ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ 作:神崎優
「魔王?」
「とうとう来たか」
「レオン頼む」
「了解!そんじゃあ飛鳥行くぞ」
「えっ?ちょっと担がないでってきゃあぁぁぁ!?」
「・・・一部誘拐だな」
「言うなそんなこと」
「さてと十六夜どっち行く?」
「あぁ~?あの変な野郎蹴ってくる」
「見えてるの!?」
「俺も見える」
「流石キメラ」
「お主等勝手に動くな!」
「白夜叉は情報提供してろ!恐らくお前は動けなくなるからな」
「なっ!?待て!」
「準備はいい?ヴェーザー、ラッテン、シュトロム」
「あぁ準備は万端だぜ」
「えぇ平気よ」
「・・・」
ふふふ、私達の準備は大丈夫なようね。
これだけの準備をしてきたのだもの。
絶対に失敗する訳にはいかないからね。
それにしてもあの白夜叉の部下になったあのユウって奴は最初に会ったとき全く覇気が無いから強そうには見えないわね。
全くなんであんな奴が部下になれたのか訳が分からないわ。
そんなことを考えていると、
「!?マスター避けろ!」
「っ!?ヴェーザー!?」
ヴェーザーがいきなり現れた金髪の少年に蹴り飛ばされた。
それに気をとられてる隙に自分にも殺気が現れて、気付いたときには目の前に赤い帽子を被った白髪の少年に蹴りを入れられそうになった。
それを間一髪で受け止めるが勢いを殺せず、そのまま吹き飛ばされてしまう。
「くっ!・・・」
「・・・手加減は要らなかったな」
その顔を見たことがある。
あの路地裏にて視察のために出会ったあのユウ=クレメンズだったのだから。
「・・・お前あの路地裏で会った奴か」
「・・・何故分かったの?」
「雰囲気で分かるさそんなもん」
「・・・そう、どうやら見くびっていたようね」
俺はまだ心を読む能力が復活していない。
何故って?なら聞こう。
目を瞬き無しでずっと開けたままでいられるか?
俺は無理だ。だから閉じる。
まぁいいや・・・今俺の前にいるのが魔王――物凄く幼く見えるがやはり雰囲気は戦いに身を投じてる感覚がはっきり分かる。
十六夜達に戦わせるわけにはいかないな。
「目的はなんだ?只襲うって訳じゃないだろ?」
「あなたは敵に自分の計画を話すタイプ?」
「話さないな」
「ならそういうことよ」
「成る程分かりやすいっな!!」
ユウはまた瞬間移動で蹴りに行くが、少女から
だがそれだけでは終わらずその霧がユウの周りで漂い、それを吸ったらいきなり肺が苦しみ始めたのだ。
「ぐっ!?なんだこれは!?」
「あらあら早速かかったのね」
「何を・・・しやがった!」
「さぁ?あなたの体を見れば分かるわ」
そう言われたので自分の体を見てみると、所々に黒い斑点が着いていたのである。
「まさか“黒死病”か!」
「あら?勘が良いわね。でももう終わりよ。体に付着したならもう瞬間移動でも取り除けないわ」
「・・・なら
「はっ?・・・」
少女がユウの体を見てみると、ユウの身体中にあった黒い斑点が全て消えていたのである。
「なっ!?いったいどうやって!?まさかあなたの種族に黒死病でもあったの!?」
「いや流石にキメラでもそんな種族はない。これは俺の
「他にギフトがあったのね」
「それにお前の正体も分かった。お前は―」
ユウが喋る瞬間、
「皆さん!
「空気読め黒ウサギぃぃぃぃ!!!!」
「・・・お笑いコミュニティなの?あなたのとこ」
「言っとくけどこのゲームに不備はないわ」
黒ウサギから話を聞いてみると、このゲームは何か可笑しい点が多いらしいのだ。
一つは、この魔王達がそれぞれどのような伝承のゲームでヒントというヒントを記載していないこと。
二つは、なんか皆がこれが重要だと言ったこと。
それは、俺は知っているが白夜叉がゲームの参加者なのに参加できないということだった。
あんまり関係ないんだけどな俺にとっては。
「白夜叉様が参加できないことに何も思わないのですかユウさん!!」
「俺にとっては黒ウサギに邪魔されたことが一番思うことなんだが?」
「あなたのとこほんとはお笑いコミュニティじゃないの?」
「お笑いはこのバカウサギで充分だ」
「バカウサギじゃないです!黒ウサギです!」
「で?不備はないとどうして言いきれるんだ
その言葉にノーネーム側のメンバーが全員固まったのだ。
ちなみにメンバーは、十六夜・黒ウサギ・ジン=ラッセル・ユウ・零・サンドラ・マンドラの七人である。
零を連れてきた理由?そんなのなんとなくに決まってるだろ?
「あら?もう私の名前が分かったの?」
「黒ウサギが邪魔しなければな」
「だからなんで黒ウサギのせいなんですか!」
「「自覚なしか」」
「何故敵同士なのにそんなに息が合うのですか!?」
「それは置いといて・・・何故ならちゃんと段取りを踏んだのだもの。それなのに不備があるなんて言われたくないわ」
「成る程。ならこれ以上問い詰めても無駄だな」
「そんな!彼等は隠蔽工作を行った疑いが!」
「そんなの説明できるか?俺は無理だ」
「あら?分かってるじゃない。あなた私達の仲間にならない?」
「申し訳ないがノーネームで間に合ってるよ」
「そう・・・まぁどうせ
「何?」
「・・・あなた達私達の仲間にならない?そうすれば全員助けてあげるわよ」
ペストがそう聞いてきた。
まるでこのゲームは必ず自分が勝つとでも言いそうな雰囲気である。
流石は魔王と言われる者であるが、次のユウの一言にペストは眉を少し動かした。
「いや。
「・・・なんですって?」
「テメェ。調子に乗るなよ」
「ヴェーザー・・・」
「このゲームは、お前達が今有利な条件に出来る権利がある。だがそれでも俺達には勝てないぞ?」
「・・・そう。ならゲーム再開日は一週間。
そしてあなた達へのペナルティは、ユウ一人に背負ってもらうわ」
「なっ!?そんなこと認める訳には!」
「代わりにそこのウサギをゲームに参加させても良いわよ?“箱庭の貴族”が居れば少しは楽になるでしょう?」
「構わんぞ」
「ユウさん!?」
「じゃあ条件を付けるためにあなたのギフトカードを見せてもらうわ」
「はいよ」
そう言うとユウは簡単に自分のギフトカードをペストに投げ渡した。
ペストはそのカードを人目見ると、ペストはくすり、と微笑した。
「ならペナルティは二つ。
一つは、〔人間以外の種族の使用禁止〕よ」
「なっ!?」
「まぁそう来ると思ったよ」
ユウが分かりきっていた顔でそう答える。
だがユウはキメラである。
人間以外の種族が使用出来ないとなるとそれはキメラにとって致命的になってしまうのだ。
「二つ目は、〔このカードに
「ふぇ?」
「分からないとでも思ったの?あなたギフトを隠しているのよね」
「ソンナコトシテマセンヨ?」
「片言になってるわよ」
そう、ユウは自分のギフトでギフトカードに書かれていた文字を誰にも見させないために隠していたのだ。
しかも見た人が誰もが疑問に思ってしまうようなバレバレな隠し方で。
「それではユウさんは何も出来ないじゃないですか!」
「別にこれは
「まぁ構わんぞ。ペナルティがあっても勝てると言っちゃったからね」
「ユウさん!!」
「フフフ・・・楽しみね一週間後が」
「大丈夫なのですかユウさん」
「平気だって。人間としての力は使えんだから」
「ですが人間の力しか使えず、ギフトの使用禁止までついてしまってはあんまりにも」
「まぁ足止めは出来るか」
「気楽すぎです!!!」
「あぁそうだ黒ウサギ」
「は、はい!」
「・・・サンドラ任せた」
「はい?・・・」
「じゃあな~♪」
「ちょ!?ユウさん!!?」
「・・・・・・
その台詞を呟いていた時のユウの顔を黒ウサギは見ることが出来なかったが、絶対に見ることはしてはいけなかった。
何故ならばユウの顔は・・・・・・まるで
「そろそろお前の本性が出てきそうだな」
「失敬な!俺はいつでも他者に対して真剣(?)だぞ!」
「実際は?」
「どうやって倒そうか考えてます」
「「駄目だこりゃ」」