ポケットモンスター The Rebellion of fate 作:天羽々矢
こうしてアルトは凶悪犯として捕まり、アルトは自分から大切な物を奪った者、シグレことユリウス・シックザールに復讐する事を誓った。
いつか必ずユリウスを捜しだす。そう決めたアルトは囚われた牢獄の中で、ただひたすらに自分を鍛えた。
妹を、そして自分の全てを奪った存在、ユリウスを殺す為に。
エヴァン地方と呼ばれるこの地の、更に絶海に位置する孤島に設けられた特別監獄。
囚人達からは「監獄島オルディン」と呼ばれているこの島に1つの透明な影があった。
それは戦闘機に似た姿、ラティアスだ。
彼女は1年前、ある男のボーマンダに連れて行かれたナオトを今でもずっと捜していたのだ。
「クゥゥ・・・」
悲しげな声で鳴きながら、島の周囲を飛び回るラティアス。
「クゥ?」
その中で1つ目に入った物がありラティアスが止まる。
「フッ!」
その中にいたのは、自分が捜していたアルトその人だった。
しかし今のアルトの瞳には光が感じられなく、右手には壁の石を削って作ったナイフが握られており、それを突きや斬りつけといった動作で振る。
「クゥゥ・・・」
ラティアスはナオトに声をかけたかったが、牢獄の外からでは声も届かない。
そこでラティアスは島の表側に周り出入り口を探す事にした。
「ぐっ・・・!」
鍛練による疲労からかアルトは身体をふらつかせその場に座り込む。
この1年、彼は無理に自分を痛めつけてきた為に疲労はピークに達していたのだ。
そのまま床に寝転び眠りに就く。
「・・・?」
突然外に気配を感じ、目を覚ましたアルトは牢獄の外を見る。
そこにいたのは、淡い茶色のグラデーションがかった赤茶色のウェーブしたロングヘア。紫色の瞳でモデルのような整った顔立ち。そして赤いブレザー型制服風の衣服。
その姿を、アルトは見間違えるはずもない。
「・・・ヨゾラ・・・!?」
まさかの人物の登場にアルトは驚きを隠せない。
1年前にユリウスが連れていったアルトの妹、ヨゾラだ。
「どうして・・・」
「っ・・・!」
するとヨゾラは涙を流しながらアルトに抱き付いた。
その身体は震えていた。
しかしそのおかげか、アルトには分かった。
「・・・ラティアス?」
アルトの問いにヨゾラ・・・と瓜二つの姿の少女は顔を上げ頷く。
「どうしてここが・・・」
アルトが何故自分の居場所が分かったのかラティアスに聞くが、ラティアスは牢獄の窓の方を見る。
それでアルトは理解した。ラティアスは地方中を飛び回り、自分を捜してこの窓から自分を見つけたのだと。
「キャモ!」
「カフ!」
突然足元から鳴き声が聞こえた。
足元を見ると、そこにはアルトのポケモンであるキモリとフカマルがいた。そしてキモリは鍵を持っている。
「・・・お前達・・・」
「キャモキャモ!」
キモリが牢獄の格子に登り、持っていた鍵を使い牢獄を開ける。
そしてアルトは牢を開け外に出る。
「キャモ・・・」
「カフ・・・」
キモリとフカマルは主人であるアルトに近寄る。
するとアルトはヨゾラの姿をしているラティアスに目を向け、
「・・・ラティアス、お前は帰れ」
「っ・・・!?」
アルトの冷たい声にラティアスは一瞬も震える、すぐにアルトに抱き付き拒否の意を示す。
「帰れっ!!」
遂にアルトは怒鳴り、その剣幕にラティアスはたじろいでしまう。
少ししてアルトは落ち着きを取り戻し、
「悪い・・・」
ラティアスに謝る。しかしアルトが厳しい態度を取るのには理由があった。
「・・・お前が来る必要は無い。俺はあの男を・・・ユリウスを殺す」
冷たく言うアルトに、ラティアスはポケモンの姿に戻り、
「クゥゥ・・・」
悲しげな声と涙を流し、ゆっくりとアルトから離れていく。
アルトもラティアスに背を向け歩き出し、キモリとフカマルは主人についていく。
そしてラティアスはその場で消えていく。
アルトは自分の復讐の為にラティアスを巻き込みたくなかったのか、はたまた単に邪魔になるからだったのか、その真意は彼にしか分からない。
その様子を見たアルトは歩みを進める。
「ワゥ・・・」
「キャモ」
突然後ろから鳴き声が聞こえ、アルトは後ろを向く。
そこにいたのは犬のような青いポケモン、リオルだ。
どういう訳かリオルはキモリについてきている。
そしてアルトに対し警戒心かそれと怯えているのか身構えている。
「・・・」
アルトは特に気にする素振りを見せず、そのまま歩いていき、キモリとフカマル、
「ワォゥ!」
そして何故かリオルもついて行く。
OP:oath sign/LiSA
ぼちぼち続いています。
それとキャラ募集も活動報告の方で続いていますので、そちらの方もご確認してもらえると嬉しいです。