2011年リベリオン合衆国カルフォルニア州エドワーズ空軍基地。
あの惨劇から10年、あの事件で身内を全員失ったキャサリンは、ロペス家の養子としてロペス長女のエリナ・ロペスと共に姉妹のように育てられていた。
ここがスペースシャトルの着陸地…おっきーなぁ‼」
「あんまり騒がないでよキャシー、あんたがどうしてもストライカーユニット見たいって言うから隊長に無理言って入れてもらってるんだからね?」
「わたってるよエリナ、エリナのストライカー見たらすぐ帰るから。…でも、ズルいよねなんでエリナがウィッチになれて私はダメなの~?」
「あんたに才能が無いだけでしょ?」
「もー!なにそれ!」
ウルフ小隊ハンガー
「わぁぁぁ‼本物のストライカーユニットだぁぁ‼鷲のマーク格好いい‼」
「あっ、こら!キャシー‼」
ハンガーに入るやいなや、目の前に待機中だったストライカーユニットに駆け寄る。
「まぁ、良いじゃないのエリナ、可愛い妹じゃない」
「エミリア隊長…」
「ねー‼エリナ‼これがエリナのストライカー?」
「違うわ、それは隊長のよ、私のはこっち」
そう言って、補給中で各ハッチが開きっぱなしのラプターを指差す。
「えぇー、エミリアお姉ちゃんと同じだけど、なんか狼のマークカッコ悪い…エミリアお姉ちゃんのがいい…」
「もぉ~そんなこと言ってるともうストライカー見せてあげないわよ‼」
「イヤだぁっぁ‼」
「だったら、エリナお姉ちゃんのストライカーユニット格好いい‼って言え‼」
そう言ってキャシーの頬をつねるエリナ。ギュゥゥゥ‼。
「へふぃふぁほねふぇちゃんのシュトライカーにゅゅぃっとカッコいい…」
「よく言えました‼えら…」
ウゥゥゥゥウゥウ!!
突如として基地内にけたたましいサイレンが響き渡る。
『ポイント0987よりネウロイが侵入した‼ウルフ小隊はただちに迎撃に向かえ‼』
「んもぉ‼海軍はなにやってるのよ‼」
「とにかく急ぐぞ!エリナ、キャサリン、貴女は基地から絶対に出ないように‼」
「そうですね、いい?キャシー、お姉ちゃん、ネウロイをやっつけに行くから、貴女は整備班長についてシェルターに‼良いわね‼」
「エリナ…大丈夫…だよね?」
「もちろん、良い男捕まえてあんたに自慢するまで死ぬわけないじゃない‼ほら、急いで‼」
「う、うん!」
キュゥゥゥゥウ。
『行くぞ‼』
鋼鉄の翼をまとい、3人の魔女が天空へと駆けていく。
数時間後
シェルター内
「民間人を速く収容しろ‼怪我人を最優先だ‼」
「衛生兵、速く‼」
あれから数時間、リベリオン陸海空のウィッチーズが総動員で本土に侵入したネウロイの迎撃に向かっていた。
『ネウロイの増援を確認、待機中のイーグル、ホークス、スワロー各小隊はウルフ小隊の援護に向かえ‼』
「エリナ達が、負けてる?…そんな‼」
基地内放送を聞き、慌てて外へと飛び出す。そこで見た物は、正にこの世の終わりと表現するのが正しいほどの惨状であった。街は燃え上がり、上空では漆黒に赤の幾何学模様のネウロイとウィッチが激しい銃撃戦を繰り広げていた。
「君‼危ないから速くシェルターに…」
ォォォオォォォン!!。
それは一瞬だった。深紅の光線がシェルターに直撃、そして彼女が先程まで収容されていたシェルターを焼き付くしたのである。
「うそ…皆…イヤァァァァ‼」
エドワーズ基地上空。
「くっ、まさかここまで追い込まれるなんて…」イヤァァァァ‼
「何てこと‼シェルターが…キャシー‼」
イーグル、ホーク、スワロー小隊の増援により、一時的に余裕ができたエリナは妹であるキャサリンの安否確認のため、エドワーズ基地まで後退していた。
「キャシー‼」
「エリナ姉さん‼」
「何してるの速く別のシェルターに‼っ」
ゥゥゥゥウウゥウゥン‼。再び深紅の光線が光ると、次はエリナの腹部を貫いた。ヒュゥゥゥン。ドシャァァ!!
「イヤァァァァァァァアァァ‼」
低空を飛行していたエリナは直撃を回避するため、背中にシールドを展開していたため、なんとか意識を保ち、ギリギリ不時着に成功する。
「イヤァ‼お姉ちゃん!!しっかりしてお姉ちゃん!!」
「キャサ…リン…逃げ…て」
それだけを言うと、多量の出血によりエリナは意識を喪失する。
『…sた、ウルフ2!!応答しろ‼何があった‼応答しろウルフ2!!』
インカムから漏れる通話が妙に遠く聞こえる。
「うそ…お姉ちゃん…ねぇ、起きてよ、ねぇ、ってば‼」
その内、彼女自信も意識が朦朧とし始める。
「おい、ガキンチョ。力が欲しいか?ネウロイを倒す力が…」
「えぇ、欲しいわ、欲しくてたまらない‼」
「良いだろう…俺もたった今、支えてた主が討たれた…お前には、俺の力と引き換えに敵を討ってもらう、良いな」
「もちろんよ‼」
「契約完了だな…俺はカイル、よろしく頼むぞ、我が主」
「ウィッチが墜落したぞ‼」
「誰だ‼」
「ウルフ小隊のロペス少尉です!」
すぐに、医療班が到着しエリナを担架に乗せる。
「君も速く逃げるんだ‼」
そう言って近くに立ち尽くしていたキャサリンに近付いた瞬間。
ブワァァァッァ‼。途端にキャサリンの周りを青い光りが包む。
「これは…」
「俺は使い魔だ…その光りはお前がウィッチになった証だ」
「私がウィッチ…ウィッチに…なら‼」
「あぁぁ、ちょっと‼君‼」
衛生兵の制止を振り切り、墜落により放り出されたストライカーユニットに脚を通し、エリナの小銃を担ぐと、ストライカーユニットに魔力を込める。
ヒュゥゥゥン
『ウルフ2…キャサリン・ロペス、出ます!』
その後、ウィッチとして目覚めたキャサリンにより、形勢を逆転させたリベリオン軍は、辛くもカルフォルニアを守りきったのである。
これが、現オメガ1、キャサリン・ロペスの初陣である。
2016年10月3日。北海道航空自衛隊千歳基地、ブリーフィングルーム。
「…シー‼キャシーってば‼」
「んっ、んんーあと五分…」
「いい加減起きなさい‼」ゴチンッ‼。
「あいたぁー‼」
「何すんのよエリー‼」
「あんたがミーティング中に寝るからでしょ‼」
「…ご免なさい」
「なによ、今日はやけに素直じゃない。珍しい…」
「まぁね…懐かしい夢でも見てたからかな…」
「キャサリンちゃ~まぁーた夫婦漫才してるの?」
「なにが、また、だ、毎日やってるだろ」
「早瀬‼渡里‼お前たち‼」
「あぁ~キャサリンちゃんが怒ったぁw」
今、軽口を効いてきたのがオメガ2こと渡里マミ准尉と同じく准尉のオメガ3こと早瀬一姫である。
「ふーん、そんなことが…私、あんたと長い付き合いだけどはじめて聞いたわ、そんな話」
「まぁ、聞かれなかったからね」
「隊長、お姉さんって今、どうしてるんですか?」
「生きてるわ、今は結婚して実家でパパとママと一緒に暮らしてる」
「よかったねキャサリンちゃん、お姉さんが無事で…」
「無事…ね…」
「えっ…」
「エリナが撃たれた場所は下腹部だったの…緊急手術で五体満足で命も助かったんだけど…その時に、子宮を摘出したの、だから…エリナは…」
「ご免なさい、キャサリンちゃん…私…」
「一姫…良いのよ、気にしないで。それに、私、エリナに言われてるのよ『私の敵を討って』ってね。さぁ、着替えるわよ午後は札幌に買い物に行くんだから‼」
そう言って、無理矢理話を切るようにブリーフィングルームを後にするのであった。
To be continuede…
因みにエミリア隊長のフルネームはエミリア・ジェラードで、ワイト島分遣隊のフランシー・ジェラードの子孫って言う裏設定ですw個人的に片翼の魔女が大好きで、引っ張ってきました、隊長今後チョイチョイ出していこうと思ってます!。