東方天邪録 転生したら天邪鬼   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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お、お久しぶりでーす.....。
すんませんでしたぁぁぁあああ!!!!
色々忙しかったんですぅぅうう!!!!


番外編:かの天邪鬼の被害者達

side:霊夢

 

例の天邪鬼が来てから、はや一ヶ月。別にこれといった異変や異常は見当たらなかった。

 

と言うのも、紫の話だとどういう訳かその天邪鬼は男にしか変化しないそうだ。

実際はできないのか、しないのか、分からないと言う話なのだが。

 

この一ヶ月で博麗神社にやって来たのは片手で足りるくらい。

それも全て女性。

 

紫の話が本当だとすると、その天邪鬼は来ていないことになる。

 

「.....本当にそんなに警戒する様な相手なのかしら。ちょっと厄介な能力を持ってるだけなんじゃないの?」

 

そんな独り言を漏らしながらお茶を啜る。

 

紫曰く、『引き分けることはあっても、負けることは無い』能力なのだそう。

 

実際に見たと言ってもほとんど一瞬だったし、話に聞くだけじゃその怖さもわからない。

 

「まぁ、何もしないのなら良いわよねー。」

 

呑気なことである。

 

 

 

 

side:妹紅

 

 

有名なお伽話に出てくる奇妙な鬼、『天邪鬼 天鬼』

 

京の都では子供でも知っている鬼の名だった。

 

『いい子にしていないと、天邪鬼が来て誰もいない所に閉じ込められるぞ』なんて躾の文句になっていたりする。

 

私は一ヶ月前、そのお伽話の鬼に出会った。

 

いや、『出会ってしまった』

 

竹林で迷っている角を生やした妖怪の男を見つけて出口に案内している時のことだ。

 

『私は天邪鬼の天鬼だ。』

 

そう名乗った。

 

面白い冗談だと思って笑った。

 

そして、次の一言を放った時のことを、今でも後悔している。

 

『本当なら何かしらしてみてくれよ。私を不死身から戻すとかさ。』

 

そう言うと、男は『あぁ、良いだろう。』と言って何か呟いていた。

 

冗談だと言おうとした時だった。

 

ドクンッ!!

 

心臓が跳ねた。嫌な汗が、吹き出した。

 

体を蝕む様な嫌な感触。

 

最初は何かわからなかった。

 

だが、久しく思い出した。

 

蓬莱の薬で不死になった者はまず、死なないようになることで恐怖を失う。

 

ここまで言えばわかるだろう。

 

 

 

 

それは何百年、はたまた何千年ぶりかに感じる、『恐怖』だった。

 

 

 

 

その恐怖から少しでも逃げようと、体が反応して男から離れた。

 

何をしたのか問おうとした瞬間。

 

体を激痛が走った。

 

蓬莱の薬を飲んだ時の様な、体を掻き回される様な痛み。

 

その痛みが引くと、思考もクリアになる。

 

そして、感覚的に感じた。

 

戻った。

 

普通の体に、戻った。

 

男に本当に、あのお伽話に出てくる鬼なのかと聞く。

 

男は.....いや、その天邪鬼は自分のことを、改めて『天鬼』と名乗った。

 

驚きと動揺で、たじろいでしまった。

 

次に、慧音や寺子屋のことが頭をよぎった。

 

天邪鬼に『あいつらには手を出さないでくれ』と願うと、『良いだろう。』と答えた。

 

どこまで信じて良いのか分からなかったが、今は信じる他無い。

 

それしか方法は無いのだから。

 

私は今、不死身から戻った身で穴蔵に閉じこもっている。

 

怖いのだ。何もかもが。

 

風のさざめきが、竹の揺れる音が、歩く自らの足音までもが。

 

今までの恐怖のぶり返しなのか、全てが怖く感じてしまう。

 

どこからか妖怪が狙っているのではないか?

 

妖怪じゃなくても、何者かが私を狙ってるんじゃないのか?

 

そんな考えがずっと頭にこびり付いている。

 

コツ、コツ、コツと歩く音が聞こえる。

 

その音だけで、体がビクつく。

 

「......妹紅、今日も来たぞ。」

 

今までの私なら、この声を聞けば嬉しくなっただろう。

 

親しげに、会話を交わせて居ただろう。

 

だが今の私にはそんな慣れ親しんだ声すらも、恐怖の対象となっている。

 

「.....慧音?」

 

「そうだ。私だ。」

 

竹林で寺子屋を建てて子供達に読み書きを教えている半妖の教師。『上白沢慧音』

 

全てが怖くなってしまった私の為に、食べ物等を毎日持って来てくれている。

 

慧音が止めていた足を、再び動かそうとする。

 

その一挙一動に恐怖した。

 

「慧音......ごめん。」

 

私は、自らの能力である炎で線を引いた。

 

「これ以上、近寄らないでくれ。」

 

「妹紅.....。」

 

「......ゴメン。」

 

「......。」

 

私は、念願だった不死身からの脱却をなし得た。

 

その代償に、もはやまともに誰かと会話するという事が、不可能になっていた。




.....作者は鬱エンドは嫌いです。

嫌いなんです.....。(泣)

何故!!何故こんな絶望的なもこたんを書かなければいけないんだ!!!(自業自得)

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