ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ   作:神崎優

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第八話 正体

「そもそも時空間移動(ワーム・ホール)とは、お主達に分かりやすく言えば“ブラックホール”、“ホワイトホール”を繋ぐ洞窟のような物だ」

 

「ブラックホールって・・あのブラックホール?」

 

「光すらねじ曲げて、通った物を全て押し潰すあのブラックホールか」

 

「うむその通りだ」

 

「でもホワイトホールって本当にあるの?」

 

「確証がないからなんとも言えないがブラックホールとホワイトホールは、ようは“入口”と“出口”のような関係だ」

 

「・・・・まさか!」

 

「つまり俺はその二つの関係を利用して超高速移動を可能にし、瞬間移動を可能にし、光のような質量(・・)を持たない物を移動出来る事を可能にしたんだ」

 

「それって相当レアなギフトではないですか!?」

 

「全くじゃ・・これ程のギフトがあれば儂に簡単に勝てたものを」

 

「おい白夜叉どういう事だ」

 

「つまりは儂は白夜と夜叉の魔王・・だがこやつは太陽系(・・・)全てを消す事が出来るという事なのじゃ」

 

「流石に消したりは出来ないけどな」

 

その言葉が真実だとすれば、ユウ一人で箱庭(・・)を何処かに飛ばすことが出来るという事実になるのだ。

 

「お前そんなに強かったんだな」

 

「当たり前だろ?俺は旅人なんだからな」

 

「なんて奴なのじゃ」

 

もしもユウが降参せずにそのまま戦闘にでもなれば――白夜叉が勝てた可能性が絶望的(・・・)に低かったのだ。

何故ならばもし本当にどこまででも(・・・・・・)移動出来るのであれば白夜叉にとってみれば一方的に攻撃を受ける事になるのだ。

おそらく、十六夜が言ってた蛇神の竜巻を消したのもその能力の力だろう。

そうなればユウには絶対に(・・・)移動出来ないようにしなければいけない。

 

「だけどよ、こんなことを言うのは野暮な事なんだけどな」

 

「ん?」

 

俺は本気を出してない(・・・・・・・・・・)

 

その瞬間、ユウと一緒にこの世界に来た者達以外は呆気に取られていた。

 

いったいどういう事か分からないが、白夜叉には一つの考えが浮かんだ。

もしやこの者は、星霊級(・・・)の者ではないのかどうか。

もしも本当にそうなら、ユウは箱庭最強の存在になるのかもしれない。

 

「・・・・・・・・」

 

「十六夜様?」

 

「少しひっかかる・・ユウ」

 

「ん?」

 

「前にお前は自分は妖怪だと言ったな」

 

「まぁそれらしいことは言ったな」

 

「今のお前のギフトと妖怪が噛み合わないんだ」

 

「じゃあ言うよ俺の正体」

 

「は?」

 

「俺は――数々の獣達――生き物達の力をその身に宿した者・・・・あらゆる叡智をもってしても生まれなかったモノ・・・・あらゆる力をもってしても超える事が出来ない最強の生物兵器・・・・その名は“合成生物(キメラ)”・・・俺はキメラの最強種、ユウ=クレメンズだ!!」

 

「き、キメラじゃと!?」

 

キメラとは――人間達が造り出したとされる様々な生物が合わさった姿をしている凶悪な魔獣の事である。

 

「じゃあ三毛猫とこのグリフォンが怯えていたのは!」

 

「俺がキメラだったからだな」

 

「だが待て!生まれなかったじゃと!?」

 

「しいて言えば俺の用に生まれなかっただな」

 

「どういう事だ?」

 

「俺は自分の手でキメラに変化したんだ」

 

「変化だと?」

 

「俺の体に様々な生物の血を加えたんだ。それにより俺の体は変化したんだ」

 

「お主達は知っていたのか!?」

 

ロウウィ達は言葉は発さず、只頷くだけだった。

そうなればこの五人を人間には荷が重い種族だということになるのだ。

 

「さて、もういいだろ。早く帰るぞ」

 

「ま、待て!」

 

「ノーネームで会議しなきゃいけないんでね」

 

そう言ってユウは一人で歩き始めた。

 

(・・・・やれやれ。これも見えてたんだなヴィテは)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、ふざけるんじゃねぇぞ!!」

 

「ふざけてなどいない」

 

今ここは“フォレス・ガロ”の本拠地である。

ここにいるのはリーダーのガルドともう一人、

金髪の赤いコートと中に黒いスーツを着て、白いスカートを履いている女の子であった。

もはや金髪ロリとも言える姿である。

 

「お前を打ち負かしたあの七人の他に後二人――その内一人は神格持ちの幻獣を倒したのだ」

 

「も、もう一人の方は?」

 

「それがあの白夜王の白夜叉の部下になったようだ」

 

「そ、それって」

 

「なんにせよ白夜叉の部下になったのだ・・・腕はたつようだぞ」

 

「ふざけんなよ!そんな奴等に勝てるかよ!」

 

「・・・なら私が手伝ってやろうか」

 

「なんだと?」

 

「お前に力をやる、代わりにお前は今の地位を捨てることになる」

 

「ぐっ・・・」

 

するといきなり窓の方から、

 

「面白そうね、私にも手伝わせてよ」

 

「誰だ!?」

 

「お前は」

 

「フフフ、私はいろんな世界に行き来できる謎の未知人物だよ♪」

 

 

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