思いつきのネタを書いていくかもしれない集(予定)   作:カラナシ

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お久しぶりです。

マスター陣営にいるだろうなーって人の中で絶対いるイメージ。
実はプロット内でこんな出てなかった(小声)




野良さば。狂王編〜人生いろいろ〜

 

 

……問答とは言っていた。

問答とは言った。が。

 

 

「して、少し気になっていた事があってな……いやなに、その鎧はカラクリなのかと聞きたいのよ。それとも意思で動かしているのだろうか?」

 

「………それを教える意味は無ェな」

 

「ふむ、たしかに。しかしまあ、興味本位よ。問題が無ければ聞いてみたい………いやまて、失礼した。鎧ではなくその身に生じた部類だろうか? それならば……」

 

「………魔力で動くだけだ」

 

「おお、なるほど」

 

 

……かれこれ多分によくわからん時間を過ごしている気がする。

 

これは何の意に反していないのか口も不具合が起きん。

なんとなく起きていいのに、と思考が過ぎたのは久々に名残が出たなと新鮮に感じた気がする。

……いや、やはり俺自身の意に反しているともとれるか。

 

そう思考が惰性に流れるくらいにはだらりとした時間を過ごした。

 

一言二言話したと思ったらあの俺のベースであろう彼、キャスターは何故か野営地へ足を向けた。

いくつかテントを隔てた先。少し開けた俺の居る結界の場よりも明かりの増える兵の休む場所。

こちらを意識する事こそ切れてはいないが、今はそこらの兵士と何か喋り……………いやもはや宴に参加している。

焚き火を囲んで雑談に興じ、盃すら交わして。

視線も切って兵と笑みを交わして声を上げて。

 

この意味もわからない空間に引き釣りこまれたのだから、いい加減ここから離れたく思ってきているんだが………──。

 

…………いや、待て。

 

宴?

 

おかしい。そう見えた事が妙ではないか?

宴は、何か祝い事が起きていなければいけない事が行われていなければおかしい。

それくらい盛り上がる、とはまた違う。

ちらりと見える兵士の手元の食べ物に目を凝らせば、保存したものとはいえ種類が多く。

大盤振る舞いにも感じ、いやそれはまさしく、ならば祝うような物が齎され──それは唐突だった。

 

視線を移した。

強制的にではなく、恐らく本能で。

 

 

「─サーヴァント、とはまこと奇怪なものよな」

 

 

ふと溢れたような声音。しかしその目の奥は。

気配は変わらない、つまり最初からこの自然体と思っていた空気は。

 

 

「なにやら望みがあると言う、無いが存在する理由がある、ただ引きずり出された──」

 

 

笑みも混じる声、吊り上がる口元。

風が吹き、紫の髪が靡く。

少し伏せれば顔も隠れる。

散った枯葉を踏む音、薄く碧に照らされる裾。

薄らとしか見えない足元に、少し屈んでいる事に気づいた。

 

 

「理由は様々にして、この世に顕界する。英霊として座す、或いは至った者達。──俺はその限りでは無かったが」

 

 

肩が密やかに上下する。目を伏せ、笑っているが……鞘に収まらないその刀の反射が目を焼く。

 

 

「降り立ち戦う事をこそ目的に立つのは俺だけでは無い。しかし、その根底は千差万別よ」

 

 

まるで笑むように目を細め、上がりきるのを抑えた頰。

 

 

「佐々木小次郎として立つ俺は、此度マスターと共に立つ事で満足している。しかし、お前はどうだ?」

 

 

人間の笑顔は、動物の威嚇が起源だという。

この男の表情は。

 

 

「それを聞いててめえの利益にでもなるのか?」

 

「いいや? 別にそんなものは無い、ただの興味よ………しかし、なにせ玄人に見えて素人……いやむしろ素人よりも酷い物に見えるが故に、気になってしまったのよ」

 

「…………何が言いたい」

 

「槍を振るうお前に戦意も殺意も、いや意志を感じなかった。理由を知れない槍を振るうは何故か?」

 

「……………」

 

「戦う為に呼ばれたとするにしても、あまりに()()()()()()と感じた。お前の真意は何処か、とな?」

 

 

笑顔にも見える顔のまま、ひたりとこちらを見据える。

射竦めるようにも感じたのか、反射の様に自分の体が薄ら熱を発する。

同時に、思考が内に僅か沈んだ。

 

真意。……理由。

 

理由なんざ必要無え。

 

……そう言おうとした。が、何故だか口に出す気が失せる。

その言葉を本気にしていない自分に気づいた。

しかし、意志だと評したソレを俺は持っていない事に……何故なにも思わなかった?

それはこの身に必要不可欠のはずだ。

そんな機械では無いのは、自分がよく知っている。……はずだった、ろうに。

 

決定的な違い。

彼になれない理由。

──終わりに向けて槍を振るっていない。

では何の為に?

 

 

─────刹那、三歩後ろに跳ぶ。

 

 

「………はて、もう少しのように思えたが……踏み込みが足りなかったか」

 

 

先程のように飄々とした口振り。

木々で遮られたか、けぶる程では無くなった埃を伴った空気。

その風に吹かれて少し舞う紫の髪と袴。

同色の眼は、ひたりとこちらを見据えている。

穴が開いたとて射し込む月明かりに煌めいたのはどちらか。

口振りとは違い、振り抜かれた刃と同じく鋭かった。

 

眼の端。

被っているフードの端に薄らと綻びを見つける。

後ろに下がらなかったら、丁度恐らく───

 

 

「語り合いよりも此方の方が、饒舌であろう?」

 

「──────────。」

 

 

嗚呼、そうだなこれは──

気を抜いていた……いや、何故だか俺は()()()()()()らしい。

 

 

槍を軽く握り直す。ギチリ、皮が音を立てる。

 

 

ボヤけてきた記憶。同時に脳までボヤけたか?

そうだ、他愛ない雑談。

つまりは間合いの探り合い。

 

そう。

だからこそ、彼等は俺を蚊帳の外に置いた。

手慰みに結界なんぞを置いて回れるくらいに。

 

──此奴は()()だ。

 

 

「さて、マスターに言われたのだ」

 

 

言葉を切り、笑みを深める。

 

 

「味方では無いけれど、だからといって敵じゃないんでしょ? ──と、な。たしかに、何も確定していない段階ではあった、が。いやあ思い切りの良いマスターよな!」

 

 

快活に笑い、そして刀に手を添える。

薄い笑みを携えて、視線がこちらを貫いた。

 

 

「故に─果たし合いでなく、手合わせとしよう」

 

 

藁と石の擦れる音と、皮の擦れる音は同時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

剣を捌くなんて芸当、出来るはずも無い。

 

数十・数百にも至るであろう交差を経て、体の傷をこそ無いが。

修復もしないでいた身に纏う衣服の綻びは十を超えて余りある。

 

これだけ剣の閃く気配と土を踏み壊す音が響くのにも関わらず、明かりの下からの視線はほぼ感じない。

少しだけ空いた隙間に目をやれば、赤い視線を感じ得る。──少しだけフードが深く切られた事で眼前の男以外を意識的に遠ざけた。

 

 

先程から服は綻ぶ程度にかすめる事はあっても、刀を避ける事は出来ている。

ギリギリとしか言い様がないが。

この身体の動体視力と反射神経を使って、見てから避ける──力任せ極まりない。

佐々木小次郎、たしかスキルになった程の技の持ち主ならば剣筋を予測するのはまず不可能だろう。

 

……ならば、この場は()()()()()()()()とした。

 

槍を払う。突く。そらされる。火花は無い。こんだけの速度同士で摩擦が起きないなら刃が触れたのは一瞬か。

加えて他には無いあの長さを持つ日本の刀。

こうして考える間も足や手指を狙う閃光のように煌めく太刀筋。

叩き斬る西洋とは違う、薄いしなやかさ。

耐久には宝具に劣るただの武器。突くならばソコだ。

 

しかし、それを許さぬ技巧。

足を反らす。

まだ考える余裕があるのでは無く。

首を曲げ、体を外へ。

考えられる程度に抑えられている。

手首を捻り、槍を合わせる様に回す。

命は取らずあくまで手合わせという様式。……多少、それすら外れている気もするが。

腕を見るというより、思考を読もうとしている。

 

何度見ても、避けても新鮮だと感じる事がこんなにも。

 

こんなにも、───、──?

 

 

「───如何した」

 

 

跳び退いた。

あくまで手合わせだった故に、あえて距離を今まで離し切らなかった分を越えた。

退く寸前、思考を読むように刀を下げた英霊、を見るよりも先に

自身の内心に気を取られた。

 

俺は何を思った?

──何も思わなかった。

こんだけ戦っても?

何も思わなかった。

 

 

──何も思わなかった事に気づいた。

 

 

それは英霊の霊基だとしても、魂の元の人間だとしても()()()()()()()だろう。

 

楽しい、嬉しい、悲しい、怖い、何でも良かった。

腕試しでしかなかった。

表に感情を出さないのは戦士としても別に問題はない。

裏でも感情が出ないのは、おかしい。

まるで何かに封じ─────。

 

 

─否、どうでもいい。

 

─どうでもいい事だ。

 

─ただ槍を奮えば。

 

─それ以外はどうでもいい。

 

 

事あるごとに過ぎる思考。

槍を奮い戦う事。

──先程それが目的でないと、認めたのは自身であったはずなのに。

端から疑問が解け消える。しかしそれは、答えを見出したからではない。

 

……森へ、体を向ける。

 

 

「……どうやら仕切り直しともならぬようだ」

 

「野暮用だ」

 

「ふむ、そうか。まあ、マスターを見かけたら伝えよう」

 

 

──調べなければ、ならない事が増えた。

 

余韻の熱を回し、結界の先へ跳んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

似た者同士のような、そうでないような。

やれやれ不可思議な事もまだまだあると見える、笑いながら嘯く亡霊が一人。

もう一人居た空間を一瞥し、高く結った髪を翻して仕える主人の元へと歩く。

 

──前に。

 

 

「ん? おお、如何した」

 

 

足を止める。

人の散見する中、ふと人影が絶えたテントの合間。溶け出る様に現れる緑。

 

 

「いかがしたって、そりゃちょっとした野暮用ですよォ」

 

 

そう言いつつ、右手の弓を畳む。

その様子に心得たとばかりに、小次郎はふっと笑みをたたえた。

 

 

「そう構えずとも、アレは今は敵にはならんさ」

 

「随分と肩を持つようだが、なんか確証でも?」

 

「なに、マスターからの頼みだというのもあるが……どこぞであの男とは違う彼奴といささか()()した覚えがあった」

 

「ほーぉ?」

 

 

誰かが去った森の箇所を見やりながら、腰に手を当てる緑の影。

未だ賑やかな様子の焚き火の周囲を見やりながら、信用されなくても構わない様子で小次郎は自身の心証を口に出す。

 

 

「敵対したらば即刻刈り取るが彼奴よ、わざわざ何度も好機を逃してまで離れるとは思えん」

 

「……まあ、マスターの治療もしてはいたがねぇ……」

 

 

フードの中に手を突っ込む動きでフードが下される。ガリガリ、と頭をかくのはロビンフッドと呼ばれる青年だった。

 

 

「そういう戦法と言われたら某にはもうわからぬがな」

 

「おい」

 

 

途端、対面するアサシン─佐々木小次郎は相好を崩す。

 

 

「まあ拙者? なにぶん身分が身分であったゆえにぃ? 門外漢であるからしてぇ! 間違っていたらごめんでござるぅ!」

 

「そこでぶん投げんのやめてくれませんかねえ!!?」

 

 

はっはっは! という笑い声と

おたく本当にさぁ!? という叫びが響く。

どこかで肩をすくめたドルイドがいたとか、いなかったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






今回見逃してくれたようですが。
勿論彼ら、マスターに危機が及べば容赦なく主人公切り捨て(物理)に来ます。
主人公にその気が無い(?)のでお目こぼし。
敵方が情報取りに来たにしては杜撰と判断したってことでどうかひとつ。

とりあえずfgoのレア度の基準は何なのか誰か教えてくれ切実に。運営のさじ加減とか言わずに。
低レアの魔境頼もしコワイ

ちなみに後でマスターとマルタ姐さんによるお話(物理含む)が待っています。ゲーム目線だとマルタサポ鯖枠で小次郎ロビンと第一線、最終戦でキャスニキな感じの。





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