魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー 作:ダラケー
ツバメアマゾンにより拐われてしまい、食われそうになった女の子を助けたが雄の個体により大ダメージを負わされて動けなくなり、危機陥るリュイ。
ツバメアマゾン(雄)「覚悟しろ、クソガキ!」
一歩、また一歩とツバメアマゾン(雄)はリュイに接近する。
リュイ「う…く…」
何とか立ち上がろうとするリュイだがダメージ大きく上手く起き上がれなかった。
ツバメアマゾン(雄)「こいつは俺が始末する。お前は他のエサを追いかけろ!」
ツバメアマゾン(雌)「分かったわ」
雄の個体に言われて、リュイにタックルされた雌の個体は起き上がるとツバメアマゾン(雄)より小さい姿をしたアマゾン【ツバメアマゾン(雌)】になり、逃げた子供たちを追いかけ始めた。
ツバメアマゾン(雄)「死ねえぇーーーーーーーーーッ!!」
ツバメアマゾン(雄)の爪が迫り、リュイは目を瞑る。
その時だ。
"ガキイィィィィーーーーーーーーーン"という金属がぶつかる音が響き渡った。
リュイ「?」
何が起きたのかと目を開けると、そこには見慣れた女性【シグナム】がいた。
シグナムがレーヴァテインでツバメアマゾン(雄)の爪を防ぎ、リュイを守っていたのだ。
ツバメアマゾン(雄)「なに!?」
シグナム「私の…私の子供に手を出すなぁ!!」
ツバメアマゾン(雄)「ぐあっ!?」
シグナムは気迫と力でツバメアマゾン(雄)を弾き飛ばした。
リュイ「しぐ…まま……」
シグナムを見てリュイは嬉しくなって叫ぶ(周りからは叫んでないけど本人は叫んでいるつもり)。
シグナム「すまない、リュイ。遅くなった」
リュイに駆け寄り、姿勢を低くして自身に引き寄せた。
ツバメアマゾン(雄)「この…人間がぁ!!」
弾き飛ばされたツバメアマゾン(雄)は立ち上がり怒りの声を上げる。
ツバメアマゾン(雌)「大変だよ、管理局が家を…」
子供達を追いかけに向かったツバメアマゾン(雌)が慌てた様子で戻って来た。
ツバメアマゾン(雄)「んなこと分かってるんだよ!」
雌の個体に言われて、雄の個体は八つ当たりぎみに言う。
シグナム「リュイ、今だ!」
雄の個体が雌の個体に八つ当たりしている隙にシグナムはリュイを縛る縄をレーヴァテインで切る。
リュイ「うん…!」
縄を切ってもらったリュイは立ち上がってアマゾンズドライバーを出現させた。
【
リュイ「あまぞん……」
【
ガンマ「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
変身したガンマは雄叫びを上げる。
ツバメアマゾン(雄・雌)「「!?」」
リュイが変身したのを見てツバメアマゾン(雄・雌)は驚く。
ガンマ「よくも…みんは…こわがらせた…ゆる…さない…!!」
珍しく怒るガンマの拳に力が入る。
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
怒れるガンマがツバメアマゾン(雄・雌)に向かう。
ツバメアマゾン(雄)「殺るぞ!」
ツバメアマゾン(雌)「分かってるわ!」
雄に言われて雌もアマゾン化する。
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
雌もアマゾン化してガンマはバトラーグリップを引き抜く。
《バイオレント・ブレイク!》
バトラーグリップから引き抜かれたのはアマゾンスピアで、横にして突撃する。
アマゾンスピアはツバメアマゾン(雄・雌)の体を捉える。
瞬間、家の窓が破壊されてガンマとアマゾンスピアに体をとられたツバメアマゾン(雄・雌)が飛び出してきた。
空中に出てガンマはアマゾンズスピアを持ち直した。
ガンマ「!!」
持ち直したアマゾンズスピアでツバメアマゾン(雄・雌)を殴り飛ばす。
ツバメアマゾン(雄・雌)「「がは!!」」
殴られたツバメアマゾン(雄・雌)の2体は地面に叩き付けられた。
ガンマ「!!」
降下は始まっているがまだ空中にいるガンマはアマゾンズスピアを片手で持ち換えるとやり投げのようにツバメアマゾン(雄・雌)に向かって投げた。
ツバメアマゾン(雄)「このっ!!」
向かってくるアマゾンズスピアを見てツバメアマゾン(雄)はツバメアマゾン(雌)を掴んで引っ張ると自身の前に出した。
ツバメアマゾン(雌)「!?」
ツバメアマゾン(雄)に引っ張られて前に出されたツバメアマゾン(雌)は驚いていると背中にアマゾンズスピアが突き刺さった。
ツバメアマゾン(雌)「あ、アンタ…な、なん…で……」
盾にされたことにツバメアマゾン(雌)は戸惑いながら聞くも体がドロドロになり、黒い液体となって消滅してしまった。
ツバメアマゾン(雄)「悪く思うなよ。俺だって死にたくねぇんだからな」
消滅したツバメアマゾン(雌)にそう言ってツバメアマゾン(雄)は立ち上がって逃げようとする。
が、自身の目の前に"ドスン"と何者か―ガンマが着地してきた。
ガンマ「おまえ…なんで…かぞく…のはず…なのに……」
雌を盾にしたのを見てガンマは聞く。
ツバメアマゾン(雄)「家族?俺たちはアマゾンだぞ?人間の真似をしていただけにすぎねぇよ。ヤバくなったら利用するだけ利用して使えなくなったら捨て駒にでもするさ」
ガンマ「おまえぇ……」
ツバメアマゾン(雄)の答えにガンマ憤り、握り拳に力が入る。
ツバメアマゾン(雄)「怒るなら逆に聞くが、お前は何で人間の味方をする?」
ガンマ「え?」
ツバメアマゾン(雄)「人間は俺たちアマゾンより弱いクセに狡賢い。お前も利用されるだけ利用されて用済みになったら殺されるに決まってる」
ガンマ「そんなの…ちが…」
ツバメアマゾン(雄)「なぜ違うと言い切れる?お前は知っているんじゃないのか?人間は姿形が違うだけで忌み嫌う。俺たちアマゾンのようにな」
ガンマ「………」
ツバメアマゾン(雄)に言われてガンマは何も答えられなかった。
事実、ガンマは…リュイはカニアマゾンのレストランにて管理局員たちの目を見てしまったからだ。
その目はあの場にいたリュイを含む全てのアマゾンをまるで汚物か何かを見るような目と異形であるアマゾンを軽蔑と恐れる目だからだ。
ツバメアマゾン(雄)「人間なんざ、
ガンマ「!?、がはっ!!」
一瞬の隙を突かれてガンマはツバメアマゾン(雄)に蹴り飛ばされた。
ツバメアマゾン(雄)「シェラッ!!」
蹴り飛ばしたガンマにツバメアマゾン(雄)は羽を飛ばしてくる。
ガンマ「がっ!!」
ツバメアマゾン(雄)の羽が体に刺さり怯む。
ツバメアマゾン(雄)「止めだ!!」
怯んだガンマを見てツバメアマゾン(雄)は飛び掛かり、爪を伸ばして構えると、爪をガンマに突き刺そうと跳躍する。
ガンマ「グゥ!ウガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
迫りくるツバメアマゾン(雄)にガンマはアクセラーグリップを捻る。
《バイオレント・パニッシュ!!》
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ツバメアマゾン(雄)「なに!?」
ガンマの攻撃に驚きながらも爪をガンマに向けて突くが姿勢を低くされて当たらなかった。
そしてガンマの攻撃に反応できなかったツバメアマゾン(雄)は胴を大型化されたアームカッターで両断された。
ツバメアマゾン(雄)「ギイィィィィヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
胴を両断されてツバメアマゾン(雄)の悲鳴が響く。
ガンマ「………」
ツバメアマゾン(雄)を両断してアームカッターも元の大きさに戻るとガンマはある方向に歩いていく。
その先にいるのは両断されたツバメアマゾン(雄)だった。
ツバメアマゾン(雄)「これで…勝ったと…思う…なよ…」
まだ息があるが途絶え途絶えに言うツバメアマゾン(雄)
ツバメアマゾン(雄)「必ず…人間は…お前を…裏…切る…今は…家族…と言っても…いずれは…お前も…俺たちの…ように…殺されるのさ…」
不適に笑いながら続ける。
ツバメアマゾン(雄)「先に…地獄…で…まって…る…ぞ……………」
そう言い残してツバメアマゾン(雄)は黒い液体となり、溶けてしまった。
ガンマはただ、それを見ていただけだった。
するとガンマの顔に冷たい感触が上から伝わってきた。
ガンマ「…………!」
空を見上げると待っていたかのように雨が降り始めた。
ガンマ「うぅ…」
ツバメアマゾン(雄)の言葉が頭から離れなかった。
シグナムたちのようにアマゾンである自分に優しく接してくれる人と管理局の魔導師たちのように味方だがアマゾンである自分を他のアマゾンたちのように軽蔑した目をした人がいる。
それだけでガンマの…リュイの頭は混乱してしまった。
ガンマ「うわあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
カニアマゾンのアマゾンレストランにて出会った【静かに人間と暮らしたいアマゾンたち】に続いて、【シグナムたちのような優しい人間と局員たちのように偏見を持つ人間、どっちが本当の人間なのか】という疑問が加わり、頭の中がパニックになり、何もかも分からなくなったガンマの悲痛な叫びが響き渡るのだった。