だからこいつの青春ラブコメはまちがっている   作:rinta

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今回は全編ヒッキ―視点です。


やはり瀬谷姉弟はどこかおかしい

「...よし、お前ら。リクエスト出せ。今日はバーゲンセールだ」

 

「じゃあA○B48やってー!!」

 

「...残念、それは定休日だ。代わりに神○川ならできるが...」

 

「............」

 

中間テスト間近に備えた休日の午後。

元々勤勉で有名(?)であるこの俺は朝の内から勉強に取り組み、テストに備えていた。(ただし文系科目に限る)

しかし、朝から夜まで四六時中教科書ノートににらめっこするなどあの天才超人雪ノ下雪乃でもない限りほぼ不可能であるからして、つまりは集中力が切れたので適当に道をぶらぶらしていたら現在の状況...簡単に言えば、俺の幼馴染みにして奉仕部の後輩、瀬谷壮介が公園で小学生とギター片手に戯れている状況にはちあわせるに至ったのである。

(今気づいたのだが「である」を多く使用すると頭が良いように聞こえるのである。どうでもいいか?どうでもいいのである)

 

「ねぇ瀬谷兄。あそこで目の死んだお兄さんがこっち見てるよ」

 

「...あン?...だめだ、目を合わせるな。あれは妖怪「独りボッチ」といって、目を合わせればそいつの友達を食っていく凶悪なモンスターだ」

 

「へー、凶悪なのに何か可哀想な名前だね」

 

「...妖怪や怪獣なんて得てしてそんなものだ。一人ぼっちで出てきてはやられ出てきてはやられ...そんなやつらが悟りを開いたなれの果てがあれだ。合掌してやれ、成仏させるためにな」

 

「おいやめろ、俺を哀れるな、出荷される豚を見る目で見るな、波紋使いかお前ら」

 

こちらに向かい無言無表情で手を合わせてくる小学生たちとそれを教えた幼馴染みに思わず突っ込みを入れる。

ていうかそれ絶対社会に出て必要ない知識だろ。

なんなら学校でも自慢できない知識ぐらい。

ていうかテレビでよく見るアレ。アレって自分以外のクラスメイトの何人かは絶対見てるからあんまし自慢できないよな。

言ってみて、「それ昨日○○でやってたヤツじゃん」って言われて恥かくのがオチなんだよな。ソースは俺。

 

「ていうかお前は無垢で純粋な御近所のお子さんになに変なこと教えてんだ。そして俺の小6の頃のあだ名を使うな、トラウマ思い出しちまったじゃねぇか」

 

「...テメェのあだ名なんていちいち知るかよ」

 

ちなみに俺のあだ名は小学生時代には二桁を越える。

なんなら中学校のやつも合わせれば...いや、これ以上はなにも言うまい。

 

「ていうかお前、まだこんなことやってたんだな。いい加減止めたかと思ったが」

 

「...ただの暇潰しだ。お前みたいなヤツを作んねぇためにやってんじゃねぇからな、断じて」

 

「なにそのツンデレに偽造した遠回しな嫌味。危うく流しそうになったじゃねぇか」

 

ツンデレ幼馴染みはもはやテンプレだよな。こいつ男だけど。

 

「ねぇねぇ、瀬谷兄。その目の死んだ人知り合いなの?」

 

そんな会話をしていたら俺たちの会話に全くついてこれない小学生女子の一人が核心的な質問をしてきた。

ていうか本当に純真無垢そうだ...

全く、小学生は最高だな!!

 

ギロッ

 

俺の汚れた考えが瀬谷センサーに伝わってしまったのか、ものすごい形相で睨んでくるこいつ。

てか怖ぇよ、あと怖い。

 

「はぁ...こいつは知り合いでもなんでもねぇよ。ほら、続きしてやるからリクエスト出せ」

 

瀬谷はそう否定するとス、ストラップと言うのだろうか、肩に掛けてあったそのギt...ア、アコギを構え直して、小学生にまた曲のリ、リクエストを募集した。

 

「うーん、じゃあやなぎ○ぎのユ○トキやって!!」

 

「...残念、そいつも定休日だ。津軽海峡○景色ならできるんだが。それでも聴きたいならジェネ○ン・ユニ○ーサル発売、規格マ○シシングル、作詞や○ぎなぎ、作曲北○勝利の歌、ユキ○キをCDで買っとけ」

 

「いや、伏せ字多すぎて何言ってんのか分かんねぇよ...」

 

一昔前のエロゲか。

あの○○(ピー)音の多さには当時子供ながら驚いたものだが...

い、いや、やったことないけどな!!

 

「あ、壮介とガキんちょ共。それと...誰?」

 

そんないつもはしない貴重なこいつのボケを真面目に突っ込んでいれば、急に後ろから声がかかった。いや俺宛ではないようなのは分かっているが。誰って言われちゃってるし。

 

「...姉貴か、どうした?」

 

「久しぶりー!!蒼子姉!!」

 

...なんだと?

瀬谷の姉で、蒼子と言う名前...

まさかと思い、振り返ってみればそこにいたのは俺の予想通りの御仁。

このくそ生意気な後輩と同じ血が流れてるとは思えないほどの美貌と優しさを持った、マイエンジェルにしてマイマリア、瀬谷蒼子その人だった。

 

「あれ?その腐った魚のような目...もしかして君ハッチー?」

 

「は、はい!!その通り私目姓は比企谷、名は八幡、生まれ故郷は千葉にございます!!」

 

まずい。少し興奮して前時代的な挨拶をしてしまった。

いや、だがこれでもこの人に対しては畏まり加減が足りない。

なぜならこの人は俺の幼馴染みというステータスを持っているのだ。

このセーブなしリセットなしのクソゲーな俺の人生の中で唯一の希望なんだ、失礼などあってたまるものか!!

なんなら土下座してもいいほどである。

 

「アハハー、やっぱり昔と変わらず気持ち悪いね。あと前のあのメールさすがに気持ち悪かったからああいうの控えた方がいいよ?あとその腐った目も気持ち悪いからいい加減直してね。あと生理的に気持ち悪いから」

 

「いや、そちらも変わらず手厳しいスね。あと付き合ってください」

 

「いや無理だから」

 

即答だった。いや分かってたけど。

しかしこんなことで挫ける比企谷八幡ではない。負け戦に関しては百戦錬磨の俺にとって、負けてからが真の勝負。

そう、瀬谷蒼子に対する比企谷八幡の選択肢はここから始まっている!!

 

「お願いです!!一回だけ、一回だけでいいですから!!」

 

「いや往生際悪すぎだから!!普通子供たちが見てるところで土下座なんてしないよ!!」

 

「ふっ、蒼子さんと一回だけデートできる権利が手に入るなら、こんなこと屁でもないです!!」

 

「私とのデート権をそんな安っぽいプライドと同価値にしないでー!!」

 

結局このあと俺は瀬谷に蹴られ、小学生たちから白い目で見られる中、蒼子さんと瀬谷に引きずられて公園をあとにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

ズズズッ...ドサッ!!

 

「痛った!!お前いきなり投げんなよ!!」

 

「...うちの姉にセクハラまがいな行為をして、尚且つお前の言う純真無垢なガキ共に見苦しいものを見せたお前には、この程度じゃまだ足りない罰だと思うのだが」

 

「さすがに子供たちの前でアレはないよ~。気持ち悪さも節度を持とうね、ハッチー♪」

 

「は、はい!!蒼子さん!!」

 

流石蒼子さん。あんなことをしてしまったというのに優しく声をかけてくださるとは...

その容赦のない言葉とは裏腹の優しさに俺は惚れたのだ。

 

「...おい、あんまり人の姉をその腐った目で見るな。汚れるだろうが」

 

「俺の目を感染物のように言わないでくれる?本当にトラウマだからそれ」

 

そして俺が触れてくると本気の拒絶反応してくるってどんないじめだよ。

 

「...いつも雪ノ下からいじられて「ゆ、雪の下!?」...どうした姉貴」

 

瀬谷が雪の下の名前を出すと急に大声を出す蒼子さん。

流石雪の下、名前だけで蒼子さんをも脅かすとは...いやあり得ないな、接点無いし。

 

「どうしたんですか、蒼子さん?」

 

「い、いやなんでもないよ。そういやこの近くだったらハッチーの家の方が近いよね。ちょっと寄ってこうよ、壮介」

 

「...こいつの家にか?あまり気が進まないんだが...」

 

無理矢理話を逸らそうとする蒼子さん。その必死さからあまり触れない方がよい話題なのだろう。

エアーリーディング一級の俺たちはとりあえず流れに移った話に乗っかることにした。

 

「大丈夫だよ~。家には小町ちゃんいるだろうし、なんなら夕御飯ご馳走してもらお♪」

 

おぉ、流石蒼子さん。その図々しい物腰や思考に痺れる憧れない!!憧れねぇのかよ。

いや、というか...

 

「あの、別に家来るのはいいんですけど俺とそいつテスト前なんですけど...」

 

「あ~大丈夫大丈夫。壮介には私がみっちり家庭教師に就くから。赤点なんて取らせないよ!!」

 

「...別に就かなくても中間テストぐらい自分で対策は出来るんだが」

 

そう言いガッツポーズをとる蒼子さんとそれに突っ込む瀬谷。

いや、その姿は確かに魅力的なんですけど...

 

「あの蒼子さん、俺もテストするんですけど...」

 

「ん?うん、頑張ってね」

 

「いや...その...」

 

「???」

 

「いや...何でもないです」

 

出来ることならおこぼれで教えてもらおうかとも思ったが、そんな俺の望み叶わず、ただ小首を傾げた蒼子さんが可愛かったという結果に終わった。

やっぱり蒼子さんマジ蒼子さん。

 

「...小町の方に連絡とったが、兄が帰らないうちにどうぞ来てくれ、だとよ」

 

「え、なにそれ。なんで俺妹からも邪魔者扱いされてるの?一家の大黒柱がこんな扱いでいいのか?」

 

いや、よくない。(反語)

 

「大黒柱って...ハッチーって変なところで結構図々しいよね」

 

「...というかお前が大黒柱だったら、その家二日で腐り落ちて崩れてるだろ」

 

「なにそれ。なんで俺物質的にも腐ってることになってんの。違うからな、腐ってんのは性根だけだからな」

 

「その二つは自分でも認めちゃうんだね...」

 

呆れたようにぼやく蒼子さんだが、これだけ他人から言われたら認める他あるまい。

俺は自分を客観的に見ることが出来るんですよ。

 

「...つうかそんな話どうでもいいだろ。行くならさっさと行くぞ」

 

「了解賛成レッツゴー♪」

 

「おーい、家主ここにいるんですがー?」

 

その後その傍若無人姉弟は俺を無視し続けて比企谷邸へ向かった。

おいそろそろ俺に忍者の免許くれよ。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

ピンポーン

 

「こーまちちゃん!あっそびっましょ♪」

 

インターホンを鳴らし、大声でな○じまの謳い文句を言う蒼子さん。

そしてそれに呆れるようにため息を吐く瀬谷。

そしてそれを傍観するその家の一員の俺...おい、この絵面おかしいだろマジで。

 

「はいはーい。おぉ!!蒼子さん、お久しぶりです~!!ソウくんも最近メールだけで会ってなかったから久しぶり~!!」

 

「ゴメンねマッチー、いきなり押し掛けて。最近お邪魔してなかったからマッチーが恋しくなってつい♪」

 

「...俺は姉貴の付き添いだ」

 

玄関が開けば俺の妹の比企谷小町がいつもどおりのアホっぽい雰囲気を漂わせながら現れた。

ていうかおい、玄関で社交辞令な挨拶するんじゃありません。中へは入れず手持ち無沙汰になるじゃねぇか、主に俺が。

 

「て、あれ?お兄ちゃんも一緒なの?」

 

「今ごろ気付いたのかよ。さっきからここにいたんだが」

 

妹にすらこの空気スキル効くのかよ。もはや最強じゃねーか、MMO内限定だが。

まぁとりあえずこちらに気づいたのなら言っておくか。

 

「小町、そろそろ家あがらせてやったらどうだ。玄関で積もる話もないだろ」

 

「あ、すいません蒼子さん、ソウくん。気遣いが足りずに」

 

「大丈夫だよマッチー♪君の兄よりはマッチーは中々に気遣いの出来る人間だから」

 

「...反面教師ってのは中々に役立つもんなんだな」

 

「小町を庇うふりして俺へ当てつけしないでくれない。それで得られるのは俺の悲哀だけですよ」

 

容赦のない姉弟の口撃を受け流し俺は空いた玄関までのルートをアイシールド24よろしくに通っていく。

俺の走りは誰も止められない、いや誰も気付かない。はやくプロボウラーからスカウト来ないかな...

 

「ささ、お二人も上がってください」

 

「おっ邪魔しま~す♪」

 

「............」

 

瀬谷姉弟も上がってきたことを後ろから聞こえる声で確認するが、訓練されたボッチはそんなことにいちいち動じはしない。

いつもどおりに自分の部屋へと戻り、テスト勉強を励むだけだ。

ちなみにこの経験は小町が家に友達を呼んできたときに養われた。

本当になんで友達の兄弟帰ってきただけであんなシーンとすんだろうな。こっちが悪いことしたみたいにいつも感じる。

 

「そうだソウくん。久しぶりでなんだけど数学教えてくんない?もぅ分かんないところが多すぎて」

 

「...別に構わないが」

 

「あれ?壮介教えるの?じゃあ私お昼寝しとくね~」

 

なん...だと...

小町が瀬谷に勉強を教えてもらう...?

そんなの瀬谷にとって絶好たる選択肢じゃねぇか!!阻止しなければ!!

 

「おい小町、俺も一緒に勉強していいか?」

 

「え~、だってお兄ちゃん勉強始めると一人でとことん進めるから、面白みがないんだけど」

 

「おい、バカ。勉強に面白みや楽しさを求めるな。あれは無心に励むものでわいわい騒ぎながらやるもんじゃねぇよ」

 

なんなら喋りだすやつは追い出していいほどである。

 

「...言ってることは正論なんだが、おまえが言うと何かひねくれた捉え方になるな」

 

「こんな兄がいつもすいません...」

 

何故か正論をいったにも関わらず、妹と後輩に可哀想なものを見る目で見られたときは、この世の無情さを思い知らされた。

社会はやはり俺に冷たいらしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「...この問題は公式を使って解くものだ。まず(x+y)の式があるとする。そしてそこにまた(x+y)の式をかける。そうするとxの二乗と2xyとyの二乗が出来る。ここのxとyにさっきの問題の数字を入れてみろ。答えが出てくる筈だ」

 

「分かった...」

 

勉強会が始まって早一時間。

結局あのあと瀬谷と小町だけで始まるはずだった勉強会に無理矢理俺も参加し、リビングにて教科書とノートを囲むことに。

俺はとりあえず元々やるつもりだった山川の問題集を傍らに問題を片っ端から解いては答えあわせをし、間違えたものを問題と答えと解説を丸々ノートに写していく作業を悶々と続けていく。

勿論この二人の監視も怠りはしていない。

なんならさっきの瀬谷の解説も聞いていたほどだ。意味はちんぷんかんぷんだったが。

 

「あ、解けた...今まで解けなかったのに」

 

「...なんで公式当てはめるだけの作業ができないんだよ」

 

マジか小町。今の解説で解けたっておまえ天才か?

コマチ・イズ・テンサイか?

 

「...おい腐った魚。2x二乗-7x+3の因数分解は?」

 

「ぅえ!?え、ええっと...6だ!!」

 

急に瀬谷から数学の問題を出されたから思わず声が上擦って答えてしまった。というかいきなり難問だすのとかやめろ。俺の数学力をなめてるのか。

 

「...因数分解っつってんのになんで単数項出てんだよ。あとこれ中三だからな」

 

「お兄ちゃんさっきからこっちに意識醸し出しすぎだよ。なんなら殺気

も出してたよ」

 

おぉふ...まさかそこまで俺の妹愛が表面化していたとは危ない危ない。

また瀬谷姉弟辺りからシスコン扱いされるところだった。

 

「...妹好きもほどほどにしろよ、シスコン」

 

「おい、懸念していた辺りの話題をだすんじゃねぇよ。そういうお前もシスコン気味「...ンだとゴラ」...い、いや何でもないです。風の囁きが聞こえただけです」

 

凄みをかけてきた瀬谷に思わず萎縮してしまい、敬語で話してしまう。

俺は長いものには巻かれるタイプなのだ。分かりやすく言うとスネ○タイプ。分かりにくく言うとフ○ゴタイプ。

あ、違うわ。それ一歩前に踏み込めない人タイプだった。

 

「いやー、それにしても二人って真面目だよね」

 

「...こいつが真面目なら全人類は真面目なやつしかいないことになるな」

 

「さりげなく俺をやるきない人間の代表にするな。違うから、俺は普通に真面目だから。真面目に不真面目だから」

 

猪の部下は連れていないが。

 

「でも小町の塾の友達でお姉さんが不良かした人いるらしいよ。夜とか全然帰ってこないみたい」

 

「...ふーん」

 

「ほー」

 

どうやら小町は集中が切れたらしく、もはや雑談モードに入っている。

瀬谷の方も勉強する気はないないらしくギターを取り出していじり始めていた。

それならこちらも一安心なので、俺も自分の勉強に集中していく。

 

「でもね、そのお姉さんは総武高校に通ってて超真面目さんだったんだって。どうしたんだろうね」

 

「...総武高校通っててもどうしようもないやつぐらいいるだろ。こいつとか」

 

なにやら俺の悪口を言われたようだが、訓練されたボッチはその程度では揺るがない。

頭は暗記、目はノート、指を使って文字だけ綴れ。

数年の歳月によって産み出された俺の百八の特技の一つだ。

他には危機的状況で解説するなどある。どこのスピー○ワゴンだ。

 

「まぁその子のお家のことだからなんとも言えないけどね。最近仲良くなって相談されたんだ。あ、その子の名前川崎大志って言うんだけど...」

 

「「(...)小町」」

 

俺は持っていたシャーペンを置いた。

瀬谷もギターを構えていた姿勢を崩した。

 

「その大志クンとはどういう関係なんだ?仲良しとはどういう仲良しだ」

 

「...男というのは皆、獣だ。油断や隙を見せたらすぐに襲われるぞ。ほら、お前の身近にそんなやつがいるだろうが」

 

「いや二人とも、なんか目が怖いんだけど...」

 

そんなことをしていたら後ろから誰かが何かで叩いてきた。って、ちょっ痛い!これ絶対金属!

 

「ホラ二人とも!マッチー完全に引いてるでしょ。いい加減にしなさい!」

 

蒼子さんだった。しかもエプロンを着て、おたま持ってる。

ちょっ可愛い、絶対女神。

 

「もう、乙女の友達を詮索しないの。ホラ、ご飯作ってやったから皆手を洗ってきなさい」

 

そう言われると確かに鼻孔をくすぐる美味しそうな香りがする。気づけばもう夕飯時の時間になっていた。

ていうかいつの間に作っていたのだろうか。来たときからずっとこの人ソファーで寝ていた記憶しかないのだが...

まぁ細かいことは気にしてはいけない。できればこの調子で毎朝味噌汁を作ってほしいほどだ。

ともあれ小町のことについても少し心配なので一応進言しておく。

 

「まぁあれだ、困ったことになったら言えよ。前に言ったろ、瀬谷と一緒に奉仕部とかいうワケわからん部活やってるって」

 

「あぁ...ソウくんからのメールで見たことがあるような」

 

「...そういえば小町にそんなメール送ったことがあるような」

 

そっちかよ。

何やら兄として複雑な気分になりながら、とりあえず俺は女神の作ったご飯へとありついていった。




おまけ

「そういやソウくん、ギター持ってるなら何か弾いてよ。何でもいいから」

「...そういうリクエストが一番難しいんだが」

~~~♪

「「「......」」」

なんで井上○水の少年○代なんだよ...しかもフルコーラス。
いや、うまいけども。

終わり
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