南の島の大冒険!! -Alola Generation-   作:natsuki

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第十一話 VSオニスズメ(後編)

「何しているの、サン!」

 

 そう僕に声を掛けたのはムーンだった。

 ムーンはそう言うと走り出して、吊り橋向かって走り出す。

 

「お願い、アシマリ!」

 

 モンスターボールをオニスズメの群れに投げると、橋の真ん中でちょうどアシマリがモンスターボールから出てきた。

 

「あわ攻撃!」

 

 アシマリはあっという間にあわを放ち、オニスズメの群れを遠ざけていく。

 オニスズメの群れもそこまで執着心が無かったのか、そのまま姿を消した。

 

「……ふう、大丈夫?」

「ええ。ありがとうございます。あなたは……?」

 

 ムーンはアシマリをモンスターボールに戻しつつ、告げる。

 

「私の名前はムーン。あなたは?」

「私は……」

 

 お互いが自己紹介をしようとした、ちょうどそのときだった。

 橋の縄が切れて、そのまま橋が崩れていく。

 

「きゃあああああああああ!」

「不味い! おい、ハウ。どうにか出来ないのか!」

「そんなこと言われたって~。とりあえず、大人を呼んでくるよ。少なくとも空を飛べるポケモンが居ないし……」

 

 僕とハウには、確かに空を飛べるポケモンが居ない。

 それはムーンにも言えることだった。

 目の前で危機に直面しているのに、何も出来ないのが非常にもどかしい。

 どうすれば良いのか……! そんなことを考えていた、そんな時だった。

 奥の穴から、何かが飛んできた。

 その何かはムーンたちめがけて飛び出して、ムーンたちを捉えると、そのまま地上へムーンたちを運んでいった。

 それは翼の生えたポケモンのように見えた。そのポケモンは見たことの無いポケモンだったけれど、どこか荘厳な雰囲気を放っていた。

 

「カプ……コケコ?」

 

 ハウがゆっくりと、そのポケモンの名前を告げた。

 カプ・コケコ。

 戦の遺跡に住まうといわれているアローラの守護神。

 それが今、僕たちの前にふわふわと浮かんでいた。

 そしてカプ・コケコはムーンたちを一瞥すると、そのまま戦の遺跡へと戻っていった。

 

「大丈夫かい、ムーン」

 

 僕とハウがそれぞれ彼女に質問する。

 彼女は服についた泥を手で払い、ゆっくりと立ち上がると笑みを浮かべる。

 

「ええ、問題ないわ。それより……」

「あ。すいません」

 

 白い帽子を被った少女は立ち上がると、鞄の中身を確認してから、僕たちに頭を下げる。

 

「あなたたちのおかげで助かりました。それにしても……あなたたちはどうしてこちらへ?」

「僕たちはカプ・コケコを見に来たんだよ。あと、ククイ博士からリーリエという人を探して欲しい、って言われてて」

 

 正確にはそう言われていないけれど、まあ、探してくれと言っているようなものだと思う。だから僕はそう答えることとした。

 そうして少女は僕の言葉を聞くと、目を丸くして、

 

「あっ。そうだったんですか。だったら急いで戻らないと……。その前に、先ずは自己紹介ですね。確か、途中で終わってしまいましたよね?」

 

 どこかお嬢様めいた雰囲気を放ちながら、少女は告げる。

 

「私の名前はリーリエ。今はククイ博士の助手をしています。よろしくお願いします」

 

 


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