南の島の大冒険!! -Alola Generation- 作:natsuki
「そういう問題じゃないんですよね」
一歩前に踏み出したのは、イリマさんだった。
イリマさんは表情には出していないものの、言葉の語気がどこか強く見えた。それはそうかもしれない。――聞いた話によれば、ぬしポケモンはキャプテンがそれぞれ熱意をもって育てるポケモンらしい。そんな情熱と愛情を注いだポケモンを盗むなどとなっては、怒るのも当然かもしれない。
イリマさんの言葉に怯むことなく、スカル団は話を続ける。
「何スカしているんでスカ? そんなスカして、許されると思っているんでスカ? 俺たちを止めることが出来ると思っているんでスカ?」
「ああ、出来るとは思っていないね。少なくとも、お前たちみたいな連中は」
そう言って、イリマさんはスーパーボールを投げた。
ボールの中から飛び出てきたのは、コラッタだった。
しかしそのコラッタは――僕がカントーで腐るほど見てきたあの姿とは違っていた。
まず、身体の色が黒い。そして、髭を生やしていてどこか悪そうな表情をしている。悪そう、というよりも悪だくみを働いているような――と言えばいいのだろうか。
いずれにせよ、その姿は見たことが無かった。
「イリマさん……そのコラッタは?」
思わず、僕は質問をしていた。
「これはリージョンフォルム。カントーやほかの地方では見られる姿があるかもしれないけれど、ここアローラでは独自の生態系を築いているからか、普通とは違う姿をしている。まあ、アローラ人からすればこれが普通の姿なのだけれど」
若干早口ではあったが、イリマさんが親切に解答してくれた。これはありがたい。リージョンフォルム、か。そういえばククイ博士が言っていたな、それがこのリージョンフォルムなのか。確かに違う、その姿を僕は目に焼き付けるのだった。
「さあ、君たちもポケモンを出して。僕とサンくん、そしてムーンちゃんとハウくんで、ダブルバトルをしよう。そのほうが手っ取り早く相手をなぎ倒すことが出来るからね」
「まるで俺たちを倒せるような発言でスカ……。倒せると思っているんでスカ!?」
「さあ、どうだろうねえ」
イリマさんはスカル団に笑みを浮かべる。
まるでスカル団など眼中になかったかのように。
そして、イリマさんは右手にある――リングをスカル団に見せつける。
それは何か宝石のようなものがついているリングだった。
それを見ていたスカル団は慌てだす。
「やべえ……。あいつ、Zリングを持っているぞ。ということは、キャプテンか!?」
「何だい、そんなことも解らなかったのかな?」
イリマさんは、構えだす。
まるで何かポーズをとるかのように。
「キャプテン、イリマ! カプ・コケコに選ばれしキャプテンの名のもとに、悪事を働くスカル団を倒す!」
そして、僕たちとイリマさんバーサススカル団のポケモンバトルが幕を開けるのだった――!