仮面ライダー鎧武 ― グリドン外伝 ―   作:たかだや

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沢芽警察署の須藤は、クラックが人為的に作られていると唱える。その犯人の候補として光実が挙げたのは……


第六話 『不安な足並み』

1.

 

 沢芽警察署では、クラックの出現場所についての話し合いが続いていた。

 須藤は真っ先に、光実が口にした「知恵の実」という言葉に反応する。

 

「なんだよ『知恵の実』って?アダムとイブが食ったリンゴか?」

 

 須藤の質問に光実は押し黙る。

 

───情報の共有に熱中しすぎたか。 

 

 光実は自分の軽率さを呪った。知恵の実についての情報は復興局でも極秘事項とされており、桜井や光実のような限られた人間にしか知られていない。

 光実がどう説明しようか迷っていると、桜井が助け舟を出した。

 

「食べた者に、ヘルヘイムの植物やクラックの支配権を与える果実、といったところか」

 

 警察の人間に話せる情報は、これが限界だろう。 あとは須藤が納得してくれれば、今回の一件について話を進められる。光実はそう考えながら、須藤の顔を見つめた。

 

「へぇ。そんなモンがあるのかぁ」

 

 須藤も納得した様子はないが、それ以上知恵の実について追及する気もないらしい。

 光実は心の中でほっと胸を撫でおろす。

 

「この情報は外部に漏らすなよ。刑事は口が軽いからな」

 

「へいへい。分かりましたよ。元公安で今は復興局にお勤めの桜井様ァ」

 

 桜井が釘をさすと、須藤もつまらなそうに了承する。

 

「仮に、知恵の実を持つ者によって、クラックが発生しているとしてだ。次のクラックの発生場所をどうやって突き止める?」

 

「意図的にクラックの発生場所が指定されてるんだ。その目的を考えれば、ある程度の予測はできる」

 

 桜井に促され須藤は説明を始める。

 

「まず、最初の5件が路地裏なのはインベスを秘密裏に処分する為だろう。5件目が他の現場より人通りが多い地点というのが、どうも引っかかるがな。6件目にシャルモン沢芽市2号店前を選んだ理由は恐らく他のアーマードライダーにインベスの存在を知らせ戦わせるため。だが、なんでインベスとあんたらアーマードライダーを戦わせたいんだろうな?」

 

 須藤は光実を見て嫌味っぽく言った。

 この刑事はいちいち毒づかないと話せないのだろうか。しかし、光実はこの刑事からは敵意のようなものは感じなかった。

 ただただ口が悪いだけなのだろう。光実は軽く苦笑いをした。

 

「クラックの発生時間は一貫して長くなっている。そして、これまでの被害者はたった一人。民間人の被害が出ないように、曲がりなりにも配慮していると考えて良いだろう。だったら、前回の現場より広くて、避難場所から比較的離れた場所がクラックの発生場所になる可能性が高い。その地点に重点的に機動隊が緊急配備されることになるだろうな」

 

 須藤はそう言うと、桜井の肩を叩く。

 

「本部にいくぞ。出現時間の法則を伝える」

 

「あぁ、そうした方がいいな。光実君、城乃内君たちと一緒に待っていてくれるか?」

 

「わかりました」

 

 光実も桜井の指示に従う。わざわざ情報提供のために、よそ者の復興局の人間が、二人も捜査本部に行く必要はないだろう。

 話がまとまり三人で取調室を出ると、先ほどの制服警官が戻ってきた。須藤がその警官に声をかける。

 

「次はこの坊ちゃんを、さっき案内した休憩所まで連れてってくれ」

 

「自分、仕事あるんですけど……」

 

 制服警官は須藤から露骨に顔を逸らすが、須藤は強引に話を続ける。

 

「大丈夫だ。未来のお前が代わりにやってくれるよ」

 

「ソレただの残業ですから!」

 

「いつものことだろ?」

 

「須藤さんがいつも雑用ばっかり押し付けるからでしょ!」

 

「役割分担だよ、役割分担。俺はいつも重要な仕事で忙しいの。どうでもいいことはお前に任せる!」

 

 警官の口の利き方はだんだんと粗暴になるが、須藤も自分のペースを崩そうとしない。

 

「前から思ってたんですけどね。地域課の自分じゃなくて、刑事課の後輩に頼めばいいでしょ!」

 

「おいおいよくないぞ。面倒ごとを他人に押し付けるのは」

 

「そもそも須藤さんが自分でやれば済むでしょうが!」

 

 制服の警察官がとうとう痺れを切らしたのか、怒鳴り声を上げる。

 須藤はヤレヤレと面倒臭そうに、溜め息をついた。 

 

「お前、そんなにしゃべってる暇があるなら、連れて行って差し上げろよ。復興局のお客様だぞ?」

 

 須藤の殺し文句に、制服警官も黙り込んで光実に鬼の形相で向き直る。

 こんなやり取りを二人は毎日しているのだろうか。

 光実は少しあきれながら制服警官に声をかける。

 

「すいません。お願いします。復興局の呉島です」

 

「地域課の真倉です…自分のことはすぐに忘れてください。面倒ごとに巻き込まれるのは御免です」

 

 真倉はそう言うと、苦笑いする光実を休憩所に案内する。

 

 二人の背中が見えなくなると桜井が須藤に語り掛けた。

 

「なんだ?お気に入りか?」

 

「ただのパシリだよ。だがまぁ、そこそこ使えるやつだ。今井が目撃者だって言い出したのもアイツだった。先輩にいちいち嚙みつくのが玉に傷だがな」

 

 須藤はそう言うと、本部に歩き出す。桜井も頬を緩ませながら彼の後ろに続いた。

 

 

2.

 

 光実は城乃内たちと合流すると、先ほど仕入れた情報を伝える。

 

「じゃあ、次にクラックが開くのは明日の朝5時か…」

 

 ザックが納得している横で、城乃内は眼鏡を少し持ち上げ、顔をしかめる。

 

「誰かが意図的にクラックを作ってるのに、出現時間に法則があるっておかしくないか?」

 

 城乃内が率直に疑問を口にすると、光実もそれに同意する。

 

「僕もそのことが気になるんだ。知恵の実を持っているなら、クラックの出現する時間が制限されるのはおかしい」

 

 城乃内には、まだ疑問があった。

 

「ていうか、知恵の実を持ってないとクラックを自由に操れないってホントか?」

 

「うん。少なくともレデュエには自在にクラックを作る力はなかった。ロックシードやロックビークルで作る限定クラックは本物のインベスを通せない。僕が知る限り、本物のクラックを自由に作れるのはロシュオやメガヘクス、紘汰さん、知恵の実を持ってる者だけだ」

 

「戒斗は……?」

 

 光実の話を聞いていたザックが不意に呟く。

 

「え?」

 

「戒斗がオーバーロードになった後…クラックを開いてインベスを操ってたぞ……?」

 

 チームバロンの先代のリーダー駆紋戒斗(くもんかいと)はフェムシンムとの戦いの後、ヘルヘイムの実を喰らい、理性を保ったインベス「オーバーロード」に進化した。

 

 光実もその事実は知っていたが、駆紋戒斗がクラックを自在に操っていたことは初耳だった。

 

「それ……本当?」

 

「本当だよ。なあ?」

 

 ザックが城乃内に同意を求める。城乃内も、三年前に戒斗がクラックからインベスを呼び出した瞬間を見た人間の一人だ。

 

「ああ、おれも実際に見たよ。でも、どうしてあいつにそんなことができたんだ……」

 

 城乃内がそういうと、光実もしばらく考え込んだ。

 

「……まさか」

 

 光実はそういって立ち上がる。

 

「ごめん、捜査本部に行ってくる。みんなはここで待ってて」

 

 光実は城乃内たちを残して休憩所を出て、宣言通り捜査本部に入る。桜井の姿を見つけると、光実は彼に駆け寄った。桜井も直ぐに光実に気付いて声を掛ける。

 

「光実君か、どうした?」

 

 光実は桜井の目を見据える。

 

「戦極凌馬が残したパソコンの中で、調べてもらいたいデータがあります」

 

 

3.

 

 十分ほど経つと、城乃内のスマートフォンに光実から連絡が来た。

 しばらく捜査本部を動けないから、外で食事を摂っておくようにという内容で、事件にどういった進展があったのかは書かれていない。

 どうも要領を得ないが、ひとまずは彼の指示に従おう。そう判断した城乃内はザックと一葉とともに警察署を後にする。

 城乃内たちが訪れたのは沢芽市のフルーツパーラー、ドルーパーズだ。若者客でもツケがきくのでビートライダーズのたまり場となっている。城乃内もビートライダーズ時代は初瀬と一緒に入り浸っていた店だ。

 ヘルヘイム災害当時も、ほかの住民が市外に避難する中、店主の阪東清治郎(ばんどうきよじろう)はドルーパーズに残り、城乃内たちのようにフェムシンムと戦う者たちに食事を提供していた。

 

「いらっしゃい。たくっ、待ちくたびれたよ。こんな状況じゃあ、お前らぐらいしかこの店に来ないんだからな」

 

 城乃内達が店に入るなり、店主の阪東が愚痴をもらす。こんな状況でも平常運航でいられるのはこの人ぐらいのものだろう。 

 城乃内は阪東の図太い神経に感心しつつ、自分もまだまだだな、とつくづく思う。

 

「まあまあ、手見上げ持ってきたんで機嫌直してくださいよ」

 

 城乃内はそう言って、阪東に四角い箱が入った紙袋を差し出す。

 城乃内はドルーパーズに来る前にシャルモン二号店に寄り、売れ残りのケーキを見繕って持ってきていた。

 

「おお!助かるよ。自分で買うと出費がかさんでしょうがないからな」

 

 同じフルーツを生業にする料理人同士、相手が何をもらったら喜ぶかは大方の想像はつく。先ほどとは打って変わって上機嫌になった阪東は、城乃内の後ろにいる一葉に気付いて声をかける。

 

「そちらの女性は?」

 

「初瀬一葉さん。初瀬ちゃんのお姉さんなんだ」

 

 城乃内に紹介されると、一葉はペコリと頭を下げる。

 

「はじめまして。弟がお世話になっていたそうで……」

 

「いえいえ、そんな。でも今は出歩いてると危ないですよ?」

 

「もしもの時は、こちらのお二人に頼ります……」

 

 一葉は城乃内とザックを手で仰ぐ。さすがに次のクラックの出現時間を無断でリークするわけにはいかない。

 城乃内とザックも言い訳に使われているのは承知の上だが、不思議と嫌な気持ちはしない。

 

「阪東さん、晩飯頼めるかな?」

 

「おう、カレーならもうできてるぞ」

 

 城乃内の頼みに、阪東は予想の斜め上の返事を返す。当然だがフルーツパーラーであるドルーパーズのメニューにカレーライスはない。

 インベス出現の警報が鳴った後、自分たちが来ることを見越して作ってくれていたのだろう。その割に、店内からカレーの香りがしないのが不思議だった。

 何はともあれ、阪東の懐の深さには、城乃内も頭が上がらない。

 

「ていうことだけど、二人ともカレーでいい?」

 

「おう!なんか懐かしいな」

 

「お言葉に甘えていただきます」

 

 一応、城乃内がザックと一葉に確認を取ると二人も二つ返事で了承した。それを確認すると阪東はこの店のウエイトレスに声をかける。

 

「イヨちゃ~ん!そこの皿出しっ…」

「休憩入りまーす」

 

 『イヨちゃん』と呼ばれたウエイトレスは、阪東の言葉に被せるように休憩を宣言する。城乃内が初めてドルーパーに来た時には、すでにイヨはこの店で働いてた。

 彼女はいつでも休みたいときに休憩を入れる、見ていてすがすがしいほどだ。

 

「うん…おつかれー」

 

 そう言ってイヨを見送る阪東の背中は、とても小さく見えた。

 

 

4.

 

 

 城乃内とザックの目の前に、小盛りのカレーが二皿置かれる。インベスとの戦闘や黒影の妨害で疲労は溜まっていたが、戦極ドライバーを長時間使い続けたことで、栄養補給は十分できていた。あと少し休みを摂れば、体のコンディションは万全のずだ。

 

「えっと……一葉ちゃんは本当にこの量でいいのかな……?」

 

 阪東は顔を引きつらせながら、パーティー用の大皿に並々盛られたカレーライスを持ってくる。見たところ、2㎏程の量はありそうだ。

 

「はい!あの、わざわざすいません……」

 

「いや、いいって!いいって!作ったもん食べてもらえるのは料理人冥利に尽きるってもんだよ」

 

 上目づかいで謝る一葉に、阪東は大げさに愛想を振りまくが、彼の目は明らかに笑っていない。城乃内もザックも心なしか一葉から身を引いた。

 

「じゃあ、いたただきます!」

 

 一葉はそういうと目の前のカレーを口に運ぶ。スプーンですくったカレーの量はいたって普通だ。そして、一葉はしっかり噛んでカレーを食べていく。

 

 しかし、大皿に盛り付けられたカレーは信じられないペースで減っていく。

 

 自分たちは手品でも見ているのだろうか。城乃内、ザック、阪東の三人は驚愕に目を合わせる。

 一葉がふと城乃内とザックに目を向けると、二人は自分が震えるのを感じた。

 

「あの…お二人は食べないんですか?」

 

「ああ!食べますよ!なあ!城乃内!」

 

「お、おう!」

 

 一葉はザックと城乃内の言葉に笑顔を返す、今度は阪東に向き直った。

 

「ほんと美味しいですね、このカレー!あとでお代わりしますね!」

 

 一葉のこの言葉に、城乃内はもう考えるのをやめた。

 いざカレーを食べてみるとなんだか懐かしい味だ。ほのかにニンニクが香り、ほくほくとしたジャガイモは、芯にジャガイモ本来の風味を残しつつ、カレーの味がしっかり沁みている。鶏もも肉はじっくり煮込まれ、歯を使わなくても口の中で崩れていく。たまねぎと赤ワインで演出されたコクも申し分ない。

 城乃内が最後にドルーパーズでカレーライスを食べたのは、フェムシンムが全滅した日の晩だった。フェムシンムが全滅しても、クラックは世界全体で発生し続け、そこからインベスもあふれ続けた。

 この先、世界はどうなってしまうのかと不安を募らせながらも、阪東が作ったカレーを食べると不思議と力が湧いた。

 

「じゃあ、俺はシャルモンのケーキ食べようかな」

 

 阪東はそういうと、冷蔵庫にいれたケーキを取りに行く。

 

「ケーキって幾つ持ってきたんでしたっけ…?」

「えーと、全部で7個でしたか…」

 

 一葉は城乃内の返事を聞くと、にっこり笑う。城乃内にはその笑顔が無性に恐ろしかった。

 

「それなら、私の食べる分も残りますね!」

 

 城乃内は笑顔で返すのがやっとだった。

 

 

5.

 

 東南アジア某国、とある財団のパレードが行われている。財団の代表である青年が、パレード用のバスの上の上から観衆に向けて手を振っている。

 観衆は彼に向けて手を振る者、旗を振る者、ひたすら声を上げる者、まさに十人十色だ。

 そんな群衆を、ビルの上からサングラスの越しに物色してる男が二人。二人は暫くパレードの様子を警戒していたが、右耳の無線の声が届くと、そちらに注意を向ける。

 

『目標確認、敵は三人。パインとイチゴ、マンゴーの錠前をそれぞれ持っています。位置はお二人の端末に転送しました。明日の作戦のために銃弾を残す必要があるので、あとはお二人に任せることになります』

 

 無線を聞いた二人組のうちスーツ姿の長身の男が真剣な声でつぶやく。

 

「全部ランクAか。狙撃で数が減ったとは言え、面倒なのが残ったな」

 

 この男、かなり声が渋く顔の彫りも深い。一言で言うと「濃い」。

 

「レイモンドは腕は良いけど、運が悪いのよね」

 

 女性口調のもう一人の男はスーツ姿の男よりもさらに大柄で、虎柄のジャケットと黒いターバン、紅い花柄のシャツと目を引くことこの上ない。

 

『一言多いですよ。敵が変身しました。凰蓮隊長、貴虎、出番です』

 

 無線の声の男が言う通り、端末に示された建物の屋上にはパレード見下ろす3人のアーマードライダーがいた。

 彼らはそれぞれイチゴ、パイン、マンゴーの鎧を纏っており、遠目からもわかるほど財団代表の青年を凝視している。 

 

「どうやら、狙いはあの坊や一人のようね?」

「彼に手出しはさせない。いくぞ」

 

 三人のアーマードライダーが臨戦態勢に入ったのを確認すると、『凰蓮』と呼ばれた虎柄ジャケットの大男はドリアンのロックシードを、『貴虎』と呼ばれたスーツ姿の男はメロンを模したエナジーロックシードをそれぞれ構える。

 

「変身!」

 

 凰蓮は戦極ドライバーに、貴虎はそれをさらに進化させた赤いジューサーのようなドライバー「ゲネシスドライバー」にそれぞれの錠前を装填する。

 

『ドリアンアームズ!Mister…dangerous‼』

『メロンエナジーアームズ!』

 

 二人はそれぞれのアームズを纏い、アーマードライダーに変身する。

 手足にスパイクが施されたスーツに、これまたスパイク付きのドリアンのアームズを纏った姿はまさに全身凶器。華麗なる傭兵、アーマードライダーブラーボ!

 白いスーツに果汁あふれるメロンのアームズを纏ったその姿は美しくも力強い、地上最強のアーマードライダー・斬月・真!

 

 斬月・真は左手に生成されたソニックアローの矢を引き絞り3人のライダーに向けて放つと、ソニックアローからは無数のエネルギー体の矢が一気に発射される。

 臨戦態勢に入っていたアーマードライダーたちは突然の攻撃を食らい無様に転げまわった。

 

Bravo!(ブラーボ)さすがはメロンの君だわ!」

「一気に決めるぞ!」

 

 斬月・真が敵のアーマードライダーたちがいるビルに飛び移り、ブラーボもそれに続く。その距離は20メートルほど離れているが、アーマードライダーの脚力をもってすればこれ位の距離を飛び移ることは造作ない。

 ブラーボは何とか立ち上がった敵のアーマードライダーたちに、双刀のノコギリ型アームズウェポン「ドリノコ」を向けて語り掛ける。

 

「彼をひっ捕まえて、さらし首にでもするつもり?まったくセンスのかけらもない復讐だこと!」

 

「お前たち……復興局のライダーか!?邪魔をするな!」

「我々の問題は貴様等には関係ない!」

 

 ブラーボの挑発に、マンゴーのライダーとパインのライダーが声を荒げる。しかし、そんな声に怯むようなブラーボではない。

 

「そうね……正直あなた達には興味がないわ。用があるのはそのベルトと錠前!」

 

「おとなしく戦極ドライバーとロックシードを渡して投降しろ」

 

 ブラーボの言葉を引き継ぐように斬月・真は敵に投降を呼びかける。

 

「調子に乗るな!」

 

 敵のアーマードライダーたちは斬月・真の通告を拒否して、臨戦態勢にはいる。

 3対2で自分たちが有利だとでも思ったのだろうか、それとも負けると分かったうえでもう後に引けない心境なのか。

 マンゴーのライダーはこん棒型のアームズウェポン「マンゴパニッシャー」を両手で構え、ブラーボ目がけて突進する。   あきれるほどに直線的な攻撃だ。

 

「トオォ!!」

 

 ブラーボはマンゴパニッシャーの一撃をかわすと、すれ違いざまにドリノコで相手の背中を切り付ける。

 

「グァッ!!」 

 

 マンゴーのライダーはたまらず地面に転がり、マンゴパニッシャーを手放してしまった。

 

「しまった!」

 

 マンゴーのライダーが自分の武器を拾おうと手を伸ばした瞬間、わき腹にブラーボの蹴りが叩き込まれ、吹き飛ばされる。

 

「ガァッ……!?」

 

「まったく……とんだ素人がベルトを手に入れたものね?」

 

 マンゴパニッシャーを拾い上げながらブラーボは呆れた声を漏らす。

 

「貴様も私を愚弄するか……」

 

「あら、プライドは高いのね?でも、中身のないプライドほどみっともないものはなくてよ?」

 

 ブラーボはマンゴパニッシャーを構え、ファイティングポーズを取ったマンゴーライダーと改めて対峙する。

 

 一方、斬月・真はパインのライダー、そしてイチゴのライダーと対峙していた。

 

「行くぞ!」

 

「ああ!」

 

 パインのライダーが声を張り上げると、イチゴのライダーもそれに応えた。

 パインのライダーが鉄球型のアームズウェポン・パインアイアンを、イチゴのライダーはアームズウェポン・イチゴクナイを、それぞれ斬月・真に向かって投げつける。

 

「……」

 

 斬月・真は二対一の状況だが、全く動じることはない。

 斬月・真はまずパインアイアンの鉄球の手前の鎖部分をキャッチし、鉄球をイチゴクナイの楯替わりに利用する。

 

「フン……!」

 

 イチゴクナイの追撃が終わると、パインアイアンの鎖をソニックアローの刃で両断。鉄球をその場に捨て、ソニックアローの矢を、素早く二人の敵に放った。

 

 二人のライダーが怯むと、斬月・真は一気に距離を詰めて……

 

「ハァアア!!!」

 

 ソニックアローの刃で二人を切り伏せる。

 

「ウァアッ!」

 

 斬月・真は倒れたイチゴのライダーの顔面に下段蹴りを叩きこみ、パインのライダーには上からソニックアローの刃を真一文字に振り下ろした。

 

 

「ガハッ!!」

「つっ、強過ぎる……!!」

 

 二人のライダーは地面に這いながら、苦悶の声を漏らす。

 

 この時点でパインのライダーもイチゴのライダーも自分たちがどれほど恐ろしい敵に歯向かったのか悟った。上半身を何とか起こしたイチゴのライダーが呟く。

 

「まさかコイツ……呉島貴虎か!?」

 

 恐怖に身を震わせる二人のアーマードライダーに、斬月・真は無言でソニックアローの刃を向ける。

 

 斬月・真とブラーボ、アーマードライダーの最強タッグと3人のライダーの決着は近い。

 




凰蓮ファンの皆さん、主任ファンの皆さん、
お待たせしました。

第七話を投稿した後はしばらく投稿できなくなります。
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