ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ   作:神崎優

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第三十六話 三者三強

ユウ達とエレンが激闘?を繰り広げているその一方で時同じくして戦っている者達がいた。

聖杯によって生み出された影精霊達を相手にしている三人組。

ロウウィ・零・ヤマトの三人だ。

そちら側でも激しい戦いが繰り広げられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「四糸乃とは会ってすぐに仲良くなったから戦いずらいな」

 

ロウウィは、今黒い四糸乃と睨み合っていた。

この四糸乃はどうやらよしのんのような別の人格は入っておらず、完全に自分の意志で攻撃してきているようだ。

それはそれで楽だから構わない。

何せ、人格が別れてて、その人格を切り離して再生とかしたら面倒だからだ。

その心配は要らないのは楽でいい。

問題があるとしたら相手の攻撃方だけだ。

今周りでは猛吹雪の状態だ。

人間の視力ならこんな吹雪の中ろくに見えもしない。

だが相手はこんな吹雪の中でもこちらの位置を把握出来る。

先程からこれのせいで全く攻撃が当たらず、防衛に回ってるしか出来ないのだ。

 

「流石にキツイ」

 

こっちも簡単な武空術ぐらいは可能だが、スピードは断然彼方の方が上だ。

しかもあの四糸乃はよしのんに乗っていない。

出せないのか、それとも出さないのか分からない状況だが恐らく前者だろう。

何せコイツらの共通点は、

 

「心が無い」

 

『・・・』

 

黒四糸乃が右手を氷の剣に変えて斬りかかってくる。

先程からこのような攻撃を繰り返し、行ってきているからようやくなれてきたぞ。

その攻撃を右に持ってる【ロンギヌス】で横薙ぎに薙ぐ。

所詮は腕と一体化している。

弾けば腕も持ってかれる。

それは体勢を崩すことに他ならない。

 

「貰った!」

 

『・・・!』

 

だが、相手の方が一枚上手だった。

誰が想像出来るか。

黒四糸乃の()から氷の腕が生え、左に持ってた槍【レガリア】を弾き飛ばす。

今度は逆にこっちが体勢を崩された。

すぐに体勢を整えようとしたが、どうやら読まれていたらしく追撃を仕掛けてきた。

 

『!』

 

だから気付かなかった。

一番の罠があることを。

 

「何!?」

 

突如下から昇ってきた氷の柱に呑み込まれる。

恐らく黒四糸乃が密かに大きくしていたのだろう。

奇襲を行うために。

 

「ぐっ!? う、動けない」

 

槍を使おうにも、槍も半分も埋まっている。

防水加工を使おうにもこんな形じゃ意味を持たない。

黒四糸乃が氷の剣を構えてこちらを見据えている。

この状態からなら確実に息の根を止められるだろう。

そう、この状態ならな(・・・・・・・)

 

『!?』

 

突如、黒四糸乃は、赤い十字架に囚われた。

 

『・・・!』

 

逃げようともがいているが、ピクリとも動く気配がない。

 

「それが俺の槍の能力だ」

 

『?』

 

「敵を貼り付けに捕らえる能力・・・それがその槍の本当の能力だ」

 

そう会話しているロウウィは既に氷の柱から脱出していた。

瞬間移動したわけではない。

氷の柱を砕いたのだ。

しかし、槍は半分も埋まっていた筈だ。

いったい何をしたのか?

 

「これが俺の持ってる槍の能力だ」

 

ロウウィは、貼り付けにされた黒四糸乃に狙いを定める。

その時一瞬だが四糸乃の笑顔が浮かび上がった。

だが、それでもやらなければならない。

自分の世界にいるアイツ(・・・)を守るためにも。

 

「貫け【ロンギヌス】!!!」

 

放たれた槍は光の早さに近い速さで黒四糸乃の核に向かって飛んでいく。

光は十字架ごと黒四糸乃を貫いていく。

飛んでいった槍は軌跡を描きながらロウウィの右手に、十字架になっていた槍は左手に戻ってくる。

核を貫かれた黒四糸乃の体は肉体を保てなくなり、その体を徐々に消滅させていく。

 

「・・・子供を殺すのはやっぱりキツイな」

 

後に残ったのは、なんとも言えない勝利の後味だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このバーサーカーことりん強すぎない?」

 

初っぱなから何を言っているんだと思うかもしれないが、俺はそう言いたい。

俺は琴里と一回戦った。→その時実力が分かった。→これなら勝てる、と思ったのに。

 

『・・・』

 

「斧固いし、でかいし、強すぎねぇ?」

 

この黒琴里の持っている斧が取り敢えず元のサイズより二倍近くでかくなってるんです。

その上何度も斬ってんのに再生能力で怪我が無くなってしまうし。

こっちはこっちで剣が叩き割られるし。

それと同時に、

 

『!』

 

「うわっ、アチッ!?」

 

炎がまるで生きてるみたいにうねって突撃してくるから全方位に注意を向けなきゃいけない。

なんて嫌らしい攻撃をしてくるんだ。

こんな戦い方をしてくるなんて!

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?ユウじゃん。

ユウがそんな戦い方するやん。

 

「でも状況違う!!」

 

『!!』

 

黒琴里がこちらに斧を降り下ろしてくる。

さっきので剣が叩き割られまくったので、敢えて打ち合わずに後ろに避ける。

でも避けたのが悪かった。

降り下ろした場所から炎が立ち上って来て、こちらに向かって向かってくる。

でも遠距離ならこちらにも利がある。

即座に投影して弓と螺旋状の剣を取り出し、剣を一本の弓矢に変化させる。

 

「撃ち抜け【螺旋剣(カラドボルグ)】!!!」

 

だがこれは別の剣だ。

正直に言えば、調整した方の剣を使えば、もっと威力が出る。

でもこちらは大地を砕く剣。

ならこちらの方があの黒琴里には効果的だ。

その弓矢が着弾して、小規模な爆発を起こす。

 

「やったか!?」

 

だが一瞬だけ思ってしまった。

 

(この台詞なんてフラグ?)

 

そして回収する瞬間が来た。

なんと地面から斧が飛び出してきたのだ。

 

「ウブッ!?」

 

恐らく炎が立ち上った場所から潜ったんだろう。

なんという発想だろうか敵ながら天晴れだ。

取り敢えずイテェ!!

 

『!』

 

地面から出てきた黒琴里はそのまま空中で一回転し、斧を叩きつけてくる。

そして俺は体勢が崩れている。

この状況・・・死んだな。

 

『!?』

 

普通ならな。

 

「天の鎖便利だわやっぱり」

 

不意打ちには持ってこいだわ。

そういえばこの世界ではまだ使ってなかったっけ?

だからこの黒琴里も予測できなかったってことか。

・・・もう不意打ち出来ねぇじゃん。

 

『!!』

 

「無駄無駄。 そのレプリカ(・・・・)特殊な能力だから」

 

『!』

 

「意思疎通出来たら良かったんだがな」

 

ん?

文字これで合ってたかな?

んまぁいいや。

 

「これで止めにしてやるよ」

 

『!』

 

投影開始(トレース・オン)

 

零の手に魔力が集まる。

そしてひとつの形を成していく。

その武器が手に宿る。

皮肉にも同種である忌々しい程の武器をその手に持って。

 

「・・・【鏖殺公(サンダルフォン)】!」

 

『!?』

 

その手には一振りの剣があった。

夜刀神十香の愛剣をその手に持っていたのだ。

その剣を黒琴里に向けて、

 

「チェストォォォ!!!」

 

真っ直ぐに振り下ろす。

その一撃は黒琴里の肉体を構成している核も同時に真っ二つにされる。

核を破壊された黒琴里の肉体は再生能力を使用することが出来なくなり、その体は消滅していく。

戦いが終わった瞬間に零が思ったこととは、

 

(今日の夕御飯何作っかな~)

 

今日の夕御飯の料理を考える立派なおかんになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかんって言うな!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジやばくね?」

 

俺は悩んでる苦しんでる。

なぜそうなったのか。

それは俺が戦ってる相手、黒狂三の事だ。

もう黒読みで定着しちゃってんな。

この黒狂三は狂三のような時間操作や分身を呼び出すなんて事をしてこないのだが、

 

「銃弾が瞬間移動しちゃってんだよな~」

 

これも時間操作のひとつなのかも知れないんだけど、ユウが瞬間移動(・・・・)時空間移動(・・・・・)似て非なる物なんて言ってきたからこんがらがってくるぜ。

しかもノーモーションで撃ち込んで来るから避けるのが手一杯だぜ。

ユウに新しく修得させてもらった【完全演算処理】能力のお陰でどこに来るか把握出来るから楽だぜ。

あれ?能力名これでいいんだっけ?

 

「! あぶねっ!?」

 

また撃ち込まれた。

前言撤回やっぱキツイわ。

しかも相手どこにいるかわかんねぇし。

相手はどこに逃げても撃ち込んでくるし。

クソッ!俺に明日は無いのか!?

 

「でもユウとバトってるから殺りやすい方か」

 

予測しろ。

相手はどこから撃つ?

撃たれないようにどうやって隠れる?

そういえば連続で撃ち込んで来ない?

さっきから単発の銃弾しか撃ち込まれていない?

相手に心は無いから何度だって撃ち込んでくる筈だ。

なぜそうしない?

しないのではなく、出来ない?(・・・・・)

 

「・・・演算完了」

 

考えれば簡単だ。

影精霊達は霊力と聖杯の魔力で作り込まれた存在。

しかし、それは100%混ざりきってる訳じゃない。

何故かって?

お互い別の世界から来た存在達だからだ。

基が違うのに完全混ざる筈がない。

だから精霊の力を100%発揮できないんだ。

だから黒狂三も時間を操作出来る能力に制限がかかってる。

それだけ分かれば充分だ。

それなら、

 

「殺せる」

 

場所も大体特定できた。

突然現れる銃弾。

恐らく能力は本体にはかかっていない。

今は銃弾に込めている筈だ。

なら何故姿が見えない?

簡単だそんなもん。

それは、

 

影の中(・・・)に潜んでる」

 

突如ヤマトの影から黒狂三が飛び出してく。

そして二丁の銃を構えるが時既に遅かった。

ヤマトの手には散弾銃が二丁持たれており、その弾が黒狂三の肉体に容赦なく襲いかかる。

その攻撃で核にもダメージが入ってしまい、膝を着いてしまう。

 

「狙うなら超至近距離で撃った方がバレた位置から狙うよりはダメージが通ると思ったりしたのか?」

 

『!?』

 

「ちゃんと逃げてればまだ撃たれなかったのに」

 

パンッ、と銃弾が飛んでいく音が聞こえる。

黒狂三の核目掛けてピストルで撃ち抜いたのだ。

そして撃たれたものはそのまま肉体が消滅していってしまった。

 

「無駄な殺生してしまったかな」

 

だが撃たねば街の人たちが危険に晒されてしまう。

ならやはり撃たねばならなかったのだろう。

自分達が生き残るために。

 

「まぁ気楽に生きていこうか。 時間と人生はまだまだだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぅ?零とヤマトじゃん」

 

「あれ?二人も終わったの?」

 

「なんか楽勝だったぜ」

 

「なら戻るか」

 

「そうだな腹へったし、俺当番だし」

 

((オカンか))

 

「今夜の夕御飯なんだ?」

 

「イナゴカレー」

 

「「・・・・・・」」

 

「・・・冗談だ」

 

「「良かったゲテモノじゃなくて」」

 

「比○カレーだお前たちだけ」

 

「「何で!?」」

 

「自分達の心に聞いてみろ」

 

「「・・・・・・帰る!!!!」」

 

「逃がすかー!!!」




「皆! 世の中には食べさせていいものとマズイ物があると言うことを覚えておこう!」

「誰が作るんだよ誰が」

「特に味見をしないというのは殺戮に繋がるからな!!」
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