ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ 作:神崎優
「はぁ!」
紫の鎧を纏った少女が斬りに来るが、ユウは、それを紙一重で避けていく。
そこから蹴り等を入れていくが、余程反射神経が良いのかすぐに弾かれて防がれてしまう。
いかに熟練者同士と言えど、立て続けに攻防を繰り返していけば、流石に動きが鈍ってくるだろうと思いながら戦っているが、全くそのような姿を見せない。
このままでは他の仲間に合流されそうだから、ユウは一旦攻撃を後ろに避けてから撤退を図ろうとしたら、
「逃がさん!」
剣から斬撃が飛んできたので、ブリッジで間一髪で避ける。
「あ、ぶねぇ~、下手したら上半身と下半身がお別れだったぜ」
「すばしっこいな、ろくに一撃が当たらない」
「それはこっちの台詞だ、手数はこっちの方が多いのに見事に全部防がれちゃってるからな」
「次は斬る」
「物騒だな~」
とは言っても、やはり刃物持ちに素手はキツいな。
・・・しょうがないこっちも剣を取り出すか。
「よいしょっと」
ユウが背中に手を伸ばすと、そこから明らかにユウよりもデカイ大剣が出てきた。
黒き刀身で鱗のような素材で覆われた紫の線が入っている全体的に刺々しいフォルムのその大剣を片手で軽々と持つその姿は、戦いに飢えた狂戦士のようにも見えていた。
「ほう・・・中々の大剣だな、それがお前の剣か?」
「いや、これは
本来の俺が使う剣は、強すぎるから使わないだけだ」
「それは私の事を弱いと言っているのか」
「いや、本当に強すぎるからだ、なんせ・・・」
そう言いながら、ユウは大剣を構え、
「
高速で斬りかかった。
流石に速すぎたのか、対応が少し遅れたが剣で受け止める。
しかし、威力を殺せず、そのまま後方へ吹き飛ばされていく。
大剣だという事もあり、その一撃が重い為少しは覚悟していたが、元々のユウの一撃が更に重くしたため、少女は後方のビルに次々とぶつかっては貫通していき、五回目でようやく威力が殺され、止まることが出来た。
そして少女は、覚悟を決めた。
――斬る。
「≪
「ようやく本気モードか・・・は?」
驚いたのも無理はない。
先程吹っ飛ばした筈の少女が、空を飛びつつ、その手に明らかに少女二人分の長さはある巨大な剣を片手で持っていたからだ。
ユウの持った大剣も中々でかかったが、あれはそれより全然大きかったのだ。
そのときユウは、ようやく自分が斬られるという事を自覚し始めた。
「≪
「そりゃねぇよ・・・なんだよあのバカデカイ剣はよ」
「はあぁぁ!!」
少女が自分に向かって剣を降り下ろす。
あれは間違いなく自分を斬れる・・・でも避けることは出来ない。
それには理由がある。
なら、選択肢は一つしかない。
「相殺するだけだ!!」
ユウは、大剣を両手で構える。
この一撃を叩き斬る為に。
「何ッ!?」
「やるか!!」
すると、ユウの大剣が変化をし始めた。
何かのギミックなのか知らないが、紫の線が入ったところから装甲が外れて擦れ、その大剣は異様な姿になっていた。
まるで命が宿ったかのように、その姿を変貌させたのだ。
「おりゃぁぁぁ!!!」
その剣で少女の一撃を受け止める。
明らかに威力が違っていたが、その大剣が折れるどころか傷も付かず、その一撃に耐える。
だが、剣は無事でも肉体はそうもいかない。
その剣から発せられるエネルギーはそう簡単には相殺しきれず、徐々に肉体に傷を付けていく。
しかし、そんな状況でもユウは笑っていた。
それどころか――楽しんでいたのだ、強者との戦いを、これ程の者とのぶつかり合いを純粋に楽しんでいた。
「これだから旅は止められない!!」
しかし、このまま続けていけば、肉体は斬られてしまう。
そうなれば、
そうなってはマズイと流石に思うので、
「おらあぁぁぁ!!!」
その一撃を弾き飛ばした。
その威力を完全に相殺しきって。
恐らくこれが最後の余力のはず、あちらはもう戦う力は残っていないはずだ。
そう思ってたら、少女の方から近づいてきてくれた。
「まさか私の渾身の一撃を受け止め、弾いてしまうとは」
「お前のような単なる威力だけの一撃は、何度もぶつかってきたから平気だ、と言いたいところだけど結構キツかったな
「守りながら?・・・!」
「やっと気付いたか・・・そう、お前の一撃を避けたら、俺の後ろにある
そう言い、後ろに指差したところは、現在大勢の人が住んで暮らしている天宮市があったのだ。
植物に聞いて、人がいるところを聞いていたので、どこにあるのかは分かっていたが、そこの人達が死んでしまってはマズイと思ったので少女の剣を受け止める事にしたのだ。
「お前は・・・街を守るために、わざと?」
「街がなければ避けたけど、誰かが死ぬのはまっぴらごめんだ」
「・・・すまない」
「おいおい謝んな、まだ決着はついてないぜ?」
まぁ、あの一撃で結構力使ったから、立つので精一杯だろうけどな。
かくいう俺も、先のは結構応えたけどな。
人間やめてなかったら、マジで死んでたなこりゃ。
「んじゃ!「
折角カッコつけて終わらせよう思ったのに、誰だ!?
そこには、・・・少し変な感じがしたが、れっきとした人間だった。
・・・ん?あのぶつかり合いがあったのに人いたの!?
「し、シドー!?何故ここに!」
「お前を助けに来たからに決まってるだろ!」
・・・ん?
「シドー離れてろ!コイツは強い!ハッキリ言って私よりも!」
いやあんた全力でやって押し負けたからそりゃ当然だろ?
「バカ言うな!お前を見捨てられるわけないだろ!!」
「し、シドー・・・」
これ完全に俺が悪者扱い!?
いやいや待てよ!
先に攻撃してきたのはそっちなのに何で俺が悪者扱いになってんの!?
あれか!?
いたいけな?少女を傷つけて、挙げ句の果てには剣で斬りかかろうとしていたように見えたからか!?
・・・あー、否定しきれないわー。
「なんか頭痛くなってきた~、さっきの一撃で傷ついたか?」
「「お前は何を言ってる」」
「お前ら二人のせいだわ!!」
コイツら天然コンビか!?
そういう奴の相手めんどくさいな。
「とりあえz」
そう言いかけた時、
ゴーン!!
「ハルギッチョン!!?」
頭上からこのビルの欠片と思われる破片という名の岩が落ちてきた。
ただ、これは自然現象ではない。
故意的に行われたのだ。
その実行犯とは、
「お前・・・何してくれてんの」
「あなたが私を吹き飛ばしてくれたから、その仕返し」
ペストェェ・・・・・・。
少女――十香との戦いで少しダメージをおっていたので、その一撃が止めとなり、俺の意識はあっという間に暗闇の底に沈んでいった。
「で?案の定捕まってしまったと?」
「防水加工で自分が凍るのは防いだけど周りを凍らされて出られなくなった。」
「ただ単純に火力で負けた」
「いともたやすくおこなわれるえげつない行為をされた」
「喋りながら捕まった」
「最初から諦めてた」
「ユウを嵌めて一緒に連れてった」
「後半完全に自分勝手じゃねぇか!!」
ユウが使っていた大剣が想像しづらいと言う人のために説明していきます。
モン○ンのアルバトリオンの大剣と言えば、大体の人は皆分かると思います。
アイツ狩るの大変だったな~。
あ、俺は基本的に太刀使ってました。