南の島の大冒険!! -Alola Generation- 作:natsuki
「成程……」
「ポケモンバトルを聖なるモノとする、アローラならではのことだよ」
ハラさんの言葉に、ククイ博士が補足する。
「確かに。それも有りですね。最初はどうやって彼らに図鑑を手渡すか、その役目をどう担当させようか考えていましたが……それなら、アローラの伝統に則ったやり方ですし、問題もないでしょう」
「え、えーと、つまり?」
質問したのはサンだった。
「つまり、君たちには島巡りをしてもらい、アローラ地方とはなんたるかを知ってもらうのですな! そのための確認も……うん、問題ありませんぞ、ククイ。彼らならば、図鑑を渡しても問題ないでしょう」
そうしてククイ博士は僕たちにあるものを手渡した。
「これはポケモン図鑑というものでね、様々なデータを記録することの出来る図鑑なんだよ。そして! 他の地方にはない特徴が一つ、あるんだ」
「特徴?」
「そうロト!」
突然、ポケモン図鑑が動き出して思わず俺は落としそうになった。
しかしポケモン図鑑は不思議な力(パチパチ、という音を立てていることだし、電磁波か何かか?)で浮かび上がると、俺たちに向き直った。
「ロトム図鑑、ここに推参、ロト!」
「ロトム……図鑑?」
「ポケモンのロトムと、ポケモン図鑑を融合させたんだ。それにより、得られた物がある。それはポケモン図鑑と人間とのコミュニケーションツールにもなり得た、ということだ。これは大きな研究の成果であるし、その途中経過でもある。だから君たちには是非それを持ち歩いて頂いて……ってこれは話をしたっけ」
「あの……博士? 二台あるのにロトムは一台しか入ってないんですか? 私の図鑑、反応しないんですけど」
「あ、僕の図鑑もー」
疑問を浮かべたのはムーンとハウだった。
ぎくり、と音を立てたような感じで所作を止めたククイ博士。
「あーえーと……それはね。実は……」
「ククイがロトムを無くしてしまったのですな」
「ハラさん! それは言わない約束だって……」
「ククイが目を離した隙に、どこかにロトムをやってしまったのだよ。勿論、ロトムは好奇心旺盛なポケモンだからな。居なくなる可能性だって十分にあり得た。そういうポケモンはモンスターボールに仕舞っておくのが普通だと言うに……」
「だから! あれは申し訳なかった、と言ったじゃないですか」
「言うなら、もう一人別の人間に謝るべきではないかね?」
「う……済まなかった、ムーン」
「いいですよ、別に」
そう言うと、ムーンはサンの手を握る。
ハウもムーンの気持ちが分かったのか、もう片方の手を取る。
「え?」
「三人で旅に出ることが出来る、口実も出来ましたしね」
そうして、彼らは旅に出る。
それはアローラ地方全体を巻き込む大災害の始まりになろうとは――まだ誰も知らない。