南の島の大冒険!! -Alola Generation-   作:natsuki

13 / 14
第十三話 VSマケンカニ(後編)

「成程……」

「ポケモンバトルを聖なるモノとする、アローラならではのことだよ」

 

 ハラさんの言葉に、ククイ博士が補足する。

 

「確かに。それも有りですね。最初はどうやって彼らに図鑑を手渡すか、その役目をどう担当させようか考えていましたが……それなら、アローラの伝統に則ったやり方ですし、問題もないでしょう」

「え、えーと、つまり?」

 

 質問したのはサンだった。

 

「つまり、君たちには島巡りをしてもらい、アローラ地方とはなんたるかを知ってもらうのですな! そのための確認も……うん、問題ありませんぞ、ククイ。彼らならば、図鑑を渡しても問題ないでしょう」

 

 そうしてククイ博士は僕たちにあるものを手渡した。

 

「これはポケモン図鑑というものでね、様々なデータを記録することの出来る図鑑なんだよ。そして! 他の地方にはない特徴が一つ、あるんだ」

「特徴?」

「そうロト!」

 

 突然、ポケモン図鑑が動き出して思わず俺は落としそうになった。

 しかしポケモン図鑑は不思議な力(パチパチ、という音を立てていることだし、電磁波か何かか?)で浮かび上がると、俺たちに向き直った。

 

「ロトム図鑑、ここに推参、ロト!」

「ロトム……図鑑?」

「ポケモンのロトムと、ポケモン図鑑を融合させたんだ。それにより、得られた物がある。それはポケモン図鑑と人間とのコミュニケーションツールにもなり得た、ということだ。これは大きな研究の成果であるし、その途中経過でもある。だから君たちには是非それを持ち歩いて頂いて……ってこれは話をしたっけ」

「あの……博士? 二台あるのにロトムは一台しか入ってないんですか? 私の図鑑、反応しないんですけど」

「あ、僕の図鑑もー」

 

 疑問を浮かべたのはムーンとハウだった。

 ぎくり、と音を立てたような感じで所作を止めたククイ博士。

 

「あーえーと……それはね。実は……」

「ククイがロトムを無くしてしまったのですな」

「ハラさん! それは言わない約束だって……」

「ククイが目を離した隙に、どこかにロトムをやってしまったのだよ。勿論、ロトムは好奇心旺盛なポケモンだからな。居なくなる可能性だって十分にあり得た。そういうポケモンはモンスターボールに仕舞っておくのが普通だと言うに……」

「だから! あれは申し訳なかった、と言ったじゃないですか」

「言うなら、もう一人別の人間に謝るべきではないかね?」

「う……済まなかった、ムーン」

「いいですよ、別に」

 

 そう言うと、ムーンはサンの手を握る。

 ハウもムーンの気持ちが分かったのか、もう片方の手を取る。

 

「え?」

「三人で旅に出ることが出来る、口実も出来ましたしね」

 

 そうして、彼らは旅に出る。

 それはアローラ地方全体を巻き込む大災害の始まりになろうとは――まだ誰も知らない。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。