなってウルトラマンネクサス ジュネッスとの肉弾戦となったのであった。

 

この金属生命体:アルギュロスのメタモルアームは腕を何にでも変形させることが可能で、左手を槍に、右手をキャノン砲に変形させて、持ち前の怪力と併せてウルトラマンを寄せ付けない戦いへと持ち込んだ。戦いは劣勢となっていた。

 

しかし、戦闘バギーの運転を奥空 アヤネに任せてギャラクシー・スナイパーライフルによる一撃を角楯 カリンがアルギュロスの目と思われる部分に命中させると、思わぬところからの攻撃にアルギュロスが怯んだ。

 

その一瞬を見逃さずにウルトラマンは居合抜きのように素早くクロスレイ・シュトロームを放って、厄介な左手の槍を内部から分子分解して粉砕することに成功し、金属生命体は想定外の反撃に落ち着きを取り戻すことができずにいた。

 

そこから畳み掛けるようにマッハムーブで怪獣との距離を一瞬で詰めると、エナジーコアから放つ必殺光線:コアインパルスを至近距離から発射し、上半身から吹き飛ばされた金属生命体:アルギュロスを完全に葬り去るのだった。

 

 

 

バッ        

 

        バッ

 

エイティ!

 

 

シュワ!

 

 

 

一方で、【トリニティ総合学園】にも金属生命体:アルギュロスが現れていた。

 

なぜ【トリニティ総合学園】なのか――――――、とにかく【トリニティ総合学園】にアルギュロスが降下して次々と街を破壊して回っていたのである。

 

そこに空間トンネルを通じて一瞬で駆けつけてきたのが【万魔殿】と【キヴォトス防衛軍 CREW GUYS KIVOTOS(クルー・ガイズ・キヴォトス)】の紋章を肩アーマーに施した対怪獣兵器:機龍丸であり、一瞬で怪獣の破壊活動を抑え込む活躍を見せた。

 

しかし、元々が鈍重な機龍丸であるため、人型金属生命体:アルギュロスのウルトラマンに匹敵する格闘能力と変幻自在のメタモルアームによる距離を問わない戦いぶりに翻弄されることになり、当初から指摘されていた機龍丸の格闘能力の低さが露呈することになったのである。

 

しかも、金属生命体であるため、隕石怪獣:ガラモン同様、並大抵の攻撃が通用せず、駆けつけたGUTSファルコンも頼みのチルソナイト徹甲弾の効き目が薄いとわかると、機龍丸の必殺技:メガアース・ボルトに賭けるしかなくなったのである。

 

言うなれば、この金属生命体:アルギュロスはチルソナイト徹甲弾のような貫通属性の攻撃が弱点の重装甲の怪獣ではなく、特殊装甲の怪獣であると推測されるため、神秘属性の攻撃か、振動属性の攻撃が求められていた。

 

そこに空中から急降下キックを食らわして金属生命体を吹き飛ばしたのが我らがヒーロー:ウルトラマン80であった。

 

距離を詰められた金属生命体:アルギュロスは両腕を槍に変えて対応しようとするものの、初代ウルトラマン仕込みの力強いプロレス技とウルトラ拳から繰り出される変幻自在のアクロバティックな攻撃の数々によって一方的に叩きのめされることになった。

 

誰が見てもウルトラマン80の勝ちだと、現地の【トリニティ総合学園】の生徒たちや報道を通じてウルトラマンを遠くから応援している人たちが勝利を確信した時、驚くべきことが起きたのである。

 

 

――――――なんと、金属生命体:アルギュロスが目の前でウルトラマン80に変身したのである! 不敵な声を上げて顔を歪めて偽物が笑う!

 

 

そこからウルトラマン80と互角のパワーとパワーの応酬からのアクロバティックな格闘戦を繰り広げることになり、途中でどっちがどっちだか自信が持てなくなった機龍丸とGUTSファルコンは援護攻撃を差し込むことができなくなってしまっていた。

 

しかし、【ティーパーティー】正ホスト:百合園 セイアからの指令で歌住 サクラコが指揮する【シスターフッド】の航空機部隊が援護射撃を敢行し、本物なのか、偽物なのか、そのどちらかのウルトラマン80がダメージを負うこととなった。

 

それを勝機と見てウルトラマン80がバックルビームを繰り出すと、手傷を負った方も遅れてバックルビームを繰り出し、バックルビーム同士のぶつかり合いとなったのである。

 

そして、勝ったのは当然ながら本物のウルトラマン80であった――――――。

 

 

Come on!

 

Tiga-let!

 

Connect on!

 

 

サクシウム ゼペリオン光線!

 

 

そう、バックルビームのぶつかり合いの後、そこから両者はウルトラマン80得意の必殺技:サクシウム光線を間髪を入れず繰り出すことになったのだが、

 

タイガスパークによる必殺技まで真似できなかった偽物は本物が半身の姿勢からサクシウム光線を繰り出したことに 一瞬 戸惑いを見せてしまったのだ。

 

もちろん、そこからのサクシウム光線同士の撃ち合いは一瞬で決着がつき、最期の瞬間に正体を現した金属生命体:アルギュロスは超絶威力のサクシウム ゼペリオン光線によって跡形もなく消滅させられたのだった。

 

そして、戦いに勝利したウルトラマンがふと目を見やると、作戦区域ギリギリのところで飛んでいるヘリコプターに【ティーパーティー】正ホスト:百合園 セイアの姿があったのだ。

 

その意味を理解したウルトラマンはわかるように厳かに頷くと、ゆっくりと空を見上げて飛び立っていったのだった。

 

 

――――――こうしてアビドス砂漠に仕掛けられていた罠を突破することに成功したが、アビドス砂漠に眠る秘密を探り出す地底大作戦は始まったばかりであった。

 

 




-Document GUYS feat.LXXX No.13-

金属生命体:アルギュロス 登場作品『ウルトラマンガイア』第16話『アグル誕生』登場
以前に出現した金属生命体:アパテーの同族である宇宙から飛来する金属生命体であり、根源的破滅招来体の尖兵と思われるが、明確に断言はされていない。
金属生命体の共通能力として体を自由に変化させることができる液体金属の身体を持ち、体を液体状に変化して姿形を自在に変化させて行動することができる。
前述の通り、液体化できる金属生命体ではあるものの、手足を振るとロボットのような駆動音を出しながら、ウルトラマンと互角の格闘戦ができる運動性も有している。
また、同族のアパテーがウルトラマンガイアを模倣対象としたことでガイアのライフゲージと同じ形状の部位を人型形態に発生させているように、
アルギュロスもまた模倣対象であるウルトラマンアグルのライフゲージと同じ形状の部位を人型形態で作り上げている。
その驚異的な変身能力でニセウルトラマンアグルに変身してみせた際に不敵な声を上げて顔を歪めて笑うことや、本物を倒したと思ってガッツポーズを見せるなど、人間的な感情があることが見て取れる。

能力は金属生命体の共通能力である液体金属で身体を形成する自由自在な変形・分離・変身能力であり、大気圏内を飛行することや地を這うことが可能なため、汎用性が極めて高い。
アルギュロスの場合は両腕のメタモルアームであらゆる武器に変形することが可能で、劇中では左腕を槍、右腕をキャノン砲に変化させてウルトラマンアグルと戦った。
また、ウルトラマンアグルの能力を完全にコピーしたニセウルトラマンアグルに変身してみせた。
劇中ではロボット怪獣のような駆動音を出すように、槍状に変形させた腕でアグルを軽々持ち上げるほどのロボット怪獣らしい怪力を誇っている。
ただし、防衛チームの援護攻撃に怯む辺り、液体金属のせいか防御力は低いように見受けられ、ウルトラマンと互角の格闘戦を繰り広げられる柔軟性が持ち味の一風変わったロボット怪獣と言える。


最初は4本の槍の形態でアグル誕生の地であるアルケミー・スターズの研究施設:プロノーン・カラモスに向かって飛んでいたが、ウルトラマンアグルに撃墜され、人型形態になって戦った。
初戦ではアグルを上記の能力と怪力で苦しめたが、援護に来たチームライトニングをも巻き込むアグルのリキデイター連発を受けて撤退し、槍の姿で地上を這って移動していた。
また、ここで苦戦したことをきっかけにウルトラマンアグルの変身者:藤宮 博也は更なる力を求めている。

そして、アグルを嘲笑うかのようにプロノーン・カラモスに出現し、互角の格闘戦を繰り広げる中、ニセウルトラマンアグルに変身した。
思わぬ敵の出現に本物のアグルは驚き、不敵な声を上げて顔を歪めて笑う偽物。
我夢がウルトラマンガイアに変身して助太刀しようとするが、アグルは変身しないよう制し、やがて敵の動きを見切った上で反撃。
偽物からリキデイターを続けざまに喰らい、偽物が勝利を確信してガッツポーズを見せるものの、本物のアグルはこれを防ぎ切り、最後はフォトンクラッシャーの撃ち合いとなるが、本物があっさり制してアルギュロス/ニセウルトラマンアグルはダメージリアクションもとれない一瞬で爆散することとなった。






本作においては超古代文明を築き上げた光の勢力がアビドス砂漠に残した暴走する防衛機構によって引き寄せられた怪獣となっており、カラータイマーがあるように見えるからと言って光怪獣というわけではない。
また、特徴とも言える模倣されたウルトラマンアグルのライフゲージは本作ではウルトラマン80のカラータイマーに差し替えられており、実際にウルトラマン80相手に変身能力を披露することになった。
一方、通信障害が著しいアビドス砂漠で確認されたウルトラマンネクサスのデータが出回っていなかったため、ウルトラマンネクサスはコピー対象には成り得なかったようである。
しかし、熟練の戦士である北条 アキラ/ウルトラマン80と姫矢 ジュン/ウルトラマンネクサスの前では大した脅威にはならず、わずかなきっかけから反撃のチャンスを掴むと、一瞬で勝負がついてしまった。
一方で、1体はアビドス砂漠の秘密を探る者を抹殺するように手繰り寄せられていたのはわかるのだが、もう1体のアルギュロスがトリニティ総合学園を襲撃した点で謎が残ることになった。

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