δ after   作:青りんご@

4 / 4
いつの間にか1000UAいってたゾ~
見てくれた方、お気に入りにしてくれた方、ありがとうございます!
これからも頑張ります!


with Freyja~before preparation~

「うーん、ハヤテの誕生日プレゼントって何がいいんやろ……?」

ワルキューレのレッスンを終え、家に帰る途中に、フレイアは考えていた。

一週間後はハヤテの誕生日で、一度ハヤテに誕生日を祝ってもらったフレイアは、ハヤテを自分の時以上に祝ってやろうと決めていた。

ラグナで一番大きいショッピングモールに何度か足を運び、プレゼントになりそうなものを探してみたが、なかなか良い物は見つからなかった。

それに、ハヤテは何をあげたら喜ぶのか、フレイアにはわからなかった。

気持ちが大事だとよく言うが、やっぱり、もらって喜んでくれるものをあげたかった。

「ミラージュさんに相談してみようかな……」

自分より人生経験が豊富そうなミラージュさんなら、何かヒントをくれるかもしれない、とフレイアは考えた。

 

「プレゼント、ですか……」

フレイアはその日の晩、早速ミラージュに相談していた。

「そう! どんなのあげたら喜んでくれるんやろって思って」

「そうですねえ……既製品にこだわらなくてもいいとは思いますよ」

「どういうことですか?」

「手作りってことです。ハヤテならきっと喜ぶと思うんですよ」

「なるほど! 手作りですか! それは思いつかなかったです」

「あら、何話してるの?」

フレイアとミラージュが話していると、同室のカナメが帰ってきた。

「あ! カナメさん、ちょうど良いところに!」

そう言ってカナメを迎えたフレイアは、カナメにもハヤテの誕生日プレゼントのことを話し始めた。

「……なるほどね。誕生日プレゼントかぁ……やっぱり日常的に使えるものがいいわね、ちょっと抽象的すぎるけど」

カナメは首を傾げて考える。

「そういえば、カナメさんはアラド隊長に何かあげたりしないんですか?」

突然、ミラージュがカナメに訊いた。

「えっ、き、急にどうしたの、ミラージュさん」

突然の詰問に、カナメは思わず声が上ずってしまった。

「私も聞きたいと思ってたんですよ! カナメさんって、アラド隊長のことどう思ってるんですか?!」

すかさずフレイアも突っ込む。

「あ、わ、私ちょっと用事を……」

「「逃しませんよ?」」

逃げようとしたカナメの腕を、ミラージュとフレイアが同時に掴んだ。

「ひっ……」

ミラージュとフレイアの迫力に、カナメは顔を引きつらせた。

「そういえばカナメさん、結構な頻度でアラド隊長を呑みに誘ってますよね?! ね?!」

おかしなスイッチが入ったのか、ミラージュは普段のクールな様子とは似ても似つかない状態になっていた。

「み、ミラージュさん……?」

「今日という今日は答えてもらいますよ、カナメさん!」

「ふ、フレイア……?」

ミラージュとフレイアは、カナメが答えるまで話すつもりはないらしい。

「わ、わかったわよ……何を答えればいいの?」

「じゃあ、私から行きます!」

やはりミラージュが先に口を開いた。

「カナメさんは、アラド隊長のことが好きですか?!」

「う、うん」

「「えっ」」

ミラージュとフレイアは、揃って固まっていた。

「な、何よ。訊いたのはあなたたちでしょ」

カナメがあっさり答えたのに拍子抜けしたのか、二人は少しの間ぼーっとしていた。

「カナメさんが……女の子になっとる……」

フレイアがぼそっと呟く。

「当たり前でしょ! 私も女!」

少し顔を赤らめて、カナメが抗議した。

顔を赤らめて恥じらうカナメの姿は、ミラージュやフレイアから見ても相当に美人で、思わず二人は見惚れてしまった。

二人が微動だにせず、カナメを見つめていると、さすがに恥ずかしくなったのか、髪をいじりはじめた。

「もう、二人共どうしたの?」

「これはいけます! カナメさん、安心してください! 必ずやこのミラージュ・ファリーナ・ジーナスがアラド隊長とカナメさんをくっつけてみせます!」

そう言うと、ミラージュは部屋を飛び出していった。

「あはは……」

フレイアとカナメが、笑いながらミラージュを見送る。

「ところでフレイア。さっきのプレゼントの話だけど、時計とかどうかしら?」

一気に静まり返って余裕を取り戻したのか、カナメはプレゼントの話を切り出した。

「時計! いいですね! 時計ならいつでもつけてられると思うし! 考えてみます!」

「ええ。私の意見が参考になるといいのだけれど」

「すっごく助かりました! さすがカナメさん、お姉さんって感じです!」

「や、やめてよもう……」

どうやらカナメは意外と恥ずかしがり屋らしかった。

 

「今から緊急の会議を行いますので、職員は至急、大会議室にお集まりください」

ハヤテの誕生日を三日後に控えた昼過ぎ、突然館内アナウンスで招集がかかった。

「何かあったんでしょうか。気になりますね……」

少し心配症の傾向があるミラージュが、考え込む。

既に大会議室には、たくさんの人が集まっていた。

少しして、大会議室の前方にあるスクリーンの前に、マキナがマイクを持って現れた。

「みなさーん! 集まってくれてありがとー!」

マキナがマイクを持った手をブンブン振る。

それに合わせて、一部の男性陣から歓声があがった。

「相変わらずマキナさんは人気ですね……」

フレイアが壇上のマキナを、羨ましそうに見つめる。

「フレイアもきっと、あんな風になれますよ」

ミラージュは思わずそう言っていた。

ただ励まそうと思って言ったわけではなかった。

ワルキューレに入隊して、フレイアはすぐに受け入れられた。

ウィンダミア人、というハンデを負っていたにもかかわらずだ。

あの人懐っこい性格が、彼女をそうさせているのだろうか。

もし自分があんな性格だったなら、とミラージュは考えたが、想像もつかなかった。

少なくとも、自分にはあんな風には振る舞えない。

「今日集まってもらったのは、ある作戦を発令するからです!」

マキナの司会で、ミラージュの意識は現実へと引き戻された。

「今日、ここに、ケイオスの名のもとにおいて『ハヤテ・インメルマン誕生日パーティー遂行作戦』を発令します!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。