南の島の大冒険!! -Alola Generation- 作:natsuki
「何だと!」
それを聞いたハラさんは慌てて僕たちに声をかける。
「……済まない、重大なことが起きてしまった。申し訳ないが、ここは一度家に戻っていただいて――」
「その必要は無いんじゃないかな、ハラさん!」
そう言ったのはククイ博士だった。
ハラさんがそちらを向くと、ククイ博士はウインクをして頷く。
「……ククイ博士。それはいったい? 試練は出来ないのですぞ。それに、ぬしポケモンがスカル団に捕まったのならば、急いで助けにいかねばなりません。彼奴らはポケモンを売り捌くことで資金源にしていると言われていますからな」
「簡単なことだよ」
そう言って、ククイ博士は僕たちに視線を向ける。
「彼らに、スカル団を見つけてもらえばいい。そうして、もし彼らがスカル団を倒しぬしポケモンを取り戻すことが出来れば……、それは試練達成と言えるのではないかな?」
「……成程。それならば問題はない。どうだ、イリマ。それで問題は?」
「ええ、大丈夫です。スカル団はハウオリシティのボートエリアへ向かった、という情報があります。急いでそちらへ向かいましょう!」
僕たちは揃って大きく頷くと、イリマさんの後を追いかけていくのだった。
◇◇◇
ハウオリシティは巨大な港町だ。このメレメレ島の観光の一つでもあり、多くの人が住んでいる場所としても知られている。また、ほかの地方からアローラ地方への玄関口としても成り立っているためか、多くの観光客がこの町にやってきているのだ。
その南側に位置するボートエリアには、船乗り場がある。造船所も兼ねているその場所は船乗り場にしては大きな建物となっている。メンテナンスも出来るように大きな船乗り場になっているのだ。
「……ここにスカル団が?」
「ああ、聞き込みした情報ではここに居ると言われているが……、あれか!」
イリマさんは突然大声を上げて走っていく。
目標は恐らく、埠頭にあった黒いヨット。
白い帆には髑髏をモチーフにしたと思われるものが描かれていた。
「あれは、あれが、スカル団のモチーフだよ!」
ハウがそう続ける。
「ということはあそこに居るのが……!」
ヨットの傍には、スカル団と思われるタンクトップ姿の男女が四人。
そして何か重々しい容器を抱えていた。
「待て、お前たち」
そう言ったのは、イリマさんだった。
イリマさんの声に気付いたのか、スカル団の片割れがこちらを向いた。その荷物は相当重たいものなのか、汗を相当かいている様子だった。
「……何だよ、こちとら忙しいんでスカら! 手を出してほしくないでスカら!」
「そうだ、そうだ! こっちは重要な任務を受けていて、それが漸く終わるんでスカら。手を出してほしくないでスカら!」
スカル団は何というか、スカという単語に変なイントネーションを追加するのだろうか? 変な違和感を抱いてしまうのだけれど。出来ることなら辞めてほしいくらいだ。耳がとても気持ち悪くなってしまう。