ヴィジオンside
私は社長室へ続く階へエレベーターで移動している。その間、新しいガシャットの資料を見ている。そうしている内に上の階に到着し、エレベーターの扉が開く。
「…。」
そこには何故か勇介さんが腕を組んで立っていた。
「どういった用件で?私は新しいガシャットの製作中で時間かないんだが…。」
「あの黒いエグゼイドは一体何ですか?やつは二度も俺の邪魔をした。」
「残念だが、私にも分からない。」
私はそう答えながら社長室まて歩く。勇介さんは追いかけてきた。
「3年前、10種類全てのゲームにバグが発生した。そう言いましたよね?」
「それが何か?」
「バグが発生したオリジナルのマイティアクションX、黒いエグゼイドが使っていたのはそれじゃないんですか?」
私は勇介さんの言葉で足を止める。まいったな…深いところを質問してきたものだ。
「プロトマイティアクションX、わが社ではそう“呼んでいる”……いや、正しくは“呼んでいた”…だね。」
「呼んでいた…?どういうことですか?」
「何者かに奪われたんだ。恐らくそいつが黒いエグゼイドの正体だ。」
私はプロトマイティアクションXの在処を勇介さんに話すと、私は社長室に入る。
「何か手はないんですか?やつに勝つ方法を…。」
しかし、勇介さんは食い下がろうとせず、黒いエグゼイドに勝つ方法を尋ねられてきた。全く…どのライダーもしつこいな…。
「いいよ。シミュレートしてみようか。黒いエグゼイドとの戦いを。」
私は振り返ると、勇介さんにVRシミュレーションをしようと言う。
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下の階にある一つの個室に行き、そこでシミュレーション用の機材をセットする。勇介さんにゴーグルを装着させると、機材にタドルクエストを挿入し、パソコンでVRシミュレーションを開始する。
勇介side
『ゲームスタート!』
俺が目を覚ますと、視界には何処かの工場を模したVR空間が広がっていた。
「黒いエグゼイドを。」
『オーケー、転送。』
社長はパソコンを操作して、VR空間に黒いエグゼイドを転送させた。
『ガシャットを回転させ、スイッチオン。』
俺は社長の指示通り、ガシャットを回転させた後、スイッチを押す。
『タドルクエスト!』
ゲームエリア展開と共に宝箱があちこちに配置された。
『ゲーマドライバーを装着。』
俺はゲーマドライバーを腰に装着する。そしてガシャットを構える。
「変身。」
『ガシャットをドライバーに挿入。』
俺はガシャットをドライバーに挿入する。
『ガシャット!レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!? アイム ア カメンライダー!』
俺はブレイブに変身した。
『ブレイブレベル1。ロールプレイングゲームのライダー。レベル1では太刀打ちできない。レバーを引いて。』
「術式レベル2。」
俺はドライバーのカバーを開く。
『ガッチャーン!レベルアップ!タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!』
俺はレベル1の体をパージしてレベル2になった。
『レベル2にレベルアップ完了。』
「俺に斬れないものはない。」
『ガシャコンソード!』
俺はガシャコンソードをコールして構える。黒いエグゼイドはその場から飛び降りると、俺に向かって攻撃してきた。
「ふっ! ほっ! はあっ!」
俺は黒いエグゼイドの攻撃を避けながら斬撃を繰り出した。黒いエグゼイドはこれを喰らって怯んだが、何かおかしい。黒いエグゼイドが単なる斬撃で怯んだ上、攻撃も大振りで容易に避けることができた。何故だ…?
『今だ。一気にキメワザに!』
「ああ…。」
『ドライバーのガシャットをキメワザスロットホルダーに挿し、ホルダースイッチを押せ。』
何かおかしいと感じながらも、俺は社長の指示通りガシャットをホルダーに挿入し、ボタンを押す。
『ガシャット! キメワザ!』
俺の右足にエネルギーが溜まる。
『もう一度。』
俺はもう一度ボタンを押す。
『TADDLE CRITICAL STRIKE!』
「はあああっ!!」
俺は高くジャンプすると、腕を組みながら黒いエグゼイドに向かって飛び蹴りを放った。
『会心の一発!』
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『ゲームクリア!』
「やったな。」
「妙だ…あいつがあんなに弱いはずがない…。」
VRシミュレーションを終えた俺は現実世界に戻ってきたが、納得がいかなかった。黒いエグゼイドがあんなに弱いはずがないからだ。
ピピピピピピッ!
「失礼……私だ。」
社長はスマホを取り出すと、通話に出た。俺はVRシミュレーションでの疑問を抱えながらも、ベッドから起き上がる。
「何?…確かか!?」
すると、社長が通話で驚いた反応をした。何か問題があったのか…?
「何か問題でも…?」
「新しいガシャットの件でちょっとね…とにかく、失礼。」
社長はそう言うと、個室から退室していった。VRシミュレーションに疑問を抱いていた俺は機器を調べてみる。すると、パソコンにはVRシミュレーションのスタート画面が映っており、“EASYモード”が選択されていた。通りであいつが弱かった訳だ…。
「何故こんな初歩的なミスを…?」
SEE YOU NEXT GAME…