エンドレス・ストラトス 終わらない歌とお人好し   作:青の雲

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お久しぶりです。
今回、ついにZEROがーー

今回話の内容がちょっと薄いかもしれませんが挿絵を描いたのでどうかお許しを

それではどうぞ。


コードZERO ※挿絵

どうも皆様、ノエル・ピース でございます。

前回謎のISが学園内に侵入し一夏のピンチに私がゼロと共に来たところで終わりましたが、侵入して来たISはどうもキナ臭いですね。

アリーナのバリアーをいとも簡単に破壊する攻撃力、頑丈な装甲、誰もが作れる様な代物じゃありません。

何より今まで静かだったゼロが反応した事、一体何が起こっているのやら。

それでは話の続きそろそろ始めましょうか。

 

ーーお人好しの物語をごゆっくりとお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナに開けられた風穴から入ってくる外の風がゼロの厚い装甲をそっとなぞっていく中 IS学園は平穏とはかけ離れた状況にあった。

男は見つめる、この学園に侵入し平穏を破壊したISを。

謎のISは見つめる突如現れ瞬く間に自分を蹴り落とした白いISを。

互いに観察しあい相手の情報を出来るだけ多く取り込む、その上で有効な手段を取っていく。これは戦いにおいて常識だ。

男はゼロから送られて来た情報と自身が見て得た情報を照らし合わせ1つの結論を出した。

 

「あの装甲、相当硬いですね。…おそらく『マシンキャノン』で破壊は無理ですね、ならッ」

 

そう言って男ことノエルが取り出したのはゼロの副翼に付いていた小さな筒の様なものだった。

その筒を取り出した次の瞬間その筒からは薄い青色の剣の様なものが出ていた。

その剣は相当な熱とエネルギーを放出している様で、剣の周りの空気は歪み小さな蜃気楼の様なものが発生している、さらに時々紫電が発生している様で電気がはじける様な音が聞こえる。

それはまさにビームのサーベルの様だった。

ノエルが一度サーベルを軽く振るうと後から ブォン と重く鋭い音が聞こえてくる。

 

「殲滅開始…」

 

ノエルはそう言うとゼロの副翼を大きく動かし最大出力までバーニアを吹かした。

ノエルは真っ直ぐと敵に向かう。その時のスピードは『瞬時加速』に少し劣るぐらいであった。

ここで漸く敵が動く、両腕を此方に向け超高密度のビーム砲を放って来た。幸か不幸か相手は先程から同じ攻撃しかしていない、つまり相手はあのビーム砲と頑丈な装甲しか持ち合わせていない様だ。

しかしそれだけでも十分な攻撃力を持っている、直撃すればいくらISを纏っているからといっても危険だ。

 

 

 

 

ーーならどうするか?

 

 

 

 

 

ーー簡単だ、()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

一夏サイド

 

『一夏』

 

ノエル兄が薄い青色の剣を出しているのを見ていると急に千冬姉が『個人回線』で繋いできた。

一夏って呼ぶってことは今は姉モードか?

 

『どうしたんだ千冬姉?』

『あいつの、ノエルの戦いをよく見ておけ。お前の手本になるはずだ』

 

ノエル兄の?戦いを?

 

『あいつが一体どこであれだけの技術を身に付けたのかは知らないが、あいつの戦闘スタイルはお前と同じ一撃離脱だ。こんな機会は滅多にないぞ、よく目で()()耳で()()()おくことだ』

『ああ、わかった千冬姉』

『それと、あいつの事が心配か?』

 

あいつ?もしかしてノエル兄の事か

 

『千冬姉は心配なのか?』

『うむ、…お前がてっきり心配してるかと思ったがその様子じゃ杞憂だったみたいだな』

『ああ、ノエル兄が大丈夫って言ったんだ。なら大丈夫さ、だってノエル兄が出来なかったことなんて無いからな、俺はノエル兄を信じるぜ』

『フッ、そうだなあいつの事だ すぐに勝ってふらっと帰ってくるさ』

 

そうだな、ノエル兄が負けるなんて考えられないもんな。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ノエルは現在ゼロの大きな4枚の翼を最大限までに広げ此方を墜とさんと向かって来るビームの暴風雨の中を突き進んでいた。

謎のISに向かって超スピードで飛んではいるがゼロの装甲に今の所傷はない。敵の攻撃が全く当たってないという訳ではない。今も敵のビームはゼロの主翼に当たりひときわ大きな光を放ち消えいくそれはまるで蝋燭の最後の灯火のようだ、そして当然のようにゼロの主翼にはダメージは見受けられない。

ゼロが硬いという事もあるがノエルはただがむしゃらに相手に向かっている訳ではない、その事に何人気づいているだろうか。

前回のセシリアとノエルが戦った時セシリアはノエルがハイパーセンサーでも捉えきれないスピードで消えたと思っていたがそうでは無い。

セシリアのIS『ブルー・ティアーズ』のハイパーセンサーはしっかりと彼の姿を捉えログにも残っている。

彼は圧倒的なスピードで飛んだのではなく技術で動いているのだ。

人間は素晴らしい能力を持ってはいるがそれを使いこなす事はできない、また人間の脳は錯覚を起こし現実とは違うものが見える事がある、動いていないものが動いているように見えたり、トリックアートもその類だ。

セシリアがノエルの動きについてこれなかったのはノエルが錯覚を起こす飛び方を行い人間の死角をうまく使っていたからだ。

しかしこれが効くのは錯覚を起こす人間の脳だけだ。ノエルは先程からこの技術を使っている、本来なら相手の脳は錯覚を起こしノエルを見つけるのが遅れるはずなのだがーー

 

「敵の反応がどんどん上がって来ている…やはり機械じゃ効きませんか」

 

そう、相手は機械 その為人間にしか効かないこの技術は効かないようだ。

 

(相手が人間らしい動きをするから効くと思ったんですがねぇ、それに攻撃が厳しくなってッ)

 

相手は機械、人間よりも覚える事は早いし効率的だ。相手は徐々にノエルの動きを見切り始めていた。

 

(近づくのも厳しくッ なって来ましたか、これ以上学習させるのはまずい!)

 

ノエルは両肩にある『マシンキャノン』を撃ち煙幕を作った。謎のISは煙幕を消す為その大きな腕で周りを薙ぎ払い風を発生させ煙幕を一瞬で消したが、消した先にノエルの姿は無く、その後謎のISのセンサーに反応があった。

センサーが警告する場所はーー

 

 

 

 

ーー謎のISの後ろ。

 

 

 

 

「さよなら、謎のISさん」

 

 

 

刹那そんな声が後ろから聞こえる。謎のISは右腕を有り得ない方向に曲げ振り返る事なくビームを撃とうとしていたが、曲げた先に腕は無くただ肘を曲げただけであった。

後から遅れて ガシャンッ と重い金属で出来た片腕が重量感のある音を出しながら地面に落ちた。

ならば足をと出す前に両膝の装甲の間を斬り裂かれ膝は吹き飛び辺りには破片が飛び散った。もう立つ事も許されない、謎のISは芋虫の様に地に這い蹲り頭を潰されるのを待つのみであった。

ノエルが圧倒的な熱量を今尚放ち続けているビームサーベルを振り上げ勝負が決まる瞬間ーー

 

 

 

 

「一夏ぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!」

 

キーンと耳に響くハウリングを残しながら聞こえるこの声はーー

アリーナの中継室を見るとそこには 篠ノ之 箒 が生身の状態でそこにいた。

 

「一夏ッ! 怪我はッ! 大丈夫かッ!!」

 

すでに勝負が決まったのかと思ったのか箒は一夏の事を考えると居ても立っても居られないかった様だ。

しかしまだノエルはトドメを刺してはいない、今尚謎のISは稼働している。

もはや虫の息だったISは箒の声を聞いた瞬間3つのセンサーレンズを怪しく光らせ、残っていた片腕を中継室に向け最大出力形態に変形させて最後の悪あがきと言わんばかりに今まで撃っていたものとは比べ物にならないほど強力なビームを中継室に向け撃った。撃ち出されたビームがよほど強力だったのかビームを撃った謎のISの砲身は煙を上げ焼け焦げていた。

 

「なッ! まずい!!」

 

ノエルは不覚にもビームを撃ち出す隙を作ってしまった自分を攻めながら謎のISにトドメを刺して撃ち出されたビームを追う。

あのまま中継室に当たれば骨も残らず消し飛ぶだろう。それだけは阻止しなくてはいけない。

さらに悪い事にあの中継室にはあと2人人間がいる。

どうやら箒が中継室に入る際にドアに当たったのだろう。このままでは3人の人間がこの世から消える。

 

「間にッ 合えぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

ノエルはゼロの最大出力で向かっているが、ビームの速度が速い事と撃ち出されてから追うまでに結構なラグがあった事で未だに追いつけてはいない。

 

(駄目だこのままでは追いつけない! どうすればッ )

 

ーー着弾まであと50m

 

ノエルには1つだけ、機体性能を大幅に上げる奥の手があった。

しかしノエルはこれを使う気は無かった。

それは余りにも凶悪な為かそれともトラウマを避ける為か。

ノエルは使いたく無かった。

しかし時間は着々と進んでいく、このままでは3人の命が儚くあっという間に消えてしまうだろう。

 

(…使いたく無い、でも使わなければ…3人の命が、……くぅ)

 

ーー着弾まであと40m

 

迷っている時間はない、ちらりと一夏達の方を見ると一夏は大きな口を開け何かを叫んでいる、鈴は顔を青ざめたまま固まっている。

一夏はとても他人思いの人間だ。このままでは箒の間に入り込み自分を盾にして守るだろう、しかしそれでは一夏が無事では済まない、当たれば『白式』のシールドエネルギーを一瞬で0にし 一夏を貫く。あのビームにはそれだけの威力がある。

 

ーー着弾まであと30m

 

ついに一夏が動き出した。

 

このままでは最悪の未来が成立してしまう。

 

ーー着弾まであと20m

 

ノエルはーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーコードZERO」

 

 

 

 

 

 

 

一言、たった一言そう呟いた。

 

次の瞬間ゼロがZEROへと変わった。

胸部のエメラルド色の部分が大きく発光し、更に グォン グォン グォン とエンジン音の様な音が鳴り響く。

その音は喜びの様な 歓喜の叫びに聞こえた。例えるなら、親からお許しを貰った幼い子供の様なーー

 

ZEROことノエルは先程とは比較にならない程のスピードを出した。

スピードが上がる度に機体は軋み、操縦者には相当な負荷がかかっていた。

 

ーー着弾まであと10m

 

この時点で箒は既に目を瞑りこれから来る衝撃に備えている。一夏は箒の元へと向かっている様だが到底間に合わない。

 

 

 

 

ーーウォォォォンンッッ!!!!

 

 

 

 

まるで生き物の咆哮の様な音を出しながらZEROは手を伸ばす。

 

ーー残り5m

 

ーー4

 

ーー3

 

ーー2

 

ーー1

 

ーー0

 

 

 

「箒ぃぃぃッ!!!!」

 

一夏の悲痛な叫び声が振動で揺れるアリーナを満たす。

 

徐々に煙は消え始め、周りが騒がしくなる。

 

其処にはーー

 

「ハッ ハッ ハァ……3名の生存を確認…主翼一部破損…くぁ カハッ…ッ」

 

煙から現れたのはゼロだった。今はもう胸部からはエメラルド色の光は出ておらず、あの音も出てはいない。

 

「ノエル兄!! 箒は!!」

「一、夏 大丈夫です。気絶してるだけですよ。後ろの2人も大丈夫ですよぉ…ぉ」

 

そう言ったノエルは膝からぐしゃりと崩れ落ちた。その際 ギギィッ と錆びた金属が擦れる様な音が鳴りそれを最後にノエルの意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

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