だからこいつの青春ラブコメはまちがっている   作:rinta

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イツトウコウシテモ!! オンナジヤオンナジヤオモテッッ!!


少ないですが投稿します。
大変お待たせさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。


そして彼、彼女は邂逅する。

 

 

わだかまりが解けた、と言うにはあまりにもその過程が単純すぎたが、とりあえず俺と小町との間で誤解は無くなった。

まぁ俺が一方的に避けていただけだが。

 

「...で、俺たちはこれからどうするんだ?」

 

そして当てもなくショッピングモールの中をぶらぶらしていれば、俺は本来の目的である由比ヶ浜へのプレゼント探しのことを思いだした。プレゼントを買うためには先ほど看板に示した場所にいかなければならない。しかし雪ノ下もあいつもまた、同じ場所に向かっているのだから、このまま歩いていればやつらと鉢合わせてしまうだろう。いや、俺は会ってもいいんだが。

 

「...このまま由比ヶ浜へのプレゼントを買っていくんだったらあいつらと鉢合わせになるぞ」

 

「あぁ大丈夫大丈夫。私はもう結衣さんへのプレゼント買ってあるから」

 

「...俺はまだ買ってないんだが」

 

唐突の小町の発言に俺は何一つ安心できる部分がなかったため、冷めた目で小町を見る。しかし、当の小町はどこかしたり顔で笑っていた。

 

「ふふーん♪そっちも大丈夫だよ。ソウくんからのプレゼントもちゃんと買ってあるから♪」

 

「...というと?」

 

浮かべられた笑みと胡散臭い雰囲気を漂わせながら喋る小町に一抹の不安を持つ。

こんな顔をする小町は大概打算的にものを考えているが、いかんせんアホなためうまくいった試しはない。

そしてためにためて小町がバッグから取り出したものは...

 

「じゃーん!!調理道具一式~!」

 

どこぞの24世紀に存在する猫型ロボットのような言い方に引っ掛かりを覚えるが、あえてスルーし小町が手に持っているものをまじまじと見る。

派手な色彩ではあるが、スケルトンカバーに入れられている数本の包丁、泡立て器、おたまなどのそれは、紛れもなくありふれた調理道具一式だった。

 

「...何でこんな普通なんだ?」

 

「え?なにその反応?私だって結衣さんへのプレゼントに奇抜なものなんて買わないよ。私をなんだと思ってんの!」

 

「...人の誕生日プレゼントに短冊持ってくる奴だと思ってたよ」

 

しかもご丁寧に願い事書いてあったし。兄の目が生き返りますように? そりゃお星さまだとしても叶えられないだろ。

 

「アハハー、今年はちゃんとするから...あ、お兄ちゃんから電話だ」

 

自分のかつての行いに小町は苦笑を浮かべると、誤魔化すように鳴り響くあいつからの電話へでた。いや、誤魔化し方下手すぎだろ...

そして今電話がかかってきたということはあいつらはつい先程俺たちがいないことに気づいたのか。もう離れてから10分以上過ぎてんぞ。

 

電話に出ると小町はすぐに謝罪し、別の用事のため俺と一緒に別行動をとる旨を話して、おもむろに電話を切った。電源すら切る二段構えである。

一瞬あの腐った魚を女子と一緒に放流していいものか考えたが、その女子が雪ノ下であることを思いだし、逆に同情しそうになった。(同情したとは言っていない)

 

「...で、このあとはどうすんだ、帰るか?」

 

「ホントにソウくんそういうとこお兄ちゃんに似てるよね...」

 

小町があいつに向けるのと同じ冷ややかな目でこちらを見てくる。

確かにあいつもこんな事態にあったら同じことを言うだろうが、あいつと同じと言われるとは、やはり屈辱だ。

故に俺は先ほどの恥ずかしいカミングアウトのお返しも込め、いつもの俺なら決して言わないであろう言葉を吐く。

 

「...んじゃ、このままデートと洒落こむか」

 

「えっ...」

 

瞬間、小町は小さな驚きの声をあげ、黙りこんだ。

正直、冗談だと思ってくれるだろうと予想...というより期待を含んでいた。

さっきまでは薄まっていたが、時間的な付き合いは長く、昔から本音も冗談も言い合える、そんな仲だったからだろう。

しかし今のこの状況を鑑みれば、自分はなんという間違いを犯したのか、冷静な脳は瞬時に教えてくれる。

ほのかに赤い頬、少し開いた口、驚きで見てくる目。

その部分的事象を確認しながらも俺は深く追求せず、小町から顔を背けた。

 

「...冗談だ」

 

「...あっ、うんそうだよね」

 

俺がそう言いはなつと、視界の外側の小町は小さな声で答えた。

拳で自分の頭を小突き、俺はバカだ、とまた自己嫌悪に浸りながら停めていた歩みをまた開始する。

すると後ろからもまた、遅れて足跡が聞こえてきた。

 

「もうっ、急に変なこと言わないでよソウくん。今のが私じゃなくて女版お兄ちゃんだったら、速攻告白して速攻フラれてたよ!」

 

「...考えただけでも吐き気が出る例えだな」

 

さっきとは違う、いつも通りの小町の声を聞く。

その声に俺は安心を覚え、同時にまた自己嫌悪を増してゆく。

結局俺は、いつも小町に助けられている。

今までも、今も。

 

「でも、もしお兄ちゃんが女の子だったら...ソウくんとお似合いだよね♪」

 

「オイヤメロ」

 

俺はようやく小町の顔を見れた。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ちょっと! 雪ノ下さん走らないで!」

 

「アオコちゃんおっそーい!タービン回りの整備がなってないんじゃないの?」

 

「また意味わかんないことを...あとアオコじゃなくて蒼子(そうこ)!何回間違えんの!」

 

結局、このまま帰るのも味気ないと駄々をこねた小町の要求から、なんの目的もなくモールをぶらぶらすることが決まった俺たちは、とりあえず女性ものコーナーから離れるように店を物色していた。

するとどこかからとてつもなく聞き覚えのある声と名前が聞こえ、俺は思わず頭を押さえる。

 

「ねぇ、ソウくん。今の声もしかして...」

 

「...違う。空耳だ」

 

「いや、聞こえてるじゃん。ってことはやっぱり...」

 

「...違う。姉貴がこんなとこに「あれ、壮佑にマッチー。こんなとこでなにしてんの?」...いるわけあったな、おい」

 

押さえていた頭からじんじんと頭痛が起こり始めた。

何でこうタイミングがいいんだか、悪いんだか分からないときに現れるんだよ。うちの姉は。

 

「あれ、二人だけ? ハッチーいないの? てか何でここに?」

 

頭にはてなマークを浮かべるように、子首をかしげながら姉貴は次々と質問を繰り出していく。

逆にこちらも、朝に携帯を見て『ゲッ!?』と声を出したと思ったらドタドタと外出していった姉が、なぜここにいるのか非常に気になっているため、その質問への対応に遅れる。

そして小町の方はというと...何故かオロオロとしていた。なにしてんだよ。

すると姉貴はその小町のしぐさを見て、なにか思い付いたのか口でははーんと言うと俺に指を指す。だから指を向けるな。

 

「そっかー。いや確かに昨日あんなこと言ったけどねー、全く手が早いな~壮佑は」

 

ニヤニヤとしながら姉貴は含みのある言い方を投げかけてくる。大体姉貴の言いたいことはわかるが、断じて小町とはそんな関係ではないのでそのかまかけを全てガン無視する。

 

「...なんのことだかさっぱりだな。大体アンタも何でこんなとこにいるんだよ?」

 

「もうもうとぼけちゃって~。お二人さん今デー...」

 

「アオコちゃ~ん、なにしてんの?」

 

「!?」

 

姉貴がとんでもない発言をしようとしたちょうどその時。姉貴の背後から突然その声が聞こえた。

 

「ん? アオコちゃん、その子達誰?」

 

「だから私の名前は...って、今はいいか。えーと、雪ノ下さんこの子達は...」

 

「「(...)雪ノ下?」」

 

それが俺と、雪ノ下陽乃とのファーストコンタクトだった。




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