はい、初めまして皆さん。私、これまで生きてきて十数年、普通の人生ではありえない様な体験をしております。それは……
「なっ!? なんじゃこらーーー!?」
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ! 俺は部屋で寝て、起きたと思ったら知らない場所にいて(しかも屋外。その上砂漠)体が縮んでいた! な、何を言っているのわからねえと思うが俺も何をされたのかわからねえ。催眠術とか拉致とかそんなちゃちなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味あわされているぜ!
というか本当に何が起こったんだ!? あれか! 拉致られて年齢が下がる薬でも盛られたか?
と、とととにかく落ち着くんだ! 日本国民はうろたえない! まずは周りを見てみよう。うん。あたり一面砂砂砂。俺の下にある木の板と、近くにある小さな箱。
「えっと……鍵はないな。中身は……っと」
箱を開けてみる。
「何だこれ? 変な模様の……梨?」
箱の中には黒い……唐草模様っていうのかな? そんな模様が入った梨だ。……あれ? 模様の入った果物? これってまさか悪魔の実か?
「ってまさかねー。現実にあるわけないし。それにしても良く出来た模様だな」
さて、箱の中身は悪魔の実に似た梨しか無かった。俺が何でこの状況になっているかの説明とかはなかった。というか背が低くなった上に砂漠のど真ん中に放置って明らかに殺しにかかってるよね? でも梨があるから完全に殺そうとしている訳じゃなくて遊びも入ってるな。カイジ的な感じで金持ちに一般人の慌てふためく所を見て楽しむって感じかな?
「うーん……考えていても始まらないよな。そういう意図があって俺をここに置いたなら助けとか人が通る場所とは考えられないし……とりあえず歩いてみるか」
方向を適当に決めて歩き出す。
そして……
「もう……だめだ」
俺はほぼ死にかけていた。そりゃあそうだろうな。適当に歩き続けてもう一週間。その間、何も食べていない。子供の体でカロリーの消費が少ないからか今の今まで大丈夫だったけど……もう、限界だ。これ以上は拙いって体が訴えている。こんな事もあろうかと俺が起きた場所に置いてあった梨を箱ごと持ってきていて良かった。
傷んできたら食べようと思ってたんだけどこの梨。一週間経っても腐ってすらいない。不思議にも程があるけど今の俺には都合が良い。俺は箱を開けて梨を……食べた。
「う……うぉえ! まずっ!」
不味い。不味すぎる! 悪魔の実に似ている模様をつけたからって味まで再現するなんて。
何とか吐き出さずに飲み込む。一口、二口、そして全てを食べつくした。
「うぷっ……き、気持ち悪い。…………………は……はは。もうだめだ。……う、ひっく」
子供だからか感情が制御できない。目から涙が溢れ出してくる。悲しくて、情けなさ過ぎて、惨めで俺は座り込んでしまう。そしてその感情は叫び声となって口からあふれ出た。
「う、うわあああああああああん! いやだああああああああ!」
叫んだ次の瞬間、俺の立っていた砂が爆発した。
「かふっ!?」
あまり強くない衝撃だったが、梨以外を食べていなかったから体力が減っていた事もあって俺はそれだけで気絶してしまった。
ここはアラバスタ王国首都。アルバーナ宮殿。
「ふむ。ぎょうは……ゴホン。マーマーマ~~。今日は良い日ですな。午前から何も起こっておりません。このまま今日の仕事を終わらせたいですな」
アラバスタ王国護衛隊長であるイガラムは隣にいるアラバスタ国王、ネフェルタリ・コブラに話しかける。
「うむ。そうだな。イガラムよ」
コブラ王もイガラムの言葉に頷き、外を見る。アラバスタ王国特有の雲ひとつ無い青空が広がっていた。
確かにイガラムの言うとおり今日も良き日だ。
コブラ王がそう思ったその時だった。
「う、うわあああああああああん! いやだああああああああ!」
とんでもなく大きな子供の泣き声と爆発音だった。
「何事か!」
コブラ王が周りの兵士に聞く。アルバーナ中に響き渡る大声は明らかに異常だ。報告はすぐに来た。
「報告します! 正体不明の大声は首都、南西の方角から発生された模様! 同じく正体不明の爆発も同じ方向から上がりそれに伴い、巨大な砂の柱が発生したという目撃情報がありました! 報告は以上です!」
「なら……マーマーマー。ならばまずは砂の柱が発生した場所を中心に探せ。声の主が近くにいる可能性がある。危険かも知れん。注意して探すのだ!」
イガラムの指示ですぐに捜索隊が出される。程なくして砂の柱が発生したと思われる場所で子供が倒れているのが見つかったのだった。
数日後
「ん……んぅ?」
「おお、目を覚ましたか」
目を覚ましたらおっさんの顔が目の前にあった。
「うわっ!?」
いきなりだったから驚いても仕方がないと思うんだ。
「人の顔を見て驚くのは酷くないかね?」
「すみません。寝起きだったもので。というかここはどこですか?」
確か俺は砂漠にいたはずだけど。ここはエジプトとかの宮殿みたいな場所だ。
「ここか? ここはアルバーナ宮殿だが?」
「アルバーナ?」
聞いたことがある気がするんだけど何処だったっけ? 駄目だ。わからない。それに外国なら日本語が通じるのもおかしいよな。この人が日本通ならおかしくはない……のかな?もう少し話を聞いてみよう。
「えっと、アルバーナっていう国は聞いたことがないんですけど」
「む? アルバーナは国ではないよ。君はこの国の国民ではないのかね?」
アルバーナって国じゃないのか。
「いいえ。俺の生まれの国は日本です」
「ニホン……聞いたことがないな」
「え?」
いやいや、そんなはずないだろ。おっさん日本語しゃべってるじゃん!
「ふむ。君は我が国の民ではないのか。ならばどうして砂漠に倒れていたのかね?」
「いえ、俺にもわかりません。いつの間にかあそこにいたんです」
「そうか」
そう言うとおっさんは黙ってしまった。そういえばここは何処なんだろう? アルバーナは地名みたいだし。
俺が国の名前を聞こうとした瞬間にこの部屋に誰かが入ってきた。
「王よ! 勝手に行動しないでくださいとあれほど申し上げたではないですか!」
その人物は長い横ロールさせた髪をいっぱいつけたおっさんだった。
「うぉ!? イガラムそっくりのおっさんが!?」
ワンピースのイガラムのイメージぴったりのおっさんがそこにいた。
「む?イガラムの事を知っているのかね?」
「なぁ!? この人、イガラムって言うの!?」
というかこのおっさんもよくよく見ればビビのお父さんのコブラ王にそっくりだ!
「あ、あのーもしかしてビビって言う娘さんいません?」
「ビビの事も知ってるのか」
コブラ王に似た人は驚いている。
「あの、そういえばあなたはどなたですか?」
「私か? 私はネフェルタリ・コブラ。このあらバスタ王国の国王だよ」
は、ははは……
「なんじゃそらああああああ!?」
はじめまして。頑張って皆様を楽しませる小説を書きます!
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