SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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前半は比較的穏やかに流れてゆく時間を、後半は大西洋連邦に舞台を変えて展張していきますよ~。

そしてこのシリーズで初めて5000字超えましたw





第17話 12月のオーブの街角に二人のイノベイド系美女、そして”VVスキャンダル” 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、常夏の国オーブにも旧日本から引き継いだ暦上の冬の時期がある。

 南半球は季節が反対? HA-HA-HA! 年間を通して気温変動がない国なので無問題ですよ。

 強いて言うなら首都のあるソロモン諸島を例にあげれば5~10月は乾季、11~4月は雨季で、雨季にはモンスーンもやって来る。

 まあ、日本人的な感覚で言えば、雪は降らないが雨が良く降る時期が冬という感じだ。

 

 さて、クリスマスが迫るこの時期、定番のクリスマスキャロルに混じり、オーブの街でも”冬”を感じさせる歌が流れ始める。

 

 

 

【挿絵表示】

『常夏の国のオーブだけど、暦の上では今は冬。そういう訳で今日お送りする曲は冬を感じさせる……”WHITE ALBUM”ですわ♪』

 

 ラクスのクリスマス・シーズン限定衣装配信から流れる静かなイントロは、確かにどこか冬の到来を感じさせ……

 

 

 

すれ違う毎日が 増えてゆくけれど

お互いの気持ちはいつも 側にいるよ

 

ふたり会えなくても 平気だなんて

強がり言うけど 溜め息まじりね

 

過ぎてゆく季節に 置いてきた宝物

大切なピースの欠けた パズルだね

白い雪が街に 優しく積もるように

アルバムの空白を全部 埋めてしまおう

 

降り積もるさびしさに 負けてしまいそうで

ただひとり 不安な日々を過ごしてても

 

大丈夫だよって 肩をたたいて

あなたは笑顔で 元気をくれるね

 

たとえ離れていても その言葉があるから

心から幸せと言える 不思議だね

淡い雪がわたしの ひそかな想い込めて

純白のアルバムの ページ染めてくれる

 

 

【挿絵表示】

過ぎてゆく季節に 置いてきた宝物

大切なピースの欠けた パズルだね

白い雪が街に 優しく積もるように

アルバムの空白を全部 埋めてしまおう

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、そんなラクスの歌声が流れるオーブ某所にあるオープンカフェでは……

 

 

【挿絵表示】

「はぁ? Tシャツにジーンズって……アニュー、アンタまさかそんな部屋着みたいな恰好でノイマン君とデートしたの?」

 

 思い切り呆れるのは、イノベイドの中では少数派の既婚者、結婚して早半年。新婚生活真っ只中のヒリング・ケアだった。

 

「だって……どんな服着ていったらいいのかわからないし」

 

 そして対面に座ってブツブツ言ってるのはイノベイド苦労人の代名詞ことアニュー・リターナーだ。

 

「あ~の~ね~。デートファッションなんてネットでもファッション雑誌でも腐るほど情報が溢れてるでしょうに」

 

「だーかーらー。その情報が溢れすぎてて精査できないんだって!」

 

「それでも情報型(イノベイド)なの? 情けない」

 

 なんか溜息突き出したヒリングに、

 

「私の専門は工学技術系! 専門外の知識なんて知るかぁーーーっ!」

 

 うがぁーっ!っとなるアニューだったが……

 

「せっかく女の体を選んで受肉したってのに……アニュー、完全に死にスキルになってるじゃない」

 

「うぐっ!?」

 

「もしかして、ノイマン君にはそんなに興味ないとか?」

 

「そ、そんなことは! ないと、思う……多分」

 

 何やらシュンとなるアニューに、

 

「ねえアニュー……女の身で”この世”に出てきたんだから、私たち(イノベイド)だって誰かを好きになって、恋をしたっていいんじゃない?」

 

「ヒリング……」

 

「今はノイマン君と四六時中仕事で一緒だから気が付かないかもしれないけど……この先、ずっと独り身って、多分寂しいわよ?」

 

 流石は旦那持ち、説得力が違う。

 何やらソレスタルビーイングの現場監督の女傑とかプラントで一番偉い女傑とかがクシャミしたような気がするが、まあ、気のせいだろう。

 

「今度、クリスマス・デート約束したんでしょ? そこまで気合い入れろとは言わないけど、少しは努力しなさいよ?」

 

「う、うん。ところでヒリングはクリスマスはどうする……って聞くまでもないか」

 

「もっちろんニコルとずっと一緒よ♪ オールナイト決定ね♡」

 

 なんかやたらめったら幸せオーラを振りまいてるヒリングだった。

 

「……ニコル君、体持つの?」

 

「へーきへーき♪ ニコルってあんなに可愛い顔してるけど、あれで性欲は結構旺盛よ? それに中々にご立派様だし♡」

 

 さらっと暴露されるニコルの性生活であった。

 

「そういえば、キラ君もアッチ方面は凄いって聞いた記憶が……ねえ、なんでプラントのコーディネイターって出生率低下で滅びかけてるんだろ?」

 

「さあ」

 

 一応、解説すると……ナニとは言わないが、要は回数が違いすぎるからだ。

 確かにコーディネイターの受精率・受胎率は低いかもしれないが、それは数で補える。低い命中率を乱射で補うのは当然だろう。要は当たればいいのだから。

 では、なぜプラントではそうはならないのか?

 多分、人間という生き物の根本的で根源的な原因だ。

 婚姻統制とやらで「遺伝子的に受精しやすい」とかいう理由で、好きでもない・好みでもない相手と結婚しなければならないとなれば、そりゃあ萎えるだろう。

 子供を作る・子孫を残すための義務としての性交渉とか、一体どんな苦行だろうか?

 そもそも、夫婦はどんなテンションとモチベーションでベッドに入ればいいんだろうか? どんなに遺伝子的に受胎がしやすくても、生殖行為その物が減れば、あるいは皆無なら意味はない。

 はっきり言えば、プラントは「人間は感情の動物である」という事を忘れてるとしか思えない気がする。

 

「とにかくアニュー、がんばんなよ」

 

「ありがと、ヒリング」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ラクスの歌声とどこか微笑ましいスレンダー系イノベイド美女二人の会話に心和むが、世界は相変わらず悪意と敵意に不足なく、時間は残酷に過ぎていく。

 

 そして特に旧欧米圏では既にクリスマス休暇に入ろうかという頃、再び世間を揺るがす大事件が起きたのだ。

 その名も、

 

 ”VVスキャンダル”

 

 先の大戦の最中”世紀の巨大買収劇”でアズラエル財閥に組み込まれ、開発拠点やその他諸々ごとユーラシア連邦から大西洋連邦に移動した”アクタイオン・インダストリー社”

 

 そのアクタイオン社の技術者に”ヴァレリオ・ヴァレリ”なる人物がいる。

 本人曰く愛称(自称)”ダブルブイ”。この時点で「痛い人物」であることは確定なのだが……

 研究者としてはそれなりに優秀で、容姿端麗でもある……という評判もあるが、強いエリート意識とプライドを持ち、ナチュラルを露骨に見下している典型的な「駄目な方のコーディネーター」だ。そのくせ自分の才能をより高く買ってくれる場を求めてプラントを出てユーラシア連邦時代ののアクタイオン・インダストリー社の技術主任になったという、ツッコミどころ満載の人物である。

 自分を天才だと信じているものの、浮かぶアイディアは単純そのもので、原作ではジャンク屋のロウ・ギュールをライバル視して子供じみた嫉妬心からちょっかいをかけて自滅や痛い目を見るというのがお約束だった。

 まあ、とにかく外伝有数の”残念な人”であることはご理解いただけたと思う。

 

 しかしこの残念男、ロウ・ギュールとの接触しなかったせいか今生ではアクタイオン社が買収された後も、少なくとも大戦後半までは大過なく過ごせていた……筈だった。

 だが、歯車が狂いだしたのは自分が設計した(とヴァレリ本人は思っている)アクタイオン社主導で開発された第2期GAT-Xシリーズが、オーブとかいう小生意気な小国で自分の許可なく勝手に”核動力機に改造された”ことだ。

 しかも、その改造後のデータは自分のところに回ってこず、それどころか核動力化された

 ”オーロラ・カラミティ”

 ”ストーム・レイダー”

 ”ミラージュ・フォビドゥン”

 の3機は勝手に自分の管轄から外されたのだ。

 まあ、当時最新鋭のNJC内蔵核動力をはじめ、オーブの軍事機密もふんだんに使われた魔改造だったので当然の処置だったのだが……

 ちなみに改造計画自体、大部分が軍機とされたのでヴァレリは概要は後に知ったものの計画を主導・主任設計したしたのが、10代の少年(キラ・ヤマト)であることは知らない。

 それはヴァレリにとり間違いなく幸運だ。キラもその姉も、ロウ・ギュールほど優しくはないし、あの姉弟に手を出そうという兆候でも見せた途端、綺麗に抹消されていた事だろう。無論、この世からだ。

 

 

 

 そしてヴァレリ曰く「自分の才能を妬んだ者達の冷遇」は続き、GAT-X105をたたき台にした大西洋連邦の次期主力量産モビルスーツ”ウィンダム”開発計画や、GAT-X131”カラミティ”をベースに開発されるエース向け少数生産の高性能次世代機”ランチャーカラミティ”、”ソードカラミティⅡ”、”エールカラミティ”計画からも外されたのだ。

 特に我慢ならなかったのは後者で、

 

『私が設計したカラミティの発展型開発計画から、カラミティを誰よりも知る私を外すとか正気かっ!?』

 

 と激昂したらしい。

 まあ、他の第2期GAT-Xシリーズでもフォビドゥンは水中戦用の機体として舵を切ったので流石に「水泳部は専門外」と関わろうとしなかったし、レイダーに関しては既に量産型が存在しているが、ヴァレリは”ブーストレイダー”なる「(自称)画期的な改造案」を提出したが、武装の過積載で『レイダーの個性を殺してしまい、器用貧乏な感じが否めない』という理由で没案となった。

 つまりこの世界線ではブーストレイダーは、現状では実機開発までいかなかったペーパープランでしかない。

 

 こうして溜まりに溜まった不満がピークに達した頃、接触をかけてきたのがアクタイオン社の古巣であるユーラシア連邦。

 高額な報酬とモビルスーツ設計の花形への返り咲きを約束されたヴァレリに迷いはなかった。

 事もあろうにヴァレリはアクタイオン社に保管されていた第2期GAT-Xシリーズの開発データを違法コピーし持ち出し、それを手土産にユーラシア連邦に亡命したのだ。

 

 幸いと言うべきか? 持ち出されたのは核動力化前のデータ(と私案)ばかりだったが……

 

 

 

「ジブリール、これは貴方からの宣戦布告ととってよろしいか?」

 

 そう怒りを抑えた顔(という演技で)ユーラシア連邦の黒幕にホットラインで連絡を入れたのは、我らが盟主王ことアクタイオン社の”掃除(しゅくせい)”を終わらせたアズラエル財閥総帥兼大西洋連邦復興長官の”ムルタ・アズラエル”だった。

 

『なんのことだか私にはさっぱりわからんな』

 

 と通信の向こう側でしたり顔でニヤニヤ笑っているのは紫の唇が特徴の貌芸は上手いが腹芸は苦手な”ロード・ジブリール”だ。

 

「ふん。そういう事なら話はここまでです。私も無駄な時間は使いたくはないのでね。ですが、これが重大な禍根になることは覚えておいてくださいよ? それも大西洋連邦とユーラシア連邦の間に修復不能な溝を作るレベルの、ね」

 

 そう言い捨ててアズラエルは通信を切るが……

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

【挿絵表示】

(まさかここまで予想通りに動いてくれるとは……逆に上手くいきすぎて、少々疑いたくなりますね)

 

 その表情にはうっすらと笑みが浮かんでいた。

 そう、先日の”疑似太陽炉爆発事故(仮称)”もそうだが、”ユニウス条約”締結以降、ユーラシア連邦が「次の戦争」を起こし、そして今度こそ勝つためにかなり焦っているのは把握していた。

 それに設備なども移動できる物は多くは大西洋連邦に移転させたとはいえ、ユーラシア連邦内には移転不能とされた第二期GAT-X関連の施設や設備も多い。

 これだけ条件が揃えば、ユーラシア連邦が何らかのアクションを起こすのは明白であり、アズラエルが”ヴァレリオ・ヴァレリ”なんて普段から自分の才能を認めない不平不満を撒き散らし如何にもユーラシア連邦に目を付けられやすい『分かりやすく地表露出してる地雷』を意味もなく放置している筈もない。

 

「とりあえず、”ウォッカ臭いネズミ”の大量処分はできたのは良いとして、大西洋連邦が仲介したGN-Tの一件と今回の一件、まさかタダで済むとは思って無いでしょうね?」

 

 クックックとアズラエルは喉の奥で笑うと、

 

「いや~、助かりますねぇ。こうまで『地球連合と”()()()”』する口実を、向こうが勝手に増産してくれるなんてね」

 

 そしてアズラエルは、大西洋連邦とユーラシア連邦の関係を更に冷却すべく、追加の”事実の報道”による世論操作の指示を出したのだった。

 無論、「親ユーラシア連邦や親アジア共和国の発言を繰り返す金の出所が怪しいマスゴミ」の社会的排除も忘れない。

 その手の輩のリストアップと内偵、証拠固めは既に終えている。なんせ戦時中からマークと調査をしていたのだ。

 

「それにしても……事実を並べるだけでヘイトを稼げるなんて、流石はユーラシア連邦というところでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、種と00含めた屈指の残念男””ヴァレリオ・ヴァレリ”、華麗にクランクイン!

いや~、あの残念っぷりは絶対顔芸得意で腹芸苦手なジブリールと相性いいでしょうからw

きっとヴァレリは盗み出した資料とユーラシア連邦に残った施設や設備で、残念モビルスーツを作ってくれることでしょう。

そして大西洋連邦、地味に次の戦争に備えて戦力を拡充中。
”ユニウス条約”を遵守する気はあるので、エース用ハイエンド機は設計が新しく機体に余裕がある”カラミティ”を原型に初期ストライカーパックを基準にバリエーション展開、そして一般兵士向けの量産モビルスーツに”ストライク”の発展量産型ともいえる”ウィンダム”が柱になるみたいですね~。
これに水泳部のフォビドゥン派生量産型、空の専門家たるレイダー正規量産機、更にはオーブからのイナクトとかも長距離哨戒機として購入・ライセンス生産するので……これ、シンプルな編成ながら結構強くね?w

そして、アズラエルは相変わらずでジブリールはブービートラップに引っかかった模様w
ぶっちゃけアズラエルにとって核動力化前の第2期GAT-Xのデータが持ち出されようと痛くはないですし、ヴァレリを廃品回収してくれるならドーゾドーゾ状態です。

あと原作とは全く違う関係性でのイノベイド系美女二人の絡みが書いてて楽しかったっすw
旦那持ちのヒリングはマニッシュ路線で割とファッションに気を遣うタイプ、アニューは無頓着な感じです。

そして作中歌はアニメ化までされた元は(個人的には名作だと思っている)エロゲの”WHITE ALBUM”のOP、曲名もWHITE ALBUMなので正しく作品のメインテーマですね~。

さて、次回はそろそろ戦まで1年きったし”月蝕計画”の一つの到達点を示そうかな~と。

どうか応援よろしくお願いいたします。



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