Lyrical NANOHA The Lord 〜契約せし魔法使い〜 作:vegatair
どうもvegatairです!
仮面ライダーが書きたくなり、勢いで書いてしまいました 笑
オリジナルライダーだったり独自設定があったりと、お気に召さない方もいるかと思います。
まぁ暇つぶし程度で読んでやるか、みたいなノリで読んでくれると嬉しいです!
それでは、第1話をどうぞ!
「はぁっ、はぁっ……くっ!」
深い深い闇の中、暗い暗い森の中を駆ける一人の少女がいた。服は所々が破れ、その下から覗く柔肌には無数の傷が走っている。
いったい何から逃げているのであろうか、少女は時折振り返り背後から迫るその何かの存在を憎々しげに睨む。
「ひゃはははっ、逃げても無駄だぜぇ?」
陽気な……いや、妖気なと言い表したほうがいいか。深い闇の中、遠くから聞こえてきたのはそんな男の笑い声。そして徐々に、だが確実に自分へ迫ってきているとわかる足音。
だが少女は動かす足を決して止めることはしない。ここで止めてしまったのなら、それはすなわち自分の死を意味するからである。
だからこそ少女は懸命に森の中を駆けるのだが
「ゔゔゔゔゔ……」
「ゔぉおぉぉおおぉ……」
低く、まるで知能を持たない獣のような唸り声とともに少女の前に複数の人影が姿を現す。
道を塞がれたことで少女は走る足を止め、眼前の影を睨みつける。
「グールッ!」
体が石のように罅割れ、灰色の鬼のような姿をした異形へ少女はそう言い右手を前にかざす。すると少女の右手に淡い白の光が収束していき
「はぁあああっ!」
少女の掛け声とともに右手から放たれる光。その光はグールと呼ばれた灰色の異形達へと向かい直撃、眩い光がグール達を包む。
「ヴォォ!?」
光に包まれたグール達はそのまま霧散するように消えていく。道が開けたことで再び走り出そうとした少女だったが
「──っッ!? ゴホッ、ガハッ……はぁっ、はぁっ……」
突如動機が激しくなり、少女は胸を押さえ苦しみ始める。肩は激しく上下し、右手に集めた光もすでに消滅している。
「魔力、が……足りな、い」
胸を押さえ、激しくなる動機を落ち着かせる少女。だが彼女にはそんな余裕などなかった……なぜなら
「よぉ、随分と苦しそうじゃねえか」
「──っ!」
背後から聞こえてきた声に少女は急いで振り返る。するとそこにいたのはヘビやトカゲといった爬虫類を思わせる頭部に、ゴツゴツとした手足には鋭い爪、そして背中から生える一対の翼を持った異形。
「ガー、ゴイル……っ!」
「よっ」
ガーゴイル、そう呼ばれた異形はヒラヒラと手を振り少女へと近づく。少女は逃げようとするも、まだ動悸が収まらず立ち上がることができなかった。
そして少女の眼前まで来たガーゴイルは、その鋭い爪を少女の首元へと持って行き低い声音で問う。
「さて、これで鬼ごっこも終わりってことだしよぉ。ちゃっちゃと吐いてもらおうか……賢者の石のありかをよ」
賢者の石。万物を金に変える、あるいは不老不死を手に入れることができると言われる秘宝中の秘宝。
その居場所を教えろと言われた少女は、ガーゴイルを睨みつけたまま
「嫌です」
一言だけ、ただそう言い拒否する。するとガーゴイルは首元に持って行っていた右手を引き──少女の腹を思いっきり殴りつける。
少女の体は宙を舞い、少し離れた地面へ体を叩きつける。
「優しくしているうちに言ったほうが身のためだぜ? 次はもっと加減が効かねぇかもしれねぇからよ」
「ガッ……カハッ、ゴホッ!」
腹部を押さえ苦悶の表情を浮かべる少女。そんな少女へガーゴイルはもう一度質問をする。
「もう一度聞くけどよ、賢者の石のありかはどこだ?」
「ハッ、ハッ……言い、ません」
少女の体はかなりの激痛が襲っているはずだ。だというのに少女の瞳に宿る強い意志は決して揺らぐことなく、まっすぐにガーゴイルを捉えている。
二度目、拒否されたガーゴイルはというと
「そうかよ……だったら正直に話すまでじわじわと
右手に石でできた身の丈ほどの斧を出現させ、ゆっくりと少女へ向かって歩き出す。
(言うもんか、絶対に……たとえ手足を
少女も心の内で覚悟を決める。そして再び少女の眼前に来たガーゴイルは、その巨大な斧を振り上げ
「まずは……その右足を叩っ斬ってやんよぉ!!」
少女のか細い右足へ躊躇なく振り下ろす──その直前
《チェイン・ナウ》
突如聞こえてきた低い機械的な声。すると少女の頭上を白い光の線が数本通過し、斧を振り下ろそうとしたガーゴイルを襲う。
「なっ!? グァアアアア!」
突然の攻撃に完全に虚をつかれたガーゴイルは、もろにその一撃をくらい後方へ吹き飛ぶ。
いったい何が、少女が痛みを我慢して体を起こすと、その瞳に映ったのは──全身を白いローブで包んだ仮面の人物だった。
「……無事か?」
「あ、はい! その……ありがとうございます」
仮面の下から聞こえてきたのは低い男の声。仮面の男は少女の元まで近づくと、
「どうやら魔力が尽きかけているようだな。少しだが、私が分けてやろう」
そう言うや否や、仮面の男は少女の右手に一つの指輪をはめる。そしてそのまま彼女の右手を自身の腹部、そこにあった黒い手形が施された機械的なベルトへと持っていくと
《プリーズ・ナウ》
先ほどの機械的な音で今度は別の言葉が流れる。かと思ったら、右手を通じて少女の中に何かが流れ込んできた。
「これは、魔力……?」
「……これで数日は大丈夫だろう」
男は少女の右手を腹部から離す。すると流れ込んできていた魔力の供給も止まり、少女は魔力が戻ったことにほっと安堵の息を吐く。
「テメェ、よくも
すると少し離れた場所で、斧を構えたガーゴイルが男へ向けて怒りの籠った声でそう告げる。そんなガーゴイルの言葉を無視し、仮面の男はローブの中からあるものを取り出し少女へと手渡す。
「……これは?」
少女が手渡されたものは男のとは少し違う、中央に白い手形の意匠が施された機械的なベルト。それと少女の右手にある指輪と同形状のものが九つ。
突然こんなものを手渡された少女は、疑問の視線を男へ向ける。
「……このベルトの適合者を見つけることだ。さすればお前の心強い味方となってくれるだろう」
「適合者? 味方?……それってどういう」
「他人を無視して話をしてんじゃねぇよ!!」
少女の言葉を遮り、声を荒げながら男へ斬りかかるガーゴイル。だが男は冷静に石の斧をいなし少女へ話を続ける。
「契約をしろ、ということだ」
「契約って、どうすればいいんですか!? それに、適合者なんてどうやって見つければ」
「おらおらおら、ごちゃごちゃとくっちゃべってる暇なんかねぇだろうが!!」
ガーゴイルは斧を振り回すが、仮面の男は左手一本でそれらを受け流しながら、右手に新たな指輪を装着し懐へと持っていく。
《エクスプロージョン・ナウ》
再び鳴り響く音声。そして男が右手でガーゴイルの腹部に掌底を喰らわせ、ガーゴイルは再び後方へ吹き飛ばされる……だけではなく
──ドォォオオオン!
吹き飛ばされたガーゴイルが突如、巨大な爆発に飲み込まれる。仮面の男は爆炎を一瞥し、少女へと顔を向けると
「願え。その程度の願いなら、容易に叶えてくれるだろう」
「でも……私はどこに行けばいいのか……。このがどこかすらも、私にはわからなくて」
「……右手を貸せ」
男の指示に従い、少女は再び右手を差し出す。すると男は少女の指にはめられた指輪を外し、今度は別の指輪を装着させる。
「いいか、何事も一人で解決しようとするな。助けを乞うことに引け目など感じないことだ」
そう言い、再び右手をベルトの手の部分へと当てる。
《テレポート──》
「っ! あ、あの!」
テレポート。その言葉を聞き、少女は慌てて男を呼び
「貴方は、いったい何者なんですか!? どうして私なんかを助けてくれたんですか!?」
「……私が誰かは言えない。それと助けたのはその方が都合が良かったから、ただそれだけだ」
淡々とした口調で話す男。だが少女はそれでも助けてくれた目の前の彼に向けて、精一杯の笑顔を浮かべ
「それでも、助けてくれてありがとうございました!」
《──ナウ》
少女の視界が徐々に光に包まれ、男の姿が消えていく。そして完全に光が視界を覆い尽くし、そこから数秒後。視界を覆っていた光の輝きが淡くなり、ついには完全に消え去る。すると少女が立っている場所は先ほどの森の中ではなく、建物に囲まれた街の中だった。
幸いなことに周りに人気がなかったので特に騒ぎになることはなく、少女は手に持ったベルトと指輪へ一度視線を落とし、それらをぎゅっと握りしめ
『──このベルトの適合者を見つけることだ』
『──契約をしろ、ということだ』
仮面の男の言葉を思い返す。いったいその言葉が何を意味しているのかはまだ分からないが、それでも彼の言葉を信じてみようと少女は歩き出す。
目指す先はベルトの契約者の元。そんな彼女の行く先を祝福するかのように、月明かりが優しくその道を照らす。
そして数日後、この少女の運命は大きく変わることとなる。
そしてそれは、ある一人の青年の戦いの始まりでもあった。
いかがだったでしょうか?
記念すべき初登場ライダーは白い魔法使いさんでしたー ワーパチパチー
次の話で早速主人公の変身!というところまでいけたらなと思っています。
できるなら戦闘まで……いけるかなぁ……。
では、次のお話もお楽しみに!
感想、評価はもちろん批評もお待ちしておりますのでドシドシ感想欄orメッセージでどうぞ!!