エンドレス・ストラトス 終わらない歌とお人好し   作:青の雲

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ちょっとシリアス?

それではどうぞ


人に頼ること

放課後

ノエルは整備室でゼロの機体チェックを1人で行っていた。

前のセシリア戦では大きなダメージはなかったが、ここはIS学園、授業でも日常的にISを使う為いくら機体にダメージがないとはいえ整備は欠かせないのだ。

 

「絶縁部2600問題なし…2700、2800、2900、共に問題なし。各システムも正常、シールドエネルギー…40%、…………自爆装置…問題なし…システムはどこも問題なし必要なのはエネルギーのチャージと、……これでよし 」

 

最後の仕上げとしてゼロをエネルギー供給の管を接続してノエルはゆっくりとゼロに近づきそっと手で優しく触れる。

 

「ゼロいつか自爆装置(これ)を使う時が来るのだろうか?…もしその時が来たら今度こそ………やっぱり何も言ってくれないんですね」

 

ゼロに向かって言っているのかそれとも単なる独り言か、その疑問に答えるものはいない。

 

ノエルが整備室を出て行こうとした時、音が()()()()…冷徹な機械音…殺人システムの起動音が…聞こえた。

 

 

ーーピッ

 

 

ーーピッ

 

 

ーーピピッ

 

 

「………え」

 

ノエルはすぐに動けなかった、本来なら今すぐ振り向いてゼロを確認しなくてはならないはずなのに。

頭でわかってても体がそれを拒絶した。

もし振り向いてゼロが動き出していたら、もしゼロの目に光が灯っていたら、もしZEROシステムが動いていたら。

ノエルは首をやっとの思いで振り向いた。

 

そこにはーー

 

ーーゼロはさっきと変わらない姿形でそこにいた。

 

「き、気のせ…い?」

 

ノエルは心底安心した。だがノエルの中にはなんとも言えない不安が心の中で渦巻いていた。

ノエルは不安に思いながらも足早に整備室を出ていくのだった。

 

 

ーーピッ

 

ーーピピピッ

 

ーーグオン オン オン

 

 

 

 

 

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教員室に戻って来てもノエルは先ほどのことで頭の中はいっぱいだった。

 

「あのー、ノエル先生ここの書類なんですがミスがあります」

「えっすみません!すぐに直します!」

「いえ私も慣れないときはよく間違ってましたから、それにしても珍しいですねノエル先生がミスだなんて」

「え、ええ…そう…ですね」

「…ノエル今日はもう帰れ、今日だけ特別に許す」

「千冬、私なら大丈夫「大丈夫じゃない、それと織斑先生だ」

「それにそんな状態でいられても邪魔なだけだ」

「……分かりました、先に上がります」

 

そう言い残してノエルは出ていってしまった。

 

「お、織斑先生何もそこまで」

「いいや、山田くんあいつはあれくらい言わないと動かんよ。それにもっと人に頼ることを教えてやらないといけない」

「人に頼る…ですか?」

「ああ、私もあいつの全てを知っているわけではないがあいつは人に頼らず自分でなんでも解決しようとしている、今も昔もな。だから誰かがあいつを支えてやらなければいつか折れてしまうだろう、だから教えてやらないといけない、頼ることをな」

「つまり織斑先生はノエル先生のこと大切に思っているんですね、よく分かりました」

「…山田くんの明日の仕事の量は3倍にしよう」

「ええ!そ、そんなぁ〜」

 

 

 

 

 

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私は先程千冬に言われたことを思い出しながら部屋に戻るために1人で寮の廊下を歩いていた。

時刻は既に8時をとっくに過ぎていて生徒達の大半も夕食を終えて部屋に戻っており寮の部屋の中からは楽しげな笑い声や女子ならではの会話が聞こえるものの廊下は対照的に静まり返っていた。

私もまだ夕食は食べてなかったが夕食を食べる気分ではなかった。

しかし食欲はないのに喉だけが異様に渇き近くにあった自販機で飲み物を買おうとすると自販機の横の椅子に誰がか座っているのに気づいた。

顔は伏せているので顔は見えなかったが小柄な体型でツインテールの少女は私はこの学園では1人しか知らなかった。

 

「鈴ちゃん?」

「……ししょー」

 

鈴ちゃんは目には涙を浮かべながらゆっくりと顔を上げた。

 

「話聞きましょうか?」

 

鈴ちゃんはゆっくりと頷いた

 

「その前に何か飲みますか?」

「じゃあオレンジジュース」

 

オレンジジュースを2つ買おうと自販機にお金を入れていざボタンを押そうとしたときそこに酷く不安そうな顔をした自分が写り込んでいた。

 

(はは、これじゃ千冬に酷い顔をしてると言われても仕方ない…な)

 

私は買ったジュースを鈴ちゃんに渡す。ジュースを開ける際プシュッといい音色を奏でるジュースを傾け2人してゴクゴクと一気に飲む。

 

「フゥ〜、それで何があったんですか?」

「それは……一夏が」

 

その後私は鈴ちゃんの話を聞いた、一夏が昔約束した事をよく覚えてなかったからというのが理由だそうだ。

 

「全く一夏は昔からああで!!私の気持ちにまぁったく!!気づかないし!!」

「……」

 

もうかれこれずっとこの調子である、だが日々溜まっていたストレスを全て吐き出せているようで良かった。

代わりに私のHPは減っていってるけれど…

 

「ふー、なんか色々言ったらスッキリした。一夏にはクラス対抗戦(リーグマッチ)で痛い目にあってもらうことにしたから、色々ありがとししょー♪」

「いや私でよければいつでも力になりますよ」

「ししょーもなんかあったらあたしを頼ってね。ジュースをありがとー」

 

そう言って鈴ちゃんは走って帰って行ってしまった。

相変わらずすぐに行動するところは昔から変わっていないようだ。

 

「頼って、か」

 

千冬にも言われた言葉がまた脳裏に蘇る。

頼ってもいいのだろうか。

こんな私でも。

 

ーーいつも私が答えを教えて欲しい時にゼロは何も教えてはくれない。

 

「人に頼っても…」

 

それ以上は考えても結論が出なかった、今は。

今日はもう寝ようと私は自分の部屋に今度こそ帰っていくのだった。

 




挿絵を一枚描いたんですけどなんか著作権に引っかかりそうなんでやめました。
せっかく描いたのに(泣)
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