南の島の大冒険!! -Alola Generation- 作:natsuki
リリィタウンへ戻ると、ククイ博士が僕たちを待ち構えていた。
「やあ、やっぱりリーリエも居たんだね」
「ほしぐもちゃんを探していまして……、申し訳ございません」
ククイ博士に頭を下げるリーリエ。
対して、ククイ博士はあまりそういうことを気にしていないようで、
「ま、終わりよければすべて良し! だし。それもいいんじゃないかな。……ああ、そうだった。戦の遺跡はどうだった? みんな」
「……ねえねえ、ここがアローラ地方なのですね」
声が聞こえた。
声は、リリィタウンの出口の方から聞こえてきた。
白いコスチュームに身をまとったその不気味な存在が、二人。
「かがやきさまは、光を失っている。今、アローラ地方は、そのかがやきさまの力を使うことが出来る人間が……否、対抗出来る存在が居るというのだろうか」
「さて。あなた方はどなたですかな?」
ハラさんは疑問に思って、質問をする。
しかし、二人は答えることなく、さらに話を続ける。
「ゼンリョク祭り、というものがこの街にはあるようだが」
「おお、ゼンリョク祭り! 確かに御座いますぞ。それがいかがなさいましたか」
「ということは、Zパワーを使うことが出来る人間が……?」
「おお。確かにこちらに」
そう言ってハラさんは僕たち三人に目線を合わせる。
「三人も」
「居るのか」
「しかし、Zパワーは完全に使いこなせておりませんよ。Zクリスタルは、すべて集め切れておりませぬ故。……ですが、いったい、どうなりました?」
ハラさんの言葉に耳を貸さず、踵を返す二人。
「かがやきさまの力を取り戻す……、そのためには彼らが重要な担い手になり得るのかもしれないな」
そう言って、二人は姿を消した。
残されたのは、疑問だけを浮かばせた僕たちだけだった。
「さて。……奇妙な集団はさておき、イリマの試練を乗り越えたことでしょうから、最後に大試練をすべきでしょうな!」
「大試練?」
「そう! しまキングによる、大試練! そして、この島にいるしまキングといえばわたし、このハラなのですな!」
ハラさんは両手を広げて、大きく頷く。
しまキングによる大試練。
確かにそれは、キャプテンたるイリマさんの試練を見事乗り越えた僕たちにとって、受けるべき試練であると言えた。
「それをうけることで、この島の試練はすべて終り! アーカラ島へと行くことが出来るのですな!」
「アーカラ島も自然がたくさんあるいいところなんだよー! まあ、メレメレもいいところなんだけれどね」
ハウの言葉に、僕はゆっくりと頷いた。
確かにメレメレ島はいいところだ。まだ日が浅いわけだけれど、それでもその島の良さが伝わってくる。
けれど、ハウの話によれば、アーカラ島も良いところだという。アローラ地方自体が自然豊かな場所なのだから、それについては当然と言えるだろうけれど。