魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー 作:ダラケー
?「………?」
その男の子が目を覚ますとベッドの上に寝かされていた。
?「ここ…どこ…?」
起き上がって周囲を見回した。
服は入院服のような服を着せられていた。
?「気が付いた?」
?「?」
声を聞いてその方向を見るとそこには短い金髪の髪、白衣の下には茶色い制服のようなのを着た女性がいた。
シャマル「あ、私はシャマル。時空管理局の医師よ」
?「かんり…きょく…?」
小さいがはっきりとした発音で言うと男の子は首を傾げた。
シャマル「そうよ。それで君は自分の名前、分かる?」
?「なまえ?」
自分の名前が分からないのか男の子は再度首を傾げた。
シャマル「分からないの?」
首を傾げた男の子がシャマルは聞くとコクリと頷いた。
シャマル「そう…じゃあ、ご両親とか家族とか分かる?」
自身の名前が分からなくても、家族がいないかと聞くが、男の子は首を横に降った。
シャマル「……」
首を横に降った男の子を見て、シャマルの中で、ある確信が過った。
シャマル「そっか。ごめんなさいね、変な質問して」
名前も分からず、家族もいない男の子にシャマルは優しく言う。
シャマル「それじゃあ、質問も終わったし…」
男の子からある程度聞いたシャマルは隣のベッドに置いてある金属のプレートからあるものを取り出した。
シャマル「少し痛いけど、我慢してね?」
笑顔で取り出した【注射器】を取り出して男の子に言う。
男の子「ひっ!?」
そんなシャマルを見て、男の子は怯えてしまっていた。
数時間後のシグナムは本局の病棟に来ていた。
理由はシグナム自身が出会ったあの男の子に会うためだ。
男の子がいる病室まで来た時、中から声が聞こえた。
シャマル『ちょっと、大人しくして!』
慌てるシャマルの声。
男の子『やー!!』
嫌がる男の子の声もした。
シャマル『直ぐに済むから、ね?』
男の子『やー!!』
シャマル『え、ちょっ…痛い、痛い!!』
2人の声から何があったのか大体分かったシグナムはため息を吐きながらも病室のドアを開けた。
ドアを開けたのと同時に男の子が飛んで来てシグナムに抱くとブルブルと小動物のように震えていた。
シャマル「あ、良かった。シグナム、その子を押さえてて」
髪はぐちゃぐちゃになり、白衣はシワだらけで右手に中身が空の注射器を持ったシャマルがシグナムにそう言った。
どうやら採血の為の注射のようだが男の子は恐がって逃げていたようだ。
シグナム「その前にその凶器を降ろせ」
シャマル「え?凶器?」
シグナム「この子は注射に怯えているんだ。早く隠せ」
シャマル「え?あ…」
シグナムに言われて気付いたシャマルは注射器を近くのベッドの中に隠した。
シャマル「ほ、ほら恐いの無くなったよ~」
男の子「やー!!」
シャマル「えぇ!?」
何もないアピールをするシャマルだが、恐がる男の子にショックを受けてしまう。
どうやら男の子の中で、シャマル=恐い人のイメージになってしまったようだ。
シグナム「医者が嫌われてどうする…」
シャマル「面目ないわ…」
怖がられてしまい完全に落ち込むシャマルにシグナムは呆れていた。
その後、男の子の採血はシグナムに抱きついたまま行われた。
採血が済むと男の子はシグナムに抱きついたまま眠ってしまった。
シグナムに抱き着いて、安心したのか、恐怖で張り詰めた緊張の糸が緩んでしまったのだろう。
シャマル「はぁ…注射器1本で嫌われるなんて…」
シグナム「致し方なかろう。注射器を持って笑顔で追いかけてくれば、誰だって怖いものだ」
眠っている男の子はシグナムから離れようとしないためにベッドに腰かけて言う。
シャマル「そうよね。とりあえず貴女が言っていた通りならこの子は実験体の可能性があるわ」
男の子のことは調査チーム内だけでしか知られていないがシャマルには報告が来ている。
シグナム「あぁ…だが子供の姿をしている実験体などいるのか?」
シャマル「さぁ…でも、この子についているレジスターや名前や家族がいないことを含めると、この子は実験体としか言いようがないわ」
男の子の左腕に嵌められている腕輪【アマゾンズレジスター】とさっきまでの会話、そして採取した血の入った容器を見ながらシャマルは言う。
シグナム「期待しているぞ。シャマル」
シャマル「えぇ。任せて!」
期待されて、シャマル意気込むのであった。