ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ 作:神崎優
「最低ですねユウ様」
「誠に申し訳ありませんでした。なんせリアルが立て込んでいるものでして」
「今忙しい時期なのにですか?」
「すいやせんでした。 マジで本当に」
「あっ!三人帰ってきた!」
「おーい。ロウウィー。零ー。ヤマトー。何でロウウィとヤマト死んでんのー?」
「比○カレー食わせた」
「王水肉じゃが食わせろよ」
「食べてみたい!」
「やめとけアン。いくらお前でも胃がおかしくなるぞ」
「私に食べられないものは無い!!」
「あんまり?」
「兄様は食べられないかも」
「性的に?」
「おい!」
「・・・あんな戦闘の後でもこんな感じなのか」
「うむ。異世界の者達とはなかなかのものなのだなシドー」
「多分彼らが特殊なだけ」
「はいはい状況判断するわよ」
「お?やっちゃう?琴里ママン」
「誰がよ!!」
「んで、現在十香、四糸乃、琴里、狂三の四人の影精霊を倒したわけだ」
「それにしても何で狂三まで」
「精霊だからでいいんじゃね? よくわかってないんだから」
「・・・それでいいのかしら」
「それよりも我らは聞きたいことがあるぞ!」
「質問。そこのユウの真っ黒バージョンは誰ですか?」
色々と雑談?してるなか、耶倶矢と夕弦がバハムートについて問いかけてくる。
・・・まぁ戦闘の間に突然やって来たらそりゃそんな反応するよな。
「紹介するよ。こいつは・・・」
「・・・バハムート=クレメンズ。ユウの分身であり影である存在だ」
「・・・どういうことだ?」
士道がよくわからない顔で説明を求めてくる。
そこでノリノリにこう答えてしまう。
「俺とバハムートは、
「双子!?」
「それは違う。俺達は共有しているだけだ」
「お互いにカバーし合ってるだけだがな」
「それじゃあバハムートの実力も?」
「俺とユウは、全く違う生命だが、それ以外は全て一緒だ」
「まさに分身だな」
そう言いつつ、ユウはバハムートの肩に手を置き、バハムートもまた満更でもなさそうに二人して笑いあっていた。
そんなときにヴィテから、
「因みにバハムートさんは私のお婿様でもあるんですよ♪」
最大級の。恐らく全世界でもとびっきりの巨大核爆弾を持ちいてその場を氷河期に変えてしまった。
「オムコサン?」
「オムコサンとはなんだシドー」
言葉の意味を理解していないのは恐らく十香だけだったと思う。
「ばっ!ヴ、ヴィテ!!」
「照れてるバハムートさんまじグッショブ!!」
「・・・ヴィテってこんな性格だったか?」
「安心しろ。これが素だ」
「ていうか、私はてっきりヴィテはユウの事が好きなのだと」
「琴里様の考えは正しいですよ? ユウ様の事も愛してますから」
「・・・はぁ?」
「私はお二人の愛の奴隷なのです!!!」
「「少し黙って落ち着けヴィテ!!!」」
暴走しているヴィテを、ユウとバハムートがそれぞれヴィテの両腕を掴んで押さえ込んでいるがなかなか止まろうとしない光景を異世界組じゃない士道達は目を丸くして眺めていた。
「・・・逆ハーレム?」
「合ってるけど違うよ♪」
と、士道とアンが語っていたのは内緒だ。
「つまりヴィテは二人に助けられた事により二人の事が好きになったと」
「そして兄様と付き合ったら色々と大変なので恋愛感情の多くはバハムートにやったんだよね~。 6分の4くらい」
「それ3分の2じゃないのか?」
「それだと足りないとその本人が直談判」
その噂の本人を見てみるといつのまにかユウがヘッドロックをかけられていたので慌てて解放してやった。
因みにバハムートは既に間接技を決められてたらしく、魂が抜けかけていたみたいだ。
「そうなるとバハムートは既婚者なのか?」
「そ、そうなるな」
息も絶えかけているのに、ちゃんと肯定してくれる辺り根はいい奴なんだなと心のなかで思っておく。
「だが俺以外に既婚者いるぞ」
「えっ? 誰だ?」
「んっ」
バハムートが指差した方向を見てみると、そこにはそっぽを向いているユウ・ロウウィ・零の姿があった。
「って、三人!?」
「クッソ!俺にも運命の人が!!」
「死神に来たりすんのかね?」
「俺は知らんけど、ヤマトはきついんじゃね?」
「ミーレスさんキッツイお言葉お止めになってください心が折れるどころか切断されそうなんです」
この状況何て言えばいいんだろう。
異世界組は恐らく楽しそうにしているが、士道組は訳もわからないので反応に困っていた。
「大変じゃの主様」
「そうだよ・・・って、
いつのまにか士道の隣に金髪のふわふわヘアーのロリっ子が立っていた。
ふざけあっていたのだが、その突然の襲来にユウも反応が出来なかった。
「士道。 そいつ誰だ? 精霊か?」
「あ、あぁ。 俺の仲間だ」
そう言われ、じっと六喰を見てみる。
士道・・・。
お前ハーレムでも作る気かよ。
「・・・なぁ、お主」
「ん? なんだ?」
突然話しかけてきた六喰から予想外の言葉が出てきた。
「
「・・・」
一瞬にしてユウから一切の迷いなき睨みが六喰に降りかかってきた。
濁りのない純粋な殺意の籠った威圧のない綺麗な瞳は、真っ直ぐに六喰を捉えていた。
「む、六喰? 何言ってるんだ?」
「むくには分かる。 お前は何か
「・・・何でそう思った?」
興味は無い。
答えだけを求めた言葉がユウの口から漏れだしてくる。
何の感情も持たない明確な殺意の塊みたいなそんな言葉が。
「むくと同じだったからだ」
「同じ?」
「むくと同じ
その言葉を聞いて苦虫を噛んだかのような複雑な顔をしたユウと、事情を知っているであろうバハムートがだいたい同じタイミングで頷いていた。
「さぁ!帰るぞ~!」
恐らくこれ以上聞かれたくないユウが帰るように行動を起こす。
その意思を理解したのか六喰はこれ以上聞く必要はないと思い、その場にいたそれぞれが疑問を持ちながらも帰路についた。
その日の夜、ある夢を見た。
それは恐らく六喰に言われたからそのような夢を見た。
もしかしたら思い出したの方が表現としては最適なのかも知れない。
人は何か印象に残ったものや、己の欲を孕んだ心を満たすためにその光景を想像し、形にしてその瞬間だけ自分が望んだ景色を体験する。
それが夢と呼ばれるものだ。
それは時に幸福と呼ばれる望まれた世界をそのときだけ写し出すものだ。
しかし、どんなものにも表と裏があるようにこの夢世界でも幸福な世界があれば不幸な世界がある。
悪夢と呼ばれるのがそれだ。
だが、今彼が見ているのは、幸福な世界でも不幸な世界でも無い。
どちらかと言えばそれは具現化された記憶だというものだ。
過去に起きた印象に残ったものをその眠っている時間に見る夢とはまた違う世界だ。
彼はその記憶の世界をたった一人で歩いていく。
踏み続ける大地は、生命の途絶えた枯れ果てた土の塊。
空は黒と白が混ざらずそれぞれ色濃く別れている雲が日の光りを一点ずつ漏れさせている。
風は感じないし、生き物の鼓動も感じない。
そんな中終わりが見えてきた。
歩いていた大地のその先が崖になっている。
その崖の上に立つ。
そして見据える。
このような大地に、このような空に、このような世界に変えた
そして再び思い知らされる。
今見ているのが何者なのか。
いったいどんな存在なのか。
天使のような十翼の翼を幾つもその身に纏い。
光を受けず跳ね返し、影すらも存在しない。
ただ空を舞い、陸を支配し、世界を制す。
生き物であれば誰もがその偉大さに恐れをなす。
十二の星を自らの糧とし、力に変える。
始と終。 生と死。 命を導き命を奪うもの。
これが。 これこそが。
森羅万象の頂点に立ち、支配する意思。
それから放たれた創滅の光があらゆるものを飲み込んでいく。
心も身体も。
その存在までもが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・。
「・・・またか」
あれは夢であり、夢ではない。
あれこそが戦う理由。
決して折れることの無い覚悟の現れ。
だからこそ彼は立つ。
もう二度と。
あの光景を見ないために。
誰もいなくならないように。
世界を消さないために。
あらゆる命のためにまた戦いに立つ。
その先にある
その未来の中で生きれる未来もあるから。
そして
そして、
「・・・頑張って世界を守りますか!」
遥か先の
「やっぱシリアスってムズいね!!」(グッ!
「ガッツポーズしないで下さい」
「あっ!リアルが立て込んでいるって言ってましたけど別に失踪はしませんからね~」
「シャ○バしていらっしゃるだけですしね~」
「「ゲームを始めよう!」」
ちゃんちゃん☆