君の名を再び。 α版本編完結/番外編&β版執筆中   作:ぽっぷ

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ぽっぷです。
日曜日の昼下がりから更新します。
UA数、お気に入り数が増えていく事に
驚き以外ありません。

皆様に感謝です。



16話

また夢を見ている。

 

知らない部屋。

俺は今度はどこにいるんだ。

部屋の真ん中にある

ダブルベッドの上で

天井を眺めている。

 

 

横には誰かと一緒に寝ていた

形跡はあるが

誰と一緒に寝ていたかは

わからない。

 

 

だんだん意識がはっきりとしてくると

部屋の扉の奥から

すごく良い香りがしてきて

空腹の俺は

身構えることなく

部屋を出ると

そこには鼻歌を口ずさみながら

朝食を作る

女性の後ろ姿がいた。

俺の気配を感じたのか

包丁を置き

振りかえると

 

 

三葉「あっ、瀧くんおはよう。

朝ごはんもうちょっとしたら

できるから顔でも洗って待っててね。」

 

 

三葉だ。

しかし、いま見た三葉は

さっきまでいた高校生の三葉ではなく

最初に再会した

今の三葉だ。

三葉は嬉しそうにまた流し台の方に

向いて、また料理を始めた。

 

 

デジャブだ。

さっきまで高校生。

今度は再会したあと

どこでどうなったのか

三葉と一緒に暮らしている

事になっている。

一体どうなっているんだ、、、。

顔を洗い、歯を磨き終わった時

キッチンから痛っ。と

三葉の声が聞こえてきた。

慌ててキッチンに行くと

包丁で指を切ったのか

左の親指を抑えていた。

 

 

三葉「瀧くーん、痛いよー。」

 

と子犬が泣くような目で

俺に言ってくる。

やれやれと

切った指を自分の口に含み

これで大丈夫か?

と三葉に聞くと

三葉の顔はいままで見た事ないぐらい

真っ赤になって

頭から湯気が出ている。

ある程度口に含んだあと

消毒液で綺麗にして

傷口に絆創膏をはって

三葉「あ、リ、が、ト、ウ。」

 

なぜ片言なんだ。

そこまで赤くなるなら

しゃぶれと言わんばかりの

目で訴えるなよ、、、

いまの三葉のままでは

朝ごはんにありつけそうにも

ないので、

あと出来てなさそうな

サラダとお味噌汁を

俺が作って

やっと朝ごはんができた。

 

 

さすが和食中心の三葉だ。

焼き魚に卵焼き。

そして俺が作ったお味噌汁と

サラダ。

しかも味付けも

俺好みの味だ。

 

 

夢の中の三葉は

ずーっと呆けたまま

いるが

夢ではあるが三葉とデートを

しても悪くはないだろう。

三葉に食べたらデートに出かけよう。

と言ったらボフっと聞こえるような

音を出して

さっきよりもさらに顔が真っ赤になって

頭から湯気が噴き出てきている。

なんかマズかったか?と

思ったけど、

行く行くとかわいい声で

言うわ、それでもって

用意するから寝室に来ないでと

いって部屋からドタバタと

音を立てながら

こんな幸せな事ってあるの?!と

叫んでるわ

夢の世界の三葉は大丈夫かと

心配だ。

 

 

数十分が経ち、、、

寝室から出てきた三葉は

顔は赤いままだが

服装、髪型、メイク

完璧な姿で出てきた。

大人三葉を見たのは

再会した時と

公園で話した時だけで

三葉と言えば高校生の三葉しか

イメージがなかった為

大人になると

かわいいはもちろん

綺麗である。

しかも黒髪ロングで

この完璧さ。

完全に俺のどストライクの三葉に

逆に俺が顔を真っ赤になった。

それを見た三葉は

してやったりとした顔をして

俺の腕に引っ付いて

デートに出かけた。

 

 

しかし、よく出来た夢の中だと思う。

 

 

表参道で三葉のショッピングに付き合って

女の子の買い物は本当に

大変だ。

あれでもない。

これでもない。

散在悩んだのに結局買わず

終わった。

選んだ服結構俺は好きだったんだけどな。

そのまま近くにあるカフェで

ランチを食べて

渋谷に移動して

映画でこの世界では

流行ってるらしい恋愛映画を観て、

夜はオシャレなレストランで

ディナーを食べた。

 

 

二人でワインを飲んで

少し酔いを冷ますのに

目黒川沿いを歩いていた。

1日デートに満足しているのか

俺の肩に頭を傾け

腕はしっかり絡ませている

会話もディナーあたりから

ずっと甘えた声で喋ってくるので

三葉って、いつもは俺や四葉にお姉さん口調で

言っているが

本当は甘えん坊でさびしがり屋さん

なのかもとこの時思った。

 

 

少し歩き疲れたので

近くにある小さな公園のベンチに

腰をかけて

今日はどうだったと三葉が話はじめた。

 

 

朝から私が切った指をくわえた。

いきなりデートに行こうって誘ってくれた。

私のために服を選んでくれた。

ランチのあとのデザートに

パンケーキを頼んでくれた。

私が観たいなと思った映画を

一緒に観てくれた。

ディナーはあまり飲めないお酒だけど

俺と楽しく飲みたいから飲んだ。

酔った私をエスコートして歩いてくれた。

全部楽しかった。

生まれて初めてのデートが俺でよかったと。

 

 

夢の中の三葉なのに

こんなに愛おしい、、、。

 

 

夢から醒めて

また糸守にいるホンモノの三葉にも

現実世界に帰れたら

これぐらいデートして

三葉にも満足させてあげたい。

 

 

少しの間が空き

お互い目を見つめていると

ふいに三葉が目を閉じた。

これはもしかして

キスをせがまれているのか??

だけどいいのか、

夢の中で先に三葉とキスをしていいものかも

悩んだけど、

これは夢だと確認して

三葉の肩に手を置き、

そっと顔を近づけながら

目を閉じた瞬間、、、。

 

 

 

 

眩しい、、、。

昨夜の荒れ果てたままの部屋の布団で

目が覚めた。

結局、キスはできなかったみたい。

ふいに横をみると

気持ち良く寝息を立ててる三葉がいた。

時間もまだ6時を過ぎたところだ。

四葉にこの荒れた部屋と

昨晩なにもなかったとは言え

一緒に三葉と寝ていたと

バレたら後からなにを言われるか

たまったものではない。

とりあえずその辺の書物を片付けていると

真っ黒の皮製の手帳が畳の上に落ちていた。

これは確認したものか

わからなかったので

改めて確認しようと中身をみると

なにやら細かい字で埋まっていた。

糸守の御神体

糸守湖の成り立ち。

豊穣祭の舞の動きの考察

まさか、これって。

 

 

慌てて三葉を叩き起こそうとするが

なかなか起きない。

なんとか三葉を起こして

手帳の中身を確認してもらう。

 

 

三葉もたぶんお父さんが書いた物だと思う。

これはあくまでと仮説として

書いたものだろうけど

これから起きることを

予言している。

これでお父さんを説得ができる。

 

 

2人でよろこんで昨日同様抱き合った。

この時に俺は気づいてしまった。

 

 

三葉の左手の親指に

昨日までなかった絆創膏をはっていた。

 

 

これはもしかして

さっきまでの夢は夢ではあるけれど

あの夢の三葉は

三葉だったんだ。

目が覚めたから夢を忘れて

しまっているみたいだが

昨日より穏やかで優しい顔に

なっているのは

三葉には内緒だ。

 

 

 




ぽっぷです。
通常の2.5倍のボリュームになってしまいました。
今回も夢でお互い繋がっていたみたいですね。
さて、次回は文化祭の前夜祭がメインのお話です。


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