エンドレス・ストラトス 終わらない歌とお人好し   作:青の雲

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今回更新が遅くなって申し訳ありません。
休み明けはやることが多くなかなか手をつけれませんでした。誠に申し訳ありませんでした。
これからもよろしくお願いします。

それではどうぞ


三拍子

ーー試合当日

 

あれからさらに1週間が経過して今日はいよいよクラス対抗戦(クラスリーグマッチ)

 

いかにクラスの結束が強いかで勝敗が別れる。

学園では1年間でたくさんのイベントが行われるがこのクラス対抗戦は特に人気だ。

その中でも今年の1年生は専用機持ちが例年より多いらしい、他学年ではそれぞれ学年に1人くらいの専用機持ちに対して1年生だけでも3人はいる。

そのため今回の試合は席は満員、通路まで生徒で溢れかえっておりアリーナに入りきらなかった生徒は外のリアルタイムモニターから観戦しさらに他学年からでも見にくるくらいだ。

 

ーー1組対2組

 

一夏と鈴ちゃんのクラスだ。

そして今回1番注目されている試合でもある。

私個人としてはどっちも応援したいしどっちにも勝ってほしいがこれはあくまで勝負。

勝負となったからにはどちらかが勝者になりどちらかが敗者となってしまう。

だが今回の勝負は正直鈴ちゃんが優勢だろう。

中国の代表候補生にして約1年足らずで代表候補生になった実力は本物だ。

それに比べ一夏はまだISの基礎中の基礎しか練習できていない、いくら《雪片弍型》があると言ってもまだ一夏には使いこなせないだろう。

 

 

 

ーーそしてついにクラス対抗戦第1試合が始まろうとしていた。

 

 

 

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「お、ようやく出てきましたか」

 

アリーナゲートから勢いよく出てきた一夏はすでに待っていた鈴ちゃんの向かいに立つ。

暫くしてアナウンスの指示が流れ2人はそれに従い空中で向かい合った。

距離は約5メートルくらいでしょうか。

鈴ちゃんのIS通称『甲龍』(シェンロン)ブルー・ティアーズと同様に非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)がよく目立つISだ。

調べたデータによると基本装備は『双天牙月』、『龍咆』、『崩拳』らしいまだどんなものか見た事が無いので詳しくは分からない。

さっきから何やら一夏と鈴ちゃんが互いに何かを言い合っているが聞こえない。

 

「織斑先生、2人はさっきから何を言いあってるんですかね?」

「山田くん」

「はい、回線を繋げますね」

 

ちなみに今私達がいるのはアリーナの教員用モニター室です。

私、千冬、山田先生はこれから行われる試合をモニター越しにじっと見ていた。

 

『一夏、今謝るなら少しくらい痛めつけるレベルを下げてあげるわよ』

『雀の涙くらいだろ。そんなのいらねぇよ。せっかくノエル兄にISの操縦技術を教えてもらったんだ、全力で来い』

 

一夏はこの2、3週間で驚くほどメキメキと実力をつけている、普通に考えては鈴ちゃんの圧勝だろうがもしかすると……

 

「一夏、頑張ってくださいね」

「なんだあいつの事が心配か?」

「ええもちろん。大事な大事な弟ですから、でも…私は一夏ならやってくれると信じてますよ。昔からそんな子でしたから」

「ふん、そんな事は姉である私が1番よく知っている」

「確かにその通りですね」

「そろそろ試合が始まりますよ。織斑先生、ノエル先生」

 

『それでは両者、試合を開始してください』

 

ビーッと機械的な音のブザーがアリーナに鳴り響きついに試合が始まった。

 

一夏は開始と同時に《雪片弍型》を展開するも ガキィィン!! という音と共に物理的な衝撃で弾き返された。

弾き返された時は冷やっとしたが何とかこの練習期間で習得した三次元躍動旋回(クロス・グリッド・ターン)で体制を立て直し鈴ちゃんの甲龍と向き合う。

 

「一夏、三次元躍動旋回はもうできるようになったんですね。よかった」

「お、織斑くん、すごいですね素人とは思えない動きですよ」

「ノエル、この短い期間で一体どうやってあいつにあれを覚えさせたんだ。あいつはISに関しては素人だったはずだ」

「確かに一夏はISに関しては誰よりも素人でした、だからこそ私は難しい作戦や戦術などは教えずにただISの操縦の仕方、基本操作、基本技術だけを教えました」

「そ、それだけであんなに変わるものなんですか?」

「山田先生、確かにそれだけではあそこまで動けないですよ。織斑先生はもうわかってますよね?」

「ああ」

「お、織斑先生わかるんですか⁉︎ それなら一体どうやって?」

「山田くん、あれはただ()()()()()だけだ」

「ええ、織斑先生の言う通りです」

「か、体ですか?ISとどんな関係があるんですか?」

「山田先生、人間の体というものは私達が思っている以上に頑丈で鍛えればそれなりのものになります。スポーツ選手や格闘家も日々自分達の体をトレーニングし強くしようとしますよね?あれと似たようなものですよ。ISはその安全性より今はスポーツの一種として扱われていますがそれを動かすのはあくまで人間、扱う人間が弱ければISも弱くなります。ですが千冬のように強い人間が扱えば強くなります。ここまではいいですか?」

「は、はい」

「もともと一夏は男性なので女性より体つきもがっしりしてますし少し鍛えればISの速度や圧力にも前回より耐えれるようになりあのような激しい動きも出来るようになったというわけです」

「成る程、分かりやすい説明ありがとうございます。ノエル先生」

「いえいえ」

 

山田先生に説明している間に結構試合が進んでおり現在一夏が見えない何かで吹っ飛ばされた直後だった。

その後も一夏は見えない何かで吹き飛ばされそのまま地表に叩きつけられて一夏は苦痛に顔を歪める。

 

「あれは…」

 

データに載っていた第三世代型()()『衝撃砲』空間自体に圧力をかけて砲身を生成し余剰で生じる衝撃それ自体を砲弾化して撃ち出すものーー

ノエルは兵器という言葉を思い出すと戦争の事を真っ先に思い出した。その直後ノエルの胸は締め付けられるような針で刺されるような感覚になりズッキン、ズッキン と激しく心が痛んだ。

 

(兵器か……まるで戦争でもしているような呼び方ですね、それにしても本当に自分で自分が嫌になる、……真っ先に思い出すのがコレ(戦争)だなんて)

 

「? どうしたんですかノエル先生、急にぼーっとして。心なしか顔色も悪そうですし。何処か具合でも悪いんですか?」

「え、ああ、すいませんちょっと考え事を」

「?そうですか。具合が悪くなったらすぐに言ってくださいね」

「はい、すみません」

「………」

 

千冬は何も言わずただ一瞬こちらに目を向けすぐにまたモニターを睨むように見つめた。

千冬の目は一瞬しか見えなかったがその一瞬の間でその鋭い目は はっきりと語っていた。

 

ーー嫌な予感がする

 

(…なるほど)

 

乙女の勘か、野生の勘か、千冬の勘は良く当たる、…悪い事にもよく当たる。

 

(出来れば平和に終わって欲しかったのですが…)

 

 

 

 

 

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一夏サイド

 

「ああ、もう!!《龍咆》は砲身も砲弾も目に見えないはずなのに!! なんで当たらないのよっ!!

 

そう、俺自身も驚いてる。

砲弾が目に見えないのはまだしも、砲身までも目に見えないのはかなりきつい。きついはずなのに避けれている!

 

「すげぇ、これが特訓の成果か!」

 

砲弾や砲身は相変わらず見えないがなんとか紙一重で避けれている。

 

「やっぱりノエル兄の言った通りだ」

 

 

 

1週間前

 

 

 

『一夏、今日からこのメニューを1週間やってもらいます」

 

そう言ってノエル兄に渡された紙には

 

ストレッチ

スクワット50×3回

腕立て伏せ50×5回

腹筋50×5回

ランニング5km

 

『ノ、ノエル兄これってごく普通の筋トレメニューじゃないのか?』

『ええ、そうですが』

『なんでISのトレーニングで筋トレが出てくるんだ?』

『ISの操縦は非常に体力を使います。さらにISは格闘技のように体にもの凄く負荷がかかるんですよ。例えそれが絶対防御に守られていたとしてもね』

『ノエル兄、俺は筋トレよりも立ち回り方や遠距離攻撃の練習をしたいんだけど』

『遠距離攻撃ですか……』

 

ノエルは後ろにある的を見る。

そこには綺麗に真ん中に穴が空いてーー

 

 

 

 

ーーはいない。むしろ大きく真ん中からずれてしまっている。

 

『あれでは1週間で使えるようにするのは無理ですね、諦めてください。第1に一夏のISではこれ以上武器が使えないじゃないですか』

『そ、そんなバッサリ。まぁ、そうだけど』

『一夏には一撃必殺の立派な武器があるんですからそれに集中した方が良いんですよ。それとこれは私からのアドバイスですが…一夏、あなたはISを使ってどうしたいんですか?』

『ISを使って、うーんそうだな…まだよく分かんないけどとりあえず俺はこの力で千冬姉を、箒を、鈴を、関わる人をーー守る、守りたい』

『…一夏、関わる人全てを守るのは生半可な覚悟では出来ませんよ』

『ああ、分かってる。今は無理でもいつか俺のこの手でみんなを守りたいんだ。もちろんノエル兄もな』

『じゃあもっともっと強くなるため練習メニューを倍にしましょう』

『え………ノエル兄、冗談だよな』

『いいえ ♪ 本当です。さっやりましょうか ♪』

 

それから起こった事は一夏によるともう思い出したくないそうだ。

 

 

 

 

「うう、思い出したら気分悪くなってきた。……試合に集中しよう」

 

その後も一夏は三次元躍動旋回を器用に使いギリギリではあるが直撃はなんとか避けていた。しかし相手は中国の代表候補生、一夏が予想以上に動ける事に驚きはしたが所詮そこまで慣れてしまえば問題ない。中国にもこれぐらいの相手もしくはそれ以上の相手などゴロゴロいただろう、代表候補生という肩書きは伊達ではない。その証拠に徐々に衝撃砲の砲弾が一夏に掠り始めていた。

 

(まずい、どんどんシールドエネルギーが削れて…やるしかないっ、後は気持ちの問題だっ!)

 

「どうしたの一夏!避けてるだけじゃ勝てないわよ!」

「鈴」

「なによ?」

「本気で行くからな」

「な、なによ……そんなこと、当たり前じゃない……。とっ、とにかくっ、格の違いってのを見せてあげるわよ」

 

この1週間、体を鍛えた事によりさらに強力になった俺のとっておき。『瞬間加速(イグニッション・ブースト)

うまく使えば代表候補生クラスとも渡り合えるものである、これは一夏のこの数週間の練習の成果である。

 

「うおおおおおおおっ!!!」

 

この奇襲は一回しか使えない。だからこそ《雪片弐型》のバリアー無効化を同時に放つ。

これが決まらなかったら一夏の負けだろう。

だからこそこれは外せない。

もう少しで一夏の刃が『甲龍』に届く。

 

とった(勝った)っ!!)

 

ーーその刹那

 

 

 

 

 

 

ーーパリッ

 

 

 

 

 

 

ーーズドオオオオオオオンンッッ!!!!!

 

 

 

何者かがその試合を妨害した。

 

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