南の島の大冒険!! -Alola Generation-   作:natsuki

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第六話 VSニャビー&アシマリ&モクローⅡ

「それぞれポケモンを選んでもらったところで、島めぐりについて簡単に説明しよう!」

 

 ハラさんはそう言って、僕たちの注目をひいた。

 そしてその言葉通り、僕たちはその言葉を聞いてハラさんに目線を合わせた。

 

「島めぐりとは名前の通り、このアローラの四つの島をめぐることだ。そして、アローラにはキャプテンとしまキング、しまクイーンが居る!」

「ハラさんのような、しまキングということだね」

 

 気付けば隣にはククイ博士が立っていた。

 

「ククイ博士。いつの間に……?」

「まあまあ、それは別にいいじゃないか。ハラさん、続きを」

「うむ」

 

 ハラさんは頷くと、さらに話を続ける。

 

「そして、しまキング・しまクイーン全員を倒すと晴れてチャンピオンとして認められる」

「チャンピオン……」

 

 僕はそれを聞いて、胸が高鳴るのを感じた。

 アローラにはポケモンリーグが無い、ということは聞いていた。だから冒険をしたくても、あまりモチベーションが上がるようなことが無い。だから普通に過ごすしかないのだろう、と。そう思っていた。

 しかしアローラには島めぐりがある。ポケモンリーグとも違う、また別の仕組み。

 それを聞いた僕は、今にも飛び出したくなるような――そんな感じだった。

 

「さて、そうしてメレメレ島には一つ試練が存在する。その試練こそが……」

「ハラさん!」

 

 ハラさんの言葉に割りいるように、声が聞こえた。

 見るとこちらに走ってくる一人の青年が見える。年齢は恐らく僕たちより三つ四つ上くらいに見える。恰好から推測すると、ある程度裕福な家庭なのかもしれない。

 

「おお、イリマ。どうした。今ちょうどお前の試練の説明を……」

「大変なんです!」

 

 しかしながら、イリマと呼ばれた人はハラさんの言葉に割り入って、

 

「……大変なんです、ハラさん。これは、メレメレ島全体の、いや、アローラ地方全体のことに関わる重要なことで……」

「何があったか解らない。先ずは整理をつけてから話をしてくれないか?」

「そうだぜ、イリマ。ほら、この『おいしいみず』を飲んで!」

 

 ククイ博士が差し出した『おいしいみず』を飲むイリマさん。

 それを飲んでようやく落ち着いたのか、ゆっくりと息を整えていく。

 

「ようやく、落ち着きました。ありがとうございます、ククイ博士」

「別にお礼を言われるようなことじゃない。それで、どうしたんだい? 君がそんなに慌てているなんて、珍しいことじゃないか」

 

 イリマさんはそれを聞いて、目を丸くする。

 どうやら一瞬、自分がここになぜ走ってきたのかを忘れてしまっていたようだった。

 そして、イリマさんはゆっくりと――しかしながらまだ焦りは見えていたけれど――僕たちに告げた。

 

「そうだ、大変なんです! ぬしポケモンが……スカル団に捕まってしまいました」

 


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