1.
夜の11時過ぎ、沢芽警察署内は騒然としている。何人もの警察官が捜査本部に出入りし、無線の中継をする係員は常に稼働体制でパンク寸前だった。
桜井も光実も必死に流れてくる無線の音に聞き入っている。そこに、須藤が雨に濡れたレインコートを携えて戻ってきた。
須藤はレインコートを椅子に投げ捨て、桜井に声をかける。
「全く、署内にいたマルタイを取り逃がした真倉も懲戒処分ものだが、この時間になっても見つからないとはな」
「それにしても鮮やかなものだ。警察署前の防犯カメラを通過した後は、市内の防犯カメラに一切映っていない」
「町の住民が避難所に集まってるせいで、情報もロクに集まらなねぇ。これでどこかの家で籠城してたらお手上げかもな」
須藤が他人事のようにそう言うと、無線から真倉の声が聞こえた。
『地域課の真倉です。緊急の報告があります。復興局のお二人に直接伝える必要があります』
「おっ。課長からの説教終わりにご苦労だな」
この状況でも軽口をたたく須藤を無視して、桜井と光実はヘットセットを付けて真倉に応答する。
「桜井だ、呉島も聞いている」
『捜索隊の濡れた足跡の上にヒール靴の跡を発見しました。場所は千樹二丁目の
「
須藤の補足を聞くと、桜井も事態を飲み込んだ。今町を出歩いている人間は捜査員か初瀬一葉だけのハズだ。 無論ヒール靴を履いて捜索をする捜査員はいない。
真倉の報告は続く。
『このヒールの足跡の続きなんですけど…通りの途中でヒール靴と同じ方向を向いた泥の付いた下足跡が現れるんです。おかしいですよね?』
「おかしいね」
桜井がそういうと、真倉は説明を続けた。
『泥の付いた下足跡は、10歩前に進んで引き返します。そして、泥のついた足跡の先を歩いていたヒール靴も引き返すんです。最後に、泥の下足跡が現れたのと同じ地点で、二つの下足跡は途絶えています。二人がもみ合った形跡はありません。下足跡の写真は今から本部に送ります。報告は以上です』
管理官や他の捜査員が真倉に質問を続ける横で、桜井と光実はヘッドセットを外した。
もみ合った形跡がなく合流したということは、その二人にはそれなりの信頼関係があるということだ。
ヒール靴を履いた人物が一葉なら、もう一人が誰か、今のところ候補は一人だ。
「初瀬姉弟はヘルヘイムの森に入ったのか…」
桜井がそういうと光実は立ち上がる。
「南津久井通りから、ロックビークルでヘルヘイムの森に行きます! 姉も一緒ならそう遠くには行っていません」
雨が降り始めたのは夜10時50分頃。現場に先に通った捜索隊の足跡も見られたことから、一葉と初瀬がヘルヘイムに入ったのはほんの数分前である可能性が高い。
そう考えた光実は、すぐに戦極ドライバーを腰にセットする。
「頼んだぞ!」
「はい!」
光実は桜井の言葉に応えると、捜査本部の出口に向かって走り出した。
2.
ヘルヘイムの森では、2人のアーマードライダーと5体のインベスが対峙していた。
黒影は一本槍の影松、黒影・真は影松の柄の部分に三又の戟が備えられた影松・真をそれぞれ構える。
「姉貴!よく見とけよ……!」
先に仕掛けたのは黒影だった。
黒影は影松を両手で構え、正面のライオンインベスに向けて突進する。初めの突きは避けられたが、下半身に重心を残していたおかげで、瞬時に追撃を放つことができた。
ライオンインベスが避けた方向に、黒影がもう一度突きを放つと、今度はライオンインベスの胸の急所に命中する。
黒影は怯んだ敵に全体重を乗せて突きを放った。
「オラァ!」
ライオンインベスが後ろに吹き飛ばされると、龍のインベスとトナカイのインベスも、左右から黒影に襲い掛かかってくる。
しかし、荒々しく襲い掛かってきた敵には隙も多い。
黒影は槍の刃と柄で、両側のインベスに牽制の攻撃を打つ。
黒影は影松を大きく振り上げて、影松の刃で体制が崩れたセイリュウインベスを薙ぎ払った。
「次はトナカイ野郎か……」
柄で突かれたトナカイのインベスは、すぐに黒影に飛び掛かるが、黒影はトナカイインベスの首に影松を突き立てる。
黒影は影松で相手の体勢のけ反らせると、鋭く前蹴りを叩きこみ吹き飛ばした。
一方、青いシカインベスと赤いコウモリのようなインベスは黒影・真に向かっていった。黒影・真はたった今見た黒影の動きを必死に頭に思い描く。
「ヤァッ!」
飛びかかってきた赤いコウモリのインベスに、影松・真は鋭い突きを放った。胸に槍の一撃を受けたチョウのインベスは地面に墜落し、そのままのたうち回る。
シカインベスも荒々しく殴りかかってくるが、黒影・真はその腕を三又の戟の刃で払いのけ、顔面に一本槍の突きを浴びせた。
「ジェヴェ~」
シカインベスは奇声を挙げながら吹き飛ぶと、仰向けに倒れこむ。再びコウモリインベスが飛び掛かってくるが、今度は戟の刃で地面に叩き落とした。
「なによこれ…相手の動きが読めて、自然に身体が動く…」
黒影・真は自分の身体を見回して呟く。
コウモリインベスもシカインベスも体を起こすが、既にその足元はフラついてる。
「さすがに呑み込みが早いな。だったら……!」
黒影は姉の善戦を確認すると、新しい錠前をベルトにセットした。
『カチドキアームズ!いざ、旗揚げ!エイエイオー!!』
「一気に決めるぜ!」
黒影はカチドキアームズに変身すると、両肩に着けられた二振りのカチドキ旗を真横に思い切り振りぬいた。
すると、旗から漆黒のエネルギー波が放たれる。そのエネルギー波を受けた5体のインベスは、空中に浮き上がりそのまま動きを封じられる。
「ジ…シェエゥ……」
「どう足掻いても無駄だぜ……!」
インベス達は手足を振り乱して拘束から逃れようとするが、依然として残っているエネルギー波が彼らの自由を許さない。
「姉貴!トドメだ!」
「うん!」
黒影はベルトのブレードを倒し、黒影・真もゲネシスドライバーのシーボルトコンプレッサーを押し込んだ。
『カチドキスカッシュ!』
『マツボックリエナジースカッシュ!』
黒影は必殺の漆黒のエネルギーを纏った後ろ回し蹴り「無光キック」を三体のインベスを一気に放った。
黒影・真も影松・真の戟型の刃と槍型の刃にそれぞれ灰色のエネルギーが収束すると残りインベスにそれぞれ槍の刃を突き刺し、とどめに戟の刃で薙ぎ払う。
5体のインベスは凄まじい音を放ち、一気に爆発した。
インベスが爆発したところからは、金属が激しくぶつかったような感高い音が響く。二人の黒影がそちらに目を向けると、地面の草の上に無数の金属片が落ちていた。
「なにこれ…」
「やっぱりそういうことか…」
黒影はタンポポが描かれた二つ錠前を解錠し、飛行用ロックビークル・ダンデライナーを起動する。
「それより時間がない。行くぞ!」
黒影は片方のダンデライナイナーに搭乗するが、黒影・真はその場でただ呆然としている。
「今度はなに…?」
「いいから乗れ!」
黒影にそう言われると、黒影・真もおずおずとダンデライナーに跨がる。
二人のライダーは空高く浮上し、一気にヘルヘイムの彼方に飛び去った。
黒影たちが飛び立ってからおよそ五分後、龍玄はヘルヘイムの森に到着した。龍玄はローズアタッカーに乗ったまま周囲を見回すと、すぐに異変に気付く。
「
視線の先にわずかだが煙が立ち上っている。龍玄はローズアタッカーを錠前形態に戻すと煙が上がっている地点に駆け寄った。そこには煙を上げる無数の金属片が転がっている。
「これは、まさか…」
龍玄は変身を解除して光実の姿に戻ると、土の上に落ちた金属片を採取する。
それからも光実は初瀬姉弟のものと思われる足跡を見つけたが、それが途絶えると捜索を断念し、ヘルヘイムの森から離脱した。
光実がスマートフォンを見ると、桜井からの留守電が入っている。
『光実君。折り返しの連絡はいらない。至急戻ってきてくれ』
光実はローズアタッカーで沢芽警察署に急行した。
3.
沢芽警察署の小会議室では、城乃内がまだ悲嘆に暮れていた。ザックは何も言わずに城乃内の隣で待機している。
時刻は夜の十二時を回り、一葉が姿を消してから既に三時間以上が経過してた。
「一葉さん……!」
光実から聞いた話では、一葉は小会議室に移動してから直ぐに化粧室に行くと真倉に告げた。真倉は化粧室まで一葉を送ったが彼女が化粧室から出てくるのが遅いので光実にメールを送った。
人権侵害スレスレの行為だが、状況が状況なだけに城乃内も彼らを責める気にはなれなかった。
メールを受け取った光実は一葉が外部と連絡を取っているかもしくは何らかの方法で捜査情報を傍受していることを危惧して小会議室に移ったのだという。
初瀬の映像の公開に復興局との交渉が必要というのも一葉を揺さぶるための光実のブラフだったのだ。
一葉が化粧室にいた時間と、城乃内や光実たちが捜査本部で話した時間と内容を照らし合わせると、彼女が盗聴したのは話の後半部分で、一葉自身に嫌疑がかかっていることは少なくともあの時の盗聴では知りえていない可能性が高い。
光実はそう城乃内に説明した。
つまり、彼女は自分たちが初瀬を拘束するつもりであることを知って失踪したことになる。
光実は彼女には何か策略があっての行動だと城乃内に言った。
「違う、一葉さんはそんな人じゃない…」
一葉がどんな秘密を持っているにしても、彼女が今回の事件で悪意をもって行動しているとはどうしても城乃内には思えなかった。
あの時、自分が一葉を止めていればこんな大ごとにならずに済んだ。考えてどうにかなる問題ではないと分かっていても、後悔は自然と湧いてくる。
部屋をノックする音が聞こえ、ひたすら頭を悩ませていた城乃内を現実に引き戻した。ドアから現れたのは光実と桜井、須藤、そして真倉だ。まず口を開いたのは光実だった。
「城乃内、初瀬一葉の居場所が分かったよ」
「本当か?どこにいるんだ」
城乃内は思わず立ち上がる。
「彼女は今、初瀬亮二と一緒にヘルヘイムの森にいる」
「一葉さんが初瀬ちゃんと合流した…?」
困惑する城乃内に光実は言葉を続ける。
「他にも分かったことがある。今回の事件の黒幕の正体だ」
「本当か!?でっ?どんな奴なんだ?」
今度はザックが立ち上がる。彼も俄然やる気が出てきたようだ。
「メガヘクスだ」
光実の言葉に、城乃内とザックは驚愕を露にした。
──メガヘクス──
ヘルヘイムの脅威が去った一年後、地球に襲来した機械生命体だ。その正体は、地球と同じくヘルヘイムの浸食を受けた惑星の住人が、自分たちの星を知恵の実を含むヘルヘイムの植物ごとデータ化したなれの果てだ。
世界をデータ化するという目的のみをプログラミングされたメガヘクスはそのアバターである個体を地球に送り込み、地球のデータ化を開始した。
当時、復興局局長の任に就いたばかりだった呉島貴虎、復興局陣営で唯一戦極ドライバーを持っていた光実、知恵の実の力で別の惑星の開拓をしていた葛葉紘汰、そして「仮面ライダードライブ」と名乗る赤い戦士などの活躍により、なんとかメガヘクスの撲滅は成功した。
光実はそのメガヘクスが、この件の黒幕なのだという。
「何言ってんだ。だって、メガヘクスは紘汰が…」
「うん、ザックの言う通り。紘汰さんはメガヘクスを完全に倒したと言っていた。でも、これを見て」
光実はタブレットを取り出して、鉄くずの画像を映し出す。
「これは二年前のメガヘクスが作ったインベスや謎のアンドロイドの残骸だ。分析の結果地球には存在しない金属物資で構成されていることが分かってる。そして今回、ヘルヘイムの森でこれを発見した」
光実はディスプレイをスライドして、また別の鉄くずが写った画像を表示する。
「詳しい分析結果はまだだけど、この二つの金属物資の成分が同じものである可能性が高いらしい。首謀者がメガヘクスなら、初瀬亮二にドライバーや錠前を提供することができるはずだ」
城乃内は戸惑いながら口を挟む。
「メガヘクスって、一度は絋汰を殺した奴だろ?俺達でどうにかなる相手じゃなくないか?」
「いや、本当にそんな回りくどいことをしているのなら今のメガヘクスに以前ほどの力はない。勝機はあるはずだ」
城乃内の指摘に、光実は笑顔で答えた。その笑顔はどこか力強い。城乃内はその笑顔に幾分か励まされた。
「新事実はそれだけじゃない」
光実に代わり、今度は桜井が口を開いた。
「ウチの課でリンゴのロックシードのファイルを探していたんだ。その過程で、戦極凌馬のパソコンのセキュリティーを解除していって分かったことだ。結論から言うと、リンゴロックシードのファイルは未だに突き止められていない」
城乃内は顔を顰める。リンゴロックシードの使用者が分からなかったのなら、何が分かったというのか。
「マスターインテリジェントシステム。一言でいうと、ユグドラシルが健在だった頃に戦極凌馬が開発した、沢芽市内の通信機器の情報を制圧、収集するプログラムだ。これは戦極凌馬がアーマードライダーに変身した時の数値がリアルタイムに入力されて初めて作動するんだ。それが今、作動している」
「初瀬とメガヘクスの次は戦極凌馬かよ……」
桜井の報告に、ザックが思わず声を漏らした。
「メガヘクスはかつて、戦極凌馬を模倣したアンドロイドを作った。メガヘクスが健在ならその時に再現した戦極凌馬のデータを流用している可能性がある」
ここまで桜井が話すと、須藤が説明を引き継ぐ。
「ということで、捜査情報の漏洩を防ぎながら捜査を続ける必要がでてきた。盗聴しているヤツに怪しまれないために、捜査本部はこれまで通り稼働する。つまり囮になってもらうんだ。そして、通信機器を使わずに本筋の捜査をするのがこの場にいる6人というわけだ」
「俺たちも捜査を?」
ザックが素っ頓狂な声を上げると、須藤が突っ込む。
「なわけあるか。アンタら二人は戦闘要員だ。だから事実上捜査するのは俺と真倉、それとこの復興局コンビの四人だ。ちなみに、この場の責任者は桜井な」
須藤が肩に手を回すと、桜井はすかさず振りほどいて補足する。
「あくまで現場の責任者だ。最終的な責任は局長がとることになるだろう」
桜井の話が終わり、須藤が屋中央のテーブルの前に移動する。彼はクラックの発生場所が示された地図を見せながら話を始めた。
「で、最後は俺だな。この件の被疑者はクラックの発生場所を自在に操っていると言ったが、一つだけ釈然としない発生場所があるんだ」
「えっ?」
城乃内が声を洩らすと、須藤はボールペンを取り出し問題の地点を指す。
「五件目だよ。その時まで敵は、秘密裏にことを運ぼうとしていたはずだ。確かに五件目も裏通りではある。だがそれなら、その先にある通りの方が民家も少ない。被害は実際の現場より出にくいはずだ。事実、五件目の現場では唯一の被害者を出してしまっている。被疑者は穏便に事が済む場所を選べたのに、敢えてそれよりも危険な場所を選んだ。なーんでだ?」
須藤の口調はふざけているようだが、その表情は苦虫を噛み潰したようだ。
──この人は今一体どういう感情を抱いているのだろう?──
城乃内は訳が分からずに、ため息をつく。
「メガヘクスが考えることなんて、わかりませんよ」
「クラックを開いてたのはメガヘクスじゃないと思うよ」
光実の指摘に、ザックも城乃内も困惑している。
「はっ?だって、敵はメガヘクスなんだろ?」
ザックがそう言うと、光実は説明を始めた。
「六件目、七件目で僕たちが戦った時にあったクラックの先には、ヘルヘイムの森が広がっていた。さっきデーブに確認をとったけど、五件目のクラックもヘルヘイムの森に通じていたそうだ。でも、二年前メガヘクスのクラックは惑星メガヘクスにつながっていた。もちろん、ヘルヘイムの森にクラックを中継することができる可能性もあるけど、そんなことができるのならクラックを開く時間が制限されているのはおかしい。なにより、そこまでしてヘルヘイムの森からインベスを送って、初瀬亮二や僕たちに始末させる必要がない」
「じゃあ、誰がクラックを開いているんだ?」
そう言いながらも、城乃内にはうっすらと真相が見えてきていた。須藤が再び話し始める。
「すべては五件目がヒントになってる。もう一度考えてみろ。なんでより安全な地点を選ばなかった?そこに人がいたからか?だが、実際の現場にも人がいた。しかも複数人だ。実は被害者を出して、警察や復興局の注意を引く必要があったのか?だったらもっと適当な場所はいくらでもある。実際に被害がインベスの仕業だと分かったのは被害者が死んでから半日後だ。人がいつもと違う行動をとる時にはそれなりの理由がある。俺が考え付いた理由はこうだ」
須藤は城乃内とザックの目を見回し、言葉を続ける。
「敵は場所も自由に選べていないんだ。五件目の現場でその夜何が起きていた?初瀬亮二とその友人が出会った場所でその友人が襲われていたんだ。俺たちは何で初瀬亮二が事前にクラックの発生場所がわかるのかと考えていた。その考え方が間違っていたんだ。クラックの発生するところに初瀬亮二が来たんじゃない。初瀬亮二がいるところにクラックが発生していたんだ」
「どういうことだよ…?」
ザックが呆けた顔で、光実に説明を求める。
「初瀬亮二がクラックのマーカーになっていた、っていうことだよ。七件目の現場で初瀬亮二が言ってたよね。『行き当たりばったりでやってる』って。多分あれはそのままの意味だったんだ」
光実の説明を、また須藤が引き継ぐ。
「5件目の現場で昔の友人が脅されてるの見て、そこに留まっていた結果、止む終えずそこにクラックが出来てしまった、ということなら筋が通る」
「そうだとしたら、戦極凌馬のパソコンを調べるまでもない。疑似的な黄金の果実の力を持っているのは…初瀬亮二だ。そして、彼はその力を制御できていない」
光実のこの言葉を聞いて、城乃内は思わず声を上げる。
「待てよ。話が飛躍してないか!?初瀬ちゃん本人の口から聞かないと、確かなことは何もわからないだろ?」
「当然、彼らには話を聞くよ、まだわからないことが多すぎる。今僕たちが話したこともほとんど状況証拠で導いた推測ばかりだ。初瀬一葉が何を目的に動いているかも全然わかっていない」
「でもどうやって?初瀬も一葉さんも今ヘルヘイムの森にいるんだろ?」
今度はザックが光実に疑問をぶつけると、光実はすでに回答を用意していたのか、即座に答える。
「向こうはこっちの捜査情報を入手できる。それを利用するんだ」
具体的に何をするつもりだ?城乃内がそう考えていると、須藤が不敵に呟く。
「さぁて、反撃開始だ……!」