シオンの召喚従者 作:オーレオーレ
どうしてこうなった。
ボクはそう、叫びたい気持ちでイッパイだった。
目の前にはボクの同級生が召喚した騎士が倒れていて、その騎士の頭を笑いながら踏みつけているのが、ボクが召喚してしまったボクの従者になる外道、そしてその外道が煽っている同級生。
あれ?なんでこうなったんだっけ?何でボクが睨まれてるの?私が悪いの?い、いや、だいたいこうなったのは君のせいでしょ?
えーと、ボクの従者君?そろそろ踏むの止めたら?え?嫌だ?突っ掛かってきたのはこいつらだから止めない?いや、確かにちょっかい出してきたのはこの子達だけど流石にかわいそうなんだけど・・・っと言うか何でこうなったんだっけ?
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今日は王宮で召喚の儀式がある、本来人獣種のボクが選ばれることはないはずなのだが、まぁちょっと、いやかなり特殊な両親を持った事から特別に選ばれた・・・別に嬉しくはないけど・・・
まぁ、選ばれたからにはしょうがない、もし戦えない子が出てきてもボクがそこそこ戦えるし問題ない。
そんな事を考えていたら前から1人の女の子が隣に甲冑を着た男性を連れ歩いてきた。
「あら?薄汚い雌犬がいると思ったら、親のコネで栄光ある召喚術師に選ばれたシオン・アルトルさんじゃないですか」
「うへ・・・アミリスタ」
アミリスタ・ノートルン。この国の公爵家の娘で人族以外の種族は奴隷で有るべきっと考えている。
何かと人獣種であり、爵位こそ無いが影響力や実質な権力がほとんど変わらないボクの父と彼女の父親が仲がすこぶる悪いので、良く突っかかってくる。
「確かにボクは犬型の人獣族だけど、その言い方はひどくないかい?」
「あら?犬が何かきゃんきゃんと吠えていますわ?クライク、何を言っているのかわかりますか?」
クライクっと呼ばれた甲冑の男性はその問に答えた。
「アミリスタ殿、すまないが私は種族で差別はしないのだ。そこのところをわかってくれたまえ」
「もう!面白くないですわ!先に行ってますわよ!・・・あぁ、あと貴女がどんな物を召喚するかは知りませんが、御前試合ではコテンパンにしてあげますわ!」
『ごきげんよう!』っと言って去っていくアミリスタを見て、クライクさんが頭を下げてきた。
「すまない、我が主が失礼をした。あれでも人を思う気持ちは確かなのだが・・・」
「いえいえ、大丈夫ですよ。慣れてますので」
「ですが・・・」
「いやまぁ、別にあの子は面と向かって言ってくるのでまし何ですよ。こっちも言い返したりできますし。あんなことを言っても何かと手助けしてくれますからね」
「ふむ・・・なるほど。おっと、忘れておりました、私アミリスタ・ノートルン殿によってこの度召喚されました、クライク・ベルトルギスと申します。見ての通り前の世界では騎士でしたので剣の腕には自信があります。今後ともよろしくお願いします。では、失礼します」
確か召喚された人間はこの世界に慣れるまで、召喚者から一定距離離れたら存在できなくなる・・・だったかな?
カチャカチャっと音をならしながら歩いていくクライクさんを見送り、私は最初の目的地に向けて歩いていく、私の従者を召喚するために・・・
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儀式場に入り、前に座っている方に軽く挨拶をしてから準備を始める。
老竜の肝や不死鳥の羽、キマイラの脳など、不死鳥の羽はともかくそれ以外は女の子としてはあまり触りたくない物(高級品、国支給)を煮込み、何か怪しい薬を入れた酷い臭いのする召喚用のインクで召喚陣を描き、ここにくる前にお父さんから渡された、家宝の剣を召喚陣の真ん中に置く。
そして数滴の血をかけて準備は完了、後は召喚するだけ。
「早く済ませよ・・・えーと、確か『来たれ孤独の王!我が血の元、ここに契約を!』」
そう、短い詠唱を終えると召喚陣が輝きだし、置いた剣が砕け、その瞬間儀式場が光に飲まれた。
しばらくして、光が収まると召喚陣の真ん中に剣の代わりに人がいた、どうやら召喚は成功したらしい。
黒髪、黒目の男性だ、年はボクと同じぐらいだろうか?
腰にたまに召喚された人が持っているカタナっと呼ばれる剣をさしている、どうやら戦えるようだ。
「・・・ふむ?」
周りを見渡し、首を捻る彼を見て慌てて自己紹介をするが彼は首を捻るだけだった。
「アルトル殿。どうやら召喚はうまくいったようですな」
「はい教祖様。ですが彼は言葉が伝わってないようなんです」
「おぉ、そうかそうか。大丈夫、しばらくすれば言葉を理解できるようになるはずです。おおかた、彼の元の力が強すぎて言葉を自動習得するまでこの世界に馴染んでないのでしょう。たまに有ることですので心配しなさるな」
「はい、ありがとうございます」
「うぬ、よろしい。ではシオン・アルトル殿。そなたは召喚した者を連れ自室で待機しておるのだ。3人目が召喚ししだい王に御披露目でなのだ、それまでゆっくり休んでおくといい」
「・・・はい、わかりました」
そう言ってボクは自分が召喚したまだ名前も知らない彼を連れ、自室へと戻った。
「さて、まだ時間有るみたいだから色々聞きたいのだけど・・・聞いてないか・・・」
自室に着いたとたんに、彼は懐から本を出し、それを読み始めた。
まだ言葉がわからないのか、それともわかっているけど無視しているのかはわからないけど、反応無しなのは止めてほしい・・・
「はぁ・・・」
本当に止めてほしい・・・