ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ 作:神崎優
「似たようなもんだろ」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「逃げ切れたか?」
「いつの間にかはぐれちゃったな」
今俺はレオンと一緒に行動している。
黒ウサギから逃げるときに全員別方向に逃げたのだが、恐らく十六夜は飛鳥と一緒にいるだろうし、零とミーレスも合流しているはずだ。
ロウウィはともかくヤマトは捕まっただろう。
燃料ねぇってなにやってんだアイツは。
「さて何をする」
「飯食おうぜ」
「まぁやることないから別にいいか」
「よーしレッツゴー!!」
その頃零とミーレスは逃げた先の場所にあったベンチに座ってこれからの方針を考えていた。
どう考えてもユウ特製のアイテムなら兎である黒ウサギにとってとてつもない巨大な力を発揮出来るはずだ。
何故ならばそこまでにもユウが作った道具が強力すぎる物なのだ。
流石は道具作成A+。
その実力は伊達ではないのだ。
実質ユウが作った道具は余程の事がなければ全く壊れないのだ。
材料が良いのか、技術が良いのかよくわからないが何故か壊れないのだ。
実際レオンの鎌は手入れが全く要らないほどいつも綺麗なのだ。
そんな感じで黒ウサギ+ユウの道具は合わせちゃいけないのだ。
「ミーレスこれからどうする?」
「捕まらないようにすればいいんじゃない?」
「そうならどこか行くか」
「そうは言ってもどこに行くよ?」
「・・・」
「・・・」
「俺達ユウがいないとほんとに捕まるんじゃ?」
「そんなフラグ建てないでくれ」
「では早速フラグ回収しますか♪」
「「・・・え?」」
「旨いなこのクレープ」
「それでもユウはブルーベリー味とマンゴー味のミックスなんだな」
「俺はそれが目の前にあったから買っただけだ」
「ほんと好きだな・・・そういえばあのシューズどんぐらい性能上がるが?」
「十六夜ぐらいの威力で上がるぞ」
「それ・・・十六夜逃げ切れるか?」
「知らんよ?俺は作ってほしいと頼まれただけだし、十六夜が逃げきれるかは十六夜自身の力の問題だ」
「無責任だな」
「なんとでも言え」
さてそんな感じに話をしていると奥の方から何か歓声が上がっていた。
何があったか耳を傾けていると街の人達のこんな声が聴こえてきた。
「すげぇぞ!月の兎がこんな下層に来てるぞ!」
「しかもその兎と対等に渡り合ってる人間がいるぞ!」
「マジかよ!そんな人間がこんな下層にいるのかよ!」
「うおぉー!!どっちも頑張れー!!」
「・・・」
「・・・」
「十六夜だな」
「十六夜だろうな」
うん・・・こんなことをするのは十六夜だろうし、黒ウサギしか追い付けないだろうな。
アイツ等いったい何をしたらこんな大きな騒ぎに変化してしまうんだ。
てか、ここって確か“サラマンドラ”っていうコミュニティがなかったっけ?
こんなことしてたら駆けつけてくるぞ。
と思ったら、いきなり遠くの塔みたいな物がいきなり割れてしまったのだ。
恐らく十六夜がやったんだな。
さっさとここから離れようと思ったんだけどレオンが興味津々だから駄目だな。
「・・・さてと、クレープ買いに行こ」
「いってら~」
「さてクレープ買って逃げてきたがどうするか」
俺は二次被害を避けるためにクレープ買った後に人の気配が無い路地に入り込んだ。
あのまま留まっていれば黒ウサギとレティシアに捕まる筈だしな。
ん?なんでレティシアがいることが分かったかだって?
クレープ屋の近くのベンチに座ってクレープ食べてたところを見たんだよ。
まぁ案の定飛鳥は捕まってたよ。
隣で同じようにクレープ食べてたもん。
「まぁクレープウンマイ」
そしたら前からフードを深く被った背の小さい子がぶつかってきた。
「おっと」
「あら?ごめんね急いでたから」
「いや、大丈夫だ。俺も前方不注意だったからな」
・・・なんかスッゴい怪しいけど調べられないな。
ん?心読めばいいだろって?
実は調べられたのは俺の後ろ髪を止めている髪止めに眼が着いててそれで見た対象の心を読めたというカラクリなんだ。
第三の目だぜ?格好いいだろ?
「どうしたの?」
「いや考え事をしていただけだよ」
「そう・・・ならもう行くわ」
「おうじゃなぁ~」
「あれが白夜叉の部下・・・見た目は大したこと無さそうね」
「で?なんだこの状況・・・レオン何か教えてくれ」
「サラマンドラの人達が十六夜と黒ウサギを連行してった」
「とうとう捕まったか」
「行くのか?」
「サウザンドアイズの一味だからな一応俺は」
「一味ってwww」
「来るか?」
「いや俺は飛鳥とレティシアと行動しているよ。はぐれたりしたら不味いからな」
「オッケー。じゃあ送っとくから説明宜しくな」
「おう!」
レオンを飛鳥とレティシアの所に送っていった後は、
・・・アイツ等の所に行かなきゃいけないか。
「さてと・・・白夜叉に怒られる覚悟で行かなきゃいけないな」
「火龍誕生祭・・・あのヴィテという者が言っていた未来の分岐点か」
あの日・・・ユウ達と初めて会ったあの日の夜に会ったあの不思議な者。
あの者がこの時にユウのサポートをしてくれと頼んできた夜。
あの者がどのような能力を持っていて何故そのような事を言ってきたのかがよく分からなかったのだ。
・・・いや。言葉を変えよう。実は少しは検討がついているのだ。恐らく【未来視】の能力を持っている筈だ。
そうならばあのヴィテは、ユウ達の世界の“ラプラスの悪魔”いうことになるのだ。
「全く・・・なんなのだユウ達は・・・儂がこれだけ考えても全く答えが出てこない」
しかし、これも全て過程に過ぎないのだ。
何故なら、確証が無い。
こればっかりは本人に聞いてみないと分からないモノなのだ。
ユウも説明してくれなければ何一つ分からないのだから。
「はぁ・・・」
「どうしました?」
「いやヴィテの能力が知りたい・・・と・・・」
「私の能力が知りたいのですか?」
「なっ!?ヴィテ!!」
「はい♪呼ばれた気がしましたから」
「お主もよくわからん存在じゃな」
「で?知りたいのですね?私の能力?」
「お、教えてくれるのか?」
「ここまで協力してくれましたからね。それぐらいの報酬は教えてあげてもいいでしょう」
「お、おぉ・・・」
「私の能力は・・・【未来視】ではありません」
「何?」
「どちらかと言えば【未来監視】と言えます」
「未来監視?いったいどんな能力なのだ」
「この能力は簡単に分かりやすく言えば“いつでも常に未来を見ることが出来る”という、能力です」
「なっ!?そんな能力を人間が持っている訳がないじゃろ!」
「仕方ないのです。・・・私は生まれたときから機械――兵器として改造された者なのです」
「っ!?」
「この左目がその改造された証拠です」
そう言うと、ヴィテは自分の左目を指差す。
それは恐らくとてもじゃないが辛い日々であった筈だ。
生まれたときから兵器として色々と実験されたのであろう。
しかし、ユウの世界ではそのような実験を行っていると思った瞬間にユウに対しても怒りを覚えてしまった。
「ですが・・・ユウ様とあのお方のおかげで私は・・・【人】として再び歩けるようになったのです」
「・・・え?」
「今度は・・・ユウ様達と一緒に過ごせる様になったのです」
「そ、そうなのか」
というよりも、ユウはこんな常に先が分かる相手に戦って勝ったと言うのか?
儂では絶対勝てないであろうな。
「・・・あの方には私のこれからの人生・・・ううん、【運命】全てを救われました。だから私はあの方に恩返しがしたくてこのように道案内をしているのです」
「成る程な・・・しかし早く助けてくれなかったとか思わなかったのか?あれだけ強いのに助けてくれなかったかって」
「・・・それも思いはしました」
「うむ・・・」
「しかしあの方はそれでも【全ての生命を守る】という理念の為に出来ることを全てをやってくれました。それこそ自分がどれだけ傷ついていたとしても」
「あのユウがそんなことを」
「それでもあの方は、
「まだ・・・足りない?」
「ユウ様の努力が【光】とすれば、私の事も含めて兵器開発等は【闇】になるでしょう」
「ほ、ほう」
「ユウ様はこの闇を払う為に出来ることを全てをやっています」
「だからどうしたと?」
「あの方は
「・・・」
「それこそが私を救ってくれたあの方への恩返しなのです。私を助けてくれときと同じように【どれだけ遅くても必ず助けてそれ以上の幸せ】を与えるために」
「・・・そんなことを思われてユウは幸せ者じゃな」
「そんなことでも頑張ってしまう困った方です♪」
「儂はユウの事を勘違いしてしまったようだ」
「大丈夫ですよユウ様は簡単に許してくれますよ」
「ところでユウにはまだ能力があるのか?あったら教えてほしいのだが」
「流石に能力は教えてあげられませんが、
「な、何!?それはなんなのだ!!」
「・・・ユウ様の
「そしてなんでこんな事になってしまったんだ十六夜、黒ウサギ」
「いや~実は黒ウサギとおいかけっこしててよ♪」
「わ、悪気はなかったんですよ!十六夜様がまさか塔を叩き割るとは思っていなかったんです!」
「十六夜だから何が起きても不思議じゃないだろ?」
「はい・・・そうでした。すみませんでした。」
「お前が逃げてる間こっちは頑張って逃げ切ったんだぞ」
「うるせぇ!こんな面倒事ひっぱんじゃねぇ!白夜叉に怒られてしまうだろうが!!」
「それが本音ですか!?それが本音だったんですか!?」
「これが本音だと?違うわ!クレープ食う時間がなくなってしまったからだよ!!」
「それが本音ですか!!?本音だったんですか!!??」
「お前やっぱ面白すぎるぜ!!」
「だからめんどいと思ったんだよこんな面倒事に引っ張られてしまうんだからよ」
「いいからお前達が何をしたか説明しろ!!」
「「「すいませんでした」」」
「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!俺は小説を書いていた!しかし予想よりも長く書いてしまった!そしたらこんなことになってしまったんだ!!」
「お前はなにを言っていんだ」
「小説がいつもより長かったからこうなったんだろ」